元お嬢様「安価とコンマで生きている」海神「7スレ目ー♪」 (959)

モンスターあり剣あり魔法あり、機械も超能力もありなごった煮の世界。

革命が起きた近世のファンタジー国家で、指名手配された元貴族の少女が生き延びようとあがき、そろそろ結末が見えてきた。

彼女が野垂れ死ぬか、亡命に成功するか、反旗を翻しテロリストとなるか、はたまた魔王となって世界を滅ぼすか。

全ては安価とコンマ次第な7スレ目。

1スレ目『魔境』 お嬢様「安価とコンマで逃亡生活」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408711559/)
2スレ目『アンブロシア』 元お嬢様「安価とコンマで魔術師生活」邪教徒「その2だ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409055017/)
3スレ目『イロモノ旅団』 元お嬢様「安価とコンマでお仕事生活」海風の妖精「3ブロシア」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409745651/)
4スレ目『魔法競技会』 元お嬢様「安価とコンマで忙しく生活」魔人「その4じゃ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411492100/)
5スレ目『人外と仲良し』 元お嬢様「安価とコンマで大勝負」アフロ「クインテット!」(5スレ目です) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413208217/)
6スレ目『長旅』 元お嬢様「安価とコンマで旅歩き生活」吸血鬼「やっとその6ね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430900309/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449926380

~あらすじ~

○○○○年……フルフィリア王国で革命が起きた。

反乱軍あらため共和国軍は、革命の象徴として王族・貴族の処刑を決めた。

貴族の町ウベローゼン市に住むお嬢様であるソピアは、使用人の少年によって逃がされ、命がけの逃亡生活が始まった。

かけがえのない仲間もでき、共和国軍はさほど恐くなくなってきたが、忍び寄るのは他国の影。

毎日が冒険のソピアは果たして平穏を手に入れることができるのか……!


~主人公~

ソピア・ウィンベル、16歳。

世間知らずで体力にも乏しく気弱だが、頭は良く物怖じはしない方。

下級貴族の生まれで、お嬢様らしからぬ素朴な性格・口調、でも実はTPOに応じて高貴な振る舞いもできる。一般人に溶け込めるため逃亡に役立った。

大抵ソフィアというバレバレの偽名を使っているが意外と何とかなっている。

最近は外国の陰謀に巻き込まれて一度何もかもを諦めかけた。

吸血鬼の義妹、一国の神レベルの使い魔、魔人先生、アースドラゴンのペンダント、運命の天使、予知の悪魔など、常に人外に守られている。

いや、守られているというより振り回されている。

★最終的な目標★

1.この国でほとぼりがさめるまで逃げ切り、安定した生活を送る

2.他国へ亡命し、そこで安定した生活を送る

3.テロリストなり魔王なりになって、共和国軍を倒す

このいずれかが現時点での最終目標となります。



※当面の目標※

1.名声と実力を上げ、上位職になる

2.かけがえのない仲間(交友度10.00)を増やす

3.40日目に向け情報を収集する

武器戦闘系職業一覧

『剣士』…剣や短剣、斧など斬るタイプの武器を扱う勇者の職業。最も歴史と権威がある戦士ギルド。
『ソードマスター』…剣士の上位職。曲刀・双剣・大剣などありとあらゆる剣術に長ける。
『武士』…剣士の上位職。ある国の独自の剣術を扱う。その刀身には霊力が宿る。

『槍士』…突くタイプの武器は盾持ちに強い。盾と相性が良く近衛兵たちが育ててきたギルド。
『重装騎士』…槍士の上位職。大きな盾を装備し主を守るナイト。
『馬上騎士』…槍士の上位職。馬から降りても長槍や三叉槍を扱う身軽な槍使い。

『メイサー』…打撃タイプの武器は甲冑・甲殻に強い。どちらかというと魔法使いや鉱夫が偽名で登録することも多い。
『棒術師』…メイサーの上位職。長い棒やトンファーを自分の身体のように自在に操る。
『ヘビーメイサー』…メイサーの上位職。巨大な鎚を軽々とふるう膂力を持つ。

『ファイター』…己の身一つで戦う武人の職業。最近の若い女性の間ではダイエットに人気。
『格闘家』…ファイターの上位職。ひたすら相手を倒すためだけに鍛え上げられた肉体こそが凶器。
『武術家』…ファイターの上位職。道を極め研ぎ澄まされた精神と技を持つ武人。

『アーチャー』…歴史ある遠距離武器使い。魔法の効果が乗ることもあり今なお愛好家は多い。
『戦弓士』…アーチャーの上位職。長弓を携え、長距離射撃や曲射を得意とする、戦争で活躍してきた弓使い。
『狩弓士』…アーチャーの上位職。ボウガンを携え、毒矢や火矢を扱う、狩りで活躍してきた弓使い。

『ガンマン』…工業化が生み出した遠距離武器使い。弓を小馬鹿にしてる若者が多かったりする。
『コンバット』…ガンマンの上位職。二丁拳銃・サブマシンガン・アサルトライフルと体術で戦場を駆け抜ける次世代の戦闘術。
『スナイパー』…ガンマンの上位職。鷹の目を持ち数㎞先からでも敵を仕留める恐るべき存在。

『ホワイトシーフ』…盗賊の技術を世の為人の為に使うため近年設立したギルド。落し物探しや浮気調査など何でも屋感が否めない。
『アサシン』…ホワイトシーフの上位職。もはやホワイトではない。暗殺など裏社会での依頼を遂行する必要悪。
『忍者』…ホワイトシーフの上位職。ある国の独自の技術を扱う。潜入、逃走、情報工作に長ける。

『サイズユーザー』…鎌を愛する物好きたちが剣士から独立した。やや使いづらいが一撃で仕留めることに長ける。あとカッコいい。
『デスサイズ』…サイズユーザーの上位職。人斬りに特化した死神。人数は少ないが恐怖の象徴になっている。
『伐採師』…サイズユーザーの上位職。大木すら両断する鎌の使い手。大理石の柱ですらまるで豆腐。

『ウィップユーザー』…鞭を愛する物好きたちがメイサーから独立した。サディストが多いと思われているが偏見である。
『ロープマスター』…ウィップユーザーの上位職。物を引き寄せたり捕縛したり命綱を作ったりと便利な人たち。
『調教師』…ウィップユーザーの上位職。動物でも人でも鞭の恐怖で縛り付ける。サディストが多いと思われているが実際その通りである。

『罠師』……罠だけでなく爆弾やナイフ投げなどトリッキーな戦術を持つ。立ち上げたのは世紀の大奇術師だったりする。
『ボマー』…罠師の上位職。火薬や爆弾を扱い、待つだけでなく積極的に攻撃してくるけど一応罠師。
『奇術師』…罠師の上位職。器用な手先で錯覚を見せつつ、美しく敵を葬り去るスタイリッシュなマジシャン。



魔法系職業一覧

『火魔術師』…エネルギーを司る魔法。戦闘寄りの魔法で、軍人のほか料理人が覚えていたりする。
『エナジー魔術師』…火魔術師の上位職。火のみならず様々なエネルギーの専門家。

『水魔術師』…生命力を司る魔法。旧時代のお医者さんたちの半数は水魔術師。
『治癒薬師』…水魔術師の上位職。人体と薬に詳しい医療の専門家。

『岩魔術師』…創造を司る魔法。魔法陣とか錬金術とか。
『錬金術師』…岩魔術師の上位職。物質の種類や形状を変化させる知識が豊富な化学者。

『風魔術師』…流れを司る魔法。効果範囲が広く指揮官向きの魔法。
『時間魔術師』…風魔術師の上位職。時間を早めたり遅めたり、巻き戻してコンマ判定をやり直せたりのチート魔法。

『瘴気薬師』…火&水の上位職。毒や酸の専門家。
『氷魔術師』…水&岩の上位職。氷ではなく冷気そのものを扱う魔術師。
『召喚術師』…岩&風の上位職。魔法陣の扱いに特化した魔術師。
『雷魔術師』…風&火の上位職。ただの電気ではなく天候レベルの雷や磁力を操る。
『竜脈術師』…火&岩の上位職。大地の力を借り、小規模な地震や噴火をも操る。
『精霊術師』…水&風の上位職。すべての魔法の根源、精霊の専門家。

『日魔術師』…昼を司る魔法。太陽光を操るだけでなく、心を癒すことにも使う。
『癒心魔術師』…日魔術師の上位職。人の心を癒しいいムードを作り上げる、陽だまりの魔法使い。

『月魔術師』…夜を司る魔法。魅了・幻惑の魔法はここに含まれる。
『蝕心魔術師』…月魔術師の上位職。人の心を蝕み意のままに操ってしまう、月夜の魔法使い。

『天術師』…日&月の上位職。天体の運行を司る魔術師。暦や占星術に詳しく祭日には欠かせない職業。

『白魔術師』…神の力を借りる魔法。宗教色が強い。
『聖教徒』…白魔術師の上位職。教会に所属している聖職者。祈りで傷を治し、魔を払い、死を遠ざける。
『クルセイダー』…白魔術師の上位職。神の力を借り受けて戦う人々。正義の心を持つ聖なる戦士。

『黒魔術師』…悪魔の力を借りる魔法。霊と話したりする魔法もここ。
『邪教徒』…黒魔術師の上位職。悪魔に最も近い人間。その身に悪魔を降ろし溢れる魔力で悪事を繰り返す。
『ネクロマンサー』…黒魔術師の上位職。霊と対話する人間。一時的に死体を甦らせることができる生命の冒涜者。

武器戦闘系職業一覧・魔法系職業一覧 >>4


生活系職業一覧

『山人』…山の方の村人。高地や洞窟などに強くなり、鉱物や動物に詳しくなれる。
『登山家』…山人の上位職。険しい山に登るための知識と技術を備えている。未踏の地に達するのが彼らの目標。
『鉱夫』…山人の上位職。鉱山で働く労働者。暗かったり狭かったり、空気が薄かったりモンスターがいるような場所でも仕事ができる体力を持つ。

『海人』…うみんちゅ。釣りや潜水が得意になり、船にも乗れる。
『船員』…海人の上位職。船の上の長旅を支える人々。まだ見ぬ島・大陸を探すロマンあふれる冒険者でもある。
『潜水士』…海人の上位職。深い海の中で長い時間を過ごせる超人。沈没船や海底遺跡、未確認モンスターなど次々と新しい発見をしている。

『森人』…普通の農村の村人。森で迷わなくなり、採集や工作が得意になれる。
『栽培士』…森人の上位職。農家の中でも豊富な知識を持った賢者。開墾や品種改良だけでなく村を守るための知恵もある。
『木霊主』…森人の上位職。森の奥にいるという神々と話すことのできる存在。日本でいう神主や巫女。

『旅人』…流浪の民。長旅に必要な様々な技術が身に付く。
『吟遊詩人』…旅人の上位職。人の目を避け孤独に生き延びるための技術を得る。最近の吟遊詩人は町に住んでるし詩も詠まない。
『考古学者』…旅人の上位職。知恵と根性で町や国を上手く渡り歩くための技術を得る。最近の考古学者は遺跡に行かないし歴史も考察しない。



専門職系職業一覧

『料理人』…胃袋を支える人々。手練れはカクテルや薬膳に挑戦するらしい。
『バーテンダー』…料理人の上位職。カクテルを作るオシャレな職業。美味しいのはもちろん見た目にも美しい料理を振る舞うパーティの花形。
『調合士』…料理人の上位職。変わった食材を使う料理研究家。スパイスや薬膳に詳しく、滋養強壮効果のある料理を作る。

『裁縫師』…仕立て屋で働く人々。経験を積むとモデルになれたり、魂のこもった人形を作れたりするらしい。
『ドレッサー』…裁縫師の上位職。容姿に関するエキスパート。髪型・化粧まで自由自在。モデルの仕事もある。
『人形師』…裁縫師の上位職。魂のこもった人形を作る職人。器用に複数の人形を操る。人形はひとりでに動き出すこともあるとか……。

『木工師』…木を材料に物を作る人。ベテランになると造船や大工の仕事も来るらしい。
『大工』…木工師の上位職。建物や船を作り上げる専門職。体力・精神・知力のすべてが必要になるハードな仕事。
『芸術家』…木工師の上位職。彫刻をはじめとした芸術作品を作り出す。芸術には魂が宿ることがある。

『石材師』…鍛冶屋などで働く人々。熟練の石材師でないと本格的な鍛冶や宝石細工は任せてもらえないらしい。
『鍛冶屋』…石材師の上位職。金属の塊を材料に一から武器や防具を製造する専門職。武器系職業の命綱。
『宝石細工師』…石材師の上位職。宝石を磨き眠れる魔力を引き出す専門職。アクセサリーは高く売れるのでお金持ち。

『占い師』…ジャンルを問わない魔法的知識で人を占う。占いを勉強するうちに超能力に目覚める者もいるらしい。
『詐欺師』…占い師の上位職。言葉巧みに相手を騙す裏社会のギルド。詐欺師同士も騙し合いの毎日らしい。
『エスパー』…占い師の上位職。占いの的中率を上げるうち予知能力を身に着け、それを手始めに様々な超能力を獲得した存在。

『メカニック』…近年需要がどんどん上がっている機械を作る人々。ひよっこには蒸気機関や電気は使えないらしい。
『エンジニア』…メカニックの上位職。蒸気機関・電気を使った動力を組み込んだ機械を開発する人。これからの時代を担う予定。
『ドライバー』…メカニックの上位職。自動車や戦闘用マシンに乗り込む操縦士。エンジニアがバックについている事が多い。

『牧人』…動物の専門家。著名な牧人は戦闘職でもないのにモンスターを狩ったり、または飼いならしたりするらしい。
『ブリーダー』…牧人の上位職。動物やモンスターを鍛える人。戦士数人がかりでも敵わない大型モンスターすら手懐けるというから恐ろしい。
『狩人』…牧人の上位職。様々な技術や知識を駆使して獣などを狩る人。ろくな武器も持たずに一人で大型モンスターを狩ってしまうから恐ろしい。

『レンジャー』…人命救助や工事現場で働く身軽な人々。仕事で得た技術で遺跡に潜り一攫千金を夢見る者も多いらしい。
『レスキュー』…レンジャーの上位職。様々な現場に急行し人命救助を行うプロ。仕事柄そこらの戦闘職より危機回避能力は高い。
『トレジャーハンター』…レンジャーの上位職。遺跡や洞窟に潜り宝物を見つけて一攫千金を狙う人々。単純な調査依頼も多い。

『パン職人』…発酵は普通の料理人には扱えない。酒造に手を出す人も多い。中には菌と心を通わせ自在に操る者もいるという噂。
『酒造家』…パン職人の上位職。酒造を行える専門職。今でもパンとワインは食の要。
『操菌師』…パン職人の上位職。酵母だけでなく病原菌やキノコすら自在に操れる菌類のエキスパート。

『パフォーマー』…歌って踊って人々を楽しませる人々。いつか劇場やテレビでパフォーマンスする日を夢見ている。
『音楽家』…パフォーマーの上位職。劇場で演奏会を開く傍ら軍楽隊としての仕事もある。彼らの演奏は士気を高める。
『タレント』…パフォーマーの上位職。歌って踊れるアイドルや誰もを笑わせる漫才師などのテレビで活躍する芸能人たち。

『商売人』…小売店の人々。経済を牛耳るボスもいるらしい。自動車の普及で競争は激化の一途をたどっている。
『経営者』…商売人の上位職。経済を牛耳る会社の重役。力も技術も皆無だが影響力だけは全職業でナンバーワン。
『輸送業者』…商売人の上位職。自動車や馬車で大量の荷物や旅人を運ぶ専門職。人脈も幅広い。

※専門職は日々増え続けている

武器戦闘系職業一覧・魔法系職業一覧 >>4
生活系職業一覧・専門職系職業一覧 >>5


その他

『探偵』…情報収集に特化した専門職。一部の人間にしかその存在を知られていない。

『娼婦』…異性の夜のお相手をして日銭を稼ぐ人々。ギルドではない。

『清掃員』…町の表通りを清掃して日銭を稼ぐ人々。ギルドではない。

『魔族』…白&黒の上位職に当たる人間よりもモンスターに近い存在。ギルドではない。

『海賊』…掠奪を生業とする船乗り。少なくともフルフィリアにギルドはない。

『樹魔術師』…水&日の上位職に当たる。体が植物の性質に近づき、幅広い回復魔法を扱える。

『重力魔術師』…火&月の上位職に当たる。エナジー魔術師や竜脈術師は重力を操ることはできないようだ。

『海魔術師』…水&月の上位職に当たる。強化やワープなど便利な魔法が多い。

『???』…火&日魔術 『???』…岩&日魔術 『???』…風&日魔術 『???』…岩&月魔術 『???』…風&月魔術

コンマでモンスター作成テンプレ

種族
十の位       一の位
1無機物系&軟体系…123液体・45鉱物・67タコイカクラゲ・890貝
2魔法系…12妖精・34妖怪・56悪魔・78ゾンビ・90幽霊
3植物系…1234草花・567キノコ・890樹木
4甲羅系…123カメ・456カニやエビ・7890カブトムシ系
5虫系…123蟻蜂・456蝶蛾・7890クモムカデサソリ
6水棲系…1234魚・567カエルやサンショウウオ・890アザラシやイルカ
7爬虫類系…123トカゲ・456ヘビ・7890ドラゴン
8鳥系…123456タカやフクロウ・7890ダチョウやニワトリ
9獣系…1234犬や猫・5678ヒヅメ系・90コウモリなどその他
0人型…12サル・3456ロボット・7890人形

特性
十の位
1鋭…爪やツノ  2硬…甲殻やウロコ  3火…炎や毒  4水…泳ぎや粘液
5岩…穴掘りや石化  6風…飛行や身軽さ  7日…光や派手さ
8月…暗視や擬態  9白…群れや美しさ  0黒…魔法や科学的

性格
一の位
12好戦的 34やや怒りやすい 56普段は穏やか 78臆病 90警戒心が無い

【37日目終了時点のステータス】

ソピア=ウィンベル(魔:ソフィア 旅:ルーフェリア)
見た目:スカイブルーの瞳・黒髪ふんわりロングパーマ(桃色のリボンで二つ結び)・海子の服・ムーンストーンの杖(知20)・ストーンキューブ
所持金:13700G
アイテム:
ウベローゼン市地図・旅人ギルドカード・共和国軍の勲章・銀の短剣・ナイフ・金槌・ハサミ・ドライバー・ライター・花柄の傘・平和のロザリオ
ポーション×2・回復の杖・自動迷彩マント・海子の杖
薄汚れた赤ずきん・エセ探偵セット・女中の服・緋袴・シックなコート・ヘアゴムセット・桃色のリボン・リボンカチューシャ・アザラシ革の手袋
オニキス・琥珀の欠片・火魔術結晶・キングウォッチ・クロノクロウの羽・光るビン・樹魔術の書・重力魔術の書

ジョブ:月魔術師・旅人
スキル:料理・ダンス・長旅歩き・小休止・脱兎・騎馬・野営・夜目
 月光光線魔法・流れ星・精神攻撃魔法・光線魔法:精神・光線魔法:波・拡散精神魔法
 強魅了魔法・全体魅了魔法・恐怖魔法・混乱魔法・幻覚魔法・多分身魔法・迷彩魔法・盲目魔法・魔力制御・瞑想技術
 ライトボール・活力の光・癒しの光・加熱魔法・トータルセラピー
 受け身・考察・探し物・妖精対話・吸精・放精・究極魅了魔法・ムーンブラスト・ダークフェザー

体力32/32 精神52/52 進行度120/120
筋力30 敏捷44 知力70(90) 器用20 交渉力70 魔名声82 旅名声128 注目度10
経験値:体7・精47・筋0・敏67・知0・器83・交31

知り合い
控えめな18歳アーチャー:ハルカ「キミに命を預けるよ」(仲間:X.XX)
ジト目12歳白魔術師:ラファ「助け合うのですよ」(仲間:X.XX)
心優しい義妹13歳吸血鬼:ヒレア「無理しすぎよ……」(義姉妹:10.15)
あざとい17歳メイド:アン「懐かしいですねぇ♪」(??:9.99)
文系15歳美少年風魔術師:トール「ちょっとは僕に惚れてくれたでしょうか!」(恋心:9.81)
お喋りな16歳ホワイトシーフ:フィナ「はー、もしかしたらソフィーもただ者じゃないかもね…?」(親友:9.15)
ボクっ娘ブラコン16歳女水魔術師:ミルズ「ボクには真似できないみたいだ」(親友:8.67)
高圧的な16歳サイズユーザー:エルミス「やっぱり父上はどこでも助けに来てくれたわ」(仲良し:7.94)
頭脳派長身18歳岩魔術師:クルト「お前のおかげで俺は進化した……!」(仲良し:7.53)
おしとやかな12歳商売人:フローラ「商人ですから。秘密は守ります」(友人:5.18)
魔法街の仕立て屋人形:クリスティ「道中お気をつけて!」(友人:4.48)
明るく優しい22歳ホモ日魔術師:キュベレ「結果的に…息抜きになったかしら?」(友人:4.25)
武人な19歳火魔術剣士:テンパラス「よい戦いぶりであった」(知人:2.02)
皮肉屋な22歳男コンバット:ロット「……」(知人:1.93)
色男な24歳レンジャー:オルド「ただ者じゃねえな」(知人:1.59)

上がり症16歳ボーカリスト:ポロ「わ、私……負けませんから」(協力者:X.XX)
お調子者13歳黒魔術師:レン「おれの呪いで2人を助ける!」(協力者:X.XX)
フランクな24歳セラピスト:サナ「久しぶりの地元だね」(仮協力者:X.XX)

ゾロ目で2倍上昇、100以上上回ったらもう一回(本で100上回っても無し)

月魔術・重力魔術はコンマにプラス20

『ステータス』
ランニング(体力)・瞑想(精神)・筋トレ(筋力)・ダッシュ(敏捷)・お勉強(知力)・家事(器用)・自分磨き(交渉力)

『旅人スキル』
騎馬Ⅱ 50/150 馬を駆けるように走らせ、馬上で道具を扱える
ラクダ騎乗 0/110 足は遅いが乾燥に強いラクダを操る
ウシ騎乗 0/110 足は遅いが荷物運びと山道に強い牛を操る
初級通訳 10/80 フルフィリア周辺で最もメジャーな外国語をマスターする
商談 0/80 価格交渉が上手くなる
重荷運び 0/100 重い荷物が持ち運べるようになる
遠目 0/100 遠く離れたものをはっきりと見る
夜歩き 0/100 暗闇でも迷わず素早く歩け、見えざる気配や視線を察知する
荷造り 0/100 荷物をまとめるのが上手くなる
植物知識 0/100 草花に詳しくなる

『月魔術師スキル』
光線魔法:空 0/150 月光を凝縮して頭上からビームを落とす
月照明魔法 0/100 周囲の暗闇を月の光で照らす
精神毒魔法 110/120 精神を汚染する、治療しない限り心を蝕み続ける
精神ドレイン魔法 0/150 相手の精神力を吸い取る光の球を撃つ
操り魔法 200/250 光を当てた相手を一定時間意のままに操れる、細かく指示を出せる
注目魔法 60/150 妖しい光を当てた対象に周囲の目が集まるようにする
狂気魔法 0/120 月の光で狂気に陥った者は暴走する
変装魔法 0/250 自分を全く違う姿に見せる
透明魔法 152/200 自分の姿をほぼ完全に消す、物に触れた部分のみ影ができる
鏡魔法 0/100 光を反射して対象自身の分身を見せる
聴覚妨害 0/120 光を当てた相手の耳が変になる
痛覚妨害 0/120 光を当てた相手は痛みを感じ辛くなる、自分にも使える
頭痛魔法 0/120 光の球を当てた相手に激しい頭痛を感じさせる
賢者の瞑想 0/150 瞑想がより上手くなる、訓練で精神が100まで上がりやすくなる
全体恐怖魔法 0/120 周囲の対象を深い闇で覆い恐怖に陥れる
夜闇魔法 0/120 闇を纏って身を隠す、昼間だと自分の周りだけ暗くなる、眩しくて眠れない時には便利
刃星 0/100 淵が刃になった薄い星形弾を回転させながら撃ち出す、斬れるフリスビー的な
流星群 0/120 星形弾を両手から連射する、腕がマシンガン
星屑 0/100 小さな大量の星形弾をばらまく、ショットガンまきびし
影打ち魔法 0/100 この魔法をかけた影を触ると本体にも感触が伝わる、遠くからこちょこちょしよう

『日魔術師スキル』
太陽光線魔法 0/100 日の光を集めてビームを撃つ
フラッシュボール 0/120 着弾すると閃光を放ち目をくらませる魔法弾
ヒートボール 0/120 着火にも使える高温の魔法弾、火の玉に比べて真っ直ぐ飛ぶ
目覚めの光 0/100 眠っている人を気持ちよく目覚めさせる朝の光
陽だまり魔法 0/120 自分の周辺に癒しの光を降り注がせる
照明魔法  0/100 太陽の光で周囲を照らす、月よりも明るい
乾燥魔法 0/100 物を乾かす黄色い光
虹魔法 0/100 色とりどりの光を放つ

『樹魔術師スキル』
ソーラーセラピー 0/1 太陽光や雨を浴びると少しずつ体力・精神力が回復する
アロマセラピー 0/1 身体から任意の花を咲かせる
エナジーセラピー 0/1 根を張った対象から体力を吸収する
ヒプノセラピー 0/1 眠らせて相手の記憶を消去する
箱庭セラピー 0/1 自分の周囲に任意の樹木を生やし操る

『重力魔術師スキル』
重圧魔法 0/50 重力をかける、範囲と強度は任意
噴射魔法 0/50 火魔術だが重力操作で性能を上げている、自分を飛ばすこともできる
浮遊魔法 0/50 反重力で物を浮かせる、落下時の着地にも使える
反射魔法 0/100 反重力で攻撃を反射する、常時発動すると体が壊れるのでタイミングが重要
メテオ 0/100 隕石と見せかけて空気中の塵を凝集させた塊を落とす魔法
ブラックホール 0/100 強力な重力であらゆるものを吸い込み押しつぶす魔法弾、すぐに自重で潰れて消える

その他関わりのある人


・会ったことのある名ありキャラ
15歳女パン職人:イリス 明るく男勝り
15歳女ファイター:フェイラン 気の強いカンフー娘
43歳男レスキュー:キアロ ソピアと同じ宿が拠点の頼れるおじさん
40代清掃員:メヒィアス夫妻 うるさい妻と無口な夫の夫婦
30歳男剣士:ウィア&40歳男パフォーマー:マッド ソピアと同じ宿が拠点の若作り剣士と剛腕ピエロのコンビ
20歳女ファイター:ノア 赤髪で大雑把な手練れファイター、宿屋近くの酒場にいる
19歳聖教徒:テレサ 市内の聖教会で受付を務める正統派シスター

18歳女娼婦:エリー 元旅人で姉御肌な魔境カフェのオーナー
30歳男探偵:シュン 探偵ギルド筆頭の名探偵、自由人
33歳男岩魔術師:ガルァシア 魔境チームの熟練魔術師、威圧感があるが世話焼き
29歳男ボマー:バルザック 魔境チームの仕事人、いつも適当な酔いどれおっさんだが素面だと怖い
15歳性別不明エスパー:ネル 魔境チームの情報収集担当、神出鬼没

・その他魔術師
ヴィーク スクーニミー市の士官学校に通う岩魔術師、クルトの親友
リウム 聖十字病院の名医の息子で水魔術師、ミルズをいじめていた、サナの弟
ディアナ 18歳のナルシストな月魔術師、ある時は天文学者、またある時は怪盗、その正体はグリエール家の一員

・仲のいい名無しキャラ
邪教徒さん 邪教の館(黒魔術師ギルド)の受付で面倒見のいいおっさん
魔法局受付さん 底意地の悪い女性、そのくせ癒しの魔法を得意とする
魔人さん 数百年前のお姫さま、魔法を極めるうちに人間ではなくなってしまった、市内に越してきてソピアの魔法の先生になった
アースドラゴン 遺跡に封印されていた神竜、外界を見せる代わりにソピアに力を貸す

・その他名ありor重要人物
ブラッドレイ元帥 共和国軍六勇の一人『重壁』、エルミスの父で仕事より家族を優先したがる子煩悩
オーグロス陸軍大将 共和国軍六勇の一人『鬼顔』、キュベレの父で女性を見下す堅物の大男
アルフレッド憲兵隊長 共和国軍六勇の一人『勇者』、やたら声が大きい正義漢
魔導長 共和国軍の魔術師のトップ、雷の魔法を得意とする穏やかな老人
知将 共和国軍のブレイン
師匠 共和国軍に協力する殺し屋『凶爪』、フィナの特訓を手伝う乱暴な口調の女性
会長・不動産王・女社長・芸能界のドン フルフィリア経済を牛耳るグリエール家の面々
ミハイ5世 王族で唯一軍の手を逃れて逃亡中の王子、ソピアに話があるらしい
イデア 逃亡中の貴族の一人、若き騎士の女性
レオナール 逃亡中の貴族の一人、富豪の中年男性
ウィルアック 逃亡中の貴族の一人、放蕩公爵と呼ばれる
ニコラ 逃亡中?の貴族の一人、4年前から行方不明

・外国の人物
アフロ外交官 南大陸の連合帝国から来た、チェーンソーを武器に戦う
マトイ 魔導帝国ノーディスのスパイで重力魔術師、7歳の天才幼女、天真爛漫だが好戦的で容赦がない
ジョー ジャルバ王国のスパイで武術家、鋭い直感を持つ、普段は他人を気遣える頼れる青年

ソピアが行ったことのある場所


●ウベローゼン市
職業相談所
ウィンベル邸(ソピアの元自宅)
聖十字総合病院
ブラッドレイ邸(元帥・エルミスの自宅)
・各ギルド街(>>5)
今までに行ったのは
『勇者の館(剣)』『ファンキータウン(銃)』『何でも屋(盗)』『魔法局(魔)』『聖教会(白)』『邪教の館(黒)』『登山協会(山)』『農協(森)』
『宿屋(旅)』『美食通り(料理)(パン)』『ファッションストリート(裁縫)』『ノーレイ財団(機)』『牧場(牧)』『不夜街(芸能)』『オフィス街(商売)』
宿屋周辺……酒場・カフェ・道具屋
魔法局周辺……屋外競技場・日魔術ホール・魔法のパン屋・魔法の仕立て屋・薬屋・マジックアイテム屋・図書館・岩魔術師のカフェ
聖教会周辺……道具屋・ハーブ畑・聖騎士の館
・食事
宿屋近くのカフェ&酒場・魔法局近くのカフェ・カフェ『アンブロシア』・レストラン『ランプロア』・パティスリー『ブリガド』
●ハーバリア市
ハーバリアタワー・王立造船所・海人ギルド総本山・水族館・港・市場
●ファナゼ市
中央市場・東西南北の商店街・遊園地・パフォーマーギルド本部・博物館・地下街・グリエール商会本社
●王都ティルベルク
王宮・魔人の城跡地・勇者の城・大聖堂・魔法局本部・各国大使館・ゲームセンターほか
●モスボラ市
鉄鋼業区・人形職人の工房・喫茶『ネクタール』・外国人街・屋台通り・鉄道駅・モスボラ山
●サウソーシャ騎士団領
名誉の広場
●スクーニミー市
士官学校・自然科学大学・医科大学・音楽院・大図書館・公共ホール・画廊・お化け屋敷・ベリアト天文台
●ダンジョン
魔人の城・ストーンキューブ
●外国
ラヌーン島





フルフィリア共和国地図

学     麓  山
|\  /|  |
騎―王―貴―商―砂
|/  \|   \
工     港―浜  湿

貴…貴族の町ウベローゼン市
王…王都ティルベルク
港…軍港の町ハーバリア市
商…交易の町ファナゼ市
工…鉄鋼の町モスボラ市
騎…サウソーシャ騎士団領
学…学問の町スクーニミー市


世界地図

       ノ
  ラ    |
      |

   ┌―フ―――┐

    |  |     └――┐
コ―┘   └┐         |
         サ        └┐
                  └―――――ジ


フ…ファンタジーと機械、革命の国 フルフィリア共和国
ノ…魔術師と山脈、針葉樹林の国 魔導帝国ノーディス
ジ…香辛料と自然信仰、軍拡の国 ジャルバ王国
サ…海洋貿易と亜人、湿原の国 サロデニア共和国
コ…火山と洞窟、ドワーフの国 コホーテン首長国
ラ…領土紛争地 ラヌーン島

属性相性表(B←A AはBに強い)

火←水←岩←風←火

日⇔月

その他←黒←白←その他



仲間作りのヒント

ヒレア…今後は特に会わなくても裏切ることは決してありません
アン…後はイベント待ち
トール…あと少しで落ちる
エルミス…今のところ下僕も大事だけど父上の方がもっと大事
フィナ…あまり自主性が無い
フローラ…いざという時は多数派に付く
クルト…ソピアの行動力に憧れてる
ミルズ…ソピアに負い目を感じている
キュベレ…いつも頼れるオネエさんではいられない
クリスティ…お店のことしか考えていない
テンパラス…彼は現状をどう思うのだろうか
オルド…誘えばホイホイついてくる
ロット…強い仲間を探してる
その他の人々…まだギリギリ間に合う

こんばんは、7スレ目です

前スレでも書きましたがたぶん最終章突入です

流石に2016年中に終わるはず……

38日目朝。

ソピア「…………うん…?」

ヒレア「起きて! 起きた!」

ソピア「……うーん」

マリン「まだ寝ぼけてるわー?」

アン「お嬢様、着替えはこれです。ささ、ブラッシングはアンにお任せっ」

ソピア「んー…………『熟睡』スキルが欲しい」

ハルカ「十分熟睡してたよ……」


スクーニミー北の海は穏やかだった。

ハルカ「これ、崖下まで降りなきゃダメ?」

ヒレア「私に掴まって」

ハルカ「や、やー! 空飛んで、やー!」

ソピア「よし、みんな降りたね。マリン、お願い」

マリン「準備はいい? しゅっぱーつ♪」


1 問題発生(モンスター)
2 問題発生(非モンスター)
34567890 何事もなく到着

ソピア(ラヌーンから帰ってきたときより長い、約10秒間の暗闇と水音)

ソピア(そして瞼の向こうに光を感じて目を開けると、そこには見慣れない町の姿があった)

ソピア(見慣れない町……?)

マリン「とうちゃーく♪」

ヒレア「ふう」

アン「はぁはぁ……あうう、目と口を強く閉じすぎました」

ソピア「あれ? ここ、ハーバリアじゃない……」

ハルカ「浜辺の町。ちょっとずれちゃったかな?」

マリン「大目に見てー」

ソピア「うん、街道でも町でも無い所じゃないからいいよ」


※浜辺の町について今分かっていること……砂浜があり、大きな港はない

↓1 浜辺の町の名前


浜辺の町の目玉は
1.砂蒸し温泉
2.マリンスポーツ
3.ロックンロール

↓2


↓3、4、5 その他特徴

リゾートの町、プエルトマリハラ市。

海流の影響なのか、フルフィリア随一の暖かい気候に恵まれた町。

砂浜の照り返しもあり、市民のほとんどが日に焼けた健康的な褐色肌をしている。

半数近くいる肌の白い人々は全国から集まってきた観光客だ。この暖かな町で余暇を過ごしたい人は後を絶たないのだ。

何よりも一番の目玉は豊富なマリンスポーツだろう。

サーフィンやダイビングはもちろん、運動が苦手な人にはヨットでのクルージングも人気がある。

お隣のハーバリアの軍港には及ばないものの大きな港があり、観光客にはとれたての魚が振る舞われる。

現在、グリエール商会がリゾートホテルとファナゼ市までの街道を建設中。



ソピア「浜辺の町って、リゾート地だったんだ!」

ソピア「いいなあ、時間があるならゆっくり観光したい……お金あるし」

アン「アンも遊びたいのはやまやまですけど、今はダメですよ、お嬢様」

ヒレア「…………暑い」

ハルカ「だ、大丈夫? ああ、吸血鬼だから……」

ソピア「たしかに暑いね……。スクーニミーと比べて同じ国の海岸とは思えない」

ソピア「ってヒレアちゃん霧になりかけてる……!」

ヒレア「…………助けてマリン」

マリン「はーい、バリアー」

ヒレア「……水飲みたい」

ソピア「黒い霧出てるし青く光っててすごく目立つから早く町を離れよう!」

できるだけ3人でヒレアを隠すようにして砂浜沿いの道路を歩いていると、ソピアは知った顔に出会った。


プエルトマリハラに来ていたのは

1.フィナ・フローラ(エルミスの下僕コンビ)
2.テンパラス・テレサ(ウベローゼンの強者コンビ)
3.イリス・フェイラン(トールの幼馴染コンビ)

今晩はここまで、次はたぶん明日です

フィナとフローラは久しぶりですね、過去スレ見て口調確認しないと……

プエルトマリハラもサウソーシャ同様さらっと通り過ぎるだけの町になりそうですが、どちらも番外編でしっかり出したい

フィナ「あっ! ソフィー!……?」

フローラ「ごきげんよう」

ソピア「フィナとフローラさん。奇遇ですね。……フィナ、どうしたの?」

フィナ「んっ、ごめん、なんか一瞬ソフィーがのっぺらぼうに見えた」

ソピア「何それ……」

ハルカ「ソフィアさん、知り合い?」

ソピア「うん、エルミスの下僕仲間」

アン「はじめましてっ。ソフィーの昔馴染みでアンと申しますぅ♪」

フィナ「見たことない人ばっかり。魔法競技会のメンバーの人たち?」

ソピア「違うよ」

フローラ「ソフィアさんもお友達がたくさんいらっしゃるのですね。よいことです」

ソピア「二人はどうしてここに?」

フィナ「仕事というか用事のついでに寄ったんだ。リゾートに興味があったからさー」


↓ コンマ、奇数…今来たところ、偶数…今から帰るところ


フローラ「これからフィナさんと観光を楽しもうと思っていたところです」

フィナ「ソフィーはもしかして今から帰るところ?」

ソピア「そうだけど、私も来たばっかりだよ」

フィナ「えっ? 向こうから歩いてきたように見えたけど」

ハルカ「あたしたち、海からきたからね……」

フィナ「ど、どうやって!?」

ソピア「いろいろあったんだよ……」

フィナ「そう誤魔化されると聞きたくなるじゃん」

ソピア(別に隠さなくても、後でエルミスが自慢げに話すからいいよね)

ソピア「私がラヌーンの海賊にさらわれて」

フィナ「うっそぉ!?」

ソピア「エルミスが海の底を歩いて助けに来て」

フィナ「すごっ!?」

ソピア「ラヌーンが滅んだ」

フィナ「なんでー!!??」

フローラ「まあ……! フィナさんでなくても驚きを禁じえませんわね」

フィナ「ま、負けた……」

ソピア「何が?」

フィナ「あたし、フローラをグリエール商会の魔の手から守ったんだよ!」

フィナ「二人に自慢しようと思ってたのに……やばいよ、なんで国滅ぼしてんの……」

フィナ「っと、気を取り直して! ソフィーたちも一緒に観光楽しまない?」

フローラ「賑やかな方が楽しいと思います」


1.王子様に呼ばれてるから先を急ごう
2.ちょっと待たせるくらいならいいよね(ウベローゼン市での自由行動時間が減り、フィナとフローラの交友度が上がります)

ソピア「用事があるけど……お昼までなら付きあうよ」

フィナ「いいよ! あたしたちもお昼には帰る予定だったもん」

アン「ちょっと、ソフィー……」

ソピア「ごめん。ちょっとくらいなら遅れてもいいでしょ?」

アン「でもぉ……ヒレアさんが……」

ヒレア「…………早く行こうよ、お姉ちゃん」

ハルカ「ハーバリアまで連れて行って待っとくよ。キミたちは楽しんできて」

アン「それならアンが……」

ハルカ「あたしは何度か来たことあるから、今回はいいよ」

ソピア「ヒレアちゃんを頼んだよ」


アン「改めてよろしくお願いしまぁす」

フィナ「よろしく! アンはソフィーの親友?」

アン「そうですよぉ」

フローラ「先程の小さな子は黒いものが漏れていましたけれど、どうされたのですか?」

ソピア(小さな子って……フローラさんより一つ上なんだけどね)

フィナ「熱中症でしょ。暑いときって溶けそうになるじゃん。だから暑すぎて本当に溶けちゃったんだよ」

フローラ「そういうものでしょうか……」

ソピア(つっこみたいけど、そういうことにしとこう……)

フィナ「時間もないし、早く遊ぼう! 何しよっか?」


1.泳ごう!
2.食べよう!
3.探検しよう!

ソピア「探検しよう」

アン「男の子みたいな発想ですねぇ」

ソピア「私は新しい町に来たらまず何があるのかを調べておきたいんだよ」

フィナ「いいよ、あたしも探検好きだし。ワクワクするよね!」

ソピア「ビーチやレストランは無難だけど、目新しさは無いと思うんだ」

フローラ「そうですね。食事はお昼になってからにしましょうか」


38日目朝 現在地:リゾートの町プエルトマリハラ市
1.リゾートホテル建設地
2.バカンスコテージ
3.ヨットハーバー
4.フルーツパーク
5.サーファーズバー
6.シーサイドチャペル
7.フルフィリアゴルフクラブ
8.ムービースタジオ

↓1、2、3

シーサイドチャペルは字面ほど海の近くにあるわけではない。

その小さな礼拝堂はちょっとした丘の上に建っていた。

フィナ「ひゃー! 絶景だよ見て見て!」

アン「きゃー素晴らしいですぅ! こんなところに住みたいですね!」

ソピア(プエルトマリハラの金色のビーチには、ラヌーンの幻想的な風景とはまた違った良さがあった)

フローラ「礼拝堂といっても、ほとんど結婚式場として使われているようです」

フィナ「フローラって好きな人いたよね。今その人のこと考えてた?」

フローラ「いいえ!」

フィナ「ごめんごめん(顔赤くして可愛いなー)」

女性「挙式体験の方ですか?」

ソピア「誰と誰がですか……」

女性「女の子同士で体験していく方もいらっしゃいますよ。男性同士はあまりいらっしゃいませんが」

アン「それは面白そうですねぇ」

ソピア「アン……?」

女性「せっかくですからドレスを着て行かれませんか?」

フローラ「……着てみたい」

フィナ「ソフィー、もしあたしたちが男だったら誰が好み?」

ソピア(アンブロシアで見た変な夢を思い出す!!)


1.アン
2.フィナ
3.フローラ
4.その他(名前も)

工業都市の喫茶ネクタール以外だと、行ってないけど商業都市地下街の闇料理研究協会もたぶんアンブリー



ソピア「アンブリーな雰囲気のカフェ無いかな……」

フィナ「そ、ソフィー?」

ソピア「はっ……!」

ソピア(これは……禁断症状!!)

ソピア「えっ、じゃあフィナで」

フィナ「じゃあ、って……。まあいいや」

アン「でも、ドレスの着替えって時間かかりますよねぇ……」

女性「すぐにできますよ」ササッ

女性の腕が素早く動いたかと思うと、アンは一瞬のうちに純白のドレスに身を包んでいた!

アン「わ、わぁ……!」

フィナ「早着替えスキルなら知ってるけど、早着替えさせは知らなかった!」

フローラ「ドレッサーの方ですか?」

女性「はい。ですのでお時間は取らせません」ササッ

フローラもまた小さいサイズのドレスに着替えさせられた。

ドレッサーは裁縫師の上位職で、容姿に関するあらゆる技術とセンスを持っている。

特殊メイクや体型補正ならばともかく、単純な着付け程度ならたちまち終わらせてしまうのだ。

ソピア「わあ……ドレスなんて初めて……!」

ソピア(って言っとかないとね……)

フィナ「あっ、あの……あたし、タキシードがいいです」

女性「ふふ、はい、かしこまりました」

ソピア「えっ、どうして?」

フィナ「せっかく選ばれたしね。あたしはソフィーと結婚します!」

ソピア「ええええ」

女性「ふふ、それだったら、もう少しきちんとおめかししましょう」

3分後。

チャチャチャチャーーン チャチャチャチャーーン

チャチャチャチャン チャチャチャチャン チャチャチャチャン チャチャチャチャン

タララターラッタ タッタッタッタ タッタララーラーラー

ソピア(ドレスで歩きなれてない振りをするの難しい……)

ソピア(それにしても男装したフィナはすごくカッコよかった)

ソピア(もしかしたらクルトさんやロットさんよりカッコいいかもしれない)

ソピア(ドレッサーの技術ってすごいなぁ……)

かく言うソピアもそのドレッサーのヘアメイクによってあり得ないほどの美しさと可憐さを纏っていた。

魔法などなくとも他者を魅了できるほどである。

女性「汝、ソフィアを妻とし病める時も健やかなる時も愛することを誓いますか?」

フィナ「誓います!」

女性「汝、フィナを夫とし病める時も健やかなる時も愛することを誓いますか?」

ソピア「誓います……」

ソピア(これ、どこまでやるんだろう……?)


123 ここで終わり
456 指輪交換まで
789 誓いのキスまでやらせようとしてくる
0 うっかりキスしてしまう
00 フィナが男になる

↓コンマ末尾判定

女性「と、こんな感じです」

フィナ「よかった……。このまま進んでたら我慢できずにキスしちゃうところだったよ」

ソピア「何それ……」

フィナ「いや、真面目に。向かい合った瞬間、自分の性別を忘れちゃうくらいソフィーが綺麗だったんだって!」

フィナ「今も抱きしめたくてたまらない!」

ソピア「さっきはのっぺらぼうって言った癖に……」


フローラ「お二人ともお似合いでしたよ」

フィナ「さっきのソフィーの姿は頑張って忘れよう……」

フィナ「まだ男子を好きになったことないから、このままじゃ女性しか愛せなくなっちゃう!」

ソピア「そこまでだった?」

フィナ「ソフィーはいいよね。気になってる人いるんでしょ?」

ソピア「うん……」

ソピア(気が合うのはたしかにクルトさんだけど、一番信頼してるのはトールくん……)

ソピア(1人しか見えなくなってないから恋とは言えないよね……)

アン「ドレスなんて久しぶりでしたぁ」

ソピア「久しぶり?」

アン「あっ……」

ソピア(私かお姉様のを勝手に着てたんだね)

アン(二人だけの時に謝りましょう……)

ヨットハーバーには大小様々なヨットやボートが停泊していた。

1~2人乗りのジェットスキーも置かれている。

ソピア「うーん、ヨット高いね……。自分で操縦できても結構するよ」

フローラ「代金なら私が払います」

ソピア「そんな……」

フローラ「お気になさらず」


フィナ「いやぁぁぁ海だぁぁぁ深いぃぃぃ」

ソピア「そういえば海ダメだったね……」

フィナ「抱き着かせて! やましい意味はないから!」

ソピア「はいはい」

フローラ「アンさんはウベローゼンでどんなお仕事を?」

アン「新米のナースですぅ。昔はメイドもしておりました」

フローラ「その銃はどちらで?」

アン「あ、これはソフィーが買ってくれた護身用の……」

やがて、ヨットはある場所の近くで止まった。


着いたのは

1.青の洞窟
2.珊瑚礁
3.プライベートビーチ

ソピア「ここはなんですか?」

乗員「青の洞窟といって、見ての通りの幻想的な風景が広がってるんだ」

乗員「女性人気ナンバーワンのスポットだから連れてきたんだけど、お気に召さなかったかい?」

アン「綺麗ですし、とっても珍しいですね、人気も納得ですよぉ!」

ソピア「ラヌーンの方が綺麗かな」

フローラ「まるで海の中にいるみたい……」

フィナ「だからこそ怖い! もし潮が満ちて入口が塞がったら……」ガタガタ

乗員「中にウェットスーツも用意しているけど、潜りたい子はいるか?」

ソピア(マリンがいるし、海の中を歩くチャンス!)

ソピア「はい、私潜ります」

乗員「おお、勇気があるねぇ」

アン「行ってらっしゃいませ~」

フィナ「あたしは泳げないからパス……」

ソピア「泳げなくても大丈夫、さあ行こう」

フィナ「そ、それならフローラも!」

フローラ「ごめんなさい。その、服を脱ぐのは……」

ソピア「恥ずかしいなら仕方ないね。アンはどうする?」

アン「アンも気乗りはしませんけど、どうしてもと言うなら……」


1.一人で行こう
2.フィナも連れていく
3.アンも連れていく
4.二人とも連れていく

ソピア「二人ともついてきて」

アン「了解しましたっ」

フィナ「あたしは了解してない!」

乗員「泳げない人を無理に連れていくのはやめなさい」

ソピア「泳げなくても、この子がいるので」

マリン「はーい」

乗員「魔術師だったか。それなら、自己責任でな」

乗員「あんまり奥に行くなよ。モンスターが出るかもしれないぞ」

ソピア「マリン、水中を歩けるようにできるよね?」

マリン「息ができるようにして浮力を無くせばいいのねー?」


着替えた。

ソピア(エルミスがいないと私が一番小さい……。まあスリムだからいいけど)

ソピア(というよりお屋敷にいたころより格段に痩せてる……栄養失調?)

フィナ「ええ、海入るの……やだ、マジでやだ」

ソピア「大丈夫だよ。私も海に入るの初めてだから」

アン「アンもですよぉ」

フィナ「全然安心できない!」

フローラ「お気を付けて」


水中。

フィナ「んんんんん……!」

ソピア「ほら、息できるし話もできるよ」

フィナ「あ、あれ? 本当だ……」

ソピア「マリンの力だから普通は無理だけど、こうして慣れていけばいいでしょ?」

アン「水中から見ると、また違う美しさがありますねぇ」

フィナ「ソフィー、ありがと」

ソピア「足場デコボコだ……。普通の海底もこんななのかな?」


青の洞窟、深部。

アン「あの、どこまで歩くのですか?」

フィナ「行き止まりまでじゃない?」

ソピア「次の曲がり角の先まで見たら戻るよ。天井低くなってきたから……」


1234 何もなかった
567 モンスターの巣だった
890 宝箱を発見

ソピア「……何もない」

アン「すでに誰か泳いで来てたんじゃないですか?」

フィナ「モンスターが出なかっただけいいって。水中じゃ武器も振れないし回避もできないしさ」

ソピア「……戻ろっか」

ソピアたちは陸地に戻るとシャワーを浴びて着替えた。

フローラ「フィナさん、海は克服できましたか?」

フィナ「うん、海はもう怖くない! ソフィーがいればね!」

ソピア「私依存……!」

アン「みなさん、お腹空きませんかぁ?」

ソピア「どこか食べれる場所を探そう」


ビーチから少し離れた森の中に、フルーツパークと呼ばれる施設があった。

ここではフルフィリアで唯一トロピカルフルーツが栽培されており、見学や食事も可能な観光スポットになっている。

フィナ「やった……ご褒美ですか!?」

アン「アンも甘い物大好きですぅ!」

フィナ「食べつくすぞー!」

アン「おー!」

ソピア「フローラさん、ゆっくり行きましょうか」

フローラ「ええ。ここでは果物狩りをして、採ってきた果物を調理してくださるそうです」

ソピア「果物狩り……果物が暴れるのかな」

フローラ「……? 果物は動きませんよ」


1.バナナ 
2.パイナップル
3.アボカド
4.ライチ
5.ドラゴンフルーツ
6.マンゴー
7.スターフルーツ
8.カカオ
9.ドリアン
0.ココナッツ

↓1、2、3 採れた果物選択、ただしコンマ奇数で果物は動き暴れます

ソピア「なんだかすごい花がある……!」

フローラ「これはバナナの花ですね。まだ実は熟していません」

ソピア「南国の花にも詳しいんですね」

フローラ「好きなものはとことん調べたくなるものでございましょう?」

ソピア「そうですよね」

ソピア「あっ、フルーツ見つけました。……食べれるのかな、これ」

フローラ「ドラゴンフルーツですね。サロデニア共和国ではよく食べられていると聞きます」

フローラ「どんな味がするのかしら……」

ソピア「襲い掛かって来そうな名前……そーっと、採れた」


ソピア「南国の果物で一番美味しいのって何でしょう?」

フローラ「私はマンゴーが一番好きでした。もっと広まってほしいのですけど……」

ソピア「フローラさんが普及するわけにはいかないんですか?」

フローラ「野菜や果物の流通はグリエール商会の青果の支配者が抑えていますので……」

ソピア「支配者……」

フローラ「青果制服を目論んでいる、農家の敵です」

フローラ「あら、これはアボカドの花ですわね。実も近くにあるかもしれません」

ソピア「さっきのものより控えめで綺麗。どんな果物なんですか?」

フローラ「あまり甘くなくて……」

ズシン ズシン ズシン

巨木「……」ヌッ

ソピア「動いてるじゃないですか!」

オオゼキトレント。

高脂質な中型植物モンスター。

エネルギーに満ち溢れており、その巨体を生かして張り手などで攻撃してくる。

ただの太っちょではなく、すこぶる頑健で防御力も高い。



ソピア「マリンビーム!」

マリンがワッペンになっていた円盤を外して両手で掲げると、円盤がぐんぐん大きくなっていく。

マリン「ちょっと強めー」

ビームを受けた幹に大穴が空き、トレントはそのまま倒れた。

ソピア「まともに戦いたくない相手だった……」

ソピア「これがアボカドですか?」

フローラ「ええ。甘くはないけれどとてもクリーミーで、赤みのお魚とよく合うんですよ」


ソピア「あれ? 砂浜に出ちゃった」

フローラ「ヤシの木がありますわね」

ソピア「あれも採っていいのかな」

ゴゴゴゴゴ...

ソピア「何、この音……!」

ドシュウ!

並んでいるヤシの木の一本が、飛んだ。

ソピア「は?」

根に当たる部分から、どう見ても植物の体積を超える量の水を噴き出し、その推進力でヤシが飛ぶ。

大きな葉を動かして方向を変えると、ソピアたちの方へと進路を向けた。

航空ヤシ。

猛スピードで飛ぶ小型植物モンスター。

普通のヤシは海に実を流すことで種を運ぶが、このヤシは自ら飛んでいき各地に実を投下する。

危険性はあるが人間を認識して襲うことはないため小型モンスターに分類されている。なぜ襲ってきたのかは不明。


ソピア「ば、バリア!」

言い終わると同時にヤシがソピアへと衝突した。

フローラ「そ、ソフィアさん……!?」

ソピア「いたた……なんでこっち来るの……」

青く光るバリアの効果でソピアは無事だった。

地面に落ちたヤシは動きを止めている。

フローラ「ご無事でなによりです……素晴らしい耐久力ですね」

ソピア「はあ、ヤシの実は貰って行こう」

ソピア(そういえば樹魔術の中に植物を生やす魔法があったね……)

ソピア(もし覚えれば今の2種類は呼び出せるはず。要らない気もするけど)

一方そのころ。

フィナ「見つけた! 果物の王様!」

アン「逃がしませんよぅ!」


チャンピオントレント。

王者の風格を漂わせる植物系大型モンスター。

トレントらしからぬフットワークの軽い根を持ち、枝先に付いた一際巨大なドリアンを拳のように叩きつけて攻撃する。

幹には蔓がベルトのように巻きつき、中心には大きな花が咲いている。


フィナ「アン、下がってなよ。あれは一発もらえばおしまいだからね」

アン「いいえ。アンも足の速さには自信がありますし……」

アン「あんな大きなフルーツを前にして、食べずにはいられません!!」

フィナ「よく言った! それでこそ甘党だ!」

アン「2人で力を合わせて勝利をもぎ取りましょう!」

フィナ「ドリアン……絶対に狩ってみせるんだから!!」


フィナ ホワイトシーフ 体40 精60 短剣術Ⅱ・連続攻撃・夜目・身軽・忍び足・疾走・緊急回避・針投げ・毒知識
アン レンジャー&ガンマン 体力40 精神70 筋力10 敏捷70 知力80 器用10 交渉力50


アンがどれだけ成長したかのコンマ判定

※このレスのコンマ 銃技系統のガンマンスキル(20ごとに1スキル習得)

↓1コンマ 戦術系統のガンマンスキル(20ごとに1スキル習得)

↓2コンマ+20 医術系統のレンジャースキル(20ごとに1スキル習得)

↓3コンマ アスレチック系統のレンジャースキル(10ごとに1スキル習得)

↓4コンマ 探索系統のレンジャースキル(10ごとに1スキル習得)

アンは絶対病院の仕事をサボって訓練ばかりしてた



アンのステータス
体力40 精神70 筋力10 敏捷70 知力80 器用10 交渉力50
武器:カスタマイズ式ピストル(未カスタマイズ)

※ステータスが低くてもスキルで上書きできます(器用が低くて料理スキル持ちだと、料理だけは器用にできる)

銃技:83 4スキル
戦術:68 3スキル
医術:07+20 1スキル
軽業:45 4スキル
探索:65 6スキル

『早撃ち』…銃を手に取り素早く引き金を引く 『狙い撃ち』…離れた的に銃弾を当てられる
『装填』…銃を見ずに銃弾を装填できる 『片手撃ち』…反動の影響を受け辛くなり片手で銃を扱える

『匍匐移動』…伏せたままある程度の速さで移動できる 『隠密』…遮蔽物を素早く発見し身を隠せる
『視界拡張』…常人より広い範囲にあるものとその動きを見ることができる

『簡易手当て』…簡単な止血や消毒を手際よく行える

『疾走』…高速で走る技術を得る 『身軽』…瞬発力が上がり体も柔らかくなる
『クライミング』…壁や崖を登る技術を得る 『着地』…高所から落ちても怪我をしづらくなり、低所なら着地してすぐに動けるようになる

『アイテム知識』…道具屋で手に入る多様なアイテムの効果的な使い方を知る 『夜目』…暗い所でもものが見える 
『重量挙げ』…荷物の重さを軽減して持つ技術を得る 『聞き耳』…耳を澄ませて小声の内容を正確に聞き取る
『忍び足』…足音をさせずに歩く技術を得る 『嗅覚』…鼻を利かせて些細な匂いを嗅ぎ取る

まとめると、潜入に長けていて銃と色んなアイテムで戦うメイドさんです
ナース要素はほぼないです
器用さが低いので、たぶん戦闘が終わった直後に転びます



~フィナの追加スキルセット~

現在フィナは『短剣術Ⅱ』『体術Ⅰ』『連続攻撃』『夜目』『身軽』『忍び足』『疾走』『隠密』
『緊急回避』…危機に対し反射的に回避を行う
『針投げ』…短い針を投げつける技術を得る、つまりダーツ
『毒知識』…毒の知識を得る、針やナイフに毒を塗れるようになる
を持っています

『針弾幕』…回避困難な広範囲投擲、針の消費が激しい
『遠目』…遠くに目をこらす
『忍び走り』…忍び足&疾走の複合技術、音もなく高速で移動する
『手刀』…急所を叩き気絶させる、急所が分かる相手のみ有効
『開錠』…簡単な鍵を開けられるようになる
『捕縛』…縄で縛る技術を得る、大抵の人間は抜けられない

↓1、2 追加スキル選択 ↓1のコンマ一桁×10÷2分体力が上がる

安価把握で今日はここまで、すいません次回は土曜日です、番外編はその前に投下するかもしれません

ソピア(マリン)が割と無敵になったので、リゾートの町のボスはフィナとアンに戦ってもらいます

普段魔法の撃ちあいばかり書いてるからハイスピードな肉弾戦書くのは新鮮な気分

こんばんは、今日は前スレに番外編だけ投下しました

本編更新は明日です、ごめんなさい


最近、書いてる本人すら地図が分かりづらいと思ったので、ペイントで雑な地図描いてみました

フルフィリア共和国→ http://i.imgur.com/Om6GgzD.jpg
世界地図→ http://i.imgur.com/U5D4uYk.jpg

前スレ995 了解です、腕取れたりミンチになったり全裸になったりしてるので失禁くらい余裕ですね()
前スレ1000 了解です、でも本編で亡命する展開になったらやらないかも

3時半前に開始します

フィナ「ゴー!」

アンとフィナはトレントの左右に別れて走り出す。

トレント「……」シュッ

フィナ(は、早いっ!)

フィナ(師匠との特訓で足は速くなったけど、体はそこまで鍛えられてない)

フィナ(これじゃちょっとかすっただけでも戦闘不能だ……!)

トレントのジャブをかわしたフィナは短剣で根を切り付ける。

フィナ「あっダメだ。短すぎて斬れないや」

アン「こっちもですぅ! 銃弾効きませんよぉ!」

フィナ「ちまちま攻撃してたら埒が明かないね!」

アンが連続で発砲し、トレントの気を引いた。

フィナ(隙を作ってくれた! 今のうちに……)


1.急所を探して攻撃
2.毒のナイフで攻撃
3.怒涛の連続攻撃

※どちらも倒れず安価3回以内に倒さないとドリアンは手に入りません

↓ はずれを引かなければ進行、ただしコンマ0でアンが転ぶ

フィナ(どこかに急所があるかもしれない……!)

フィナ(急所が無くて痛みも感じない大型は、魔術師の火力で焼くか毒で体力を削るかしかないと教わったけど……)

フィナ(毒なんて使ったら果物が食べられなくなるから却下!)

トレントはワンステップでアンの斜め後ろに移動、走るアンの動きを読み拳を繰り出す。

アン「見えてますよっ! あいたっ」ドテッ

ガンマンの訓練で鍛えた注意力でその拳を見切ったが、体勢を崩し転んでしまう。

アン「ひゃぁぁ~!」ザザザッ

しかし転んだのは想定内であった。すぐさま匍匐移動で前進して追撃を回避できた。

フィナ「ちょっと失礼!」

フィナが地面に振り下ろされた枝を駆け上がる。

そして、跳ぶ。

フィナ(あった! 細い枝!)

トレントの光合成のために広げた頂部の枝は、攻撃用の枝に比べて細い。

フィナはトレントのやや太めの枝に着地すると、届く範囲の枝を片端から短剣で切断した。

フィナ「退避!」

危機を感じ、枝から飛び降りる。

地面に着く前に、トレントの拳が頂部の葉を薙いだのが見えた。

フィナが着地するや否やトレントの拳のラッシュが襲い掛かる。

フィナ「どこに目があるんだろうね!」タッ タタッ

アン(フィナさんに攻撃が集中している隙に動かない木に隠れました)

アン(たしかに目を狙えれば有利ですねぇ。問題は木に目があるのか、ですけどぉ……)

アン(もしかしたら別の感覚器官があるんでしょうか?)


1.幹に巻かれたベルトのような花を撃つ
2.果実が変形した拳を撃つ
3.わさわさと動く根を撃つ

↓ はずれを引かなければ進行、ただしコンマ0でアンがうっかり転ぶ

アン(なんとなくあの花が怪しいですねぇ?)

