潮「あの、北上さん…、それ…」  北上「え? ゼクシィだけど」 (39)

『緊急放送! 緊急放送! 直ちに総員執務室に集合! 繰り返す…』


北上(…!!??)


執務室


北上(…朝っぱらから緊急招集かけてきたから何事かと思ったけど)


北上(特に何も起きてないじゃん…、飛び起きて来て損したよ…)


潮「あのー、北上さん…」


北上「ん、どうかした?」


潮「お、おはようございます…」


北上「……あのさ潮、さっきのって全艦娘に招集かかってたよね?」


潮「は、はい…、多分…」


北上「なーんかさ、集合率悪くなーい? 来てるのって伊勢に日向に妙高に…」


潮「青葉さんに高翌雄さんに…、ああ後、隼鷹さんもいますね…」


北上「おまけに肝心の提督が来てないってゆーね」


潮「あっ…、でも長門さんと大淀さんが来ましたよ」


長門「…良し!、雪風以外はそろっているな!」


北上(…?)


長門「えー、諸君!、今朝は悪い知らせしかない!!、だから予め覚悟して聞いてほしい」


北上「……」


長門「まずは聞くよりも見た方が早いだろう!、これを見てくれ」


BEP「手紙?、いやでもなんでこんなに大量に…」


伊58「100枚はあるでちね」


長門「慌てるなよ、よく聞け、いいか…」


長門「これは、辞表だ…」


長門「ここにいる我々以外は皆、結婚し、退職する次第となった」


一同「……」


一同「はああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!???????」







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利根「え、え、え…」


高雄「あ、あの、それって」


長門「だから落ち着けと言っただろう!、落ち着いて今ここにいるメンバーを見てほしいんだ」


北上「…生存艦、だねぇ」


酒匂「いや、でもそれが何の…」


伊58「ほかの奴らは男に沈んだでちか…」


隼鷹「洒落にもなってねえ!」


大淀「もしかしたらこの現象には何か史実との関連性があるかも、ということです」


妙高「あの、それで提督は…」


長門「この案件は提督(12)には荷が重すぎるだろうという事で伏せてあるんだ」


潮「な、なるほど…」


青葉「あのー、今さらなんですけど、これから鎮守府の運営…、どうするんですかね…」


長門「だから、そのための作戦会議だ!」


大淀「じゃあ、まずは提督が帰って来る前に場所を変えましょうか」


鳳翔「じゃあ食堂とかは…、ゆっくり話し合うのには最適でしょうし…」


妙高「…じゃあ、そうしましょうか」


北上(……)


北上(……………) 


潮「あ、あの、北上さん?」


北上「…あ、ああ、ごめん、何?」


潮「…そ、その、動転しているのは分かるんですけど、み、みんな行きましたし、あの…」


北上「ああうん、分かった分かった、でさ、潮」


潮「…はい?」


北上「潮はこの話誰かから聞いてたの?」


潮「は、はい!?」


北上「いや曙とかさ漣とかさ朧から」


潮「あ、ああ、それは聞いてませんけど…」


北上「ふーん、そっか」


北上「ごめんね、変なこと訊いて、じゃ、行こっか」

食堂


隼鷹「だからさあああああ、悔しくねえのかって、ヒック、私は!、訊いてるんだよ、妙高!!!!!」


妙高「は、はい!?」


高雄「そうよ!!ここはね!!負け犬の集まりなの!!、分かる!?、分かるわよねえ!?、分かるって言いなさいよおおお!!!」


伊58「六人分が一人六人分が一人六人分が一人六人分が一人疲労度疲労度単艦囮…」ブツブツ


酒匂「あ、あの、青葉さん?」


青葉「…人間って何のために生きてるんでしょうね」


酒匂「青葉さん!?」


BEP「とにかく強いやつを…、おねがい」


大淀「…だ、大丈夫なんですか!?」





北上「ねぇー、鳳翔さん」


鳳翔「はい?」


北上「なぜに今アルコールを入れたし」


鳳翔「こういう時は吐き出した方がいいんですよ」


北上「リスクは高いと思うけどねぇ」


鳳翔「まあ、ここくらいなら爆撃されてぶっ飛ばされても…、そういう計算の内です」


北上(計算の内、か…)


鳳翔「飲まれます?」


北上「いや…、いいよ」


北上「だって、ねえ」チラ


潮「あ、いえ、どうぞ、お気になさらずに…」カタカタ


北上「私まで理性飛んだら、まずいでしょー、潮、酔っ払いの相手とかいかにも無理そーだしさー」


鳳翔「まあ、確かに、完全にあの酔っ払い軍団に脅えてますしね…」


北上「じゃあアイスティーもらえる?、なんかそーゆー気分」


鳳翔「ええ、大丈夫ですよ」ニッコリ


潮「じゃあ、あの、私は、オレンジジュースを…」


北上「…」ププッ


潮「わ、笑わないでください!!!」

北上「ねーねー、うしおー」ニヤニヤ


潮「な、なんですか!?」


北上「潮はおこちゃまでちゅねー」


潮「な、な…」


北上「ねーねー、うしおっぱーい」ニヤニヤ


潮「バ、バカにしてるんですか!?」


北上「いやいや面白いねー、うしおっぱいは」アハハ


潮「だから、その、あの、は、破廉恥な呼び方をですね」


北上「…どうよ?、少しは落ち着いた?」


潮「えっ、あっ」


北上「うしおっぱーい!!!」アハハハハハ


潮「もう、何も言いませんからね!」


鳳翔「はい、アイスティーとオレンジジュース」


北上「おっ、サンキュー」


鳳翔「楽しそうですね、ほんとに」クスクス


潮「違いますから!!」


北上「そうだ、うしおっぱーい、アイスティー飲む? 大人になれるよー」チラリ


鳳翔「……」ニッコリ


潮「ええっ!?、いや、遠慮しとき…、ます…」


北上「……まっ、いっか、じゃ、いただきまーす」


潮「もう、なんなんですか…」


北上「でさー、潮、ちょっと提案があるんだけど」


北上「こっそり、ここ抜け出そうか」


潮「はい!?」


北上「まあいいじゃん、外の風にあたりたいし」


北上「ねーねー、行こう、うしおっぱーい」


潮「わ、分かりましたよ!、すぐ戻りますからね!」


鳳翔「………いってらっしゃい」


潮「で、外に出ましたけど」


北上「じゃ、行こっか」ヒョイ


潮「って、え、え、何を…」


北上「何って、お姫様だっこだけど」ケロリ


潮「いや、あの、その」


北上「いやー良くない?、ゼクシィの表紙みたいでさー」


潮「良くないですっ!、ってあの…、北上さん?」


北上「北上走りまーーーーーす」ダダダダダダダダ


潮「って、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


執務室前


提督「…クソッ、開かねー、開かねーぞ!!、なんなんだよ!」


提督「雪風!、ドアぶっ飛ばせるか!?」


雪風「対戦車用シェルター加工のドアなんていくらなんでも…」


ダダダダダダダダ


提督「!!??」


雪風「!!??」


北上「やー、お待たせぇ、お困りのようで、提督さーん」


潮「空が、空が回ってますう…」グッタリ


提督「北上…、なんだ、その、格好は…」


北上「ああ、これ?、潮が足ひねっちゃって」


潮「……」グッタリ


提督「そ、そうか…」


北上「じゃっ、ハイパー北上様の力を見せてあげようか」ゴゴゴゴゴ


雪風「待って!、待ってください、それは!、それはダメです!」


北上「なーに、じょーだんじょーだん」


北上(えらく焦るねえ…、やっぱり私の予想は当たってたのかな)


北上(勝負に出るか)


北上「あのさ、提督、話があるんだけどー」

提督「話ってなんだよ!?」


北上「ちょっと耳貸して」ゴニョニョ


提督「…!!」コクリ


北上「まー、だからとにかく食堂に行きなー、でも怖ーい酔っ払いがいっぱいいるから、とりあえず裏口から様子を伺ってみて」


提督「…お、おう、分かった!!、じゃあ行ってくるぜ!!」


雪風「…北上さん、何言ったんですかあ? 提督頑固だからなかなか諦めてくれなくて…」


北上「まーまーいいじゃない、後さ雪風、潮を食堂まで曳航してもらえない?」


雪風「は、はあ、いいですけど…、じゃあなんで連れてきたんですか…」


北上「まー、酔わせて潰すため?」


雪風「きつい冗談ですね…、まあ分かりました、任せてください!!」


提督「待て!」


雪風「!!??」


北上「!!??」


提督「潮は俺が曳航する!!」


雪風「は、はあ!?」


提督「やっぱ北上には負けたくねーし、俺、男だから雪風一人とかに持たせたくねーし」


雪風「し、しれぇ…」


北上「いやー、提督ー、流石にそりゃ無理だよ、まだ子供なんだしさー」


提督「ううう…、よいしょっとおおおお…」ガクガク


北上「…雪風、急いでフォローに」


雪風「はい!、あの、さっきは北上さんグッジョブでした!、感謝です!」


北上(グッジョブ…、ねえ)


