堀裕子のワンダープレゼント (119)

モバマス堀裕子ちゃんの誕生日を祝いたかったSSです
キャラ崩壊・捏造設定アリ

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-3月12日、某プロダクション第1女子寮、堀裕子の部屋-

裕子「はぁ…今日のお仕事大変でした…」バフッ

裕子「しかしなんなんですかあの番組…!」ゴロゴロ

裕子「あの扱いじゃまるで私が本物のおバカさんみたいじゃないですか!」ゴロゴロ

裕子「キャラでやってるんですよ!キャラで!」ボスボス

裕子「…もう日付変わりそうですね…このまま寝ちゃおう…」

裕子「宿題とかは後で…」

\ピロン♪/

裕子「? LI○E…プロデューサーから…」

P『誕生日おめでとう』00:00

裕子「!…そう言えば…忙しくてすっかり忘れてた!」

\ピロン♪/\ピロン♪/\ピロン♪/\ピロン♪/\ピロン♪/\ピロン♪/

裕子「わわ!どんどん…えへへ…」

   『みなさんありがとうございます!
    エスパーユッコの誕生日です!
00:03 きっと何かミラクルが起きますよ!』

裕子「テレパシー送信…っと」

裕子「うへへ…」ゴロゴロ

裕子「……………」ピタッ


裕子(…みんなこうしてお祝いしてくれてるけど…)

裕子(…本当は私の事どう思ってるんだろう…?)

裕子(実はこれ、ただの社交辞令で…)

裕子(ホントはみんな、内心私の事バカにしてないかな…?)

裕子「…って、ダメですね…こんな事考えて、失礼すぎます…」フルフル

裕子「あんな番組に出たからって、ナイーブになっちゃってますね…」

裕子「…もう寝よう………でも…」

裕子「みんなのきもち…しりたい…な…」ウトウト

裕子「………………………zzz」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-なぞのばしょ-

???「その願い、叶えましょう」

裕子「え!?なに!?どこココ!?」

???「安心してください。ここは裕子ちゃんの夢です」

裕子「ちひろさん!?」

???「いいえ。千川ちひろではありません。私は課金女神」

裕子「課金女神!?」

課金女神「ええ。それで」

裕子「随分思い切ったコスプレしてますね!」

課金女神「今日一日限りですが」

裕子「布足りてなくないですか?えっそんなギリギリまでスリット入れて…」

課金女神「裕子ちゃんの願いを」

裕子「うわー!えっち過ぎます!そんな恰好で私の夢に出ないで!」

課金女神「聞けよ」クワッ

裕子「あっはいすいません…」

課金女神「…ゴホン。それでは、貴女の『みんなの気持ちを知りたい』…と言う願い。聞き届けてあげましょう」

裕子「ホントですか!いくら取る気ですか!?」

課金女神「お代は取りません。誕生日プレゼントとでも思ってください」

裕子「頭でも打ったんですか?」

課金女神「そろそろ目覚めの時です。目が覚めたら、貴女の望む能力が手に入っていますよ…」

ホワンホワンホワンホワン…
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-3月13日、堀裕子の部屋-

\インヴェェェェェェイド!!!!/(アラーム)

裕子「むぐっ…朝…」パチリ

\ヒャッハァァァァァァ!!!!/

裕子「何やら変な夢見たような…」カチッ

\マッsh…………/

裕子「…今日はレッスンと打ち合わせでしたね…」ムクリ

裕子「朝ごはん食べて支度しましょう…」モソモソ


-女子寮食堂-

及川雫「あっユッコちゃん!おはようございますー」

十時愛梨「おはようございます~」

裕子「おはようございます…二人だけですか?」

雫「そうですねー。みなさん今日は早めに出たみたいですー」

裕子「そうなんですか」

愛梨「その代わり今夜は女子寮で…っとと、コレまだ言っちゃダメなんでした~」

裕子「?」


雫「ところでユッコちゃん、お誕生日おめでとうございますー」

愛梨「お祝いの…じゃなくて。お祝いとは別に、コレあげますね~」

裕子「牛乳プリン!いいんですか!」

雫「どうぞ召し上がれー♪」ニコニコ

裕子「では!取出だしたりますこのスプーンで!」キラーン

愛梨「まっすぐなスプーンだね~」

裕子「ハムッ…ん、んまぁぁぁーー!」カッ!

シュバッ ゴォォォォォ!

雫・愛梨「「!?」」


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-女子寮キッチン-

雫『ユッコちゃんの誕生日なのでー、女子寮の皆でサプライズパーティしましょー』

愛梨『おー♪私たちは、おやつ係ですね~』

雫『お手伝いしますー。バレンタインのお仕事の成果、見せますねー』

愛梨『使うのはもちろん、おいかわ牧場の乳製品!』

雫『ご愛顧ありがとうございますー♪』

愛梨『えへへ♪まずはプリンから!喜んでくれるかな~?』テキパキ

雫『別人みたいな手際ですねー』

愛梨『よく言われる♪…あっ』ドボドボドボ

雫『あっ…だ、大丈夫ですよー?材料はいっぱいありますから、嵩増ししてー』

愛梨『そ、そうだね!こんなにいっぱい食べきれるかはともかく!』

雫『み、みなさんに、お裾分けしましょー!』

ホワンホワンホワンホワン…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


…ッコチャン…ユッコチャン…

愛梨「ユッコちゃん?」

裕子「ハッ!?今の光景は…?」

雫「大丈夫ですかー?なんだか上の空でしたよー?」

裕子「ここは…?いえ、大丈夫です…」

雫「それにしても身体中が光ってすごかったですー。新しい超能力ですかー?」

裕子「え?何の話…いや…」

裕子「ええ!これぞサイキック・全身ライトです!」

愛梨「凄いです~。まるでステージライトみたいでした~」

裕子「ふっふっふ…それほどでも…って!」

裕子「いつの間にかこんな時間じゃないですか!ご飯食べてる暇がない!」ガーン

裕子「テレポート!テレポートしないと!」イソイソ

裕子「プリンとっても美味しかったです!今夜は楽しみにしてますね!」バタバタ

愛梨「はーい行ってらっしゃーい。………………今夜?」

雫「あれ?バレちゃってましたかー?」

続きは朝から


-プロダクション-

裕子「はあ…なんとか間に合いました…」\グー/

裕子「うう…お腹空いてます…やっぱりこのままじゃ…」

「「お困りのようですね!!!!」」

裕子「その声は!?」

日野茜「朝ごはんを抜いちゃったんですか!それはいけません!いけませんよ!」

大原みちる「朝ごパンは一日の活力の源ですフゴフゴ!」

茜「そう言うわけで!!!ほかほかご飯を差し上げます!!!!!」ホカホカ

裕子「どこから取り出したんですか!?」

みちる「いえパンです!朝食にはパン!バケットをどうぞ!」ズルズル

裕子「どう見ても袋に収まりきらないサイズですよねソレ!」

「「さあ!どうぞ召し上がれ!!!!」グイグイ

裕子「待って同時はムリ…アツッ…むぐっ…!?」カッ!

シュバッ ゴォォォォォ!

茜・みちる「「!?」」


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裕子『はぐはぐはぐはぐはぐはぐ(ご飯を掻きこむ)』カツカツカツカツカツカツ

茜『良い食べっぷりです!私も負けてられませんよー!』カチャカチャカチャカチャ

裕子『ふごふごふごふごふごふご(パンを飲みこむ)』モグモグモグモグ

みちる『おお…まるでパンは飲み物と言わんばかりの!』バリバリバリバリ

裕子『美味しい!美味しいです!美味しい朝ごはんで元気が出ます!』ムシャムシャムシャムシャ

茜『そうです!そうなんです!今日も一緒に頑張りましょう!』バクバクバクバク

みちる『さあまだまだありますよ!今日は大盤振る舞い…いえ!大パン振る舞いです!』メリメリメリメリ


ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子「そんなにいっぱい食べられません!!!!」クワッ

みちる「ふごっ!?」

茜「今の光…まさか爆発するんですか!ボンバーですか!?」

裕子「え?」

茜「うおおおおお!負けてられません!私も爆発してきます!ボンバー――――!!!」ダッシュ

裕子「あっ茜ちゃん!?…助かった…」クルッ

みちる「フゴ?フゴゴゴ、フゴゴ?(今回はご飯派の途中棄権ですね。さあパンをどうぞ)」

裕子「いえ…食べ過ぎるとレッスンに支障が出るので…」タジタジ

みちる「ゴクン…そうですか。ではこれは後で食べて下さい。誕生日プレゼントです」ドッサリ

裕子「重っ…ありがとうございます…」

裕子「…さっきの光景はなんだったのでしょうか…食堂でも…」ブツブツ

裕子「…!まさか…思い出した…あの変なちひろさんの夢…あれが本当なら…」ブツブツ

裕子「私に新しい能力が!?しかし一体どんな…」ブツブツ

片桐早苗「なーにブツブツ言ってんのユッコちゃん?」ツツー

裕子「ひょわぁ!?」

早苗「良いリアクションするわねー」ケタケタ

裕子「早苗さん!いきなり背中をくすぐらないで…」

早苗「はい、コレ」

裕子「? なんですかこれ?」

早苗「何って誕生日プレゼントよ。私の誕生日のお返しも兼ねてね」

裕子「…ホントですか!ありがとうございます…!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

早苗「えっなにこれは」


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-百貨店-

早苗『…誕生日ねー。普段ならプレゼントなんてわざわざ用意しないんだけど…』

早苗『まあ可愛い妹分みたいなもんだし?お返しもしなくちゃだし?』

早苗『…しかしわからないわ…あの年頃の子って何あげれば喜ぶのかしら…』

早苗『趣味は…サイキックトレーニングだったかしら?ハハッ何それ全然わかんない』

早苗『成人してたらちょっと良いお酒とかでいいのにね…あっこの服…』バブリー

早苗『ちょっとお高いけど…なかなか私好みのデザインだわ…ついでに雫ちゃんにも…』

デモサイズアウカシラ…ユッコチャンハトモカク…

ホワンホワンホワンホワン…
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裕子(まさかこれをお揃いで着るつもりですか!?)

