姫「友だちがほしい」(84)

魔法使い「むかしむかし、あるところに友だちのいないお姫様がおりました」

魔法使い「お姫様は友だちがほしいと願いましたが、厳しい王の意向で叶いませんでした」

魔法使い「お姫様は毎晩毎晩、友だちがほしいと星に願い続けました」

魔法使い「それを不憫に思った魔法使いは、お姫様の願いを叶えてあげることにしました」

魔法使い「ただし、それにはある条件が…」

姫「ねえちょっと」

魔法使い「はい」

姫「あんたなに一人で喋ってんの」

魔法使い「私は語り部だからだ」

姫「カタリーヴェ??」

魔法使い「誰だよ」

魔法使い「語り部、つまり物語の話し手だ」

姫「なんの物語よ」

魔法使い「お前と、私のだ」

姫「ちょっと、お前とか言わないで、馴れ馴れしいわよ」

魔法使い「魔法使いってのは高飛車な方がいいんだ」

魔法使い「今どき揉み手をするような魔法使いは流行らん」

姫「あ、そ」

姫「で、あんたが語り部だとしたら誰が聞き手なの??」

魔法使い「子どもだろ」

魔法使い「ていうか多分絵本だから、聞き手じゃなくて読み手だな」

姫「じゃあ私は??」

魔法使い「お前も語り部だ」

姫「ううん、よくわからないわ…」

姫「で、ここはどこ??」

魔法使い「森の中だ」

姫「いやん」

魔法使い「は??」

姫「あんた、私にいやらしいことをするつもりでしょう」

魔法使い「んなわけねーだろ」

姫「じゃあなんでこんなところで見知らぬ男と二人きりなのよ」

魔法使い「知らねえよ」

魔法使い「そういう物語の設定なんだろうよ」

姫「あ、そ」

魔法使い「そもそも、お前が森に行きたいっていうからおれはそれを叶えただけだ」

姫「叶えた??」

魔法使い「魔法使いだから、魔法で叶えたんだ」

姫「ああ、だから変な帽子かぶってるのね」

魔法使い「変じゃない!!」

姫「変よ」

姫「あんた髪はあるのに、その帽子をかぶってるとハゲて見えるわ」

魔法使い「やかましい!!」

魔法使い「あのな、ここは物語の世界なんだから、言ったことがそのまま現実になっちまうんだよ」

姫「たとえば??」

魔法使い「…ちっ、天気が悪くなってきたな」

姫「は??」

…ポツポツ

…ザアアアアアアア

魔法使い「な??」

姫「やませて!!濡れちゃう!!」

魔法使い「通り雨だろ」

…ポツポツ



姫「やんだ」

魔法使い「ってこと」

姫「魔法??」

魔法使い「お前も語り部だからできるんじゃね」

姫「…」

姫「あんた、その帽子も似合ってないけど、その服もどうかと思うわ」

魔法使い「おい、ちょっと」

姫「せめてお尻くらい隠しなさいよ」

魔法使い「やめろ!!どんな服だ!!」ヒラヒラ

姫「あとそのトゲトゲの首輪とか腕輪も」

魔法使い「やめろ!!世紀末か!!」

昨日と同じ内容?

