【予定は未定】千早「今回はp ライラ「ゆーーーーきーーーーーー!!」 (57)

・アイマス×モバマス
・千早とライラさん、降郷村へ行く
・ヤマ、オチ特になし
・のんびり更新予定

降郷村に関してはアニマスのパラレルな感じです
よろしければお付き合いください

↓なお前回
【予定は未定】ライラ「明けましたー」 千早「おめでとうございます」
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↓ほんのりネタ振り回
【予定は未定・番外編】ある日のCGプロ
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千早「皆さんこんばんは。如月千早です」

千早「いつも通りの不定期放送、今回は降郷村というところにお邪魔しています」

――おおおぉぉーーーーーー

千早「さて、なぜ私だけでご挨拶をしてるかと言いますと」

――雪でございますよぉぉーーーー

千早「ライラさんが絶賛暴走中だからだったりします」

――これが、銀世界というものなのでございますねーーーーーっ!!

千早「この状況で収録を始めるスタッフに疑問を感じないではないですが」

千早「まあ、今更なので、気にしないことにします」

――おおー! ライラさんの足跡がくっきりですねー

千早「それでは少し失礼して、ライラさんの身柄を確保してきたいと思います」


――――――
――――
――

――……ライラさん、何してるの?

――おー、千早さん。雪に寝転がるとライラさんの形ができるのですよ

――ああ、そういうこと

――えへへー、楽しいですよー

――ライラさん

――千早さんもやりますですか?

――ライラさん

――は、はいです

――ここに何しに来たかは、覚えてるかしら?

