隊長「よし、じゃあステラプリズムの探索ポイントが6ポイント回復したらまた集合だからな」
まな「はーい!」
椿芽「ふぅ…さっきの妖魔の体力もなかなか削れたね」
悠水「上級の妖魔にもやられなくなってきたからねぇ。コンボも上手くキマったし!」
伊緒「立ち話もいいけど、とりあえずチームハウス戻ろう?」
サトカ「残してきてしまったドーナツさん達が心配です…」タタタ
まな「あーん、待ってよサトちーん!」タタタ
隊長「うむ、上級にも撤退せずに向かえるようになってきたな。メモカの扱いもどんどん上手くなってきてるし、今度超級にチャレンジしてみてもいいかもしれないな」トテトテ
???「だーれだ♪」
隊長「ん?その声は華賀利だな」
華賀利「まぁ、流石は隊長様ですわ!お姉様ともお間違えにならないなんて…華賀利、感激ですわ!」
隊長「このくらい隊長として当然だ」フフン
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華賀利「正解なされた隊長様に、以前ご要望をいただいた賞品をプレゼント致しますわ」
隊長「ん?何か華賀利に頼んでたか…?」
華賀利「ふふ、開けてみてくださいませ」
隊長「ネコの手ではちょっと開けづらいんだが…よっ、と」ガサガサ
華賀利(袋を引っかいたりして中身を出そうとする隊長様…あぁ、可愛らしいですわ…!)
隊長「…? なんだこれ…服?」
華賀利「はい!華賀利が隊長様のために愛を込めて縫った隊長様のお洋服ですわ!」
隊長「え、服を作ってくれなんて華賀利に頼んでたっけ…」
華賀利「お忘れですか?隊長様…以前雪山の境界を探索した時のことを…」
隊長「雪山…。あ、あぁ!あの時…!」
華賀利「思い出していただけましたか?」
隊長「思い出した!けど…あの時は…」
・・
・ ・ ・・
・ ・ ・・ ・・・・
《雪山の境界》
二穂「今日は寒い境界に行くと言っていたが…まさか雪山とはな」
依咲里「二穂様、お風邪を召しませんようにコートを」
二穂「うむ、ありがとう」
雪枝「わぁー…綺麗…」
楓「ふふ、なかなか見れる景色じゃないわね」
華賀利「雪を見るとなんだかワクワクしてしまいますわ♪…あら、隊長様?いかがなさいましたか?」
隊長「あ、あぁ…ちょっと肉球が冷えて…いてて…」
二穂「そうか、肉球は脂肪があるとはいえ毛がなく表皮が丸出しだからな」
雪枝「だ、大丈夫ですか…?しもやけになっちゃうんじゃ…」
楓「雪が降ってる間は誰かが抱いていてあげたほうが良さそうね」
華賀利「その役目、この華賀利にお任せください!隊長様を優しく包み込むように抱いて差し上げますわ♪」
依咲里「華賀利!そのような者にそこまでする必要はありません」
華賀利「でも、お姉様…」
隊長「大丈夫だよ華賀利。極力雪の無いところを歩くし、ネコを抱いたままじゃあ探索の邪魔になるからな」
華賀利「隊長様がそうおっしゃられるなら…」
隊長「あぁ、でもせめて靴下くらいは欲しいかもな…」
華賀利「隊長様の靴下…華賀利が作らせていただきますわ!」
依咲里「なにを言ってるの、華賀利。あなた裁縫は苦手でしょう」
華賀利「隊長様のためなら頑張りますわ!」
依咲里「こんな者のために頑張るなんて…」
隊長「依咲里はいつになく辛辣だな…」
雪枝「ふふ、寒くて気が立ってるのかもね」
依咲里「寒いからといって周りに当たるほど子供じゃありませんわ!」
二穂「そうか?依咲里は夕食前とかお腹が空くとピリピリしてるじゃないか」
依咲里「にっ二穂様までっ…」
楓「依咲里ちゃんのそういう子供っぽいところも可愛いわよ」
依咲里「か、かわっ…もう!さっさと探索を終わらせますわよ!」
・ ・ ・・ ・・・・
・ ・ ・・
・・
隊長「…って」
華賀利「はい!ですから、この不肖華賀利…丹精と愛を込めに込めて隊長様のお洋服を縫わせていただきましたわ!」
隊長「いやいや、靴下を縫うって話だったんじゃ…」
華賀利「えぇ、ですが隊長様は雪山でもなにもお召し物を羽織らずに探索に勤しまれていたのを見てお洋服を、と」
隊長「いや、肉球以外はそんなに寒くなかったし…」
華賀利「でも、靴下だけというのは寂しいじゃありませんか?」
隊長「うーん…でも、服の下が毛だらけじゃあゴワゴワして…」
華賀利「お風邪を召しますより多少我慢された方がよろしいですわ!」
隊長「な、なら今度雪山に行った時に…」
華賀利「大丈夫ですわ!普段使いもできますように工夫致しましたから!ほら、この舞台タキシードを参考にした服は裏地を外せるので夏の暑い日にも着れますわ!」
隊長「いや、でもわざわざ着る必要は…」
華賀利「この羊の着ぐるみなどは冬のどんな寒さにも耐えられるようにわざわざ生地から考えに考え抜いて…」
