暦「聖杯戦争?」 (142)

001

暦「のぶえもーん!夏休みの宿題が終わらないよー」

忍「お前様はのび太くんか!」

と、僕と忍の間にこんなやりとりがあった。
詳しいやり取りは傾物語を読んだりアニメで見たりして貰えれば良いと思う。
ここで重要なのは夏休みの間、詐欺師と戦ったり、受験勉強をしたり、妹の歯を磨いたり、妹に肩車をしてもらったり、受験勉強をしたり、妹の歯を磨いたり、妹の胸を揉んだり、妹と出かけたり、暴力陰陽師と戦ったり、受験勉強をしていた結果、僕は全く夏休みの宿題を全くやっていなかったため、色々と問答があり、北白蛇神社でタイムスリップをして過去に戻り宿題をやろうという話になった、ということだ。
詳しくは傾物語を読んでくれ

「さて、行くぞお前様」

僕と忍は手を繋ぎ鳥居へと足を踏み出す。
本来の話なら僕はここで八九寺について考えるのだが、この、どうしようもなくくだらないし詰まらないし、適当で、もしかしたら>>1を投稿したきり続きを投下しないかもしれないこのssでは、僕が春休みに経験した学園位能力バトルの様なことがこの世界の何処かで、起きているのだろうか、とか考えていた。

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002

どうやら>>1は続きを書く気があった様だと内心ホッとしたのもつかの間、僕の頭の中に大量な情報が駆け巡った。
聖杯戦争、英霊、宝具、ステータス、クラス、マスター、令呪、魔術、神秘
わけがわからない、春休みからこのかた色々と経験をしてきたつもりだったがこんなこと初めてだ。

そして、目の前が光に包まれてから、光りが収まると目の前に赤い髪の少年が青い全身タイツ男に槍で殺されかけている光景が目の前にあった。

「たぁぁ!」

僕は咄嗟に動けなかったが、僕の影の範囲から出ることのできないはずの忍が全身タイツの男に回し蹴りを決めて吹き飛ばした。

聖杯戦争、僕は知らないはずなのにそんな知識をなんのためらいもなく引き出せた



「忍!どうなってる!」

赤い髪の少年も何が起きているか分かっていない状態だが、僕もわからない。
そもそも、僕は過去にタイムスリップをした筈だ。
だのに、何故、聖杯戦争とかいうよくわからないものに参加させられているのだろうか?

「儂は失敗などせん、どうやら、手違いがあった様じゃの。お前様、騒いでいる暇があったらあやつを撃退する方法を考えた方がよかろう」

失敗では無く、どうやら、手違いがあったらしい。誰とどんな手違いがあったかは知らないが

???「まさか、7人目のサーヴァントが召喚されるとはな…、ん?2人? おもしれぇ、2人一組の英雄か」

僕と忍が『召喚』されて土蔵?から出ると青い全身タイツの男が赤い槍を構えていた。
青と赤まさに補色目がチカチカする…
まて、赤の補色は緑だったけ?
こんど羽川に聞こう

忍「お前様!」

暦「!」

突如、全身タイツの男が槍で突きを放ってきた。
しかし、僕はギリギリ躱すことができた。僕の身体能力もそこそこ上がっている様だ。
だけど、全身タイツはすかさずもう一撃を放つ。これは避けられない

忍「はっ!」

???「っ」

忍が小さい体を回転させ遠心力を加えて男を殴る、しかし、それを槍でガードして後ろに飛び退く

???「2人がかりとは卑怯な! 」

忍「あいにく、儂と此奴は2人一組なのでなぁ、槍使い」

どうやら、無理矢理入れられた聖杯戦争の知識から相手はランサーの様だ。

ランサー「なぁ?ここらで分けとしねぇか? 」

忍「…」

忍が僕の方を見る、
僕としても引き分けはありがたい

暦「わかった…、コレで引き分けだ」

003

その後、ランサーが立ち去り。僕と忍、そして赤毛の少年だけが残った。

暦「忍、どうすれば良いんだ」

僕がそういうと忍は僕の方をしっかりと見た

忍「フン、責任の追及をしとる場合では無い。今はこの聖杯戦争とやらに生き残ることが先決じゃろ。」

暦「責任をすべて放り投げやがった!」

忍「儂とお前様は一心同体じゃ、お前様のミスは儂のミスだし、儂のミスはお前様のミスになる。じゃから、儂の喜びはうぬの喜びでもある。」

なんか、カッコ良いこと言い出したな

忍「じゃから、ドーナッツを持って参れ!」

暦「お前と一心同体なんかじゃない!」

ふざけてる場合では無い、確かに今は生き残ることだけを考えた方が良い。
それより

暦「それより、元の世界に戻れるんだろうな?」

忍「…わからん」

おい!

どうするんだよ、これじゃあ夏休みの宿題なんてやる状況じゃあない。
それに寒い…

忍「お前様よ、今はそこでほおけている我等がマスター(笑)に状況説明をしてもらわねばな」

話を逸らしたな…
でも、今はそっちの方が重要だ

暦「あの、貴方が僕たちを召喚したのですよね?」

おそらく、僕達の前にいる人が僕たちを召喚したマスターだろう。
見た目から僕とそう変わらない年齢だ。
しかし、僕が知らない筈の事を僕自身が知っているという感覚はどうも気持ちの悪いものがある

少年「召喚? えっと、いきなり…」

どういうことだ?この人が召喚したのではないのか?
もしかすると、僕ではない誰かを召喚しようとしていたのではないのだろうか?

忍「どうやら、こやつも状況を理解していない様じゃのう。お前様も状況の整理がてら聖杯戦争について説明ししてやってはどうじゃろう?」

暦「でも忍、この人がマスターとは限らないぜ」

忍「たわけ、こやつの手の甲にある痣は令呪とかいうやつだろう? それと、マスターなど言うな、気に入らん」

どうやら忍は僕が誰かに仕えるという状況が気に入らないらしい。

少年「で、何なんだ?いきなりマスターとか、召喚とか」

忍「お前様! もう1人近づいて来てる」


確かに『気配』が分かる。サーヴァントどうしは気配が分かると知識にあるがどうやら僕もサーヴァントとして認められている様だ。
そもそも、サーヴァントとは英霊つまりは英雄がなるらしいのだが、僕は英雄同士と戦いに巻き込まれたというわけだ。忍はともかく僕は英雄なんて大層なものではないのだけど…
あ、忍は何方かと言えば反英雄か、吸血鬼だし

暦「ああ、忍僕の血を吸え」

まだ、気配は少し距離がある。
もし、戦いになっても良い様に忍に僕の血を吸わせる。

忍「よし、行くぞ、お前様」

血を吸わせる時間はほとんどないので、忍は中学生くらいの大きさになる。何故かセーラー服だ。

暦「おう」

少年「おい、ちょっと!」

少年が後ろから呼びかけてくるが、今は相手をしてる暇はない。
これは戦争、殺し合い。
僕もそんな事は望んでないが、向こうは[ピーーー]気だ
こんな戦争に参加するくらいだ叶えたい願いもあるのだろう。

忍「お前様!」

暦「これは!」

忍は走りながら僕に日本刀を差し出した。『妖刀・心渡』僕たちの宝具で僕達が『セイバー』である所以
僕がそれを受け取ると忍はもう一本出して構える。
サーヴァントになっても物質想像は健在のようだ。

そして、僕たちは門(少年の家だろうか?神原の家並みの豪邸だ)から出ると、その前に赤い2人組がいた。サーヴァントとそのマスターだ。

忍「ふん」

忍はなんのためらいもなく赤い男へと斬りかかる。が、男は横にいる少女(多分僕と同じ位の年齢)を抱えて後ろに飛んだ。

少女「…サーヴァント…?2人も…」

男性「ふむ、…それより厄介な刀を持ってるな」

忍「ほう、この刀がなんだか知っておるのか?」

男性「どうだろうな?知ってるかもしれないし、知らないかもしれない…」

忍「フン、お前様…行くぞ。」

暦「ああ」

今なら分かる、目の前のあの男は人間じゃあない。
多分、先ほど戦った槍使いもおそらくそうだった。
人間を超えたナニカ、
神秘の塊、
怪異そのもの、
人によって作られ、喚ばれた怪異、
サーヴァント 英霊だ。

男性「…ん」

男性は一瞬不可解な顔をしたが気のせいだろう。

暦・忍「「はぁ!」」

そして、僕と忍はアイコンタクトもしないで同時に動いた。
僕は右から忍は左から"心渡"を振るう、が、

少年「待て、止めろ!!」

僕と忍の動きは封じられた





続きは暫し待たれろ!!

004

このssを読んでいる読者の方々なら今後どういう展開になったのかは想像しやすいことだと僕は思うので、詳しくは明記しない。
1つだけ言っておくと>>1が書くのが面倒くさいとかでは無い、という事だけだ。

さて、いま現在、アーチャーのマスター遠坂凛と僕のマスター衛宮士郎と共に教会へと参加登録及び状況説明を兼ねて向かっているところだ。

士郎「あの、阿良々木さん?」

衛宮が話しかけてきた、まぁ話によれば衛宮の方が1つ下だから"さん付け"は当たり前か

暦「なんだ?」

士郎「サーヴァントは1人一体なんだろう?なんで、二体なんだ?それに着てる服も現代風だし」

凛「あ、私も気になってた。なんで?」

けど、それをいま聞くのは些か遅い気がするが。
普通、衛宮の家で聞くと思うが

暦「まぁ、それはな…」

忍「きゅ…忍パンチ!」

暦「ゴフッ」

突如、僕の影から忍(中学生サイズ)が飛び出してきて僕にアッパーカットを決めた。
意識が一瞬とびかけた。
なんなんだいきなり!

暦「何するんだ、いきなり」

僕は倒れた体を起こした。衛宮と遠坂は突然の出来事に驚いているのか口をあんぐりと開けている。

忍「何をするも何も…そう、やすやすと正体を明かしてやる必要もなかろう。儂たちの正体はイコール弱点にも繋がるんだからのう」

ああ、そういうことか。
吸血鬼は有名なだけに弱点も多い。
誰でも知っている
それでわざわざ、吸血鬼パンチを言い直したのか…

暦「…そういうことか、ありがとう忍」

忍「あ、うん」

そう言うと、忍は普通に照れた…

凛「…そうよね、紛いなりにも敵だもんね、さ、着いたわよ」

その教会は大きく、そして、禍々しかった。
見るからに、いや、素直に気持ち悪いと思った。それは忍も同じらしく、僕の横に張り付く様にいる忍も何やら微妙な表情をしている

忍「教会は神聖な場所だが、ここはそうでは無い様じゃな」

凛「何言ってるのよ?神父は気にくわないけど、 ここはちゃんとした教会よ?」

士郎「?」

凛「まぁいいは、衛宮くんいきましょう」

士郎「あ、ああ」

そうして、2人は教会へと入っていた。僕と忍はこの場で待った



005

忍「お前様、短髪小僧が参加することを決めたとしてうぬはどうするのじゃ」

忍は衛宮と遠坂が教会にいる間に僕に聞いてきた。
もっともな質問だ。
でも、その質問に答える前に僕は質問しなくてはならないことがある。

暦「なら、僕たちは元の世界に帰れるのか?」

忍「分からんと言っておるだろう? 一千年前とかならともかく、別世界でしかも契約した覚えも無いのにサーヴァントにされておる、儂にもお手上げじゃ」

そりゃそうだな…、
しかし、この責任に陥ったのが忍の所為である、とこの場で言っても仕方が無いので僕は言わない。

忍「たが、元の世界にもどるなら、聖杯戦争に勝ち抜けば帰れるかもしれんがな?」

勝ち抜けば…

暦「そうか、聖杯に願いを叶えて貰えば…か」

願いを叶える。
どんな願いでも叶える、万能の願望機。
僕はそれを聞いてまず思い浮かんだのが
神原の左腕、
猿の手
レイニーデビルだ。
そのためか、僕はその聖杯というというものがなんだか胡散臭かった。
それは忍も同じ様で"かもしれない"とつけている

暦「それしか方法がない、か…。」

忍「その様じゃな。だが、聖杯戦争に参加するとして、我が主様はどういった方針をとるのじゃ?」

暦「そうだな…」

どうするべきなのか、どうするにしても衛宮の帰りを待ってからになる

忍「なら、いっそのこと安価をしてみてはどうじゃ?」

暦「安価!」

忍「そうじゃ、安価に聞けば短髪小僧も文句を言わんじゃろう。」

暦「まった、安価ってここはssの世界なのか!オリジナルの世界じゃなかったの!」

初めて知った!

