ニャンコ先生「塔子のヤツ、いいオッパイしていたぞ」【夏目友人帳】(35)

スレタイ詐欺だったらごめんなさい

・・・森・・・

子狐「ナツメはどうして会いにきてくれないんだろう。僕のこと忘れちゃったのかな……いや、ナツメが僕の事を忘れるはずはない。
きっとナツメは忙しいんだ。だから僕から会いに行けばいいんだ。きっとナツメは怒らない……僕のことをきっとまた抱きしめてくれる……」


・・・貴志のうちの近くの林・・・

子狐「久しぶりに来たから迷っちゃった……どっちに行けばナツメに会えるのかな…」

子狐「あっちでにぎやかな音がする。行けば教えてもらえるかも」トコトコ

子狐「あのう、すみません……」

中級妖怪A「おまえヨソ者だな。俺の晩飯にちょうどいい。覚悟しろ!」

子狐「キャーー!助けて、ナツメ!!」

中級妖怪B「ん!ちょっとまて。おまえ今ナツメと言ったな?」

子狐「ハイ……」

中級妖怪A「ナツメとは友人帳の夏目様のことか?」

子狐「うん、ナツメと友達なんだ」

中級妖怪A「なぁにぃ!おまえごときが夏目様と友達なんて信じられるかぁっ!!」

柊「本当だ。夏目はこいつと友達だと言っている。もしお前がこいつに害をなそうというのなら私が相手になろう」

中級妖怪B「そ、そうなのか。夏目様の友人というのなら話は別だ。一緒に飲もうではないか」

子狐「ありがとうございます……あのう、そこの幟に書いてある犬の会ってなんですか?」

中級妖怪A「”夏目様”のしょうもない悩みやお節介に付き合って、呼び出しあらば犬のごとく馳せ参じようという有志の集まりだ」

子狐「ほ、ほんとですか。僕も犬の会に入れてもらえますか!?」

ヒノエ「誰かが許可してはいるもんじゃないよ。自分が犬の会の会員と思えばそれでいいのさ」

子狐「だったら僕も立派に犬の会の一員です!!」

中級妖怪A「そうか、じゃあ入会祝いにパーッと…」

子狐「ナツメのための会ならナツメもここに来るんですよね?!」

中級妖怪A「うーん、それがなあ……」

子狐「来ないんですか?」

中級妖怪B「夏目様はあまりこの会に来てくださらないのだ。われわれと飲みたくないのであろうか?」

柊「それは、夏目が人間としてはまだ未成年で酒を飲むわけには……」

ヒノエ「来てくれりゃあ、あたしがアンナコトやコンナコトだってして忘れられない熱い夜にしてやるのに」

柊「だから、夏目はまだ未成……」

子狐「どうして来ないかナツメに聞いてみたら?」

中級妖怪A「みんなが驚くといけないからあまり家には来るなと言われているのだ……」

カッパ「そうだ、狐なら何かに化けて夏目親分の様子を探ってくることが出来るんじゃないか?」

ヒノエ「それは悪くない案だねえ」

柊「未成年は宴会に……」

子狐「わかった!僕行ってくる!!」

柊「未……」

・・・そのころ藤原家では・・・


塔子「この緑色のビンはなに?お酒でも買ってきたの?」

滋「山形の友達から良いお酒をもらってきたんだ」

塔子「それはよかったわね。夕食のときにでもお出ししましょうか」

滋「いや、今日は珍しく雪が積もったじゃないか。風呂に入りながら月見酒、なんて洒落込みたいんだ」

塔子「じゃあ、お風呂にお燗をして持って行きましょう」

滋「いや、これは吟醸の古酒だから冷で……」

塔子「注文が多いのね」

滋「ごめん」

塔子「良いわ、たまのことですから」

滋「そうだ、塔子さんも飲んだら」

塔子「私はいいわ。ちょっと飲んだだけでも酔っ払ってしまうもの」

滋「そうか、一人で飲んで悪いなあ」

塔子「遠慮なさらずに飲んでください」

滋「ありがとう」

・・・2時間後・・・

ガラガラ  ♪北のぉーー酒場どおりにはぁーーー

塔子「滋さん上がったみたいね。ご機嫌だこと……さてと、私もお風呂に入りましょ」ガラガラ

塔子「まあ、随分お酒残しちゃって。滋さんもそんなに強いほうじゃないから…でも、どうしようかしら、少し温まっちゃったからとっておくわけにもいかないし。
んーー、いただいちゃいましょう、明日はおやすみだし……たまにはね」

