少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」 (1000)



-主な登場人物
※現行未読の方にはネタバレ含
※本編終了後の説明文です。


 勇者<ユッカ>
15歳。天真爛漫で正義感溢れる少女。
栗色の髪に元気な跳ねっ毛と明るい笑顔が特徴。
魔王の復活を阻止すべく仲間と共に旅に出る。
淫魔の呪いを受け、性的行為をしなければ経験値があがらない体質。
また朔の夜には淫魔の力が強まり、理性が崩壊し発情してしまう。
主な装備:【太陽の兜】【聖剣】

 僧侶<ヒーラ>
16歳。大聖堂に務める大神官の一人娘。
輝くような金髪と豊満な身体をもつ、育ちのよい少女。
ユッカの幼馴染で彼女のことを心から愛している。
高貴な身分でありながらも親しみやすい性格。
聖魔法、防御魔法が得意。パーティの家事担当。
主な装備:【蒼珠の腕輪】【海鳴りの杖】

 魔女<マナ>
15歳。ユッカの昔馴染み。魔族。
透き通るような銀髪と色白の肌をした美しい少女。喜怒哀楽がやや希薄。
黒魔術と薬術が得意。
災厄と呼ばれる制御不可能な古の魔術を生まれながら身に宿し、近くにいる相手の魔力を吸い取ってしまう。
そのため周りの人間に忌避された過去があり人付き合いが苦手であるが、ユッカたちには心をひらいている。
魔力を持たないソルとの出会いに運命を感じ、仲を深めようと熱を上げる毎日。
闇の石によって魔王の魂を憑依させられ、破滅の王へと変貌してしまう。
魔王の魂の消滅により、呪われた力は失われ、完全な自由と平穏を手に入れた。
主な装備:【魔導の杖】


 傭兵<ソル>
25歳。勇者のガードを務める青年。元・王国騎士。
体には歴戦の勲章が多く残っている。
剣術体術といった武芸に秀でているが、ある事件をきっかけにユッカに全ての魔力を譲り、今は自身で魔力を一切操る事ができない。
想い人の忘れ形見であるユッカの事を人一倍気にかけている。
長く戦いに身をおいてきたため、女性の扱いを心得ておらず、デリカシーを欠く事が多い。
時には少女たちに翻弄されながらも、今の暮らしを気に入っている。
太陽の国の王族グレンと不死鳥ニクスとの間に生まれた子供であり、両親の力を受け継いでいる。
主な装備:なし
 
 馬<スレイプニル>
勇者一行の車を引く大柄な馬。
大仰な名前を与えられているが普通の馬。



-敵①


 淫魔<サキュバス>
ユッカに呪いを与えた張本人。呪いを通して心を交信させることが出来る。
呪術・占星術・黒魔術の扱いに長けている。
子を宿しづらい自らの肉体を憂い、一族の再興のために勇者の体を手に入れた。
朔の夜に淫魔としての力を増す。

 闇の魔剣士<レヴァン>
三魔人の1人として魔王復活の野望を果たすべく暗躍する魔剣士。ソルの好敵手。
仮面には大きな十字傷が刻まれており、普段外すことはない。
銀色の長髪に整った顔つきの色男。しかし本人の女の趣味は悪い。
魔女マナの腹違いの兄であり、魔族と人間の混血。
現在は魔族と人間の世界を隔てていた地に新たな国を興すため、淫魔サキュと共に活動している。

 闇の呪術師<クロノ(弟)>
三魔人の1人として魔王復活の野望を果たすべく暗躍する魔法使い。
古の賢者の一族クロノ家の血を引く人間であったが、闇魔術にのめり込み邪道に堕ち人間を憎む。
現代では禁忌とされる時魔術を扱う。
戦いの中でユッカの炎に魂を浄化され、最期は姉に見送られて静かに天へと昇っていった。

 闇武将<オーグ>
三魔人の1人。
表向きは魔王復活に協力しているが、裏では自身が魔界の頂点に立つために暗躍している。
現在の実質的な魔界の支配者。
レヴァンの実力を認めているがゆえに邪魔な存在だと忌み嫌っている。
復活した魔王の思わぬ行動に逆上し挑みかかったが返り討ちにされ、全てを奪われた。
 
 幼竜<マントルドラゴン>
本来は火山帯に生息し灼熱を操る翼竜種。
街の中で孵化し人々を恐怖に陥れるも、ユッカたちの手によって撃退された。
その際にユッカから分け与えられた魔力の味をいまでもはっきりと覚えている。

 核竜<コアドラゴン>
マントルドラゴンが大人になった姿。
分厚い鋼殻を持ち、灼熱を操る巨大な翼竜種。
本来は人の手に負えない程気性の荒い破壊の徒。
ユッカによく懐き"ぎゅるちゃん"と勝手に名付けられている。

 
-敵②


 狼魔人
ソルの因縁の相手である魔獣。
7年前に起きた聖地侵攻事件の際、太陽の村に現れてユッカの母親の命を奪った。
戦闘で右腕を失ってからは呪術師により竜の腕を移植されている。
時が経ち力を手に入れたソルと再戦し敗れ去った。

 館の少女<アリス>
薄暗い森で古びた宿屋を営むブロンドヘアーの美しい少女。
その正体は100年以上生きる魔法使いの老婆で、訪れた旅人の魔力を吸い殺し、魂を人形へと閉じ込めていた。
ユッカ達一行を襲撃するも、マナ1人に返り討ちにあい全ての力を奪われた。

 大蛸<クラーケン>
オクトピア近海に現れた大蛸の魔物。
闇の呪術師の邪悪な魔力を受けて、心を闇に染めて暴走してしまう。
超大な体躯で船を襲い、人々に甚大な被害を与えていた。
最後はヒーラの聖なる魔法陣で浄化され、心おだやかに棲家へと戻っていった。

 蟲魔人
オーグの忠実な部下の魔物。単独での飛行能力、転移術を有しているエリート。
魔界蟲を召喚し相手を攻撃する。
麻痺効果のある毒粉でヒーラを苦しめた。
勇者達の魔族領侵入を阻止するため迎撃に出たが、覚醒したユッカによってあっけなく撃墜された。

 魔王
魔族領を統べる王。
古の戦いで当時の勇者に敗れ去り、長年闇の石に魂を封じられていたが、新たな器であるマナに乗り移ることでこの世に再臨した。
数多の魔術と災厄を操り、世界の破壊を目論む。
神獣変化の術によって街1つを飲み込むほどの巨大な邪龍へと姿を変えた。
ユッカ達が囚われのマナを奪い返したことによって邪龍は崩壊し、魔王の魂は雲散霧消した。

 



-その他の人物①


 獣の商人<マオ>
商業の街バザで薬店を営む獣人の少女(猫)
業突く張りであるが、ゆえにいつも明るく楽しく生きている。
馬車の故障で立ち往生しているところをユッカたちに助けられる。
一行に宿泊する部屋を貸し与え、マナに薬術を伝授し笑顔で新しい旅立ちを見送った。

 妖狐<キュウ>
遥か遠い島国より湯治の旅に出た獣人の少女(狐)
子供のような容姿でありながらも、老獪で古めかしい喋り方。
その正体は魔力を得た狐であり、古の災厄の一つを身に宿すと自称する。
秘術の暴走により巨大な神獣へと変化したが、マナのドレイン能力によりその力を失った。
別れ際にユッカたち一人ひとりに虹の珠と呼ばれる希少な魔宝石を与え、旅の無事を祈った。
 
 宿屋の少女<ローレ>
港町オクトピアにて潰れかけの宿屋『ローレライ』を営む少女。
おっちょこちょいではあるが何事も一生懸命。
その正体は邪気の蔓延る魔物の世界から逃げ延びてきた美しい人魚。
魔物仲間のサキュバスとは古くからの知り合いで、一方的に友達だと思っている。
ユッカたちに宿を貸し与え、ヒーラのクラーケン対峙の際にも尽力した。

 蛸娘<スキュラ>
オクトピアで語り草となっていた下半身が蛸足の女型の魔物。
知能が低くあまり人間の言うことを理解していない様子。
繁殖相手にヒーラを選び、巣である入江の洞窟へとさらっていった。
ヒーラの活躍により、暴れていた友達の大蛸クラーケンが正気にもどり、
最後はヒーラとの友情を確かめ海のなかに姿を消した。

 時の魔術師<クロノ(姉)>
歯車の街ピニオンの大時計台の管理人を務める女性。
古の賢者の一族クロノ家の血を引く。闇の呪術師の姉。
瞑想によって高めた膨大な魔力を用いて、毎年行われる魂流しの儀式において天への道を架ける役目を果たしている。
ユッカの手によって、邪道に堕ちた弟の魂が浄化されたことを深く感謝した。

 女剣士<サマンサ>
魔法大国グリモワで剣士として賞金を稼いで暮らしている女性。
祖父が太陽の国出身の人物と接点があり、協力者としてユッカたちを匿う。
長年伴侶に恵まれず、異性にモテないのは鍛え上げた筋肉のせいだと思って悩んでいる。
武闘大会でベスト16に入る程の実力者。

 魔法国王
魔法大国グリモワを統める若き王。
古の大魔導師の血を引き、秘術である魔法障壁を用いて国を護っている。
魔術に関して天才的な才能をもち、鋭い魔覚で瞬時にマナの本性を見抜き拘束した。
普段は底意地が悪く昼行灯であるが、その圧倒的な能力ゆえ有事の際に国民は王のことを信用している。
古より続く知の継承者であり、魔術の管理者を自称し、この世の秘術を収集するのが趣味。



-その他の人物②


 母親<ユイ>
勇者ユッカの母親。故人。
優しくも気丈で芯の通った性格。
体格にはあまり恵まれていない上に幼い顔つきで、年齢より若くみられる。
太陽の村で普通の女としてうまれ育ち、成人してから王宮でメイドとして働いているところを第一王子と出会い、のちにユッカを授かる。
王子とは身分不相応ゆえ王宮を追放されたが、その後も女手ひとつで娘を育ててきた。
ある雪の日、森のなかで倒れている傭兵ソルを見つけ家に連れ帰り、幼いユッカのガードとして働くよう新しい人生を与えた。
その翌年起きた聖地侵攻事件で魔物の手にかかり死亡。
最期は恋仲であったソルにユッカの未来を託した。
魂だけの状態でマナに拾われ、以来ずっとマナの中に宿っていたが、
魔王にとりこまれつつあるマナを救うべく最後の輝きを放って魔王を食い止め、共に天に消えた。

 司祭
勇者ユッカの祖父。
太陽の村で司祭兼村長を務めている。
聖地侵攻事件で最愛の娘を失い深く悲しんだが、その後はユッカの親代わりとなり旅立ちを見届けている。

 魔導師
魔女マナの後見人で元・王宮付きの大魔導師。
マナの呪われた体質を不憫に思い、王宮を離れ人里離れた深い森へと共に身を隠した。
幼少期のユッカの魔法の師であり、忌まわしい過去の記憶を封印した張本人。

 大神官<ホーリィ>
僧侶ヒーラの父親。
誰にでも心優しく、聖職者の規範となる良き神官。
娘のこととなると立場を忘れて取り乱すことがある。
聖地侵攻事件の際、重症を負ったソルを手厚く看護した。

 王子<グレイス>
太陽の国の王子。
古の勇者の直系であるが、次代の勇者としての資質である魔覚には恵まれず、幼い頃より兄に対して劣等感を抱いていた。
スマートな痩身から繰り出される剣撃はすさまじく、武芸者として国内でも突出した力を持っている。
嫌味な性格からソルと激突するが引き分けに終わり、以降は彼の実力を認めている。
後に王位を継承し、ソルを直属の騎士として王宮に迎え入れている。

 炎鳥<ニクス>
傭兵ソルの産みの親。
火山の中で破滅と再生を繰り返し長い時を生き続ける不死鳥。
邪悪のみを焼く尽くす浄化の炎に全身を覆われている。
旦那であるグレンの魔術により人型に変化することが可能となった。
 
 男<グレン>
傭兵ソルの父親。
太陽の国の王族であったが、王位継承権をめぐる争いに敗れ、国宝を手に単身飛び出した。
以来旅を続けているらしい。
女好きでだらしのない性格。

 傭兵<ソラ>
ソルが素性を隠すために女装した姿。
ピチピチの服と露出した筋肉が街行く人々に気味悪がられているが、本人は様になっていると自画自賛気味。
そのたくましさから魔剣士レヴァンに見初められた。

 

-前回のあらすじ
歯車の街ピニオンへと帰り着いた勇者一行は恩人であるクロノと再会を果たす。
疲れきった体を癒やし、翌朝ソルはマナとふたりきりでデートに出かけた。


後日譚第2話<陽気>つづき



【街中】


傭兵「さぁて、この後はどこいくかな」

傭兵(懐が寂しい…この手持ちでまともなデートをしようって考えが甘かったな)

魔女「…帰る?」

傭兵「連れだしておいて昼たべて帰るだけはないだろ」

魔女「やっぱり私がお金だす」

傭兵「…悪い」

魔女「…心配しないで。私が将来あなたの財布を握るようになったら、たっぷりお小遣いあげる」

傭兵「そ、そりゃどうも…」

魔女「ヒーラは絶対に圧政を敷く! 私は断固立ち向かう!」

傭兵「…ってお前が結局金の管理するのか!」

傭兵「そもそもその時の俺たちの収入は何だ…?」

魔女「……。帰ったら探して」

傭兵「…グレイスに何か仕事まわしてもらえるといいがな」



時の魔術師「あら、ソルさん。奇遇ですね」

傭兵「あぁクロノさん。買い物?」

時の魔術師「いいえ。診療の帰りです」

傭兵「医者もやってるのかすごいな」

時の魔術師「ヒーラさんほどではないですけど、これでも街を任された魔術師ですからね」

時の魔術師「おふたりはお手手なんて繋いで、デートですか?」

傭兵「ま、まぁな…やっぱそう見える?」

魔女「デート中」

時の魔術師「はい。とても仲睦まじく見えますよ」

魔女「暇してる。この辺りでどこか遊べる場所教えてほしい」

時の魔術師「遊べる場所ですか…うーんと、そうですねぇ」

時の魔術師「あっ、そうだ」ゴソゴソ

時の魔術師「これ、さっき頂いたものなんですけど」ペラッ

傭兵「チケット?」

時の魔術師「劇ってお好きですか? よかったらおふたりでどうですか」


時の魔術師「劇ってお好きですか? よかったらおふたりでどうですか」

傭兵「劇? ミュージカル? そんなのほとんど見たこと無いな」

魔女「……劇。見てみたい。くれるの?」

時の魔術師「ではどうぞ。今日の分ですのでぜひ使ってください」

傭兵「2枚ももらっちゃっていいのか?」

時の魔術師「診療先で、『たまにクロノ様も彼氏なんかと気分転換しておいで~』と気前良く頂いたのですが」

時の魔術師「あいにく私にはそのようなお相手はいませんので……」ボソッ

傭兵「あ、あぁ……」

魔女「…」ぽんぽん

時の魔術師「くすん……どうしましょうかねぇ」

時の魔術師「いざとなったら時間を巻き戻して…いえいえなんでもありませんよ」

魔女「まだあなたにはデートは早い。まずはしっかりと男女関係の知識を身につけてからのほうがいいよ」ぽんぽん

時の魔術師「そうかもしれませんね。私そういうことに疎くて…大人としてダメですね」

魔女「すこしずつ場慣れしていこう」ぽんぽん

傭兵「なんのアドバイスだ! …だ、だいたい初デートでそういうことするのは不埒だぞ!」

魔女「どの口が言うの」


時の魔術師「ではソルさんマナさん、また夜にでもお時間ありましたら付き合ってくださいますか!?」

魔女「いいよ」

傭兵「……ん? 何? つきあうって何の話だ!?」

魔女「わかった。ジェリーホールを改良しておく。次は前回よりもっと効率的に搾り取れる算段だから任せておいて」

時の魔術師「わぁそれは楽しみですね」

傭兵「お、おいもしかして変なことしようとしてるんじゃないだろうな」

魔女「チケットのお礼はしなくちゃダメ。ありがとう」

時の魔術師「それでは楽しんできてくださいね」

傭兵「あ、ありがとう……」

傭兵(なんだこの納得の行かなさは!!)


傭兵「劇場か…最後に行ったのいつだろうな」

傭兵(確かあいつと行ったのって…あれ、何年前だっけな…わからん)

魔女「…あとでジェリーの追加素材買わなきゃ」

傭兵「!! 待て、絶対嫌だからな! 何が悲しくてクロノさんの前でちんこ丸出しに――」

町民「……ちんこ?」

 ひそひそ…
  ひそひそ…

傭兵「う……いくぞマナ」グイッ


【劇場】



魔女「…!」キョロキョロ

魔女「人がいっぱい」

傭兵「これみんな客だぞ、はぐれるなよ。午後からの公演になんとか間に合ったな」

傭兵「席前のほうか…これ結構高いチケットかもな」

魔女「そうなの?」

傭兵「売ったら結構な金になりそうだ」

魔女「だめ!」

傭兵「わかってる。入るぞ」

受付「いらっしゃいませ。チケット拝見します」

傭兵「こりゃクロノさんに土産のひとつでも買っていかねぇとな」

魔女「あ、ジュース売ってる!」

傭兵「大丈夫か? さっきも飲んでたしトイレ行きたくならないか?」

魔女「子供じゃないから大丈夫! 買ってもいい?」

傭兵「じゃあついでにお菓子も買うかー」

魔女「!」コクコク



傭兵「よっこらせ。結構座席広々してるな」

魔女「混んできた。うるさい」

傭兵「はじまったら静かになるから気にするな」

魔女「ところでこの劇って、どんな話」

傭兵「ええっとな。ポスターやパンフレットによると、王子と姫の恋物語らしい」

傭兵(うわーあんまり興味ねぇ…しかも悲恋モノっぽいじゃねぇか)

傭兵(おもしろけりゃ明日ユッカともう一度来ようかとおもったが…絶対寝るだろうなアイツ)

魔女「そう…とても楽しみ」

傭兵「そうか」

傭兵「そういえば顔に似合わずメルヘンチックな童話が好きだったよなお前」

魔女「顔に似合わずって何」ジッ

傭兵「…あー、いや……は、はじまるぞ!」

魔女「!」


司会「ご来場ありがとうございます。まもなく開演でございます」

司会「消灯後は、お足元にお気をつけください」

司会「劇場でのマナーを守り、席を離れず静かにご観覧くださいますようお願いいたします」

司会「それでは、お楽しみ下さいませ」


魔女「…! わくわくする」

傭兵「しっ、もう喋っちゃだめだぞ」

魔女「!!」コクコク


客席の灯りが落ちて舞台劇がはじまった。
さすが歯車の街といったところか、舞台上には幾つものギミックが仕掛けられていて、
俺のような恋物語にむとんちゃくな男でも、眺めているだけ思わず感心するような出来だった。


傭兵(話全然頭に入ってこないな…)

傭兵(あの足場はどうやってせり上がってるんだ)

傭兵(おお、役者が浮かんでる…なるほどワイヤーで吊ってるんだな)


魔女「…!! はぁっ、おお」

魔女「…逃げ、て。早く」


マナは身を乗り出して食い入るように物語に没頭していた。
役者のセリフ一言一言に頷いたり、感嘆したりと忙しそうだ。




姫の恋い焦がれる相手である若き兵士が敵将に刺された。
マナは口元を抑えて、いまにも泣き出しそうにしている。
時々俺の方へと振り返っては、どうしようといった面持ちで口をパクパクさせながら首を何回か振る。


傭兵(よくそんなに感情移入できるな…)

魔女「…はぅ」

魔女「これ以上…だめ」

傭兵「ん?」


マナの肘掛けを持つ手がぷるぷると震えていた。
よく見ると足をすりあわせて、必死に何かを我慢しているように見える。

傭兵(……あ)

傭兵(こりゃもしかして…飲み過ぎたか)

魔女「…っ! んぅ…」もじもじ



傭兵(まずいぞ…こんないかにも山場ってシーンで立ち上がってトイレに連れていくわけには行かないし…)

魔女「…ぅぅ、あぅ」

傭兵(そうか。さっきからチラチラ俺のほう見てきたのは、トイレ行きたいってことだったのか…)

傭兵(なるほどなるほど…)

魔女「ふ~~~っ、ぅ~~っぁぁ」もじもじ

ベシベシッ ベシベシッ

傭兵「っ…痛いぞマナ」

傭兵(まじで限界っぽいな)


しまいには股間を抑えて、苦悶の表情を浮かべ始めた。
しかしまだどう見ても終幕には時間が残っている。
ようやくクライマックスといったところか。

しんと静まり帰った劇場で、マナは必死に声を我慢しながら尿意と戦っていた。


魔女「~~~っ!! うぅぁぁぅ…」



飲み物の容器はまだ半分近く残っている。
これに用を足すにはやや心もとない。

傭兵「…となれば」

こんな場所で漏らされたらたまったものではない。
周りの客の迷惑どころか、罰金までとられてしまいそうだ。

俺は座席の足元に屈み込み、マナの前に移動した。


魔女「!!?」

傭兵「し~~っ。漏らしたくなきゃ俺のいうとおりにしろ」

魔女「!!」コクコク

涙目になったマナのスカートをめくる。
真っ白な下着とふともとがもぞもぞと動いている。

魔女「あっ…あぅ」

魔女「もしかして…」

傭兵「もうちょっと腰を前に突き出せ」

腕をマナのこぶりなお尻にのばして、無理やり股間部を前に突き出させる。
そして下着をすこしだけ横にずらして、俺は露出したマナの恥部に直接口をつけた。

魔女「!?!?」



魔女「~~っ!?」ふるふる

傭兵(ほら早くだせ)

傭兵(膀胱炎になってもしらないぞ)

とっくに尿意は限界なはずだが、マナは抵抗する。
当たり前ではある。
周囲には客客客。きらびやかな舞台には今もなお悲恋の物語が終幕に向けて進行している。

そんな中で、俺はマナの股間に顔をうずめているのだからこいつの恥ずかしさときたら形容しがたいものだろう。
それは俺も同じ想いだ。
バレたら死ぬ。
だがみなの目が舞台に釘付けになっている今ならなんとかなるはずだ。

傭兵(俺はただお前に漏らしてほしくないからこうしているだけにすぎない!)

傭兵「出せっ」

傭兵「一滴もこぼさないから!」

 ぺろっ

魔女「~~~っ!!」ぶるるっ


マナの恥部をぺろりと舌を這わせて刺激する。
たったそれだけで、長らく耐え忍んだ堤防はあっけなく決壊し、俺の口内に氾濫のごとく少女の聖水が流れ込んだ。



傭兵「んぐ…んぐっ」

傭兵(多いな…どんだけ我慢してたんだ)

傭兵(やばい…こぼしたら社会的に死ぬぅ!)


俺は止めどなくあふれるマナのジュースを必死に喉の奥へと通す。
マナは無意識いnふとももでぎゅっと俺の顔をしめつけて、小さな悲鳴をあげていた。


傭兵(…これは…いつもよりきつい…かもな)

傭兵(でもマナの為だ…がんばれ俺)

 ごくっ ごくっ ごくっ…
   ごくっ グビッ グビッ

傭兵「はぁ…っ、ふ…はぁ」

傭兵(よぉし! 助かった!! どうだ! 見なおしたか!)

魔女「………はぁ、ふぅ」


ようやくお小水が止まって、俺とマナは圧迫から解放された。
俺は何事もなかったかのように席に戻って口元を拭う。
物語はクライマックスだ。
恋する姫と若き兵士が抱きしめ合ったまま崩れた。
そして澄んだ声をした唄が流れ始める。


魔女「…………」

マナはどろりとした死んだような目で、いつまでも舞台を見つめていた。



後日譚第2話<陽気>つづく


 

更新終わり
次回明日22時~

後日譚第2話<陽気>つづき



傭兵「誰にもバレなかったからいいだろ…」

魔女「……」

傭兵「おーいマナ…」つんつん

魔女「……」

傭兵「マナちゃーん……」

魔女「……」ジロ

傭兵「お漏らししたほうが良かったか」

魔女「~~ッ!」ベシベシッ

傭兵「痛い痛い…あんま気にするなって。みんな集中して舞台見てたぞ」

傭兵「だから絶対に気づかれてないと俺は確信している!」

傭兵「それにな、お前のを飲むくらいなんてことないぞ。平気だ。むしろ美味いとすら思える」

魔女「……」

魔女「……はあ~」

傭兵「なんだよ、でっかいため息つくなよ」

魔女「あなたはあの兵士を見習って少しは紳士に努めてほしい」

傭兵「…ゔ。紳士か…」

傭兵「確かにいまの俺ときたら、下手すりゃ野盗と間違えられるような格好だしなぁ…」

傭兵「タキシードでも買ったほうが良いのか!?」

魔女「服装の話じゃない……もう期待しない。買い物して帰る」

傭兵「お、おいマナ! 置いてくな!!」




   ・   ・   ・



<夜>


勇者「デートで怒らせちゃった?」

僧侶「それでマナちゃんご飯の時もご機嫌斜めなんですね」

勇者「ずっと閉じこもってふて寝してるよ…」

傭兵「どうやら最後の最後にやらかしてしまったようだ…」

傭兵「途中までは機嫌よかったんだけどな」

勇者「デート失敗しちゃったの? どうせ変なことしたんでしょ」

傭兵「…」ガク

勇者「ちゃんとリベンジしなきゃだめだよ?」

傭兵「…わかってる」

勇者「でも次はボクの番だからね!」

僧侶「えっ、そうなんですか?」

勇者「そうだよ?」

僧侶「そうなんですか…」


傭兵「…デートというものがこんなに難しいなんてな」

傭兵「ユッカとヒーラちゃんのふたりは今日デートしてたんだよな」

僧侶「はい♪ お部屋デート楽しかったです」

勇者「あんなのデートじゃないヨ……」

僧侶「♪」

傭兵(何をされたかはだいたい予想がつく…)

勇者「ソルがどこ連れて行ってくれるのか楽しみだな~」

傭兵「あぁぁぁあ連日プランを考えるなんて俺には無理だ向いてない戦場に戻りたい」

僧侶「何言ってるんですかせっかくの平和を享受しましょうよ…」

勇者「あんまり中身は期待してないから適当でいいよ?」

傭兵「そう言われるのも男としてつらいんだよ!」グリグリ

勇者「ふぎゅっ!?」

勇者「ぼ、ボクはソルと一緒にいられるだけで良いって言ってるんじゃんか!!」ジタバタ


勇者「マナだってきっとそう思ってるはずだよ」

勇者「だから余計なことさえせずにいつもどおりに接したらいいんじゃないかなぁ」

傭兵「いつもどおりだったんだがな」

僧侶「で、マナちゃんに何をしてしまったんですか」

傭兵「……」

僧侶「……ソル様?」

勇者「教えてよー。ボクたちが力になってあげるよ」


傭兵「……。実はな、劇場でどうしてもマナがおしっこを我慢できなくなって」

勇者「え?」

傭兵「それで俺は仕方なく――――」



   ・   ・   ・


 ガチャ

時の魔術師「ソルさん。お風呂が空きましたよ」

時の魔術師「…あら?」

傭兵「――」ピクピク

時の魔術師「きゃあ! し、死んでる……生きてます? なにがあったんですか!?!」




   ・   ・   ・



【風呂】


傭兵「あーもー、ほんとあいつら…イタタ」

傭兵「加減もしらねーのか」

時の魔術師「大丈夫ですか」

傭兵「幸い大したことない……」

時の魔術師「素晴らしい回復力ですね」

傭兵「それだけがいまの俺の取り柄だな……で、なんであんたついて来た」

時の魔術師「え……お怪我なさっていますし、ご入浴の介助をしたほうがよろしいかと思いまして」

傭兵「…俺は問題ない」

傭兵「というか目のやり場に困る…」

時の魔術師「ソルさんには以前に素肌をさらしていますし、今更恥ずかしくはないですよ」

時の魔術師「それにここはお風呂ですから」ニコ

傭兵(こんなことしてるところを見つかったらまたボコボコにされそうなんだよなぁ)


傭兵「ところでクロノさんっていくつなんだ」

時の魔術師「…? 私の歳ですか?」

傭兵(あ、まずい…こういうところが俺ダメなんだろうなぁ)

傭兵(女に歳きくなんて、やっちまった)

傭兵「すまん、いまのは答えなくていい」

時の魔術師「恥ずかしながら…こう見えて122歳です」

傭兵「へぇ。22歳…案外若いんだな。俺と同じか少し上くらいかと思ったよ」

傭兵「この落ち着いた雰囲気で22歳か…やっぱ人生経験が違うんだろうなぁ」

時の魔術師「122歳です」

傭兵「ん……?」

時の魔術師「122歳です」

傭兵「…えっ」

時の魔術師「私の血族は時の流れがひどく遅いのです。先祖が時魔術を極めた弊害なのでしょうね」

時の魔術師「もうかれこれ半世紀程も私は肉体に変化がありませんよ」


傭兵「ま、待て…ほんとに122年も生きてるのか?」

時の魔術師「はい。父は400年は生きましたよ」

傭兵「考えられん……魔法が解けたらしわくちゃになったりするのか?」

時の魔術師「解けるとは?」

傭兵「む…」

傭兵(どうやら人形の館のババアとは違って、魔法で無理やり若作りしてるわけではないようだな…)

傭兵(けど、ならそんだけ生きてて性知識に乏しいのはどうなんだ!)

時の魔術師「うふふ。驚きましたか」

時の魔術師「あんまり、人には言えないことなんですけどね」

時の魔術師「こんな性質ですので、私は普通の方と共に人生を歩むことは難しいのです…」

傭兵「あぁ…そうなるか」

傭兵(俺のお袋もそうだったのかな…ひとりで長い時を生きるのは寂しいだろうな)


傭兵「苦労してそうだな…」

時の魔術師「わかってくださいますか!」ぎゅ

傭兵「や、やめ……」

傭兵「へへクロノさんってヒーラちゃん並に柔らかいな」

時の魔術師「そういえば、ソルさんは…不死鳥の力を秘めているそうですね」

傭兵「どうしてそれを」

時の魔術師「勇者様から経緯を聞きましたよ」

時の魔術師「以前伺ったソルさんの個人的なお話と照らしあわせて、私の中で得心がいきました。」

時の魔術師「あなたはもしかして私と同じく、長い時の中を生きる人なのでは!?」

傭兵「いや…うーん…俺はまだ25年しか生きてないからこの先長生きかどうかはわからないな…」

時の魔術師「あ、あの…もしそうであるなら」もじもじ


 ガラガラ


魔女「……」

傭兵「あ……マナ……ちゃん」

魔女「なにしてるの」


傭兵「こ、これはな…事情があってだな」

時の魔術師「あ…マナさん。ごめんなさいすぐ出ていきます」

時の魔術師「け、決してあなた達からソルさんを横取りしようというわけではないんですよ!」

魔女「…べつにいい。むしろ一緒にいてくれたら好都合」ゴソゴソ

傭兵「な、なんでお前も入ってくるんだよ!!」

魔女「忘れたの? ジェリーホール・改を試しに来た」

傭兵「改…!?」

そう言ってマナが取り出したのは見覚えのある透明でぶにぶにとした筒だった。


傭兵「お、俺…もうあがるわ…」

魔女「ダメ。術式:マジックロープ」

▼魔女は魔法の縄で傭兵を縛り付けた。

傭兵「あっ、こら! なんだこの拘束力…ッ! 本気だしてんじゃねぇぞ」

魔女「私は人前で恥ずかしい思いをさせられた」

魔女「だからあなたにもいまからさせてあげる」ニタァ

傭兵「お前…ふて寝してたんじゃなかったのかよ! その変な筒を作ってたのか!!」


魔女「性教育の時間。約束したから」

時の魔術師「…あの時の続きですね」ドキドキ


傭兵(おとなしく受け入れるしかないのか…)

傭兵(これでマナの気が済むならいいか)

腰に巻いていたタオルが取り払われて、陰茎が露出する。
すでにいきり立ったそれをマナは見つめて薄く笑みをこぼしていた。
クロノさんは興味津々といった様子で、触りたそうに手をわさわさと動かしていた。


魔女「もう勃ってる…期待してるの?」

傭兵「……ち、ちがう」

魔女「でもまだMAXじゃない。もっと勃起させて」

傭兵「…といわれてもな」

魔女「これでどう」


マナは自らのタオルも脱ぎ捨てた。
隠していた真っ白な肌、こぶりすぎる胸と未発達なスジがあらわになる。

魔女「…勃った? くす」


魔女「未だなの?」

魔女「私の体じゃだめ……腹が立つ」

魔女「腹いせ」

そしてマナはあろうことか、クロノさんの背後にまわって彼女が巻きつけていたタオルまで剥がし取った。
きゃっと短い悲鳴とともに、豊満な胸がぷるんと跳ねる。
哀れにも婚前前の裸体を俺の前にさらしてしまうのだった。

むろんそんなレアなものをみて俺自身に収まりがつくはずもなかった。
ガチガチに勃起した肉棒が腹につきそうなほどに反り返る。

時の魔術師「ま、マナさん…」

魔女「授業に参加するなら協力して。これは半分あなたのためにやっている」

魔女「……生徒のくせに生意気な物を」ふにふに

時の魔術師「そ、そうですか…! ごめんなさい」

時の魔術師「ソルさん…少し恥ずかしいですけど今日もよろしくお願いします」ふるふる

傭兵(これはまずいって…助けて)

傭兵(いやここでユッカたちが乱入してきたら殴られるじゃすまないか…)

傭兵(ああああ誰か解放してえええ)

魔女「ひくひく動いてるのおもしろいでしょ」

時の魔術師「…」ゴク


マナは桶の中で楽しそうに潤滑剤をときはじめた。
もはや逃げることはできない。


新型のホールの入り口には小さな足のようなものが無数に取り付けられていて、前回よりもグロテスクに見えた。
曰く、クラゲを模しているらしい。


傭兵(そんなものを俺の大切なペニスにかぶせる気か…)

魔女「…搾精開始」

魔女「…えい」


ずちゅっ♥

傭兵「んぐっ!! あああっ」

マナは容赦なくクラゲの奥まで俺のペニスを差し込んだ。
ローションでどろどろになったクラゲホールの内部がうぞうぞと絡みついてくる。
前回は内部構造はつるつるしていたはずだが、今度はどうやら刺激を増すために入り組んだ造りになっているようだ。
頭がまっしろになりそうな快感が登って来る。

傭兵「ひゃああっ」

時の魔術師「わぁ…気持ちよさそうですね」

魔女「改良は成功した……ふふ、さすが私」


 ずちゅっ ずちゅっ
   ずちゅっ ずちゅっ


傭兵「や、やめっ、ふぐあああっ」

魔女「情けない声」

魔女「もう出していいよ」

傭兵「で、出るっ、止めろっ」

  ずちゅっ ずちゅっ
    ずちゅずちゅずちゅ

傭兵「あああっ!!!」


あっという間に射精してしまった。
今作はカリ首をだすための穴があいていないため、透明な筒の中に真っ白な液体が染み渡っていく。
内部には収まりきらず入り口からどろりと垂れ落ちた。

魔女「…1分も保たなかった」

時の魔術師「…す、すごい…」

魔女「やってみる?」

時の魔術師「良いのですか? 搾精やりたいです」

傭兵「ゆ、ゆるして…いまイッたばかりだから…っ……んぎゃああああ」

時の魔術師「わー、楽しい。どんどん出てきますね」

  ずちゅずちゅずちゅ
   ずちゅずちゅずちゅ


びゅるるっびゅるるっ
 どぷどぷどぷ…――


傭兵(あぁ…天国なのか地獄なのか…)

傭兵(せめて射精の相手がクラゲじゃなくて生身の体だったらなぁ――)



   ・   ・   ・



魔女「起きて」ばしゃっ

傭兵「う…」

魔女「なに寝てるの。まだ20分しか経ってない」

魔女「ジェリーで失神するなんて情けない」

傭兵「…」

時の魔術師「もう限界ではないですか?」

魔女「そんなことない。この人のペニスは不死身属性」

魔女「舐めたりこすったりしてるうちにまた元気になる」

傭兵「…マナ、俺が悪かったから…許して」

魔女「ダメ。まだ性教育の大事な部分を終えていない」


傭兵「大事な部分…?」

魔女「そう。子作り」

魔女「どうやって子供がつくられるのか、教えてあげなくちゃいけない」

傭兵「……いや、どうやってって…」

魔女「…」ジー

傭兵(あぁ…結局お前はセックスがしたいんだな)

傭兵(そりゃ俺の息子がこのサイズになってから、ちゃんとできてないもんなぁ)

傭兵(でもそう簡単に入らないと思うぞ)

魔女「じ、実演する」

傭兵「本気なのか…」

時の魔術師「……」どきどきどき

魔女「その際に、すこしあなたに手伝ってほしいことがある」

時の魔術師「私ですか?」

魔女「――」ひそひそ

時の魔術師「……はい? 魂流しの時期ではありませんし、使う分にはかまいませんよ」




恐ろしいことが起きた。
クロノさんの唱えた魔法とともに、俺のペニスが一回り、いや二回りほど縮んでいる。

魔女「……かわいい」なでなで

傭兵「お、おい…どうなってんだ」

時の魔術師「部分的に時間を逆行させました」

時の魔術師「大丈夫ですよ。時間が経てばもどりますのでご安心を」

傭兵「安心って…おぅ俺の自慢の聖剣……これ何歳の時のちんこだよ…」

魔女「次は私」

傭兵「え、お前にも…?」

クロノさんはマナの下腹部のあたりをさすって魔力を送り込んでいた。
淫魔の呪いが反応し、マナの体がぴくぴくと震えている。

魔女「んっ…んぅ…♥」

時の魔術師「大丈夫ですか?」

魔女「続けて……」


そうしてしばらく経ち、何かが終わったようだ。


魔女「あなたにいいものをみせてあげる」

マナが立ち上がり、俺の目の前まで歩み寄って見下ろした。
眼前にぷっくりとした恥丘と縦筋をつきつけられる。

マナは小さく声を漏らしながら、秘裂をゆっくりと左右に広げた。

魔女「…どう」

傭兵「どうって…なんのつもりだ」

魔女「私も、あそこだけ時間を巻き戻してもらった」

魔女「…あなたに一度あげちゃった…あれがあるでしょ」

傭兵「ま、まさか…」

魔女「処女膜。見える?」

傭兵「ななっ!」

魔女「はじめてのエッチは痛くて血が出ることをちゃんと教えてあげなきゃ♥」

魔女「だから…いまから破いてほしい♥ いいでしょ?♥」


恥穴の奥で色素の薄い肉襞がひくひくといやらしくうごめいている。
確かに、一度頂いたはずのマナの乙女がそこにはあった。



後日譚第2話<陽気>つづく

更新終わり
次回明日22時~

後日譚第2話<陽気>つづき



傭兵「もう一度お前の処女をうばえと…?」

魔女「そのためにあなたのここを小さくした」つんつん

傭兵「くっ…」

魔女「嬉しい? 悔しい?」

傭兵「嬉し…いです」

魔女「そう。わかってるこんなにカチカチだから」ぐにぐに

傭兵「うっ、マ…マナ」

魔女「もう挿れたいでしょ? 我慢できないなら、あげるけど♥」

マナが俺の上にまたがりゆっくりと腰をおろす。
固くなった亀頭がぷにぷにの割れ目をこじ開けて、幼い穴に沈んでいく。

魔女「んっ、ふ……う…はう」

時の魔術師「すごい…ほんとに入っちゃうんですね」


時の魔術師「痛いのですか?」

魔女「い、痛い…もう少し入れたら裂けてもっと痛い」

魔女「でもこれは嬉しい痛み。平気♥」

魔女「じゃあ、奥までいれるから。私の2度目の処女をもう一度味わって?」


マナは目を閉じて深呼吸した。
俺の肩をしっかりと掴んで、そのまましっかり腰をおろしきった。

ぷ…つ―――

魔女「あ゙!!」

みちみちと幼い膣穴を俺のペニスがつき進んでいく。
マナの大切なものを引き裂いてあっといまに血だらけに蹂躙した。

魔女「~~~っ!!」

結構勢い良く裂けてしまったのか、入り口からは粘液に混じって血が多く溢れ出している。

傭兵「だ、大丈夫か…一気に行っただろ」

魔女「…っ! ぐす」

魔女「へ、へい…き」

魔女「これが…処女喪失…わかった? こんな風に血が出る…気をつけないと痛い思いをする」


時の魔術師「…マナさん、痛そうです」

時の魔術師「いま回復させます」

魔女「!?」

クロノさんは俺たちの結合部のあたりに手を添えて、何かを唱え始めた。

魔女「こ、これ…何してる」

時の魔術師「さぁこれで大丈夫ですよ。怪我を治したので血はとまるはずです」

▼魔女の処女膜は修復された。

▼しかし傭兵のペニスによってたちどころに広がって裂けていく。

ミ゙チミ゙チ――プツ――

魔女「うっ!!あああっ!!」

魔女「痛いっ!痛い! 痛ぃ…」

時の魔術師「マ、マナさん…! そんな、回復したはずなのですが。ではもう一度」

傭兵「ちょっとまった! ストップストップ! 血が出るのは自然なことなんだ!」

時の魔術師「え? そうなのですか」

▼魔女の処女膜は修復された。

▼しかし傭兵のペニスによってたちどころに広がって裂けていく。

ミ゙チミ゙チ――プツ――

魔女「  」



   ・    ・    ・


魔女「…」ぽかぽかぽか

時の魔術師「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい知らなかったんです」

魔女「…あなたはいろいろ手遅れ。世間知らず。ポンコツ」ぽかぽかぽか

傭兵「もう許してやれ。だいたいお前が言い出したことだぞ」

魔女「まったく…こんなことでは先が思いやられる」

時の魔術師「マナさん、どうか見捨てないでください。あなたにまだ教わりたいことはたくさんあります」

魔女「もう教えることはない。あとは身を持って経験して」

時の魔術師「身を持ってですか…」チラ

傭兵「!」

魔女「この人はダメ」ぎゅ

時の魔術師「そ、そんなこと言っていません…」

傭兵「マナ…風呂つかって部屋戻ろう。授業はおしまいだ」

魔女「…まだ膣内射精をみせていない」

傭兵「お前のこのひりひりおまんこでやるのは無理だろ」なでなで

魔女「…むぅ」



時の魔術師「ほんとに余計なことをしてしまいごめんなさい」

傭兵「いやいいんだ…おかしな変な物をみせてしまってすまない」

傭兵「あ、言っとくがこんなこといつでもどこでもやってるわけでもないし、他人に見せたりはしてないからな」

傭兵「クロノさんだけだ」

時の魔術師「そうなのですか…」

傭兵「だから誰にも言わないでくれよ。ユッカにもヒーラちゃんにもね」

時の魔術師「はい。私は口は固い方なので大丈夫です」

傭兵「よし」

魔女「…」ごしごし

傭兵「お、洗ってくれるのか。悪いな」

時の魔術師「私も洗います!」

魔女「!」

時の魔術師「あ…いえ…なんでもありません」



【部屋】


傭兵「はぁ…いつになったら戻るんだろう俺の相棒」

魔女「まだ小さいの」

傭兵「おう…お前もまだ小さめのアソコのままか?」

魔女「…」コク

傭兵「もう寝るか! ちょっとすっきりできてないけどな、仕方ない。朝には戻るだろう」


勇者「スピーー…zzz」

僧侶「ユッカしゃまぁ…zzz」ギュー

勇者「うぅ…zzz」


傭兵「おいでマナ。一緒に寝ようぜ」

魔女「!」コクコク

魔女「ぎゅ」

傭兵「おう。ぎゅー…いい匂いだなお前」



魔女「…どうしよう。寝るつもりだったのに、うずうずしてきた」

傭兵「え?」

魔女「…あなたの腕の中にいるとどきどきもする」

傭兵「ふ、仕方ないな。困った呪いだよ」

傭兵「じゃあ1回だけしようか。さっきの続きな」

傭兵「俺もお前を抱いて、気持ちよくなってから寝たいと思ってたところだ」

魔女「♥」

傭兵「灯りあったほうがいいか。いやユッカ達寝てるしな…」

傭兵「月明かりにしておくか。カーテン開けるぞ」

魔女「…三日月」

傭兵「あんまり明るくなかったな」

傭兵「じゃあ服脱ごうかマナ」

魔女「あなたのは私が脱がせてあげる…」


薄暗い部屋の中で俺たちは素っ裸になって抱き合った。
マナの白くて透明感のあるさらさらした肌が気持ちいい。
胸はほとんど膨らんでおらず感触はない。

マナは首元にぎゅっと抱きついて、すんすんと鼻をならしていた。
俺も負けじとマナの匂いを嗅ぐ。

傭兵「マナ…俺最近お前の匂いを感じられるようになってきたよ」

魔女「…?」

傭兵「最初のうちはお前ってほんとに何の匂いもしないし、嗅いでも嗅いでもちっともわからなかったんだ」

傭兵「汗やおしっこすら、ほとんど匂いがしない。不思議だった」

傭兵「こんな奴がいるのかって思った」

魔女「…む」

傭兵「けど最近は、マナの女の子特有の甘い匂いがわかる」

傭兵「開いたばかりの花のような、すごくいい香りだ。ずっと嗅いでいたいくらい好きだ」

傭兵「特にこのうなじのあたりとか…舐めたい」

魔女「そ、そう…私もあなたの匂い好き」


欲望のままに髪の毛に隠れたうなじを舐めあげると、マナはくすぐったそうに笑っていた。

傭兵「いいな…なんでこんなに真っ白でやわらかいんだ」

傭兵「食べちゃいたい」

魔女「…い、いいけど」

傭兵「マナの全身食べていい?」

魔女「…ぅん」

傭兵「じゃあ」

肩をつかんでゆっくりと寝かせる。
カーテンの隙間から差し込む月明かりが、美しく均整の取れた少女の裸体を照らしていた。

傭兵「やっぱりお前は綺麗だな…」

魔女「…そういわれると恥ずかしい」

お世辞ではない。本当にぞっとするくらいに綺麗だ。
誰も触れちゃいけないくらいに繊細で高級な陶器のような白い肌。
これを俺はいまからたっぷりと味わえる。俺だけが世界で唯一マナを愛すことができる。

いきりたったモノを擦りつけたくなる衝動をおさえながら、俺はマナの胸元に舌を這わせた。


傭兵「ちゅ」

魔女「んっ…ん…」

傭兵「マナのおっぱいはなかなかおっきくならないな」

魔女「…うん。哀しい」

傭兵「いいんだよ。とっても綺麗だからな。俺はこれがマナの完成形だと思う」

ほとんど色みのなく、小指の先ほどに小さい乳頭を舌先でねぶる。
マナは困ったような小さな声を漏らしながら俺の頭をなでてくれた。

魔女「んぅ……吸っちゃだめ」

傭兵「ちゅ…かわいいな。こんなに小さい乳首にも感度があるってすごい」


小さいながらも刺激をあたえるとぷっくりと主張を始める。
固くなった乳首をさらになめたり吸ったりしていると、マナはくすぐったそうに体を揺すった。


傭兵「おっぱい弱いんだな…。いいことを知ったぞ」

魔女「ダメ…あんまりいじめないで」

傭兵「マナのかわいいとこみたいから、色々しちゃう」


舌を肌から離すことなく、筆でなぞるように脇や鎖骨、首筋を愛撫していく。

傭兵「おいしい。マナの味だ」

傭兵「無味無臭じゃなかったな」

魔女「…やだ」

傭兵「んっ」

魔女「んぅ♥ ちゅ…ちゅぅ、ちゅる」

魔女「はむっ、んぅ…ちゅる、ちゅ、ちゅう♥ ちゅ、ちゅ♥」

魔女「はぁ…そんなに激しくしたらびっくりする」

傭兵「マナのエッチな声でユッカ達が起きちゃうかもな」

魔女「…っ」ふるふる

傭兵「内緒エッチがしたい?」

魔女「人前でやるのは優越感があっていいけど、やっぱりふたりきりも良い」

傭兵「優越感…クロノさんに対してか?」

傭兵「お前結構悪女だな……」

魔女「…♥ あなたが私とエッチできて嬉しいように、私もあなたを手に入れて嬉しい」

魔女「だから…じ、じまんってわけじゃないけど…仲のいいところを見てもらいたかった」


傭兵「なのに結局独占したくなっちゃったんだ?」

傭兵「クロノさんが俺に触れた時えらく不機嫌そうにしてたな」つん

魔女「んっ♥ そ、それは…うん」

傭兵「そうかぁ。悪い子だなぁお前は」つん

魔女「はうっ…乳首つつくのだめ」

傭兵「こんなに尖らせて、エッチな奴」

魔女「あう…いじめないで」

魔女「いまは、私のことをお姫様みたいに大事にして…ほしい」

魔女「劇みたいに…優しくなでたりとか、チューしたりとか…」

傭兵「…お姫様かぁ」

傭兵「でもお前は森の魔女のほうが………わかったお姫様な」

魔女「うん♥」


傭兵「キスしていいですか姫」

魔女「♥」コクコク

傭兵「行きますよ…ちゅ」

魔女「~~っ♥ ちゅるっちゅぅ、ちゅうう」

傭兵(こんな食いついてくる姫がいるのか?)

傭兵(まぁいいか…)

魔女「ちゅむ…ちゅーーっちゅる♥」

魔女「あふっ、うふふ…お姫様」

傭兵「お前の憧れだもんな」

傭兵「ごめんな。王族かもしれないのに城のひとつももってなくてさ」

魔女「…いい。あなたはただの兵士でいい」

魔女「どんな王子様よりも…素敵だから、大好き♥」

魔女「だからもうちょっとだけ続けて」

傭兵「はい。わかりました姫」


傭兵「そろそろ姫を俺のものにしていいですか?」

魔女「…うん」

傭兵「じゃあ挿れますよ。痛かったらいってくださいね」

魔女「…」コクコク

傭兵「大好きです。愛してますよ姫」

魔女「わ、私も…♥」

マナは瞳をうるませて、さぞや気分が高揚しているようだった。
すでに恥部はぐっしょりと濡れて、割れ目から垂れた汁がシーツを汚すほどだ。
俺はそこにいまだサイズの戻らない肉棒をあてがい、ゆっくりと腰をすすめた。


魔女「んぅ…っ、あっ♥ あなたの…入ってくる」

傭兵「姫の中あったかいですよ…きつくて気持ちいいです」

魔女「はぁ、ハァ♥ うんっ…」

破瓜したばかりとはおもえないほどにすんなりと俺を受け入れる。
ぬるぬるしているが、まだ構造は未発達で、とてもこれが男性器を喜ばせるためにあるとは思えない。

そんな膣穴にペニスをねじ込むのは禁忌を犯しているようで背徳的だった。
更にいまはお姫様(設定)である。



 ぬちゅ…ぬちゅ…  
   ぬちゅ…ぬちゅ…


ゆっくりと気を使ってストロークを始める。
つるつるとした膣内では激しい摩擦は起きず、絡みついてくるようなあの気持ちよさはない。
しかしマナはぎゅうっと力をこめて、俺はすこしでも離すまいと中を締め付けた。

傭兵「姫…エッチなあそこですね」

魔女「…っ♥ う、うん…そう。もっと激しくしていいよ」

傭兵「大丈夫ですか?」

魔女「…へっちゃら。あなたもいっぱいきもちくなって」

魔女「私のおまんこの中で…射精してほしい♥」チュ

傭兵「マ、マナ…っ」

魔女「姫」

傭兵「ひ、姫…! では失礼します。俺も我慢の限界ですので」



 ずちゅずちゅずちゅ
  ずちゅずちゅずちゅずちゅ…

おもいきり腰をふり、マナの幼膣を味わう。
ときどきつるんとぬけてしまうが、素早く戻して、さらに深く強く中を突いた。

魔女「あっ、あっ激し♥」

魔女「んあぁ♥ そんな…場所っ」

魔女「はっ、はっ、はぁ、ふぅ♥」

魔女「奥まで…つんつん…あぁぁ♥」

魔女「あなたっ、好き♥ ソル…もっとして♥」

魔女「私の赤ちゃんつくる場所…犯して、犯して♥」

傭兵「姫…まだ姫は赤ちゃんつくれませんよ」

魔女「いいからっ、もっとそこ犯してっ」

魔女「私の…っんんんぅ~~♥ ここが気持ちいからっ♥」

マナはいつもの冷静な表情はどこへやら、淫れて蕩けた顔でうわ言のようにおねだりを繰り返した。
俺はそれにしっかりと応えて、最奥の感じる部分まで肉棒を何度も貫き続けた。



傭兵「ほら、気持ちいいって顔してますね」

傭兵「ここが好き? 姫は可愛い声でなくんだ…ですね」

魔女「っ♥ んぅ、んぅ…っ、はぁっ、はっ♥」

 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ
   ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ

肉と肉のぶつかる音。
粘液の交じり合う音。
かわいらしいか細い嬌声。

お互いを求め合う欲望で脳がパンクしそうになって、俺たちは絶えず腰を振り続けた。
 
魔女「あっあっ、あっ」

魔女「だめっ、もうイクっ♥ イクっ♥」

傭兵「イけ…いいぞ。俺も…うっ」

傭兵「イケ!」

  ずちゅん――

魔女「あああっ! あああ~~~~~っっ♥♥♥」

魔女「くぅ♥ ふぁぁぁあ♥♥♥」


マナの中がきつく収縮して、俺はしぼりとられるように精液をすべてぶちまけた。
小さな膣内には当然のごとく収まりきらず、ぶしゅぶしゅとつなぎ目から溢れだした。



傭兵「く…ああ。すげぇ出た…」

魔女「…んぅ…ぅ♥」

傭兵「はぁ…はぁ…すっきりしたなぁ。マナ?」

魔女「姫…」

傭兵「姫…どうでしたか」

魔女「うん…♥ きもちよかった」

魔女「でも…まだなんか物足りない…」

傭兵「…ええと?」


その時、2人の恥部が突然キラキラと光り始める。
そして一瞬の眩しい輝きとともに、俺たちの陰部は正しい時の流れをとりもどした。

傭兵「おお!? もしかして、戻ったか! あれ、ってことは…」

魔女「…!」

みち…

当然、3号サイズでなんとかセックスしていた俺の物がマナの中で5号に戻るわけであって。
少女のそこは、簡単に巨大な剛直を受け入れるほど大きく出来ていない。


ミヂ…ミヂ…

魔女「ひゃうああ!? あああっ♥」


傭兵「…ま、マナー!」

魔女「~~~っ♥♥」

魔女「イグっ、イクッ!! あああ♥」

またびくびくとマナが痙攣する。
がくりと上半身の力がぬけ、腕がぶらんと垂れた。
膣内はつぶれてしまうほどにぎゅうぎゅうにしめつけてくる。明らかにサイズオーバーだ。

傭兵「お、おい…?」

心配してみるものの、容量上限なりになんとか収まりきっている。
マナが内部からばらばらに裂けて爆発するような、おぞましいことは起きていない。

傭兵「おお…全力状態でいれるとこんな感じなのか」

少女の柔らかさの神秘たるや、俺は感動していた。
剛直は勢いを完全に取り戻している。
ならばもうやるしかない。

傭兵「マナ…ちょっと我慢しろよ? きもちよくしてやるからな?」

魔女「……」ぶるぶる

次は俺が楽しむ番だ。



後日譚第2話<陽気>つづく


 

更新終わり
次回明日22~

眠いので明日がんばるスマソ
なるべくちゃっちゃか更新して後日譚終わらせます

後日譚第2話<陽気>つづき



魔女「ぅ…ぅぅ…」

マナは苦悶にも似た表情で唇を噛み締めて、俺にぎゅっとしがみついていた。
巨根をぎちぎちに締め付けてくる膣内は、動かせば擦り切れてしまいそうなほどの抵抗だ。
しかし淫魔の呪いかはたまたマナ本人の淫乱さか、溢れ出る粘液はひたひたと中を満たし、とどまることはない。

思い切りかき回したい。
情欲のままに、腰を打ち付けて、マナが淫れて壊れるくらいに犯したい。

傭兵「いいよな?」

マナのさらさらの髪の毛をかきあげて、細い頬をさすりながら耳元で囁いた。
恥ずかしがり屋で、こうしてやるとあっという間に顔が赤く色づく。

傭兵「いい? 本気でマナを味わってみたい」

魔女「……」

マナは潤んだ瞳をそらして短い逡巡の後、小さく頷いた。

魔女「…いい♥」

魔女「もっと、きもちよくしてくれる?」

傭兵「あぁ。いままでマナが感じたことないくらい気持ちよくしてやる」

傭兵「覚悟できたか?」

魔女「…わかった……して♥」


マナはより一層俺の首筋に強くからみつき、貪るように唇を重ねてきた。
突き出してくる舌を何度も吸って、卑猥な音を立てながらお互いを求めた。

魔女「ぷは…、んっ…えへ♥」

唇を離してマナがにっこりと笑う。
この子がこんな風に喜怒哀楽豊かになっていく様をみるのは、本当に嬉しかった。

それを合図に俺は腰を振りはじめた。

 ずちゅ…
   ずちゅ…


魔女「んっ…あぁ」

傭兵「痛いか?」

魔女「全然…痛くない。びっくりした♥」

魔女「あなたのおっきいの、いっぱい擦れて…か、快感が…一気にくる」



  ずちゅ ずちゅ
   ずちゅ ずちゅ ずちゅ


魔女「んぅっ♥ あああっ♥」

魔女「腰が…ぞくぞく…するっ」

魔女「もう少しの間…ゆっくりして♥」

傭兵「よし、動けそうだな」

膣内の滑りは問題なさそうだ。
血は出ていない。
愛液だけが蜜のようにとろとろと溢れて、こんな人並み外れたモノを健気に迎え入れてくれている。

俺は身体を起こしてマナの太ももをつかんで腰をふろうとおもったが、
マナは俺の背中にぎゅっと腕をまわし、離してくれなかった。

傭兵「マナ? 重たくないか?」

魔女「このままがいい…あなたの体温ほしい」

そんな風に甘えられてしまったので、彼女に覆いかぶさったまま動くことにした。


 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅずちゅずちゅずちゅ♥

魔女「あっあっあっはっ、あっ、はっ♥ ああっ、ふぅ、あっ、はぁ♥」

小さなマナにのしかかって腰を振る。
なんだか犯しているようだ。

魔女「あうっ♥ はぁ、あっあっはぁ、はぁ、あっ♥ ふぅ、ああっ♥ んぅぅう♥」

魔女「すごっ、あっ♥ こんなの…ある♥ ああっはぁ♥ んぎゅ、ああ♥」

膣奥までガツンと一突きするときゅんと膣内が締り、ひきぬこうとするとくいついてなかなか離してくれない。
いやらしい匂いの蜜はマナの奥からとどまること無くあふれて、ピストンの度に結合部から激しくはじけた。
マナは蕩けた顔で口をひらいたまま、短い呼吸を繰り返して甘い声をだしていた。


 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅずちゅずちゅずちゅ♥

魔女「うううう、あああ♥」

魔女「だめ、だめ、そこ…ごりごりだめ、ああ♥ はっ、はっ♥」

傭兵「姫はここが好きなんだな」

マナの中で一番ざらつく部分をいじめるように肉棒でこすって、性感を更に引き出す。
口でダメと言われても、マナの身体はもっともっととねだるように求めてきて、俺を抱きしめる腕の力もますます強くなった。
マナは逃げ場のない性感に追いつめられて無意識に爪をたてて俺をがっちりとつかんでいる。

傭兵(ひっかかれてもまぁいいか)


 ぱんっぱんっ ぱんっぱんっ
  ぱんっぱんっぱんっ♥

魔女「~~~っ♥ あっ♥ あっ♥ ああ、ああそれ♥」

魔女「はっ、はっ、ああっあんっ♥ だめ…よ、はぁ、あああ♥」

魔女「あっふわっ♥ あううぅ♥ ぁぁあっんんっ!♥」

魔女「あなたのが…おくま…でぇ、子宮が…こわれ、て、あああ♥」

ストロークを長く強くして、杭を打ち付けるようにマナの産道を貪った。
いっぺんにこするとマナは喜色の混じった甘い声をあげる。
その声を聞いているとますます俺はたぎり、腰の動きはもはや止めようもなく、彼女を犯し続けた。


 ぱんっ ぱんっ ぱんっ
  ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ

魔女「んんっ♥ んんっ! ああっんん……あっふわっ♥」

魔女「あああ~♥ ああ♥」

魔女「んぅ…っ! ~~~~~っ♥♥♥」


マナは声にならない声をあげる。
膣内が痙攣し、ガクんと腕の力がぬけてよだれを垂らして視点の定まらない瞳をしている。



傭兵「またイッたな。こんなに濡らして、だらしない顔して」

傭兵「いつものマナちゃんはどこいったんだ? クク」

 ずちゅずちゅずちゅずちゅ
  ずちゅずちゅずちゅずちゅ


魔女「ううぅふわっんんっ! んんっ! んんっ♥ あぁあっっううぅ…!」

魔女「あああっもうらめっ、らめ、やめへ♥ ああああああ♥♥」

色々とリズムを試しながら、マナの幼膣を開発するように貫いて、何度も絶頂を与えた。

そしてひたすらに律動を繰り返す内に、いよいよ俺も高まってくる。


傭兵「く…そろそろ」

魔女「うん♥ あなたも、あなたも……はっ、はっ♥ あなたもイッて、だして私の中…だして♥」

魔女「おねがい…だして、ナカが良い♥ 出して♥ わたしのなか、おまんこのなか♥」



こんなに蕩けきったたかわいい顔と声でおねだりされて、我慢できるはずもない。

魔女「おまんこの中おまんこの中おまんこの中♥」

傭兵「わかった…」

魔女「んぅ…♥」


 ずちゅずちゅずちゅずちゅ
  ずちゅずちゅずちゅずちゅ
 ぷちゅ――

魔女「あああ~~~~っ♥♥」

最後に一突き、マナの子宮の入り口をついて、俺とマナは同時に絶頂に達した。
最高の官能が稲妻のように頭の奥まであっというまに駆け上って、身体はためこんだ全ての精を少女の狭い中に解き放つ。

どぷどぷとねばつく精液が噴き出して、彼女の膣の中を満たし、彼女の中で収まりきるはずもなく入り口から盛大にあふれだした。

魔女「ああっ、はぁ、はぁは♥ はぁは…」

傭兵「あ…う…すげぇ出た」

魔女「あなたのが…ソルの精液…熱い…」

傭兵「あー、良かった。すげぇ気持ちよかったぞマナ」

魔女「……♥」コク

俺は覆いかぶさったままマナの頭を抱きしめてくしゃくしゃと撫で回した。



魔女「…ねぇ」

傭兵「ん? あぁそうだな拭いておかないとベッド汚れるな」

魔女「まだ…あなた1回しか出してない」

傭兵「…? 今日はもう何回もだしただろ」

魔女「その大きさで…おっきいペニスでいっぱいセックスしたくないの? …?」

傭兵「…」ゴクリ


おもわぬお誘いが来た。
半月のようなマナの大きな瞳が揺らぐ。
小さな身体を犯したせいでマナはへとへとにおもわれたが、どうやら俺のために2回戦がしたいらしい。

傭兵「じゃあ次は違う体位にしようか」

傭兵「よいしょ」

マナを抱き起こして膝の上に座らせて、べとべとの膣内に再びもぐりこんだ。

魔女「うぁう♥」

傭兵「かわいいな…お前はそんなに俺のことを好きでいてくれるんだな」

魔女「うん…♥ 誰よりも好き。ユッカよりもヒーラよりも」

魔女「あなたが好き…愛してる♥」

傭兵「マ、マナ…ほんと後悔してもしらねぇぞ…俺の本気のコレは不死鳥のごとく蘇るからな」

魔女「…♥ 素敵♥」

傭兵「俺も、愛してるッ」


その後気を失うまでマナとまぐわって、俺だけのものにした。




<翌朝>


魔女「……zzz」

傭兵「起きねぇな…まぁもう少し寝かせておくか」

傭兵(さすがに昨晩は疲れたよな…結局空が明るくなり始めるまでしてたもんな)

僧侶「ふぁぁ、おはようございます。先に朝ご飯食べましょうか」

傭兵(あれ、ヒーラちゃんもちょっと寝不足っぽいな)

傭兵「ユッカは?」

僧侶「先にお布団飛び出しましたよ」

傭兵「へぇ」



勇者「おはよーソル!」

傭兵「おう、お前は元気だな」

勇者「えへへ、今日はデート~♪」

珍しくユッカが早起きしてキッチンで何かを作っていた。
食パンを薄くスライスして、中にハムやチーズを挟んでいる。

勇者「ソルが金欠だっていってるから、少しはお昼節約できるようにね~」

傭兵「サンドイッチか。おい野菜もいれとけよ」

勇者「はぁい」



頭を揺らしながら鼻歌交じりに随分とご機嫌だ。
よっぽど今日を楽しみにしていたらしい。

傭兵(そういえば最近はご無沙汰だったな)

三人交代ではやはりひとりひとりの時間を取ってやれない事がままある。俺はそれを少し気に病んでいた。


勇者「いい陽気だな~。朝から晴れてよかったぁ。はむ…うんおいしい」

ぱたぱたとサンドイッチをたたむエプロン姿がよく似合っている。
こうみるとユッカには案外家庭的な一面もあるようだ。
具材から余った食材でヒーラちゃんがパパッと朝食をつくる姿を見てあからさまに凹んでいた。



時の魔術師「そうですか。今日は勇者様とデートなんですね」

勇者「うん! どこ行くか決まってないんだけどね~」

傭兵「ぶらぶらしながら決めるよ」

僧侶「私は旅の物資を買い込んでおきます」

傭兵「悪いな、そういうのホントは俺が」

僧侶「ダメですよ! ソル様が買ってくると高いものや不要なものばかりになりますので!」

傭兵「う…。でも荷物持ちくらい」

僧侶「……行ってきてあげてください。ユッカ様今日を楽しみにしてますから」

勇者「今日はボクとデートなの! 拒否権なし!」

傭兵「はいはい…」なでなで

勇者「♪」


僧侶「ユッカ様、いってらっしゃいませ」

勇者「うん! いっぱい楽しんでくる!」

時の魔術師(いいなぁ…デートって楽しそうですね)

勇者「じゃあいくよー」ぎゅ

傭兵「お、おいいきなり腕つかむな」

勇者「だめー。ボクがこうしたいからこうするの」

勇者「あとボクのことも姫って呼んでほしいなー、なんちゃって♪」

傭兵「げっ……なんでそれを…!」

僧侶「くすくす。ソル様、夜はお部屋を別にしたほうがいいかもしれませんね」

勇者「丸聞こえだよ。ていうか隠す気もなかったでしょっ!」

傭兵「……はい。悪かった。ほんとごめんなさい」

傭兵(お互いわかってることとは言え、やっぱ恥ずかしいな…)

僧侶「くすくす…」

勇者「はぁ~~楽しみだなぁ、マナにあんだけ優しくしてたんだからきっとボクにも、くふふふふ」

傭兵「……頑張ります」

勇者「いってきま~す♪」



後日譚第2話<陽気>つづく


 
 

更新終わり
次回明日

明日更新します!スマソ
後日譚3話に使いたい挿絵間に合ってないので作業します

後日譚第2話<陽気>つづき



【街中】


勇者「最初どこいくー?」

傭兵「そうだなぁ。修理に出している時計を受け取りに行っていいか」

勇者「うんいいよ。行こ」ぎゅ

傭兵「それ歩きづらい…」

勇者「今日はずっとこうだよ? 離さないもーん♪」

傭兵「お前って、恥ずかしさはないのか?」

勇者「うーん…周りの目を気にして遠慮してたらもったいないよ。楽しめる時にいっぱい楽しまなきゃ!」

傭兵「…一理あるな。わかった今日は一日甘やかしてやる」

勇者「くふふ」



【時計屋】


時計屋「あいよケース部分の修理と、傷んだ皮バンドを取り替えといたぜ」

傭兵「すまないな」

時計屋「ん? 連れは昨日の子じゃないんだな。この子もあんたの娘かい?」

傭兵「あ、あぁ…えっと」

勇者「歳の差はあるけどこう見えて恋人なんです…えへへ」すりすり


時計屋「……ほぅ! なら昨日のおとなしい娘さん以上にいい時計かってやらねぇとな」

勇者「!」

傭兵「げっ…おい! 俺の懐が……くそ、外で待たせときゃ良かった」

時計屋「お嬢ちゃんはどんなのが好みだい。金ピカ? 宝石は好きかい?」

勇者「えーっと…うーん時計は今はいらないかな」

時計屋「巷ではアクセサリーとしてもすごく人気があるんだよ」

勇者「でも、ボクたちお金ないんだ。ごめんなさい」

時計屋「そ、そうかい」

傭兵(ユッカ偉いぞ…ねだられても買えないもんは買えないがな)

傭兵「ほら修理費だ」

時計屋「おう……」

時計屋「じゃあお土産はどうだい!? 自慢だがピニオンの機械式時計は世界一と呼ばれているよ」

時計屋「きっと誰にプレゼントしても喜んでもらえる。両親やお世話になった人に是非ともおすすめするぜ!」

傭兵「土産か…」


勇者「ねぇねぇ。王様にお土産買わなくていいの? いっぱいお世話になったでしょ?」

傭兵「グレイスに? 世話になったといえばそうだが…」

傭兵「買って帰るにしても、国王相手に中途半端な安モンじゃダメだろうしなぁ」

傭兵「かといってこんな宝石が散りばめられた物は買えそうもない…」

傭兵(そもそも今の俺の身分で手渡しできるのか? ユッカに渡してもらえばいいのか)

勇者「そっか、そうだよね」

傭兵「ん? この時計…」

勇者「わーかわいい。ハートの形してる♥」

傭兵「ハートだな。軽くていい」

勇者「お手頃な値段だね」

傭兵「これ結構いいな」

勇者「え!? 買ってくれるの?」

時計屋「ほうお目が高いねぇ。そりゃいま若い子の間で一番流行ってるアクセサリーだよ」

時計屋「もちろん中身はしっかりした機械式時計さ」

傭兵「1つもらっていくか」

時計屋「まいどあり!」


勇者「わーありがとーソルー」

傭兵「…」ごそごそ

勇者「え? なんでしまっちゃうの!? ボクにくれるんじゃないの?」

傭兵「ん? あぁ、お前も欲しいか? じゃあもう一つ買うけど」

勇者「え! い、いいよ…いらない。ボクそんな可愛いの似合わないもん!」

傭兵「そんなことないけどな。けどこれは手土産にするんだ。悪いな」

勇者「誰の…?」

傭兵「さぁ誰だろうな」

勇者「おしえてよー」クイクイ

勇者「ヒーラ? クロノさん? あぁわかったマオにゃんだ!?」

勇者「違う? キュウチャン? ローレさん? んー??? ソルが渡す人……サキュ…なわけないか」

傭兵「……」

勇者「……むっ、教えてくれる気ないんだね、ケチ」

勇者(他にソルに女の人の知り合いっていたっけ?)

勇者(騎士時代の仲の良い女の人だったらどうしよう…)

傭兵「お前にはもっと役立つ良い物買ってやるから」なでなで




【服屋】


店員「お似合いですよ~お客様~」

勇者「……で、良い物ってこれなんだ」

ユッカのスカートの裾をおさえてやや居心地悪そうに鏡を見ていた。
右へ左へと向き直るたびに、つるんとした張りのある健康的な太ももがチラチラと顔をのぞかせる。
上には可愛らしい意匠を凝らしてあるブラウスを着せた。


勇者「スースーするよ…」

傭兵「おお…」

勇者「こ、こんなのボク…普段履かないし…変だよぉ」

店員「そんなことありません。大変よく似合っております」

傭兵「良いと思うぞ。うん、一気に女の子らしくなった」

勇者「それボクが今まで女の子っぽくなかったってこと?」

傭兵「い、いやーそういうことじゃないんだがな」


勇者「……う」

勇者「……似合う?」

傭兵「あぁ。かわいいよ。似合ってる」

勇者「…じゃ、じゃあ…ボク…今日はこれ着る…ね?」

店員「お買い上げありがとうございます」


若い女性店員が気を利かせてユッカの跳ねた毛をブラシでまっすぐになるように撫でていた。
唐突なおめかしに、ユッカは困ったようなしかしどこか嬉しそうな顔をする。
そんなユッカの姿をみていると、亡くしたあの人の面影がふと浮かび上がった。
やはり親子はどこまでも似るらしい。



傭兵「いい買い物をした。満足」

勇者「…う、うん」

先程まで着ていた服は紙袋につめて、俺たちは新たな装いで街中に繰り出した。
ユッカはそわそわと落ち着かず、足取りは軽やかではない。
慣れないスカートが風でめくれ上がらないかどうか随分と気になっているようだ。

傭兵「腕に抱きつかないのか? ほら」

勇者「…う、うん…やめとく」

傭兵「急に恥ずかしくなった?」

勇者「ボク…ずっと場違いな格好してたんだなぁってわかってさ。うう…」

勇者「よく見たら街の人みんなおしゃれだった…」

傭兵「旅をしてたんだからしかたない。動きやすさに特化したらあんなもんさ」


勇者「……」

傭兵「ユッカ?」

しおらしい姿が新鮮だ。
いつも人目を気にせず元気に跳ね回っている少女が、いまはどこかの御令嬢かお姫様のように見える。

傭兵(王家の血ってのは案外あなどれないもんだな)

やはり顔立ちはとても美しく、おとなしく黙っていれば気品にあふれている。
それに加えてユイさんの穏やかな目つきや懐の深さを受け継いだユッカは、きっと将来すごく良い女になるだろう。


勇者「な、なに? じっと見られちゃ恥ずかしいよ」

傭兵「……」

勇者「やっぱり変だって言いたいんでしょ…わかってるもん、ふんだ」

衝動的にもみくちゃに抱きしめたくなったが、街中なのでなんとか踏みとどまった。
ユッカの手をゆっくり引いて、人通りを歩いてゆく。


勇者「ソル今日は紳士だね」

傭兵「俺だっていろいろ考えて努力してるんだ。とりあえず公園でお昼食べようか」

勇者「うん!」




   ・    ・    ・



青々とした綺麗な芝生の広がる公園に来た。
老若男女問わずたくさんの人がそこら中で思い思いの休暇を過ごしている。


傭兵「ベンチ開いてるしそこ座るか」

勇者「うん!」

傭兵「あーまてユッカ。まだ座るな」

勇者「?」

木製のベンチの上に一枚大きめのハンカチを広げて、ユッカにこの上に座らせるように促した。

傭兵「買ったばかりだからな」

勇者「えへへ…ありがと……」

気恥ずかしそうにユッカは座って、俺もその隣に腰かける。
視線の先にはクロノさんの住む大時計塔が見える。
ずいぶんと景色の良い当たりスポットだった。
早速今朝ユッカがつくってきたサンドイッチを2人でほおばった。


勇者「♪ おいしい」

傭兵「そうだな。天気もいいし、最高のデート日和だな」

勇者「うん。はむ…♪」



傭兵「なんだ、今日は上品に食べるな」

勇者「だってぇ…こんな格好だもん」

勇者「がっつけないよぉ。食べカスこぼれたらやだもん」

傭兵「はは。お前って意外と考えてるんだな」

勇者「な゙っ! ボクは一応、英才教育をうけてるんだからね!」

傭兵「ははは、そうだったな」


ユッカは記憶を失ってから数年の間は警護も兼ねて王宮で暮らしを強要された。
その間に幼いながらにマナーという物を身に着けていたようだ。
しかし数年経ってから、魔覚を育てるために再び自然あふれる太陽の村に戻っている。

その結果、野性味あふれる破天荒少女になってしまった、というわけだ。


傭兵「お茶あるか」

勇者「うん。水筒もってるきたから淹れるね」コポコポ

勇者「はい!」

傭兵「おう、悪いな」


勇者「はふぅー」

勇者「自然の中でこうしてると落ち着くね」

傭兵「そうだな…懐かしい気分だ」

俺はコップに注がれた茶を飲み干し、一息ついて小さくつぶやいた。
そう、とても懐かしい感情。
昔はよくこうしてユッカを連れてピクニックをした。

勇者「……ソル?」

傭兵「お前が覚えているかはわからないけど、よく近くの森の湖畔に行ったな」

傭兵「湖がキラキラしてて綺麗でさ、夏場は緑が生い茂ってて、側に大きな神樹があった」

傭兵「お前の大好きな場所だったんだ」

勇者「……えへへ」

ユッカはぎゅっと腕にしがみついてくる。
そして遠慮なく俺の膝の上に座り込んだ。


勇者「こんな風にして…お弁当たべたよね」

傭兵「…! ユッカ…」


思わず腕をまわして、ユッカのお腹を抱きしめた。
頭ひとつ分以上成長しても少女はすっぽり腕の中におさまるくらいに小さい。

目の前の栗色の後頭部に顔をおしつけて、くしゃくしゃとかきまわした。
ユッカの愛しい匂いがふわりと鼻孔をくすぐる。


勇者「あはは、くすぐったいよぉ。何してんの」

勇者「ねぇソル? あんまりきつく抱っこされるとお腹くるしいよ」

勇者「…?」

傭兵「ユッカ…たくさん、話したいことがあるんだ」

傭兵「お前に…伝えないといけないことがある」

傭兵「謝りたいこともある」

勇者「…ソル」

ユッカは俺の腕を解いて、勢いよくぐるんと体勢を180%変えた。

勇者「なぁに?」

傭兵「…俺は…お前に」


謝らなくてはいけなかった。
ユイさんをまもれなかったこと。記憶を封印してしまったこと。
それを黙って、騙していたこと。たくさんの負い目があった。

だけどユッカは俺を咎めようともせずに、小さく微笑んで、俺の口を柔らかな唇で塞いだ。

 

勇者「んぅ…ん♥」

傭兵(ユッカ…!)


ユッカは俺のいつまでも唇を離してくれない。
何度も生暖かい舌をおしこんできて、俺の思考力を奪っていく。

食べたばかりのサンドイッチの匂いがした。


傭兵「ユッカ! 俺は……んぐぅ」

勇者「ちゅる…ちゅう♥ んぅー♥ はふ」


その後も謝らせてはくれなかった。

彼女は覚醒したあの日に、過去の全てを思い出している。
村が焼けたことも、母親を失った哀しみも、俺を忘れてしまったことも。
一切の記憶が蘇ったはずだ。
子供心には耐え切れないほどの忌まわしい記憶たち。

だけど年月が経ちひとまわりもふたまわりも成長したユッカは、決して折れることはなかった。


傭兵(強くなった…)

傭兵(今思えば、あの時お前の記憶を封じたのは間違いだったのかもしれない)

傭兵(お前ならあんなことをしなくても、自分の中で区切りをつけられたのかも)

傭兵(周りが情けない大人たちばかりでごめんな…)

傭兵(どうか、俺たちの犯した罪を赦してほしい)


ユッカは俺の唇を吸い続け、優しく頭をなでてくれた。


勇者「よしよし。ソルはそんな顔しちゃだめだよ」

傭兵「言わずとも、お前は…なんでもわかるんだな」

勇者「…えへへ」

勇者「ソル聞いて。ボクはね、何よりも嬉しいんだ」

勇者「君がボクの思い出の中にもいてくれて、ずっと護ってくれていた」

勇者「さみしがりのママを愛してくれた」

勇者「だから、いまボクは嬉しいんだ…!」


ユッカはとびきりの笑顔で再び俺にだきついた。
それは夏の太陽のような、目にいれると眩しいほどの笑顔だった。



傭兵「お前…」

勇者「はむ、ちゅー♥」

傭兵「お、おい…んぐ、んぅ」

勇者「ちゅ~~~♥」

傭兵(こ、こら! 嬉しいのはわかったから一旦離れろ!)


子供A「…」ジー

子供B「…」ジー

勇者「…? はっ!」

子供A「おねえちゃんたち何してるの?」

子供B「しってるよ。インコーでしょインコー。つづきは!?」

勇者「…そ、ソル! 行こっ! ボクそろそろ他の所行きたい!」グイグイ

傭兵「ああっ、わかったわかったから!」


勇者「続きはまた後でしようね…? えへへ…」

傭兵「…あぁ」



後日譚第2話<陽気>つづく



   

更新終わり
次回火曜日22時~

後日譚第2話<陽気>つづき



勇者「はーびっくりした。人に見られてるとは思わなかったよ」

傭兵「あんなとこで抱きついてくるからだろ…」

勇者「だってぇ…なんだか寂しそうな顔してたんだもん」

傭兵「寂しそう?俺がか?」

勇者「うん。ソルね、ときどき遠くを見るような目をしてるんだ」

勇者「前はどうしてだかわかんなかったけど、今ならキミの気持ちわかるよ」

傭兵「ユッカ…」

勇者「にしても変わったよねぇ」

傭兵「なにが」

勇者「ソルだよぉ。昔はさ、もっと真面目っていうか、キリっとしててカッコ良かったのに」

傭兵「え!? か、かっこ良くない…のか今の俺!?」

勇者「くふふ、どうかなー」ギュ

勇者(キミはね、ちっちゃいボクにとっての憧れだったんだ)

勇者(ちょっと怖い雰囲気もあったけど、いつもひたむきにママとボクをまもってくれて嬉しかった…)

勇者(記憶が戻った今もその気持ちはかわらないよ)

勇者「いつも…ありがと、ソル♥」ギュム


傭兵「昼飯くったし次はどこ行くかな」

勇者「マナとは劇を見たんでしょ? 楽しかった?」

傭兵「まぁな。話の内容はともかく、劇場の雰囲気はよかったぞ」

勇者「うーんじゃあおんなじとこに行っても仕方ないよねぇ。どこにしようかな」

勇者「そうだ。街の観光パンフレットもらったんだった」ゴソゴソ

傭兵「どれどれ」

勇者「へー大時計塔も観光名所なんだ」

傭兵「そりゃ魂流しの時期にはたくさん来てたもんな」

勇者「この歯車通りって時計買ったとこ?」

傭兵「あぁ。そこからこう歩いてきて、いまこの芝生公園」

勇者「ちかくに牧場あるよ! いこ!」グイッ

傭兵「お、おいひっぱるな」

勇者「はやくはやくー!」

傭兵「走ったらパンツみえるぞー」

勇者「ひゃうっ忘れた! ……見えた?」


傭兵「見えてない。嫌ならもう着替えるか? 俺は十分堪能した」

勇者「…っ」ふるふる

勇者「せっかく買ってくれたんだから、今日は一日これ着てデートするの!」

勇者「すこしでも可愛く女の子らしくなってソルに喜んでほしいもん…」

傭兵「お…うぉ」

傭兵(おもいっきり抱きしめたいが…我慢我慢…)

勇者「…? いくよー」



【牧場・草原】


勇者「ひろいねー! わー」

傭兵「おっとユッカ」

もはや癖と言うか本能なのだろう、広い草原を見るやいなやいきなり走りだそうとしたユッカの手をひいて懐に抱き寄せた。

勇者「あ、あはは…ごめん。さっき走らないって言ったばっかりなのにね」


傭兵「馬いっぱいいるな」

勇者「うん。あそこの馬勝手に乗って良いのかなぁ!? 遠目でも毛並み綺麗そうでかわいいなぁ…」

傭兵「勝手にのるのはさすがにダメだろ…やめとけ」

勇者「なにすればいいんだろう?」

従業員「あら、牧場体験ツアーのお客様ですか」

勇者「!」

傭兵「いや…ふらっと立ち寄っただけなんだが」

従業員「お時間があればぜひ牧場体験はいかがですか」

傭兵「体験? どんなことをするんだ」

従業員「エサやりに、乳搾り、乗馬に、アイスクリームづくり等と牧場でしかできないことをたくさん体験できますよ」

従業員「親子でもたっぷり楽しめますよー。思い出作りにどうぞー」

傭兵「どうする?」

勇者「せっかくだしやりたいなぁ」

従業員「はい。ではこちらへどうぞー」


【牧場・園内】


連れてこられた園内はすでに子連れの夫婦やカップルで賑わっていた。
どうやら一日遊べるちょっとしたテーマパークのようになっているらしく、
街の喧騒を忘れて休暇を過ごすには丁度よさそうな雰囲気だ。


勇者「なんだか田舎みたいだね!」

傭兵「そうだな、ピニオンにもこういう場所があるんだな」

勇者「やぎ~~~!」ダダッ

傭兵「あーあ…。スカート履かせたの失敗か? ユッカー服汚すなよー」

勇者「わかってるーー」


ユッカは早速案内のお姉さんに餌袋をもらって、子どもたちに混ざって動物に餌をやっていた。


傭兵「ふれあいコーナーか」

従業員「うふふ、お父さんもどうですか」

傭兵「おと…っ、子連れのおっさんに見える?」

従業員「あぁ…! ごめんなさい失礼しました、お兄さんですね」

傭兵(…まぁ、そう見えるのは仕方ない)

傭兵(まさか10も歳下のこれと恋人同士には見えないだろうな…)

勇者「あははー。たべてー。あーん。かわいいねぇー」なでなで

やぎ「…」ボリボリ


勇者「ほらぁこの子かわいいよ」

傭兵「やぎのかわいさはわからん」

やぎ「…」ボリボリ

勇者「おっきくなりなよ」

従業員「上手ですねぇ。その子は気難しくて、時々噛まれてしまうお客さんもいらっしゃるんですけどね」

勇者「こうやって撫でてあげると喜ぶよぉ」すりすり

傭兵「さすがに動物の扱いはうまいな」

勇者「うん。だって村でいっぱい飼ってたもん」

傭兵(動物に好かれるのもこいつの資質なんだろうなぁ)

勇者「ソルもあげてみなよ! はいエサ」

傭兵「おう…任せろ」

やぎ「…」

傭兵「エサだ。食え。うまいぞ」

やぎ「…」

傭兵「…くっ、おい無視すんな。まだ腹減ってるだろ。俺のエサが食えねぇのか」

傭兵「いま食ったのと同じだぞ。ほしいだろ? ほら、ほらほら!」プラプラ

やぎ「…」ガジ

傭兵「~~っ! くそっ何しやがる…痛いっ痛いっ!」

勇者「あー…」


勇者「ソルってスレイプニルにエサやるのもへたっぴだよね」

傭兵「……どうもな、動物の気持ちはわからん。あいついっつも暴れるんだよなぁ」

勇者「簡単なのにー。スレイプニルはすっごくおとなしくていい子だよ」

傭兵「あれがか?」

勇者「そうだけど? あー次はキミね。あーん」

やぎ「…」ボリボリ

傭兵(お前みたいにドラゴンを懐かせる奴にとっては、相手が何であれ造作もないんだろうな…)


その後ユッカは飢えたやぎ共にたかられつつも、楽しそうにエサをやりつづけた。


勇者「たのしかったー。たまには動物とのふれあいもいいね」

傭兵「将来は牧場で働くといいんじゃないか?」

勇者「それってソルが牧場ひらくってこと?」

傭兵「…ん? あー、いや…そういうわけじゃない」

勇者「忙しくなりそうだねー♪」


傭兵「冗談だぞ!? ただお前にはよく似合いそうだなとおもっただけだ…体力も無駄にあるしな」

勇者「でもさー朝早いからあんまり夜遅くまでイチャイチャできなくなっちゃうよ」

傭兵「…」

勇者「あっち! 乳搾りだって! やるぞー!」

傭兵「お、おう…」

傭兵(ユッカの将来か…いい加減旅の後のことを考えなきゃなぁ)

傭兵(ユッカが嫁に…そうなるといいな)

傭兵(きっと毎日笑顔にあふれて楽しいだろう)


傭兵(金を溜めて、いやこの際借金でもいいから牧場を開いて)

傭兵(ユッカとヒーラちゃんとマナと一緒に悠々と暮らす…そんな生活はきっと幸せだ)

傭兵(しかし考えてみれば、ユッカは勇者として旅を終え、そのあと国の重要なポストに就くかもしれないな)

傭兵(正真正銘王家の血だもんな…)

傭兵(俺みたいなのとは格が違う)

傭兵(俺の親父は所詮国を捨てた身だ。俺が身分を明かしたところで、何の役にも立たない。俺に還る場所はない)

勇者「いくよ? どうしたの?」クイク

傭兵「お、おう」




   ・    ・    ・



勇者「ぴゅーー♪ ぴゅーー♪」

勇者「おいしいミルクいっぱい出してね」

牛「♪」

従業員「上手だねぇ。お嬢ちゃんは動物さんが大好きなんだね」

勇者「えへへー。乳搾りもよくやってたからね」

傭兵「手慣れてんなぁ」

勇者「あ、そうだ! ソル、リベンジだよ! 今度こそ!」

傭兵「おう……あんまり気乗りしねぇがやってみるか」

従業員「優しくですよ。乳首をきゅっとつまんで」

傭兵「任せろ。乳搾りは結構得意だ」

ぴゅーーっ ぴゅーーっ

従業員「あら、上手ですね」

傭兵「はっは! なんたっていつも――あ」

勇者「いつも…? ふーんソルってば妙に手慣れてるねぇ……牛飼ってたことあるの?」ジトッ

傭兵「な、なんだよ!」

勇者「ふんだ…どうせボクは出ないよ!」

勇者「ヒーラと2人で牧場でもやってなよ!」



傭兵「誤解だユッカ」なでなでなでなで

勇者「……」

傭兵「あのなぁ、だいたい牛と人間は乳房の形からして違うだろう?」なでなでなでなで

傭兵「そんなもん練習になるとでもおもうか? 全くの無関係だぞ?」なでなでなでなで

傭兵「俺は牛の乳搾りを守備隊の下っ端時代に毎朝やってたんだよ」なでなでなでなで

傭兵「だから上手いのであって、決してヒーラちゃんは関係ないぞぉ」なでなでなでなで

勇者「苦しいねそれ」

傭兵「っ!」なでなで…

勇者「なんだよぉこの手は! うう、うっとうしいよ。機嫌とってるの丸わかりじゃん!」

傭兵「……チッ」

傭兵「牧場特製ソフトクリーム」ボソッ

勇者「たべる~~~♪」

傭兵(バカで助かったぜ)なでなで


勇者「おいしいねぇ」

傭兵「そうだなぁ。こんなもんここでどうやって作ったんだ」

勇者「きっとマナみたいに氷系の魔法の使える人がいるんじゃないかなぁ」

傭兵「そりゃ限定人気商品になるはずだ」

勇者「はむっ♥」

傭兵「口の周りついてるぞ」ツツー

勇者「えへへ…はやくたべないと溶けちゃうから」

傭兵「ここはのんびりしてんなぁ。時間が止まってるみたいだ」

勇者「そうだねぇ。ピニオンってさ、そこら中に時計が置いてあるから、なんだか時間に追われてるみたいで焦っちゃう」

勇者「あーもうこんな時間だーってね」

傭兵「えっとな、今15時。あと2時間くらいしたら帰るか」

勇者「やーだぁー。せっかく時間を忘れようとしてたのに言わないでよぉ」

傭兵「はは、下から零れそうになってるぞ」

勇者「!! はむちゅ、ずずっ」

勇者「危ない危ない…スカートに垂らしたらだめだもんね」


傭兵「なぁユッカ…」

勇者「?」

傭兵「キスしていい?」

勇者「えっ! な、なんで…あむぅ!?♥」

勇者「んぅ…ちゅぅ…ちゅ」

勇者「にゃに…? びっくりした」

傭兵「甘いな…」

勇者「不意打ちなんてかわせないよ! ずるい!」

傭兵「違う。お前の唇」

勇者「ソフトクリームたべてるもん…」

傭兵「なぁもう一回だけ」

勇者「え…うーん、どうしちゃったのソル。いいけど…ちゅ♥」


ユッカとふたりきりの時間を大切にしようとおもった。
すこしでも恋人らしいことができただろうか。
従業員のお姉さんが驚いたような顔をし、口元を手でおさえながら目の前を通り過ぎていった。



勇者「~♪」

傭兵「ご機嫌だな。乗馬はいいのか? 体験できるみたいだぞ」

勇者「いい~♪ スレイプニルがいるもん。ボクが違う馬にのったら嫉妬しちゃうよ」

傭兵「そうか。じゃあそろそろ…」

従業員「お会計ですね」

傭兵「え……」

従業員「本日の牧場体験ツアーのお会計をさせていただきます」

傭兵「……そりゃ、金取るよな」

勇者「ソル…もしかして…」

傭兵(まずい…足りるかこれ?)


その時、不安そうなユッカを尻目に、ひときわ目を引く看板を見つけた。

傭兵「お、おお…あれはもしかして」

その案内が俺には救いの神に見えた。
俺はまだ天に見放されていない。

傭兵「ちょっと待ってろ! すぐ増やしてくる!」

勇者「?」

従業員「おまちしておりますね~」


勇者「……なんだろうこの看板」

従業員「うちの牧場、家族連れの特にお父さんたちは暇になることが多いので」

従業員「こういった催し物もあるんです」

勇者「…賭け馬レース……?」

勇者(これって…)



傭兵「おおお! 行け!行け! ああああああああ!!」

おっさんA「ぐおおおお!! また外れたあああ!!」

おっさんB「畜生!! 俺の小遣いがあああ!!」

おっさんC「うひょおお!! 大穴あたったぁ!!」

傭兵「な、まずい…あと3回勝負だ…なんとしても」

勇者「なにしてんの」

傭兵「! お、ユッカ」

勇者「お。じゃないよ! ここ何?」

傭兵「見ての通り…お馬さんがかけっこしてどれが勝つか当てる健全なレース場だ」

勇者「馬のかけっこじゃなくて賭けごとでしょ!」

傭兵「何がいけない! 足りない手持ちを増やして何が悪いんだ!」

勇者「で、勝ったの? 叫んでたけど」

傭兵「次のレースいってみようぜ」

勇者「……」


<15分後>


傭兵「…ああああ……もうだめだ。また外した」ガク

おっさんA「あんちゃん…最悪借金ならここの牧場で働いてかえせるみたいだぜ」

おっさんA「なぁに一ヶ月も馬小屋掃除してりゃいいだけだ…女房も俺たちの顔をみなくてせいせいするってもんよ」

傭兵「俺はそういうわけにはいかねぇんだよぉおおお」


勇者「……はぁ」

傭兵「ユッカ…あと1レース…俺はどうしたら」

勇者「よくわかんないけど、どの子が一着か当てるんだよね?」

勇者「馬のレースみるのは好きだけど、その結果でおじさんたちがあんなに一喜一憂するのは変だよ」

傭兵「あぁ…お前にはわからないよこの興奮」

勇者「…」

傭兵「どいつに運命を託すか…くそ、全然わからん」

勇者「あの黒い毛並みの子が勝つと思うよ」

傭兵「え?」

勇者「だってやる気まんまんだし、強い魔力まとってるし、絶対負けないよ」

傭兵「え…まじで言ってるの?」

勇者「そうだけど」



   ・    ・    ・



傭兵「うおおおおおおおお!!」

おっさんA「おお、あんちゃんやっと当てたのか!」

傭兵「か、神さま…」すりすり

勇者「やめてよ…でもこれで牧場のお金払えるならよかったね! さ、帰ろう!」

傭兵「……」

勇者「ソル? 帰るって言ったよ」

傭兵「神さま…これを元手にあと20倍、いや10倍でいいから増やさせてください」

傭兵「神さま次はどの馬が魔力強いですか! ぜひその魔覚で…ご神託を…」

勇者「……もうっ! だめ! 帰るよ!」ズリズリ…

傭兵「やだぁあ、もっと俺お馬さんと遊びたい~、せっかくのチャンスがぁあ!」

傭兵「お前の魔覚! ほんとすごい! 天才! ユッカ様! 愛してる!」

勇者「ダメ」ズリズリ

傭兵「くそぉ~~~っ!! 俺にも魔覚を~~~ッ!」




後日譚第2話<陽気>つづく


 

更新おわり
次回明日22時~

遅れちゃったスマソ
書き溜めて寝ます更新明日

後日譚第2話<陽気>つづき




傭兵「いやー良かった良かった……はぁ…」

勇者「うん、出られて良かったね」

傭兵「あと1レースくらいイイじゃねぇか…ケチケチ」ブツブツ

勇者「能力を賭け事につかうなんてダメだよ」

勇者「これはね、世界の平和のために神様が勇者の家系の与えてくれた力なんだよ」

傭兵「…わかってるが……はぁ~~~」

勇者「…ごめんねソル。ボクに魔力をあたえてなければ、ソルにも似たようなことが出来たかもしれないんだね」

傭兵「それはいいんだ。魔力をもっていてもお前ほどの優れた魔覚じゃなかった」

傭兵「はぁ~…結局すかんぴんだ」

勇者「コツコツまっとうに稼ごうよ」

傭兵「そ…うだな…」ガク


勇者「どうしてこうなっちゃったかなぁー」

勇者「ねーいつから真面目じゃなくなったの? 昔はすっごくまともだった気がするんだけどなぁ」

傭兵「わかりません」

勇者「あとエッチじゃなかった」

傭兵「…む」

勇者「…よね? ボクと一緒によくお風呂入ったけど、おっきくなってなかったし」

傭兵「あたりまえだろ。あん時お前何歳だとおもってんだ」スコン

勇者「そっかぁ…じゃあボクはソルがエッチな事考えちゃうくらいの大人の女性になった…って事なのかな?」

傭兵「……帰るぞ」

勇者「くふふ」

勇者「うん、一日楽しかったーありがとう」

傭兵「また今度な」




勇者「あっ!! あれヒーラとマナじゃない?」

傭兵「おお、ちょうど買い物帰りか」

僧侶「ユッカ様ソル様! すこし手伝ってくださいませんか」


傭兵「これ全部買い物か…随分たくさん買ったな」

僧侶「はい! オクトピアまでは長旅になりますのでいまのうちです」

傭兵「酒は?」

僧侶「……あります♪」

傭兵「よしっ」

勇者「マナのその荷車は何…。何をそんなに買ったの」

魔女「必要なパーツ」ゴトゴト

傭兵「俺が引く。貸してみろ」

魔女「ありがとう。重たくて困ってた」

勇者「…パーツ?」

傭兵「うお…ほんとに重いな。この板なんなんだ、日曜大工でもはじめるのか…?」

魔女「内緒」


僧侶「あら、ユッカ様そのお姿…」

勇者「あ、これ? えへ」

僧侶「きゃーすごく似合ってますよぉ。スカートかわいい…」

勇者「そうかな…えへへ、買ってもらったんだぁ」クルリ

魔女「高そう」

僧侶「ですね、ソル様随分と奮発なされましたね?」

傭兵「…長く着てほしいから、生地しっかりしてるのが良いかと思ってな…」

魔女「…私も買って」

僧侶「いいなぁいいなぁ…私も新しいお洋服欲しいです」

傭兵(金がない…)

僧侶「ソル様ぁ」キラキラ

魔女「ほしい…」ジー

傭兵「よぉし……とりあえず帰って飯くって風呂入って作戦会議だ」

勇者(ソルのお財布が心配になってきた…)



   ・   ・   ・



 



【大時計塔・食卓】



僧侶「そろそろ出発の支度をしなければいけませんね」

傭兵「明日明後日には出発だな」

勇者「またしばらく船旅だねー」モグモグ

傭兵「船か……う」

勇者「どうしたの?」

傭兵「行きの便での嫌な思い出がよみがえった……」

傭兵(小さくなったのをいいことに俺はこいつらに…)

勇者「チビソルかわいかったねー。生意気だったけど」

傭兵「ぐっ…やめろ、まじでやめろ」

魔女「…喜んでたのに」モグモグ

傭兵「お前が一番最悪だったぞ」

傭兵「そ、そうだマナっ! 俺が引いてきたあの板みたいな資材は何なんだ」

僧侶(よっぽど小さくなった時の話をしたくないんですね)

勇者「そうそうボクも気になってたんだよね」

魔女「あれは馬車の荷車に取り付ける物。明日お披露目」

僧侶「マナちゃんが設計したんです。きっとびっくりしますよ♪」

傭兵「改造かぁ。楽しみだな。男の子のロマンだ」

魔女「わたし女…」


勇者「マナの設計…。ねぇ…また自動レベルあげマシーンみたいな変なのじゃないよね…?」

魔女「…くす」

勇者「や、ヤだからね! もうエッチしてもレベルあがらないし!」

時の魔術師「また呪いをかけられたのではなかったのですか?」

勇者「無駄にエッチな気分になるだけのサイテーな呪いだよ…」

時の魔術師「難儀ですね」

僧侶「そうなんです…」

魔女「とにかくすべては明日のお楽しみ。この後もすこし作業があるからお先に。ごちそうさま」

僧侶「お粗末さまでした」

勇者「うう…不安でご飯が喉を通らないよ…」

時の魔術師「うふふ。こんなににぎやかなのに、あなた方が旅立つとなると寂しくなりますね」

勇者「また何度も遊びに来ます」

傭兵「あぁ、もうちっと国から近けりゃいいんだけどな」

時の魔術師「いつでも待ってますよ」

傭兵「こうして支援してくれる人がいてようやく俺たちの旅はなりたっている。ありがたいことだ」

僧侶「クロノ様。ありがとうございます」

時の魔術師「私こそ、楽しい時間を過ごせて良かったです」


傭兵「さて俺は風呂入ってくるかなーごちそうさま」

僧侶「はい、行ってらっしゃいませ」

勇者「!」もぐもぐもぐもぐ

傭兵「なんだなんだゆっくり食え」

勇者「もごっ、ぼふもふぁいう!」

傭兵「…あ?」

勇者「…ゴクン。ボクも入る! お風呂!」

傭兵「おーー、そうか。じゃあ着替えとりにいくぞ」

勇者「うん」

僧侶「あっ! ちょっと待って下さい!」

勇者「なに? ヒーラはダメだよ。ボクが入るから」

僧侶「いえそういうわけではないんですけど…あの、お湯…」

僧侶「汚さないでくださいね? 私たち後で入りますので」

勇者「……大丈夫大丈夫!」

時の魔術師(もはやあなた方のパーティでは混浴は当たり前なのですね…)

時の魔術師(私にもきっとそのうち…いずれ…未来の旦那様が…うう…)




  ・   ・    ・



傭兵「どうした脱がないのか」

勇者「…こんなにいっぱいボタンついてる服あんまり着ないから…」

勇者「袖のトコが…あれ」

傭兵「おいあんま無理にひっぱるなよ。ボタン取れる」

傭兵「腕だせ」

ぷちっ ぷちっ

勇者「……えへ、なんだか脱がしてもらうってエッチだね」

傭兵「……やーめた。あとは自分で脱げ」

勇者「あんっ、前のボタンも外して!」

傭兵「ったく。ブラウスもろくに着たこと無いのかお前は…。知ってたけど」

勇者「この服気に入ったよ。ピッタリしてて涼しい」

傭兵「そりゃ良かった。いつもの格好じゃデートって感じしないもんな」

勇者「国に帰ったら自分で色々服を買ってみようかな」


ぷちっ ぷちっ ぷちっ

ユッカに買ってあげたブラウスの前のボタンを1つ1つ丁寧にはずしていく。
ブラウスを脱がせるとぷっくりとした幼い双丘が姿をあらわれた。
飾り気のない無地のスポーツブラジャーに包まれていた。


傭兵「最近はちゃんとつけてるんだな」

勇者「あ、あんまり見ないでよ…むぅ」

勇者「ヒーラがつけたほうが良いっていうんだもん」

勇者「ボクちょっとおっきくなったかも!? えへへ」

ユッカは誇らしげに胸を反る。
たしかにそこそこ主張をはじめているが、ヒーラちゃんと比べるとあまりに貧相だ。
下着の地味さも相まって、とても性的興奮を抱けるほどではない。

傭兵(その内に色気づいて派手なのをつけたりするのだろうか)

傭兵(そうなってしまうとなんだか無性に悲しい……悲しいぞ!)

勇者「どしたの?」


傭兵「スカートは自分で脱げな」

勇者「うん。あ、でも脱ぐ前にひとつだけやりたかったことあるからやってみていい?」

傭兵「なんだ」

勇者「ちょっとしゃがんでよ」

傭兵「おう…」

言われた通りユッカの足元でかがむ。
衝動的に目の前のスカートをめくりたくなったが膝蹴りをもらうと嫌なので我慢した。

傭兵「なんだよ早くしろよ。風呂入るぞ」

勇者「えへへ~しかと見よ」

勇者「……ぴらっ♪ 今日一日この中が見たかったんでしょ?くふふ」

笑顔でスカートをまくり、白い下着と太ももを見せつけてくるユッカ。
しかしそこには感慨深さというものは一切なかった。
むしろユッカは所詮ユッカだとわかってどこか俺は安心した。

傭兵「……ふ、やれやれ。わかってないな」

勇者「……ええ!? なんなのその反応」

勇者「…嬉しくないんだ…あ、そっかどうせ裸になってパンツの中身も見るもんね」

傭兵(こいつにはまだまだ仕込む必要がありそうだ)



  ・    ・    ・



【風呂場】


勇者「あー疲れがとれるー」

傭兵「ここの風呂は広くていい…これだけあればヒーラちゃんとマナも一緒に入れるのにな」

勇者「だめだよぉ。今日はボクがソルを独占する日なんだもん」

勇者「それにみんなで入るとお風呂長くなっちゃう」

傭兵「なにをする気だ」

勇者「次の争奪杯が楽しみだね! いつにしよっか!」

傭兵「あっ、アレまだ続くのか!? もう俺はうんざりだぞ…」

傭兵「デートなら言ってくれれば付き合ってやるよ。あと金があれば」

勇者「早い者勝ちだとフェアじゃないもん!」

勇者「ソルだってエッチいっぱいできて嬉しいくせにさ!」ちゃぷ


勇者「ねー背中流してあげようか?」

傭兵「あーおう、頼む」

勇者「えへへ」

ユッカが湯船からあがって、俺の正面まで歩いてきた。
相変わらず発展途上のつるつるの体だ。
しかしこんな体でもいまはお湯でテカって随分といやらしい。

傭兵「なんで前に立つ」

勇者「前から洗ってあげるー」

傭兵「いやぁそれは…」

拒否を聞き入れてもらえるわけもなく、ユッカは手のひらでごしごしと泡をたてはじめて、俺の胸板に触れた。
そのまま熱心に洗体に没頭しはじめる。
小さな胸が目の前で上下に揺れる。

傭兵「……」

勇者「ごしごし。かゆいとこないですかー」

傭兵「それ頭洗う時な」

傭兵「こらっ! 爪で掻くんじゃない!」


勇者「ソルの身体はあいかわらずカチカチだねぇ、くふふ」

傭兵「これでも欠かさずトレーニングにしてるからな」

勇者「えいっ、こちょこちょ~」

傭兵「……」

勇者「あ、あれ…? ならここはどうだ! こちょこちょ~! くふふふ」

ユッカは俺の脇腹や脇の下を泡泡の手で好き勝手くすぐりながら、何故か自分で笑っている。
たしかに小さな手でされるとくすぐったいのだが、テクニックとしてはいまいちだ。
こいつのくすぐらせかたには情熱が足りない。ただのその時だけのおふざけなのだ。

勇者「あれー…笑わないねぇ」

傭兵「ふ…お前にくすぐられた程度でどうこうなるほどヤワな鍛え方はしていない」

勇者「ちぇっ」

傭兵「手本をみせてやる」

勇者「え、いい」

有無をいわさずユッカの腕を引っ張って、つるんと膝の上に座らせる。
昼間にもベンチで似たような体勢になったが今度はふたりともタオル一枚身につけていない全裸だ。
やわらかいお尻が膝に触れる。


勇者「ちょ、ちょちょ待って」

ユッカの目の前に両手を持ってきて、わざと柔軟な指使いを魅せるようにいやらしく動かしてみせた。
指の一本一本がまるで意思を持った触手生物のようにうねうねと思い思いの方向に蠢く。


勇者「ひ、ひぃぃ! なにこれキモいよぉ!」

傭兵「軍隊仕込みの拷問テクニックだ」

勇者「なんなの!?」

傭兵「場合によっちゃ相手を傷つけずに情報を引き出すことも必要だからな…くく」

傭兵「お前には手加減してやるが、それでも耐えられるかな?」


そしてユッカの濡れた体に張り付き、ぞわぞわとまさぐりはじめた。

 にゅるっ にゅるっ

勇者「ひゅぐっ!!」

傭兵「なに心配するな、ついでに全身くまなく洗ってやる。くまなくな…」

勇者「や、やめっ、ひゃふっ、もうくすぐったいから! やめっ」

 にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる
  にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる


勇者「あ゙ぁ~~~!」

 
ユッカの細い体をぬるぬるに撫で回す。
度重なる性交で、すでにどこが弱いか等は熟知しているが、今日はより一層違った悦びを与えてやろう。

お腹とわきばらをくすぐりながら、すこしずつ登っていく。

勇者「ふぎぅーーっ!?」

傭兵「まだこんなもの序の口だぜ?」

ユッカのぬるぬるの肌に吸い付いては撫で回し、離れてはまた吸い付く。
10本の指が同時に少女の肌の上で踊る。
しかも泡にまみれて今日は一段と滑りがよい。
体はあっという間に薄く泡立って真っ白になっていった。

 にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる
  にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる

傭兵「ほら脇だ…お前のかわいい脇…」

勇者「うひゃあああっ! だめやめてぇええ、あふふふ」

傭兵「今日は動きまわって汗をいっぱいかいたからしっかり洗っておかないとな」

わきは性器とはよく言ったもので、白くてつるんとした脇はとてもなまめかしい。
わきからあばらにかけて、丁寧にしつこすぎるほどに触手指を這わせて、まるで犯すように洗い続けた。


勇者「なっ、なんれこんな洗いかたやだよぅ」

勇者「うひっ、あふっ、だめだってばぁ♥」

傭兵「手であらうのはスポンジやタオルよりいいんだぞ。お前のきめ細やかな肌を傷つけたくないからな」

傭兵「さて、脇の次といったら、ここだよな」

そのまま手を横にずらしてつつましい胸を洗った。
うねうねとうごめく指が何度もさきっちょの敏感な乳首に触れて、ユッカはぴくりぴくりと身を震わせる。

勇者「うっ、ひゅう♥ あふっ、そこは…おっぱいだめぇ」

傭兵「どうした? もうピンピンに乳首たってるぞ? いつからだ?」

勇者「わ、わかんないよぉ」

勇者「ううっ、あんっ…ふぅぅ…ううう」

どうやら小刻みに胸先をかすめるだけの指がユッカの体にもどかしさを与えているようだ。
ぴくんぴくんと体は跳ねるがまだ快楽に突き抜ける程ではない。

傭兵「ユッカー、どうだ俺のテクは」

勇者「ひっ、ひっ、なっ…もっと」

傭兵「これでユッカのバストアップも間違いなしだなー」

勇者「焦らしちゃやだぁ♥」

 
傭兵「スケベだなぁ。乳首してほしいんだな?」

勇者「…っ!」

もう待ちきれないようなので泡だらけの指でつまんでこすって、すりすりと潰すように念入りに洗った。
かわいらしいぷっくりとした小さな乳輪もおまけだ。

勇者「あーー♥ あ゙ーー♥」

ユッカは俺の膝の上で風呂場に響く嬌声をあげた。
勃起しきった乳首は、完全に性器そのものであり、こするだけで軽く達してしまったようだ。
がくんと跳ねたユッカの頭が俺の顎にクリーンヒットする。

傭兵「いでっ」

勇者「ふぁう…らめ…ってぇ言ったのに」

傭兵「お前は乳首大好きだな。まだやめてあげないぞ」

 にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる
  にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる

勇者「えっ、だめっ、あああああ♥」



  ・    ・    ・ 


 


度重なる乳首での絶頂から数分。
拷問はまだ終らない。
いまは太ももの上を触手指が這いまわり、ユッカを存分に焦らしている。


勇者「はぁ…はぁ、ハァ♥」

勇者「にゅる指で…おまたして。お願いぃぃ」

傭兵「おまた? ここかな」

内ももの付け根、性器の真横をくすぐって、ユッカの性感を更に引き出していじめる。

勇者「はっはっはっはぁ♥ だめだめちがうよぉ」

勇者「おまた…おまんこなでて、触って、おまんこに指いれて犯してぇ♥」

傭兵「だめ。これはくすぐりだから」

勇者「やだあー! ううう」

ユッカは無理やり俺のうでを取り、なんとか自らの股座を触らせようとする。
しかしそうはいかない。
これは快楽拷問もとい調教なのだ、欲しがるものを与えては意味が無い。

傭兵「お前は我慢を知らないな…ほらほら。もうちょっと耐えたらしてやるぞ」

勇者「ううう~~、あふっ…んぁぅぅ♥」


すでに淫魔の呪いは完全に発動してしまっているだろう。
吐息は荒く、鏡にうつるユッカは発情しきっただらしのない顔をしている。

必死にうちももをすりすりと擦りあわせて、すこしでも快楽を得ようとしている姿が健気だ。

傭兵「ほしいか?」

勇者「ちょーだいちょーだいっ♥ はっ、はっ♥」

傭兵「指か? それとも?」

尻にカチカチに勃起したペニスをすりつける。
ユッカはぞくりと背を反らして反応した。
おそらくは前の穴ならすんなり入るだろう。


勇者「おちんちんっ♥ してくれるの!?」

傭兵「……あげ、ない」

勇者「やらぁぁあ!!」

傭兵「こら暴れるな」

傭兵「しかたない、軽く指で洗ってやるか」


蠢く指をいよいよ性器の周囲に近づける。
ユッカの小刻みが息遣いがいやらしい。
とても興奮していて動物みたいだ。

傭兵「撫でるぞ」

勇者「…うんっ!」

 にゅるっ

勇者「っ!♥」

 にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる
   にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる

勇者「ふぁぁぁあ♥♥」

ぬるぬる泡泡の指がめちゃくちゃに恥部をまさぐり、陰唇をひらいたり陰核を跳ねたりして暴れまわる。
快楽にたたきのめされたユッカは一気に絶頂して、大きな声をあげた。

勇者「あひゅううっ、ああああっ♥」

傭兵「おー、くすぐったいじゃ済まなかったなぁ」

 にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる
  にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる

勇者「らめっあああっ♥ またイッちゃ…ううううぁああ♥」


恥部をなぞり、陰唇をつまんで、
クリトリスを弾き、膣穴を浅く出入りする。
時々尻のほうまで伸び、閉じた穴をぬるぬるとほじくるように愛撫する。

予測できないそれらの不規則な動きが絶え間なく続き、無数の快楽がユッカを襲った。
くすぐり拷問だけでもう何度も達してしまっている。


勇者「ああぅ♥ だめぇええ、ああああ♥」

傭兵「ユッカー、またイッてるぞー」

勇者「イグッ、イグッ! あああ」

勇者「こんにゃの…ずるっ、ああっ、ずるいよぉ」

勇者「イクに…きまってるじゃんかぁあ!!」

勇者「ふぎゅううう♥」


傭兵「あはは、こんなに気持ちよくなってちゃ拷問にならないな」

勇者「なってるよぉー!! ゆびっ、1回とめっ、ああああっ♥」


勇者「はぁー…はぁー…もうやだ」

力が抜けてぐったりとしたユッカが膝の上からずり落ちそうになる。
落ちないようしっかりと抱きしめて、しばらく下腹部をさすってやった。
しかし敏感になりすぎたユッカの体はそれだけでまたピクリと反応する。

勇者「うう…ううう…エッチな声いっぱいだしちゃった」

傭兵「見ろユッカ、泡泡で綺麗になったなー」

傭兵「お前もいっぱい汗かいて、ねばねば汁もだして、内も外も綺麗になれたろ?」

勇者「…バカぁ」

傭兵「これからは毎日これしようぜ」

勇者「…っ!」フルフル

傭兵「さて。そろそろ、本番だな」

勇者「え……?」

傭兵「お前ひとりだけで気持ちよくなるなんてずるいだろ」

勇者「……そ、そだけど。今から…?」

傭兵「出来上がってるだろ、ここも、こっちも」

ユッカのぷにぷにの穴の周りをなぞる。
もう一つのまだ試したことのない穴もすっかりほぐれて、綺麗になった。


勇者「ちょ…ちょ…、そっちも!?」

傭兵「いいよな? 俺もお前のエロい姿見て限界なんだ」

傭兵「俺のが当たってるのわかるだろ?」

勇者「……うん。カチカチだね」

勇者「エッチ…」

傭兵「お前がいやらしいからこうなってるんだぞ」

勇者「うゔ…し、仕方ないなぁ……♥」

傭兵「ユッカだってほしいだろ? まだおまんこの奥はきゅんきゅんしてるんじゃないか?」

傭兵「せっかくのデートなんだから、最後までいっぱいしような?」

勇者「……わかった、うん」

勇者「ソルがすっきりするまで…付き合ってあげるよ…♥」



後日譚第2話<陽気>つづく

 

更新終わり
次回明日22時~

後日譚第2話<陽気>つづき



ユッカを持ち上げて前後裏返して、向い合わせに膝の上に座らせた。
胸やお腹、太ももまであらゆる部分が溶けかけた泡にまみれていやらしい。
一旦、桶に汲んだ湯でゆっくりと洗い流してやった。

勇者「はふぅー…」

ほっと一息といった落ち着いた表情からは考えられないくらいに、
恥部からはつぅーっと透明なねばっこい汁がひっきりなしに垂れ落ちている。

傭兵「やらしいな。準備万端って感じだな」

勇者「…うん。だってあんなに指でエッチされたもん」

傭兵「全身愛撫気持ちよかっただろ?」

勇者「頭ぶっ飛んじゃうかと思ったよ。ソルの指とセックスしたみたい…♥」

勇者「お腹の奥…まだまだ熱い」

傭兵「そりゃここの奥まで犯してないからな」ツンツン

お腹の子宮の辺りを指で軽くなぞる。
それだけでユッカはぞくりと身を震わせた。
淫魔の呪いはかなり仕上がっているようだ。



傭兵「さてお待ちかね」

勇者「……」ゴクリ

ユッカは俺のいきりたった5号サイズの陰茎を凝視した。
もう待ちきれないといった様子で紅潮した顔で目を輝かしている。
俺がこの大きさになってから、まだユッカとは全力といえるセックスはしていない。

果たして俺たちの体力をもってして、全力で行為を行うとどうなるのか。
今しがたの前哨戦である程度体力を奪っておいて正解だったかもしれない。

傭兵「挿れるぞ。乗れ」

ユッカが俺の体にしがみつき、息を吐きながら腰を下ろす。
触れあった性器がお互いをやさしく求め合い、つながっていく。

 つぷ…つぷ…

勇者「んっ、んっ…んぅ♥ あぁぁあ」

傭兵「おお…ぬるぬる…」

勇者「入…る」



細い腰をがっしり掴んで、さらに奥へ挿れるよう促す。
粘度の高い愛液でたっぷりと濡れたユッカの膣内は思った以上にすんなりと俺を受け入れた。
中のひだひだ1つ1つを感じとりながら、ゆっくりと最奥まで挿入していく。

 ずちゅっ…ずるんっ

勇者「うあう♥」

傭兵「お、うお……入った…な。奥まで…っ」

勇者「あぁ…んぅぅ♥♥ はいったぁ」

カリの先で感じるコリコリとした感触。
ユッカの子宮の入り口までしっかり届いている。

勇者「おっきすぎだよぉ、こんなに余っちゃったぁ…」

傭兵「そうだなぁ」

やはりこの太さと長さでは根本まで挿入とはいかない、長さが余ってしまう。
だけどユッカが小さい体いっぱいに俺を受け入れてくれるのがうれしくて、それ以外の事はどうでも良かった。

勇者「おっきぃ…おっきぃ♥ えへへへソルのあついよぉ」

傭兵「お前の中もお風呂みたいに温かい。こんなにとろとろのスケベなここ、これから犯していいんだな?」

勇者「うん…ボクのエッチなおまんこできもちよくなって! 一緒になろ?」



勇者「んっ…まだ動いちゃだめぇ♥ チューしてからだよ」

勇者「はぅむ♥ ちゅっ、ちゅっ…じゅる」

ユッカは顎を上げて俺の唇に吸い付く。
こうしてつながったまま濃厚なキスをするのはすごく満たされる思いだ。
いやらしく舌を吸ったり吸われたりするたびに、俺のペニスはびくんと跳ね、ユッカの膣内はきゅうっと締まる。

お互いがお互いを抱きしめて求め合うように、つながった性器もより深く愛しあう。
それだけで腰のぬけるような快感だった。

勇者「ちゅるっ、ちゅう…♥ ちゅっ、ちゅる…ちゅむ、じゅるる♥」

勇者「ちゅーーちゅうっ、れろ、ちゅぅ♥ れろ、えむ…あふ、ちゅう♥」

勇者「ちゅむ、ちゅるるぅっじゅる♥ れろちゅ、あむ…ちゅうぅ、ちゅる」

ユッカは小さな桃舌をちろちろと一生懸命さしだしてくる。
たくさんユッカの濃密な匂いがする。
舌で絡めとって、息が出来ないくらいに吸い付いて、綺麗な歯列をなぞって、少女の口の中をすみずみまで味わった。

勇者「んぅぅ、ちゅるっ♥ ちゅうう」

勇者「んっんっ、ちゅる…ちゅうぅ…れろ、れぇろ♥♥ ちゅ…ちゅむ」

傭兵(ユッカは何を考えながらキスをしてるんだろうな)

傭兵(好きだよユッカ…)


勇者「ぷは、はぁ、ハァ♥」

数分続いた長い口づけが終わり、それと同時にお互いに自然と腰を押し付けはじめた。
ユッカの背中と丸いお尻を優しく抱いて、ゆっくりと上下にゆさぶる。

 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅっずちゅっずちゅっ

いやらしく粘っこい水音が浴室に反響しはじめた。


勇者「うはぅ、ああっ、あああっ」

勇者「んんっ、んんっ、んんんぅっ♥♥」

傭兵「これ…やばいな」

勇者「うんっ、うんっ♥ ああんっ♥」

勇者「あああぅっ、くぅ、あああっ♥」

奥を突くたびにユッカは俺の耳元で甘い声をあげて、ぎゅうっと背中に回した手のちからを強めた。
すべすべで吸い付くような濡れた肌がたくさん密着し、まさにユッカと1つになっている心地だ。
 
突く度にトロトロの膣内がきゅんきゅんと締まっておねだりしている。


勇者「ソルの…おちんちっ、あっ、おっき、すぎ…て、あああっ♥」

勇者「きもちいよぉ♥ ずるいよこんなのぉ…んんぅ、あああぅ、あんっ」

傭兵「ユッカの中もきゅんきゅんしててきもちいいぞ。もっと突いてやる」

 
 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅっずちゅっずちゅっ

蕩けた肉襞をガチガチの剛直で何度もこすって、最奥まで打ち付ける。
かき回した愛液があっというまに白く泡立って、結合部からトロトロと溢れてきた。
淫猥な水音とユッカの子犬のような甲高い嬌声が静かな風呂場に反響する。
外まで漏れているだろうがもうこの際おかまい無しだ。

勇者「ううっ、ああぅ♥ ああっ、あんっ、あんっ♥」

勇者「ソルぅ…もっとぉ、もっと激しいのしてぇ」

傭兵「激しいの好きか」

勇者「もっといいよぉ、ソルが気持ちよくなっちゃうまで激しいのして♥」

座位ではまだまだ物足りないのか、ユッカは俺にだきつきながら頬をすり寄せておねだりした。

傭兵「なら体位変えるか? けどもうちょっと、ユッカ抱っこしていたいな」

勇者「んんぅ…♥ じゃあいいよぉ♥ このままいっぱいしよ」

 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅっずちゅっずちゅっ

俺はぴったりと密着するこの体位が気に入っている。
ユッカの温かい肌の温度をはっきり感じられるし、息遣いや可愛らしい声を耳の側で聞くことができるからだ。
できることならこのまま永遠にユッカを離したくない。
一生ユッカと交わっていたい。


傭兵「うっぐ…ユッカっ!」

勇者「…? えへへ♥」ぎゅ

ユッカを持ち上げたりおろしたりして体重を感じていると、唐突に射精感がこみ上げてきた。
どうやら俺は俺でユッカとのセックスが待ちきれなかったようだ。
ユッカの体を洗っている時からペニスはとうにガチガチだった。
とろとろの膣内が俺を射精へと誘っている。


 ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ!
  ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ!

