三好紗南「たのしむ心」 (49)


※隠語・下ネタのかわりにゲームネタ多し
※やっぱりキャラ崩壊


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ある日の事務所


TV<「きゃぁぁぁぁ!」ドタドタ

TV<「ウガ―!」ヴォオオオォオン!



小梅「♪」


紗南(ちょっと―!この女の人二階に逃げてどうすんのー?)

紗南(逃げ場なくなるよー?)

紗南(武器アイテム探すならキッチンでしょー!?)


TV<「きゃぁぁぁぁ!」ガチャガチャ

TV<「ウガ―!」ヴォオオオォオン!



小梅「♪」


紗南(あ、あああ、あ、チェンソー相手にそんな…)

紗南(部屋の内カギかけるだけ…?)

紗南(隣にバリケードになりそうなクローゼットあるのに…)

紗南(あ、でも寝室になら護身用ショットガンとかあるかな?)


TV<「ひぃぃっ、ひぃぃっ」ゴソゴソ

TV<「ウガ―!」ヴォーーーーガリガリガリ


ドタドタ!



小梅「♪」


紗南(ないかー)

紗南(もうベッドの下に隠れるしかないよね)

紗南(…うー、ほら、もたもたしてないで隠れないと)

紗南(入ってるとこ見られてたら全然意味ないよー)



TV<ガシャーーーン!

TV<「フーッ、フーッ」ヴォンヴォン、ヴヴヴヴ

TV<「ウウウ…」キョロキョロ


小梅「…」

紗南「…」




TV<「ググググッ!」ヴォン!!ヴヴヴヴ…

TV<「…」ガタガタブルブル


小梅「♪」


紗南(…ほらほら、ベッド下にいるの相手にばれてんじゃん)

紗南(チェンソー男、ベッドに乗って上からもろとも突き刺すつもりだよ)

紗南(ほら、何ぼさっとしてるのこの人)

紗南(あたしならタイミングよくベッドから出るコマンド入れて)

紗南(一階まで一気に走ってワンチャンス作るのに)



TV<「ウガ―!」ヴィーーーーガリガリガリ

TV<「ぎゃあああぁぁぁ…」ブシャーーーッ


小梅「わぁー♪」


紗南「あーあ…ゲームオーバーじゃん…」がっくり

紗南「しっかりしなよ…もー」



紗南「…あれ?そういえば周りのみんなは…?」


小梅「み、みんな…途中で…」

小梅「帰っちゃっ…た…」

小梅「ま、まゆさんだけ…まだ隣」

小梅「寝ちゃって、る…」


まゆ「」


紗南(DIEING状態…)



