【ローゼンメイデン】薔薇の香りのガーデンパーティ0【ラジオSS】 (457)

キャラと設定の崩壊注意。
アリスゲームに対して独自の考察があります。
あまりラジオっぽくないかもしれません。

それでもよければ、どうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454593896

ジュン「はぁ…、原作が終わってもう2年か」

真紅「そうね。なんにもやる気が起きないわ」

ジュン「…みんな今頃どうしてるのかな?」

真紅「さあ?原作完結記念パーティで会った以来なのだわ」


翠星石「あれ?二人とも知らないんですか?」

ジュン「あぁ、翠星石いたのか。何が?」

翠星石「いたのかは失礼しちゃうですぅ!」

真紅「知らないって…何がかしら?」

翠星石「ホントに知らないですか。今年からローゼンメイデンの新連載がやるですのに…」

ジュン 真紅「「本当!!?」」がばっ!

翠星石「ひぃっ!?」ビクッ

翠星石「2年間ずっと無気力だった二人が飛び起きたですぅ!」

真紅「ちょっ…!翠星石!それって本当なの!?」

翠星石「本当ですよ。今月の19日から始まるです」

ジュン「19日って…。もうあんまり日がないじゃないか!なんで主人公の僕に連絡が来てないんだよ!」

真紅「ヒロインの私も初耳よ!」

翠星石「そ、そんなこと翠星石に言われても…」

真紅「ジュン!どうなの!?ネットで調べなさい!」

ジュン「えっと……、ホントだ!【ローゼンメイデン0-ゼロ-】新連載だって!」

真紅「ゼロですって?……まさか…」

ジュン「えっと…、これって過去の物語なのかな?僕出てこないんじゃ…」

真紅「こうしてはいられないのだわ…!準備しないと!ジュン来なさい!」

ジュン「お、おい…!真紅!何するんだよ…!」



翠星石「真紅ったら目覚めたばかりで元気ですねぇ」

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第1回目】


真紅「真紅と」

ジュン「………ジュンの…」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


真紅「始まりました。あの幻のラジオが復活なのだわ」

ジュン「……真紅。いろいろ聞いていいか?」

真紅「ダメよ」

ジュン「なんでだよ!僕もこのスタジオのスタッフも状況わかってないんだぞ!」

真紅「仕方ないわね。一度だけ言うわよ」

真紅「新連載が始まるからラジオがやりたい。以上なのだわ」

ジュン「意味がわからないよ!」

真紅「いいじゃないの。私も沢城○ゆきみたいにラジオがやりたいのだわ」

ジュン「あれは声優の人だからできたんだ!僕たちにラジオなんてできる訳ないだろ!」

真紅「いいえ、できるわ。ジュンも真田○サミになりきってやりなさい」

ジュン「無理だって!第一こんなラジオ誰が聞くんだよ。元引きこもりの中学生と呪い人形のラジオなんて誰も聞くもんか」

真紅「そんな事ないわ。リンとみちるが聞くわよ。やるって約束したもの」

ジュン「リン…?みちる…?誰だよ…」

真紅「他にも、あむちゃんやクギ子ちゃんとかも聞いてくれるかもしれないわ」

ジュン「おいまて!それ別の漫画だろ。CLA○Pワールドじゃないんだぞ!」

真紅「同じ作者の作品だからいいのよ。私たちだってクロスオーバーしたじゃないの」

ジュン「あんなのただの強盗じゃないか!」※




※バーズ版3巻
 

ジュン「もう訳がわからない…。新連載とこのラジオになんの関係があるんだ…?」

真紅「新連載の意気込みとかゲストから聞けるじゃないの。久しぶりに皆と会えるし一石二鳥よ」

ジュン「おい…ゲストって……もう誰か呼ぶのか?」

真紅「勘がいいわね。もう呼んであるわよ」

ジュン「ウソだろぉ……なんでこんな目立つことを僕が…」ブツブツ

真紅「だってあなたは主人公だもの。主人公とヒロインがパーソナリティを務めるのは常識よ」

ジュン「そんな常識知らないよ!僕は絶対やらないからな!」

真紅「そうも言ってられないわ。PEACH-○ITワールドのみんなが聞いてるのよ」

ジュン「絶っ対に聞いてない!僕は目立つことが嫌いなんだ。ラジオなんてやる訳ないだろ!」

真紅「………」スチャッ




~下僕調教中のため しばらくお待ちください~




ジュン「」

真紅「これで気が済んだかしら?」

ジュン「はぁ…、もうなんでもいいよ…」

真紅「やるからには気合を入れなさい」

ジュン「ところで真紅。本当に新連載が始まるからこのラジオをやるのか?」

真紅「それもあるけど、一番は聞いてる人に元気を分けてあげたいって事かしら」

真紅「私達は2年もダラダラ過ごしたのよ。その有り余る力を聞いてる人たちに還元してもいいのではなくって?」

ジュン「ダラダラしてたのは真紅だけだけどな……いてっ!」ビシッ!

真紅「とにかくやるの。新連載の意気込みや今までの事を振り返って新規読者を獲得するのだわ!」

ジュン「うわっ…、本音が出た…いでっ!?」バシッ!

真紅「もうっ!話が進まないじゃないの。もういいわ。ゲストを呼びましょう」

ジュン「あっ、そういえばもう呼んであるんだっけ?」

真紅「えぇ、そうよ。記念すべき最初のゲストはこの二人なのだわ!」ジャジャーン!


クマのブーさん「やあ」

ローゼン「久しぶりだね」


ジュン「!!?」

真紅「お久しぶりです。お父様。ブーさん」

ローゼン「あぁ」

ブーさん「久しぶり。真紅さん、ジュンくん」

真紅「どうぞこちらへ、お父様。ブーさん。紅茶とケーキです」

ローゼン「ありがとう、真紅」


ジュン「お、おい…、真紅…」ヒソッ

真紅「? なに?」

ジュン「ブーさんはともかく…、ローゼンを初っ端から呼ぶって大丈夫なのか?」ヒソヒソ

真紅「大丈夫よ。お父様がトップバッターなのは当たり前よ」

ジュン「気持ちはわかるけど重いって!馴れないラジオでただでさえ緊張してるんだぞ!」ヒッソー!

ローゼン「坊や」

ジュン「……!お、お久しぶりです…」

ローゼン「今日は呼んでくれてありがとう。それと、いつも娘たちの傍にいてくれて感謝しているよ」

ジュン「僕もあいつらに救われてる所があるから…」

ローゼン「今後共よろしく頼む」

ジュン「こ、こちらこそ」

真紅「うん、素晴らしいやり取りなのだわ」

ジュン「どこがだーー!!気を使いまくりだろ!」ヒソソ!!

真紅「そうかしら?ならそろそろ定番コーナーに入りましょうか」

ジュン「定番…?」

真紅「普通のお便り。略して『ふつおた』よ」

ブーさん「グッとラジオっぽくなってきた」ドキドキ

ローゼン「そうだな」ワクワク


ジュン「この二人…なんか喜んでるんだけど…」

真紅「このラジオでは3つのコーナーをやっていくわ。1つはこの普通のお便りを読んでいくコーナーよ」

ジュン「ふつおただな。でも1回目だし手紙なんて来てないだろ」

真紅「3通来ているのだわ」

ジュン「はやっ!?」

真紅「お父様とブーさんの両方来てるわね。まずはどちらから読んで欲しいですか?」

ローゼン「ブーさんからで頼む」

ブーさん「僕から!?」

真紅「わかりました。ではブーさんに届いたお便りから。記念すべき最初のお便りよ。
   ……ミーディアムネームは流石にないわね。ローザミスティカネームにしましょう」

ジュン「ながっ!ラジオネームでいいだろそこは…」

真紅「そうね。R.N.いちごだいすきさんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」


真紅「えっと…、

『じゅん!しんく!おてがみかいたからよんでほしいの!
 さいきん、ひなきになってることがあるの。ひなね、わんだりんぐわんだーわーるどってゆーえんちにすっごくいきたいの。
 でもね、まえからいきたかったぶーさんのゆーえんちにもいってみたいのよ…。
 どっちのほうがおもしろいのかなぁ…?
 ぶーさんどうかひなにおしえてくださいなのー!』……だそうよ」


ジュン「雛苺!?っていうかひらがな多っ!」

真紅「はぁ…、困った妹ね。ローゼンメイデンに全く関係ない話じゃないの…」

ジュン「まぁいいや。それじゃブーさんに答えてもらおうか」

ブーさん「………」

ジュン「ブーさん?」

ブーさん「僕の所属してるランドとU○○、そしてワンダリングワンダーワールド(ワワワ)は日本で3大テーマパークって呼ばれてるんだ」

ジュン「それは知ってるよ」

ブーさん「僕個人としてはやっぱりランドを押すよ」

ジュン「へぇ、それはなんで?」

ブーさん「いちごだいすきさんは感じからして小さな女の子だと思う」

ジュン「一緒に住んでるんだけど…」

ブーさん「ワワワも夢の国だけど、少し過激なイベントもやってるみたいだからランドの方がいいんじゃないかな」

ジュン「そうなのか」

ブーさん「ただ、ワワワが面白くないってわけじゃないよ。悔しいけどあそこのイベントもすごいもの」

ジュン「詳しいんだな」

ブーさん「ライバル遊園地だからね。情報収集は欠かせないよ」

真紅「ワワワね。少し気になるけど……お父様はどう思います?」

ローゼン「そうだな…。さっきの雛苺口調の真紅は可愛かったかな」

真紅「!」ドキンッ!

ジュン「何言ってんだ、このおっさん」

ジュン「」ボロッ…

真紅「ふぅ…、まったく」


ブーさん「でも、どこの遊園地でも楽しめると思う。僕もいちごだいすきさんに会えるのは心待ちにしてるよ」

ジュン「そんな事言ったら連れてかなきゃいけなくなるぞ…」

真紅「ジュンの家から近いし別にいいじゃないの。人形を持っててもバレないわ」

ジュン「バレるわ!」



真紅「さて、次のお便りを読みましょう。
   R.N.ジュンになりたいさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」


真紅「『前から気になってたんですが、ジュンとローゼンってどういう関係なんですか?
   アトリエや娘の手紙とか全部渡したり、そんなこと赤の他人にしないと思います。
俺の考えだと、生まれ変わりがジュンで残留思念がローゼンじゃないかと思ってます。
   ゼ○ダの伝説の某光の賢者と鳥みたいな関係なんじゃないですか?
   ついでにジュンやローゼンみたいになれる方法を教えてください。』……ふむ」


ジュン「いや…、これは……。あと送ってきた奴ってまさか…。ゼ○ダの伝説ってなんなんだよ…」

真紅「それではお父様。お答えください」

ローゼン「そうだな…」

ローゼン「悪いがこの質問に答える気はないよ」

真紅「…それは何故です?」

ローゼン「仮に私と坊やに何か関係があるとしよう。それを話したらジュンくんの人生に多かれ少なかれ影響が出てしまうだろう」

ジュン「もう影響しまくってるんだけど」

ローゼン「私はもういないはずの人間だ。今を生きる人間に影響を与えてはいけないのだ」

真紅「お父様…」

ジュン「だから影響与えすぎてるってば!」

ローゼン「それと、ジュンになりたいさんだったかな。君は私や坊やになりたいようだが
……やめておきなさい」

ローゼン「模倣するのは向上する上で必要なことだ。だが、それだけでは自分の成長を止めてしまう」

ローゼン「君は自分自身にならなければいけない。それを忘れないでほしい。……こんな所かな」

真紅「流石お父様。素晴らしいお言葉でした」

ローゼン「私も人のことは言えないよ。私は過ちばかりだった。ついこの間も水銀燈を怒らせてしまった…」

真紅「そ、それはあの子は気難しいので…」

ジュン「みんな同じだよ。どんなに長く生きても失敗はするし後悔もする。へこたれるさ」

ジュン「それでも立ち上がっていくんだ。生きるってそういう事だろ」

ローゼン「…そうだったな」

真紅「……」ピシッ!

ジュン「いたっ!な、なにするんだ!」

真紅「お父様に無礼な口を聞いた罰よ。でも、貴方の言いたい事もわかるから弱めにしたわ。感謝しなさい」

ジュン「なんだよ、それ…」

ローゼン「仲がいいな」

真紅「続いてのお便り。R.N.カナ大大だーい好きさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」


真紅「『ジュンジュン、真紅ちゃん、こんにちは!
   ローゼンさんに質問します。銀ちゃんは翼があるけど、どうしてカナには翼がないのですか?
   名前的にあってもいいと思うんだけどなー。
   あと、人形制作で一番必要なものって愛ですよね!』……なるほど」


ジュン「これってもしかして…」

真紅「では、お父様 お答えください」

ローゼン「実は翼も考えていたんだよ」

ジュン「えっ、そうなの?」

ローゼン「だけど何かイメージと違ってね。傘で飛んだ方が可愛いと思ったんだ」

真紅「わかります。傘でふわふわしてない金糸雀は金糸雀ではないですものね」

ジュン「そ、そうなのか?」

真紅「考えてもみなさい。翼でカッコよく飛び立つ金糸雀をあなたは想像できる?」

ジュン「…できないな」

真紅「でしょ?」

ローゼン「そうかな?金糸雀の翼がある姿も似合っていると思う」

真紅「カナリアというほどですものね」

ジュン「どっちだよ!イメージと違うんじゃなかったのかよ…」


ローゼン「あと、人形制作にもっとも必要なのは愛って話だね」

ジュン「えっ?もしかして違うのか?」

ローゼン「いや、そもそも情熱がなければできないだろう。だから、カナ大大だーい好きさんの言う通りだ」

ローゼン「私もその道の者としてあなたを応援しているよ」

ジュン「えっと…次は、『僕の時間に巻き返す』のコーナー?これなんのコーナーなんだ?」

真紅「巻き返すコーナーよ」

ジュン「さてはお前もわかってないな。カンペカンペっと」

ジュン「『このコーナーは、もしあの場面でこうだったら等IFの物語を再現してもらいます』だってさ」

ローゼン「ほう」

ジュン「んっ?何かありますか?」

ローゼン「あぁ、ある。『私の娘が亡くなる前に私が娘に会いに行く』シーンをやってもらいたい」

ジュン「それってローゼンメイデンの作中に無いからダメだよ…」

ローゼン「……そうか…」

ジュン「また違うシーンを思い浮かべたら言ってください。ブーさんは何かあるか?」

ブーさん「これってアニメのシーンもありなの?」

ジュン「えっ?原作だけだけど」

ブーさん「そっか。残念だな」

ブーさん「ちょっと話は変わるんだけど、僕アニメに出たかったんだ」

ジュン「いや、それは無理だろ。大人の都合的な話で」

ブーさん「そうだよね。でも、僕もアニメに出てジュンくんにぐるぐる巻きにされたかったんだ」

ジュン「ホントかよ…」

ローゼン「彼の気持ちもわかるよ」

ジュン「えっ!?」

ローゼン「私なんてずっと出演なしだったからな。タイトルに『ローゼン』が付いてるのに声はおろか素顔も未だ出ずだ」

ジュン「あれ?アニメは冒頭で出てなかったっけ?」

ローゼン「あれは槐なんだ…」

ジュン「え゛」

ローゼン「それでもアニメはしょうがないと思うよ。問題は原作だ」

真紅「そういえば、箱庭の話でも顔は微妙に映らなかったですね」

ローゼン「そうなんだ。姿は見せても顔は見せずだ。本当に空っぽになるよ…」

ブーさん「ローゼンさん…」

ローゼン「私たちはそういう境遇で似ているね」

ブーさん「ローゼンさぁぁぁん!!」



ジュン「ヤバイ…、初っ端からウザイぞ」

真紅「こ、コーナーを続けましょう」

ジュン「それで何かないのか?」

ブーさん「じゃあ、こういうのはどうかな?」


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【Rozen Maiden 序章 後編】


ブーさん『この指輪に口づけして。そうしないと君は死ぬ』

ジュン『こ、このブーさん 呪い人形だったのか!』

ピエロ『ケケケケ!!』

ブーさん『さあ!早く!』

ジュン『わわっ!……』パァァ!


ブーさん『今、薔薇の誓いは立てられた。このハチミツをくらえ!』

ピエロ『ギャーー!!』ベットリ…


ジュン『な、なんだったんだ?』

ブーさん『誓って。僕のローザミスティカを守ると』


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真紅「ちょ、ちょっと待ちなさい!」

ブーさん「えっ?どうしたの?」

真紅「つ、つまり貴方の望む物語とはこの真紅の…ヒロインの座に着くという事なの!?」

ブーさん「そうだよ」

ブーさん「これで僕はずっとジュンくんと一緒」

ジュン「えぇぇ……」

真紅「と、とんでもない人形なのだわ…」

ブーさん「そうかな?このぐらい待遇が良くてもいいと思うけど」

ジュン「はっ?」

ブーさん「だって僕は連載前の前後編読み切りの時から出演してたんだよ」

真紅「この真紅が一番最初に戦った相手だったわね」

ブーさん「同じ前後編読み切りのハガ○ンで例えると、アル○ォンスくん並の立ち位置だと思うんだ。キャラも似てるし」

ジュン「おい…!こいつなに言い出してるんだ!?」

ブーさん「つまり、僕がジュンくんを守りアリスになる運命だって言… 「ローズテイルッ!!」

ブーさん「ぶほっ!!?」

ジュン「!!」

真紅「ふぅ…」

ジュン「し、真紅さん…?」

真紅「ジュンを守るのは貴方ではないわ。ジュンを守るのはこの真紅!2人の絆は誰にも壊せないのだわ!」

ジュン「真紅…!」

真紅「ジュン…」

ジュン「………真紅がヒロインで本当に良かったよ…」

真紅「ふふ、そうでしょう」

ジュン「さて、最後はローゼンだけど…」

ローゼン「私は無いかな」

ジュン「ないの!?」

ローゼン「あぁ、私の願いは叶った。だからもういいんだ」

ジュン「そうなのか…」

ローゼン「逆に聞こう。坊やと真紅は何かあるかい?」

ジュン「そう言われると僕にもないかな」

真紅「本当に?前は納得いかないと言っていたでしょう?」

ジュン「そうだっけ?」

真紅「そうよ。『7つのローザミスティカを集めて願いを叶えるとか完全に僕神龍じゃん!
ただのドラ○ンボールじゃん!』って言ってたのだわ」

ローゼン「えっ」

ジュン「そ、それはただ言ってみただけだ!真紅だって棚ぼたアリスとか言われて怒ってたじゃないか」

真紅「それは怒るわよ!こっちだって必至だったのだから」

ローゼン「わ、わかった。なら、これならどうだ?」

 
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【Rozen Maiden Phase 16】


水銀燈『あらぁ…、なぁに?真紅。パーティの始まりぃ?』

真紅『いいえ、水銀燈。始まるのはゲームよ』

雛苺『うー…(やっぱり水銀燈おっかないよぉ…)』

翠星石『そ、蒼……』

蒼星石『………』


マイスタージュン『いいや、もうゲームの時間は終わりだよ』


ドールズ『!!!?』


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ジュン「ちょっと待て!なんでいきなり覚醒してるんだ!?」

ローゼン「坊やが早く覚醒した方がいいと思って…」

ジュン「それだとあんたの目的が達成されないだろ!ドール達に生きる力を身につけさせるんじゃなかったのかよ!」

ジュン「も、物語が滅茶苦茶だ…(ロングツッコミきっつ…)」ゼェ…ハァ…

真紅「名残惜しいけどそろそろ時間だわ。お父様、最後のコーナーを始めます」

ローゼン「あぁ」

真紅「最後は『ジュン、忘れないでね』のコーナーよ」

ジュン「なにそのコーナー…」

真紅「早い話が今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0 -ゼロ-】の意気込みを聞くのだわ」

ジュン「コーナー名と関係なくないか?」

真紅「関係あるわよ。だって今度のお話は過去だもの。過去は忘れてはいけないわ」

ジュン「あぁ、まぁそうか…」

ローゼン「……………」ダラダラ…

真紅「では、お父様から…」

ローゼン「ブーさんからお願いしてもいいだろうか…」

真紅「えっ?いいですけど、…ブーさん復活したかしら?」

ブーさん「な、なに…?」ボロッ…

ジュン「最後に【ローゼンメイデン0-ゼロ-】への意気込みだってさ」

ブーさん「………僕、出てくるの?」

真紅「…………さ、お次はお父様です」

ブーさん「ちょ…!これで僕の出番終わり!?」

ローゼン「過去か…」

ジュン「どんな活躍をすると思いますか?」

ローゼン「私の活躍…か……」

ローゼン「…………」

ローゼン「……………………」

真紅「お父様…?」

ジュン「まさか忘れたとか?」

ローゼン「いや、覚えてる事は覚えてるんだ。しかし今の私は空っぽで…」

ジュン「本当に覚えてないのかよ…」

ローゼン「わ、私のことは坊やの方が詳しいんじゃないか?」

ジュン「なんでだよ!人形を海に捨てられたとか、牢屋でローザミスティカ精製したとか、生前子供に会いに行かなかったとかしか知らないぞ」

真紅「ジュン…?」

ジュン「と、とにかく何か予想とか言えよな!」

ローゼン「予想か…」

ローゼン「今度の物語は過去だ。坊やは今の時代の対比として出てくるかもしれないが主人公ではないんじゃないか?」

ジュン「やっぱそうなのかなぁ…」

ローゼン「順当に考えると真紅が主役だろう。それか過去話の各エピソードで主役が変わるのか」

真紅「回ごとに主役のドールが変わるという事ですか?」

ローゼン「あぁ、そうだ。それか私が主役かもしれない」

ジュン「それは僕も考えた。何せタイトルがゼロだからな。人形を作る所から始まるのかも」

ローゼン「私がドールを作る所。箱庭での生活。そして旅立った後の3つが考えられるな」

ジュン「箱庭を旅立った後が濃厚な気がする」

ローゼン「そうだな。あとは個人的な話だが、私が生前の頃の話があればいいと思う」

ジュン「娘さんか…」

ローゼン「あぁ」

真紅「お父様の始まりの少女…。是非見てみたいものですわ」

ローゼン「お前たちとあまり変わらないぞ」

真紅「お父様ありがとうございました。そろそろお別れのお時間です」

ジュン「なぁ、真紅。これって次もやるのか?」

真紅「もちろんよ」

ジュン「うへぇ…」

真紅「本日のゲストであるお父様。ブーさん。ありがとうございました」

ローゼン「楽しかったよ」

ブーさん「また誘ってよ。ジュンくん、真紅さん」

ジュン「そんなに続かないと思うぞ」


真紅「それでは、お相手はローゼンメイデン第5ドール真紅と」

ローゼン「ローゼンです」

ブーさん「ブーだよ!」

ジュン「さくら中学校3年の桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第1回目】END
 

今日はここまで。続きは近いうちに投下します。

主な活動はアリスゲームです。
それでは投下していきます。

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第2回目】


真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


真紅「第2回目始まりました。今日も喋っていきたいと思います」

ジュン「今日もパパッと終わらせよう」

真紅「同感ね。本日のゲストはとっても厄介なのだわ…」

ジュン「えっ?お前がそんな風に言う相手は限られてるぞ…」

真紅「ジュンにとってもヤバイ相手よ」

ジュン「僕にとってもヤバイ……もしかして桑田さん!?それとも中西と岸本!?」

真紅「あぁ、1年生の時の例のクラスメイトね。流石に呼ばないわよ。今日のゲストは…」



「はぁい、真紅。呼んだぁ?」


 

真紅「はぁ…、今日のゲストは第1ドールの水銀燈よ…」

水銀燈「薔薇乙女最凶のドール。ローゼンメイデン第1ドール水銀燈が真紅をジャンクにするために来てあげたわぁ」

ジュン「たしかに荒れそうだ…」

めぐ「うふふ、そうね」

ジュン「げっ!」

めぐ「あら、女の子に対してその反応はどうなの?もう一度ミトコンドリアからやり直したら?」

ジュン「か、柿崎さん…!」

めぐ「はい。桜田くんと少しの間同級生だった柿崎めぐです。よろしくね」



ジュン「真紅…。このメンバーはヤバイって……」

真紅「そうね…。金糸雀も呼べば良かったのだわ……」

水銀燈「それにしても真紅がパーソナリティやってるなんて生意気ぃ」

真紅「なんですって?別に生意気でもなんでもないわ。前回も順調だったもの」

水銀燈「あぁ、お父様を呼んだんですってね。それが生意気だって言ってるのよ」

真紅「呼んだっていいでしょ。貴女だってラジオに呼んだことあるでしょう?」

水銀燈「それはいいのよ。ただ私以外が呼ぶのは我慢できないわ」

真紅「お、横暴なのだわ!ジュン!あなたからも何か言ってあげて!……!!」



めぐ「へぇ…、引きこもりから脱出できたんだ。だから何?貴方はゲロ以下の存在だって事に変わりはないのよ」

ジュン「もうやめて…」ズーン…

めぐ「『ローゼン』という変態の王みたいな称号までもらっちゃって。ホント不潔」

水銀燈「めぐ!?その暴言はさすがにちょっと…」

めぐ「はぁ?本当のことでしょう?生まれ変わっても変態は治らないっていういい見本じゃないの」

ジュン「………」シクシク…

真紅「ジュン!ジュン!?」

水銀燈「ちょっ…!めぐ!さすがに自重しなさいよぉ!」

めぐ「ごめんごめん。ラジオだから緊張してやりすぎちゃった」テヘペロ

水銀燈「もう…。あんな恥ずかしい真似やめなさいよ…」


真紅「ジュン…、大丈夫?」

ジュン「あぁ、なんとか…」


真紅「気を取り直して…ふつおたのコーナーを…」

水銀燈「却下」

真紅「えっ?却下ってなによ」

水銀燈「今時ふつおたなんて流行らないわよぉ。ここは『水銀燈のジャンクにしてあげる』に変更よ」

真紅「!?」

めぐ「あっ!懐かしい!やりましょやりましょ」

水銀燈「じゃあ読んでいくわよぉ」

真紅「ちょっと水銀燈!」

水銀燈「うるさいわねぇ。貴女も一緒にやればいいでしょ」

水銀燈「ミーディ………R.N.カナ大大だーい好きさんから。ありがと」

めぐ「水銀燈。今ミーディアムネームって言おうとしたでしょ」

水銀燈「言ってないわよ。いいから読むわよ」


水銀燈「『こんにちは!またお手紙送ります。
私の家に時々銀ちゃんがやってくるのですが、なかなか懐いてくれません。
    どうすれば懐いてくれるのでしょうか。』……はぁ?」

水銀燈「そんなの知らないわよ。ローゼンメイデンの単行本1000回読んで出直してきなさぁい!」ガッシャァァァン!!

めぐ「へぇ……、私の水銀燈をねぇ……うふ、うふふ、ふふふふ…」

水銀燈「えっ!?めぐ…?」

めぐ「カナ大大だーい好きさんかぁ…。へぇ~…」

水銀燈「ちょ、ちょっと……めぐ…」

めぐ「単行本1000回なんて生ぬるいわ。むしろご褒美じゃないの。それなら私が直々にジャンクに…ジャンクにしてやるわ」

水銀燈「そ、そう…」ゾクッ…



ジュン「うわっ!生で見るとまたきついな」

真紅「めぐ……やっぱり只者ではないのだわ…」

ジュン「僕たちでみっちゃ……カナ大大だーい好きさんをフォローしよう」

真紅「そうね」

ジュン 真紅「「カナ大大だーい好きさん、ファイト!」」

水銀燈「次のお便り。R.N.翠の庭師さんから。ありがと」

めぐ「ありがとねー」


水銀燈「『今私には好きな男の子がいます。
      でもその男の子は私の気持ちに気づいてくれず、他の女の子とスキンシップを取っています。
      私は彼を振り向かせるためにどうすればいいのでしょうか。』………ふぅん」

水銀燈「恋する乙女ってやつぅ?くっだらなぁい。それに欲しいものは強引にもぎ取ればいいのよ」

めぐ「そうね。それに男の子なんて野蛮で不潔よ。女の子にした方がいいわ」

水銀燈「え゛」

めぐ「翠の庭師さん。貴女は今日からそんな最低な男より女の子を好きになりなさい」

水銀燈「めぐ…それはさすがに……」

めぐ「そうすれば世界は明るくなるんだから」

水銀燈「……もうそれでいいわよ…。翠の庭師、そういう事だから」ガシャン…



ジュン「おい…、アドバイスでもなんでもないぞアレ…」

真紅「そ、そうね(あの子もまさか水銀燈に読まれるとは思ってなかったでしょうね…)」

ジュン「よし!僕たちで翠の庭師さんを励まそう」

真紅「い、いい考えね(幸か不幸か本人は気がついてないし…)」

ジュン「なんていうか…恋って僕もよくわからないけど、本当の気持ちって相手に伝わると思うんだ」

ジュン「だからその男の子にも想いは伝わるよ。僕は応援してるからな!」

真紅「この真紅も応援するわ(何も伝わっていないのだわ…)」

水銀燈「これが最後よ。R.N.ジュンになりたいさんから。ありがと」

めぐ「ありがとねー」


水銀燈「『皆さんこんにちは。少し気になったのですが、
      この世界でもっともアリスに近い存在は柿崎さんだと聞きました。
      それを知って皆さんはどう思いましたか』……どうって…どうも思わないわよ」


めぐ「なんで私だったんだろ?心臓病だからかな?」

ジュン「似てるって言えば似てるし、似てないって言えば似てない」

めぐ「えっ?誰に?」

ジュン「ローゼンの娘にだよ。でも、亡くなったのは5歳の時らしいし、性格は全然似てないかな」

ジュン「ただ父親への想いは同じだったのかも…」

真紅「……そう…」

めぐ「私と同じって事は憎しみもあったのかもね」

ジュン「…そこまではわからないけど…」

真紅「お父様の…人間の娘…。私達の姉妹でもあるという事ね」

水銀燈「…お父様の最初の子は私よ。他の誰でもないわ」

真紅「ふふ、そうね」

水銀燈「まったく…、くだらない質問をするんじゃないわよ。
     質問したあなた、私の羽でジャンクにしてあげる!覚えてなさいよ」ガシャァン!!

水銀燈「で、次のコーナーはなに?」

ジュン「次は『僕の時間に巻き返す』のコーナーだ」

水銀燈「IFの話だっけ?くっだらなぁい。過去は過去でしかないのにこんな事考えて意味あるのぉ?」

ジュン「意味はないけど、もしもこうだったらどうなってたかっていう考察だよ」

水銀燈「…真紅ではなくて翠星石の腕をもいだり、私がまかなかった世界の貴方と買い物に行ったりとか?」

ジュン「PS2とPS3のゲームの話か。そうそう、そんな感じ」

めぐ「はい!」

ジュン「はい、柿崎さん」

めぐ「私の心臓病が治るとか!」

ジュン「やっぱりそれだよなぁ。僕があの時もっと早く気づいていれば…」

めぐ「桜田くんが早く気づいたとしてもどうにもならなかったわよ。むしろ気づかれた事が悔しい」

水銀燈「……なんの話?」

めぐ「私は本当は死にたくなかったって話」

水銀燈「……!」

真紅「えっ?ど、どういうこと?」

めぐ「つまりね、心臓病じゃなかったら死にたいなんて思わなかったって話よ」

めぐ「あんなに何度も発作を起こすんですもの。私みたいに病んでも当たり前よねぇ。だからせめて綺麗に死にたかったってわけ」

めぐ「まぁ、水銀燈はわかってたでしょうけど。桜田くんも変態の力で知ったみたいだし」

ジュン「ローゼンの力だけで知った訳じゃないよ…」

めぐ「どっちでもいいわよそんなこと。私の一番深くて暗い所を知った事に変わりはないもの」

めぐ「貴方も同罪よ。桜田ジュン」

ジュン「……うん…」

めぐ「ホント……私達って奇妙な関係よねぇ」ウフフ…

ジュン「………」

水銀燈「………」



真紅「……(く、暗い……軽く放送事故なのだわ…。会話を立て直さないと…!)」

真紅「そ、それでめぐはどんな場面をやってみたいのかしら?」

めぐ「そうねぇ。じゃあこんなのを……」


―――――
――――――――
――――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 37~40?】


めぐ『ほぉら、委員長さんも操り人形』

巴『さくラだ……クン…』

めぐ『貴方のお姉さんだって』

のり『じゅ……じゅ…ン…くん』

ジュン『あ…あぁ…ぁ……』

めぐ『貴方の大切な人形たちも』

翠星石『ジュん…苦シイで…す……』

蒼星石『マスター…』

ジュン『ぼ、僕は…』

めぐ『全部あなたのせいよ。桜田ジュン』

ジュン『ぼ、僕のせい…?』

めぐ『そうよ。貴方は救えなかった。だから貴方のせい』

雛苺『じゅ…ん……トモエ…』

ジュン『雛苺ッ!? 僕は……僕は…!』

めぐ『目をそらさないで。貴方の大切な人が壊れたのは貴方のせいなんだから』

真紅『』ばらばら…

ジュン『真紅!みんな…!……ぁぁぁぁぁぁ……!!』

めぐ『あっははははは!!!』


――――――――――――
――――――――
―――――


水銀燈「うわぁ…」

ジュン「こわっ!」

めぐ「♪」

真紅「心臓病が治ったシーンじゃないのだわ!?」ガビーン

めぐ「誰も心臓病が治ったシーンをやりたいとは言ってないもの」

ジュン「でも、でもこれ……なんでこんなシーンを?」

めぐ「知りたい?」

ジュン「やっぱり知りたくない…」

めぐ「桜田くんって私に似てるから」

ジュン「えっ?」

めぐ「ホント……私を見ているよう。同族嫌悪っていうのかな?見ているだけでゲロ吐きそう♪」

ジュン「そこまで言う!?」

めぐ「そういえば、桜田くんって水銀燈とも似てるよね」

ジュン「どこがだよ…」

水銀燈「………似てないわよ…」フイッ

めぐ「すぐ眠るところとか。ほら、箱庭で金糸雀に眠らされてたでしょ」

水銀燈「…もともと眠かっただけよ」

めぐ「それともあれかな。桜田くんって水銀燈たちのお父様に少し似てるとか」

めぐ「だから最後に水銀燈たちを託したのかも」アハ!

水銀燈「………」イラ

めぐ「冗談はさておき、私と桜田くんの話ね。似てるってところ」

めぐ「パパもムカつくけど、それに関しては桜田くんが一番よ。ほんとムカつく」

ジュン「えぇぇ……」


真紅「水銀燈!なんとかして頂戴!あなたのマスターでしょ」

水銀燈「無理よ…。腹が立つでしょうけど、めぐの気が済むまで付き合うしかないわ…」

真紅「なんてこと…」


めぐ「そんな訳で苦しんでる桜田くんをもっと見たかったの。原作だと私も感情移入して泣いちゃったし」

ジュン「そ、そう…」

めぐ「あっ、もしかして引いた?花瓶ぶつけてもいい?」

ジュン「なんで!?」

水銀燈「し、真紅!早く私に話を振って!」

真紅「えっ…!?あ…!水銀燈もやってみたい場面とかあるの?」

水銀燈「本当はないんだけど…あるって事にしてあげるわぁ」

真紅「どっちよ…」

めぐ「水銀燈もやり直したい場面あったんだ。意外だわ」

水銀燈「そ、そうでしょ?聞きたいわよね」

ジュン「ふぅ…(助かった)」

めぐ「あれでしょ。全裸で桜田くんに抱きついた所でしょ」

ジュン「ぶほっ!?」

めぐ「あれをなかった事にしたいんだよね?絶対そうよ!」

水銀燈「恥ずかしい事思い出させないでよぉ!!それにあれは無意識の海での話だし…」

めぐ「なに?夢の話だからって納得しちゃうの?私の水銀燈ってそんなだったっけ?」

水銀燈「~~~っ!!」

真紅「い、いいから水銀燈!もう始めましょう!」

水銀燈「はぁ…、わかったわ…」


―――――
――――――――
――――――――――――

【Rozen Maiden Phase 8】


めぐ『♪からたちの…とげは痛いよ……』

めぐ『青いあおい…………!』

水銀燈『………』

水銀燈『続き…歌って』

めぐ『おかえりなさい』


――――――――――――
――――――――
―――――


真紅「えっ?これだけ?これって原作にもあるシーンよね」

ジュン「うん、水銀燈にもマスターがいるって初めてわかった描写だったな」

めぐ「水銀燈、どういうこと?」

水銀燈「………」

めぐ「てっきり抱きつくシーンで桜田くんを殴り飛ばすのかと思ったのに…」

水銀燈「そんな事しないわよぉ!」

真紅「でも確かに意外だわ。てっきり私を殴り飛ばすものとばかり…」

水銀燈「あんたたち……後で覚えてなさいよ…」

ジュン「……切ないな…」

真紅「えっ?ジュンわかったの?」

ジュン「ないけどあるもの。それは、あの頃の柿崎さんと水銀燈の事だよ」

真紅「!」

ジュン「水銀燈はあの頃が本当に幸せだったんだ」

めぐ「…!」

水銀燈「チッ!」

めぐ「そっか……水銀燈 優しいのね」

水銀燈「………やめてよ」

めぐ「そんな優しい貴女だから、私…安心して死を享受することができたの」

水銀燈「………」

めぐ「私が死ぬことで貴女の絶望した顔も見れたし大満足♪」

水銀燈「…」イライラ


ジュン「うわぁ…」

真紅「台無しなのだわ…」

真紅「はぁ……心労がハンパないのだわ…。めぐに付き合える水銀燈って本当にすごかったのね…」

水銀燈「でしょ?」

めぐ「どういう意味?」

真紅 水銀燈「「な、なんでもないです…」」

ジュン「なぁ、お茶もケーキも無くなったしそろそろ最後のコーナーに入ろうか」

真紅「そうね。コホン…!過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』のコーナーよ」

ジュン「何その前口上」

真紅「こうした方が雰囲気が出るでしょう」

水銀燈「めんどくさいわねぇ。まぁ、真紅らしいと言えば真紅らしいわね」

めぐ「なんのコーナーなの?」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みをゲストに聞いていくコーナーよ」

めぐ「えっ?それって私にあまり関係ないんじゃないかな」

真紅「そうでもないわ。パートナーである水銀燈の過去を予想するのも有りよ」

めぐ「うーん…、私以外と仲良くしてる水銀燈なんて想像できないわ」

真紅「そうね。水銀燈は姉妹の中でも一番マスター探しに手間取っていたから」

水銀燈「ちょっとぉ!人のことをベラベラ喋らないでよ!」

真紅「あなた、オックスフォードで会った時に愚痴を言ってたじゃないの」

水銀燈「はぁ?覚えてないわよ」

ジュン「オックスフォードってイギリスだったよな」

真紅「えぇ、そうよ。ジュンには話した事があったわね。18世紀半ばだったかしら」

めぐ「当時の水銀燈はどういう感じだったの?」

水銀燈「……別に。今と変わらないわよ」

真紅「…話てもいいわね?」

水銀燈「……」

真紅「了承と取るわ。水銀燈がマスター探しを一番苦労したと言った所までね」

真紅「あの頃は悪魔よばわりされたり、前のマスターに酷い仕打ちをされたらしいわ」

めぐ「えっ!?水銀燈なにかされたの?」

水銀燈「大したことじゃないわよ…」

真紅「私達のことを本にされたの」

めぐ「本にされた?断りもなくってこと?」

真紅「水銀燈は親に愛されなかった化け物として書かれていたの」

めぐ「!」

めぐ「なにそれ!ひどい!」

水銀燈「………」

真紅「気が合う者同士だったからよほどショックだったのでしょう…。たしか名前は……」

水銀燈「…メアリーよ」

真紅「そう。その時私も前のマスターの女の子。アリスと契約を交わしていたわ」

水銀燈「そうだったわね。私達が初めて戦ったのもオックスフォードだった」

真紅「水銀燈はマスターがいないにも関わらず凄い強さだったの」

水銀燈「逆よ。あなたが弱すぎただけ。花びら一枚出せなかったんですもの」

真紅「そうね。懐かしいわ…」

めぐ「それでどうなったの?」

真紅「私がローズテイルを放てるようになって力が拮抗したから戦いは引き分けたわ」

真紅「その間にも事件があって…、この名探偵真紅が解決して水銀燈も納得して帰っていったわ」

水銀燈「はぁ?それ微妙に違うじゃないの」

真紅「いいえ、難事件を解決するために水銀燈にも協力してもらったわ」

水銀燈「協力なんてしてないわよ!」

真紅「いいえ、したのだわ」

ジュン「おい、お前ら…やめろってば」

ジュン「ゼロではその過去話やるのかな?」

めぐ「どうだろう?でも、メアリーは見てみたいわ」

ジュン「やっぱり前のマスターは気になるんだ」

めぐ「違うわよ。そのメアリーを一応見ておきたくてね」ウフフ…

ジュン「柿崎さんから負のオーラを感じる…。それにしても僕の前のマスターかぁ」

真紅「アリスはけっこう有名な子よ。『不思議の国のアリス』のモデルになった子だもの」

ジュン「マジか!?それは初耳だぞ!」

真紅「たぶんドードーさんが書いたのだと思うけど…、私もそこまでしかわからないわ」

ジュン「あぁ、前話してくれたイギリス紳士の」

真紅「そうよ」


めぐ「ところで私の予想だっけ?」

ジュン「あっ、そうだった。何かある?柿崎さん」

めぐ「そうねぇ…」

めぐ「教会に寝泊りしてもすぐ見つかり、悪魔だと虐げられ退魔師を呼ばれ……」

めぐ「やっと心を許せるマスターに出会いはしたけど、そのマスターは変態ドール収集家」

めぐ「水銀燈はそんな変態にあられもない姿にされてしまい……生まれたままの姿を…」

水銀燈「ちょっと待ちなさいよ めぐぅ!!」

めぐ「なに?水銀燈。ここからがいい所なのに」

水銀燈「そんな変な事態に遭遇したことなんてないわよぉ!せいぜい女性のドールマニアくらいよ!」

ジュン「みっちゃんみたいな?」

水銀燈「みつはまだマシだけど……まぁそうね」

めぐ「なぁんだ、つまんないの。じゃあ無いからパスで」

真紅「めぐ……恐ろしくフリーダムね」

ジュン「柿崎さんの方が不潔じゃないか…」ボソッ

めぐ「あ゛?」

ジュン「いえっ!なんでもないです!」


水銀燈「はぁ…、次は私の予想ね」

水銀燈「正直、過去ってあまり良い思い出ないのよね」

ジュン「そうなのか?」

水銀燈「そうよ、散々だったわ。さっきの話でも出たけど悪魔とか言われたり…」

真紅「水銀燈…」

水銀燈「真紅、翠星石と蒼星石とは何度か戦った事があるけど、今さらそんな所やらないでしょ」

めぐ「なぜそう思うの?」

水銀燈「思うって言うか…。私が望むのは金糸雀が生まれる前の時間」

ジュン「ローゼンメイデンが一人だけの時の話か」

水銀燈「えぇ、そうよ。私のお父様への想いを他のやつに見られるのは癪だけど……あの頃のお父様をまた見たいわ」

ジュン「オーベルテューレ並の水銀燈のデレが見られるかもしれないってことか」

水銀燈「あれは別物よ。私ではないわ」

真紅「なるほど、私も興味があるわ。私が生まれた時は既に水銀燈は天邪鬼状態だったから」

ジュン「聞いたよ。ローゼンにさえあまりデレを見せなかったんだよな」

真紅「えぇ、そうよ。いつもお父様に暴言を吐いて怒っていたわ」

めぐ「なにそれ。まんま私じゃないの」

水銀燈「……だから言いたくなかったのよ…」

めぐ「へー…、そうなんだぁ。それならそのシーン見てみたいかな」

水銀燈「めぐとめぐのお父様とあまり変わらないわよ」

めぐ「だからこそよ!私達ってホント似たもの同士ね」

水銀燈「…………まぁね…」




ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである水銀燈にめぐ。お疲れ様」

めぐ「今宵もアンニュ〜イみたいで楽しかったわ」

水銀燈「まぁ…気が向いたら聞いてあげるわぁ」

ジュン「不定期だからまたネットで放送日を掲載するよ」


真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

水銀燈「第1ドール水銀燈」

めぐ「柿崎めぐよ」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第2回目】END
 

今日はここまで。レスコメントどうもです。
めぐははっちゃけた子なのでこのぐらいが丁度いいかと思います。

今見返すと所々改行をミスってるので、次はそういう事がないようにします。

槐とラプラスの魔はかなり後半になると思います。
微妙な空気になるかわかりませんが、もうしばらくお待ちください。

それでは投下していきます。

山本くん「やあ、ジュンくん。真紅さん。久しぶりだね」

ジュン「?……こんにちは」

真紅「久しぶりなのだわ」

山本くん「最後に会ったのっていつだっけ?アニメの最終回パーティ以来かな」

ジュン「えっ?あっ、…そうですね…?」

山本くん「いやぁ、君たちも長くやってるよなぁ」

真紅「もう11年目ですもの」

山本くん「11年!?それはすごいよ!さすがだなぁ」

ジュン「ど、どうも…」

山本くん「ところでお姉さんは元気かい?」

ジュン「えっ?はい。メッチャ元気ですよ。うっとおしくなるくらいには」

山本くん「そんな事言っちゃダメだよ。あんな美しいお姉さんがいて君が羨ましいよ」

ジュン「そ、そうですか…?ははは…」



ジュン「なぁ、真紅…。この人誰なんだ?」ヒソヒソ

真紅「知らないわ」

ジュン「えっ!?」

ジュン「ちょっと待て!知らないってどういう事だよ」

真紅「なんとなく話を合わせていただけだもの」

ジュン「こいつ…。じゃあ、あの人はローゼンメイデンの登場人物じゃないってことか?」

真紅「それはないわ。だって、のりの事を知ってる感じだもの」

ジュン「そりゃそうだけど…、アニメでも会った事ないぞ。あんな人」

真紅「私も会った事ないわ」

ジュン「真紅はマスター以外の人とはそうそう会わないだろ」

真紅「それでどうするの?」

ジュン「PEACH-○IT作品の人かもしれないし…、聞いた方がいいのかな?」

真紅「そうね」



山本くん「ジュンくん、真紅さん。どうしたんだい?」

ジュン「あの…、失礼ですけど、DearSに出演した方ですか?」

山本くん「えっ?」

真紅「あの感じはしゅごキャラ!かZOMBIE-LOANじゃないかしら?」

山本くん「ふ、二人とも何を言ってるんだい!?」

ジュン「おい…、違うっぽいぞ」

真紅「おかしいわね…。ワワワ※かしら?」

ジュン「でもアニメって言ってるし…」

真紅「もしかしたら、ももたね作品ではないのかも」

山本くん「アニメ無印から出てたってばぁ!」



※…ワンダリングワンダーワールド
 

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第3回目】


ジュン「薔薇の香りのガーデンパーティ0。第3回目も始まりました」

真紅「前回はどうなる事かと思ったわ…」

ジュン「まったくだよ…。今回のゲストは大丈夫なんだろうな?」

真紅「それは大丈夫よ。それではゲストをお呼びしましょう」

真紅「のりと梅岡先生。そして何故か居る山本さんの3人です」

山本くん「やぁ、二人とも。さっきぶり」

のり「呼んでくれてお姉ちゃん感激よぅ!」

梅岡先生「桜田!先生ラジオに来たぞー!」


ジュン「おまっ…!真紅!!これのどこが大丈夫なんだよ!」

真紅「のりもいるし大丈夫でしょ?」

ジュン「姉ちゃんはまだいいけど先生はないだろ!!」

梅岡先生「桜田…、先生あれからいっぱい反省したんだ。色んな講習にも出てるんだぞ」

ジュン「その努力が空回ってるって……はぁ、もうなんでもないです…」

梅岡先生「?」ニコニコ



真紅「今日はこの5人でラジオをしていくわ」

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」

山本くん「まさかのりさんと一緒にラジオができるなんて幸せですよ」

のり「えっと…、たしか山本くん?」

山本くん「覚えていてくれたんですか!」

ジュン「そういえば、トロイメントのお疲れ様パーティで会ったかも」

真紅「本編じゃまったく面識がなかったから忘れていても無理はないのだわ」

山本くん「ひどい!」


梅岡先生「それにしてもラジオかぁ。あの桜田がこんなに自己アピールするようになるなんてなぁ…」ジーン…

ジュン「おい、泣き出したぞ…」

真紅「悪い先生ではないのだけどね…」

のり「ジュンくん、お姉ちゃんも手伝うわ。最初は何をするの?」

ジュン「最初はふつおただよ。今から手紙を読むからそれに答えてくれるだけでいいよ」

山本くん「なるほど、フリートーク主体ってわけだね」

のり「よぉし!お姉ちゃんいっぱい答えちゃうわ!」

ジュン「なんだかなぁ…。じゃあ読むぞ」

ジュン「R.N.蒼の庭師さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」


ジュン「『最近、双子の姉が僕にベタベタくっついてくるようになりました。
     姉は好きな男性に嫉妬してもらうのが目的のようです。
     僕としては別にどちらでもいいのですが、あまりにくっついてくるのでうっとおしく思っています。
     どうすればいいのでしょうか。』………うーん…」


真紅「ねぇ、これってこの間の翠の庭師さんのご家族からじゃないかしら?」

ジュン「そうかも。ペンネームも似てるし」

真紅「めぐが変なアドバイスをしたせいで本当に変なことになっているみたいね」

ジュン「これって僕たちの責任なんじゃ…」

真紅「そうね、解決しましょう。のり達も何かアドバイスはあるかしら?」

のり「仲が良いことはとっても良い事だと思うの」

真紅「そうね」

のり「だから無理に引き剥がさなくても大丈夫よぅ」

山本くん「流石のりさん!僕もそう思います」

ジュン「えー…、じゃあ現状維持ってことか?蒼の庭師さんは困ってるっぽいんだぞ」

のり「でも…、私達がお姉さんに蒼の庭師さんが困ってるから…なんて言えないわよ」

ジュン「まぁ…、たしかに」

梅岡先生「蒼の庭師さんはお姉さんにちゃんと話せばいいんじゃないかな?」

梅岡先生「僕もできていないけど……何か行動する前に本人と話した方がいいと思うよ」

ジュン「!」

梅岡先生「話を聞くとお姉さんにも理由があるみたいだし、蒼の庭師さんが本当に嫌なら話し合うべきだと先生は思うな」

真紅「良いアドバイスなのだわ。さすが聖職に就いてるだけあるわね」

のり「たしかにそうかも。蒼の庭師さんが我慢しすぎるのもダメよね」

山本くん「我慢しすぎたり考え込んじゃうとロクな事にならないもんなぁ」

ジュン「えっと…、蒼の庭師さんはちゃんとお姉さんに向き合うべきって事かな?」

真紅「そういう感じね」

ジュン「蒼の庭師さんも聞いてくれてたかな?まずは、お姉さんと話し合ってみてくれないか」

ジュン「それでダメだったらまた手紙送ってよ。何度でも相談に乗るからさ」


真紅「それにしても意外ね」

ジュン「何がだ?」

真紅「梅岡先生の事よ。原作よりも人間として成長していて驚いたわ」

梅岡先生「ぼ、僕なんてまだまだだよ」

ジュン「実は…、その事に関して手紙が来てるんだ…」

梅岡先生「!」

ジュン「R.N.死は甘美な響きさんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」


ジュン「『梅岡先生に質問。桜田くんのデザイン画を学年集会で晒すという公開処刑をして
     担任として何か罰はあったのですか。
     もちろん、ありましたよね?』………」


真紅「こ、これは…」

のり「…ジュ、ジュンくん…」ハラハラ

ジュン「一応先に言っとくけど、この件はもう解決してるからな」

梅岡先生「あ、あはは…。それでもまだみんな怒ってるよね…」

真紅「そうね。でも、梅岡先生も頑張っているって知ってる読者もいっぱいいるわ」

ジュン「空回ってたけど努力してるみたいだったもんな」

梅岡先生「……自分で言うのもなんだけど…あれから色々勉強したよ…」

真紅「あまり自分を追い詰めてはダメよ」

梅岡先生「そうだね。………結果だけ話すと…減給とかは無かったんだ」

梅岡先生「なんのお咎めもなかったのが不思議だったけど…、僕はそれが返って辛かった」

梅岡先生「桜田をあんな目に合わせてしまったのに…僕は厳罰も減給もなく今まで通り学校へ通ったんだ」

ジュン「………」

真紅「私も見させてもらったわ。悪意がなかったから減給はなかったのでしょうけどね」

真紅「ただ、その悪意が無いのが問題なのよ」

のり「……真紅ちゃん…」

真紅「悪意が無いから何が原因かもわからない。結果、次もジュンを傷つけてしまった」

梅岡先生「………色紙の事だよな…。流石に気づいたよ…」

梅岡先生「あれから色んなセミナーに出て勉強したけど…、空回っていたのが自分でもわかったよ…」

真紅「まぁ…、貴方の気持ちもわかるのよ。ジュンの才能はそれほどすごいのだから」

梅岡先生「いいや、本人に了承を得ずに公開した僕が100%悪い。弁論の余地もないよ」

ジュン「……もうやめにしませんか」

梅岡先生「えっ?」

ジュン「先生…、もうそんなに自分を責めなくていいです」

梅岡先生「し、しかし…」

ジュン「先生は頑張っていたじゃないですか。復学してからも僕に気づかれないようにフォローしたり」

梅岡先生「き、気づいてたのか…」

ジュン「そっとしておくって言いながら気にかけてくれて、嬉しいとは思ってましたよ。最初は嫌でしたけど…」

ジュン「でも、もういいんです。僕はもう大丈夫。だって学校は僕の居場所だから」

梅岡先生「さ、さくらだ~~!!」ブワッ!

真紅「ジュン…」ホロリ…

のり「ジュンくん…。立派になって…」グスッ…

山本くん「流石は未来の僕の弟だ!」

ジュン「……みんな大げさだよ。あと貴方の弟じゃないし」


ジュン「それはいいとして、本当は梅岡先生のせいだけじゃないんじゃないかって思うんだ」

真紅「どういうこと?」

ジュン「アリスゲームの始まりは僕の不登校がキッカケだと思ってさ」

真紅「それは考えすぎよ」

ジュン「僕がショックを受けないと物語は進展しなかったのは確かだよ」

山本くん「そ、そうなのかい?」

ジュン「2回目のショックの時にラプラスの魔に言われたんだ。『まだ思い出せませんか』って」

のり「お姉ちゃんはあの人形劇の事だとばかり思ってたけど…」

真紅「ジュンが幼少の頃にお父様と会ってたって話ね。アリスゲームがこの時代で起きるのは明白だったのはわかったけど…」

梅岡先生「ローゼンさんは桜田を待ってたんじゃないかな?」

山本くん「ちょっと待ってよ!絵を発表されたのは梅岡先生のせいだけじゃないって言ったよね?」

ジュン「うん、僕にも絵を消さなかった責任はあるけどね」

山本くん「その事件がアリスゲームの始まりを告げたんなら……それもローゼンさんの意図した事だったんじゃ…」

真紅「!」

ジュン「そういうこと。だから、梅岡先生のせいだけじゃないかなって思ってさ」

真紅「……考えすぎではなくって…?」

ジュン「まぁ仮説だからね。考え過ぎかも」

のり「でも…、もしそうならなんでジュンくんを選んだのかしら?公園に居たジュンくんをたまたまスカウトしたってこと…?」

ジュン「そこはローゼンが嫌がるからあまり考えないようにしてる」

真紅「もしかしたら、新連載でお父様自ら明かす日が来るかもしれないものね」

ジュン「僕に言えるのは、2回先生からショックを受けて準備が整った頃に柿崎さんにバトンタッチしたんじゃないかなって」

真紅「ジュンがめぐと出会って物語は大きく動き出したものね」

ジュン「それでお役御免になった先生は無害になったとか」

梅岡先生「無害って…」

真紅「たしかに同じ失敗はしなさそうよね」

ジュン「話が逸れたけどそういう感じかな。一応あの事はもう決着がついたんだ」

真紅「梅岡先生も闘っているの。R.N.死は甘美な響きさん、そんな訳だからあなたも梅岡先生を許してあげてね」

ジュン「内容が内容だけに暗い話になっちゃったな」

真紅「ホントよ。放送事故寸前だわ」

ジュン「もう放送事故だよ。とにかく次の手紙を読もう」

ジュン「R.N.剣道少女さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」


ジュン「『皆さん、こんにちは。いつも楽しく聞いています。
     のりさんに質問なのですが、のりさんは桜田くんを溺愛していますよね。
     もしかして恋愛感情とかあったりするんですか。
     下着がどうこう言ってたので気になりました。』……なんだこの内容…」


真紅「確かに言ってたわね」

梅岡先生「先生は不純異性交遊は認めないぞ!し、しかも姉弟でだなんて…!」

山本くん「そ、そうですよ!絶対認めません!のりさん目を覚ましてください!」

真紅「貴方たち落ち着きなさい。それでは、のり…どうなの?」

のり「う~ん…、みんな勘違いしてるみたいだけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんよぅ」

真紅「どういう事かしら?」

のり「うちって両親が不在の日が多いの。だからお姉ちゃんがジュンくんを守っていくのよ」

のり「たった一人の弟だもの。姉弟としてジュンくんがすっごく大切ってだけなの」

ジュン「……恥ずかしいなぁ…」ハァ…

真紅「姉弟愛が素晴らしいわね。照れなくてもいいのよ、ジュン」

ジュン「単に恥ずかしいだけだって…」

のり「今では真紅ちゃんも、ヒナちゃんや翠星石ちゃんに蒼星石ちゃん。時どき雪華綺晶ちゃんも。
   みんな桜田家の家族みたいで嬉しくって」

真紅「まるで母親のようだわ」

梅岡先生「その歳でなんて立派なんだ…!桜田、良いお姉さんを持ったな」

山本くん「えっ、じゃあ下着の件は一体…?」

のり「この頃の男の子って姉の下着を盗むって本に書いてあったの。まだ盗んでくれなくてお姉ちゃん心配よぅ…」

ジュン「おかしいって!どんな本読んでるんだよ…」

真紅「相変わらず天然ね」

梅岡先生「フォローしすぎるといけないってのがよくわかる構図だ。勉強になるよ」

ジュン「先生……変な事を吸収しないでください…」

山本くん「いいなぁ。こんなお姉さんが僕にもいたらなぁ…」

真紅「あなたは露骨すぎなのだわ」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーは、ローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」

真紅「なによ。ジュンも前口上したかったんじゃないの」

ジュン「何かあった方がいいかなって思って…」

のり「ふふ、ジュンくんったらカッコイイわぁ」

梅岡先生「桜田は色んな才能があるんだな!先生もっと桜田の事を知れて嬉しいぞ!」

ジュン「やらなきゃよかった…」


のり「やってみたい場面……そうねぇ…。なんでもありって事ね?」

ジュン「そうなるかな」

山本くん「なんだって!?それは本当かい?」

ジュン「いや、本当だけど…山本さんってアニメオリジナルのキャラだよな」

山本くん「出た場合って事で!そうなった場合のシチュエーションを是非!」

ジュン「わ、わかったよ。じゃあ山本さんからで。どんな内容なんだ?」

山本くん「僕の思い浮かべるシーンは勿論これさ!」


―――――
――――――――
―――――――――――


山本くん『のりさん!僕と付き合ってください!』

のり『いいわよ~』

山本くん『ほ、本当ですか!?や、やったああああああ!!!!』


のり『それで、どこへ付き合えばいいのかしら?』

山本くん『えっ?』


―――――――――――
――――――――
―――――



山本くん「やっぱりこういうオチかよ!」

山本くん「アニメでも天然な感じでスルーされたし全然イメージできないよ!」

山本くん「でもそこが可愛いんだよなぁ~」デレデレ

ジュン「うわっ、本人の前でよく言うよ」

真紅「大丈夫よ。のりならこれもスルーしてくれるでしょう」

ジュン「そうだな。………んっ?」

のり「………山本くん」

山本くん「なんですか?のりさん」

のり「その…、ごめんなさい。アニメの時も…あれって愛の告白だったのよね?」

山本くん「!?」

のり「私、告白されるなんて思ってなかったから勘違いしちゃって…」

ジュン「つ、通じちゃったよ…」

真紅「な、なんてこと…」

のり「それでね、ちゃんと答えを出そうと思って…」

山本くん「あっ……あ…あ……(神様っていたんだ……ありがとう神様!)」

のり「それで……その…ごめんなさい!」ペコッ!

山本くん「」

ジュン「うわっ…、ラジオでガチ振られて…。これ生放送だぞ…」

真紅「失恋ナウね」

梅岡先生「こ、これ大丈夫なのか…?桜田」

ジュン「さあ…?」


のり「あのね、今恋愛の事って考えられないの。部活も大変だし、家事や勉強もあるし…」

山本くん「そ、そうですよね…」

のり「でも、すっごく嬉しかったわ。これからも仲良くしましょうね」ウフフ

山本くん「そ、そうですね…」

のり「私達ずっと友達よぅ」ニギッ ブンブン

山本くん「あ、あはは…」ブンブン


ジュン「ずっとお友達だってさ」

真紅「のり……残酷ね…」

梅岡先生「先生的にはハッピーエンドにも見えるかな」

ジュン「まぁ…、僕としてもそうなのかな?あれで上手くいったら少し複雑だし」

真紅「あら、姉を取られないでホッとしたのかしら?」

ジュン「そ、そんなんじゃないって!」

ジュン「他にやりたい場面はあるかな?」

梅岡先生「僕だったらあの事件を無かった事にしたいな」

真紅「ジュン以上にトラウマになってるのね」

ジュン「つまりこういうこと?」


―――――
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梅岡先生『桜田のノート……こんな才能があったのか…』

梅岡先生『こんなに絵が上手なのか。…この才能を活かしていってほしいなぁ』

梅岡先生『さて、次のノートはっと…』


―――――――――――
――――――――
―――――


梅岡先生「うん、これだよ。これが本来取るべき行動だったんだよ」

真紅「そうでしょうね。生徒のノートを無断で切り取るのはマナー違反なのだわ」

のり「でも、これだと物語は始まらないと思うのよ」

山本くん「ジュンくんはやっぱり引きこもりから始まらないとね!」

ジュン「人を引きこもりの申し子みたいに言うなよな」

ジュン「姉ちゃんはやってみたいシーンとかある?」

のり「そうねぇ…」


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ジュン『これが姉ちゃんのパンツ…』ゴクリ…

ジュン『へ、部屋に持って行っちゃおっと!』コソコソ



のり『うふふ、ジュンくんったら』キラキラ


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ジュン「だからどうしてそうなるんだ!!このお茶漬けのり!」

のり「異性に興味あるのか心配なんだもん…」

梅岡先生「桜田、男子として健全かもしれないけど先生幻滅したぞ」

ジュン「さもやったかのように言わないでください!」

山本くん「ジュンくん…。そのパンツ僕にも分けてよ」

ジュン「だからそんな事やってないって言ってるだろ!!」

真紅「大丈夫よ、のり。私の下着には興味ありそうだったのだわ」

のり「まぁ!」キラキラ

ジュン「こぉんの呪い人形ぉ!!そんな訳あるかーー!!!!」

ジュン「公共の電波で何言わせてるんだよ…。ふざけるなよ…」ズーン…

梅岡先生「す、すまん桜田!先生もジョークが過ぎたよ」

のり「ご、ごめんね!ジュンくん…」

山本くん「えっ?パンツの話は冗談なの?」

真紅「貴方はもっと空気を読みなさい」

ジュン「もうラジオなんてやだ…。そろそろ終わらせよう……真紅…」

真紅「そ、そうね。…過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


ジュン「意気込みって言っても人間サイドじゃ予想を立てるくらいだしなぁ…」

真紅「しかも、このメンバーで薔薇乙女に関わってるのはのりだけなのだわ」

山本くん「たしかに人形の事はわからないな…」

のり「そんな事言ったらお姉ちゃんもアリスゲームを知ってるくらいなのよ…?」

梅岡先生「……」

ジュン「先生…?」

梅岡先生「桜田は真紅さん達と出会って本当にイキイキし始めたなって思って」

ジュン「そ、そうかな…?」

梅岡先生「いや、元に戻ったと言うべきかな。1年生の頃はとても活発だったから」

梅岡先生「それを取り戻してくれたのが薔薇乙女の君たちなんだね」

真紅「そうかもしれないわね」

梅岡先生「僕が言うのもなんだけど……ありがとう」

真紅「私達だけではないわ。のりやトモエ。そして貴方。多くの人がジュンと共にあったからよ」

真紅「それに、私たちもジュンから多くのものを受け取っているし助けられている。お互い様よ」

のり「真紅ちゃん…」

ジュン「本人がいるのによくそんな恥ずかしい事が言えるよな」

真紅「あら、だって事実だもの」

梅岡先生「真紅さん。これからも桜田をよろしくお願いします」

真紅「下僕を教育するのは主の役目。言われなくてもそのつもりよ」

ジュン「おい、なんでそんなに偉そうなんだよ。勝手に決めるなよな」

真紅「今さら何を言ってるのかしら?昔から言ってたじゃないの」

ジュン「ラジオでそういう事言うなって意味だよ!」

梅岡先生「新連載とは関係ないけど僕からはこんなところかな」

のり「新連載はお姉ちゃん出るかわからないけど、いっぱい応援してるわよぅ!」

山本くん「僕も応援してるよ」



ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである のりと梅岡先生。そして何故か居た山本さん。お疲れ様」

のり「お疲れ様、ジュンくん。真紅ちゃん」

梅岡先生「今日は桜田の元気な姿を見れて嬉しかったよ」

山本くん「またこういうの出たいなぁ」

ジュン「あんたは呼ばれてもないのに来るなよな…」

真紅「このラジオは不定期だからまたネットで放送日を確認して頂戴」


真紅「それでは、お相手はローゼンメイデン第5ドール真紅と」

のり「お姉ちゃんこと桜田のりよぅ!」

梅岡先生「梅岡です」

山本くん「山本だよ」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第3回目】END
 

今日はここまでです。

投下していきます。

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第4回目】


ジュン「はぁ…」

真紅「どうしたの?ジュン」

ジュン「いや、前回はシリアスだったからなんか憂鬱でさぁ…」

真紅「ローゼンメイデンにシリアスは付き物よ」

ジュン「だからってこのラジオでもシリアスにしなくていいだろ…」

真紅「仕方ないわ。そういうお便りだったのだもの」

ジュン「それにゲストも禄なのが来ないじゃないか」

真紅「そんな事ないわ。お父様やのりはまともだったでしょ」

ジュン「まともじゃない奴の方が圧倒的に多いよ…」

真紅「そんなにダメージを受けてしまったの?でも今回のゲストは大丈夫だから安心よ」

ジュン「誰だよ」

真紅「では登場してもらいましょうか」

真紅「本日のゲストは金糸雀とみっちゃんさんよ」

みっちゃん「真紅ちゃーん!ジュンジューン!呼んでくれてありがとねー!」がばっ!

真紅「っ!」

ジュン「これのどこが大丈夫なんだよ…」

金糸雀「こんにちは。真紅、ジュン。呼んでくれてありがとうかしらー」

ジュン「おう。ま、薔薇乙女の中ではまともな方か。問題は……」チラッ


みっちゃん「真紅ちゃんとっても久しぶりね!目覚めたって聞いてから早く会いたかったのよー!」

真紅「っ!っ!」ピシ!ピシ!

ジュン「怒ってる。怒ってる」



みっちゃん「改めましてこんにちは。草笛みつです」

金糸雀「第2ドールの金糸雀かしら」

ジュン「今回はこの二人と一緒に進めていきたいと思います」

真紅「ふぅ…、いきなりひどい目にあったのだわ」

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」

みっちゃん「ヒューヒュー!二人ともカッコイイー!」

金糸雀「かしらー!」

ジュン「……じゃあお便りを読んでいくぞ。R.N.逆十字の乙女さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

金糸雀「ありがとかしらー!」


ジュン「『みつの部屋には人形がいっぱいあるけど…、あの子たちみんなを世話してるの?』……だってさ」


真紅「確かにあの数は尋常ではないものね」

金糸雀「あの部屋で眠るカナは毎日ガクブルかしら…」

真紅「まぁ…少しホラーではあるわね。それでは、みっちゃんさん。答えてちょうだい」

みっちゃん「もっちろん世話してるわよ!どの子も大切な私のお人形さんだからね」

ジュン「仕事も大変そうなのにドール服作ったり人形買ったり……すごいとは思うよ」

みっちゃん「そこは愛があってこそよ、ジュンジュン。愛があればなんでもできる!」

真紅「まるで猪木ね」

みっちゃん「その中でも一番大切なのは……もっちろんカナよーー!!」スリスリスリ!!

金糸雀「きゃー!!全国配信でのまさーちゅーせっちゅかしらー!」キャー

ジュン「ラジオだから見られないけどな」

みっちゃん「それに、カナは私のお人形っていうよりはお友達よ。大親友なんだから!」

金糸雀「カナもみっちゃんが一番大切かしらー!」

真紅「本当に仲がいいわね」

みっちゃん「そういえば話は変わるんだけど」

ジュン「んっ?」

みっちゃん「最近見たこともない人形がいるなぁって思ってたらめぐちゃんがいたのよ」

ジュン「えっ!?柿崎さんが?」

みっちゃん「と言っても鏡に映るくらいだけどね」

ジュン「そ、それって…」

みっちゃん「もうビックリしたわ。カナが演奏したら消えちゃったけどね」

金糸雀「鎮魂歌を弾いたかしら」

ジュン「まるで除霊だ…」

真紅「……」ガクブル

ジュン「なぁ真紅。これって第2回目の時の……」

真紅「お、思い出させないで頂戴!」

ジュン「そ、そうだな。じゃあ次のお便りはっと」

ジュン「R.N.白い茨の乙女さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

金糸雀「ありがとかしらー!」


ジュン「『ジュン様、真紅お姉様、皆さんこんにちは。
     金糸雀お姉様に質問なのですが、金糸雀お姉様は姉妹と接する時に対応が違うように感じました。
     何故なのでしょうか。』……なるほどなぁ」


真紅「これは私も気になっていたわ。雛苺といる時と水銀燈といる時では印象が変わるもの」

ジュン「じゃあ金糸雀に答えてもらおうか。あれってなんでなんだ?」

金糸雀「なんでって言われても……カナは特に変えてないかしら」

ジュン「そうなのか?だって雛苺と接してる時は幼く見えるぞ」

真紅「水銀燈と一緒の時は姉のような一面を見たことがあるわ」

ジュン「真紅と水銀燈にアリスゲームの助言をしてた時もそんな感じだったよな」

真紅「そうかと思えば、翠星石の前では妹のような感じにもなるし」

金糸雀「ドールズトークではちゃんと姉っぽい感じだったかしら!」

真紅「相手によって対応を変える。なかなかのやり手ね」

金糸雀「そんなつもりはないんだけど…」

みっちゃん「う~ん…、たぶんカナはどんな相手にも接しやすくしてるんだと思うな」

ジュン「誰が相手でも接しやすく?」

みっちゃん「たぶんだけどね」

真紅「どういうことかしら?」

みっちゃん「カナってどんな相手でも仲良くなれると思うのよ」

真紅「あの水銀燈と仲良くなれるのだからそうかもしれないわね」

金糸雀「そんな事ないかしら。水銀燈ってけっこう優しいのよ」

真紅「そんな事を言うのは貴女とめぐくらいだわ」


みっちゃん「それでね、カナは相手によってどんな風に接すればいいのか無意識のうちにわかるんだと思うの」

ジュン「相手に合わせてるって事なのかな?」

みっちゃん「それとはちょっと違うような気がするけど…、とにかく聞き上手って事なのは確かよ」

みっちゃん「お姉さんが居ない水銀燈ちゃんにはお姉さんのように。
       蒼星石ちゃん大好きな翠星石ちゃんには妹のように。
       雛苺ちゃんには仲の良い同年代のように」

みっちゃん「カナってばスーパー聞き上手の話し上手なんだから!」

金糸雀「そ、そうなのかしら?」

ジュン「そう言われると金糸雀がいると空気が明るくなるような気がする」

真紅「ローゼンメイデンという作品にその明るさは確かに貴重ではあるわね」

金糸雀「そ、そうかしら?」テレテレ

ジュン「ただ肝心な所でドジだからなぁ」

金糸雀「ど、ドジは余計かしらー!」

ジュン「ドジ繋がりでもう一つ。R.N.幻想世界の第8ドールさんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

金糸雀「ありがとかしらー!」


ジュン「『皆さんこんにちは。私はよくドジをしてしまうのですが、シリアス場面でドジを踏まないか心配です。
     金糸雀お姉様みたいにやる時はやる乙女になりたいです。
     どうしたらいいでしょうか。』……この人もドジっ子なのか」

ジュン「金糸雀みたいに…か。金糸雀を真似たらもっとドジになるんじゃないか?」

金糸雀「う、うるさいのかしら!そんな事ないのかしらー!」

みっちゃん「そうよそうよ!カナはやればできる子なんだから!」

真紅「それでどうなの?金糸雀からは何かアドバイスはあるの?」

金糸雀「そうねぇ。別にドジを踏んでもいいと思うの」

ジュン「なんでだよ。ドジを踏みたくないって言ってるんだぞ」

金糸雀「カナもそうだけど意識しちゃうと失敗しやすくなるの。だから自然体のままでいいわ」

金糸雀「シリアス場面になったら嫌でもシリアスになるかしら。だから、幻想世界の第8ドールさんはそのままでいいと思う」

みっちゃん「さすがカナ!深イイ言葉だわ」

金糸雀「えへへ、ありがと。みっちゃん」

ジュン「なるほどな。たしかに力が入りすぎると失敗しやすくなるからなぁ」

真紅「肩の力を抜くのも時には必要だものね。ドジっ子だけあって説得力のある言葉だわ」

金糸雀「だ、だからドジっ子じゃないかしらー!

ジュン「これが最後だな。R.N.紫の水晶さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

金糸雀「ありがとかしらー!」


ジュン「『こんにちは。みっちゃんさんはいつも元気。なぜそんなに元気なのですか。』………みっちゃんのパワフルさは確かに謎だよなぁ」


みっちゃん「お答えしましょう!それは、みっちゃんが好きな事に全力で挑んでるから!人生をすっごく楽しんでるから!」

金糸雀「さすがみっちゃんかしらー!」


ジュン「なんてパワフルなんだ…」

真紅「さすがバーズ版で雪華綺晶に標的にされなかったペアね。みっちゃんさんの向上心は付け入る隙がないのだわ」

みっちゃん「それでも転職したての時は落ち込んだりしたんだよ。そこに現れたのがカナだったの」

みっちゃん「カナからはいっぱい元気をもらったの。お友達や好きな人、特別な人と一緒にいるだけで元気が出るんだから!」

金糸雀「カナもみっちゃんのこと大好きかしらー!」

みっちゃん「みっちゃんもカナのこと大好きー!」


真紅「ふふ、微笑ましいわね」

ジュン「そうだな」


みっちゃん「紫の水晶さんも大切な人と一緒だと元気になると思うよ。試してみてね」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーは、ローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


真紅「今さらだけど、このコーナーって私達には必要ないコーナーかもしれないわね」

ジュン「このコーナー全否定かよ!」

金糸雀「生きるって闘うことだものね。やり直したら今までの闘いはなんだったんだろうってなるかしら」

ジュン「それはそうだけどさぁ…」

みっちゃん「でも、ジュンジュンとおっきなジュンくんがいるんだもの。もしもの世界を想像するのって面白いと思うよ」

ジュン「おっ!良いこと言うな。みっちゃん」

みっちゃん「貸し1ね。今度スケッチブックのチェックお願い!」

ジュン「抜け目ないなぁ。まぁそんな訳でやってみたい場面とかあるか?」

金糸雀「そう言われると思い浮かばないかしら…」

みっちゃん「私も思い浮かばないなぁ」

真紅「夢に燃えるみっちゃんさんと失敗しても挫けない金糸雀。向上心の高いこのコンビならそう言うと思ったわ」

ジュン「たしかに…。なら次のコーナーに移ろうか?」

みっちゃん「あっ!待って。やっぱりやりたい場面あるかも!」

ジュン「よかった。じゃあ早速その場面をやってみよう」

みっちゃん「よぉし!みっちゃん張り切っちゃうぞー!」

金糸雀「かしらー!」

 
―――――
――――――――
―――――――――――


みっちゃん『きゃーー!!夢に見たローゼンメイデン全シリーズ抱っこよーーー!!!!』ギュー!

雪華綺晶『ぐ、ぐるじいですわ…!』

翠星石『ぎゃあああ!!や、やめやがれですぅ!』

真紅『』

蒼星石『し、真紅が失神しちゃった…』

水銀燈『みつ…!いい加減にしなさいよぉ!!』

雛苺『ヒナ…、もうダメなの…』

金糸雀『み、みっちゃん…。さすがに苦しいかしらぁ…』

みっちゃん『あっ、ごめんね。なら撮影会しましょう!並んで並んで!』

みっちゃん『そうそう!いい感じよー!ピースして、ピース』パシャ!パシャ!

蒼星石『マスターの許可なしに衣服を交換するなんて…』v

翠星石『しゃーねーですよ。ここは長い物には巻かれるですぅ』v


みっちゃん『カナ、もうちょっと銀ちゃんの顎を上に上げて』

金糸雀『こ、こうかしら?』クィッ

水銀燈『ちょっとぉ…、なんでこんなポーズしなきゃいけないのよぉ…』

金糸雀『こういうのもたまには楽しいかしら』

みっちゃん『はい、二人とももっと顔を近づけて。あなたとキスする5秒前って感じで』

水銀燈『どういうシチュエーションよ!百歩譲っても私と金糸雀の立ち位置逆でしょぉ!』

みっちゃん『いいわよ二人とも!まるで宝塚みたいだわ!』キャー! パシャ!パシャ!

水銀燈『聞いてないし…』

金糸雀『みっちゃん、このくらい?』ズイッ

水銀燈『ちょっ…!ちかっ!近いわよぉ!ちょっと待っ……!!』

みっちゃん『おーっと!!これは動画の方がいいわね』●REC

雛苺『みっちゃんこうなの?』

みっちゃん『そうそう、もっと抱きついて』

雪華綺晶『うふふ、写真撮影って楽しいですね』

真紅『人形としては冥利に尽きるけど…、疲れるのだわ』

みっちゃん『次はきらちゃんの膝に雛苺ちゃんを乗せて。そして真紅ちゃんはきらちゃんを後ろから抱きしめるように』

雛苺『はいなの』

真紅『こ、こうかしら?』ギュッ

雪華綺晶『あ、あぁ……、お姉さま方に包まれて…なんて幸せなの』ウットリ

みっちゃん『いい表情よ!きらちゃん』パシャパシャ!

みっちゃん『みんな揃ったわね。集合写真撮るわよー!』

水銀燈『もう疲れたわぁ…』

金糸雀『あとちょっとの辛抱かしら』

翠星石『さっさと撮りやがれですぅ』

蒼星石『これでいいの?』

真紅『このポーズでいいみたいよ』

雛苺『わぁい!みんな一緒なのー』

雪華綺晶『わくわく』

みっちゃん『はい、チーズ!』


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―――――
 

ジュン「めっちゃ長っ!」

みっちゃん「そうかな?もっとやりたい事あるんだけど」

金糸雀「これはまだ氷山の一角かしら」

真紅「流石みっちゃんさんね」

ジュン「その情熱だけは尊敬するよ」

真紅「次は金糸雀の番だけど、やりたい場面はあるかしら?」

金糸雀「カナは特にないかしら。姉妹と一緒に居られるし、何よりみっちゃんがいる」

金糸雀「もう十分すぎるほど幸せよ」エヘヘ

みっちゃん「カナ…、なんて良い子なの!カナーーー!!」スリスリスリ!!

金糸雀「みっちゃーーん!!」キャー!(≧∇≦*)


ジュン「また始めたぞ…」

真紅「本当に仲がいいわね」

ジュン「仲良すぎだろコレ…」

真紅「そうね。見た感じ絆度はこんな感じかしら?」


金糸雀♡→→←←←←♡みっちゃん


ジュン「あー、そんな感じするな」

金糸雀「そんな事ないかしら!カナからもいっぱい愛情送ってるのかしらー!」

金糸雀「あっ、でもやっぱりやってみたいっていうか…、ちょっと気になる所はあるかしら」

ジュン「結局あるんじゃないか。なら早く言えよな」

金糸雀「だって今思いついたんだもん…。こんな感じよ」


―――――
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―――――――――――

【Rozen Maiden Phase 30】


金糸雀『像さんドアストッパーで潜入成功!オムライスの良い匂いがするけど我慢かしら…』グゥゥ~

金糸雀『潜入は成功したけど…、カナは姉妹のローザミスティカを奪うことができるのかしら?』

金糸雀『ダメよ!非情にならなきゃいけないの…!だってこれはアリスゲームだもの…。お父様の願いを叶えるために…』チラッ



のり『今日のメニューはぁ…ぷりぷりハートのオムライスー♡!』

雛苺『キャアアアアアアー』ガターン

翠星石『かっ…隠し玉ですぅ!!チキンライスにミートボールが隠れていやがったですぅ。これはぎょうてんですぅー』アワワ…

のり『うふふー、残さず食べてね』



金糸雀『………』

金糸雀『みんな楽しそう…。私はあの妹達から笑顔を奪うことができるのかしら?』グゥゥ~

金糸雀『ふぅ…、みっちゃんもう帰ってきたかな?カナもお夕飯食べに帰ろうかしら?』

金糸雀『そうと決まれば脱出かしらー』


―――――――――――
――――――――
―――――


金糸雀「ありがとう。カナが潜入に成功してたらどうするのか見たかったの」

ジュン「これって結局ローザミスティカは奪わないって選択をしたって事か?」

金糸雀「うん。カナにはやっぱり想像できなかいかしら」

真紅「あの水銀燈でさえ良心の呵責で苦しんだのだもの。無理もないわ」

金糸雀「やっぱりみんな仲良しがいいかしら。お父様の意思に反したかもしれないけど…、みんなの笑顔を守りたい。それがカナのアリスゲーム」

真紅「金糸雀…」

みっちゃん「カナ…!なんて健気なの!みっちゃん惚れ直しちゃったわよー!」ダキッ

金糸雀「うふふ、みっちゃんあったかいかしらぁ」

ジュン「反する…か。あの金糸雀がそんなこと言うなんてな。ローゼンも喜んでるんじゃないか?」

金糸雀「そうかしら?…それならいいのだけど…」

みっちゃん「はい、カナ。ケーキあ~ん」

金糸雀「あ~んっ」パクッ

金糸雀「ん~~!とっても美味しいかしら~」ニパー

みっちゃん「本当?よかったぁ」

金糸雀「今度はカナのケーキあげるね。みっちゃん、あ~ん」

みっちゃん「あ~んっ」パクッ

みっちゃん「カナのケーキもとっても美味しいよ」ウフフ

金糸雀「よかったかしらー」ヤッター!


ジュン「なんかイチャイチャしだしたんだけど…」

真紅「これほどマスターとドールの仲が良いのも珍しいわね」

ジュン「そうなのか?」

真紅「えぇ、そうよ。私の記憶が正しければ、ここまで良好な関係を築いたペアは見たことがないわ」

ジュン「たしかにこれ以上良好なのは想像できないな」

真紅「…そうね(貴方もある意味ではみっちゃんさん以上だけど)」

ジュン「さっきも言われてたけど、金糸雀って誰とも仲良くなれそうだよな」

真紅「悪い子ではないもの。その辺は流石この真紅の姉といったところかしら」

ジュン「水銀燈と真逆だよな。ローゼンメイデンで一番多くマスターがいたんじゃないか?」

金糸雀「えっ?そんな事ないかしら。カナはよく冬眠ごっこをしてたのよ」

真紅「あなた旅立ってからも冬眠ごっこをしていたと言うの?」

金糸雀「そうよ。カナにもいろいろあったんだから」

真紅「そういえば、金糸雀の過去だけあまり知らないわね」

みっちゃん「私は少し聞いた事あるよ。前のマスターにはよく尽くしてたって話だったかな」

金糸雀「そうかしら。手紙を届けたり、お使い、お掃除、お洗濯、眠るまで演奏したり色々したかしら」

ジュン「そんなに!?他のやつらとはレベルが違うな。特に真紅」

真紅「あら、私はお人形だもの。優雅に過ごすものよ」

ジュン「よく言うよ。翠星石は料理や掃除をしてくれるし、雛苺と蒼星石だって何かしてくれるぞ」

真紅「そうね。みんなよく働くのだわ」

ジュン「こいつ…。薔薇乙女で一番動かないのは間違いなくお前だよな」

真紅「媒介の貴方がそんな感じですもの。マスターとドールは似るのだわ」

ジュン「そんなわけあるか!僕だって皿洗いや洗濯してるんだぞ!何もやってないのはお前だけ……いてっ!」

真紅「口が過ぎる」

金糸雀「うふふ」

ジュン「んっ?なんだよ」

金糸雀「いえね、二人とも仲がいいなって思って」

金糸雀「真紅とジュンは自然体かしら。だからお互い本音を言い合えるのね」

ジュン「うっとおしいだけだぞ?」

真紅「本音を言い過ぎるのもどうかと思うわ」

金糸雀「それはそうだけど…、二人ともイキイキした顔だったかしら」

みっちゃん「たしかにね。気兼ねなく接する事ができる相手って貴重なのよ。ジュンジュン」

ジュン「そうなのかなぁ…」

真紅「ジュンは悪い人間ではないのは確かね」

金糸雀「もうっ!二人とも素直じゃないんだから」

みっちゃん「そこが真紅ちゃんとジュンジュンらしい所でもあるよね」


真紅「ふぅ…、さっきの話に戻るわよ。金糸雀の過去の話よね」

ジュン「それなら最後のコーナーに行っちゃってもいいんじゃないか?」

真紅「そうね。どうせそれも過去の話なのだし。では始めるわ」


真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0 -ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」

真紅「さっきも言ったけど、金糸雀の過去だけ描写がないのよ」

ジュン「水銀燈や雪華綺晶にもあったのにな」

真紅「これはもう【ローゼンメイデン0-ゼロ-】で金糸雀の話をやるのは間違いないわ」

金糸雀「カナの過去…」ウーン…

真紅「どうしたの?金糸雀」

金糸雀「真紅は知ってると思うけど、私は世界を回っていたの」

真紅「そういえばラプラスの魔が言っていたわ。金糸雀と水銀燈は世界を飛び回っていた…と」

金糸雀「カナも水銀燈も思うところがあってね。世界を知るために色々見て回ってたの」

みっちゃん「銀ちゃんと一緒に行動してたの?」

金糸雀「別行動だったかしら。水銀燈に会う度に人間の世界の愚痴を聞かされたかしら」

真紅「私も聞いたわ。……仕方がないと言えばそうなのでしょうけど…」

金糸雀「水銀燈もいっぱい苦労したの。それに比べるとカナは恵まれていたと思う…」

金糸雀「今まで色んな人間をマスターにしてきたけど、そこまで悪い人には出会わなかったかしら」

真紅「私もよ。ホーリエ達が優秀だったのもあるでしょうけど…、私達は比較的に運が良かったのね」

金糸雀「そうね。その中でも一番のマスターはもちろん!みっちゃんかしらー」

みっちゃん「本当!?みっちゃん感激!」ギュー!

金糸雀「みっちゃん、愛が苦しい…かしら……」

金糸雀「マスターに恵まれていても苦労した事もあったかしら。新連載ではそこら辺をやるんじゃないかしら?」

みっちゃん「カナも苦労してたんだね…」

金糸雀「うん。生きていれば色々あるもの」

真紅「私としては水銀燈の『アノコト』が気になるわね」

ジュン「そういえば言ってたな。水銀燈の秘密を金糸雀が握ってるんだよな」

金糸雀「えっと…、それってなんの話だったかしら?」

ジュン「覚えてないのかよ!?」

金糸雀「覚えてるんだけど…、いっぱいあってどの事だったのかわからないかしら」

真紅「秘密その2とか言ってたものね。気になるわ」

みっちゃん「みっちゃんも気になるなぁ。カナは銀ちゃんのどんな秘密を握ってるの?」

金糸雀「特に驚くような事じゃないかしら。ふつーの秘密よ」

ジュン「僕たちはその普通を知りたいんだけど」

金糸雀「この話は水銀燈が嫌がるからあまりしないけど、本当に取り留めのないお話ばかりなの」

金糸雀「みんなやったりしている事よ。水銀燈もそういう事するのねって感じなこと」

真紅「よくわからないわね」

金糸雀「箱庭のお話は新連載でもやるんじゃないかしら?その時に可愛い水銀燈をいっぱい見られるからもう少し我慢かしらー」

ジュン「水銀燈が可愛い…か」

真紅「私が生まれる前の話。興味がないと言ったら嘘になるわ」

みっちゃん「あ~ん、気になるー!みっちゃんUJいっぱい買っちゃおっと!」

ジュン「そんなに買ってどうするんだよ…」

金糸雀「そんな訳で、カナのお話は新連載でやると思うから予想はここまで。ネタバレは禁物よ」

ジュン「なるほど、サンキュー金糸雀。みっちゃんは新連載どうなると思う?」

みっちゃん「そうねぇ。個人的にはローゼンさんがカナ達を造る所を見てみたいな」

ジュン「やっぱりドールに携わる者としては気になるよな」

みっちゃん「もっちろん!伝説の人形師の仕事っぷりとか是非拝見したいもの」

真紅「私としては、自分が造られてる所を見られるのはあまりいい気持ちになれないわね」

金糸雀「カナも…」

ジュン「えっ?なんでだ?」

真紅「仮下僕に造られてた蒼星石を見てみなさい。全裸だったのだわ…」

ジュン「あっ」

金糸雀「さすがにヌードを晒すのは恥ずかしいかしら…」

ジュン「大丈夫だって。人形の裸で興奮する奴なんていないよ」

真紅「後ろを見てみなさい」

ジュン「えっ?」クルッ


みっちゃん「カナの裸……真紅ちゃんの裸……」ハァハァ


ジュン「うわぁ…」

金糸雀「みっちゃん…」

みっちゃん「過去のお話もいいけど、やっぱり今を生きなきゃ!」

金糸雀「そうねそうね。さすがみっちゃん!」

真紅「いきなりどうしたの?」

みっちゃん「過去編もいいけど、アリスゲーム後のみんなも見たいなーって思って」

ジュン「僕が鉱石拾いに行く話とか?」

みっちゃん「そうそう。あとは、ローゼンメイデン全員揃ってワイワイするお話とか!」

真紅「そうね。そういう日がいつか来るといいわね」

ジュン「一応新しいドラマCDであるんだよな。全員揃ったシーン」

金糸雀「あったかしら、あったかしら。意外と水銀燈もノリノリでね。ポーズまで取っちゃって」クスクスッ







水銀燈『水銀燈よぉ』

金糸雀『金糸雀かしら♪』

翠星石『翠星石ですぅ』

蒼星石『蒼星石!』

真紅『真紅なのだわ』

雛苺『雛苺なのー』

雪華綺晶『そして私が 雪華綺晶』


『『『『『『『七人そろって!ローゼンメイデン!!』』』』』』』キュピーン!


のり『素敵すてき~!一度これを聞いてみたかったのよねぇ』パチパチパチ!







金糸雀「うふふ、最後はみんなでポーズを決めて楽しかったかしら」

みっちゃん「いいないいな~!今度みっちゃんにも見せてよー」

真紅「気が向いたらね」

ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである、金糸雀。みっちゃんさん。お疲れ様」

金糸雀「今日は呼んでくれてありがとうかしら。とっても楽しかったわ」

みっちゃん「うん!みっちゃんなんて幸せすぎて萌えキュンバタンキュー寸前よ!」

ジュン「バタンキュー…?まぁ楽しんでくれたなら良かったよ」

真紅「ゲストで呼ぶかはわからないけど、引き続きラジオを聞いてくれると嬉しいわ」

金糸雀「うん!もちろん聞くかしら」

みっちゃん「楽しみにしてるね」


真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

金糸雀「第2ドールの金糸雀かしらー」

みっちゃん「草笛みつです!」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第4回目】END
 

今日はここまで。
新連載までに全部投下できるようにします。

レスコメントありがとうございます。
テンション上がりました。

少しですが投下していきます。

 
ジュン「最近寒いよなぁ」

真紅「そうね」

ジュン「このスタジオにもコタツがあればいいのに…」

真紅「一応暖房はついてるけど、一理あるのだわ」

ジュン「なんか今日はやる気でないな。休みにしちゃわないか?」

真紅「それはダメよ。ゲストも呼んであるもの」

ジュン「どうせまたろくな奴じゃないだろ?」



「だぁ~れがろくな奴じゃないですってぇ!」



ジュン「げっ!こ、この声は…!」

翠星石「チビ人間!せっかく翠星石が来てやったですのにダラダラして…!」

ジュン「だってこんなに寒いんだぞ」

翠星石「このおばか!子供は風の子ですぅ!もっとシャキッとしろで…すっ!!」ゲシッ!

ジュン「いってーーー!!」

真紅「いつもの光景ね」




【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第5回目】



 

ジュン「薔薇の香りのガーデンパーティ0ももう5回目になりました」

真紅「ちょうど半分ね」

ジュン「はぁ…、まだ半分も残ってるのか…」

真紅「あら、もう半分しかないじゃないの」

ジュン「多いって!そもそも僕は乗り気じゃなかったんだぞ!」

真紅「半分まできて何を言ってるの。今回のゲストももう来ているのよ」

ジュン「知ってるよ。翠星石だろ」

真紅「えぇ、そうよ。今回はゲストが多いから気を引き締めなさい」

ジュン「えっ?そんなに多いのか?」

真紅「多いわよ。では登場してもらいましょう。どうぞ」


翠星石「やぁっと翠星石の出番ですか!待ちくたびれたですぅ」

蒼星石「やあ、ジュンくん。真紅」

一葉「こんにちは」

元治「呼んでくれてありがとうね」


ジュン「多っ!」

ジュン「4人は多いよ。たぶんこのラジオで一番多い回だぞ」

真紅「翠星石と蒼星石はセットで招待するって決めてあったのよ」

翠星石「そうですよ。翠星石と蒼星石はいつも一緒ですぅ」

蒼星石「だね」

一葉「私たちも来てしまってすまなかったね。ジュンくん」

ジュン「ドールのマスターも呼ぶ事になってるので」

元治「私はアニメだけしか出てないけどいいのかい?」

真紅「それもOKなのだわ。蒼星石はこの時代だけでもマスターが4人もいるものね」

翠星石「WおじじにWチビ人間の4人もいるですぅ」

ジュン「それって今までに類を見ないんじゃないか?」

蒼星石「そうだね。僕も驚いたよ」

翠星石「ジュンを蒼星石のマスターにしたのは翠星石ですけどね」

真紅「その話も含めて話していきましょう。まずは、ふつおたからよ」

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」


真紅「では、お便りを読んでいきましょう。R.N.黄色の策士さんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

翠星石「ありがとですぅ」

蒼星石「ありがとう」


真紅「翠星石へのお便りみたいね。
   『こんにちは。いつも楽しく聞いています。
   翠星石に質問なのですが、翠星石は雛苺に姉を崇めるようにと言っていました。
   そうなると、翠星石は長女と次女を尊敬しているのかしら?
   是非お答えくださいかしら。』……だそうよ」


ジュン「翠星石が水銀燈と金糸雀を尊敬してるとは思えないけどな」

翠星石「そうですよ!天邪鬼な水銀燈やカナちびなんて尊敬してるわけねーですぅ」

ジュン「ドールズトークだと金糸雀の事をちゃんと姉だと思ってるっぽかったけど」

翠星石「そりゃあ翠星石だって時々目上の者を立てる時もありますよ。
     でも翠星石たちはドールですからね。姉妹と言っても対等なんです」

蒼星石「へぇ、それは初めて聞いたな」

翠星石「そ、そうですか?それに雛苺にその話をしたのは箱庭の時ですよ。
     もうずぅっと前の事です。だからそんなの時効ですぅ」

ジュン「なんだよそれ。えっと、つまり2人のことはどう思ってるんだ?」

翠星石「大切な姉妹ですよ。それ以上でもそれ以下でもないです。
     水銀燈はアリスゲームでいろいろありましたけど、もうそれも終わったから許してやるです。
     翠星石は寛大ですからね」

ジュン「よく言うよ」

真紅「続いてのお便りを読むわね。R.N. 紫の水晶さんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

翠星石「ありがとですぅ」

蒼星石「ありがとう」


真紅「これは蒼星石へのお便りね。えっと……、
   『こんにちは。質問です。蒼星石はマスターが多いですが、蒼星石はそれをどう思っていますか。
   そもそも薔薇の誓いは解いたら負けなのではないのですか。
   あと原作とアニメで性格が違うのも気になります。』……この質問はよく見るわね」


蒼星石「そんなに性格違うかな」

ジュン「いや、僕に聞かれても…」

一葉「私達から見たらそれほど変わらないと思うけどな」

元治「そうですな。どっちの蒼星石も良い子には変わりない」

蒼星石「ありがとう、マスター」

一葉「礼には及ばんよ。蒼星石」

元治「おや、今のは私に言ったんじゃないかな?」

一葉「違う。私に言ったのですよ」

元治「なんだとぉ!一樹は私にお礼を言ったんだ!そうだろ?一樹」

一葉「そうやって名前を間違えたりボケたりするから視聴者に嫌われるのですよ」

元治「い、言わせておけば…!車椅子蹴っ飛ばすぞ!!」

蒼星石「お、おじいさんやめて…」オロオロ


ジュン「ま、また放送事故になりそうだ…」

翠星石「おじじ達なんてほっとくですぅ。話の続きをしていくですよ」

真紅「ジュン、あなたはどう思うの?貴方も蒼星石のマスターでしょう」

ジュン「う~ん…、そうは言われても成り行きでマスターになった訳だし…」

蒼星石「……」

ジュン「そうだなぁ……僕の蒼星石のイメージはこんな感じかな?」



原作蒼星石→家事を手伝ってくれるけど鍋を焦がす。

アニメ1、2期蒼星石→家事を進んで手伝ってくれてしかも完璧。



翠星石「いや、家事の事しか触れてないですけど」

ジュン「あとはそうだなぁ…、やっぱ突っ走る所があるかな」

ジュン「マスターのためなら嵐の中でも進んでいっちゃう危うさがあるよ」

翠星石「!」

ジュン「頑固で頑張りすぎちゃう所はあるけどさ。そこがまた良い所でもあると思う」

翠星石「ぐぬぬ…!蒼星石の良さを翠星石並に知り尽くしてるなんて…。ちび人間の分際でぇ…!」

蒼星石「えっ?これって褒められてるの?」

真紅「微妙ね」

ジュン「僕って蒼星石に何度も助けられてるんだよなぁ。深い眠りに落ちた時とか」

翠星石「『頑張れは祈りの言葉』って所ですよね。あの『君は負けるな』ってセリフは胸にきたですよ」

真紅「蒼星石のトップクラスの名シーンだものね」

ジュン「スピンオフもそうだけど基本まじめだよな。ドールズの中ではホント好感持てる方だよ」

蒼星石「ジュンくん…!」

真紅「ちょっと待ちなさい。好感持てるって……私はどうなの?」

ジュン「…………」

真紅「ちょっと!目をそらさないで頂戴!」

翠星石「実は翠星石も蒼星石は原作とアニメでちょっと性格違うかなって思ってたですよ」

真紅「あら、双子の貴女もそう感じていたの?」

翠星石「です。具体的にはこんな感じですぅ」



原作蒼星石→時々翠星石に意地悪する。

アニメ1、2期蒼星石→翠星石が蒼星石を振り回す。



蒼星石「意地悪って…。それは君が悪さするからだろ」

翠星石「違いますぅ!悪さしてない時も意地悪されたことあるですよ。かくれんぼの時とか」

蒼星石「そうだっけ?」

翠星石「もーっ!」

真紅「振り回すって…自分で認めてるのね。原作でも振り回していたように見えたけど」

蒼星石「うん、翠星石はいつも無茶ばかりするんだ」

翠星石「そ、そうですけど…自覚してるだけマシってもんです!それに、アニメではS星石になったりしないじゃないですか!」

蒼星石「S星石って…」

ジュン「開き直ってタチ悪くなってきたぞ」

翠星石「どっちの蒼星石も甘えんぼですのに、そこだけは微妙に違うですぅ…」

翠星石「前のアニメの蒼星石が原作ばりにヌード晒したらきっともっと違った反応をするに違いねーですぅ!」

蒼星石「うん、翠星石少し黙ろうか」

真紅「それで蒼星石。あなたどっちの性格が素なの?」

蒼星石「どっちも意識して出してる訳じゃないよ。どちらも僕さ」

真紅「よくわからないわね。どちらも真面目なのは変わらないのだけど」

翠星石「もうどっちでもいいですよ。蒼星石は蒼星石なのですから」

ジュン「話振っといて何言ってるんだよ…」


一葉「ちょっといいかな」

真紅「あら、どうしたの?」

一葉「お便りに薔薇の誓いを解いたら負けだと書いてあったが、それはあの指輪が無くなったらという話だろうか?」

真紅「えぇ、そうよ。私もジュンとの契約を解いているわ」

翠星石「翠星石もですよ」

一葉「そうだったな。私もあの戦いで蒼星石との指輪を失ってしまった」

元治「たしか雛苺ちゃんもそうだったな。それなら、みんな負けという事かい?」

真紅「違うわ。私達は薔薇乙女としての誇りと信念。そして、お父様への想いを胸に闘ってきたの」

真紅「負けを認めない限り薔薇の誓いは解いてもいい。想いが続く限り負けではないの」

翠星石「雛苺は負けを認めたですからね。読者が薔薇の誓いを解く=リタイアと勘違いしても仕方ないです」

蒼星石「僕の場合は水銀燈に負けたと思ってなかったからね。そんなローザミスティカを手に入れて彼女も苦しかったと思うよ」

翠星石「あれは横から掻っ攫う水銀燈が100%悪いです。あんなのただの自業自得ですぅ!」

蒼星石「それで、色々あってジュンくんが僕のマスターになったよね」

ジュン「本当は『まかなかった僕』がマスターだったけど、僕が引き継いだんだよな」

真紅「今思い出してもあの作戦はなかなかのものだったわ」

翠星石「あれこそ真の策士ってもんです。どこぞの偽策士とは一味ちがうですよ」

ジュン「悔しいけどそれは認める。秘策中の秘策だったもんな」

蒼星石「でも危険な賭けでもあったよ。もう二度としちゃダメだよ」

翠星石「アリスゲーム限定ですし、もうあんなのやる機会ないですよ」

蒼星石「それでも約束して。もうやっちゃダメだよ」

翠星石「は、はいですぅ…」



ジュン「話を戻すけど、そんな訳で蒼星石の指輪も付けてないんだ。本当にタイミングが良すぎるよ」

元治「引き継ぐ時に指輪はもらわなかったのかい?」

ジュン「と言うか、結局あの指輪がどうなったのか僕も詳しくは…」

翠星石「翠星石がまだ持ってるですよ」

ジュン「えっ!?持ってるのか?」

翠星石「そうです。蒼星石の指輪がなくなったら大変ですからね。翠星石が管理してるです」

蒼星石「初耳だよ…」

翠星石「言ってないですからね」

一葉「では、ジュンくんはどのドールとも契約をしていないという事かな。それなら真紅たちが困らないか?」

ジュン「契約は解いちゃったけど絆は繋がってるから大丈夫だよ。それに契約の痕も残ってるし」

一葉「契約の痕?」

ジュン「さっきタイミングがいいって言ったけど、僕はローゼンと同じで見守る側になる感じだったんだ」

ジュン「そのためにこの指ぬきが必要で契約の指輪は必要なかった。契約の痕は残っていたから」

ジュン「ドールとマスターの絆はそうそう途切れたりしないよ」

一葉「そういえば…、私にも痕が付いてるな」

元治「本当だ!私にもあるぞ」

蒼星石「そうだよ。だからマスターが複数居ても変わらない」

蒼星石「みんな大切なマスターだから」キラキラ

一葉「おおっ…、蒼星石…」

元治「一樹…」


翠星石「蒼星石…」

真紅「蒼星石もなかなかのやり手ね」

真紅「次はR.N.劇団少女さんからのお便りよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

翠星石「ありがとですぅ」

蒼星石「ありがとう」


真紅「『中学生のジュンくん、真紅ちゃん、皆さんこんにちは。
    翠星石ちゃんに質問です。真紅ちゃんが水銀燈ちゃんにやられちゃったお話ありますよね。
    ジュンくんは真紅ちゃんの腕を治していましたが、翠星石ちゃんも治してもらいたいですか。
    その微妙な乙女心を聞きたいです。ハート』……だそうよ」


翠星石「はぁ!?す、翠星石は別にジュンなんかに治してもらわなくってもいいです」

蒼星石「そう?僕知ってるよ。翠星石はよく、
     『もしあの時壊れたのが翠星石だったら……ジュンは治してくれたでしょうか?』とか
     『ジュン…あの時は翠星石を治してくれて……その…あり……ありが…』って練習してたよね」

翠星石「ほあああああ!!?そ、蒼星石!なに言ってるですかあああ!!」

蒼星石「あれ、言っちゃダメだった?ごめんよ」

ジュン「気にするなって。それに翠星石。僕はお前が無事だっただけで嬉しかったんだ。お礼なんていいよ」

翠星石「あぅ…でも……翠星石はお礼が…したくて……ぅぅぅ…もういいですっ!」


真紅「乙女心は複雑ね」

真紅「これが最後ね。R.N.ノリスさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

翠星石「ありがとですぅ」

蒼星石「ありがとう」


真紅「『ジュンくんは真紅ちゃんや翠星石ちゃんの事をどう思ってるの?
    お人形さん相手でもお姉ちゃん応援しちゃうわよぅ!』……珍しくジュン宛のお便りだわ」


ジュン「これって…」

翠星石「…のりですかね…?」


一葉「ほぅ。これは私も気になるな」

元治「そうですな」

翠星石「お、おじじ達が団結し始めたですぅ!」


ジュン「どう思ってるって……呪い人形だと思ってるけど」

真紅「まだそんな事を言ってるの?照れ隠しはもういいのよ」

ジュン「そんなこと言われてもなぁ…。家族とか?」

真紅「それもいいけど、お父様に託されたのだからもっとちゃんとしなさいとあれほど――――…」ガミガミ



翠星石「………」

蒼星石「……(翠星石…)」

席を外します。
日をまたぐと思いますが帰ってきたら続きを再開します。

再開します。

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーはローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


真紅「対象となるのはゲストの皆さんよ。どうかしら。何かやりたい場面とかはある?」

元治「結菱さん」

一葉「そうですね。柴崎さん」

翠星石「二人共どうしたです?」

一葉「私たちは遠慮するよ」

翠星石「えっ?なんでですか?」

元治「私達がもしもを考えてしまうと、どうしても一樹と二葉さんの事になってしまうんだよ」

蒼星石「!」

一葉「私達はようやく今の世界を受け入れたんだ。もしもの話は必要ない」

一葉「蒼星石のおかげだ」

元治「そう。だから私達は遠慮しておくよ」

一葉「それより、翠星石と蒼星石がどんな事を願っているのか。そちらの方が気になるな」

元治「おおっ!確かにそうだ。私も是非見てみたいものですよ」

一葉「ははっ、気が合いますね」

元治「まったくですな!」


翠星石「くぅ~!急に仲良くなって翠星石たちを陥れようっていう気ですね!そうはさせないですぅ!」

蒼星石「いや、僕はやりたいよ」

翠星石「えっ?マジですか?」

蒼星石「マジだよ」

蒼星石「マスター達が見たいと言ってるんだ。断る理由はない」

翠星石「あぁ…、蒼星石ならそう言うと思っていたですけど…」

ジュン「なんだよ。やりたくないのか?」

翠星石「や、やりたくない訳では…。あっ!そういえば…」

真紅「あら、やりたい場面でも見つかった?」

翠星石「はい、そういえばありました。こうだったらいいなぁっていうのが」

ジュン「どうせ僕やちび苺をこき使ってる場面だろ」

蒼星石「まるで真紅みたいだね」

真紅「蒼星石。どういう意味かしら?」

翠星石「そんなんじゃねぇですぅ!とにかく見ればわかるですよ」

ジュン「確かにな。じゃあ見てみるか」

翠星石「VTRキューですぅ!」

ジュン「これラジオなんだけど…」


―――――
――――――――
―――――――――――

【Rozen Maiden Phase 21】


蒼星石『…………君の…泣き顔は…僕の………鏡の素顔を…見るようで…大嫌いだった…』フオン


真紅 雛苺『『……ローザミスティカ……!!』』

ジュン『……!(あれが…?)』


翠星石『……や……、やぁ…ですッ 蒼…せ……?』

蒼星石『大嫌い…だけ…ど…、誰より…大…好……だ…よ…』ユラ



水銀燈『あはははははははは!!』
 

水銀燈『貰っちゃった。貰っちゃったぁ…。蒼星石のローザミスティカ貰っちゃったぁ』


翠星石『……か…かえして…』

翠星石『返してぇッ!水銀燈…ッ』

水銀燈『やぁよう…これは私の…。ずっとこの時を狙ってたんだもの…』オオオ

水銀燈『うふふふ…、すごいわ…、なんて…気持ちがいいの。…力が…溢れてきちゃう…。ねぇ…よく見て…』

水銀燈『しぃんくゥゥ!!』

真紅『!!』

水銀燈『ジャンクにこんな事できるゥ?』ボボボ!!

真紅『くっ…』

水銀燈『あはははは!片手じゃ受け止めきれないわよォ。ばぁーかッ』

水銀燈『!!』

ジュン『………』ボッ!

真紅 雛苺『『ジュン…!!』』

真紅『ジュン!何をやって……火が…!』


水銀燈『……なんのつもり?人間。お涙頂戴ってわけ…?』

ジュン『……』

ジュン『……もう やめろよ』

水銀燈『…なんですって?』

ジュン『今日のゲームはオマエが勝ちを奪って目的は果たせたんだろ。もうこれ以上こいつらを苛めるな…』

水銀燈『……』

ジュン『どうしてもやりたいなら……』



マイスタージュン『…僕が相手になる』

ドールズ『!!』


―――――――――――
――――――――
―――――


ジュン「だからなんでそうなるんだよ!!せっかくの名場面が台無しじゃないか!」

翠星石「うるせぇですぅ!そもそもお前が早く覚醒すればいい話だったです。
     そうすれば、蒼星石だってローザミスティカを奪われずに済んだはずですぅ」

ジュン「無茶言うなよ!そしてそんな訳あるか!しかもほとんど原作のままだし」

翠星石「いやぁ、今見ても水銀燈の奴はムカつきますねぇ」

ジュン「話をそらすなーーー!!」

ジュン「ぜぇはぁ……、もう訳がわからない…。ローゼンもお前も何考えてんだよ」

翠星石「要するに覚醒するなら、あんなちょびっとじゃなくてもっとババーン!!って覚醒しろって事です」

ジュン「だから無理だって。真紅の腕を繋ぎ合わせたのだってよくわかってなかったんだぞ」

一葉「しかし翠星石の気持ちもわからんではないよ」

元治「確かになぁ。アニメもそうだったが、蒼星石がやられる場面で誰か助けに来てくれたらと私も思ったよ」

一葉「スーパーマンのような存在。人形師ローゼンを継いだジュンくんがあの場面で覚醒していたらと誰もが思っただろう」

翠星石「やっぱりみんな一度は考えますよね!翠星石もそう思ってたですよ」

蒼星石「そうかな?僕はそうは思わない。正々堂々戦って敗れた。それが僕のアリスゲームだったのだから」

真紅「貴女ならそう言うと思っていたわ。私には私のアリスゲームがあるように、みんなそれぞれの闘い方がある」

真紅「水銀燈には水銀燈の。金糸雀には金糸雀の。みんな違うのだわ」

翠星石「うぅ…、それはそうですけどぉ……。…ならこれならどうです?」


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【Rozen Maiden Phase 28~29】


翠星石『夢の扉が開いたです!ジュンは夢を見てるですよ』

雛苺『夢の中のジュンに会いに行くなの?』

真紅『心の樹を整えるだけよ。…行きましょう』

翠星石『きゃっ!み、水です!?』

真紅『無意識の海…?こんな深い所で夢を見ているというの?』

雛苺『ねぇ真紅。ジュンいないよ?』

真紅『おかしいわね。ジュンの意識は感じるのだけど…』

翠星石『まさか…、ジュンは「9秒前の白」にいるのでは…?』

真紅『なんですって?無意識の海の底の底じゃないの。そんな所に行ってしまっては迷子になってしまうわ』

翠星石『そうとしか考えられないです。まる一日眠ってる状態なら迷子になっているのかも…』

雛苺『ヒナたちは「9秒前の白」には行けないの…』

真紅『そうね。流石に無理だわ。とにかく樹を整えに行きましょう』

翠星石『はいです!』

雛苺『りょーかいなの!』


――――――



翠星石『おかしいですね。もうジュンの樹に着いてもいい頃なのに………なっ!!?』

雛苺『あっ!ジュンがいるわ!それにあれは……蒼星石!?』

真紅『なんですって!?』

翠星石『蒼星石ぃ!!』ヒュン!

真紅『待ちなさい!翠星石!』

雛苺『や、やっと追いついたの』

真紅『翠星石、蒼星石とジュンは?』

翠星石『…………見失ったです……』

雛苺『真紅ぅ…、あの蒼星石って…』

真紅『本当にジュンが「9秒前の白」に居たのなら、あの蒼星石は……』




――――――――――――――――――――――――


『第一幕は楽しんで貰えたかな。坊や』

『うん、すごいね。生きてるみたいだった』

『生きている人形も混じっているからね。よく見ていてごらん』


――――――――――――――――――――――――



翠星石『なんです…。今の声……どこかで…』

真紅『この声……ぁぁ…そんな…そんなはずは……!』

雛苺『お父様!?お父様なの!!』

雛苺『お父様ぁ!!』

翠星石『なんですかこの壁は!あっちに行けねぇですぅ!』

真紅『本当にお父様なの…?あぁ…やっぱりお父様の声だわ!』

翠星石『声は聞こえるですのにあっちは気づかないですぅ!』

真紅『これは……過去の残影ね』

雛苺『過去の残影?』

真紅『お父様の近くにいる子を見てごらんなさい。……あれはジュンね』

翠星石『そういえば面影が…!』

雛苺『あれがジュンなの?お父様ジュンにお人形劇を見せてるのよ』

真紅『あの幼いジュンはジュンの記憶? あのジュンが過去のジュンならこれはお父様の記憶なの…?』

真紅『……どちらにせよ、ジュンが近くに居るのは確かだわ』

翠星石『真紅!ジュンはお父様に会ってたですか!?』

真紅『そういう事になるわね』

翠星石『お父様はアリスにしか会わないんじゃなかったですか?』

真紅『それはそうなのだけど…』

雛苺『ジュンはアリスなの?』

真紅『ジュンはドールでもなければ女性でもないわ』

翠星石『ならどうして…』

真紅『………』

雛苺『あのお人形劇…。まるでアリスゲームみたいなの』


――――――



翠星石『きゃあっ!また水が…!』

真紅『みんな!離れてはダメよ!』

雛苺『あっ!ジュンが行っちゃう!それにまた蒼星石がいるの!!』

翠星石『…!! 今度こそ見失わないですぅ!!』

真紅『ダメよ!流されてしまう。今は耐えて…!』

翠星石『うぅぅ~~!!蒼星石…!』



『誰も僕に構わないで 僕を見ないで…』



真紅『ジュンの声…!ジュンはまだここにいるというの?』

 


『……見ないで… 誰もこんな私を見ないで…』




真紅『…水銀燈の声?』

雛苺『真紅!翠星石! あそこ!』




水銀燈『……離して…』

ジュン『君は…嘘……ッ本当は淋しいんだッ 目を逸らして…真実から…』

ジュン『…ない…ッ きみは壊れないッ』

水銀燈『……あなた…ダレ……?』




翠星石『ジュン!!それに水銀燈!?』

雛苺『ど、どういうことなの…?』

真紅『わからないわ。とにかく今はジュンの元へ…!』


翠星石『……蒼星石?』

蒼星石『しっかりするんだ!思い出して!』

ジュン『!?』

蒼星石『君は帰らなくちゃ!大切な人はすぐそこに』

ジュン『えっ?』

真紅『ジュン!』

雛苺『ジューン!帰ってきてー!』

ジュン『だれ…?思い出せない…。思い…出せない……?』


翠星石『蒼星石!!』

蒼星石『蒼星石?それは僕の事かい?』

翠星石『そうです!貴女は私の双子の妹。蒼星石ですぅ!』

蒼星石『そう。僕の名前は蒼星石って言うのか』

翠星石『私と一緒に帰りましょう!さあ、早く!』

蒼星石『残念だけれどそれはできない』

翠星石『………』

蒼星石『なぜかわからないけどわかるんだ。僕は君の所へは行けない』

翠星石『ボディも…ローザミスティカも無いからですね……』

蒼星石『事情はよくわからないけど、僕はもう大丈夫。名前を思い出せたから』

蒼星石『ありがとう、翠星石』

翠星石『ッ!! 翠星石の名前…覚え………蒼星石ぃ…!』グスッ…



真紅『ジュン、早く!早く私の手を掴んで…!』

ジュン『僕の名前はジュン…?思い出せない……思い出せない…』

雛苺『ジュンしっかりするのー!!』

真紅『まだ思い出せないというの?まったく……使えない下僕ね!下僕のくせに主人の名前を忘れるなんて』

ジュン『下僕…?主人…?……きみは一体…』

真紅『さっさと戻らないといばらの鞭でお尻を百たたきだわッ
   それで足りないなら通販グッズは全部雛苺のおもちゃよ
   部屋は翠星石が花だらけに改造するわよ。ジュン!』

ジュン『!?………真紅…?』

真紅『よろしい。思い出したなら帰るわよ』


―――――――――――
――――――――
―――――

 

翠星石「どうです?」

ジュン「……………長い」

翠星石「長いとはなんですか!長いとは!」

真紅「普通に長いわよ」

蒼星石「長いね」

一葉「長いな」

元治「長いのぅ」

翠星石「全員意見が一致!?」ガビーン

ジュン「えっと…、なんでこのシーンを…?」

翠星石「あの時ジュンの見ている夢に入れたらどうだったかなぁってふと思ったですよ。
     それにこれなら覚醒じゃないですからいいと思ったです」

ジュン「いや、それはそうだけど…。ていうか、そもそもあれは夢であって夢じゃないからな」

翠星石「それは知ってますけど、お父様の姿も見れますし水銀燈の弱みも握れて一石二鳥なのです」

ジュン「そういう事か。翠星石の考えそうな事だよ」

翠星石「水銀燈がジュンに抱きついたのは気に入らねぇですけど、状況が状況ですし多めに見てやるですぅ」

真紅「私はあれを見てジュン登りを連想したわ」

ジュン「なんでだよ…」

蒼星石「僕 あの時のことは覚えてないんだ。あとからラプラスに教えてもらって知ってはいるけど」

真紅「そうでしょうね。『9秒前の白』とはそういう所だもの」

元治「今更だが『9秒前の白』とはどんな所なんだい?」

一葉「私も話には聞くのだが…」

蒼星石「誰もが持っている無意識の領域。そのさらに奥深く。
     現実に対して少しだけ後ずさりして立ち止まることが許される場所」

真紅「そんな所ね」

一葉「水銀燈が『ここは暗い』と言っていたが それは…?」

真紅「入り方によっては9秒後の黒にもなるの。
   水銀燈はよほど自分の立ち位置と衣装を気に入っていなかったのね。服を着ていないのがいい証拠よ」

ジュン「あれが水銀燈の本質なんだな。淋しくて仕方ないけど逆の行動を取ってしまう」

真紅「水銀燈の一番知られたくない部分なのでしょうね。……本当に素直じゃないんだから…」

元治「話を戻してしまってすまないね。9秒後の黒とは…?」

真紅「同じ場所でも見方によって全然違う場所になるって意味よ。萩原朔太郎の猫町のようにね」

真紅「ジュンと水銀燈は流されていたけど、あの場所は少しでも行くべき場所が見つかると流されてしまうの」

蒼星石「そう。だから翠星石の思い描いたシーンは有り得ないんだ。意識がはっきりしている者では立ち入る事ができない場所」

ジュン「その前にラプラスの魔が通してくれないだろうけどな」

翠星石「だから意識的に『9秒前の白』に行く想像ってだけですぅ!」




蒼星石「さて、次は僕の番だ。早速始めよう。準備はいいかい?ジュンくん」

ジュン「あぁ、いいぞ」

真紅「貴女がどんな事を考えていたのか個人的に興味があるわ」

翠星石「う~ん…、蒼星石はこういう企画は興味ないと思ってたですけど…」

蒼星石「そんな事ないさ。じゃあ始めるよ」

 
―――――
――――――――
―――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 36】


ジュン『……(は―――もう…、やっと日曜ってのに学校なんて…。ってか勝手に教室入って怒られないかな…)』

翠星石『ね…ねぇ、ジュン。二人きりですね…』

ジュン『それはさっきも聞いたよ…』

翠星石『す…翠星石は今何考えてると思います?』

ジュン『知らないよ、もう…』

翠星石『当ててみてくださいです』

ジュン『えー…、…じゃあ…、誰かに見られたらどうしよう…とか?』

翠星石『ですっ!?』ビクッ

ジュン『…ん?なんだよ今の』

翠星石『なっ、なんでもない気にすんなですッでありますッ』

ジュン『…っとに…』ハーー…

翠星石『……』ドキドキ


――――――

ジュン『なぁ、もう帰らないか?』

翠星石『まだですッ!来たばっかじゃないですかーっ!』

ジュン『そんな事言ってもなぁ………んっ?…う…うそだろ…、本当に誰か来るぞ…!』

翠星石『へ…』

ジュン『翠星石!』

翠星石『はっ、はいッ!?』

ジュン『隠れるぞ!』

翠星石『あわわ…!ど、どこに隠れたら……そうです!カーテンのカゲに…!』

ジュン『わかったッ!掴まれ!』ガシッ

翠星石『ですッ!』


――――――

ジュン『ふぅ…、行ったか…。もう大丈夫そうだぞ。翠星石』

翠星石『……』

ジュン『…翠星石?』

翠星石『か、顔……近っ…///』

ジュン『! ご、ごめん』バッ

翠星石『い、いいです!このまま抱っこしていてくださいです。それより、あの人間たちは何をしてるです?』

ジュン『来るときにも見ただろ?あれは野球部が………翠星石…?』

翠星石『顔…近いですよね……』

ジュン『う、うん…』

翠星石『こ、このまま近づいたら……翠星石たちは…』

ジュン『……!///』カァァ

翠星石『ジュン…。ジュンはここに来るためにいっぱい戦ったです。…翠星石はそんなジュンの事が…』

ジュン『す、翠星石…』

翠星石『ジュン…』ウルウル









『『』』




―――――――――――
――――――――
―――――
 

ジュン「」

翠星石「」



蒼星石「こんな所かな」

真紅「あなた全然出てこないじゃないの。それに、なんでジュンと翠星石がキスするのよ。あの流れはおかしいのだわ」

蒼星石「こうだったら面白いかなって思ってね。僕もああいうのはよくわからないけど、短くまとめられたんじゃないかな」

真紅「そうではなくて!なぜこの真紅ではなくて翠星石なの?」

蒼星石「だってあの場面は翠星石の場面じゃないか。僕たちは家に居たから」

真紅「……………納得いかないのだわ…」


元治「蒼星石や。なぜこの場面を…?」

蒼星石「翠星石がこうしてみたいと思っていたからです」

一葉「いや、人の色恋沙汰に干渉するのはまずいのでは…」

真紅「そうね。あの二人も心ここにあらずなようだし」

蒼星石「えっ?そうなのかい?翠星石、ジュンくん」


ジュン「」

翠星石「」


蒼星石「本当だ。微動だにしない」

ジュン「」

翠星石「」

ジュン「はっ!」

翠星石「ですッ!」

蒼星石「あっ、起きた」

ジュン「カーテン……姉ちゃんの少女漫画………ああッ!そういう事だったのか!」

翠星石「きゃあああああああ!!!!蒼星石ィィィィイイイイイイ!!!!!な、なんてことするですかぁぁ!!!!」

蒼星石「あんな感じでよかったかな?」

翠星石「よかったも何もねぇですぅ!!!うあああああああああ!!!!!!///」

ジュン「あ、あの……翠星石…さん?」

翠星石「! わ、忘れろですッ!ボコられて忘れてしまえですぅ!!」ポカポカッ!

ジュン「い、いててっ…!やめろってば……僕も恥ずかしかったんだぞ…」

翠星石「ふぇぇぇん!蒼星石が…蒼星石がまた意地悪したですぅ!」ウェェェン!

真紅「よしよし。さすがに今回のは感心しないわよ。蒼星石」

蒼星石「僕は良かれと思って…」

蒼星石「さっきのお便りの時も翠星石 元気がなかったじゃないか。だから元気が出たらいいなって思って…」

真紅「気持ちはわかるけど、この場合は藪蛇でしかないわよ」

蒼星石「そ、そうなの?………ごめん、翠星石。ごめん、ジュンくん」

ジュン「う、うん…」

翠星石「うぅ……、もういいです…。でも、翠星石の秘めたる想いがジュンに…」

ジュン「翠星石…。ぶっちゃけた話、そういう気持ちはちょっと伝わってたというか……」

翠星石「え゛」

真紅「ドールとマスターですもの。そんな強い気持ちは読まれて当然なのだわ」

翠星石「ほあああああああ!!?」

一葉「マスターの方がドールの心を読む事もあるのか?」

蒼星石「普通はない。だけどあんなに強い気持ちなら伝わってしまうかも」

元治「なるほどのぅ」


ジュン「その……悪くないとは思ってたよ…」

翠星石「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!もしくは○ねですぅ!」ポカポカッ!

ジュン「ちょっと待て!それは放送コードに引っかかるぞ!」

翠星石「知らんです!この…チビ人間のアンポンタン!」ベー

ジュン「な、なんだと!この性悪人形!」



蒼星石「僕のせいでケンカが始まっちゃった…」

真紅「微笑ましいからいいのだわ」

一葉「うむ、見ていてほのぼのする」

元治「癒されますなぁ」

ジュン「よく考えたらこれ放送してるじゃん…。あぁぁ…、なんてことだよ…」

翠星石「へっへーんだ!翠星石ばかり恥ずかしい思いをさせるからそういう目に合うです。でも、これで晴れて公認の仲に…」チラッ

ジュン「人形好きの変態だと思われたらどうしよう…」

翠星石「聞けですッ!」

真紅「大丈夫よ、ジュン。みっちゃんさんも同じ類いなのだわ」

蒼星石「フォローになってないよ。真紅」


――――――



真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


ジュン「自分の活躍や新連載はこんな感じかなって意見をゲストから聞いていくんだ」

真紅「そういうことよ。そんな訳だから4人とも何か話して頂戴」

翠星石「丸投げですぅ…」

一葉「過去の話だったな。私は契約するまでローゼンメイデンの存在を知らなかったのだ。だから、同じく契約した人間との話をするのではないか?」

元治「私も同意見かのぅ。私らに想像できるのはそのくらいとしか…」

蒼星石「確かにその辺の事をやるかもしれない」

蒼星石「僕たちの過去編なら少し明かされてたよね」

翠星石「レオシュたちとのお話しですね」

蒼星石「うん。水銀燈に襲われたり、当時のマスターが皇帝の座を奪われてしまったり」

翠星石「あー…、懐かしいですねぇ」

ジュン「僕もその話は聞いたよ。あれって結局どうなったんだ?」

翠星石「おぉっと!それはネタバレだから言わないですぅ。漫画になった時に怒られちゃうですからね」

ジュン「誰にだよ…」

真紅「漫画になるのかしら…?」

蒼星石「………」

翠星石「んっ?蒼星石どうしたです?」

蒼星石「なんでもない。ただ、ツヴィリンゲと言ったらマスターと契約した時を思い出すんだ」

一葉「ほう!私との時かね」

蒼星石「そう。あの時衣装のとりかえっこをして僕怒ったでしょ?」

翠星石「あれは……悪かったですぅ…」

蒼星石「そしたら翠星石が出て行って、ジュンくん家で真紅と雛苺を味方にしてたよね」

翠星石「ラプラスの魔にそのシーンを見せてもらったって言ってましたもんね」

蒼星石「うん。…飼い犬に手を噛まれた気分だったなぁ」シミジミ

翠星石「飼い犬!?」

翠星石「犬!?蒼星石にとっての翠星石は犬ですか!?」

蒼星石「だってすぐ抱きついてくるし。ちなみに真紅は飼い猫のイメージだよ」

真紅「ちょっと!!それは心外すぎるわよ!」

翠星石「犬……犬って……」

蒼星石「もちろん冗談だよ。きみは僕の自慢の姉さ」

翠星石「そ、蒼星石ィ…!信じてたですよ~~!」ダキッ

ジュン「ホントだ。すぐ抱きついた」

真紅「今日はS星石っぷりが多いわね」

一葉「ははは、蒼星石の新たな一面を見られて良かったよ」

元治「最後には仲睦まじいのもポイントですな」



翠星石「う~ん…あとは、他にもいろいろ大冒険したですけど 何をピックアップしていくですかね?」

蒼星石「僕たちはずっと一緒にいたからね。僕たちの過去編をやるなら二人一緒の物語なのは間違いないよ」

ジュン「なるほどな。あとは箱庭の事とか」

翠星石「箱庭でもずっと一緒だったですからねぇ」

蒼星石「あまり代わり映えしないね」

真紅「安定の仲の良さなのだわ」

ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである翠星石、蒼星石、結菱さん、柴崎さんお疲れ様」

蒼星石「今日は楽しかったよ」

一葉「たまにはこういうのも悪くないな」

元治「時間があっという間に過ぎていったよ」

翠星石「ジュン!真紅!また翠星石たちを誘うですよ」

ジュン「そんなにラジオ長くやらないよ」

真紅「ふふ、それでも二週目いくかもしれないわよ?」

ジュン「勘弁してくれ…」


ジュン「あと、このラジオは不定期だからまたネットで放送日を掲載するよ」

真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

翠星石「第3ドール翠星石ですぅ!」

蒼星石「蒼星石」

一葉「結菱一葉だ」

元治「柴崎元治です」

ジュン「そして、桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第5回目】END
 

今日はここまで。続きは今夜投下します。

今のところ本編は11話の予定です。
それでは投下します。

真紅「お花の飾り付はこうかしら?いいえ、もっと右に」

ジュン「なんだ真紅。今日はスタジオ入り早いじゃないか」

真紅「当たり前よ。今日は一番素晴らしい回になるのだから」

ジュン「えっ?なんで?」

真紅「ゲストよ。なんとあのスーパースターがゲストに来てくれたのだわ!」

ジュン「スーパースター?他のももたねワールドの人か?」

真紅「違うわよ!いいから紅茶入れてきなさい。他のスタッフではなくて貴方がちゃんと淹れるのよ」

ジュン「なんで僕が…」

真紅「いいから!あと高級ケーキも用意しておくこと。そろそろ本番だから早くね」

ジュン「わかったよ……しょうがないなぁ…」

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第6回目】


真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


真紅「第回6目始まりました。今日も喋っていきたいと思います」

ジュン「なぁ、真紅。ちょっと聞いていいか」

真紅「なによ」

ジュン「ここの飾り付けって真紅がやったのか?」

真紅「そうよ。素晴らしいでしょう」フフン

ジュン「すごいっちゃすごいけどさ…。少し邪魔じゃないか?」

真紅「そんな事ないわ。ほら、ゲストの席はとても快適そうでしょ」

ジュン「全体的にだって!それよりこの飾り付け…今日のゲストってまさか…」

真紅「えぇ、そのまさかよ。時間も惜しいからもう呼びましょう。さ、さあ、呼ぶわよ」ドキドキ

ジュン「めっちゃ緊張してる…」

真紅「ジュン、黙りなさい。……コホン…いくわよ、くんくーーん!」

くんくん「やあ!真紅ちゃん、ジュンくん。今日はよろしーくんくん!」

真紅「あぁッ…、こんにちは。はじめまして、はじめまして…くんくん!」

ジュン「なっ!?……えっ?えっ?」

真紅「ジュン!気持ちはわかるけど落ち着きなさい。私達はパーソナリティなのよ。ファン魂を落ち着かせなさい。いいこと?深呼吸をしてから…」

ジュン「違うから!ファンだから挙動不審になってた訳じゃないから!」

真紅「何を言ってるの?いいからくんくんにご挨拶しなさい」

ジュン「こんにちは。いつも楽しく拝見してます……じゃなくて!くんくん!お前どうやって動いてるんだ!?」

くんくん「僕はいつだって正義の心で動いてるんだ!」

ジュン「そうじゃなくて…!中の人は!?津○井さんはどこだよ!」

真紅「ジュン!失礼よ。それに、ニャン○ゅうの人がどうかしたの?」

ジュン「お前だっていつもエンディングクレジット見てるだろ!これはおかしいよ!ぬいぐるみから声出てるし!」

くんくん「ははぁん!なるほど。ジュンくんが何故驚いてるのかわかったぞ」

真紅「ほ、本当ですか!?」ゴクリッ…

くんくん「うん。ジュンくんは僕がローゼンメイデンみたいに勝手に動いてるのに驚いたのさ!」

真紅「なるほど…流石です。でも今さら何故驚いたのかしら?」

くんくん「僕みたいなケースは珍しいからね。僕は正義の心が強くてこうして探偵になることができたのさ」

真紅「まぁ!素敵すぎですわ」

くんくん「真紅ちゃんにそう言ってもらえると照れちゃうな」

ジュン「なぁ、くんくん。マイクとか仕込んでないか見てもいいか?」

くんくん「大丈夫!盗聴器なんて仕込まれていないよ。確認したからね」

ジュン「そ、そう…。もういいや…」

真紅「改めましてご紹介いたします。本日のゲストはあの人気番組。
   『たんてい犬くんくん』より主人公の名探偵、探偵犬くんくんが来てくれました!」

くんくん「改めまして、こんにちは。僕はくんくん。けちな探偵さ」


< パチパチパチパチパチ!!


ジュン「おわっ!?なんだこの…拍手SE?」

真紅「くんくんがいるのだもの、当然よ。それにしてもなんてカッコイイの…。あぁ、くんくん」

ジュン「見とれすぎだろ。…ところで、くんくんは『ローゼンメイデン』の作品を知ってるのか?」

くんくん「もちろんだよ!熱く激しいドール達の生き様。僕も人形だからよく愛読してるんだ」

真紅「おぉなんて事…!くんくんが私達の物語を見ていたなんて…」

ジュン「そうじゃなきゃここに呼ばれないよな」

真紅「そ、そうよね。あぁ……、色んな質問をしたい…!」

ジュン「それはふつおたの間でもいいだろ。リスナーからもお便り来てるんじゃないか?」

真紅「そうだったわ。私個人の質問はラジオの後にして、お便りを読んでいきましょうか」

くんくん「うん、それがいいね。僕もわくわくしてきたよ」

ジュン「ラジオのあとって…」


真紅「では、いつも通りやっていきましょう。…ジュン」

ジュン「おっけ。このラジオでは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅とくんくんが直々にお答えするわ」

ジュン「いや、僕も答えるんだけど」

真紅「それより見て頂戴。今日はお便りが8通もあるわ」

ジュン「8通!?」

ジュン「さすがくんくんだな。でも、この短い時間に全部読めるかな?」

真紅「見たところ似たような内容もあるからそれは合わせて読んでいくわ」

くんくん「そうだね。せっかくお手紙を書いてくれたんだ。ちゃんと読みたいよ」

真紅「さすがくんくん。ではいきます。R.N.いちごだいすきさんから。二回目ね、ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『じゅん、しんく、そしてくんくんこんにちわ!
    ひなはくんくんのてれびをまいにちみてるの。
    くんくんはとってもかっこよくてかしこくてやさしくて、じぇんとるまんなのよ!
    そんなくんくんにしつもんなの。くんくんはどんなたべものがすきなの?
    ひなはいちごさんやうにゅーがすきです。』……くんくんの前で恥ずかしい…」


くんくん「そんな事ないよ。真紅ちゃんとっても可愛かったよ」

真紅「///」カァァ

ジュン「おっ、名が体をあらわしてるぞ」

真紅「や、やめて頂戴。こちらも似たような質問よ。
    R.N.翠の庭師さんから。こちらも二回目よ、ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『ジュン、真紅、くんくんこんにちはです。
    くんくんに質問なのですが、くんくんはどんなお料理が好きですか。
    男の子だったらコレって言う品を教えてください。』……どちらも食べ物関係ね」

ジュン「食べ物かぁ。食べ物……くんくんってご飯食べられるのか?」

くんくん「食べられるよ。好きな食べ物だよね。男の子なら…かぁ」フゥム

くんくん「僕は犬だからね。やっぱりお肉が好きだよ。特に好きなのはビーフかな。
     でも苺も好きなんだ。いちごだいすきさんと一緒にお食事できたら楽しいだろうなぁ」

くんくん「それから翠の庭師さん。君が頑張って作った食べ物なら君の好きな人も喜んで食べてくれると思うよ。僕も応援してるからね!」

真紅「くんくん…!なぜそのことを!?」

くんくん「僕はローゼンメイデンの大ファンなんだ。ラジオも最初から聞いてたんだよ」

真紅「な、なんて光栄なの…。私のファンだってくんくんが…!」

ジュン「真紅フィルターで自分のファンだと思い込んでるよこれ…」

真紅「それでは続けて読んでいくわ。R.N.黄色の策士さんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『ジュン、真紅、くんくん こんにちは。いつも楽しく聞いてるかしら。
    くんくんにお聞きしたいのですが、くんくんはどうやってそれほどの推理力を手に入れたのですか。
    よかったら、参考までに教えてくださいかしら』……ふむ、まだまだいくわよ」


真紅「R.N.蒼の庭師さんからのお便り。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『ジュンくん、真紅、くんくん、こんにちは。
    僕には悩みがあります。僕は一人で考え込んでしまうと自家中毒を起こしてしまうんです。
    どうしたらくんくんのように冷静でいられるでしょうか。』………なるほど」


真紅「この二つのお便りの内容は私も興味が尽きないわ。どうなのでしょう、くんくん」

くんくん「うん、答えていくよ。まずは黄色の策士さんから」

くんくん「推理力を上げるって言うと難しく考えちゃうかもしれないけど、要は犯人の身になって事件を考えていくんだ」

真紅「犯人の身になって…?」

くんくん「僕が犯人なら恐らくこうするかな。じゃあ、証拠の処分はどうしようか?って想像していくんだ」

ジュン「犯人の身になるか。面白いな」

くんくん「でも、この捜査方法は注意点があるんだよ」

ジュン「注意点?」

くんくん「犯人に同調しすぎないこと」

くんくん「犯人を理解すれば捜査は一気に進展するよ。でも、犯人の心理に共感してしまったら…」

真紅「た、探偵自身が犯罪者に近くなってしまう…?」

くんくん「そう!だから僕たちは犯人の目線で捜査し、けれど犯人から一歩引いた場所から犯罪を暴いていくんだ」

ジュン「理解はしても共感はしてはいけない…か。あの人形劇ってそんなにシリアスだったのか…」

真紅「シリアスなのは一期と四期以降なのだわ」

くんくん「あとは本を読むことかな。物語を読むことで考えの幅が広がるから、色んな予想ができるようになるよ。特にミステリー小説はオススメさ」

真紅「くんくんはどんなミステリー小説をお読みしているのですか?」

くんくん「僕の愛読書はシャーロック・ホームズだ。彼の推理を真似して自信をつけたものだよ」

真紅「まぁ!私もとっても好きですわ。私がミステリーにハマったのはホームズからなんです。こんな共通点があったなんて…」

くんくん「さすが真紅ちゃん。シャーロック・ホームズにかけては真紅ちゃんの方が先輩だったね」

真紅「い、いやですわそんな先輩だなんて。今まで通り真紅とお呼びください」

くんくん「真紅ちゃん」

真紅「あぁ…、くんくん」


ジュン「なんだこれ…。おーい、くんくーん。蒼の庭師さんからのお便りはいいのか?」

くんくん「そ、そうだったね。ごめんよ、ジュンくん…」

真紅「もぅっ!せっかく良い雰囲気だったのに…」

くんくん「蒼の庭師さんはどうしたら冷静でいられるか…だったね」

ジュン「冷静か。これってどんな時でも必要だよな」

真紅「そうね。人生の中ではじっと耐え忍びチャンスを待つことも必要よ」

くんくん「二人の言う通りさ。それでも、どうしても心が熱くなってしまったり、怖くてパニックになってしまう時もあるよね」

くんくん「僕も怪盗キャットのアジトに潜入した時に落とし穴にハマってしまってね。もうダメかもって思った時があるんだ」

真紅「もしかして3期27話のお話かしら?」

くんくん「さすが真紅ちゃん!アニメシリーズの頃のお話しだね。
     あの時は冷静でいたから良かったけど、もしパニックになっていたら大変な事になっていたかもしれない」

ジュン「ふーん、それでどうやって冷静でいられたんだ?」

くんくん「気持ちの切り替えだね」

ジュン「気持ちの切り替え?」

くんくん「そうだよ。落ちちゃったものは仕方がない。だから生き残るために冷静に回りを分析すること」

真紅「焦った者から○んでいくのね」

ジュン「なにそれ…こわっ」

くんくん「そして脱出するために今度は考えの切り替えだ」

真紅「切り替え…。たしかあの時は穴を掘って脱出したのよね」

ジュン「それってどうなんだ?逆の発想すぎるだろ…」

くんくん「そう!逆に考えるんだ。あげちゃってもいいさ、と考えるんだ。ある偉い人の言葉だよ」

ジュン「偉い人…」

くんくん「この場合は、登れないのなら下に掘り進めちゃえばいいさって考えるんだ」

ジュン「でもさ、それだと脱出できなくないか?」

くんくん「普通はそうだよね。だがそこは怪盗キャットのアジト。地下がある事も事前に掴んでいたんだ」

真紅「流石くんくん。惚れ惚れするのだわ!」

くんくん「そ、そうかな?」テレテレ


くんくん「そんな訳で、蒼の庭師さんも逆の発想をしてみるのもいいかもしれないよ」



真紅「続いては、R.N.幻想世界の第8ドールさんからね。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『ジュンさん、真紅お姉様、くんくんさん、こんにちは。
    私は探偵犬くんくんを観た事がないのですが、どのシリーズから観た方がいいでしょうか。
    是非教えてほしいんだから!』………もちろん全部よ!」

真紅「くんくんを見ていない人が居ただなんて…!布教用のDVDを第1シリーズから貸すのだわ!だからちゃん観ておきなさい」

ジュン「全部見るのは大変じゃないか?…くんくんはどう思う?」

くんくん「うん。幻想世界の第8ドールさん、僕の活躍に興味を持ってくれてありがとう」

くんくん「好みにもよると思うけど、ほのぼのした感じが好きなら二期か三期がオススメだよ。
     他のシリーズはけっこう本格的だから興味があったら見てみてよ」

ジュン「なるほど。真紅はどっちが好きなんだ?」

真紅「人形劇の方よ。本格的なミステリーでいつも引き込まれるのだわ。特に四期には思い入れがあるわね」

真紅「もちろんアニメの方も面白いわ。二期と三期は雛苺と翠星石も好きで今でも再放送をやっているほどだもの。しかもこの再放送が―――…」

ジュン「わかった!もうわかったから!大体わかったよ」

真紅「あら、まだ話し足りないのだけれど」

ジュン「それより次のお便りを読まないと」

真紅「そういえばそうね」

真紅「続いてのお便りはR.N.白い茨の乙女さんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『ジュン様、真紅お姉様、くんくん様、こんにちは。
    質問なのですが、くんくん様はドールのマスターになるとしたらどのドールがいいですか。
    是非教えてください。』……これはとっても気になるわね」


真紅「続いて、R.N.紫の水晶さんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『こんにちは。くんくんだったらどんな風にアリスゲームで戦っていきますか。教えて。』………くんくんがアリスゲームをしたらってことかしら?」


ジュン「くんくんがアリスゲームしたら知力戦になりそうだな」

くんくん「その前に僕 男なんだけど…」

ジュン「もしもの話だよ。僕も気になるから教えてほしいかな」

くんくん「う~ん…、これは難しいぞ」

くんくん「真紅ちゃん達でさえずっと悩んできた事だからね。僕だったら……」

真紅「くんくんだったら…!」


くんくん「…………戦わない…かな…」

真紅「戦わない…?」

くんくん「うん。いくら生みの親の願いだとしても、罪もない兄弟姉妹を傷つけることなんて僕にはできない」

くんくん「僕なら、アリスゲームの本質を理解するまで逃げ回るんじゃないかな」

真紅「もしも…、アリスゲームの本質が相手を傷つける事だったら…?」

くんくん「ローゼンさんに逆うかもしれないね。こんな事言ったら水銀燈さんに怒られちゃうな…」

ジュン「要するに真紅と同じってことだろ。自分のアリスゲームを模索して足掻くってまさにソレじゃないか」

真紅「……少し違うわ。私は戦ってしまったもの。ローザミスティカを奪わなかっただけ」

くんくん「真紅ちゃんも雛苺ちゃんを傷つけた訳じゃないじゃないか。むしろ助けに行ったんだよね」

ジュン「そうだよ。傷つけてないんだから くんくんと同じ考えじゃないか」

真紅「そうなのかしら?……そうだといいわ」

くんくん「それに僕は逃げ回るって言ったけど、別に闘わないとは言ってないよ。
     精一杯生きる。生きるって闘うことだもんね」

真紅「! く、くんくん…」

くんくん「どんな状況でも必ずチャンスは巡ってくるものさ。捜査でも同じことが言えるよ!」

ジュン「要は考えようってことか」


くんくん「そんな訳で、紫の水晶さん。参考にならないかもしれないけど、僕の闘い方はこんな感じだよ」

くんくん「次は白い茨の乙女さんの質問だね。
     マスターになるとしたらどのドール…か。これは難しいなぁ」ウムム…

ジュン「くんくんメッチャ悩んでるぞ」

真紅「ジュン、静かに」

くんくん「むむむ……」ウーン…

真紅「………」ドキドキ

くんくん「正直、どのドールのマスターになれても光栄だよ。でも、強いて挙げるなら…」

真紅「挙げるなら…!」

くんくん「真紅ちゃんかな」※

真紅「きゃーーッ!!!!本当!?くんくん本当なの!?」

くんくん「これは本当に迷ったよ。『決められない』が無しなら真紅ちゃんだよ」

ジュン「ちなみに真紅のどこがいいと思ったんだ?」

くんくん「知的で聡明。そして気高い所だよ」

くんくん「あと趣味が似通ってる所もいいな。真紅ちゃんとならずっと紅茶やミステリー小説の話ができそうだ」

ジュン「紅茶って……こっちはただのお茶くみ係だぞ」

真紅「ジュン!少し黙りなさい」

くんくん「それでもいいんだ。真紅ちゃんとお茶ができるなら僕は喜んでその役目を全うするよ」

真紅「あぁ…、なんて紳士なの。くんくん…」

ジュン「くんくんってMだったのか…?」


くんくん「…とは言っても、こればっかりは話をしてみないとわからない事もあると思う」

くんくん「だから、薔薇乙女のみんなとお話したなぁって思ってるよ」



※…Rozen Maiden Kunstwerkインタビュー
 

真紅「ふぅ、やっと最後のお便りね。R.N.逆十字の乙女さんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

くんくん「ありがとね!」


真紅「『くんくんは、くんくん人形を利用する冷酷な第1ドールとくんくんファンの第1ドールならどっちが好き?』………水銀燈のことね」


ジュン「これってドラマCD版の水銀燈とアニメ版の水銀燈ってことかな?」

真紅「たぶんそうね。能○麻美子水銀燈vs田中○恵水銀燈ってとこかしら」

ジュン「どっちも違った良さがあるから比べる必要なんてないと思うけどな」

くんくん「ジュンくんの言う通りだね。アリスゲームに手段を選ばないストイックさと飄々とした余裕のある彼女」

くんくん「僕のファンだと言ってくれて、可愛らしさと時折見せる優しさを持つ彼女。どっちも素敵だと思うよ」

ジュン「詳しいな。くんくん」

くんくん「僕も彼女たちのファンだからね。これくらい当然さ」


真紅「少し気に入らないけど…、たしかに水銀燈にも良さはあるのだわ」

ジュン「へぇ、どんな所だ?」

真紅「ああ見えて紅茶を見る目は確かなのよ。よく一緒にお茶をしたものだわ」

ジュン「今でも僕の家でお茶会してるじゃないか」

真紅「ふふ、そうね。まさかまたあの子とお茶会ができるとは思わなかったわ」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーはローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