早苗「ビックリしたわ。どういうトリック?取り調べかと思ったわよ」ポスポス

裕子「ひゃわんっ!?」ビクッ

早苗「ボディチェックの結果、異常なし…凄いわねぇ、なかなかやるじゃない」

裕子「あの…もしかして私、なんか発光とかしてます?」

早苗「まーたとぼけちゃってー♪」バシッ

裕子「あたっ!?」

早苗「さ、確か今日はレッスンだったでしょ?頑張ってらっしゃい」

裕子「あっ…はい!そうでした!じゃあちょっと急ぎますので!」

早苗「なんなら早速それレッスン着にしてもいいわよ」

裕子「いえ、もう少しその、大事に扱おうかと…」


-レッスンルーム-

裕子「おはようございます!」

水木聖來「あっ裕子ちゃん!おはよう!」

裕子「おはようございます水木さん!今日はレッスン一緒でしたか」

聖來「そうだよ!よろしくね…あぁそうだ!」ゴソゴソ

聖來「今日誕生日だったよね!じゃあコレあげる!」

裕子「ドッグカフェの割引券…?いいですね!今度行ってみます!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

聖來「うおっまぶしっ」


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-ドッグカフェ-

聖來『ほーら♪みんなおいでー!』

犬①『ワン!!』

犬②『バウワウ!』

アッキー『クゥン…』

ハナコ『キャン!』

わんこ『わふっ!』

ゆっこ『さいきっく!』

聖來『よーしよしよし!みんなイイ子だ!ほらお手!お座り!ご褒美あげちゃう…』


ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


聖來「裕子ちゃん?大丈夫?もうマストレさん来てるよ?」ヒソヒソ

裕子「犬と同列!?」ガーン

聖來「わっ!?びっくりしたぁ!」

裕子「どういう事なんですか!どういう事なんですか!?」

聖來「ちょ、ちょっと落ち着いて…」ナデナデ

裕子「あっ…」(とろん)

聖來(やっぱり犬っぽくて可愛いなぁこの子…)

裕子「はっ!いえ誤魔化されません!どういう…」

聖來「あの、裕子ちゃん!だからもうレッスン…」

裕子「…えっ?」クルッ

マストレ「……………………」ゴゴゴゴゴゴ

裕子「」

マストレ「ぼんやり突っ立ってると思えば、急に叫び出して」スッ

スペトレ「いい度胸だな堀」ランクアップ

裕子「」


裕子「うう…エラい扱かれました…」ヘトヘト

裕子「しかしこの能力…ひょっとして、プレゼントを貰うと発動する能力なのでしょうか」

裕子「私に何かをくれた人の、記憶や思いを読み取る…サイコメトリー的な」

裕子「…これで私もマジモンのエスパー!いえ元々本物ですけど!」

<ピピーーー!!!

裕子「ひょえっ!?」


冴島清美「そこ!廊下で大声を出さない!」ピピー

安斎都「清美ちゃんも相当ですけどね!!」ババーン!

裕子「都ちゃんも相当です!!!」

清美「静粛に!…ところで」

都「ところで堀裕子さん。調査したところ、あなたは今日誕生日だそうじゃないですか…」

清美「だからって高額なプレゼントの遣り取りはいけませんよ?風紀が乱れます」

裕子「えっ」ギクリ

都「むむっ?その反応…怪しいですねぇ~」

裕子「そっ、ソンナコトアリマセンヨ」

清美「ゴホン…つまり、高価でなければいいと言う事です」

都「詭弁っぽいですが!私たちからです!」

裕子「え?あっ…ありがとうございます!カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

清美・都「「何の光!?」」


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-百貨店-

都『調査の結果、腕時計をプレゼントする人はいないみたいなのですが…』

清美『ぐぐっ…むむむむ…』

都『…それはちょっと、私たちじゃあ…手が届きませんねぇ…』

清美『ですが…友好の証としては…金額は誠意とちひろさんも言ってましたし…』

都『それを真に受けるのは、流石にどうかと…』

清美『しかしムムムン…』

都『されどムムムン…』


裕子(…それから長い事悩んで、選んでくれたみたいです…)

裕子(そこまで高価じゃありません。でも、値千金だと思います)

ホワンホワンホワンホワン…
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都「なんですか今の光は!?これは調査の必要がありますね!」ワクテカ

清美「事務所内での発光は風紀を乱します!自分でも何言ってるかわかりません!」アタフタ

裕子「…ありがとうございます。とっても嬉しいです」

都・清美「「!」」

裕子「この腕時計、可愛いです。大事にしますね!」

清美「そ、そうですか!喜んで頂けたなら、まあ、良かったです!」

都「調査の甲斐があったというモノ!」

都「それでは私たちは次の現場に向かいますので!また!」

裕子「ええ!ありがとうございます!…私もそろそろ、打ち合わせの時間ですね」


-事務室-

裕子「…おはようございまーす…アレ?誰もいませんかね」

輝子「…ここにいるぞ…」

裕子「わっ!?」

輝子「フヒ…やっぱり、存在感、ない…」

裕子「あっ…いえ!そんな事はありません!透視能力でとっくに気付いていましたとも!」

輝子「そうか…そんな優しいヤツには、これあげる…」

裕子「キノコですか?…いえ、キノコ型クッションですね」カッ

輝子「た、誕生日プレゼントとか、リア充っぽくて、なんか…フ、フヒ、フフフフ」

シュバッ ゴォォォォォ!

輝子「ヒィィィャッハー!なんだこの光ィィィィ!」


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-どこかの山中-

輝子『きーのこ♪きーのこ♪』

裕子『きーのこ♪きーのこ♪』

P・ちひろ『きーのこ♪きーのこ♪』

愛梨・茜・藍子『きーのこ♪きーのこ♪』

小梅・幸子・乃々・美玲・まゆ『きーのこ♪きーのこ♪』

トモダチ『きーのこ♪きーのこ♪』『きーのこ♪きーのこ♪』『きーのこ♪きーのこ♪』

\きーのこ♪きーのこ♪/\きーのこ♪きーのこ♪/\きーのこ♪きーのこ♪/\きーのこ♪きーのこ♪/

輝子『フヒ…トモダチいっぱい…もっと広がれ、菌糸の輪…』

ホワンホワンホワンホワン…
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裕子「ゲシュタルト崩壊します!」ガバッ

輝子「おぉぉうぅ前が、ヤコウタケかぁぁあああ!!?」

裕子「テンション高っ!?」

輝子「マイフレェェェンド!キノコはみんな、アタシのトモダチだぁーーーー!!」

裕子「いえ別にキノコじゃないですけど!輝子ちゃんとは友達です!」

輝子「そ、そうか…照れる…フヒッ…」

裕子「テンション低っ…ところでプロデューサー知りませんか?そろそろ打ち合わせの時間なんですが」

輝子「し、親友なら、急用ができたとかで…予定表に、何か書いていったぞ…」

裕子「…打ち合わせは午後に変更?もう、そういう事ならテレパシーで教えてくれれば…」


<ガチャ

白坂小梅「輝子ちゃん…あんまり騒ぐと、そこの子たちが泣いちゃう…」

裕子「え?」

輝子「フヒ…すまん…やっぱり机の下で、大人しくしてる…」ゴソゴソ

小梅「うん…ごめんね?その子たちも、そのうち慣れてくれるといいんだけど…」

裕子「え?」

小梅「ううん…なんでもない、よ?」ニタァ

裕子「」ゾッ


小梅「えへへ…それでね…裕子さんに、誕生日プレゼント…」

裕子(どう見てもそういうDVDなんですが)ホラァァァー

小梅「スゴクおすすめだから…感想聞かせてくれると、嬉しいな…」

裕子「う…あ、ありがとうございます…」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

輝子「トモダチたちが、眩しそう…カバーかけとこう…」バサッ

小梅「もう…裕子さんにあんまりイタズラしちゃ…え?違う?」


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-TSUT○YA-

<コレトカイインジャナイカナ

小梅『それは…外れだったよ…パッケージだけ…』

/ジャアコッチハ\

小梅『それは前、一緒に見たことあるの…』

\コレトカドウ?ウフフ/

小梅『え、えっちなのは、ダメ…!』ブンブン

『ボクハコレガオススメカナ』

小梅『あっ…いいかも…ところで、初めまして…かな?』

首を吊った青年『ソウダヨ。ヨロシクネ。アトコレトコレモオススメカナ』

小梅『なかなかわかってる、ね…!』

ホワンホワンホワンホワン…
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裕子「ひょわぁぁぁぁああああ!」ダッ

<バタン!!

