ヴォルフラム「グレタにはお母さんが必要だ、ユーリ」(78)

・・・渋谷家・・・

有利「さて腹ごしらえもしたし、また行ってくるかな。お袋、またちょっと行ってくる」

美子「ママでしょ、もう。また眞魔国行くの?」

有利「ああ、仕事たまってるだろうから。あんまり空けるとグウェンダルに嫌味言われる」

美子「だったら、カレーもって行きなさい。あの人、美味しいって言って食べてたでしょ?」

有利「だめだって。鍋なんか持っていたらバランス崩してどこ飛んでいくかわかんないんだから」

美子「大丈夫よ、今回は一人で移動するんでしょ」

有利「そうだけど・・・」

美子「ハイ、じゃお鍋持って。こぼしちゃダメよ」

有利「しょうがないな。簡単に言うけど、結構大変なんだぞ・・・さて、じゃあ風呂場に行ってと・・・」

ジャボン……お馴染みスターツアーズ……

〇HKにまたアニメ化してもらいたいという期待をこめて
血盟城のほのぼのとした日々を書いてみました

・・・眞魔国・血盟城・・・

グレタ「あ!おかえり、ユーリ!」

有利「グレタ!元気にしてたか?!」

グレタ「うん!そのお鍋はなーに?」

有利「ん?ああ、カレーだよ」

グレタ「カレー?」

有利「そもそもはインドの料理だけど、イギリスを通じて日本に伝わって来たんだ。それを軍隊がメニューに採用した事により全国へ……」

ヴォルフラム「馬鹿かお前は。そんな料理の歴史語ったってしょうがないだろう」

有利「そう言えば、そうだな。まあ、お袋の味ってヤツだ。魔界の人たちに食べさせてやれってお袋が持たせてくれたんだ」

グレタ「お袋の味?」

有利「まあ、高級じゃないけどお母さんの得意料理っていうか……」

ヴォルフラム「そうか、これが母上の味か」

有利「あのお袋は母上なんて柄じゃ……じゃない!お前が母上って言うな!」

ヴォルフラム「なぜだ?」

有利「俺のお袋で、お前の母親じゃない!」

ヴォルフラム「婚約者の母親を母上といってなにが悪い!」

有利「だからそれは……」

グレタ「お母さんの得意料理はなんだったのかな……おぼえてない……」

有利「あ、……ごめん

ヴォルフラム「その……僕も母上の作った料理はほとんど食べたこと無いから…えーと…」

グレタ「でも、わたし今すごく幸せよ。お母さんのお料理は覚えてないけどお城の食事は美味しいし。それにユーリもヴォルフラムも可愛がってくれるし」ニコニコ

有利「なんとけなげな。絶対俺が親として幸せにしてやるからな」ウルウル

ヴォルフラム「……」

有利「ん?どうしたんだヴォルフラム。黙りこくって」

ヴォルフラム「いや……」

・・・数日後 お食事会・・・

有利「朝ごはんからカレーなの?」

ギュンター「ヴォルフラムがどうしても、といって聞かないものですから」

有利「なんだ、そんなにカレーが気に入ったのか?」

ヴォルフラム「お袋の味だからな」

有利「お袋言うな!」

ヴォルフラム「なら、母上の味だ」

有利「そういう問題じゃない!それはそうと、眞魔国にもカレーってあったんだ、初めて知った」

ギュンター「いいえ、眞魔国にそのような料理はありません」

有利「じゃあ、これは?」

アニシナ「私にかかれば異世界料理を作ることなど朝飯前」

グウェンダル「朝飯前に作らなければ朝食に出せるわけなかろう」

アニシナ「お黙りなさい、グウェンダル」

グウェンダル「うっ・・・」

有利「だけど、アニシナさんは編み物だけじゃなくて料理も得意なんだ。意外と家庭的なんだね」

グウェンダル「なに馬鹿なことをいっている。そんなことあるわけ……」

アニシナ「家庭的など聡明な女性を家に閉じ込めておこうとする愚かな男たちの陰謀です。この程度のものを作るのに私が自ら手を下すまでもありません。
私が発明した魔動装置"インド人もビックリするぞう君55号”で完璧に同じ味のカレーを作り上げたのです、まだ味見はしてませんが……」

有利「お袋が作るのは日本風カレーだから、インド人はほとんど関係ないけどまあいいか。いただきまーす!」パクパク

有利「んっ!!・・・・・・あのー、なんというか妙に薬くさいんだけど」

アニシナ「ウェラー卿の話では、カレーと言う料理は風邪薬で出来ているとか」

有利「そうじゃない!原料に共通するものがいくつかあるっていうだけだ!」

ヴォルフラム「確かにこれは母上の味ではない」

有利「だから、母上言うな!」

アニシナ「陛下のみならず、ヴォルフラムにまで味の違いがわかるようでは"インド人もビックリするぞう君55号"は失敗作と言わざるをえません。すぐに破壊して・・・」

ヴォルフラム「ユーリ、お袋の味とは大事なものなのだろう?」

有利「いきなりなんだよ?大事って言うか……落ちこんだ時食べると元気が出るって感じかな」

ヴォルフラム「そうだろう。だから、グレタにもおふくろの味が必要だ」

有利「そんなこと言ったってお母さんがいなけりゃお袋の味は……」

ヴォルフラム「だからグレタにはお母さんが必要だ」

有利「……そうか、ようやくわかってくれたか」

ヴォルフラム「なんのことだ?」

有利「男同士での結婚を諦めて、新しくグレタのお母さんになってくれる女の人を探せって言うんだろう?」

ヴォルフラム「なに馬鹿なことを言っている?お前は尻軽のヘナチョコだからそういう発想になるのだ」

有利「へなちょこ言うな!」

ヴォルフラム「へなちょこにへなちょこと言って何が悪い!他の女の人を探す?そんなこと僕が許すわけ無いだろう」

有利「じゃあどうしろと・・・?」

ヴォルフラム「そんなこともわからないのか。ユーリがお母さんになればいい」

有利「ああ、なるほど……じゃない!俺は男だ!森田健作みたいだけど……」

ヴォルフラム「なんだ、そのメリケンサックとか言うのは?」

有利「メリケンサックじゃない、森田健作だ!千葉県知事で……そんなことはどうでもいい!!男がお母さんになれるか、気持ち悪いだろう」

ヴォルフラム「そんなことはない。お前ぐらい美しければ女装してもきっと似合う」

有利「よっぽどヴォルフラムのほうが可愛いじゃないか」

ツェリ「あら、あたくしはどちらも似合うと思うけど」

ヴォルフラム 「やめてください、母上!ボクは武人だ、女装などもうしたくない!!」

ツェリ「弱ったわねえ・・・」

有利「そもそも、男同士で婚約と言うのが・・・」

ヴォルフラム「またそうやって浮気を正当化しようというのか!」ガシャーン

有利「すぐそうやってものを投げつけるのはよくないクセだぞ。今度はスプーンかよ、日本ではこれをさじを投げるって言うんだぞ・・・違うかな?まあ、いいや」

ギュンター「いけません、陛下!!それを拾っては……」

有利「ナイフじゃないから拾っても決闘になるわけじゃないだろ…」ヒョイ

ギュンター「あっ……そんな……ウウッ」タッタッタッタ

ヴォルフラム「拾ったな」

有利「ええっ?ギュンターが泣きながら走り去っていったけど、まさかこれも……?」

コンラート「それは……非常に言いにくいのですが。ベッドの上でケリをつけよう、と言う意味で、そのスプーンを拾うと言うことは……」

有利「その勝負を受ける・・・」

コンラート「随分理解が早くなりましたね」

有利「ありがとう・・・うれしくないけど。いったいどうしたらこんなご都合主義の風習ができるんだ……」

ツェリ「世の中の風習なんてそんなものよ。そうと決まれば二人とも体をきれいにしていらっしゃい」

ヴォルフラム「わかりました、母上。おい、ユーリ、行くぞ」

有利「なんでお前はそんな元気なんだ」

ヴォルフラム「おまえが、僕のものに貫かれうち震える姿を想像したら楽しくて……」

有利「ちょ、ちょっと待ってくれ!貫かれるって……?」

コンラート「ひょっとして、何をするか分かっていなかったんですか?」

有利「ベッドの上でプロレスごっこでもするんじゃないのか?」

ヴォルフラム「このへなちょこは、婚約者同士がベッドですることぐらいわからないのか?!」

有利「婚約者同士がベッドの上ですることって、まさか!!セッセッセッセ……俺たちは男同士だぞ!!」

コンラート「陛下にはかなりの衝撃かもしれませんが……自分の大事なところを相手の後ろの穴に挿入し、満足させたら勝ちということになります」

有利「ビミョウにわかりにくい、と言うよりわかりたくないんだけど…大事なところって言うのはそのう…チンコ?」

コンラート「そのとおりです」

有利「後ろの穴ってのは水戸様のこと?」

コンラート ニコリ

有利「満足させるって言うのは……」

コンラート「射精させるということ……」

有利「ふざけるな!なんでそんなことを俺がしなきゃいけないんだ!」

ヴォルフラム「まあ、そんなに興奮するな。結婚の前に関係を持つと言うのもお前たちの国ではそう珍しいことではないのだろう?」

有利「そういう問題じゃない!そもそも男同士で……」

ヴォルフラム「勝利が読んでいる本にもそんなのがあったぞ。BLとか言うのだろう?女にしか見えない男同士が愛し合っていたぞ。
まあ、見られながらと言うのは少々誇りを傷つけるところではあるが」

