輝子「……みんながつめたい……」 (39)

※前作である 小梅「……ひゃ、100円しか…ない……」の続編になります
 宜しければそちらをお読みの上でお楽しみください

 また、0時を跨ぐので一応酉付けさせてもらってます

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—6月2日—…

輝子「お、おはよう……」ガチャッ

小梅「……お、おはよう………」

幸子「おはようございます、今日は随分早いですね」

輝子「うん…。今日はシイタケの収穫日だから……フフ…」

小梅「…………収穫……?」

輝子「お部屋、一つ借りて……やってる」

幸子「なんか本格的な臭いがぷんぷんしますね!」

輝子「き、今日の夜……良かったら、ご馳走する…」

小梅「…今日……」

幸子「ああごめんなさい輝子さん! 今日はちょっと用事があるので!」アセアセ

輝子「そ、そっか……仕方ないね……」シュン

幸子(割とメンタルに来ますね、これは)

小梅(…ごめんね、輝子さん……)

輝子「じゃ、じゃあ……収穫してくる…」

幸子「いってらっしゃい」

小梅「……がんばって…」

待ってた、期待

P「みんなおはよう! 今日も元気に…アイドル、アイドルゥ!」ガチャッ

ちひろ「おはようございます。プロデューサーさん、それはネタが古過ぎますよ?」

小梅「……お、おはよう…ございます……」

幸子「おはようございます! そのおかしなテンションは朝からボクのカワイイ顔が見れたからですね!」

P「おうっ! 幸子はかわいいなぁ」ナデナデ

幸子「ななな、なにをするんですか! 人前でなでなでとかやめてください!」

P「ああ、すまんな」パッ

幸子「あっ……」

P「ん?」

幸子「な、なんでもないです!」

小梅「……ふ、二人とも、一緒に…………きたの……?」

ちひろ「プロデューサーさんがどうしてもって言うのでぇ〜」クネクネ

P「ちょ……誤解されるような発言はやめてくださいよ……」

ちひろ「なんでそんな本気で嫌がってるんですか………?」

P「そそそんなことないですってば」

ちひろ「ふふ、まぁいいです。プロデューサーさんがね、雫さんのプレゼントを買いたいって」

P「それで色々相談乗ってもらってたんだ」

P「朝くらいしかちひろさんと俺の手の空いてる時間ってないからなぁ」

小梅「…ぷ、プロデューサーさんは……頑張りすぎ……」

幸子「そうですよ! 毎日残業ばっかりして過労で倒れたらボクのステージを見に来られないじゃないですか!」

P「はは……。悪い、悪い」

P「でも次のイベントに向けてやらないといけないことはやっておきたいからな」

ちひろ(年中それ言ってますけどね……)

小梅「……あっ……誕生日……」

幸子「そうですね、言っておいたほうがいいですね!」

P「ん? どうしたんだ?」

幸子「4日後、輝子さんの誕生日じゃないですか」

P「そうだな」

小梅「…じ、事務所で……パーティ、やらせて欲しい……」

P「仕事が終わったらってことか?」

幸子「参加者全員のスケジュールは把握してます!」

幸子「一番遅いのが輝子さんで、18時45分頃に事務所に戻ります」

P「随分と細かい調査だな……」

幸子「ふふん、ボクのあまりの完璧さに驚きましたか?」

小梅「……す、すごい……」

ちひろ「急なお仕事も……うん、入らなそうね」

幸子「それは良かったです! じゃあその1時間前から部屋を貸しきらせて欲しいです!」

P「みんなでお祝いじゃだめなのか?」

小梅「…それでも、いいけど………」

幸子「輝子さんはボク達以外にあんまり心開いてないですから」

P「……逆に気使っちゃうことになるかな」

P「よしわかった! 俺は参加は……」

幸子「仕方ないですね! 特別に許可してあげます!」

P「ありがとう」

P「じゃあその日はきっちり仕事終わらせて、みんなにも早々に上がってもらうように手配するよ」

小梅「………ありがと……」

ちひろ「あっ………。そういうことなんで、今日のご飯はみんなで一緒に食べませんか?」

小梅「………えっ……?」

P「いきなり何を………」

輝子「ただいま……フヒ」ガチャッ

幸子「え、ええ。お昼ご飯一緒に食べましょう」

小梅「………う、うん……たべる……」

P(なんでこの人輝子が戻ってくるの分かったんだろう……)