輝子「フヒ…急にどうしたんだ…?」

小梅「…まるでヒトダマみたいだったね…え?…」

小梅「…そう…見ちゃったんだ…」

小梅「…………………えへぇ」ニタァ


氏家むつみ「あっ裕子さん…どうしたんですか、そんなに息を切らして」

裕子「むつみちゃん…いえちょっと…」ゼェハァ

むつみ「まさか冒険ですか!」ズィッ

裕子「冒険とかじゃないですけど…顔近いです」

むつみ「そうですか…残念です。ところで今日誕生日の裕子さんに」ゴソゴソ

むつみ「私オススメの冒険小説です。ぜひ読んでください」スッ

裕子「私小説はあんまり…」

むつみ「超能力者とか出ますよ?この機会に是非活字に親しんで」ズズズズイッ

裕子「近い近い…わかりました、空いた時間にでも読んでみます」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

むつみ「この光…冒険の扉が開くんですか!?」ワクワク


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-なんかファンタジー的な荒野-

ユウコ『…もう水も食料も僅か…』

ムツミ『町がどっちかもわかりません…こうなれば、ユウコさん』

ユウコ『…なんですか?』

ムツミ『テレポートを、使ってください』

ユウコ『! しかしアレは…アレを使うくらいならこのまま歩いていた方がよっぽど…』

ムツミ『ユウコさん。自信を取り戻してください』

ユウコ『自信…』

ムツミ『そうです。一度のミスで自分を疑うなんて、ユウコさんらしくありません』

ユウコ『でも私は…私は!』

ムツミ『…私は、ユウコさんを信じています。だから、私と一緒に冒険してくれませんか?』


ホワンホワンホワンホワン…
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むつみ「むー!ぐむむー!」ムギュー

裕子「ハッ!?…どうして抱きついているんですか、むつみちゃん?」

むつみ「あっ…光が消えちゃいました…」

むつみ「残念です。異世界の扉が開いたのかと思ったのに」

裕子「何をトンチキな事を」

むつみ「それはブーメランですよ、裕子さん…」

裕子「…むつみちゃん」

むつみ「はい?」

裕子「今度のアマゾン川ロケ、よろしくお願いしますね」

むつみ「…あんまり乗り気じゃなかったのに…?」

裕子「そうですね。…でも私とむつみちゃんと、あと幸子ちゃんを信じれば!きっと何とかなります!」

むつみ「おお…!そうです!一緒に冒険しましょう!まずはポロロッカに乗って遡上します!」

裕子「ちょっとまって」


-カフェテリア-

裕子「炭水化物は…いりませんね。むしろお肉と野菜を…」

宮本フレデリカ「ユッコちゃん!ご機嫌シルブプレー?」

裕子「わっビックリした!…珍しい顔ぶれですね。皆さんもお昼ご飯ですか?」

フレデリカ「そうだよー♪合同レッスン明けなの。ユッコちゃんも一緒にボナペティ!」

佐久間まゆ「炭水化物ダイエットですか?あんまり体によくないそうですけど…」

裕子「…いえ、むしろ逆と言うか…」

北条加蓮「そうらしいね。そう言うわけで余ったポテトあげ…」

渋谷凛「自分で全部食べなよ」

加蓮「うう…凛がイジワルする…奈緒…奈緒は…」

神谷奈緒「アタシだっていらないよ。だから程々にしとけって」

小早川紗枝「なんや随分賑やかやなぁ」

裕子「あっごめんなさい…」

紗枝「かましまへんえ?」ニッコリ


フレデリカ「ところで!ボン・アニヴェルセール・ユッコちゃん!」

裕子「ボン…なんです?」

凛「誕生日おめでとうって事。私たちからも、ささやかだけど」

加蓮「プレゼント、持ってきたんだよ♪」

奈緒「ま、まあ、気に入らなかったら、別に返却しても…」

紗枝「もう…そういう事言うたらあきまへんえ?素直な気持ちが大事なんどす」

裕子「気持ち…!そうですね!みなさんの心がこもったプレゼント、嬉しいです!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

まゆ「目がチカチカしますよぉ!?」(直撃)


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フレデリカ『ユッコちゃん意外とお洒落さんだからなー。何がいっかなー♪』

まゆ『この服とか似合うんじゃないでしょうか。意外にお洒落さんですし、今度コーディネートの相談も』

奈緒『あいつ意外にお洒落だからな…何プレゼントすればいいんだ!?助けて!凛!加蓮!』

加蓮『このネイルとか付けてあげよっか。意外とお洒落してるし、気に入ってくれるかも』

凛『意外とお洒落に気を遣ってるみたいなんだよね…どうしようか。チョーカーでも…』

紗枝『意外と和装も似合うとったし、ほんなら…』

ホワンホワンホワンホワン…
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紗枝「なんやえろう光って…送り火みたいやなぁ」

裕子「意外ってなんですか!?私だって女の子ですよ!?女子高生ですよ!?」クワッ

まゆ「ひう!?」

奈緒「急にどうした!?」

裕子「ハッ…いえ、なんでもありません…プレゼント嬉しいです。ありがとうございます」

フレデリカ「そ、そう…」(引き気味)

加蓮「それじゃあ早速ネイルしてみる?エステルーム借りて」

裕子「ああいえ、この後打ち合わせがあるので、また後でお願いします!」

加蓮「そう?じゃあ都合良い時教えてね」

凛「……………」スッ

裕子「ええ…凛ちゃん?なにをして」

凛「いや、試しにチョーカー付けてあげようかと…」キュッ

(やっぱり犬っぽい…)(犬だ)(ワンちゃんだね)(犬さんやなぁ)(目が眩んで良く見えません…)

裕子「…今犬っぽいって思いませんでした?」

凛「そんなことないよ。似合う似合う」


裕子(食事を済ませた皆さんは、それぞれ解散して行きました…)

裕子「うう…意外って…意外って…」

安部菜々「ユッコちゃん!お誕生日おめでとうございます!」

裕子「菜々ちゃん…」

菜々「あれあれ?なんだか元気がないようですね?」

裕子「い、いえ、そんなことは…」

菜々「そんな裕子ちゃんには、今ウサミン星で最先端のファッションアイテムに!」

菜々「ウサミンエナジーをたっぷり込めてプレゼントしちゃいますよ!キャハッ☆」

裕子「菜々ちゃん…ありがとうございます!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

菜々「えっウサミンエナジー?マジで?」


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-ウサミン星-

菜々『…だいぶ暖かくなってきたとはいえ、まだまだ肌寒い季節…』チクチク

菜々『季節の変わり目こそが、一番体調に気を付けなくちゃいけません』チクチク

菜々『特にお腹冷やしたら辛いですからね…』チクチク

菜々『ユッコちゃんには、これを付けて元気に過ごして欲しいです』チクチク

菜々『…完成です!』パンパカー

”ウサミン腹巻!!!!!”

ホワンホワンホワンホワン…
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裕子「おかあさん…」ホロリ

菜々「えっ」

裕子「菜々ちゃん、まるでお母さんみたいです…」

菜々「そそそそそそんな!お母さんなんてトシじゃありません!ラブリー17歳です!」

裕子「暖かい…暖かいです…何故か故郷のお母さんやお婆ちゃんを思い出します…」

菜々「おばっ!?」ガーン


菜々「おば…おばあ…」フルフル

浅野風香「あのー、菜々さん…?大丈夫ですか…?」

裕子「風香ちゃん!それに…」

小室千奈美「ハァイ、裕子♪誕生日おめでとう」

浜川愛結奈「ワタシたちから、食後のデザートをお届けするわ」

裕子「…まさかその箱の中身は…!?いえ!皆まで言わないで!透視します!」グググ

千奈美「透視するほどの事かしら…」


裕子「…ムムムン!ずばり!ケーキですね!?それも手作りの!」

風香「ふふっ…凄いです!大正解です!」

千奈美「まあ面子見れば予想つく事だけど。皆で食べましょう?菜々さんもどうぞ」

愛結奈「流石に今回はあそこまで極端な材料調達したわけじゃないけどね?」

裕子「ではでは…早速いただきます…」ゴソゴソ

裕子「ん!…んまぁぁぁぁぁい!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!