勇者「あああっ、あああっ♥ ソルっ、ソルぅ♥」

動きがシンクロして、深く深くペニスがつきささり、何度もユッカを犯した。
次第に言葉を交わす余裕はなくなって、荒い吐息のみを発し、激しくお互いを求め合う。

勇者「はぁっ、はぁっ、はぁっ、イクッ、イクイグ♥ ソルっ♥ イっちゃう、いっちゃ…あああ♥」

勇者「ボクっ、ああっイクっ、イクっ♥ ソルのおちんちんでっ、ああっイク♥」

傭兵「イケっ、俺も…う、ぐ」


 ずちゅっずちゅっずちゅっ
  ずちゅっずちゅっずちゅっ
 ずちゅんっ――


勇者「い、ぐぅ♥ ~~~~~っ♥♥♥」


甘い嬌声と共にユッカが達して、膣内がぎゅうぎゅうに締め付けられ、俺もほぼ同じくして勢い良く吐精した。
小さな性器の中に熱いマグマのような精液を大量に流し込んだ。



勇者「うぁああああ♥ ああっ、きて、きてる゙っ♥」

勇者「ソルの…せーし…ああっ♥ はぁ、ハァ、ボクのっ、中…に♥」

勇者「いっぱい…いっぱい出ちゃって…あは、えへ、ハァはぁ、ハァ♥」

傭兵「ユッカ…気持ちいい」

勇者「うん…♥ あっ、でもまだカチカチ…えへ」

剛直は衰えることはなく、寸分違わず大きさと硬度を保ったまま、依然としてユッカの中に突き刺さっている。
結合部からは膣内に収まりきらなかった精液と愛液の混じった汁が大量にあふれ出していた。

勇者「ねぇ……きゃっ」

 ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ!
  ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ!

勇者「んんぅ♥ あああ♥ なにもっ、いっれないのに♥」

傭兵「いいんだろ? まだまだ離さないぞ」

勇者「うんっ♥ うんっ! まだいっぱいエッチするっ♥」




  ・   ・   ・



その後同じ体位のまま2回ユッカの中で立て続けに射精した。
体の芯がどくんと熱くなり、全身を血がかけめぐって、俺の下腹部に力が集まっていく。
いま出したにもかかわらず、精液の補充はあっとういうまに完了した。

傭兵「何度だしても蘇るな…ある意味呪いだぞこれ…」

勇者「…うう、そんなのエッチだよ。また中で固くなってる…えへへ」

傭兵「ユッカがエロいからだぞ。お前を見てると性欲が止まらない」

勇者「うーん…」

傭兵「疲れたか?」

勇者「ううん。まだまだだよ。ソルのぱんぱんのたまたまが萎むまでやる♥」

傭兵「俺を倒せるかな」

勇者「じゃあ次は床に仰向けになって」

傭兵「してくれるのか?」

勇者「あんまり腰にちからはいらないけど、ボクがんばる!」


丸めたタオルを頭の位置に敷いて、俺は床の上に寝転がった。
間髪をいれずユッカがのしかかってきて、俺の肉棒は再び温かい膣の中に閉じ込められる。
先程まで大量に中出しした精液が押し出されて、ぶちゅりと垂れてきた。


勇者「んひゅ…あはっ、もうずるずるって入っちゃうね」

傭兵「お前なぁ…」

 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ

傭兵「うお…」

勇者「あは……ボクがソル犯しちゃうね」

ユッカが騎乗位を開始した。
すでに手慣れたもので、しっかりと垂直に腰をおろして快感を貪っている。
まだまだ未発達の幼い恥裂があんなにぽっかりと開いている様をみると少々心苦しい。


傭兵(結合部を見てしまうと随分悪いことしてる気分だ…)

傭兵(にしてもあんだけ犯したのにまだ元気だな)

 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
   ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ


勇者「あんっ、あんっ…どう? あんっ♥」

傭兵「うぐ…、うまくなりやがって」

勇者「あっ、あっ、ああぁ♥ 好きなとこ好きなだけスリスリできるからこれ好き」

傭兵「なんだよ、さっきもめちゃくちゃにお前の中こすってやっただろ」

勇者「ソルのペースだと激しすぎて、気持ちよすぎるんだよぉ。一気に頭真っ白になっちゃってわけわかんないもん」

勇者「こうやって…あんっ、ゆっくりきもちいいの…たっぷり味わって…んぅ♥」

勇者「えへへ…まったりエッチするのも好きなんだ♥」


 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
  ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ


ユッカの体が上下する。
ずるずると俺を縦筋で飲み込む。
柔らかい襞に執拗にペニスねぶられて、まるで食べられているようだ。


勇者「んぅっ、んぅっ♥ これぇ…ソルも好きでしょ」

勇者「ボクのおまんこ…ぱくぱくって、ご奉仕されるの好きでしょ?」

傭兵「ああ…お前のしてくれることならなんだって好きだよ」

勇者「もう…ほんとはエッチがいちばーん好きなくせに」

勇者「んっ、んっ…もうちょっと速くしていい?」

勇者「またイキたくなっちゃった…はぁ…するね♥」


 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!
  ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!


傭兵「まったりエッチするんじゃなかったのか」

勇者「らってぇ♥ こんなきもちいおちんちんあるのに我慢できないよぉ」

勇者「呪いのせいだもんっ♥ んなああ♥」



勇者「ふぁっんぁっ♥ すご…いい♥」

勇者「奥ずんずんって、あててるのわかるでしょ」

勇者「ここボクの…好きなとこ…ソルのきもちいトコといっぱい擦れてしあわせぇ…♥」

傭兵「わかったからイッてもいいんだぞ」

勇者「うんっ、うんっ…まってね、すぐイクからっ」

ユッカは上体を反らし、俺の脚に手をついて激しく腰を振った。
汁にまみれた結合部がよく見える。
小さいクリトリスがぴんぴんに立ちあがっていてかわいい。

巨大な肉棒が出たり入ったりしている。
よくこんな狭い穴に出入りできるものだ。
これで擦り切れて血がでたりしないのだから人体は不思議だとおもった。


勇者「あんっ、ああう♥ もっと激しくするねっ!」

勇者「あああ、ああああ! あああ♥」

 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!
  ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!



 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!
  ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ!


ユッカは我を忘れたように腰を触っている。
すさまじい快感が一気に襲ってきて、俺はあっというまにKOされた。

肉棒が痙攣し、膣内にめちゃくちゃに白濁汁解き放つもユッカは俺がイッたことに気づいていない。
射精後の敏感になったペニスを恐ろしい速度でやわらかい膣内がこすってくる。


傭兵「やめっ…こらっ、あ゙ああ」

傭兵「うがっ」

気を失いそうなほどの快感。
連続で射精して、膣の入り口からぶしゅうと出した精液があふれる。

ユッカは制止を聞かず、声をあげて鳴きながらなおも腰をひっていた。


勇者「ああうっ、あんっ、あんっ、あんっ、! イグっ、イクっ!」

勇者「イッちゃう♥ イッちゃう♥ ソルっ、ソルぅ!」


勇者「うあああっ♥♥ んああああ♥♥」

ユッカががくんと絶頂に達し、膣内が激しく収縮した。
このピストンだけで4度も射精してしまった俺はラストスパートでさらに吸い尽くされる。

気もそぞろになりながら、かすむ視界に映ったのは
ユッカの恥裂から何かの液体が勢い良く弧を描いて噴き出ている光景だった。


勇者「お゙おっ、んぅ、あ゙ああ♥♥ なにぃ、コレぇ♥♥」

傭兵「ああ…ユッカ…」

その無色透明な汁を顔や胸に浴びて俺の意識はひきもどされた。

勇者「あは、とまんないよぉ…あああ♥ なんかれちゃってる♥」

傭兵「……ああ、噴いたな」

勇者「うううぅ…ごめんなさいかけちゃった…」

傭兵「いいよ…はぁ…。それよりお前…止まってくれよ。死ぬかと思った」

勇者「…んぅ?」



生死の堺をさまよったような心地だ。
いまだ頭はどこかふわふわしている。
何度も強制的に射精させられたのに、いまだガチガチな自身の下腹部を呪った。

いや、危険を感じたからこそ生物の本能としてこうなっているのかもしれない。

傭兵「……く」

勇者「……まだ固いの…おかしいよぉ♥」

傭兵「お前のせいだ。こんなにやらしく腰ふって、エロい汁まきちらして」

勇者「うう…」

傭兵「お仕置きだな。次は俺の番だ」

勇者「えぇ…」

傭兵「起きあがれるか?」

勇者「…無理ぃ…起こしてぇ」

すっかり脱力しきったユッカは、つながったまま倒れこんでいる。
どうやら足腰がもう立たないようだ。
俺はユッカのふとももを掴んでだきかかえたまま、立ちあがった。

勇者「ええっ、ちょっと…にゃ、なに…!? んぎゅうう♥」

そして立ったまま犯した。



 ぱちゅんぱちゅんぱちゅん
  ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん

肉のぶつかる激しい音は響く。
ユッカの軽い体を抱きかかえて、降ろすと同時に腰を突きだして下から思い切り突き上げる。

 ぱちゅんぱちゅん!
   ぱちゅん ぱちゅん!


勇者「ああああ♥ らめっ、おろしてっ♥ ああ♥」

傭兵「ダメだ。お前にめちゃくちゃやられて俺は悔しい…」

傭兵「うおおお…お前が降参するまで降ろさん」

勇者「こうさんっ、あああ、こうさんしますっ♥ だめぇえ」

傭兵「降参は認めない」

勇者「そんなぁあぁあ、いまイッたばかりじゃ、ああああ♥」

勇者「ずるっ、ずるいよぉおろしてぇ♥」



鏡越しにユッカのおしりの穴がよく見える。
ひくひくとひくついていて、物欲しそうに見えた。

ペニスはぶっとい杭をうつかのようにぷにぷにの恥部を貫いて、ユッカの奥までもぐりこんで最奥を犯す。
数えきれないほど出した精液がかきだしてかきだしも奥から次々と出てきて床に垂れていった。


傭兵(よし、これがおわったら次はおしりだな)


 ぱちゅんぱちゅん!
   ぱちゅん ぱちゅん!

全身に力が入らず抵抗できないユッカは半泣きになりながらあえいでいた。
それでも俺の体を離さずにしっかりとしがみついて落ちないようにがんばっている姿が健気だった。

俺はそれにさらに興奮して、激しくユッカのおまんこを攻めていじめた。


勇者「えぐっ、あぐっ♥ もうイッてる、イッてるからやめてぇ♥」

勇者「お゙おっ、おおっ、あ゙あっ…らめぇ、らめらってばぁ♥」


傭兵「んっ…あぁあ…」

勇者「で、でてる…おちんちんからまた…えへ、えへ…あは♥

傭兵「あぁ…やっぱ何度だしても最高だな」

傭兵「はぁ、ハァユッカ…まだいいだろ?」

勇者「なんれぇ…今日のソルおかしいよぉ」

傭兵「お前をずっと味わっていたいんだ。デートだろ? 俺もユッカを独占するんだ」

勇者「…うう…そんな目でいわれると断れないよぉ」

勇者「ずるいなぁ…次はどうするの」

傭兵「壁に手ついてお尻こっち」

勇者「……もう、どうなってもしらないよ♥ 絶対あとでヒーラに怒られるよ」

傭兵「…」


 ずちゅっ♥ 


勇者「んんんぅ~~~っ♥♥

勇者「あああっ、深…いいっ♥」



   ・    ・    ・



  ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
   ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ♥


傭兵「ユッカ。ユッカ。ユッカ!」

勇者「ソルぅ、ああっ、ソルぅ♥ イグっ、イッちゃうよぉ♥」

傭兵「ユッカ…好きだ…もっと…もっとイッてくれ」

勇者「あああっ♥ あああっ♥」


獣のように交わりつづけ、ユッカの中にまた何度も射精した。
一滴たりとも外に逃したくなかった。
俺に魔力が無くてももしかしたら、これだけやれでユッカが妊娠してくれるかもしれない。

理性をなくした俺は一心不乱に腰を振ってユッカとの交尾に没頭した。

そしてさらに彼女を攻め立てたくなって、目の前にあるもう一つの穴に愛液を塗った指をねじ込む。
にゅるんと指がつきすすみ、温かい腸内に留まった。


勇者「んんぅ!? にゃ、なにして…あああっ♥」



傭兵「こっちでもそのうちしたい…だから少しでも拡張するんだ」

傭兵「ユッカの全身を味わいたい。俺のものだ…ユッカ…」

傭兵「受け入れてほしいっ、ここで…いつか俺はセックスしたいっ!」

勇者「そ、そんにゃっ、ああっ♥ ああっ♥」

傭兵「ユッカ」ぐちゅ…

勇者「~~~っ♥ いいよっ♥ ソルのものだからっボクは全部キミのものだからぁ♥」

勇者「いっぱい犯して毎日いっぱい! 頭おかしくなるまでらぶらぶえっちしたいの♥」

勇者「エッチ好き! おしりもあげますっ! ソルにおしりのはじめても絶対あげるからっ♥」

勇者「おかしてっ、ボクをいっぱい愛してぇぇぇ♥」

  ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん!

   ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ♥

   ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ♥


勇者「ふぁぁぁぁあ♥♥ ああああっ♥♥♥」


一層大きな声を出してユッカは絶頂した。
俺もわけのわからないくらいにユッカに射精を繰り返して、ふたりはどろどろになったまま風呂場で気を失った。




   ・     ・      ・


【寝室】


僧侶「何やってるんですか!」

勇者「ごめんなさい」

傭兵「すみません」

僧侶「…2時間ですよ! に・じ・か・ん!」

勇者「…そんなにしてたんだ♥」

僧侶「照れてないで! もうっ」

僧侶「急に声がしなくなったとおもったら、全然出てきませんしびっくりしたじゃないですか」

傭兵「すまん…やっぱ声漏れてたんだな」

魔女「うるさすぎて耳栓してた」

勇者「うう…恥ずかし」

僧侶「お風呂の排水口どうなったとおもいますか。クロノ様に謝ってくださいね」

魔女「匂いも最悪…」

傭兵「…すみません…許してください。お湯は汚してません」

僧侶「はぁ~~、ユッカ様」

勇者「んぅ…? ごめんヒーラ」

僧侶「エッチするのはいいんですけどね、少しは節度をもってしてくださいね?」

勇者「はぁい」

僧侶「ソル様もわかりましたね!? ソル様がしっかりしなきゃだめですよ!」

傭兵「お、おう!」

僧侶「…」ジトー

傭兵「な、なにかな」

僧侶「はぁ……いえ。おやすみなさい」

傭兵「ヒーラちゃん。体洗ってくれてありがとうな」

僧侶「~~~っ。いえ、おだいじに! 今夜はもうしちゃだめですよ! あんまりしすぎると頭の血管切れちゃいますよ」

勇者「おやすみ~」

魔女「ユッカ…」チョンチョン

勇者「なに?」

魔女「デート楽しかった?」

勇者「…うん! 最高の一日だったよ!」

魔女「そう…おやすみなさい」



傭兵「おいでユッカ。寝よう」

勇者「…ぎゅうってしていい?」

傭兵「もちろん。さっきは悪かったな。調子のりすぎた」

勇者「いいよ。ボクたのしかったもん。最近あんまりしてなかった分、いっぱいエッチしちゃったね」

傭兵「…」なでなで

勇者「んっ…♥ あんまりボディタッチされると興奮しちゃうよ」

傭兵「わかった。じゃあ今日はもう抱っこするだけにしておくな」

勇者「ソル~~」すりすり

傭兵「そうだ。脚挟んでいいか」」

勇者「足? あ…、あったかい」

傭兵「昔な、よくこうしてお前と寝てたんだ」

勇者「…うん、覚えてるよ♥ ソルがずっと一緒にいてくれたこと、ちゃんと覚えてるから」

勇者「ママとソルに挟まれて…幸せだった」

傭兵「…」

勇者「でも、いまも幸せ。ソルといられて幸せ。ヒーラやマナも一緒にいて、ボク、誰よりも幸せだよ♥」

傭兵「あぁ…そうだな、おやすみユッカ」

勇者「おやすみ…パパ♥」

傭兵「やめい…」


ユッカとはかつて家族なるはずだった。だけどそれは不意に訪れた不幸で叶わぬ夢と消えた。
だから、今度こそお前と家族になろう。
俺の大切な家族になって、一生をともに歩んでほしい。

傭兵「…絶対に幸せにします」ぎゅ

勇者「…♥」




後日譚第2話<陽気>おわり


 

更新終わり
次回後日譚第3話 日曜日22時くらい~

ヒーラ回→俺「やっぱヒーラが正妻だわ」
マナ回→俺「やっぱマナが正妻だわ」
ユッカ回→俺「やっぱユッカが(ry
クソッタレ選びきれん



後日譚第3話<楽園と極楽>



傭兵「これはなんだ?」

勇者「うわっ、羽が生えてる!」

翌朝、マナに揺り起こされてけだるい体に鞭を打ち塔の外に出ると、
外に停めてあった俺たちの荷馬車が大きな変貌を遂げていた。

左右に大きな翼がとりつけられている。
その下部にはよくわからない仕組みをした筒状の装置。
どれも昨日マナが買い物帰りに引いていた大きな荷車に積んであった物だ。


傭兵「…」

僧侶「すごくないですか!?」

傭兵「あ……おう?」

傭兵(って言われてもな。こういうのには疎くてなにかわからん)

マナは得意気な顔を俺を見上げ、褒めろと言わんばかりにあたまを差し出した。

傭兵「あ、あぁ…随分奇抜な見た目になったな…」


僧侶「これで船代を節約できます。時間の短縮も!」

傭兵「は…?」

魔女「これで飛んで帰る」

傭兵「はぁ?」

勇者「飛ぶの!? わー、これで空とベるの!?」

魔女「まだ試運転はしていないけど、たぶん」

僧侶「見てくださいこのおっきくて立派な羽♪」なでなで

傭兵「羽があれば飛べるってものなのか?」

勇者「…」ワクワク

魔女「私を信じて」

傭兵「…せめて気球にしておこうぜ…」

勇者「でもさ、スレイプニルはどうするの?」

勇者「置いていくなんてかわいそうだよ…かといって荷馬車には乗れないし…」

魔女「私に考えがある」




   ・    ・    ・


勇者「そっか! この子にも羽を生やせばいいんだ!」

傭兵「まさか釘で打ち付けるわけないよな…」

勇者「そんなことしないよ! いでよ紅蓮鳥!」

▼勇者は燃え盛る炎の鳥を呼び出した。

勇者「あぁ…やっぱりちっちゃい…」

勇者「でも、これで!! 合体!」

ユッカは勢い良く叫ぶと、紅蓮の鳥を馬の背中にのせた。
そのまま炎の鳥はゆっくりと体の中に沈んでいき、
馬の胴体からにょきっと燃え盛る翼がのびている。

馬「!?」

勇者「じゃじゃ~ん♪ スレイプニル、ペガサスモード!」

馬「ヒ、ヒヒン…」

傭兵「やめてやれ…違和感しかないだろ」

勇者「なんでぇ…かっこいいよ」

勇者「さぁスレイプニル、自分の翼だとおもって羽ばたいてみて!」


僧侶「ほんとにこんなので飛べるんですか?」

僧侶「俄然不安になってきました」

勇者「まぁまぁ、みててよ」

ユッカは馬の背中にぴょんと飛び乗り、毛並みの良い首筋を撫でながら翔べ翔べと指示をだしている。
直後、馬は助走して軽やかに宙を駆けた。

傭兵「…なっ」

魔女「これで荷台を牽引ができる」

傭兵「まてまてまて! 不安じゃないのか!」

傭兵「もしなにかあって落ちたら死ぬぞ!」

魔女「その時はたぶんあなたがあの時みたいになんとかしてくれる。そうでしょ?」

傭兵「できるかよ……」

僧侶「ソル様!」

傭兵「なに」

僧侶「とやかく言ってもしかたありません」

僧侶「だって、船代なんて残ってないですから!」

傭兵「……え?」


僧侶「ないですよ」

ヒーラちゃんは自身が一元管理している路銀袋をさしだした。
手の平に乗せてみると悲しいくらいに重みを感じない。

傭兵「……」

魔女「これつくるのにお金かかった」

僧侶「たくさん積み荷買っちゃいました…」

傭兵「あ、あほーー」

勇者「きゃふうううう」

馬「ヒヒンッ!」ばさっ ばさっ

傭兵「こらユッカ降りてこい! 街中で恥ずかしいことするな!」

町人A「なんだあの馬…」

町人B「魔物だ…ひぇぇクロノさんに伝えねば」


傭兵「あらぬ誤解を与えてるじゃねーか!」

勇者「ソルものってみなよー。きもちぃぃぃぃ」

魔女「ユッカ、魔力の無駄遣いはだめ。降りて」

勇者「はぁい。わかったよ」




  ・   ・   ・



傭兵「というわけで決死の思いで空の旅に出ることにした」

時の魔術師「そ、そうですか…どうかお気をつけて」

時の魔術師「嵐を見かけたら回避してくださいね…」

勇者「大丈夫大丈夫!」

時の魔術師「魔力切れにも気をつけてくださいね」

魔女「途中で休憩をする」

傭兵「不安だ…」

魔女「あなたが船旅嫌って言うから」

傭兵「言ってません」

僧侶「ソル様、なるべくはやく帰ってグレイス様にご報告しなくてはなりません」

僧侶「飛びましょう!」

傭兵「ヒーラちゃんのりのりだな…」

傭兵(いやこれは無駄な散財でないと信じたいがための開き直りというやつか…)


時の魔術師「では、風向きがかわらぬうちに行ってらっしゃいませ」

勇者「またねクロノさん」

僧侶「お世話になりました。近いうちにまた遊びに参ります」

時の魔術師「はい! 皆様、いつでもお待ちしております」

魔女「ちゃんと勉強しておくように」

時の魔術師「っ! も、もちろん…がんばります」

傭兵(なぜ偉そうなんだ…というか何の勉強だ)

傭兵「世話になった。次は手土産でも持ってくるよ。またな」

時の魔術師「…はい」ペコリ

時の魔術師「いってらっしゃい。また会う日までさようなら」

勇者「さよなら!」


時の魔術師(次いらっしゃるときまでに花嫁修業がんばらなくっちゃ!)



【歯車の街ピニオン・港】


傭兵「ほんとのほんとのほんとに飛べるんだな!?」

魔女「しつこい」

勇者「ソルったら肝っ玉がちいさいね」

傭兵「だって空だぜ!?」

勇者「魔族領でたくさん飛んだじゃん」

傭兵「……あん時とは状況が違うだろ」

傭兵「今のお前のへにゃっとした顔をみてると、不安で不安で…」ガク

勇者「どういうこと!」

傭兵「頼れる感じのお前がもどってきたら、黙ってついていけるんだがな…」

勇者「えぇ…そんなこと言われてもなぁ」

傭兵「こう口元は締まってて、目つきはキリっとしててさ」ぐにゅ

勇者「うぎゅ…ボクは顔はずっとこんなんだから! 失礼だなぁ!」

魔女「飛ぶ準備していい?」


傭兵「馬が単体で飛べるのはわかったが、荷台はどうなんだ?」

傭兵「こんな後付けの羽で重たい車体が滑空できるとは思わないんだが…」

魔女「これ」ぽんぽん

傭兵「この左右のドラム缶みたいなのはなんだ?」

魔女「ここに、ユッカの魔宝石と、あなたのでもヒーラのでもいいからもう一つをはめる」

傭兵「するとどうなる?」

魔女「これは魔力を増幅する筒。魔宝石に与えた魔法を増大させて、放出する」

魔女「つかってみればわかる」

魔女「術式:エアブラスター」

▼魔女は魔宝石に風魔法を込めた。


傭兵「おお……風を噴射して浮こうってわけか!」

魔女「…」コク


魔女「みんなのって、石をはめたら出発するから馬を走らせて欲しい」

勇者「うん!」


カチ


風を噴射しつづける石をマナは大きな筒の中にとりつけた。
筒の内部で気流がうずまき、轟音と共に外へと勢い良く噴出される。


ガタッ

傭兵「うお! ユッカ! いけそうだ!」

勇者「いくよスレイプニル! 走れ!」


馬が全速力で波止場を駆けぬけ、炎の翼をはためかせる。
そして俺たちは真っ青な大海へと飛び立った…。



傭兵「…のはいいが、揺れ過ぎじゃないか?」

魔女「……」ガクンガクンガクン

僧侶「怖いです…」ぎゅ

勇者「スレイプニルの上に乗ってないと寒いよぉ…」

傭兵「おい方向はあってるんだろうな」

勇者「うん。こっちであってるよ!」

傭兵「ちなみにマナ、どれくらいの時間飛べるんだ?」

魔女「私とユッカの魔力が尽きるまでは…だいたい1時間くらい」

傭兵「……え、早くないか?」

魔女「放出しつづけるのは大変」ガクンガクンガクン

傭兵「やめたほうがいいんじゃないか?」

僧侶「いまさらですよ!」

傭兵(神様…いきて帰れますように…)



<約一時間後>


勇者「あぁ…疲れてきちゃった…」

馬「ヒヒン…」

傭兵「ユッカ! がんばれ、がんばれ!」

魔女「体がだるい」

傭兵「せめてあの島っぽい場所まで…お願いします」


ユッカとマナは疲労の色をうかべ、明らかに飛馬車の高度と速度は下がっている。
2人のうちどちらかが力尽きると墜落してしまうのは火を見るより明らかだ。

傭兵「頼む…」

僧侶「…」カリカリ

傭兵「ヒーラちゃんなにしてるんだ」

僧侶「…ソル様」

僧侶「書き終えたお手紙ありましたら、この瓶にいれてください」

僧侶「果てしない海を漂流して、いつかどなたかが拾ってくれるでしょう…お父様たちに届きますように」

傭兵「やめてくれ!! せめて君は神を信じて祈れ!」


勇者「……うー…あとどれくらい」

傭兵「あと少しだ! がんばれ! 無事着陸できたらあとでご褒美やるぞ!」

勇者「ご褒美ぃ…?」

魔女「ご褒美…」

傭兵「ひゃああ、つ、墜落するぅ!」

勇者「……うぐっ、マナあとちょっとだよ」

勇者「ご褒美くれるんだって、なんだろうね…」

勇者「きっと…イイものだよね♥」ゾクッ

勇者「あぁ…なんでうずうずしてきちゃうの…淫魔の呪いが…んぅっ」

魔女「…んっ♥ でも、おかげで魔力が高まってる…まだ飛べる」

勇者「ふぁぁぁあ、ご褒美♥」

魔女「ご褒美!!」


祈りが届いたのか、一行は無事に小さな島の浅瀬に不時着した。




勇者「ここで休憩~~~」

僧侶「はぁー、やっぱり地に足の着くとほっとしますね」

傭兵「もういやだ…もう飛びたくない」

勇者「ご褒美!」

傭兵「あとで…」

勇者「お腹すいた…」

僧侶「そうですねぇ。まずユッカ様とマナちゃんを回復させなきゃいけません」

僧侶「ご飯にしましょうか」

傭兵「…そうだな。よし、せっかくの綺麗な浜辺だしバーベキューでもするか」

勇者「わーー! やったぁ」


たどり着いたのはおそらく無人島だった。
目の前には綺麗な白い浜とだだっ広い大海、真後ろには深い森が鬱蒼と広がっている。


僧侶「プライベートビーチですよユッカ様!」

勇者「うん! 泳ごう!」

傭兵「お前…疲れてるんじゃないのか!」

勇者「魔力はあんまり残ってないけど体力はまんまんです!」

僧侶「水着とってきましょう」

勇者「えっ、そんなのいらないよ!」スルッ

傭兵「!」

ユッカは臆することなく、いや考えなしに衣服を浜に脱ぎ捨てた。
健康的な素肌が露出し、太陽の光を目一杯あびてまぶしく光っている。

傭兵「な、なにしてんだっ」

勇者「だって誰もいないんでしょ!」

傭兵「俺がいるぞ」

勇者「…えへ、エッチな目で見ちゃだめだよ!」

傭兵「…ったくこいつは。マナもなんとか言って…ってお前もか!」

魔女「?」スルスル

魔女「別に…ちょっと暑いから脱ぐだけ。いやらしい目で見られても困る」


傭兵「だ、だれがお前らみたいな毛も生えてないつるつるてんをそんな目で見るか!」

勇者「……ふぅーん」

勇者「昨日はあんなにユッカユッカ♥って腰振ってたのに」

傭兵「ぐ…」

勇者「くふ、せっかくの海なんだから心も体も開放的になりなよ」

勇者「わーいここはボクたちの島だぞ~~~っ」ざぶんっ


傭兵「…」

僧侶「あ、あの…ソル様」

傭兵「何かな」

僧侶「サンオイル…塗ってくださいませんか、えへへ…」

魔女「私も。日焼けはしたくない」

勇者「あーずるい! ボクも~~!」ざぱっ

傭兵「…はい」




後日譚第3話<楽園と極楽>つづく

 

更新おわり
次回明日21時頃

後日譚第3話<楽園と極楽>つづき




勇者「サンオイル!」

傭兵「同時に言われてもな…じゃあまずは一番焦げやすそうなマナからな」

魔女「いい判断」

勇者「むぅ…ボクだって刻一刻と日焼けしていってるのに!」

僧侶「ではユッカ様は私が塗って差し上げます」

勇者「やだ」

僧侶「うふ」ぬるっ ぺちゃ…

勇者「ひゃう…」

僧侶「ひんやりしました?」

勇者「ヒーラ耳垢つまってるんじゃない? 耳掃除したら? ボクはやだって言ったんだけど…」

僧侶「ユッカ様~、全身くまなくなっちゃいますね~」にゅるにゅる

勇者「あーん、やっぱり服着ようかなぁ」



傭兵「ほらマナ寝転べ」

魔女「うん」

傭兵(しかしこんな明るい場所で全裸をみるなんて思わなかった…)

傭兵(開放的な雰囲気と空旅の疲れがこいつらのまともな判断力を奪ってるんだろうか)

傭兵(ほんとに触っていいのか?)

魔女「なに。へんなこと考えてる?」

魔女「エッチなことしてもいいけどすぐ終わらせて…体なら貸してあげる…」

傭兵「しません」

にゅるっ

魔女「んっ…」

傭兵「おかしな声だすんじゃねぇ」

にゅるっ

魔女「んっ…あっ…そ、そこは♥ 敏感だから」

傭兵「腕だぞ」

魔女「……」


魔女「あなた、いつもならいやらしく全身愛撫するのに、どうして今はそんなに理性的なの」

傭兵「お前達のぶっ飛んだ行動を傍からみてると妙に冷静になった」

魔女「…つまらない」

傭兵「むしろお前がテンション高いことに驚いたよ」

魔女「…ユッカみたいになりたいと思って」

傭兵「え? あれは参考にしないほうがいいと思うぞ」


勇者「うあぁ~ん、らめぇ…ヒーラそこはそんなに塗らなくて、うひゃっ、うああぁん」

僧侶「ちゃーんと塗っておきましょうねぇ」ぬちゅっ

勇者「だめだよぉ…♥ へんな気分になっちゃうよぉ、あはははっ」

僧侶「なっちゃいましょうねぇ。うふふふ」

勇者「ヒーラのばかぁ~エッチぃ~、ボクもう海入るの!」

勇者「あひぃん!」


魔女「…」

傭兵「何がいいんだ」

魔女「…ユッカと楽しそうにセックスしてるのが羨ましかった」

傭兵「!」

魔女「風呂場からたくさん声きこえてきた。2時間も…楽しそうに…途切れること無く…」

傭兵「な…そ、その話は……な?」

魔女「…はあ」

傭兵「人には向き不向きがあるだろう、俺はマナとのエッチは好きだぞ!」

魔女「どういうとこが…私はあなたにあまり奉仕できない、それに体力もないから連続で続かない」

傭兵「そりゃマナのこの細くて白くて幼いボディをまったり静かに味わって……って」

傭兵(なぜ俺は真っ昼間からセックス談義を…)


傭兵「お前はお前だからいいんだよ! このっ」むにゅ

魔女「っ…! あ…♥」

傭兵「お前は敏感だから小ぶりなおしりを触ってるだけで楽しい。あとこの真っ白なわれめちゃんとかな」にゅるっ

魔女「んんぅっ!」

魔女「だ、だめ…そこ…は」

傭兵「ほら、マナはここさわられると恥ずかしそうにするだろ? その表情がすごくいいんだ」

傭兵「だからあんまり開放的なドスケベ女になられても困る!」

 ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ
 
傭兵「いくぞ…気持ちを一度すっきりリセットしろ!」

 ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ
  ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ

魔女「い、イク…イク、イ゙っ」

魔女「~~~っ♥」ピクッ

魔女「ぁ……あぁ…♥ はぁ…ぅ♥」

傭兵「わかった? マナは普通にしてるだけでも可愛いから好きなんだ。比べるものじゃない」

魔女「……はぁ、ハァ…♥」コク


傭兵「よし水着きろ」ぽんっ

魔女「…」


勇者「どーん!」

ぬちょっ

傭兵「ぬあっ…なんだ! びっくりした…」

勇者「くふふふ。ソルにもオイル塗ってあげるよ」

傭兵「何? ていうかお前逃げてきただろ」

僧侶「……」

勇者「ほらほら、ぬーいで!」

ずりゅっ

ユッカが無垢な笑顔で俺の下着をずりおろす。
すでにはちきれんばかりに膨張していた息子が弾みをつけて勢い良く外気に晒された。

傭兵(あぁぁ…こうなるんだな)

勇者「あは、すっごくおっきくなってる…♥ もー、わかりやすいんだから」

勇者「マナの裸に触ってエッチな気分になってるくせにぃ、強がらなくっていいよ!」

傭兵「…ぐ」


勇者「マナもこっちおいで、いまイカされたぶんの仕返しをしようよ」

魔女「うん」

傭兵「な、なにを…」


ユッカとマナは薄い胸元にたくさんオイルを塗りたくり、身体をよせあって、双丘の間で俺のペニスを包み込んだ。
包み込んだというよりは、挟んだと言う方が正しいだろう。
わずかな膨らみがくにゅりと形を変えて、俺のペニスに密着している。

傭兵「な、なにしてんだ…」

勇者「世界でソルしか受けられないサービス♪」

魔女「あなただけのさーびす」

傭兵「…」

結構ですと断ろうとも思ったが、上目遣いの大きな瞳がらんらんと揺れて、俺は仕方なくお願いした。
遠目でヒーラちゃんがそわそわしながら眺めている。
比較すると悲しいくらいに足元の少女達はぺったんこだ。
必死に胸を寄せてようやくあることが分かる程度でしかない。

傭兵(果たしてこれはパイズリと呼べるものなのか)

傭兵(いや失礼だな…あまり考えるのはよしておくか)


勇者「よいしょ、よいしょ」

魔女「…んっ…んぅ? …合ってる?」

 ぬちゅっ ぬちゅっ
  ぬるっ ぬるっ ぬるっ


勇者「そうそう、こうやって、ソルをおっぱいで気持ちよくしよ。くふふふ」

傭兵(おろし器にかけられる野菜の気分だ)

ユッカとマナは顔を見合わせ、リズムよく動いて俺のペニスを胸でこすった。
固くなった乳首がこりこりとあたり、ふたりは小さく甘い声をもらしながら一生懸命に奉仕を続けた。

肉体的な快楽はあまりないが、2人が妙に楽しそうなので良しとすることにした。

傭兵(こんなかわいい2人の胸を味わえるだけで満足だ。俺は幸せだな)

勇者「ぱちゅぱちゅ♥」

魔女「たぷたぷ♥」

傭兵(たぷたぷ…?)


勇者「ねぇソルイッちゃう? ヒクヒクしてるね…」

勇者「すんすん。おちんちんのさきっちょからエッチな匂いするよ。でちゃう?」

勇者「マナ、あとちょっとだからがんばろ」

魔女「うん……」チラ

僧侶「!?」

魔女「ふ…私とユッカの2人のちからを合わせたら大きさだって負けない」

傭兵(足しても残念ながら…)

 にゅるにゅるにゅるにゅる!

傭兵「うおっ…何!」

傭兵(こいつら…摩擦で無理やり持って行く気だな…!!)

傭兵「あがうっ」

  ぴゅくっ、ぴゅるるっ

勇者「やたっ! でたぁ~♥ ボクらの勝ち~」

魔女「あぷ…んぐ…口に…」

勇者「ぺろ…えへへへ。ソルきもちよかったねぇ」

傭兵「おう…ありがとう」


僧侶「ソル様…」

傭兵「あー…そうだな、おいで。塗ってあげる」

勇者「ボクたち遊んでくるね!」

魔女「べたべた…流してくる」

勇者「ソルはそれが終わったらご飯の準備!」

傭兵「へいへい」


僧侶「あ、あの…気持よかったんですか?」

傭兵「まぁ…精神的には満足できた、かな」

僧侶「うふふ、ユッカ様だけでなくマナちゃんも最近すっごく積極的ですね」

傭兵「そうだな。だいぶ明るくなった」

僧侶「私も負けてられませんね…」

傭兵「え……あぁ、それはつまり…」

僧侶「まだカチカチですよね? くすっ、お胸でご奉仕させてください…」

傭兵「俺が塗ってあげようかとおもったんだけど…」


ヒーラちゃんは衣服を脱ぎ去り、太陽の元に素肌をさらした。
そしてオイルを手にとって、しなやかな身体に垂らしていく。

テラテラと光った身体で俺たちは抱き合った。

僧侶「んっ…うふ。こうすればお互いに塗りあえますよ」

ぬるっ

傭兵「うお…手つきいやらしいな」

僧侶「ソル様…♥」

傭兵「太陽の熱でおかしくなってないか? ぶっ倒れる前に帽子はかぶろうな」

僧侶「違いますよぉ…ほら、新月が近づいてきているじゃないですか」

僧侶「だから…みんなちょっとエッチな気分になっちゃうんです」

傭兵「そうか…そうだった……」

傭兵(三人相手か…例の日はユッカだけでもかなりきつかったのに下手すりゃ俺死ぬな)

僧侶「あら、かちかちですね。想像して興奮しちゃってましたか?」

傭兵「抱きつかれているからだ」

僧侶「では失礼しますね」


ヒーラちゃんはたぷたぷのお肉で怒張した俺の肉棒を包み込む。
ぬるっと温かい肉厚な胸の中はさっきまでの2人の努力が虚しくなるほどに心地が良かった。

 にゅるんっ にゅるんっ

傭兵「ヒーラちゃ…」

僧侶「ビーチでこんなにおっきくしてちゃダメですよ?」

僧侶「私がすっきりさせてあげますね」


 にゅるんっ にゅるんっ
   にゅるんっ  にゅるんっ


大きな胸を揺らしてヒーラちゃんは俺のペニスを刺激する。
まるで膣内に入れているかと錯覚するほどの快楽が俺を襲った。

傭兵「上手…に…なってるな」

僧侶「だって、ソル様にいっぱいご奉仕したいんですもの」

僧侶「私の胸の中で射精してくださいね? ユッカ様たちにしたみたいに、いっぱいかけてください」



 にゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷ
   にゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷ


僧侶「えへへ…おっぱいの間でかた~~くなってますよ」

僧侶「ひくひくってしてて、熱いです…おっぱい溶けちゃいますよ♥」

僧侶「ソル様、きもちいいですか?」

僧侶「うふ…遠慮せず私の胸のさきっちょをもっと見てください」

僧侶「ミルク、垂れちゃいました…ぴゅうって…あふれちゃってますよね」

僧侶「ソル様にエッチなことしてるんだって考えると、自然と張ってしまってどうしようもないんです」

僧侶「いつもみたいにおっぱい飲みたいですか? だめですよ」

僧侶「ソル様がミルクをいっぱい出してからです。後で思う存分味わってくださいね」

僧侶「イッて! イッてくださいソル様ぁ♥」

 にゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷ
  にゅぷにゅぷにゅぷ にゅぷにゅぷにゅぷ


傭兵「あっ…あっ」

僧侶「♥」


 びゅるるるっ、びゅるっ…


逆らうこともできず2度目の射精。
搾り取られるように胸で最後までこすられて、ヒーラちゃんの胸や顔を盛大に汚してしまった。
彼女は指でそれをすくいとり、いやらしい目で味わうように口に含んだ。


僧侶「ごちそうさまです」

僧侶「こーんなに出してくださるなんておもいませんした…あむ、ずる」

僧侶「…すごい匂い…ソル様の匂いがしますよ」

僧侶「さて、お約束のおっぱいです…喉を潤してくださいね♥」


差し出された乳首に吸い付く。
口内を甘い飲み慣れたミルクが満たし、喉だけでなく心までも潤う。

傭兵(飲みつづけると聖人に近づけるんじゃないか)

僧侶「あんっ、あんまり強くすっちゃだめですよ」

僧侶「まだ赤ちゃんいないのに、乳首のびちゃったら恥ずかしいです…えへへ」

 ちゅうううっ

僧侶「ふぁぁん♥」


勇者「なにイチャついてんの」

傭兵「!」

僧侶「あ、あ…ユッカ様…泳いでいたのでは?」

勇者「お腹すいたって言ってるでしょ。なんで準備せずにヒーラのおっぱい吸ってるの!」

傭兵「…そこにおっぱいがあったから」

勇者「もうっ! ボクのは吸わないくせに」

傭兵「吸っても意味ないだろ…」

勇者「むぅ…母乳でるようになっても絶対飲ませてあげない」

僧侶「け、喧嘩しちゃだめですよー」

傭兵「とりあえずかまどは向こうに準備してるから魔法で火だけおこしてくれないか」


勇者「はぁい。いけ、ファイアボール!」ブォン

傭兵「どわっ! 横着して飛ばすな!」



魔女「暑いからかき氷つくろう…」ショリショリ

勇者「あ~いいなぁボクもあーん……はむ…味しない」

魔女「蜜がないから」

勇者「んー…ヒーラ、こっちきて」

僧侶「はい」

むにゅっ

僧侶「!?」

勇者「…うふふふ、ヒーラ味はきっとおいしいよ。ちょうどよかった~、まだ出るでしょ」

僧侶「なっ、なにしてるんですかぁあ!」

魔女「ヒーラの母乳なら瓶でストックあるけど」

勇者「しぼりたてが良いんだよ。ソルだけ飲むなんてずるいもん」むにゅむにゅ

僧侶「ちょっ…なんだかお上手に…あんっ♥」

勇者「乳搾り体験やってきたもーん」

僧侶「えぇ!? いやんっ、だめですよぉぉお」

ぷしゅっ ぷしゅっ

僧侶「ふぁぁぁあ♥」

傭兵(なにやってるんだか)


勇者「はい、ソルの分も持ってきた! あーん。マナの氷はいつも冷たくて美味しいよ」

傭兵「……」

僧侶「……うう」ジロッ

傭兵「食べない訳にはいかないな! はむ、うめ、うめ…」

僧侶「うあーんソル様のバカぁ」

傭兵「なんでだよ! さっき直接飲ませてくれただろ!」

僧侶「それとこれとは乙女の気持ちが違うんですよー!」ペシペシ

傭兵「それにしてもちょっと甘みがあるのは何故なんだろうなぁ」

勇者「きっとヒーラだからだよ!」

僧侶「うう…」

傭兵(それが一体なんの答えになるんだ?)

魔女「これ……オクトピアの浜辺で売れば…! 儲かる予感!」シャクシャク

僧侶「絶対だめですー!!!」


それから浜辺でBBQをして、しばらく遊泳を楽しんだ。




  ・   ・   ・



ばしゃばしゃ


傭兵「ヒーラちゃんだいぶ泳げるようになった?」

僧侶「まだまだですよ…」パタパタ

僧侶「手放さないでくださいね」

傭兵「わかってる。ぱっ」

僧侶「きゃーっやめてくださいっだめっ! うわーん」

傭兵「冗談だよ、それよりここかなり浅いぞ?」

僧侶「それでもダメなんです! 手を離すの禁止です」

勇者「ざぶーん」

僧侶「きゃあっ、ユッカ様ですか…びっくりした…」

傭兵「お前かまってほしいからって体当たりしてくるの本気でやめろ」

勇者「ヒーラ! 泳ぎならボクが手伝ってあげるよ?」

僧侶「お断りします」

勇者「なんだか信用されてないね? ボク嘘はつかないんだけどなぁ…」


傭兵「それよりお前」

勇者「??」

傭兵「頭や足にいっぱい絡みついてるのはなんなんだ」

勇者「これ? はむ…ぺっ。なんかの海草かな? わかめ?」

傭兵「潜ってたのか」

勇者「海の中きれいだよ! いろんな綺麗な魚たちがいてさ、サメもいるけど」

傭兵「!?」

僧侶「さ、サメ!? サメですか!? いやっ、いやっ」バタバタ

傭兵「お、おい暴れちゃだめだ、溺れるぞ」

僧侶「だって…だってサメって…サメですよ!!」

勇者「そんなにおっきいのじゃないよ」

僧侶「なんだ…そうですか。それを先に言ってください」

勇者「邪龍にくらべたらどんな生き物も豆粒みたいなもんだよねぇ! もはや怖いものなしだよ!」

傭兵「その比較は全く参考にならないからやめろ! で、具体的にどんな大きさだった」

勇者「うーん……ボクがぱっくり食べられちゃうくらい?」

傭兵「デカすぎだろ!!」

僧侶「  」ぶくぶく


勇者「あ、あそこ! あのヒレの奴だよ!」

勇者「なんでだろう…向かってきてるね」

勇者「そうか…ヒーラのミルクが流れてるからだ…!」

傭兵「やべぇよ、なんて大きさだ…バケモンじゃねぇか」

傭兵「急いで逃げるぞ!! 悪いが水中戦の心得は殆ど無い!」

傭兵「そうだヒーラちゃんに結界を貼ってもらおう」

勇者「気失ってるよ」

傭兵「あーくそ! 俺がかかえていくから、お前も急げ」




魔女「おかえり」

傭兵「マナ! 海に入るなよ! でかいサメがいて危険だ」

魔女「…そう。浜辺も危険だから伝えようと思ってた」

傭兵「は?」

僧侶「う、ううん…あれ…私溺れちゃいました…?」パチ

超巨大蟹「 」カチコチ

僧侶「!!?」ぶくぶく バタッ


勇者「でか! なにこの蟹! いっぱい食べる所ありそう!」

傭兵「蟹って大きさじゃないだろ! ほとんど魔物だ魔物!」

魔女「一匹氷漬けにしたけど。まだ他にもたぶんいる」

傭兵「撤収!! 全員荷物運び入れろ! いますぐ飛ぶぞ!」

傭兵「ヒーラちゃんは…ダメか。かついでいくからユッカ荷物たのむ」

勇者「うん!」

魔女「私まだ魔力完全には回復してない」

傭兵「言ってる場合か!」

勇者「はぁ…楽園だとおもったのになぁ」

馬「ヒヒン…」



ばさっ ばさっ


再び空の上へ。
ユッカは小さくなっていく楽園島(仮)を名残惜しそうに見つめていた。


傭兵「…まさか巨大生物の巣だったなんて…」

勇者「あんなにおっきくなるんだから、きっとおいしい果物や食べ物がたくさんあったんだろうなぁ」

傭兵「諦めろ。すくなくとも俺たちの物じゃない」

勇者「はふぅ…」

傭兵「なぁにオクトピアに着けばおいしいものをまたたくさん食べられるさ」

勇者「たのしみ~、ところでヒーラはいつまで裸で放っておくの」

傭兵「あ…」

僧侶「……クチュンッ…鮫が…ゔーー鮫が…zzz」



【オクトピア・宿屋ローレライ】



宿屋の少女「みなさん!」ぎゅっ

僧侶「ローレさん…お久しぶりです」

宿屋の少女「はい! ご無事でなによりです…」

宿屋の少女「魔王の気配が世界に満ちたときはとても心配しました…ですが、さすがですね」

宿屋の少女「よかった…帰ってきてくれました」

勇者「えへへ。ローレのおいしいごはん食べに来たよ」

魔女「ひさしぶり。疲れたから寝たい…ふぁ」

宿屋の少女「はい、すぐにお宿の準備をします!」

傭兵「悪いなこんな夜更けに。少しの間世話になる」

宿屋の少女「それはもうどうぞどうぞ! 大浴場にもぜひつかって旅の疲れをとってください!」



   ・    ・    ・



宿屋の少女「しかしまさか空から帰ってくるとは思いませんでした」

勇者「すごいでしょ! いろいろあったけど、ひとっとびだよ!」

宿屋の少女「えぇ…しかし…」

宿屋の少女「そんなに海はお嫌いですか…ぐすっ」

傭兵「いやぁそういうわけじゃない…」

僧侶「どうにも船賃が工面できなくてですね…やむを得ずです」

宿屋の少女「なるほど…ではまた出張ローレライでもいかがですか」

勇者「海の家?」

宿屋の少女「はい。きっと、この港街のみんなが、みなさまのお帰りを待っていますよ」

魔女「ボロ儲けのチャンス!」

傭兵「そうだなぁ…無人島ではあまりゆっくりできなかったし、ここの浜で休んでいくのもいいかもな」

勇者「わーいビーチバレーしようよー」

僧侶「働くんですよ?」

勇者「あ……うう」



【ローレライ・大浴場】


僧侶「はぁ~~、ゆったりー」

僧侶「やっぱりお風呂はいいですねぇ」

僧侶「そういえばローレさん、客足のほどはいかがですか」

僧侶「たくさん宣伝活動をした成果は出ましたか?」

宿屋の少女「そ、それが…なんていうか」


 ぬるるっ

僧侶「きゃっ! 何ですか!」


 ばしゃ

蛸娘「スキュのお嫁さん久しぶり」

僧侶「きゃああっ!」

宿屋の少女「この子が住み着いちゃって…呼ぶに呼べない状況でして…あはは」

蛸娘「スキュのお嫁さんっ♥ スキュのとこに帰ってきた♥」ぬるぬるっ

僧侶「たっ、たすけっ…あああいやですぅぅううう、どうして教えてくれなかったんですか!」

宿屋の少女「え? だって…うふふそれはですね」

宿屋の少女「私たち、これでも海の仲間ですから…」

宿屋の少女「ね。ヒーラさん?」

僧侶「……え?」ゾゾッ

  


宿屋の少女「はぁはぁ…やっぱり素敵…この海神の力…うふふ、あはは」ペロ

宿屋の少女「少し弱まってますけど…私の理想とする魔力です…はむ」

蛸娘「ダメ。スキュのお嫁さん! ローレにはあげない」

宿屋の少女「えぇ…すこしくらいいいじゃないですかぁ」

僧侶「あ、あの…あの…私…」

宿屋の少女「ヒーラさんって、どっちでもイケるお方でしたよね?」

僧侶「ふぇ!? どっちでもとは…?」

宿屋の少女「ユッカさんと…エッチしてましたし…うふ」

僧侶「……それは、ユッカ様だから…であって」アセアセ

蛸娘「スキュのお嫁さん、スキュとうねうねするの好き」

宿屋の少女「やっぱり♪ 私たち、通じ合えそうですね!」

僧侶(どうしてこうなるんですか…)




後日譚第3話<楽園と極楽>つづく


  

更新おわり
次回明日22時~

スマソ遅れた
また明日…

後日譚第3話<楽園と極楽>つづき



蛸娘「にゅる~、スキュのお嫁さん~♪」

僧侶「ふぁぁ…スキュちゃん…」

蛸娘「久しぶりにヒーラ会えてうれしい」ぬるるっ

僧侶「わ、私もうれしいですよ…でもあんまりくっつかないでくださいね」

蛸娘「どうして?」

宿屋の少女「照れているんですよね」

僧侶「そういうわけじゃな…きゃんっ、もうっ」

蛸娘「ぷに~」

蛸娘「ヒーラからだ、ぷにぷに。元気な赤ちゃん産めそう。いっぱい産む」

僧侶「ローレさん助けてください…」

宿屋の少女「……」

蛸娘「スキュ、ローレすき。でもヒーラもっとすき」

宿屋の少女「というわけですので…」

僧侶「見捨てないでください!」


蛸娘「スキュ、ヒーラの帰りまってた。ローレとここでまってた」

蛸娘「おかえりなさい!」

宿屋の少女「うふふ。おかえりなさい」

僧侶「あ、ありがとうございます…その節はおふたりにはお世話になりました…」

蛸娘「♪」ぬるるっ

僧侶「このまとわりつくのさえなければいい子なんですけどね」ヒソヒソ

宿屋の少女「私毎日これされてるんですよ…」ヒソヒソ

僧侶「大変ですね…」ヒソヒソ

宿屋の少女「お客さん呼べないです」ヒソヒソ

蛸娘「?」

蛸娘「ヒーラ、そろそろ子孫のこす。スキュのお嫁さん!」

僧侶「…そ、その話は勝手すぎます」

蛸娘「大丈夫。ヒーラ強い。ヒーラいっぱい赤ちゃんうむべき」

僧侶「誰か助けてください…」


ガラガラッ


傭兵「あっ」

僧侶「あ!」


傭兵「すまん。入浴中だったか…」

僧侶「あああっ、待ってください! どうぞ、お背中お流ししますのでぇぇぇえ」


傭兵「いやしかしな…ローレさんと…あと、誰?」

蛸娘「オス!」

傭兵「おっす!」

蛸娘「スキュはメス!」

傭兵「? 変な子だな。ヒーラちゃん達の友達?」

僧侶「ええっと…友達は友達なんですけど…」

傭兵「ってうおおあ! なんだその足! た、蛸!?」

僧侶「この子が例のスキュラです…ほら、前にここに来た時の…」

傭兵「あぁ。なるほど…」

傭兵「…………じゃ、まぁごゆっくり。俺は体流したらすぐ出て行くからな」

僧侶「ソル様たすけてくださいよぉ!」

蛸娘「スキュのお嫁さん。スキュとざぶざぶしよ」ぬるるっ

傭兵「ん?」


傭兵「仲いいんだな…そりゃそうか。海の仲間みたいなもんだもんな。ひとりカナヅチだけど」

僧侶「私は陸生まれ陸育ちの人間ですっ!」

蛸娘「スキュのお嫁さん~~♪」ぬるるっ

僧侶「ひぅぅ」

傭兵「おっと、あんまり裸の女の子の戯れを見ちゃだめだな。うむ…頭洗うか」シャカシャカ

宿屋の少女「よければ私がお流ししましょうか」

傭兵「いいのか?」

僧侶「だだ、だめですよぉ。それは私の役目なんです」

蛸娘「ヒーラはスキュがいるよ」

僧侶「むぅ…いいですか良く聞いてください!」

僧侶「私はスキュちゃんのお嫁さんじゃなくて…」

僧侶「そこにいらっしゃるソル様のお嫁さん(予定)なんです!!!」

蛸娘「!!?」

宿屋の少女「まぁ」

傭兵「……」シャカシャカ


蛸娘「…がーん」

僧侶「ふふん、わかりましたか?」

蛸娘「あのオスにも聞いてみる」ぬるぬる

僧侶「……」

僧侶(ソル様、今回は空気を呼んで話を合わせてください~~)

蛸娘「赤いオスの人」

傭兵「蛸の割には胸あるなぁお前。足の部分どうなってんだ?」

僧侶「ソル様!」

傭兵「み、見てない…! で、なんだ」

蛸娘「ヒーラはお嫁さん?」

傭兵「あぁ」

僧侶「わぁ♪」

傭兵「俺がもらうからお前にはあげない。そもそもメスだろお前」

蛸娘「…ぬ。でもスキュはヒーラと赤ちゃんつくりたい。つくれる」

傭兵「まじ?」


蛸娘「ヒーラは海の神様。スキュのほうがふさわしい」

蛸娘「スキュの赤ちゃん産んでもらう」

蛸娘「オス、ヒーラと相性合ってない」

傭兵「なにぃ」

蛸娘「諦めてヒーラちょうだい」

傭兵「だ、ダメに決まってるだろ! 俺の嫁だぞ」

蛸娘「スキュの」

宿屋の少女「ま、まぁまぁ」

僧侶(いまのうちに逃げちゃおうかな…)

蛸娘「じゃあしょうこ。しょうこを見せて」

蛸娘「ヒーラお嫁さんにするしょうこ」

傭兵「…証拠だと? ……ヒーラちゃんちょっとこっち」

僧侶「はい…」ぺたぺた


傭兵「ほら、仲良し」ガシッ

僧侶「あっ…はい。仲良しです」ピース

蛸娘「……」

蛸娘「こづくりは」

傭兵「は!?」

蛸娘「スキュならお嫁さんとまいにちこづくりする」

蛸娘「スキュのほうがヒーラを満足させられる」

傭兵「なに…」

僧侶「……し、してませんからね! 私ソル様にしか許してません」

傭兵「…しかたない。タコの娘、俺とヒーラちゃんの愛をお前に見せてやろう」

僧侶「えっ、いまからですか!? もしかしてここで!?」

蛸娘「オスがヒーラにふさわしくないとおもったら、スキュがもらう。スキュのお嫁さんにする」

傭兵「いいぜ。しっかりその目に焼き付けな!」


僧侶「ちょっ、ちょっとソル様…」

傭兵「こうなったらもう体で示してこいつを納得させるしかない」

傭兵「うやむやにしていると、またおかしな事が起きるかもしれないぞ」

僧侶「そ、そうですけど…」

僧侶「なにも目の前で…」

蛸娘「……じー」

宿屋の少女「……じー」

僧侶「ローレさんまでっ!」

宿屋の少女「あ、いえ…べつにー、どうしても見たいってわけじゃないんですけどぉ…」チラ

宿屋の少女「人間の交尾を目の前で見るのは、珍しいので…うふふ」

僧侶「……って言ってますけど」

傭兵「いいんじゃないか?」

僧侶「軽すぎですっ」


宿屋の少女「人の…っておっきくなるんですね…」

蛸娘「このオス。なかなかにやる」

傭兵「ふ…」

僧侶「もしかしてご自身を他人に見せつけたいだけなのでは…?」

傭兵「ヒーラちゃん。そこに横になれるか」

僧侶「はい…わかりました」


床にバスタオルを敷き、ヒーラちゃんの肩を掴んで仰向けにゆっくりと押し倒した。

ふるんとおおきな両胸が揺れる。
お湯上がりで濡れててらてらと光る肌に手の平を這わせ、お腹をくすぐった。

僧侶「んっ…」

そのまま手を下へ滑らし、湿った金色の毛を撫でながら割れ目へと指先を持っていく。


僧侶「あ…」

傭兵「なんだ。もう結構濡れてる」

傭兵「スキュラに絡みつかれて興奮しちゃってたのか? いやらしいな」

僧侶「ちがいます…ソル様と…エッチするんだっておもったら、急にうずうずが来ちゃって」

僧侶「お汁…出ちゃいました」

傭兵「ほら、ヒーラちゃんのいやらしい姿が見られてるよ」

僧侶「うう…」

宿屋の少女「わ、私達のことは気にせずどうかおふたりのペースで続けてください」

蛸娘「じーーってしずかに見てるから」

僧侶(この突き刺さるような視線をどう無視したらいいんですか)

傭兵「どんどんぬるっとしたので濡れてきた。ここ?」

ぷっくりと赤く充血した陰唇をなでて、その奥にある膣穴の入り口をくるくるとくすぐった。
穴からはどんどんと粘り気の在るヒーラちゃんの汁があふれてくる。
顔はすでに赤く染まっていて、気まずそうな視線を時々俺に投げかけては恥ずかしそうに顔を逸らした。


傭兵「ここにほしい?」

僧侶「は、はい……がまんしたくないです」

傭兵「そんなに呪い苦しい?」

僧侶「…」コク

僧侶「焼けるみたいにうずうずして、体のほてりで頭がへんになっちゃいます。熱が出てるみたいな…感じです」

傭兵「あぁ2人に説明しとくと」

傭兵「呪いっていうのはな、サキュにかけられたもので、人より性感が高まりやすくなるんだ」

宿屋の少女「……じー」

宿屋の少女(サキュさんお元気なんですね…よかった)

蛸娘「……じー」

蛸娘(赤ちゃんをいっぱい産みたくなるのろいってこと?)