有利「こんな事を他人に見られるのか!!」

ヴォルフラム「当たり前だろう。勝負なのだから」

コンラート「言い伝えで対戦者の異性の貴族が立会人を勤めることになっております」

有利「つまり、女の人二人に見られながら…なんてことだ…」

ツェリ「では、わたくしが勝負を見届けましょう。可愛らしいもの同士が交わる姿を見られるなんて実に楽しみですわ」

コンラート「あと一人必要ですが…」

アニシナ「ちょうどようございました。私が立会人をつとめましょう。殿方同士のまぐわいと言うものを一度研究しておきたかったのです。
なかなか見られるものではありませんから、これは好機というもの」

有利「実験材料にされるのは、勘弁して欲しいんだけど…」

コンラート「ならば、ギーゼラに頼みますか?」

有利「ギーゼラ…それは少し気恥ずかしい」

コンラート「後は、貴族に準ずるものとして言賜巫女ぐらいしか」

有利「それはダメだ、あんな幼い子に見せるなんて!」

コンラート「800歳を越えていますが…」

有利「そういう問題じゃない。ウルリーケに見られるぐらいなら、まだ実験材料にされるほうがましだ……」

コンラート「では母上とアニシナに立会人をやってもらうと言うことでよろしいですね」

有利「よろしくないがしょうがない」

ヴォルフラム「じゃあ、風呂に行くぞ、ユーリ」

有利「ああ、どうしてこんなことに……」

・・・いつもの風呂・・・

有利「こんな時間でも沸いているのか。ガスの無駄使いじゃないか」

ヴォルフラム「魔王たるものがつまらないことを気にするな」

有利「そうは言うけど……いつもこの風呂はいい香りがするんだな」

ヴォルフラム「母上の趣味でそろえたいろいろな入浴剤が残っているからな」

有利「ツェリ様の美肌の元は入浴なんだな、きっと……なにジロジロ見てるんだよ!」

ヴォルフラム「対戦相手の確認をするのは当たり前だろう」

有利「だけど下半身ばっかりじっと……」

ヴォルフラム「下半身で勝負するんだぞ」

有利「そりゃあ、そうだけど……」

ヴォルフラム「髪だけでなく下の毛も黒いとは。何て美しい……」

有利「下だけ金髪になってたまるか!!」

ヴォルフラム「これほど美しい肉体を持ちながら、なぜこいつはここまでヘナチョコなのか・・・」

有利「だからヘナチョコ言うな!それに俺は平均的な野球少年だ。イケメンでもなんでもないんだって。
ニッポンではヴォルフラムみたいなのを美少年っていうんだ」

ヴォルフラム「フン、異世界のことなど僕には関係が無い」

有利「まったく。お前ばっかり見てないで俺にも見せろ」

ヴォルフラム「見たければ見るがいい。お前みたいに隠そうとなんかしない」

有利「男の裸をまじまじと見ることがあるとは思わなかった…肌も白くてシミひとつない、白磁のような肌ってこういうのを言うんだろうなあ。
それに引き締まっているのにマッチョでもなく、これが女だったらなあ……」

ヴォルフラム「性別で差別するのをセクハラと言うんだろう」

有利「なんでそんな言葉を……」

ヴォルフラム「アニシナがグレタに教えてた」

有利「アニシナさんは何を教えてるんだ…ん?ヴォルフラム、毛が生えてないのか…いや、金髪だから目立たないんだな。
そういえばチャーリーブラウンも禿じゃなくて金髪だとか。ネットで見るのは頭髪は金髪でも下のほうは色が濃い場合が多いけど」

ヴォルフラム「網で裸を見るのか?」

有利「網じゃない。インターネットって言って……あ、でも最初は網って意味だったのかな…んなことはどうでもいい。
ヴォルフラムのモノは……うっ、思ってたより立派だ!!普段の状態で15センチは……もう大人の……」

ヴォルフラム「お前みたいなヘナチョコと一緒にするな」

有利「失敬な!これでも同級生より小さい訳じゃ……んなことはどうでもいい…大きいけど色も薄いし皺もないから意外と生々しくないな。彫刻みたいだ…
けど、こいつが俺の黄門様に入ってきたら、絶対痔になるぞ、こりゃあ。
この若さでヒサヤさんやボラギノールのお世話になるのはまっぴらごめんなんだが、うーむ、これは弱った…」