――え、えーと、も、もちろんでございますとも

――そう、それはよかったわ

――うぅ、ご、ごめんなさいです

――さ、風邪をひかないうちに着替えましょうか

――わたくし、急いで行ってきますですよーっ

――……ちょっと脅かし過ぎたかしら


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千早「ライラさん、もう大丈夫かしら?」

ライラ「はいです! わたくし準備万端でございます!」

千早「……えーと」

ライラ「心を入れ替えて、わたくしマジメに頑張るです!!」

千早「できれば、いつものライラさんに戻って欲しいかな」

ライラ「…………怒ってないです?」

千早「ええ」

ライラ「…………ホントでございますか?」

千早「私、そんなに怖かった?」

ライラ「…………はいです」


千早「ふふっ」

ライラ「どうかしたのですか?」

千早「私の演技も捨てたものじゃないなって」

ライラ「演技……だったのですか?」

千早「萩原さんほどじゃないけど、なかなかのものだったでしょう?」

ライラ「……うぅっ、ひどいでございま……ぐすっ」

千早「ライラさん!?」

ライラ「わたくし……ひっく、千早さんを怒らせて、うぅ、しまったと、思って……」

千早「あ、あの、え? ちょっと、その」


ライラ「えへへー、これでおあいこでございますね」

千早「……………へ?」

ライラ「ライラさんの泣き真似、いかがでございましたか?」

千早「もう……」

千早「(怒るに怒れないというか、毒気を抜かれたというか)」

ライラ「えへへー」

千早「ところで」

ライラ「はいです」

千早「カメラが微動だにせずに回り続けているのよね」

ライラ「おー、プロフェッショナルでございますねー」

千早「……まあ、そうね」


ライラ「そう言えば、なんで今日は降郷村まで来たのですか?」

ライラ「ライラさんはパンを作ると聞いていたのですが」

千早「ほら、前回の放送で『雪遊びしたい』って言っていたでしょう?」

ライラ「言いましたですね」

千早「それでスタッフが悪ノリしたんじゃないかしら」

ライラ「おー、それでもライラさんは嬉しいですよ」


千早「あと、私がもう一度来たいって言っていたのもあるかもだけど」

ライラ「もう一度、でございますか?」

千早「ええ。以前にお世話になったことがあるのよ」

ライラ「そうっだたのですか」

千早「売れる前の話だけれどね」

ライラ「ライラさんその話には興味津々ですねー」

千早「ともかく、そろそろ始めましょうか」

ライラ「そうでございますね」

千早「それでは、予定は未定」

ライラ「今日はパン作りでございますよー」

というわけでオープニングが出来ました
この後も展開は決まっています

なお、降郷村が冬にそこそこの積雪がある設定で書いています
その他もアニマス準拠しつつ独自設定が入る予定です

諸々含めて、のんびりお付き合いいただければ幸いです


***************************


千早「本日は、ご厚意により学校の家庭科室をお借りしています」

ライラ「ありがとうございますですよー」

千早「ところでライラさん」

ライラ「はいです」

千早「普通の調理器具しかないのだけど、これでパンが作れるの?」

ライラ「なんと、今日は炊飯器でパンを作るのですよ」

千早「炊飯器って、ご飯を炊く?」

ライラ「はいです」

千早「本当にできるの?」

ライラ「この前事務所で作りましたので、間違いないのです」

千早「そうなんだ……」


ライラ「フゴフゴさんにしっかり教わってきましたので、今日はライラさんにお任せですよー」

千早「……フゴフゴさん?」

ライラ「あー、ミチルさんでございます」

ライラ「パンが大好きなパン屋さんの方でいつもパンをフゴフゴ食べてらっしゃるのです」

千早「その人もアイドル……なのよね?」

ライラ「はいです。ライラさんも時々パンをいただいているのですよ」

ライラ「フゴフゴさんのパン、とっても美味しいのです」

千早「今更だけど、ライラさんの事務所って個性的な人が多いわね」

ライラ「そうでございますか?」

千早「(まあ、ライラさんからしてドバイの家出娘なわけで……改めて言葉にするとすごいわね)」

ライラ「皆さんいい人ですよー」

千早「そうね。それはライラさんを見ていればわかるわ」

ライラ「えへへー」


ライラ「それでは、パン作り開始でございますよー」

千早「今日はライラさんが先生ね」

ライラ「頑張りますです」

千早「先生、まずは何をすればいいんでしょうか」

ライラ「小麦粉とお砂糖とイーストを炊飯器の釜に入れて、牛乳と混ぜるのですよ」

千早「……分量とかは?」

ライラ「用意して頂いているのを全部でございますー」

千早「(あれ? 私が細かいことを気にし過ぎてるのかしら)」


千早「と、とにかく混ぜればいいのね」

ライラ「はいですー」

千早「……どうかしら? 大体混ざったと思うのだけど」