傭兵「……聞いてるよな? まぁいいか」

傭兵「じゃあ挿れようか。俺も結構ガチガチになって苦しい」


ヒーラちゃんの柔らかい太めの太腿をしっかりつかんで、両足を大きく左右に開いた。
陰部が丸見えになり、ヒーラちゃんは恥ずかしそうにくぐもった声をあげる。
その羞恥にまみれた赤い表情をみると、俺の腹の奥がキュンとうずいた気がした。

傭兵(かわいいな…やっぱ恥ずかしいか)

傭兵(他の男相手には絶対みせたくないけど、気心知れた同性相手ならまぁいいだろう)

傭兵(いやむしろヒーラちゃんにとってはそっちのほうが恥ずかしいのか?)

傭兵(……ダメだな。近頃俺自身の道徳が崩れかけているような気がする)

傭兵「君がそんなエロい顔するからだぞ」

僧侶「なっ、なんのこと―――」

 ずちゅっ

僧侶「んんんっ♥」

固くなった肉棒を十分に濡れた膣内に、勢いよく挿入した。
ペニスはヒーラちゃんの柔らかい肉壁をおしのけかきわけ、あっという間に最深部へと到達し、彼女の子宮口を叩いた。

 ぱちゅんっ

僧侶「ぁぁああ、ああっ♥」

傭兵「うおお…やらけぇ…腰ぬけそうになる」


傭兵「うぉ…」


頭のてっぺんまで突き抜けそうになる快楽を耐え、俺は性の営みを開始した。
隣で食いつくように眺めているタコ娘のいうところの、子作りだ。
ジェルがなくても十分に潤滑なストロークを駆使し、ヒーラちゃんの奥を何度も叩く。


 ぱちゅんっ ぱちゅんっぱちゅんっ
   ぱちゅんっ ぱちゅんっ ぱちゅんっ


僧侶「うああっ、ああっ、はっ♥ ああっああん♥」

僧侶「ソル様の…おっき…はぁ、ああっ」

僧侶「奥に…あたって…んんんぅ♥」

愛らしい喘ぎ声が大浴場内に響いた。
まったりとした膣内を味わいながら、俺は見せつけるように腰を振る。

僧侶「はげしっ、あああぅ♥」

僧侶「んあああっ、ソルさまっ、ソルさまっ、だめっ…だめぇ♥」


傭兵「何がダメなんだ。こんなにあんあん声だして」

傭兵「俺のお嫁さんなんだから、たくさん子作りしなきゃいけないだろ」

傭兵「お嫁さんを認めてもらうために、ちゃんと俺と体の相性いいとこ見せないとな」

  ぱちゅんっ ぱちゅんっぱちゅんっ
   ぱちゅんっ ぱちゅんっ ぱちゅんっ


お嫁さんという言葉を発する度、キュンキュンと中がしまって、
ヒーラちゃんは口元を抑えながら真っ赤な顔で首を縦に小さく何度も振った。

僧侶「ああっ、ああ♥」

僧侶「はいっ…♥ すきにしてくださいっ」

僧侶「ソル様のお嫁さんですっ、妻ですっ♥」

僧侶「おまんこすきにしてくださいっ。あなたのたくましいおちんちんでぐちゃぐちゃに、ふぁぁぁあ♥」



 ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
  ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん♥


何度も激しく肉棒を叩きつける。
その度に肉と肉のぶつかり合う音と、混じった汁がぐちゃりと結合部から漏れる卑猥な音が響く。

隣の2人は目を丸くして俺たちの交尾を眺めていた。
まさかヒーラちゃんがここまであえぐエッチな子だとは思わなかっただろう。

しかし度重なる性交ですでにこの子は俺のペニスに順応し、
もはやこれ無しでは居られないほどに堕ちてしまっている。


僧侶「ああああっ♥」

傭兵(見ろこのエッチな顔。なにが聖職者だ!)

傭兵「ほらっ、ほら!」

僧侶「そこっ♥ そこですっ、あああっ、きもちいいんですっあああ♥」

僧侶「ソル様ぁ♥ ソルさまっ! あああっ♥」



僧侶「あああ~~~っ♥」

僧侶「おまんこのなか…っ♥ でて…♥」

傭兵「イケ! イッて」

 ずちゅんっ―――

僧侶「んんぅううう♥♥」

僧侶「ふうぁぁああああ♥♥」


ヒーラちゃんは嬌声を上げて絶頂し、やわらかい膣内が激しくきつく収縮する。
ひだがまるで生き物のように俺にからみつき、吐精をおねだりしてきた。

俺は彼女の骨盤をがっちり掴んで、子宮が潰れてしまうんじゃないかというほどに奥までしっかりとペニスを押しこむ。
柔らかい子宮口にぴったりと鈴口を押し付け、俺は最後の一滴まであまさず射精した。


僧侶「きゃあああ♥」


 

  ・     ・     ・



僧侶「……う、う…」ピク

傭兵「というわけだ」

宿屋の少女「……」

蛸娘「…ヒーラ」


タコの娘は意識朦朧状態のヒーラちゃんのお腹をやさしい手つきでなでた。

蛸娘「このオスの精液でヒーラお腹おっきくなる」

傭兵「あ、ああ…いずれそうするつもりだ!」

蛸娘「オス!」

傭兵「な、なんだ。ヒーラちゃんが誰のものなのか今のでわかったろ」

蛸娘「うん! ヒーラ、メスの悦び感じた。聞いたこともない声であんあん言ってた」

僧侶「……ぅ」


蛸娘「オスのおちんちんすごかった!」

蛸娘「スキュまだまだ足りない! スキュのタコ足おちんちんじゃ、オスみたいにできないことがわかった!」

蛸娘「スキュもっと特訓する! そしていつかオスからヒーラ奪う!!」

傭兵「ほぅ。俺からヒーラちゃんを寝とろうってか」

蛸娘「だからオス、もう一回ヒーラとこづくりみせて! いっぱいさんこーにしたい」

傭兵「え」

僧侶「…あ、あの…」

蛸娘「ほら、ヒーラのここ、まだぴくぴくってしてる。これ、オスがほしい合図」

蛸娘「オスほしいよぉほしいよぉ…ヒーラのここおねだり!」

僧侶「ち、ちが…これは…かるい痙攣で…」

蛸娘「オス先生! ヒーラとのこづくりもっとスキュにみせて!」

傭兵「…そうだな。格の違いをこのタコ娘に見せてやらねば!」

僧侶「ちょ…何いってるんですか……」

傭兵「いくぞ!」

 ずちゅんっ♥


僧侶「ふぁぁぁああああ♥♥」




勇者「お風呂うるさいなぁ」

魔女「ユッカも前うるさかったよ」

勇者「むーー。いつあがってくるんだろう。早く飲み食いしたいよぉ」


後日譚第3話<楽園と極楽>つづく


 

更新終わり
次回明日22時~

書き溜めて寝ます 更新明日
最近予定通り行ってないねスマソ
挿絵は次回がその次くらいに挟みます…

後日譚第3話<楽園と極楽>つづき



【浜辺・海の家】



傭兵「今日も日差しが眩しいなぁ…ここは暑くてたまんねぇ」

村長「うむ。ピチピチのぎゃる達の水着姿もまぶしい…そう思わんか」

傭兵「そうだな…」

村長「とくに我らがオクトピアの女神様のあのこぼれんばかりの豊満なお胸とお尻…グフフ」

村長「生きているうちに再びこの目で見られるとは、いやはや眼福眼福」

傭兵「そうだなーーー」ボー

勇者「ソルー。何サボってるの! 注文入ってるよ! 海鮮焼きパスタまにあわないよぉ」

傭兵「へいへい」

勇者「もうっ、お金いるんだからしっかりしてよね!」

僧侶「休憩はもうすこし客足が落ち着いてからにしましょうね」


傭兵「くっそーこの熱さで鉄板に向かい合うのは地獄だ」

宿屋の少女「でもだんだんと手慣れてきましたね」

傭兵「混ぜて焼くだけだしな…」

勇者「ボクたちが運ぶからじゃんじゃん作ってね!」


魔女「かき氷。かき氷です」

魔女「20G。かき氷です。とても冷たい。かき氷」シャリシャリ

魔女「食べないと損」


傭兵「涼しそうでうらやましい…」

勇者「マナに売上負けてられないよ!」

傭兵「こんだけ暑いんだから氷のほうが売れるだろうよ」

客「すんませーん。こっち4人前」

勇者「はぁい!」


傭兵(何故だ。何故世界の危機を救ったというのに俺達はまたここでアルバイトしているんだ!?)

傭兵(おかしい…)ジュウジュウ

蛸娘「…あむ、もぐもぐ」

蛸娘「スキュこれ好き!」

傭兵「お前は何つまみ食いしてんだよ。刻んで具材にするぞ」

傭兵「ここにいて騒ぎにならないのか?」

宿屋の少女「まぁ…スカートが取れなければきっと大丈夫です」

傭兵「こいつの通ったあとがぬめぬめしてるんだが」

蛸娘「スキュも手伝いたい」

宿屋の少女「ありがとうスキュさん」

蛸娘「うん。ローレはスキュのお嫁さんだから、手伝うのは当たり前」

宿屋の少女「え?」

傭兵「お、ヒーラちゃんはあきらめたのか」

蛸娘「オスから寝取る時まで…ローレをお嫁さんにして練習する」

宿屋の少女「ふぇ!?」


蛸娘「ローレは海の仲間。きっとスキュともあいしょういい」

宿屋の少女「ソルさん……」

傭兵(し~らね)ジュウジュウ

僧侶「ソル様ー、また注文入りましたので追加お願いします」

傭兵「おう」

蛸娘「……やっぱりヒーラがすてき。まっててスキュのお嫁さん」

傭兵(もう連れてくるのやめようかな)



   ・    ・    ・


<夕方>



勇者「それっ!」ポンッ

魔女「…む、む…あ」ポンッ

僧侶「そーれ! ソル様行きましたよ」ポンッ

傭兵「おう、俺のアタックを止めてみろユッカ!」

勇者「うわわわっ! 本気はダメぇ!」



勇者「はーー。お仕事のあとにだらだらするのって最高だね」

魔女「うん。夕方は暑くないから好き」

傭兵「そうだな。サンセットをおかずにキュッと一杯やりたいぜ」

僧侶「一日おつかれさまでした。結構売上ありましたね♪」

宿屋の少女「みなさん、私先に宿にもどって皆さんのご夕飯を用意しておきます」

傭兵「そんな働き詰めで悪いぜ。そうだ、みんなでこの後食べに行こう」

宿屋の少女「ですが…旅の資金を貯めているのでは?」

傭兵「俺の小遣いでおごりだ!」

勇者「わーい。ほんと!?」

僧侶「いいんですか?」

傭兵「ま、程々で勘弁してくれな」

僧侶「嬉しいです。いきましょう」

宿屋の少女「でしたら近くに夕日を眺めながらいただけるお店がありますよ」



俺たちは旅と仕事の打ち上げにローレおすすめの店へとやってきた。
さまざまな海鮮料理と芳しい酒や飲み物がテーブルを埋め尽くす。


勇者「それじゃ、みんな。手に持って」

勇者「カンパーイ!」

コツンッ

ユッカが音頭を取り、ささやかな宴会が始まった。
もちろんユッカとマナはただのジュースだ。

勇者「んくんく…っ」

傭兵「ヒーラちゃん飲み過ぎないようにな」

僧侶「はい。ソル様もですよ」

傭兵「じゃぶじゃぶ飲めるほど懐が暖かくないからな。セーブするよ」


魔女「これなに」

宿屋の少女「焼きアワビですよ」

宿屋の少女「こうしてバターを乗せると…」ジュウ

魔女「…香ばしい」

魔女「でもいやらしい形…まるで」

傭兵「!」スコン

魔女「ぅ!? 何…」

傭兵「おとなしく食べるんだぞ」

魔女「…」コク

勇者「なんだか言われてみると似てるね」

スコン!

勇者「あだっ。わかってるよぉ、何も言ってないじゃんかぁ」

傭兵「ごほん」

僧侶「あつつっ、おいひいですね。私も海辺に生まれたかったです」


蛸娘「じゃあヒーラここに住む」

蛸娘「オクトピアいいとこ。ヒーラがいればもっといいとこ」

蛸娘「スキュとローレと一緒に住む」

僧侶「あ…で、でも」

宿屋の少女「だめですよ。ヒーラさんたちは国へ帰る旅の途中ですから」

宿屋の少女「ヒーラさんたちにも大切な生まれ故郷があるんです」

蛸娘「…」

僧侶「また会いに来ますよ」

勇者「そうだよ! びゅーんとひとっ飛びなんだからあっという間だよ!」

魔女「…」もぎゅもぎゅ

傭兵「ローレたちはずっとここで暮らすのか?」

宿屋の少女「そうですねぇ…魔族領に戻っても良いのですが、未だ治安がどうなっているのかわからないので」

宿屋の少女「しばらくはここで暮らします」


傭兵「そうか」

傭兵「あぁ、よければ。俺の知り合いが魔族領で新しい国をつくろうとしててな」

勇者(知り合いっていうか)

魔女(ライバル)

僧侶(ある意味恋人以上の関係……?)

傭兵「魔物や人間にとって住みよい国をめざしてる」

傭兵「ローレたちもきっと気に入る。どうだろう」

宿屋の少女「魔族領は…変わったのですね」

傭兵「あぁ…もう邪気は満ちていない」

傭兵「君たち温厚な魔族達が安心して住める国へと変わっていく」

勇者「みんなが笑顔で暮らせる日がきっとくるとおもうよ!」

宿屋の少女「…ありがとうございました」ペコ

勇者「えへへ」ゴクゴク

傭兵「って、おいそれ酒!」

勇者「!? かっ、辛ッ」


勇者「ぺっぺっ」

魔女「水」

勇者「ありがとー。なんでこんな苦くて辛い水飲めるの? 喉ひりひりしたよ」

傭兵「それがいいんだろうに」

僧侶「うふふ。癖になっちゃうんです」

勇者「わかんないなぁ…」スンスン

勇者「ゔぅ…匂いだけでうぇってなる」

魔女「だから言ったでしょ。飲んではいけない。体に毒を取り込むようなもの」

魔女「私と結婚した暁には禁酒してもらう」

傭兵「え、やだ」

魔女「…」ジッ

僧侶「ソルさま~~、わたしとは毎日晩酌しまひょうねぇえ」ギュ

傭兵「あ……もうだめっぽいな」

勇者「あーもーヒーラったらだらしないよ」


宿屋の少女「うふふ。みなさんが居てくれると賑やかですね」

宿屋の少女「ほんとにお三方と結婚なさるつもりですか?」

傭兵「……作戦考え中」

勇者「もうウカウカしてる内に国に着いちゃうよ?」

傭兵「着いたって別にすぐ結婚しるわけじゃねぇだろ。考えさせろ」

僧侶「結婚式は盛大に大神殿で行いましょ~~~~っ♥」ギュウ

僧侶「パパとママきっとよろこんれ、うふふふひゅ」

勇者「……ボ、ボクもしたい!」

傭兵「わかってる。金溜めなきゃ…」

魔女「結婚…」ゴク

魔女「楽しみ……」

蛸娘「スキュもヒーラとけっこんしよ」

宿屋の少女「女の子同士は出来ないんですよ」

 
宿屋の少女「ソルさん達の国では、多重婚は認められているのですか?」

傭兵「いや…王族でも正妻はひとりしかもてない」

傭兵「あのグレイスが一般市民相手に制度を改めてくれるとも思えないしなぁ」

勇者「どうするの?」

傭兵「だから作戦考え中って言ってるだろ!」

勇者「じゃあさ! ボクが王様になって決まりを変えればいいんじゃないの?」

勇者「ね?」

傭兵「お前に王様が務まるのか? グレイスの多忙さ知ってるだろ」

勇者「……むり、だね」

傭兵「なんにせよ、課題は山積みだ」

傭兵「ゆっくり解決方法考えようぜ」ポンッ

勇者「うん」

僧侶「ふにゃあ…」バタッ



<2日後>


宿屋の少女「では、またのご宿泊をお待ちしております」ペコリ

蛸娘「ばいばいヒーラたち。ばいばいオス先生」

僧侶「お世話になりました」

傭兵「またな。飯うまかったよ」

勇者「すぐ会いにくるよー。今度は新婚旅行かなー、えへへ」

魔女「ハネムーン! 絶対にくる」

傭兵「旅行費があればな」

魔女「働いて」

傭兵「頑張ります…」

宿屋の少女「うふふ。ソルさんはこれからもずっと大変ですね」

僧侶「では行きましょうか」

宿屋の少女「いってらっしゃい」

勇者「またね! いってきます!」


馬「ヒヒン…」

勇者「まだ飛ぶの怖がってるの? がんばれスレイプニル!」

僧侶「あいかわらずガタガタ揺れて落ち着きません…」

魔女「羽とエンジンが未完成だから」

僧侶「未完成!? なんですか?」

傭兵「ふざけんなよ…」

魔女「もっと改良の余地があるはず。速度がおもったより出なかった」

魔女「あと魔力消費しすぎ。快適な空の旅とはいえない…」

傭兵「じゃあまた休憩はさみつつか。次の休憩ポイントはバザにするか」

勇者「何言ってるの!」

傭兵「何って、ピニオンからオクトピアまでの海越えに比べると随分打倒な距離じゃないか?」

勇者「そ・の・ま・え・に! キュウちゃんが温泉山にいるでしょ!」

傭兵「あぁ…! いまもいんのかな」

勇者「降りて探してみようよ。ボク温泉にも入りたい!」

僧侶「そうですね。今日のお風呂は自然温泉にしましょう!」

魔女「賛成」


ユッカたちの熱い要望で俺たちは霊泉の湧き出る山へと降り立った。
以前一泊させてもらった旧盗賊団のアジトである洞穴を覗くと、早速お目当ての人物に出会うことが出来た。


妖狐「なんじゃ。おぬしらじゃったか」

勇者「キュウちゃんっ!」ぎゅっ

妖狐「うむ。元気そうでなによりじゃ」

勇者「あいたかったよ~~」すりすり

妖狐「やめんか」

傭兵「あいかわらずここに住んでんだな。もうとっくに旅に出たとおもっていた」

妖狐「頃合いよく戻ってきたのぅ」

妖狐「あと数日も遅ければここを離れたいた」

勇者「ふさふさ~~」

妖狐「……あいかわらず無礼な奴じゃの」

僧侶(もふもふふかふか触りたい…)

妖狐「え、ええんじゃぞ…触っても」


魔女「…」

妖狐「それにしても、心配かけよって」

妖狐「くく。じゃが、ワシを救ったおぬし達なら必ず、必ずや成し遂げるとおもっておった」

妖狐「マナよ。がんばったな」

魔女「…うん」ギュ

妖狐「おぬしを取り巻いていた黒い影は消え失せた。これでお主はただの小娘じゃ」

魔女「私はそれでいい…」ギュウ

傭兵「いろいろ大変なことがあったが、みんなよくがんばってくれたよ」

妖狐「そうじゃろうとも。おぬしもな…?」

傭兵「俺は…こいつらの旅に手を貸しただけさ。最後まで圧倒されっぱなしだったよ」

妖狐「謙遜しおって。さて、腹を空かしておるじゃろう」

妖狐「飯にするか? 風呂にするか? バザで仕入れてきた酒もあるぞ」

勇者「どっちもー!」

僧侶「お酒あるんですか!」

魔女「ヒーラはもう飲んじゃだめ」


妖狐「込み入った話もあるじゃろうが、まずは旅の疲れを癒やすことが先決じゃ」

妖狐「どうも短期間でみな魔力を使いすぎておる」

傭兵「やっぱりそうなのか。なんというか、ユッカ達から以前の鋭さを全く感じられないんだよな」

傭兵「へにゃっとしてる」

勇者「失礼だなぁ…でも回復がすごく遅いのはあってるかも」

妖狐「そうじゃろうとも。ワシも全盛期にはおぬしらと似たようなことがあった」

妖狐「もう以前のような莫大な魔力は今後戻らんのかもしれん」

傭兵「それでずっと療養の旅をしてるんだな」

妖狐「どれ、たっぷりと霊泉を味わって行くが良い」

僧侶「はい!」

妖狐「こっちのワシの湯がおすすめじゃ。荷物を持ってついてまいれ」

勇者「わーいおふろー♪」

傭兵「いつの間にお前の山になったんだ」



【霊泉】


妖狐「行かんのか? なにをためらっておる」

傭兵「いや…」

妖狐「いまさら気恥ずかしいことはなかろう。毎日しつこいほど肌身を重ねあわせているくせに」

傭兵「ぐわああっ、頭の中を覗くな! くそ…」

妖狐「くふ。おぬしにこれから待ち受ける苦悩と困難、わからんでもないがの」

妖狐「じゃがここは天然の温泉。大自然の一部となれ」

妖狐「いまだけは全て忘れて、身も心も裸になって、愛しい娘たちと傷を癒やすと良い」

妖狐「……おつかれさまじゃな、小僧」


勇者「ねぇ、こっちこっち! ソルもおいでよ!」

茂みの向こうからユッカの呼ぶ声が聞こえる。
俺は衣服を脱ぎ捨て、誘われるがままに、そこに在る極楽へと足を踏み入れた。


勇者「あ、やっときた。おそいよー何してたの」

僧侶「ソル様。どうぞこちらへ。一緒にキュウさんから頂いたお酒飲みましょ?」

魔女「…早く」

傭兵「…あぁ!」


チャポン


後日譚第3話<楽園と極楽>つづく

http://i.imgur.com/b3qwU96.png
※キャラ絵

更新終わり
次回日曜日夜21時くらい~
絵またそのうち貼ります

後日譚第3話<楽園と極楽>つづき



傭兵(はぁ…最高だ…)

傭兵(熱い湯に、うまい食べ物、澄んだ酒、周りには裸の少女たち…)

傭兵(まさに極楽ってやつだな…)

勇者「おいし~。もう1つたべちゃお、むぐむぐ」

僧侶「キュウさんのご用意くださるお酒は格別ですね」

勇者「あー飲んじゃダメって言ったのに」

僧侶「いいじゃないですか。さぁユッカ様も」

勇者「えぇ~、ボクは…うーん」チラ

傭兵(…眠たくなってきた。このまま沈みたい…)

勇者「…飲んでいいのかな?」

魔女「やめておいたほうがいい」

勇者「マナも一緒に飲んでみようよ」

魔女「……一口だけ」


勇者「くふふふ。ソルがあんなにだらけきってるの珍しいね」

魔女「きっと疲れてる」

勇者「そうだね。ゆっくりさせてあげよう」

僧侶「はいユッカ様マナちゃん。どうぞ」

勇者「すんすん。ゔっ」

勇者「…見た目はおいしそうなんだけどなぁ」

僧侶「一気に飲まずに、ちびちびと味わってくださいね。あと何か食べながらが良いですよ」

勇者「ありがとー」ゴク

魔女「いただきます。んくっ…」ゴク

魔女(まずい…)

勇者(からい…)

勇者「やっぱもういらないや。ヒーラあと飲んでいいよ」

僧侶「えー」

妖狐「これじゃから小童共は…。おぬしらに飲ますのはもったいないのぅ」


妖狐「さてワシは小僧をねぎらってやるか」

妖狐「おい、酒の一杯でもついでやる。くるがよい」

傭兵「ぁ~~~」

妖狐「なんじゃ、いつまでこんな隅でくつろいでおる」

妖狐「こっちへこんか!」

傭兵「ぁ~~~」

妖狐「気持ちはわからんでもないが、裸の女を前にその反応はちと寂しいの」

勇者「ソルはねぇ、ふたりっきりじゃなきゃエッチな気持ちにならないんだよ」

妖狐「そうなのか?」

傭兵「ぁ~~~? ふぁぁぁ」

妖狐(どれ、ちと心のなかを探ってみるか)

妖狐「……なるほど」

妖狐「3対1で遊ばれるのが目に見えてて、怖いらしいぞ」

傭兵「だっ!」バシャ


傭兵「誰がそんなこと言った!」

傭兵「誤解だぞ! 別にお前達のことが嫌ってわけじゃないからな!?」

妖狐「くく、いままで散々苦労してきたみたいじゃな」

妖狐「随分うらやましい話じゃの」

傭兵「うるさいっ、人の記憶をたどるな」

妖狐「おぬしが勝手にいろいろと思い起こすのが悪い」

勇者「キュウちゃんの魔覚はすごいなー。ボクにはそんなことできないや」

妖狐「ユッカよ、小僧と皆でいじめるときは、手心を加えてやらんといかんぞ?」

勇者「だってさぁ、ふたりっきりでエッチするとどうしてもソルのペースになっちゃうんだもん」

勇者「みんなで本気でかからないと勝てないよ」

傭兵「お前なんでこんな場所でそんな話してるんだ! 黙って飯くってろ」


僧侶「ソル様は案外照れ屋さんでかわいいです」

傭兵「ヒーラちゃんまで…」

魔女「もっと素直に理性を解放していいのに」

傭兵「動物じゃあるまいし、大人としてそんなこと…できるか」

妖狐「説得力皆無じゃな」

勇者「この前なんてさー、ボクお風呂の中で」

傭兵「ああああっ、言うな言うな!」

妖狐「言わんでも今の一瞬でワシは全部読み取ったぞ」

傭兵「あぁぁぁお前もう出て行ってくれないか」

妖狐「くく、そうじゃな。ここからは家族水入らずとして、ゆっくり楽しむがよい」

妖狐「ちなみにここは運良く子宝の湯じゃ。精々がんばるんじゃぞ」

傭兵「く…お前が連れてきたんだろうが」


僧侶「子宝の湯…」

僧侶「いつか、私達も恵まれるんでしょうかねぇ」チラッ

傭兵「ひっ…もう酔ってないか」

魔女「いつくれるの」

傭兵「まだ早い! とくにマナやユッカを、妊娠させるなんて道徳的にまずい。グレイスに殺される」

勇者「ボクもマナももう大人だよ?」

傭兵「そりゃ太陽の村基準ではそうかもしれんが…」

傭兵(どうみても子供を産める体型じゃないだろ? こんなもんなのか!?)

勇者「いっとくけどソル、ママは結構若い時にボクを産んだよ?」

傭兵「……」

勇者「ママもちっちゃかったでしょ?」

傭兵「そ、そう…だが…」

傭兵「おまえたちが腹大きくしてるとこなんて想像できない…」


ざぱっ

勇者「見て」

ユッカは岩の上に腰掛け、お腹をさすった。

勇者「こんな感じかな♪」

傭兵「それはたらふく食って胃が膨れてるだけだろ…」

勇者「さわってみる? くふふ」

傭兵(どうしてこうもむき出しの肌を見せることができるんだ)

僧侶「あ、あのっ! ユッカ様とマナちゃんはともかく、私は…その」

傭兵「…」

僧侶「赤ちゃんつくっても大丈夫ってことですか…?」

勇者「ヒーラは準備万全って体だもんね。こーんなにおっぱいおっきいし」ふにっ

僧侶「ひゃっ、ユッカ様…」

勇者「ヒーラの赤ちゃんはおいしいミルクいっぱい飲めて幸せだね」

勇者「ボク出るようになるかなぁ」


魔女「なに逃げようとしてるの」ガシッ

傭兵「あっ」

魔女「あなた真面目に考えてる? 現実逃避はダメ」

魔女「約束した以上、しっかりと真剣に考えて」

傭兵「…あぁ」

傭兵「わかってるが、もう少し後回しじゃだめなのか」

傭兵「国に帰って落ち着いてからとか」

勇者「む~~。そしたら次は仕事が決まるまで~とか、色々理由つけるでしょ!」

僧侶「ソル様。私達はすっごく真剣に考えてるんですからね」

魔女「あなたに魔力を戻す方法を日夜討論してる」

傭兵「まじかよ」

勇者「だって赤ちゃんほしいよ! ね?」

僧侶「はい。いますぐとはいいませんが…で、できれば若いうちに…」

魔女「私はいつでもいい。婚前でもOK」

傭兵「OKなわけあるか!」


傭兵「なぁ、俺はどうすれば魔力が復活するんだ」

勇者「まず1つ目の方法はね」

勇者「ボクが魔力貸与でソルに一時的に魔力を与えること」

勇者「でも、それだとボクの魔力がソルの中に混じっちゃうよね」

勇者「マナとヒーラとエッチする時はそれはよくないかなって結論に達したの」

傭兵「ずっと前にもそんなようなことを聞いた気がするな」

勇者「2つ目は、クロノさんに頼んで昔のソルに時間をもどしてもらう」

勇者「でもそれだとみんなの記憶まで巻き戻っちゃうよね…」

僧侶「さすがに、お互いのためにもよくないですね」

魔女「3つ目」

傭兵「……」

魔女「たくさん療養する」

傭兵「お? まともだな」


僧侶「ソル様はいままでずっと闘いの中にいました」

魔女「毎日心身共に疲れきってては回復するものもしない」

勇者「だからね、この霊泉みたいな場所で、毎日ゆっくりすれば戻るんじゃない?」

勇者「キュウちゃんはそれで失った魔力の回復をしてるって言ってたでしょ?」

傭兵(…俺に魔力が…)

勇者「気長に、ね?」

魔女「休息、大事」

僧侶「まずはマッサージでもいかがですか」

傭兵「お前たち…」

勇者「よしみんなでソルを癒やしてあげよう」

魔女「うん」

僧侶「いいですね」


傭兵(みんな心配してくれていたんだな…)

確かにこの8年間、いや生まれてこの方ずっと、俺には心の休まる瞬間がなかったかもしれない。
常に外的に対して神経を研ぎ澄まし、昼夜問わず戦いに暮れていた。
肉体はすでに20代半ばとはおもえないほどにズタボロだ。
命を削ってきた日々の代償に、いつ動かなくなってもおかしくない。

ユッカたちは俺の全身の傷跡を愛おしそうにさすってくれた。


傭兵(休暇か……そうだな。帰国して報告を終えたら、なにもしないほうがいいのかもな)

勇者「ソル。はいもっとだらーんってして」

魔女「足ひらいて」

僧侶「肩こってますねー。んしょ、んしょ」

傭兵「ありがとう…」

勇者「くふふ、サービスしてあげる」

僧侶「お酒もどうぞ。飲ませてさしあげますね」

傭兵「至れり尽くせりだな」


勇者「ボク、ソルが戦ってる姿好きだよ。かっこいいし頼りになる」

勇者「大好き! ……でも、もう戦わなくていいんだ」

勇者「これからは自分で自分の身を守るから、もうキミが守る必要はない」

勇者「ボク、成長したよ」

傭兵「…あぁ」

勇者「ママと約束したの?」

傭兵「…お前を守るって。ユイさんに誓った」

傭兵「そうか…もう、俺の役目は終わっていたんだな…」

傭兵「わかっていた。お前が覚醒したとき、世界の真理を側で見た気がするんだ」

傭兵「俺はお前を育てるために存在したって事をはっきり感じ取れた」

傭兵「いまとなってはすでに…不要なのかもな」

勇者「ううん、不要なんかじゃないよ」

勇者「これからは兵士としてボクを守るんじゃなくて、旦那様としてボクたちの家庭をまもってほしい」

勇者「ね…?♥」


傭兵「ユッカ…んっ」

勇者「ちゅ…♥ ちゅぅ…んぅ、ちゅ♥」

傭兵「そうだな…」

僧侶「ううう、ユッカ様だけずるいです」

傭兵「ヒーラちゃんもキスしようか。おいで」

僧侶「は、はいっ」

僧侶「んっ…んぅ♥ はふっ、うふふ。いままでお疲れさまでした」

傭兵「あぁ。ごめんな、騎士には戻れそうにない」

僧侶「騎士じゃないソル様も素敵です」

傭兵「じゃあ養って…」

僧侶「それはダメです!」

勇者「休んでいいって言ったけど、最低限何かお仕事はしようよ~」


傭兵「そうなんだよな~~」

傭兵「戦いをやめるって言っても、結局俺から戦いをとったら何が残るのやら…」

勇者「う……そ、それは考えようよ」

僧侶「いまからでも何かはじめたらどうですか?」

傭兵「うーん…言っとくが勉強なんて殆どわかんねぇぞ」

勇者「牧場やろうよ!」

傭兵「俺動物に妙に嫌われるんだよなぁ」

勇者「それは怖い顔と雰囲気してるからだよ。いっつも威嚇してる!」

傭兵「そういう風に育ったからしかたない。あと土地持ってないし…」

僧侶「商売人は難しそうですね」

勇者「うん…こんな店員ヤダ」

傭兵「なぁ、ところで……マナ」

魔女「なに」しゅこしゅこ

傭兵「お前俺たちが真剣な話してる間になにやってんの」

魔女「どうぞ。聞いてるから続けて」しゅこしゅこ


傭兵「んっ…集中できないんだよっ」

魔女「固い…肉棒を固くする事だけは才能ある」

 しゅこしゅこ しゅこしゅこ

傭兵「や、やめろ…」

魔女「とりあえず、1回出す?」

傭兵「だしません! なんで触ってんだよ!」

魔女「癒やしてあげようと思った」

 しゅこしゅこ しゅこしゅこ


勇者「…」ジー

僧侶「…」ジー

傭兵「なんだよっ、あんまり見るなよ」

勇者「はぁ、すぐおちんちん固くしちゃって…ソルにはがっかりだよ」

僧侶「戦いのことばっかり考えてなんておっしゃりつつも、思い返せばここ最近はエッチなことばっかりですよね」

勇者「ほんとだよ。なんだか真面目に考えるのが馬鹿らしくなっちゃった」

傭兵「不可抗力だろ! 触られたらだれでもこうなるの!」


勇者「とりあえず、1回すっきりしよっか?」

僧侶「ですね。頭の中ピンク色では良いアイデアは出ないでしょう」

魔女「うん。夫の性処理も妻の勤め」

 しゅこしゅこ しゅこしゅこ

傭兵「や、やめ…ダメだこれ…いつものパターンでなぶられる」

魔女「出す?」

傭兵「く、くぅ…」

勇者「はむ…♪ あむぅ…ソルのおちんちん、かひゃいね♥」

僧侶「あ、ずるいです。私もー…あむ」

魔女「ふたりとも邪魔……れろぉ、れろ」

勇者「れろぉ♥」

傭兵「…!」

傭兵(そうだ、ここで主導権を握られるようでは、俺は一生3人の尻に敷かれる)

傭兵(威厳を見せねば…! 三人同時に相手にしても余裕綽々とした態度を保たないと、俺に真の平和は訪れない!)


傭兵「うおおお!」ムクッ

勇者「な、なに!? せっかく舐めてあげてるのに」 

傭兵「お前らにナメられるのは今日までだ!」

傭兵「俺はうまれ変わってみせる」

傭兵「たとえ3人相手だろうと、無抵抗でやられっぱなしでいられるか」

僧侶「どうなさったんですかねぇ」

勇者「きっと悔しいんだよ」

魔女「おとなしくしていれば気持ちよくしてあげるのに」

傭兵「違う! 俺がお前たちを気持ちよくしたいんだ!」

勇者「んー。それは嬉しいけど、できるの?」

傭兵「とりあえず、3人ともこの岩に手をついて、おしりを向けろ」

僧侶「えっ?」

魔女「…」

勇者「…♥ なんだ、エッチしたかったんだ♥」

勇者「いいよ。じゃあみんなソルの言うとおりにしよ」


傭兵「……よ、よし」

目の前に少女のお尻が3つ並んでいる。
丸くてつるんとしたユッカのかわいいお尻。
安産型のヒーラちゃんのエロいお尻。
意外と肉付きのよいマナの真っ白なお尻。

どれも違っていてそれぞれのいやらしさがある。

勇者「…な、なんか変な感じだね。こうして2人に挟まれてお尻丸出しなんて、えへへ…」

僧侶「ですね…。あんまりこういう姿勢でエッチしたことないので、緊張しちゃいます」

魔女「…見てる?」

傭兵「おう、全部よく見えてるぞ」

魔女「……む。あんまり、お尻は見ないでほしい…」

傭兵「俺のペニスを無断でごしごししてたお前が何を言う。拒否権は無いぞ」

傭兵「ふふ、ふふ…なんだか征服感があっていい光景だ」

傭兵「さぁて、誰から可愛がってやるか」

傭兵「立場は逆だが、第3回聖剣争奪杯開催だな」



後日譚第3話<楽園と極楽>つづく


 
 

更新終わり次回あす22時~

帰り遅くなったので明日更新しまスマソ
挿絵はまた近い内に公開予定…
希望あれば数枚くらいなら描くかも

後日譚第3話<楽園と極楽>つづき



勇者「ねぇボクぅ、ボクから挿れてぇ♥」

傭兵「どうしようかなぁ」

勇者「ほしい…ちょうだい。おまんこいれて」

真ん中のユッカが甘えた声を出しながら丸いおしりを小さく振っていた。
白い割れ目からは粘性の雫がツゥーっと垂れている。
受け入れ準備は万全なようだ。

勇者「ねぇソル。ボクからぁ」

傭兵「けどな」

魔女「私に挿れて」

僧侶「私も…挿れても大丈夫ですよ…えへへ」

濡れた綺麗なおしり達が三者三様に揺れて、そのどれもが魅力的で目移りしてしまう。
股間はすでにはちきれんばかりにいきり立っていて、いますぐにでも挿れてかき回したい。


勇者「ソルぅ…」

傭兵「わかってる。だがみんなほしがってると決められない…どれもうまそう」

いわば極限の空腹時に大好物の料理が目の前に3つ並んでいる状態だ。
遠慮無く豪快にかぶりついたらさぞや気持ちいいだろう。
よし、誰であれ一発目はそうしよう。
子宝の湯の効能なのか、ただでさえいつもより欲求が増している気がした。

勇者「ボクだってばぁ。もうアソコうずうずしてたまらないよぉ」

勇者「見えてるでしょ? お汁が外まで出ちゃってるよぉ」

傭兵「ほんとだな」

僧侶「わ、私もですっ…ほらっ!」

俺がユッカの誘いに乗ろうと一歩歩み寄った途端、隣におしりを並べるヒーラちゃんが声をあげた。
ヒーラちゃんは指で恥部をくにゅりと開き、自らの淫乱さを証明する。
ひくついたピンク色の膣口でとろっとした愛液が糸を引いている。

傭兵「…」ゴクリ

僧侶「…ソル様…ここにください♥」


傭兵「…おお、エッチだな」

僧侶「うふ…いいんですよ。どうか私にソル様のたくましいおちんちんください」

勇者「あーだめぇ」

魔女「むむ…」

魔女「はやく…あなたのペニス、私の中に突き刺して」

マナもヒーラちゃんに負けじと恥裂を左右に開いて俺に見せつけた。
未成熟の小さな肉穴が蠢いて物欲しそうにオスを誘っていた。

傭兵「お前もそんなことしちゃうのか。いやらしいな」

魔女「…んぅ、いやらしいのは知ってる。けどここに…ほしい」

魔女「おちんちん。挿れて欲しい♥」

傭兵「…」ゴクリ

魔女「かきまわして叩きつけて、奥にいっぱい出してかまわないから…早くっ♥」


勇者「え? ふたり共もしかして…っ」

勇者「うう、ボ、ボクも!」

遅れて気づいたユッカが焦って股間へと手を伸ばし、恥穴を外気に晒した。
穴がぱくぱくいやらしく呼吸をくりかえして、粘液がヨダレを垂らすようにどんどん溢れて太ももを伝った。

勇者「ねぇボクの中を見て。こんなにほしがってるの」

勇者「ソルのおちんちんずぶずぶって挿れて気持ちよくしてよぉ」

勇者「うずうずするの取ってよぉ」

3人はおしりを振って俺を挑発し続ける。

傭兵(いかん…また選べなくなった)

勇者「ソルぅ♥ ボクのエロエロおまんこにいれたいでしょ?」

魔女「ソル様♥ 私のおまんこを手荒に扱っていいんですよ?」

魔女「ソル…♥ 私が最初の精子うけとめるから…ちょうだい」


傭兵「おいおい俺はひとりなんだから、もうじゃんけんでもしろ」

傭兵「決められるわけがないだろ…」

勇者「ううう…」

僧侶「では私パーだしますね」

勇者「えええっ、それ嘘じゃないよね? ヒーラはボクに嘘ついたらだめなんだよ?」

僧侶「さーどうでしょうねー」

勇者「うぐぐ…勝ちたい勝ちたい勝ちたい。今日はほんとにうずがまんできないよぉ」

魔女「なら私はチョキにする。フフフ…」

勇者「うううう?! ど、どうしよう…ずるいよふたりともボクをそうやってひっかける気でしょ!」

傭兵「早く決めてくれ…俺にも限界が…」ムラムラ

傭兵「このままじゃ自慰をはじめてしまいそうだ」

勇者「そんなのだめっ! ボクたちがいながらオナニーなんてしたらぶっとばしちゃうから」

勇者「えっと、うーん。よし決めた。せーの、じゃんけん!」


勇者「ぽん!」チョキ

魔女「む…」パー

僧侶「はう…」パー

勇者「やったぁ! ねぇソル!ボクが勝っ……うにゃあああああ♥」

ずちゅんっ!

俺は結果を最後まで聞かずにユッカの蜜でいっぱいの穴にペニスを容赦なく突き入れた。
膣内の壁をおもいっきり擦りながら、あっという間に奥まで深々とつながる。

勇者「んんっ、ぎゅう♥ んぁぁぁあ♥」

僧侶「ふぁぁユッカ様すごい声…」

魔女「たぶん今のでイッた」

勇者「ハァはぁ♥ ふ、深…お、奥ぅまで♥」

狭い膣内を無理やりこじあけて、奥の子宮口を叩くとユッカは背中を弓反りにして声を荒げた。
ずりずりとひっかくように抜いて、また激しく奥までばちんと叩きつける。

勇者「んぎゃう♥」

勇者「お゙おっ、あああ♥ な、なに、なんれ…こんなっ、あっ、あ゙あっ♥」


勇者「え、えへ…すごい声でちゃった」

勇者「ソル…いいよ。奥もっとガンガンって犯してぇ」

勇者「ボクのおまんこで中出ししてすっきりしてね♥」

傭兵「あぁ…まずはお前で一発抜かせてもらう」

勇者「うんっうんっ♥」

ユッカの表情はこの角度では見えないがおそらくいつものように歓喜で真っ赤に染まっているのだろう。
目の前の細い腰からお尻にかけてのラインをぐっと力をいれてつかんで、俺は貪るように律動を開始した。

 ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ!
  ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ!


温泉の水流の音をかき消すように大きな水音が2人の間から鳴り響く。
ユッカのぐじゅぐじゅになった膣にわけいって、奥を何度も叩いて、カリで肉襞をがりがりこすりながら出て行く。

勇者「うあああっ、あ゙ああっ、お゙おっ♥」

勇者「うひぃぃ、あああっ♥」


傭兵「さすが子宝の湯だな…」

勇者「うう、あああっあああ! んにゃあああ♥」

勇者「おっき、おっきいのがごりごり♥ んんん♥ ボクの中ごりごりしてるぅ♥」

傭兵「お前の大好きな俺のちんちんだぞ」

勇者「すきぃ! おちんちん好きだよぉ♥ もっと激しいのしてっ」

勇者「ボクの中できもちくなって、いっぱいだしてソルもきもちくなってぇえええ♥」

勇者「ン、んんんぅ~~~っ♥」

勇者「ああっ、あっあっ、あっ♥」

僧侶「ユッカ様イッちゃうんですか?」

魔女「はやすぎ。まぁいいけど…声おおきい」

勇者「だ、だってぇこんなのがまんできないよぉ! マナもいれてもらったらわかるってばあ♥」

魔女「じゃあ早くイッて」

勇者「~~~~っ♥」


 どくんっ
 びゅくっびゅるるるっ!びゅうううっ


ユッカの中がギュウギュウにしめつけられ、俺は一度目の絶頂を迎えた。
雷撃にうたれたように頭がしびれ、思わず天を仰いでしまう。
ユッカも同じくして達し、声にならない声をあげておしりを押し付けるようにつき上げた。


傭兵「う……、ふーー…」

傭兵「すげぇ絞られた…」

勇者「ぅ、ふぅ…ふぅ…ハァ♥ えへへ…」

勇者「すごいのイッちゃったぁ…おまんこ…けーれんしちゃってるよ」

傭兵「抜きたいんだが」

勇者「あんっ…! そうだね、次はマナとヒーラどっちかな」

名残惜しそうに蠢くユッカの性器からペニスを引き抜くと、盛大に出した白い液体が案の定おさまりきらずにドロリと溢れだした。
ユッカはそれをお湯にこぼさないように手の平でうけとめて、口元に持って行き、匂いを嗅いでいた。


勇者「んぅ…ソルの匂いだぁ。くふふふ…えへへへ…」

魔女「ちょーだい」

勇者「だーめ♥ ボクが出してもらったやつだもーん」

勇者「あ、そうだ! はむ…」

ユッカは精液を口に含んだ。
リスのように頬をふくらまして口の中に貯めている。

そして突然起き上がり、どこかへ走っていったかと思うと、
宴で飲み干した酒筒を3つ持って戻ってきた。

傭兵「のどかわいたのか? 空だぞそれ」

僧侶「エッチしながらお酒はやめたほうがいいですよ?」

勇者「ひはうほん!」

傭兵「なに?」

ユッカは口内の精液を空筒の中にぷえっと吐いて移しかえた。

勇者「ちがうもん! 今日の勝負の方法だよ!」

勇者「だれが一番いっぱい精液だしてもらうか、これで測るの!」

勇者「ふふ、みて、こんなに!」

傭兵「……」


勇者「これがヒーラとマナの入れ物ね。射精してもらったら、ここに移し替えるんだよ?」

僧侶「え…えっ?」

勇者「こぼしちゃだめだよ?」

僧侶「わ、わかりました…」

魔女「私もおなじくらいだしてもらう」

僧侶「こんなにいっぱい…今日は随分お盛んですね」

傭兵「妙な効能のお湯のせいだ」

傭兵(つーかそれユッカの唾液まじってかさ増しされてるだろ…)

勇者「100回くらいエッチできるかなぁ!?」

傭兵「できるわけないだろ」

勇者「でも、おちんちんもうがちがちビンビンだよ? こんなに出したあとなのに♪」チャポチャポ

傭兵「う、うるせー…みせるんじゃない」

勇者「これ満タンになるまでエッチしようね♥」

魔女「ヒーラじゃんけん!」

僧侶「ま、負けませんよ! じゃんけんぽいっ!」


  
 ずちゅんっ!


 ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ
   ぱちゅんっ ぱちゅんっ


僧侶「あああっ♥ あんっ、あんっ…そ、そんな激しくっ」

傭兵「はっ、はっ…すげ…」

僧侶「だめですよぉ~~♥ そこっ、そこばっかりやぁん♥」

マナとのじゃんけんに勝利したヒーラちゃんに遠慮なく腰を叩きつける。
やわらかい肉ひだをかきわけて、コリコリした奥を刺激しつづけるとヒーラちゃんは喜色の混じった声で喘いだ。
肉棒がとろっとろの温かい膣内に包み込まれて俺もついつい声が漏れてしまう。

僧侶「あああっ! ふあああ♥」

僧侶「そこっ、そこ好きなんですっ。ああっ♥ あああっ!」

勇者「ヒーラの声やらしー…くすくす」

魔女「淫売」

僧侶「ち、ちがっ…ほんとちがいま…しゅうううああああああ♥」

勇者「あーあ、もうヒーラったらよだれでちゃってるよぉ」


僧侶「ご、ごめんなしゃ…くぅうううん♥」

勇者「あはは、手加減してもらえないね」

魔女「ぱんぱんうるさい」

勇者「ヒーラはお尻のお肉がぷよぷよだからね。いっぱいぶつかるエッチな音しちゃうね」


ユッカの言うとおり、叩きつけるたびに盛大に揺れるお尻のお肉とその音がさらに俺の興奮をあおる。
がっちりと掴んだ下半身にむかって、夢中になって腰を突き入れて快楽を貪った。
そこにもはや人間としての理性は欠片もなく、ただただ動物のように交尾を続けていた。

 ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ
   ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ♥

僧侶「あああっあああっ、ふぁあああ♥」

僧侶「ソルさまっソルさまぁあ♥」

僧侶「おまんこついてもっとついてくださいっ♥ おまんここわれちゃうくらいまでいっぱいついてくださいぃぃ♥」

僧侶「あっあっああそこそこ♥ そこすきなんですぅう♥」


勇者「あーあ。もう聖職者としての面影がないよ…」

勇者「ヒーラのパパには見せられないね」

僧侶「あああんっ、そ、そんな、いじわるいわないでくださいっ」

僧侶「エッチでごめんなさいっ♥ ああっあんっ、でもっ」

僧侶「これがわたしなんですぅぅ♥ ふぁぁああ♥」

勇者「…くすくす。ヒーラにはいぢめられてばっかりだからお返ししちゃお」


激しくヒーラちゃんを陵辱する横からユッカの思いがけない援護攻撃が加わる。
ユッカは乳首をつねりあげて、乳頭に強い刺激をあたえて楽しそうに笑っていた。


勇者「ぴゅーーっぴゅーーっ♪」

僧侶「きゃああああっ♥ ユッカさま、それは、ああああん♥」

勇者「なにおっきい声だしてるのぉ。声枯れちゃうよぉ?」

勇者「ほら、おまんこに集中しなよ。せっかく大好きなソルとエッチしてるんだからさぁ」


僧侶「ひぐっ、あぐっ、あああっ♥」

勇者「コリコリ♪ コリコリ♪ コリコリ♪」

僧侶「ふあっ、あんっ、だめっ、だめぇ♥」

勇者「ヒーラの乳首はエッチな色してるね。はむ、あむ…おいひ」

僧侶「だ、だめっ、だめなんですぅ♥」

勇者「きもちぃね? あたまぶっとんじゃうんでしょ? いいよ。ねぇソル、イカせてあげてよ」

勇者「ボクも乳首すりすりして、ヒーラのミルクいっぱいだしておっぱいで絶頂させてあげる」

勇者「すりすりすりすり♪」

 ぱちゅんっぱちゅんっぱちゅんっ
  ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ♥


僧侶「ああああああっ♥♥」


僧侶「イッちゃ…イッちゃ…うっ♥ ふぁぁあ♥」

勇者「いいよっ、いいよっヒーライッて! ほらソルもっと腰がんがんぶつけて」

勇者「きもちいね? おっぱいぴゅーーってきもちいね?」

勇者「ミルクが射精みたいだね? ぴゅっぴゅっていっぱい出てるよ」

勇者「おまんこの中になくした分のミルクを代わりにいっぱいだしてもらおうね」

勇者「イッちゃえ!」ギュウッ

僧侶「んっ、ふぁぁああああああああ♥♥♥」

勇者「あは、ぴゅーーっ♪ ぴゅーーっ♪」

ヒーラちゃんは盛大にミルクを吹き出しながら背を大きくそらして絶頂した。
俺の方からはどんな顔をしているかはわからないが、楽しそうなユッカの表情を見る限り、壮絶なイキ顔を晒してしまっているのだろう。
大量に中出しを終え、ペニスを引き抜くとどろりと精液が膣口から垂れる。
気を失いかけのヒーラちゃんにかわってマナが空の容器でそれを受け止めていた。 

魔女「む……こんなに…二度目なのにユッカの時より多いかも」

勇者「え~~、ほんと? くふふ、ヒーラのすけべなおまんこにいっぱい絞られちゃったね」

傭兵「……すごく良かった」

僧侶「あう…あう…はぅ♥」ヒクヒク

勇者「さーどんどんいこー! 夜はながいよ!」




後日譚第3話<楽園と極楽>つづく

 

更新終わり
次回あした22時~
絵は善処します

後譚第3話<楽園と極楽>つづき



傭兵「マナ。待たせたな」

魔女「…う、うん」

勇者「はやくマナにもあげて。こんなにおまんことろとろにして待ってるよ」

魔女「…広げちゃだめ」

勇者「ほらぁ。マナのこのかわいい穴に、ドロドロおちんぽ挿れちゃお?」

ユッカに誘導されて、亀頭を穴の入り口にぐりぐりと擦り付けるとマナは一瞬ビクリと背を伸ばした。

勇者「んー、ちっちゃくて入らないかな?」

傭兵「前は入ったから大丈夫だと思う。挿れるぞ?」

魔女「…うん♥」

そしてゆっくりと腰を突き出し、マナの柔らかい肉襞をみちみちと拡げながら、中へと侵入していく。

魔女「あっ…ああっ」

いくら濡れていてもやはりきつい。
マナのここは、本来まだ性行為に使ってはいけない場所だ。それくらいに穴は狭くて未成熟だ。
慎重を期してゆっくりゆっくりと歩みを進めていった。

 ちゅく…ちゅく…


すこしずつマナと触れ合う面積が広くなっていく。
ひだを1つ1つ感じながら、お互いの粘液がまじりあって、やがて最奥へと到達した。

 ちゅぷんっ!

