【きんモザ】アリス「大宮忍腹黒説」 (54)

※きんいろモザイク短編

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~アリスのクラス~


アリス「シノっていつも何を考えてるのかよく分からないんだよね……」

陽子「そうか?」

アリス「ニコニコしてることが多いけど、実は心の中で全く別の感情を抱いてたりしてるんじゃないかって」

陽子「いやー、考えすぎじゃない?」

陽子「しのの天然ボケの被害を受けすぎて、ついに疑心暗鬼になっちゃった?」

アリス「そ、そんなことないよ」

アリス「でも、今朝もこんなことがあって……」

~~~~~
朝食中


忍「たまには朝に和食なのもいいですねー」

アリス「やっぱり朝は白ごはんが一番だよ!」

忍「お味噌汁も美味しいです」ズズ

アリス「あ……」

アリス「シノ、お箸を持ったままお椀を持つのはマナー違反だよ」

忍「え、そうなのですか」

アリス「うん、『持ち箸』って言うんだよ」

忍「それは知りませんでした、すみません」

アリス「ううん、気にしないで」

忍「アリスは物知りですねー」

アリス「そ、そんなことないよ」テレテレ

~~~

アリス「あ、お箸を器の上に置くのも『渡し箸』って言ってダメなんだよ」ドヤ

忍「そうだったのですか、すみません」

~~~

アリス「料理の上でお箸を迷わせるのもダメだよ」ドヤ

忍「それはそれは」

~~~

アリス「同じ料理ばかり食べるのもマナー違反だよ」ドヤ

忍「そうでしたか」

~~~

アリス「お箸を手の甲より上にあげるのも『振り上げ箸』って言ってダメなんだよ」ドヤ

忍「へぇ、知りませんでした」

忍「アリスは本当に日本通ですね」

アリス「いやぁ、こんなの大したことないよ。日本の文化が好きなだけ」ドヤ

アリス「お味噌汁美味しいなぁ、おかわりしよっと」

忍「あ、じゃあ私が入れますよ」

アリス「本当? ありがとう」

忍「いえいえ」

忍「はい、どうぞ」

ツル

バシャー

アリス「うあっちちちちちち!」

忍「ああっ! す、すみません!」

勇「大丈夫? ほら、布巾」

忍「あ、ありがとうございます」

勇「駄目じゃない忍、アリスのマナー講座がしつこいからって嫌がらせしたら」

アリス「い、嫌がらせなの!? わたしそんなにしつこかった!?」

忍「ち、違いますよ! 事故です事故!」