真紅「もしもの話よ。それをゲストから聞いていく形なの」

くんくん「なるほどぉ。もしもこうだったらって事かぁ」

ジュン「どんな事でもいいぞ。っていうか、そうでもしないと絡めないだろうし」

くんくん「ゲーム特典のお話しでもいいのかな?」

ジュン「もちろん構わないけど」

くんくん「なら、こんなのはどうだい?」


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【くんくん探偵 ドゥエルヴァルツァ短編アニメ】


くんくん『犯人は貴方だ!ネコ警部!』

ネコ警部『!!?』

アザラシ男爵『な、何を言ってるんだね!ネコ警部が犯人なわけないじゃないですか』

くんくん『考えてもみてください。あの暗闇で宝石を奪えるのは夜目が効くネコだけです』

ラビット婦人『そ、そんな…!なぜ正義の味方のネコ警部が泥棒なんかに…!?』

くんくん『騙されてはいけませんよ。ラビット婦人』

くんくん『正体を表したらどうだ!偽物のネコ警部…いや、泥棒キャット!』

ラビット婦人 アザラシ男爵『『ど、泥棒キャット!!?』』

ネコ警部『な、何を言ってるんだね!くんくん君!』

くんくん『泥棒の腕は一流でもその目は二流のようだな』

くんくん『僕の親友であるネコ警部は要切りのたばこしか吸わないのさ』

ネコ警部?『…! なるほど、バレては仕方ない』

泥棒キャット『よくぞ見破ったな。くんくん』

アザラシ男爵『ま、まさか…本当に泥棒キャットだとは…!』

泥棒キャット『ふふ、だがこれでいい。宝石は私の手の中だ』

くんくん『だから二流だと言っているんだ。その手の宝石をよく見てみろ』

泥棒キャット『……? なっ!?これは……青い銀紙のチョコレート…だと…?』

くんくん『年貢の納め時だな』

泥棒キャット『くそぉっ!覚えてろにゃー!』

くんくん『逃がさないぞ!真紅ちゃん!』

真紅『ローズテイル!!』

泥棒キャット『な、何者!?ぐわぁ!!』

泥棒キャット『く、くそぅ…!』


ネコ警部『まさか私に変装していただなんて…。お手柄だぞ!くんくん君』

くんくん『僕は何も…。こちらにいる真紅ちゃんが捕まえてくれたんです』

ネコ警部『ほう!このお嬢さんは一体…?』

真紅『はじめまして。くんくんの助手の真紅よ』

ネコ警部『助手か…!こんな綺麗な助手がいてくんくん君が羨ましいな』

くんくん『よ、よしてくださいよ!ネコ警部』

真紅『まぁ!くんくんったら照れちゃって』ウフフ

くんくん『もぅっ、真紅ちゃんったら』アハハ


―――――――――――
――――――――
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真紅「わ、私がくんくんの助手…!?夢のようだわ…!」

くんくん「助手と言ってもすぐ僕を追い越して一人前の探偵になっちゃうんじゃないかな」

真紅「そんな事は…。私はずっとくんくんの助手ですわ」

ジュン「あれ?話は変わるけど、真紅って猫は嫌いなんじゃなかったっけ?」

真紅「ドールの猫は別よ」

真紅「話を戻します。助手といえば、第5シーズンから弟子入りしたケンケンなのだけれど―――…」

くんくん「彼も優秀だよ。この間の事件では――――…」


ジュン「うわっ、コアな話になってきた…。これ聞いてる人わからないだろ…」

真紅「ふふ、くんくんといっぱいお話したわ」

ジュン「もういいから次のコーナーいくぞ」

真紅「あら、もうそんな時間なのね。では移りましょうか」



真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


ジュン「くんくんはどんな感じになると思う?」

くんくん「今までラジオを聞いてる限りだと、みんなの予想は大きく分けて3つだね」

くんくん「ローゼンさんが人間だった頃、始まりの箱庭、そしてドールズが箱庭を旅立った後のお話し」

ジュン「だな。今のところ旅立った後の予想が一番多い感じだ」

くんくん「僕としても0-ゼロ-というタイトルは気になるな。『薔薇乙女たちの知られざる真実』っていうくらいだから度肝を抜く展開かも」

ジュン「静かな物語だから案外ひっそりして優雅な感じかもしれないぞ?」

くんくん「十分有り得るね。それで僕の予想だけど、真紅ちゃんが最初の描写を飾ると思うんだ」

ジュン「まぁ王道だよな」

くんくん「問題は箱庭からか旅立った後なのかだけど、僕は現代からだと考えてる」

ジュン「現代からだとすると僕も出るかもしれないな」

真紅「そうね。たしかに今でも箱庭の事を思い出すもの。回想みたいに入るのかしら?」

くんくん「ただ、小説版と同じ入り方をするのか少し疑問なんだ。それとも、0 -ゼロ-だけあって真紅ちゃんが生まれて間もない頃とか」

ジュン「確証がなさ過ぎてブレてきたな」

真紅「生まれたばかりの話は恥ずかしいのだわ」

くんくん「とにかく!僕もファンとして楽しみにしてるって事さ」

ジュン「見てからのお楽しみって事か」

真紅「2/19が待ち遠しいわね」




ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである、くんくん。本当にお疲れ様でした」

くんくん「いやぁ、楽しくてあっという間だったよ」

真紅「そう言って頂けて何よりです」

くんくん「引き続きラジオを聞くよ。僕も応援してるからね」

真紅「はい…!頑張ります!お便りとか送ってくださると嬉しいですわ」

ジュン「不定期だからまたネットで放送日を掲載するよ」


真紅「では、名残惜しいけれど……お相手は第5ドール真紅と」

くんくん「くんくんと!」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第6回目】END
 

今日はここまでです。

投下していきます。

ジュン「……」カチャカチャ

真紅「あら早いのね。ジュン」

ジュン「ん、今日は雛苺が来る日だろ。また泣かれちゃ困るから色々用意してるだけだよ」

真紅「それは感心ね。さすがこの真紅の下僕だけはあるわ」

ジュン「はいはいっと。苺ジャムにお茶請けの苺大福と…」

真紅「今日はケーキではないのね。まぁたまにはケーキ以外もいいけれど」

ジュン「なぁ、見てるだけなら手伝えよな」

真紅「嫌よ。なぜ私が手伝わないといけないの?」

ジュン「前回は率先して支度をしてたってのに…」ブツブツ

真紅「苺大福に苺ジャムのロシアンティー……苺尽くしね」

ジュン「まぁな」

真紅「ふふ、あの子の喜ぶ顔が目に浮かぶわ」

ジュン「…………ふんっ」

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第7回目】


真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


ジュン「第7回目も始まりました。今日も喋っていきたいと思います」

真紅「それではゲストを呼んでみましょう。どうぞ」


雛苺「わぁい!真紅!ジュン!さっきぶりなのー!」

巴「こんにちは。桜田くん、真紅」

オディール「ボンジュール、呼んでくれてありがとう。ジュン、真紅」


ジュン「わっと!雛苺!こんな所でも僕登りはやめてくれよ」

雛苺「いいんだもーん!さっきスタッフさんがヒナの服にマイク付けてくれたのよ。これでどこでもOKなのー!」

ジュン「いつの間に…」

真紅「雛苺は一緒の家だし、巴も時々家に来る。オディールもこの間うちに来たわね」

オディール「うん、また会えて嬉しかった」

真紅「私もよ。たしかあの時は…剣道に興味があると言っていたわね」

オディール「そうなの。トモエに教えてもらってて今日本に滞在しているの」

ジュン「そういえば言ってたな。うちに顔を出した日から雛苺が会いたい会いたいって言ってうるさかったよ」

雛苺「だって早くトモエとオディールと遊びたかったんだもん。だから最近とっても楽しいのよ」

オディール「うふふ、いっぱい遊んでるもんね」

雛苺「そうなの!ヒナたち仲良し姉妹みたいね」

巴「雛苺ったら」ウフフ



ジュン「なんだろう…?ほのぼのするのになんか居づらい」

真紅「男女比1:4だもの。いつも通りにしてればいいわ」

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」


雛苺「あっ!これヒナもお手紙出したことあるわ!くんくんに質問したのよ」

ジュン「あー…、やっぱりあれ雛苺だったのか」

雛苺「うん!くんくんと一緒に苺食べるって約束したのよ」エヘヘ

巴「良かったね。雛苺」

オディール「くんくんって日本でも有名なのね」

雛苺「うん!あっ、すごい!苺がいっぱいあるのよ!うにゅーも!みんなで食べましょ」

真紅「それを用意したのはジュンよ」

雛苺「ほんとう!?」

ジュン「欲しがると思ったから…」

雛苺「ジュン!ありがとなの!大好きよ」エヘヘ

ジュン「……………じゃなくって!食べながらでもいいからふつおたやるぞ」

真紅「そうだったわね。ではいくわよ」

ジュン「R.N.白い茨の乙女さんからだ。ありがとな」

真紅「ありがとう」

雛苺「ありがとなのー!」


ジュン「『皆様こんにちは。いつも楽しく聞いています。
     オディールに質問なのですが、その後学業などはいかがでしょうか。
     眠っている間に勉強内容が進んでしまったりとか…。
     目覚めてから何か不都合はなかったか少し心配しています。』」


ジュン「そういえば、柿崎さんが言ってた眠り姫ってオディールさんの事だったんだよな」

巴「そうみたい。私もアリスゲームの後の事は聞きづらくて…」

オディール「大丈夫よ。元々先の内容まで予習してあったからすぐ理解できたの」

ジュン「留学できるくらいだから頭は良いとは思ってたけど…、なんかすごいな」

オディール「すごくないですよー。小さい頃は日本に住んでいましたし、日本語も好きだから覚えました」

オディール「白い茨の乙女さん、ありがとう。私はすっごく元気です」

本質を見極めるのは大切ですよね。
再開します。

ジュン「続いてのお便り。R.N.カナ大大だーい好きさんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

雛苺「ありがとなのー!」


ジュン「『こんにちは。いつも楽しく聴いてるよ。
     雛苺ちゃんに質問なんだけど、好きな遊びを教えて!
     それを聞けたらスケッチが冴え渡る気がするの。お願い!』……冴え渡らないだろ…」


雛苺「好きな遊びはねー、おいかけっこでしょ。お絵かきに探検ごっこ、うにゅーごっこ……くんくんごっこも大好きなの!」

真紅「一つに絞りなさい」

雛苺「ひとつなの?う~~ん…、巴とオディールと一緒におままごとするのもすっごく楽しいけど……」ウーン…

雛苺「でもやっぱり一番はジュンのぼりなのよ!」ムギュッ

ジュン「これって遊びだったのか…」

巴 オディール「「負けた…」」

ジュン「えっ」

真紅「ジュン登りってある意味トレーニングよね。遊びにしては体力を使いそうだわ」

雛苺「さすが真紅なの!そこに気づくとはジュンのぼりの才能があるわ」

雛苺「ヒナと金糸雀はこういった遊びで健康的な体を手に入れてるの」

ジュン「健康って……人形に意味あるのか…?」

真紅「金糸雀はジュン登りしていないでしょう」

雛苺「金糸雀は傘なの。傘で飛ぶってすっごく体力を使うんだって」

真紅「なるほど、腕力はつきそうね。雛苺と金糸雀……恐ろしい子…!」

ジュン「腕力自慢の乙女ってどうなんだ…?」

ジュン「続いてはR.N.劇団少女さんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

雛苺「ありがとなのー!」


ジュン「『皆さん、こんにちは。新アニメを見ていて気づいた事があります。
     TALE1で雛苺ちゃんが描いてた絵がすごく上手だったのですが、あれはアニメオリジナルの設定だからですか?
     あと、ダイ○ンの掃除機に吸われたみたいに鏡に吸い込まれる姿はなんか面白かったです(笑)』」


ジュン「あぁ、あれな。突然でしかも驚きの吸引力だったよなぁ」

雛苺「失礼しちゃうわ!ヒナは原作でも絵得意だもん!」

ジュン「えっ、そっち?」

巴「(笑)なんて…。雛苺はあれでボディを奪われたのに…」

ジュン「急展開過ぎたからびっくりしたって意味だろ。僕もあれはびっくりした」

真紅「私も別の意味で驚いたわ。私の名シーン全カットは少し悲しくなったわよ」

ジュン「アニメってそういうものだろ。水銀燈と金糸雀のシーンカットだってそれなりの理由があるし…」

ジュン「トロイメントの金糸雀が薔薇水晶に適わなかったり、
    薔薇水晶がローゼンメイデンじゃないと分かるまで原作で雪華綺晶の名前が出なかったり、
    全部原作のネタバレ防止のためだったんだからな」

真紅「それは知ってるのだけど…、私のはどう考えても尺が足りないだけじゃないの?」

ジュン「……あんまり考えない方がいいかもな。設定もけっこう違うし」

真紅「そうね。雛苺はジュンの家にはいない事になっているものね」

ジュン「そう考えるとドールズトークの設定ともまた違うな」

真紅「あっちは翠星石が薔薇屋敷で暮らしてる設定だったわね。ローゼンメイデンはどこにもいるし、どこにもいないのよ」

ジュン「なんかコアな話になっちゃったな。リスナー付いてきてるかな?」

真紅「巴とオディールが付いて来てないのよ。付いてきていないかもしれないわ」


ジュン「脱線しすぎたから話を戻すぞ。それで、雛苺はなんで新アニメだと絵が上手かったんだ?」

雛苺「ヒナいつも通り絵を描いてただけだもーん」

巴「そうよ、桜田くん。雛苺はいつも上手だもの」ネー

雛苺「そうなの!」ネー

ジュン「えぇ……、明らかに違うんだけど…」

オディール「雛苺はトモエを描くのがとっても上手ね」

雛苺「今度オディールの絵も描いてあげるね」

オディール「ホント?ありがとう。楽しみにしてるね」


ジュン「僕か…?僕が間違ってるのか?それとも世界か?」

真紅「安心しなさい。私もジュンと同じ気持ちよ」

ジュン「これが最後だな。R.N.死は甘美な響きさんからのお便り。ありがとな」

真紅「ありがとう」

雛苺「ありがとなのー!」


ジュン「『こんにちは。いきなりだけど委員長さんに質問。
     委員長さんは桜田くんの面倒をよく見てたけど、あれってなんでなの?
     幼馴染だから?それとも委員長だから?』……少しサポートしてもらってたのは認めるよ…」


真紅「デリケートな質問ね」

ジュン「…あれは委員長だからだろ?梅岡先生に頼まれたって言ってたよな」

巴「うん。委員長だから断れなかったの」

ジュン「やっぱり嫌々だったのかよ…」

巴「ふふ、冗談だよ。本当は友達だから」

巴「ホントはもっと早く話しかけたかったけど…、あんな事になっちゃって…」

巴「委員長の仕事として届けてたのも本当だけど、もしかしたら話ができるかもしれないと思って」

ジュン「……そっか。僕も柏葉に話しかければ良かったな」

巴「会えなくなった期間も長かったし、男女だから気恥かしさもあったと思う」

ジュン「そう…かもな」

巴「うん。また仲良くなれて良かった」

ジュン「……」


真紅「青春ね」

雛苺「青春なの」

オディール「青春です」

ジュン「う、うるさいな…///」

巴「うふふ」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーはローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


雛苺「わぁ!ジュンかっこいいなのー!」

ジュン「別にカッコつけてるとかじゃないけど…」

雛苺「はい!ヒナやってみたい場面があるのよ」

ジュン「聞いてない……まぁいいか。ノリがいいな雛苺。このコーナーってけっこう不評だからやる気があるゲストは珍しいよ」

雛苺「えっとねぇ、ヒナがやりたい場面はね―――…」


―――――
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―――――――――――


ジュン『ほら、雛苺。苺大福の山だぞ』

雛苺『わー!!うにゅータワーだー!』

巴『雛苺のために苺入りおにぎり作ったよ』

雛苺『すごい!トモエありがとなのー!』

オディール『ボンジュール、雛苺。遊びに来たわ』

雛苺『オディール!』

金糸雀『雛苺―来たかしらー』

雪華綺晶『ご招待ありがとうございます』

水銀燈『……ふんっ』

雛苺『みんないらっしゃいなの!』


翠星石『うわぁ…、続々と集まってきやがりますね』

蒼星石『今日はパーティだからね』

のり『翠星石ちゃーん!クロワッサン焼けたから手伝ってぇー』

翠星石『はーいですーぅ!』


真紅『賑やかね』

ジュン『そうだな』

みっちゃん『ぐへへ…、ローゼンメイデン全員集合なんて…!みっちゃんどうにかなっちゃいそう…!』

ジュン『い、いつの間に後ろに…!?』



雛苺『えへへ、みんな仲良しでヒナとっても幸せなの』

のり『それじゃあ、みんな集まったことだし乾杯しましょ。さあ、ジュンくん』

ジュン『な、なんで僕が……、姉ちゃんがやればいいだろ…』

真紅『いいから早くしなさい』

ジュン『わ、わかったよ…。………か、乾杯ッ!!』


カンパーイ!!!! キャー! カシラー!



雛苺『幸せ…。この幸せな日々をこれからも守っていくの』


―――――――――――
――――――――
―――――


巴「雛苺…」

オディール「うん…、うん!そうだね。雛苺」ウルッ

ジュン「いや、なんで最後シリアス入れたんだ…?」

真紅「雛苺の名言だからじゃないかしら?それより、雛苺」

雛苺「うゆ?なぁに、真紅」

真紅「ロートシュヴァルツで一応みんな集合したわよね。雪華綺晶以外」

雛苺「うん、やっぱり姉妹全員揃ってお茶会したいなってヒナは思うの」

ジュン「その意見って多いよな。そもそも作中でローゼンメイデンが揃ったシーンないし」

巴「ドールズトークの最終巻の『dolls talk talk』では揃っていたわ」

オディール「まいてはいけないローゼンメイデンの最後でも揃っていました」

真紅「ドラマCDでも揃ったわね」

ジュン「みんな詳しいな。僕としては原作で揃って会話してる所を見てみたいかな」

真紅「そうね。いつかみんな揃ってお茶会したいものね」

雛苺「うん!ヒナ楽しみにしてるの」


巴「私としてはdolls talkに出てみたかったな…」

ジュン「それはドールズトークの設定上無理なんじゃないか?」

真紅「そうね。巴が出演したら小さな子たちから『なんで雛苺は巴がマスターなのにジュンの家にいるの?かわいそう!』とか言われそうだもの」

巴「せっかく雛苺が主役の作品なのになぁ…」

雛苺「トモエ元気出して。ヒナはdolls talkでもトモエの事を忘れたことなんてないの。ずっと一緒よ」

巴「雛苺…」

雛苺「このうにゅーもあげるの。だから元気になってほしいの」

巴「そうだね。ありがとう雛苺」

雛苺「うん!」

ジュン「話は戻るけど、他にやってみたいシーンとかあるか?」

オディール「ジュン。私やってみたいシーンがあるの」

ジュン「いいよ。どんなシーン?」

オディール「えっとですね――――…」


―――――
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オディール『おばあさま、雛苺を連れてきました』

雛苺『コリンヌ…なの?』

コリンヌ『ああっ……雛苺…!』

雛苺『…ヒナね、ずっと待ってたの。コリンヌにまた会いたいって思っていたから』

雛苺『ヒナ、あの時のかくれんぼの理由も知ってたわ。本当はもう会えないかもしれない事も…』

雛苺『それでも待ってたの』

コリンヌ『雛苺…ごめんなさい………私…!』

雛苺『でも、また会えた。それだけでヒナは嬉しいわ。コリンヌ』

コリンヌ『雛苺…!』

雛苺『やっと会えた。ヒナのこと覚えていてくれてありがとう。コリンヌ』ギュッ


オディール『……』グスン


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―――――

 

ジュン「雛苺の前のマスター。コリンヌさんとの再会…か」

オディール「おばあ様は亡くなる直前まで雛苺の事を気にしていたの…」

雛苺「コリンヌ…」

真紅「私の記憶が正しければ第二次世界大戦の頃よね」

オディール「はい。疎開のために雛苺を連れて行けなくて…」

ジュン「苦渋の選択だったろうな…」

巴「雛苺、大丈夫?」

雛苺「うん…。ヒナもね、なんとなくわかってたの。戦争が怖い事も知っていたわ」

雛苺「わかってたけど置いてかれて悲しかった。今でもかくれんぼは苦手なの…」

巴「………」

雛苺「コリンヌに会えなかったのは寂しいわ。でもね、みんなに出会えたの」

雛苺「巴にのりにジュン、そしてオディール。コリンヌがヒナの事を教えてくれたから出会えたのよ」

雛苺「だからね、オディールも元気だしてほしいの」ナデナデ

オディール「雛苺…!」ウルッ


巴「雛苺、オディールさん。…良かった」グスッ

ジュン「雛苺も成長してるんだな」

真紅「えぇ。私も嬉しく思うわ」

ジュン「スタジオが感動の渦に包まれてるよ」

真紅「泣いてるスタッフもいるわね。こういう方向に行くとは思わなかったわ」


巴「ところで桜田くん。私もやっていいの?」

ジュン「いいよ。柏葉たちはやる気あって助かるよ」

巴「そうかな?」

ジュン「そうだよ。だからどんどんやっちゃってよ」

巴「わかったわ。じゃあこんな感じのを―――…」


―――――
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のり『ジュンくん、またお姫様描いてー』

巴『ジュンくん…わたしにも……』オズオズ

ジュン『いいよ。何色のお姫様がいい?』

のり『お姉ちゃんはねー、赤いドレスのお姫様がいいなぁ』

巴『じゃあ…、ピンクのお姫さま』

ジュン『お姉ちゃんは赤いお姫様で、ともえちゃんはピンクのお姫様だね。ちょっと待ってて』



――――――

 

ジュン『はい、描けたよ』

のり『わー、きれいきれーい。ジュンくんの描くお姫様はみんな幸せねー。ステキなドレスばっかりなんだもの』

ジュン『へへ…』

巴『すごくかわいい!ジュンくんすごいね!』

ジュン『そ、そうかな?』

巴『おっきなリボンのお姫さま。かわいいなぁ』

ジュン『そんなに気に入ったの?それならもっと描くよ』

巴『んーん、このお姫様がいい。ジュンくん、ありがとう』


―――――――――――
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巴「あの頃が一番楽しかったな」

ジュン「これって小さい頃に三人で遊んだ時の…」

巴「うん。原作では私と遊んでる描写がなかったから思い出してみたの」

ジュン「また懐かしいものを…」

雛苺「これが小さい時のトモエとのりとジュンなの?とっても可愛いのよ!」

真紅「三人とも無垢な笑顔だわ」

オディール「あの、気になったのですが…、ジュンが描いたイラストって雛苺と真紅に似てる気が……」

ジュン「似てるっていうか真紅たちを描いたつもりなんだけど」

オディール「えっ!?そうなの?」

真紅「あのイラストは当時話題になったわね。なぜ幼少の頃のジュンが私たちを知っているのか」

ジュン「そうそう。僕がローゼンだって予想を立ててた人もいたよな」

雛苺「ジュンはお父様だったの?」

ジュン「違うよ。まぁ無関係ではないらしい」

巴「桜田くんは昔ローゼンさんに会ってたのよね」

ジュン「うん。なんでそれを忘れてたのか疑問だけど」

真紅「お父様が思い出させないようにしていたみたいね。断片的な記憶以外は封印されていたようだし」

ジュン「ローゼンは僕がアリスゲームに関わるってあの時から知ってたんだな」

真紅「そうでしょうね。だから重要な記憶だけ封印したのよ」

巴「そう聞くと桜田くんとローゼンさんって無関係には思えないね」

ジュン「まぁね。この話を本人にすると嫌がるからあまり考えないようにしてたけど…、やっぱり気になるよな」

真紅「ラプラスの魔のヒント。『お父様はとても近くにいるけど私には会えない』 今思えば、ジュンの事だったのかも」

真紅「記憶の話だけど、もしお父様と出会った事を私達に話していれば、物語はまた違った方向へ向かった事でしょう」

ジュン「…なんとなくだけど悪い方向な気がする」

オディール「もし記憶が戻ったら…。そしたら、ジュンは私の指輪が誰の指輪か見破った?」

雛苺「ヒナとオディールが初めて出会った日のことね」

巴「あの時は桜田くん雛苺に詰め寄ったんだっけ」

ジュン「あの時は悪かったよ…。でも、見破ったら雛苺は雪華綺晶の餌食にならなかったのかな?」

真紅「そうね。実際に聞いてみましょう」


―――――
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【Rozen Maiden Phase 33】


オディール『私の指にはこれがあるわ』

真紅『ええっ!?』

ジュン『その指輪は…!』

オディール『そう、これは雛苺の指輪』

ジュン「………?」

オディール『――――夢を見たの。白い少女人形の夢を――――…』

ジュン『雛苺…どう思う?』

雛苺『ぅ…うゅ…』

巴『……白…白いいばらに白い薔薇。白い水晶…』

真紅『どうしたの、トモエ』

巴『私も――会った事があるわ。どうしてずっと忘れていたのかしら。あの時雛苺の世界で…』

真紅『………白い少女人形…』

のり『……ジュンくん…』

ジュン『……………………思い出した…』

のり『えっ?』

ジュン『姉ちゃんさ、僕が昔渡したスケッチブックまだ持ってる?』

のり『う、うん…。全部取っておいてあるけど』

ジュン『一番古いのを持って来てほしいんだ』

のり『ちょっと待って…!探してくるから』トタタ…!

翠星石『いきなりどうしたです?ジュン』

ジュン『なんで忘れてたんだろう…?こんな重要な事を……』

翠星石『?』

のり『えっと、これよね?………これって…まさか真紅ちゃんたち?』

真紅『!?』

ジュン『うん。僕が3歳の時に描いた絵だ』

翠星石『3歳…?それって何年前です?』

ジュン『11年前だよ』

巴『あっ…!これって雛苺かな』

雛苺『ほんとなの!ジュンって小さな頃から絵がお上手だったのね』

翠星石『ちょっと待つです!翠星石の絵まであるですよ!どーいう事ですか!?』

真紅『ジュン…、あなた一体…?』

ジュン『僕さ、小さい時にローザミスティカを造ったっていうおじさんと会った事あるんだ』

翠星石『そ、それって…』

ジュン『人形劇も見せてもらった。今思えば、あの人形劇の第2幕はアリスゲームを模したものだったのか』

ジュン『ジュン…!ジュン、あなた何を言っているの!?』

ジュン『オディールさんと柏葉が見たドールってこの子じゃないかな?』

オディール『!!』

巴『う、うん、この子よ。確かに右目が薔薇だったわ』

ジュン『やっぱりか』

ジュン『たしか人形劇でのその子の名前は……雪華綺晶。7番目の薔薇乙女』

雛苺『7番目…。たしかにそう名乗っていたのよ!』

ジュン『なら、オディールさんの指輪は雪華綺晶のもの。わざわざ雛苺の指輪と言うあたり、狙いは雛苺か』

巴『そ、そんな…。なんのために…?』

ジュン『雪華綺晶は霊体なんだ。体を欲しがってる。だからアリスゲームをリタイアした雛苺の体を狙ってるのかも』

翠星石『アストラルって事ですか…。とんでもない話ですね』

ジュン『これからは雛苺を護衛しよう。特に雛苺が眠ったあとに』

雛苺『ヒナ…、なんだか怖いの…』

ジュン『安心しろよ。みんな付いてるから』

翠星石『そうですよ!翠星石たちに任せれば万々歳ですぅ!』

ジュン『だな』

真紅『ねぇ、ジュン。本当に…?アリスにしか会わないというお父様に本当に会ったの?』

ジュン『たぶんな』

真紅『………』


―――――――――――
――――――――
―――――


ジュン「ストップ!これはマズイって!」

真紅「あら、何がかしら?」

ジュン「何がって……、何もかもだよ…」

ジュン「考えてもみろよ。アリスゲームは人形たちの戦いだろ。人間なんて脇役でしかない」

ジュン「そんな人間がここまでアリスゲームに影響したら色々不公平だろ。雪華綺晶も困るって」

巴「でも雛苺を救えたかもしれないわよ」

ジュン「確かに雛苺は救えたかもしれないけど、真紅たちが心配だよ」

真紅「? どうして?」

ジュン「どうしても何も僕に不信感を持つだろ」

真紅「まぁ……そうでしょうね」

ジュン「そんな状態じゃドールとマスターの絆が心配だ」

真紅「絆が搖れる事はないでしょうけど、雪華綺晶の罠にハマった時に薔薇の誓いを解くのは迷ったかもしれないわね」

ジュン「僕の幼少時の記憶が封印されていたならそれで正解。色んな意味で」

真紅「そうね。知らないからこそ頑張れるもの」

雛苺「でも、いつかは思い出すようになってたんだよね?ラプラスの魔も言ってたのよ」

ジュン「僕がショックを受ける度にな。まったく…、どんな思い出させ方だよ…」

真紅「お父様なりの粋な計らいよ」

ジュン「学年集会と色紙と踏みつけられる事がかよ…。勘弁してくれ……」

オディール「ジュンは踏みつけられるのが好きなの?」

巴「そういえば柿崎さんに踏まれてたよね」ジトー

ジュン「あれは不本意だったってば…!!」

真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


ジュン「新連載はこんな感じの事をやるんじゃないかなって話をしていくコーナーだ」

巴「うーん…、どうなるんだろ?」

オディール「私のおばあさまと雛苺が仲良く暮らしてる所を見てみたいです」

真紅「原作だとちょっとしか描写がなかったものね」

雛苺「コリンヌとはいーっぱい遊んだわ!ヒナもまた見てみたいのよ」

ジュン「雛苺の過去って言ったら一番にコリンヌさんが出てくるもんな」

巴「それと箱庭のお話しをもっと見たいわ。特別編の雛苺も可愛かったから」

ジュン「箱庭の話って人気あるよなぁ。ああいうほのぼのの方がいいのかな?」

雛苺「かなー?」

真紅「…………」

ジュン「んっ?真紅どうしたんだ?」

真紅「いえね、ちょっとシリアスなものを想像してしまって」

ジュン「なんだよ。言ってみろよ」

真紅「戦争の事よ」

真紅「世界大戦では雛苺以外のドールも目覚めていたと思うの」

ジュン「…真紅はどうだったんだ?」

真紅「………黙秘するわ」

ジュン「なんでだよ!」

真紅「とにかく、コリンヌが出てくるなら戦争の事も触れると思ったのよ」

雛苺「ヒナ、もう戦争はいやなの…」

真紅「そうね。それによく考えたら、危なくなった場合ラプラスの魔に召集されるでしょうし」

ジュン「そうなのか?」

真紅「一応あのウサギは審判のようなものだから。アリスゲーム以外でリタイアしないか注意していたらしいわ」

ジュン「へー、初耳だな」

雛苺「ラプラスはよくわからない事も言うけど、いっぱいアドバイスしてくれるのよ」

ジュン「そのアドバイスがよくわからないんだよなぁ…」

真紅「同感ね」

真紅「ラプラスの魔で思い出したのだけど、雛苺あなた旅立ちの日はどうだったの?」

雛苺「ラプラスと最初に会った日のことよね?ヒナ一人になって泣いてたのよ…」

真紅「やっぱり…。私も翠星石たちのように貴女と一緒に旅立てばよかったと後悔していたの」

雛苺「真紅……ヒナね、アリスゲームが怖くてしばらく箱庭にいたの。そしたら、ラプラスの魔が現れて―――…」








ラプラスの魔『おやおや、貴女は行かないのですか?』

雛苺『うゅ…、だって…だって…』

ラプラスの魔『たしかに勇気がいる選択です。アリスゲームを拒否するという選択もあるのですよ』

雛苺『いや!だって一人だもん。ヒナ、一人ぼっちはいやなの…』

ラプラスの魔『一人になるのも怖い。アリスゲームで姉妹と戦うのも怖い…ですか。困りましたね』

雛苺『うぅ…グスッ…』

ラプラスの魔『良い考えが浮かびました!戦わなくてもよいのです』

雛苺『えっ?ほ、本当なの?』

ラプラスの魔『えぇえぇ、そうですとも。何も戦う必要はありません。お友達になってしまえばいいのです』

ラプラスの魔『これから貴女は人間のマスターを得るでしょう。まずはその人間とお友達になることです』

ラプラスの魔『そして、人間のお友達と協力して姉妹と仲直りをするのです』

雛苺『ホントにホント?ローザミスティカを奪わなくてもいいの?』

ラプラスの魔『それは貴女次第です。6番目のお嬢さん』

雛苺『そ、それならヒナでもできるかも』

ラプラスの魔『そうです。貴女のアリスゲームを行えばいいのです』

ラプラスの魔『さぁ、姉妹たちに再び会えるように頑張りましょう』

雛苺『はいなの!えっと…』

ラプラスの魔『ラプラスの魔とお呼びください』

雛苺『うん!ラプラスありがとう』ノシ

ラプラスの魔『良い旅路を』








雛苺「そうやってヒナは旅立ったの」

真紅「そうだったの…」

ジュン「ラプラスの魔。ホント親切なのか不親切なのかわからないよなぁ」

真紅「言葉遊びで煙に巻いたり冗談を言ってきたり…苦手だけれど嘘はつかない事だけは知ってるわ」

巴「私、作中でラプラスの魔には会ってないの。白崎さんの時なら会ったけれど」

ジュン「あの姿の時はキャラが違うからまだ話しやすいかな」

オディール「私も会った事ないわ。会ってみたい」

真紅「会わない方がいいと思うわ」

雛苺「ヒナは良いウサギだと思うなぁ。困った時は必ず出てきてくれるのよ」

ジュン「そういえば、『まかなかった世界』の交信方法も真紅のボディを見つけられたのも一応あいつのおかげだっけ」

雛苺「そうよ。今度会ったらお礼を言いたいのー」

ジュン「会ったらな。このラジオで会うことはないと思うけど」

真紅「…………」

ジュン「なんで黙るんだよ…。まさか……」

真紅「ご想像にお任せするわ。それより新連載の予想は出尽くしたかしら?」

巴「私はもうないわ。雛苺とオディールさんは?」

オディール「私も大丈夫。雛苺の活躍を早くみたいです」

雛苺「ヒナもいっぱいお話したから満足なの!」

巴「新連載では雛苺の元気な姿が見られるといいね」

オディール「えぇ。どんな風に生活してたのか気になるわ」

雛苺「遊んだりお茶会したりしてたのよー」



ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである、雛苺、トモエ、オディールお疲れ様」

雛苺「真紅、ジュン。今日は呼んでくれてありがとなの。すっごく楽しかったわ!」

オディール「日本の文化に触れられて良かったです」

ジュン「日本の文化じゃないけど…」

巴「二人をこれからも応援してるね」

真紅「えぇ、応援して頂戴」

ジュン「不定期だからまたネットで放送日を連絡するよ」


真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

雛苺「第6ドール雛苺なの!」

巴「柏葉巴です」

オディール「オディール・フォッセーよ」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第7回目】END
 

今日はここまで。

今日の22時から始まるラジプリズムというラジオ番組でローゼンメイデン特集をやるみたいです。
もうすぐやるみたいなのでちょっと気になります。

>>192

×→ジュン「………?」
○→ジュン『………?』

些細な所ですが気になったので。

ラプラスの魔の声は津久井さん、三上さん、中田さんの三人が担当していたそうです。
ニャンちゅうとラプラスの魔の声が一緒だと最初わかりませんでした。

それでは投下していきます。

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第8回目】


真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


真紅「第8回目始まりました。今日も喋っていきたいと思います」

ジュン「もう8回目かぁ。よくもったよ」

真紅「あら、まだ8回目よ。それにまだ呼んでない人がいっぱいいるもの」

ジュン「げっ…、まさか全員呼ぶつもりじゃないだろうな…」

真紅「全員は無理よ。主要な人物だけよ」

ジュン「たしか全10回だよな。あとちょっとだ。頑張れ僕!」

真紅「今回は一癖も二癖もある人達よ。しっかりラジオをしていきましょう」

ジュン「今日は誰が来るんだ?」

真紅「では呼びましょうか。今日のゲストの皆さんよ」

薔薇水晶「こんにちは」

槐「来てやったぞ」

ラプラスの魔「これはこれは、坊ちゃんに真紅嬢。この兎をご所望とお聞きしましたよ」


ジュン「おいっ!このメンツはヤバすぎるだろ!僕たちで御しきれるのか?」

真紅「大丈夫よ。……たぶん」

ラプラスの魔「トリビャアル!何を悩んでおいでですか?無意識の海の波打ち際のように安らぎを与える事もまた必要かと」

ジュン「無意識の海の波打ち際とか安らげるわけないし…」

ラプラスの魔「あべこべ言葉ですよ。坊ちゃん」

ジュン「無理だろこれ…。どうやって会話していけばいいんだ…」

真紅「……任せるわ」

ジュン「丸投げかよ…」

ラプラスの魔「ククッ…、雲雀を携えた旅人のようにさぞ心地よい調べを奏でるでしょう」

ラプラスの魔「いえいえ、どうして。雲雀などおりません。それは声」

ラプラスの魔「声は誰しもの耳に届く。ですが、ウサギの声を聞いたことはありますか?」

ジュン「知らないよ!……なぁ真紅。こいつを野放しにしてラジオを進めるのは無理だぞ…」

真紅「そうね。ラジオを聞いてる人達もつまらないでしょうし」

ラプラスの魔「卵が先か鶏が先か。この兎が手取り足取り声とりお力添えをと致しましょうに」

薔薇水晶「ラプラス気持ち悪い…」

ラプラスの魔「おやおや…」

ラプラスの魔「気分が悪い…と。これは大変。水晶の薔薇も枯れてしまう」

薔薇水晶「違います。キモいって事です」

槐「あぁ、たしかにキモい。まだ白崎の方がマシだ」

ラプラスの魔「これは手厳しい。愉快なお茶会になればと思ったのですが。旅人は服を脱ぐことを拒み続けたのです」

ジュン「あのさ、僕も白崎のキャラの方がいいと思うんだ。ゲストの半分以上がアニメオリジナルだし」

ラプラスの魔「なるほど、さすが坊ちゃん。そういう事ですか。……なら」スゥ

白崎「これでどうかな。桜田くん」ポン!

槐「あぁ、いつものキモさだ」

薔薇水晶「安定のキモさ」

真紅「キモくて安心するわ」

ジュン「キモいな」


白崎「みんなひどいよ!」ガビーン

ジュン「ラプラスの魔と会話できるようになった事だしふつおた始めるか」

真紅「そうね」


ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」


ジュン「では最初のお便り。R.N.幻想世界の第8ドールさんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

薔薇水晶「…ありがと」


ジュン「『皆さんこんにちは。質問なのですが、ラプラスの魔って何者なんですか。
     もしかして、私と同じ幻想世界の住人?是非教えてほしいんだから!』……ラプラスへの質問みたいだ」


真紅「そういえば私たちもよく知らないわ。どうなの?ラプラス」

白崎「う~ん…、なんだと思う?」

真紅「質問を質問で返すのはナンセンスよ」

白崎「あぁ、ごめんよ。とりあえず、ローゼンとは古い仲って事だけは教えておくよ」

ジュン「質問の答えになってないじゃないか」

白崎「謎は謎。ミステリアスなまま終わる事も時には必要なんだよ」

槐「僕が会った時からこいつは謎の存在だった」

薔薇水晶「謎すぎる…」

白崎「謎めいた男っていいものでしょ」

真紅「あなたは謎すぎて苦手なのよ…」

ジュン「僕の予想なんだけど、ローゼンに造られた人形って説と本当にデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)って説を考えたんだ」

白崎「ふむふむ」

真紅「Deus ex machine……演出技法だと思っていたわ」

ジュン「普通はそう思うよな。こんなウサギが神とか誰が信じるかよ」

白崎「あっ!言ったな。僕ってけっこうすごいんだぞ」

薔薇水晶「知ってるから黙って」

ジュン「それで前者だけど、アリスゲームを見守る者が必要でローゼンが造った」

ジュン「後者は、ローゼンに錬金術や不死の技法を教えた神か悪魔。この二つが有力な線かな」

槐「後者だとしたら間違いなく悪魔だな。神じゃない」

真紅「ゲオルク・ファウストが悪魔メフォストフィレスを呼び出したお話みたいね」

薔薇水晶「それなら代償は……ローゼンさんは魂をあげちゃったの?」

真紅「お父様は私達をお造りになったのだからそれはないわ」

ジュン「契約の代わりに体を造ってやったんじゃないか?」

白崎「ほう」

ジュン「悪魔は退屈していた。そこでローゼンが面白いものを見せる代わりに力を貸すように言ったんじゃないかな」

ジュン「面白いものを見るためには体が必要だ。だから体を造ってやった。
    その悪魔は舞台の中から舞台を観る事ができたって妄想」

真紅「妄想なのね。でも、それって私達にとってあまりいい話ではないわね。…というか不愉快だわ」

ジュン「そうだろうな。もしそうならローゼンもそう思うかもな。それでも、娘たちの安全が最優先だった」

槐「娯楽感覚だろうと見守ってくれる者がいる。動けない自分よりは遥かにマシって事か」

ジュン「たぶんね」

薔薇水晶「さすがお父様。一流は一流を知るってことですね」

槐「そうかい?」テレ

真紅「それでどうなの?この話は的を射ているのかしら?」

白崎「なかなか面白い話だとは思うよ。聞き入っちゃったからね」

ジュン「それでどうなんだ?」

白崎「だから秘密だってば!ミステリアス男子の称号を失うわけにはいかないよ」

槐「なんだそれは…」

真紅「結局教えてはくれないのね」

白崎「ごめんよぉ」

ジュン「あぁぁ…!僕が妄想を喋ってただけになっちゃったよ…」

薔薇水晶「…ドンマイ」

ジュン「えっ?…う、うん」

ジュン「続いてのお便り。R.N.カナ大大だーい好きさんから。ありがとな」

真紅「ありがとう」

薔薇水晶「…ありがと」


ジュン「『こんにちは。今回も質問します。
     薔薇水晶ちゃんはなんで壊れちゃったんですか。
     そして、槐先生は本当にローゼンさんのお弟子さんなんでしょうか。
     そこんとこどーなの。あとお店またやってほしいです!』……だってさ」


槐「弟子だよ!意思ある人形を造れるのは世界広しと言えど僕と師匠だけだって!」

ジュン「鳥海も一応造れるじゃん」

槐「いや、あれは造るってより創るだから。それに僕の美意識ではあれは認めない」

ジュン「そうなのか?ドールマニアのそういうのってよくわからないな」

槐「人形師だからな。ドールマニアじゃない」

ジュン「はいはい」

槐「………。そういえば、お前はローゼンを継いだのだろう。将来は人形師になるのか?」

ジュン「えっ?う~~ん…、そんな先のこと考えてないよ」

槐「勿体無いな。それだけの腕があればいくらでも需要はあるというのに」

ジュン「だからまだ考えてないってだけだから!それよりまだ質問は続いてるぞ」

槐「…そうだな。薔薇水晶が壊れたのはローザミスティカ6つに耐えられなかったとしかいいようがない。僕としたことが…」

薔薇水晶「お父様。私が至らないばかりに…」

槐「いいや!薔薇水晶は完璧だった。ローゼンの人形を6体も倒したじゃないか。だから落ち度は僕にある」

薔薇水晶「そんな…。お父様はいつだって完璧です」

槐「そ、そうかい?」テレテレ

薔薇水晶「はい」ニッコリ


ジュン「照れすぎだろ…」

真紅「なんていうのかしら。そもそも薔薇水晶の強さは人形としての常識を超えているのよ」

槐「それは僕が造った人形だからな。当たり前だ」

真紅「そうではなくて。貴方の求めるものは強さなの?」

ジュン「あー…、そこか。ローゼンは醜くも美しい存在。生きた少女を目指していたもんな」

真紅「えぇ。お父様は私達が生きていけるようにと願いを込めながら生み出した。貴方はなぜ人形を造っているの?」

槐「僕は……ローゼンを超えたくて…」

白崎「認められたかったって事でしょ。ローゼンもけっこう無愛想だからなぁ」

真紅「では、貴方はお父様に勝ちたいという気持ちだけで薔薇水晶を造ったの?」

槐「違う…!僕は薔薇水晶を愛している。ローゼンに負けないくらい自分の娘を愛しているんだ!!」

真紅「ふふ、そうでしょう。なら大丈夫。貴方の事はお父様だってきっと認めているわ」

槐「何故だ…?」

真紅「だって薔薇水晶の傍にいるから。彼女が寂しい思いをしていないということは、貴方はある意味お父様を超えたのよ」

薔薇水晶「そう。お父様が一番なの」

槐「そうか…。そうなのかな…」

真紅「それにさっきの話だけれど、ローザミスティカはお父様の中の思い出……夢の少女から造られている」

真紅「ローゼンメイデン以外で受け止めるのは最初から無理だったのよ。だから貴方が気に止む必要はないわ」ニッコリ

槐「…!」


槐「真紅…。やはり美しい」

薔薇水晶「…………お父様…?」ゴゴゴ…

槐「い、いや、なんでもない!店はそのうち営業再開すると思うぞ」

ジュン「話は変わるけど…。さっきさ、僕がローゼンを継いだって話ししたよな」

槐「あぁ、したな」

ジュン「アニメだとお前に『何も作り出す事のできないやつ』とか『ただ力を与えるだけの存在』って言われたんだけど」

槐「……」

ジュン「あと、ラプラスの魔からも『真紅の螺子を巻いただけの少年』って言われたな。あれって原作のネタバレ防止だったのか?」

白崎「それもあるけど、1期と2期は桜田くんの不登校の原因が違うだろ。だから設定も少し違うんだよ」

薔薇水晶「…つまりどういう事?」

白崎「アニメの桜田くんはマエストロとしてはそこまで活躍してないかなって」

真紅「私の腕を直したりブローチを付けてくれたりしたじゃないの」

白崎「原作みたいに圧倒的な才能を見せたり、ドール服を作ったりしてないよね。ローゼンとの関わりもなかったし」

薔薇水晶「あなた…原作ならジュンが指輪を失っても助けに行くのにね」

白崎「主役が退場したら観客がガッカリするだろ。アニメの時の桜田くんも原作に影響が出ない程度に助けてたよ」

ジュン「なるほどな。一応ネタバレにならないように気にはしてたのか」

白崎「そりゃね。あの段階で桜田くんがアリスゲームに不可欠だと知られるのはまずかったんだ」

白崎「劇を楽しむなら先を知らないのが一番ってわけ」


槐「……僕はそういうつもりはなかった」

槐「単に真紅の螺子を巻いただけの奴かと思っていたのだがな。他の媒介同様に軽視していたのは確かだ」

槐「だが筋は良いとは思っていた。……まさかローゼンを継承するまでになるとは…」

真紅「私もホーリエの選択に疑問を持った時期があったわ。そして、その後の展開はとても予想できなかった」

ジュン「予想されても困るけどな」

薔薇水晶「そっちだとローゼンさんの部屋を渡していましたよね。あれはいつから決まっていたの?」

白崎「ひ・み・つ!」

薔薇水晶「………」

真紅「お父様のお部屋…。今ではジュンの部屋。…成長とは不思議なものね」

槐「不思議…か。僕はローゼンになりたかった訳じゃない。超えたかったんだ。だけど何故だろう。継承できなかった事を悔しく思うよ…」

ジュン「悔しく思わなくていい。あれは継いで嬉しくなるようなものじゃないから…。それに覚悟も必要なんだ」

ジュン「アリスゲームを終わらせる覚悟と彼女たちの希望を繋ぐ覚悟」

ジュン「だから悔しく思わなくていいんだ。それに槐の腕も超一流だろ」

槐「上から目線でムカつく…」


白崎「ところで、桜田くんはあの部屋使ってるのかい?nのフィールドは頻繁に使ってるみたいだけど」

真紅「まるでどこでもドアなのだわ」

ジュン「部屋は使ってないよ。あの部屋に居るだけで色んなものが視えちゃうし…」

白崎「もったいないなぁ。せっかく君だけが使えるのに宝の持ち腐れじゃないか」

ジュン「ちゃんと使いこなせるようになるまで使わないって決めたんだよ」

白崎「桜田くんがそう言うなら仕方ないな。柏葉さんのお風呂とか覗いたりすると思ってたのに…」

ジュン「そ、そんな事するわけないだろッ!!」

ジュン「『最後のお便りだ。R.N.白い茨の乙女さんから。ありがとな』

真紅「ありがとう」

薔薇水晶「…ありがと」


ジュン「『皆様こんにちは。また質問のお手紙を送ります。
     薔薇水晶さんに質問なのですが、薔薇水晶さんはローザミスティカもないのにどうやって動いているのですか?
     やっぱりボディがあればなんとかなるのでしょうか。』……この質問もよく見かけるよな」


真紅「そうね。実際はどうなの?薔薇水晶」

薔薇水晶「えっ、えっ?どうなのでしょう…?お父様どうしてですか?」

槐「んっ、想いがあればローザミスティカなんて不要だよ」

薔薇水晶「だそうです」

真紅「答えになっていないのだわ…」

ジュン「そういえば、雪華綺晶もローザミスティカ必要ないって言ってたよな」

真紅「雪華綺晶は特殊なのよ。それでも元々持ってるローザミスティカを手放すということは、本質を失うということと同義よ」

白崎「みんな勘違いしてるかもしれないけど、ローザミスティカがすべてって訳じゃないよ」

真紅「そうね。雛苺なんてボディもローザミスティカも無いのにジュンを起こしに行ったもの」

ジュン「僕が『まかなかった世界』に行く前の時か。あれは後から知ったけど泣きそうになったよ」

真紅「あらそうなの?」

ジュン「わ、笑うなよ…!感動したんだから仕方ないだろ…」

薔薇水晶「感動的なシーンでしたね」

槐「たしかになぁ。不覚にも涙腺が緩んだよ。もう歳かな?」

ジュン「真紅の新しいローザミスティカを探しに行った話なんだけどさ」

真紅「鉱山に行った話ね」

ジュン「そこは省くけど、要するにローザミスティカの代わりがあれば目覚めるんだよ」

白崎「そうだよね。意識は『9秒前の白』に行ってるんだから呼び戻せばいい訳だし」

ジュン「人形に死はない。欠損したら迷子にはなるけど」

ジュン「ローゼンメイデンの場合、ローザミスティカが無くなった状態って言えばわかるかな」

ジュン「つまり、人形がここに居るって思える事が重要なんだ。そうだろ」

槐「まぁな。それと造り手の想いと錬金術だな」

ジュン「やっぱそこか。槐はボディ自体に何かしてるって事かな?」

槐「ここからは秘密だけど大体そんな感じだ」

ジュン「なるほどな。人形は皆魂を持ってる。そこを術で意識化したのか」

真紅「そんなところでしょうね。白い茨の乙女さん、そんな感じらしいわよ」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーはローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


白崎「はい!!」

ジュン「うわっ、びっくりした…。どうしたんだよ、ラプラス」

白崎「そこは白崎って呼んでよ。僕前々からやってみたかったシーンがあるんだよ」

ジュン「マジかよ。そういうの無さそうだと思ったんだけど」

真紅「たしかに…。ラプラスの魔がやってみたい事……想像できないわ」

白崎「正確に言うと、ラプラスの魔としてやってみたい場面と白崎としてやってみたい場面の2つあるんだ」

槐「……白崎の方のやってみたい場面ってなんだ?」

白崎「えんじゅぅ、決まってるじゃないか。僕が望むもの。それは…!」

白崎「薔薇乙女 女王様計画!!」


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―――――――――――


 

薔薇水晶『おーほっほっほ。この鞭で叩いてあげる』ビシッ! バシッ!