3人「「「!?」」」

菜々「味皇様みたいですねぇ」

3人「「「え?」」」

菜々「ん゛ンッ…いえなんでも…」


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-事務所内キッチン-

千奈美「しかしなんでもあるわね、この事務所」

愛結奈「ええ…何故か文香がイチゴをくれたわ。食べきれないとかなんとか」

風香「小麦粉はみちるちゃんと法子ちゃんがくれましたし」

千奈美「牛乳は雫がくれたわ…しかし」チラッ

風香「?」ポヨン

愛結奈「?」バイン

千奈美「…んんっ。なんでもないわ…そっちが規格外なだけ…」

風香「…?…卵もいっぱい備蓄されてますから…」

愛結奈「材料費が掛からない分、手間暇かけましょう…それこそ究極にね♪」

ホワンホワンホワンホワン…
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裕子「その気持ち、わかりますよ、千奈美さん」グッ

裕子「私も最近大きい人たちに挟まれてますからね」

千奈美「…なんの話…?」


裕子(それからケーキを平らげるまで、お喋りを楽しみました)

裕子(あの番組の思い出話から、これからのお仕事の事。それぞれの趣味の事)

裕子(改めて話すと、私たちの個性はまるでバラバラでした)

裕子(そんな私たちがこうしてまた集まってケーキを食べてます)

裕子(これって凄いミラクルですよね!)


裕子(…それから打ち合わせの時間になるまでにも、私は何度かプレゼントを貰って発光しました)


上条春菜「まあまあ眼鏡どうぞ」シュバッ ゴォォォォォ!
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『この眼鏡にはユッコちゃんが…じゃない、ユッコちゃんにはこの眼鏡が似合いそうですね!』
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春菜「眼鏡ビーム…私にもまだ出来ない大技を…!?」フルフル


浜口あやめ「ニンッ!ユッコ殿もこれを使えば、立派なさいきっく忍者に」シュバッ ゴォォォォォ!
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『超能力と忍術の融合…これほどとはな…やはり天才か…』
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あやめ「アイェェェ!?」


藤居朋「ラッキーアイテム…はちょっと高価だったから!手作りしてきたわよ!」シュバッ ゴォォォォォ!
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『あたっ…また指刺しちゃった…』

『でもユッコちゃんのラッキーカラーは赤!一刺しごとに運気が…流石にそりゃないか』
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朋「えっ何?パワースポット?パワースポットなの?」


桐生つかさ「おう。まあ同郷のよしみってことで。これを機会に…」シュバッ ゴォォォォォ!
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『…(無心で糠床をかき回す)』ガッポガッポヌチュッヌチュッ
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つかさ「アイドルが発光ってなんだよ(哲学)」


アナスタシア「С днём рождения…誕生日、おめでとう、ユウコ」シュバッ ゴォォォォォ!
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※ロシア語の為解読不能だが、心温まる風景
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アナスタシア「まるでсверхновая звезда…アー、超新星、です」


棟方愛海「うひひ。アタシから胸がいっぱいになるようなプレゼントだよ」シュバッ ゴォォォォォ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※お見せできません
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
愛海「ねーなんで逃げるのー?」


白菊ほたる「私なんかからでよければ、受け取って貰えますか…?」シュバッ ゴォォォォォ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※聞くも涙、語るも涙の道のりを経てプレゼントを調達
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ほたる「綺麗な光…まるで…。あれ?裕子さん、どうして泣いて…」


裕子(プレゼントと一緒に、皆さんの気持ちを受け取りました)

裕子(…みなさんの気持ちは、私にとって好意的なものが多くて…)

裕子(昨日の夜抱いた疑念が、恥ずかしくなるくらいでした)


-事務室-

裕子「失礼しまーす…プロデューサー?」

P「ああ裕子、来てくれたか。急に時間変えちゃって悪かったな」

裕子「いえいえ、全然大丈夫ですよ!テレパシーで見抜いていました!」

P「そうか?…では、こちらへ」

裕子「はいっ…え?なんですかこの山」

P「裕子へのお祝いの手紙だな。ファンや仕事先から」

裕子「こんなにですか!?」

P「そうだ。それだけ君が認められてるって事だ」

裕子「えへへ…嬉しいです。今読んでいいですか?」

P「もちろんだとも。今日の打ち合わせは殆どソレが目的だから」

裕子「じゃあ早速…」シュバッ ゴォォォォォ!

P「何故光っているのか」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
裕子(えへへ…私の歌を聞くと元気になるですって!)

裕子(こっちは…字は読めませんけど!今日は伝わります…)

裕子(こんな小さな子が、応援してくれてるんですね)

裕子(それからこっちは…キャー!結婚してくれだって!キャー!)

裕子(それからそれから…)

裕子(………………………え?)

裕子(……………………何、コレ)

裕子(…………………こんな、こんな事)フルフル

…コ

裕子(ひどい、ひどいです…やめて!そんな事ないです!)

…ウコ

裕子(どうして私がそんな…!)

…ユウコ?

裕子(やだやだやだやだ、嫌です…!助けて、プ…)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


P「裕子!?」

裕子「…!」ハッ

P「どうした…急に発光したかと思えば、そんなに青褪めて…まさか」バッ

裕子「ぷろ、でゅー、さー…」

P「…チッ。すまない、一通り検閲はしたハズだったんだが…紛れ込ませやがったか」

裕子「あっ…」

P「抗議する。少なくともこの女とは二度と仕事をしないし、断じてお前に近づけない。約束する」

裕子「…いえ…大丈夫です」

P「…折角の日に水を差して悪かった。何かお詫びでもさせて欲しい」

裕子「大丈夫ですよ!…ほら、こっちの子!私の歌をカラオケで毎回歌ってくれてるって!」

P「そうか…?…ちゃんとテレパシー、通じてるんだな」

裕子「そうです!流石プロデューサー!わかってますね!」


P「…他には特に、変な手紙はなさそうだな…」トントン

裕子「大丈夫ですってば!心配症ですねぇ」

P「あんなに青褪めた顔されてはな…まあ、元気ならそれでいいんだ」

裕子「…これ、読み切れないので持って帰っていいですか?」

P「…さっきの今だぞ?この量だとまだ見逃しがあるかも…」

裕子「大丈夫ですって!なんかプロデューサーそのままだと全部燃やしちゃいそうですし!」

P「流石にそこまでは…いや、うん」

裕子「やっぱり…パイロキネシスは危険ですからみだりに使っちゃいけませんよ」

P「そんな大仰な…ああ、ところで」

裕子「なんですか!」ガサゴソツメツメ

P「頑張ってる裕子に、俺からもプレゼントだ」スッ

裕子「え…」


P「まあ随分大荷物みたいだから、無理に持っていく事もないんだけど」

裕子「……………」

P「女子高生の好みとかはよくわからんが、それなりに頭悩ませて選んだんだ…」

裕子「……………」

P「できれば受け取って欲し…」

裕子「…………ッ!」ダッ

P「裕子!?」

裕子「ごめんなさいっ!」

<バタン!!!

P「裕子…?」


裕子(どうして私は逃げているんでしょう?)

裕子(プロデューサーからのプレゼント。とっても嬉しいのに)

裕子(プロデューサーの気持ちなんて、一番知りたい事のハズなのに)

裕子(頭が自分の事を把握できていません。まるで勝手に体が動くみたいです)

裕子(誰かの念力の糸が絡まって、私の手足が振り回されてます)


裕子(…嘘です。手足を動かしてるのは、やっぱり私の頭なんです)

裕子(私は怖いんです。怖いから逃げてるんです)

裕子(人の気持ちが覗けるようになったからって、何も変わりません)

裕子(プロデューサーの本当の気持ちが知りたくて、知りたくなくて)

裕子(結局私は、肝心な事を聞けない。伝えられないんです…)


高森藍子「きゃっ!?」ドシン

裕子「わっ!?」ドシン

本田未央「おおっ!?」ドシン

裕子「いたた…すみません…二人とも、怪我はありませんか?」

藍子「いえ、大丈夫です…裕子ちゃんも、大丈夫?」

未央「ないけど…廊下を走ったら危ないですぞー?」

裕子「すみません…」


未央「まあみんな怪我ないしいいよね!…そうだ!今日誕生日だったよね!今時間ある!?」

藍子「でも急いでたみたいだけど…」

未央「あっそっか…」

裕子「いえ、特に用事とかはないです!大丈夫です!」

未央「そう?じゃあちょっと遊びに行こう!それとこれ!プレゼント!」スッ

裕子「えっ……」

藍子「今はどこか走って行っちゃってますけど、茜ちゃんと3人で手作りしたんです♪」

裕子「…………………」

未央「…どしたの?」

藍子「やっぱりどこかぶつけたんじゃ…?」

裕子「いっいえ!ありがとう、ございます…!」シュバッ ゴォォォォォ!