ヴォルフラム「そんなじろじろ見るな」

有利「見たければ見ろっていったのはヴォルフラムじゃないか」

ヴォルフラム「それはそうだが……」

有利「おや、先っぽが少し赤くなってきたぞ。あれ、なんか大きくなってきてないか」

ヴォルフラム「もう、いいだろう」

有利「ひょっとしてヴォルフラム、俺に見られて興奮してきたんじゃないか?」

ヴォルフラム「うるさい!もう勝負の時間だ!行くぞ!!」

有利「あ、待てよ。照れるなってば……ヴォルフラムの奴、服も着ないで逃げていきやがった。しかしヴォルフラムのあそこがあんなでかいってのは想定外だった。
あんなのにどうすれば勝てるってんだ……しかし勝負は体だけで決まるわけじゃない。WBCを制覇したスモールベースボールの真価を見せてやる!
…とはいっても野球をするわけじゃないもんな…いや、バットとボールを使って勝負することに変わりはない…かなあ……」

・・・おなじみの寝室・・・

アニシナ「それでは、二人とも準備を……」

有利「準備?」

アニシナ「お召し物をお脱ぎください」

有利「そうか……そうだよな……」ゴソゴソ

ヴォルフラム「何コソコソ隠してるんだ」

有利「そりゃあ、見せびらかすほど立派なものじゃ……」

ヴォルフラム「何を言っている。その美しい漆黒の翳りを隠すなんて罪深い行為だ」

有利「だから平均的ニッポン人ならたいていそうなんだって、何回言えば…」

アニシナ「さっさと準備なさい!!」

有利「はいっ。準備終わりました!!」キヲツケ

ツェリ「二人ともすばらしく愛らしい。なんて可愛らしいおチンチンなのかしら」

有利「え、ヴォルフラムのが可愛らしい?このでっかいのを可愛らしいってツェリ様はいったいどんなものを見てきたんだ?
さすが愛の狩人を自認するだけある」

アニシナ「よろしい。一糸まとわぬ姿におなりですね。それでは、最後にもう一度ルールを説明します。
時間無制限、一本勝負。陰茎を相手の肛門に挿入し、性的快楽を与え精子を放出、つまり射精させれば勝ちとなります」

有利「もうちょっと間接的な言い方ってもんが」

アニシナ「公平を期すために、先攻は陰茎のサイズの小さいほう、すなわち陛下からと言うことになります」

有利「あのう、もう少し優しく言ってもらえませんか」

アニシナ「優しく?」

有利「いくらなんでもストレートに小さいと言われると男としての沽券が……」

アニシナ「くだらない。そんなつまらないものの大きさに価値観を持つなどいかに男が下劣な存在であるかの証明と言えるでしょう。
陰茎のサイズが大きいだけで世の淑女が喜ぶと考えるあたりで男という生き物のイマジネーションの貧しさがわかります。
そのようなことに意味が有るとは思いませんが、もし陛下がどうしても大きくしたいと言われるのであれば、私が発明した魔動装置"スーパー如意棒ビガー三世”で2mでも3mでも……」

有利「お、俺が間違ってた!!」

アニシナ「わかっていただければ結構です。なお、攻める際に相手の陰茎に触れることは厳禁です」

有利「なんで?」

アニシナ「なんでも」

有利「アニシナさんにもわからないの?」

アニシナ「如何に私と言えども世の理すべてに通じているわけではありません。が……」

有利「が?」

アニシナ「偽書と言われているものの中に、眞王が双黒の大賢者と初めて揉め事をおこした際に手淫で射精させられ、その後タメ口を許さざるをえなくなった。
それがトラウマとなった眞王は、以来男同士の勝負において、陰茎に手で触れることを禁じたという記述を見たことがあります。
まあ、眞王を貶めようという意図の下作られた偽伝でしょうが」

有利「いや村田ならそれくらいするかも。今度村田に聞いてみよう」

アニシナ「時に、お二方、性行為の経験は?」

有利「残念ながら……ない。保健の授業で習ったのと、AVを見たことがあるぐらいで……」

ヴォルフラム「婚約者以外と関係を持つことなど考えたこともない。そこのヘナチョコと一緒にするな!」

アニシナ「二人とも経験がないと。では最低限の知識は持っていただきましょう。スイッチオン!」

有利「な、何が起きるんだ!」

アニシナ「ご心配無用です。私が発明した魔動装置……」

有利「それが心配なんだ!」

アニシナ「それが心配ですと!?」 ピキッ

有利「い、いえ。なんでもない」

アニシナ「そうですか。私が発明した魔動装置"噂は噂マッキーケン・バージョン69”で、二人の脳に男同士の性交について知識を送り込みました」

有利「そうなの?!何にも変わった気がしないけど……

アニシナ「深層心理の中に送り込んだのでお分かりにならないのです。無意識のうちに知識を活用できるでしょう。では準備完了です。
後は攻め手、すなわち陛下のイニシアティブの下お勧めください」