小梅「お、面白かった…ね…」


紗南「…」

紗南「…んー、まぁ、ねー」

紗南「ホラー映画ってこんなもんなのかなぁ…」



小梅「ね、ねぇ…」

小梅「もっと…もっと観よ?…観よ…?」

小梅「も、もっと…怖いのい、いっぱいあるよ…?」


紗南「えっ…?あー、その」


小梅「こ、こんな、に…」

小梅「一緒に…何作品も…見ていられ…るの…」

小梅「は、はじめて…だから…」



紗南「あー、えと、えーっと…」

紗南「ま、またこんどね!ちょっと今日は…その…」

紗南「ウチ帰って積んでるゲームとかやらなきゃいけないから!」



小梅「…え、で、でも…昨日終わっ、た…って」


紗南「ちょ、ちょーっとやり残したコト思い出しちゃって!」

紗南「ごめんね、小梅ちゃん、また今度!」

紗南「続きは、まゆさんにネクロマでもかけて、観てもらいなよ」


ガチャ バタン


小梅「あ…」



ドンッ


紗南「わっと」


モバP「うおっ、あ、危ないぞ紗南」


紗南「ご、ごめん」

紗南「Pさん、今日の営業おわったんだ?」


モバP「ああ…」

モバP「…お前こそずっと事務所でゲームか?もう時間遅いぞ」


紗南「ううん、小梅ちゃんがホラー映画いっぱい流しててさ」

紗南「それにつきあってたんだ」


モバP「え、お前そういうの大丈夫だったの?」


紗南「…へいき。結構やってるもん、ホラーゲームとか」

紗南「それで覆面とかチェンソーとか、今やってるゲームに出てたから」

紗南「元ネタの映画かなって、興味わいて…」

紗南「…でも」

紗南「…」


モバP「…紗南?」

モバP「おい、紗南?大丈夫か?やっぱ怖かったか?」


紗南「ち、違う違う、大丈夫だから」

紗南「もう帰るね、あたし」


タッタッタッ


モバP「…?」



ガチャ


小梅「…」しゅん…


モバP「小梅?どうした?」


小梅「…あ、Pさん、お、おかえりなさい…」

小梅「あ、あのね…さ、紗南ちゃん…すごかったの…」

小梅「一緒に、な、何本も…みれた…」

小梅「涼さんで…でも、無理だった…ものも」

小梅「紗南ちゃんと、たの、楽しく、観れた…」キラキラ



モバP「さっき通りかかった時に聞いたよ。すごいな」

モバP「確かにホラー平気でも不思議じゃないけど」

モバP「ゴア表現も平気だったとは、正直意外だ」

モバP「でもああいうのって対象年齢なかったっけ…?」


モバP「さて、小梅、もう遅い時間だ」

モバP「もうカーテンなんか閉めなくてももう真っ暗だぞ」


ぽすっ


小梅「…」

モバP「…」

モバP「俺の膝に乗ったってことは?」


小梅「…も、もう一本…だけ…」



モバP「…さっきの話聞いてたか?」


小梅「お、おねがい…」


モバP「だーめだ」

モバP「隣で気絶してるまゆが今の俺たちを見て」


―まゆ『絶対入ってますよねぇ?』ゴゴゴゴ…


モバP「なんて言われたらどうすんだ?」


小梅「え…ど、どういう、い、意味…?」


モバP「…」

モバP「…とにかくもう帰る時間なんだよ」


小梅「で、でも…でも…」


モバP「こーうーめー」



ガチャ

そろーり…

みく「も、も、も、もう終わったかにゃ…?」ビクビク

みく「こわ、こわいの見てないかにゃ…?」ガクガク

みく「は、入っても大丈夫かにゃ…?」ブルブル



モバP「…」


小梅「…」



モバP「やっぱり最後に一本だけ見よっか」

モバP「ほらみく来い。」グイ―


みく「いーやぁーにゃぁぁぁぁぁ…」ズルズル





紗南「…」ごそごそ

紗南(RSIシステム搭載の…あれっ?ない?)

紗南(…移植版でいっか)

紗南(…)



TV<タッタッタッ

TV<「…」シャキンシャキンシャキン



紗南(ほらね)

紗南(あたしと同い年の女の子だって)

紗南(ハサミ男を簡単にやり過ごしてるんだ)

紗南(あの女の人だって、もっとがんばれば)

紗南(絶対クッドエンディングになれたはずなのに)



TV<ゴーン、ゴーン

TV<「グオォオ…」



紗南(…画面の中の主人公が)

紗南(思うように動いてくれないで死んじゃうホラー映画って)

紗南(なんかつまんない…)

紗南(こう思うのって変なのかなぁ…あたし…)

dying


明くる日の事務所



小梅「!さ、紗南ちゃん!お、おはよう…」


紗南「…小梅ちゃん、おはよー」


小梅「ね、ね、今日も…い、いっしょに…」

小梅「すごいの…も、もって、きた…の」



紗南「…あー、ごめん」

紗南「ちょっと今日は、パス」


小梅「あ…」

小梅「…そう…」しゅん…


紗南「つ、次の日は沢山観てあげるからさ!」

紗南「今日だけはごめんね?お仕事行ってくるっ」


タタタタッ


小梅「…」


ちひろ「小梅ちゃん?どうしたの?」


小梅「…ううん…な、なんでも、ない」


ちひろ「…また今度誘ってみましょう?」


小梅「うん…」

>>9
アッー!



>>3

×DIEING

○DYING

しょうもない間違いでした…OTL



小梅「…どうしたら、いいのかな…」

小梅「ど、どうおもう…?」



小梅「い、嫌がられては、ないの…?」

小梅「そうかな…でも」

小梅「こ、困らせちゃった…と…思うの…」



小梅「どうしよう…かな…」



小梅「…えっ?」



小梅「…紗南ちゃんは…わたしの趣味に」

小梅「き、興味を…持ってくれ…た…から」

小梅「わた、しも…ゲームに、興味を…持つ、べ…き…?」



小梅「…うん…ありがとう」





紗南「ゲームをやりたい!?」


小梅「う、うん」


紗南(あ、あの小梅ちゃんがそんなことを言うなんて…!?)