忍「お主は馬鹿か、本来なら蝸牛娘を救ったら世界が滅んだ、というトンデモ展開だろう?」

そりゃそうだけど

忍「なら、安価で今後の方針を決めても問題あるまい」

暦「問題あるわ!」

そもそも、こんなにメタ発言していいものなのか?

忍「それこそもんだいるまい、物語シリーズはメタ発言満載じゃ。」

暦「お前は俺の心を読むな」

忍「それはそうと、このスレを消して『暦「安価で聖杯戦争?」』と言うのにしてみてはどうじゃ?」

まだ、続けるんだ…

暦「どう、と言われても消すのはまずいだろう?」

忍「えー」

どれだけ、安価にしたいんだ、

忍「じゃ、このスレで安価にする?」

する?ってキャラが壊れてるじゃあないか

暦「しない」

忍「じゃ、次は>>19をしよう」

暦「待て!無視するな!」

すまん、アララギの一人称が俺になってる

006

忍と共に雑談をしていると、遠坂と衛宮が戻ってきた。
安価にするとかそんな話はただの戯言だ。戯言使いではないが、ただの戯言、雑談だ。

閑話休題

教会から戻ってきた衛宮は聖杯戦争に参加を決めた様だ。
なんでも、無関係な人を巻き込まないために参加する様だ。僕としては無関係な人を巻き込まない事は賛成だ。

凛「衛宮君、ここでお別れね。」

僕たちが教会からしばらく歩いたところで遠坂はそう言った。

凛「明日からは敵同士だから…」

そう言って遠坂は僕たちに背を向けて歩き出そうとした。

士郎「遠坂、お前、いい奴だな」

僕もそう思う

士郎「俺、お前みたいな奴、好きだ」

衛宮がそう言った瞬間、僕はサーヴァントの気配を感じ取った

???「ねぇ、お話は終わり?」

その声は無邪気に言った

???「じゃあ[ピーーー]ね」




???「私はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

少女は唐突にそう言った。その少女の動きと話し方は年齢にそぐわない程に洗礼されていて成人した女性の様だ。
しかし、僕としては八九寺の方が良い

???「アインツベルンと言えばわかるでしょ?」

凛「アインツベルン?」

遠坂は驚きの声を上げる。
しかし、それ以上にその少女の背後に感じるサーヴァントの気配の方が重要である。
おそらく、いや、確実にここで戦闘になる。

暦「衛宮は下がってろ」

士郎「え? 」

忍「お前様これを」

忍は僕に『心渡』を差し出してきた。
それを僕が受け取ると同時にイリヤスフィールが無邪気に言う

イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー」






はじめからだけど、書き溜めが無いから、しばらく、書き溜めるから、これまで

007


章が変わるのが早い
いや、そんな事を言っている場合では無い。
アーチャーからの援護射撃を込みでも強すぎる。
勝てるわけが無い。
バーサーカーには
彼女には
勝てない
少なくとも、吸血鬼に近づかなければ


忍「まさか、全盛期の儂が居るとは」

中学生サイズの忍が片膝をつきながら言う。
そう、イリヤスフィールのバーサーカーは間違いなく、全盛期の忍野忍
怪異の王、怪異殺し、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードなのだ。
もしかしたら、英霊にサーヴァントになったことで宝具に昇華されたアレを使えば勝てるかもしれないけれど、今はまだ使えない

キスショット「アアアアアア!」

キスショットは雄叫びを挙げて殴りかかってくる。
その威力、速さは、春休みと戦った時のとは比べるまでもなく強力だ。
やっぱりあの時は手加減をしてくれていたのだろう

暦「がっ」

僕は二転三転地面を弾みながら転がる。受けた傷がゆっくりとだが治り始めている。忍が中学生サイズなのは不幸中の幸いだ。
いや、違う、不幸中の幸いというのならキスショットがバーサーカーとして召喚されたことだ。理性が無いから物質創造も変身も使えない、もし、力をフルに使えたのなら文字通り見られただけで吹き飛ばされてきた。

忍「お前様!」

忍が吹き飛ばされた僕に一瞬気をとられると、忍は蹴りをくらい僕の方へ吹き飛ばされる。

暦「ぐっ」

僕はそれをなんとか受け止めることができた。
僕は忍と目を合わせると意図が伝わったらしく、僕の首筋に噛み付いた。
少しでも再生力を上げるために

キスショット「ガッあああああ!」

キスショットは雄叫びを上げる。その声からは理性を感じることができない。
けれど、哀れに感じてしまった

キスショット「ぐっがっ!」

キスショットに大量の矢が突きささり爆発する。
けれど、彼女には意味がない、すぐに再生する。

イリヤ「ふふふ、何をしても無駄よ。だって、私のバーサーカーは何たって、最強の吸血鬼、鉄血にして熱血にして冷血のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードなんだから」

凛「…うそ…まさか…」

遠坂の悲痛の声が聞こえる。
どうやら、この世界にもキスショットはいたようだ。

忍は僕の血を吸いながらゆっくりと成長していく。
彼女と闘うにはギリギリまで血を飲ませないといけない、まだ時間がかかる。

イリヤ「やっちゃいなさい!バーサーカー!」

その声とともにキスショットが飛び出す。

暦「忍!」

忍「わかっとる」

僕より2、3歳年下くらいまで成長した忍が僕から離れる。
影縫さんと戦った時と同じくらい飲ませたかったけど足りなかった。
僕と忍はその攻撃を躱そうとするが僕は右腕を引きちぎられた。
けど、僕と忍はなんとか少し距離を取り『妖刀・心渡』を構える
ゆっくりと僕の腕は再生していく。


イリヤ「うそ…」

凛「…まさか」

遠くでイリヤスフィールと遠坂の驚きの声が聞こえる。
おそらく、忍とキスショットの見た目に驚いているのだろう、
今は気にすることじゃあない。

忍「お前様…、儂がまず、突っ込むからその隙に奴を切れ」

忍が作戦にすらなっていない作戦を言う。

忍「ヤツとは別人だが、このまま狂気におとしとくのも不愉快じゃ。ここで仕留める」

次は意気込みか…
だけど、同感だ

暦「わかった」

イリヤ「…面白いサーヴァントね、お兄ちゃん。まさか、同じ英霊を召喚してるなんて…」

士郎「同じ…」

凛「…っ」

イリヤ「でも、私のバーサーカーのほうが強いんだから、狂いなさい!バーサーカー!」

キスショット「ギャァああああああああ!」

凛「嘘!全力じゃなかったの?」

遠坂のその声と共にキスショットに幾つもの十字架が突きささり燃える

忍「アーチャーか…、お前様!」

忍の声と共に僕と忍は駆け出した。

キスショット「ーーーーーーー!」

暦「ぐっが!」

忍「がっ」

燃えた状態でキスショットから攻撃をくらい僕と忍は吹き飛ばされる


立ち上がると忍の前にキスショットが居た。忍はぐったりと倒れている。

やめてくれ…

身体が動かない、再生が追いついていない。

イリヤ「とどめを刺しなさい、バーサーカー!」

やめろ、

キスショットは拳を振り上げる、
忍がやられそうなのに、僕には何も出来ないのか、

暦「やめろぉぉおお!」

士郎「がっ!」

衛宮が忍を庇った

008

結果から言うと、衛宮が忍を庇い倒れた。本来ならそれで死んでもおかしくないのに衛宮はギリギリ生きていた。奇跡だ。
その光景を見たイリヤスフィールは「つまらない」と言って何処かに行ってしまい、その時の彼女の表情は何処か忘れられないとのだった。
そして、再生が終わった僕と忍の血を衛宮にぶっかけて傷を治し(完治はしていないが死なない程度には治った)、そして遠坂の協力の元衛宮家に戻った。

帰り道、忍はミスタードーナッツの店をしっかりと確認していたのを僕は見逃さなかった(見た目、高校生がミスドを見つけて目をキラキラさせているのは少し考えものである)

そして、衛宮を適当な部屋に寝かせて遠坂とともに居間だと思われる部屋に移動し、僕は忍の血を吸い幼女の姿に戻した。

状況説明終わり





凛「…あんた達、特にあんた、どこの英霊なの?」

唐突に遠坂は僕を指差してそういう。
しかし、どこの英雄と聞かれても、僕は唯の吸血鬼もどきの人間だとしかいえない。
そもそも死んでいない。
魔翌力も自分で精製できてる。
霊体化は出来ないけど。
こんな事を言ったら怒られそうだ。

凛「ま、敵に情報を教えないと思うけど…、弱点の想像はついたし」

当然だけれど、僕と忍が吸血鬼だとばれてしまった。
仕方が無い事だが

忍「だが、弱点が弱点になるとは思わん事だな、儂はそういう存在じゃぞ」

確かに今の忍も僕も太陽の光を浴びても死なないし、鏡にも普通に写る。
しかし、戦闘能力も同時に失われている

凛「ふーん」

と、まるで見透かしたようにそういう。

凛「話は変わるけど、同盟組まないかしら?」

暦「同盟?」

凛「そう、共闘しようという事よ。詳しい話しは衛宮君が起きてからだけど、マスターが大怪我したあなた達には悪い話では無いでしょう?」

確かに悪くは無い。
それどころか、バトルロアイヤル形式の聖杯戦争にはアドバンテージになる
それに、彼女には出来るだけ早く引導を渡したい

暦「まぁ、決めるのは衛宮が起きてからになるけど、忍、お前はどうする?」

忍「儂は我が主に任せる…短髪小僧が起きてきたら起こしてくれ、おやすみ」

暦「寝やがった…」

忍は胡座をかいている僕の足を枕にして寝てしまった。
衛宮が起きたら起こせとは、何か話があるのだろうか?

凛「…寝たの?、サーヴァントは睡眠は必要ないはずなんだけど」

暦「多分、暇だから…」

凛「…暇って、私がここで裏切ったらどうするのよ」

暦「僕に言われもしょうがないんだけど」

凛「確かに…、そうだけど」

…。

会話が続かない
僕に無駄話スキルがあるという人がいるのだけれど、バレンタインあたりに言われる気がするのだけれど僕にはそんなものは無い。
僕にはそれほど会話のスキルが無い。
友達なんて去年までいなかったからな!