~~~~~~

アリス「というわけなの」

陽子「……とりあえず、アリスがマナーにうるさいことは分かった」

アリス「ち、違うよ! 今朝はシノに褒められて、それで調子に乗って知識を披露しちゃっただけだよ!」

アリス「はぁ、やっぱりシノも内心うるさいと思ってたのかな……」

アリス「それでわたしにみそ汁をぶちまけて仕返しを……」

陽子「いや、そこまで陰湿な性格じゃないだろしのは……」

アリス「でもイサミはああ言って……」

陽子「ただの冗談だって」

アリス「でもでも、そのあと冷静に振り返ってみたんだけど」

アリス「逆にシノがわたしにヨーロッパのテーブルマナーをしつこくドヤ顔で指摘してきたら、わたしもスープぶっかけたくなるよ!」

陽子「そうなの!?」

陽子「まあでも、しのはそんなんじゃ怒らないって」

アリス「本当?」

陽子「うん、長い付き合いの私が言うんだから間違いない」

アリス「でも、ヨーコが気付いてないだけで、実はシノは内心怒りの炎を燃えたぎらせるタイプだったとしたら……?」

陽子「いやー、ないない」

アリス「よくよく思い出してみてよ! 思い当たる節が全くないって言いきれる!?」

陽子「うーん……」

陽子「あー、全く無いわけじゃないなー……」

アリス「た、例えば?」

陽子「中学生のときなんだけど、お弁当食べてるときにさ……」

~~~~

陽子「お、しののから揚げうまそうじゃん! 一個ちょうだい!」パク

綾「もー、勝手に取るのは駄目よ、陽子」

忍「まあまあ、陽子ちゃんは本当に美味しそうに食べてくれるから、こっちも幸せな気分になれますよ」

陽子「いやー、本当にうまいよ!」モグモグ


次の日


忍「陽子ちゃん、今日は私、お弁当を自作してみたんです」

陽子「マジで!? すげー!」

忍「このから揚げ、食べてみてもらえます?」

陽子「いただきまーす!」パク

陽子「~~~~!?」

陽子「か、か、か、辛い!!」

忍「隠し味に七味唐辛子を入れてみたのですが……」

陽子「か、隠れてない! これ以上なく強烈に自己主張してくる!」

忍「入れ過ぎてしまったのでしょうか……」


~~~~~~

陽子「ということがあった」

陽子「今考えると、から揚げを勝手に食べられた仕返し兼、『次に勝手に他人のおかずを食べたらひどいぞ』的な警告だったのかもしれない」

アリス「や、やっぱりシノは……」ガタガタ

陽子「いや待て待て! やっぱり考えすぎだろ!」

陽子「友達の私たちが信じないでどうする!」

アリス「うーん、でも……」

ガララ

カレン「たのもー!」

綾「し、失礼しまーす」

陽子「おう、お前らか」

アリス「し、シノは……?」

綾「日直の仕事で、職員室に行ってるわ」

カレン「2人は何の話してたデース?」

アリス「シノが実は腹黒なんじゃないかって話……」

綾「そんな話してたの!?」

綾「しのと一番仲がいいあなたたちがそんな話しててどうするの!」

陽子「いやいや別に腹黒だとは思ってないよ?」

陽子「でもさ、実は不満とかを言わずにため込むタイプだったのかなーって思ったり」

綾「うーん、確かにあんまり怒ったりはしないわね……」

アリス「一緒に暮らして1年以上経つけど、シノに不満を言われたことはほとんどないんだよ……」

綾「でも、それはためこんでるんじゃなくて本当に不満がないだけじゃない?」

アリス「わたしも最初はそう思ってたんだけど……」

アリス「でも、考えてみてよ」

アリス「わたしとシノ、それぞれ別の文化で育った人間が、同じ屋根の下で生活してるんだよ」

アリス「不満の一つや二つあるのが普通じゃない?」

綾「うーん……確かにそうかもしれないわ」

綾「結婚している夫婦でさえ、同居してしばらくしたらお互いの嫌な部分が目についてくるものだわ」

綾「価値観の違いから何度も喧嘩を繰り返して、破局の危機を何度も乗り越えながら、価値観を少しずつすり寄せて真の愛情を育んでいくのよ」

綾「このときに言いたいことを無理に我慢して溜めこんじゃうと、危ないわ」

綾「我慢の限界を超えたとき、小出しにしてなかった分ここぞとばかりに不満が口から溢れ出し、普段喧嘩をしていないために矛の収めかたがわからなくて余計にひどい喧嘩になって……」

綾「行きつく先は……離婚ね」

アリス「いやあああ!」

アリス「シノとわたしが……離婚!?」

陽子「いや、離婚以前に結婚してないから」

陽子「っていうかなんで綾はそういう新婚夫婦の喧嘩事情に詳しいんだよ」

綾「小説で読んだのよ」

陽子「小説の話かよ」

アリス「うう、もしかしたらシノは、口に出してないだけでわたしに不満をもっているのかも」

カレン「じゃあ直接シノに聞いたらいいんじゃないデスか?」

アリス「どうせシノは優しいから、『アリスに不満なんて一つもありませんよ! 強いて言うなら私よりずっと頭が良くて、すごく日本文化に詳しいから日本人として私の立つ瀬が無くなるところですね!』とか言うに違いないよー!」

カレン「……これはシノ、溜めこんでそうデスね」

陽子「そうだな……」

アリス「な、なんで!?」

綾「でもしのの性格からして、直接聞いても多分不満なんて言ってくれないわ」

アリス「どうしよう……何かシノの本音を引き出す方法は無いかな……」

カレン「心の奥に隠された気持ちを読み取る方法なら、一つあるデス」

陽子「そんなのがあるの?」

カレン「これデス!」ドン


『相手のホンネが丸わかり! ありえないくらいよく当たる心理テスト』


カレン「この本でシノが本当に不満を抱えてるのか、確かめるデース!」

陽子「……うさんくせぇ」

綾「こんなので分かるわけないじゃない!」

カレン「えー、でも本当によく当たるんデスよー」

カレン「じゃあ試しに1問、みんなでやってみるデース!」

『あなたは恋人と一緒に、おそろいのマグカップを買おうとしています。

好きな色を選ぶようあなたが言うと、恋人は「この色がいい」と、あるマグカップを指しました。

恋人が選んだのは何色のマグカップ?

