岡部「...妄想を現実に?」拓巳「ギガロマニアックス、だよ」 (114)

拓巳「ふひひ、セイラたんの目覚ましボイスで今日もスッキリだよ」

拓巳「...ふあぁ...だけど暑いな...」

拓巳「...あ、そうだ」

拓巳「...今日は梨深達とご飯食べに行くんだっけ...」

拓巳「...行きたくないなぁ...あんなリア充達に囲まれてご飯なんて...」

拓巳「...」

拓巳「...ふ、ふひひ...嘘...割と楽しみ...」

ガタァン!

拓巳「ひっ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449504240

拓巳「...な、何?」

拓巳「...」

拓巳「...え?」

岡部「...」

岡部「...うぅ...」

拓巳「ちょ...!だ、誰...」

岡部「...ぅぅぅうわぁぁぁぁあ!!!!」

拓巳「ひ、ひいぃ...!」

拓巳「かかか、完全にキャパ超えた...!意味不明...!」ピピピ

プルルルルル

ガチャッ

「なんだ、そんなに夕飯が待ちきれないのか」

拓巳「せ、セナ...!って違うよ!」

拓巳「し、知らない人が...倒れてる...」

「...お前まだギガロマニアックスの力があるのか?」

拓巳「も、妄想じゃない...!」

「...」

「とにかくそいつを部屋に入れろ」

拓巳「え、ちょ...」

「いいから早くしろ」

拓巳「は、はぁ」

岡部「...うぅ...」

拓巳「な、なんで僕が...!」ズルズル

岡部「はっ!!!」

拓巳「...ひぃっ!!」

岡部「ここは...!」

拓巳「ぼ、僕の部屋だよ...」

岡部「...誰だお前は」

拓巳「か、介抱してあげた恩人に対してその言い方は、ぶ、無礼だ...!」

岡部「...介抱...?」

拓巳「き、君はた、倒れてたんだよ」

岡部「...俺が倒れてた?」

岡部「何故だ?」

拓巳「し、知るもんか」

岡部「...」

拓巳「ね、ねぇ...意識が戻ったなら出ていって...」

岡部「...俺は、岡部」

拓巳「は、はぁ?」

岡部「...そうだ、俺は、岡部倫太郎...」

拓巳「...」

拓巳(や、やばい...カオスな人ktkr)

岡部「...俺は...誰だ?」

拓巳「は...?」

岡部「...岡部倫太郎...名前だけは...思い出せる...」

岡部「だが...その他のことは...一切思い出せん...」

拓巳「...」

岡部「おい!」

拓巳「は、はい!」

岡部「...ここはどこなんだ?」

拓巳「...し、渋谷だよ」

拓巳「渋谷の雑居ビルの屋上...」

岡部「...」

岡部「...ダメだ...何も分からん」

拓巳「...えぇ...」

岡部「...しかし、大切なことを忘れている気がする...」

拓巳「...ね、ねぇ」

岡部「...む、そういえば礼がまだだったな」

岡部「感謝する...えーと」

拓巳「西條拓巳...」

岡部「そうか、西條、ありがとう」

拓巳「...」

岡部「...さて、これから...どうするか...」

拓巳(ちょ!考え込まないで早く出ていって欲しいんだが!)

拓巳「あ、あの...」

ガチャッ

「生存かくにーん」

「...って、誰?」

拓巳「の、ノックはしろっていつも言ってるだろ...七海」

七海「あはは、ごめーん」

七海「...おにぃの友達?」

拓巳「えっ、と...それは...」

七海「なわけないか、おにぃに友達なんか出来るわけないよね、ごめんごめん」

拓巳「...」

岡部「...えーと」

七海「あ、私は西條七海だよ、そこの人の妹」

岡部「そうか、セブンスガーデンだな、よろしく」

七海「...はい?」

七海「...ちょっとおにぃ...何なのこの人?」ヒソヒソ

拓巳「ぼ、僕が知るもんか...!ついさっきまで寝てたんだし...!」

岡部「...なぁ、西條」

拓巳「は、はい!」

岡部「...ちょっと街に出てみたい、付き合ってくれないか」

拓巳「な、なんで僕が...!」

七海「まぁまぁいいじゃん、見た感じ怪しいけど、悪い人じゃなさそうだし」

拓巳「な、七海まで...」

岡部「すまん、頼む」

拓巳「...はぁ...」

岡部「...ここが渋谷か」

拓巳「ね、ねぇ...本当に何も思い出せないの?」

岡部「...あぁ、名前と知識だけは思い出せるがな」

岡部「...自分の過去が全く思い出せない、魔法にかけられたようだ」

拓巳(...いやいや、おかしいだろ)

拓巳(...常人なら普通発狂するレベル...やっぱりこの人...)

岡部「...む?」

岡部「...渋谷ではああいうのが流行ってるのか?」

拓巳「...え?...げっ!あれは...!」

七海「...あ!セナさんと梢さんだー!」

拓巳「さ、最悪だ...!」

セナ「聞こえたぞ、西條」

セナ「何がげっ!だ」

拓巳「あ、あはは...」

セナ「...こいつか?倒れていたヤツというのは...」

拓巳「そ、そう...」

岡部「なるほど、ここではこういうコスプレが流行っているのか」

拓巳(...いや、確かにセナは大人っぽいけど、私服をコスプレ呼ばわりは酷いよ...)

セナ「...」

セナ「どけ、西條」ブンッ

拓巳「は、はぁ!?」

岡部「ぬおっ!?」

セナ「...」

岡部「...な、何だ...?何をする!」

セナ「なるほど、お前見えているな」

拓巳「!」

岡部「み、見えている...?何がだ?」

セナ「とぼけるな、この剣が見えているだろ」

岡部「...?」

セナ「つくづくお前はギガロマニアックスに縁があるな、西條」

セナ「何が目的だ?何が目的でここに来て、西條に会いに来た?」ジャキッ

岡部「だ、だから...!」

拓巳「ま、待って、セナ」

セナ「...ん?」

拓巳「こ、この人記憶喪失...らしいんだ...」

セナ「...」

セナ「はぁ?」

岡部「いかにも、俺の名前は岡部倫太郎、思い出せるのはそれだけだ」

セナ「嘘をつくな、梢」

梢「んー、この人の言ってることは本当なのら」

セナ「...」

セナ「...ふん、お前が怪しいヤツにあったと聞いて飛んできてみれば」

セナ「お前は物事の渦中に居なければ気が済まないようだな」サァァ...

岡部「...き、消えた...!?」

セナ「...とりあえず、話の出来るところに行くぞ、ここでは誰が聴いてるかわからん」

岡部「...お、おい!待て...!」

拓巳(...この人が...ギガロマニアックス...?)



セナ「ブラックコーヒーを1つ」

梢「嘘なのら、セナしゃんはチョコパフェが食べたいのら」

セナ「か、勝手に読むなと言っただろ!」

梢「うー、聞こえてしまうものは仕方ないのら」

セナ「...こ、こほん」

セナ「...よし、岡部倫太郎」

岡部「な、何だ...?」

セナ「...単刀直入に聞く、お前はギガロマニアックスか?」

岡部「だからそもそも俺はそのギガなんちゃらなど知らん」

岡部「...それどころか...」

セナ「...」

セナ「本当に何も思い出せないのか?住所も、職業も?」

岡部「...あぁ」

セナ「...」

岡部「ただ」

セナ「...」

岡部「...俺は何かから逃げてきた、という事は、分かる」

セナ「何を言ってるかさっぱりだな」

岡部「だろうな、俺もだ」

ブォン

岡部「ま、また出たな...」

セナ「これは「ディソード」だ」

岡部「...ふむ、神話に出てくるあれか?」

セナ「...名称は同じだが、性質は全く違う」

セナ「...これは、私達、妄想を現実にする力を持つものだけが持つ、パイプだ」

岡部「...妄想を現実に?」

拓巳「ギガロマニアックス、だよ」

岡部「さっきも言っていたな、ギガロマニアックスとは何だ?」

セナ「それも先程述べたぞ、妄想を現実にする力を持つ者だ、とな」

岡部「そんな事が...」

「ブラックコーヒーになります」

セナ「...お前はこのブラックコーヒーは何に見える?」

岡部「いや、ブラックコーヒーだろう」

セナ「そうか?それはお前がそう思い込んでいるだけで私達にはただの水に見えているかもしれないだろう?」

岡部「...?」

岡部「...な、何を言っている?これはブラックコーヒーだろ?」

セナ「だから、それは誰が、どうやって決めているのか、という話だ」

セナ「お前がこのコーヒーを飲むとする、しかしこのコーヒーがもし無色透明で、しかも無味無臭だったなら...」

セナ「これは、お前にとって「コーヒー」ではなく、水だ」

岡部「何を言っているが分からんが...これは...!...!?」

岡部「...み、ず...?」

セナ「そうだ、たった今私はこのコーヒーを水に変えた」

セナ「私の妄想をお前のデッドスポットに送り込んでな」

岡部「ば、馬鹿な...!」ゴクッ

岡部「...こ、こんな事が...!」

セナ「現実は、周囲に観測された結果でしかない」

セナ「誰もがそう観測してるから、当たり前のように現実になっている」

セナ「さらにいえば、誰もが観測していれば、例え存在してなくとも、存在する」

セナ「この世界は、周囲共通認識で成り立っているんだ」

岡部「...」

セナ「まだ、分からないことがあるか?」

岡部「...い、いや...急すぎて...混乱してる...」

セナ「そうか」

岡部「...しかし、そんな事が出来るなら...神にも等しいじゃないか...」

セナ「そうでもないよ」

セナ「ギガロマニアックスにだって、ある程度の制約は存在するし、そもそも途方もない妄想は出来ない、妄想しきれないと言った方が正しいか」

セナ「そして、ギガロマニアックスは時折副作用を起こす...個人差はあるがな」チラッ

梢「...?」

岡部「...そうか」

セナ「別に今すぐに理解しなくてもいい、それより聞きたいのは」

セナ「お前は、ギガロマニアックスか?どこかでこのディソードを見たことがあるか?」

岡部「...」

セナ「...ディソードが無いと妄想を現実にする事は出来ない、例外でもない限りな」

拓巳「...」

セナ「どうだ?」

岡部「...い、いや...な、無い」

セナ「...そうか」

セナ「しかしお前がこのディソードを見ているということは、お前も近いうちにギガロマニアックスになる可能性があるという事だ」

岡部「...お、俺が...?」

セナ「...ギガロマニアックスは、使うものが使えば、世界を混沌に落とすことも出来る」

セナ「...まさかとは思うが、お前がそんな奴なら...」

岡部「い、いや!し、しない...!」

セナ「...ふふ、だろうな」

セナ「...何となくだが、お前は信用できる」

セナ「西條!」

拓巳「はえっ!?!?」

セナ「この...岡部は住むところに困っているらしい」

拓巳「そ、そう...」

セナ「だから...な?」

拓巳「い、嫌だよ!」

セナ「ほう?まさかとは思うがお前は私たち女の子の家に男を住まわせろというのか?」

拓巳「な、なんで僕が...!」

セナ「...な...?」

拓巳「...ひ、ひぃ...!」

拓巳「わ、分かったよ...!」

セナ「だそうだ」

岡部「...い、いいのか?」

ベース

拓巳「...」カタカタカタ

岡部「...」ポケー

拓巳「...」

拓巳(き、気まずすぎワロタ!あり得んだろ!何か言えよ!)

岡部「...あ」

拓巳「ご、ごめん!」

岡部「...?」

拓巳「あ、いや...」

岡部「やっと思い出したんだが、お前、西條拓巳か?」

拓巳「...?」

岡部「...渋谷の英雄、ニュージェネ事件の...」

拓巳「...あ、う、うん...」

岡部「...そうか...」

岡部「...お前はすごいヤツだったんだな」

拓巳「い、いや...僕なんて...」

岡部「...そう言えば大学とかにはいっているのか?それとも就職か?」

拓巳「...!」グサッ!