小梅「…ダメ…かな…?」


紗南「そんなことない!」ブンブン

紗南「全然ダメじゃないよ!すごく嬉しい!!」


小梅「え、えへへ…」


紗南「ゲーム人口が増えることは、とってもいいことだよっ」

紗南「初心者には何がいいかな…やっぱマリオ?ドラクエ?」ワクワク




小梅「あ、あの…」


紗南「ん?」


小梅「紗南ちゃんが…前いって…た…覆面と」

小梅「チェーンソー…の…でてくる…やつ…」



紗南「…」

紗南「小梅ちゃん…らしい選択だけど…」

紗南「あれ難易度高いよ?」


小梅「で…でも…」

小梅「た、楽しい…ん、だ、だよね?」



紗南「…うーん、まぁ神ゲ―ではあるけど…」

紗南「そこまで言うなら…うん」

紗南「仕事終わったらゲーム機持ってくるよ。女子寮でいい?」




小梅「…」


カチャカチャ


紗南「えーっと、コンセントは…」


杏「何してんの?」

杏「あ、ゲームキューブじゃん、なつかしー」


小梅「い、いまから…ゲーム…するの」


杏「わざわざ寮のラウンジでやらなくても…」


紗南「小梅ちゃんたっての希望でね」

紗南「やっぱり皆集めてわいわいやりたいんだって」



杏「…わいわい?」

杏「わいわいやりたいにしては」

杏「このソフトのチョイスはどうなの…」

杏「ゲーム画面だと油断させておいて」

杏「見に来た人たちを残らず仕留める作戦にしかみえないな」



紗南「…まぁ、小梅ちゃんだし」



杏「…ほどほどにね」

杏「小学生組が寝静まった時間を選んでるところに」

杏「今にも死滅しそうだけど最低限のやさしさは感じられるから」

杏「私からはもう何も言わないよ」

杏「そうだなぁ、私も…久しぶりに部屋でなんかやろっかな」



紗南「難易度はイージーで」


小梅「…うん」





紗南「もう動けるよ?」


小梅「…」カチャカチャ


紗南「肩越し視点だから酔うかもだけど」

紗南「初めの方から操作に慣れた方が…」

紗南「狙いをつけるときは…こう…」


みく「なにしてるにゃ?」


蘭子「定められし死霊の宴とは趣の異なる様相だな(いつもの映画鑑賞じゃないみたいですね?)」


小梅「ゲーム…してるの…」


みく「小梅チャンがそういうことしてるの新鮮だにゃあ」


蘭子「電子時空に身を任せる事もまた一興か(何事もチャレンジだと思います!)」



TV<「Freeze!…I said freeze!」

TV<「…」ザッザッ




みく「!?」

みく「…あ、あれ?これ、ゲーム、だよね?ヨッシー…とかの…!?」

みく「なんだか絵的な雰囲気が、小梅チャンの見てる映画と同じような…」


蘭子「き、既視感を誘発する幻術であろう(き、きっと気のせいですよ)」



TV<ドンッ!ドンッ!ズシャッ!!

TV<パリーン!





みく「…む、村人が襲ってきてるにゃあ…!」アワワ…

蘭子「…傀儡の糸が視える…?(なんだか操られてるみたいですね…?)」アワワ…


紗南「おーうまいうまい!その調子だよっ!」

紗南「難しいけど、頭を狙ってみて?」

紗南「ひるんだら近づいて蹴れるし、うまくクリティカルが出たら…」


TV<バシュウッ!(首欠損)


みく「」

蘭子「」


小梅「わぁ♪」



TV<ドン!ドンドン!

TV<ヴオォォォオン!



小梅「あわわ…う、撃っても…ひるんでくれない…」


紗南「チェンソー強いからねー」

紗南「こいつ正確に頭撃たないと止まってくれないもん」

紗南(あたしなら空振らせてからナイフで…)



TV<「ヴォ―!」ギュイーーーーン!

TV<「ぐわー!」首ポーン



紗南「ヤラレチャッタ」


小梅「で、でも…楽しい…」キラキラ


紗南「…そう?さっきから何回もここで死んでるけど」

紗南「しかも…」チラッ


みく「」

まゆ「」

蘭子「」

きらり「」

李衣菜「」


紗南「さっきから短いスパンであのショッキングシーンばっかりだから」

紗南「近づいたそばから皆気絶しちゃってるし」


小梅「…うー…ん…」


紗南「…ね、ちょっと別のゲームもやってみない?」


小梅「…うん」コクン


明くる日の事務所




ちひろ「プロデューサーさん」


モバP「はい、どうしました?」


ちひろ「最近事務所のなかでも小梅ちゃんがゲームをするようになりましたね」


モバP「仲いい紗南の影響ですかね?」


ちひろ「…それで、ちょっと抑えてもらえるように」

ちひろ「プロデューサーさんの方から言ってもらえないですか…?」


モバP「?別に紗南や杏みたいに」

モバP「仕事に支障きたすほど没頭してるわけではなさそうですし」

モバP「…視野を広げることはいいことだと思いますけど?」


ちひろ「あの、支障があるのは小梅ちゃんじゃなく」

ちひろ「他のアイドルの方でして…」


モバP「え?」


ちひろ「…偶然画面を見たアイドルたちが」

ちひろ「片っ端から気絶しちゃうような代物をやってるみたいです…」


モバP「…」チラッ




紗南「昨日持ってきたやつ、どうだった?」

紗南「紅い蝶はシリーズの中では難易度抑え目だから」

紗南「小梅ちゃんでもクリアできると思うけど」


小梅「う、うん…面白い…で、でも」

小梅「幽霊が…か、かわいそう…と、というか」

小梅「あ、あの子が…カメラ、を、こ、怖がっちゃって」


紗南「…あー、なるほどね」

紗南「じゃあさ、こっちの方は、どう?」


小梅「…」



モバP「…大丈夫だと思いますけどね?」


ちひろ「そうですかー…?」

ちひろ「まゆちゃんなんてもう何も映ってないモニターまで」

ちひろ「怖がるようになっちゃったんですよ?」


モバP「違う趣味同士がぶつかると大概反発するもんですが」

モバP「あの二人はそんなこともなさそうですし」

モバP「何かあったら俺がフォロー入れるので」

モバP「しばらく様子を見てみますよ」


ちひろ「うーん…」


モバP「そういえば、ちひろさんって」

モバP「ゲームとかしたことは?」


ちひろ「私ですか?昔友達に進められて一回だけ」

ちひろ「でも、すぐやめちゃいました」

ちひろ「ゲームのなにが楽しいのか、さっぱりわからなかったんです」


モバP「誰かに勧めたところで、普通はそんなもんですからね」

モバP「そういう意味では二人は波長が合ったんでしょう」

モバP(…)




モバP(なにが楽しいのか、か…)





ガチャ


紗南「あれ?杏さん…あたしの部屋で何してんの?」


杏「あ、ごめん。勝手にお邪魔してる」ゴソゴソ

杏「PS2用のメモリーカードって持ってなかった?」


紗南「それなら、あそこに…」

紗南「杏さんも何か始めてるんだ?」


杏「懐かしのマニクロをね」

杏「ハードでやってたらパトるパトる」

杏「んで、紗南が無印で氷結反射持ちのカハク使ってたの思い出したから」

杏「全書引き継がせてもらおうかな、と」


紗南「…そういえば、あたし、最近RPGとか、長いゲームやってないな…」


杏「忙しそうだもんね」


紗南「どうしても時間が気になっちゃって…」

紗南「据え置きだと十時間くらいでクリアできるアクションゲームとか」

紗南「合間に格ゲーとかをプレイするので精いっぱい…」


杏「ニートお勧めだよ。徹夜余裕」


紗南「…言うと思った」



杏「私は忙しくゲームするのって、好きじゃないんだもん」

杏「ゲームってさ、のんびりやって、なんぼでしょ」



紗南「…」




TV<ウロウロ

TV<…ウロウロ

TV<ポーン、ポローン、カチッカチッ


小梅「…?」

小梅「ここ…ど、どうすれば…いいのか、な…」カチャカチャ


紗南「…」

紗南(ピアノの鍵盤を叩く順番が違う)

