ニノ「ねぇジストおじさん!」ジスト「どうしたニノ」 (13)

ニノ「ジスト傭兵団って魔法使う人いるの? いたら会ってみたいな!!」

ジスト「魔法を使うやつか……うちの所にいるやつの弟ならいるな。 お前と同じぐらいの子のな」

ニノ「あたしと同じぐらい?」

ジスト「ああ、確か闇魔法を使ってたな」

ニノ「闇魔法ってことはカナスさんと同じかぁ……」

ジスト「まぁ会ったらスカートの中を覗かれそうだけどな」

ニノ「えっ!? その子そんなことするの!?」

ジスト「まぁな。 けど悪いやつじゃねえよ」

ジスト「そいつの姉がうちの所にいるんだけどな……そいつが言うには立派な魔導士になるために一生懸命頑張ってるらしいんだ」

ジスト「だからああいう姿を見るとちょっとしたイタズラも許せるんだとよ」

ニノ「へえ~……」

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ニノ「……」

ジスト「どうした?」

ニノ「ジストおじさんって……ラガルトおじさんに似てるなぁって思ったの」

ジスト「傭兵なのか?」

ニノ「ううん、そうじゃないけど……雰囲気が似てるの」

ニノ「ラガルトおじさんね、あたしにいろんなことを教えてくれるし凄く優しいの!!」

ニノ「ジストおじさんも凄く優しいしあたしがいない世界のこといっぱい教えてくれるから似てるなって思った!!」

ジスト「そうか……ありがとな」

ジスト「しかしニノは本当に元気だな。 まるで太陽みたいだ」

ニノ「太陽?」

ジスト「ああ、うちにはお前ほど明るい女の子はいねえな」

ニノ「そうなの?」

ジスト「ああ、さっき言った魔導士の子の姉なんだけどな……別に暗いってわけじゃねえ。 ただミステリアスな雰囲気を出してるっつーか……」

ニノ「ミステリアスってなんかかっこいいね!!」

ジスト「そうか、じゃああいつに伝えとくか」

ジスト「それともう一人いたな、女の子」

ニノ「そうなの?」

ジスト「ああ、そいつはお前とは正反対だな」

ジスト「そいつは無愛想でな……俺は別に構わねえが……愛想をもう少しよくした方がほかのやつと組む時に苦労しねえとは思うんだよな」

ニノ「暗い人ってこと?」

ジスト「うーん……というよりは……クールって言葉が似合うかもな」

ニノ「あっ!! そういえばあたしの方にも似た人がいるよ!!」

ジスト「本当か?」

ニノ「うん!! ジャファルっていうんだけどね、普段は物凄い大人しいの」

ジスト「……やっぱどの世界でも一人はいるもんだな」

ニノ「それでね!! ジャファルって物凄い強いんだよ!!」

ニノ「沢山いる敵を一瞬で倒したり、物凄い速さで移動したりするの!!」

ジスト「へえ……そいつは会ってみてえな。 うちのマリカとどっちが強えんだろうな」

ニノ「マリカ?」

ジスト「今言った無愛想な女の名前さ」

ジスト「そいつは緋閃って呼ばれててな、俺が負けてもおかしくないぐらいの強さなんだ」

ニノ「ええっ!? ジストおじさんが!? こんなに強そうなのに!?」

ジスト「ああ」

ニノ「すごいなぁ……」

ニノ「……ねえジストおじさん」

ジスト「?」

ニノ「傭兵団のみんなのこと……大切にしてる?」

ジスト「? あぁ、俺はそのつもりだけどな」

ニノ「そっか……良かった」

ニノ「でもよく考えてみたらジストおじさんみたいな人が暴言吐いたり暴力振るうハズがないもんね!!」

ジスト「……!!」

ニノ「ジストおじさんみたいな優しい人が隊長だったらみんな仲良くやれるんだろうなぁ……」

ジスト「……」

ジスト「ニノ……お前は偉いな」

ニノ「えっ?」

ジスト「まだこんなに小さいのに……辛い思いをしたんだな」

ニノ「!」

ジスト「どんなことがあったか細かいことは分からねえけど……お前が立派てのはよく分かった」

ジスト「それに耐えた結果、こうしてここにいるんだからな」

ニノ「ジストおじさん……」

ニノ「……でもなんで分かったの?」

ジスト「隊長ってのはな、色んなやつ一人一人をちゃんと見なきゃいけないんだ……それにお前をちゃんと見れば分かるさ」

ニノ「すごいやジストおじさん……ごめんね、あたしが変なこと聞いた所為で気を使わせちゃって……ジスト傭兵団と黒い牙って似てるなぁって思ってつい聞いちゃって……」

ジスト「謝る必要なんかどこにもねぇぞ?」

ニノ「……本当に?」

ジスト「ああ、それに気を使わなくたっていいさ、もっと気楽に話せよ」

ニノ「……うん!!」

ニノ「……あ!! そういえばね、今言った黒い牙って言うのはあたしのママの写真集を売ってる会社で……」ペラペラ

ジスト「会社……お前働いてるのか?」

ニノ「うん! それでそのママはいつも怒ってばっかりだけど優しい時もあって……」

アンナ「そろそろ……終わりの時間ね」

ニノ「もうそんな時間!?」

ジスト「あっという間だな……」

ニノ「あたし、もっとジストおじさんと話したいのに……」

ジスト「そうだな……いつになるかは分からねぇが……また会えたらいいな」

ニノ「うん!」












ニノ「じゃあねジストおじさん!! また会おうね!!」

ジスト「ああ、じゃあなニノ」

バタン!!

ニノ「……ていう話をしたの!! ジストおじさん、凄くいい人だったよ!!」

ニノ「ジストおじさんにまた会ってみたいなぁ〜」

ジャファル「……」

ニノ「……ジャファル?」

ジャファル「俺の恋敵には制裁を」ボソッ

ニノ「え? なんて言ったの?」













ジスト「……つーことがあってな」

マリカ「団長はその子のことどう思った?」

ジスト「ああいうタイプはうちにはなかなかいないからな。 是非来てほしいって思っちまった」

マリカ「!!!」

ジスト「……どうしたマリカ?」

マリカ「これ以上ライバルはいらない。 私で十分」バサッ

ジスト「おい!! いきなり脱ぐな!! また追い出すぞ!!」

おわり

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