提督「クソッ、なんだこいつ!、クソ重ぇ!」


雪風「しれぇ、それは女子には絶対言っちゃダメな言葉です!!!」


提督「そして、なんかやわらけえ…」


雪風「しれぇ…、それは公共では絶対言っちゃダメな言葉です…」


北上(なんか不安だなー、あれ…)


北上「でーさー、そこの君ぃ、盗み聞きはどんな気分? ま、さ、か、ばれてないとでも思っちゃったりしたのかな?」


???「……!!??」

北上「執務室の鍵が閉まってたよね、私たちが最後に出たはずなのにおかしいよねぇ」


北上「これから導き出せる結論は一つ!、執務室周辺に誰かが張っていたってこと、だよねえ、床下の君ぃ!」


???「な、なんで?、私は完璧に隠れていたはず…」


北上「32号電探でもバレない位に完璧に隠れた?」


???「え、え、え!!!???」


北上「滅茶苦茶走り回って潮を潰すついでに工廠から取ってきてやっぱり正解だったなー、でしょー、葛城ちゃーん?」アハハ


葛城「あ、あの、おはようございます…」


北上「もう昼だよー」


葛城「こ、こんにちは…、あ、あの、私、全然事情を知らなくて…」


北上「ただドアの鍵を閉めろ、って言われただけなんでしょ?、どーせ」


葛城「は、はい!、そうなんです!」


北上「で、それは、誰に頼まれたのかなー」


葛城「…それは、言えません、私にも航空母艦としての…」


北上「ごーれーんーそーおーさーんーそ」


葛城「ごめんなさい!、本当にごめんなさい!、鳳翔さんです!!、鳳翔さんに頼まれましたあああ!」


北上(やっぱり鳳翔さんは黒か…、厄介なことになってるなー)


北上「良し、じゃー、得るべき情報は得たし、葛城ちゃんがリークした事は黙っててあげるよ」


葛城「ほ、本当ですか!?」


北上「ただし、三つ、条件がある」


北上「一つ、私の事は誰にも言わない事  二つ、私に一度執務室を確認させる事」


北上「三つ、鳳翔さんにこのメモを渡す事、まあこれは別にいつ渡してもいいよー」


北上「ね? 意外と簡単でしょ?」


葛城「分かりました、それを飲みましょう…」


執務室


葛城「『大井 辞職願』、『阿武隈 辞職願』、手紙二通だけしか執務室から取らないんですか?」


北上「まーね、これだけありゃ足りるよ」


北上「そーいやさ、鳳翔さんからの葛城ちゃんの任務報酬はなんだったの?」


葛城「えーと空母の先輩方との個別指導を融通してくれるらしくて…」エヘヘ


北上「…そっか、がんばれ、じゃあお互いのためによろしくね」

寝ます

おやすみ

食堂


利根「ここは、朝10時から11時までの一時間!!、頂きじゃあ!!」


青葉「私は、昼3時ですかねー、取材もしやすいですし」


妙高「で、でしたら私は夕方の5時から一時間を頂きましょうか…、料理もしてみたいので…」


BEP「…深夜0時から、一時間」ボソッ


一同「!!??」


一同(…これは深夜もイケるノリだっ!)