紗南(部屋の血文字の暗号を解くと正しい順番がわかるけど)

紗南(小梅ちゃんはあれをただの恐怖演出だと思ってしまってるみたい)



TV<カチッカチッ


小梅「…鳴らない、け、鍵盤が、五つ…」

小梅「…??」


紗南「…」

紗南(ほら、気付いて)


TV<ウロウロ

TV<…ウロウロ


紗南「…」


TV<ウロウロ

TV<…ウロウロ


紗南「…それ」

紗南「壁の、血文字の文章、もっかい読んでみて」


小梅「う、うん…」



紗南「鳴けない鳥たちが飛び比べをする文章だけど」

紗南「鳴けない鳥は鳴らない鍵盤を、飛ぶ順番は弾く順番」

紗南「白鳥とカラスは白鍵盤と黒鍵盤を表してて」

紗南「飛んだ距離が…」


小梅「…そ、そうだった…んだ…」ピコーン

小梅「え、えっと…」カチャカチャ


紗南「…しっかりしなよ」ボソッ

紗南「…っ!」ハッ




小梅「…」

小梅「…ご、ごめん…な、さ」


紗南「あ、ち、違うの!こっちこそごめん!」

紗南「何言ってんだろ、あたし!ほ、ホントにごめんね!」

紗南「…頭、冷やしてくる…っ」ダッ


ガチャ バタン



小梅「あ…」


小梅「…ど、どうしちゃっ…た、んだ、ろう…ね?」

小梅「わ、わかる…?」



小梅「え?…それより、これ、や、やってる、所、観たいの?」

小梅「でも…」



小梅「…うん、わかった」



ジャーッ

パシャッ、ピチャピチャ…

紗南「…」

紗南(顔洗っても、まだ頭ぐちゃぐちゃ…)

紗南「…らしくないぞ、あたし」





―紗南『ヤラレチャッタ』


―小梅『で、でも…楽しい…』





紗南「…」






―杏『ゲームってさ、のんびりやって、なんぼでしょ』






紗南「…」






TV<コツコツ

TV<ヴォ―、ドンッドンッ



ガチャ

モバP「あれ?小梅一人だけか?」


小梅「あ、うん…お、おかえり、なさい」


モバP「…すっかりハマってるみたいだなぁ」


小梅「うん、た、たのしい…」


TV<ギャー!、グチャア!

TV<GAME OVER


小梅「あ、や、やられ…ちゃった♪」


モバP「…画面のなかの惨状はお世辞にも楽しいとは言えないけどな」

モバP(てか、確かに壮絶な死にざまにしようと誘導している節が…)

モバP(気のせいか?)



キィ…

こそこそ…


紗南「うー…」

紗南「どうしよう…気まずくて入り辛い…」

紗南「…?」

紗南(小梅ちゃんと…Pさん?)








小梅「そ、それでも…た、楽しい、の」

小梅「い、いっぱい、やら、れ、ちゃうけど、楽しい…」


モバP「…」


小梅「油断して、や、やられちゃって、も」

小梅「う、うっかりして、死んじゃう、のも…」

小梅「ゲームの、せ、世界で、生きてる、実感がする…」


モバP「…」



小梅「え、映画と、舞台、は、お、おんなじでも」

小梅「違う、楽しさが、あ、あるの」

小梅「動かす、こ、ことだけ、でも、楽しい…」




モバP「…そういや俺もそんな時代があったな」

モバP「やり始めたころは、ただ平原を走り回るだけで楽しかった」

モバP「女の子キャラのスカートをのぞこうと必死になって」

モバP「一時間くらい時間潰したなこともあったぁ…」


小梅「え、えっち…」


モバP「お、男だから、仕方ないんだよ」

モバP「…でもそういうの、いつの間にかやらなくなったなぁ」

モバP「社会に出はじめてから、『効率』って言葉が目について」

モバP「無駄な時間を楽しめなくなったんだ」

モバP「だから羨ましいぞー、小梅ーっ」なでなで



紗南「…」




紗南(小梅ちゃんは、まだあまりゲームがうまくない)

紗南(最初の怪物にかじられて死んで)

紗南(要所要所でまたやられて)

紗南(同じ場所を何往復もして)

紗南(でも、それでも、あたしが横から見る小梅ちゃんの顔は)

紗南(いつも、きらきらと輝いていた)