岡部「...まぁ、そうか」

拓巳「...な、納得されるのはむかつく...!」

岡部「フハハ、すまない」

岡部「...ところで、西條」

拓巳「?」

岡部「お前もギガロマニアックスなのか?」

拓巳「そ、そう...だけど僕はもうギガロマニアックスのち、力を失ってるけどね...」

岡部「...そうか」

拓巳「...ぼ、僕は一応最強のギガロマニアックスだったんだけど...」

岡部「世界は、思い通りになったか?」 

拓巳「な、なる訳ないよ、なってたら...今頃...」

岡部「...」

拓巳「...」

拓巳「ぼ、僕は...」

岡部「...ん?」

拓巳「...僕は、ギガロマニアックスで作られた人間なんだ」

岡部「そんな事までできるのか?」

拓巳「も、もちろん僕のオリジナルがギガロマニアックスの中でもとんでもない化け物だったって事もあるけど...」

岡部「...」

拓巳「...最初は、嫌だったよ」

拓巳「...自分の過去が全く分からないのが...」

岡部「...!」

拓巳「で、でも...い、今は...ど、どうだっていい...」

拓巳「大事なのは...か、過去じゃなくて...今、だから...」

岡部「そうかも、な」

拓巳「ふ、ふひひ、というか僕に至っては、か、過去が思い出せないと言うより過去が損害しないって言った方が正しい希ガス」

岡部「...」

拓巳「だ、だから落ち込む必要なんて無いだろjk」

岡部「ははは、それは慰めているのか?」

拓巳「そ、そうとも言う」

岡部「...お前は、いい仲間を持ったんだな」

拓巳「...ふひひ」

プルルルルル

ガチャッ

「おにぃ!もうみんなあつまってるんだけど!」

拓巳「う、うるさい...!す、すぐ行くよ!」

岡部「何だ?何かあるのか?」

拓巳「き、今日はみんなでご飯を食べる日、らしい」

岡部「ほう、そうか」

「ほら、今日あった...えっと...岡部さん...?も連れてきてね」

拓巳「...え?」

「え?じゃないよー!早く準備してきてね!」

ツーツーツー

拓巳「...い、行く?」

岡部「...行っていいなら」

セナ「...」イライラ

梢「セナしゃん怖いのら」

優愛「そ、そんなにイライラしなくても...」

あやせ「...怖い」

セナ「女を待たせるなんて男失格だ...!」

あやせ「そもそもあなたは女っぽくない...」

セナ「うるさい!」

梨深「...あ!来たよー!」

梨深「...って、誰?」




拓巳「ご、ごめん」

岡部「あー...えー...お、岡部倫太郎だ、よろしく」

セナ「だいたいお前はいつもいつもデリカシーがないと言うか甲斐性がないというか...!」

優愛「ま、まぁまぁ、そこまでにしましょう」

あやせ「...ではこれより...第3回ギガロマニアックスによる..宴会開始...」

七海「いえー!今日こそは梨深さんとおにぃの進展について聞き出すんだから!」

梨深「な、何も無いったらー!」

梢「倫太郎しゃん、これあげる」

岡部「あぁ...ありがとう」

拓巳「あやせ、新曲き、聞いたよ」

あやせ「どうだった...?」

拓巳「す、すごく良かったよ...!」

梨深「と、ところでこの人は誰?」

優愛「私も気になってました、西條君のお友達...」

あやせ「それはあり得ない」

拓巳「...な、な...!」

梨深「えーと、あなたは?」

岡部「...俺は、岡部倫太郎...なんでもギガロマニアックスの素質があるらしい」






ジャキッ





岡部「...え...?」

優愛「...ギガロマニアックス...?」

梨深「...また...」

あやせ「...ギガロマニアックスは...危険人物...」

岡部「...え?ちょ...!」

セナ「こら、お前ら、ディソードを仕舞え」

セナ「こいつは正確にはまだギガロマニアックスじゃない」

セナ「というかお前らもギガロマニアックスだろうが」

梨深「...ディソードが、見えているのね」

セナ「...すまないな、岡部」

セナ「皆、ギガロマニアックスには嫌な思い出があるんだ」

岡部「そ、そうか」

セナ「数年前に起こった渋谷地震は知っているか?」

岡部「あ、あぁ、名前だけなら」

セナ「あれは、ギガロマニアックスを悪用した連中が起こした人災だ」

セナ「...あぁいうギガロマニアックスも居るものだからな、皆、少しだけ気が立っている」

岡部「い、いや、俺も悪かった、皆がそんなに敏感だとは思わなかったのでな...」

梨深「...ご、ごめんね」

優愛「...わ、悪気はないんです...」

あやせ「...謝るわ」

岡部「...い、いや、良いんだ」

梨深「でもギガロマニアックスの素質があるなんて珍しいね」

優愛「そうですね、ここ最近はめっきり見なくなったものですから、私達以外のギガロマニアックスは」

梢「仲間が増えるのら」

セナ「増えていい事なんてないぞ」

岡部「...?」

セナ「ギガロマニアックスは、1度必ずどこかで壊れているのだからな」

岡部「...」

岡部(...壊れている...?)

岡部(...どういう事だ...)