アン(ここからじゃよく見えないので……)

アン「よいしょっ」

アンは近くの木に上り、枝を伝ってトレントの正面に移動した。

アン「やっぱり、音には反応しませんか」チャキッ

アン「うーん、フィナさん邪魔ですよぉ~」

フィナが踵を返し、アンのいる方へ走り出す。

アン「あ、わかってくれましたね」

アン「えい、えい、これでも食らうですぅ」パァンパァン

何度か発砲すると、その内の一発が花の中心を正確に捉えた。

トレントの根が止まり、たちまち幹が曲がりうなだれる。

アン「やりました?」

フィナ「まだ気を抜かないで」

しばらく様子を見ていると、ベルトと拳が光りはじめた。

アン「まだ、生きてますねぇ」

フィナ「ここが一番大事」


1.フィナが接近して師匠に教わった必殺技を使う
2.2人で針と銃弾で一斉攻撃する
3.アンがアイテム『杭爆弾』を投げる

↓ はずれを引かなければ勝利

フィナ「ここは師匠直伝の必殺技で……!」

アン「待って下さい! 変なにおい、しませんか?」

フィナ「しないけど……?」

アン「嫌な予感がしますぅ。遠くから攻撃しましょ?」

フィナ「針刺さるかなぁ……」

アン「大きな花が弱点ですよぉ」

針の投擲と銃弾が何度か花を直撃していく。

アン「しぶといですねぇ、さすがは大型ですぅ」

フィナ「危ない!」バッ

フィナがアンを抱きかかえて跳ぶと、花から撃たれた熱線が、フィナたちのいた位置を通って直線状の木々を焼いた。

焼けた跡から異臭が漂ってくる。トレントから出ていた毒ガスの臭いだ。

ソピア「きゃっ熱い」

アン「ひええ……」

フィナ「光、消えたね……」

アン「と、いうことは?」

フィナ「あたしたちの勝利! ひゃっほーい!」

アン「ドリアン食べ放題ですねぇっ!」


ソピア「おめでとう!」

アン「あらソフィー、さっき声が聞こえましたけどどうしました?」

ソピア「熱線が直撃したよ。バリアがあったからいいけど」

フローラ「お二人とも、素晴らしいですね、まったく目が追いつきません」

フィナ「どうだ見たかー。ソフィーもエルミスもこの速さには追いつけまい!」

ソピア「うん、すごい。フィナがここまで成長するとは思わなかったよ」

フィナ「それソフィーが言う?」

ソピア「私じゃなくてマリンがすごいだけだから……」

アン「早く実を持って行きましょうよお」

フィナ「うん! 拳持って行けるかな?」

アン「アンたちより大きい実、食べるんですかぁ……!?」

フィナ「うわっ樹液くさっ!」

フローラ「とても食べられる臭いではなさそうですけれど……」

もし勝てなかったらマリンビームでドリアンの実ごと消飛んでいました



巨大ドリアンはとても持てる大きさではないので、突起に気をつけて転がして運んだ。

料理人「いらっしゃいませ! 果物をお預かり……きゃあああ!!」

フィナ「これの料理頼めますかー?」

料理人「それ、どちらから……」

ソピア「あちらですけど……」

料理人「危険フルーツ隔離エリアに入ったんですか!?」

フローラ「まあ……そんな場所だったんですか」

アン「みなさん怪我はないので、安心してお料理してくださいねぇ」

料理人「う、承りました……料理長!!」


一品目、ココナッツジュース。

フィナ「うーん、オーソドックス」

アン「甘さ控えめ……」

ソピア「私にはちょうどいいかな」

フローラ「久しぶりに飲みました」


二品目、ドラゴンフルーツゼリー。

ソピア「わっ、甘酸っぱい」

フィナ「ドラゴンフルーツは味が薄いから、レモンとかの酸っぱい果汁を混ぜると美味しくなるんだよ」

アン「もう少し甘さが欲しいですねぇ」

フローラ「砂糖は高級ですからレストランのデザートは甘いのでしょう。でも素材の味もいいものですよ」


三品目、サロデニアロール。

ソピア「よく分からないものが出てきた……」

フィナ「これ、デザートじゃないよね?」

フローラ「異国でたべられている巻き寿司という食べ物のはずです」

フローラ「アボカドと、カニ、穀物でしょうか……?」

アン「ソフィー、どうですかぁ?」

ソピア「もぐもぐ……」


↓コンマ ソピアの満足度(ケバブは15、アンブロシアは85でした)

コンマ:10 無理しないと食べられないレベル


ソピア「うぇっ……」

フローラ「ソフィアさん、苦手でしたか?」

ソピア「なんか黒い紙が入ってた……」

フィナ「げっ、あたしのにも入ってる!」

フローラ「それは海苔という海藻の仲間でございます。ご存じなかったのですか?」

ソピア「お寿司は食べたことあるけど、海苔なんて無かったよ……」

フィナ「うそ、海藻入ってたの!? あんなの雑草食べるようなものじゃん!」

アン「アボカドだけ抜いて食べましょうか。……ねっとりして脂っこいですぅ」


四品目、ドリアンケーキ。

最後に登場したのはドリアンの果汁を練りこんだしっとりとした生地を焼いたホールケーキ。

全員が顔をしかめ、鼻をつままずにはいられなかった。

ソピア「やっぱり普通のドリアンじゃないから食べられないんだよ……!」

フローラ「ちょっと……席を、外しますね……けほっ」

フィナ「ええい! 頑張って採った果物なんだ、死んでも食べてやるう!」

アン「で、ではアンから一口……はむっ」

アン「……………………」

ソピア「あ、アン?」

アン「この甘さを待っていましたっっっ!!」

フィナ「そ、そこまで!? よし、あたしも……!」

フィナ「もぐもぐ……………………生きてるって幸せっ!!」

ソピア「こ、これ変なもの入ってるんじゃないの……?」

フィナ「ソフィーも!」

アン「口を開けて!」

フィナ・アン「さあ!!」

ソピア「うわああ」


↓コンマ+10 ソピアの満足度

コンマ:37 アンブラー卒業は果たせない


ソピア「うん……甘すぎてしつこいかな」

フィナ「ソフィーは甘党じゃなかったかー」

アン「どうしましょう、美味しいですけど食べきれませんよぉ」

マリン「ワタシにお任せー♪」

ソピア「大海原のような胃袋を持つマリンなら!」

アン「あーん、してください」

マリン「あー、ううっ! 臭いわー!」

ソピア「ダメなんだ……!?」


フィナ「ふう、結局全部食べちゃったよ」

ソピア「フィナ……歩ける?」

マリン「息が臭いわー!」

フローラ「まだ臭いが残ってますのね……」

アン「ソフィー、アンばかり楽しんでごめんなさい……」

ソピア「いいよ。私はいつももっといい物食べてるから」

ソピア「そうだ! みなさんも今度私のお勧めのカフェに行きましょう。さっきのドリアンの10倍は美味しいと断言しますよ」

フィナ「へえ、それは楽しみ」

フローラ「ぜひご一緒させてください」

アン(あれ? お嬢様からそういう話を聞いたはずなんですけど、ど忘れしちゃいました……)


フィナ「あっ、帰る前に。心の友のアン、これどっちか持って行ってよ」

アン「ドリアンから取ったアイテム、ですかぁ?」

フィナ「どこかで高く売れるかもしれないからね。遠慮せずに」

アン「ソフィー、どっちがいいですかねぇ?」

ソピア「あ、私が選ぶんだ」


1.ドリアンの甲殻……凹凸のある果実の果皮。大型動物モンスターの甲殻と並ぶ硬さを持つ。
2.チャンピオンツタベルト……チャンピオントレントに勝利した証。毒ガスや周囲の物を認識するための成分を分泌する器官でもある。

ソピア「じゃあこっちのベルトがいいんじゃないかな。殻は重そうだし」

アン「わかりましたぁ。ではそういうことで」

フィナ「OK。殻も思ったより軽いけどなぁ」

ソピア(バッグの中に使い道のないアイテムが溜まって来た)

ソピア(普通は仕事の報酬だけじゃなくて、こういうアイテムを売ってお金にするんだっけ)

ソピア(衣類ならクリスティさんが二次加工してくれるかな)

ソピア(錬金術師なら何でも加工してくれそうだけど……あの魔法少女は会いたくない)


ソピア「お昼だ。そろそろ町を出ないと」

アン「ヒレアさんとハルカさんがお待ちしてますぅ」

フィナ「そうだね。いやー、短くてもしっかり観光できるもんだね」

フローラ「時間の使い方が大事ですね」


プエルトマリハラからハーバリアへの道は3つに分かれている。

1.砂浜を歩く道。砂浜が無くなると街道に合流する。
2.街道。整備されたお洒落な道。
3.海沿いの丘を歩く道。途中に村がある。

↓起きるイベントが変わります

プエルトマリハラからハーバリアへの道は3つに分かれている。

街道に沿った砂浜、そして高台にある海の見える村に行く道には、モンスターが出没する。

しかし、その2つの道とは崖で隔てられているため、街道にはモンスターがあまり現れない。国内屈指の安全な街道だ。

明るい色のレンガが敷かれた街道には、ところどころに花も植えられていた。

ソピア「なんだか散歩気分で歩けるね」

だが、ソピアが通る時に限ってモンスターが現れた。


↓1、2コンマ >>7の表でモンスター作成

ソピア「亀がいる」

フィナ「こっち見てる」

亀「……」

アン「横を通ろうとしたら靴に噛みついてきそうな感じ……」

ソピア「一々足を止める相手じゃないよね。適当に、えい」

月魔術の光線魔法を撃つ。しかし亀は平気そうだ。

ソピア「あ、あれ? じゃあ逆に……」

日魔術の魔法弾を撃つ。しかし亀に当たった魔法弾は弾かれた。

ソピア「なんで!?」

ソピア「これならどうだ! ……やった!」

対象を追尾する黒い羽根は亀にびっしりと突き刺さった。しかし次の瞬間羽根は一斉に弾かれて消滅した。

ソピア「……そんな馬鹿な。マリンビーム」

マリン「えーい♪」

直撃した。それなのに、亀は生きていた。

ソピア「……全力!」

マリンは円盤を巨大化させ、そこに光を集中させる。

そして、ソピアたちを何度も苦しめた死の青い光が小さな亀を襲う。

ソピア「はあ……亀相手にむきになっちゃった」

亀「……」

ソピア「な、何なの!? こ、この亀、一匹でラヌーンを滅ぼせるほど強いの!?」

アン「ソフィー、落ち着いてくださーい! 魔法が効かないモンスターなんですよぉきっと」パァン

亀「……」カキィン

しかし銃弾もまた魔法と同じように弾かれた。

フィナ「ええい何やってんの! 急所狙わないからだよ!」

フィナ「必殺……凶刃瞬殺舞ッ!!」

ソピア(フィナが消えた……!?)

3秒間、斬撃の音と人の動く音だけが聞こえると、フィナは再び姿を現した。

フィナ「柔らかそうなところに秒間10発の斬撃を与えた。人間でも確実に葬る必殺技だよ……どうだ、亀!」

フィナの連撃によって宙を舞っていた亀が地面に落ちた。しかし傷一つない。

フィナ「あああああ……化け物だ……!」

フローラ「あの……私にお任せいただけませんか?」

ソピア「フローラさん……?」


フローラが持っている護身用武器は

1.花が好きなので花のムチ(威力は全く無いけどリーチが長くて毒・麻痺・眠り効果付き)
2.経営しているお店のナイフ(特注のマジカル刀身で硬いものでも切れる)
3.商人なので金貨袋(お金で殴る攻撃、リーチも威力もそれなり)

フローラはどこからか緑色のツタのようなものを取り出した。

フィナ「何それ?」

フローラ「一応、鞭です」

ソピア「えっ、フローラさん戦えるんですか?」

フローラ「護身用でございます。今まで使う機会はほとんどありませんでした」

鞭の先端につぼみが出来、あっという間に白い花が開いた。

フローラ「……やっ」ピシッ

フローラが器用に鞭を操り、先端で亀を叩くと、白い花から花粉が舞う。

すると亀がビクッと動き、背を向けて逃げ出そうとする。

フローラ「あとは……」

道端に一つ外れていたレンガを重そうに持ち上げて、亀の上に落とすと、どうやら亀は死んでしまったようだ。

フローラ「無視してもよかったのですけど、どうしても退治したかったのでしょう?」

アン「わぁ、すごく美しい鞭捌きでした!」

フィナ「フローラ……あんたが最強だよ!」

フローラ「試しにやってみたら上手くいっただけでございます……」

ソピア「でも、どうやって……」

フローラ「私はあの亀を知っていたので。あれはクマガメです」


クマガメ。

ツノガメの近縁種。危険性はツノガメよりもさらに低い。

非常に臆病で危険を感じると魔法で防御状態に入る。臆病すぎてペットには向かないほど。

防御状態ならば、高温高圧でも超低温でも極限乾燥でも真空中でも生存できる耐久性を誇る。


ソピア「なるほど……。その鞭はどうなってるんですか」

フローラ「私の意思に応じて花が咲きます。白い花には魔法解除の効果があったようですね……」

フィナ「世の中、いろんなモンスターがいるんだねー」

アン「今の亀さんくらい硬くてしかも凶暴な生き物がいたらどうしましょう……」

フィナ「あー、そんなのがいたらもっと有名になってると思うよ?」

フィナ「それにしてもさ、あんなに鞭が上手いんならエルミスに言ったら喜びそうだね」

ソピア「そうだね。変わった戦い方する人が好きだったよね、エルミス」

フローラ「や、やめてください!」

フローラ「そんなことを知られたら、エルミスさんは私を冒険に連れ出そうとするでしょう……!」

フィナ「フローラにしては珍しい大声だ。そんなに嫌なんだ!?」

フローラ「冒険は構いませんが、人と争うのは嫌いなので……」

ソピア「分かりました。エルミスには黙っておきます。フィナ、気を付けてね」

フィナ「ぜ、善処しまーす」

フローラ「どれほどの額を渡せば黙って頂けますか……?」

フィナ「え、ええっ!? お金!?」

ソピア「フローラさんご乱心……!」

フィナ「いや、お金は欲しいけど、内緒にできるかどうかはあたし次第だからさ……」

フローラ「記憶を消去する薬、どこかの店舗にあったかしら……?」

フィナ「うわああ助けてソフィー!」

アン「あはは……休憩所が見えましたよぉ。少しだけ座りませんか?」


この街道の休憩所にはトイレやベンチだけではなく、レストランや道具屋が併設されている。

滅多にモンスターの出ない(出てもあまり危険ではない)街道ならではの休憩所だ。

アン「道具屋は見ませんよね?」

ソピア「うん、少し座って休んだら出発するよ」

ソピア(アン以外はまだ疲れてないしね……)


ソピアのことを一方的に知っている人が話しかけてきます

↓ その人の職業を指定(>>4-6からどれでも)

おっと補足
ソピアの事を知っているというのは、勲章を授与された魔術師のソフィアとして知っているという意味です

↓安価下

ソピアの正面のベンチに、柄の長い漆黒の大鎌を携えた細身の男が脚を組んで座っていた。

鎌と同じ漆黒のブーツとロングコートを着用しており、口元を隠す無駄に長いマフラーが風も無いのにたなびいている。

グレーの長髪の隙間から覗く赤と銀のオッドアイはソピアをじっと睨んでいるように見えた。

ソピア(観光地なのに死神がいる……!)

ソピア(みんなスルーしてるけどあれは絶対おかしい……!)

死神「……」スッ

ソピア(うわあこっちに歩いてきた!)

死神「『神殺』のソフィアか……」

ソピア「は、はい?」

死神「奇遇だな」

フィナ「ソフィー、死神の知り合いいたんだ?」

ソピア「いやいやいやいやそんなわけない」

死神「そうだ。俺は『死神』。また後で会おう」

死神と名乗った男は音も立てずに歩き、休憩所から出ていった。

ソピア「…………会いたくない」

フローラ「ソフィアさん……頑張ってください」

ソピア「何を……!?」

アン「ソフィー、死なないでくださいねぇ……」

ソピア「ごめん、突然死ぬ気がしてきた……」


ソピア「フィナ……さっきの、アサシンの人じゃないの?」

フィナ「いやー、あんな人見たことないよ」

ソピア「本当に?」

フィナ「一度見たら忘れない格好でしょ?」

ソピア「たしかに……」

フローラ「あら、アンさん。何か落としましたよ」

アン「あ、本当ですね。ありがとうございますぅ」

ソピア「何を落としたの?」

アン「拳銃ですよぉ」

ソピア「私がプレゼントしたものだ。大事にしてよ……」

フィナ「ちょっとアン、また落としてるしー」

アン「ごめんなさーい! ん? これはアンのものじゃありませんよぉ?」

ソピア「何が落ちてたの? 見せて」


1.猫がデザインされたポーチ
2.『呪』と書かれたお札
3.たくさんの小瓶が入ったバッグ

ソピア「猫のポーチだ。かわいい」

アン「落し物でしょうか?」

フローラ「この道は人通りが多いので、よくあるのでしょう」

ソピア「さっきの休憩所に届ける?」

フィナ「ちょっと待って。……これ、落ちてから間もないよ。ハーバリアの方に向かったと思う」

ソピア「なんで分かるの……?」

フィナ「汚れが積もってないのと、ポーチの向きで分かるんだ」

フィナ「ふふん。ちゃんとホワイトシーフとしての知識も学んでるの! 戦いだけじゃないよ!」

ソピア「ハーバリアまで行けば持ち主の人いるかな?」


ソピアたちはハーバリア市に到着した。

特に厳しい検問は受けず、すんなりと入ることができた。

ソピア「あっ、新しい市場ができてる。この間来たときは無かったよね」

ソピア「って休業のお知らせ? できたばかりなのに」

フローラ「それは……」

フィナ「あたしがぶっ潰した、のかな……?」

ソピア「えっ……」

フィナ「まあ、話すべき時が来たら話すよ。少なくとも表で話すことじゃないしね」

ソピア「分かったよ」

アン「まずはネコポーチの持ち主を探さなきゃですねっ」

フィナ「あっ、あの人じゃない?」


1.見るからに挙動不審な人
2.ピンクのロリータ服の女性
3.死神

人「あれぇー? ないねぇ。どこ行ったー?」

フィナ「ほら、あの人」

アン「何かお探しのようですねぇ?」

ソピア「あの、すいません。これお探しですか?」

顔を上げたその人物は色々と変わった人だった。

フィナ「ってこの人……!」

ソピア「変な人だけど、知り合い?」

アンがソピアに耳打ちをする。

アン「……共和国軍の衛生兵長、『貴腐』ですよぉ!」

ソピア「……えっ」



やっと出番をもらえた貴腐さんの設定安価

※今決まっていること(元ワイン職人で人体実験が好きな変人の衛生兵長。弱点は先端恐怖症と高所恐怖症)

↓1 『貴腐』は、男性?女性?

↓2、3 『貴腐』は具体的にどんな変人?(例:口が軽過ぎる、常に酔っている、エア友達がいる、脱ぎ癖がある など)

なんかバルザックみたいな特徴になりましたが、貴腐は泥酔しませんしある意味実力の伴った女好きにします


↓1 ソピアたちの反応的に見るからに変な人なので、見るからに変な見た目の特徴を

白服と恋のライバルという設定があるので、もし女性だったら同性愛者属性が追加されてました



ソピア(彼を目撃した時からずっとワインのにおいがしていた)

ソピア(近づくにつれてそのにおいは強くなり、後ろに立った時にはまるで私がお酒を飲んでいるかのような気分になった)

貴腐「おや、君可愛いね。もっと綺麗になりたくない?」

ソピア「そんなことより、このポーチ、あなたのものではないですよね……」

貴腐「あ、違うよ。私が探していたのは愛しきレディーたちさぁ」

ソピア(彼が顔を上げて振り返ったときから、頭のキノコに目が行ってしょうがない……)

貴腐「あ、他にも可愛い娘たちがいっぱいじゃないか」

貴腐「ねえ君たち、永遠の命は欲しくない?」

ソピア「いりません」

貴腐「でも好きな時にやめられるんだよ?」

フィナ「え? じゃあ――」ガバッ

アン「あなたの持ち物ではなかったんですねぇ。お時間を取ってごめんなさいですぅ」

余計な事を言いかけたフィナの口を塞いで、アンが話を終わらせようとする。

貴腐「あれ? 君からアンブラーのにおいがするよ」

ソピア「え、もしかしてあなたもアンブラーですか?」

貴腐「そうだよ。ワインにも合うよね。あっでも君まだ飲めないか」

貴腐「今度一緒に食べに行かない? アンブラー皆友達さ」

ソピア「…………い、いえ」

ソピア(危うく首を縦に振るところだった……アンブラーつながりはずるい!)

貴腐「それなら」

ソピア(しつこい!)

ソピア「あの! な、なんでずっと凄い猫背なんですか?」

貴腐「ああ、高い所は怖いからね」

ソピア(自分の身長でも駄目なの……!?)

貴腐「ああー! 私のレディーたちが帰ってきたよ! どこに行ってたんだい心配したよぉ!」

アン「だ、誰もいらっしゃりませんけどぉ……」

貴腐「ここにいるじゃないか。こ、こ」

貴腐は自身の手の甲を指さしている。

貴腐「大好きな人とは常に一緒にいたいものだろう? でも空間にはキャパシティがあるよね」

貴腐「だから私は人間を菌に変える技術を生み出したのさ。いつでも100人のレディーと共に過ごせるようにね!」

ソピア「……!」

アン「…………」

フィナ「う、うわあ……」

ソピア・フィナ(まさか『はい』と答えていたら菌にされていた……!?)

貴腐「ほら、3人のレディーが君の頬にいるよ」

ソピア「いやあああ!!」

貴腐「同じ女性なんだからそう怖がらなくていいのに。君もしかして大の人見知り?」

フィナ「あ、あたしたちもう行っていいですか!? フローラがお酒のにおいで気分悪くなっちゃいました!」

貴腐「私、お酒飲んでないよ? ただ私の周りで常にアルコール発酵が起きているんだ」

貴腐「ん? んん? フローラって君……あはは、久しぶりだねぇ。相変わらず美し――」ピシッ

貴腐「おやすみマイレディー」zzz...

青い花の鞭が貴腐を眠らせた。効いたのかフリなのかは分からないが。

フローラ「はー、はー……」

フィナ「ふ、フローラ?」

フローラ「行きましょう……変な菌を吸わないうちに!」

フィナ「フローラ、貴腐と知り合いだったの?」

フローラ「グリエール商会のパーティで、一度だけお会いしました」

アン「でもこのポーチは一体誰のなんでしょう?」

猫姫「にゃにゃっ!? そのポーチ、みゃーのだにゃー」

先程遠くにいたピンクのロリータ服の女性が話しかけてきた。

頭にはネコ耳のカチューシャをつけている。

ソピア「あなたが落としたんですね……お返しします」

猫姫「にゃー、ありがとにゃー。にゃにかお礼をしにゃいとにゃ」

ソピア「いえ、そんな……」

猫姫「にゃふにゃふ……これあげるにゃ」

ソピア(にゃふって何だろう……)

女性が手渡してきたのはネコのぬいぐるみと名刺だった。

ソピア「かわいい……けど、いいんですか?」

猫姫「その娘がいつかみゃうを守ってくれるにゃ。お守りだにゃ」

猫姫「よかったらぜひカフェにも遊びに来てにゃ」

名刺に目を落とすと、『カフェ:ねこまみれ  店長 猫姫』と記載されていた。

ソピア「ねこまみれってどこかで聞いたような」

猫姫「本店はウベローゼン市にあるのにゃ」

ソピア(そういえば、アンブロシアに初めて行った日、メリルさんからもらったメモの中にあったね)

猫姫「にゃんにゃー! ありがとにゃー」

女性はポーチを振り回しながら去って行った。


ソピア「死神や猫姫さんが気にならないくらい、貴腐、怖かったよ……」

アン「まだ寝てますねぇ。起きないうちに町を出ましょう」

ヒレア「お姉ちゃん! よかった……!」

ソピア「あ、熱中症治ったんだね」

ヒレア「貴腐と接触した時はどうしようかと思ったわ……」

ソピア「もう4人目だから大丈夫だよ」

フィナ「ふっふっふ。あたしはすでに全員一度は会ってたんだよねー」

フローラ「何の自慢にもなりませんよ……」

ヒレア「ハルカは出口で待ってる。さ、行こう」

ハーバリア郊外、海が見える坂道。

フィナ「あれ? そっちから行くんだ?」

ソピア「王都は検問が面倒だって聞いたからまっすぐ行った方が早いと思って。山道だけどアンとフローラさんはいいですか?」

アン「長い道は疲れますけど、山道は平気ですよぉ」

フローラ「みなさんが行くのでしたら一緒に行かせてください」

ハルカ「決まりね。一応整備されてない道だから周囲には気を付けて」

ソピア「マリンがいるから不意打ちは受けないよ。そういえばマリンと初めて会ったのもここだったね……」

ヒレア「お姉ちゃん、こんなところ通ったのね」

ソピア「そうだよ、しかも駆け出しの頃に」

フィナ「今は楽々進めるんだもんね、時の流れは早いなぁ」

ソピア(この後何度かモンスターには会ったけど、クマガメの時みたいに焦らずに対処できた)


ウベローゼン市、宿屋。

ソピア(なんだかウベローゼンの宿屋も久しぶりだね)

ソピア(一ヶ月程度拠点にしてただけなのに、帰ってきたって感じがして安心するよ)

ソピア「メリルさん、こんにちは」

メリル「おおルーちゃん、お帰りなさい! 長旅お疲れさま!」

ソピア「ありがとうございます」

メリル「聞いてるよ! ラヌーンまで行って神様を退治してきたってね!」

メリル「勲章も貰ったんだろう?」

ソピア「はい、これです」

メリル「ほほう。でも『神殺』なんてルーちゃんには似合わないねえ。いや、疑っちゃあいないよ」

ソピア「か、神殺?」

メリル「強者の勲章か英雄の勲章をもらうと二つ名が付くのさ」

メリル「ルーちゃんは不死の怪物吸血鬼とラヌーンの海神を討伐した功績で、神ですら殺せる少女だから『神殺』」

メリル「……って新聞に載ってたけど、もうちょっと可愛くできなかったもんかねぇ」

ソピア「私、神殺し……」

今日はここまで、次は23日です

次は王子・逃亡貴族が大集合、ソピアの今後が大体決まる重要安価もあります

もう少しの間、最終章の登場人物の顔見せパートが続きますが、それが終わればラストの自由行動に入ります

誰との交友度を上げるか、誰に究極魅了魔法を使うか、考えておいてください(安価を踏めるとは限りませんが……)

あっ、その前に

↓1コンマ+50 フィナの交友度が上がります(最低80)
↓2コンマ+50 フローラの交友度が上がります(最低80)

フィナ「ソフィーは大事な親友、だけど…」(親友:9.15→9.95)
フローラ「エルミスさんには内緒ですよ」(友人:5.18→6.13)


と、いうわけでこれで今夜の更新終わり

交友度はマックスじゃなくても敵対・死亡フラグ解除はできます

そしてマックスじゃなくてもコンマ次第で仲間になる可能性もありますが、あまり期待しない方がいいかもしれません……

前スレで黒幕予想に挑戦してるレスが一つありましたが、前スレで出したキーワード『欲』『根』『心』は、ただ黒幕A~黒幕Cと書くとどのコンマが出ても1が決めた黒幕にするという不正があり得るので用意しただけです

でも結局全員黒幕になったので意味はなかった。キーワードだけで予想しようとするのはたぶん無理です

宿屋。

ソピア「ああ、私の部屋だ……」

アン「お宿ですけどねぇ」

ソピア「あの人(王子)はどこで待ってるの?」

アン「分かりません。この間も部屋に来ただけだったので……」

ソピア「ちょっと宿屋の周りを歩いてみようかな」


1.清掃員:メヒィアス夫妻と話す
2.レスキュー:キアロと話す
3.剣士:ウィア&マッドと話す
4.新聞を読む
5.ロットやオルドがたむろしている最寄りの酒場に出向く
6.お金もあるし最寄りの道具屋に行ってみる

↓ 正解引いたら進行(わざと別の事してもペナルティはないです)

ソピア「メリルさん、新聞見てもいいですか?」

メリル「ああ、いいよ。自分がどう書かれてるか気になるのかい? ほら」

ソピア「い、一面記事!?」


~フルフィリア全国新聞~

■■共和国軍、16歳に英雄の勲章を授与■■

●ラヌーン島航路開拓、吸血鬼討伐も

フルフィリア共和国軍は○日、ウベローゼン魔法局所属、月魔術師のソフィア氏(16)に、国家への多大な貢献を示す英雄の勲章を授与した。

同勲章は王制時代にも存在したが、共和国軍が認定した英雄はこれで○人目である。

彼女の功績は、ラヌーン島上陸およびフルフィリア北海流の停止、ラヌーン国崩壊への貢献、先日の吸血鬼騒動の解決であると発表された。

ラヌーン国崩壊の過程で同国の主神である海神を討伐したことから、彼女には『神殺』の称号が与えられた。



~フルフィリア全国新聞(昨日)~

●アイドルシンガーROKKA含む数名行方不明、ラヌーン国による拉致か?

第一回スクーニミー共和国立大学合同広報祭典の二日目、人気タレントROKKA(16)が初の生ライブ直後に姿をくらませた。

彼女の捜索にあたっていた警備員数名も行方不明になっており、ROKKAのファン層を中心に責任者への非難の声が広がっている。

沖合に海賊船を見たなどの不確定な情報からラヌーン国のが起こした事件であるとの認識が広まっているが、

ラヌーン国への公式の上陸記録は残っておらず、その存在は確かめられていないと言える。

士官学校および共和国軍はこの事件を自然災害であり、行方不明者の捜索は続けていると発表した。



~フルフィリア全国新聞(再び今日)~

●フルフィリア北海流停止、海運、漁業、軍事に影響

ソフィア氏による海神討伐に伴い、フルフィリア北海流が停止した。

これまで長きに渡って船の出せなかった海が航行可能になり、様々な業界が大きな衝撃を受けた。

北海に面するスクーニミーでの港湾開発が急がれる。


●ラヌーン島で紛争発生、ノーディス、ジャルバとの対立強まる

ラヌーン島に上陸した共和国軍とノーディス軍、ジャルバ軍による領有権を賭けた三つ巴の紛争が幕を開けた。

海流の停止によって北海の航行が可能になったのはフルフィリア共和国だけではなく、海洋資源を狙った両国が積極的な介入を行ってきたためと推測される。

両国との国境にある、山脈の入口の町、砂漠の入口の町の経済への悪影響が懸念されている。


ソピア「改めて記事で読むと、私とんでもないことしちゃったなぁと……」


1.共和国大統領選、途中経過
2.アイドルシンガーROKKA休業
3.小売王マニー・グリエール氏自殺
4.逃げ回る俊足の大型モンスター、街道の奇妙な濃霧に注意
5.ウベローゼン市、共和国軍古城調査隊全滅
6.ウベローゼン魔法街、復興進む

※下1コンマ ソピア以外の共和国の英雄の勲章を持つ人数(12…2人 34…3人 56…4人 78…5人 90…6人)

↓2まで、複数選択可

ソピア「3日前から大統領選が始まってたみたい」


●共和国大統領選、途中経過

 氏名・支持率
ブラッドレイ候補(元帥) 51%
オーグロス候補(鬼顔) 20%
アルフレッド候補(勇者) 19%
○○候補(知将) 6%
△△候補(魔導長) 4%
□□候補(唯一の一般人) 1%

共和国軍元帥ブラッドレイ候補が過半数を超える支持率で独走している。

大統領選は2日残っているが結果に変動は無いと考えられる。

●支持者の声

・ブラッドレイ候補支持者
「最もリーダーシップを持つ人物が大統領にふさわしい」「革命を先導したのだから新体制でも主導権を持つべき」
「家族への愛情が深い人物だと聞いて好感が持てた」「守備を得意とする重装騎士なので安心感がある」「軍人の中じゃ一番マシ」

・オーグロス候補支持者
「民衆を引っ張っていく力がある」「強い国を作ってくれるに違いない」「保守派なので保守的な彼に投票する」

・アルフレッド候補支持者
「若い力は新しい体制の象徴」「聖教会の信徒なので、聖騎士の勇者を支持します」「リーダーは求心力が大事、優秀な政治家は大臣を務めれば良い」

・知将支持者
「大統領には政治力が重要」

・魔導長支持者
「ご高齢ながら温和で人柄もよく人生経験豊富であるため」

・一般人支持者
「軍人は軍務に集中していてほしい」


ソピア「エルミスのお父さんで確定、かな……」

英雄の勲章持ちは他に3人います



●逃げ回る俊足の大型モンスター、街道の奇妙な濃霧に注意

近ごろ、町の周辺に大型モンスターが頻繁に出没すると、各ギルドが警戒情報を出している。

そのモンスターの周囲には必ず真っ白な霧が立ち込めており、目撃者によると狼の姿をしているという。

人間を見かけるとすぐに逃げ出す習性があるようで、討伐を試みた数名以外に怪我人は出ていない。

剣士ギルドの代表は、『もし遭遇しても慌てずにその場を離れて下さい。絶対に大声を上げるなどして刺激してはいけません』と注意を呼び掛けている。



~ウベローゼン新聞~

●魔法街、復興進む

先週、吸血鬼の攻撃で破壊された魔法街の修復は急ピッチで進み、現在では多くの施設が営業を再開した。

共和国軍の魔導長氏が、岩魔術師および技術職の軍人を数多く派遣したことによる影響が大きい。

魔導長氏は本誌の取材に『私にとって魔術師は子供たちのようなもの。後進の育成の助けになれば嬉しい』と語ってくれた。


●『神殺』を名乗る偽物に注意

魔法街で『神殺』の称号を持つ月魔術師ソフィアを騙る偽物が出没している。

その狙いはサービスや商品を格安で提供させることにあるようで、すでに何件かの被害が出ているようだ。

魔法局は勲章の提示を求めるよう呼びかけている。


ソピア(間違えられて軍に捕まればいいのに……!)


1.清掃員:メヒィアス夫妻と話す
2.レスキュー:キアロと話す
3.剣士:ウィア&マッドと話す
4.ロットやオルドがたむろしている最寄りの酒場に出向く
5.お金もあるし最寄りの道具屋に行ってみる
6.前に会ったことある人が宿屋に来ている

↓ 正解引いたら進行(わざと別の事してもペナルティはないです)

宿屋の横の道具屋には旅人のみならず観光客や商人、戦士も集まる。

そのため、町中の道具屋よりも品揃えは豊富だ。

ソピア「道具屋に来るのも久しぶりだね」

ソピア「前来た時は月の石を買ったんだっけ……」

アン「あらぁ?」

ソピア「アンも来てたんだ」

アン「役立つアイテムは買っておいて損はありませんからねぇ」

ソピア「アンはお金持ちだね……」

アン「ソフィーは知らないかもしれませんけどぉ、普通は訓練の時間すら削って仕事するものなんですよぉ」

ソピア「うそっ、そんなことしてたらできる仕事の幅が増えないのに」

アン「はい。だから皆さん普通は上位職になるまで数年かかるのが普通なんですよねぇ」

アン「何かお探しですか?」

ソピア「なんとなく来てみたの。役立つものがあればいいなって」

アン「それなら、アイテム知識のあるアンにお任せあれ♪」

アン「食品はいらないとして……あれとあれと……回復は魔法街の方が……」


1.冒険用アイテム(旅や探検の必需品、アイテム合成用にも)
2.プレゼント(ソピアの知人が喜びそうな贈り物をいろんなジャンルからセレクト)
3.乗り物(馬車や自転車ほか)
4.訓練用アイテム(訓練効率を上げる、ギリギリだけど絶対役立つ)

↓2くらいまで 複数選択可

~ソピアの知人が喜びそうなプレゼント(アン・セレクション)~

・ウサギなエプロン 500G
「普段女の子っぽくない娘でも可愛いものは絶対好きですからっ!」

・付けヒゲ 50G
「お笑い好きな人にはこれですねぇ。安いです」

・ハンドポーション 500G
「アンも使ってますけど手荒れや怪我にすごくよく効くんですぅ。武器系職業の女の子にはぴったりじゃないでしょうか」

・スマートなネクタイ 400G
「よくある恋人へのプレゼントですぅ。ネクタイをしてるだけで男らしく見えませんか? えっアンだけ?」

・タフネス眼鏡 700G
「防具用の素材でできた、乱暴に扱っても壊れないメガネですぅ。思ったより軽いですねぇ」

・タフネス腕時計 2500G
「タフネスシリーズの腕時計です。高級感が漂ってますねぇ」

・フラワーヘアピン 200G
「ちょっと子供っぽいですかね?」

・お洒落な手鏡 600G
「なんだかお嬢様感のある手鏡ですぅ。あ、でもソピアお嬢様にはあまり似合わない……」

・職人のビューラー 1000G
「外国の職人が作った化粧道具ですね。お化粧をよくする人にはいいんじゃないでしょうかぁ?」

・座布団 500G
「外国のマットレスです。昔、サムライがこの上で瞑想してるのを見たことがありますよぉ」

・おてんばワンピース 750G
「メイドとしての意見ですけど今どきなデザインで可愛らしい上にすごく作業がしやすそうです。……ってあれ、ごめんなさい。これはお人形の衣装でした」

・男殺しの香水 1000G
「プレゼントではないんですが、お嬢様の魅力がアップします♪ 軽い男なら一発でオチますよぉ……うふふ」

・ミニステンドグラス 700G
「綺麗なインテリアですねぇ。聖教会の人が好きそうです」

~訓練用アイテム~

・訓練神のお守り 1000G 訓練時コンマが20未満でも、習熟度が最低20は上がる
・旅行パンフレット 750G 旅人スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる

・大きな月の石 1000G 月魔術師スキル訓練時、出たコンマに40プラスされる

・凸レンズ 750G 日魔術師(または樹魔術)スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・純水 750G 水魔術師(または樹魔術)スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・高温袋 750G 火魔術師スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・虹色水晶 750G 岩魔術師スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・手持ち風車 750G 風魔術師スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・聖水 750G 白魔術師スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる
・黒い骨 750G 黒魔術師スキル訓練時、出たコンマに20プラスされる


~冒険用アイテム~

・野営セット(テントや寝袋、マッチなど) 1000G 野宿の必需品詰め合わせ

・濃縮水 100G 一口で水分補給できる(素材アイテム)
・毒薬 100G 武器に塗れば毒攻撃ができる(素材アイテム)
・火薬玉 80G 投げると破裂して敵をひるませる(素材アイテム)
・木の棒 50G しっかりした棒、杖や武器になる(素材アイテム)
・シューズ 80G 走りやすい運動用の靴(素材アイテム)
・ブーツ 100G 活動的な革の長靴(素材アイテム)
・強化繊維インナー 100G 少し防御力のある下着(素材アイテム)

・煙爆弾 150G 投げると普通の爆弾より煙が出る
・スタン爆弾 200G 投げると光と音で敵をひるませる
・杭爆弾 300G 投げると爆発と共に杭が発射される
・スタンガン 5000G 電圧で敵を気絶させる武器、充電できる場所は限られる
・携帯トラバサミ 500G 罠の一種、設置にはコツがいる
・ワイヤー 300G 罠の一種、他の罠と併用する(素材アイテム)

アン「こんなところですぅ」

ソピア「結構あるね……」

アン「馬車は必要ないんですかぁ? 乗馬スキルがありますのに……」

ソピア「馬だけでも5000Gはするからね。結構お金あるけどもったいないかな」

ソピア「素材アイテムって……使い道ある?」

アン「防具や衣類、武器、錬金術の材料になりますねぇ」

ソピア「変わったアイテムがあるから、何か作ってもらってもいいかもね。でも錬金術は……」

ソピア(錬金術の知り合いがあの魔法少女しかいない……)

アン「クルトさんでしたよねぇ。あの方が近ごろ錬金術にはまったと仰ってましたが……」

ソピア「そうなの? クルトさんに頼むのもありなのかな」

ソピア「所持金は……たくさんあるね」


13700G


↓1、2、3 欲しいアイテム選択、複数選択可

おてんばワンピース 750G
ウサギなエプロン 500G
タフネス眼鏡 700G
訓練神のお守り 1000G
大きな月の石 1000G
野営セット(テントや寝袋、マッチなど) 1000G
シューズ 80G
強化繊維インナー 100G

合計5130G

13700G→8570G


ソピア「結構買っちゃった……」

ソピア「よく今までまともな防具も靴も無しでやってきたと思うよ」

アン「もうその靴ボロボロですしねぇ」

ソピア「一ヶ月前に浮浪者の人にもらったお古をずっと履いてたからね……」

アン「もう必要なものはございませんかぁ?」


1.もういいかな
2.アイテム指定

↓ 1が2票集まる前にアイテムを指定すれば買える

※残り回数は少ないですが月魔術の訓練は最低でも60上がるようになりました


ソピア「もういいかな」

アン「本当ですかぁ? これからすごく色々必要になる気がしますけど……」

ソピア「これで十分。乗馬スキルは活かせないけど、これから野営スキルは活かせるからね」

ソピア「それにしても、あの人(王子)まだかな……」

ソピア「午前中遊んでたから怒って帰っちゃったとか……ないよね……?」


1.清掃員:メヒィアス夫妻と話す
2.レスキュー:キアロと話す
3.剣士:ウィア&マッドと話す
4.ロットやオルドがたむろしている最寄りの酒場に出向く
5.前に会ったことある人が宿屋に来ている
6.何かの神様に祈ってみる

↓ 正解引いたら進行(寄り道は後一回だけです)

ソピア「ウィアさん」

ウィア「おっ、ルーちゃんだ」

マッド「ニヤニヤ」

ソピア(ウィアさんから、この宿屋に貴族が泊まっている噂があると聞いた)

ソピア(ウィアさんは私の正体に気付いている……?)

ソピア(それとも……)


1.この宿屋の噂、教えてください
2.……案内してください
3.人のいない場所に行きませんか?


ソピア「人のいない場所に行きませんか?」

ウィア「おお、聞いたかマッド。逆ナンだぞ。俺もまだまだいけるんだな」

マッド「コクコク」ヤレヤレ

ウィア「ジェスチャーで肯定してるけど顔に出てるからな!」

ソピア「あの……」

ウィア「ああ、行こうか」

剣士のウィアとピエロのマッドは、宿屋街の裏路地を進む。

彼らに導かれるまま狭い路地を進んでいくと、人気がどんどん減っていった。

町の端、草がぼうぼうに生えた空き地に入り、たどりついたのは丘に作られた下水道の入口のトンネルだ。

しかし清掃員や戦士が通った形跡もない。おそらく下水道の中でも交通の便が悪い入口なのだろう。

ウィア「よし、誰もいない場所だろ?」

ウィア「なに? 愛の告白? それとも、俺を暗殺するつもりか?」

ソピア「……」


1.私、ソピア・ウィンベルです
2.あなたは王子様ですね
3.あなたはこの町の公爵様ですね
4.あなたは行方不明のニコラさんですね
5.王子様はどこにいるかご存知ですか?

ソピア「あなたは……」

ウィア「うん」

ソピア「……4年前から行方不明になっているニコラさんですね!」

ウィア「女子かよ!!」

ウィア「俺、この年齢で女の子に間違われたの初めてだよ!」

ソピア「冗談です」

マッド「ケラケラ」

ウィア「まあ、よりによってニコラの名前でそんな冗談を言うってことは、ルーちゃん全部分かってるね」

ソピア「はい。大体」

ウィア「じゃあ、案内するよ。みんなお待ちかねだぞ」

マッド「ジタバタ」

ソピア「あ、その前に」

ウィア「アンちゃんだね。行っておいで」


下水道入口から少し引き返した路地。

建物と塀の間に茂みがあった。

ウィア「こっちだよ」

アン「よっと」ピョン

ソピア「あ……」

ソピア(どうしよう通れない)

ピエロの手袋がソピアの細い腰を掴む。

ソピア「ひゃ……!?」

マッド「ヨイショ」

ソピア「あ、ありがとうございます……」

細い通路を曲がり、建物の中庭のような場所に出る。

ウィア「この建物、玄関壊れてて誰も住んでない」

ソピア「はい」

ウィア「で、俺の別名義の所有物件だよ」

中庭の箱をずらすと、地下への階段があった。

ソピア「宿屋の近くにこんな場所があったなんて……」


階段の突き当り、扉をを開けると照明のある綺麗な部屋があった。

そこには、3人の先客の姿。

ウィア「みんな、連れてきたよ」

ウィア「ソピア・ウィンベルちゃんだ」

姿勢の良い銀髪の女性、浮浪者すら清潔に見えるほどボロボロの身なりの中年男性。

そして黒い髪に赤い瞳、驚くほど細く長いシルエットの青年。

ソピア「この人は……!」

アン「王子様ぁ! お久しぶりですぅ!」

王子「おお、アン。変わりないようで何よりだね」

ソピア「王子様、初めまして」

王子「アンから君の話は聞いていた。前評判通り優秀で可憐な少女だ」

ソピア「そんなことないです……」

王子「生き延びているのは優秀な証拠だ。そして僕は君を美しいと感じた。何も間違った事は言っていないさ」


王子「さて、皆の者、お集まりいただきご苦労だった」

王子「初対面の者も多いだろう。まずは軽く挨拶といこうか」

王子「知っての通り、僕の名はミハイ・オフィリアス・ド・フルフィリア5世」

ミハイ「今となってはフルフィリア王家最後の生き残りさ」

ウィア「それは違うんじゃないか?」

銀髪「貴方、王子様へ何という口のきき方を!」

ウィア「だって俺も王家の血を引いているからね。この瞳をごらんよ」

ウィアは金色の前髪を手で払いのけ、その瞳を見せつける。

ソピア「赤い瞳……」

アン「王家の方々はみんな赤い目をしていらっしゃるんですよぉ。もちろん一般の方にも赤目の方はいらっしゃいますが」

ウィア「自己紹介が遅れたな。ウィルアック・ヨークフィールドだ。一応、ウベローゼン市の公爵だよ」

フルフィリアの公爵家は国内のそれぞれの市を治める義務と権利を持っていた。

しかし男性としては小柄で、若々しく見えるウィアことウィルアックからは、公爵の気品といったものは感じられない。

山男「よく言えたことだ。貴殿は全く仕事をしない『放蕩貴族』だと聞き及んでいるが」

ウィア「だから、一応。で、こっちが……」

マッド「……私めは、黒子執事デューク・マドラスでございます」

ソピア(喋ったああああああ!?)

ウィア「今は道化執事と言った方が適切かもしれないね」

マッド「フルフル」

ミハイ「益荒男のような君。名前を聞かせてくれ」

山男「コホン。我輩はレオナール・グザヴィエである。かつては富豪として暮らしていたが、今は俗世を離れ自然の中で生きている」

かつては立派なカイゼル髭であったろうボサボサの剛毛を撫でつつ、男性が胸を張る。

服の隙間から見える腕や胸も毛でおおわれているが、唯一、頭の頂点だけには毛が存在しない。

銀髪「サウソーシャ騎士団領から参りました。イデア・ベアトリクス・フォン・ヴァレンティンと申します」

凛とした雰囲気を纏う女性からは王子に次ぐ気品を感じられた。

彼女と王子は一体どのようにして共和国軍の手を逃れたのだろうか。

ソピア「ソピア・ウィンベルです。こちらは元メイドのアン」

アン「よろしくですぅ~」

レオナール「王子殿。なぜ我輩たちを集めたのか、いい加減聞かせてもらいたいものである」

レオナール「この身なりで街道を通る危険を冒した価値がある話なのか?」

イデア「私も、ウベローゼンまでの移動に大きな犠牲を伴いました」

イデア「貴方の呼びかけで無ければ、応じることは無かったでしょう」

ミハイ「価値のある話ではないんだ。誠にすまない」

ミハイ「これは僕からの提案であり、嘆願でもある」

ミハイ「フルフィリア王家の末裔として僕は最後まで王国のために戦いたい」

ミハイ「僕の戦いに、ぜひ君たちにも協力していただきたいんだ」

ウィア「つまり、反乱だね?」

ミハイ「共和国軍が実権を握っているのなら、そうなるのだろう」

イデア「……勝機は、あるのですか?」

ミハイ「王家の秘宝がある。これは『世界の裏側』に行くことができる鍵なんだ」

ミハイ「僕はこれを使ってここまで逃げ延びた」

イデア「『世界の裏側』とは一体どのようなものですか?」

ミハイ「イデア君、僕の手を握りたまえ」

ソピア(2人が消えた……?)

アン「わぁ! 2人が部屋の反対側にいますぅ!」

イデア「なるほど。こうして別の世界を移動することができると」

ミハイ「物を拾ったり扉を開けたりすることも可能だ。人がいない世界で自由に行動することができる」

イデア「では、牢獄に忍び込み、私の家族を助け出すことも……!?」

ミハイ「可能さ」

ミハイ「たった数人で共和国軍に挑もうなんて考えていない。戦える騎士たちを解放することで、僕たちの戦力を増強するんだ」

ミハイ「そして、君たちも相当の実力者とお見受けする」

ミハイ「全員の力があれば、反乱を成功させることも決して不可能ではない」

ミハイ「お願いだ。僕についてきてくれないか」

王子はそう言って、深く頭を下げた。

ソピア(どうしよう……)

ソピア(まずは他の皆さんがどう答えるか聞いてから……)

イデア「……私にも、戦わせてください」

イデア「私達、サウソーシャ騎士団の人間は長い間、フルフィリアのために剣を取ってきました」

イデア「しかし……共和国軍は、王家に貴族の称号を賜ったという理由で、私達を嬲り、捕らえ、殺しました」

イデア「私達騎士団は一心同体です。もしも共和国軍が王家の敵であるならば」

イデア「私は騎士団の一員として、今再びフルフィリア王家の剣となりましょう」


ウィア「俺は嫌だな」

ウィア「反乱なんて考えたこともなかったし、今まで捕まらなかったんだからリスクを冒すのはちょっとな」

ウィア「家族はいないし、親戚もあまり親しくなかったしさ。でも、今まで俺の代わりに働いてくれた家の者たちには申し訳なさもあるよ」

ウィア「でも、彼らは貴族じゃないから、共和国でも上手くやっていけるだろ」

ウィア「俺が本当に心を許すのはマッドだけだよ。マッド、これからもよろしくな?」

マッド「フルフル」


レオナール「我輩も、遠慮したいのである」

レオナール「我輩には家族がいて富も名声もあった。手放すのは惜しい。家族を思うと、心が痛い」

レオナール「だが諦めるほかあるまいよ。我輩は人間であることを半ばやめたのである」

レオナール「だからこそ分かる。自然は厳しいが、人間と違い、悪意はない。上手く付きあえれば自然の中は楽園である。貴族暮らしよりもずっとな」

レオナール「誠に申し訳ない。我輩は命が惜しいのである」


ミハイ「ソピア・ウィンベル君。君の意見を聞かせてくれないか」

ソピア「は、はい」

ソピア「………………」

アン「お嬢様、いかがなされますか?」

ソピア「わかんないよ……」

アン「貴族の暮らしを取り戻したいなら反乱に参加するべきですぅ」

アン「ご両親を含めた囚われの貴族たちを助ける気が無いなら、参加する理由はありません」

アン「ご両親を助けたいだけなら、どちらにもリスクがあります」

ソピア「共和国軍と真正面から戦うのは、恐い……」

ソピア「でも、王子の持つ鍵があればお父様とお母様を簡単に助け出せる……」

ソピア(あえて提案に乗って、お父様とお母様を助けた後、王子を裏切って逃げることもできる……?)

ソピア「アンは……どっちがいいと思う……?」

アン「それはお嬢様が決めることですよぉ」

ソピア「そうだよね……」

※大まかに結末が決まる選択です

※反乱に参加しても、途中から逃亡に作戦を切り替えることもできます

※静観なら反乱への途中参加はほぼ無いです。国外逃亡・国内逃げ切りを狙う場合はこちらが良いです

※両親を助ける場合は一長一短です(助けなくてもいいです)

※ラスボスと黒幕はどちらを選んでも立ちはだかります

※保留は王子に失礼なので選べません


1.反乱
2.静観

↓5票先取または10時締切多数決

ソピア「…………私も、お手伝いします」

ソピア「私は、ずっと逃げてました」

ソピア「でも、逃げているうちに、たくさんの心強い仲間ができて……」

ソピア「私はまだまだ非力ですけど、仲間の力があれば共和国軍は勝てない相手じゃない」

ソピア「だから、お姉様の仇を討てる。そう思ったんです」

アン「それがお嬢様の意思なんですねぇ。アンもついていきます」

ミハイ「ソピア君、イデア君、君たちの協力に感謝する」

ウィア「あ、じゃあ俺も参加しようかな、反乱」

イデア「な……!? そんな半端な覚悟で参加していただきたくはありません!」

ウィア「悪いね。俺はいつでも思いつきで生きてるんだ」

ウィア「仲間。ソピアちゃんの言葉を聞いて、俺も信じてみようと思ったんだ。俺の人脈をね」

ウィア「女の子に戦わせて公爵様が逃げ出すのもあまりに外道だろ。俺の公爵としての最後の誇りだよ」

レオナール「むう……」

ウィア「あ、レオナールさんを責めてるわけじゃないからな」

レオナール「……相談する」

イデア「レオナール様にも頼れる人がいらっしゃるのですか」

レオナール「おらん。だが……」

レオナール「我輩の仲間は、貴殿らの仲間より遥かに強大である」

レオナール「助力を請い、承っていただけたならば、駆け付けよう」

ミハイ「それでは、今日は解散しようじゃないか」

ミハイ「明日も僕はここにいるつもりだ。それぞれの戦力を報告しあい、作戦を練り直すとしよう」

イデア「では、明後日まで待たなければいけないんですか?」

ミハイ「急ぎすぎても良い結果は得られない。そう思わないかね?」


↓コンマ71~00で共和国軍が突入してくる

マリン(ソフィー!! 外からたくさんの人が近づいてるわー!!)

ソピア「み、みなさ」

イデア「人が来ます! 逃げましょう!」

ミハイ「足音はしないが本当なんだろう」

イデア「早く世界の裏側へ!」

ミハイ「すまない。これは2人が限度なんだ」

レオナール「我輩は強行突破するぞ」

ウィア「無理するなよ」

マッド「ペラペラ」

レオナール「我輩は顔が割れてもどこでも生きていけるのである。うおおおお!」

軍人「いたぞー!」

軍人2「間違いない、こいつはレオナールだ! 捕らえろ!」

マリン(来るわー!)

ソピア「こ、こうなったら……」


1.マリンワープ!
2.助けてアースドラゴンさん!
3.助けて魔人先生!
4.迷彩マントでこっそりと……

↓ はずれは1つ、当たり1つ、他は微はずれ

当たり



ソピア「隅っこで迷彩マントにくるまれば……! ほら、アンも!」

ソピアとアンはソファの裏にしゃがみ込み、上から迷彩マントをかぶった。

ソピア(もしここを通られたらおしまいだ……!)

1分後……。

兵士「ヤツらどこへ消えた……?」

兵士2「レオナールしかいなかったんじゃないか?」

兵士3「それは無い。反乱の意思を検知して急行したんだ。その時には5つの反応があった」

兵士2「ちっ、クローゼットにでも隠れてんのか!?」バタン

兵士「現在の反応はどうなっていますか? はい、はい。おい、まだここに反応が1つ残ってるってよ」

兵士3「くまなく探すぞ」

ソピア(ウベローゼンに来てからマリンの力が弱まってる。海の近くじゃないと万能を維持できないのかも)

ソピア(アースドラゴンさんは、離れた場所にいてもワープさせてくれる確証がない)

ソピア(魔人先生は助けてくれるわけがない。だって助ける時は向こうから何か言ってくるもん)

ソピア(私の力で何とかするしかないんだ……)


1.速攻で倒す
2.ひたすら息を殺す
3.姿を現して英雄の勲章を見せる

↓ はずれ1つ

あたり はずれはマリンと速攻でした



ソピア(反乱の意思を持つと居場所を知られる……)

ソピア(心を静めて、瞑想…………)

ソピア(……………………)

兵士「やっぱいねーな」

兵士2「反応が消えたってよ」

兵士3「ちょっとずれてて地上にいたのかもな」

兵士4「おーい! 誰か助けてくれー!」

ソピア(行った……かな?)

マリン(地上にとんでもないモンスター! 王子とイデア、ウィアとピエロは遠くにいるわー)

ソピア(あれ? 何かおかしい)

マリン(何がー?)

ソピア(人数が……ん? 何がおかしいんだっけ。まあいいや)

ソピア(ねえ、とんでもないモンスターって何?)

マリン(たぶんヒレアやワタシより危ないー?)

ソピア(れ、レオナールさん……!?)


ウベローゼン宿屋街、裏路地。

半分獣のような大男を幾多の兵士が取り囲んでいた。

レオナール「サル、頼むぞ」

大男は懐に手を入れるとそこから動物を取り出す。

サル「ウホホ」

ミニマムコング。手乗りサイズの猿のモンスターだ。

だが、サルは地面に飛び降りるとぐんぐん成長していき、レオナールを超える大きさにまで達する。

ミディアムコング。剛腕で敵を薙ぎ払う中型モンスター。

兵士「撃て!」

銃弾の雨からレオナールをかばったサルがダメージを負う。

レオナール「仕方があるまい。フルパワーである!」

サル「ウホッウホッウホホホホッ!!」ドン ドン ドン

兵士「な、な、な……!?」

両拳で胸を叩くたびに巨大化していくサル。

思わず攻撃の手を止めて成長するサルを見上げていると、隣町からも見えるほどの山のような怪物へと変貌した。


マキシマムコング。

サル系の超大型モンスター。

一歩歩くたびに数棟の建物を踏みつぶす。


兵士たちの目がサルに向いているうちに、レオナールは町の外、林の中へ逃げ込んだ。

レオナール(ここでサルを失うのは惜しい。まだトリとイヌがおるが……)

レオナール(程々のところで小型に戻って帰ってきてほしい物である)

王都ティルベルク近郊。

鬼顔「何の騒ぎかと思えば……フン!!!!!」ゴウッ!!

地面に巨大な亀裂が走り、陸軍大将が跳ぶ。

サル「ウホ!?」

遠方からサルに向かって小さな影が飛んでくる。

その影の上にはサル以上の大きさの、怒れる鬼の表情が浮かび上がって見えた。

鬼顔「大きいだけの雑魚が……」

サルは腕を組み、防御の姿勢を取る。

鬼顔「ただのいい的だッ!!」

ヘビーメイスの一振りがサルの腕、顔面を破壊する。

ウベローゼン郊外に着地した鬼顔はあまりの手ごたえの無さに驚いていた。

鬼顔「チッ、中身が全く伴っていなかった。耐久は中型と変わらん。出るまでも無かったか……」

そうして、巨大なサルは一歩も歩くことなく、縮小して小型に戻りながら息絶えた。


マリン(あ、とんでもないの死んだわー)

ソピア(えええええ)

アン「あのぅ……そろそろ出ませんか?」

ソピア「うん、そーっとね……」


宿屋街、裏路地。

ソピア「何この跡……よく見たら、足跡……!?」

アン「レオナールさんの仲間が誰よりも強大って、口だけじゃなかったんですねぇ……」

ソピア「でも、倒されたらしいよ。あっという間に」

ソピア(やっぱり反乱なんて無理かも……)


38日目午後 現在地:宿屋
1.どこかへ行く(ウベローゼン市内、行く理由もあるとなお良し)
2.誰かと会う(同じ場所にいる人は同時指定可、できれば理由も)
3.どこに誰がいるかを確認
4.自由安価

ソピア(そろそろ夕方になるし時間は有意義に使わないとね)

ソピア(一々ピンチを乗り越える度に一息つく暇無いよ)

ソピア(知ってる人がどこにいるのか想像してみよう)


・宿屋街
オルド

・魔法街
ヒレア、レン、ラファ
トール
クリスティ
サナ
魔法局受付

・ブラッドレイ家
エルミス、元帥

・フローラの事務所
フィナ、フローラ

・聖教会
テレサ、テンパラス

・魔人の城
魔人、クルト、ミルズ

・聖十字病院
サナ

・ウベローゼン市共和国軍訓練所
ハルカ

・ティルベルク郊外
キュベレ


ソピア(用事としては……プレゼントと渡したり、違法ハーブ事件も気になるし)

ソピア(ちょっと気まずいけど、キュベレさんやエルミスとは会っておきたいし)

ソピア(魔人先生にも直接会っておきたいね。クルトさんとミルズが何かされないか不安……)


38日目午後 現在地:宿屋
1.どこかへ行く(ウベローゼン市内、行く理由もあるとなお良し)
2.誰かと会う(同じ場所にいる人は同時指定可、できれば理由も
3.自由安価

理由はできればなので無いなら無いでもいいんです



※イベント発生

ソピア「こんにちは。私、エイラさんの友人の……」

門衛「きみは『神殺』じゃないか!」

ソピア「は、はい。そうらしいですけど……」

門衛「元帥殿が探していたぞ! あ、もしもし。今家に『神殺』が……」

ソピア「エイラさんは……」

門衛「エイラ嬢も元帥殿と一緒だ。すぐに来る」

グォン グォン グォン

門衛「ほら、来たよ」

ソピア「……え?」

2人の立っている路上に大きな影がかぶさる。

見上げると、大きな建物が宙に浮いていた。

ソピア「今日はいろいろ大きいものが出てくる日ですねー(棒)」

タラップから急いで降りてきたのはエルミスだ。

エルミス「ソフィー! 無事だったのね!」

ソピア「うん。エルミスに会いに来たんだけど」

エルミス「嬉しいけど積もる話はまた後よ。父上がソフィーを探してたんだから」

ソピア「さ、探してるって……」

エルミス「集会。勲章持ちが一堂に会するのよ。この空中戦艦でね!」

今日はここまで

勲章持ちの月魔術師として軍人に会うとイベント発生でした

エルミスに素性を明かす機会や元帥と二人きりになるチャンスはこの後で

年末年始は昨年同様に更新が滞る可能性が高いです

次回更新は更新する前日~3日前くらいにお知らせします


最後に、ソピア以外の英雄の勲章持ち3人の安価を

※強者の勲章
 一般的な兵士を100人同時に相手にして勝利した者に贈られる勲章。現在は軍人に11人、一般人にも何名かいる。
※英雄の勲章
 (共和国になってからの約一ヶ月以内に)共和国に多大な貢献をした者に贈られる勲章。功績を伴うため強者の勲章よりも格上に見られることが多い。

↓1、2、3 漢字二文字の二つ名と、できればどんな功績で表彰されたのかを大雑把に(細かく設定すると矛盾などが理由で一部改変される可能性高し)

予告してませんが時間ができたので少し進めます

ギギギイッ!

耳をつんざく音がソピアの耳を叩く。

降ろしすぎたタラップが地面に激突しひしゃげたのだ。

エルミス「あの男は頭いいくせに肝心なところで雑なのよね」

ソピア「ええと、上っていいのかな……?」

エルミス「ええ、でも掴まってるだけでいいわ。タラップごと引き上げてくれるから」

空中戦艦のタラップに掴まりしばらくすると、地面が遠のき始めた。

見上げると巨大な戦艦の下部に正方形の穴が開いており、タラップはその中へ吸い込まれているようだ。

ソピア「……途中で穴が閉まって梯子落ちないかな?」

エルミス「可能性は0じゃないわね……だってあの白服だし」


↓ 空中戦艦の名前(空軍大将『白服』の苗字にもなります)(コンマ00で梯子落下)

六勇みんな名前格好良すぎ



空中戦艦エルシャルロウ、乗船口。

乗組員がタラップを分解して収納している。

ソピア「落ちなくてよかった……」

エルミス「まだ油断できないわ。戦艦ごと落ちないとは言い切れないのだし」

ソピア「やめてよ」

空中戦艦エルシャルロウの通路は金属や配管がむき出しで、未完成品のような印象を受けた。

ソピア「メカニックギルドやモスボラ市の機械はもうちょっと塗装されてたような……」

エルミス「動けばそれでいいって考えみたいね」

兵士「エイラ様、『神殺』様、お疲れさまです。他の皆様はすでにお集まりですよ」

白魔術兵士「これから話す内容は機密事項ですので、念のためチェックさせていただきます」

ソピア(こういう時はしょうがない。天使さん、取り計らってください)

白魔術と黒魔術に存在する相手の素性を確かめる魔法は、より上位の白・黒魔術で妨害できる。

この一点に置いてだけは、両方の魔術を使えることはソピアにとって幸運だった。

白魔術兵士「確認完了。異常なし。お通り下さい」


大会議場。

ソピア(ひい、ふう、みい……すごく多い)

ソピア(この人たち全員が勲章持ちなんだよね……私みたいな偽物は他にいるのかな)

兵士「英雄の皆さんはこちらの席になります」

長机に一列になって座っている六勇を正面に、上座から順に、強者の勲章を持つ軍人、英雄の勲章を持つ国民、強者の勲章を持つ国民が座っている。



【六勇】

元帥「お忙しい中お集まりいただき申し訳ない。重要な案件なのだが、会議が始まるまでもうしばらくお待ちいただきたい」

『重壁』の称号を持つ、落ち着いた雰囲気の紳士、共和国軍元帥ブラッドレイ。


勇者「皆、席に着いているぞ!! 早速始めようではないか!!」

光り輝く鎧の熱い男、35歳の若き憲兵隊長アルフレッド。


鬼顔「貴様はいつも焦りすぎる。まだ茶が出ておらんだろう」

一仕事終えた直後の会議で、戦闘中に出す威圧感を抑えきれていない60代後半の大男、陸軍大将オーグロス。


白服「ああ、やっちゃった……。姿勢制御装置を一つ直すのを忘れてたよ……」

不健康な痩せ細った肉体に白衣を纏った空中戦艦の開発者、空軍大将エルシャルロウ。


女帝「貴女、いい加減にしてちょうだい? もし何かあれば折檻よ、ウフフッ……!」

紫色の髪と瞳、べったりと塗られた化粧と香水の臭い、やけに高音で聞き取りやすい声色、そのすべてが相対する者を恐怖させる海軍大将『女帝』。


衛生兵長『貴腐』は欠席。

【強者(軍人)】

軍服を着た11名がソピアの前に座っている。

その中で当時勲章を持っていなかった1名を除く10名が、誕生日会で元帥の語った、エルミスの護衛として信頼のおける面々なのだろう。


濃い顔立ちに黒い軍服の男「…………仕事か」

陸軍所属、戦弓士『堅嵐』。


青い鎧を着た青年「憧れの重壁様が私の目の前にいらっしゃる……!」

陸軍所属、重装騎士『大壁』。


パイプを咥えた筋肉質な海兵「ったく、べらぼうめっ! 俺たちも忙しいってのによぉ!」

海軍所属、船員『金錨』。


真っ赤な神官服の女性「ヘイム、どうしました。……近くに同等の神がいる?」

海軍所属魔法兵、木霊主『焔華』。


ソピア「どうしようエルミス……覚えきれないよ」

エルミス「あ、こいつらは全然覚えなくていいわよ。また会った時に、こんなのいたような?って勘付ければ十分よ」

ソピア「それでいいの?」

エルミス「父上たちに比べたら所詮は雑魚の集まりじゃない。逃亡貴族を発見しても返り討ちにあうのがオチね」

エルミス「軍人は融通が利かないからわたしの下僕にも向かないし、どうでもいい連中でしかないわ」


ジェットパックを背負った全身タイツの男「このエンチャントイーグルマンの出番なのかい?」

空軍所属魔法兵、風魔術師『鷲男』。


肘から先が金属でできた白衣の美女「衛生兵長はいらっしゃないのカシラ?」

空軍所属衛生兵、メカニック『化女』。


防犯週間と書かれたタスキをかけた憲兵「いっ、いえ、本官には水で十分であります!」

共和国軍憲兵、スナイパー『義銃』。


糸目の憲兵「拳が疼きますね……」ニコニコ

共和国軍憲兵、クルセイダー『恐愛』。


私服の老婆「こんな老いぼれに梯子を上らせるなんてねぇ……」

共和国軍教官長、武器系職業『全武』。


魔導長「まったくですな。わしらを何だと思っておるのか……」

共和国軍魔導長、雷魔術師『雷爺』。


キュベレ(あら? ソフィアちゃんまで呼ばれたのね……)

陸軍所属、メイサー&日魔術師『輝鬼』ジーク・オーグロス。

【強者】

百兵の試練に挑めるのは軍人だけではない。

各ギルドの実力者が挑んでは破れていく中、規格外の一般人が強者の勲章を得ることがある。

どうやら今回はそんな一般人の強者たちも全員が召集されたようだ。


死神「……死のにおいがする」

厨二ファッションのデスサイズ『死神』。


猫姫「お空にネコはいないのにゃー……」

おそらく世界一ネコを愛している女性『猫姫』。


背広を着た冴えない顔の男性「ああ……会議が終わってもまだ仕事が残ってる……」

グリエール商会の派遣会社平社員、フルフィリアで最も忙しい男『社畜』。


パンチパーマに虎縞服のチンピラ「何のんびり茶ァ注いどんねん! ワイは暴走りたいんじゃボケ!」

裏路地の暴力組織の用心棒『珍走』。


作業服とマスクの中年男性「……………………」

元伝説の浮浪者にして最強の清掃員『掃神』。


ソピア「インパクトは強いけど覚えられない……」

エルミス「規律に縛られてない分、軍人よりも見るからに変わり者が多いわね」

エルミス「きっとただの頭のおかしい人たちよ。わたしたちの敵じゃないわ!」


舌をペロリと出し目があらぬ方向を向いている女性「美味しそうな人がいっぱぁい……♪」

殺人鬼・食人鬼としての噂が絶えない敏腕バーテンダー『悪食』。


和服タトゥー少女「くふふ、儂を表に出すとは、余程追い詰められておるようじゃのう」

フルフィリア魔法局の切り札、10歳の天才火魔術師『魔人』。


骨のような女性「あらぁ……。彼女が見えるわぁ……。あひゃっ」

骨と皮しかなく、今にも死にそうな『怪骨』。


師匠「あたい以外色物しかいないじゃねーか」

フィナに殺し屋の技術を教えているフルフィリア最強のアサシン『凶爪』。

【英雄】

強者たちは模擬戦闘で100人の兵士に勝利しただけであり、実際に戦績を治めたわけではない。

フルフィリアにとって大きな働きを成した英雄たちは、強者より格上とされ、実際に強者が太刀打ちできなかった脅威を排除したことで表彰された英雄もいる。

六勇たちも、元々は王から英雄の勲章を賜った者たちである。


いかにも普通のおじさん「おっちゃんはいつも通り漁をしてただけなんだけどなぁ」

革命前からハーバリア沖で暴れていた大怪魚を討伐した『漁神』。

大怪魚は軍艦を沈め、海軍の強者『金錨』を返り討ちにし、現六勇すら対処に難航した脅威である。

それを釣り竿と網で討伐した彼が、漁師の神と呼ばれるようになるのは自然な事だろう。


大人しそうな新聞記者の青年「うーん、取材したい相手が多すぎて困ります」

革命戦争の最中、混乱に乗じて侵略してきたジャルバ軍・ノーディス軍を迎え撃ち退却させた『拳魔』。

彼がいなければ今のフルフィリア共和国は無いと言っても過言ではないほどの英雄だ。

しかし彼は新聞記者でありながら、新聞でその功績を大きく報じることはしなかった。


軍手をした幼い村娘「私~お菓子とジュースがいいです~」

大地の封印を破り復活した古の神竜を単身で討伐した『龍殺』。

古の神竜は、数千年程度しか生きていないドラゴンや人間が奉っている妖精系大型モンスター(神)とは格が違う。

精霊を無尽蔵に生み出す精霊王に次ぐ力を持ち、本来は討伐に数日を要し、幾千人もの死者が出てしまうほどの天災なのだ。

神竜に滅ぼされた村の生き残りの証言と、黒魔術師による死んだ神竜の魂への調査から、彼女が古の神竜を打ち倒したことが最近明らかになったばかりである。


ソピア(あれ? 私以外も見た目は強くなさそう)

幻の国ラヌーンに乗り込み主神を討伐して航路を開拓した『神殺』月魔術師ソフィア。

人気のない月魔術師でありながら、魔法競技会でも優勝チームの主将を務めていた大型ルーキー。

神だけでなく不死の怪物である吸血鬼をも殺す実力者であり、神竜を使い魔として従えているとの証言もある。

元帥「お待たせした。それでは、この度お集まりいただいた理由なのだが……」

教官長「分かってるよ。逃亡貴族のことだろう? いつまでやってんだい」

教官である彼女には頭の上がらない軍人も多い。そのため発言力は大きいのだ。

元帥「ええ。その通りです」

教官長「あたしらが相手しなきゃいけないのは同じ国の人間なのかい? 違うだろう?」

鬼顔「黙っていろ減らず口ババア。老いた女には微塵の価値もない。さっさとくたばるがいい」

教官長「かーっ。こんのクソ坊主は、誰が戦いの基礎を叩きこんでやったのか忘れたのかねぇ」

魔導長「元帥殿。続きを」

元帥「うむ。逃亡を続けている王族は王子のみ、貴族は4名だ。ザネッティ嬢は除外する」

元帥「彼女は完全に行方不明で、革命が起きたことすら知らない可能性もある。何らかのアクションを起こしてから対処すればいいという結論だ」

女帝「すでに国外逃亡してるのではないかしら?」

元帥「それも考えられる。しかしまだ警戒を怠るわけにはいかない」

元帥「明後日の大統領就任式と共に全王族貴族の処刑を行うことになっている」

元帥「したがって、貴族たちの最後の反抗があるとしたら明後日までに実行するだろうと予測できる」

ソピア(王子様……読まれてますよ……)

白服「家族を助けられないんじゃぁちょっと旨味が少ないからねぇ」

元帥「そうだ。3日後以降の反乱はもはや利益の無い復讐に過ぎない。検問も次第に緩和されるため素性を隠していれば自由に過ごせるようになるだろう」

元帥「しかし命を捨てる覚悟があるのなら明後日までに行動するに違いない……と、いうのが知将殿が立てた推測だ」

元帥「そして……陸軍大将殿」

鬼顔「……我が陸軍の一部隊が、つい先ほど貴族たちの集会を発見した」

ザワッ...

鬼顔「場所はここ、ウベローゼン市の宿屋街周辺、陸軍所属の黒魔術師が5つの反抗の意志を捉えた」

鬼顔「実際に逃亡貴族の一人、レオナール・グザヴィエとも交戦している」

魔導長「交戦とおっしゃったかな?」

鬼顔「奴は大型モンスターを使役していた。情けないことに我が部隊は奴を取り逃がしてしまった」

元帥「この一件から、彼らは明後日までに確実に反乱を起こすと断言する」

元帥「勲章を持つ貴方がたには、国内要所の警備にあたって頂きたい」

>>205
女帝「すでに国外逃亡してるのではないかしら?」に
「王子や他の貴族たちも」を追加します



ソピア(ここはしっかり聞いておこう……!)

元帥「新聞には、捕らえた貴族たちはそれぞれの町の牢獄に収監していると発表している。しかし……」

元帥「実際には、麓町の牢獄に全員まとめて収監している」

ソピア(麓町に……)

元帥「麓町の牢獄は最も警備を厳重にする。ここにほとんどの強者を投入したい」

元帥「彼らが間違えて他の町の牢獄に突入した際に怪しまれないよう、他所にもある程度の兵士を配置する」

元帥「大規模な国外逃亡手段である、ハーバリアの戦艦、そしてこの空中戦艦にも警備をつける」

元帥「また、奪われると国民を扇動されかねないテレビ局、特に全国へ指示を出しているファナゼテレビジョンセンターにも兵士を配置する」

元帥「他国の介入を防ぐため国境への派兵も行う」

元帥「以上だ。この後各人員の配置を決める。緊急事態ゆえに辞退は許されない」


漁神「人を殺すのはちょっとなぁ。おっちゃん魚専門だしなぁ」

ソピア「漁神(りょうしん)さんは参加しないんですか?」

漁神「また大きな魚が出たら相手するよとしか言えないね。あっはっは、こんなことなら勲章なんて断っておけばよかったよ」

ソピア「私もそう思います……」

漁神「釣り人協会の仲間がもらえもらえってうるさくてさぁ。今は協会の建物にトロフィーと一緒に飾ってあるよ」

漁神「はあ、おっちゃんどうすっかな。軍の人に嫌われて漁できなくなるのは困るな……」


↓コンマ判定 51~00で漁神は味方です

ソピア「漁ができなくなったら困りますね……」

漁神「趣味で釣りやってるわけじゃないからな。妻とチビにもメシ食わせてやんなきゃいけないってわけよ、亭主だから」

ソピア「海の上を捜索するとかどうですか?」

漁神「いやあ、ここだけの話、あんまり共和国軍好きじゃないんだ」

漁神「革命のせいでチビが別の町に行ったきり帰ってこれなくなったんだよ」

ソピア(……覚えがある)

漁神「そうだそうだ、ここ、ウベローゼンだよ。山を通って送ってもらったって話してた」

ソピア(私が初めてウベローゼンから出たときの依頼だ……!)

ソピア「あの、それ、私です」

漁神「どういうことだいお嬢ちゃん?」

ソピア「息子さん、妖精に会ったって話してませんでした?」

漁神「おお言ってた言ってた。てことはお嬢ちゃんが?」

ソピア「はい、私が送ったんです。その妖精がこの子です」

マリン「はーい♪」

漁神「不思議な縁もあるもんだなあ」

漁神「アドバイス通り、おっちゃんは船で海の上を回ってみるよ」

漁神「それと、もしハーバリアに来ることがあれば、恩返しさせてくれよ。獲れたての魚は美味いぞぉー」


※漁神はいざという時に助けてくれます

拳魔「はじめまして。自分はウベローゼン全国新聞、記者の○○と申します。取材、よろしいですか?」

ソピア「は、はい?」

拳魔「では。『神殺』さんは吸血鬼と海神を討伐なさったそうですが、その件についてお聞かせください!」

拳魔「やはりあまり苦戦せずに討伐できたのでしょうか?」

ソピア「いいえ、死ぬかと思いました。仲間の助けが無かったら、私一人では絶対に死んでいます」

拳魔「なるほど、ではどちらの方が手ごわかったですか?」

ソピア「海神だと思います。知らない土地で、海神以外の海賊や市民にも攻撃されましたので」

拳魔「ラヌーンの海神を討伐した理由は名誉のためですか?」

ソピア「いいえ。私はただ拉致されて、海神の憑代にされるところだったんです」

ソピア「私が私の心を保つためには海神を討伐する以外に方法はありませんでした」

拳魔「そうでしたか……海神を倒した後のことを教えてください」

ソピア「海神がいなければラヌーン国は滅んでしまいます。だから私は国を別の手段で安定させようと考えていました」

ソピア「そこに現れたのがノーディスとジャルバの軍隊です。彼らはラヌーンの民を虐殺し、私達にも攻撃してきました」

拳魔「なんと、貴方はフルフィリアではなくラヌーンのために?」

ソピア「そうなりますね……。私は帰りたかっただけで、ラヌーンを滅ぼす気なんて全く無かったんです」

ソピア「ですから本当は勲章なんて……」

拳魔「その部分は記事にしない方がよさそうですね」

拳魔「それにしてもノーディスもジャルバもお早い侵攻で……」

ソピア「私の仲間にノーディスとジャルバのスパイが潜んでいたんです。そのせいで……」


↓コンマ判定 51~00で拳魔は味方です

拳魔「もしかして……その二人はマトイとジョーではないですか?」

ソピア「え、し、知り合いですか?」

拳魔「厄介な存在ですよ、ええ」

ソピア「革命の時に侵攻してきたのも……」

拳魔「彼らの手引きです」

ソピア「やっぱり……」

ソピア「拳魔さんは共和国軍の依頼、どうしますか?」

拳魔「もちろん全力で取り組みます。自分が記者をやっている理由は平和のためなんです」

拳魔「貴族たちが反乱を起こすのが分かっているのなら、自分はそれを止めるため尽力します」

拳魔「記事の執筆は他の記者に任せますよ」


※拳魔さんは後々立ちはだかります



龍殺「ね~、『神殺』さん~」

ソピア「ん?」

龍殺「神を殺したって本当なの~?」

ソピア「本当だよ。あなたは?」

龍殺「うふふ~」


↓コンマ判定 51~00で龍殺は味方です

龍殺「私の中で生きてるよ~」

ソピア(私と同じタイプだ!)

龍殺「でもね、ドラゴンはね、負けた、死んだって言ってるの~」

龍殺「だからきっと幽霊になっちゃったんだね~」

ソピア「私も似たようなものだよ」

龍殺「本当~?」

ソピア「吸血鬼や海神の成れの果て、とも言えるかも」

龍殺「じゃあ私とおんなじだ~」

ソピア「『龍殺』さんはどうしますか?」

龍殺「何を~?」

ソピア「貴族や王子を見つけたら捕まえますか?」

龍殺「私は正しい方の味方だよ~」

ソピア「……正しい方ってどちら?」

龍殺「みんなが笑ってる方かな~」

龍殺「私ね、ドラゴンと戦ってもいないんだ~」

龍殺「ただ、町や人に迷惑をかけちゃダメって怒っただけだよ~」


※龍殺はいざという時に助けてくれます

死神「また会ったな『神殺』」

猫姫「にゃー、みゃうはさっきの!」

ソピア「2人も勲章持ちだったんですね……」

ソピア(死神さんはともかく猫姫さんも兵士を100人倒せたんだ……)

ソピア(いや、他にも変なのたくさんいたけどね……)

ソピア「ええと、お互い頑張りましょうね」

死神「俺は死神の手帳(アカシックレコード)に刻まれた任務(デスティニー)を遂行していくまでだ」

猫姫「にゃ? みゃーはネコと遊んでるにゃ。もし襲われたらねこまつりにゃ」

ソピア「よく分からないけどすごそう……」


↓1 コンマ判定 51~00で死神は味方です
↓2 コンマ判定 51~00で猫姫は味方です

死神「明後日、俺は魂を刈りに現れる」

死神「その時まで、さらばだ」

ソピア(敵に回したくないなあ……)

猫姫「大丈夫にゃ。死神が来ても、ネコが守ってくれるにゃ」

ソピア「そ、そうですか……」

猫姫「ところでみゃうは、ウィアをご存じかにゃ?」

ソピア「うぃ、ウィアさん? はい、知ってますけど……」

猫姫「みゃーはウィアの親友だにゃ」

ソピア(段々分かって来たけど、みゃう→you みゃー→me みたい……)

ソピア「ウィアさんの……?」

猫姫「みゃーがネコたらしにゃら、ウィアは人たらしにゃ」

猫姫「みゃう、ウィアによろしくにゃ」

ソピア「はい……」

ソピア(ウィアさんの仲間ってこと……?)


※死神は後々立ちはだかります

※猫姫はウィアの仲間として参戦します



魔導長「ソフィアさん、すまんのう」

魔導長「吸血鬼討伐の件、口止めされておったが隠し通せんかった」

ソピア「しょうがないです……海神退治までしちゃいましたし」

魔導長「うむ、それが理由でな……。元帥殿や勇者殿に話はしたものの、キミの意思を汲んで表彰はしないことに決めていたのじゃが……」

魔導長「しかしその口ぶり、やはり巻き込まれただけじゃな?」

ソピア「はい。ラヌーンに拉致されなければこんなことには……」

魔導長「災難じゃのう」

魔導長「ところで、キミは海神は本当に倒したのかい?」

ソピア「吸血鬼と同じように、命がけで倒しましたよ」

魔導長(同じように、か。死んどらんな)

魔導長「それで『神殺』にされるとは……。キミ、嫌じゃろ?」

ソピア「はい……。魔導長さんは『雷爺』なんて呼ばれてるんですね」

魔導長「雷を使う爺さんじゃからな。これ以上分かりやすい二つ名もあるまいて」

エルミス「……軍の中で一番怒らせちゃいけない爺さんだからよ」ボソッ

ソピア「……えっ」


↓1 コンマ判定 51~00で魔導長は味方です
↓2 コンマ判定 51~00で??は味方です

魔導長「さて、軍からの依頼についてじゃが……」

魔導長「無理して参加しなくてよいぞ。人を探して傷つけるのは得意かの?」

ソピア「……いいえ」

魔導長「そうじゃろう。こういうのはわしらのような軍人がする仕事じゃ」

魔導長「モンスターや悪党と戦うのが冒険者の仕事じゃよ」

魔導長「逃亡貴族は悪党とは事情が違うからのう」

魔導長「だから、無理する必要はない。キミは巻き込まれないように気をつけるといい」

ソピア「はい……」


※全力の『雷爺』が後々立ちはだかります

※??はウィアの親友です



ブラッドレイ邸前。

ソピア「空中戦艦、墜落しなかったね」

エルミス「必ず墜落してたらたまったものじゃないわ」

ソピア「じゃ、そろそろ」

エルミス「下僕はわたしに用事があったんじゃないの?」

ソピア「そうだった」

エルミス「ゆっくりお茶して、昨日の疲れを取りましょ」


1.魔法街のカフェでお茶する
2.エルミスの家でお茶する

早いですが今日はここまで

続きは明日です

気になる勲章持ちを挙げたら仲間になるコンマ判定用意するかも

百兵の試練(強者の勲章)は、ソピア(マリン込み)、ヒレア、ロット、ネル、サナ、ポロ、マトイ、ジョーも挑戦したら合格できます

ただし強者の強さはピンキリです、キュベレさんじゃフィナの師匠には勝てない

夜中ですが、話題に出た社畜、掃神(元伝説の浮浪者)、義銃、怪骨、化女、魔人との会話を進めます

ソピアとエルミスが空中戦艦エルシャルロウから下船する前のこと。

くたびれたスーツ姿の男性は、話が終わるや否やそわそわし始めていた。

社畜「ティルベルクにはまだ着かないのか……今日だけで後7件の討伐依頼があるというのに……」

ソピア「すごいですね。毎日そんなに仕事してるんですか?」

社畜「ええそうですよ……。家に帰る暇すらありません。趣味なんてもってのほかです……」

ソピア「でもそれならたくさんお金持ってそうですね」

社畜「とんでもありません……。基本的に残業扱いで給料なんて出ませんよ……」

ソピア「では、もしかして、人助けのために?」

社畜「いいえ、仕事ですから……貴女はご存知ですか? 私、派遣会社の社員でして……」

ソピア「聞いたことはあります」

社畜「ギルドのように様々な依頼を受ける会社でしてね……しかし、依頼が多い日には間に合わないこともありまして……」

社畜「社長は評判が落ちるのを嫌いますから……私のように早く仕事を終わらせた社員に余った仕事が回されるわけですよ……」

ソピア「辞めればいいのでは? 勲章を持てるほどお強いのなら他に行くあてもあるでしょう」

社畜「それができれば苦労しませんよ……。ドーラ社長はグリエール商会のナンバー2、機嫌を損ねれば社会的に殺されます……」


↓ コンマ判定 51~00で社畜に商会との敵対フラグが立ちます

ソピア「社員のみなさんと協力してストライキでも起こせばいいのでは?」

ソピア「いくら恐い社長さんでも全員に辞められたら困るでしょう」

社畜「私にそんな影響力はありませんし……。他にやりたい仕事なんてないですからいいんです……」

ソピア「本当に、何もやりたいことないんですか? 小さいころの夢とか……」

社畜「昔は神様になりたいなんて考えていた時期もありましたが……」

社畜「もうとっくに諦めました、大人になったんですよ……」

ソピア(応援しづらい夢だった……)

ソピア「ではご趣味は? 空いた時間で好きなことしましょうよ」

社畜「音楽鑑賞ですかね……」

社畜「アイドルのROKKAさんとか、バンドのコーヒーブレイカーズとか好きでしたね……元気をもらってました」

ソピア「さっき新聞読んだんですけど、彼女、休業するらしいですよ」

社畜「なんと……!? まあ……関係ないですよ。趣味に使う時間なんて今後もありませんから……」


※不吉なコンマですが彼はソピアたちとは違う戦いに身を投じそうです



作業服と帽子を被った男は、無言で空中戦艦をモップで掃除していた。

ソピア「あの、ここ掃除しなくてもいいと思いますよ」

掃神「…………」コクリ

男は掃除をやめると首を縦に振った。

ソピア「清掃員の人なんですか?」

掃神「…………」コクリ

ソピア「ウベローゼンの人?」


↓ コンマ判定 51~00で掃神はウベローゼンの人です

掃神「…………」コクリ

ソピア(もしかして、私の知ってる浮浪者さんたちの知り合いかも……?)

ソピア「普段どういう場所を掃除しているんですか?」

掃神「…………下水」

ソピア「たしかウベローゼンの下水道は危険なモンスターの巣窟では……」

掃神「…………」コクリ

ソピア「そんな危険な場所を掃除できる人だから掃神なんですね」

掃神「…………他の町にも、呼ばれる」

ソピア「……ウィアという人をご存知ですか?」

掃神「…………」コクリ

ソピア(味方かもしれない)

ソピア(そういえば浮浪者の人が、下水道には案内人がいるって言ってたような……)

ソピア(この人がそうなのかな……)


※掃神はウィアの仲間として参戦します



ソピア「いたっ!」バタッ

ソピア「もう……配管が邪魔だよ」

義銃「お怪我はありませんか?」

ソピア「あ、大丈夫です」

義銃「すいません、神殺殿でしたか!」

義銃「本官が英雄の心配をするとは失礼な真似をいたしました。申し訳ないであります!」

ソピア「い、いえ、心配してくれて嬉しいです」

義銃「また転ぶことがあってはいけないので、この件は白服殿に報告しておきます。どうか足元にお気を付けて!」


ソピア「親切な憲兵もいるんだね……」

エルミス「あれは例外よ。大抵偉そうにしてるのが憲兵だけど、あれは小さな子供にも丁寧でティルベルク市民に愛されてるもの」

エルミス「毎日町を巡回しては人助けをして回ってるの。『義銃』よりも『王都のおまわりさん』のあだ名の方が有名ね」

ソピア「大きな銃を背負ってたけど……」

エルミス「変わった憲兵だけど異常に強いのよ。スナイパーのくせに不殺主義だし、試練でも一度も発砲せずに百人倒したって噂よ」

ソピア(不殺主義なのに処刑のために捕まえたりしてるのかな……)


↓ コンマ判定 51~00で義銃は逃亡貴族・王族を悪人として認識していません

勇者「そうか! 空軍大将殿には本当に困ったものだ!」

義銃「では本官はこれで失礼します!」

勇者「待つんだ! 君に尋ねておきたいことがある!」

義銃「どうしたのでありますか?」

勇者「君は市民のために身を粉にして働いていると聞く! 君はその称号が示す通りまさに正義の味方だ!」

義銃「もったいなきお言葉。ですが本官は、治安維持を担う軍人として当然の仕事をしているだけであります」

勇者「しかし君は多くの軽犯罪を未然に食い止め、市の平和に貢献している反面、逃亡貴族・王族の捜索においては全くと言っていいほど成果を上げていない!」

義銃「返す言葉もございません」

勇者「もしや君は、逃亡貴族・王族を捕らえる気が全くないのではないか!? それを尋ねたいんだ!」

義銃「それは違います!」

義銃「本官は誰一人として殺すことはしたくありません! ですが、犯人が市民を傷つけるならばその限りではありません!」

義銃「逃亡貴族たちが反乱を起こす意思がある以上、殺害も致し方ないのであります!」

勇者「それを聞いて安心した! 戻っていいぞ!」


※義銃は後々立ちはだかります



ソピア(一応知り合いだし……無視するのはいけないよね)

ソピア(ここにいるってことは、見た目は死にそうでもすごく強いわけで……骨のような人がますます怖くなったよ……!!)

骨「こんにちはぁ……」

ソピア「こ、こんにちは」

骨「ふふふ……軍の基地で、空の上はぁ……緊張するわよねぇ……」

ソピア「……そうですね」

骨「貴女、勲章、持ってたのぉ……?」

ソピア「き、昨日貰ったばかりですけどね」

骨「すごい、成長ねぇ……」

骨「久しぶりに……お願いするわぁ」

ソピア「つ、月魔術ですか? ここで?」

骨「お願い、早く夢の世界へぇ……」

骨「貴女の強い魔法ならぁ……何かが見えるかもしれないわぁ……?」

ソピア(この衆人環視の中、奇声を上げさせるの……?)

ソピア(ちょっと手加減しようかな……)


↓ 精神力52+知力90(杖補正)、目標値150未満……コンマ7以下で成功 目標値50以上オーバーで……?

何事もなく奇声をあげました



ソピア(混乱魔法なら光を凝視しなければ問題ないはず……手加減手加減)

骨「ひ、ひやっ、ひゃああああああああああ!!!」

骨「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」

骨「にぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

骨「やみゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

勇者「なにごとだ!!」

元帥「敵襲か?」

女帝「……す、すごい声ね」

ソピア(ああ……すっごく注目された……)

エルミス「ソフィー何やってるのよ」

ソピア「た、頼まれたから、つい……」

ソピア(バッグの中に500Gが増えていた。いつ入れたの……?)

8570G→9070G


↓コンマ一桁分名声が上がります

魔名声82→83 正式な依頼じゃないのでこんなもの


ソピア(バッグの中にメモ紙も入ってた)

ソピア(読みづらい文字……『いつでも貴女を見ている』と書かれてるね)

ソピア(だれかたすけて)


化女「……」ツカツカ

ソピア(綺麗な人だけど……なんだか不気味)

化女「何ジロジロ見てイルノ」

ソピア「あっごめんなさい」

化女「この腕が気にナル?」

ソピア「は、はい。機械ですよね、それ」

化女「私は軍医ヨ。より迅速で確実な治療のため、肉体の一部を機械に置き換エタノ」

化女「アナタ疲れテイルワネ。この薬を注射すればよクナルワ」ガシャコン

駆動音を立てて指先が注射器に変形し、腕の一部に薬品の詰まった容器が現れる。

その薬品の色は毒々しい蛍光イエローをしていた。

ソピア「……遠慮しておきます」

化女「ダメヨ。このままでは感染症の危険性ガアル」シュイイン

目から怪光線が放たれ、ソピアの腕の血管の位置を調べる。

そして痛みを感じさせず、化女はあっという間に注射を終えた。

ソピア「……へっ?」

化女「しばらく待てばエネルギー充填完了ヨ。アナタ、目立った傷跡は無いけれど脚の骨が生まれつき細イヨウネ。交換をお勧メスルワ」

ソピア「こ、交換?」

化女「私のラボに来ればいつでも手術できるルワヨ。ブースト機能も付けておきまショウカ」

エルミス「待ちなさい! わたしの下僕を勝手に改造するつもり!?」

化女「元帥の娘。イケナイ、わずかな傷跡が残っテイルワ。急いで処置しマショウ」

エルミス「逃げるわよソフィー」


↓ コンマ判定 51~00で少し厄介なことになります

化女「待ちナサイ」ガシッ

ソピア「きゃっ……!?」

化女「お洋服に衛生兵長のレディーがついテイタワ。私が届けておいてあゲル」

化女「ごめんなサイネ。もう行っていいワヨ」

ソピア(菌に変えられていた、貴腐の愛人が私と一緒にいた……?)

ソピア(ということは、王子との会議も聞かれてる!)

ソピア(貴腐に届けられたら私の素性は絶対に知られてしまう。私には愛人が見えないし、近くに六勇がいるから妨害もできない……)

ソピア(もう引き返せないね……。反乱までの猶予は、あまりない)


エルミス「化女は化学薬品と機械化手術で、病気や怪我を治す女医なの」

エルミス「美人だったでしょ? 白服と貴腐はあいつに惚れてるのよ。あの整形した顔に騙されてね」

ソピア「たぶんこの前雑誌で見たよ。あんな人だったんだ……」

ソピア「たしかにその2人とは気が合いそうだね……」

エルミス「ちょっと傷が残ってるだけですぐに改造して来ようとするのよ。ソフィー、腕が一度取れてるのによくそこに目を付けられなかったわね」

ソピア「傷跡が残ってなかったのかも」


※39日目夜に『神殺』=ソピア であることが全軍に伝達されます

>>223直後。

ソピア「魔法街でお茶しようか」

エルミス「そうね。あそこなら他の下僕も集まってくるかもしれないわ」

ソピア「トールくんとヒレアちゃんも下僕なんだっけ……」

エルミス「もちろんよ。トールに着せる服もきちんと用意したもの」

ソピア「……止めた方がいいのかな」


魔法街。

マリン(ソフィー。さっきはできるだけ息を潜めてたから教えられなかったけどー……)

マリン(あの中にワタシとヒレアと同じモノが1体ずつ、他にも危険極まりないモンスターが2体いたわー)

ソピア(正面衝突したらウベローゼンが地図から消えそうなんだけど……)

マリン(ヒレアが来たわー)

ヒレア「……エルミスも一緒なのね」

ソピア「ヒレアちゃん、どうしたの?」

ヒレア「さっきから大きなモンスターや乗り物が出てきたから心配になったの」

エルミス「ちょうどいいところに下僕5号。これからわたしの支払いでお茶会をするの。参加しなさい、命令よ」

ヒレア「うん分かった」


魔女帽子「そこの貴女たち? 止まりなさい」

エルミス「何よあんた、偉そうに。わたしを誰だと思っているの!」

魔女帽子「うふふん、それはこちらの台詞なのよね」

魔女帽子「この魔法街で、『神殺』月魔術師ソフィアの名を知らないとは言わせないわよ!」

ソピア(新聞に載ってた偽物さんだ……)

ヒレア「……」

エルミス「……」

ソフィア?「貴女も私に殺されてみる?」

ソピア「私すごく忙しいのであなたに構っている暇はありません。どいてください」

ソフィア?「それが英雄に対する口のきき方かしらぁ? もし私がいなかったら、貴女も吸血鬼の餌食になっていたのよ!」

ソピア「へえ、どうやって倒したんですか? 相手は不死身の怪物ですよ」

ソフィア?「あれは、そう……ちょうど今みたいな夕暮れ時だったわ……」

ヒレア「倒されたのは日が沈む前でしょ? もう日が沈んでるけど」

ソフィア?「私が話すのは倒した後の事よ」

燕尾服「ソフィア、ここにいたか」

ソピア「また変なの増えた……」

ソフィア?「うふふん、紹介するわ。彼こそがこの町を襲った恐るべき災厄、吸血鬼その人よ」

燕尾服「夜の帝王、ヴァンパイア伯爵とは我の事だ。クハハハハハッ…!」

エルミス「殺してないじゃない!」

ソピア「帝王なのに伯爵……? 邪教の館の人かな」

ヒレア「こんな人いなかったわ」

エルミス「というか貴族で吸血鬼だなんて思いっきり討伐対象よね!」

伯爵「あの日、ソフィアの美しさに魅了された我は正義の心に目覚めたのだ。そうして先日、共に異国の神を滅したのだ」

ソピア(あながち間違ってない)

ソフィア?「これが月魔術の力なのよ。どう、恐ろしいでしょう?」

伯爵「この我を改心させたソフィアは貴様らの命の恩人だ。言うべきことがあるのではないか?」

エルミス「わたしの方が偉大な存在よ。頭を下げなさい!」

ソピア「別の町でやった方が上手くいきますよ」

ヒレア「人を騙すのは良くないわ」

伯爵「クククッ…! 我の力を見せるほか無いようだな!!」

伯爵は懐から輸血パックを取り出すと一気に飲み干した。

遠巻きに見守っている魔法街の人々がどよめく。

男「きゅ、吸血鬼だ……! 殺される!」

女「いや、あそこに『神殺』がいるからきっと何もしないよ!」

伯爵「ククク…クハハハハハハハハッ…! ……おい貴様らなぜ我を無視して進もうとする!」

ソフィア?「ここまで私たちをコケにしたのは貴女たちが始めてよ……」

ソフィア?「もう許さないわ。必殺、ムーンブラスト!!」ガコン

ソピア(機関銃!?)

ソフィア?「月すら撃ち落とし神すら殺す、必殺の銃弾をとくと食らいなさい!」

ソピア「月魔術ってそういうのじゃない!」


和服タトゥー少女「これ、やめんか」

伯爵「ククッ…ソフィアの師匠か」

ソフィア?「ま、魔導師様……! なぜ外にいらっしゃるのですか!?」

エルミス「あんたが『神殺』ならさっき空中戦艦で会ったじゃない」

ソピア「誰だっけ」

エルミス「強者の勲章を持ってる『魔人』よ!」

ソピア「エルミスが覚えなくていいって言ったから……」


↓ コンマ判定 51~00で後の敵が一人減ります

ソピア(キョウト風の衣装だけどミニスカート、両腕と両脚にタトゥーを入れてる女の子……)

ソピア(『魔人』って言ってたけど、もしかして先生の変装かな?)

ソピア「先生何やってるんですか」

タトゥー「儂にうぬらの先生になった覚えは無いわい」

ソピア(あー違った)

ヒレア「あなたのお弟子さんに絡まれて困ってるの」

エルミス「どういう教育してるのよ。所詮は10歳児ね」

ソフィア?「魔導師様を知らないというの!? 彼女こそ、フルフィリア最強の天才魔術師!」

ソフィア?「魔法局の最終兵器である彼女は、あまりに強すぎて普段は地下に幽閉されているのよ!」

エルミス「幽閉されてるなら知らなくてもいいじゃない」

ヒレア「ただの引きこもりじゃないの?」

伯爵「魔人の強さを目の当たりにしたらすぐにそんなことは言えなくなるだろう」

ソピア「『魔人』さん。さっき私は飛行戦艦にいて、この人はいませんでしたよね」

タトゥー「覚えとらんのう。くふふ、お前さんこそ偽物じゃないかえ?」

伯爵「こんな弱そうな小娘共が軍に招かれるわけはあるまい」

ソピア「確かにあなたたちの見た目は強そうですけど……。そうだ、勲章見せて下さいよ。『神殺』さん?」

ソフィア?「貴女、私の勲章を盗んだわね!? なんという悪党なの!?」

タトゥー「ほう、それで会議におらんかったのか。儂の弟子になんたる真似を、うぬら、許せぬ」

ソフィア?「魔導師様、やっちゃってください!」

タトゥー「くふふ、少しだけ封印を解いて相手してやるわい」

『魔人』と名乗る少女の刺青が輝きだす。

ヒレア「それ封印って設定だったのね」

タトゥー「くふふふふははははは!!」ビュン ビュン シュシュシュシュシュシュ...

エルミス「う、動きが見えないわ……」

ソピア「ヒレアちゃん」

ヒレア「ごめん、私でも、何も見えない」

天才火魔術師『魔人』の実力は本物であった。

わずか5歳にして無意識に強化魔法を使い、人も物も、周りにあるものすべてを壊し尽くした。

そんな圧倒的な力を持つ彼女は孤独だった。一人、様々な空想で寂しさを紛らわせた。

7歳の時、あまりの強さに魔法局からスカウトされると、両親はすぐに承諾し彼女を手放した。

しかし魔法局でも手に余る彼女は、普段は王都の地下、旧都ローレムリアの一画に封じられている。

百兵の試練を受けさせれば、お遊びのように百人の兵士を倒してみせる彼女は、まさに国内最強。

だが。

魔人「――光呪」スパァン!

タトゥー「……」ピクピク

魔人「小娘が魔人を名乗るなんぞ数百年早いわ」

ソフィア?「ま、魔導師様ぁぁぁぁ!?」

伯爵「う、うわあああああ!」ダダッ

ヒレア「あ、魔人先生」

ソピア「お久しぶりです……」

魔人「何をやっとる。お主には時間がないんじゃろう?」

魔人「真打が登場する前にさっさと逃げ出さんか」

魔人「あやつはお主らではちょっと時間がかかるからの。わらわが代わりに倒してやった」

ソピア「ありがとうございます」

魔人「では、また後でな」

エルミス「消えた……。行きましょうか」

ソピア「うん……」


※『魔人』とその手下は今後出てきません

10歳の方の魔人は1スレ目の>>310で存在を示唆してます



いつものカフェ。

ソピア「よかった。直ってたんだ」

エルミス「ええ。ここが一番落ち着くわ」

ヒレア「よかったね」

エルミス「あなたが壊したのよね……?」

ヒレア「ううん。壊したのは伯爵よ」

ソピア「本人がそう言ってたからそれでいいよね」


エルミス安価

例1.ソピアの素性を明かす(もちろん他人には聞かれないように)
例2.究極魅了魔法を使う(もちろん他人のいないところに移動して)
例3.プレゼントを渡す(アイテム名は後で指定してもいい)
例4.共和国軍がラヌーン国民を殺してたけど、エルミスはどう思う?
例5.エルミスも貴族の反乱鎮圧に参加するの?
例6.キュベレさんに何があったのか聞いてる?
※自由安価

↓2くらいまで

ソピア「エルミスも貴族の反乱鎮圧に参加するの?」

エルミス「もちろんそのつもりよ。絶対に貴族を捕らえて、わたしも英雄の仲間入りするんだから!」

エルミス「形だけとはいえ下僕に負けっぱなしは癪だもの!」

ソピア「そうなんだ……」

エルミス「何よ歯切れが悪いわね」

ソピア(エルミスは私に正体を明かしてくれた)

ソピア(でも、私はずっと黙ったまま……)

ソピア(エルミスは下僕なんて言葉を使うけど、実際は仲間への責任感はすごく強い)

ソピア(エルミスなら、私の素性を明かしても私をかばってくれるかもしれない……)

ソピア「エルミス! 話があるの」

エルミス「藪から棒にどうしたのよ」

ソピア「ここじゃちょっと人が多いから……」


1.エルミスの家に戻ろう
2.魔法街の講堂の屋上へ行こう
3.魔法街の裏路地へ行こう

ソピア「建物の屋上に行こう」


ソピアがエルミスを連れてきたのは、ミルズが水魔術の講義を受けている講堂だ。

今日は閉まっていたが、非常階段で屋上に上がることはできた。

エルミス「いい景色だけど……こんなところで何の話よ。まさか告白でもするつもり?」

ソピア「うん、そうだよ」

エルミス「えっ、ちょっと、ソフィア、そっちだったの……!?」

ソピア「……? その驚き方はたぶん違うと思う」

ソピア「私、実はね……」

エルミス「……」

ソピア「……逃亡貴族の一人なんだ」

エルミス「……はあ? 何言ってるの?」

ソピア「エルミスも私に、元帥の娘のエイラ・ブラッドレイだって話してくれたから。私も黙ったままなのはよくないと思って」

エルミス「悪い冗談はやめてよ。わたしに殺されたいの? マゾヒストなわけ!?」

ソピア「冗談じゃないよ。私の本名はソピア・ウィンベル。エルミスなら知ってるでしょ」

エルミス「馬鹿じゃないの? ソピアがソフィアなんてまるで隠す気が無いような偽名を使うわけがないじゃない!」

ソピア「咄嗟に反応しても聞き間違いでごまかせるから……」

エルミス「…………くだらない嘘までついて、そんなにわたしが嫌いだったのね」

ソピア「いや、そんなことはないよ」

エルミス「分かってたわよ……迷惑に思われてるってことは」

エルミス「でもこれがわたしなの。ずっと猫を被ることなんてできないから、本当のわたしを知られた時に嫌われるくらいならって……」

エルミス「やっぱり、元帥の娘は恐いのね……。わたしに仲間なんて絶対に出来っこなかった……!」

ソピア「恐いならこんな嘘つかないよ。信じられた時のリスクが高すぎるもん。エルミスは頭いいから分かるでしょ?」

エルミス「まだ言うの? はっきり言いなさいよ、あんたは嫌いだって!」

エルミス「どうしてもあなたがソピア・ウィンベルだっていうなら…………証拠を見せなさい!!」


1.髪と瞳の色を元に戻せば信じてくれるはず
2.ソピアじゃないと持っているはずのない物を提示してみる
3.ソピア以外知らないことを話してみる
4.態度で示す

ソピア(私以外が持っていたら不自然な物を見せれば……)


1.薄汚れた赤ずきん
2.女中の服
3.共和国軍の勲章
4.ウベローゼン市地図
5.ライター
6.花柄の傘

↓提示するアイテムを1つ選択 正解は2つ

正解、ライターには父のサイン、女中の服にはウィンベル家にいたメイドの名前が書かれていました



ソピア「これが証拠」

エルミス「ライター?」

ソピア「うん。ステパノスって書かれてるでしょ」

ソピア「筆跡鑑定すればお父様の筆跡と一致するはずだよ」

エルミス「しつこいわよ! 小道具まで用意して……!」

ソピア「だから、嘘じゃないんだよ」

ソピア「エルミスは私達を信頼して素性を明かしたよね。だから私もエルミスを信頼したの」

エルミス「じゃあ……本当に……」

ソピア「うん」

エルミス「あなたが、ウィンベルだったのね……」

ソピア「そうだよ」

エルミス「…………」


※交友度7.94より、79の補正

↓コンマ+79で100に満たない場合エルミスは軍人を呼びに行く

エルミス「…………ごめんなさい!」ダッ

ソピア「あっ……!」

エルミスは踵を返し、非常階段へ走った。

ソピア(階段を下りた後なら追いつけるけど、その前に大声で叫ばれたら……!)

エルミス「誰かぁー!! ここにむぐっ!?」

ヒレア「付いてきてよかった」シュタッ

ソピア「た、助かった……」

ヒレアの身体から直接霧を吸い込んだエルミスは完全に気を失っている。

ソピア「でも、どうしよう……」

ヒレア「記憶を消す魔法はないの?」

ソピア「私の実力じゃまだ……」

マリン「ワタシが乗り移って生まれてから今までの記憶を全部消せばいいわー」

ソピア「海子はやめて」

ヒレア「人質にはできないかしら? エルミスのお父さんって子煩悩だったから」

ソピア「うん、普通はそれしか手はないかも。そのまま帰すわけにはいかなくなったからね……」

マリン「殺すー? 死体はワタシが処分すれば残らないわー」

ソピア「海流しはだめ」

ヒレア「私も賛成したくないけど、マリンも間違ったことは言ってないわ。エルミスはお姉ちゃんを裏切ったことを忘れないで」

ソピア「……」

ソピア(方法はもう一つだけある)

ソピア(究極魅了魔法。これも非道だけど、マリンに頼るのと違って、エルミスの人格が消えるわけじゃない)

ソピア(元帥か、元帥を操っている黒幕がいるのならその人を魅了してもいいんだけど……)


1.人質にする
2.殺す
3.マリンに記憶を消去してもらう
4.究極魅了魔法を使う(選ばれたらさらに多数決入ります)
5.たとえ敵対するとしてもエルミスを解放する

↓2票

ソピア「究極魅了魔法を使おう」

ヒレア「初耳。……何それ?」

ソピア「誰でもいいから助けて欲しくて祈ってみたら、月女神様が現れて私に授けて下さったの」

ソピア「最上位の魅了魔法で、一生に一度しか使えない」

ソピア「使われた対象は永遠に私を愛するようになる、禁断の魔法」

ヒレア「そんなの持ってたのね……」

ソピア「ヒレアちゃんや海子に使おうかと迷ったこともあったけど、残しておいて正解だった……」

ソピア「他の方法でなんとかなるなら、その方がいいからね」

マリン「エルミスとも思いっきりケンカすれば仲直りできると思うわー♪」

ソピア「殺そうと提案したマリンがそれを言うの……?」

ソピア「それは無理。人間だもの」

ソピア「もしも戦いの先に必ず友情があるのなら、ラヌーンが滅ぶことはなかったよ」

ソピア「……使おう」


究極魅了魔法を

1.エルミスに使う
2.元帥に使う
3.黒幕を探して使う
4.やっぱり使わない

↓ 3票先取、または、17時半までで一番多い選択を採用

ソピア「……黒幕に」

ヒレア「黒幕?」

ソピア「革命を起こして王族と貴族の処刑を決めたのは共和国軍……」

ソピア「だけど、共和国軍の元帥がそれを決めたとは限らない……」

ソピア「もしも彼らに指示を出した人物がいるのなら、影で全てを仕組んだ人物がいるのなら……」

ソピア「その人物――黒幕に究極魅了魔法を使えば、全て解決する……!!」

ヒレア「……黒幕の検討はついているの?」

ソピア「……ううん」

ヒレア「エルミスが起きる前に黒幕を探して魅了できる?」

ソピア「エルミスはどこかに閉じ込めておけばいいけど、帰って来なかったら元帥が心配して探し始めるよね」

ソピア「私が閉じ込めたって知られたら、たとえ貴族の処刑が取り下げられても私だけ処刑されそう……」

ヒレア「猶予は今夜0時まで……後6時間ね」

ソピア「6時間で見付かるかな……」


1.あてずっぽうで指名する(名前も)
2.怪しい人物を片っ端から挙げてみる
3.予言の悪魔の力で黒幕を探し出す

ソピア「まずは知将って人。参謀みたいだし一番怪しい」

ソピア「次にグリエール商会。王族・貴族はあまり商会から物を買わなかったのなら、六勇を買収して動かしたとしてもおかしくない」

ヒレア「商会のナンバーワンは不動産王らしいわ。貴族の土地が欲しかったのかもね」

ソピア「あからさまに怪しいのはその2人だね」

ソピア「探し出して問いただしてみようか。まずはどちらを探しに行こうかな」


1.知将
2.不動産王
3.他の人物(名前も指定)

↓ なおコンマ奇数でエルミスが起きる

エルミス「……はあっ!!」ガバッ

ソピア「!?」

ヒレア「なんで……?」

ソピア「待って、エルミス! 話を聞いて!」

エルミス「自白はもうしたでしょう!?」

ソピア「私を信じてくれないの……? エルミスの大事な下僕なんでしょ……?」

エルミス「ええ。話は信じたわよ。あなたに声をかけたのはわたしだし、ずっと気づかなかったわたしが悪いわね」

ソピア「私を助けてよ……!」

エルミス「どうして? あなたはソピア・ウィンベル。逃亡貴族の一人。共和国のために処刑しなければいけない存在よ」

エルミス「たしかに下僕は大事だけれど、その下僕一人のために父上に逆らうなんてできないわ」

ソピア「わ、私は英雄なんだよ」

エルミス「そう見せかけて、結局は倒してないどころか戦力を増やして反乱を目論んでたじゃない」

エルミス「本当ならわたし自ら捕らえたいところだけど、いくらなんでも実力の差は分かるわ」ダッ

ソピア「待って……!」

ヒレア「眠りなさい…………あれ?」

エルミス「二度は効かないわ。さよなら」

ソピア「……っ!!」


↓コンマ奇数…咄嗟にエルミスを攻撃してしまう 偶数…助けが来る

その時、講堂の敷地に生えている木を登って、屋上に降り立つ人影があった。

フィナ「助けに来たよ!」

ソピア・エルミス「フィナ……?」

フィナ「はぁぁぁぁっ!!」

スパンッ!!

ソピア「……えっ? …………」ドサッ

エルミス「ふぃ、フィナ……」

フィナ「ああ…………やっちゃった……」

エルミス「そ、ソフィー……死んでる」

エルミス「フィナ、わたしたちの話、盗み聞きしてた……?」

フィナ「いや、前から知ってたんだよ」

フィナ「やるなら2人きりじゃないとダメだと思ってたけど、エルミスが襲われてたからさ……」

エルミス「フィナ……あなたは英雄よ!」

フィナ「そう、なのかな。人殺しって英雄なのかな……」

フィナ「今も、取り返しがつかないことをしたような気がしてるし……手が震えてるんだけど」ガタガタ

エルミス「……震えてる場合じゃないわ! 難しい話は後回し!」

既に空は闇に染まり、マリンブルーの光が魔法街を覆い、地面が割れ轟音が響いていた。

エルミス「本物の『神殺』にならないと、殺されるのはわたしたちよ……!」

フィナ「わお。なんか増えてるし……」

エルミス「助けが来るまで数分。持ちこたえましょう!」

2人の指にはめられた耐魔のラピスラズリが小さく光った。

ガルァシア「起きろ、ルーフェリア」

ソピア「あれ……? 私……」

ネル「寝ぼけてるのかな。私たちが分かる?」

ソピア「ええと……岩魔術師のガルァシアさんと、占い師のネルさんと、罠師のバルザックさん」

ソピア「店長のエリーさん、新米探偵のシュンさんです」

バルザック「なんだ、しっかりしてるじゃないか」

シュン「さあ、今日も仕事を見つけてきたよ」

ソピア「これ、いいですね!」

バルザック「麓町のダンジョンか。よし、酒代稼ぐぜ!」

ネル「私達は先に町の外で待っとくよ」

エリー「さて……気を付けて行ってらっしゃいソピアちゃん。軍の奴らはそれとなく追い返しとくよ」

ソピア「いつもありがとうございます、エリーさん」

ソピア(違う……こんな記憶なんて無い)



ソピア「ん……」

ロット「急所、外しちゃったか。俺らしくもない」

ソピア「嬉しいです。やっぱりロットさんは優しいお兄さんでした」

ロット「心臓を撃ったつもりだったんだけどな」

ソピア「ロットさん、テロなんてやめてください」

ロット「ルーちゃんが俺の何を知ってるんだ?」

ソピア「ご友人から全部聞きました」

ロット「……弓なんて使ってるから口が軽くなるんだ」

ロット「ルーちゃんもだ。魔法競技会を放り出して俺のところに来るなんて相当な馬鹿だよ」

ソピア「ロットさんを助けたかったんです。いつも助けてもらったお礼ですよ」

ロット「君には参ったな……。……おや? ウベローゼンの方が暗くなってるな」

ソピア(違う。私はその時ウベローゼンにいた……)

ポロ「そ、ソフィアさんが緊張してどうするんですか……!」

ソピア「あ、あれ? 私、気絶してた?」

ポロ「してました……」

プロデューサー「うんまあキミは初舞台だからね。しょうがないさ、うん」

ソピア「やっぱりやめようかな……」

ポロ「手、握ろう?」

ソピア「え?」

ポロ「2人なら、大丈夫」

プロデューサー「ROKKAちゃんとFERIAちゃんの初舞台だ! ほら笑顔作って!」

プロデューサー「……う、うわあっ! 笑顔以前に顔が、なななな無くなってる!!」

ソピア(私がアイドル? そんな馬鹿な)



クルト「ガゴゴガァァアアァァ!!」

ミルズ「離サナイ………………」


ロックヘッドゴーレム。

石頭の岩石系大型モンスター。

その強靭な外殻はモンスター自身ですら破ることはできない。


ポーションファントム。

身体が回復液でできた亡霊系大型モンスター。

その粘着液で人間を拘束し、危険に近づくことを決して許さない。


ソピア「クルトさんとミルズ……!? どうしてモンスターに……」

クルト「モンスターはお前だろう」

ミルズ「モンスターはキミだよ」

ソピア(攻撃され……!! し、死ぬ……!)

ソピア「ここは……私の家?」

ソピア「みんながいる……」

フィナ「ソピアはのっぺらぼう!」

ソピア「何言ってるの……? のっぺらぼうはあなたの方……」

エルミス「裏切り者は処刑よ!」

ソピア「裏切ったのはエルミスだよ……」

トール「気持ち悪い声を発しないでください……。不快です」

ソピア「なよなよして気持ち悪い平民が何言ってるの……?」

ヒレア「お姉ちゃん、私はいつまでも味方よ」

ソピア「あなた、誰? 私はお姉様と2人姉妹。あなたみたいな汚い庶民なんて知らない……」

アン「あなたは偽物のお嬢様ですぅ」

ソピア「違うよ! 私はソピア・ウィンベル! 生まれてから今までずっとそうだった!」

ソピア「じゃあ、今からは……?」


ヒレア「すべての元凶は魔人先生よ」

ロット「ルーちゃん、俺は最後まで死なないからな」

クルト「……騙されるな。この中の3人は黒幕だ」

ミルズ「ヒレアはソフィアを裏切るよ。ボクが保証する」

トール「僕は愛するソフィアさんをかばって死にます」

エルミス「わたし、本当は父上と血のつながりが無いの」

フィナ「ソフィーの物語は夢オチで幕を閉じるらしいよ!」

フローラ「ソフィアさんが苦労しているのはグリエール商会の責任でございます」

アン「アンの正体はアンブロシアの精なんですぅ!」

悪魔「これは予言」

天使「これは運命」

悪魔・天使「ソピア・ウィンベルを逃がさない」

ソピア「ああ……私」

ソピア「幻覚魔法の攻撃を受けているんだ」



魔人「ククク……一つだけヒントをやろう」

魔人「彼らの内、一人は真実を語っておるぞ」

講堂、屋上。

ヒレア「こんな時に……! マリン、いける?」

マリン「海の近くじゃないと力が出ないわー」

ヒレア「六勇が来る前に止めないと……!」

エルミス「ラピスラズリが割れて……どうなってるのよ!?」

フィナ「ああ……取り返しがつかないことをした……。あたしはここで死ぬんだ……」

変異ソピア「…………」

空にはいくつもの月が輝き、まるで天球儀の中にいるかのような金属の線が浮かんでいる。

正面で浮いているのは、圧倒的な魔力の塊。

黒塗りの顔と、そして漆黒の六枚翼は、まるで堕天使を彷彿とさせる。

ヒレア「お姉ちゃん、絶対に私が助けるから!」

フッ

エルミス「…………消えたわ……?」



ソピア「ここは王都?」

ソピアは王都のような町の上空に浮かんでいた。

町に降り注ぐ魔法弾が自分の放っている物だと気づくのに数分を要した。

ソピア「……下から何か飛んでくる」

ソピアではなくなったもの。

その目も鼻も口も無い顔が最後に見たものは……聖なる銀色の剣閃だった。




GAMEOVER:9 ソピアを助けるとは言ってない




※敵対フラグが折られていないために起きている展開なので、説得はもはや通用しません

※もう大抵の読者は察しているので明言しますが、エルミスはこのままだと敵対し、同時にフィナ・フローラも敵対、キュベレさんは死にます

※そして誕生日会でミスしているので、エルミスの敵対を防ぐ選択肢は限られています

※フィナの襲撃は、プエルトマリハラ編で2度回避しています



どこから再開しますか?

1.>>254 エルミスに素性を明かさない
2.>>269 エルミスへの対処を変える
3.>>274 究極魅了魔法の使用相手選択
4.>>283 エルミスが目覚めない

↓先着2票

講堂、屋上。

ヒレア「お姉ちゃんどうしたの?」

ソピア「今までで一番わけの分からない死のビジョンが見えた気がする……」

ヒレア「こんな時に? 私やマリン、この間の恐い鳥たちなら分かるけど」

ソピア「えっと、究極魅了魔法を使おうって話だったね」

ヒレア「誰に使うの?」


究極魅了魔法を

1.エルミスに使う
2.元帥に使う
3.やっぱり使わない

↓ 3票先取、>>274で安価取った人もOK

エルミスに究極魅了魔法を使うと決めたところでここまでにします

明日も少しだけ進めるかもしれません

エルミスに使うか……ここで使って大丈夫か?

ごめんなさい、本日の更新はありません
1月4日に再開します

お待たせしています
明日の夕方~夜ごろに再開します、重要安価はたぶん無いです

ソピア「もちろん、エルミスに」

ヒレア「……そう」

ソピア「こんなことする私は、ひどい?」

ヒレア「友達と殺しあうくらいなら、偽物の友情を作り上げる方がいい。そう考えるのは間違ってないんじゃない?」

ヒレア「もちろんエルミスからしたらたまったものじゃないけれど……。私はお姉ちゃんの味方だから」

マリン「ワタシが乗り移るよりマシよー」

ソピア「2人とも、ありがとう」

ヒレア「私が起こすから、準備して」

ソピア(目を閉じて、集中……)

念を込めると、ソピアが光り始めた。

ソピア「……いいよ」

ヒレアが念じるとエルミスを眠らせていた霧の効果が切れた。

エルミス「……うぅん……逃げないと!」ムクッ

ソピア(発動!)

エルミスが起き上がった瞬間に究極魅了魔法を放つ。

光るソピアのシルエットそのままの形をした光の塊が、エルミスの瞳に吸い込まれる。



その時、エルミスには月が見えた。

空からはみ出るほどの巨大な月。それを背にしてソピアが笑っている。

脳内に刺激が走り、一瞬だけ恍惚とした状態になる。

鐘の音が、聞こえた気がした。



エルミス「あ、あ、あ……」ガクガク

ソピア(あ、あれ? これ大丈夫かな……)

エルミス「ごめんなさい!」ダキッ

ソピア「きゃ! し、しがみつかないで……!」

エルミス「わたし、どうかしてたみたい。一時の感情に任せて危うく大事な親ゆ、下僕を失うところだった……」

エルミス「ありがとう、あなたの魔法のおかげで冷静になれたわ」

ソピア「冷静に、って……」

エルミス「今のは沈静化の魔法でしょう?」

ソピア(極めて都合のいい勘違いをしてくれた)

エルミス「……誰も聞いてないわよね?」

マリン「モンスターの気配はないわー」

ヒレア「近くに人の気配はしないけど、どうしたの?」

エルミス「ソピア、いえ、ソフィー。あなたは私にとって初めてできた、その……友達、なの」

エルミス「最初は無理矢理連れまわしたのに、ソフィーは嫌かも知れなかったけど、付きあってくれて嬉しかった」

エルミス「町の外に誘ってくれて、父上を説得してくれたのもソフィーだったわよね」

エルミス「わたしにはきょうだいも幼馴染もいなくて、軍人たちはわたしの言う事を聞いてくれたけど、でもそれは父上のおかげでしかなくて」

エルミス「今まで信頼し合える人は、両親以外にいなかったの」

エルミス「わたしは、ソフィーの信頼を自分から裏切るところだった。本当に、ごめんなさい!!」

ソピア(心が痛い……。信頼を裏切ったのは私も一緒だから……)

エルミス「その、ソフィーにとっては違うかもしれないけれど……ソフィーはわたしにとってようやく見つけた大事な宝物」

エルミス「一生逃がさないからね!!」

エルミス「一生わたしに尽くしなさい!(一生大事にするからね)」(主従:99.99)



ソピア「私にとっても、エルミスは大事な友達だよ」

ソピア(心にグサグサと剣が突き刺さる)

エルミス「良かった……。それなら、これからもわたしの夢に付きあってくれるかしら?」

ソピア「夢ってなんだっけ」

エルミス「下剋上よ! わたしと下僕たちの力を合わせて、フルフィリアの支配者に上り詰めるのよ!」

ソピア「私も下僕……?」

エルミス「ええ。親友 兼 宝物 兼 下僕よ。当たり前じゃない!」

エルミス「まったく、主であるわたしの最終目標を忘れるだなんて。下僕としての立場を忘れないで頂戴」

ソピア「え、えぇー……」

ソピア(下僕であることに変わりは無いんだ……。誰よりも大切な存在になれる魔法だったよね……?)