有利「わかった。だけど……ヴォルフラム、本当にいいのか?」

ヴォルフラム「ふん、おまえの粗末なヘニャチンで僕をどうにかできると思ったら大間違いだ。で、どうすればいい?」

有利「えーと、仰向けで寝ててくれれば」

ヴォルフラム ゴソゴソ「これで良いのだな」

有利「ああ、それでいい。うつむき加減で目を閉じた天使のような美少年がベットに横たわっている。これだけ美しいのなら男でもいいかって気になってきた。
男相手に勃つか不安だったんだが俺のものがなんだか反応してきたぞ、ちょっと複雑な気持ちだけど。これがわがままプーでさえなければ……」

ヴォルフラム「何をブツブツ言っている。さっさと、いれるがいい」

有利「ふふふ、ヴォルフラム」

ヴォルフラム「な、なんだ」

有利「すぐに入れてもらえると思ったら大間違いだ」

ヴォルフラム「なにっ!?」

有利「野球は体力だけじゃないんだ!シンキング・ベースボール、ID野球だ!!」

ヴォルフラム「それと何の関係がある?」

有利「ん?エーと、つまりあれだけ弱かったヤクルトでも優勝したということで、ヴォルフラムより小さいかもしれないけど、運がよければ僕が勝つかも……あれ、おかしいな?」

ヴォルフラム「最初からお前に勝ち目などない、早くしろ」

有利「勝利に隠れてネットで古今東西のエロ動画を鑑賞した俺の知識をなめるなよ」

ヴォルフラム「フン、せいぜい悪あがきをするがいい。勝つのは僕だ」

有利「どうかな?ツンツン」

ヴォルフラム「な、何をする、人の胸を突っつくな。そんなことしても僕は何も感じないぞ」

有利「そうか、じゃあ、乳首をこうしても大丈夫だよな?」クリクリ

ヴォルフラム「クッ、そ、その程度……」

有利「その程度なんなんだ?」

ヴォルフラム「その程度で、なんにも感じてなんかいない」

有利「そうか。じゃあ、この桜色に充血した乳首はなんなんだ?」

ヴォルフラム「うるさい!」

有利「でもきれいな色だな。若い頃の宮沢りえみたい」

ヴォルフラム「何のことだ」

有利「おやじの本棚で見た昔のアイドルだ。しかし本当にキレイな乳首だな。胸にキスしてもいいか?」

ヴォルフラム「勝手にしろ!」

有利 チュ、チュ

ヴォルフラム「あっ」

有利「どうした?」

ヴォルフラム「な、なんでもない」

有利「脚もきれいなんだなスラッとして。ストッキングを履いてるわけでもないのに毛穴がまったく見えない…ヴォルフラム相当鍛えてるんだろ?」

ヴォルフラム「当たり前だ、僕は武人だぞ」

有利「それなのにごっつくならないんだから、魔族ってすごいなあ。あ、でもアメフトマッチョは相当ゴツゴツしてたな。やっぱりツェリ様のこどもだからか……」スリスリ

ヴォルフラム「太ももを撫で回すな。さっさと入れろ」

有利「感じてきたのか」

ヴォルフラム「ち、ちがう!」

有利「ふーん、そんな素直じゃないやつはこうだ!」グッ

ヴォルフラム「ああっ、そ、そこをつかむのは反則だっ!!」

有利「違うな、俺がつかんだのはボール。触れてはいけないのはバットだ!キャッチャーだけに……」

ヴォルフラム「なに訳のわからないことをいっている。アニシナ!反則だろう!!」

アニシナ「いえ、確かに陛下の言うとおり睾丸に触れてはいけないという言い伝えはありません。まあ、道義的にはいかがなものかと思いますが……」

有利「だってさ。体力的に劣るものが勝利を得るにはルールを最大限味方にすることが必要なんだ!!」

ヴォルフラム「ひ、卑怯者!!」

有利「なんとでも言え!どうだヴォルフラム!」モミモミ

ヴォルフラム「クウッ」

有利「どうだ気持ちよくなってきたんだろう?」ニギニギ

ヴォルフラム「気持ちよくなんか…うっ」

有利「袋の付け根がピクピクしてるぞ」モミモミ

ヴォルフラム「ううっ、畜生!さっさと入れろ」

有利「入れて欲しいのならちゃんとお願いするんだな」

ヴォルフラム「なに?!」

有利「口のきき方という物があるだろう」

ヴォルフラム「ど、どうして僕をこんなに……」ウルウル

有利「どうした?」

ヴォルフラム「……いれ……」

有利「なんだって?よく聞こえないなあ」

ヴォルフラム「……入れてください、お願いします……」

有利 ”よしよし、効いているぞ。プライドの高いヴォルフラムにとって、俺にお願いなんて、とてつもない屈辱。
その直後に挿入したら、AV仕込の言葉攻めで心が折れるとともにいっそう快感が高まって一気に絶頂を迎える!……はずだ、AVで見た記憶では……”