チャプン
塔子「お風呂につかりながらのお酒ってのも乙なものね…あら、飲みやすい。普段お酒飲まない私でも飲めちゃうわ。
お月様もきれいだし飲みすぎちゃうかも、なんていってもお猪口2、3杯で酔っ払っちゃうんだけど。フフッ」

・・・藤原家の庭・・・

子狐「ナツメのうちは……ここだ!確か入り口は……あれ、開かない。前は開いたのに……どこか入れるところは無いかな。
あ、開いてる窓がある。あそこから……」

子狐「待てよ、人間に化けて入るわけにはいかないぞ。泥棒と間違われるかもしれない、どうしよう……
そうだ、あのつぶれ大福みたいな、エーと、そうだニャンコ先生に化けて忍び込もう。ネコなら窓から入っても怪しまれることはない。
ちょっと窓の位置が高いから、足場を作ろう」ガタゴトガタゴト

・・・お風呂・・・

塔子「何かしら窓の外で音が……ま、まさか泥棒!?」

ピョーン

塔子「キャッ、お饅頭のお化けが窓から!……あれ、お饅頭ってお化けになるのかしら…?なんだニャン吉君じゃない、びっくりさせるんだから…ヒック…
もう、こんな夜中に帰ってくるなんて、遊び人なのね…ヒック」

子狐「にゃあ」 ”顔が赤い、お風呂でほてっているのかな。う、お酒臭い。酔っ払っているんだ”

塔子「そうだ、ニャン吉君も飲みなさい。いつも呑みたそうな顔してお酒のビン見てるじゃない…ヒック…遠慮しなくて良いのよ」

子狐「にゃあ」 ”で、でもお酒なんか飲んだことない、どうしよう?”

塔子「私の酒が飲めないって言うの!」

子狐「にゃあ」 "しょうがない少し舐めとこう…ペロ……ん、意外と美味しい…ペロ…なんか体がほてってきた…ペロ…”

塔子「あら、ニャン吉君はお酒飲むとしっぽが狐みたいになるのね…ヒック…まあ、そういう体質の猫もいるわよね」

子狐「うわっ、しまった」

塔子「まあ言葉も喋れたの?…ヒック…でも、それぐらいのことはあるかもしれないわね。お酒を飲む猫なんですもの」

子狐「そういうわけじゃないんですけど…」

塔子「あなたお化け?」

子狐「お化けっていうわけじゃないです」

塔子「そうよね、お酒付き合ってくれる猫ちゃんがお化けなわけないもの…ヒック」

子狐「そ、そうですよね……そうなのかな?」

塔子「さあ、ニャン吉君、もっと飲んで」

子狐「はい…ペロペロ…」

塔子「あのね、私お化け見たことあるの…」

子狐「そうなんですか?」

塔子「少し前に、滋さんと一度気まずくなったことがあってね」

子狐「へー」

塔子「確か屋根裏をネズミが走り回っていた晩だったわね。トコトコ走っている音を聞いていたらなんだか急に不安になってきたの」

・・・数か月前、藤原家・・・

塔子「ねえ、滋さん将来このお家どうなるのかしら」

滋「どうって?」

塔子「もう子どもはできそうもないし。私たちが死んだら、このお家も知らない人の手にわたってみんな私たちのこと知ってる人もいなくなって……」

滋「おいおい、どうしたんだい。そんな先のこと心配したってしょうがないじゃないか」

塔子「先かどうかわからないじゃないですか!」

滋「そうだ、この前話した、親戚の間でたらいまわしになっている男の子。あの子を引き取って……」

塔子「知らない人であることに変わりないじゃないですか」

滋「でも、親戚だよ」

塔子「親戚なんて言って本当は浮気してできた子なんじゃないの!」

滋「馬鹿な。僕が君以外の人と関係を持ったとでもいうのか…もういい!」

・・・今のお風呂場・・・

塔子「なんでそんなひどいことを言ってしまったのか自分でもわからないんだけど…珍しく滋さんも怒った顔をして出て行ってしまったわ。
で、その日の夜中のこと、部屋の中に何か気配を感じて目が覚めたの。そうしたら、すごく可愛い女の子が部屋の隅に座っていて…」