白崎『あぅッ!も、もっと!!』

水銀燈『まったく…汚らわしいったらないわぁ』ビシッ!

白崎『あひゅん!』

金糸雀『気持ち悪いかしら…』

白崎『その蔑んだ目いいね!』

翠星石『お前なんて縛られちまえですぅ!』スィドリーム

蒼星石『ラプラスの魔。僕が君のいらない部分を切ってあげよう』

白崎『ああっ!拘束プレイ…!ど、どこを切ってくれるのかな?』ドキドキ

真紅『………』ビシッ!バシッ!ビシッ!

白崎『ああッ…!!いばらの鞭!無言で叩いてくるのも好感触だよ!』

雛苺『えぇぇ……』

白崎『ドン引きしてて可愛いね!金糸雀とは違う感じの眼差しだよ!』

雪華綺晶『わたくしが吸い尽くして差し上げましょう』

白崎『ウヒョォォォォォ!!マーベラスぅぅぅ!!!!』


―――――――――――
――――――――
―――――



白崎「これ!こんな感じ!これを全ドールにやってもらいたい!」

真紅「………」ドンビキー

ジュン「おい、白崎。真紅がドン引きしてるぞ」

白崎「なんで!?どうして!!あぁ、でもその眼差しが心地よい…」

白崎「ふふ、天使な雛苺が僕にだけ蔑んだ目で罵ってくれるとかもいいな。むしろ最高じゃないか!」

真紅「ち、近寄らないでちょうだい…!そんなウサギだったなんて……」

槐「兎っていうより豚だ」

薔薇水晶「ウサギなのに豚? お父様面白いです」


ジュン「あのさ…、このラジオは小さな子も聞いてるみたいだからそういうのはちょっと…」

白崎「そんなぁ…!」ガックシ…

真紅「無様ね。個人的にはラプラスの魔の方の願望も少し怖いのだけれど…」

槐「こいつの願望など見るに値しないのは確かだな」

薔薇水晶「そうですね」

白崎「みんなさっきから酷すぎるって!今度はまともだから!まともだからやらせてよ!」

ジュン「わかったよ。じゃあ始めろよ」

白崎「さすが桜田くん!そうこなくっちゃ…!」


―――――
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―――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 20】


ジュン『こんな所が第42951世界… 雪華綺晶のアジトか』

ジュン『雛苺の世界とは全然違うんだな…』

ジュン『…はぁ…金糸雀があっちに行ってから どうも独り言が多いや…』


ラプラスの魔『おや、坊ちゃん。お喋りの相手をお求めですか?』


ジュン『ラプラスの……魔ぁぁぁぁぁ!!!?』

ラプラスの魔『ククッ…、そんなに驚かれてどうしたのですか?』

ジュン『いや、なんで!?なんで半裸なんだよ!!』

ラプラスの魔『半裸と言っても全身毛に包まれていますよ』

ジュン『そんなのどうでもいいよ!よりにもよってビキニパンツだし…』

ラプラスの魔『それは坊ちゃんが喜ぶと思いまして』

ジュン『どう考えたら僕が喜ぶと思ったんだよ!』

ラプラスの魔『坊ちゃんの トリビャルハートにロックオン(ハート)』キュンキュン

ジュン『う、うわぁぁぁああああああ!!!!』ダッシュ!


――――――



ジュン『はぁ…はぁ……、こ、ここまで来れば…!』

ラプラスの魔『おやおや、行き止まりのようですね』

ジュン『で、出たぁぁぁぁ!!』

ラプラスの魔『坊ちゃん。私を置いていくなんてヒドイじゃないですか』

ジュン『逃げたんだよ!それくらい気付け!』

ラプラスの魔『それはそれは』

ジュン『んっ、なんだ?底の方で何か光って…』

ラプラスの魔『私の鏡を覗けば見られますよ。もしかしたら、あれが坊ちゃんの探し物かもしれませんね』

ジュン『なんだって…!おい、その鏡ってどこにあるんだ?』

ラプラスの魔『ここにありますよ。この中に』

ジュン『この中って……パンツの中!!?』

ラプラスの魔『ククッ…、如何にも左様にも』

ジュン『なんでそんな所に鏡を……もういいから出せよ!』

ラプラスの魔『出してください』

ジュン『………なんだって…?』

ラプラスの魔『坊ちゃんが取り出してください』

ジュン『はぁぁ!?なんで僕が…!』

ラプラスの魔『使うのは坊ちゃんですから。何か得るためには犠牲も付き物かと』

ジュン『そ、そんな…。あぁ、もうッ!お前が付けてる手袋貸せよ……って付けてないし…』

ラプラスの魔『さぁ!坊ちゃん早く早く!』クネクネ

ジュン『うぅ……』

ジュン『こ、こんなのすぐ取り出せばいいじゃないか…!』

ラプラスの魔『そうですね』

ジュン『やってやる!あっちの僕も頑張ってるんだ。僕も負けてられるか!』グィッ!

ラプラスの魔『ブラボォォォォ!!!!』

ジュン『ひぃッ!?』ビクッ!

ラプラスの魔『いやはや、少し触れただけでこの衝撃。流石マエストロの指先。計り知れません』

ジュン『え…?…あ……、えっ?』

ラプラスの魔『さぁ坊ちゃん。早く続きを。どうぞ遠慮なさらず…!』ズイッ!

ジュン『ぁ…ぁぁ……金糸雀――!!早く来てくれーーーーー!!!!』


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――――――――
―――――


真紅「ローズテイル!!」

白崎「ぐはぁっ!!」


ジュン「うわぁ………うわぁ…」

薔薇水晶「ジュン、大丈夫?」

槐「流石にこれはないわ。いくらなんでもあんまりだわ」

白崎「なんで!?こっちは自信あったのに!」

真紅「なんの自信よ!こっちの方がおぞましいじゃないの!」

ジュン「あ、あの時こんな奴と二人きりだったのか…」ガクブル

白崎「でも、あの時微笑ましかったでしょ?坊ちゃんの後ろをピョンピョン付いて来てて」

ジュン「そんな訳ないだろ!!…ていうか、あの時そんな事考えてたの!?」

白崎「いやぁ、さすがに考えてないよ。いくら兎は性欲強いって言っても、僕はその辺の分別はしっかりできてるからね」

薔薇水晶「でもしたいのでしょう?」

白崎「ラプラスの魔の時にね」

ジュン「何言ってんの!?こいつ何言ってんの!!」

薔薇水晶「あなたはジュンの事が好きなの?」

白崎「愚問だね」

ジュン「聞きたくなかった!!聞きたくなかったぁぁぁ!!」

槐「そういえば、ドラマCDでくんくんにも手を出していたな」

真紅「なんですって!?塵にしてやるのだわ!」



薔薇水晶「ラプラスの魔×ジュン………ぽっ///」ポッ

ジュン「もう早く終わらそう……パパッとやっちゃおう…」

真紅「そうね」

槐「薔薇水晶、何かやりたい場面はあるかい?」

薔薇水晶「はい、あります。ですが、お父様からお先にどうぞ」

槐「そうかい?なら僕から――――…」


―――――
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―――――――――――

【ローゼンメイデン トロイメント 最終回】


槐『これで…!これで僕の人形が優れている事が証明された!ローゼンの人形より僕の人形の方が…!』

ジュン『なんだって…!?じゃあ、お前は……!』

槐『おめでとう、薔薇水晶』

薔薇水晶『お父様…』

槐『残るはあと一体。今の薔薇水晶の敵ではないぞ!』

薔薇水晶『アリスになるのはこの私』

槐『そうだ。その通りだ。いくぞ、薔薇水晶』

薔薇水晶『はい、お父様』


―――――――――――
――――――――
―――――



ジュン「薔薇水晶が壊れなかったらってこと?」

槐「そういう事だ」

真紅「なんていうか……予想通りね」

ジュン「そうだな。予想通りだ」

白崎「えんじゅぅ、もっと面白いシーンにすれば良かったじゃないかぁ」

槐「お前と一緒にするな」

ジュン「次は薔薇水晶だけど、やってもいい?」

薔薇水晶「お願いします」

槐「もしかしたら、僕と被るかもしれないなぁ」フフフ


―――――
――――――――
―――――――――――


薔薇水晶『雛苺の髪の毛難しい…』チクチク

槐『おや?何をしているんだい。薔薇水晶』

薔薇水晶『お父様。今みんなのぬいぐるみを作ってるんです』

槐『へぇ、上手いじゃないか』

薔薇水晶『えへへ。……………できました!』

槐『8体分も。大変だったろう』

薔薇水晶『はい。今から皆さんに渡しに行ってきます』

槐『暗くなる前に帰っておいで』

薔薇水晶『はい、お父様』

薔薇水晶『こんにちは』

雛苺『あっ!薔薇水晶なの!いらっしゃい』

真紅『久しぶりね、薔薇水晶。ちょうど呼びに行こうと思っていたの』

雪華綺晶『うふふ、久しぶりと言っても三日ぶりですよ。お姉さま』

翠星石『三日も顔を出さねーとはふてー奴ですぅ』

蒼星石『薔薇水晶にだって都合があるからそんな事言っちゃダメだよ』

雛苺『そーなのよ。水銀燈も金糸雀ももうすぐ来るから、それまでお茶会しましょ!』

薔薇水晶『はい』ニッコリ



……



金糸雀『こんにちはかしらー』

水銀燈『ちょっと……腕引っ張らないでよぉ』

雛苺『あっ!水銀燈に金糸雀!いらっしゃいなのー』

真紅『遅かったわね』

金糸雀『水銀燈を連れてくるのに時間が掛かったかしら』

水銀燈『はぁ?あなたの飛ぶスピードが遅いからでしょ』

翠星石『またお決まりの言い合いが始まったですぅ』


薔薇水晶『あの…!実は今日は渡したいものがあって…』

金糸雀『えっ?渡したいもの?』

薔薇水晶『はい、これ…』

水銀燈『なによこれ。私の人形?』

薔薇水晶『はい。前は壊しちゃったから…。今度は雪華綺晶のも作ったの』

雪華綺晶『まぁ!かわいい。ばらしーちゃん、ありがとうございますわ』

真紅『あの時の事を思い出すけど……一応もらっておくわ』

雛苺『真紅!そんな事言っちゃダメなのよ。薔薇水晶が一生懸命作ってくれたんだから!』

蒼星石『そうだよ。薔薇水晶、ありがとう。大切にするよ』

薔薇水晶『えへへ』

翠星石『確かによくできてるです。それはそれとして、そろそろお茶会の準備するですよ』


―――――――――――
――――――――
―――――


真紅「薔薇水晶……あなた…」

薔薇水晶「……こんな世界があってもいいと思って…」

槐「………」プルプル

ジュン「槐…?」

槐「僕は…今まで薔薇水晶に悲しい思いをさせていた…?」

薔薇水晶「いいえ、違います。私の意思はお父様の意思。私も戦いを望んでいました」

槐「…アリスゲームとさっきの団欒ならどっちがいい?」

薔薇水晶「団欒です」

槐「ほらっ!ほらやっぱり!僕は…僕は……!」

ジュン「今までの考えがダメなら改めればいいじゃん」

槐「簡単に言うけどな…。僕は薔薇水晶を自分の私怨のためにアリスゲームに参加させてたんだぞ!」

ジュン「だからさ、間違ってたと思うんならやり直せばいいよ。お前は薔薇水晶の傍にいるんだから」

真紅「そうよ。私もさっき言ったでしょ」

槐「そう…だったな…」

薔薇水晶「お父様、私は満足しています。だから間違っていたなんて思わないで…」

槐「………僕は幸せ者だな…」

真紅「気付けて良かったわね。それと薔薇水晶。私達はいつでも歓迎するわ。だから、たまには遊びに来なさい」

薔薇水晶「真紅……いいの…?」

真紅「いいも何も呼びに行くわ」

薔薇水晶「真紅…ありがとう」


白崎「ねー、もう次のコーナーに移ろうよー!」

槐「こいつ…」

ジュン「空気読めよな…」

真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


ジュン「毎回ゲストから新連載について聞いていく感じなんだ」

槐「なぁ…、新連載って僕たちは出ないんじゃないか?」

真紅「わからないわよ。もしかしたら、お父様の弟子として登場するかもしれないわ」

槐「なるほど!それなら僕も出番があるかもしれないぞ!」

薔薇水晶「お父様…、私は?」

槐「僕が出るなら薔薇水晶も出るハズさ!」

薔薇水晶「嬉しいです」


ジュン「そもそも、槐がローゼンの弟子になったのっていつだったんだ?」

槐「真紅が造られた頃かな」

真紅「えっ」

槐「真紅の美しさに感動してね。それから先生の弟子になったんだ」

ジュン「真紅、雛苺、雪華綺晶を造ってる所を見た事あるのか」

白崎「薔薇水晶が雪華綺晶に似てるのも、雪華綺晶製作時に槐も薔薇水晶を造ったからだよね」

槐「まぁそうだな」

槐「そんな訳で、僕と薔薇水晶は箱庭時代から始まると予想する」

薔薇水晶「原作に出られるといいですね。お父様」

真紅「過去なら可能性もあり得るものね」

ジュン「可能性あるのか…?」

ラプラスの魔「ククッ…、傘を裏返せばまた新たな世界が開くのと同じということ」

ジュン「うわぁッ!ラプラスが元に戻ってる…!」

真紅「いつの間に…」

ラプラスの魔「知っていますか?時計の針を巻き戻せば過去へと戻る」

真紅「時間のゼンマイは無機物しか巻き戻せないのだわ。それもほんの少しだけよ」

ラプラスの魔「果たしてそうでしょうか。時計の針は人によって違うものです」

真紅「もうっ…。何が言いたいのよ」

槐「ラプラス、なぜ元の姿に戻った?」

ラプラスの魔「あの姿では格好がつきませんからね」

ラプラスの魔「私が最初に語るもの。それは人を辞めた一人の男の物語」

ラプラスの魔「消えてしまった自分の心。気づいた時にはもぬけの殻」

ラプラスの魔「それでも男は求めて止まず」

ラプラスの魔「ウサギの穴にも、お城の中にも、果ては世界の深淵にさえ」

ラプラスの魔「それでも失せ物見つからず」

ラプラスの魔「いつしか自身も壊れてしまう」

ラプラスの魔「そんな彼を救ったのは………はて、…一体誰なのでしょうね」

ジュン「………」


ラプラスの魔「豆の木を登るとどうなるか。それは登ってからのお楽しみというもの」

ジュン「なぁラプラス」

ラプラスの魔「おや、坊ちゃん。如何いたしましたか」

ジュン「突然だけどさ…、前回の雛苺じゃないけど……いろいろありがとな」

ラプラスの魔「…そのお言葉が聞けただけでこのラジオに参加した甲斐があったというもの。目に余る光栄です」


ラプラスの魔「それでは、皆さん。また近いうちに」スゥ


真紅「消えた…。照れたのかしら?」

槐「あのウサギが照れるだろうか?」

薔薇水晶「ラジオなのに勝手に居なくなっていいの…?」

ジュン「よくないけど…、お礼も言えたしあいつは放っとこう」

槐「あぁ、それがいい」

ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである、薔薇水晶、槐、お疲れ様」

薔薇水晶「楽しかったです」

槐「あぁ、たまにはこういうのも悪くないな」

ジュン「途中ラプラスの魔が居なくなったけどなんとかなったな」

真紅「ホントよ。協調性がないのだわ」

槐「終わる間際で良かったな」


薔薇水晶「ラジオってまだ続くの?」

ジュン「あとちょっとだけ続くと思う。やる日は不定期だからまたネットで放送日を連絡するよ」

薔薇水晶「わかりました。楽しみにしてます」


真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

薔薇水晶「薔薇水晶です」

槐「槐だ」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第8回目】END
 

今日はここまで。レスありがとうございます。
ローゼンの愛せない父親の気持ちもわかります。
槐はその逆で愛せる父親だったのかもしれませんね。



本当にどうでもいい事なのですが、>>235のラプラスのセリフは

×→ラプラスの魔「それでは、皆さん。また近いうちに」スゥ
○→ラプラスの魔「それでは、皆様。また近いうちに」スゥ

こんな感じです。些細すぎてどっちでもいいのですが一応書いときます。

投下していきます。

山口店長「………」ポチポチ

ジュン「あの…、課長。まだ始まってないんだけど…」

山口店長「課長じゃねーよ。来いって言われたから来ただけだし」

ジュン「いや…、待っててもらわないと困るっていうか…」

山口店長「………」ポチポチ


ジュン「なぁ真紅。部長がもう来てるんだけど…」

真紅「そうね」

ジュン「まだゲストルームに居てもらうはずなんだけど…」

真紅「なら早く注意しなさい」

ジュン「したよ!したけど言うこと聞いてくれないんだ」

真紅「まったく、使えない下僕ね。私が手本を見せてあげるわ」


山口店長「……」ポチポチ

真紅「スマホをポチポチと…」

山口店長「…んっ?」

真紅「人の話を聞きなさいッ!!」ドゴォ!!

山口店長「ぐぼぁッ!!?」


ジュン「殴っ!!?」

 
【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第9回目】


真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


真紅「第9回目始まりました。今日も喋っていきたいと思います」

ジュン「…OPでゲスト殴るって大丈夫なのかな…」

真紅「あのオスがいけないのよ。スマホをポチポチポチポチしていたのだもの」

ジュン「そうだけどさぁ…」

真紅「過ぎた事をいくら言ってもしょうがないでしょ。もうゲストを呼ぶわよ」

ジュン「すぐ呼ぶんならここに居てもらってもよかったんじゃ…」

真紅「それではゲストを呼ぶわ。本日のゲストはこの三人です」


斉藤さん「中学生のジュンくん、真紅ちゃん、こんにちは!」

山口店長「いてて…」

鳥海「やあ、ジュンに真紅」

ジュン「今回も多いな……疲れるよ…」

斉藤さん「大変だろうけど私もお手伝いするよ!一緒に頑張ってこ」

ジュン「…ふ、フンッ!」プイッ

斉藤さん「あははっ、中学生のジュンくんは可愛いなぁ」

山口店長「単に生意気なだけだって。斎藤ちゃん」

鳥海「へー、おじさんって今時のDQNって感じだね」

山口店長「お兄さんって言え!桜田ジュニアもそうだけどムカつくガキばっかだな」

ジュン「ジュニアってなんだよ。千○ジュニアみたいに言うなよな」

真紅「単純に年少者って意味でしょ。そのまんますぎるわね」

山口店長「あーっ!ムカつく!なんなんだこいつら!特に赤いの」

真紅「私の事かしら?」

山口店長「お前以外に誰がいるかっての!いきなり殴りやがって!」

真紅「貴方がいけないのだわ。呼んでもないのにスタジオに入って」

山口店長「だからって殴るか普通?人形には常識がないのかよ。このクソ人形!」

真紅「口が過ぎる!」ドゴォ!!

山口店長「ぎゃぼっ!!?」

山口店長「恐ぇ…、こいつこえぇよぉ……」ガクブル

真紅「ローズテイルじゃなかっただけ有り難いと思いなさい」

鳥海「綺麗な右ストレートだったな」

ジュン「お腹はやめてやれよ、真紅」

山口店長「ジュニア!お前あいつのご主人様だろ!なんとかしろよ」

真紅「ジュンは私の下僕よ」

山口店長「…! と、とんでもない人形だ…」

ジュン「それは同意する」

斉藤さん「うふふ、店長ったらおかしい。それにしても、あのお人形さんが意思を持っていたなんて」

真紅「あなたとは何度か会ったわね」

斉藤さん「うん!一緒に共演したりご飯食べたりしたよね」

真紅「そうね。女優仲間よ」

ジュン「ただの小道具だろ」ボソッ…

真紅「うるさいわね」ビシッ!

ジュン「いったぁ!!」

斉藤さん「あははっ、こういう感じなんだね。ドールとマスターの関係っていいなぁ。
      私たちってあまりローゼンメイデンと関わらないから、こういう機会があって嬉しいよ」

山口店長「もう関わりたくないんだけど…」

鳥海「それにしても濃いメンバーだな。ジュン大丈夫か?」

ジュン「もっとヤバイ時あったから…。って、お前も濃いだろ」

鳥海「俺は普通だって!今時の中学生じゃん」

ジュン「最初はな」

鳥海「そうそう。最終回付近とか俺病んでたよな」

ジュン「病んでたってレベルじゃないだろ…」

鳥海「あー…、ネットで色々言われてたのが懐かしい。
    2年くらい前は、ジュンになりたいって言うと『鳥海がいるぞ!○せ!』ってよく言われてたなぁ」シミジミ

ジュン「そんなネタもあったな。翠星石ファンはガチで怒ってたけど」

鳥海「そりゃ怒るよな。俺も今見るとないわって思う」アハハ

ジュン「笑い事…なのか?」


真紅「世間話もそのくらいにしてふつおたを始めるわよ」

ジュン「はいはい」

鳥海「おっけ!」

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」


斉藤さん「でも、このラジオってすごいよね。『まいた世界』と『まかなかった世界』のどちらでも聞けるんだもん」

真紅「PEACH-○ITワールド全体で聞けるはずよ」

ジュン「えっ?その話ってマジだったのか?」

真紅「マジよ。今のところ『DearS』、『ZOMBIE-LOAN』、『しゅごキャラ!』の世界で確認済みよ」

ジュン「初耳だよ!どこ情報だそれ!」

真紅「くんくんから聞いたのよ。くんくんはその3つの作品にも出演してるから詳しいの」

ジュン「……くんくんってすごかったんだな…」

鳥海「えっ?じゃあなに?他の世界の人達も俺たちの活躍を知ってるわけ?」

真紅「たぶんね」

斉藤さん「ホント!?それなら名前を売り出すチャンスだわ!」

山口店長「斎藤ちゃん…女優魂に火が付いちゃってるよ…」

真紅「それはそうと、いい加減お便りを読むわよ」

真紅「R.N.カナ大大だーい好きさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

鳥海「サンキュー」


真紅「『皆さん、こんにちは。いつも楽しく聞いています。
    ゲストのみんなに質問なんだけど、もしドールのマスターになれるなら
    誰のマスターになりたいですか?理由も教えてね♪』……だそうよ」


ジュン「これはゲスト全員に向けてのお便りって事だな」

鳥海「どのドール……どのドールかぁ。迷うなぁ…」

ジュン「鳥海は雪華綺晶じゃないのか?」

鳥海「雪華綺晶は身内だからなぁ…。ちょっと考えさせて」

ジュン「わかった。二人はどうだ?」

斉藤さん「実を言うとね。『まかなかった世界』組でそういう話をした事あるの」

ジュン「えっ、そうなのか?じゃあ、あっちの僕も?」

斉藤さん「うん、こっちのジュンくんともこの話題で盛り上がるんだ~」

山口店長「まさか桜田と斉藤ちゃんが同じドールを選ぶとは思わなかったぜ」

ジュン「へー、好きなドールが被ったのか。あっちの僕の事だから真紅とか?」

山口店長「違う違う。こんな赤だるま誰も選ばないって」

真紅「……」ギロッ!

山口店長「す、素晴らしすぎて選ぶ側が萎縮するっていうか……」

ジュン「うーん…、なら雪華綺晶かな?」

斉藤さん「私とジュンくんは第4ドールの蒼星石ちゃんを選んだんだよ」※




※…『ローゼンメイデン ヴェヘゼルン ジー ヴェルトアップ』5日間連続キャストインタビュー
 

ジュン「蒼星石も造ったから思い入れがあるのかな?蒼星石大人気だ」

真紅「なんで蒼星石なのかしら?」

山口店長「そりゃあ、ドールの中で一番言うこと聞いてくれそうだろ?場合によっちゃエロい事も許してくれそうだし!」

鳥海「何言ってるんだよ。そういうあんたは誰がいいのさ」

山口店長「山口店長って言え!俺がマスターになるとしたら雪華綺晶ちゃんだな」

鳥海「えっ!?意外だな。山口店長も蒼星石かと思ったのに」

山口店長「蒼星石ちゃんもいいけど俺はやっぱり雪華綺晶ちゃん一択だな」

ジュン「そういえばドラマCDで雪華綺晶に告白してたよな」

真紅「あっさり断られていたわね」

斉藤さん「人形の館でのりさんのご飯を食べた時ですよね」

山口店長「そうそう、あん時の。俺は一途なんだぜぇ」

ジュン「僕の姉ちゃんにデレデレしてたくせに…」

鳥海「……なんで雪華綺晶なんだよ…」

山口店長「わからないのか?あの足を見てみろ。あのエロそうな足。あの足で色々されたら別の意味で昇天しちゃうかも!」

真紅「さっきから穢らわしい!ローズテイル!!」

山口店長「ぎゃああああああ!!!!」

山口店長「」



ジュン「で、なんで蒼星石なんだ?」

斉藤さん「えっとね、蒼星石ちゃんに『マスター』って言われるのが私の夢なの!
      それに蒼星石ちゃんって宝塚の王子様みたいでしょ?セリフの練習もしてくれそう!」

真紅「蒼星石なら一緒に練習してくれるでしょうね」

ジュン「あいつマスターの言ったことならなんでも聞くからなぁ…」

鳥海「よし!決めた!」

ジュン「うわっ!びっくりした…。いきなり大声出してどうしたんだよ」

鳥海「俺、翠星石のマスターになる!」

ジュン「なんでだよ…。よりにもよって翠星石とか。またファンが怒るぞ」

鳥海「俺って翠星石に酷い事したじゃん。だからその罪滅ぼしも兼ねて下僕になりたいなって思ってさ」

ジュン「翠星石にそんなの必要ないから。下僕とか言ってるの真紅だけだから」

鳥海「どのドールも可愛いよな。その中でも翠星石は真のツンデレだと思うんだよ。
    さすがツンデレオブザイヤー2005の優勝者は伊達じゃないってわけだ」

真紅「ツンデレなのはジュンにだけよ」

鳥海「とにかく!俺は翠星石のマスターになる!そして可愛くしてあげるんだ」

ジュン「……どんな風に…?」

鳥海「目とか縫ってあげたりとか」

ジュン「なんでだよ!今自分の行いを改めようとしたばかりじゃないか!
    それにあれってジュディカの代わりでやったんだろ?やる必要ないじゃん」

鳥海「俺ほどのマエストロにならないとわからないか。勝った!帰りにジュンの家に寄らせてもらうからな」

ジュン「………真紅、頼む…」

真紅「わかったわ。ローズテイル!!」

鳥海「ぶはッ!!?」



ジュン「ホントなんなんだ…」

斉藤さん「ふふ、ジュンくんってツッコミ職人なんだね」

ジュン「なにそれ…」

真紅「それでは続いてのお便り。R.N.剣道少女さんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

斎藤さん「ありがとね!」


真紅「『こんにちは。いきなりですが相談に乗ってくれたら嬉しいです。
    いつもお世話になってる男の子にお礼としてチョコレートを贈りたいのですが、
    男の子ってあまり甘いものは苦手なのでしょうか。』……これは男性陣に聞いた方が良さそうね」


山口店長「いてて…」

ジュン「あっ、復活した」

山口店長「こんの薔薇人形!ローゼンメイデンは人間に危害を加えないんじゃなかったのかよ!」

真紅「正当防衛なら話は別よ」

山口店長「こっちからは危害加えてないだろっ!…それはそうと、これってバレンタインの相談だよな?」

斉藤さん「もうすぐ2月14日ですもんね」

ジュン「あぁ、バレンタイン…。道理で…」

山口店長「剣道少女ちゃん、俺はいっぱいもらった事あるからアドバイスできるよん」

ジュン「ほんとかよ…」

山口店長「うるせぇ!そういう桜田ジュニアはもらったことあんのかよ!」

真紅「ジュンはむしろ作る側ね。dolls talkを見ればわかると思うけどあんな感じよ」

山口店長「ぷぷーっ!作らされてやんの。ダッセぇ!」

ジュン「うわぁ…、こういう感じ久しぶりだ。うざい」

山口店長「うざいってなんだ!うざいって!」

斉藤さん「ジュンくんって本当になんでもできるんだね!男の子がチョコ作ってくれるなんて素敵かも」

山口店長「えぇっ!?斎藤ちゃんなんで!?」

斉藤さん「だってプレゼント交換みたいで素敵じゃないですか。こういうのって友チョコって言うんでしたっけ?」

鳥海「友チョコかぁ。それすごくいい」

ジュン「あっ、こっちも復活した」

鳥海「俺もジュンにチョコレートあげようかな」

ジュン「なに言ってんの!?気持ち悪いんだけど!」

鳥海「またまたぁ、照れるなって」

ジュン「照れてないよ!本心だってば!」


山口店長「ていうか、別に男はホワイトデーであげればいいんじゃね?」

斉藤さん「ホワイトデーはホワイトデーでもらいたいですけど、交換もしたいじゃないですか。一度で二度おいしいわけです」

山口店長「黒っ!斎藤ちゃんなんか黒いよ!」

斉藤さん「えー、そうですかぁ?」

真紅「それで、男性としてはどうなの?」

ジュン「もらって嬉しい奴もいっぱいいるんじゃないか?」

真紅「ジュンの意見を聞いてるのよ。毎年のりや翠星石からもらっているでしょう」

ジュン「姉ちゃんたちが勝手に作ってるだけだって!僕個人としてはチョコなんていらないよ!」

山口店長「はぁ…、これだから桜田はモテないんだよ」

真紅「あら、そういう貴方はどうなのかしら?」

山口店長「あれは女からの気持ちなんだよ。チョコが好き嫌いの問題じゃないんだぜ?」

斉藤さん「店長はチョコもらった事あるんですか?」

山口店長「あるある!毎年けっこうもらってるから俺」

斉藤さん「でも去年、店長がバレンタインにチョコ買ってるの見かけましたよ」つ携帯

山口店長「なんで撮ってるんだよ……斎藤ちゃん…」

鳥海「ま、もらって嬉しくない人はいないと思うぜ。なぁ、ジュン」

ジュン「さぁね」

鳥海「こいつ照れてるだけなんで。剣道少女さんも想い人に思い切ってドーン!っと渡しちゃいないよ」

真紅「男性陣の意見は以上よ」

斉藤さん「真紅ちゃんはチョコ作ったりしないの?」

真紅「私も作るわよ。くんくんに贈るの。ついでにジュンたちにも渡してるわ」

斉藤さん「結局、真紅ちゃんもジュンくんにあげてるんだね!」

真紅「結果的にね。下僕を労わる事も主人の努めよ」

ジュン「よく言うよ」

斉藤さん「へー、じゃあジュンくんっていっぱいチョコもらってるんだ。見かけによらずモテ男なんだね。このっこのーっ!」

ジュン「姉ちゃんと人形にしかもらった事ないけどな。…肘で突くのやめてよ」

斉藤さん「そっかぁ…。今年は私も贈ろうかな」ウフフ




真紅「最後のお便りを読むわね。R.N.紫の水晶さんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

山口店長「サンキューだぜ!」


真紅「『こんにちは。鳥海皆人に質問します。
    鳥海皆人の消え方がデジャヴなのですが、結局彼らはどうなったのですか。』
    ……鳥海皆人へのお便りのようだわ」


鳥海「あー…、これかー…」

斉藤さん「これ私けっこうショックだったの」

山口店長「どこが?手が取れてたとこ?」

ジュン「そうじゃないって。自分が人間だと思ってたら実は雪華綺晶から創り出された存在だったって所だよ」

山口店長「あぁそれか。アリスゲームってのが終わったら普通に謝って、またダチに戻るのかと思ってたわ、俺」

鳥海「あの時はビビったよ。まさか俺自身が創り出された人形だったなんてなぁ…」

鳥海「結論から言うと、ただ消えた訳じゃないんだよ。雪華綺晶の中に戻ったっていうか…」

ジュン「そう、元ある形に還ったんだ」

鳥海「そう!それ。ジュディカもマデュリンもアレニエも薔薇の女王様もみんな同じだ」

真紅「少し解説するわ。アニメ1期の水銀燈、アニメ2期の薔薇水晶と槐は『9秒前の白』で迷子になっていたの」

真紅「けれど、この鳥海皆人は元から幻影。迷子になる事もできず、雪華綺晶も力を失って……」

鳥海「ほぼ消滅って訳だ」

斉藤さん「そんな…、ジュンくんとお友達になれると思ったのに…。嫌われてたけどかわいそう…」

鳥海「一言余計だよ!」

ジュン「まぁ、雪華綺晶が『まいた世界』に来れば、鳥海も勝手に出て来れるけどな」

斉藤さん「そうなの!?」

ジュン「だってここ『まいた世界』だし。鳥海も現に居るじゃん」

山口店長「『まいた世界』ってマジで!?じゃあもう一人の俺に会ってくるわ」

ジュン「ここに来れるのは収録の間だけだから。終わったら強制送還だぞ」

斉藤さん「あれ?でも、それだと雪華綺晶ちゃんは『まいた世界』に居るってことに…」

ジュン「僕の家に来てるよ。次は雪華綺晶がゲストだからな」


真紅「紫の水晶さん、これで疑問は解決されたかしら?」

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーは、ローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


斉藤さん「おーっ!ジュンくんカッコイイ!もっと練習すればさらに演技が光るかも」

ジュン「演技とかそういうのはちょっと…」

鳥海「やってみたい場面かぁ。俺からやってもいいの?」

山口店長「あっ!ガキ、ずりぃぞ!」

鳥海「早い者勝ちさ。いいだろ、ジュン」

ジュン「いいよ。鳥海の事だから僕になりたいとかだろ」

鳥海「違うって!見てろよ―――…」

 
―――――
――――――――
―――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 64】


マイスタージュン『――でも 今はもうすべてが見える』

マイスタージュン『鳥海はお前が作り出したんだな?雪華綺晶』

鳥海『な……、何を言ってる…!?僕が創りものだと……!?
    いっ…いや、鳥海はお前だ。ローゼンを継いだのはこの僕だ!』

鳥海『創り出すのは僕の方だ!僕こそがローゼン……あ…?』ぼろ…

雪華綺晶『…もう…お終いですわ。「お父様」…』

雪華綺晶『私はマスターも姉妹たちも欲しかった…。でも、私には誰もいない』

雪華綺晶『だから…創ってしまうことにしたのです。
      私だけの世界を 私だけの姉妹を 私だけのお父様を……』

鳥海『そん…な…、それが…僕だって言う…のか…』

マイスタージュン『思い起こせば出会いからそうだった。
           図書館でも学校でもいつだって。僕らが話す時は二人だけだった…』

マイスタージュン『ほころびはそこから始まっていた。
           鳥海の存在を起点に現実の世界へ雪華綺晶(おまえ)は浸食してきた』



そして―――


 

 
―――すべては彼女の 鳥かごの中のゆめ…


マイスタージュン『(あれは君自身の内に向かう叫びだったんだ。気付いてあげられなかった…)』

マイスタージュン『柿崎…めぐ』


せめて君は 羽ばたいていけた…?



鳥海『そんな…僕は作られた人形だったと?
    すべてが幻…?じゃあ僕の作ったこの世界も……美しい人形たち……も…』

鳥海『……そうか…僕はまだ何も生み出せて…いなかったのか…』

鳥海『僕はジュンじゃない……ローゼンでもない…。だけど……、
    だけど、まだこの世界に居たい!今度こそちゃんと生み出してみたいんだ!!』


マイスタージュン『それに気付ただけでもお前はよくやったよ。おめでとう』

真紅『おめでとう』

めぐ『私からもおめでとう』ムクッ

水銀燈『フンッ………おめでと』

雪華綺晶『おめでとうございますわ』

大ジュン『なにこれ……お、おめでとう』

金糸雀『おめでとうかしらー』

みっちゃん『鳥海くんおめでと!』

翠星石『おめでとですぅ。……ジュン、早く瞼の糸を…』

蒼星石『おめでとう』

ネズミの隊長『おめっとさんであります!』

雛苺『おめでとなのー!』

巴『おめでとう』

コドウグ『ウん、オメデトウ』

マデュリン『お父様がおめでとウだって』

ジュディカ『じゃあおめでとウしとこ』

アレニエ『お、オオめデとウ、オ父様』

薔薇の女王様『そんな事よりパァァァァァァアイ!!!!』


ローゼン『おめでとう』

ジュン『おめでとう』



ジュンに、ありがとう

ローゼンに、さようなら



そして、すべての薔薇乙女たちに




おめでとう


―――――――――――
――――――――
―――――

 

ジュン「長いよ!!無駄に長いって!しかも雑ッ!」

鳥海「えー、俺も改心したって事でいい感じだろ」

山口店長「パクリじゃん。もろパクってんじゃん、お前」

鳥海「パクリじゃない。俺が色々気付いてみんな祝福してくれるって描写だよ」

山口店長「バカじゃね?これパクリじゃなかったら何がパクリなの?」

鳥海「俺の想像にケチつけるなよ。おじさん」

山口店長「言ったなクソガキ。また右手ぶっ壊すぞ」

ジュン「あー、あー、もういいから。つぎ店長やってよ」

山口店長「ったく。これだからガキは。あいよ、やってやるよ―――…」



―――――
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―――――――――――

――――BOOKSタキワ


『店長さ~ん。これってどうやるんでしたっけ?』

山口店長『ここはこうだって。ちゃんと覚えてよ~、鈴木ちゃん』

『あ~ん、私にも教えてください。店長~』

山口店長『しょうがないな~。………おい、桜田!桜田はいるか?』

大ジュン『はっ!ここに』シュタッ!

山口店長『店長補佐のお前に命じる。あれ買ってこい。テレビでやってるやつ』

大ジュン『しょうがジンジャーですね』

山口店長『そうそれ。間違ってもコーヒー買ってくるなよ、俺飲めねぇから。あと5分以内にな』

大ジュン『御意!』ビュン!

山口店長『奴も使えるようになってきたな。時期店長は奴しかいねーわ』

山口店長『俺も本社移動になったし、あとは頼んだぞ。桜田』


―――――――――――
――――――――
―――――



山口店長「どう?俺の完璧な想像に酔いしれただろ」

ジュン「いや、…なにこれ?」

山口店長「ばっか!ジュニア。あっちのお前を立ててんだよ。それぐらい気づけ!」

ジュン「気づけるか!それになんだあの僕の動きは!人間の動きじゃなかったぞ」

真紅「ジュンがジャパニーズ忍者だったのだわ」

斉藤さん「あははっ!店長やっぱりおもしろーい」

山口店長「おっ!斉藤ちゃんには高評価じゃん。俺も昇進して桜田も店長になる。誰も傷つかない優しい世界だろーが」

鳥海「どこがだよ。職場の女の子たちからモテてジュンをこき使って、挙句の果ては栄転って。全部自分本位じゃないか」

山口店長「なんだとっ!おめーの方が自分本位だっつーの」

鳥海「あんたよりはマシだって」

ジュン「あー、もういいから。どっちもどっちだから」


真紅「本当に人間のオスは野蛮ね。斉藤さんは何かやってみたい場面はあるかしら?」

斉藤さん「あるある!私、蒼星石ちゃんのマスターになってみたい!」

真紅「ふつおたの時に言ってたわね。台詞回しの練習をしたいとか」

斉藤さん「そうなの!ちょっとやってみていい?」

真紅「いいわよ。私もどんな感じか見てみたいわ」

斉藤さん「オッケー!では、本番…スタート!」

 
―――――
――――――――
―――――――――――


蒼星石『何故きみがここにいる、ティターニア』

斉藤さん『あら、その言葉そっくりお返しするわ、オーベロン。行きますわよ。私、もうあの人に近づかないと決めましたの』

蒼星石『待て、ティターニア。僕は君の夫なんだよ』

斉藤さん『じゃあ私はあなたの妻でなくっちゃいけないわけね』

蒼星石『何故そうやって僕に逆らうんだい?ティターニア。
     僕はただ、あの可愛いインドの少年を僕のお小姓さんに欲しいといっただけではないか』

斉藤さん『……変態』

蒼星石『変態…。心外だな。僕のどこが変態なんだい?僕はいつだってマスターのためを思っているというのに』

蒼星石『さっき言った言葉も君が言わせてるんじゃないか。僕にこんな格好までさせて…』

斉藤さん『ストップ、ストーップ!蒼星石ちゃん違うから!さっきの変態発言はセリフだから!』

蒼星石『そうだったの?びっくりした…』

斉藤さん『ごめんね、蒼星石ちゃん。私の台詞回し手伝ってなんて言ったから…』

蒼星石『僕こそごめんなさい。マスターの期待に応える事ができなかった…』

斉藤さん『違うよ!蒼星石ちゃんは役になりきってたもの。いきなりそんな事できてすごいよ!』

蒼星石『そうかな?』

斉藤さん『男役もいいけど…、今度は妖精の役やってみる?』

斉藤さん『畜生、馬鹿にしおって。パック、そこにいるのだろう?』

蒼星石『あちゃー、バレてたか。ボクに何か用かい?』

斉藤さん『ここから西に向かっていくと小さな花畑がある。そこに白い花が咲いているはずだ。
      それで惚れ薬を作ろうと思うのだが、その材料になる白い花をつんで来てくれ』

蒼星石『わかりました。マスター』

斉藤さん『あ、そこは「面白そう!ボク行って来るよ!」ってセリフよ』

蒼星石『…難しいな』

斉藤さん『最初は誰だってそうだよ。練習あるのみ!さ、続きやろ』

蒼星石『はい、マスター』


―――――――――――
――――――――
―――――


斉藤さん「こんな感じだったらいいなー」

真紅「シェイクスピアの『真夏の夜の夢』ね」

斉藤さん「さすが真紅ちゃん!最近は学校の演劇でも選ばれてるらしいの」

真紅「このお話は私も好きよ。あの大混乱っぷりはハラハラしたのだわ」

斉藤さん「パックもおっちょこちょいだよね。わたし的には―――…」



山口店長「ついていけないんだけど…」

ジュン「それにしても、あんな蒼星石は見た事ないな」

鳥海「パックの役の時ってなんかアニメ第1期の蒼星石っぽくない?」

ジュン「そうかな?…どうだろ」

山口店長「もう次行こうぜ。次」

真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


山口店長「今月からやるんだよな?過去とか俺出ねぇじゃん!」

真紅「この時代の人間は基本出てこないかもしれないわね」

山口店長「なんだよそれ。主人公の俺無しとかこの漫画成り立たなくね?」

真紅「心配しなくても誰も貴方を主人公だと思っていないわ」

山口店長「んだよ、赤だるま。ちょっと長く出てるからって…」

真紅「またローズテイルを浴びたい様ね」フワッ

山口店長「すんまっせんっしたーー!!!!」ピョンッ


斉藤さん「あははっ!もうっ、店長笑わせないでくださいよー」

鳥海「ジャンピング土下座とか初めて見たよ、俺」

ジュン「それで新連載はどうなっていくと思う?」

斉藤さん「うーん…、蒼星石ちゃんは翠星石ちゃんとずっと一緒だって事くらいしかわからないかな」

鳥海「今までのゲストは、ローゼンの過去、箱庭、人形たちが旅立った後の予想をしてたよな?」

ジュン「あぁ、大体そんな感じだった」

鳥海「もうちょっと深く予想してみようぜ」

ジュン「深くって…、もうほとんど出尽くしたぞ」

鳥海「そうじゃなくて、もっとこう…登場人物同士の接触みたいな」

真紅「それももう話したわ。お父様が人間の頃とその娘。箱庭では私達の生活。旅立ちの頃だって…」

鳥海「その旅立ったあとのドールズってどうだったの?例えば、水銀燈と雛苺が出会った場合とか」

真紅「それは……、あの二人だけで会っていた事なんてあるのかしら?」

鳥海「なっ?真紅も知らない話とかきっとあるって!
    真紅は人間の世界に旅立って、最初に出会った姉妹が水銀燈だったんだよな」

真紅「えぇ、そうよ」

鳥海「じゃあ金糸雀は?翠星石と蒼星石は?雛苺は?」

真紅「……そういえば聞いていなかったわ」

鳥海「新連載ではそういう再会の話とかやるんじゃないか?」

斉藤さん「たしかに見てみたいかも」

真紅「…なるほど」


ジュン「鳥海の話で思ったんだけどさ。水銀燈と金糸雀って戦った事あるのかな?」

真紅「あの二人は仲がいいから戦ったりしないと思うけど…」

鳥海「いいや、わからないぞ。もしかしたら戦った事があるのかも。水銀燈が『金糸雀は厄介』って言ってたじゃないか」

ジュン「あっ!そういえば言ってたな」

真紅「あの二人は元々アリスゲームに積極的だったものね。そう言われると心当たりがあるわ」

鳥海「過去ならアリスゲームはまだ始まってないから、基本水銀燈が仕掛ける形になるんだよ」

鳥海「それで仕掛けたら金糸雀の逆鱗に触れて…!」

ジュン「金糸雀の逆鱗?お菓子取られたりとかか?」

斉藤さん「もしかしたら、マスターに危害を加えたとか?ほら、金糸雀ちゃんってマスターを大事にしてるから」

真紅「当時の水銀燈でも人間を傷つけるような事は………したわね…」

ジュン「したのかよ…」

真紅「傷つけるというか…力を吸い取ると言った方がいいわ」

ジュン「あー、最初に僕がやられたみたいなやつか。あれ力抜けるんだよなぁ」

斉藤さん「じゃあ、水銀燈ちゃんも基本は無害なんだね」

真紅「無害と言えるのかしら…?」



山口店長「なぁー、予想ばっかで飽きねぇの?お前ら」

ジュン「そういうコーナーだから。あんたも予想しろよ」

山口店長「人形の事なんか詳しくないんだよ」

鳥海「この人なんでこのラジオに呼ばれたんだろう…?」

ジュン「さて、そろそろお時間になりました」

真紅「本日のゲストである斉藤さん、山口店長、鳥海皆人 お疲れ様」

斉藤さん「皆さんもお疲れ様です!」

山口店長「斉藤ちゃんはいつでも可愛いねぇ。それに比べて、こいつらは……
      生意気なガキ二人に赤だるま。赤だるまも黙ってたら可愛いのにな…」

真紅「褒め言葉として受け取っておくわ。ただ、赤だるまと言った罰は受けなさい」ビシッ! バシッ!