有利「よし、ヴォルフラム、お上にも情けはある。いくぞ!」 グイッ

ヴォルフラム「痛っ」

有利「あれ、入らない」

ヴォルフラム「そこは、玉だ!」

有利「バットとボールが当たるのは至極当然……」

ヴォルフラム「ふざけるな!」

ツェリ「陛下、初めてなんだからちゃんと見ないと入れられないわよ」

有利「確かにバッティングの基本はボールを見ることだ……ん?今回はバッティングではなく穴に入れるんだったな。
ということはゴルフか。ならば芝目を読まないと……でも芝ってほど生えてないな、こんなにでっかいもの持ってるのに……」

ヴォルフラム「何でも良い、早くしろ!!」

有利「ゴメンゴメン、じゃあ今度こそ!」グイ

ヴォルフラム「ああっ…」

有利「どうだっ、ヴォルフラム!!」

ヴォルフラム「な、なんか入ってきた!な、なんだ、この違和感は!」

有利 ”これで、ヴォルフラムは一気にエクスタシーを迎えるはず……なんだけど、まだか?AVではあっというまだったのに……”

有利 ”しかし少しひんやりした肌がスベスベして気持ち良い、これが女の子だったら本当にいいのに”

有利 ”良い匂いだ。この匂いを嗅いでいるだけで胸の鼓動が高まってくる。こんな可愛い顔した奴が頬を赤らめて……こっちの理性が飛びそうだ。別に女じゃなくても…”

ヴォルフラム「ユ、ユーリ!!」ギュ

有利「わっ、ヴォルフラム。しがみつくな。動けないじゃないかっ!まさかこれは、だいしゅきホールド!!
これじゃあ、必殺の腰技が使えない!!使い方知らないけど…」

ヴォルフラム「動くな、これ以上動いたら僕はどうにかなって……」

有利 「ヴォルフラムが絡みついてくる、いや俺を包んでる、体もあそこも」

ヴォルフラム「うっ、ぼ、ぼくはユーリの……」

有利「ダ、ダメだ。チンコが吸い込まれる。そ、そんな、締め付けるな!こいつ実はサキュバスだったんじゃ!!」

・・・数分後・・・

ヴォルフラム「……」ムスッ

アニシナ「ヴォルフラム、なにか不満そうですね」

ヴォルフラム「こんな貧弱なチンポコで僕を満足させようってのが最初から無理なんだ!!」

有利「そこまでいわなくたっていいじゃないか…俺だって頑張ったんだ…」

ヴォルフラム「いくら勝負のためとはいっても、こんなすぐイってしまうヘナチョコの精を体に受けたかと思うと汚らわしくって」

アニシナ「そうですか。その割にあなたのものはまだ勃起しているようですが…しかし立会人として、まだ射精にいたっていないことを確認しなければなりません。
ヴォルフラム、陰茎を見せなさい」ヒョイ