輝子「……ぷ、プロデューサーだ……おはようございます…」

P「お、おはよう」

幸子「い、いいシイタケですね」

輝子「わ、わかる…? 今回は、すごくよくできた……」

P「色艶がいいな。大事に育てたってよくわかるよ」

小梅「………輝子さん、すごい……」

ちひろ「高く売れそうですねー」

輝子「シイタケは…そんなに高くない」

小梅「……松茸………あっ……」ハッ

幸子「!!」ハッ

小梅「…さ、幸子さん……いこ………」

幸子「ああごめんなさい、ボク達ちょっとお仕事まで失礼しますね」

P「おう。二人ともお昼過ぎだからなー」

幸子「はーい」

輝子「わ、わたしも……」

幸子「すぐもどるんでー!!」ダダダッガチャッ

輝子「一緒…………に………」

P(あちゃー……)

ちひろ(輝子ちゃんの対処、お願いしますね。プロデューサーさん)スッ

P(こいつ直接脳内に……!)

輝子「」クスン

P「………ほ、ほら! キノコ達の様子を見に行こう!」

P「もしかしたらシイタケ以外のキノコで調子が悪い子がいるかもしれないからな」

輝子「う……うん…。みに、いく……」トボトボ

ちひろ(そろそろキノコ部屋撤去したいんですけど……)

ちひろ「もう少し、掛かりそうですね」

〜本屋〜

幸子「あの目は、そういうことですよね?」

小梅「……う、うん……。松茸料理……調べたい……」

幸子「そのままプレゼントっていうわけにも、いかないでしょうからねぇ……」

幸子「材料は有限、失敗は許されないですから。事前調査はしっかりしましょう!」フンス

小梅「…し、しましょう……!」フンス

幸子「とりあえずはこの本から……」

小梅「そ、それは……上級者用……」

幸子「何言ってるんですか! 輝子さんならキノコ料理極めてそうですから」

幸子「このくらいの物じゃないと感動してもらえませんよ!」

小梅「………そ、そっか……。……妥協は、だめ……」

幸子「その意気です!」

幸子「とりあえず数冊見繕って、練習しましょう」

小梅「………う、うん………!」

—6月3日—…

P「ふー……。今日の外回り終わりーっと…」ガチャッ

幸子「うーん、そこは……。あ、おかえりなさいプロデューサーさん」

小梅「……お、お帰りなさい……」

ちひろ「お帰りなさい、プロデューサーさん」

P「あれ? 二人ともこの後仕事あったか?」

幸子「ないですね」ウーン

小梅「……ない………」コレデドウカナ

P「……なんか、忙しそうだな?」

幸子「ええ」イイデスネ

P(幸子のドヤオーラが消えている……)

P「事務所で話すのもいいが、そろそろ……」

輝子「…お、おつかれさまです…」ガチャッ

P「ああ、輝子お疲れ」

幸子「お、お疲れ様ですっ!」ササッ

小梅「……おつかれさま……です……」サッ

輝子「……? 二人とも、お仕事…?」

幸子「え、ええまぁ……そんな感じですね」

小梅「……お仕事……忙しいね……」

輝子「う、うん……」

幸子「それじゃあボク達はこれで!」ソソクサ

小梅「……お、お疲れ様でした……」ササッ

輝子「……さ、さよなら……」

P「気をつけて帰れよーっ!」

ちひろ「お疲れ様です」

P(ああ……あからさま過ぎるだろ幸子ォ……!)

P(もっと演技力を身につけさせよう。ドラマも立派なアイドルの舞台だからな…)

輝子「……ぼっち……………」シュン

P(ちょっとこれどうするんだよ……)

ちひろ(アイドルのメンタルケアもプロデューサーのお仕事ですよ!)

P(そんなぁ……)

P「ほ、ほら輝子! 今日は雫さんの誕生日だったな!」

P「何かプレゼントしたか!?」

輝子「………し、した……。キノコ牛のストラップ……」

P(さりげなく誕生日の話題を振ったが……気付いたか?)

P「そっかー。そろそろ誕生日の人誰かいたっけなー」

輝子「……二人とも…………」クスン

P(だめかー)

ちひろ(二人のこと言えないくらい演技下手ですね)

P「ひどい!」

輝子「えっ……」ビクゥ

P「すまん、なんでもないんだ」

P(ナチュラルに思考に入ってくるから口に出したか出してないか分からなくなるんだよなぁ)

輝子「………寂しい……」

P「おいおい、俺が隣にいるのに寂しいって……悲しくなっちゃうな」

輝子「そ、そういうことじゃ……ないけど……」

輝子「でも…………」クスン

P(かわいいなこれ)ゾクッ

ちひろ「あっ、早苗さんですか? 今どちらでしょうか?」

P「ちょま! ま、まってください!」ワタワタ

輝子(いいなぁ……)ハァ

〜某カフェ〜

幸子「ふぅ……。ここなら安心してお話できますね」カタン

小梅「……うん……。な、ナイスアイディア……」ストン

幸子「先ほどのデザインシートは……」

小梅「…これ……」スッ

幸子「急いでしまったせいで少し崩れちゃいましたね」

小梅「………うん……びっくりした……」

幸子「かなり書き込みも多くなりましたし、新しく作り直しましょうか」

小梅「……そ、それがいいかも……」

小梅「…………こ、これ……」スッ

幸子「ありがとうございます。じゃあとりあえず……」サラサラ

小梅「………う、うまい………!」

幸子「ふふん、こういうのは慣れているんです!」

幸子「清書は趣味ですからね!」サラサラッ

小梅「………どんどんできてく……」

幸子「完成です! どうでしょう?」

小梅「……いい……と、思う………」

小梅「………さ、さっき話してたのが……入ってて……いい……」

幸子「それと……こんな装飾はどうでしょうか?」スッ

小梅「…それを入れるならこっちに……」

幸子「なるほど、いいですね!」サラサラ

—6月4日—…

杏「うあー!! プロデューサーのバカー!」ガチャッ

P「はい、はーい。仕事しないアイドルはしまっちゃおうねぇ」

杏「しまうなー…」

杏「あー、杏てーこーするのつかれてきたー」

P「お? なすがままか?」

輝子「こ、こんにちは……」

P「よーっす、輝子」

杏「あーめー…。杏は飴が無いともうだめだー……」

P「仕事が終わったらなー。今日はもうすぐ始まる取材1本、その後に輝子とラジオ1本だ」ペラッ

杏「え゛ーっ!」

輝子「い、一緒……フフ」

P「えー、じゃない! 1に仕事2に仕事、3に仕事で4にご褒美だ!」

杏「その心は……」

P「杏お気に入りの飴、1袋だ……!」ゴゴゴゴゴ

杏「杏、がんばりまーす!」キラン

P「おう! その調子でなー!」ガチャッ

輝子「……あ……いっちゃった……」

杏「杏の印税生活も、もう目の前なのかな…?」ワクワク

輝子「し、CDとグッズがあるから……もう…すぐじゃない……かな…」

杏「まずは今日のラジオだよねー」グデン

輝子「……がんばる……」

小梅「………こ、こんにちは……」ガチャッ

輝子「こ、こんにちは…」

杏「あーい」

小梅「…あれ………っ……」キョロキョロ

輝子「………?」

輝子「き、昨日は……」

幸子「こっ……こんにちはー!」ゼェゼェ

小梅「…さ、幸子さん……?」

幸子「ぼ、ボクとしたことが遅刻ですか…」チラッ

小梅「だ、大丈夫……今来たところだから……」

輝子「ふ、二人とも……」

幸子「ご、ごめんなさい輝子さん! ボク達急ぎの用があるので!」ダッ

小梅「…ご、ごめんなさい……」タタッ

輝子「……あっ…………」シュン

杏「…………」

輝子「うぅ……」

杏「ねぇ」

輝子「……えっ…」

杏「杏さー、いっつもきらりみたいな明るい人と一緒にいるからかもしれないけど」

杏「たまには輝子みたいなぐてーって気の抜けた人とお仕事っていうのもいいかもしんないね」

輝子「………杏………さん……」

P「よーし、準備できたぞー杏!」ガチャッ

杏「はいはい…。ちゃんと飴ね?」

P「おっすおっすばっちし☆」

杏「きもーい」

P「うっ……」

輝子「………そっか……」

P「輝子悪いな、杏の取材終わったらまた戻るから!」ガチャッ

輝子「………………いって、らっしゃい……」

輝子「………また、ぼっち……フヒヒ……」

輝子「キノコーキノコーボッチノコーホシショウコー♪」

輝子「ボッチノー……コー……」

輝子「………うっ……」クスン

〜幸子邸〜

幸子「ついに……届いてしまいましたね……」ゴクリ

小梅「………う、うん……」ゴクリ

幸子「高級松茸セット!」ジャーン

小梅「……これで……! 作る……!!」

幸子「焦っちゃいけません、まだまだ私達は未熟者」

幸子「しかし本番は、必ずキメなければならないんですよ……!」

小梅「……れ、練習あるのみ……」フンス

幸子「その通りです! じゃあまずはこちらのレシピから…」

小梅「…………こ、これは……」

—6月5日—…

P「ええ、そうです……。明日はちょっと……」

P「はい、ではよろしくお願い致します。失礼します」ピッ

P「ふぅー……。オッケーだ!」グッ

幸子「ほんとですか!?」パァッ

小梅「…や、やった……!」パァア

P「突然明日仕事入れて欲しいって話が入ってきた時には本当に焦ったよ」

P「しかも幸子をご指名ときた」

幸子「どうやって回避したんですか?」

P「あー……あの………」

幸子「はい?」

P「いやー………えっとぉ………」

ちひろ「幸子ちゃんのスカイダイビングの練習が入ってるって」クスクス

P「あっ……ちひろさぁん…」

幸子「えぇー……それじゃあ本番上手く出来ないと疑われるじゃないですか…」

P「とりあえずなんとかしないとって思って……」

幸子「もう……ほんとダメなプロデューサーさんですね」クスッ

幸子「まぁ、ボクはカワイイので完璧にキメて見せますけどね!」ドヤッ

小梅「……す、すごい……」

P「そうだなー。しかもそれなら撮影日変えるからどうしても、とまで言わせるくらいだ」

P「いいアイドルだよ、幸子は」ナデナデ

幸子「も、もう……いきなりそんなことしてもダメダメです…!」ニマァ

P(すっごいほっぺたゆるんでる、かわいい)

ちひろ「あっ、警察ですか?」

P「直接攻撃はやめてええぇええええ!!」

小梅「………ふふっ……」

幸子「とにかく、これで何の問題もなく動けますね!」

小梅「………うん、後は今日のお仕事の後……」

輝子「…お、おはよう……ございます……」ガャッ

小梅「………お、おはよう………」

幸子「おはようございます!」

P「おはよう」

ちひろ「おはようございます、輝子ちゃん」

輝子(あ、あれ………っ? いつも通り…?)

輝子「……フ………フヒッ……」ニタァ

小梅「」ビクッ

幸子「ど、どうしたんですか、輝子さん……」

輝子「……な、なんでもない………フフ」

輝子「ふ、二人とも………今日お仕事終わったら……暇?」

幸子「し、仕事終わりですか……」タラリ

P「ど、どうなんだ準備の方は?」ヒソヒソ

小梅「……ま、まだもうちょっと自信を付けたい……」ヒソヒソ

P(それで言いよどんでるのか……)

幸子「ご、ごめんなさい。今日はちょっと用事が……」

輝子「………そっ………か……。うん……わかった……」

小梅「……」ズキン

幸子(今日まで、今日までですよ輝子さん…)

P「はいはい、おしゃべりはそこまでだー」パンパン

P「今日は午前中は全員レッスン、いいか?」

小梅「……はい…」

幸子「はい!」

輝子「………はい……」

P「よし、それじゃあ準備な」

P(こうでもしてリセットしなきゃ、やばかったな……)

ちひろ(汚い大人ですね!)

P(お黙りなさい)

輝子「…………」シュン

〜幸子邸〜

幸子「ふぅー……。お仕事疲れましたね」

小梅「……今日は、も、盛りだくさん……だった…」

幸子「さてどうしましょうか」

小梅「…最後の練習だから……どっちもやりたい!」グッ

幸子「言いますね! ボクもそのつもりでした!」バッ

幸子「それじゃあ、早速始めましょう」

小梅「……ざ、材料はとりあえず……」

幸子「あっ、それはそっちじゃなくて——……

—6月6日—…

輝子「ぼっち…………フフ」

P「なんかちょっとやばくないですかアレ」ヒソヒソ

ちひろ「色々とファンの方々には見せられない状態ですね」ヒソヒソ

P「あっ……今日は口に出すんですね?」ヒソヒソ

ちひろ「人を超能力者みたいに言わないでください」プクー

P(実際そうじゃん)

ちひろ(だからやめてくださいってば)

輝子「きのこっのっこーのこぼっちのこー……」

P「輝子……その何だ…。もうすぐ、すっごい良いことがあるかもしれないだろ?」

P「だからそういうラッキーが逃げちゃうような歌は、ダメだ!」

輝子「…………で、でも……」

P「もうすぐ……具体的には今日良いことがあるかもしれないぞ」ニカッ

輝子「……?」

P「それじゃあ今日の予定な」

P「午前はレッスン、午後はちょっと長くなるが夕方まで撮影だ」

輝子「わ、わかった……。頑張る……フフ」

P「そんな生気のない目でレッスンに臨むとトレーナーさんに絞られるぞ」

P「今日はベテトレさんだからな!」

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