未央・藍子「「ええ!?」」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-工作室-

茜『ムムムム…こういう細かい作業は苦手です!だから私は!応援します!』

未央『はやいな!?』

藍子『あはは…』

茜『フレー!フレー!みーおーちゃん!』

藍子『…とりあえずデザインを考えましょうか?』

未央『むむー…やっぱり星は入れたいよね。なんかサインにも入ってるし』

茜『美味しそうですよね!!』

藍子『そうですかね…?じゃあデザイン…こんな感じで…』サラサラ

未央『おおーー!いいじゃん!あーちゃん!これ採用で!』

茜『ファイトー!ファイトー!あーいーこ!』

藍子『ふふっ…頑張ります♪』

未央『お?しまむーの物真似かな?』

茜『私も頑張りますよぉーー!!』

茜『頑張れー!頑張れー!ゆーうーこ!!』

アカネチンチョットボリュームオトシテ
イエマダマダ!モエテイキマス!!!
アハハ…

ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子「…………」ピカァァァ

未央「えっなんなの?なんで発光してるの」

裕子「…3人とも、凄く楽しそうです」ピカァァァ

藍子「え?」

裕子「ハッ………………いえ、なんでもありません」シュゥゥゥ…

藍子「戻った…不思議ですね…」

未央「まあ…何か今更感あるし、あんまり気にしないことにしよう」

未央「その通り!これ準備する時、すっごく楽しかった!見てきたみたいに言うね!」

裕子「ぎくっ…いえいえ、タダの想像です…さいきっくイマジネーションです!」


裕子(…………想像?…………)

裕子(…プロデューサーはプレゼントを選ぶ時、どんな気持ちだったんでしょう…)

裕子(今見たみたいに、楽しく笑顔で…私へのプレゼントを考えていたんでしょうか?)

裕子(…私が背を向けた時、どんな顔をしていたんでしょうか?)

裕子(………想像しちゃうと、胸がキュッって、締め付けられるみたいで…)


藍子「…裕子ちゃん?ボーっとして…どうしたの?」

裕子「…!…いえ!なんでも…」

未央「よーっし、じゃあ茜ちんも呼んで、とりあえずカラオケにでも…」

藍子「…鼓膜、もつかな…」

裕子「あっ…いえ、未央ちゃん、藍子ちゃん、その…」

未央・藍子「「?」」


裕子(折角のお誘い…何故か断ってしまいました)

裕子(何故か…?いいえ。プロデューサーとちゃんとお話しがしたい。謝りたい。それだけ)

裕子(だけど踏ん切りがつかず…後ろ姿を見つけては、逃げ出して…)

裕子(『いっそムリヤリ捕まえてくれればいいのに。』)

裕子(そんな勝手なコトを思いながら、事務所をうろついていました)


クラリス「裕子さん?」

裕子「うわぁっ!?く、クラリスさん…!?」

クラリス「ああ…すみません。驚かせてしまったようで…」

裕子「い、いえ、大丈夫です…何かご用ですか?そちらの二人も…」

成宮由愛「その…今日、お誕生日なんですよね?」

関裕美「…私たちもプレゼント作ったから、受け取って欲しいな」

裕子「…!」

裕美「あ…気に入らなかった…かな?」

裕子「いえ!そんな事はありません!ありがとうございます!」シュバッ ゴォォォォォ!

裕美「えっ!?」ペカー(反射)

由愛「まぶしっ!?」(Wアタック)

クラリス「まあ…まるで奇跡のようですわ…」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
クラリス『まあ…お二人とも、素晴らしいプレゼントですね』

由愛『……………』

裕美『……………』

クラリス『…? どうか、なさいましたか?』

裕美『…変だって、思われないかな』

クラリス『?…変な事などありませんわ…』

クラリス『由愛さんの絵は、スペインでのお仕事の場面を描いたものですね』

クラリス『そして裕美さんのアクセサリは、その時の赤いバラをモチーフにしたもの』

クラリス『どちらもよく出来ていますし、何より思い出のこもった温かみのある物です』

クラリス『どこに出しても、恥じる事などありません。私はそう思います』

裕美『…ううん。そうじゃなくて…』

クラリス『?』

由愛『…私たち、スペインのお仕事以来、あんまり裕子さんと接点が無くて…』

裕美『…なのにいきなりこんなプレゼントして、変だと思われないかな?』

クラリス『…なるほど、そういう事ですか…』

クラリス『確かにそうですね。プレゼントは贈る側にも、少し勇気がいりますわ』

由愛『…勇気…』

クラリス『怪訝な顔をされては寂しい、恥ずかしいですし、拒絶されたら悲しいですもの』

裕美『うん…』

クラリス『…そんな時は、相手の笑顔を思い浮かべてください』

クラリス『写真があれば便利ですね。ビデオやイラストでも、もちろん構いません』

由愛『…笑顔…』

クラリス『…由愛さんの絵の中の裕子さんは、素晴らしい笑顔を浮かべていますね?』

裕美『あはっ…ホントだ』

クラリス『ふふっ…その笑顔が、私達も笑顔にしてくれます』

クラリス『私達の中の裕子さんが、ちょっぴりの勇気を与えてくれますわ』


ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子(この子たちも、プロデューサーも、他の皆も…勇気を出してくれてたんでしょうか)

裕子(だったら私は…笑顔じゃなきゃ。みんなの勇気に、笑って答えたい)


由愛「…裕子さん?大丈夫ですか…?」

裕美「どうして光ってるんだろう…?」

裕子「裕美ちゃん!!!!!」グルンッ

裕美「えぇっ!?」ビクッ

裕子「この薔薇のアクセサリ!とっても可愛いです!」クワッ

裕子「私と言ったら情熱の赤みたいな所ありますからね!」クワワッ

裕子「絶対似合います!スゴク嬉しいです!」クワワワッ

裕美「そ、そう…喜んでくれたなら、よかった…」ヒクッ

クラリス「……………………」スッ


裕子「そして由愛ちゃん!!!!!」クルッ

由愛「ぴゃいっ!?」ビクッ

裕子「未だ記憶に新しい、スペインの街並み!」ニカッ

裕子「それを背景に華麗に踊る謎の美少女サイキッカー!」ニカカッ

裕子「流石の完成度です。このまま、どこかに大きく貼り出して、よろしいですか」ニカカカッ

由愛「で、できたらひっそり飾ってもらえると…」ビクビク

裕子(あっやっちゃいましたねコレ)

裕子「く、クラリスさん…さいきっく助け舟を…あれ?どこへ…」


由愛「そ、それじゃ私たちは、レッスンがあるので…」

裕子「あっ…そうですか…こ、今度一緒に遊びにでも!」ニタァァ

裕美「うっ…うん、またね…」

裕子(ああっ…顔が引き攣ってます…)

裕子(…なんてことでしょう。チャームポイントの笑顔も錆びついて…)

裕子(折角勇気を出してくれた二人を安心させることもできずに…何がサイキッカーか!)

裕子(私のサイキックスマイルを、取り戻さなきゃ!この絵の美少女に、負けていられるものか!)ムーン


裕子「クラリスさんのチョコレート…美味しい…」ポリポリ…

裕子「お礼、言いそびれちゃいましたね…今度会ったら…」

裕子「でも今日、糖分摂り過ぎな気が…」

裕子「…あれっ…あそこにいるのは…」

結城晴「おっ見つけた!」

的場梨沙「探したわ!まったく、携帯でも使って呼び出しゃいいってのに…」

二宮飛鳥「安易に文明の利器に頼るのは簡単さ。
     だが彼女との縁を信じて探し回る。
     たまにはそういうのも悪くないんじゃないかな」

飛鳥「縁…そう、彼女のコトバを借りるなら、テレパシーやらテレポート、第六感。
   …全部まとめてサイキックパワー。彼女と出遭うには、相応しいじゃないか」フッ

梨沙「相変わらず何言ってんのかわかんないわね」

晴「オレはちょっとわかるぜ」フフン

梨沙「だから何よ!」フシャー

裕子「みなさん…」


栗原ネネ「…どうしました?裕子さん。少し元気がないようですが」

裕子「い、いえ、そんなことはありま千里眼!」ニゴリッ

梨沙「顔カタッ」

晴「なんかキャラが行方不明だな。らしくないぜ」

飛鳥「らしくない…いいじゃないか。既成のキャラクタからの脱却…それはある意味、セカイへの反逆さ」フッ

梨沙「だから何言ってんの?」

ネネ「そんな裕子さんに、元気の出る贈り物です♪よければ貰って」

裕子「…! ありがとうございます!」ニヘラァッ

シュバッ ゴォォォォォ!

