アシェラッド「聖杯ねぇ…」 (8)
トルフィン「こんなんじゃねぇだろぉ!?俺と!!お前の決着は!!」
ったく、サッサととどめを刺せって言ってんのによ。
このガキは…
アシェラッド「俺を殺して…その後どうすんだよ…何も考えてねぇだろ?しょうがねぇ野郎だ。」
トールズの子よ…
トールズの目指したその先へ…
お前が行け…
ー第四次聖杯戦争ー
~間桐邸~
雁夜「これが…俺のサーヴァント…」
臓硯「お前は魔術師としての経験が浅いからな…狂化されたサーヴァントで戦え。」
アシェラッド「…妖怪じみた顔が二つたぁ、寝起きに見るもんじゃねぇな。」
雁夜「な!?このバーサーカー、自我があるのか!?」
臓硯「ほう…こいつは驚いたの。口をきくバーサーカーなぞ、聖杯戦争が始まって以来のことだ。」
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アシェラッド「まぁ、バーサーカーには違いねぇが…ちょいと特殊なんだよ。」
臓硯「ほう…それは実に興味があるのぉ…」
アシェラッド「まぁ、ソイツは見てのお楽しみって事で…アンタが俺のマスターか。」
雁夜「…あぁ、雁夜と呼んでくれ。」
アシェラッド「俺はアシェラッドだ。」
臓硯「デーン人の王であるズヴェンを斬り殺した、まさに生粋の"狂戦士"であるお前に、さらに狂化をかけてやったのにも関わらず、こうして話が出来るとはな…」
ー数日後ー
雁夜「アサシンが殺られたみたいだ」
アシェラッド「…妙だな。」
雁夜「妙とは?」
アシェラッド「こうして、サーヴァントが退場した情報をお前が知る事が出来てるからだ。…バカにしてるワケじゃねぇぞ?」
雁夜「…いや、俺は魔術師としての経験が浅い。にも関わらず、蟲を使って容易にこの情報を得る事が出来た…確かに妙だな。」
アシェラッド「普通は隠すもんだろ?ソイツがまだ生きてると他の奴が思ってくれてりゃあ、殺った奴はそれを利用出来る。」
雁夜「つまり…」
アシェラッド「ま、アサシンのマスターとアサシンを殺った奴はグルだろうな。」
雁夜「しかし…そんな事をしてアサシンのマスターになんの得があるんだ?」
アシェラッド「アーチャーのマスターとアサシンのマスターは、例えば主従関係にあるんじゃねぇか?」
雁夜「それにしたって、サーヴァントを殺してしまったらマイナスの方がデカいだろ……」
アシェラッド「…誰かがやり合うみてぇだな。」
雁夜「わかるのか?」
アシェラッド「場所までは分からんよ。その辺はよろしく頼むぜ、マスター。」
ー埠頭ー
キィン!!ガキィン!!
アシェラッド「早速やりあってやがるな。」
雁夜「ランサーともう一人は…武器が見えない?そういう宝具なのか?」
アシェラッド「……」
ー過去ー
アシェラッド「母様、なんでアルトリウス様は強いの?」
母「…アルトリウス様はね、その御身を見えなくする事が出来るの…」
母「風の精霊たちの加護を受けたアルトリウス様の剣は、誰にも見る事が出来ない…だから、強いの…」
ー現在ー
アシェラッド「…今更…今更なのかよ…」
雁夜「ん?どうした?」
アシェラッド「…」
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