姫「あともっとダイエットしなさい」

姫「お肉を200%増しした石塚●彦に似ているわ」

魔法使い「やめろって!!太った魔法使いは格好がつかんだろうが」

姫「ぷぷ、面白い」

魔法使い「ええい、好き勝手言いやがって」

魔法使い「お前だってな、一国の姫ってのは普通それなりに美人だろうが」

魔法使い「片桐は●りにカドを二つ三つ足したような顔しやがって」

姫「な!!」

魔法使い「内角の和は何百度だっつうの」

姫「や、ちょ」

魔法使い「あとお前目いくつあんだよ、蜘蛛か」

姫「いやあああああああああ」

>>7
まったく一緒です、すまん

姫「この百貫デブ!!スキンヘッド!!」

魔法使い「緑色で総入れ歯!!」

姫「口癖は『もう我慢できない』!!ケロ●グコーンフロストでも食ってろ!!」

魔法使い「好物は主に眉毛」

姫「首筋から胸元にかけて無数のイボ」

魔法使い「手で歩いてる」

―――

「うおおい、あんなところにモンスターがおるぞ」

「金平糖みたいな顔じゃのう」

「トロルだかスライムだかよくわからんのもおるのう」

 『もう我慢できない!!』

「なにがじゃろうなあ」

「おお、四つん這いになったぞ」

「眉毛を食っとるぞ」

「怖い怖い、近付かん方が無難じゃな」

魔法使い「こ、これ以上不毛な争いをしていたら物語に関わる」ゼイゼイ

姫「すでに手遅れよう」ゼイゼイ

魔法使い「モンスター二人の物語じゃあ先に進まん」

魔法使い「ここは妥協しあって元に戻そう」

姫「わかったわ」

―――

「おお、肌色になっていくぞい」

「おお、女じゃったんじゃな」

「肉もしぼんでいくぞ」

「あ、人じゃったんじゃな」

魔法使い「ん、まあ無難な容姿だな」

姫「ええ、こんな感じね」

魔法使い「これからは言葉に気を付けていこう」

姫「面倒なことねえ」

魔法使い「で、どうすんだ」

姫「お城に帰りたいわ」

魔法使い「進まねえよそれじゃあ」

姫「じゃあどうすんのよ」

魔法使い「私が魔法で叶えられる範囲で、お前の望みを叶えてくんだ」

姫「ほうほう」

魔法使い「ほれ、あそこにサイレンみたいなランプみたいなのがあんだろ」

姫「場違いねえ」

魔法使い「多分物語を進ませる有力なアクションを起こせば、あれが反応するはずだ」

姫「なんだかコントみたいねえ」

魔法使い「色々と願いとか、裏設定とか、考えていくぞ」

姫「これホントに物語になるわけ??」

魔法使い「ほれほれ、思いつくままに」

姫「若手芸人じゃないってのよ、もう」

姫「とりあえずのどが渇いたわ」

魔法使い「なにが飲みたい」

姫「紅茶を入れて頂戴」

魔法使い「はいよ」

シュン

姫「あら、すごいわね」

魔法使い「魔法は得意だからな」

―――

王「おや、わしの飲もうとしていた紅茶がないぞ」

妃「あらあらあなた、もうボケてしまわれたんですの??」

姫「うん、美味だわ」

姫「まるでいつもお城で飲んでいる味のようね」

魔法使い「…」ニヤニヤ

姫「あ、そういえばさ、最初に言ってなかった??」

魔法使い「なにを」

姫「魔法の条件だとかなんとか」

魔法使い「ああ、一回の魔法と引き換えに、寿命一年だ」

姫「ぶふぉあ!!」ビチャビチャ

魔法使い「汚えな姫のくせに」

魔法使い「残念、紅茶ではランプは反応しませんでした」

姫「わ、私の寿命があああああああ」

魔法使い「たった一年だ、気にすんな」

姫「え、なに、こうやって色々試して物語進まなくてここで寿命で死ぬの私!!」

魔法使い「さ、次はなにを試そうか」

姫「いやいやいや!!ハイリスクノーリターンな賭けはいや!!」

魔法使い「ザ、ジャッジ!!」

姫「裁かれるのは一方的に私じゃん!!」

魔法使い「ところでお姫様、なにか食べたいものはあるか??」

姫「あ、じゃあステーキ!!って馬鹿!!」

魔法使い「ステーキだな」イソイソ

姫「嘘!!なにも出すな!!」

姫「あ、ねえ、あんた最初喋ってたじゃない」

魔法使い「ん」

姫「友だちのいないお姫様がどうこうって」

ピンポーン

魔法使い「お、正解のランプがついたぞ」

姫「悲しい…」

姫「じゃあさ、友だちがほしいって願えば、物語は進むんじゃない??」

魔法使い「さあ、やってみな」

姫「友だちがほしい」

ピンポーン

姫「ほら!!」

魔法使い「しかしな、それは無理なんだ」

姫「どうしてよ」

魔法使い「飲み物や食べ物を持ってくることはできる」

魔法使い「動物や植物も可能だ」

魔法使い「姿を色々と変えることもできる」

姫「じゃあそれくらい…」

魔法使い「でもな、人間は作り出すことができないんだ」

姫「え」

魔法使い「たとえば、お前が本当のお父さんに会いたい、と願ったとしても」

ピンポーン

姫「な!!」

魔法使い「その人が死んでいたら、会わすことは不可能だ」

姫「ちょ、流すな!!今重大なランプがついたぞこら!!」

魔法使い「ん??」

姫「お父様はちゃんと生きてるってば!!」

シーン

姫「今もお城で私の帰りを心配してるってば!!」

シーン

姫「お母様と一緒に悲しんで…」

シーン

姫「うう…」グス

魔法使い「ランプはつかなかったが一気に物語の裏設定がわかってきたな」

姫「鬼!!」

魔法使い「うむ、お前は拾われっ子のようだな」

ピン…

姫「微妙なランプね」

姫「川から流れてきた!!」

シーン

魔法使い「もらい子!!」

ピンポーン

魔法使い「愛人の子!!」

シーン

姫「親友の子!!」

ピンポンピンポンピンポン!!