飛鳥「ひゃあっ!?」ビクッ


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

裕子(みんな、まるっきり別々です。プレゼントの中身も、選んだ場所も)

裕子(でも、選ぶ時の気持ちはひとつでした)

裕子(みんな、あのオーストラリアでの事を一つ一つ、思い出しながら…)


-シドニー-

裕子『ムムーン…ムムムムーン…』

晴『そんなに悩む事ないだろ…ただでさえオレ達、出遅れ組なんだから…』

裕子『いえ…ですが…プロデューサーへのプレゼント…どうしたものやら…』

晴『なんかその辺で買った奴でいいだろ…ハンバーガーとかチョコとか』

裕子『いえ、ですがこういうお仕事だと、手作りの料理を用意するのが通例だそうで』

晴『…そうなのか…?ちなみに料理とかは』

裕子『さいきっく黙秘』

晴『だろうな…あ、これとかカンタンそうじゃないか?フェアリーブレッドだってよ』

裕子『むむっ…なかなかいいチョイスですよ晴ちゃん!早速作りましょう!時間は有限です!』グイグイ

晴『引っ張るなよ!?っていうか、オレも作るのか!?』


裕子(四苦八苦しながら、晴ちゃんとプレゼントを買ったり作ったり)

裕子(ちょっと意味わかんないくらい沢山用意しちゃいましたが)

裕子(プロデューサーは喜んで受け取ってくれました。…ちゃんと消費できたんでしょうか)


-サファリ-

裕子『あわわわわ!?なんか凄い寄って来てます!?』

ネネ『凄いです、裕子さん…こんなにカンガルーに懐かれて…』

裕子『ムムッ…なんだかあの子、跳び方が変わってますね』

ネネ『あっ本当です…ふふ、なんだか可愛い♪』

裕子『気に入りました。ガル夫君と名付けましょう』

ネネ『ふふっ…なんでそんな日本風なんですか…っ』クスクス

裕子『そしてアッチの子はガルちゃん』

ネネ『ふふふ…もうちょっと、レパートリーを…』プルプル


裕子(その後ネネちゃんと一緒にはしゃぎ倒しました)

裕子(カンガルーの真似してぴょんぴょん跳ねたりして…)

裕子(しっかり者のネネちゃんですけど、やっぱり年下の女の子で)

裕子(私もちゃんとしないと、って思いました)


-夜のジャングル-

梨沙『うぅ…パパ…パパ…』プルプル

裕子『…梨沙ちゃん?泣いてるんですか?』

梨沙『っ!?…裕子…泣いてなんか、ないわよっ!』ゴシゴシ

裕子『ははーん、さてはホームステイですね』

梨沙『ホームシックよ…アンタの英語、付け焼刃以前じゃないかしら…』

裕子『えーい!サイキックよしよし!』ムギュッ

梨沙『わふっ…いきなり何すんのよ!』

裕子『さあ、ここを第二の家だと思って!住めば都ちゃんです!』

梨沙『はぁ!?パパのいる家に比べたら、都どころか原生林よ!』


裕子(そう言いながらも、眠りに落ちるまで離れようとはしませんでした)

裕子(強気に振る舞ってましたが、やっぱり寂しかったんですよね)

裕子(その気持ち、わかりました。テレパシーを使わなくても)


-ウルル(エアーズロック)-

裕子『つまり全部まとめてサイキックパワーってことですね!!』ドン

飛鳥『違う。ただの一枚岩なのに想像力をかき立てられて凄いって話』

裕子『わかりやすい!ちゃんと話せるんじゃないですか!』

飛鳥『なかなか煽ってくるじゃないか』

裕子『でもただの一枚岩とは限りませんよ?』

裕子『噂では中が空洞になってるとか、UFOが目撃されるとか』

飛鳥『ウワサは自分の目でみないと信じない主義なんだ』

裕子『ひょっとしたら偽装された宇宙船の発着場なのかも…!』

飛鳥『やれやれ、そんなバカバカし…い…?』

裕子『地球侵略の拠点に!?そんな事はこの正義のエスパーユッコが許しません!…?』

裕子『ムムッ…ペンデュラムが反応…水脈が?…飛鳥ちゃん?』

飛鳥『…気のせいだろうか…?でもアレは…』

裕子『空を見上げてどうしたんです?水脈は上にはありませんよ』

飛鳥『いや…僕の知っているセカイが、全てじゃない』

飛鳥『ボクが思っているよりも、セカイは混沌(カオス)になっているのかもね』フッ


裕子(最初は何言ってんだろこの子、って思いました)

裕子(でも次第に、心の内では素直な驚きと感動でいっぱいなのがわかってきました)

裕子(きっと私たちは、沢山の思い出を共有できたんだと思います)

裕子(ところで結局飛鳥ちゃんは、何を見ていたのでしょうか…?)

ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


飛鳥「やれやれ…常軌を逸した言動と言い、常識を逸した現象と言い…」

飛鳥「キミには驚かされるね。だがこれはあくまで…」

梨沙「あらあら、ゴマカシちゃって♪ずいぶん可愛い声あげてたじゃない」ウププ

飛鳥「くっ…」

裕子「…楽しかったですねぇ」シュゥゥ

晴「あっ戻った…」

ネネ「大丈夫ですか?何か悪い物でも食べたんじゃ…」

晴「食い物のせいか?コレ」

裕子「楽しかったです。オーストラリア。またみんなと一緒に行きたい」ニコッ

梨沙「なんで今オーストラリア?関係ないじゃない」

ネネ「でも…いい笑顔、してますよ」


裕子「えっ?私…今、ちゃんと笑えてます?」ニコー

梨沙「そうね、いつものアホ面だわ」

裕子「アホとはなんですか!」プンプン

晴「なんか元気出たみたいだな…やっぱりそっちの方が、らしくていいと思うぜ!」

飛鳥「想い出にでも浸っていたのかい?過ぎ去った時なんて、虚ろな物でしかないけど…」

飛鳥「だが時として今を生きる活力に変わることもある。アイドルとして沢山の体験をして、学んだことさ」フッ

裕子「…つまり歴史の授業が苦手って事ですか?いっしょです!」

飛鳥「いや違う」

ネネ「今度教えてあげましょうか?」

飛鳥「だから違う」


裕子・イン・ザ・ミラー「」ニコー

裕子(確かに、ちゃんと笑えてますね)

裕子(楽しかった出来事を、思い出したから?)

裕子(またみんなで楽しい思い出を作りたいって思ったから?)

裕子(…思えば私、目の前の事で頭がいっぱいだったかも)

裕子(後ろめたくて、作り笑顔でやり過ごそうとして…)

裕子(…それじゃあちゃんと、笑えないよね)

裕子(…でも、今度こそは…!)


裕子(…いました。プロデューサーと…クラリスさん?)

P『…………………』

クラリス『~~~~~~』

P『…………………』ズーン

クラリス『~~~~~~』オロオロ

裕子(何か話してるみたいですが…ちょっと遠いですね)

裕子(でもなんだかプロデューサー、落ち込んでるみたい)

裕子(…私のせい、なんでしょうか)シュン…

裕子(ハッ!いけません…またネガティブになっちゃう)ブンブン

裕子(良い事を考えるんです。そう、思い出ボムです)


裕子(オーディションで初めて会った時…プロデューサーは面白可愛いって言ってくれました)

裕子(ちょっと苦笑いだったような気もしますけど)

裕子(初レッスンも初ライブも散々だったけど、プロデューサーは優しかった)

裕子(トレーニングの成果が出て、レッスンもライブも上手く行った時)

裕子(プロデューサーは沢山褒めてくれました)

裕子(お仕事でも、オフでも私と一緒にいてくれて、楽しそうでした)

裕子(CDデビューが決まった時、私より驚いて、大喜びしてました)

裕子(…大丈夫です。そんなプロデューサーが、私の事嫌いなわけないですよね)

裕子(むしろ好きなはずです。私はきっとプロデューサーを笑顔にできます!)

裕子(…ん!?)

裕子(…好き!?好きだなんてそんな…)カァァ

裕子(た、確かに私は美少女ですけど!でもなんかそう言うのじゃ!)

P『………………』トボトボ…

クラリス『………』シュン…

クラリス『……!』ハッ


裕子(でもなんだか最近、プロデューサーの視線が気になるような…)グルグル

裕子(いやいや、あのマジメなプロデューサーがそんな!でも…)グルグル

裕子(実は頭の中ではあんな事やこんな事を!?そ、そんな…)グルグル

裕子(私へのプレゼントを選びながら、渡した後は…)ドキドキ

裕子(わ、私をプレゼント、なんて…)ドキドキ

裕子(う、うわぁぁぁ!そんなイメージが流れてきたら、私達どうなっちゃうんですか!?)

裕子(ど、どうしましょう…!逆に受け取り辛く…)

クラリス「裕子さん?」

裕子「うっひょわぁぁぁ!?違います!変な事なんて考えてません!」ビグゥッ!