①白 ②赤 ③青 ④ピンク ⑤緑』



カレン「どうデスか? 何色だと思いマスか?」

綾「色なんてたくさんあるのに5択って……」

カレン「お店に5種類しかなかったんデスよ、きっと」

カレン「まあ直感で選ぶデス!」

綾「しょうがないわね……」

陽子「青かなー」

アリス「わたしは白」

カレン「緑デース!」

陽子「綾は?」

綾「ちょ、ちょっと待って……!」


綾(もし、仮にの話よ……その恋人が陽子だったとして)

綾(陽子なら何を選ぶかしら……赤とか好きそうね)

綾(でもさっき青って言ってたわね……意外だわ)

綾(陽子は一体誰を恋人に想像したのかしら?)

綾(青が好きな知り合い……そんな人いたかしらね)


カレン「アヤヤ早く選ぶデース!」

綾「ま、待ってよ! 今考えてるんだから!」

陽子「真剣に悩みすぎだろ……」

綾(いいわ、陽子が誰を恋人に想像したのかは後で考えましょう、今はカップの色を考えないと)

綾(シンプルな白? それとも緑?)

綾(ピンクはなさそうね……)

綾(いえ、でもこの前おそろいのノートを買ったとき……私のことを考えて女の子らしい花柄を選んでくれたっけ)

綾(じゃああえて一番なさそうなピンク?)


陽子「長いよ! 優柔不断か!」

綾「き、決めたわ! ピンクよ!」

カレン「じゃあ、結果を見るデスよー!」ペラ

『好みの色は性格を表します。恋人の選んだ色は、あなたが恋人に求める性格を示し、

またおそろいのカップの色であることから、同時に恋人に求める関係性も分かります。

①白
白は純粋性、潔癖さを表します。白を選んだあなたは、正直で誠実、清楚な人が好みのタイプです。
また、恋人とはプラトニックな関係でありたいと思っています。

②赤
赤は情熱と明るさを表します。赤を選んだあなたは、元気で行動的な人が好みのタイプです。
また、恋人とは活発で刺激に満ちた時間を送りたいと思っています。

③青
青は冷静さと知性を表します。青を選んだあなたは、頭が良く、知的な人が好みのタイプです。
また、恋人とはべたつくことなく、適度な距離感を持って接したいと思っています。

④ピンク
ピンクは、愛情、または性的なイメージを持っています。ピンクを選んだあなたは、優しく、かつHな人が好みのタイプです。
また、恋人と積極的に愛を確かめ合い、身体を重ねたいと思っています。

⑤緑
緑は穏やかさと優しさを表します。緑を選んだあなたは、自分を受け入れてくれる包容力のある人が好みのタイプです。
また、恋人とはお互いにリラックスし、安心できるような関係でいたいと思っています。』



陽子「なるほどねー」

綾「……///」

アリス「意外にあってるかも……?」

カレン「アヤヤはHな人が好きなんデスねー」

綾「ち、違うわよ! やっぱりこんなのデタラメだわ!//」

カレン「ならもう1問! 行ってみまショー!」

『あなたはおとぎ話の世界で旅をすることになりました。

旅立ちの日、「わたしがおともをいたしましょう」と、一匹の動物が名乗りをあげました。

その動物はなんでしょうか?