あやせ「...はい」

岡部「...ん?」

あやせ「...これ、私の曲...お近づきの印...」

岡部「...あぁ、ありがとう」

拓巳「...ちょ...!マジでありえん...!ここラグひどすぎだろ...!」

セナ「ありえんのはお前だ!みんなで楽しく騒いでいる時に1人でゲームなんてするな!」

拓巳「あっちょ!」

セナ「何だ...?これは...」ポチッ

拓巳「あぁーーー!?な、何て事を...」

拓巳「...ど、泥率...不明の超レアアイテムなのに...」

セナ「ま、また取ればいいじゃないか」

拓巳「そ、そう簡単に取れないんだよ...!」

岡部「...なぁ」

拓巳「な、なんだよぉ...!」

岡部「...その、超レアアイテムとやらもギガロマニアックスで元に戻せばいいんじゃないのか?」

拓巳「そ、それはダメだろ」

岡部「?」

セナ「岡部」

岡部「...?」

セナ「...ギガロマニアックスで作ったものは、99パーセントは本物でも、1パーセントは偽物だ」

セナ「それが明らかなのに、わざわざ作る訳がないだろう?」

セナ「それが好きなものなら、尚更な」

岡部「...なるほどな」

岡部「...妄想を現実にする、お前達だからこそ、現実を何より尊重している訳か」

セナ「...ふふ、そういう事だ」

ベース

拓巳「...つ、疲れた」

岡部「んー、楽しかったな」

拓巳「た、楽しいもんか...優愛達には梨深の事で弄られるし...超レアアイテムは消えちゃうし...こずぴぃにはエッチな妄想を暴露されるし...」

岡部「ははは、お前は嘘が下手なのだな」

拓巳「...」

拓巳「...ま、まぁ...悪くなかったよ」

岡部「...さて、俺はとりあえず今日からお前のところに泊まることになるが...」

拓巳「...」

岡部「...これから宜しく頼む、西條」

拓巳「...ふ、ふひひ、よろしく」






「ねぇ、オカリン」

誰だ、お前は

「まゆしぃのこと、嫌いになっちゃったの?」

お前なんて知らない

「そっか...やっぱりまゆしぃは...重荷なんだね」

消えろ...消えてくれ...

お前なんて知らない...!消えてくれ...!!

「まゆしぃは...」

消えろよ!!




岡部「...はぁっ!!」ガバッ!!!

岡部「...はぁ...はぁ...!」

拓巳「...」スピー

岡部「...何だ...?悪い夢でも...見ていたのか...?」

「奴はどうだ」

「はい、どうやら休息しているようで」

「そうか、攻撃の手を緩めるな」

「少しずつ、じわじわと首を絞めるように、迫っていけ」

「了解です」

「ふふふ、岡部倫太郎」

「俺達の攻撃を受けて、正気でいられるかな?」

「せいぜい、我々「機関」に、抗ってくれたまえ」




「ははは...!」

「ふぅーははははは!!!」

ここまで



拓巳「...ふあぁ...」

拓巳「...このコンテナ...熱こもりすぎ...」

岡部「...」

岡部「...ぐぅぅ...!」

拓巳「...ひっ!」

拓巳「って、び、ビビりすぎだろ僕...!」

拓巳「だ、大丈夫...?倫太郎...」

岡部「...ぐぅぅああああああ!!!!」ガバァ!!!

拓巳「うわぁぁぁあーーー!!!」

岡部「...はぁ...はぁ...」

拓巳「...」

岡部「...西條...?」

拓巳「も、物凄くうなされてたよ...?」

岡部「...そうか、すまん」

岡部「...変な夢を見るんだ」

拓巳「...夢?」

岡部「...あぁ、内容は思い出せないが...とても、とても悲しい夢なんだ」

拓巳「...そ、そっか...」

グゥゥ

拓巳「...」

岡部「...」

拓巳「...何か、食べる?」

岡部「...うむ」

岡部「お前はいつもここで食べているのか?」

拓巳「そ、そう、いいでしょ、ここ」

拓巳「僕のお気に入り」

岡部「綺麗な公園だな」

拓巳「...」モグモグポケー

岡部「...」モグモグポケー

岡部「ところでお前は...もしかしてニートか...?」

拓巳「...」

拓巳「守るものがいない警備員と言って欲しい」

岡部「...やはりニートか...」

拓巳「に、ニートは働く気がない奴のことを指すからぼ、僕はセフセフ!」

岡部「じゃあなんだ?内職でもしてるのか?」

拓巳「...機能のオンラインゲームの...RMT」

岡部「...犯罪じゃないか」

拓巳「...背に腹は変えられない...」

岡部「...ん?だったらギガロマニアックスの力を使えばいいだろう?」

岡部「お前達はギガロマニアックスの力を多様しないようにしているようだか、それでも犯罪に走るよりは...」

拓巳「な、無い...」

岡部「へ?」

拓巳「ぼ、僕は最強のギガロマニアックスのコピーの...」

拓巳「...元、最強のギガロマニアックス...だから...」

岡部「...どういうことだ?」

拓巳「しし、渋谷自身あったでしょ?」

拓巳「...世間には知られてないけど、あれの直接的な原因は...人口のギガロマニアックスを生み出す機械...ノアⅡ」

拓巳「そ、それを破壊したのが僕」

岡部「...ふむ」

拓巳「そ、その時に超大誇大妄想をしたから...反動でギガロマニアックスの力が無くなった...」

拓巳「と言っても、見ることくらいは出来るけど...」

岡部「...なるほど、それもまた、ギガロマニアックスの弱点になり得るわけだな」

拓巳「...」

岡部「...お前、辛かったんだな」

拓巳「...」

岡部「となると、ニュージェネレーションの狂気も関わってきそうだな」

拓巳「あ、あれとか最悪...!」

拓巳「あの事件の目的は、ぼ、僕のギガロマニアックスの覚醒だけだったから...!」

岡部「...お前、割と苦労してるんだな」

拓巳「...うん」

岡部「...だが今生きているということは、それだけいい仲間に恵まれたということか」

拓巳「...そうだね」

拓巳「...あ、そうだ」

岡部「ん?」

拓巳「...ぼ、僕今日ちょっと用事があったんだ」

岡部「そうか」

拓巳「...はい」

岡部「...ん?」

拓巳「お、お金もないのに一人ってのは暇っしょ...」

岡部「しかしこれは...」

拓巳「い、いい...!その分倫太郎には色々手伝ってもらう...」

岡部「...そうか、すまん」

拓巳(...と言っても、サブ垢使ってエンスーでの僕の株上げだけどね)

岡部「...さて」

岡部「...俺についての手がかりでも探すか」

岡部「...いや、無理だな」

岡部「そもそも住所すら分からないのに」

岡部「...警察に駆け込んでもいいが...」

岡部「...ふむ、後回しにするか」

岡部「取り敢えず街をブラブラしてみるか...」

岡部(しかし大きな街だな)

岡部(...ん?)

