ノリスケ「えっ!?伊佐坂先生がスランプなんですか!?」 (12)

伊佐坂「私の名前は伊佐坂難物。小説家だ」

伊佐坂「今まで数多くの作品を世に送り出してきた私だが、困ったことにスランプに陥ってしまった」

伊佐坂「連載中の小説も、もう終盤だというのに、筆が一向に進まない……」

伊佐坂「だが大丈夫。こんな時、私には決まってすることがある」

伊佐坂「お隣から聞こえてくる音に耳を澄ませるのだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457944814

『コラー! カツオ待ちなさーい!!』

ドタバタ ドタバタ

『うわあああああ』

ドタバタ ドタバタ

『バッカモーーン!!』

『ほら、父さんだって怒ってるわよ!』

『サザエ、お前にもだ』

『えっ!?』

『二人ともわしの部屋に来なさいっ!!』

『はい……』


伊佐坂「ハハハハハハハハ、磯野家は今日も元気がいいなあ」

伊佐坂「いい気分転換になった」

伊佐坂「さて、原稿に向かうとするか……」

――

――――

ノリスケ「この前完結した先生の小説のラスト、評判良いですよ!」

伊佐坂「そうか、それは良かった」

ノリスケ「実は僕、先生がスランプだって奥様から聞いたもんですから、少し心配してたんですよ」

伊佐坂「ハハハハ、それは杞憂だよ。私の才能はまだ枯れてないからねえ」

ノリスケ「そうですよね。これからもよろしくお願いします」

伊佐坂「こちらこそ、よろしく頼むよ」

ノリスケ「はい。そこで、次の連載の話なんですけど……」

ノリスケ「それじゃあ今日はこの辺で失礼しますね」

伊佐坂「ああ」

ノリスケ「おじゃましましたー」



伊佐坂「……」

伊佐坂「……困った」

伊佐坂「また小説を書かなければならない。次の話はどうしようか……」

伊佐坂「ノリスケ君にはああ言ったが、正直なところ私の着想はもはや枯渇している」

伊佐坂「どうにかこの悩みから逃れることはできないものか……」


『バカモーーーーーン!!!!!』


伊佐坂「……ん?」

伊佐坂「これだっ!!」

タマ「にゃ~」

伊佐坂「よしよしよし、いい仔だからこっちにおいで」

タマ「にゃ~」

伊佐坂「さて、この猫の首輪に盗聴器を仕掛けて……っと」

伊佐坂「これで磯野さんの家の内情を探ることができる」

伊佐坂「あの御一家のことだ、何か小説のネタになりそうなことがきっとあるに違いない」

伊佐坂「磯野さん、これも私の作家生命のためです」

伊佐坂「ネタの提供、どうか頼みますよ……」

タマ「にゃ~」

~数日後~

ノリスケ「えっ!?伊佐坂先生が自殺したんですか!?」


おわり

ED
https://www.youtube.com/watch?v=ELVyjYU_j-Q

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom