嫁「メリークリスマスだよ夫」 (41)

夫「……」ドアパタン

嫁「プレゼントをあげましょう。この袋から…」紙袋がさがさ

夫「うん、ちょっととりあえず玄関じゃ寒いから、奥入ってほしいな嫁ちゃん」グイ

嫁「嫁ちゃんじゃない!サンタさんです!」

夫「よーしサンタさん、俺寒くて凍えちゃうからさ、奥入ってほしいな。なんてったって2月だもん。クリスマスより寒いもん」ニッコリ

嫁「(袋がさがさ)あれ、あれがない。あれ?さっき入れたのに!あれ?あれれ?」

夫「サンタさん、せめてリビング行こう?そのドンキで買ったような真っ赤なマントの下、なにも来てないんでしょう?嫁ちゃ…サンタさんも寒くない?」

嫁「クリアアサヒ、夫が好きだからプレゼントに買ったのにどっかいっちゃった!3時間前から入れといてテーブルの上に置いといたのに!」

夫「うわぁ~クリアアサヒはなるべく冷やしといてほしかったなあ~。あと俺が好きなのドライのほうね。同じアサヒだけど」

嫁「なくなっちゃった……」グスッ

夫「よめ…サンタさん、じゃあクリアアサヒ俺と一緒に探そう?だからさ、奥入ってほしいなあ」

嫁「お小遣いで買ったの…夫に、夫が喜んでくれるかなって…」えぐっ

夫「嬉しいよサンタさん、今そのサンタさんの気持ちだけでめちゃめちゃ嬉しい。でもクリアアサヒあったらもっと嬉しくなるから、一緒に探そう?」

嫁「……うん」こくり

夫「じゃあ中入ろうか」

嫁「ん」

夫「ほっ…」

--

〈散髪〉

ショキ、ショキ…

嫁「……(真顔)」

ガチャ、
夫「嫁ちゃーん、おつかい行こ……なにしてんの?」

嫁「熊五郎の散髪をちょっと…」

ショキ、ショキ…
くまのぬいぐるみ「…」

夫「えー。熊五郎、寒くないかな?この時期はちょっとアレじゃない?」

嫁「でも熊五郎が今日散髪したいんだって言ってるから」

くまのぬいぐるみ(熊五郎)「夫サン、ボクハ今日、サンパツ、シタイデース(嫁裏声)」

夫「なるほどね。でもあんまり切ると寒いから、ほどほどにね」

嫁「ワーイエムシエッ…ワァイエムシエッッ…」ショキ

嫁「兄は夜更けすぅぎに、雪絵と変わるダァロウ…」ショキ

夫「それなんだっけ」

嫁「タモリ…」ショキ

夫「あー懐かしい」

熊五郎「……」

嫁「……で、何用でござるか?」

夫「…あれ、何の用だっけ。忘れちゃった」

ショキ、ショキ

嫁・夫「きっと君はこぅなぁい~♪…」

--

〈散歩〉

てくてく
嫁「なんでネジってネジって言うんだろね」

スタスタ
夫「うーん、なんでだろうねえ」

嫁「アタスが思うに、ネジと…捻る…ねじ、る…」モゴモゴ

夫「嫁ちゃんがなんで嫁ちゃんっていうのかわからないように、ネジもわからない。でも、それでもいいんじゃないかな」サワヤカ顔

嫁「いや、だからネジ…ねじる…」モゴモゴ

プークスクス

嫁・夫「?」

前方の小学生「クスクス」じろじろ

前方小学生2「あの人…大人なのに…」じろじろ

小学生「くまのぬいぐるみ持ってる…」クスクス

夫「(あーやばい)よ、嫁ちゃんこっちの道から行こうか?」チラ

嫁「---じゅう!!!」

夫「っ!」

小学生共「!」

嫁「きゅーう、はーぁち、なーな(大声)」

夫「よ、嫁ちゃん…もしかして」

小学生「うわー大声出して…キチガイ…」クスクス

嫁「ろぉーく、ごーお、よーぉん」

夫「またアレをするんじゃ…」ハラハラ

嫁「さあぁん、にぃーい…」

熊五郎「(ムギュゥゥウ)」

嫁「---いち」

ダッ

嫁「(真顔)」タッタッタッタッタッタ(高速)

