真「鴨川ボクシングジム?」 (64)


765プロ



P「ああ。世界チャンピオンや元日本チャンピオン、上位ランカーが在籍する有名ジムだ」

真「ボクシングは詳しくはないけど、聞いたことはあります!」

雪歩「ボ、ボクシング? そ、そんなの無理ですぅ~!」

あずさ「私もちょっと怖いわ~」

P「ははっ、何も実際に戦うわけじゃないですよ。3人にはインタビューと軽い練習に参加して貰うだけです」

あずさ「う~ん、それならなんとか……」






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P「最近は女性でもボクササイズとかが流行ってますし、そんなに気構えることもないですよ」

あずさ「ああ、なるほど~」

雪歩「私でも大丈夫かなぁ……」

真「ボクは凄い楽しみだな~!」

P「詳細が決まったらまた連絡するな」




鴨川ジム



鷹村「なに!? テレビの取材だと!?」

八木「あとは軽い練習にも参加するって」

板垣「一体、誰が来るんですか?」

八木「最近話題の765プロのアイドルが来るみたいだね」

青木「おお! 凄いじゃねーか!」

一歩「そういえば、前にもアイドルの森田クミコちゃんがインタビューに来ましたよね」

木村「あっ、一歩!お前は確かあの時はクミコちゃんのおっぱい触りやがったんだったな!」

一歩「ご、誤解ですよ~!」





八木「ゴホンッ! みんな問題は起こさないようにね」

鷹村「オレ様はともかく、このバカ共が問題だな」

全員(アンタが一番心配なんだよ……)

八木「とにかく、みんな本当にお願いだよ」




───




後日 鴨川ジム



八木「──という事で、練習に参加してもらう765プロの皆さんです」



あずさ「三浦あずさと申します~」

雪歩「は、萩原雪歩ですぅ……」

真「菊地真です! よろしくお願いします!」



青木「うひょー! 本物だぜっ!」

鷹村「触ってもいいのか!?」

木村「ダメに決まってんだろ!」

一歩(みんな可愛いなぁ……)





──



木村「…………」ヒュンヒュンヒュン

あずさ「あれは何をやっているんでしょうか?」

板垣「縄跳びですよ。えっと縄跳びはボクシングに必要な要素が散りばめられていて、リズム感や持久力、手首や腕を鍛えられるんです」

あずさ「なるほど~」



青木「ちっ! 木村の野郎、格好つけやがって」

鷹村「…………」

青木「どうしたんですか鷹村さん」

鷹村「いいことを思いついたぞ」




鷹村「あずさちゃん」

あずさ「はい?」

鷹村「あずさちゃんも縄跳びやってみるか?」

あずさ「私に出来るでしょうか?」

鷹村「大丈夫大丈夫! そんなに難しくないから!」

あずさ「それでは少しだけ~」



青木「……鷹村さん! アンタ天才だよ!」

鷹村「わははははっ! 今頃気付いたか!」






あずさ「えいっ」どたぷ~ん



鷹村「…………」

青木「…………」

木村「…………」



あずさ「難しいですね~。実は私こういうのが少し苦手で……」

青木「失敗しても大丈夫ですよ! ゆっくりでもいいから継続すればいいんです!」

あずさ「そうなんですか? それではもう少し頑張ってみます~。 えいっ」どたぷ~ん




あずさ「はぁ……はぁ……」どたぷ~ん



鷹村「…………」

青木「…………」

木村「…………」



鷹村「……も」

青木「も?」

鷹村「もう我慢出来んっ!! あずさちゃ~ん!!」

木村「やべぇ! 鷹村さんを止めろ!」



「バカタレッ!!」




鷹村「ぐぇっ!!」

鴨川「貴様っ! 何をやっておるんじゃ!」

鷹村「じ、会長!」

鴨川「問題を起こすなと言われておるじゃろうが!」ビシバシ

鷹村「い、痛え! やめやがれ!」





鴨川「ふんっ……」



鷹村「ちっ! いないと思って油断してたぜ!」

板垣(いてもあれはダメでしょう……)