①イヌ ②ウマ ③ネコ ④ライオン』


アリス「ネコかなぁ」

陽子「イヌがいいな」

カレン「私もイヌデース!」

綾「えーと……」

陽子「綾、3秒で選べ3秒で」

綾「さ、3秒!?」

カレン「考えすぎたらダメデスよ、理性ではなく直感で選ぶのデス!」

綾「えーとえーと、じゃあ頼りになりそうなライオン!」

『旅のお供はあなたのパートナーを表しています。

2人きりでずっと行動を共にするのにどの動物を選んだかによって、あなたのM度がわかります。

①イヌ
イヌはあなたの命令に忠実なお供。イヌを選んだあなたは、命令されるより命令する側を望みます。
Mよりも、むしろS度が高いと言えるでしょう。M度0%。

②ウマ
ウマは命令によく従いますが、同時に気高さと気まぐれさも持っています。ウマを選んだあなたは、お互いに対等な関係を望みます。
M度もS度も低いと言えるでしょう。M度30%。

③ネコ
ネコは気ままに動き、あなたを振り回すこともしばしば。ネコを選んだあなたは、振り回されることに喜びを覚え、相手に文句を言いながらも魅かれてしまうことでしょう。
M度は少し高め。M度60%

④ライオン
ライオンはプライドが高く、あなたの命令を聞くどころか自分の思うようにあなたをコントロールしようとするでしょう。
ライオンを選んだあなたは縛られたがりで、相手の思うようにリードされることに喜びを覚えるタイプです。
とてもMな性格だと言えるでしょう。M度100%。』



アリス「わ、わたし実はMだったの?」

陽子「私はSかー」

カレン「アヤヤ……」

綾「な、何よ! 別にMじゃないわよ!///」

綾「さっきから関係ない質問ばっかりじゃない!」

綾「悩みを抱えてるかどうかとか、言いたいことをため込むタイプかとか、そういうのが分かる心理テストは無いの?」

カレン「うーん、そうデスねー……」ペラペラ

忍「みんな何を話しているんですか?」ヒョコ

陽子「うわっ!」

アリス「うわあああ!」

忍「な、なんですかその反応は……」

陽子「い、いや、急に現れたからびっくりしただけで……」

アリス「う、うんうん」

忍「それはそれは……驚かせてしまってすみません」

カレン「みんなで心理テストをやってたデース」

忍「なんだか楽しそうですね!」

カレン(ホンネ開放度テスト……これデス)

カレン「じゃあシノも入れて、次の質問デース!」



『あなたはとある田舎村の宴会に参加することになりました。
その宴会には、参加者全員が仮面を被らなくてはならないという風変わりな決まりがあります。
手元にあるのは次の面ですが、あなたはどのお面を付けていきますか?


①狐の面

②般若の面

③天狗の面

④おかめの面




陽子「どういうシチュエーションだこれ……」

カレン「面白そうな宴会デス!」

綾「推理小説とかに出てきそうね……」

アリス「わたしは天狗を付けていくよ! ③番!」

忍「にこやかな④番のおかめがいいですね」

陽子「私は般若かな、かっこいいし!」

カレン「あ、般若は私が付けようと思ってたデス、被っちゃイヤデース!」

陽子「いいだろ別に被っても!」

綾「えーとえとえと……」


綾「わ、私も般若……」

カレン「ファイナルアンサー?」

綾「……や、やっぱり天狗で」

陽子「どっちだよ」

カレン「じゃあ結果を見るデスよー!」

綾「と思ったけどやっぱり狐で!」

『付けた仮面はあなたの【ホンネ開放度】を示しています。


①狐の面
物語において人を化かす役回りをすることの多い狐。
この面を選んだあなたは、なるだけ自分の赤裸々な感情を他人に悟られたくないタイプです。
ですが、自分で思う以上に考えていることが表情や態度に表れているので注意しましょう。


②般若の面
般若は、人に災いをもたらす怨霊の一種であり、強い感情が転じて生じたものです。
この面を選んだあなたは、良くも悪くもオープンな性格で、思ったことを率直に表すタイプです。
敵に回すと厄介ですが、味方につけると心強いタイプでもあります。


③天狗の面
不思議な能力をもち、人を騙したり、煙に巻くのが得意な天狗。
この面を選んだあなたは、好意や言うべき意見は素直に言葉にしますが、出すべきでない悪い感情は上手くしまいこめる人です。
精神的にも大人びていて、異なる意見ともうまく折り合う力があります。