魔法使い「大正解のようだぞ」

姫「得点は??」

シーン

魔法使い「王様の親友の子、と」

姫「どうして黙ってるのかしら」

魔法使い「そりゃあ言えんだろ」

姫「でもこんな知り方の方がもっと傷つくわ」

魔法使い「王様にとっちゃあお前に友だちがいないことの方が大問題なんじゃねえの」

姫「ちょ、友だちを寄りつかせなくしたのはお父様でしょ」

魔法使い「いや、しかし、友だちいねえって、お前…」

姫「なによ」

魔法使い「30過ぎで言うことじゃねえよな」

姫「こらあ!!私はまだ16だ!!」

魔法使い「あれ、確か32だろ」

姫「16!!」

魔法使い「33だっけ」

姫「16だっつの!!」

魔法使い「ん、90??」

姫「わしゃあ~老婆かぁ~」シワシワ

魔法使い「あっはは、ツルツルになったりシワシワになったり、面白え」

―――

王「あれはまだ帰らんのか」

妃「ええ、一体どこに行ったんでしょうね」

王「しかしまあ、30過ぎて家を抜け出すなんて恥ずかしいのう」

妃「あらあなた、あの子はまだ16ですわよ」

王「む、そうじゃったか」

妃「いえ、90だったかしら」

王「わしらいくつじゃったかの」

姫「ああもう、進まないじゃない!!」

魔法使い「はいはい、悪かったよ」

姫「えーっと、とにかく分かってることは…」

姫「私は友だちがほしい、でも魔法使いは人間は作り出せない」

魔法使い「ああ」

姫「あ、なら動物のお友だちを作ってもらえれば…」

魔法使い「…」

シーン

姫「…コホン、それはないわね」

魔法使い「そんなお姫様は痛々しいな」

姫「ア、アニメとかでよくある図じゃない!!」

姫「ていうか友だちがほしいと願って、それが叶ったらハッピーエンドなのかしら」

ピン…

魔法使い「またこれ微妙なランプだな」

姫「えっと、すごいハッピーエンドになる」

シーン

魔法使い「バッドエンド」

ピン…

姫「微妙なエンド??」

ピンポーン

魔法使い「あー微妙かあ」

姫「オチない物語を紡がなきゃいけないとか、どんな罰ゲームよ」

魔法使い「お、ちなみに今入った情報によると」

姫「どっから入んのよ」

魔法使い「電波ヲ受信シマシタ」ミョンミョン

姫「誰だお前」

魔法使い「締めのナレーションは…」

魔法使い『こうしてお姫様はほんの一瞬だけ、友だちを手に入れることができたのです』

魔法使い「だそうだ」

姫「一瞬…かあ…」

魔法使い「確かに微妙なエンドになりそうだな」

姫「憂鬱だわ」

魔法使い「まあ、バッドエンドじゃないだけよしとしようか」

姫「私お姫様なんだけどなあ、ハッピーになれないなんてマズいんじゃない??」

魔法使い「まあ今どきの子どもはマセてるから」

姫「マセてるからなによ!?」

魔法使い「どうせハッピーエンドなんだろ??みたいに思われてるからさ」

姫「ひねくれたガキね、●ねばいいんだわ」

魔法使い「微妙なエンドかよ!!騙されたわ!!ってびっくりしてくれるじゃないか」

姫「そのまま絵本引き裂かれるわよ」

魔法使い「そしてam●zonのレビューが荒れるな」

姫「寒い冬にはよく燃えるので、素晴らしい暖房器具になりますよ♪★5つで♪」

姫「f●ck!!」

魔法使い「姫がfu●kとか言ってんじゃねえよ」

姫「faxと言おうとして噛んだのよ」

魔法使い「さあて、魔法で友だちを作ることは無理だと言われてしまったお姫様」

姫「はいはい」

魔法使い「親も友だちもいない、まさしく一人ぼっちのお姫様」

姫「うるさいわよ」

魔法使い「森の中で途方に暮れていると…」

姫「ん??」

魔法使い「おやおや、村の若者がこちらに歩いてくるではありませんか」

若者「…」ガサガサ

姫「あら、それっぽいわね!!」

若者「あれ、こんな森の中に人がいるとは」

魔法使い「ちなみに魔法使いである私は、若者に見えないように姿を隠しているのである」

魔法使い「ちなみに声も聞こえないのである、大変便利な設定…いや、大変便利な魔法である」

姫「あら、ごきげんよう」

魔法使い「姫は自分が姫だと悟られないようにアゴをしゃくれさせて話しかけるのである」

姫「ちょっと外野うるさいわよ!!」