青木「何やってたんだろうな」

木村「お、おい! アレを見ろよ!」

鷹村「なに?」

青木「あ~~!!」




あずさ「まぁ、会長さんなんですか?」

鴨川「うむ」



青木「紫色のサイリウムだぜ……」

木村「法被まで持ってるぞ……」

鷹村「くそ~~! あのエロジジイ~~! ニヤニヤしやがって!!」

板垣「あれ? そういえば先輩は?」

青木「一歩ならホレ、向こうにいるぜ」






ド オ ン ッ



雪歩「ひぅ……」

真「す、凄い! サンドバッグがくの字に!」



木村「ヒュ~」

板垣「先輩、派手にやってますね」

青木「相変わらず、おっかねぇパンチだ」

鷹村「ちっ、一歩の分際で調子に乗りやがって」





スタッフ「あっ、幕ノ内選手」

一歩「はい?」

スタッフ「お願いがあるんですけれども」




──



スタッフ「──というわけで、形だけでもいいので、スパーリング体験を順番にお願いします」



一歩「…………」どきどき

あずさ「よろしくお願いします~」



鷹村「だからなんでいつもアイツなんだよ!!」

青木村「そうだそうだ!」

板垣「体格差だったらボクでも丁度良かったのに」







一歩(とりあえずヘッドギアを付けてるとはいえ、顔は不味いからゆっくりボディに……)そ~



あずさ「きゃっ」ムニュ



一歩「~~~~!!」




鷹村「だからお約束をかましてんじゃねえ!!」

青木「ここか! ここであずささんのおっぱいを触ったのか!」

鴨川「小僧っ!! 貴様あとで覚えておれ!!」

板垣「か、会長……」




あずさ「はぁ……はぁ……ありがとうございました~」

一歩「こ、こちらこそありがとうございました」どきどき



鷹村(さっきの縄跳びといいスパーといい、とんでもない破壊力だったぜ……)

木村(眼福眼福)




真「次は雪歩の番だね!」

あずさ「頑張ってね~」

雪歩「わ、私には無理ですぅ~~!」

一歩「あっ、ボクは構えてるだけだから、適当に打ってきてくれればいいよ」

雪歩「う、うぅ……それならちょっとだけ……」



雪歩(男の人は怖いけど……この人は少し優しそうだし頑張ろう……)





雪歩「よ、よろしくお願いしますぅ~!」

一歩「よろしくお願いします!」



一歩(か、可愛い……! この子はちょっとクミさんに似てて、ボクのタイプなんだよなぁ~)




雪歩「えっと……えっと……」

一歩(う~ん! 可愛いなぁ!)テレテレ

雪歩「え、えいっ!」

バン

一歩「うっ!」

一歩(お、思ったよりいいパンチだぞ……!)




雪歩「えいっ!」ギュン



板垣「あ、あのパンチ」

木村「腕に回転がかかってるな」

青木「ま、まさか!」



鷹村「あれはコークスクリュー・ブローだな」




雪歩「えいっ! えいっ!」ギュン ギュン

一歩「わっぷ!」



木村「か、可愛い顔をして……」

青木「意外にエゲツないパンチだぜ……」




雪歩「はぁ……はぁ……あ、ありがとうございましたぁ」

一歩「あ、ありがとうございました……」



一歩(だ、伊達さんや沢村さんを思い出してしまった……)





真「雪歩! お疲れさま!」

雪歩「ふひ~、疲れましたぁ……」

あずさ「かなり体力を使うわよね~」



真「さて! いよいよボクの番だぞ!」




雪歩「真ちゃん! 頑張って!」

あずさ「頑張ってね~」

真「ありがとうございます! 雪歩、あずささん!」



一歩「それじゃあ、よろしくお願いします」

真「よろしくお願いします!!」






真「……せいっ!」

ド ゴ ッ

一歩「!?」ビリビリッ



鴨川「……むっ」

鷹村「おおっ」

青木「あ、あの子」

木村「ああ」

板垣「結構重いパンチを打つぞ」




一歩(び、びっくりした! 凄いパンチ力だぞ!)



真「…………」スッ



一歩(べ、ベタ足!)



鴨川「……いや、摺り足じゃ。あの嬢ちゃんは空手か何かをやっておるのか」

あずさ「確か、お父さんの影響で空手を~」

鴨川「なるほどな」



鷹村(あのエロジジイ……シリアスな顔をして、ちゃっかりあずさちゃんの隣に……)




一歩(この子! ボクと同じでインファイターか!)

真「せいっ!」

ド ン

一歩「……っ!」



一歩(お、女の子だと思ってナメてると、痛いのを貰うぞ)




真「せいやっ!」

一歩(くっ! ガードしてても結構効くっ!)



一歩(……少しプレッシャーをかけつつ、前に!)



真「!?」



一歩(様子見の軽い左ジャブを……!)スッ



真「……くっ!」ビリビリ






真(す、凄い! 間違いなく手加減した左なんだろうけど、ガードの上からでも重いっ!)

真(これがプロボクサーっ!!)



真(でもあんまり貰いたくないなぁ。……よぉ~し!)



一歩「…………」スッ

真「…………」タンッ



青木「おお!」

木村「避けた!」











真「…………」ターン ターン



一歩(こ、この子!)