山口店長「いってー!……最後まで可愛くねぇ…」


鳥海「ジュン、このラジオ番組ってまだ続くのか?」

ジュン「たぶん次でラストだと思う。もう10回目だし」

鳥海「ちぇー、楽しみが減っちゃうな」

真紅「そう言ってもらえると こちらもやってきた甲斐があったのだわ」

ジュン「だな。次回放送日は次の休みに放送するよ」

真紅「いつもより早いから忘れずにチェックしておきなさい」


真紅「それでは、お相手は第5ドール真紅と」

斉藤さん「斉藤と!」

山口店長「山口ッス」

鳥海「鳥海皆人。そして、」

ジュン「桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第9回目】END
 

今日はここまで。
エヴァンゲリオン面白いです。

それでは投下していきます。

ジュン「もう10回目か。長いようで短かったな」

真紅「あら、ジュン。名残惜しいの?」

ジュン「ち、違うって!清々したってこと」

真紅「そう。私は少しさみしいわ」

ジュン「真紅…?」

真紅「あなたとこうしてラジオをやるのもこれで最後だもの」

ジュン「それは……僕も少しは感慨深く思うけどさ」

真紅「ジュン。あなたは最初嫌々ながらやっていたわね」

ジュン「そりゃ嫌だったよ。何が悲しくてラジオなんて…」

真紅「それは最初だけ。途中からスタジオの掃除やお茶菓子の支度。どうやったらラジオが面白くなるか勉強していたでしょう」

ジュン「し、知ってたのか…」

真紅「下僕の事ですもの。すべて知っているわ」

ジュン「まぁ…、……僕も少しだけ楽しかった……かな…」

真紅「ふふ、いい子ね。ジュン」

ジュン「真紅に無理やりやらされていたけど、スタッフの人やゲストの人と話せたのは良かったと思ってる」

真紅「私もよ。人との繋がりは話すことから。それを絆とも言うわ」

ジュン「リスナーの人達とも絆ができたのかな…?」

真紅「それはわからないわ。ただ、あなたの真剣な姿は伝わった事でしょう」

ジュン「そうなのかな?」

真紅「そうよ。そして私も。だって楽しかったから」

ジュン「真紅…」

真紅「さあ!最後のラジオよ。今回も気合を入れなさい」

ジュン「そうだな。真紅も気合入れろよな!」

真紅「誰に物を言ってるの。私は元から気合充分なのだわ」

ジュン「はは、そうだったな。なら始めるぞ」

真紅「えぇ、お願いね。ジュン」





【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第10回目】



 

真紅「真紅と」

ジュン「ジュンの」

真紅 ジュン「「薔薇の香りのガーデンパーティ0」」


/ 茨の茎を 伸ばして撓めて~♪ \


真紅「第10回目始まりました。今日はいつにも増して喋っていきたいと思います」

ジュン「今日で最後かぁ。そう思うとやっぱり寂しいかな…」

真紅「あら、急に素直になったわね」

ジュン「まぁね。学校でみんな楽しみにしてるって言ってくれてさ。なんだか僕も感情移入してきちゃって…」

真紅「ジュンの事だから学校でその話をされたら嫌がると思っていたのだけど」

ジュン「最初は嫌だったよ。だけど生で応援の声を聞くと元気になるっていうか…」

真紅「そういえば、このラジオは聞いてる人に元気になってもらうために始めたのよね」

ジュン「新連載の宣伝のためだろ?こんなラジオで新規読者なんて獲得できる訳ないよ。専門用語ばっかでリスナー置いてきぼりにするし」

真紅「新連載の宣伝はともかく、リスナーのみんなに元気を分けてあげたかったのは本当よ」

ジュン「……そうだよな。それなのにパーソナリティの僕が逆に元気をもらっちゃって…」

真紅「私もよ。なんだか逆になってしまったわね」

ジュン「うん。本当にリスナーのみんなには感謝してるよ」

真紅「そんな訳で、今日も皆さんに元気が出るように私たちもやっていくわ」

ジュン「よかったら聞いていってください」

ジュン「それでは、最後のゲストを呼ぼうか」

真紅「最後のゲスト。大トリはこの二人なのだわ!」


雪華綺晶「ごきげんよう。ローゼンメイデン第7ドールの雪華綺晶です」

大ジュン「こ、こんにちは。まかなかった世界の桜田ジュンです…」


真紅「さっきぶりね。雪華綺晶」

雪華綺晶「はい、お姉さま。さっきぶりです」

ジュン「雪華綺晶は今僕の家に泊まってるんだ。それはそうと、お前緊張しすぎだろ」

大ジュン「だ、だって…、僕こういう公の場に出るの苦手なんだよ。こ、声が震える…」

ジュン「気持ちはわかるけどな。でもそんなの慣れっこだろ?最近はすごく活躍してるって聞いたぞ」

大ジュン「えっ?活躍って劇団の大道具で?」

ジュン「テーマパークの清掃員でパフォーマンスをしてるって聞いたぞ」※1

大ジュン「それ別人だから!他人の空似だから!いくら掃除好きだからってあそこまでマニアじゃないよ」

ジュン「掃除好きなのは認めるのか。店長っぽい人も出てたって聞いたし同一人物じゃないの?」

大ジュン「違うって!そういうお前も右手にミギー生やしてたって聞いたぞ!」※2

ジュン「誰が寄○獣の主人公だ!全然似てないだろ!」

大ジュン「ももたね先生絵だと似てるって巷じゃもっぱらの噂だぞ」

ジュン「巷ってどこだよ!」


真紅「何を戯れあっているのかしら?」

雪華綺晶「うふふ、マスターたち仲良しですわ」




※1…ワンダリングワンダーワールド 鉄心

※2…ネオ寄○獣No.8 教えて!田宮良子先生 新一

大ジュンが雪ちゃんのミーディアムやってるの?

ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」

真紅「あなたも私達に質問したかったら手紙を送りなさい。この真紅が直々にお答えするわ」


大ジュン「おおっ…!なんかラジオっぽい」

ジュン「いや、ラジオだし」

雪華綺晶「ふつおた!ふつおたを読むんですよね。どちらが読むの?」

真紅「いつも交代で読んでるわ。今回はこの真紅が読むわ」

ジュン「あぁ、任せた」

真紅「任されたわ。それでは読んでいきましょう」


真紅「R.N.カナ大大だーい好きさんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『ダブルジュンジュン、真紅ちゃん、きらちゃん こんにちは!またお手紙送っちゃいます。
    雪華綺晶ちゃんに質問です。雪華綺晶ちゃんはまかなかった世界のジュンジュンが大好きよね。
    そこで思ったんだけど、まいた世界のジュンジュンの事はどう思ってるんですか?なんだか気になっちゃうわ!』
    ………だそうよ、雪華綺晶」


雪華綺晶「私!?私への質問なのですか?」

ジュン「だからそうだってば」

>>278
はい、やっています。
詳しくは、ローゼンメイデン10巻に載っています。

雪華綺晶「わぁー!ドキドキします。わたくしへの質問だなんて…」

真紅「それで雪華綺晶。答えはどうなの?」

雪華綺晶「そんなの簡単です。どちらもジュン様に変わりはありません」

真紅「…つまりどういうこと?」

雪華綺晶「どちらも大切ですし大好きってことです。あっ、マスターとは一緒に暮らしているのでその差はあるかもしれませんが」

真紅「あなた、まいた世界にもよく来ているじゃないの」

雪華綺晶「だって、ジュン様が居ないと動けないんですもの」

真紅「ジュンは貴女とも心が繋がっているものね。これも立派な絆よ」

雪華綺晶「そうなんですよ!それにマスターもわたくしを受け入れてくれましたし」

雪華綺晶「さらにお姉様たちとの絆もできました。わたくし今とっても幸せですわ」

真紅「ふふ、そうね」



ジュン「そっちだとうるさくなくていいだろ。羨ましいよ」

大ジュン「いや、やっぱり少しは喋ってもらった方が暇つぶしになるっていうか…」

ジュン「隣の芝は青く見えるって事なのかな?」

大ジュン「ははっ、そうかもしれない」

真紅「続いてのお便りよ。R.N.ノリスさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『ジュンくんにおっきなジュンくん。真紅ちゃんと雪華綺晶ちゃんもこんにちは。
    実はね、お姉ちゃんはジュンくんの将来がとっても心配です。
    だから、おっきなジュンくんに聞いちゃおうと思います。
    おっきなジュンくんは今彼女さんとかいるのかしら?
    いたら是非お姉ちゃんにも教えてほしいなぁ。』……これは仮下僕への質問のようね」


大ジュン「なぁ、まいた僕。このお便りってまさか…」

ジュン「そのまさかだよ。まかなかった僕」

雪華綺晶「のり様大丈夫です!マスターの彼女はこの私ですわ!」

ジュン「え゛?そうなの…?」

大ジュン「いやいやいや!違うから!」

雪華綺晶「えぇっ!?そんなぁ……あんなに愛を確かめ合ったのに…」ヨヨヨ

ジュン「お前……人形相手に何やってるんだよ…」

真紅「不潔なのだわ」

大ジュン「違うって言ってるだろ!雪華綺晶も誤解を生むような発言はやめて!」

大ジュン「そういうお前だって翠星石といい仲だろ」

ジュン「はぁ!?そんなわけないだろ!」

大ジュン「僕もラジオ聞いて知ってるんだからな。第5回で翠星石とキスしてただろ」

ジュン「あれは蒼星石の妄想だって!なに聞いてたんだよ!」

大ジュン「まんざらでもなさそうだったけどなぁ」

ジュン「だ、誰があんな性悪人形なんかと…!」

真紅「その辺にしときなさい。翠星石が悲しむのだわ」

ジュン「真紅…」

大ジュン「ごめん…悪かったよ。僕」

ジュン「僕の方こそ…。煽って悪かったよ。僕」


雪華綺晶「わ、私をマスター達が取り合う感じにしようと思ったのに……まさか翠のお姉様に飛び火するなんて…」アワワ…

真紅「そんな事を考えてたの…。少し反省しなさい」ビシッ!

雪華綺晶「きゃん!」

真紅「雪華綺晶の冗談はさておき。そっちのジュンのガールフレンドの話ね」

ジュン「そういう人いるのか?僕」

大ジュン「な、なんでそんな話しなきゃいけないんだよ…。自分の交友関係を世界に拡散とか無理だって」

ジュン「そりゃそうだよな。最もな意見だ。じゃあこの話はこれで辞めに…」

真紅「斉藤さんは?あの子はどうなの?」

雪華綺晶「!」

大ジュン「な、なんで斉藤さんが出てくるんだよ…」

真紅「あの子は恐らくジュンに気があるでしょうね。見ていてわかるもの」

大ジュン「そ、そんなことラジオで言うなよな!斉藤さんにも迷惑だろ」

雪華綺晶「むーっ!マスター照れてる」プクーッ

大ジュン「照れてないって!」

ジュン「斉藤さんかぁ。お前も隅に置けないんだな」

真紅「中学生の貴方とは違うってことよ」

ジュン「僕は別に彼女とか興味ないし」

真紅「ホントかしらね?」

ジュン「それにしてもガールフレンドか。予め謝っとく。ごめんな、僕」

大ジュン「えっ?何が?」

ジュン「前回斉藤さんに聞いたんだけど、マスターになるなら蒼星石がいいんだって?」

大ジュン「そ、それは僕じゃないって!僕の中の人の話だから!」

ジュン「調べてきたよ。本人の話だと――…」


……


逢○さん『蒼星石がいちばんですね。
      いちばん常識人というか、マスターをちゃんとマスターと思ってくれるので……(笑)。
      あと、本当、台本読んだときかわいいなと思いました!』


……


大ジュン「なんでそんなの持ってくるんだよ!今はこれ地雷にしかならないだろ」

ジュン「ホントごめん。最初に謝ったのはそんな訳なんだ。
    僕もこれどうなのかなって聞いてみたくてさ。今のタイミングでしか聞けないと思ったんだ」

大ジュン「それはそうかもしれないけど…」

真紅「これ…、一番好きなドールは?って質問じゃないの」

雪華綺晶「私も聞こうと思っていたの。マスターどうなんですか?」ムー

大ジュン「だからこれは逢○くんの場合だよ。僕、桜田ジュンが答えたら雪華綺晶が一番って答えるからな」

雪華綺晶「マスターならそう言ってくれると信じていました。でも、もし浮気をしたら……」

大ジュン「し、したら…?」

雪華綺晶「最後は私の元に戻ってくるように調教します」ウフフ…

大ジュン「雪華綺晶さん!?なんか笑顔こわいよ!」ガビーン

真紅「バーズ版の頃のような笑顔ね」

ジュン「よし、無事に解決したな」

大ジュン「どこが!?余計ややこしくなっただけだよ!」

真紅「続いてのお便りはR.N.蒼の精霊さんからよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『こにちハ。いつも聞てます。マスター言つてました。
    まちなかったジュンさまは、カシバワさんをエッチなな目で見てたて。
    ホントでさか…?』……なんだかミミズが這ったような字ね」


ジュン「カシバワさんって柏葉のことか?」

雪華綺晶「トモエ様をエッチな目で…?マスター…言った傍からですか?」

大ジュン「ち、ち、違う!違うから!あの時は制服懐かしいなって思っただけだから!」

雪華綺晶「問答無用です!」

大ジュン「うわぁあああ!!?」


ジュン「おーっ、縛られてる縛られてる。デジャヴだなぁ」

真紅「スタジオは壊さないでほしいわ」


< お前ら助けろってーー!!




大ジュン「だから誤解だよ!制服が珍しかっただけだから!」

雪華綺晶「そうなのですか?なら私が制服を着て差し上げましたのに」

大ジュン「…お前ちょっとムキになると性格がアリスゲーム時代に戻るよな」

雪華綺晶「だって…、マスターを取られたくないんですもの……。マスター…、私のこと嫌いになった…?」

大ジュン「嫌いになんてならないよ。約束しただろ。僕がちゃんと受け止めるって」

雪華綺晶「マスター…!」




真紅「もういいから降りてきなさい」

真紅「気を取り直して、R.N.劇団少女さんからのお便りよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『二人のジュンくんと真紅ちゃん、雪華綺晶ちゃん こんにちは。
    雪華綺晶ちゃんに質問です。雪華綺晶ちゃんは二人のジュンくんを縛り上げた時に
    こういうプレイが好きだと言っていました。
    それはいつもジュンくんを縛り上げてるってことでしょうか。』……どうなの?雪華綺晶」


雪華綺晶「あら、また私なのですね。お答えしましょう」

雪華綺晶「縛ったり目隠ししたり監禁するのは好きなのですが、今では自分がされる方が好きですわ。マスター限定ですけどね」

ジュン「さっきも縛ってたもんな」

真紅「あなたたち いつもあんな事をしているの?」

大ジュン「してないって!だからこっちの世界だと雪華綺晶は動けないの知ってるだろ」

雪華綺晶「動けないわたくしにイタズラしてもいいのよ。マスター」

大ジュン「そ、そんな変態みたいな事するわけないだろ!」

ジュン「えっと、…劇団少女さんが言ってるのはドラマCDの話だよな」

真紅「二人のジュンを同時に縛り上げたのなんてその時だけだもの」

大ジュン「人形の館の話か。斉藤さんも店長も妙にドールに興味持ってたよなぁ」

ジュン「その店長だけど、雪華綺晶に告白して断られてたよな。あれってなんで振ったんだ?」

雪華綺晶「えっ?だって、わたくしの欲しかった人は店長さんではなくて『桜田ジュン』なんですもの。断って当然ですわ」

大ジュン「そうなのか?あの時は苗床になるなら誰でもいいみたいな感じだったけど」

雪華綺晶「もうっ!失礼しちゃう。そんなに尻軽な女ではありません」プイッ

大ジュン「あはは、ごめんごめん」

雪華綺晶「あれは苗床じゃなくてパートナーとしてお断りしたのです。私のマスターは貴方だけなんですよ」

大ジュン「そ、そう言われると照れちゃうな…」


ジュン「またイチャつきだしたぞ」

真紅「仲睦まじいわね」

大ジュン「だから違うってば!」

雪華綺晶「♪」

真紅「続いてはR.N.翠の庭師さんからのお便りよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『チビジュンにデカジュン、真紅に雪華綺晶こんにちはです。
    私は前々から思っていたのですが、YJ最終巻の表紙は順番通りなら第3ドールが表紙なのではないのですか?
    だから本来ジュンに抱っこされていたのは翠星石だったのでは?
    そこの所はどうなのでしょうか。』……あの表紙は前々から決まっていたのよ」


大ジュン「えっ、そうなのか?」

真紅「コミック&アニメ公式ガイドBOOKの表紙は私と貴方だったでしょ?」

大ジュン「そういえばそうだったかも」

真紅「その対比として、物語の最終巻は主人公とヒロインでいくと決まっていたの」

ジュン「僕は別に表紙にならなくてもよかったけど、主役だからって言われて……」

真紅「せっかくマイスターローゼンになったジュンと、アリスを模した私が居るからって話だったわよね」

雪華綺晶「いいなぁ…。わたくしもマスターとカラーでツーショットしたいですわ」

大ジュン「カラーかぁ。新連載で僕は……出ないから無理か」


ジュン「それにしても…、前に翠星石にも同じこと言われたよ。同じこと思う人もいるんだな」

真紅「そうね。少なくとも0ではないわ」

真紅「続いてのお便りよ。R.N.死は甘美な響きさんから。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『こんにちは、こんばんは。以前ラジオを聞いていて疑問に思ったから質問するわ。
    5回目の時にR.N.紫の水晶さんの質問で『薔薇の誓い』について答えていたけど、
    Phase 6を読むと、誓いを解いたドールはアリスゲームの棄権を意味すると書いてあったの。
    もしかして、まだ私の知らないルールがあるのかしら。』……えっと…5回目といったら……」


ジュン「翠星石達が来た時だよ。またけっこう前の質問だな。5回前とか狙ったようにタイミングだ」

ジュン「一応あの時の音声があるから聞いてみようか」


……



真紅『私達は薔薇乙女としての誇りと信念。そして、お父様への想いを胸に闘ってきたの』

真紅『負けを認めない限り薔薇の誓いは解いてもいい。想いが続く限り負けではないの』

翠星石『雛苺は負けを認めたですからね。読者が薔薇の誓いを解く=リタイアと勘違いしても仕方ないです』



……


大ジュン「………えっ?薔薇の誓いを解く=棄権って言ってるのにリタイアじゃないっておかしいだろ」

ジュン「『指輪を失ったら二度と媒体を使えない』とも言ってるな」

雪華綺晶「えっと…それは……」

真紅「……」

ジュン「僕の指輪も柏葉の指輪みたいに砕け散ったんだ」

大ジュン「蒼星石の指輪も結菱さんから離れたって聞いたし…、オディールさんの指輪だって雪華綺晶が回収したんだろ?」

大ジュン「なぁ真紅。ルールって途中で変わったのか?」

真紅「これは言いたくなかったのだけど……説明するわ」

真紅「正直に言うと、Phase 6の時点で私もルールを把握しきれていなかったの」

真紅「あの頃は、薔薇の誓いを解く=リタイアだと思っていたのよ」

真紅「この時代でついにアリスゲームが始まり、ドールとマスターの絆を結んでいくうちに気づいていったの」

大ジュン「なるほど、そういう事だったのか」


ジュン「まぁ、ぶっちゃけた話。ローゼンの目的は薔薇乙女たちに幸せに生きてほしいって事だったからな」

ジュン「だから、ある程度ローゼンが助けたりしてたのはそのため。ルールも薔薇乙女を助けるためなら捻じ曲げてたんだよ」

雪華綺晶「わたくしがオディールから指輪を取り外せたのもそういう事だったんですね」

ジュン「うん。実は僕の指輪も見えてないだけで復活してたんだ。
    翠星石は蒼星石の指輪を今も持ってるって言ってたけど、僕の指輪からは蒼星石の存在もたしかに感じられた」

大ジュン「指輪が復活…。アリスゲームを続ける意志があれば薔薇の契約を解いてもいいって事なのか?真紅」

真紅「た、たぶんそうよ」

大ジュン「なんかわかってなさそう…」

ジュン「翠星石がローゼンに助けられた時に、一緒に蒼星石の指輪をもらったみたいでさ。それで蒼星石を助ける作戦を思いついたらしいんだ」

真紅「ジュン!あなたそこまでわかっていたのなら何故5回目の時に言わなかったの?」

ジュン「あんまり説明するとリスナーが混乱すると思って…。今回はこれで最後だから説明したんだよ」

大ジュン「僕も少し混乱してるんだけど…」

雪華綺晶「では、本当に負けたと思わない限り負けではなかったのですね」

ジュン「言ってしまえばそうだよ。そうしないとローザミスティカは劇薬になってしまうから」

ジュン「水銀燈だって、『巻かなかった世界』に来て初めてアリスゲームの在り方を知ったじゃないか」

ジュン「ドールによってアリスゲームの在り方が違うように、状況によってアリスゲームは変化する」

ジュン「そんな過酷で理不尽なゲームを経験して強かに生きてほしい。アリスゲームが終わった後も」

ジュン「闘っていけるように。…これからも 生きていけるように…」

真紅「…そうね。私達は生きていく。姉妹たちとマスターたちと一緒に」

真紅「闘うことって生きるってこと。生きていきましょう。雪華綺晶」

雪華綺晶「はい…!お姉さま」


大ジュン「アリスゲームにはそんな意図があったんだな…」

ジュン「それにしても……空っぽになって限界が来てたとはいえ、不器用な愛だよな」

大ジュン「僕にはなんとなくわかるよ。それしかなかったんだよな」

ジュン「まぁな。……ローゼンも闘ってたんだ」

雪華綺晶「お父様…」



真紅「…………次のお便りを読みましょう」

真紅「これが最後ね。R.N.逆十字の乙女さんからのお便りよ。ありがとう」

ジュン「ありがとな」

雪華綺晶「ありがとうございますわ」

大ジュン「ありがとう」


真紅「『雪華綺晶に質問よ。あなたバーズとYJでキャラが違わないかしら。
    もしかして、キャラ変えてたの?』……どうなの?雪華綺晶」


雪華綺晶「あ、あの……あれは…その……、キャラを変えたって言いますか…理想の自分に近づこうと頑張ったというか…」

ジュン「雪華綺晶の理想ってああいうキャラなのか?さっき少しだけキャラ戻ってたようだけど」

雪華綺晶「さっきのはマスターを想う一心だったので…」

真紅「バーズでは、知的で策略家といった感じだったわね」

大ジュン「へー、雪華綺晶って最初はそんな感じだったのか」

雪華綺晶「は、恥ずかしい…!このお話しはもうやめにしませんか?」

真紅「ダメよ。リスナーからの質問なのだからちゃんと答えなさい」

雪華綺晶「あの…、黒薔薇のお姉様に対抗するためにいっぱい練習したり……その…」

ジュン「へー、練習してたのか」

雪華綺晶「ぁ…ぁぅ……ラプラスの魔にも助言してもらったり…とか…」

真紅「ラプラスの魔からも協力してもらってたのね」

雪華綺晶「…マザー・グースの歌も練習して……」

大ジュン「雪華綺晶が時々口ずさんでる駒鳥さんの歌だよな」

雪華綺晶「…ぅぅ……すみませーん!キャラ作ってましたぁ!うわぁぁぁん、マスター!」ダキッ

大ジュン「ごめんごめん、恥ずかしかったよな」


ジュン「なんか微笑ましいな」

真紅「まるで保父さんね」

真紅「メタ的な発言だけれど、最初のキャラは薔薇水晶と被るように敢えてのキャラ設定だったわね」

ジュン「そうそう。どっちも同一人物だって読者に思わせるためとか大掛かりな計画だったよな」

雪華綺晶「あぁそういう…。アニメが終わった後に原作で私が自己紹介し始めたのはそういう事だったのですか。
      あまりにタイミングが良すぎたのでおかしいとは思っていたのです」

大ジュン「えっ?なんでそんな事を…?」

ジュン「原作とアニメで双方のサプライズをしたかったからだろ。サプライズは大切だってももたね先生言ってたし」※1

真紅「TALE63の水銀燈リタイアからの翌日のまいてはいけないローゼンメイデン9まきでのめぐ銀回。
    狙ってやってるとしか思えなかったわ。サプライズ好きというのは本当かもしれないわね」

大ジュン「サプライズ好き…。そうか、確かに雪華綺晶と薔薇水晶って似てるもんな」

真紅「そうね。薔薇水晶と雪華綺晶は翠星石と蒼星石同様で一緒に生まれたとも聞いたわ」※2

雪華綺晶「そうなのですか!?私とばらしーちゃんって双子だったのですか?」

真紅「ある意味そうね」

雪華綺晶「わぁあ!どっちが姉でどっちが妹なのでしょうか?」キラキラ

ジュン「デザインは雪華綺晶が先らしいよ」

雪華綺晶「本当ですか!?やったー!今度ばらしーちゃんに『白薔薇のお姉様』って呼んでもらいますわ!」

真紅「頼めば言ってくれそうね」




※1…月刊ヤングジャンプ 2009 1/13増刊 vol.008 インタビュー

※2…Rozen Maiden Kunstwerk

ジュン「今度は僕が巻き返す…!ローゼンの時間を 僕の時間に…!」

ジュン「『僕の時間に巻き返す』」

ジュン「このコーナーは、ローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーなんだ」


雪華綺晶「わぁあ!このセリフ生で聞いてみたかったの。感動しましたわ」

大ジュン「そういえば、ずっとラジオ出たいって言ってたもんな」

雪華綺晶「はい!やっと出ることができて嬉しく思います」

真紅「あなたたちは順番的に後半だものね。仕方ないわ」

ジュン「話を戻すけど、やりたいシーンはあるか?」

雪華綺晶「やりたいシーンと言いますか…。第7回目の放送を聞いてて思ったのですが」

ジュン「うんうん」

雪華綺晶「あの場面でジュン様に覚醒されると、わたくし為す術がなくなるのですが…」

真紅「雛苺が襲われる前のシーンだったわね」

雪華綺晶「蒼のお姉様のボディでもよかったのですけど…、もう一つボディがないと『まかなかった世界』に行けないですし…」

雪華綺晶「そうなると、私とマスターは出会わなかった事になってしまいます」

ジュン「いや、あれはもしもの話だからそんなに真剣に考えなくても…」

雪華綺晶「いいえ、ジュン様。ちょっとした事でパラレルワールドは分かれてしまうの」

雪華綺晶「例えば…、もしあのままバーズで連載していたらまた違った結末になっていた…とか」

ジュン「おい、ちょっと待て!なに危険なこと言い始めてるんだ!?」

雪華綺晶「そしたら新アニメも作られず、わたくしの声も決まらなかったでしょう…」

大ジュン「たしかにそうだ…。僕も出て来なかったと思う。ももたね先生もそんなこと言ってたらしいし…」※

真紅「そうね。あのまま続いていたら雪華綺晶は我が家で引き取っていた事でしょうね。ドールの人口の方が多くなるわ」

ジュン「元から人形の方が人口多いよ!それにお前の家じゃないから!」

雪華綺晶「それでなんのお話しだったでしょうか?」

ジュン「だからやってみたいシーンはあるのかって話だよ!」

雪華綺晶「うふふ、さすがジュン様。ナイスツッコミです」

真紅「からかい甲斐があるのだわ」

大ジュン「見てて飽きないよな」

ジュン「もうやだこいつら…」

雪華綺晶「やってみたいシーンではないのですが……、せっかくなのでこのシーンをお願いします」




※…KERA 2013/10 Vol.182 宝野ア○カ×PEACH-○IT スペシャル対談

 
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―――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 28】


みっちゃん『今の戦況 こんな感じ…かな?』

ジュン『……』

みっちゃん『ジュンくん?』

ジュン『何か……何か忘れているような…』

みっちゃん『ジュンジュン、じたばたしても始まらないわ。じっくり考えてこ』

ジュン『うん…。でも、なんかが引っかかるんだ…』


のり『ただいまー』

みっちゃん『のりちゃん、お邪魔してます』

のり『みっちゃんさん、こんにちは。ゆっくりしていってくださいねぇ』



――――――


のり『あの…、お姉ちゃんずっと気になってた事があるの…』

ジュン『なんだよ、姉ちゃん。話に割り込んでくるなよ』

みっちゃん『まぁそう言わずに。何がアリスゲームのヒントになるかわからないぞ。ジュンジュン』

ジュン『絶対関係ないことだろ…』

のり『昔ジュンくんが描いてくれたこの絵って…真紅ちゃんたちよね?』

真紅『なんですって?』

翠星石『ホントです!この赤いドレスは真紅に違いねぇですぅ!』

蒼星石『…僕と翠星石の絵もある』

みっちゃん『こっちにはカナと雛苺ちゃんの絵もあるわ!』

真紅『水銀燈に雪華綺晶まで…!全ドールの絵があるわね。ジュン、これはどういう事かしら?』

ジュン『し、知らないよ!そんな大昔の事なんて覚えて……。…っ!?』

金糸雀『ど、どうしたの?ジュン、大丈夫?』

ジュン『そういえば…、僕は……どうして忘れてたんだろう…』

みっちゃん『えっ?ジュンジュン、その紙芝居…どこから……』


マイスタージュン『話してあげる。始まりの物語を―――…』


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雪華綺晶「こうしてジュン様はお姉様たちに始まりの物語を聞かせてあげるのでした~」

ジュン「なんてご都合的な展開なんだ…。そして、なんでどいつもこいつも僕を覚醒させたがるんだ…?」

雪華綺晶「みんなジュン様が好きなんだと思います。それに、どうせ覚醒するならYJ版の中盤の方がいいです」

ジュン「いや、よくないし」

真紅「二度ある事は三度あると言うじゃないの」

ジュン「知らないよ!僕はもうあんな姿になるのはごめんだからな!」

大ジュン「そんなこと言うなよ。似合ってたぞ。僕」

ジュン「自分に言われても嬉しくない…」

ジュン「雪華綺晶出てこなかったけどあれがやりたかった所なのか?」

雪華綺晶「いいえ、違います。さっきのは雛苺のボディをもらう前に阻まれたら困るなって思いまして…」

真紅「じゃあ他にやりたいシーンがあるのね。なら早く聞かせてちょうだい」

大ジュン「あんまり急かすなよ。ゆっくりやっていこう」

雪華綺晶「わかりました。こんな感じです―――…」


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大ジュン『ただいまー』

雪華綺晶『マスターおかえりなさい。お仕事お疲れ様です』

大ジュン『ふぅ、今日も疲れたよ』

雪華綺晶『お夕飯はもう少しかかるの。ご飯まで待ちますか?先にお風呂に入るのもいいですよ。そ、それとも…、わたくしを戴くという手も……』

大ジュン『あー…、それなら料理手伝いうよ』

雪華綺晶『もうっ!マスターったらいつもガードが硬いんですから』

大ジュン『あのセリフ言われて最後のを選ぶ奴っているのかな?』

雪華綺晶『さあ…?どうなんでしょう』

大ジュン『ま、いいや。早く作っちゃおう』

雪華綺晶『はい、マスター』

大ジュン 雪華綺晶『『いただきまーす』』

大ジュン『雪華綺晶って料理上手いよなぁ』

雪華綺晶『マスターが手伝ってくれたおかげですわ』

大ジュン『そうかな?』

雪華綺晶『マスター!マスター!あーんっ』

大ジュン『いや、それはちょっと…』

雪華綺晶『え~、夫婦ですのに…。なら、わたくしがあ~んっ』

大ジュン『………』モグモグ

雪華綺晶『無視するなんてひどい!私ずっと口を開けていたのに…』

大ジュン『なんか雛鳥みたいで面白かったよ』

雪華綺晶『うぅ…、マスターのシャイボーイ…』

大ジュン『なんだよそれ。しょうがないな。ほらっ』

雪華綺晶『あっ、あむっ』パクッ

大ジュン『どうだ?』

雪華綺晶『んん~~!マスターのあーんで食べるお料理は格別おいしいです!』

大ジュン『味変わらないと思うんだけど』

雪華綺晶『えへへ、気持ちですよ。気持ち』

大ジュン『気持ちかぁ。たしかに大事かも』

雪華綺晶『ほら、次はマスターにあ~んっ』

大ジュン『仕方ないなぁ』


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真紅「あまぁぁぁぁあい!!甘いのだわ!まるで新婚ホヤホヤのようだわ!」

雪華綺晶「こ、こうなれたらいいなって思って…」テレテレ

ジュン「えっ?これって結婚してる的なそんななの?」

大ジュン「いやいや!ドールだから結婚とかないし!そもそも雪華綺晶はあっちだと動けないし!」

雪華綺晶「もう、マスターったら照れちゃって。でもそんな所がとっても可愛いですよね」

真紅「わかったから…続きを話して頂戴」

雪華綺晶「はい。マスターの言う通りたしかに動けないんですよねぇ…。せっかくのり様にお料理を教えてもらったのに…」

ジュン「あー…、どうりで姉ちゃんの手伝いよくしてると思ったよ」

真紅「その話はいつの話かしら?」

ジュン「真紅のローザミスティカを造るために鉱石探してる時だよ。あの時は1年くらい僕ん家に居たんだっけ?」

雪華綺晶「はい。あの時はお世話になりました」

真紅「相変わらず人形の人口は多かったのね」

雪華綺晶「翠のお姉さまにもスコーンの焼き方を教えてもらって…マスターにも食べてもらいたい一心で頑張ったのですが…」

大ジュン「そっか……。よし!なら一緒に『まいた世界』に遊びに行こう。その時まで楽しみにしてるよ」

ジュン「この収録終わったらうちに来ればいいじゃん。こっちの姉ちゃんもお前の存在知ってるし」

大ジュン「そういえばそうだったな。じゃあ一緒に行こうか」

雪華綺晶「はい!よぉし、腕によりをかけて作りますわ!」

ジュン「それで、まかなかった僕は何かやりたいシーンあるか?」

大ジュン「うーん…、前はやり直したいってずっと思ってたんだけど、今はそういうのはないかな」

ジュン「そっか。成長したんだな」

大ジュン「なにそれ…。僕の方が年上なんだけど」

ジュン「同一人物なんだからいいじゃん」

大ジュン「そうだけどさぁ。……やりたい場面かぁ。普通に学校に行って普通に働いて普通に過ごす。これが一番だ」

ジュン「だよな。普通が一番だ。目立ちたくないし」

大ジュン「ホントホント。僕は静かに暮らしたいよ」


真紅「この二人は向上心があるのかないのかわからないわね」

雪華綺晶「ふふ、そこがジュン様の魅力でもあります」

真紅「そうなのだけど……まったく…主人泣かせな性格だわ」


大ジュン「あっ、ならちょっとだけ…」

ジュン「あるんじゃん。遠慮なんてするなよ。どんどんやってよ」

大ジュン「わかったよ、僕。少し短いけど……」

 
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『おーい、ジューン!早く学食行こうぜ』

『一緒に行こうよー』

大ジュン『あぁ、すぐ行く』


……



山口店長『やればできるじゃん。最初からそれでいけよな』

大ジュン『あはは…』


……



斉藤兄『ふ』

斉藤さん『わぁ!お兄ちゃんがすっごく褒めてるよ!』

大ジュン『えっ!?これが?ちょっと笑ったようにしか見えないんだけど…』

斉藤さん『家ではこんなに笑わないもん。さすがジュンくん!なんでもできてすっごく頼りになるなぁ』

大ジュン『そ、そうかな』テレテレ


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大ジュン「これって実際にやってみると恥ずかしいな」

真紅「これはどういう事かしら?いつもの日常ってことなの?」

ジュン「褒められたりしてるからいつもより順調な感じって事じゃないか?」

雪華綺晶「誰かに褒められるのっていくつになっても嬉しいですものね」

大ジュン「そんなつもりはないけど…、今は店長以外はこんな感じだと思う」

雪華綺晶「店長さん。最初はちょっとアレなキャラでしたけど、最近は面白い人になりましたよね」

ジュン「そうかぁ?僕は今でも苦手だよ」

真紅「言葉遣いも下劣で話す内容も褒められたものではないわ。だけど、独特な雰囲気があるのも確かよ」

雪華綺晶「うふふ、新アニメの次回予告やドラマCDの店長さんは面白かったですよね」

真紅「あのコミカルさで友達も多いみたいだし、極希に確信をついた事を言ってくるわね」

真紅「ただ、前回私を赤だるまと呼んだことは許さないわ」

大ジュン「前回なら僕も聞いてたよ。真紅の攻撃をあれだけ受けてたのに次の日はケロッとしてたぞ」

真紅「タフさだけなら一級品ね」

ジュン「みっちゃんとは別の意味でタフだよなぁ」

真紅「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

真紅「『ジュン、忘れないでね』」

真紅「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


雪華綺晶「………」ズーン…

大ジュン「ど、どうしたんだ?雪華綺晶」

雪華綺晶「わたくし…過去では出番がないと思いまして……」

ジュン「みんなの前に現れたのが現代からだもんな」

雪華綺晶「はい…。もしかしたら出番があるかもしれませんが、覗き見してるシーンだけだと思います」

真紅「そうかしら?あなたが誕生するお話しもやるかもしれないわ」

ジュン「ローゼンがどうやってアストラルの体を創ったかって話か?」

真紅「えぇ、そうよ」

雪華綺晶「え…、でもそれだと私の裸が……」

真紅「あなた何度もヌードを晒してカラーページで乳首まで見せていたじゃないの」

雪華綺晶「それを言いますか!?お姉様だって腕が取れた時にカラーで乳首が写っていましたよ!」

真紅「あれは下着を身に付けていたからセーフよ」

雪華綺晶「えぇ!?そうなのですか?」



ジュン「乙女の会話とは思えないな」

大ジュン「うん…、居づらい…」

雪華綺晶「乳首のお話しは置いておいて……私が出るとしたら荒れ果てた箱庭でのシーンもあるかもしれません」

ジュン「そのシーンってYJ版でもあったな。……切なかった…」

雪華綺晶「やっぱりそう思います?あれは寂しかったですよ…」

真紅「だからこそ、気を許せるマスターが見つかって本当に良かったわ」

雪華綺晶「はい。今はとっても幸せです」ウフフ

大ジュン「ホント照れくさい…。まぁ雪華綺晶が嬉しそうだからいいけどさ」



ジュン「まかなかった僕の方は 新連載で何か予想とかあるか?」

大ジュン「えっ?予想かぁ…。うーん…、予想じゃないけどいいかな?」

真紅「いいわ。何か気づいたなら言ってごらんなさい」

大ジュン「アリスゲームが終わる時にローゼンの声を聞いて思ったんだよ。とにかく娘たちを気にかけてるんだなって」

真紅「私達をnのフィールドのどこかから見守っていたのは知っていたわ」

大ジュン「それなんだけど、ローゼンって雪華綺晶を特に見守ってたんじゃないか?」

雪華綺晶「えっ、そうなの?」

真紅「どうしてそう思ったの?」

大ジュン「まいた僕から聞いたけど、ローゼンは天涯の大時計に居たんだよな?」

ジュン「居たって言えば居たけど居ないって言えば居ないかな」

大ジュン「とにかく箱庭に居たんだよな?なら雪華綺晶を見守ってたんじゃないか?」

雪華綺晶「たしかに私のフィールドは箱庭があった場所ですけど…、どうなのでしょう?」

真紅「見守っていたのは確かだと思うわ」

ジュン「全体を見渡せる場所。広大なnのフィールドを見渡すためにはあの大時計は打って付けだったんだ」

ジュン「真紅と翠星石を雪華綺晶から救ったのもあの場所に居たからできた事だ。『居た』って表現はちょっと違うけどな」

雪華綺晶「私の罠からお姉さま方が抜け出した時ですよね。
      あの時、お父様はえこひいきって思ったのですが、アリスゲームの真意を知った後だとなるほどって思いますね」

真紅「そうね。それに、あの時はどちらも雪華綺晶が関わっていて本人が居ない時だった。
   お父様が干渉するならあの場面は打って付けだったわ」

ジュン「なら本当に雪華綺晶の近くにいたかもしれないな」

大ジュン「やっぱりそう思うよな」


真紅「私としてはPhase 5でラプラスの魔が言ってた言葉が気になったわ」

真紅「『とても近くにいるけど会えない』…ジュンの中からアリスゲームを見ていると思っていたの」

ジュン「うん、僕の目線から見ていたってのもあると思うよ。『居た』わけじゃないけど」

雪華綺晶「お父様もどこにも居るし、どこにも居なかったんですね」

ジュン「そういうこと」

大ジュン「なんだかややこしくなってきたな。要は見守ってたって事だろ」

真紅「要約するとそうね」


大ジュン「つまり新連載ではローゼンから見たドールズが見られるかもしれないってこと」

真紅「お父様から見た私たち…?」

大ジュン「うん。『真紅は今日も紅茶飲んでるなぁ』とか『雪華綺晶はまた漂ってるな』とか」

ジュン「ローゼン目線のドールズか。ローゼンが主役って意見はあったけど、その発想はなかったな」

真紅「旅立ってからは絶対ドールの誰かが主役だと思っていたものね」

雪華綺晶「つまり、お姉さま達を覗いてる私をお父様がさらに覗いてるって事ですか?」

大ジュン「なんかそう聞くとちょっとホラーだ」

ジュン「そもそもお前たちの行動とかずっと見てたんじゃないのか?何せ世界中の少年少女を見ていたらしいし」

大ジュン「なにそれこわい」

真紅「変な言い方はやめなさい。お父様はドールを作る上でそれが必要だっただけよ」

ジュン「リラックス乙女も見られてたんじゃないか?」

真紅「な、なんですって…?そ、そんな事は……」

雪華綺晶「えっ?わたくし見てましたけど」

大ジュン「それならローゼンも見てたかもな」

真紅「そ、そんな…!しまったのだわ……」orz

ジュン「リラックス乙女か。僕としてはアニメでもやってほしかったけどな」

真紅「や、やめて頂戴!」

大ジュン「僕の予想はこんな所かな」

雪華綺晶「わたくしはお姉さま方の過去を見ていたので ここまでにしておきます」

真紅「えぇ、ネタバレはダメよ。私の前のマスターがホームズのネタバレをしてきて……」

ジュン「はいはい。もう時間だから話はその辺でな」

真紅「あらもうそんな時間なのね。楽しい時間はあっという間に過ぎていく」

ジュン「そうだな。10回とか多いと思ったけどあっという間だったよ」

雪華綺晶「あっ、もうこれで最終回なんでしたっけ…」

大ジュン「僕たちが最後のゲストだって言ってたもんな」

ジュン「うん。僕も柄にもなくパーソナリティなんてやっちゃったけどなんとかなって良かった」

真紅「ふふ、機会があったらまたやってみる?」

ジュン「……そうだな。機会があったら」

真紅「…そうね」

真紅「本日のゲストである 雪華綺晶。まかなかったジュン。お疲れ様」

大ジュン「ふぅ、僕もゲストとしてなんとかやれたかな?」

ジュン「うん。いい感じだったよ。僕」

大ジュン「そっか。ありがとう、僕」

雪華綺晶「あぁ…、楽しみがなくなってしまう…」ポロポロ…

真紅「ちょっと…、泣かなくてもいいじゃないの」

雪華綺晶「だ、だって……」グスン

ジュン「ここまで聞いてくれてありがとな。雪華綺晶」

雪華綺晶「こちらこそ……ジュン様、真紅お姉様。本当にお疲れ様でした」

真紅「ありがとう。雪華綺晶」



真紅「では、名残惜しいけれどこれでお別れよ」

ジュン「今まで聞いてくれてありがとう!何か情報があったらネットに掲載するからな」

真紅「みんな悲しまなくていいわ。子供の頃の記憶と共に ローゼンメイデンはいつも傍にいるの」

真紅「あなたが覚えていてくれたらいつだって。世界が見えない選択肢で満ちているようにね」


真紅「それでは、お相手はローゼンメイデン第5ドール真紅と」

雪華綺晶「同じくローゼンメイデン第7ドール雪華綺晶と」

大ジュン「『まかなかった世界』の桜田ジュンと」

ジュン「『まいた世界』の桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 第10回目】END
 

今日はここまで。
ローゼンメイデンはまだまだ謎があるのだと思い知りました。

明日か明後日の投下で最後になると思います。

乙です
ローゼンメイデン0はもしかしたら、新キャラをメインに据えて、本編から見て未来の話になるんじゃないかな
大人になったジュンやちゃんと元気に生きてる真紅とか見たいし

>>312
その発想は考えもつかなかったです。
初っ端から新キャラが出てきたら度肝を抜く展開になりそうですね。
楽しみになってきました!

それでは投下していきます。

 
「ローゼンメイデン。それは至高の少女候補」

「アリスに最も近く、そして遠い存在…」



「アリス。お父様の中だけに生きる少女。夢の少女」


「それはどんな花よりも気高くて どんな宝石よりも無垢で 一点の穢れもない」

「世界中のどんな少女でも敵わない程の 至高の美しさを持った少女」



「このラジオは そんな少女たちの想いや闘い、これからの予想を話していく番組」


「そう…!薔薇の香りのガーデンパーティ0!!始まっちゃうんだから!」





【薔薇の香りのガーデンパーティ0 FINAL】



 

 
/ 茨の茎を 伸ばして撓めて~♪ \


「薔薇の香りのガーデンパーティ0 FINAL始まりました!」

「パーソナリティはこの………あら?わたしを知らないの?それなら自己紹介からいきましょう!」

「幻のローゼンメイデンシリーズのさらに幻!幻想世界の薔薇乙女!」


珪孔雀「ローゼンメイデン第8ドール珪孔雀なんだから!」ジャーン!


珪孔雀「ふふふ、キマったんだから!……えっ、知らない!?スタッフも知らないってどういうことなんだから!」

珪孔雀「パーソナリティとして呼んでくれたのにそれはないんだから!もーっ!」


珪孔雀「…コホン、取り乱してごめんなさい。せっかく呼んでもらったのにこの仕打ちはあんまりだと思って…」

珪孔雀「………」

珪孔雀「えっと…えっと……ラジオ…!ラジオって何話せばいいの?どうしよう…どうしよう…」アタフタ

珪孔雀「あの…その……、薔薇の香りのガーデンパーティ0の最終回でパーソナリティとして呼んでくれて光栄と言うか…なんていうか……」

珪孔雀「うぅ…、語っ苦しくなっちゃうよぉ…。私一人じゃ無理…。もうゲストを呼ぶんだから!いいですよね!?…いいよね?」


珪孔雀「……呼んじゃいます!最後のゲストはこのお二人です!どうぞ!」

真紅「ごきげんよう。ローゼンメイデン第5ドールの真紅なのだわ」

ジュン「こんにちは。『まいた世界』の桜田ジュンです」

珪孔雀「こ、こんにちは。ジュンさん、真紅お姉さま」

真紅「こんにちは、珪孔雀。どうしたの?緊張しているようだけど」

珪孔雀「だ、だって…!ラジオだし大先輩のお二人は居るしで…もう何がなんだか…!」

ジュン「落ち着けよな。よくそれでパーソナリティに選ばれたものだよ」

珪孔雀「ご、ごめんなさい…」

真紅「ジュン、そんな言い方はないでしょ。最初は誰しも不慣れなのだわ。私達はゲストとして彼女をサポートしていきましょう」

ジュン「ま、そうだな。そういえばゲストで呼ばれるのは初めてだよ」

真紅「私もそうよ。珪孔雀も気にしないで自然体でやればいいわ」

珪孔雀「………」

真紅「珪孔雀?」

珪孔雀「ジュンさんと真紅お姉様…。原作のままのやり取りなんだから…!感っ動!!」キラキラ

真紅「もうすでに自然体のようね…」

ジュン「こいつ案外大物なんじゃないか…?」

ジュン「それにしても まさか続くとはなぁ」

真紅「私達は前回の収録で最終回だと聞いていたの。ゲストで呼ばれて驚いたわ」

珪孔雀「はい。みんなに内緒ってお話でした。二人へのサプライズです」

ジュン「はぁ…、この作品ってサプライズ好きだよなぁ」

真紅「そこがいい所でもあるわ。私はまたラジオができて嬉しく思うわよ」

ジュン「まぁ……僕も少しはそう思うけど…」

珪孔雀「おおっ!少し生意気だけどこの素直さ!ジュンさんのツンデレいただきましたー!!」キャー!

ジュン「……ローゼンメイデンってムカつく奴しかいないのか…?」

真紅「それは私もムカつくと言っているの?」

ジュン「………」

真紅「肯定と見たわ」ビシッ!

ジュン「あいてっ!」

珪孔雀「出たんだからー!真紅お姉様の巻き毛ウィップ!!原作の通りだわ!」

珪孔雀「あぁ、巻き毛ドリルの方も見たいんだから~」ウットリ

ジュン「巻き毛ドリルってなんだよ…」

真紅「こう片足を軸にして体ごと回転を入れて…」

ジュン「やらなくていいから!」

珪孔雀「今までずっとパーソナリティをしていたお二人が居るのだから もう安心ね」

真紅「えぇ、大船に乗った気でいなさい」

珪孔雀「はい!とっても頼もしい…!」

ジュン「なんだかなぁ…」

珪孔雀「ジュンさん、ジュンさん。次なんでしたっけ?」

ジュン「えっ?忘れたのか?しょうがないな…」


ジュン「このラジオは『ふつおた』、『僕の時間に巻き返す』、『ジュン、忘れないでね』の3つのコーナーをやっていきます」


珪孔雀「きゃー!本当に言ってくれた!面倒見がいいんだからー!」

ジュン「それを知るためにわざわざ言わせたのかよ…」

珪孔雀「そ、そんな事ないんだから…!……あっ…!」

珪孔雀「みんなも私達に質問があればお手紙を送ってね。今からでもギリギリ間に合うと思うよ」

真紅「私のセリフを言われたのだわ…」

珪孔雀「えっ?真紅お姉さまどうしたの?」

真紅「……なんでもないわ。ふつおたを始めましょう」

珪孔雀「はい!お姉さま。えっと、お手紙どこだっけ?…あれ?……あれ?」ガサゴソ

ジュン「……珪孔雀って天然なのか…」

珪孔雀「よかった…、見つかったわ。今のところ12通来てるんだから!」

ジュン「12通!?そんなにあるのか…」

真紅「くんくんの時以上だわ。時間は大丈夫?」

珪孔雀「最終回スペシャルなので時間は大丈夫です。それでは読んでいきます!」


珪孔雀「R.N.カナ大大だーい好きさんからのお便りよ。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ケイちゃん、ジュンジュン、真紅ちゃん、こんにちは。
     最終回すっごく楽しみにしてたわよー!気合を入れて聞いてるからね。
     そして質問!ケイちゃんは姉妹の中ではどのドールと一番仲が良いの?』……ケイちゃんって私のことかな?」


真紅「十中八九そうでしょうね」

ジュン「珪孔雀と仲の良さそうな姉妹ってことか。誰と仲がいいんだ?」

珪孔雀「こ、これは悩むんだから…。全員好きじゃダメなのかな」

真紅「一人を選ぶとしたらって事でしょうね」

珪孔雀「よ、よーし!スバっと答えちゃうんだから!」

ジュン「スバっとって…」

珪孔雀「き、緊張して噛んじゃったの……。
     えっと、一番気が合うお姉さま。それは、金糸雀お姉さまなんだから!」

ジュン「あー…、キャラ似てるもんな」

真紅「名前、口癖、ドジっ子なところ。たしかに似ているわね」

珪孔雀「ど、ドジっ子!?今噛んじゃったから?」

真紅「違うわ。姉妹全員に会いに来た時に盛大に転んでいたでしょ」

ジュン「あったあった。水銀燈なんて大爆笑してたよな」

真紅「金糸雀は複雑な表情を浮かべていたわ。『自分を見ているようかしら』って言ってたもの」

珪孔雀「わーわー!ラジオでその話はやめてー!恥ずかしいんだからー」

真紅「ふふ、ごめんなさいね。それで、金糸雀と気が合う話だったわね」

珪孔雀「あっ、そうだった。お姉さま達みんなに良くしてもらったけど、一番印象に残ってるのは金糸雀お姉さまなの」

珪孔雀「策士としてのアドバイスとか薔薇乙女の心得とか。いっぱい教えてもらったのよ」

ジュン「アドバイスって……それが原因でドジっ子になったんじゃないのか?」

真紅「否定はできないわね」

珪孔雀「そ、そんな事ないんだからー!」

珪孔雀「続いてのお便りよ。R.N.いちごだいすきさんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『じゅん!しんく!けいくじゃく!こんにちはなの。
      けいくじゃくにしつもんよ。けいくじゃくのすきなたべものってなんなの?
      ひな、まえにおしえてもらったけどわすれちゃったの。またしりたいのよ。』……これって雛苺お姉さま?」


真紅「そうでしょうね」

ジュン「相変わらずひらがな多いな」

珪孔雀「今度は忘れないでね。お姉さま。わたしの好きな食べ物はマシュマロなんだから」

珪孔雀「あの甘くてふわふわな食感。大好きなの!」

ジュン「本当に金糸雀みたいなこと言うよな。なんか金糸雀と珪孔雀って親子みたいだ」

珪孔雀「そうですか?金糸雀お姉さまはお母様じゃなくてお姉様です。でも、たまご焼きも美味しいんだから」


真紅「珪孔雀はマシュマロで金糸雀はたまご焼き。雛苺は苺でこの真紅は紅茶が好物よ」

ジュン「他の5人は?」

真紅「基本みんな好き嫌いが無いわね。水銀燈は悪態はつくけど食べ物を残したりしないわ」

ジュン「へぇ、意外だな。一番好き嫌い多そうなのに」

真紅「見かけに寄らないとはこの事ね。あと、翠星石はスコーンなどのお菓子が好物な印象よ」

珪孔雀「水銀燈お姉様って言ったらヤクルトなんだから!」

ジュン「それどうなんだろうな。原作の水銀燈も好きなのかな?」

真紅「以前聞いたら『別に』と言っていたわ。病院でめぐと一緒に飲んでたから嫌いではないと思うのだけど…」

ジュン「あいつ好きな食べ物でも絶対おいしいって言わないもんなぁ」

真紅「単に素直じゃないだけよ」

珪孔雀「続いてのお便りよ。R.N.白い茨の乙女さんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ジュン様、真紅お姉様、珪孔雀、こんにちは。
     珪孔雀に質問します。幻想世界のドールと説明されたのですが、正直よくわかりません。
     アストラルという訳でもないですよね?わた……初期の雪華綺晶とも違うみたいですし。
     よろしければ詳しく教えてください。』……詳しくお答えしますね」


珪孔雀「私は幻想、つまり『心に思い描いた』世界。『現実には存在しない世界』で生まれたの」

ジュン「えっ?じゃあ珪孔雀って存在してないのか?今僕たちが話してる珪孔雀は……」

珪孔雀「存在してますよ。存在しているけど存在していない」

珪孔雀「ローゼンメイデンはどこにもいるし、どこにもいない。それを特化したのが私なの」

珪孔雀「近い存在ではラプラスの魔とか。あとは、H○LLSINGのシュ○ディンガー准尉がいい例だってラプラスの魔から聞いたんだから」

ジュン「ラプラスってH○LLSING読んでるのか…」

真紅「ラプラスの魔に近い…。それってどうなのかしら?」

珪孔雀「近いって言っても性格は似てないよ」

ジュン「それは誰が見てもわかるよ」

珪孔雀「続いてのお便りよ。R.N.蒼の庭師さん。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『やあ、ジュンくんに真紅。それに珪孔雀。こんにちは。
      僕には姉がいるのですが、その姉に犬っぽいと言ったら犬を敵視するようになりました。
      そこで質問です。みんなから見てドールズを動物に例えるとどんな動物になるかな。
      是非教えてよ。』……だそうです」


真紅「姉妹を動物に例えると水銀燈と金糸雀、そして雛苺は鳥類でしょうね。箱庭でもよく一緒に居て仲が良かったもの」

珪孔雀「はい!はい!わたしも孔雀からきてるから鳥類なんだから!仲良し4人組だね」

ジュン「でもさ、水銀燈って鳥っていうより猫なイメージなんだよな」

真紅「あの自分勝手な性格。たしかに猫に似ているかもしれないわね」

ジュン「水銀燈が野良猫なら真紅は飼い猫ってとこかな」

真紅「ちょっと!!なんで私も猫なのよ!猫なんて絶対に認めないわ!」

珪孔雀「でもなんとなくイメージできるかも。お姉様って優雅な飼い猫って感じするもの」

ジュン「だよな。ジッと読書してるのも紅茶淹れろって命令してくるのも飼いネコっぽいっていうか…」

真紅「だから…!私は!!猫じゃないって言ってるでしょ!!!!」ギュルルルル!!

ジュン「うわぁあ!!?」

珪孔雀「こ、これが噂の巻き毛ドリル…!?きゃあッ!!」

ジュン「いてて…。ひどい目にあった」

珪孔雀「痛いけど感動したんだから」

真紅「二人共いいこと?ドールズのイメージアニマルは……つまりこうなるわ」


水銀燈→グリフォン

金糸雀→カナリア

翠星石→キツネ

蒼星石→犬

真紅→ペガサス

雛苺→雛鳥

雪華綺晶→クモ

薔薇水晶→狼

珪孔雀→孔雀


ジュン「大体予想通りだけど、ちょっとだけツッコんでいいか?」

真紅「なによ」

ジュン「ペガサスとグリフォンは伝説上の生き物だから!動物じゃないから!」

真紅「いいえ、この真紅に相応しい生き物はペガサスしかいないわ」

真紅「水銀燈はカラスか猫を想像したのだけど、かわいそうだからグリフォンにしてあげたのよ」

ジュン「なんでお前はそんな上から目線なんだよ…」

真紅「ならカラスでいいわ。黒い羽が似てるもの」

ジュン「やめてやれよ!水銀燈は自分の羽にコンプレックス持ってるんだぞ」

真紅「なら猫ね。猫しかいないのだわ」

珪孔雀「『まかなかった世界』でもネコちゃんと一緒に眠ってましたもんね」

ジュン「もうそれでいいよ…。だけどペガサスはないって……」

真紅「わかったわ。実際にいる動物ならいいのでしょう?そうなるとこれしかないわ」


水銀燈→猫

真紅→犬


真紅「これで納得したかしら?犬と猫なら水銀燈とも仲が悪いのも頷けるわ」

ジュン「……なんかしっくり来ないな…。それに仲が良い犬と猫もいるし」

珪孔雀「うん…。やっぱり真紅お姉さまは飼い猫。キプロスアフロディーテのイメージなんだから」

ジュン「じゃあ、やっぱりこうだな」


真紅→猫


真紅「だから猫じゃないのだわ!!」

ジュン「水銀燈と真紅のイメージアニマルは一旦置いとこう」

真紅「不本意だけどそうね。時間がいくらあっても足りなくなるわ」

ジュン「金糸雀と珪孔雀はそのまんまだよな。金糸雀は賑やかでそんな感じだし、珪孔雀もなんかイメージできる」

珪孔雀「孔雀もけっこう鳴くものね。私もおしゃべりなんだから」

ジュン「雛苺は人懐っこいから雛鳥。雪華綺晶は蜘蛛の巣を張ったりするからそのまんま」

ジュン「薔薇水晶は狩人ってイメージだから狼なのもわかる。だけど翠星石がキツネなのはなんでだ?」

真紅「キツネは人を化かすと言うでしょう。翠星石はよくイタズラするからそのイメージよ」

ジュン「人を化かすならタヌキでもいいと思うけど……たしかにキツネって感じするな。ここにきて今までの行いが仇になったか」

真紅「あらジュン。キツネはとても賢い生き物なのだわ。イヌ科に属する動物で狼に似たハントをする優秀な狩人よ」

ジュン「へー、そうなのか。知らなかったな」

珪孔雀「犬と言えば最後は蒼星石お姉さま。ジャーマン・シェパード・ドッグのようにカッコイイのを想像しますね」

ジュン「あの犬はカッコイイからな。なんとなくイメージできるよ」

真紅「イケワンぶりならくんくんの右に出る犬はいないわ」

ジュン「それで水銀燈はメインクーンとか」

真紅「もう猫の話はやめてちょうだい…」

珪孔雀「続いてのお便りは動物繋がりよ。R.N.翠の庭師さんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ジュン、真紅、珪孔雀。しっかりやっていますか?
     今のうちに真紅に聞いておきたい事があります。
     真紅はなぜ猫が嫌いなのですか?よかったら教えてくださいです。』……真紅お姉さまへの質問ね」


真紅「………」

ジュン「真紅、どうなんだ?」

真紅「そ、それを言えというの!?おぉなんて質問なの…!」

珪孔雀「たしかアニメだとゼンマイを食べられてましたよね」

ジュン「そういやそんな場面あったな。真紅もあんな感じだったのか?」

真紅「……黙秘するわ」

ジュン「違うっぽいぞ。原作とアニメで違うのかな」

珪孔雀「うぅ…どうしよう。質問に答えられないよぅ…」

ジュン「………」

ジュン「あのさ、僕ネットでこの手の考察を見た事あるんだけど、すっごい予想をする人が居てさ」

ジュン「その人が言うには、『ドールズの鞄は猫のトイレに似てる』って話をしてたんだ」

真紅「!!」

珪孔雀「!?」

ジュン「それで、改めて見てみたら確かにそんな感じもするんだよ。あの大きさなら猫も入れるし」

ジュン「もし鞄関係だったら寝床にされて毛を付けられたかトイレにされたかのどっちかかなって思って」

珪孔雀「そ、それは真紅お姉さまじゃなくても嫌なんだから…」

ジュン「あとは、真紅本人が何かされたかアニメみたいに所有物を持ってかれたとか」

珪孔雀「急に猫ちゃんが怖くなってきたんだから……」

ジュン「それで結局どうなんだ?真紅」

真紅「私は言わないわ…!思い出したくもない……」ガクブル

ジュン「これ以上は無理っぽいな。そんな訳で、翠の庭師さんには悪いけどここまでだ」

ジュン「もしかしたら、新連載でそのエピソードがやるかもしれないから楽しみにしててよ」


真紅「あ、あの恐怖を再び体験しなければならないというの…?…あぁ、お父様……」

珪孔雀「うぅ……聞かなきゃよかったんだから…」

珪孔雀「続いてのお便りよ。R.N.犬の探偵さんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ジュンくん、真紅ちゃん、珪孔雀ちゃん こんにちは。いつもラジオ聞いてるよ。
      実は今回お手紙を送ったのは、原作第1部2巻を読んで気になる事があったからなんだ。
      僕の目が正しければPhase 9でローザミスティカが8つもある。
      この8つ目のローザミスティカは珪孔雀ちゃんのものなのかな。』……えっと…、Phase 9はっと…」


ジュン「あっ、確かにあるな。小さいのか遠近法で遠くにあるかのどっちかだけど」

真紅「私はももたね先生が間違って一つ余分に描いたものかと思っていたわ」

ジュン「そうかな?もしかしたら第8ドールも考えてたかもしれないじゃん」

珪孔雀「そういえば、最初は9~12人くらいまで薔薇乙女を考えていたって聞いたわ」※1

ジュン「僕も聞いた事あるよ。結局多すぎるから7人に落ち着いたんだよな」

真紅「珪孔雀はゴシック&ロリータバイブル合同企画から生まれたのよね。別の第8ドールもいたかもしれないわ」※2

ジュン「そうだな。だけどこればっかりは僕たちにもわからないよ。ももたね先生に聞いてくれとしか言い様がない」




※1…ローゼンメイデン コミック&アニメ公式ガイドBOOK

※2…ゴシック&ロリータバイブル 2013 Vol.48~50

珪孔雀「でも不思議ね。私にもお姉さま達みたいにローザミスティカがあるなんて」

真紅「あなたも歴としたローゼンメイデンだもの。もっと誇りを持ちなさい」

珪孔雀「りょーかいなんだから!」


ジュン「………」

真紅「あらジュン。どうしたの?」

ジュン「こう見るとローザミスティカって色んな形があるんだなって思ってさ」

ジュン「ラジオだとわからないと思うけど、この少し小さくて同じ形のが翠星石と蒼星石のローザミスティカか」

真紅「あの子たちのローザミスティカは双子石だもの。それで間違いないわ」

珪孔雀「…姉妹全員のローザミスティカ。この8つ目が私のローザミスティカだったらいいなぁ」

珪孔雀「もしそうなら、わたしも原作に出ている事になるもの」

真紅「そうね。そうだといいわね」

ジュン「画集で出てるからもう原作に出てるって事でいいんじゃないか?」

珪孔雀「えっ、そんな感じでいいの?」

ジュン「細かいこと抜きならそれでいいと思う」

珪孔雀「えへへ、なんだか嬉しい。ありがと、ジュンさん」

ジュン「別にお礼を言われるような事なんてしてないよ」

真紅「ツンデレなのだわ」

珪孔雀「お次はR.N.黄色の策士さんからです。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『みんなこんにちは!早速だけど珪孔雀に質問よ。
      珪孔雀はマスターを選ぶとしたら誰がいいのかしら?
      ローゼンメイデンの登場人物から選んでほしいのかしらー。』……これはいっぱい想像したんだから!」


真紅「へぇ、シミュレーション済みなのね。一体誰かしら?」

珪孔雀「はい。そのパートナーとは!ズバリ、桜田のりさんなんだからー!」

ジュン「えっ!?なんで姉ちゃんを…」

珪孔雀「それはね、一緒にいて優しい気持ちになれそうだからなの」

珪孔雀「引きこもりの弟も呪い人形たちも…桜田家のすべてを包み込む。まるで聖女よ」

珪孔雀「そんなのりさんと一緒に居られたらなぁって思うんだから!」

ジュン「おい、今禁句を言わなかったか?」

真紅「呪い人形とも聞こえたわ」

珪孔雀「き、気のせいなんだから!とにかく、わたしだったらのりさんを選びます」

真紅「果たしてそう上手くいくかしらね」

珪孔雀「えっ?」

真紅「媒介は人工精霊が選ぶのよ。つまり、私達自身でマスターを選ぶのは希なの」

ジュン「そうなのか。翠星石も苦労したんだな」

真紅「絶対とは言わないけれど、初めては人工精霊に選ばせてあげてほしいわ」

真紅「それに人工精霊はマスターを見る目があるのよ。ホーリエがジュンを選んでくれたようにね」

ホーリエ「」エッヘン!

珪孔雀「なるほどぉ!それなら……ティアドロップ!」

ティアドロップ「」キュルン!

ジュン「おおっ!珪孔雀の人工精霊か」

珪孔雀「うん、ティアドロップっていうの」

ティアドロップ「♪」

珪孔雀「『よろしく』だって」

真紅「ちゃんと躾ができているのね。見直したわ」

珪孔雀「ありがとう、お姉さま。ティアドロップはとっても優秀なの」

珪孔雀「ほら、ティアドロップ。この登場人物の中で私のマスターを見つけてちょうだい」

ティアドロップ「!?」

ティアドロップ「(汗)」


ジュン「困ってる困ってる」

真紅「大丈夫よ。マスターを見つける事に関しては人工精霊の十八番なの。それより誰を選ぶのか見ものね」

珪孔雀「ティアドロップがんばって!」


ティアドロップ「!」


ジュン「見つけたみたいだぞ」

真紅「誰を選んだのかしら?」

珪孔雀「その写真の上で止まってて、ティアドロップ」


ジュン「………げっ」

真紅「あら」

珪孔雀「……梅岡…先生…?」

ティアドロップ「」コクコクッ

珪孔雀「なんで!?どうして!?」

ジュン「あの空回ってそうな所が似てるからじゃないか?」

珪孔雀「そんな理由なの!?」

真紅「ねぇ、気づいていて?マスターになる人はみんな名前に植物の字が付くのだわ」

ジュン「僕…桜田ジュン、柏葉巴、草笛みつ、結菱一葉、柿崎めぐ…、梅岡先生?」

真紅「そう。木辺の漢字が多いでしょ?つまりそういう事よ」

珪孔雀「ちょっと待って!木辺や植物の字がないマスターもいるから、それはおかしいんだから!」

真紅「あら、何か不満なの?梅岡先生はああ見えて人格者よ」

珪孔雀「で、でもぉ……」

ジュン「ドラマCDみたいな感じのままだったらアレだけど、今の先生ならアリかもな」

真紅「そうね。せっかくだから『まきますか まきませんか』のDMを送りましょう。ティアドロップお願いね」

ティアドロップ「」コクンッ カキカキ

ジュン「いつの間にかラプラスの魔の手袋使ってる…」

珪孔雀「や、やめてーー!!」

珪孔雀「続いてのお便りを読みます。R.N.紫の水晶さんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ジュン、真紅、珪孔雀。ラジオお疲れ様。
      珪孔雀に質問します。珪孔雀だったらどんな風にアリスゲームをするの?
      よかったら教えて。』……これは難しい質問なんだから」


真紅「そうね。アリスゲームを知らない貴女には少し酷なのではなくって?」

珪孔雀「だ、大丈夫よ。お姉さま。これでも原作を読みながら色々考えたんだから」

ジュン「アリスゲームを経験してない薔薇乙女ってのも貴重でいいと思うけどな」

珪孔雀「でも……前回の放送でも言われてた事だけど、『闘うことって生きるってこと』だから…」

ジュン「この作品のテーマでもあるよな。生きている。それだけでもう闘ってるんだよ」

珪孔雀「お、奥が深いんだから…!」

真紅「それで?どんな風に戦ってどんなアリスゲームをしていくのかしら」

珪孔雀「はい。まず戦い方はこんな感じです」



珪孔雀「ティアドロップ!」

 

ジュン「うわっ!?至る所から無数のリボンが…!」

真紅「水色のリボン…。これが貴女の力なのね」

珪孔雀「はい。この無数のリボンを操って戦うんだから!」

ジュン「これで相手を縛るってことか。雛苺や雪華綺晶に近い戦い方なのかな?」

真紅「けれど姉妹の誰とも違う。薔薇乙女の中でも異質な能力よ。このリボンは幻想世界から具現化されているのかしら?」

珪孔雀「さすが真紅お姉さま!そのとおりです」

ジュン「このリボン……綿なのか。なら、このリボンを創造してる珪孔雀って裁縫の才能があるかも」

珪孔雀「えっ!?本当?」

ジュン「あるかもって話だ。興味があるなら教えてやってもいいよ」

珪孔雀「マイスターローゼン直々のご指導…!テンション上がるんだから!!」

珪孔雀「これでわたしもジュンさんみたいに魔法の指先を…」ウフフ

真紅「それはいいけどアリスゲームの方はどうなったの?」

珪孔雀「わ、忘れてたんだから。えっと……その…」

珪孔雀「アリスゲーム…。やっぱり、お父様が戦えとおっしゃるなら戦っちゃうかも…」

珪孔雀「だってお父様のお願いは断れないの…。ローザミスティカを奪うのは無理かもしれないけど…」

ジュン「まぁそうだろうな」

真紅「懸命な判断よ」

珪孔雀「とても真紅お姉さまの様な考えはできないの。お姉さまはどうしてあの考えに至ったの?」

真紅「正直、今でもあの選択が正しかったのか自信はないわ。迷っていたからこそ雛苺のローザミスティカを奪わなかったの」

真紅「姉妹を傷つけずにアリスゲームを終わらせる方法を模索したわ。けれど……」

ジュン「そう、それはあの現状では不可能だった」

真紅「……いくらお父様がアリスゲームを望まなくても…、いくら私が犠牲を出さない選択を導き出しても……」

真紅「アリスゲームは止まらない。…いいえ、止められない」

真紅「それでも私は抗い続ける。お父様に抗っても…アリスゲームのルールに抗っても……」


真紅「『誰も置き去りにしないこと』 それが私のアリスゲームだから」

ジュン「人形たちが真紅を選んだのもわかる気がするだろ?」

珪孔雀「はい。私がアリスゲームに参加していても真紅お姉さまを選んでいたと思います」


ジュン「要約すると、ローゼンは自分に抗ってほしかったんだよ」

ジュン「自分で考えて行動する。生きる上で一番必要なことだ。それを学ぶ事こそがアリスゲームの本当の目的だったんだ」

ジュン「アリスゲームに人間…マスターが不可欠なのもそのためだ」

真紅「そう…、『マスター』 マスターに寄り添う事で私達の『個』は大きく揺さぶられた」

真紅「愛されることしか知らない私たちにとって……それは成長と言えるものだったの」

真紅「その時代を精一杯に生きる人間たち……彼らはいつだって抗っていたわ」

真紅「時に折れそうになっても 立ち止まる日もあっても また歩き出す…進み続ける。
   そんな姿をずっと見守ってきた――――…」

真紅「抗う事を教えてくれたのは いつだって『マスター』たちだった」


珪孔雀「ぶ、ブラボーなんだからーー!!」パチパチパチ!!

真紅「ふふ、この話をしたのは姉妹では金糸雀と貴女だけなのだわ」

ジュン「実際大したものだよ。アリスになって自分のアリスゲームを叶えたんだからなぁ」

真紅「その願いを聴いてくれたのはお父様、そしてジュン。貴方のおかげよ」

ジュン「ま、そのせいで自分のローザミスティカが砕けて置いてきぼりになったけどな」

真紅「一言余計なのだわ」

珪孔雀「アリスゲームの経験を直に聞くってすっごくためになるんだから!」

真紅「そうでしょう。それでは、まずは梅岡先生をマスターとしてやっていきましょうか」

珪孔雀「そのお話しまだ続いてたの!?」

珪孔雀「続いてのお便りを読みます。R.N.逆十字の乙女さんから。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ローゼンメイデンは…お父様の求める少女になれたと思う?』……これは即答速攻大肯定なんだから!」


ジュン「即答そっこ……なに…?」

真紅「さっきも話したけれど、アリスゲームは私たちに生きる術(すべ)を教えるためのものだった」

真紅「箱庭の時ならともかく、今の私達はお父様の望んでいた存在になれたはずよ」

ジュン「人間……欠けた存在こそ求めたものだった…か。人でなくなってから気づくなんて………」

ジュン「ローゼン。真紅たちに出会ったばかりの頃の僕なら色々言ってただろうな」

ジュン「勝手に産み出しといて…闘わせて…後はほったらかしなんて……ふざけた奴だってな」

ジュン「だけど、そんな事はローゼンだって自覚してる。それでも造らずにはいられない」

ジュン「『至高の少女を創る―――…』それだけが彼の存在理由だった」

ジュン「ローゼンメイデンは生きている。楽しい事があれば心躍り、時には悩む。人と変わらない」

ジュン「彼は満足していたよ」

珪孔雀「お父様……良かった…」

真紅「そう。姉妹たちはそれを知っているわ。私の体でアリスになったけど、みんなあの場に居たのだから」

珪孔雀「あーん…、わたしもお姉さま方と一緒にいたかったなぁ」

真紅「その必要はないわ。今では誰もがアリスなのだから」

ジュン「そういえばさ、前にアリスに一番相応しいのは水銀燈って言ってたよな」

真紅「えぇ、言ったわ」

珪孔雀「えっ?えっ!?真紅お姉さまが水銀燈お姉さまを?」

真紅「水銀燈が一番少女っぽくて生々しいんですもの」

珪孔雀「あぁ…、そういう……」

真紅「勿論それだけではないわ。私は水銀燈から色んな事を教わったの。紅茶の淹れ方からアリスゲームの在り方まで…」

真紅「私の世界に深みを与えてくれたのは彼女だった」

真紅「ローゼンメイデンの中で一番アリスに近い姉妹。あの子が一番最初に造られたのも頷けるのだわ」

珪孔雀「真紅お姉さまって水銀燈お姉さまを尊敬してるんですね」

真紅「尊敬とはまた違うわね。姉妹の絆なのだわ」

珪孔雀「姉妹の絆…。それって私にもあるかな…?」

真紅「ふふ、もちろんよ」

珪孔雀「続いてはR.N.劇団少女さんからのお便りです。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『中学生のジュンくん、真紅ちゃん、珪孔雀ちゃん。こんにちは。
      中学生のジュンくんに質問です。今好きな異性はいますか。
      いなかったら好きな女性のタイプを教えてください。
      やっぱり巴ちゃんみたいな子が好みなのかな。』……ジュンさんへのお便りみたいです」


ジュン「やっぱりってなんだよ…。前回、まかなかった僕にもそんな質問来てたよな」

真紅「そういえばあったわね。今日がバレンタインだからかしら?」

ジュン「言いそびれたけど、こういう質問って『ももたね一問一答』の解答編でも答えてるから」

珪孔雀「公式で答えてたの!?わたしそれ知らなかったんだからー」

ジュン「わかったよ。じゃあ、掻い摘んで説明するけど……そもそもそんなこと世界に配信するつもりないから」

真紅「まかなかったジュンと同じことを言っているわね」

ジュン「とりあえず、ローゼンメイデン以外なのは確かだな」

珪孔雀「えっ!?それだと翠のお姉さまが……」ボソッ

ジュン「えっ、今何か言ったか?あと姉ちゃんみたいの以外。あんなの二人以上いても困るからな」

珪孔雀「えぇ!?それもショックなんだから…」

ジュン「なんでお前がショック受けてるんだよ…」

ジュン「あと柏葉の事もよく言われるけど、なんで柏葉が出てくるんだ?そんなの考えたこともないよ」

真紅「公式で公言しているだけあって、見事なフラグ建築っぷりなのだわ」

珪孔雀「えっ?じゃあ、ジュンさんは結婚とかしないの?」

ジュン「僕はまだ中学生だぞ。そんな先のこと考えられるわけないだろ」

珪孔雀「そ、そうなのかな…?つまり、好きな異性のタイプとかは…」

ジュン「だからそんなの考えたこともないって。恋人だって作るつもりないからな」

珪孔雀「こ、これは喜んでいいの…?悲しんだ方がいいの…?どっちなの?」

真紅「私個人としてはどっちもよ。ジュンにパートナーができるのは喜ばしいのだけど…、淋しくもあるわ」

珪孔雀「ジュンさんのドールとしては複雑ですよね」

ジュン「もういいからさ、次のお便りに移ろうよ」

真紅「そうね。繊細な質問だったものね」

珪孔雀「わかりました。R.N.劇団少女さん、そういう感じみたいです」

珪孔雀「続いてはR.N.ノリスからのお便りです。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ジュンくん、真紅ちゃん、ケイちゃん。こんにちは。
      時々翠星石ちゃん達が飛ぶのを見て思ったの。
      真紅ちゃんたちってみんなお空を飛べるのかしら。
      お姉ちゃんそれが気になって最近眠れないのよぅ。』……これはドールズへのお便りなんだから」


真紅「そうね。媒介から力をもらえば全ドール飛べるのだわ」

ジュン「えっ?お前やチビ苺が飛んでる所なんて見た事ないぞ」

真紅「私と雛苺はマスターから力をもらえば飛べるわ。でも普段は飛べないのよ」

珪孔雀「水銀燈お姉さまは翼。金糸雀お姉さまは傘」

珪孔雀「翠星石お姉さまと蒼星石お姉さまは鞄。雪華綺晶お姉さまは……あれ?」

真紅「雪華綺晶はアストラルだから浮いていられるだけよ。今はエーテルだから無理でしょうけどね」

ジュン「僕さ、水銀燈が鞄を持って飛ぶのを見た事あるんだ。重そうだったから鞄で飛べばいいのにって思ったけど…」

真紅「媒介から力をもらえば鞄でも飛べるわ。だけど、自力でなら翼で飛ぶしかないはずよ」

珪孔雀「羽に乗ってる水銀燈お姉さま格好良かったんだから」

真紅「あの羽の操作も疲れている時はできないらしいわ。鞄で飛ぶためにわざわざマスターから力をもらうなんてしないはずよ」

ジュン「だろうな。柿崎さん病気だったし」

珪孔雀「私も幻想を使えば飛べるかな?」

真紅「よくわからないけど…、今度試してみてはどうかしら?」




珪孔雀「えっと…これが最後のお便りなのかな?」



お便り安価>>350


お便り安価。

最近あったこと、今の気持ち、猫の鳴き声をやってほしいなど
ローゼンメイデンに関係ない内容でもOKです。

ローゼンメイデンの皆々様に質問です。
あなたにとってのローゼンメイデンとは?

OKです。
時間も遅いので明日の朝に最後の投下をします。

もうしばらくお待ちください。

再開します。

珪孔雀「続いてはID:23RgAdmUPさんからのお便りです。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『ローゼンメイデンの皆々様に質問です。
      あなたにとってのローゼンメイデンとは?』……究極の質問が来たんだから!」


ジュン「これって薔薇乙女に聞いてるのか?それとも僕も含めてなのかな?」

真紅「一応あなたも答えた方がいいわ」

珪孔雀「姉妹としてのローゼンメイデン。作品としてのローゼンメイデン。両方の意味で答えていきます」



珪孔雀「まずは私から」

珪孔雀「私は薔薇乙女の一番新しい姉妹としてこの時代に生まれました」

珪孔雀「お姉さま達とは違った産まれ方だったけど、そんな私をお姉さま達は受け入れてくれたの」

珪孔雀「そんなみんなが大好き。本当に大好きなの」

珪孔雀「ローゼンメイデンはわたしの大切な家族なんだから」

珪孔雀「作品としてのローゼンメイデンももちろん好きよ。だけど、この作品に出てみんなと触れ合ってみたかったなぁって気持ちもある」

珪孔雀「そう思うのは仕方のない事なの。
     私は『ローゼンメイデンが好き』って気持ちから生まれたのだから」

珪孔雀「出られないのは少し淋しいけど、わたしは幻想世界からお姉さまたちを見守っている」

珪孔雀「新連載が始まっても……ずっと…ずっと……」



珪孔雀「こんな感じです」

真紅「なんだか胸にくる内容だったわね」

ジュン「そうだな。ちょっと切なくなった」

珪孔雀「えっ?そうかな」

ジュン「僕のは珪孔雀ほど立派じゃないんだよなぁ…。このコメントの後だと言いづらいよ」

真紅「主人公らしいコメントを期待しているわ」

ジュン「プレッシャーかける言い方をするなよな」

ジュン「僕にとってのローゼンメイデン。……最初は鬱陶しかったな」

ジュン「真紅は小姑みたいだし、雛苺はうるさいし、翠星石は性悪だし…」

ジュン「水銀燈は色んな意味でおそろし人形で、蒼星石はウザったくて、金糸雀も一言余計で……」

ジュン「雪華綺晶なんて命に関わる事をしてくるからな。たまったもんじゃないよ」

ジュン「でも……、いつの間にか悪くないと思えるようになってたんだ」

ジュン「あんな事が起きて…不登校になって……僕のこと誰も覚えていなければいいのにって何度も思ったけど……」

ジュン「それでもまた立ち上がる事ができた。復学も果たせた。それは真紅たちがいたから…」

ジュン「必死に闘う彼女たちの姿を見ていたから……だから僕も立ち上がる事ができたんだ」

ジュン「弱い僕でも闘ってる。生きてるんだって 真紅たちは僕に教えてくれた」

ジュン「ローゼンメイデンはいつの間にか僕の中でかけがえのない存在になっていた」

ジュン「たぶん、まかなかった僕も同じ気持ちだと思う。…そんな感じ」

ジュン「あと…作品としてのローゼンメイデンは僕の成長物語みたいで恥ずかしいよ…」

ジュン「Rozen Maiden 1巻の頃とローゼンメイデン 10巻で僕全然違うし…」

ジュン「『引きこもりの中学生が神にでもなるような勢いだった』とか言われてなんとも言えない気持ちになったよ…」

真紅「クワガタに乗り始めた頃からすごかったものね。あれは驚いたわ。出会った頃は『死むぅ~~』と叫んでいたのが嘘のよう」

ジュン「おいっ!恥ずかしいからやめろよ!」

珪孔雀「たしかに…。バーズ版では薔薇乙女の方が頼りになる感じだったのに、
     YJ版ではいつの間にかジュンさんの方が頼りになる感じでしたよね」

珪孔雀「これって立場が逆転してるんだから。最初の頃の頼り無さからは想像もできないわ」

ジュン「頼りなくて悪かったな」

真紅「今のジュンは頼りになるわ。だって、なんでもできるもの」

真紅「原作の方でも私を復活させてくれると信じているわ」

ジュン「それなら大丈夫だよ。僕ならできる。みんなも居るしな」

真紅「期待しているわ」

真紅「最後は私ね。私にとってのローゼンメイデン……」

真紅「それは、もう一人の自分。いいえ、この場合七人と言うのかしら?」

真紅「元々1つだったローザミスティカは8つに分かれた。1つは8つに。8つは1つに」

真紅「自分とは違う自分。そんな姉妹一人ひとりの事を、私は私以上に大切に想っている」

真紅「もちろん、ローザミスティカだけが姉妹の証ではないわ。薔薇水晶だってそう。本当の姉妹ではないけれど、彼女の事も大切なの」

真紅「時に憎しみあった事もあったけど、私達はそれ以上に姉妹としての絆で繋がっていたのよ」

真紅「私はそれを大切にしたい。大切な姉妹たちとずっと一緒にいたい」

真紅「だから私は姉妹を…誰も独りぼっちにしない……置き去りにしないと決めたの」

真紅「自分以上に大切な存在。それが私にとってのローゼンメイデンよ」

真紅「そんな私達が描かれたローゼンメイデン。この作品には色んな想いが詰まっているわ」

真紅「小さな事から大きな事。喜ばしい事や悔しくて仕方なかったこと」

真紅「原作者のお二人。私達の事が世の中に広まって、不思議で嬉しくて怖くて…二人で唖然としていたと言っていたわね」

真紅「貴女たち二人しか知らなかった私たちの名前。今では多くの人が口にするようになりました」

真紅「あれから12年。3度目の連載が決まったのは原作者のお二人、ローゼンメイデンに携わった会社、スタッフ。そして、応援している読者」

真紅「みんなこの作品が好きだから起きた奇跡なの」

真紅「『また人形たちをお届けしたい』と言っていた桃種先生。それを実現させたと知った時、…私はもう……」

真紅「もうね…、もう………胸がいっぱいで……張り裂けそうだったわ…」グスッ…

真紅「素敵な想いが詰まったローゼンメイデン」

真紅「この想いを大切にして……ずっと守っていきたい…」


ジュン「真紅…」

珪孔雀「お、お姉さま…!」グスン

珪孔雀「わ、わたし…!か、かんど……感動したんだから…!」ブワッ

真紅「珪孔雀、美人が台無しよ。ほら、ハンカチ」つハンカチーフ

珪孔雀「ありがどう、お姉さま゛………チーン!」



ジュン「みんなの想いが詰まった物語か。まるで願いを集めたような作品だよな」

真紅「あらジュン。ずいぶんロマンティックな事を言うのね」

ジュン「お、思ったんだから仕方ないだろ。そういうお前だってさっき泣いてたじゃないか」

真紅「私としたことが少し感傷的になってしまったわ」

ジュン「だけどそうだよな。僕たちは多くの人に支えられてるんだ」

真紅「その期待に応えられるように私達も今まで以上に闘っていきましょう」

ジュン「僕は今まで通りでいいと思うんだけど…」

真紅「そんな事を言っていてはダメよ。ほどほどなのもいいけど、時には頑張らないと。若い時の無謀は買ってでもするものよ」

ジュン「なんか年寄りじみてる…」

真紅「なにか言ったかしら?」

ももたね先生のブログを読んでいたら目頭が熱くなってしまいました。
予想より長そうなので続きは夜に投下します。

>>355

×→珪孔雀「続いてはID:23RgAdmUPさんからのお便りです。ありがと!」
○→珪孔雀「続いてはR.N.ID:23RgAdmUPさんからのお便りです。ありがと!」


R.N.を言い忘れたみたいです。

再開します。

珪孔雀「あら スタッフさんどうしたの?……お便りがもう一通来てる?」

珪孔雀「なら、これが最後のふつおたね。それじゃあ張り切って読んでいくんだから!」


珪孔雀「R.N.まかなかった世界の大学生さんからのお便りです。ありがと!」

ジュン「ありがとな」

真紅「ありがとう」


珪孔雀「『こんにちは。少し聞きたい事があるんだけど、いいかな。
      新アニメでマトリョーシカって人形が出ていましたよね。
      女の子があの人形にお願いしていた最後の願いって結局なんだったんですか。』
      ……これはわかる人いるのかな…?」


ジュン「それって、まかなかった僕が買ってきたっていうあの絵本のこと?」

珪孔雀「うん。一番くじの商品にもなったあの絵本なんだから」

ジュン「まかなかった僕が買ったんならまかなかった僕しか知らないんじゃないか?」

真紅「この真紅も読んだわ」

ジュン「そういえば、何かメッセージを書いてたよな」

真紅「えぇ、そうよ。あっちのジュンにも私達のことを覚えていてほしかったから…」

珪孔雀「なんだかロマンチックなんだから」

ジュン「えっ?そういうものなのか…?」

真紅「そういうものよ。それで願いの内容だったわね」

真紅「たしか……私の大切な人たちがこれからも幸せでありますように……みたいな内容だったわ」

ジュン「うろ覚えかよ…」

真紅「でもね、気持ちはわかるのよ。私もマトリョーシカ人形に似たような願いをしたもの」

ジュン「へぇ、姉妹みんな幸せでありますように…とか?」

真紅「………違うわ」

ジュン「違うのか?じゃあ一体……」

真紅「秘密なのだわ」

ジュン「秘密ってなんだよ。気になるじゃんか」

珪孔雀「わたしも気になるんだからー」

真紅「今度教えてあげるわ」



――――――


真紅『マトリョーシカの一番小さなお前に…一番大きな願いを託した』

真紅『それは、ジュンには……私のマスターには決して死んでほしくない…という願い』

真紅『私は今まで幾人ものマスターが天に旅立つのを見送ってきた』

真紅『人間には寿命がある。わかってる。だけど…、だけど今だけは……一緒にいさせて…』

真紅『お願いよ。小さなマトリョーシカ。私の願いを叶えてちょうだい』


―――――――――――
――――――――
―――――

 

珪孔雀「今度はわたしが巻き返す…!お父様の時間を 珪孔雀の時間に…!」

珪孔雀「『私の時間に巻き返す』」

珪孔雀「このコーナーは、ローゼンメイデンでやってみたい場面を実際にやってみようってコーナーよ」


ジュン「ちょ、ちょっと待てって!これって僕のコーナーじゃないか」

珪孔雀「はい、そうですよ。私がパーソナリティなので少し変えさせて頂きました」

ジュン「………まぁいいけどさ…」

珪孔雀「それでね、それでね。わたしこのコーナーずっとやってみたかったんだから!」

ジュン「これってゲスト主体のコーナーじゃなかったっけ?」

真紅「あら、何かやってみたいシーンがあるの?」

ジュン「そう言われると特にないかも。珪孔雀のやってみたいシーンも気になるし、珪孔雀がやっていいんじゃないか?」

真紅「そうね」

珪孔雀「そうこなくっちゃ!じゃあ始めるわ」

 
―――――
――――――――
―――――――――――

【ローゼンメイデン TALE 57】


金糸雀『もう何度目のお茶会かしら…』

翠星石『ふぁ~~、よく飽きないですねぇ。真紅』

真紅『仕方がないわ。他にやることがないんだもの』


真紅『ねぇ、知ってる?人間はね、毎日のお茶の時間の他にも誕生日にもっと特別なパーティをするのですって』

水銀燈『あらぁ素敵!でも私達には誕生日がないじゃない』

水銀燈『なんでもない日を祝いましょう。なんでもない日おめでとうって!』

真紅『それは物語の話でしょ?いかれ帽子屋のセリフだわ。あまりからかわないで頂戴』

水銀燈『どうして?いいじゃない。ここにいる私達がイカれてないとでも?』

水銀燈『ここにいる全員!長すぎる退屈にとっくにおかしくなってるんだわ!』

金糸雀『水銀燈…』

水銀燈『だってそうでしょ!?本当はみんなわかってるんでしょう』

真紅『…お父様はお忙しいのよ…。今にきっと第7ドールを連れていらっしゃるわ。…きっと…もうすぐ…』

水銀燈『第7ドール? ふふっ、そんなもの本当にいるのかしら? だって姿も影も誰も見たことがないじゃない』

水銀燈『ねぇドールズ。いい加減認めなさいよ』

水銀燈『私達もうとっくにお父様に捨てられたの。この箱庭に転がされているガラクタ達とかわらない』

水銀燈『ただのジャンクなのよ!』

真紅『違う…!違うわ。 わ、私達にだって 生まれてきた意味があるはずよ…!』




カツン… カツン…! カツン…!


 

真紅『……足音?』

金糸雀『このお茶会会場に近づいてくるかしら』

雛苺『お父様なの…?』グスン

蒼星石『そうだろうね。ここに来れるのはお父様しかいないはずだ』

翠星石『お父様にお会いするのはずいぶん久しぶりです』

水銀燈『……フンッ』


カツン……カツン………



マイスタージュン『やあ、ドールズ』

雪華綺晶『ごきげんよう、お姉さま方』

珪孔雀『はじめまして、お姉さま達』


真紅『だ、誰…?』

真紅『あ、あなたたち一体誰なの…!?』

マイスタージュン『僕はジュン。君たちのお父さんの助手をしている者だよ』

真紅『助手…?お父様以外の男性が居たなんて……』

マイスタージュン『そしてこの子達は君たちの新しい姉妹』

雪華綺晶『ローゼンメイデン第7ドールの雪華綺晶と申します』

珪孔雀『ローゼンメイデン第8ドールの珪孔雀です』

水銀燈『なんですって?』

真紅『ま、またなの…』

翠星石『一緒に来るなんてあの子たちも双子ですかね?』

蒼星石『どうだろうね』

雛苺『うゅ……、…お父様は…?』

マイスタージュン『ローゼンは訳あって来れないんだ』

雛苺『………』グスッ…

マイスタージュン『ごめんな』




マイスタージュン『いきなりで悪いけど、君たちには旅に出てもらいたい』
 

真紅『…旅?』

マイスタージュン『今すぐの話じゃない。雪華綺晶と珪孔雀も来たばかりだから』

マイスタージュン『君たちは人間の世界で人間と出会い、色んな事を知ってもらいたい』

マイスタージュン『この世界をどう感じたか僕とローゼンに教えてくれないか』

真紅『それは……お父様が仰っていたの?……』

マイスタージュン『そう』

水銀燈『あははっ!ジャンクだから出て行けって事かしら?いいわ、出て行ってあげる』

翠星石『水銀燈!さっきからジャンクって……お父様に失礼ですよ』

水銀燈『うるさいわね。この箱庭から出られるのならなんだっていいのよ』

水銀燈『お父様の籠の鳥でいるのは もううんざりよ!』

マイスタージュン『ごめんな、水銀燈。だけどローゼンは君たちを愛している』

水銀燈『愛してるならなんで姿を見せないのよ!私達に見切りをつけたいい証拠じゃないの!』

マイスタージュン『姿を見せない理由…。それは言えないんだ………ごめん』

水銀燈『話にならないわね。いいわ、今から出て行ってあげる。どこが入口なの?』

マイスタージュン『……額の中の扉が入口だよ』

水銀燈『…この世界がどんな風に見えるかですって?そんなに知りたいなら見てきてあげる』

水銀燈『絶望に満ちた世界をね!』バサッ!

金糸雀『水銀燈…』




金糸雀『私も旅立つわ』

真紅『そんな…!金糸雀まで…!?』

金糸雀『ねぇ、あなた。……ジュン…だったわね。お父様は何を考えてるの?』

マイスタージュン『彼はいつだって君たちの幸せを考えてる。みんな一番大切なんだ』

金糸雀『…………そう……』

金糸雀『お父様が旅立てと仰るのなら旅立ちます。世界を見てくるかしら』

金糸雀『また会いましょう。姉妹たち』フワッ



蒼星石『…僕も行くよ』

翠星石『蒼星石!?このジュンとか言う奴の言葉を信じるですか!?』

蒼星石『彼はお父様の助手。僕は信じるよ』

翠星石『そ、それはここに来れるほどですから、嘘は言ってないとは思いますけど……』

蒼星石『お父様はアリスを望んでいる。姉妹を造り、また造り……それでも届かなかった』

蒼星石『人間の世界にはアリスになれるヒントがあるのかい?』

マイスタージュン『それは自分の目で確かめてみてほしい。蒼星石』

蒼星石『わかりました。僕も旅立ちます』

翠星石『そ、そんな………それなら翠星石だって付いて行くですよ!』

蒼星石『箱庭から離れて怖くないのかい?』

翠星石『こ、怖くない……わけないですけど…、蒼星石と離れる方がよっぽど怖いですよ』

蒼星石『そう…。僕もだよ』クスッ

マイスタージュン『詳しい話はウサギが伝達してくれる。無理をしないようにな』

翠星石『べー!ですぅ』

蒼星石『行くよ、翠星石』



真紅『………』

マイスタージュン『みんな急だな。君たちはどうする?真紅』

真紅『わ、私は……私も…』

雛苺『ヒナ…怖いの……』

真紅『!…………私はまだ行かないわ』

雛苺『ほ、本当…?』

真紅『本当よ。それに、新しい姉妹にまだ自己紹介をしていないものね』

雪華綺晶『うぅ…、ハラハラしました』

珪孔雀『みんな旅立っちゃったらどうしようかと思ったんだから…』

真紅『見苦しい所を見せてごめんなさい。姉妹を代表して謝るわ』

真紅『そして……ジュン…と言ったわね。お父様はまだここにいらっしゃるの?』

マイスタージュン『ローゼンはもういない。彼も出かけたよ』

真紅『そう…』


真紅『自己紹介をしましょう。私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドール』

真紅『真紅なのだわ』


―――――――――――
――――――――
―――――

 

珪孔雀「これなら私も原作に出られるんだから!」

ジュン「もうツッコまない。僕はツッコまないぞ…!」

真紅「なんであの時代にジュンがいるのかしら?」

珪孔雀「『マイスターローゼン』の力を使って未来から来てる設定なんだから!」

ジュン「未来!?マイスターローゼン万能すぎだろ!そんな能力ないから」

珪孔雀「あっ、ツッコんでくれた。さすがローゼンメイデン唯一のツッコミ職人ね」

真紅「まかなかったジュンもツッコミはするけど、大人になってツッコミ力が弱まっているものね」

珪孔雀「ツッコミ力って大人になると弱まるのね。なるほどなるほど」

ジュン「そんなわけあるかーーー!!」

珪孔雀「うふふ、話していて楽しいんだから」

ジュン「もういいや…、次行こうよ」

珪孔雀「はい。では私の想像をもう一つやります」

ジュン「まだあるのかよ!?」

 
―――――
――――――――
―――――――――――


水銀燈『水銀燈よぉ』

金糸雀『金糸雀かしら♪』

翠星石『翠星石ですぅ』

蒼星石『蒼星石!』

真紅『真紅なのだわ』

雛苺『雛苺なのー』

雪華綺晶『雪華綺晶ですわ』

薔薇水晶『薔薇水晶…』

珪孔雀『そして私が 珪孔雀なんだから!』


『『『『『『『『『九人そろって!ローゼンメイデン!!』』』』』』』』』キュピーン!


のり『素敵すてき~!一度これを聞いてみたかったのよねぇ』パチパチパチ!

ジュン『いや、一人ローゼンメイデンじゃない奴いるじゃん』

真紅『「誰も置き去りにしないこと」 それが私のアリスゲームよ』

大ジュン『その名言をここで使わなくても……』


―――――――――――
――――――――
―――――

 

珪孔雀「どう?どうなんだから。お姉さま達が孔雀の羽のように私の後ろでポーズを取るの」

真紅「色とりどりで綺麗ではありそうだけど…」

ジュン「色とりどりなのはオスの孔雀だろ」

珪孔雀「あっ!あぁぁ~~…、わ、わたしったらなんてミスを……」



ジュン「ふぅ…、そろそろ次のコーナーに行かないか?」

真紅「あらジュン。あなたやりたいシーンはないの?」

ジュン「特にないかな」

真紅「嘘を言いなさい。私にはちゃんと伝わっていてよ」

ジュン「えっ…、あっ!久しぶりに心読まれた…」

珪孔雀「えっ?ジュンさんにもやってみたい場面があるの?」

真紅「あると言えばあるし、ないと言えばないわ」

ジュン「おい、真紅。恥ずかしいからやめろよな」

真紅「いいじゃないの。あなたの願いは私と一緒の願いだもの」

珪孔雀「ジュンさんとお姉さまの願いが一緒…?」

真紅「見てみた方が早いわね。始めるわよ」

 
―――――
――――――――
―――――――――――

BGM 【自分の居場所】


――――ジュンの部屋


ジュン『買いっと…』カチカチッ

真紅『………』ペラッ

ジュン『……真紅、居たのか』

真紅『もちろん居るわよ。私の部屋だもの』

ジュン『僕の部屋だ!』


のり『ジュンくーん!真紅ちゃーん!おやつよー』ガチャッ

ジュン『あーもう、ドア開けるとまた運動会が…』


ドタドタ キャッキャッ


雛苺『のりぃー、翠星石がいじわるするのー』

翠星石『違うですぅー、ちび苺が翠星石のレースを…ホラホラ』リボン結び

雛苺『自分でやったのよ。翠星石のすかぽんたん。蒼星石も見てたよねー』

蒼星石『まったく…、君たちったら』クスッ

のり『みんな仲良しねぇ。お姉ちゃん嬉しくなっちゃう』

翠星石『ジュンー、翠星石のレース直してですぅー』

雛苺『ジュンダメェーー』

蒼星石『賑やかだね』

真紅『いつもこんな感じよ。それはそうと、のり。ここでお茶にしましょう。ジュンも手伝いなさい』

ジュン『なんで僕が…』


――――――



翠星石『のりが作ったケーキ美味しいですぅ』

蒼星石『本当だ。美味しい』

のり『ありがとう。翠星石ちゃん、蒼星石ちゃん』

雛苺『のりはお料理の天才なのよー』

のり『うふふ、いっぱいあるからどんどん食べてね。雛ちゃん』

真紅『ジュン、紅茶を淹れなさい。ミルクも忘れてはダメよ』

ジュン『はいはい』

真紅『はいは1回にしなさい』

ジュン『…ほら』

真紅『…うん。だいぶ上手になった。いい子ね、ジュン』


―――――――――――
――――――――
―――――
 

真紅「こんなところかしら」

珪孔雀「これは……いつもの日常…?」

真紅「そうよ。この日常こそが何ものにも代え難い大切なものなの」

珪孔雀「さっきジュンさんも同じ事言ってましたよね」

ジュン「ずっとこの生活をしてたんだ。今さらあいつらが居なくなったら静かになりすぎて逆に落ち着かないっていうか…」

真紅「ふふ、そういう事にしておくわ」

ジュン「なんとでも言えよ」

珪孔雀「一緒の考え…一緒の願い…。これがドールとマスターの絆」

珪孔雀「なんて美しい関係なんだから!二人は本当に繋がり合ってるんですね」

真紅「怖がりな所とか…似た者同士なのは確かよ。だけどそれだけではないわ」

真紅「ジュン、貴方だから寄り添っていられるの」

ジュン「は、恥ずかしい事を真顔で言うなよな」

珪孔雀「あっ、照れてる。可愛いんだからー」キャー

ジュン「このノリ……薔薇乙女って感じがすごくする…」

珪孔雀「誓って。薔薇の指輪に……わたしのローザミスティカを護ると…」

珪孔雀「『プチアリスゲーム』」

珪孔雀「このコーナーは、パーソナリティの私とゲストがゲームをして対決するコーナーです」


ジュン「なんか知らないコーナーが始まったぞ」

真紅「だけど どこかで聞いた事があるコーナーね」

ジュン「なぁ珪孔雀。ゲームってなにするんだ?」

珪孔雀「説明しちゃいます!今から始めるゲーム。それは……」


珪孔雀「どっちが姉妹でSHOW!」


ジュン「どっちが姉妹でSHOW?…なにそれ」

珪孔雀「簡単に言うと、他のローゼンメイデンになりきってどっちが似てるか競うゲームなの」

ジュン「僕やりたくないんだけど…」

珪孔雀「そう言うと思ってました。ジュンさんは審判役でお願いします」

ジュン「別にいいけど…、審判って僕だけか?」

珪孔雀「そこはご安心。ホーリエ!ティアドロップ!」


ホーリエ「」パァ

ティアドロップ「」チッカチッカ


珪孔雀「ジュンさんとホーリエ、そしてティアドロップが審判なんだから」

真紅「つまり、この私と一騎打ちをしたいってことね」

珪孔雀「そ、そんな物騒な感じじゃないんだから……あくまで楽しむのが目的なの」

珪孔雀「景品もあるんだから。これよ!」ジャジャーン!