ライラ「おー、さすが千早さん。仕事が丁寧でございますねー」

千早「そ、そう?」

ライラ「綺麗に混ざってますので、次はお塩を入れてこねていくのですよ」

千早「分量は……ここにある分ね」

ライラ「そうでございます。ひとまとまりになるまで頑張ってこねていくのです」

千早「なんだか……不思議な感触ね」

ライラ「えへへー、楽しいですねー」

千早「ふふっ、そうね」


ライラ「出来ましたらバターを入れて更にこねるのですよ」

千早「なんだか、こねてばっかりね」

ライラ「バターが綺麗に混ざったら、ほとんど出来上がりなのです」

千早「……もう?」

ライラ「はいです。えーと、あとは生地を発酵させて、焼くだけなのです」

千早「随分簡単なのね」

ライラ「へへー、ですので、ライラさんにも出来たのですよ」

千早「これなら家でも出来そうね」

ライラ「おー、それは素敵ですねー」


千早「……バターも十分に混ざったと思うのだけど、発酵というのはどうするの?」

ライラ「一時間くらい放っておけばいいのですよ」

千早「それだけで……なんだか逆に不安になってくるわね」

ライラ「心配ご無用ですよー」

千早「……そうね、ライラ先生を信じましょう」

ライラ「えへへー」


ライラ「しばらくすることがありませんので、雪遊びしてきてもいいですか?」

千早「その前にもう一品、デザートの準備をしたいを思うのだけれど」

ライラ「デザートでございますか!?」

千早「ええ」

ライラ「何を作るのですか?」

千早「それは、出来てからのお楽しみ」

ライラ「ううー、気になりますよー」


千早「じゃあ、まずは材料を混ぜましょう」

ライラ「何を使うのですか?」

千早「牛乳と生クリーム、お砂糖ね」

ライラ「……こんな感じですかー?」

千早「いい感じね。あとはこれを数滴」

ライラ「なんだかいい匂いがしますですね」

千早「バニラエッセンスよ」

ライラ「……良い匂いなのに、苦いでございます」

千早「ライラさん!? これは香りをつけるものだから、舐めちゃ駄目なのだけど」

ライラ「もう舐めたりしませんです……うぅ、苦いですー」

千早「(涙目のライラさん、やっぱり可愛い)」


ライラ「千早さん、次はどうするですか?」

千早「え、えぇ、容器に入れて、厳重に封をしましょう」

ライラ「おー、だからこんなところにガムテープがあるのですね」

千早「中身がこぼれないように、しっかりとね」

ライラ「うーん、こんな感じでしょうか」

千早「いいんじゃないかしら。では、これを持って外に行きます」

ライラ「……雪遊びです?」

千早「当たらずしも遠からず、ね。遊ぶ前にしなきゃいけないことがあるの」

千早「一回り大きな容器にこれを入れて、雪を詰めて塩をかけるの」

ライラ「どうしてですか?」

千早「ふふ、秘密」

ライラ「うー、気になるでございますよ」

千早「まあまあ、楽しみは取っておきましょう」


ライラ「……出来ましたよー」

千早「こっちも厳重に封をして……とりあえずは完成ね」

千早「そういえば、パンの方はどうかしら」

ライラ「あー、まだちょっと時間がかかりますですね」

千早「そうなの?」

ライラ「でも、遊ぶには時間が足りないのですよ」


千早「そういえばライラさん」

ライラ「はいです」

千早「最近お仕事増えてきたみたいね」

ライラ「えへへー」

千早「ライラさんが表紙の雑誌、読ませてもらったわ」

ライラ「あー、あのお仕事はおモチが美味しかったですねー」


千早「自分たちで作ったって聞いたけど」

ライラ「はいです。キネは重かったでございますよ」

千早「合いの手を入れる人との呼吸もあるしね」

ライラ「千早さん、やったことあるのですか?」

千早「ええ。以前事務所のみんなでね」

ライラ「おー、ではライラさんも今度は事務所の皆さんとモチつきですねー」

千早「大所帯だから大変ね?」

ライラ「むむむ、ライラさん頑張りますですよ」

千早「(全然力こぶ出来てないけど可愛い)」


ライラ「お仕事と言えば、ステージに立つ機会が増えましたですよ」

千早「そうなの?」

ライラ「スターライトステージと言いまして……えーと、CGプロの劇場のようなものなのです」

ライラ「売れている方もこれからの方も、一緒のステージに立てるのですよ」

千早「ライラさんの努力が認められたのね」

ライラ「千早さんとお稲荷様のお陰ですねー」

千早「さ、さすがにお稲荷様と並べられるのは畏れ多いわ」

ライラ「ライラさんがアイドルとして頑張ろうと思ったのは、千早さんのお陰でもあるのですよ」

千早「そう言ってもらえるのは光栄だけど……」

ライラ「ですので、プロデューサー殿と同じくらい感謝しているのです」

千早「……ありがとう、ライラさん」


ライラ「それでですね……」

千早「今度、こっそり見に行かせてもらうわ」

ライラ「!」

ライラ「……なんでこっそりなのですか?」

千早「普段のライラさんのステージを見てみたいもの」

ライラ「うー、油断ができないでございますね」