魔女「んぅ…あぁぁ♥」

勇者「あー、はいったね。すっごい、おまんこ入り口こんな風になっちゃうんだ」

勇者「マナの中どう?」

傭兵「あつい…狭いし、すげぇ締め付ける」

魔女「んっ…」

勇者「マナよくがんばったね。さぁソルに気持ちよくしてもらお?」

魔女「うごいて…いい」

傭兵「あぁ。しっかりイカせてやるからな」

マナの細い腰を掴んで、ちいさなおしりに向かって腰を打ち付けはじめる。
ペニスがねじきれそうなきつさだ。
それを無理やりこじあけて、ペニスの形を幼い膣内におぼえさせる。


 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
   ぱちゅっ ぱちゅっ ぱちゅっ


魔女「…んっ♥ んんぅ…く、あぁぁ」

傭兵「マナのここは俺専用だからな…しっかり受け入れろよ」

魔女「はっはっハッ、あっ♥ ああっ♥」

勇者「マナ。よかったね。お嫁さんにするってさ」

魔女「…うんっ♥ あああ、ソル、あっ♥」

魔女「お嫁さん…わたし、あなたにっ、ご奉仕…」

魔女「すきなだけしてっ、あなたが満足するまでついてっ♥」


 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
  ぱちゅっ ぱちゅっ ぱちゅっ

魔女「ああソコ、そこっ、ダメっ…ダメ」

傭兵「ダメじゃないよな? お嫁さんなんだろ?」

魔女「んんぅ♥ あああっソコは、弱いから」

傭兵「マナのかわいい声もっと聞かせてくれ」


勇者「うひゃあ…マナってこんな風にエッチするんだ。すっかりトロトロ顔になってるよ」

勇者「きもちいい? ソルのおちんぽでおまんこの奥ずこずこされて、イッちゃいそ? くふふ」

魔女「うっ、ユッカ…みちゃ、だめっ。あっ♥」

勇者「マナのこんな顔はめったに見られないからね。ほらソルもっとつよくして大丈夫そうだよ」

勇者「マナのおまんこ、いじめていじめたおして、イカせちゃえ」

傭兵「お、おう」

ユッカが隣でマナの羞恥を煽る度に膣内はきゅんと締まって俺をしめつけた。
親友に自らの痴態を見られるのはマナにとってはダメージがあるのかもしれない。


 ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
  ぱちゅっぱちゅっ ぱちゅっ

小さな穴に出入りを繰り返して、体液をまぜあって官能を高めていく。
マナのつるんとした膣内がみだらな水音をたてて俺を飲み込む。
引き抜くときはカリが激しく擦れ、壁を削る音がするのではと錯覚する程に強い刺激をもたらす。

魔女「んんんぅ~~~っ♥ あっ、あああっ」


勇者「いっぱいお汁出てるね」

勇者「クリちゃんもこんなにツンってしてる。えへへへ、剥いていい?」ツンッ

魔女「だめっ、あああっ、ダメ」

勇者「こうやって間近でおちんちんができるするとこみてると、ボクも我慢できなくなってきちゃうよ」

勇者「ほらぁ、早くイカせてあげてよぉ」クリクリ

魔女「あぁぁぁあ! ユッカ、バカ。ダメっ…きゅぅん♥」

傭兵「あんまりマナをいじめないでくれよ…まだ経験が浅いんだから」

勇者「えー、ソルが一番おちんぽでいじめてるじゃん」

傭兵「お前はあとでしてやるから、よだれ垂らしてそこで見てろ」


そこからは夢中で腰を振った。
マナのなかを目一杯かきまわして、オスのにおいをこすりつけて極太のペニスの形に歪ませる。

傭兵「一生俺のものだ…ほら、俺のでイケっ」

魔女「うっ、あっ、ハッ♥ ああ、イク、イク…♥ わたし…腰がっ」

魔女「ソル…ハッハッ♥ はぁはぁ、はぁー♥ あああっ♥」


マナは短い呼吸をくりかえして、勢い良く達した。

魔女「~~~~っ!! あっぁぁあああ♥♥♥」

白い背中をピンとのばし、腰をややつきあげて素っ頓狂な嬌声をあげてマナは絶頂する。

俺も同時に吹き出した自らの欲望を、マナの狭すぎる子宮へと押し流して快感に浸った。
膣道をうめつくしてもまったく容量は足りず、どんどんと外へと流れだす。

魔女「……!」

魔女「す、すくわなきゃ…ああっ、あ」

マナはひくつく恥部に空の竹筒をあてがい、精液をこぼさないように受け止めた。

魔女「……♥ 結構おおい」

魔女「ん…奥の…とれない」チュク

傭兵「お、おいおい…そこまでしなくても」

魔女「だって、勝負だから…んっ、んっ…取れない」チュク

マナは岩の上に腰かけて、両足をひらいてイッたばかりの膣に指をもぐりこませ、精液を一生懸命かき出していた。
小さな穴から真っ白なものがどろりとあふれてくる様は実にインモラルだった。
そんな光景を見て俺は再び燃え上がり、3度目の射精にもかからず完全な状態へとペニスは回復していく。


勇者「はぁ~~~すごいね♥」

勇者「おちんちん、はむ♥ かちかち」

傭兵「こらこら」

勇者「くんくん…ふふ、せーしの匂い…マナのえっちなお汁も混じってるね、れろぉ」

勇者「あむ…ちゅっ、こんなおっきいのでかきまわしたんだね」

勇者「はぁむ♥ …ちろちろ」

傭兵「ユッカ…口もいいが次挿れたい…」

勇者「! えへへ、エッチィ…♥ ボクもがまんできなくなってたから、2巡目いっちゃおー!」

僧侶「はっ! じゃんけんですか!?」

勇者「えー、ボクヒーラマナの順でしょ?」

僧侶「そう…ですか」

勇者「ヒーラもまたムラムラした?」

僧侶「う……はい。でも、これはサキュさんの呪いのせいです…私は…エッチじゃないです」

勇者「そっかそっか。でも呪いのおかげで、こんなに楽しいエッチがいっぱいできてボクは嬉しい…♥」

傭兵(勇者としてそれはどうなんだ?)


勇者「みんな一緒に楽しいことできて、嬉しくない?」

傭兵「そりゃ…楽しいが」

勇者「でしょ? 恥ずかしささえ捨てれば、こんな素敵なことってないよ」

勇者「おいしいごはん、あったかいお風呂、大好きな人…裸んぼで、こうやってぎゅうってできるの」

勇者「ちゅっ♥」

傭兵「ユッカ…」

勇者「……挿れて♥ ボクのおまんこ犯してください」

勇者「マナだけじゃなくて、ボクもヒーラもソルのお嫁さんなんだから、ソルの専用おまんこを好きにジュブジュブしていいよ?」

勇者「旦那様のおちんちんいつでも受け入れてあげる。くふふふ」

傭兵「……そんなに誘われたら容赦しないぞ? お前あとで泣いてもしらないからな」

勇者「手加減なんていつもしてくれないじゃん♥」

傭兵「ヒーラちゃんも覚悟してくれよ」

僧侶「!? は、はいっ! 私もですか!?」

勇者「ずっとボクたちは一緒だよ! 拒否しちゃダメ!」

勇者「最後までつきあってね?」


その後はもうめちゃくちゃに絡み合った。

ユッカに出してヒーラちゃんに出してマナに出してを何巡も続けて、
やがて時間間隔さえなくなって、俺たち4人は完全に盛りのついた野生動物のように交尾を繰り返した。

少女たちの目の前に並べられた筒に入った白濁液はどんどんかさを増していった。


勇者「お゙おっ♥ お゙おっ♥ ああぁ♥ あんっ、あん、あぅうう♥」

僧侶「ひゃうううっ♥ ああっ…あんっ、あんっ、んあああああっ♥」

魔女「んくっ、ああっ♥ あああん、んんぅ…んんんっ♥♥」

傭兵「うぉぁぁああ、お前ら全員妊娠してもしらねーからな!!」


 びゅるるるっ、びゅるっ、びゅびゅびゅるるるっ!
  どぷどぷどぷどぷどぷどぷどぷどぷどぷどぷ



  ・    ・    ・



傭兵「 」

妖狐「し、死んどる……!」


勇者「うう……足、たたないよぉ…♥ えへへ…」

魔女「つかれた…しにそう。ねる」

僧侶「ふーふー…ふーフー♥ ソルさま…だしすぎですっ、さすがに…むりです」

勇者「えへ、えへへ…ボクこーんなにだしてもらっちゃった♥」

勇者「みて、七分目くらいまでこれ全部ソルの精子だよ! すごい」

魔女「わ、わたしもこれくらい! 一緒くらいある!」

勇者「ん~~? うわわ、ほんとだ……ソルがんばったねぇ」

傭兵「  」 

勇者「すんすんっ…んぅ…ソルの濃い匂いだぁ…っとと、舐めたら減っちゃう!」

勇者「ヒーラは?」

僧侶「え、えっと…んーっと…これくらいです」たぷん

勇者「! あ、あれ…そんなに? たぷたぷだね…」

魔女「…」ジー

僧侶「え…だめでしたか…」


勇者「はぁ…ヒーラの勝ちかぁ」

僧侶「あう…で、でもほんとにソル様の精液だけかわかりませんし…」

勇者「のんでみたら?」

僧侶「え? 飲む…?」

勇者「いっき!いっき! ぐいっと!」

僧侶「ちょっ…の、のめませんよ!」

魔女「のめたら全会一致でヒーラの優勝」

僧侶「飲む……」チラ

傭兵「  」

勇者「せっかくソルが命を削ってだしてくれた精液を捨てちゃうの? ヒーラってひどいなぁ」

僧侶「えぇ……わ、わかりました…ありがたくいただきます…」

勇者「ボクも一緒に!」

魔女「私も飲む。全部飲む」

僧侶「は、はい…では…乾杯?」コツ



勇者「んぐっ!!?」

勇者(の、のめない…喉通らないよ)

魔女「ヴ!!?」

魔女(くさい…きつい…鮮度悪い…)

僧侶「ひぁう!!?」

僧侶(ふえーん、私には無理ですー)


妖狐「何をやっとるんじゃ…」

妖狐「まぁ、たとえ命落としても、男冥利に尽きるじゃろう」

妖狐「野生の動物に食われる前に穴でも掘って埋葬しといてやるか」ズルズル

傭兵「生きてるにきまってるだろ!!」ムク

妖狐「…! まだ生気があるのか、生命力どうなっとるんじゃ…」

傭兵「あーくそ、頭ガンガンする…一体なにをしていたんだ俺たちは…」

妖狐「みんなして一晩中野生に還っておったぞ」

傭兵「…え?」

妖狐「なんじゃおぼえとらんのか」


妖狐「小娘たちに聞いてくるとよかろう」

傭兵「…いやんっ俺裸じゃねぇか!」

妖狐「温泉じゃぞ、当たり前じゃろう。ほれ、さっさといかんか」ゲシッ


傭兵「よぉ…おはよう」

勇者「あっ! ソル!」

僧侶「お、おはようございますソル様…えへへ」

魔女「生きてたの」

傭兵「あー頭いてんだよ。なんでだ酒でも飲み過ぎたか?」

傭兵「喉乾いた。お前らなに飲んでるんだ。ユッカそれくれよ」パシッ

勇者「あ゙っ!」

傭兵「…」ゴク

傭兵「んんびゅううっ!?」ブバッ


傭兵「げほっ、げほっ! なんだあこのドロドロ! この世のものとは思えんのどごしだ…」

勇者「あ……あー…えっと? なんでのんじゃったの…バカなの?」

傭兵「あん? ヒーラちゃんもマナもよく飲めるな」

勇者「え?」

傭兵「あー、水水…ところで、なんなんだこの飲み物。すっげぇ魚介くせぇな」

勇者「うーー? もしかして昨夜のこと覚えてないの?」

傭兵「あぁー…なんか粗相をしてしまっていたらすまないな。どうも飲み過ぎて頭がぼぅっとしてるんだ」

勇者「そ、そっかぁ…」

傭兵「で、何の飲み物だったんだ」

僧侶「そ、それは……つくろうとして失敗したジュースです! このあたりに珍しい果実があって」アセアセ

傭兵「へぇ」

魔女「精液」

傭兵「は?」

魔女「3本ともあなたの精液。くさい」

傭兵「………え?」


その鮮烈な一言に、冷水をあびたように頭がすっとクリアになり、昨夜の記憶が一気に蘇る。
記憶の中で俺はユッカたちと絶えずまぐわい続け、射精をくりかえし、目の前の筒には…確か……。

傭兵「うそ…だろ…」

とめどなく涙があふれ、途端に胃が大変きもちわるくなってきた。

傭兵「ヴ、ヴ……オ、オエ…やばい」

勇者「だ、だめぇぇ!!」

僧侶「あぁぁぁあわわ、お湯のなかで吐いたらだめですよ!」

傭兵「水…水を…」

妖狐「…どうやら、旅路を経てずいぶん仲が深まったようじゃな」

妖狐「うむ。善きかな善きかな」


傭兵「マナ…おしっこでいいから…なにか…オエッ、飲めるのみものっ」

魔女「あっちいって。自分の精液を飲む変態は私の旦那ではない」ゲシゲシ

傭兵「助け…っ」

勇者「こ、コレ飲んで…って、あああこれも精子の筒だった!」

傭兵「んぐ…ヴぉああっ! お前ふざけんなよ!!」

僧侶「そ、ソル様お下品です!! 飛ばさないでくださいっ」

傭兵「飲もうとしてたお前らに言われたくなぁい!」

妖狐「善き…かな?」



後日譚第3話<楽園と極楽>おわり


 
 

更新終わり
次回後日譚第4話 金曜日21時くらい~




後日譚第4話<イイ嫁の条件?>




妖狐「では、達者での」

勇者「ねーーキュウちゃんも行こうよぉ」グイグイ

妖狐「わがまま言うでない」

妖狐「ワシはそろそろ祖国へ帰るといっておるに」

勇者「寂しいよぉ」

傭兵「ユッカ」

勇者「うん…わかってるけど」

妖狐「それとも、ワシの大人の色気で小僧を虜にしてしまってもよいか?クック…それなら同行してやっても良いぞ」

勇者「え、えーーっ!?」

妖狐「ワシの貯めに貯めこんだ知識とてくにっくを用いれば、どんなオスでも簡単にコロッと堕ちるじゃろうなぁ…」

妖狐「小僧がおぬしらに見向きもせず、ワシ相手に四六時中甘える様を想像すると…ぬふふ」

妖狐「小僧よ、伽は一日三度までで頼むぞ♥ ワシはそう何度も立て続けには付き合いきれんからな」

勇者「ダメだよソル!!」

僧侶「ソル様!!」

魔女「アホアホアホ」バシバシ

傭兵(なぜ俺に怒る…)

傭兵「心配しなくても狐には欲情しない」

妖狐「なんじゃと」


妖狐「ま、冗談はさておき」

妖狐「いつでも遊びにこい。おぬしらなら何度でももてなしてやろう」

勇者「また会えるかなぁ…キュウちゃんの国いったことないし…」

妖狐「なぁに。ワシとおぬしが万全の状態に戻れば、魔覚で感応しあうことくらい容易いことじゃ」

勇者「…ほんと?」

妖狐「あぁ。そんなに大きな島でもないからの。ワシのほうから見つけてやろう」

勇者「じゃあ遊びにいくね!」

僧侶「新婚旅行…っていいですよね」

傭兵(そんな金ないぞ…)

妖狐「それと例の件に関して、随分と迷惑かけてすまんかったな」

傭兵「もう気にするな。俺たちはみんな無事だった」

妖狐「じゃがマナはワシの災厄を一身に引き受け、未曾有の危機を招いてしまった」

魔女「…大丈夫。みんながいてくれた」

勇者「えへへ」


妖狐「そうか………」

妖狐「誇っていい。おぬしらでなければ、決して乗り越えられない苦難であった」

妖狐「マナよ。太陽は確かにそこにあったんじゃな」

魔女「…うん。ユッカたちが私を照らしてくれた」ギュ

勇者「な、なんだか照れちゃうなぁ。ボクたちは無我夢中だっただけだよ」

傭兵「世話になったなキュウ。また会おうぜ」

僧侶「手土産をたくさんもって会いに行きます」

妖狐「うむ。また元気な顔をみせておくれ。じゃあの」


そしてキュウは小さな狐へと戻り、俺たちにペコリと一礼して山の中を駆けていった。
あの体でこの世の災厄を抱え、かつては魔王に匹敵する力をもっていたのだというのだから驚きだ。

傭兵(結局、あいつの言ってたことは全部本当だったんだな)

ユッカ曰く、キュウの使う読心術は魔覚を極めたものであるらしい。
まだ人の感情の表面しか読み取ることのできないユッカとは比較にもならない力だ。
おそらく、何百年という膨大な時の中を生きてきたキュウにしか唯一出来ないことだろう。
あるいは、覚醒時のユッカには似たようなことができたのか。
いまとなっては確かめようもない。


傭兵(また会えるだろうか…)

勇者「ソルー、行くよー?」

傭兵「…」

勇者「ソルー? なにぼーっとしてるの」

傭兵「お、おう。いまいく」

勇者「なに考えてたかあててあげよっか?」

傭兵「い゙っ!?」

勇者「キュウちゃんのお酒もっと飲みたいなぁって思ってたでしょ!」

傭兵「いや……ま、まぁそれでいいや」

勇者「あたり? やったぁ。ぐふふ、もしかしてボクも心のなかが読めるんじゃないかなぁ!?」

傭兵「そんなわけないだろ…」

勇者「ヒーラ~~」

僧侶「なんですか?」

勇者「ぬぬぬ……いまヒーラの考えてることは…」

僧侶「は、はい?」

勇者「…お腹すいたなぁ。もっとおにぎり食べたかったなぁ。でしょ?」

傭兵「お前の心のうちをさらけだしてどうする」


魔女「はやくのって、もうエアブラスター使うから」

▼魔女は魔宝石に風魔法を込めた。

傭兵「飛ぶぞー」

勇者「はぁい。いくよスレイプニル。紅蓮鳥合身だ!」ボウッ

馬「ヒ、ヒヒン…」

僧侶「スレイプニルちゃん、結構イヤそうですよね」ヒソヒソ

傭兵「いきなり主人に空飛べなんて命令されたらそりゃあな…俺だってイヤだ」

勇者「はいよー、飛べー」

馬「ヒヒゥ!!」

傭兵(すまん、帰国するまでがんばってくれ…)



   ・    ・    ・



勇者「バザはあっという間だよね」

傭兵「そうだな、陸路でも大した距離じゃない。昼寝でもしてる間につきそうだな」

勇者「ふぁー、ボクも寝たいよ」

魔女「ダメ」

傭兵「お前が寝たら落ちるから絶対寝るなよ?」


勇者「もうバザまで来たんだね。太陽の国までもあとすこしだね」

傭兵「まさかグレイスも俺たちがこんな速度で帰ってきてるとは思わないだろうな」

勇者「というより、任務を達成したことしってるのかなぁ?」

傭兵「そりゃ知らないだろう。手紙をだしても俺たちのほうが早く着くぞ」

勇者「そっか!」

僧侶「でもですね、お世話になったみなさんの話によると」

僧侶「邪龍が現れたときに世界中の人が確かになにかを感じ取っていたようですし」

僧侶「グレイス様がその後の消滅に気付いていてもおかしくはないですよね?」

傭兵「そういうもんなのか」

勇者「んーどうだろうね?」

傭兵「なんにせよありのままを報告するまでだ」

魔女「…」

傭兵「マナは太陽の国が嫌いか?」

魔女「! …ううん。そうじゃないけど…」

勇者「大丈夫だよ。ボクたちが一緒だからね」

傭兵「そうそう。グレイスなら理解してくれる…俺はあいつのことを信じてるよ」


【商業の町バザ】


勇者「見張り塔が見えてきたよ!」

勇者「なつかし~」

勇者「いそげースレイプニル」

僧侶「また積み荷を補給しなくてはいけませんね」

傭兵「とりあえず降下しようぜ。門をくぐらずに空から入るのはダメだ」

傭兵「魔物だと思われて撃ち落とされたらたまんねぇ」

魔女「うん。揺れるからなにかにつかまって」



   ・    ・     ・



隊長「そこの不審な馬車…! いまたしか空を飛んで……む?」

隊長「ソル殿? ソル殿ではありませんか」

傭兵「よぉ。元気してたか」

勇者「あー隊長さん。お久しぶりです」

隊長「ご、ご無沙汰しています!」ビシッ


隊長「驚きました…まさか空からお越しになるなんて」

隊長「どういう手品ですか!? 馬から羽が!?」ナデナデ

馬「ヒヒン…」

傭兵「まぁ…いろいろ。俺はなんもしてないぞ?」

隊長「危うく攻撃命令を出すところでした」

傭兵「ちゃんとマニュアルは行き届いてるんだなぁ」

隊長「ソル殿の残してくれた防衛マニュアルのおかげで、バザはあれ以来魔物による被害0です」

隊長「有事の際の戦力も増強できました」

傭兵「そりゃよかった」

隊長「ど、どうぞお入りください。そうだ、部下たちに歓迎の準備を」

傭兵「い、いやーそういうのはいい。今はただの旅人だからな」

傭兵「知人に会って買い物を終えたらまたすぐに発つ」

隊長「そうですか…」

盗賊「リーダー。なに油売ってんのさ」

傭兵「ん?」

盗賊「あ! あんたら…なにしてんの?」

傭兵「そりゃこっちのセリフだが…獄中じゃなかったのか?」


隊長「ええっと、彼女は現在」

盗賊「あたし今仮釈放でさ、守備隊の下部組織に所属してるよ。社会奉仕活動ってやつ?」

盗賊「気に入らないけど、こいつの下っ端だね」

傭兵「そうか…元気そうでなによりだ」

盗賊「…! そ、そりゃどーも。別にあんたに気にかけてもらう必要なんてないけどね」

盗賊「にしても、帰ってくるの案外早かったじゃん。10年は会えないと思ったよ。もしくは死んだか」

隊長「こら。失礼なことを言うな」

隊長「ごほん。ソル殿、我々は勤務中なので後日改めてご挨拶に伺います。どちらにご宿泊予定ですか」

傭兵「気にするなよ。元上官とは言え大した期間じゃねーし、別にかしこまらなくてもいいって」

隊長「そ、そうですか…いえ、お伺いさせていただきます」

傭兵「そう?」

盗賊(行きたいんだな)

隊長「マオさんの元でよろしいですか?」

傭兵「あぁ…その予定だ」

傭兵(なんで知ってんだ?)


勇者「はやくマオにゃんに会いたいなー。行こう行こう」

傭兵「おう、じゃあ俺たちいくから。またなー」

隊長「はっ! バザは今日も平和です!」

隊長「よし、見回り行くぞ!」

盗賊「うーーい」

盗賊(なに気合いれてんだが。部下の1人くらいにしか思われてないって…)



  
   ・    ・    ・



【獣人マオの商店】



勇者「ここココ! ふぁ~~マオにゃんのお店だ。なつかしい」

魔女「師匠元気かな」

僧侶「入りましょう!」

勇者「えへ、なんだか緊張しちゃう。おじゃましま~す」ガララッ


獣の商人「! ん?」


勇者「マオにゃん…えへへ。ただいま」

傭兵「よ!」

僧侶「お久しぶりです!」

魔女「元気でしたか師匠」

獣の商人「あーー。開店時間ちゃうのに誰やおもったらユッカはん達やん!」

獣の商人「おいでおいで、あがってき」

獣の商人「うわー久しぶりやなぁ。なんや雰囲気ちょっと変わったんちゃう」

勇者「マオにゃんっ」ぎゅ

獣の商人「なう!? なんやー甘えて、どうしたんや。そういうとこは一緒やんっ」

傭兵「元気そうだな。ちょっと改築したか?」

獣の商人「せや! 広なったやろ?」

勇者「えへへ、ボクたち帰ってきたよぉ」すりすり

僧侶「ちょ…ユッカ様、マオさん困っちゃいますよ」

獣の商人「むふふ。まぁ座って、いやぁほんまええとこにきたわ」


傭兵「なんだその怪しい笑みは…」

獣の商人「まぁーそう警戒せんと、ほらーウチもいろいろいま忙しいとこやん?」

傭兵「…? まだ開店前だろ」

獣の商人「なんやあんた相変わらず疎いやっちゃな」

獣の商人「ここにくるまで街の様子みてへんの?」

僧侶「なにかあちこちで飾り付けをしてましたね?」

勇者「うん。かぼちゃいっぱいあってさ、久しぶりにスープつくろうかなーっておもったよ」

魔女「…魔法使いみたいな人いた」

傭兵「そういえばちょっと雰囲気違ったが、年から年中結構賑やかな街なんだろ?」

獣の商人「なんと! 今日から一週間、バザはハロウィンなんやで! ハロウィーンのお祭り!」

勇者「…? はろうぃん?」

僧侶「なんですか?」

獣の商人「なんやこの田舎もんども!」

傭兵「いや俺は聞いたことあるぞ…たしか、魔物が菓子を強奪する祭りだとか」


獣の商人「ちゃうちゃう! 魔物に扮した子供がお菓子をもらいに街を練り歩くお祭りや!」

獣の商人「まぁ子供だけやなくてみーんな好き放題仮装してどんちゃん騒ぎするだけになってきてるんやけどな」

獣の商人「というわけで、はいこれ!」スッ

勇者「なにこの服!?」

僧侶「かわいいですね…この耳としっぽも衣裳ですか?」

傭兵「は?」

獣の商人「は?やあらへん! お客さん来る前にみんなこれ着て!」

勇者「え!? ボクたちが着替えるの?」

僧侶「マオさんのお洋服じゃないんですか?」

獣の商人「ウチそんなん着んでも猫の獣人やし…全部あんたらの分やで?」

魔女「…師匠」

傭兵「なにをしれっと…準備よすぎだろ…」

獣の商人「いやー、ほんまええタイミングで来たわ。これで今日の大入り満員は約束されたようなもんやでぇ、ぐふふ」

傭兵「変なタイミングで戻ってきちまったな…」

勇者「かわんないね」

僧侶「いつもどおりで安心しました」

獣の商人「ちゃんとお給料には還元するからがんばってやー」ニコニコ



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

 
 

更新終わり
次回日曜日予定

更新明日ですー

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき



店の中で待つこと数分。
着替え終わったユッカ達が奥の部屋から元気よく飛び出してきた。

勇者「みてみてー」

魔女「似合う?」

傭兵「おお…!」

勇者「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうワン!」

魔女「にゃん…」

傭兵「犬と黒猫なのか…」

ユッカは頭に犬耳を装備し、フリフリとした給仕服に身を包んでいた。
おしりにはふさふさの尻尾が元気よく反り返っている。

傭兵「この尻尾どうやってくっついてるんだ?」

勇者「これ? しっぽ付きの下着を上から履いてるんだよ! だからマオにゃんみたいには動かないよ」

傭兵「へぇ…まぁ、犬っぽいな。お前の場合は特にな」

勇者「ワン! でもこれ狼だよ?」

勇者「お菓子~~」ペト

傭兵「ないっつの! ちょっと待てみんな揃ってからだ」


傭兵「ヒーラちゃんは?」

魔女「着替え中…にゃん。たぶんまだ出てこない…にゃん」

傭兵「それ語尾徹底するのか?」

魔女「そうしないとお菓子、もらえない…にゃん。らしいにゃん」

マナはふわっとした猫耳にダランと垂れた長い尻尾を身にまとい、
随分とやる気のなさそうな表情で猫のものまねをしていた。
2人の服装自体は胸元が強調されたデザインであるはずが、なんとも主張が少ない。


傭兵(ヒーラちゃんが楽しみだな)

勇者「ヒーラが終わったらソルも着替えるんだよ。ワン」

傭兵「え?俺もか…」

勇者「せっかくなんだからさ」

猫の商人「せやせや」

猫の商人「ほらヒーラはんもはよ行き」グイグイ

僧侶「えっ、えっ…ちょっと…恥ずかしいですっ!」

傭兵「おお…!」


傭兵「……牛?」

僧侶「も、モーー! ってわたしだけ可愛くないです!」

僧侶「おかしくないですか! ユッカ様が狼で、マナちゃんが黒猫なのに!」

僧侶「牛ですよ!! こんなの納得できません」

勇者「合ってるじゃん」

傭兵「似合ってるな」

魔女「牛そのもの」

僧侶「もーーーっ! みんなしてそんなこと言わないでください!」

ヒーラちゃんは疎らな白黒模様のまるで水着のような給仕服を身にまとっていた。
肩とお腹と足がはっきりと露出していて、店の中でこれを着るのはあまりに大胆に思えた。

猫の商人「なにが嫌なん? めっちゃかわいいで!」

僧侶「だ、だって…こんなの恥ずかしいです。牛ですし…」

僧侶「あの…私もユッカ様たちみたいなウェイトレスがいいんですけど…」

猫の商人「ヒーラはん、ここおっきいからちゃんと採寸して仕立てんと用意できへん」


僧侶「……ゔう。これだけは許して下さい」

僧侶「こんな格好で接客できませんよぉ」

勇者「オクトピアでいっぱい水着で仕事したじゃん」

僧侶「もーーーっ!あれはみんな水着じゃないですか! 浜辺と街中を一緒にしないでください!」

魔女「ヒーラうるさい…にゃん。あなたの宿命にゃん」

僧侶「きぃーーーッ!」

傭兵「まぁ、俺は眼福だからかまわないんだが、本人がイヤだと言ってるからなんとかならないか?」

獣の商人「しゃあないなぁ…ほんなら他のん考えるわ」

僧侶「!」コクコク

獣の商人「でもその前にソルはんの着せ替えするから、しばらくそれでおってな」

僧侶「うえーん」

勇者「えへへ、ヒーラの牛さん姿おいしそうだね。がぶ」

僧侶「食べないでくださいね……」



傭兵「俺は何を着るんだ?」

獣の商人「せやなぁ、ドラキュラとオークどっちが好き?」

傭兵「…」

獣の商人「ソルはん腕太いからクールなドラキュラって感じちゃうな! よっしゃオークにしよか」

獣の商人「さー脱いで脱いで♪」ペタペタ

傭兵「おい…ほんとに仮装は必要なのか!?」

獣の商人「街中みーんな仮装するんやから、普段の格好やと浮いてまうで」

獣の商人「それにな、仮装して買い物したら全店10%オフなんや! めっちゃお得やろ?」

獣の商人「バザで旅の物資を補充するなら今がチャンスやで!」

傭兵「そ、そうか…」

傭兵(なんだかいいくるめられてしまった気がするな。まぁいいかちょっとくらい)

獣の商人(それにしてもほんまにええからだつきしてるなぁ)サスサス

傭兵「マオ…どこ触ってんだ」

獣の商人「な、なんでもないでぇ! さぁあとは皮の腰巻きを下着の上から巻いて終わりや」

傭兵「は!? こんなの半裸じゃねーか! ヒーラちゃんより露出多いぞ!」

獣の商人「男が何を細かいこと気にしてんの」


獣の商人「あんたらわがままやな?」

傭兵「……。別にお前の商売手伝わなくてもいいんだぞ」ガシ

傭兵「それともなにか? もう一度守備隊で勤めて、今度こそこの怪しい風俗店紛いを摘発してやろうか」

獣の商人「にゃう…!? わ、わかった、堪忍して!」

獣の商人「ヒーラはんもちゃんとした服にするから~~っ!!」

傭兵「よし」

獣の商人「これやから冗談通じひん人は…」ブツブツ

獣の商人「そうや、ちょっと聞きたかったんやけど」

傭兵「なんだよ。旅の話なら今晩きかせてやるが」

獣の商人「まぁどんな旅路やったかも気になるけどなにより」

獣の商人「渡したあの薬、役にたった?」

傭兵「…ぐぶっ」

獣の商人「めーっちゃいっぱいあげたんやけど、もしかして残ってへんかったり?」

獣の商人「なぁなぁ、どうなったん?」

獣の商人「場合によっては捕まるのあんたのほうやったりして!」


獣の商人「さてユッカはんとマナはんは何歳やったかな~」

獣の商人「バザは取り締まりは厳しいで~。どこぞの誰かさんが対犯罪マニュアルを完備させたみたいやからなぁ」

傭兵「マ、マオ…いいかよく聞け」

獣の商人「なんやの。どう言い訳しても、子供相手にしたことは取り返しが――――」

傭兵「愛し合っていれば性犯罪じゃないんだ」

獣の商人「ひょえ……?」

傭兵「……」

獣の商人「…ほんきなん?」

傭兵「あぁ。将来は3人を娶ろうとおもっている」

獣の商人「…」

獣の商人「な、な…そうなんや…ははぁ……」

獣の商人「そら、どえらい決心したなぁ」

獣の商人「ソルはんあんた男やでぇ…あはは!」バシバシ

獣の商人「よう言うた! ほんまにあんたらの関係がどないなるか思っててん!」バシバシ

獣の商人「そっかーみんなもらうんかー。豪勢やなぁ」

傭兵「責任は果たす」

獣の商人「じゃあウチもついでにもろてや」

傭兵「いらん」

獣の商人「!」ガリガリッ


獣の商人「なんやの! 3人も4人もかわらんのんちゃうん」

傭兵「いつからそんな関係になったんだよ」

獣の商人「い、いつからって…んんんんぐっ!!」

傭兵「お前だれも相手いないのか? バザにはこんなに人が住んでるのに」

獣の商人「商売に人生捧げてきてなにがわるいねん!! うにゃーーーん」


勇者「ねーソルまだ? あれ、マオにゃんどうしたの」

獣の商人「ソルはんがー、もろてくれへんー、なんでやーーウチの何があかんのー」シクシク

勇者「ソル!」

傭兵「なっ! いいのか!? お、おれ…まだこいつとはなんとも」

勇者「当たり前でしょ! くれるお菓子はちゃんともらわないと失礼だよ! そういうお祭りなんだから!」

獣の商人「……。かわええなぁ」なでなで

勇者「? マオにゃんボクにもお菓子頂戴。ワン」

獣の商人「……はぁ。やっぱ、歳の差やねんな」

獣の商人「ウチお菓子もらえる歳にもどりたーーい」





  ・    ・    ・



祭りがはじまる。
ヒーラちゃんは牛の名残をのこしたまま、まだら模様のナース服に着替え終わっていた。


僧侶「いらっしゃいませ」

勇者「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうワン!」

魔女「ちがう。接客中はそれしない」

勇者「え。だめだっけ? いらっしゃいませー」

客A「おお、君たち懐かしいね。ちょうどポケットにお菓子あるからあげよう」

客B「いやぁいい時期にきたもんだ。マオちゃんはいつも可愛い子を雇ってくるねぇ」

客B「ほらお菓子だよ」

傭兵「サンキュー」ワシッ

客A「ひっ、お、オーク…! なんでこんなところに」

傭兵「あん? どうみても仮装だろ!」


その後マオの薬飯店にはたくさんの客が訪れた。
ユッカたちは経験を頼りにテキパキとマオの元で働いていた。


傭兵「つかれた。なれないことはするもんじゃないな」

傭兵「おとなしく警備の仕事でもすりゃよかったぜ」

獣の商人「ソルはんあんまり外にたたんとってくれる? あんたが客引きしたら怖がって逃げてまうわ」

獣の商人「忙しくなるまで奥ひっこんどいていいで」

傭兵「…こいつ」

獣の商人「あの子ら来てくれただけで大助かりや!」

獣の商人「今日はえらい儲けでたやろなぁ。贔屓のお客さん以外もどっさりや!」

獣の商人「あぁみんなこのままずっとうちで働いてくれたらええのに…?」チラ

傭兵「…?」

獣の商人「そういえば、浮いたお金でちょうど居住部分を改装して広くしようとおもっててん」

獣の商人「2世帯くらいなら…奥と2階で住めるで?」チラ

傭兵「…いや俺たち帰る場所あるから」

獣の商人「ぐぐ…」


傭兵「寂しいのか?」

獣の商人「そ、そういうわけちゃうけど…」ポリポリ

傭兵「そうだマオ。お前も太陽の国に来ればいい」

傭兵「バザほどではないが、城下町は結構賑わっているし、店を出して商売もできる」

獣の商人「え……うーん」

傭兵「きっとユッカたちも喜ぶ」

獣の商人「ほんなら、考えとくわ…」

獣の商人(うぎぎぎ、ユッカはんたちはこの朴念仁をどうやって口説き落としたんや!)


ガラガラッ

隊長「ソル殿! いらっしゃいますか」

勇者「隊長さんいらっしゃいませー。ソルは奥にいるよ」

隊長「そ、そうですか…いま混み合ってなければ…呼んでもらってもいいですか?」

勇者「うん。ソルー! お客さんだよー」


傭兵「ん? おお、もう来たのか」

隊長「はっ、挨拶に伺いました」

傭兵「律儀だな」

隊長「みなさま長い旅路お疲れ様でした。つきましては今夜、兵舎にてささやかな宴会を――」

猫の商人「はいはい仕事の邪魔や、またあとでおいで」

隊長「そ、そんなっ、ソル殿! 実は他にお話がありまして!」

傭兵「なんだよ」

隊長「隊に復帰なされるおつもりはありませんか! ポストは空けてあります」

傭兵「え?」

隊長「ど、どうか。バザに永住してください!!」

傭兵「…こっちも永住ときたか」

猫の商人「せやせや! バザはええで! な、ウチの2階なんてずっと空いてるし! 住み心地最高!」

隊長「宿舎も現在空きがありまして、いえ失礼。ソル殿でしたら私の家を明け渡してでもっ」

猫の商人「ここに住もうや!」

隊長「どうかバザにお住まいください!」


勇者「ね、ねぇ…何の話?」

僧侶「すごく…勧誘されてますね…」

魔女「ひきぬきはだめにゃん」

傭兵(一体なにが起きているんだ…)



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

 
 

更新終わり
次回明後日

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき



獣の商人「…ソルはん!」

隊長「……ソル殿!」

獣の商人「…ええやろ?」

隊長「…」ゴクリ

傭兵「悪いな2人とも」

傭兵「俺はこいつらと帰らないといけない場所がある」

傭兵「太陽の国が、俺にとっての故郷なんだ」

傭兵(そうだ。俺の心の在り処はいまでもずっと―――)

傭兵(まだあの丘の家は残っているのだろうか…)

獣の商人「ソルはん?」

傭兵「俺の、俺たちの旅は終わっていない」

傭兵「全て終えてからまたバザを訪れようと思う」

傭兵「先送りになってすまないが、今はそれで許してくれないか」

獣の商人「…せやな。この子らを前に無理は言えへんわ」

隊長「ですね。身勝手なお願いしてしまい申し訳ありません」

傭兵「俺をこの街の一員として必要としてくれることは嬉しい。ありがとう」


隊長「では任務に戻ります」

傭兵「夜になったら顔を出す。タダ酒飲めるんだろ?」

隊長「本当ですか! 隊の者が喜びます。お待ちしております」

傭兵「おう、がんばれ」

隊長「はい! ソル殿もお風邪をひかぬようお仕事頑張ってください!」

隊長「…では!」

傭兵「おう…?」

傭兵「……ってこんな格好で俺はなにをやってるんだぁ」ガク


僧侶「ユッカ様マナちゃん」チョンチョン

勇者「?」

僧侶「あの人、明らかにソル様に好意をもってますよね」ヒソヒソ

勇者「だねー」

魔女「浮気にゃん。許さないにゃん」

勇者「まー仕方ないかなー。戦ってるときのソルはかっこいいもんね?」

僧侶「はいそうですね。好きになってもしかたないです。浮気はだめですケド」


傭兵「さぁて仕事仕事。これ片付けりゃいいんだな」

勇者「あっ! しまった!」

傭兵「どうした! 何かまずいことでも起きたのか」

勇者「隊長さんにお菓子もらいそこねた…ワン」

傭兵「……。明日いくらでも買って来てやるから我慢しろ」

魔女「真面目に働くにゃん」

勇者「わぅん!」

傭兵(なりきりの何が楽しいのかわからん…っ。恥ずかしくないのかこいつらは…)チラ

僧侶「…!? も、モーー! うう…何ですかぁ、モーモー」

傭兵(…悪くないな)



<夜>


傭兵「あーつかれた…」

勇者「おつかれー。そんなに大変な仕事だった?」

傭兵「精神的にな。何度子供に泣かれて叩かれたことか…こんな格好するもんじゃない」

勇者「ふふふ、やっぱりソルは剣振り回してるほうがいいのかな?」


僧侶「ソル様。私達お風呂行ってきます」

傭兵「そういやここは公衆浴場だったな」

勇者「お風呂あがりにぐいっとフルーツミルク飲むんだぁ。楽しみ~、うふふ」

傭兵「ゆっくりしてこい。俺はこのまま兵舎に向かうぜ」

僧侶「勧められるがままに飲み過ぎないように気をつけてくださいね?」

魔女「酔った勢いで向こうでへんなことしたら……制裁にゃん」

傭兵「もうその変な語尾付けなくていいと思うぞ」

傭兵「変なことなんて起きないから安心しろ、そう睨むな」

勇者「ほんとかなぁ」

傭兵「マオ! いってくる。聞こえてるか?」

獣の商人「~~♪」ジャラジャラ

獣の商人「ぐふふふ♪ ここからあの子らの取り分引いても…ぐふふふ、やっぱウチは商売の天才や」ジャラジャラ

獣の商人「こりゃどうあっても居てもらわんと困るでぇ…あとはソルはん落としてちょいちょいのちょいや」ジャラジャラ


傭兵「返事がないな…ほうっておくか」

勇者「だね…」

魔女「金の亡者にはなりたくない」

僧侶「慎ましく生きましょうね」



【公衆浴場】


勇者「はふぅ~…ひろびろー」

勇者「街中の人がくるだけあって、やっぱりお風呂広いね」

僧侶「ですね。ですがお湯はオクトピアのほうが私は好きです」

勇者「あそこは山と海にかこまれてるからねー」

僧侶「ユッカ様は将来どこで暮らしたいですか?」

勇者「ボク? うーん…なかなか決められないよ」

勇者「マナは? 好きな街ある?」

魔女「私はあの人と一緒ならどこでもいい」

勇者「そうだね! ボクもそれが大前提!」

僧侶「はぁ~…」

勇者「どしたの?」

僧侶「いえ…帰ったらいろいろあるなぁと思いまして」

僧侶「私、大聖堂を継ぐことになるので、もしかしたら…国を出られないかもしれません」

勇者「そっか…で、でもすぐじゃないでしょ?」

僧侶「いろいろ下積みが必要なんです。本当はいまも修練に励んでいなきゃいけないのに…」


勇者「ごめん…ボクについてきたからだよね」

僧侶「いえいえ、愛しいユッカ様のためです! すべてをかなぐり捨ててでもお供いたします」

勇者「アハハ…ほんとは旅に出たかっただけでしょ」

僧侶「ゔ…」

魔女「ヒーラは意外とおてんば。無茶ばっかりする」

僧侶「だってお固いお仕事は息がつまるんですもの…お父様が厳格ですし…」

勇者「よしよし、大変だねヒーラ。でも立派なお仕事なんだから頑張ろうよ」

僧侶「ユッカ様だって、王位継承権があるんですから」

僧侶「いままでみたいに自由に外に出かけられなくなるかもしれませんよ?」

勇者「げ……そ、そうだった」

勇者「ちょ、ちょっと待ってボクまつりごとなんて全然わかんないよ…」

僧侶「将来のために帰ったらお勉強の日々ですね」

勇者「ひーーん帰りたくないよーーっ」


魔女「家のことはまかせて」グッ

魔女「あなたたちが忙しくしている間に、私が妻として朝も夜もあの人を支えるから」

勇者「な゙っ、ずるいよぉ! ボクもお嫁さんになるんだもん!」

魔女「ユッカ、はやく王様になって多重結婚ができるように法を変えて」

魔女「それまで私があの人の面倒を見る」

勇者「ぞんな゙~~」

僧侶「結局、太陽の国で暮らすことになるんでしょうか?」

勇者「ソルはどう思ってるのかな…」

勇者「マオにゃん達に気に入られてるし…まさかバザやピニオンに単身赴任しちゃったりして…」

魔女「大丈夫。その時は私もついていくから。あなたたちは国務を――」

勇者「がうがうっ!」

魔女「い、いたい…」

勇者「ボクも一緒にいたいよぉ~~~っ!!」


僧侶「帰ってみなきゃわからないですよね」

僧侶「案外時間の猶予あるかもしれませんよ? 私のお父様もグレイス様もまだまだ現役ですし」

僧侶「とくにグレイス様はとてもお若いですから、あまりこういった話をするのは不敬ですね…」

勇者「そっかぁ。じゃあみんなでまた色々する時間はあるんだね!」

僧侶「えぇきっと」

魔女「みんなで尽くす」

勇者「うん! みんな一緒に仲良くね!」

勇者「マナ、抜け駆けしちゃだめだからね」ぐににに

魔女「んぎぅ…どの口が言うの」ぐににに

僧侶「どうして喧嘩するんですか」

僧侶「そういえばいい忘れてましたけど」

僧侶「私、明日ソル様でデートしてきます♪」

勇者「わぅ!?」

魔女「にゃ!?」


僧侶「うふふ。もう約束しちゃってるんですよ。前回の争奪杯で優勝した時に♥」

僧侶「それに私、ピニオンでデートしてませんし……ね?」

勇者「…」

僧侶「というわけで、おふたりはお店番よろしくお願いします!」

魔女「見て、このしたたかな態度」

勇者「ヒーラってほんとずるいよね」

僧侶「そんな!?」


獣の商人「なーんの話しとるんや? あんたらどこおってもやかましいから目立つなぁ」

勇者「あ、マオにゃん! 明日ヒーラが出かけるって言ってるんだけど」

獣の商人「聞いてるで。ソルはんと一日中くんずほぐれつなんやろ?」

勇者「根回し早い!」

僧侶「いえそこまでは言ってません……一緒にお出かけするだけです」

獣の商人「店のことは任せてええで」

僧侶「はい♪」


勇者「いいなぁ…まぁヒーラ嬉しそうだし。いってらっしゃい」

勇者「勝負に負けたのはボクたちだしね…はぅぅ、もっと本気出しとけばよかったよ」

魔女「お土産絶対買って来て」

勇者「お菓子! ジュース! ケーキ! グミ!」

僧侶「はい」

獣の商人「なんの勝負したんや?」

魔女「…」

勇者「な、ないしょっ! えへへ…」

獣の商人「内緒なん? 今度ウチもまぜてーや! ソルはんとデートしたいー」

勇者「えっ、えっ! やっぱりマオにゃんって…好きなの?」

獣の商人「…? あーソルはんの事?」

獣の商人「デートっておもろそうやん。あのカッコつけがウチの美貌にうろたえる顔を拝んでやりたいわ」

獣の商人「にゃはは!」

勇者(どうなのかなー?)

僧侶(気をつけて見張ってないとソル様のことですからコロッといっちゃうかもしれませんね)

魔女(管理)


獣の商人「あんたらも楽しめるうちに楽しんどかんとあかんで」

獣の商人「歳食うのはあっという間やからな」

獣の商人「商売なんてしてようもんなら光陰矢のごとしや。あれまという間にまた一年過ぎてまう」

獣の商人「ハロウィンなんてついこないだやったばっかりやんって思うのに…ふにゃぁ。怖いぃぃ」

勇者「ま、マオにゃん…いくつなの?」

獣の商人「……何歳にみえるー」フリフリ

勇者「尻尾がどうしたの? かわいいね」

獣の商人「ふっ…同じ獣人やないもんには尻尾を見てもわからんっちゅうことやな」

勇者「う、うん…? 見たところボクたちと一緒くらいだよね? 背ちっちゃいし」

勇者「16歳くらい!?」

獣の商人「……ふっ。あんたら何歳なん。言うてみ」

勇者「15!」

魔女「15歳」

僧侶「16歳です。もうすぐ17ですけど」

獣の商人(やっぱ…あの人犯罪者やん…)

獣の商人「15、6かぁ…お肌つるつるでええな…」

勇者「やんっ、マオにゃんの方こそふさふさでうらやましいよ~」


魔女「結局師匠いくつなの」

獣の商人「態度で察してや。えぐるのやめーや」

魔女「誰にもいわないから、私にだけ教えて」

魔女「私と師匠の間で隠し事はなし」

獣の商人「……まぁあんたは口硬そうやから、特別に教えたる」

獣の商人「えっとなぁ。人間に換算するとだいたい」

獣の商人「――歳や」ヒソヒソ

魔女「聞いてはいけないことを聞いてしまってごめんなさい」

獣の商人「ああああああああっ!」ワシャワシャ

魔女「でもあの人とは年齢的にお似合いかもしれない」

獣の商人「せ、せやろ!? 確かソルはんって25くらいやったやんな!?」

魔女「ソルとは言ってない」

獣の商人「な、なんやて」

魔女「あの客で来てる人たち。たぶんあなたに好意を寄せていると私は分析した」

獣の商人「うにゃ~~ん、いじわる~」



<深夜>


【獣人マオの商店・2階】


傭兵「帰ったぞー。さすがにもう寝てるかな」

傭兵「…っと、俺はどっちの部屋だっけ」

カチャ…

勇者「ゔ~~~…zzz ゔ~~~ん…zzz」

僧侶「zzz」ギュウウ


傭兵「こっちは、今日はユッカとヒーラちゃんか」

傭兵「相変わらず仲がいいな」

傭兵「じゃあ俺は隣の部屋っと」

カチャ…

  ヴヴヴヴ…ヴヴヴヴ…


傭兵「…?」

傭兵(何の音だ?)


聞き慣れない音に俺は酔いが冷め、とっさに警戒体勢に入った。
気配を断って、半開きのドアに寄り添うように室内を伺う。

傭兵(…殺気、敵意はなし)

傭兵(おそらく気づかれてもいない)


 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ…

その羽虫の羽ばたくような、もしくは何かが激しく鳴動するような不穏な音に不安が募る。


 『んっ…』


傭兵「!」

傭兵「マナ…?」

さらに体を傾け、死角となっていたベッドに視線を送ると、
一糸まとわぬ素っ裸で大きく股を開いたマナが、何かを必死に自らの股間に押し当てていた。

魔女「…んっ♥ んぅ…♥」

異音と共にマナの甘い声が短く途切れ途切れに響く。

傭兵(なんだ…マナか)

傭兵(って、あいつ…なにやってんだ)

傭兵(…あの格好ですることといえばオナニー…だよな?)

傭兵「…」ゴクリ


よく見るとマナは例の木棒を握っていた。
3号だとか4号だとか名付けられている、いかがわしい事だけに酷使してきた棒だ。
しかしそれを膣内に挿入することはなく、ただ恥部にぐっと押し付けているだけに見えた。

傭兵(声が出るくらい、そんなにきもちいいのか?)

傭兵(中に入れりゃいいのに)

傭兵(……む、いつまでも盗み見はまずいな。しかし入るタイミングをなくしてしまった)

傭兵(だいたいなんでこんな時間まで自慰に耽ってんだあいつは!)

傭兵「…お?」


魔女「ふっ…んぅぅ♥」

 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

魔女「はっ、く…う、んんぅ♥」

魔女「はぁ、ハア…すご…」

魔女「ふ、ふふ…これさえあれば」

傭兵「これさえあればなんだって? ったくこんな時間に」

魔女「うっ! そ、ソル……おかえりなさい」

魔女「!! み、見た……?」サッ

傭兵「いまさら隠してもおそいぞ」


傭兵「見せてみろ」

魔女「……」

傭兵「オナニーしてたよな?」

魔女「し、した…けど。何…何がわるいの。生理現象」

傭兵「あーなるほど、改造してあるのか」

魔女「あっ、あっ! 4号改を返して」

傭兵「これから音がしてたんだな? どういう仕組だ?」

傭兵「なんで音がしただけでお前は気持ちよくなってたんだ」

魔女「……」

傭兵「マナ」むにっ

傭兵「教えてくれよ。教えてくれたら、お前の欲求不満をこのあと解消してやる」ムニムニ

魔女「……。こ、これ」

マナは小さな手のひらをそっと開き、握った球体を見せてくれた。

傭兵「これは?」

魔女「これをぎゅうって握ると」


 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ


傭兵「…おお! 震えてる!」


傭兵「なるほど、振動でオナニーしてたのか」

魔女「オナニーって連呼しないでほしい」

傭兵「お前はほんと、性に貪欲というか、頭のなかスケベなやつだな?」

魔女「……」

傭兵「その球俺にもつかえるのか?」

魔女「…」コク

魔女「すごく弱い振動魔法を、4号のほうにかけてあって、魔法球を刺激すると発動する」


 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ


傭兵「おもしろい…こりゃいいな。使えそうだ」

魔女「ほんと…? つくったばっかりでまだテスト不足だけど…」

傭兵「つーわけで早速マナで試してみよう」

魔女「え…あ、で、でも…」

魔女「弱く設定してても、刺激としては強すぎるから…中に挿れたら…」

傭兵「よっと」


俺はマナの足首をつかんであっというまにベッドにひっくり返し、濡れた恥部を顔に寄せた。

魔女「あっ…ダメッ」

傭兵「こんなもん作っておいてダメはないだろ? 俺につかってほしかったんだろ?」


魔女「あう」

傭兵「マナ、ここ自分で開いてごらん」

魔女「酔っぱらい」

傭兵「とっくに冷めてるぜ」

魔女「なおさらたちがわるい…変態」

傭兵「お前が誘ったも同然だろ。ほら、指で開いて」

魔女「ん……」

マナはおずおずと指先をくっきりとしたスリットにあてがい、顔をややしかめながら左右にぐにっと開いた。
やわらかい恥肉が左右にぱかっと分かれ、中から薄桃色の性器が顔をのぞかせる。

とろりと糸をひいた膣口はひくついて、いまにもオスを受け入れたがっているように見えた。
ゆっくりと人差し指を沈めていく。

 じゅぷ…

魔女「んっ…んんぅ♥」

傭兵「おー、あったけ。ぷにっぷに」

魔女「や、やだ。顔が…近い」

傭兵「すんすん。マナのここはあいかわらずあんまり匂いがしないな」

傭兵「けどもっとやらしい汁をいっぱいだせば、マナの匂いになっていくんだよな~」

魔女「…っ」フルフル


魔女「球を…返して」

傭兵「なんでだよ。せっかくなんだから試そうぜ」

魔女「で、でも…あなた手加減しないから」

傭兵「?」

 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!!!

傭兵「な、なんだ? 振動やけに強くねぇか。うるせぇよコレ」

魔女「球を強く握れば、その分振動が強くなる…だからあなたには扱えないも同然」

傭兵「そうか…ふふ」

魔女「! だ、だめ入れないで」


賢いマナはこれから起きることをすでに頭のなかでシミュレート済みなのだろう。
真っ赤な顔でイヤイヤと俺の手から4号をひったくろうと暴れた。
しかし、力勝負で俺に叶うはずもなく。
俺は4号をマナの中にあっけなくねじ込むように沈めた。

魔女「はぁぁう!」

傭兵「お、ぱっくり咥えてるな。こんなにエロい汁でてるぞ」

魔女「もうっ…入れちゃダメって言った。ほんとうに刺激が強いから…や、やめ」

傭兵「んで球を握ればいいんだな?」

魔女「だめっ!」


傭兵「そんなにだめ?」

魔女「…っ」コクコク

傭兵「楽しいと思うんだけどなぁ。じゃあなんのために作ったんだよ!」

魔女「それは…うう」

傭兵「挿れるためだろ?」

魔女「………うん。でも、私の予想を超えていた、だから怖い」

傭兵「…わかった。じゃあこうしよう」

俺は球をマナに渡した。
マナはおそるおそる刺激しないようにゆっくりと両手のひらで包み込んでそれを受け取った。

魔女「ふぅ……」

足を大きく拡げ4号がずっぷり突き刺さったまま、お祈りをするようなポーズで安堵するマナがやけに滑稽に見え、
俺の胸中には再びふつふつといたずらごころが湧き上がった。

俺は球を包み込んだマナの両手を、さらに上から自信の大きな手のひらで包み込み。

魔女「え……や、やめ」

 ぎゅっ

 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!

魔女「~~~~っっ!?♥♥」

魔女「あああっ、あああ♥ ああああっはあああっ♥」


 ヴヴヴヴ!ヴヴヴヴ!