凛「…」

暦「…」

忍「zzzzz」




暦「…で、なんで僕たちと手を組む気になったんだ?」

とりあえず、話題を振ってみることにした。

凛「簡単な話よ、バーサーカーには私たちだけじゃ勝てないと判断したからよ。あなた達もそうでしょう?
2人1組の英霊だっけ?それも明らかにバーサーカー、ハートアンダーブレードに関係している英霊でも、バーサーカーには勝てなかった。」

思いのほか話題に乗ってくれた、遠坂も気まずかったようだ。

暦「だから、手を組むと」

確かに悪くは無い
事実だ、僕と忍が手を組んでもバーサーカーには勝てない。
引導を渡す為にも手を組んだ方がいい

凛「そうよ、でも、…1つ聞いていいかしら?」

暦「なんだ」

凛「あなた達、どっちがセイバーなの?」

どっちとは?

暦「? サーヴァントとしてはどちらもセイバーだけど…」

凛「なら、どっちをセイバーとして呼べばいいのかしら? 衛宮君は貴方の真名で読んでいるみたいだけど、同盟を組む身としては敵に真名を明かす真似はしたく無いのよ」

確かにもっともな意見だが、しかし、その心配は無いと思う

暦「その心配は無いと思うけど…、なんなら、セイバーAとセイバーBとかでいいんじゃ無いか?」

凛「そんなんでいいの? 」

暦「うん、構わない」

Aを譲る気は無いけど

忍「なら、儂がAじゃな」

暦「なっ、忍、起きてたのか!」

忍「ふん、途中からだがな、AかBとで言えばAの方がいい、リーダーっぽい」

暦「いや、僕がAだ、そもそも忍は僕の宝具として召喚されていても文句言えない身だっただろう?」

凛「え? そうなの?」

暦「ああ、忍はこんなんだからな」

忍「こんなんとはなんじゃ! お主も儂がいなければただの、ツッコミマシーンじゃろ」

暦「誰か、ツッコミマシーンだ!」

忍「ふん、じゃが、赤ツイン娘」

無視!

凛「私のこと?」

忍「うぬだけ呼び方変えても、こいつらが変えなければ意味がなかろう?」

凛「あ…」

確かに

009

しばらくぶりの投下だが、特に気にせず僕と忍の経験した話を語ろうと僕は思う。

扇「へぇー、気にしなきゃダメですよ、阿良々木先輩。少なからず楽しみにしている人がいるかもしれないじゃ無いですか、その人のことを慮らないなんて本当に愚かですね。」

暦「いや、まぁ、確かにそうなんだけど」

いや、こんなssを読んでいる人がいるかどうか…

扇「で、早く続きを聞かせてください。阿良々木先輩、その後、どうなったんですか? まぁ、どうにもなりませんよね、あんな意味の無い戦いなんて。」

暦「扇ちゃん、君は何にを知っているんだ?」

扇「私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです。阿良々木先輩」

続けよう。
僕と忍が体験した、なんの意味も教訓も無い戦いの物語を

010

あれから、すぐに衛宮は起きてきた。しかし、僕は吸血鬼の後遺症で徹夜は得意だが遠坂は平気なのだろうか?
そして、遠坂と衛宮はしばらく会話したのち遠坂は同盟を提案した。

士郎「うん、俺はかまわないと言うより願っても無い提案だ。遠坂とも戦いたく無いしな」

と、衛宮が言うと遠坂はここに住むと言い始めて衛宮は押し切られてしまった。
僕もあんな感じに迫られたら断れないと思う…。
初めて会った時の戦場ヶ原並みの迫力があった。


凛「今から色々と荷物を取って来るから」

士郎「待て! まだ暗いぞ」

凛「なに? 心配してくれてるの?大丈夫よ、魔術師は夜の生き物だから」

士郎「む、確かにそうだが、そういう問題じゃなくてだな…、女の子が暗い中で歩くのは…」

衛宮の言ってることはもっともだが、それよりも

暦「バーサーカーのマスターがまだいるかもしれない」

遠坂が出歩いて人質に取られたら目も当てられない。
春休みの羽川のことでもう懲りている。

凛「…確かにそうね。わかったわ、日が出てから行くわ。明日…、もう今日か、学校も無いしね。
じゃあ、それまでこれからの行動方針でも決めましょうか」

士郎「方針を決める前に俺は少し軽食でも作ってくるよ、5分待ってくれ…。阿良々木さんと、忍は?」

暦「ああ、悪いな。貰うよ。忍のはいいや」

忍は今は僕の影に潜ってしまった。作戦会議に参加するのかしないのか…。本当に自由なやつだ。

5分後、衛宮は軽食を持って出てきた。
すごく美味しかったとだけ明記しておこう。

士郎「早速、本題に入るけど。あの、バーサーカーの正体ってなんなんだ?遠坂は知ってるみたいだったし。それに、忍ともそっくりだった」

暦「忍とバーサーカーとの関係は置いといてくれ」

俺がそういうと2人は頷いてくれた。遠坂には事前に了承してくれていたけど

凛「バーサーカーのマスターの言っていたことが本当なら、バーサーカーの正体はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードということになるわ」

暦「それに関しては間違いない。僕が彼女を見間違えるわけが無い」

僕なら腰の形で見分けることができる。

士郎「その、キス…って、なんなんだ?聞いたこともないけど、そんなに有名なのか?」

凛「魔術師なのにそんなことも知らないの?」

士郎「ほっとけ」

凛「ハートアンダーブレードはアラヤ側の存在なのよ」

士郎「アラヤ側? でも真祖って確か星が生んだ触覚だろ?」

凛「そうね、でも彼女は違うの、一般人にとってはそんなのは関係ない。だから、真祖や死徒の目撃談から人間の信仰や都市伝説、道徳叙説が生まれる。そうすれば、怪異となって現れる。
それが、人間側の吸血鬼。
その頂点に立つのがハートアンダーブレードなのよ。」

士郎「…頂点」

凛「それに、吸血鬼は怪異の中でも最強クラスなのよ。まぁ、元になってるのが真祖だからしょうがないのだけど」

士郎「そうか、だったらあの強さも…」

凛「…それだけじゃないわ。ハートアンダーブレードが怪異の王と呼ばれているのは、まだ、とんでもない伝説があるからよ」

士郎「とんでもない伝説?」

なんだ?
まぁ、何があってもおかしくないからな

凛「ハートアンダーブレードは他の吸血鬼から血を吸われて吸血鬼になったって言われているわ。つまり、誰かの眷属なのよ」

そう、確か本人もそんなことを言ってたな

凛「なのに、ハートアンダーブレードの主人を差し置いて怪異の王になれたのは何故か」

確かに、言われてみればなんでだ?

士郎「…どうしてなんだ?」

凛「簡単よ、ハートアンダーブレードは真祖を喰らったのよ」

士郎「は?」

凛「ハートアンダーブレードは星の触覚を吸収し、合わさったのよ。だから、主人から無理矢理解放され、最強の怪異となったの、わかる?、バーサーカーはとんでもないやつなのよ」

士郎「…」

011

その後、話を終えたのが6時過ぎだった。
これからは、毎晩、見回りをすることとなった。
それと、遠坂の情報によりナントカ寺にキャスターが潜んでいるということがわかった。

そして、朝食を食べた後に遠坂は自宅に荷物を取りに行った。


遠坂が出て行った後、衛宮と僕は2人きりとなってしまった。(忍は影で熟睡)
しかし、遠坂はしばらくすると戻ってきて衛宮家の離れの一室を完全リフォームし始めてしまった。

その時、一本の電話がかかってきた。
衛宮曰く藤村という教師というより姉のような存在が弁当を届けて欲しいという電話だそうだ。
学校や道中でマスターに襲われる危険性があるため、昼は非力であるが僕も同行することにした。




今日の投下終わり


衛宮の通っている学校へと向かう途中、折角なのでとあることを話しておくことにした。
多分、それはすごくお節介なことなのだけど、僕は話さずにはいられなかった。
きっと僕は衛宮と彼女たち、僕の愛すべき妹たちを重ねていたのだと思う。


暦「なぁ、衛宮が聖杯戦争に参加した理由ってなんだ?」

士郎「 前にも言ったけど、戦いに無関係な人が巻き込まれないために、この戦争を終わらせる」

暦「それは、衛宮自身には願いはないんだな」

士郎「特に無いな無いな…」

やっぱり、衛宮は偽物だ。
妹以上に偽物だ。
偽物だからこそ美しいとは誰が言ったのだけ?
だけど、だからこそ、柄じゃ無くても、普段と逆の立場だけど、僕は衛宮に言わなくてはならない。


暦「そうか、衛宮、僕は衛宮がこの戦いに参加する理由にとやかく言うつもりは無いし、衛宮が戦う理由は間違っていないと思う。どちらかというと本物より本物らしいと思う」

だけど、衛宮はわかってるのだろうか?

暦「だけど、聖杯戦争に参加するマスターと英霊は何か願いがあるんだ。衛宮の戦う理由はそれを踏み潰すことなんだ。」

士郎「そ、それは…、でも、他人を巻き込むのは間違ってる。人を殺しても願いを叶えるなんておかしい!」

暦「確かにそれは『正しい』と思う。だけど、それだけだ。マスターの願いを否定する理由にはならない。
もし、マスターの願いが誰かを助けたいって願いだったら?
もし、マスターの大切な人が聖杯なんてものに頼れないと助からない状態だったら?
そういったことを考えておくべきだ。他人の願いを踏みにじる覚悟をしておくべきだ」

士郎「…、阿良々木さんは覚悟を決めているのか?」

暦「ああ、もう覚悟は出来てるよ」

覚悟は出来てる。
たとえ、夏休みの宿題が原因だとしても、自業自得でも、僕は帰りたいんだ。

戦場ヶ原のもとへ
羽川のもとへ
神原のもとへ
八九寺のもとへ
千石のもとへ
火憐のもとへ

みんなのもとへ帰りたいんだ。
そのためなら何でもやる覚悟は出来ている。




012

その後、衛宮の通っている学校へと向かう道では衛宮は何も言わなかった。
しかし、学校に入る段になって忍が突如影から声を出した。

忍「気をつけろお前様、この学校、結界が張っておるぞ」

暦「結界?」

忍「どういうものかは儂には分からんが、まず間違いなく結界が張られてる。いや、張ろうとしている…かのう?」

暦「どういうことだ?」

忍「つまりは、作りかけじゃ、まだ、害は無いが、完成したらどうなるかわからんからのう」

暦「わかった。衛宮、そういうことだ。注意していくぞ」

士郎「お、おう」

衛宮と共に学校へと入ると、当然ながら周りから見られる。
当たり前だが僕は高校三年のため、同年代の男子が私服(ジーパンと衛宮から借りたジャンパー。)で校内を歩いているのだから、目立つだろう。
しかし、改めて他校を見ると校風というのがわかる。
僕の通っている直江津高校の部活はどれも(超大型新人が入部した運動部を除く)参加することに意義がある、といった具合に何処か気が抜けていて楽しそうにやっていたが、この高校はなんだかガチでやっている。

そして、なんと立派な弓道場に辿り着いた。
立派だ、直江津高校の弓道場はボールが来ない様にネットで囲まれて的があるだけの風が吹きさらしになっていたがここにはちゃんと建物がある様だ。

士郎「ここで待っててくれ」

と、衛宮はそういうと弓道場へと入っていった。
僕は奇異の視線に晒されながらしばらく待つといかにも元気の良い女の人と衛宮が出てきた。
僕の周りにはいない正統派な元気な人だ。

大河「君が士郎が言ってた阿良々木くん?」

暦「はい、阿良々木 暦です。すいません。私服で…」

大河「ん? ああ、いいのいいの、士郎の友達なら。でも、びっくりだよね。士郎に年上のしかも他校の友達がいるなんて、私、知らなかったな〜」

衛宮の友達なら私服で入ってきていいのか!
それより、部外者が勝手に入って良いのか!
だめだろ

士郎「はは、それで藤ねぇ、さっきの話なんだが…」

大河「うん、いいよ、しばらく泊まるんだよね? 女の子なら問題だけど男の子だからね。それに話を聞く限り妹ちゃんは阿良々木君についてきただけみたいだし」

暦「ありがとうございます。」

あらかじめ、僕と忍と遠坂が泊まることをここで許可をもらっておくことにしていたのだけど。
この様子だと遠坂のことは話していない様だ

暦「…衛宮、もう1人、泊まる人がいるはずだったろ」

大河「もう1人?」

士郎「…、遠坂と奴がうちに泊まるとか聞かないんだ」

と、衛宮のその発言のあと、虎が現れた。
虎だ。
炎の虎と表現をしたほうが良いかもしれない。その虎を見ながら何故か羽川を思い浮かべてしまったがどうしてだろう?
英霊には過去の記憶の他に記録があるというが未来で虎と羽川になにかあるのなろうか?

013

まぁ、その後、我ながら凄まじい言い訳ののち遠坂の宿泊を許してもらえた。
その際、衛宮はなんだかゾンビの様になってしまったが…。
しかし、その言い訳が、僕と遠坂が親戚で本来なら遠坂の家に泊まるはずだったが、遠坂家が今は人が住む様な環境ではないため僕と忍は友人の衛宮の家に避難したが、忍が遠坂と泊まりたいと、わがままを言ったから、となったが、帰ったら遠坂に報告をしなければならない。

で、夜、帰り道
藤村さんを説得するために数時間使ってしまい今は夜になってしまった。
時間は7時、遠坂がブチ切れる可能性があるが仕方がない。

桜「阿良々木さんは先輩とどこで知り合ったんですか?」

と、衛宮の後輩、間桐桜は衛宮に関して熱心に聞いてくる。此処まで慕ってくれる後輩がいるなんて羨ましい。
僕にもいることにいるのだが、アレと間桐を比べるのは違う気がする。
種族が違う気がする。

暦「あ、ああ、何年か前にこっちに来た時に衛宮が赤い棒を持った全身青タイツに襲われてたんだ。それを助けたのがきっかけで友人になったんだ」

大河「ちょっと待った!それってほぼ犯罪じゃない! 私そんな事件知らないよ士郎」

士郎「…いうほどのことじゃないって思ったんだ。無傷だったし。それに済んだことなんだ掘りかえすなよ」

大河「むー」


ミスドに寄ってから(お金は同じみたいだ)衛宮の家に戻ると、案の定遠坂が玄関で仁王立ちしていた。

凛「衛宮君、随分と遅いおかえりで」

士郎「あ、ああ、すまない。藤ねぇを説得するのに時間がかかったんだ」

凛「藤ねぇ? あ、藤村先生…お邪魔してます。間桐さんもこんばんわ…」

と、遠坂は突如、雰囲気が変わった。
猫どころか化け猫を被った、障り猫どころの話じゃあない。

大河「こんにちは、遠坂さん。いやぁ大変だね、業者のミスで親戚が来る時に家の全面改装になるなんて。まぁ、小さい子もいるし、士郎が間違いを犯すとも思わないけど気をてね」

凛「親戚…ですか?」

まずい!

暦「あ、あ〜〜、遠坂、ちょっと来てくれ!親戚同士、忍も交えて3人で話そうじゃないか。うん」

凛「え? ちょと!」

遠坂の肩を押して別室に移動すると、凛がすごい表情で睨んできた。

凛「どういうこと? 此処でやる気?」

暦「いや、実はな…」

藤村さんに説明した遠坂がこの家にいる理由を説明した。

凛「なるほどね…、わかったわ。霊体化出来やないのも考えものね…」

暦「まぁな、と言うわけどから、忍もよろしくな」

買ってきた、ポンデショコラを箱から出すも忍が影から出てきて僕の手からひったくった。

忍「まぁ、事情が事情だから仕方あるまい、お兄ちゃん」

千石からお兄ちゃんと呼ばれているのだけど、忍から呼ばれるのはそれはそれで不思議な感覚だ。
悪くわない


今日の投下終わり

>>49
で、月火が抜けてた。
すまん月火!

014

作者が名前をつけるのを覚えた。
しかし、それよりも、重要なことが起きている。

凛「…どういうこと、ちゃんと説明してちょうだい!」

遠坂はそう言うと忍に迫る。しかし、忍は気にせず、僕に話しかける。

忍「では、どうするかの?お前様。あの淫乱娘、もしかしたら敵の間者、スパイかもしれんぞ? ダブルオーセブンじゃ」

014

作者が名前をつけるのを覚えた。
しかし、それよりも、重要なことが起きている。

凛「…どういうこと、ちゃんと説明してちょうだい!」

遠坂はそう言うと忍に迫る。しかし、忍は気にせず、僕に話しかける。

忍「では、どうするかの?お前様。あの淫乱娘、もしかしたら敵の間者、スパイかもしれんぞ? ダブルオーセブンじゃ」


ことの発端は数分前に遡る。つまり、僕と忍そして遠坂が3人で密談している時だ。

忍「ところで、お前様。あの…淫乱娘、名前なんて言ったかの…ほら、」

唐突に、僕と妹契約をした後に忍は言い出した。

はて、淫乱娘とは誰の事だろうか?

忍「あの…マスター(笑)の後輩の…」

凛「桜の事? …それより、どうして淫乱娘なのよ?」

暦「そうだ、どうして間桐が淫乱娘なんだ?神原とは違って下ネタとか言わないぞ?」

僕がそう言うと忍は鼻で笑う。

忍「外見や雰囲気で誤魔化されとるぞ。あの娘、おそらく、ヤッたばかりじゃ。口から男の臭いがプンプンするぞ。ま、男女間の関係にとやかく言わんがの。年下に先を越されたの?お前様」

暦「余計なお世話だ!」

戦場ヶ原は昔のトラウマでそういう行為はまだ抵抗があるからであって、断じて僕がビビっている訳ではない。

凛「…嘘、桜が…まさか…」

遠坂も遠坂で変にショックを受けている。
それに、直接会話した僕はそんな臭い感じなかったけど忍は感じた。つまり、英霊になった事で何処か本来の僕たちと能力と異なっているようだ。
ようするに、本来、忍にそんな嗅覚は無い…よな?
そう言えば火憐を探すのを手伝って貰った時は嗅覚で探したんだっけ?
忘れてしまった。

暦「で、その…間桐がどうしたんだ?確かに健全とは言えないけど、僕達が口を挟む話しでは無いと思うけど」

忍「そうじゃ、重要なのはそれじゃ無い。
ただ、あの娘から怪異の気配を感じるんじゃよ。」

遠坂「…気配?」

暦「どういう事だ?」

忍「あやつの体から、怪異を感じるんじゃよ。儂は専門家では無いからなんの怪異かはわからんが…。アロハ小僧ならわかったかもな。」

そして、>>62にもどる



忍「あの娘はマスター(笑)の後輩じゃぞ、という事はあの学校の生徒じゃという事をわすれるなよ、我が主様よ。」

暦「そうか…、結界か…。学校に結界を張るという事は学校関係者の確率が高い…か」

忍「それに、そこの赤娘、うぬレベルの専門家…魔術師ならあやつの中にある怪異…魔術の気配に気づいた筈じゃ…なぜ、気がつかんかった? 気が付きたくなかったのか?」

忍がそういうと、遠坂は泣きそうな顔になり扉に向けて早足で移動する。

凛「…多分、桜は聖杯戦争の関係者よ。詳しくは衛宮君もいれて後で話すわ。…それには藤村先生をどうにかしないと」

そういうと部屋から出て行った。



015

居間に向かうとちょうど、衛宮と間桐が夕飯を配膳している所だった。
遠坂はさっきとは全く違いいつも通りに戻っている。

大河「あ、暦くんも戻ってきた。もう、私、お腹減っちゃったよ。さ、さ、早く食べよう。」

と、催促を着た事もあり、衛宮の配膳スピードは上がり夕飯を開始した。

その後の食事風景は特に書くことは無くいので飛ばす。別にめんどくさい訳ではない。
強いて言うなら、忍が「ドーナッツの次くらいに美味かった、ほめてつかわす」との、評価を下していた。

そして、藤村さんが泊まると、言い始めたので遠坂が「阿良々木さんと衛宮君は旧友同士折角会えたのですから積もる話もあるでしょうし、大人はいない方がいいと思いますよ? 私も妹ちゃんと久しぶりに遊びたいですし」
などと言い、藤村さんと間桐を家から追い出した。

そして、聖杯戦争の作戦会議が始まった。


凛「衛宮君、落ち着いて聞いて欲しいのだけど、おそらく…、ううん、高確率で桜はマスター、もしくはその協力者よ」

遠坂は作戦会議が始まった瞬間にそう言った。
そして、衛宮は初め何を言っているのか理解できなかったのか、呆然とした後に反論した。

士郎「どうして、そうなるんだ!桜は普通の女の子だぞ? 魔術師なんかじゃ…」

凛「…間桐の家は元々魔術師の家なのよ。今は廃れちゃってるけどね。」

言葉を続ける遠坂の声は少しづつ、機械的になっていくように感じた。
まるで、感情を押し殺して話しているような感じだ。

凛「間桐の魔術回路は代を増すごとに減って行き、慎二の代で回路は無くなってしまったの。だから、本来なら聖杯戦争に参加できない」

士郎「…その話が本当なら、桜は関係無いんじゃないか?」

僕は今の遠坂はあの時の戦場ヶ原のようだと感じた。
蟹と出会い、思いと、重み、を無くしてしまった戦場ヶ原は、自らの思いと、蟹と向き合い重さを取り戻した。

今の遠坂を見て僕は、目を背け、人任せにしていた思いと向き合っている時の戦場ヶ原を思い起こした。

凛「何事にも例外はあるわ。 間桐桜は昔、遠坂桜って名前だったわ」

士郎「…どういう事だ」

忍「かっか、そういう事か」

忍は今の発言で全てを悟ったようだ

暦「どうことだ?」

忍「かんたんじゃろ。魔術を使えなくなった淫乱娘の今の家は、魔術の力を復活させるために、その赤娘の家の子供を養子に貰った…そんなこともわからんのかお前様よ。」

凛「そうよ、何でかな、今の今までそんなこと考えないようにしてた。
桜は間桐の家で魔術とは関係無く幸せに暮らしてるって思ってた。思いたかったから、考えなかった」

そうか、遠坂はその事実から目をそらしてた。
この世界観の魔術師は残酷だ、何でもありだ。だから、遠坂は妹が幸せであると信じたかった。
そして、魔術に関わっている事実から目を逸らした。