【ローザミスティカ型特大チョコ】

【巨大くんくんぐるみ】


真紅「!!?」

ジュン「なんだあれ?あの茶色い塊ってなんだ?」

珪孔雀「バレンタイン特性ローザミスティカチョコレートよ!」

ジュン「ローザミスティカって…。デカ過ぎてただの石にしか見えないんだけど」

真紅「なんてことなの…。これは負けられないのだわ!!」

ジュン「えっ、そんなにあのチョコ欲しいのか?」

真紅「違うわよ。もうひとつの景品を見なさい」

ジュン「もう一つの……あぁ、あのベロマーク50枚のやつか」

真紅「もう二度と手に入らないと思っていたのに…。これもお父様のお導きかしら?」

ジュン「それはない」

珪孔雀「それでは早速やっていくんだから!」

真紅「フフ、あなたは肝心な事を忘れている」

珪孔雀「えっ!?真紅お姉さま…?」

真紅「私の中の人は女性から少年まで幅広い声が出せる七色の声優なのよ」

珪孔雀「!!」

真紅「この勝負もらったわ」

ジュン「完全にくんくんに目がくらんでる。中の人が優秀でも、肝心の本人がこれじゃどうしようもないだろ」

ホーリエ「」オロオロ

真紅「いいこと、ホーリエ。いくら私の人工精霊だからって私に贔屓せず公平なジャッジをするのよ」

珪孔雀「ティアドロップもね」

ティアドロップ「」コクコクッ

真紅「ジュン。合図を」

ジュン「えっ?僕がするのか?」

真紅「審判なんだから当たり前でしょ」

ジュン「そっか。えっと……、アリスゲーム…スタート!」

 
【お題1:水銀燈】


真紅「いきなり水銀燈だなんて…。でもいいわ、完璧にこなしてあげる」


真紅「『珪孔雀、あなたのローザミスティカ。わたしにちょうだぁい!』」


珪孔雀「!!」

ジュン「な…!?似すぎだろ今の…!」

珪孔雀「つ、次は私の番…。…いくんだから…!」


珪孔雀「『ジャンクにしてあげるわぁ!』」


ジュン「あー…、なるほどな。じゃあ判定するぞ。勝者は……」



ジュン【真紅】

ホーリエ【真紅】

ティアドロップ【真紅】

珪孔雀「この結果…わかってはいたけれど……」

真紅「少し複雑だけど、ここは喜んでおきましょうか」

ジュン「ていうか似すぎだろ!沢○さんより似てたぞ」

真紅「どのくらいの時を一緒にいたと思ってるの。このぐらい余裕よ」

珪孔雀「一日の長どころの騒ぎじゃないんだから…。でも次は自信あるんだから!」



【お題2:金糸雀】


真紅「金糸雀は難しいのよ」

真紅「『楽してズルしていただきかしらー!』……なにか違うわね」


ジュン「似てなくはないよな」

ホーリエ「」コクッ

珪孔雀「次は私ね。金糸雀お姉さまのはいっぱい練習したんだから」


珪孔雀「『そこまでよ!かしら!これ以上私のマスターに手出しは無用かしら』」


ジュン「おっ!似てる似てる」

ホーリエ「」コクコクッ

ジュン「じゃあいくぞ。せーのっ」


ジュン【珪孔雀】

ホーリエ【珪孔雀】

ティアドロップ【真紅】


真紅「くっ…、さすがに無理があったわね」

珪孔雀「やったかしらー!でも、ティアドロップ。あなたどっちの味方なんだから」

ティアドロップ「(汗)」

真紅「ティアドロップは公平に判定してるのだわ。あなたもそれを認めていたでしょう?」

珪孔雀「あぅ…、ごめんね。ティアドロップ」

ティアドロップ「」フルフル


【真 紅1 ― 1珪孔雀】


真紅「同点ね。次のお題は誰かしら?」

 
【お題3:翠星石と蒼星石】


真紅「翠星石と蒼星石?両方やればいいってこと?」

珪孔雀「どっちかだけでいいの。例えば、私が蒼星石お姉さまなら真紅お姉さまは翠星石お姉さまをやるみたいな」

真紅「なるほど」

珪孔雀「しかも今回の勝利ポイントは2ポイントなんだから!」

真紅「お得ね」

ジュン「2人セットだから2ポイントなだけだろ」

珪孔雀「そんな訳で、私は翠星石お姉さまを選んで先手必勝!」

真紅「なら私は蒼星石を演じればいいのね」

珪孔雀「2人同時の場合は一緒にお話するの。お姉さま、いきます!」

珪孔雀「『蒼星石!こっちですよ』」

真紅「『待ってよ。翠星石』」

珪孔雀「『ほら、この木にリンゴが生ってる。鞄を積み上げて登るです!』」

真紅「『翠星石…、いけないよ』」

珪孔雀「『も…、もーちょっとで届くですぅ』」

真紅「『僕が取るって言ってるのに』」

珪孔雀「『木登りは翠星石の方が得意ですぅ』」

珪孔雀「『やったぁ。リンゴ2つ もぎ取ったりですよー』」

真紅「『……お見事』」クス



ジュン「………」

ホーリエ「」…

ティアドロップ「」…

真紅「ふぅ…、即興にしては息が合ったわね」

珪孔雀「うふふ、翠星石お姉さまになっちゃった気分だったんだから」

真紅「それでは勝敗を……ジュン、どうしたの?」

ジュン「その……なんか新鮮だったというか…なんていうか……なぁ、ホーリエ」

ホーリエ「」コクコクッ

ジュン「真紅が自分のこと『僕』って言ってたのが新鮮だっただけ。ホントそれだけなんだ」

真紅「そうね、私も初めて言ったもの。それでどちらが上手だったのかしら?」

ジュン「今回のはかなり難しいぞ。珪孔雀もすごく翠星石ぽかったし」

珪孔雀「本当!?やったー!」

ジュン「だけど真紅も……うーん、迷う…」

ティアドロップ「」キュルン

ジュン「んっ?あぁ、そうだな。迷っていても仕方ない。とにかく心が赴くままに…」

ジュン「せーのっ」


ジュン【真紅】

ホーリエ【真紅】

ティアドロップ【珪孔雀】


【真 紅3 ― 1珪孔雀】


 

珪孔雀「あぁ!点差が開いちゃったんだから…」

真紅「今回はギリギリだったわ」

ジュン「正直迷ったよ。決め手はやっぱり真紅のインパクトかな」

ジュン「演技力は同じくらいだったけど、真紅が演じる蒼星石のインパクトが強すぎた」

ホーリエ「」コクコクッ

珪孔雀「惜しかったのね…。なら、次は負けないんだから!」

真紅「その意気よ。…………次も勝てば……くんくん…」



【お題4:雛苺と雪華綺晶】


真紅「急に難易度が上がったわね」

珪孔雀「アリスゲーム中か後でかなり違うやり取りになりそうですね」

真紅「そうね。どっちでいきましょうか」

珪孔雀「今度はお姉さまからお選びください」

真紅「そう?なら、お父様やくんくんにも褒められた雛苺で挑むのだわ」

ジュン「……(あれは褒められたっていうのか…?)」

珪孔雀「それなら私は雪華綺晶お姉さまですね」

真紅「そういう事になるわね。そろそろ始めるわ。しっかり付いてきなさい」

珪孔雀「はい!」

真紅「『ねぇ雪華綺晶。うにゅーごっこしましょ!』」

珪孔雀「『うにゅーごっこ…ですか?』」

真紅「『そうなの!こうするのよ』」丸くなるー

珪孔雀「『まぁ!こうですか?』」

真紅「『もっとうにゅーの気持ちになるのよ!』」

珪孔雀「『えぇ!? う、うにゅー…!』」

真紅「『そうそう。とっても上手だわ』」


ジュン「……くっ…!」プルプル

ホーリエ「」プルプル

ティアドロップ「」



珪孔雀「『次はけものきらきーごっこをしましょう。わたくしの真似をしてください』」

珪孔雀「『にぱー♪』」シュタッ

真紅「きゃっ!?ね、猫みたいになるのね。……こうかしら…?」

真紅「『♪』」シュバッ


ジュン「……ぶふっ…!」

ホーリエ「~~~ッ!!」

ティアドロップ「(笑)」

真紅「ふぅ、なかなか良い出来だったわ」

珪孔雀「ちょっと自信ないんだから…」


ジュン「くくっ…、良かったよ」

真紅「ラプラスみたいな笑い方してどうしたの?」

ジュン「いや、なんでもない。じゃあ判定するぞ。こんな感じだ」


ジュン【珪孔雀】

ホーリエ【珪孔雀】

ティアドロップ【珪孔雀】


【真 紅3 ― 3珪孔雀】


真紅「なん…ですって…?」

珪孔雀「えっ!?勝てたの?」

珪孔雀「やったーー!!」

真紅「あぁ…、どういうこと?お父様とくんくんから褒めていただいた雛苺が負けるなんて…」

ジュン「たしかに似てたけど、珪孔雀がケモノ化した時に素に戻っただろ。あれがなかったらなぁ」

真紅「そ、そんな…」

ジュン「それに、さっきからくんくんに目が眩みすぎて 今の自分がよく見えてないだろ」

真紅「今の自分…?………!!///」かぁっ

ジュン「面白さで言ったら真紅の方が勝ってたけどな。ホーリエもそう思うだろ?」

ホーリエ「…っ!」ニゲル!

ジュン「あれ、ホーリエ?……んっ?」

真紅「……」ゴゴゴ…

ジュン「真紅…?」

真紅「………」ポカポカ! ビシビシ!

ジュン「なっ…!?あたっ、いててっ。無言で叩いてくるなよ」

珪孔雀「いいなぁ、ジュンさん登り。お姉さまも時々ジュンさん登りしますよね」

真紅「……登ってるつもりはないわ。これはお仕置きよ」

珪孔雀「そうなの?見ていて微笑ましいんだから」

真紅「よかったら貴女もやってみる?」

珪孔雀「いいんですか!」キラキラ

ジュン「やめろって…!いくら人形って言ってもお前ら重……アーーーッ!!」

 
【お題5:薔薇水晶】


真紅「これで勝負が決するわね」

珪孔雀「お姉さま、お先に失礼します」


珪孔雀「『さあ、アリスゲームを始めましょう』」


ジュン「あっ、似てる。練習してきてるなぁ」

真紅「やるわね。だけど、私のくんくんへの愛は誰にも負けないのだわ!」

ジュン「姉妹じゃなくてくんくんの方かよ…」


真紅「『私はローゼンメイデン第7ドール……薔薇水晶』」


ジュン「!」

珪孔雀「に、似てるんだから…」

ジュン「薔薇水晶に初めて会った時を思い出すな」

真紅「さあ、ジュン。ホーリエにティアドロップ。採点してちょうだい」

ジュン「それじゃ恨みっこ無しだぞ。せーのっ!」


ジュン【真紅】

ホーリエ【真紅】

ティアドロップ【珪孔雀】


【真 紅④ ― 3珪孔雀】


真紅「やったわ!くんくーん!!」ダッシュ!

珪孔雀「ま、負けた…。でも良い勝負でした。真紅お姉さま」

真紅「あぁ、くんくん。会いたかったのだわ」ダキッ

ジュン「聞いてないな」

珪孔雀「あ、あはは…」

真紅「ちゃんと聞いてるわよ。良い勝負だったわ、珪孔雀」

珪孔雀「お姉さま…」

真紅「さあ、一緒にローザミスティカ型のチョコをいただきましょう」

珪孔雀「えっ?でも、それはお姉さまの景品で…」

真紅「いいのよ。私達はベストを尽くした。素晴らしい勝負ができた事とお互いの善戦を祝って一緒に喜びを分かち合いましょう」キラキラ

珪孔雀「お、お姉さま…。輝いてるんだから…」ウットリ

ジュン「あれはくんくん手に入れてはしゃいでるだけだぞ」

真紅「そしてジュン。早く紅茶の準備をしなさい。私はオレンジペコがいいわ」

珪孔雀「私はお茶請けにマシュマロがいいんだから。チョコフォンデュにしていただくの」

ジュン「僕、ゲストなんだけど…。ま、いっか」


真紅「あぁ、くんくん…よかった……」ムギュー

珪孔雀「ローゼンメイデン。それは可能性と分岐の世界。この世界はいくつもの未来へと枝分かれしている」

珪孔雀「『 まきますか   まきませんか 』」

珪孔雀「このコーナーは私個人が疑問に思っている事をジュンさんと真紅お姉さまに質問しようってコーナーなの」


ジュン「また変なの始まったぞ」

真紅「一体いくつコーナーがあるのかしら?」

珪孔雀「これを合わせてもあと2つだけなんだから!それでは質問します」


珪孔雀「真紅お姉さまの時間を戻せる時計って一体いつから持ってたの?」


真紅「あぁ、これのことね。これはお父様からいただいたの」

珪孔雀「金糸雀お姉さまのバイオリンや翠星石お姉さまの如雨露みたいに?」

真紅「そうよ」

ジュン「って事は時間のゼンマイを巻き戻せるのは真紅だけなのか」

真紅「もう一人いるわ。ラプラスの魔も同じ時計を使っているのよ」

ジュン「ジャンプSQ.出張版で使ってたやつか。デザインが真紅のと同じだったからラプラスの魔から奪ったものかと思ってたよ」

真紅「そんなわけないでしょ」

珪孔雀「ラプラスの魔とお揃いだなんて仲良しさんなんですね」

真紅「そういう訳ではないのだけど…、なぜなのかしら?新連載でその謎も明かされるといいわね」

珪孔雀「次の質問!水銀燈お姉さまがめぐさんにしてあげたかった事って結局なんだったの?」


ジュン「また重い質問を…」

真紅「空気を読んで誰も聞いてこなかった質問ね」

珪孔雀「だ、ダメだった…?」

ジュン「水銀燈に聞いて……もダメだよな」

真紅「そうね。もし、2回目で聞いていたら確実に荒れていたでしょうね」

ジュン「でもさ、これ僕たちで答えちゃっていいのか?」

真紅「予想なら構わないでしょ。あくまで私たちだったらって意味で答えましょう」

ジュン「そうだな」

真紅「質問に答えるわ。水銀燈の真意はわからないけれど、もし私だったら自己犠牲を選ぶ」

珪孔雀「えっ!?アリスになった時みたいに?」

真紅「それとは少し違うわね」

真紅「めぐには酷かもしれないけれど…、それでも生きて闘ってほしい。私ならそう思ってしまう」

真紅「そのためなら喜んで支える、依り代になる。めぐが私のマスターならそう願わずにはいられない」

珪孔雀「そ、それってどうなのかな…?」

ジュン「わからない。それはもう誰にもわからないんだ」

ジュン「僕も柏葉から『柿崎さんを救えるのは僕』って言われたけど、…間に合わなかった。……」

ジュン「彼女の想いに……祈りに早く気付けていたら…だけど、あの階段の時にはすでに手遅れだった」

ジュン「雪華綺晶と融合する前……その前から確固たる意志が彼女にはあった」

ジュン「水銀燈が止められないのなら 僕では止められない」

珪孔雀「そ、そうだったの…」

ジュン「彼女の行動は彼女自身の内なる叫び。すべて知っての行動だったんだ」

真紅「……あの結末はなるべくしてなったのね…」

珪孔雀「えっ、あの……それなら、2回目に出てためぐって一体…?」

ジュン「世の中には不思議がいっぱいだよなー」

真紅「その通りね」

珪孔雀「スルーされた!?」

珪孔雀「最後の質問です。具体的にマイスターローゼンってなんなのかしら?」


ジュン「なんなのかって言われても……ローゼンを継いだってことくらいしか…」

珪孔雀「お人形関係の時に力を発揮したり、nのフィールドですごい力が使えるってことなんだよね?」

ジュン「ぶっちゃけそんな感じではある」

珪孔雀「ジュンさんはドール無しでnのフィールドに入ったりできるの?」

ジュン「できるよ。時々ローゼンのアトリエとか掃除しに行ってるし」

珪孔雀「お父様のお部屋を?」

ジュン「けっこう散らかってるんだよ。最初に真紅を置いてた時は薔薇乙女全員で掃除したんだ。水銀燈はサボってたけど」

真紅「ジュンの綺麗好きで神経質なところがこんな所で発揮されるとはね」

珪孔雀「すごい!自力でnのフィールドに入れる人間なんて聞いたことがないわ」

ジュン「と言っても、あまりマイスターローゼンの力は使ってないよ。僕は僕自身を磨かなきゃいけないからな」

ジュン「だから、ローゼンから色んなものを託されたけど、有事の際以外はなるべく力を使わないようにしてるんだ」

珪孔雀「なんだかとっても偉いんだから!」

真紅「よく言うわ。今でも学校に遅刻しそうになるとnのフィールドを使ってるじゃないの」

ジュン「…便利だからつい使っちゃうんだよ」

珪孔雀「えー…、本当にどこでもドア状態なのね…」

珪孔雀「過去はいくつもの未来へと繋がっている。あなたの未来も無限に広がっているのだから」

珪孔雀「『ジュン、忘れないでね』」

珪孔雀「このコーナーは、今月から始まる新連載【ローゼンメイデン0-ゼロ-】の意気込みや予想をしていくコーナーよ」


真紅「私のセリフ…。いいえ、…なんでもないわ」

ジュン「予想かぁ…。もう出尽くした感あるよな」

真紅「今までいっぱい予想したものね。私の過去の話も第2回で話してしまったし…」

ジュン「そうだよなぁ。珪孔雀は何か予想とかあるか?」

珪孔雀「予想ってほどではないのだけど…、水銀燈お姉さまって自分の服装にコンプレックスを持ってるの?」

ジュン「逆十字だからな。少なからず不満はあったっぽい」

珪孔雀「お父様が何故あのドレスを作ったのか明らかになるんじゃないかなって思って…」

ジュン「単純に神への反発って事じゃないか?今度こそ生きてもらいたいって言ってたし」

真紅「神の所業を真似たという意味もあるでしょうね。私達は時の流れに流されないから…」

珪孔雀「時の流れに逆らう…って事なのかな?それなら、翼はなんで黒いんだろう?」

ジュン「ドレスに合わせた…?……わからないな…」

真紅「どうなのでしょうね。新連載でそのシーンがあれば謎が解けるでしょうけど…」

ジュン「新連載の冒頭。最初はラプラスの魔が出てくるんじゃないか?」

真紅「ありそうね。舞台のカーテンから出てきて話し始める姿が目に浮かぶわ」

ジュン「真紅は何かあるか?」

真紅「私は、生前のお父様と亡くなってしまった娘が出るんじゃないかと思ってるの」

ジュン「ローゼンの娘…。ローゼンが会わなくなる前ってことか?」

真紅「それはわからないわ。病気になる前なのか…それとも後なのか」

真紅「ただ、私はお父様たちを見てみたい。そう思ったの」

ジュン「そうか。…珪孔雀も他に予想とか残ってるか?」

珪孔雀「これもちょっと思っただけなのですが…、真紅お姉さまは金糸雀お姉さまに『アリスゲームに積極的な姉妹』って言ってましたよね」

真紅「えぇ、言ったわ」

珪孔雀「もしかして、過去に金糸雀お姉さまと戦った事があるの?」

真紅「さあ、どうだったかしらね。その辺の事もきっと新連載で語られるはずよ」

珪孔雀「すっごく気になる…!だけどもう少しの辛抱なんだから」


ジュン「あとは真紅と猫の真相とか」

真紅「その話はもうやめなさい…やめなさい…」

珪孔雀「さて、そろそろお時間になりました」

珪孔雀「本日のゲストである ジュンさん、真紅お姉様。お疲れ様でした」

ジュン「お疲れさま。ゲスト側になるのって新鮮だったよ」

真紅「お疲れ様ね。てっきり私が言わないといけないかと思ってハッとしたわ」

ジュン「このラジオも長かったよなぁ。11回だぞ?11回」

真紅「それだけ愛されていたということ。これからも読者やリスナーの期待に応えていきたいわね」

ジュン「珪孔雀も大変だっただろ。何せ、このラジオってCMなしだからな。ラジオ番組としては異例だよ」

珪孔雀「はい…、もうヘトヘトなんだから……」

真紅「nのフィールドを使った特殊なラジオだもの。CMなんて挟めるはずないわ」

ジュン「できたとしても、ドールハウスEnjuにしか頼めないもんな」

 
/ ふれた指先 心燈して 流れ出す旋律 愛を望む~♪ \


真紅「名残惜しいけれど今度こそお別れね」

ジュン「今回は悲しまなくていい…とか言わないのか?」

真紅「必要ないわ。だって私達とはもうすぐ会えるもの」

ジュン「そっか。新連載スタートは今週の金曜日からだもんな」

珪孔雀「私もひっそりお姉様たちを応援してるんだから」

真紅「ありがとう、珪孔雀」

珪孔雀「こちらこそ ありがとうございました。ジュンさん、真紅お姉さま」

ジュン「珪孔雀もありがとな」



ジュン「リスナーのみんな。ここまで僕たちのラジオを聞いてくれて、本当にありがとう」

真紅「私達も楽しくラジオをする事ができたわ。これも聞いてくれた皆さんのおかげよ」

珪孔雀「ラジオはこれで終わっちゃうけど、これからもローゼンメイデンを応援してくれると嬉しいんだから」


珪孔雀「それでは、お相手はローゼンメイデン第8ドール珪孔雀と」

真紅「ローゼンメイデン第5ドール真紅と」

ジュン「『まいた世界』の桜田ジュンでした」



【薔薇の香りのガーデンパーティ0 FINAL】

END
 

 




―――――――――――
――――――――
―――――









『ここは夢とフシギの王国!』


『世界は不思議があふれてる…、だから君は キミだけのワンダーにきっと出会える!』



『合言葉はビー・ワンダフル!』












『ワンダリングワンダーワールドへようこそ!』






 

サイ「………」ヒョイッ ヒョイッ


「見て見て!ゴミでジャグリングしてるよ!」

「さすがワワワ。掃除のキャストまでこってるなー」


鉄心「うわーっ…すごっ。清掃員ってこんなコトまでやるんスかぁ…?」

伊吹「当たり前だろ」



「いいぞー」

「すごーい!」


サイ「ヨシやれ!」

鉄心「…無理です」

サイ「んだョ、教えてんダロ。ケンシューだろ。ヤルだけヤレヨ」

鉄心「説明がザックリすぎる…」

サイ「早くやれよゥ」

鉄心「わ、わかったって…… 『この呪い人形ーー!!』

鉄心「えっ?」

『こんなにチョコ食べられるわけないだろ!』

『紅茶で流し込めばイケるのだわ。だから早く食べなさい』

『む、無理だって……そんないっぺんに…もごっ!?』

『あら、やればできるじゃないの』

『むぐっ…!………はぁ…はぁ…、なんで僕がこんなことを…』

『リスナーへのサービスよ』

『こんなんでリスナーが喜ぶわけないだろ!』

『それはそうね』

『えっ……、じゃあなんでやらせたんだ?』

『ジュンが勝手にやったのでしょう?』

『そ、そんなわけあるかーー!!』

『愚かね』




鉄心「なんだろ。ラジオ…? 園内放送かな」
 

鉄心「ワワワ限定で流してるならキャストがやってるのかも……どこのエリアのキャストだろ?」

鉄心「人形って言ってたから……『メルヘン』のエリア?」

鉄心「なぁ、サイ。人形って………居ないし…」



『それでは、お相手はローゼンメイデン第8ドール珪孔雀と!』

『ローゼンメイデン第5ドール真紅と』

『「まいた世界」の桜田ジュンでした』



鉄心「ああっ!終わっちゃった…。『まいた世界』…? どんな設定なのかな」

鉄心「ローゼンメイデンかぁ。きっと風の妖精ウィンディみたいに綺麗な人たちなんだろうなぁ」ワクワク

鉄心「なんだかいつか会えそうな気がする…。うん!なんか元気が出てきたっていうか…わくわくしてきた」


サイ「てめぇ歩くの おッセェな。もうゴミいっぱいだ」

鉄心「あっ、サイ!よぉし、俺も頑張るぞ!」



‐ おわり ‐
 

本編はこれで終わりです。
あとせっかくなので昔書いた短編SSを投下します。

 
おまけ1 【カラオケなんて嫌いだわぁ】


真紅「みんな、集まってくれてありがとう。では始めましょうか」

ジュン「あぁ、そうだな」


ジュン「ローゼンメイデン完結を祝して」

ジュン 真紅「「かんぱ~い!」」


水銀燈「なんでこのタイミングでパーティするのよ…。完結してからもう1年以上経ってるんだけど……」

翠星石「細かい事ぬかしてるんじゃねぇですぅ…ひっく」ウィー

水銀燈「翠星石酔ってるのぉ?」

翠星石「酔ってないれすぅ!このーっ」ドゴッ

水銀燈「げふっ!」

水銀燈「いったぁい!なにするのよぉ!」

蒼星石「翠星石が酔ってないって言っへるんばから酔ってないひょぉ」ひっく

水銀燈「そ、蒼星石…?」

雪華綺晶「酔ってても酔ってなくてもどっちでもいいのれふわ」うぃ~

水銀燈「全員酔っ払ってるの!?」

雛苺「ヒナは酔ってないよ」

金糸雀「カナも素面かしら」

翠星石「お~い、チビ苺ぉ。なんか歌えですぅ」

雛苺「えっ」

翠星石「アリプロは忙しくて来れないらしいのですぅ」ひっく

水銀燈「そりゃそうでしょ」

翠星石「桃種も呼んで三人で歌わせようと思ってたですのに…」

水銀燈「なんかこの子とんでもない事言ってるんだけど…」

翠星石「とにかく!アリカの代わりになんか歌えですぅ」

雛苺「む、無茶ぶりにも程があるの…」

薔薇水晶「歌え!歌え!さっさと歌え!しばくですぅ」

水銀燈「ちょっとぉ…、この子誰かなんとかしなさいよ…。幹事はどこに行ったの?」キョロキョロ



ジュン「もう食べられない…」zzZ

真紅「ジュン…あったかいのだわぁ」zzZ



水銀燈「なんで寄り添って寝てるのよ…」

蒼星石「水銀燈、ハサミ使う?真紅たちをバラバラにしちゃおうよ」ひっく

雪華綺晶「アリだと思います!らって見ていてムカつきますもの」

水銀燈「な、なに言ってるのよぉ!ダメに決まってるでしょ!」

翠星石「ジュンンこの翠星石を怒らせましたねぇ!!こうなったら雛苺の歌を聞いて落ち着くしかねぇです!」

水銀燈「もうそれでいいから落ち着いてよ…」

雛苺「わ、わかったの。ヒナ、歌うわ」

水銀燈「えっ、ホントに歌うの?」

翠星石「下手だったらバラバラしてやるですぅ」アヒャヒャ

水銀燈「雛苺…やめた方がいいわよ?」

雛苺「ううん。ヒナの歌声で翠星石たちを正気に戻してあげる。金糸雀!」

金糸雀「バックミュージックは任せてほしいかしら」

雛苺「お願いするわ。曲名は『Virgin Snow』なの!」

雛苺「~~~♪」

水銀燈「………」



雛苺「お粗末様でしたなの」

翠星石「な、なんて歌唱力!普段の雛苺からは想像できない歌声…!」

蒼星石「とっても大人っぽかったね」

水銀燈「いや、中の人だったわよね。ただ一人の野○さくらだったわよね」

金糸雀「水銀燈なにを言ってるのかしら?雛苺は雛苺かしら」

薔薇水晶「水銀燈はお酒飲みすぎたんだと思う…」

雪華綺晶「まぁ!それは大変ですわ」

水銀燈「私がおかしいの?それとも世界?」

翠星石「ちび苺合格ですぅ!」

雛苺「やったなの!」

雪華綺晶「まぁ雛苺なら当然ですわね」

薔薇水晶「…我々四天王の中では最弱だけどね」

水銀燈「何を言ってるのよ、この子…」

蒼星石「じゃあ、次は水銀燈歌ってよ」

水銀燈「はぁ!?」

翠星石「水銀燈は歌好きでしたよねぇ。だから歌えです」

水銀燈「い、嫌よ!人前で歌うなんてゴメンだわ!」

金糸雀「え~、久しぶりに水銀燈の歌声が聞きたいかしら」

水銀燈「ダメったらダメ!」

金糸雀「あ・の・こ・と。バラしちゃうわよ」

水銀燈「!!」

翠星石「え~、なんのことですかぁ」

金糸雀「えっとねぇ~」

水銀燈「うぅ…、わかったわよぉ。歌えばいいんでしょ、歌えば」

金糸雀「さっすが水銀燈かしら!なんの歌にする?」

水銀燈「……『悲しみよこんにちは』」








水銀燈「~~~♪」



ドールズ「………」

雛苺「………」

翠星石「………」

蒼星石「………」

雪華綺晶「………」

薔薇水晶「………」

水銀燈「~~♪………ふぅ…」

金糸雀「水銀燈の歌声久しぶりかしら。すっごく良かったわ」

水銀燈「ふ、ふん!」

金糸雀「ふふ……、あら?みんなどうしたの?」


雛苺「……今のだれなの?」

雛苺「なんか別人みたいだったのよ」

水銀燈「あなたに言われたくないわよ」

翠星石「いや、選曲といい色んな意味で別人だったですよ。中の人が飛び出してきたように思えたです」

水銀燈「中の人は関係ないったら!」

薔薇水晶「上手かったけど水銀燈じゃない……田中○恵」

雪華綺晶「イメージ的にもっと厨二的な歌を歌ってほしかったですね」

水銀燈「な、なんなのよぉ…!」ワナワナ

蒼星石「インパクトはあったけどコレジャナイ感があったよね」

翠星石「そんな訳で水銀燈不合格ですぅ」

水銀燈「も、もうアンタたちの前では歌わないわよぉ!!」バサッ!

雛苺「撮れたの?」

金糸雀「撮れたかしら」ピッ


水銀燈『手のひらのそよ風が~♪ 光の中、キラッキラッ踊りだす♪』


翠星石「まさか水銀燈があの歌を歌うとは思わなかったですね」

蒼星石「しかも上手だったよね」

雪華綺晶「これで私達の目的も果たせるってものです!」

薔薇水晶「『水銀燈アイドルデビュー計画』ですよね」

金糸雀「そうかしら!私達の力で水銀燈をプロデュースするかしらー!」

翠星石「まずはこの動画をオーディションスタジオに送るです」


ドールズ「えい、えい、おーー!!」




数年後、マーキュリーランプという名のドールアイドルが爆誕するけど
それはまた別のお話しかしら。


おわり
 

ここではありませんが、おまけ1とおまけ2は別の場所で投下した事があります。
おまけは全部で3つあります。

 
おまけ2 【世界ローゼン劇場『三匹のこぶた』】


あるところに仲の良いこぶた姉妹がいました。


長女「仲良くないわよ」



仲の良い三匹のこぶたは毎日楽しく暮らしていました。

けれど、お母さんぶたはそんな彼女たちを旅立たせる決心をしたのです。


長女「仲良くないって言ってるでしょ!」



三匹のこぶたたちを自活させるため…、

自分の力で生きていけるようにと願いながら、外の世界に送り出しました。



長女「なんなのまったく…」チッ

蒼星石お母さん「君たちも もういい歳だ。自分たちで家を造ってごらんよ」

長女「ふぅーん、そういうものなの?」

蒼星石お母さん「そういうものだよ。だって台本にもそう書いてあるんだから」

長女「あっそ。なら私は藁で家を作るわぁ。だって簡単だもの」

次女「それなら カナは木で建てるかしら。レトロにするかしら」

三女「じゃあ、翠星石はレンガで造るですよ。寒いですけど頑丈ですぅ」

 
そんなこんなでグズっていた長女も説得し、
三匹の子豚は旅立っていったのでした。



蒼星石お母さん「オオカミには気をつけるんだよー!」


< はーい! かしらー



蒼星石お母さん「………」

蒼星石お母さん「だ、大丈夫かな?僕心配になってきたよ…」



お母さんぶたが心配する中、オオカミが全てを聞いていました。



オオカミ「どんな家を建てるんだろ?ちょっと様子を見てみようかな」

長女「こんなとこかしらね」

オオカミ「えっ、藁の家って…。こんなのすぐダメになっちゃうじゃないか」

長女「きゃっ!オオカミ!?い、家に逃げ込まなきゃ」

オオカミ「うーん…、ここの網目も甘いな。ほら、すぐ穴空いちゃう」

長女「えっ」




オオカミさんはマエストロだったのです。

次女「あれぇ?水銀燈かしら。なんでオオカミさんと一緒にいるの?」

長女「ダメだしされたのよ…」

オオカミ「この木の家も全体がちょっと曲がってるよ。やり直し」

次女「か、かしらー!」ガーン




オオカミさんはけっこうシビアでした。

三女「あっ!ジューン!今お茶にしようと思ってたですよ。水銀燈と金糸雀もどうです?」

長女「いただくわ」

次女「カナもいただくかしらー」

オオカミ「このレンガの家……基礎がしっかりできていないな」

三女「いいからお茶にするです!」




結局、オオカミさんが家を建て直すことになりました。
その家で4匹は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし………














猟師「お姉さま、あそこに美味しそうなこぶたが暮らしていますわ」

狩人「本当なの!これで市場が賑わうのよー」

猟犬「そう……なら早く行きましょう」




………ピンチのようです。

猟師「オラオラオラ!!オラァァですわぁ!!!」バッコーン!

三女「いやあああああああ!!」

猟犬「無駄無駄無駄…。私の水晶からは逃げられない」スドーン!

次女「た、助けてかしらー!」

狩人「ヒナたちからは逃げられないのよー」イチゴワダチー

オオカミ「ぼ、僕の家が突破されるなんて…」


長女「私の妹たちから離れなさい!!!!」バサッ!




長女は意外と妹想いでした。

長女「この私が捕まるなんて…」

オオカミ「僕たちどうなるんだろう…」

猟師「オークションにかけますわ」

次女「オークション?」

狩人「人間に売るのよ。売れなかったら市場行きなのー」

三女「ぐすっ…、せっかくジュンと暮らしていたのに…。ひどいですぅ…」

猟犬「…なら貴女はオオカミとセットで売り飛ばしてあげる」

三女「えっ?」




4匹はオークションに出品されてしまったのです。

真紅「あら?のりがパソコンを使うなんて珍しいわね」

のり「うん。実はオークションをしてるのよぅ。見て見て、真紅ちゃん。この子可愛いわよぉ」

真紅「動物オークション?生き物を競りに出すだなんて野蛮なのだわ。……あら?」


『オオカミくん+こぶたちゃん1セット ××万円 』


真紅「こ、これは…!」ゴクリッ…

のり「買いよねぇ。ポチッとな」

真紅「えっ!?お、オオカミなんて危なくないのかしら…?それにこぶたも…」

のり「きっと気に入るわよぅ。お姉ちゃんだって気に入ったでしょ?」

真紅「そ、そうかもしれないけど…///」モジモジ




なんと貴族のお嬢さま方の御眼鏡に適ったのです。
ラプラス宅配便は安全でスピード重視!人工精霊を使ってすぐにあなたの元へとお届けします。

めぐ「わぁ!天使みたいなブタね。買っちゃおっと」ポチッ


――――――


みっちゃん「ぬぅ…!また上げてきたか。でも負けないわよー!限度額超えちゃうけど仕方ないわよね!」カチカチッ



―――――――――――
――――――――
―――――


のり「あーん!可愛いわぁ」

三女「人間が気安く触るなですぅ!」

真紅「ねぇ、くんくんって名づけてもいいかしら?」

オオカミ「いや…、ジュンって名前があるし…」


めぐ「はぁ…はぁ…、なんて美味しそうな豚なの。まるで天使みたいよ」ジュルッ…

長女「ち、近づくんじゃないわよぉ!」


みっちゃん「なんてかわいいの!あーん、カナーー!!」スリスリスリ

次女「ま、摩擦で熱いかしらーーー!!こんがり肉になっちゃうのかしらー!」



みんな幸せに暮らしましたとさ。

おしまい
 

 
おまけ3 【夢の話】



今日はお正月。そして新年を迎えた最初の夜だ。

もう夜の9時を回って眠りの時間らしい。
見たいテレビがあるけど録画もしてるし僕も寝ようと思う。


「ねぇ、真紅。初夢ってなぁに?」

「初夢は元旦から3日の夜に見る夢のことよ。
 日本では初夢で富士に鷹、ナスを見ると縁起が良いと言われているの」

「富士山に鷹とナス?なんでなの?」

「それはですねぇ。富士山に登ってナスの漬物を食べると清々しいからですよ。
 そのナスを美味しく食べられないと鷹にグわばァっと食べられちまうですぅ」

「えぇ…!…こ、怖いの…」

「嘘を教えるものではないわ。翠星石」


新年早々ローゼンメイデン達は元気だ。まぁ、いい事だけどさ。
でも元気すぎて疲れちゃったよ。

今日だってチビ苺と翠星石に付き合って羽根つきやったし。
はぁ…、早く寝なきゃ。初夢なんてどうでもいいよ。


「あら、ジュン。夢はとっても大切なものなのよ」

うわっ!久しぶりに読まれた。
契約しているドールとはこうやって心を読まれることがある。

プライバシーなんてあったものじゃない。


「へへーんだ。どうせ、チビ人間は変な夢を見てアワアワするに決まってるですぅ」


こいつはこいつで毒舌だし…。
そういえば、翠星石って夢の庭師だったよな。


「そうですよ。少し可哀想ですから翠星石が如雨露で良い夢を見せてあげても…」ゴニョゴニョ

「ジューン!ジュンはどんな初夢見たいの?」


初夢かぁ。あんまり考えたことないなぁ。
悪夢じゃなければなんでもいいかな。


「たしかに怖い夢は嫌なの!楽しい夢だったらいいね」


雛苺はどんな夢がいいんだ?
どうせ苺大福に囲まれてる夢とかだと思うけど。


「違うの!ヒナはいちご畑でいちごを食べる夢がいいのよー」




……やっぱり苺関係じゃないか。

 
「そうだけど違うの!苺狩りっていうイベントなのよ。新鮮なままでいちごさんが食べられるって聞いたわ」


あー…、なるほど。
たしかにローゼンメイデンには行きづらい感じだよな。


「1回行ってみたいなー」

「あら、もう9時を10分も過ぎてしまった。そろそろ眠りましょう」


そうだな。
明日もお節だから早く起きないと。


「翠星石も少し手伝ったですよ。この翠星石の有能さにひれ伏せですぅ!」


それ今日も聞いたよ。


「明日が待ち遠しいなの!」

「そうね。では、おやすみ」

「み~」

「おやすみですぅ」



あぁ、また明日な。

 

 


……



ここはどこだろう?
そうだ…!父さんと一緒に古美術店に行くんだった。


父さんはたまの休みに 僕をこの店に連れて行ってくれた。
仕事の打ち合わせだろうけど、僕はそれが嬉しくてはしゃいだっけ。




この店は変わってる。外装が小さな塔みたいなんだ。

内装も不思議だけどとても綺麗な……
まるで少女達が遊んでいるような印象を受けたのを覚えている。


父さんが仕事の話をしている間、僕は回りを眺めたあと 塔を登った。
店の外、壁に沿って続いている螺旋状の階段。

この階段が僕は好きだった。
だって登ると景色が良かったから。

 



……


2階の窓……パパたちが見える!まだおじさんと話してる。
もっと上に登ってみよっと。




……


また窓がある。今度はさっきのおじさんだけだ。
女の子が一緒にいる。おじさんの子供なのかな。

パパはどこだろう。トイレかな?




……


4階。窓の中を覗くとおじさん一人だけ。
女の子はどうしたんだろう?なんだか悲しそう…。




……


窓を覗くとおじさんが机に向かって何かしてる。
何をしてるのかな。あの光ってる宝石はなに? あれってたしか……。







「あなたはここで何をしているのですか」




 

 
気がつくと上の階段に白い女の子がいた。真っ白な女の子だ。

白くて白くてふわふわで……まるで雲みたい。



階段を登ってるんだ。上から見た景色はとっても綺麗だよ。
君も一緒に登ろうよ。


「一緒に登ってもいいのですか?」


いいよ。いつもはともえちゃんと一緒に登ってるんだ。
みんなには秘密だから君も秘密にしてね。


「はい。わたくし達だけの秘密ですね」





真っ白なお洋服の女の子。肌も髪も真っ白。

きっと外国の子だ。
 

 

「わたくし…、ずっと寂しかったんです」


どうして?
パパとママは?


「お父様にはお会いした事なくて…。姉妹も6人いますけどこちらも会った事がないんです…」


大変な事を聞いちゃった…。

なら…なら僕がお友達になるよ。
だからそんなに悲しそうな顔しないで。


「お友達…?本当に……?」


うん!


「まぁ!嬉しい。では……では、いつかお迎えに参ります」


お迎えって…?


「だから待っていて。わたくしのマスター」



ますたー?…あっ、頂上だよ。
ここから見る景色は最高なんだ!……あれ?

 

 

「本当…。とっても綺麗。連れてきてくれてありがとう」



おかしいな…?こんな景色だったかな?
たしかに綺麗だけど…、山がすっごく近いし街がない。

テレビで見た事ある。これってアルプスの山の麓みたいだ…!




どうなっちゃったんだろう…?外国に来ちゃったのかな?

きみはどう思う。………あれ?


………いない。
さっきまで手を握ってたのに…。




「坊や。何か探し物かい?」



あっ!おじさん。ここに女の子がいなかった?


「私は見ていないよ。それより人形劇でもいかがかな」


人形劇…?でも、パパを待ってるから………あれ?
ここって…いつもの公園だ。








「生きている人形も混じっているからね。よく見ていてごらん」





 

 

……




山のふもと。すぐ近くに雲が流れている高台。
そんな草原に一件のお店がポツンと建っている。


近くの林を通って小川を跨いで…お店に行かなきゃ。

またあのお店の階段を登るために。




パパはまだ忙しいかな。


また窓から覗いてみよう。………あれ?お店の中にお船があるよ。
……おじさんがお人形を捨てられて泣いてる…。





なんだろう…?
もう少し登ってみようかな……。


 

 

今度はお人形作ってるや。
じゃあ、次はどうなるんだろう…。




……牢屋に捕まってる。おじさんは何も悪いことしてないのに…。
でも、これでよかったんだよね。おじさん。






僕は塔をどんどん登る。
窓から見る物語が気になって……懐かしくて…。




――――――




 

 

この子が1番目の娘。

大切な大切な……私の娘。
あの子の分もどうか幸せに…。




2番目の娘。この子も大切な娘。

この子は大丈夫。
長女と一緒にいてあげてほしい。




3番目と4番目の娘。双子の姉妹。

この子たちはいつか離れ離れになる時がくるけれど、
その時は成長の時。健やかに。




5番目の娘。あの子に一番似ている娘。

一番しっかりしているようで一番心配なこの子。
支えてくれる人が現れますように。




6番目の娘。無垢で清らかな娘。

姉妹で一番幼い君だけど、この子も大丈夫。
姉妹をよろしく頼むよ。







7番目の娘。とても純粋な娘。

姉妹で一番過酷な役目を担う子。
その代わり、私はいつでも傍にいるよ。

 

 

なぜ…ローザミスティカを7つに砕いたの。


……どうしてだと思う。坊や。


………砕いたんじゃない…心が割れたんだね…。


…そう。私は限界が来ていたのだ。


ローザミスティカができたのもギリギリだったよね。


ああ。間に合ってよかった…。


うん、そうだね。


……彼女たちに生を………。


―――この上ない祝福を。



……



 

 
「ジュン!おはようなのー!」


ぐえっ!ち、チビ苺…。重いって…!


「もうっ!ヒナ重くないわ。レディに失礼なのよ」ブー

「やぁっと起きたですか。これだと万年ねぼすけ人間ですね」


好き勝手言ってくれるよな…。


「ジュン!ヒナね、いちごさんの初夢を見たのよ!富士山の近くでいちご食べたのー!」


へー…、すごいじゃん。


「えへへー」

「す、翠星石だってすっごい夢見たですよ!蒼星石とジェットコースターに乗る夢です!真横に富士山があったですよ」

「あぁ、それで悲鳴をあげていたのね」
 

 
なんだよ、真紅。居たのか。


「ずっと居たわよ。おはよう、ジュン」


あぁ、おはよう。


「ほら、下でのりが待ってるです。早く行くですよ!」




―――――――――――
――――――――
―――――


 

 
「夢に出てたいちごおいしかったの!」

「良い初夢見れて良かったねヒナちゃん。今度苺買ってくるわね」

「のり!ありがとなのー」

「翠星石ちゃんはジェットコースターと富士山よね。みんな縁起が良い夢で良かったぁ」

「はいですぅ。でも、真紅はあんまり良い夢じゃなかったみたいですよ」

「そうなのぅ?」

「………水銀燈がちょっかいをかけてきたわ」

「え゛っ?それって本人ですぅ?」

「本人よ。新年早々嫌な思いをしたわ」

 
「水銀燈ちゃんったら夢にまで遊びに来たのねぇ」

「あれはそういう感じではなかったわ。ただの嫌がらせよ」

「ねぇ、のりはどんな夢見たのー?」

「お姉ちゃんは昔の夢を見たの。ジュンくんにいっぱい絵を描いてもらって―――」

「そんな幼くしてマエストロの片鱗があったですか」

「ジュンすごいの!」

「ところでジュン。ジュンはどんな夢を見たの?」

 

………忘れた。


「えー…、忘れちゃったの?ヒナ聞きたかったのにぃ……」

「仕方がないわ。印象に残らない夢だったのでしょう」

「ちび人間は夢の中でも眠ってたに違いねーですぅ」


なんだと…!そんなわけ……。…あれ?


「どうしたです?ホントに眠ってた夢だったですか?」


いや、なんか誰かと約束したような……。


「のりと同じで昔の夢を見たのではなくて?」



そうなのかな…。たしか………。…………白い…。

 

 
「そんな事よりお節を食べるです。このようかんは全部翠星石のものですぅ!」

「あっ!ずるいの!それならたまご焼きはヒナがもらっちゃうの」

「なんですってぇ…!チビチビのくせに生意気ですぅ!」

「うふふ、まだいっぱいあるから大丈夫よぅ」

「新年から騒々しいわね」



僕はそんな人形たちを眺めながら、
あの不思議な女の子の事を思い出していた。


『いつかお迎えに参ります』




お迎えか。なんかデジャヴ。
でも……、また会えたらいいな。

……って、おい!それはそうと僕の分も残しておけよな!


「チビ人間が遅いのが悪いんですぅ」





今日もウチは騒がしい。けれど、なんだろう。
新しい年の始まりだからかな。

僕は不思議と 胸が高鳴っているのを感じていた。


FIN
 

これで終わりです。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
新連載を待ちながらモンハンに勤しみたいと思います。

乙でした。
楽しませていただきました。
>>1の果てないローゼンメイデン愛に惜しみ無い拍手を送ります。

最後の短編の雰囲気が、あの伝説の『可愛がりたいスレ』に似てるけど、まさか・・・

レスコメントどうもです。いよいよ明日ですね。
新しいローゼンメイデンが届く迄 あと19800秒―――。

>>455
『可愛がりたいスレ』が『ジュン「水銀燈を可愛がりたい」』でしたら違います。
一応SS速報VIPで書いたローゼンSSを貼っておきます。


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