めぐねえ「あたしはゆうれい」 (22)

注意
・がっこうぐらしSSです
・短いです、すぐ完結します
・某歌手様の歌がこのSS執筆の際の元ネタとなっております
・歌に合わせているので少し捏造入ります
・ゆきには見えない幽霊めぐねえ視点です
・原作めぐねえが倒されたあとくらいの時間軸です

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りーさん「はい、今日のデザートの桃の缶詰よ」

くるみ「おお、うまそうだな」

ゆき「でもまた缶詰だね」

みーくん「ゆき先輩、文句言っちゃいけませんよ」

ゆき「ご、ごみん」

りーさん「ごめんね、ゆきちゃん」

くるみ「やっぱ在庫が厳しいからなー」

ゆき「リンゴとかミカンとか、みんなで本当の果物食べたいよね!」

くるみ「ゆき、缶詰って缶に詰めただけであって果物自体は変わらないんだからな」

みーくん「全く、先輩と来たら…」

ゆき「あーっ!今私のこと馬鹿にしたでしょー!」

アハハ…


めぐねえ(みんな、今日も元気そうね)

めぐねえ(今日は停電の日だから、小さなランプで夜を過ごしてるそうだけど)

めぐねえ(ゆきちゃん…みんなのことを元気にしてくれてるみたいね)

めぐねえ(たまにゆきちゃんはソファーの上で寝ている)

めぐねえ(ある教室にあるソファーを、窓から見える月の明かりの下に置いて)

めぐねえ(一人になったゆきちゃんは、少しだけ大人びて見える)

めぐねえ(あの時から少しずつ成長しているんだわ)

ゆき「ん…めぐねえ…」

めぐねえ(あら?)

ゆき「離し…まだ…」ギュウ

めぐねえ(もしかして、あの時を思い出しているのかしら…)

めぐねえ(最近記憶が曖昧な状態の時が多かったから、夢の中に出てきてしまうのかもしれない)

めぐねえ(…私のこと、ずっと覚えてくれているのね)

めぐねえ『…ゆきちゃんが見ている悪夢が遠のきますように』

ゆき「うーん、難しいよめぐねえ…」

めぐねえ(ゆきちゃんの瞳は、いつだって綺麗ね)

めぐねえ(悪いものを映さないような、純真な無垢な瞳)

めぐねえ(心の奥まで見透かされるような、瞳)

めぐねえ(だからこそ、この現状が見えないのかもしれないけど)

ゆき「はーい、佐倉せんせー」

めぐねえ(…私のことも)

めぐねえ(幽霊である私が見えてしまえば、それこそ綺麗な瞳じゃなくなってしまうから、それでいいか)

めぐねえ(でも、幻覚の私と話しているゆきちゃんを見ていると)

ゆき「でね、この前ね…」

めぐねえ(私はここにいるのになんて、ちょっと悲しくなってしまう)

めぐねえ(どうにかして、ゆきちゃんの生きてる世界で生きてみたいな)


私は、ひたすら心に、檸檬を抱いていた。
思えば、ゆきちゃんに嫉妬を覚えていたのかもしれない。
いや、正確には幻覚で偽物の癖に、ゆきちゃんとの世界で生きている私に、か。

めぐねえ(あたしは、ゆうれい)

めぐねえ(ゆきちゃんには、見えない)

めぐねえ(一片の想いも、ゆきちゃんには全く伝わらない)

めぐねえ(…それでも)

めぐねえ(私に対しての愛情と、名前を)

めぐねえ(ずっと、ゆきちゃんには見えないけど、せめて私の幻覚にでも)

めぐねえ(ゆうれいである私はずっと傍にいるから)

めぐねえ(教えてほしいの、その口から)

ゆき「今日はメロンだ!」

みーくん「先輩メロン好きなんですか?」

ゆき「甘くておいしいからすごく好きだよ!」

りーさん「たまたま非常冷凍されていたのが遠足で見つかったから、早いうちにと思って」

くるみ「にしてもよく見つかったよな」

ゆき「今回は私が見つけたんだよ!」

くるみ「へー、なかなかやるじゃん」

みーくん「先輩は食べ物に関しては敏感ですね」

ゆき「う…いいじゃん別にー」

りーさん「はいはい、切ったから運んでね」

くるみ「綺麗に切れてるな」

みーくん「お舟みたいですよね、こう見ると」

くるみ「お舟…な」

みーくん「べ、別にいいじゃないですか、お舟」

めぐねえ(また今日も皆が元気そうで何よりです)

めぐねえ(新しく入ったみきさん、たまに可愛いとこあるわね)クスッ

めぐねえ(お舟のメロン…それとナイフとフォーク)

めぐねえ(ゆうりさんは、準備や下ごしらえ、家事をしっかりとこなしている)

めぐねえ(くるみさんは、あの頃に比べ笑顔がどんどん増えてきている)

めぐねえ(噛まれた日には結構大変だったそうだけど、やっとみんなの様子をこうして伺えるようになった時には)

めぐねえ(くるみさんは復活してて、私は本当に良かったって思った)

めぐねえ(意識がないとはいえ、私がやったことだったから)

めぐねえ(そういえば…テーブルの上に綺麗に並んでて、私の分も一つあるけど)

めぐねえ(美味しそうだなぁ…)

めぐねえ(みんなが美味しそうに食べてるところを見てると、私も食べたくなってきた)

めぐねえ(ゆうれいというのは、半透明なものだ)

めぐねえ(死んでしまってるわけだけど、完全に消えているわけじゃないもの)

めぐねえ(現に私の体はこうして自分で分かるけど、みんなからは見えないのだ)

めぐねえ(仮にゆきちゃんの瞳で見透かされたとして、そこには何にもないだろう)

めぐねえ(それでもやっぱり、悲しくなって)

めぐねえ(この世に落とせることができない、涙の粒があふれ出てくる)

ゆき「…めぐねえ」

めぐねえ『!』

ゆき「どうして、泣いてるの?」


だが、彼女が見ているのは、私がいるところとは違うところ。
私の幻覚と私は、今同じことを考えているのかもしれない。


めぐねえ(…ゆきちゃんの一言で、私のこの体に血を巡らせてはくれないだろうか)


私は心の奥底で、願っていた。

もう一度生きたいと。

めぐねえ(あたしはゆうれい)

めぐねえ(ゆきちゃんは知らない、知ることのない)

めぐねえ(涙の理由も、私の色…どんな色に染まっているかさえも)

めぐねえ(…それでもきっと、変わらずにずっと)

めぐねえ(ゆきちゃんのことが好きなの)

めぐねえ(馬鹿みたいだ、こんな私)

めぐねえ(あたしは、ゆうれい)

めぐねえ(みんなに、みえない)

めぐねえ(一片の思いも伝わらない)

めぐねえ(それでも、愛を)

めぐねえ(あたしの、名前を)

めぐねえ(教えてほしいの、その口から)

めぐねえ(あたしは、ゆうれい)

めぐねえ(みんなは、しらない)

めぐねえ(涙の理由も、その色さえも)

めぐねえ(それでも、きっと)

めぐねえ(変わらずに、ずっと)

めぐねえ(みんなの事が、好きよ)

めぐねえ(馬鹿みたいね)

もう終わってしまいました。
内容的には、歌詞を歌にしていったような感じです
興味がある方は歌の方も是非聞いてみてください
非常にいい歌で心に響きますので。
ステマでも宣伝でもないですよ(迫真)

次はもっと長くしようと思っております
どうしても集中が切れてしまうので長く出来るように頑張っていきます

たまにめぐねぇと間違われているのを見たときちょっぴりめぐねえが可哀相だと思ってます
ここまで読んでくださりありがとうございました

何の歌なのか分からぬ

>>14さま
「わたしはゆうれい」で検索かけてみてください
歌手名をここで出していいのか私にはわからないので…申し訳ないです

「あ」たしはゆうれいでした。
許してください、何でもしますから

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