あやせ「...」

岡部「...あや、せだったか...?」

あやせ「...倫太郎...」

岡部「おお、やっぱりあやせか」

岡部「昨日の曲聞いたぞ、お前FESだったのか!」

あやせ「記憶はないのに私のことは知ってるの...?」

岡部「あぁ、知識としてならな」

あやせ「...どうだった?」

岡部「ふふふ、我が心に染み入る最高の歌詞だったぞ!」

あやせ「...そう」

あやせ「...あなたは、邪心のイレギュラー」

岡部「...へ?」

あやせ「...主役は、拓巳だけど、あなたもまた、主役」

岡部「...?」

あやせ「...紅き剣に魅せられた、貪欲なる僕(しもべ)...」

あやせ「...と、私は感じるわ」

岡部「...おぉ...そ、そうか」

あやせ「...聞かせて欲しい」

岡部「はい?」

あやせ「...愛憎の奴隷...蒼井セナ」

あやせ「...最後の人格...咲畑梨深」

あやせ「...鏡恐怖症...折原梢」

あやせ「...呪いの双子...楠優愛」

岡部「...」

岡部(もしかしなくても、電波だこの人...)

あやせ「...喪失者...西条七海」

あやせ「...実験体...私」

あやせ「...そして、妄想の存在...西條拓巳」

あやせ「...皆から聞いたわ...ギガロマニアックスになった所以を...壊れたキッカケを」

あやせ「...あなたは一体...」

あやせ「どこが壊れているの?」

岡部「...っ」

岡部「...だから...俺はどこも壊れてなどいない...!」

あやせ「...そう」

岡部「...だって俺には、その記憶が無いんだから...」

あやせ「...あなたの過去がどうあれ、過去が今のあなたを作るわ」

あやせ「...あなたという存在を、存在させるには過去が必要不可欠...」

あやせ「...消していい過去なんてない...忘れていい過去なんてない...無かったことにしていい過去なんて、ない」

岡部「...」

あやせ「...よく考えて...ギガロマニアックスは、傷であって、恥ではない」

岡部「...俺、は...!」

プルルルルル

岡部「...何だ?」

あやせ「...あなたよ、倫太郎」

岡部「...俺?」

あやせ「...」

岡部(...どういう事だ?俺の知り合いが電話を...いや...だとしたら遅い...のか...)

岡部(...どちらにせよ、見当のつかない着信は...不気味だな)

岡部(...ん?非通知?)

岡部「...はい」

「はははは、元気にしてるか、岡部倫太郎」

岡部「...?」

「俺だよ、機関さ」

岡部「機関...?」

「機関だよ、機関」

岡部「ど、どういう事だ?お前は何者だ!?」

「さぁ、だけど今お前には精神攻撃をかけてるぞ」

岡部「せ、精神攻撃だと!」

岡部(...ぐ...そ、そういえば少し...頭が痛い...?)

岡部「き、貴様は何だ!」

「だからさぁ、機関だよ」

「「世界の支配構造を打ち砕く狂気のマッドサイエンティスト」の敵さ」

「なぁ、鳳凰院凶真...?」

岡部「ま、マッドサイエンティスト...?鳳凰院凶真...?」

「折原梢をあずかった」

岡部「...!!!」

「可愛い子供だな、ふははは!!」

岡部「...貴、様...!」

岡部「ただのいたずら電話では済まされんぞ...!」

「だろうなぁ、イタズラじゃないからな」

岡部「...目的は、何だ!」

「だから言っただろ、お前の敵だよ、鳳凰院凶真」

「今から107の階段に来い」

ブツッ...ツーツーツー

岡部「...くそっ!!!」

あやせ「...倫太郎...?」

岡部「...折原梢が、攫われた!」

あやせ「...え?」

岡部「良くわからんが、大変な事になる...!」

あやせ「...」

あやせ「...そう」

あやせ「...」ピピピ

あやせ「...拓巳...」

あやせ「...うん、そう...えっと、場所は...」

岡部「...107だ」

あやせ「...聞こえた?うん、入口で、待ってる」

岡部「...くそっ!」

107前

岡部「こ、ここか...」

あやせ「...待って」ガシッ

岡部「...!?何を悠長な事をしている!?」

岡部「こうしている間にも...!」

あやせ「...折原梢は、ギガロマニアックス...ちょっとやそっとじゃ、死なない」

岡部「...」

拓巳「...お、おーい!」

拓巳「...はぁ...はぁ...!!」

拓巳「ちょ...!いきなり呼び出しとか...!」

岡部「...拓巳...」

拓巳「...ん?」

岡部「...折原梢が、攫われたようだ」

拓巳「...は?」

拓巳「そ、それは...!」

岡部「行くぞ!」

拓巳「あ、ちょ!」

タッタッタッタッ

岡部「...どこだ...!?どこにいる...!?」

プルルルルル

岡部「またか...!!」

あやせ「...」

「おいおい、どこにいる?岡部倫太郎」

「もう折原梢は、虫の息だぞ?」

岡部「貴様ァ...!!!」

「きゃあああああ...!!」ガシャァァン!!

岡部「...」プツン

岡部(...このままじゃ、拉致があかん...)

岡部(...俺にも備わっているんだろうが...!)

岡部(...ディソードは...どこだ...!!)

あやせ「...!」

あやせ「...それは、ダメ...!!」

岡部「離せ!!」

あやせ「...大丈夫...!その電話は...」

あやせ「.....っ...イタズラ電話だから...!!」

岡部「何を言っている...!!!」

拓巳「り、倫太郎!!!」

岡部「!?」

拓巳「...え、えっと...」

拓巳「...こずぴぃなら...セナと一緒にいるってさ...」ヴーヴー


宛先 西條
件名 無し

はぁ?梢か?
私と一緒に居るが



岡部「...な...」

岡部「...なん、だよ...それ...」ズルッ

岡部「どこのどいつがこんなふざけた真似を...!!」チラッ

岡部「...チッ...途絶えたか...」

拓巳「...あ、あやせ...」

あやせ「...うん...」

岡部「...しかし、あの感覚...あれは」

岡部「...あれが、ディソードを、捉える感覚...」

拓巳「...彼を」

あやせ「...倫太郎を」


「「ギガロマニアックスにしちゃいけない」」

ここまで

>>52
その後セナが鳳凰院凶真の名前を思い出すことはなかったそうだからセナが覚えていないのは正しい
そしてオカリンが記憶喪失なら今の描写でちゃんと通るよ
そもそもタクと岡部もオクテットで面識あるしその時ギガロマって言葉も聞いてたはず

因みにあやせはギガロマニアックスとは言わない
黒騎士

>>64
うーん
あやせの黒騎士はギガロマニアックス全体を指す訳じゃないと思ってたんだけどな
まぁ書いちゃったしギガロマニアックスで通すね指摘ありがとう!