ソピア(つまり、エルミスにとってはどんな人よりも親友が大事で、その親友に対する態度はいつも通りってことなのかな)

ソピア(病的に愛されたり信仰されたりするのを想像してたから、思ったより究極魅了って感じじゃなくてよかったかもね……)

エルミス「うかうかしていられないわ。父上を説得しなきゃ」

エルミス「ソフィーは絶対に殺させないからね!」

ソピア「あ、私の名前は出さないで」

エルミス「そ、そうね。失敗した時が恐いものね」


38日目夜 現在地:魔法街
1.どこかへ行く(ウベローゼン市内、行く理由もあるとなお良し)
2.誰かと会う(同じ場所にいる人は同時指定可、できれば理由も
3.自由安価

※ヒレア・エルミスは特に指定が無い場合ついてくるかどうかはこちらで判断します(例えば共通の友人の所へは一緒に行きます)

図書館。

ソピア「トールくん、いた」

トール「ソフィアさん、おつかれさまです」

トール「もう怪我は大丈夫なんですか?」

ソピア「うん、なんともないよ」

トール「ヒレアさんも一緒でしたか…………げっ」

エルミス「逃がさないわよ、下僕4号!」

トール「あ、あはは……」

エルミス「さて、早速だけど」


1234 下僕を集めてお茶会よ!
5678 このお洋服に着替えてもらうわ!
90 あなたはソフィーの正体を知ってるのかしら?

↓コンマ一桁

エルミス「このお洋服に着替えてもらうわ!」

エルミスはどこからともなく紙袋を取り出した。若い女性用の服の端がはみ出している。

トール「お断りします!」

エルミス「命令よ! 着替えるのが恥ずかしいならわたしが着替えさせてあげる!」

トール「う、うわああああ!!」

エルミスは図書館の裏へトールを引っ張っていくと、無理矢理に服を着せていった。

エルミスの高い筋力と器用さのなせる技である。

ソピアはトールの女装姿に少し興味があったので止めなかった。

ヒレアも、トールが本気で抵抗していたらエルミスは吹き飛んでいるはずなので、特に何もせず見守っていた。


ソピア「かわいい!」

ヒレア「ほんと。悪いけど、すごく可愛い」

エルミス「わたしのセンスに狂いは無かったわね!」

トール「うう……ついにソフィアさんにまで見られた……」

ソピア「気を落とさないで。私が知る限り一番可愛いから。軍服キュベレさんと女装トールくんが私の中のツートップだね……」

トール「なんですかそれ……」

トップスはチュニック、胸元にリボンがついている。ボトムスはショートパンツで足元にはニーハイソックスとローファーを履いている。

髪も軽くセットし、胸元と同色のリボンがついた帽子を乗せていた。

エルミス「流石にスカートは可哀想だからやめてあげたのよ」

ソピア(ロング丈のワンピースの方がまだよかったんじゃないかな……)

トール「あの、満足しましたか? もう着替えていいですよね……?」

エルミス「駄目に決まってるじゃない。勝手な真似は慎みなさい!」

トール「僕を女装させるためだけに来たんですか……?」

ソピア「違うよ……。着替える前に少しお話ししようよ」


例1.せっかくだからみんなでカフェに行こう
例2.何の本読んでたの?
例3.そういえばトールくんってどの辺りに住んでるの?
例4.プレゼントを渡す
例5.ソピアの素性を明かす
※自由安価

↓2くらいまで(21時10分までで)

ソピア「何の本読んでたの?」

トール「え、えっと……それは、ごめんなさい、言えません」

ソピア「そうなの?」

エルミス「ちょっと見せなさい」バッ

トール「あっ!」

『よくわかる恋愛テクニック』

エルミス「トールは努力家ねぇ」

ヒレア「がんばってね」

ソピア「え? 何? ちょっと、私にも見せてよ」


ソピア「せっかくだからみんなでカフェに行こう」

トール「え、このままですか?」

エルミス「当然でしょ」

ソピア「だめ?」

トール「ソフィアさんがそう言うなら……」


魔法街広場。

トール「……」キョロキョロ

エルミス「心配しなくてもバレないわよ」

トール「そうじゃなくて、知り合いに見つかったら……」

ソピア「早くカフェに入ればいいのに」


カフェの中に

123 知り合いはいない
4567 フィナとフローラがいた
890 クルトとミルズがいた

↓コンマ一桁

ソピア「あれ? フィナとフローラさん」

フィナ「やっ。お昼ぶり」

フローラ「こんばんは」

ソピアの背後からエルミスが現れる。

エルミス「ちょうどいいところにいたわね!」

フィナ「ひぎゃあ、エルミスだ!」

フローラ「んまあ、大変でございますね」

ソピア「いや、ここにいたら見つかってもしょうがないよ……」

トール「ああ……エルミスさんはどこでもこんな扱いなんですね」

フィナ「ん? その子誰?」

トール「あっ、はじめまして。僕は」

エルミス「新しい下僕! 見ての通りの女の子よ!」

トール「ちょっと」

ソピア「風魔術師のロールちゃん」

トール「ソフィアさんまで……!」

ソピア「そういうことにしないと、フィナが絶対悪乗りするから……(小声)」

フィナ「よろしくね、ロール! あたしフィナ。殺し屋だよ」

トール「えっ、ええ……!?」

ソピア(どちらにしても悪乗りした)

フローラ「フィナさんはホワイトシーフです。私は商人のフローラと申します。どうぞよろしく」

トール「あ、よろしくお願いします……」


例1.とりあえずトールについて本当のことを話す
例2.トールが質問攻めにあう
例3.フローラが近況を話す
例4.フィナが悩みを話す
例5.エルミスの自慢話が繰り広げられる
例6.ヒレアが夢を語る
例7.ソピアの即興クッキング
例8.プレゼントを渡す(アイテムと対象は後で指定してもいい)
例9.さらにアンが乱入してくる
※自由安価

↓3くらいまで お茶会での出来事の安価、例は複数選択してもいい

書き終わらなかった……明日昼から続きます

フィナ「ロールはどこのギルド? 魔法局?」

トール「は、はい。風魔術師で……」

フィナ「え、うそっ、風魔術? 可愛い!」

トール(意味わかりません……)

ソピア(月魔術は可愛くないんだ……)

フィナ「でもよくエルミスが引き入れたね。あたしも人の事言えないけどメジャーな職でしょ?」

エルミス「風魔術師であること以外は完璧だったもの。何より可愛いからそれでいいのよ!」

フィナ「うん、分かる! 可愛いは正義!」

フィナ「ねえロールはさ! 甘党? 辛党?」

トール「ど、どちらかといえば甘党です」

フィナ「やったー! 仲間じゃん!」ブンブン

フィナはトールの両手を握って振り回す。

トール「ソフィアさん助けて……」

フィナ「やだー、恥ずかしがりやとかますます可愛いじゃん」

フィナ「ってソフィーとどういう関係なの?」

トール「た、ただのお友達で……」

フィナ「ふーん、よーし……」

エルミス「フィナ、野獣の目をしてるわ……」

フィナ「あっ……あたし今ギルドの歓迎会の男の先輩みたいになってた」

エルミス「例えがまったく分からないのだけど!」

フィナ「何でも屋に入りたての頃ね、しつこく付きまとってくる男がいたんだよ」

ソピア(あぁ、オルドさんみたいな……)

フィナ「ロールばかり話すのもよくないよね」

フィナは座っているヒレアの側に向き直った。ヒレアがびくりと震える。

フィナ「まあまあ。恐がらないで。君はお昼に会ったけど話さなかったね」

ヒレア「ヒレアよ。職業はモンスター」

フィナ「え……?」

ソピア「某1週間前に魔法街に現れてこのカフェを一度半壊させたモンスターだよ」

フィナ「そういえばあの黒い霧……! で、でも、ソフィーの妹って……」

ソピア「義理の妹だよ。身寄りがないから引き取ったの」

フィナ「あ、暴れたりしない……?」

ヒレア「お姉ちゃんに危害を加えさえしなければ何もしないわ」

フィナ「そ、そっかー、あはは」

カランカラン

アン「ここにいらっしゃったんですねぇ!」

ソピア「アン? どうして……」

アン「ソフィーを探し……あ、こんばんはぁ。みなさんお揃いで」

アン「あら、トールさん。今日は女の子の格好なんですねぇ。うふふ、お似合いですよっ」

ソピア「……あちゃー」

アン「ふぇ? アン、何か間違えましたか?」

ソピア「ううん。でも、生まれついてのドジだなあって思った」

エルミス「あなた、なんてことをしてくれたの!?」

アン「ふぇええ!?」

フィナ「えっ、アンのその口ぶり……まさか、男の子?」

トール「そ、そうです……。別にこれも好きで着てるわけじゃなくて」

フローラ「すべてエルミスさんのせいでございますね」

トール「は、はい。騙すような形になって、すいません」

フィナ「えー、でもすごい。お肌もつるつるだし、まつげもぱっちりだし、胸もエルミスよりはあるし……」

トール「それは言いすぎです……」

フィナ「もう女の子で通した方がいいんじゃない?」

フローラ「男性だとしたら、大人になった時が楽しみですね」

フィナ「あ、確かにそれもあるかも。せめて身長が伸びて声変わりすればイケメンになるかもね」


エルミス「せっかくいい流れだったのに、もう!」

エルミス「わたしたち全員で女の子扱いし続けることで次第に身も心も染める計画が台無しよ!」

ソピア「身までは無理じゃないかな……」

アン「そんなことしようとしてたんですかぁ!? いじめはいけませんよぉ」

エルミス「ぶりっ子のくせに正論気取って悦に浸らないで頂戴!」

ソピア「違うよ。アンはぶりっ子じゃないよ」

ソピア「ぶりっ子って言うのは、本当は計算高いけど、男の人の前では可愛がってあげたくなるような女の子を装う人の事でしょ?」

ソピア「アンは男の人の前でも意外と有能な所を見せてるし、私に対しても甘ったるい声と喋り方だし肝心なところでドジを踏むよ」

ソピア「初対面の相手に猫を被るエルミスの方がよっぽどぶりっ子じゃないかな」

ヒレア(お姉ちゃん、反論し慣れてる……)

エルミス「ご、ごめんなさい……。やっぱりわたしより、その子の方が大事なのね。幼馴染だからしょうがないわよね……」

ソピア(エルミスには今まで親しい人が誰もいなかったんだっけ。アンに嫉妬してるのかな)

ソピア(……結構効いてるんだね)

ソピア「エルミス、泣かないで。私にとってアンもエルミスも同じくらい大事な親友だよ。だから喧嘩してるところは見たくないんだ」

エルミス「うう、ソフィー……」

フローラ「少し会わない間に、お二人はずいぶん仲良くなったんですね」

ソピア「そ、そうですね」

フィナ「……」

バシャア!

ソピア「……え?」

フローラ「……」ポタポタ

トール「ふ、フローラさん、大丈夫ですか?」

エルミス「……何やってるのよ、フィナ!」

突然フィナがビンに入った液体をフローラに思い切りぶっかけたのだ。

フィナ「ご、ごめん! 手が滑っちゃった!」

ヒレア「フローラの髪の色が……」

フローラ「!? み、見ないでください!」

エルミス「目にも入ってるわ……! 何をかけたのよ!」

フィナ「え、えっと……」

アン「これ、脱色のポーションですぅ……」

ソピア「脱色……白くなるの?」

アン「ポーションで染めた髪や瞳の色を落として、生まれつきの色に戻すポーションですよ」

ソピア(あ、危ない……私にかからなくてよかった……)

染めていた色を落とされたフローラの髪はラベンダー色、瞳は金色をしていた。

フィナ「ごめんね……悪気はなかったんだけど」

フローラ「い、いえ。わざとじゃないのは分かっています。怒っていません」

フローラ「また、染め直さなくちゃ……」

フィナ「金の瞳、コンプレックスだったもんね」

トール「あの……商人で金色の瞳って、まさか」

フローラ「ええ。私はグリエール家の血を引いています」

トール「き、聞いてしまってごめんなさい」

トール(複雑な事情がありそうですね……)

フローラ「お気になさらず。この際ですので、少々、私の話を聞いていただいてもよろしいですか?」


↓ フローラの現在の苗字(フローラの経営する社名にもなります)

すごく語呂がいい



フローラ「私の実の父、パニー・グリエールは、私が生まれる前に母を捨てました」

トール「パニーってたしか、今の不動産王の父親ですよね……」

フローラ「母はその後、今の父と再婚しました」

フローラ「私の経営しているリンクス商会は父から引き継いだものです」

トール「あの、フローラさんって今何歳ですか?」

フィナ「12歳らしいよ。小さいのにすごいよね。あたしなんて12の頃は算数が苦手すぎて小学校卒業すら危ぶまれてもん」

トール「フローラさん、天才じゃないですか!」

フローラ「……。……父の実家もハーバリアでリンクス雑貨店を経営していたんですが、最近、無くなってしまったことを知ったんです」

ソピア「それはどうして……」

フローラ「小売王マニー・グリエールのショッピングモールが建てられたからです」

フローラ「彼らは、私の義祖父母を無理矢理に追い出していたんです……」

トール「なんてひどいことを……!」

ソピア「グリエール商会は、どこでも誰かに迷惑かけてますね……」

エルミス「グリエール家の言う事を聞かないフローラに、ついに嫌がらせを始めてきたってわけね」

フィナ「で、そこに偶然通りかかったのがあたし」

フローラ「フィナさんが私の代わりにマニーを捕まえて尋問してくださったのです」

フィナ「師匠に教わった技術が役に立ったんだ!」

ソピア「そういう使い方ならまあ、いいのかな……?」

フィナ「でもさ、フローラのお父さんの実家だったなんて知らなかったって言うんだよ」

フローラ「その後、マニーは謎の死を遂げました。世間では自殺と言う事にされているようですけれど……」

フィナ「あ、あたしは殺してないからね! 本当だよ!?」

トール「グリエール家に消されたんでしょうか……?」

エルミス「問題は、そいつが嘘をついててさらにリンクス商会の営業妨害をしてくる可能性があるってことよね」

フローラ「はい、もしそうなれば私がオーナーを務めているお店のみなさんが襲われるかもしれません……」

エルミス「安心して、フローラ。そんなゲスはわたしがとっちめてあげるわ」

トール「そんな安請け合いしていいんですか!? 相手は……」

エルミス「相手が誰だろうと、わたしの仲間を傷つけた輩は許さないから!」

フィナ「もちろんあたしも引き続き手伝うよ。師匠に比べれば恐いものなんてないからさ……」

アン「アンにできることがあったらお申し付けくださいっ」

ソピア「あんまりひどかったら、放っとけないよ」

フローラ「みなさんはお優しいのですね。やはり、私の見込んだ人たちです」

フローラ「うふふっ……」

フローラは満足そうに微笑んだ。


ヒレア「グリエール商会……私も、いつか敵対することになりそうね」

ソピア「(私やフローラさんの付き添いじゃなく)ヒレアちゃんが?」

ヒレア「うん。私、夢があるの」

フィナ「へえ、どんな? にんにくを克服するとか?」

ヒレア「世界平和。ちなみににんにくは食べれるわ」

フィナ「すごくいい子だった! 吸血鬼に偏見持ってた、ごめんね」

ヒレア「いろいろあって、簡単には死ねない体になったから。有効に使いたいと思って考えたの」

ヒレア「この力があれば、世界中から苦しみや悲しみのもとを無くせるんじゃないかって」

ソピア「できるよ。ヒレアちゃん、私よりずっとすごいもん」

フローラ「その苦しみや悲しみのもとは何だと思いますか?」

ヒレア「まだ、分からないわ。でも、きっと色々あるんだと思う」

フローラ「私はそれを知っています」

ソピア「えっ?」

フローラ「モンスターです」

フローラ「一日に平均して何人がモンスターに殺されていると思いますか? フルフィリアだけでも毎日20人、一年間で7千人がモンスターによって命を落としています」

フローラ「さらに、人間が使っている土地は全体の10パーセントでしかありません。その他の土地はすべてモンスターの領域なんです」

フローラ「そんなモンスターに対抗するために、私は店舗経営を通して武器や防具の職人を育てているんです」

フィナ「えっと、20、10……?」

フローラ「あっ、申し訳ございません。つい、熱く語ってしまいました……」

ソピア「いえ、素晴らしい理念だと思います」

エルミス「直接戦えないフローラも商売人なりの戦いをしているのね! 素晴らしいわ!」

フィナ「やろうと思えば鞭で戦――」

ソピア「フィナ、ストップ!!」

エルミス「何か言ったかしら?」

フィナ「な、なんでもないよー」

エルミス「隠し事とはいい度胸ね。白状しなさい!」

ソピア「フローラさんは戦えないんじゃなくて戦うのが嫌いなだけって話。苦手なことをさせるのは良くないよね」

エルミス「そうね。正直、前線に出てこられても困るわね」

ソピア「……ほっ」

フローラ(助かりました……)



ソピア「誰かにプレゼントを渡そうかな?」


【所持アイテム】
野営セット・銀の短剣・ナイフ・金槌・ハサミ・ドライバー・ライター・平和のロザリオ
ポーション×2・回復の杖・自動迷彩マント・海子の杖
薄汚れた赤ずきん・エセ探偵セット・女中の服・緋袴・シックなコート・ヘアゴムセット・桃色のリボン・リボンカチューシャ・アザラシ革の手袋
オニキス・琥珀の欠片・火魔術結晶・キングウォッチ・クロノクロウの羽・チャンピオンツタベルト・光るビン
おてんばワンピース・ウサギなエプロン・タフネス眼鏡・ネコのぬいぐるみ

【渡せる相手】
ヒレア、アン、エルミス、フィナ、フローラ、トール

↓1、2 渡す相手とアイテム名をセットで(渡さない、もあり)

ソピア「フローラさん、これをどうぞ」

フローラ「コートですか?」

ソピア「ちょっと大きいので、染め直すまで顔と髪を隠すのに使ってください」

フローラ「お気遣いありがとうございます……」

アン「それなら帽子の方が良かったのではぁ……」

ソピア「帽子持ってなかったからね……流石に薄汚れた頭巾を渡すのは忍びないし」

ソピア「あ、それと、ずっと借りっぱなしでした。傘、お返しします」

フローラ「あら、私もすっかり忘れていました……。傘、お持ちでなければそのままお使いいただいて結構ですよ」

ソピア「では、お言葉に甘えて頂戴します」

フィナ「……」ジー

ソピア(フィナが物欲しそうな目で見ている!)

ソピア「フィナには……うん、これあげる」

自分の髪をまとめるためのヘアゴムを2本残して、ヘアゴムセットをプレゼントした。

フィナ「え? いや、あっ。欲しがってるように見えた?」

ソピア「うん。道具の修理とかにも使えるんじゃないかなと思って」

フィナ「じゃあ、とりあえず貰っとくよ。サンキュー」


※ヘアゴムセットとシックなコートを失いました


※アン、ヒレア、エルミスの交友度はこれ以上上がりません

※このレスのコンマ分 トールの交友度が上がります

↓1コンマ+150 フローラの交友度が上がります
↓2コンマ+50 フィナの交友度が上がります

フィナ「……」(??:9.95→10.61)
トール「幻滅されなくてよかった……」(??:9.81→10.04)
フローラ「お気遣い頂き感謝します」(仲良し:6.13→7.88)


ソピア「そろそろ解散しませんか?」

トール「そうですね。早く着替えたい……」

エルミス「会計はわたしが払うわ」

フローラ「いいえ。ここは私が」

フィナ「外、暗いなあ。目をぎゅっと閉じて……よし、慣れた」

ソピア「あれ、ヒレアちゃんどこ行くの」

ヒレア「パトロール。夜は町中でも盗賊やモンスターが出ると聞くわ。どこかで襲われてる人がいるかもしれない」

アン「吸血鬼の夜間パトロールは頼もしいですねぇ」

ソピア「気を付けてね」


1.エルミスを自宅まで送って行く
2.トールの家までついて行ってみる
3.フローラと一緒に魔法街の仕立て屋へ行く

ソピア「トールくんを家まで送って行くよ」

トール「普通逆じゃないですか……!?」

図書館に戻りトールは普段着に着替えてから帰路についた。

トール「女性は大変ですね……あんなひらひらしてるかと思えば変なところで窮屈な服を着なければいけないなんて」

ソピア「私もあんなに太ももを露出させた服なんて着たことないよ」

ソピア「ところで今朝、フィナが男装したんだけどすっごく格好良かったんだよ」

トール「男装はまだそこまで恥ずかしくなさそうですよね。どんな服着てたんですか?」

ソピア「タキシード。結婚式の体験でね」

トール「タキシードですか……。……」

ソピア「でもトールくんには似合わなさそう。身長が足りないよ」

トール「がっくし……」

ソピア「あれ? マリンがいない。……ヒレアちゃんのパトロールを手伝ってるのかな」

ソピア「困ったな。モンスターが出ても気づけないや」

トール「僕に任せてください。僕ならモンスター以外の気配も探れるんですから」

ソピア「わあトールくん素敵」

トール「ふふん。……!?」

ソピア「どうしたの?」

トール「しっ! つけられています」

ソピア「モンスター? 人? つけてくるなら人かな……」

トール「どうします……?」


1.追いかけてみる
2.角を曲がったところで待ち構える
3.明るい建物の中に入る

ソピア「そこの角で待つよ」

トール「はい」

ソピアとトールは建物の角を曲がると、壁沿いに身を潜め、追跡者が現れるのを待った。

そして。

??「うわっ」

トール「な、何者ですか!」

トールには見えなかったようだが、暗い所でも目が効くソピアにははっきりとその人物の顔が確認できた。

その顔は……

ソピア「フィナ? なんで」

言い終わるよりも早く、その右手に構えられた短剣はソピアの胸へ突き立とうとした。

トール「はぁ!」ボン!

エアバッグが寸でのところでフィナを弾き飛ばす。

フィナは空中で回転すると、見事な着地を決め、即座に走り寄ってきた。

ソピア(まずは止めないと、話もできない!)


1.魅了魔法を使う
2.逆に恐怖魔法を使う
3.トールの停止魔法で抑え込む
4.自由安価

↓ どれでもコンマ一桁が高いほど上手くいきます

コンマ:7 魔法は成功したが話はできない



ソピア(恐怖魔法!)

フィナ「ひいいっ!!」バッ

目前まで迫ったフィナは突如恐怖に襲われ、バックステップで距離を取った。

ソピア「フィナ……なんで私たちにこんなことを?」

フィナ「こ、こないでえええ」

トール「話になりませんね。落ち着くまで僕の魔法で抑え込みましょう」


12 拘束に失敗し、増援も来る
3456 フィナを抑え込めないが、増援が来る
7890 フィナを抑え込めた。増援は来ない

↓コンマ一桁

ごめんなさい、>>357の3456は『抑え込めたが』でした



フィナ「はっ。う、動けない……!」

トール「暴れても無駄です。どうしてこんなことしたんですか!」

フィナ「うう、それは……」

ソピア「トールくん危ない!」

トール「え」

高圧の蒸気がトールを吹き飛ばす。トールは気流を操り勢いを殺して着地するが、フィナを拘束していた停止魔法への集中が切れてしまった。

トール「これは噴射魔法ですね……!」

フィナは即座にソピアに斬りかかれる状態ではなかったため、一旦距離を取って体勢を立て直した。

クリス「オーナーさんの依頼なので、助太刀しますっ!」

ソピア「クリスティさん!?」

クリス「あれ? 敵って月魔術師さんなんですか?」

フローラ「はい。町は壊さないでくださいね」

クリス「お姉さん! おかげさまで首、直りました! それでは攻撃しますねっ」

ソピア(こういうところが人間とモンスターの違いだなぁと思う……)


1.フィナに強化魔法を使い接近戦、クリスティとフローラはバリアの後ろに隠れる
2.影縫いでソピアの動きを止めて、短剣で斬りつける
3.分担してクリスティはソピアの、フィナはトールの相手をする

↓ 相手側の作戦、一番対処できそうなのをお選びください

クリスティドール(裁縫師型)。

人形師クリスティが無人の仕立て屋に残した陶器製オートマトン。

読書で仕入れた知識で全属性の強力な魔法を扱うことができる。


フィナ「動きを止めて!」

クリス「りょーかいです! 影縫い!」

月魔術の一つである影縫いは、対象の影に作用し動きを止める厄介な魔法だ。

ただし発動には影ができていることが条件である。

ソピア(動ける……)

ソピアが恐怖魔法の黒いもやを放ったのを見てフィナが踏みとどまる。

クリス「あれ、明るさが足りなかったみたいですね。今度こそいけます!」

ソピア(う、動けない……!)

手足の関節が固定されたかのように感じる。特殊な魔法、マリオネットだ。

警戒したフィナが遠くから針を投げつけた。

トール「させませんよ!」

風魔術で針が叩き落とされる。

トール「一体どうしたんですか! 説明してください!」

クリス「エアバッグ!」

トール「へ?」ドムッ

自分と同じ魔法で吹き飛ばされるトール。

ソピア(拘束されたらまずい……多分身魔法で!)

クリス「分身!」

ソピア「クリスティさんも、増えた……!?」

クリス「そして、手錠ですっ」

ソピア「きゃっ……!」ガチィン

岩魔術に分類される錬金術の一種、生成魔法。

クリス「はいっ、つかまえました!」

フィナ「オーケイ!」

トール「う、ぐ……」

ソピア「助け……」


↓コンマ 奇数…ヒレアとマリンが気づく 偶数…トールがまだ頑張る

マリン「モンスター補足ー!」

ヒレア「どの辺り?」

マリン「あっ……ソフィーの近くー」

ヒレア「もう、お姉ちゃんは目を離すといっつもピンチなんだから……!」


ヒレアの急降下蹴り。

フィナ「ぎゃっ」ガッ ゴロゴロ

ヒレア「間に合った?」

ソピア「助かったよ……」

ヒレア「……なんで、フィナとクリスティに襲われてるの」

ソピア「それがわからなくて……」

マリン「トモダチに襲われるのはソフィーの十八番ねー」

ソピア「そんなの十八番にしたくない」

フィナ「……やばっ! 来る前に終わらせたかったのに」

クリス「オーナー?」

フローラ「フィナさんの指示に従ってください」

クリス「あいあいさーっ」

フィナ「ヒレアとマリンは任せた!」

クリス「それはちょっときびしいです!」


↓1コンマ一桁が4以上でソピア&トール勝利
↓2コンマ一桁が2以上でヒレア&マリン勝利

ソピア(もう一度恐怖魔法!)

フィナ「避けて、と」

ソピア「うそ……!」

フィナ「チェックメイト!」

ソピア「マリンバリア!」

青いオーラが刃を弾いた。

ソピア「間に合った……」

トール「いい加減にしてください……!」

停止魔法が再度フィナを拘束した。

フィナ「う……参りました」


ヒレア「壊さない程度にどうにかしないと……」

クリス「太陽光線:天!」

空から一条の強い日差しがヒレアに降り注ぐ。

ヒレア「熱いっ!」

マリン「冷ますわー」

ヒレア「ありがとうマリン」

クリス「クロノスタシス」ジッ

見られたヒレアの動きが一瞬だけ止まる。

ヒレア「えっ……」

気が付くとヒレアはマリオネットの魔法糸に拘束されていた。

クリス「そーれっ!」ブン

マリンを巻き込んでそのまま壁に激突するヒレア。

マリン「……服ごと洗ってあげるわー」

ヒレア「壊さないようにね」

クリス「きゃっ、いやー!!」グルグルグルグル

渦巻く水流の中心で高速回転させられたクリスティは、特に目を回した様子はないが、そのまま座りこんだ。

クリス「きゅぅ……。吸血鬼さんと精霊の塊さんは無理ですって……」


ソピア「どうして私を殺そうとしたの?」

クリス「オーナーがそう言ったので!」

フローラ「……フィナさんへの恩返しです」

フィナ「…………」

ソピア「黙ってちゃ分からないよ。お喋りなんだからこんな時だけ都合よく黙らないでよ」

トール「お願いします。理由だけ教えてください。ソフィアさんが何かしたんですか?」


↓トールの交渉力90、コンマ10以上で正直に話す

今夜はここまで、次回は来週までに、先延ばしにしていたフィナ番外編の内容を投下します

遅ればせながらあけましておめでとうございます、今年もソピアちゃんとコンマ神をよろしくお願いします

エルミスの敵対フラグ解除条件は30日目誕生日会後に2人きりで話すことでした、その後は究極魅了をエルミスまたは元帥に使う以外に方法は無かったです

ついでに、エルミスの絶壁設定は親が重壁だからです

フィナ「わかった……話すよ。よく聞いて、トール」

フィナ「あたしたちはソフィーに騙されてたんだよ!」

ソピア「……!」

トール「ど、どういうことですか……?」

フィナ「そいつの正体は、逃亡貴族、ソピア・ウィンベル!」

フィナ「トールはソフィーの事が好きみたいだけど、単に魅了されていいように利用されてるだけなんだ!」

ソピア「魅了はそんなに持続しないよ……」

トール「う、嘘ですよね……? ソフィアさん」

ソピア「……黙っていてごめんなさい」

トール「で、でも騙してたわけじゃないでしょう! 気軽に話せる事じゃないですよ……!」

ソピア「まさかあの脱色ポーションは……」

フィナ「みんなが集まってる前で髪と瞳の色を元に戻して見せつければ言い逃れできないでしょ」

ソピア「いつ、知ったの……?」

ソピア(まさか、さっきエルミスに話していた時に聞かれた……?)

フィナ「昨日の晩」

ソピア「どこで誰に……」

フィナ「……ちょっとだけ長話になるよ」

【友達の為に】


アサシン協会――

全てのアサシンが所属し、殺人を通して世界を裏から操っている秘密結社である。

アジトへの出入りはメッセンジャーから渡された睡眠薬を飲んで眠っている間に行われるため、活動しているアサシンは誰もその場所を知らない。


師匠「で、基本的にアサシンは協会が持ってきた仕事をこなす。稼ぎがいいからね」

フィナ「意外と兵隊と変わらないんですねー」

師匠「別に自分らで仕事を探してもいいんだよ。協会の指示に一切従わない野良アサシンや、そもそも協会に所属してないアサシンじゃない殺し屋もたまにいるぞ」

師匠「あたいは半分野良寄りってところだな」

フィナ「わがままなんですね、ししょー」

師匠「わがままってなんだオイ」

師匠「いくら報酬が良くても、理由も知らされず秩序を乱すのは好きじゃないんだ。例えば平和を訴える運動家を殺してはした金貰っても後味が悪い」

フィナ「えー! 師匠も相手を選ぶんですね。見境なく殺しまわってると思ってました!」

師匠「あたいは殺人鬼とは違げぇよ!」

フィナ「痛い痛い痛い! 絞るのはやめてー!」

師匠「ったく……。話の続きだが、協会にフィナを見習いで登録しておいたからな」

フィナ「んな勝手な!!」

師匠「今朝、黒づくめの奴に手紙をもらわなかったか?」

フィナ「あ、ありました。カミソリ入ってたらやだからまだ見てません」

師匠「その黒づくめは影帽子っていう協会のメッセンジャーだ。その手紙は依頼書だ」

フィナ「はあ……」パサ


依頼書

フルフィリア共和国ハーバリア市郊外、錬金術研究所跡での、ホムンクルス4体の殺害を依頼する。

報酬は3000G。

備考…単独達成は困難。ホワイトシーフの仲間と協力せよ。

※この手紙はたたむと火魔術で自動的に焼却処分されます

翌日。

フィナ「ここが錬金術研究所……」

フィナは依頼書に添付されていた地図に従い、ハーバリア郊外の錬金術研究所跡を訪れていた。

軍港が置かれる前のハーバリア市は、錬金術師を中心とした組織にほとんど支配された状況であったと言う。

今では市内の関連施設はすべて撤去されたが、郊外の森林に研究所が一つ残っていたようだ。

一人ではない。一番腕の立つ友達と、師匠の後輩アサシンのガドーが同行している。

友達「私達の実力で大丈夫なの……?」

フィナ「だいじょぶだって! ガドーくんいるし」

友達「私この人知らないんだけど……彼、本当にホワイトシーフ?」

ガドー「ギルド登録前は盗賊団にいたからな」

友達「フィナ、こんな辺鄙な所でどんな仕事を?」

フィナ「うん。ホムンクルスを倒すの!」

友達「えっ!? ついに殺人に手を染めちゃうんだ……」

フィナ「いやいや、あたし殺人とかしないし!」

ガドー「オマエ、ホムンクルスが何なのか分かってるのか?」

フィナ「えっ、魔術的モンスターだよね?」

ガドー「ハァ……。いいか、ホムンクルスってのは錬金術で作り出した人間のことだ」

フィナ「……マジですか」

ガドー「調べてこなかったのか」

フィナ「いや、モンスター図鑑に載ってなかったから辞書を見たんだけど、よく分からなくて……」

フィナ「そっかー……魔法で人間作れるのかー……」

友達「……帰る?」

フィナ「うーん……3000Gだし、もし話の通じない人だったらワンチャンモンスターってことにできるかもしれないし……」

ガドー「金の問題かよ」


施設の探索を始めるとすぐに、うろつく人型の何かを発見した。

フィナ「あれじゃないかな!?」

友達「声大きいって……」

「うぅぅ……ぐぐぅぅ……」

友達「ほら気づかれた」

フィナ「明らかに普通の人間じゃないんだけど!」

ガドー「体のバランスがおかしい。注意しろ、通常の対人戦とは間合いが違うからな」

フェイルドホムンクルス。

錬金術研究所で培養途中だったホムンクルスが正しい管理を受けずに放置されて生まれた異形。

人間としての理性を持たず、近隣の森で草や虫を食べて生きていた。


フィナ「先手必勝、せい、やっ!」ブン ブン

「ぐるるるぅ……」バタリ

毒を塗った針を投げつけると、元から栄養状態が良くなかったのか、すぐに膝をつき苦しみ始めた。

ガドー「おい、いきなり攻撃して良かったのか」

フィナ「えっと、仲良くできるあれじゃなかったし……ね?」

友達「まあ、いいと思うよ。討伐依頼があったってことは何か被害が出たはずだから……」

フィナ「う、うん、ソウダネー。(アサシン協会の依頼だなんて絶対言えない!)」

友達「じゃあ残りも片づけて帰ろうか」

その後、ホムンクルスが本当に危険な存在かどうか確かめたが、テーブルの上に排泄する姿、笑いながら棍棒で襲い掛かってくる姿、

そして極めつけに死んだ仲間の肉を食らおうとする姿を見た一行は、もはや彼らを人間として見なくなっていた。


実験室で最後の一体を倒したフィナが一息つく。

友達「終わったね。私何もできなくてごめんね」

フィナ「いいよいいよ。体術メインでしょ? あれに直接触るとかあたしもやだもん」

ガドー「報酬は一人になったら渡される」

フィナ「親切にありがと!」

友達「え、どんな依頼者なの……?」

フィナ「じゃ、2人には先払いしとくね」

フィナは2人に1000Gずつ渡した。

ガドー「確かに受け取った。……ん」ジロジロ

友達「何かあった?」

ガドー「……この実験室、使用の痕跡があるぞ」

フィナ「ち、ちょっとガドーくん、怖い事言うのやめてって!」

ガドー「ホムンクルスに使える道具じゃない……誰かが忍び込んで使ったか?」

友達「は、早く帰ろう?」

ガドー「オレはしばらくここを調べる。オマエらは先に帰ってろ」

友達と別れたフィナはハーバリア市の裏通りを歩いていた。

フィナ(いざ冷静になるとまずいことしちゃったかな……)

フィナ(ホムンクルスたち、あんな有様でも一応人間のなりそこないであって、モンスターじゃないわけだし……)

フィナ(協会はこの仕事を通してあたしに人を殺すことへの抵抗を無くさせようとした……?)

フィナ(……恐いなあ)

影帽子「……」ペコリ

フィナ「あっ、こんにちわ」

影帽子「……」スッ

フィナ「えっ、3000Gと……次の依頼書ですか?」

影帽子「……」ペコリ スタスタ

フィア「行っちゃったし……。次は何なの?」


依頼書

フルフィリア共和国ハーバリア市、マニーマーケット事務所での、マニー・グリエールの殺害を依頼する。

ターゲットの別名は小売王。事務所にいる時間は9時~20時。本人に戦闘能力は無い。

報酬は100000G。

備考…行動開始前にフローラ・リンクスと接触すること。
    体術と銃を扱うボディガードが1名、常に護衛している。

※この手紙はたたむと火魔術で自動的に焼却処分されます

(顔写真、身長・体重、服装、家族構成などのデータが添付されている)


フィナ「ふっざけんなぁ!」ビターン!

フィナ「人間もどきの次がグリエール商会なんて、ステップ飛ばしすぎだって!」

フィナ「ていうかグリエール商会の偉い人を殺したらただじゃ済まないから!」

フィナ「……あれ、そういえばフローラの名前が書いてあったような」チラッ

フィナ「ああっ! 思わず地面に投げつけちゃったせいで手紙が閉じて燃えてるー!」

フィナ「しまったー! 報酬もうろ覚えだし! 絶対やらないけど!」

フローラ「あら……その声はやっぱりフィナさんでしたか。そんなに大騒ぎなさって、何かあったのですか?」

フィナ「フローラ!? 噂をすれば影ってやつ!?」

フローラ「噂……?」

フィナ「あー、フローラの事を思い出してね、あはは」

フィナ「いま忙しい? 暇ならちょっとお茶しようよ」

フローラ・リンクスは12歳ながらいくつもの冒険者の装備品を扱う店のオーナーを務めている天才商人だ。

その天才性と商人としての物腰から、年上の人物も彼女と話す際には敬語を使うことが多い。

しかし、実のところ彼女は誰にでも敬語で話されるのをあまり好く思っていない。

口に出すことはないが、友人や近所の大人には、商人として特別視せずに年相応に接して欲しいのだ。

そういうわけで、エルミス、ソピアと違い、初対面からフランクに接してきたフィナは、他の2人に比べてフローラと仲良くなっている。

もっともフィナ本人はそこまで深く考えていたわけではないが……。


フィナ「パパはママの料理が好きで結婚したっていうわけ。でもママの料理別にそこまで美味しくないんだよ」

フローラ「作ってもらえるだけうらやましいです……」

フィナ「えっ、フローラのママは料理作らないの!?」

フローラ「はい。母は仕事人間ですので。私はいつも出先で外食、父は近所の食堂で食べているそうです」

フィナ「へえフローラんちも共働きなんだ。ママさんどんな仕事してるの?」

フローラ「……管理職、ですね」

フィナはフローラが一瞬暗い顔をするのを見逃さなかった。

フィナ「あ、嫌な事聞いちゃった? 言わなくていいよ、うん」

フローラ「すいません。母とはあまり仲がよくないもので……」

フィナ「そうなんだ。あれ? でも血のつながりがあるのはママさんの方だよね?」

フローラ「……」

フローラはうつむいている。

フィナ「ごめん! でもママが嫌いでも別に悪くないからね! あたしの友達でパパと同じ空気を吸いたくないって子も何人かいるし」

フローラ「…………私はあの両親から生まれたことを認めたくありません。彼らと同じ血が流れていると想像すると、全身に怖気が走ります……!」

フィナ「うおお……そこまで言うか」

フローラ「コホン。失礼しました。お見苦しい真似を……」

フィナ「いいの。フローラもまだ子供なんだから、いつも大人でいたら疲れるでしょ?」

フィナ「毎日仕事で頭使ってて、家でも辛い思いしてるんだから、あたしの前でくらい甘えていいんだよ!」

フローラ「嬉しいお言葉です。ですが、自宅ではくつろげていますよ」

フローラ「母はあまり帰って来ませんし、父とは良好な関係を築けていますから」

フィナ「それは安心したよ」

フローラ「私の商会は父から頂いたもので、経営理念も父の受け売りです。私は父を尊敬しています」

フィナ「いいじゃん。あたしは尊敬はできないかな……感謝はしてるけどさ」

フローラ「たとえ血の繋がりは無くても、心の繋がりはもっと濃いものでございます」

フローラ「人間は花とは違いますから……土が変われば、違う色や形を咲かせることだってできるはずです」

フィナ(平凡なあたしでもビッグになれるわけか。でも殺し屋はちょっとねぇ……)

フローラ「ではお言葉に甘えて……一つ相談があります」

フィナ「ほいさ。何でも聞くよ!」

フローラ「私が我慢をすることで父を助けたとして、父は喜ぶでしょうか?」

フィナ「……難しい質問だね。うーん……程度によるんじゃないかな?」

フィナ「尽くしてくれるのはありがたいけど、見てて辛くなるくらい無理されると素直に喜べないよ」

フローラは語った。

父方の祖父母が経営する商店が取り壊されたこと、そしてそれにグリエール商会が関わっていることを。

フローラ「私が会長の言うとおりグリエール商会に戻りさえすれば、父にこれ以上迷惑はかかりません……」

フィナ「……フローラはそれでいいの?」

フローラ「父だけではないです。私が店を任せている方々、そしてあなたがた友人にも迷惑がかかるかもしれませんから……」

フローラ「人質を取られているのです。あの家に戻っても一定の成果を挙げなければ報復されることでしょう……」

フローラ「……巻き込んでしまって、ごめんなさい」

フィナ「……あたしはもう巻き込まれてて、フローラの行動次第ではあたしの家に放火されたりとか、するわけ?」

フィナ「だったら会長がどれだけ偉いか知らないけど、あたしが一発ひっぱたいてやる!」

フローラ「そんなことをしては……!」

フィナ「どっちにしろ消されるかもしれないんでしょ、あたし。先手必勝だよ!」

フローラ「でも、待ってください。……会長は関与していないかもしれません」

フィナ「じゃあそのマーケットの社長だ。どこの何様!」

フローラ「小売王、マニー・グリエールです」

フィナ「マニー……!?」

フローラ「どうかされましたか?」

フィナ「話を聞くだけ聞いて何も言わないのはズルいよね……。あたし、実は……」

フィナはアサシン協会からマニーの暗殺を依頼されたことを話した。

フローラ「まあ……!」

フィナ「世界を支配する親玉もマニーのことが嫌いみたいだね」

フローラ「いいえ。おそらく、フィナさんをアサシンとして教育するための依頼だと思います」

フィナ「そ、そういえば備考にフローラの名前が書かれてたような……」

フローラ「私がマニーの話をし、フィナさんがそれに腹を立てることを協会は予測していたのでしょう」

フローラ「殺人への抵抗を無くさせるために、まずは殺意を抱きやすい相手から殺させる……」

フィナ「恐っ! 協会恐っ!」

フローラ「フィナさん、どうか、殺人はおやめ下さい」

フィナ「安心して。グリエール商会のいいようにされてるのも癪だけど、アサシン協会の狙い通りに動くのもごめんだしね」

フィナ「やることは変わらないよ。あたしはあたしのやり方でとっちめてやる!」

フローラと別れた後、フィナは明日の作戦決行に向けて計画を立て道具の準備を整えた。

その場のテンションで喋ることが多いため誤解されがちだが、フィナはそこまで頭が悪いわけではない。

深く考察することは苦手でも、見聞きしたことを覚え、学習したことを応用する力はある。

また大げさな思考が幸いし、少し不安な点があると怖くなりとことん用意せずにはいられなくなる。

そんなところにアサシン『凶爪』は見どころを感じたのかもしれない。

フィナ「こんなもんかな。……いや、もしマニーがコウモリを使役する能力を持ってたら……! 煙幕だけじゃダメだ!」


翌日、マニーマーケット。

フィナ「ちょっとォ!! ここで買ったお魚さんが腐ってましてよ! どうなってるんザマスかこの店は!」

店員「お客様、それは本当にここで買ったものですか? 領収書を……」

フィナ「領収書なんて捨てたザマス! 早く社長呼んできなさい社長!」

フィナ「グリエール商会のマーケットだなんて言うからどんな素晴らしいお店かと思ったら、社長の顔が見たいザマスね!」

店員(なんて客だ! マニーさんを罵るなんて、どうなってもしらないぞ……!)

足早にバックヤードに引っ込む店員の後ろをゆっくりと尾行し、商品を見るふりをしながら棚の後ろに隠れる。

バックヤードの扉が開いてマニーがマーケット内に姿を現すのを確認する。

フィナ(っと、そろそろ時限装置が動くころかな)

客「キャー! 火事よー!」

店員「消火用スプラッシュポーション持ってきてくれー!」

大きな火事ではないが騒ぎは大きい。クレーム対応のためちょうど出て来ていたマニーも現場に向かう。

フィナ(今のうちに事務所に潜入っと)

マニーが帰ってくる前に仕掛けを済ませて机の下で待機する。

フィナ(来た……!)ドキドキ

フィナは机の下からボディガードの脚を斬りつけると飛び出して顎にアッパーを食らわせた。

マニー「な、なんだねチミはぁ!?」

そしてボディガードを部屋の外へ押し出すと、あらかじめ倒しやすいように仕掛けておいた棚を倒して出入り口を塞ぐ。

フィナ「質問に答えて! さもなくばあんたを殺す!」スッ

短剣の切っ先を向けるとマニーは小さく震えた。

マニー「金! 金なら払う!」

フィナ「あんたからもらう金なんてないよ!」

こうしてフィナは想定していたよりもあっさりと襲撃に成功した。

マニーはグリエール商会の中では、あくまで小売業者であるため、比較的他人の恨みを買うことは少ない部類である。

そのために身を守る意識に乏しく、ボディガードにもお金をかけていなかったのだ。

フィナ「なんでここにマーケットを立てたの。フローラへの嫌がらせ?」

マニー「フローラ……たしか兄貴の捨て子で会長がご執心の。とんでもない! ボクがここに市場を作ったのと何の関係があるんだね!?」

フィナ「リンクス雑貨店、あんたが潰した店の中にあったでしょ! フローラの実家なんだよ」

マニー「な、それは本当なのか……?」

フィナ「しらばっくれるな!」

マニー「し、知らなかったんだ! 知ってたらそんな場所に作らなかった! ああ、会長にどう言い訳すれば……」

マニー「とりあえずは、そうだな。リンクス雑貨店のご夫妻には追加の慰謝料を払おう。それでいいね、チミ?」

フィナ「何言ってるの! お金の問題じゃない!」

マニー「でもチミ、市場を取り壊すのは市民に迷惑がかかるよ……。だからその短剣を向けるのをやめたまえよ!」

フィナ「うるさい! 知らなかったなんて言い訳にならないよ! そもそも他人んちを潰すのが間違ってる!」

フィナ「あんたが強引な建設を進めなければ、フローラが辛い思いをすることもなかったんだ……!」ブルブル

マニー「ひっ! そ、そうか、チミはフローラに雇われた殺し屋だね。死ぬ前に一つ教えてくれ。ボクの命の価値はいくらなんだい?」

フィナ「……」スッ

フィナは短剣を降ろした。

フィナ「あたしはただ、友達を泣かせた犯人を懲らしめに来ただけ」

フィナ「はあ……。なんでも金、金、金か。あんた、心が貧しいよ。だからあんたの命の価値は……ゼロゴールドだ」

マニーに背を向け、言い捨てながら部屋を後にした。

倒れた棚「」ズシーン

フィナ「…………」

フィナ(後にできなかった……棚、どうしよ)

フィナ「よっと……んんんんん……!」プルプル

マニー「……手伝おうか?」

フィナ「…………」コクリ

フィナ(……カッコよく帰れなかった!)

夕刻。

フィナ「で、部屋を出るときに煙幕玉と爆音玉を投げて急いで逃げてきたの」

フローラ「そうですか……」

フィナ「うん。見た感じ本気で焦ってたから、たぶん本当に何も知らなかったんだと思う」

フローラ「結局、殺さなかったのですね」

フィナ「あったりまえじゃん」

フィナ「これで懲りて、住んでる人を追い出すようなことはやめてくれるといいんだけど」

フローラ「無いでしょうね……。おそらく、これからは護衛を増員するだけでしょう」

フィナ「そっか。ま、簡単に人の性根はなおらないよね」

フローラ「それだけじゃありません。フィナさんに刺客が送られてくると思います」

フィナ「うへぇ……。でも来たら倒しちゃえばいい話でしょ? うっかり死なせちゃっても、それは防衛だからまあ、ね?」

フローラ「自宅に放火されるかもしれませんよ?」

フィナ「そしたら……うん、その時に考えよう。いくらなんでもやられたら黙ってられないと思うけど……」

市民1「おい聞いたか? 市場の社長さん、死んだってよ」

市民2「うん。これから営業はどうするのかな……」

フィナ「!? す、すいません! それ本当ですか!?」

市民1「ああ。マニー・グリエールさん、事務所で首吊ってるのが見付かったってさ。昼過ぎだって聞いた」

市民2「少し前にボヤ騒ぎもあったって言うし、何か不可解だよね」

フィナ「お、お話ありがとうございます」


フィナ「なんで……? あたし、やってないよ……!?」

フローラ「落ち着いてください。私は自殺だと思います」

フローラ「私に手を出したことで、会長に粛清されるのを恐れたのでございますよ」

フィナ「そ、そうだよね」

影帽子「……」ペコリ

フィナ「で、出た!」

影帽子「……」スッ

黒づくめの人物は、金貨の詰まった袋と次の依頼書を差し出した。

フィナ「これ、あたしが殺したことになってるの……?」

影帽子「……」スッ

フィナ「う、受け取れない! そのお金はしまって!」バッ

フィナは逃げ出した。影帽子はフィナを追わず、フローラに金貨袋と依頼書を押し付けるとたちまち姿を消した。

フローラ「ど、どうしましょう……」

フィナ「なんでそれ貰ってきたの……!」

フローラ「押し付けられたんです……」

フィナ「それを受け取ったら、あたしが殺したことになる。だから絶対にいらない」

フローラ「そうですか……では私が預かっておきましょうか?」

フィナ「お願い」

フローラ「お手紙は……」

フィナ「きっとまた、あたしはその依頼書のターゲットを狙う理由があるんだと思う……。だから見たくない」

フローラ「私は見るのを提案します」

フィナ「なんでさ?」

フローラ「アサシン協会がフィナさんに何をさせたいのか分かっていれば、知らぬ間に言いなりになることはないでしょう」

フィナ「……恐いよ、見るの」

フローラ「私も一緒に見ます。フィナさんの悩みは、私が共に背負いましょう」

フィナ「フローラ……!」

フローラ「うふふっ。フィナさんは私の親友なんですから。困った時は甘えてくださいね」

フィナはこの日、改めて友達の大切さを知った。

社交的な彼女には友達が数多くいた。そして今までそのほとんどが極めて善良な人間であった。

フィナがペラペラと大事なことを話してしまうのは、その相手を信頼し切っているからである。

つまるところ、フィナは裏切りに慣れていないのだ。

フィナ「……」パサ

フィナ「……は?」


依頼書

フルフィリア共和国ウベローゼン市にて、ソピア・ウィンベルの殺害を依頼する。

ターゲットの偽名はソフィアまたはルーフェリア。月魔術師であり逃走に長ける。

協会からの報酬50000G+共和国からの懸賞金500000G。

備考…行動開始前にエイラ・ブラッドレイと情報交換すること。
    できるだけ単独でいる時でなければ達成困難。吸血鬼ヒレア・海神マリンとの交戦は絶対に避けなければならない。

※この手紙はたたむと火魔術で自動的に焼却処分されます



【友達の為に END】

フィナ「次の日、あたしたちは気分転換もかねてプエルトマリハラに遊びに行って……その行動すら協会に読まれていたことを知ったんだ」

フィナ「……こういう経緯だよ」

ソピア「ちょっとどころじゃない長話だったよ!」

ヒレア「もう少しまとめて話せなかったの?」

フローラ「ホムンクルスの話はいらなかったのでは……」

フィナ「う、うるさいな!」

ソピア「……どうして私を殺そうとしたの? フィナ、殺人をすごく嫌がってたのに……」

フィナ「……許せなかったんだよ。あたしたちを騙してたことが」

フィナ「そして、それ以外にあんたを止める方法も無かったから」

ソピア「止める……?」

フィナ「あんたの狙いはエルミスでしょ! 家族を処刑された復讐に共和国軍元帥の娘に近づいて」

ソピア「違うよ……! エルミスの方から私に話しかけて来たし、この間の誕生会まで全く知らなかったんだよ」

フィナ「じゃあその後だ。エルミスの正体を知ったあんたはエルミスを確実に殺して復讐するために準備を進めたんだ」

フィナ「吸血鬼や海神を仲間に引き入れたのは、元帥に対抗するためじゃないの!」

ソピア(間違ってはいないね……事実だけ見るとエルミスを狙ってると思われてもおかしくない)

フィナ「革命は社会の流れで、あたしたちにはどうすることもできない」

フィナ「元帥が貴族を処刑した軍のリーダーだからって、エルミスには何の罪もないんだよ……!」

ヒレア「……それなら、ソフィアにも罪は無いわ」

ヒレア「何もしてないのに殺されなくちゃいけないなんて許せない」

フィナ「事件が起きるのを分かっててエルミスを見殺しにしたら、あたしだって大罪人……」

フィナ「でもソピアを殺したら、あたしは英雄なんだ……」

ソピア「フィナは英雄になりたいの?」

フィナ「エルミスを守りたいなんて綺麗事言って、あたしは自分が可愛かっただけ、か……」

フィナ「あたしはただ友達と一緒にモンスターを倒したり市民の困りごとを解決したり、普通に仕事して生活したかっただけなのに」

フィナ「アサシンに目を付けられるし、貴族と軍の問題に巻き込まれるし……もう最悪だよ」

フィナ「ほら、とどめを刺しなよ……。口封じしないと正体、言いふらされるよ。だってあたし、口が軽いからさ……」

ソピア(どうしたら信じてくれるの……?)

ソピア(交渉しても説得力がないとどうにもならない……)

エルミス「そこまでよ!」

ソピア「え、エルミス!?」

月を背景に、屋根の上に仁王立ちするエルミスの姿があった。

エルミス「今降りるから、待ってなさい!」スタタ

フィナ「あ、飛び降りないんだ……」


エルミス「はぁ……わたしに階段ダッシュをさせるなんていい度胸ね……」

フィナ「……話は聞かせてもらった?」

エルミス「ええ。アンからね」

ソピア「アンが……?」

エルミス「カフェでの行動があからさまに怪しかったでしょう。あえて泳がせてわたしに報告したのよ」

エルミス「今朝も何度かソフィーを襲うタイミングを窺っていたそうね」

ソピア(アンは究極魅了のことを知らないないはずだけど……なぜエルミスに?)

ソピア(エルミスの態度を見て察したのかな……)

フィナ「ばれてたんだ……」

エルミス「フィナ、あなたはまだまだ素人ね!」

ソピア「たぶん、そうじゃないと思う」

ソピア「フィナの攻撃には迷いがあったから……。本気だったら対処できなかったよ」

ソピア「だから不自然な動きになって、アンに見抜かれたんじゃないかな?」

フィナ「ぐっ……」

トール「ということはフローラさんの人形も……」

クリス「本気でした!」

トール「……そうですか。フローラさん……あなたは……!」

エルミス「わたしが来たからには下僕同士の争いなんて許さないわ! フィナはどうしてソフィーを襲ったのよ?」

フィナ「……エルミスはソフィーの正体知ってるわけ?」

エルミス「逃亡貴族、ソピア・ウィンベルでしょう。で、それがどうしたの?」

フィナ「貴族がエルミスに近づく理由なんて一つしかないじゃん!」

エルミス「失礼ね、わたしがソフィーごときに殺されるわけないじゃない」

フィナ「エルミスが元帥の娘だと知った後も逃げずに戦力を集めてたんだよ!」

フィナ「こいつを信じても裏切られて寝首をかかれるだけだって!」

エルミス「先に裏切ったのはあなたでしょう!」パチン

フィナ「……いったいなぁ」

エルミス「ソフィーが逃げなかったのはわたしを信じていたからよ。たとえ貴族だと知られても守ってくれるとね」

エルミス「わたしもソフィーから正体を告げられた時は、気が動転してソフィーの信頼を裏切るところだったわ……」

エルミス「フィナ、冷静になるのよ」

フィナ「……あたしは冷静だよ。だけどさ、指名手配者の言う事なんて信じられないよ」

エルミス「フィナ。主人を守ろうとする姿勢は評価してあげるわ。だけど勝手な真似は謹んで頂戴」

エルミス「たしかにソフィーを信じられないのも無理ないわ。でも、わたしは信じてる」

エルミス「だからソフィーが信じられないなら、フィナはわたしを信じなさい!」

エルミス「それが嫌ならどこかへ消えなさい!」

フィナ「……。……!」スタタタ

エルミス「…………行っちゃったわね。意気地なし」

エルミス「ソフィー。もしフィナが謝って来たら、フィナを許しなさい」

エルミス「これは命令よ!」

ソピア「命令された……」

アン「おくれました~!」パタパタ

アン「ぎゃふん!」バタン

ソピア「夜道で走るから……」

アン「フィナさんとさっきすれ違いましたけど、とにかくお嬢様が無事でよかったですぅ」

アン「……あら?」


トール「危険だと分かっていて人形をけしかけるなんて、ソフィアさんが大怪我でもしたらどうしてくれるんですか!」

フローラ「私はソフィアさんが仕立て屋さんに負けるわけがないと信じていましたので……」

トール「万が一があるでしょう! 彼女に傷をつけたらただじゃおかないぞ!」

フローラ「私にとっても大切な仲間の一人です。ですから……」


エルミス「何かもめてるわね」

アン「どうしてお二人が喧嘩してらっしゃるんですか? ……あっ、そういうことですか」

アン「ソピアはアンのものですよぉ! アンの目が黒いうちは勝手な真似はさせませんからねぇ!」

ソピア「アン、なんでこんな時だけ察しが悪いの……」

アン「はえ?」

フローラ「お二人はそういう関係でしたか……」

ソピア「盛大な勘違いしてる!」

トール「だとしても……僕はソフィアさんを奪ってみせます!」

ソピア「宣言された……!」

エルミス「全く……勝手なことを言わないで!」

エルミス「トール、アン、フローラ、よく聞きなさい。ソフィーはわたしのものよ!!」

ソピア「わ、私のために争わないでー!」

ソピア(一度言ってみたかったセリフ、ついに現実でも言えた!)

クリス「あうう……服がボロボロになっちゃいました」

ヒレア「本体は壊れてない?」

クリス「あ、大丈夫ですっ。職人さんのおかげで前より頑丈になりました!」

ヒレア「そう、よかった」

クリス「卑怯ですよ……。吸血鬼さんと精霊さん、かたっぽなら勝てたかもしれないのに」

マリン「まだやる気ー?」

クリス「いやーっ!」

フローラ「仕立て屋さん、お店へ戻りましょう」

クリス「あ、オーナーさん。わかりました」

フローラ「その前に……」

フローラ「ソフィアさん、いえ、ソピアさん。ごめんなさい」

ソピア「フィナへの恩返しが理由でしたよね? 私は大丈夫です」

フローラ「……許していただけますか?」

ソピア「もちろんです。……ヒレアちゃんもマリンもエルミスも似たようなものですし」

ソピア「あと、外ではソフィアでお願いします」

クリス「えっ、オーナーさん仲直りしたんですか!?」

フローラ「はい」

クリス「やったー! これで月魔術師のお姉さんを殺さなくてもいいんですね!」

ソピア「よかった……。一応、乗り気ではなかったんだ」

クリス「はいっ! お姉さんとオーナーさんが仲良しでいてくれた方がお店のためになりますから♪」

ソピア「ぶれないね……」

今回はここまで

中途半端なところですが、多忙な時期のため更新を2月中旬まで休止させていただきます……

次回はアンの交友度マックスイベントから、魔人先生の城で日課の魔法の訓練へ、安価多いので再開する数日前に報告します

おっと地味な間違い
先にトールを家まで送って行くので交友度マックスイベントはそちらが先になります

再開の目途が立ったのでお知らせします

日曜日の夕方から始めます

主人公強化パートの予定なので、ソピアのために素敵な魔法を考えておいてあげて欲しいです

あらすじ
王子の発案で、残った貴族と共に反乱を起こすことになった
一方共和国軍に英雄として表彰されていたソピアは、他の勲章保持者たちと共に反乱鎮圧を頼まれた
ソピアの正体を知った女友達3名が襲撃してきたので、それぞれ和解・撃退・洗脳して解決
今から正体を知っても敵対しなかったボーイフレンドを家まで送って行くところです




アン「お嬢様ぁ、もう暗いですしアンと帰りましょうよう」

ヒレア「ストップ!」

アン「?」

ヒレア「少し待ってましょ」

アン「え~」

ソピア「トールくん、ありがとう」

トール「へ?」

ソピア「私じゃフィナを止めてあげられなかった。トールくんがいてくれて助かったよ」

ソピア「最近、いつも守ってもらってばかりだね……」

トール「いいんですよ……。ソフィアさんを守れることが僕の幸せなんです」

トール「一緒にいられることはもちろん、僕自身も強くなれた気がしますから」

ソピア「気のせいじゃないよ」

ソピア「今のトールくんに勝てる男の人はそんなにいないと思うよ」

トール「いえ……まだまだです。ヒレアさんやマリンより強くならないと、ソフィアさんを守れません」

ソピア「化け物になるつもり……!?」

トール「それくらいでないと駄目です。……だって、ソフィアさん、共和国軍から逃げてるんですよね」

ソピア「今まではそうだね。でも、明後日からは戦うの」

トール「あの六勇とも戦うんですか……」

ソピア「たしかに、私を守るならマリンより強くないと無理かもね」

ソピア「トールくんは見てなかったかもしれないけど、海神の攻撃、元帥にまるで歯が立ってなかったから……」

トール「ソフィアさん、僕も戦います」

ソピア「だめ。危ないよ」

トール「ソフィアさんは、僕が信用できないんですか?」

ソピア「……ラヌーンの時とは違う。行動力だけじゃどうにもできないよ」

ソピア「私のせいでトールくんが死んだら、私は悲しいから」

トール「僕は……小型モンスターにさえ焦るへなちょこです」

トール「でも、あなたを思って戦う時だけは力が湧いてくる」

トール「あなたが首を横に振っても僕はあなたを守りますよ」

トール「……今すぐにとは言いません」

トール「ですが、そろそろあなたの思いが聞きたいんです」

トール「改めて言います」

トール「この戦いが終わったら、僕の恋人になってください」

トール「お返事を聞かせてくれませんか?」


1.お願いします
2.返事は、全部終わってから
3.ごめんなさい

↓2票

ソピア「よろしくお願いします」

ソピア「私にはまだ恋がどんなものなのかよく分からないけど……」

ソピア「トールくんならそれをきっと教えてくれる気がするの」

トール「ありがとうございます……約束ですよ」

ソピア「うん、約束」ニコッ

ソピア(そうして私たちは、軽い口づけを交わした)


ソピア(まさか平民の男の子と恋愛をすることになるなんて思わなかったな)

ソピア(でも、初対面の男性をお見合い結婚するよりも、楽しいことかもしれない)

ソピア(まだ何も終わっていないのに、私の心の中はこれからの夢と期待に満ち溢れていた……)



文系15歳美少年風魔術師:トール「あなたを守り抜くと誓います」(恋人:10.04)


※今後、ソピアが他の男性キャラと恋愛関係になることは基本ありません
※ソピアは二股するような子じゃないです

トール「あ、そろそろ家なので。ここまでで結構ですよ」

ソピア「うん」

トール「では、また明日」

ソピア「明日ね」

ソピア(……ずいぶん町はずれに住んでるんだね)

ソピア(どんな家に住んでるんだろう)


1.少し見に行ってみる
2.アンとヒレアを待たせるのはよくない

ソピア「ちょっとだけ見てみよう」

トールの通った道を進み、曲がり角の先でソピアが見たものは、

ソピア「廃墟……?」

ソピア(ここには住みたくないなぁ)

ソピア(もし結婚したらトールくんにはウィンベル家のお屋敷に来てもらおう、そうしよう)

ソピア(お屋敷暮らしに戻れたらの話だけどね……)

ソピア「……」

ソピア「流石に、これ以上は、ね……」


1.ドアをノックする
2.窓から覗きこんでみる
3.帰ろう

結局、ソピアは好奇心に負けてしまった。

トールなら許してくれるだろうと言う考えもあった。

ソピア(窓から、そーっと)

ソピア「……きゃ!?」

その廃墟の中は、外観以上に住居とは言えない状態であった。

家具やゴミの一つもない広々とした部屋には敷物も見当たらず、そんな空間の壁にトールがもたれかかっている。

ソピア「と、トールくん!?」

トールの表情は窓からは窺えない。声も聞こえていそうなものだが全く反応が無い。

ソピア「ドアは……鍵がかかってる」

ソピア「どういうことなの……?」

しばらく呼びかけたり入口を探したりしたが、特に成果は出なかった。

ソピア「アンとヒレアちゃんが待ってる……」

ソピア「……今日は、帰ろう」

ソピア「……お待たせ」

アン「にやにや」

ソピア「顔が全然笑ってない……!」

アン「そんなことないですよぉ(棒)」

ソピア「あれ? ヒレアちゃんは?」

アン「パトロールですって」

アン「2人っきりなんて久しぶりですねぇ。ワクワクします」

ソピア「そっか、マリンもいないのは久しぶりだね」


1.トールと恋人になる約束をした話をする
2.トールの家が異様だった話をする
3.エルミスを洗脳した話をする
4.自由安価

ソピア「さっきトールくんを家まで送って行ったんだけど……」

アン「どこまで進みました!? キスはしましたか!?」

ソピア「そ、そっちよりも大事な話があって……」

ソピア「トールくんの家がおかしいの」

アン「窓がないとか?」

ソピア「窓はあったよ。でも廃墟みたいな感じで、中も生活感が全く無いの」

ソピア「トールくんも中にいたんだけど、私と別れた後すぐに寝ちゃったのか、声をかけても返事が無かった」

アン「それは変ですねぇ」

ソピア「でしょ?」

アン「ソフィーの行動がですよぉ。まるで家に招かれたわけじゃなさそうな言い方ですぅ」

アン「もしかして窓から覗きました?」

ソピア「あ、うん。そうだよ」

アン「この変態お嬢様ー!」

ソピア「失礼な!」

アン「今のは冗談ですけど、あまりそういうことすると信用を失いますからねぇ」

ソピア「は、はい……」

ソピア(怒られた……)

ソピア(本題について話せる流れじゃなくなっちゃった……)

ギターを背負った男性「こんばんは」

アン「こんばんわぁ」

ソピア「こ、こんばんは。どなたですか?」

ギターを背負った男性「ソピアさんだね」

ソピア「っ!?」

ギターを背負った男性「これを」

背中の後ろで拳銃を構えていたアンが代わりに紙片を受け取る。

男性は用が済むと足早に夜の闇に消えた。

ソピア「何だったの?」

アン「彼の筆跡ですぅ」

ソピア(王子様の使者……?)