④おかめの面
にこやかな笑顔を浮かべているおかめの面。
この面を選んだあなたは、本音を隠し通すことに優れています。
内心怒り心頭であっても、毒気の無い朗らかな笑顔を浮かべるような芸当が可能です。
他人はあなたの本音をまず見抜くことができません。




アリス「シノが選んだのは、えーと……」

忍「おかめですね」ニコ

アリス「……」ゾク

陽子「こ、これは本当に……」

忍「どうかしたのですか?」ニコニコ

カレン「ここまで割と当たってるっていうのが余計に笑えない感じになってるデス」

綾「き、決めつけるのはダメよ……ただの偶然よ、きっと」ガタガタ

カレン「ではもう一問」



『ここは夢の中の世界。あなたが目を開けると、自分の身体が別人になっていることに気づきました。
驚いてあたりを見回すと、いつも暮らしている所とはまったく別の国のようでした。
しばらくして分かったことには、どうやらここはおとぎ話の世界のようです。
あなたはおとぎ話のヒロインになってしまったのです。
さて、あなたが演じることになったそのヒロインは誰でしょうか?

①かぐや姫 ②白雪姫 ③マッチ売りの少女 ④シンデレラ ⑤人魚姫 』



アリス「わたしはかぐや姫! 大和撫子だよー!」

忍「私はいかにも金髪少女なシンデレラで!」

カレン「私もかぐやデース! 男たちに難題ふっかけるデース!」

陽子「うーん……どれもピンとこないけど、白雪姫かな……リンゴ食えるし」

綾「毒リンゴだけどね」

陽子「毒リンゴでも腹は膨れる!」

綾「あきれた……」

カレン「で? アヤヤは何にするデース?」

綾「えーと……うーん、どれも魅力的ね……」

綾(でもやっぱり劇的な恋ができるヒロインがいいわ……)

綾(数多くの男から言い寄られるかぐや姫……王子様のキスで目覚める白雪姫……一晩にして王子様の心をつかむシンデレラ……自己犠牲の悲恋に消える人魚姫……)

綾「ど、どうしましょう……選べないわ!」

陽子「いや選べよ」

綾「うーん……うーん……!」モンモン

カレン「直感でいいんデスよ?」

綾「うーん……うーん……!」モンモン

陽子「そんな『親と友達どっちを助けるか』みたいな顔して悩まなくても!」

カレン「アヤヤ長いデース」

綾「うぅ……」

忍「まあまあ、そうやって何事にも真剣に考え抜くのが綾ちゃんの良い所ですよ」

アリス「……」

アリス(シノはああ言ってるけど、実は内心ちょっとイラついてたりするのかな……)

アリス(って何考えてるのわたし! ダメだよそんなこと思ったら!)


綾「き、キス! 王子様のキスがいい!」

陽子「どれだよ……」

カレン「白雪姫デスね、では結果オープン!」

『夢の中で演じるヒロインは、あなたの潜在的な願望……ひいては、今あなたが現実において抱えている不満やストレスを表します。

①かぐや姫
生まれながらにして恵まれた才能を持つかぐや姫は、能力と権力の証。
①を選んだあなたは、思い通りにならないこと、または人にやや不満を抱きつつも、それがどうしようもないことだと考えていませんか?
じっくりとその問題に向き合うこと、または腹を割ったコミュニケーションが問題解決のカギとなるでしょう。

②白雪姫
何度も魔女に騙される白雪姫は、素直さと誠実さの証。
②を選んだあなたは、今の現実にそれほど不満は抱いていない、もしくはその不満は解決可能なものだと考えています。
他人のせいにしないその優しさはあなたの魅力ですが、人を疑うことも少しは覚えた方がいいかもしれません。

③マッチ売りの少女
困難な現実の下に一人晒されるマッチ売りの少女は、孤独の証。
③を選んだあなたは、自分を取り巻く現実に辛さを覚えながらも、自分自身の努力で解決すべきものだと考えていませんか?
誰かの力を借りる、という選択肢にもっと目を向けてもいいでしょう。

④シンデレラ
家族にいじめられる少女から王女まで上り詰めるシンデレラは、強烈な願望の証。
④を選んだあなたは、今の自分の置かれている現実に大きな不満を抱えており、劇的な変化が欲しいと思っています。
しかし、その変化のきっかけを外部に求めていませんか?
変化を得るためには自分から動き出すことが必要なのだという意識を持ちましょう。





アリス「シノが選んだのは……」

忍「シンデレラでした」ニコ

アリス(『現実に大きな不満を抱えており、劇的な変化が欲しい』……)ガタガタ

忍「どうしたんですかアリス、寒いんですか?」

アリス「な、なんでもないよ……」


アリス(ね、ねぇカレン、悩みの種類を見るようなテストってある?)ヒソヒソ

カレン(うーん、ちょっと探してみるデス)ヒソヒソ

ペラペラ

カレン「……では、次はこのテストをやってみるデス」

『あなたは世界を救うべく選ばれた伝説の勇者です。
仲間と共に無事魔王をこらしめた後、魔王城を立ち去ろうとすると、改心した魔王からある申し出がありました。
「参りました勇者さま。あなたはたいそうお強い。そして私の命まで救ってくださるとはなんと器の大きいお方。
そんなあなたにお話がありまして……」


①実は魔界には私より強い、大魔王がいるのです。世界征服も大魔王のパワハラ……いや、命令あってのこと。
どうか懲らしめにいってくださいませぬか?

②お強いあなたに惚れました。結婚してください。(魔王は異性だった。そして美形だった)

③世界が平和になってしまえばあなたも用済み。どうです、ひとつここで手を組んで新たな事業を始めませんか。
魔王の経済力と経営手腕、そしてあなたのブランド力があれば、年収10億Gは固いですよ!

④グワハハハ! 油断したな! 異世界に転送してやるわい!(あなたは独りだけ別の世界に飛ばされてしまった。そして新たな冒険が始まる……)