隼鷹「そっかー、深夜攻めるかああああ!!、なら、深夜2時からの一時間をもらうぜ!!!!」


酒匂「じゃ、じゃあ深夜3時から!!」


高雄「ここは、敢えて、朝六時から」


伊勢「あっ、昼1時から一時間で…、でもこれ提督はいつ寝るのかしら…」


伊58「んなもん、一時間寝れば余裕でち!!! 朝7時から一時間!!」


日向「では、深夜1時から一時間、頂こうか」ウム





裏口


提督「おい、どうしたんだよ、雪風ー、早く行こうぜー」


雪風「しれぇ、雪風はしれぇにはいつまでも純粋なままでいて欲しいんです…」


提督「な、なんなんだよ…、つーか俺もう、背中つりそうなんだけど…」プルプル


潮「……あれ…、私」


提督「や、やっと起きたか!、潮、もう大変だったんだぜー、だってさー」


潮「そ、そうだ!、北上さん!!、北上さんは!?」


雪風「そ、それなら…」


ダダダダダダダダ


雪風「あれは…、北上さん、それにあれは!?」


榛名「逃がしませんからああああ!!!!!」ダダダダダダダダ


プリンツ「……」ダダダダダダダダ


呂500「何これ!、ちょー楽しい♪」アハハ


北上「なんなんだよ、お前らあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」ダダダダダダダダ


潮(あの人達は、バカなんですかね…)

潮「あの…、北上さん…、これ…」


提督「おい!、何、仲間通しで喧嘩してんだよ!、いけないんだぞ!」


榛名「て、提督!?、な、なぜ、ここに!?」


雪風「み、身の安全を考慮してですね…」


提督「…説明」ジトー


榛名「あ、え、えーと、私は北上さんが勝手に電探を盗っていくのをたまたま見かけて、そしたら…」


呂500「プリンツがビューーーーーーンって走ってきたから、なんかノリ?、で追いかけちゃったんだよねー」


榛名「非常事態だと思ったんです!、そんな別に気分とかそういう訳では…」


北上「つーかよく考えたら珍しい組み合わせだよねー、工廠で何してたの?」


呂500「ごはん食べてー、将棋の山崩ししてー、ゴロゴロしてー」アハハ


提督「」


潮「…北上さん、あの、少し訊きたいんですけど」ボソボソ


潮「プリンツさんに何したんですか…?、さっきからあの明るいプリンツさんが無言で怖いんですけど…」


プリンツ「…」


北上「あ、あー、うん、まあね…」


提督「つーか、雪風、いい加減そろそろ食堂行こうぜー」


雪風「…分かりました、もうどうなっても知りませんからね」


雪風「…潮さん、榛名さん、北上さん、提督の提督を死守しますので四方を」ボソッ


北上「りょーかい」


榛名「死守?、何からですか?」


雪風「まあとりあえずみりゃ、分かりますよ…」


北上「じゃ、いこっかー」スタスタ


プリンツ「……」スタスタ


北上「……」スタスタスタスタ


プリンツ「……」スタスタスタスタ


北上「……」スタスタスタスタスタスタスタスタ


プリンツ「……」スタスタスタスタスタスタスタスタスタ





北上「…分かったよ、私が悪かった!、私が悪かったからさぁ!!」

食堂


高翌雄「あーあー、こちら高翌雄、敵艦隊を発見せり、大至急発砲許可を求む」


隼鷹「あーこちら隼鷹、艦載機も出して良いっすかー?」


BEP「…よろしい、許可する」


妙高「いや、なんであなたが許可してるんですか!?」


日向「大日本帝国海軍たるもの、誇りにかけて引いてはならない時もある!」


伊58「んなもんとっくに忘れたでち!、もう面倒事は嫌でち!」


青葉「いや、それ忘れちゃダメでしょ」


利根「とにかく提督を渡すのじゃー!、我々は断固引かぬぞ!」





雪風「嫌です!、提督は正しい目的で使用して下さい!、あなたたちの下心の餌食にはさせませんから!」


提督「ったく、さっきから何揉めてんだよー、ってうわっ!!!」ヒョイ


北上「はいはい提督はおやすみの時間でちゅから、耳と目を塞ぎまちゅねー」


呂500「えー提督、お昼寝ー?」


北上「ああ、強制的にな」


提督「…!!!、…!!!!」ジタバタ


榛名「まあ…、やむなしですね…、後で膝枕でもしてあげましょう…」





一同「ひ、ざ、ま、く、ら、ぁ!?」


BEP「これは許されない」


利根「総員、戦闘配置ぃ!!!」


高翌雄「了解!!」


青葉(この人達…、緊急事態だったはずなのに楽しそうだなあ…)


