鬼娘「いれろー!」ドンドンドンドン(38)

男「……」



ピンポーンピンポピンポピンポピンポピンポーピンポーン

鬼娘「おーい、いるだろー?」ドンドンドンドン!!!!

男「あーあー分かった今開けるから連打すんのやめーや」

男「ったく……」ガチャ

鬼娘「おっす!」

男「いらっしゃい。『仕事』は?」

鬼娘「終わったよー、やーっと終った」

男「コート貸せよ」

鬼娘「ほいさんきゅー」

鬼娘「おひょー!おこたーっ!」ゴソゴソ

男「今日はどこ回ったの?」ドッコラセ

鬼娘「んー、幼稚園3箇所とー、小学校2箇所とー、アニメショップ」

男「アニメショップ!?」

鬼娘「そ。コスプレしてあのだっちゃアニメのBDボックスの販促」

男「あー」

鬼娘「写メ見る?」

男「どれど……これ寒くない?タイツもなしでこれ?」

鬼娘「寒かったよー、ほれ、冷たい手攻撃!」ムニュ

男「うわっ、まじで冷たいじゃんやめろ!」

鬼娘「ひゃー、ほっぺあったか。んふー、もう少しこうしてていい?」

男「お、おう……」ドキドキ

鬼娘「ねぇ、男の手とほっぺたでサンドイッチしてよ、そっちのほうが暖かい」

男「う、こ、こうか?」ピタ

鬼娘「うん。あー……男の愛を感じる」

男「な、ば、馬鹿な事言ってないで、ほら、もういいだろ!」

鬼娘「あーもう、いけず」

男「いけず、じゃねぇ……ったく」

鬼娘「あー、ねぇねぇ、今日はもうどこにも行かない?」

男「ん、ああ」

鬼娘「ほい、お酒とおつまみ買ってきたよ」

男「じゃあ金だけ半分出しとく。レシート貸して」

鬼娘「別にいいのに」

男「俺がいやなの」

鬼娘「コンビニの袋の中」

男「ん……ひぃふぅみぃ……ほれ」ジャラリ

鬼娘「1円単位できっちり割らないでよ、この84円返すから100円ぷりーず」

男「ちっ」

鬼娘「へへっ、まーいどっ」

男「しっかしよぅ」

鬼娘「んー?」

男「お前、いいの?」

鬼娘「何がー?」

男「ピスタチオ、カシューナッツ、枝豆、かきピー、ポップコーン、アーモンドチョコ……全部豆じゃねーか」

鬼娘「いいじゃん、はい、おビール」

男「さんきゅー」

鬼娘「へへっ、かんぱーい」

男「ん、乾杯」

鬼娘「……」ジー

男「な、なに?」

鬼娘「へへー、しゃーわせ」

男「こたつで酒飲んだら幸せか、安上がりで結構」

鬼娘「惜しいんだなー、それが」

男「え?」

鬼娘「ん、なんでもない……いっただっきまーす」

男「もう招き入れちまったけど、一応やっとくか……鬼は内、福も内、っと」パラリン

鬼娘「ん、よいよい」ゴリゴリ

男「……おま、何食ってんの?」

鬼娘「え、ピスタチオだけど?」ガリゴリ

鬼娘「美味しいんだけど、殻が歯茎に刺さるんだよねーこれ」

男「……」

男「……この殻はこうやって」パカッ

男「実だけ食う」モグモグ

鬼娘「!?!?」

鬼娘「お、おお……」パカッ

鬼娘「あー目から鱗だわ。まさかコンビニのおつまみのくせに自分で剥かなきゃいけないなんて」パカッ

鬼娘「んっ!おいひい!」

男「そりゃよござんしたね」グビグビ

鬼娘「んー……年の数だけたーべよっと」ヒョイパク

男「パッケージの後ろのカロリー表示見て食えよ」

鬼娘「んー?ん、んー……あっはい」モグモグ

男「俺はその……もうちょっと肉ついててもいいと思うけどな」ボソッ

鬼娘「なんか言った?」

男「なっ、なんでもねーよ」

鬼娘「そか」ニッコリ

男「……」ポリポリ

鬼娘「ふー……酔ったかも」

男「お前、本当に酒弱いよな。ビール1缶で顔真っ赤じゃねぇか」

鬼娘「いいじゃん、男がきちんと介抱して家まで運んでくれるからー安心して飲める」

男「隣の家だからな」

鬼娘「いつも感謝してるー」グデー

男「なら酒を控えろ」

鬼娘「それは無理ー。お酒大好き。男もだーいすき」

男「な、ばっ、馬鹿かお前はそういうのは簡単に言うなよ」

鬼娘「えーなんでー?だってー、だーいすきだもん」

男「……ったく、酔っぱらいが。俺以外に言うなよ?勘違いされてホテル連れ込まれても知らないぞ」

鬼娘「男以外に言わないからいいもん」

男「はいはい」

鬼娘「はいじゃない」

男「は?」

鬼娘「はいじゃなくて。男の返事は?」

男「……え、え、いきなり何?」

鬼娘「あいらぶゆーの返事」