陽子「な、何だこれ」

綾「大分趣向が変わったわね……」


カレン「大魔王をこらしめにいくデース! ①番!」

アリス「『狡兎死して良狗烹らる』って言うもんね……逆に魔王と手を組むのがいいのかも……③番かな」

忍「なかなか④番はスリルに満ちてそうですね! 冒険心をくすぐられます!」

陽子「じゃ、じゃあ私は①番で……」

綾「私は……」


.。*゚+.*.。 ゚+*:;;:* ☆.。.:*・゜  ゚+..。*゚+


魔王ヨーコ『勇者アヤ……結婚してくれ』


.。゚+..。゚+.  ☆.。.:*・゜ .。゚+..。゚+* ☆*:;;;:*


綾「あぁぁ!// なんで陽子なのよぉ!//」バシー

陽子「んん!? 何で叩かれたの私!?」

綾「に、②番にするわ!」

『魔王の申し出は潜在的にあなたが求めているものを表しています。

①大魔王の討伐依頼
あなたが求めている物は、【新たな目標】です。

②結婚の申し出
あなたが求めている物は、【生活の安定性、もしくは精神的リラックス】です。

③新たな事業の立ち上げ
あなたが求めている物は、【お金、もしくは物質的豊かさ】です。

④異世界への転送
あなたが求めている物は、【新たな出会い、もしくは人間関係のリセット】です。





アリス「え、えーと……シノが選んだのは……」

忍「④番ですね」

アリス「人間関係のリセット……にゃああ!?」

忍「い、いえ! そんなこと求めてなんかいません!」

忍「私はアリスがいればそれで充分なんですから……」ニコ

アリス「……」

アリス「ごめん、シノ」

アリス「この3問の心理テストを経て、わたしはシノの笑顔さえも信用できなくなったみたい」

忍「そんな!」

陽子「信用脆いな!」

アリス「ごめんねシノ、今までずっとわたしに不満を抱えてたんだよね?」

忍「か、抱えてないですよ!」

アリス「隠さなくていいんだよ……?」

忍「どうしてそんなこと言うんですか!」

アリス「だって、やっぱり色々思い当たることはあるし……今朝のことだって」

忍「今朝……?」

アリス「ほら、わたしが日本の食事作法についてシノに口うるさく言ったりしたよ……ごめんね」

忍「謝らないでください! 私にとっても勉強になりましたし、日本についてアリスがいっぱい勉強してたんだって、嬉しく思ったくらいなんですから」

アリス「ほら、シノは優しいし口が上手いからすぐそういう綺麗事の言い訳を思いつく……」

忍「綺麗事だなんて……本心で言ったのに」

陽子「突然アリスがすっごい面倒くさいキャラになってるんだけど……」


アリス「うぅ……思い返せば2年弱、わたしはシノの優しさに甘えて迷惑ばかりかけてきたんだ……居候の身でありながら」

アリス「アリスは悪い子! アリスは悪い子!」ガンガン

忍「やめてくださいアリス! 金髪を血染めにする気ですか!」

忍「うぅ……どうすればアリスの信用を取り戻せるのでしょうか……」

カレン「これはもうアレしかありマセンね……」

綾「アレって何?」

カレン「……The 肉体言語!」

カレン「青春の風物詩、『殴り合い』デース!」

陽子「こら、ケンカをたきつけるな」

カレン「もはや今の2人にとって、言葉による意思疎通(ヴァーバル・コミュニケーション)は意味を成しマセン!」

カレン「こうなったらもう、拳で語り合うこと(ノンヴァーバル・コミュニケーション)の他に方法は無いのデスよ……」


忍「で、でも……アリスを殴るだなんて私には……」

カレン「やらねばならないのデス、シノ!」

アリス「シノ、この2年間の恨みつらみを拳に乗せてよ!」

忍「うう、だから恨みなんて……」

アリス「……!」ワナワナ

アリス「シノの……バカぁ!」

ペチ

忍「あうっ!」

綾「アリスがしのを……ぶった!?」

アリス「あるでしょ……? わたしに言いたいこと」

アリス「どうして言ってくれないの?」

アリス「本音でぶつかりあってこその親友じゃないの!?」

アリス「嫌われることを恐れて自分の意見を隠して……そんな関係は嫌なの!」

陽子「それっぽいこと言ってるけどその意見のきっかけはたった数問の心理テストだからね」


忍「アリス……」

忍「……」

忍「えいっ」

ペチンッ

アリス「ぶふっ……!」


忍「アリス、あなたの言うとおりです……」

忍「私、アリスに嫌われたくないがために、自分の意見を押し殺していたのかもしれません」

忍「アリス……聞いてください」

忍「毎晩毎晩夜中にトイレについて行くの……正直面倒くさいです! 寒いし!」ペチ

忍「テレビのチャンネル独占してお笑いばっかり観るのも止めてください!」ペチ

忍「それから……やたらと日本の素晴らしさについて語ってくるのも聞き飽きました!」ペチ

忍「大体、四季はイギリスにもあるでしょう!」ペチ

忍「私はイギリスの素晴らしさについて、もっと語ってほしいんです!」ペチ

忍「以上!」ペチン

アリス「あうっ!」


アリス「……つ」

アリス「……伝わったよ、シノの気持ち」ヨロヨロ

綾「アリス……足がふらついてるわ!」

陽子「無理すんなよー」


アリス「それでいいんだよ、シノ……」フラフラ

アリス「言いたいことはもっと言ってほしいの……手遅れになる前に」


アリス「わたしもっ! シノに言わせてもらうよ!」ペチ

忍「ばっちこいです!」

アリス「英語できなさすぎ! 本当に通訳者になる気あるの!?」ペチ

アリス「本気になって頑張るならわたしも本気で協力するのに!」ペチ

アリス「やる気が全然見えてこないよ!」ペチ

アリス「それから……寝起き悪すぎ!」ペチ

アリス「身支度くらい一人でできるようになって!」ペチ

アリス「あとわたしを子ども扱いしすぎ!」ペチ

アリス「一応わたしの方が生まれた日早いんだからね!」ペチ

アリス「以上!」ペチ


忍「……」ヒリヒリ

忍「……伝わってきません! アリスの気持ち!」ペチン

アリス「あうっ!」

忍「アリスの本気はそんなものですか!?」ペチ

忍「私に遠慮してるんじゃないんですか!?」ペチ

忍「本気で殴り掛かってきてくださいよ! 本当の家族だと思って!」ペチペチッ

アリス「……ぅ」ヨロヨロ

アリス「あああっ!」ペチッ

忍「ひうっ!」

忍「い、痛い……」ヒリヒリ


アリス「し、シノ……」

忍「そうです……それでいいんです」

忍「もっとぶつかってきてください!」

アリス「シノっ!」ペチン

忍「アリスっ」ペチン

アリス「シノっ!」ペチン

忍「アリスっ」ペチン

アリス「シノぉ!」ペチーン

忍「ああっ……!」フラフラ

忍「くっ……うぅっ……」ヨロヨロ

忍「アリスうううう!」

アリス「シノおおおお!」


ペチペチペチペチペチ

ペチペチペチペチペチ

ペチペチペチペチペチ


カレン「な、なんて壮絶なファイトデス……」

綾「うぅ……もう見てられない……!」ポロポロ

カレン「目を反らしちゃいけませんアヤヤ! これが2人の魂の対話なのデス!」

綾「そ、そうね……親友として、最後まで見届けなくちゃ……!」ゴシゴシ

陽子「私には子猫のじゃれあいに見えるけど」

忍「はぁ……はぁ……」ヒリヒリ

アリス「ふぅ……ふぅ……」ヒリヒリ


忍「……」パタン

アリス「……」ポテ


綾「ふ、2人とも!」

カレン「大丈夫デスか!?」


忍「あ、アリス……聞いてください」

忍「私……生まれて初めてです、殴り合いのケンカなんてしたの」

アリス「……」

忍「こんなに痛かったんですね……殴られるのも、殴るのも」

忍「でも……不思議と悪い気持ちじゃないんです」

アリス「……シノ」

アリス「わたしも……初めてだよ、こんなケンカをするのは」

アリス「身体のあちこちがひりひりして痛いよ……」

アリス「でも、とっても嬉しいの……シノのまっすぐな気持ち、全身で受け止められて」

忍「アリス……」

忍アリス「ありがとう……!」ヒシッ


カレン「アリス……シノ……」グスグス

綾「よかった……よかったぁ……」ポロポロ


陽子「……なんだこれ」

陽子(まあ……みんな満足ならそれでいっか、うん……)

翌日の朝


忍「……」モグモグ

アリス「……」パクパク

忍「そういえばアリス、昨夜は『トイレについてきて』って言いませんでしたね」

アリス「うん、一人で行ってきたの」

アリス「怖かったけど……でも、一度行ってみれば案外大したことないんだね」

忍「そうですか……偉いですね、アリス」

アリス「えへへ」


忍「そういえばアリス」

アリス「うん?」

忍「『みそ汁のおかわりはいかがですか』って、英語で何と言うのですか?」

アリス「英語で?」

忍「私、これから少しずつ英語の表現を覚えていこうと思うのです!」

アリス「シノ……」ジーン

アリス「"Would you like more miso-soup?"って言えばいいんだよ」

忍「なるほど……メモメモ」

忍「ではアリス……うじゅー らいく もぉ みそすーぷ?」

アリス「Yes, please.」ニコ

忍「……それで、渡すときは?」

アリス「"Here you are."だね」

忍「ひあ ゆ あー」コト

アリス「Thank you.」

忍「会話が……英語で会話ができました!」ジーン

アリス「うんうん」

忍「アリス、もっと練習させてください!」

アリス「どんとこいだよ!」


───
~20分後~

忍「うじゅー らいく もぉ らいす?」

忍「うじゅー らいく もぉ みそすーぷ?」

忍「うじゅー らいく もぉ てぃー?」

アリス「も、もうお腹いっぱいだよぉ……」タプタプ

忍「まだまだ! うじゅー らいく もぉ……」

勇(新手の拷問……?)


END


カレン「センセーがもしおとぎの国を旅するとして……イヌ、ウマ、ネコ、ライオンのどれかをお供にするならどれにするデス?」

久世橋「(また妙な質問を……)ネコ、ですかね」

カレン「! センセーはMだったデスか!」

久世橋「な、何を……先生をからかうものじゃありません!//」ガオー

カレン「ひぃい! やっぱりSデス……こんなテスト当てにならないデース!」

久世橋「待ちなさーい!」

色々おかしくてごめん
このssに出てきた心理テストは全部でたらめなので悪い結果が出た人は忘れてください
もっときんモザssをください

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