魔法使い「若者は(なんだ、この女、えらくしゃくれてんなあ)と思うのであった」

若者「(なんだ、この女、えらくしゃくれてんなあ)」

姫「余計な表現を入れんな!!しゃくれてないわよ!!」

魔法使い「さらに若者は(この女は誰と喋っているのだ、頭がオカシイ)と思うのであった」

若者「(この女は誰と喋っているのだ、頭がオカシイ)」

姫「第一印象からこれじゃ友だちになれねー!!」

姫「あ、あの、貴方はなにをしに来たの??」

若者「え、ああ、僕は森にキノコを採りに来たんです」

姫「まあ、キノコを」

魔法使い「そう言って姫は、涎を垂らしながらとってもイヤラシイ想像を膨らませるのである」

姫「キノコキノコ…」ハァハァ

姫「っておい!!」

魔法使い「ベタである」

姫「子ども向けの絵本では決してベタじゃないと思うわよ!?」

魔法使い「これでは発禁になってしまう」

姫「誰のせいよ」

魔法使い「伏せ字にして事なきを得ようとしてみるのである」

姫「●ノコ●ノコ…」ハァハァ

魔法使い「これで大丈夫」

姫「2回もやらすな!!」

姫「ていうか訳がわからなくなってるだけじゃない!!」

魔法使い「すると若者は早速立派なキノコを取り出したのである」

若者「あ、これが今日採れた立派なキノコです」ゴソゴソ

ボロン

姫「いやあああああああああああ」

バチーン

魔法使い「ああ憐れ、勘違いしてしまったエロ姫は若者のキノコをシバき倒してしまった」

魔法使い「いやいや、憐れなのは若者の方であったな、訂正」

若者「…」グデーン

姫「あ、あれ…??」

魔法使い「そしてそこには、残念無念、もげてしまったキノコが」

キノコ「…」ピクピク

姫「ちょ、ちょ、ただのキノコよね!!もげたんじゃなくて落としたんだよね!!」

姫「私、股間をシバき倒したんじゃないよね!!」

魔法使い「若者が目を覚ますと、村に帰ってこう言うのであった」

魔法使い「『森でキノコ狩りをしていると、しゃくれた女にキノコをもがれた』と」

姫「もうそれ森に住む妖怪の域だよね!?退治されるよね!?」

魔法使い「こうして姫はまた、友だちを作ることができなかったのである」

ピンポーン

姫「え、今の流れ、必要だったの」

魔法使い「少々シモの話も織り交ぜていかなければ、今どきの子どもは食いつかんからな」

姫「そんな食いつきいらない!!いらないよ!!」

魔法使い「今どきウンコで笑う小学生は少数派だからな」

ピンポーン

姫「知らないわよ!!」

魔法使い「さて、では次はどんなエロハプニングを用意しようか」

姫「ちょ、芸人じゃないからね私!!お姫様!!わかる??」

魔法使い「喋りが『ちょ』から始まってる時点で姫よりも芸人寄りだろう」

姫「…」

姫「魔法使い、その扱いは少々無礼ではなくって??」

魔法使い「と、お姫様は自分の立ち位置をまだ測りかねているのである」

姫「やかましいわ!!」

魔法使い「と言っているうちに、またも村の若者が通りすがるのであった」

若者「…」ガサガサ

姫「なんであの人たち一様に茂みから来るのかしら」

魔法使い「若者は体中くっつき虫だらけであった」

姫「あら貴方、虫さんつけてどこにお出かけ??」

魔法使い「『おべんとつけてどこ行くの??』みたいに言われても…」

魔法使い「気の利いた第一声のつもりのようだが、若者からしたら意味不明である」

若者「む、虫ですか??」

姫「ええ、ほら、くっつき虫が」

魔法使い「そう言って姫は体中を覆っているくっつき虫を優しく取ってあげるのである」

姫「ほら、動かないで」

若者「え、ええ」

姫「ほら、ここにも」プチプチ

若者「いやあ、すみません、なんか」

魔法使い「若者の体を撫でまわす姫の手は次第に速さを増し、熱を帯びてゆく」

姫「ほおら、どこが気持ちいいのかしら??」ナデナデ

若者「ちょ、ちょっと…」

魔法使い「首筋に舌を這わせ、耳元で甘美な言葉を囁きかける姿はまさに魔女であった」

姫「うふふ、貴方のキノコは洞窟を求めて熱いスープを撒き散らしたがっているわよう」ナデナデ

若者「あ…ああっ」ゾクゾク

姫「ほらほら、熱いスープ、振り絞っちゃいなさい」ナデナデ

若者「juice!!」ゾクゾク