隼鷹「戦争だ、戦争だぁ!」


酒匂「…助太刀します」


妙高「これは…、どうすれば…」





長門「おい!!、お前らぁ!!!!!!」


一同「…!!??」

長門「何をやっている、味方に向かって銃を構えるなど!! いいか?、お前らには帝国海軍としての自覚が…」ガミガミ





高雄「8時方向より何か聞こえますが如何いたしますか」


BEP「どうせ鳥の囀りか何かだろう、黙殺して構わん」


伊勢「当作戦は続行! 繰り返す! 当作戦は続行!」





雪風「私が前線に出ます! みなさんは退路の確保を…」


榛名「はい、私に任せて下さい! 私の部屋に安全に避難させますので!」


雪風「クソっ…、普通に誰も味方がいねぇ…」


呂500「おっ、戦うのお?、へいへーい、やって見れるもんならやってみな!」エヘヘ





長門「もうダメだな…、制御は諦めるべきか…、なあ大淀」


大淀「……」


長門「大淀?」


大淀「お、お、おい、お前らぁっ!!」





一同「……え?」





大淀「な、何、み、味方に銃構えてんじゃあ、お、おらぁ!、じょ、上官命令違反で射殺するぞぉ…!」


長門「いやそのお前が味方に銃を構えたらダメだろ」


大淀「ああっ…」


長門「慣れない事をするなよ、しかし、ほら見ろ、みんなあっけにとられて黙ってしまった」アハハ


大淀「えっ?」





隼鷹(なんかすっげー罪悪感だな…)


利根(あの大淀にあそこまでさせるとは…、吾輩たちは軽率がすぎたのじゃ…)


青葉(…明日の見出しは、『プンスコ可愛い、大淀(笑)』とかですかね、一応記事起こしとこ)メモ


北上(いやー傑作だったなー、しばらくはこのネタででいじるか)


榛名(可愛く怒るのはステータスですね…、今度部屋で特訓して提督に使わせてもらお…)ウェヒヒ

長門「という訳で、皆落ち着いたようだな、なんにせよ安心だ」


長門「あのまま話し合っても悲壮感が増すだけだったしな…、だからといって騒ぎすぎるのは良くないが」


長門「まあ、しかしそれも私の責任…」





雪風「…で、なんの用なんですか、さっさと要件を言ってください」


長門「」


潮「あわわわ…、雪風さんどうしちゃったんですか…」


北上「艦娘だもの、たまにはカリカリする時だってあるよ」


長門「あ、ああ…、その改めて皆で詳細を詰めるために作戦会議を開こうと…」


提督「は、はあっ!?、何勝手に決めてんだよ!、俺は提督なんだぞ!、作戦会議の主催権は全部俺にあるんだぞ!」


長門「…あっ」


提督「つーか、改めて、って何?、おい説明しろよ!」


北上「へいへいへい、長門くーん、ちょっと私もよく分かんないだけど説明してくれなーい?」アハハ


長門「」


大淀「ま、まあ、今回は当初より提督も交えての予定でしたし…」


長門「そ、そうだな!、まあ皆訊きたい事は山々だろうが、とりあえずそれは執務室に移動してからだ!、いいな?」





妙高「…分かりました、このまま騒いでても何にもなりませんし」


BEP「提督分断会議も兼ねて…、か」


青葉「もう私は突っ込みませんからね」


酒匂「うおおおおおおおお!!!!、燃えてきたああああ!」


青葉「突っ込みませんからね…」





潮「じゃあ、私たちも行きますか…」


雪風「しれぇを死守してやります…、死守です…、絶対に…」


北上「そだねー、じゃっ…」ガシッ


プリンツ「……」ガッシリ


北上「……」チラッ


鳳翔「……」ニッコリ

北上「あ、あのー」


プリンツ「……」


潮「…ど、どうしたんですか?」


鳳翔「北上さんも良い娘だったらよかったんですけど…」


北上「……!!」


鳳翔「もう…、勝手に入っちゃいけない所に入ったり、人を脅したりしちゃ駄目ですよ…?」


北上(どこで知りやがった…、つーか現在進行形で人を脅しといてよく言うよ…、全く)


潮「あ、えっと…」


鳳翔「北上さんには今から私からきつーーーーーーく言っておきますから、あなたたちは会議に行きなさい」


雪風「北上さんは悪い事してませんよ!、むしろさっきのあいつらが…」


鳳翔「大丈夫です…、分かってますから…、だから早く行って提督を守ってあげて…、長門も不安だし…」


雪風「了解です!、さっ、潮さん、行きましょう」


潮「あ、う、うん」タッタッ





北上「おー、行ったか、行ってしまったか…」


北上(これは逝ったわ)