クラリス「は、はぁ…」

裕子「はっ…クラリスさん?」

クラリス「あの…またも驚かせてしまったようで…」

裕子「い、いえ、…あれ?プロデューサーは…」

クラリス「P様でしたら、仕事に戻られましたが…」

裕子「なんたること…!タイミングを逃してしまいました」


クラリス「…申し訳ありません」ペコリ

裕子「えっ!?いえ、クラリスさんが謝ることでは…」

クラリス「…そうではないのです。その、差し出がましい事をしてしまったと言うか」

裕子「…?」

クラリス「…その、先ほどお会いした時、どこか無理をしていた様子でしたので…」

裕子「うっ…ご心配お掛けしてすみません。でももう大丈夫です!」

クラリス「そうですか?それならよかったのですが…」


クラリス「…それで、P様なら何かご存じなのではないかと、相談したのですが…」

クラリス「その話をしたら、今度はP様も落ち込んでしまわれまして…」シュン

裕子「ううっ…バカな事考えてる場合じゃなかった…!?」

クラリス「裕子さんの悩みを解く助けになりたかったのですが…」

クラリス「むしろ一つの悩みを二つに増やしてしまったようで…」

裕子「い、いえ…気にしないでください!私たちが勝手にやってる事ですから!」

クラリス「やはり部外者が立ち入るべき事ではなかったのですね…」シュン

裕子「ああっ…落ち込まないでください…!」


裕子「そ、そうだ!クラリスさん!プレゼントありがとうございます!」

クラリス「…いえ、そんなに大したものでは…」

裕子「いえ!すっごく美味しかったです!ホラ私、こんなに元気に!」ニコー

クラリス「…ふふっ…いい笑顔ですわ。喜んで頂けたのなら、頑張った甲斐がありました」

裕子「ええ!…それでですね…よかったら、一つ相談させてください!」

クラリス「まあ…なんでしょうか。私でお役に立てるのでしたら」パァッ


裕子「そ、その…一度断ったプレゼントを、もう一度受け取る勇気が欲しいんですけど」

クラリス「…ああ…そういう事だったのですね。P様が落ち込んでいたのは」

裕子「はい…それだけでも、相当な面の皮なんですけど…」

裕子「…プレゼントを受け取ったら、私たちの関係が変わっちゃうかもしれなくて」

クラリス「……………?」

クラリス「……………!」

クラリス「まぁ。まぁまぁ。まぁまぁまぁまぁ」

クラリス「その…よろしければ、私のお世話になっている教会を、ご利用に…」

裕子「そこまで飛躍してません!」

クラリス「しかし、私ではその手の相談にはあまり…」

???「話は聞かせてもらったわ!」

裕子「…!そ、その声は…」


ヘレン「そう、私よ」バァァン

兵藤レナ「Pさんの一世一代のギャンブル…興味深いわね」

相馬夏美「ハネムーンは海外かしら?やっぱりスペインとかオーストラリアとか?」

裕子「で、ですからそこまで話を飛躍させないで…!」

ヘレン「まずはHappy Birthday,裕子。さぁ、受け取りなさい」スッ

裕子「こ、これは…」

ヘレン「大丈夫。コレを受け取ったからって、関係は変わらないわ」

ヘレン「変わらぬ友情の証よ。受け取るのに遠慮も勇気もいらないの」

レナ「もちろん私たちからもよ?…っていうか、みんなチョコなのね。手堅過ぎたかしら」

夏美「いいじゃない!あま~いチョコで、景気付けよ♪」

裕子「み、みなさん…!」シュバッ ゴォォォォォ!

夏美「!?」

ヘレン「受けて立つわ!」シュバッ ゴォォォォォ!

レナ「!?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レナ『ギャンブルで大事なのは、決してチャンスを見逃さない事よ』

レナ『それが今なの。裕子ちゃんもPさんも、チャンスを掴み取るの!』

レナ『Pさんからの大勝負、受けて立たなきゃ女が廃るわよ!』


夏美『恋愛なんて、上手く行かないことの方が多いわ!』

夏美『自分に自信が持てなくて、結局何も伝えられない事だってある』

夏美『でもだからこそ、そこで怯えちゃ駄目!勇気を持って、飛び立つのが大事なの!』


裕子(だからまだ、そうと決まったわけじゃ…!)


ヘレン『ヘーイ!聞こえるかしら?裕子』

裕子(ヘレンさん!?どうやってこっちに語りかけて…)

ヘレン『これが世界レベルよ。そんな事より、聞きなさい裕子』


ヘレン『ひょっとしたら彼は、内心あなたの事を良く思っていないかもしれない』

ヘレン『それを確かめるのは、とても怖い事ね』

ヘレン『彼を信じる気持ちが、揺らいでしまうかもしれない』


ヘレン『ひょっとしたら彼は、あなたの事をなんとも思っていないかもしれない』

ヘレン『業務上だけの関係なのかも』

ヘレン『…正直自信を失うわね、これは』


ヘレン『ひょっとしたら彼は、あなたの事を深く愛しているのかもしれない』

ヘレン『そんな気持ちを知ってしまったら、これまでの関係ではいられないでしょう』

ヘレン『人との関係を変えてしまうのは、とても勇気のいることだわ』


裕子(……………………)

裕子(……はい。だからなかなか、踏ん切りがつかなくて…)


ヘレン『でも裕子。信じる気持ちも自信も勇気も、もうあなたの中にはあるのよ』

ヘレン『あとはあなたが気付いて、呼び覚ましてあげるだけ』

ヘレン『そう…目を閉じて、そっと念じてみなさい』

ヘレン『彼に届けたい想いが、心の底から溢れてくるわ…』


裕子(……………)スッ

裕子(………私は、プロデューサーに…)


ヘレン『そう、あなた自身が歌っていたように』

ヘレン『とっておきのエスパーで、想いを繋げるのよ』

ヘレン『THE IDOL M@STER CINDERELLA MASTER シリーズ』

ヘレン『No.30 堀裕子、ミラクルテレパシー』

ヘレン『定価667円(税別)で、好評発売中よ』


ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子「………………」ピカァァァァ

レナ「ど、どうなってるのコレ…?」

ヘレン「…フッ。全く、世話の焼ける子ね」シュゥゥゥ

クラリス「…どうしてヘレンさんまで…収集がつかなく…」

ヘレン「これが世界レベルよ」ドン!

夏美「世界でも類を見ない怪現象なんだけど」

ヘレン「ならば宇宙レベルね。星のように輝くのよ…」スッ

ヘレン「それでこそディーヴァ!それでこそサイキッカー!」バァァン!!

ヘレン「つまり、そういうこと」フッ

レナ「さっぱりわからないわ」

裕子「…わかりました、ヘレンさん」シュゥゥ

夏美「わかっちゃったの!?」


裕子「レナさんも、夏美さんも、クラリスさんも…ありがとうございます」

クラリス「は、はぁ…?」

裕子「…私、ようやく決心がつきました!これからプロデューサーに会ってきます!」

裕子「この気持ち…テレパシーにして、ぶつけてきます!」ダダダッ

ヘレン「フッ…Good Luck.」グッ

レナ「待って、二人だけで分かりあわないで」

クラリス「…なにやら自己解決してしまわれたようですね…?」

夏美「これからお姉さんたちと恋愛相談とかの流れじゃなかったのー!?」

ヘレン「大丈夫。あなた達の気持ちも、しっかり彼女の力になっているわ」

レナ「まだロクに話もしてないんだけど…?」

ヘレン「…いいのよ。さて…見守りたい気持ちはあるけれど…」

ヘレン「…それは無粋ね。私たちは飲みにでも行きましょうか?」

ヘレン「私が認めた、世界レベルのバーに招待するわ」

ヘレン「クラリスも来なさい。ワインやノンアルだって充実しているのよ」

夏美「…オゴリ?」

ヘレン「ワリカンよ」


-屋上-

P「…何がマズかったのかなぁ…」ドヨンド

P「…やっぱりあの手紙の直後ってのが駄目だったか…?」

P「元気に振る舞ってたけど、やっぱり空元気で…」

P「その後にプレゼントなんて、デリカシーに欠けてたか…?」

P「いやそれ以前に、俺からの贈り物ってだけで気持ち悪がられて…」ズーン

裕子「プロデューサー!!!!」ボェェェェ!