魔法使い「訂正、まさに痴女であった」



魔法使い「行ってしまったな」

姫「当たり前じゃん!!なにさせてんのよ!!」

姫「熱いスープとかなに言わせてんの!!恥ずかしいわ!!絵本の主人公が痴女かよ!!」

魔法使い「自分で言ったんだろうが」

魔法使い「ふむ、しかしスープはスペルマに響きも似ているし悪くないんじゃないか」

姫「うるさいうるさい!!忘れろ!!」

魔法使い「こうして、森の痴女から逃げ帰った若者は村でこう言うのである」

魔法使い「『森には痴女プレイを強要してくるお姫様が出る』と」

姫「姫だってバレてんじゃん!!」

魔法使い「こうしてまた、姫は友だちを作ることができなかったのである」

姫「こんな噂が広まったら友だちになるやついないわよ!!」

姫「あーもう無理無理、こんな展開で物語進めるとか無理!!」

魔法使い「そう言うな、まだ物語は始まったばかりだ」

姫「余計やる気失くすわ!!いつまでこんなしょうもないこと続けるのよ!!」

魔法使い「だったら自分で進める手立てを考えてみたらどうだ」

姫「う、えっと…」

魔法使い「ほら、考え付かないんだろう」

姫「うう…」

魔法使い「実は私もだ」

姫「もうネタ切れかよ!!」

魔法使い「あとは全裸の若者が川から流れてくるとか」

姫「エロハプニングはもういいのよ!!」

魔法使い「ていうか若者にとってのハプニングばかりじゃないか」

姫「くぅう…」

魔法使い「仕方ない、次の段階へ進もうか」

姫「次の段階??」

魔法使い「お前は毎晩星に願っていたそうだな」

姫「友だちがほしい、ってね」

魔法使い「そして、私はそれを不憫に思い願いを叶えてあげることにした」

姫「ええ、そう言っていたわね」

魔法使い「…なにかおかしいと思わないか」

姫「なにかって…」

魔法使い「なぜ、私はそれを知り得たのだろうか」

姫「…!!」

姫「あんた私のこと覗いていたのね!!」

ピンポーン

魔法使い「その目的は??」

姫「私が可愛いからね!!」

ピンポーン

姫「好きなのね!!」

ピンポーン

魔法使い「どうやって覗いてたんだろう」

姫「さっき若者に見えないようにしてたでしょ、あれと同じね!!」

ピンポーン

魔法使い「…うむ、少し前進したようだ」

姫「ガチストーカーじゃないの!!」

魔法使い「…物語を進めるためだ、やむをえまい」

姫「ちょ、大丈夫??だいぶダメージあるみたいだけど」

魔法使い「よし、ではそういう方向で話を進めるぞ」

姫「え」

魔法使い「お前のことが好きすぎて気が狂いそうだ!!」

姫「っ!!」

姫「心配しなくても、あんたは既に狂っていると思うわ」

魔法使い「好きだ!!好きだ!!あああああああああ!!」

姫「人目もはばからず叫ぶ姿はどう見ても危ない人ねえ」

魔法使い「人なんかいない!!大丈夫だ!!」

姫「大丈夫ってなにがよう」

姫「いいからとりあえず、あと50メートルほど離れてちょうだい」

魔法使い「いやいやいや、そしたらお前の可愛い顔が見えなくなっちゃうじゃないか」

姫「私、50メートルを6秒で走るスポーツマンタイプが好みよ」

魔法使い「うおおおおおおおおおおおおおおおお」シュタタタッ

姫「ばいばーい」ヒラヒラ

魔法使い「…」ゼエゼエ

姫「おかえりなさい」

魔法使い「ああ…毎晩お前のことを思ってはキュンキュンしているんだ」

姫「それ思ってても直接相手に言っちゃダメよね」

魔法使い「毎日毎日お前の寝顔を見てから寝ているんだ」

姫「ちょ、カーテンしてますけど!!」

魔法使い「魔法はなんでもありなのである、カーテンなんか透視できるのである」

姫「やばいやばい、私に友だちがいないのはこいつのせいじゃないかしら」

魔法使い「姫を想って妄想を書き溜めたラブ日記がついに3冊目に突入したのである」

姫「気持ち悪い、気色悪い、キモイ」

魔法使い「3kだな!!」

姫「最低の3kね」

魔法使い「ところでお前は私のどんなところが好きなんだ??」

姫「え、好きっていうか…嫌いなところを聞くんじゃないのね」

姫「ダメ、大嫌い、大部分が気持ち悪い」

魔法使い「3dkだな!!」

姫「ポジティブね」