すげぇ面白いし雰囲気出てんのにどうでもいい指摘バカが2人も出てくるなんて死ぬほど読者に恵まれないSS

特にあやせの黒騎士に関しては全く関係ないだろ頭アテナちゃんか?

>>66
いやいや
指摘があるって言うことは少なくとも見てもらってるという事だし名称の違いは僕の読み込みが足りないと思います
僕の稚拙な文の質の向上云々以前に本来ならば世に出ることのない、取るに足らない、妄想の域を出ない作品を見て頂き、それに対して反応があるという事が僕にとって何より嬉しいことです

と、変にかしこまっていく





セナ「...」

セナ「...そうか、岡部が」

セナ「...まるでお前のようだな、西條」

西條「...り、倫太郎は...僕みたいにディソードを介さずに...力を使える可能性を持ってる」

あやせ「...今はまだ、ただの妄想にしか見えなかった...電話の着信音も...私には聞こえなかった」

セナ「...あいつはなんと言っていた?」

あやせ「...機関...それに、鳳凰院凶真...」

セナ「...そういう感じの妄想か...」

セナ「...厄介だな、常に妄想してる奴は」

拓巳「...うぐ...」

セナ「...西條」

拓巳「な、なに...?」

セナ「...お前も、岸本あやせを助けた時にディソードなしで力を使ったな」

拓巳「...う、うん」

セナ「...それは一体どんな時だ?」

拓巳「...あやせを、助けたかった時...」

セナ「...と?」

拓巳「...それ、と」

拓巳(ニュージェネレーションの狂気が少しずつ僕を狙っているように感じて)

拓巳(...何もかもが信じられなくて...)

拓巳「...何かから、逃げたかった時...?」

セナ「...そうか」

セナ「...一概にお前と同じとはいえんが...」

拓巳「...ねぇ、セナ」

セナ「...ん?」

拓巳「...倫太郎...夜にずっとうなされてるんだ」

セナ「...」

拓巳「...それが、原因なのかな...」

セナ「...さぁな」

拓巳「...!さぁなって...!」

セナ「...お前は、どうしたい?」

拓巳「...!」

拓巳「...僕は」

セナ「...」

梨深「...」

あやせ「...」

梢「...??」

拓巳「...あいつを、た、た、助けたい...」

セナ「...」

拓巳「...出会ったばっかりだけど...倫太郎、は...」

拓巳「...見ていられないから...!」

セナ「ふん、だからと言って、どうする?」

セナ「お前にはもう、ギガロマニアックスの力はないんだぞ?西條」

拓巳「...」

拓巳「...ちち、力を貸して欲しい」

拓巳「...僕の、と、友達を...助けるために...」

セナ「...」

梢「...拓巳しゃん」

梨深「...タク」

セナ「ふん、こんな時くらい吃らずに喋ることが出来ないのか」

セナ「...変わったな、お前は」

セナ「ギガロマニアックスは世界を思いのままに改変できる力だ、だからこそ、私達には、それを制するための約束と、基準が不可欠だ」

セナ「お前にとって、アイツを助けることは...」

セナ「ギガロマニアックスの力を行使してまで、叶えたいことか?」

拓巳「...」

セナ「...」

セナ「...愚問、だな」ニヤ

梢「拓巳しゃん、かっこいいのらー」

あやせ「...私もいく」

梨深「タク!やっぱり、タクは格好良いよ!」

拓巳「...え、な、...ちょ...!」

セナ「準備しろ、西條」

セナ「あいつの過去を取り戻してやろう」

セナ「8月13日...昼過ぎか」

セナ「...お前の友人を助けるには、いい時間だな」

拓巳「...!」コクッ





(時々、自分が自分でないような感覚に襲われる)

(過去の俺と、今の俺では、何かが違う)

(それは、多分俺にとって、逃げたくなるようなもので)

(だが、必要不可欠な、何かだ)

(...ギガロマニアックス、そんな力がもし俺にも備わっているなら、頼む)

(俺から、それを、完全に、消し去ってくれ...!)




プルルルルル...


岡部「...!」

ガチャッ

「ふぅーはは!調子はどうだ?鳳凰院凶真ぁ...!」

岡部「なんだ、貴様か」

岡部「もうその手にはのらんぞ」

「おいおい、釣れないこと言うなよ」

岡部「...何が目的だ」

「...お前さ、同じことを何回聞くの?」

「...俺の目的は、お前の敵だよ」

岡部「だからっ!!なぜ俺を付け狙ってる!?」

「...」

「...そりゃあ、俺ら機関がそうなるように作られたからだよ」

岡部「...なんだと?」

「そんな事はどうでもいい!!」

「俺はァ!お前の敵だよ!!」

「それでいいんだよ!」

岡部「...」

岡部「...誰に作られた...?」

「誰に、なぁ」

「もう分かってるんじゃねぇの?」

「長年染み付いたクセだから、記憶が吹っ飛んでも忘れきれなかったか?」

「脳みそは覚えてたみたいだな」

岡部「...」

「よぉ、ギガロマニアックス」

「こいつの声、聞き覚えあるか?」






オカリン...怖いよ...

「○○○○○の声だよ」

岡部「...!!!!!!」

ビキビキビキビキ

岡部(...やめろ...)

岡部(...やめてくれ)

岡部(...俺は、俺は...!!)

キラッ

岡部(...あれは...)

岡部(...ディソー...ド...?)