紙片には『5102』と記されている。

アン「正午、南の林」

ソピア「なんで分かるの……」

アン「彼の書くことですからぁ」

ソピア(アンは最近まで王子様に仕えてたんだった)

ソピア(今日の隠れ家が使えなくなったから、明日はそこに集合すればいいんだね)

ソピア「ねえ」

アン「はい」

ソピア「アンは無理に付きあわなくてもいいと思うんだ」

ソピア「ここからは命がけの戦いだよ」

アン「だからこそ一緒にいないといけないんですよぉ。アンが最後まで面倒を見ないと」

ソピア「アンはもうメイドじゃないんだから、責任を感じる必要はないんだよ」

アン「いいえ、これはアンのわがままなんです」

アン「立派になったお嬢様の行く末を見届けたいから、勝手についていくんです」

ソピア「私、立派になれたのかな……」

アン「アンは昔、メイドという職業が大っ嫌いでした」

ソピア「そうなの?」

アン「他人のために自分のしたいことを我慢するなんて、おろか者のすることだと蔑んでたんですぅ」

アン「でもでも、はじめはよそよそしかったお嬢様がだんだん心を開いてくれたりとか、最初は全くできなかった家事が少し上達したりとか」

アン「優しいご主人様と奥様に恵まれて、そういう暮らしも新鮮で面白くってですねぇ」

アン「アン、とっても反省しました」

ソピア「……」

アン「特にお嬢様はお世話しがいがあって飽きませんでしたよぉ」

アン「アンの話に興味津々で、すっごく可愛かったんですぅ~」

ソピア「そういえば……生きるための基礎はアンに習ったんだよね」

アン「あのころのお嬢様は世間知らずなんてものじゃなかったなぁ。地図を見た感想が『下手な絵』ですからねぇ」

ソピア「もう、やめてよ」

ソピア「とっさの言い訳とか、お忍び外出のコツを教えてくれたのもアンだったね」

ソピア「私はこの逃亡生活の最初からアンに助けられてたんだ……」

アン「お嬢様は立派に成長しました。アンが保証します!」

アン「そんなお嬢様を見ていると自分の事のように誇らしくって」

アン「ウィンベル家に拾ってもらえて本当によかったと思います♪」

ソピア「照れくさいよ……」

アン「ですから、微力ですが最後までお供させてください。いいえ、お供します」

ソピア「しょうがないなぁ」

アン「あ、やっと折れてくれましたねぇ! お嬢様のことだからまた拒否されるかと……」

ソピア「アンの中での私の印象がしばしばおかしいよ……!」

アン「たまに不安になるんですよぉ。アンからお嬢様へのこの親愛の情は片思いなんじゃないかって」

アン「お嬢様はアンのことをどう思ってるんですか?」

ソピア「めんどくさい質問された!」

アン「めんどくさい子でごめんなさい☆」


1.素直になれるお友達
2.結構頼りになる仲間
3.いなくなったら寂しくなる間柄

ソピア「素直になれるお友達、かな」

ソピア「なんだかんだ一番長い付き合いだし、アンと話してる時が一番気が抜けてるがする」

アン「なんだか嬉しいですねぇ」ホクホク

ソピア「アンといる時は何も考えてないとも言う」

アン「一気にどうでもいい存在に!?」

ソピア「真面目に、私あんまりお屋敷から出たことなかったじゃない」

ソピア「お母様やお姉様には失礼の無い様にしなければならないし、使用人はやっぱり異性だから気を使うし」

ソピア「メイドの人たちは普通、私の邪魔にならないよう一定の距離感を保って接するからね」

アン「あうっ」

ソピア「そういう意味で、アンは親友なの」

アン「親友ですかぁ」

ソピア「え、不満だった?」

アン「アンはソピアの事が好きじゃなく大好きなので、大親友にしましょう!」

ソピア「結局アン基準で決めるんだ……」

ソピア「でも、いいの? 大親友はともかく、従者として本当は王子様と一緒にいるべきなんじゃない?」

アン「ん?」

アン「だってあたしはソピアと一緒にいたいんだもん~」

アン「あたし、ホントはすごく自分勝手な性格なんだ☆」ニコ

ソピア(アンは珍しい喋り方でそう言った)

ソピア(きっと、この思いはメイドとしてじゃない彼女の本心だと言いたかったんじゃないかな)

ソピア(あと自分勝手なのは知ってた。この子、基本押しが強いもん)



※一連の話は小声なので通行人には聞かれてません

あざとい17歳メイド:アン「ソピアについて行きますよぉ」(大親友:10.04)



ソピア「…………」

アン「何か腑に落ちない顔をしてらっしゃいますけど、どうかしました?」

ソピア「アサシン協会は、なんでマリンが海神だと知ってたんだろう……?」

アン「どういうことですか?」

ソピア「フィナの話によると、私の暗殺依頼書にマリンが海神だって書かれてたらしいんだ」

ソピア「それを見て、フィナは私がマリンを使ってエルミスに危害を加えようとしてると思ったみたいなんだけど……」

アン「その依頼書の時間が合わない?」

ソピア「そう。フィナがそれを受け取ったのが昨日の夕方」

アン「変ですねぇ。その時間はまだラヌーン島にいらっしゃったのでは?」

ソピア「うん。だからおかしいの」

ソピア「私が海神を退治して正体がマリンだと知ったのが昨日のお昼。いくらなんでもその前に知ってるわけないし……」

ソピア「もしかしたらアサシン協会のスパイがラヌーン島に、それどころか私の知り合いにいたのかな、と思って……」

アン「お嬢様の周りスパイだらけ……」

ソピア「正々堂々襲ってきてほしい……見えない敵なんて逃げようが無いよ」


ソピア「ってアン、城の前までついて来ちゃった」

アン「騒動がありましたし、宿屋に帰るのはまずいと思いまして」

ソピア「それもそうだね。アンは魔人さんに会ったことあったっけ?」

アン「王都からの帰り道でご一緒しましたねぇ」

魔人の城。

ヒレア「お姉ちゃん、お帰り」

マリン「遅いわー」

ソピア「あれ? 先に来てたんだ」

アン「実際に中に入るのは初めてですけど……これはすごいですぅ」

ソピア「元々王家の離宮だからね」

魔人「おお、来たか。ひとまず長旅お疲れさまと言っておこう」

ソピア「魔人さん、お久しぶりです」

魔人「そこの娘は久しいの」

アン「メイドのアンですぅ。お邪魔します」

魔人「ふむ。何人増えようが問題ない。楽にせい」


魔人「ソピアよ。何やら大変なことになっておるようじゃのう」

ソピア「はい……」

魔人「お主の全身に尋常ではない数の死相が見えるぞ」

魔人「ラヌーンで海賊と海神を相手に大立ち回りした翌日に友人に刃を向けられて……」

魔人「明日も明後日も幾度も死線を超えねばならぬのか……。流石のわらわでも面倒で投げ出したくなるレベルじゃ」

ソピア「疲れました……」

魔人「そんなお疲れのお主にわらわ特製ポーションを授けよう!」

ソピア「う、うわあ、白濁した緑色でしかも泡立ってる……!」

魔人「ほれ、ぐいっとぐいっと」

ソピア「……」ゴクン

ソピア「…………」

ソピア「クリームソーダ!!」

魔人「さて、お主には時間がないのだろう。早速訓練を始めたいところじゃが……」

魔人「その前に、今お主が必要としているものを聞くとしよう」

魔人「わらわにできる範囲で何でも提供しようじゃないか」


例1.情報が欲しい
例2.力が欲しい
例3.仲間が欲しい
例4.道具が欲しい
※自由安価

↓2か3くらいまで

2

>>429まで採用



ソピア「いろいろ必要ですけど……とりあえず情報が欲しいです」

ソピア「魔人先生って何でも知ってるんですか?」

魔人「世界の全てを網羅しているわけではないが、お主に必要なことならば話せるじゃろう」

魔人「ただし世の中には知らない方が幸せな事も多い。そういったものは伏せるぞ」


何の情報が知りたい?

例1.六勇攻略法
例2.黒幕の正体
例3.両親はまだ生きているか
例4.そろそろ私が暴走しないか心配
例5.ロットさん何してるの?
例6.5人目の逃亡貴族ニコラは何してるの?
例7.グリエール商会の動向
例8.ノーディスって暮らしやすい?
例9.ウベローゼンで起きている危険ハーブ騒動について
例10.フィナとの仲直りの方法
※自由安価

↓3前後まで(複数選択OK)

ソピア「逃亡貴族の一人、ニコラ・アニータ・ザネッティさんが未だに出てこないんですけど……」

アン「最後まで出てこないんじゃないですか? 王子様も接触できていないんですよぉ」

ソピア「そうかな……。貴族としての復権が目的なんだから、国内にいるなら仲間になってくれると思ったんだけど……」

ソピア「魔人先生、彼女は今どこで何してるんですか?」

魔人「知らん。本人に聞けい」

ソピア「ええええ」

魔人「あやつの行動は一貫性が無さすぎてわらわでも何がしたいのか分からんのじゃ」

マリン「本人に聞けるくらい近くにいるのねー?」

ソピア「あっ! どうなんですか?」

魔人「うむ。顔も合わせたことがあるぞ」

ソピア「スクーニミーでは会いましたか?」

魔人「会っておるな。……なぜズバリどこにいるのかと聞かん?」

ソピア「はぐらかされるのが分かってるので……」



ソピア「次は……敵の情報を知っておきたいです」

ソピア「六勇の攻略法を教えてください!」

魔人「それについてはまた後ほど、映像を見てもらおうと思っている」

ソピア「映像?」

魔人「口で説明するより正確じゃろう?」

ソピア「ロットさん、って分かります?」

アン「雰囲気イケメンの方ですねぇ」

ヒレア「ニヒルなガンマンね」

魔人「お主の前ではイマイチ実力を発揮できないガンカタの青年じゃな」

ソピア「ご存知でしたか。ロットさんは今何してるんですか?」

魔人「それを知ってどうする?」

ソピア「もしかしたらお互いの目的の為に協力できるかも……」

魔人「やめておけ。あやつはお主がおるとなぜか弱くなる」

ソピア「そうなんですか? 私の前でも結構強かったような……」

魔人「あれでも本調子ではないぞ。そうじゃな……ヒレアとマリンになら勝てるくらいには強いはずじゃ」

ヒレア「……それは無いと思うけど」

マリン「ないわー」

魔人「というわけで会わないのが賢明だの。一応質問に答えると、王都南部の村に潜伏しておるぞ」



ソピア「グリエール商会の動向について教えてください」

魔人「あんな小者集団気にするだけ無駄と思うがの」

魔人「今は珍しく一家で協力して何か企んでおるようじゃが……」

魔人「まあお主が動かなくても問題ないじゃろうて」

ソピア「そうですか? なんかすべての黒幕臭がすごくて……」

魔人「すでに種は蒔かれた。仲間を信じろ。以上じゃ」

ソピア「次の質問ですけど……」

魔人「おっと、その前に」

魔人「『死の商人』にだけは気を付けた方がいいかもしれん。あれも小者だが扱う力は危険極まりない」

ソピア「そろそろ私が暴走しないか心配なんですけど……」

ヒレア「!」

マリン「!」

ソピア「ラヌーンで結構無理したので……」

ソピア「あぁでも魔人先生としては暴走した方が嬉しいんですよね」

魔人「いいや、できるだけ溜めて熟成した方が恐ろしい怪物に変貌できる」

魔人「今暴走したとしてもわらわには遠く及ばない。もう少し辛抱してもらいたいものじゃ」

アン「そんな、お嬢様が化け物になるんですかぁ!?」

ソピア「なってもヒレアちゃんが止めてくれるよ」

ヒレア「ねえ、暴走の前に副作用は起きないの? 目だった変化はないように見えるけど」

魔人「それも後で天使を呼んだ後に話すとするかの」

魔人「ほい、次の質問は?」


ソピア「私の……ウィンベル家に仕えていた、使用人の行方が知りたいです」

魔人「聞きたいか?」

ソピア「えっ」

魔人「どうしても、聞きたいか?」

ソピア「どういう意味ですか……?」

魔人「知らない方が幸せになれる情報だという意味じゃの」

ソピア「そう、ですか…………」グスッ

アン「お、お嬢様……!」

ヒレア「魔人先生、もう言ったのと同じじゃない」

魔人「明言はしておらんぞ?」

マリン「人でなしー!」

魔人「というかお主、彼氏おるんじゃろ? 浮気は良くないぞ? カッカッカ!」

魔人「泣いてる時間も無いじゃろうに。ほい、沈静化魔法」

ソピア「うぐっ!? ……ひどいです。悲しむことすら許さないなんて」

魔人「これもお主のためじゃ」

ソピア「ではさっき聞こうと思ってた質問……」

ソピア「ノーディスって暮らしやすいですか?」

アン「亡命するんですか!?」

ソピア「いざと言う時はね……」

魔人「答えにくい質問じゃのう……。暮らしやすいかどうかは主観じゃろうに」

ソピア「ではいい所と悪い所を」

魔人「優秀な魔術師ならばもてはやされる。一方で魔術が使えないと迫害される。分かりやすいの」

魔人「寒いと思われがちじゃが魔法が発達しておるおかげで町や街道ならそうでもないらしい。フルフィリア北東部の方が寒いくらいじゃな」

魔人「衣食住に困ることは無く、南大陸の科学に匹敵する魔法工学技術を持ち、文化的にも満ち足りた生活……というのは中流階級以上の話じゃな」

魔人「下流はフルフィリア以上に悲惨じゃ。仕事が全く無いため、極寒の大地で一年中野宿が一般的であるらしい」



ソピア「友達と喧嘩しました。先生、仲直りの方法を教えてください」

魔人「……お主はわらわに答えられない質問をしてくる天才か」

アン「すごいですよねぇ。アンも昔、好きな夢を見る方法を聞かれましたもん」

ソピア「わからないんですか?」

魔人「誰とでも仲良くできていればわらわが魔人になることは無かったじゃろうな……」プルプル

マリン「ソフィー、仕返し大成功ねー♪」

ソピア「私は普通に仲直りの方法が知りたかっただけなんだけど……」

アン「フィナさん次第だと思いますよぉ」

アン「こればっかりはお嬢様がどうにかできることじゃないですぅ」

アン「魔法で解決するのはお勧めしません……」

ソピア「そうだよね……」

今晩はここまで、次回は火曜日です

次回もソピア強化パートまで進まないと思います、ごめんなさい

全然書きあがらなかった・・・
本日の16時ごろから投下、安価は18時ごろから出せたらいいと思います

待ってた

強化かは謎だけどパル○ンテっぽい魔法はどうだろう、まさにコンマ神次第って感じの奴

乱発はつまらないから何かしらの制限はつけて

展開次第じゃラスボスって違う人になってたりしたのかな?そのキャラについてのネタバレになりそうなら聞かないけど

>>447
今夜の自由安価で覚えさせられます
でもその魔法ソピアちゃんには相性悪すぎません…? 面白そうですけど

>>448
そもそも長編バトル物にする予定じゃなかったんですけどね、このSS
序盤の安価で生産系の職業になってたら、軍から身を隠しながら庶民の生活に慣れていく話になるはずでしたし
今の方向性が決まったのは恐らく1スレ目の終盤でエルミスとヒレアが登場したあたりです
元帥の娘と血が好きな黒魔術師って明らかに敵キャラですし、一応友人なので魔境組みたいに逃げて終わりにできない、つまり戦うしかないので……

ラスボスは革命軍(共和国軍)のトップなのは一番自然かな、と
でも敵が全部分かってても面白みに欠けるので黒幕を用意した感じです

魔人「では、六勇の攻略法について話すとしようか」

ソピア「お願いします」

魔人「聞かれるだろうと思って、過去視と録画魔法を組み合わせて作ったノンフィクション映画『六勇伝』を前もって用意しておいた」

アン「映画ですか? 楽しそうですぅ」

ソピア「どれくらい長いですか?」

魔人「フィナの話と同じくらいじゃの」

ソピア「あの、時間が無いはずなんですけど……」

魔人「案ずるな。お主らには知覚強化の術をかけた上で早送りで見てもらう」

魔人「それじゃあ再生するぞ」

20年前、当時まだ王国であったフルフィリアは戦乱のただ中にあった。

魔導帝国ノーディスの思想に感化された公爵が魔王と名乗り、数多の使い魔を率いて王家に謀反を起こしたのだ。

内戦は数か月に渡って続き、兵は疲弊し多くの民が犠牲になった。

そんな時、この戦いを終わらせるべく15歳の少年が剣を握り立ち上がる。

彼の名はアルフレッド。

後に勇者と呼ばれ称えられる男である――



魔王「ぐぅ……よもや我が四天王すら破れるとは!」

勇者「追い詰めたぞ魔王! お前の野望もここまでだ!」

魔王「なっ、どうしてここが!」

勇者「神の導きに従ったまでさ」

戦士「大人しくお縄につきやがれ!」

盗賊「この奥に姫様がいるんだろ?」

僧侶「争うのはもうやめましょう」

魔王「諦めるものか! 魔術の力は無敵なり! 私は新生フルフィリア王国の支配者となるのだ!」

勇者「まだ言うか!」

戦士「お前に従っていた貴族たちも俺たちの味方に付いた」

盗賊「もうお前に従う奴は誰もいないぞ!」

魔王「支持する者がいなくとも、私はこの国の支配者となる」

魔王「……かくなる上は、禁断の術を使うほかあるまい!」

僧侶「皆さん、気を付けて下さい、魔王の魔力が高まっています!」

魔王「ぬおおおおおおお!!!」ビリビリ

勇者「何も起きないぞ?」

魔王「これで終わりだ……」

魔王「今後100年以内にフルフィリアを襲う災厄を各地に召喚した」

魔王「いずれも圧倒的な脅威だ。私ですら止められん!」

勇者「き、貴様! 気でも狂ったか!」

魔王「勇者! 私を倒してももはやこの国の滅びは避けられんぞ! 私はこの国のすべてを恐怖で支配したのだ!

魔王「聞こえるぞ、愚民どもの苦しみ嘆く声が……」

魔王「フハハハハハハハ!!!!」

商業都市ファナゼは日食による暗闇に覆われていた。

『警報! 東より魔物の軍勢が迫っています! 都市の住民は直ちに避難してください!』

商人「ま、また魔王軍か!?」

貴族「そんな馬鹿な! 今頃奴は勇者に討たれているはず!」

浮浪者「黒い太陽……この世の終わりか?」


ファナゼ市東部、乾燥草原。

冥府大将「…我らは冥府軍…弱小なる生者どもよ…我らに大地を明け渡すがいい…」

剣士「ち、畜生……こいつら今までの魔物とは明らかに違うぞ」

槍士「なんだってんだ、倒しても倒しても起き上がってきやがる……!」

アーチャー「矢がすりぬける! こんなのどうやって倒せば、ぐああっ!」

黒魔術師「見てよあれ……あんなでかい悪霊なんて初めてよ」

地平を覆い尽くすほどの禍々しい魔物たちの数は増すばかり、魔王軍を幾度も退けた王国軍はなすすべなく半壊に追い込まれていた。

陸軍大将「増援を呼べ!」

通信士「駄目です、他所もそれどころじゃないとのこと!」

陸軍大将「一体何が起きているのだ……! これも魔王軍の仕業なのか……!?」

中将「苦戦しているようですな」

陸軍大将「オーグロス中将!」

中将「俺が片付けます。大将は全軍を撤退させておいてください」

今なお増え続ける亡者の群れに、大斧を手にした男は単身で飛び込む。

骸骨戦士「ギャハハハハ! 馬鹿かコイツ!」

ゾンビ「生者ノ攻撃なド効かヌ」ズパン

ゾンビ「オ?」ドサリ

中将「雑魚に用は無い」

その時、王国陸軍と冥府軍の全員が、その男の頭上に鬼の顔のようなオーラが浮かび上がるのを見た。

中将「失せろ」

直後。

場にいた8割の冥府軍兵士が爆ぜて消えた。

冥府大将。

冥府軍の統率者である亡霊モンスター。

見た目はリビングデットのそれであるが、あくまで肉体は戦場で果てた戦士の亡骸を借りた物でしかない。

物理的な攻撃は無効である上に、人間の魔導師が束になってもその存在の力を消すことはできない。



中将が振るった大斧が冥府大将の半身を吹き飛ばす。

冥府大将「がッ…!? な…なぜ……」

中将「貴様の力不足だろう」

冥府大将「…舐めるな…その命…吸い尽くす…」グオッ

中将「やってみろ」ブンッ

中将は生命力を吸われながらもひたすら殴り続ける。

借りものの肉体はとうに塵と化し、実体の無いはずの冥府大将の本体がダメージを受けていた。

ファントム「……い、今のうちに逃げろ!」

中将「一匹も逃がさん」

ファントム「い、いつの間に……ギャッ」

冥府軍屈指の速さを誇る亡霊軍団の正面に回り込み、中将は一体一体叩き潰していく。

鈍重そうな容貌と武器に反して猛スピードで動き回り、冥府大将への攻撃も絶やさない。

その中将の一騎当千の戦闘を見ていた異国出身の兵士は後に語った。

まるで鬼の獄卒を見ているようだった、と……

かつて、王都の南に位置していた大河の町。

海際には王国海軍本部が置かれ、河川沿いに広がる田園地帯を中心に栄えていたこの町は……

わずか数分で、瓦礫と死体の山へと変わり果てた。

兵士「上官、駄目です。こちらも生存者ゼロ!」

上官「なぜこの災害を予言できなかった、従軍占術師!」

占い師「分かりません……。大地震の発生は87年後のはずで……」

上官「だが実際に地震は起きた! お前の予言は外れたのだ!」

数多くの災害・事件を予言してきた従軍占術師ですら予知できなかった大災害。

大河の町は直下型の大地震に沈んだ。

ゴゴゴ...

兵士「な、何だ……?」

占い師「余震です……」

上官「総員、伏せろーッ!」


沖合に浮かぶ王国軍軍艦に多くの兵士が待機していた。

風魔術師「…………地上部隊との連絡が途絶えました」

海軍剣士「よ、余震でこの規模かよ」

海軍砲兵「おい、双眼鏡覗いてみろ。町中、地割れだらけだ……!」

海軍参謀「しかし誰か生き残っている可能性がある。救助に行かねばならない」

海軍剣士「お、俺はごめんだ! 俺は死ぬなら戦場で死にたいんだ!」

海軍砲兵「行ってこいよ、女」

女海兵「……分かったわ」

当時の軍隊には女性が非常に少なく、特に『船に女を乗せるのは不吉』のジンクスを持つ海軍には、新兵の彼女一人しかいなかった。

筋力に乏しく通常の武器を満足に扱えないため、鞭などという玩具に逃げる軟弱者。

化粧っ気もなく彼らに愛嬌も振り撒かない、女失格の不細工。

彼女の評価は果てしなく低かった。

結果、多数の命に関わる場面だというのにこのような新人・女性イジメである。

海兵たちは彼女をたった一人で救助に送り出すと、その様子を双眼鏡で観察し下衆な笑みを浮かべていた。

女海兵「…………」

女海兵「視えるわよ」

女海兵「出て来なさい」パシン

女海兵が鞭を地に打ち付けたのを見て、海兵たちはゲラゲラと笑った。

岩の精霊王。

無尽蔵に精霊を生み出す妖精系大型モンスターの頂点。その内の一体。

フルフィリア周辺の岩魔術を扱う人間・ドラゴン他にとっては頭の上がらない存在。

そんな精霊王だが約300年おきに震えるクセがあった。それが予言される地震の正体である。



ゴゴゴ...

再びの余震。女海兵はしゃがみ込みその揺れに耐える。

精霊王「人間!! 我を叩きつけるとはなんたる無礼者!! 恥を知るが良い!!」

女海兵「……こちらの台詞ね。これだけの人間を殺してなんとも思わないのかしら、精霊王さま?」

精霊王「…………そうか、人間よ、この件に関しては謝罪しよう。だが、なぜ避難しておらぬのか説明せよ」

女海兵「知らないわよ」

精霊王「人間は我の震える時期にはこの土地を離れていたはずだ。それとも我が時期を違えたとでも言うのか」

女海兵「あのね、あんたが震えなければ済む話でしょう」

女海兵「その悪癖、直してあげる」スチャ

女海兵「ウフフフッ!」ヒュッ バシン!

鞭での攻撃が他の武器に比べて威力に欠けるのは当然のことだが、彼女は陰ながら努力を重ねて技術を磨いていた。

今まで人間相手に振るう事のなかった鞭の技は精霊王を圧倒するまでに成長していたのだ。

後日、海兵達の態度は一変、彼女を過剰に恐れ敬うようになった。

女海兵が瞬く間に昇進していくことは言うまでもない。

同じく、かつては王都の北にも町があった。

林業と魔法で栄えた森林の町。

この町からは遠くに山脈が見えるはずだったのだが、いつの間にか山脈に囲まれた盆地に変わっていた。

市民「地殻変動でも起きたの……?」

木こり「魔王の仕業だろ。困ったな、これじゃ林業に支障が出る」

老魔導師「やや、これはまさか……」

女魔術師「長老、どうされました」

老魔導師「計り知れない生命の力を感じる……」

老魔導師「皆の者! これは山ではない、モンスターじゃ!」

市民「な、なんですって!」

老魔導師「まだモンスターは眠っている、急いで支度して他の町へ逃げるぞ!」

木こり「で、でも町は完全に囲まれてるぞ」

老魔導師「致し方ない、モンスターの上を通って逃げるほかあるまい。山越えならぬモンスター越えじゃ……」

町中の人々が大慌てで支度をした。

何も持たずに急いで脱出を試みる者もいた。

しかし、誰一人として生還する者はいなかった。

目覚めたモンスターがとぐろを巻く。

ただそれだけで町のすべてが押しつぶされ、消えた。

山脈大蛇。

2000年眠り1年間起きて活動する規格外の巨大モンスター。

眠っている間に鱗の上に土や岩が堆積し、さらにその上に木々が生え生態系ができてしまう。

その巨体は地図上に載せられるほど。



麓町。

ザワザワ

紳士「レディー、一体何の騒ぎだい!?」

令嬢「あら、貴方はキノコの殿方」

紳士「覚えてくれていて嬉しいよ。今夜私と一杯どうだい?」

令嬢「お誘いは嬉しいのですけど……あれを」

ズズズズズ...

紳士「山が……動いてる」

紳士「あれ? あの方面はまさか……!」

人ごみをかき分け、キノコを生やした貴族が走る。

紳士「はぁ、はぁ……そ、そんな……」

紳士「私のワイナリーがああああぁぁぁぁ」

山脈大蛇「シャアアアアアアアッッ!!!!!!」

紳士「うるさああい!」

山脈大蛇は2つの意味でうわばみであった。

全身からアルコール臭のする人間を周囲の地形ごと丸呑みにしようと口を開く。

紳士「お前なんか、お前なんか……」

紳士「蛇酒にしてやるぅ!!」

威勢よく言い放った男は、直後、飲み込まれた。

山脈大蛇「シャアアアー……」

ほろ酔いの大蛇はそのまま麓町の外れで眠りにつく。


3日後。

紳士「プハァッ!!」

山脈大蛇が無数の粒子となって飛散し、半裸のキノコ貴族だけが倒れていた。

紳士「あ、危なかった……」

紳士「発酵じゃなく、本気で腐らせて分解させてなかったら……消化されるところだったよ」

紳士「ああ、失ったものは大きすぎる……」

王国に英雄の勲章を賜り専用の施設を用意されるまで、彼はずっといじけていた。

彼の心情を代弁するように周囲にはキノコがたくさん生えた。

王都と工業都市モスボラを繋ぐ街道、その上空を箒に乗った火魔術師の編隊が駆ける。

対するは無数の飛行物体。

銀色のボディーで奇妙な光を放つ物体はクラゲのような形をしており、その腕は傘の部分から出たり引っ込んだりしている。

アームに触れた土や木々、そしてモンスターや人間はアームに吸着し、傘の中へと消えてしまう。

火魔術師女「あれはモンスターなの?」

火魔術師男「分からん。連合帝国の機械か?」

風魔術師「攻撃が通らない! バリアを貼ってるわ!」

火魔術師男「風魔術師、落ちるなよ!」

風魔術師「あああああ!!」ガシッ

火魔術師女「風魔術師ちゃん!!」

魔術師の一人がアームに捕らえられ傘の中に連れ去られる。

彼女が目覚めるとそこは無機質な部屋のようになっていた。

寝かされた彼女の前に、食用に加工した肉塊のような形状のモンスターが数体現れる。その表面は黒く金属光沢を放っていた。

風魔術師(通訳魔法……!)

風魔術師「あなたたちは何者?」

星人「我々ハBXIS星人。オ前タチトハ比較ニナラナイホドノ先進的ナ文明ヲ持ツ」

風魔術師「目的は何!? 友好的ってわけじゃなさそうね……!」

星人「コノ星ハオ前タチ下等ナ生命ガ棲ムニハ勿体ナイ。故ニ我々ガイタダク」

風魔術師「星……!? 他の国はどうしたのよ」

星人「初メニ南ノ大陸カラ滅ボスツモリダッタガ、時空間転移デ過去ノ北ノ大陸ニ飛バサレテシマッタ」

星人「ダガ好都合ダ。ヨリ早イ段階デ計画ヲ完遂スルコトガデキソウダ。ドコカノ技術者ニ感謝ダナ」

風魔術師(通信魔法で本部に通達……!)


王国軍魔法部隊。

側近「通信が入りました。あの飛行物体は侵略目的の異星人の乗り物であるとのこと……」

魔導長「ううむ、厄介な相手じゃな……ワシの魔術が通用するかどうか……」

魔導長「……考えていても始まらんのう。どうせ老い先短い命じゃ。一か八かワシが出撃しよう。部隊を下げなさい」

側近「はい! ……何、民間人が割り込んできたですって!?」

魔導長「いかん。まずは民間人を救助せねば!」

BXIS星人母船。

BXIS星人の宇宙航行船の中でも最大のもの。

惑星を破壊するレーザーを撃てるが今回は使わない。時空間転移技術もあるがエネルギー使用量が大きすぎるため滅多に使わない。



メカニック「ひゃーでっかいなぁ」

メカニック「ボクもいつかはこんな飛行船を作りたいものだね。見に来て正解だったよ」ガシッ

メカニック「ん? 僕の胴体を掴んでいるのはアームかい? ……いやぁぁぁぁぁぁぁ!」

モスボラ市から来たメカニックの青年は母船内部に連れ去られた。

星人「新シイサンプルヲ確保」

メカニック「ここは飛行船の中かな? キミが案内してくれたんだね、ありがとう!」

星人「コイツハ状況ガ理解デキテイナイノカ?」

彼にBXIS星人の話している内容は理解できていない。

メカニック「早速構造の調査を始めよう。筆記用具借りますよ」

星人「オ、オイ。勝手ニボタンヲ押スナ!」

メカニック「しまった! 他の飛行船が爆発しちゃった。ごめんよー」

星人「コイツ……! 間抜ケナ振リヲシテ我ラヲ仕留メヨウト!」

BXIS星人が光線銃をメカニックの青年に向ける。

メカニック「わぁ面白そうな機械だね!」クルッ

星人「」ミョンミョンミョン バタリ

引き金を引く瞬間、光線銃の向きを変えられBXIS星人が怪光線の餌食になる。

メカニック「ここは入口だね。もう少し奥まで行ってみよう」


道中のBXIS星人はなんやかんやで倒された。

メカニック「動力源かな? これを分析して再現できればボクは世界一のエンジニアだ」

星人「侵入者メ、ココマデダ!」ミョンミョンミョン

メカニック「接合部はここだね」スッ

解体を試みるためしゃがんだ青年の背後には、レーザー砲や宇宙移動に使用するエネルギー源があった。

メカニック「あ」

星人「ア」

母船は爆発した。


メカニック「ひゃあああああああ!!」ドサッ

メカニック「……あーあ。いいところまで行ったのに爆発かぁ。結局何も得られなかったよ」

爆発に巻き込まれたはずの青年はなぜか生きており、徒歩で帰宅した。

こうしてあまりに雑な流れでBXIS星人は全滅し、後に青年は英雄の勲章を授与されることとなった。

貴族の町ウベローゼン市郊外に一人の少年が降り立った。

最強「到着ゥ」

市民「危ないぞ、君! そこは馬車の通り道だ!」

少年は迫る馬車を漆黒の炎で焼き尽くすと、刹那にして市民の首を斬り飛ばし、宣言した。

最強「まずは手始めにここら一帯を破壊しまーす。逃げれるもんなら逃げてみやがれ弱者共ォ!」

その少年は目についた人間を見境なく殺していく。ある者は格子状に切り裂かれ、ある者は血液を酸に変えられ、またある者は脳だけを爆破された。

鎧騎士「通報があった危険因子とは君のことか」バチィッ!

最強「オレの電撃を食らって死なないってことは、あんた、この世界の“代表”か」

鎧騎士「名を名乗れ。どこの何者だ」

最強「三下に教える名前なんてねぇよ。オレは“最強の異能力者”」

最強「オレはあまりにも最強すぎるもんで、自分のいた世界に退屈しちまったのさ」

最強「つーわけでオレは異世界に転生しまくってその世界の最強を倒して回ることにした」

最強「あんたはどこまでオレを楽しませてくれるんだろうな?」

鎧騎士「転生だと?」

最強「あぁ、オレは転生先の肉体を好きなように指定することもできる。まあいつものオレ以外になるなんてありえないけどな」

最強「お喋りはここまでだ。防御に自信がありそうだがそんなの最強の能力の前には無意味だってことを教えてやる」

最強「時間停止ッ!」

最強「…………何? 皮膚に毒針が刺さらないぞ」

鎧騎士「……もう動いても良いか?」

最強「ッ!」

鎧騎士「次の世界に行ってくれないか。私は君と喧嘩している暇はない。妻を待たせているのでな」

最強「へえあんた奥さんがいるのか」ニヤリ

最強「町ごと逝きやがれ! せいぜい守れなかった悔しさを噛み締めな!」グオッ

少年の降らせたマグマの塊は凝集し鎧騎士に吸い寄せられた。そして鎧騎士は無傷である。

最強「ふざけた能力だぜ。これでどうだ、消滅魔法!」シュイイン

鎧騎士「……ふう、耐えられたか」

最強「チッ、中々やるな。消滅魔法をまともに受けてダメージが無いのは6661番目の世界以来だぜ」

最強「その能力は使えそうだ。いただくぞ、能力奪取!」キンッ

鎧騎士「なるほど、そうしてそれだけの力を手に入れたのか」

最強「……能力も奪えねぇタイプか。久々に戦い応えのある相手だが……オイあんた、何故攻撃しねぇ」

鎧騎士「私には君を倒す意思が無いからだ。大人しく帰ってくれ」

最強「へっ、だったら永遠に殴られてろよ! 貴様の全てのステータスをゼロにする!」ドスッ

鎧騎士「……効かん」

最強「なあ、人体の6割は水でできてるって知ってたか? つまり水分を操ればどんな相手も崩れ去るんだよ!」ギュウウウ

最強「あんたを赤子に戻してやろう。大の大人がバブーバブー泣くのは傑作だな! 脳電流操作!」バチバチ

最強「単純明快。あんたが人間なら確実に効く能力で潰してやる。人間を操る能力!」パチン

最強『オレはあんたに憑依した。このまま自殺してやるぜ』

最強「今さらだが……その能力はどうなってんだ。アナライズ!」ピピピ

最強「連続で必殺能力使うと疲れるぜ……。でもオレは何度でも勝負をやり直せるのさ、ループ!」ギュルルル

最強「オレを怒らせるということは神を怒らせるに等しいと知れ。概念ごと消え去れ、“高次元宇宙破壊”」バァン


最強「ゼェゼェ……どうして何も通用しねぇんだよ、クソッ!」

目の前に立ちはだかる重く巨大な壁に、いつしか少年は恐れを抱いていた。

鎧騎士「……もう分かっただろう。君は私を倒せない。そして私を倒すまで他人に危害を加えられない」

最強「オレをここまで追い詰めるなんて、3849番目の世界と5510番目の世界を思い出すぜ……」

最強「だが、オレはやすやすと負けるわけには行かないんだよ……!」

鎧騎士「詳しく聞かせてくれないか? 君がなぜそこまで最強にこだわるのかを……」

最強「別に理由なんてねえよ。ただ……最強であることだけがオレの存在意義なんだ」

鎧騎士「悲しいプライドだな……。君はまだ若い。他に生きがいを見つけることもできるのではないか?」

最強「あんたにはプライドがないのかよ」

最強「オレは諦めねぇぞ。もう異能力には頼らない。3849番目の時も5510番目の時もパンチで倒して来た……」

最強「最後はこの無敵の拳で、決着を付けてやる!!」ドッゴオオオオン

鎧騎士「…………気は済んだか?」

最強「なッ……」ゾクッ

最強「ま、まだだ。まだオレは諦め……」

鎧騎士「ならば、ここで死ぬか?」

最強「ッ……!?」ガタガタ

最強(駄目だ、今のオレじゃこいつには敵わねぇ……!)

異世界転生能力を使ったと思われる“最強の異能力者”の肉体はその場に倒れ、朽ちた。


鎧騎士「……危ない所だった」

鎧騎士「私に彼を倒す手段は無いと見破られていればお終いだった」

鎧騎士「あのまま攻撃を続けられていたら、私は妻を守ることができなかったかもしれん……」

そして、勇者と魔王の決戦の場、王都ティルベルクにも一体の脅威が召喚されていた。

僧侶「魔王の呼び出した災厄から民を守らなくては……!」

盗賊「でも俺たちだけで間に合う数と距離じゃないぞ……」

戦士「どうする、勇者?」

勇者「神よ、応えてくれ! 俺は一体どうすればいいんだ!」

魔王「フハハハハ! 悩め勇者よ、こうしている間にも多くの民が死んでいくぞ!」

魔王「私の勝ちだぐおっ!?」ゴッ

戦士「と、鳥!?」

突如出現した怪鳥が、勝ち誇る魔王を捕らえ地面に叩きつける。

魔王「やめろ、勇者、助けがふッ……!」

盗賊「この化け物、魔王を……!」

怪鳥は魔王の肉を汚く食い散らかすと、勇者一行を見た。



ハルピア。

半人半鳥の魔族。

伝説上のモンスター、ハーピーよりもおぞましい姿をしており、人の血肉を好んで食らう。



怪鳥の黒い翼が黒い霧になり拡散していく。

盗賊「触れちゃまずそうだな!」

僧侶「精神力を吸い取る霧のようです。お気をつけて!」

怪鳥は天井近くまで舞い上がると、5体に分身し急降下して勇者一行を襲う。

勇者「ふんっ!」ズババッ

勇者は突進を軽くかわすと、怪鳥を分身ごと斬った。

戦士「なんだ? 災厄にしては弱いモンスターだったな」

僧侶「まだです! 周囲の月の精霊がモンスターに集まって……!」

月のような黄金色の光が怪鳥を変形させる。

鳥の羽根になった腕以外は人型の光で形成され、背中には満月のような円盤を背負っている。

月神。

魔族の核に精霊が集まって生まれた妖精系大型モンスター。

常人ならばその姿を見ただけで魅了され跪かずにはいられなくなる。



盗賊「くっ、精霊王の類か?」

僧侶「そこまででは無いようです」

僧侶の白魔術が月神を実体化させ、戦士と勇者の物理攻撃が月神を傷つける。

盗賊は一歩引いて仲間たちの戦いを見ながら体勢を整えていたが、月神の背後の円盤がにわかに輝きだすのを見逃さなかった。

盗賊「お前ら、避けろ!」

仲間たちが飛びのいた直後、極太の光線が薙ぎ払われ壁と天井を破壊する。

空高く伸びた光線は一点で拡散・屈折して王都の市民街に降り注いだ。

戦士「こっちが本体か!」

戦士が素早く接近し円盤を叩き斬ると、月神の輪郭が崩れ、閃光となって消えた。

戦士「やった!」

勇者「まだだ、戦士!」

割れた円盤の奥の異空間から、魔力の塊が出現する。

一見少女のような姿だが、その背中には夜闇と同じ色をした六枚の翼。

そしてその顔面は背後の異空間のような、吸い込まれそうな穴と化している。

堕天使「――――――ッ!!!」

異形の天使がこの世のものとは思えぬ産声をあげた。

無貌の堕天使。

自身の魔力に飲み込まれた少女の成れの果て。

全属性の精霊、そして神と悪魔の力で構成されたその素材は、まさに魔人と呼ぶべきだろう。

兄弟子である魔王には辿り付けなかった領域である。



戦士「があッ!」

勇者「戦士ー!」

刃物のように鋭利な六枚翼が戦士を切り裂いた。魔力の刃は特注の鎧も容易く破壊する。

盗賊「おい、空が……!」

光とも闇ともつかない色が空の彼方まで広がって行く。

堕天使「――風魔術」

堕天使「デッドリーウィンドベル」

カラン カラン

盗賊「……!?」パクパク

勇者「どうしたんだ盗賊」

僧侶「まさか白魔術師以外がこの音波を浴びると……」

勇者「急いで倒すぞ!」

僧侶が堕天使を実体化させ、勇者の連続斬りがその身にダメージを与える。

勇者「あと一太刀で!」

ポツリ ポツリ

僧侶「雨……?」

堕天使「――水魔術」

堕天使「アンブロシアレイン」

僧侶「そんな……! 魔物の力が回復して……! うっ」バタッ

勇者「僧侶! この雨、俺たちの力を削ぐのか……!?」

堕天使「――月魔術」

堕天使「アルティメットファシネイション」

勇者「させるか、ブロッキング!」

勇者「はあ、はあ……負けるものか! 神よ、俺に指示を下さい!」

天使(神は今回貴方に意思をお伝えにならないそうです)

勇者「な、なぜだ! 神はいつも俺を助けてくれた!」

勇者「答えてくれ! 神よ、俺を見捨てるというのか!?」

堕天使「――樹魔術」

堕天使「オールドレイン」

勇者「ぐああああ……!」

ドサリ

ザー ザ-

勇者「うぐっ……! 俺は寝ていたのか……?」

勇者「体が重い……雨のせいか」

勇者「魔物が町を襲っている……」

勇者「…………」

勇者「すべては神に与えられたもの。俺には勇気も意思も強さも無かったということだな……」

勇者「……それでいいのか?」

勇者「俺は魔物に殺される人々を見殺しにしていいのか?」

勇者「だが、この力は神からの借り物だ。勝手に振るう事は許されない……」

姫「勇者……?」

勇者「姫さま! ご無事でしたか!」

姫「私は無事です。ですが勇者、貴方は……!」

勇者「みっともない所をお見せして申し訳ない。ですが、俺はもう戦えないのです……」

姫「なぜですか? 貴方にはまだ力が残っています」

勇者「俺は聖騎士です。神が魔物を討伐せよと仰らない限り勝手なことはできません」

姫「そう、ですか……。ならば、私もここで死ぬのですね」

勇者(…………それでいいのか? だが、俺は……)

姫「……勇者。お願いします。私はまだ死にたくございません」

姫「どうか、神の勇者ではなく、私の勇者になってはいただけませんか?」

勇者「!!」

王都の上空。

勇者は空を駆ける。

勇者「神よ、裏切った俺に罰を与えるならば、今ここで雷を俺に落とすがいい!」

勇者「俺は理解した! あれは、神の生み出した魔物なのだろう!」

勇者「故にどちらにも罰を与えることができないのだ!」

勇者「しかし俺は姫を、そして民を守りたい!」

勇者「神が決定を下せぬのならば、俺がその始末をつけよう!」

堕天使の撃つ魔法弾の嵐をかいくぐり、勇者は跳び続ける。

勇者「魔物よ、聞け! 俺は自らの意思でお前を討つ!」

堕天使「……!」

勇者の言葉にハッとした様子を見せる魔物。その雰囲気は先ほどと異なり常人のように覇気に乏しい。

堕天使「ここは王都?」

顔の無い魔物だが、その表情も人間らしく見えた。

だがもはや勇者と聖剣は止まれない。

堕天使「……下から何か飛んでくる」

勇者「うおおおおおおお!!!」

聖なる銀色の剣閃が無防備な魔物を両断した。



後日。

魔王が討伐されたフルフィリア王国に平和が戻った。

また、一つ放置するだけで国を滅ぼしかねない六つの災厄から王国を救った、軍人と市民計六名に英雄の勲章が与えられた。

勇者と仲間の証言により、今後100年間六つの災厄を超える脅威は現れないことが確定し、王は大層安堵した。

六勇と称えられる彼らさえいれば彼の治める間フルフィリア王国は安泰だ、と……。

だが、王は知る由もなかった。

強大な災厄が起きずとも、小さな人災が多発すれば国は亡びるという事を。

そして最強の防衛力たる六勇が、後に革命軍として王に刃を向ける事を……。

魔人「めでたしめでたし」

ソピア「…………」

アン「…………」

ヒレア「…………」

マリン「まあまあだったわー」

魔人「これお主ら、反応が薄いぞ?」

ソピア「その……どこからつっこめばいいのか……」

ヒレア「……六勇がここまで化け物だとは思わなかった」

ソピア「麓町に現れたっていうドラゴン、港町の大怪魚、あとヒレアちゃんが召喚されてないってことは……そういうことですよね」

アン「魔人さんも呼ばれなかったんですねぇ?」

魔人「わらわには町を破壊する趣味は無いからのー」

ソピア「順番に振り返ってみよう……。まず、あの中将は“鬼顔”だよね」

ヒレア「映像の中で分かったのは、実体のない相手を殴れて、直接触れずに敵を一掃できるってことね」

ソピア「走るのも速かった……もし戦う羽目になったら逃げるのは難しいかも」


ソピア「女海兵は“女帝”だね。まさかマリンより格上の精霊王まで鞭で調教できるなんて……」

ヒレア「驚いた、意外と昔は美人だったのね。化粧もしてなかったし」

マリン「誰かに似てなかったかしらー?」


ソピア「3人目は“貴腐”だけど……強さよりも彼が元貴族だったことと、大蛇の方に驚いたよ」

ヒレア「……山より大きなモンスターを3日で分解できるなんて、人間なら一瞬で分解できそう」

ソピア「そう考えると一番恐ろしい相手なのかも……」


ソピア「“白服”は……何なの? よく分からない」

ヒレア「運がすごくいいだけなのかしら? 爆発してもピンピンしてたから耐久力もすごそう」

アン「一人だけコメディの世界にいましたねぇ……」


ソピア「元帥は“重壁”の名に恥じない無敵ぶりだったね……。」

マリン「ワタシの攻撃よりもっとすごいものに耐えてたわー……」

ソピア「敵もすごかったけど……あれ、魔人先生なら勝てるんですか?」

魔人「正直言って無理じゃな。わらわでもあの異能力には対抗できん」

魔人「あの異世界人の敗因は下調べ不足と根気の無さじゃ。あの元帥は決して無敵ではない」


ソピア「勇者は一番正統派の強さかな。単純に剣技が凄かったし白魔術も使えるんだよね……」

ヒレア(勇者よりも魔物が気になるわ。あれ、どう見ても……)

マリン(あれは逃れられない未来なのかしらー?)

魔人(実は魔王が名乗りを上げた直後に、モンスター掃討作戦によってこの時代の山脈大蛇は眠ったまま討伐されておった)

魔人(しかし山脈大蛇は100年以内の未来から魔王によって召喚された……)

魔人(つまりいくつにも別れた平行世界の内の一つから山脈大蛇は呼び出されたのだと推測できる)

ヒレア(よく分からないけどお姉ちゃんは大丈夫なのね?)

魔人(あくまで可能性じゃがな)

ソピア「……まとめると」

ソピア「六勇が襲ってきたら逃げる」

ソピア「または、襲われる状況にならないように立ち回る」

ソピア「それが攻略法ですね……」

魔人「まあ戦わないに越したことはない。しかし避けられない戦いもあるじゃろうな」

ソピア「あの……魔人先生も一緒に戦ってくれませんか?」

ソピア「私達死んじゃいます」

魔人「うむ……流石に奴らを倒せというのは酷じゃな……」

魔人「よかろう。いざという時はわらわを呼べ。お主の元にかけつけようではないか」

ソピア「でも魔人先生だけじゃ不安……」

魔人「失礼な!」

ソピア「私だってまさか魔人先生がいても勝てるかどうか分からないとは思いませんでしたよ」

ソピア「魔人先生よりも強い仲間が欲しい……」

ヒレア「そんな人いるのかしら」

魔人「人ではないが、わらわでも敵わない者たちがおるぞ」

魔人「神々じゃ」

マリン「ワタシのことねー」

魔人「違う。そんなちっぽけな神ではない」

魔人「人々に神として信仰されずとも神である者たち……世界の法則を司る神々じゃよ」

魔人「なぜ人は考えるのか。なぜ空は上にあるのか。なぜ花は美しいのか。それは思考神、上方神、美術神によって定められている」

魔人「彼らは通常人間に関わる事は無い。だが、特定の条件を満たした人間の前に現れる神もいる」

魔人「例えば鋭利神は刃を研ぎ続けた者の前に現れ、その刃を切れ味の落ちない刃に仕上げる」

魔人「休養神は不眠不休で働いた者にエネルギーを補給する。比較的よく現れているようじゃな」

アン「そんな話、全然聞いたことありませんよぉ?」

魔人「ほとんどの場合、他人に法則神たちに会った話をしても信じてもらえないようにできておるらしい」

魔人「わらわも第三者に突発的に起きた事象を観測することで、その存在を知ることができるだけなのじゃ」

ソピア「あの、私前に訓練神に会ったことがあるんですけど、それも法則神の一つですか?」

魔人「何を言うか。お主如きが訓練神に会えるわけなかろう。あれはよく現れる神じゃが、努力する時間が足りない者の前にのみ現れるんじゃぞ」

アン「お嬢様はよく努力してらっしゃいますけど、流石に会えないと思いますぅ」

ヒレア「私も会った事あるけど、お姉ちゃんが訓練神に会えたなんて信じられないわ」

ソピア「えー、ヒレアちゃんこそ会えるわけないよ」


魔人「彼らを味方につけられれば、わらわよりもずっと心強い味方になってくれるじゃろう」

魔人「わらわの見立てでは、共和国軍元帥は防御力を司る頑丈神の加護を受けている」

魔人「勇者も聖教会の神のお気に入りであるようじゃが、恐らくその聖教会の神も法則神の一つじゃ」

ヒレア「そうなの?」

魔人「例外的に天使を介して人間に積極的に関わる存在じゃな。別名をつけるとするならば支配神といったところか」

ソピア「私も前に月女神様に究極魅了魔法を頂きましたけど」

魔人「月魔術神は一定区域で最も優れた月魔術師の前に現れるのじゃ。お主に会えるわけがない」

アン「他にどんな神様がいらっしゃるんですか?」

魔人「火魔術神。優秀な火魔術師の前に現れて、消えない炎を授ける」

ソピア「全ての魔術に一通りいるんですね」

魔人「道案内神。迷った人の前に現れて家まで送り届ける」

ヒレア「それただの親切な人じゃない?」

魔人「数え神。無駄に数字を数え続けた者を、食事や睡眠の必要が無い異空間に連れ去り、何万年もの間ずっと数字を数えさせる」

ソピア「何も悪い事してないのに!」

魔人「ページ舐め神。ページをめくる際に一度も欠かさず指にツバを付けている者を、平面に加工し一晩中舌で舐めてから元に戻す」

アン「何がしたいんですかぁ……」

魔人「参宅老神。毎年決まった日に良い子の元にプレゼントを届ける」

ヒレア「えっ、彼は聖教会の聖人じゃなかったの」


魔人「のう、もしお主があと1秒の100分の1遅く歩き始めていたら転んでいたと言ったら、信じられるか?」

ソピア「そんなわずかな時間じゃ何も変わらないと思いますけど……」

魔人「それが変わるんじゃよ」

魔人「刻間神。秒と秒の狭間に住む神。行動の成否を決める」

魔人「お主が日ごろから運が悪いのは刻間神に嫌われておるからかもしれんな」

ソピア「その神様を味方にするにはどうすれば!」

魔人「残念ながら人の前には現れない神じゃの。運の良い者と悪い者の行動始めのタイミングを計測すると、存在することは確実であるが……」

ソピア「そんな……」

魔人「他にも運命を決める神はいるぞ。まあそれに会えるかどうかも刻間神次第じゃがな……」

ソピア(久しぶりに祈ってみようかな)

ソピア(どんな神様でもいいから助けてください!)


12 容貌神(比較的優れた容姿を持つ人の元に現れる)……何かに変身してしまう 
34 精霊王神(妖精種大型モンスターを連れている人の元に現れる)……マリンがパワーアップ?
56 訓練神(訓練を本当に必要としている人の元にしばしば現れる)……訓練パートが増える
78 悪食神(変わった食べ物への執着が強い人の元に現れる)……食べ物以外も一部食べられるようになる
90 時の神(時間が足りない人の前に稀に現れる)……38日目をもう一度繰り返す

↓ コンマ一桁

――ソピア・ウィンベルよ――

ソピア(来た!)

――私は容貌神――

――すがたかたちを司る者――

ソピア(もしかして、姿を変えることができるんですか?)

――できるのではありません――

――貴女の姿を私が変えるのです――

ソピア(えっ、今の姿でいいんですけど)

――意見は聞き入れません――

――私は美しい者を別の姿に変える神です――

ソピア(しまった! これ、悪い方の神様だ!)


1 美しくなる
2 オークになる
3 男性化
4 年齢が変わる
5 肌の色が変わる
6 亜人化
7 動物化
8 食品化
9 無機物化
0 不定形

↓コンマ一桁

――貴女の年齢を変えます――

ソピア(い、いやだ! 私16歳でいい!)

ソピア(比較的マシな変化かもしれないけどそれでもいやだ!)

――貴女の意思は関係ありません――


↓ コンマ二桁がそのまま年齢に(00は特殊)

ソピア(77歳)「…………」

ヒレア「何か祈ってると思ったら、お姉ちゃんがお婆ちゃんに!」

マリン「イリュージョンねー♪」

ソピア(77歳)「私の61年、返して……」

老婆はしわがれた声で嘆いた。

魔人「安易に祈るからそうなる」

ヒレア「何とかならないの?」

魔人「わらわの力は神々には通用しない。変えられた年齢を元に戻すことは不可能じゃ」

ソピア(77歳)「そんなあああ! げほげほ……」

魔人「見た目と身体機能だけならわらわの魔術で変えることもできるが……」

ソピア(77歳)「お願いします……! ほとんど年齢操作と同じですよね」

魔人「ただ……寿命はどうにもならん。今のお主の肉体年齢は77歳じゃ」

魔人「フルフィリア人女性の平均寿命が65歳であることを考えると……いつ寿命が来てもおかしくない」

ソピア(77歳)「…………うう」

老婆はさめざめと泣いた。

マリン「げ、元気出してー! ほら、ラッキーセブンよー♪」

ヒレア「少なくとも、共和国軍はもう私がソピアだと言っても信じないわ」


魔人「寿命に関してはまた考えるとして……ひとまず見た目と身体機能をどうにかするぞ」

魔人「この際完全に元に戻す必要もあるまい。勝負を有利に進めるためにもドーピングするのも手じゃぞ」



~元のソピアのステータス~

年齢16 体力32 精神52 筋力30 敏捷44 知力70 器用20 交渉力70


見た目は
1.結構幼く(かなりバレにくくなる)
2.ちょっと若く(少しバレにくくなる)
3.16歳でお願いします
4.ちょっと大人に(少しバレにくくなる)
5.だいぶ大人に(かなりバレにくくなる)

↓2


体力・筋力・敏捷は
A.元の体32筋30敏44のままで
B.体力を元より高く
C.筋力を元より高く
D.敏捷を元より高く
E.体力と筋力を元より高く
F.体力と敏捷を元より高く
G.筋力と敏捷を元より高く
H.全部元より高く

↓3

ステータス変わらず ソピアちゃん11さい(肉体年齢77歳)(精神年齢16歳)



ソピア(11歳)「……」チョコン

ヒレア「お姉ちゃんがお婆ちゃんから妹に!」

アン「は、反則ですぅ!」キラキラ

ソピア(11歳)「やめて、そんな目で見ないで」

ヒレア「お姉ちゃん、何歳になったの?」

ソピア(11歳)「……11さい」

アン「アンと初めて会った時より1つ下ですねっ!」

魔人「77歳だから初めは7歳にするつもりだったんじゃがのう。断固拒否されたわい」

ソピア(11歳)(7歳なんてマトイちゃんと同じくらい小さいじゃん……!)


※参考
ヒレア 13歳
フローラ、英雄“龍殺” 12歳
魔法局の方の魔人 10歳
マトイ 7歳


アン「やっぱり12歳以下はすごく可愛らしいですぅ」ダキッ

ソピア(11歳)「子ども扱いしないで……中身は16歳のままだよ。それどころか身体は77歳だよ」

ヒレア「ドーピングはしなかったの?」

魔人「一応したぞ。元と変わりないが11歳の娘にしてはかなり高い方じゃろう」

魔人「まあ、お主を含むソピアの出会った娘は規格外ばかりじゃが……」

ソピア(11歳)「マリンは何にも言わないんだね」

マリン「ワタシには77歳に見えるわー」

ソピア(11歳)「妖精は物の見え方が違うのかな……?」

ソピア(11歳)(両親やトールくんになんて説明しよう……)

23時から再開

ソピア「と、とにかく話を戻しましょう」

アン「身振り手振りが可愛いですぅ」

ソピア「アンやめて。みんなもその目やめて!」

ソピア「……今の実力では六勇に対抗するどころか、両親を助けることすら厳しいと思うんです」

ソピア「もっと力が欲しいです」

魔人「天使と悪魔に頼めばいいじゃろう、ククク」

ソピア「今私が化け物になってどうするんですか!」

ヒレア(もうこの時点で歴史が変わってるね)

マリン(そうねー、無貌の堕天使はこんなに小さくなかったわー)


魔人「いや、冗談めかして言ったが冗談ではないぞ」

魔人「強力な魔術を扱いたいなら白魔術と黒魔術を生かすのが最も手っ取り早い」

ソピア「でも白黒は下手に覚えると暴走する可能性が……」

魔人「心配無用。お主はすでに限界を超えておるからの」

ソピア「えっ」

恋愛の天使「呼びました?」

ソピア「呼んでません。……って実体化してる!」

天使「そちらのお姫さまにお呼ばれしまして」

運命を司る天使はふわふわした薄い桃色の衣装で姿を現した。

魔人「よく来てくれた。やはり本体に来てもらった方が白魔術の修練は捗る」

ヒレア「そういえばあなたには名前は無いの? 生命の天使はサリーと名乗ってたけれど」

天使「他の天使との区別が必要ならばリールとお呼びください」

魔人「ちょうどいい。ソピアにこやつらの紹介をしておこう」パチン

魔人が指を鳴らすと暗がりから、仮面をつけた執事服の悪魔が姿を現す。

予言の悪魔「おや、貴方ですか」

天使「……お久しぶりです」

二者の間に険悪な空気が漂う。

ソピア「やっぱりあまり仲は良くないんですね……」

天使「この悪魔は天界の裏切り者ですから!」

悪魔「愛想を尽かされる神の側に責任がある」

悪魔「さらに言えば貴方はわたくしに感謝すべきだと思いますがね、天使長?」

ソピア「天使長様だったんですか……!?」

天使「なんてことを! 私は気軽に話せる身近な天使であることを心掛けていたというのに!」

天使「天使長だと知られたら一定の距離を置かれてしまうではありませんか!」

悪魔「実はわたくし、一時期天使長・軍団長を務めておりまして。運命の天使はその跡継ぎなんですよ」

ソピア「軍団長……!」

天使「違いますから! 軍団長はマイク――武の天使の方で、私は平和なお知らせ係だから、ね!?」

魔人「まとめると、こやつらは神のメッセンジャーの前代表と現代表」

魔人「つまりお主に注ぎ込まれている白と黒の力は、その中でも純粋で強力なものだと言う事じゃな」

ソピア「えええ……」

悪魔「この天使は善良ぶってますが、別の国では人間相手に戦闘の真っ最中ですがね」

天使「これ以上私のイメージを壊さないで!」

悪魔「我々には体がいくつもありますので。フルフィリアでは気軽に相談に乗ってくれる天使たちも、異教の地では現在もそれはそれは恐ろしい殺戮狂で……」

ソピア「まあそういうものだと予想はしてましたけど……」

天使「……色んな顔がありますが、貴女に対して悪意は無いとご理解いただければ幸いです」


ヒレア「天使には正式な名前があったはずだけど、なぜ愛称を名乗るの?」

天使「実は、私たちの真名はそれそのものが呪文になってしまってまして……」

悪魔「迂闊に唱えると術が発動してしまうのでね、サタンと名乗る他ないんですよ」

ヒレア「……そういうこと。サタンならまだ呪文の一部で済むものね」

ソピア「私だったらソピアと名乗るたびに光線を撃っちゃう感じかな。それは不便……」

ヒレア「ガブリエルは妊婦を祝福する文言、ルシフェルは死の呪文……」

ヒレア「強大な魔力を持ちつつ名乗ろうものなら、次々と女性が妊娠したり大量の死人が出たりするのね」

ソピア「流石に魔術の規模が段違いだった……!」

魔人「ヒレアは白魔術にも黒魔術にも詳しいのう。さぞ熱心に学んでいたんじゃろうな」

ヒレア「ねえ魔人先生。そろそろ副作用について話してほしいの」

魔人「よかろう。先に言った通りソピアはすでに限界に達している。すでに副作用も出ているぞ」

ソピア「副作用って……ヒレアちゃんの場合、血が飲みたくなって太陽が苦手になるんだったね」

ヒレア「それぞれ生命の天使と夜の悪魔の副作用ね。随分苦しめられたけど……お姉ちゃんは平気そう」

魔人「気付いてい無いようじゃが、すでに大きな影響が出ておるわ」

魔人「予言の悪魔の副作用は、主に夢の中で無意識に過去視や透視を行ってしまう」

魔人「運命の天使の副作用は、毎日のように数奇な体験をする」

魔人「覚えがあるじゃろう?」

ソピア「私が最近、毎日死にかけてるのは副作用だったんですね……」


ソピア「私、限界を超えてるんですよね。どうして暴走しないんですか?」

魔人「溜め込まれた魔力の暴走は、精神が不安定になった時に爆発的に起きる」

魔人「精神が分裂していてかなり不安定だったヒレアも、フュネッサの計略で心を乱されるまでは持ちこたえていた。大衆の面前で全裸にされようともな」

魔人「恐らく、ソピアが暴走するのは副作用によって恐ろしい体験をするか恐ろしい過去を視てしまい、絶望した時であろうな……」

ソピア「不吉な事言わないでくださいよ……」

ヒレア「魔人先生も何か切欠があったのかしら?」

魔人「もう覚えておらんな。おそらくは兄弟絡みの事だったはずよ。それ以外に心当たりはない」

続きは本日の18時から、ようやくソピア強化パート



魔人「というわけでお主が白魔術と黒魔術を覚えることに何らリスクは無い」

魔人「これ以上の副作用は起こらない。暴走しないようにするのも心がけ次第じゃ」

魔人「せっかく本体がおるのだし、この際に強力な術を覚えた方が良いと思うがのう」

ソピア「リスクが無いのなら……」

マリン(怪しいわー。本当にリスクは無いのー?)