魔法使い「一人で暮らすにはもったいない豪邸だな!!」

姫「一生一人で住んでなさい」

魔法使い「口では厳しく言いつつも、姫は次第に魔法使いに心奪われていくのである」

姫「いらんナレーション入れるなあ!!」

姫「そのラブ日記とか言うのはなんなのかしら」

魔法使い「ん??私のことが気になるか??」

姫「違うから、早く言わないと毛穴という毛穴から血を噴き出させるわよ」

姫「もしくは毛穴から糸こんにゃくを噴出させるわよ」

魔法使い「恐ろしいお姫様だな、拷問趣味でもあるのか」

魔法使い「ていうか毛穴が大好きなんだな」

姫「魔法使い!!どうしたの!!毛穴かr」

魔法使い「言う言う!!言います!!調子に乗ってすみませんでした!!」

姫「わかればいいのよ」

魔法使い「今日こんなことがあったっていう妄想を書いているのだ」

姫「毎日??」

魔法使い「ああ、たとえば…」

魔法使い「今日の姫はなんだか体調が悪そうだ、きっとアノ日なのだろう」

姫「余計なお世話よ!!」

魔法使い「それとも昨日私とベッドで張り切りすぎたせいだろうか」

姫「こらあ!!私の貞操を妄想で汚すなあ!!」

姫「妄想は妄想である限り、実現は不可能なのよ」

姫「ていうか実現してもらったら困ることばっか書いていそうだけれど」

魔法使い「いいんだよ、私が気持ちよく次の日を迎えられれば」

姫「私は気持ち悪いんだけど」

魔法使い「ラブ日記っていう名前が嫌なのか??」

姫「いや、そういう問題ではなくて」

姫「あんた、もうちょっと周りの目とか気にした方がいいわよ」

魔法使い「周りなんて関係ない!!」

魔法使い「ていうか友だちいないだろう!!」

姫「うっさい!!」

魔法使い「お前が私のことだけを見てくれるならば!!」

姫「見るわけないじゃない!!」

魔法使い「といいつつも、姫は悪い気はしていないのである」

姫「…はあ」

魔法使い「なんだか胸のあたりが苦しい…魔法使いの顔を直視できない…」

姫「…」

魔法使い「これが…恋??」

姫「…」

魔法使い「なんて、な」

姫「…」

魔法使い「あれ??どうした??」

姫「…」

魔法使い「もしもーし」

姫「…」

魔法使い「どうしたんだよ」

魔法使い「ちっとふざけすぎたかな、怒ってんのか??」

姫「ねえ」

魔法使い「お、おう」

姫「あんた私のこと好きなんだよね」

魔法使い「ん、ああ、好きだ!!」

姫「じゃあさ、あんたと友だちになればいいじゃない」

ピンポーン

魔法使い「む」

姫「ほら、ランプもついたし、さ」

魔法使い「いや、しかし、それは…」

姫「ん、ていうか私に友だちができたら、この物語は終わりなのかしら」

ピン…

魔法使い「むむ、微妙なランプだな」

姫「魔法使いと友だちになれたら、物語は終わる??」

ピン…

魔法使い「よし、こうしよう」

魔法使い「実は私も友だちがいない」

ピンポーン

姫「ああ憐れ、同族嫌悪だったのね」

魔法使い「やかましい!!」

魔法使い「実は私も友だちがほしかったのだ」

ピンポーン

姫「ほうほう」

魔法使い「そして、同じように友だちを欲しがっている麗しきお姫様を見つけた」

ピンポーン

姫「そしてガチストーキングしてみた、と」

ピンポーン

姫「童話のジャンルじゃないわねえ」

魔法使い「児童コーナーには置けないな」

姫「じゃあその、お友だちになりましょう」

魔法使い「ああ、よろしくお姫様」



姫「で」

魔法使い「っていう」

姫「この後どうするのかしら」

魔法使い「友だちらしいことをしよう」

姫「たとえば??」

魔法使い「…」

姫「友だちがいたことないからわからないのね」

魔法使い「うむ」

姫「町の噂では、友だち同士で手紙をやり取りするのが流行っているそうよ」

魔法使い「なるほど」

魔法使い「早速書いてみよう」サラサラ

姫「私、隣にいるんだけどね」

魔法使い「よし、書けたぞ」

姫「見ていいのかしら??」

魔法使い「ああ」

 親愛なるお姫様へ
 今日の姫はなんだか体調が悪そうだね、アノ日なのかな??
 それとも昨日私とベッドで張り切りすぎたせいなのかな??
 お返事待ってます。
 魔法使いより