小学生共「!?!?」

夫「嫁ちゃん!やめなさい!!」

小学生共「う、うわああああああなんかきたあああああ」ダッシュ

嫁「(白目)」タッタッタッタッタッタ

小学生「ぎゃああああああんごめんなさああああい」半ベソ

小学生2「なんで白目なんだよおおおおおお」大泣き

夫「クソッさすがお正月恒例町内マラソン大会で毎年優勝してるだけはある!追いつけない!」タッタッタ

夫「嫁ちゃん!通報されたら俺が大変だからやめなさい!!」はぁはぁ

嫁「」ッッギュ

夫「---ちょちょちょ急すg」

ドシーン

小学生共「バーカバーカ!」タッタッ…

嫁「…」

夫「……」

嫁「…ごめんなさい」

夫「うん。誰でも、お友達を馬鹿にされたら怒るよ」

熊五郎「…」ボロ

嫁「熊五郎…ごめんね」

夫「嫁ちゃんは悪くないよ。
さ、公園まで一周して帰ろ。帰ったら熊五郎、手当てするよ」スクッ

嫁「うん」

--

〈ペット〉

嫁「にゃんちゃん飼いたい」雑誌ぐいー

夫「……だめ」押し返し

嫁「! なんで!」

夫「だめったらだめ。第一このマンション、ペット不可だし」

嫁「なんでなんでなんで!こないだまでキジを飼ってたじゃん!」

夫「うん、キジって言う名のザリガニね。ザリガニはペットに入らないよ」

夫「ていうか嫁ちゃん、お世話係ちゃんとできないじゃん。キジだって最終的に俺が世話してたし」

嫁「するもん、ちゃんとするもん。餌あげるし、散歩もするし、芸も教え込むもん」

夫「なんだか犬と勘違いしてない?とにかくだめ。大家さんに怒られるよ」

嫁「やぁぁーーだぁーーーー」バタバタバタ

嫁「飼いたい飼いたい飼いたい!!にゃんちゃん飼う!!」

嫁「ちゃんとお世話するもん…お小遣い減らしてもいいよ、いいから…」えぐっ

夫「……でもさあ」

夫「猫飼ったら、熊五郎がボロボロになるかもしれないよ?」

嫁「…え?」

夫「猫は自分より小さいものをおもちゃにするんだって。子猫を飼ったとしても、そのうち熊五郎より大きくなるでしょ?
そしたら猫、熊五郎をおもちゃにするかもしれないよ(大嘘)」