凛「遠坂と間桐の魔術は違う。自分の血と合わない魔術を使えるようにするのはとっても辛い、地獄のような苦しみのはず…。桜がそんなことになってるなんて…」

士郎「…桜と話をしよう。全てはそれからだ」

凛「…でも、桜は多分敵よ。前回の聖杯戦争に貴方の養父が参加してたんでしょ?だから、きっと、桜はそんな貴方を監視しに来たんだと思うわ」

士郎「それでも、俺は桜と戦いたく無い。きっと、話せば分かるはずだ。それに、桜はそんな非道なことをするようなやつじゃ無い」

暦「僕も衛宮に同感だ。魔術師だからってマスターだとは限らないし、
マスターだとしても敵対するとは限らない。
敵対してもサーヴァントを倒せばいいだけだ。だろ?衛宮」

士郎「ああ」

凛「…そうね。聖杯戦争に勝つのは私よ」

いいや、僕だ。
僕は勝たなければいけない


今日の更新は終わり

016

翌日、朝早く1本の電話が衛宮家に入った。その電話には衛宮が出た為僕は分からないけれど、衛宮曰く、藤村さんからで内容としては「親戚がいるなら私はお邪魔ね、桜ちゃんにも言っとくから暫くは好きにすると良い」という内容だったらしい。

士郎「藤ねぇのやろう。拗ねやがって」

とは、衛宮の談だ。

そもそも、毎日ご飯を作りに来てくれる、後輩とか例え、監視のためだとしても羨まし過ぎる。
僕の周りにはやはりこういう人が足りないと思う。

凛「…はぁ、拗ねた…ね」

大の大人が拗ねることに思うところがあるけれど話を進めよう。

凛「まぁ、来ないのはしょうがないわ。放課後、桜を呼び出しましょう。」

士郎「呼ぶのは、俺に任せてくれ」

凛「任せてくれって…、学校行く気?、あなたのセイバーは霊体化できないのよ?」

士郎「当然だ。それに、昼間から仕掛けてくるマスターもいないだろう?それに、桜に直接言った方が早い」

凛「…呆れた、桜は敵かもしれないのよ?」

士郎「いいや、桜はそんなことはしない」

凛「…はぁ、わかったわ。じゃあ、呼び出しは衛宮君に任せるわ。放課後、この家に来てもらいましょ」

と、遠坂。
されげ無く文字通り戦場になるかもしれないのにこの家を指定している。

まぁ、こういう事があり、現在、この衛宮邸には僕1人しかいない。

文字通り、僕1人だ。
忍もいない。

じつは衛宮と遠坂が家を出る前に、忍を衛宮の了承を得てから衛宮の影に潜ませたのだ。
本来なら僕の影しか入れないのだがマスターということで可能になった。
こうすることにより、衛宮の安全も多少はマシになっただろう

それはともかくとして、

暇だ
とにかく暇だ

やることがない。

暇なのだ。
ということなので、忍もいないことだし、真のfreedomを満喫しようかと思う。

まずは、衛宮の部屋からエロ本を見つけようと思う。
いや、人の部屋を勝手に漁るのはどうかと思うが、思春期の男子が知り合いの部屋の男子の部屋に行ったらまず、コレをやるのではないだろうか?
…いや、僕はそんなことは無いが(相手がいない)

暦「…コレは!」

衛宮の部屋を漁ること暫く経ち、僕は遂に鉱脈、エロ本の隠し場所を見つけた。

衛宮はああ見えて結構な量のエロ本が隠されていた。カモフラージュもされていたが僕の目は欺けない

弓道部の女主将ものや、女教師もの、高校に通うお嬢様系や、後輩ものなんかもあった。
中でも多いのが男装の女騎士がデレていくというエロ漫画も保管されていた。
僕とはあまり趣味が合わなそうだ。委員長ものは無いのだろうか?



見ていてなんだか虚しくなってきた、これらは僕の胸にしまい、片付けておこう。

そして、部屋を元どおりにした後、僕は光に包まれた。

017

令呪による強制召喚、
すぐに僕は分かった、コレでもサーヴァントだから。

気がつくと、何処かの屋上にいた。
屋上の建物は赤いドーム状の何かで包まれていた。
そして、目の前には巨大な剣の壁がありその向こうに敵がいるようだ。衛宮、遠坂、アーチャー、そして忍は剣の壁の影に隠れるように身をかがめるようにしている。

??「くくくく、衛宮、今更サーヴァントを呼んでも遅いぞ」

剣の壁の向こうから声が聞こえる。その声に衛宮と遠坂は苦い顔になる。

衛宮「くっ…」

凛「…アーチャー、大丈夫?」

アーチャー「大丈夫に見えるなら、君の目は節穴ということになるがな?凛」

アーチャーの右腕が石になっている。

暦「どういう状況なんだ?」

忍「あやつは、剣の向こうにいるやつは淫乱娘の兄でな、"何処からか"赤娘とマスター(笑)が組んだことを聞き付けたようで、色々あってこうなったんじゃ。」

士郎「なんで、桜が淫蘭娘なんだ?」

凛「…世の中には知らない方がいいことがあるのよ…。話は後、今はライダーをどうにかしないと」


どうやら、剣の向こうにいるのはどうやらライダーとそのマスター、間桐慎二がいるらしい。

忍「御前様」

そう言うと、忍は僕の首に噛みつき血を飲む。」

アーチャー「おそらく、ライダーの正体はメデューサだ。視界に入ればこの通り、石になってしまう」

と言いながら、石化した右腕をみせるアーチャー。
メデューサ、おそらく、知らない人の方が少ないほどポピュラーな存在だろう。

慎二「…はっはは、隠れるしかできないのかよ?、衛宮ぁ、ライダー、とっとと殺せぇ」

ライダーのマスターは、俗に言う、最高にハイってヤツになっているようだ。

アーチャー「マズイぞ」

その時、魔力の流れを感じた。
本来の僕はそんなものわかるわけが無いのだが、サーヴァントになって色々と変わったようだ。

忍「行くぞ…。儂等に石化なんて関係なかろう?」

暦「ああ」

高校生くらいの大きさになった忍が僕に【妖刀・心渡り】を差し出す。
そう、吸血鬼の僕達にはそんなものは関係無い。英霊になったことで忍に血を与えれば吸血鬼全盛期の力に及ばないまでも絶大な力を取り戻せるようになった。

忍「御前様、準備は良いか?」

そう言いながら、忍は右手を切り裂きアーチャーの右腕に自信の血をかける。
すると、アーチャーの石化は解ける

アーチャー「感謝するっ」

その時、アーチャーは凛を担ぎ校舎を飛び降りる。

上を見上げると長い髪の毛を靡かせた長身の女性が白い馬に乗っていた。
そして、大きさは羽川といい勝負だけれど、羽川補正で羽川の勝ちだ。
どんなに美しい曲線を描こうと、
どんなに心地よい弾力があろうと、
どんなに魅惑的に着飾ろうと、
羽川という概念には勝てない、まさしく、羽川とは世界そのものであり、神をも超える存在である。
故にどんなに僕があの胸に見惚れてしまおうと心までは売ることは無い、何故なら僕には羽川信仰を信じているのだから、何処の馬の骨とも知らない胸に心をときめかせる訳がない!
つまり、羽川とは絶対の存在である。
羽川が召喚されなくて良かったな、参加していれば今頃戦争は終わっている。

忍「お前さまは馬鹿か!」

忍に頭をどつかれた。

暦「何するんだ、忍」

慎二「さまぁねぇな、衛宮ぁ。どうだ、なんか言ってみろ」

未だ姿を見えないライダーのマスターの声に後ろを見ると、衛宮は石になっていた。

暦「くそ…」

忍「落ち着け、ライダーを倒せば儂の血で治せる」

そうだ、なら、今はライダーに勝たなければ

ライダー「何故、貴方方は何もならないのです?」

ライダーは白馬…ペガサス? ユニコーン?僕には区別がつかないけど、それに乗り僕達を見下げながら言う。

暦「いや、身体は重いよ。けど、気になるほどじゃ無い」

忍「ふん、儂等を石にしたいならもっと根性をみせるんじゃな」

石化を僕達の再生力が上回った。
それだけのこと。

慎二「何やってる!ライダー! 早く彼奴らを倒せ!」

剣の向こうにからそんな声が聞こえる。
そして、ライダーは白馬の手綱を引く、

ライダー「…騎兵の(ベルレ)…」

宝具!

暦「忍!」

忍「わかっておる!」

ライダー「手綱(フォーン)!」

ライダーは物凄いスピードで突進して来る。
僕と忍は【心渡り】を構え、待ち構えるが、

早過ぎる…。

この速さでは間に合わない…

アーチャー「偽・螺旋剣(カラドボルグII)!」

屋上が割れて、下から矢のようなものが飛び出し、白馬の羽を貫いた

アーチャーの矢で羽を貫かれ白馬はバランスを崩し速度が落ちた。
これならいける。

暦「うぉおおおお!」

忍「はぁぁあ!」

忍と僕は心渡りを振るいライダーと白馬を切り裂いた。
僕はライダーを切り裂いたのか、白馬を切り裂いたのか分からないけど、この感触は一生忘れられないと思う。
忘れてはいけ無いと思う。

今日はここまで
もしかしたら、運が良ければまた、投下するかも

入力する名前まちがえた

同一人物です


018

ライダーの所為で学校にいた人達が大勢倒れて病院へと運ばれることとなった。教会が関与しているためどうにかなるそうだ。
幸いなことにしにはいない


凛「慎二、あなたの負けよ。さぁ、幾つか答えてもらうわよ」

遠坂はライダーが消えて怯える慎二にまるで霊丸のような魔術で学校の壁を壊して脅した、いや、霊丸とは違い黒色だけど…。
そして、間桐慎二は遠坂の質問に怯え、虚勢を張りながら答えた。

ライダーは間桐桜が召喚したもので、間桐慎二は仮のマスターに過ぎないらしい。
さらに、間桐桜はやはり、間桐家の跡取りらしい。

凛「…最後に桜の恋人が誰だか知ってる?」

慎二「し、知るわけ無いだろ? か、可能性、があるなら、衛宮ぐらい、じゃないか?」

凛「…、そ、じゃあ行っていいわよ」

遠坂はそう言うと間桐慎二は走って逃げていった。

士郎「…、なんで、桜の恋人を聞いたんだ?」

凛「…まぁ、それは…」

士郎「遠坂、あまり人の事を調べない方が良いぞ、それより、これで桜の問題は無くなったな。これで敵対する理由は無いんだ」

暦「…そうだな」

士郎「? なんでそんな暗そうなんだ」

暦「いや…」

間桐が実は知らないところに彼氏が居るという事実を知ったら衛宮はどうおもうのだろうか?
というより、これは僕が言っても良いことなのか?
とりあえず、こういうことは自分に当てはめて考えてみよう。

神原に彼氏がいた、経験済みである。



なんか無性に腹立つ!
生意気だ、

凛「衛宮君、桜が敵対するかどうか彼女、いいえ、間桐家が決めること。もし、彼女が今後も接触してくるなら敵対しないこと証明してもらいましょ。
他のマスターと繋がっている可能性もあるのよ」

士郎「確かに、そうだけど。桜と敵対したく無いんだよな」

凛「…私も好き好んで敵対したいわけじゃ無いわ。桜が他のマスターと繋がってなければ、別にとやかく言うつもりは無いわよ。」

そこで、遠坂は一呼吸おく。
あの表情は決意を決めた顔だ、言う気だ!
遠坂は事実を、現実を衛宮に突きつけるつもりだ!

凛「…士郎、心して聞きなさい!」

士郎「…?」

凛「実は…ね、桜は恋人がいるのよ」

士郎「は? …」

士郎「…うん、桜も高校生だからなそれ位居てもおかしく無い」

凛「…はぁ、じゃあ、なんで…、まぁ良いわ。帰りましょ。今日はもう休校だし…」

ということで僕達は帰宅した。

019

その日は、魔力を戻すため休むことした。
その翌日、学校は当然のように休校だった。不幸中の幸いだが、結界が発動していた時間がそこまで長くなかったのため1週間もすればい学校は再開するようだ。当然ながら皆、1日か2日の入院で退院するそうだ。
まぁ、その日で復活した猛者もいるのだが、

そして、次の日。

凛「次、どうすれば良いと思う?」

士郎「顔が分かってるのが、ランサーと、バーサーカー、その内、マスターが分かってるのがバーサーカーだけ、そして、おそらくキャスターと思われる存在が柳洞寺にいる」

凛「そうね、キャスターは時間があればあるだけ魔力を溜めて厄介になるわ、早い内に叩きたいのよ。」

士郎「でも、マスターが、葛木ってそんなことあるか?」

暦「誰だ?」

凛「学校の先生よ、そして、柳洞寺に住んでるんですって。そして、少し前に婚約者として外国人を突然連れてきたらしい」

暦「すごい、怪しいな…」

凛「本当なら、学校からの帰りに調べるつもりだったんだけど…、学校があんなことになっちゃって」

その時、突然に影から声が聞こえた。

忍「そんな、ぐちぐち考える必要もなかろうよ。お前様。正面から殴り込めばよかろう?
何が問題がある。」

020

と言う訳で、夜。
僕達は、長い階段の前に来ていた。

長い階段だ、まるで…

忍「あの、神社みたいじゃな、お前様。それにしても」

暦「そうだな、」

僕の横には高校生くらいのサイズの忍がいる。
そして、衛宮と遠坂、アーチャーもいる。

凛「まさか、正面突破とはね。分かりやすくて良いけど」

アーチャー「…まぁ、我がマスターには似合っているだろう」

凛「それどういう意味?」

遠坂とアーチャーは何やら言い争っているけれどなにやら楽しそうだ。
物語シリーズの本編なら此処で20ページ近く使うのだろうか?

忍「なら、ここで30スレくらい使う?」

暦「使うな、どんどん進めるぞ。そもそも、物語シリーズは一巻で大体030章弱くらいだ。なのに、020章で負けたのはライダーだけだぞ。そろそろ、本気を出して行かないとな」

忍「まさに、ガンガン行こうぜ、か?」

暦「そうだ、これから一章で1人倒すぐらいのテンポでいこうと思う。」

忍「ほう、なら、もう直ぐ終わりそうじゃの?」

暦「いや、甘いぜ、忍。一章をバカみたく長くするんだ」

忍「!、その行為に意味はあるのか?」

暦「無い!」

と、頑張って雑談をしてみたものの面白みのある文章は書けない。西尾維新の真似はするものでは無い。というか、マネにもなってない。

凛「よし、行くわよ。みんな」

遠坂の掛け声で僕達は階段を上る。


今日の投下終わり

interval

扇「いやぁ、阿良々木先輩 全然更新しませんねぇ」

暦「…それは認めるが、こっちにも予定があるんだ」

扇「ええ? 最低でも週に一度は投下するって言ったじゃないですか」

暦「え?」

そんなことは言った覚えがない、
けれど、扇ちゃんがそういうのだから言ったのだろう。

暦「…ああ、悪い、だけど明日には本編を投下できると思うんだ。」

扇「前回の展開からキャスター戦でしたよね? いやぁ、気になるなぁ。でも、明日ですか?明日っていつの明日なんですか?」

暦「今日の明日だ、投下された日にちを見ろ」

扇「おお、こんなところに日付が…。いやぁ、阿良々木先輩って物知りだなぁ。」

暦「いや、絶対知ってだろ」

扇「それでは、また明日」

021

石段を駆け上がっていくと、山門がありその前に1人の男がいた。

暦「侍…」

僕たちの足は止まる。
山門の前に立つ男はまるで山門を守っているようだ。
いや、守っているのだろう。
彼も間違いなくサーヴァントだ。

男「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。」

その男、アサシンは自らの真名を明かした。

凛「へぇ、いきなり真名を言うなんて舐めてくれるじゃない?」

アサシン「いや、舐めてるわけでは無いのだが…、まぁ良い、何にせよ、ここを通りたければ押し通れ」

アサシンがそういうと、心渡りくらいの長さの刀を抜き、構えた。

忍「かっか」

すると、忍は高らかに笑った

忍「お前さま! 佐々木小次郎じゃぞ、見ろ!モノホンじゃ!すごいな!サイン貰って売ったらミスタードーナツ何個買えるんじゃろうな!」

暦「空気を壊すな!そして売るな勿体無い」

というよりも、貰ったとしても本物のサインだと信じて貰えるのだろうか?


アサシン「くく、残念だが、元よりお前らの思う佐々木小次郎という男はいない。
私はかの男と同じ技が使えるというだけで召喚されただけに過ぎぬ」

忍「…帰ろうか」

暦「帰るな」

その時、女性の笑い声が辺りに響いた。
するの、アサシンの頭上にローブを蝶や蛾のように広げた女性が現れた。

女「流石にこの人数相手では、いくら貴方でも無理があるでしょう?」

アサシン「ふ、キャスターか…、あの男の相手は良いのか?」

どうやら、キャスターとアサシンは組んでいたようだ。
それより、あの男…

キャスター「敵が攻めてきているのに、そんなことをしている訳がないでしょう」

その時、キャスターの周りに大量の魔法陣が浮かんだ。

凛「アーチャーはキャスターを、セイバー2人はアサシンの相手をお願い、私も援護するわ」

いや、確かに空中にいる相手にはアーチャーが有利かもしれない、たが、この場合は逆だ。

暦「遠坂、逆だ、アーチャーはアサシンの相手をしてくれ」

凛「え? でも…飛んでる相手に剣なんてとどこないわよ」

キャスター「お話は終わったかしら?、なら、はじめましょう」

一同「…がっ」

キャスターがそういうと、僕たちのまわりがいっきに重くなった。
まるで、上から抑え込まれているようだ。
僕は再生力はあるが防御力は紙なんだ。

忍「かっか、この程度か。」

忍は高らかに笑っていた、そして、この設定は忘れがちだが、忍は飛べる。

忍の背中から巨大な翼が一対はえてきて、それをはばたかせて飛んだ。

キャスター「なっ」

両手には【心渡り】を持ち、それで、キャスターから放たれた魔術を切り裂いていく。

凛「ーーーー」

一方で遠坂が何かを唱えて、宝石をばらまくと押さえつけられている感覚が和らぐ

アサシン「女狐も戦っていることだ、私たちもはじめよう」

アーチャー「ああ」

ここでも、戦いが始まった。





022

僕は忍とキャスターの戦いの流れ弾を【心渡り】で切りながら戦いを見ている。
そもそも、忍が負ける訳がない。
サーヴァントつまりは英霊とは人達の信仰が元で生まれる。つまり、怪異の縮図なのだ。そして、彼女は怪異の王、旧キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードなのだ。
負ける訳がない

忍「はぁ!」

忍はキャスターを切り裂いて、キャスターは消えた。
僕はその光景をはっきりと脳裏に焼き付けた。自業自得で参加したこの戦いで、元の世界に帰るためだけに他人の願いを踏みにじっているのだから、僕はそれから目をそらすわけにはいかない。


アーチャー「ふん」

アサシン「はっ」

アサシンとアーチャーは剣戟を繰り広げている。
アサシンは戦いの中でキャスターが敗れるのを一瞬見ていたがさしてしにいていないようだ。

忍「はぁ!」

忍は急降下して、アサシンを上から下に両断しようとするが、アサシンは躱す。
しかし、アーチャーがその隙に攻撃をいれるがそれを逸らし、忍に斬りかかるが、忍はそれを無視していっきに突っ込む

アサシン「なっ」

忍は左腕を切られながら【心渡り】でアサシンを倒した。

忍「かっか、手応えのないのう」

忍は笑いながら切られた左腕をくっつけた。

その後、マスターと思われる何とか先生に襲われたがアーチャーが撃退、遠坂の手により聖杯戦争の記憶を消した。
こうしてキャスター、アサシン戦が終わった。

今日の更新終わり

interval

扇「久しぶりですね? 全然ストーリーが進まないじゃないですか、阿良々木先輩」

暦「まぁ、時間がないというのもあるけど、意欲が出ないんだよな」

扇「はっはー、今後の展開を全く考えないで描いてたんですか?馬鹿だなぁ、本当に愚かですね、阿良々木先輩」

文句を言えないのが腹立たしい。
けれも、もう、最後のオチは>>1は思いついた。

扇「でも、ベストとしては終物語の下巻がアニメ化するまでには終わらせた方が良いですよ。」

暦「まぁ、そうだな、明後日には投下する」

扇「本当ですか? まぁ、良いですけどれ

023

キャスター、アサシンとの戦いの次の日の朝、この日も学校が休みでかつ昨夜の戦いの疲れから衛宮家の朝は普段よりも遅かった。
それでも虎の来訪で7時過ぎには活動が開始したが…

大河「しーろー、はーやーくー」

テレビを見ながらそんな声が響く、というか手伝えよ。

士郎「悪いな、阿良々木さんにも手伝わせて…」

暦「問題無い、というかほぼ見ているだけだ」

僕は料理ができないわけでは無い、野菜炒め程度なら作れる。少なくとも羽川よりは上手に作れる自信はある。
羽川の料理は料理では無い、きっとあれは東照宮に一本逆さの柱があるというが、それと同じ感じのやつだ。
だが、衛宮の料理はもはや一般家庭のそれでは無く定食屋とかを開けば行列ができるレベルのそれだ。
手出しが出来ない。

だから、僕は食器だしなどに徹している。

それにしても遠坂は起きてこない。

凛「おはよう…ございます。藤村先生」

ゾンビのような表情の遠坂が現れた…が、藤村さんを見た瞬間に化け猫をかぶった。
ブラック羽川もビックリだ

大河「おはよう 遠坂さん。そういえば妹ちゃんは?」

凛「さぁ?私も今起きたところなので…、阿良々木さん、彼女は?」

と、僕に…
忍なら僕の影の中で寝ているが、それを言うわけにはいかない。

暦「あ、ああ、忍ならまだ寝てるよ。昨日は遅くまで騒いでたから」

大河「ふーん、夜更かしは感心しないなぁ」

暦「まぁ、もう直ぐお別れなので」

そう、もう直ぐ終わりだ。

全7体中3体が倒された。
アーチャーは同盟でセイバーは僕なので残りはランサーとバーサーカーの2体のみだ。

大河「へぇ、もう帰っちゃうんだ」

暦「学校もありますから…」

それに、僕は帰りたいんだ。

何としても

そんな会話をしていると朝食は出来た。


着替えてきた遠坂は遅れてだが、朝食は普通に終わった。

大河「それにしても何で私だけ即日退院なんだろう? 」

先日のライダーの事件のせいで大勢が入院している。
あの時の手の感覚は絶対に忘れない。

大河「しかも、他の先生方もみんな私と葛木先生に仕事を押し付けるのよ!確かに元気なのは私と葛木先生だけだけどさ!」

葛木の名前が出た時、一瞬息を飲んだ。
あの時のあの人の言動からしてキャースターはきっと彼にとって大切な人だったんだろう、ということはいくら僕にでも分かった。
けれど、それを奪ってしまった。帰りたいなんて自業自得な願いの為に…。

大河「そういうわけだから、今日も私は学校に行くのだ! では!」

と言って藤村さんは去って行った。

024

凛「で、これからどうする?」

朝食のあとに遠坂は切り出した。

士郎「そうだな、残りはランサーとバーサーカーだ、マスターが分かっているのはバーサーカーだけか…」

バーサーカーつまりはキスショット…、
彼女に勝てるのか?
いや、勝たないといけない…

暦「そして、どちらも何処にいるのか分かってない…。やりようが無いな」

凛「ううん、そうでも無いのよ。お父さんから昔聞いたことがあってね、アインツベルンは冬木の北にある森に別荘があるって、だからもしかしたら、そこにいるかもしれない…」

つまり、居場所が分かっているのか…。

暦「なら、行ってみる価値はあるということだな、」

凛「そうね、けど、できれば明日にして欲しいわ。キャスターと戦って昨日の今日じゃない、疲れが残ってるのよ。あのバーサーカーには最善で挑みたいのよ」

確かにそうだ、
相手は怪異の王、キスショット アセロラオリオンハートアンダーブーレードだ。
手を尽くして足りないということはあるまい。
疲れが残っている状態で闘うなどもってのほかだ。
本当に勝てるのか?

士郎「俺はそれで良い。今日は休みということだな」

凛「そうね。私はまた寝かせてもらうわ。アインツベルンの別荘がどんな所かなんて分からないし、作戦の立てようがないし、魔力も回復しときたい。士郎も今日は休んどきなさい。」

遠坂は大きなあくびをすると引っ込んでしまった。

さて、衛宮と2人きりになった(忍は寝てるから数えない)。
せっかくだから、あの事について聞く事にした。

暦「衛宮、お前は正義の味方になりたいのか?」

これは、藤村さんから聞いたことなのだが衛宮の将来の夢らしい。
そして、衛宮は昔から融通がきかなくて善と悪をハッキリとさせて、悪いことはダメという性格らしい。
そして、今も昔もそういう性格らしい。

けれど、良いかげん気がつくべきだ。
善も悪もハッキリさせることなど出来ない。
そして、衛宮も…そして僕も偽物だということに良いかげんに気がつくべきなんだ。

士郎「え?」

暦「2組、3体のサーヴァントを僕達は倒したが、どう思う?」

我ながら語彙力の無さに嫌になる。
それに、こう言うのは慣れてない、というか初めてだ。
だけど、衛宮はそろそろ気がつかないといけない、正義なんて曖昧で無いにも等しいということに。

士郎「…どう思うって言われてもな…。
キャスターは町の人から魔力を奪ってたし、ライダーは学校を巻き込んだ…。止められて良かった…かな…?」

暦「だけど、ライダーもキャスターもそれに値するだけ大切な願いがあったのかもしれないし…、それを僕達は無にしたんだ。それに見ただろう、葛木先生だったか…あの人にとってキャスターは大切な存在だったんだろ。慎二だって何か思いがあったのかもしれない。きっと彼らにとって僕らは悪だ。」

そう、見方を変えれば正義は簡単に悪になる。と、僕は続けた。
衛宮にはきっと理解したく無いけれど教えなければ、きっと取り返しのつかないことになる。だって、こいつは僕の愛すべき妹達以上に比べ物にならないくらいに偽物なんだ。

士郎「だけど、あいつらは関係無い人を巻き込んだ…。それはダメだろ」

暦「確かに、けれど、あいつらはにも何か大切な願いが、分かっていてもやらないといけないことがあったのかもしれない。特にキャスターなんて、マスターと一緒に居たかっただけなのかもしれない。だから、理解しろとは言わない、頭の片隅に入れておけ、正義の味方なんてなれっこない、その偽物にしかなれないし、偽物は時として悪になるってことをな」

自分でも何を言っているのか分からなくなってきたけど、言いたいことは言えた。
あとは衛宮次第だ。

士郎「…ああ」

暦「そういえば、これは知り合いの言葉だけど…人は人を助けられない、勝手に1人で助かるだけ…、僕も意味は漠然としかわからないけど、結構気に入っている言葉だ。」

何故か頭から離れない。
僕にとってあのアロハ男との出会いは人生の転機ベスト3には入ると思う。

士郎「…勝手に助かるだけ…」

衛宮はそう呟いた。

時計を見るともうすぐ10時を回るところだった。
意外と話し込んでしまったようだ

暦「話はそれだけだ、」

士郎「ああ」

025

それから、まぁ、色々ありえみやは昼の買い出しに行った。
なんでも1人になりたいらしく、折衷案として少し血を吸わせた忍を影に忍ばせて(忍だけに)衛宮を送り出した。
その間、僕は1人になった。
2度目のフリーダム。
完全なる1人だ。
僕も高校三年だ、溜まるものは溜まる。幾ら忍がそういったことに理解があるとは言っても影の中にいると分かってしまうとどうしてもセーブがかかってしまう。
ならば、こういった時にいつも以上に盛大に行こうではないか!
それに此処はエロゲーの世界だ!リミッターは無い!
さて、こういう時にはケータイが役に立つ。今の時代、ケータイで検索をかければ幾らでも出てくる。この家にはそういった機会はないようだけど、僕はなんと持参しているのだ!
さぁ、電波は同じものらしく繋がる。検索をかけようではないか、さすがに忍の前でコレを検索をかけるのは気が引けたのだけど、今なら行ける、1人なのだ!
遠坂はいるけど寝ているし部屋が遠いい、さぁ、さぁ、さぁ!

暦「行くぞ…」

ケータイを取る。
入力ワードは『墓ば…』

凛「何やってるのよ?というかなんでケータイなんて持ってるのよ」

遠坂が起きてきた。

暦「い、いや、なんかポケットに入ってたんだ。使えるみたいだ」

凛「ふーん、全く安打はどこの英霊なのよ」

どこの、と聞かれても僕は英霊ではないのだが、

凛「まぁいいわ、それより衛宮くんは?」

暦「ああ、昼飯を買いに行った。忍も一緒だ」

凛「そう」

遠坂はそういうと、僕の分と自身の分の2杯、お茶を注ぎ飲み始めた。

というか話題が無い、何故だろう遠坂といると話題が無い。
元々、僕は自分から話しかけるタイプでは無い、コミュ力は低いのだ。
しかし、僕の周りの人達のキャラの濃さで誤魔化しているので目立たないだけだった。

戦場ヶ原は黙ってても毒舌で攻めてくるし
羽川は黙っててもカーバーしてくれる
八九寺は話しやすい、フレンドリーだから誰でも話せるだろう。
神原はグイグイくる。
千石は拙いが色々と話しかけてくる。
妹達は家族だからコミュ力とかは関係無い。

だから、遠坂と話すのはどうしたら良いか分からない。

凛「ねぇ、貴方はバーサーカーをどう思う?」

遠坂は突然に話をふってきた。

暦「キスショット…バーサーカーは強敵だ。僕が1番知ってる。」

凛「ねぇ、…忍…、と貴方ってどういう関係なの? それに彼女とハートアンダーブレードって…」

暦「同じだ、忍は旧キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード、成れの果てだ。詳しくは…言えない」

此処からは忍のこともある、僕の独断では言えない。

凛「そう…」

また沈黙、凄く気まずい。

026

しばらくして、とある感覚が僕を襲った。
忍と衛宮に何かがあった、そう感じたのだ。僕と忍の間には特別な繋がりがあり、お互い影響されあっている。そのこともあり離れていても漠然としてだがどうなっているか分かる。更に、サーヴァントになったこともありマスターである衛宮とも繋がりができてピンチなどの状況を察知することができる。

暦「衛宮と忍に何かあった。」

凛「どういうこと?」

暦「分からない、忍を衛宮の影に潜ませていたから衛宮にも何かあっても多少は平気だと思うけど…。」

何があった?
兎に角、探さなければ。

凛「そう、情報が少なすぎるわ。けど、イリヤスフィールかランサーのマスターのどっちかね。ふたりの居場所はわかる?」

居場所、忍との繋がりがサーヴァントになったことで強まり、大体の居場所は分かるようになっている。
それを探る。


暦「北だ」

凛「…北? なら、アインツベルン?」

遠坂がそういうと、突如アーチャーが実体化した。

アーチャー「おそらく、正解だろう。早く救出に向かわなければ手遅れになりかねん。」

アーチャーはそう言うと、一瞬だけど僕の方を見た。

アーチャー「それに、あの娘はこいつの血がなければただの子供とそう変わらない、普通に殺されかねない」

凛「そうね…、仕方ないわ。2人とも行くわよ」

こうして、衛宮と忍を救出しに出発した。

027

遠坂に付いて行きアインツベルンの森を進む。森は深く、生い茂っていた。

アーチャー「…やけに、結界か甘いな」

凛「どういうこと?」

アーチャー「罠の可能性があるということだ。だが、罠だとしても行くしかあるまい。」

確かにそうだ、僕達には前に進むことしかできない。

凛「…ええ」

暦「ああ」

しばらく進むと、大きな城があった。
それにしても大きい、あの中を探すのは時間かかりそうだ。

アーチャー「伏せろ、」

暦「ふべっ」

凛「きゃ」

アーチャーは俺と遠坂を突如、地面に押し倒した。

暦「なにすんだ」

アーチャー「見ろ、」

凛「え?」

アーチャーの言っている方向を見るとバーサーカーのマスターとキスショットが丁度、玄関から出てきているところだった。

凛「丁度いいわね…、出かけるところだわ」

アーチャー「いや、誘き出そうとしているかもしれん。裏から回り込んだほうがいい」

凛「少し、慎重すぎない?」

アーチャー「慎重すぎるくらいが丁度いいんだ。」

凛「…分かったわ、裏から行きましょう」

暦「ああ」

アーチャー「…とは言っても意味の無いかもしれんがな」

…意味がないのか…、だが、やらないよりはマシというやつか、

そうして、窓から城に侵入し、探す。
僕と忍は繋がりを持っているか漠然としてしか分からないため手当たり次第だ。

そして、二階のある部屋の前に来ると突然ドアが開き衛宮が出てきた。

凛「驚かさないでよ」

士郎「遠坂!? 阿良々木さんまで…どうして?」

凛「どうしてもなにも助けに来たのよ。さ、行くわよ」

士郎「助けに来たって…わるい、ありがとう」

凛「お礼は後、行くわよ」

そして、僕達は部屋を移動して入ってきたところとは逆の窓へと辿り着いたが、既に窓は治っていた…。

どういうことだ?

イリヤ「ふふふ、お兄ちゃん、逃げちゃダメだよ?」

背後から突然声が響いた。
キスショットのマスター、イリヤスフィールの声だ。

イリヤ「もし逃げるんなら、殺しちゃうから」



アーチャー「行け!」

突如、アーチャーは叫んだ。
どういうつもりだ?

暦「僕も戦う!」

アーチャー「戯け! 今のお前に何ができる?血を飲ませる隙を与えてくれる訳がないだろう?」

そうだ、その通りだ。
イリヤスフィールはキスショットと僕達を見ている。
その目は無邪気で殺意が感じられた。だけどきっと僕が何か行動を起こしたらいつでも襲いかかってくるだろう。

アーチャー「…お前達が出ていけるくらいの時間なら稼げる、足手まといが居なければ戦える」

イリヤ「へぇ、バーサーカーと戦えるっていうの? 私は戦いにすらならないと思うけど」

アーチャー「やってみないと分からないというだろう。それに、オレみたいな偽物は時として本物よりも輝くものだ。」

アーチャーはそういうと右手の指先を噛み切ると、衛宮の口の中に突っ込んだ。

アーチャー「餞別だ」

士郎「ぐ、ぐぁあああ!」

衛宮は苦しみ、悶え始めた。
サーヴァントの血は人間にとって毒だ。そんなものを一滴でも飲ませたらこうなるに決まっている…。

凛「アーチャー、何やってるの!?」

そんな遠坂の声にアーチャーは無視をして衛宮に話しかける。

アーチャー「彼の言葉を忘れるな、お前はどこまで行っても偽物だ。偽物は裏を返せば悪だ!だからこそ、本物を想像し続けろ。想像し創造する。お前にはそれしか出来ないからな」

アーチャーはそういうと、衛宮は気絶してしまった。そして、アーチャーはまた、僕を見た。
なんなんだ…。

イリヤ「…話が長いわ。もういいかな?」

アーチャー「ああ、」

凛「アーチャー…、分かったわ…殿は任せた」

アーチャー「ふ、任された。だが、別にあいつを倒しても良いのだろう?」

イリヤ「やれるものなら、やってみなさい。やっちゃいなさい、バーサーカー!」

キスショット「ーーーーーーーー!」

イリヤがそういうと、キスショットは叫びアーチャーに向けて飛びかかってきた。

凛「行くわよ」

遠坂は衛宮を担いで走り始め。
しかし、おそらくアーチャーは此処でやられる。だが、今の僕にはどうしようもできない。

暦「アーチャーすまない」

僕はそう言って、走り始めた。

アーチャー「…後は頼んだ、阿良々木さん」

そんな声が聞こえた気がした。

今日は此処まで、少し頑張ってみた

028

僕達はアーチャーを残して逃げた。しかし、アインツベルンの森からは逃げられなかった。
遠坂曰く、入ってきた時とは比べ物にならない程の結界が張られているそうだ。
きっと僕達を逃す気は無いようだ。

凛「…仕方が無いわ、逃げれないなら此処で迎え撃つわ」

暦「迎え撃つ?」

凛「ええ、それしか手が無い」

確かにそうだ。
逃げ切れないなら、戦うしか無い。
だが、本気のキスショット相手に勝てるのか?
いや、勝たなければダメだ!

凛「でも、今は少しでも体力を回復させましょう」

遠坂はそういうと、小屋のような建物を指差した。

それにしても、アーチャーは何を考えているのだろうか?
俺がおんぶしている衛宮はとても苦しそうだ。


凛「…アーチャーが殺られたわ」

1時間くらい経ち遠坂の令呪が消えた。
つまりは、そういうことだ。

凛「きっと、すぐに追ってくるわ。こうなったら絶対勝つわよ!」

暦「当たり前だ。」

アーチャーの為にも、キスショットの為にも、勝たないと。

暦「忍」

忍「分かっておる」

そういうと、忍は僕から血を吸った。
ギリギリまで、血を吸う。

そして、小屋を出て待ち構える。

凛「セイバー、私じゃ援護にすらならないけど、少しでも手伝うわ」

暦「ああ、」

忍「いや、足手まといじゃ、邪魔じゃ。」

忍はそう言った。

暦「おい、忍、それは!」

忍「いや、事実じゃよ、お前様。アレは全盛期の儂じゃ。此奴のレベルじゃ意味が無い。せめてアロハ小僧レベルなら別じゃがな。まぁ10年…いや、3年早いわ!」

つまり、3年で遠坂は忍野レベルになれるのか…
いや、それよりも、遠坂は手を握りしめて震えている。

凛「…分かったわ。そのアロハ小僧って人は知らないけど、私は士郎を見てる。よろしくねセイバー」

暦「ああ」

029

小屋の前で、僕と忍は立つ。

忍の姿は幼児のそれだ。
だけど、それで良い。
僕たちはこれで良い、これがベストなんだ。

暦「まさか、またキスショットと戦うことになるとはな」

忍「かか、まぁ宿題を忘れた罰じゃ」

そう言えば宿題が原因でこうなったんだ

暦「いや、お前がタイムスリップを間違えたからだろう」

忍「えー、」

いや、えー、ってそれで良いのか怪異の王

忍「それよりも、そろそろ呼ぶぞ」

呼ぶ、忍とキスショットは同じ存在だ。
だから呼ぶことができる。
傾物語でもやってたアレだ。

忍「ーーーーーー!」

忍が叫ぶと、奴が来た。

忍の全盛期

怪異の王

熱血にして冷血にして鉄血の吸血鬼

キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード。

背筋が凍るほど美しいその容姿で背中にマスターを背負い、空から降ってきた。

029

勝てない、

勝てるわけがなかった。

吸血鬼同士の戦いは言うなればノーガードで殴りあうようなものだ。
何故なら、吸血鬼の耐久は基本的に低いからガードしても意味が無い。

どれだけ相手よりも早く、沢山、再生出来るか、

それが吸血鬼同士の戦いだ。

暦「はぁ!」

忍「たぁっ」

【心渡り】を振るう。

しかし、意味が無い。

振るったところで一瞬で再生してしまう。

キスショット「ーーーーーー!」

痛い!

僕たちは吹き飛ばされて木にぶつかった。
ぶつかった木はへし折れてしまう。

内臓がいくつか破裂した。

再生、
再生、
再生、

まだいける。

まだ、僕は戦える。

宝具はまだか?
僕"個人"の宝具はまだ発動しないのか?

いや、当てにするな、いつ発動するかわからない宝具なんて無いのと同じだ。

忍「お前様!」

忍は犬神家状態から復活すると僕の方を見た。

忍「大丈夫か?」

暦「ああ、平気だ。」

起き上がり【心渡り】を構える。

キスショット「ーー」

唸り声をあげながら近づいてくる。

無傷だ。

そう、彼女には僕たちの攻撃なんてすぐに回復できていしまう。

イリヤ「バーサーカー、止めを刺しなさい!」

キスショット「ーーーーーー!」

その叫びとともに拳が振り上げられて振り下ろされる。

その時、

何者かに僕と忍の襟元を掴まれて、仔猫のように掴まれて、キスショットから距離を取った場所まで一気に運ばれた。

???「いやぁ、みんなそんなに殺気立っちゃって」

僕と忍は襟元から手を離されて、声のぬしの方を見る。
あの、聞き慣れて、懐かしい声の方を見た。

???「元気いいなぁ、何かいいことでもあったのかい?」

火がついていないタバコを咥えた、アロアシャツの男性が僕たちの前に立っていた。

僕の宝具が発動したのだ。

030

忍野メメ、
妖怪変化のオーソリティ。
「退治屋」ではなく、「バランサー」、そんな彼が現れた。

暦「忍野…、助かった」

忍野「助かった?違うね、君が1人で助かった…助かるだけさ」

忍野「それにね、阿良々木君、それに忍ちゃん。僕は君たちの味方じゃ無い。あくまで公平な立場さ、バランスを取りに来ただけだよ」

そういうと、忍野は何処からか心臓を取り出した。
僕は一度見たことがある、あの心臓は…

忍「それは…」

忍野「僕が何するのはここまでだよ、阿良々木君、あとは君たち2人の役目だよ。じゃあ、せめて幸運を祈ってるよ」

忍野はそう言って心臓を…キスショットを忍に渡して消えた。

忍「かっかか」

忍は笑うと、心臓に喰らいついた。あまり見えた絵面しゃあない
一方、キスショットは見るからに力が弱まっているのがわかる。マスターであるイリヤスフィールは突然弱体化して何が起きたのか分からないという感じだ。

そして、キスショットと心臓、自分の心臓を食べた忍はかなりパワーアップする。

忍「かっか、かかかっか」

忍はあえての幼女姿で笑った。

さぁ、第二ラウンドだ。


031

そこから、キスショットと僕たちとの戦いは一方的なものだった。
そもそも、サーヴァントになっている時点でキスショットは全力で戦えていない。
吸血鬼のスキルどころか【心渡り】も使えていないし。

暦忍「「はぁぁあああ!」」

僕と忍の声が重なり、キスショットを切り裂いた。
そして、キスショットゆっくりと膝をついた。

イリヤ「嘘…、バーサーカー…」

イリヤスフィールの悲しそうな声が聞こえる。そして、キスショットは崩れ落ちて倒れた。

キスショット「ーーー」

暦「なんだ…」

キスショットが何かを言った。そして、口をした。
確か、バーサーカーは死ぬ瞬間に狂化のスキルは解かれるんだけ?

キスショット「お前様に、また会えるとは…な、アレが最後かと思ったのじゃが…。これが本当に最後の最後、奇跡みたいなものじゃから」

なんだ…、このキスショットは僕のことを知っているのか?

キスショット「ーー頭を撫でてくれないか?」

キスショットは涙を流しながらそう言った。その涙は悲しみからではなくて嬉しさからだとその笑みから僕はわかった。

暦「…ああ」

頭を撫でると、とても満足そうな表情をした。
だけど、キスショットは僕のことを知っている。どうしてだ?



キスショット「やっぱり…そっちのルートは羨ましい…」



そう言ってキスショットは消えていった。

031

結局、あのキスショットと僕の関係は全く分からなかった、だけど、どうしてか少し気分が軽くなったような気がした。

そして、倒れていたバーサーカーのマスターはそのままにしておくわけにもいかないので、寝たままの衛宮と一緒に衛宮家に連れて帰る事にした。

その時、遠坂と色々と口論があったがどうにか押し切れた。

そして、遠坂がイリヤスフィールを背負い、僕が衛宮を背負い、忍は影に潜り。
いざ、帰還しようとした時に、

突如、

暦「サーヴァントの気配…」

凛「嘘!こんなタイミングで?」

忍「お前様!」

忍も慌てて影から出てきた。
そして、その気配の正体は僕たちの前に現れた。

???「ほぅ、スーサイドマスターの眷属か…」

黒いライダースーツを着た金髪に赤い目をした男が現れた。
この男、サーヴァント!
たが、サーヴァントは既に7体揃っている。
8体目のサーヴァント…

???「クク、まさかあいつの眷属に逢えるとはな、本来ならそこの人形を貰いに来たのだが」

人形?
なんのことだ?

???「今日はそいつに免じて引いてやろう。」

そういうと、男は何処かに去っていった。

凛「何あいつ…、なんで、8体目のサーヴァントが居るのよ」

暦「分からない、だけど、今は一旦帰ろう。」

こうして、バーサーカー戦は終わった

一旦、ここまで

ここまで!

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