安価で召喚された奴が世界救う(FF (956)

FF限定
例外 FFT 7の派生作品 11 13-2以降 



召喚師「出でよっ! 異世界の勇者よ!」

パァァァ

シュンッ

スコール「……?」

王様「おお、現れたか!!」

スコール(どこだ、ここ?)


………………


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446805350



コーネリア城

王様「急に呼び出してすまなかった勇者殿」

スコール「……別に、構いません」

王様「ところで、この世界の説明をさせてくれぬかの」

スコール「手短にお願いします」

王様「うむ。まず、この世界は暗黒に包まれておる。
   色々あって四つの化け物がこの世界を滅ぼそうとしている。
   わしらではどうにもできぬから、物語の中から英雄を召喚するに至った」

スコール(それが俺と言うわけか)


王様「とにかく強ければいいのじゃが、
   少なくとも一人は理知的な者がいなくては、と思ってな。
   選ばれたのがお主だったのじゃが」

スコール「……つまり、俺は物語の人物、だと」

王様「そういうことじゃ」

スコール(だからこんなに記憶が希薄なのか。
     自分のこともうすぼんやりとしか思い出せない。
     とにかく、わかるのはこいつらにいいように使われているということ。
     
     簡単に納得できるわけがないだろ)

スコール「相応の報酬が出るんだろうな」

王様「無論じゃ。国を挙げて褒美を出そう」

スコール「……道中の安全も保障してくれ。
     金品の融資も」

王様「ふむ、しっかり者じゃの。
   もちろん、手配しよう。しかしこの世界のモンスターは皆一定の金額を持ち歩いておる。
   自給も可能じゃぞ」

スコール(モンスターのもつ貨幣が使いものになるのか?)

スコール「……で、呼ばれたのは俺一人なのか?」

王様「いや、今もう一人呼び寄せているところじゃ」




>>直下

呼ばれたキャラ(記憶の有無指定可


アーロン「……」

王様「かくかくしかじか」

アーロン「世界を救う、か」

王様「やってくれるかの?」

アーロン「どうかな。世界を見て俺が決める」

スコール「……」

アーロン「……あんたも呼ばれたのか」

スコール「ああ」

アーロン「これからどうするつもりだ?」

スコール「俺はここに雇われた。
     クライアントの指示には従うつもりだ」

アーロン「傭兵か。いいだろう。しばらくは手を組もう」

王様「助けてほしいだけなんじゃがのう……
   では、次の勇者は……」

召喚師「はっ、ただ今!」


>>直下 

呼ばれたキャラ(FF限定(記憶の有無指定可


ドーガ「はぁ、つまりこの老体をもってして世界の脅威とやらと戦えと?
    無茶を言いよる若造じゃわい」

王様「若造……」

スコール(こんな老人に旅ができるのか)

アーロン「国王とやら、英雄を呼び出すんじゃなかったのか?」

王様「いや、この人物はその世界でも有数の魔導師じゃ。
   信用に足る人物ではあるはず……」

ドーガ「人を呼びつけておいて信用するかどうかの話か?
    いいんじゃぞ? わしはこの世界なぞどうなっても。
    それに関してはそっちのわっぱ共も同じ考えじゃろうて」

スコール(俺の気持ちを察するな)

アーロン「ふん、まぁ、そうじゃないとは言い切れないな」

王様「う、うむぅ、ともかく、もう一人召喚してもらっているところじゃ、
   最後の勇者がそろったところで、当面の問題を解決してもらうこととしよう」

>>直下

呼ばれたキャラ(FF限定(記憶の有無指定可


ティファ「世界を、救う!? 私が?」

国王(ようやくそれらしい反応が拝めたの)

ドーガ「やれやれ、わっぱ共の引率か」

スコール(俺は介護の方まで視野を広げているんだがな)

アーロン「……あんたは、いいのか?」

ティファ「……、まぁ、よく分からないけど、
     困っている人のために戦うってのなら、問題ないわ」

国王「おお、これで四人の勇者がそろったぞ!!」

スコール「……」

国王(傭兵)

アーロン(本当にこの四人で大丈夫なのか?)

国王(伝説のガード)

ドーガ「ごほ、ごほ。ゆくならはやくいくぞ。わしはそこまで先が長くないからの」

国王(大魔導師の魔力を引き継いだ弟子)

ティファ「腕試しにはちょうどいいわ」パシッ

国王(酒場の女マスター)




国王(大丈夫かのう)



スコール「で、まず俺たちは何をすればいい?」

国王「おお、そうじゃった。
   実はの、悠長にしている時間はあまりないのじゃ。
   このコーネリア王国の姫、セーラが誘拐されたのじゃ」

ティファ「誘拐!?」

ドーガ「警備体制がなっておらんの」

国王「うむ、なんとも言えぬな。
   しかし、その誘拐犯と言うのがこの城の騎士のガーランドと言う男なのじゃ。
   突然どうして彼が王女を誘拐したのか見当もつかぬが、
   勇者殿には、まず王女を救い出してほしい」

アーロン「……騎士一人の反乱くらい、国でどうにかできるのではないのか?
     俺たちが救うのは、王女ではなく世界だろう?」

ティファ「でも放っておけないでしょ? 私は行くわよ」

ドーガ「盛んじゃのう。しかし、わしはお嬢ちゃんの意見に賛成じゃ。
    若いの、今はひとまず王女とやらを助け出すのに協力してくれんかの?」

アーロン「それはやぶさかではないが、
     どうして手をこまねいているだけなのか、聞いてみただけだ」

国王「……ガーランドは、この国一の騎士。
   戦いのすべてに精通しておる。また、立てこもっている城も強力な魔力で封じられているのじゃ。
   この国の力では、どうにもならんかった」

スコール(一国の力でどうにもならないものが俺たちでどうにかなると思っているのか?
     それは都合がよすぎるだろう)

ティファ「行ってみましょう。 話はそれからよ」

国王「おお、行ってくれるか!」

スコール「……せめて武装の準備の時間くらいはくれ。
     特に、あんたは武器を何も持たなくていいのか?」

ティファ「この拳さえあれば十分よ」

ドーガ「ふぉふぉふぉっ、本当に盛んな娘じゃの。
    嫌いではないぞ。
    わしも、この年で武器も何もないわい。このまま行くぞ」

アーロン「なんでもいい、剣を一振り。あとは必要ない」

国王「よかろう」

スコール「……剣と、旅の道具を。
     薬も指定する分をいくつか、あと弾薬をもらえるか」

ドーガ「心配生じゃのぅ」

スコール(あんたらが考え無しすぎるんだろ)

………………


コーネリアの町

スコール「……」

アーロン「どうした?」

スコール「眩暈が」

ティファ「ちょ、ちょっと、しっかりしてよね」

スコール(なんだこの、ファンタジーな町なみは……)

ドーガ「大方この世界の在り方に直面して困惑しておるのじゃろう。
    おぬしが一番、繊維の細かい服を着ておるからの」

スコール「……大丈夫だ。やることはやる」

スコール(この分だと車なんて期待するのは無駄か。
     弾薬があっただけでも恩の字としよう)




スコール「行こう、ガーランドの立てこもる城は北西だ」

アーロン「話によると結構な道のりのようだからな、
     チョコボでも用意するか」

スコール(その手があったか)


ティファ「でも、マテリア屋がないわ」

アーロン「……旅行公司も見当たらないな」


ドーガ「ふぉふぉふぉっ この世界なりの移動方法で行くしかないようじゃの」

スコール「……と言うと?」

ドーガ「決まっとるじゃろ。
    徒歩じゃよ」

スコール「……」



………………






ザッザッザッザッ



ティファ「……っ、何か来る!?」

アーロン「モンスターのようだな」

ドーガ「王国の近所でこれか。なっとらんのぅ」



スコール(……こいつら、どのくらい戦えるんだ?
     何より俺はこのモンスターに対してどれだけの力で戦えるんだ?)



>>直下 アーロンのスフィア盤の埋まり具合


アーロン(少しは若造どもにいいところを見せておかないとな)

ゴブリン「ギャオーッス」

アーロン「ふんっ!」

ゴブリン「ギャアアアアア!!!」地面「ズシャアアアアア」後ろの樹「メキメキメキメキ!!!!」

ズズゥゥウウウン……

アーロン(……ビサイド島で戦ってるつもりで行くか)



>>直下 ティファのレベル

ゴブリン「ギャオーッス!」

ティファ「ふんっ!」

ゴブリン「っ」パアン!! ビチャビチャビチャビチャ……

ティファ「脊髄まで粉砕してあげるわ」ビシィッ!

スコール(容赦する気すらないのか)



スコール(群れの数が多いな、俺も戦おう。

     しかしジャンクションするにも、この世界でGFの登場に期待するのは難しいか、
     手持ちのGFで何とか……)


>>直下 手持ちのGFの数(レベルでも可


スコール「っ」ファッ

ザシュッ

ゴブリン「ギャー!」

スコール(戦えることは戦えるが、まぁ、こんなものか。
     戦闘の大半はあの二人に任せた方がよさそうだ)



ドーガ「ふぉふぉふぉ、下がっておれ。
    攻撃魔法なんぞ久しぶりじゃから、火力を間違えても知らんぞ」

アーロン「っ」サッ

ティファ「っ」サッ

スコール(なるほど、全員共闘には慣れているようだ)サッ

ドーガ「フレア」

三人「!?」

ボガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

ゴブリン「」ジュワッ

ゴブリン「」ジュワッ

ゴブリン「」ジュワッ



シュウウゥゥゥゥゥゥ……





ドーガ「これで、城の手前まで焼け野原じゃ」

アーロン「……集落とか、あると考えなかったのか?」

ドーガ「人間らしい生命反応はなかった、という答えじゃ駄目かの?」

ティファ「お爺ちゃんすごいのね!」

スコール(拳軽くふるうだけで生物を液体化させる人の言うことじゃないと思う)


スコール(異世界の英雄だけあって化け物ぞろいか。……俺はともかく。
     これならどんな奴が相手でもたいしたことないだろう)


………………


カオスの神殿


アーロン「……これが奴が立てこもっているという神殿か」

ドーガ「魔力がどうとか言っておったの……」

ティファ「扉をあけるだけじゃダメなの?」スッ

スコール「不用意に触らない方がいい」

ティファ「……それもそうね」

ドーガ「……どれ」



ガーランドの実態

1 FF1
2 ディシディアの
3 その他の人物(指定可(FF限定

>>直下


キィィン

ドーガ「うぐぅぅっ!?」ガクッ

アーロン「っ、おい、どうした?」サッ

ドーガ「……ふむ、おかしいのう。
    うむ、実に、おかしい」

ティファ「大丈夫なの?」

ドーガ「まぁのぅ。しかし。ここから先は十分注意した方がよさそうじゃ」

スコール(あれだけの魔力を持つ爺さんが、これだけ言うってことは……
     そう言うことなのだろう)

ドーガ「この先にはの、この世界の全ての魔力をもってして匹敵するかどうかの化け物がおる」

ティファ「……それって、」



ドーガ「ああ、明らかにこの世界にはそぐわない人物じゃ」



アーロン「……国王に問いただす必要がありそうだな」

スコール(しかし、このまま手をこまねいていると王女の身が危ない)

ドーガ「……どうするかの?
    とはいっても、戻ったところであの国に期待できることは少なそうじゃぞい」

スコール「……入ることはできるのか?」

ドーガ「できる」

スコール「魔力で封印されてるんじゃないのか?」


ドーガ「魔力でカギをかけたなら、魔力で開ければよい。
    お主らも、わしに何らかの期待はしておるじゃろう?」

アーロン「……ああ、心得はあるが、
     魔法に関してはあんたが一番だろう」

ドーガ「ふぉふぉふぉ……そうじゃろうて」スック



ドーガ「……ふんっ!」ドギュゥゥン

パキィィィィイイン!!



三人「っ!」

ティファ「……明らかに空気が変わった」

スコール(素人でもわかる。解錠に成功したみたいだな)

ドーガ「ふぅ、しかし、堪えるの。
    だれじゃ、こんな馬鹿げた魔力で封印を施した奴は……」

アーロン「……歩けるか?」

ドーガ「ああ、死ぬまではまだ歩けそうじゃわい」

スコール「……」

………………



ケフカ「……おやおやおや?」

四人「……」

ケフカ「何か、すごいのが来たと思ったら、
    やっぱりお前らも、他の世界から来たってわけか……」



ティファ「貴方がガーランド?」

ケフカ「ざっんね~ん。ちがいまーす」

アーロン「……では、お前は誘拐犯ではないのか?」

ケフカ「ざっんね~ん。ちがいまーす」

ドーガ「どういうことじゃ?」

スコール「……ガーランドになりすましたのか」

ケフカ「クウフフ……御明察。あのおじさんには消えてもらったよ。
    立場は利用させてもらったけどね」




アーロン「お前も、余所の世界から来たのか?」

ケフカ「それも、御明察。
    しかし、それに気づいたのはそこのジジィかな?」

ドーガ「その通りじゃよ。
    しかし、お主その年でその魔力。もとの世界では大層な魔導師じゃったろうに」

ケフカ「覚えてないなぁ……それに、どうっでもいいでしょ、そんなこと。
    僕チンはただこの世界で遊ぼうかと思ってねえ」

ティファ「そのために、王女を誘拐したの?」

ケフカ「そうっ。親子愛ってのでどこまでちっぽけな虫けらが僕チンに立ち向かえるのか、
    試してやろうと思ってさ」

ティファ「……そういう、カンジ悪いのって、
     よくないなぁ」サッ

アーロン「全くだ。虫唾が走る」チャキッ



スコール「……」

ドーガ「傭兵よ」

スコール「スコールだ」

ドーガ「お主は下がっておれ。
    できるなら、補助魔法で援護しろ」

スコール「……了解」


ケフカ「おおん? 僕チンとやるっての?
    そっちの若いおっさんはそこそこできそうだけど、
    お嬢ちゃんはやめた方がいいんじゃないの?
    魔力の素質が欠片もございませんけどぉ?」ゲラゲラ

ティファ「何がそんなに言いたいの?」

ケフカ「能筋と戯れてる時間はねぇっつってんだよ、下がってろ。
    ってことぉ、うふふ、ことばわかるぅ?」

ティファ「っ」ファッ

柱「バゴォォォアアアアアア」ガラガラ

ケフカ「ヒッヒッヒ!! 怒った怒った!!」

ティファ「フンっ」ガシィッ

スコール(瓦礫を投げた? 柱を砕いて武器にしたのか)

ケフカ「遅い遅いっ、せっかくの腕力も当てられなければ意味がないだよん?」



ドーガ「わしは大型の魔法の詠唱に入る。
    スコール、お主は状況を見定めるのじゃ」

スコール「ああ」

ドーガ「無茶はするな」

スコール「……ああ」



アーロン「ふんっ」ヒュン

ケフカ「揃いも揃って物理攻撃ばかり。
    飛べもしないのに攻撃あてる気ありますかぁ~?」スカッ

シュタッ

ケフカ「ほらほら、天井にいられたらもう太刀打ちできないんじゃないのぉ?」



アーロン「……」

ティファ「……」

スコール(……嫌な予感がする)

ドーガ「~~…………」ゴニョゴニョ



アーロン「ブリザラっ」

ケフカ「ああん?……あ、足が、やべっ、天井に凍りついた!?」

ティファ「別にそこにいてくれるなら、
     跳ぶだけで十分、届くわよ」シュタッ

ケフカ「はぁぁ?」

ティファ「いくわよ」ギュッ

ケフカ「え、ちょ、ま……」

ティファ「ファイナルヘブン!!」

ケフカ「―――っ!」

ドッガァァァァァァァアン!!




スコール(周りを考えろ!!)ガシッ

スコールに連れられるドーガ「~~…………」ゴニョゴニョ



………………



瓦礫と化したカオス神殿



アーロン「……」

ティファ「はぁ、はぁ…………

     ふぅっ」



スコール「……」







ケフカのやられ具合 >>直下

1 スコール「やったか……?」←やってない
2 ケフカ討伐完了
3 まったく効いてない


ケフカ「はひゅー……はひゅー……
    ゲフッ……」

スコール(案外あっけなかったな)

ドーガ「~~……ん? 終わったのか?」

アーロン「ああ。とはいえ、紙一重だったがな」

ティファ「え?」

アーロン「……見ろ」

ケフカ「ゴボッ……がは……」

アーロン「神殿が倒壊する中、こいつが何かに化けようとしていた。
     ついでに何かの魔法の詠唱もしていたもんだから、喉を掻っ切ってやった。

     あの魔力から察するに、この場にいた全員がかなりのダメージを負っていたことだろう」

ティファ「……」

アーロン「対象の周りを壊す戦い方は、そういうリスクも伴う。
     俺もあんたも力の調整が必要だってことだ」

ティファ「わ、わかったわ。気をつける」


ドーガ「……ふむ、潜在的魔力はかなりのものじゃったが、
    こうなってしまっては魔導師としても形無しじゃの」

ケフカ「はひゅー……はひゅー……」ガクッ

スコール「……死んだ、のか?」

アーロン「……いや、幻光虫が見えん。偽物か?」

ティファ「なにそれ」

ドーガ「恐れずともよい、もはやこやつは屍じゃ」

アーロン「……そうだったな」



ドーガ「しかし、お主もばかなことをするのぅ。
    王女を助け出すといっておるのに、神殿を破壊させてどうする?」

ティファ「そこはちゃんと助け出したわよ!
     周りを考えてはなかったけど、王女の位置は確認してたもの!」

アーロン「そこに倒れているのが王女か」

ティファ「ええ」

スコール(倒壊する中から敵を倒したり見えなかった人間を助け出したり、
     こんなのが他の世界にはごろごろいるのか)


ドーガ「ふぉっふぉっふぉ、よくやったもんじゃの」

アーロン「……ということは、これでひと段落、といったところか」

ティファ「そうね。さっさとお城に戻りましょう?」

スコール「ああ、そうだな」

スコール(それに、国王に聞きたいこともあるしな)




………………


コーネリア城

国王「よくやった、勇者たちよ」

アーロン「口上は良い。
     国王、並びに召喚師に聞きたいことがある」

国王「な、なんじゃ?」

兵士「貴様、国王に向かって失礼だぞ!」

ドーガ「失礼と言うのなら、そちらにもあるのではないかな?
    のう、国王」

国王「……そうじゃな。
   このような席に似つかわしくないものが居るようじゃ
   兵士には下がってもらおう」

兵士「……しかし」

国王「勇者殿達は大丈夫じゃ、大事には至らぬよ」






アーロン「俺たちがガーランドと思って倒したのは、謎の魔導師だった」

ドーガ「それも、この世界に似つかわしくない、強力な魔力の持ち主じゃ」

国王「なんと!? ま、まさか、その男……」

スコール「何か知っているのなら話してくれないか。
     今後に差し支える」

国王「……そう、じゃな」

召喚師「……」



国王「実は、この世界に呼ばれているものは、お主らだけではないのじゃ。
   その男、名をケフカと言うが、そやつ以外にもこの世界には召喚されたものが多く存在する」



ティファ「っ……それは、そこの召喚師が呼んだってこと?」

国王「違う。この者が呼んだのはお主らだけじゃ。
   ケフカや他の者を召喚したのは、別な召喚師じゃ」

アーロン「その召喚師が世界をおかしくしているのか」

国王「わしは、そう考えておる。
   しかし、その召喚師が呼び出した人物の中で、この国に協力してくれたのが」



コーネリアの召喚師の名前 >>直下(FF限定


国王「このルビカンテじゃ」

ルビカンテ「……」

スコール(この世界の魔法使いの格好がみんなそうなのかと思ったが、
     こいつも他の世界の人物なのか)

ドーガ「かなりの使い手じゃの。しかし、召喚の心得は最近会得したように見える」

ルビカンテ「そこまで見抜かれていたとはな。もともとは黒魔導師の身であったが、
      この世界に呼ばれて、この素質に目覚めたのだ」

国王「……急に召喚師としての素質が目覚めるパターンは、このほかにもある。
   故に、呼ばれたものがこの世界にどれだけいるか、
   わしらも把握しきれていないのじゃ」

アーロン「……そして、その中にはとんでもない悪人もいると」

国王「……ああ」


ドーガ「思った以上にとんでもないことが起こっているようじゃの。
    果たして、この老体にどこまでできるのかが問題じゃ」

ルビカンテ「貴方ほどの魔力なら他の世界の人物でも相手となるものは少ないのでは?」

ドーガ「それがの、お主の様に立派な体躯に恵まれれば話は別じゃが、
    この老体にそう先はない。
    最後に花咲かすつもりで先の旅には出たが、
    これから先はわしの体力次第でいつでも抜けるぞ?」

ルビカンテ「……そうか」



スコール「……」


1 ドーガ「お主、代わりに旅についていけ」 ルビカンテ「……良いだろう」(メンバーチェンジ
2 ドーガ「最も、最期まで戦うのも、そう悪くはないがの」(続投

安価忘れ
>>直下

再安価
>>54

再安価ってあれな、別キャラ召喚って意味な
安価下


ドーガ「そうじゃの。わしはこの国に残る。
    魔法に関してどうしようもない時は戻ってくると良い」

ルビカンテ「それでは」

ドーガ「うむ、四人目の勇者とやらを召喚してくれ。
    このメンバーではまだ足りないこともあろうて」

アーロン「そう、だな。あんたが抜けるのであれば、魔法が使えるものがいると助かる」

ルビカンテ「まぁ、私も召喚は不慣れ、どのような人物が召喚されても悪く思うなよ」

スコール(不慣れな奴に召喚されたのか、俺たち……)



>>直下
召喚されたキャラクター(FF限定 強さ加減指定可


ルビカンテ「はぁぁぁっ!」

スコール(マントの裏から召喚するのか。
     これどこかで見た気がするぞ)

ティファ「……なんだか、手品みたいね」

スコール「……それだ」

ビビ「……ん。あ、あれ? ここは?」



国王「かくかくしかじか」

ビビ「えぇぇぇ!? ぼ、僕が、勇者!?」

国王「……大丈夫なのか?」

ルビカンテ「ええ。少なくとも、黒魔法に関しての素質だけは、
      おそらく私以上かと」

ドーガ「ほほう。伸びしろはわしにも匹敵するのう」

ビビ「なんの、話……ですか?
   よ、よく分からないけど。僕が役に立てるのかな?」




ドーガ「まぁ、大丈夫じゃよ。そっちの兄ちゃんに従って行動していればたいていのことは為る」

ビビ「……本当?」

スコール「……」

アーロン「呼んでいるぞ?」

スコール「……?」

アーロン「お前のことだろう。お兄さん」

スコール「……ちょっとまて、まさか」

ルビカンテ「一応、まとめ役として呼び出したのがお前だったのだが……」

ティファ「まぁ、私もリーダーって気質じゃないから、
     誰かに引っ張って行ってもらえると助かるけど……」

ビビ「……えと、その」

スコール「……待て、こういうのは年長者が……」

アーロン「悪いな。こう見えて割と激情家なんだ。
     お前のようなブレインがいると、こちらも助かる」

ドーガ「神殿が崩れる際、助ける相手を間違えなかった。
    その判断能力も鑑みて、わしもお前さんがリーダーの方が安心するのう」

スコール「……」

ティファ「ってことで、よろしくね、スコール」

ビビ「よろしく、お願いします……」

スコール(そう易々と人に頼るなよ。
     この世界と言い、あんたたちと言い。
     世の中って、そんなに甘くないものだろう?
     
     とはいえ……)

国王「では、スコールをリーダーとする四戦士よ。
   この世界に、お主たちの力で光を取り戻してくれ」

スコール(クライアントに言われたなら、仕方ないだろう)

スコール「……了解」




………………

………………

夜 コーネリアの町 宿

ガチャ バタン


アーロン「……戻ったか」

スコール「ああ」

ビビ「zzz……」



スコール「ティファは?」

アーロン「情報収集、だそうだ。
     ……なんだ、気になるのか?」

スコール「そういうんじゃない」

アーロン「……どう思う?」

スコール「……何が?」

アーロン「この世界、召喚師……
     そして、俺達」

スコール「………………」

アーロン「……」

スコール「なんとも言えない。
     自分が空想の生物と言うことには虚しい気持ちになるけど、
     ……とにかく、仕事を依頼されたのであればそれをこなして生活しようと思った」

アーロン「……」

スコール「望んだ答えは出たか?」

アーロン「ああ。お前は、自分のやることがしっかりと見えているんだな。
     それはいいことだ」

スコール(今ので理解してもらえたということは、結構話の通じる相手のようだ。

     俺は、この世界のことは認めている。自分が空想の生物であることも
     そして、この世界に呼ばれたからにはここで生きるしかない、と考えた。

     きっとこれでいいんだろう。どうせ、元の世界のことも覚えてはいないんだから)


アーロン「そう割り切れればいいんだがな。
     俺は少し迷っている……

     と、そんな話をされても困るだろうな。
     済まない、忘れてくれ」

スコール「……あんたは、元の世界を覚えているのか?」

アーロン「いいや、全く。
     しかし、うすぼんやりと、元の世界の常識だけが残っている。
     この戦い方も、あの世界でのものだ」

スコール(確かに、俺もジャンクションのことは覚えているが、
     この世界にはそう言った類の情報はないし、おそらく俺の居た世界での常識なのだろう)

ビビ「ん、……あ、スコールさん、お帰り」

スコール「……ああ」

ビビ「どうしたの?」




>>直下

1 スコール「ビビは、元の世界のことは覚えているか?」
2 スコール(……ティファはどうなんだ。元の世界の記憶はあるのか?)
3 スコール(考えるのも疲れた。寝る)
4 その他


スコール「ビビは、元の世界のことは覚えているか?」

ビビ「え、元の世界のこと?」

アーロン「……」

ビビ「……」



>>直下

1 ビビ「覚えてるよ。僕は、アレクサンドリアに演劇を見に行ってたんだ」(レベル5位
2 ビビ「覚えてるよ。僕は、王女様を助けるために地下道を進んでたんだ」(レベル20位
3 ビビ「覚えてるよ。僕は、イ―ファの樹に向かっているところだったんだ」(レベル50位
4 ビビ「覚えてるよ。僕は……」(レベルカンスト
5 ビビ「覚えてない、みたいだ」(レベル指定
6 その他


ビビ「覚えてるよ。僕は、アレクサンドリアに演劇を見に行ってたんだ」

アーロン「……記憶があるのか」

ビビ「えと、うん……
   え?」

スコール「……俺と、アーロンには、元の世界の記憶があまりない。
     あまりというか、その世界の常識や、自分のこと以外は覚えてないんだ」

アーロン「しかし、お前に記憶があるということは、
     俺たちはやはりただの偶像と言うわけではないようだ」

ビビ「どういうこと?」

アーロン「ただの希望的観測だが、俺たちにも戻る世界というものはある、ということだ」

ビビ「……そう、なんだ。
   確かに、それなら嬉しいな。 演劇、楽しみにしてたし」

スコール「……」

アーロン「元の世界では俺たちはどうなっているんだ?」

スコール(それを俺達に聞くなよ)

アーロン「……すまない。
     どうやら、俺も疲れているようだ。
     今日は寝よう」

スコール「そうするといい。
     ビビも、本当に旅についてくるのなら今のうちに休んでおけ。
     この世界では移動は徒歩だぞ」

ビビ「う、うん。わかった」



………………

………………

翌朝

コーネリア北の橋


ティファ「よかった、開通工事終わってたのね」

スコール「開通工事?」

ティファ「昨夜情報収集してたら、ここが工事中だって聞いたのよ。
     今日終わる予定だって聞いてたけど、終わっててよかったわね」

ビビ「お姉ちゃんがいなかったのはそう言うことだったんだ」

ティファ「まぁねぇ。話を聞きだすのは得意だし」

アーロン「……で、目的地はなんと言うんだ?」

スコール「国王から聞いた話によると、
     預言者とかいうのから話を聞くといいらしい、
     そのためにもまずは海に出る」

アーロン「港か」

スコール「目的地はここから北東。港町の名前は」



>>直下 街の名前(FF限定


アーロン「……お前は今、港町の名前を言ったんだよな?」

スコール「ああ」

アーロン「なのに、なぜ、遺跡、なんだ?」

スコール「この世界に聞け」

ティファ「港町と遺跡が隣り合わせに存在するのよ。
     観光地化の目的とかと照らし合わせた時に、
     名前を遺跡の方に統一したんだって」

アーロン「ほう。観光地、か」

ティファ「遺跡に興味があるのかしら?」

アーロン「宗教的なものには関心がある。
     とはいえ、観光地にわざわざ寄るほどのものではないが」

ティファ「私は、ロマンがあっていいと思うけどなぁ」

ビビ「遺跡、かぁ」

スコール(そう言う旅ではないと思うんだが……)

………………


港町 ザナルカンド遺跡



スコール「異様な光景だな」

アーロン「そうか? 俺には何となくだが馴染み深い。
     ……あるいは、俺の元の世界はこうだったのかもな」

ティファ「コーネリアとは雰囲気が全然違うわね」

ビビ「……違う国みたい」キョロキョロ

ティファ「そうね。港だからってわけじゃなくて、文化がまるで違う感じがする」

スコール(あまりに違いすぎる。
     この世界にも科学の劇的な格差が存在するのか?

     この港町にはコーネリアにはなかった機械がところどころにある。
     これは一体……?

     それに、宗教的なものなのか銅像なんかが多いように見える)

ティファ「……何か難しいこと考えてるみたいね」

スコール「……別に」

ティファ「気になることがあったら言ってね。
     私も一緒に考えるから」

スコール「……ああ」(二人で考えてどうにかなったりはしないだろ)






ビビ「ここから、船に乗るんだっけ?」

スコール「ああ、そのはずだが……」

スコール(国王に要求した船は、どこにあるんだ?)

コーネリア兵「ああ、ここにおられましたか、
       ご報告いたします、勇者殿」

スコール「……あんたは、コーネリア兵か」

コーネリア兵「はっ えぇと、用意した船なのですが……
       大変申し訳ありません。
       この港町を牛耳る海賊の手によって奪われてしまいました」

ビビ「ええぇぇ、海賊!?」

ティファ「国の船を奪うなんていい度胸ね」

スコール(面倒くさいことになったな……)

アーロン「……どのみち、その海賊とやらを倒す必要がありそうだな」

ティファ「そうみたいね」ボキボキ

ビビ「に、人間相手に戦うの……?」ビクビク

スコール「おい、あんた。
     海賊はどこにいるんだ?」

コーネリア兵「はっ、遺跡の一角に居るという噂が……」

スコール(結局、遺跡には立ち寄ることになったか)


………………


ザナルカンド遺跡


ビビ「うわぁぁ……大きい遺跡……」キョロキョロ

アーロン「……」

ティファ「遺跡だから当たり前かもしれないけど、
     ここも、なんだか異質ね」

スコール「……」



スコール(建築様式の違いや、素材。
     それらから見ると、この遺跡周辺の文化とにかよってはいるが、
     さらにそれ以上の高度な文明の物のようだ。

     これは明らかにおかしい。こんな文明が、どうしてこの世界に?
     それとも一日やそこら歩くだけで文明が百年単位で変わるような世界なのか?ここは)

アーロン「……ここは敵の根城かもしれん。
     考えるのは後にするぞ」

スコール(それもそうか)「すまない」

アーロン「……気配がする」

ティファ「そう、ね。
     向こうに、十人くらいの気を感じるわ」

ビビ「気?」



………………

アジト

ティファ「ここが、隠れ家ってわけね」

海賊「ああ? なんだお前ら」

アーロン「船を取り返しに来た。
     お前らの頭領は居るか?」

海賊「へっ、コーネリアの犬が来たぜ」

海賊「返り討ちにしてやれ!!」

アーロン「……話し合いは、無理か」

ティファ「仕方ないわね」



アーロン「ふんっ!」ヒュン

ガスン!! ゴゴゴゴゴ!!

海賊「うわあああああ!?」ふわっ

海賊「うげえぇぇぇええ!?」

海賊「やべぇぞこいつ! 剣を振っただけで人が吹っ飛ぶ……!?」



ティファ「はぁぁっ!」ファッ

コツン

海賊「う゚っ―――」クタァッ

ティファ「せぃっ!」ファ

シュトッ

海賊「うぴっ!?」クタぁ……





スコール「っ」フォン

ザシュッ

海賊「ぐぅっ!」

ビビ「お兄ちゃん!」

スコール「……」(俺でも盾くらいにはなれるだろう)

海賊「ぐ……この……」

スコール「!?」


ビビ「ファイア!!」

海賊「ぐあぁぁああっ!」

ビビ「……はあ、はぁ……」

スコール「……ありがとう、助かった」

ビビ「う、ううん……」


海賊「ひ、ひぇぇ、こいつら、つえぇぇえ……」

海賊「そっちの青二才どもからやっちまえ! そっちは大したことねぇぞ!!」

スコール(最もだ)



頭領登場 頭領の名前(FF限定 >>直下

安価おいて寝ます。おやすみ。


ファリス「お前ら下がれ」

海賊「っ」

ファリス「いいから、下がれつってんだよ。
     かしらの言うことが聞けねぇのか?」

海賊「……へい」

アーロン「頭領の登場か」

ティファ「……そうみたいね」




ファリス「……子供に、若造。
     女に、侍。見たところ王国の犬ってわけじゃなさそうだな」

スコール「そうでもないさ」

ファリス「あれか、最近うわさの勇者様ってところだろ」

スコール「それは、うわさになるほどの話なのか」

ファリス「ああ、コーネリアだけの話でもないしな。
     話によると南の国でも召喚師を抱え始めたそうだ」

スコール(……国が召抱えるほどの召喚師か。
     ルビカンテみたいに倫理的な奴であってほしいが……)

ファリス「……おい、お前がリーダーっぽいな」

スコール「……一応」


ファリス「お前、何が目的なんだ? 何か目的があって、コーネリアの犬なんかやってんだろ?」

スコール(どういうことだ?)


ファリス「……本当はお前、元の世界に帰るためにやってるんじゃないのか?」


アーロン「っ……」

ビビ「えっ?帰れるの?」

ティファ「……」

ファリス「……どうなんだ?」




スコール「俺は元の世界に対する執着があまりない。
     この仕事を引き受けたのも、他にするべきことがないからだ。
     それに、王国の頼みさえ聞いていれば報酬も多くもらえるだろう。
     ただそれだけだ。
     望みの答えではないと思うが……」


ファリス「………………ああ、満足できねぇ答えだったぜ。
     そうなったら、あの船を易々と返すわけにはいかねぇな」

スコール「こちらとしても、船を開放してもらわないことには困る。
     第一、この世界を救うために旅をしている俺達をとどめることは、
     あんたたちにとっても都合が悪いんじゃないのか?」

ファリス「俺はさしてこの世界に対して執着がなくてな。
     この世界から抜け出る方法を自分で探そうと思ってるのさ。
     そのためにはよりよい船で旅をしたいと思ってね」

スコール「……なるほど」


ビビ「どういうこと?」

アーロン「奴もこの世界の住人ではないと言うことだろう。
     さて、実力はどの程度か」


ファリスの実力

1 全ジョブマスターの海賊王 レベルカンスト
2 物理ジョブ特化の海の覇者 レベル70程度
3 単一ジョブ特化の凄腕海賊 レベル30程度(ジョブ指定
4 ただの一海賊       レベル10程度(すっぴん
5 シルドラライダー     
6 その他

1

安価忘れたけど、 以下安価忘れたら全部>>直下で

>>直下

ごめん >>77採用で


スコール「……」

スコール(まずいな。こいつ、多分めちゃくちゃ強いぞ)

ファリス「さて、もう喋る必要はなくなったわけだが、
     やるか?」

アーロン「まぁ待て、リーダーは確かにこいつだが、
     先に立って戦うのがこいつと言うわけではない」ザッ

ファリス「……確かに、一番強いってわけじゃなさそうだ。
     というか、あんたとそっちのネエちゃんが別格過ぎる」

ティファ「……」

ファリス「いいぜ。そっちで一番の腕利きとやりあってやる。
     俺を納得させたら船は返してやるよ」

ファリス「さぁ、どっちが来るんだ?」


誰が相手? >>直下


アーロン「いいだろう。お前がそう望むのなら、俺が相手になってやる」

ティファ「それだと私が二番手ってことになりそうね?」

アーロン「違うのか?」

ティファ「別にいいけど」



アーロン「……ここに来て、力加減の要らない相手と戦うのは初めてだ」

ファリス「へぇ……わかってるじゃねぇか」

アーロン「期待はずれでないことを祈る」

ファリス「それはこっちの台詞かもしれないぜ?」



アーロン「っ……」スッ

ファリス「……っ」シュシュッ

スコール(下がりながら手裏剣を投げた?
     絡め手から来るのか、意外だな)

アーロン「ふん、忍の者か」キィン キィン

ファリス「それだけだと思うと、火傷するぜ」キュィン

ボボォォォオオオ!

アーロン(炎に囲まれたか……)

ティファ「魔法まで使えるの?」

ビビ「……ううん、これは魔法じゃない。
   範囲の割に発動までが短すぎるし……」

ティファ「ってことは、忍術?」

アーロン「小賢しい」カッ

バシャァァァッ

スコール(確かに退路を確保するのは重要だ。
     だが、その魔法を発動する一瞬すら、海賊にとってはチャンスになりうる)

ファリス「上だよ、おっさん」

アーロン「っ!?」


ザッシュッ!

アーロン「ぐぅっ……」

ファリス「ちっ、急所ははずしたか……」トッ

アーロン「っふん!」ブォン

床「バゴォォァッ」

ファリス(!? でたらめに叩きつけたわけじゃなさそうだ。
     目くらましか? しかし、あいつは周囲をほとんど炎で覆われているはず)

アーロン「どれだけ逃げ回っても、一撃当てれば終わりだ」スッ

ファリス「っ!?」

スコール(めちゃくちゃだ。
     服の一部が燃えながらそのまま海賊に突進していった。
     ダメージ覚悟か)

アーロン「せいぃっ!!」ガスン!!

ファリス「ぐあぁぁっ!?」ザシュッ



ファリス「惜しいな、そっちは分身だ」

アーロン「っ」

ティファ「完全に忍者ね」

スコール(いいや、それだけじゃない、あの感じは……)

ファリス「まだ汚い手使わせてもらうぜ。 コメット!」

ビビ「黒魔法だ。分身を使って詠唱時間を稼いだんだ」



アーロン「勘違いしているようだが。
     分身を狙って戦っていたわけではないぞ」



ファリス「あ?」


アーロン「本体がそこに居ると分かればたやすいことだ。
     言っただろう?
     どれだけ逃げ回っても、一撃当てれば終わりだ」

ファリス「っ、な」

アーロン「ふんぬぅっ!!」ヴォンヴォンヴォン

ファリス(竜巻!? 武器振り回しただけでコレとか、飛んでもねぇ馬鹿力じゃねぇか)

スコール(しかも黒魔法で出現した隕石までも巻き込んだ。
     一転したか)

アーロン「塵の多い部屋だ。なおさら良く燃えるだろう」

ファリス「燃え……って、ちょ、まさか」

アーロン「手数の多い奴は、出し切る前に叩く。
     コレで終わりだ」

スコール(まずい)

スコール「伏せろ」

ティファ「っ」

ビビ「え?」

酒「チャポン」



ボガァァァァァァアアアアアアアンン!!!!


………………


ビビ「んん、うん?
   ……はっ、生きてる」

スコール(流石に俺達の分までは考えていたか)

ティファ「とんでもない威力ね」

アーロン「……下っ端どもはその辺に転がってるが、
     いかんせん、親玉の姿が見えん」

ティファ「……死んだわけじゃなさそうだけど」

スコール「周りは海水で満たされている。大方、落ちたんじゃないのか?」

アーロン「であれば、止めをさすか」バチバチバチ



ザバァッ


四人「!?」


ファリス「ちょっとまってくれ」チャプン

アーロン「命乞いなら聞いてやる」

ファリス「負け惜しみに聞こえるだろうが、ちょっと違う」

アーロン「……なんだ」

ファリス「おい、ビッケ。ビッケは生きてるか!?」

海賊「おい、あんただよ」

ビッケ「っ!? へ、へいっ!」

ファリス「こいつらの船を元に戻しておけ。
     お前ら全員して取り掛かりな」

ビッケ「は、はぁ? でもおかしら、あんたならそっからいくらでも反撃……」

ファリス「うるせぇっ! おかしらの言うことが聞けねぇの課?」

ビッケ「ひぇぇっ!? お、おい、行くぞ!!」

海賊「アイアイサー!!」

ゾロゾロ




ファリス「……あいつら全員行ったか?」

スコール「そのようだ」



ファリス「っ」ザッパァァァァン!

アーロン(! 水面から飛び上がった?)

ファリス「……」シュタッ




ファリス「まぁ、あいつも言った通り、俺はまだやれなくはないが、
     水に落ちた時点で興ざめしたぜ。
     隠れて回復魔法使ってる時点で疲れちまった」

アーロン「……ふむ、そちらがそう言うのであれば、
     俺も剣を収めよう。


     何より、女相手にここまでしたというのも、気が引ける」



スコール(ん?)フイッ

ビビ「え」

ティファ「あ」

ファリス「ジロジロ見るな」ギロッ

ビビ「す、すみませんっ!!」

ファリス「とにかく、あれだ。
     船は返す。それで手打ちにしてもらえると、これ以上の死闘は免れるわけだが」

アーロン「……今後の海賊行為の程度によるな」

ファリス「大人しくしてるよ。
     少なくとも、俺以外はな」

ティファ「それって、どういう意味?」



ファリス「俺はお前らについていくから、大人しくしてられないってことだ」



スコール「なんだと?」

ファリス「それとも、お前らだけでこの世界の荒れた海を渡れるのか?」

スコール「船の運航は水夫でも雇おうと思っていたが……」

ファリス「この世界の海はモンスターの縄張りといってもいい。
     そんなやわな連中じゃこの先海で死ぬのが目に見えてるぜ」

ビビ「えぇ、ってことは、この先海賊さん達と一緒に旅するってこと!?」

ファリス「あの馬鹿どもをゾロゾロ連れて歩いたらそれこそ大迷惑だ。
     あいつはこの辺で大人しくさせてるよ。
     海の危険に関しては、とりあえず俺を連れて行くことで解決するってもんさ」

スコール「その心は?」

ファリス「……出発のときに分かるさ。
     まぁ、お前らの世界平和のついでに、俺の元の世界へもどる目的を乗せてくれってお願いだ。
     聞くかどうかはリーダーかおっさんに委ねる」

アーロン(おっさんか)

スコール「……」

ビビ「……どう、するの?」



>>直下
1 つれてく
2 連れてかない

スコール「……」

アーロン「どうする?」

スコール(どうして俺に判断を委ねるんだ?)

アーロン「俺はリーダーの言うとおりにする。
     断ってもう一度戦えというなら、それでもいい」

スコール(年長者の癖に責任丸投げかよ。
     そういうのってどうなんだ?)

ティファ「……でも、ついてきてくれるってことは、
     協力してくれるってことよね?」

ファリス「ある程度はな。しかし、度が過ぎたお人よしは勘弁してくれ」

ビビ「……」

スコール「いいだろう。あんたの同行は許可する」

ファリス「ありがてぇ」

スコール「……しかし、俺達と行動をしている間は、海賊行為は禁止だ。
     行動を制限されるような真似だけはやめてくれ」

ファリス「分かってるよ」

アーロン「決まりだな」



………………


………………



翌日 港

ビッケ「おかしらぁぁっ 出て行くなんて急すぎますぜぇぇ!」グスングスン

ファリス「うるせぇ奴だな。
     お前らはここの自警団になってモンスターから港を守ってろ」

ビッケ「それじゃあ最近の活動となんらかわらねぇじゃないですか!
    久々に海賊っぽいことしたと思ったらこれだしよぉ!」

ファリス「全うな生き方は教えただろ?」

スコール(こいつら義賊だったのか)

ファリス「とにかく、お前らはもうタダの海賊じゃねぇんだ。
     立派に生きろよ」

海賊「うぉおおおん! おかしらー!」

海賊「おかしらー! いつか帰ってきてくださいねー!」

海賊「おかしらー! すきだー!」

海賊「おかしらー!」

ファリス「ぁん?」



………………


船上


ファリス「はー、うるせぇ奴らだぜ。全く」

ビビ「……でも、すごく慕われてたんだね」

ファリス「……まぁな。元の世界でも結構な海賊だったんだぜ」


スコール「……」



アクティブタイムイベント 残り3
>>直下

1 ファリスの過去(スコールとファリス)
2 ティファの過去(スコールとティファ)
3 ビビとファリス
4 友情?(アーロンとファリス
5 ビッケ海賊団
6 その他


ファリス「はぁ……」ボケーッ

アーロン「……郷愁か?」

ファリス「……どうなんだろうな。
     でも、今考えてるのは、ビッケたちのことだ」

アーロン「……こちらに着てからは長いのか?」

ファリス「一年、経つな」

アーロン「その間、あの海賊団と一緒に居たのか」

ファリス「まぁ、そうなる」

アーロン「……それなら、少しは情が移るだろう」

ファリス「あんたもそんなことあったのか?
     って、わりぃ、覚えてないんだったな」

アーロン「いや、気にするな。
     そう言う質問で何か思い出すきっかけになるかもしれんしな」

ファリス「ああ、そういってくれると助かる」

アーロン「……残してきた奴らが心配か?」

ファリス「……でも、あいつらには大事なもん残したつもりだから、大丈夫だと思う」

アーロン「そうなのか?」

ファリス「ああ、熱い魂って奴を叩き込んできたからな。
     そうそう悪い海賊にはもどらねぇだろ」

アーロン「あんた、元の世界でも悪い海賊やってたわけじゃなさそうだな」

ファリス「そうでもねぇぜ?」ニヤリ


アーロン「……まぁ、元の世界にもどったら、海賊からは足を洗うことだ」

ファリス「あぁ?」

アーロン「女に勤まるものじゃないだろう」

ファリス「おい、そりゃ聞き捨てならねぇな。
     俺は元の世界でも立派に頭やってたんだぜ?」

アーロン「だろうが、もう年頃だろう。
     荒くれの中で過ごすにはお前の体は育ちすぎた。
    
     水に濡れただけでごまかせない程度には、お前の体は女だ」

ファリス「……」

アーロン「少しもそんなつもりがないなら、海賊として生を全うしてもいいだろう。
     しかし、少しでも女としての幸せを願うなら……」

ファリス「うるっせぇっ! やめだやめ!!
     このお話は終了! 説教はごめんだぜ!」

アーロン「……」

ファリス「俺の行き方は俺が決める。それでいいだろ?」

アーロン「……ふっ、ああ、全くだ。俺の老婆心が邪魔をしたな」

ファリス「いいよ。別に。
     あー、でも女の幸せかぁ……あんま考えたことなかったなぁ」

アーロン「……」



………………

アクティブタイムイベント 残り2 
>>直下

1 ファリスの過去(スコールとファリス)
2 ティファの過去(スコールとティファ)
3 ビビとファリス
4 ドーガとルビカンテ
5 その他


ザザーン ザザーン

ビビ「……うわぁ……」

ファリス「おい」

ビビ「え?」

ファリス「ああ、お前だよ」

ビビ「ぼ、ぼく?」

ファリス「おう、ちょっと面かせ」ガシッ

ビビ「え、ええぇぇ!?」

ファリス「ああん? なんだ、この帽子、取れねぇぞ?」

ビビ「いたたたたっやめてよ!」

ファリス「え、痛いのか!? すまん」

ビビ「なにするんだよぅ……」

ファリス「いや、これから仲間になるのに、素顔がわからねぇってのはどうかと思ってな」

ビビ「……ボクはコレが素顔なんだけど」

ファリス「マジか……」

ビビ「……そんなに変?」


ファリス「んー、まぁ、そんな奴もいるんだろ。
     俺の世界では変ってだけで」

ビビ「……そういえば、僕の世界でも、あまりいい顔はされなかったかな」

ファリス「あ? そうなのか」

ビビ「うん、ボクみたいな真っ黒な顔をした子は、いなかったかな」

ファリス「ほーん、んじゃお前は珍しい奴ってわけだ」

ビビ「……そうなの、かな?」

ファリス「個性が際立ってる奴は好きだぜ。面白い」

ビビ「そ、そう?」

ファリス「ああ、だがそのおどおどした態度はあんまりよろしくねぇ。
     男なら胸張って生きろ!」

ビビ「う、うん」

ファリス「………………」ジーッ

ビビ「どうしたの?」

ファリス「……ところで、お前、男なのか?」

ビビ「お、男だよっ!」

………………


アクティブタイムイベント 残り1
>>直下

1 ファリスの過去(スコールとファリス)
2 ティファの過去(スコールとティファ)
3 ビビの過去(スコールとビビ)
4 ドーガとルビカンテ
5 その他


コーネリア城

ドーガ「のう」

ルビカンテ「……なんだ?」

ドーガ「おぬし、召喚の心得はどのようにして覚えた?」

ルビカンテ「……覚えた、と言うよりは、閃いた、に近いな。
      おそらく、黒魔法に精通した私の経験が、
      召喚された際の刺激によって昇華したのだろう」

ドーガ「ということならば、ワシにもその予兆があってもいいんじゃがのう」

ルビカンテ「確かに、ドーガ殿の魔力は私以上。
      魔力の大きさで言うとあなたの方が数段上」

ドーガ「しかし、ワシは古いセンスの持ち主。
    おぬしは若く、センスもある。
    独自の魔力の帯び方をしておる」

ルビカンテ「……それは、改造人間であることを言っているのか?」

ドーガ「それもそうじゃが、何よりおぬし、独自の魔法を作り出したじゃろう?
    そう言うセンスじゃよ。
    わしにできるのは古代魔法をより研磨することのみ。
    しかし、おぬしには新しい魔法を生み出すセンスがある。

    そう言うところが、召喚魔法を使えるようになった要因なんじゃろうなぁ」

ルビカンテ「そこまで見抜いていたとは……」

ドーガ「伊達に大魔道師の弟子じゃない、と言うことじゃよ」


ルビカンテ(私もかなりの死線を潜り抜けてきたが、この人は、
      もっととんでもない業を背負っているように見える……)

ドーガ「時に、おぬし、どうしてこの国に味方する?」

ルビカンテ「ああ、それは難しい理由ではない。
      力試しにケフカと戦い、負けた。
      その傷をここで癒していたのだが、国王にケフカと戦って生き延びたものは居ない、
      と言われ、拾われた。行く当てもないし、恩も義理もある」

ドーガ「ほう、ストイックな男じゃの」

ルビカンテ「……」

ドーガ「しかし、それゆえに自らを縛り付けている節もありそうじゃ。
    過去とは上手に向き合うのが吉、じゃぞ」

ルビカンテ「……耳に痛いな。だが、私も後悔などしていない。
      たとえ悪の道であろうと、今の自分を否定はしない」

ドーガ「おや、図星だったのか」

ルビカンテ「? 占いの類ではなかったのか?」

ドーガ「ただの年寄りの勘繰りじゃよ ふぉっふぉっふぉ」

ルビカンテ「……貴方にはかなわないな。
      茶菓子でももらってこよう」

ドーガ「ん? すまんね。怒ったのかい?」

ルビカンテ「少し」

ドーガ「短期は損気じゃよっ ふぉっふぉっふぉ」


………………

………………
船の上


ファリス「リーダーさんよ」

スコール「なんだ?」

ファリス「次の目的ってのは何だ?」

スコール「……二つ考えてある。
     外界へ出ることと、南の大陸に渡ること」

ファリス「……となると、目的地は南だな」

スコール「外界へは出られないと言うことか?」

ファリス「運河が完成してないんだとさ。
     それなら先に南の大陸に行ってみようじゃねぇか。
     目的地は?」

スコール「……」


次の目的地の地名 >>直下 (FF限定


ティファ「まずはフィッシャーマンズホライズン」

ファリス「ま、そうなるか、南に行くならな」

スコール「……どういうことだ?」

ティファ「地図を見て」

スコール(世界地図の、俺たちが居る内海の部分には、海を東西に横断する線が引かれている)

ティファ「ここにはね、鉄道が敷かれているの」

スコール「鉄道……この世界に海上鉄道が?」

ファリス「ほう、お前らの世界じゃ一般的みたいだな」

スコール(一般的というほどでもないが、少なくとも俺の感性だと、ある。
     しかし)

スコール「この世界の技術で、それが作れるのか?」

ティファ「でも、あるのよ。ほら見て、水平線に、明らかな人工物」

スコール(……確かに、水平線見渡す限りに鉄道の路線がある)

アーロン「機械、か……」

ファリス「んー? 自然保護とかそう言う話か?」

アーロン「いや、機械自体に少し違和感が、な」

ビビ「うわぁぁあっ! すごい、こんな大きな線路……すごいやっ!」


ティファ「内海を分断する線路。あの下を通るのはよっぽどの小船か、FHに所属する船だけね」

スコール(FH フィッシャーマンズホライズンの略称か)

ティファ「こういう大きな船は、絶対にFHに停泊して、通行証をもらわなくてはいけない。
     そう言う決まりなんだって」

スコール「詳しいな」

ティファ「え?」

スコール「いや、あんた、この世界の住人じゃないんだろ。
     でも、なんだか歩き方を知っていると言うか、俗世慣れしている」

ティファ「まぁね。人の話を聞いたりするの、上手だから」

スコール(もしかして時折居ないのは、情報収集をしているのか?)

ティファ「……どうかした?」

スコール「いや、すまないな。なんだか」

ティファ「……ふふ、別に、円滑に旅を進めるのに必要なことでしょ。
     それに、夜の街は未成年に歩かせたくないしね」

ファリス「このネエちゃん、割とやり手っぽいな」

スコール(そのようだ。心配する必要はなさそうだしな)



………………


F.H.

ビビ「すごい、海の上に、こんな機械の町があるなんて」

アーロン「圧巻だな……」



FH住民「おーい。そこの船」

スコール「……ん」

FH住民「身分を証明できるものは……あ、失礼、
    コーネリア王国の船だったのか」

スコール「いや、いい。
     ちょうど良かった、通行証とやらをもらいに来たんだが」

FH住民「とりあえず、船を止めて、代表者を武装解除してよこしてくれないか」

スコール「……」



数分後



FH住民1「……えーっと、ゴホン
    責任者とお見受けする。
    この街では、一切の戦闘行動を禁止している。
    街の中で戦闘行動を起こさないことを、ここに誓ってくれ」

スコール(……)

スコール「ああ、誓おう」

FH住民1「……」

FH住民2「……」



FH住民1「ようこそ! FHへ。
     歓迎するよ、コーネリア王国のみなさん」

スコール「……ああ。ありがとう。
     通行証について話したいんだが」

FH住民2「それなら駅長のところへ行ってくれ。
     なぁに、ど真ん中だからすぐ分かるさ」


………………


ビビ「別に、いきなり戦闘行動を禁止するって言わなくても、
   そんなつもりなんてないのに」

アーロン「そう言う街だって言うことだろう。
     それに、俺やファリスの風体を見れば、あちらさんだって物申したくなるさ」

ファリス「俺の服装は普通だろ?」

アーロン「粗暴なオーラが出てるってことだ」

ファリス「ヤクザみたいな顔してる奴に言われたかないね」

ティファ「どうする? 駅長のところ、行く?」

スコール「この街にはそれしか用事がなさそうだ」



スコール(とはいえ、いったんここで停泊していくのも一つの手か)



>>直下

1 とりあえず停泊
2 通行証もらってはよ帰る
3 寧ろ気になる。この街を重点的に調査
4 その他

スコール「……」

ティファ「どうしたの?」

スコール「……通行証をもらいに行こう。
     今日はとりあえずこの街に泊まることとする」

ファリス「おや、意外だな」

スコール「皆、戦闘行動だけは控えてくれ、ここに居づらくなるだけだ」

アーロン「ほう、まるでここに長居するかのような言い方だな」

スコール(……場合によっては、そうなる)

ティファ「一緒に行こうか?」

スコール「いや、街を見ていたければそれでいい。
     夜に宿場に集合。以上だ」

ビビ「え、自由に見て回ってもいいの?」

スコール「……ああ、構わない」

ティファ「ビビ君はとりあえずお姉さんと一緒に行こうか」

ビビ「え、あ、うん」

ファリス「んじゃ、俺らは別行動で」

アーロン「そうだな」

スコール「では、解散」




………………

駅長の家

スコール「……」

ピンポーン

スコール「失礼します」

>>直下 駅長の実態

1 ドープ駅長(そのまんま
2 他の誰か(FF限定
3 モブ(FH的イベントスルー
4 その他


ドープ駅長「……君が、コーネリア王国の勇者とやらかね」

スコール「……ええ、その通りです」

ドープ駅長「世界の平和を、戦って取り戻すつもりらしいな」

スコール(そう言う態度か……)

スコール「……はい」

ドープ駅長「ふむ……まぁ、そういうのは、よそでやってくれ。
      ここではたとえモンスター相手でも、戦闘はしてはいけない。
      わかるかね?」

スコール(なんだと思ってるんだ……と、言えるほど俺達は平和的に見えないだろうな)

スコール「分かります。FHでは戦闘行動を起こしません」

ドープ駅長「……通行証は出そう。数日なら停泊もやむをえんが、
      あまり長居はしないようにな」

スコール「……はい」

スコール(意図は分かる。俺達みたいなバトル野郎を置いておくと、
     他の火種になりかねないからだろう。
     それにこの街にはきっと戦闘できる人材も居ないだろうから、自衛することもできない。
     何より、自衛するとしたらFHの掟を破ることになる。
     臭いものには蓋を、危ないものは遠くへ、当然の考えだ)




スコール「……二三、お聞きしたいことがあります」

ドープ駅長「なんだね?」



スコール「この街は……この鉄道は、いつからここにあるんですか?」



ドープ駅長「……歴史に興味があるのかね?」

スコール「……少し」

ドープ駅長「勉学はよいことだ。私の口から語っても良いが、
      せっかくなら書物として残っているものを見るといい。
      図書館の場所を教えてあげよう」

スコール「ありがとうございます。
     それと、この鉄道は、どこからどこへつながっているんですか?」

ドープ駅長「東は>>113 西は>>114 へつながっている」

地名(FF限定

ミッドガル

クリスタルワールド



ドープ駅長「東はミッドガル 西はクリスタルワールド へつながっている」

スコール「っ」お茶「ブフゥゥゥゥ!!」

ドープ駅長「おや、咳こんだかね」

スコール「ええ、すこし」

スコール(いよいよもってめちゃくちゃになってきた。
     クリスタルワールドって地名に、何の疑問も持たないのか、この世界の住人は
     もはや、子供でもこの世界に違和感を覚えるだろうに)

スコール「すみません。喘息が出たので帰ります。
     いろいろとありがとうございました」

ドープ駅長「いいや、町のみんなによろしくな」



………………


スコール「……はぁ 夜まで時間があるか」


アクティブタイムイベント 残り2


1 東から何かやってきた?
2 ティファとビビ
3 アーロンと釣り爺
4 海を思う(ファリス
5 街なみ(スコール
6 その他


スコール「……?」

スコール(なんだか東側が騒がしいな)

ザワザワザワ……



ティファ「はぁ、はぁ、スコールっ!」

ビビ「うわわっ」ドテッ

スコール「っ、何かあったのか?」

ティファ「あっちの線路から、神羅兵がっ!」

スコール「……シンラヘイ?」

ティファ「すぐに説明するのは難しいけど、
     たぶん、悪いやつらよ」

スコール(たぶん?)

ビビ「町の人たちもなんだか嫌そうな顔してた……乱暴な人たち、なのかな」

ティファ「それはもれなくね」

スコール「なら、関わるな。
     できるだけ、身を潜めていてくれ」



ゾロゾロゾロゾロ

スコール「っ。隠れろ」

ティファ「っ」

ビビ「うわわっ」





ルーファウス「この先が、クリスタルワールドか」

ハイデッカー「ガッハッハ! そのようですな!」

ルーファウス「……」

ハイデッカー「ガハ……ええと、同じくらいの距離を進むと、たどり着ける模様です」

ルーファウス「そうか。しかし、飛空挺が使えないとなると
       こうして調査しに行くだけでも一苦労だな」

ハイデッカー「しかし、クリスタルワールドと銘打つほどの場所。
       謎は多いですが、きっと魔晄エネルギーも潤沢なはずです」

ルーファウス「……急ごう」

ハイデッカー「ははっ」


ゾロゾロゾロゾロ






ティファ「……あいつら……っ」

スコール(魔晄エネルギー? 
     よく分からないが、ただの調査団にしては物騒なナリをした兵士ばかりだぞ?)

ビビ「……クリスタルワールド?」

スコール「……西の方には、そう呼ばれる場所があるらしい」

ビビ「へぇ」

ティファ「なにそれ、テーマパークか何か?」

ビビ「?」

スコール(クリスタルワールドという言葉を、本気で捉えるとああなるのか
     だが、気にならないといえば嘘になる)



ティファ「神羅、か……」

スコール「何か知っているのか?」

ティファ「ええ、私の元の世界での大きな会社。
     軍事にも手を出していて、かなり強引なやり方で、魔晄エネルギーを調達している、
     悪い奴らよ」

スコール「……魔晄エネルギー?」

ティファ「……ええと、なんて言えばいいかな。
     星の命、生命エネルギー、的なもの?
     それらは循環していて、人間の私欲に使いすぎると世界中の生命が破綻していくの」

スコール(聞いたことがないな)

ティファ「私の世界の話、だけどね」

ビビ「命……循環……」



………………

アクティブタイムイベント 残り1


1 アーロンと釣り爺
2 海を思う(ファリス
3 街なみ(スコール ビビ ティファ
4 その他





ティファ「スコール、通行証はもらったの?」

スコール「ああ、明日には発行するらしい」

ビビ「よかったね。
   で、その、ここにはどれくらいいるのかな?」

スコール「……もう一日は、居ようと思う。
     もちろん、みんなさえよければ、だが」

ティファ「私は別にかまわないわよ。
     素敵なところだし、見て回りたいと思ってもいたし」

ビビ「僕も、すごく興味あるな」

スコール(俺もそうだが、おそらくあんた達とは少し違う気持ちだ)

ビビ「あっちに大きな機械があるんだ。
   さっきはそのシンラヘイってのがいて近寄れなかったけど、
   今なら見に行けるよね」

ティファ「そうね。行ってみようか」

ビビ「うん」

スコール(この世界には不釣り合いな、FHという存在。
     しかし、ここは俺にとって様々なものが合致する。
      
     見える文明の度合いや、
     店の様式、ジャンク屋、ペットショップに並ぶGF用品。

     それに)



ビビ「何なのかな? これ」

ティファ「船、みたいだけど……それにしても、大きいわね」

スコール(この、異様にでかい、青い建物。
     何かが、俺の脳裏に引っかかるんだ)



FH住民「この建物かい?
     こいつはね、バラムガーデンって言うんだ」

ビビ「バラムガーデン?」

FH住民「ああ、今外装が出来上がったところさ。
     そしてこれからエンジンテスト。色々とモノが動くかもしれんから、
     関係者以外は離れてみていてくれよ」

ビビ「動くの!? この建物!」

FH住民「そうさ。動くどころか空も飛ぶぜ?
     数十メートルくらいだけどな」

ビビ「すごいやっ!」



スコール「バラムガーデン……」ボソッ

ティファ「……?」


………………



夜 宿
男性側の部屋

スコール「……この町で、少し情報収集をしたい」

アーロン「どういうことだ?」

スコール「……俺たちの目的は、世界平和。
     各地で起こっている謎の事件やらを解決するのが仕事」

ビビ「……うん」

スコール「ここは内海の南北をつなぐ場所でもあり、
     西にはクリスタルワールドと言う意味深な場所があり、
     東にはミッドガルと言う大都市がある。
     各地の情報を集めるには、よい場所なんじゃないかと思うんだ」

ティファ「それで、作戦会議ってこと?」

スコール「作戦と言うほどでもない。
     今後の方針を報告しておこうと思ったんだ」

ファリス「……クリスタルワールド、か。
     そっちの調査はかなり俺の目的にもつながりそうだな」

アーロン「その地名に覚えがあるのか?」

ファリス「クリスタルっていうものにはかなり親しみがある。
     もしかすると、俺んとこに帰る何かが、そこにあるかもしれない」

スコール「……確かに、明らかに不思議な地名だ。
     だが、そこに行くには少し面倒が付いて回る可能性がある」

ティファ「神羅ね」

アーロン「神羅?」

ティファ「こっちの世界で世界中を牛耳っていた、悪徳業者よ。
     ……私は、その反対組織のメンバーでもあった」

スコール(だから情報収集だとかが上手かったのか?)




ファリス「別にそこでは闘ってもいいんだろ?
      なら何とかなるだろ」

ティファ「……でも、あの会社にはかなりの腕利きがいる。
     かなりの覚悟を持って挑まないと……」



スコール「そう言う準備も含め、この町に少なくとももう一日はとどまろう。
     もちろんその間、ミッドガルの情報もクリスタルワールドの情報も集めようと思う。
     そういうつもりなんだが……どうだろう」



ファリス「いいぜ。しかし、後で必ずクリスタルワールドに行く。
     それだけはよろしく頼む」

アーロン「構わん。ここは飯が美味いしな」

ビビ「僕も、大丈夫」

ティファ「異論はないわ」



スコール「……あと、これは私情なんだが」

ファリス「ん」

スコール「……なんとなく、この町の雰囲気が……」


ビビ「……気に入った?」

スコール(違う、そうじゃないんだ)

アーロン「……」

スコール(……やめておけばよかった。言うんじゃなかった。
     まぁいいか)

スコール「何でもない。
     少し、この町が気になるだけだ」


ティファ「ねえ、もしかしてスコール。この町が自分の世界に存在した町かもしれないって思ってるんじゃない?」

スコール(余計なことを……)

ティファ「それで気になる、っていうことなら。
     大丈夫だと思うよ。そう言うつもりでここにとどまるって言うのも」

スコール「……すまない。だが、それはあくまで俺の私情だし、確信じゃない。

     でも……俺自身、なんて言えばいいかわからないが、
     ここを見て妙な気持ちになった。それを、確かめたいのは確かだ」

スコール(ダメだ。やっぱり言葉にするのは苦手だ)



ファリス「そういうのなら、俺は大賛成だ」

スコール「……」

ファリス「自分の世界との繋がりがあるかもしれないってことだろ?
     それなら、お前の好きなように動いてみろよ。
     ただし、帰れそうな場合は俺にも教えてくれ。どうやって帰るのかをな」

スコール「……ああ。分かったなら、そうする」

アーロン「……」

ビビ「……」チラッ

ティファ「……」




………………

宿 廊下

スコール「女性用の部屋はこっちだ。何かあったらこっちの部屋まで来てくれ」

ティファ「……」

スコール「……じゃあ」



ティファ「あのさ。神羅のこと、なんだけど」

スコール「……どちらにせよ、ミッドガルまで行くには準備が必要だろう。
     なるべく早く、そちらへ向かおうと思う」

ティファ「……ありがとう」

スコール(寧ろ……いや、これは言うべきなのか?
     また面倒くさい会話になりそうだが……)



スコール「……」

ティファ「……」


スコール「すまないな。
     本当は、明日にでも行きたいだろう」

ティファ「え?」

スコール「ミッドガルは、知ってる町なんだろう?」

スコール(何を言ってるんだ俺は、準備に一日使うのはしょうがないことだろう)

ティファ「ええ、でも、準備は大事だし、それに……」

スコール「……あの神羅兵か」

ティファ「ええ、彼らのしていることが何かによっては、
     行先は西になりそうだわ」

スコール(確かに、そっちの方が大きな問題になりそうならば、そちらへ先に行くべきだな)

ティファ「ふふ、ありがとう。
     なんか、いろいろ考えてくれてるんだね」

スコール「……ああ、多少な」

ティファ「でも大丈夫。リーダーとしていいと思うことを選択してくれて構わないから、
     私たちは多分それに従うし、
     もし間違ってるな、って思ったらちゃんと指摘するから。
     それが、仲間ってことだと思うし」

スコール「……」

ティファ「だから、もう少し肩の力抜いてもいいかも、だよ?」

スコール「……善処する」

ティファ「じゃ、おやすみなさい」

スコール「ああ、おやすみ」


パタン



スコール「……」

スコール(仲間、か。
     そういうのは、あんまり好きじゃないな……

     ……なぜかは、わからないけれど)



スコール(ん?)

………………


男性側の部屋

ファリス「よう、おかえり」

ビビ「zzz」

アーロン「……スコール、こいつを早く連れ出してくれ」



スコール「……女性用にもう一つ部屋を用意してある」

ファリス「あぁ?  あ、ああ。
     そっか、女扱いしてるのか、俺を」

スコール「ああ」

ファリス「いやいや、別にいいんじゃないか?
     俺の時は全員一緒の部屋だったぞ?」

スコール「あんたが気にしなくても俺たちは気にする」

ファリス「ったくよー。もう眠いんだけど……ここで寝ていいか?」

アーロン「ならせめて服を着ろ。肌着でうろつくな」

スコール「……」



………………

翌日

1 アーロンの一日
2 ティファの一日
3 ビビの一日
4 スコールの一日
5 ファリスの一日
6 その他

>>130 >>131 >>132
の多数決で。 安価おいて寝ます。おやすみなさい。

5

3


アーロン「……さて、どうするか」

ファリス「情報収集って言っても、俺達はどうすればいいんだろうな」

ビビ「えと、聞いて、回るとか?」

ファリス「と入ってもなぁ、俺達のナリで、
     『なんか最近おかしいこと起こってませんか?』
     って聞いても、
     『柄の悪い男が二人目の前に居る』
     って言われて終わりだろ」

アーロン「それもそうだ。俺達はそう言うのには向かないな」クスクス

ビビ「……じゃあ、どうするの?」

ファリス「せっかくだし。おっさんの言ううまいもんでも食いにいくか」

アーロン「悪くない提案だ。お前も来るか?」

ビビ「うんっ あ、でも、お金……」

ファリス「いやいや、俺達の旅は王国から資金援助されてるんだぜぇ?」ヂャラリ

ビビ「どうしたのそのお金!?」

ファリス「スコールが、当面自由に使っていいってよ。
     なかなか気の利く奴だぜ」

アーロン「ほう。資金繰りまでやってるのか」

ビビ「スコールさんて、すごいよね。
   戦っても強いし、リーダーとしてもしっかりものだし」

アーロン「……そうだな。確かにあの年にしてはそう思えるが」

ファリス「ただしあの仏頂面は何とかならんかね。
     あれじゃあいい男が台無しだろ」

ビビ「え」

ファリス「ん? ああ、そんなんじゃねぇよ。
     第一、俺そういうの考え始めたばかりだから」

ビビ「?」

アーロン「……行くぞ」

ビビ「あ、うん」

ファリス「はいはいっと」



………………


………………

飲食店

ガヤガャガヤ

ファリス「ちょっと意外だな」

アーロン「ん?」

ファリス「おっさんなら、もうちょっと落ち着いた店に行くかと思ってた」

アーロン「うまいものには人が群がるものだろ?」

ビビ「確かに、美味しい!」

ファリス「おい、野菜も食えよ? でっかくなれねえぞ」

ビビ「た、食べてるよ」

ファリス(どーやって食ってんだ?)

アーロン「しかし、なんだな。
     この街はどこもかしこも機械だらけだ」

ファリス「確かに、大きな仕掛けがたくさんある。
     こういうのってウチの世界じゃロストテクノロジーだと思ってたんだが、
     この街にとっては普通のことなんだな」

ビビ「ろすと……?」

ファリス「失われた文明、って奴さ。
     ロンカ帝国とか言う太古の高度な文明、
     って、ことらしいが、詳しいことはよく分かっちゃいねぇ」

アーロン「……」

ファリス「ま、この街を見る限り、
     ロンカ帝国とも俺のもとの世界ともかすっちゃいねぇだろうがな。

     何より、海の匂いが違う」

アーロン「海の、匂い?」

ファリス「ああ。
     文明違えど世界違えど、俺の海に対する鼻は正確だ。
     この世界の海は、俺の知ってる海じゃねぇ」

アーロン「そういうものか」

ファリス「ああ。まぁ、なんとなくってところもあるけどよ。
     ビビだって、なんとなく分かるだろ?
     ここが、お前の知ってる世界じゃないって」

ビビ「……多分、なんとなくだけど。
   ボクは匂いとかじゃなくて、魔力の感じが違う、って気がするな」

アーロン(記憶があるなしで、そこまで感じることが違うのか?

     いや、待てよ?)

****回想

スコール「異様な光景だな」

アーロン「そうか? 俺には何となくだが馴染み深い。
     ……あるいは、俺の元の世界はこうだったのかもな」

*****



アーロン(ザナルカンド遺跡……)

ファリス「どした? おっさん」

アーロン「……ああ。なんでもない」

ファリス「思い当たる節があるなら言えよ?
     手がかりになるなら俺も気になる」

ビビ「……」

ファリス「ほら、ビビも手伝うってよ!」

ビビ「ぼ、ぼくは、その……役に、立てるなら……」

アーロン「……ふふっ
     期待してるぞ」

ビビ「え? ……えと、はい」


この後の展開>>直下

1 ミッドガルフラグ
2 クリスタルワールドフラグ


客「おい、知ってるか? 昨日、ミッドガルの神羅カンパニーからクリスタルワールドへ調査団が使わされたんだとよ」

客「マジか。命知らずもいいところだろ」

客「いや、それが、奴ら今回は本気らしい。
  ソルジャー1stをゾロゾロ引き連れて……
  しかも、次期社長であるルーファウスまで同行するそうだぞ」

客「嘘だろ。するってぇと、失敗すりゃ次期社長が居なくなるじゃねぇか」

客「そうならねぇように人員をたくさん割いてるらしい。
  タークスが出動してるとかいないとか、
  ソルジャーの中でも英雄と呼ばれた奴が居るとかいないとか……
  はたまた、使い捨ての肉壁がいっぱい居るだとか」

客「おーこわこわ……俺達は今日飲める酒がうまけりゃそれでいいんだけどな」

客「何のためのソーラーパネルだか……なぁ?」



アーロン「……」

ファリス「……」

ビビ「神羅カンパニーって、あの?」ゴニョゴニョ

アーロン「……そうらしいな」


ファリス「ていうか、この街の連中はなんだ? 
     結構クリスタルワールドって奴には明るいのか?」

アーロン「……面倒だな。聞いてみるか」スッ

ファリス「まぁまて、おっさんがその顔で行ったら怖がられるだろ」

アーロン「それをお前が言うか?」

ファリス「あぁ? 今まで冗談で片付けてきたけどな、
     俺だって自分の顔つきのことくらいは心得てるつもりだぜ。
     あと、体つきもな」ス、シュッ クルクルッ

アーロン「ん、おい?」

ビビ「……」

スタスタスタ

ファリス(ポニテ 長袖「ねぇ、ちょっとお兄さん方」

客「お? なんだいネエちゃん」

ファリス「私、記者なんだけど、今度クリスタルワールドについて書きたい記事があるの。
     できればあなた達の知ってること、いろいろ教えてくれないかしら?」



アーロン「……」

ビビ「……」





客「いや、別に俺らも詳しくねぇからなぁ?」

客「話してもいいけど、たいした話じゃないぜ?」

ファリス「そういう一般人の目から分かることもあるかもしれないでしょ?」

客「わかったよ。
  まぁ、とりあえずそこへ行ったら大体の奴が帰ってこねぇな」

客「端っこまで行った奴も、とんでもねぇ化け物に襲われたっつって逃げ帰ってきたっけ?」

客「ただ、その名前の通りそこにはクリスタルってのがあるらしい。
  そのクリスタルって言うのが、
  昨今まことしやかに騒がれているこの世界を覆う未曾有の危機とやらから
  世界を救う力があるもの、だそうなんだ」

ファリス「……クリスタルが、そこにあるんだ?」

客「らしいな」

ファリス「……で、そこにはどうやっていくの?」

客「……やめとけやめとけ。ネエちゃんみたいな美人を行かせたとあっちゃ、
  後悔してもしたりねぇぜ」

客「悪いが、どっちにしろ俺達も行ったことはねぇんだ。
  これ以上は諦めてくんな」

ファリス「ちっ、しょうがねぇな。ありがとよ。
     これで酒でも飲んでくれ」チャリン

客「んぉ? え? ああ、ありがとよ」

客「……なんだったんだ?」



スタスタスタ

ファリス「どうよ?」

アーロン「……」

ビビ「……」

ファリス「おいおい、この俺様を今更意識するのか?
     腕かくして髪括れば、結構ないい女だろ?」



アーロン「誰だお前」

ビビ「っ!? あ、アーロンさんっ!」



ファリス「俺なりの処世術って奴だよ。女って便利だよなぁ?」

ビビ(女って怖いなぁ……)

ファリス「しかし、なんか面白そうなことが聞けたぞ?
     スコールと合流しようぜ!」

アーロン「ああ、それには賛成だ」

ビビ「ん、ちょ、ちょっとまって、今食べちゃうから」モグモグ



………………

………………

図書館

スコール「……ん?」

ファリス「よう。お勉強中か?」

スコール(……まるで別人だな)

ファリス「ん? どうした? 俺の顔に何かついてるか?」ニヤニヤ

スコール(どんな返答を期待してるんだよ)




>>直下
1 スコール「……にあってるよ」(ファリス好感度アップ(嘘
2 スコール「……まえのほうがよかった」(ティファ好感度アップ(嘘
3 スコール「……別に」(ビビ好感度アップ(嘘
4 スコール「……誰だ?」(アーロン好感度アップ(嘘
5 その他

スコール「……にあってるよ」

ファリス「お? おう。そうか?」

スコール「……」

ファリス「……」ポリポリ

スコール(何か言えよ……)



ファリス「無表情でもそう言われると、クるものがあるな」

スコール(……どうやら正解だったらしい)



ティファ「あ、皆来てたのね」

アーロン「全員そろったか」

ビビ「? ファリス、どうしたの?」

ファリス「なんでもねぇ」ファサッ

スコール「……何かあったのか?」


アーロン ティファ「実は……」


スコール「……」

アーロン ティファ「……」


ビビ「クリスタルワールドに向かったのは、
   神羅カンパニーの精鋭らしいって聞いたんだけど……」

ティファ「精鋭……っ」

ファリス「それと、そこにはやっぱりクリスタルがあるって話だ。
     とんでもない力を秘めてるって言う噂でしかないけどな」

スコール(早急に向かうべくはクリスタルワールド、か)


ティファ「その、精鋭って人たちの話なんだけど……
     さっきそこで聞いた話だと、」

1 クラウドが居たらしい
2 セフィロスが居たらしい
3 ザックスが居たらしい
4 タークスが居たらしい(人員指定可
5 その他


ティファ「なんか、めちゃくちゃ高価な薬を大量に発注していったそうよ」

スコール「……内容は分かるか?」

ティファ「えっと……~~と~~と……ラストエリクサーを集められるだけって」

スコール(……まず死なないな。
     少なくとも神羅の連中の命の心配は必要なさそうだ)

ティファ「……一応、見知った顔が居るかどうかの確認はしたけど、
     どうやら私が知ってるのは、
     ルーファウスとハイデッカーだけみたい」

スコール(しかし、それだけ薬を持っているということは、
     奴らとまともに当たっても物量の差で決着がつかないかもしれないな)

アーロン「どうする?
     そのクリスタルとやら、俺達も確認しに行くか?」

ファリス「俺は賛成だ」

ティファ「……私も、賛成。
     ルーファウスの好きなようにはさせない……っ」

ビビ「ぼ、ボクは、えっと。皆が行くなら、一緒に行くよ」

スコール「……なら行こう。
     だが、準備は怠らないように。
     各自必要なものを揃えて再集合だ」

ティファ「了解っ」



……………………

寝てた。寝ます。
あと次の展開 >>直下

1 ティアマット(クリスタル)戦
2 マリリス(クリスタル)戦
3 クラーケン(クリスタル)戦
4 リッチ(クリスタル)戦
5 ソルジャー戦
6 ルーファウス戦
7 クリスタルワールドで戦闘なし
8 その他



クリスタルワールド

スコール(……目が痛い)

ファリス「コレがクリスタルワールドか」

ビビ「すごく眩しい……」

ティファ「魔晄の光に似ている、かな」

アーロン「……」



スコール(この先に、神羅の人間がいる。
     目的が明確になるまではあまり目立ちたくないんだが……)

ファリス「っしゃあ、暴れてやるぜぇえっ」

アーロン「連中を見つけたら止める方向でいいんだな?」

ティファ「……彼らの今の目的がなんであろうと、
     星の命を縮めていることには変わらない。
     もはや、話し合いの段階じゃないのよ」

ビビ「クリスタルは、未曽有の危機から世界を救う力を持っている。
   守らなくちゃ、だよね」

スコール(言ったところで聞くだろうか、特に海賊……)



スコール「このクリスタルワールドから帰ったものは少ないと聞く。
     くれぐれも、みんな注意して行動してくれ。
     ……一応、戦う準備もしておいた方がいいだろう」

スコール(俺から言えるのはこれくらいだろう)


ビビ「っ……わかったよ」スゥゥ

スコール「……」






ファリス「しかし、なんだな、俺が思ってたクリスタルとはちょっと違うみたいだ」

アーロン「お前はクリスタルになじみがあるのか?」

ファリス「それなりに、な。
     それをめぐって世界をひっくり返すような旅をしてたんだ。
     世界には四つのクリスタルがあって……それら自体が世界を支える存在だらしい。
     しかし俺が知ってるのはせいぜい部屋に飾れるような大きさだ。
     こっから見えるあの馬鹿でけぇ物体がここのクリスタルだって言うなら、
     俺の知ってる四つのクリスタルとは全然違うもんだわ」

ビビ「世界によってクリスタルが違う、ってこと?」

ティファ「私の世界にはクリスタルなんてものはなかったわ」

ビビ「僕の世界にも、ないと思うけど」

ファリス「普通に生活してりゃ知らなくても生きていけることだしな。
     俺だって、こういう生い立ちでなけりゃずっとただの海賊だったしな」

アーロン(……この光……何か、覚えがあるような)



スコール「得体の知れない場所だ、ということは変わらないか」

ルーファウス「そう、その通りだ」



ティファ「!? ルーファウス……っ!」

ルーファウス「動くな」サッ

ソルジャー1st達「っ」ザッ

ルーファウス「文明の違うものが何名か居るみたいだな?
       あらかじめ忠告しておくが、
       こちらはこの距離からでもありとあらゆる方法でお前たちに攻撃できる。
       抵抗は諦めることだ」

スコール(マシンガンか)



ティファ「……ソルジャーなんかを引き連れたところで、
     私を止められるとでも?」

ルーファウス「お前は、ソルジャーが何なのかはっきり分かっているようだな?
       あるいはミッドガルの者か?」

ティファ「アバランチの者、と言えばわかるかしら?」


ルーファウス「……すまない。記憶にないが……


       それは本社に問い合わせるべきことなのかね?
       副社長の私の耳に入ってきてないなら大した名前ではないことだと思うのだが」

ティファ「……どういうこと?」

アーロン「相手にされてないようだぞ?」

ティファ「確かに彼は皮肉屋だけど、ここまでしらを切っていられる程度のテロ活動じゃなかったはずよ」

スコール(一体何をしたんだ……?)


ルーファウス「問答は以上だ。
       我々は今クリスタルの調査をしている。
       そこから先に進むには、我々では荷が重すぎる。

       できれば、君たちにその一歩を踏み出してもらいたいのだが」

ファリス「あぁ? 俺達を利用するつもりか?」

ルーファウス「有り体に言えばそうなる言うとおりに動いてくれない場合、
       その体が穴だらけになることを覚悟してもらおう」



ファリス「……おい」

アーロン「ああ」









ファリス「っ」シュッ

ルーファウス「撃て」

ソルジャー1st「っ」ダララララララッ!



ビビ「うわあぁぁっ!」

アーロン「さがっていろ」ガインガインガイン

スコール(大太刀の腹で弾丸を防いだか、
     それくらいなら、俺でもなんとかできそうだ)ガインガイン



ファリス『後ろだっ』スッ

ソルジャー1st「!?」ヒュン

ファリス「残念そっちは分身だ、本当は上だったんだな」ザッシュ

ソルジャー1st「ぐぁぁっ!」

ドヨドヨ……

ルーファウス「チッ 囲め!」スッ

ファリス「そうしてくれるとありがたいね」ニヤリ


ファリス「足元注意だ クエイクっ!」

グゴゴゴゴゴ……

ソルジャー1st達「!?」グラッ

ファリス「ふきとべっ! エアロガ!」

ソルジャー1st達「うわぁぁぁぁあっ!」ヒュオォォォォ!!



ティファ「ふんっ! はぁあっ!」 ドゴッ バキッ

ソルジャー1st「うぐっ!?」ドサッ

ソルジャー1st「うぐっ!?」ドサッ




ファリス「さて、後何人だ?」

ティファ(流石に、このパーティーならソルジャー1st相手でも余裕ね)

ルーファウス「……どうやら私はお前らを見くびっていたようだ。
       しかし、こちらにも準備があってだね」

ハイデッカー「ガッハッハ! 白兵でだめなら砲撃だ!
       新製品の火薬をとくとあじわえい!!」

ボシュゥゥッ!

ビビ「っ! 爆弾!?
   あぶないっ! ファイアッ!」キュィン

ボボボボッ!

ハイデッカー「んが?」

ボガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

ルーファウス「……参ったな」


ティファ「ルーファウス!」

ルーファウス「直接見ることができないのは残念だが、そろそろ帰らせてもらおう」

スコール「どういうつもりだ? あんた達は、何の目的でここに来てるんだ?」

ルーファウス「……協力してくれると言うのなら話しても良いがね。
       しかし、それは君達がここから生き残ってくれたら、の話だ」

ファリス「まちやがれっ!」

ボシュゥゥッ!

アーロン「下がれ、爆弾だ」

ビビ「っ、任せて!」

ボガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

ボガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

ボガァァァァァアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!


………………


ティファ「……逃げられちゃった」

スコール(ここで奴らは何かしようとしていた。それを防いだだけでも今はよしとしてくれ)

ファリス「どうする? 追うか?」

アーロン「度が過ぎたお人よしはしないんじゃなかったのか?」

ファリス「乗りかかった船に流されるのは嫌いじゃねぇ。
     それに、あのルーファウスって奴が気にいらねぇ」

ティファ「……ううん、今は、ここの調査を優先しましょう。
     何か、違和感もあったし」

スコール(それは俺も感じていた。
     奴は、俺たちが他の世界の人間であることを知っていた。
     しかも地域ごとの文明の違いまで明確に認識していたかのような言動
     ……いやな手合いかも知れないな)

ビビ「はぁ、はぁ……怖かった……」

アーロン「よくやったじゃないか。
     しかし、爆弾のせいで周囲は壊滅的だな」

ビビ「あ……まずかったかな?」



アーロン「さあな。
     しかし、状況が一変しそうなのは確かだ」



ビビ「え?」


シュルルル……

アーロン「!? 後ろだ!」

ビビ「え? うわぁぁああああっ!?」

スコール「!」ザシュン

パシャァア……

ビビ「あ、ありがとう……」

スコール(……触手? だが、切った瞬間に水に変化した)





???「我々の気配に気付くとは……」

スコール(まだ何か居るのか?)

ティファ「……なにあれ?」

アーロン「……デカいイカのようだな、しかし、周りの結晶と同じ構造でできているようだ」

???「我は、水のカオス。クラーケン」

ファリス「はぁあ?」

クラーケン「クリスタルに近づく者は、排除する」

ファリス「……OK、喧嘩する気なら相手になるぜ」



???「ここまで来た時点で、命運は決まっている」

ティファ「こっちにも!?」

ティアマット「貴様もクリスタルへ還るのだ」



アーロン「先客は案内し損ねたようだな?」

???「おまえらを片付けた後、追いかけるまでよ」

アーロン「片付けられる前に、お前もクリスタルとやらに大人しく還ることだな」

リッチ「小賢しい……っ」



マリリス「さぁ、覚悟しろ」

スコール「……」

ビビ「う、わぁぁぁ……」






………………


ファリス「ザンダガ!」

クラーケン「っ」ドシャァァァ……

ファリス(水になった!?)

クラーケン「……っ」シュルルルル

シュピッ

ファリス(っ!? 水で、皮膚が切れた?)

ファリス「ちっ、タダの水なわけがねぇか」スッ



ファリス「……召喚、か
     あんま得意じゃねぇが……

     こいっ、イフリート!」

ゴォォォォォ……

ファリス「撒き散らせ!!」

ヴぉオオオオオオオオオオォォォオオオオオ!!!!

クラーケン「?」



………………


アーロン「……屍が多くを語るな」

リッチ「その屍に、今からお前は命を刈り取られるのだ」

アーロン「面白い、やってみろ」

リッチ「っ ブハァァァアアアア」

アーロン(ブレス? 何をばら撒くつもりだ?)

ボワボワボワ……

リッチ「ケャァアッ!!」シャキン

アーロン(タダの目くらましか)

カキィン!

リッチ「緩慢な動きだ。年寄りの体は正直だなぁ?」

アーロン(二刀流、動きは速いが、いなせないほどではない。
     それに、速さに似合わぬ攻撃の重さは)

リッチ「っ ヒァッ ンヌっ」シャキンシャキンシャキン

アーロン「レビテト」

リッチ「ぬぅん!?」カィン!

アーロン「属性付与、だな。
     お前の刀につけられた地属性は中和した。
     その軽い剣では俺に傷つけることすらかなわんだろう」

リッチ「く、カカカカカカ!!
    確かに小手先の剣は通じなさそうだ。

    が! しかし! お前は既に毒のブレスに蝕まれている……
    大地をも腐らす、死者すら恐れる猛毒だぁっ!」

アーロン「……? ぬ、ぐ……」フラッ

リッチ「お前の命、刈り取らせてもらうぞ……」

………………



ティアマット「骨のある小娘だ」

ティファ「それは、どうも……っ」ファ

ドゴオォォ!

ティアマット「っ、しかし、迷いがある。
       緑色の光……過去……炎……」

ティファ「っ ああぁああああっ!」ヒュンヒュンヒュン

ドゴドゴドゴオオォォ!!

ティアマット「狭間の世界で迷いを捨てられぬ者に未来はない。
       さぁ、クリスタルへと還るのだ」

ティファ「……っ」


………………


マリリス「汝らの目的はなんだ」

スコール「……神羅の者をとめるためだ。
     あんた達と戦いに来たわけじゃない」

マリリス「神羅? 汝らの事情は分かりかねるが、
     人間がこの地に足を踏み入れることがそもそも間違っている」

ビビ「じゃ、じゃあ、僕たち、今すぐ帰るから……」

スコール(そうだ。俺達はここに何かしにきたわけじゃない。
     やつらに用事があっただけなんだ)

マリリス「ならん。足を踏み入れた時点で、汝らに未来はない」

ビビ「そんなぁ……」

スコール(話し合いの通じない手合いか。
     そうだろうとは思っていたが、果たして俺とビビだけでどこまでやれる?)



マリリス「フッ……!」シュルルル……ヒュン

スコール「っ」カッキィン!

カキンカキンカキンカキンカキン!

スコール(腕が六本 刀が六本。 おまけに胴体は蛇のように長い。
     重心が安定している上に手数が多い相手か。
     何とか防ぎきれるが、防戦一方になりかねないな)

ビビ「ひっ!?」

スコール「……」

スコール(あの巨体を前に、ビビに正面きって戦わせるのは流石に無謀)

スコール「いったん退け」

ビビ「で、でも」

スコール「…… トルネドっ」

ビュオオォオォォ

マリリス「ぬっ!?」

ォォォ……

マリリス「クッ 見失ったか…………どこだ?」


………………


物陰

スコール「……ビビ」

ビビ「はひゃぃ!?」

スコール「怖かったらここで待っていればいい。
     最悪、あいつと俺が適当にやりあっているうちに他の誰かが手助けしてくれるだろう」

ビビ「う、うん」

スコール「ただ、もしできるなら一つだけ手助けしてくれ」

ビビ「…僕に、できるの?」

スコール「……」

ビビ「……」

スコール「お前にしかできないことだ。だから頼んでいる」

ビビ「え……」

スコール「できるかできないか、いや、
     やるか、やらないか、だけ教えてくれ。
     戦い方を考える」

ビビ「僕が、やるかやらないか」

スコール「……」

ビビ「やる、よ。僕も、戦う」


………………


マリリス「どこだ、愚かなネズミども……」キョロキョロ

ズゴォォン……

マリリス(爆発? 魔法か?)クルッ

スコール「っ」ザシュッ

マリリス「!?」

マリリス(しまった、爆発は囮か!?
     しかし、この人間の力程度では、我の腕を切り落とすには不十分。
     反撃は、間に合う……!)

スコール(一本目)ガチリ

ボガァァァァァン!!

マリリス「!?」



*****物陰での会話 回想

スコール「不意打ちで、俺が奴の腕を二本切り落とす」

ビビ「で、できるの!?」

スコール「ああ」

ビビ「で、でも」

スコール(言いたいことはわかる。俺はあの連中みたいな化け物じゃない)

スコール「FHでいい武器を見つけた。説明は省略するが、これがあれば俺でもあの腕をもぎ取ることができる」

ビビ「っ、そう、なんだ」

*****



スコール(ガンブレード。おそらくこの感覚からして、俺がこれを使うのは初めてじゃないようだ)

マリリス「……爆発する剣だと? 不覚……っ!」



スコール(しかし、問題は次だ、少々運に任せているが……)

ガラガラガラ

マリリス「ぐぁああっ!?」ゴンゴンゴン

スコール「っ……」スッ



*****物陰会話回想


スコール「俺が動き出したら隠れる場所を変えろ」

ビビ「え、どうして? 移動すると、その、見つかるかもしれない……」

スコール(……戦いに向いている性格じゃないな。
     これ以上巻き込むのはかわいそうだが、今はこいつを信じるしかない)

スコール「俺達が背にしているこの巨大な結晶、
     俺は不意打ちでまず、コレを爆破する。
     ここにいるとまずい」

ビビ「えぇぇ!?」

スコール「一撃目をコレが崩れ落ちるまでに済ませておく。
     そしてコレの瓦礫が奴に降り注いだときに……」


*****


スコール(二本目っ)ガチリ

ボガァァァァァン!!

マリリス「ぬっぐぅぅぅううう!?
     な、なんだというのだ!?」


スコール(ここまでは順調。後は……)

マリリス「こしゃくな人間め……腕が二本なかろうと、
     貴様なぞ、敵ではない!」

スコール「ヘイスト」



*****物陰会話回想

ビビ「で、でもその後は?」

スコール「……正攻法で、あわよくば一本腕を切り落とす」

ビビ「……か、勝てるの?」ゴクリ

スコール「……分からない」

ビビ「え、えぇぇぇ」

スコール(勝てる確証なんてない、ただ)

スコール「勝たなければ死ぬ、それだけさ」

ビビ「……」

*****



スコール「っ」フォンフォン

マリリス「―――っ!」フォンフォンフォンフォン

キィンッキインキンキィン!!

スコール(ここだっ!)

スコール「はぁっ!」フォン!


マリリス「っ、っがぁぁっ!」ブォン!!

ガキィン!!

スコール(防がれた? 仕方ない……)ガチリ

ボガァァァァァン!!

マリリス「!?」



*****物陰回想

スコール「おそらく、一本腕をもぎ取るのは難しいだろうが、
     それでも何とか隙を作る。

     その時、ビビには俺の見える範囲に現れてほしい」

ビビ「ど、どういうこと?」

スコール「……説明が難しいが、あんたの魔力を借りて戦う。
     俺には、その術がある」

ビビ「?」

スコール「その時のために、あんたは魔力を高めていてほしい。
     ……できるか?」

ビビ「え? な、なんでそのこと……」

スコール「ここに入って戦闘の準備をしろと言った時、あんたの魔力が増幅した。
     多分、そう言うことなんだろう?」

ビビ「あ」

スコール(最初は怖気づいたのかと思って心配したんだが、
     それは言う必要はないか)

スコール「とにかく、四回目の爆発音が聞こえたらそれが合図だ。
     隠れている場所から出てくれ。
     その後はどこへなりと隠れていい」

*****


ビビ「四回目……っ!」サッ

スコール「! ドロー ブリザド!」

パキィィィィン!!!

マリリス(ブリザド程度なら気にするダメージではない!)フォン

マリリス「もらったっ!」ヒュォッ!

グン!!

マリリス「なっ!?」

ビビ(地面と相手の剣を、氷でつなげた!?)

マリリス「ぬぐっ! うご、かんっ!?」(タダのブリザドではない……!?)


スコール「ドロー ブリザド!」

マリリス「ぬぅぅぅっ!」

スコール(残り二本。
     こいつの二本の腕程度なら、上回れる)スッ

マリリス「ぬぅっ!」スッ

ザシュゥゥッ!!

スコール(これで、トリガーを……)ガチ……




ブォン





マリリス(引き金を引く前に、尻尾で弾き飛ばせるっ!)ニヤリ

スコール(……まいったな)



*****物陰回想

ビビ「勝たなければ死ぬ……」

ビビ「……死にたく、ない。
   だから、勝たなくちゃ……」

ビビ「……勝つためには……」ググッ

*****















ビビ「ブリザド!!」キュイィィィン!

パキィィィィイイイイイインンン!!

マリリス「なっ!?!?」(尻尾ごと地面が凍りついた!? さっきよりも格段に強い魔力!?)




スコール(……)ガチリ

マリリス「しまっ……っ!」

ボガァァァァァアアアアン!!!


……………………


クラーケン「グゥゥゥ……! このままでは、蒸発してしまう!」シュゥゥゥゥ

ファリス「ようやく姿を現しやがったなこのスルメイカヤロー」バチバチバチ

クラーケン「っ!?」

ファリス「サンダガっ!!」



………………


ザンッ

アーロン「小手先では俺は倒せん、ということだ」

リッチ「ゲハァッ! 貴様……その体……」

アーロン「……」

リッチ「く、クカカカ……そうか、道理で貴様からは……ククク……」シュウウゥゥゥ

アーロン「……何のことだ?」



………………


ティファ「……ふぅ」

ティアマット「……娘よ。クリスタルに何を望む」

ティファ「そんなのに望むことはないわ。
     自分で、何とかできる。……できるはずよ」

ティアマット「……」シュウゥゥゥ


………………






スコール「……消えたか」


ビビ「……はあぁぁぁぁあ……怖かった」シュゥゥ……

スコール「……」ジーッ

ビビ「え? ど、どうしたの?」

スコール(今、ビビが光っていたような気が……
     いや、違う、そんなことを言いたいんじゃない)

スコール「なんでもない。
     とにかく、よくがんばったな。助かった」

ビビ「あ、う、うん。えへへ……」



ファリス「イライラする相手だったぜ」

アーロン「……全員無事のようだな」

ティファ「……」



スコール「……あんな奴らが居たんじゃ、普通の人間は生きて帰れないだろうな」

ファリス「ん? ああ そうかもな」

ティファ「……彼らには勝てたけど、ルーファウスには逃げられてしまったわね」

スコール(そういえば、蹴散らした神羅兵も自分で回復薬を使って逃げて行ったな)

アーロン「話がもどったな。
     では、ここの調査でもするか」

ビビ「でも、調査って言っても……」



スコール「……」

スコール(どうやらさっき倒した奴ら、GFとして使役できるらしい。
     ……使ってみるか)



GF マリリス クラーケン ティアマット リッチ を手に入れた。 チャキーン


ティファ「ところで、スコール。見てコレ」

スコール「……緑色の結晶のようだが」

ティファ「あのドラゴンみたいな奴を倒したときに、出てきたんだけど」

アーロン「ああ、それは今俺も手にした。こちらは、黄色だ」

ファリス「……青、だな」

ビビ「え?」

スコール「……その辺に落ちていないか?」

ビビ「あった! 赤色!」



ファリス「コレもクリスタル、なのか?」

スコール(俺に聞くなよ。あんたの方が詳しいんだろ)

アーロン「……よく分からんな」

ビビ「……なんだろ、これ……変な感じ」




スコール(どうする? ここではこれ以上の情報を引き出せそうにないが……)


>>175

1 クリスタル?の解析のために行動
2 わからないモノは後回し、それよりも神羅をどうするか
3 FHの調査にもどる
4 その他

神羅がいくつか落としてったラストエリクサーを頂く

ファリス「……」ソソクサ

スコール「……」

ファリス「……」セッセ

スコール「ん?」

ファリス「あ? な、なんでもねぇよ」

スコール(何も聞いてないんだが)

ティファ「何拾ってるの?」

ファリス「ん、いや、神羅兵が落としていった薬を、だな」

アーロン「わざわざ落ちている薬を拾う必要もないだろう」

ファリス「いやいやいや、これはかなりの代物だぜ?」

アーロン「売るつもりか?」

ファリス「バッカヤロー! フツーに薬としてスゴイんだって!」

ティファ「……そんなの分かるの?」

ファリス「こう見えても薬の取り扱いだって得意なんだぜ?
     ネコババだろうがなんだろうが、こいつは回収せざるを得ないっての」

スコール(……)



ビビ「ねぇ、スコールさん」

スコール「なんだ?」

ビビ「ティファさんはあの人、ルーファウスさんが何をしようとしていたのかも知りたいと思うけど、
   そのためには、この場所がなんなのか調べる必要がある、よね」

ティファ「……確かに、そうね」

ビビ「なら、この四つのクリスタルを、調べるといいんじゃないかな?
   ここのことが何か分かるかもしれないし」

スコール(……そうかもしれないな。
     どの道この場所も、この結晶体も調べるべきだとは思うし)

スコール「それもそうだな。
     これがなんなのか、調べてみよう」

アーロン「……調べるといっても、この未開の地の事を誰に聞くんだ?」

ファリス「俺の世界になら知ってそうな奴が居るんだけどなぁ……」

ティファ「……」



スコール「……さて」



1 FHで調べる
2 ミッドガルで調べる
3 ドーガなら何か分かるんじゃないか?
4 その他


アーロン「その知ってそうな奴というのは、この世界には居ないのか?」

ファリス「まぁな、とりあえず船でいける範囲には居なかったぜ。
     賢者ギードとか言ったかなぁ。懐かしいぜ。
     妙なジジイだけどな」

スコール(妙なジジイ……と言えば)

ティファ「……そうだっ!
     ドーガさんならなにか分かるんじゃない?」

ファリス「ああ?」

スコール(……まさか、同じことを考えていたとは)

アーロン「……解析、とまでは行かないだろうが、
     このクリスタルにどんな力が眠っているのか、なら分かるかも知れんな」

ビビ「えと、じゃあ」

スコール「ああ、次の目的地は……」



直下

1 ザナルカンド遺跡(アクティブタイムイベントをはさむ
2 コーネリア城(道中の描写を省略してドーガに会いに行く
3 ドーガ「FHに来てみたんじゃが、ここはいいところじゃのう」(居る


………………

FH 宿

ドーガ「FHに来てみたんじゃが、ここはいいところじゃのう」

スコール(なんでいるんだよ……)

ドーガ「ふぉふぉふぉ、ただ城に居るというのもつまらんからの。
    観光がてらにおぬしらの足跡をたどってきたのじゃよ」

ティファ「それにしても、一人で来たの?」

ドーガ「護衛が必要に思うかの?」

アーロン「ふっ そうだったな」

スコール(もどる手間が省けたか)



スコール「あんたに聞きたいことがあるんだ」

ドーガ「なんじゃ?」

スコール「ここから西に、クリスタルワールドという場所がある。
     そこで妙な連中が何かを調査していた。
     ティファいわく、その連中が目をつけるくらいだから、世界の存亡にかかわる大事かもしれない、と。

     というわけで、俺達も調査しに行ったんだが、そこでこんな結晶体を見つけた。
     あるいはこれが奴らの目的だったのではないか? と思って俺達はあんたの意見を聞いてみようと思っていた」

ドーガ「……ほう、これは……」

スコール「……」



ドーガ「クリスタル、じゃの。これは、かけらのようじゃ」



ファリス「ほーん? そんなでも一応クリスタルなんだな」


ドーガ「クリスタルとは光と闇の……と、ワシの世界の話をしても意味ないのぅ?
    この世界のクリスタルとは一体何ぞや?」

スコール「……頼るようで悪いが、意見を聞きたい。
     もしくは、何か分かることがあれば」



ドーガ「ふむ、そうじゃの。
    とかく、このクリスタルから感じるのは……
    生き物の……なんというか、魂のようなものじゃ」

ティファ「魂? それって」

アーロン「……」

ドーガ「ワシにも良く分からん。しかし、生体反応に近いものが感じられる。
    この中に、何が眠っておるのかそこまでは……」



ドーガ「ん? スコール。おぬし、このクリスタルと同じ力を感じるのぅ?」

スコール「……?」

ドーガ「おぬしこそ、何か分かることがあるのではないか?」

スコール「……説明が難しいが、有り体に言えば……
     このクリスタルとやらを吐き出した四対の化け物を、今使役している」

ファリス「え、あいつら召喚獣だったのか!?」

アーロン「お前も召喚の心得があったのか?」

スコール「……流石に、他の世界の、ましてや物語の世界の住人は召喚できないが、
     ある意味では、召喚できる」

ドーガ「……このクリスタルは、その化け物達のいわば核のようなものじゃな。
    スコールとこのクリスタルは、今微弱ながらつながっておる」

スコール(もしかして、俺はとんでもないことをしてしまったのだろうか?)

ティファ「……もしかして、マテリアみたいなものなのかしら?
     それを、ルーファウスは利用しようとしている?」

ドーガ「なんじゃ、そのマテリアルだかエレキテルだかとは」

ティファ「マテリアって言うのは~~~~~~~~(省略)」

ドーガ「なるほど、ライフストリームの古代主の知恵とやらが結晶となって人に力を与え、エネルギーにもなる存在がマテリアと言うんじゃな」

ファリス「それこそこっちのクリスタルに近い存在だな。
     人に力を与え、時にはエネルギーにもなる、か」

ビビ「……じゃあ、このクリスタルさえあれば、
   あの化け物の力を引き出せる、のかな?」

ドーガ「そう言うことになるかもしれんの。
    しかしそのために必要な力は、それこそ召喚師の力や、
    或いは、ワシの知らない超先進的な科学の力、じゃの。

    見たところ、スコールの場合は後者のようじゃがの」

スコール「……ああ、その通りだ」

ビビ「そんな技術、どこで……って、あ、ごめん。
   スコールさんは、記憶がないんだったね」

スコール「……確かに、そうだ」

スコール(でも、なぜかGFとかの使い方や、ジャンクションは覚えている。
     誰に習ったのか、どこで覚えたのかも分からないのに……)

今後の展開 >>185

1 ミッドガル編
2 記憶探索編
3 その他

1



ドーガ「……このクリスタルも、この世界の脅威とやらのヒントになりそうじゃの」

ファリス「……そもそも、脅威って何なんだ?
     まことしやかに囁かれるうわさ、じゃねぇだろうな?」

アーロン「はっきりとは俺達も聞いていない」

ドーガ「それもそうじゃろうな。何せ、世界の脅威とやらを叫んでおるのは予言者、と呼ばれる者じゃ」

スコール(予言者……、だと?)

ティファ「予言って! そ、そんな不確かなものなの……?」

ドーガ「ところが、そうも言ってられない。
    確かに予言者は、この世界に実際に起こっている異変、脅威を一部ではあるが言い当てておるらしい。

    腐り行く大地や、活性化する火山などが、実際に予言されて起こった出来事じゃ」

スコール「……そいつを探す必要もありそうだな」

ドーガ「のう、お嬢さん。
    思い当たる節があるのではないか?」

ティファ「……腐り行く大地……ミッドガル?」

ドーガ「……その通りじゃ。
    現に、ミッドガルと言う都市周辺の大地は草木も生えぬ、死せる大地となっておる。
    コーネリア王の言う四つの化け物とやらも、そこに居る可能性があるのではないか?」

ティファ「っ、どうやら、行くしかないみたいね」

スコール「そのようだが、どうする? ファリス」

ファリス「おう、あの野郎を殴りに行くってんなら俺はついていくぜ。
     ていうか、何今更聞いてんだよ?」

スコール(お人よしでいいのか、あんた)





スコール「では、俺達は明日、ミッドガルへ向かう。
     ……ところで、あんたはどうするんだ?」

ドーガ「ワシは留守番じゃよ。FHをみたらクリスタルワールドを観光がてら通り過ぎて行こうかの」

スコール「……気をつけて」





ファリス「っし、じゃ、俺らは明日の準備でもするか」

アーロン「ふむ、そうだな」

ビビ「うん」

ティファ「気合入れて、仕上げないとね」

スコール「……ああ。では、解散」



………………

ATE

>>以下 三レス

1 スコール(バラムガーデンのことを考える(相棒指定可
2 アーロン(自分のことを考える(相棒指定可
3 ティファ(自分の世界のことを考える(相棒指定可
4 ビビ(強くなりたい(相棒指定可
5 ドーガ(どこへいこうかの(相棒指定可
6 ファリス(昔の仲間のことを考える(相棒指定可
7 その他(人名指定(相棒指定可

もしそのほかにも面白そうなお題書いてたら書くかも
おやすみなさい



FH バラムガーデン前


スコール「……」

ビビ「あれ、スコールさん?」

スコール「……」チラッ コクン

ビビ「……バラムガーデンって、言うんでしょ? これ」

スコール「……」コクン

ビビ「船、なのかな? とにかく、大きな目的のために作られているって聞いたけど」

スコール「何か、知ってるのか?」

ビビ「ごめん、詳しくは知らないよ。 僕も、聴いただけだから」

スコール「……そうか」

ビビ「もしかして、スコールさんはバラムガーデンに見覚えがあるんじゃないの?」

スコール「……そうかも、しれない」

ビビ「じゃ、じゃあ、中を見せてもらおうよ。もしかしたら記憶を取り戻すきっかけに……」

スコール「いや、必要ない」

ビビ「え……どうして?」

スコール(……言葉で説明するのは面倒だが、こいつを邪険に扱うとかわいそうか)

スコール「思い出したい、とは、思っていない。
     現状困っていることはあまりないし、
     それに、今王の命令で動いている最中だ。
     ついででもない限り、自分の都合で行動する気になれない」

ビビ「……は、はぁ。そういうこと」

スコール(納得してないようだが……)

スコール「いいんだ」

ビビ「……そう、なんだ」



スコール(コーネリアから感じたファンタジーな光景と、
     ここの先進的な科学。
     不釣合いだ。

     きっと、これを整合させるこの世界の成り立ちの秘密があるのだろう。
     しかしそれを考えるのは俺じゃない。
     俺は今、この世界の異変だか脅威だかを探している。
     その一つが、どうやらミッドガルにあるらしい。

     やることは一つだ。
     バラムガーデン、こいつに意識を集中している場合ではない)

スコール「……準備をしよう。
     ビビは、もう終わったのか?」

ビビ「うん。せっかくだから、ついていってもいいかな?」

スコール「……別に構わないが」

ビビ「よかった。ここの人たち、僕のこと不思議そうに見てくるから、
   なんだか怖かったんだ」

スコール(そういうことか)



………………


飯屋


アーロン「……」

ドーガ「酒はその体でもしみるかの?
    悩み多き男よ」

アーロン「……ふん、どうやら、こんな体でも酔えるらしい」

ドーガ「酔ってもその仏頂面か。
    詰まらん男じゃのう」

アーロン「あんたは、気付いてたのか?」

ドーガ「そりゃそうじゃ。
    何せ、同じ身じゃからの」

アーロン「っ」

ドーガ「ふぉふぉふぉ、死んだと思ったら不思議な世界で生きておる。
    そして、先に召喚されていたおぬしもまた、死人じゃった。
    このドーガ、死してなおこのような奇特な体験をするとは思っても居なかったぞ」

アーロン「……」グビッ

ドーガ「どうして教えなかったのか?」

アーロン「……」ゴクン

ドーガ「おぬしにこっそり教えても良かったんじゃがの、
    わしの中でもいくつかの可能性を考慮して、教えなかった。

    そして気付いたのじゃが、どうやらお前さんの体とワシの体では何かが違うらしい」


アーロン「……そうだな」

ドーガ「おぬしの体は死人じゃが、魂までは死んでおらん。
    ワシの場合はもはや魂すら死んでいるのじゃが、
    
    この世界は、死んだとかそう言うことも関係なく存在することができるようじゃ」

アーロン「この世界は、なんなんだ?」

ドーガ「おぬしが知りたいのは本当にそれかの?」

アーロン「……」

ドーガ「この 俺 は、なんなんだ?
    本当に知りたいのは、これじゃろ?」

アーロン「……」グビッ

ドーガ「焦らずともよい。おそらく、この世界には答えなどないかもしれない
    ……あるかもしれないがの」

アーロン「わけの分からん話だ」

ドーガ「見つけなければ、無いのと同じ。
    自分という存在を見つけなければ、自分など居ないのと同じ。

    自分の過去を見つけなければ、自分の過去など無いのと同じ」

アーロン「……」

ドーガ「とりもどしたいかは人それぞれ。
    おぬしは、どう動く?」

アーロン「……さてな」



………………


西側の線路

ティファ「……」

スコール「……」

ティファ「スコール?」

スコール「出発は、明日だ」

スコール(それとも、急ぐ理由があるのか?)

ティファ「分かってる……」

スコール(何が気になっているんだ?
     聞くべきなのか? 聞いたところで俺に何ができるわけでもないが……)

ティファ「……もどろっか?
     もうそろそろ、日暮れよね」

スコール「ああ」

ティファ「あれ、もしかして、迎えに来てくれたの?
     それとも、何か用事あった?」

スコール「いや、ここにあんたが見えたから」

スコール(まさか一人で乗り込もうとか考えてたのかと思って……)

ティファ「え?」

スコール「もどるなら早く戻ろう。
     ビビはもう疲れて先に帰っている」

ティファ「え、あ、うん」

ティファ(私が見えたから、用事も無く話しかけた?
     もしかして、心配されてる?)



ティファ「あ、あの」

スコール「?」

ティファ「大丈夫、だから。
     そわそわしてるのは確かだけど、ね」

スコール「ああ」



スコール(……言外の意味まで伝わったのか。
     気をつけよう)

ティファ「……」

ティファ(この先にある、ミッドガル。
     神羅カンパニーも、ソルジャーも居る。ルーファウスだって居る。

     でも、ルーファウスは私のことを覚えていない。

     一体どうなってるの?
     ここは、私が居た世界とは、やっぱり違うの?)

ティファ「……」ボーッ

スコール「……落ち着かないならもう少しこうしているといい。
     俺は先に戻る」

ティファ「ん、ううん。いい。私も、戻る」

スコール「そうか」


………………

………………

翌日



ドーガ→クリスタルワールドへ

スコールたち→ミッドガルへ




スコール「ここが、ミッドガルか」

ビビ「……ケホッ」

ファリス「……んー、こりゃ、また……」

アーロン「頭ごなしに機械を否定するわけじゃないが、
     これは、やりすぎなんじゃないのか?」

ティファ「やっぱり、この世界でもミッドガルを囲う光景は変わらないわね」

スコール(大気汚染 土壌汚染 見るだけでも察することができる。
     死せる大地か、よく言ったものだ)

ビビ「どう、するの?
   このまま、まっすぐ入れるのかな?」

ティファ「普通に入ることはできるわ。
     でも、神羅兵を見つけたら一応気をつけてね」

スコール「顔が割れている可能性もあるか」

ティファ「そういうこと」

アーロン「で、どうする?
     神羅とやらに直接挨拶するか?」

ティファ「……」


1 ティファ「少し、気になることがあるの……」(セブンスヘブンへ
2 ティファ「ええ、行きましょう」(神羅ビルへ
3 ティファ「まずは情報収集からね」(ウォールマーケットへ
4 ティファ「そういえば……!」(エアリスの家へ
5 その他



ティファ「少し、気になることがあるの……」

ファリス「だとよ?」

スコール「別に構わない。
     寧ろ、ここはあんたがリードしてくれた方がたすかる」

ティファ「……半分、私情も入ってるけど」

スコール(多分、いいんじゃないか?)

アーロン「気になることがあるなら行くべきだろう。
     この街の勝手は分からんのだし、俺も、あんたについていくさ」

ビビ「ぼくも、それでいいと思う」

ファリス「おっし、決まりだな。行こうぜ」

ティファ「ん、ありがとう」



………………

ティファが案内した場所



ティファ「……」

1 そこは廃墟同然の場所だった(アバランチの居ないミッドガル編
2 そこにはアバランチの面々が居て、作戦会議中だった(擬似FF7ストーリー編
3 その他



バレット「おう、ティファ。遅かったな」

ビッグス「お、何処行ってんだよ?」

ウェッジ「おひさしぶりッス」

ジェシー「これで、作戦会議再開かしら」



ティファ「……え?」



バレット「ん? なんだ、その後ろの連中は……?
     まさか、仲間か!?」

スコール(どういうことだ?)

アーロン「知り合いか?」

ティファ「え、ええ、かなりの」




ファリス「……おい、お前ら」ゴニョゴニョ

スコール(なんだ?)

ファリス「ティファの調子に合わせろ。今は、逆らうな」

ビビ「え? どういうこと?」

ファリス「いいから、こいつらを刺激するな。
     厄介ごとが増える」

アーロン「……仕方あるまい」



ティファ「あ、あの、この人たちも、アバランチの活動に参加……
     神羅を倒す手助けをしたいって!」

ファリス「ああ、そういうことだ。よろしく頼むぜ」

バレット「おおおおお!! ここ何日か居なかったのは、そう言うことだったのか、ティファ!」

ビッグス「流石だな」

ティファ「……ええ、そう。彼らと秘密裏に、打ち合わせしててね……」

バレット「しかし、腕は立つんだろうな?」

アーロン「言われたとおりの仕事はするさ。
     こいつが」

ファリス「なんで俺なんだよ!?」

ウェッジ「ま、まぁまぁ……でも、自信のある人みたいで、助かるッス」



1 バレット「あとは、クラウドの野郎が揃えば作戦開始だな」
2 バレット「よし、人員も増えたことだ。早速作戦開始と行くか!!」
3 その他


バレット「あとは、クラウドの野郎が揃えば作戦開始だな」

クラウド「……呼んだか?」カランコロン……

ティファ「クラウド!?」

クラウド「どうした? 俺の顔に、何かついてるか?」

ティファ「い、いえ、なんでもない……」

クラウド「……こいつらは?」

ティファ「あ、この人たちは今回の作戦に協力してくれる人たちで……
     その、実は私達」

クラウド「いや、いい。わかった。
     とにかく、協力者だということが分かればいい」

スコール(説明くらい聞けよ)

ティファ「っ、で、バレット。作戦は……?」

バレット「ああ、予定よりちとはえぇが、
     今がチャンスだ。行くしかねぇ」

ジェシー「私達は列車の確保に先行するから、
     細かい作戦を伝えて置いてくれるかい?」

ティファ「分かったわ。
     皆、くれぐれも気をつけて」

ビッグス「わーってるよっ!」

クラウド「……俺も、列車の確保に参加してくる」

ティファ「あ、うん」

ゾロゾロ……



ティファ「……」

スコール「……」

その他「……」



スコール「説明を」


ティファ「……私は、反神羅組織、アバランチのメンバー……
     いわば、テロ組織の一員よ」

ファリス「これからでっかいことやるつもりなんだろ?
     で、そのためには割りと犠牲も惜しまない。
     
     だから、あんな殺気丸出しで俺達のことを見ていたわけだ」

アーロン「邪魔するものは殺す、とでも言いそうな目だったな。
     特に、あの大男」

ビビ「あの人、片手が銃だったよ?」

ティファ「色々とあってね……この頃は、私も知らなかったけど」ボソッ

スコール「……で、今から何の作戦を始めるんだ?」

ティファ「……これから私達は、

     魔晄炉、いわゆる、超大規模発電所の爆破に向かうところよ」


スコール(本当にヤバイテロ組織なんじゃないか……)

ファリス「……」

アーロン「……」

ビビ「……」



ファリス「ま、よくわかんねぇが、あのルーファウスの鼻をへし折るのにつながるなら、
     協力してやってもいいぜ」

アーロン「……発電所?」

ビビ「よく分からないけど、それが世界のためになるんだよね?」

ティファ「……ええ」



スコール「いや、待ってくれ。
     それは、どうかと思う」

ファリス「なんでだよ? 神羅ってのは悪いやつなんだろ?」

スコール「発電所を壊すってことは、善悪に限った簡単な話じゃない。
     ティファ、あんたそれはわかってるんだよな?」

ティファ「……ええ」

スコール(だってのに、なんでそんなあっさり俺達を巻き込む?
     一応、俺たちはコーネリア王の指示で動いているんだぞ?

     このミッドガルとコーネリアの関係性が分からないが、これがきっかけで戦争でも起こったらどうするんだ?)

アーロン「俺には、その発電所とやらがよく分からん。
     しかしスコールの言う通りだと思う。無暗な破壊で、俺たちの立場を危うくするわけにはいかん」

ティファ「無暗なんかじゃない。色々な活動を経て……それでも、もう星の命は限界なの」

スコール「そのために、多くの人間の命が失われるかもしれない。
     いや、実際に失われるんだ」

ティファ「でも、この先、この世界そのものの命が途絶えるかもしれない。
     そうなってからでは、何もかも遅すぎるのよ」




スコール(……どうする?
     このまま行くとテロリストコース一直線だが……

     しかし、どうやらここでこの魔晄炉とやらを破壊しないことには、死せる大地が蘇ることはないだろう。

     ミッドガルの住民の命、俺たちの保身、この星の未来への危惧、コーネリア王に託された任務。

     何を、何を優先すべきだ?
     ダメだ、判断材料が少なすぎる)

ティファ「……っ。 あのね、スコール。

     もし悩んでいるんだったら、今は一緒に来て。
     もう少し、詳しい話をするから。

     お願い」

スコール「……そこから引き返す手立ては?」

ティファ「ある。
     スコールが、絶対ダメだって言うなら、貴方達だけでも逃がすことはできる」

スコール「………………」



スコール「わかった。行こう」



………………

FF7OPのあの列車内

ティファ「この世界は、魔晄というエネルギーで~~~~~~~
     化学製品はほとんど魔晄~~~~~~」

スコール「……」

ティファ「でも魔晄は星の命~~~~~~~
     失われると星の寿命が~~~~~~~」

スコール「……」

ティファ「ここで手を打たないと~~~~~~
     平和的な解決はもはや不可能~~~~~~~~」

スコール「……」



ティファ「……でも、もう一つ、『今』私が彼らに協力する意味がある……」

スコール「……」

ティファ「……私は、この作戦をすでに一度こなしているの。
     そして、成功させている。

     その結果、いろいろなことが起こった。
     取り返しのつかないことも、たくさん起こった……

     そして、仲間も、あの三人も、死んでしまった」



ファリス「……仲間が」

ティファ「……わかってる。私たちは、これからミッドガル中を恐怖に陥れ、
     更には多くの人の命を奪うかもしれない。

     そんな行為を繰り返すのは、少し怖い。

     けど、もしかしたら、もう少しやり方があったんじゃないかって、
     もっと、犠牲を出さずに済む方法があったんじゃないかって……

     そう悩むことも多かった。だから、もしかして、ここでやり直せるんじゃないかって……
     そう思って……」

スコール「……」

スコール(理由は並べられたが、所詮はテロ行為の言い訳だ。
     こんな暴力的な解決、認められるわけもない)



アーロン「……星の未来か。そこまで壮大な話だったとはな。
     しかし、爆破とまで言うのであれば、もはや他の道は存在しないと、
     絶対に、そう言えるんだな?」

ティファ「……ええ。
     もはや、神羅を止める手はないわ」

スコール(……実際そうなんだろうさ。
     でも、それがテロ行為をやっていいという理由にはならないだろ)

ビビ「こんなの、だめだよ。
   人が、大勢……」ガクガク



ファリス「……ガキに背負わす仕事じゃねぇか」

アーロン「それもそうだな」

ティファ「……どう、する?
     スコール……」





1 スコール(説得も不可能と見える。ここは、ティファを見限るしかない) ティファ離脱
2 スコール(……これも任務の内なのか……?) 続行
3 スコール(何か、他の手はないのか? この世界ならではの……) 別ルート開拓
4 その他

スコール(何か、他の手はないのか? この世界ならではの……)

スコール「待ってくれ。
     今の状況は、あんた達が煮詰まっていた時とは違う」

ティファ「……」

スコール「この世界には、神羅に匹敵する存在だってあるかもしれない。
     例えば、すぐそこにあるFH。あの街の作り、科学力なら、神羅にも匹敵する……
     もしかするとこの世界にはもっと、神羅よりも強い組織が存在するかもしれない」

スコール(……それが、善意的な団体であるかは俺の希望でしかないが)



ティファ「っ! そうか……そんなことが、もしあったら……」

アーロン「……遠まわしじゃないか?」

スコール「それでもこのまま武力行使するよりずっとマシだ」

ビビ「……じゃ、じゃあ、爆破も、人殺しも、しなくていいんだよね?」

スコール(そうであってくれ)



ティファ「っ、私、バレットと話してくる」

………………


セブンスヘブン



バレット「……」

ビッグス「……」

ウェッジ「……」

ジェシー「……」

クラウド「……」




ティファ「……ごめんね、スコール」

スコール(どうして、俺が睨まれているんだ?)




バレット「あんたか?
     あのくそったれの神羅に、魔晄炉の爆破以外でひと泡吹かせてやれるって豪語したのはよ?」





スコール(……どういうことだ?)

ティファ「……っ あの作戦を止めるには、こう言うしかなかったの……っ」

バレット「千載一遇のチャンスだった。
     警備の度合い、列車の通過時刻……その他諸々っっ……!

     それをてめぇ……他の方法があるっつってやめさせたんだからな。
     相当のビジョンがてめえには見えてやがるんだろうなぁ!?」


ファリス「おい、この手の奴は刺激すると後がこえぇぞ。
     どうする?」

スコール(今考えてる)

ファリス「いや、やるか、やらないか、だよ」

スコール「……なんだって?」

ファリス「先制攻撃」

スコール(こいつもテロ組織となんらかわりな……
      ああ、そうだった、こいつは、海賊だった)



スコール「……俺が、あんた達を止めたのは……
     そう……ええっと、そうだ」

スコール(ダメだ。頭が真っ白だ)



1 スコール「神羅を止めるためにコーネリア王に協力してもらうつもりだったんだ」時間稼ぎ
2 スコール「FHに巨大兵器がある。あれを使って神羅を脅し、交渉する」バラムガーデンへ
3 スコール(素直に思ったことを伝えるか)VSアバランチ
4 ドーガ「面白いことになっておるようじゃの」
5 その他



ドーガ「面白いことになっておるようじゃの」

クラウド「っ!?」サッ

バレット「うぉお!? てめぇ、なにものだ!?」



ビビ「ドーガさん!?」

ファリス「どっから来やがった? あんた、FHから反対側に向かったはずだろ?
     ここにこんなタイミングで来られるはず……」

ドーガ「逆に聞くが、どうしてお前さんに使える時空魔法を、このわしが使えないと思った?
    お前さんの魔力ならわしの魔力に気づかぬわけもあるまいて」

ファリス「……お、おう。それもそうか」



ティファ「バレット、大丈夫、この人も私たちの仲間よ!」

ドーガ「はたしてそうかのう?」

スコール(空気を読んでくれ)



ドーガ「悩んでおるようじゃの。少年」

スコール「……ああ」



ドーガ「そこの黒くてでっかいの」

バレット「バレットだ」

ドーガ「バレット。少し話をさせておくれ。
    神羅とやら、星の命とやらに関係する、とても大きな話じゃ。

    この話が終わったら後の責任は誰かがちゃんと背負うからの」

バレット「……チッ。
     なんだってんだ! くそっ」

ビッグス「あ、おい」

バレット「俺は下にいる! 話が終わったら降りて来い!」

ウェッジ「ま、まってくださいっす!」






ドーガ「ふむ……」

スコール(とりあえず、助かったか)






ドーガ「実はの、クリスタルワールドでいろいろ調べておったんじゃが……
    おおかた、この世界のことがよく分かってきた」

アーロン「……ずいぶん、謎が解けるのが早かったな」

ドーガ「とはいっても、解決ではないのじゃが……」



ドーガ「この世界は、多くの世界が混ざり合っておる。
    ソレはうすうす感づいておるじゃろう?」

スコール(確かに、そうだ)

ドーガ「……もともと、この世界は狭間なのじゃよ。
    多くの世界の間に存在する狭間の世界。それが、今ここにわしらが存在している世界なのじゃ」

ビビ「はざま……?」

ファリス「……次元の狭間?」

ドーガ「近いものがあるのぅ。自覚があるとするならば、お主はこの世界に自ら辿りついたのやもしれぬ。

    この世界は本来、他の世界とつながることはないはずであった。
    しかし、時空を激しく歪めるほどの影響を持った者が、どこかに現れたのじゃろう。
    それが原因で、こんなめちゃくちゃな世界が出来上がってしまった。

    付け焼刃の召喚術でわしらが召喚されるのも、時空の歪みから来るものだったのじゃ」

ファリス「それって、まさか……!!

     もしそれがマジだってんなら、おとしまえ付けるのは俺の役目かもしんねぇ……!」」

ドーガ「……歪められた時空を直すには、
    各々の世界のクリスタルに、我々から干渉する必要がある。
    その方法はいたって簡単じゃ。

    その世界の記憶を持つ者が、その世界のクリスタルに触れることで、事はなる」

ファリス「……、さ、触るだけでいいのか?」

ドーガ「ああ。そうじゃ。

    ……おそらく、この中で資格があるものは……
    ティファ ファリス ビビ の三人のようじゃの」

アーロン「……だな。俺たちにはその資格はないようだ」

スコール(記憶が、ないからか)



ビビ「どうして、そんなことが分かったの?」

ドーガ「簡単な話じゃよ。
    わしはもう、自分の世界のクリスタルを見つけてしまったんじゃ」


ファリス「な、なんだと?」

ドーガ「実践してたしかめたんじゃ。で、向こうも確認してきたし、間違いない。
    ……と言うのが、今わしがわかっていることじゃ」

ファリス「……」ポカーン

アーロン「……本当なのか?」

ドーガ「お主には後でもう一つ説明しよう。
    いま言えることは、これは確かなことじゃ」




ティファ「でも、私、クリスタルなんて……」

ドーガ「お主らの世界になかったとしても、この狭間の世界には、お主らの世界のクリスタルが存在しているはずじゃ。
    わしの経験からいくと、自分にとって馴染み深い場所に行くと、その存在を感じ取れるらしいぞ?」

ティファ「……なじみ深い場所」

ドーガ「ここは狭間の世界、おそらく、どこかにお主の生まれ故郷が存在するんじゃないのかの?」

クラウド「……ニブルヘイム?」

ティファ「っ!」



ドーガ「……神羅の目的をここで直接止めるよりも、
    時空の正常化を目指す方が、はるかに効率的かもしれんの?」

スコール(つまり、俺たちが次にするべきことは)








ファリス「……とりあえず、逃げるか」

アーロン「……ああ、今の話を、奴に説明しきれる自信は誰もないだろう?」

ティファ「ええ、全くだわ」

ビビ「こ、殺されちゃうよ」

ドーガ「……というわけじゃ。若いの、後は頼んだぞ」

クラウド「お、おい」

スコール(……すまないな)

クラウド「あいつらを、俺に任せるつもりか?」

ファリス「はははっ、どうする? あんたも来るか?」




1 クラウド「……興味ないね」
2 ティファ「クラウドも、来てっ!」
3 その他

寝ます安価下


ティファ「……クラウドも、来てっ!」グイッ

クラウド「っ、いいのか?」

ティファ「もう、なんだか分からないけど
     皆生きてるなら……今は、いいの」

クラウド「……そうか」

スコール「来るならなるべく早くしてくれ。
     バレットに気付かれると厄介だ」

クラウド「それもそうだな。行こう」




………………


ミッドガル外



ファリス「はぁ、はぁ、これで、大丈夫だろ」

ティファ「……そうだと思う。
     あの作戦、もう一回繰り返すにしてももっと時間かかるはずだし……」

ファリス(そっちの心配か。まぁ、最もかも知れねぇけど)





スコール「ニブルヘイム……というのは、なんだ?」

ティファ「ニブルヘイムは、私達の故郷よ」

スコール(達、というのは)

クラウド「……ああ、俺もニブルヘイム出身だ」

スコール(……何も言ってない)

ドーガ「ふぉふぉふぉ、大所帯になってきたの。
    この数でゾロゾロと歩くのは、この世界では危険じゃろ。
    ワシは、またこの世界の放浪に戻るかの」

ファリス「あんだ? 爺さん、自分の世界が分かってるのに帰らねぇのか?」

ドーガ「うむ、まだ還りたくはないのでの」

アーロン「……まぁ、その方が俺達にとっても助かる。
     この世界の仕組みを知るのに、あんたの知力と魔力~~」

スコール(あとその年にしてはありえないほどの行動力)

アーロン「~~は、大いに役立ちそうだ」

ドーガ「というわけでの、ニブルヘイム探しはそっちでやっておくれ。
    ワシはミッドガルに用事があるのでの」

ビビ「え? ドーガさんも、ここに覚えが?」

ドーガ「これだけ人が居るんじゃ、見るものの一つや二つは必ずあるじゃろ。
    要するに、また観光じゃよ」

スコール(……心底楽しそうだ。ある意味羨ましい限りだ)

ドーガ「それでは、またどこかで会おうぞ。特に、娘っこ」

ティファ「え?」

ドーガ「また会えるといいのう」スタスタスタ


…………



スコール(次は、ニブルヘイムか。
     一体どこにあるのやら)

クラウド「……行くのか?」

ティファ「ええ、ニブルヘイムへ」

アーロン「しかし、そのニブルヘイムってのはこの世界のどこにあるんだ?」



1 すぐそこ
2 洞窟を経た先(タークス戦
3 砂漠を経て尚先(ゴールドソーサー編
4 その他

クラウド「どこもなにも……ニブルヘイムはすぐそこだ。
     少し時間はかかるが、徒歩で行けなくもない」

スコール(なんと都合の良い)

ティファ「本当は、海越え丘越え湿地越え、の大冒険なんだけどね」

クラウド「? どういうことだ」

ティファ「いいの。貴方はそれでいいのよ。クラウド。
     ……さぁ、とにかく行きましょう」



………………

道中

クラウド「……」

ティファ「……」ジーッ

クラウド「さっきから、なんなんだ? ティファ」

ティファ「え?」

クラウド「俺の勘違いじゃなきゃ……ずっと俺の方を見ているように見える」

ティファ「あ、そうだった? あーっと、そう、久しぶり、だからさ」

クラウド「……確かにそうだが。
     最近はそれなりに一緒に居ただろう」



スコール(……あまり邪魔をしない方がよさそうだ)

ファリス「なぁ、スコール」

スコール「?」

ファリス「あいつらって、もしかして、アレなのか?」

スコール(アレ?)

ファリス「いわゆる、恋人同士って奴か?」

スコール(何故それを俺に聞く? ……と、いつもなら思うが、
     こいつの感性なら本人たちに直接聞きかねない。
     俺に聞いたのは、まぁ、及第点かもしれないな)

スコール「それは俺達の知る由ではないし、
     そこに口を出す必要も無い」

ファリス「んー、そんなもんか」

スコール(……男女の機微に疎い俺達は、
     そこにあえて触れないのがベストだ)

ファリス「ふむぅ、気になる」

スコール(……)

ファリス「ああん? なんだよ」

スコール(意外だな。他人の恋愛沙汰に興味があるのか)

スコール「すまない。考え事をしてた」

ファリス「あー、そうかい。
     俺みたいな粗雑者は人の恋愛に興味もつなってことかい」

スコール「……そういうことは言っていない」

ファリス「言ってなかろうが顔にそう書いてあるぜ?
     お前、よく見ると意外と顔に出てるぞ」ニヤニヤ

スコール(なんてこった)



………………


道中 ATE >>219 >>220

1 スコールとティファ
2 ファリスとクラウド
3 ファリスとティファ
4 アーロンとファリス
5 ビビとクラウド
6 その他

5

6
そのころのアバランチ達


ビビ「……ふぅ」

クラウド「……疲れたのか?」

ビビ「え? う、うん。少し。
   あの、僕あんまり体力無いから」

クラウド「体力……そうなのか」

ビビ「?」

クラウド(魔晄技術で作られたゴーレムか何かかと思ってた。
     さっきのこいつらの話振りから察するに、異世界では割と居るんだろうな)

クラウド「重い荷物があるなら持とう」

ビビ「ありがとう。でも大丈夫だよ。
   疲れたっていってもまだまだ動けるから」

クラウド「そうか。まぁ、無理はするな」

ビビ「う、うん」

ビビ(スコールさんみたいに無口な人かと思ったけど、結構優しい人なんだなぁ。
   何を考えてるのか時々わからないけど)

クラウド(こいつの黒い部分は肌なのか? それとも……)

ビビ(不思議な目の色をしているなぁ。ミッドガルの街の光に似てる)

クラウド(黄色い部分は目、でいいんだよな?
     なんとなくこっちを見ているような気もするし……)



アーロン「……あいつらは何故、見つめ合ってるんだ?」

ファリス「未知との遭遇?」

………………


そのころのアバランチ

セブンスヘブン地下


バレット「うがあああぁあっぁぁあぁぁぁぁああああ!!!」 ボコスカボコスカボコスカ

ウェッジ「や、やめてくださいバレットさん! サンドバッグがもうめちゃくちゃっす!」

バレット「うるっせぇぇぇぇええええっ!!俺はもう、むしゃくしゃしてなんねえんだ!!」

ビッグス「気持ちはわかるけどよ、そのままだと部屋中に砂が撒き散らされちまう」

バレット「あのいけすかねぇヤツら、散々俺たちの邪魔して逃げていきやがったんだぞ!!
     しかもティファまで連れて!」

ジェシー「クラウドも、連れてかれちゃったね」

バレット「あいつはどうでもいい!!
     そんなことより、ああああああああっ!」 ボスン!!

ドッザァァァァア……

ウェッジ「あーあーあ…… 砂が……
     掃除機で何とかなるッスかね?」

ビッグス「……まぁ、一台ダメにするつもりで、後で考えようや」

バレット「ふー、ふー……だめだ……頭に血が上って……冷静になれねぇ」

ジェシー「少し、横になってみなよ。
     形だけでも落ち着いてみたら変わるかもしれないよ」

バレット「うぅぅ……くそぅ、なんのために、俺たちは……くそぅ……」ゴロン


………………

数分後
セブンスヘブン地上


ウェッジ「……正直、ここだけの話っすけど……
     俺は、少し安心してるっす」

ビッグス「……安心してるのは俺もそうだ」

ウェッジ「そ、そうっすよね?
     バレットさんの作戦、ちょっと無理ありましたもんね」

ビッグス「それはしょうがねぇよ。
     犠牲ありきのでないとこの作戦はなりたたねぇ。
     それに、もう犠牲ならたくさん出てるだろうが」

ウェッジ「……そう、っすよね」

ビッグス「星の命を優先すると考えれば、多少無理でも強行しなくちゃならなかったんだよ」

ジェシー「でも確かに、時期尚早すぎた。
     爆弾も急ごしらえで作ったから、ちょっと自信ないし……」ゴソゴソ

ウェッジ「え、そうだったんスか?」

ジェシー「……うかつ。
     やっぱり、爆薬の量間違ってた」

ウェッジ「ひぃぃっ!
     や、やっぱり、今回失敗して正解だったんじゃ……」


ビッグス「……俺たちの目的は今回の作戦を成功させなくちゃ成せないだろ?
     文句ばかり言ってんじゃねえよ」

ウェッジ「でもぉ……」

ジェシー「死ぬ覚悟はできてるけどさ。
     でも私も、今回の作戦は少し考え直すべきかも……って思うね」

ウェッジ「ビッグスさんも、わかるでしょう?」

ビッグス「……わからなくはねぇ」

ウェッジ「だ、だったら」


ビッグス「俺まで文句を言ったら、バレットの味方が居なくなる。
     あの人の考えは、せっかちではあるがやっぱり必要だ」


ジェシー「……別に、楯つくつもりなんかないよ。
     ただ、そうだね。やっぱり、もうちょっと話し合うべきだったね」

ウェッジ「俺だって、バレットさんのことは好きっす。
     敵になるつもりなんてないっす」

ビッグス「……バレットが落ち着いたら、作戦の練り直しだ。
     今度はバレットに作戦まかせっきりじゃなくて、
     みんなでもっと意見出して考えようぜ。
     反対的な意見も含めて、な」

ジェシー ウェッジ「……」コクン






バレット「……ぐ、うぅぅ」


………………

………………


ニブルヘイム到着

ティファ「ここが、ニブルヘイム……」



ニブルヘイムの状況

1 昔(セフィロス事件時(セフィロス戦あり?
2 黒こげ(セフィロス事件直後(タークス戦あり?
3 この世界のミッドガルと同じ時間軸(偽物のニブルヘイム
4 その他


ちょっと早いけど寝ます。


ティファ「……じゃない!」

クラウド「? どうした?」

ティファ「どうしたもこうしたも……え? ん? あれ?」

クラウド「……」

ティファ(給水塔もあるし、山の上には魔晄炉も見える。
     私の家もあるし、クラウドの家もある……神羅屋敷だってある。

     けれど……)

ティファ「でも……そのほかの建物が、なんか」

クラウド「? ああ、確かに、召喚師一族の住む建物は、建築様式が少し違うな」

ティファ「しょうかんしいちぞくぅ?」

ビビ「ティファさんが混乱している」

アーロン「エスナじゃ治せそうにないな」




スコール「……なぁ、なんとなく察してるだろうが、
     俺たちは異世界の住人だ。
     もしよければ、このニブルヘイムについて説明してくれるか?」

クラウド「ああ、いいだろう。
     ティファも久しぶりすぎて忘れているみたいだから、丁度いい機会だ」

ティファ「そ、そうね」



クラウド「ここはニブルヘイムという山であり、その集落をニブルヘイム村と呼ぶ。
     しかしここには別名がある。その名はミストの谷」

スコール「……」チラッ

ティファ「……」フルフル

クラウド「この周辺はモンスターが多いので、
     この村に昔から居る召喚師一族の力によって
     集落を霧で隠している。

     そのことからついた二つ名なんだ」

アーロン「……召喚師一族とは?」

クラウド「俺たちもよくはわからない。
     何より召喚師一族の歴史は門外不出とされている」

ファリス「懐の広い村長さんだな。
     そんなわけわからん奴らの秘密を守りながら暮らしてるなんてよ」

クラウド「ああ、確かに……良い村長さんだった」

ファリス「だった?」



ティファ「そう、そうよ。ニブルヘイムはあの時、セフィロスに……」

クラウド「……ああ。
     俺たちの村は、焼けてなくなったはずだった。
     だが、つい最近見に来たらこうなっていた。

     元通りの、ニブル村だ。

     おそらく、例の事件をもみ消したい神羅の仕業だろう」

ティファ(その点は同じなのね……)

スコール「セフィロス……? 例の事件……?
     ……もしかすると、今ここを探索する上で必要な情報か?」

クラウド「……いや、詳しくは知らなくていい、これは、いつか俺がかたをつける問題だ。
     あんた達に知っていてほしいことは数点だ。

     一つ、例の事件でこの村は一度焼け落ちたこと。
     二つ、その犯人はセフィロス、神羅きっての最強のソルジャーだったということ。
     三つ、そのセフィロスがここにもし居たら、かなりの覚悟をもって対峙すること」

アーロン「……なるほど、そいつと戦う前提で挑めと」

クラウド「戦う、か……相当に自信があるようだが、
     おそらくあんたでもセフィロスには……ん?」ジーッ

アーロン「……」

クラウド「……まぁ、遠く及ばないとまでは言わないが、覚悟はしておいてくれ、うん」

スコール(見ただけでアーロンの強さを察したか。
     戦闘のセンスはかなりあるようだ・

     しかし、この規格外な強さのアーロンをもってしても、
     セフィロスとやらを倒すのは至難の業、なのか)


ボガァァァァァアアアアアン!!!



ビビ「うわっ!? な、なに!?」

スコール(爆発音……召喚師一族の建物の方だな)サッ

クラウド「……まさかっ」






………………

>>233

ボムの指輪で村を燃やしてる人

1 セシルとカイン
2 タークス連中
3 セフィロス
4 その他(FF限定



>>234

倒れている召喚師一族の生き残り

1 リディア
2 その他(名前指定(FF限定

1

ユウナ


クラウド「……っ これは……」

ゴォォォォ……

ティファ「っ、誰が、こんなこと!」

ファリス「おい、明らかに火の勢いがおかしいぞ。
     それにこいつぁ、魔翌力を感じる炎だ」

アーロン「出所を探れ、ビビ」

ビビ「う、うん! あっちの方だよ!」

スコール「っ……ティファとファリスはクラウドの指示のもと救助に動け。
     後は俺についてきてくれ。原因の調査と、排除だ」

クラウド「ん、ああ。わかった」

スコール「頼む」



………………


アーロン「お前たちが、ここに火を放ったのか?
     見たところそれなりの地位の騎士のようだが……?」

セシル「……っ」

カイン「よせ、話は後だ」

ビビ「え、でも……」

カイン「俺たちも訳が分からないんだ。今は救助を先にするべきだろう!」

アーロン「……ふむ、これは予想外だ」

スコール(確かに、てっきり神羅の手のものかと思ったが……
     とはいえ、信用しきる理由はない。
     ……いや、しかし、見定める時間もなさそうだ)

ビビ「ど、どうするの?」

スコール「……いいだろう。しかし、別行動だ。俺たちは俺たちで救助を遂行する。
     それでいいだろう?」

カイン「ああ、異論はない」

セシル「すまない……僕のせいで」

スコール「何が悪いのかは後で聞かせてもらう」


………………



数時間後

焼け残った神羅屋敷



スコール「……さて」

セシル「……」

カイン「……」

スコール「あんた達は、いったい何者だ?
     そして、どうしてこんなことになった?」

アーロン「……」

ファリス「……」



セシル「……僕たちは、バロン王国の騎士だ」

カイン「こいつは、セシル。俺はカインという。
    まぁ、騎士とは言ってもお互い地位の危うい存在だがな」

スコール「……バロン王国」

セシル「ああ。ここからそう遠くもない地にある王政国家だ。
    僕たちは王の命令でこの村に来たんだ」

カイン「この村にこの指輪を届ける任務だ。
    ……しかし、どうやらこの指輪と言うのが最悪な代物だったようだ」

ファリス「……そうみたいだな。黒魔法の匂いがぷんぷんしやがる」

アーロン「心得のない者が見ればただの装飾品だ。
     あんた達が分からなかったのも無理はない」

スコール「……あんたたちの言い分は分かった。
     その話を鵜呑みにするならば、どうやらその指輪をどうにかするだけでここは落ち着きそうだ」

セシル「……」

カイン「まぁ、信用してもらうには都合がよすぎるか。
    それにどちらにせよ、持ち込んだのは俺たちだ」

アーロン「……そうだな」

セシル「……この村には……生き残っている人は、居るんだろうか」

スコール「それを知ってどうする?」

セシル「……」

ファリス「あんたの目的がなんにせよ、会ってもいい思いはしないだろうぜ」

カイン「……」



ガチャリ


 
???「待ってください。
    ……その人たちは、信用してもいいと思います」

スコール「……?」



ファリス「おい、入ってくるなって言っただろ?」

ティファ「大丈夫よ。
     この人から話は聞いたわ」

スコール「あんたは?」

ユウナ「ユウナです。ニブルヘイムに住む、召喚師一族の生き残りです」

セシル「っ……さっきの」

ユウナ「はい。その節はありがとうございました」

スコール「……どういうことだ?」

ユウナ「私はセシルさんとカインさんに助けられました。
    私が召喚師だと知ってもその人たちは私を殺したりはしなかったし、
    悪い人じゃ、ないと思うんです」

スコール(王の目的は召喚師の絶滅、で間違いないだろうが、
     こいつらはそれに利用されただけ。
     
     ようやくこの事実を信じてもいいと思えるようになってきた)


アーロン「……なら、斬るべき相手はその王とやらか」

セシル「ま、待ってくれ!」

ファリス「おうおう、騎士道精神か? あいにく俺は国一個相手にしたってヤるときゃヤるぜ?」

セシル「……いや、確かに、王に問いたださなくてはならないことがたくさんある。
    だから、もしバロン王を斬るというのであれば、
    僕も連れて行ってくれ」

カイン「……セシル、お前……」



スコール「……」

ティファ「あ、言っとくけど、
     私もクラウドも、彼らの動向には賛成するわ」

スコール(まだ何も言ってない)

ティファ「彼らと一緒なら、そのバロン王ってやつを殴り飛ばすのに便利でしょ?」

ファリス「……お、こりゃバロン王ってやつもやべぇな。キレた女ってのは一番こえぇからな」ニヤニヤ

カイン「……すまない。だが、せめて一度だけ、セシルとバロン王を話させてやってくれ」

セシル「以前は王も人格者だったのだ。それが、あると気を境に変わってしまわれた……
    その理由が、何かあるのであれば……」

アーロン「人間はうつろう者。
     きっかけあろうとなかろうと、変わる時は変わるものだ。

     満足いく答えが得られると思うなよ」

セシル「ああ、わかっている。その時は……」グッ

カイン「……その時は、お嬢さんのこぶしで木端微塵だな」

ティファ「慈悲の必要がなければ跡形も残すつもりはないけどね」

ユウナ「……」



………………


………………




スコール(さて、流石にこの出来事の直後にクリスタルの探索までするのは骨が折れる。
     今日はここに一泊することにした)


ATE 残り三回>>239 >>240 >>241


1 スコールとセシル カイン
2 スコールとユウナ
3 アーロンとユウナ
4 ティファとセシル カイン
5 クラウドとティファ
6 ビビとセシル
7 ファリスとスコール
8 その他

8ティファとファリス

3

………………

ティファ「……ねぇ」

セシル「なんだい?」

ティファ「その、バロン王国? っていうのは、神羅とは関係あるの?」

セシル「神羅、ああ、ミッドガルの大企業だね」

カイン「少なからず繋がりはあるな」

ティファ「じゃあ、もしかして召喚師一族を狙っているのは……」

セシル「いや、つながりがあるのはただの商用的な問題だ。
    それに、今回の一件は王の独断命令に過ぎない。
    今回の件に神羅が関わってくるようなことは、おそらくないだろう」

ティファ「……そう」

カイン「神羅側に召喚師を狙う理由が?」

ティファ「無いとは言えないわね。この世界に、あの男がいるとしたら……」

セシル「神羅と言うのは、そんなに悪い会社なのかい?」

ティファ「ええ。そうね。
     私の知る限りでは、大体の悪事はあの会社のせいね」

セシル「……そんなに恐ろしい会社なのか」

ティファ「……どうせなら、悪いのは神羅だけであってほしかった。
     もう、恨む場所は一か所でいいと思ってた。

     でも、この世界ではそうもいかないみたいね」

カイン「この世界?」

ティファ「……こっちの話よ。
     詳しく聞く?」

セシル「聞かせてくれるなら、そうしよう。
    そして、もし僕たちに協力できることがあるなら言ってくれ」

ティファ「罪滅ぼし?」

カイン「俺はそう取ってくれてもかまわんが、
    こいつに限ってはそうとも限らん。こいつは根っからの善人だからな」

ティファ「……そんな、体を覆う真っ黒な鎧を身につけてるわりには、イイ人なのね」

セシル「これは……その」

カイン「暗黒剣の使い手だ。必要でこの恰好をしている。
    寝るとき以外はこの恰好でないとダメなんだとよ」

ティファ「ふぅん、まぁいいわ。
     ユウナの件もあるし、私は貴方達のことは信用してる。

     罪滅ぼしの必要もないわ。
     ……少なくとも、私にはね」

セシル「……どういうことだい?」

ティファ「詳しく聞けばわかるわ。
     まずは、私たちのブレインであるところのドーガさんの話からね」



………………



ファリス「おう、ティファ」

ティファ「……あら?」

ファリス「セシル達と話してたな。
     なんだ? モテモテか?」

ティファ「そんなんじゃないわよ。
     それに、あんなことしでかした後にナンパするような男なら、
     今頃全身の軟骨が消滅しているところよ」

ファリス「ザンガン流ってそんなこともできるのかよ……

     ま、まぁ。なんだ、とりあえずあんたは大丈夫そうだな」

ティファ「……まぁね。異世界での出来事だって思ってるから、少し冷静。
     だけど、やっぱり自分の故郷を燃やされて怒りを覚えないわけでもない。
     バロン王は、やっぱり問い詰める必要がある」

ファリス「……クラウドの奴はへこんじまってるな」

ティファ「ええ。ぶっきらぼうに見えて、結構メンタルは弱いのよ、彼」

ファリス「……」

ティファ「……あ、そんなんじゃないから。
     少なくとも、こっちのクラウドとは」

ファリス「ん?」

ティファ「あ、これは余計なことだったかしらね」

ファリス「ああ、確かに。おかげさまでそっちのことが気になっちまった」

ティファ「あちゃー……」

ファリス「いや、まぁ、ぶっちゃけいつかは聞こうと思ってたんだ」

ティファ「えぇぇ、なに、貴方もしかして、色恋沙汰には結構興味あるタイプ?」

ファリス「全然なかった」

ティファ「そう思ってた」

ファリス「だけどな。俺もまぁこう見えて女なんだが、
     女の幸せってーのを少し考えてみたんだ」

ティファ「おんなのしあわせぇぇ?」

ファリス「まぁ、いわゆる男と仲良くなるってのは、どういうもんなのかっておもってな」

ティファ「それが幸せとは限らないわよ?
     貴方にはあなたに生き方があるんだし」

ファリス「いや、実際俺も男に興味はある。
     いい男に興味がある」

ティファ(そんな勇ましく断言されても……)

ファリス「……今日はもう時間が遅いか。
     それに、あんなことがあった後にこんな話ってのもなんか、あれだよな。すまん」

ティファ「それもそうね」

ファリス「とりあえずまあ、なんだ。
     少なくともあんたは元気そうで良かった」

ティファ「そうだった。心配してくれてたのよね。ありがとう」

ファリス「ま、とりあえずここのクラウドも気にかけてやってくれ。
     あんたのじゃないけど、な」

ティファ「……ええ。そうね」


………………




ユウナ「……?」

アーロン「……」ジーッ

ユウナ「あの?」

アーロン「……ああ、すまない。
     何か、思いだしそうな気がしてな」

ユウナ「え?」

アーロン「なんでもない。こっちの話だ。
     今日は大変だっただろう。もう休むといい」

ユウナ「……あの、もしかして、アーロンさんですか?」

アーロン「!?」

ユウナ「……そう、なんですか!?」

アーロン「おまえ、俺を知っているのか?」

ユウナ「あの、お話だけなんですけど、
    父の友人だって、母から……」

アーロン「……お前の父の名前は?」

ユウナ「ブラスカと言います。
    同じ召喚師一族の者で……」

アーロン「ブラスカ……召喚師……っ」



>>直下

1 アーロンの記憶が戻る(FFX準拠
2 戻らない
3 この世界でのアーロンとしての記憶を得る
4 その他


ユウナ「あの、父から、これを渡すように、と」

アーロン「……これは……クリスタルか?」

ユウナ「ええ。そうなんですが……」

アーロン「……」ソッ

キィィン……


アーロン「……っ」

アーロン(頭に響く。この感覚は……………………!)




ユウナ「……アーロン、さん?」

アーロン「……ああ、ぼんやりとだが、思い出してきた
     ブラスカめ、こうなることを予測していたな?」

ユウナ「!」

アーロン「すまないな。色々とあって忘れてしまっていた。
     今ならわかる。俺の目的も」

ユウナ「よかった」

アーロン(どうやら俺はこの世界の人間だったらしい。
      
     物語の人間、か。どうやらどこかにはやはりこの話は伝わっているのか……

     全てを思い出した今、やるべきことが見えてきたが
     果たして、今後どう振舞うべきか……)



ユウナ「父のことは、もう説明する必要はなさそうですね」

アーロン「ああ」

アーロン(……そうだ。
     ザナルカンド遺跡で何かを感じ取ったのは、これのことだったのだ)

ユウナ「……アーロンさん、私は……」

アーロン「……安心しろ。あいつらは優秀だ。
     立派なガードになれるさ」

ユウナ「そうですか……でも、協力してくれるでしょうか」

アーロン「そこが問題だな。
     だが、安心しろ。少なくとも俺はお前を守る」

ユウナ「……はい、ありがとうございます」



………………

………………


翌日


スコール(さて。クリスタル探索だが、
     この人数でゾロゾロ歩き回るよりは分かれた方がいいだろうな。

     パーティーわけはどうするか)

セシル
カイン
スコール
ティファ
ビビ
アーロン
ユウナ
ファリス
クラウド


メインストーリーとなるニブル山探索メンバーを選出してください。
尚、ティファは固定メンバーとして扱うので、その他のメンバーを一人ずつ指定してください。

>>248
>>249
>>250
>>251


寝ます。おやすみなさい。

ビビ

え、スコールは固定じゃないんだ

ファリス

スコール
固定ならセシル

クラウド


スコール「もし、クリスタルの存在を感じ取れるとしたらどこである可能性が高い?」

ティファ「クリスタル……自分の記憶に、一番関連の深い場所……」



ティファ「給水塔……かな」

クラウド「……」

スコール「……昨日はゆっくり見られなかったからな。
     確認してきてくれるか?」

ティファ「うん。ありがとう」

クラウド「……俺も行こう」



………………


給水塔前

ティファ「……懐かしい」

クラウド「……あんたにとっては、そうでもないんじゃないのか?」

ティファ「そう、かも」

クラウド「違う世界とやらでは、ここにきてるんだろう?」

ティファ「ようやく、私があなたの知ってるティファじゃないってわかってきたみたいね」

クラウド「ああ」

ティファ「……なんか、ごめんね。
     あの時点では、クラウドにとって頼るあてなんて私くらいしかいなかったはずなのに」

クラウド「頼る? とんでもない。
     あんたから仕事の依頼があったから引き受けたまでだ。
     気にすることはない。あんたは、あんたのやりたいようにやってくれ」

ティファ「……」

クラウド「……なんだ?」

ティファ「ううん。なんでもない。
     じゃあ、やりたいことやるから、クラウドはついてきて」

クラウド「それも、依頼か?」

ティファ「今はそれでもいい。報酬だって出るしね」

クラウド「……いいだろう」



ティファ「……それにしても、ここに来たからって何かわかるわけでもなかった、かな」

クラウド「そのクリスタルってのは、マテリアみたいなものなのか?」

ティファ「近いものがあるかも。
     だけど、何か違うような……」


クラウド「……これは、カンでしかないし、ティファにとって酷かもしれない話だが……」

ティファ「ん?」

クラウド「山の上の魔晄炉。あそこに、何かありそうじゃないか?」

ティファ「……確かに、そうかもしれないわね」

クラウド「あそこに行くのは、あんたにとっても辛いだろうが……」

ティファ「ううん。大丈夫。クラウドがついてきてくれるなら」

クラウド「……ああ、任せてくれ」



キィィィィン……



ティファ「!?」

クラウド「どうした?」


ィィィィン……


ティファ「……っ」



セフィロス「……」




ティファ「え?」





クラウド「どうかしたのか?」

ティファ(……幻覚? 一瞬だけ、セフィロスが見えた)

キィィィィン……

ティファ(持っているのは……黒マテリア……!?)



………………


スコール「給水塔で、セフィロスの幻覚を見た。
     その手には黒マテリアが握られていて……その背景は」

ティファ「山の上の魔晄炉。そこに、奴がいるわ」

スコール(これがクリスタルの及ぼした影響なのか?)

クラウド「ただし、山の上に行くにはこの大人数では統率がとれにくいだろう」

アーロン「そうだな。
     戦闘のことも踏まえて、人員を選抜した方が良い」

スコール(班わけか……)



………………


山の上の魔晄炉



ティファ「……ここよ」

ビビ「ミッドガルの魔晄炉よりは、ずっと小さいんだね」

クラウド「ここが小規模なだけだ。
     ……それに、ここには魔晄炉としての役割以上の意味合いが込められているからな」

ファリス「ならなおさらでっかくした方がいいんじゃねえの?」

スコール(辺境の地で、管理しやすい範囲で、誰の目にもつかないようなことをしたかった。
     そんなところだろう)

ビビ「……っっ」ゾクゾクッ

ファリス「ん?」

ビビ「……な、なんだろ? なんか、すごい寒気が……」

クラウド「……だろうな」

ティファ「わかるの?」

クラウド「ああ。なんとなくだが、わかる。
     奴は、ここにいる」

ティファ「……あなたが言うなら、確かだね」

スコール(居ると思って進むべきか)チャキッ

ファリス「逃げてもいいんだぜ? どうやら、あのティファでさえ警戒する相手みたいだからな」

ビビ「っ……ううん、大丈夫。僕も、戦える……!」



………………


魔晄炉内部

ティファ(ここで、私はセフィロスに……)

クラウド「……」



スコール「……そろそろか」

ファリス「ああ、そうだな」

スコール(もはや並の人間でもわかる。この先に尋常じゃない奴が待ち構えている……)

ビビ「っ」



………………







セフィロス「……」




クラウド「セフィロス……っ!!」

ティファ「……」



スコール「……」

ビビ「あの、手に持ってるのは……?」

ティファ「あれは黒マテリア。まさか……本当にセフィロスがアレを手にしてるなんて」


セフィロスの状態

1 セフィロス「クックック、黒マテリア……」(偽物
2 セフィロス「待っていたぞ、下等種族」(本物
3 セフィロス「……この世界でも、か?」(本物 且つ ティファの知るセフィロスの記憶を持つ
4 セフィロス「誰だ? お前たちは」(なにも知らないころのセフィロス
5 その他


セフィロス「待っていたぞ、下等種族」

クラウド「……」

セフィロス「クックック……てっきり、お前が持ってくるものだと思っていたがな」

クラウド「何の話だ?」

ティファ「……何をするつもり?」

セフィロス「この星を破壊する」

クラウド「……あんた、そんな短絡的なことする奴だったか?」

セフィロス「お前にはわかるまい。今のお前には、な」

クラウド「?」

ティファ「メテオを呼ぶつもりね?」

セフィロス「ほう? 知っているのか?」

スコール「……」

ビビ「メテオ?」

ファリス「あ?」

ティファ「させない……っ」

セフィロス「お前がどこまで知っているのかわからんが、
      邪魔をするというのなら相手をしてやろう」

クラウド「……っ 来るぞ……!」



フォン



クラウド「っ!?」ガィイン!


セフィロス「流石は、一度は私を倒した男だ」

クラウド「!? 俺は……あんたを……」

セフィロス「しかし、今はもう状況が違いすぎる」ギィィン!

ティファ「クラウド!!」ファッ

セフィロス「……っ」スッ



スコール「……」

ビビ「助けないと!」

ファリス「ちっ、的が小さいと大人数じゃ戦いにくいな……!」

スコール「ビビ、あの黒マテリアとかいうもの。どういう代物かわかるか?」

ビビ「え? 良く、わからないけど、
   なんだか良くない感じがする……何か、引き寄せられるような感じも……」

スコール(メテオを呼ぶ……という言葉がどういう意味なのか
     詳しくはわからないが、あれはメテオを発動させる何かなのか?

     しかし、話の流れ的にただのメテオと言うわけでもなさそうだ)

ファリス「考えるのは後だ!
     とにかく応戦するぜ」





ティファ「フンッ! はぁっ!」ブォン ブゥン

セフィロス「ほう。ただの人間のわりにはやるな」キン キィン

ティファ「ただの人間の枠じゃ、貴方とは戦えないと思ったから……」ギュッ

ファリス「っらぁっ!」ヒュンヒュン!

セフィロス(投擲か、それも逃げ道を予測して二の手まで打ってある
      こっちの奴も飛びぬけた能力を持っているな)

ビビ「ファイラっ!」ゴォォ

セフィロス「っ!」ゴォォォ

セフィロス(こっちは、取るに足らんな。
      しかし、長期戦は不利か)

ティファ「はぁあっ!」ッゴォォ!!

ファリス(突風!? いや、衝撃波か!
     これならいくらあいつでもよけきれねぇだろ!)ヒュンヒュンヒュン!

セフィロス「っ 小賢しい……っ!」ブォォンン!!

ファリス「なっ!?」

クラウド(刀一振りであの衝撃波を打ち消した?
     もはや、俺の知ってるセフィロスでさえないのか……!)

スコール「……ビビ」

ビビ「何?」

スコール「今使える、一番強い魔法は何だ?」

ビビ「え? えっと、自信があるのは、サンダラ、かな」

スコール(ラか、しかし、付け焼刃の俺やファリスの魔法よりは信頼できそうだ。
     それに雷の特性を考えると、一番望ましい)

スコール「サンダラを最大火力で放つんだ」

ビビ「わかった。がんばってあてるね」

スコール「いや、あてるのは奴じゃない」

ビビ「え?」


ファリス「おうおう、よく一人で俺らを相手にできるなぁ」ハァハァ

セフィロス「当たり前だ」

ティファ「っ……あなたは、ここで倒す。
     そうしないと……っ!」ハァハァ

セフィロス「……」

クラウド「セフィロスっ ぁあああっ!」

セフィロス「ふん」



クラウド「っっ!?」ドスン

ティファ「クラウド!?」



セフィロス「思い出すな。私がまだ、己に気づいていないころの光景だ」

クラウド「っ、がはっ……」ボタボタ

セフィロス「私も腹に風穴は開けられていたが、
      お前もこうして、刀の飾りとして宙づりにされた」グググ

ティファ「っ あ……」


ファリス「でぇあああっ!!」フォン

セフィロス「!?」(早い?)

ファリス「……っ ふぅ、おい、大丈夫か?」

セフィロス(……分身やらなにやらいろいろ使ったようだが、
      流石に対応しきれなかったな)

セフィロス「クックック しかし、その男を助けたところで、使い物になるか?」

クラウド「ゲボッ……うぐ……はぁ……はぁ……」

ファリス「……気持ちの悪い笑い方をする奴だ。
     ったく、おい、ティファっ!
     お前もしゃきっとしろ!!!」

ティファ「っ……え、ええ」

ファリス「おい、そのまま聞いてろ。クラウド」

クラウド「っ……」

ファリス「次の一発でこいつを仕留める。そしたらお前を回復する。
     とにかく間に合わせる。以上だ」

クラウド(むちゃくちゃだ)




セフィロス「面白い、やって見せろ」




スコール「なら、やらせてもらおう」フォン


セフィロス「……ふん、後ろで見ているばかりかと思っていたがな」フォン

ガキィン!

スコール「今だ!」

ビビ「サンダラっ!」ズゴォォォン!

スコール「っぐっ!!」バリバリバリバリ!!


スコール(奴の黒マテリアは、メテオを呼ぶ。
     そして、黒魔導師のビビはアレに何らかのい力を感じた。
     あれは、黒魔法を呼び寄せる力をもったものなのではないか?

     故に、どちらにせよ刀とガンブレードが交差している状態で俺に電流が走れば、)

セフィロス「っ……貴様!」

スコール(黒マテリアにサンダラが引き寄せられる。
     俺越しに、電流はセフィロスにも流れる……!)

セフィロス「ぐっ……!」バリバリバリ!!



ファリス「っらぁぁっ!」

セフィロス(よけきれないっ!?)

ドドドッ!

セフィロス「ぐっ」(まずい、壁に貼り付けられた……!)

ティファ「……」スゥゥゥゥ……

セフィロス「!」





――――――――!!!!!




………………

………………

ティファ「クラウドっ!」

クラウド「ぐ……ティファ……セフィロスは……?」

ティファ「もう、もう大丈夫だから……
     セフィロスは、もう……死んだわ」

ファリス(ジャーキーみたいになった姿でな)

クラウド「っ……そう、なのか……うぐぅ……」

ファリス「っ、やべぇな。
     ケアルガ!」

クラウド「はぁ……はぁ……う……」

ティファ「……大丈夫?」

クラウド「……」

ファリス(とはいえ、このままだとあまり良くないな。
     本当に死にそうな時ってのは、回復魔法もアイテムも通用しない……)

スコール「……」




クラウドの安否

1 手おくれ
2 とりあえず存命(病院おくり
3 スコール「ラストエリクサーを、だな。ファリスの『くすりのちしき』で」 ファリス「それだ」(全快


スコール「ラストエリクサーを、だな。ファリスの『くすりのちしき』で」 

ファリス「それだ」

キュポン ッドパァ

クラウド「うわぁぁぁぁああっ!?」

ティファ「ちょ、大丈夫なの?」

クラウド「……!? !?  !!  え?」

ファリス「おし、解決」

クラウド「……痛くない」

ティファ「……本当に、大丈夫なの?」

クラウド「ああ。大丈夫だ。全く問題ない」

ティファ「……よかった」ヘナヘナ



スコール「で、メテオとか言うのは何だったんだ?」

ビビ「それに、この黒マテリアって……?」コロン

ティファ「……説明が必要、よね……
     っ! そうだ、メテオは!?」タッ


空の様子

1 ただただ青空が広がっていた(メテオ発動前
2 巨大な隕石が、ゆっくりとこちらに向かってきているのが見えていた。




スコール「……あれは、こちらに向かってきているのか?」

ティファ「っ、ええ。そうね」

ビビ「そ、そんなぁっ!? は、早く何とかしないと!」

スコール(あんな規模の物を何とかする術なんて、俺たちにはない。
     まずは可能性のあるところを数点当たるとして……)

ティファ「でも、大丈夫。あれを止める方法が一つだけあるわ」

スコール「まるで、体験してきたかのような口ぶりだな」

ティファ「その通り、よ。
     私が経験した時にはまだセフィロスが生きていた。だから、発動までには至らなかった。

     でも、この世界なら発動させることができる」


………………

神羅屋敷



アーロン「ん、もどったか」

ユウナ「お帰りなさい……!」

カイン「……その様子だと、とりあえずは片付いたようだな」

スコール「一応はな。しかし、取り急ぎ向かう場所は決定している」


………………


神羅カンパニー 副社長室



ルーファウス「本当に君たちが生きて帰ってくるとは思わなかったよ。
       ……悪い意味ではない。むしろ、こうしてここに来てくれて本当に私は喜んでいる」

ティファ「……」

ルーファウス「君は、アバランチ……とかいったかな?
       調べてみたんだが、どうやら反神羅組織のメンバーらしいが
       今は、敵対する意思はないようだね」

ティファ「……ええ」

スコール「報告したいことがある」

ルーファウス「なんだね? クリスタルワールドの一件に関してならいくらでも聞きたいところだ」

スコール「もっと緊急を要することだ。
     今、とんでもない規模の隕石がこの星に向かってきている」

ルーファウス「ああ、それはこちらでも観測した」

スコール「その隕石に立ち向かうための術が、一つだけある。
     説明は省くが、その為にはある人物に会わなくてはならない」

ルーファウス「……ほう?」

スコール「エアリス 古代種の生き残りだそうだ。
     彼女との接触に当たり、便宜を図ってほしい」

ルーファウス「……どうしてそれを我々に?」

スコール「あんた達、特にタークスとか言う連中が一番詳しい、と聞いた」

ルーファウス「……どこから話が漏れたのかわからないが。仕方ない。

       ただし、交換条件だ。
       クリスタルワールド、及びクリスタルに関係する何らかの情報を提供せよ。

       それさえ飲んでくれるなら君たちの安全も保障し、エアリスの情報も提供するし、
       必要とあれば足も用意しよう」

スコール「……応じよう。あんたにとって納得のいく答えかはわからないが」


………………

エアリスの居場所

1 例の教会
2 その他(FF限定


船の上

スコール(矢継ぎ早だな……)

ファリス「っ……たくよぉ、せっかくの青い空が台無しだぜ」

ビビ「確かに、あんなのがあったら怖いよね……」

ティファ「すぐには落ちてこないわ。
     でも、急いだ方がいいのは確か」




スコール「……ところで、
     あんた達はどうしてついてきてるんだ?」


ユウナ「え?」

カイン「……」

セシル「……」




スコール「特に、騎士二人に関しては理由が欲しいところだ」

クラウド「……」

セシル「君たちの旅の目的を聞いたんだ。それで、聞き捨てならないと思ってね」

カイン「それにこの世界に起こっている異変とやらに、もしかすると陛下も関係しているかもしれん。
    お前たちに協力していけば、もしかしたら陛下の異変も……と」

スコール「……」



アーロン「この娘は俺が連れていくことにした。
     この娘は召喚師一族の娘。
     訳あって、各所の寺院をめぐる旅をしなくてはならない」

ファリス「そういえばそいつとあってからあんた様子が変だったよな。
     なんだ? 惚れたか?」

アーロン「記憶が戻った」

ビビ「え?」

スコール(そういうのは報告してくれた方が助かるんだが……まぁ、言っても仕方ないか)

アーロン「急ぐ旅ではない。しかし、もしかするとお前たちとは別行動になるかもしれないな」

ユウナ「いいんですか?」

アーロン「ああ。どちらも優先されるべき旅だ」




スコール(おかしくなった国王
     召喚師の旅路
     クリスタルワールドの謎
     ミッドガル周辺の大地……

     あの空に浮かぶ巨大な隕石を何とかしたところで、問題は依然山積み、か)



………………


イデアの家



スコール「ここがルーファウスの言っていたポイントだ」

ティファ「……エアリスが、ここに?」

スコール「……」



スコール(潮の匂い 波の音
     灯台 石造りの家……)






1 ママ先生登場(昔のママ先生か魔女か魔女継承後か、選択
2 エアリスがママ先生ポジション
3 リノア


ちょっと休憩


ティファ「誰か、居るのかしら」

クラウド「行ってみよう。建物の中にさえ入れば誰かいるだろう」



スコール「……」スタスタスタ



ビビ「……ん? え? あれ? スコールさん、どこいくの?」

スコール「悪い、先に行っててくれ」

アーロン「どうした?」

スコール「呼ばれた」

ファリス「……お、おいおい、大丈夫か?」

スタスタスタ





………………



花畑

スコール「やっぱり、あった」

リノア「……ん?」



リノアの状態

1 この世界のリノア(面識なし
2 魔女リノア(FF8のED途中
3 その他


スコール「……っ」

リノア「……っ」

ザァァァアッ……








スコール「……」

リノア「……あ、あの」






リノア「きょうは、いいてんき、ですね……?」

スコール(なんだその雑な話題ふりは)


リノア「いや、その。
    あのさ、これ逆ナンとかじゃないから、勘違いしないでね?

    前に、どこかで会ったことある?」

スコール「……………………………………なぃ……………………?」

リノア「ない、かぁ、そうかぁ。ごめんね。変なこと聞いて、
    もしかして孤児院の方のお客さんかな?」

スコール(花畑を背景にこの女を見ると、心がざわつく。
     微笑みかける顔、流れる髪……俺はこの女を知っている?

     いや、知っている。間違いない。
     何でかわからないが、確信できる)

スコール「……いや、ある」

リノア「え?」

スコール「会ったこと、ある」

リノア「ほ、本当に?」

スコール「ああ。
     どこでかはわからない。けど、あんたを見て思った。
     間違いなく、どこかで会ったはずだ」

スコール(この女に何か話を聞けば、自分のことも思い出せるかもしれない)

リノア「じゃ、じゃあ、私のこと何かわかる!?」

スコール「……なんだと?」

リノア「実はー、そのー。私、いわゆる記憶そーしつってやつで、
    この場所と君のことはなんとなく覚えてるんだけど、
    そのほかのことは名前くらいしか思い出せないんだ」

スコール(……なんてこった)

リノア「だから、もしよかったら教えてほしいな。私のこと」

スコール「……すまない」

リノア「え?」

スコール「……同じだ。同じなんだ」

リノア「何が……って、あ!」


スコール「俺も、自分が何者なのか覚えてないんだ。
     あんたのことも、なんとなく知ってるかも知れない、程度で……」

リノア「……」

スコール「……」

リノア「それってナンパ?」

スコール(この女……)


………………


物影

ファリス「お、おいおい、うちのリーダーが、
     ナンパしてるぞ……!!」

セシル「え、あれは、ナンパなのかい?」

カイン「見知らぬ女に、気のあるようなセリフを吐く。
    ああ、ナンパだな」

ティファ「ええ、ナンパね」

ファリス「あの生物にも感情ってものがあったのか」

ビビ「そんな、人をロボットか何かみたいに……」

クラウド「スコールだって笑ったり怒ったりするだろ?」

アーロン「それをしないからロボットみたいだと揶揄されるんだ」

クラウド「……それなのに、あの女の前では和らいだ顔をしているように見える」

ファリス「ナンパモードか!!」

カイン「ナンパだな」

ティファ「ナンパね」

ビビ「ねぇ、もうやめようよぉ……僕たちはエアリスさんを探しに来たんでしょ?」

エアリス「そんなことよりもうちょっと見てみましょうよ」

ティファ「そうね。あのスコールがどんな口説き方をするのかはとても気になるところだわ」

アーロン(若い男女の色恋沙汰を、遠くから若い男女がデバガメする。世も末だな)



クラウド「……ん?」





1 クラウド「……誰だ、あんた?」エアリス「え?」
2 ファリス「いいからしゃがめ! お前の髪型目立つんだよ!」クラウド「あ、ああ、わかった」
3 その他

ファリス「いいからしゃがめ! お前の髪型目立つんだよ!」

クラウド「あ、ああ、わかった」



ビビ「もう……」

アーロン「建物の中を見てくる。ほどほどにな」

スタスタスタ


………………

スコール(気まずい)

リノア「でも、でもさ。見覚えはあるんだよね?」

スコール「なんとなくだが、ひっかかるものがある」

リノア「それってさ。やっぱり私たちはお互い知ってるってことなんじゃないかな?
    お互いのこと」

スコール「……そうかもしれない」

リノア「……それか、運命? みたいな?」

スコール(それはどうだろう)

スコール(……いや、そうじゃない。こうじゃない。
     こいつとの接し方は、こうじゃなかったはずだ)

スコール「……そうかもしれないな」

リノア「あははっ だとしたら嬉しいな。
    君カッコイイし」

スコール「……別に」

リノア「照れてる? 照れてるんだね」

スコール(悪いか)

リノア「そう言えば、名前聞いてなかったね」

スコール「スコール、スコール・レオンハートだ」

リノア「私はリノア。よろしくね」



………………


………………

カイン「……握手しているようだな」

ファリス「握手……だと?」

ティファ「あのスコールが、初対面の人と握手してる」

エアリス「あんなに好き好きオーラ出してるリノアも初めて見るわ。
     なんだかもう見てるこちが恥ずかしいくらい」

ティファ(あなたは人のこと言えないような気が……)

セシル「……え?」

クラウド「静かにしておけ」

セシル「え、でも」

クラウド「口出ししたら負けな気がする」

セシル「……う、うん」

………………


スコール「リノア。俺たちは今、エアリスと言う人物を探してる」

リノア「エアリスなら家の方、建物の方にいると思うけど?
    なーんだ、本当にナンパじゃなかったんだ」

スコール「……そう言うつもりは全くない」

リノア「全く? あれ、もしかして私そんなに魅力ない?」

スコール「……」

スコール(そういう聞き方はやめてくれ)

リノア「よかった。少しは悩んでくれてるみたいで」

スコール(なんなんだあんた。
     勝手にしょげたり勝手に喜んだり
     で、それを見て、俺はなんでこんなに……)



………………

ティファ「すごいわね、あの子」

ファリス「どうなんだ? ああいう、あざといのはグッとくるのか?」

カイン「正直、くるだろうな。
    面と向かって明らかな好意を寄せる言葉を言われれば、
    よっぽどどんくさい男でない限りは」

ファリス「男ってもっとおしとやかなのが好きかと思ってたぜ」

エアリス「まぁそれも一つの需要よね」



1 セシル「もうそろそろいいかな?」クラウド「ああ。スコールももう限界だろう」
2 ファリス「スコールが歩み寄った!」ティファ「なんですって!?」グラグラ ドサァッ
3 その他


セシル「もうそろそろいいかな? あの、君は……」

エアリス「あら、紛れ込んだつもりだったけど、ばれちゃった?」

ティファ「……あ」

ファリス「ん? お、おお」

カイン「残念ながら、ここからは真面目な話のようだ」

クラウド「残念とか言うなよ。こっちは星の危機だぞ」

エアリス「え? 星の危機?」

クラウド「ああ。詳しくはティファが知っている」

ティファ「……エアリス、はじめまして」

エアリス「……」



1 エアリス「はじめましてじゃ、ないよねぇ?」ニコニコ(ティファの知ってるエアリス
2 エアリス「もしかして、あの隕石と何か関係あるの?」(この世界のエアリス
3 その他


エアリス「はじめましてじゃ、ないよねぇ?」ニコニコ

ティファ「……え」

エアリス「久しぶり、ティファ」

ティファ「……え?」

エアリス「まさかここで会うなんて思わなかったなぁ。
     それに、クラウドも」

クラウド「? 俺は、あんたとは初対面だが」

エアリス「あれ?」

ティファ「ほんとに、私の知ってるエアリスなの?」

エアリス「あれ? だから私に頼みに来たんじゃないの?」

ティファ「そう! そうなんだけど、でもあなたが、私の知ってるエアリスなら」

エアリス「んー、まぁ、ほら、さっきのおじさんもそうでしょ?
     ここは死んだ人でも生身で居られる世界みたいだし」

ティファ「う、うぅぅ……」ポロポロ

エアリス「ちょ、ど、どうしたの?」

ティファ「エアリスだぁ……エアリスが居るぅぅ……」ポロポロ

エアリス「こらこら、泣かないの……」

セシル「……僕たちは、席をはずそうか」

カイン「それもそうだな」



ティファ「っ!! それどころじゃないのよ!」ゴシゴシ

エアリス「あら、切り替えはやい」


ティファ「エアリス! 今度は絶対死なせないから、
     ホーリーをお願い!」

エアリス「ん、了解っ。
     ……でも、セフィロスは……」

ファリス「あいつならブッ倒してきたぜ。
     ティファが」

エアリス「え」

ティファ「だから、気兼ねなく。お願い」

エアリス「あはは、それなら安心だね。
     これなら、あのときよりも気楽に行けるわ。

     じゃ、行こうかっ 忘らるる都へ」



ビビ「あ、居た」

アーロン「……あんたがエアリスか?」

エアリス「あ、ごめんね。もしかして私のこと探してた?」

アーロン「ああ、まぁな。連れが子供たちに捕まっていたので、
     何とかしてやってくれ」

クラウド(居ないと思ったら建物の方にいたのか)



…………


…………

ユウナ「戻りましたっ」キラキラ

エアリス「ごめんね。子供たちの面倒見させちゃって」

ユウナ「いえいえ、小さい子と遊ぶことあんまりなかったので、
    こちらも楽しませてもらいました」



アーロン「さて、揃ったわけだが」

ファリス「いや、正確には揃ってないんだが」

セシル「流石に声をかけた方がいいんじゃないか?」



エアリス「あ、でもあの場所って夜じゃないと開いてないのよね」

ティファ「そう言えばそうだったわね。
     でも到着までを逆算すると……って、そう言えばこの世界でのあそこって」

エアリス「すぐそこ」

ティファ(なんと都合の良い)

エアリス「ここに居ついてから少し経つけど、やっぱりまたやることになるのねぇ。
     今回は気楽でいいけど。

     とにかく、そういうわけだから……
     夜までここでゆっくりしていくといいわ」

セシル「なら、あの二人は……」

ファリス「ああ。のぞき続行だな」

カイン「その根性、嫌いじゃないぞ」

セシル「放っておこう、ねっ!!」グイッ

ファリス カイン「あー……」ズルズル



………………




アクティブタイムイベント

※キャラ名指定(1~4人程度だと書きやすい)(人数超過も可
 要望があれば内容についても軽く
 なんとなくそのキャラ同士の会話がみてみたい場合は名前だけでも可

>>299
>>300
>>301

リノアとスコール

ティファとエアリス

ビビ+ユウナ+ティファ+エアリス



リノア「ねぇ」

スコール「なんだ」

リノア「んっ」スッ


スコール(なんだ?)


リノア「……はぐはぐ」

スコール(この女、頭沸いてるのか?)

リノア「……そ、そんな冷たい目で見ないでよ!
    ほら? もしかしてお互い触れ合えば思い出せるかもしれないし」

スコール「……それはおかしいだろ」

リノア「えー、そういうことってあったりしない?」

スコール(そう言えばアーロンはどうやって記憶がもどったんだ?)

リノア「あれ、別なこと考えてる?」

スコール「……どうしてわかるんだ」

リノア「なんとなく」

スコール「……そんなに顔に出ていたか?」

リノア「意外と、よく見るとね」

スコール「……前にもそんなことを言われた気がする」

リノア「誰に……? もしかして、それも私なんじゃ……!」

スコール「いや、ファリスだ。さっき紹介した仲間の……あの紫の」

リノア「……あっそう」

スコール(何故拗ねる?)


リノア「……? えっとファリスって」

スコール「……あんなナリだが女だぞ」

リノア「……あっそう」

スコール(何故拗ねなおす?)

リノア「まぁ、美人よね」

スコール(よく分からん。あいつとは海賊として出会ったから、その感覚が強く残っているせいで、
     いまいち女だという感じがしない。
     だが、見て男か女か迷う気持ちはわかる)

リノア「あの人も召喚された人?」

スコール「いや、よく分からん。
     あいつは気が付いたらここにいたらしい」

リノア「それに関して言えば私もそうなんだよねぇ。
    共通点、あるのかな」

スコール「どうだかな。どちらにせよ、記憶はやがて戻るモノみたいだ」

リノア「本当!?」

スコール「ああ。アーロンには最初記憶がなかったが、つい最近取り戻したみたいだ。
     最も、彼の場合はこの世界の住人だったんだが……」

リノア「……そっかぁ」

スコール「……」

リノア「……」

スコール「同じように、とはいかないまでも、
     俺たちもいつか思い出せるときが来るさ」(そう思っておこう)

リノア「うん、そうだね」

………………



ティファ「じゃあ、エアリスはホーリーを発動させたのね?」

エアリス「そう。だけど、あの世界ではセフィロスに邪魔されてるのよ」

ティファ「だけど、この世界ではもうセフィロスは居ない」

エアリス「ええ、そういうこと。メテオに対する危惧は、もうない……かも」


ティファ「かも……?」


エアリス「……もしかしたら、だけど。
     セフィロス……死んでも、邪魔してくる、かも」

ティファ「……それは、ホラー的な意味合い?」

エアリス「ううん。違う。
     ライフストリームに還っても、割と世界に影響を与える人っているのよ。
     私もちょっとできるけど、それこそセフィロスみたいに強い人なら、
     もしかしたら死んだあとでも何らかの影響を与えてくるかもしれない」

ティファ「……死んでもなお恐ろしいやつね」

エアリス「その場合、襲ってくるのは生身ではなく……
     こころ、というか、残留思念、っていうか……

     とにかく、その時対抗するためには、心の強さみたいなのがないと、ダメなの」

ティファ「心の強さ?」

エアリス「ティファ。あなたは、現実と向き合ってる?」

ティファ「……」

エアリス「多分、だけど。今のクラウドではセフィロスに立ち向かえない。
     今のティファでも、ちょっと、難しいかも」

ティファ「……そう、ね」

エアリス「私じゃ、心では勝ててもその後セフィロスを打ち負かすことができない。
     だから、ティファはホーリーが発動したら、一度自分の世界に戻って」

ティファ「っ、それができるなら苦労はしないんだけど……」

エアリス「まぁまぁ、大丈夫だから。
     とにかく、その時が来たら教えるね」

ティファ「……うん」






エアリス「ところでさ、クラウドとは、もう良い関係になれたの?」

ティファ「っ……そういうこと、聞く?」

エアリス「聞いちゃだめだった?」

ティファ「まぁ、いいけど。でも別に、進展はしてないかな。
     それにほら、ちょっと、クラウドのこと……」

エアリス「……大丈夫、クラウドはちゃんと自分を取り戻せるよ」

ティファ「……そう、だよね」

エアリス「あっちの世界のクラウドのことは諦めるから、
     あなたはなんなりと自由にくっついちゃっていいのよ?」

ティファ「なんなりとって、まぁ、クラウドにその気があれば、ねぇぇ……」

エアリス「園編はヘタレそうよね」

ティファ「……ん? 今エアリス、『あっちの世界の』って言った?」

エアリス「あれ? 言っちゃだめだった?」

ティファ「いや、てことは、もしかして」

エアリス「……うふふ、もしよかったら後押ししてくれてもいいんだよ?」

ティファ「もしかしてエアリス、この世界、存分に楽しんでるわね?」

エアリス「その通り、かな。
     いろいろあってミッドガルは離れちゃったけど。
     日々生きていることを実感できて私は幸せよ」

ティファ「……それはよかった。

     でも、ごめんね。間に会わなくて」

エアリス「いやぁ、あれは相手が悪いでしょ。
     どれだけがっちり貴方達にボディーガードしてもらってても、
     多分セフィロスなら私を殺すことくらいなんなくできたわよ」

ティファ「……そうかも、しれない。
     でも、今は違う。
     今はあんな奴に、誰も殺させない。それだけの力は得たつもりよ」ググッ

エアリス「……」




………………


ビビ「はぁ、はぁ……いてっ」ゴロン

ユウナ「あ、キミ、大丈夫?」

ビビ「あ、うん。ごめんなさい」

ユウナ「なんだか急いでたみたいだけど」

ビビ「えっと、子供たちに追いかけられてて……」

ユウナ「そうなんだ。でもどうして」

ビビ「……ほら、僕、見た目が変だから」

ユウナ「ここの子たちはそう思っちゃうのかな?」

ビビ「……ユウナさんは、変だと思わないの?」

ユウナ「あまり見ない格好だなっては思うけど、変とまでは思わないよ」

ビビ「……ありがとう。
   でも、どうしてか子供にはいつもおいかけられるんだよなあ……」

ティファ「そういう時は、一言ガツンと言わないと駄目よ」

エアリス「そうね。言うところは言わないと」

ビビ「そうなの、かな?」

ティファ「見た目も子供の目を引くかも知れないけど、大事なのはビビ自身よ。
     もしかして、話しかけられても困った反応とかしてたんじゃない?」

ビビ「え、あ、そうかも」

エアリス「そこで堂々とした態度をとっていればいいのよ。
     その格好について何か言われようものなら、『珍しくて良いでしょ?』って気持ちで、ね?」

ビビ「珍しい……かぁ。
   確かに、そうかもしれないね。
   ボクみたいな人ってあんまり居ないみたいだし」

ユウナ「そうそう。もっとシャキッとして」

ビビ「うん、ありがとう。もうちょっと考え方を変えてみるよ」

エアリス「……でも確かに、あんまり見ない感じ。
     帽子の下どうなってるの?」クイッ

ビビ「わわわっ!」

エアリス「あ、へー、そうなんだ」

ティファ「あ、こら、嫌がってるでしょ」

ビビ「だ、大丈夫、びっくりしただけ」


わいのわいの……





子供1「おい、あの魔法使い……奇麗なお姉ちゃん達と一緒にいたぞ!
    しかも囲まれてて、なんか楽しそうだった!」

子供2「マジか! もしかしてあの格好モテるんじゃね!?」

子供3「うそだろ!」

……

数分後

ビビ(あ、あの子たちだ!
   よし、堂々と、堂々と……)

子供たち「お疲れ様です先輩!」

ビビ「え、ええ!?」


……………………

おやすみなさい




忘らるる都



エアリス「ただいま」

ティファ「なんでただいま?」

エアリス「一応、私古代種だし?」

クラウド「古代種……か。
     なんかセフィロスがそんなこと言ってたな」

ティファ「あれは勘違い。
     セフィロスは、ただジェノバ細胞を埋め込まれた人間よ。
     本質は、私たちとなんら変わらない」

クラウド「……」

ティファ「……ごめんね。もっといろいろ私は知ってる。
     けど私も、ちゃんとしたことは分からない。
     中途半端に伝えるとあなたの心が耐えきれなくなるかもしれない」

クラウド「……どういうことだ?」

ティファ「クラウドは、自分を信じきれなくて、
     私は、自分の記憶を伝えることができなくて、

     こじれた結果、全ておかしくなってしまった。

     でも、何かもっとクラウドの中におかしいことがあるの」

クラウド「俺とそいつは違う」

エアリス「ううん、やっぱり同じだよ。
     この世界にいた君も、やっぱり同じクラウド」

クラウド「……あんたに俺の何がわかる?」

エアリス「わかるよ。
     ティファほど親密じゃなかったし、君の後ろにいる人のこともわかるから、
     だからこそ、君のこと良く分かるよ」

ティファ「っ……」

エアリス「あんまりヒントあげない方がいいかな。
     これから、ティファはその事実と向き合うんだしね」

クラウド「……よく分からない」




セシル「それにしても、良かったのかい?」

カイン「……もっと大勢連れてきた方が良かったんじゃないのか?」

エアリス「ん、大丈夫。
     ここでやるのは、ちょっとした祈祷。
     あとは、場合によってはだけど……」

ティファ「……奴との、決着だね」

カイン「それだ。セフィロスってのは」

エアリス「ううん、いいの。
     もう、そういう戦いじゃないから」

カイン「……そうか」

セシル「……どういうことだい?」

カイン「そっちの世界での戦い、と言うことだろう。
    その世界で死んでいるエアリスや、俺たちでは介入できない。
    そんな戦いだ」

セシル「……なるほど、大人数で居る意味はないか」



………………


祈祷所



エアリス「んじゃ、ちょっと祈ってきます」

カイン(軽いな)

セシル「行ってらっしゃい」

クラウド「……」

ティファ「……」ハラハラ

エアリス「……んー」




エアリス「………………はい。でけた」

四人「早っ!!」

エアリス「だってー、もう一回やってるんだもん。
     コツとかわかっちゃってるし」

ティファ「だからって、あのメテオを止める魔法なんでしょ?」

エアリス「大丈夫大丈夫、古代種の力にかかればこんなもんよ」

クラウド「本当にこれであの隕石が止められるのか?」

セシル「その割には、なにも起こらないようだけど……」

エアリス「それなんだけどさぁ……ティファ」

ティファ「……」



エアリス「やっぱり、誰かいるみたい。
     ホーリーの発動、邪魔されてる」



ティファ「……そう」


エアリス「……黒マテリア、持ってたよね?」

ティファ「え? う、うん」

エアリス「貸して」

ティファ「……はい」

エアリス「……理屈はよく分からないけど、古代種の知恵っていうのかな、
     私にもわかるんだ。クリスタルの存在が」

ティファ「クリスタル……っ!
     そういえばそんなのも探してたわ」

エアリス「それは良かった。
     じゃあ、ご対面」

白マテリア「スッ」

黒マテリア「スッ」





ティファ「え?」





エアリス「私たちの世界のクリスタルは、これだよ」

ティファ「白マテリアと黒マテリアが合体した?」

エアリス「そう。
     元の世界じゃどうだか知らないけど、ここではそういうことみたい」



セシル「それがクリスタルか。僕たちの世界のクリスタルとはだいぶ違うね」

カイン「球体だが、輝きは似ているかもな」

クラウド(妙に光るマテリアにしか見えん……)




エアリス「はい、どうぞ」

ティファ「……あ!」

エアリス「そ、一回、戻ってきた方がいいよ」

ティファ「……どうすればいいのかな?」

エアリス「触ればいいんだよ」

ティファ「そういえば、そんなことを言ってた人が居たわ」

エアリス「……向こうに行くとね、こっちの世界の記憶がとても希薄になるんだ」

ティファ「……そうなの?」

エアリス「うん。だけど大丈夫。私が記憶を引き継いだ貴方を召喚すれば、
     あっちの世界で全部終わらせた貴方を、ここに呼ぶことができる」

ティファ「! エアリスも、召喚術が使えるの?」

エアリス「うん、できるよ。
     ここは時空がねじまがってるし、古代種の知恵を借りれば結構フワッとできる」

ティファ「そんなフワッとできるもんなの?」

エアリス「それだけ、この世界の時空が乱れているってことよ。
     誰がやったかまでは知らないけどね

     とにかく、貴方は向こうで、できることをしてくる。
     そして、私が呼び戻す。OK?」

ティファ「……うん。わかった」

クラウド「……大変そうだな」

ティファ「うん。とっても。
     もしかしたら、こっちの貴方も経験することかも……」

クラウド「……」

エアリス「まぁその時は私が良きように取り計らうので、安心してね」

クラウド「……期待してるよ」



エアリス「……じゃあ、行ってらっしゃい」

ティファ「行ってきます……!」

シュンッ



**ティファがパーティーから離脱しました**



セシル(あっさり行くものだなぁ)

エアリス「……これで、私たちの世界は調整された。
     といっても、全体的にまだ混とんとしてるから。
     世界の境目、まだそんなにはっきりとはしてないんだ」

カイン「ということは、しばらくはそんなにこの世界への影響もないということか」

エアリス「そういうこと」

クラウド「……じゃあ、ティファを呼び出すことにも、影響はしないのか」

エアリス「そうだね」

セシル「あとは、彼女が全てを終わらせるのを待つばかりか」



エアリス「あ、待つ必要ないよ。 ほいっ 召喚」

ティファ「きゃっ!? どこよここ!?」



カイン(あっさり帰ってくるもんだなぁ)




**ティファがパーティーに加入しました**




クラウド「……まて、一分もたってないぞ」

エアリス「時空が歪んでるって言ったでしょ?
     こっちの時間とあっちの時間は全然関係ないの」

カイン「いや、全く分からん」

エアリス「じゃあ、『そういうもの』ってことで」

セシル「もうそれでいいんじゃないかな。うん」



ティファ「……あ、いろいろ、思い出してきた」

エアリス「クリスタルのご加護です」

ティファ「あっ! エアリス! ホーリー発動してたよ! ありがとね!!
     で、えっと、ミッドガルは色々と大変になったし、
     いろいろ大変だけど、何とか世界は守られた感じ……」

エアリス「はいはい。無駄死にじゃなかったでしょー」

ティファ「そういえば、こっちのホーリーは?」

エアリス「そう、それを多分セフィロスが邪魔してるから……」

ティファ「ええ、やってやるわ。
     むこうではクラウドが決着付けてくれたけど、
     こっちでは、ね」

クラウド(向こうの俺はセフィロスに勝てたのか?
     ……あのセフィロスに?)

エアリス「セフィロスの居場所は星の体内。
     まぁ、やっぱり大空洞に行くしかないんだけど……」

ティファ「ええ。行きましょう。
     こっちでも、終わらせてやらないと、ね」



………………


翌日
イデアの家



セシル「というようなことがあった」

スコール「……」

カイン「しかし、あんたも大概、根強いものを持っているな」

スコール(なんだよ)

カイン「エアリスという女が、まだあんたの中で信頼できる相手じゃないんだろう。
    いくらティファが彼女を妄信しているからと言って、
    手放しでエアリスの言う通りの行動を容認するわけにはいかなかった。
    だから俺達を監視役につけたんだろう?」

セシル「……」

カイン「この場合、万が一のことがあっても俺たちが命を落とすだけだし、
    何かあってもティファを守ることもできるし、
    何もなかったらなかったで、お前たちに引け目のある俺たちは報告する義務を怠らない。
    ……よくできた話だ」

スコール「なんとでも言えばいい」

スコール(この世は、甘いことばかりじゃない。
     特にこの世界は、見た目はそっくりでも本人じゃない可能性だってある。

     ティファとクラウドが良い例だ。
     そう、もしかしたら、見た目がそっくりでも同じ人間じゃないかもしれないんだ。

     エアリスも、ティファの知らないエアリスかもしれない……

     そして……)


セシル「まぁまぁ、確かに理にかなっている方法だったさ。
    それに僕たちにとっても利があっただろう」

スコール「……?」

セシル「僕たちは、スコールの中で仲間と言うカテゴリに分類されているティファと言う存在を、任されたってことだろ? 
    それくらいには信頼してもらっているということさ。
    ……もしくは、利用できる価値のある人間だと思ってもらったんだ。

    それが分かっただけでも、僕としては安心できたよ。
    邪魔には思われていないみたいだ、ってね」

スコール「……なんとでも思ってくれ」

セシル「ああ、そう思わせてもらうよ」

カイン「……前向きな奴だな、お前は、ほんとに」

セシル「そうかもね」

スコール(……信頼しても、人のそばに寄っても、
     いつかいなくなるんだ。そんなの辛いだけだ。

     そうだ。俺はそうやって生きてきたんだ。
     信用とか、そんな重いものは背負わない。
     ただ、利用しているだけだ。


     
     ……やなやつだったんだな、俺)




………………


ATE 三つ 以下三レス


1 スコールとリノア
2 エアリスとリノア 
3 エアリス スコール セシル (イデアの家について
4 ファリスとセシル (ファリスの男吟味
5 ビビとユウナとファリス (白黒魔法
6 クラウド エアリス (クラウドの記憶
7 ファリスとカイン (ファリスの男吟味
8 その他

寝ます。おやすみなさい



リノア「ちょ、ちょっとっ!
    明日にはもう移動するって、どういうこと?」

スコール「俺たちはそういう旅をしている、仕方ないことだ」

リノア「だったら私も連れてって!」

スコール「あんたはエアリスの代わりにここに居ないとだめだろ」

リノア「エアリスも行くの!?!?」

スコール「エアリスは一時的に連れていくだけだ」

リノア「っ―――
    もうっ」



スコール「……」

スコール(なんて言えばいい? こういう時)

リノア「……」



スコール「……また来る」(……と思う)

リノア「っ!」

スコール「だが……これだけは言わせてくれ。

     俺たちは、本当にお互いが知っている俺たちなのか、その真偽は、思い出すまでわからない」

リノア「……そう、だよね。感覚だけじゃ、なんもわかんないよね」

スコール「そういうことだ。現実は甘くない。
     こうして異世界で奇跡的に知っている人間にあえるだなんて……」

スコール(……ティファとエアリスは出会ったわけだが)

スコール「……まぁ、そうそうない話だ。
     ましてや、姿が似ていようと他人の記憶を持っているのであれば、それは他人だ」

リノア「そう、かな。本当にそうかな?」


スコール「少なくとも俺はそう思う。
     だから、あんたが俺の知っている人間であるという証拠を思い出す」

スコール(ん? 何言ってるんだ?)

スコール「手段は何だっていい。
     きっと思い出してみせる」

スコール(ああ、思ったより俺は馬鹿だった。
     本当は願っているんだ)

リノア「その前に、私が思い出しちゃったりして」

スコール「それならそれでもいい。
     あんたの答えを聞いてみたい」

スコール(この女が俺の知っている『誰か』であることを、本当は願ってるんだ。
     ……信頼、したいんだ)

リノア「その時は、教えに行くね」

スコール「……いいのか? あんたはここを手伝ってるんだろ?」

リノア「うん。でも、ちゃんと思い出せたらいつかは出ていくつもりだった。
    ……あ、もちろんママ先生が戻ってきたら、だけど」

スコール(ママ先生 この孤児院の院長とも言える人だ。
     どうやらエアリスもリノアも、その人の世話になっているらしい)

スコール「別な仕事でどこかにいるとしか聞いていないが」

リノア「うん、大丈夫。
    そろそろ帰ってくるころ、だから」

スコール「……それなら、そうだな。
     もしよかったら、あんたの方から来てくれても……」

リノア「うん」

スコール「……」

スコール(この女の前だと調子が狂う。
     ……落ち着かない、少し暑い、妙に口数が増える。
     腑に落ちないが、何故かもっと話していたくなる。

     出発が、わずらわしく感じる)




………………


リノア「エアリス!」

エアリス「あー、その感じだと聞いたみたいね」

リノア「あの隕石を止めに行くんだって?」

エアリス「まぁね。
     私も付いていく理由あるから」


リノア「……大丈夫、なの?」

エアリス「大丈夫大丈夫、危なくなってもボディーガードがいっぱいいるしね」

リノア「……エアリスにも、背負ってるものがあるんだもんね」

エアリス「そうだね。ちょっと重苦しいけど、これも含めて私だし。
     ……今度こそ自分の手で、役目、全うしたいし」

リノア「前の世界での記憶ってやつ?」

エアリス「うん」

リノア「……無茶、しないでよね?」

エアリス「んー、どうだろう」

リノア「ちゃんと約束してよ。そうでないと笑って見送れない」

エアリス「うふふ、大丈夫。
     私これでも結構危険な組織から逃げ切れるタフネスはあるのよ」

リノア「でもセフィロスってやつには殺されちゃったんでしょ?」

エアリス「まぁね。でも今回は状況が違う。
     ティファだってあんな(レベル的な意味で)になっちゃったし
     他にも強い人たちがいっぱいいる。
     ……スコール君もね」

リノア「……」

エアリス「だから安心して待ってて。
     そして、私が帰ってきたら、たぶんママ先生も帰ってくるだろうし、
     そうしたら、ね?」

リノア「……うん」

エアリス「ん、よろしい。
     そろそろ子供たちを寝かしつける時間だね。
     行こうか」

リノア「うん」

………………

ファリス「よう」

カイン「ん? ああ、お前か」

ファリス「海でも見て、どうかしたのか?」

カイン「……ああ。まぁ、所変われば海も様子が違うものだな、と」

ファリス「ああ、確かにな。
     ここの海はとっても穏やかだ」

カイン「しかし、空はどこでも変わらん。
    ……などと、詩的な事を一瞬考えていた」

ファリス「見た目によらずセンチメンタルなんだな」

カイン「まぁな」

ファリス「竜騎士だっけか? あんた」

カイン「ああ。それなりの地位はある。
    実力も、我ながら」

ファリス「ほうほう、そいつは結構なこって。
     しかし、お前らの国ってのは騎士は顔を隠すもんなのか?」

カイン「……いや、セシルは暗黒騎士が故、だ。
    俺はただ単にこっちの方が落ち着くってだけでな」

ファリス「見せられないほど不細工なのかと思ったぜ」

カイン「失礼な奴だな」

ファリス「そう取ったのなら失礼」

カイン「見るか?」

ファリス「見せるのかよ、安いな」

カイン「別段隠しているつもりはないしな」カポッ

ファリス「お、おお」

カイン「お前の期待にかなうものだったろうか?」

ファリス「悪くねぇな。少なくとも異性として意識できる顔だ」

カイン「フッ、やめておけ。こんな男面倒くさいだけだ」

ファリス「それは俺が決めることだ。
     と、あんまり言うと俺がお前を好きみたいじゃねぇか」

カイン「なんだ、口説きに来たのではないのか?」

ファリス「うっせー馬鹿。
     それよりも、なんかつっかえてあるものがあるんならあんまりため込むなよ」

カイン「? 解しかねる」カポッ

ファリス「顔を隠してる奴ってのは、大体何かを抱え込んでいっぱいいっぱいの奴だ。
     それかとんでもない変わり者か」

カイン「俺が後者であるという可能性は」

ファリス「ねぇな。あんたはまともだよ、すこぶるまともだ。
     だからこそ、陥ってしまう負の感情があるんじゃねぇのか?」

カイン「……」

ファリス「まぁ、吐きだす相手は俺じゃないだろうが。
     なんにせよため込みすぎは良くないぜ。
     誰かに聞いてもらうなり、発散するなりすることだな」

カイン「……フッ、なら、その時が来たらお前に酒でもおごってもらおう」

ファリス「酒はパス」

カイン「ん?」

ファリス「飲んだら寝ちまうからだ」

カイン「……」

………………


大空洞



スコール(あっさりと来たが……)

エアリス「ここから、星の中心部まで行くから」

スコール(簡単に言ってくれるが、もしかしてここはとんでもない場所なのではないか?)

ティファ「……あっちの世界でも行ってきたけど、
     相変わらず、不思議なところね」

ビビ「っ……なんだか、ゾワゾワする」

アーロン「……」

ユウナ「ここが、大空洞……」



スコール「……ずいぶん入り組んでいるようだな」

エアリス「そうみたいだね、迷路、なのかな?」

ティファ「迷う道であることは確かだけど、
     でも、どの道も最後には星の中心にたどり着くわ」

スコール(結局たどり着く場所は一つか。
     班を分けるか?)

ティファ「……参考になるか分からないけど、
     大規模な戦闘は最奥までなかったわ。
     それに、こっちでは問題のセフィロスが死んでいる。
     大人数で行く必要はないかもしれない」

スコール「……」



1 スコール「いや、二手に分かれて、後に全員合流しよう」(班わけ
2 スコール「五人でこの先を進む。
       メンバーは……」(ティファ エアリスを固定メンバーとし、残り三名選出

スコール「いや、二手に分かれて合流しよう」

エアリス「そうね。何があるか分からないもの」

ティファ「あ、そうか。あっちの世界とは勝手が違うものね」

アーロン「さて、どうわかれる?」



スコール(そうだな……)


1 スコール班 ビビ ファリス セシル カイン 
  ティファ班 エアリス クラウド アーロン ユウナ 

2 ティファ班 スコール ビビ ファリス ユウナ
  エアリス班 クラウド アーロン セシル カイン

3 その他(細部指定でも ぼんやりと指定でも可


スコール「……こうなったか」

アーロン「こっちは俺が仕切るという話らしいが?」

スコール「年長者に任せたい。実力も兼ね揃えているあんたならなおさらだ」



アーロン「いいだろう。
     なるべく期待にはこたえるさ」

ファリス「頼むぜおっさん」

セシル「尽力する」

カイン「悪くないメンツだ」

ユウナ「よろしくお願いします」




エアリス「じゃ、こっちは私が仕切るのかしら?」

スコール「……」

ティファ「大丈夫、スコールならリーダーとして最適だと思うわ」

クラウド「特に異論はない」

ビビ「大丈夫、かな?」




スコール「では、最奥でまた」

アーロン「ああ。お互い、気をつけてな」




………………


アーロンチーム



アーロン「しかし、いいのか?
     お前は残っていても良かったんだぞ?」

ユウナ「いいえ。召喚師としての宿命以前に、
    放っておけませんから」

ファリス「まぁ、召喚術が使える奴がいるってのは心強いな」

ユウナ「あと、白魔法も心得があります」

セシル「補助に魔法の使えるアタッカー二人、暗黒騎士に竜騎士、そして回復役。
    万全な布陣だね」

カイン「俺らの方が足手まといにならんと良いがな」

ファリス「そう言いながらも槍を持つ手には余裕があるな?」

カイン「フッ、そう見えるなら良かったさ」



セシル「ところで、召喚師の宿命、と言うのは一体何なんだい?」

アーロン「……」

ユウナ「……どうして、それを聞くんですか?」

セシル「もし大変な道のりなら、僕たちにも手伝えることがあるんじゃないか、と思ってね。
    ……それに、君たちの住む村を焼き払ってしまったのは僕たちだ。
    何か、できることがあるのなら言ってほしい」

カイン「……」

アーロン「気持ちだけありがたく受け取っておこう。

     ……と言うには、少々難しい旅なのでな。協力してくれるというのなら拒みはしない」

ユウナ「っ!」

アーロン「お前が信用するというのなら、だがな」

ユウナ「はいっ、セシルさん達についてきてくれるのなら、とても心強いですっ!」

ファリス「ほぉぉ、で、召喚師の宿命って何なんだ?」



ユウナ「……私たちは、村を守るための召喚獣を代々受け継いでいます。
    しかし、私たちの本当の宿命はそれだけではなく、
    いずれ訪れる最大の災厄を、『究極召還』で振り払うことなのです」

ファリス「きゅーきょくしょーかん」

ユウナ「……はい」

アーロン「その召喚術を得るために、召喚師は旅をする必要がある。
     究極召還の力は術者の能力に起因する。術者の力を強くするためには、
     各地の召喚獣の力を借りなくてはならない」

ユウナ「もし、手伝っていただけるのなら、そのたびに同行してほしい、と言うのが
    わたしの願いです」

ファリス「……召喚獣ねぇ」

セシル「なるほど」

カイン「……では目的は違えど、この旅はむしろ好都合なのではないか?」

アーロン「確かに、この度は各地の異変を解決する旅。
     大きな異変には召喚獣が関わってくる可能性もある。
     しかし、だ。召喚獣をメインに探しているわけではない」

ユウナ「……そうなんです。
    召喚獣を探さないと、私の召喚師としての力は強くなりません」

セシル「そういうことなら、別行動をとるしかないのかな、彼らとは」

ファリス「……ん? ああ、別にいいと思うぜ?
     各々の目的があるだろうし。俺なんかは元の世界に戻るのが目的だしな」
     ていうか、お前たちの王様の件は良いのかよ?」

セシル「……バロン王に関しての情報も集めようと思う。
    それに召喚獣を探すのであれば、バロン王国に行くことも考えた方がよさそうだ」

カイン「あの噂か? 召喚獣と決定づけるには信ぴょう性に欠けると思うが……」

アーロン「強力な召喚獣であれば行く意味は十分ある」

セシル「のちの選択肢として考えてもらえればいいさ」



ファリス「まぁ、未来の旅の話も、ここでしくじってちゃどうにもならんと言うわけで」

アーロン「……そうだな」スッ

ファリス「どうやらこの大空洞ってやつは、一筋縄じゃいかない場所みたいだな。
     とんでもない奴が来そうだぜ」

セシル「……っ」


……………………


……………………


エアリス「ティファ? 大丈夫そう?」

ティファ「ええ。大丈夫。不安があるとしたら、この先で待ち構えているのがセフィロスじゃなかった場合、くらいよ」

クラウド「セフィロスは、死んだはず……だが、魂が邪魔をしている。
     って認識でいいんだな?」

エアリス「そうだと思う。
     こんなこと、彼くらいしかできないんじゃないかな?」

クラウド「……俺も、そう思う。あいつならやってやれないことはないんじゃないかってね」

ビビ「そんなとんでもない人だったんだ……」

スコール(ティファが規格外に強くなりすぎていたせいか、
     それとも、元の世界ではもっと強かったのか……あの時は何とか勝てたが、

     いずれにせよ、GFを新たに四匹手に入れた俺でもかないそうな相手ではなかった。
     この依頼にこだわる必要性を新たに考えるべきか、もしくは)

スコール「……あの男は、どうしてあんなに強い力を持っているんだ?」

エアリス ティファ「……」

クラウド「セフィロスはそういう奴だ。あとは、ソルジャーとして魔晄の光を浴びているせいもあるだろう」

スコール「魔晄の光……」

クラウド「ここでははっきり見える。この緑色の光だ。
     この光から人体を活性化する成分を抽出し、照射する。
     それによって一般人よりもより強靭な肉体を持つソルジャーが生まれる」

スコール「あんたも、ソルジャーなのか?」

クラウド「ああ。元、だがな」

ティファ「……」

エアリス「ライフストリームは、命の源。
     魔晄は、ライフストリームを使った力……

     でも、それだけじゃあんなに強いソルジャーは生まれない。
     もう一つ秘密があるのと、セフィロスにいたっては、
     彼がそう、本当に人間として優秀だった。それだけ」

ビビ「優秀な人なのに、あんな悪いことするなんて……」

エアリス「そうだね。おかしいよね。
     もっと、彼が優しい環境にあったなら、こんなことにならなかったのかもね」

ティファ「……そうなのかな」

エアリス「そうだと思うよ。だって、セフィロスだって他のソルジャーと変わらない人間なんだもん。本当は」

クラウド「……あいつは、自分のことをモンスターと同じだと、
     ジェノバから生まれた存在だと言っていたが」



エアリス「セフィロスも人の子だよ。
     ちゃんとお母さんがいて、お腹を痛めて生まれた子。
     生まれた理由がどうあれ、それでも、彼にはちゃんと母親がいて
     その母親は、彼のことをちゃんと心配してる」

クラウド「……」

エアリス「……ん」

ティファ「セフィロスのお母さんって……でも、エアリスはどうしてそこまで」

エアリス「ライフストリームのご加護です」ナムゥ

ビビ「……なにそれ?」

エアリス「まぁ、私だってセフィロスほどじゃないけど、
     死んでも世界に影響を与えることはできるわけよ。
     だから、ちょっとは知ってるわよ。私が死んだ後の色々とか」

ティファ「そう、だったんだ」

クラウド「セフィロスにも、母親がいる。
     ……会わせてやることさえできれば、何か変わったのか?」

エアリス「たぶんそう、きっと、そう。
     人間って、環境で変われると思う、から」



スコール(環境で変わる、か。
     特別な相手さえいれば、人間は変わるのか?
     
     俺も、変えられそうになっているのだろうか?)



ティファ「っ! やっぱり、元の世界みたくはいかないか……っ!」

ビビ「え? え、もしかして、何か、いる?」

スコール「……構えろ」

クラウド「言われなくてもそうするさ」



……………………


アーロンチームのボス戦(FF限定
>>337


スコールチームのボス戦(FF限定
>>338

寝ます。

ザルエラ

ダイヤウェポン



アーロン「死神か?」

ファリス「……確か、ライフストリームってーのは生命エネルギーでもあり、」

セシル「人が死んで、行きつくところ……と言う話だったね」

カイン「皮肉なものだ」

ユウナ「……この多くの生命エネルギーに吸い寄せられて、どんなモンスターが出てもおかしくないんだと思います」


ファリス「しかけてくる様子はない、が。
     どういうことかどいてくれる様子もない」

カイン「簡単なことだ。我々の命を狩り取るつもりなのだろう」

ザルエラ「……ブツブツブツ」

ユウナ「……っ! 隠れてください!」

四人「っ」ザッ


ザルエラ「……ブツブツブツ……」



アーロン(散り散りになったか……)

ファリス(しっかし、まずいな)

セシル(まさかすでに詠唱が始まっていたとは)

カイン(よけたと思ったが……)






ユウナ「皆さん、大丈夫ですか?」





アーロン「いいや、持ち直すまで少し時間がかかりそうだ」ドンアク

ファリス「zzz」睡眠

セシル「っ……こちらも、大丈夫ではなさそうだ」半石化

カイン「……っ」ストップ






ユウナ「これは酷い」


アーロン「回復に回れ! その間、奴の注意は俺が引きつける」

セシル「っ、気をつけて。他にもモンスターが湧き出ている」




アーロン(どういうことだ? 腕が動かんが、走って移動することはできる。
     精神系の状態異常か? なんにせよ、攻撃することはできそうにない)

ザルエラ「……」ファッ

アーロン「ぐっ!?」ザシュッ

アーロン(しまったな。防御行動も取れない。
     移動以外のこちらの行動が制限される状態らしい)

ユウナ「アーロンさん!」

アーロン「こっちはいい。はやく全員を戦線に復帰させろ!」

ユウナ「……っ はい!」





ザルエラ「……ブツブツブツ」

アーロン「! また、魔法か」

ザルエラ「……っ」カカッ

アーロン「くっ」ズザァ (即死魔法も使うのか、面倒な奴だ)



ユウナ「エスナ!」

セシル「すまない。今すぐ彼に合流するよ」

ユウナ「気をつけてください。さっきの魔法は即死魔法の類です。
    おそらく、アンデッドである可能性が高いです」

セシル「即死魔法か、そういう邪悪の手合いなら僕にうってつけだね」

ユウナ「え?」

セシル「伊達に暗黒騎士として王国に召し仕えているわけじゃないってことさ。
    できれば、次はカインを復活させてやってくれるかい?」

ユウナ「はい!」





アーロン(回復の気配を察したか? 他のモンスターがユウナに向かって進みだした)

セシル「はぁっ!」ザシュッ

デッドリーボーン「っ……!」ドサァッ

アーロン(……あの剣ではアンデッドの雑魚を散らすには十分にしても、
     親玉と戦うには相性が悪すぎる)

セシル「アーロンさん、お待たせしました」

アーロン「お前がこいつと戦えるのか?」

セシル「……流石、よく分かってますね。
    しかし、暗黒剣で奴を傷つけることはできなくても……」

ザルエラ「……ブツブツブツブツ」カカッ

アーロン「!? ユウナ!」

セシル「っ!」サッ バシュゥゥゥゥ……

アーロン(即死魔法を、受け止めた?)

セシル「……アンデッドと暗黒騎士は相性がいいんです。同じ魔の存在ですからね。
    不意打ちでもなければ、暗黒騎士の鎧はアンデッドの攻撃を寄せ付けませんから。
    あなたと僕なら、このモンスターに対する盾としては最適でしょう?」

アーロン「……ふん、よく見ているな」

セシル「ええ。こういう技を磨いているだけに、異形の者には敏感なんです」

アーロン「死者と暗黒騎士で、アンデッドと戦う、か。
     まるでどちらが悪者か分かったものではないな」

セシル「確かに。しかし、我々には大義があります」

アーロン「行くぞ」

セシル「はいっ!」








アーロン(とはいっても)

セシル(攻撃手段がないんだった……)

ザルエラ「ブツブツブツブツ……」カカッ










ユウナ「デスペル!」

カイン「っ!? くっ、ストップか……
    状況は!?」

ユウナ「アーロンさんとセシルさんが戦っています。
    敵はアンデッドです」

カイン「アンデッド? セシルでは相性が悪すぎる。
    ……まてよ? ファリスはどうした」

ユウナ「ファリスさんは……」

ファリス「zzz」

カイン「……ふんっ!」ファッ

ゴッ

ファリス「いでぇええええっ!?」

カイン「起きろ! 戦うぞ!」

ファリス「ああ? ん? ああ? 何?」

カイン「どうやらまだ起きていないらしいな」

ファリス「起きた! 起きたから!」

カイン「それだけ寝起きが悪いんだと酒の約束はできそうにないな」

ファリス「それはこっちからごめんだって言っただろ」

カイン「行くぞ!」

ファリス「おう」





アーロン「っ……」

セシル「打つ手がないというのも辛いな」

アーロン「まるでこちらから積極的に拷問を受けているようだ」

セシル(即死魔法が効かないとわかって通常攻撃に切り替えてきた。
    知能は十分にある)

アーロン(加えて、状態異常魔法を合わせて使ってくる。
     早く決着をつけなければジリ貧だ)




ザルエラ「……ブツブツブツ」カカッ

アーロン(即死魔法? ……まさかっ!)

カイン「応戦する!」

セシル「っカイン、跳べっ!」バシュゥゥ

カイン「そのつもりだ」シュタッ

アーロン(即座にカインの盾に回ったか、戦い慣れているな。
     そちらの心配はいらなそうだ)




カイン(アンデッドと聞いてどんな見た目かと思ったが、
    女を抱えて戦っている? ふざけた見た目だ)

ザシュウゥゥ

ザルエラ「ゥゥ……ブツブツブツ」

カイン「!?」(反撃が早い!?)

ファリス「ミュート!!」




ザルエラ「………………」スカッ

カイン「?」スタッ

ファリス「っ」エッヘン

カイン「……」フッ

ファリス「っ!」チャキン





カイン「……くぞっ!」

ファリス「おうっ!」

アーロン(無音で会話をするな)




ファリス「アンデッド相手ならこれだろ!
     ……ホーリー!」カカッ

ザルエラ「……ブツブツブツ」

ファリス「……んなっ!?」

カイン「っ……効いていないようだが?
    お前、本当に魔法の素質はあるのか?」

ファリス「どちらかといったらねぇけど、
     威力のない魔法を打つ酔狂はないつもりだ」

ザルエラ「……ブツブツ」カカッ

ファリス「うわっと!?」

カイン「っ、隙が少ないな。決定打に欠ける」




ザルエラ「ブツブツブツ……」

カイン「状態異常魔法と、即死魔法の出所は違う」

ユウナ「え?」

カイン「俺はあの骸骨の部分に攻撃した。反撃で飛んできたのは即死魔法だった。
    見た目からして、骸骨の部分が本体。女の部分は補助的に付いているものだと推測できる」

セシル「女の部分は、アンデッドではないという可能性は?」

カイン「それはわからん。しかし、どうしてそう思う?」

セシル「暗黒騎士としてのカンというか、奴からは魔の存在と聖なる存在の二つを感じることができる。
    あの見た目なら、どちらが聖かと疑わしくはあるが……まぁ、どちらかというと、ね」

ファリス「あの女の部分が聖属性を無効化してるのか」

アーロン「なら、ぶった切るしかないな」

ファリス「ん? でもあんた」

アーロン「安心しろ。
     逃げるだけにはもう飽きた」スッ



ユウナ「よかった。全員復活しましたね」








セシル「合わせてくれ、カイン。
    みんなも、それに続いて」

カイン「任せろ」

アーロン「先陣は任せた」

ユウナ「相手は、アンデッドなんですよね。わかりました」

ファリス「とっておきを喰らわしてやるぜ」





ザルエラ「ブツブツブツ……」カカッ

セシル「即死魔法は僕が受け止めるっ」バシュゥゥゥ……

ザシュッ!

セシル(女の部分を切りつけた、反応は……)

ザルエラ「……ブツブツブツ」カカッ

セシル(やっぱり、反撃は状態異常魔法だ)

カイン(その隙に、上から穿つ……!)ヒュゥゥゥゥ……

ドスン!!

ザルエラ「!!」

カイン(今度は俺が骸骨側に一撃、
    連続して両方に攻撃を加えた。ひるんでいる今なら大味な攻撃でも十分通る)



アーロン「消し飛ばしてくれる」ファッ



ドッシャァァァアン!!

ザルエラ「――――――!!!」

ファリス(女の部分が消し飛んだ! 流石!)



ユウナ(今なら、ただのアンデッドでしかない……!)「アレイズ!!」

ザルエラ「――――――――――――!!!!!」ウゴゴゴゴ……




ファリス「ん? やったか?」

ザルエラ「…………」ピクピク

アーロン「本体は所詮アンデッド。回復魔法には弱いもんだ」

ユウナ「とどめ、させたんでしょうか」

ファリス「……いや、まだみたいだな」

ザルエラ「……ブツブツブツ」




ファリス「んじゃ、喰らえ、とっておき。
     ラストエリクサー」ダバダバダバ

ザルエラ「――――――――――――!!!!!」ウゴゴゴゴ……シュウゥゥゥゥ……




アーロン「……それ、結構引っ張るな」

ファリス「あるものは有効利用するに限るだろ!」

ユウナ「何はともあれ、何とか勝てましたね」

アーロン「ああ、そのようだが、
     先陣を切った二人を回復してやってくれ」



セシル(石化「……」カティーン

カイン(石化「……」コティーン



ユウナ「は、はいっ!」


ファリス「はぁぁ、しかし、なんだな。
     ただのモンスターにしては濃い奴だったな」

アーロン「……」

ファリス「ん? おっさん?」




アーロン「……ユウナ」

ユウナ「エスナ! はい?」

アーロン「……語りかけてみろ」

ユウナ「え? でも……」

アーロン「見た目はアレだがもしかすると」

ユウナ「まさか……」



アーロン「ああ。召喚獣かもしれん」





セシル「……早速、一仕事できたかな」

カイン「しかし、この様子だと向こうのチームも何かとぶち当たっていそうだな」

ファリス「まぁ、スコールもいるし、いざとなったらティファが何とかしてくれるだろ」

アーロン「規格外の奴じゃなければ、だがな」



……………………

………………

スコールチーム



スコール(このデカさは規格外だろ)

ダイヤウェポン「グルルルルル……」ズシーン ズシーン

ティファ「……そういえば、メテオの後でも出てこないと思ってたわ」

エアリス「こんな開けた場所がここにあるのも驚きだけど、
     まさか、ここにいたとはね」

クラウド「どうしてそこまで冷静でいられる」

スコール(全くだ。ビビを見てみろ)

ビビ「あわわわわわわわわわわわ」




スコール「参考までに、あんたはこれを倒したことがあるのか?」

ティファ「……ないわ」

スコール「……撤退だ」

ビビ「さ、賛成!!」

ティファ「でも、足止めするくらいのことはできた。
     ……今の私なら、やってやれないことはないわ」

スコール(その自信を少し俺にも分けてくれ。あとビビにも)


クラウド「……正直、無謀じゃないか?
     あんなのセフィロスでも……」

ティファ「言っておくけど、セフィロスはあれよりもずっと強かったわ。
     ……とはいっても、黒マテリアを取り込んだ、あっちの世界のセフィロスだけどね」

クラウド「っ、なんだって? こんなのを、セフィロスが……?」

ティファ「直接セフィロスとこいつは戦ってないけど、手ごたえが違うもの」

エアリス「どうする?」

スコール「……ティファを軸にして戦う。
     後はサポートに回ってくれ。
     それと、一応俺も前に出る」

ティファ「え、でも大丈夫なの?」

スコール(どうせやるしかないんだろ。
     ならせめて俺は俺にできることをやるまでだ)

スコール「ああ、覚悟を決めるさ」

ティファ「……いいけど、助ける余裕はないかもしれないわよ?」

スコール「ああ。気にしないでくれ」

クラウド「……俺も、前に出よう」

ビビ「戦うの!? 本当に、あれと!?」

スコール「ああ。どのみちアレを片づけないと先には進めない。
     先に進めないとメテオが落ちてくる。
     ……残念ながら、またこういう状況だ」

ビビ「っ」

スコール「……いけそうか?」

ビビ「ん、うん。大丈夫。落ち着いたよ。
   それに、スコールさんが前に出て戦ってくれるなら、大丈夫な気がする」

スコール(あんまり頼られても困るが……しかし、そのつもりだ)





ダイヤウェポン「グルルルルル……」ズシーン ズシーン

スコール「来るぞ」

四人「っ!」ザッ




………………

………………

前衛

ダイヤウェポン「グゴァァァッァア……」キュピン!

ティファ「こいつは光の玉を飛ばす攻撃を多用してくるし、
     隙あらば踏みつけようとしてくる。
     近づくなら足元には近寄らないで!」

クラウド「ああ、わかった」


………………

後衛

ビビ「サンダラ!」

ダイヤウェポン「ググゥゥゥウ……」バチバチバチ

エアリス「雷属性が弱点みたいね」

ビビ「そうみたいだけど……僕の魔法じゃあんまり」

エアリス「そうかな? 攻撃魔法の素質なら君の方が上だと思う。
     マテリアを見せてもらえる?」

ビビ「マテリアって、あの魔晄が何とかかんとかってやつのこと?」

エアリス「……あっ、そっか。

     ちょ、っとまって? てことは、貴方マテリア無しでその魔法を放ってるの?」

ビビ「え? うん。そうだけど」

エアリス「そっか。そうだったんだ。すごいなぁ、他の世界の人は……」

ビビ「え、え、なんなの?」

エアリス「ちょっとまってね」ゴソゴソ

ビビ「わわっ!? な、なにするの?」




………………

前衛

スコール(敵の動きは緩慢だ。よけることに集中すればなんと言うことはない。
     しかし、一撃でも喰らうと手厚い回復魔法の恩恵を受けなくてはならない。

     防御面にジャンクションを割いている今の俺では回復役も厳しいだろう)

ティファ「せいっ! はぁあっ!」ドゴォ!!

スコール「っ」ボガァァァン!

クラウド「はぁっ!」ズバァッ!

スコール(おまけに装甲も厚いし、程度の軽い攻撃ではすぐに傷口がふさがってしまう。
     ティファの機動力と攻撃力ならダメージソースにはなりうるが……
     そこに期待してばかりだと長期戦になるな)



ダイヤウェポン「グゴァァァ……」キュピィィン



ティファ「くっ」サッ

クラウド「っ」パリィ

スコール「……」パリィ

スコール(いや、長期戦にしても、一撃一撃が重すぎる。
     光弾を防ぎ損ねただけで大ダメージ必至だろう)



ビビ「サンダガ!」

ズゴォァァァアアアアアア!!

ダイヤウェポン「―――――!?」バヂバヂバヂ



………………


………………
後衛


ビビ「な、何これ!?
   これがマテリアの力!?」

エアリス(確かにマテリアによる魔法だけど、
     やっぱり使用者自体が魔法の使える存在だととんでもない威力になるのね)

ビビ「これなら、うん。僕でも戦えるよ!」

エアリス「でも、一旦隠れた方がいいかもしれないわね」

ビビ「え?」


………………

前衛

ティファ(今のは、ビビの魔法?
     いつの間にあんなに強く……)

クラウド「行けるな」

スコール(確かに高威力、この化け物にも相当な痛手となったようだ、が)

ダイヤウェポン「グゴァァァ……」キュピィィン

スコール(それ故に、攻撃対象はそちらへ向く。
     そこまではなんとなくわかっていた。

     ……だからこその防御力へのジャンクション振りだったんだ)




ボボボボボボ!!!!!

ティファ「! 避けてっ!」

スコール(発射された光弾は六つ。
     スピードには多少自信はあるつもりだが……)スッ

ザシュン!!

スコール(一)

ザシュン!! ザッシュン!!

スコール(二 三)

ザン!! ザ!!


スコール(……五、これ以上腕を振るのは限界だ。
     やっぱり、防御力に振って正解だった)

バッ

ティファ「スコール!!」

バシュゥゥゥゥ!!

スコール「――――!   っ?」


………………

後衛


ドッサァァッ


エアリス「きゃっ!? 何!?」

スコール「……」ピクッ ピクッ

ビビ「スコールさん!!」


エアリス「え、ここまで、飛ばされてきたの?」

ビビ「っ、そうみたいだ。
   さっきの光の弾を受け止めたんだ……」

エアリス「……とにかく回復ね」

ビビ「っ、僕が、狙われてたってわかってたんだ。スコールさんは……」

エアリス「……」ポァァァ……

ビビ「……」



ビビ(僕が、戦えるなんて思ったから……)


ビビ「!」

ビビ(違う、今は、戦わなくちゃいけないんだ。
   ここで戦わないと、勝たないと……
   今のスコールさんよりももっと、とんでもないことになっちゃう)



ビビ「ごめんなさい、スコールさん。
   次は、もっと上手く、隠れながら戦うよ」

スコール「っ…… ん、ああ。いや、気にするな」

スコール(身を挺して……と言うところまでは予定調和だった。
     ただ、想定外が一つあった。それだけだ)

エアリス「……大丈夫?」

スコール「ああ。
     あんたは、魔法には通じている方か?
     マテリアの装備の傾向は?」

エアリス「補助魔法系と攻撃魔法系かな」

スコール「好都合だ。雷属性での攻撃を頼む。
     それと……」



………………


前衛 物影



ティファ「コアが開かない……」

クラウド「コア?」

ティファ「ええ。前に戦ったときは光の弾を出す時にコアが開いて、
     そこを狙うとダメージを与えやすかった。

     でもこのダイヤウェポンは……」





スコール「開かなければこじ開けるしかない」

ティファ「ちょ、あなたちゃんと回復してきたの?」

スコール「問題ない」

スコール(正直もう少し回復したいところだが、
     傾向と対策次第だ)

クラウド「……かなりのダメージを受けたようだが」

スコール「ああ、勘違いしていた」

ティファ「どういうこと?」

スコール「こいつの飛ばす光の弾は魔法攻撃だ。
     そして、やたらとその威力も高いし、魔力の反応が強いと思ったら……
     こいつの存在そのものが魔力に近い何かなんだ。
     
     あんたらの言葉でいうところの、マテリアでできているようなものなんだ」

ティファ「……そういえば、私でも手傷を負わされたものね」

クラウド「手傷で済む相手なのか?」

スコール(こちとら重度のやけどを間に合わせで回復してきたところだったんだが)

ティファ「何よその目は……」


スコール「そこで、あんた達にはこのマテリアを装備してもらいたい」

ティファ「……『ふうじる』?」

クラウド「……『ついかこうか』を狙えば、光弾は防げる、ということか?」



スコール「いや、『ぞくせい』だ」



ティファ「でも、そのマテリア同士は反応しないと……」

クラウド「……サイレスを、属性として使う……?」

スコール「ああ。サイレスは魔法を封じる魔法だ。
     その力を属性として付与することで、
     魔法と似た存在であるあいつにダメージは十分通る」

ティファ「でも、そんなの試したことないわ」

クラウド「……やろう」

ティファ「クラウド……!」

クラウド「時にはこうした、突拍子もない作戦が道を切り開くものだ。
     それに理屈もなかなか通っている。乗らない手はない」

ティファ「……っ
     まぁ、やるにはやるけど」

クラウド「で、マテリアはふた組しかないようだが?」

スコール「問題ない。俺は俺で同じことをジャンクションでやるだけだ」

クラウド「……よく分からんが、とにかく前衛は三人でいいんだな?」

スコール「ああ」

クラウド「これで高火力が狙えるというのなら、考えがある。
     その作戦にスコール、あんたも織り込み済みなんだが、」

スコール「聞かせてくれ」

ティファ(淡々としたやり取りね……)



………………


後衛


ビビ「うわぁぁぁあん!」ダダダダダ!

ダイヤウェポン「グゴァァァ……」キュピン!

ドゴォォ

ビビ「ひぃっ!」サッ

ビビ(隠れながら戦うも何も!
   完全に目をつけられてしまったみたいだ!
   ずっと追ってくる!!)

エアリス「前衛が作戦会議中だから、もう少しの辛抱よ。
     ケアル!」

ビビ「ありがと……」(でもエアリスさんは狙われてないから隠れてるだけ……)

エアリス「大丈夫、いざとなったら代わってあげるから。
     それまでは頑張れ男の子っ!」

ビビ「うっ、うん!」(ず、ずるいや。いろんな意味で)



ダイヤウェポン「グゴォァァァ……」キュピ

クラウド「こっちだ!!」ッザン!!!!!!



ダイヤウェポン「グギャアァァァォォオオ……!!!」

ビビ「! クラウドさん!」


クラウド(確かに、サイレス属性の攻撃が効果的だ。
     切れ味が全然違う!)

ダイヤウェポン「ググウゥゥゥウウ……」グルゥン

クラウド(こちらを向いたな)「今だ!」

スコール「っ っはぁあっ」

ザシュン!! ザシュン!! ザッシュン!! ザン!! ザ!!

ダイヤウェポン「グギャアァァァォォオオ……!!!」

スコール「ふぅぅ……」(一瞬で、なら五回が限界か)

ティファ(クラウドが注意をひいて、スコールが連続剣で足を狙う。
     そこで、ダイヤウェポンの体が前のめりになったところで……

     渾身のアッパーを繰り出す!!)

ティファ「はぁあああっ!!!」

ドッゴォォオオオオオオオ!!!!

ダイヤウェポン「っ―――――――!!!!」メッシャァァァッ

ティファ「! 装甲が破れた!」

クラウド(あれがコアか……
     あそこに破晄撃を叩き込みさえすれば……!)

ダイヤウェポン「グゥゥウウウ……」キュピ



ビビ エアリス「サンダガ!!」

ダイヤウェポン「グゴァァアァァア!!!」バヂバヂバヂバヂ

クラウド(っ! 良い判断だ!)

クラウド「はぁぁあっ!」ズバァァアアッ!

ダイヤウェポン「―――――――――――!!!」ゴゴゴゴゴゴ……


ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


スコール「……ものすごい音がするんだが」

ティファ「わかんないけど、倒れてくるんだとしたら……」

クラウド「逃げるぞっ!」




ズズウウゥゥゥゥッゥゥウン……








スコール「……やったようだな」

ティファ「……どう、かな」

クラウド「動く様子はないな」

ビビ「みんな、大丈夫?」

エアリス「無事みたいだね」

クラウド「ああ、おかげさまで、何とか勝てたよ」

エアリス「やるじゃない、クラウド。
     流石は元ソルジャー」

クラウド「当然だ」

ティファ「……」『え、そのスタンスで行くの?』ゴニョゴニョ

エアリス『もっと段階を踏んで、自分を理解してほしいからねぇ。
     大丈夫、いずれは……ね』ゴニョゴニョ




スコール「……」

ビビ「スコールさんが飛んできたときにはびっくりしたよ」

スコール「……よく、最後まで戦ったな」

ビビ「え? あ、うん。
   えっと……ほら、勝たないと、ダメだって思って……」

スコール「?」

ビビ「スコールさんが言った、『勝たなければ死ぬ』って言葉が、すごく印象に残ったんだ。
   そうやって考えれば、こういう戦いも怖くないって、
   ……いや、少しは怖いけど、でも僕の戦う理由にはなるから……」

スコール「……」

ビビ「ごめんなさい。ちょっと、話まとまらなくて……
   でも、とにかく僕がこうして戦ってるのは、スコールさんの言葉のおかげだよ」

スコール(俺も、知らないうちに人を変えているのか。
     あんな言葉でも人の引き金にはなってしまうんだな。
     責任重大だ)

スコール「実際に努力したのはあんただ。
     俺のおかげとかではないさ」

ビビ「ううん。それでもありがとう」

スコール「……そうか」



………………

………………


最深部


そこにいたラスボス?

1 セフィロスの残留思念
2 その他
3 ケフカ


ティナ「……」ボーッ……



エアリス「……っれー?」

クラウド「……セフィロスが居るんじゃなかったのか?」

ティファ「ていうか、誰?」

スコール(妙な見た目、という以外、ここにいるのに似つかわしくない少女だ。
     敵意があるのかどうかすらもわからん)

ビビ「……っ!」ゾワゾワゾワ……



エアリス「まぁ、セフィロスだって言う確証はなかったけど、
     まさかまったく無関係の人がいるとは……ね」

ティファ「女の子、よね。すごい髪の色だけど」

クラウド「……話しかけるか?」

エアリス「この状況で安易に話しかけるのも怖いよね。
     ……一応、ホーリーを邪魔してるのは彼女だし」

スコール(ということは、何にしろあの女をどうにかしないと話は進まないのか)

ティファ「敵意があるとわかってるなら、先手必勝なんだけどね」

ビビ「……う、迂闊に手を出さない方がいいんじゃないかな?
   多分、ただの人間じゃないと思う、し」

ティファ「確かに、ここにいる時点で相当な人よね」

ビビ「ううん、違くて……
   その、あの人の魔力なんだけど、もしかしたらドーガさんよりも、もっと凄いかも……」

クラウド「あの爺さんか。すごいのか?」

ティファ「……ええ、あのおじいさんですら、地図を書き換えるレベルの攻撃魔法を使える。
     それを上回るってことは」

エアリス「そんなのとここで戦うの?
     ……決着がつくまでに星が死んじゃったりしないかな」

スコール「星の仕組みについてはよく知らないが、
     そういう可能性があるのなら戦闘を避けるように考えた方がよさそうだな」



………………

アーロンチーム


アーロン「……見えるか?」

セシル「ええ。スコール君たちはもう到着しているようですね」

カイン「こちらには気付いているか?」

ファリス「おーい」ヒラヒラ

ユウナ「あ、気付いたみたいですね」

アーロン「どうやら、あの少女に対する行動について、あちらも悩んでいるらしい」

ファリス「邪魔ならスコーンと射抜いちまえばいい」クイッ

カイン「何の躊躇もなく弓を引こうとするな」

ユウナ「そうですよ。もし何かあれば……」

セシル「……先手……か」



1 会話を試みる (キャラ指定可
2 スコーン
3 ザルエラ召喚
4 先手必勝 (キャラ指定可
5 その他

おやすみ


スコール「……」(さて、どうするか)

ティファ「ん? え、ちょっと。
     あっちにファリス達が居るけど……」

エアリス「ホントだ。って、何してるのあの人」

ビビ「……弓、構えてるね」

クラウド「先制攻撃か? こっちはどうする?」

スコール「さっきのダイヤウェポンと違って、言葉は通じるだろう。
     話しかける価値くらいはあるんじゃないか?」

ティファ「え、じゃあ話しかける?」

スコール「バトルする必要がないならそれに越したことはない」

ビビ「あ、それじゃあファリスさんに攻撃をやめさせないと!」

エアリス「っ っ!!」 バッテン バッテン

クラウド「伝わったみたいだな。とりあえず弓は下げたぞ」





ファリス「うちの隊長が何か考えがあるらしいぜ」サッ

アーロン「ほう。それならお手並み拝見と行こうか」

カイン「いつでもやれる準備だけはしておこう」

セシル「そうだね」

ユウナ「……」





エアリス「じゃ、話しかけるならスコールがいいかしらね」

スコール「……それを今から話し合おうと思っていたんだが」

エアリス「いや、消去法よ。

     まず、闘志むき出し緊迫感大絶頂のティファは無理でしょ」

ティファ「え、私そんなに殺気立ってた?」

クラウド「割と」

エアリス「ビビ君には荷が重すぎると思うし」

ビビ「う、うん」

エアリス「クラウドは弁が立つ方じゃないし」

クラウド「……」

エアリス「あっちのチームも、アーロンさんは強面でしょ?
     ごついカインさんと暗黒騎士さんは威圧感を与えそうだし、
     ……ファリスさんは申し訳ないけど論外で、
     ユウナちゃんはもしもの時に戦闘行動に発展したら対応しきれないかもしれない」

スコール「……」

エアリス「……あ、私も、近接格闘は苦手なので」

スコール「……」



エアリス「というわけで、お願いね、スコール」

スコール(反論の余地もない)




………………


スコール「……」ザッ

ティナ「……?」キョロ



スコール(なんと話しかけるべきか)


1 スコールなりに友好的に
2 敵対心をあらわに
3 会話するより先に飛んできたのはわりと強めのファイガだった
4 その他


スコール(どうする 何かふさぎこんでいるようにも見えるな。
     なんなんだ。見れば見るほど良く分からん。
     緑色の髪? なんだそれ。怖い。
     ちょっとまて、何を考えていたんだっけ?
     やばい、思った以上に混乱している。

     ……落ち着こう)



エアリス「……大丈夫よ。初対面でリノアをナンパするくらいの度胸の持ち主なら、
     あのレベルの美少女でも気兼ねなく声をかけられるはず!」

ティファ「あれは事情が違うと思うんだけど……」



スコール「……や、やぁ。あんた、こんなところで何をしているんだ?
     こんなところでふさぎこんでるより、外に出ないか?
     今日は、いい天気だぞ?」




ファリス「ヘタクソか!!」ギリギリギリギ

カイン「やめろ! スコールの眉間に傷を増やすのはやめろ!」




ティナ「……」

スコール(死にたい)

スコール「……あー、なんだ。初めて会っておいてなんだが、
     こんなところにいるってことはあんたも何か、大変なものを背負っているんだろう?
     よかったら聞かせてくれないか? 事情があるなら……」

スコール(これでいいのか? ……いいや たぶん違う)




アーロン「……なんであいつは自分から話しかけに行ったんだ?」

ユウナ「しかもあんな辛そうな顔で……」

セシル「何かの拷問でも見ているかのようだ……」




ティナ「……」



ティナの反応

1 ファイガ 戦闘開始
2 メルトン 戦闘開始
3 ティナ「……私は、ホーリーを止めるべくここにいる」会話成立
4 ティナ「……」(無反応)
5 ティナ「……っ」トゥクン
6 その他



ティナ「………………」ジ-……

スコール「……」

ティナ「………………」ジー……

スコール「……っ」

ティナ「………………」ジーッ……




ボキッ





エアリス「心の折れる音が聞こえたわ」

クラウド(人のことは言えないが、それでももう少しうまくしゃべれなかったのか……?)







ティナ「……あなたは」

スコール(喋った!?)ビクッ

ティナ「いつも、そんな風に喋ってるの?」

スコール(そんなわけないだろう)

ティナ「……ごめんなさい。私、おしゃべり得意じゃないから」

スコール「俺だってそうだ。
     すまない。手短に話させてもらう」

ティナ「その方が、私も答えやすい」



スコール「あんたが居ることで俺たちの邪魔になっている。
     今すぐホーリーを解放してくれ。
     そうでないと俺たちはあんたと戦わなくてはならなくなる」

ティナ「……やっぱり、そうだったのね。
    でも私はホーリーを阻止しなくてはいけない」

スコール「どうしてだ? あんたはホーリーを止めることで何の利益を得る?」

ティナ「……」

スコール「……脅しをかけるようだが、
     俺はあんたを倒してホーリーを発動させることをためらう理由はない。
     これ以上そこにいるというのなら……」チャキッ

ティナ「……」



1 戦闘開始パターンA(スコールとタイマン(強洗脳によりティナの自我崩壊
2 戦闘開始パターンB(スコールとタイマン(ティナの意識はそのまま
3 操り主登場(人物指定可(FF限定
4 その他


ティナ「ごめんなさい」キュイィィィィン……

スコール「……っ」








ファリス「やるか?」

カイン「……ん?」

ビビ「はぁはぁ……良かった、間に合った」

アーロン「……伝令か?」

ビビ「うん、その通りだよ。
   スコールさんからの伝言を預かってるんだ。

   もし戦闘になった場合は、アーロンさん達にはなるべく身を潜めて居てほしいんだって」

*****回想


スコール「……話術がどうのこうのじゃない。
     なんとなくだが、このまま戦闘になる可能性が高いだろう」

エアリス「どうして?」

スコール「なんとなくとしか言いようがない。
     ここまできて邪魔しているんだ。相当な理由があるんだろうから、最後には武力行使しかないだろう。
     とかく、戦闘になった場合なんだが……

     その場合は俺が一人であの女と戦う」

ビビ「で、でも、大丈夫? あの人、生半可な魔翌力じゃないよ?」

スコール「ああ、そうなんだろうな。しかし、いざとなったらクラウドとティファ、エアリスの三人で援護してくれ」

ビビ「……え?」

スコール「もしも、どこかにセフィロスが居るとしたら。
     奴が認識しているあんたたち三人の存在くらいは気付いているだろう。

     しかしアーロン達、他の明確な人数までは予測できないはずだ。
     状況がはっきりとするまでアーロン達は待機して居てもらう」

ビビ「えと、じゃあ、僕は……」

スコール「あんたはその旨をアーロン達に伝える役だ。
     その後、アーロン班と一緒に待機していてくれ」

ビビ「う、ん。わかった」

スコール「……見つからないように素早く移動する。
     たぶん、あんたが適任だ」

ビビ「っ わかったよ……!」


*****


ビビ「……というわけで」

ファリス「俺らは伏兵ってわけか」

カイン「なかなかいい案だとは思うが……」

ユウナ「でも、大丈夫でしょうか」

アーロン「……まぁ、あちらにはティファが居るんだろう。
     いざとなればどうとでもなるさ」

セシル「どうとでもならなかった時だけ僕たちが動けばいい。そういうことだろう?」

ビビ「う、うん。たぶん」



………………


ティナ「……ファイラ!」バシュゥゥン!

スコール「っ」(魔法攻撃タイプか、ダイヤウェポン戦で魔法防御重視のジャンクションに切り替えていて良かった)

ティナ「っ ファイラっ!」バシュゥゥン!

スコール「っ!?」ジュゥッ



ティナ「あきらめた方がいい」


スコール「……」(ダブル……ではないな。補助魔法の効果のようには思えん。
         魔具的なもので補助は受けていそうだが、
         連続で魔法を打つことができる手合いのようだ)

ティナ「それよりも、今すぐにここを離れれば……もしかしたら、生き延びられるかも」

スコール「あの隕石の大きさを見ただろう。
     あれが来たんじゃ、たとえ星の裏側にいてもなんやかんやで人類は死滅するさ」

ティナ「……そんなに大きいの?」

スコール(……メテオ発動の前からここにいたのか?)

ティナ「……でも、ごめんなさい。私にはどうすることもできない」キュイィィン

スコール「っ りふr……シェル!」

ティナ「メルトン」

ッゴォォォアアアアアアアアアアアアア!!!!!

スコール「っっ……!」

ティナ「……メルトン」

ッゴォォォアアアアアアアアアアアアア!!!!!




…………

…………

ティファ「熱っ!」

エアリス「……とんでもない魔法を使ってくるわね」

クラウド「スコールが死ぬ前に出るか」

ティファ「……でも、思ったよりは強い攻撃でもない、かな」

クラウド「確かに、ビビの魔法に比べれば大したことはないか」

エアリス「潜在魔力はその上を遥か超えてる。でも彼女、本気で魔法を放っていない」

ティファ「そういうことみたいね。何だか上の空で戦ってるみたいにも見えるし」

クラウド「……」


………………


スコール「っはぁ……はぁ……」(俺の知っているメルトンとは違う。超高熱の熱風だ)

ティナ「……」キュイィィン

スコール「っ」(魔法の応戦では明らかに分が悪い。
        近づくには……一度よける必要がある。

        こちらの攻勢に気づいていれば、向こうはメルトンのような広範囲で強力な魔法を打つより、
        手堅く牽制のできる魔法を選ぶはずだ。

        とすると……)


ティナ「デスペルっ」

ティナ「ファイガ!」ゴォォォォオオオ

スコール「っ!! スロウ!」

ティナ(術者にスロウをかけても、ファイガの追跡を逃れるのは難しい)

スコール(炎が飛んでくる。このファイガは術者の意のままに飛んでくる代物のようだが……
     そういうものが一番好都合だ)

ティナ「!?」(制御がきかない……?)

スコール「俺がスロウをかけたのは、あんたんファイガに対してだ。
     緩慢な動きの牽制攻撃さえよけてしまえば……っ」スッ

ティナ「っ」

スコール(相手は魔法攻撃タイプ、近接格闘なら……っ)ファッ






キィン!








ティナ「……剣の心得なら、私にもある」ググッ

スコール「!?」ググ

ティナ「っ」シャキン!



スコール(弾かれた!?……いや、違う、引いただけだ)

ティナ「はぁあっ!」キィン!

スコール(からめ取るような剣さばき、だが、しっかりと型がある。
     間違いない、この女、兵士としての訓練を受けている……!)

ティナ「ファイア!」ボッ

スコール「くっ」ザッ

スコール(何らかの剣技と、この女の魔力。
     練り上げた結果、こんな戦い方になったということか。

     おそらく剣の技においては相手の方が上だろう。
     不意を突く攻撃しか相手には通らないと考えなくては……)







スコール「……」

ティナ「近づくことができた人は、珍しい。
    いつもは、魔法で全部終わってしまうから……」

スコール「だろうな。でもあんたはためらっている。
     だから俺は生きている」

ティナ「……」

スコール(剣と魔法。そういう戦い方をする手合いを、どこかで相手をした気がする。
     そう、そいつとの戦いではどうだった?

     俺のやり方、こういう手合いには……)





スコール「っ はぁっ!」フォン!

ティナ「くっ」キィン

ティナ「ファイアっ!」

スコール(そこだっ!)ズイッ!

ティナ(! ファイアを、正面から受け止めた?
    いえ、受け止めただけじゃない。そのまま……)

スコール(魔法攻撃は、相手へのダメージを狙うのが本質ではない。
     自分の隙を隠す意味合いも多分にある。
     魔法攻撃さえ受けきってしまえば、骨を断つのはたやすい……!)




1 寸止め
2 当て身
3 斬る
4 容赦なく斬る
5 ティナの連続魔の方が早かった(負け
6 その他

寝ます、おやすみなさい

ティナ「ファイア!」

ゴォ!

スコール「ぐぅっ!」(早い!?)

ティナ「っ」スッ

スコール「……」

ティナ「二度目の魔法は、ファイラでも間に合っていた」

スコール「……」

ティナ「……どういうことか、わかる?」

スコール(殺す気さえあれば殺せる、といいたいんだろう。
     確かに、もう少し手痛いダメージを喰らえば再起不能になりかけただろう。

     ついでに、今も喉元に付きつけられた剣の冷たい感触が、俺の敗北を濃厚に物語っている)

スコール「……俺の負けだ」

ティナ「……分かったなら。ここからなるべく離れて」





スコール「が、諦めるわけにはいかない」



クラウド「はっ」ブォン!

ティナ「!」サッ





クラウド「……遅かったか?」

スコール「いいや。タイミングは完璧だ」

ティファ「というわけで」

エアリス「形勢逆転ね」


ティナ「……」






ティファ「さぁ、ホーリーを解き放ちなさい」

ティナ「……」

ティファ「……これ以上の抵抗は無駄よ」

ティナ「……無理」

ティファ「聞きわけの悪い子ね……」

ティナ「無理なの。私は、自分の意志でホーリーを解き放つことはできない」

エアリス「……どういうこと?」

クラウド「っ」





操り主は誰?

1 ケフカ
2 セフィロス
3 その他


ティナ「………………う……ああぁ……」ボゥッ……

クラウド「離れろ!」

スコール「……っ」サッ

ティファ「っ」

エアリス「!」

ティナ「……セフィ、ろす……わかり……ました……」



エアリス(ライフストリームがこの子に流れ込んでる……!
     ごく一部だけど、とても強力な意思……これは……!!)

クラウド(この瞳の色。ソルジャーと同じ……しかし、もっと強い光を放っている!)



ティナ「アルテマっ」キュイィィィィ……







ゴッ





















ユウナ「シェル!」


スコールチーム全滅必至の中、一人だけ助かったのは?


1 ティファ(高火力)
2 クラウド(物理攻撃有利)
3 エアリス(洗脳解除有利)
4 スコール(戦略面有利?)
5 残念全滅
6 スコールチームはおろかアーロンチームも全滅
7 その他


スコール「ぐっ!」キィィン……

ユウナ「ごめんなさい。見ていられなくて……」

スコール「他は?」

ユウナ「……たぶん、今は戦えないと思います」

スコール(あのティファですら戦闘不能か。
     これはまずいな)



固定メンバー

ユウナ スコール

他二名



















スコール(……と、言いたいところだが)



ユウナ「あの、アーロンさん達にも戦ってもら……」

スコール「いや、いい」

ユウナ「え!?」

スコール「……あの状態。今なら良く分かるが、
     このメンバーなら俺だけが的確に対処できる状態だ」

ユウナ「どういうこと、ですか?」

スコール(あんたに説明しても分からないと思うが……)

スコール「……大丈夫だ。任せてくれ」


ティナ「……っ」ギロリ

スコール「……」(やっぱりな、この状態なら……)

ティナ「っ ふぁいg」

スコール「ドロー!」

ティナ「!?」

シュウウゥゥゥゥウウウ!

パキン!!



スコールは GF『セフィロス』 を手に入れた。








スコール(やっぱり、ジャンクションだったな。


     精神体となったセフィロスがGFとして
     この女に無理やりジャンクションしたと考えるのが的確か。

     ……魔力はあるが、GFの取り扱いができないこの女は良いように操られてしまっていた、と)



ユウナ「え? 今のは……」

スコール「……あの女はセフィロスに洗脳されていた。俺はそれを解除する術を持っていた。
     今はそれで納得してくれ」

ユウナ「っ、え、それじゃあ……」

スコール「ああ。とりあえずは一件落着だ」





………………


数分後 






スコール(全員に説明してみた)

ティファ「ちょ、ちょっとまってよ。
     それってつまり……」

スコール「……俺は今セフィロスという存在を取り込んでいる、といったところだ」

エアリス「……セフィロスを、吸収したってこと?」

スコール「……使役する、といった方がわかりやすいかもしれないな」

ユウナ「召喚獣、みたいなものでしょうか」

スコール「その考え方でいいと思う」

ティファ「悪いことは言わないわ。手放しなさい、今すぐ」



1 手放す(今度こそライフストリームへ さらばセフィロス
2 スコール「GFとなった以上はただの召喚獣だ。問題はない」
3 スコール「確かに俺の手には余りそうだ。召喚師に預けた方がいいな」ユウナ「え?」
4 その他


スコール(それもそうだな。あの魔力の持ち主を操れるくらいの化け物だ、
     いつ俺も操られるか分かったものではない)

スコール「ああ。そうだな」


スコールは GF 『セフィロス』を解き放った。

エアリス「……っ!
     セフィロスの気配、無くなったね」



ティファ「……はぁぁ、これで本当に終わりなの?
     まさか、こんな簡単に決着がつくなんてね……」

クラウド「……簡単?」

ファリス「まぁ、戦闘不能三人は大したことないな。よくあるよくある」





セシル「……ところでどうしようか、この子は」

ティナ「むにゃむにゃ……」

ユウナ「一応、寝ているだけみたいですけど」

スコール「……流石に置いていくわけにもいかないか」

エアリス「そうだね。とりあえず孤児院まで連れて行こうか。
     ここにいたらホーリーに巻き込まれちゃうよ」

スコール「……そんなに大規模な魔法なのか?」

ファリス「そうだそうだ。ホーリーってば俺だって使えるぜ?」

カイン「役には立たなかったがな」

エアリス「大規模って言うか、天文学的な規模?
     んー、この星を覆ってもあまりあるレベルの、大きな魔法だけど……

     ここに残ってたら直撃して、宇宙まで飛んで行けるかもよ?」

ファリス「は、はは、そんな魔法……あるわけ」

アーロン「お前は地上で何を見てきた? メテオがあれだけでかいんだ。ホーリーだってでかいんだろうさ」

クラウド「……脱出だな」



ティファ「っ……ええ、戻りましょう。地上に」


……………………

ホーリー「オッス」

メテオ「ウィッス」

ドッカーン

……………………

……………………


孤児院


スコール「……」

スコール「……」



スコール(あのホーリーとメテオの衝突から一夜明けた。
     あの女も目を覚ましたようだし……
     
     さて、これからどうする?)



ATE

1 スコールとティナ (ティナの過去
2 ティナとクラウド (セフィロスとの繋がり
3 ティファとスコール (ティファの今後
4 ファリスとカイン
5 アーロンとユウナ
6 ティナとビビ
7 その他


寝ます。おやすみなさい。

ATEは三つで


スコール「……」キィ

ティナ「!」ビクッ

スコール「警戒しなくていい。あんたに敵意がなければこちらにもない」

ティナ「……」ホッ

スコール「……具合は?」

ティナ「大丈夫」

スコール「……話をしても?」

ティナ「はい」



スコール「あんたは、セフィロスに操られていた。ってことでいいんだな?」

ティナ「たぶん、そう」

スコール「次に、あんたは何者なんだ?」

ティナ「……私……私は……」

スコール「……」

ティナ「……ティナ。
    私は、ティナ。ガストラ帝国の、魔導兵士……」

スコール「……ガストラ帝国というのは?」

ティナ「ごめんなさい。ちゃんと、思い出せない」

スコール「? そこは、あんたの故郷なんじゃないのか?」

ティナ「そう、なのかな?」

スコール「……」

ティナ「……」



スコール「記憶が混濁している?」

ティナ「たぶん、そう……」

スコール(参ったな)

スコール「……あんたはガストラ帝国の兵士。
     今回セフィロスに操られていたせいで、いろいろと思い出せないことがある。
     これで合ってるのか?」

ティナ「……いいえ。もっと、もっと前から何か……」

スコール「……」

ティナ「! サークレットは?」

スコール「サークレット? 何のことだ?」

ティナ「……そう、もう、ないのね」

スコール「……大事なものか?」

ティナ「いいえ。必要ない。
    ……外れていて良かった」

スコール「……」





スコール「疲れているようだな。
     ……休ませてやりたいのはやまやまだが、
     しかしあんたにどうしても聞きたいことがあるといってきかない奴がいる。

     もう少し付き合ってくれるか?」

ティナ「うん。大丈夫」

クラウド「……」

ティナ「貴方は……」

クラウド「クラウドだ」

スコール(そういえば名乗るの忘れてたな)



クラウド「もう、この世にセフィロスは居ない。
     それでも、あいつは俺にとって特殊な存在だ。
     あこがれでもあり、仇でもあり……
     
     平たく言えば、俺はあいつのことを知りたい。
     もし、あいつのことを知っているなら何か教えてくれ」

ティナ「……セフィロスのこと?」

クラウド「そうだ」

ティナ「……私とセフィロスのつながりより先に、
    ガストラ帝国と神羅の関係を話すべきかもしれない……」

スコール クラウド「!?」



ティナ「ソルジャーという私兵を持つ神羅に、ガストラは興味津々だった。
    帝国兵の強化のため、帝国は魔導の研究と魔晄の研究を交換していた」

クラウド「ガストラ帝国と、神羅が……技術協力していた?
     なるほど、それであんたもソルジャーと同じ目の光りかたをしていたのか」

スコール(……よく見るとクラウドとティナの瞳の色は似通っている。
     コレがソルジャー特有の瞳の色、というやつなのか)

ティナ「そう。私は帝国の魔導兵士だけど、ソルジャーとして魔晄の注入と、
    ジェノバ細胞も注入された。」

クラウド「ジェノ……なんだって?」

ティナ「知らないの?
    ソルジャーは魔晄の光とジェノバ細胞で作られる。
    貴方も元ソルジャーなんでしょう? 魔晄も、ジェノバ細胞も、よく感じ取れるわ」

クラウド「……ジェノバ細胞なんてものは、俺は知らないぞ。
     少なくともソルジャーには知れ渡っていない」

ティナ「……秘密、だったのかしら。
    とにかく、このジェノバ細胞を注入されてから、
    帝国によって洗脳されていた以上に、強い力によって私の意志は捻じ曲げられた。
    
    そして、気が付いたらあの場所にいた」

クラウド「……ジェノバとかいうものはよく分からないが、
     ソレはセフィロスも持っているものなのか」

ティナ「ええ。彼はさらに特別。
    生まれながらにしてジェノバ細胞を持つ存在」

クラウド「……そういえば、奴は自分の母親のことをジェノバと……」

ティナ「? 彼の母親はルクレツィアというらしいけど」

クラウド「ルクレツィア」

ティナ「ええ。昔、神羅に居た女性らしいわ」

クラウド「……思った以上に詳しいな」

ティナ「技術協力には多くの人間が関与していた。
    その中での約束は、協力者内での秘密は無し、というものだったから……
    洗脳状態の私の耳にも、いろんな情報が入ってきたわ」

クラウド「なるほど」


ティナ「ルクレツィアの体内で、ジェノバ細胞と人の細胞を混ぜ合わせて誕生したのがセフィロス。
    ジェノバ細胞は人を狂わせ、リュニオンさせるという仮説があったけれど、
    セフィロスはそのジェノバ細胞をも超えて、細胞を持つすべての人間に干渉することができた。

    当然、洗脳状態にあり、精神が酷く不安定だった私はすぐに利用された」

クラウド「その細胞は、俺にもあるんだな?
     ということは、セフィロスは俺にも干渉を……?」

ティナ「……たぶん、そう。
    特に、ジェノバ細胞は一か所に集まろうとする性質がある。
    リュニオンと呼ばれるその性質によって、
    全てのジェノバ細胞をもつ者は少なからずセフィロスという存在を目指す気持ちが芽生える」

クラウド「……」

ティナ「今は、セフィロスはこの世には居ない。
    あなたのセフィロスへの執着も、少しはまぎれていると思うけれど……」

クラウド「どうかな。よく分からない。
     ただ、頭では理解しているつもりなんだ。セフィロスは死んだって。
     でもこうしてあんたに聞きに来ている時点で、まだ何かあいつに対する執着はあるのかもしれない。

     こうして憎むようになる前は、あこがれの存在だったんだしな」

ティナ「そう……」

クラウド「……ところで、あんたはセフィロスには会えたのか?」

ティナ「いいえ、私は直接は会っていない。
    けれど、彼の精神は私の中に入ってきた」

クラウド「あの時か」

ティナ「そう。
    ……とても、重くて、暗い気持だった。でも何か満たされていて……それが逆に怖かった」

クラウド「……」

ティナ「……彼のことに関して知っているのは、そのくらい」

クラウド「ああ、ありがとう。
     ……すまないな。疲れているところに」

ティナ「大丈夫。もう、はっきりとしてる。
    ぼんやりしていることは多いけど、体は大丈夫」

クラウド「そうか、まぁ、それでも大分疲れているだろう。
     もう少しゆっくりしていくといい。

     ……と、エアリスが言っていた」

ティナ「ええ。ありがとう」

スコール「……」


スコール(ガストラ帝国と神羅の技術協力、か。
     なにか、とんでもないことになりそうな話だ)




……………………


ティナの部屋

コンコン

ビビ「おジャマします……えっと、
   ご飯、持ってきたんですけど」キィ

ティナ「zzz」

ビビ(あれ、寝てるや。どうしようかな。
   ……疲れてる時こそ、食べた方がいいと思うし、
   一応声かけてみようかな)カチャ

ビビ「あの、ご飯だけど」

ティナ「zzz」

ビビ「……」(もう一回だけ、これで起きなかったら、戻ろうっと)



ビビ「あ、あの」

ティナ「ん……」モゾモゾ

ビビ「っ」ビクッ

ティナ「……」チラッ

ビビ「あ、あの、ご飯……だけど……」

ティナ「……………………」ジーッ

ビビ「………………………」オドオド



ティナ「……」スッ

ビビ「ひっ!?」(手を伸ばしてきた!? 殺される”!?)ビクゥッ!

ティナ「……」ポフポフ

ビビ「……え?」

ティナ「……もーぐり?」ゴニョゴニョ

ビビ「……え、と……何?」

ティナ「……もふもふ、してない」ボヤァ……

ビビ「もしかして、寝ぼけてる、のかな?
   あの、ご飯、持ってきたんだけど……食べる?」





ティナ「……」ガシッ


ビビ「うわわわっ!」

ティナ「……布? なんで、服着てるの?」ボンヤリ

ビビ「あたりまえでしょぉ!?」(だき、抱きかかえられっ!?、うわわわわわわわわわわわわわ)

ティナ「!?……モーグリじゃない」

ビビ「そうだよっ!」

ティナ「……ぬいぐるみ?」

ビビ「違うよ!!」

ティナ「……ごめんなさい」

ビビ「も、もう……ご飯持ってきたから、食べられるなら食べてね」



ガチャリ



ファリス「どうしたビビ?
     悲鳴が聞こえたが虐められたか?」

ビビ「あ」

ティナ「……」ギュゥッ






ファリス「……………………」

ビビ「……………………」

ティナ「……」ボンヤリ







ファリス「わりぃ、空気読むの、下手で」

ビビ「いや、ちが、これは」

ファリス「……………………すまんっ」ダッ

ビビ「ちがうんだってばぁぁぁぁあああ!!!」

ティナ「zzz」

ビビ「おきなよぉぉぉおお!!!!」




……………………


翌日



スコール「……時空の正常化」

ティファ「何よいきなり?」

スコール「ドーガが言っていたことだ」

ビビ「そっか! そういえば、ティファさんがクリスタルに触れたから……」

ティファ「……時空の正常化って、どこまで更生されるものなのかしらね」



1 スコール「見に行くか……ミッドガル」
2 ドーガ「どうやら無事目的は成し遂げたようじゃの」
3 その他

ドーガ「どうやら無事目的は成し遂げたようじゃの」

スコール「……」

ティファ「……」

ビビ「……」

アーロン「……」



ドーガ「なんじゃ、冷めた目をして」



スコール(もはや予定調和だな)

ドーガ「ミッドガル周辺の大地が緑を取り戻しつつあるぞい」

アーロン「そんな一朝一夕でどうにかなるものなのか?」

ドーガ「時空の歪みが更生されたんじゃ。
    一朝一夕どころか、三日前の晩に一瞬で草木生い茂る大草原の出来上がりじゃよ」

ティファ「ああ、私があのクリスタルに触れたとき……?」

エアリス「えっと、この人は」

ビビ「この人は、えーっと」

アーロン「すこぶるハイスペックの便利屋だ」

ドーガ「ちゃんと紹介するべきじゃぞ。
    『我々の頭脳係だ』とな」

スコール(否定はしないが、アーロンの言うことも最もだ)



セシル「ということは、やはりクリスタルを探すことが」

カイン「……この世界を正す、近道だということか」

ティナ「どういうこと?」

ファリス「ああ、後で説明する」



セシル「一応、我々はクリスタルの場所を把握している。
    ……とはいっても、君たちが探しているクリスタルとは別物かもしれないが」

ドーガ「ほほう?」

セシル「僕の知っているクリスタルは四つある。
    そのうち一つはバロン王国にあるんだが……」

スコール「……では、次の目的地は……」



カイン「それが、そうもいかない事情がある」

ユウナ「……」



スコール「……どういうことだ?」




……………………

……………………

説明後



スコール「……召喚師としての旅
     ……バロン王国のクリスタル」

スコール(ついでに言うと、あの神羅カンパニーと関係のあるガストラ帝国

     手の届く範囲で三つもあるのか)

ティファ「これからの問題が山積みね……」

ドーガ「というか、てっきりお嬢ちゃんはそっちの世界の問題が解決したら居なくなるかと思ってたんじゃがの」

ティファ「冗談。一応首を突っ込んだことだもの、ちゃんと最後までやりとおすつもりよ」

ドーガ「ふぉっふぉっふぉ
    爺の杞憂だったようじゃの」



カイン「しかし、実際どうする?」

セシル「そうだね。何から手をつけて良いものか」



スコール「……」




スコール(なんで、全員でこっちを見るんだ?
     ……とは、もはや言うまい。

     仕方ないんだ。
     この全員をまとめるには俺が一番最適だ。とか、全員思っているんだろう。

     面倒だ。というか、責任がのしかかってくるのが地味にきつい。
     ……しかし、決めなくちゃいけないんだろうな。俺が)

スコール(まさか、これが上に立つ者の苦悩なのか?
     ……たぶん違う、よな)



4  四つのクリスタルを探す話 (アーロン ユウナ ティナ 離脱
6  とりあえずティナをガストラさんちに送り届ける (セシル カイン 離脱
10 シンをブッ倒す話 (ティナ 離脱
その他



スコール「……現状、優先すべきはシンという存在について、か」

ユウナ「そうかもしれません。
    いつシンが来るのか、明確な時はわかっていませんが……でも、必ずその時は訪れます」

アーロン「場合によっては、お前たちとも別行動をとる必要があるかもしれんな」

スコール(とはいえ)

ティナ「……」

スコール(状況に全くついてこれていないこの女をどうするかという問題もある)



スコール「わかった。目的を切り替えよう。
     当面、我々は召喚獣探しをメインの目的とする」

アーロン「……いいのか?
     言ってしまえば、お前たちとは別な世界の話だぞ?」

スコール「それをわざわざ放っておけるわけもないし、
     もしかしたらそれもコーネリア王の依頼のうちに入っているのかもしれない」

アーロン「世界の異変、とやらか」

スコール(おそらくは)



セシル「……」

カイン「……」

ファリス「よかったじゃん。さっそくお前らも恩返しができるってわけだ」




セシル「そのことなんだが、僕たちは、一度バロンに戻ろうと思う」

カイン「俺もだ」

ファリス「えっ どうした?」

セシル「いずれは戻るつもりだったが、今回のことで戻る目的がもう一つ増えたからね」

カイン「バロン王国に居るといわれる、強力な召喚獣の噂を確かめてくる。
    ……あとは、できれば王国内の諸問題も、な」

ユウナ「ってことは、セシルさんたちとは」

セシル「ああ。一旦ここで別行動になるね。
    だが、もしその時が来たら召喚獣探しに僕たちも連れて行ってくれ」

ユウナ「はい、是非っ」




ビビ「じゃあ、えっと、次の目的は……召喚獣の情報探し?」

スコール「いや、一度ガストラ帝国に向かおうと思う」

アーロン「ガストラ帝国か……確かに、魔導の研究が盛んな国だと聞く。
     召喚獣に関する話も聞けるかも知れないな」

スコール「そういうこと……というのは方便だ」

ティファ「……素直じゃないわね」

スコール(悪かったな)

ティファ「ティナを送り届けてあげるんでしょ?」

ティナ「……え?」

ティファ「いくら体は元気でも、こんな状態の子を放っておけないものね」

スコール「そんなところだ。
     ティナを送り届けた上で、そのガストラ帝国とやらで情報収集。
     となる。問題はないか?」

ティファ「OK」

アーロン「いいだろう」

ユウナ「よろしくお願いします」

ビビ「僕も、大丈夫」

ファリス「足は任せろ」グッ

ティナ「……ありがとう」



セシル「では、いずれまた」

カイン「世話になったな」

スコール「ああ。また、どこかで」




セシルとカインがパーティーから抜けました。




………………


クラウド「……じゃあ、次はガストラ帝国に行くのか」

ティファ「ええ。そうよ。
     ……なんか、いろいろ面倒に巻き込んじゃってごめんね」

クラウド「いや、いいんだ。
     俺は何ら手を下してはいないが、セフィロスとの決着はついた。

     それを確認できただけでも良しとするさ」

ティファ「これから、どうする?」

クラウド「そのことなんだが……」



1 クラウド「俺はしばらくここに残って、孤児院の便利屋として働くことにした」
               (クラウド エアリス離脱(リノア加入
2 クラウド「俺も行こうと思う。当面の目的もないことだしな」
               (クラウド残留
3 その他

2の場合はエアリス離脱 リノア非加入で



クラウド「俺はしばらくここに残って、孤児院の便利屋として働くことにした」

ティファ「え、そう、なんだ」

クラウド「ああ。なんでも屋としての暫くの雇い主はエアリスだ」

ティファ「……」

ティファ(ここのクラウドは、私の知ってるクラウドじゃない。
     ……けど、なんか複雑)

エアリス「大丈夫、元の世界に戻ったら、あんまりここのこと覚えてないと思うから」

ティファ「エアリス……」

エアリス「んん~? その顔は、」

ティファ「……」

エアリス「クラウドを取られたような感じがして少し複雑だけど、
     私とのしばしの別れを惜しんでくれているような、そんな顔ね」

ティファ「的確すぎて怖いわよ」

エアリス「ふふ、それじゃあ。帰る前に一度会いに来てよね」

ティファ「……うん、絶対、来る」

クラウド「気をつけてな」

ティファ「うん。大丈夫。
     腕っ節なら誰にも負けないから」ニコッ

エアリス「ま、そうよね。あのセフィロスを、ねぇ」

クラウド(その辺に関してはあまり心配してないとか言ったら怒るだろうか)



………………


エアリス「ってなわけで、新しく人も雇ったし、
     リノアも、思った通りに行動してくれていいんだよ?」

リノア「雇ったって、あのツンツン頭でしょ?
    なんか、ただならぬ関係っぽいけど……
    ……あ、もしかして、私邪魔?」

エアリス「うふふ。そうねぇ。ここを愛の巣にするにはリノアはお邪魔虫かも。
     だって、こんなに可愛い子と一緒にいたらクラウドがどっちにしようか迷っちゃうでしょ」

リノア「はぁ、まぁいいけどさ。
    でも、なんだかなぁ。一応私だってここにきて結構経つし……
    名残惜しくはあるのよね」

エアリス「そう思ってくれて光栄だわ。ママ先生もきっと喜ぶと思う」

リノア「……また戻ってくるかも、なんて」

エアリス「その時はお邪魔虫なんて言わないから、
     帰ってきたくなったら帰っておいで、ね」

リノア「うん」



………………


スコール「……」スタスタスタ

スコール「……」ウロウロウロ



ファリス「……」




スコール「……」ウロウロ



ファリス「リノアに声かけねーのか?」

スコール(どうしてわかった)

ファリス「顔に書いてあるぜ」

スコール「……あまり見ないでくれ」

ファリス「可愛いこと言うじゃねぇか。
     まぁ、危険な旅に連れていくのもなんだし、よく考えて決めることだな」

スコール(……そう、なんだよな。
     危険な旅なんだ。だから、連れていくのは大変なことなんだ。

     人一人守るって大変なんだ。決して甘いことなんかじゃない。
     そんな悠長なことを言っていられる旅じゃなかったはずだ)

リノア「……」

ファリス「お、っと」

スコール(声をかけるべきではない、か。
      きっと目を合わせたら連れて行けとか言われるだろうし)

ファリス「今度こそは空気を読むぜ、あばよ」ビシッ

リノア「ありがとう」ビシッ

スコール(……黙って出ていくか。
     まぁ、少なくとも迎えに来る約束はしているんだし、大丈夫、だよな)

リノア「ねぇ、もしかして黙って出て行こうとしてない?」

スコール「!?」クルッ

スコール(居たのか)




リノア「私も連れてって」

スコール「……今、それを断ろうと思っていたところだ」

リノア「ぽいなぁ、って思ってたけど、でも、連れてって」

スコール「危険な旅だ。とんでもない化け物と何度も戦うことになる」

リノア「スコールはずっとそんな旅をしていくんでしょ?
    じゃあ、なおさら私も行きたい」

スコール「……あんたを巻き込みたくない」

リノア「ほら、そうやって一人で抱え込もうとする。
    そんなんだと周りが心配しちゃうし、私も放っておけないんだよね」

スコール(じゃあどうしろって言うんだ)

リノア「まぁ、スコールはスコールなりにやってるんだと思うし、それでうまくいってるならそれでもいいんだけど……
    それならせめて、私はその隣で、スコールを支えていきたいなぁって」

スコール「……」

リノア「……」



スコール(何か告白みたいだな)

リノア(何か告白みたいになっちゃった)

物影のファリス(何か告白みてーだな)

その後ろのエアリス(告白ね)



スコール「……」

リノア「……気持ち、揺らいだ?」

スコール(ブレまくりだ)



スコール「……いい、だろう。
     一緒に行こう」

リノア「やったっ!」

スコール「ただ、団体行動は守ること。
     その辺はわきまえてくれ」

リノア「わかってるわかってる」

スコール(本当にわかってるのか?)




………………

………………
一路 ガストラ帝国へ

船の上 ATE

※キャラ名指定(1~4人程度だと書きやすい)(人数超過も可
 要望があれば内容についても軽く
 なんとなくそのキャラ同士の会話がみてみたい場合は名前だけでも可

>>429 >>430 >>431

ビビ&ファリス
ティナに抱かれていたことについて

ティナ ユウナ アーロン スコール
召還獣とGFの感覚

リノア、ビビ、ティナ、ユウナ、ファリス、ドーガ
凄まじい魔翌力の話

人数的に厳しいようでしたらユウナとおじいちゃんは無しで


ファリス「よう、ビビ先輩」

ビビ「な、なにそれ」

ファリス「いやぁ、スコールもなかなかやるなぁって思ったけどよ。
     まさかビビまでも、出会って一日かそこらの女とベッドの上で抱き合う関係になるとは……」

ビビ「抱き『あって』ないし!」ワタワタ

ファリス「安心しろ、誰にもいわねぇから」

ビビ「でもファリスさんは勘違いしたままになるんでしょ?」

ファリス「勘違いぃ? 俺はただお前がティナに抱かれていたという事実を……」

ビビ「あわわわわ」

ファリス「……何、ほんとになんでもないのか」

ビビ「カクカクシカジカ!!」

ファリス「……なんだ、つまんねぇの」

ビビ「はぁ……」

ファリス「でも、まぁ良い思いはできたんじゃねぇの?」

ビビ「ぅっ……それは、その」

ファリス「よく考えても見ろ。美少女と添い寝したんだぜ? 一瞬とは言え」

ビビ「確かに、ティナさんはかわいい、けど」

ファリス「ラッキーって思えるくらいにはお前も男だろ?」ニヤニヤ

ビビ「……その顔で言われると、なんか腑に落ちないけど……
   ま、まぁ、悪い気は、しない、かな……とか、言ったり……」

ファリス(……まぁ、やっぱり男も女側からのスキンシップは好きってことか)

ビビ「……?」

ファリス(……俺にも、その程度の魅力はあるのか?)

ビビ「ファリスさん?」

ファリス「先輩、後ろ向いてみな」

ビビ「? こう?」

ファリス「ほい」ギュッ

ビビ「!?! え!? なっ!?」

ファリス「抱き心地は悪かねぇな」(ただし布の感触しかしねぇ……)

ビビ「な、なにしてるのさ?」

ファリス「抱き心地と自分の魅力を確認中」

ビビ「また誰かに勘違いされちゃうでしょぉ!」ジタバタ

ファリス「わーったよ、離すって」パッ

ビビ「わっぷ」ドテッ

ファリス「で、どうだった? どきどきしたか?」

ビビ「え? あ、うん」(別な意味でもね)

ファリス「ほーん、そうか。参考になったぜ」

ビビ「え、何が?」

ファリス「こっちの話だよ」



………………



アーロン「時に、スコール、お前召喚術が使えるのか?」

スコール(何だ、藪から棒に)

アーロン「お前の言う、GFとやら。
     召喚獣としても使える、というような言い方だったような気がするが」

スコール(そういうことか)

スコール「……ああ。GFは召喚することもできる」

ユウナ「ということは……あの時のスコールさんは、やっぱりセフィロスを召喚獣として……」

スコール「使いこなせるかは術者次第、だとおもうがな」

アーロン「しかし、そのGFを召喚するところを俺は見たことがない。
     お前は先のクリスタルワールドの戦いで手に入れたGFを使ってないのか?」

スコール「いや、使ってる。
     ただ、召喚していないだけだ」

ユウナ「召喚獣を、召喚せずに使う?」

スコール「いつか、ジャンクションという言葉を俺の口から聴いたか?」

ユウナ「ええ、何度か……でも言葉の意味までは」

スコール「詳しいことはさておき、ジャンクションとは召喚獣を装備するという認識でいい」

アーロン「召喚獣を、装備?」

スコール「ああ。あの時のティナも、その状態だった」

ティナ「セフィロスが、入り込んできたときのこと?」

スコール「アレがジャンクションという状態だ」

ティナ「……あれが」

ユウナ「召喚獣を装備するって、どんな感じなんですか?」

スコール(どんな感じといってもな……)

ティナ「……すごく、力がわきあがってくる感じ。
    でも、頭の中に何かが入り込んでくるような、怖い感じもする。

    その、入り込んできた何かがより自分を強くさせる、みたいな……?」

スコール「……」

アーロン「……だそうだが?」

スコール「ああ、そんな感じだ」

ユウナ「頭の中に……入り込む……?」



ユウナ(頭の中に、召喚中の居場所を作って、そこに入れるってこと?
    それって、大丈夫なのかな?)

スコール「逆に、あんた達の言う召喚獣はどんなものなんだ」

ユウナ「私達の認識では、
    契約して、必要なときには一緒に戦ってくれる存在です。
    体に取り入れる、といった類のものではありません」

ティナ「召喚獣と、契約……
    魔石のこと?」

ユウナ「魔石、っていうのは、聞いたことないなぁ」

ティナ「実物は見たことはないけれど。
    魔石は、召喚獣が力をこめて変化するもの。
    それを持っていると召喚獣の力を借りることができる」

アーロン「……ほう。
     召喚獣の力を、召喚としてではなく、自らの力に変える方法というのは、
     意外に多いのだな」

スコール(魔石とやらを装備する、というのも、ジャンクションの一種なのだろうか)



ユウナ「それなら、私にもジャンクションってできるんでしょうか?」

スコール(……薦めはしないが、できないことはないんじゃないか?)

アーロン「何を考えている?」

ユウナ「ジャンクション次第では私も前に立って戦えるようになるんですよね。
    それなら、私だって……」

アーロン「必要なときにはそうすれば良い。だが、お前にそこまで負担をかけるような俺達ではない」

ユウナ「……」

アーロン「無茶をする必要は無い。お前は、召喚士なんだからな」

ユウナ「……はい」



………………



ファリス「魔力ってよ。どうやって決まるもんなんだ?」

ドーガ「なんじゃい藪から棒に」

ファリス「あれだ。俺はその気になればホーリーもフレアもメテオも撃てるが、
     正直魔力には恵まれてない。

     どうすれば魔力を高めることができるのかと思ってな」

ドーガ「ほう、意外に勉強熱心なんじゃの」

ファリス「まぁな」

ドーガ「その姿勢やよし、
    偶然にも今ここには魔力に秀でし者たちが多いし、
    ここらでちとわしの知ってる魔力に関しての知識を披露してやろうかの」

リノア「……え? 私も?」

ドーガ「そこな魔導兵士に匹敵する、あるいはそれ以上の魔力を秘めておるぞ。お主は」

ティナ「私?」

リノア「ないない。ないって」

ビビ「そうでもないかも……確かにリノアさんからもすごい魔力を感じるよ」

リノア「ちょ、やめてって、そんなんじゃないからっ」

ユウナ「まぁまぁ、潜在的な魔力は自分では認識できないものだから。
    特に、そういった力量を図ることに関しては他者からの評価でしか分からないことだし、ね」

ドーガ「そういうことじゃ。己の魔力というのは、生まれながらにして持っているもの。
    よって、魔力の高さを自覚することは極めて稀じゃ。

    大体は他者との魔力比べで、自らの魔力の高さを認識することとなる」

ファリス「魔力比べかぁ……
     具体的には?」

ドーガ「どっちがより大きい炎を出せるか、
    どっちがより大きいモンスターを氷漬けにできるか、などなどじゃな」

ファリス「……因みに、ここでやったとしたら?」

ドーガ「良いのか? 内海が枯れ果てるか
    永久凍土の出来上がりとなるが?」

ファリス「サーセン」

ドーガ「まぁ、この中で行くと
    潜在的魔力に関してではわしと、リノア嬢が並び立つ存在かの。
    比べるまでもなく」

リノア「は、はぁぁ?」

ドーガ「ふむ、ときにお主、魔法を扱ったことは?」

リノア「エアリスに教わって、マテリアで回復魔法くらいは……」

ドーガ「エアリス……か。
    その娘っ子よりも魔法に関しては秀でていたという経験はないかの?」

リノア「……比べたことはないけど」

ドーガ「まぁ、これから経験するじゃろう。
    自覚がないのであれば、なおさら気をつけることじゃ。

    次点では、ビビ、ティナの両名。次にユウナ……
    ファリスは、まぁ、魔力に関しては人並み以上程度じゃ」

ファリス「マジかぁー」

ドーガ「ちなみにの、潜在的魔力を高める方法というのは、主に二つある」

ファリス「あ、それだよそれ。
     どうすれば強くなれるんだ?」


ドーガ「一つはいわゆるドーピングじゃ。
    魔晄の力 ジャンクション 薬 これらが相当するの」

リノア「そういえばスコールはジャンクションでいろんな能力を高めてるよね」

ドーガ「ジャンクションはかなり有用性のある技術じゃが、
    ……まぁ、反対に失う『何か』もあるかもしれんという意味では、
    覚悟あるものしか使うべきではないと思うがの」

ビビ「覚悟あるものしか……」ゴクリ

ドーガ「もう一つは、人から譲り受けること、じゃな」

ファリス「……へぇ」

ドーガ「魔力に特に秀でたものは自らの力で、それ以外の者は特殊な方法を用いることで、
    魔力を人に譲渡できる。

    とはいえ、生半可に魔力を渡すことは不可能。
    魔力を譲渡するときは、その人間の死を意味すると思ってよい」

ファリス「……っ」

ドーガ「何やら心当たりがあるようじゃの」

ファリス「俺じゃないがな。しかしその魔力の譲渡ってのは、知ってるかもしれねぇ」

ドーガ「ちなみにの、わしも人から魔力を貰ったクチじゃ。
    最初は戸惑ったもんじゃがの、慣れてくると強大すぎる魔力というのは便利すぎて楽しいもんじゃぞ」

ビビ「た、楽しい?」

ドーガ「そうじゃよ。
    常に自分にヘイストをかけていても何ら負担にならんし、
    火をおこすのにファイアを唱えてもちっとも疲れん。

    雨が嫌じゃなーと思ったらトルネドで雲を散らせばいいし
    日照りがきついなーと思えばブリザガとファイガで雨を作り

    海が荒れて波の音がうるさければストップで海を止めればいい。

    そういうことができちゃうのが、わしら魔力をもてあましている人間のすることじゃな」

ファリス「海をストップで止めるはねぇよ」

リノア「……」

ファリス「……おい、黙るなよ」

リノア「そう、なのかな、おかしいかな?」

ティナ「流石におかしい」

ビビ「そこまではボクも無理……」

ユウナ「……逆に、できるんですか?」

ドーガ「できるもんねー?」

リノア「……や、やったこと、ある、けど……いや、なんかの間違いでしょ」

ファリス「海を止めるとか化け物の所業だろ」

ドーガ「化け物と評されることにも慣れてしまったわい。ふぉっふぉっふぉ」

リノア「私は慣れてないから! やめてよね!」


……………………



スコール「……」

ティナ「……」



スコール「思ったんだが」

ティナ「?」

スコール「あんたはガストラ帝国に……洗脳されてたんだよな?」

ティナ「……ええ」

スコール「あんたの帰る場所は、勝手にそこだと思っていたが……
     今更ながら、もしかして他に帰る場所があるんじゃないか、と思ってな」

ファリス「お? 目的地変更か?」

ティナ「帰る、場所……」



1 ティナ「そう言えば、任務でナルシェへ向かうところだった」(FF6ストーリーを追う
2 ティナ「思いつく場所は、帝都ベクタ以外、無い」
3 その他



ティナ「そう言えば、任務でナルシェへ向かうところだった」

スコール「……任務って、あんた、それでいいのか?」

ティナ「……よく分からない。
    でも、私が行くべき場所として思い出せるのは、それくらいだから」

スコール(まぁ、直接軍にティナを引き渡すよりは、状況を判断できるからいいのかもしれないな)

ティナ「それに、気になることもある」

スコール「気になること?」

ティナ「……私の任務は、氷漬けの幻獣を確保すること。

    中立都市にわざわざ私を送り込むようなこと、どうしてするのか……
    その幻獣を見れば、何か意味がわかるのかもしれない」

ユウナ「幻獣……召喚獣のことですか?」

ティナ「そう」

アーロン「それなら、俺たちも興味があるところだな」

スコール「……なら、向かうか?」

ファリス「ナルシェかー……とはいったものの、どっちに行けばいいんだ?」

ドーガ「あっちこっちそっち」

ファリス「把握」

ティファ「……そう言えば、今回はドーガさんも一緒なのね」

ドーガ「そういえばそうじゃの。いつもはすぐ別行動をとりたがるのにのう」

ファリス「爺さんは見知らぬ土地へ行く楽しみをわかってる。
     今回俺たちが向かう土地への興味が、一人旅の欲求に勝ったんだろ」

ドーガ「御明察。北国ナルシェの閉鎖された土地ならではの料理が楽しみでのう」

ビビ「グルメ目的……」

アーロン「良い趣味じゃないか。無駄に老い長らえるよりは何倍も健全だと思うぞ」



ユウナ「ナルシェって、北国なんですね」

リノア「雪、降るのかな?」

ユウナ「ニブルヘイムは雪が多いから、なんだか思い出しちゃうなぁ」

ティファ「……あ、そうね。
     山だし、少し降り始めるとすぐ積もっちゃうから大変なのよね」(この子と同郷って言う感覚があまりないから、なんか不思議な感じ)

リノア「でも雪って幻想的だよね。降ってるのを見るのは好きだよ。

    ……積った雪の処理とかを考えると憂鬱だけど」

ティナ「ナルシェは常冬。雪に関しては幻想的というより、超現実的にのしかかってくる災害に近い」

ドーガ「通りがかるだけなら風情で済むんじゃがの」

リノア「まぁ、私たちは旅の身だから。そうそう雪かきなんてしないだろうしね」

スコール(そうなることを願うばかりだ)



……………………


ナルシェ 宿



スコール(さて、どうする?)



1 情報収集
  (固定メンバーなし 二名で情報収集

2 とりあえずティナを連れて氷漬けの幻獣を見に行く
  (固定メンバー ティナ 他三名のパーティー選抜

3 寒い とりあえず一泊する(ATE

4 その他

寝ます


スコール(まずは、情報収集か)

宿屋「……あんたら、旅の人みたいだね」

スコール「?」

宿屋「見たところ、旅慣れているというわけでもなさそうだ」

スコール(少なくとも俺はそうだが……
     ファリスがあからさまに不満そうな顔をしている)

ファリス(スコールが我慢しろって言いたげな顔をしている……)

宿屋「あんた達にお勧めの場所があるんだが、行ってみることをお勧めするぜ」

スコール(まぁ、旅人にわざわざ勧めるような場所だ。
     きっと何がしか話も聞けるんだろうさ)

宿屋「初心者の館って言うんだがな」

ビビ「……へ、へぇ」

ティファ「何か、そういうのセブンスヘブンの近くにもあったような……」

宿屋「旅慣れてない人間のための施設さ。よかったら言ってみるといい」

スコール(きっとこうして進めることで仲介料をもらっているんだろうな)「ああ、そうしよう」

ファリス「俺はいかねぇぞ」

アーロン「今更だな」

リノア「私はスコールが行くなら行くけど」

ティナ「……私も」

ティファ「私は、どうしようかな」

ビビ「えっと……」




スコール「何かあれば後で伝える。
     夜に宿に集合したらその時に」

ティファ「そう、じゃあ私は他の情報を探してみるわね」

アーロン「俺たちは」

ファリス「いつも通りだな」

ビビ「うん、じゃ、そういうことで」


………………



初心者の館



ティナ「……」

スコール「見おぼえはあるのか?」

ティナ「全然。私、やっぱりここには来てないみたい」

リノア「やっぱりその幻獣のところに行くしかないのかもね」

スコール「その居場所まではここでは分からないだろうが、
     まぁ、ともかくここで話を聞いてみるのも一つの手だろう」

リノア「そうだね」



学者風の男「傷ついたときはポーションなんかでHPを回復させるんだ」

スコール「……」

学者風の男「アクセサリーって知ってるかい?」

スコール「……」

学者風の男「これはセーブポイント…」

スコール「……」




スコール「何一つ有益な情報が入ってこない」ゲンナリ

ティナ「落ち込んでいるの?」

スコール(疲れただけだ)

リノア「学者風の人はチュートリアルしか話さないみたいね」

スコール(なら、それ以外の人に話しかける他ないだろう)




スコール「……すまない。少し話を聞いてもいいだろうか」

セリス「……」

スコール「……あんたに話しかけてるんだが」

セリス「……? 私?」

スコール「ああ」

セリス「ごめんなさい。少しボーっとしてた」

スコール「いや、急に話しかけたこちらにも非はある」

リノア(躊躇なく女の子に話しかけられるんだねぇー……)

セリス「何か?」

スコール「ああ。俺たちは大分遠いところから来たんだが……」

ティナ「……遠いところって言うか、世界が違うって言うか」

スコール(その話は面倒くさいからしたくないんだが)



セリス「!? ティナ!」

ティナ「え」

セリス「あなた、ティナよね?」

ティナ「そう、だけど。
    ……あなたは、そう言えば見たことある、ような」

セリス「見たことも何も……」

スコール「……」

リノア「……」



セリス「……っ
    詳しく話をしたい。場所を変えてもいいだろうか?」

スコール「ああ。かまわない」



………………


宿屋

スコール「ここならいいだろう」

セリス「……」

スコール(事情を話してくれるんじゃなかったのか?)

セリス「……」

スコール(……何を考えてる?)

セリス「……あえて、全部話そうと思う。
    貴方達がどこまで知っているのかが問題だけど」

スコール「聞かせてもらおう」




セリス「私は、この世界ではないガストラ帝国で生まれた。
    そこで育ち、そこで将軍として名を馳せ……

    そして、その世界が平和を取り戻すまで戦い続けた」



スコール「……」

リノア「……」

ティナ「それは、ティファとかと同じってこと?」

スコール(おそらく、似たパターンだろう。
     ドーガいわく、この世界は多くの世界の狭間の世界。
     こいつもまた、何かの要因でここに引き込まれてしまったんじゃないか?)


セリス「この世界のガストラ帝国も私の知る国とほぼ同じではあるが、
    ……私の知る限り、時代が動く前の状態だ」

スコール(似た世界ではあるが、時間が違いすぎる、か。
     ティファの話と似ているな……)

セリス「……これから、この世界は魔導の力を巡って大きく変動するだろう。
    それを見過ごしたくはない。それに……」

ティナ「?」

セリス「とにかく、元の世界に戻るにしても、この世界で生きるにしても、
    この世界のことを知り、味方を探さなくてはならないと感じた。

    それで、もっとも接触が容易な人物にコンタクトをとろうと思ったのだ」

リノア「……それが、ティナ?」

セリス「そう。
    この世界のこの時間では、おそらくティナはここにいると踏んできた。
    
    ……連れの面子は予想外だったけれど」

スコール「あんたは、ティナを知っている?」

セリス「ええ」

ティナ「……」

スコール「ティナ、あんたはセリスを?」

ティナ「……帝国の将軍、よね?」

セリス「……」

ティナ「顔は見たことがある、けど」



セリス「……どうやら、貴方は私の知っているティナではないらしい」



スコール(となると、ティファの時も抱いていた疑問が浮上する)

スコール「つまり、この世界のティナが見ていたのは『この世界のセリス』であって、
     『あんた』ではない、ということか?」

セリス「おそらく、そういうことだろう」

スコール「では『この世界のセリス』は、どこへ行ったんだ?」



ドーガ「難しく考えるだけ損じゃよ」

スコール「……」

リノア「!? いつの間に……」

ドーガ「この世界は何らかの介入により、時空が歪みきっておる。
    もしかすると、わしらも突然『この世界の自分』になってしまう可能性だってあるんじゃからの」

スコール「……それほどまでに、ここでは自己というものが不確定なものなのか?」

ドーガ「そのようじゃ。
    突然、この世界に役割をもった存在となり、記憶の入れ替えが起こる。
    といった事例が、この世界では少なからず存在するらしい。

    おそらくそこな将軍も、
    『この世界のセリス』から、『別世界のセリス』に突然変わってしまったんじゃろう」

セリス「……」

ティナ「大丈夫、この人は、仲間」

セリス「……そうか」

ドーガ「時間も空間も超越する何がしかの影響。
    心当たりある者がいれば、あるいはこの状況に光明が差すこともあるやもしれんの」

リノア「この状況が良くなるって……それは」

ドーガ「有り体に言えば、各々が元の世界に戻り、歪んだ世界が更生されること、じゃの」


リノア「……この世界は、間違ってる、のかな?」


ドーガ「健全ではなかろう。いつ自分というものが崩壊するやもしれぬ状況じゃ。
    それに、ファリスのように『元の世界』に帰りたいと願うものもいる。
    ……セリス、お主もおそらくはその類の考えの持ち主じゃろう」

セリス「……」


ドーガ「……ふむ?」

スコール「?」

ドーガ「……この世界は、間違っているのか……?」

スコール「どうかしたのか?」

ドーガ「いやぁ、前提を覆された質問じゃ。
    こりゃ、考え方を変えてみると、また面白い答えが見えてきそうじゃの」

リノア「……」

ドーガ「まぁ、いずれにせよこのまま歩みを止めていると、
    この世界そのものが悪い方向に行きそうではある。

    この世界が正しいのかという答えはさておき、
    今は、世界の異変を正すことが先決じゃ。

    ……と思うが、どうじゃろう?」

リノア「それは、確かにそうだと思う」

セリス「そちらにも多くの事情があるんだな」

スコール(察してくれたようでなによりだ)



セリス「……ガストラ帝国にまつわる異変とやらを言うとしたら、
    その大きなカギとなるモノがちょうど、このナルシェに居る」



ドーガ「ほほう。それは、この吹雪でもひしひしと伝わってくる、この魔力の派生源かの?」

セリス「ああ。その存在が原因で、本来ならここで多くの血が流れるところだった。

    しかし……」チラ

ティナ「……?」

セリス「……この世界でのある要因のおかげで、それは回避されたらしい。
    もっともその存在がここにいる限り、まだまだ危険な状態ではある」

スコール「その存在をどうにかしなくてはならないのか」

セリス「ああ」

スコール「……どうにかする、というのには、その存在とやらの抹消、という意味合いが含まれているのか?」

セリス「あるいは」

スコール「……全員集まってから話を進めよう。
     対象の特徴、よければ弱点なども教えてくれ」

リノア「た、戦うんだ」ゴクリ

スコール(そうしないと先に進めないんだろう。しかたないさ)

ティナ「……」


………………


幻獣 ヴァリガルマンダを拝みに行く四人 >>直下

固定メンバーなし


ナルシェ 炭鉱


ティナ「幻獣と対話?」

セリス「ええ」

ユウナ「私たちだけで大丈夫でしょうか」

アーロン「いや、むしろ少人数の方が都合が良い。
     あまりここには長居しない方がよさそうだからな」

ユウナ「それは、どういう……」

セリス「静かに」

アーロン「……」



ガード「……」スタスタスタ



セリス「……本来は、ここに帝国から来た魔導兵士が居る予定だった。
    しかし、その魔導兵士はいつの間にか姿をくらましていた」

ティナ「それが、私?」

セリス「ああ。そうだ。
    おかげで余計な血は流れずにすんだらしい」

ユウナ「ティナがそんなことするわけ……っ」

アーロン「洗脳状態では、わからないだろう」

ティナ「……」

セリス「……安心して。あなたのことはよく知っているつもりだから」

ティナ「……ありがとう」

アーロン「ともかく、ここのガードとやらと接触しないように先に進めばいいんだな?」

セリス「そうしてくれるとありがたい」

アーロン「……だが、その召喚獣を守っている奴がいるとしたら、それは例外となるだろうな」

セリス「仕方ないこと、だろう。
    人間が居たら説得は試みるが、期待はするな」

ユウナ「……」


………………


最奥


アーロン「この先に幻獣が? と、聞くまでもないようだな」

セリス「……あのモンスターは、ナルシェの人間が飼育しているものなのか?」

ティナ「かたつむり」

ユウナ「だね」



アーロン「……さて、どうする?」




1 セリス「モンスターをなるべく一瞬で蹴散らしてガードの戦意を喪失させる」
2 ユウナ「まずは話し合いをしましょう」
3 アーロン「俺が囮になる。その隙に先に進め」
4 その他



ガード1「……帝国の奴ら、来ないな」

ガード2「嘘だったんじゃないのか?」

ガード3「いや、1000年前の幻獣だぞ? 狙ってこないわけがない」

ガード1「しかしこうしている間にもどこかでは巨大隕石が出てきたらしいじゃないか、
     それの対策に帝国も動きまわってるんじゃないか?」

ガード3「それもう終わった」

ガード2「ああ、みたみた。なんかビカーって光ってバーってなってドカーンって消えたよな」

ガード1「見たって……ああ、テレビとか言うやつでか?」

ガード2「そうそう。
     まぁ、俺たちが相手するとしたらせいぜいが人間か機械だろ。
     それに、ここまで来たとしてもこのユミールさえいれば……帝国の奴らだって」



ユミール「……」シーン




アーロン「お前らの頼みの綱は、このナメクジか?」

ティナ「……かたつむり」




ガード1「!? な、何なんだお前たち!?」

セリス「帝国兵だ」

ガード2「ば、馬鹿な!? どうやってここまで」

ユウナ「えっと、こっそりと?」

ガード3「警戒を緩めていたせいでこんなことに……!」

ティナ「私が予定通り来なかったから?」

セリス「そういうことだろう」

ガード1「くそ! ここまで来たなら仕方ない、やるぞ!」

ガード3「……ユミールを、俺達に気づかれないほどの一瞬で倒す相手だぞ?」

ガード2「……」ゴクリ

セリス「増援を呼ぶなら呼ぶといい。
    死人の山が増えるだけだ」

ガード3「! こ、こいつは、帝国の将軍じゃないか!」

ガード2「うわあぁぁあああああっ!」



セリス「……」

アーロン「騒ぎになってしまったが……いいのか?」

セリス「問題ない。
    とにかくティナと幻獣を対話させるのが先だ」

ユウナ「……」




………………


氷漬けの幻獣 前



ユウナ「この方が、1000年前の幻獣、ですか?」

セリス「……ああ」



ティナ「……」

ヴァリガルマンダ「……」



アーロン「俺の知っている召喚獣とは、大分様子が違うようだな」

セリス「格が違う、という意味では、この幻獣はかなり上位の存在と言える。
    そこらの幻獣とはわけが違う」



コォォォ……

ティナ「……この感じ……あなたは……」

ヴァリガルマンダ「……」



コォォォォ……

ティナ「っ!」ボォォ……

アーロン「!?」(体が光りはじめた?)

セリス「トランス。と、我々はそう呼んでいる。
    ティナが自らのもう一つの力を発揮するときにおこる現象だ」

ユウナ「もう一つの力……っ この感じは、まるで」

セリス「貴方達で言うところの、召喚獣か。
    そう、ティナは、幻獣と人間のハーフ。
    
    本来はここで上位の幻獣と接触することで、その力を暴走させてしまう」

コォォォオオオオオ……!!

ティナ「っ……―――!!」

アーロン「っ! もう完全に別な姿だぞ。
     これからどうなるんだ?」

セリス「おそらく、ティナと幻獣は暴走した魔力を中和しようとする」

ユウナ「すると、どうなるんですか?」



セリス「魔力の中和によって周囲の物質が無作為に消滅する。

    もっとかみ砕いて言うと、我々が消える可能性がある」





アーロン「……っ」チャキッ

ユウナ「アーロンさん!?」

アーロン「……悪く思うな」スッ

セリス「それには及ばない」サッ

アーロン「この状況を何とか出来るのか?」

セリス「要は暴走した魔力の行き場所を作ればいい。
    そうすることでティナの負担も減らし、周りへの影響も最小限で済む。

    ここまでは予測済みだから、対策もしてきた」

アーロン「……ほう、じゃあ、その対策とやらを披露願おうか」

セリス「言われなくてもそうするさ」

セリス(魔封剣。放たれた魔法を吸い寄せ、自らの魔法力に還元する力。
    しかし、ティナの暴走する魔力を受け止めるには私の魔力では荷が重すぎる。

    だから、魔封剣の媒体とするこの剣を……)ザクン!



コォォォオオオオオオオオオオオ!!!



セリス(地面に刺した剣を通して、ティナの膨大な魔力が地面を伝っていく。

    やはり、これでティナの暴走は抑えられる)



コオオオオオォォォォォォォ……



ティナ「……っ はぁ、はぁ……」

ヴァリガルマンダ「……」



コオォォォォォ……



ティナ「く……はぁ……はぁ……」



ォォォ……





ティナ「……っ、ぅく……」ヨロッ

ユウナ「ティナっ!」サッ




アーロン「……終わったのか?」

セリス「そのようだ」スッ

セリス(刀身が焼け焦げてしまっている……)ボロッ





ヴァリガルマンダ「……」

ティナ「……」

セリス「どうだった?」

ティナ「……」

セリス「その様子だと、自分の出自に関して少し感づいたようね」

ティナ「……ええ。
    よく、わかった」





アーロン「さて、そう言えば最初はこの幻獣とやらと話す予定だったはずだが?」

ユウナ「対話はできたの、かな?」

ティナ「……」フルフル

セリス「元の世界だと、一戦交えることになるんだが……」




1 アーロン「ふんっ!」パッキィィィィン!! (意外にもあっさり氷割れる
2 ユウナ「戦って、力を示す、ということなんでしょうか」 (戦う
3 セリス「……仕方ない。次の手を打とう」
4 その他

あけましておやすみなさい



アーロン「ふんっ!」パッキィィィィン!!

セリス「防御力ガチガチだったような気がするんだけど……」

ユウナ「アーロンさんは『貫通』もちなので」

アーロン「これで対話できるんじゃないのか?」



ヴァリガルマンダ「人が私の氷の封印を解いたというのか……
         魔石も身に着けず腕力だけで封印をとくとは、
         魔大戦もすでに終わっているのだな」

セリス「……残念ながら、今これから魔大戦に次ぐ恐ろしい戦いが始まろうとしている」

ヴァリガルマンダ「……ふむ。そのようだ。お前のその力は魔導の力とかいうものか

         おろかな、永久の戦い……」

セリス「永久にはさせない。私は、この戦いの終わらせ方を知っている」

ヴァリガルマンダ「ほう? 終わらせる?
         おまえたちはそれを終らせようというのか…… その心、信じてみるか」

コォォォオ……

ティナ「……これが、幻獣の魔石化……?」

コォォオオ……

ユウナ「なんて、神秘的な光……」

コォォォセリス「ちょっと待った」




ヴァリガルマンダ「……なんだ」

セリス「いきなり魔石になられても困る」

ヴァリガルマンダ「いや、でもそうじゃないと力になれない……」

セリス「貴方とティナがそろったことで、この世界の行く末にも多様性が見えてきている。
    そうそう引退されてもらっては困るんだ」

ヴァリガルマンダ「お前は、私の魔法の力を使って、戦いを終わらせるつもりなのではないのか?」

セリス「……戦いを終わらせる方法は、二つある。
    私の知る限りではな」

ヴァリガルマンダ「そのために、生きている状態の私が必要だと?」

セリス「そういうことだ」



ヴァリガルマンダ「……よもや、この期に及んで話合いなどと、甘い考えを持っているのではあるまいな?」

セリス「最終的にはそうなる」

アーロン「話し合いで解決できるなら、千年前にすでに戦争は終わっているはずだろう」

ユウナ「でも、今なら事情もだいぶ変わっているんじゃないんですか?
    幻獣という存在への認識が薄い今の人たちなら、
    もしかしたら……」

セリス「……」

ヴァリガルマンダ「……ほう」





セリスの頼み事

1 ヴァリガルマンダ率いる幻獣軍団による帝都ベクタ総攻撃 
2 ヴァリガルマンダの力を借りて幻獣界へ
3 その他


セリス「とりあえず、幻獣界へ行く」

ティナ「……」

ユウナ「幻獣界?」

セリス「幻獣の住まう世界。こことは次元の違う世界だ」

アーロン「……まさか、そこには、幻獣とやらが居るのか?」

セリス「ああ」

ユウナ「ヴァリガルマンダさんみたいな方も、いっぱいいるんでしょうか?」

ヴァリガルマンダ「これでも大分高位の幻獣だからな。そうそう居はしないが、まぁ、居るだろうな」

ユウナ「ぜひ、行きましょう」

アーロン「ああ、少なくとも俺たちの都合には合致している」

セリス「……」

ティナ「幻獣界……もしかして」

セリス「……ええ。あなたの生まれ故郷よ」

………………


ナルシェ 宿 


アーロン「**スコールへの報告**」

スコール「……幻獣界、か」

リノア「なにそれ」

アーロン「有り体に言うと、召喚獣たちの棲む世界、だな」

スコール「そこに行くことで、この周囲のこれから起こるであろう事件は回避できる、ということだな?」

セリス「ああ、その通りだ」

スコール(聞けば、とんでもない戦いが始まるらしいが、それで回避できるならそれに越したことはない)

スコール「……行こう。ただし、道のりが長いのであれば出発は後日だ」

アーロン「所がそうもいかない。
     道中ナルシェのガードとやらに喧嘩を売ってしまった」

ユウナ「直接戦うことにはなりませんでしたが……でも、私たちは敵としてみなされていると思います」

スコール「……つまり、今すぐ出発するべきだと」

セリス「そういうことだ」

ビビ「そ、そうだね。、戦わなくて済むなら、早く行こう」

スコール「すぐ出発だ。部屋で寝ているファリスをたたき起せ」

ティファ「っ了解」




………………


野宿

スコール「……さて」



ATE 以下3レスくらい参照


1 セリス ティナ (セリスの聞きたいこと
2 アーロン ファリス (雪国で喰ったもの
3 スコール アーロン (覚悟
4 ファリス セリス リノア (似て非なる者
5 ティナ ビビ (クセ
6 全員 (あけおめ
7 その他

寝るかも……



ビビ「……」タッタッタッタ

ティナ「……」ジーッ

ビビ「いてっ」ドテッ

ティナ「……」

ビビ「……ふぅ」ムクッ パッパ……ゴソゴソ

ティナ「ビビは、帽子を直すのが癖になってるの?」

ビビ「え?」

ティナ「いつも帽子を触ってる気がする」

ビビ「……? あ、そういえば、そうだね。
   なんでだろ。癖、なのかな」

ティナ「……」ソッ

ビビ「そういうティナさんも、よく手の届くモノに手を添える癖があるよね」

ティナ「今のはただ撫でてるだけ」ナデナデ

ビビ「そろそろ慣れたけど、これは何か意味があるの?」

ティナ「……自己満足」

ビビ「僕の帽子の手触りがいいのか分からないけれど、人前ではやめたほうがいいかと……」

ティナ「善処する」

ビビ「……そう、ですか」

ティナ「それじゃ」

ビビ「あ、うん。僕はまた薪を運ぶよ」

ティナ「……」テクテク

ビビ「……」(人のこと言えないけど、何か危なっかしいなぁ)





………………




スコール「……」

アーロン「……」

スコール「……あんたでも、人を殺すことにためらいはあるのか?」

アーロン「人をなんだと思っている」

スコール「剣の達人、とか、冷静な大人だとか思っている」

アーロン「剣の達人でも、冷静を装う大人でも、
     人を殺すことに躊躇いはある。
     殺人に迷いがなくなった時点で、そいつは人ではないと、俺はそう思うがな」

スコール「……そうか」

アーロン「お前はそうなりたいのか?」

スコール「いいや。なりたくはない。
     ……けれど、そういう覚悟も必要なのかと思ったんだ」

アーロン「……身を守るために相手を殺す覚悟。
     こんなものが必要な世界では、そういう覚悟はなくてはならないだろう」チャキッ

スコール「……」

アーロン「だがもし殺したことを後悔するようであっても、
     『殺さなければよかった』とは思わないことだ。

     その時は、そうするしかなかった。
     そう思うようにしている」

スコール「……」

アーロン「そうでなくては守るべきものも守れん。

     自分の奇麗事と、守りたいもの。
     どちらを優先するか……俺は、考えるまでもなくなった」

スコール「それが、あんたなりの覚悟ってことか」

アーロン「ああ」

スコール「……ありがとう、参考になった」

アーロン「……」



………………




ユウナ「……あ」

アーロン「……どうかしたのか?」

ユウナ「いえ、何でも……ないことはないんですけど」

ティナ「?」

ユウナ「ドタバタしている間に、年が明けてしまいましたね」

スコール「……」

ティファ「……」

ビビ「……」

ファリス「……」

ティナ「……そうなの?」

セリス「いや、私もよく分からない」

ユウナ「そう言えば、純粋にこの世界の住人なのは私だけだったね」

アーロン「そういえば、もうそんな頃だったな」

リノア「新年かぁー。私の新生活はつい先日始まったばかりだから、なんか今年明けたって感じの実感ないかも」

スコール(俺たちはなおさらだな)



ファリス「よし、んじゃ一発今年の運勢でも占うか」

リノア「え? 占いとかできるの?」

ファリス「風水師のジョブマスターなめんな!」

リノア「いや、よくわかんないけど」

ファリス「おし、まずはそこの陰気臭いイケメンから」

スコール「……」





ファリス「ふんぬぬぬぬ……はいっ!『末吉』」

スコール(……末吉)

ファリス「仕事運……良い
     恋愛運……もめる
     健康運……怪我に気をつけろ
     一 言……今は耐え忍ぶ時

     ってところだな」

ティファ「恋愛でもめごとだって」チラッ

リノア「……へ~、もめるようなことになっちゃうのかなぁ?」ニヤニヤ

スコール(なんだこの空気)


ファリス「まぁ、どこでもめるかはわからねぇぞ。
     っとまぁ、次はビビ行ってみようか」

ビビ「次は僕かぁ……」ドキドキ

ファリス「ほい『中吉』

     仕事運……実らずとも励むが吉
     恋愛運……ラブ米収穫期
     健康運……伸びる
     一 言……努力は認められる」

ビビ「伸びる……!」ワクワク

ティナ「伸びちゃうの?」

ファリス「物理的にでかくなるって意味かはわからねぇがな」

ビビ「僕はそうであってほしいけど」

ティナ(それはもったいない)






ファリス「次はー……
     あ、ティファは恋愛運の項目いらねぇよな」

ティファ「除けモノにするのはよくないと思います」

ファリス「はいはい つっマンねーなぁ『大吉』だよ。
     仕事運……強烈
     恋愛運……より強く結ばれるでしょう
     健康運……またでかくなる
     一 言……高みに登れ」

ティファ「え」

リノア「それ以上?」

ティナ「……」ペタペタ

セリス(……この空気は……!)





ファリス「次だ!!
     おっさん! えっと、『凶』!

     仕事運……苛烈
     恋愛運……過酷
     健康運……悲惨
     一 言……無念」

アーロン「……ん? おい。かなり雑じゃないか?」

スコール(仕事運が、苛烈?
     なるべく頼み事は減らすようにしておこう)



ファリス「次ー ユウナ。
     んー、『吉』

     仕事運……成果はない やりがいはある
     恋愛運……悪くはない 出会いさえあれば
     健康運……危険 乗り越えればしばらく安泰
     一 言……起伏の激しい年になるでしょう」

ユウナ「なんだか落としてアゲる感じだね。
    それに、危険って?」

ティナ「まぁ、この旅を続けていれば危険なのはみんな同じだと……」





ファリス「残るは二人か まずはティナ

     おお!『爆吉』だ!

     仕事運……良好 思うがままに
     恋愛運……押せ
     健康運……ぶっちぎり絶好調
     一 言……やりたいようにやれ 結果はついてくる」

ティナ「ばくきち?」

スコール(とりあえずいいことづくめなんだろうな)

セリス「連愛で、押せって言うのは……ティナには難しいんじゃ」

ファリス「いや、そうとも限らんぜ?
     なあ先輩?」

ビビ「し、しらないよ」

ティナ「?」




ファリス「んじゃ、セリス
     ……すまん、トリなのに滑った。普通に『中吉』だ。

     仕事運……困難だが成果は出る めげるな
     恋愛運……希望を持て
     健康運……死ぬな
     一 言……見知らぬ土地に吉あり」

セリス「死っ!?」

ファリス「まぁ、前述の通り、この旅をつづける以上死にかけることくらいあるだろ。
     深く考えないこった」

セリス「忠告として受け取っておく」





ファリス「ってな感じだな。
     で、当然のように爺さんが行方知れずなのでこれで終わりか」

ティファ「これだけ公開処刑させられたんだから、ファリスのもやろうよ」

ユウナ「確かに、せっかくだしファリスのも聞きたいな」

ファリス「え、俺はいいよ」

アーロン「自ら始めたことだ。シメも自分でやるんだな」



ファリス「チッ わーったよ。
     俺のは……>>直下」


1 爆吉
2 中吉
3 小吉
4 吉
5 末吉
6 凶
7 大凶
8 暗黒大魔凶
9 その他

※ 詳細指定可

選択式でオナシャス
再安価

今気づいたけどリノア忘れてた。
ATEだし深い意味はあまりないしスルーで




ファリス「平……?
     仕事運……がんばれ
     恋愛運……多感、されど迷い多し
     健康運……風邪ひくなよ
     一 言……おちつけ」




他(平ってなに?)

ファリス「平ってなんだよ」

セリス「え、わからないの?」

ティナ「やってる本人なのに……?」

ファリス「いや、だってこれ古き良き占いだし、
     俺が作った占いじゃないし」

アーロン「凶が出るよりはマシだろう」

ファリス「言えてるが、トリでこれは恥ずかしい」

ユウナ「それにしても、なんだかみんなでおみくじだなんて、本当に新年を迎えた感じしますね」

ティファ「確かに、ちょっと賑わって楽しかったかな」

ファリス「……まぁいいか、んじゃ、今年もよろしくってことで」



………………

………………




翌朝



スコール「……で、幻獣界へ行くにはどうするんだ?」

セリス「入り口は知っている。
    行き方も知っている。だが、そのために越えるべき関所がある」

スコール「関所」

セリス「ここから南東に洞窟があるんだが、その洞窟はある国家によって管理されている。
    通行許可を得るためにはその国に直接赴かなくてはならない」

アーロン「で、その国というのは?」



1 フィガロ
2 バロン
3 タイクーン
4 バル
5 アレクサンドリア
6 ガルバディア
7 ウータイ
8 その他



セリス「……ダムシアン、という」

ティナ「……?」

スコール(その様子だと、何か腑に落ちない点でもあるようだが)

セリス「私の元居た世界では、フィガロ王国がこの砂漠の向こうにあるはずだった。
    しかし、この砂漠の向こうにはフィガロではなく、その国が存在していた」

スコール(なるほど)

アーロン「どういう国なんだ?」

セリス「よくはわからない、が。
    商業が盛んな国であることと、火のクリスタルを所有しているという話だけは聞いた」

スコール「クリスタル?」

セリス「? ああ。知っているのか?」

スコール「……一応は」

セリス「とかく、先へ進むにはそこへ行く必要がある」




………………

到着前



スコール「……ん?」



1 バロンの【赤い翼】が飛んできて ドカーン
2 気のせいだった→崩壊前のダムシアン入り
3 【帝国空軍】が飛んできて ドカーン
4 その他


バルバルバルバル……


スコール「……あれは?」





ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥウ……







セリス「!?」

ファリス「……っ」

アーロン「伏せろっ!」




ドカーン










………………


ダムシアン 到着





スコール(酷い……)

ティナ「……」

ユウナ「っ、大丈夫ですか!?」タッ



ダムシアン兵「うぐ……うぅ……あなたは?」

ユウナ「安心してください、敵ではありません。
    ……とにかく、手当を……」

兵士「私のことはいい。
   それよりも……王を」

ユウナ「そんな……っ」

ファリス「っ、手分けして救助だ!
     とりあえず片っ端k」

スコール「……一番回復魔法が得意なのは、あんただな?」

ユウナ「え? 多分、そうですけど……」

スコール「あんたはファリスと一緒にを王族を探せ。
     救助するまで他のけが人は見るな」

ファリス「っ、てめぇっ!」

アーロン「いや、それでいい」

ファリス「っ……!」

スコール「頼む。そうでないと彼も安心して休めない」

兵士「く……すまない」

ファリス「わーったよ」



……………………




ファリス「取り合えず城の上へ行くぞ」

ユウナ「ここのことを知ってるの?」

ファリス「ああ? しらねぇよ。
     んでも大体王族とか偉い奴ってのは上にいるもんだろ」

ユウナ「確かに、そういうイメージだけど」

ファリス「おい、そこのお前。王族はどこだ?」

兵士「っ、あんたは……?」

ファリス「心配すんな、味方だ。
     今治療して回ってるところだ」【ケアル】

兵士「いや、私のことはいい。
   王子はあの扉の先だ。どうか、王子を……」

ファリス「うっせぇ、もう回復したから黙って寝てろ」【スリプル】

兵士「zzz」

ユウナ「……」

ファリス「なんだ? 連続魔がそんなに珍しいか?」

ユウナ(だから、ファリスと一緒に行動するように言ったのかな?)

ユウナ「なんでもない、急ごうっ」

ファリス「ああ」

バンッ





………………


王の間



ファリス「……ん?」

ユウナ「っ、あの人が、王子?」



テラ「あれは……おおーッ、アンナー!」

ギルバート「!?」



ファリス「どうやら、取り込み中のようだな」

ユウナ「それどころじゃないのに……っ!」

ファリス(しかしどうするよ。あの爺の剣幕、黙らせるにはかなり骨が折れそうだが……)



1 ファリス(とはいえ王族を殺されたらかなわん。爺と一戦交える)
2 ファリス「生きてるならほっとけ。怪我人の救助が先だ」
3 その他

おやすみ






ファリス「待ちな」

テラ「貴様が……っ貴様がアンナを……!!!」

ファリス「待ちなっつってんだろうが」

テラ「ええい、うるさい! 外野は引っ込んでおれ!」キィィン【ファイラ】

ファリス「うぉわっ!?!?」

ファリス(今のは、ファイガ? いや、ちげぇ、魔法の格としては『ラ』だ。
     そのくせ、威力は俺の魔法の何倍もある……!)

ユウナ「ファリス!」

ファリス「っ、おい、ユウナ。
     この化けもん一度黙らせるぞ」

ユウナ「……っ、こんなことしてる場合じゃないのにっ」

ファリス「あんた、王子か?」

ギルバート「君は……?」

ファリス「訳あってあんたを守らざるを得ない。
     死にたくなけれあの爺から身を隠せ」

ギルバート「っ……!」

ファリス(本当に隠れやがった)



テラ「むぅ……あの小童はどこへ行った?」

ユウナ「少し待ってください。事情はわかりませんけど、今はそれよりも……」

テラ「黙れっ! あ奴のせいで、アンナは、アンナはもう……
   あの小童を出さぬと、貴様らもわが魔法によって消し済みとなろうぞ!」

ファリス「話し合いの段階じゃねぇ。
     俺が前に出るからあんたは補助に回れ」

ユウナ「……わかった」



ファリス「サイレス」

テラ「バイオ!」

ファリス「グッ……」

ファリス(魔力の素質が根本から違う。俺なんかのサイレスじゃ効果は期待できねぇ。
     それにファイラの次にバイオときたもんだ。
     魔力の感じからして予測できなかったわけじゃないが、
     こいつの魔法のレパートリーは俺の予想以上だと考えていいな)




ユウナ「バオール!」



テラ「サンダラ!」

キィン

ファリス「?」

ユウナ(相手は老体。長期戦を見越してのシェルより、
    その場凌ぎのトリックの方が効果的……)

テラ「ブリザラ!」

ユウナ(属性攻撃を一時的に無効化するこの魔法なら、時間稼ぎには十分。
    その隙さえ作ればファリスなら……!)

ファリス「っ そういう魔法か! よくやったユウナ!」スッ

テラ「っ!」

ファリス「【サイレス剣】なら、それなりには効くだろ!!」

ズバァッ

テラ「ぬぐぅぅっ!?」

1 峰打ち
2 マジ斬り
3 その他


テラ「っ……」ドサッ

ファリス「……お、殺してないよな?」

ユウナ「え、ちょ、ちょっと?」

ファリス「いや、思ったより手ごたえが、な。
     ……峰打ちじゃなかったら多分殺してたかも」

ユウナ「縁起でもないこと言わないでよっ」

ギルバート「ああ……なんでことだ……」ヒョコッ



ファリス「さて……あんたが王族だな?」

ギルバート「……ああ、いかにも。僕はダムシアンの王子、ギルバートだ」

ユウナ「っ、よかった」

ファリス「ああ、とりあえずはな。
     ところで、ここを襲撃してきた奴らは?」

ギルバート「この城に会った火のクリスタルを奪ってから飛び去って行ったよ。
      ……たぶん、もうここには用がないんだろう」

ファリス「この爺さんは?」

ギルバート「……」

ファリス「まぁいい。話したくなけりゃ俺も首を突っ込む理由はねぇ。
     あとはそこで大人しくしているか救助活動を手伝いやがれ」

ギルバート「……もう、手おくれだよ。
      アンナはもう」

ファリス「ああ?」

ギルバート「……」

ユウナ「……その女性、ですか」

ギルバート「……」

ユウナ「でも、この城にはまだ救助を待っている人がいます。
    人では圧倒的に足りません。

    貴方がそうやって打ちひしがれている間にも、命を落としかねない人たちがいるんです」

ギルバート「……っ」

ユウナ「貴方のために命を張って戦った人たちもいるんです。
    その人たちを見捨てるような真似だけはしないでください」

ギルバート「……」




ユウナ「ファリス」

ファリス「おう、今爺を縛り上げたところだ。
     手分けして救助だ。力仕事が必要なら俺を呼べ」

ギルバート「ま、まってくれ。
      ……力に自信はないけれど、僕も、手伝うよ」

ファリス「うるせぇ早く来い!」

ギルバート「うっ、うん……」


……………………



翌日

ダムシアン 謁見の間



スコール「……」

ギルバート「ありがとう。君たちのおかげで助かったよ。
      国をあげてお礼を言わせてもらう……

      とはいっても、その国自体がもう、こんな有様なんだけどね」

スコール「当然のことをしたまでです」

ギルバート「何かお礼をしたい。
      幸いあの連中……バロンの赤い翼は金品の類はあまりもっていかなかったようだ。
      多少の蓄えはあるから、今はそれを礼とさせてくれないか」

スコール(路銀は確かに欲しい。しかし本題は南の洞窟の通行許可だ。
     ここは謙虚に通行許可だけを願うのが吉か。
     
     ……ん?)



スコール「バロン?」

ギルバート「ああ。強大な軍事国家だよ」

スコール「……国王が、最近豹変したとかいう噂を聞きました」

ギルバート「そうなのかい?
      確かにあそこの通商内容が最近物騒だったけれど、
      まさか本当にこんなことを目論んでいただなんて……」

スコール「今回の襲撃の際。黒い鎧の男はいましたか?」

ギルバート「黒い鎧の男……全身を覆う鎧、かな」

スコール「……ええ」

ギルバート「ああ、いたよ今回指揮をとっていたのはその男だった。
      知っているのかい?」

スコール「………………いいえ、噂で」

ギルバート「見たところ旅の人みたいだから、事情には詳しいようだね」

スコール「別に、それほどでも。
     ……ところで礼の件なんですが――――」



スコール(セシル……?)




………………

………………

牢獄

ファリス「あの爺に逃げられた、だぁ?」

兵「ええ。昨夜目を離した隙に、壁を破壊されていました」

ファリス「……まぁ、あの魔力を持ってしたらしょうがねぇかもしれねぇけど。
     そこんとこの対策はしてないのかよ」

兵「もちろん、魔法を使える罪人を収容するための設備もこちらにありますが、
  その為には人員を割く必要もありまして……」

ビビ「……魔法を使えなくさせる装置、みたいだね。
   これに外側から魔導師が力を込めると、牢獄の中での魔法を封じることができるみたいだ」

兵「そうなんです。
  ですが、その時は皆救助に回っていて……」

ファリス「………………ああ、まぁ、そういうことか」



スコール「……」カツカツ

ファリス「おい、スコール」

スコール「……」チラッ

ファリス「昨日報告した爺が逃げた」

スコール「そうか。

     こちらも皆に報告することがある。
     それと、今後のたち振る舞いについても一言ある」

ビビ「……、ど、どういうこと?」

スコール「全員招集だ」



………………


ダムシアン
スコール達にあてがわれた部屋(男性側



スコール「セシルとカインとは、俺たちは無関係を装うことにする」

アーロン「それが妥当だな」

リノア「え、いいの?
    仲間だったんじゃ」

スコール(そこまでの関係とはあまり言いにくいな)

ユウナ「……セシルさんに、何があったんでしょうか」

スコール(なにかあったんだろうさ。
     そうでないとあんな人間がこんなことをするわけない)

ファリス「……洗脳、かもな。
     こんなこと、あいつができるわけねぇ」

ユウナ「私も、そう思う。
    セシルさんがこんなことするわけない」

スコール(……果たしてそうだろうか。
     人間なんて、考えがどう変わるか分かったものではない。
     今日の自分が明日も続くとは限らないんだ。

     洗脳とかじゃなくても、考えが変わることは誰だってあるだろう)

セリス「とはいえ、仲間だと言いふらすと今後の旅路に支障が出かねない。
    良い選択だと思う」

ビビ「……今は、仕方ない、のかな。
   会ったら謝ればいいよね」

ファリス「その前にまずは鉄拳制裁だな」

ユウナ「ま、まぁ、まだセシルさんがやったと決まったわけではないし……」

ティナ「黒い鎧しか、条件は合っていない」

リノア「きっと、バロンに暗黒騎士は何人かいるのよ。
    セシルとは別の誰かが悪い国王の命令でやってるんでしょ、きっと」

スコール「……」

リノア「ね、きっとそうだよね」

スコール「わからない。だからこそ、今は無関係を装う」

リノア「……んまぁ、仕方ないか」

スコール(……余計なことは言うまい)



スコール「ところで、南の洞窟の通行許可は得てある。
     が、しかし、南下するにしてもまた砂漠の道だ。
     準備を整え、明日出発を予定している」

アーロン「つまり」

スコール「それまでは各自自由。
     集合は明日の朝、ダムシアンの城門で」

ティファ「了解っ」


ATE 下三レスまで

1 ファリス ユウナ(名コンビ?
2 スコール リノア(砂漠のこと
3 ティナ セリス ビビ(テラの魔力について
4 ギルバート ユウナ(アンナについて
5 ユウナ 他(異界送り
6 アーロン ファリス ティファ(砂漠の珍味
7 その他

アーロン「あーでもない」

ファリス「こーでもない」

ティファ「……あら?」(飲食店の前で口論?してる)

アーロン「ん? 良いところに来たな」

ティファ「え、何が?」

ファリス「ティファ、あんた料理得意だよな?」

ティファ「え、でも酒場で作ってたのはおつまみくらいだし、後はただの家庭料理程度よ?」

アーロン「それが重要なんだ。
     つまみを作っていたならば珍味には多少詳しいだろう?」

ティファ(なるほどね……どの店に入るか決めかねていたと……
     ほんと、仲良いわね)



ファリス「こっちはアントリオンのキモだぜ?
     アントリオンってアレだろ? 地中に住んでる結構レアめのモンスターじゃねぇか!
     この店は新鮮なアントリオン料理が多いんだとよ」

アーロン「サンドウォームの肉は淡白でこの土地の酒によく合う。
     この国の酒も楽しむためには肉料理メインのこっちの店だろう。
     正直、あまり食に関して博打を打ちたくない」


ティファ「……あはは。
     でも、ちょっと意外かな」

ファリス「何が?」

ティファ「なんか、二人とも一人でご飯食べるのとか平気そうなのに、
     一緒に店に入るのは確定なんだ?」

アーロン「……」フッ

ファリス「ぐっ……」



アーロン「俺の口から説明するか?」

ファリス「ばっ……なんだよその顔」


ティファ「……あ、あれ?」


ファリス「あ?……なんだその顔?」



ティファ「……っ、あ、ご、ごめん。もしかして私、お邪魔だった?」


ファリス「はぁぁあ!?」

ティファ「違うの?」

ファリス「ちっげぇぇーよ!! 悪かねえ男だけどそんっなんじゃねぇよ!!
     どうしても酒が飲みてぇから付き添ってもらってんだよ、悪いかよっ!」

ティファ「ああ、お酒飲むと寝ちゃうって、本当だったんだ」

ファリス「くっそぉー……わぁったよ。今回はそっちの店で手を打ってやる」

アーロン「最初から素直になっていればよかったんだ」

ファリス「……一回だけアントリオン料理を食ったことがあるんだ。
     あれは……イイもんだぜ?」

アーロン「……」ゴクリ



ティファ(確かに色恋関係というよりは……飲み友達みたいな感じよね)






………………


スコール「……」

リノア「ここにいたんだ?」

スコール「……悪いか?」

リノア「悪い」

スコール(なんでだよ)

リノア「私に探させたから、悪い」

スコール(なんでだよ)

リノア「……砂漠かぁ。
    殺風景だよね」

スコール「変に煌びやかよりはいい」

リノア「ドライだねぇ。砂漠のように」

スコール(上手いことを言ったつもりか?)

リノア「……なんか、砂漠ってあんまりいいイメージないんだよね」

スコール「……」

リノア「なんだか、怖い、っていうか……寂しい気持ちになるんだ」

スコール「……」

リノア「記憶を失う前に何かあったのかな?」

スコール「……さぁな」

リノア「……まぁ、スコールにはわからないよね。
    お互い、昔のこと覚えてないわけだし」

スコール「……」

リノア「……」



スコール(砂漠を見て思うこと……か

     何か、無力感を感じる。あと、とてつもない徒労感……)


スコール「……それは、何かの心理テストか?」

リノア「はぁ?」

スコール「何でもない」


リノア「変なの。
    まぁ、なんだか特別な気持ちになるので、おそらく砂漠は
    私の人生において何かがあった場所だと考えて間違いないと思うんだよね」

スコール「……何か思い出せそうなのか?」

リノア「ううん。試したけどだめだった」

スコール「……何か、俺に手伝えることがあるのか?」

リノア「え? ううん」

スコール(なんでその話を俺にした?)

リノア「ただ何となく、聞いてもらいたかったってのと、
    まぁ、あとは、あれよ。なんでもいいからスコールと話したかった、的な?」

スコール「……」

リノア「……反応悪いねぇ」



スコール「………………「悪かったな」」リノア






スコール「……」

リノア「……っ ふふふ、ごめん。ちょっとやってみたかっただけ」

スコール「……」ツカツカツカ

リノア「あっ、ちょっと待ってよ! 怒った?」グイッ

スコール「そういうんじゃない」

リノア「ごめんってば。謝るから、あんまり急に一人にしないで」

スコール「……」ピクッ

リノア「……?」

スコール「……なんでもない」



………………


アンナの墓

ギルバート「……やぁ、君か」

ユウナ「……」

ギルバート「……僕がここにいたことは、誰にも言わないでもらえるかな?
      一王族が、一人の個人の墓参りをしていたとあっては少し問題があるから、ね」

ユウナ「はい。大丈夫です」



ギルバート「……この人は、あの時君たちが戦ったテラさんの娘、アンナだ。
      僕の恋人で、命の恩人さ」

ユウナ「……」

ギルバート「彼女は僕をかばって死んだ。
      あの時の僕は、目の前で彼女を失った悲しさと、無力感で、もう何もできないと思っていた。

      でも、君が言ってくれた言葉が気付かせてくれた。
      アンナと同じように、僕のために戦ってくれた人たちが居る。
      ……もちろん、みんなにとっては国を守るための戦いだけれど、そうやって僕が生き残ったのは事実なんだ。

      その僕が僕のために戦ってくれた人たちを見捨てるわけにはいかない。
      そう思ったら、動かずにはいられなかった」

ユウナ「……」

ギルバート「ありがとう」

ユウナ「……いえ、そんな」

ギルバート「君は、白魔導師の心があるみたいだね。
      僕のわがままで申し訳ないが、どうか彼女の冥福を祈ってはもらえないだろうか」

ユウナ「私でよろしければ」




………………

………………


翌日
南の洞窟

兵「ん、通って良し」

………………

スコール「この洞窟を抜けた先はどうするつもりなんだ?」

セリス「ああ、この先は港町に続いている。
    その港町から船で帝国へ向かう手筈だ。

    その港町なんだが」


1 帝国に制圧されたサウスフィガロ
2 制圧されてないサウスフィガロ
3 その他


サウスフィガロ



帝国兵「……」

バロン兵「おい、あんた達の乗り物、魔導アーマーとかいったか?
     こちらの領土内にはみ出しているのが一機あるんだが」

帝国兵「なんだと? こちとらガストラ帝国だぞ?
    そんな些細な事で……」

帝国兵「そんな些細なことで問題を起こされると俺たちも困るんだよ。
    すまない。すぐに撤去しに行く」

バロン兵「よろしく頼む」

帝国兵「……ちっ」


………………

物影

セリス「……帝国の占領は、私も知っている通りの事実だが……
    まさかこんなに面倒なことになっていたとはな」

スコール(あれがバロン兵で、あっちが帝国兵。
     この港町は二国によって半分ずつ制圧されているのか。

     町を二分する境目があるようだが、その中心で何やら小競り合いが起きている)

ティファ「バロン兵と帝国兵は、共闘しているの?」

ティナ「わからない。でもバロン王国との繋がりはなかったと思う」

アーロン「お互いを警戒し合っている、という感じだな」



スコール「ちなみに、この状況では帝国へ船で行くのは……」

セリス「無論、不可能だ」

スコール(だろうな)

セリス「帝国兵だけなら手の内が知れているだけに定期戦へ忍び込むことは簡単だが……
    双方に気を使っての潜入は難しそうだな」

リノア「じゃあ、せめてどちらかを壊滅させるか、無力化させるのが良いんじゃないかな?」

ビビ「そんな簡単にいくかなぁ?」

リノア「そういうときはリーダーを締めあげればいいのよ。
    指揮系統を奪ってしまえばあとはこっちのものだからね」

スコール(それができれば世話はない、という話なんだがな)

セリス「しかし、そうだな。
    どちらかの混乱を招く必要がありそうだ」

ファリス「んじゃ、具体的にはどうする?」




1 帝国兵を何とかする
2 バロン兵を何とかする
3 別ルート開拓
4 その他

おやすみ





セリス「……帝国兵を何とかするのが一番手っ取り早いだろうな」

ティナ「そう?」

セリス「奴らの手の内は知っている。
    やりようはいくらでもある……と思う」

スコール(不確定……だが、確かに身内がここにいるというのはやりやすい)

スコール「まず帝国兵を何とかする。
     方法はあんたに任せたいが……」

セリス「一番の目的は密航。
    それが不可能であれば定期船の占領だ。

    密航であれば忍び込むために何が必要かを知るべきだな」

ファリス「ちなみに、自分たちの船で行くという選択肢は?」

セリス「帝国の海域には巡視船もある。見つかれば面倒が増えるだけ。
    しかしここの船さえ手に入れれば帝国本土への着岸は容易だ」

アーロン「占領か密航かなら、
     戦力的には前者が手っ取り早いが」

セリス「帝国の魔導アーマーを甘く見ない方がいい。
    戦うにしてもそれなりの作戦を立てないと死人が出る。
    ……最低でも向こうにある魔導アーマーの状態は把握しておきたい」

スコール(どちらで行くにしても、まずは情報戦か)




情報収集するメンバー四人     



1 スコール ビビ アーロン (密航ルート濃厚
2 ティナ ファリス リノア (占領ルート濃厚
3 セリス ユウナ ティファ (リターナールート開拓
4 その他組み合わせ


スコール(セリスの指示通りに動いたらまずはサウスフィガロに侵入することはできた)

アーロン「まずは帝国側の戦力の調査と行くか」

スコール「それも必要だが、まずは港の確認だ」

ビビ「ほ、本当に僕たちだけで行くの?」

アーロン「この人選が妥当だろう」

スコール(いろいろと理由はあるんだがな)



………………



スコール「……港は閉鎖されているようだな」

アーロン「完全に閉鎖というわけでもないらしい。
     あちら側で荷物の搬送をしている」

スコール(帝国側からは船が来ている。
     ……来る船があるということは、行く船もあるということだ)

ビビ「大きい船だね」

アーロン「ん、そうだな」

ビビ「あれだけ大きいと、隠れる場所もたくさんありそうだね」

スコール「……確かに、そうだな」

アーロン「なるほど、乗ってしまえばあとはどうにでもなりそうだな」

スコール(問題はどうやって乗り込むか、だ。
     変装か、荷物に紛れ込むか、あるいは……)

アーロン「船が出たという事実さえあれば、後は船員を追い出してもかまわないだろう」

ビビ「そ、それは最終手段、だよね?」

スコール(……占領、か。だな)



………………



路地裏

帝国兵「おい、お前さっきのバロン兵だな?」

バロン兵「何用だ? ここはバロン国の占領下だぞ?
     長居はせんことだな」

帝国兵「うるせぇっ」ファッ

バロン兵「っ、な、何をする!?
     国際問題になりかねないぞ」サッ

帝国兵「個人的に喧嘩売りに来ただけだ。勘違いするんじゃねぇよ」

バロン兵「……ふん、俺もあんたみたいなのは気に入らないと思ってたところだ」チャキッ

帝国兵「っらぁっ!」ファッ



アーロン「そこまでだ」

省略



アーロン「……一般兵の程度はたかが知れているな」

両腕の関節が一か所ずつ増えた帝国兵「……」

各種状態異常でもはや自分が何者かわからないバロン兵「……」

スコール(確かに、雑兵程度ならアーロンレベルじゃなくても対応できる。
     しかし問題は魔導アーマーとかいうやつだな)

アーロン「魔導アーマーか……
     魔法に関わる代物ならビビの方が得意そうだな」

ビビ「え?」

アーロン「周囲にどれだけあの兵器があるか、わかったりはしないか?」

ビビ「……どう、だろう。動いてない魔導アーマーの魔力は強く感じられない、かな」

アーロン「……アドバイザーに連絡するか」

スコール(……ユウナから渡されたこの草。
     こういう状況に役に立つといわれたが、本当に人の声が聞こえるんだろうか)



ひそひ草「……」



スコール「……」トントントン


ひそひ草(セリス)「聞こえるか」

スコール「! ああ、聞こえる」

セリス「……本当に聞こえるものなんだな」

スコール「確かに驚かされたな。
     ……ところで、魔導アーマーについて聞きたいんだが」

セリス「なんだ?」

スコール「帝国側の魔導アーマーの数を知りたい。一番的確な方法は、やはり目視だろうか。
     ……一応、ビビは微弱な魔力なら検知できるらしい」

セリス「起動していない魔導アーマーの魔力を検知できるのか?」

スコール「……」チラ

ビビ「……」コクン

スコール「可能だ」

セリス「それができるなら、遠隔操作もできそうだな。
    帝国ではケフカくらいしかできない芸当だったが……」

スコール(ケフカ……?)

セリス「ビビに代わって」


ビビ「あ、えと、もしもし、かわりました」

セリス「事情は聞いている。魔導アーマーの数を知るためには、
    貴方の魔力で魔導アーマーを遠隔操作する必要がある」

ビビ「遠隔操作?」

セリス「ああ。戦闘の時のように、目標とする場所に向けて魔力を飛ばすイメージで、
    魔導アーマーがあると思われる場所に空の魔力を放つんだ」

ビビ「か、からの、まりょく?」

セリス「攻撃魔法でも回復魔法でもない、
    ただの魔力を放ち、感覚を確かめて操る。
    専門家がそう言っていた」

ビビ「……そんな、むずかしいこと、できるかな」

セリス「そんなに難しいことじゃない。
    正気ではない人間にできたことだ。
    魔法のセンスに長けている貴方ならできるはず」

ビビ「……う、ん。やってみるよ」


………………


結果  帝国兵の勢力

1 流石に総力戦は難しすぎる(魔導アーマー百機以上
2 やってやれないこともない(魔導アーマー10機
3 見える範囲にしか魔導アーマーはない(魔導アーマー3機
4 ビビでは戦力を図ることはできなかった。
5 その他


ビビ「はぁ、はぁ……」

スコール「……無理はするな」

ビビ「あ、うん。でも、これでわかったよ」

アーロン「……」

ビビ「流石に、百機以上もあるってのは、無理、じゃないかな」

アーロン「そうだな。事を荒立てない方法を考えるべきか」



スコール(手段は、密航。
     少なくとも船が出るまでの占領行為は無し。
     行動の指針は決まったな)

スコール「密航するにしても、荷物に紛れ込むか、もしくは帝国兵になり済ますかの選択があるわけだが」

セリス「密航するための方法を考えているようだな」

スコール「ああ」

セリス「……もしかしたら、なんだが……

    ………………いや、何でもない」

スコール(わざわざ話しかけておいてそれか)



1 変装強行
2 大きな荷物に紛れ込む
3 セリスから真意を聞きだす
4 その他

アーロン「聞き出せ」

スコール(本人が話したくないって言ってるんだ。
     もういいだろ)

アーロン「気が引けるのはわかるが、何か方法があるなら全て考えてみるべきだ」

スコール(仕方ないな)



スコール「何か、言いかけたか?」

セリス「……」

スコール「何か別の方法があるなら言ってくれ」



セリス「……北西の建物に行ってみてもらえるか。
    そこにここの司令官が居るはずだ」

スコール(まさか)

*****回想

リノア「そういうときはリーダーを締めあげればいいのよ。
    指揮系統を奪ってしまえばあとはこっちのものだからね」

*****

スコール「……リノアの口車に乗ったわけではない、よな?」

セリス「違う。
    いや、できなくもないだろうが、密航する上では必要ないはずだ」

スコール「わかった。で、そこに行ってどうするつもりだ?」

セリス「私の考えが正しければ、うまく立ち回ればそこに協力者になってくれそうな人物がいるはずだ」

スコール「……うまく立ち回れなかったら敵になるのか?」

セリス「いや、帝国の味方でないことを話せば敵にはならないはずだ。
    ………………」

スコール(歯切れが悪いな)

スコール「そいつに会えば密航の手段が整うのか」

セリス「……あ、ああ」

スコール「……」

アーロン「少なくとも、俺達に変装のセンスがあるとは思えん。
     密航に手を貸してくれる人物がいるというのなら、行ってみる価値はありそうだ」

ビビ「僕も、船の中で見つかるの可能性が減るなら、それが良いと思うな」



スコール「……分かった、行ってみよう」

セリス「っ……うん、気をつけて」



……………………




北西の家



コソコソ コソコソ……



スコール(コソコソはしているが、
     まさかの、警備がガバガバだな)

アーロン(上着まで脱いで軽装で来たのに……帝国兵の奴らやる気がまるで感じられないな)

ビビ(この二人の後ろに立ってるとすごく頼もしい……)



アーロン「しかし、なんだな。
     どこまで行けばその人物に会えるんだ?」

スコール「そこまでは明言されなかった。
     だが、ここまで来たんだ。せめて情報くらいは聞き出していきたい」

ビビ「……情報って、どんな?」

スコール「とりあえず船の積み荷、乗り込む人員の数、時間……
     できれば、司令官の私室に入り込むくらいはしていきたい」

アーロン「大たんだな」

スコール(これだけ警備がガバガバならできないこともないだろ)




………………

潜入後数分

スコール「……ん?」




扉の向こうの子供の声「ちょどどーん! ちょどどーん! まどうあーまーだぞー!」

扉の向こうの帝国兵「おまえら やめれー!」

帝国兵「司令官殿、報告書なんですが……」

司令官「今無理」

子供「ちょどどーん! しれーかんあそんでー!」

司令官「……ここの家は帝国の協力者だ。子供や家の者には最大限協力しろとのことだから、
    ここで俺が子供の世話を放棄するわけには、いかん!」

帝国兵「し、しれいかん……」

子供「しれーかん! バロン兵の役やってー!」

司令官「ぐ、ぐぬぬ、お、おおお! 我こそはバロン王国の兵士!」




スコール「……」

アーロン「……」

ビビ「……」

1 司令官の部屋へ忍び込む
2 司令官の部屋へ忍び込む
3 司令官の部屋へ忍び込む
4 そのt
スコール(考えるまでもないな)





………………

司令官の部屋



『船の積み荷の情報 人員の情報 出航時間 のお情報を手に入れた』ティロリン

スコール「これだけで密航に必要なものはそろったと思うが……」

ビビ「協力者さんには、会えなかったね」

アーロン「……ああ」





1 セリス「待って、その部屋の本棚の後ろに隠し通路がある」(協力者フラグ濃厚
2 スコール「……そろそろ撤退するぞ。待機組と合流だ」 (協力者フラグ消失
3 ビビ「うわっぷ」ドテッ 帝国兵「!? 誰だ!」(騒動
4 その他

セリス「待って、その部屋の本棚の後ろに隠し通路がある」

スコール「……隠し通路?」

アーロン「?」

ビビ「……あ! 本当だ」



………………


セリス「その隠し通路の先、階段を降りると……
    ……本来ならそこで私が捕まっているはずだった」

アーロン「元の世界では、か」

セリス「ええ。そこで私はある人物に助けられることになる。
    その人物というのが、リターナーの諜報員、ロック」

スコール「そのロックが、協力者というわけか」

セリス「……」

スコール「……だが、もしここにロックが居たとして、
     そのロックがあんたの知っているロックではない可能性もある」

セリス「……ええ」

スコール「その場合は、どうなるか分からないが、それでもいいのか?」

セリス「………………ええ」



スコール「行こう」

アーロン「ああ」

ビビ「……すごい風……」



………………


スコール(左右の分かれ道、か)


1 左に行く (協力者? ロックとの遭遇
2 右に行く (協力者? ジタンとの遭遇
3 まっすぐ行く (???
4 その他

ビビ「……」スッ

アーロン「何してるんだ?」

ビビ「え、いや、その、なんか、こっちにも道があるんだなーって」

アーロン「確かに、そうだな。
     よく見ないと気付けなさそうな通路だ」

スコール「倉庫のようだな」

セリス「倉庫……?」

アーロン「行ってみるか。協力者とやらが隠れているやもしれん」

セリス「……確かに、あやしそうなところは調べたがる人だけど……」



………………

隠し通路の先

スコール「……?」



1 元の世界の記憶を持つロックとの遭遇
2 ジェフ?との遭遇
3 セシルとの遭遇
4 カインとの遭遇
5 その他



ジェフ「……なんだお前ら」

スコール「……あんた、ロックか?」

セリス「! 居たの?」

ジェフ「残念ながら俺はロックではない。
    お前ら、帝国のものか?」

スコール「……違う。俺たちは……」
    (どこから説明するべきなんだ? 相手がロックならセリスにどうするべきか聞くんだが……)

セリス「……誰?」

アーロン「わからん。すくなくともこの男はロックではないらしい」

ジェフ「……あいにく、あやしい男たちに名乗る名前は持ち合わせてなくてね」

ビビ「……僕たち怪しいのかな?」

スコール(そうだろうな。帝国の占領下にある家屋の地下にいる時点で、俺もこいつもあやしいもんだ)



ジェフ「この家の宝が目当てなのか、それなら俺はあんた達の邪魔はしない。
    その代り、お前たちも俺の邪魔をするな。いいな?」

スコール「……宝が目当てなんじゃない。俺たちは、帝国本土に渡る方法を探している」

ジェフ「なんだと?」

スコール「説明が面倒だ。とにかく、干渉し合わないという申し出はこちらも願ったりだ。
     お互いの姿は見なかったことにしよう」



ジェフ(こいつら……帝国に何の用だ?)

スコール(話す必要があるのか?)

アーロン(話すべき相手ではないな。あやしすぎる)

ビビ(何か、変な人だなぁ)



ジェフ(気にはなるが、相手は男だし、メンツがあやしすぎる。
    ここはやり過ごすのが得策か)



ジェフ「それでいい。ではお先に失礼するよ」

セリス「……?」







スコール「……なんだったんだ?」

アーロン「しかし、妙な奴だったな」

セリス「誰かいたの?」

アーロン「ああ。金髪碧眼のあやしい色男だった。
     奴はロックではないと言っていたが」

セリス「……金髪碧眼……
    サウスフィガロ……」



1 セリス「その男、追って」(フィガロルート開拓
2 セリス(どういうこと? この世界ではロックは別行動をしているってことなの?)(密航ルート(協力者なし)確定
3 その他

おやすみ


セリス「その男、追って」

スコール「……いいのか?」

セリス「もしかしたらもっと簡単に帝国へ入り込む方法が見つかるかもしれない。
    場合によっては目的地までの障害を全部排除できる」

スコール「……」チラ

アーロン「事情が呑み込めないが。
     どっちにしろ一時撤退する雰囲気だったからいいんじゃないのか?」

ビビ「危険が減るかもしれないなら、僕もそれでいいと思う」

スコール「こちらは賛成だ」

セリス「……じゃあ」




……………………



ジェフ?の向かった先

1 リターナー本部
2 フィガロ王国
3 その他

ごめんなさい。FFUSAの存在は知らなかった。
FF1~13に限定させてください。

再安価
>>直下

………………

バフスクの町

セリス「……どこ? ここ」

スコール(あんたの指示で来たつもりだったんだが……?)



ジェフ「どこも何も、あんた達はあれが目的で来たんじゃないのか?」



アーロン「気づかれていたみたいだな」

ジェフ「この長距離をその大人数でついてきていて気付かないとでも?」

スコール(……とりあえずやばいことになってきたことだけはわかったぞ)



セリス「……ごめんなさい。私、この人のこと勘違いしていたかもしれない」

ジェフ「まぁ、俺としては大勢のレディーに追いかけまわされていい気分だったがね」

セリス「……勘違いじゃ、ない?

    貴方、エドガー、よね?」

ジェフ?「……お前は?

    いや待て、思い出したぞ。昔帝国で、いや、ガストラ帝国で会ったことがある」

リノア「あ、あのぉ。
    話が込み合うようだったら少し身を潜めた方がいいかなー、なんて」

ジェフ?「そうだな。
     と言っても、俺はここでは顔が利く。
     ……宿でも取ろう」

スコール「大丈夫なのか? 厳戒態勢のように見えるが……」

ジェフ? 「問題ない。俺はこの国では特別中の特別VIPだからな」

パラメキア兵「ん? お前たち、何だぞろぞろと」

ジェフ?「私だ」

パラメキア兵「……あ、貴方は……!」

エドガー「ああ、そうだ。エドガーだ。
     たった今用事を済ませてきた。
     こいつらは向こうの内通者たちだ。
     ……で、我々は少々疲れている。自由になる部屋など与えてもらうと嬉しいんだがな」

パラメキア兵「ははっ!」



………………


あてがわれた部屋



エドガー「改めて自己紹介しようか。
     私はフィガロ王国の王。エドガー=ロニ=フィガロだ」

セリス「……」

エドガー「そちらのレディは、ガストラ帝国で会ったことがあるみたいだがね」

セリス「……まぁ、そんなところだ」

エドガー「まさかあの時の少女が、今やガストラ帝国を賑わす常勝将軍となるとはね。
     私の首でも取りに来たか?」

セリス「事情は知っているくせに、よく言ったものだな」

エドガー「その口ぶりだと、帝国を抜け出すのには成功したみたいだな。
     それは良かった」



スコール「……」

エドガー「ところで、どうして私の後をつけてきた?」

スコール「……」(説明してもいいものか?)



セリス「彼は、信用してもいいと思う」

スコール「……その心は?」

セリス「こちらには女性が多い。国と女性の心と、どちらを取るか、この男なら容易に予想できる」

エドガー「酷い言い様だが、個人的にはその推測に当てはまる人間であると自負している。
     ……一応はフィガロ王国のことを考えて行動しているんだがね」

スコール(……判断に困る、が。
     ここは乗っておくか。とにかくこの国の事情すらも知らない俺たちは、
     この男にすがるしかない)



……………………

説明後


エドガー「………………」


スコール「……」(説明の間ずっと黙って聞いていたな……
         どういうつもりだ?)



エドガー「……」


1 エドガー「どおりで、ガストラ帝国の動きがおかしかったわけだ」(FF6の世界から来たエドガー)
2 エドガー「セリスの様子が変だから疑ってたが、まさか……」(FF6 ラスボス後のエドガー)
3 エドガー「その夢物語を信じろと?」
4 エドガー「そちらのレディがうなずくなら、全て信じるさ」
5 エドガー「ようやく現れたか、その手の人間が」(???
6 その他


エドガー「セリスの様子が変だから疑ってたが、
     ……まさか同じ境遇の仲間がいたとはな」

セリス「……?」

エドガー「その話は信じよう。何を隠そう、俺もこの世界の人間ではない。
     セリスと同じ世界で、フィガロ王国の王として一緒に戦っていたんだ」

スコール(話が通じて良かった……が、余計話がややこしく感じてきたぞ)

セリス「なら、どうしてこんなところに」

エドガー「こんなところにいることが、あのガストラを止めるために必要なことなんだよ」

セリス「どういうことなの?」

エドガー「ガストラ帝国の軍事力の肝は、幻獣を使った魔導の力。
     しかし、ここのパラメキア帝国はガストラ帝国に引けを取らない。

     ……こうていの考え方はさておき、ここで建造中の大戦艦が出来上がれば、
     幻獣の反乱同様に、彼らへの抑止力となり得る」

セリス「でも、それじゃあ、幻獣が……」

エドガー「それが俺がパラメキアに協力する条件だ」

セリス「?」

エドガー「パラメキアには帝国と交渉してもらう。
     『これが幻獣の新の力だ。お前たちの手には余る』」

セリス「……貴方、まさか」

エドガー「ああ。パラメキアには幻獣を提供することになっている。
     その力を大戦艦に利用し……帝国領土を襲撃する」

ティナ「……」



提供した幻獣

1 フィガロの地下より オーディーン
2 フィガロの地下より ライディーン
3 オークション会場より ケーツハリー
4 その他
5 エドガー「……うってつけの幻獣が、そこにいる」(ヴァリガルマンダ

NG エドガー「ティナを差し出す」


エドガー「さっきサウスフィガロにいたのは、様子見と、これを取りにむかっていたんだ」

セリス「魔石……?」

エドガー「ああ。覚えているか? フィガロの地下の遺跡で見つけた魔石だ」

セリス「……それを、このパラメキア帝国……? に?」

エドガー「ああ」



セリス「やめて」

エドガー「……言うと思ったよ。
     だが、こうていには幻獣の力を提供するのはこれっきりだと、そう言ってある」



ファリス「……要するに、喧嘩させあった後に、その軍事力を捨てろって言うってことか」

エドガー「まぁね」

ファリス「……」

ティファ「……」

リノア「……」



ファリス「ば~~~~~~っかじゃねぇの!?」



エドガー「……色々と考えてはいるつもりだ。
     最後の手段も」

セリス「戦争を助長するつもり?」

エドガー「戦争にはならない。
     ガストラ帝国本土の、山を幻獣の力で爆撃する。
     その破壊力を見ればガストラ皇帝も考えを改めるだろう」

ファリス「ンなわけねぇだろ!」

エドガー「ガストラ皇帝は、野心はさておき聡明な人物だ。
     幻獣の力を、自分の国以外が軍事力として保有できると知れば交渉には取り付けられるはずだ」

セリス「……」

ティナ「……」





1 エドガー「……それに、パラメキアのこうていの方が、御しやすい」
2 こうてい「必要とあらば幻獣界すらも征服するまでだ」
3 その他


寝ます。



エドガー「……それに、パラメキアのこうていの方が、御しやすい。
     目的もわかりやすいしね」

セリス「こうていの目的って?」

エドガー「世界征服」

ファリス「……はぁ」

エドガー「少しまとめようか。

     パラメキア帝国はガストラ帝国と争うつもりだ。
     俺はその時の人的被害を最小限にするべく、パラメキア帝国に秘密裏に協力している。
     最終的に、ガストラ帝国には幻獣の力を手放させ、パラメキア帝国に下ってもらうのが目的だ」

スコール「……しかし、ガストラ帝国には魔晄の技術が提供されている。
     その辺の可能性は加味しているのか?」

エドガー「……魔晄か。
     星からエネルギーを吸い出しているとは聞いているが、
     ガストラめ、まさかすでにその技術を使いこなしているのか?」

ティナ「それは、まだだと思う」

エドガー「ほう?」

ティナ「帝国には、私の知る限りでは魔晄に関する施設はない」

エドガー「君は……この世界のティナなのかい?」

ティナ「……」コクン

エドガー「なるほど、それなら確かな情報だな」

ティファ「でも、ティナには魔晄の力が備わっている。
     おそらく、一部の兵士には魔晄の力があると思ってもいいかもしれないわね」

エドガー「こちとら魔導兵器とパラメキア皇帝の力を合わせた大戦艦だ。
     いくらガストラ帝国でも太刀打ちできる代物ではないだろう」

スコール(勝てる要素を何度も口にすると、勝てる見込みもなくなりそうに聞こえる……
     本の読みすぎか)



エドガー「……ところで、君たちは何を目的として俺をつけてきたんだ?」

スコール「セリスに聞いてくれ」

セリス「……」




1 セリス「本当に、パラメキア帝国なら、ガストラ帝国を止められるの?」→パラメキア帝国編
2 セリス「本当はあなたに協力してもらうつもりだったけど。
      事情が変わったわ。私たちはあなたの件に関わらないことにする」→密航編へ
3 セリス「……幻獣の力を、これ以上使わせるわけにはいかない」→エドガー戦
4 その他


セリス「本当に、パラメキア帝国なら、ガストラ帝国を止められるの?」

エドガー「明らかになっている国力を見る限りでは、ここ以外ないだろう」

セリス「……スコール」

スコール「なんだ?」

セリス「……ガストラ帝国をこのままにしておくと、
    いずれ世界が崩壊するほどの大事件が起こる。それを止めるには、彼に協力すrのが一番だと、おもう」

スコール「そうか」

セリス「私はここでエドガーに協力する。
    貴方達はどうする?」

スコール(どうするも何も……)



アーロン「幻獣との接触が可能なら、俺達はいくらでも協力するさ」

ユウナ「私も、同じです。
    それにそんな大変なこと、見過ごせません」

ティファ「乗り掛かった船よ。私も協力する」

ファリス「……」

ティナ「ガストラ帝国を止められるなら。私も、協力する」

ビビ「み、みんながやるなら、僕もやるよ。できる限り」



リノア「どうする? スコール」

スコール(この世界の正常化のためには、各地の異変を正していく必要がある。
     おそらくガストラ帝国を止めることも依頼内容に沿っていることだろう)



スコール「そうだな。俺たちも協力しよう」

エドガー「助かる。いくつか懸念点があったから、俺一人では難しい話だったんだ」

ティファ「えと、じゃあ、よろしくお願いします。国王陛下……?」

エドガー「かしこまる必要はない。これからは運命共同体、仲間だ。
     不必要に距離を取るべきではないだろう。

     特に、女性からは敬意より親愛の念を込めて接してほしいからね」

ティファ「ん? え、はぁ……」

 エドガーが仲間になった。




………………


数時間後

バフスクの町

スコール達にあてがわれた部屋



ファリス「よう」

スコール「……あんたか」

ファリス「真面目な話なんだが」

スコール「なんだ?」

ファリス「俺は抜けようと思う」

スコール「……そうか」

ファリス「引き留めねぇのか?」

スコール「あんたの自由だろ」

スコール(それに、俺がどうのこうの言ったってそれで意見が変わることもないだろう)

ファリス「まぁ、あんたはそう言うだろうと思ったけどな。
     ……正直、今回の話は俺の元の世界に帰る方法に繋がりそうにねぇ。
     俺は個別行動させてもらうぜ」

スコール「ああ。わかった」

ファリス「みんなには適当に伝えておいてくれ」

スコール「ああ。うまく伝えておく」

ファリス「……」

スコール「……」

スコール(こういうとき何か言うべきなのか?)



1 スコール「……」→ファリス離脱
2 スコール「……また、どこかで」→ファリス離脱
3 スコール「……本当は、あんたには居てもらいたいと思っている」→継続
4 その他

スコール「……本当は、あんたには居てもらいたいと思っている」

ファリス「っ……お、おお?」

スコール「なんだ?」

ファリス「い、いや。お前の方から、そうやって言われるとは思わなかった」

スコール「本当に思ったから言ったまでだ」

ファリス「マジかよ」

スコール「ああ。
     とはいっても、引きとめるつもりはない
     あんたの自由にしてくれ」

ファリス(てっきり『じゃあな』の一言で片づけられそうなもんだと思ってたが、
     なんだ、意外と俺も頼りにされてるってことか?)

ファリス「……まぁ、俺としちゃあ次に行く場所のあてもないし、
     どうしてもというならついていってやってもいいんだぜ?」



1 スコール(そこまで強要するつもりはない)→ファリス離脱
2 スコール「俺にはあんたが必要だ」→ファリス残留
3 スコール「戦力的にもチーム的にも、あんたが居てくれた方が助かる」→ファリス残留
4 その他


スコール「俺にはあんたが必要だ」

ファリス「っ――!?」ドキッ

スコール「あんたの意志は尊重したいが、一緒にいてほしいとは思う」

ファリス「……ちょ、ちょっとまてよ、そういう言い方はずるいだろ」ドギマギ

スコール「……」

ファリス「それにお前、リノアは、どうするんだよ?」

スコール「リノアも言いたいことはあるだろうが、今俺はあんたの話をしているんだ」

ファリス「は、はぁぁあ?……」ドキドキドキ……



ファリス「ちがっ、俺が期待してたのは、ほら……

     なんというか、アーロンとかティファとかが居ればお前ら、戦力的には十分だろ?
     おまけにセリスもなかなかやるしエドガーも強そうだ。
     ……俺は一人でも元の世界に戻る方法だって探せるし、な。

     強めに引き留めてもらわなかったら、サクッと一人旅でも~と思っただけで」



スコール「あんたを一人にはさせない」



ファリス「ぇ」

スコール「ファリス。俺と一緒に来てくれ」

ファリス「や、ま、まてよ……そんな、まるで」

スコール「……強めに引き留めてもらいたいのか?」スッ

ファリス「いやいや、それはもういいから。いや、何する気だ?
     おい、近づくな、離れろ! 近い 近い! 近い!!」

ドンッ



スコール「行くな」

ファリス(もうだめだ)プシュー……!







1 スコール「……あんたを一人にするとまた海賊行為を働きかねない。
       一人にするわけにはいかない。
       それにあんたがチーム内の人間関係を円滑にまとめてくれるおかげで~~~」→全て朴念仁のせい

2 スコール「……これで満足か?」
  ファリス「……は、はぁ? からかってたのか!?」→スコールなりの意地悪

3 本気だった

4 その他


※1~3はどれも残留確定


スコール「……あんたを一人にするとまた海賊行為を働きかねない。
     一人にするわけにはいかない。

     それにあんたがチーム内の人間関係を円滑にまとめてくれるおかげで、
     俺は周囲のことや戦略に集中して考察できる。

     都合がよすぎるとは思うが、あんたが居てくれるとこのチームはよくまとまるんだ」

ファリス「……」プシュー

スコール「……悪いな。引き留め方がよく分からなかった」スッ

ファリス「……」プシュー

スコール「以上が俺の言い分なんだが、どうする?
     離脱するのなら後のことは俺が何とかするが」

ファリス「へ? あ、えと?」(やべ、聞いてなかった)

スコール「……残るのか? それとも、やはり一人旅をするのか?」

ファリス「や、うん。スコールが、そういうなら……居るよ。ここに」(直視できねぇ……)

スコール「そうか」

ファリス「いや、別に……」

スコール「ありがとう」

ファリス「お、おう。じゃ、じゃあ、な」

スコール「ああ」




ガチャバタン




スコール(何だったんだ?)


………………


………………




ATE 以下三レス

1 スコール エドガー(今後の予定
2 ビビ (魔導  ※パートナーをティナ セリス エドガーから選択可
3 セリス ティファ アーロン(強きものから見るパラメキア
4 ユウナ ファリス セリス ティファ リノア (女子トーク
5 スコール リノア(ファリスとの会話について
6 スコール ファリス (意識
7 ティナ ファリス(愛とか恋とか
8 エドガー (機械 ※ パートナーを アーロン ユウナ から選択
9 エドガー セリス(セリスの目的
10 その他



ティファ「セリスってさ」

セリス「なんだ?」

ティファ「エドガーとは、仲良いんだ?」

セリス「……何が言いたい?」

ファリス「そういや、お前エドガーの前だと口調変わってたよな」

セリス「っ!? そ、そんなことは……」

ユウナ「無理しないで、普通に話してくれていいんだよ?」

セリス「くっ……確かに、素じゃないことは認めるけれど、
    私とエドガーはそんなんじゃないから」

リノア「えー、でもエドガーはセリスのこと好きでしょ?」

セリス「あれは誰にでも言ってるの。
    ユウナだって言われていたでしょ」

ユウナ「うん、言われた」

セリス「……一応言っておくけれど、本当に手を出されないようにね」

ユウナ「大丈夫。格好いいとは思うけれど、私の理想とは正反対だから」

リノア「!? もしかして、スコールみたいなのとか?」

ティファ「エドガーの真逆がスコールなの?」

ユウナ「ううん。もっと親しみやすい人が良いな」

リノア「確かにスコールは取っ付きにくいよね」ホッ

ファリス「まぁ、そうだな」

ユウナ「ふふ、大丈夫だよ。だれもスコールを貴方からとったりしないって」

リノア「いや、そんなんじゃ……」

ファリス「そこは肯定しておけ、な?」

リノア「……なくもないけどさ」

ファリス(そうじゃないと俺の気持ちが揺らぐからな……)

ティファ「そうそう、素直になっておきなさい。
     私たちは応援してるから」

セリス「……でも、あの朴念仁に恋愛なんてできるの?
    短い期間だけど、スコールを見てるとまるでロボットみたいに見えるけれど……」

ティファ「それが、意外とリノア相手だとまんざらでもなさそうに見えるのよ」

ユウナ「確かに、出会ったときのあの感じは驚きました」

ファリス「正直、間に入りづらいよな。中睦まじくて」

リノア「……まぁ、私はいいけどね。
    でもなぁ、本当に露骨に好き好きって言うと、スコールは引きそうな気がする」

ティファ「それもそうね。あと、『そうか』とか言って固まりそう」

リノア「言うべきタイミングは間違えないようにしなくちゃ……」



ファリス「……」



……………………



ファリス「……はぁ」

ティナ「どうしたの?」

ファリス「……うなだれている」

ティナ「……見ればわかる。どうしてそうなってるの?」

ファリス「……うん、ちょっとな、あることで悩んでいて、
     まぁ、それは良いや」

ティナ「良いの?」

ファリス「ああ。胸にしまっておく」

ティナ「……じゃあ、話は変わるけど、
    さっき貴方達がしていた話のことで気になることがあるの」

ファリス「なんだ?」

ティナ「人を好きになるってどういう感じなの?」

ファリス「話変わってねーよ」

ティナ「?」

ファリス「……それがわかってれば、少しはこの感じにも決着付けられそうなもんだがなぁ」

ティナ「貴方も悩んでるの?」

ファリス「………………ああ」

ティナ「私と、同じ?」

ファリス「ああ?」

ティナ「……」

ファリス「まさか、お前もあいつのこと……っ」

ティナ「?」

ファリス「……ってーわけじゃなさそうだな」

ティナ「……恋とか、愛とか、なんかよくわからなくて」

ファリス「あ、ああ、その段階な」(それって、ただ単にお前が幼すぎるだけなんじゃ……?)

ティナ「……」

ファリス「俺じゃ役にはたたねーよ。
     そういうのは……そうだな、リノアとかティファの方が具体的に答えてくれると思うぜ」

ティナ「そう?」

ファリス「ああ。俺もこれがなんなのかいまいち確信が持てないところがあるしな」

ティナ「そう……」

ファリス「まぁ、お互い悩み多き者同士、ゆっくり歩いていこうさ。
     死なないうちは悩み放題だ」

ティナ「うん。そうだね」



…………………………



エドガー「……」

セリス「……」




エドガー「俺は君の知っているエドガーで間違いないだろう。
     だから、余計なことはいい。
     
     君が一番気になっている話をしよう」

セリス「ロック、みなかった?」

エドガー「だろうね。
     ロックの行方なんだが」

セリス「……」



1 エドガー「俺の知る限りの範囲に、俺たちの知るロックはいなかった」
2 エドガー「リターナーにいるロックは、『この世界のロック』だった」
3 エドガー「今、ロックはコーリンゲンに居る」
4 エドガー「……ロックは死んだ。ガストラ帝国の手によってね」
5 その他


エドガー「今、ロックはコーリンゲンに居る」

セリス「……」

エドガー「どういう意味かは、わかるだろう?」

セリス「………………」

エドガー「あいつの考えがどうであれ、この世界で一番最初に行くべき場所は、そこだったんだろう」

セリス「………………」

エドガー「どうする?」

セリス「……コーリンゲンへは、どうやっていくの?」

エドガー「……手配しよう。
     後始末も任せてくれて構わないが、どうする? 皆に挨拶していくか?」

セリス「ごめんなさい。
    今は、その配慮に甘えさせて」

エドガー「仰せのままに、レディ」

セリス「……ありがとう」

エドガー「なぁに、礼は全部ロックから受け取るさ」




セリス 離脱

……………………


スコール「……」

エドガー「セリスはコーリンゲンへ向かった。
     君はリーダーらしいから、君にだけは真実を伝えようと思う」

スコール「……分かった」

エドガー「まず、セリスがコーリンゲンに向かったのは事実だ。
     その理由は男だ」

スコール「……」

エドガー「理解してほしいとは思わない。
     確かに男のためにすべてを投げ出していくのは、君たちを突き動かしていた者として無責任が過ぎる。
     それは俺もそう思う」

スコール「でもあんたは止めなかった。それだけの理由がある」

エドガー「セリスにとってその男は、生きる原動力だった。
     全て失った世界で、確証もないのにその男を求めて彷徨い歩いた。

     それでも彼女は元の世界では、彼を見つけられなかった」

スコール「……」

エドガー「だが、この世界にはその男が、居る」

スコール「……」

エドガー「会わなくてはならないんだ。そうしないと彼女も前に進めない。
     セリスの物語の再開は、あの男との再開からなんだ」

スコール「……」

エドガー「……まぁ、そういうわけでセリスは戻ってこないかもしれない。
     どうする? 俺との協力はここで終わりにするかい?」

スコール「それはない。
     大戦艦建造に協力し、幻獣の解放を促すことは、この世界の異変を正すことにもつながる。

     もしかすると、俺たちが探しているクリスタルも見つかるかもしれない」

エドガー「良い返事だ。では、一度大戦艦を見てもらおう。
     しばらくの間協力してもらうことになるだろうから、
     少なくともリーダーである君はパラメキア軍に顔を通しておきたい。いいかな?」

スコール「ああ」

エドガー「しかし、万が一も考えられる。
     一応もう二人ほど連れて行こう」

スコール(二人、か)




>>下二レス 連れていく二人を以下から選択

ティファ ティナ ユウナ ファリス リノア ビビ アーロン

………………

大戦艦内部

エドガー「子供に、海賊、そして傭兵……妙なメンツだな」

スコール「なにか問題でも?」

エドガー「いいや。フィガロ兵を連れて歩くより何倍も良い。
     見た目の物々しさは十分解消されている」

ビビ「これが、大戦艦……!」キョロキョロ

ファリス「すげぇ、これ飛ぶのかよ。
     パラメキアってーのは相当すげー科学力をもってやがるんだな」

エドガー「フィガロからの技術提供も多々ある。
     が、しかし、まず恐るべきはこのパラメキアの国力だな」

ビビ「……そっか。これだけの科学力があるってことは」

エドガー「それだけの金も、権力もある。
     大きすぎて、横暴な国と言うのは、まぁ大体が悪いことをしている。

     パラメキアも、いずれは異変の渦中になる存在だろう」

スコール(ということは、やがてこの大戦艦も敵になり得るのか?
     今俺たちは未来の敵の味方をしているのかもな)

ファリス「だがあんたの口ぶりじゃ、この大戦艦をそのままにしておくつもりはないようだ」

エドガー「獅子の身中で話すないようじゃないな。
     さて、大戦艦周辺の司令官殿のご登場だ。
     ここからは俺はフィガロ国王、君たちは?」

スコール「……リターナーに属する傭兵一味」

エドガー「そういうことだ」



司令官殿

1 ダークナイト
2 こうてい
3 ボーゲン
4 その他


ダークナイト「……」

エドガー「やぁ、調子はどうかな?」

ダークナイト「大戦艦建造は順調だ。
       とはいえ、最後の調整には貴殿の協力が必要だがな」

エドガー「それは最もだ。
     ……もしかして、待たせてしまったかな?」

ダークナイト「結果的にそうなっただけだ。貴殿が気にすることではない」

エドガー「そうか。だが、待たせているなら急ごうか」

ダークナイト「……」

エドガー「ん?」

ダークナイト「不用意に外の者を入れる気はない」

エドガー「私が信頼を置いている者たちだ、というだけでは、入れられないかな?」

ダークナイト「……」

スコール「俺たちはリターナーに属する傭兵だ。
     一応、国王の護衛として今は行動している」

ダークナイト「リターナーか。いいだろう」



………………


大戦艦 奥

ダークナイト「ここが主砲のエネルギー炉となる予定だ」

エドガー「……ふむ、上出来だ。
     これならいつでもこの魔石を使いこなせるだろう。

     しかし、見たところ魔力以外も動力に転換できるようだ」

ダークナイト「周囲のエネルギーになりそうなものはすべて応用できるようにしている。
       魔力はもちろん、火力 電力 果ては霧動力まで」

エドガー「霧動力も、か。
     それはそれは……」チラリ

ビビ「……?」

エドガー「っと、すまない。詮索するような物言いだったかな?」

ダークナイト「これくらい、教えたところでどうにもなるまい」

エドガー「確かにその通りだ」



ファリス「おい、なんでこいつら、言葉のボディーブロー合戦してるんだ?」

スコール(含みがあるようには聞こえるが、お互い他愛もない会話をするように話している。
     こいつら、どちらも相当性格が悪そうだ)

ビビ「エドガーさん、目が笑ってない……」



エドガー「いつ大戦艦を動かすんだ?」

ダークナイト「動作確認が出来たらその翌日、と決めている」

エドガー「と言うことは」

ダークナイト「明日、だな。
       リターナーの代表は貴殿でいいのか」

エドガー「ああ、その通りだ」

ダークナイト「……」

エドガー「何か問題でも?」

ダークナイト「……隠し事はしない。それが協力の条件の一つだったな。

       実は今、我々は一つの出来事に翻弄されている」

スコール(こっちを見るな)

ダークナイト「……反乱軍の連中が、この大戦艦に忍び込んでいるようなのだ。
       我々も全力で捜査に当たっているんだが、できれば貴殿等にも協力いただきたい」

スコール(面倒なことになった。どうする気だ?)

エドガー「いいだろう。反乱軍とやらを始末すればいいのか?」

ダークナイト「……最悪始末してもかまわん。
       だが、見せしめに処刑するという使い方もできる。
       できる限り生け捕りにしてもらえるか?」

エドガー「やってみよう。
     ただし相手が女性だった場合、どうなるかわからんがね」

ダークナイト「その時は貴殿の護衛が何とかしてくれるだろう」

スコール(話を振るな。面倒くさい)

スコール「……残念ながら、雇い主の言うことは絶対だ。
     それが俺たちのやり方だからな」

ダークナイト「……まぁいい。よろしく頼むぞ」



………………


大戦艦内部

ファリス「良いのか?」

エドガー「何が?」

ファリス「反乱軍ってーと、パラメキアに敵対する奴らだろ?
     ……あんた、後にパラメキアも何とかするつもりなんじゃないのか?
     いま反乱軍と戦って顔を覚えられたら、後からやりにくくなるんじゃないのか?」

エドガー「確かに、反乱軍と戦うと後々面倒になりそうではある。が」

ビビ「が?」

エドガー「ここでその反乱軍の品定めをすることもできる。それに、目的次第では彼らに恩を売ることも可能だ」

ビビ「どういうこと?」

エドガー「忍び込んだということは何かの目的がある。
     その目的に俺たちが協力する。
     そして、速やかに反乱軍には帰ってもらう……」

スコール「しかし、反乱軍の目的が俺たちの考えとそぐわなかったら?」

エドガー「その時は小手調べをして適当に逃げるか、
     徹底的に追い返す」

ファリス「その言い分だと、何にしても反乱軍を敵に回したくはないんだな」

エドガー「そういうことだ。
     今はパラメキアに対する顔を守るために、あくまで戦うという姿勢は見せる。それだけだ」

スコール(果たして、そううまくいくものか?

     相手が殺す気で来たら、俺たちも生易しい戦い方はできないぞ?)



ビビ「……戦わなくて済むような世界って、ないのかな?」

エドガー「ん?」

ビビ「……モンスター相手なら戦うのは仕方のないことだけど、
   やっぱり、人間相手に戦うのは、何だか……」

ファリス「仕方ねぇだろ。
     どちらにも言い分あり、自分には自分の正義がある。
     それを押し付け合う以上戦いは避けられねぇ。

     力で戦うにしろ、言葉で戦うにしろ、人間ってのは戦う運命にある」

ビビ「……言葉で、戦う」

ファリス「ま、俺たちの居る世界は言葉より力で勝ち取ることの方が当たり前になってきてるみたいだけどな」

ビビ「……」

エドガー「本当は俺たち、上に立つ者が言葉で戦えたらそれが一番良いんだけれどね。
     そのためには、同じ舞台に立たなくてはいけない。そのために力が要るんだ。

     ガストラ帝国に立ち向かうだけの力を見せつけ、言葉が通じるようにする。
     それが今の目的だ」

ビビ「うん……」

エドガー「いつか、こんなことが必要ない世界になればいいんだけどね。
     そのためにも俺たち王族やら皇帝やらが、世界を良くしていかなくちゃならないのに……」

ファリス「……けっ」

エドガー「……? まぁ、言っていても仕方ない。
     反乱軍とやらを探そう」



スコール(……分かれ道か)


1 前へ 反乱軍ルート  フリオニール 他三名指定可
2 右へ 反乱軍ifルート FF限定 誰でも四人まで指定可
3 左へ 侵入者は反乱軍ですらなかったルート 侵入者指定
4 その他

エドガー「このまま進もう。反乱軍とやらもそうそう奥まで侵入はしてきてないだろうし」

ファリス「っしゃ、いくぜ」

ビビ「……」ジーッ

スコール「? どうした」

ビビ「あ、ううん、なんか、向こうで……」

スコール「……魔法の反応か?」

ビビ「そう、かも。
   それも、すごい魔翌力を感じる」

エドガー「当たりのようだな」

ファリス「それじゃ、急ぐか。
     なるべくあのダークナイトとか言う怪しい野郎には見られたくないだろ?」

エドガー「もっともだ」


………………

ビビ「この、奥で感じたんだ。
   強い魔翌力」

エドガー「……今は?」

ビビ「今は、何も感じない」

スコール(……物影の向こうには、何人か居るな)

ファリス「あんだけ深々とフードをかぶっていれば怪しすぎるってもんだが……」

エドガー「顔を見せないことにも意味はあるさ。
     ところで、彼ら?はどうやら一息ついているようだが……
     我々はどう行動するべきだと思う?」

スコール「……さぁね」

エドガー「君の意見を聞きたい」

スコール「……」



1 声をかける
2 先手を打ち、こちらが優位に立つ
3 ……とかなんとか話しているうちに不意打ちを食らう
4 ファリスがバッツに気づく
5 その他

ファリス「ん?」ヒョイ

ビビ「え、どうしたの?」

ファリス「この羽根は……」クンクン

スコール(何してるんだ?)

ファリス「……スコール、待ってくれ」

スコール「どうした?」

ファリス「もしかするとあの中に知り合いがいるかもしれねぇ。
     対話するのはそう難しい話じゃないぞ」

エドガー「ほう? どうするんだい?」

ファリス「まぁ、少し待ってくれ、方法は今考える」

スコール(大丈夫なのか?)



ファリス(この羽根は、間違いなくボコのものだ。
     しかしそこにバッツが居るとして、
     そのバッツが俺の知ってるバッツであるとは限らねぇ。

     ……早まったかもしれねぇが、それでも試すだけの価値はあるか)



ファリス「すぐ逃げる準備だけはしておいてくれ。
     今からちょっとした演奏会だ」シュゥッ

ビビ「変身した!?」

エドガー「ほほう。なかなか素敵な恰好じゃないか」

ファリス「ぎんゆうしじん だ。
     こいつであいつの反応を探る」

スコール「場所を知らせることになるが」

ファリス「だから逃げる準備だけはしててくれって。
     ただ、俺ん中では八割これで対話まで持って行けると信じてる」

エドガー「どうする?」

スコール「……ファリスがそう決めたんだ。俺たちはフォローするだけだ。
     ただし、うまくいかなかった場合の準備はしておく」

ファリス「ああ、それがいい」

ビビ「……でもファリスさん、その竪琴、演奏できるの?」

ファリス「全ジョブマスターなめんなよ。
     こんなもん」ポロロン




竪琴「♪~想い出のオルゴール~」




フードを深々とかぶったバッツ「……っ!?」

フードを深々とかぶったフリオニール「何の音だ」

フードを深々とかぶったアーシェ「……ハープの音色?
              何のつもりだ」

フードを深々とかぶったミンウ「気をつけろ。何か魔翌力の込められた旋律かもしれん」



フードを深々とかぶったバッツ「……」




1 バッツ「この曲を知ってる奴が居る……!?」→ファリスの知ってるバッツ
2 バッツ「感傷に浸ってる場合じゃない、か」→この世界のバッツ
3 その他


バッツ「この曲を知ってる奴が居る……!?」

ミンウ「?」

バッツ「誰だ!?」

フリオニール「おい、むやみを声をあげるな」

バッツ「大丈夫だ。この曲を知ってて、こんだけ上手に弾けるってことは、
    俺の知ってる奴ら以外あり得ねぇ」



ファリス「そういうわけだ」ヒョイッ

バッツ「ファリス!」


ファリス「どうやら、お前は俺が知ってる、
     高所恐怖症で意外と女にゃめっぽう弱いバッツみたいだな!」

バッツ「そういうお前こそ、海賊頭領のくせに下戸の酒好きファリスだな!」



アーシェ「……知り合い、なの?」

バッツ「ああ。口は悪いけどこいつこれでもタイクーンの女王なんだぜ」

ファリス「ばかやろう。俺は王族になるつもりなんてねーぞ」

フリオニール「……どういうことだ?」

ミンウ「しかし、どうしてここに君の知り合いが?」

ファリス バッツ「「わかんねぇよ」」




スコール(……)

エドガー「そろそろ俺たちのことを紹介してくれないものかね……」

ビビ「ファリスさん、楽しそう」



ファリス「っ! そうだった。
     お前ら、ここじゃなんだ。場所を移そう」

バッツ「なんだよ。お前も協力してくれよ。今俺たちは……」

ファリス「こっちにも事情があんだよ!
     お前等には協力してやるからちょっと来てくれ」




………………


大戦艦内部 空き部屋



ミンウ「……」

エドガー「……」

ミンウ「……フィガロ国王、とお見受けする」

エドガー「はじめまして、だと思うんだが。
     わたしの顔も反乱軍には知れ渡っているようだね」

ミンウ「それはもう、パラメキアに技術提供しているという噂はかねがね」

エドガー「利用し合っているだけさ。反乱軍に向けて使う技術ではない」



ファリス「待て、待て待て」

バッツ「ギスギスするな。俺たちは友好的に話し合いするつもりなんだ。
    ……そうだろ?」


アーシェ「場合によっては、そうともかぎらない」

バッツ「だーから、そう喧嘩腰になるなって」

アーシェ「大体、残りの二人の素性が知れない以上、信用する気にはなれないわ」

フリオニール「お前は黙っていろ」

アーシェ「『お前』はやめて」

フリオニール「……」

スコール(黙るのかよ。もう少し喰い下がってくれよ)

ビビ「え、えっと、自己紹介、する?」

バッツ「それだ! いいこと言うな。
    んじゃ、言いだしっぺから頼むぜ」

ビビ「僕から!?

    え、えーっと……」チラ


スコール(こっちを見るな……

     ……俺だってどうするべきか今考えてるんだ)

ビビ「……えっと、僕はビビ。
   トレノの近くの洞窟に……あ、いや、えっと、
   とりあえず、この世界の住人じゃありません。

   今は、スコールさんと一緒にこの世界を正す旅をしています」

スコール(嘘をついてもいないし、ある程度話を濁してもいる。
     かなり上手な言い回しだな)

ファリス「俺もだ。
     ちなみに、俺はバッツと同じ世界から来た女海賊で、ファリスっていう」

スコール「……スコールだ」

エドガー「私の自己紹介はいいだろう? では、そちらの面々もよろしく頼む」



ミンウ「……」

フリオニール「俺は反乱軍のフリオニール。
       彼は参謀のミンウだ」

ミンウ「フリオニール……!」

フリオニール「良いだろう?
       バッツと同じ境遇の人間だ。それに敵意はないと言っている」

バッツ「そうそう。ここはお互い情報交換しとこうぜ」

アーシェ「……」



1 アーシェ「私は、アマリア」→この世界のアーシェ
2 アーシェ「私はアーシェ。
       私も、別な世界からここへきた」→FF12のアーシェ
3 その他


アーシェ「……こんなにも、元の世界へ戻れない人が居るの?」

ファリス「てこたぁ、あんたも?」

アーシェ「ええ。私も別な世界から来た。

     ……こんな突拍子もない話、信じてくれるのは同じ境遇の人くらいね」

バッツ「そうでもないさ。だろ?」

フリオニール「俺は信じているぞ」

アーシェ「貴方は馬鹿正直なだけ」

フリオニール「……」

スコール(酷い上下関係だ)

アーシェ「私はアーシェ。
     今は反乱軍の一員として、パラメキア帝国と戦っている」


バッツ「バッツだ。俺も今は反乱軍の一員だ」



エドガー「……さて、単刀直入にきこう。
     君たちの目的は何だね?」

ミンウ「……」


1 『王女ヒルダ』の奪還
2 『人物名指定』の奪還
3 大戦艦の破壊
4 その他


フリオニール「我々の目的は、フィン王女ヒルダ、並びにカシュオーン王子、スコットの救出だ」

ミンウ「……」

エドガー「なるほど。要人がとらえられているというのは本当だったか」

スコール「心当たりが?」

エドガー「ああ。それなりにね」

アーシェ「! 二人は、無事なの?」

エドガー「ああ。別々にとらえられていると聞いている」

バッツ「ってことは、その場所も……?」

エドガー「知っている。そして、私は君たちに協力する気がある」

ミンウ「……どういうことだ? 貴方はパラメキアの味方なのでは」

エドガー「協力はしているが味方ではない。
     といったところかな」

ミンウ「……」

アーシェ「そちらにも込み入った事情があるようね」

エドガー「難しい話じゃないさ。
     いつかパラメキアを止めるための戦いのことを考えて
     君たちとも仲良くしておきたいと思っているだけのことだよ」

バッツ「まさか要注意人物がこちらの味方だったなんてな……!」



エドガー「ただし、今はヒルダとスコットを連れて大戦艦を離れてもらえるか?」

フリオニール「……っ」

エドガー「一度、大戦艦を使ってやることがある。
     それだけ見逃してもらえれば、すぐに君たち反乱軍に加勢しよう」

ミンウ「断る。
    大戦艦を、このまま飛び立たせてはいけない」

スコール(……雲行きが怪しくなってきた)


ミンウ「パラメキアのこうていは、全てを力で支配するつもりだ。
    強大な力をもってしてやることなど、きまっている」

エドガー「大丈夫だ。私がそうはさせない。
     一つこちらの目的さえ達成できたら大戦艦は機能しなくなる。

     そのための作戦を彼らと遂行中なんだ」

スコール(俺は聞いてないわけだが……)


ミンウ「……バッツ、この男をどこまで信用できる?」

フリオニール「なぜ俺に訊かない?」

ミンウ「お前は何でもかんでも信用するからだ」

バッツ「……ファリス、この男をどこまで信用できる?」

ファリス「こいつはどうやら大戦艦無力化のビジョンも見えてるらしいし、
     どういう目的で動いているかも聞き出せた。
     そして知り合いがこいつのことを信用してもいいと言った。

     とりあえず七割信用している」

バッツ「よし、この話、乗ろう」

アーシェ「そんな簡単に決めないで!
     下手をするとフィンの町が……それだけじゃない、世界中が危険な目に」

バッツ「ファリスが信用してる相手なら大丈夫だ。
    こいつは人を見る目はあるからな」

ファリス「まぁな」



ミンウ「……」

アーシェ「……」



エドガー「さて、どうする?」





フリオニール「……良いだろう。俺も、この話に乗ろう。
       ヒルダ王女とスコット王子の場所を教えてくれ」

アーシェ「フリオニール……!」

フリオニール「俺たちが今優先するべきは王女と王子の奪還だ。
       二人を連れて脱出するのも至難の業だが、
       それに加えて大戦艦の破壊となると難易度はさらに跳ね上がる。

       しかし、ここでエドガーの協力を得て、
       一度撤退するだけなら少なくとも奪還作戦だけは成功する」

ミンウ「大戦艦でフィンの町を攻撃されたらどうする?
    ここで破壊できないと多くの命が……」

フリオニール「それはエドガー達を信じるしかない」

アーシェ「……っ いい加減にして、誰かれ構わず信用していたら痛い目を見ることになるわ」

ミンウ「……」

フリオニール「技術提供しているのはエドガーなんだろう?
       それなら大戦艦の無力化もあながち嘘じゃなさそうだ」

アーシェ「それこそ、本当にパラメキアの協力者なのかもしれない」

スコール(喧嘩か?)



ミンウ「……良いだろうフリオニール。ここは彼らを信用してみよう」

アーシェ「……っ」

ミンウ「アーシェも君の強い意志に押されつつある。
    私も、考えるところがあるので乗ってもいいような気がしてきた」

バッツ「お、それじゃあ」

ミンウ「だが、このまままるっきり信用するわけにはいかない。
    そこで、だ」



1 ミンウ「連絡係をそちらに着けることを条件とする。
      ……フリオニール。行ってくれるか」

2 アーシェ「私が監視する。状況は追って連絡するわ」

3 バッツ「それなら、俺が反乱軍とエドガーのパイプ役をやらせてもらうぜ」

4 ミンウ「私が連絡係として同行しよう。何かあった時には逐次連絡する」

5 なんやかんやあって うやむやになって 各々行動開始 人員移動なし

6 その他

いやすみ

ミンウ「連絡係をそちらに着けることを条件とする。
    ……フリオニール。行ってくれるか」

フリオニール「ああ、わかった」

アーシェ「確かに、それなら監視にもなるし良い案だけれど。
     大丈夫なの?」

バッツ「反乱軍のエースだぜ? 何かあったら自力で脱出できるだろ」

フリオニール「任せておけ」キッ

バッツ(そこまで本気で言ってなかったんだけどなー)



エドガー「どちらかといったら、そちらのレディの方が良かったんだがね」

ファリス「話がうまくまとまりそうなんだ。黙ってろ」

ビビ「え、でもこのまま連れていくと、なんかあやしくない?
   エドガーさんがいきなり部外者を連れてきた、みたいに見えるよね」

スコール「普通はそうだな」

エドガー「応援を呼んできたと言えば話は通じるだろう。
     何しろ、今この大戦艦には反乱軍が潜入してきているんだからな」

ミンウ「確かに、王女奪還の精鋭が来ていることを考えれば戦力の増強は当然か」

フリオニール「……ところで、ヒルダ王女とスコット王子の救出は、
       三人で大丈夫か?」

ミンウ「連れて逃げるだけなら問題ない」

アーシェ「任せて」

フリオニール「そうか。じゃあ、何かあったら連絡する。
       後のことは、よろしく頼む」

バッツ「おう、お前もうまくやれよ」


ファリス「あ、おい、行くのかよ」

バッツ「ん? ああ。
    ははっ、お互いなんか変なものを背負っちまってるみたいだなぁ」

ファリス「そうみたいだな。
     ……けどな、俺たちには帰る場所があるのは、忘れないでくれよ」

バッツ「それもそうだ。
    しかし、お前にとってはこの世界も悪くないんじゃないのか?」

ファリス「あ?」

バッツ「だって、戻ったら絶対タイクーンに戻らなくちゃいけなくなるだろ?
    あの大臣のことだ。きっと追い回されることになる」

ファリス「……」

バッツ「ここなら自由気ままに、お前の好きなように暮らせるんじゃないのか?
    それこそ、海賊としてでもよ」

ファリス「……それは」

バッツ「まぁ、それでも変える方法がわかったら教えてくれよ。
    俺はしばらくは反乱軍にいるからよ」

ファリス「ああ。わかった」



ミンウ「話はすんだか? では、行動に移ろう」

フリオニール「じゃあ、またな」

ミンウ「ああ、健闘を祈る」

アーシェ「……どうか、無事で」

バッツ「んじゃ、よろしくっ」






ビビ「……ふぅ」

フリオニール「……というわけで、よろしく頼む」

エドガー「こちらこそ」

フリオニール「一応、リーダーはエドガー王でいいのか?」

エドガー「今は、ね。
     しかし本当のまとめ役はスコールだ」

スコール「……よろしく」

フリオニール「そうか。とりあえず協力しているうちは言われたことはこなすつもりだ。
       何でも言ってくれ」

エドガー「そうは言うが、今はそういう段階ではないんだ。
     反乱軍が要人奪還を成功して帰ってくれれば、戦闘は起こらないはずさ」



………………


一時間後

大戦艦 奥



ダークナイト「……反乱軍が?」

パラメキア兵「はい。道中の兵士はことごとく……」

ダークナイト「奴らめ、やってくれる」



エドガー「どうやら、逃げられてしまったようだな?」

ダークナイト「……お前か」

エドガー「我々も応援を要請して捜索したが見つけられなかったよ」

ダークナイト「協力には感謝する。しかしもう過ぎたこと。
       もとよりこの大戦艦さえ完成すれば、取るに足らんことだ」



ダークナイト「? 人数が増えているようだが……応援のものか?」

フリオニール「……」

ダークナイト「……」



1 ダークナイト(レオンハルト確定)「何のつもりだフリオニール」
2 ダークナイト(レオンハルト確定)「……生きていたのか、フリオニール」(友好的
3 ダークナイト(非レオンハルト確定)「まあいい。魔石のテストだ」
4 その他


ダークナイト「何のつもりだフリオニール」

フリオニール「……な、何のことだ?」

スコール(ダメダメじゃないか)

フリオニール「俺は、えっと、リターナーの戦士、フリオニールだ。
       お前とは面識がないはずだが……」

ダークナイト「そんなはずなかろう。
       お前は反乱軍のエース、フリオニールだ」

ビビ「あわわわわ……」

エドガー「っ フリオニール。この男とは会ったことが……?」

フリオニール「……いや、まさか」

ダークナイト「エドガー、貴様……」

エドガー「……流石に無茶をしすぎたか」

ダークナイト「部屋を移そうか。もっとも、行先は牢獄だがな」

エドガー「いや、それには及ばないよ」

ダークナイト「だまれ、貴様はパラメキアに弓引く反乱軍とつながっている。
       これはこうていに対する反逆と受け取ったぞ」




1 エドガー「撤退だ」『デジョン』→反乱軍ルート濃厚
2 エドガー「戦うしかないか……」→大戦艦破壊フラグ濃厚
3 エドガー(奥の手を使うしかないか)
4 その他




エドガー「では、こうていの後釜を狙うべく、虎視眈々と裏で手を引いている君の所業は、
     反逆に値しないのかな?」



ダークナイト「!?」

フリオニール「……」

エドガー「……フィン王国の貴族の出であるレオンハルトは、
     その昔、愛を誓い合った女性との仲を権力によって引き裂かれることとなる。
     以来、権力というものを憎むようになった彼は心の闇を背負い生きていく。

     やがてパラメキア帝国の侵攻により追われる身となるが
     逃走中にパラメキア帝国に拉致されてしまう。

     しかしそこでレオンハルトの持つ心の闇とその気性を読み取ったこうていは、
     彼をパラメキア帝国で保護することにした。

     まったく無力なレオンハルト。
     彼を救ったのは、彼が忌み嫌っていた『権力』だった。
     世界は権力で回っている。
     それに気づいた彼は、絶対的な『力』をもってして支配するこうていの理念を理解することとなる。

     が、しかし、力を信じるようになった彼は、
     今度はこうていという存在が疎ましく感じるようになった。

     もとより上に立ってふんぞり返っている連中が気に入らなかったということもあり、
     彼はこうていという存在を陥れる方法を考えることにした。


     幸いなことにこうていは、自分の力だけを信じる独尊主義者であった。
     付け入るすきはいくらでもある。
     
     レオンハルトは自らに与えられた権力の範囲内で、
     こうていを孤立させる計画を立てている」ツラツラツラツラ

ダークナイト「……………………」



ビビ「え? はえ? なに、どういうこと?」

ファリス「……つまり、どういうことだって?」

ビビ「まさか、そのレオンハルトさんって」



フリオニール「……お前だったのか」

ダークナイト(レオンハルト「このような再会は望んでいなかったが……」



スコール(こうなるとエドガーもあやしく見えてくる。
     なんなんだ? この男。どうしてこうまでも敵国の内情に詳しい?)

エドガー「……?」

スコール(フィガロ王国にはよっぽど恐ろしいスパイがいるようだ)



エドガー「さぁ、ここからは本当に隠し事は無しにしようか。
     俺たちの戦いは、大戦艦のその先にあるんだからな」

レオンハルト「……どうやら、そうするしかないらしいな」

フリオニール「……どうなってるんだ」

スコール(こっちが聞きたい)





エドガー「単刀直入に言おう。
     俺はガストラ帝国よりはパラメキアに協力したいと思っているし、
     なんだったらある程度の属国扱いもやむなしと考えている。

     しかし、あのこうていが帝位を掲げている状態では無理な話だ」

レオンハルト「確かに。こうていが居る限り、戦いは終わらないだろう」

フリオニール「皇帝が変わりさえすれば、パラメキアは変わるというのか?」

レオンハルト「俺が即位すれば俺がいくらでも変えてみせる。
       ……無論、その場合フィガロとは友好な関係を続けさせてもらうさ」

エドガー「そうなることを願っているよ。
     いまのこうていでは願うことすら無意味だ」



フリオニール「レオンハルトが、皇帝に即位……?」

スコール「……なぁ、エドガー。あんた、まさかこれを最終目的にしていたのか?」

エドガー「……」

スコール「大戦艦を利用し、レオンハルトを即位させる。
     それがあんたの計画なんだな?」

エドガー「そんなところだ」

スコール(そういう具体的なビジョンがあるならせめて俺には話してもらいたかった。
     ……これでも一応リーダーなんだがな)

エドガー「それに関しては後で話そう。
     それで、今後の計画なんだが」

………………


大戦艦 別室

スコール「……」

ビビ「スコールさん?」

スコール「なんだ?」

ビビ「……もしかして、機嫌、悪い?」

スコール(そうかもな)

スコール「……そうかもな」

ファリス「エドガーの野郎。何考えてるかよくわからねぇな」

スコール(もともと他人の考えなんてわかるわけないさ)

ファリス「しかし、これでガストラ帝国の幻獣を解放できるし、
     パラメキアの蛮行はレオンハルトが即位する方向で解決。

     もしかして、この辺の異変はこのまま解決していくんじゃないのか?」

スコール「……そうなればいいな」

ファリス「ま、そこは俺らの頑張り次第だろ」

スコール「俺たちの……本当に、そうだろうか?
     ここに、俺たちが関与できることはまだあるんだろうか?」

ビビ「どういうこと?」

スコール「……このまま行くと、俺たちが関与するまでもなく
     フィガロと反乱軍、あとリターナーとやらの力で全部解決していくことだろう。
     俺たちがこれ以上ここにいる意味は……あるのか?」

ファリス「……それもそうか」

ビビ「え、でもパラメキアのこうていは、すごく強いんでしょ?」

ファリス「そうかもしれねぇけど、フリオニールもあの反乱軍の奴らも相当のやり手だ。 
      あれだけの戦闘要員が居れば、なぁ?」

スコール「……ユウナとアーロンの事情も考えるとここに居続けるのはどうかと思った」



1 スコール「ここまできた最初の目的を思い出した。
       ガストラ帝国へ行こう」

2 スコール「……幻獣界へ行く話だったな。
       セリスと再度合流するか」→コーリンゲンへ

3 スコール(とはいえ、しばらく身動きは取れそうにないな。
       大戦艦が動くまではここにいることにするか)→継続

4 ドーガ「なんじゃいなんじゃい。おぬしらこんな物騒なところに来ておったのか」→思いつき

5 その他


安価置き寝 おやすみ



ドーガ「なんじゃいなんじゃい。おぬしらこんな物騒なところに来ておったのか」

スコール「……あんたこそ、当たり前のようにどこへでも現れるんだな」

ドーガ「できないとでも思ったか?」

ファリス「あんたが来たってことは、また面倒くさい話が始まるってことか」

ドーガ「お主にとってはそうかもせんがの、
    アーロンをはじめとするこの世界の住人にとっては至極重大な話じゃ」

スコール「……どういうことだ?」

ドーガ「新たなことが分かったのは事実じゃ。
    しかし、まぁ、何というかの。
    
    お主らにとっては荒唐無稽すぎて聞くに堪えない話かもしれん。

    この場で話すか全員の耳に入れるか、どうする?」

スコール「……」

ファリス「とりあえずリーダーの耳に入れておいて、それから考えてもいいんじゃないか?
     正直俺は難しいことわからねぇしな」

ビビ「そう、だね。スコールさんの言うことなら、きっとみんな納得するし」


スコール「ダメだ。みんなのところに戻ろう。
     ドーガの話を聞いて、今後の身の振るまい方を全員で決める」



ビビ「そ、そう?」

ファリス「お前がそう言うならそれでいいぜ」

ドーガ「ほっほ、そいじゃ一度全員集合じゃの」



………………




宿

ティファ「大戦艦の方は?」

スコール「概ね順調だ。
     おそらく、パラメキアによってガストラ帝国は幻獣の力を何らかの形で弱めるだろう。

     ……あちらに手を貸す必要性は、そう多くないかもしれん」

アーロン「どういうことだ? まさか、エドガーとか言うやつ……」

ファリス「ああ。あいつは相当な食わせもんだぜ」

ティナ「喰わせ者……?」

ビビ「僕たち、行く意味あったのかな?」

ファリス「まぁ、反乱軍とすんなり和解できたのはひとえに俺のおかげだろ?」



ドーガ「かくして、ガストラ帝国を取り巻く情勢は今や沈静化の装いを見せ始めておる。

    その証拠は、まぁ、いずれティナが見せてくれることじゃろう」

ティナ「……私?」

ドーガ「左様。
    とはいえまだもう少し先の話じゃろうがの。

    さらに言えば、スコール達が見てきたとおり、
    パラメキア内部の混迷もほどなくして終わりを迎えよう。

    前途は多難じゃろうが、あちらにも多くの英雄が関わっておる。
    沈静化は時間の問題じゃな」

ファリス「まぁ、バッツが居る時点でかなり反乱軍リードだろ。
     俺ほどじゃないが、あいつもできるタチの奴だぜ」

ビビ「……確かに、あのお姉さんの魔力もすごかった。
   ミンウって人も底知れない感じだったし」

スコール(おまけに、腹黒のエドガーに獅子身中の虫であるところのレオンハルト。
     確かに、パラメキア皇帝の失脚はそう遠くないようだ)



ドーガ「さて、沈静化沈静化と言ってはいるが、
    全ての騒動が鎮静化すると、一体どうなると思う?」

一同「……」



ユウナ「世界が、平和に、なるとか?」

アーロン「確かに、俺たちがやっているのはまるで世直しだ。
     コレが進めば世界平和も、まぁ、ありえない話じゃないかもな」

ユウナ「ですよね! ……で、実際のところどうなんですか?」


ドーガ「……正直わしにもわからん」


リノア「……」ホッ

ドーガ「しかしの、この世界のあり方についてもう少し分かったことがあるんじゃ。
    今回はそれの報告でもあるんじゃの」

リノア「この世界のあり方?」

ドーガ「そうじゃ。異なる世界、違いすぎる文明の人物がこれほどまでに入り乱れる摩訶不思議な世界。
    この世界は、どうやって存在しているのか」



ドーガ「まず、わしはこの世界がどれだけ広いのかを知ろうとした。
    そこでひたすらに東へと突き進んでみたのじゃ」

ティナ「……東に進むだけでどれだけ世界が広いのかわかるの?」

ティファ「まぁ、星を一周するのにどれだけ時間がかかるかを知れば、計算できるかもね」

ドーガ「そんなところじゃ。
    しかし、の。

    この星を一周することはついに叶わなかった」

スコール「……星がでかすぎたのか?」

ドーガ「うんにゃ。ある場所から先に、世界は存在しなかった。
    わしが見てきたのはそこにある無の情景と、
    それらをただ淡々と、そこにある当然の光景として受け入れておる住民の姿じゃった」

ファリス「……無?」ピクッ

ドーガ「左様。
    光射さぬ無の世界」

ファリス「やっぱり……この世界はエクスデスの野郎が……?」


ドーガ「まあ待て、
    ちなみに西も北も南も同じじゃった」

スコール(そうやって右往左往しているうちに何度か俺たちと行動を共にしていたのか)

ドーガ「次に、わしはこの世界の未来と過去をのぞき見るべく試行錯誤した」

ビビ「み、未来と、」

アーロン「過去……?」

ドーガ「そうじゃ。

    簡単な話じゃ。未来なんぞ卜占の類でいくらでもうかがえる。
    過去なんぞは調べ物でもわかることじゃし、その気になれば光の速度を……
    と、これ以上は面倒くさいので省くとするかの」

ユウナ「な、なんて言うか、その」

リノア「スケールが違うって言うか」

ティナ「……」

ドーガ「占いなんぞはファリスもできるじゃろ」

ファリス「まぁな」

ドーガ「そいじゃ、占って見せよ。

    ミッドガルの一年後の姿を」

ファリス「……んー? 良いけどよ」(風水師

ファリス「ナムナム……お? ほうほう?
     一時衰退するも、その後新たなエネルギーを開拓し、
     諸問題が一気に解決する。とよ」

ドーガ「とまぁ、その辺の未来は、お主らの働きによって変ったことじゃ。
    ……今後も、別な要因によってこの未来は書き変わる可能性もあるがの」

スコール「……」

ドーガ「次は、百年後を占って見せよ」

ファリス「ああ?」

ビビ「ひゃ、百年って……?」

ドーガ「そんなに難しいことでもないじゃろ?」

ファリス「……まぁな。
     でっけぇことがあれば大体は見えてくるものだ」ナムナム



ファリス「ん? あれ、っかしいなぁ」




ドーガ「見えなかろう?」

ファリス「……ああ、全然だ」

ティナ「調子が悪いとか……?」

ファリス「そういうんじゃねぇよ」

ティナ「だって、ファリスも悩んでるみたいだったし」

ファリス「だ―ぁってろ! そいつは今は関係ねぇ!」(////

ドーガ「? ま、ともかくじゃ。

    その世界の未来というのは大筋だけじゃが決まっておる。
    その大筋の未来すらも、この世界には存在しないのじゃ」

リノア「未来が存在しない?」

アーロン「……哲学か?」

ドーガ「哲学などではない。言葉通りの意味じゃ。
    この世界には未来という時間そのものがない。
    
    そして結論から言うと、この世界には過去も存在しない。


    この世界はこの無のど真ん中に突然出来上がっておるのじゃ」



スコール「……」

ティファ「……それは、確かに、私たちにとってはわかる話だけれど」



アーロン「俺達にとっては納得のしようがないな」

ユウナ「……」





ドーガ「……おかしいとは思わぬか?」

アーロン「……?」

ドーガ「ミッドガルの科学力は見たじゃろ?
    あの科学力と、ようやく飛空挺を軍に取り入れたばかりのバロン王国。

    文明の差がありすぎるとは思わぬか?」

アーロン「……」

ドーガ「パラメキアのこうていと、ガストラ皇帝。
    同じような国力で、トップが同じように傲慢な者同士、
    だのに二国間での小競り合いはごくごく最近始まったことじゃ。

    ……それ以外にも、歴史の食い違いなぞがはっきりと見て取れるのじゃよ、この世界は」

アーロン「……しかし」



ドーガ「このように、この世界はとてつもなく不安定に存在していることが証明された。

    『過去も未来もなく』
    『無のど真ん中に存在し』
    『混沌としていて』
    『生と死すらあやふや』

    ……大きく分けて気になる点は四つある」

スコール「……四つ」



*******

王様「うむ。まず、この世界は暗黒に包まれておる。
   色々あって四つの化け物がこの世界を滅ぼそうとしている。
   わしらではどうにもできぬから、物語の中から英雄を召喚するに至った」

*******



ドーガ「もはや懐かしいのう。
    そう、コーネリア王は四つの化け物と言っていた。

    わしらにとっての諸問題の関係で、その四つの化け物には出会っておらんがの」

スコール(ようやく、依頼主の要望に具体的にこたえる形となってきたってわけか)

ドーガ「まぁ、その四つの問題を追いかければ、尚更具体的にこの世界の成り立ちがわかるのではないかと思ってな」



アーロン「……」

ユウナ「アーロンさん……」



スコール「……チームの行動指針としては、その問題を追いかけることになるだろうな」

アーロン「そうか」


スコール「……それで、その四つの問題とやらをどうすればいいんだ?」

ドーガ「そこまではわしにもわからぬ。
    しかし、それらしい場所の心当たりはある」

スコール「聞かせてもらおうか」

ドーガ「まず。
    時間の不安定さに関してなのじゃが、調べる方法は具体的にわかっておる。
    さる場所にエスタという国があるのじゃが、そこに行けば何かしらの情報がつかめよう」チラ

リノア「?」

ドーガ「次に無に関してなのじゃが……」

ファリス「あー、その辺に関しては俺も関係してるから、
     なんだったらそこまで行ってみてから考えようぜ」

ドーガ「……ということらしいの。

    で、混沌に関してなのじゃが……こればかりはどうにもわからん。
    後回しにするのが吉、じゃの。

    で、生と死に関してなのじゃが……これに関しては二通りの考えがある。
    どちらを選ぶかはその時考えるとしようかの」




スコール「……四つの問題か」

リノア「一つ一つ片付けていけばいいじゃない。ね?」

ティファ「先は長そうね」

ビビ「でも、具体的な道が見えてきたのは、大きな前進じゃないかな?」

アーロン「俺達にとってはそうとも言い切れないがな」

ファリス「エクスデスめ、首を洗って待ってろよ」

ユウナ「……これから、どうなるのかな」

ティナ「なんだか、みんな大変そう」





ドーガ「さて、どの道から選ぶかの?」



時間問題
1 FF8 エスタへ

無とかの問題
2 FF5 世界の果て?へ

混沌とかの問題
3 FF1? 四つのカオス探し

生と死問題
4 FF2 パラメキア編続行
5 FF9編 

6 その他




ファリス「断然、俺は世界の果ての無とやらに興味があるな。
     心当たりもあることだし」

スコール「……そうか」

ドーガ「ふむ、確かに、お主に実際のところを見てもらうのも一つの手かもしれんの」

ティファ「私も異論はないわ」

ビビ「みんなが行くなら、僕も」

リノア「じゃ、次の目的地、決定かな?」



アーロン「……」

ユウナ「あの、すみません」


スコール「……ああ」


ユウナ「私たちは、少し、考えさせてもらってもいいでしょうか。
    このまま、この旅についていくかどうか……」


ファリス「……」

アーロン「……」




スコール「そうだな。
     確かに、そうだ」

リノア「スコール」

スコール「これからも危険な旅は続くかも知れない。
     その危険に立ち向かうだけの理由がなければ、そんな旅は無意味だ。

     それに、あんた達には他の目的がある。
     ガストラ帝国に行くのはそのためだったな」

ユウナ「はい。
    ティナの言う幻獣って、ガストラ帝国にはたくさんいるんだよね?」

ティナ「ええ」

ユウナ「……一度にたくさんの召喚獣と接触できるかもしれない、そんな機会を、逃したくないんです」

アーロン「……そういうことだ。
     ユウナの気持ち次第で、俺たちはどう動くか考えよう」

ビビ「……そっか」シュン



スコール「各員、もう一度考えてほしい。
     この旅が、自分にとって意味のあることなのか。
     これ以上続ける必要が自分にはあるのか」



ビビ「……」

ティファ「……」

スコール「理由もなくついてくるような、楽な道にはならないかもしれない。
     今夜一晩、みんな考えてみてくれ」



ドーガ「……ふむ。ということは、一時解散かの?」

スコール「………………ああ。そういうことだ」



………………


ATE 三つまで


1 アーロンとファリス (友との別れ
2 スコールとリノア (どうしてついてくる?
3 ティナとユウナ (幻獣とのハーフって……?
4 ファリスとフリオニール (俺のダチ
5 エドガーとティナ (王様は女を口説きたい
6 ティファとドーガ (帰ることはできるけど
7 ビビとティナ (これからどうするの?
8 その他


スコール「……」

リノア「よっ リーダー」

スコール「……なんだ?」

リノア「別にぃ? ただ、なんとなく」

スコール「……」

リノア「……」



リノア「みんな、ついてきてくれるといいね」

スコール(そうも言ってられないさ。各々の事情だってあるんだ)

リノア「……まぁ、確かに、こればっかりは自分の意志、だよね。
    ついてきてくれたらいいな、なんて、それは流石に都合がよすぎる、よね?」

スコール「……」

リノア「……」

スコール「俺に話したって、どうにもならないだろう」

リノア「そうだけどさ。
    でもスコールだってそう思うでしょ?

    アーロンのこと、結構頼りにしてるんじゃん?」

スコール「……頼もしくはあるけれど、アーロンの道を左右するほどのことじゃない」

リノア「そうじゃなくてぇ。
    スコール自身はどう思うのかなって」

スコール「……」

リノア「アーロンとか、ユウナとかと、一緒に居たくない?
    いい仲間だったでしょ?」

スコール(仲間? ……仲間は仲間か、
     でも、)

スコール「……みんないつかは居なくなる。
     その時に、俺の事情を挟むのは迷惑だろ」


リノア「……はー、そう考えるんだ」

スコール「……」


リノア「ファリスは引き留めたのに?」


スコール(なんで知ってるんだよ)

リノア「……ねぇ。
    私がどっか行くとしたら、引きとめてくれる?」

スコール「どうだろうな」

リノア「答えてよ」

スコール「時と場合によるだろ」

リノア「……」

スコール「……」

リノア「『勝手にすればいい』とかは言わないんだね」

スコール「っ」ピクッ

リノア「今はそれで満足しておこうかなぁ。
    これ以上は、ちゃんと思い出してからにしたいかなー なんて」

スコール「……勝手にすればいい」

リノア「あははっ 今のは面白かったよ」



スコール「……あんたは、どうするんだ?」

リノア「何が?」

スコール「この旅についてくる理由はあるのか?」

リノア「それ聞く?」

スコール「?」

リノア「いや、だってさぁ、この話の流れだよ?」

スコール「……」

スコール(引き留めてくれるかとか聞くから、
     寧ろリノアが居なくなるのかと思った。

     そうしたら、なんだか、聞かなくちゃいけない気がした。

     だから聞いてみただけなのに、何だこの空気は)

スコール「やめよう。この話はナシだ」

リノア「そうだよ。もっとさ、ほら、お互い思い出すことあるじゃん?

    いや、私的には八割型決まってるけど……」ゴニョゴニョ

スコール(気恥しい。居たたまれない。
     ……ダメだ)

スコール「明日の準備もあるから、俺は少し出かけてくる」

リノア「え?ああ、うん。行ってらっしゃい」


………………


バフスク その辺の道

ティナ「……」ボーッ

エドガー「……いくら背景が物々しくても、そこに咲く花の美しさは誰にも邪魔できない」

ティナ「?」

エドガー「だが、儚く散るにはその花は美しすぎる。
     どうか、私を君という花の隣に置いてもらえないだろうか」

ティナ「……?」

エドガー「……相変わらずだね。
     とはいっても、君は俺をよく知らない、か」

ティナ「フィガロ王国の、国王?」

エドガー「ああ。
     こことは違う世界では君と一緒にケフカと戦ったりもしたんだがね」


ティナ「ケフカ……」

エドガー「そう」

ティナ「私に、操りの輪をつけた……?」

エドガー「……そうだ。
     しかし、安心していい。
     遠い地、コーネリアという国でケフカは何者かによって倒されている。

     ガストラもケフカなくしては幻獣を制しきれず、三闘神の力を得ることもできないだろう。
     ……と、君に言ってもどうしようもないか」

ティナ「……」


エドガー「要は、安心していい、ということだ。
     君を脅かすものはそうそうこの世界には存在しない。

     行き場がないのであれば母なる砂漠は君をいつでも迎え入れよう」

ティナ「……」

エドガー「……もしかして、警戒してるのかな?」

ティナ「少し」

エドガー「……すまない。君の後ろに、俺の知っている君を見透かしていた」

ティナ「別な世界の私?」

エドガー「ああ。聞きたいかい?」

ティナ「知りたい」

エドガー(即答か……それもまた意外だな)

ティナ「自分のこと、ちゃんと知りたい。
    そうしたら、もう少し不安もなくなるかも」

エドガー「やはり、『わからない』ことは不安かい?」

ティナ「ええ」

エドガー「そうか。じゃあ少し長い話になるね。
     ……場所を移そうか?」

ティナ「ここでいい」

エドガー「そうか」

ティナ「男と二人っきりになっちゃダメだって、
    それもエドガーみたいなのとは特に。

    ……って、ファリスが言ってたから」

エドガー「……うん。まぁ。
     そうだな。それでいいと思う」




………………


ドーガ「考えておるのかの?」

ティファ「え?」

ドーガ「これからさらに苛烈になる旅路、しかし、後ろを見れば帰る場所はすぐそこにある」

ティファ「……」

ドーガ「まぁ、ここで考えたりせず決断できるやつは、
    よっぽどの聖人か、狂人か、二択じゃろうな」

ティファ「そういう貴方も、帰る場所はもう目星がついているんでしょう?」

ドーガ「あいにく、わしは元の世界では死人じゃ。
    この世界の何がしかの力でここに存在することはできても、元の世界の歴史でわしは死んでおる。
    帰る場所というよりは、あそこは懐かしの場所、といったところじゃの。

    それに、見たことのないモノにあふれているこの世界の魅力は果てしない。
    わしがここにとどまる理由はそんなところじゃの」

ティファ「……確かに、この世界にはいろんなものがある。
     ……ってことは、それだけ強い奴がたくさんいるってことよ」

ドーガ「ふむ」

ティファ「ザンガン流の力。どこまで通用するのか試すにはこの世界はちょうどいいくらいよ。
     それに前にも誰かに言ったけど、一度首を突っ込んだことだもの、最後まで見届けたいわ」

ドーガ「とはいえ、この世界で命を落としてはどうなるか分かったものではないぞ?
    この世界には、ライフストリームと、異界と、アラポト、ジェイド、
    死後の行先がいくつもあるでの」

ティファ「死ぬつもりなんてないし
     自分がそう簡単に死ぬとも思ってないわ。
     ……それに」


1 ティファ「あの世界には、辛い思い出が多すぎる、し……」(ティファ残留長期安定
2 ティファ「帰る場所があるからこそ、どこまでも行ける」(ティファ残留安定
3 ティファ「……でも、何かあってからじゃ、遅いんだよね」(ティファ残留不安定
4 ティファ「今は力の限り走り続けたいの」(ティファ この世界の住人になる覚悟
5 その他


ティファ「帰る場所があるからこそ、どこまでも行ける」

ドーガ「……それもそうじゃの。
    その支えを糧にさらなる精進に励むとよかろう」

ティファ「ええ」

ドーガ「しかし気をつけるのじゃぞ。ワシのようにこの世界に染まってしまうと帰りづらくなってしまうやもしれん」

ティファ「その時はその時よ」クスッ

ドーガ「ほっほー、その意気じゃ。
    今を楽しむのが一番じゃからの」


………………



翌日


スコール「……みんな、集まったか」

リノア「ん」

ビビ「……うん」

アーロン「ああ」



スコール「……じゃあ、どうする?」



アーロン「俺たちはやはり幻獣の元へ行く。
     行先は、帝都ベクタだ」

ユウナ「みんな、ごめん。
    でも、私たちはやっぱり、この世界の住人だから、
    この世界を守ることを最優先に動かなくちゃ……」



リノア「……そっか」チラ

スコール「ああ。かまわないさ。
     各々の事情はある。アーロンのことについては、俺からコーネリア王に話しておこう」

アーロン「そうしてもらえると助かる」

スコール(構わないさ)コクン




ティナ「私も、ベクタへ向かう」

ビビ「……」

アーロン「一応言っておくが、俺から申し出たことだ。
     俺たちと一緒なら道中も安全だろう」

ファリス「確かに、ティナが一人で行くのは危なっかしいな」

ユウナ「私たち三人はベクタへ向かおうと思います。
    だから、これで、お別れです」

ファリス「お別れって、お前。
     まぁ今生の別れってわけでもあるまいし、なぁ?」

アーロン「……」

ファリス「そうだ。こっちもでかいヤマだし、お前らの用事が片付いたら合流しようぜ?
     無理にとは言わねぇけどよ」

ユウナ「……うん。
    ……その時が来たら、ね」

アーロン「……」

ドーガ「達者での」

アーロン「ああ。あんたもくたばるなよ」

ドーガ「お互いにの」



スコール「……あとは、みんなどうする?」

ビビ「……」



ティナービビ間の好感度について

1 高 → ビビ「ぼ、僕も、ベクタに行く!」(ティナフラグ回収(ビビ離脱
2 良 → ビビ「……」チラッ ティナ「?」(ティナービビ 好感度
3 普通→ ビビ「あの、いろいろ大変だと思うけど、頑張ってね」ティナ「……ありがとう」
4 その他

書きかけをそのまま投下してたので一応追記

1 高 → ビビ「ぼ、僕も、ベクタに行く!」(ティナフラグ回収(ビビ離脱
2 良 → ビビ「……」チラッ ティナ「?」(ビビ残留(ティナービビ間好感度上昇
3 普通→ ビビ「あの、いろいろ大変だと思うけど、頑張ってね」ティナ「……ありがとう」 (変動なし
4 その他


ビビ「……」チラッ 

ティナ「?」

ビビ「……」


スコール「あとは、大丈夫か?

     ……一応、気になってるのはティファなんだが」

ティファ「私? ああ、そういうことね。

     大丈夫。アーロンが居ない分お姉さんがちゃんと引率してあげるわよ」

スコール「……そうか」



アーロン「スコール」

スコール(なんだ?)

アーロン「話しておきたいことがある。
     このあと時間をもらえるか」

ファリス「おいおいなんだよ、おアツいねぇ」

リノア「ハッ!?」

アーロン「茶化すな。真面目な話だ」

ファリス「へいへいわかったよ。
     んじゃ、お互い名残惜しくなる前に解散するか」

ユウナ「それも、そうだね。
    皆さんお世話になりました」

ファリス「こっちこそな」

ティナ「ありがとう。じゃあ、また」ペコリ

ティファ「うん、元気でね」

ティナ「……」チラ

ビビ「あ、うん。また、ね」

ティナ「……」コクン



………………



スコール「なんだ?」

アーロン「言っておかなくては、と思ってな」

スコール(だからなんだよ)

アーロン「俺たちが別行動するのは、お前の判断が気に入らなかったからじゃない。
     むしろ、お前はリーダーとして優秀だと思う。
     ティファの言うことは気にせず、お前がちゃんとあいつらをリーダーとして率いるんだ」

スコール(えらく友好的な説教だな)

アーロン「……それだけだ」

スコール「はぁ」(なんなんだ?)

アーロン「俺にはお前の考えていることは分からない。
     俺は、お前ではないからな。

     だから、俺たちのことでいらない迷い方をする前に、口頭で伝えたまでだ。
     必要ない記憶だと思ったら忘れてもらって構わん」

スコール「そうか」

アーロン「……いらぬ心配だったか?」

スコール「……………………別に」

アーロン「そうか」

スコール「俺からも、あんたに渡すものがある」ガサゴソ

アーロン「? 餞別か?」

スコール「コーネリア王から貰っていた資金だ。
     これからは別行動になるけど、あんたももらっていってくれ」

アーロン「俺はもうコーネリア王の名で動いているわけではないぞ?」

スコール「それでも今までの行動を考えるとこれは正当な報酬だと俺は思う。
     もらっていくべきだ」

アーロン「……それは、お前が考えてのことか?」

スコール「……」

アーロン「貰っておこう」

スコール「ああ」

アーロン「達者でな」

スコール(そっちも)スッ

アーロン「ふっ」

………………


ティナ「……」

ビビ「ティナさんっ」

ティナ「ビビ」

ビビ「あの、えっと」

ティナ「……」

ビビ「その、お互い、大変だと思うけど、
   なんていうか、無事、だといいね」

ティナ「ビビ?」

ビビ「あ、うん。なんか、これでサヨナラだって思ったら、
   何か言っておかなくちゃ、って思って……」

ティナ「……」

ビビ「そ、それだけ」

ティナ「待って」

ビビ「っ」

ティナ「私も、そう思う。
    一緒の旅は終りだけど、また、会いたいなって思う」

ビビ「そ、そう、かな。

   うん、僕も、そう思うよ」

ティナ「そのためにも、お互い無事で、ね」

ビビ「うん。そうだねっ」





ティナ アーロン ユウナ が離脱しました。



………………



ドーガ「さて、次の行先じゃが」

スコール「世界の果て、無の調査か」

ドーガ「ここから一番近いところ……そうじゃの>>652じゃ

    そこで無の存在を確認したんじゃ」

スコール「そうか。一応、次の目的地はそこにしよう」

イーファの樹


ファリス「お前って、ティナのこと好きなの?」

ビビ「……」

ファリス「……」

ビビ「どう、なのかな」

ファリス(てっきりもっとキョドってくれると思ったんだけどなぁ)

ビビ「……これが、恋とかそういうのなのかはわからないけど、
   多分、意識はしてたんだと、思う」

ファリス「ほぉーん」

ファリス(俺のスコールに対する感じみたいなもんか?
     いい男だとは思うしアリだとは思うけどいまいち踏み込めない、みたいな)

ビビ「やっぱりなんかティナさんのこと気になるし、考えたんだ。
   もしかして、僕はティナさんのことが好きなんじゃないかな、って。

   でもそう言えば僕とティナさんの最初の交流ってアレだし」

ファリス「ああ、完全にぬいぐるみ扱いだったな」

ビビ「う、うん。それね。
   スキンシップ経験がほとんどない僕にとって、それがあまりに印象的過ぎたんじゃないかなって思ったら、妙に納得したんだ。
   あと、なんか気になるのはちょっとした親近感があっただけっていうか」

ファリス「親近感?」

ビビ「なんか、危なっかしいというか、頼りないというか……
   あ、もちろんティナさんが僕よりも強いのは重々承知だけどね」

ファリス「んまぁ、確かにお前らどっちもこのご時世一人にしておくのは怖い類だよな」

ビビ「はは」

ファリス「でも、実際ティナが居なくなってヘコんでるんだろ?」

ビビ「……うん、ちょっとね」

ファリス「それってそういうことなんじゃねーの?」

ビビ「……」

ファリス「……」

ビビ「そうなの、かな?」



ビビ ファリス(あ、これか。
        コレが『切ない』ってやつか)



ビビ「あ、あの、なんか話聞いてくれてありがとう。
   僕船下りるときの準備もあるから、部屋に行くね」

ファリス「お、おう」

ビビ(なんかちょっと泣きなくなってきた)

ファリス(なるほど、世の女が人の恋愛ごとに興味津々なのがちょっとわかってきたぜ)





………………


ドーガ「時にリノアよ」

リノア「なに?」

ドーガ「お主、その膨大な魔力、どこで手に入れた?」

リノア「どこでも何も記憶がね?」

ドーガ「……この世界での記憶は?」

リノア「あいにくと、気が付いたら孤児院に居ましたって感じ」

ドーガ「ふむ」

リノア「……ねぇ、おじいちゃん。
    私の魔力って、そんなにすごいの?」

ドーガ「歯に衣着せず、脚色なく言い表すと『化け物級』の魔力じゃの。
    わしに匹敵するかそれ以上じゃ」

リノア「なんか、やだなぁ」

ドーガ「確かに有り余る力、もてあました力は当事者の意図せぬことを引き起こしかねない。
    無意識ならなおさらじゃ」

リノア「……」

ドーガ「まぁ生まれ持っての魔力なのだとしたら、上手に付き合うしかないじゃろな。
    使い方を間違えぬことじゃ」

リノア「使い方って言っても、私には……」

ドーガ「力に溺れたり、誰かに利用されなければいい話じゃ。
    自分をしっかり持つか、自分の力をきちんと理解するのが大事じゃの」

リノア「それって、どうすればいいの?
    自分をしっかり持つ、とか哲学的なのはどうしようもないとして」

ドーガ「どうしようも……?」

リノア「だって、それは気持ちの持ちようでしょ?」

ドーガ「それもそうじゃ。
    つまりお主が聞きたいのは、自分の力を理解するための方法、じゃな?」

リノア「そういうこと」

ドーガ「そう言うと思って魔力の制御の仕方を教えに来たのじゃ。
    無論、リーダーの許可もとってある」

リノア「スコールが? 許可?
    何でスコールに?」

ドーガ「おおん? 違うのか? わしはてっきりお主らそういう……

    ……ああ、それで」

リノア「何? なに!?」

ドーガ「いや、何でもないですぢゃよ」

リノア「何その口調?」

ドーガ「とかく、リノアのためになることだと言ったら、『是非』と言っておったわい」

リノア「あ、へぇ。うん、そっかぁ、うん」モジモジ

ドーガ(力を制御できなかった時の危険性も念を押して話した、という事実は伏せておくかの)

ドーガ「まぁ、難しい修行でもない。
    ちょっとしたトレーニングだと思って気軽にやってみるのが吉じゃぞ」

リノア「うん、わかった。
    スコールに心配掛けてばっかりもいられないしね」

ドーガ「その意気じゃ。
    さて、まずは……」



………………


イ―ファの樹


スコール(本当に、これが樹なのか?)

ティファ「……これ、ミッドガルより大きいんじゃない?」

ファリス「ムーアの大森林を思い出すなぁ」

スコール(森じゃない。一本の大樹でこの大きさは桁違いだろ)

リノア「この場所って何なの?」

ドーガ「詳しいことは分かっておらん。
    ただ、わしの感覚でわかる範囲では、ここには生命エネルギーがあふれておる。
    何らかの循環があるようではあるが、これ以上詳しく知りたかったら調べる必要があるのう」

ビビ「……う、なんか、少しわかるかも。
   ざわざわする」




ティファ「ところで、
     いつの間に夜になったんだっけ?」

ドーガ「背景が黒くて驚いているんじゃろうが、
    残念、それは夜ではなくて虚無じゃ。

    光すらも消えてなくなる絶対的虚無が続いておるのじゃよ」

ファリス「……この感じ、間違いねぇ。
     俺の知ってる奴はあの中に居る」

ビビ「ファリスさんは、アレに見覚えがあるの?」

ファリス「見おぼえも何も、俺はあの中で激闘を繰り広げてきたんだ。
     そしてその末に、全員とはぐれちまって……気が付いたらここに居た」

ビビ「あのバッツって人が、その仲間なんだね?」

ファリス「そういうことさ」

スコール(その割にはドライな反応だったような気もするが)

ファリス「しかしなぁ、アレをもう一度相手にするんなら……
     できれば全員揃ってるのが望ましいんだがな」

スコール「全員、と言うと?」

ファリス「俺たちはクリスタルの加護によって戦ってきた。
     その恩恵やら、暁の戦士たちの恩恵やら、
     そういうのがあってようやくあいつを倒せたんだ。
     
     だから、バッツも含め、もう何人か居てくれないと……
     もしくは、それに匹敵するなんかすげー力の持ち主がいてくれればぁ……」



ティファ「クリスタルの加護っぽいものなら」スッ

ドーガ「一応わしも」スッ



ファリス「……確かに」

リノア「ってーことは、エアリスも候補に入るんじゃない?
    ティファと同じ世界に関係してる人なら、あのクリスタルの恩恵を受けられるんじゃ?

    ……なんとなくだけど」

ティファ「確かに、それに古代種のパワーとかであの闇も晴らしてくれそうじゃない?」

ドーガ「闇じゃなくて無じゃよ」

スコール「エアリスか……」



1 ファリス「確かに、あいつもただものじゃねーな。
       よし、もう一回会いに行こうぜ」

2 ファリス「いや、とりあえずバッツに連絡を取ろう」

3 ファリス「んまぁ、俺らだけでも何とかなるさ!」

4 ファリス「いや、やっぱり俺の知ってる奴らを集めねぇと不安だな。
       俺の仲間探しにちょっと付き合ってもらえるか?」

5 その他



ファリス「いや、とりあえずバッツに連絡を取ろう」

ティファ「あら、私たちだけじゃ不安?」

スコール「ファリスがそう言うのならそうしよう。
     ここに関しては、専門家だからな」

ビビ「連絡……でも、バッツさんはパラメキアに対する反乱軍にいるんだよね……?」

ファリス「そうなんだよな。
     さて、どうするか」



ドーガ「ほっほっほ、さて、そろそろわしの時空魔法が火を噴く時が来たようじゃの」

スコール(時空魔法なのに火を噴くとはこれいかに)


ドーガ「デジョンという魔法が存在することを知っておるものは?」

ティファ「知ってるわ」

ファリス「ああ。俺も知ってる」

ドーガ「そこな二人は知っての通り、これは次元の狭間を作り出す魔法じゃ。
    用途は、まぁ普通の時空魔法使いなら二つある。

    ひとつは、厄介な敵を違う世界へ送り飛ばしてしまう。
    もう一つは、自らその中へ飛び込み、近い場所へと一瞬で戻ることができる」

ファリス「俺が知ってるのは前者だな」

ドーガ「……しかしここで上級者向けの使い方があるのじゃが」

ティファ「上級者?」

ドーガ「まぁ、この中ではわしとリノアくらいかの」

ファリス「俺にはできねぇのか」

ドーガ「まぁもって生まれた魔法のセンスと魔力の違いじゃ。諦めよ」

ビビ「っ」

ドーガ「このデジョンを使い、見知った場所への直通の道を作る。これがデジョンの新しい使い方じゃ」

ファリス「ほほーう?」

ドーガ「簡単に説明すると、デジョンで開いた次元の狭間の中に」ボワァン

ドーガ「もう一度、デジョンで穴をあける。
    この時、特定の場所に向けて魔力を飛ばすと、」ボワァン

スコール(向こう側に、見覚えのある町が見える。これは……)


リノア「!? すっごい! 
    これ、あのバフスクの町よね?」

ドーガ「これでとりあえずバフスクまでの直通の道が完成じゃ。
    しかし、これには問題点が一つ」

スコール「……この道を行き来するためには、
     術者がずっと魔法を維持しなくてはいけない、か?」

ドーガ「その通りじゃ。
    一度閉じてしまうと、向こうから同じ手順で魔法を使わなくてはならないのじゃ。
    しかも、術者がここから居なくなると効果が切れる。
    故に、『わしがこの穴を通ろうとするとこの道も途切れてしまう』

    更に更に、この時空魔法の虚を突いたかのような便利マジックは、
    非常に不安定な次元の狭間を巧みにかいくぐっている代物。
    ここを通る『たった一人』のためになんとか調整しておる。

    その恐ろしさは、ファリスならよくわかっていることなんじゃろ?」

ファリス「ああ。あそこに一人で取りのこされたらって思うと、ぞっとするぜ」



ドーガ「つまり、わしがこうして開いている間にここを通ることができるのは、
    決められた一人だけ、ということじゃ」



スコール「……それじゃ、バッツを連れてくることはできないんじゃないのか?」

ドーガ「わし一人では難しいのう。じゃから、道を二本用意するんじゃ」 チラッ

リノア「……え、私?」


ティファ「なるほど、海すら止める大魔力の持ち主なら、あるいは、ってことね」

ドーガ「あるいはもなにも大本命じゃよ」

リノア「ま、まぁ、やってみるけど、
    空間に、次元の穴をあける……?
    ………………こ、こう?」ボワァン ボワァン

スコール(あっさりとやってのけるが……
     魔法を使える奴はたいていできるもんなのか?)

ファリス「?  ほっ   はあっ! んん?」

スコール(すくなくともファリスにその資質はないようだ)

ティファ「……私、魔法には疎い方だけど、
     次元の穴をあけるのってそんなホイホイできるものなの?」

ドーガ「ほいほいとはできんよ」

リノア「まぁ、訓練の賜物かしらね」



ファリス「……まぁいい。ってことは、この穴をくぐって俺がバッツを連れてくれば、」

ドーガ「そう。わしが作った次元洞とリノアの次元洞で、二人同時に帰ってくることができる」

スコール(次元洞、というのか、その業は)

ドーガ「ちなみに、改めてつなぎなおすとかそういう危ない橋は渡りたくないからの。
    行くのであればファリス一人が精いっぱいじゃ」

リノア「確かに、この穴に人を通すと考えると、そうそう何度も作り直せるものじゃないわね」

ティファ「そういうものなの?」

ドーガ「そういうものじゃ」



ファリス「おし、んじゃ」


1 ファリス「いってくるぜ」 ファリス一人旅開始
2 ビビ「ちょ、ちょっと待って!」 追加人員フラグ
3 その他


ビビ「ちょ、ちょっとまって!」

ファリス「ぁん?」

ビビ「その、次元洞、っていうの?

   ボクにも、できた……っ!」


ボワァン

ドーガ「ほほうっ?」

スコール(いつの間に)

ファリス「くっ、くそぅ。
     全ジョブマスターの俺にできないことはないと思ってたのに……
     やっぱ俺には素質がないのか?」

ドーガ「安心しろ。わしの知る限りではお主の海賊の素質は世界一じゃ」



ティファ「ってことは」

ドーガ「ふむ、そうじゃの。
    これでバッツを連れてくるのに二人で行くことができるということじゃな」

スコール「……それなら、
     バッツを説得するのにファリスは必要だとして」



1 スコール「俺は次元洞班の護衛をする。ティファ、行ってくれるか」
2 ティファ「ここはやっぱ、リーダーが説得の手助けをするべきでしょ」
3 ファリス「ここで、逆転の発想だ。
       俺一人で行って二人連れてくるってのはどうだ?」
4 その他


ティファ「ここはやっぱ、リーダーが説得の手助けをするべきでしょ」

スコール「……そうだな。それは考えていた」

ファリス「お、おぅ、心強いぜ」

ファリス(スコールと二人きりか、なんか気まずいな)

スコール「ビビ、できそうか?」

ビビ「うん。大丈夫。
   今スコールさん用に繋ぎなおすから」ボワァン



ドーガ「ふむ、これで準備できたようじゃ。
    こちらからの次元洞は常に一つつなげておく。
    帰る際はそこから何らかの合図を送ってくれれば、三つの次元洞を用意するでの」

スコール「了解」

ドーガ「では」

スコール「ああ、ティファ。護衛は頼んだ」

ティファ「まかせてっ」パシッ



ファリス「っしゃ、行くぜ!」

シュゥゥゥ……






………………


バフスクの町 の 現状


1 大戦艦起動一歩手前 乗り込むフラグ
2 大戦艦起動一歩手前だが乗り込まない
3 大戦艦出立後
4 大戦艦計画失敗 反乱軍によって制圧済み
5 その他

ファリス「さて、なんなくついたわけだが、何だか騒がしいな」

スコール(……騒がしいなんてもんじゃない、これは)



アルテマウェポン(7「キシィシャアァアアアアアォォォオオオオオオ!!!」

バロン兵「黒魔法団! 迎撃用意!!」

フィガロ兵「東地区被害甚大!
      これより、東地区の戦力を破棄する!」

バロン兵「てぇぇぇええええええ!!」

黒魔法団「「「ファイガ!!!」」」キュイィンキュィンキュィン

ボガァァァァアン!!!!

アルテマウェポン「ギャアァァァァォォォゥ……
         ッ」カッ

バロン兵「白魔法団! 防壁用意!!」

フィガロ兵「魔導シールド用意!」

アルテマウェポン「ッッ」カカカッ!

シュウゥゥゥゥゥゥ

白魔法団「「「シェル!!!」」」

フィガロ兵「「「おおぉぉぉおおおおおお!!」」」

カァァァァァァン!!!!!

フィガロ兵「ぐぁぁぁあああっ!」



レオンハルト「本城からの援軍はまだ来ないのか」

パラメキア兵「伝令に行くこともままなりません」

エドガー「あの空賊はあてにならないのか?」

レオンハルト「反乱軍側でも意見が二分している」




スコール「これは、まるで戦争だ」

ファリス「だが、相手は化け物一匹だ」

スコール(その一匹がそんじょそこらの建物より数倍でかいから問題なんだ)



スコール(しかし、真面目な話どうする?
     この戦争に加担するか、それとも反乱軍のところに直接向かうか)


1 スコール「俺たちの出る幕ではないだろう。
       それに俺たちの目的はバッツとの合流だ。
       反乱軍に接触しよう」

2 ファリス「うるせぇから黙らせちまおうぜ。
       エドガーとレオンハルトにも手伝わせよう」

3 その他


スコール「しかたない二手に分かれる、ファリスはバッツの所へ」

ファリス「おう……おう!?」

スコール「どうした?」

ファリス「おいおい、わかれるってこたぁ。
     おまえ、あのでかいのとやり合うつもりなんだろ?」

スコール(それが一番手っ取り早いだろ。
     好き勝手暴れさせるよりもこちらに注意をひかせて、その間にバッツを連れてくる。
     それじゃ不満か?)

ファリス「無茶だろ」

スコール「……少し手を貸すだけだ。
     一人で戦うわけじゃない」

ファリス「いいや、違うね。
     お前の計画の本質はいつだって一人だ。

     お前は一人で無茶しすぎなんだよ」

スコール(お前お前って、うるさいな)

スコール「あんたに何がわかる」

ファリス「ああ?」

スコール「……」

ファリス「なんだってんだよ」

スコール「すまない。失言だった」



ファリス「わかるに決まってんだろうが。俺だってお前を見てんだよ!」


スコール「……は?」

ボガァァァァアン!!!!

ファリス「ちっ! もたもたしてられねぇか。
     仕方ねぇ。お前の計画に入ったんのるぜ。
     だが、無茶だけはするなよ!? いいな!?」

スコール「……了解」

ファリス「っ」ダッ



スコール「……」




………………


スコール

バフスク 激戦区




スコール「エドガー」

エドガー「ん? お前は……セリスの連れだったな」

スコール「どうなってるんだ?」

レオンハルト「俺たちもよくはわかっていない」

スコール「訳も分からず襲われているのか」

エドガー「……可能性としては、あれが幻獣であるというところなんだが。
     俺の経験から言うと、どうやら違うらしい」

スコール「幻獣……そう言えば、ガストラ帝国は?」

エドガー「おかげさまでガストラ帝国の幻獣は解放されたよ。
     その直後にこの状況、というわけだ」

スコール「……見知らぬ兵装の者がいるが」

エドガー「緑色のがフィガロの手のものだ。
     青色がバロン兵さ」

スコール「バロン兵?
     どうしてそことつながるんだ?」

エドガー「どうもこちらの大戦艦計画が成功した後に、あの化け物と接触したらしい。
     倒すのなら協力すると言ってきたから、今は共闘している」

スコール(今だけは味方、と考えてもいいのか)



バルフレア「なぁ、お偉いさん方よ。
      そこの少年に加えて新戦力加入といかねぇか?」



フィガロ兵「貴様っ どこから……!」

バルフレア「こんだけ錯綜してんだ。人っ子一人通る道なんざいくらでもある」

エドガー「……空賊か」

レオンハルト「あのアーシェとかいう娘と、フリオニールはこの男を信用してもいいと言っていた」

エドガー「アーシェの言い分は?」

レオンハルト「知っている人間だから大丈夫だ、と」

エドガー「……レディの言うことには逆らわない方がいいなぁ」

レオンハルト「……では?」

バルフレア「……」

エドガー「とりあえず、契約しよう。
     契約期間は現状打破まで。

     当面の賃金はフィガロ王国に請求してくれたまえ」

バルフレア「いいぜ。お安くしておいてやるよ。
      どのみち本気で請求する相手はあんたじゃねぇからな」

スコール「空賊?」

バルフレア「この界隈じゃ、そうそうメジャーじゃねぇみたいだが、
      文字通り空飛ぶ賊。野良飛空挺乗りの俗称みたいなもんだ。

      俺にいたってはきままに王族に恩売るのが趣味だから、こうしてここにいる」

スコール「それは……高尚な趣味だな」

バルフレア「ちがいない」ニヤニヤ




レオンハルト「……スコール……か、そうか。
       なるほど、これもなにかの思し召しか」

エドガー「その何かというのが女神であることを切に願うよ」

レオンハルト「スコール、協力してくれるのなら頼みたいことがある」

スコール「ああ」

レオンハルト「その空賊とともにあの化け物へ攻撃を仕掛けてくれ」

エドガー「本城に連絡するんじゃないのか?」

レオンハルト「援軍を待つよりは現実的だ。

       それに、話によると彼は少数精鋭を率いて作戦を遂行するのが得意だそうじゃないか」

エドガー「ああ。そういうことか」

スコール「……得意かどうかはさておき、
     言われたからにはやるさ。
     こちらにも目的がある」



バルフレア「じゃ、行くか」

スコール「……で、少数精鋭と言うのは?」



1 バルフレア スコール エドガー レオンハルト
2 その他


エドガー「それは、我々で行くしかないだろうな」

レオンハルト「……うぅむ、確かに。あれと直接対決できるのは俺たちくらいか」

スコール「三人で、やれるのか?」

エドガー「やるしかないだろうな」



アーシェ「貴方達、こんなところに居たの。
     戦えるものは戦いなさい。被害が増すばかりよ」




エドガー「どうやら、戦女神のご登場らしい」

アーシェ「それが私のことと言うのならば大層な持ち上げようね」

レオンハルト「いつの間に来ていた?」

アーシェ「空賊との交渉を早く終わらせるために来たの。
     まぁ、杞憂だったみたいだけどね」

レオンハルト「まぁいい。それよりもいいところに来てくれた」

スコール(ということは、このメンバーで行くということか)

バルフレア「……」



バルフレアの状態 (強さ指定可

1 この世界のバルフレア(アーシェと初対面
2 アーシェの世界のバルフレア
3 その他




エドガー「時間がない、行こう」スタスタ

レオンハルト「手伝ってくれるな?」スタスタ

アーシェ「ええ、もちろん」

バルフレア「案内するぜ」




アーシェ「……貴方は、どっちなの?」

バルフレア「さぁてね。
      あんたこそ、俺の知っている奴なのかどうか」

アーシェ「私の姿に見覚えがあるってことは、少なくともこの世界の人間ではないってことね」

バルフレア「まぁ、話したいこともあるだろうが、ここはアレを倒すのを先にした方がいいんじゃないか?」

アーシェ「わかってる」



……
シュトラール内

バルフレア「さて、案内するとは言ったが、アレを倒すとなるとちょっと準備が要る。
      装備でも整えて待ってな」

スコール(そう言われても、俺はジャンクションを整えるくらいか)



時間までの行動

1 ジャンクションを徹底的に整える(スコール強化
2 エドガーに話しかける(装備面強化
3 レオンハルトに話しかける(作戦面強化
4 アーシェに話しかける(白兵戦強化
5 バルフレアに話しかける(シュトラール武装強化
6 ぼーっとしてる
7 その他



スコール「……少し、いいか?」

バルフレア「急げってんなら無理だぜ?」

スコール「急かすわけじゃない。
     ただ、この乗り物の武装を教えてほしい」

バルフレア「武装、ねぇ。
      つっても大げさなものは積んでないがね。

      デカブツに使えそうな奴と言ったらアンカーと機関砲、
      そうだな。的がでかいから景気づけに主砲もぶっ放すか?」

スコール「それらは全部機械制御か?
     魔翌力を使用する武装は、あったりするだろうか」

バルフレア「……詳しいな。あんた、軍事マニアかなんかか?
      あいにくとこの船が戦闘用だったのは昔の話でね。
      魔法兵装は整っちゃいねぇよ」

スコール「……他にも何かあるならできる限り開示してもらえれば、と思う」

バルフレア「まぁ、ある程度なら」




~~スコールはシュトラールの簡単な知識を得た~~




スコール(魔改造のエンジン多数。開閉式の両翼。
     武装は最低限だが、逆に言うとそのどれもが機械知識のあるものにならある程度使いこなせる、か)

バルフレア「とりあえずおまけに、この船の最高の自慢を付け加えておこうか」

スコール「……聞いておこう」



バルフレア「世界最速、だ」



エドガー(セッツァーが聞いたら憤慨しそうなセリフだな)

バルフレア「さぁ、こっちの準備は整った。
      全員、整ってるか?」

レオンハルト「問題ない」

エドガー「俺もだ」

アーシェ「いつでも」

スコール「……」コクン

バルフレア「それじゃ、行くぜ……!」



ゴゥゥゥゥン………………



エドガー「良かったのかい?」

スコール(何がだよ)

エドガー「なんだか、巻き込んでしまったような感じがするが」

スコール(今更だろ それに)

スコール「こちらにも目的があるし、
     やるしかないなら、やる」

エドガー「覚悟はできてる、というわけか。
     良いだろう。君に良い作戦があるなら、俺達をうまく使ってくれ」

スコール(元よりそのつもりだ)



レオンハルト「……」



………………


上空

シュトラール甲板

バルフレア(放送『今は巡航モードで奴の背中を追っている。
         これからどうすればいいか、スコール、あんたが支持してくれ』

スコール「了解」



スコール「向こうがこちらに気づいて攻撃してきたら、
     まず、アンカーを射出してくれ」

アーシェ「迎撃はしないの?」

スコール「ああ」

スコール(奴は速い。
     こちらの攻撃がただの機関砲と自由のきかない主砲である限り…………)

スコール「……」

アーシェ「?」

スコール「奴は速い。
     こちらの攻撃がただの機関砲と自由のきかない主砲である限りは動きを制限するほかないだろう。

     ……だが」

バルフレア『アンカーだってそうそうあてられるもんじゃないぞ?』

スコール「だろうな。
     そこでなんだが、魔法の心得があるものは居るか?」

アーシェ「この中なら私かしらね」

レオンハルト「任せよう」

エドガー「レディの仰せのままに」

スコール「そうか。できる限り派手な魔法で奴を引きつけてくれ。
     
     あと、確認したいことが二三ある」




………………


数十秒後



バルフレア『奴のケツが見えてきた。
      さぁ、どうする』

アーシェ「行動開始ね」

スコール「ああ」



アーシェ「フレアー!」バッ

シュウウゥゥゥ ボガァァァン!!

アルテマウェポン「!?」クルッ

レオンハルト「全兵団、撤退用意!!」




スコール(これで注意はこちらに向いた。
     むこうは図体のでかさや狂暴性から考えるに、こちらに突っ込んでくるはず。)



………………


バルフレア「……その突っ込んでくる顔面にアンカーぶつけろ。だとさ。
      流石に顔面ってのは冗談きついが」

グイッ

ガチリ


………………


ガゴォン!!

アルテマウェポン「ギィィアァァァァァァォォオオオ!!」

アーシェ「アンカーが命中した!」

スコール(しかし、これだけでは相手の巨体を逸らすことはできないか。
     このままだと激突するな)

エドガー「これも含めての作戦、だろう?」ジャキッ

スコール「リスクは少ない方がいい」

エドガー「まぁみていろ。こちとら機械の扱いはお手の物だ」グイッ

スコール(元戦闘機の機関砲の威力なら、高速で飛来する奴の軌道をそらすことができるか)



ドガガガガガガガッガガ……!

アルテマウェポン「!?」グラァッ……!



スコール(逸れた!)


バルフレア『まだだ、風圧に備えろ!』

アーシェ「グラビデ!」グォォォォン……

エドガー「ぐっ……!」グォォォォン……

スコール「っ……」グォォォォン……

アルテマウェポン「グガァァァァォォォォォォォ」ブォォオオオン!!



スコール(重力魔法で自分たちに加重することで、奴の通過する際の突風を防ぐ。
     思い付きではあったが無理ではなかったみたいだな)

レオンハルト「さて、大仕事だぞ」

スコール「……わかってる」タッ

バルフレア『!? お、おい』



スコール(奴の懐までの道はできた。
     だが、その不安定すぎる道を進むのが次の難関だ)タッタッタッ

レオンハルト「驚いたな。本当に、アンカーの上を走ってる」

エドガー「結構な速度で振り回されてると思うんだが、
     こちらの援護も細心の注意を払わないとな」

アーシェ「わかってる」

バルフレア『あの野郎。
      奴の視力を奪うのが目的って言ってたよな』

レオンハルト「ああ、作戦ではそう言っていた」

バルフレア『まさか、直接斬りつけにいくつもりだったとはな』





タッタッタッタ

スコール(アンカーがどこに刺さってるのかはわからないが、
     これを辿って行けばまず間違いなく奴の前面に出る)

タッタッタッタ

スコール(そこで、奴の両目を斬る)

タッタッタッタ



アルテマウェポン「グゥゥゥウウ…」

スコール「!」



バルフレア『見くびってもらっちゃ困る。
      顔面にアンカーをぶちこめと言われたからには、
      言われたとおりにやってやる。

      それが主人公の条件ってやつさ』



スコール(それなら、剣を振る回数は一度でいい……!)フォン!

ザシュッ!

アルテマウェポン「ガァァァオオオォォオォオ!!」ブォンブォン!!

スコール「っ!」グラッ







バルフレア『船の中に入れ!上昇するぞ!』



グォォォォォォォ……



レオンハルト(奴の視力を奪ったら、シュトラールは急上昇する)

アルテマウェポン「!?」



グォォォォォォォ……



レオンハルト(その勢いにつられてアルテマウェポンも空中を引きずられていくが、
       どの方向へ行けばいいのか判断できない。

       故に、奴が正常な判断ができるようになるまでは引っ張り放題だ)

バルフレア『せっかくだ。どこまで上がるか、試してみようぜ』

アーシェ「ちょっと、無茶をしないでくれる?」

エドガー「これは、こちらも覚悟を決めた方がよさそうだ」



グォォォォォォォ……



レオンハルト(そして)

バルフレア『そろそろ、だな』

レオンハルト(できるだけ高く舞い上がったところで



       シュトラールは翼を閉じる)

ガォォンンンンン……








レオンハルト(翼を折りたたんだシュトラールは重力に引かれて地面へ向かい)

グラァ……

レオンハルト(更に加速する)

ゴォォォォオオオ……!

アルテマウェポン「……!?」

レオンハルト(速く 速く)



ゴォォォォオオオオオオ…………!



レオンハルト(とてつもなく、速く)



ゴォォォォォォォォオオオオオオオオ…………!!






バルフレア『舌を噛むなよ』

レオンハルト(そして、衝突回避不可能の手前ぎりぎりで翼を広げ、

       アンカーを、外す)

ガチリッ

アルテマウェポン「!」

レオンハルト(最速のシュトラールの限界を超えた速度で落下していたアルテマウェポンの向かう先は一つ)





ドッゴォォォォオォォオオオオオン!!


































レオンハルト(だがそれでも奴は生きているかもしれない)


アルテマウェポン「……グルルルル……」ボゴォ……






レオンハルト(だからこその、最後の一撃だ。



       一人だけ甲板に残り、アンカーの解除とともに宙を舞った俺が、
       落下する速度を全てこの剣に込めて……)



レオンハルト(……斬る)

ッザンンンン……ッ!!!


……………………


パラメキア兵「やったぞ! ダークナイト様がやってくださった!!」

フィガロ兵「ようやく、終わったか」

パラメキア兵「手の空いている者は救護にあたれ!」

バロン兵「白魔法兵全員出動! 救護の補助を」

どやどや バタバタ





ファリス「どうやら片付いたみてぇだな」

バッツ「ああ、しかし。えらく一瞬の空中戦だったようだけどよ。
    ……スコールはどうした?」

ファリス「……」



ヒュゥゥゥゥ……




ファリス「ん?」

バッツ「あ?」


ヒュウウゥゥゥゥゥゥゥ……



ファリス「んのやろっ……!」

バッツ「っ」





落下してくるスコール


1 ファリスが助ける
2 バッツが助ける
3 ボコが助ける
4 勝手に助かる
5 ドズン→大けが
6 ドッゴォォォォォン
7 その他 



スコール「……レビテト!」

バフゥンン……!

ファリス「!」

スタッ

スコール「……」



ファリス「……」

スコール「……」


スコール(なんなんだよ)




ファリス「見てた」

スコール「そうか」

ファリス「またお前、無茶してた」

スコール「……そうか?」

ファリス「……うるせぇバカ!」ボカッ

スコール(痛い)

ファリス「さっき俺が言ったこと即行で忘れてんじゃねぇよ!
     一人で無茶するなって言っただろうが!!」

バッツ「まぁまぁ、勝算があってやったんだろ。
    こういう手合いはそこまで考えてるんだって」

スコール「……一応、そういうつもりだ」

ファリス「お前以外には無茶以外の何物にも見えねぇんだよ!
     覚えておけ!!」

スコール(なぜそこまで怒るんだ)



バッツ「へーいへいへい。
    これ以上良い争いが続くと大変だ。
    当初の目的を思い出そうぜ?」



スコール「その通りだ」

ファリス「っ……
     わーぁったよ。とにかく戻るぞ。
     こっちの事後処理は大体エドガーとかが何とかしてくれるだろ」


バッツ「そうそう。
    あと、俺は反乱軍から言ったん抜けることにしたから。
    しばらくはお前らと行動するぜ」

スコール「良いのか?」

バッツ「フィガロとレオンハルトの私兵団が協力するんだ。俺一人いなくたってかわらねぇよ」

ファリス「俺たちのけじめをつけなくちゃいけねぇしな」

バッツ「そういうこった」

スコール「何はともあれ、協力には感謝する」

バッツ「良いってことよ。
    それより、その次元洞ってのはどこにあるんだ?」



………………


バフスク側 次元洞


バッツ「お、おおお? 向こうに見えるのは、お前らの仲間の胸のでかいネーチャンじゃないか」

ファリス「やめてやれ、それなりにコンプレックスらしいぞ」

バッツ「これを通れば向こうにつくんだな?」

スコール「ああ。今合図する」

ボワァン



スコール(さて、これで帰り道が確保できたわけだが)




バッツ「……行こうか」

ファリス「おう、今度こそあの野郎に鉄槌を下さなくちゃな」

スコール「……」



スッ




………………


次元洞通過

1 ドーガ(……なんじゃ? ノイズが……)ボワワワァン→ バッツ 次元の狭間へ
2 リノア(なにこの感じ……維持できない!?)ボワワワァン→ スコール 次元の狭間へ
3 ビビ「!? うわぁっ!」バチィン→ ファリス 次元の狭間へ
4 何事もなく通れた
5 その他



バッツ ファリス スコール「っ」シュタッ

ティファ「っ! おかえりっ」

ビビ「はぁぁ……何とか、成功した……!」

ドーガ「御苦労じゃったぞ。ビビ
    リノアも、流石の安定性じゃったの」

リノア「ま、何とかね」



バッツ「……」

ファリス「……お前も、やっぱ感じてるか?」

バッツ「ああ。そうだな。
    ビシビシ伝わってくるぜ、あの向こう側から」



スコール(闇のように見える真っ暗な空間。
     ドーガいわく、無の世界だということらしいが)

バッツ「あの向こうに居やがるんだな。

     エクスデスが……」

スコール(どうやら、バッツを連れてきたのはやはり正解だったらしい。
     顔つきが、一気にかわっ)



バッツ「それはさておき、
    ちょっと一日にいろんなことが起こりすぎた」

スコール「……」

バッツ「少し整理したい。
    と言うわけで、突入は明日!」





リノア「まぁ、もうすぐ日も暮れそうだしね」

ドーガ「ふむ、まぁ次元洞で魔力を使ったことだし」

ビビ「あ、僕も、その、少し休憩したいかも」



スコール「……じゃあ、そうしよう」

スコール(確かに、俺も疲れているようだ。
     ファリスの言うほどではないが、少し無茶をしたんだろうか)

ファリス「そうだな。急ぐわけでもねぇし、ゆっくり準備を整えてから挑むか」



………………



ATE 三つ
以下三レスより参照


1 スコール バッツ(バッツのポテンシャル
2 ファリス スコール(説教……?
3 ティファ ファリス(女子トーク
4 バッツ ティファ(アルテマウェポンについて
5 一方そのころ エドガー達
6 一方そのころ アーロン達
7 その他

多分寝るます

ティファ「ファリス、何かあった?」

ファリス「あ?」

ティファ「いや、なんかスコールに対してあたりが強いような」

ファリス「……かもな」

ティファ「やっぱり向こうでは大変だったんでしょ。
     スコールに無理な命令でもされた?」

ファリス「逆だ。あいつが勝手に無茶するから、なんか……」

ティファ「ん、そっか。確かにスコールは一人で何でもする所あるよね」

ファリス「そうなんだよなぁ。
     みてて危なっかしいっつーか、いつも一人になりたがろうとしているところを見ると
     ついちょっかい掛けたくなるというか」

ティファ「……」

ファリス「何なんだこの気持ち」

ティファ「……えーっと、それは」

ファリス「多分これが、『好き』なんだろうけどよ。
     まぁ、なんか今は憎さが勝ってるんだよな……」

ティファ(ああ、それはわかってるんだ)

ファリス「どうすりゃいいと思う?」

ティファ「そうねぇ。ただの仲間内の問題なら、すぐ話し合うのが一番だと思うけど。

     そこにちょっと色恋も絡んでくるとなると……
     まずはあなたが落ち着くのが一番最初かもしれないわ」

ファリス「俺が?」

ティファ「私としては、貴方の考えが正しいと思う。
     リーダーが勝手に無茶な作戦をするよりは、もっと私たちを頼ってほしいものね。
     ……気になる人なら、なおさら」

ファリス「……」コクン

ティファ「でも、スコールの考えをくみ取りながら、一緒に考えるのも一つの手だと思うの。
     彼はリーダーとして、自分が一番重い責任を背負うべきだと考えてるみたいだから、
     あなたはそれをなるべく補助してあげるのが良いんじゃないかな」

ファリス「俺が、あいつの補助か」

ティファ「彼だって本当に無茶なことはしないと思うし、
     本当に無茶だと思ったところだけ伝えてあげれば……
     まぁ、あのスコールでも少しはありがたがってくれるんじゃないかしら」

ファリス「……なるほどな。
     まずは良い理解者になることか」

ティファ「そういうこと」

ファリス「……お前、いい女だな」

ティファ「でしょ?」

ファリス「ありがとよ。まぁしばらくはあいつの顔を立ててやるか。
     ……それに、いろいろ意見してるとボロが出ちまいそうだ」

ティファ「それはそれで、当たって砕けろ的な感じでいいんじゃない?」クスクス

ファリス「バカヤロー。スコールとはその後適当にやり過ごせばいいかもしんねぇけど、
     リノアとは顔合わせづらいだろうが」

ティファ(ああ。三角関係だってこともちゃんとわかってるのね。
     そこまでわかっててスコールとの関係を諦めていないあたりは、
     勇ましいというかなんというか)



………………


その頃 アーロン達

アルブルグ



アーロン「封魔壁?」

ティナ「エドガーが言ってた。
    幻獣たちは封魔壁と言う壁の向こう側の幻獣界に住んでいるって」

ユウナ「幻獣界……では封魔壁の場所と言うのは」

ティナ「エドガーの話だと、帝国が管理している土地にあるらしい」

アーロン「ならば、行くなら今だな」

ユウナ「そう、ですか?」

アーロン「ああ。帝国がパラメキアに屈した今、内部は相当混乱しているし
     幻獣の解放を約束した以上、封魔壁の管理も手放す必要があるはずだ」

ティナ「その混乱に乗じて、封魔壁の向こう側へ?」

ユウナ「そう、うまくいくんでしょうか?」

アーロン「まぁ、行ってみないと分からんということでもあるな」

ユウナ「い、意外と行き当たりばったりなんですね」

アーロン「……まぁな」

ティナ「でも、何とかなると思う。
    ……私が、いるから」


セリス「もし何かあっても、私も協力するから大丈夫よ」ガチャ



アーロン「お前は……」スッ

セリス「っ ごめんなさい。急に居なくなったのは謝るわ」

アーロン「……どうやら、敵として再び現れたというわけではないようだな」

セリス「確かに、今更戻ってきて信用がないのは仕方ないけど。
    貴方も相当、疑り深いわね」

ユウナ「セリスも、封魔壁へ?」

セリス「ええ。
    帝国が幻獣を手放した以上、あの世界ほど最悪の状態にはならないと思うけど、
    それでも、封魔壁の向こう側を見ないことには分からないことが多すぎる」

アーロン「……、まぁいい。
     案内人が居た方がすすみやすいだろうしな」

セリス「任せて」



ティナ「……?」キョロキョロ

セリス「……どうしたの?」

ティナ「……セリスは、誰かに会いに行ったんじゃなかったの?」

セリス「っ」



ロックの所在

1 レイチェルイベントを一人でこなしてどこかへ(居ない
2 セリスと一緒に来てる(居る
3 フェニックス探しに行った(居ない
4 その他


セリス「……」

ティナ「?」

セリス「忘れて」

ティナ「どういうこと?」

ユウナ「……!
    あ、あのっ!

    ともかくっ、封魔壁に行きましょう。
    セリスがいてくれるならとても心強いし」

アーロン「今からでも準備しよう。
     行けるか?」

セリス「……ええ。
    行きましょう」

ティナ「……?」


………………



スコール「バッツ」

バッツ「んぁ?」

スコール「一応、リーダーとして聞いておきたいことがある」

バッツ「おう、何でも聞いてくれ」

スコール「……単刀直入に言おう。
     あんたの強さが知りたい。
     作戦にどのようにあんたを組み込めばいいのかの参考にしようと思う」

バッツ「ん? あー、なるほどな」

スコール(まぁ、あのファリスとともに旅をしていたんだ。
     それなりの強さなんだと思ってたが)

1 バッツ「まぁ、これを見てくれ」つオメガの勲章(ファリスよりは弱い
2 バッツ「まぁ、これを見てくれ」つ竜の紋章(ファリスより強い
3 バッツ「まぁ、これを見てくれ」つ限界まで強くなったチキンナイフ(曲者

4 その他


バッツ「まぁ、これを見てくれ」

スッ

スコール(……何らかの魔術的な装いのあるナイフだが、
     俺が手にした瞬間に効力を失ったようだ)

スッ

バッツ「こいつは、敵から逃げた回数だけ強くなるナイフさ」

スコール「……」

バッツ「あんたにも見えただろう。
    こいつはもう限界まで強化されている」



スコール「……期待している」

バッツ「お?」

スコール(それに、さっきのナイフに込められた魔力。
     逃げた回数は尋常ではないだろう。

     つまりそれだけの数、戦いの舞台に立っているということ。
     そしてそれだけの数、敵前逃亡しているということ)

スコール「逃げることは簡単じゃない」

バッツ「……」

スコール「向こう見ずな奴よりは、期待できる」

バッツ「ははは。
    ま、とりあえず次元の狭間では期待してもいいぜ」




スコール(意味がなく逃げるようなやつではなさそうだ。
     ただの臆病者なら、ファリスに気に入られることもないだろうし)



……………………


翌日


バッツ「さ、行くか」

スコール「……ところで、
     あそこにはどうやって入るんだ?」

バッツ「ん? まぁ、俺たちの時は、飛空挺でこう、
    ……どーん、と」

スコール「……突っ込むだけか」

ファリス「そうだったな」

スコール「……中はどうなってる?」

ファリス「さぁな。なにせ少し進む旅に風景ががらりと変わる世界だ。
     俺たちが通った時の道とは全然違うもんだと考えていいだろう」

スコール(……それじゃ、結局無策で飛び込むことになるんじゃないのか?)

バッツ「俺たちの時もこれでうまく行ったんだ。
    まあ何とかなるさ」

スコール(あんたも結局向こう見ずだったか)



ドーガ「……」

ティファ「? どうかした?」

ドーガ「……無とは、なんじゃろうな」

バッツ ファリス「……」

ドーガ「わしはアレを無と呼ぶ。
    そして、ファリスの言うエクスデスとか言う奴も、無の力を使うという。

    しかし無とは……無、なのであって。
    無の力というのは語弊があるのではなかろうか」

スコール(哲学か?)

ドーガ「……」



バッツ「ま、それの真実を確かめるためにも、中に入るしかないだろ」

ドーガ「それもそうじゃの。
    あの中から出てきた本人たちがそう言うんじゃからの」

ファリス「出てきた、か」

バッツ「んー、うん。まぁ、この世界には出られたよな」

スコール「どういう意味だ?」

バッツ「おいおい話すさ」



………………


次元の狭間

ビビ「うわ、なに、これ……」



次元の狭間で最初に見たモノ


1 あの砂浜
2 しょっぱなから最奥
3 クワン洞
4 ニブルヘイムの給水塔
5 宇宙船ラグナロク 船内
6 その他

スコール(列車、のようだな。えらく古い型だが)

ファリス「機械の類か。こっちの世界じゃそんじょそこらにあるもんな」

バッツ「俺たちの世界じゃここまで大がかりなのはカルナックくらいにしかないよなぁ」

ビビ「うぅ、でも、なんか不気味だよ……」

ティファ「確かに、不気味だけど。
     この感じ、どこかで……」

スコール「……星の体内」

ティファ「確かに、ライフストリームにも少し似てる。
     でも、これは……」

ドーガ「うむ、生命の流れに関して言うと、これは一方通行じゃな。
    ライフストリームは生と死、両方のエネルギーを感じるが、
    この列車からはその片方しか感じられぬ」

ビビ「それって……」

ドーガ「さしずめ、死を運ぶ列車、とでも言うべきかの」


スコール(ということは、あの中に乗っているのは死者の群れ、ということか)

ビビ「お、おおお、おばけってこと……!?」


ティファ「……殴って倒せる相手ならいいんだけどね」パシッ

ファリス「アンデッドには聖属性攻撃」ビシッ

バッツ「もしくは回復役」バシッ

スコール(バトル野郎どもめ)



リノア「でも、ファリス達がこの列車に見覚えがないってことは」

ファリス「ああ、やっぱりこの次元の狭間は、俺たちの知ってるところじゃねぇな」

バッツ「だけどこの、一歩歩くごとの違和感。
    この感じはやっぱり、無の領域だって感じがするな」


スコール「……どう進めばいい?
     この奥にはなにか答えがありそうか?」

バッツ「そうだなぁ。
    ……進み方に関してはクリスタルの導きに従うしかないな。

    さて、今は……」



1 バッツ「先頭車両に行くと、奥に進めそうだ」 バトルメイン展開
2 バッツ「このまま運ばれていくと、奥に進めそうだ」 死者との対話展開
3 その他



バッツ「このまま運ばれていくと、奥に進めそうだ」

スコール(それって)

リノア「あの、それって……
    死んじゃうようなことになったりは」

バッツ「……」

ファリス「まぁ、どうにかなるだろ」

ビビ「え、えぇぇ……」

ドーガ「……まぁ、この状況からすると乗るしかあるまいて」

バッツ「そういうこった」



プォォォォオオオオオオオオオン……

プシュー……

ガシュー……




スコール「……」

一同「…………………………………………」






ドーガ「ほっほっほ、まるで呼んでいるかのようじゃの」

スコール(誰もが言わなかったことを……)



バッツ「さ、行こうぜ」


………………


最後尾

スコール(自由席か)

バッツ「ほぁー、列車の中ってのはこうなってんだな」

ファリス「乗ってるだけで目的地なんて、都合のいい乗り物だよな」

ティファ「ただし、一度乗ったら途中下車はできませんって話」

ビビ「……今この状況だと、その言葉がとても怖く感じるよ」

ファリス「それに、出発点と到着……は同じ、か。
     俺は自由気ままな船の旅が性に合ってるぜ」



ドーガ「……気づいたかの?」

スコール「……それが正しい認識であれば」

ドーガ「見えている者はすべて、死者のようじゃ。
    無用な肩入れはせん方が身のためじゃぞ」

ビビ「死者、ってことは……そ、その、ここに居る人みんな幽霊、ってこと?」

ドーガ「さよう」

ビビ「……の、割には……みんな普通の格好、って言うか」

バッツ「まぁそうさ。みんながみんな物語に出てくるお化けみたいな恰好してるわけじゃないし、
    それにここにいる人たちはみんな死後の世界へ運ばれていくだけあって落ち着いてるんだろ」

ファリス「……死を受け入れた顔ってやつか」

リノア「……」

スコール(そう考えると、寧ろなんか、怖いな)



………………

このあとの展開 二つまで

1 ガラフと接触
2 クワンと接触
3 レインと接触
4 セフィロスと接触
5 その他

バッツ「……」スタスタ

ファリス「……」スタスタ

ティファ「なんだか、歩くだけで疲れるわね」

ビビ「も、もしかして、なにか、吸われてるんじゃ……」

ドーガ「死者の中、生きとるものが堂々と歩いとるんじゃ。
    何か不都合があっても仕方あるまい」

スコール(時折目が合った時、なんだか申し訳ない気持ちになるのがいちいち疲れるんだ。
     精神的に)



ファリス「……なぁ」

バッツ「ん?」

ファリス「死者が乗る列車ってことは、さ」

バッツ「や、確かに俺も考えたけどよ。
    この世界ではもう一年たってるし、あの世界でも……ほら」

ファリス「まぁ、な」

ドーガ「誰か、探しておるのか?」

ファリス「……居たらいいな、くらいにはな」

ドーガ「この世界では生と死すらあやふやじゃ、
    元の世界で死んだからと言って、この世界でもこのような場所に居るとは限らんぞ」

バッツ「そう言えばそうだったな」

ドーガ「……とはいえ、自分の死を受け入れてしまったものなら、その可能性もあるやもしれん」

ファリス「……」

ドーガ「この世界に来てしまった、他の世界の者たちは、
    なんとなくその者のおもいの強い場所に現れる傾向にある。

    たとえば、ファリス。お主は海の近くに現れておったの?」

ファリス「あ、ああ」

ドーガ「海賊としての自分と、海が結びつけられたのではないかと思ってのう。

    また、パラメキアに対する反乱軍におったアーシェとか言う娘もじゃ。
    世界を正すべく自ら反逆者となるその心意気が、あの場所へ彼女を導いたのではないかと、
    わしはそう思うのじゃ」

バッツ「なるほどな。
    つまり」

ドーガ「……お主らの探し人がここに居る可能性も、否定はできん。ということじゃな」

バッツ「だな。あの爺さん、勝手に満足そうな顔して死んでいきやがったから、
    もしかしたら居るかもしれないぞ」

ファリス「だとしたら一発ぶん殴ってやらねぇとな」

ガラフ「うむ、そうじゃな」

リノア「もしよかったら特徴教えてよ。
    私たちも一応、気にしてみるから」

ビビ「ぼ、僕も。怖いけど、探してみるよ」



バッツ「そうだなぁ。一言で言うと元気な爺さんだな」

ファリス「年の割にはやんちゃだよな」

バッツ「酒に目がない」

ファリス「それなりに女好きの気もある」

バッツ「そして出来上がったモノが」



ガラフ「こちらじゃ」ドヤァ





1 ファリス「じ、じいさん!?」
2 ファリス「フンッ」(9999
3 ファリス「フンッ」 ガラフ「残像じゃよ」スッ
4 その他


ファリス「フンッ」

ガラフ「ぶげっ!」ドゴン!

ドンガラガッシャン



ビビ(本当に殴った!?)

ティファ(幽霊でも殴れるんだ)ホッ

スコール(死人にケアルかけてもいいんだろうか)



バッツ「ったく、死んでも相変わらずか」

ムクッ

ガラフ「ゲホゲホ……こりゃ、老人はもっといたわらんか!」

ファリス「うるせぇっ! ジイさんがそんなだからいたわる気持ちなんかこれぽっちもねぇよ!!」

ガラフ「全く、相変わらずなのはどっちじゃ。
    バッツ! おまえんとこの女王様はどうなっとるんじゃ?」

バッツ「いやいや、一年ほったらかしてたらまた海賊に戻ってたから……」

ガラフ「ほったら……一年もファリスを、ほったらかしに?

    ふむ、まぁよい。
    ところで」

スコール(どこまで話が脱線するか見ものだったんだけどな)



~~自己紹介とか~~




ガラフ「なるほど。つまりお主らは死んでここに来たわけではないと」

スコール「そういうことだ」

ガラフ「さて、今度はこちらの話をしよう」

ファリス「そうだな。何でこんなところに居たんだ?」

ガラフ「わしの話は簡単じゃ。
    気が付いたらここに居て、出られないしこのまま死ぬのも面白くないと思って紆余曲折……じゃ」

バッツ「あんたあれだけ大冒険しておいてまだ世に幅を利かせるつもりか?」


ガラフ「当たり前じゃ! 生きられるうちは傷跡残しまくってやるわい」

リノア「どっかの生きてる人よりもよっぽど生き生きしてるね」

スコール(俺にこうなれと?)


ガラフ「しかし、ここの外がそんなことになっているとはのう……
    では、レナやクルルも?」

ファリス「俺も探してはいたが、この世界では会ってない」

バッツ「でも、たぶん全員居るとは思う。
    何せ、全員次元の狭間に飲み込まれてしまったからな」

ガラフ「ふむ。エクスデスめ。
    わしもわしじゃが、奴も死んでもなお恐ろしい奴じゃ」



ドーガ「ところでこの列車に乗って、長いのですかな?」

ガラフ「ん? うむ、そう、ですな。
    時間の流れはあやふやじゃが、案内くらいはできると思いますぞ」

ドーガ「ほほう、話が早い」

ガラフ「まぁ、わしの可愛い仲間達を見つけて無視するわけにもいきますまい」

バッツ「お、おぅ」

スコール「……と言うことは?」



ガラフ「よろしく頼む、と言うことじゃの」ニカッ

ガラフが仲間になった。






ゴゴゴゴゴゴゴ


スコール「?」

ティファ「何? この揺れは……」

リノア(揺れてる……)ジーッ



ガラフ「うむ、奴がまた、動き始めたようじゃな」

ビビ「奴……?」

ガラフ「魔列車の中でわし以上に幅を利かせていた奴じゃ。
    最も、奴の思念は悪い方向にいきすぎておるがの」

スコール(ここは魔列車、と)


ドーガ「放っておくとまずいのですかの?」

ガラフ「うむ。非常に、まずい。

    なんせ奴の目的は……」



シーモア『死せる魂を循環に委ねし者たちよ。
     時は来ました』

ビビ「ひぃぃっ!?」

ファリス「この声は?」

ガラフ「奴じゃ。シーモアじゃ」

シーモア『黄泉の門は閉ざされ
     貴方達を縛るものはもう、なにもない。

     この列車が止まったその時こそ、輪廻から解き放たれる時です』

ガラフ「奴は元の世界とやらに特別、執念を抱いておる。
    具体的には知らぬが、とにかく破滅的欲求の強い男じゃ」

スコール「その男は何をしようとしているんだ?」

ガラフ「奴の言葉を鵜呑みにすると、
    魔列車を止め、世界を死者で溢れ返させようとしておるようじゃ」

ティファ「それって、かなりまずい、よね?」

ガラフ「まずいも何も、そんなことをしたら世界は大混乱。
    挙句、最終的には破滅が待っておる。

    ライフストリームも異界もてんてこ舞いになってしまうぞ!」

ティファ「……そっか。
     じゃ、何とかしないとね」



ガラフ「すまぬが、次元の狭間旅行はまたあとじゃ。
    ひとまず魔列車の運行を邪魔しておるシーモアを片づけるぞ!」

スコール「了解」

スコール(まずは、状況の確認か)



シュタッ

バッツ「どうやら、やっこさんはこの列車の前に立ちはだかっているらしい。
    あと、道中で奴の言葉に踊らされた死者が襲ってきた。

    足場の悪さもあるし、大勢で動くのは得策じゃないかもな」

スコール(なるほど)



リノア「どうする?」

スコール「……」



固定メンバー ガラフ
ガラフ意外に三人指定 
>>729
>>730
>>731

ビビ

ティファ

バッツ




スコール「……ティファ、バッツ、行ってくれるか」

ティファ「了解」

バッツ「ああ、いいぜ」

ガラフ「案内は任せろ」

スコール「それと、ビビ。援護を頼む」

ビビ「! う、うん」


スコール「残った者たちは後方支援だ。
     ついてはいくが、別行動と思ってくれ」





………………


リノア「ちょ、ちょっと、スコール」ゴニョゴニョ

スコール(言いたいことはわかってる)フイッ

スコール「バッツもティファも黒魔法に長けているわけではない。
     魔法による援護は必要だろう」

リノア「でも電車の外に出るんでしょ?」

スコール(列車な)

リノア「それだったらせめてもう少し身軽な私か、魔力はそれなりでもファリスに行ってもらった方が……」

スコール「いや、ビビでいい」

リノア「そ、そう?」

スコール「バッツに頼んである」

リノア「?」




………………


列車の外


ガタンゴトン ガタンゴトン


バッツ「おし、いくぜ」キュッ

ビビ「あ、あのぉ。
   なんで僕は、バッツさんにおぶられているのでしょうか。
   しかも、しっかりと固定されて……」

バッツ「そうでもしないと風で飛ばされてしまいそうだからな。お前」

ビビ「あぅぅ」



ティファ「さぁ、先頭車両まで一気に行くわよ」

ガラフ「うむ。あまり長いこと騒がしくしておると、亡霊どもが群がってくるやもしれん」

バッツ「ところでガラフ。 しばらく死んでたみたいだけど、腕は鈍ってないだろうな?」



1 ガラフ「任せておけい! この強靭な肉体は死してもなお健在じゃ!」(ごり押し戦士タイプ

2 ガラフ「魔法の呪文はまだ覚えておる。ボケ老人とは呼ばせんぞ」(魔導師タイプ

3 ガラフ「死しても尚、老兵の業は磨かれていくものよ」(業師タイプ

4 ガラフ「万事、問題なしじゃ」(全能タイプ

5 その他


ガラフ「万事、問題なしじゃ」

バッツ「そう言うと思ったぜ」

ガラフ「こっちからは敢えて聞かんぞ?
    お主ら若人は成長して当たり前じゃからの」

バッツ「わーかってるって」



ティファ「っ 来るわよ」

ビビ「え、ど、どこ?」キョロキョロ

バッツ「上だ!」


ビビ「っ」(アンデッドなら大体炎属性が効果的……かも!)

ビビ「ファイ……」



バッツ「にっげろー!」スタコラ

ビビ「あぁぁぁぁ……」ボボフッ

ガラフ「目的地まで逃走あるのみじゃ」スタコラ

ティファ「……まぁ、いいけど」スタッ




………………

後方支援

ファリス「あの野郎ども雑魚敵全部置いていきやがった!!」ザシュ ザシュ

ドーガ「ファイラ!
    ……この際後方車両を引き離してしまおうかの?」

リノア「とりあえず、あっちはほっといても大丈夫そうね」

スコール(むしろ自分たちの心配をした方がいいかもな)


………………


先頭車両



ガラフ「む?」

ティファ「あれは……」


シーモアの状態

1 人型(召喚師
2 異体
3 終異体
4 最終異体
5 その他



シーモア:異体「……何用ですか?」

ガラフ「知れたことじゃわい」

シーモア「ふふ、そうですか。
     やはりあなたが障害となってしまいましたね」

バッツ「この変な髪形と知り合いなのか?」

シーモア「シーモア、と申します」

ガラフ「まぁ、お互いこの列車をうろちょろしておったもんじゃから、
    何度か顔は合わせておる。
    
    一度はお互い利用し合っていたのじゃが」

シーモア「私の思想と、そちらのご老人の思想では、
     行き着く先が違いすぎましてね」

ガラフ「当たり前じゃ。
    お前の求めるものは破滅じゃ。

    生きるもの全てに死の安楽を、じゃと?
    あんまりバカげたことを言うものじゃから一発くれてやったが、
    どうやら一発じゃお主の頭は治らなかったようじゃの」

シーモア「あいにくと、筋金入りの思想なので」

ビビ「……どうして、そんなことをするの?」

シーモア「話せば長くなりますし、理解してもらおうとも思いません。

     ただ、全ての生物に死の安楽を届ける。
     それが私の望みです」

ビビ「……」

ティファ「話し合いが通じない場合どうすればいいか。
     残念ながらわたしには、この方法しか思いつかないわけだけど」ファッ

シーモア「!」サッ

幻光異体「ギィィ……!」ボゴォッ



ティファ「一発殴ってダメなら、
     二発でも 三発でも、
     たとえこの拳が砕け散ったとしても蹴り飛ばして止める。

     それでいいかしら?」

シーモア「止められるものなら」

幻光異体「……」シュゥゥゥ……





バッツ「……」

ビビ(戦わないと……っ)



ガラフ(今のお嬢ちゃんの攻撃で近距離戦は不利と悟ったじゃろう。
    遠距離で戦う相手ならば……弓か)

ガラフ「良いか、みんな。

    この魔列車を止められたらどうなるかわしにもわからん。
    できるだけ列車へのダメージを抑えながら戦うのじゃ!」

ティファ「わかったわ」

ビビ「あ、あの、バッツさん。
   ぼくも戦うから、そろそろおろしてくれませんか?」

バッツ「ん? ああ。
    ……いや、ちょっと待ってくれ。

    その前に、ちょっと隠れる」

ビビ「はぁ?」






シーモア「ファイラ!」ボォォッ

ティファ「っ」サッ

シーモア「ファイラ!」ボォォッ

ティファ(連続魔法? でも、これくらいならかき消せる!)

ティファ「はぁっ!」ブゥン

シュッ……

幻光異体「ギィィ」サッ

ティファ(!?)

ガラフ「フンッ」シュッ

幻光異体「ギィィィッ!」ドドドドッ!



ガラフ「どうやら、あのでかい虫とのコンビネーションが売りのようじゃ」

シーモア「これはこれは、見破られてしまいましたか」

幻光異体「ギィィ……」シュゥゥ……

ティファ(あいつを倒してもきりがないのかしら?)



ティファ「私が盾になる。
     お爺さんは本体を狙って」

ガラフ「それがよさそうじゃの」




バッツ「プロテス シェル」

ビビ「え? あの、なんで自分にかけないの?」

バッツ「今優先するべきは直接的保身じゃない。
    列車だ」

ビビ「……え、じゃあ、今列車に補助魔法を?」

バッツ「そういうこった。そんで、これからが俺たちコンビの本領発揮だ」

ビビ「?」



ティファ「リフレク!」キィン

シーモア「ブリザラ!」キィィン

ガラフ「そこじゃっ!」シュシュシュシュッ

シーモア「……っ 老兵の腕では私は捉えきれないようですね」スッ

ガラフ「この糞ガキめ」イラッ

シーモア「ブリザラ!」

ティファ「っ 間に会わないっ……!」

ゴォォン!

幻光異体「ギィィ」

ティファ「はぁっ!」ブゥン

幻光異体「……」スッ

ティファ(魔法を一発と、あの虫の動きなら見切る事ができるけど、
     これ以上はどうしようもできないわね)




ティファ「……、だめね。こっちが攻撃を当てられるようになるころには、
     この列車は止まってしまうかもしれない」

ガラフ「ふぅむ。流石にこの列車を守りながらでは、ちときついのう。
    ……では、」


ガラフ「バッツ! そろそろ出て来い!」



ガタンゴトン ガタンゴトン



ティファ「……まさか」

ガラフ「そのうち出てくるじゃろ」

ティファ(逃げたんじゃ、ないわよね?)



シーモア「そろそろ、とどめを刺すとしますか……」

シーモア(こちら側の車輪をもう二個壊せば、
     この列車は間違いなく脱線する……!)



シーモア「サンダラ!」

ティファ「っ! リフレク!」キィン

シーモア「もう一発……っ」




バッツ「今だ! ビビ」

ビビ「ファイガ!!」ボォォォォォォオオオオオオオオ!!

シーモア「!」サッ



シーモア(ファイガ? そんな上級魔法の気配などしなかったというのに、
     いったいどこから……
     まぁいい。大きすぎるダメージは幻光異体を持って受け止めれば済む。

     こちらの限界もまだ遠い)


幻光異体「……」スッ








シーモア(……おかしい、魔法が飛んでこない?)









シーモア「なっ……!?」

バッツ(残念、飛んできたのは俺でしたっ……!)ゴォォォォ……!


バッツ(バックパックと化したビビに、ファイガを全力で『後方に』打ってもらう。
    その火力を推進力にして俺が宙を舞い、シーモアに突進する。

    ここまでは中策だ。
    おそらくこの一度きりで、この賢い敵には弱点を見切られてしまうだろう。

    だから、この一回の急接近を、攻撃ではなく次の行動の布石として使う……っ)


バッツ「そういうわけで、あんたの盾、貰っていくぜ」




盗む→ バッツは 幻光異体 を手に入れた。






シーモア「……そういうことですか」

バッツ(どうやらこいつはシーモアと生命力……?を共有しているらしい。
    こいつを奴から引き剥がしてしまえば、コンビネーションもできないし盾にもならない……!)





ガラフ「狙う的が一つなら」ギリリリリ……

シーモア「っ」

ガラフ「外しはせんわい!」シュッ (ねらう

シーモア「くっ」ドッ

ガラフ「とらえた!」














シーモア(まだだ。

     今から魔法をあてるだけでいい。
     あの幻光異体を攻撃されてもまだ余力はあるはず……
     無理をしてでも、今あの魔法を使う価値はある……!

     あんな、生きてるだけ無意味の世界……

     醜い生物だけが住まう世界に、終止符を打つのは……私だ……!)

シーモア「アルテマ!」





1 バッツが機転を利かして止める
2 ティファがごり押しで止める
3 爺さんの知恵で止められる
4 残念ながら列車は脱線してしまう
5 その他


バッツ「ミュート」

シーモア「……」



シーン



ガラフ(何か一世一代の技を放ちそうな顔をしておったが……)

ティファ(なにも聞こえなくなっちゃった)

ビビ(危なかった……ってことだけはわかる……!)



ティファ(フンッ!)

シーモア「っ!!」

ガラフ(あの虫が居ない以上、個八に物理的攻撃手段はない!)シュシュシュシュ

シーモア「っ」ドドドド



カチリ

バッツ「これで、最後だっ」

ドスッ

幻光異体「ギィィィイイッ!」

シーモア「っ……!」シュゥゥゥゥウウ……!

ポァァア……












ティファ(緑色の光……?)

ガラフ「……ふむ、どうやら、何とか倒せたようじゃの」

バッツ「おし、もう目を開けてもいいぜ」シュタッ

ビビ「こ、怖かった……」




ガラフ「しかし、多少は列車にもダメージがあるようじゃな……
    このままでも大丈夫なのか?」



バッツ「そういうのはカルナックの学者に任せたいもんだ」

ティファ「点検するならいったん止めないといけないんじゃ……」









魔列車「……その必要はない」



ビビ「……え?」









………………


………………


魔列車 客室



スコール「……一応、リーダーのスコールだ」

魔列車「私は魔列車。
    いまお前たちが乗っている列車だ」

リノア「な、なんか、変な感じ。
    壁全体から声が伝わってくる……映画館みたいな音」

ティファ「ああ、確かに」



魔列車「とりあえず、先にこちらから礼を言わせてもらおう。
    お前たちのおかげで世界の生と死の秩序は保たれた」

ファリス「割と世界の大ピンチだったみてぇだな」

魔列車「そうだ。
    異界とライフストリームとをつなぐこの列車がなくては、
    現世に死者があふれかえってしまう」

ティファ「ん? ちょっとまって、
     異界と、ライフストリーム?」

魔列車「うむ。
    死者の魂は異界で管理されるが、
    その後この列車によってライフストリームへ還る。
    そうすることで世界の生と死の秩序が守られているのだ」

ティファ「それは、この世界の摂理、よね?」

魔列車「いかにも」

スコール「……この世界、という言い回しが通用するということは、
     あんたはこの世界の列車じゃないということか?」

魔列車「いいや。私はこの世界の摂理の一つにすぎない。
    しかし死せるものの魂が物語っている。この世界と他の世界のつながりをな」



バッツ「大変な仕事だな」

魔列車「やりがいはある」


スコール「……ところで、俺たちは次元の狭間の奥に行きたいんだが」

魔列車「……心当たりはある。
    しかし、そのためにはこの列車を途中で降りなくてはいけない

    が………………………………」




スコール(不穏な溜めだな……)




魔列車「………………………………

    本来。
    魔列車に乗った者を途中で下ろすことは許されない。
    間違いで乗ったとしても、だ。

    が、お前たちは生者で、しかも恩人でもある。

    途中下車を許そう」

ビビ「よ、よかった」ホッ







魔列車「だが、ガラフ。お前はこの列車を降りることはできない」







バッツ「……え」

スコール「……」




ファリス「おいおい。世界を救った英雄だぜ?
     しかもこの爺は元の世界でも英雄だぞ?
     
     生き返してやったっていいじゃねぇか」

魔列車「この列車に乗った以上。死者は逃れられない。
    その摂理を曲げてしまっては」

ガラフ「……シーモアと同じ、と言うことじゃよ」

ドーガ「……」

スコール「……」

ティファ「……そんな」




魔列車「そろそろ問題の場所だ。
    一時的に止まってやるから、後は好きにしろ」




バッツ「……」

ファリス「……」




ドーガ「さて、先は長そうじゃし、行くとするかの。
    ……見送りくらいはいいのじゃろ?」

魔列車「構わん。私は見ていないことにする」

ドーガ「と言うことらしいぞ?」

ガラフ「ああ、行かせてもらおう」





………………




スコール「……ここから、先に進めるのか?」

ガラフ「ああ、そのようじゃな」





ティファ「いろいろとありがとう、お爺さん」

ガラフ「うむ。お主の拳、これからまだ冴えわたるじゃろう。
    修練を忘れんことじゃ!」


ビビ「あの、ボク、今日のこと、忘れません、から」

ガラフ「良いのか? こんなあくの強い爺があの世に居ると思ったらおちおち死ねんぞ?
    はっはっはっ!」



スコール「……じゃあ、世話になったな」

ガラフ「おう。
    あの二人もわしに負けず個性の強い生き物じゃが、
    上手に使ってやってくれ」




ファリス「……おい、ジジイ。お前……」

ガラフ「何も言うな。
    一度は死んだ命を、もう一度お前たちのために使えたと思えば
    この一戦に百年分の意味すらあったと、わしは思うぞ」

バッツ「爺さん……」







ファリス「……」

バッツ「……」

ガラフ「……そろそろ、じゃの。
    わしは列車に戻る。

    では、みんな、達者でな」



ボォォォォォオオオオ………………





スコール「……行こう」

シュゥン

リノア「先に、いこっか」

ティファ「うん」

ビビ「……」

ドーガ「そうじゃの。
    わしも運ばれてしまう前に退散しよう」

シュゥン シュゥン シュゥン シュゥン





ボォォォォォオオオオオオオオ………………

ガタンゴトン……

ガタンゴトン……



ファリス「……」

シュゥン

バッツ「………………」

シュゥン










ガラフ「……」


ボォォォォォオオオオオオオオ………………

ガタンゴトン……

ガタンゴトン……
































































BGM FF5 より 「ん?」


ガラフ「おっとっと?」フラフラ

ガラフ「うわー 急発進するから、体勢を崩してしまったぞい」フラフラ

ガラフ「……」チラ




ガラフ「うわー 足が滑った」ゴロンゴロン

ガラフ「うわーああああ」ゴロンゴロンゴロンゴロン




シュゥン



………………


次元の狭間 

次の場所


1 最奥
2 その他


おやすみ


バッツ「……まぁ、ガラフも元気そうだったし、
    いいんじゃないか?」

ファリス「……死んでるとは思えねぇほど、な」






スコール(感傷に浸ってる場合ではない。
     ……といえるほど、空気が読めないわけじゃないが……

     青い結晶でできた足場しかない、真っ黒な空間に放り出されて、
     正直不安なところではある)

リノア「……」キョロキョロ

ドーガ「ふむ……これが次元の狭間の、奥。と言ったところか」

ビビ「なんだか、不気味だね。さっきの魔列車とは別の感じで……」



バッツ「……わりぃ。
    ちょっと呆けてた」パシッ

バッツ「こっからは気合い入れていくぜ。
    下手な戦い方して死んだりしたら爺さんに顔向けできないからな」

ファリス「ああ。爺さんのためにも、もう一回エクスデスの野郎をぶっ潰すぞ」

ガラフ「うむ、その意気じゃ!」













ファリス「フンッ」ファッ

ガラフ「残像じゃよ……」シュゥン



ファリス「爺ぃぃ!!!!」ファッ

ガラフ「ま、待て待てやめれ、話を聞け。
    バッツ! 止めろ!!」スカッ

バッツ「いや、あんたは一回殴られるべきだと思う」

ファリス「うわぁぁぁあん!!」ファッ

ガラフ「ぶげぇっ」ドンガラガッシャン



ティファ(コントみたい)

スコール(コントだな)クスッ

リノア(スコールが笑った!)

ビビ(ちょっと怖い!)

ドーガ「まるで漫才じゃの」



ガラフ「ゲホッゲホッ。
    さっきもそうじゃが、ファリス。そのすぐに手が出る癖は……」

ファリス「バカヤロー! ほんとに最後かと思ったじゃねぇか!!
     来るなら来るって言えよ馬鹿!!」

ガラフ「んぉ? おぬし、泣いておるのか?
    ほっほーう? 柄にもなくわしのことで涙してくれておるのか?
    ファリスのくせに―!」

ファリス「うあがああああああああああああ!!!」ブンブンブンブン

ガラフ「もう見切ったわーい!」ヒョイヒョイヒョイヒョイ



バッツ「ご、ごめん。みんな、黙らすから、今黙らすから!」



スコール「……別に」プルプル



………………


数分後



ガラフ「いや、だって、魔列車の言いかた的に
    『見てないから勝手にすれば?』ってことじゃろ?

    わしはただお言葉に甘えただけじゃよ」

ドーガ「確かに、わしもそう聞こえたのう。
    それに、わしも見逃してもらえておるのじゃ。

    恩人であるガラフをちょっと野放しにするくらいはできるんじゃないかと、
    わしはそう思ったがのう」

ガラフ「そうそう。わしもわしも」

ドーガ「ねー」



ファリス「『ねー』じゃねぇよ」

バッツ「まぁ、別に倫理がどうとか言うつもりはないし、
    この世界なら何でもありかと思うし、

    ……とりあえず、また会えてうれしいよ。ガラフ」

ガラフ「うむ。そういうわけで、またしばらく世話になるぞ」

スコール「ああ。こちらこそよろしく頼む」

ティファ「頼もしいお爺さんが二人もいてくれて助かるわ」

ガラフ「おう。ドーンと頼りにしてくれてよいぞ!」







スコール「で、なんだが」



バッツ「ああ。ここは間違いなく次元の狭間の奥。
    最奥だ」

ファリス「……忌々しい場所だぜ」

ガラフ「ふむ、わしもかすかながら見たぞ。
    無の世界と言うのはかくも恐ろしいものなのじゃな」

バッツ(そう言えばエクスデス戦で力を貸してくれたな)



バッツ「……さて、ここで何をするのが目的だったか」

スコール「……一応、目的はこの世界のあり方を把握することだ。
     この世界を覆うこの『無』とやらを知るつもりで来た」

リノア「そう言えば、バッツ達はここでどんな敵と戦ったの?
    とてつもない戦いだったってことだけは聞いてたけど」

バッツ「ん、話してないのか?」

ファリス「まぁ、な。
     ついこの間までは倒したもんだと思ってたし」

バッツ「……ま、ちょっと昔話でもするか。
    史実に基づいて少し盛った冒険スペクタクル風に詩ってやろう」(吟遊詩人

ガラフ「話半分に聞いてくれ」

ポロロン……♪

ビビ(わくわく)



………………

十数分後

バッツ「~~四度よみがえったアルケオエイビスの顎を、
    その拳が穿つ。二度、三度と繰り出されるその閃光に~~ウンタラカンタラ」

ビビ「っ!」ドキドキ

ティファ「へー。戦ってみたいわね、そいつ」

ファリス「ちっげーよ! そいつにとどめ刺したのは俺だろうが!!」







ガラフ「かいつまんで話すと、
    エクスデスという悪い魔導師が復活して、
    無の力を手に入れてしまったがために世界が大変なことになった。

    バッツ達は最後の戦いに辛くも勝利したものの……
    最後の最後で脱出しきれず次元の狭間に取り込まれた。

    ……そして、目が覚めたらこの世界に居た」

スコール「ありがとう」



スコール(あいつらは楽しそうだが、ここはその話のラスボスのいるかもしれない場所なんだけどな)

ドーガ「ふむぅ……果たして、無の力と呼ぶそれは一体何なのか。
    それがこの世界とどうつながるのか」

ガラフ「その真意を知るのは、伝承にあるエヌオーかエクスデスくらいじゃろ。
    実際、ここの来たところでわかることと言ったら……」



スコール「……一つだけ、わかったことがある」

ドーガ「ほう」

スコール「次元の狭間自体も、他の世界の影響を受けている。
     そして、この世界の生と死のあり方は複数の世界の摂理を複合させて成り立っている。

     やっぱり、この世界は推測通り、
     いくつかの世界が混ざり合って出来上がったものであるということは、
     この道のりでよく分かった」

リノア「……確かに、魔列車はそう言っていたわね。
    自分は一つの世界の摂理にすぎない、って。
    
    そして、ライフストリームと言う概念はティファの世界のもので、
    異界と言う概念もまた、別な世界のもの……」

ドーガ「推測が決定づけられただけではあるが、
    世界の謎をひも解く一つの進歩ではあるやもしれぬな」




ガラフ「さて、どうする?」



1 奥に進む (エクスデス出現フラグ
2 バッツ「提案があるんだが」(探索
3 ファリス「収穫があったことだし、これ以上の深追いは危険かもな」(撤退
4 その他



バッツ「提案があるんだが」

ポロロン↑♪

スコール ガラフ「楽器をしまえ」

ポロロン↓♪



バッツ「……少し、この辺を探索してみないか?
    もしかしたら何か手掛かりもあるかもしれないし、

    ……個人的な事情だけど、
    もしかしたら他の仲間がいるかもしれない」

ファリス「そうか……!
     俺たちみたいに飛ばされてない可能性も、あるっちゃあるか」



スコール「……この空間は、どれだけ危険なんだ?」

バッツ「まぁ、ファリスとガラフがいれば軽い登山程度のもんだな」

スコール「わかった。
     それじゃあ二手に分かれて探索しよう」

ドーガ「ふむ。確かにここを大勢で歩くのはリスクも高い。
    せいぜい周囲を刺激しないように歩き回るのが一番じゃな」

ティファ「そうね。
     ここに居るのも結構なモンスターばかりだし」



スコール「ここの歩き方はバッツとファリスがよく分かっているんだろう。
     なら、二人にリーダになってもらおう」

バッツ「それが良いかもな」

ファリス「おう。まかしとけ」




バッツ「じゃあ、チームわけなんだが」


>>775
>>776
>>777

バッツが選んだメンバ-

おやすみ

スコール
おやすみー

ビビ

リノア



バッツ「俺の方には、スコールとビビとリノアで」

スコール「わかった」

ビビ「うん」

リノア「了解」



ファリス「んじゃこっちはジジーズと介護者で」

ジジーズ「「その呼び方はどうかと」」

介護者「二人とも担ぐことはできるけれど、
    いざとなったら元気な方はお願いね」






バッツ「軽く探索した後、ここに再集合だ。
    何かあった場合は……そうだな」

リノア「何かド派手な合図でも決めておいた方がいいんじゃない?
    こう、ドカーンと」

ドーガ「ここは見晴らしの良い場所じゃからな、
    空高くに目立つ魔法を打ち上げるとかでいいんじゃなかろうか」

スコール「そういった類の連絡方法なら、一応考えてはある。

     氷の魔法を打ち上げることで、集結の合図。
     爆発の魔法を打ち上げることで、散会の合図。
     雷の魔法を打ち上げることで緊急事態発生の合図。
     水の魔法を打ち上げることで戦線離脱の合図」

ビビ「え、えと、氷が、集合で……?」

スコール「氷結の『結』
     爆散の『散』
     電光石火の『電』 
     脱水の『脱』
     とでも考えてもらえばいい」

ガラフ「ほほう、なるほどのう。
    どちらにも果てしない魔力の持ち主がおることじゃし、
    いざとなったらそれで連絡を取ろう」

ティファ「OK」



…………………………

ATE 
三つまで
以下三レス参照


1 バッツ リノア(ただのオシャベリ
2 スコール バッツ(戦い方について
3 ビビ リノア(片鱗

4 ファリス ガラフ(今後
5 ドーガ ガラフ(ジジーズの懸念
6 ティファ ガラフ(格闘技

7 そのころユウナ達は……
8 そのころパラメキアは……
9 そのころセシル達は……

10 その他


ドーガ「……」

ガラフ「……」

ドーガ「どうにも、高貴な血筋の方に見えるが……」

ガラフ「う、うむ。
    一応は、王族ではある。

    しかし今は死人の身。ましてや我々は今後少なからず時間を共有する仲間じゃ。
    堅苦しいのは無しで行こう」

ドーガ「そう言ってもらえるのはありがたい。
    では一つ、遠慮せず質問をさせてもらおうかの」

ガラフ「うむ」

ドーガ「多くの死人を見てきたガラフ殿にとって、
    この世界はどのように見える?」

ガラフ「……」

ドーガ「……一年ほどあの列車の中にしかいなかったのは知ってるが、
    それでも、そこから見えるこの世界のあり方もあるはずかと思っての」


ガラフ「この世界は……
    この世界は、混沌としておる。

    ありとあらゆるタイプの死者と話したが、
    その文化も人種も、死への概念も、全てが違いすぎる。

    複数の世界が重なっているというのは、間違いないじゃろうな」

ドーガ「そうか……」

ガラフ「しかしもう一つ気になるのは、
    死者の数が年々増え続けていることじゃ」

ドーガ「む?」

ガラフ「現世で戦争でもあったのかと思ったが、
    話を聞いてみるとそういうわけではないらしい。

    そして、いくつかの似通った話を総合してみるに、

    皆が同時期に亡くなった者たちではなかった」

ドーガ「……どういう意味か?」

ガラフ「あるパターンでいくとじゃ。

    魔大戦と言う、恐ろしい戦争があって、その折に死んだ者がいる。
    じゃが、その者と同時に乗ってきた者は、魔大戦から千年後の世界での動乱で死んだものだった。

    ……あの場所では時間すらもおかしくなっているのではないかと思ったものじゃわい」

ドーガ「時間すらもおかしい、か。

    それに関しても調べねばならないようじゃの」


……………………


ティファ「……」ジーッ

ガラフ「おん?」

ティファ「……、あ、ごめんなさい。何か、似てたから」

ガラフ「彼氏にかの?」

ティファ「ううん。全然。
     ……いや、そんなんじゃないけど」

ガラフ「お、おう」

ティファ「じゃなくて。
     ガラフが似てるのよ。私の師匠に」

ガラフ「師匠? ほほう、そう言えばお主は格闘技に精通しているのだったな。
    踏み込み、打点、気の入れ方、どれをとっても申し分ない型じゃった。

    なるほど、よい師に恵まれたのじゃな」

ティファ「ええ。今はどこに居るのか分からないけれどね」

ガラフ「この世界じゃなおさらじゃろう。
    ……いや、むしろこの世界なら会えるかもしれんな。

    なんせわしとバッツ達ですら再会できたんじゃからな」

ティファ「確かに、師匠ももしかしたら死んでるかも知れないから
     この世界でなら元気な師匠と会えるかもね」

ガラフ「そうじゃそうじゃ。
    会えたらいいな、と思ってたらそのうちひょっこり顔を出すじゃろ。

    わしに似てるならなおさらじゃ」

ティファ「説得力があるわね」


ガラフ「……時に、その師匠と言うのは格闘家か?」

ティファ「? ええ、そうだけど」

ガラフ「ふむ。なるほど。特別打撃に特化している型じゃな。
    純粋に己の力で戦うための武。

    しかし、お主のその膨大な気を、破壊力だけに使うのはもったいない」

ティファ「そう?」

ガラフ「気とは、こういう使い方もできるのじゃ」


~ティファは『チャクラ』を習得した~


ティファ「……なるほど、そういうことね」

ガラフ「内包する気を放つのではなく、練り上げて喰らう。
    おぬしの気ならばわしよりもうまくこの技を使いこなせるじゃろう」

ティファ「ありがとう。
     ……ふふ、やっぱり何だか似てるわ。
     教えるのも上手だし」

ガラフ「わしのことも師匠と呼んでいいんじゃぞ?」

ティファ「それは遠慮しとくわ。
     一応、ザンガン流としての戦い方でこの先もいくつもりだから」

ガラフ「ふむぅ、おしいのう。
    次にいつ死んでもいいように、わしの技を継ぐ者を探しておったのじゃが」

ティファ「まぁ、私にとってザンガン流の鍛え方でなくてはいけない理由が一つあるから、
     これは外せないのよね」

ガラフ「ほほう。参考までに聞かせてもらおうかの」



ティファ「どれだけ強くなっても筋肉が目立たない」



ガラフ「……」

ティファ「……」

ガラフ「確かに、鍛えすぎてその立派な……

    いや、これ以上はやめておこう」

ティファ「それが賢明ね」

ガラフ(ファリスならまだしも、
    この娘に殴られたらわしはもう三度くらい死ねるかもしれん)



………………


その頃
バロン王国 城下町



セシル「君かい?
    城への潜入経路を知っているというのは」

カイン「……」



ルールー「……ええ。そうよ」



セシル「……君も知っているだろうが、
    僕はセシル。赤い翼の元団長セシルだ。

    今は訳あって王への面談を許されていない。
    君の知っている秘密の潜入経路を辿って会いに行かなくてはならないんだ。

    ……その結果、この国が大きく動く可能性もないとは言い切れない。
    それでも、協力してくれるのかい?」

カイン「ここで素直にうなずいておけば、俺が無駄に動かなくても済むんだがな」

セシル「カイン」

カイン「フッ」

ルールー「脅さなくてもいいわ。
     大丈夫、私は貴方達に協力する……

     いいえ、貴方達に協力してもらうのは、私」

セシル「……どういうことだい?」

ルールー「込み入った事情があってね。
     その潜入経路に私も連れて行ってほしいの。

     それさえ守ってくれたら場所も進み方も教えるし、
     貴方達の邪魔もしない。必要とあらば道中は一緒に戦うことだってできる」

カイン「女の出る幕ではない」

ルールー「知らないの? 黒魔導師として大成するのは女の方が多いのよ?
     あなたがジャンプする間にその槍を雷で穿つことだってできる。

     試してみたいとは思わないけれどね」

カイン「……黒魔導師か。
    すまんな。呪術師の類かと思っていた」

ルールー「よく言われる」



セシル「ついてきたいならついてきてもいい。
    ただ……」



ダダダッダ!


ワッカ「お、おい! ルールー! お前何してんだ!」ゼーハー

ルールー「っ 何って、貴方には関係ないでしょ」

ワッカ「お前、そいつらが誰だかわかってるのか!?」

ルールー「赤い翼の元団長と、その親友の竜騎士団長。
     今はバロン王国から指名手配されている極悪人」

セシル「……」

ワッカ「いいか、ルールー。わかってるなら そーっと。こっちゃこい。
    
    お、お前ら! ルーに何かしたら、俺だって黙っちゃいねぇかんな!!」

カイン「フッ どうすると言うんだ?」

ルールー「大丈夫。彼には何もできないわ」

ワッカ「っ……」

セシル「……すまない。
    僕たちには彼女の案内が必要なんだ」

ワッカ「ど、どうするつもりなんだ!」

セシル「……バロン城への抜け道を教えてもらうだけだ。
    君たちに危害を加えるつもりはない」

カイン「……」



ワッカ「っ! ルー……おまえ……
    まだチャップのこと……」

ルールー「……そんなこと、貴方には関係ないでしょ」

ワッカ「関係なくあるか!」





セシル「……君は?」

ワッカ「ワッカ」

セシル「ワッカ。君も一緒に来てくれないだろうか」

カイン「セシル……!」

セシル「僕たちがルールーに何かしないように、監視してくれればいい。
    もちろん、何かあったら君はその手で僕たちをどうしてくれてもかまわない」

ワッカ「……」

セシル「僕たちはどうしても王に会わなくてはならない。

    そして問わなくてはならないんだ。
    どうして召喚師を根絶やしにしようとするのか、
    どうしてダムシアンを襲ったのか、
    どうしてウェポンと言う生物への研究を始めたのか、

    ……君たちも、バロン王に問いたいことがあるだろう?」

カイン「こいつらの目的はそれ以外のようだがな」



ワッカ「……」

ルールー「……」




セシル「国内に居る反乱組織の存在は認知している。
    チャップと言うのは、その中の一人かい?」

ルールー「……あまり話したくない」

セシル「……すまない」

ルールー「とにかく、行くなら早くして。
     いつ見つかってもおかしくないんだから」

ワッカ「お、おい!」

カイン「ついてくるか通報するか早く決断するんだな。
    最も、通報することをお前の友人は望んでいないようだが」

ワッカ「でもよぉ……」

スタスタスタ



ワッカ「ま、待てって!」スタタタ……



………………


バッツチーム 探索結果 >>792

1 なんもねぇ
2 なんか見っけた(要指定
3 その他


ファリスチーム 探索結果 >>793

1 なんもねぇ
2 なんか見っけた(要指定
3 その他


今日はこれだけ。お休み

3 バルの飛竜に乗ったクルル、飛来

2 マディンパパ


バッツ「……ん?」

バサッ バサッ バサッ バサッ バサッ ……

バッツ(飛竜?)

スコール「……」チャキッ

リノア「敵……?」

バッツ「いや、待ってくれ。
    あの飛竜は見おぼえがある」

スコール「……モンスターじゃないのか」スッ

ビビ「人が乗ってるみたいだね」

バッツ(やっぱり、そうか。
    あの飛竜はバルの……!)



1 バッツの知ってるクルル(正常
2 この世界のクルル
3 バッツの知ってるクルル(一年間戦い続けて精神崩壊
4 バッツの知ってるクルル(無の力を会得してやや別人
5 その他



バッツ「クルル!」

スコール(知り合いか)



クルル「え?……貴方、誰?」



スコール(?)

バッツ「なっ……そ、そうか
    そういうこともあるんだったな」

クルル「……貴方も、エクスデスの仲間なの?」スッ

バッツ「待ってくれ。俺たちはエクスデスの仲間じゃない」



リノア「……どういうこと?」

ビビ「も、もしかして、
   バッツさんの世界のエクスデスって人は倒されてるけど、

   この世界のエクスデスって人は、まだ生きてるんじゃ」

スコール(おそらく、そういうことだろう。
     そして、このクルルと言うらしい少女は、
     そのエクスデスと戦っているところなんだろうな)



クルル「……確かに、悪い人たちじゃ、なさそうかな」ジロジロ

バッツ「ホッ……」

クルル「でも、こんな所に普通の人が来ることができるわけないよ。
    クリスタルの加護がないと……」

バッツ「ああ、まぁいろいろあってな。
    俺にもそのクリスタルの加護って奴がついてる」

クルル「!  本当、この輝きは、風のクリスタル?」

バッツ「そうみたいだな」


スコール「……なぁ、バッツ。
     提案があるんだが」


バッツ「どうした?」

スコール「自己紹介をしたらどうだろうか。
     あんたは彼女のことを知ってるかもしれないが、
     向こうは俺たちのことを何も知らないようだ」

バッツ「あ、それもそうだな」

クルル「……」コクコク




………………


ファリスチーム

ドーガ「! ふむ、どうやら、ただのモンスターではないものが近くに居るらしい」

ガラフ「警戒すべきか?」

ドーガ「結構な魔力は持っておるようじゃ。
    用心するに越したことはないじゃろう」

ティファ「……」スッ

ファリス「……」



マディン「……お前たちは、人間か?」



ファリス「化けモンみてぇな魔力の爺よりは人間だと思うぜ」

ドーガ「年の割に全魔法とありとあらゆる対術を会得しておるジーさんよりは
    わしのほうがかよわい人間じゃわい」

ガラフ「それを言うならわしだってそこな怪力娘よりは人間じゃ」

ティファ「化け物並の怪力女だけど、一応人間よ」



マディン「……」




ドーガ「冗談はさておき、見たところ幻獣のようじゃな」

マディン「ああ」

ドーガ「ここに居るということは、お主もエクスデスとやらの関係者かの?」

ガラフ「このような幻獣は見たこともないが……」

マディン「……」



1 マディン「気が付いたらここに居た」(FF6のマディンが消滅後迷いこんだ
2 マディン「次元の歪みを調査していたらここに来た」(この世界のマディン
3 その他



マディン「次元の歪みを調査していたらここに来た」

ガラフ「歪み、とな?」

マディン「ああ。私たちの住まう幻獣界と、人間界の間に大きな亀裂が走っている。
     そこを調べていたらここにたどり着いたのだ」

ドーガ「幻獣界……か。
    まぁ、この次元の狭間とやらは全ての世界の狭間、

    どの世界でもないが、どの世界ともつながっているのじゃろう」

ファリス「でもよ、それが異変だっつーなら。
     やっぱりここで何か起こってるのかもしれねぇよな」

マディン「そう思うのが普通だろう」

ティファ「……もしかして」



ガラフ ファリス「「エクスデス……!」」





………………


バッツチーム



クルル「別な世界の私とか……
    他の世界の人たちとか、
    
    そっちの話もだいぶ込み入ってるみたいだね」

バッツ「まぁな。俺もぎりぎりついていけてる」

スコール(すごいなあんた。ついていけてるのか。
     俺は不安でしょうがないんだが)

クルル「でも、バッツさんもエクスデスの恐ろしさが分かってるみたいだし、
    それなら向かうところは一つよね」

バッツ「ああ。そうだな。

    いいか? スコール」

スコール「そうするしかなさそうだ」




………………

ファリスチーム


マディン「どこへ?」

ファリス「決まってんだろ。その異変の元凶を倒しに行くんだよ」

マディン「知っているのか?」

ガラフ「戦えるならついてきてくれるか。

    道中詳しく話すが、わしらはその元凶を知っている」

ドーガ「おそらく、今のわしらの目的にも合致していることじゃろう」

ティファ「それに、悪いやつなら放っておけないしね」

マディン「……」


………………



………………


エクスデス「ファファファ ついに手にいれたぞ 最強の力! 
      世界を支配する力!「無」の力だっ! 
      じゃまなやつらを消しさってやる!」




ファリス「させるか!」ドヒュヒュ!

エクスデス「!? 何者だ?」

エクスデス(弓矢での攻撃?
      無の力を得たわれにそのような攻撃など……)

ブォォン……

ファリス「お見通しだぜ」キラッ

エクスデス「これは、クリスタルの力!?」

ドスッ

エクスデス「ヌゥゥ……」ヨロッ



ファリス「よう、久しぶりだな。
     つっても、お前は俺のこと知ってるか知らねーけどよ」

ガラフ「右に同じく、じゃ。
    よくもまたわしの前に現れよったな」


1 エクスデス「貴様ら……この期に及んでノコノコと!」(FF5のエクスデス
2 エクスデス(この爺は知っているが、こっちの男女は知らんな……)(この世界のエクスデス
3 その他



エクスデス「貴様ら……この期に及んでノコノコと!」



ファリス「ほう?」

ガラフ「ふむ、どうやら知り合いのようじゃの」

ティファ「なら、話は早いわね」

ドーガ「……」

マディン「こいつが、元凶だというのか」


エクスデス「見覚えのない奴らがいるがそれもわれには関係のないことよ。

      無に飲まれ、消え去るがいい!!」


クルル「待ちなさい!」

エクスデス「……? 貴様等、一緒ではないのか」

バッツ「別行動だよ、別行動。
    それにしても、あんた生きてたんだな」

エクスデス「何のことだ?」



スコール「……バッツ、これは俺の予測なんだが」

バッツ「なんだ?」

スコール「今このエクスデスは、ファリスのこともあんたのことも知っている。
     間違いなくあんたの世界のエクスデスだろうが、

     しかし今エクスデスは『ついに手にいれたぞ』と言っていた。

     もしかすると、あのエクスデスはあんた達と戦う前のエクスデスなんじゃないのか?」

バッツ「……なるほど。
    時間も狂ってるとか言ってたな」

クルル「え? て言うことは、このエクスデスは……私が知ってるエクスデスじゃないの?」

リノア「その辺は微妙なところよね」

クルル「???」


ビビ「で、でも、どちらにしても、
   戦うしかなさそうだよね」

スコール(どうやらそのようだ、が)



エクスデス「ファファファ 大勢で来れば我を止められるとでも思ったか?
      だが、甘い。

      無の力の前に雑兵など……!!」

ブォォォン!!



バッツ「っ!」

スコール(ヤバそうだ)





戦闘メンバーを三名(バッツ除く
>>807
>>808
>>809

ファリス

マディン

クルル


ブォォォン……

ビビ「な、何これ!?」

リノア「っ 吸い込まれる……!?」

スコール「……っ」(この感じは、抵抗するのは難しそうだ)

ドーガ「これが、無……!」

ティファ「くっ!」

ガラフ「こ、これほどとは……!!」

ブォォン……




エクスデス「ファファファ!
      これであらかた片付いたな。
      残す虫けらは三匹となったわけだが、どうする?」


ファリス「……」

クルル「……っ エクスデス、許さない……っ!」

マディン「ふむ……」

エクスデス「ファリスよ、貴様の減らず口も仲間の数がこれではついに閉ざされてしまったようだな」



ファリス「確かにこいつは旗色がわりぃ。
     が、負けたわけじゃねぇ」



クルル「っ……そう、よね。
    私たちだけでも、戦わないと!」

ファリス「そういう意味じゃねぇが、やるこたやらねぇと、だな」

マディン「……」


エクスデス「フン、貴様らはクリスタルの加護が強かったようだが……

      われの無の力はこんなものではないぞ」



ファリス「それだよ」

エクスデス「?」

ファリス「……無の力って一体何なんだ?
     今のように、存在を無に帰すことが無の力だって言うのか?」

エクスデス「ファファファ。その通りだ」



ファリス「いいや、違うね」



エクスデス「……」

クルル「ファリス?」

ファリス「エクスデス。お前の体はいずれ無に飲み込まれる。
     その時、お前は見たこともないおぞましい姿になっている。

     とりあえず俺たちはその姿を見てきたんだ。
     無の力がただの消滅魔法の類なんかじゃないことは、俺にだってわかる」

エクスデス「見てきた、だと?」


マディン「……他の世界への干渉、
     狭間の世界における力……

     無の力と言うのは、消滅魔法の類だけではない」



エクスデス「なんだと?
      貴様、何を知っている」

マディン「お前の体はすでに、無の本当の力に飲み込まれている」

エクスデス「!? 何を、馬鹿な……
      われは無の力を手に入れたのだ。

      力に飲み込まれるはずが……」



マディン「消えてなくなる、無と言うのは一つの摂理。

     その力を得たなどとは……
     愚かしいにもほどがある」

エクスデス「うご、うがぁぁ……な、なんだ、これは」ゴゴゴゴ

クルル「!? エクスデスの身体が」

ファリス「始まりやがったか」






ネオエクスデス「わたしは ネオエクスデス
        すべての記憶
        すべての存在
        すべての次元を消し
        そして
        わたしも消えよう 永遠に」


ファリス(この、嫌な感じ。ただ消えてなくなるなんてもんじゃねぇ。
     ごちゃごちゃになった奴の体は、消滅させるためだけの存在なんかじゃない。

     この幻獣野郎の言う通り、無の力ってのは……)

マディン「無と言う摂理の先には何があると思う?」

ファリス「……無の向こうがわ?
     それがこの次元の狭間なんじゃねぇのか?」

マディン「違う。
     無の向こう側には、『消えてなくなった全てのモノ』がある」

ファリス「……」

クルル「まさか、このネオエクスデスって言うのは」

マディン「おそらく、
     消えてなくなった全ての力が暴走しているのだろう」

ファリス「だから、こんなに統一性もなくグッチャグチャな体してやがるのか。
     無だとか言う割には自己主張激しいのもそのせいなんだな」


ネオエクスデス「……」



ファリス「いいぜ、ちょっとだけ謎も解けたことだ。

     第二ラウンド、開始と行こうか」

マディン「協力しよう。
     こいつをここで止めないことには、いろいろとまずい」

クルル「わ、私も戦う! その為に、ここに来たんだもの!

    おじいちゃんたちの代わりに、私がエクスデスを倒す!!」

ファリス「行くぜっ!」


ネオエクスデス「無とは摂理」ブォン

ファリス「この期に及んで力技かよ……っ」スッ →白刃取り

ネオエクスデス「全ては消え行く定め」

ファリス「っらぁっ!」→カウンター

ドッゴォ!




ネオエクスデス「消え行くものたちよ」カカッ

クルル(!? 魔法?)

ネオエクスデス「我ら消え去りし者に、残されし者よ」→ファイガ

クルル「リフレク!」

キュィィン……!





ネオエクスデス「狭間の世界はお前たちを逃がしはしない」

マディン(これだけ巨大な相手だが、
     集合体だと考えれば付け入る隙はどこにでもある
      さっきファイガを放った部分は、あそこか!)

ネオエクスデス「いずれ来る消滅、
         その時までの恐怖も全て、
          消えてなくなるのだ」

マディン「ブリザラ!」

ガキィィン!!

ネオエクスデスの一部「ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙アアアア……!」シュゥゥゥ……





ネオエクスデス「さぁ、我とともに……

        無を受け入れよ。
        
        全てを無に」カカッ!!


ゴオオオオォォォオオオオオ!!!!

ファリス「ぐっ!」

クルル「きゃっ!!」

マディン「っ……」






ファリス「……っ、消えたもん全部の力がこもってるってんだから、
     そりゃつえぇはずだ」

マディン「だが、絶望することはない。
     繰り返し戦い続ければ……」

ファリス「こちとら人間だ。限界はそう遠くない」

クルル「ぅく……今の、ちょっと、やばいかも」



ネオエクスデス「……」カカッ



マディン「……ぐっ」

クルル「ひっ!」

ファリス「!」サッ

クルル「っ!?」

ガラガラガラ



ネオエクスデス(衝撃波を出しすぎたか。
        狭間の世界の瓦礫に埋もれてしまったようだな。

        それならば、見える範囲を全て消し去ってしまえばいい。
        あの女の力ではもはやあらがうことはできまい)



………………


瓦礫の下


ファリス「うぅ、ぁっが……やべぇな、直撃は……」ピクピク

クルル「……ど、どうして、私なんか……助けたの?
    会ったばかりなのに」

マディン(傷は、深いな。
     あまり良い状況とは言えない)

ファリス「やっぱりお前、俺の知ってるクルルじゃねぇのか……
     ゲホッ……ゲボッ……

     はは、でもかばうのが間に合ってよかった」

クルル「そうだよ。私は、貴方が守るべき相手じゃ……」

ファリス「ああ? 間違っちゃいねぇよ。
     俺はお前を何度でも助ける」

クルル「え?」

ファリス「たとえ違う世界のお前だろうが、
     俺にとっちゃダチの孫だ。

     良くわかんねぇだろうが、そういうことだ。
     うぅ……」

クルル「……っ おじいちゃんの……?」



ファリス「おい、幻獣」

マディン「……マディンだ」

ファリス「そっか、お前よ。
     どこまで戦えそうだ? さっきの口ぶりだと、まだ余力ありそうだが」

マディン「……余力はある。
     しかし、あの攻撃を何度も喰らえば、いずれは」

ファリス「あの野郎のタフネスは相当だぜ。
     ジリ貧確実だな」

マディン「今のままではな」





1 その頃のバッツ達
2 ファリス「……」フッ (ファリス覚醒
3 クルル「……無に打ち勝つためには、クリスタルの力を使うしかないよね」(クルル覚醒
4 マディン(やるしかない、か)(マディン覚醒
5 その他

マディン(やるしかない、か)

ファリス「……来るぞ」

クルル「! また、さっきの?」

ファリス「いや、違う。この辺一帯を消し去るつもりだ」ヨロッ

クルル「そんな……今の私たちじゃ……」

マディン「状況を変えるしかあるまい」

ファリス「どーすんだよ」ゼェ ハァ



マディン「召喚術だ」



ファリス「ああ?」

クルル「……どういうこと?」

マディン「我々幻獣は、召喚師によって呼び出されることでその力を更に強く発揮することができる」

ファリス「なんとなくわかるけどよ。でもこうして目の前に居るお前を召喚して何の意味があるってんだ?」

マディン「召喚術とは、術者の魔力によってその威力を何倍にも底上げすることができる」

クルル「確かに、そうだけど……」

マディン「術者の魔力と、幻獣の魔力を共鳴することで更に高い威力を発揮する」

ファリス(魔力、か。なら俺の出る幕じゃねぇな)



マディン「だが、魔力以上に、
     生命力を共鳴させることで、召喚術は一つ上の段階に進化する」



ファリス「!」

クルル「なに、それ」

マディン「状況が状況だけに、即決する必要がある」

ブォォォン……



マディン「ファリス。
     お前の力を貸してくれ」

ファリス「は、はぁぁ!?」

マディン「奴の消滅魔法が来る。
     早く決断しろ!」

ファリス「っっ……!」



ブォオオオオオオオオオン……




………………


ネオエクスデス「全て消え去ったか」



ネオエクスデス「……全てを無に帰す。
        まだ、これからだ……」





マディン「そういうことは目の前の敵を倒してからにしてもらいたい」

ネオエクスデス「!」

マディン「フンッ」ファッ

ネオエクスデス(この太刀筋は……あの男女の……!)

ザシュゥッ!




マディン「……クルル 離れていろ」

クルル「え? あ、生きてる!?」

マディン「ここから先は、幼いお前には想像もできない戦いになる」

クルル「…………」



クルル(すごい魔力、だけど、
    それ以上に、この幻獣さんから漂ってくる威圧感……

    これは、何?)




クルル「……」

マディン「言葉を選ばずに言うと、君の力とはもはや次元の違う戦いだ。
     身を守ることだけに専念してくれ」

クルル「う、うん。

    あ、でもファリスは?」



ネオエクスデス「大方、遠くから好機を狙っているのだろう?」

マディン「何を言う。ここに居るだろう」



マディン「私が、ファリスの生命エネルギーを使って戦っているのだ」




クルル「……???」

マディン「お前にならわかるはずだ。ネオエクスデス……いや、

     エクスデスよ」

ネオエクスデス「……」

マディン「そういうことだ。今私はファリスをジャンクションしている状態。

     彼女の 力 技 記憶 そして、」スッ

ネオエクスデス(消えた!?)




ドズゥゥゥウウウウウン!!!!




マディン「彼女の  怒り

     それすらも、今や私と共にある」

ネオエクスデス(私の半身が消し飛んだ!?)




マディン「彼女のぶっきらぼうな思想も、今私と同調している。
     これらの意味がわかるか」

ネオエクスデス「……っ」

クルル「……」



マディン「理屈はさておき。
     今、お前は私によって滅ぼされる運命にあるということだ。

     無そのものであるお前を倒し、

     この世のすべての存在を、守る」




ネオエクスデス「……愚かな。
        その全ても、いずれは無に帰るのだ。

        我もいずれ、無に飲まれ……!」



マディン「お前は消えてなくなった全て。

     だが、その中に私の知っている者はいない。

     死んだ仲間はお前とともに居ない。


     私が愛した人もその中には居ない」




ネオエクスデス「……」






ブォォォン……

バッツ「ぶっはぁ、やっと出られた」

ガラフ「これ、無茶をするな!」

バッツ「良いじゃないか、出られたんだし」

ティファ「全員無事?」

リノア「な、なんとか」

ドーガ「すごい体験じゃったわい」

スコール「状況は?」




ビビ「……あの、幻獣は……?」





マディン「死んだ者は消えるわけではない。
     たとえその身が滅びても、人の記憶にある限りその命は続くのだ」ゴォォ!!

ネオエクスデス「クゥゥッ!!」



ビビ「……」



ビビ「……」



エクスデス「その記憶すらも風化する!
      記憶もいずれ無に帰る!」

マディン「命は語り継がれるものだ。

     消えることなど、ない」カカッ

ネオエクスデス「グォォォオ……」シュゥゥゥ……



ネオエクスデス「……っっ」

マディン「わかっただろう」




マディン「私がお前を記憶する。
     そうすれば、消えて無くなったモノはなくなる」

エクスデス「やめろ」




マディン「無の力など、幻想にすぎなかったのだ」





エクスデス「やめろぉぉおおおおおおおお!!!!!」

















カカッ!!!!




シュウゥゥゥウウウ……

マディン「……」





スコール(何が起こってたんだ?)チラッ

クルル「……」ポカーン

スコール(こいつに聞くのも無駄なようだ)



リノア「きえ、た?」

ビビ「今のは、いったい?
   あの、おっきな化け物は……?」




ドーガ「説明してもらえるかな?
    わしらがいない間に、何が起こったのか」

マディン「……ああ、もちろんだ」




………………


………………



イ―ファの樹 キャンプ



スコール「みんな、休んでいたところ悪い。
     だが、全容が見えたから、一応俺の口から報告をしようと思う」

ティファ「助かるわ」



スコール「まずは、ファリスの容態について、だが」チラッ

マディン「……」

スコール「ファリスは、今、かなりやばい状態にある」

バッツ「……っ」

ガラフ「……」

クルル「っ」


スコール「だが、安心していい。
     今ファリスは、こちらのマディンと……その、

     融合している」


ティファ「……え」

リノア「……」ピクッ


スコール「ジャンクションと言う状態なんだが、
     マディンはファリスを取り込んでいる。
     そして彼女と共生しながら、彼女の生命エネルギーを回復している、と言うわけだ」



ビビ「……それってつまり、
   マディンさんが、ファリスさんを治療してるってことで、いいのかな?」

マディン「そういうことになる。

     安心していい。私が殺されない限り彼女も死ぬことはない。
     ただ、少しの間だけ彼女とは話せなくなるが、な」

バッツ「ほっ……っとしたぜ。
    無から脱出した時にあいつがいなかった時は、レナになんて言おうかと」

クルル「ファリスさん、消えちゃったわけじゃなかったんだ……」

ガラフ「ふいぃ……肝が冷えたワイ」




ティファ「ゆ、融合って、どういうこと?」

マディン「全てを共有している。
     彼女の全ては一応、私の中にある」

リノア(なんか、なんて言うか、
    ちょっとエロいね)ヒソヒソ

スコール(どういう発想だ?)




ドーガ「ふむぅ、なるほどな。
    確かにマディン殿からファリスの生命エネルギーやらなんやらを感じることができる。

    かすかではあるが、流石はファリスじゃな。
    マディン殿に強烈な影響を与えておるようじゃ」

マディン「それはもう……あのネオエクスデスを私一人で圧倒できる程度には」

バッツ「一人で!?」

ガラフ「大したものじゃのう」

クルル「いや、でも、あのエクスデスを、一人で追い払ったおじいちゃんも人間のくせに化け物だと思う」

ガラフ「それもそうじゃな! わははは!」

ビビ(幻獣が、人間をジャンクションすると、こうなるんだ。
   人間の業とエネルギーを得ただけで、こんな)



スコール「……と言うわけで、
     ファリスのことも気になるし、しばらくはマディンと行動を共にすることになった」

マディン「よろしく頼む」





スコール「……とりあえず、無に関しての調査は終わった」

ビビ「そう言えば……どこまでも空が続いてる」

ティファ「まるで世界の暗黒がはらわれたかのようね。
     おとぎ話みたいな演出」

ドーガ「わかりやすくていいじゃないかのう?」



スコール「ところで……次の目的を考えようかとも思ったが。

     もう、いろいろありすぎて疲れてしまった。
     みんなそう思わないか?」

バッツ「同感。これ以上は頭も体もいっぱいいっぱいだ」

リノア「そうね。魔列車で雑魚敵とも結構戦ったし」

ドーガ「一般人にとっては脅威の亡霊を雑魚と言い払うお主も毒されておるのう」

スコール「俺も限界だ。
     つもる話は、後にしよう」

ティファ「了解」



………………
ATE 以下四レス
1 スコール マディン(ジャンクションについてくわしく
2 マディン バッツ(ファリスは今
3 クルル ガラフ(別世界の孫と爺
4 ティファ マディン(化け物育成計画
5 マディン ファリス(意思疎通
6 その頃セシル
7 その頃ティナ
8 その頃パラメキア
9 その他

スコール「あんたファリスをジャンクションしているって言ったな?」

マディン「ああ。 お前も、ジャンクションによって強化しているようだな」

スコール「ああ。
     だが、人間をジャンクションするというのは……聞いたことがない」

マディン「……うむ。そうかもしれんな。
     私も一生のうちにこれをやる機会があるとは思わなんだ」

スコール「もしよかったら詳しく教えてもらえるだろうか」

マディン「……」

スコール「……」



マディン「……我々幻獣の体は、大体が魔力で出来上がっている。
     だから召喚にも容易に対応できるし、
     ジャンクションの媒体としても適している。

     しかし、人の体を同じように召喚したり、ジャンクションするには、
     その物理的な体が邪魔になる」

スコール(そうだ。
     しかし、セフィロスもGFになった。
     ファリスも今ジャンクションされている)


マディン「例外として、死んだ者の生命エネルギーを利用すれば幻獣と同じように召喚獣としてあつかうことができる。
     最も、それに対応できるほどの強い生命体でなければ不可能だが……

     そしてファリスの場合は、
     死に直面したことで生命エネルギーが体から乖離していたためにジャンクションで来た。
     また、私が幻獣と言う存在であるために、ファリスの物理的な体を利用することもできた。

     その辺のニュアンスを説明するためにはは少々魔法学と生命エネルギー魔学の基礎知識から話す必要があるが、聞きたいかね?」

スコール「……正直、時間がある時なら教授願いたいものだけど。
     今はいい。

     つまり、
     人間が人間をジャンクションするためには、対象が死んでいなければならない。

     幻獣が人間をジャンクションするためには、対象が死にかけていなければならない。

     ってことでいいのか?」


マディン「それと、使用者側が
     ジャンクションという技術に長けていなくてはいけない」

スコール「……そうか」

マディン「訳あって私は、
     多くの仲間をジャンクションしている。慣れているのはそのせいだ」

スコール(大変そうだな)

マディン「……これ以上はいいか。
     君も、身の内話には興味がないだろう?
     話すべき時が来たら話すさ」

スコール(……)

スコール「ファリスがそう言ってるのか?」

マディン「……ああ。
     彼女の記憶に、そうだと」

スコール(記憶まで引き継ぐのか。
     怖いな)

スコール「そう、か。

     とりあえず、ありがとう。
     見識が広まったよ」

マディン「構わないさ」



………………


クルル「おじいちゃんは、別の世界の人なんだよね?」

ガラフ「そうじゃな。
    一応、そうなる」

クルル「でも、全然変わらないね」

ガラフ「聞いた話じゃと、
    世界違えど同じ名前の同じ見た目の人間は、大体同じ性格をしているようじゃ。

    目の前にしていても、お前はわしの孫娘にしか見えんわい」

クルル「私も、そう思う……けど」

ガラフ「けど?」

クルル「本当のおじいちゃんが居たら、その時はどう思うのかな」

ガラフ「……」

クルル「おじいちゃんは、どう思う?」

ガラフ「そうじゃな。
    何はともあれ、

    全てが倍になるのう」

クルル「全て?」

ガラフ「やかましい孫娘の騒音も二倍、
    城に迷い込んでくる野生の動物も二倍、
    可愛い孫娘のおねだりも二倍」

クルル「あーはいはい。確かにその通りですよーだ」

ガラフ「そして、言わずもがな可愛孫がもう一人増えて幸せも二倍じゃ」

クルル「っ……はっずかしいこと言うなぁ」

ガラフ「とはいえ、どっちもわしの孫娘に変わりはない。
    他のだれがどう思おうと、わしはどちらの孫娘も命を賭して守るぞい」

クルル「……でも、そうかも。
    私もおじいちゃんは二人いたら、それだけ嬉しいな。

    わがままも二回聞いてもらえるしね」

ガラフ「こやつめ」ハハハ



………………


封魔壁



ティナ「……これが封魔壁」

セリス「この向こうが幻獣界。
    でも、私の知ってる幻獣界かはわからないわ」

アーロン「この世界の幻獣界、だからか」

セリス「そういうこと。
    ……そもそも、私自身幻獣界を見たことはないから、なんとも言えないけど。
    でも、私の知ってる限りの常識が通用するのであれば、何とかなるはず」

ユウナ「……でも、行くしかないよね」

アーロン「……」

ユウナ「私の旅も、これでぐっと先に進めるかもしれないし」



ティナ「大丈夫。私が先頭に立って、話をしてみる」



アーロン「確かに、幻獣とのハーフがいるなら、話は進みやすそうだな」

ティナ「私の役目は、きっとそれなんだと思う。
    生まれてきた意味……ここにあるんだと思う」

アーロン「……生まれた意味は、場所に縛られるものではない」

ティナ「……?」

アーロン「自分の生きる意味は、自分で見つけるものだ。
     親がどうだから、とか
     自分の生まれがどうだから、とか、

     そんなのは関係ない」

ユウナ「……」

アーロン「どうしたいか。
     何をするべきか。
     それを自分で考えて紡ぎだした答えこそが、生きる意味だと思うがな」

ティナ「どうしたいか……
    何をするべきか……」

セリス「……」



ティナ「私は、人間と幻獣が手を取り合うような未来が、あってもいいと思う。

    エドガーの言っていた、幻獣が消えた世界なんて、かなしすぎると思うから……

    だから、私はこの先に行って、
    幻獣と話したい。

    これは、確かに私の生れがそうだからってのもあるけれど。
    私が、そうしたいから」

アーロン「それが、お前の物語か」

ティナ「……」コクン

アーロン「……応援しよう。
     ついででよければ、だがな」

ユウナ「私も、微力ながら協力するよ」

セリス「……さ、行きましょう」




ガストラ「そこまでだ」


………………


パラメキア王国

※書きづらいので、ノベライズ版FF2の設定?からこうていの名前を採用しようと思います。
 以下、こうてい→マティウス、マティウス皇帝等で





マティウス「ぐっ……貴様ら……」ヨロッ



レオンハルト「っ……どこまで手こずらせる気だ。マティウス皇帝」

フリオニール「ここまでだ。
       もういい加減にしたらどうだ」

エドガー「まだ何か手があるなら見せてもらおうか? もっとも、こちらの手の内は両の手に余るほど残っているんだがね」

アーシェ「傷だらけで良く言ったものね」




マティウス「下郎ども……一応聞いてやろう
      お前たちは何が目的だ」



レオンハルト「知れたことよ。
       お前を皇帝の座から引きずり落とす。
       そして、パラメキアを正しき者の手で導く」

マティウス「それでどうするつもりだ?」

レオンハルト「……それだけだ。
       侵略も、圧政も必要ない。

       民に平和をもたらすために俺はお前の座を、力で奪う。

       お前が今までそうしてきたように」

マティウス「その先に見えているものは、平和か?」

レオンハルト「ああ」

フリオニール「俺たちは、レオンハルトを信じている。だからここまで来た。

       もう、お前の時代は終わりだ」

マティウス「……」




マティウス「笑止」





エドガー「……」

マティウス「力で奪う、までは評価しよう。
      ここまでの手並み、お前の野心。
      やはり私の見込みは間違っていなかった。
      が、しかし。

      支配者の器ではない!!」グォォオオオ!

エドガー「伏せろっ!」

マティウス「フレア!!」

アーシェ(人間の魔力にしてはやる、けれど、
     今までの戦いの様子から言って、防げない威力じゃない)

アーシェ「シェル!」

エドガー「っ……」サッ



ボガァァァアアアン!!!!

エドガー「っ!」ドッ

アーシェ「!? どうして、貴方の方が重症なのに……」




マティウス「刹那を見ろ小娘。
      今のフレア。貴様のごときかよわき身で防ぎきれると思うか?」ゴゴゴ……

レオンハルト「……補助魔法を張り直せ」

フリオニール「っ なんだ、この気配は……」




マティウス「良い話をしてやろう。

      とある世界の話だ」

アーシェ「!」

マティウス「その世界には、支配者が居た。

      とある国の皇帝で、その男の元には全てがあった。
      財力、権力、軍事力、どれをとっても他を圧倒する力を持っていた。

      その男は国を滅ぼすほどの竜巻を起こす魔力も持っていたし、
      死後の世界すら統治する力を持っていた」

エドガー「っ……(リレイズを張ってなかったらどうなってたことか)」ヨロッ

エドガー「それが、元の世界での、お前か」

マティウス「……その男の正体は、
      なんだと思う?」

レオンハルト「悪魔や神とでも言うつもりか?」

マティウス「いいや、ただの人だ。


      そう、私はただの人間だったのだ。
      ただの人間の分際でそれほどの支配者として君臨していた。

      ……その私が、だ。
      さらなる力を手に入れたとしたら、どうなると思う?」スッ


キラッ


エドガー「この、力は……」

マティウス「ハハハハ……魔石というものはいいものだな。そうだろう? フィガロの王よ」



………………

………………



スコール(さて、この先どうするか?)


1 なんやかんやでエスタへ
2 とりあえず幻獣界へ
3 行かざるを得なくてパラメキアへ
4 なんとなくイ―ファの樹へ

5 スコール(今頃ユウナ達はどうしているんだろうか)
  しばらくユウナ編

6 スコール(今頃セシル達はどうしているんだろうか)
  しばらくセシル編

7 スコール(今頃エドガー達はどうしているんだろうか)
  しばらくパラメキア編

8 その他



スコール「……コーネリア」ボソッ

ティファ ドーガ ビビ「っ!」



リノア「え? 何?」

スコール「そう言えば、依頼主へ何の報告もないままだったな」

ドーガ「そう言えばそうじゃったのう。
    すっかり忘れておったわい」

ビビ「王さまに、報告しに行くの?」

スコール「……一応。
     意図があるわけではないが、
     一旦体制を整えるのも一つの手だろう」

ガラフ「確かにそうじゃな。
    お前たちの話を聞いておると最近とんと動きっぱなしじゃろう?
    本拠地があるならいったん休んだ方が、後の行動にも生きてくるぞ」

バッツ「確かに、よみがえったばかりの奴もいるし」

マディン「ある意味、怪我人もここに居ることだしな」

スコール(そっちの方は任せた)



スコール「では、コーネリアに戻るとするか」




クルル「……それじゃあ。
    私はお城に戻ろうかな」

ガラフ「……行くのか?」

クルル「うん。私の帰りを待ってる人たちがいるから。
    本当は、できればおじいちゃんにも来てもらいたいんだけど」モジモジ

ガラフ「う、うむぅ……
    しかし、どちらの世界でもわしは死んだ者だしなぁ」



1 バッツ「可愛い孫娘のわがままくらい聞いてやったらどうだ?」
2 ガラフ「……今は城に行くことはできん。
      が、いつか戻ると誓おう」
3 その他

寝マシ

バッツ「可愛い孫娘のわがままくらい聞いてやったらどうだ?」

ガラフ「……」

バッツ「こっちの旅は、俺がいるから大丈夫さ」

ガラフ「それが心配なんじゃよ。
    ファリスもあんなじゃし」

マディン「……」

バッツ「言うじゃねぇか、爺さん。んじゃ、言い方を変えよう。
    困った時には助けてもらいに行くから、それまで待っててくれ」

ガラフ「……」

クルル「……」



ガラフ「今しばらくは、帰るとするかの」

クルル「っ」パァァッ

ガラフ「じゃが、何かあったらすぐ連絡するのじゃぞ?」

バッツ「わーかってるって」



ドーガ「ふむ、帰る場所があるというのはいいものですな」

ガラフ「ははは、位に縛られるのも楽ではないということじゃよ」

ティファ「そう言いながら、鼻の舌は伸びまくりね」

リノア「孫煩悩」ボソッ

ガラフ「そんなこともあるわい」ケロッ

クルル「やった! おじいちゃんと一緒に帰れる!
    国のみんなも喜ぶよ!」



ガラフ「では、短い間だが世話になったの。
    マディン殿……ファリスのこと、よろしく頼むぞい」

マディン「任せてくれ」

クルル「一緒に戦ってくれてありがとう。おかげでこの世界が少し平和になったよ」

スコール「別に、俺たちも戦うべき相手だっただけさ」

ビビ「二人とも、お元気で」




ガラフとクルルが離脱しました。






………………

コーネリアの様子

1 変わりなし (報告とATEのみ……?
2 劇団タンタラスの公演間近 (FF9イベントフラグ……?

3 どこかの国と戦っている (要指定
4 どこかの国の属国になっている (要指定

5 その他

わいわいがやがや……

スコール「……なんだ、この雰囲気は」

ドーガ「ふむ……」

ティファ「なんだか騒がしいわね」

ビビ「お祭り?」

スコール「そんな文化が?」

リノア「イベント事の日じゃなかったと思うけど」

バッツ「この世界の住人的にはどうよ?」

マディン「心当たりがない。
     この国特有の節目の日か何かか?」



ルビカンテ「……久しぶりだな」

ドーガ「ふむ? ほほう。
    ちょうどいいところに」

ルビカンテ「ああ。貴方達と接触するためにここで待っていた」

ドーガ「ほほう……」

ルビカンテ「説明させてもらおう、この国で何が起こっているのか」

ドーガ「……聞かせてもらおう」


ルビカンテ「今、この国には魔女がいる」


ドーガ「……」

スコール「……魔法の使える女性なんてやまほど居るが。
     魔女とは、もっと別の存在なのか?」

ルビカンテ「魔女とはあの女が自ら名乗った。
      怪しげな風体 暴慢な態度 冷徹な瞳……
      魔女と呼ぶにふさわしい見た目ではある」

バッツ「で、このお祭り騒ぎとはなんか関係してるのか?」

ルビカンテ「ああ。
      これは、魔女の歓迎パレードだ」

ビビ「ぱれぇど?」

ルビカンテ「……魔女はこの国に君臨し、この国の『指導者』となった。
      それを記念したパレードだ」

ティファ「指導者、って。
     王さまは?」

ルビカンテ「コーネリア王は既に魔女によって洗脳されている。

      この国の住民はもう、皆……」

スコール(それほどまでの超広範囲に状態異常魔法を使える、と言うことは、
     こと魔法に関しても相当の使い手だということだな)

ルビカンテ「……そういうわけで、

      今コーネリアは魔女の支配下にある。
      奴の目的が何なのかはわからないが、こうして私だけは洗脳を逃れて貴方達を待っていた」

ドーガ「洗脳から逃れられたということは、相応の魔法の使い手なら回避できるということじゃな」

ルビカンテ「予防と対策、と言う手もありますがね」


スコール(さて、どうするか。
     このままでは報告もままならないが……)


1 潜入捜査
2 強行突破
3 余所で情報収集
4 その他

スコール「……国王はどうなってる?」

ルビカンテ「すまない。私も最近王城に入ることができないでいる。
      私一人では踏み言った捜査はできなかった」

スコール「そうか」

スコール(ルビカンテが警戒されているということは、
     洗脳されているかどうかを向こうが判断できるということ。

     俺たちが下手に動いていても、すぐにバレるだろうな
     ……しかし、国と言う体裁が整っている以上、人の出入りはあるはず)



スコール「一番近いのは、ザナルカンド遺跡か」

リノア「そこで情報収集?」

スコール「俺が知っている、一番近くて人の多い場所はそれくらいだが」



1 ザナルカンド遺跡へ
2 その他


マディン「……どうせなら交流のある国に行ってみようか」

スコール「心当たりが?」

マディン「ここはコーネリアだな。
     それならここからそう遠くない距離でアレクサンドリア王国があるはずだ」


ビビ「! アレクサンドリア!?」


マディン「ん? ああ。
     別の世界、とやらか」

ビビ「僕はそこに居たんだ。
   演劇を見るために、結構遠くから行ったんだけど……

   ……思えば、もはや『遠い』では済まされないレベルの場所まで来ちゃったね」

スコール(世界が違う……か。
     確かに遠いでは済まされないな)

リノア「……でも、知っている風景に触れてみたら何かあるかもね」

ドーガ「そうじゃのう。
    また別な異変もあるやもしれんし、
    何よりクリスタルの情報もあるやもしれん」

ティファ「そう言えばそんなものもあったわね」

ドーガ「その恩恵を色濃く受けておるものが何を言うか」



バッツ「クリスタルって言えば、俺も持ってるわけなんだけど」

ドーガ「それもそうじゃのう……しかし、この世界のクリスタルではないようじゃ」

バッツ「この世界にある、俺らに対応したクリスタルが必要なわけだな?」

ドーガ「そのようじゃ。
    さしずめ、鍵となるお主らが開くドアとでも考えるといい」



マディン「アレクサンドリアに行くなら案内するぞ」

スコール「……ああ、よろしく頼む」



………………


アレクサンドリアの状態

1 劇団タンタラスが来る前
2 盗賊団タンタラスが去った後
3 アレクサンダー排除後
4 新女王即位後
5 FF9ED後
6 その他

……………………

アレクサンドリア



わいわいがやがや



バッツ「おい、本当に今日は記念日とかじゃないんだよな?」

マディン「う、む。そうだったはずだが」

リノア「すごいにぎやかー」キョロキョロ

ビビ「……演劇の時よりにぎやかだなぁ」




スコール(国の交流があるといいんだが……
     向こうの内情に詳しそうな奴に話を聞いてみるか)

バッツ「あんたもそわそわしてるな」

スコール「別に」

バッツ「まぁまぁ、お祭り騒ぎに参加したいのもわかる。
    わかるけどな」

スコール(それどころじゃないのはわかってるさ)

バッツ「ここは冷静に、
    集合する時間と場所を決めて自由行動と行こうじゃないか」

スコール「はぁ?」

バッツ「情報収集だって各々がした方が効率が良いかもしれないし、な?」

スコール「……」



ドーガ「ま。それもそうじゃの。
    しばらく自由行動とするか」

ティファ「丁度そこに宿もあるし、そこに集合でいいんじゃない?」

ビビ「うん、わかったよ」



スコール「……ああ。じゃあ、それで」


……………………

ATE 三つ

1 ビビ (うろうろ (追加人員指定可
2 スコール (この国の今の状況 (追加人員指定可
3 ティファ (酒場にて (追加人員指定可
4 マディン (残り香 (追加人員指定可
5 その他

………………

スコール「星の生き死にに関する戦いか」

リノア「途方もない話ね」

スコール「だが、その戦いの最後に救国の英雄が姿を消す。

     その英雄が一年、何をしていたかは誰にもわからないが、」

リノア「女王の誕生祭の折、
    演劇の最中に乱入する形でその英雄が現れる。

    英雄と女王様は一年ぶりの再会を果たして、
    二人は幸せなキスをして終了」

スコール(これだけ聞くと安上がりな物語のようだが、
     それが実際この国を中心にして起こったことかと思うと……)

リノア「ロマンチック、よね。
    ありがちではあるけれど、ちょっと憧れるもの」

スコール「……そうかもな」

リノア「で、今は」


1 救国の英雄と女王の結婚式(エンディングからさらに一年後
2 英雄帰還パレード(エンディングからちょっとあと
3 FF9エンディングの演劇直後
4 その他

リノア「その英雄の帰還パレードで大盛り上がりってわけね」

スコール(そのようだな)

リノア「まぁ、そんな大きな戦いの後だもの、
    大きなお祭りにもなるわよね」

スコール「女王の誕生祭とやらもまだ続いているんだろうな。
     俺たちが気になるのは、魔女とのつながりなんだが……」

リノア「そうね。
    ただし、この国にはコーネリアとの国交はあっても、
    魔女との関係性は特に見られなかった」

スコール「こうなると、行商人や富裕層に話を聞くほかないな」

リノア「?」

スコール「……他国の実力者と交流がある人間なんて限られてるだろう」

リノア「確かに」

スコール「次はその路線で情報収集だな」

リノア(流石に、目の前に魔女と言う目標がある時点で、
    お祭りを楽しめる感じじゃなかったよねー……)

スコール「……」

リノア「……とは、わかっていても、
    諦めきれないリノアさんなのでした」グイッ

スコール「……なんだ?」

リノア「情報収集はいったん中止、
    集合時間まで少しゆっくりしましょう」

スコール「……」ジーッ

リノア「な、なに?」

スコール「いや、そうだな。そうしよう」



スコール(バッツ達が何か情報を持ってくるかもしれないしな)

リノア(気を使ってくれたのかな? やるじゃんスコール)


………………

………………

酒場

ティファ「昼間でも酒を飲んでる人がいるってことはお祭りなのは確かね」

バッツ「わからないぞ。
    急ぎ旅の途中でも昼間から酒を飲む男はここにいる」ゴクゴク

ティファ「自分でお金払いなさいね」

バッツ(ハッ! 今、誰かの期待をはっきりと裏切ったような気がする)



ティファ「……英雄帰還パレードね。
     ここの英雄さんはちゃんと世間に認知されてるんだ」

バッツ「ん?」

ティファ「私も、元の世界じゃ結構な修羅場をくぐりぬけて世界を救ったわけなんだけど、
     まぁ、いろいろあって表舞台に立てないのよね」

バッツ「……ふむ」

ティファ「……ちょっと羨ましいかもなぁ。
     皆からこうやって、帰還を祝われるのって」

バッツ「あんたの帰りを待ってる人はいないのか?」

ティファ「居るには居るけど」

バッツ「……誰か一人でも、自分の帰りを待っててくれる人がいればいいじゃないか」

ティファ「……」


1 ティファ「そうね」(ちょっと色っぽい話
2 ティファ「……英雄って、強いのかしら」(バトルフラグ
3 その他



ティファ「……英雄って、強いのかしら」

バッツ「はぁ?」

ティファ「大きな戦いを勝ち抜いて、
     死線をくぐりぬけてきた奴でしょ?

     強いはずよね」

バッツ「おい、さっきまで俺がせっかくいい話にまとめようとしていた雰囲気は……?」

ティファ「バッツ。バッツ・クラウザー」

バッツ「……なんだよ。顔ちけーよ」

ティファ「私はザンガン流の使い手。
     この武を試すことも、今の私の大事な宿命なの」

バッツ「こ、このにおい、
    あんた、まさか……相当酔っ払ってやがるな?」

ティファ「そういうわけで、その英雄とやらに喧嘩売りに行くわよ」

バッツ「手合わせって言おう。そうしよう」

バッツ(ダメだこりゃ。
    どうせ俺には止められないし、せめて酔いがさめるまで付き合おう)



1 と、そこに英雄現る(人物指定可
2 祭りの喧騒に消え行く二人。
  二人の仲がちょっぴり親密になった。
3 その他



………………


ティファ「パレードって言うくらいだから目立つ場所に居るわよね」

バッツ「そうかもな」

ティファ「それじゃ、行きましょう」

バッツ「ああ。あんたの気が済むまでついてってやるよ」





………………

その辺

ビビ「とりあえず、みて回ろうかな。
   面白そうだし」

テクテクテク

ビビ(そう言えば……あの時のチケット)

ガサガサ


ビビ「……」

ビビ(今ならわかる。
   あの時転んだときに視界があやふやになって、この世界に来て
   ……今の僕は……まぁ、すこしおっちょこちょいなのは変わらないけど、でも少し成長したよ。
   だから今の僕なら、わかる……!)

ビビ「このチケット……偽物だったんだ」ガックシ

トボトボ



ドンッ

ビビ「あいたっ! ごめんなさい」



ぶつかった人物

1 ビビの子供たち……?
2 英雄 (人物指定可 (指定なしだとジタン
3 女王 (人物指定可 (指定なしだとガーネット
4 騎士 (人物指定可 (指定なしだとスタイナー
5 女騎士(人物指定可 (指定なしだとベアトリクス
6 その他

ジタン「お?」

ビビ(尻尾?)

ビビ「あ、すみません。ちょっと考え事してて……」

ジタン「……」ジーッ



1 ジタン「よう、ビビクインテット! 
      お前は、えーっと、何番目だ?」(この世界のジタン

2 ジタン「ビビ? お前、ビビだな!?」
  (元の世界のジタン(ビビと面識あり(FF9進行度指定可

3 ジタン「おう、気を付けなよ」
  (元の世界のジタン(ビビと同じ時から来た

4 その他


ジタン「おう、気を付けなよ」

ビビ「はい、どうも」



ジタン「……」

ビビ「……」テクテク

ジタン「なぁ、あんたさ」

ビビ「?」

ジタン「この世界、詳しいか?」

ビビ「え」

ジタン「わりぃな、変なこと聞いて。
    ちょっと考え事しててよ」

ビビ「あ、えと……」

ジタン「じゃな」スタタッ

ビビ「っ……ちょ、ちょっと待って!」

ジタン「ん?」

ビビ「その、もしかして、
   この世界の人じゃない、とか、ですか?」

ジタン「!? そ、そう! それだよそれ。
    良かったー! 話が通じる奴がいてくれてっ」



ビビ(昔の僕だったらこのまま声をかけられなかっただろうなぁ。
   やっぱり、ちょっとは成長してる、よね?)




ジタン「少し話せるか? あ、できれば人目のないところの方が……って、それだと何か怪しい勧誘みたいだな」

ビビ「お、落ち着いてください」

ジタン「ん? そう、だな。
    ……えっと、あれだ。
    お前、一人じゃないんだろ?
    子供一人でこの世界歩くのは大変だろうし」

ビビ「はい、そうですけど」

ジタン「仲間が集まってるところに連れてってくれるか?
    ちょっと、訳あって人目につかないところで話し合いたいんだ」

ビビ「訳あってって……?」

ジタン「いや、ちょっとな。
    身に覚えのない偉業を成し遂げたことでまつりあげられてるんだ」

ビビ「?」


………………

寝ま

………………

宿



スコール「……で、連れてきたと」

ジタン「で、連れられてきましたよ、と」

スコール(尻尾……)

ジタン「俺はジタン。
    気付いてる人もいるだろうけど、
    いま英雄として祭り上げられてる男だ」

スコール「らしいな」

リノア「まさかその英雄さんが、私たちと同じ余所の世界の人間だったなんてね」

ジタン「ああ。
    元の世界じゃ大きなヤマがある。
    早く帰らないといけないから、帰る方法を探してるんだが、
    この城下町で人に会う度キャーキャー言われてたまったもんじゃない。
    ってのが今の状況だ」

マディン「帰る方法を探している、か。
     バッツやファリスと同じだな」

ビビ「……で、そのバッツさんは?」

スコール「伝言によると英雄を探しにティファと出かけているそうだ。
     いつ帰るか分からない、と」

リノア「……あらあら、まぁまぁ」

スコール(ゲスな勘ぐりはやめておけ)

ジタン「同じ、ってことは」

スコール「あいにくと、あんたが元の世界に帰るための方法が分かっているわけじゃない。
     ……が、一つだけ言えることは」

ジタン「は」

スコール「帰る方法はある、と言うことだ。
     俺たちの仲間のうち一人が、元の世界に戻って、そして帰ってきている」

ジタン「お、おおお!!
    じゃあ、やっぱり帰ることはできるんだな!」

スコール「ああ」

ジタン「よかったぁ……まだまだ去るにはあの世界に未練が多すぎるもんな」



ビビ「……ジタンさん」

ジタン「ジタンでいいぜ」

ビビ「あ、えと、ジタンは、
   アレクサンドリアに住んでたの?」

ジタン「ん? いや、アレクサンドリア出身ってわけじゃない。
    けど、この国があった世界に居た」

ビビ「そうなんだ……!
   ってことは、僕と一緒の世界から来たんだね」

ドーガ「ほほう」

ジタン「そうなのか?」

リノア「結構多いみたいよ。同じ世界からこっちの世界に飛ばされて、
    この世界で再開する人」

ジタン「へぇ~。
    なんか、運命めいてるな」

リノア「えへへ」チラッ

スコール(こっち見るなよ)フイッ

ジタン「っと」

スコール(お前も、そんな目で見るな)

ジタン「えっと、まぁ、その、なんだ。
    とりあえず旅は道連れってやつだ。
    できれば俺も連れてってくれよ。もしかしたら元の世界に戻る手掛かりが見つかるかもしれねぇしな」

スコール「……」

マディン「……」

ビビ「ど、どうしたの?」

ドーガ「ふむぅ。
    ジタンとやら」

ジタン「なんだい?」

ドーガ「わしらの旅は、割と危険なのじゃ」

ジタン「荒事にはなれてるつもりだけど?」ポリポリ

ドーガ「その重心の掛け方や姿勢を見ればわかる。
    おぬしは確かに、一般人よりは荒事慣れしているようじゃが……

    わしらが戦うのは、世界の巨悪やらなんやらだったり、
    世界の理だったり、
    ……とかく、大きすぎてわしらの手にも時々余る相手なのじゃ」

ジタン「……」

ドーガ「お主の様に『帰る方法が見つかるまでついていく』と言っていた化け物並に強い女海賊が、
    瀕死の重傷を負って、現在も意識不明じゃ」

マディン「……」コクン

ジタン「っ……」

ドーガ「……ついてくるには、相応の覚悟が必要じゃぞ。
    それか、よっぽどの実力、じゃな」

ジタン「……そうかい」



1 ビビ発言(ジタン仲間フラグ濃厚
2 ジタン「……ちょっと、考えさせてくれ」
3 その他


ビビ「あ、あの……!」

ジタン「ん?」

ビビ「僕は、あんまり強い方じゃないけど、
   でも、みんなと協力して、何とか戦って来れてるんだ。

   だからその、仲間がいっぱいいた方がより助け合えるって言うか」

ジタン「……」

ビビ「そうだよね? スコールさん」

スコール「……まぁ、そうだな。仲間は多いに越したことはない」



ジタン「ふぅん。まぁ、確かに助け合いも必要だな。
    正直、俺一人で何とかなるって話でもなさそうだし」

ドーガ「決めたかの?」

ジタン「ああ。とりあえずあんた達の助けになれる程度の働きはして見せるぜ。
    よろしくな」

ビビ「う、うん。こちらこそ」



リノア「優しいじゃん」ニヤニヤ

スコール(別に拒否するつもりはなかったさ。
     ただ、ドーガの言う通りの警告はするつもりだったが)



スコール「少し、状況を説明しておこう。
     俺たちが何を優先して行動しているのか、とかな」

ジタン「ああ、よろしく頼む」




………………



ジタン「はぁ、魔女、ねぇ。
    少なくとも俺のもとした世界じゃあんまり聞き覚えがないな。
    物語の中でしか聞いたことないぜ」

スコール「その魔女の情報を手に入れるために、この国に来た。
     ……が、かくかくしかじかで

     この国の資産家や権力者なんかと接触したい」

ジタン「なるほど それなら、いい方法があるぜ」




スコール「本当か?」

ジタン「ああ。だが、ちょいと面倒なことになるかもしれねぇ」

スコール「……というと?」

ジタン「最終的に、このパレードの主役としてまつり上げられてしまうかもしれない」

スコール「……そう言えば、あんたはこの国の英雄と間違われてるんだったな」

ジタン「ああ。俺と同じ名前の人間と間違われてるんだ」

ドーガ「……」


ジタン「要するに、その間違われた人物として俺があんたらを連れて表に出る。
    そしたらほぼ確実に女王様に謁見することになる。
    そこで、魔女の話を聞けばいい」



リノア「立場を利用するってわけね」

ジタン「そういうこった。
    が、この方法で行くなら条件がある」

マディン「条件?」

ジタン「ああ。俺が別人であるということを説明してほしいんだ。
    この国の人間は、俺が別世界の人間だってことを信用してくれないんだよ」

マディン「……本人ではなく、我々が説明した方が効果的だと」

ジタン「そういうこと」

スコール「わかった。
     女王に謁見できるというのなら話は早い」

ジタン「助かるぜ」



………………


なんやかんやで謁見?

女王は誰?


1 ガーネット
2 その他(できれば女性で

アレクサンドリア城



ガーネット「ようやく来てくれたのですね」

ジタン「んー、はは、まぁな」

ガーネット「……お連れの方は?」

ジタン「えっと」

スコール「……スコールだ」

マディン「マディン」

ドーガ「お初にお目にかかります。女王陛下。
    わしらはしがない旅の者。

    とは言いましても、今はこのジタンとともに旅をする仲間でございます」

ガーネット「仲間……? ですか」

ジタン「まぁ、仲間になったのは今さっきなんだけどな」

ガーネット「??」



スコール「……説明させてくれ」



………………

かくかくしかじか

ガーネット「……別の世界の、ジタン」

ジタン「ああ、そういうわけなんだ。
    申し訳ないが、この国で担ぎあげてるジタンと、
    この俺、ジタン・トライバルは、
    まったくの別人ってことだ。
    わかってもらえたかな?」

ガーネット「……」


ガーネットの状況

1 この世界のガーネット
2 元の世界のガーネット(ジタン達と同じ時間軸
3 元の世界のガーネット(FF9エンディングでジタン帰る前
4 元の世界のガーネット(FF9エンディング後
5 その他



ガーネット「……そう、貴方達も」

ジタン「……お?」

ガーネット「貴方達も、この世界の人間じゃないのね」

ジタン「ま、まさか」

ガーネット「私も、この世界には違和感を感じます」

スコール「……では、あんたもここの女王じゃないと」

ガーネット「……少し、事情が複雑なので、
      お互いの説明をするのはどうでしょうか?
      もちろん、私からお話しさせてもらいます」

ジタン「んー、まぁ、美人の話なら俺はいくらでも聞くけど」

ガーネット「……はぁ……」

ジタン「……?」

………………


ガーネット「……」

スコール(元の世界のアレクサンドリアの女王、か
     本人の心中は複雑だろうな)

ジタン「っはー、しかし、なんだな。
    あんたがガーネットで、女王だってことは、
    俺の知ってるときよりもだいぶ経ってる時点でこっちに来たってことになるな?」

ガーネット「貴方と私が同じ並行世界から来たのであれば、そうなりますね」

ジタン「……」

マディン「……並行世界、か。
     察するに、貴方はかなりこの世界や元の世界との関係性について詳しくあるようだ」

ガーネット「立場上、各国との情報交換は常に行っていますから。

      お飾りの女王と言うわけではないんですよ?」クスッ

ドーガ「ほほう。
    頼もしいお方じゃわい」

スコール(確かに、聞きたいことが山ほどできた)



ガーネット「でも、ごめんなさい。
      今は私も、誰に味方をすればいいのか分からないのです」




マディン「なるほど、敵は多いか」

ガーネット「ええ。
      ある程度線を引かなくてはいけませんから」

ジタン「それで、俺たちも吟味されている、と」

ガーネット「そう取っていただいて構いません」

ドーガ「冷静な判断じゃな。国を統べる身では必要な能力と言えよう」


ジタン「まぁ、でもよ。
    とりあえず俺とあんたの利害は一致してると思うぜ」

ガーネット「そうでしょうか?」

ジタン「ああ。
    あんたは元の世界に戻りたい。そうだろ?」

ガーネット「……八割方はあっています」

ジタン「OK
    で、だ。俺のゆく道もそれだ。
    元の世界に戻りたい。

    と言うわけで、俺はあんたの味方となり得る」

ガーネット「確かに、目的は一緒のようですが、
      それだけで味方と判断するにはいささか軽率だと思われます」

ジタン「そっかぁ。
    んじゃ、もう一つ味方になり得る理由を付け加えると、

    俺は美人に弱い」

ガーネット「それは知っています。
      そして、幸か不幸かその美人の枠に私が当てはまっていたことも」

ジタン「おろ?」



スコール「……ジタン」

ジタン「……わーったよ」


スコール「あんたの事情は分かった。
     だが、俺たちがここに来たのはジタンの件と、
     もう一つは魔女についての情報を得たいがためだ」

ガーネット「魔女、ですか。
      ああ、コーネリアの……」

ドーガ「流石、話が早い」

ガーネット「……貴方達は、魔女のことを知りたいのですか?」

スコール「ああ」



ガーネット「……コーネリアに魔女が来てからというもの、
      あの国の交流はどこか不穏です。

      各国首脳との対談で私が、敵もしくは悪と判断した部類の有力者とのつながりを強くしています」

マディン「参考までに聞かせてもらおうか?」

ガーネット「それはできません」

ドーガ「為政者がそう軽々と口は滑らせんよ。
    まぁ、敵がいるということだけは教えてくれるというのは、甘いようじゃがの」

ガーネット「魔女を敵視しておられる貴方達と共有できる情報だと思ったまでです」

ドーガ「おや? わしらがいつ魔女を敵視しておると?」

ガーネット「……」

ジタン「爺さん。
    ……あまり虐めてやるなよ」

ドーガ「ほっほ、これは失礼」

ガーネット「……意地悪なお爺さんですね」

スコール(忠告なんじゃないのか?)



ガーネット「……貴方達にお話しすることは何もありません」

ジタン「ほらほら、爺さんがいじわるするから~」

ガーネット「意地悪な言い返し方をしたのは確かですが、
      でも、正直な話、私も魔女の実態をつかめていないのです」

マディン「国交は背負う強敵になっていると聞いたが」

ガーネット「ええ。
      先ほども言った通りの理由で、あの国とは距離を置いています」

マディン「……手がかりは無し、か」


ガーネット「ですが、手助けはできると思います。
      条件こそありますが」

スコール「聞かせてもらえるか?」


ガーネット「手助けする方法としては、
      貴方達をコーネリアへ入れる手引をすることができます。

      向こうからの交渉や通商のお誘いは少なくありません。
      その流れに乗じて、城内まで運ぶことは可能です」


スコール「……行って調べろ、ってことか」

ドーガ「じゃが、それが本当だとしたらものすごい近道と言うことじゃな。
    ルビカンテと出会ったあの場所からことを起こしていたら国の軍隊一つを相手にするところじゃからの」

マディン「で、その条件と言うのは?」

ガーネット「魔女の実態の調査。
      また、何がしかの情報提供です」

ジタン「なんだ、それなら結局スコール達の目的と一緒じゃんか」

スコール(何か裏でもあるのか?)

マディン「……」

スコール(彼も疑っているようだ。
     ドーガは?)



ドーガ「言うこと無し、じゃな。
    その作戦、わしは乗った方がいいと思うぞ」

ジタン「俺も、女王様の為に働くつもりはあるぜ」



スコール(……いいのか?)

ドーガ「これだけあやしいメンツにもかかわらず、
    この女王様はそれだけの協力をしてくださるというのじゃ。
    
    疑う必要はあるまい」

ガーネット「……もしかして、私のことを試していらっしゃったのですか?」

ドーガ「試すとまでは言わずとも、見させていただいたのは確か、ですな。

    何せ、わしらも命がけの旅をしていますからな。
    協力者の人間性を確かめるのは必要不可欠。

    それは、わかりますじゃろ?」

ガーネット「ええ。そうですね」

ドーガ「……みなまで言わずとも、その顔を見ればいいたいことはわかります。
    相当お辛い経験をお持ちのようじゃ」

ガーネット「……」

ドーガ「深くは聞きますまい。
    それに、特に彼には聞かれたくないですじゃろう」チラ

ジタン「?」

スコール(どうやら話を切り上げた方がよさそうだ)




スコール「じゃあ、その手筈を整えよう」

ガーネット「はい。作戦に必要な者を今呼びます」

スコール「……俺たちも、残りの仲間を呼んでもいいだろうか?」

ガーネット「構いませんよ。おもてなしさせていただきます」





…………………………
翌日

ATE

1 ジタン ガーネット(片思い
2 ティファ ジタン(英雄の正体
3 バッツ ティファ(やっっっちまっっった
4 ビビ ガーネット
5 マディン ガーネット
6 ドーガ スコール
7 リノア ガーネット
8 その他

三つまで安価↓




アレクサンドリア城

客室

バッツ「ふぁ……ぁあ……やべ、朝か」

バッツ(昨日の記憶がない。

    ティファのペースで連れまわされて、
    英雄探してたら酒場をはしご状態になったところまでは覚えてるんだが……)キョロキョロ

バッツ(……どうして俺はここに居るんだ?)


ムクッ


バッツ「……」

ティファ「……」




















バッツ(締め切ったカーテン)

ティファ(けだるい身体)

バッツ(渇いた喉)

ティファ(衣服の整わない女)

バッツ(部屋にベッドは二つ)

ティファ(使われているのは一つ)

バッツ(脱ぎ散らかされた衣服)

ティファ(乱れたベッド)






バッツ「―――――っ」ガバッ

ティファ「!?」

バッツ「いやん」

ティファ「い、いやんじゃないわよ!! 普通逆でしょ!?
     あ、ちょっ、こっち見るな!!」

バッツ「俺……我慢してきたのに……
    レナとファリスが隣で寝てても我慢してたのに……

    こんなところでやっちまうとは……」ズーン

ティファ「っ こっちだって、まさか……あなたとこんな……」



バッツ「……」

ティファ「……」


バッツ「このことは」

ティファ「忘れましょう」

バッツ「どうせ記憶もないし」

ティファ「そうね」

バッツ「……何もなかった」

ティファ「そうね」

バッツ「……な、何かあったら、一応、言ってくれ。
    責任は、(何らかの形で)とるから」スタスタ

ティファ「やめて! 妙に優しくするのやめて!!
     考えちゃうから!!」




ガチャガチャ ガチャッ

マディン「お前たち起きたのか」

ティファ「きゃぁぁっ! こ、こ、これは、違うのよ!」

バッツ「っ」





マディン「大変だったぞ。
     城下町で酔いつぶれたお前たちを運んできたのは良いが、

     まずお前らの無様な姿を外に見せないようにカーテンを閉めきり、

     英雄と戦う想定の激しい組み手をするお前らを大人しくさせ、

     バッツはバッツで動かなくなったと思ったら歌いだす始末。

     熱いといいだして脱ぎ始めようとしたから部屋に冷気魔法をかけ

     今度は寒いといいだして一緒のベッドで寝て……」



バッツ ティファ「……」





マディン「……まるで事後くのようだった」

バッツ「……」

ティファ「……」

マディン「何か言うことは?」

バッツ「本当にすみませんでした」ゲザァ

ティファ「今度からこんなことがないように慎みます」ゲザァ



マディン「よろしい」



………………

ジタン「よう、女王様」

ガーネット「ごきげんよう」

ジタン「……」ジーッ

ガーネット「どうかなさいまして?」

ジタン「いや、まぁ。
    あのガーネット姫が、こういう顔つきになるとは……」

ガーネット「貴方の知っているガーネットではありませんからね」

ジタン「……やっぱ、そうなのかね。
    あんたは俺とは違うパラレルワールドの人間なのか」

ガーネット「もしくは、同じ世界の違う時間の人間ですね」

ジタン「でもよ、絶対会うはずのない二人がこうして出会えたんだ。
    これって、なんかの運命を感じないか?」

ガーネット「それもそうですね」

ジタン「だろ? では、その運命の出会いを祝して乾杯でも、
    いい酒が飲めるところを知ってるんだ。お忍びでちょっと出かけないか?」

ガーネット「でも残念ですが、私の運命の人はもう決まってるんです。
      だから、軽々しくあなたのお誘いには乗れません」

ジタン「ありゃりゃ……
    しかし、心に決めた人がいるってことか。
    それはそれで興味あるね。
    あんたみたいな最高の女は、どんな相手に恋をするのか」

ガーネット「……そうですね。
      その人は頼りがいのある人です。
      いつもみんなを引っ張って行ってくれて、お調子者だけど明るくて、元気で……
      いろいろなことを知っていて、時には悪いこともしています」

ジタン「ほうほう」

ガーネット「おちゃらけているけれど正義感が強くて、
      困っている人を見ると放っておけない。

      ……だけど、すごく、孤独なんです」

ジタン「……」

ガーネット「誰かのために戦うのはよくても、自分のために誰かを巻き込みたくない。
      誰も、自分の内側には入れさせない頑固さもあります。

      そんな彼に対する幼い恋心もありますが、
      でも、支えてあげたいと思っているのも事実。

      気が付いたら、もう私は彼のことを考えている」

ジタン「………………」

ガーネット「……あら、どうしました?」

ジタン(からかわれてるのか? もしかして)ドキドキ

ガーネット「少しお話が過ぎたようですね……」

ジタン「あ、いや……いいけどよ」ドキドキ



ジタン(一瞬、遠まわしにコクられてるのかと思ったけど……
    どうやら違うみたいだ……でも、)



ジタン「その男。
    もしかして俺に似てる?」

ガーネット「……ええ。目鼻立ちがそっくりです」

ジタン「あ……っそう」ドキドキ



ジタン(やべぇな。接客の上手な飲み屋のネエちゃんよりドキドキさせてくる。
    こいつ、魔性の女か?)
………………


リノア「~♪」

ガーネット「……」

リノア「~~~♪」



ガーネット「素敵なメロディ、ですね」

リノア「え? あわわっ……女王様!?」

ガーネット「すみません。思わず聞き惚れてしまいました」

リノア「そそそ、そんな、めっそうもございませんであります!」カチンコチン

ガーネット「……あの、普通に話しかけてくれてもいいですよ。
      同年代みたいですし」

リノア「で、でも、こういうのってちゃんとしないとだめなんじゃ、ないかな?」

ガーネット「……さっきの歌は、貴方の世界のものなの?

      わたし、聞いたことないかも」


リノア「え? いや、うーん、実は分からないんだよね」

ガーネット「?」

リノア「実は……」


説明割愛


リノア「というわけで、このメロディもなんとなく覚えてるだけで、
    どこの世界の歌なのかまでは私も知らないんだ」

ガーネット「そうなの。
      でも、素敵な曲。
      歌い手が上手だからかしら?」

リノア「そ、そんなことないし。

    女王様も歌好きなんだ?」

ガーネット「ええ。幅広く」

リノア「ふーん。なんか、王族の人ってクラシック―とかお堅い曲のイメージあったけど、
    そうでもないんだね」

ガーネット「確かに歴史ある音楽や、形式だった音楽にもそれ相応の美しさはあるし、
      ……確かに、そういう曲ばかり聞かされて育ってきたけど、

      わたしは、音楽全般が好きなの」

リノア「音楽、ねぇ」

ガーネット「この世界はとても物が豊かだから、
      最近こういうものにもはまってて……」

リノア「……CDじゃんそれ」

ガーネット「この世界ではレコードもここまで小さくなっているのかと思ったら、
      もっとこの世界のことを知りたくなってきたわ」

リノア「女王様、結構この状況楽しんでる?」

ガーネット「……」

リノア「え、図星なの?」

ガーネット「えっと……そうかも、知れません」モジモジ

リノア(……)キュン





………………

………………



スコール「全員揃ったな」

ドーガ「うむ」

ビビ「うん」

リノア「あい」

マディン「ああ」

バッツ「……おう」ゲッソリ

ティファ「……ええ」ゲッソリ

ジタン(……どうしたんだ、こいつら)



スコール「では、これからコーネリア城潜入作戦を説明する」

リノア「あ、もう潜入する方向で話が決まったんだ」

スコール「ああ。
     しかし潜入とは言っているが、
     もちろんコーネリアの内情が俺たちが危惧しているような状態でなければ戦闘行為はないはずだ。

     戦うためだけの潜入ではないということを覚えておいてもらいたい」

ドーガ「だ、そうじゃよ」

ティファ「人を戦闘狂みたいに……」

バッツ「……」

ティファ「何か言いたそうね?」

バッツ「何でもないよ」

スコール「……潜入方法としては」



1 劇団タンタラスが魔女君臨記念祭の催し物をしに行くので、それに乗じて
2 祭りの為に旬の食材を搬入するので、それに乗じて
3 女王自ら挨拶に行くので、それに乗じて
4 その他

ガーネット「劇団タンタラスにお願いしています」

ジタン「!」

ガーネット「貴方達には、劇団タンタラスの公演に乗じて、
      コーネリア城内の視察をしてもらいます」

ジタン「タンタラスってこたぁ」

ガーネット「ええ。表向きは劇団ですが、
      その実質は盗賊団。

      その手腕は、ジタンが一番詳しいかと」

ジタン「まぁ。俺もその一員だしな」

スコール(盗賊団、か……)

ジタン「……あ、大丈夫。
    義賊みたいなもんだから」

バッツ「みたいなもんって……」

ガーネット「……その、盗賊団と言うのもある意味仮の姿。
      本当の姿は……」




ボスは誰?

1 バクー  
2 ブランク
3 マーカス
4 シナ
5 その他

セッツァー「本当の姿は、世界を股に掛けるギャンブル艇だ」

ガーネット「……彼が、この世界のタンタラスのボス。セッツァーです」

ジタン「……」

スコール(この反応、どうやら元の世界とは違う人間が出てきたみたいだな)



セッツァー「こいつらが話の奴らか」

ガーネット「そうです」

セッツァー「聞いての通りだ。
      よろしく頼む」

スコール「ああ。よろしく」

セッツァー「ところで女王さんよ
      例の件は考えてもらえてるんだろうな?」

ガーネット「……」

ドーガ「例の件、とは?」

ガーネット「彼に動いてもらうための条件、です」

セッツァー「まぁ、こちとら善意で動いてるわけじゃないってこった」

ビビ「……」

セッツァー「心配か?」

ビビ「え? あ、その……」

スコール「大丈夫。
     目的が金以外の人間は信用できる」

セッツァー「……ほぅ?
      良いリーダーだな」

スコール「……」

セッツァー「……」

リノア「何このにらみ合い」

ガーネット「……なんか、険悪、ですね」




セッツァー「別に睨んでるわけじゃないさ」

スコール「……すまない。
     俺の目つきが悪いだけだ」

セッツァー「それはこっちのセリフだ。
      むしろ、俺はお前のことは気に入ったぜ」

スコール(喜んだらいいのか嘆けばいのか……)




セッツァー「とりあえず、より詳しい話は船に乗ってからにするか。
      案内するぜ」

………………

案内されたのは?

1 劇場艇プリマビスタ
2 劇場艇ブラックジャック
3 劇場艇ファルコン
4 その他

おやすみ 安価↓

劇場艇 インビンシブル(FF3


セッツァー「これが、俺の船だ」

バッツ「でけぇっ!!!」

セッツァー「でかいだけじゃない。
      こいつはこの体躯に似合わず結構な速度が出るんだ。

      ……ま、今回の旅じゃその速度を出すこともないだろうがな」



シナ「ボス、メンテナンスOKずら」

ブランク「遅かったな。女遊びか?」

マーカス「ボスは女より金で遊ぶのが好きッスよね」

セッツァー「で、彼らがクルーだ」

ジタン「……よかった。タンタラスの名残がちゃんとある」


ブランク「おう。ジタン……
     って、行ってもこっちの世界のジタンじゃないって話だったな」

マーカス「でも、ジタンさんはジタンさんッス」

シナ「ま、それもそうずらな。
   と言うわけで、おいらたちはジタンに対してのスタンスは変えるつもりないので
   その辺ご了承するずら」

ジタン「俺だってお前らに変に気使われたら寒気がするぜ。
    ま、ありがとな」



セッツァー「なんだったらこっちの世界に残って、もう一度タンタラスをやってもいいんだぞ?」

ジタン「こっちも楽しくやってそうなのは違いないけど、
    今の俺には元の世界のタンタラスが恋しすぎるな」

セッツァー「そうか。残念だ」



スコール「出発はいつだ?」

セッツァー「明日だ」

スコール「……俺にはよく分からないが、劇なんてそんなに早くできるものなのか?」

セッツァー「このインビンシブルに搭載されているのはなんだと思う?」

スコール「……」

セッツァー「……」

スコール(……語りたがりめ)

スコール「教えてくれ」

セッツァー「古代文明の叡智 伊達と酔狂の装飾 ギャンブルのための増改築部分
      そして、 即興劇のためのフレキシブルな舞台装置の数々、だ」



リノア「即興劇?」

シナ「その時々において劇の内容をちょちょいと変えるずら。
   そうして観客の目を集中させている時こそ、仕事がしやすいってものずらよ」

ジタン「ちょっとしたハプニングにも即対応。
    そうでないとやってられないからな」

ドーガ「……」

セッツァー「……と、そういうわけだ。
      積み込む荷物もないし、劇の内容はある程度体にしみこんでいる。
      あと必要なのはせいぜいが打ち合わせくらいか」


ビビ「……」ジーッ

セッツァー「なんだ?」

マーカス「あ、その視線はあれっすよ。
     この人こんなに柄悪いのに、劇とかやるんだ。って顔っすよ」

ビビ「え、いや、そんなこと……!」

シナ「プフっ……ククク……」

ブランク(俺たちも大概だけどな)

セッツァー「派手なことが好きなんだ。
      だからこういうスタイルの賊をやってる」

バッツ「なるほど……? ん?」

スコール(たぶん気にしたら負けなんだと思う)



セッツァー「では、明日ここに集合してくれるか。
      船の中にも入っていいが、
      まぁ、慣れてない奴は仲をふらふらしないこったな」

ティファ「そんなに危険なの?」


ゲネロ「問題はギャンブル装置が所狭しと置いてあることでよ」

ゼネロ「うっかりハマっちゃうとスカンピンでよ」

ベネロ「こないだ遊びに来たペネロが死にそうな顔で帰って行ったでよ」

ゲネロゼネロベネロ「気をつけるでよ!」


バッツ「お、おう」




ATE 三つ


1 スコール ルビィ セッツァー(姐さん 仕事です
2 セッツァー ジタン(こっちのタンタラス
3 セッツァー リノア スコール(例の条件 Aパターン
4 セッツァー ティファ バッツ(例の条件 Bパターン
5 スコール リノア
6 その他

セッツァー「あんた、かなりいい素材だな」

スコール「は?」

セッツァー「って、うちの劇団員が言ってたぜ」

スコール「……はぁ」

セッツァー「……ああ、劇団員ってのはこいつのことだ」

ルビィ「どうもぉ」

スコール「……どうも」

セッツァー「うちは派手な劇を囮にする盗賊も生業の一つ。
      だから本業一筋の人間も置いている。
      
      このルビィはタンタラスの劇部門の統括をしている。
      
      劇に必要な人員やら道具の調達も全てルビィの意見を参考にしているんだが、
      そのルビィからたっての願いであんたに頼みたいことがある」

スコール「……はぁ」


ルビィ「是非、うちの劇団に入ってくれひんやろか。
    あんさんなら実力、見た目ともに整ってて、
    うちのボス以上の花形役者になれると思うんや……!」


スコール「断る」

セッツァー「だとよ」

ルビィ「うぅ、だめもととはいえ、
    近だけきっぱり言われるとすがることもでけへんやないか」

スコール「いろいろと理由はあるが、無理だ」

セッツァー「まぁ、そうだろうな。
      だが、ちょっと練習に付き合ってもらってもいいか?」

ルビィ「え」

スコール「だから無理だと」

セッツァー「舞台に立って台本棒読みするだけでいいんだよ。
      俺が練習参加できないからその代役だ。
      これも仕事の一環だぜ?

      それともあれか? バトルはできても演技の一つもできないか?」

スコール「……」

ルビィ「ボス、その言い方は……」

スコール「いいだろう。仕事ならやるさ」

セッツァー「そうか、助かるぜ」

スコール「……舞台ってのはあっちか」

ルビィ「あ、そうそう。
    先行っといてな。助かるわー」

スタスタスタ


ルビィ「ボス?」

セッツァー「負けた賭けもいつかの布石になるかも、だろ?」

ルビィ「……つまり」

セッツァー「少しでもタンタラスの味を覚えさせておけば、
      後のあいつの選択肢くらいにはなるはずだ」

ルビィ「あんたはいいボスやで、ほんま……」キュン

セッツァー(まぁ、俺にも別な目的はあるんだがな)


スコールの演技のレベルが上がった。

……………………


セッツァー「ん? よう」

ジタン「おう」

セッツァー「……妙なもんだな。
      うちのジタンとそっくりなのに
      こっちのジタンじゃないんだもんな」

ジタン「……妙なもんだな。
    うちのボスとはぜんっぜん違うのに、
    こっちはあんたがボスなのが当たり前みたいだ」

セッツァー「そっちのタンタラスはどうなんだ?
      ただの盗賊なのか?」

ジタン「いいや。
    劇場艇を使った盗賊なのは変わらないさ。
    ただ、ギャンブル装置がところかしこにある船じゃないな」

セッツァー「おいおい。飛空挺にはギャンブル装置がつきものだろ?」

ジタン「それ、どこの常識なんだよ。
    少なくとも俺の常識じゃギャンブル装置のついてる飛空挺は……まぁ、トレノにならありそうだけど」

セッツァー「ところで、今回の劇、お前も頭数に入れてもいいのか?」

ジタン「いいや、台本見たけど、
    俺の知ってる演目と違うみたいだ」

セッツァー「あん?」

ジタン「俺たちの看板演目は、『君の小鳥になりたい』だ」

セッツァー「こっちのは『ファルコン~夢の翼~』だ」

ジタン「小鳥とハヤブサじゃえらい違いだぜ?」

セッツァー「ははは、違いないっ。

      まぁ、『小鳥』もこの間までやってたよ。
      だけど、お前が……ああ、こっちの世界のお前がな、
      ラストシーンを最高に裏切ってくれたおかげで封印することになった」

ジタン「マジか。何か悪いな」

セッツァー「いいや。派手な演出だったから全然OKさ。
      現にあの時は本業抜きで大収益につながったしな」

ジタン「ん? そうか」

セッツァー「……しっかし、こっちの世界のお前はどこに行ったんだろうな?」

ジタン「その辺は、よくわかんねぇな」

セッツァー「……まぁいいさ。
      もしかしたらお前が元の世界に帰ったら、
      ひょっこり戻ってくるかもしれねぇしな」

ジタン「……ああ? そうなのかな?」

セッツァー「お前がこっちに来たあたりから、俺の知ってるジタンがいなくなった。
      ってことは、その逆もあり得るだろ?

      俺がこうして協力する理由の一つに、そこにベットしてるから、ってのがあるからな」

ジタン「ずいぶんと大切にされてるんだな、俺は」


セッツァー「まぁな。
      お前のことは頼まれてもいるし、
      なによりお前に関わる大体の事柄はデカいヤマだ。

      俺自身、お前に対するお節介が面白くてやってる」

ジタン「……はぁ、酔狂な奴だな」

セッツァー「褒め言葉として受け取っておくぜ」

ジタン「……自分のことは自分でやるよ。
    きっと、こっちの世界の俺だってそうするはずだ」

セッツァー「無理するなよ。
      ベットする箇所は一か所だけじゃなくたっていいんだ」

ジタン「……」

セッツァー「自分の信じた目が間違ってることだってある。
      それは確かにミステイクだが、

      仲間が賭けた目に正解があったら、
      それもお前の儲けだ」

ジタン「……わかりにくいなぁ」

セッツァー「独りよがりすんなってこった。
      お前は面倒みはいいが、自分をおろそかにすることがある。
      自分がつぶれちまったら、夢を追うこともできないんだぜ?」

ジタン「わかりやすくなったけどさ」

セッツァー「ま、上手にやれよ?
      と、他人に言われたところで関係ないかもしれないがな」

ジタン「あんたは、俺の知ってるタンタラスの連中がボスとして慕う相手だ。
    それなりに敬いはするし、その忠告も受け取っとくよ。
    思うところもあるしな」

セッツァー「そいつは光栄だ」



ジタン「……ところで、誰かに用があったんじゃないのか?
    目的があって歩いてたように見えたが」

セッツァー「そうだったそうだった。
      お前、リノアの居場所知ってるか?」

ジタン「リノア……ああ、あいつか、それなら」


……………………



スコール「ん?」スタスタ


セッツァー「よう」

リノア「スコールっ」


スコール(妙な取り合わせだな)



※スコールとリノアの友好度判定



リノア「ごめんなさい。せっかくのお誘いだけど、」スッ

スコール(近い)

セッツァー「そいつは残念だ」

スコール「……何の話だ?」

リノア「ちゃんと話すから、ね」スタスタ

スコール(なんで俺を連れていく?)


セッツァー「流石に無理があったか」




………………

別室

スコール「何なんだ一体?」

リノア「あのね……
    女王様とセッツァーの間で、
    協力する条件があるとか言ってたでしょ?」

スコール(そう言えばそんなことも言っていたような……)

リノア「……まぁ、どうやらセッツァーは女王様をずいぶん気にいってたらしいんだけど、
    その、そっちよりも私の方が気に入られちゃったみたいで」

スコール(……ああ。そういうことか)

リノア「……」

スコール「……代わりにあんたが選ばれそうになった、と?」

リノア「ちゃんと断ったよ。
    私には今大切な人がいますって」

スコール「……」

リノア「……どう思う?」

スコール「……」

リノア「……」

スコール「……」

リノア「……」


スコール「今、言葉を選んでいる」

リノア「いいよ。待つよ」






スコール「……少し考えた。
     もしあんたがその誘いを受けたとしたら
     俺は多分後悔する」

リノア「……」モジモジ

スコール(……ダメだ。まとまらない。
     でも、もうこれ以上言わないでいるのはズルイ気がする)

スコール「あんたが隣に居てくれると安心する……いや、
     嬉しいんだ。

     あいまいに返事をするのも嫌だし、
     こんなに気になるのも変だと思って
     全部思い出すまで考えないようにしてたが、
     一つだけ答えが出た」

リノア「……」ジーッ

スコール「俺はあんたが好きだ。

     いなくなって欲しくない。
     他の誰かの隣に居てほしくない」

リノア「っ」

スコール「俺のそばから離れるな」

リノア「っ……」プルプル

スコール「……」




リノア「正直、スコールから、そこまでストレートな告白受けるとは思わなかった」

スコール「悪かったな」

リノア「ふーん、でもそっかぁ。
    スコールは私のこと好きなんだぁ」ニヤニヤ

スコール(なんだよ)

リノア「ふふ、ごめんごめん。
    いやぁ、だって、ようやく一歩先に進められるかなぁって思ったら……ねぇ」

スコール「……」

リノア「えへへ」

スコール「……」

リノア「ん」

スコール「……なんだ?」


リノア「はぐはぐ」


スコール「……」

…………



ルビィ「あらあら ふられはったんですか……」

セッツァー「ああ。大負けだ。はっきりと断られたぜ」

ルビィ「でもお相手はあの人なんやろ?
    あの人、スコールとただならぬ感じはあったやないですか」

セッツァー「勝負の行方って奴は、ベットにかけた時間とは関係ないんだよ」

ルビィ「なんでもギャンブルに例えるの、やめた方がええですよ」

セッツァー「……とは言え。
      時間をかけて積み重ねたチップによって得られるものは、
      相当なもんだろうな」

ルビィ「……」

セッツァー「……」

ルビィ「……」



………………




別室


ドン



スコール「ハグで終わると思うなよ」

リノア「え?」





………………



セッツァー「今頃どっかで盛ってるんじゃないか」

ルビィ「いやですわー。んな下世話な……」

セッツァー「男と女だ。なるようにはなっちまうだろ」


………………

………………



翌日





セッツァー「さて、行くか」

スコール「ああ」

セッツァー「……あんた達のやることは簡単だ。

      俺たちの公演の間に城に潜入する。
      そして公演が終わるまでに、城に残るか戻るか決めろ。
      公演終了までに戻ってこなかった場合、残ると決めたと取る」

ティファ「時限ミッションってことね」

バッツ「場合によってはそのまま突撃、か」

スコール「コーネリア城の様子が緊急を要するようであればな」

マディン「……全員で行くのか?」



スコール「いや。
     二手に分かれる。

     俺ともう二人で王室の状況確認。
     残りは情報収集だ」



ジタン「チームわけはどうする?」

スコール「そうだな」




スコールと後二人 以下二レス参照


………………

数時間後

コーネリア城 裏口



スコール(さて)

ジタン(アレクサンドリア城に潜入するはずだったが、
    まさか別な城に潜入することになるとはな)

リノア「で、王様ってどこに居るの?」

スコール「……上だな」

ジタン「よし。
    んじゃま、さくっと見てきますか」



マディン「こっちは任せろ」

ドーガ「うむ、情報収集するだけならたやすいわい」

ティファ「そう易々と行けばいいのだけどね」

バッツ「事は起こすなよ?
    帰り道を失うことになるかもしれないしな」



……………………



スコール「……あの階段の上が、国王やら王女やらの部屋だ。
     が、」

リノア「誰か、居るね」

ジタン「でも手早く済ませればバレないかもな」

スコール「……」



魔女の騎士……?

1 サイファー(雷神風神付 (突撃か回避か選択可
2 クジャ(銀竜付 (突撃か回避か選択可
3 その他


スコール「やるか」

リノア「OK」

ジタン「了解」


フシュルルル……



スコール「……?」

リノア「どうしたの?」

スコール「……わからない。
     だが、いやな予感がする」

ジタン「上手く行き過ぎて不安なだけだろ。
    よくあることさ」

スコール(それだけならいいんだが)

リノア「……」

スコール「……行くぞ」



タッ



兵「っ!?」

スコール「っ……!」フォン

ザシュッ



リノア「ファイラ!」

ボォッォオオ!!



ジタン「隙ありぃっ!」

ザシュザシュッ!




フシュルルル……



スコール(要所を守る兵にしては動きが鈍い。
     どういうことだ?)


フシュルルル……


ジタン「手応えねぇな」

リノア「……?  ……っ」



???「嬉しい……嬉しいぞ……お前らを葬ることが出来て……」





リノア「……スコール。おかしい。
    この人たち炎属性の通りがよすぎるし……

    それに遠隔操作の魔法の気配がする……!」

スコール(囮か!?)キョロキョロ



スカルミリョーネ「遅い! サンダガ!!」





標的

1 スコール
2 リノア
3 ジタン
4 その他















































ルビカンテ「見下げた根性だな。
      スカルミリョーネ」サッ

スカルミリョーネ「!?」

バチィィン!!!!!!!!!!!



ジタン「な、こっちか!?」

スコール「ルビカンテ……!」

リノア(今の……不意打ちであんなの食らってたら、
    私達の誰かが死んでたかも………………)


スカルミリョーネ「ルビカンテ……貴様、ゴルベーザ様への忠誠を忘れたか……?」

ルビカンテ「今の私にはそれよりも優先することができた。
      それだけだ」

スカルミリョーネ「フシュルルル……」



ルビカンテ「……何故貴様がここに居る」

スカルミリョーネ「フシュルルル、その頭なら既に答えは見えてるんだろう?
         お前の聡明さは元仲間であった私が良く知っている」

ルビカンテ「魔女とゴルベーザが手を組んでいるのか」

スカルミリョーネ「フシュルルルルルル……
         しかし、それを知ったところでお前達はもうここを生きて出られることはない」



ルビカンテ「それはどうかな?」

リノア「四対一、って状況だけど?」


スカルミリョーネ「フシュルルルルルル……
         魔力など関係ない。
         私のガスの真の力は、ルビカンテ、お前なら分かっているはずだ」


ルビカンテ「そうだったな。
      お前は炎を食らうとガスを出し、

      そのガスを吸ったものをアンデッドに変える」

スコール「……っ」

スカルミリョーネ「そう言うことだ!
         ルビカンテ、貴様では私に勝てん。

         それに、お前の知らぬところで私の肉体は更に改造されている。
         ……それでもやるというのか?」




ルビカンテ「構わん。

      私一人で十分だ」コキコキ





スコール「……おい」

ルビカンテ「大丈夫だ」

ジタン「……距離はとるか」

ルビカンテ「先に行ってくれていい。
      ここは全て任せたまえ」

リノア「大丈夫なの?」





スカルミリョーネ「……炎魔法以外にとりえもないくせに、
         でしゃばるなよ。赤裸々マント」

ルビカンテ「死体は死体らしく土の下で眠っていろ。
      それとも火葬をお好みか?」





スコール(あんた達、単に仲悪いだけなのか?)

スタタタタ……





スカルミリョーネ「サンダガ!」

ルビカンテ「魔法勝負か。
      この私に黒魔法で挑むなど甘い。

      ブレイク」

ボゴォッ ドカァァアン!!!

ルビカンテ「お前の手の内も分かっている」

スカルミリョーネ(岩を鋭く尖らせた? 避雷針か!)





ルビカンテ「だが、それでもあえて私はこの技で勝負しよう」

ゴォォ……

スカルミリョーネ「炎属性魔法だと!?」



ルビカンテ「かえんりゅう」

ゴォォオオオオオオオオ!!!

スカルミリョーネ「フシュルルルルルルルルル……!
         愚かな! 私の忠告も聞かず……
         馬鹿の一つ覚えの炎魔法か!?

         このスカルミリョーネ、この体朽ち果てる前に、この城全ての人間にこのガスを吸わせてやることも可能だぞ!?」


ルビカンテ「確かに、今のお前にはそれが出来るんだろう。

      だがな、私もここで手をこまねいていたわけではない。
      ゴルベーザにもらったこの体、人のために活かすため、研鑽を重ねてきた」

スカルミリョーネ「食らえ……!!」

ブシュワァァアアアアア……!




ルビカンテ「そのガスすらも、この炎で焼き尽くす。

      火炎竜 ~八岐大蛇~!」




ゴォォオオオオオオオオ!!!
ゴォォオオオオオオオオ!!!


スカルミリョーネ(!? かえんりゅうが……範囲攻撃に!?)


ブシュワァァアアアアア……!
ゴォォオオオオオオオオ!!!


スカルミリョーネ(しまった、ガスの噴出が追いつかん!?)


ゴォォオオオオオオオオ!!!
ゴォォオオオオオオオオ!!!


スカルミリョーネ(いつまで続くのだ、この、かえんりゅうは!?)


ブシュゴォォオオオオオオオオ!!!
ゴォォオオオオオオオオ!!!


スカルミリョーネ(もう、ガスを出すだけの体組織も残って、無い……)


ルビカンテ「食らい尽くせ!」

ゴォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!





スカルミリョーネ「おのれ、この私が、
         貴様ごときに……!!……

         ぐ……バァアアッ!!!」





シュウウゥウウゥウウウウ………………












ルビカンテ「……」

ルビカンテ(城の中枢がのっとられていたのは、スカルミリョーネの仕業なのか?
      それにしても、ゴルベーザとつながっていたとは……)



ルビカンテ(上で、大変なことになって無ければいいんだが)



………………





謁見の間 手前



スコール「……話し声は、しないな」

リノア「……でも、あんな物騒な奴を従えてるんだもの、
    魔女だってきっと、良い人じゃないんじゃない?」

ジタン「ま、そう考えて進んだ方がいいだろうな」

スコール「それもそうか」



バァン



スコール「っ……」スッ



謁見の間に居たのは


1 魔女(人物指定
2 魔女(人物指定とゴルベーザ
3 その他

おやすみ



アデル「来たか」

スコール「……魔女はどこだ?」

アデル「……ここに居る」

スコール「……この、部屋の奥か?」



アデル「魔女は私だ」



スコール「……女?」


ジタン「スコール、それは いくらなんでも失礼だぜ」

スコール(……)






アデル「……待っていたぞ」

スコール(こっち見るな。怖い。
     っていうか、俺を?)

リノア「スコール? この人、誰?」

スコール(知るか)

アデル「私は魔女アデル。
    かつて貴様に敗れた魔女の、別次元の同位体」

スコール(……?)

アデル「伝説のSeeD。貴様のことだ。
    この世界に貴様が居ることはわかっていた。
    
    だから、私は貴様と出会うこの時を待っていたのだ」

スコール(……意味不明だ。
     何なんだこいつ?)



スコール「あんた、俺を知っているのか?」

アデル「ああ」



リノア「……っ」スッ

ジタン「やるか?」サッ



スコール「……あんたの目的はなんだ?」

アデル「なんだと思う?」




1 アデル「世界征服」
2 アデル「お前を殺すことだ」
3 アデル「お前を我が物にすることだ」
4 アデル「その他」




アデル「お前を我が物にすることだ」



スコール「……」

リノア「  」

ジタン「ほっ?」



アデル「……理解できぬ、と言う顔をしているな」

スコール「ああ」

アデル「よかろう、説明してやる」

リノア「スコール、どいて」グイッ

スコール「っ」(力にジャンクションしてないはずなのに、すごい腕力だ……!



アデル「……」

リノア「……」

アデル「ククク、貴様も魔女のようだな。
    伝説のSeeDが、魔女の騎士とは……

    何とも皮肉な話だ」

リノア「魔女だとか、騎士だとか……
    よくわかんないけどさ」

スコール(そうだ。よく分からないから情報を聞き出したいんだ。
     だからできればもう少し話をしたいんだが……)

アデル「なるほど、今の貴様らには分からない話か……
    だが、魔女としては貴様は大成しているようだ」

リノア「魔女?」

アデル「……少し長い話をさせろ。
    貴様らと私の、別次元での話だ」


………………
FF8のアデルを倒すところまでを解説
魔女の基礎知識を解説
………………


スコール(魔女アルティミシアとの戦い。
     魔女と言う力……)

リノア「……」



アデル「どうだ?
    貴様等は、この話を聞いてどう思った?」





スコール「……」

リノア「……そう言えば、ママ先生がそんな話してたかも」



アデル「……その顔を見るに、貴様等はこの世界の住人だ、ということか」

スコール(この情報を知らない、と言うことは、
     このアデルの言う別次元の世界の常識を知らない、ということ。
     
     つまり俺たちは……)

リノア「……」

スコール「……」




アデル「何を安心している?」

リノア「はぁ?」

アデル「この男、伝説のSeeDは、仲間の力を借りたとはいえ、
    魔女の魔力をと全能の肉体を持つこの私を退けたのだ。

    その力、統率力、人望。

    欲せずにはいられまい」

ジタン「……そういうことか。
    自分を倒すだけの力を持った男を仲間に引き入れてしまいたいと」

アデル「仲間に、ではない。
    私のものにするのだ」

ジタン「……お、おう?」



アデル「有り体に言えば。惚れたということだ」



ジタン「ほっ!?」

リノア「  」

スコール「……」




アデル「この世界で魔女として覚醒した私は、
    この力を用いてこの世界に君臨する方法を模索した。

    しかし、その途上でこの世界とは別の世界の存在を認識する」

スコール(それが別次元、というわけか)

アデル「その別次元の中の一つに、私が居た。

    干渉することこそできかなったものの、
    その世界での私の倒れる姿の向こう側に居たのは、貴様だったのだ。スコール」

スコール(別世界の俺か、迷惑な話だ)





アデル「私は傲慢だ。
    私よりも強い人間はいないと思っていた。
    そして強くあることを何より欲していた」

ジタン(その身体を見ればわかる)

アデル「私を倒した貴様を付き従えさせることが、
    私が更に強くなるために必要なことなのだ、と思った。

    だからこの世界で貴様の足跡をたどったのだ。
    コーネリア王の命を受けて旅をしていると聞いて、ここを支配すればいずれ貴様がくるだろうと思ってな」

スコール(やり方が暴力的だ)

アデル「そのためにゴルベーザとか言うわけのわからん奴とも手を組んだ。
    そうしていろいろしているうちに、

    私の中で貴様と言う存在が大きくなってきた」

ジタン(お)

アデル「……行動の全てが貴様につながっている。
    これではまるで、私が貴様に恋い焦がれているようではないか?」

スコール(聞かれても……)

アデル「……そういうわけだ。
    私は、貴様がほしい。
    この私が強くあるために……!」





アデル「スコール。
    スコール レオンハート。

    私のものとなれ。
    魔女アデルの騎士として、ともに行こう!」






リノア「……」

スコール(いや、無理だろ。普通に)

スコール「むr」

リノア「メルトン(8」

ゴォォオオオオオオオオオオオオオ!!!



ジタン「おいぃぃ!?」

スコール「……」



リノア「……」

アデル「……何のつもりだ。娘」

リノア「何のつもりよ? 男女」

アデル「……」

リノア「……」


スコール「……」

ジタン「……」ゴクリ


アデル「……ククク、開戦の狼煙としては、いささか矮小……」

リノア「警告だもの。今のは」

アデル「ほう?」

リノア「スコールをどうにかしたいなら、
    私をまずどうにかしないといけないってこと」

アデル「小癪な小娘だ。
    が、わかりやすくていい挑発だ。

    気に入ったが、相容れない存在のようだ」

リノア「そうね」



アデル「……」

リノア「……」




ジタン(これ、手を出していい戦いなのか?)

スコール(負けたら元も子もないだろう。
     俺たちも戦うぞ)





1 と、そこにエスタから刺客が(人物指定可
2 と、そこに神羅から刺客が(人物指定可
3 と、そこにゴルベーザが

4 リノア(師匠:ドーガ)が強すぎた。
5 アデルの本気が強すぎた。
6 その他

おやすみお


ゴルベーザ「魔女アデル」スッ

アデル「……卿か。タイミングが最悪だ。
    今は女の戦いぞ」


リノア「別に、そっちが味方を呼ぶのなら、こっちにだって手はあるのだけれどね」

額に傷のある左手「俺たちのことか?」

尻尾付いてる右手「そうみたいだな」



ゴルベーザ「……タイミングを弁えなかったことは詫びよう。
      だが、今もっと優先することがあると思うのだが」

アデル「否」

ゴルベーザ「……」

アデル「この魔女アデル。強さを追い求め、ついにこの体と魔女の力を得た。
    
    次に追い求めるは、『永遠』だ。
    
    そのための方法は二つある。

    一つは、統率者として名を馳せ、
    人の記憶に巣食う」

ゴルベーザ「だから、こうしてコーネリアの侵攻にも協力してるではないか」

アデル「それだけでは、この国の滅亡とともに名は廃れる。限りある名は永遠ではない。

    ……二つ目の方法だ。
    この血を後世まで残す」

ゴルベーザ「……それで女の戦いか」



アデル「そう、そこな伝説のSeeDを我が物とし、

    最強の私と、最強のSeeDの子をなし、

    我が血を永遠のものとする」



ジタン「よかったな、スコール。
    少なくともお前だけは生かしてもらえるそうだぞ」

スコール「社会的な死は待ってそうだけどな」



ゴルベーザ「……その戦いを待ってやってもいいのだが、
      いやしかし、どうしたものか」



ゴルベーザの設定

1 この世界の悪べーザ(洗脳込み
2 この世界のゴルベーザ(暗躍なう
3 元の世界の悪べーザ(洗脳込み
4 元の世界のゴルベーザ(洗脳解除済み
5 その他


おやすみ


ゴルベーザ「今お前の機嫌を損ねるのは困る。
      幸い城内は既に手の者に差し替えている。
      存分にやり合ってくれたまえ。
      後始末は承った」

アデル「ふっ、よい協力者を持ったものだ」

リノア「で、どうするの?」

アデル「一対一 ~サシ~ だ。

    が、勝者が決まると同時に協力者が残った奴らを殺しにかかる。
    わかりやすいだろう?」

リノア「ほんと、わかりやっすい。

    うっかり広範囲で攻撃しちゃっても構わないってことよね?」

ゴルベーザ「どうぞ。ご勝手に。
      しかし、それだけの余裕がある相手かな?」



リノア「魔女だか筋肉女だか、
    あんたが何なのかわかんないけど、

    ちょっと今調子に乗ってる私の前に立ちはだかったこと、
    後悔させてあげる」カッ

アデル「上等!」カッ

ゴッ―――――ッ……!!!!!!








………………



一方

情報収集側



ティファ「だめね。
     魔女、真っ黒確定だわ」

バッツ「ゾンビとモンスターばっかの城内」

ドーガ「城外には情報操作」

マディン「洗脳できなかった一部の有力者は地下牢」

ティファ「これ早く合流して魔女と戦う方がいいんじゃないの?」

マディン「そうだな。
     どこかで魔力の鳴動も感じる」

ドーガ「うむ、控えめじゃが、
    何か意志の強い一撃を感じたぞ」

バッツ「さっきの炎魔法の件はもう片付いたのか」

マディン「ああ。違う魔力だ……これは」

ドーガ「リノアのものじゃ。
    しかし、対峙している者も相当なもんじゃ」



ティファ「……魔女とやら。
     戦わなくちゃいけないみたいね」




ドーガ マディン「……!」

バッツ「嫌な予感がする」





ゴッ―――――ッ……!!!!!!








………………


1 魔女同士の対峙でコーネリア城半壊
  一同離れ離れ

2 ガチバトる乙女二人
  描写込み

3 筋肉魔女強すぎた

4 リノアが『蒼き魔女』として名を轟かすことに

5 その他



……………………
……………………
……………………
……………………
……………………


数日後




ドーガ「……これは酷い」



外壁の一部以外吹き飛んだコーネリア城「イテェ」



コーネリア王「わしらが爆音の後に地上に出た時はこのありさまじゃったよ」

ドーガ「……そうか。
    では、城に居た者は……」

コーネリア王「幸い、人間は地下に居たもので、
       この残骸に巻き込まれているのは全てモンスターじゃった。
       ……中には、ゾンビとなったわが城の兵もいたがの」

ドーガ(見たところ外に瓦礫は飛んでいない、と言うことは、
    超強力な破壊魔法が相殺しあった結果か……

    これほどまでの規模で破壊されるとは、リノアめ……
    何か、異変でもあったのか?)

コーネリア王「……話によれば、スコール達も居たそうな。
       しかし……」チラッ

兵「はっ、いまだ報告は上がっておりません」

ルビカンテ「他の者の強い魔力も感じられない。
      もしかしたらあのどさくさにまぎれて逃げたか、
      ……あるいは」

ドーガ「まぁ、あの連中は頑丈な奴らばかりじゃ。
    爆風に飲まれてどこかに飛ばされたとしてもおかしくあるまい」

ドーガ(補助魔法を張った上でも、地面との繋がりを意識せねばそうなる。
    まぁ、わしと一緒に居た者は飛び散っただけじゃろうが……

    リノアの近くに居たあの二人は、どうかのう)

コーネリア王「城も建て直さなくてはいかんし、魔女の支配の弊害も片付ける必要がある。
       スコール達の探索に多くの兵は避けられないが、
       できる限りでは彼らの探索を行おうと思う」

ドーガ「そうしてもらえるとありがたい。
    ワシ一人ではこの世界は広すぎる」


今後の展開

1 新章突入?
   次スレからスコール以外の話もピックアップ
   多方面からこの世界を見ていく
   もしかしたら
   スコール編 セシル編 ユウナ編 パラメキア編 
   で構成?


2 変わらずスコールメイン
   次スレから仲間を求めてスコール一人旅
   リノアを追い求めていくうちにいろんな所へ旅をする。
   もしかしたら
   スコールをメインにいろいろ伏線?回収していく


3 その他ぁ


5~10レスで多数決するかも

一日か二日でこのスレは〆ます。
>>1の都合がよければすぐしめて次スレ立てるかもしれない。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月06日 (水) 20:13:58   ID: Sa4_OR46

とても面白いです。続きとても楽しみにしてます!

2 :  SS好きの774さん   2016年04月09日 (土) 20:03:33   ID: YlUXLlWd

668は2でお願いします。

3 :  SS好きの774さん   2018年08月11日 (土) 04:39:04   ID: UL7ZYbYi

面白い! 

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