千早「ふふ、頑張ってね」

ライラ「はいですよ」

千早「あ、終わった後は楽屋に顔を出してもいいのかしら?」

ライラ「勿論でございます! お待ちしていますですよ!」

千早「じゃあ約束ね」

ライラ「えへへー」

一先ずはここまで
>>1としてはライラさんに声が付くまでデレステは控えたいのですが
むむむ

次回投下は数日空くかもしれません
お待ちいただければ幸いです

おつおつ
このちーちゃんの事務所にはシアター組はいないのかな


――――――
――――
――

ライラ「パンの方もそろそろ良さそうなのですよ」

千早「ということは、もう仕上げに入るのかしら」

ライラ「はいですー」

千早「で、そうすればいいの?」

ライラ「生地の中の空気を抜いて、食べやすい大きさにちぎって炊飯器に詰めるのです」

千早「一口サイズのパン、ということかしら」

ライラ「そうでございますよー」

千早「この生地、ちょっと温かいわね。雪で冷えてたから気持ちいいわ」

ライラ「えへへー、発酵のお陰ですよ」

千早「そうなのね」


ライラ「詰め終わったら、10分ほど保温するのです」

千早「なんで?」

ライラ「もう一回、ちょっとだけ発酵してもらうのです」

ライラ「これをすると、もっと美味しくなるのでございますよ」

千早「なんだか楽しみね」

ライラ「保温が終わったら、炊飯ボタンを押すだけなのです」

千早「これだけでパンができるなんて、なんだか不思議ね」

ライラ「ライラさんも最初はそう思ったのですよ」

千早「……美味しくできますように」

ライラ「えへへー、大丈夫でございますよ」

千早「信じてますからね、ライラ先生」

ライラ「お任せくださいですよ」


***************************


千早「さて、焼きあがるまで時間ができたので――

ライラ「雪遊びでございますね!?」

千早「え、ええ。さっきの容器を持っていきましょう」

ライラ「どうしてです?」

千早「デザートを完成させるには、これで遊ばなきゃいけないの」

ライラ「よくわかりませんですが、わかったのです」

千早「ふふ、それじゃあ行きましょうか」


――あー、ホントに千早ねーちゃんがいる!!

――ホントだー、千早お姉ちゃんだー

千早「ふふ、久しぶりね」

ライラ「えーと、こちらのお子様たちはどちら様でございますか?」

千早「この村の子供たち。以前ここでお仕事させてもらった時、知り合いになったの」

ライラ「あー、そうだったのですか」

――へへー、その時はまだ誰もねーちゃんたちを知らなかったんだぜー

――なんでアンタが偉そうなのよ?

――そうだぞー

千早「で、せっかくだから今日は一緒に遊ぼうと思って」

ライラ「おー、それは素敵でございます」

千早「さ、行きましょうか」

――おーっ

――何して遊ぶのー?


ライラ「……おや、あなたは行かないのですか?」

――だって、千早さんとっても有名なのに僕たちなんかが一緒に遊んでいいのかなぁって

ライラ「そうでございますねー。では、千早さんを見てみるといいのです」

――千早さんを?

ライラ「はいです。どんな顔に見えますですか?」

――……楽しそうに笑ってる

ライラ「なら、いいのですよ。千早さんも楽しみにしていたのです」

ライラ「あなたが遠慮したら、千早さんが楽しくないのですよ」

――………うん! ありがとう、お姉ちゃん

ライラ「いえいえですよー。では、ライラさんと一緒に行きましょー」


千早「みんなで囲むなんて、卑怯じゃない?」

――へへー、これも作戦ってやつだよ

千早「……くっ。あ、ライラさん、いいところに」

――隙ありー

ライラ「あー、千早さん苦戦しておいでですねー」

ライラ「ところで、これは何をして遊んでいるのですか?」

千早「あれを蹴って遊んでいたら、いつの間にか取り合いになっていたっていうか」

ライラ「おー、それもなんだか楽しそうですねー」

――あー、お前なんで取るんだよー

――だって僕、ライラさんの味方だもーん

ライラ「えへへー、なんだか嬉しいですねー」

千早「……いつの間にそんなに仲良くなったのかしら」

千早「(ライラさんて、やっぱり不思議)」

ライラ「ライラさん、行きますですよー」


――――――
――――
――

ライラ「ちょっとパンの様子を見てきますですよ」

千早「……まだ時間じゃないと思うんだけど」

ライラ「えへへー、先生としては気になるのですよ」

千早「ふふっ、じゃあお願いしますね、ライラ先生」

ライラ「お任せされましたー」


千早「……それにしてもみんな元気ね」

――あの年頃の子はみんなそうですよ

千早「あなたは、確か青年団の……」

――お久しぶりです。その節はお世話になりました

千早「いいえ、こちらこそ」

――今日は如月さんがいらっしゃるというので、みんな楽しみにしてたんですよ

千早「……そう、ですか。ありがたいことです」

――どうかしましたか?

千早「実は私、皆さんに謝らなければならないことがあって」

――如月さんが?