魔女「に゙ゃあああっとめ、とめてっ♥ ああああ♥」

傭兵「どうした? 球をもっているのはマナだぞ?」

魔女「んんああああっ♥ だめ、中でっ、ぶるぶる、ああ♥」

魔女「とめっ、イクッ、イクッ♥」

魔女「んぅっ!!♥」

傭兵「うっわ、すっげぇ汁出てる…」

傭兵「マナそんなに気持ちいいのか? うらやましいな」

傭兵「わかった。じゃあ一旦停止してやる」

手を離すと球を押さえつける力が緩まり、激しく振動していた4号は動きを止めた。


魔女「はぁ…ハァ…」

傭兵「なるほどな。いまのでだいぶ使い勝手がわかったぞ」

傭兵「つまり俺の握力で全力で握ったら」

魔女「それだけはやめて……だからあなたに見つかりたくなかった」

傭兵「みせつけるようにオナニーしてたのは誰かなぁ」

魔女「う……帰ってくるとおもわなくて」

傭兵「俺って信用されてないのか」

魔女「ご、ごめんなさい…」


傭兵「ゆっくりしてやる。球かしてみろ」

魔女「……」コク

傭兵「えっと、手で握らず指でつまむ程度なら?」


 ヴヴヴッ ヴヴヴッ ヴヴヴッ


球を軽くつまむと微弱な振動が木棒を持つ手につたわった。
マナはとろんとした顔で4号をうけいれている。
ゆっくりとストロークをして、狭い膣内を擦ってやると、声を漏らして嬉しそうにしていた。


魔女「んっ……んぅ♥」

魔女「はぁ…う、きもちいい…これ好き」

傭兵「おう。これくらいなら安心だな。くっそー4号がうらやましい」

傭兵「奥も突いてやろうか? 手前? 振動これくらいでいいのか?」

魔女「…」

傭兵「どうした。もう1回イキたい? 遠慮せず言えよ」

魔女「…こ、これは…もういいから」

傭兵「おう?」

魔女「あなたのがほしい…♥」

傭兵「…あぁ」



その晩、マナの発明品を性交の助けにして俺たちはへとへとになるまでたくさんつながった。
これからも道具をつかうことでまだまだセックスのバリエーションは増えそうだ。


魔女「今度あなたのペニスにも振動機能つけてあげる…♥」

傭兵「いや、いいです…」

魔女「魔法球のかわりにこの玉を…ぎゅっ、なんて」

傭兵「こらこら。あんまいたずらしてると犯しちゃうぞ」

魔女「ハロウィンだから? くすくす」

傭兵「次は本気で球握ってやる…泣いても抜いてやらないからな」

魔女「うぐ…改造しなきゃ」

傭兵「そうだマナ。そろそろお眠のとこ悪いが、5号にもこの機能つけられるか?」

魔女「…?」


<翌日>


僧侶「では、いってまいります」

勇者「はぁい。楽しんできてね。お土産忘れずに!」

傭兵「…と、出かける前にヒーラちゃん。ちょっとこっちきて」

僧侶「…? なんですか」

僧侶「……えっ、そ、そんなものを…!? ……うう」

僧侶「どうしてもソル様がつけろとおっしゃるなら…」

傭兵「…楽しいデートにしようぜ」ニヤリ



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

 
 

更新終わり
次回明日22時予定

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき



僧侶「んっ…んぅ…」モゾモゾ

傭兵「ちゃんと挿れてきた?」

僧侶「は、はい…お待たせしてすみません」

僧侶「これ…すっごく落ち着きませんよ」

僧侶「こんなことしてるとこ、誰かに見つかったら…」

僧侶「うう…まともに歩けないですよぉ」ヨロヨロ

傭兵「大丈夫。スカート履いてるんだし見えないよ」

僧侶「でも…もし抜けて落としちゃったら…」

傭兵「上からしっかりパンツで固定してるでしょ?」

僧侶「え、おパンツですか…?」

傭兵「……は?」

僧侶「……」

傭兵「履いてないのか。いまノーパンなの?」

僧侶「は、履いてきますっ!! きゃーーっ、もぉーーっ!」

傭兵「…あんな顔してずっと一生懸命締め付けてたんだな。ふ、ふふ」


僧侶「またまたお待たせしてすみませんっ」

傭兵「おう、それじゃあ行こうか」

僧侶「あの…なんだか意地悪な顔してますよ」

傭兵「ん? 天気よくて絶好のデート日和でワクワクするよな?」ポンッ

僧侶「はい……えへへ、デートは楽しみです」

傭兵「さてどこ行こうかな」

僧侶「考えてないんですか?」

僧侶「マナちゃんは劇場で、ユッカ様は牧場につれていってもらったって」

僧侶「嬉しそうに話してくれましたよ!」

傭兵「…あー、どっちも行き当たりばったりでな。運良く辿りつけたんだ」

傭兵「昨日頭を絞ったが、年頃の女の子をどこ連れていったら喜ぶか、ちっともわかんなくてさ…」

僧侶「…うふふ」ギュ

僧侶「ソル様と一緒ならどこへ行っても私たちは幸せですよ」

傭兵「そ、そうか…」

傭兵「とりあえず商店街で買い物なんてどうだ。ヒーラちゃんに似合う服探そう」

僧侶「はい!」


【服屋】


僧侶「♪」

傭兵「結構買うなぁ。何軒目だ」

僧侶「5♪ やっぱりバザは品揃えが豊富ですね」

僧侶「いろんな国の珍しい服も集まってて、歩いてるだけで色々欲しくなっちゃいました」

僧侶「荷物もってもらっちゃってごめんなさい」

傭兵「大した重さじゃないしそれはいいんだが…」

傭兵「あれ、これサイズ小さくないか?」

僧侶「それはマナちゃんのです」

僧侶「あ、このシャツユッカ様好きそう。買っちゃお…♪」

傭兵「すっかり2人の母親だな」

僧侶「え…? そ、そんなことないですよ」

僧侶「あの子たち放っておくとずっと同じ服着てるじゃないですか」

僧侶「ユッカ様なんて昔はどろんこのまま着替えずに寝ちゃったりしてたんですよ」

僧侶「ユッカ様らしいといえばらしいのですが、王宮暮らしの勇者様のすることではありません」

僧侶「一体何度お説教したことか…」

傭兵「ははは。あいつはなぁ、そういうところあるよな」

僧侶「ソル様もですよ!」


傭兵「本当によく気がついていい子だ」

僧侶「旅のお洗濯もいつも任せっきりで…」

傭兵「いやー悪い悪い。ヒーラちゃん働きものすぎて俺たちつい甘えちゃうんだよ」

僧侶「うふふ。でも私、そんなみんなのお世話をするのがとっても好きなんです」

傭兵「ヒーラちゃんはいいお母さんになれそうだ」

僧侶「!! …そ、その前にお嫁さん…デスヨ」

僧侶「なにかご要望があれば…言ってくださいね? 私にできることならなんでもいたしますので…♥」

傭兵「…」ゴク

傭兵(こんな献身的で健気で家事上手な子がお嫁さんかぁ…イイ嫁の条件揃いまくってるな)

傭兵(それに加えて夜は床上手……っと、アレをそろそろするべきか)


傭兵「ヒーラちゃん。少しこの服試着してみようか」

僧侶「はい、可愛いですね! 早速着てきます」

店員「どうぞこちらをご利用ください」

傭兵「フフフ…」

傭兵(そろそろ5号も膣内に馴染んで、違和感が薄れてきたことだろう)

傭兵(さて、取り出したるはこの魔法の操作石!)

傭兵(最初はびっくりするだろうが、ちゃんと我慢するんだぞヒーラちゃん…)


【試着室】


僧侶「~♪ ~♪」

僧侶「ソル様の好みはこういうシンプルな装いなんですねー」スルスル

僧侶「これも買っちゃおうかな…あ、でもちょっと外歩くには薄地かも…」

僧侶「まさか夜に…? やぁんもうソル様ったらぁ♥」


傭兵(まずは握力弱めでじっくり。作動!!!)ギュ


  ヴヴヴッ! ヴヴヴッ!


僧侶「ひゃっ!? はうっ! むぐ…ッ」

僧侶(な、なに…? これ、えっ、えっ!?)


傭兵「お、ちゃんと発動したみたいだな」


僧侶「ひゃぅぅううっ! な、なにかがビリビリ…」

僧侶(雷撃…!? 違う…なんでしょう、おまたがっ)

僧侶(おまんこがなんだかおかしいぃぃぃ)ビクッ

 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

僧侶「ハァ、ハァ…な、なんなんでしょう」

僧侶(呪いが強くなっちゃったのかな…)


傭兵「どうしたー? もう着替えたか?」

店員「お客様? どうなさいましたか」


僧侶「!? ま、まだですっ! カーテン開けちゃだめですよ!」

僧侶「ううう…どうしてあそこが震えるんでしょう」

僧侶「やっぱりこれのせい…ですよね」

 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

僧侶「うぐっ…やっぱり! この木棒が原因っぽい…」 

僧侶「ハァハァ…おまんこ…びりびり…立てなくなっちゃう」

僧侶「はぁ、ソル様ぁ…これ、どうなっちゃってるんですかぁ」


傭兵「どうしたー? 入っていいよな?」


僧侶「……ぅぅ、どうぞ」



傭兵「びっくりした?」

僧侶「…」ムスッ

傭兵「察しのいいヒーラちゃんならもうわかっただろ?」

僧侶「…はい。やっぱりそういう目的で、私にこれを付けさせたんですね」

傭兵「その服似合ってるね」

僧侶「ううううっ! と、取っていいですか」

傭兵「ダメ」

僧侶「それよりどうしてただの棒がぶるぶるするんですか?」

傭兵「この球を見て」

僧侶「それなんです?」

傭兵「これをこうやって。ぎゅ…って握りしめると」

 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ

僧侶「~~~~っ♥!!? ふっぁっぁぁーーむぐぅ!?」

僧侶「んっ、んんぅ♥ ちゅ…ん、ちゅう…じゅる、にゃゔ、んむぅ♥」

僧侶「ぷはっ…♥ ハー、ハー…」

傭兵「おっきい声だしたら外の店員に怪しまれるよ?」

僧侶「……と、止めっ、止めてください! ぶるぶるがっ♥ あんっ♥」


僧侶「つまり…魔法で連動してるってわけなんですね…」

僧侶「ソル様の意思で自由に動かせると?」

傭兵「ふはは、そういうことだ。いまヒーラちゃんの運命は俺の手の平の中に!」

僧侶「でもそれどう考えてもマナちゃんお手製ですよね」

傭兵「ぎく」

僧侶「ソル様は魔法つかえませんし、そんなの作れるはずがないです」

僧侶「まさかこんないかがわしい物をマナちゃんに作らせたんですか…?」ジトー

傭兵「……」グニッ

 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!

僧侶「はぁぅぅぅごめんなさいごめんなさい♥」

僧侶「ソル様のお考えはすてきですっ! つかってもらって嬉しいですっ」

傭兵「よし。今日はこれ挿れたままデートだからな」

僧侶「はぁ…はぁ」

僧侶「ソル様ってもしかして変た――はぅぅううう♥」ヴヴヴ



店員「お客様! お客様ー! 大丈夫ですか」



【繁華街】


僧侶「どうして私にこんなことするんですか」

傭兵「どんな反応をするか気になってな」

僧侶「この通り、怒ってます!」

傭兵「あと、俺ヒーラちゃんの恥ずかしがってる顔好きだし…」

僧侶「え…そうなんですか。で、でもっ! なにも街中でしなくたって…」

傭兵「…最近さ、ヒーラちゃんもユッカみたいに随分積極的になって」

傭兵「抱く時にあんまり恥ずかしがってくれないじゃん?」

僧侶「はぁ」

傭兵「そういう初々しい顔を見たいとおもった」

僧侶「でもほんとに恥ずかしいです」

傭兵「見つからないように我慢するんだよ」

僧侶「困ります…」

傭兵「じゃあ言うこと聞かせちゃおうかな。これを握れば…」

僧侶「あぅううわかりましたわかりました。絶対ぎゅってしないでくださいね」

傭兵(ほんとに嫌なら外せばいいのに、俺の悪戯に付き合ってくれるなんていい子だなぁ…)

僧侶(いつブルブルなるのかわからなくて、おまんこぞくぞくしちゃう…♥)

僧侶(こんなのソル様に知られたらエッチな子だと思われちゃいます…♥)


傭兵「さて、どこへ行こうかな」

傭兵「なるべく人が多い場所がいいなぁ」

僧侶「!」

僧侶「ぶ、ぶるぶるする気なんですか?」

傭兵「いや別に? ハロウィンだし、仮装してる人たちがいっぱいいて楽しそうだなと思ったんだが」

僧侶「! そ、そう…ですよね」

傭兵「期待した?」

僧侶「!」フルフル

僧侶「行きましょうっ! お腹空いてきちゃいました!」

傭兵「おう。屋台でも見て回るか」



荒くれA「おお! 大兄貴! なにしてんですかい」

荒くれB「ご無沙汰してまっす! っておぅい、アネさんもご一緒でしたか!」

傭兵「……」

傭兵(こいつら誰だっけな)

僧侶「ほら、以前バザに来た時揉め事で…、ってなんで覚えてないんですか」

傭兵「あ、あーお前たちか」

荒くれA「丁度昼時なんて、人の多い場所に屋台ださせてもらってます!」

荒くれA「大兄貴、ウチの特性ソースパスタ食っていってくだせぇ」


傭兵「いいのか」

僧侶「これ美味しいですよね」

荒くれA「へへ、アネさんに喜んでもらえるならお代なんていりやせん。どうぞどうぞ」

荒くれB「またアネさんの美しいお顔を見られて幸せです」

傭兵「…」ギュ


 ヴヴヴ…


僧侶「!? ぶっ」

荒くれB「アネさん…?」

僧侶「んっ…♥ んぅ……ひぅ」

荒くれA「アネさんどうしました! 喉つまりやしたか!? 水1丁ぅ!」

荒くれB「へい!」

僧侶「ち、ちが…あんっ」

僧侶(ちょっとソル様~~~っ!?)

傭兵「おっと悪い、ポケットの中で締め付けてしまったようだ」

僧侶「もぅ…」ドキドキ

傭兵「いやーうまいなーこれ。ヒーラちゃんあんまりがっついちゃだめじゃないかー」

僧侶「…むむぅ」

荒くれA「そういや大兄貴、アネさんとおふたりでデートの真っ最中ってことは、もちろんアレに出るんですよね?」

傭兵「アレ?」

僧侶「デートってわかります!?」


荒くれA「広場で開催されてるベストカップルショーですぜ」

荒くれB「そりゃもう毎年、美男美女カップルがたくさん出場しやす」

傭兵「へぇ」

傭兵「美男美女か…ヒーラちゃんは間違いなく美女だが俺はな…」

僧侶「なにいってるんですか、そ、ソル様かっこいいですよ…」

荒くれA「大兄貴はどうみても賊にしか見えませんが、いまからでも間に合いますんでエントリーしてみてはどうですかい」

荒くれB「ささやかなイベントですけど、優勝したらちょっとした小銭稼ぎ以上になりますぜ」

荒くれA「副賞で高級ホテルのペア宿泊券ももらえるとか」

傭兵「ホテルか…急にいかがわしいイベントに思えてきたな」

僧侶「そうですか?」

傭兵「…よし。どうせぶらぶらしてるだけなら、いっちょ出てみようぜ!」

僧侶「え……本気ですか。でも私…そんな自信ないです」

傭兵「足をひっぱるとしたら俺の方だ、オクトピアの女神に輝いたほどのヒーラちゃんは胸張ってりゃいい」

僧侶「…わかりました」

僧侶「お金、この先も必要ですもんね! がんばります!」

傭兵「うんうん」

僧侶(ベストカップル…うふふ。取れるかな)




後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

 

更新終わり
次回明日22時~

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org593640.jpg
つまりこういう事か

帰宅遅れたスマソ
明日がんばります

>>568
遊戯王…?

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき



【広場】


催し物が開かれている広場にはすでにたくさんの若い男女や子どもたちが集まり、ずいぶんな賑わいを見せていた。
晴天の下、みな一様にグラスを片手に談笑している。


傭兵「ここだよな」

僧侶「あっちのテーブルにお料理ならんでますよ」

傭兵「立食パーティーか?」

盗賊「あれ、あんたら来たんだ」

傭兵「よう。何してんだ」

盗賊「見ての通り、ただの警備さ」

盗賊「つってもなにが起こるってわけじゃないけどさ。ふわぁー、退屈だよ」

盗賊「参加するならあっちで受付済ませな」

傭兵「…いま知ったばかりで、イベントの趣旨がよくわかってないんだが」

盗賊「あーこれ、ただのパーティーさ」

盗賊「ただし参加は男女ペアのみ」

盗賊「毎年数組のベストカップルを選んで、明日からのパレードに参加してもらうのさ」


傭兵「…どうするヒーラちゃん」

僧侶「私どちらでもかまいませんよ。ソル様のお好きになさってください」

傭兵「…じゃあせっかくだしのぞいてみるか」


受付「では、こちらの56の番号札を胸元につけていただけますか」

傭兵「俺たちで56組目なのか」

受付「楽しんでいってくださいね」

僧侶「ありがとうございます」

傭兵「楽しんでいくっていってもなぁ。俺たちはなにをすればいいんだ?」

受付「まずは軽食を召し上がってください。その後ちょっとしたゲーム大会などがございます」

受付「イベントが終わりに近づくと、本日のベストカップルショーを選定いたします」

受付「参加者様はいつもどおり、自然体でお過ごしくださいませ」


広場に入園し辺りを見渡す、顔見知り同士のバザ住民が多いのか、
簡単に話の輪に潜り込めるような雰囲気ではない。
俺たちはさっそく手持ち無沙汰となってしまった。


僧侶「……」キョロキョロ

傭兵「ほんとにカップルばっかりだな」

僧侶「そう…ですね」

傭兵「あんまり社交的な場は得意じゃない?」

僧侶「かもしれません…けど、将来は機会が増えると思いますので慣れていかないといけませんね」

傭兵「飲み物でももらってこようか」

僧侶「はい」


僧侶「ソル様、それお酒ですか?」

傭兵「おう」グビ

傭兵「っぷはぁ、昼間っから酒のめるなんてな。しかもタダ酒だぜ」

僧侶「私これジュース……ですよね」チラ

傭兵「すぐ酔っちゃうからダメ」

僧侶「あ、はい…我慢します。んく、んく…このぶどうジュースおいしいです!」

傭兵「どれ、俺にも一口」

僧侶「はい!」


傭兵「…さっきからすげー見られてるな」

僧侶「…そうですね。たぶん審査してる方々じゃないですか?」

僧侶「ほら、ベストカップル賞とかいうのの!」

傭兵「俺はてっきり、舞台にでも上がってなにかパフォーマンスをさせられるのかとおもったが」

傭兵「どうやら、適当にすごしてるだけでいいみたいだな」

僧侶「ですね。せっかくのお天気ですし、ゆっくりひなたぼっこでもしましょう」


俺たちは芝の上に敷いてあるシートに腰をおろして一息ついた。
辺りのカップルもみな似たようなもんで、ラケットやボールを持ち込んだり、トランプをしてみたりと、
思い思いの余暇を過ごしている。


傭兵「なるほど」

僧侶「どうしたんですか?」

傭兵「いや、まわりに似たようなやつらしかいないってことはさ」


俺は突如ヒーラちゃんを抱きしめ、背中や頭をわしゃわしゃと撫でまわした。
彼女の花のような香りがふわっと漂い鼻孔をくすぐる。

僧侶「ちょ…ソル様!?」

傭兵「こうしても全然変にみられないし、むしろここではこうすることが正しい」


僧侶「あ、あはは…びっくりしちゃいました」

傭兵「ほら。あっちの組も抱き合ってる」

僧侶「えぇ…で、でも」

僧侶「人前ってやっぱりちょっと恥ずかしいです…」

僧侶「さすがにエッチなことはしないでくださいね?」ヒソヒソ

傭兵「大丈夫。はぁ、ヒーラちゃんふわふわしててあったかいな」

僧侶「…うぅ」

僧侶「そ、そうだ。ソル様、ひざまくらでもしましょうか。耳かきはもってないんですけどね」

傭兵「おお。なら久しぶりにしてもらおうかな」

僧侶「うふふ。では一旦離してくれますか?」

傭兵「うーん……ずっとこうしてるほうが良い気もする」

俺はさらに力を入れて、彼女の体を抱く。
大きな胸がむにゅりと潰れて密着し、ヒーラちゃんはやや息苦しそうな声を漏らした。

傭兵「たぶんここにいる女の子の中で1番おっきいな…」

僧侶「ちょっとぉ、ねぇソル様…ひざまくらしましょうよぉ」

傭兵「あと30分」

僧侶「長すぎです」


傭兵「なにか俺たちも遊ぶものがあればよかったのにな」

僧侶「そうですねぇ。あっちにボール遊びしてる方いらっしゃいますね」

僧侶「混ぜてもらいますか?」

傭兵「…いや、俺たちは玩具なら持ってる」

僧侶「はい? 何も買ってないですよ」

傭兵「…」ぐにっ

 ヴヴヴヴッ ヴヴヴヴッ

僧侶「ひゃぐっ!? うう…っ♥ くぅ…」

傭兵「ヒーラちゃんすっごいびくんってなったね」

僧侶「な、どうして…これ止めてくださいっ。ぶるぶるヤです」

傭兵「せっかくだし楽しもうぜ」

僧侶「い、いじわる…」

 ヴヴヴヴ ヴヴヴヴッ ヴヴヴヴッ

僧侶「んっ…んっ、声…我慢…しな…きゃ、はっ、はっ♥」

傭兵「ちょっと汗のにおいするかも」

僧侶「やんっ、離してくださいよぉ、こんな抱っこされてぶるぶるもされたら…汗かいちゃいますって」

僧侶「もぉ~~~っ!」

傭兵「やっぱり牛の仮装が1番合ってそうだな」



僧侶「はぁ、はぁ…♥」

傭兵「息遣い荒くなってきたよ」

僧侶「ら、らってぇ♥」

傭兵「我慢しなくていいの? このままじゃエッチな顔が見られちゃうよ」

僧侶「うう…がまん、しま、す♥」

傭兵「声我慢できなくなったら俺にキスしていいよ。塞いであげるから」

僧侶「…っ、うう♥」

僧侶「はっ、はっ…もう、もうそろそろ…」

傭兵「ちょっと強く握りすぎてるかな? 俺には木棒がどれくらい震えてるかわからないんだよね」

僧侶「もうちょっと…ゆる…めて」

傭兵「あぁ…ヒーラちゃんみてるといじめたくなってきちゃうのは」

傭兵「きっとヒーラちゃんがいつもそんな風なエッチな声で俺を誘うからだな」


俺は手のひらの中の球に更に力を込めた。
ヒーラちゃんを抱きしめていると、体の震えから膣内の異物の激しい振動のほどがわかった。

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!  
  ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!


僧侶「あっ…♥ んんんんっ、んぅ」


たまらずヒーラちゃんは俺の唇に吸い付き、声を押し殺すように舌を絡めてきた。
それでもいやらしいくぐもった声がわずかに漏れる。
俺の肩を掴む手に力がこもり、シャツが皺になってしまった。

僧侶「んんんぅ♥ ちゅむ…んんぅ♥」

僧侶「じゅる、んっ♥ ちゅ、じゅるる…じゅむ、ちゅ♥」

僧侶「はぁふ、はむ、ちゅる…じゅる♥ れろぉ♥」

僧侶「んんんっ♥」


ヒーラちゃんは夢中で俺の唇をむさぼる。
そうしてないと、快楽に飲み込まれてしまうのだろう。
これはまずいかもしれないと、球のちからをすこしゆるめようとした途端、ビクンと少女の体が跳ねた。
しばらくして涙をたっぷり溜めた蒼い瞳が開かれる。

僧侶「ソル様……イッちゃい…ました♥」

傭兵「・・おう」

僧侶「エッチな声…でてましたか?」

傭兵「よく我慢できたな。たぶんバレてない。たぶん」

僧侶「…で、でも…キスは見られちゃいましたよね…?」

傭兵「大丈夫大丈夫。まわりも結構してるとこあるしさ、もう1回しようか?」

僧侶「…♥」


僧侶「…ソル様お口からお酒の香りします」

傭兵「…そりゃ飲んだし。ヒーラちゃんもぶどうの匂いするよ」

僧侶「……きっと濃いぶどうだったので、舌が青いんです。そういうことってありませんか?」

僧侶「いまのチューですこしは取れたでしょうか? うふふ」

僧侶「んえっ」

ヒーラちゃんは笑顔で口を開いて舌を俺に見せつけてくる。
健康的なピンク色の舌に濃密な唾液がたっぷりとのっかって糸を引いていた。

傭兵「…」

僧侶「ろうれすか?」

傭兵「…やっぱ誘ってるよな」

僧侶「え…? うふふ、ソル様にしかこんなことしませんよ」


この後俺たちはしばらく、キスしたり、お互いの体を抱きしめ合ったりしながら
ゲーム大会の時間までを精一杯甘く過ごした。


スタッフ「それではお手元にカードは行き届きましたでしょうか」

スタッフ「これよりビンゴ大会を開催いたします」


僧侶「賞品あるそうですよ」

傭兵「ハロウィンだけに菓子のつめあわせかぁ、あんまりいらねぇなぁ…」

僧侶「ユッカ様よろこびます!」

傭兵「そうか、帰りに買う手間が省けるか。てっきりお土産のこと忘れてた」

傭兵「あいつ菓子ばっか食って…太っても知らねぇぞ」

僧侶「もう…ユッカ様のお願いを忘れるなんて」

僧侶「そ、それだけ今日は私に夢中でいてくださったってことでしょうか? えへへ…」

傭兵「次22番だってよ! ヒーラちゃんある?」

僧侶(聞いてないですし…)

僧侶「ええっと。ないです」

傭兵「まずい、もう揃った人ちらほらでてきたな」

僧侶「お菓子なくなっちゃいます~」


スタッフ「残念ですが、ここでゲーム終了です」


僧侶「あーー」

傭兵「まさかふたりして一列もそろわないなんてな…」

僧侶「こういうときユッカ様なら簡単にあたっちゃうんでしょうね」

傭兵「あいつはな…運のめぐりがとんでもないからな」

僧侶「思えば私達いつも運わるい気がしませんか」

傭兵「……案外ユッカに吸われてるのかもな」


思いかえせばヒーラちゃんは今回の旅で結構な回数悲惨な目に合ってきた。
死にかけたことも1、2度ではすまない。
それでもめげずについてきてくれて、いまこうして俺の隣で笑っている。

そしてあろうことか、俺なんかを慕って、将来は妻になりたいとまで言ってくれた。
だとしたら俺は運が悪いどころか、とんでもない強運の持ち主ではないだろうか。


傭兵「…ありがたいことだな」

僧侶「えー、なにがですか! ユッカ様に運わけてもらいましょう」

僧侶「どうすればいいと思いますか?」

傭兵「あーいや、すまん…独り言だ」


僧侶「すっかり日が暮れてきましたね」

傭兵「何も手に入らなかったが、のんびり出来てよかった」

僧侶「まだベストカップルの発表おわってませんよ」

傭兵「無理だろう。俺たち以上にベタベタしてた組なんてたくさんあったぞ」

僧侶「う……そうですかね。でも可能性は0じゃありませんし!」

ぐいぐいと勢い良く腕をひかれ、発表会場の前まで連れてこられた。
すでにたくさんのカップルが集まっていて、発表を心待ちにしていた。

しかししばらく待っても何もはじまらず、依然としてちいさなステージの上をスタッフが慌ただしそうに駆け回っている。

傭兵(なにかあったのか…?)

スタッフ「えーすみません。ご来場の皆様」

スタッフ「少し予期せぬトラブルが発生いたしました。申し訳ありません」

スタッフ「ベストカップル賞の発表までもうしばらくお待ち下さいっ」


僧侶「…? どうしたんでしょう」

傭兵「さぁな」

盗賊「あ、居た! おい」


傭兵「血相をかえてどうした」

盗賊「…一休暇中で一般人のあんたに頼むのはわるいんだけど」

盗賊「力を貸してくれないか」

僧侶「えっ、えっ。なにかあったんですか」

傭兵「…話せ」

盗賊「人さらいが出た。ハロウィン中の子どもたちが数人さらわれたんだよ」

傭兵「何…」

僧侶「嘘…」

盗賊「おそらくあたしらと抗争してた西の盗賊団さ。ウチが壊滅して、最近調子に乗ってる」

盗賊「まずいことになったよ。町の外に出られたら、そのまま山奥へ連れていかれてしまう」

傭兵「まだ街の中にいるんだな?」

盗賊「捜索中さ。頼む、隊長もあんたに力を借りてこいって言っててさ」

傭兵「…ヒーラちゃん。せっかくのデート中なのにすまないが」

僧侶「はい、行ってください」

盗賊「悪いね! 借りて行くよ」


傭兵「にしても元盗賊のお前が盗賊狩りか」

盗賊「うるさいなぁ。まじめに働きゃ塀の向こうで臭い飯くわなくてもいいんなら、普通そうするだろ」

傭兵「子どもは何人さらわれた。盗賊団の規模は」

盗賊「情報の入ってるかぎりでは行方不明の子が10人」

盗賊「盗賊団は8人程度の構成だったはず…昔のことだからいまはどうかわからない」

盗賊「とにかく、隊長と合流するよ。これじゃハロウィンイベントぶち壊しだ」

傭兵「あぁ」



隊長「ソル殿。こんな形で急なお呼び出しをしてしまい、申し訳ありません。またお力をお借りします」

傭兵「かまわん」

隊長「こちらが用意したレポートです。目を通してください」

傭兵「指揮はお前がとれ。俺は足を使って探してみる」

隊長「気をつけて。相手は子どもたちを人質にとるやもしれません」

傭兵「…面倒なことになったな」

傭兵(俺とヒーラちゃんのデートを邪魔だてしやがって)


隊長「一応兵装を用意いたしました」

傭兵「…これじゃ探してるのがバレバレで目立ちすぎる」

傭兵「俺は自前で用意する、お前たちは包囲網を敷け。絶対街から出すなよ」

隊長「はっ!」

傭兵(さて、やるか――――)バサッ



【街中】


僧侶「はぁ……ベストカップル…ホテル宿泊券…」

僧侶「待っててもしかたないですよね…帰ろう」

僧侶「…1人で帰ることになるならこんなに服買わなきゃ良かった」

僧侶「ううう~」

山賊A「へへ、じゃあ俺たちがもってやろうか」

僧侶「…!」

山賊A「やっぱこの時期は無防備で可愛い子が街中にあふれて良いもんだ…うっひょーすんげぇ美少女」

山賊B「さぁ、おじさんたちと一緒にいこうねぇ。大きい声出すと悪戯しちゃうよぉ」

僧侶(最悪です…)



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

更新おわり
次回月曜日22時~

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき




【バザ・町外れの廃倉庫】



少女達「……」ブルブル

山賊C「へっへ。だいぶ集まったな。こりゃ高値で売れるぜ」

山賊D「にしても大丈夫かよぉ。バザには統率のとれた守備隊がいるってきいたぜ…」

山賊D「なんでも数カ月前、ドラゴンをたった数人で撃退したとかなんとか……」

山賊C「なぁにボスにかかりゃどんな野郎でもちょちょいのちょいよ」

山賊C「それにその時に大戦力となった野郎は今は退役してこの街にはいないそうだぜ。ハハハ」

山賊C「計算高いボスのことだ、きっとそこまで考えてこの時期に襲撃したのさ」

山賊C「ですよねボス!」

山賊の頭「…ハァハァ。イイところなんだから話かけんじゃねぇ!」

山賊の頭「こ、これが今時の街の少女たち…ハァハァ。かわいいなぁ」

少女達「!」ブルブル

山賊C「よかったなぁお前ら。ボスは紳士だからお前らを取って食いやしねぇ」

山賊C「どこぞの節度のない盗賊団なら、いま頃味見されて痛い痛い思いしてただろうがよぉ、ハハハ」

山賊の頭「少女とは愛でるものだ…クク」




  ・    ・     ・


ギィ…


山賊A「ボス! ただいま戻りました」

山賊B「また美少女を仕入れましたぜ!」

僧侶「……うう」

不覚にも、私は山賊の一味に捉えられ、町外れの薄暗い倉庫へと連れさらわれてしまいました。
倉庫の中には先に囚われとなった幼い子どもたちが、ぐるりと縄で縛られて怯えた表情で座り込んでいます。


僧侶(やっぱりこの人たちが例の人攫い…)

山賊の頭「うむ! うむ…? 少…女…?」ジロジロ

山賊A「どうです! 街にはこんなべっぴんちゃんがいるんですぜ! こいつも商品にしましょう」

山賊A「きっと海の向こうの物好きな貴族が高値で買い取ってくれますぜ」

僧侶「く…奴隷売買。あなたたち!こんなこと許されるものではありませんよ!」

山賊A「うるせぇ。勝手にしゃべったらヒデェ目にあわせるぞ」

僧侶「う…」

僧侶(杖さえ持っていればこんな人たち…っ!)

悔しいですが、私は丸腰だと殆ど戦力になりません。
攻撃魔法ももっていなければ、高い身体能力もなく、機転も効きません。
まったくの無力なのです。


山賊の頭「女、歳はいくつだ!」

僧侶「! え、えと…16……です」

山賊の頭「んぐぐぐ…ぎりぎり少女…ぐががしかし、あの豊満な体は…あががが少女…少女とは一体」

山賊C「馬鹿野郎、なんてもん持ってくるんだ。ボスが頭かかえてるじゃねぇか」

山賊A「だ、だってよぉ、こ、この子めちゃくちゃかわいくね?へへ。俺のタイプだ」

僧侶「……う」

山賊C「確かに…とんでもなくべっぴんだが…ボスは重度の少女性愛者だからよぉ」

山賊C「もっとわかりやすく幼い子でいいんだよ! 身長は150以下! つるつるのぺったんこ!」

山賊の頭「140以下のふくらみかけの子だ馬鹿野郎!」

山賊の頭「ごほん…まぁ…良い。そいつも手を縛って、奥に放り込んでおけ」

僧侶「う、うそ! いやっ」

山賊A「あばれんじゃねぇ!」


僧侶(ソル様……)

腕を縄でくくられた私は、奥へと連れ込まれ、少女たちの隣に座らされました。

少女「おねえちゃんもつかまったの…?」

僧侶「大丈夫ですよ。きっと助けてあげますからね」

少女「…でもおねえちゃんもつかまってる」

僧侶「う……」

僧侶(なんとかしなくちゃ…)

僧侶(だけどこんな場所、どうやって外に知らせたらいいんだろう…)


山賊A「ところでボス、どうやって脱出するんですかい」

山賊B「なんでぃもう忘れたのか」

山賊の頭「ククク…俺には算段がある。もう一度頭に叩きこんでおけ」

山賊の頭「明日パレードがあることはしっているな」

山賊A「ありますねぇ」

山賊の頭「その時、街のメインストリートは一時的に通行が封鎖され、巨大な荷馬車でも駆け抜けられるようになる」

山賊の頭「あとは全力で突っ走っておさらばって寸法だ! 門を閉鎖されたら…体当たりでぶちやぶれ!」

山賊A「すげぇ!」


僧侶「人攫いが出たこんな状況で、予定どおりパレードが行わるとおもっているんですか」

僧侶「ずいぶんとおめでたい頭してますね」

山賊の頭「なぬぅ!! 貴様…、エセ少女の分際で生意気な…」

僧侶「エセ…? とにかくいますぐ子どもたちを解放して、自首してください」

僧侶「あなたたちみたいな無計画な盗賊団はあっという間にお縄ですよ!」

山賊の頭「ぐぅぅぅ! 俺の作戦をコケにするのか」

山賊A「ボ、ボス…へへ、こりゃ一度痛い目見させてお仕置きしたほうがいいんじゃないですかい」

山賊B「そうですよ。俺らも長い山暮らしでいろいろ溜まってますし…」

山賊C「いいですかボス? こいつはボスの愛するロリ少女じゃないんです、NOタッチな信念を歪めることにはなりません」

山賊の頭「…う、うむ」

山賊A「ぐへへそういうわけでよぉ…まずはそのかわいい顔に不釣り合いなデカパイをいただこうかね」

僧侶「…!」

山賊の人たちは目を血走らせて、私の元へとゆっくり歩み寄ってきます。
――乱暴される。そう思った時、私は祈るように体内の魔力を練って外へと放出しました。


僧侶(聖守護結界!)


思惑通り、簡易でありながらも邪悪を退ける結界を目の前に展開することに成功しました。
私と少女たちを包み込むように球状に張ったこの結界を、この人達程度の実力では突破することはできないでしょう。


バチチッ

山賊A「いってぇ…何だ!?」

山賊B「なんだこの女! アテテテ。ここに触ると指でいてぇ」

僧侶(よかった、なんとか発動できた…)

しかし発動媒介を欠いた魔術は致命的に魔力の放出量に劣り、
結界は持続時間も強度も維持することが不可能です。
せいぜい展開しつづけて5分といったところでしょう。


僧侶(ソル様…助けてください)

山賊の頭「どうした。なに騒いでやがる」

山賊C「ボス! この女を触ろうとしたら何か見えねぇ壁みてぇなものが…」

山賊の頭「なに?」

僧侶「あなたたちが気安く触れて良いものではありません」

僧侶「この子たちにも指一本触れさせません!」

少女達「…」ブルブル

山賊の頭「んだとぉ? チッ、ただの町娘じゃなかったわけか…こりゃ魔法障壁の類か面倒だな」


山賊A「す、すんません変なのつれて来ちまった…。もっと予め調べときゃよかったですね」

山賊の頭「おいおいこれじゃ美少女たちにも近づけねぇじゃねぇか!」

山賊の頭「商品として価値があるか念入りチェックも出来ねぇじゃねかああ!」

僧侶「そんなふしだらなことさせません!」

山賊の頭「ふしだら? 身長と体重と座高を測るだけなんだが…」

僧侶「え……」

山賊の頭「?」

僧侶「なっ、なんでもないです! あなたたちのような悪党、絶対絶対近づけさせません!」

山賊の頭「エセロリ女ぁ、いいからいますぐその魔法を解除しろ。さもなくば」

僧侶「さもなくば…?」

山賊の頭「…ふ。おい、もってこい」

山賊A「へい」

不穏な笑みと共に、山賊のボスと呼ばれる人物は指を鳴らし、
倉庫隅っこに鎮座している布のかぶった何か巨大な箱を部下たちに運ばせました。


山賊A「よいこらせっと」

山賊B「ふぅ、馬がいなきゃ動かすのもやっとだぜ」

ゴロゴロ…

僧侶「この四角い箱は……」

山賊の頭「こいつを街の中に解き放つ」

僧侶「こいつ…? 生き物が入っているんですか?」

山賊の頭「あぁ。これは檻だ。見せてやろう」

人間数人は入れそうな荷馬車にも匹敵するサイズの箱から、真っ黒な大きな布がめくり取られました。

そしてその瞬間、ゾワっとした邪な魔力が、冷気のように足元に流れ込んできました。


僧侶「…! 魔隠しの布…!」

山賊の頭「こんなのが町に現れたら、ハロウィン以上のお祭り騒ぎになるだろうな」

僧侶「な、なんですか…大型犬…? いえ…」

魔獣「…グルルルル」

僧侶(おっきい…)

薄暗くて正確な姿はよくわかりませんが、狼や犬の大きさを遥かにしのぐ、巨大な猛獣が中に入っていました。
それは魔族領以外で発見されると即座に討伐隊を派遣されて駆除されてしまうような、
非常に凶暴で邪悪な魔力を孕んだ魔獣でした。


僧侶「魔獣種! どうしてこんなものをもっているんですか」

山賊の頭「俺たちは海の向こうのお得意さん相手に人身売買をしていてな」

山賊の頭「時々こういったもんも流れてくるのさ」

山賊の頭「ま、とんでもねぇ値段だったから町に放して失うのは惜しいが、少女たちを売り払えば釣りがくらぁ」

山賊の頭「さぁどうする? 抵抗するんじゃねぇよ」

山賊の頭「おとなしくしてりゃ、なにもせずお前も買い手を見つけてやる」

僧侶「……抵抗したら?」

山賊の頭「言ったろ。こいつを解き放つってよ。まずはお前を襲わせる」

僧侶「…!」

山賊の頭「売り物を傷モンにはしたくねぇんだがな。端正なツラさえ無事なら、手足が一本くらいもげたってかまいやしねぇ」

山賊A「どうするお嬢ちゃん。魔法の壁を解いて俺たち全員と一晩遊ぶか、このバケモンと一騎打ちするかだ」

僧侶「じょ、冗談じゃありません!!」

僧侶「この子たちにも乱暴する気でしょう!」

山賊A「いや、しねぇけど? ボスは売り物にゃ傷をつけねぇ主義なんだ」

山賊の頭「あぁそうだ。だがお前はうちの商品としては欠陥だからな、どうでもいい」

魔獣「ググルル…」



僧侶「どうあっても、私は無事助かる見込みがないんですね」

山賊A「へへへ、そういうことになっちゃうな。ゴクリ」

僧侶(なら…魔獣を解き放たれるよりは…私ひとりがこの身を差し出して犠牲になれば…)

少女達「…」ブルブル

僧侶(この子たちは護れる…あとはソル様や守備隊の方々が来てくれるはず)


そう思い、結界を解こうとした瞬間でした。

 ガシャン! ガシャン! 

僧侶「!」

山賊の頭「!?」


激しい音とともに、檻の中の魔獣が声もなく暴れだし、あっという間に檻はひしゃげ、
ねじ曲がった格子の隙間から、毛むくじゃらの真っ黒な四肢を持った大型の魔獣がのそりと姿を現しました。

 
 ドス…ドス…


魔獣「……」

山賊に頭「な、な……なんで…檻が」

山賊の頭「て、鉄だぞ! 魔物用の鋼鉄の檻なのに…」

僧侶「はっ! まさか、その布!」

檻から取り払った布の内側の模様を見る限り、どうやらこれは魔隠しだけでなく封印式も施されているようでした。



魔獣「……ググググルルル」

お腹をすかせているのでしょうか。
開かれた口からダラダラと唾液を垂れ流し、
恐ろしい眼光で私と背後にかばった少女達を睨みつけます。


僧侶(どうしたら……!)

少女達「…い、いやぁ…」


子どもたちはおそらくこんな凶悪な魔物、生まれてはじめてみるでしょう。
魔物すら見たことすらないかもしれません。

そしてその凶悪な魔物がいま私達を襲おうとしている。
子どもたちの泣き叫ぶ大きな悲鳴と共に、魔獣はまっすぐに私にむかって突進してきました。


魔獣「グルルル…!」

山賊の頭「お、おい! 子どもは食うんじゃねぇぞ。俺の大事な商品なんだからぁ!」

僧侶「…! 聖守護結界! もっと強く…ッ!」

僧侶「うううっ!」

魔獣「グルルル!」ガリガリ

魔法障壁に衝突した魔獣は狂ったように爪を振り回し、なんとかこちらへ近づこうと暴れまわっていました。

魔獣「ガルルルル!!」


僧侶「ど、どうして…! 結界にぶつかって痛くないんですか!」

僧侶(…やっぱり聖魔力が弱い…!?)

僧侶(近頃修行怠ってるせいかも……いえ、サキュさんの呪いのせい!?)

僧侶(このままじゃすぐ破壊されちゃう…この子たちだけは守らないと!)


山賊A「お、おいこらバケモン! ボスは襲ってもいいといったが食うのはだめだぞ! 腹減ってるなら肉やるから、ほら」

魔獣「ガルルッ!」

僧侶「あっ! 危ない!」

山賊A「ぐおっ――」

不用意にちかづいた山賊の1人が、魔獣の振り払った強靭な腕に弾かれてあっという間に倒れました。
そして動けなくなった彼のもとにゆらりと歩みより、命を貪ろうとしていました。

山賊の頭「ひっ、ひぇ…やべぇ…」

山賊B「頭…もしかしてこの魔獣…外に出したらまずいやつなんじゃ」

山賊の頭「くそったれ、飼い主のいうことを聞くんじゃなかったのかよぉ。あんの糞商人!」

魔獣「ガルル!」

僧侶「だめぇっ!」

しかし私は動けず、この結界を解くことはできません。

僧侶(この子たちは絶対に守らないと…)


山賊A「だすげ…食われ゙…―――ひぃぃいい」

魔獣「ガルルル!!」ガジ

山賊A「あだ…ッ! があああっ」

僧侶(でも…このままじゃこの人が……!)

山賊A「ボス…助け…俺…死にだぐな…」

山賊の頭「……ひ、ひぃ」

魔獣「グルルルアアア!」

僧侶「やめなさい!!」

魔獣「ググ…?」

僧侶「すこしは知性があるみたいですね。私が相手になります!」

山賊B「お嬢ちゃん…や、やめろぉそいつをそれ以上挑発すんな」

僧侶「あなたたち!!」

山賊B「は、はひっ」

僧侶「状況が十分にわかっているならこの子たちを外に逃しなさい!」

山賊B「!!」

僧侶「早く!!!」

もはや戦いを躊躇している時間はありませんでした。

僧侶(ソル様がきっと来てくれる…それまで時間をかせげればいいんです)

僧侶(けど、こんな外れにある廃倉庫…いえ、必ずあの人達なら…!)


魔獣「グルルルル!! グアアア!」

僧侶(なんて迫力…! けど…)

以前無人島でユッカ様はおっしゃいました。
邪龍との戦いにくらべたら、どんな大きな生き物も怖くない。
確かにそうかもしれません。
私は完全な丸腰でありながらも、不思議と魔獣と敵対する恐怖はありませんでした。

彼の持つ強靭な爪、牙、そして筋骨たくましい巨大な体躯。
おそらくまともに浴びれば、私の体では耐え切れず一撃のもとに絶命してしまうでしょう。

僧侶「……それでも、私は戦えます!」

魔獣「グルルル…!」

そう、私は伝説となる勇者様の仲間なのですから。
そして……

僧侶「強くないとあの方のお嫁さんは到底つとまらないんです!」

僧侶「私を食べたければ、かかってきなさい!」

魔獣「グラアアアアアアア!」




    ・   ・    ・



【街中】


盗賊「どうしたんだい。なにか見つけたかい」

傭兵「これ…ヒーラちゃんの荷物…どうしてこんなところに」

盗賊「落とした…ってわけじゃなさそうだねこんなどっさり……まさかッ」

傭兵「……! 俺は少し別行動する」

盗賊「お、おいっ! どこ行くんだよぉ」

傭兵「思い当たる場所がある。お前は町の警備にあたれ!」

傭兵(ビリビリと何か嫌な予感がする……こりゃただの事件じゃねぇな)

傭兵(ヒーラちゃん…どうか無事でいてくれ)




後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく


 

更新終わり
次回明日22時~

後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき

 

僧侶「くぅ!」

振り下ろされた爪を私は横っ飛びですんでのところで回避するも束の間、
魔獣は私の命を狙って次々に攻撃を繰り出してきます。

それらをなんとか結界で受け止めたものの、
腕を縄で縛られているためうまく体のバランスが取れず私は派手にころんでしまいました。


僧侶「いたた…」

僧侶「うわっ」

僧侶(あの爪攻撃…床につきささって割れるほど…)

僧侶(やっぱり生身であたったらひとたまりもない…)

魔獣「…グルル」

僧侶(長引いたら殺されちゃう…あの子たちは無事逃げられたでしょうか)

魔獣「ガルルル!」

僧侶「こっちですよ! 私を食べたいんでしょう!」

僧侶「お肉のやわらかさなら結構自信ありますよ! おいしいですよ!」

魔獣「グググ…アアアア!」


目の前のエサである私がちょこまかと逃げまわり攻撃を防ぎつづけたことで、
飢えた魔獣のストレスはすでにピークに達していました。

うなりをあげながらがむしゃらに腕をふりまわし、
手当たり次第に倉庫内の材木や廃材を破壊していきます。

僧侶(私に何もしてこない…? 攻撃しても無駄だとわかったんでしょうか)

僧侶(よし。外に逃げる気配もない…)

僧侶(うまく挑発できた…?)

どうやら狙いは私であるものの、結界による手のだせなさに自棄になっているようでした。

僧侶(このまま時間をかせげれば…)

僧侶(けど守ってばっかりじゃダメ。攻撃手段を考えなきゃ)

僧侶(水攻撃は無理…結界を発射してぶつけたら?)

僧侶(できるかな…やってみる価値はあります)


しかしそうもうまく事は運びません。
動きまわりながらの高等な術である聖守護結界の展開、それも発動媒介となる杖なしは、あまりに無謀でした。

魔力は収束せずに垂れ流し状態で効率悪く消費され、あっという間に底をついてしまいます。
音もなく結界は消え去り、私と魔獣を隔てるものは何一つなくなってしまいました。

僧侶「…!」

僧侶(しまった)

僧侶「うそ…こんなに早く切れちゃうなんて」

そしてぼんやりとした体のだるさが襲ってきます。

僧侶「魔力が…尽きちゃう」

僧侶「ど、どうしましょう」

魔獣「……!」

もちろん、魔覚の発達したこの魔獣が無防備な私を見逃すはずがありません。
一瞬こちらをみて、口元を歪めてニタリと笑ったように思えました。

僧侶(まさか…私の魔力がつきるのを待っていた…?)


僧侶(そうです、相手は魔獣…)

僧侶(犬や獣じゃないのに…)

僧侶(見誤ってしまいました)

敵は言葉は解さないようですが、それなりの知能は持ち合わせていたのです。

私には心のどこかでうぬぼれていたのでしょう。
かつて絶望的な戦いに勝利した経験が、私に一片の油断をあたえてしまいました。

僧侶(ソル様なら…こんな間違い絶対にしないのに)

どう戦えばよかったのか、私にはわかりません。
私は圧倒的に戦闘経験が少ないまま、膨大な魔力と強力な術を手に入れただけの、
ただの恵まれた子どもでしかなかったのです。

こうなってしまっては、もはや私は獣の眼前に置かれただけのただの肉同然。

僧侶(殺される……ッ)



魔獣「グルルルル!!!」

魔獣は恐ろしい形相で牙をむき出しにして、力強く私にむかって跳躍しました。
ぐんぐんと距離がつまり、振り上げられた腕が風を切り、私の身体を真っ二つに――――

ガキン!

金属の激しく重い衝突音。どこにあたったのでしょうか。
しかし私の身体には痛みどころか衝撃すら伝わってきません。

僧侶(あれ……?)

僧侶(あたってない…?)

反射的につぶってしまった目を恐る恐るひらくと、そこには見慣れた炎髪と筋骨たくましい後ろ姿がありました。
彼は私と魔獣の間に割って入り、構えた剣で魔獣の巨体から放たれた攻撃を受け止めていました。


僧侶「あ……」

魔獣「ガルルル!」

傭兵「間一髪だったな」

僧侶「ソル様!」


傭兵「やはりこの廃屋だったか…これくらい広けりゃ色々使い勝手がいいからな」

傭兵「小悪党ってのはどうも思考パターンが同じらしい」

傭兵「前回はドラゴン、今回は…魔獣。因果なもんだな」

魔獣「…グルル」

傭兵「……! よく見りゃ狼型か…ったくどっから連れてきたんだか」

傭兵「……」

僧侶「ソル様…」


ソル様の過去に起きた話はおおかた知っていました。
狼のような魔獣の姿を見て何か思う所があったのでしょう。

ピニオンではかつて因縁の相手であった魔物を討伐したと聞きました。

僧侶「ソル様…私…こんなはずでは…」

僧侶「ごめんなさい。もっとうまく戦えていれば」

傭兵「反省会は後だ。俺の後ろに」

彼は私の腕の縄を切って後方へと下がるよう指示し、1人で魔獣と真っ向から相対します。
筋肉の鎧に包まれたそのたくましい背中は、普段私が抱きしめるときよりもずっと大きく映りました。


僧侶「大丈夫ですか?」

傭兵「あぁ。魔獣との戦いかたは誰よりもしってる。誰よりもだ」

僧侶「私…すこし足元がおぼつかないので…あと魔力がきれてて援護できません」

傭兵「そこで見ていてくれ。ヒーラちゃんの元へは絶対行かせない」

傭兵「それと……1人でよくがんばったな」

僧侶「!」

傭兵「さらわれた子どもたちは外で俺の仲間が保護した。ヒーラちゃんが命をかけて戦ったおかげだ」

僧侶「……良かった」

傭兵「さぁて、俺も一仕事すっか」


魔獣「ガルルル!」

傭兵「よぉ。運が悪かったな」

傭兵「てめぇもこんなところに連れて来られなきゃ、ちょっとはマシな生涯だったろうが」

傭兵「人間に手を出しちまった以上、見逃すわけにはいかねぇんだ…」

傭兵「斬る」

ソル様はふっと私の眼前から姿を消したかと思うと、瞬く間に敵の懐へと飛び込み、
たった一振りで魔物の巨躯を斬り伏せました。


魔獣「ググガ…――」

魔獣はくぐもった声をあげ、その後目を閉じピクリとも動かなくなりました。
以前ソル様とレヴァンさんの試合を間近で観戦したことはありますが、
実力差がここまで開いているともはや戦いにすらならないのだと、この時初めて実感しました。


僧侶(やっぱりすごい……)

傭兵「……この剣切れ味悪いな。一瞬痛かったろう」

傭兵「レヴァン…これから先のお前の仕事は大変だな」

ソル様は倒れた魔獣の側に歩み寄り、なにやら思案しているようでした。


僧侶「…終わりましたね」

傭兵「あぁ。あとは誘拐犯を逮捕するだけなんだが」

僧侶「え、守備隊の方々が捕まえたのでは?」

傭兵「いや、子どもの保護はしたが……ッ!!」


その時です。崩れた廃材の中から男が飛び出して私に側に駆け寄り、
鋭いナイフを喉元へと突きつけてきました。


山賊の頭「へへへ…やるじゃねぇか」

山賊の頭「まさかそいつをぶっ倒しちまうなんてよぉ」

僧侶「あ、あなた…」

どうやらあの時魔獣が廃材の山を攻撃していたのは、
ただのストレス発散ではなく中に隠れたこの人を攻撃していたようです。

山賊の頭「危なかったぜ。お嬢ちゃんが気を引いてくれないと、俺はとうに死んでた」

山賊の頭「へへへ」

傭兵「てめぇ」

山賊の頭「おっと動くなよ。お前がクソほど強ぇのはわかってる」

山賊の頭「おそらく前にドラゴンを撃退したっていう男だろ。あぁわかってるとも、てめぇとは戦闘しねぇ」

傭兵「その子を離せ」

山賊の頭「そうは行くかよ。人質だぜ。返してほしけりゃ交換条件だ」


また足手まといになってしまいました。
魔力の尽きた私は足取りすらおぼつかず、当然結界でこの男の人を弾き飛ばすこともできません。
無抵抗な人質となって、ソル様の任務の邪魔をしてしまう無様な結末に、涙がこぼれそうになりました。


山賊の頭「どうした。まずは武器を捨てろ」

傭兵「…」


ソル様は言われたとおり武装を解除して、近くへ投げ捨てました。
これで私もソル様も丸腰です。

山賊の頭「外のてめぇの仲間に伝えて逃走用の馬を用意しろ。それと金だ」

山賊の頭「いいか。ちょっとでも抵抗したら、この女の首をナイフでぶっ刺す」

山賊の頭「俺はエセロリ少女には興味がねぇんだ。躊躇なくやっちまうぞ」

傭兵「……」

山賊の頭「…おい、まだ何か隠してるな」

傭兵「……武装は解除した。何も仕込んでない」

山賊の頭「ならそのポケットの膨らみはなんだ。それも出せ」

傭兵「あぁ、これか…?」もぞもぞ


カチッ

 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!!

僧侶「ひゃっ」

山賊の頭「ん?」


なにが起きたのかわかりませんでした。
突然私の中の5号ちゃんは激しく振動しはじめ、私を快感の渦へと叩き込みます。


 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!


僧侶「ふぁぁあ、くぁぁぁ♥」

山賊の頭「どど、どうした! 俺は刺してねぇぞ!? おい!?」

山賊の頭「苦しいのか!? やっぱりさっきの戦闘でなにか怪我でも…!」

山賊の頭「おいいっ!」

僧侶「ああああああっ♥」

僧侶(とめてっ、なにやってるんですかソル様! とめてくださいいいい!!)


木棒は膣内であばれまわり、私の全身をとろけさせていきます。
やがて足腰が立たなくなり、私は絶頂とともにガクンと膝をつきました。

僧侶「えぅぅぅ♥♥」

山賊の頭「…くそっ! どうした…! 立てぇ」

山賊の頭「くそぉ! こうなったら」

傭兵「今だっ!」

ぼやけた視界でソル様が腕を振りかぶり、手の平の丸い何かを投げつけます。
風を切りまっすぐこちらへと飛んできたそれは、
ゴツンと鈍い音と共にしゃがみこんだ私の背後に立った山賊に命中しました。


山賊の頭「かはっ!」

傭兵「お、命中。それ結構固いんだよな」

山賊の頭「かぺっ……」


山賊は昏倒しバタリとその場に倒れこみました。
跳ね返った球がゴロンゴロンと私の目の前を転がっていきます。
それは見まごうこともなく、例のマナちゃん製の魔法石でした。


僧侶「うう…」

傭兵「立てるか?」

僧侶「立てるか…じゃないですよー! も~~~っ!」

傭兵「悪い悪い。けど役に立ってよかった」

僧侶「エッチ! こんなときまでぶるぶるするなんて最低ですっ!」

傭兵「…ごめん。たまたま最初に思いついただけで、他に考えはあったんだが」

すこしバツの悪そうな顔をして頭をかくソル様をみて、私は思わず吹き出してしまいました。
これでようやく事件は一件落着。
そう思うと気が抜けて、私は倒れこむようにソル様に抱きついて、しばらくそのたくましい大好きな身体を抱きしめ続けました。

僧侶「もうっ…」

僧侶「ありがとうございました♥」

傭兵「ヒーラちゃん…床にお汁垂れてるよ」

僧侶「えいっ!」ゴツン



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづく

 

更新終わり
次回明日か明後日

また帰り遅れてしまった
終わりにむけて更新ペース落ちてて申し訳ない
次回更新で後日譚第4話終わります

最終回第5話の前に短めの番外編一本挟みます
挿絵もラフばかり溜まってるのでなんとか仕上げ間に合わせます

今日無理なので明日夜更新!

・前回のあらすじ
商業の町バザでソルとヒーラはデート中に、山賊一味の誘拐事件に不運にも巻き込まれた。
ソルは犯人の持ち込んだ魔獣を撃破し、一味の頭領の確保に成功する。




後日譚第4話<イイ嫁の条件?>つづき


【バザ・町外れの廃倉庫】



隊長「ソル殿、ご無事でしたか――――…!」

隊長「こ、これはお取り込みのところを…」

盗賊「あちゃー、もうちょい外で待ってたほうが良かったね」

僧侶「そそ、そんなことないですよ! すこし疲れてしまったのでもたれかかっていただけです…」

傭兵「そんな否定しなくても」

盗賊「うひゃーでっかい魔獣。こんな化物を倒したんだ。やっぱあんたすごいや」

隊長「町に被害が広がらなくてよかった…」


僧侶「逃がした子どもたちはどうなりましたか?」

隊長「あなた方のご尽力のおかげで全員無事に保護できました。怪我はありません」

僧侶「そうですか…良かったぁ…」

隊長「しかしまだ山賊一味の頭領が見つからず…警戒態勢は続いております」

傭兵「そいつならそこでのびてるぞ」

山賊の頭「 」

隊長「おお! 魔物だけでなく山賊まで! さすがです!」

隊長「総員確保にあたれ」

兵士「はっ!」

隊長「ご協力ありがとうございました」

傭兵「気にすんな。乗りかかった船だ、これで無事終了なら良し」

傭兵「さぁーて、帰って飯でも食うか。ヒーラちゃん立てる?」

僧侶「いえ…ごめんなさい肩を借りていいですか」


隊長「あっ、あの!」

隊長「ささやかですが謝礼金をお渡ししたいのです。明日商店を伺ってもよろしいですか?」

傭兵「ん、あぁ…けどな、昨日山程タダで飲み食いさせてもらったしなぁ」

盗賊「素直にうけとりなよ。そっちのお姉さんもがんばったんだろ」

傭兵「ヒーラちゃん。もらっていいか?」

僧侶「はい。報酬として下さるということでしたら、素直にいただいちゃいましょう」

盗賊「そうそう、じゃなきゃまた部隊に加入してお金稼ぎしなきゃならないよ」

隊長「!! そ、そのパターンがあった…………はぅ」

盗賊「あたしからはコレやるよ」ピラッ

傭兵「なんだこれ。優待券?」

盗賊「夕方やる予定だったコンテストの副賞♪」

盗賊「大通りにあるホテルに一泊タダで泊まれるよ」

傭兵「なんでこんなもんくれるんだ」

盗賊「夜も遅いし、町の果てからその子背負って帰るのは大変だろ?」

僧侶「えっ、えっ」


盗賊「いいから泊まっていきなよ」

傭兵「いいのか? 本来他の誰かが手に入れるはずだろ」

盗賊「広場で選考はしてたんだけどね、あんたたちも一応候補の一組だったんだ」

傭兵「へぇ。いつもどおり過ごしてただけなのにな」

僧侶(……あれがいつもどおり?)