紗南「しっかりしなきゃいけないのは」

紗南「あたしの方だ…」

紗南「ゲーマーアイドルなのに、肝心なコト忘れてた」

紗南「ゲームって、そういうもんじゃん…」



紗南「…ゲームだけじゃない」

紗南「アイドル活動だって、映画だって」




紗南「楽しみかたなんて、誰にも決められないものじゃんか…」


明くる日の事務所


紗南「小梅ちゃん、おはよっ」


小梅「紗南ちゃん、お、おはよ、う」

小梅「あの、あの、き…今日は…」


紗南「ち、ちょっとまって、あのね」


小梅「?」


紗南「その、さ」

紗南「ちょっと前に小梅ちゃんが見せたがってたホラー映画あったじゃん?」

紗南「あれ、今更だけどすっごく観たくなっちゃったんだ」


小梅「!」


紗南「ゲームする前に、映画、観てもいい…かな?」



小梅「うん…!うん!わ、わかった!」パァッ

小梅「す、すぐに、持って、くる!」トタタタッ




モバP「何ィ!?こ…小梅のコレクションを観たいと」

モバP「自ら名乗り出るアイドルが誕生するだと…!?」




紗南「あはは…いやぁ~、やっぱりさ、こういうのって」

紗南「ギブアンドテイクじゃん?」

紗南「あたしのゲームを楽しんでくれた小梅ちゃんのために」

紗南「小梅ちゃんの映画の中から神ゲーを発掘しなきゃいけない使命感に」

紗南「駆られてしまったわけなんだー」



小梅「も、も、持って、きた!」


紗南「おー、待ってました!」


小梅「こ、これ、この映画の、ひ、ひとたち」

小梅「ゲームの、わ、私より、生き残りかた、が、上手で…」


紗南「…へーえ?それはそれは」






モバP(あのパッケージはバイオハザードか…こりゃ今日の事務所、荒れるぞ)


ちひろ(そんなこと言ってないで阻止してくださいよ!!)

ちひろ(また何人倒れることやら!!)



その後の話



紗南「…」ピッピッ



TV<ポォーゥ、キョウテキトウジョウダナ?

TV<バシッ、ズバッ、ピコーン!

TV<ズババババッ





ガチャ


モバP「…今日は紗南だけか」


紗南「おかえり、Pさん」

紗南「小梅ちゃんならさっき涼さんと一緒に出て行ったよ」

紗南「自分の部屋で一緒にゲームの続きするんだって」


モバP「映画、どうだった?」


紗南「一個だけ微妙だったけど、ほかは全部すっごい楽しかったよ」

紗南「ハラハラドキドキ、あまりゲームじゃ味わえない感覚だった」

紗南「他人のプレイを応援するだけってのも、乙なもんだね」

紗南「もう一回、観てみたいなぁ…」


モバP「そりゃよかった」

モバP「人生何事も楽しんだ者勝ちだからな」


紗南「…全くだね」

紗南「近頃のあたし、稼ぎプレイをやりすぎてたみたいでさ」

紗南「頭カッチカチで、余裕なかったんだ」


モバP「じゃあ、もう大丈夫なんだな?」


紗南「ふふん♪今なら一人連携だってできるよっ♪」




紗南「よっ…と」


ぽすっ


モバP「…紗南?」


紗南「小梅ちゃんが、Pさんと映画見るとき」

紗南「よく、こうして、Pさんの膝に座ってたでしょ?」

紗南「だから、あたしも挑戦」


モバP「…ははっ」







モバP「で、俺の膝に座りながらゲームしてる感想は?」



紗南「すっごく楽しい♪」






おわり




こんな変なSSを読んでくれてありがとう

HTML依頼出した後は

もっともっと面白い話が作れるように修行してきます


どうでもいい余談


自分の好きなゲームネタを書くのが楽しすぎて

こうめーのアナとか、鵯ごうめえの逆落としとか

セーブ中の紗南ちゃんにメモリーカードを抜き差しするとか

そういった下ネタの許されない雰囲気になってしまいました…


たまにはこういうのも、ということで…


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira091467.jpg
(うpれてるかな…?)

(でっか!!!)

(スレ一覧が見づらいっぽいので二レス分埋めます)

慣れないことはするもんじゃないわ

首つりながら修行します

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