魔人(もしも暴走した際にその術の強化版を使用してくるくらいじゃの)

ヒレア(私の時みたいに、ね……)


1.リスクが無いなら術を覚えよう
2.嫌な予感がするからやめよう

>>480でもっとひどい変化をしていた場合、最悪GAMEOVERでリセットされていました(気体とか羽虫とか)
大抵の変化は魔人先生の術で元の姿に戻れますが、解呪を受けると男性やオークになってしまう体質に……
食品化していたら本当にお砂糖とスパイスでできている女の子、お菓子的な意味で甘い匂いを漂わせます

>>490は、幼く→11歳、若く→14歳、少し大人→18歳、だいぶ大人→22歳、でした

ソピア「リスクが無いのならぜひ教わりたいです」

ヒレア「……私も賛成。暴走した時のリスクは私達が背負うものだから」

マリン「後のことは任せてー♪」

ソピア「では早速」

アン「その前に服をお召しになった方がよろしいのでは……」

ソピア「あっ……」

ソピアが元々着ていた服は11歳の体格にはぶかぶかだった。

布が絡まって動き辛い上に靴のサイズも合っていない。

ソピア「どうしよう、持ってる服はどれも大きすぎるよ……」

アン「仕立て屋に持って行けばサイズを合わせてくれますけど、今はもう夜ですぅ」

ヒレア「……私の服でよかったら。ちょっと大きいかもしれないけど」

ソピア「ヒレアちゃんのおさがり……!?」

ヒレア「私の部屋で着替えましょ。ここ男の悪魔いるし。……彼らに性別なんて無いけどね」

悪魔「ええ。聖乙女のような格好のこちらの天使さえ、世界の6割の地域では男性の姿をしておりますね」

天使「中性的な美青年ですから! 決して勇猛な益荒男ではありませんから!」

ヒレア「私の部屋はこっちよ、ついてきてお姉ちゃん」

アン「もうお姉ちゃんじゃないですよね?」

ソピア「……そう、なるの?」

ヒレア「でも……」

アン「お嬢様こそヒレアさんをお姉ちゃんと呼ぶべきでは無いでしょうかっ!」

魔人「うむ。一理ある」

ソピア「もう、2人とも面白がらないで……」

魔人「しかしヒレアが今のソピアを姉と呼ぶと、それを聞いた他人に余計な違和感を抱かせるだけじゃろう」

アン「その通りですぅ! そう、これは不可抗力なんですぅ! 諦めて受け入れてください!」

ヒレア「……。じゃあ、行きましょ、ソピアちゃん」

ソピア「うー!」

魔人「幼くせよと言ったのはお主じゃろうに……」

ソピア「いじられたかったわけじゃないもん!」


1.中身は77歳だから私が姉です
2.お互い名前呼びでいいんじゃないかな……
3.これからヒレアがお姉様代わり

ヒレア「ソピアちゃん、わがまま言わないの」

ソピア「……はい。お姉様」

ヒレア(……元貴族だから家族にも様付けなのね)

ヒレア(いいかも)

※義姉妹の立場が逆転しました


ソピアは、ヒレアが着ているようなそこまで派手ではないゴスロリ風ワンピースを着せられた。

ソピア「……一人で着れるよ?」

ヒレア「妹なんだから甘えてちょうだい」

ソピア「うう……こんなことなら見た目年齢下げるんじゃなかった」

ヒレアはソピアの髪に大きなリボンを結んだ。

ソピア「このリボンいらないような……」

ヒレア「あった方が可愛いでしょ」

ソピア「まあ、服を新調するまでの辛抱だね……」

アン「わあ可愛らしい」

魔人「リボンが少女らしさを引き立てておるのう」

ソピア「……そろそろ怒りますよ」


魔人「さて、魔術の訓練を行うわけじゃが」

魔人「今までのように、魔法局と同じ方法で習得していては、大した魔法を覚えられずに終わってしまう」

魔人「そこでわらわはいくつかの魔法を系統別にまとめておいた」

魔人「この方法なら器用貧乏になるのを避けられるのではないか?」


『白魔術』

・治療の白魔術
ヒール(体力回復)・キュア(毒系治療)・サニティ(精神系治療)のセット。キュア以外は日魔術と樹魔術で同じ効果の術を持ってる

・聖光の白魔術
聖光打・聖光盾・聖光弾のセット。アイデア次第でもっと色々な形状に変化させられる聖なる力

・退魔の白魔術
解呪・除霊・加護系スキルのセット。主に黒魔術系統の術やモンスターへの対策になる

・聖歌の白魔術
聖歌スキルのセット。周囲の仲間に精神力回復や能力上昇、属性耐性や状態異常耐性の効果をもたらす歌がある

・運命の白魔術
賽子魔法(何が起きるか分からない)・光の鍵(対象の時を止める)などのセット。運命の天使の力は確率や時の流れに作用する

×預言の白魔術
習得済み。聖教会の神がソピアに甘くなる


『黒魔術』

・呪法の黒魔術
他者に何らかの害を与える呪いのセット。種類は膨大にあるがすべて一種類の解呪で消されてしまうのが難点

・暗黒の黒魔術
ダークボール(魔法弾)・魔剣・ダークマター(主に防御)のセット。聖光の白魔術の黒魔術版

・亡者の黒魔術
幽霊使役・復活呪い(死体のゾンビ化)・葬送弾(幽霊を撃つ)のセット。幽霊やアンデッドを操る最も悪者感漂う黒魔術

・召喚の黒魔術
インフェルノ・ブリザード・バグストーム(羽虫の大群をぶつける)のセット。規模が大きい攻撃で他属性の魔術の代用になる

・天空の黒魔術
ダークウィング(飛べる)・明星光線(月魔術強化版)などのセット。元天使長の悪魔は惑星を司っていた

×予言の黒魔術
習得済み。何でも見れるわけではないが、過去視や透視、未来視ができる

魔人「まずは白魔術からじゃ」

ソピア「よろしくお願いします」

天使「お願いしますー」

ヒレア「普通は最初に回復魔法を覚えるものだけど、ソピアちゃんは水魔術や日魔術を使えるからあまり意味は無いかも……」

魔人「退魔系は便利じゃな。加護はお主の運を高める(コンマ判定に+10)。お主には歌の才能もあるから聖歌も良いじゃろう」

天使「あの、守護天使である私の固有魔法は……」

魔人「確率がものをいう術はソピアと相性が悪かろう?」

天使「必中魔法もありますからね!」


1.治療の白魔術 毒・麻痺・眠り・石化などを治せるようになる
2.聖光の白魔術 普通の攻撃魔法と防御魔法
3.退魔の白魔術 解呪や加護の魔法
4.聖歌の白魔術 歌でチームを強化する魔法
5.運命の白魔術 確率や時の流れに関する魔法

↓1、2 同じものが選ばれた場合、その分野のさらに高位の術を覚えます

退魔系白魔術習得

『解呪』…あらゆる呪いを解く。ソピア自身に使うと77歳の老婆になるので注意。
『除霊』…人間や物に憑り付いた霊を祓う。幽霊モンスターならばその後退治しなければならない。
『実体化魔法』…幽霊や気体などの物理攻撃が効かないモンスターに物理攻撃が当たるようにする。
『加護』…1日の間コンマが+10される
『聖域』…魔法の威力を弱める魔法陣を張る


ヒレア「筋がいいわね」ナデナデ

ソピア「なでないで……」

魔人「解呪はどんな呪いでも解けるから、復活呪いを受けたアンデッドモンスターならば一撃必殺じゃよ」

ソピア「あの……もし私が呪いを受けてしまったらどうすればいいんでしょうか」

魔人「呪いを受けた時点でチェックメイト、じゃな……」


ソピア「加護はずっと使っていていいんですか?」

天使「構いません、加護は貴女の精神力ではなく、神と私の機嫌次第ですので」

ソピア「これからはずっと運が良くなるんだ。うれしい」

※コンマ一桁判定には適用されません

運命の天使固有魔法習得

『賽子魔法』…数奇な出来事を自ら招く魔法。コンマ次第で一発逆転!
『運命の矢』…対象を追尾する矢を放つ。矢の威力は全くないが、しばらくの間魔法が矢の刺さった相手を追尾するようになる。
『光の鍵』…対象に鍵を刺して回すと時を止めておくことができる。施錠できる時間と対象数は術者の精神力に依存する。
『晩鐘』…鐘の音を聴いた者の時を夜にする。聴かせた相手だけ周囲を暗闇にするといった使い方が可能。
『恋の百合』…花占い。半々の確率で絆を深める出来事か絆を裂く出来事が起きる。同性同士でも使える。


ソピア「テクニカルな魔法が多い、というか……」

ヒレア「使いにくそうね。生命の天使の固有魔法が使いやすい分すごくそう思う」

天使「ごめんなさい……。でもこれらはまだ私の中では初級~中級の白魔術でして……」

ソピア「そういえば今回は追加メニュー?は無いんですね?」

魔人「新しい訓練の解放じゃな。それはまた改めてになるぞ。……次があるかは分からんが」


ソピア「賽子魔法……」

アン「だめです! 欲に駆られて回したら、またおばあちゃんになっちゃいますよぅ!」

魔人「使い方を学んでおいた方が良かろう」

魔人「何が起きて欲しいかを願いながら振るのじゃ。運が良ければ普通ではありえない現象でも起こせるぞ」

ソピア「運が悪ければ……?」

魔人「真逆の事が起きる」

ソピア「こわい」

魔人「大した願いじゃなければ失敗した時のダメージも小さい。まあギャンブルじゃな」

マリン「運が良くも悪くも無かったらー?」

天使「少しずれたことが起こります……」

ソピア「よく分からない……やっぱり一回使ってみよう」


※起こって欲しい内容を記述、コンマ一桁が9か0ならその通りに、1か2なら真逆の事が、それ以外なら追加でおかしなことが起こります


↓ 賽子魔法発動! 起こって欲しい内容をどうぞ

ソピア「16歳に戻ってー!」ブンッ

一同(切実な願い!!)

天使「主よお願いします、彼女に幸運を……!」

ソピア「……よくも悪くもない」

ヒレア「で、でもそこまで悪くは無いわ」

ソピア「一体何が起きるの……!?」


※コンマ6なのでたぶん良い事悪い事半々です

1 精神年齢まで11歳になる
2 ヒレアも11歳になる
3 アンがアンブラーになる
4 トールも肉体年齢77歳、見た目年齢11歳になる
5 関係ないけど他の神が出てくる
6 容貌神がまた絡んでくる
7 肉体年齢が7歳になる
8 肉体なんて飾り、精神体になって寿命克服
9 肉体年齢が99歳になる
0 肉体年齢が16歳に戻る

↓ コンマ判定パルプンテ

ソピア「」バタリ

ヒレア「お、お姉ちゃん?」←慌てて自分が姉だと忘れてる

マリン「ソフィー、起きてー!」

アン「ちょっと診せてくださーい!」

アン「……そんな」

ヒレア「ど、どうしたの?」

アン「ご臨終ですぅ……」

悪魔「おやおや」

天使「おお主よ、なんと酷い仕打ちを……!」

魔人「年齢鑑定魔法! ……なんじゃと!?」

魔人「こやつ……99歳になってしまったらしい」

アン「……何かしら特別な方法を使わない限り、90歳で生きてる人なんていません」

ヒレア「そんな……」

魔人「逃亡生活の果てがこのような最期とはな……」

アン「でも、よかったのかもしれません」

ソピア(11歳)「…………」

アン「だって、こんなに美しい姿のまま、苦しまずに老衰で死ねるなんて、ほとんどありえないことですから……」




GAMEOVER:10 世界一幸福な死




↓ 別の内容で賽子を振り直しますか?(願いの内容または振り直さないと記述)

※特に願いの記載が無いので同じ内容で振り直します


>>522の直後から再開


ソピア「16歳に戻ってー!」ブンッ

一同(切実な願い!!)

[8]

ソピア「惜しい……!」

ヒレア「惜しいかどうかは関係あるのかしら?」

天使「はい! もしかしたら願いが叶うかもしれません!」


※コンマ8なのでたぶん良い事が起きる展開が2つ増えます

1 精神年齢まで11歳になる
2 ヒレアが16歳になる
3 ソピアが16人に増える
4 16歳のソピアが出現する
5 関係ないけど他の神が出てくる
6 容貌神がまた絡んでくる
7 肉体年齢が777歳になる
8 肉体年齢が少し戻って33歳に
9 肉体年齢が少し戻りすぎて11歳に
0 肉体年齢が戻って16歳に

↓ コンマ一桁パルプンテ(今回は即死無し)

ソピア「……」ポヤーン

ヒレア「お、お姉ちゃん、大丈夫?」←慌てて自分が姉だと忘れてる

ソピア「お姉様はヒレアお姉様の方でしょう?」

ヒレア「そうだった……ごめんなさい」

マリン「何も変わらなかったみたいねー?」

アン「いえ、なんというか、違和感が……」

ソピア「どうしたの、アン?」

アン「なんだかイントネーションが幼いんですよぉ……」

ヒレア「今の見た目に合わせたのかしら?」

魔人「ふむ……。ソピア、お主は何歳じゃ?」

ソピア「うん? 私は11歳だよ」

魔人「16では無かったのか?」

ソピア「うん。でもね、今の方がしっくり来るの」

ソピア「16歳になるのはまだ早いような……そんな気がしてるの」

ソピア「私、おかしくなっちゃったのかな?」

魔人「自意識まで11歳になってしまったか……」

ヒレア「……」ナデナデ

ソピア「……えへ。お姉様、もっとお願い」

ヒレア「これ、大丈夫なの?」

魔人「記憶はあるようじゃから問題なかろう」

魔人「どれ、ソピア、わらわと目を合わせい」

ソピア「えー、照れるよ……」

魔人「わずかばかり知力が落ちておるな……集中力、思考力、状況判断能力を調整しておこうかの」

マリン「精神年齢も上がりそうねー」

ソピア「そうかな。マトイちゃんは7歳なのに頭よかったもん。知力と年齢に関係は無いと思うよ」

ヒレア「なんだか不思議。11歳なのにちゃんとソピアのままだから……」

アン「当時のお嬢様はもっと人見知りでしたからねぇ。昔に戻ったわけでは無さそうですぅ」

ソピア「うん。あんまり変わったとは私も思わないよ。幼児になったわけじゃないもん」

ソピア「ただ一つ言えるのは……子供の心の方が世界は楽しく見えるってことかな」

魔人「黒魔術の修練に移るぞ」

ソピア「よろしくお願いします!」

悪魔「どうぞわたくしの力をお役立て下さい」

ソピア「どれがいいのかな?」

ヒレア「火魔術や氷の術を鍛えるつもりがあるなら召喚系の術は必要ないわ」

魔人「とはいえ氷魔術師や召喚術師の術を覚えるのは少し苦労するからのう。無意味ではなかろうよ」

ヒレア「私は魔法弾みたいな暗黒系の術がメインで、レンは変わった呪いが好き」

ヒレア「亡者系の術は……フュネッサが使ってた術が大体そうよ。覚えてる?」

ソピア「おばけがかわいそうだよ……」

ヒレア「詳しくは知らないけど……幽霊にも、人間に近いものと、もう記憶も感情もないようなものといるらしいの」

ヒレア「そういう幽霊なら問題ないと思う」

ソピア「悪魔さんの固有魔法は?」

悪魔「基本的に黒い羽根の魔法の延長と思っていただければ。具体的には飛行能力です。いかがですか?」

ソピア「うん。空が飛べたら楽しそう」


1.呪法の黒魔術 様々な呪いを覚える(内容は自由安価で)
2.暗黒の黒魔術 普通の攻撃魔法と防御魔法、ヒレアがよく使う術に近い
3.亡者の黒魔術 霊を操ったり不死者を使役したりできる
4.召喚の黒魔術 黒魔術と別の魔術の複合属性魔法
5.天空の黒魔術 空を飛べる、月と地球以外の星の力を借りることができる

詳細は>>515

↓2、3 同じものが選ばれた場合、その分野のさらに高位の術を覚えます

>>546
>>547
精神年齢“まで”11歳になる
だから肉体も11歳になってるんじゃないか?

>>552
表現が分かりにくかったですね
(見た目だけでなく)精神年齢まで11歳になりました

最初……肉体年齢16歳、精神年齢16歳
容貌神による変化……肉体年齢77歳(概念を司る法則神なので魔法で戻せるものじゃない。本来の姿自体を変えてしまう)
魔人の呪術……仮の肉体年齢11歳(呪術による見た目の変化なので解呪が効く。キスをするとカエルが王子様に戻る的な呪い)
賽子魔法による変化……精神年齢11歳(聖教会の神も法則神なので、運が良ければ容貌神による変化を上書きできた)

天空の悪魔固有魔法習得

『ダークウィング』…背中から漆黒の羽根を生やして飛行することができる
『明星光線』…金星の魔力で撃つ高威力のレーザー。対象を畏怖(魅了+恐怖)させる効果がある。
『戦の笛』…火星の魔力で奏でる音で仲間の筋力・防御を上げる。または敵を暴走状態にさせる。
『フェザーボム』…黒い羽がどこかに刺さると白い光を放ちつつ爆発する
『フェザーシールド』…凝集した黒い羽が強固な盾になる


ソピア「空を自由に飛ぶの、楽しい!」

固有魔法を学んだソピアは背中の羽根で縦横無尽に部屋を飛んでいた。

魔人の城は無駄に広い。さらに魔人の魔術で空間の拡張も可能なのだ。

ソピア「ふう、少し休憩」

ソピアは床に降り立つと羽根をパタパタさせる。

アン「反則的に闇可愛いですぅ!」

ソピア「あはは、ありがとう。……闇可愛いって何?」


ソピア「黒魔術師ってずるい。こんなすごい魔法を最初から使えるなんて」

魔人「まあ悪魔との相性が良くなければ始まらないがの」

ヒレア「予言と天空の悪魔でしょ。本当は上位職――邪教徒レベルじゃないと相手にしてくれない悪魔よ」

悪魔「ええ。貴女は運がいい。主人と出会わなければわたくしの力を借りるなど不可能でしたから」

ソピア「それならせっかくだから固有魔法を極めようかな」

魔人「……まあ、構わないぞ」

ソピア「?」

天空の悪魔固有魔法習得(2段階目)

『ダークフライト』…背中から漆黒の六枚羽を生やして高速で飛行する。羽根は簡易的に刃や盾としても使える。
『オーラリー』…天王星の魔力で空を天球儀に変え、他者の天候操作魔法を全て無効化する。
『アダマント』…土星の魔力でできた未知の金属を作り出す。武器にすればあらゆる防具を貫き、防具にすればあらゆる武器を弾く。
『グランドクロス』…天体を操作して十字架を作り、対象をとても不運にする。
『ルシフェルホール』…異空間に通じる穴を作り対象を吸い込む。相手は死ぬ。


ソピア「ひい、すごく疲れる……」

魔人「やはりお主の精神力では厳しいか」

ヒレア「とんでもない術が含まれてる気がするのだけど……」

魔人「高位の邪教徒向けの術じゃからな」

マリン「空を操る魔法があるけどどうやって練習したのー?」

魔人「サタンに練習用の空を作らせた」

悪魔「余計な混乱を招くといけないと思いまして」

天使「安易に空を複製するなんて……主はお怒りですよ」


ソピア「アダマントの武器でアダマントの防具を攻撃したらどちらが勝つんですか!」

魔人「アダマントを作り出した術者の力量差次第じゃな」

ソピア「私が作ったアダマントの武器とアダマントの防具なら!」

魔人「お主のさじ加減じゃろう」

ソピア「うーん、どんなに頑張っても一瞬しか出せないや、ルシフェルホール」

ゴウッ!

魔人「……迂闊に呟くでない」

ソピア「ごめんなさい……」

ヒレア「……口にするだけで発動するなんて本当に恐ろしい魔法」

ソピア「でもこれすっごく不便。私に接したところにしか出せないもん」

ソピア「しかも口の中に出すのが一番効率がいいなんて、私が食べちゃうみたいだよ……」

ソピア「悪魔さんはどこにでも出せるんですか?」

悪魔「ええ。貴女のいる空間に出すこともできます」

ソピア「ひええ……」

悪魔「ただ、わたくしの場合常に発動してしまっているので不便なのですがね……」

ソピア「えっ、でも私たち吸い込まれてませんよ?」

悪魔「ここです。この仮面の下、すべて異空間への穴になっています」

ヒレア(のっぺらぼうの恐るべき真相……!)

アン「ふあ~あ……」

大あくびをしたアンが腕時計を確認する。

アン「……もう夜1時なんですねぇ」

ソピア「1時!? 早く寝ないと!」

魔人「これ、お主は寝てる暇はないじゃろう」

ソピア「でも寝ないと大きくなれません!」

魔人「あー……お主は寝ても大きくなれないぞ。栄養を採っても無駄じゃ」

ソピア「えっ。まさか、ずっとこのまま……?」

魔人「さよう。魔術で変えとるだけじゃから、寿命が来るまでずっと11歳の肉体じゃな」

ソピア「そんな……」

ヒレア「でもおかしいわ。まだ1時だなんて」

魔人「この城全体に時間延長魔法をかけておるからな」

魔人「もしも外から我々を見れば、早送りで動いておるように見えるじゃろう」

魔人「訓練には最適じゃろう?」

アン「みなさんは夜行性だからいいですけど、アンはもう限界ですぅ……」

ソピア「私も眠いよ」

魔人「抜かりはないぞ。ほれ、これを飲め」

魔人「やすらぎの薬。飲めば一瞬で睡眠と同じ休養効果がある」

アン「危ないのでは……」

魔人「一晩くらい問題なかろう。わらわがまだ普通の人間だったころに発明して毎晩飲んでおったが特に不調は無かったわ」

魔人「バニラ、ストロベリー、チョコレート味を用意したぞ。好きなものを選んで飲みなさい」


ソピア「……おかしい」

ヒレア「どうしたの?」

ソピア「今日の魔人先生は優しすぎる」

ヒレア「言われてみれば……」

ソピア「魔人先生、何をたくらんでいるの!」

魔人「人聞きの悪い事を言うでない。わらわが企んでおるのは、ソピア、お主の勝利じゃ」

魔人「正直、現在のお主では六勇はおろか強めの一般人にすら負けかねん。両親を助けるなど100%不可能なこと」

魔人「ヒレアとマリンを封じられれば、お主に打つ手はないじゃろう? 故に、わらわは全力でお主を育成せねばならんと思ったのじゃ」

ソピア「……嘘ですね」

魔人「この恩知らずめ……」

魔人「必殺技を作るぞ」

ソピア「必殺技と言うと……」


※必殺技
普段より多くの精神力を消費して、通常の魔法よりも強力な魔法を使用する。
気合いを入れるために技名を叫ぶことが多い。
ソピアの必殺技ムーンブラストは、普通の光線魔法と拡散型の光線魔法をミックスしたもの。


ソピア「さっきの固有魔法が大体必殺技だと思いますけど」

魔人「そんな気もするが……いざと言う時の応用魔法は考えておいて損は無かろう」

ソピア「たしか最初は魔法競技会でクルトさんに勧められて作ったんだっけ……あ、クルトさん!」

魔人「クルトとミルズの話は後にしよう。あやつもいくつか応用魔法を考えておったぞ」

ヒレア「必殺技じゃなくて応用魔法って言うのね?」

魔人「必ず殺すとは限らんじゃろうし。気合いを入れていつもと違う魔法を使うのだから、応用魔法の方が適切じゃあないかの?」

ソピア「どの魔法をベースにしようかな、っと」

魔人「おっと。今覚えたばかりの白魔術・黒魔術は選べんぞ。使い慣れた魔法でないと応用はできん」


『応用可能魔法』
月光光線魔法 光線魔法:精神 光線魔法:波 精神攻撃魔法 拡散精神魔法 流れ星
強魅了魔法 全体魅了魔法 恐怖魔法 混乱魔法 幻覚魔法 多分身魔法 迷彩魔法 盲目魔法
ライトボール 活力の光 癒しの光 加熱魔法 トータルセラピー
吸精・放精 ダークフェザー


↓ベースの魔法選択

ソピア「うん、幻覚魔法にしよう。これは応用が利きそう」

魔人「そうじゃな。幻覚魔法は幻を見せる魔法じゃが、そのままでは大したことのない魔法じゃ」

魔人「応用してこそ真価を発揮するじゃろう」

魔人「さらに、応用したとしても攻撃魔法ほど精神力に負担はかからないはずじゃ。良い選択だと思うぞ」


1.そのまま強化、任意の幻を見せる
2.月光光線魔法と合成、レーザーが数十本に増える
3.精神攻撃魔法と合成、幻覚の攻撃による錯覚で物理的ダメージを受ける
4.恐怖魔法と合成、相手にとって最も怖いものの幻を出現させる
5.多分身魔法と合成、さらに大量の分身を生み出す

↓ どれにする?

ソピア「恐怖魔法と同時に使えば、相手にとって一番嫌なものを見せられるんじゃないかな?」

魔人「おお。それぞれの術の弱点を補い合う良い判断じゃ。さっそく試してみい」

ソピア「試すって……?」

魔人「ほれ、ちょうどいい相手がそこに」

アン・ヒレア「!?」


アン「にゃあああああ!!」

アン「お野菜こっちこないでえええ!!」

アン「お残ししたのはごめんねするからああああ!!」

アン「誰か助けなさいよおおおお!!」

ヒレア「よかった……私には聞かないみたい」

ソピア「精神力に差があると大抵の精神攻撃は効かないのかな……」

ヒレア「今の魔法に名前はつけないの?」

ソピア「うーん……」


1.テラーヴィジョン
2.クリティカルフィア―
3.このくらいなら技名はいらないかな
4.自由安価

ソピア「ルナティック・アンブロシア」

ヒレア「いやあああああ」←もし魔法が効いたらアンブロシアが見えてた



アン「お見苦しい姿をお見せしてしまってごめんなさい……」

ソピア「いいのいいの。私のせい」

ヒレア「ルナティック・アンブロシア……狂気のアンブロシア……」

ヒレア「危険が危ないみたいな命名よ……!」

魔人「中々応用のセンスがあるから、もう一つくらい考えておいても良いと思うぞ?」


月光光線魔法 光線魔法:精神 光線魔法:波 精神攻撃魔法 拡散精神魔法 流れ星
強魅了魔法 全体魅了魔法 恐怖魔法 混乱魔法 幻覚魔法 多分身魔法 迷彩魔法 盲目魔法
ライトボール 活力の光 癒しの光 加熱魔法 トータルセラピー ダークフェザー


↓ベースの魔法選択 またはやめる

今晩はここまで、続きは本日の18時予定

ソピアちゃんの38日目、下手したら30日目より濃い

いよいよ自由安価で魔法を覚えるので安価取りたい方はご用意を

ソピア「流れ星にしよう。魔人先生のオリジナルだから応用魔法も教えてくれますよね?」

魔人「応用は訓練メニューに入れてしもうたわ」

魔人「楽をしようとするでない。自分で考えなさい」

ソピア「ちぇー」


1.そのまま強化、巨大な星型魔法弾
2.強魅了魔法と合成、着弾すると魅了効果のある光を放つ
3.恐怖魔法と合成、着弾すると恐怖効果のある闇が広がる
4.加熱魔法と合成、着弾すると赤外線を放ち周囲を加熱する
5.ダークフェザーと合成、追尾する星型魔法弾

↓ どれにする?

ソピア「星の中に魅了の光を入れて撃ってみよう」

ソピア「離れたところから狙い撃って無力化できたらいいな」

魔人「それなら光線魔法と合わせればいいものを」

ソピア「違います。例えるなら魅了の爆弾で一網打尽にする感じです」

アン「グレネードランチャーみたいなですか?」

ソピア「うんうん」

魔人「お主が目の前にいないとなると何に心を奪われるか分からんな」

魔人「各々何らかに引きつけられて集中力を欠くことは間違いないが」

ソピア「試し撃ちは……」

ソピア「いらないかな」

アン「ほっ……」

ソピア「名前はいるかな?」


1.ディストラクター
2.ムーングレネード
3.魅了爆弾
4.自由安価


ソピア「注意力を散漫にさせるから、ディストラクターにしよう」

ヒレア「前の魔法との落差がひどい……」

魔人「応用魔法は3つあれば十分。今のお主の精神力ではそう乱発できぬしな」

アン「いざという時に知恵を働かせて応用すればいいんです」


ヒレア「今さらだけど、どうしてこんなに急いで鍛えているの?」

魔人「なんじゃ、何も聞いておらんのか」

ヒレア「貴族の反乱鎮圧って言葉は聞いたけど、全然」

ソピア「お姉様、言うのが遅れてごめんなさい。……明後日ね、他の貴族と王子様と一緒に共和国軍に反乱することになったの」

ヒレア「……なるほどね」

ソピア「うん。それとね、私、英雄の勲章を持ってたから、共和国軍に呼ばれて反乱鎮圧のお願いをされたの」

アン「……やけに対応が早いですねぇ?」

ソピア「私たちの居場所が見付かったのとは関係ないみたい。明後日に捕らえた貴族を全員処刑するからって」

アン「反乱を起こすとしたら明後日まで、と……」

ヒレア「共和国軍に作戦を読まれてるんだから、反乱に参加するのはやめた方がいいわ」

ソピア「一応、私達にもいくつか切り札があるの。明日また集まるからその時にまたどうするか考えるよ」

ソピア「お父様とお母様だけ助け出して外国に逃げてもいいんだから」

ソピア「白魔術と黒魔術を覚えて、必殺技も作ったよ」

ソピア「これで六勇に勝てるかな?」

ヒレア「無理ね」

アン「ご両親を助けるのも厳しいでしょうねぇ」

魔人「自惚れるな」

ソピア「みんないじわる……」

魔人「まだ使える術を増やしただけだしの」

魔人「本当の特訓はここからであるぞ」

ヒレア「具体的に何をするのかしら?」

魔人「起こりうる状況を想定し、それに対応するための魔法を選んで習得する」

魔人「最も効率のいい方法じゃ」

ヒレア「ソピアに起こりうる状況……想定できるの?」

ソピア「国を滅ぼした昨日より大変な日になるなんて思わなかったよ」

ソピア(たった一日の内に、リゾートで遊び、エルミスを下僕にして、今朝一緒に遊んだ友達に襲われて、ファーストキスして、老いて、身も心も子供になった……)

魔人「何が起こるかわらわでも読めんのが恐い所じゃが、何をするつもりかは大体決まっておるじゃろう?」

魔人「戦うための魔法、逃げるための魔法、牢獄に潜入するための魔法、両親を守る魔法、移動のための魔法……必要なものをわらわに言うといい」

魔人「関連する魔法や基本的な魔法を飛ばして、必要な魔法のみを教えてやろう」

魔人「題して、飛び級魔法訓練じゃ」

魔人「本来は森人の上位職である木霊主のスキルである『妖精対話』を、お主は過程を省略して習得した」

魔人「それを魔術でもやろうというわけじゃ」

アン「自分が欲しい効果の魔法を教えてもらえるんですね?」

魔人「注意としては、やや詳しい効果を言ってくれた方が教えやすい。例えば単純にビームを教えてと言われても何種類もあるからの……」

魔人「もう一つ注意じゃ。あまりにも変な魔法はわらわにも使えないことがある」

魔人「呪術の中には変な魔法もたくさんあるが……例えば『寝ている相手の枕を砂利に変える魔法』なんてのは無い」

ソピア「そんな変な注文はしないよ……」


自由安価で欲しい魔法を魔人先生に注文してください

※少しPCを離れるので1時間取ります

↓流石に10以内で

締め切ります
まとめるのに時間を要するので再開は10時ごろになりそうです

再開します 申し訳ないですが解釈に困った魔法は少し改変してます



ソピア「相手の弱点を暴く魔法ってありますか?」

魔人「ふむ……弱点と一口に言っても様々なジャンルがある」

ソピア「黒魔術とかで相手の倒し方や気を付けるべきことを詳しく調べられたらいいなと思って……」

魔人「ゲームの攻略本やWikiじゃあるまいし、そんな都合の良い魔法があるわけなかろう」

ヒレア「うぃき、って何?」

魔人「気にするな」

魔人「ともかく、弱点を知る魔法に該当するのは以下のものじゃな」


『属性察知』…対象の属性を知る風魔術/精霊術。つまり弱点属性が分かる
『能力解析』…相手のステータスを見ることができる水魔術。つまり何の力が低いか分かる
『共感魔法:感性』…相手の好き嫌いを知ることができる白魔術。苦手な物が分かれば弱点と言えるかもしれない


ソピア「なんだか思ってたものと違う……」

魔人「魔法では探せないが人間の急所やモンスターごとの弱点もあるらしいが……それは狩人の領分じゃ。わらわは知らん」

ソピア「狩人の知り合いいたかな……?」


どれか覚えますか? 覚えないメリットとして後で訓練量が増える

↓ 覚えない場合は『無し』で

ソピア「これはいらないです」

ソピア「共感魔法は、もっと早く覚えていればコミュニケーションに役立ったかもしれませんけど……」

魔人「そうか。ならばわらわの分かる範囲で六勇の弱点を教えよう」

ソピア「め、メモ!」

魔人「まず貴腐。あやつは菌がいなくなれば何も出来なかろうよ。殺菌じゃ」

魔人「鬼顔は絶対勝てないように見えるが一応魔法は効く。武にも魔力にも長けた勇者の方は、白魔術さえ封じればただの凄腕の剣士じゃろう」

魔人「女帝の月魔術はお主には効かん。どういう意味かわかるな? やり返せ」

魔人「重壁の弱点は予想になるが……強力な攻撃より、弱くてもいいから連続で攻撃するのが有効だと考える。雨垂れ石を穿つの精神じゃな」

魔人「白服は知らん。……相手のペースに乗せられないようにするしかないかの」

ソピア「ありがとうございます、勝てる気がしてきました」

魔人「……恐らくは相手もその弱点を把握しておるから、やすやすとは負けてくれんと思うぞ」




ソピア「ワープの魔法ってありますか?」

魔人「うむ。その便利さ故に人気のある魔法じゃな。岩魔術か風魔術に属しておる」

魔人「その分種類も多くてな……とりあえず最も一般的なワープ魔法を教えようぞ」


習得『転移魔法』…空間を入れ替えることで場所を移動する風魔術。入れ替える空間の広さと空間同士の距離は術者の力量に比例する。


ソピア「うう、難しい……。トールくんならもっと上手く扱えるんだろうな……」

ヒレア「緊急回避には使えそうね。離れた建物の移動は難しそう」

アン「ハシゴや段差のない壁を上り下りするのにも良さそうですぅ」

ソピア「思ってたのと違う……。もっと長距離を一気に移動したい!」

魔人「そう言うと思って長距離移動用の転移魔法もリストアップしたぞ。好きなものを選ぶといい」


『転移魔法陣』…対応する魔法陣を描くことで二点間のワープができる岩魔術。中継地を用意すれば各地を繋げる
『帰宅のルーン』…発動するといつでもどこでもあらかじめ指定した場所にワープできる岩魔術。
『追跡転移』…思い浮かべた相手の近くへのワープが可能な召喚術。一度も近くで話した事の無い相手は指定できない
『座標転移』…地図上の任意の場所へのワープが可能な召喚術。ソピアの実力では自分一人が限界


ソピア「帰宅のルーンで指定できる場所は一か所だけですか?」

魔人「ルーンの形を変えることでワープする場所を変えることもできるが……お主にはまだ難しかろう」

ソピア「追跡転移でお父様の所に行くことは……」

魔人「風魔術を習得してから出会った相手に限る。相手の体内の精霊量を把握していなければ使えぬよ」


どれか覚えますか? 覚えないメリットとして後で訓練量が増える

↓ 覚えない場合は『無し』で

ソピア「うーん……やっぱりいいや」

魔人「本当にいいのか?」

ソピア「私には上手く扱えそうにないもん」

ソピア「魔法って思ったより万能じゃないんだね」

魔人「少し動かないでおれ」

アン「……!」プルプル

ヒレア「息は止めなくていいと思う……」


草原。

ソピア「ここはどこ!?」

魔人「新大陸じゃ」

アン「い、今新大陸にいるんですかあ!?」

ソピア「あっ、これよく見たら知らない花だよ……」

ヒレア「こんな遠くまで来れる魔法があるならソピアに教えてあげればいいのに」

魔人「む? これ、ただの転移魔法じゃぞ」

ソピア「……さっき私に教えてくれたものですか?」

魔人「そうとも。実演できなかったが、人ごみの中から任意の人物だけを選んで転移させることもできる」

魔人「どんな魔法も術者の熟練度次第ということじゃ。戻るぞ」


北大陸、魔人の城。

魔人「まあせっかくだからわらわが手を貸してやるとしよう。このカードを受け取れ」

『魔人ルーン』を3枚手に入れた。

ソピア「デフォルメした魔人先生が描かれてますけど……」

魔人「そのルーンを発動させると、その場に我が城への転移魔法陣が出現する」

魔人「鍵を付けておくから他人は通れぬ。長距離移動がしたいときに使いなさい、ただし周りに敵がいる時は極力使わないように」

魔人「どれ、空き部屋を一つ、魔法陣用の部屋にしておくかの」

ヒレア「そういえば追跡転移って、昨日ラヌーン島でノーディスの魔術師が使ってた魔法ね」

ソピア「召喚術なのに自分がワープするんだ……」

魔人「自分を召喚するという考え方じゃな」

ソピア「異次元にワープする魔法は無いですか?」

魔人「異次元とはなんじゃ大雑把な」

ソピア「異次元は異次元ですよー」

魔人「収納のルーンでさえ広義の異次元であるし……ソピアの言う異次元に近いのは魔界や精霊界か……?」

マリン「また知らない単語が出てきたわー」

魔人「高位の精霊王や悪魔たちの中は異界を持っている者がおるんじゃよ。精霊王が作った世界が精霊界、悪魔が作った世界が魔界」

魔人「これらの異界に棲むモンスターは通常より危険でな……」

魔人「召喚術師は異界のモンスターを呼び出して使役したり、人間を異界に飛ばしたりできる」

魔人「異界には飛ばされた者たちの集落があるとか……」

魔人「こういう異次元で満足か?」

ソピア「ちょっと違います。……召喚術師は自分の異空間を持てないんですか?」

魔人「いい所に気が付いたな。収納のルーンどころかもっと大きな異空間を持てる召喚術師もおる」

魔人「召喚術師ギルド本部も異空間にあるぞ」

ソピア「そっちの方が近いかな……」

魔人「ただしお主より格下の者しか閉じ込められんから注意じゃ」

『魔界ゲート』…召喚術師スキル。魔界と言うだけあって危険な異界。ただし送り込まれた人も多いため村に辿り付けば何とかなる
『精霊界ゲート』…召喚術師スキル。火属性に弱い相手を火の精霊界に送り込めばまず生還はできないだろう
『プライベート異空間』…収納に使ったり逃げ込んだり敵を閉じ込めたりできる異空間を作る召喚術。ソピアが作れる空間の広さは学校の教室くらい


魔人「もしも魔界や精霊界への扉を開くと言うのなら……」

魔人「お主自身がワープしてはならんと警告しておく」

ソピア「どうしてですか?」

魔人「ヒレア、マリンと同等の化け物がごろごろいる。それはもう野生動物のごとく出てくる」

ソピア「…………」

魔人「だからこそ強いんじゃがの、高位の召喚術師は」


どれか覚えますか? 覚えないメリットとして後で訓練量が増える

↓ 覚えない場合は『無し』で

習得『プライベート異空間』


ソピア「私の異次元、狭すぎ……」

魔人「熟練しても町程度の大きさが限界じゃ。異界を作れる人間なんぞおらん」

ソピア「ええと、相手に使う時には……」

ヒレア「相手の足元に開くのよ、ソピアちゃん」

ソピア「自分が入る時は……」

ヒレア「入った後閉じるのを忘れない、でしたね」

魔人「常人には入口は見えぬが、自分より上位の岩魔術師や風魔術師には感づかれる恐れがあることは忘れるでないぞ」



ソピア「属性をひっくり返す魔法はありませんか?」

魔人「またよく分からんな……」

ソピア「例えば月光光線魔法を日光にして撃つような」

魔人「それは属性変換かのう。精霊を無理矢理入れ替える、精霊術の一つじゃが……」

魔人「お主は本当に風魔術系統が好きじゃな……風魔術師の方が向いていたんじゃないかの?」

ソピア「そんなに色々できる魔術だって知らなかったんだもん……」

魔人「属性変換は、ただ光線魔法を反転させるだけなら基本的に問題ない。ムーンブラストもサニーブラストとして使えるようになる」

魔人「しかし恐怖魔法などはそうはいかん。月の精霊が日に代わっているため、魔法の性質自体が変わってしまう」

魔人「例えば混乱魔法。日魔術にすると眩しすぎて混乱ではなく盲目になる」

ソピア「火や水の精霊にも変換できる?」

魔人「うむ。だが基本的にさらにおかしなことになる。魔法として成立しなくなるものも多いじゃろう」

魔人「わらわも全部試した訳ではないから中には面白い効果を発揮するものもあるかもしれんがの」

魔人「どうする? 練習するか?」


『属性変換』…精霊術スキル。他の魔法と同時使用。火の水鉄砲や風のメタルシールドなどが使えるが意味があるかは使ってみないと分からない


↓ 属性変換を覚える?

ソピア「運次第だけど全属性を使うことができる! 覚えない手は無いです」

ヒレア「その運がネックよね……」

魔人「お主はすでに全ての属性の基礎を覚えているし、妖精の使役もできる。精霊術を覚えるのは比較的楽じゃろう」


習得『属性変換』


ソピア「あっさり習得!」

魔人「後はお主のセンス次第じゃな」

ヒレア「黒魔術と白魔術の変換はできないのね?」

魔人「正確にはあれらは精霊じゃないからのう」

ソピア「試しに何か使ってみよう」


月光光線魔法 光線魔法:精神 光線魔法:波 精神攻撃魔法 拡散精神魔法 流れ星
強魅了魔法 全体魅了魔法 恐怖魔法 混乱魔法 幻覚魔法 多分身魔法 迷彩魔法 盲目魔法 (ここまで月)
ライトボール 活力の光 癒しの光 加熱魔法(日)
トータルセラピー(日・水)
転移魔法(風)

↓1、2 使う魔法と変換する属性選択(火・水・岩・風・日・月)

ソピア「お姉様♪ こっち向いて」

ヒレア「実験台?」

ソピア「癒しの光(月)」

ヒレア「…………」

ヒレア「……zzz」

ソピア「寝ちゃった」

魔人「どうやら睡眠魔法と同じ効果があるようじゃのう」

ソピア「睡眠魔法って月魔術にありましたか……?」

魔人「リストで言うと『夜闇魔法』が前提になっておるから知らぬのも無理はない」

アン「起こさなくていいんですかぁ?」

ソピア「光線魔法(日)」

ヒレア「あああああっつい!!」ガバッ

ソピア「えへへ、大成功」

ヒレア「もう……」


ソピア「流れ星(火)」

撃ちだされたのは真っ赤に燃える星形魔法弾だった。

アン「綺麗ですねぇ♪」

ヒレア「魔法弾なら何でも変換できると思ったけど、流れ星なら弾が星形でキラキラした軌跡も描くのね。素敵……」

ソピア「元は魔人先生のオリジナルだからね」

アン「他の色でも撃ってみましょうよっ」

ソピア「えいえいえいえい」

ソピア(流れ星(水)はやっぱり綺麗。水色だったよ)

ソピア(流れ星(風)は見えなかった。残念……)

ソピア(流れ星(日)は虹色でかわいい! なんだか魔法少女みたい…………うっ)

ソピア(流れ星(岩)はただの石だった)

魔人(こんな応用ができたとは。わらわもいずれ使おう)

今晩はここまで、次は15時に始めるかも

属性変換は複合属性も使えます、地味にチートかもしれない

次回で魔法習得パートは終わらせたい

ソピア「真実を見抜きたい」

魔人「この世の真理が知りたいのか、虚偽を暴きたいのか、どちらじゃ」

ソピア「後の方です。私の周りには嘘つきがいっぱいいます!」

魔人「自業自得の副作用とはいえ、学園都市では災難じゃったな……」

ソピア「相手の真実が分かる魔法はありませんか」

魔人「検問所で軍の白魔術師・黒魔術師が使っている魔法が該当するな」


『読心』…白魔術の共感魔法の一つ。この魔法を使っている間心の声が聞こえる
『嘘発見』…黒魔術。この魔法を使っている間相手が嘘をついた時に分かる。本人が嘘だと認識していなくても反応する
『神の名簿』…白魔術。この魔法を使うと相手の名前・年齢・家族構成・住所などの個人情報が分かる


魔人「お主自身も体験したはずじゃが、これらの魔法を使われると分かっていたら対策はできる」

魔人「心の中で喋らないようにする、守護天使に交渉する、術者の行動を妨害して突破するなどじゃな」

ソピア「神の名簿はたしか憲兵隊長に使われたけど、天使さんに交渉してもらって何とか事なきを得たね」

アン「読心と嘘発見はかなりずるい魔法だと思います……」

魔人「長々と使える魔法では無いがの。検問担当の兵士はきつい仕事であろう」

魔人「核心に迫る直前、本音が聞けそうな話の直前に使うのがベターじゃろ。もちろん怪しまれたら終わりだから気を付けるように」


どれか覚えますか? 覚えないメリットとして後で訓練量が増える

↓ 覚えない場合は『無し』で

リクエストに応じてリストから見合った魔法出してる感じか?>>590のレスしたけど該当する魔法がないなら時間無駄にしちゃうし飛ばしてくれて構いませんよ

一応、死にそうな場面を回避できるんじゃない?って理由でリクエストしたんだけど

>>613
即興です どの魔術にどんな種類のスキルが含まれるかは決まってますが……
何でもありになりすぎないように調整してるつもり




習得『読心』


ソピア「これで心の声が聞こえるようになったんだね」

ソピア(早速使ってみよう)

アン(これから考え事には気を付けないと……)

ヒレア(いけない。ソピアが寝てる間に血を吸ってたのを知られちゃう。噛み跡は治してるから許して……)

魔人(ふん、見ておるな)


※安価と関係なく投下中にレスで読心を指示することができます、ただし場面が進みすぎると振り返れません
※もちろんイベントで自動で使うこともあります

ソピア「……」

ソピアは雨を降らせる魔法を練習していた。

ヒレア「何に使うの?」

ソピア「曇り空にすればお姉様が外出しやすいと思って」ニコッ

ヒレア「ソピアちゃん……」ギュ

アン「あの順応の早さは何なんでしょう……」

魔人「ソピア程ではないにしろヒレアも中々奇天烈な境遇じゃからな」

魔人「義姉妹になったのもつい一週間前の事じゃし、路線変更など容易いことよ」

ザーーー

ソピア「やった、降ったよ!」

ヒレア「う、ううう、苦しい……」

ソピア「あれ? 吸血鬼って雨にも弱いんだっけ……」

魔人「伝承ではそうなっとるが、ヒレアの場合太陽と白魔術以外なら問題はずじゃぞ? ……聖水でも降らせたか?」

アン「気分が悪いですぅ……おええ」

ソピア「私は回復してるんだけど……魔人先生はどう?」

魔人「この程度なら問題なく耐えられるが、一応ダメージを受けておるな」

ソピア「ぺろっ。この雨の味は……アンブロシアの料理!」

ソピア「この魔法はアンブラーを回復しつつ、アンブラー以外にダメージを与えることができるんだ」

ソピア「名付けて……アンブロシアレイン」

ヒレア(あっ)


習得『アンブロシアレイン』


ソピア「この魔法、黒魔術のオーラリー(天候変化を防ぐ)とは相性悪いなあ……」

魔人「どちらもお主の魔法なんじゃから、雨を降らせる時だけ黒魔術を解除すればよかろう」

ソピア「アンブロシアレインを生かすには、私の仲間を全員アンブラーにする必要がある」

ヒレア「怖い……」

アン「目が据わってますよぉ……」

ソピア「いっそ私の敵もアンブラーにしちゃえば一件落着?」

ソピア「魔人先生、みんなみーんなアンブラーになっちゃう魔法ください」

魔人「そんな魔法は無い。特定の料理店が好きになる魔法なんてあるわけなかろう」

魔人「強いて言えば、料理に魅了魔法をかけて美味しく感じさせるなどの手段で、その結果に導くことはできるが、そういうことではないんじゃろう?」

ソピア「はい。相手を一撃でアンブラーにしてしまう魔法が欲しいんです」

魔人「だからそんなものは無いと言っておろうに」

ソピア「アンブラーにだけ効果のある魔法はあるのに……?」

魔人「それはお主の固有魔法みたいなものじゃ。わらわにも使えぬ世界でオンリーワンの魔法ぞ」

ソピア「私ってすごいんですね」

魔人「ふむ……アンブラーとは薬物依存のようなものじゃろ? それなら手段は無くも」

ソピア「薬物依存じゃないです!」

ソピア「カフェ:アンブロシアの料理は安全で、そして美味しいんです! 薬物なんかと一緒にしないでください!」

魔人「…………すまん。たしかその料理店は調合士が調理しておるんじゃったな」

魔人「ならばその調合士にレシピを聞いてポーションを作り、水魔術で摂取させることでお主の言うアンブラーにすることはできる」

魔人(『薬物中毒魔法』という名称は伏せておこう……)

ソピア「では早速!」

魔人「だが、そう簡単にレシピを教えてくれるかのう?」

ソピア「読心魔法で読み取るか、潜入してレシピを盗み出せば……」

魔人「……それがアンブラーのすることなのか?」

ソピア「えっ……?」

魔人「そんなことをしたら件の料理店に迷惑をかけることになるじゃろう」

魔人「秘伝のレシピが広まってしまえばもはやカフェに足を運ぶ必要も無くなる」

魔人「お主は料理店のファンとしてあるまじき行為をするところだったのじゃぞ!!」

ソピア「ご、ごめんなさい……」

ソピア「私、アンブラーとしてのあるべき姿を見失っていました……」

魔人「もう一つ言及させてもらうが、お主はまだその料理店では新参者じゃろうに」

魔人「好きな物を勧めるのが間違っているとは言わんが、出しゃばりすぎると他の客から白い目で見られるぞ」

アン(この方、まともなことも言うんですねぇ)

ヒレア(何百歳も生きてるもの。人生経験は豊富なんでしょう)



ソピア「んー……どう言えばいいのかな……」

ソピア「人を誘う魔法ってないんですか?」

魔人「魅了魔法ではいかんのか?」

ソピア「そうじゃなくて……心を奪うんじゃなくて、信頼される魔法です」

ソピア「魅了だと恋人や救世主みたいに扱われるじゃないですか。もっと軽く、友達でいいんです」

ヒレア「アンブロシアに連れていくつもり?」

ソピア「違うよ。例えば見張りの兵士さんを仲間にして案内してもらうとか……」

ソピア「でも、魅了魔法を弱くしてもそんな効果にならないの」

魔人「信頼魔法か。効果時間は魅了より長く、汎用性も高い」

魔人「だがその分治安悪化につながりやすくてな……簡単な魔法であるにも関わらず魔法局は禁術に指定しているようじゃ」

魔人「覚えるには心蝕魔術師ギルドの承認を受けねばならん」

ソピア「でも魔人先生から教わるから関係ないですよね」

魔人「うむ。それなら他にもいいものがあるぞ」

『信頼魔法』…一定時間対象が自分を信頼し大抵の要求に応えてくれる月魔術。魅了魔法より弱いが理性的に言う事を聞いてくれる
『誘惑魔法』…対象に自分への好意を抱かせる月魔術。魅了魔法より弱いが時間制限が無い
『麗人魔法』…自身の姿が美しく見えるようになる日魔術/月魔術。対象を指定する術ではなく、常時発動することも可能。相手によっては交渉力にプラス補正
『自白魔法』…一定時間質問に正確に答えるようになる日魔術。効果が切れると相手は自白した事に気付く


ヒレア「誘惑魔法は魅了魔法と違うのかしら?」

魔人「恋のおまじないじゃな。この魔法は相手にほのかな好意を植え付ける」

魔人「この好意は普通の恋心と同じものでの、理性で抑え込めるが状態異常ではないため癒しの光で治すことができない」

魔人「こんな魔法が巷に溢れたら危険すぎるので、やはり魔法局は禁術に指定しておるな」

ソピア「麗人魔法と自白魔法……どこかの怪盗が使ってた魔法ですね」

アン「自白魔法はさっきの真実を見抜く魔法に含まれないんですかぁ?」

魔人「入れるか入れまいか迷ったが、自白している間も意識はあるからのう」

魔人「術が解ければ間違いなく警戒されるし戦闘にもなりかねん。故に相手に気付かれないものをセレクトしたのじゃ」

ソピア「信頼魔法でいいかな……」

魔人「お主がすでに覚えている月と日の術であるし、今覚えんでも訓練リストに追加しておくぞ」


どれか覚えますか? 覚えないメリットとして後で訓練量が増える(ただし後で覚えるより今覚えた方がお得)

↓ 覚えない場合は『無し』で

習得『信頼魔法』


ソピア「これは便利そう」

ソピア「でも私より精神力が高い相手には効き辛いんだよね……」

魔人「他の魔法をリストに追加しておいたぞ。まあ別に覚えんでもいいがの」



ヒレア「……さっきの映像を見返してるのだけど」

ヒレア「空軍大将“白服”だけ浮いてるわ。メカニックなのに機械が強いわけじゃないってどういうこと……」

魔人「わらわも勝てるかどうか戦ってみるまで分からん相手じゃ……」

アン「一応メカニックとしても天才らしいですけどねぇ。南大陸のEGI――連合帝国には及ばないと聞きますけど」

ソピア「爆発しても墜落しても死なないなんてずるい」

魔人「あやつはそういう星の元に生まれて来たんじゃろ……」

ソピア「そういう魔法はないんですか!?」

魔人「……爆発や墜落に耐える魔法ならあるが、そういうことじゃないのは分かっておる」

ソピア「それでいいですけど?」

魔人「何!? コメディ世界の住人になりたいのではないのか!?」

ソピア「私、死のピンチを乗り越えたいだけですもん」

ヒレア「……生命の加護はもう使っちゃったものね」


『鋼の体』…自分の肉体を鋼に変える岩魔術。効果が続く限り物理的衝撃で死ぬことはほぼ無い。石化耐性も得る
『予防回復』…大きなダメージを受けた際に自動で回復魔法が発動する水魔術
『自動蘇生』…即死すると自動で発動する時間魔術。死の直前の状態まで巻き戻す。ただし重傷を受けても回復できない
『四天使の加護』…武・運命・学問・幸福の天使の加護を得る白魔術。呪い・時間停止・消滅・支配に耐性。加護を頂けるかは守護天使と要相談

ソピア「ええと、最後のは……」

魔人「聖人クラスの聖教徒でないと得られん加護じゃ」

ヒレア「聖教会の神のお気に入りなんだから頂けるんじゃない?」

ソピア「時間魔術も中々……」

魔人「お主が覚えられるかは分からんがの。風魔術系統でもかなり難しい術なんじゃよ、時間魔術は」


どれか覚えますか? 二つ選んでも良い(下二つはコンマ次第なので)

↓ 覚えない場合は『無し』で 覚えないメリットとして後で訓練量がかなり増える

ソピア「四天使の加護……あれば助かるなあ」

ソピア「特に消滅なんて受けたら一巻の終わりだよ」

ヒレア「ねえ、呪いに耐性ができたら77歳の身体になるんじゃないの……?」

ソピア「あっ……」

魔人「今後呪われなくなるだけだからセーフじゃ。自分の意思で呪われる分は問題も無かろうしの」

魔人「問題は神と天使からの許可が降りるかじゃ」

ソピア「天使からも?」

魔人「嫌われていたり、相性が悪かったりすると加護は貰えぬ」

ソピア「早速相談してみよう……」

運命の天使「あ、私はオーケーですよ」


※このレスのコンマ一桁 1~8…武の天使「力を貸そう」 90…武の天使「我は勇者の守護天使だから無理」
↓1コンマ 1~7…学問の天使「いいでしょう」 890…学問の天使「チェンジと言われたので…」
↓2コンマ 1~9…幸福の天使「貴女にせめて私からの幸運を」 0…幸福の天使「貴女は幸運に嫌われています」
↓3コンマ 1~5…神(加護を与えるべし) 6~0…神(加護を与えるに適さず)

ソピア「…………」

アン「ほとんどのフルフィリア人は聖教会の信徒ですから、アンでも加護は頂けるのでしょうかぁ?」

ヒレア「ある程度の加護なら誰でももらえるみたいよ」

アン「でもお嬢様は悪魔とも契約してらっしゃいますよねぇ……?」

魔人「ヒレアやわらわのように、強い願いを持つ者を救うことができれば、ゆくゆくは大きな信仰を獲得できる」

魔人「悪魔と取り合いになってでも手を差し伸べる価値があると判断したわけじゃ」

魔人「ソピアの場合、布教に使えるからまず断られることは無いと思うぞ。実際に聖教会の影響力はラヌーン海域まで広がったわけだしの」



ソピア「…………」

運命の天使「主から許可が出ました」

ソピア「ありがとうございます……」

運命の天使「後は他の三天使ですが……今降りてきます。少々お待ちくださいませ」

ソピア「はい」

武の天使「ヘイ! 俺は文明と太陽を司る、武の天使マイクだ!」

運命の天使「あー、この子には大人向けの態度で接してあげてください」

武の天使「……我は天界の軍団長、武の天使だ。娘、我が加護を欲すか」

ソピア「お願いします」

武の天使「主の許しは出ているか」

運命の天使「はい。すでに」

武の天使「良い。我が剣、そなたの力と為すことを認めよう」


学業の天使「お久しぶりです。火と人智を司る学業の天使です」

ソピア「……先日はチェンジと言ってしまい申し訳ございません」

学業の天使「よく覚えていましたね。許しましょう」

学業の天使「四天使の加護を求めるとは……彼女の入れ知恵ですか」

魔人「問題あるまい? 神は認めたぞ」

学業の天使「ソピア。貴女は聖教徒ではありませんが、私も一度は加護を与えんとした身」

学業の天使「受け入れるというのならば、この知恵を授けることもやぶさかではありません」

学業の天使「今後も努力を欠かさぬように……」


ソピア「あと一天使で……!」

運命の天使「ふふ。貴女は主が認めた人ですから」

武の天使「特例だろう。白魔術師ですらない者に四天使の加護を与えることなどほとんど無い」

学業の天使「彼も来ましたね」

幸福の天使「…………」

ソピア「幸福の天使様、いらっしゃっていただき光栄です……!」

幸福の天使「たしかに私は風と癒しを司る幸福の天使ですが……ごめんなさい」

ソピア「え……?」

キョトンとした顔で幸福の天使を見上げるソピア。

幸福の天使はそんなソピアの瞳を優しく見つめると、ゆっくりと首を横に振った。

幸福の天使「貴女は幸運に見放されています」

ソピア「」

魔人「クックック……! アッハッハッハ!」

ヒレア「天使の前で笑うのは控えた方が……」

アン「シュール極まりないですねえ……柔らかな光に包まれながら四大天使に囲まれているのに、絶望した顔の少女」

アン「すべての宗教画家へのアンチテーゼがここにあります」


ソピア「…………魔法よりも加護よりも、幸運が欲しい」

武の天使「これ程に中途半端なケースも珍しいな……」

学業の天使「三天使の加護でも成立しますから、元気を出してください」

運命の天使「私はこんなことになるんじゃないかと思っていました……」

幸福の天使「本当にごめんなさい……。私が加護を与えようとしても、なぜか上手くいかないんです」

ソピア「はい……しょうがないですよね……」


習得『三天使の加護』…呪い・時間停止・消滅への耐性を得る。一番欲しかった物だけは手に入らない。

魔人「お主のことだから、許可が下りる訳がないと思っていた」

魔人「だが、もっと面白い結果だったぞ! アッハッハッハ!」

ソピア「…………」ムスッ

アン「魔人さん! イジメなんて大人げないですよぅ!」

マリン(ソフィーに新しい魔力が注ぎ込まれてるわー!)