板垣「バリバリのファイタータイプだと思ってましたけど」

青木「アウトも出来るのか!」

木村「リズム感もいいし、サマになってるな」



鷹村「オレ様と同じボクサーファイターみたいだな」





鴨川「あのお嬢ちゃんは、かなりいいモノを持っておるな」

あずさ「ふふっ、真ちゃんは事務所でも響ちゃんと並んでダンスが凄いんですよ~!」

雪歩「真ちゃん! 頑張って~!」




真「せいやっ!」

ド オ ン ッ

一歩「……っ!」ビリビリッ



真(ジャブがくる!)トーン

一歩「くっ!」



一歩(スピードもあるし、威力もある! ……この子強いぞ!)




鷹村「がははははっ! いいぞ一歩! 一人だけ良い思いをした罰だ! やられちまえ!」

青木(アンタだって、あずささんのおっぱいをガン見してただろうが……)



真「はぁ……はぁ……」キュッ キュッ



真(とはいえ流石世界ランカーだ……プレッシャーでスタミナをどんどん持っていかれる……!)






真(……こうなったらっ!)



真「…………」スッ



鴨川「むっ」

板垣「腰を落とした?」




真「せいやあぁぁぁ!!」

一歩「!?」



ド ゴ オ ォ ォ ン ッ



板垣「あ、あれは!」

鴨川「うむ」



鴨川「正拳突きじゃ」








シュウゥゥゥ



一歩「……ふぅ」



真「はぁ……はぁ……防がれちゃったなぁ……」






カーン カーン



鴨川「そこまでじゃ!」



真「はぁ……はぁ……」




真「はぁ……はぁ……あ、ありがとうございました!」

一歩「こちらこそ、ありがとうございました!」



雪歩「わぁ! 真ちゃん! カッコ良かったよぅ!」

あずさ「お疲れさま~」

真「ははっ、ありがとうございます」






雪歩「本当に凄かったよ~!」

真「いやぁ、やっぱりプロは凄いなぁ!」

あずさ「?」

真「ほら、一歩さん、全然息が切れてないでしょ? それにパンチも殆ど力が入ってなかったんだ」

雪歩「ほぇ~」

真「ボクも、もっともっとトレーニングをして、強くならなきゃ!」

あずさ「あの……真ちゃん? 私たちはアイドルだって事を忘れていないかしら?」




一歩「ふぅ……」

板垣「先輩! どうでしたか?」

一歩「いやぁ、彼女とても強かったよ!」



鴨川「小僧っ! 地下のトレーニングルームに来い! 今からミットを持ってやるわい! 」

一歩「い、今からですか!?」

鴨川「貴様にはお灸を据えてやらねばならん!」

木村(ありゃ、あずささんの件を根に持ってやがるな)



あずさ「あの、その前に皆さんにインタビューいいですか?」

鴨川「うむ、勿論じゃ」



全員「」バターン


鷹村「このエロジジイ……!」



─────
───





765プロ



『──ということで、鴨川ボクシングジムからお送りしました~』



春香「わぁ! 真カッコよかったね~!」

真「ははっ、ありがとう春香」

千早「私も通ってみようかしら……」




春香「あっ、そういえばクッキー焼いてきたんだった!」

雪歩「それじゃあ私はお茶を淹れてくるね」

あずさ「私は一足お先に“いたがきま~す”」

千早「?」

真「さっきの板垣さんが言っていたんだよ。“いたがきます”って」

千早「ぶっ!!!!!!」

春香「千早ちゃん!?」




鴨川ジム



板垣「あれ? 何をしているんですか?」

一歩「明日は765プロの定例ライブだからね。その準備だよ」

八木「いやぁ、生の貴音ちゃんを見れるなんて楽しみだよ!」

板垣「八木さんまで! 他のみんなは?」

一歩「向こうだよ」




鴨川「バカ者! 腹の底から声を出さんかっ!」

鷹村「うるせぇ! 言われなくてもわかってらぁ!」

青木村「あ・ず・さ・さ~ん!!」



鴨川「よし! 次はコールの練習じゃ!!」

鷹村青木村「上等だ!!」



板垣「……なんですかアレ?」

一歩「みんな、あずささんのファンになっちゃったみたいで」ゴトッ



一歩「あっ」

板垣(白と黒のサイリウム……)

一歩「い、いやぁ……ボクも二人のファンになっちゃったよ。はははっ」





ワン ワン



一歩「ん? ワンポと知らない犬だ。というか、どうしてここに?」



???「おお! ここがお前の飼い主がいる所か、ワンポ!」



一歩「ああ! 君は765プロの!!」






終わり






次回

菊地真、アイドルボクシング大会に続く。



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