岡部(...何だ...どこにくっ付いてる?...何だあの...でかさは?)

「手を伸ばせよ、それさえ掴めば」

「...お前の知識でいえば、俺達はリアルブートされて、○○○○○を消すことが出来る」

岡部「...ぅ、おお...!」グググ...

岡部「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



セナ「...コンテナから居なくなっただと!?」

七海「う、うん...フラフラっとどこかに出て行っちゃって...」

セナ「...クソッ...!」ダッ

優愛「せ、セナさん!?」





拓巳「...せ、セナ...!」

セナ「...まずいな、今あいつを一人にするのは...!」

梨深「...」

セナ「...あいつの妄想が...リアルブートされたら...取り返しのつかない事になる...!」

拓巳「...!」

セナ「...梢...!頼む...声を拾ってくれ...!」

梢「えっ?」

セナ「何でもいい、この人ゴミで岡部倫太郎らしき情報を探してくれ!」

セナ「...頼めるか...!?」

梢「了解なのら」





また負けた、あいつマジでつまんねぇ

        うわ、これ美味しい



  かっこいい

         あれ?世莉架は?



  さっきの白衣の人、フラフラだったけど、大丈夫かな


         うわあ



梢「...見つけたのら...!」

岡部「...はぁ、はぁ...!」

「へぇ、なるほど」

「お前らしいディソードだ」

岡部「...どこかで...見ているのか...?」

「そうだな、もう見えてる」

「...さぁ、次はあいつの番だ」

「...お前が忌み嫌った災厄の、種だぞ」

「...椎名まゆり...!」

岡部「ま、ゆり...?」

岡部「まゆり...まゆり...!?」





「お前が何度同じ八月十三日を繰り返しても!助けることの出来なかった女だよ!」

「ふぅーはははははは!!!!」

岡部「...っ!」ドクンッ!

岡部(...どうして、今まで、忘れていた...!?)

岡部(...俺は...俺は...!)

岡部(...俺はまゆりを...助けるために...!!)

「それも、お前の力だよ」

「いや、ギガロマニアックスの力といった方が正しいな」

「結局の所、椎名まゆりはお前にとって重荷でしかなかったのさ」

「ここに来たのも、同じ理由」

「椎名まゆりを忘れて、どこかへ行きたい」

「そんな妄想が、ディソードを介せずにリアルブートされた!」

岡部「...俺は...!俺は...!」

「さぁ!あとはその女を消すだけだ!!」

セナ「...それが...お前のキッカケか...」

岡部「...なっ...!!」



そのディソードは

あまりにも、暴力的で

あまりにも、慈愛に満ちていて

恐ろしく、鋭く

恐ろしく、危うい

荒波のような荒々しい形をしていて

単純ながら全てを貫きそうな形をしている

2対の剣だった


岡部「...拓巳...?」

拓巳「...倫太郎...」

岡部「...俺は、俺は...!最低だっ...!」

岡部「...結局、何一つ救えずに...!あれだけ助けを求めていたまゆりを見殺しにして...!」

岡部「...そして...あろうことか...こんなっ...!妄想を...!!!」

岡部「...全てを忘れるなんて...!!!!!」




「いや、いいんじゃねーの」

岡部「...!」

「お前の人生は、お前のもんだろ」

「誰かに囚われる人生なんてつまんねぇだろ」

岡部「そ、れは...!」

「なぁ?椎名まゆりを消したら今度こそ、塵も禍根も残さないくらい全て忘れてよ」

「また新しく、生き直せばいいじゃねぇか」

「過去は、忘れていいんだぜ」

岡部(...!!!)

岡部(...ケータイに、着信画面は...写っていない...)

岡部(...そうか、こいつが言っている内容は...)


「お前が望んだ妄想だ」

岡部「...俺が望んだ妄想か」


キィィィィィィ!!!!

セナ「...くっ...!」ジャキィン!!

梨深「せ、セナさん...!」

セナ「あいつがディソードを使おうとしている以上...見過ごすわけには行かない...!ここで、斬る...!」

梨深「そ、そんな...!」

セナ「...岡部...!!」ダッ

拓巳「...」スッ

セナ「...何の真似だ、西條...」

拓巳「...」スタスタ

セナ「...聞いているのか...!おい!!」

岡部「...く、来るな...!」

岡部「...俺は、まゆりを...!過去を消して...!!」

岡部「そして...!!」



バスッ!

岡部「...え」

拓巳「...初めて」

拓巳「人を、殴ったよ」

岡部「...拓巳...?」

拓巳「...忘れていい過去なんてない」

拓巳「...知らなくていい過去なんてない」

拓巳「...無かったことにしていい過去なんてない...!!!」ボスッ

岡部「...お、おい...!」

拓巳「...君は、本当にそれが目的なのかよ!」

拓巳「君に何があったかなんて知るもんか!でも、君は本当にそのまま「まゆり」を消して生きていくことを望んでるのかよ!!」

岡部「...ぐ...っ...!」

拓巳「...僕の拳が、痛い?」

岡部「...」

拓巳「...それよりも、痛い所が...あるんじゃないのかよ...!!!!」

岡部「...!!!!!」

拓巳「...ギガロマニアックスは一度必ず壊れてる」

拓巳「...君も、何か大きな壁にぶち当たって...壊れてる」

拓巳「...だけど、僕は言うよ...!」

拓巳「...残酷だけど、言う...!」

拓巳「...諦めないでよ...」

岡部「た、く...み...」

拓巳「...諦めなかったら...きっと何処かに希望は残ってるんだから...!!」






拓巳「君は、どうしたいんだよ!!!!!!!」

岡部「...!!!!」

岡部(...そうだ、こいつの言う通りだ)

岡部(...忘れていい過去なんてない...)

岡部(...俺は、なんて馬鹿なことを...!)