盗賊「なによりここであんなもん見せつけられちゃ、あんたたちに受賞させたくもなるよ」

盗賊「つーわけで、はい」

僧侶「あ、ありがとうございます?」

盗賊「あんたらお似合いだよ! おめでと」

隊長「ベストカップル……確…かに…」

隊長「ソル殿には度量があり強い女性がよく似合う………強く…ならねば」ブツブツ

傭兵「サンキュ。ヒーラちゃんへとへとだし、今夜はこのホテルで休憩させてもらうぜ」

僧侶(ホテル……)


傭兵「それじゃ、いくか」

僧侶「は、はい…」

傭兵「…思った以上に歩けそうにないな。おんぶ? 抱っこ?」

僧侶「おんぶ…で」

傭兵「抱っこだな」ひょいっ

僧侶「きゃああっ、ちょっと! は、恥ずかしいですってばぁ」

傭兵「じゃあな。また明日」

隊長「はい! おやすみなさいソル殿ヒーラさん」

僧侶「お、おやすみなさいっ! あぁっソル様、おろしてぇ…」

盗賊「がんばれよー」


隊長「……」

盗賊「……他の男探せ、な?」

隊長「上官にむかってその口の利き方は何だ。いまから事後処理を始めるぞ」

盗賊「えーいまからぁ? ねむたー。あたし昼間っから会場警備やらで大変だったんだけど」

隊長「ソル殿のおかげで戦闘がなかっただけありがたく思え。文句を言わずきびきび働けぇ!!」

盗賊「やつあたりじゃーん」

盗賊「ん? なんだこの球」ひょい

盗賊「お宝かな!?」グニグニ

隊長「山賊の持ち物かもしれんな。押収するぞ」

盗賊「あっ、あたしがみつけたのに! 返せ!」

隊長「お前はいまは軍属だろ!」



【街中】


 ヴヴヴヴ! ヴヴヴヴ!

僧侶「ふぅんぐ!?」

僧侶(なんで!? またブルブルが…ソル様両手ふさがってて悪戯できるわけないし…)

傭兵「ど、どうした?」


僧侶(あううう…壊れちゃったのかな!? だめ…ブルブル…止まんないッ)

僧侶「な、なんでも…な……いやぁぁあああ♥」ビクッ

傭兵「えっ、おろしたほうがいいか!? どうしたヒーラちゃん!!」

僧侶「ううう…」

僧侶(夢のお姫様抱っこでこの醜態……)

傭兵(発情してんのかな…)ゴクリ



【ホテル】


フロント「いらっしゃいませ」

傭兵「このチケットで宿泊できると聞いたんだが」

フロント「おや、広場主催のコンテスト優勝者様方ですね。ようこそお越しくださいました」

フロント「すでに承っております。3階スイートルームをご利用ください」

フロント「お食事はどうなさいますか。このお時間ですと軽食しかご用意できませんが…」

傭兵「ならすぐで食べられるものを頼む」

フロント「かしこまりました」

フロント「それではごゆるりとお過ごしくださいませ。朝食は明朝係りの者が呼びに参ります」


僧侶「……」

傭兵「どうしたの。このまま上の階いくよ」

僧侶「いまの…は、恥ずかしかったです」

傭兵「どうして」

僧侶「だ、だって。ふたりきりでホテルで…こんな抱っこされたままチェックインなんて…」

僧侶「私達いまからエッチします!って宣言してるようなものじゃないですか…」

傭兵「……するんだろ? それとも疲れてるからすぐ寝る?」

僧侶「ぇ……し、したい…ですケド…」モニョモニョ

傭兵「いっぱいかわいがってあげるよ」

僧侶「うう…お願いします」ギュ


辿り着いた3階スイートルームとやらは、思った以上に内装がきらびやかで明るかった。
妙な居心地の悪さを覚えながらヒーラちゃんをやさしくベッドの上に下ろした。


しばらくして運ばれてきたサンドイッチやフルーツの乗った軽食を受け取り、
さっと食事をすませるとさっそくヒーラちゃんの服を脱がせて胸部を露出させる。
胸元はじんわりと汗ばんでいて、ヒーラちゃんの甘い良い匂いがふわっと広がった。

僧侶「そ、ソルさま…先にお風呂…」

傭兵「うーん」

僧侶「入らないんですか…? 汗かいてます…」

傭兵「いいよ。すん」

僧侶「やんっ、ダメですよぉ…」

傭兵「ヒーラちゃんの匂いだ」

僧侶「うう…」

傭兵「今日はお疲れ様」

僧侶「はい…ソル様も…お疲れ様でした」


俺たちはしばらく見つめ合った後、なにも言わずに唇を重ねた。
右胸をもみしだく手にわずかに力を込める。
汗でしっとりしたやわらかい胸が手に吸い付き、弾むように形を変える。

僧侶「んっ…」

僧侶「んぅ…ちゅる、ちゅっ…ちゅるる、はむ…♥」

傭兵「ヒーラちゃん。俺もう挿れたい」

僧侶「今日は積極的ですね」

傭兵「昼間からヒーラちゃんのエッチな声を聞いて、ずっと我慢してた」

傭兵「ヒーラちゃんもコレより、俺のほうがほしいよな?」


スカートをずり下ろすとパンツはすでに意味を成さないほどにぐっしょりと濡れていた。
生地が透き通って、膣内に挿入した木棒がはっきりと見えてしまっている。

傭兵「一日中つけてみてどうだった?」

僧侶「…恥ずかしかったです」


僧侶「こんなことをしてるの誰かに見つかっちゃうんじゃないかと気が気でなかったです…」

傭兵「それでこんなに濡らしちゃったんだ?」

僧侶「ち、ちがいますっ、これは…ソル様が勝手にぶるぶるを押したからです!」

傭兵「よし、そろそろ抜こうか」

僧侶「……♥」コク


 ぐちゅ…♥

淫らな水音とともに中から木棒を引き抜いた。
巨大なペニスの模造品がじっとりと愛液をまとっていて、いやらしくテカっている。

傭兵「こんなでかいのがずっと入ってたんだよ。なんだか物相手に嫉妬してきたぜ」

傭兵「くっそー5号め…」

僧侶「……自分で入れるように言ったんじゃないですか」

傭兵「それよりなかなか、穴が元のサイズに戻らないな」

僧侶「えっ、きゃあ、いやぁ」

ヒーラちゃんは俺の視線に気づいてとっさに恥部を両手で覆い隠した。
その前に俺がみたものは、ぽっかりと空いた丸い大きな穴と、その内側で呼吸をするようにヒクつくピンク色の粘膜の道だった。

 


傭兵「ちゃんと見せてくれよ」

僧侶「丸見えじゃないですか…」

恥ずかしそうに必死に膣穴を隠す彼女がいじらしく思え、ほのかに悪戯心が湧き上がった。
両手の平をゆっくりとつかみ、指をからめて、仰向けに寝そべった彼女の頭の真横までゆっくりと持っていく。

僧侶「うう…」

傭兵「隠しちゃだめ」

僧侶「そんなぁ…」

傭兵「ヒーラちゃんは全身キレイだから、全部見たいな。おっぱいも、あそこも…顔も」

僧侶「…」

彼女の顔を見つめたまま、屹立したペニスの先端をそっと彼女の入り口にあてがう。
そして、ゆっくりと腰をすすめた。

僧侶「はぅ…んっ♥ んんんっ♥」

いつものような膣内を無理やり押し広げる感覚とは違い、大きく空いた穴の中にペニスはぬるんと勝手に入っていってしまう。
あっという間に奥まで到達し、竿の全体を柔らかな粘膜の襞に包まれる。

ぞくぞくと快感が背中をかけあがり、俺は達してしまいそうになった所を、ヒーラちゃんの手をぎゅっと握ってなんとか堪えた。
彼女も同じく俺の手のひらを握り返してきて、浅く短い息遣いでふぅーふぅーと快楽を堪えていた。

 


傭兵「いま挿れただけですごかった」

僧侶「わっ、わたしもですっ♥」

傭兵「やっぱりエッチだな。こんなにスムーズに入ったぞ。ほら、奥にあたってるのわかる?」

コツコツと膣の最奥部に亀頭をおしつけ、ヒーラちゃんに語りかける。

僧侶「はっ、はっ」

傭兵「ヒーラちゃん?」

僧侶「やっと…ソル様のっ♥」

傭兵「あぁ…そうだな」

どうやら俺以上にヒーラちゃんはセックスを我慢していたらしい。
体が俺のことを欲して、挿れて欲しくてたまらなかったようだ。

カリを奥にこすりつけるたびにきゅんと膣内が締り、ヒーラちゃんは甘いを吐息をもらしながら俺の手を何度も握った。

僧侶「……っ♥」コクッ

僧侶「きて…きてください♥」

傭兵「もう我慢しなくていいよな?」

僧侶「はい、ソル様の欲望のままに…わたしをっ♥ わたしとセックス――ーんぁぁう♥」


彼女が言い終わる前に俺の腰の激しい律動は始まっていた。
どろどろに蕩けた膣内をカリでけずりとるように出入りを繰り返す。

ぐちゅぐちゅと水音をかきたてながら、獣のように腰を叩きつけた。

  


 ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
  ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん


僧侶「ふぁぁぁあ♥」

僧侶「ソル様っ、ソル様のがっ」

傭兵「俺のがなんだって。ちゃんといってごらん」

僧侶「ソル様のおちんちんっ、おっきいおちんちんっ、んんんぅ♥ いっぱいいっぱいごしごしされて」

僧侶「私のおまんこごしごしっ、何回もつながってますっ♥」

僧侶「おまんことおちんちん全部くっついてっ♥ 手もつないでっあああっ♥」

僧侶「ソルさまと一緒っ♥ がったいしちゃってます♥」

僧侶「しあわせ、しあわせですっ♥」

傭兵「じゃあ残りはここも一緒にだな」


彼女を押し倒したまま、柔らかい唇を塞いで呼吸を封じる。
懸命につきだしてくる舌をしっかりからめとって、夢中でキスをした。
その間も腰の動きはとどまることなく激しく続き、彼女を絶頂へと追い立てていった。

 



僧侶「んんんむっ♥ んんぅ、ううう、ん、ちゅう♥ はむぅ、ううう♥」

 ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
   ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん

僧侶「っ♥♥」

僧侶「んんんんぅ~~~っ♥♥」

全身つながったまま最初の絶頂。
ヒーラちゃんと同時に達し、彼女の膣内がぎゅんと締まって、びくびく痙攣しながら俺の精液を絞りとってくる。
俺はためらわずに最奥の子宮めがけて精液を流し込んだ。

僧侶「んぷ、ぷはぁ、あああ♥ ソル様ぁ、中ぁ…♥」

傭兵「全部出したよ。ヒーラちゃんのあそこが飲み干してるのわかる?」

僧侶「わかりますっ♥ いっぱい熱くて濃い精液でてますよ…もっとぉ、もっとください♥」

僧侶「ソル様の精液…私の中にください…♥」

ヒーラちゃんは、はしたなく開いた両足を俺の腰にからめてきた。

傭兵「こらこら」

僧侶「抜いちゃだめです。一滴たりともこぼしちゃだめなんです♥」

傭兵「どうせおさまりきらなくてあふれるよ」

僧侶「それでもだめです、今夜は抜くの禁止ですから…♥」

僧侶「おまんこいれっぱなしです♥ ずっとくっついて、ふたりきりのエッチなデートしましょ♥」

傭兵「……」ゴク


一度抜いて風呂に入ろうかとおもったが、俺立て続けざまに彼女の膣内に居座ることとなった。
こんなふうにいやらしい声でさそわれたら、否応なしに愚息は蘇り硬度を取り戻していく。

傭兵「ヒーラちゃんが泣きながらごめんなさいするまで付き合ってやるよ」

僧侶「……♥ どうぞ朝まで泣かして下さい」


彼女は今日の働きですでにへとへとのはずなのに、一体どこに体力が残っているのか。
これも淫魔の呪いの効力なのだろうか。
膣内射精を繰り返す度に彼女はみるみるうちに元気になり、更に激しく俺を求めた。


  ぱちゅんぱちゅんぱちゅん!
   ぱちゅんぱちゅんぱちゅん!!

僧侶「んんんっ♥ そこぉ、もっと突いてください♥」

僧侶「ソルさまぁ…んん~♥ ちゅっ、ちゅるるる、じゅ♥」

僧侶「えふっ、れろぉ…ソルさまぁわたしのソル様」

僧侶「ずっと一緒ですよ♥」

僧侶「赤ちゃん…いっぱいうみますからねっ♥」

僧侶「ソル様っ、ソル様ぁあああ♥ すきぃ、愛してますっ♥ んんぅ」


その晩俺はヒーラちゃんとともにベッドの上で弾み続けた。
彼女の優しくて柔らかい身体にのしかかって何度も何度も腰を振った。
膣内に出した回数はおぼえていない。


彼女と一晩中つながり心も体も満足して、紆余曲折あったもののその日のデートを清々しい気分で終えることが出来た。



<翌日>


勇者「おかえりー」

獣の商人「なんや朝帰り?」

魔女「もう昼前…おつかれさま」

傭兵「いやーすまん。昨晩は色々あってな」

獣の商人「そんなん今朝方とっくに隊長はんが伝えにきたで!」

勇者「魔獣と力尽きるまで戦ったんでしょ? そりゃあ大変だったね」

勇者「ボクがかけつけていたら…2人をそんな目にあわせなかったのに」

勇者「なんだかやつれちゃった?」

傭兵「い、いや……まぁ、激闘だったな?」

僧侶「え、は、はい…」

魔女「ふたりともあまり疲れがとれてなさそうな感じする」

勇者「ヒーラ大丈夫? ソルも平気?」

魔女「……ヒーラ。どうして首かくしてるの」

僧侶「へ? あ、これはっ」アセアセ

勇者「もしかしてヒーラでも治せないような怪我したの!? 見せて!」

僧侶「こ、これは…っ! ああ、見ちゃだめですー」


勇者「……虫刺され? 何個か刺されてるよ。にしてもおっきい虫だね」

魔女「違うよくみて」

勇者「んぅ?」

魔女「ユッカしてこれもらったことないの?」

勇者「何が?」

獣の商人「あ、キスマークやん。ほぉ…ウチら放っておいて、ずいぶんお盛んでしたなぁ」

獣の商人「なんでも話によると泊まったのは最高級スイートやっけ? ベッドふかふかやった?」

僧侶「……っ」

勇者「キスマークってなに??」

魔女「…」ゴニョゴニョ

魔女「……って事。つまり昨晩ヒーラはソルとくんずほぐれつ、夜のバトルを」

勇者「!! ひ、ヒーラ!」

僧侶「うわあああんごめんなさいごめんなさい。ユッカ様おしかりにならないでください~」


勇者「もう~、心配したんだよ? なのにさぁ~、はぁぁあ…なんだーエッチしてただけかー

勇者「それならそう言ってくれればいいのに」

僧侶(言えませんよぉ)

勇者「あれ、ソルは?」

獣の商人「逃げたで」

勇者「も~~~! お土産は!! お菓子買ってくるって言ったのに!」

獣の商人「そっちなんかい」

勇者「あとボクにもキスマークつけてもらいたいーっ! ソルどこいったー!」ダダッ

獣の商人「ま、無事でなによりやな」

僧侶「えぇ…」

魔女「楽しかった?」

僧侶「はい! またデートしたいです」

魔女「ダメ。次私の番。交代ごうたいだから」

僧侶「あ、はい」


魔女「それで、5号改とコントローラーは?」

僧侶「……えっと、コントローラーなんですが」

僧侶「ごめんなさい。戦闘のいざこざで紛失してしまいました」

魔女「……別に。いいけど」

魔女「改良するから、長時間に及ぶ使用感を報告書にまとめて」

僧侶「え…」

魔女「勝手につかった代償」

僧侶「そ、そんな~! あんな恥ずかしかった体験談を聞きだすつもりですか!」

魔女「はやく」グイッ

僧侶「うぇぇえええ」

獣の商人「忙しいやっちゃなぁ!」

獣の商人「…ってかきいれどきのウチの店の手伝いはどうなっとんねん! 誰もおらんやん!」


傭兵「…」コソ

獣の商人「あ、そんなとこおった」


傭兵「ユッカは? まいたか?」

獣の商人「あんたを探してどっかいったで」

傭兵「ふぅ…あいつに見つかると色々ねだられるからな…どのみち夜には逃げられないが…」

獣の商人「ほなソルはんお店手伝って♥」

傭兵「お前もか! ったくしょうがねぇな」

獣の商人「こうして2人でまったり店番してると夫婦みたいやなー」

傭兵「……」

獣の商人「なんでなんも言うてくれへんの」

傭兵「夫婦か…もう結婚は遠くない将来なんだよな」

傭兵「なぁマオ……俺これからどうなるんだろう」

獣の商人「どうなるって? そんなんウチが聞きたいわ。どうするんや」

獣の商人「あの子らもらうんやろ? めでたいことやで」


獣の商人「料理上手で優しくて聖母のようなヒーラはん」

獣の商人「魔法の天才でなんでも出来て頭の良いマナはん」

獣の商人「元気で明るいユッカはん」

傭兵「なんだかユッカだけ雑に感じたが…」

獣の商人「そんな3人を娶る予定でなにが不満なん?」

獣の商人「それにみんなとびきり可愛くて床上手ときたもんや!」

獣の商人「そうなんやろ? イイ嫁の条件は、床上手でカラダの相性がいいことに限るで」

傭兵「けど…その夫婦生活がちょっと怖いんだ…とくに…夜の…」ブルブル

獣の商人「あんたの身になにがあったんや…」

獣の商人「前に会うた時はそんな雰囲気ちゃうかったやろ…」

獣の商人「もっと四六時中目が血走ってて、いかにも野生のケダモノって雰囲気やったのにな…」

傭兵「…」ブルブル


獣の商人「あぁつまり…3人に求められて乾く暇がないっちゅうことか!」

傭兵「…」コク

獣の商人(他の男に聞かれたら殴り殺されるで)

傭兵「気づいたら朝…また朝だ…俺の健やかな安眠はどこへ…」

傭兵「いや俺はずっとそんな生活だったじゃないか…死地に身を置き、昼夜問わず殺気に神経を尖らせ」ブツブツ

傭兵「まともに休息も取れない昼夜の狂った生活を長年」ブツブツ

獣の商人(重症やな…)

傭兵「お前の店の薬…多めに買っていこうかな」

獣の商人「お、おおきに…くれぐれも体だけはお大事にな」

獣の商人「一応腰に利く薬もだしとくわ! 男なら根性みせぇや!」

傭兵「すまん…」


その晩案の定ユッカやマナの首元にも同じようにキスマークをつけるはめになった。
当然ながらその跡は一晩では簡単には消えない。

3人はのんきにもそのまま店のコスチュームで売り子としてあくせく働き、
翌日からのマオの商店の売上は激減した。



後日譚第4話<イイ嫁の条件?>おわり


  

更新おわり
次回番外編 月曜夜22時~

 
番外編<君を護る剣>



傭兵「……」カリカリ

勇者「…ねー、何書いてるの。お手紙?」

傭兵「今回の旅の報告書だ」

勇者「報告書かぁ、どうしてソルが書くの?」

傭兵「じゃあお前かくか」

勇者「あ、いい」

傭兵「…。一応俺はグレイスの任を受けてお前の旅に同行しているからな」

傭兵「めんどくさくてもきっちり仕事はこなさなきゃいけねぇんだよ」

勇者「大変だね」

傭兵「……わかったらあっちいけ」

勇者「けどめんどくさいっていうわりに、結構楽しそうに書いてたよね」

傭兵「あん?」

勇者「横顔がニヤニヤしてたっていうか。うきうき? 楽しそうだったよ」

傭兵「そ、そうか?」

勇者「ねぇソルと陛下ってさ」

僧侶「とっても仲良しなんですよ!」ヒョコ

傭兵「うぉあ! なんだ…みんなして」

僧侶「ね! ソル様はグレイス陛下と大の仲良しなんです」


傭兵「……仲良くないって」

僧侶「そんなこと無いですよ。私、いろいろ見ちゃったんですから」

勇者「色々って何…。ソルは騎士なんだよね?」

傭兵「あぁ…王とその騎士、しかも過去の話だ。それ以上でもそれ以下でもねぇよ」

僧侶「うふふふ」

傭兵「……」

勇者「ねー、昔なにがあったの? どうやってあの王様と仲良くなったの?」

勇者「ボクさ、あんまりこういうこと言うのもダメだけど、ちょっと苦手なんだ…」

勇者「怖いっていうか厳しいっていうか…ね?」

僧侶「グレイス様に廊下ですれ違うと背筋がピーンと伸びちゃいますよね」

勇者「うんうん。わかる」


傭兵「…しばらくあっちいってろ。邪魔だ」

勇者「うわーん。後で遊んでね。行こヒーラ」

僧侶「はい! がんばってくださいねソル様」

傭兵「……おう」カリカリ

傭兵(なんでもねぇって。ほんとに)

傭兵(あいつ、元気してっかな…)

傭兵(以外と寂しがってたりして…なんてな、無い無い)

傭兵(クソ、あいつのしたり顔を思い出してイライラしてきた…)



<7年前>

【太陽の国・城下町】


傭兵(ユッカ…元気でな)

傭兵(これで…俺はあの子の側には居られない)

傭兵(わかってはいる。だが、これほどまでに心が苦しいことがあるだろうか)

傭兵(ユイさん…こんなことになってしまってすまない…)


まだ年端もいかないユッカに、俺の全てを託してきた。
それが俺に残された最後の使命だと直感したからだ。
ユッカは惨劇の記憶を封印され、今後は王宮内で勇者としての素質を磨く訓練を受けるのだろう。
俺にできることは、もう何もない。

 


いまや俺の命の灯火は消えかけ、体がいうことをまるできかない。
魔力を失い、裸で極寒の雪山をさまよっているような心地だ。
手足が凍えるように震えている…まっすぐ歩くことすらままならない。


 ドンッ

不良A「てぇな!」

不良B「ふらふらしてんじゃねぇぞ」

傭兵「……ぁ、あ」

不良A「おい聞いてんのか兄ちゃん。こっちは怪我してんだよ。肩の骨おれちゃった~」

傭兵「…す、ま…な」


視界がかすむ。
今俺はなにをしているのだろうか。それすらもわからない。


不良A「なぁおい!」

不良B「ひゃは、ビビっちまって顔真っ青か!? ちょっとツラかせや」



【路地裏】


――ミ゙シッ


不良A「いっちょあがり!」

傭兵「がは…ッ」


俺は薄暗い路地裏で、男たちに殴られていた。
容赦なく壁に叩きつけられて、崩れ落ちる。


不良A「んだよ。ちっとは抵抗してくれねぇとおもんねぇぞ」

不良B「お前本気だしすぎ。ボッコボコじゃねぇか」

傭兵「……」

不良A「あれ…死んだか? おーい」ゲシッ

不良B「おい…殺しはさすがにやばくねぇか…衛兵に見つかる前にさっさとトンズラしようぜ!」

不良A「ぺっ、これに懲りたら二度とふらふら歩くんじゃねぇぞ」


傭兵「……――」

傭兵(そうか…俺は死ぬのか)

傭兵(せっかく、ユッカとユイさんに拾ってもらった命なのにな)

傭兵(なんて、愚かな……)


傭兵(だめか…。せめて…ユッカ、お前だけは…元気に生きのび――)


 『――お願いだよ。ソル君』


傭兵(あぁ…ユイさん……俺は約束を――)


 『不死なる聖炎よ。愛する我が子に宿りて、永久の祝福を与え給え』


傭兵(この声……誰だ…懐かしい気分だ…)

トクン…

傭兵「!」

傭兵「……ぁ、あ」

暗闇へと落ちかけた瞬間、死の淵でいくつかの記憶が脳裏を駆け巡った。
しかし、果たしてそれは本当に俺のもつ記憶だったのだろうか。
聞いたこともない声と知らない母のようなぬくもり。

途端に心臓が熱く燃え上がり、沸騰するような程に熱い血が全身を駆け巡って体温が戻ってゆく。


傭兵「なんだ…これ」

傭兵「魔力は…うしなった…はずなのに」

傭兵「ぅぉ…ぁぁ!」

傭兵「はぁ…はぁ…生き…てる?」


なぜだかわからないが、俺はまたしても生き延びることが出来た。
依然として魔力はちっとも感じ取れない。

だが、俺は間違いなく生きている。
天が俺を生かしたがっているのだろうか。

ならばこれ以上、俺の生きる意味とはなんだろう。

傭兵「…決まっている」

傭兵「ユッカ…」

たった1つの心残り。
俺はユッカの成長を見届けるまで死ねない。
ユイさんのためにも、簡単に死ぬことは許されない。



  ・   ・   ・



<数日後>


【王宮前広場】


騎士長「よくぞ集まってくれた国を愛する若人たち」

騎士長「すでに聞き及んだ上でこの場に立っているのだろうが、先日、太陽の国は邪悪な魔物の大軍による襲撃を受けた」

騎士長「辺境の村々は無残にも焼かれ、罪のない多くの民の血が流れた」


騎士長「あまつさえ、彼奴らは我らが希望である、幼き勇者様をも手に掛けようとした」

騎士長「幸い今は王宮で保護されているが、その幼き御心に永遠に消えぬ深い傷を負わせてしまった…」

騎士長「人類は危うく、唯一の希望の火を失うところであったのだ」

傭兵(ユッカ……)

騎士長「我々は二度とそのような悲劇を繰り返してはならない」

騎士長「国防は王宮からの勅命であり、我々王国軍守備隊の最優先事項である」

騎士長「領内への魔物の侵入を二度と許すな!」

騎士長「我らの勇者様、そして太陽の国を命にかえて護るのだ!」

騎士長「そのためには、諸君らのような若く燃えたぎる血潮が数多く必要だ!」

騎士長「ではこれより!合同選抜実技試験を開始する!」

若者たち「ウオオオオ!」

傭兵(二度と悲劇は繰り返さない)

傭兵(ユッカ…少しでもお前が平和に暮らせる国を俺たちは作る)

傭兵(だから、またいつか会える日まで…俺は誰よりも戦い抜いてみせる!)


傭兵「99番。国境防衛部隊、前線配置希望のソルです」

傭兵「よろしくおねがいします」

兵士「うむ。貴様で1次募集の参加者は最後のようだな」

兵士「参加者の諸君。選抜試験の概要は理解したか」

兵士「試験のチェック項目は4つ。戦闘力・体力・精神力・魔力。それらを総合的に審査し」

兵士「基準に満たない者をふるい落とす」

兵士「審査に受かった者は晴れて国防軍見習い兵だ」

傭兵(…魔力。まずいな)

兵士「では受け取った紙にかかれた会場へ各々移動せよ」


傭兵(俺は魔力からか、幸先が悪そうだな)

傭兵(総合的に判断といっていたからすぐその場で落とされることはないだろうが……)

傭兵(なるようになるか)



【魔法適正審査会場】


兵士「よく来たなグループDの諸君。ここでは貴様らが今までの人生で培った魔力を見させてもらう」

兵士「では先生お願い致します」

魔導師「ふぉふぉ」

兵士「貴様ら聞け! この方は王宮つきの大魔導師様だ!」

兵士「貴様らのような新兵以下のひよこ共の選抜の為にわざわざご足労頂いたことに深く感謝せよ!」

傭兵(…! 魔道士のじいさん…審査員だったのか)


魔導師「では、審査をはじめる」

魔導師「審査方法は、魔力の資質」

魔導師「わしのこの杖の先についた球がみるかのぅ」

魔導師「これは魔宝石と言って、魔力を伝導しやすい純度の高い輝石なのじゃ」

魔導師「ここに諸君らのもつ魔力を込めてもらう」

魔導師「そして熱い志しを感じ取らせてもらおう」

魔導師(もちろん邪な者が紛れ込んでいないかどうか、判別するためのテストでもあるのじゃがな…)


参加者A「くっそー、どうやって魔力を意識的に外にだすんだ」

参加者B「ううう、おおお」


参加者は順番に並んでひとりずつ魔力をこめて行った。
またひとりと終えるたびに、魔導師のじいさんは何かをさらさらと書き記す。
おそらくあれが調査書なのだろう。


参加者C「おうどうした赤毛、てめぇの番だぜ」

傭兵「ああ…」

傭兵「99番。太陽の村から来たソルだ」

俺はじいさんに歩み寄る。
じいさんはやはり来たかとでも言いたげに、一瞬口元だけで薄く笑って、同じように杖を差し出した。

だがどうやっても魔力を込めることは出来ない。
俺には魔力は微塵も残っていない。
素質はすでに0だ。


傭兵「…」

兵士「む、貴様! 早く魔力を込めんか!」

兵士「大魔導師様の手をわずらわせるな!」


傭兵「……」

魔道師「まぁええじゃろう」サラサラ

魔道師「これで最後だったかのぅ?」

兵士「いえ、実は…追加で1人」ヒソヒソ

魔道師「ほぅ、それでどこにおる」

???「私だ」


ローブを被ったそいつは突如現れ、俺を退けて魔法石に魔力を込めた。

魔道師「ぬぬ…」

???「これで良いのだな」

魔道師「うむ。ご苦労」サラサラ

兵士「貴様! 無礼ではないか、参加者の分際で!」

兵士「そのローブをとれ! 受験者はこちらの指定した兵装に着替えてもらおう」

???「そうか、それが決まりならしかたあるまい」


いやみったらしいその声と口調にどこか聞き覚えがあった。
そいつはあっさりとローブを脱ぎ捨てる。

中から現れたのは気品あふれる端正な顔立ちと、白い肌。
赤みがかったブロンドの髪が煌めいた。


傭兵(王子…!)

王子「ふ…」

傭兵「お前がなぜ…」

兵士「お、お、王子…!」

参加者A「おい、王子だってよ。まじか」

参加者B「ほんもの?」

参加者C「嘘だろ…なんで王子が俺らなんかと一緒のテストを」

兵士「こ、これは一体どういうおつもりでしょうか」

王子「受験番号100、グレイスだ。さっさと次の試験にうつるぞ」

兵士「はっ!」


傭兵「おい、どういうつもりだ」

王子「ソルか。悪いが、お前に事情を話すつもりはない」

王子「それより、なんだその体たらくぶりは」

王子「魔力を一切感じ取れん…お前は本当に、私と引き分けた男か?」

傭兵「……」

王子「お前も、話すつもりはないのだな。ならばちょうどいい」

王子「お互い無事受かることを祈っている。ではな」

傭兵「グレイス…」


戦技長「ぐ、グレイス王子に試験などとんでもありません」

戦技長「どうか、ここはお引取りを…お手をわずらわすことは出来ません」

王子「それでは周りに示しがつかんだろう」

王子「私は、市井に下り、太陽の国の民のひとりとしてこの国を護る兵に志願したのだ」

王子「平等に扱うといい。父上に許可はとっている」

戦技長「そんなっ!」



その後参加者の中でグレイスは圧倒的な成績をおさめ、すべての審査は終了した。
俺はというと、やはり魔力を欠いた状態では思う存分のパフォーマンスを発揮できず、
自信のあったはずの体力や戦闘力でもさんざんな結果となった。


騎士長「それでは、みなご苦労であった」

騎士長「本日の結果は広場掲示板に張り出してあるので、確認するように」

騎士長「合格者は明日入隊式を行う、遅れぬよう今日はゆっくりやすめ」


【広場】


傭兵「…」

王子「当然ながら一位通過だ。戦闘力・体力・精神力・魔力のランクはすべてA。」

王子「しっているか? 通過順位によって兵団内でも扱いは違うようだ」

王子「当然受かったのだろうな?」

傭兵「…く」

王子「おい、お前…よもや落ちたなどとは言わんな」

傭兵「滑り込みで合格だ…ドベだな」


王子「ドベだと、ふ、ふははは」

傭兵「精神力B・体力E・精神力A・魔力E」

傭兵「今の俺なら打倒か…」

王子「どうやら、私と引き分けたのはまぐれだったようだな」

王子「貴様がこれでは、義姉上もむくわれんな」

傭兵「何…!」

王子「もう会うことはないだろう。同期であっても格の違いというものがある」

王子「訓練や作戦中に私に会ってもくれぐれも気安く話しかけるなよ」

王子「ではな。ソル」


<翌日・入隊後>

【兵舎の一室】


王子「……」

傭兵(俺は話かけないようにするぜ)

王子「ま、まさか、順位に応じて部屋の振り分けをするとはな」

王子「トップ合格の私がドベの貴様をこき使う権利を得た…というわけか」


王子「いや…しかし…なぜ他人と同室なのだ」ブツブツ

傭兵(兵舎なんてそんなものだとおもうが)

王子「ありえん…私は王子だぞ。私が…相部屋など…」

王子「それも、なぜ貴様のような奴と…」

傭兵「……」

王子「何か答えろ! ずっと押し黙っていると気味が悪くてしかたないだろう」

傭兵「……グレイス」

王子「!」

傭兵「これからよろしくな」

王子「…!! う、うむ…しかたあるまい」

王子「ルームメイトである以上、無下にはできん…特別に話かける権利をやる」

傭兵「そうか」


こうして俺とグレイスは再び出会った。

この時から、俺たちはしのぎを削り、戦い続けの日々を共に過ごしていく。
何も事情を語らずとも、お互いに、心に根ざした想いは同じだと直感していた。


傭兵(ユッカ…元気でな)



番外編<君を護る剣>つづく

  
 

更新おわり次回明日22時~
すぐ終わります

番外編<君を護る剣>つづき




新米兵としての訓練がはじまり、しばらく経ったある夜のこと。


王子「だから、そのゴミは分別しろといっているだろう!」キーン

王子「あとこんな時間に武器の手入れをするな! 隣室に迷惑になるだろう」

傭兵「…お前の声のほうがうるさい」

王子「…まったく。何度言ったらわかるんだ」

王子「それと…ごほん、脱いだ服も散らかすな」

傭兵「あとでまとめて洗濯に出すんだ。いちいち畳まなくてもいいだろ」

王子「バカを言え。お前の汚い服が無造作に転がっているだけで不愉快極まりない」

傭兵「お前は細かすぎる。だからあんなへなちょこな攻撃しかできないんだ」ボソッ

王子「なに!」

王子「私の華麗なレイピアさばきをへなちょこだと?」


王子「お前は繊細さのかけらもない、無策な猪突猛進しか出来ないだろう!」

王子「その脳みそにまで筋肉が詰まったお前が私に駄目出しだと? どの口がいう!」

王子「私は前回の実践演習でも部隊トップの成績をおさめているんだぞ…!」

傭兵「俺の一撃特化の戦闘術のほうが、理にかなっている」

王子「それはお前が耐久力とは無縁の魔力0のカスだからだろ」

傭兵「カスだと! 王族の使う言葉とはおもえねーな」

王子「事実ではないか! 毎度毎度魔法演習で醜態を晒して恥ずかしくないのか」

王子「何回連続でE判定をとっているんだ!」

王子「あの時の燃え盛るような魔力はどこへいった。出してみろ!」

傭兵「あぁうるさい…」

王子「なんだその態度は! 私に逆らう気か」

傭兵「うるせぇなもう。だったらグラウンドにこい!」

王子「臨むところだ!」バタンッ


隣室の同期(またかよ…)


【修練場】


兵士「グレイス様…またですか」

兵士「もうここは閉める時間なのですが…」ビクビク

王子「開けろ。10分で片を付ける」

王子「寝る前にこの赤毛を地べたに這いつくばらせなければ気が済まん」

傭兵「やってみろ」

兵士「おいソル。またグレイス様になにかしたのか」

傭兵「何も。こいつがキィキィうるさすぎて俺もイライラしてんだ。借りるぜ」バタン

兵士「……はぁ。それが上官に対する態度かなぁ」

戦技長「どうした。なにかあったか」

兵士「戦技長…止めてくださいよぉ」

戦技長「無理だ。王子をとめることの出来る人間は隊にはいない」

戦技長「そもそもこんな場所におられること自体がおかしいのだ…一体なにを考えていらっしゃるのやら」

兵士「ですよねぇ…困ったなぁ」


戦技長「またソル相手か…あいつも難儀だな」

兵士「俺が王子と同室なら3日で兵団やめてますよ…っとと、いまのは聞かなかったことにしてください」

戦技長「……安易に成績上位順下位順でバディを組ませたのがまずかったか」

戦技長「…まさかここまでウマが合わないとはな」

兵士「その成績順って確か入隊試験時の話でしょう…」

兵士「ソルのやつ、ぐんぐん伸びていまやグレイス王子に負けず劣らずの実力者ですよ」

兵士「魔法は論外ですがね」

戦技長「ううむ…まさかこんなことになるとは思わなんだ」


 ガキン ガキン!


兵士「やってますね…ふたりとも体力あるなぁ」

戦技長「それにしても王子、ここに来た頃とくらべて随分とお変わりになったような気がしないか」

兵士「えぇ。少しとっつきやすくなっというか、表情が柔和になったような」

兵士「いまもほら。怒ってるようで、どこか楽しそうに見えます」

兵士「これも我々が責任もって一人前に扱き上げた結果でしょうか?」

戦技長「…さぁな」



   ・    ・    ・



 



カチャン…


傭兵「ハァ…ハァ…」

兵士「そろそろ時間ですよ王子」

王子「うぐ……くそ、また時間切れか。早く膝をつけ」

傭兵「どうしたグレイス…俺はまだやれるぜ」

兵士「いや時間だって言ってるでしょ!」

傭兵「それともそのへなちょこ剣じゃもう俺を捉えるのは無理か?」

王子「…! また明日だ。覚えていろ」

兵士(明日もくるのか…)ゲッソリ

王子「私は風呂に入って寝る。空いているな?」

兵士「はい……空けますよ。王子のためならなんなりと…」

傭兵「おう。俺はもう今日は入ったし、濡れタオルでいいや」

傭兵「じゃあな」

王子「フンッ」


戦技長「この2人が大成するのが楽しみだ」

兵士「…ですね。もう前線に送っても大丈夫じゃないですかね……」


戦技長「……前線か」

戦技長「お前、西の国境の噂をしっているか?」

兵士「ええ、今朝伝え聞きました。何者かの襲撃で関が1つ落とされたとか」

兵士「隣国の偵察部隊か、それ以外の賊ですかねぇ」

兵士「魔物じゃなければいいんですがね……」

戦技長「報告では、その敵は人のなりをして巨大な刀剣を扱うそうだ」

戦技長「たった1人の仕業らしい」

兵士「1人!」

戦技長「だが仮面で顔まではわからず、その後は姿をくらませているらしい」

兵士「恐ろしいやつもいたもんだ。俺たちも前線でそいつと戦うことになるんでしょうか」

戦技長「指令が下ればいずれな…」





【兵舎・大浴場】


王子「…」キョロキョロ

王子「よし、だれもいないな…こんな時間だから当然か」


王子「……ふぅ、まったく」チャプ

王子「…ううむ」

王子(ソルめ…だんだんと反応速度があがってきている)

王子(入隊当初はひどく失望したものだが、剣士としての勘を取り戻したのだろうか)

王子(それとも、まだあいつは成長期か…)

王子(私の細腕で…この先わたりあえるのだろうか)

王子「負けてられんな…」グッ

王子「おっと、長湯はできんな」



ガラガラ

傭兵「やっぱ入ることにした」

王子「!? うわっ」

傭兵「あ、そういやお前と風呂入ったことないよな。邪魔するぜ」

王子「…っ! 入ってくるな!」


傭兵「なんでだ。汗を流すくらい許せ。お前の部屋じゃあるまいし」

王子「……っ! なら、さっさと体を洗って出て行け」

傭兵「…? あぁ、言われなくてもそうするが」

王子「……」キッ

傭兵「グレイス…お前さ、やっぱり庶民のことは嫌いか?」

王子「なに? 未来の王たる私が、愛する国民を嫌いなわけなかろう」

傭兵「だってよぉ。お前全然同期の奴らと入ろうとしないし」

傭兵「お前だけ王族特権だかなんだかしらねーが、風呂の時間ずらして1人でゆったり入ってんだろ」

傭兵「上官には新兵として平等にあつかえとか言ってたくせに、それってずるくないか」

王子「ち、違うっ、それは…だな…」

傭兵「違わないだろ。やっぱ王族の出自ともなると、一般庶民と一緒は嫌なんだな」ワシャワシャ

傭兵「つーわけで悪かった。出て行く」

王子「……」

王子「……う」

王子「ま、待て……あっ…行ってしまったか」

王子「はぁ…違うのだよ…誤解だ…。私はただ…」チャプ



<深夜>


王子「もどった。すまない、もう寝ていたか?」

傭兵「いや。寝ようとしてたとこだ」

王子「今日も引き分けだったな」

傭兵「あぁ…毎晩もやもやして眠れねぇよ」

王子「ふっ、私もだ」

王子「そうだソル。次の訓練休みに許可をとって町にでも出ないか」

王子「たまには気晴らしも必要だ。ここでの生活は何かと息が詰まる」

傭兵「すまん、休みには用事がある」

王子「お前はいつもそうだな…」

傭兵「…やることがあるんだよ」

王子「それは、ユイの…義姉上の墓参りか?」

傭兵「……」


王子「先週、私も訪れたんだ。行き違いだったか」

王子「墓標が綺麗に掃除されていた。花も枯れずに取り換えられている」

王子「律儀な男だ……が、花を選ぶセンスはないな。なんでも良いわけではないのだぞ」

傭兵「好きだった花だ…森にたくさん自生してる」

傭兵「よくユッカが花かんむりをつくっていたよ。まぁ…それがなんとも下手くそでな」

王子「そうか……なら、義姉上はとても喜んでいることだろう」

傭兵「死者に感情なんてない」

王子「そうだろうか」

王子「遠いどこかの国では、死者の御魂を降ろして交流する術があるらしいぞ」

王子「義姉上はお前のことをどこかで見て微笑んでいるかもしれないぞ」

傭兵「そんなことできるものか。死んだ人間は戻らない」

傭兵「俺は、ユイさんのためじゃなくて俺がしたいようにしてるだけだ」

王子「そうか…」


王子「やはり…ユッカのためか?」

傭兵「何がだ」

王子「お前は元は流浪の傭兵だと聞いている。なぜこの地に根を張る」

傭兵「……寝ていいか」

王子「まてこれだけは答えろ。ユッカは私の姪っ子だ。私にも関係がある」

傭兵「…わかった。そうだ。ユッカを護るためだ」

傭兵「直接は無理でも、なにか出来ることがある。俺にはこれしか思いつかなかった」

傭兵「…これでいいか」

王子「…よかった」

傭兵「?」

王子「ユイの復讐や仇討ちのためにお前がここにいるのではないかと、わずかに考えていた」

王子「お前は普段から言葉少ないからな。わからなかった」

傭兵「お前が口数多いだけだ」

王子「そうかユッカのためか……」

傭兵「グレイス?」

王子「いや、ありがとうソル。その言葉でお前のことは信用できる」

傭兵「なんだよそれ」


王子「寝ようか。明かりを消すぞ」

傭兵「…おう」


傭兵「グレイス。俺からも聞いていいか」

王子「なんだ。私に答えられることならかまわん」

傭兵「お前こそなぜこんな場所にいる。俺は生活の糧を得る傍らでもあるから不自然ではないにせよ」

傭兵「お前はどう考えてもおかしい」

傭兵「王宮でユッカの側についているべきなんじゃないのか」

王子「…」

傭兵「グレイス。寝たのか?」

王子「……お前はしらんであろうが、我が父、陛下の御身そう長くない」

王子「数年もすればお隠れになり、私は次期国王として戴冠するだろう」

傭兵「…そりゃ随分と急なことだな」

王子「その前に、世見をこの目で見ておきたかったのだ」

王子「そして、王の器として恥ずかしくない力をつけたかった」

王子「王宮の過保護なエリート教育では学べないこともある」

王子「出会えぬ者もいる」


王子「亡き兄にかわって、弟である私が王となるのだ。私がしっかりせねば…」

傭兵「…」

王子「それだけだ」

傭兵「お前は十分強い。俺でも敵わないほどだ。精神的にもだ。器量は十分だ」

傭兵「いまさらこんなチンケな山奥で己を鍛える必要なんてあったのか」

王子「…誰しも、足りぬものはあるのだよ」

王子「こう見えて私はコンプレックスの塊だからな」

傭兵「…それと、他に何か隠してることがあるな」

王子「何?」

傭兵「お前の態度をみてればわかる。嘘をつくのが下手な一族だな」

王子「…どういうことだ」

俺は真っ暗の部屋の中でそっと立ち上がり、気配を殺してグレイスに忍び寄った。

王子「ど、どうしたソル」

傭兵「クク、王族を拷問してはかせるわけにはいかないからな」

傭兵「ユッカがなにか隠し事してるときはいつもこうしてたんだ」

そして暗闇のなかを手探りでグレイスの体に触れ、わきばらをさするようにくすぐった。


王子「!!」

傭兵「ほらユッカ…じゃないグレイス。何か隠してるだろ」

 こちょこちょ こちょこちょ

王子「~~っ! なっ、お前」

王子「くぁうっ~~~、ひゃ、やめろっ無礼な」

傭兵「ケチケチするな。俺は他言しない。嘘をついてたことを怒りもしない」

傭兵「話せば楽になるかもしれないぞ」


 こちょこちょ こちょこちょ

俺はグレイスの華奢な体を容赦なくくすぐる。

傭兵(この体のどこにパワーがつまってんだろうな)

 こちょこちょ こちょこちょ

グレイスは口元で手で覆っているのか、くぐもった声をあげながらなんとか俺の責めに耐えていた。

王子「あひゅっ、くぅ…バカもん、まずはこれをやめろ」

傭兵「しぶといな…。ならこっちはどうだ」

  ふにゅっ


王子「ふぁぅ!」

傭兵「…?」


手のひらに伝わる弾力のあるやわらかい感触。

傭兵「なんだ?」

 ふにゅっ ふにゅっ

王子「あ…あ…あっ」

傭兵「グレイス…胸元が腫れているんじゃないか。いつからだ。痛いか?」

王子「うう…」

傭兵「とにかく、放置しているのはよくない。治療だ」

王子「ま、まてっ」


俺は手元のランプに明かりを灯し、グレイスの患部を診察するために服を一気にめくりあげた。


傭兵「……」

王子「……」

腫れらしきものは見当たらない。擦り傷ひとつなく、とても美しい肌だった。
男とは思えぬ白くきめ細かい肌が灯りで照らしだされ、胸元にはわずかではあるがふっくらとした双丘。



傭兵「……コレは一体」

 ふにゅっ

王子「~~~っ!! 貴様ッ」

傭兵「この手触り…お…お前…まさか」

王子「いやっ、ま、まて声を出すなっ! シー!」

傭兵「女だった――むぐっ」


どうやら俺は王家の知ってはいけない秘密に触れてしまったようだ。



番外編<君を護る剣>つづき

更新おわり
次回明日22時~

番外編<君を護る剣>つづき



王子「ただしい発音はグレースだ…」

傭兵「本当に女なのか」

王子「……あぁ」

王子「お前は義姉上からユッカや王家の事情を少しは聞いているな?」

傭兵「…聞きかじる程度は」

王子「義姉上も深いところまではしりはしない」

王子「義姉上の夫…つまり私の兄上は幼い頃から病弱だった」

王子「天性の魔覚をもって勇者としてうまれても、戦いに身を置ける状態ではなく」

王子「8年前、ユッカが生まれるよりも前に亡くなった」

王子「ゆえに父上は私をはじめから跡継ぎとして、男として育てられたのだ」

傭兵「お前の兄貴が長くないとしっていたのか」

王子「それくらい、誰がみても状態がよくなかった」

王子「部屋からほとんど出たことがない」

王子「思えば当時メイドをしていた義姉上と内密に抜けだしたくらいか…ふっ」

王子「おぼろげにしか覚えていないが、あの時は宮殿中が大騒ぎになった」


傭兵「跡継ぎって大変なんだな」

王子「そうだな。私にもう一人兄上がいればよかったのだが…」

王子「もしくは私が男として生まれていれば問題はなかった」

王子「父上はさぞがっかりしただろう」

傭兵「けど、それでもお前に女の名前はくれたんだろう」

王子「ん…む、そうではあるが」

王子「まぁ、気にしてはいない。私は幼い頃からこうなのだ」

王子「男の生活には常々慣れきっている」

王子「私のことを女としるものもほとんどいない」

王子「ユイですら知っていたかどうか」

傭兵「まぁ見た目もほとんど男みたいなもんだし……いだっ」

傭兵「なにをする。いま気にしてないって言っただろ」

王子「事情を知ったお前に改めて言われるのは腹がたつのだ」

傭兵「なんだよ。面倒だな、聞かなきゃ良かった」


王子「私もだ。こんなこと、部外者であるお前に話すことではない」

王子「気が動転して、どうかしていた」

王子「すべて綺麗さっぱり忘れろ」

傭兵「そうさせてもらうぜ。手のひらに変な感触がのこっちまった」

王子「……っ! ぐぐ、ぐぐぐぅ」

傭兵「冗談。グレイス、深夜だから」

王子「お、お前は! 少しはデリカシーというものを学んだ方がいい」

王子「戦場暮らしが長かったのだろうが、あまりに人間として欠陥だ」

傭兵「うるせぇな」

王子「少しは気遣える人間になれ」

傭兵「気遣いか…」

傭兵「じゃあ…休みに、どっかいくか」

王子「…!」

傭兵「気晴らししたいんだろ。付き合うぜ」

傭兵「もちろん俺の用事もやらせてもらうけどな」


王子「そ、そうきたか」

傭兵「嫌なのか? 誘ってきたのはお前だが」

王子「無論嫌ではない…が」

傭兵「なんだよ。まだなんかあるのか」

王子「いい、いやっ、なんでもない…どこに行こうか考えていただけだ」

傭兵「まず墓参りだぞ」

王子「わかっている!」

傭兵「男ふたりで連れ立ってどこかいくのははじめてだな」

傭兵「いや、女か…まぁ男でいいか。な?」

王子「…そうしてもらえるとありがたい」

傭兵「誰にも言わない。なんの得もないし、お前に消されても困るからな」

王子「…」

王子「…」

傭兵「グレイス?」

王子「どこにいくべきか…むむ、むぅ…お前は品性の欠片もないからな」


傭兵「狩りとか」

王子「断る。なぜ私が獣と戯れねばならん」

傭兵「魚でも取りに行くか?」

王子「動物じゃあるまいし、そんなもの漁夫に任せていろ」

傭兵「…じゃあどこだよ。俺はそれくらいしかおもいつかないぞ」

王子「そんなことばかりしていたのか」

傭兵「ユッカやユイさんがそれで喜ぶからな。お前もそれでいいかとおもった」

王子「…私を田舎暮らしの娘と一緒にしないでもらおう」

傭兵「じゃあ任せる」

傭兵「俺は寝るからな」

傭兵「ちゃんと服きて、腹冷やさないようにして寝ろよ」

王子「……? う、うわぁバカッ! 記憶を抹消しろ!」バサッ

王子「くそ…なんという恥辱だ」

王子「いつか責任はとってもらうぞ…」

傭兵「zzz」



<数日後>



【城下町】


王子「こっちだ」

傭兵「おいおい、王子がこんなとこぶらぶらしてていいのかよ」

王子「いまは王子ではない。グレースと呼べ」

傭兵「あんまかわんねぇよ」

王子「この変装が不十分だとでも?」

傭兵「……」


はっきりとした違和感。
普段戦友としてしのぎを削ってきたグレイスが、
肩や足を露出した実に乙女な服装で俺の隣を歩いている。
確かに似合ってないとは決して言い切れないが、俺は心中おだやかではない。

王子「私のことを王子だと感づくものはいまい…フフ」

傭兵(ユイさんでもそんな格好しなかったぞ…)

王子「変装はだいたんであるほどバレないのだ」

傭兵「お前…ちょくちょくこんなことしてたんだな」



傭兵「どこへ連れて行く気だよ」

王子「楽しくて時間が潰せる場所だ」

傭兵「あぁん?」


連れてこられたのは、街中の小さな劇場だった。
昼から歌劇団による公演があるらしい。


傭兵「俺…こういうのよくわからない」

王子「今日は座って静かに見ているだけでいい」

王子「内容は何度もみていくうちに理解できるようになる」

傭兵「……え」

傭兵(これから何度か来る気なのか…)


グレイスは普段みないような、どこか浮かれた様子だった。
ジュースと菓子をかかえたまま指定の席にすわり、場内は薄暗くなり劇ははじまる。



結論からいうと劇の内容はさっぱりだった。
きらびやかなステージで繰り広げられるミュージカルは、
血なまぐさい戦場を生きてきた俺の人生とは対極的であり無縁だ。


王子「どうだった。心震える物語だったろう」

傭兵「お、おう」

王子「特に私は第二章が気に入っていてな――」ペラペラ

傭兵(お前が楽しんでるなら…それでいいか)

傭兵(こうしてみると、普通の女だ)

傭兵(男であろうと心に決めても、生まれ持った性別を捨てきることは難しいのかもしれないな)

王子「さて、そろそろ夕暮れか…戻ろうか」

傭兵「その前に…」

王子「なんだ。義姉上の墓参り以外にも用事があったのか」


【王宮付近】


傭兵「……」コソコソ

王子「なぜ、こんなとこにくる」

王子「私はお忍びだぞっ。この姿が…城のものに見られてはまずい」

傭兵「じゃあお前はあっちで待ってろ。すぐ終わるから」

王子「一体隠れてこそこそとなにを……あっ」


視線の先には、1人の小さな女の子。
いましがた剣の稽古が終わったようで、ぐったりとした様子で芝に寝転がっていた。


傭兵「……」

王子「いつも見に来ていたのか?」

傭兵「……」

傭兵「俺はこれ以上先には入れない」

傭兵「この距離でいい。あいつが元気にしていることさえわかれば、それでいいんだ」

王子「ソル…」



勇者「…!」ピク

勇者「あれ?」トコトコ


王子(ま、まずい見つかったぞ)

勇者「あー王子ー。どうしてこんなところにいるの!」

王子「えっ、あ…なにっ、グレイス王子様がこんなところに!?」キョロキョロ

勇者「なにいってるの…王子でしょ?」

王子「ぐ……お前の魔覚は誤魔化せんか」

勇者「どうしてへんなかっこしてるの?」

王子「しー。ユッカ、いい子だからこれは内緒にしてくれないか」

王子「国の未来にかかわることなのだ」

勇者「…? うん! よくわかんないけどボクだれにもいわないよ!」

王子「いい子だな」

勇者「ねー、さっき王子のとなりにだれかいなかった」

王子「え……あ、いない」

勇者「気のせいかな? まりょくの感じはしなかったから、気のせいかも」

王子「…」ナデナデ

王子(ソル……)

勇者「えへへ、王子いつかえってくるのー」

王子「お前がもうすこし大きくなるころには必ず帰るさ」



【兵舎】


王子「先に帰っていたとは薄情だな」

傭兵「…」

王子「なぜ会ってやらん」

傭兵「…お前には関係ない」

王子「関係なくはない! ユッカは私のかわいい姪だ」

傭兵「……」

王子「ソル…なぜお前は魔力を失った。なぜ…ユッカはお前のことを覚えていない」

王子「教えてくれないか…私達は志し同じくした、仲間だろう」

傭兵「いつか、話したくなったときに話す」

王子「約束だぞ」

傭兵「あぁ」

王子「……お前はユッカに会いたいか?」

傭兵「会いたいさ。でもまだその時じゃない」


傭兵「いつか、堂々と面と向かって会える日が来る」

傭兵「俺はそう信じて、戦いつづけるだけだ」

王子「その時まで…私もお前とともに戦おう」ギュ

王子「ソル…」

グレイスは俺の背にもたれかかるように抱きついてきた。
いまは変装を解き、とても女とは思えない格好だが、
やはりその体温や体の柔らかさは女特有のものだった。


傭兵「グレイス…?」

王子「今日は楽しかった。また今度一緒に行こう…」

傭兵「……おう」


背中に感じるのはまるでユッカを抱きしめた時のような暖かさだった。
太陽の国の勇者の血筋とは、みなこうなのだろうか。


傭兵「……」

傭兵(けどやっぱお前にそんなことされるのはきもちわりぃ…)ゾゾッ



番外編<君を護る剣>つづく


 

更新おわり
次回金曜日(予定)

番外編<君を護る剣>つづき



月日は流れて。
新兵を卒業した俺の元についに内地から国境周辺の守備部隊へと配置換えの指令が届いた。



【宿舎】


傭兵「今日でこのオンボロ部屋ともおさらばだな」

王子「……」

傭兵「行ってくる」

王子「ソル…すまない。私は…」

傭兵「気にするな」


軍上層部が下した決定は、グレイスの内地残留に加えて司令部への配属であった。
王族であるグレイスがむざむざと危険な戦地へと赴く必要はないということだ。

傭兵「当然のことだ。お前がやられたら国がガタガタになる」

傭兵「誰でもそう判断するさ」

王子「…」


傭兵「王になるんだろ」

王子「ソル。お前が…心配だ」

傭兵「お前の口からそんな言葉がでるなんてな」

王子「だってお前は…あまり自活能力がないイイ加減な奴だし、自分を大切にしないし…欠点だらけだ」

王子「そんなお前が何もない辺境の戦場でいきていけるのかと思ってな」

傭兵「…心配すんな。傭兵稼業でサバイバルには慣れてる」

傭兵「むしろ戦うしか脳のない俺にはうってつけの場所さ」

傭兵「お前は俺を待っていればいい」

王子「……!」

傭兵「必ず生きてお前とユッカの元に戻る」

傭兵「ユッカが大きくなるまでに必ず国境周辺の脅威を取り除いて、戦果をあげる」

王子「…不安ではないのか」

傭兵「腕試しにはいい機会だ。お先にレベルアップさせてもらうぜ」

傭兵「そうしなきゃいずれユッカのお荷物になっちまうからな」

王子「お荷物? 何を言っている」


傭兵「俺はユッカの旅についていくと決めた。あいつが成人して、勇者としての役割を担う旅に出る時」

傭兵「もう一度ガードとして…ユイさんとの約束を最後まで果たしたい」

王子「ソル…ユッカにひと目会うことは叶っても、残念だがそれは出来ない」

傭兵「……」

王子「わかってはいると思うが勇者に随伴出来る者は、由緒正しい家柄の貴人のみ」

王子「まだ何年も先の話だが、すでに次世代のガードの選出が評議会で進んでいる」

王子「名乗りをあげる貴族も多い。彼らはみな賢く腕が立つ」

王子「お前のような一介の兵士ではその役目を務めることはできない……」

傭兵「なら勝ち取るまでさ」

王子「何…?」

傭兵「グレイス。お前はいつかこの国の王になる。そうなれば側近の騎士が必要となるはずだ」

傭兵「お前に付き従う、お前の騎士だ」

傭兵「そうだよな?」


王子「私にお前を叙任しろというのか」

王子「…ッだがそれは険しい道だ。縁故で任命は出来ないし…採りたてようにも武勲の1つや2つでは到底事足りない」

王子「我が国で騎士号は、もはや数百年にも及ぶ世襲制となっている」

王子「個人が財力もなく武勇のみで新たに成り上がることは……不可能に近いのだよ」

傭兵「だから俺は強くなる。何度死ぬ思いをしてでも力を手に入れる」

傭兵「誰にも文句を言わせない、誇り高いこの国最強の戦士となって」

傭兵「いつか…お前たちの元に戻ってくる」

王子「ソル……」

傭兵「騎士の枠、空けとけよ!」

王子「…!」


ガチャ

戦技長「話はすんだか。おっとこれは王子、こちらにいましたか」

戦技長「このような劣悪な環境で長い月日をよく耐え忍びましたな」

王子「この程度…これから先ソルが向かう場所にくらべればぬるま湯のようなものだろう」

戦技長「…王宮より使者が参られております。部屋を引き払い、どうかご同行を」

王子「……うむ」


戦技長「ソル、外に荷馬車の手配は終わっている」

戦技長「早くお前も乗り込め」

傭兵「いま行く」

戦技長「生きて帰ってこいよ。すでに実力は遥かに俺の上をいっちまったが、お前は俺の教え子でもあるんだからな」

傭兵「ああ。二度と内地を戦場にしてたまるものか」

傭兵「魔物の一匹たりとも通さねぇよ」

戦技長「お前のような男が命をかけて国をまもってくれるとは心強いな」

戦技長「……あと3分だけ待ってもらうように伝えてくる」

傭兵「悪いな」

バタンッ


傭兵「グレイス。もう決まったことだ。これ以上迷惑をかけられないだろう」

王子「……」

王子「ソル…ッ!」ギュ

傭兵「グレイス…?」


王子「これだけは覚えておけ…」

王子「命は…誰かのために使うものではない。お前自身の物だ。辛くて苦しくて、逃げたくなったら逃げていい」

王子「お前は…まだ若いから…生きてさえいたら……」

傭兵「……」

王子「死んでしまえばすべてが終わる。もう二度と会うことはできない。お前は…死ぬことが怖くないのかッ」

王子「魔物の脅威は…身にしみて知っているはずだ…」

傭兵「…」フルフル

傭兵「俺の命は、とうに捧げたよ」

傭兵「この命はユイさんとユッカ…そして2人の愛するこの国のためにある」

傭兵「そしてこの国を背負うお前の物だ。グレイス…いや、王子、俺は戦います」

傭兵「君を護る剣となって、あらゆる脅威からこの国を護ってみせる」

王子「……」

王子(私は…私の覚悟は…この男ほどではない)