北上「ほら、きつーーーーーーーーーーーく言ってみなよ、寝ながら聞くからさ」


鳳翔「……」ニッコリ


鳳翔「じゃあ、二人っきりのデート、楽しんでくださいね?」





ギギギィーーーー、バタンッ





北上「……」


プリンツ「……」


北上「……えっ?」

北上「……」


プリンツ「……」


北上「…ねえ」


プリンツ「……」


北上「…閉じ込められたねー」


プリンツ「……」


北上「いやちょっとこれは参ったねー、普通に陸上戦想定設計の補給倉庫に閉じ込められたね」


プリンツ「……」


北上「おい、何か言えよ!、流石に怒るよ、怒っちゃうよ!、いいね!?」


プリンツ「……」


北上「ねえねえ?、お口もついてないいんでちゅかー、喋れないんでちゅか、バブバブでちゅかー」


プリンツ「……」


北上「……」


北上「…あの、何か話してくれませんか?、お願いします!」


プリンツ「……」


北上「ねえ?、私が悪かったのかなあ?、ねえ?、どうして話してくれないの、ねえ?、ねえ!?、ねえ!!!!」


プリンツ「……」


北上「あはは、やっぱり私が悪いんだ、そーだね、もーいいや、もう私疲れた、これで楽になれるよ、あははー」ジャコン


プリンツ「……」


北上(銃を構えても反応一つ見えない、つまりこれは、TE・DU・MA・RI!!)


プリンツ「……」


北上(じゃーしょうがないねー、阿武隈にしかやった事ないけど、あれをやるしかない!!)


北上「あー、もーいいよ、じゃあ私がプリンツが喋りたくなるようにしてあげるよ」ギュッ


北上(こうやって背中から回り込んで両手を取って)


プリンツ「……!」


北上(後はひたすらくすぐりながら、ついでに胸もいただく!)コチョコチョコチョ


プリンツ「……!、……!、……!!!!!!!!!!」ジタバタ


北上「ふん、北上様に両手を取られて簡単に抜けられると思うな!」モニュ


北上(…なんだ、今の柔らかいのは…、これがドイツ…)

三分経過


北上「おりゃ、おりゃ、おりゃー」


プリンツ「……!、……!、あっ、ひゃっ!」ビクッビクッ


北上「おおっ、ついに喋った、喋ったかー、ばんざああああああああい、やったぞおおおお!!!」


プリンツ「……」ゼエゼエ


北上「いやー、しかし、まさか喋らない理由がさー」


北上「声がヘリウムガスか何かでぶっ壊れてたからだとは思わなかったなー!!!」アハハ


北上「ねえねえ、なんでそんな声になってるの?、喋りたくない理由って他にも無いの!?」


プリンツ「……」グヌヌ


北上「まっ、このプリンツちゃんが面白い声を上げるまでを録音した音声レコーダーがあるんだけどさー」


北上(対ビスマルク用に撮ってたらこんな役立ち方をするとは…)


プリンツ「……」パシッ、メモメモ


プリンツ『筆談なら、話しても…』


北上「…おお!!、じゃあ、最初からガンガン訊かせてもらうよ、工廠で私を追いかけてきたのはなんで?」


プリンツ『工廠とドッグの警備が任務だったから』


北上「それは誰の依頼なのさ?」


プリンツ『長門さん、皆にはこれバレたくなかったし丁度良かった』


北上「じゃあ、皆の辞職の件は知ってたの?」


プリンツ『辞職とか、提督割り振りとか、皆話してたけど、何かあったの?、話に付いていけなくて…』


北上(これはプリンツは意図的に長門に遠ざけられた可能性が出てきたな)


北上「じゃあさ、誰のいたずらなの、その声?、いやー私はドッキリとしてはそーゆーの好きだよ」


北上(なら、誰がこの声にしたかは物凄く重要だ、なぜならそれがプリンツを遠ざける動機となる)


プリンツ「……」


北上(言いたくなさそうだなぁ…、やっぱり、なら・・・)


北上「ねえ、プリンツは変に思わなかった?、皆の態度、鎮守府の危機なのにあんなにヘラヘラしちゃって」


プリンツ「……」


北上「辛いことがあって無理してそうしてるっていうなら、まあ納得はいくさ、でもそうじゃないのが何人かいなかった?」


プリンツ『……まあ』


北上「ねえ、プリンツ?、こっち側についてみない?、面白い事になると思うよ?」

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