P「うおおぉぉぉぉお!?」ビクゥッ

裕子「お話したい事が!少しお時間頂いてよろしいですか!?」

P「…!?…?…!………裕子…?」ドキドキ

P「あっ…ああ、別にいいぞ…今日の業務は片付いてるからな…」


P「…ゴホン。それでどうしたんだ、こんな時間まで残って…」

裕子「さっきは逃げ出しちゃって、すみませんでした!」

P「逃げっ…」グサッ

P「い、いや…別に気にしなくていいんだぞ?」

裕子「でもアレは別にプレゼントが嫌だったとかじゃなくてですね!」

P「…嫌…!」グフッ

裕子「ちょっと受け取り辛い事情があってですね!」

P「受け取るのが、辛い…!」グハッ

裕子「ですが今度は…プロデューサー?」

P「ふへっ…いいんだよう別に、気にしなくてもぉ」

P「へへっ…やってらんねっ」

裕子「プロデューサー!?なんかキャラが崩れてますよ!?」

P「このまま崩れて溶けてゆきたい」グデーン

裕子「ああっどうしてこんな…」

裕子「と、とにかく、私の話を聞いてください…!」


P「…プレゼントを貰うと、贈り主の気持ちがわかる…?」

裕子「プレゼントを用意してる場面とか、私に抱いてる印象とか」

裕子「私との思い出とか、…良い事も悪い事も、覗けちゃうんです」

P「………………………」

裕子「あの…いきなりこんな変な事言って、信じて貰えないかもしれませんけど…」

P「…いや。信じるよ」

裕子「!」

P「なんか光ってたしな。それに…そんな顔して言ってる事を、信じないわけにはいかない」

裕子「プロデューサー…」


P「そうか…あの手紙を読んで様子が変わったのは、そういう事だったのか」

P「…それじゃあなおの事、すまなかったな」

裕子「いえ、それはもういいんです…それよりこちらこそ、すみませんでした」

裕子「なんだかプロデューサーの気持ちを覗くのが怖くて、受け取り辛くなっちゃって」、

P「…そうだな。それ聞くとコッチもちょっと、渡しづらいかも」ハハッ

裕子「…えっ?」

P「…ん?……………」

P「………ああいやいや、変な事なんて考えてないぞ?」

P「後ろめたいことなんて微塵もない。天地神明に誓って」


裕子「…プロデューサー。今、プレゼント…持ってますか?」

P「…い、一応、持ってるけど…」

裕子「じゃあそれ、くれませんか?」

P「…処分しようかと思ってたんだけど」

裕子「ダメです!パイロキネシス禁止!」

P「屋上で物燃やしたりしません…」

P「…その、後日じゃ駄目?なんか能力は今日限りって言ってたよね」

裕子「ダメです。私は、プロデューサーの気持ちが知りたいんです」

P「え、えー…………」

裕子「一度逃げた癖に、勝手だって思います。でも…お願いします」


P「…恥ずかしいんだけど」

裕子「…私だって恥ずかしいです」

P「い、いいのかなー?ひょっとしたら、消えないトラウマが」

裕子「覚悟はあります」

P「あっあんな所にUFOが!」

裕子「そんな手は通じません」

P「…マジで?」

裕子「マジです」

P「………………………ぐ、ぐぅ…」

裕子「あ、あんまり、待たせないでください…!」

裕子「これでもなけなしの勇気、振り絞ってるんですから…!」

P「ぐっ…!こうなりゃヤケだ!心して受け取れよ!」スッ

裕子「はっ、はい…!」カッ

シュバッ ゴォォォォォ!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

P「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子「……………………」シュゥゥゥゥ

P「ど、どうだ、裕子…?」

裕子「ぷ、プロデューサー…こんな、情熱的過ぎます…」グルグル

裕子「きゅう…」バタリ

P「た、倒れ…裕子!?裕子―――――!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-なぞのばしょ-

課金女神『おお ゆうこ よ しんでしまうとは なさけない』

裕子『え!?私死んじゃったんですか!?』

課金女神『冗談です。ちょっと熱暴走して気絶しただけですよ』

裕子『タチの悪い冗談はやめてください…』

課金女神『ところでどうでしたか?私からのプレゼントは』

裕子『…どうって………………………』

裕子『…私には、必要ないと思います』

課金女神『あら…お気に召しませんでしたか?』


裕子『…正直、すごかったです。私の知りたい事、全部見えました』

課金女神『ならいいじゃないですか』

裕子『でも…こんな能力に頼って人の気持ちを覗けても…』

裕子『私自身は、まるで何も変わりません。成長してません』

裕子『大事な気持ちを伝え合えない、臆病な女の子のままでした』

裕子『だから…私はもう、こんなのに頼りたくありません』

裕子『今度はちゃんと、正々堂々、気持ちを届けるんです!』


課金女神『…そうですか。でしたらお返し頂きますが、いいんですね?』

裕子『かまいません!…それでその、ちひろさん』

課金女神『千川ちひろでありません。私は課金女神』

裕子『その…ありがとうございました!お陰で大事な事に気付けたと思います!』

裕子『明日からもよろしくお願いします!』

課金女神『…そろそろ目覚めなさい。あなたを呼ぶ声が聞こえるでしょう?』

『…明日からもよろしくね、裕子ちゃん』

ホワンホワンホワンホワン…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


裕子「…………………?」パチッ

諸星きらり「あっ起きた起きたー☆」ぬっ

裕子「にょわぁっ!?」

きらり「そうじゃないにぃ☆もっとこう、にょわー☆!」

双葉杏「んー…騒がしいなぁ…何?起きたの?」モゾモゾ

きらり「あんずちゃんもぉ、にょわー☆」

杏「はいはい、にょわーにょわー。…で?もう大丈夫なの」

裕子「えっ…あっ、はい…私は大丈夫です…」


裕子「アレ…ここ、仮眠室?どうしてこんな所に…?」

杏「プロデューサーが担ぎ込んで来たんだよ。屋上で倒れたとかなんとか」

杏「20分前くらいかな。大騒ぎして大変だったよ。折角気持ちよく寝てたのに」

裕子「…そうでしたか…それはご迷惑を…ところで、プロデューサーは?」

杏「清良さんを送って行ったよ。もう少ししたら戻ってくるんじゃないかな」

裕子「そ、そうですか…」

裕子(…………プロデューサー……)

裕子「~~~~~~~ッ!」バフッ

杏「うわっまた顔真っ赤…再発とか勘弁してよ…?」

きらり「Pちゃんがどうかしたのぉ?」

裕子「い、いえ…なんでもないんです、なんでも…!」ゴロゴロ


裕子「…ふう。落ち着きました。すみません、お見苦しい所を…」

杏「…まあ、別にいいんだけど。なんならもっとゴロゴロしようか?」ニヤリ

きらり「杏ちゃんはぁ、そろそろレッスンの時間だにぃ」

杏「あーききたくなーい、はたらきたくなーい」

きらり「サボっちゃダーメ!…それでユッコちゃん、きらり達いなくなるけど、だいじょぶぅ?」

裕子「大丈夫です!この通りピンピンしてます!」

きらり「ムリしちゃダメだよぉ?…あっそーだ!ちょっと待っててー☆」

裕子「………………?」


きらり「にゅんにゅんにゅ~ん♪」ゴソゴソ

きらり「はい!きらりからぁ、はぴはぴなバースデイプレゼントだよぉ☆」

杏「あー…そんなんあったねぇ…じゃあ杏からは、コレあげる」つ飴玉2個

きらり「むぇー?」

杏「いやいや、お気に入りのヤツだよ?結構身を切る思いだよ」

杏「…仕方ないなぁ。甘いの3個あげる。このいやしんぼめー」

きらり「そんな事言ってぇ、実は他に用意してたり!」

杏「ぎくっ…そんな事ないよー」

裕子「あはは…ありがとうございます」モゴモゴ

杏「…………?」

きらり「……………?」

裕子「……………?なんですか?」コロコロ

杏「いや、話に聞いてたのと違うって言うか」

きらり「ぴかーーってしないにぃ?」

裕子「え?…ああ、本当ですね」


杏「なーんだ。ちょっと期待してたのに」

裕子「そ、そうですか…?じゃあちょっと、頑張ってみます…!」ムムムーン

杏「絶対面白い絵面だから撮ろうと思ってたのに」●REC

裕子「やっぱりやめます」

杏「ちぇー」

きらり「うぇへへ…にょ?」チラッ

きらり「うきゃー!あんずちゃん、もうレッスンの時間だにぃ!」ガシッ

杏「ぐぇっ」

きらり「それじゃあユッコちゃん、お大事にぃ☆」ダダッ

<パタン…

<キラリン、ダーッシュ☆
<ハーナーセー

裕子「………………」

裕子「………能力、消えちゃったんですねぇ」

裕子「………でも、いいですよね」


<ドドドドドドドド

裕子「…ムムッ!」

裕子(来てます!来てますよ!バリバリ受信してます!)

裕子(私に会いたくて仕方ないって気持ちが、伝わってくるようです!)

裕子(変な能力も、糸電話も、テレパシーだって必要ないくらいに!)

裕子(そんな物なくたって、私たちの気持ちは繋げられるんですから!)

裕子(だから、今度こそ!エスパーじゃない、ただの美少女のユッコで…)

<バァン!!!



「ありがとう、プロデューサー!ずっと一緒です!」


以上になります。

改めて、堀裕子ちゃん誕生日おめでとうございます

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『wonder』ト『wander』ガカケテアリマスネ
ダカラ『ドーダコーダ』言ウワケデハアリマセンガネ

構成がwanderな拙い文章ですがお祝いしたい気持ちが伝われば嬉しいです
お読み頂いた方、ありがとうございました
堀裕子ちゃんを何卒よろしくお願いいたします

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