男「おまっ、酒の勢いでそういう事言うなよ!」

鬼娘「だっ、だって!だって……と、とにかく返事。イエスかノーか半分か!」

男「半分ってなんだお前小学生か!」

鬼娘「小学生の頃からずっと好きだったんだからいいの!」

男「……っ!」

鬼娘「覚えてる?」

鬼娘「私がいじめられてた時、男が助けてくれたんだよ?」

鬼娘「うちはキリスト教だから、節分関係ないから来いよ、って」

鬼娘「パパが死んじゃった時の事覚えてる?ずっと手握っててくれたね」

鬼娘「進路に悩んでた時相談に乗ってくれたし、勉強も見てくれた」

鬼娘「ごめん、私鬼なのに弱虫で、お酒の力がないときちんと言えないけど……」



鬼娘「男の事がす────」

男「ストップ、あー、分かったちょっと待て、俺から言わせろ」



男「……うぉっほん」

男「俺も鬼娘が好きだ」

男「好きでもない奴、うちに上げたりしねーよ」

鬼娘「……」

男「……」

鬼娘「そ、そか」

男「お、おう……」

鬼娘「……」

男「……」

鬼娘「よかった……」ポロリ,,,

男「わっ、わーっ!?いきなり泣くな!」

鬼娘「だ、だってぇ、不安だったんだもん、ずっと……」

男「あーあーあーもう、ほれティッシュ」

鬼娘「んい」ズビー

男「あのな、俺だって不安だったんだぞ」

男「お前、合コンや飲み会の後俺を呼び出して介抱させるだろ」

男「本当に便利屋扱いなんじゃないかと思ってだなぁ……」

鬼娘「……」

男「……」

鬼娘「ごめん」

男「俺も、待たせた……ごめん」

鬼娘「……うん」

男「そっち行くぞ」

鬼娘「え、あっ、うん……」

男「よっこらせぃ」

鬼娘「……」

男「……」

鬼娘「……えとこれ、ちゅ、チューの体勢だよね?」

男「そこはキスって言っとけ」

鬼娘「口がお酒臭いかも」

男「今更気にするか。お前の吐瀉物の臭いを何度嗅がされたと思ってる」

鬼娘「あぅぅ……」

男「……目ぇつぶっとけ」

鬼娘「う、うん……」



ゴチン

男「あいた」

鬼娘「ひゃっ、角当っちゃったごめん」

男「……」

鬼娘「……」

男「ぷっ……はははは、お前、本当に……あーあー、普通メガネとか歯じゃねーの?」

鬼娘「知らないっ、した事ないもんっ!」

男「あーまぁ……うん、リトライだ」

鬼娘「うん……」



チュ...

男「……うん、酒臭い」

鬼娘「ばーか……ねぇ、おじさん達は?」

男「あ?二人とも遅くなるってさ」

鬼娘「……ねぇそれって」

男「……あー……あー……くそ、道理で毎年2月4日にそわそわしてるわけだ」

鬼娘「いいじゃん、今年はきちんと報告すれば?」

男「……はぁぁ」

鬼娘「私はいいよ、その……そこの紙袋取って」

男「……これか?」

鬼娘「……」ガサガサ

男「……」



男「お前、酒買ったコンビニでコンドームも買ったの?わざわざレシートに残らないように別会計で?アホなの?」

鬼娘「ひどい!」

男「あー……あーもうあれだな、うん、お前がよければ……その、最後まで……」

鬼娘「……最後まで、どうしたい?」

男「……鬼娘が全部欲しい」

鬼娘「うん……ねぇ、もう1回キスして……」

男「……」



ゴチン



男「お前もうちょっと角短くしろよ!」

鬼娘「無理言わないでよもぅ……これ骨が出っ張ってて、振動もろに来てこっちも痛いんだから」

男「……わ、わるい」

鬼娘「それよりキス……それから、その……」

男「おう……」



鬼娘「い……入れて……?」



男「……意味分かって言ってるか?」

鬼娘「……」

男「なんだよその1と0のジェスチャー」

鬼娘「……」スポスポ

男「わかってんのかよ逃げ場ねぇな、ほんと」チュッ

鬼娘「んぅ……」





────こうして男は今年一番の福を手に入れたそうな。

とっぴんぱらりのぷぅ

おまけ



鬼娘「も、もういいよぅ、そこばっかりペロペロしないで……んっ」

男「あーいや、一応年の数だけ豆を……」

鬼娘「ばかー」ポカポカ



おしまい

またなんか書いてくれ。

続きprzだけど他のものでもイッチの文は楽しそうだ。

>>28
続きは現状考えてないし、書くとしても新スレ立てるよ

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