姫「ラブ日記使いまわすな!!」

魔法使い「うむ、では返事を書いてくれ」

姫「書くわけないでしょう!!」

魔法使い「お返事待ってます、と書いただろう」

姫「返す義理はないわよ!!」

魔法使い「…友だちだろう??」

姫「なにその目!!友だちだったら手紙くらい書いてくれるよね、みたいな目!!」

魔法使い「…」

姫「いやいやいや、あんたの書いた手紙だって、友だちに送る内容じゃないから!!」

姫「自分が正しいみたいな顔すんなあ!!」

魔法使い「…」

姫「ふう」

魔法使い「で、手紙は…」

姫「書かんて」

魔法使い「口調が荒くなってきたのは親密になってきた証拠だろうか」

姫「あーもう、知りません」

魔法使い「そういえば友だちは手をつなぐものらしいぞ」

姫「ええー、それどこからの情報よう」

魔法使い「電波ヲ受信シマシタ」ミョンミョン

姫「また出たな」

魔法使い「いいから、ほれほれ」

姫「…」

ギュ

魔法使い「うむ、キメ細かい肌に触れて魔法使いは興奮しつつあります」

姫「友だちに興奮すんなて」

魔法使い「いやしかし、綺麗なお肌だ」

姫「あんた何歳の設定だっけ」

魔法使い「うむ、そういえば決めてなかったな」

姫「今更過ぎるわね」

魔法使い「あまり重要ではないからな」

姫「20くらい??」

魔法使い「いい線だ」

姫「90??」

魔法使い「じじいじゃあ~ないぞぉ~」シワシワ

姫「えへへ、仕返し」

魔法使い「ふぉっふぉっふぉ」

姫「うそうそ、若い若い」

魔法使い「しかしこのままだと終わらないな」

姫「うーん」

魔法使い「私は同じような境遇のお前を見つけ、興奮した」

魔法使い「いや違う、好きになったのだ」

姫「言い間違え酷いわね」

魔法使い「だから友だちになりたいと願った」

姫「うん」

魔法使い「もちろん、それ以上にも」

姫「はい??」

ピンポーン

魔法使い「という訳だ、姫、結婚してくれ」

姫「え、いや、ちょ」

魔法使い「ほら、森の動物たちも祝福してくれているよ」

動物たち「…」ニヤニヤ

姫「あれただの出歯亀だよね!!」

姫「かなりいやらしい目で見てるよね!!」

魔法使い「ふふふ、見せつけてやろうぜ」

姫「なにをよ!!嫌よ!!」

魔法使い「私たちがイチャイチャしてさらにはあんなことまでしてしまう様をだよ」

姫「それ動物たちの思う壺よ!!」

魔法使い「ほらほら、見られて興奮してるんだろう??」

姫「痴女設定まだあったの!?」

動物たち「…」ニヤニヤ

魔法使い「と、そこへ都合よく姫を救いに勇者が現れたのである」

勇者「姫!!ご無事ですか!!」ガサガサ

姫「展開無理やりすぎない!?」

姫「ていうか勇者も茂みから登場するのね」

魔法使い「ほら、くっつき虫を取ってあげなさい」

姫「痴女プレイはもう嫌よ!?」

魔法使い「ちなみに勇者には魔法使いの姿は見えていない」

姫「ちょっとあんたのその魔法都合よすぎるでしょ!!」

勇者「姫…誰と喋っているのです」

魔法使い「勇者は憐れむ目で、姫を見つめるのである」

姫「頭オカシイ設定も引きずるの!?」

魔法使い「ほれ」

ガスッ

勇者「ごひゅん」ガクッ

姫「きゃ!!」

魔法使い「手近な岩で勇者を殴り倒し、魔法使いはクールに決めるのである」

魔法使い「姫、もう安心ですよ」

姫「不安しか残ってないわよ!!」

魔法使い「悪は滅びたのです」

姫「姿隠して勇者を背後から殴るあんたが悪でないというの!?」

魔法使い「こうして事なきを得た魔法使いはさらにプロポーズを続けようとするのである」

姫「なにも事が無くなってないわよ!?勇者の気絶体とエロい動物たちが残ってるわよ!?」

魔法使い「うむ、では消しておこう」

魔法使い「いや、その前にこれをこうして…と」ゴソゴソ

姫「??」

魔法使い「では、さらばだ」

シュン

姫「ゆ、勇者様ぁー!!」

魔法使い「動物たちぃー!!」

姫「動物はいいのよ!!」

魔法使い「エロいからか」

姫「エロいからよ」

―――

「ほ、報告します!!」

「森に向かった勇者様が、なぜか自室で発見されました!!」

「なに、どういうことだ!!」

「しかも後頭部を強打されていて意識不明です!!」

「なんだと、すぐに医者を!!」

「しかも股間に巨大なキノコが仕込まれています!!」

「なにかの暗示だろうか…」

「さらに、なぜかとても不満そうな動物たちも一緒です」

「なにが起こっているのだ…」

魔法使い「さて、プロポーズの答えを聞いてないぞ」

姫「いやよ!!絶対にいや!!」

姫「まだ私16だし!!こんなシチュエーションはときめかないし!!」

魔法使い「…」

姫「…」

姫「ていうかね、私が言うのもなんだけど、魔法で操っちゃえばいいんじゃないの」

魔法使い「む」

姫「惚れさせたりしたらそれで手に入っちゃうじゃない」

魔法使い「魔法で感情はコントロールできるのだが、愛情だけは少し厄介でな」

姫「…」

魔法使い「そいつは無理なんだ」

姫「そう、安心したわ」

魔法使い「しかし他の感情ならコントロールできるぞ」

シュン

姫「お、お父様!!お母様!!」

王「やあ、ここにいたのかい」

妃「まったく、心配したんですよ」

魔法使い「うむ、では」ミョンミョン

王「サア、ハヤクケッコンシテシマイナサイ」

妃「ケッコンハ、ソノバノイキオイデスヨ」

姫「いやああああああああ!!なにしたのあんた!!」

魔法使い「ほら、ご両親の許しも得た」

王「ケッコン!!ケッコン!!」

妃「ケッコン!!ケッコン!!」

姫「目が!!目が死んでるう!!」

魔法使い「ううむ、あとはなにが不満なのだ」

姫「満足いく点は一つもなかったわよ!?」

魔法使い「勇者は倒した、森の動物たちは祝福してくれていた」

姫「それマイナスポイントだよね!?」