ヒレア(うん、守護天使が増えたわ)

マリン(暴走した時どうなるのー……)

ヒレア(ラファエル以外の熾天使全員よ……。よりによって黒魔術側がルシフェルだし、本当に……もう、どうしよう)

ヒレア(少なくとも下級天使レベルにはなりそう……魔人先生でも手が付けられない領域に足を踏み入れてないかしら……)

マリン(六勇に討伐してもらえばいいわー♪)

ヒレア(マリンはどっちの味方なの!?)

ソピア「気を取り直して……今は、まだ夜の3時なんだね」

ソピア「何しようかな……」


1.まずは寿命を何とかしたい
2.武の天使と学業の天使の固有魔法も覚える
3.通常の訓練に移ろう
4.戯れに賽子魔法
5.どこかに転移魔法陣を設置しに行く

↓2

ソピア「まずは寿命を何とかしたい! いくら強くなっても突然死するかもしれないのは嫌だよ」

魔人「先に言っておくが若返りの魔法なんて無いぞ」

ソピア「えー」

魔人「正確にはある、が……わらわですら躊躇う方法でな」

ソピア「聞かせてください」

魔人「他人の寿命を奪う」

アン「いやぁえげつないですぅ!」

魔人「幼い子供を100人連れて来て、その将来生きるはずだった時間を奪う。それで術者の命が1年分伸びる……」

魔人「まあ夜中じゃし、数百人の子供を用意するのは容易いが……どうする?」

ソピア「一旦他の方法を考えよう……」


ソピア「魔人先生は数百年生きてるんですよね?」

魔人「うむ。永遠の悪魔と契約したばかりに永遠の命を得てしまったのだ」

ヒレア「じゃあ、何億年経っても魔人先生は……」

魔人「まあ殺されない限りはそうじゃな。わらわを殺せるほどの存在が中々見付からないのが問題じゃが……」

ソピア「ちょうどいい延命ができる悪魔はいないんですか?」

魔人「悪魔ではないが、生命の天使や運命の天使には延命作用があるぞ? 歳をとるのが遅くなる」

魔人「ヒレアも500年くらいは生きるはずじゃ」

ソピア「そ、そうなの?」

ヒレア「うん。でもいつか終わると分かってれば、得した気分よ」

ソピア「って運命の天使にも延命作用があるんですね! それなら……」

魔人「歳をとるのが遅くなるだけだから、お主がいつ死ぬか分からんことに変わりは無い」

魔人「78歳の身体になるまでに通常より長い時が必要なだけじゃな」


1.子供をさらって来よう
2.永遠の悪魔と契約しよう
3.賽子魔法
4.自由安価(その他の発想)

ソピア「こうなったら……運に頼るしかない!」

アン「さっき運にだけ見放されたのを忘れましたか?」

ソピア「それでも、これしか頼るものがないの!」

アン「……一つアドバイスですぅ」

アン「一気に16歳にしようとすると」

ソピア「11歳だよ?」

アン「……若くなりすぎようとすると、失敗したら確実に老衰で死ぬので」

アン「少なくとも77歳までは死なないのは確実なんですから、1年分若返れば今後1年間は老衰で死ぬことはないんじゃないかな、と」

ヒレア「1年じゃない。天使の加護で歳をとるのが遅れるから5~6年は伸びるわ……」

アン「仮に失敗して反対に1年増えても、78歳ならまだ生きてる可能性もあると思うんですぅ」

アン「ご理解いただけましたか?」

ソピア「うー、でも呪いが解けたらお婆ちゃんなんてやだよ。11歳まで若返りたいよ」


↓ 願い事をどうぞ(12…失敗、90…成功、それ以外でずれた結果に)

アン「考え直してください!」

ソピア「わ、わかったよ。じゃあ、5年ね?」

ソピア「えいっ!」

[0]

ソピア「やったああああ!!」

※ソピアの肉体年齢が72歳になった!

ヒレア「おめでとう。30年間くらいは寿命に怯える必要はなくなったわ」

ソピア「ありがとうお姉様!」

アン「30年もあれば他の方法も見つかりそうですねぇ♪」

ソピア「アンも助言ありがとう!」

魔人「5年若返ったか。それならお主を6歳にせねば」

ソピア「や、やめて、お願い……!」

アン「そうですよぅ! 6歳まで縮んだら、それはそれで可愛いですけど、女の子としての可愛さは減っちゃうじゃないですかぁ!」

ヒレア「……これ以上小さくなって空を飛んだら妖精と間違われるわ」

魔人「冗談じゃよ……」


1.もっと賽子魔法
2.武の天使と学業の天使の固有魔法も覚える
3.通常の訓練に移ろう
4.どこかに転移魔法陣を設置しに行く
5.眠くないけどもう寝る

ソピア「武の天使と学業の天使の固有魔法も覚えよう」

魔人「お主はまだ加護を得たばかりじゃろう……」

ソピア「もしかしてすぐには駄目なんですか?」

魔人「可能じゃが、一つ一つの術を覚えるまでに少し時間がかかる」

ソピア「それでもいいです」

アン「武の天使が文明と太陽を司っていて、学業の天使が人智と火を司っていましたけど、違いがわかりませんねぇ」

ヒレア「火と太陽の違いは分かるでしょ? 火魔術と日魔術の違いと一緒」

アン「アン、魔術は詳しくないんですぅ」

ヒレア「……燃え盛る火はエネルギーの象徴。電気や毒も含むの」

ヒレア「太陽は光。白魔術の場合は聖光ね。神の力そのものよ」

アン「文明と人智は……あっ、火と太陽の違いと関わってるんですね?」

ヒレア「そう。武の力が人間の住む土地を広げ、神の名のもとに人間の文明は発展した」

ヒレア「知の力で人間は火を手に入れ、学業によって人間はできることを増やした」

ヒレア「と、いうことらしいわ」

ヒレア「外国だと、武の天使が火と学問を司ってたり、学業の天使が武力と太陽を司ってることもあるのだけど」

アン「まとめると、どっちでもいいんですねぇ……」



武の天使固有魔法
『聖剣魔法』…邪悪なものに極めて有効な武器を生み出す。聖光剣の強化版でありもちろん剣の形である必要はない
『天秤魔法』…2つの行動のどちらが良い結果を招く(可能性が高い)かを判断することができる
『神の腕』…自己の肉体を強化する。腕に限らず脚力なども上がる
『戴冠』…リーダーになる。発言の重みが増し仲間が指示に従いやすくなる

学業の天使固有魔法
『知恵の実』…学習効率が上がる(訓練時コンマ+20)
『巻物魔法』…文章の受信と送信ができる。受信は手元に無い書物の引用、送信は文章を任意の相手に届ける
『神の目』…視力が上がり遠方の出来事を知ることができる。近くの壁なら透視も可能
『聖火』…どんなものでも消滅させることができる浄化の炎。火力は低いので攻撃には使い辛い

↓1、2、3 覚える魔法選択

習得
『天秤魔法』…2つの行動のどちらが良い結果を招く(可能性が高い)かを判断することができる
『神の腕』…自己の肉体を強化する。腕に限らず脚力なども上がる
『知恵の実』…学習効率が上がる(訓練時コンマ+20)


ソピア「どちらが良い結果か分かるって、運命の天使の魔法じゃないんですか?」

魔人「これはお主ではなく、聖教会の神にとってどちらが良い方向に転ぶ選択かが分かる魔法じゃな」

魔人「基本的にお主に死なれては困るから、お主にとって良い選択を提示してくれると思われる」

魔人「まさに神に命運を託す魔法というわけじゃ」


ソピア「知恵の実を生み出して食べると、学習効率が上がるのはいいとして……」

ソピア「もう訓練時間ほとんどないんだよね……」

魔人「今から早速活かされることになるぞ」




魔人「長々と続いた訓練もいよいよ最後じゃ」

ソピア「よろしくお願いします」

魔人「といっても最後は普段通り。リストから選んで訓練すればよい」

魔人「先の飛び級魔法訓練で2回ほど、わらわの提示した魔法をどれもいらないと申したろう」

ソピア「あっ、ご、ごめんなさい」

魔人「いや、良い。その分時間が余った故、最後に使える時間が増えたということを伝えたかっただけじゃ」


※ソピアの残された訓練時間をポイントで表しています

※2回『いらない』と答えたので200ポイントのボーナスが入り、ソピアの手持ちは1200ポイントです

※熟練度0/100のスキルを覚えると100ポイント減ります 中途半端な152/200のスキルを覚えると48ポイント減ります

※大きな月の石(月魔術+40)、知恵の実(全部+20)の効果があります 0/100の月魔術なら40ポイントの消費で済みます

※ゾロ目なら消費ポイントが半分になります

※魔人先生(魔術+100)ボーナスはありません それがあった上でこの効率です

今日はここまで、明日は18~21時のどこかで始まる

幸運にだけ見放されるソピアちゃんは流石ですね

ソピア「疲れてきた……今何時?」

アン「4時ですよぉ」

ソピア「まだ4時間しか経ってないんだ……半日以上経ってる感じ」

魔人「ああ、体感時間は16時間くらいじゃぞ。やすらぎの薬を飲んだとはいえその後12時間休みなし、疲れるのも無理からぬことじゃ」

ソピア「そんなに……!?」

ソピア「そういえばたまにお姉様とアンがいなくなってた」

アン「アンたちもそれぞれ好きなことしてるんです」

ソピア「あと練習に使える時間は8時間分。がんばろう」


1.ちょっとだけ火魔術
2.今さらながら水魔術
3.ここであえての岩魔術
4.便利なんでしょ風魔術
5.意外と幅広い日魔術
6.極めてみせる月魔術
7.天使がいるから白魔術
8.バランスを取って黒魔術
9.樹魔術と重力魔術

↓2

ソピア「極めてみせる月魔術」

魔人「そうか」

ソピア「もう火・水・岩・風は絶対いらないね」

魔人「それらに関しては全く手を付けていないから、黒魔術のように系統ごとのセットにまとめておいた」

魔人「まったく役に立たんわけではあるまい」


『月魔術師スキル』
光線魔法:空 0/150 月光を凝縮して頭上からビームを落とす
月照明魔法 0/100 周囲の暗闇を月の光で照らす
精神毒魔法 110/120 精神を汚染する、治療しない限り心を蝕み続ける
精神ドレイン魔法 0/150 相手の精神力を吸い取る光の球を撃つ
誘惑魔法 0/200 相手に自分への好意を植え付ける
操り魔法 200/250 光を当てた相手を一定時間意のままに操れる、細かく指示を出せる
注目魔法 60/150 妖しい光を当てた対象に周囲の目が集まるようにする
狂気魔法 0/120 月の光で狂気に陥った者は暴走する
変装魔法 0/250 自分を全く違う姿に見せる
透明魔法 152/200 自分の姿をほぼ完全に消す、物に触れた部分のみ影ができる
鏡魔法 0/100 光を反射して対象自身の分身を見せる
聴覚妨害 0/120 光を当てた相手の耳が変になる
痛覚妨害 0/120 光を当てた相手は痛みを感じ辛くなる、自分にも使える
頭痛魔法 0/120 光の球を当てた相手に激しい頭痛を感じさせる
賢者の瞑想 0/150 瞑想がより上手くなる、訓練で精神が100まで上がりやすくなる
全体恐怖魔法 0/120 周囲の対象を深い闇で覆い恐怖に陥れる
夜闇魔法 0/120 闇を纏って身を隠す、昼間だと自分の周りだけ暗くなる、眩しくて眠れない時には便利
刃星 0/100 淵が刃になった薄い星形弾を回転させながら撃ち出す、斬れるフリスビー的な
流星群 0/120 星形弾を両手から連射する、腕がマシンガン
星屑 0/100 小さな大量の星形弾をばらまく、ショットガンまきびし
影打ち魔法 0/100 この魔法をかけた影を触ると本体にも感触が伝わる、遠くからこちょこちょしよう


残り:1200P

※大きな月の石と知恵の実の効果で消費ポイントが-60されます、10ポイント以下の消費にはなりません

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓1、2、3、4まで、『無し』OK

スキル『流星群』を習得しました 1200P→1140P

訓練『流星雨 0/150 威力が爆発的に上昇し連射力も上がった星型弾、反動が大きいため撃ちながらの移動は不可』が解放されました

ソピア「……」ズダダダダダ!

ソピア「……あの、テンポ良く撃つのかなと思ってたら、予想以上の連射だったんですけど」

魔人「それだけの弾幕なら敵は迂闊に近づけないじゃろ」

魔人「あ、精神力の消費は馬鹿にならんから加減するように」


スキル『星屑』を習得しました 1140P→1100P

訓練『彗星 0/150 着弾すると爆発して大量の星屑をばらまき広範囲を破壊する星形弾』が解放されました

ソピア「……」ドバァン!

ソピア「……星屑とは思えない破壊力!」

魔人「流星群と星屑は、外国から入って来た銃器を見て考えた魔法弾での」

魔人「散弾銃を参考にした星屑は殺傷力も通常の魔法弾とは段違いじゃ。おまけに足場を悪くする」

ソピア「私たちは飛べるから関係ないんですね」

魔人「左様」


スキル『透明魔法』を習得しました 1100P→1090P

ソピア「お姉様ー、見えるー?」

ヒレア「全然。すごい」

魔人「明るい所では足跡の形に影ができるから気をつけなさい。それと風魔術師の気配探知にも注意じゃ」

ソピア「足音は消せないんですか?」

魔人「うむ。音そのものを操るのは風魔術の範疇じゃ。聴覚を操ることはできるが……お主に近づいた途端足音以外の音も消える」

ヒレア「逆に怪しまれるわ……」


スキル『注目魔法』を習得しました 1090P→1060P

ヒレア「何の変哲もないハンカチなのに不思議と目が離せない……」

ソピア「透明魔法と併用したらいいかも」

魔人「単体では使いどころの限られる魔法じゃな」

アン「お嬢様、もはや銃いらずですねぇ……」

ヒレア「……おまけに気付かれないように近づいて仕留めることもできるわ」

魔人「月魔術を学べば虚弱で不器用でも殺し屋になれる」

ソピア「そう考えたら魔術ってずるい」


ソピア「まだまだ時間が余ってる」

ソピア「魔人先生。音は風魔術に入ってるんですよね。他にどんなものが入ってるんでしたっけ」

魔人「一応提示しておこう」


1.火魔術……爆発・熱線・電気・毒・機械
2.水魔術……水分・回復・身体能力・酸・植物
3.岩魔術……大地・錬金術・硬化・封印・宝石
4.風魔術……大気・空間・天候・時・音
5.日魔術……太陽光・癒し・感情・色・消滅
6.月魔術……反射光・幻惑・夜・引力・真空
7.白魔術……何でも
8.黒魔術……何でも
9.樹魔術と重力魔術

↓2

9

ソピア「新しい複合属性魔法のメモ紙をもらってるんだった」

魔人「複合属性か……」

ソピア「何ですか?」

魔人「そんなものはない」

ソピア「ええっ!? でも魔法局で聞いた話だと……」

魔人「あれは、各魔術に共通する分野を抜き出して名前をつけただけにすぎん」

魔人「雷魔術などと言うが、火魔術の電気と風魔術の天候の両方に含まれているだけじゃろう。瘴気は火魔術の毒と水魔術の酸」

魔人「竜脈と精霊に至ってはもはやどの属性でもない。精霊は地上に多いから水と風なんて言い方をしとるがの」

ソピア「これ、魔法局が無いって言ってた水と日、火と月の複合なんですけど……」

魔人「魔法局が定義しておらんだけであるじゃろうな。自己申告すれば」

ソピア「そうですか……」

魔人「全ての魔術を極めたわらわには分からぬが、恐らく2種類の魔術を学べば共通する分野が育ちやすいというのはあるじゃろう」

魔人「まあ短い目で見れば習得して損は無かろう」

『樹魔術師スキル』
ソーラーセラピー 0/100 太陽光や雨を浴びると少しずつ体力・精神力が回復する
アロマセラピー 0/50 身体から任意の花を咲かせる
エナジーセラピー 0/100 根を張った対象から体力を吸収する
ヒプノセラピー 0/100 眠らせて相手の記憶を消去する
箱庭セラピー 0/50 自分の周囲に任意の樹木を生やし操る

『重力魔術師スキル』
重圧魔法 0/50 動けなくして意地悪したり、土下座させたり、とことん苦しませたりできる魔法だよ (重力をかける、範囲と強度は任意)
噴射魔法 0/50 嫌いな人を吹き飛ばしちゃえる魔法だよ (火魔術だが重力操作で性能を上げている、自分を飛ばすこともできる)
浮遊魔法 0/50 宙に浮く魔法だよ、飛ぶのは難しいよ (反重力で物を浮かせる、落下時の着地にも使える)
反射魔法 0/100 なんでも跳ね返す魔法だよ、ずっと使うのは大変! (反重力で攻撃を反射する、常時発動すると体が壊れるのでタイミングが重要)
メテオ 0/100 お星さまを落とすよ、どっかーん! (隕石と見せかけて空気中の塵を凝集させた塊を落とす魔法)
ブラックホール 0/100 何でも吸い込んで消しちゃう魔法だよ、吸い込まれないように気をつけてね
  (強力な重力であらゆるものを吸い込み押しつぶす魔法弾、すぐに自重で潰れて消える)

ソピア「マトイちゃん式の説明だぁ……」

魔人「所詮は子供じゃの……注釈をつけておいたぞ」


残り:1060P

※重力魔術は大きな月の石と知恵の実の効果で消費ポイントが-60されます、10ポイント以下の消費にはなりません

※樹魔術は知恵の実の効果だけで-20です

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓1、2、3まで、『無し』OK、2つ選択OK

スキル『ブラックホール』を習得しました 1060P→1020P

ソピア「ブラックホール!」シュゴオオオ

ヒレア「引きずり込む魔法なのね」

魔人「月魔術の魅了や暗闇の持つ『引力』、そして火魔術のエネルギーに関する性質、その共通部分が重力魔術の正体じゃ」

ソピア(ルシフェルホールと違って私の実力でも普通に撃てる)

ソピア(そしてルシフェルホールは即死魔法の一種だけど、こちらは物理的に吸い込むから物を壊したり防御にも使えそう)


スキル『反射魔法』を習得しました 1020P→980P

ソピア「これすごく体痛い……!」

魔人「1分間も続ければそうなる」

ソピア「魔法で反射する前に私の反射神経が必要だよ……」

ソピア「……反射神経に自信はないなぁ」


スキル『メテオ』を習得しました 980P→940P

ソピア「どっかーん!」

ソピア「言わなきゃいけない気がして……」

アン「これが隕石なんですねぇ」

魔人「いや、これは空気中の塵を重力で集めて固めただけの代物じゃな」

魔人「このメモを書いた小娘は隕石だと思って使ってたのかのう……」

ソピア「どうなんだろう……マトイちゃんなら理解しててわざとそう書いてるかも」

ソピア「時間が減らない! あまりにも減らない!」

ソピア「気分だけ先に夜が明けちゃいそう!」

魔人「ま、気長にやろうじゃないか」

魔人「数日間魔法の訓練をする時間も無かったじゃろうし、明日も日中は忙しかろう」

魔人「ここで一生分の魔法を覚えるつもりで頑張れ」


1.火魔術……爆発・熱線・電気・毒・機械
2.水魔術……水分・回復・身体能力・酸・植物
3.岩魔術……大地・錬金術・硬化・封印・宝石
4.風魔術……大気・空間・天候・時・音
5.日魔術……太陽光・癒し・感情・色・消滅
6.月魔術……反射光・幻惑・夜・引力・真空
7.白魔術……守護天使の出来る範囲で何でも
8.黒魔術……契約した悪魔の出来る範囲で何でも
9.樹魔術と重力魔術

ソピア「守護天使が増えて私の中の色が白寄りになってる気がするので」

ソピア「ここで少し黒魔術を足します」

魔人「絵の具ではないんじゃぞ……」

魔人「しかしソピアよ。お主には覚えるものが無いんじゃあないか?」


・呪法の黒魔術
他者に何らかの害を与える呪いのセット。種類は膨大にあるがすべて一種類の解呪で消されてしまうのが難点

・暗黒の黒魔術
ダークボール(魔法弾)・魔剣・ダークマター(主に防御)のセット。聖光の白魔術の黒魔術版

・亡者の黒魔術
幽霊使役・復活呪い(死体のゾンビ化)・葬送弾(幽霊を撃つ)のセット。幽霊やアンデッドを操る最も悪者感漂う黒魔術

・召喚の黒魔術
インフェルノ・ブリザード・バグストーム(羽虫の大群をぶつける)のセット。規模が大きい攻撃で他属性の魔術の代用になる

×天空の黒魔術Ⅱ
習得済み。予言の悪魔の固有魔法。


ソピア「そうかな……」

魔人「だが黒魔術を足せればそれでいいんじゃろ?」

ソピア「うーん……」


『黒魔術』
呪法の黒魔術 200P
暗黒の黒魔術 200P
亡者の黒魔術 200P
召喚の黒魔術 200P
天空の黒魔術Ⅲ 0P(イベント)
他の悪魔を召喚してみる 0P(イベント)

残り:940P

※知恵の実の効果で消費ポイントが-20されます

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓2

ソピア「他の悪魔を召喚しよう」

魔人「正気か……?」

ソピア「天使3に悪魔1ですから、ちょっと黒魔術を頑張ったところでバランスが取れません」

魔人「う、うむ。……お主は怖いもの知らずだな」

ソピア「共和国軍はこわいですよ」

魔人「後先を考えんところがじゃ……」


>>1が悪魔にはそんなに詳しくないので元ネタ無しの悪魔さんもいます

12 無知・永遠の悪魔
34 汚物・冬の悪魔
56 苦痛・金塊の悪魔
78 夜・呪いの悪魔
90 死霊・傀儡の悪魔
ゾロ目 召喚失敗

↓コンマ判定

魔人「お主、悪魔の召喚方法は知っておるのか?」

ソピア「悪魔さん来てー」

悪魔「――あのなぁ。『悪魔さん来てー』で来てくれる悪魔なんて俺しかいないっつの」

ソピア「あ、あなたは私が無職だったころ邪教の館で初めて会った悪魔にして、ヒレアちゃんが太陽を苦手になった原因でもある、夜と呪いの悪魔さん!」

悪魔「――説明ご苦労さん」

悪魔「――俺に力貸して欲しいのか?」

ソピア「えーと、別にあなたじゃなくてもいいんですけど」

悪魔「――仮にも呪いを司る悪魔にそんな口のきき方ができるようになるとは、大した成長だな」

ソピア「容貌神に比べれば……」

悪魔「――うん……そうだな」

悪魔「――どうする。他の悪魔呼んでこようか?」

魔人「ソピア……お主という奴は、わらわより気楽に悪魔と話しておるではないか」


1.あなたと契約します
2.無知・永遠の悪魔を呼んで
3.汚物・冬の悪魔を呼んで
4.苦痛・金塊の悪魔を呼んで
5.死霊・傀儡の悪魔を呼んで
6.自由安価(適当な悪魔の名前をでっち上げてもいいですし、悪魔か魔人に話を振ってもいいです)

1

ソピア「あなたと契約します」

悪魔「――本当にいいんだな? 悪魔は基本的に契約を破棄しない」

ソピア「私は月魔術師になる前に、初めにあなたと契約しようとして断られました……」

悪魔「――そうだったな。わかった、契約するならば手の甲を差し出せ」


ヒレア「ちょっと待って!!」

ソピア「な、何? お姉様」

ヒレア「私のアイデンティティがなくなる!!」

ソピア「お姉様には吸血があるよ」

ヒレア「でも、二人そろって太陽の光が苦手になったら……」

ソピア「もっと本当の姉妹みたいになるね♪」

ヒレア「…………」

悪魔「――お前、今は呪い使わないだろ」

ヒレア「……そうかしら」

悪魔「――生命の天使の術と汎用黒魔術しか使っていないように見えるぞ」

悪魔「――今のお前は優しすぎる。人を呪える性格じゃない」

ヒレア「そうね……でも、契約は破棄できない。そうでしょ?」

悪魔「――お互い困った相手と引っ付いてしまったもんだ」

悪魔「――そして今のはお前にも当てはまる」

ソピア「私ですか?」

悪魔「――お前は人を呪えるのか?」

悪魔「――俺と契約しなくても呪いは使える。よく考えろ」

ソピア「そんな……さっきまでは了承してくれる流れだったのに、ひどいです」

悪魔「――くけけけ。俺は悪魔だからな」


1.お姉様とお揃いがいい、そして契約するなら知ってる悪魔がいいの
2.私は全力で人を呪うよ
3.考え直す

↓ >>693と別の人で

ソピア「私は、お姉様とお揃いがいいの」

ヒレア「ソピア……」

ソピア「そして、悪魔と契約するなら、あなたと契約したい」

ソピア「最初に頼った悪魔だから」

悪魔「――そうか、そこまで言うなら契約に応じよう」

悪魔「――契約を渋るのも悪魔らしくないからな」

ソピアは手の甲を差し出す。

悪魔が爪でソピアの皮膚を引き裂き、滲み出す血液で悪魔との契約の証が刻まれた。


↓コンマ 奇数…ソピアの身体に異変が! 偶数…何も起こらない

ソピア「……ん?」

ソピア「あ、あうっ! あ、あ、あああああ!」

ヒレア「ど、どうしたのソピアちゃん!」

ソピア「いた……すけ……! ……! ……、……!」パクパク

ソピア「ァァァアアアアアアアアア!!!!」カッ


ソピアの身体は爆発四散した。


悪魔「――俺、知らね」

四天使「…………」

悪魔「――ゲッ、こいつら気配消してやがった! 退散!」

ヒレア「どうして……こんなことに……」

魔人「わらわもびっくりしておる……」

魔人「……予想じゃが、暴走ではなく暴発が起きたのじゃ」

魔人「睡眠をポーションで代替し、時間経過を遅らせる魔法の影響を受け、短時間に大量の術を覚え、さらに天使と追加で契約した」

魔人「ただでさえ連日の疲労があり、大型精霊モンスターであるマリンを制御していたのだ、限界は近かったのじゃろう……」

魔人「しかも一気に身体年齢を変えられたことで肉体に損傷が起きていたのかもしれん……」

魔人「……結果として、ソピアは耐えきれず爆発したというわけじゃ」



GAMEOVER:11 強欲は身を滅ぼす



契約は解消です、>>677から再開します

>>677ではなく>>687でした



ソピア「はっ!」

魔人「どうした」

ソピア「他の悪魔と契約しすぎて私が爆発するビジョンが見えました」

魔人「未来視の魔法か」

ソピア「危ない所でした……」


『黒魔術』
呪法の黒魔術 200P
暗黒の黒魔術 200P
亡者の黒魔術 200P
召喚の黒魔術 200P
天空の黒魔術Ⅲ 0P(イベント)

残り:940P

※知恵の実の効果で消費ポイントが-20されます

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓ 即死選択肢はないです、『やめる』も可

ソピア「もっと固有魔法」

魔人「待てい。お主、即死の魔法すら十分に使いこなせていないじゃろう」

ソピア「試してみたい」

魔人「いや、やめておけ。時間のムダじゃ」

ソピア「それは私とサタンさんが決めることです」

魔人「また爆発するやもしれぬぞ!」

ソピア「ダブル未来視なのでそれはないです!」


ソピア「では、悪魔さん」

予言の悪魔「はい、なんでしょうか」

ソピア「私にさらなる技術をください」

ソピア(力を下さいは爆発しそうだからね)

悪魔「わたくし、予言と天空に関係してはいますが、未知というものも司っておりまして」

ソピア「よく分からないものを?」

悪魔「ええ。宇宙の果て、心の奥底、死後の世界。人の認識・理解が及ばない範囲を司る。それもわたくしの能力でございます」

ソピア「でも、分からないものをどうやって操ればいいんだろう?」

悪魔「直接行使することはできません。仮にできるとするならばそれは未知ではないでしょう」

ソピア「あはは、そうですね」

悪魔「この能力で何ができるかを申し上げるならば、特に意味はありませんが未知になることができます」

ソピア「未知になる? 正体がわからなくなるのかな」

ソピアは、のっぺらぼうになった。

無貌の堕天使「gg/wkbb+sdso99」

ヒレア「いやあああ」

マリン「……正気はあるみたいよー」

ヒレア「ええっ」

無貌の堕天使「f234f!?vsaa??mii」

ヒレア「ごめん……わからない」

マリン「誘われてるわー」

魔人「ほう、ならば久方ぶりにわらわの真の姿を見せてやるとするかの」




アン「ふあああ……やすらぎの薬、もう一瓶貰おうかしらぁ」

アン「まだお嬢様方は頑張ってらっしゃるんですかねぇ……」

アン「お嬢様ぁー、ヒレアさーん、どんな様子で」ギィィ


無貌の堕天使「rooom5959advbn><@wc」バッサ バッサ

吸血鬼「……クキィッ! ギイイイイ!」ズモモモモ

海神「――――、―――、ワタシはスキ……」フワフワ

焼滅魔人「ワラワァァァァァ シャベァァァリニクァァァイユエァァァァァ スカヌァァァァァ」ボオオオオ


アン「…………」ギィ バタン

アン「……ついに幻覚症状が」ゴシゴシ


※ソピアは好きなタイミングでモンスター化できるようになりました

ソピア「魔人先生が一番怖いと思うの」

ヒレア「……あれで昔の王都を焼き尽くしてたんでしょ。常に甲高い叫び声が身体から漏れてるのが不気味」

ソピア「視覚だけじゃなく五感すべてで恐ろしいよ。絶対に戦いたくない……」

ソピア「っと、遊んでる場合じゃなかったね」


1.火魔術……爆発・熱線・電気・毒・機械
2.水魔術……水分・回復・身体能力・酸・植物
3.岩魔術……大地・錬金術・硬化・封印・宝石
4.風魔術……大気・空間・天候・時・音
5.日魔術……太陽光・癒し・感情・色・消滅
6.月魔術……反射光・幻惑・夜・引力・真空
7.白魔術……守護天使の出来る範囲で何でも
8.黒魔術……契約した悪魔の出来る範囲で何でも
9.樹魔術と重力魔術

流石に遅いのでここまで 次回は水曜日です

思った以上にポイントが減らなくて訓練パートが終わりません、正直悪魔も3体にならなくてホッとしました

>>700はむしろ人外との交渉が得意なソピアちゃんにしては珍しい気がする

ソピア「せっかく買ったんだから、大きな月の石を使わなきゃもったいない」


『月魔術師スキル』
光線魔法:空 0/150 月光を凝縮して頭上からビームを落とす
月照明魔法 0/100 周囲の暗闇を月の光で照らす
精神毒魔法 110/120 精神を汚染する、治療しない限り心を蝕み続ける
精神ドレイン魔法 0/150 相手の精神力を吸い取る光の球を撃つ
誘惑魔法 0/200 相手に自分への好意を植え付ける
操り魔法 200/250 光を当てた相手を一定時間意のままに操れる、細かく指示を出せる
狂気魔法 0/120 月の光で狂気に陥った者は暴走する
変装魔法 0/250 自分を全く違う姿に見せる
鏡魔法 0/100 光を反射して対象自身の分身を見せる
聴覚妨害 0/120 光を当てた相手の耳が変になる
痛覚妨害 0/120 光を当てた相手は痛みを感じ辛くなる、自分にも使える
頭痛魔法 0/120 光の球を当てた相手に激しい頭痛を感じさせる
賢者の瞑想 0/150 瞑想がより上手くなる、訓練で精神が100まで上がりやすくなる
全体恐怖魔法 0/120 周囲の対象を深い闇で覆い恐怖に陥れる
夜闇魔法 0/120 闇を纏って身を隠す、昼間だと自分の周りだけ暗くなる、眩しくて眠れない時には便利
刃星 0/100 淵が刃になった薄い星形弾を回転させながら撃ち出す
流星雨 0/150 威力が爆発的に上昇し連射力も上がった星型弾、反動が大きいため撃ちながらの移動は不可
彗星 0/150 着弾すると爆発して大量の星屑をばらまき広範囲を破壊する星形魔法弾
影打ち魔法 0/100 この魔法をかけた影を触ると本体にも感触が伝わる


残り:940P

※大きな月の石と知恵の実の効果で消費ポイントが-60されます、10ポイント以下の消費にはなりません

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓1、2、3、4まで、『無し』でもOK

スキル『影打ち魔法』を習得しました 940P→900P

訓練
『影縫い魔法 0/100 相手の影を縫いとめて動きを止める、影ができない環境では使えない』
『影消し魔法 0/120 対象の影を消す』
『影潜り魔法 0/250 影の中に入ることができる、しかし影を踏まれると少し痛い、また影が無くなると出てきてしまう』
が解放されました

ソピア「影を消す魔法って……嫌がらせのための魔法?」

ヒレア「影潜り魔法対策ね。私みたいに影に潜ってる人を出したい時の魔法」

ソピア「それだけ……?」

魔人「お主にはもう一つあるじゃろう。影を消したい場面が」

ソピア「うーん……?」


スキル『操り魔法』を習得しました 900P→890P

ソピア「これがあれば信頼魔法はいらなかったかな?」

魔人「相当上手くやらんと、操った相手の動きは不自然になることがある」

魔人「信頼魔法でも要求に応じてくれない場合に使えるぞ。崖から飛び降りさせるとか」

ソピア「わあ……」


スキル『精神ドレイン魔法』を習得しました 890P→800P

魔人「魔法弾の要領で撃つのも良いが……」

魔人「睡眠魔法や恐怖魔法などで抵抗できない人間の頭に手を添え、連続で使うことで、そやつをポーションの代わりにできる」

ソピア「精神力を吸い尽くされるとどうなるんですか?」

魔人「助けが来るまでは廃人になる」

ソピア「ええ……」


スキル『変装魔法』を習得しました 800P→610P

訓練『変身魔法 0/250 相手を任意の姿に変身させる』が解放されました

ソピア「相手の姿をちゃんと覚えてないと、これ、難しいや」

魔人「覚えたてだと、人を観察する癖が付いてしまうのう」

アン「変装魔法で、誰でもない、オリジナルの姿には変身できないんですか?」

ソピア「うん。やってみたんだけどね。想像だけだとぼんやりした姿になるの」

ソピア「誰か知ってる人に変装しないといけないんだ、ほら」

アン「ええっと……それは、宿屋のメリルさんですねぇ。モザイクがかかってますよぉ」

ソピア「こういうこと。モザイクが歩いてたら怪しいもん」


ソピア「残り時間はあと半分くらい?」

1.火魔術……爆発・熱線・電気・毒・機械
2.水魔術……水分・回復・身体能力・酸・植物
3.岩魔術……大地・錬金術・硬化・封印・宝石
4.風魔術……大気・空間・天候・時・音
5.日魔術……太陽光・癒し・感情・色・消滅
6.月魔術……反射光・幻惑・夜・引力・真空
7.白魔術……守護天使の出来る範囲で何でも
8.黒魔術……契約した悪魔の出来る範囲で何でも
9.樹魔術と重力魔術

↓2

ソピア「まだ天使がいらっしゃるので白魔術をもう少し覚えよう」

魔人「先程セットにしたものはそのまま残してあるぞ」


治療の白魔術 0/200 毒・麻痺・眠り・石化などを治せるようになる
聖光の白魔術 0/200 普通の攻撃魔法と防御魔法
退魔の白魔術Ⅱ 0/300 呪いを防ぐ予防解呪や悪霊を消し去る浄化など
聖歌の白魔術 0/200 歌でチームを強化する魔法

運命の白魔術Ⅱ 0/300 戦闘や工作に向かないがある種強力な効果の固有魔法

聖剣魔法 0/120 邪悪なものに極めて有効な武器を生み出す。聖光剣の強化版でありもちろん剣の形である必要はない
神の心臓 0/150 自己の精神を強化する。精神力に限らずスタミナ(体力)も上がる
戴冠 0/120 リーダーになる。発言の重みが増し仲間が指示に従いやすくなる

巻物魔法 0/120 文章の受信と送信ができる。受信は手元に無い書物の引用、送信は文章を任意の相手に届ける
神の目 0/120 視力が上がり遠方の出来事を知ることができる。近くの壁なら透視も可能
聖火 0/120 どんなものでも消滅させることができる浄化の炎。火力は低いので攻撃には使い辛い


残り:610P

※知恵の実の効果で消費ポイントが-20されます

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓1、2、3 覚える魔法選択、『無し』もOK

運命の天使固有魔法Ⅱ習得 610P→330P
『奇跡魔法』…通常起こりえない奇跡を100%起こせる聖人の魔法。ただしその後不幸が100%起こる。
『運命の輪』…思い浮かべた人物のいる方向が分かる。
『神の声』…発した言葉が聴衆を感銘させ運命を変える。本来は布教用の魔法であり、使用時に神への確認が必要なので使い辛い。
『光の螺子』…対象にネジを刺して回すと時を巻き戻すことができる。長い時を戻すにはかなりの神の加護が必要。
『ガブリエルブレス』…祝福の魔法。二人の仲を永遠のものにする。自身には使えない。

ソピア「やっぱり使いどころが難しい……」

天使「聖教会でも一部の聖人しか使用を許されない魔法なのですけど……」

天使「なぜ主はお許しになったのでしょう……?」

ソピア「……あれ? もしかして、光の螺子で私の年齢を元に戻せる?」

魔人「可能じゃが……それ以後に学んだ魔法がすべてパァになるぞ」

ソピア「それは困る……」


治療の白魔術習得 330P→240P(ゾロ目なので-20の後半減)
『ヒール』…回復魔法(水魔術)と同じ。ソピアの場合はトータルセラピーで精神力ごと回復もできるので不要。
『キュア』…毒・麻痺・眠りなどの身体系状態異常を治す。
『サニティ』…癒しの光(日魔術)と同じ。不要。
『リべレーション』…石化・魔封・時間停止などの不自由系状態異常を治す。

ソピア「魔封ってなんですか?」

魔人「状態異常の一つじゃな。全ての魔法が使えなくなる」

ソピア「そ、そんなものが……!?」

魔人「精霊術師と竜脈術師が使う術じゃ。もし戦うことになったら注意しなさい」

ソピア「対策は……?」

魔人「逃げる。幸い効果時間は短いからの」


スキル『神の目』を習得しました 240P→140P

ソピア「ラファお姉ちゃんが使ってた魔法。わぁ、すっごく遠くまで見える!」

ヒレア「あぁ、あの子12歳だった……」

ソピア「運命の輪と組み合わせれば、知ってる人なら何してるかすぐに分かりそう」

ソピア「空が明るくなってきたね」

ヒレア「本当、長い夜だわ……」


残り:140P

1.火魔術……爆発・熱線・電気・毒・機械
2.水魔術……水分・回復・身体能力・酸・植物
3.岩魔術……大地・錬金術・硬化・封印・宝石
4.風魔術……大気・空間・天候・時・音
5.日魔術……太陽光・癒し・感情・色・消滅
6.月魔術……反射光・幻惑・夜・引力・真空
7.白魔術……守護天使の出来る範囲で何でも
8.黒魔術……契約した悪魔の出来る範囲で何でも
9.樹魔術と重力魔術

↓2

ソピア「最後にちょっとだけ水魔術に手を出してみようかな」

ソピア「回復はもういらないけど、他に面白いものがあるかも?」

魔人「ところでお主、今夜のはじめに習得した退魔系白魔術にどんな魔法があったか覚えておるか?」

ソピア「えっと……解呪、加護……おばけの実体化、あと何だったかな」

魔人「ふむ、では戦の笛の効果は?」

ソピア「そんなのあったかな……?」

魔人「魔法局が魔術師を6つの種類に分け、魔法の習得を制限しているのは、決して意地悪している訳ではない」

魔人「このように、あらゆる種類の魔法を覚えてしまうと、自分がどんな魔法を使えるのか瞬時に思い出せなくなってしまう」

魔人「結果として一つの魔術、その中でも一つの系統を極めた方が優秀な魔術師になることも多い」

ソピア「魔人先生はすぐに思い出せるんですか?」

魔人「無論。わらわの記憶力は桁違いじゃからの」

ソピア「学業の天使の副作用ですね?」

魔人「……元から頭は良かったのじゃぞ。何を言うか」


魔人「お主は『短剣術Ⅰ』というスキルを見たことがあるか?」

ソピア「はい。フィナと初めてお出かけした時、どんなスキルを持っているか聞いたら教えてくれました」

魔人「そのスキルの正体は『短剣の持ち方』『斬る』『刺す』などのスキルの集合じゃ」

魔人「同じように、よく似た魔法を一つにまとめることで、自分にできることを把握しやすくできる」

ソピア「後でやってみます」

魔人「うむ。すでに言ったことじゃが、水魔術も系統別にまとめておいた」

魔人「まとめて覚えることで一つの魔法当たりに要する訓練時間が少し減る。魔法局もこの方法を採用すべきじゃ」

ソピア「大変! 一つの系統を学び終える前に夜が明けちゃう!」

魔人「任せよ。さらに時間を延長する! おおおおお!!」


回復の水魔術 0/200 ソピアにはもう不要。属性変換で遊びたければ覚えても良い。
水撃の水魔術 0/200 水流を操り攻撃する。水鉄砲から滝まで。
氷の水魔術 0/200 冷水の魔法。状態異常:凍結は敵の動きを止め、軽度でも敏捷と精神力を下げる。
霧の水魔術 0/200 水滴の魔法。視界を遮る魔法や高温の水蒸気の魔法。
強化の水魔術 0/200 様々な身体機能を強化する。筋力だけでなく動体視力や消化能力も。
酸の水魔術 0/200 毒と同じじわじわ苦しめる魔法で、さらに錆びや能力低下も起こす。
自然の水魔術 X/X 豪雨や温泉、海流など、大雑把だがスケールの大きい魔法。マリンが使えるのでソピアには不要。
緑の水魔術 X/X 植物に関わる水魔術。樹魔術を覚えているソピアには不要。

残り:180P

※知恵の実の効果で消費ポイントが-20されます

※ゾロ目なら消費ポイント半分

↓ 覚える系統選択

魔人「強化か……」

魔人「お主はすでに戦の笛(筋力・防御強化)、神の目(視力強化)、神の腕(筋力・敏捷強化)を覚えておる」

魔人「故に強化の水魔術Ⅰを覚える必要が無い」

魔人「ここは飛び級魔法訓練の要領で、より上位の強化魔法を覚えてみんか?」


『跳躍力強化』…大ジャンプできる。着地もできる。
『握力強化』…掴んだら、離さない。
『動体視力強化』…弾丸が止まって見える。反射神経も強化されて回避もできる。
『聴力強化』…小さな声を聞き取り、些細な音も聞き逃さない。
『平衡感覚強化』…バランス感覚が上がる。混乱・朦朧の状態にならなくなる。
『声量増加』…大声で叫べば相手をひるませ、注意力散漫にすることができる。
『体重増加』…吹き飛ばされにくくなり、物理攻撃の威力も上がる。
『体重減少』…普通なら意味は無いが、ソピアなら飛行能力が上がる意味を持つ。

↓1、2 2つずつ選択

スキル『聴力強化』『体重減少』『動体視力強化』『跳躍力強化』習得


魔人「強化魔法は使わんと効果が無いぞ」

ソピア「つい使い忘れそう……どんな時に使えばいいのかな」

魔人「急いで飛びたい時には体重減少」

魔人「戦闘前には動体視力強化」

魔人「耳を澄ませる時だけ聴力強化」

魔人「逃げる時には跳躍力強化、じゃな」

ソピア「下手に飛んだら撃ち落とされるから、障害物を跳び越えて逃げた方がいいですね」

魔人「おお、今注意しようと思っておった所じゃ。よく知っておるな」

ソピア「えへん。逃げるのには慣れてるんです」

ウベローゼン市に日が上り、新しい一日が始まる。

魔人「一夜漬け魔法訓練、終わり!」

ソピア「ありがとうございました!」

アン「お疲れさまですぅ!」

ヒレア「ソピアちゃん、どれくらい強くなった?」

ソピア「ふふっ、今ならお姉様にも勝てちゃうかも」

魔人「甘い!」

魔人「わらわの実力を90とするなら、ヒレアは40、マリンは45」

魔人「そしてお主は20じゃ!」

ソピア「そんなに!?」

魔人「お主は生身じゃからの。攻撃を受けてしまえばその小さな身体と半端な体力では、一撃であの世逝きじゃ!」

魔人「そして何より経験が足りぬ!」

ソピア「経験……結構死線を潜り抜けてきたと思いますけど」

魔人「そういうことではない。覚えたばかりで全く術を使い慣れていないということじゃ」

ソピア「たしかに……」

ヒレア「どうする? 私なら手合わせしてもいいけど」

ソピア「えー、そろそろ外に出たいよ」

アン「まだお店は開いてませんし、お知り合いの方もご自宅にいらっしゃるのでは?」


1.実戦訓練してみる
2.出かける
3.何か話す(内容も)
4.自由安価

ソピア「うー……実戦訓練します」

アン「時間は大丈夫なんでしょうかぁ……?」

魔人「良い方法がある」

魔人「イメージトレーニングじゃ」

ソピア「意味があるのかな」

魔人「ただのイメージトレーニングではない。お主に催眠をかけ、記憶の世界で戦ってもらう」

魔人「時間もかからない。一分で終わるじゃろう」

ソピア「……体感時間は?」

魔人「頑張ればすぐ終わる」

ヒレア「私は見てるだけでいいのね」

魔人「ではいくぞ」

ソピア「待って。相手はお姉様ですか?」

魔人「お主には6体の敵と戦ってもらう。3回以上勝てばご褒美じゃ」

魔人「最後の1戦に勝利できたならば……いざと言う時に限らず、わらわはお主に同行しよう」

アン「魔人さんを仲間にできるチャンスですよ!」

ヒレア「頑張って、ソピアちゃん」

マリン「向こうのワタシによろしくねー♪」

魔人「助っ人は無しじゃ。マリン、アースドラゴンの手は借りれぬぞ」

ソピア「ん……6体?」

ソピア「ちょ、ちょっと待って、まさか相手って」

魔人「イメージトレーニング、はじめ!」

ギュルルルル

ソピア「あぁぁぁぁ」

今日はここまで、明日は18時から

ソピアの使える魔法リストを貼ってから始めます

どの相手も2、3手で終わるのでスレをまたぐことは無いと思います

ごめんなさい、明日に延期します

38日目終了

【ステータス】
ソピア=ウィンベル(魔:ソフィア 旅:ルーフェリア)
見た目:11歳(本来72歳)・スカイブルーの瞳・黒髪ふんわりロングパーマ(桃色のリボンで二つ結び)・ヒレアのお下がり・ムーンストーンの杖(知20)・ストーンキューブ
所持金:9070G
アイテム:
ウベローゼン市地図・旅人ギルドカード・共和国軍の勲章・野営セット・銀の短剣・ナイフ・金槌・ハサミ・ドライバー・ライター・花柄の傘・平和のロザリオ
魔人ルーン×3・ポーション×2・回復の杖・自動迷彩マント・海子の杖
薄汚れた赤ずきん・エセ探偵セット・女中の服・緋袴・海子の服・強化繊維インナー(防小)・シューズ・桃色のリボン・リボンカチューシャ・アザラシ革の手袋
オニキス・琥珀の欠片・火魔術結晶・キングウォッチ・クロノクロウの羽・チャンピオンツタベルト・光るビン・樹魔術の書・重力魔術の書
おてんばワンピース・ウサギなエプロン・タフネス眼鏡・ネコのぬいぐるみ

ジョブ:月魔術師・旅人
スキル:全属性魔術・妖精対話
 ダンス・料理・長旅歩き・小休止・脱兎・騎馬・野営・夜目・受け身・考察・探し物

体力32/32 精神52/52
筋力30 敏捷44 知力70(90) 器用20 交渉力70 魔名声83 旅名声128 注目度10
経験値:体7・精47・筋0・敏67・知0・器83・交31


知り合い
高圧的な16歳サイズユーザー:エルミス「一生わたしに尽くしなさい!」(主従:99.99)
心優しい義姉13歳吸血鬼:ヒレア「今日から私がお姉ちゃんね」(義姉妹:10.15)
文系15歳美少年風魔術師:トール「あなたを守り抜くと誓います」(恋人:10.04)
あざとい17歳メイド:アン「ソピアについて行きますよぅ」(大親友:10.04)
控えめな18歳アーチャー:ハルカ「キミに命を預けるよ」(仲間:X.XX)
ジト目12歳白魔術師:ラファ「助け合うのですよ」(仲間:X.XX)
お喋りな16歳ホワイトシーフ:フィナ「……」(??:10.61)
ボクっ娘ブラコン16歳女水魔術師:ミルズ「ボクには真似できないみたいだ」(親友:8.67)
おしとやかな12歳商売人:フローラ「お気遣い頂き感謝します」(仲良し:7.88)
頭脳派長身18歳岩魔術師:クルト「お前のおかげで俺は進化した……!」(仲良し:7.53)
魔法街の仕立て屋人形:クリスティ「失礼しました!」(友人:4.48)
明るく優しい22歳ホモ日魔術師:キュベレ「結果的に…息抜きになったかしら?」(友人:4.25)
宿屋のおばちゃん:メリル「すっかり有名になっちゃって、大丈夫かねぇ」(親しみ:3.31)
武人な19歳火魔術剣士:テンパラス「英雄か……」(知人:2.02)
皮肉屋な22歳男コンバット:ロット「へぇ、帰って来れたんだ」(知人:1.93)
色男な24歳レンジャー:オルド「あの娘がラヌーンを発見したってマジかよ」(知人:1.59)
正統派シスター19歳聖教徒:テレサ「クルトさんの師匠なんですか?」(知人:1.42)

上がり症16歳ボーカリスト:ポロ「わ、私……負けませんから」(協力者:X.XX)
お調子者13歳黒魔術師:レン「おれの呪いで2人を助ける!」(協力者:X.XX)
フランクな24歳セラピスト:サナ「久しぶりの地元だね」(仮協力者:X.XX)

○攻撃
月光光線【通常・拡散・精神攻撃付加】
精神攻撃【通常・拡散・ドレイン】
流れ星(月魔法弾)【通常・連射・散弾】
ライトボール(日魔法弾)
運命の矢(白魔属性で追尾、当たると他の魔法にも追尾効果)
ダークフェザー(黒魔属性で追尾)【通常・爆発】
明星光線(黒魔属性、魅了・恐怖付加)
ブラックホール(重力魔法弾)
メテオ
影打ち(影への攻撃が少し通る)
ルシフェルホール(即死)

○攻防一体
ダークフライト(六枚翼を生やして飛行、翼は刃と盾になる)
アダマント(金属生成)

○状態異常
魅了【強力・全体】
その他精神系状態異常【幻覚・盲目・恐怖・混乱】
光の鍵(時間停止)
戦の笛(暴走)
グランドクロス(不運)

○防御・強化
反射魔法
聖域(魔法の威力を弱める魔法陣)
オーラリー(天候操作を無効化)
戦の笛(仲間の筋力と防御を上げる)
神の腕(自己の肉体強化)
神の目(自己の視力強化、透視)
聴力強化
体重減少(飛行能力が上がる)
動体視力強化(攻撃を回避できる)
跳躍力強化

○回復
樹魔術【総合回復】
日魔術【精神力回復・精神系状態異常回復】
白魔術【体力回復・身体系、精神系、不自由系状態異常回復・解呪】

○特殊
属性変換(火・水・岩・風・日・月の魔法の属性を変える)
多分身魔法(最大で5人にまで分身できる)
晩鐘(音を聴いた人物だけ周囲が夜になる)
除霊(憑依している幽霊を追い払う)
実体化魔法(物理攻撃が効くようにする)

○必殺技
ムーンブラスト 当たった光線が拡散、周囲の敵に降り注ぐ
ルナティックアンブロシア 対象の最も恐怖を感じる幻覚を見せる
ディストラクター 破裂して魅了の光を放つ星形魔法弾
アンブロシアレイン アンブラーを回復しノーアンブラーにダメージを与える雨を降らす

○工作系月魔術
信頼魔法(相手が素直に頼みを聞いてくれる)
操り魔法(相手が指示通りに動く)
透明魔法(ただし触れた部分に影ができる)
変装魔法(特定の人物に変装できる)
注目魔法(対象に注目が集まる)

○非戦闘用
転移魔法
プライベート異空間(収納や閉じ込め、退避)
読心
運命の輪(知人のいる方向が分かる)
加熱魔法
加護(コンマを+10する)
天秤魔法(神に2択のどちらが死ににくいかを聞ける)
光の螺子(物の時を巻き戻す)
神の声(発言力を大幅アップ)
ガブリエルブレス(絆を永遠にする、自分には使えない)

○運
賽子魔法(願い事を20%の確率で叶えるパルプンテ)
奇跡魔法(願い事を叶えるがどこかでしわ寄せが来る)
恋の百合(50%の確率で交友度にボーナスかマイナス)

○パッシブ
三天使の加護(呪い・時間停止・消滅が無効)
魔力制御(これがないと素早く魔法を使えていない)
妖精対話(これがないとマリンが仲間になっていない)
瞑想技術(訓練で精神力が上がりやすくなる)
知恵の実(スキル訓練時コンマ+20)

ソピア「う……ここは……」

ソピア「……ウベローゼンの上空!?」

ソピア「ひいいっ! ってそっか私飛べるんだ」

ソピア「二つの場所が光ってる……あそこに行けってこと?」


1.下水道へ行く
2.南の丘陵へ行く

ウベローゼン南丘陵。

ソピア「いたた。着地は難しいや。ゆっくり下りないと足をくじいちゃう」

ソピア「……ここ、来たことある」

ズシン ズシン

ソピア(地面が揺れてる……何か来る!)

木々をかき分けて現れたのは、見上げるほど大きい石像。

宝石で作られた漆黒の目がソピアを捉えた。


オニキスゴーレム。

関節部分に悪魔の力が込められたオニキスがはめ込まれた巨大な岩人形。

小さな人形たちによって作られた。


ソピア「オニキスゴーレム!」

先日、ソピアは炎の剣士テンパラスのチームに同行し討伐の手伝いをした。

その時にテンパラスたち武器系職業の精鋭が倒したのがこのオニキスゴーレムである。

ソピア(よ、よかった……! 六勇が倒した六つの災厄と戦わされるのかと思った……!)

ゴーレム「……」

ソピア(で、でも勝てるのかな? この前は私、取り巻きの人形しか倒してないし……)

ゴーレムが脚を振り上げる。

ソピア(こころなしか前よりも大きくなってる気がする!)


※ヒント
 特殊な攻撃はしてこない。オニキスは黒魔属性の宝石。

↓自由安価 >>751を参考に、コンマが高いほど有利(1<0、ゾロ目で二倍)

コンマが高くなくても行動次第で有利に



ソピア「あぶないっ!」バサッ

ソピアは飛行して踏みつけを回避する。

ソピア(当たったらただじゃ済まない……動体視力を上げておこう)

ソピア(戦う時はいつも使ってもいいかもしれないね)

ゴーレムが振り回す腕も届かない高さまで飛んで、考える。

ソピア「オニキスは黒い石だから、白魔術以外は効きにくいかも」

ソピア「あの時はハンマーの人が多かったから、鈍器がいいのかな?」

ソピア「メテオを使ってみよう」

念じるソピアの目の前に空気中の塵が凝集する。

ソピア「それっ!」

ゴーレムは腕を組んで身を守るが、次々と落ちてくる擬似隕石がその腕にヒビを入れ、ついに破壊した。

ソピア「よし、とどめ! ……あれ?」

空気中の塵が無くなったようだ。

ソピア「あっ、空気がおいしい」

腕を失ったゴーレムが跳び上がる。

ソピア「きゃっ!?」

攻撃手段を失ったため、なんと空中に向けて体当たりを敢行したようだ。

攻撃に失敗したゴーレムは地響きを立てて落下する。

ソピア「びっくりした……ゴーレム、地面にめり込んでるよ」

ソピア(まだ動けるってことはどこかに弱点があるはずなんだけど……)


↓自由安価 >>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ソピア「星屑を連射すれば弱点にあたるかな。その前に……」

ソピア(注目魔法は私に気付いてたらあまり効果は無い。近くの木に使っても敵対してる私から目を逸らさない)

ソピア(でも分身に使ったら……?)

ソピアは分身を一体だけ生み出し、それに注目魔法をかける。

ソピア(私の予想があってたら、分身の方を本体だと思うはず!)

空中にデコイを残して接近、星屑の射程圏内に入る。

ソピア(星屑は名前の割にすごい威力だけど、遠いとそうでもないんだよね……)

ゴーレムの真上を水平飛行しながら、その全身へ星屑を掃射。

ゴーレム「……!」

ゴーレムの体中に付いていたオニキスがすべて破壊された。

ソピア「よし、あれが弱点だね! ってもう動かなくなってる……」

ソピア「……あっさり勝っちゃった」



勝利ボーナス:オニキス

魔人評価:SS

魔人「一戦目で負けるようならトレーニングを取りやめていた」

ソピア「今度は下水道に行けばいいのかな」

ソピア「下水道と言えば、ロットさんと一緒に逃げ回った巨大イグアナだね」

ソピアは飛び立ち、ウベローゼン市へ向かう。

ソピア「六枚あるから疲れにくい♪」パタパタ

ソピア「あれ? 下水道じゃない。光ってる場所が変わってる……」

ソピア「あそこは……魔法街?」

ソピア「まさかね……」


闇の魔法街。

ソピア「っと……着地成功」

ソピア「空が暗い……」

「ア、アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ソピア「この声は……!」

声のした方を振り向くと、異形の怪物が羽ばたいている。

一対のコウモリの翼に鋭い爪。

その下半身は霧と化し、街を覆う闇に同化している。

ソピア「そんな……戦えって言うの……?」

「キィィィヤァァァアア!!!!」

命の臭いを嗅ぎとった怪物も振り返り、赤く光る瞳がソピアを睨んだ。


吸血鬼(邪)。

聖教会を盲信していた少女の幼い心は、神の裏切りによって二つに分裂した。

善の心と悪の心。

悪の心だけが残ったもしもの世界で、怪物はただ一人の生命を奪うために暴走する。


※ヒント
 生命力を吸い取る霧を浴びると眠ってしまい、暗闇の中で眠ると目覚めることはない。
 1週間前ソピアが目覚めたのはヒレアの心が残っていたため。
 暗闇さえどうにかすれば、スペックは今のソピアの方が上。呪いも恐くない。

↓自由安価 >>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

吸血鬼が猛スピードで迫る。

吸血鬼「キキィッ!」ブン

ソピア「お姉様、やめて!」

吸血鬼「アアア!」ズパッ

ソピア「いたっ! うう、回復を……」

ソピア(……そっか、この時はまだ私の方が年上だったね)

ソピア「ヒレアちゃん、ストップ! 話を聞いて!」

吸血鬼「……!」バッ

吸血鬼が腕を天に掲げると赤い雨が降り出す。

傷口に染みこみありとあらゆる呪いをかける血の雨。

ソピア「呪いは平気……加護があるから……そうだ」

ソピア(天使さん! 仲介お願いします! ……天使さん!?)

ソピア(いない……天使と悪魔の力も魔術以外で借りれないの……!?)

吸血鬼「キアァ!」ブワッ

焦るソピアは黒い霧の塊を浴びてしまう。

ソピア(ね、眠い……前はここまでなかったのに)

ソピア(もしかして……暗いせい? 逃げなきゃ……)

ソピア(暗闇を抜ければさっきと同じようにメテオとかで攻撃できるはず……!)

ソピアは体重を軽くして上方へ飛ぶ。

他に獲物のいない吸血鬼はソピアを追ってくる。飛行速度はほとんど変わらないようだ。

ソピア(どこまで飛んでも暗いまま……うう、眠いよ)

ソピア(雨が目に入って見えづらい……)

そしてとうとう吸血鬼が追いつく。

ソピア「痛い! ……ああ、すごい傷、夢の中だからいいけど」

落下しながらソピアは考える。

ソピア(どうして暗闇を抜け出せなかったんだろう・・・・?)

ソピア(暗闇はお姉様を中心に広がってるから? それと、街全体が暗闇なのかな)


↓自由安価 >>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

日属性に流れ星を属性変換して一帯にばら撒いてみる

ソピア(暗闇を晴らすには……日魔術)

ソピア(ライトボールもあるけど、属性変換を使って……)

ソピア「流れ星(日)!」

ソピア「こっちの方がかわいいもん」

闇をかき消そうと日属性の流れ星をばらまく。

ソピア「うそ……全然消えない」

吸血鬼「キィ!」バッ

ソピア「ひゃっ!」ドン

吸血鬼「ギァァァッ!!」

目の前に迫る吸血鬼とその爪に、咄嗟に流れ星(日)を撃ってしまう。

途端、吸血鬼の体が弾けた。

ソピア「よ、よかった……」

ソピア「今のうちに傷を治して……と、これで仕切り直し!」

背後で霧が凝集し、再び吸血鬼の形をとる。

ソピア「……やっぱり、無限に回復できるのはずるい」

ソピア(でも、日魔術で攻撃されると再生に時間がかかるみたい)



魔人「まずいのう」

魔人「あやつ……眠くて思考力が落ちておるのか?」

ヒレア「黒魔術の霧と暗闇が日魔術で消せるわけないじゃない」

ヒレア「白魔術での攻撃手段に乏しいから仕方ないけれど……」

魔人「うむ、猛攻しても勝てるか微妙じゃな。相手が魔族の力で攻めてくるなら、似た術で張り合うしか無かろう」

ヒレア「鍛えてもソピアはソピアね。これからも私が守ってあげなくちゃ」


↓自由安価 >>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

そこに書いてあったのか。サンクス

このスレから見始めたけど迷惑かけそうだから1から読み直してくる

>>766はコンマが低ければそこで負けてました、高かったので回復しつつダメージを与えられたのですが……
>>775 テンプレさえ見れば問題ないはず…!



ソピアは逃げながら考える。

ソピア(さっき回復した時、少し頭が冴えた)

ソピア(白魔術のヒールで眠気を飛ばせるんだ)

ソピア(あっ、そうだ! これって黒魔術と白魔術の霧だった!)

ソピア(流れ星(日)で消せるわけないよ!)

※火~月の六属性は黒魔術に弱く白魔術に強い

ソピア「こうなったら……回復しながら逃げ回って持久戦!」

ソピアは飛びまわりながら、隙を見て吸血鬼に流れ星(日)を撃つ。

だが、吸血鬼はソピアから体力を吸収し続けている。

回復を繰り返すたびソピアの精神力は減る。持久戦はソピアにとって悪手だった。

そんな時。

吸血鬼「……!!」ヒュン

ソピア「あっ」ズパッ

吸血鬼の鋭い爪がソピアの首筋を切り裂いた。

残念! ソピアは死んでしまった!