・・・もう一度数か月前・塔子の寝室・・・

塔子「あっ」

女の子「夜分失礼します」

塔子「ど、泥棒……じゃなさそうね」

女の子「ええ。この家に盗む価値があるものはなさそうだし」

塔子「だとすると……こんな時間に見ず知らずの私の部屋にいるっていうことは……お化け?なんか透けて見えるし」

女の子「んー、まあそんなところかしら。あんまり怖がらないのね」

塔子「驚きすぎてどう恐がったらいいか分からないの」

女の子「ごめんなさい、驚かせるつもりはなかったんだけど、ちょっと言っておきたいことがあって」

塔子「なにかしら?」

女の子「滋君を信じてあげて」

塔子「滋君?」

女の子「あ、彼が小学生のころから知っているから、つい……」

塔子「そんな昔から…でもあなたまだ高校生ぐらいに見えるけど?」

女の子「お化けみたいなものだって言ったでしょ。あなたよりずいぶん年上よ」

塔子「そうなの、ごめんなさい」

女の子「そんなことはいいんだけれど、あの子はあなたを裏切るようなことをしないわ。私の言うことじゃ、信用できないかもしれないけど」

塔子「そんなことないわ、悪い人じゃなさそうだし…」

女の子「ハハハ、私のこと信じるなんて変な人ね」

塔子「そうかもしれないわ、フフッ」

女の子「滋君と一緒にこの温かいお家を守っていってほしいの」

塔子「もちろんそのつもりよ」

女の子「よかった。あと、もう一つ…こっちはお願いなんだけれど……」

塔子「なに?」

女の子「滋君が言っていた親戚の子供を……できたら……」

塔子「あの、たらいまわしになっているっていう子?ひょっとしてあなたの子供?」

女の子「いいえ、違うわ。無関係ってわけじゃないけど」

塔子「断ったら祟る?」

女の子「そんなことしないわ。もしあなたたちのためによくないと思うなら、それはそれでしょうがないわ」

塔子「うーん……ちょっと考えさせて。家族が増えるって大変なことだから」

女の子「家族……ね…」

塔子「でしょ?」

・・・今のお風呂場の前・・・

ニャンコ先生「ん、風呂場から酒の匂いがするぞ。滋の奴風呂場で飲んでいるのか、少しまきあげてやる」

ニャンコ先生「この匂い、入っているのは塔子だな。しかし塔子が酒を飲んでいるのを見たことがないが。どれどれちょっと覗くか」

ニャンコ先生「なんと!私がいるではないか!妖が私に化けて塔子を食おうと…いや、そんな雰囲気ではないな…
ん、あのしっぽは狐のもの、ひょっとしてあの時の子狐か。なんで狐が塔子と風呂場で酒を飲んでおるのだ?少し様子を見るか……」


・・・お風呂場の中・・・

塔子「そうしたらね、そのお化けさんが頭を下げて、”お願いします”って……はっと気が付いたらいつもの寝室、誰もいなかったの。
なーんだ、夢かってその時は思ったわ」

子狐「ふーん…なんか、眠くなってきた、お酒のせいかな…」

塔子「次の日の朝、玄関を掃き掃除してたら割れた茶碗が転がってて、それを見たらなぜかわからないけど ”なにくだらないことで悩んでいたんだろう”って感じたの。
で、昨日の美人のお化けさんはきっと私の中の良心が困ってる男の子を助けなさいって夢に出てきたんじゃないかなって…」

子狐「・・・」

塔子「そう思ったら、矢も盾もたまらなくなって。すぐその男の子のところに、うちへ来てって言いに行ったの」

子狐「・・・」

塔子「そうしたら、驚いたことにその男の子が、貴志君のことね、昨日のお化けにそっくりだったのよ!
きっとね、このうちに住み着いているお化けが、子供ができなくて悩んでいた私を貴志君に引き合わせるために、貴志君そっくりの姿で現れたのよ。
だからお化けさんに感謝してるの、あんな素敵な家族をプレゼントしてくれて」