「...うっわ...寒い」

「クソつまんねぇ、そんなありきたりな...」

岡部「黙れ」






岡部「...俺は」

岡部「...やっぱり、まゆりを助けたいよ...」

拓巳「...うん、知ってるよ」

拓巳「じゃなきゃ、あんな顔はしないから」

岡部「...うっ...!ぐすっ...!」

岡部「...ぅ...ああああぁぁぁぁ...!!!」

セナ「...」

梨深「...」

梢「...」

拓巳「...き、協力するよ、友達のために...」

岡部「あぁ...!ああ...!」

岡部「...ありがとう...!」

セナ「...」

梢「セナしゃんちょっと笑ってるのら」

セナ「...な、笑ってなど...」

セナ「...あぁ」

セナ「いや、そうだな」





セナ「...なるほどな」

セナ「にわかには信じ難いな」

岡部「...だが、本当の事なんだ」

セナ「ふん、ギガロマニアックスと同じくらい眉唾だな」

セナ「...そして、今日の夜がタイムリミットか」

岡部「...」

セナ「...私たちには、時を巻き戻すことなんてできない」

セナ「いや、したくない」

セナ「それは私達は6人の妄想をシンクロさせても到底妄想しきれない手に余るものだからだ」

岡部「...」

岡部「...そう、だよな」

梨深「で、でも今からじゃ間に合わないよ...!」

セナ「だな」

セナ「だが岡部、羽なら作ってやれる」

岡部「...羽?」

セナ「あぁそうだ」

セナ「羽という表現でなくてもいい、私たちの妄想で、お前を送り返してやる」

岡部「...!!」

セナ「...もちろん使うのはお前のディソードだ、私達はそこがどんな場所かわからないからな」

岡部「...いや、助かる...」

セナ「私達が住所だけだ妄想してもいいが、壁と一体化などという事になったら嫌だろう?」

セナ「運が良かったな、岡部」

岡部「...ははは」

岡部(...そりゃそうだ、この世界線では俺は死なないからな...)

うおおwwwミスミスwww
オカリンこの世界戦で自分が死なないってこと知らねーじゃんwww


梨深「で、でも今からじゃ間に合わないよ...!」

セナ「だな」

セナ「だが岡部、羽なら作ってやれる」

岡部「...羽?」

セナ「あぁそうだ」

セナ「羽という表現でなくてもいい、私たちの妄想で、お前を送り返してやる」

岡部「...!!」

セナ「...もちろん使うのはお前のディソードだ、私達はそこがどんな場所かわからないからな」

岡部「...いや、助かる...」

セナ「私達が住所だけだ妄想してもいいが、壁と一体化などという事になったら嫌だろう?」

セナ「運が良かったな、岡部」

岡部「...ははは」

セナ「...準備は、いいか?」

岡部「...あぁ!」ジャキィン!!

拓巳「...」

セナ「お前の妄想と私たちの妄想をシンクロさせる」

セナ「お前が無事秋葉原にたどり着くという妄想を!私たちが補強する!」

セナ「...行くぞ...!」


ゴッ!!!


岡部「...ぐぅ、うううぅ...!」

岡部(...くそっ...)

岡部(...なんで、短い時間なのに...こんなにも...)

拓巳「ねぇ、倫太郎」

岡部「...拓巳...」

拓巳「僕らは、友達かな」

岡部「...!」

拓巳「...友達なら、笑って欲しい」

岡部「...!!」

岡部「...あぁ、そうだな」ニヤッ

岡部「...」スゥゥゥゥ...

岡部「これより...!俺は秋葉原への帰還ミッションを遂行する...!!」

岡部「よく知らぬ同胞達よ!俺のためによくここまでしてくれた!」

岡部「今はしばしの別れだが、なに、悲しむ必要は無い!」

岡部「貴様たちの事は絶対に忘れない!」

岡部「ふぅーはははははは!!!!名付けてオペレーションゼウス!」

岡部「貴様たちの神にも等しい力を称えて、最高神の名を送る!」

岡部「...では!」

セナ「...あぁ」

梨深「...うん」

梢「ばいばい、倫太郎しゃん」

優愛「...さようなら」

七海「...また、会おうね」

あやせ「...さよなら」

拓巳「...忘れない...」

拓巳「...絶対に...君を忘れないから...!」

岡部「...あぁ...!」






岡部「さらばだ!!」

バシュッ!!!








ーーーーーーーー

岡部「...ん、む...」

岡部「...はっ...!!ここは...!」

岡部「...ラボ...か...?」

まゆり「わー、オカリンおはよー」

ダル「お?オカリン起きたん?」

まゆり「お疲れ様だねー」

岡部「...あ、あぁ」

岡部(...そうか、これが...ギガロマニアックスの力)

岡部(辻褄すら合ってしまう、神の力...)

岡部「...ん?」

岡部「...ディソードは...?」

ダル「ディソード?またオカリンの設定増えたん?」

岡部「い、いや...!確かに...!」

岡部「...超大誇大妄想...?」

岡部「...そうか、そういう事か...」

岡部「...ふふ、やはり神は...俺自身の力で抗えというらしい...」

ダル「まゆ氏まゆ氏、オカリンどしたん?」

まゆり「さー?でも元気いっぱいだねー☆」

岡部「ふぅーはははははは!!!!」

紅莉栖「おいこら!作った途端に寝落ちとかありえん!」

岡部「ふん、変わりないなクリスティーナよ」

紅莉栖「ティーナ禁止!」

岡部「...それで、結果はどうだ?」

紅莉栖「何のミスも見られないわ、理論上はこれで起動できるはずよ」

岡部「...そうか」

ダル「お?ついにパーティかお?」

まゆり「オカリンも起きたし、皆でしたいねー?」

岡部「...いや」





岡部(...そう)

岡部(ここからは、俺一人の物語だ)

岡部(...もう、絶対に諦めないから)

岡部(...お前達を、忘れたりしないから)

岡部(...必ず、お前を助けるから...!)






まゆり「あれ~?まゆしぃのカイチュー...止まっちゃったよ~?」








岡部「だから、俺に勇気をくれ」

おしまい


カオスチャイルドはトゥルーがあれだからSS書きにくいよね
おっけいさん可愛い

俺もビシぃよりは右手の方が好きかなぁ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月15日 (火) 16:46:33   ID: taWYE5AC

ビシィさんの影薄すぎてワロタ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom