花陽「かがみよかがみよ、鏡さん」 (32)
盛大なキャラ崩壊・捏造注意
ほんとに注意
あと暗い話なので注意
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花陽「は、はぁああ…!!」
花陽(月曜日は遂に、情報の授業の発表の日です…!)
花陽(うぅ、テーマはなんでもいいからパワーポイントで資料を作って発表しろだなんて…おに!きちく!)
花陽(そうです。発表なんて言葉で誤魔化してるけど、これはれっきとしたプレゼンテーション。花陽みたいな臆病な引っ込み思案には、こんなのは拷問と一緒ですぅ…)
花陽(…ライブとかだと人前に出れるけど、それは歌とダンスだから披露できるわけであって…個人の意見をみんなの前で述べよ、って言われると…だめです、怖い!)
花陽(…いつか克服しなきゃ!と思うんだけど…うぅ)
花陽「お米とアイドルだと、あんまりにも白熱しちゃって…凛ちゃんにも避けたほうがいいって言われちゃったし…」
花陽「…私、ダメだなぁ…」
花陽(ぐすん。ちょっと涙が出ちゃいます)
花陽(誰か、誰か代わってくれると嬉しいんだけど…)
花陽(そんなことを考えている花陽の脳内に、ぴこん、と。電球のマークが付きました)
花陽(思い出したのはいつか、誰かが話してたおとぎ話ーー鏡の魔法)
花陽(音ノ木坂学院の階段の、踊り場の鏡。夜、あそこでお願い事をすると叶うらしいんです)
花陽(…明日は練習。学校には入れます。夜って…今の時期6時でもじゅうぶん暗いし、大丈夫だよね…?)
花陽「うぅ…いちかばちか!おやすみなさいっ」
花陽(くだらない決意をして、花陽は夢の世界に旅立ちました)
真姫のような何か「やめなさい、やめなさい」
花陽「なにを?」
海未のようななにか「やめなさい」
穂乃果のようななにか「やメなさい」
ことりのようななにか「やめなさいやめなさいやめなさい」
花陽「なにを?なにを?なになになに?」
絵里のようななにか「やめてやめてやめてやめて」
希のようななにか「カードもそう言ってる。やめてやめめやめやめやてやめて」
にこのようななにか「やめなさい」
凛のようなナニカ「やめてかよちん」
凛「忠告だよ。幸せになんてなれない」
花陽「…ハァッ……!?」
花陽(寝起きはーー最悪。時計を見ればまだ5時前)
花陽(だけど再び寝る気もおきず、花陽は机に向かって漢文の予習を始めました)
花陽(…覆水盆に返らず…か)
花陽「…はぁ」
花陽(なんだか気分がすぐれません。でも大丈夫!これもそれも、臆病な花陽のくだらないお願い事のため。)
花陽(花陽は…負けません!)
凛「かーよちん♪おっはようにゃー!」
花陽「お、おはよう凛ちゃんっ!うぅ、ほっぺたぷにぷにしないでぇ…」
凛「いいじゃん減るものじゃないしー。かよちんのほっぺで元気補充にゃ☆」
花陽「えへへ、凛ちゃんってば…」
凛「…?なんか今日のかよちん、元気ないね?体調悪いの?」
花陽「うぅん、そんなことないよ?もう、心配は嬉しいけど…凛ちゃんは心配しすぎ!」
凛「そーう?ん…熱は無いみたいだし、なーんだ、杞憂だったかにゃ」
花陽「そうだよぉ」
凛「ふー、じゃあいっくにゃー!」
真姫「……」
真姫(私が珍しくスマホに夢中なのはーーこのソリティアとかいうののせい)
真姫(この真姫ちゃんの賢い頭脳の元にひれ伏しなさいーーと始めたのだけれど)
真姫(ううん、なかなかやるわね、このゲーム…)
真姫「むむ…」
凛「真姫ちゃん真姫ちゃーん!おっはよう、にゃーーーーっ!」
真姫「・ぇ!?」
花陽「真姫ちゃんおはよ♪…あれ?珍しいね、スマホに夢中だなんて…」
真姫「べ、別にいいでしょ!私がなにに夢中だって…」
凛「あー!ソリティアだにゃ!それできるときはできるけどできないととことんできないから嫌にゃ」
花陽「あぁ、あのパソコンに入ってるやつだよね?あれやり方わかんないんだよね…」
真姫「そ、そうなの?なら花陽、凛、私が教えてあげるから…今度遊びましょ?」
花陽(真姫ちゃんが素直に誘ってくる。かわいい)
凛「いいの!?やったー!凛、真姫ちゃん家のケーキ大好きだから嬉しいにゃ♪」
真姫「って、ケーキ目的なの!?もー、凛ってば!」
凛「うっそだよー!真姫ちゃんとソリティア楽しみだにゃん」
真姫「言葉の端々から綻びが出てるわよ!まったく」
花陽(あぁ、花陽。こんな素敵な友人に囲まれてーー幸せ、です♪)
花陽「…ほっ、はっ」
海未「凛!テンポが早いです!花陽!そこのターン遅いです!穂乃果ァ!太りましたね!?ダンスからキレが消えてます!ことり!もっと手を広げて!」
凛「はっ、はっ、にゃっ」
穂乃果「たーっ!」
海未「…穂乃果、その踊りきった後に声を出すのはなんなのですか?まぁだからといって止めるわけでも無いのですが」
海未「みなさん、お疲れ様です!今日のダンスレッスンはここまでで、次は歌ですよ、音楽室に移動です!」
ことり「はーい♪」
海未「あと、ことり。あれほど穂乃果にお菓子を与えるなど言いましたよね…?」
ことり「ぴぃっ!?な、ナンノコトカナ」
海未「穂乃果ァ!ことりィ!」
絵里「もう、海未。そこまでにして、音楽室まで行くわよー。置いてっちゃうわよ?」
海未「えっ、あ、う、うぅ…待ってください絵里ー!」
花陽(外が薄暗くなってきてーー気づけば午後の6時近く)
花陽(あんなに綺麗だった夕焼けは、早々とお顔を引っ込めて…今ではくらぁい夜空が花陽たちを包み込んでいます)
凛「かーよちん、かーえろっ!」
花陽「ご、ごめんね凛ちゃん…今日はやることがあるから、先に帰ってて?」
凛「……」
凛「わかったにゃ!じゃね、かよちん。また月曜日にね!なにやるか知らないけど頑張ってにゃ!」
凛「真姫ちゃんかーえろ!ってまたそれ?飽きないの?」
凛「やめて」
凛「凛とおしゃべりしようにゃーん」
真姫「うるさい」
花陽(…やめて、か…心の底に、どろりと溜まります…)
花陽「うぅ、まっくら…怖いなぁ…」
花陽「ふぅ、ふぅ。私、こんなことまでして…ばかだな…」
花陽(大きな鏡の前に立つとーー暗くて、花陽の姿はよく分かりません)
花陽(ボンヤリとした影がーー私を笑います)
花陽「鏡さん、どうか、花陽のお願い事を聞いてください」
花陽「わ、私に代わってーーみんなの前でプレゼンテーションしてくださいっ!」
花陽(瞬間に。)
花陽(花陽はにゅるり、と気持ち悪い感触に包まれました)
花陽(気持ち悪いけど気持ちいい。不思議な感覚です)
花陽「…あ、ああ」
花陽「あ、あなたは、わたし?」
かがみちん「はぁい♪いかにもいかにも」
かがみちん「私が小泉花陽ですっ!お願い事、叶えにきたよ♪」
花陽「ひ、ひぃっ…あ、あっちに踊り場…ってことは、ここは…鏡の中?」
花陽「…っ…こわいっ…!」
かがみちん「…?変なの。もっと怖がってもいいよ?はなよ、無理しないで?強がらなくていいよ?」
かがみちん「もう誰にも見られることは無い。もう誰も見てないから♪」
かがみちん「今日から私がーー花陽だよ。じゃあね?」
花陽(にゅるり。鏡の中の私がーー踊り場に降り立ちます)
花陽(そんななか、花陽が考えていたのは…ここから出られるのか、出られないのか。そして、あぁ、小学生の時、こんなお話読んだな、と)
花陽(…太陽の光が、恋しいです。こうもあっさり、花陽が…奇怪な出来事に巻き込まれるとは)
花陽(………)
「…誰か助けて」
かがみちん「はー!やっぱりお外は想像通り最高です!」
かがみちん「早くお家に帰って、アイドルの情報見て、寝ましょう!」
かがみちん「あはは♪あの花陽は真面目そうだったけど、私はあんまり真面目じゃ無いからお勉強はしーません♪」
かがみちん「うふふ、あはは!」
かがみちん「…お外に出たのは初めて、だよね?なんだろ、この既視感…」
〜〜〜〜〜月曜日〜〜〜〜〜
かがみちん「ふふ」
かがみちん(あの、花陽の怯えきった顔!最高でした!)
かがみちん(願いを叶えたら解放されるとでも思ってるのかな?甘い甘い、パンプキンティより甘いよ!)
かがみちん(今日から私が花陽だよ。うふふ…)
かがみちん(プレゼンテーション、がんばっちゃお♪)
真姫(…なんだか熱が入ってるわね、花陽…いつもと違って凛々しいわ)
かがみちん「凛ちゃんっ♪かえろー!」
凛「へ?あ、うん!練習も終わったし帰るにゃ帰るにゃー!」
真姫「珍しいわね、いつも凛より着替えるの後なのに」
真姫「…それに、今日のプレゼンテーションは気合入ってたわね?ちょっと見直したわ」
真姫「いっつも発表の時は上がって、服の裾をぎゅっと握りしめてたから。ふふ、成長したわね」
凛「むー。かよちんのこと見すぎじゃないかにゃー?」
凛「…でもかよちん、たしかに今日はちょっとおかしい…というか」
凛「なんか」
凛「小さな頃に戻ったみたい」
かがみちん(……真姫ちゃんと凛ちゃんには怪しまれましたが、その他メンバーからは全く怪しまれませんでした!)
かがみちん(…でも、凛ちゃん。なんだか変です。私のことを真っ先に疑ってくるかと思ったらーー昔みたい、だなんて)
かがみちん(花陽、もしかして凛ちゃんとそんなに仲良しじゃない?心配されてなかったもんね)
かがみちん(ふふー。あんなに可愛い凛ちゃんーー私が放っておきません!花陽より凛ちゃんを可愛がってみせます!)
花陽「来ないね」
花陽「はなよ、待ってるのに」
かがみちん(それから私は、花陽のことなんか知らないとばかりに遊びまくりました)
かがみちん(みんなからは花陽ちゃんちょっと明るくなった?と聞かれます)
かがみちん(凛ちゃんはーーなんだか遠くを見ているような目をして接してきます)
かがみちん(おかしいなぁ。私の知ってる凛ちゃんはーーこんな目をしてない、もっと明るくキラキラした目をして…)
かがみちん(…いや私がいつもの凛ちゃんを知ってるわけがない。記憶にバグがあるなぁ)
花陽「ちくたく、ちくたく」
花陽「時間ですよ?」
かがみちん「…来ちゃった…」
かがみちん「…変なの。花陽が私を呼んだの?気でも狂ったの?」
花陽「うふふ。待ってました。貴方が来るのを首を長くして待ってました」
花陽「怖くて怖くて…泣いちゃいそうな日もあった。けど、花陽わかりました」
花陽「あはは」
かがみちん「へ、変なの!なに?鏡の中に閉じ込められて、ほんとに気でも狂っちゃったのぉ!?」
花陽「気が狂ってるのはそっち」
花陽「だってさぁ」
かが花陽「本物は貴女でしょ?花陽」
かがみちん「……………………は?」
かがm花陽「貴女、小泉花陽は。小学一年生の頃、この高校の文化祭に訪れた」
かがみ花陽「そこで、この儀式を行ったんです。あの頃から悩みを持つなんて、おませさん」
かがみt陽「あの頃の貴女のお願い事はこうです。お転婆な私を、女の子らしくしてください。」
かがみち陽「あの頃から凛ちゃんずーっと私のことを疑いの目で見てきたんだよ?おとなしくなったね、女の子らしくなったね、かよちんかよちんって」
かがみち陽「まぁ今の凛ちゃんは私のことが大好きだったけどーーお別れだね。良かったね、だーいすきな凛ちゃんのところに戻れるよ?」
花がみ陽「…やめて」
かがみちん「気でも狂って、忘れちゃってたのぉ?花陽ちゃんのおバカさん♪」
花陽「っ……やめてぇ!!!」
花陽「いた!痛い!いたいいたいいたいいたいいたい!!!!!」
花陽「やだ、思い出したくないのに!私は花陽じゃない!花陽じゃない!」
花陽「花陽は、もっと女の子らしくて可愛くて…花陽の理想が花陽なのにっ」
花陽「今更、なにをーーッ!」
花陽「…っぐ、あぁ、ひっ…」
花陽(流れ込んでくるのは、昔の…記憶?)
花陽(花陽は御転婆でした。凛ちゃんと一緒にイタズラしてまわる毎日でした)
花陽(ある日アイドルに出会ってーー花陽は変わりたいと思った)
花陽(でも、性格は矯正できても根本から変えることはできない。アイドルはキラキラと女の子らしくて、花陽の憧れでした)
花陽(そして、誰よりも花陽のコンプレックスは強く、花陽はこうであるべきだという想いも強くーー)
花陽(…………そして)
花陽「やだあああぁああぁあぁああぁっ!いぎぃいいいいぃいいいああ!!!!!」
凛『アイドル…?えへへー、女の子らしいかよちん、凛はだーいすきっ!』
花陽(この言葉に囚われたのも、花陽でした)
凛「ある日突然、かよちんは学校に来なくなったにゃ」
凛「かよちん?」
凛「ねえ、かよちん!かよちん!」
凛「ねえ、開けてよ!凛とおしゃべりしよう?」
凛「大好きなかよちんのこと、放っておけない…凛、胸が苦しいよ…」
凛「ねえ!」
花陽「……」
凛「か、かよちん!かよちんかよちん!いつもみたいに、だきしめ、て…あ…」
花陽「ねえ凛ちゃん」
凛「…その手の、なに?」
花陽「あのさ」
凛「その、包丁、下ろしてほしいにゃ…」
花陽「お転婆な花陽と、可愛らしくて女の子らしいアイドルの花陽」
花陽「どっちが好き?」
「誰か、助けて」
おしまい
深夜テンションとは。それは恐ろしいものである。かつてのエリーチカもそう言っている、おそロシアと。
ホラーじゃなくてギャグです。花陽ファンの方々すみませんでした。
また、レスくださった方、読んでくださった方ありがとうございました。この場で御礼申し上げます。
依頼してきます
やっぱ見にくかったですか、それは当方の力不足です、申し訳ないです。
やっぱ見にくいですね、見返してそう思いました。補足します。
花陽→かが花陽→かがみち陽→かがみちん で変化
かがみちん→花がみ陽→花陽 で変化です
たびたび申し訳ないです
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