勝利ボーナス:なし

魔人評価:E

魔人「天空の悪魔の力は他の天を操る術よりも格上じゃ。オーラリーなら闇を消し去ることができたぞ」

魔人「それでなくとも光の鍵で時を止めてもよかったし、運命の矢を当てれば逃げながら撃ち続けられた」

魔人「勝てない勝負じゃなかったと言うのに……」

ヒレア「……まだ私の方が強いのよ」ニッコリ

魔人「アンブロシアレインも効いたじゃろう」

ヒレア「アンブラーいやああああああ」

マリン「ところで加護使わないのー?」

ソピア「……ううん」

ソピア「あ、生きてる」

ソピア「あと4戦中2回勝てばご褒美だったね、がんばろう」

ソピア「ここは……すっごく高い所飛んでる!」

ソピア「あそこに見える森は、スクーニミーの南の帰らずの森かな」

ソピア「とすると、光ってる場所は……」


1.南の荒野
2.北の海岸

自由安価の時は下2〜3くらいにしたほうがいいんじゃないかな
いつもより時間あるとはいえ直下だと取り急いで色々と見落とす人いそう

安価踏んでたら下で

>>779 助言ありがとうございます、上のレス見ながら作戦考えられそうですしね



ソピア「2つの場所が光ってる、けど……」

ソピア「南の荒野の方は、私をミンチ肉にしたイーグルの棲家だ。絶対」

ソピア「あっちはやめよう……」


スクーニミー北海岸。

ソピア「ここで戦ったのは、ラヌーンの海賊たちだね。でもいない」

ソピア「沖に海賊船が浮いてる……光ってる」

ソピア「飛んで行けってこと?」


ラヌーン海賊船。

ソピア「船、こんな風になってたんだ」

ソピア(捕われてたから見れなかったし、帰りはマリンだし……)

ソピア「ここで戦った覚えがないんだけど……」

ザッバァン!

海面から飛び出てきたのは、吸盤のついた触手だった。

先端にはダンゴムシのような形状の鎧が装着されている。この鎧でも物を掴めるようであり、また、爪も付いている。

触手「……」ウネウネ

ソピア「やだぁぁぁ気持ち悪い!」


ミリタリークラーケン。

ラヌーン国で軍用に飼いならされた巨大タコのモンスター。

触手の先には専用の鎧が装着されており、水中戦でなければ有効打を与えることは難しい。


ソピア「私こんなの会ったことない!」

触手「……」グオッ

ソピア「来ないでえええ!」


※ヒント
 ヒレア・ロット・ジョーが戦い、そして全滅した大型モンスター。
 とにかく水中戦をご所望なので捕まらないように。
 しかし胴体は水中にあるため海上からは有効打を与えにくい。

↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ソピアはひとまず飛んで逃げた。

触手「……」ウネウネ

ソピア「何なのあれ気持ち悪い……」

ソピア「海の中にいるのかな。でもあんなの近づきたくないし、海の中で息できないもん」

ソピア「上から攻撃しよう。メテオ、届くかな……?」

ソピア「アダマントで槍を作ろう」

空中に金属が出現した。

ソピア「あっ」ツルッ

ボチャン

ソピア「アダマント重い。体を強化してから……」

生み出した金属を粘土のように引き延ばして槍の形に整えていく。

ソピア「歪だけど、できた」

ソピア「これを……それ!」ブン

海上が見えているようで、クラーケンは触手の先の鎧で槍を弾こうとする。

だが、アダマントの槍はラヌーン製の鎧を容易く貫いた。

そこまで鋭くなかった槍の軌道は変わり、斜めになって海に入る。

ソピア「また作らないと……あっ、一度作った形ならその形で出せるんだ。いいね!」

ソピア「えい」ブン

触手の先の鎧を3つほど破壊すると、一本の槍が海へまっすぐ突入した。

そして数秒後。

ザバアアア

クラーケン「……!!」シュー

口の近くに槍の刺さったクラーケンが海上に姿を現した。

ソピア「おえっ……口が気持ち悪い。触手よりもダメ」

その生理的嫌悪感をもたらす口と、鎧の残った5本の触手が青く輝き始める。

ソピア「えっ、海神の魔法使うの……!? でもあの口弱点じゃないかな、チャンス!」


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ソピア(昔アンに教わった。普通の水は電気を通しやすいから、電気の通ったものの近くに水があったら触らないって)

ソピア(そのせいで私もお姉様(実姉)もしばらく冷蔵庫の水が飲めなかったんだよね)

ソピア(たしかハーバリアの水族館で見たカイオウクジラも電気を使ってた)

ソピア「よし、電気を使おう!」

ソピア(火魔術と風魔術の複合が雷魔術だったよね。魔人先生は関係ないって言ってたけど……)

ソピア(きっと自然の雷には、火と風の精霊が含まれてると思う)

ソピア(試してみる価値はある!)

ソピア「月光光線魔法(火・風)」バチィ!

ソピア「やった! それっぽい!」

クラーケン「……」バリバリ

クラーケンの纏っていた青い輝きが消える。

ソピア「よおし、連続で雷を落とそう!」

感電させ続けた結果、クラーケンはついに動かなくなった。

ソピア「やったー!」

ソピア(他の複合属性がどうなるのか調べてみてもいいかも。竜脈とかよく分かんないもん)



勝利ボーナス:ステンレス

魔人評価:SS

魔人「応用力を評価してのSS評価じゃ、喜べ!」

魔人「純水は電気を通さないと科学でも言われておるように、火風の属性は水には通らん」

魔人「だが海洋生物には効果抜群じゃ。生息地等による苦手属性もあるようじゃの。ちなみに乾燥地の生物は火に弱いことが多い」

ヒレア「私とソピアとタコで三すくみになっちゃった……」

きりがいいので今日はここまで

次の相手はたぶん予想した通りだと思います

土曜ですけどお昼から人いますかね?

ソピア「光ってるのは、海の向こう」

ソピア「そんな気はしてた」

ソピア「…………自分で飛んでいかなきゃだめ?」


ラヌーン無人島。

ソピア「嵐がなければ結構近いんだね」

ソピア「誰かいませんかー?」

そのラヌーン島はソピアの記憶の中の、最も綺麗だった時の姿をしていた。

ソピア「魔法街と同じだね……。いるのは私と……」

島の頂上、神殿の上に光が凝集するようにして、島の神が出現する。

見覚えのある円盤、魚のヒレ、タコの脚、貝殻。

記憶と違うのは少女の形をした中心部分が、月の石を提げておらず、セーラー襟ではなく海子の服に近いデザインであることだ。

ソピア「……対戦相手だけ」

「――、――――! 外敵を海流しに……」


海神(島)。

海の生物のパーツをつなぎ合わせたキメラのような姿をしたラヌーン島の主神。

主導権を握っているのはラヌーン島そのものから生まれた島の妖精。

ここが思い出の世界と知ることもなく、妖精は自らの島を守るため牙を剥く。


※ヒント
 凄まじい精霊量=魔力を持ち、地力では到底敵わない。
 一昨日ソピアが吸精に成功したのは海神の主導権がマリンにあったため。
 海神は水・月属性の塊。弱点は明らかだが最後まで気を抜いてはいけない。

↓2 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ソピア「吸精……できないみたい」

ソピア「付け焼刃だからマリンじゃないと上手くいかないのかな……っと!」

見慣れたレーザーを間一髪で避ける。

ソピア「速く飛べてよかった!」

ソピア(レーザーとは言っても精霊を、魔法弾みたいに固めないでそのままぶつけてるだけだから自然の光よりは遅いんだよね)

ソピア(空気抵抗を受けないから魔法弾よりはずっと速くて避けにくいけど……)

海神「―――――、――……」

ソピアの周囲に青い光が集まり、繭を形成していく。

ソピア「危ない危ない」ビュン

ソピア「海子契りは当たらないよ!」

ソピア(一昨日、日魔術師のキュベレさんが押してたってことは、日魔術が効く!)

ソピア(流れ星(日)の方がかわいいけど、長期戦を考えて無駄な精神力消費は抑えるよ)

ソピア「ライトボール!」ドン

飛来する魔法弾を海神はレーザーで迎撃する。

魔法弾は固めているだけあってレーザーではすぐに消滅しない。だが体積と速度は減少していき、海神に届くことはなかった。

ソピア「日魔術も月に弱いから、簡単に防がれちゃう」

ソピア「でも大地の守護神のアースドラゴンさんでも苦戦してたよね。岩魔術に属性変換するだけじゃダメかも……」


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

本体に実体化魔法、潮汐の妖精に光の鍵

攻撃を避けながらソピアは攻略法を考える。

ソピア(精霊の塊だから私より精神力はずっと上だけど……光の鍵は効くのかな?)

ソピア(精神力の差があると効かないのって精神系の状態異常だけだっけ?)

ソピア(でもそもそも刺さらないんじゃ……)

ソピア(あっ、実体化魔法!)

ソピア(……先にどこを狙うか考えよう。たしかあの円盤は潮汐の妖精の力で、あれを吸精で封じられたマリンはずるいって言ってた)

ソピア(よしっ、行こう!)

ソピアは海神へ急接近する。

海神「――――」

呪文に応じて海神の足元から、空中に不自然な高波が発生する。

ソピア「上っ!」

だがソピアの狙いは海神の本体ではなく、背後に浮かぶ円盤の方だ。

この高波の正体は海流しの波。

もしもそのまま突っ切ろうとしたならば、絡め取られて溺れていただろう。

ソピア「えーい、実体化!」ブゥン

海神「!!」

海神の全身を薄い白光が一瞬包み込む。

ソピア「そして、止まっちゃえ!」カチャリ

海神は身をよじるが如何せん的が大きかった。光の鍵は円盤に刺さり、そしてしっかりと施錠した。

ソピア(光線は封じた。まだ海神は実体化してる。……いける!)


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

コンマ神は上げて落とすと何度言えば

ソピア(黒魔術の攻撃ならよく効くはず!)

ソピア(威力を上げるために目の前まで行こう。どうせ攻撃できないもんね)

ソピア「今からあなたを倒しますね☆」

海神「負けた、ナゼ……」

ソピア「えい、明星光線」バシュ

海神「…………」バラッ

ソピア「んっ?」

黒魔術の光線が核に直撃した海神は、たしかに倒せた。

だが次の瞬間、海神は無数の妖精に分裂してしまったのだ。

ラヌーン島では飛べなかったソピアを優しく受け止めた妖精のクッションが、飛べるようになったソピアを袋叩きにする……。

ソピア「痛い痛いやめてやめて! 羽根をむしらないで!」

妖精「腕を折るよっ」

妖精「目玉はいただき!」

妖精「髪もぐもぐ」

妖精「舌を引っこ抜くわよ」

潮汐の妖精「」

妖精「潮汐ちゃん起きてぇー!」

島の妖精「負けたと思ったがねー。油断大敵ねー」

妖精のおもちゃにされたソピアが地面に叩きつけられる。

それでも残酷なことにソピアはギリギリ生きていた。

残された片目で見覚えのある妖精を見つめる。

ソピア(ま、マリン、助けて……)

その答えは、風魔法:殴、だった。

マリン「えいっ」ポカッ

残念! ソピアは死んでしまった!



勝利ボーナス:なし

魔人評価:B

魔人「悪くは無い。悪くは無いのじゃ……」

ヒレア「運が悪い」

魔人「作戦は何も間違っておらん。よってB評価とする」

マリン「結局ワタシの勝ちでいいのかしらー?」

ヒレア「運の良さ込みでね」

ソピア「……うう、気分が悪い」

ソピア「全身をむしり取られるのはきついよ。ミンチ肉にされるのは一瞬で済んだもん……」

ソピア「あと1回勝てばご褒美だったね」

ソピア「戦った事のないモンスターには圧勝できるけど、お姉様とマリンには負けた」

ソピア「お願い。知らないモンスター出てきて」

ソピア「…………」

ソピア「真っ暗。地に足が付いてる」

ソピア「ここどこだろう」


グルル...


ソピア「なんとなく覚えがある……」

ソピア「照明魔法は無いけど、日魔術で少しだけ灯りを……」


ゴゴゴゴ


岩石の崩れるような轟音と共に、ソピアの目の前に大きな頭が現れる。

ソピア「きゃあ!?」

『此方を目覚めさせし者……人間か?』

ソピア「う、うるさくしてごめんなさい……」

『問題は音ではない。そなたが何者であるかだ』

ソピア「え、えっと……」

『そなたの人間の域を超えた力……試させてもらおう』

覚悟を決めて、ソピアは石ころが散らばりデコボコの地面に立ち上がる。

逃げ場のない地下空間で、巨大な竜が吠えた。

『此方の名はアースドラゴン。フルフィリアの大地を司る者』

『この地で此方の前に姿を現したことを後悔して死ぬが良い!』

ドラゴン「ガアッァァァァァァ!!!」


アースドラゴン。

フルフィリアの大地を司る神竜にしてストーンドラゴンたちの母。

かつて竜を祀った民がいなくなり二千年、竜は神殿の地下で暇を持て余していた。

そんな時、目の前に強い力を持った人間が現れる。竜は運動がしたくなった。


※ヒント
 ストーンキューブの地下は足場が悪く空間も狭い、岩石を操る竜と戦うには最悪の環境。この場にいたら蹂躙されるだけ。
 ただし竜はどんな場においても、自分に有利な地形を作り出すことを得意とする。
 また、大地を操る以外にも多彩な岩魔術を使用する難敵。力任せのモンスターとは一味違う。

↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ゴゴゴゴゴ

ソピア(まずはここから逃げないと、地面に押しつぶされちゃう!)

ソピア「ワープ!」


ソピア「……岩の中にいる」

ソピア「でも、よかった。空間を入れ替える魔法だから私の動けるスペースがある」

ソピア「連続でワープ!」


ストーンキューブ近郊の林。

ソピア「……ふうっ、脱出成功。疲れた……」

ズズン

ドラゴン「…………」

ソピア「そ、そっかドラゴンもワープできるんだ」

ソピアの足元に魔法陣が出現する。

ソピア「えっ」

目の前にドラゴンの前足があった。

ソピア「わ、ワープ!」

少し離れた場所に転移して踏みつけを逃れる。

ソピア(今のはワープさせる魔法……! どうにかしないと)

足元の地面が変形してソピアの足にまとわりつこうとする。

ソピア(聖域で魔術を妨害!)

地面の変形は止められたが、ソピアの周囲に広がった聖域は思ったより広くなかった。

ソピア「狭い……」

ソピア(でもこれで私を直接ワープしたり拘束したりできないはず!)


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

影打ち、戦の笛(暴走)
自分は透明魔法でアースドラゴンの影に避難

ソピア(本体は硬そうだから影を攻撃しよう)

ソピア(……戦の笛で暴走させてその隙に!)

ソピア「すー……」ブォーー

聴いた者を興奮させる音が鳴り響く。

ソピア(よしっ)

ソピアは透明魔法を使ってドラゴンの影に逃げる。

ソピア(こうすることで姿を完全に隠せて、しかも攻撃もできる!)

ソピア(ドラゴンはどこから攻撃されているのかわからない!)

だが。

ドラゴンは暴走していなかった。

気性が荒そうな外見に反して、ドラゴンは実に冷静な性格をしていた。

姿は見えないが微妙に痛みを感じる。

つまり人間は近くにいる。

ドラゴンは吠えた。

ドラゴン「オオオオオオオッ!!」

ソピア「あ……」

ソピアは自身の体が固まるのを感じた。

石化だ。


123 しかしソピアの場所は分からなかった
45 攻撃を受ける
678 さらにピンチに
90 ソピア死す

↓コンマ一桁

ドラゴン「……」キョロキョロ

ソピア(あ、あれ……私の場所が分かってない?)

ソピア(魔法は普通に使えるみたいだね……リベレーション!)

硬直が解けて自由に動けるようになった。

ソピア(このままじゃ勝てない。笛も効いてないみたいだし……)


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

ソピア(私の方を見てないタイミングで……)

ソピア「分身!」

透明化が解除されると共に4つのソピアの分身が生まれる。

どうやらアースドラゴンの感覚はあまり鋭くないらしい。

まだ反対側を見ているドラゴンの脇腹に、ソピアと分身は一斉に光線を撃つ。

ドラゴン「ゴアアアアア!!」

ソピア「よしっ、効いてる!」

ソピア(やっぱり悪魔の力は強かった!)

ここぞとばかりに光線を連射していると、その内の一つが弾かれた。

ソピア「あれは、ストーンキューブ!?」

巨大な立方体の石がドラゴンの周囲に複数漂っている。

それらは不透明だが少しずつ色が違っている。光線を弾いたのは白い石のようだ。

さらにドラゴン自身の身体の表面に紋様が浮かび、地下に沈み込み始めた。

ソピア「い、いけない!」

ソピア(あのストーンキューブには防御以外の役割がありそう、このままだと一方的に攻撃されちゃう……!)

ソピア(さっきの光線が効いてるのは間違いない。あと一押し!)


↓3 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

困ったときの賽子魔法

本体が残ってるのであと一手必要



ソピア「とにかくキューブを破壊しよう!」

ソピア(赤いのは火属性、だから水に属性変換……あ、黒魔術は変換できないんだった)

ソピア(光線を水にしたら霧になりそう、でも魔法弾で壊せるように見えない。だったら!)

ソピア「ムーンブラスト(水)!」

威力の増した水撃を浴びて赤いストーンキューブは砕けた。

ソピア「よーし、次も!」

ソピアは気力を振り絞ってストーンキューブを破壊していく。

しかし最後の一つ、緑色のストーンキューブの破壊が間に合わず、その周囲に緑色の空間が広がる。

暴風が、吹き荒れた。

ソピア「いやぁぁー!」

分身は消滅。ソピアは何かに叩きつけられないよう、羽ばたいて体を支える。

ソピア「…………あれ、これだけ?」

本来、緑のストーンキューブには時間停止の効果があった。

しかし三天使の加護を得たソピアには無効だったのである。

ソピア「よかった……でも地下に逃げられちゃった」

ドラゴン『あっぱれ。まだ動けるとは』

ソピア「……卑怯です。出てきてください」

ドラゴン『断る。此方に利が無い』

ドラゴン『一つ聞きたい。人間たちはどこへ行った? 数刻前まで多くの人間がいたはずだ』

ソピア「……ここはそういう世界なんです。死んでないので安心してください」

ドラゴン『さようか……人間がいないのならば加減は無用』

ゴゴゴゴゴゴ...

ソピア(すごく嫌な予感がする!)


ソピアは全力で飛んだ。

背中を撫でる熱風に振り返ることもなく、とにかくその場から遠ざかった。

そして、ようやく背後を確認すると、そこには。

ソピア「王都が消えてなくなった……」

ソピアがいた場所を中心に大噴火が起きていたのだ。

ソピア「こんなの、どうやって勝てって言うの……海神より恐ろしいよ」

焦土と化した地上から、アースドラゴンが巨大なストーンキューブに乗って飛来した。

ドラゴン『ここまで耐える人間がいたとは思わなかった』

ドラゴン『望み通り地下から出てきた。本当にこの世界には此方とそなたしかいないらしい』

ドラゴン『理解した。ここはそなたと戦うためだけの世界なのか』

ドラゴン『ならば力試しでは終われない。必ず決着をつけなければいけない』

ドラゴン『有利不利の無い空中で、直接対決といこう』

ソピア(ううん。ドラゴンさんの使える岩はあの足場だけ。有利なのは私!)


↓2 自由安価、>>751を参考に、コンマ二桁が高いほど有利(ゾロ目で二倍)

コンマ低いので最後は50%



ソピア(ずるいけど、足場を壊そう!)

ソピア(この高さから落ちれば無事じゃ済まないよ)

ソピア「よーし」ビュン

ドラゴン『来い』

ソピアはストーンキューブの側面に飛びつく。

そして光の螺子を差し込む。

ドラゴン『何をしている?』

ソピアは差し込んだネジを力を込めて回す。

回すたびに精神力が削られるのを感じる。

ソピア「砂粒になれー!」


↓ コンマ奇数…ストーンキューブが消える コンマ偶数…ドラゴンの攻撃を受ける

50%だなんて無慈悲な

ソピア「お、重い……もうダメ……」

ドラゴン『何が駄目なのかは知らぬが、反撃に出ても良いのか』

ソピア「え……は、離れない」ピタッ

ストーンキューブに張り付いていた手がはがれなくなった。

ドラゴン『卑怯者に罰を』

ソピア「な、なにこれ!? 離して! きゃああ!?」

ソピアの腕が次第にストーンキューブと同じ岩石に変わっていく。

ソピア「や、やだ、私石になりたくないよ……」

そうして全身が石になってしまい、さらにはその外形も変化していく。

最後には小型のストーンキューブと化してしまったソピア。

もはや生物ですらなくなり、ようやくキューブの側面から離れる。

ソピアだった立方体は勢いよく地上に落下していった。

残念! ソピアは死んでしまった!



勝利ボーナス:なし

特別ボーナス:ソピア位の大きさのストーンキューブ

魔人評価:C

魔人「元より勝てるとは思っておらん。よく持ちこたえた」

魔人「C評価じゃが特別にボーナスを用意したぞ」

ヒレア「すごく悪意を感じるのだけど……!?」

魔人「8つに割れば色が変わるように加工しておいた」

マリン「逃げ回って撃ち続けるのが正解だったかもしれないわー」

ヒレア「光の螺子は戦闘用じゃなさそうね……。天使と交渉しないとそんなに巻き戻せないと思う」

魔人「岩が岩になるより前に戻すのはわらわでも厳しいがの」

ヒレア「あと一戦だったかしら?」

マリン「これを勝たないとご褒美もらえないのねー」

ヒレア「えっと、たしか最後の相手に勝利したら魔人先生も仲間になってくれるって」

魔人「うむ、言ったぞ」

ヒレア「……勝てば天国、負ければ何も無しね」



魔人の城。

ソピア「……はっ!」

ソピア「ここは……お城? 戻って来たんだ」

ソピア「体力と精神力も回復してる」

ソピア「魔人先生ー、ごめんなさい、3回勝てませんでした……」

いつも使っている部屋、謁見の間に入る。

ソピア「あれ、誰もいない」

後ろを向いていた玉座がスライドし、ソピアを向く。

魔人は玉座に座って不敵な笑みを浮かべていた。

ソピア「何してるんですか?」

魔人「それはこちらの台詞よ。わらわに何用じゃ?」

ソピア「何用って……トレーニングが終わったのでそれを報告に」

魔人「ふむ、話が合わんな」

魔人「だが……クックック。お主から天使と悪魔の力を感じるぞ」

魔人「面白い。このわらわが直々に相手をしてやろう!」

ソピア「…………はい?」

魔人「……お主の頭の中を覗かせてもらった。お主、まだ5戦しか終えておらんじゃろう」

ソピア「ひい、ふう、みい……ああっ!?」

魔人「喜べ。最後の相手はこのわらわじゃ」

ソピア「あわわ……」

魔人「心配せずとも……全力の魔法ですぐに終わらせてやる」

魔人「さあ、かかって来るがよいぞ!」



ヒレア「ひどい!!」

マリン「ハナから勝たせる気なんて無かったのねー……」

魔人「クックック、アッハハハハハ!」

魔人。

魔術を極めて人間としての己を失った、数百年前のフルフィリアの姫君。

計算高く自己中心的ではあっても戦闘狂ではないのだが、ここは交渉の存在しないイメージトレーニングの世界。

白と黒の魔力を持つソピアを、全力を出せる相手と誤認し襲い掛かる。


※ヒント
 ソピアの使える魔法は大抵使える。そしてその対策も知っている。
 チャンスが来るまでとにかく死なないように。
 なお、死なずに観察できた魔法は覚えられる。


【魔人の魔法を選んで下さい】
攻撃(火) 強化(火) 攻撃(水) 状態異常(水)
攻撃(岩) 特殊(岩) 攻撃(風) 補助(風)
単体攻撃(日) 全体攻撃(日) 精神攻撃(月) 幻覚(月)

↓選択 高コンマほど生き延びやすい(ゾロ目で確実回避)(77・88・99・00で反撃チャンス)、選んだ魔法によっては高コンマでも死にます

ソピア「運命の矢!」ビュン

ソピア「流れ星(日)!」ドン

ソピア「強魅了魔法と恐怖魔法!」

ソピア「そして……ムーンブラスト!」

魔人「……それで終わりかの?」

ソピア「はあはあ……」

魔人「恐怖魔法はのう、こうやるんじゃ」

ソピアの足元から闇が溢れだす。

ソピア「きゃああ!」

魔人「――絶望」

ソピア「……」トプン

闇がソピアを丸呑みにする。



ソピア「ここは……」

民衆「ヒューヒュー!」

民衆「このクソ貴族共! 死ね! むごたらしく死ね!」

民衆「貴女たちのせいで私のお父さんが死んだのよお! 当然の報いよ!!」

民衆「へっへっへ。見ろよあの顔、マジ傑作。今夜のメシはうめぇな!」

ソピア(処刑場……)

女帝「ねえ、貴女」

ソピア「…………」

女帝「今から生まれてきたことを後悔させてあげるわ。ウフフッ……!」ヒュン パシン

ソピアは、拷問の末に処刑された。

ソピア「嫌な夢を見た……」

父「……」

ソピア「お父様、何をしているの?」

父「心中だよ、ソピア」

ソピア「えっ」サクッ

ソピアは父に刺殺された。


ソピア「あ、あああ、あああああ!!!!」

ソピアは生きたまま虫に喰われて息絶えた。

ソピアは無限に落下し続け空気との摩擦で発火し燃え尽きた。

ソピアは酸の海で焼かれながら溺れ死んだ。


ソピア(わ、私生きてるのに……)

ソピアは意識があるにも拘わらず土葬され、渇いて死んだ。

ソピアは石になってしまい石畳に加工され、ある日割れてようやく死んだ。

ソピアに別の人間が憑依し、事故で死ぬまでその生活をずっと見せられた。


ソピア「早く殺して」

ソピアは不死身になった後、ひたすらに毒を飲まされ続けた。

ソピアは目が見えず耳も聴こえず、さらに味も臭いも触覚も感じずに一生を送った。


ソピア「………………………………」

ソピアは何万年もの間、何もない空間で数を数え続けた。

ソピアは永遠にも思える時間を、地獄で刑罰を受けながら過ごした。

魔人「おかえり」

ソピア「……………………」

魔人「ふむ、心が壊れたか」

ソピア「………………あなたは」

魔人「む?」

ソピア「絶対に……許さない…………」

魔人「そうか」

魔人「ならば『絶望』を後1000回ほど使おうか」

魔人「1回あたりのわらわの待ち時間は10秒じゃからの。カッカッカ!」

ソピア「」



ヒレア「やりすぎよ!」

マリン「ソフィー、戻って来れるのかしらー」

ヒレア「……魔人先生、聞いてる!?」

魔人「まさかこうなるとは思わんかった」

魔人「誠に申し訳ない」

魔人「ごめんなさい」

魔人は、土下座した。



GAMEOVER:12 絶望



ゲームオーバー選択肢でしたので>>856から

魔人「『絶望』だけは使うのはやめておこう」

ソピア「何ですかそれ?」

魔人「お主が絶望する」

ソピア「すでに現状が絶望的なんですけど……」


【魔人の魔法を選んで下さい】
攻撃(火) 強化(火) 攻撃(水) 状態異常(水)
攻撃(岩) 特殊(岩) 攻撃(風) 補助(風)
単体攻撃(日) 全体攻撃(日) 幻覚(月)

※即死選択肢はありますがゲームオーバーはもうないです

↓選択 高コンマほど生き延びやすい(ゾロ目で確実回避)(77・88・99・00で反撃チャンス)、選んだ魔法によっては高コンマでも死にます

ソピア「流れ星(日)」

魔人「そんなものでわらわを倒そうというのか?」

ソピア「いえ、諦めてます」

魔人「そうか」

魔人「ならば、わらわがもっと綺麗な魔法を見せてやろう」

魔人「そして、感動しながら死ねい」

魔人「――プラネタリウム」


ソピア「えっ、ここは……宇宙!?」

遠くから星が飛んでくる。

ソピア「無重力で動きにくい……飛ばなきゃ」

六枚翼を生やして移動し、ソピアは燃え盛る星形弾を回避した。

しかし、さらに全方向からいくつもの星が飛来する。

ソピア「む、無理だよこんな避けられない」

ソピア(し、集中……!)

次々と飛んでくる星をギリギリで避けていく。

ソピア「まだ終わらないの!?」

星はいつまでも飛んでくる。終わりが見えない。

ソピア「もう限界!!!」

叫ぶとともに、ソピアは城へと戻ってきた。

魔人「よく避けたの」

魔人「わらわの精神力が続く限り……要するに無限に撃てたが、ここまで根性を見せられては持久戦も面白くない」

魔人「別の魔法で攻めるとしよう」スッ

ソピア「ま、待って……」ゼエゼエ

ソピア(今のは幻覚魔法かな……私にも真似できるかも)

ソピア(もちろんこんなに長くは使えないと思うけど……)


【魔人の魔法を選んで下さい】
攻撃(火) 強化(火) 攻撃(水) 状態異常(水)
攻撃(岩) 特殊(岩) 攻撃(風) 補助(風)
単体攻撃(日) 全体攻撃(日)

↓選択 高コンマほど生き延びやすい(ゾロ目で確実回避)(77・88・99・00で反撃チャンス)、選んだ魔法によっては高コンマでも死にます

補助(風)

魔人「――クロックアップ」ヒュン

ソピア「ま、待ってよ……ひいい!」サッ

ありえないスピードで蹴りを仕掛けてくる魔人を避ける。

プラネタリウムを避けるために翼を生やして動体視力を強化していなければ、そのまま蹴られていただろう。

魔人「イマノ ワラワハ 3バイソクジャ!!」

ソピア「何言ってるかわかんない!」

魔人「マホウモ 3バイソクデ ツカエルガ・・・」ヒュン

魔人「サスガニ ソレハ コクジャロウテ」ヒュヒュン

ソピア「こないでええええ」

死に物狂いで逃げ回り、数分。

魔人「ここまでにしておくか」ピタッ

ソピア「…………!!」

ソピアはへたり込むどころか、床に転がっていた。

ソピア「……もう…………うごけない……」

ソピア(今のは、たぶん風魔術で時間を操ってる)

ソピア(運命の天使に助けてもらえば再現できるかも……)


【魔人の魔法を選んで下さい】
攻撃(火) 強化(火) 攻撃(水) 状態異常(水)
攻撃(岩) 特殊(岩) 攻撃(風) 補助(風)
単体攻撃(日) 全体攻撃(日)

↓選択 高コンマほど生き延びやすい(ゾロ目で確実回避)(77・88・99・00で反撃チャンス)、選んだ魔法によっては高コンマでも死にます

魔人「そろそろ終わりじゃ。どうせなら眠るように死にたかろう?」

魔人「――凍土」

ソピア「っ!!」バッ

床一面が凍りつく寸前、ソピアは反射的に飛び上がった。

魔人「もう動けないのではなかったのか?」

パキパキパキ

ソピア(氷の柱が出てきた……近づいちゃいけない)バサバサ

魔人「予想以上じゃ……」

魔人「部屋全体を覆うこともできるが、勘弁しておこう。わらわも寒い」

凍った部屋が元に戻る。

ソピア「……はあ」ドサッ

魔人「立ち上がる元気は無いか」

ソピア(今の……なんだろう。普通の氷じゃなかった気がする)

ソピア(後で聞いてみよう)


【魔人の魔法を選んで下さい】
攻撃(火) 強化(火) 攻撃(水)
攻撃(岩) 特殊(岩) 攻撃(風)
単体攻撃(日) 全体攻撃(日)

↓選択 高コンマほど生き延びやすい(ゾロ目で確実回避)(77・88・99・00で反撃チャンス)、選んだ魔法によっては高コンマでも死にます

魔人「どれほど根気があろうとも、これはどうにもならんじゃろう」

魔人「――真空」

ソピア「……!!」パクパク

ソピア「」

魔人「お主の周りを真空にした。たとえ逃げてもついてくるぞ」

魔人「……もう聞こえておらんか」

魔人「久方ぶりの骨のある挑戦者じゃった」

魔人「異世界のわらわは、中々良い暇つぶしを寄越したものじゃな」

残念! ソピアは死んでしまった!



勝利ボーナス:なし

魔人評価:S

魔人「あれだけ持ちこたえれば十分じゃろう。正直驚いた」

ヒレア「すごいわソピアちゃん」

マリン「2勝4敗ねー」

ヒレア「結局、仲間には勝てないのね……」

魔人「強いから手を貸しておるのに、本人の方が強いと我々の必要性が感じられんからの。これでよかったのかも知れん」

ストーンキューブ『……此方だけ負けていたら本当に肩身が狭かった』

マリン「キャー! いきなり喋らないでー!」

ソピア「これで本当に終わり……だよね」

ヒレア「そうよ。お帰りソピアちゃん」ナデナデ

ソピア「お姉様ー!」ギュー

魔人「2勝4敗。残念ながら褒美は無しじゃ」

ソピア「あっ、魔人先生。さっきの氷の魔法は何なんですか?」

魔人「『凍土』か。あれは地面と氷柱の周囲の空間ごと凍らせる魔法じゃ」

ソピア「私にも使えますか?」

魔人「少し弱くなるがの」


スキル習得!

『プラネタリウム』…一定時間、宇宙空間の幻覚を見せる。幻覚の中は無重力で好きなだけ流れ星を流せる。属性変換でカラフルな星空に。
『クロックアップ』…数秒間だけ3倍速で動ける。
『凍土』…触れたものを凍らせる氷の柱を出現させる。


アイテム入手!

『オニキス』…2つ目。黒魔属性の宝石。加工すれば武器や装飾品になり、そのままでもプレゼントになる。
『ステンレス』…ずっと海水に浸けても錆びない金属。フルフィリアでは割と珍しい材料である。
『カラーキューブ』…8色のストーンキューブ。魔人製の模造品だがちゃんと各属性の精霊が入っている。ソピアと同じ大きさなので異空間に収納した。

魔人の城、外。

ソピア「んー!」

朝日を浴びて大きく伸びをする。

ソピア「なんだか世界が変わって見えるよ」

アン「身長が下がったからでは?」

ソピア「そっか……」

ソピア「みんなどんな反応するかな?」

ヒレア「驚かない人なんていないわ」

アン「いっそソフィアと名乗るのもやめてもいいかもですねぇ」

アン「髪と目の色まで変えたら、もう同じ人なんて分かるの探偵さんくらいですよぉ」

ヒレア「もし変えるなら言ってね。お揃いにするから」

ソピア「服もどうにかしないと……」

ヒレア「私のおさがり、嫌だった?」

ソピア「そんなわけじゃないけど、着替えが無いと困るもん」

ソピア(するべきことは多いし、会って話したい人はいっぱいいる)

ソピア「今日も忙しくなりそう!」

~各登場人物の状況~

○全部知ってる
ヒレア・アン

○ソピアが11歳なのを知らない
トール

○ソピアが王子と共に反乱を起こすことを知らない(エルミスは察してる)、11歳も知らない
エルミス・フィナ・フローラ・ハルカ・ラファ

○ソピアが貴族だと知らない、反乱・11歳も知らない
ミルズ・クルト・クリスティ・キュベレ・ロット他


●交友度マックス
エルミス・ヒレア・トール・アン

●イベント待ち
フィナ

●仲間・協力者
ハルカ・ラファ・ポロ・レン・サナ

★それ以外は交友度がまだ上がりきってません

★特定の人物に渡すと交友度が大きく上がるアイテム
おてんばワンピース・ウサギなエプロン・タフネス眼鏡


※備考
39日目昼、アンと共に王子と会う予定です
39日目夜、英雄ソフィアの正体が逃亡貴族だと全軍に通達されます

ソピア(ヒレアちゃんとアンとは一旦別れた)

ソピア(ええと、気がかりなのは……)

・情報共有
・トールの家庭事情
・フィナとの仲たがい
・キュベレの近況(軍にいるようだ)
・ロットの状況(王都南にいるらしい)
・ウベローゼンの薬物騒動(クルトたちが関わってる)
・グリエール商会の動向(フローラが関わってる)
・服の仕立て直し

ソピア(うん、全部は無理)

ソピア(でも一度に多くの人に会えるように動いた方がいいかもね……)

ソピア(それと今は朝6時だということも忘れちゃいけない)


39日目早朝 現在地:魔人の城
1.どこかへ行く
2.誰かと会う
3.自由安価

↓2

ソピア「あ、複合属性について聞くの忘れてた」

ソピア(引き返したら魔人先生に何か言われそう……)

ソピア(自分で試すにも路上じゃちょっと……)

ソピア「……」


1.魔人の城に引き返そう
2.魔法街へ行こう

今晩はここまで、できたら明日の夜から再開

今回のコンマ神は>>1的にも面白かった、普段は困らされることが多いので……

ソピア(城に戻るのだけはやめておこう)

ソピア(魔法局の部屋を使わせてもらうには私のことを説明しなきゃいけないし……)

ソピア「……異空間で試せないかな?」


学校の教室と同じくらいの広さの、直方体の空間。

隅っこに8つ合わせるとソピアと同じ大きさになるカラーキューブが置かれている。

ソピア「入口はちゃんと閉めて、と」

ソピア「ここ、息苦しくないんだよね。どうなってるんだろう、換気してるのかな」

ソピア「実験。魔法弾を作るようにして、2属性の精霊を小さく固めて落としてみる」


ソピア「火・水。上位職は瘴気薬師で、たしか毒と酸が含まれてたね」

両人差し指を合わせて火と水の精霊塊を作り出す。精霊塊は液体になり、床に落ちピチャリと跳ねた。

ソピア「わっ、火傷しちゃった……後で治さなきゃ」


ソピア「火・岩。上位職は竜脈術師だけど、まさかドラゴンの卵が出来たりしないよね……」

赤く光る高温の何かが落ちた。それは次第に冷えて固まり黒い石に変わる。

ソピア「溶岩かな?」


ソピア「火・風は電気。水・岩はためしてないけど絶対に氷。じゃあ水・風は……」

精霊を混ぜると白い固形物ができた。

ソピア「なんだろうこれ……。ぺろっ…………甘い」

ソピア「……お砂糖? なんで? 精霊術師はすべての属性を使えるけど、本当の水と風の複合魔術はお砂糖なの?」


ソピア「岩・風は召喚術師。精霊術師がお砂糖だったから何が来ても驚かないよ」

精霊を混ぜた瞬間、ぐにゃりと空間が曲がって見えた。そして歪みは落下せずにその場に残り、しばらくすると消えた。

ソピア「わけわかんない」

火・日。

ソピア「ひゃっ! ……熱いし眩しかった。小さく作ったのに爆発したよ」


火・月。

ソピア「目には見えないけどすごく重い音がした。やっぱり重力だね」


水・日。

ソピア「葉っぱの緑色を固めたような、よく分からないものができた。……草団子?」


水・月。

ソピア「海神と同じ属性を固めたらまた白いものができた。ぺろっ……しょっぱい! これ、お塩だよ!」


岩・日。

ソピア「水晶の欠片ができた。これに限らないけど精霊を混ぜて作ったものは気を抜くと消えちゃうみたい。お砂糖もお塩もね」


岩・月。

ソピア「ただの岩? すごく重いけど……金属かな」


風・日。

ソピア「うわぁ、何か気持ち悪い色でドロドロしたものができた。風と太陽の爽やかなイメージが無くなったよ……」


風・月。

ソピア「風の魔法弾と同じ。ただの風? 変わったガスなのかな? 分かんないや」

ソピア「実験の結果、固めたらこうなるって分かったよ」

火…そのまま火の玉
水…水滴
岩…石ころ
風…空気の塊
日…光る塊
月…光る塊

火・水…毒または酸
火・岩…溶岩
火・風…電気
水・岩…氷
水・風…お砂糖
岩・風…変なの

火・日 爆発
火・月 重くて見えない塊
水・日 草色の塊
水・月 お塩
岩・日 水晶
岩・月 重い石ころ
風・日 ドロドロした何か
風・月 空気の塊

ソピア「光線みたいにして撃ったらまた違うのかな」

ソピア「魔法局で詳しい人に話を聞いてみてもいいかも」

ソピア「火魔術は戦闘向きなのがよくわかった。爆発・電気・酸、どれも使いやすそう」

ソピア「風魔術はよくわからなくなった……」

ソピア「あ、実験してたら1時間も経ってる。7時ならみんな起きてるかな?」


39日目早朝 現在地:異空間
1.どこかへ行く
2.誰かと会う(同じ場所にいる人は同時指定可)
3.自由安価

↓2

魔法街、岩魔術カフェ。

ウベローゼン市の多くの岩魔術師の社交場である。

カランカラン

ソピア「クルトさんいますか?」

岩魔術師「ファンの子かな? 彼ならまだいないよ」

ソピア「そうですか……」

岩魔術師「ここで待つの? よかったら魔法街の美味しいジュース買ってあげるよ」

ソピア「遠慮します」

ソピア(運命の輪で2人の居場所……たぶん自宅は分かるけど)

ソピア(押しかけるのも変だよね。待った方がいいかな)


1.カフェの中で待つ
2.カフェの外で待つ
3.魔法街で別の事をして待つ
4.2人の居場所まで向かう

岩魔術師1「こんな子が来るなんて珍しいな」

岩魔術師2「私、錬金術でクッキー焼いたんだけどいらない?」

ソピア「……」フルフル

ソピア(お腹は空いてるけど……)



ミルズ「兄様、それ何持ってるの」

クルト「……以前錬金術に挑戦した時に作成した催涙スプレーだ」

クルト「俺にイメチェンを勧めてくれたソフィアへのプレゼントにしようと思ってな」

ミルズ「女の子へのプレゼントにはふさわしくないと思うけど」

クルト「そういう意図は無い……!」

ミルズ「分かってるよ。ソフィアに気があるとしたらボクが黙ってるわけないじゃん」

クルト「それはどちらへの嫉妬だ……」

ミルズ「両方だよ」

クルト「……コホン。ソフィアは危険に陥りやすい。このようなアイテムを持っておいて損は無いだろう」

ミルズ「なんでスクーニミーで渡さなかったの」

クルト「……タイミングを逃したのだ。疲れているようだったし、無理に時間を取るのも忍びなかった」

クルト「スクーニミーでは俺がどれだけ変われたのかを見せきれなかった……」

クルト「できることなら今日、ソフィアに俺の変化を見せ、そして感謝の言葉と共にプレゼントを渡したいんだ」

ミルズ「……なおさらプレゼント変えた方がいいんじゃない」

ミルズ「でも、ボクも何か贈り物をすべきかもね。ソフィアには何も恩を返せてないから」

クルト「ミルズの件でも俺は借りがあるのだったな……俺がまとめて返しておくのでは駄目か?」

ミルズ「駄目だし、催涙スプレーとかさらに駄目だから」

ミルズ「ソフィアはボクにとって初めての同年代の友達なんだ」

ミルズ「兄様に任せるなんて絶対にできないよ」

カランカラン

岩魔術師1「おはよう、クルト。ファンの子が来てるよ」

ソピア(11歳)「ファンじゃないんですけど、あ、おはようございます」

クルト「…………」

ミルズ「…………」

ソピア「? ……あっ、私です。ソフィアです」

クルト「…………」

ミルズ「…………」

クルト「……くうっ!! お前は常に俺の想像を超えてくるっ!!」

ミルズ「嘘……同年代じゃ……無くなってた」

クルト「これが、イメチェンか……。年齢を変えるとは思いつかなかったぞ」

ソピア「あはは……わざとじゃないんですけどね」

ミルズ「……何かされたの?」

ソピア「変な神様に呪われて……」

ミルズ「それで小さくされたんだ」

ソピア「ううん。77歳のおばあちゃんにされてしまって……」

ミルズ「まだ続くんだ……!?」

ソピア「せっかくだから見た目だけでも11歳に戻したんだけど」

ミルズ「なんで」

クルト「待て、ミルズ……とりあえず最後まで聞かせてもらおう」

ソピア「そしたら私、11歳の方がしっくりきちゃったからこのままなの。16歳にはなるには5年早いよ」

ソピア「あ、72歳まで若返ったから後5年以上は生きてられるよ」

クルト「すると……お前は結局11歳で、72歳になる呪いをかけられた状態でいいのか?」

ソピア「逆です。私の体は72歳だけど11歳になる呪いがかかってます。だから間違っても解呪はかけないでくださいね」

クルト「すまん……思考力には自信があるんだが、頭がおかしくなりそうだ……」

ソピア「落ち着いてください……」

ミルズ「そう、元の16歳のソフィアはどこにも残ってないんだ……」

ソピア「ここにいるよ! 歳は変わっても私は私だもん!」

ソピア「まあ、すぐには受け入れられませんよね……」

クルト「……すまない」

ソピア「ところで話は変わりますけど」

ミルズ「いや、待って。それどころじゃないから」

ソピア「えー、私、用事があって待ってたんだよ」


会話内容安価

例1.場所を移して貴族であることを明かす
例2.ウベローゼン市の薬物騒動について
例3.2人が魔人先生に会った事について
例4.共和国の大統領選について
例5.ミルズお姉ちゃんと呼んだ方がいいのかな?
例6.複合属性について
例7.プレゼントを渡す(アイテムは後から指定可能)
※自由安価

↓3くらいまで、例は複数選択可

ソピア「ミルズ……って呼び捨てにするのもなんだか変だね」

ミルズ「ボクは構わないけど」

ソピア「これからはミルズお姉ちゃんと呼んだ方がいいのかな?」

ミルズ「お、お姉ちゃん……?」

ソピア「だめ? お姉ちゃん♪」

ミルズ「…………」

ソピア(ドン引きされたかな……。ミルズは感情が顔に出にくいから分かりづらい……)

ミルズ「ソフィア。ちょっと来て」

ソピア「? いいよ」


ソピア「うっ、ぐすっ……」

クルト「どうしたソフィア、何をされた!?」

ソピア「抱きしめられて、ほっぺにチューされた……」

クルト「何だと……あのミルズが……!?」

ソピア「しかもちょっと脱がされた……」

クルト「何!? ミルズ、お前はなんてことを!」

ミルズ「我慢できなかったから」

クルト「真顔で言う事ではないぞ! もし俺だったら犯罪だ!」

ミルズ「だろうね。でもボクなら犯罪にならないでしょ」

クルト「ギリギリで……アウトだ!」

ミルズ「ウエストを計るのがアウトなの?」

クルト「……ウエストだと?」

ミルズ「サイズの合う服が無くなったって聞いたから。ボクのお古でよかったらあげようと思って」

ミルズ「今はヒレアの服を借りてるんだけど、ほら、腰に大きなリボンついてて計れないでしょ」

クルト「だから脱いだのか……」

クルト「……人騒がせな」

ソピア「てへっ」

クルト「しかし……抱きしめてキスをしたのは本当なのだな」

ミルズ「うん。何か問題ある?」

クルト「当のソフィアが嫌がっている」

ソピア「もう許したけど、びっくりしたよ。まさかミルズお姉ちゃんにこんなことされるなんて……」

ミルズ「お姉ちゃん呼びが嬉しくてね。妹ができたみたいで」

ソピア「義姉はヒレアお姉様で間に合ってるよ……」

ミルズ「へえ、ヒレアが……。……」

クルト(い、今一瞬恐ろしい顔をしたのは気のせいだろうか……?)

クルト「ミルズの妹ということは俺の妹ということにもなるな」

ミルズ「ならないよ」

クルト「何故だ……」

ソピア「でも年齢的に、クルトさんもこれからはクルトお兄ちゃんと」

ミルズ「それは駄目」

ソピア「えぇ……」

ミルズ「兄様はボクだけのものだし、ソフィアもボクだけのものだから」

ソピア(あれ……意外と危ない人?)


クルト「そうだ、ソフィア。お前にプレゼントがある」

ソピア「わあ、ありがとうございます。」

クルト「お前に勧められたイメチェンの一環として錬金術にも手を出してな。その時に作った」

クルト「俺には必要ないから受け取ってくれ。礼はあらためてするつもりだ」

※催涙スプレーを手に入れた

ソピア「催涙スプレー?」

クルト「そう小さくなると不審者に襲われることもあるかもしれん。魔法が効かない相手に使うといい」

ソピア「助かります」

ミルズ「今それを渡したことに悪意を感じるんだけど」

ソピア「真面目な話をしましょう」

クルト「……本題だな」

ソピア「ウベローゼンが薬物の町になってると聞きましたけど、詳しく聞かせてもらっていいですか?」

クルト「ああ。あれは俺がイメチェンを終えて自信がついた直後の事だった……」


※6スレ目の394~427参照


ソピア「裏路地の組織が違法ハーブを売ってて、軍と聖教会と病院が協力してる……」

クルト「……声が大きいぞ。ここにも売人がいるかもしれない」

ミルズ「魔法街への浸透は進んでないって言ってたけどね」

ソピア「他の町で似たようなことは……」

クルト「無いと考えている。少なくとも王都の聖教会と学園都市の病院はシロだ」

ミルズ「新聞でも、違法ハーブが流行ってるという記事があったのはウベローゼンだけだよ」

ソピア「何が目的なんでしょう……」

クルト「昨日、リウム、サナ、ラファ、レンを集めて話し合った」

クルト「裏路地の連中の目的はただの金儲けとみていい」

クルト「力関係を考えると、聖教会と病院は軍の指示で従っているのだろう」

ミルズ「そして軍の目的だけど……ここが貴族の町って事が重要だと思う」

ソピア「まさか……!」

ミルズ「昨日の話し合いで予想できた目的は2つ」


ミルズ「1つは、貴族に悪印象を持っていない住民たちの思考力を奪い、共和国に反感を持たないようにする」

ミルズ「そうしてこの町を共和国軍基地の町に変えるのが目的」

クルト「……この町には共和国軍元帥と陸軍大将の自宅がある。可能性は高いだろう」


ミルズ「もう1つが……貴族のいなくなったウベローゼンは経済的に衰退した。だから用済み」

ミルズ「どうせいらない町だから軍の支配力を増すための実験に使おう……ってこと」

クルト「革命軍――今の共和国軍が、軍国を目指していることはもはや周知の事実だ」

クルト「薬物で国民の大半の思考力を奪い、愚民化することで容易に支配することができる……」


ソピア「または、その両方ですね」

クルト「共和制と軍国化には賛成だが……俺たちの町を、いや、俺たち国民を舐めた工作は許しがたい」

クルト「国民を守るのが軍の役目だ。富と権力のために国民を薬物中毒にする軍に価値は無い」

ミルズ「まだ決まったわけじゃないけどさ」

ソピア「……具体的に、どうするつもりなんですか?」

クルト「軍のことなど知らない風を装い裏路地の拠点を叩く」

クルト「同時にラファとサナの力を借りて聖教会と病院の悪事を公にする」

クルト「これで販売はできなくなるだろう……」

ソピア「もし、軍の助っ人がいたら……?」

ミルズ「明日、大統領選の最中なら忙しいから人員を裂く余裕はないでしょ」

ミルズ「……もしいたらどうするかが悩みどころだけど」

クルト「先に言っておくがお前の協力は必要ない。これは俺たちの信念に関わる問題……故に俺たちは危険を冒すのだ」

ソピア「……」


1.私も共和国軍は悪者だと思います
2.成功を祈っています
3.命を第一に考えてください
4.やめた方がいいです
5.自由安価

ソピア「どんな状況になっても私はあなた達の味方です」

クルト「……嬉しいことを言ってくれるじゃないか」

ミルズ「抱きしめていいかな」

ソピア「だめです」

ソピア「……私は手伝えませんけど、2人が何を敵に回しても、私は2人を信じます」

クルト「……そうか」

ミルズ「ありがとう。その言葉だけで勇気をもらったよ」

ソピア(こんな時だけど……読心を使ってみようかな?)

1.使う
2.使わない

※過去視ではないですがいつでも数レス前の台詞を読心できます、安価じゃなくても有効


(読心!)

ソピア「どんな状況になっても私はあなた達の味方です」

クルト「……嬉しいことを言ってくれるじゃないか」(予想外の返答だ……)

ミルズ「抱きしめていいかな」(抱きしめたい)

ソピア「だめです」

ソピア「……私は手伝えませんけど、2人が何を敵に回しても、私は2人を信じます」

クルト「……そうか」(信じる、か……。嘘つきの俺には勿体ない言葉だな)

ミルズ「ありがとう。その言葉だけで勇気をもらったよ」(ボクもソフィアの味方でいたい)

(読心終了!)


ソピア(クルトさん……?)

ソピア「聞いたんですけど……2人は魔人先生に会ったんですか?」

クルト「ああ。助けていただいたが……少し苦手な人だ」

ミルズ「面倒見は良さそうだけど」

ソピア「な、なにかされませんでした? 」

ミルズ「上位職の回復魔法をいくつか教わったよ」

クルト「俺には前衛で仲間を守る役目がある。魔法は教わらず少しドーピングを受けた……それだけだ」

ミルズ「全ての魔術を使うこともできると言ってたけど、それは断ったよ」

クルト「……今の段階で魔法局を敵に回すのは厳しいからな」

ミルズ「彼女がソフィアの強さの秘訣だったんだね」

ソピア「はい、実は……。ずるいですよね」

クルト「いや。魔人に接触できたのはお前の行動力が理由だろう」

クルト「魔人の助力があるとはいえ異常な強さを得たわけではなかった。さらに言えば魔術師の強さを決めるのはセンスと判断力だ……」

クルト「気に病む必要はないぞ」

ミルズ「……まさか、77歳になったのも魔人の仕業?」

ソピア「ううん。魔人先生のおかげで若返れたの」

ミルズ「やっぱり優しい人なんだ」

ソピア「優しい……? それはちょっと……」


ソピア(プレゼントを渡そう)


【所持アイテム】
野営セット・銀の短剣・ナイフ・金槌・ハサミ・ドライバー・ライター・花柄の傘・平和のロザリオ
ポーション×2・回復の杖・自動迷彩マント・海子の杖
薄汚れた赤ずきん・エセ探偵セット・女中の服・緋袴・海子の服・強化繊維インナー(防小)・シューズ・桃色のリボン・リボンカチューシャ・アザラシ革の手袋
オニキス×2・琥珀の欠片・火魔術結晶・キングウォッチ・クロノクロウの羽・チャンピオンツタベルト・光るビン・ステンレス・8色カラーキューブ
おてんばワンピース・ウサギなエプロン・タフネス眼鏡・ネコのぬいぐるみ

【渡せる相手】
クルト、ミルズ

↓1、2 渡す相手とアイテム名をセットで(渡さない、もあり)

ソピア「はい。クルトさんにお返しです」

クルト「ん? いや、俺は……」

ソピア「元々クルトさんにプレゼントしようと思ってたんですよ」

クルト「……そうか、ならばありがたく受け取っておこう」

クルト「これは……タフネス眼鏡!!」

ソピア「度は合ってますか?」

クルト「……おお、よく見える」

クルト「これはいい。俺自身は硬化できても眼鏡は守れないからな……」

クルト「実によい物をもらった。礼を言う」

クルト「ふっ……また借りが増えてしまったな」


ソピア「お姉ちゃんにもプレゼントだよ」

ミルズ「いいの?」

ソピア「はい、どうぞ」

ミルズ「へえ、綺麗な色合いのリボン。どこで買ったの?」

ソピア「ラヌーン国。今はもう手に入らないね……」

ミルズ「レアものなんだ、嬉しい。あれ。これって……」

ソピア「私とお揃いだよ♪」

ミルズ「早速つけないと!」

ソピア「リボンは逃げないよ……」

ミルズ「ボクは髪を結ばないから、アクセサリに使おうかな」

ミルズ「ありがとう。大切にするよ」


↓1コンマ+250 クルトの交友度が上がります
↓2コンマ+150 ミルズの交友度が上がります

ミルズ「ソフィアもボクのモノ」(??:8.67→10.56)
クルト「俺の味方か……」(??:7.53→10.18)



ミルズ「ヒレアの服は町中じゃ浮くよ。早く着替えた方がいいと思う」

ソピア「そうかも……」

ミルズ「今、時間ある? 家に来なよ」

ソピア「いいの? それならお邪魔するね」


ミルズとクルトの自宅は中々立派なものだった。

ウィンベル邸やブラッドレイ邸には及ばないが、庭付きの2階建てで十分に大きく、手入れも行き届いているようだ。

ソピア「へえ……」

ミルズ「父が商人だからね。今は細々とやってるけど」

ソピア「クルトさんたちは2人兄妹ですよね? お父さんのお仕事は継がないんですか?」

クルト「……継ぐ必要もないほどの小さな事業だ」


ミルズの部屋。

ミルズ「あったあった。この段がボクの昔の服」

ソピア「わあ、いっぱいある」

ソピア(あれ……昔の私より多くない? 商家ってすごい)

ミルズ「ソフィア、11歳にしても細いから、この辺りがいいかな」

ソピア「細い? ありがとう」

ミルズ「うん細いよ。棒みたい」

ソピア「棒……」

ミルズ「ボクはちょっとやることがあるから、着替えてていいよ」

ミルズ「どれでも好きなの持って行って。どうせもう着れないからさ」

ソピア(一着でいいかな……)


1.生成りのワンピースとベスト(モブ村娘っぽい)
2.ブラウスとプリーツスカート(小学生っぽい)
3.ポロシャツとデニム(ボーイッシュ)
4.自由安価(大抵何でもある)

ソピア(前に依頼で行った小学校で見たような服がある)

ソピア(……普通の小学生に溶け込もう!)

丸襟のブラウスの上にスカートに付いているサスペンダーをかける。

胸元にリボンを付けて、グレーの帽子をかぶると……

ソピア「わあ……びっくりするほど幼くなった」

ソピア「でもいいかも。私小学校行かなかったから……えへへ」クルッ


リビング。

ソピア「クルトさーん」

クルト「着替えたか……ブッ!」

ソピア「笑うことないじゃん……」

クルト「いや、似合っている……似合ってるから、その、な……」

ソピア「むー」


クルト「…………」

ソピア「どうしたんですか? 笑いが収まった途端にそんな仏頂面で」

クルト「……ミルズが」

ソピア「はい?」

クルト「ミルズが……料理をしている」

ソピア「…………」

ソピア(ミルズお姉ちゃんの料理は、聞くところによると薬品のようなものらしい)


1.覚悟を決めよう
2.手伝おう
3.賽子魔法
4.奇跡魔法で美味しくする(ただし後で相応の不幸)

ソピア「ここは私の新技で切り抜けましょう!」

クルト「……新技だと?」

ソピア「その名も、賽子魔法。どんな願い事も出目次第で叶います」

クルト「出目が悪いとどうなるんだ」

ソピア「反対のことが起こります。良くも悪くもないと変なことが起こります」

クルト「変な事とはどういうことだ?」

ソピア「77歳から16歳に戻そうと思って振ったら」

ソピア「精神まで11歳になっちゃいました☆」

クルト「その魔法はやめるんだ!!」

ソピア「もう遅いもんねー。えーい!」


↓ 願い事をどうぞ(12…逆が起きる 90…願いが叶う それ以外…変なことが起きる)

ソピア「私たちの不味いものに対する耐久力を上げてー!」ブン

クルト「飯を美味くするのではないのか!?」

[9]

ソピア「やったー、大成功!」

ミルズ「何騒いでるの」

クルト「あ、ああ、すまない」

ミルズ「2人に食べてもらおうと思って作ってみた」スッ

ソピア(こ、これは……!)

クルト(分かってくれたか……)

ソピア「ねえ……お姉ちゃん? 食材はどこにあるの?」

ミルズ「溶けてるけど味は残ってるでしょ。スープだから」

ソピア(スープという名のポーションだ……!!)

ソピア「……」ゴクゴク

ソピア(あ、飲める)

クルト「ふむ、中々いけるじゃないか」

クルト(助かった……! 決して美味しくは無いが不味くもない!)


ソピア「手を合わせて、ごちそうさま!」

クルト「たまにはミルズの手料理もいいな……たまには」

ミルズ「こんなに喜んでくれるとボクも作ったかいがあったよ」

ミルズ「片付けてくるね」

クルト「……これ、効果はどうなっている?」

ソピア「永続です。でも、お皿は食べれませんでしたし、おつまみのチーズは普通に美味しく感じましたね」

クルト「不味い食べ物だけに効果を発揮しているわけか」

ソピア「私の願い事がよかったからです。えへん」

クルト「ああ、これでミルズの料理から解放されるのか……」

クルト「しかし、もし悪い出目や中途半端な出目なら何が起きていたんだろうな……」


※美味しい物が不味くなる、アンブラーじゃなくなる、辛さを感じなくなる などでした

ソピア「お邪魔しましたー」

クルト「ではまたな。今日も世話になった」

ミルズ「ここに住んでもいいんだよ」


ソピア「今は、10時くらい?」

ソピア「12時前にはアンと合流しなきゃね」


39日目午前 現在地:クルト自宅
1.どこかへ行く
2.誰かと会う(同時指定した人物は同じ場所にいることが多い)
3.自由安価

↓2

2.ボーイフレンドのトールくんを驚かせに行こう

>>939

変な奴湧いたし次スレ立てておくことを勧める

>>945 立てました、疲れた

次スレです→元お嬢様「安価とコンマで最終決戦?」元メイド「8ですぅ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457282120/)


>>941(>>939)採用でここまで、次回は火曜日の夜です

トール「永遠の愛をあなたに」(恋人:10.04→14.99)



(読心!)

トール「これは永遠の薔薇といいます」(ドキドキ……)

トール「時間が止められているので、決して枯れませんし千切れません」(噛まなくてよかった)

トール「薔薇の花言葉はご存知ですよね?」(しまった、赤い薔薇と言うべきでした)

ソピア「うん」

ソピア「永遠の愛の象徴なんだね。素敵」

トール「……喜んでいただけましたか?」(ちょっとキザ過ぎたかもしれません……)

ソピア「とっても! 大事にするね」

ソピア「バッグに入れていてもいいの?」

トール「はい、乱暴に扱っても平気ですよ。時間が止まっている限りは」(持ち運ぶ派なんですね……装身具の方がよかったでしょうか……)

(読心終了!)


※特に指定が無い場合、直前のレスを読心します


ソピア(トールくん、かっこつけてたけど内心すっごく慌ててる)

ソピア(それだけ私の事を考えてくれたってことだよね。うれしい)

誤爆…!

ミハイ「では、具体的な反乱の内容について話すとしよう」

ミハイ「囚われの貴族を助け出し、共和国軍を降伏させれば僕らの勝ちだ」

イデア「しかし牢獄の数は多いです。助け出すことができるのでしょうか?」

ソピア「あ、麓町の監獄に全員いるらしいですよ」

イデア「それは本当ですか!?」

ソピア「英雄として軍の空中戦艦に招かれた時に、はっきりと聞きました」

ソピア「でも、麓町に戦力を集めるらしいので、助け出すのは大変だと思います」

ミハイ「他には何か言っていなかったかい?」

ソピア「他の牢獄にもある程度兵を置いて、逃亡できないように空中戦艦、港町の軍艦、国境も守ってて」

ソピア「扇動できないようにテレビ局も守ると言ってました」

ミハイ「困ったね……完全に行動が読まれている」

ウィア「反乱、もう無理くね?」

ミハイ「いや、場所が分かっていて、それが一か所であることは僥倖だ」

ミハイ「何が何でも突破する他ないだろう」

イデア「同感です」

レオナール「他国の協力を得ることはできぬのか?」

ミハイ「既に手は打たれているんだ。承認式で多くの国が共和国政府を認めてしまった」

ミハイ「今や僕らの依頼に応じてくれるのは革命が広がる恐れのある隣国くらいだろう」

ソピア「でもそれ、魔導帝国ノーディスとジャルバ王国ですよね? 今ラヌーンで戦争してますけど……」

ミハイ「その通り。僕らは侵略のきっかけとして利用されて最後は捨てられるだろう」

また誤爆…次回は本編進める前に番外編投下して埋めます

保守。書き進めてますが、あまり面白くならない……

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