千早「はい」

――私で良ければ、お聞きしますよ


千早「あの時、皆さんはまだ無名の私たちに声をかけてくださいました」

千早「ほとんど誰も知らないような私たちに、です」

千早「それなのに、私は仕事を選り好みして、皆さんとちゃんと向き合って仕事をすることが出来ていませんでした」

――……そうだったんですか

千早「当時は、出来ることをやったつもりでいました」

千早「でも、とても失礼なことをしていたんだって、今になってやっとわかったんです」

千早「そのことを、どうしても謝りたくて」

――ありがとうございます

千早「…………え?」


――こんな、何もない村ですから。その気持ちはわかるつもりです

千早「そんな……」

――でも、如月さんは売れっ子になっても、そんな村での小さな仕事を覚えてくれています

――村を愛する者として、こんなに嬉しいことはありませんよ

千早「でも、私は……」

――だから、どうしてもその時のことが気にかかるのでしたら

――あの子たちが自慢できる如月さんでいてください

千早「……はい!!」


――――――
――――
――

ライラ「千早さーん」

千早「ライラさん!? 窓から身を乗り出したら危ないわよ」

ライラ「おー、ごめんなさいです」

ライラ「パンが出来ましたですよー」

千早「……もうそんな時間? じゃあみんな、一緒に行きましょうか」

――いいんですか?

千早「ふふっ、もちろんです」

――やったー

――楽しみー

本日分は以上です
次の投下で最後になる予定です

>>28
ミリオンは>>1が把握できておりませんので……


お楽しみ頂けたのなら幸いです


***************************


千早「え? なんでこんなに薄暗いの?」

千早「おまけに炊飯器にスポットライトなんて当てて」

ライラ「まあまあ、まずは炊飯器を開けてくださいですよ」

千早「(こんな演出する番組だったかしら?)」

千早「まあ、いいけれど」

千早「あれ? ライラさん、これ、パンじゃないのだけど……」


ライラ「えへへー、せーの」

 はっぴーばーすでいとぅーゆー♪

  はっぴーばーすでいとぅーゆー♪

 はっぴーばーすでいでぃあ千早さーん♪

  はっぴーばーすでいとぅーゆー♪

千早「……え? え?」

ライラ「千早さん、お誕生日おめでとうございますー」

――おめでとー

――おめでとうございます


千早「………え? どういうこと?」

ライラ「今日は千早さんの誕生日ということで、お祝いをしたかったのです」

ライラ「それでライラさん、パンではなくてチーズケーキを作っていたのですよ」

千早「そういえば、こねた生地は全部一つの炊飯器に入れてたわね……」

千早「(なんで気付かなかったのかしら)」

ライラ「えへへー、いかがでございましたか?」

千早「……とっても嬉しいわ、ありがとう」

ライラ「サプライズ成功でございますねー」


――よっしゃー

――やったねー

千早「みんなもグルだったの?」

ライラ「こちらの準備をしている間、千早さんの足止めをお願いしていたのですよ」

――そういうことなんです。騙したようで申し訳ありません

千早「……もう」

――あれ、千早さん泣いてるの?

千早「大丈夫よ。こんな風にお祝いしてもらって、本当に嬉しかっただけだから」

――ホント?

千早「ええ」


ライラ「それではみなさん、食べましょー」

――俺、おなかペコペコ

――アンタはいつもでしょ

千早「あ、その前に」

ライラ「どうかしましたですか?」

千早「ライラさん、みんなで遊んだ容器、開けてくれるかしら」

ライラ「わかりましたですよー」

千早「サプライズのお返しには、ちょっと足りないかもしれないけれど」

ライラ「? おおおおおお、アイスでございます!!」


千早「ふふ、気に入ってくれたかしら」

ライラ「なんでアイスが入っているのですか?」

千早「遊びながらアイスの素を雪で冷やしていたのよ」

ライラ「おお、魔法のようでございます」

千早「喜んでくれたみたいで、良かったわ」

ライラ「すごいです、驚きです」

千早「ふふ。それじゃあ、改めていただきましょうか」

ライラ「はいですっ」

千早「……チーズケーキ、すごく美味しいわ」

ライラ「良かったですー」

――千早ねーちゃんのパンもうまいよ?