塔子「ニャン吉君にも感謝してるのよ。貴志君、前はいつも作り笑顔を浮かべて、遠慮ばかりしているって感じだったの。
でもニャン吉君が来てからは生き生きした表情を見せてくれるようになって。本当に家族になれたなって感じてるの。もちろんニャン吉君もよ……」

子狐「……」


ニャンコ先生「家族か、くだらん。ひ弱な人間どもが考えそうなことだ………おや、風呂が静かになったな」


塔子・子狐「ZZZ……ZZZ……」

ニャンコ先生「……酔っぱらって寝込んでいるではないか。しょうがない……」

・・・貴志の部屋・・・
貴志「で、なんでお前と塔子さんが風呂場で酒を飲んでいたんだ?」

子狐「犬の会のみんなが、どうしてナツメが一緒に飲んでくれないか探って来いって」

貴志「あいつら……俺は未成年だから酒が飲めないんだよ」

子狐「僕なら化けられるから家の中に忍び込んで調べられるだろうって。それでニャンコ先生に化けて開いている窓から飛び込んだら、裸の女の人がいたんだ」

貴志「そりゃあ、風呂場だからな。そうだ、塔子さんはどうした?」

ニャンコ先生「寝室の前に置いてきた」

貴志「パジャマぐらい着せてあげなかったのか、気の利かないやつ」

ニャンコ先生「この愛らしいニャンコの手で服なんか着せられるわけなかろう。そうだ、塔子のヤツ年の割にいいオッパイしていたぞ、そんなに大きいわけではな…」

貴志「塔子さんに失礼なこと言うな!」ガツッ ボコボコ ドコッ ドカッ グキッ

ニャンコ先生「何をする!!風呂場で寝てるのをわざわざ運んでやったんだぞ!感謝されこそすれ殴られる覚えはないわ!くそ忌々しい!
チビ狐、犬の会の連中と飲みにいくぞ!さっさと来い!!」

子狐「は、はい…」

・・・犬の会、会場・・・

ニャンコ先生「オラッ酒出せ!女はいないのか!」ガシャーン

中級「つぶれ大福、いや、斑様。お静まりを……」

ヒノエ「相変わらず、あのちんちくりんは酒癖が悪いねえ」

子狐「……」

ヒノエ「どうしたんだい、そんなしょぼくれて」

子狐「もうナツメに会えない……」

ヒノエ「どうして?」

子狐「ナツメ、すごく怒ってた」

ヒノエ「ほう、そうかい。で、お前は会いたくないのかい?」

子狐「もちろん会いたいよ」

ヒノエ「ナツメはお前に会わないって言ったのかい?」

子狐「いいえ」

ヒノエ「だったら会いに行くがいいじゃないか」

子狐「でも……」

ヒノエ「友達なんだろ、違うのかい?」

子狐「そうだ、ナツメは友達なんだ!僕、また会いに行きます!」

・・・次の日の藤原家・・・

塔子「ニャン吉君、はいどうぞ」

ニャンコ先生 ペロペロ

塔子「変ねぇ……」

貴志「塔子さん、どうしたんですか? アッ、だめですよ、こいつにお酒なんか飲ませたら」

塔子「あのね、昨日ニャン吉君にお酒飲ませたらしゃべったのよ」

貴志「えっ!!そ、そんなことあるわけないじゃないですか。嫌だなあ、塔子さん変なこと言って。そうだ、酔っぱらって夢を見たんですよ」

塔子「そうかしら……そうよね。でも残念、ニャン吉君にお願いがあったの」

貴志「ニャンコ先生に?」

塔子「そう、お化けさんにお礼を言ってほしかったの」

貴志「なんですか、お化けって?」

塔子「内緒。貴志君、今日の晩御飯はすき焼きよ。ニャン吉君も食べるかしら?」

  

https://www.youtube.com/watch?v=Gt-P8cl97W8


                          お  わ  り

夏頃書いた

塔子「貴志君、私の裸見た?」【夏目友人帳】
塔子「貴志君、私の裸見た?」【夏目友人帳】 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1436099024/-100)

の続きでした、ほぼ独立してはいるんですが。

共通点は、ヤマなしオチなし意味なし、スレタイ詐欺くらいでしょうか……

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