ヴォルフラム「だ、ダメだ。さわるな!ああ……」ピクピク ヘタ

有利「大丈夫か、ヴォルフラム!へたりこんで……」

ヴォルフラム「心配するな、少しよろけただけだ…」フラッ

アニシナ「ほう、殿方の射精の瞬間を見たのは今日が初めてです。ヴォルフラムもいく寸前だったということですね」

ヴォルフラム「ち、ちがう!アニシナが急に触ったから……」

アニシナ「婚約者の前で他の女にちょっと触られただけで性的興奮を得る人間だといいたいのですね。まあ、そういう趣味を持つものもいるでしょう」

ヴォルフラム「そうじゃない!!」

アニシナ「ふふ。いずれにせよ、陛下の攻撃では射精に至っていないことを確認しました」

ヴォルフラム「じゃあ、俺の負け?イっちゃったけど」

アニシナ「いいえ、単に攻め手のターンが終わるというだけです」

有利「そうか、サーブ権は失ったけど得点は入っていないということか。9人制のバレーじゃなくてよかった」

ヴォルフラム「何を訳のわからないことを言っている。さっさと準備しろ」

有利「準備って言ったって、ヴォルフラム今いったばかりじゃないか」

ヴォルフラム「ふん、お前みたいなヘナチョコと一緒にするな。お前を叩きのめすことが出来ると思ったら力がフツフツと沸いて来るんだ」

有利「うわっ、も、もう、こんなに……」

ヴォルフラム「わかったか?じゃあ、はじめるぞ。四つんばいになれ」

有利「わかった」

ヴォルフラム「では、いくぞ。力を抜け!」

有利「ちょ、ちょっと待て。いきなり入れる気か!」

ヴォルフラム「当たり前だろう。お前みたいに卑怯なまねはしない」

有利「俺は初めてなんだぞ」

ヴォルフラム「僕も初めてだ、気にするな」

有利「そういう問題じゃない!括約筋というものは一度断裂したらつながらないんだ!」

ヴォルフラム「心配するな、おしめは僕が代えてやる」

有利「あ、焦るな!せめて、ワセリンをぬるとか……」

ヴォルフラム「いくぞ!」グイッ

有利「ギャアー」

ヴォルフラム「うるさいぞ、ユーリ」

有利「痛ーーーい!!けつの穴が引き裂かれる!!」

ヴォルフラム「なにを言っている。まだ、先っぽも入ってないぞ」

有利「も、もう限界だっ!」

ヴォルフラム「ガマンしろ。そうすれば快感に変わる」

有利「死ぬーーーーー」

ヴォルフラム「ケツが裂けたって死ぬことはない。切れ痔になるだけだ。男がそれぐらいのことで泣くな!」

有利「だったら男でなくてもいいーーーー!!!無理だーーーーっ!!」

ヴォルフラム「……」スウーッ

有利「え?」

ヴォルフラム「もう止めだ。お前みたいなヘナチョコに僕の大事なところを入れてやる価値なんか無い」

有利「助かった。でも、続きは……」

ヴォルフラム「ほんの先っぽを挿入しただけで泣き叫ばれたら、続けられるか」

有利「すまん………こんなに痛いものだとは思っていなかったものだから」

アニシナ「ヴォルフラム、攻めを終了するのですね」

ヴォルフラム「ああ、これ以上こいつのわめき声を聞きたくない」

有利「あのう……」

アニシナ「なんですか?」

有利「俺はいっちゃったけど、ヴォルフラムはいかなかったってことは俺の負けってことかな」

アニシナ「いいえ。双方とも攻撃失敗です」

有利「そうなのか、ではこの勝負は?」

アニシナ「引き分けとなります。いずれ日を改めて再試合ということになります」

有利「え!もう一度あの苦しみを味わなければいけないの?!」

ヴォルフラム「……」

アニシナ「そうです」

有利「せめて、もうちょっと滑らかになるようにローションかなんか準備してくれないかな……」

アニシナ「ダメです。これは自らの肉体で相手を満足させるもの。物に頼ることは許されません」

有利「マジか……」

ヴォルフラム「自らの肉体で相手を満足させるもの、だとしたら……」

有利「ん?」

ヴォルフラム「僕の負けだ」

有利「え?」

ヴォルフラム「僕はこのヘナチョコに苦痛しか与えられなかった。しかし僕はあと一歩で……」

アニシナ「ではヴォルフラム、あなたがグレタのお母さんになるというのですか」

ヴォルフラム「これ以上このヘナチョコのべそをかいた情けない顔を見るぐらいなら、グレタの母親になるほうがましだ」

ツェリ「まあ、ヴォルフラム、成長したわね。こんな時に思いやりを忘れないなんて……さすが私自慢の息子ね」

ヴォルフラム「やめてください母上。根性なしの軟弱者をいたわるのも貴族の義務というだけです。ユーリ、これは貸しだからな。もし浮気なんかしたら、絶対許さないぞ」

有利「ちょっと待て、それとこれとは話が……」

ヴォルフラム「なにっ!!僕の体を汚しておいてもう浮気する気なのか!!!」

有利「そうじゃない、そもそも……」

ヴォルフラム「お前の体で反省させてやる!炎に属する全ての粒子よ…創主を屠った魔族に従え…」

有利「待て!話せばわかる!!」

ツェリ「陛下。頭に血が上ったヴォルフラムに話したってわからないわよ。早く逃げたほうが良いのじゃなくて」

有利「そ、そうみたいですね。お言葉に従います。あばよ、ヴォルフラム……」タッタッタ…

ヴォルフラム「待てーーーっ!この浮気もののヘナチョコッ!我が意思をよみ、そして従えっ!!!」

有利「宮殿の中で炎の魔法を使うな!火事になるだろう!!ギャアーーーーー」