千早「そう? 良かったわ」

ライラ「えへへー、幸せでございますねー」

千早「そうね、みんなのお陰ね」


***************************


千早「というわけで、降郷村よりお送りしました、今回の予定は未定」

ライラ「サプライズが成功して、ライラさん大満足です」

千早「本当に、やられたって感じだったわね」

ライラ「えへへー」

千早「みんなにもまた会えたし、来られてよかったわ」

ライラ「ライラさんまた来たいですねー」

千早「ライラさんなら、みんな歓迎してくれるんじゃないかしら」

ライラ「えへへー、そうなら嬉しいですねー」

ライラ「ところで、次回はやっぱり未定なのですか?」

千早「……そのようね」

ライラ「むー、そろそろどうにかならないのでしょうか?」

千早「スタッフを見る限り、どうにもならなさそうよ?」

ライラ「それでは、視聴者の皆さんにお力を貸していただきましょう」


千早「……そういえば」

ライラ「どうかしましたか?」

千早「前回の特典映像のこと、ライラさんは知ってたの?」

ライラ「あー、楓さんがいらっしゃった時のでございますね」

千早「いつの間に撮ってたのかしら」

ライラ「スタッフのみなさん、プロフェッショナルでございましたねー」

千早「油断も隙もあったものじゃないわね……」

ライラ「千早さん可愛らしかったですよ?」

千早「かわっ……そういうことじゃなくて」

ライラ「?」

千早「……まあいいわ。それでは、如月千早と」

ライラ「ライラさんでしたー」

ライラ「……千早さん誤魔化しましたです?」

千早「い、いえ、そんなことは……」


***************************

【収録後・車中にて】

P「お疲れ、千早」

千早「……お疲れ様です」

P「ん? どうかしたか?」

千早「……今回のサプライズ、プロデューサーの発案ですよね?」

P「……どうしてそう思う?」

千早「勘です」

P「勘か」

千早「で、どうなんですか」

P「……女の勘って、怖いよな」

千早「はぁ、やっぱりですか」


P「気に入らなかったか?」

千早「いえ、そういうわけではなく」

P「じゃあなんで」

千早「私以外を綺麗に丸め込む辺りが、実にプロデューサーらしいなと」

P「褒めるなよ」

千早「褒めてません」

P「そうなの?」

千早「そこで意外そうな顔をしないでください」

P「ま、お陰でいい画が撮れた」

千早「改めてそう言われると、恥ずかしいですね」

P「何を言う。大反響間違いなしだぞ?」

千早「そ、そうでしょうか」

P「俺の中では」

千早「……はぁ」


P「どうかしたか?」

千早「いいえ、別に」

P「それに、いい顔してた」

千早「そうですか?」

P「過去の清算もできたみたいじゃないか」

千早「(……本当にこの人は)」

P「そうだ、ひじ掛けの小物入れ開けてみてくれないか?」

千早「いいですけど……」

P「そんなに警戒するなよ」

千早「相手はプロデューサーですからね」

P「そんなに褒めるな」

千早「褒めてません」

P「そうか? まあ、いいから」


千早「………これ」

P「誕生日おめでとう、千早」

千早「……ありがとう、ございます」

P「お礼は中身を見てからな」

千早「髪飾り、ですか?」

P「そ。相変わらず千早は着飾ることをしないからな」

千早「この石……」

P「この前のネックレスとお揃いの意匠にしてもらったんだが、どうだ?」

千早「綺麗……」

P「お気に召したようで何よりでございます」

千早「付けてみても?」

P「是非」


千早「どう……でしょうか?」

P「やっぱり千早は青が似合うな……綺麗だ」

千早「ありがとうございます。とても、嬉しいです」

P「あー」

千早「照れてます?」

P「……言うなよ」

千早「ふふっ」

P「なんか既視感あるな、このやり取り」

千早「そういえばそうですね」

P「真面目な千早もいいけど、笑顔の千早はもっといいな」

千早「……何を突然」

P「俺だけ照れくさいのは不公平だと思ったので」

千早「も、もう……」

P「前言撤回。照れてる千早はさらにいい」

千早「い、いい加減にしてください」

P「千早」

千早「はい?」

P「これからもよろしくな」

千早「……ええ、こちらこそよろしくお願いします、プロデューサー」


<終わらせる>

如月千早さん誕生日おめでとうございます
……間に合ってよかった

今回自分の描写力の不足を痛感した次第
精進します


お付き合いいただきましてありがとうございました

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