隊長「だから肉球以外のところは…」
華賀利「このトナカイの着ぐるみはツノをフードに固定するためにあらゆる工夫を致しまして、この縫い目のところを…」
隊長「いやホントに服はゴワゴワするからいらないから!じゃっ!」タタタタッ
華賀利「あっ!隊長様お待ちになってください!」タタタッ
隊長「前にちょっと着たことあるけどあの感覚は落ち着かないんだよ!受け付けないんだよ!」ダダダダ
華賀利「慣れればきっと大丈夫ですわ!隊長様が慣れるまで、華賀利格好良く凛々しいお洋服をたくさん作りますから!」タタタタタッ
隊長「いらないって!っていうか足はえぇーなオイ!ネコの全力疾走によくついてこれるな!その運動能力無駄に発揮しなくていいから!」シュタタタ・ン
華賀利「隊長様に華賀利特製のお洋服を着ていただくまではずっとついていきますわ!」シュタタタ・ン
隊長「ちょっ、こないで!誰かー!誰か助けてー!」タタタタ
???「お待ちなさい!」
隊長「そ、その声は…!」
華賀利「依咲里お姉様っ?!」
依咲里「華賀利!またそのような者を追いかけ回して…なにをしているのですか!」
隊長「依咲里!助かった、華賀利を止めてくれてありが」
依咲里「隊長様は黙っていてください!」
隊長「あっ、はい」
華賀利「隊長様のために、凛々しく格好良いお洋服を縫ったので着てもらってそのお姿を写真に撮りアルバムと写真集を作ろうと…」
隊長「あれ?終着点変わってね?」
依咲里「まったく…緋ノ宮家の従者ともあろう者がなんて間の抜けたことを言ってるんですの!」
華賀利「……」シュン
依咲里「隊長様に格好良い服を着せようだなんて…」
隊長「そうそう、もっと言ってやってくれよ」
依咲里「隊長様にはこのピンクでフリフリなドレスが似合うに決まっているじゃありませんの!」バサァ
隊長「」
華賀利「お姉様はまたそんなことを言ってるんですか!」
隊長「また?前にも言ってたの?ねぇ?」
依咲里「華賀利こそ!このつぶらな瞳にそんな大人っぽい服は似合わないと言ったでしょう!」
隊長「姉妹でどんな会話してんの?普段どんな会話してんの?」
華賀利「隊長様は黒猫でいらっしゃるのにピンクにドレスだなんて…色彩感覚ゼロですわ!」
隊長「それ以前にオスなんだけど、色彩感覚以前に雌雄感覚ゼロじゃない?」
依咲里「黒という落ち着いた色にピンクを乗せるギャップに可愛らしさを感じるんじゃありませんの!色彩感覚がないのは華賀利にほうですわ!」
隊長「いやだからオスなんだけど、オスに可愛らしさを感じさせないで欲しいんだけど」
華賀利「お姉様は服のセンスが無いですわ!」
依咲里「華賀利にセンスがないからそう見えるだけですわ!」
華賀利「お姉様の隠れドM!」
依咲里「華賀利の隠れドS!」
2人「ギャ・ギャ・」
隊長「あぁもう、どうしたらいいんだ…」
???「おーい、隊長ー」
隊長「ん?誰だこんな時に…」
伊緒「いたいた。もー、捜したよー」
隊長「伊緒か、どうしたんだ?」
伊緒「どうしたじゃないよ、もう時間なのに隊長がこないってまなが慌ててたよ」
隊長「あっ!もう探索の時間か!すまんが伊緒、後は任せた!」
伊緒「あっ、ちょっと隊長!任せたって…」
華賀利「絶対舞台タキシードが一番お似合いになりますわ!」
依咲里「ドレスを着た隊長様を見てから同じことを言いなさい!」
伊緒「…え?私なにを任されたの?」
ー探索終了後ー
まな「お疲れ様ー♪」
隊長「探索ポイント6回復したらまた集合だからなー」
伊緒「あ、やっと戻ってきた」
隊長「おぉ、伊緒か」
伊緒「もう、あの後大変だったんだから。灰島さん達殴り合いになりそうな勢いだったよ」
隊長「悪い悪い、自分じゃもうどうしようもなくてな…。上手くまとめてくれたか?」
伊緒「うん」
伊緒「五陵館学園の男子制服を隊長の寸法に縮小したものを作ることにまとまったよ」
隊長「………は?」
伊緒「2人の妥協点がなかなか折り合わなくて、中等部の制服と高等部の制服2つ作ることになっちゃったけど」
隊長「いやいや、え?」
伊緒「生地も本物の五陵館学園の制服と同じ物を使うらしいからそれを購入してステラプリズムで転送するのと…」
伊緒「あと隊長さんのサイズの制服を作るのに特注の小型裁縫機の購入費用と転送費用、合わせて248,000ステラコイン必要だって」
隊長「」
伊緒「で、その機械と生地の注文の明細と転送の明細、裁縫の型紙のデータと仕上がり予想図、もろもろ隊長の見やすいようにUSBにまとめておいたから首輪に付けとくね」
隊長「」
伊緒「私も隊長の制服姿楽しみにしてるから、出来たら教えてね!じゃあね♪」
隊長「」
ー完ー
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