ツェリ「…あらあら、逃げ切れなかったようね」

アニシナ「ヴォルフラムの術もいつもに増して威力があるようで」

ツェリ「でも、仲の良いもの同士の諍いというのは可愛らしいものね」

アニシナ「そうですね」

ツェリ「仲の良いもの同士でもどちらかが折れなくてはいけないときがあるのよ、わかったでしょ」

アニシナ「……」

ツェリ「折れたほうが幸せになることも」

アニシナ「……」

ツェリ「フフフ、まあいいでしょう。だけどあなたの魔道装置ってすごいのね。あの二人をあそこまで積極的にしてしまうのだから」

アニシナ「たいしたことはありません。充填した魔力を変換し……おや、私としたことが」

ツェリ「どうしたの?」

アニシナ「急なことでしたので魔力を充填するのを忘れていました」

ツェリ「え?じゃあ、あれは二人の本性ってこと?……でも、そういえば美香蘭をお風呂に入れたままにしておいたわねぇ。あのせいかしら……」

・・・翌日 お食事会・・・

グレタ「ということは、ユーリがお父さんでヴォルフラムがお母さんになるのね」

ヴォルフラム「そうだ。だから僕が料理を覚えてグレタのお袋の味を作ってやる」

グレタ「ありがとう」

ヴォルフラム「ヒノモコウがいいか?」

グレタ「ううん、カレーがいい。ユーリと同じのほうがいい」

ヴォルフラム「そうか、じゃあ今度母上に習ってこよう」

有利「母上言うな!!」

グレタ「ヴォルフラム、あたしもうひとつお願いがあるの」

ヴォルフラム「なんだ、言って見ろ」

グレタ「妹が欲しい」

ヴォルフラム「それは僕一人では……ユーリにもお願いするんだ」

グレタ「ねえ、ユーリ。あたし妹が欲しい」

有利「そうだな、一人っ子じゃさびしいよな……って俺とヴォルフラムで子供ができるわけないだろう!!」

ヴォルフラム「やっても見なきゃ判らないじゃないか!」

有利「わかるわ、それぐらい」

ヴォルフラム「最初からあきらめていては出来るものもできん!!」

有利「最初から出来ん!!」

グウェンダル「うるさい!!二人とも静かにしろ!」

有利「すみません……」

コンラート「今日のカレーは、この間と味が違うんじゃないかな」

アニシナ「おや、よく気がつきましたね」

有利「あれを改良したのかい、エーと魔道装置”チャダも大好き北野インドカレー”だっけ?」

アニシナ「いいえ、今日は私が手作りしました」

有利「道理で美味しいと思った。さすがだねアニシナさん」

アニシナ「大したことはございません。しかしこれだけの人数分を準備するのには結構時間がかかりました。このようなことのために婦人を毎朝拘束するのは実に無駄なこと。
しかし……しかしです……二人分ぐらいなら…毎朝でも……」

一同「……」

グレタ「ねえ、ユーリ。アニシナさんの顔、真っ赤よ。熱があるんじゃないかな?」

有利「シッ、グレタ。今大事なところだから」

ヴォルフラム「何が大事なんだ?」

有利「何でも良い、鈍感!静かにしろ」

グウェンダル「……なるほど。しかし二人分しか作れないのでは意味が無い」

アニシナ「……」

有利「な、なにをいうんだ、グウェンダル!!アニシナさんはお前のことが……」

カチャーン

ヴォルフラム「アニシナがスプーンを投げた!!」

一同「……」

アニシナ「ふーん。私、用事を思い出しました。ねえ、コンラート?」

コンラート「偶然ですね、母上。俺もです」

有利「あ、俺も。なあ、ヴォルフラム?」

ヴォルフラム「僕は特に用事はないが……」

有利「ばかっ!あるんだよっ。こっちへ来い!グレタもおいで」

ヴォルフラム「コラッ、耳を引っ張るな。婚約者だからってやっていいこととわるいことが……」ジタバタ

グウェンダル「みんな出て行ったな」

アニシナ「グウェンダル、スプーンを拾いなさい」

グウェンダル「断る」

アニシナ「なぜです。そんなに私を避けたいのですか」

グウェンダル「ベッドの上は戦うところではない。愛し合うところだ」

アニシナ「……」

グウェンダル「二人分しか朝食を作れないといったな。では我々の子供達は何を食べたら良いのだ?」

アニシナ「……」

グウェンダル「どうなんだ?」

アニシナ「手伝ってもらえれば……」

グウェンダル「料理をするのは決して嫌いではない」

アニシナ「嫌いではない…」

グウェンダル「いや、むしろ好きだ…とても…」

アニシナ「……」ポロッ

グウェンダル「アニシナこっちに来い。俺を見ろ……」

アニシナ「……」

・・・ドアの外・・・

有利「うまくいくかな?」

コンラート「どうでしょう?二人とも強情ですからね」

ツェリ「心配要らないわ」

有利「どうして?」

ツェリ「愛の狩人としての直感ね。グレタ、あなたの妹と従兄弟とどちらが先に出来るかしらね?」

グレタ「うーん。私は妹が欲しいけど……だけど、どっちがさきでも、私、両方とも可愛がってあげる」

ツェリ「と、いうことだから陛下頑張ってね」

有利「はい…じゃない、無理!!」


               お わ り

ということで終わりです。無論主役はアニシナでした。好きなんです。なぜ今頃?というのは置いといて……

一言付け加えると、慣れないところに慣れないものを入れると本当に痛い!
以上です

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