嫁「……」

嫁「やめる」ぐしゃ

夫「ん」

--

〈鼻ちん〉

嫁「んぶぇっぷし!」クシュン

嫁「はー、さむ」ゴシゴシ

夫「あ!」

嫁「あ?…あ」

夫「はい30円没収でーす」

嫁「今のはなし!今のはなし」

夫「なくないです、洋服で鼻ちんしたらだめってもう10億回くらい言ってます」

嫁「言ってない、4億回くらいしか言ってない…」ムスー

夫「次頑張りましょう、30円持ってきてください」

嫁「むー」

夫「むくれてもダメ」ぶにぶに

--

〈お仕事〉

夫「じゃ、そろそろお仕事行ってくるね」

嫁「うむ」ガチャガチャ

夫「食器帰ったらやるからいいよ。嫁ちゃんも今日はデイケア行く日でしょう」

嫁「でも、油のだけこびりついてるから、やる」

夫「デイケア準備した?あれ、俺保険証とか渡したっけ…」

嫁「したよ。昨日お金と一緒に保険証渡してくれたじゃん」

夫「ああ、そっか。じゃ、俺行くから気をつけてね」

嫁「うぃ。おじさんたちによろしく」

夫「はいはい、何かあったら連絡してね」

嫁「……」

グイッ

夫「?」

嫁「どんなに遠く離れても…ずっと待ってるから…」

夫「いや、会社まで徒歩3分ですけど」

--5年前--

若夫「若嫁ちゃん、俺と付き合ってほしいです」

若嫁「……」かちゃかちゃ

若夫「…」

若嫁「……(真顔)」かちゃかちゃ

若夫「…なにしてるの?」

ヴィィイィイン
若嫁「……え?なに?」パッ


若夫「うん…まあ、今のは置いといて」

若夫「なにしてるのかなって」

若嫁「かみひこうき作ってる」ヴィィイィイ

若夫「わあすごい、色紙だったものが鉄板とプロペラに覆われてもはや原型をとどめてない」

嫁「休憩入りますって言ったらおばちゃんが折り紙くれたから、せっかくだしよく飛ぶの作ろうと思って」ヴィィイィイン

若夫「その電動ドライバーと鉄板、社長に借りたの?」

若嫁「うん、おじさんに借りた。熊五郎乗れるくらい大きいの作る」

若夫「熊五郎さんって誰?」

若嫁「友達!」

ギュギゲゲゲィーン

若嫁「…なにか用?」

若夫「あ、うん、えっと…

若嫁さ(ギュイイインン)んお(ヴィィイィイ)れと付き合っ(ギュンギュン)てほしいんだけ(ヴィィイィインン)ど」

若夫「うんもう一度言「いいよ」

若夫「え?」

若嫁「いいけど、これ作り終わってからでいい?」

若夫「あ、はいもちろんです」

ヴィィイィイ

若夫「……」

若夫「…え?」

若嫁「え?」

若夫「いいの?」

若嫁「いいよ」

ガラガラガラ

おばちゃん「若嫁ちゃんたちなにしてるの!一時の2名様入ったから早くタイムカード押してきなさい!」

若夫「あ、はい!」

若嫁「うぃ」


~~~

夫「…そんなんで早速社長にバレて職場…レストランから徒歩3分のこの借家を借りたんだっけ」

嫁「は?」

夫「あ、いや、なんでもないよ。
じゃ、行ってきますね」

嫁「はいいってらっしゃい」

--

〈怖い夢〉

---うぇ、おぅ、おお、ぉう」

夫「…?」パチ

夫「嫁ちゃん?」むくり

嫁「あぅ、う、うぇえ、う」えぐっえぐっ

夫「どうした?こっちおいで」布団ぐい

嫁「うぇえ、え、ぇ…え?」ハッ

嫁「…ずび」

夫「どうしたの、そんなにお鼻出して」

嫁「怖いゆめ…みた」

夫「どんな夢?」

嫁「みんな、いなくなっちゃ、う。私を残して、みんな、みんな…」ずび

夫「! 俺は嫁ちゃんを置いてなんか絶対---」

嫁「もやしが…」

夫「え?」

嫁「一緒の温床にいたもやし、みんな兄弟で、私ももやしなんだけど」

嫁「みんな…みんなぐんぐん成長して、枝豆になって、大豆になるのに…私だけ、もやしとして収穫されて」

嫁「それで、大豆サラダに私だけもやしとして居るんだけど…やっぱりもやしは人気なくて、みんな食べてもらえるのに私だけが残されて…」

嫁「ご、ごわがっだああぁ」

夫「…それは」

夫「それは怖かったね、そんな怖い夢見たことも聞いたこともない。お祓いに行くべきかな…(真顔)」

嫁「うぁああん」えぐえぐ

夫「かわいそうに…」なでなで

--

〈お薬〉

夫「あ。お薬飲んだ?」

嫁「あ!……あー」

嫁「あーはは、ほら見て出川、ドブにハマってる…」

夫「あ、ごまかすの禁止。お薬飲んだの?いいえか飲んでませんで答えなさい」

嫁「飲めません」

夫「はいー?」

嫁「飲めませんー。ゼリーないので飲めませんー」

夫「いちごの?切らしてたの?」

嫁「ん」こく

夫「夕方電話してよ、買ってきたのに」

夫「もうとにかく今日はないから、お水で」

嫁「やー。ゼリーないから飲みませーん」

夫「すぐ飲めるでしょう、糖衣錠なんだから苦くもないし」

嫁「いや。……はは、ウッチャンおもしろ」

テレビ「がやがや」

夫「…まあ、」

夫「ゼリー買っとかなかったのは俺が悪いし、なにも無理やり飲めとは言いませんよ」

夫「…ですがー、ここで嫁ちゃんにビックチャーンス」

嫁「!」ガタッ

夫「今!お薬を、自分でお水くんで飲めたら…今度の週末、日帰りで温泉旅行に行きまーす」

ダダダッ
袋ピリピリ
水トクトク

ごくん
嫁「はい!!」

夫「はい偉い!さらにー」

夫「今からテレビ消してすぐにお風呂入ると、温泉施設でカキ氷が食べられまーす」

ピッ

ダダダッ

---シーン

夫「いいな、この手…」

--

〈好き〉

テレビ「がやがや」

嫁「…」じっ

夫「はは、ねえ今の答えなんだろうね?」

嫁「…」じっ

夫「…?、嫁ちゃん?」

嫁「ん?」ハッ

夫「どうしたの、そんなにじっと見て…」

嫁「ん、こいつ」指し

テレビ芸人「もうほんとやめて下さいよー」ハハハ

夫「ああ、このひと面白いよね」

嫁「カッコイイ」

夫「え?」

夫「…」ムーッ

夫「…俺とどっちがカッコイイ?」

嫁「この人」即答

夫「……」

スタスタ
冷蔵庫ガチャガチャ

夫「嫁ちゃーん」

嫁「ん?」グルッ

アイスふりふり
夫「その芸人さんと俺…」

嫁「夫!夫!」シュバッ

夫「(あっ今すごい…むなしい…)」

>>33レスミス


嫁「カッコイイ、この人」じっ

アハハハー……

夫「…」

嫁「ふーんふふ、んふーん♪」

夫「…」ムーッ

夫「…俺とどっちがカッコイイ?」

嫁「この人」即答

夫「……」

スタスタ
冷蔵庫ガチャガチャ

夫「嫁ちゃーん」

嫁「ん?」グルッ

アイスふりふり
夫「その芸人さんと俺…」

嫁「夫!夫!」シュバッ

夫「(あっ今すごい…むなしい…)」

--おまけ--

夫「嫁ちゃん、俺のどこがカッコ悪い?」

嫁「んー…上は痩せてるのに下半身デブなとこ」アイスぺろぺろ

夫「ジム行こうかなー」

嫁「体毛濃いのに頭薄いところ」むしゃむしゃ

夫「育毛剤買おうかなー」

嫁「あと顔」

夫「勘弁してください」

第一部終わり、第四部まで続きます。

ご閲覧ありがとうございます

これから仕事に入るので今日はこの辺で…m(_ _)m

まってるよ

>>38


ありがとう。

明日の仕事が終わったらのんびり始めるので宜しくお願いしますm(_ _)m

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