魔法使い「王と妃の許しも得たというのに…」

姫「魔法でね!?」

姫「ああもう、頭が痛いわ…」

魔法使い「魔法で治してやろうか」

姫「いらないわよ!!」

魔法使い「しかし姫、このままだと物語が終わらない」

姫「む」

姫「物語が終わらないと、一体どういうことになるのかしら」

魔法使い「まず作者がスランプに陥り、編集者から催促が入り…」

姫「え、そういうリアルな話!?」

魔法使い「締め切りを延長しても収束せず、結局出版できなくなる」

魔法使い「つまり、この世界は『なかったこと』になる」

姫「え…」

魔法使い「まあ、所詮私たちは単なる登場人物」

姫「…」

魔法使い「『自我』だとか『意思』だとか『アイデンティティ』など、必要ない」

姫「…」

魔法使い「私たちは与えられた役割をこなすだけ、さ」

姫「…」

魔法使い「それでも姫がどうしても物語を進めたくないというのなら、私は反対しない」

姫「…」

姫「ずるいわ、そういう言い方って」

魔法使い「…そうだな」

王「ケッコン!!ケッコン!!」

妃「ケッコン!!ケッコン!!」

姫「あ、まだいたの!?」

魔法使い「両親に対してひどい言い草だな」

姫「このタイミングで出てくるなんて思ってないわよ!!」

王と妃は頭の病気か

>>70
まだ魔法が解けてないんです


魔法使い「さ、どうしようか」

姫「…」

魔法使い「他にも収束させる案がないかランプで試して…」

姫「いいわ、結婚する」

魔法使い「え」

姫「結婚する」

姫「ただし、今じゃないわよ」

姫「あんたが生涯の伴侶として相応しいかどうか、見ていてあげるから」

魔法使い「姫…」

王「…うむ、わしもともに見届けよう」

姫「お父様、目が死んでない…」

妃「ケッコン!!ケッコン!!」

姫「お母様は戻ってなーい!!」

魔法使い「では、私たちは…」

姫「そうね、『婚約者』というところかしら」

姫「この世界では『許嫁』とでも呼んだ方が良いかしらね」

ピンポンピンポンピンポーン

魔法使い「うむ、いいランプがついたな」

姫「でもあんたが不誠実だったりしたら、すぐに婚約破棄だからね」

姫「わかってる!?」

魔法使い「ああ、肝に銘じておこう」

姫「…ふぅ」

姫「これから、どうなるのかしら」

魔法使い「これからの物語は、私たちで作っていくのさ」

魔法使い「さて、では名残惜しいが締めに入らせてもらおう」

姫「締め??」

魔法使い「んん」

魔法使い「こうしてお姫様はほんの一瞬だけ、友だちを手に入れることができたのです」

姫「…」

魔法使い「しかし、お姫様は最高にハンサムで誠実で長身でカッコいい許嫁を得ることができました」

姫「こら!!脚色しすぎ!!」

姫「ここまでで誠実さは一個も伝わってきてませんけど!?」

魔法使い「それは、ずっと姫の身を案じ見守ってきた、魔法使いでした」

姫「良い感じに言いすぎ!!やってたことはストーカーでしょう!?」

魔法使い「これから二人はどのような素敵な家庭を築いていくのでしょうか」

魔法使い「それはまた、別のお話」

姫「え、これで締め!?」

魔法使い「おしまい」

姫「もう…こんなんで子どもたちは喜ぶのかしら」

魔法使い「そんなことはどうでもいい。絵本が売れようと焼かれようとam●zonのレビューが荒れようと関係ない」

姫「ひどい…」

魔法使い「さて、では今から存分に私の男前っぷりを披露していこうではないか」

姫「ひいい」

動物たち「…」ニヤニヤ

姫「戻ってきちゃった!?エロい動物たちが根性で戻ってきちゃったわよ!?」

勇者「ひ、姫…ご無事…です…か」ハァハァ

姫「瀕死の勇者様も根性で戻ってきちゃったわよ!?」

魔法使い「む、いかがなされた、勇者様」

姫「あれ、不意打ちしないのね!?」

魔法使い「ずいぶん体調がお悪い様子、その股間に生えている立派なキノコをお食べになってはいかがかな」

姫「これ台詞だけ聞くと意味不明な上に最低だよね!?」

姫「やっぱり児童コーナーには置けないよね!?」

勇者「う、うむ、そうさせてもらおうか」

姫「ゆ、勇者様!?お気を確かに!!」

勇者「…」モグモグ

魔法使い「ふふん、私は姫と一生を添い遂げると約束したのだ」

姫「それはまだよ」

魔法使い「魔法を無為に使って寿命を縮めるのはもうやめだ」

姫「え、それって…」

勇者「おお、済まない旅の者、キノコを食べたら力が湧いてきたよ…」

魔法使い「それはよかった」

姫「あら、魔法のキノコだったのかしら」

魔法使い「偶然にもそれは、食べると体力が回復するキノコだったようである」

勇者「ヨクミルト、アンタラベストカップルジャナイカ」

勇者「ハヤクケッコンシチマイナ」

魔法使い「うむ、副作用も大したことないな」

姫「魔法でもキノコでも結果は酷いんじゃん!!」

魔法使い「さて、夜はこれからだよ、お姫様…」

姫「いやあああああああああああああああ」

王「うむ、青春じゃの」

姫「どこが!?」

妃「若い頃を思い出すわねえ、あなた」

姫「お母様!?それって問題発言じゃありませんか!?」

魔法使い「さて、では、そういうことで、本当の幕引きだ」

王「うむ、終わりよければすべてよし、じゃな」

姫「それって終わりが良い場合に使う言葉じゃないかしら!?」

魔法使い「大団円、ハッピーエンドだな」

姫「私はまったく納得してないけどね!!」

『こうしてお姫様はほんの一瞬だけ、友だちを手に入れることができたのです』

『そして、お姫様はなんだか変に憎めない、魔法使いの許嫁を得ることができました』

『お姫様が今後、本当の家族を得るのかどうかは…また、別のお話』

★おしまい★

読んでないのかよww

ありがとうございましたー
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