王子(なぜお前はそこまで…)

傭兵「……」

王子(そうか…義姉上を…愛していたんだな)

王子「……行って来い。己のちからを用いて最大限の戦果をあげよ、そして必ず生還せよ。これは司令部よりの命令だ」

傭兵「…了解」

傭兵「じゃあな。グレース」

王子「また会おう友よ」ガシッ



  ・   ・   ・


その後俺達守備隊は西へ東へと戦地を駆け周り、太陽の国周辺の脅威を1つずつ取り除いていった。
魔物だけではなく他国との紛争にも参戦した。
たくさんの戦友を失い何度も傷つき倒れながらも、俺たちの活躍により少しずつ、人々は過去の凄惨な事件を忘れて暮らしていけるようになった。

そしてその長く終わりの見えない戦いの中で、俺はある仮面の男と出会った。


【辺境の山岳地帯】 


傭兵「よぉ、そこのあぶねー気配ビンビンの野郎」

傭兵「てめぇ…なにもんだ」

仮面の男「……」

傭兵「わりぃがここから先は太陽の国。俺たちは国境守備隊だ」

仮面の男「……そうか」

傭兵「かかってきやがれ!!」

仮面の男「…参る!!」ジャキ

そいつとの戦いは熾烈を極め、俺たちの因縁はその後何年にも渡り続いた。




さらに時は経ち……



【太陽の国・謁見の間】


大神官「…いま、なんと言った?」

傭兵「だからよぉ。俺もついていくって言ったんだ」

大神官「はぁ…。君が勇者様の旅に…だと?」

傭兵「評議会に口添えしてくれるよな? あと俺のことが気に入らなくて口うるさい貴族どもにもだ」

大神官「……陛下、これはどういうことなのです。私はうかがっておりませんが…」

王「う…」

傭兵「言ってなかったのか」

大神官「第一、君は陛下の側近中の側近の騎士だろう。国をあけて旅にでるなど…論外だ」

傭兵「じゃあ、あんたの娘とユッカが2人きりで旅に出ると? まだ15そこらの女の子だぜ」

大神官「貴族からすでに何人か腕のたつものが名乗りをあげている」

大神官「君とくらべたら実力は天と地の差だが…ううむ」

大神官「いやしかし…あいつらも若い男だったな…」ブツブツ

大神官「ううむ…もし旅の中でヒーラの身になにかあったら…」ブツブツ

傭兵「おーい」


大神官「いや、君がヒーラについていくと言うのはしかし…」

傭兵「ヒーラちゃんじゃなくてユッカな。一応勇者のガードってことでよろしく」

大神官「…っ。2人についていってくれるというなら戦力としては問題はなかろう」

大神官「君の実力は高く買っている」

大神官「だが…」ジトー

傭兵「何か言いたげだな」

大神官「ヒーラをたぶらかす男を同行させるなど私は反対だ」

傭兵「……って言ってんだけど」

僧侶「私は一緒に来てほしいです!」ヒョコ

大神官「なっ…ヒーラいたのかい…」

僧侶「騎士様がご一緒くだされば、ユッカ様の御身も安全でしょうし…なにより心強いです」

僧侶「お父様、お口添えくださいませんか…」



王「それに私からもソルを一任しようとおもっていた」

大神官「陛下まで…! よろしいのですか?」

王「ホーリィ。知っての通り、ソルの長きに渡る働きのおかげで太陽の国は随分平和を取り戻した」

王「いまや外敵と呼べる脅威は少ない」

王「私は彼にいつか休暇と褒美をとらせたいとおもっていたところだ」

王「彼の後生の願いを一つ聞いてやるのもやぶさかではない」

王「無論、淋しくはなるがな」

大神官「……」チラ

僧侶「お父様…ソル様は偉大な方です。とても強くて頼りになって、いつも私たちを護ってくれます」

傭兵「俺を信じろ。ユッカたちを任せてくれないか」

大神官「……」

大神官「……わかった。頭の固い評議会に話をつけてみよう」

傭兵「頼んだぜ」

大神官「陛下は本当によろしいのですね?」

王「私は我が友に一切の疑念を抱くことはない」

王「友であり…私の騎士だからな」

大神官「ですがソルの騎士号は剥奪は免れません」

傭兵「かまわねぇよ。元からこのためだけに手に入れた爵位だ」

大神官「なんと! そうか……君ならやりかねんな」

王「……ホーリィ、あとは頼む。まだ時間はあるからな」

大神官「かしこまりました」

傭兵「グレイス?」

王「私は少し部屋に戻る」



【王の寝室】


傭兵「どうした。らしくねぇ顔してるな」

王「いつか、この日がくることはわかっていた」

王「お前の戦果が耳に届いた時、お前が戦地から帰ってきた時、お前を騎士に迎え入れた時、心が踊った」

王「だがそれももう終わり。ついに私の元を離れていくのだな」

王「楽しかった…」

傭兵「我が魂は太陽の国にあり。そしてその君主であるグレイス王に捧ぐ」

傭兵「今生の別れにするつもりはありません」

傭兵「…なんてな」バシッ

王「!」

傭兵「次は旅から帰ってくる俺達を笑顔で出迎えてくれよ」

傭兵「この仏頂面じゃなくてよ」ムギュッ グニグニ

王「うあがっ…無礼な…プライベートだからって…やめろ」

王「…ソル。ユッカをよろしく頼む」

傭兵「あぁ!」


王「……ごほん、あと、義姉上に似てきたからって変な気を起こさないように」

傭兵「変な気ってなんだよ! 俺がガキんちょ相手にんなことするかよっ!」

王「ふ…どうかな」

王「ああ見えて母性あふれる子だ。お前など案外コロリと…とならぬようにな!!本当に!」

傭兵「ないない」

王「あとヒーラも要注意だな。気をつけろよ…あの子は魔性を秘めている…気がするのだ」

傭兵「ヒーラちゃん? あっはっは、お前は心配性だなぁ」

傭兵「考えてもみろ。2人とも俺より10近く歳下だぜ?」

王「う、うむ…確かに。では安心だな!?」

傭兵「当たり前だ。失礼しちゃうぜ…」

傭兵「それよりも俺はお前の方が心配でならねぇ」

王「? 国防は問題ないが」

傭兵「そうじゃなくて…いい加減、跡取り問題考えとけよ」

王「う……しかし表向きは男だし…」ゴニョゴニョ

傭兵「同情するぜ。もらえても嫁さんだもんな」

王「うう…お前が帰ってくるまでに考えて…おく…よ」





  ・   ・   ・




傭兵「ただいまをもって、陛下より賜わった騎士号を返上致します」

王「……確かに。これでお前はもう騎士ではない」

傭兵「ふぅ、肩の荷が降りた。あ、この剣も返しておく」

王「それは餞別だ。剣は必要だろう」

傭兵「いいのか?」

王「あぁ。持っていけ」

傭兵「んじゃせっかく手に馴染んでるしありがたくもらっておくか」

王「本当はユッカに聖剣をもたせたかったのだが…なにぶん私の父上の世代のいざこざで」

王「国宝と呼ばれるものはすべて紛失していてな…」

傭兵「あぁ…なんか聞いたことあるな。お前の身内にもとんでもねー野郎がいたもんだ」

王「はは……お前のような破天荒な男だったと聞く」

王「よりにもよって私の名はその男…つまり叔父上から数文字とっているそうなのだ…」

傭兵「俺って破天荒…か? 常に実直に任務をこなしてきた気がするがな…」

王「やることなすことすべてが私の予想を越えためちゃくちゃだ…」

王「だがそんなお前だから、未来をたくせる」

傭兵「…未来か…」

王「勇者の足取りを掴まれぬよう、盛大な門出とは行かんが頼んだぞ」

傭兵「おう。これくらいのほうが気楽な旅になりそうで良い」

傭兵「とりあえずユッカ拾ってくるわ」

王「うむ」


僧侶「ソル様。準備はよろしいですか」

傭兵「行こうか」

僧侶「はい…」

傭兵「えらく緊張してるな」

僧侶「そりゃもう…ガチガチです。私が世界のために…ユッカ様のお役に…」ブルルッ

王「ヒーラ、がんばっておいで」

僧侶「陛下のご期待に応えてみせます」

傭兵「ちょっくらいってくるわ!」

王「健闘を祈る」




【城下町】


傭兵「さてヒーラちゃん」

僧侶「はい」

傭兵「もうすぐここで合流の手はずだが」

僧侶「そうなんですか?」

傭兵「顔合わせの前にあいつを少し試させてもらう。そのために君にも一働きしてもらうぜ」

僧侶「えっ」

大男「へへ…兄貴、まかせてください」

僧侶「誰ですこの人」

傭兵「守備隊にいた時の後輩」


傭兵「俺がターゲットを路地裏にさそいこむから、そこでヒーラちゃんはこいつに絡まれておいてくれ」

僧侶「ええっ! 絡まれるって私がですか!?」

大男「これ台本っす」

傭兵「わかったな? 無力な女の子を演じるように。あとばれないようにこのローブで魔力かくしておいて。あいつ敏感だから」

僧侶「は、はいっ」

大男「行きましょうアネさん」

僧侶「アネさん!?」




【町の入り口】


傭兵「さぁて…どれだけ成長したか楽しみだ」

傭兵「ユッカは…っと。寝坊してねーだろうな」


勇者「何度きても城下町は賑やかで広いところだなぁ」キョロキョロ

勇者「ええと、王宮へはどの道を通ればいいんだっけなぁ」


傭兵(――――いた!)

傭兵(ユッカ……ついに会えた…)

傭兵「…ゴホン」


傭兵「おーいそこのお嬢さん」

勇者「…」

傭兵「おーい、君だよ」

勇者「え? あ、ボク!?」

傭兵(ユッカ……)

傭兵「道に迷ってるのか?―――――





   ・   ・   ・


  


傭兵「ふぁ……」

勇者「あ、起きた♪」

傭兵「ん…いま何時だ。あれ…俺なにしてたっけ」

勇者「ソルってば、王様へお手紙かいてる途中にうつらうつらしてたんだよ」

傭兵「そっか…で、いまは…お前なにしてんの」ジトー

勇者「 ひ ざ ま く ら ♪ どう?」ナデナデ

傭兵「……」ガシ

勇者「きゃうっ、なぁに? あまえんぼだね。嫌な夢でもみた…?」

傭兵「いや…なんでもない。懐かしい夢だ」

勇者「そっか!」


勇者「くふふ」

傭兵「…なんだ気持ち悪い笑い方しやがって」

勇者「お手紙読んじゃった」

傭兵「なにっ!」

勇者「意外と真面目に書くんだね」

傭兵「あたりめーだろ…報告書だぞ報告書。ふざけてどうする」

勇者「お疲れさま」ナデナデ

傭兵「それやめろ…俺はガキか」

勇者「ソルの寝顔かわいかったんだ。ぎゅー」

傭兵「……」

傭兵(む、胸が…)

勇者「あれ、嫌がらないね。えへへ」

傭兵「なぁユッカ…」

勇者「んぅ? えへへどうしたの」ニコニコ

傭兵「…いや……な、なんでもない」

勇者「変なソル。でもボクはもっと甘えてくれるとうれしいなー。ついでに耳かきしちゃおー♪」ガリガリ

傭兵「あがががっ、鼓膜がちぎれるぅーっ!」



番外編<君を護る剣>おわり


  

更新おわり
次回後日譚第5話日曜日予定

イラストすすめたいので更新は明日にしますスマソ
色付きはまにあわないかも…




後日譚最終話<丘の家>



獣の商人「忘れもんあらへんか?」

勇者「うん、全部積み込んだよ」

僧侶「また遊びにきても良いですか」

獣の商人「そんなんいつでも大歓迎や! またおいで」

魔女「師匠お元気で」

獣の商人「マナはんも風邪ひいたりせんようにな」

勇者「はーい気をつけまーす」

獣の商人「ユッカはんは風邪ひかへんやろ」

勇者「え…?」

傭兵「バカはなんとやらだ」

勇者「ひっどいなー。ボクだって風邪くらいひくよ!」

傭兵「それじゃマオ。世話になった」

獣の商人「あ、そうそうソルはんご所望のお薬はこれでええか?」

傭兵「は?」


獣の商人「はー?やあらへん。なにとぼけとるんや」

獣の商人「いるんやろ? 滋養強壮に効くお薬」

傭兵「あ。そういや頼んでたな…」

僧侶「そ、ソル様…?」

魔女「……がんばる気? むふ、いいけど」

勇者「…? …?? うわ、えっちなお薬ってこと?? さいてー」

傭兵「あ、いや…マオ、そういうのはもっとこっそりだな…」

獣の商人「まけといたるわ」

ズシッ

傭兵「うお…前にもらった量より多いぞ」

獣の商人「朝昼晩がんばってや。 お と う さ ん」

獣の商人「次来たときみんなお腹おっきなってたらどうしよー」

僧侶「あはは……ねぇ?」

勇者「うう…うん」

傭兵「ちょっ、来いッ!」ガシッ

獣の商人「にゃっ」


獣の商人「ああーん犯されるー」ズルズル

傭兵「それだけは安心しろ」

獣の商人「なんやねん」

傭兵「実は…いや、お前に相談することじゃないかもしれないが」

獣の商人「んー? 言うてみ。なんでも相談のるで」

傭兵「……耳かせ」

獣の商人「ほい」

傭兵(でっけー耳だな……毛がくすぐってぇな)

傭兵「―――…というわけで」

獣の商人「はぁ、はぁ…なるほどなぁ」

獣の商人「魔力があらへんせいで子ども出来へんのか! 傑作やな!」

傭兵「なに笑ってんだ…笑いごとじゃねぇぞ…」

獣の商人「そうやなぁ…オスとしては難儀なことやな」

獣の商人「ただの機能不全なら、ビンビンに効くお薬ならなんぼでもあるのになぁ」


傭兵「理屈もいまいちわからん…」

獣の商人「そんなん簡単やん」

獣の商人「メスの卵は魔力の膜に守られてるんや。といっても人によってその量はさまざまで」

獣の商人「一般人ならうすーい魔力の膜やから、簡単に精子は突破できるんやけど」

傭兵「けど?」

獣の商人「あの子らやと…そりゃもう一筋縄では行かんやろな」

獣の商人「それに加えてあんたに魔力がないってことは」

獣の商人「槍も剣ももたずに城の防壁を突破しようとするようなもんや」

傭兵「……」

獣の商人「なんぼ出兵しても無駄死にやな」

傭兵「うぉぉ…く、くそぉぉ…」

獣の商人「仮にユッカはんに魔力をもろても、あの子らを孕ますに足る量かどうか…」

獣の商人「試練やな」

傭兵「あぁ…」


傭兵「魔力を得る薬なんて都合のいいものはないんだよな…」

獣の商人「10を20に高める薬ならあっても、0を10にする薬はあらへん」

獣の商人「ウチだって長年生きてきて…長年ちゃうけど生きてきてあんたみたいなんはじめてや」

獣の商人「珍しいこっちゃで。こんなに元気やのにな!」バシバシッ

傭兵「……でも、数撃ちゃあたるかもしれないよな」

獣の商人「へ?」

傭兵「魔力がその精子にとっての剣や槍だとして、素手じゃ防壁を突破できない道理はない」

獣の商人「なにいうとるんや…脳みそまで筋肉に支配されてるんか?」

傭兵「マオ、サンキュー。すこし前向きになれたぜ」

傭兵「防壁も…殴り続ければいつかは壊れる。この世に不滅のものなんてない」

傭兵「きっと俺の精子たちもいつかはたどりつけるはずだ…!」

獣の商人(月経あるから無駄やで…)

獣の商人(しかしこの男なら…一日で突破もありえるかもしれへんな…)

獣の商人(ユッカはんたちの体がもてば…)


勇者「ねーまだー?」

傭兵「お、おう今行く!」


獣の商人「ほんならまたね」

獣の商人「こんど来る時は、そっちの珍しいもん持ってきてや!」

勇者「うん。バイバイマオにゃん」

獣の商人「さいなら~」フリフリ


魔女「エアブラスターの準備できた。いつでも飛べる」

勇者「スレイプニル、行くよ」

勇者「紅蓮鳥合身だ!」

▼勇者は燃え盛る炎の鳥を呼び出した。

獣の商人「おお、なんやそれ! かっこええな!」

馬「ヒヒン……」

勇者「なにイヤそうな顔してるの!」

馬「ヒヒン…ヒヒン…」

勇者「?」

獣の商人「ふむふむ。あー、その子高所恐怖症らしいわ」

勇者「え…! もうっ、そういうことは先に言ってよ!」

馬「ヒヒン…」

傭兵「すまん」


勇者「じゃああとはゆっくり走ってかえろうか」

魔女「うん。あとすこし」

僧侶「ごめんなさいスレイプニルちゃん」ナデナデ

馬「ヒヒン!」

獣の商人「怖かったけど主人の役にたてて嬉しい言うてるわ」

勇者「いい子だね」ナデナデ

魔女「いい子」ナデナデ

傭兵「…」

獣の商人「嫉妬してんの? うちがなでなでしたるやん」

傭兵「してない。いくぞ。乗れよー」

勇者「ばいばーい!」

獣の商人「元気でなー」


バザを出発した俺達は残り少ない陸路を行く。
数日馬を走らせて、マナと出会った深い霧のたちこめる森へとたどりついた。



勇者「懐かしい?」

魔女「うん…おじいちゃん元気かな」

勇者「先生にちゃんと挨拶しなきゃね」

勇者「ほら…前にあったとき、ボク全然おぼえてなかったから…」

勇者「先生あんなにお世話になったのにさ」

僧侶「大魔導師様、いまもあのお家にいらっしゃるのでしょうか?」

魔女「森を出た近くの町に住むって言ってた気がする」

魔女「もう歳だから、生活が便利な場所のほうが私もいいと思う」

勇者「じゃあ森はささっと抜けちゃおー!」

僧侶「そうですね…何度きても雰囲気が怖いですし」

勇者「あはは。最初はマナのことわからなかったから、森の魔女に魂とられちゃうって怯えてたんだよ」

僧侶「もうっ、ユッカ様ぁ」

魔女「すこし御者台のほういってくる」

勇者「うん」


カチャ ガラリ

魔女「…」

傭兵「どうした。中でおしゃべりしてていいぞ」

魔女「この辺り狼が出るから、魔除けしておかなきゃ」

魔女「…火の玉」ボウッ

傭兵「…! それは……」


その火の玉ははじめてこの森に訪れた時に俺が戦ったものと同じ色。
しかし、あの時のようにふわふわと自律して揺れたり動きまわったりすることはない。
もう、中には何も入っていないのだ。
マナは持っていたすべての魂を解き放って、天に還したのだから。

魔女「…」フルフル

魔女「いないよ」

傭兵「…あぁ。気にすんな!」クシャクシャ

魔女「ん…んぅ、髪の毛乱れる。これからおじいちゃんに会うから、整えたのに」

傭兵「お前のじいさん元気してるかなー」



道をマナがよく覚えていたおかげであっという間に深い森を抜け、
日がおちる前に俺たちは近くの小さな町にたどりついた。


傭兵「よっし、さっそく聞き込みだな。んじゃちょっと待ってろ」

魔女「…! 私がいく」

傭兵「お?」

魔女「おじいちゃんは私が探したい。聞いてくる」タッタッ

傭兵「おお…こけるなよ」

勇者「マナが自分から知らない人に話しかけにいくなんて珍しいね」

傭兵「そうだな」

僧侶「ドレインが無くなったおかげでしょうか。人に近づくのをあまり怖がらなくなりましたね」

傭兵「それだけじゃないさ。マナはこの旅でずいぶんと明るくなった」

勇者「うん! さ、ボクらも行こう」

僧侶「はい」



酒場の店主「あぁ、森から来たじいさんか。その人ならうちによく飲みに来る」

魔女「お酒ダメっていったのに…」

酒場の店主「いまは町の診療所にいるよ」

魔女「! なにかあったの?」

酒場の店主「あぁいや、健康を損ねているわけじゃなくてな」

酒場の店主「魔法が使えるしかなりの博識だから、町医者の手伝いをしてくれてるんだよ」

魔女「そう……」

傭兵「見つかってよかったな。早速会いに行こうぜ」

酒場の店主「あんたたち知り合いか? ひょっとして…」

魔女「私のおじいちゃん」

酒場の店主「あぁやっぱり君がお孫さんか。いつもうれしそうに君の話をしてくれたよ」

酒場の店主「会いに行っておやり」

魔女「うん。ありがとう」



【診療所】


魔女「……どきどきする」

傭兵「早く入れよ」

魔女「待って…心の準備ができてない。髪の毛へんじゃない?」

傭兵「なんでだよ。お前のじいさんだろ。普通にしとけ」

勇者「じゃあボクがおさきに……ってうそうそ、睨まないでよ」

僧侶「うふふ、マナちゃん照れくさいのですよね」

魔女「うん…緊張…。すごく緊張する」

傭兵「わかんねぇなぁ」

僧侶「私も先のこと考えると緊張してきました」

傭兵「…?」


マナは手を擦りあわせてなにやらぶつぶつと小さな声で繰り返し唱えたあと、
俺の手をひいて診療所の扉をくぐった。


カチャ…


魔導師「入って来なさい」

魔女「…」ソー

魔導師「やはりマナ達か…くるころだとおもっておったぞ」

魔女「…! おじいちゃん…」

魔導師「お帰り、よくがんばったのぅ」

魔女「おじいちゃんっ」ギュ

魔導師「うむ…言わずともわかる…ずいぶんと穏やかな色の魔力を放つようになった」

魔導師「おやおや、お前を苦しめていたアレも、どこへ行ったのか」

魔女「…おじいちゃん」スリスリ

魔導師「はて、こんなに甘えん坊だったかのぅ」

勇者「えへへ。先生、しばらくそうさせておいてあげてよ」

魔導師「…ユッカか。その様子じゃとどうやら、すべての戒めから解き放たれたようじゃな」

魔導師「すまなかった…おぬしの記憶が戻ったとき、わしは合わす顔がないとおもっておった」

魔導師「じゃが、愛しい孫がもうひとりもどってきたようで…嬉しいもんじゃな」


勇者「先生のことなかなか思い出せなくてごめんなさい」

勇者「それと…ボクとマナのことを護ってくれてありがとう…先生」

勇者「ずっとそう言いたかったんだ」

魔導師「いいんじゃよ。すべてはわしら大人たちが悪いのじゃ」

魔導師「ユッカには苦労をかけたな」

勇者「…ううん」ギュ

魔導師「ホーリィの娘も無事じゃったか」

僧侶「ご無沙汰しております。この通り、みんな無事に目的を果たしました」

魔導師「まことに信じがたく、喜ばしいことじゃ」

魔導師「誰一人欠けること無く…ようやった」

僧侶「ソル様がみんなを一つまとめて、旅をひっぱってくれたおかげです」

僧侶「私達だけだとどうなってたか…あはは」

魔導師「入ってこんのか」

勇者「ソル早くおいでよ。さっきまで意気揚々としてたくせにさー、照れちゃってるのはキミのほうじゃん」

傭兵「う…じいさん。元気そうだな」


魔導師「おぬしたちが帰ってくるまで死に切れんて」

魔導師「ソルも元気そうでなによりじゃ」

傭兵「あぁ。何度も死にかけたけどな…」

勇者「ほんとほんと! 大変な旅だったんだからぁ」

魔導師「うむ。夕飯でもとりながらみんなの冒険譚ををゆっくり聞かせてもらおうか」

魔女「…」スリスリ

魔女「…! その前に、おじいちゃんに大事な報告がある。これ1番最初にする」

魔導師「なんじゃ?」

魔女「…ソル。ここ隣座って」クイッ

傭兵「ん?」

魔女「……」ドキドキ

魔女「おじいちゃん。ソルは私の恋人。私、この人と結婚します」

魔導師「!?!?」

傭兵「…!? なに!」

魔女「あなたが驚くのはおかしい」ベシベシ

傭兵「そ、そうだが…まさかの不意打ちでな」


魔女「私この人が好き」

魔女「もうお付き合いはずっと前からしてる。だから結婚したい」

魔導師「……け、け…」

魔女「…お願いします。元気なあかちゃんいっぱい産む」

魔導師「……あかちゃ…!?」

傭兵「…っ! ちょ、ちょっと待てマナ。そういうのはな」

魔女「…何」

傭兵「男の方がするもんだ。お前は隣に座って黙って頷いてろ」

傭兵「ふー………じいさん。折り入って頼みがある」

傭兵「マナを…この子を俺にくれ。必ず幸せにする」

傭兵「俺はマナが…好きなんだ」

魔導師「……」ブクブク

魔女「おじいちゃん…? 聞いてる?」

魔導師「…」グラリ ドサ…

魔女「!!」

勇者「あ゙ーー先生~~~っ!」

僧侶「きゃーーっお医者様よばなくっちゃ!」

魔女「ヒーラが診て!!」

僧侶「大魔導師様しっかりしてください~~」

傭兵「そらそうなるわ…」



後日譚最終話<丘の家>つづく


  
 

更新終わり
次回明日

後日譚最終話<丘の家>つづき


魔導師「…」ムクリ

魔導師「恐ろしい夢をみた……」

勇者「なぁに?」

魔導師「マナが帰ってきたとおもったら、男連れで結婚したいと言い出した」

魔導師「なんとその相手の男が、ワシの顔見知りの生意気な小僧でな…」

魔導師「あぁぁ…夢で良かった……?」

勇者「何言ってるの?」

魔女「夢じゃない」

傭兵「寝ぼけてんじゃねーぞじいさん」

魔導師「!!?」

勇者「あぁ危ないよ。また倒れちゃう」

僧侶「横になって。ゆっくり頭をおろしてくださいね」

魔導師「な…な…」

魔女「おじいちゃん、ちゃんと聞いて。私は真剣」

魔導師「…」ブルブル

僧侶「とりあえず今夜は安静にしてください。私たちは退室しましょう」

勇者「そうだね。おやすみなさい先生。明日またお話しにくるね」

魔導師「あ、あぁ…」


傭兵「先行ってろ」

勇者「えー?」

僧侶「近くの宿屋にお部屋をとっておきますね」

傭兵「おう。ほらマナも行け」

魔女「…うん。おじいちゃんと話する気?」

傭兵「そんなとこだ」

魔女「…がんばって!」

傭兵(気が早い気がするが本題に加えて結婚の話もすすめておかなきゃいけないな……)


魔導師「なんじゃ。顔もみたくない」

傭兵「そういうな。いい歳召してガキじゃあるまいし」

魔導師「マナはまだ幼子じゃ」

傭兵「…あんたに言ったんだよ。それにマナだってもう15だ」

傭兵「そりゃ…大人と言い切れる歳じゃないが、マナは十分大人になったよ」

魔導師「大人にしたのか!?!?」

傭兵「ち、ちが…そういう意味じゃなくて! 旅を通して心が成長したってこった!」


魔導師「……確かに、ずいぶん雰囲気がかわった」

魔導師「マナを連れだしてくれたおぬしやユッカ達のおかげか」

傭兵「いろいろあったがマナが一緒にいて楽しい旅だった」

魔導師「そうか、あの子が役に立てたか」

傭兵「…具体的になにがあったかは、明日ユッカやマナから聞くといい」

傭兵「正直、あのふたりの絆からしたら俺なんて蚊帳の外だ」

魔導師「では、おぬしは一体何用で残ったのじゃ」

魔導師「言っておくが結婚の話は…ごほっごほっ」

傭兵「大丈夫か?」

魔導師「うむ…近頃、体がいうことを聞かぬ」

魔導師「魔導を極めようとも、歳には勝てんな」

魔導師「所詮ワシも1人の人間ということじゃ」

傭兵「…あんたはこれからどうする」


魔導師「この町でひっそりと朽ちて行くつもりだ」

傭兵「マナと一緒に国へは戻らないのか」

魔導師「帰る場所などありゃせんよ」

魔導師「ワシは軟禁されていたマナを秘密裏に連れだした重罪人」

魔導師「時が経ち、いまとなっては追手らは放たれてはおらんが、今更国へおめおめと戻ることはできん」

傭兵「だが、マナは間違いなく世界の平和に貢献した」

傭兵「あの時虐げた奴らを、見返すことだって出来るはずだ」

傭兵「それにこれ以上あの子に対して不当な扱いは、グレイスなら絶対にしやしない」

魔導師「グレイス…そうか、あの小娘がいまは治めているのだったな」

魔導師「時が移り変わるのは早いことだ」

傭兵「しっていたのか…」

魔導師「あの国においてワシがしらんことなどない」

傭兵「だからこそだ! これから人の住む世界は変わって行く」

傭兵「魔族領との境界線はいまやなくなり、共存の道を歩める兆しが微かながらに見えた」

傭兵「激動の時代にどうかあんたの知恵と経験を貸して欲しい」


魔導師「おぬしが頭をさげるとはな」

傭兵「俺の戦いはまだ終わっていない」

傭兵「もう二度とユッカたちが剣をとらなくていい日が来るまで、俺は戦い続ける」

傭兵「誰も失わない平和な世界を作りたい」

魔導師「……変わらんな」

魔導師「そんな剣のように真っ直ぐなおぬしじゃから、ワシはマナを託したのじゃよ」

魔導師「なのに貴様とくれば…! ごほっ、ごほっ」

傭兵「マナに対しての俺の気持ちは真剣だ。遊びでやってんじゃない」

魔導師「じゃがせめてワシが逝くまで…まだマナには早過ぎる。ワシの目が黒い内は誰にも…」

傭兵「ダメだ!」

魔導師「なに! なぜに小僧がワシにダメだという権利がある」

傭兵「あんたはマナの親だろう」

傭兵「だったらマナの晴れ姿を見る前に逝っちゃだめだ」

魔導師「晴れ姿…?」


傭兵「逝くならせめてマナの幸せを見届けてから逝け」

傭兵「それがマナを引き取ったあんたの最期の務めだ」

魔導師「ソルよ…おぬしは…」

傭兵「マナはきっと、大好きおじいちゃんに見守られながら式を挙げたいと思っている」

傭兵「あんたのいない式なんてあいつが悲しむ」

傭兵「普段あんな仏頂面だが、頭のなかは案外乙女でかわいいんだ」

魔導師「よく見ているのだな…」

魔導師「あの子が心を開いた理由がわかった気がした…」

傭兵「俺に任せろ。マナは幸せにする」

魔導師「おぉ……なんという力強い言葉…」

傭兵「ユッカとヒーラちゃんもだ…必ずみんな幸せにしてみせる」

魔導師「…は?」

傭兵「あ…」

魔導師「貴様いまなんと申した?」

傭兵「…また明日な! ちゃんと毛布かぶって寝ろよな!」 ダッ

魔導師「またんか!」



【宿屋】


傭兵「ふー、つい口を滑らしちまった」

傭兵「…クソ、結局話したいこと半分も話せなかったな。まぁいいか」

傭兵「じいさんが国に帰るのを嫌がろうと、マナに説得させりゃ一発だろう」

傭兵「もう寝てるかな?」


カチャ…


魔女「……」もぞもぞ

傭兵(いた)

魔女「ん…んぅ……、んっ」

 ちゅく ちゅく ちゅく
  ちゅく ちゅく ちゅく…

魔女「ぁ…ぁ…♥ んぅ…ッ」


傭兵「……」

傭兵(またやってるよ…このエロ娘…)

傭兵(気づいてないようだし少し脅かしてやるか)
 


魔女「ん…、もうちょっと…んっ、んぅ」

魔女「はぁ…ん…」

 ちゅくちゅく ちゅくちゅく


魔女「んっ、んっ、んっ♥ イクっ、うう…」

傭兵「どこに行くんだ」

魔女「っ!!」ビクッ

傭兵「おやぁ、マナちゃん下すっぽんぽんでなにしてんだ」

魔女「あ、こ、これは…っ…見てた?」

傭兵「どこへ行ってもオナニーばっかりして、じいさんが聞いたらまた卒倒するぜ」

魔女「だ、だめ話しちゃダメ」

傭兵「俺は口が軽いからなぁ、ついポロッと言っちゃうかもなぁ」

魔女「ダメ、内緒! 絶対ダメ」

傭兵「クク、焦っちゃって。乙女の秘め事を他人に言うわけないだろぉ」

魔女「うう……あなたの冗談は時々を度を越すから嫌い」

傭兵「例えば?」

魔女「……おしっこ飲む」


傭兵「冗談でやってるわけじゃない」

傭兵「マナのはほんとにおいしいんだ」

魔女「嘘」

傭兵「ほんとだぜ?」

魔女「きょ、今日はすませたから…無理」

傭兵「ちょっとくらい残ってるんじゃないか?」


俺はずけずけとベッドに潜り込み、マナに覆いかぶさるようにして細い両足首を持って左右に大きく開いた。

魔女「…!」

魔女「こ、この体勢はダメ」

傭兵「マナのここよく見える。一人遊びしてたからだいぶ濡れてるな」


湿っぽい秘所に顔を寄せ、ぴっちりと閉じられた恥裂に舌を這わせる。
マナの愛液はほぼ無味無臭だ。


魔女「…! なめるのだめ」

傭兵「マナのここほぐれてておいしいよ。舌挿れるぞ」

魔女「…っ、んんぅっ♥」


 ちゅぷ ちゅぷ
   ちゅぷ  ちゅぷ

ゆっくりと舌を小さな穴に差し込み、中から溢れてくる粘液を舐めとって飲み干した。
縦にならんだ綺麗な3つの穴がひくついて、なんだか物欲しそうにしているように見える。

色白なマナは恥部やお尻の穴まで色素が薄い。
魔族の娘はみなこうなのだろうか。


傭兵「雪みたいだな」

魔女「そこでしゃべらないで」

傭兵「マナ。そろそろこっち挿れていい?」

魔女「…まって、その前に…」ブルルッ

傭兵「どうした。まさか…クク」

魔女「あなたに…刺激されたせいで…したくなっちゃった…」

傭兵「何を」

魔女「…お、おしっこ…行く」

俺は再び舌を差し出して、マナの恥部にかぶりつく。
割れ目を舌先で器用にこじあけて、マナの濃厚な体液が排泄される穴を探り当てた。

魔女「んんんぅっ♥」

魔女「そこなめるとこじゃない」



傭兵「ほら出していいぞ…すっきりしような」

魔女「あっ、あっ♥ ん…」

魔女「ごめ、なさ…我慢、できなっ…んんぅ」

 ぴゅるるっ ぴゅるるる


コップ一杯に満たない量のマナの黄金水が俺の口内を潤す。
いまや親しみ深いといえるその甘美な味わいに俺は舌鼓をうった。


傭兵「んぐ、んぐ」

魔女「……っ」ポカポカ

傭兵「ぷは…ばかやろー。頭叩いたらこぼれるだろ」

魔女「…うう。人の気も知らないで」

傭兵「さて、続きしようか」

魔女「……」

傭兵「しないのか? こんなに濡らしてて、さっきも中途半端で終わって悶々としてるだろ?」

魔女「…す、する」


マナは羞恥に顔を赤く染めながら、俺にセックスを懇願した。
自ら秘裂を左右にゆっくりと開き、俺の剛直を迎え入れる。

 ぬち…ぬち…


魔女「ん…んぐ」

傭兵「痛い?」

魔女「平気…一気に奥までいい」


俺はマナのおしりやふとももを優しく手のひらでなでて、十分にリラックスさせてから
ペニスを狭い性器一気に突き入れた。

魔女「…♥」

魔女「あぁ、ふ…ぁぁ…奥ぅ…奥まで来た♥」

傭兵「今日は結構楽に入ったな」

魔女「…う、うん。だって、ずっとほぐしてたから」

傭兵「…? あぁ。お前、俺とこれするために念入りに準備してたのか」

魔女「う……うん。悪い…?」

傭兵「可愛いやつだな。なんだーそっかそっか、俺とスムーズにセックスするためか」


魔女「一緒のベッドになりそうな日は……一応してる」

魔女「あなたにあんまり苦労かけたくないし…がっかりされたくないから」

傭兵「ま、マナ…」

魔女「んん!? な、なんかまたおっきくなった…♥」

傭兵「お前そんなヤラしーこと言うなよ」

魔女「やらしい…? でも、旦那の夜の相手は妻の責務」

魔女「きもちよくなって…ね」ニコ

傭兵(あぁ…マナ、お前にこんな健気な一面があったなんて)

傭兵(いままでただの思春期の自慰狂いだとおもっていてすまん)

魔女「はやく」


マナにねだれて、ゆっくりと腰を動かしはじめた。

この小さな膣内は男根を気持ちよくするための器官としては未発達で、感触はつるんとしている。
それでも以前にくらべると、わずかながらにざらつきはじめたような気がしていた。
胸もこころなしかふっくらとしはじめて、ふれると柔らかい。

傭兵(成長期だな)


マナの両親の姿はしらないが、腹違いらしき兄であるレヴァンは上背があるし、
案外マナはスラっとしたスタイルの美女になるのかもしれない。

傭兵(となれば、このあどけないマナを抱けるのはいまのうちか…)


魔女「…? もっと激しくしていいけど」

傭兵「まだもう少しの間スローペースにしておこう」

魔女「…」コク

魔女「こうして、密着してると…幸せ」

魔女「あなたのおちんちんの熱さと硬さ…よくわかる」

傭兵「…マナ」

魔女「今また、中でびくってなった。フフ」

傭兵「なんだかマナがマナじゃないみたいだ」

魔女「どうして?」

傭兵「ぶっきらぼうじゃない」

魔女「だって…楽しくエッチしたい」

魔女「いいたい事とか、感情を押し殺しても…損する」

魔女「私もこれから、あなたみたいに感情的に生きてみたい」


傭兵「じゃあいっぱいかわいい声でおねだりしてくれるか?」

魔女「…うん。する」

傭兵「エッチな声だしてくれる?」

魔女「…だす♥」

傭兵「エロい顔は?」

魔女「…あなたの望むことなら全部」

魔女「…旦那様♥」ニコリ


マナの笑顔で理性の糸がぷつんときれて、俺の腰使いはにわかに激しくなった。
亀頭で狭い肉の筒をこじあけて、奥まで差し込んで、そして一気に引き抜く。
大きなカリがゴリゴリと幼い膣内を引っ掻き回して、マナは快感に酔いしれていた。


  じゅぷん じゅぷん じゅぷん
   じゅぷん じゅぷん じゅぷん

魔女「…あんっ、あっ、んんぁ♥」

魔女「好きっ、好き…ッ♥」

魔女「もっとエッチしてほしい…もっとエッチにして、音いっぱいたてて」

魔女「あなたのおちんちん、ずっと感じていたいっ」


  じゅぷん じゅぷん じゅぷん
   じゅぷん じゅぷん じゅぷん


魔女「んんぅ~~っ♥」

魔女「ソルっ…もっと来て。奥いっぱい突いて」

魔女「ああぁ、はっ、はぁ…っ、あ゙ああ♥」


だんだんとマナの声に余裕がなくなってくる。
激しい息遣いでコレの責めに応えながら、ぎゅんぎゅんと幼い膣をしめつけた。


傭兵「…マナ、1回出していいか」

魔女「うんっ♥ ほしい…あなたの精子…♥」

魔女「一滴もこぼしちゃだめ…全部ほしい♥」

傭兵「…っ、う、あぁぁ」

  ずちゅんッ―――

魔女「…っ! ふぁぁぁぁあ♥♥♥」


頭が真っ白になり、マナの中でペニスが大きくびくんと跳ねる。
大量の精液があふれだし、中を満たしていく。
マナはおなじくして絶頂し、ビクンと背筋をそらしたあと、嬉しそうに俺の精液を小さな子宮でうけとめていた。



傭兵「はぁ…ハァ…」

魔女「…今日もいっぱい♥」

傭兵「入りきらなかったな」


案の定、マナの子どもサイズの子宮にはおさまりきらず、お互いの結合部からぶちゅぶちゅと泡立って白い液体が溢れてくる。
もう見慣れた光景ではあるが、今日はそれが一段と淫靡に思えた。

傭兵「……やっちまった」

魔女「…2回戦♥」

傭兵「やるのか? 明日朝からじいさんと会うのに」

魔女「勃ってる。あなただってまたこんなに大きくしているのに、したくないわけがない」

傭兵「わかった。けど寝坊するなよ?」

魔女「…♥ 朝までエッチしてへとへとになるくらいラブラブなら、おじいちゃんも認めてくれる」

魔女「…でしょ?」

傭兵「…フ、かもな」


その晩、俺は魔導師のじいさんに告げた誓いの言葉を思い返しながら、
マナが疲れ果てるまで細く幼い体を抱き続けた。




後日譚最終話<丘の家>つづく

 

更新終わり
次回明日か明後日

おまけ①(ユッカ設定絵)
http://i.imgur.com/KIvHB9G.jpg


後日譚最終話<丘の家>つづき



<翌日>


傭兵「で、例の話は考えてくれたのか?」

魔導師「う、ううむ…」

魔女「おじいちゃん」

魔導師「……わかった。小僧の言うとおりにしよう」

傭兵「本当か! よぉし」

魔女「結婚していい? ありがとうおじいちゃん」

魔導師「ち、ちがうわいっ! その件はまだ保留じゃ!」

魔導師「ワシにも心の準備をさせてくれ。それにおぬしらの旅はまだおわってなかろう」

魔導師「大事な話はすべてが終わってから…ということにしてくれんかのぅ…」

勇者「じゃあなんの話…?」

魔導師「こやつの要請を受けて、太陽の国へと戻ることにした」

魔女「本当? またおじいちゃんと一緒に暮らせる?」

魔導師「うむ。いますぐではないがの」


勇者「わぁー良かったねマナ!」

僧侶「マナちゃんずっとおじい様の事気にかけてましたもんね」

魔女「うん。私の大事な家族…」

傭兵「だってよ。なんで一緒に来ないんだ。1人くらいならギリギリ乗れるぜ」

傭兵「なんならもう一台荷馬車を借りてもいい」

魔導師「すまんが、まだこの町で診なきゃならん患者たちがおっての」

魔導師「仕事を放り出して行くわけにはいかん。わしとてこの町で世話になった身じゃからな」

傭兵「そうか。わかった。なら俺たち先は一足先に帰国させてもらう」

魔導師「うむ」

傭兵「心配しなくてもグレイスに話は通しておいてやる」

傭兵「といっても、ただの傭兵となったいまの俺にはなんの権限もないから話を聞き入れてもらえるかはわからねーけどな」

魔導師「…いろいろと迷惑をかけてすまんな」

魔導師「特におぬしには感謝している」

傭兵「気にすんな! 俺とあんたはあの日から一蓮托生って奴だ」

魔導師「共犯者ともいうがのぅ」


傭兵「それじゃ仕度するか」

魔導師「おっとそうじゃマナ」

魔女「何」

魔導師「……なんじゃ、ええと……ゴホン、小僧と仲良くするんじゃぞ」

魔女「してる」

魔導師「う、うむ…ならばよいが」

魔女「昨晩も――むぐ、んんっ」

傭兵(しー! しー!)

魔女「…いっぱい愛し――合っ、むぐう、離して」

傭兵「…ハハ、なんでもない。この通り仲良しだから心配すんな」

魔女「…」コクコク

魔導師(本当にまかせて大丈夫かのう…)

魔導師(それにこっちの2人とも結婚するなどと…本気なのか)

魔導師(まぁ…あとは若いもの同士にまかせればよい)

魔導師(ワシはマナの幸せそうな姿が見れただけで幸せじゃよ)




【王都へ続く街道】


勇者「ねーソル」

傭兵「なんだ」

勇者「ボクも村についたら早速おじいちゃんにソルのこと紹介するからね」

傭兵「う…」

勇者「ねー、挨拶ちゃんとしてよ? ふざけちゃヤだからね?」

勇者「オレはユッカのこと愛してます! って言うんだよ? えへへへへ、困っちゃうなぁソルったらもう」

傭兵(想像を絶する気まずい空間になりそうだ…)

傭兵(ユッカのじいさんはマナの爺さんとは比べ物にならないくらい頑固で偏屈だからな…)

僧侶「私もっ、お父様にご報告しなければなりません」

傭兵「ゔぅっ…」

傭兵(ハードルが高すぎる…)

僧侶「ですよね!? ソル様!」

傭兵(…謎の吐き気が……馬車酔いであってほしい…)


勇者「結婚式どこでするの」

傭兵「考えてない。相手の出方次第だ」

僧侶「ハネムーンはどこへ行きましょうか」

傭兵「考えてない。金ない」

魔女「指輪かって」

傭兵「金ない!」

勇者「もうっ! 真剣に考えてるの?」

傭兵「普通は一生に一度きりの重責が同時に3つだぞ…」

僧侶「うふふふ」ニコニコ

傭兵「俺にどうしろというんだ…」

勇者「なんだか心配だなぁ。あんまり先延ばしにしないでよね?」

傭兵「善処する。が、しばらくはみんな結婚も忘れるくらい忙しい日々になるんじゃないか」

傭兵「特にユッカやヒーラちゃんはお役目がたくさん残ってるだろう」

勇者「そっかぁ…はぁーあ、旅が終わってもやることあるんだよね」


僧侶「そう考えると帰るのが少し億劫になってきますね…」

勇者「ほんとほんと、気ままな旅って最高だったんだねぇ」

傭兵「もうなかなかこんな機会には恵まれないだろうな」

勇者「ソルのお父さんは一生旅に生きているのかな?」

傭兵「いま生きてるかどうかもわからねぇな」

傭兵「けど、奔放な人間なんだろう」

傭兵「ニクスから話を聞いた時はあまりの身勝手さに憤りもしたが」

傭兵「俺があいつの立場なら、自由という名の誘惑を断ち切れるかどうか正直わからないな」

勇者「ボクも! ずっとみんなで旅していたいよね」

僧侶「不便な暮らしでしたけど、楽しかったですね」

魔女「うん。楽しい……こんなこと初めて」

傭兵「そりゃ良かった」



それから数日馬車をはしらせ、俺たち一行はいよいよ太陽の国へと差し掛かった。



傭兵「見えてきたな。麓のほうを見てみろ」

勇者「わっ、あれ城下町!?」

傭兵「そうか、こっちから見るのはお前は初めてか?」

勇者「行きは絶対に振り向かないって決めてたから!」

勇者「こうして見ると結構おっきい町なんだね」

傭兵「それでもバザやグリモワのほうがずっと大きい」

勇者「うんうん。あーどうしよ、腰のあたりがぞわぞわするよぉ」

僧侶「いよいよですね。いよいよですね! ドキドキしてきました」

魔女「太陽の国…すごく久しぶり」

傭兵「さて、まずはグレイスのもとへ一直線だな」

傭兵「多分俺たちの話は国中に伝わってるだろうし、街中でつかまったら長引くぞ…」

勇者「うん! 最初に陛下に報告しなきゃね!」



【太陽の国・城下町】


僧侶「なんだか街中の雰囲気がいつもと違いますね」

勇者「お祭りしてる…のかな?」

僧侶「こんな時期にお祭りなんてなかったんですけどねぇ」

魔女「…賑やか。楽しそう」

傭兵「…入るぞ」


番兵A「旅のものか。ようこそ。ここはグレイス王の治める太陽の国だ」

番兵B「身分を確認する。入国手続はこちらで」

傭兵「…ん、よぉ。元気してたか」

番兵A「…! あ、あなたはソル隊長…! ようこそお戻りくださいました!!」

番兵B「誰だ?」

番兵A「馬鹿野郎しらねぇのか! ほら、勇者様御一行と我らが守備隊の英雄、伝説の騎士ソル殿だ」

傭兵「で、伝説…?」


番兵A「どうぞお通りください。我ら一同、勇者様方のお帰りを首を長くして待っておりました」

番兵B「ご無礼を働いてしまい大変申しわけございません!」

番兵B「うおおおお!」

傭兵「き、気にすんな…それよりここであまり目立ちたくない」

勇者「ねぇ早くはいろ」ヒョコ

番兵B「うおおおお! 本当に勇者様方の凱旋だあああああ!」

傭兵「あぁ…」

町人A「え、勇者様?」

町人B「あれが? 噂はほんとだったのか」

 ざわざわ…

   ざわざわ…

老人「おお勇者様…ひとめだけでも…」

傭兵「まずいな…人が集まってきた…」


衛兵「何事だ!」

番兵A「我らが勇者様が帰還なされました!」

衛兵「なに! これは急いで陛下にご報告をせねば! 伝令ー!」

傭兵「騒ぎをでかくするなっ! どいつもこいつも…」

勇者「あはは…いつのまにか有名人になっちゃったね」

僧侶「どうしましょう…」


次第に周囲には見物人のひとだかりができてしまい、
俺たちの荷馬車は取り囲まれて身動き一つとれなくなってしまった。


衛兵「ええい下がれ! 勇者様の荷馬車であるぞ」

老人「勇者様…ありがたやありがたや…」

町人「勇者様ー!」

町人「キャー騎士様ー!」

衛兵「下がれ!」

魔女「…どうするの。動けない」

傭兵「このままじゃらちがあかねぇな」


勇者「そうだ! みんな、荷台の屋根の上に出て」

傭兵「なにする気だ。余計目立つぞこのまま中にいろ」

勇者「ううん。ボクにまかせて」


ユッカに言われるがままに俺たち4人は屋根に登った。
すでに王宮へ向かう道は人でうめつくされている、これでは通行はままならない。
鼓膜がさけそうになるほどの大歓声が周囲から飛び交った。

傭兵(そんなたいしたことしてないんだけどな…)

俺とヒーラちゃんが顔を見合わせ途方に暮れているところを、
ユッカは得意気にこほんと咳払いをして、何かを唱え始めた。


勇者「紅蓮鳥! 召喚!」

傭兵「うおわっ!」

 ざわざわ…

突然現れた真っ赤な炎の塊に周囲はどよめく。

勇者「これにのってひとっ飛びだよ」


町人「すげぇ…炎が鳥の形に……」

町人「うおおお勇者様ー!」

町人「ヒーラちゃん俺に微笑みかけてくれー」

町人「騎士様ーっ!」

勇者「みんなー、またあとで会いに来るよ! それまでお祭り楽しんでてね!」

勇者「行くよ!」

傭兵「ほんとに大丈夫なんだろうな…! このサイズで4人乗っても落ちないか!?」

勇者「ちょっとくらいなら平気だよ。がんばる!」

僧侶「緊急事態ですししかたないですよね」

勇者「衛兵さん、スレイプニルをよろしくおねがいします」

傭兵「その馬のことだ。十分に労ってやってくれ」

衛兵「はっ!」



【王宮・中庭】


王「なにやら外が騒がしいな」

王「みな羽目を外しすぎているようだな…やはり祭りはソル達が帰ってきてからの開催にすべきだったか…」

王「無事の頼りに浮かれていたのは私だったというわけか」

王「…一体いつ帰ってくることやら」


 バサッ バサッ


王「…? 鳥?」


傭兵「落ちてる! 落ちてるぞアホ! そこに着陸しろ!」

勇者「あ゙ああああごめんなさーい!」

僧侶「きゃーーーっ。マナちゃんなんとかしてくださいー」

魔女「エアブラスターは馬車に取り付けたまま。絶望」

傭兵「ふざけ…っ、ああああっ!」

 ベシャッ


勇者「いたたた…」

僧侶「うう…」

魔女「セーフ。いい緩衝材があった」

傭兵「…重いから全員降りろ」

勇者「ソルー…ごめんごめん。ぺしゃんこになってない?」

傭兵「ったく…下が芝生で助かった。中庭に降りたのはナイス判断だったな」

僧侶「うふふ。こんな姿誰かに見られてたらかっこわるいですよね」


王「……お前たち」


傭兵「…! ぐ、グレ――」

勇者「王様!」

僧侶「ひゃう!?」

王「……ふ、まさか空から戻ってくるとは思わなかったよ」

傭兵「よ、よぉ…帰ってきたぜ」

王「そうやって、お前はいつも私を驚かせるのだな」

王「…お帰り。心より諸君らの帰還を待っていたよ」

勇者「はい! 勇者ユッカ、ただいまもどりました!」



後日譚最終話<丘の家>つづく

 

更新終わり
次回明日22時~

遅れたので本編明日更新。今日はおまけのみでスマソ
おまけ②(ヒーラ設定絵)
http://i.imgur.com/B2y39ws.jpg

後日譚最終話<丘の家>つづき




中庭から謁見の間へと移り、やや物々しい周囲の空気の中で俺たちは旅の報告を始めた。
ユッカの要領を得ない脱線だらけの話にグレイスは真剣に耳を傾け、時々マナのことを物憂げに見つめていた。



傭兵「…報告は以上だ」

勇者「以上です」

王「では、魔王の脅威は完全に取り除かれたのだな」

傭兵「あぁ」

傭兵「魔族領は事実上崩壊、彼の地には新しい国がたった」

王「新しい国? 魔族のか?」

傭兵「話すと長くなるが…」

王「…まぁ旅の報告は今日のところはここまでで良い。お前たちはさぞや疲れているだろう」

王「長旅ご苦労であった。ゆっくり旅の疲れを癒やせ」

王「勇者達を丁重にもてなせ。宴の準備をはじめろ」

大臣「はは」


勇者「宴だって! おいしいもの食べられるかな!?」

王「あぁ。ユッカの好きなものを好きなだけ食べるといい」

勇者「わぁいありがとうございます陛下! 魔力使っておなかペコペコなんだ」

大臣「ささ勇者様ヒーラ様、こちらへ」

勇者「マナもいい?」

大臣「しかしその娘は…」チラ

貴族「魔族の娘という話では…」

 ざわざわ

勇者「……」

王「もちろんだ。彼女の活躍により世界の危機は救われたと、私は今の話で十分に理解した」

王「出自など一切問わない。なにより、我が姪の大切な友であるからな」

王「祝いの席で無粋な真似はならん。よいな皆の者」

傭兵(グレイス…)

大臣「なんという寛大さ。かしこまりました。ささ、どうぞご一緒ください」

魔女「……」コク

勇者「えへへ。行こ」




   ・     ・     ・



傭兵「あーもう食えん」

僧侶「お腹一杯です」

魔女「おいしかった」

給仕係「おやおやまだまだありますよ。若いものが情けない」

勇者「うぷ…いくら大好物でも食べ過ぎるときらいになっちゃうよ」

傭兵「しかしやっぱこの味だよなぁ。懐かしい気分だ」

王「旅での食事はどうだった。いろんな場所を訪れただろう」

勇者「どこもおいしかったよね。馬車で走ってるあいだもヒーラが毎日つくってくれたし」

勇者「ボクはたくさんおいしいもの食べれて幸せだったよ」

僧侶「うふふありがとうございます」

王「ヒーラを付き添わせて正解だったな」

僧侶「そんな、元はといえば私から無理を承知でお願いしたことです」


バタン!


王「! 何事だ騒々しい…」

大神官「これは失礼…はぁ、ハァ…今しがた職務を終えて、娘の帰還の報を聞き…走ってきたもので…」

僧侶「お父様…!」


大神官「ヒーラ! よく無事で戻ってきた…私の胸に飛び込んでおいで」

僧侶「あ、はい…ただいま戻りました。汗だくなので結構です…」

勇者「ヒーラパパお久しぶりです。げぷ」

大神官「はぁ…ハァ…ゼェ、ゼェ…」

傭兵「水飲む?」

大神官「ごほ…勇者様、ヒーラが大変お世話になりました」

勇者「そんなことないよ。むしろボクがヒーラのお世話になっちゃったくらいだよ」

傭兵「そうそう終始ヒーラちゃんに甘えっぱなし」

勇者「ソルもじゃん」

傭兵「うるせぇ」

大神官「さぁヒーラ、ウチへ帰ろう。ママもお前の帰りを心待ちにしているぞ」

僧侶「えっ、えっ…ちょっとお父様…いま陛下と会食中です…」チラ

傭兵「今夜はうちに戻りな。一人娘を旅立たせて、家族は心配でたまらなかっただろう」

王「そうだな。特にホーリィは心配症で、日に日にやつれていく姿が見ていられなかった」

大神官「では娘をつれかえってよろしいですか陛下!」

王「かまわん。家族の団らんより大切なモノはない」


大神官「ということだヒーラ。今夜は我が家で過ごそう」

僧侶「…えへへ、ではそうします」

僧侶「みなさまおやすみなさい」

勇者「バイバイヒーラ。またあしたね」

魔女「おやすみ」


勇者「あー。ボクも早くおじいちゃんに会いたくなってきたなぁ」

傭兵「明日報告の続きが終わったら会いにいこう」

王「すでに辺境の村には早馬を送って通達してある」

王「司祭もユッカの帰りをたのしみにしているだろう」

王「今夜は3人には客室を用意する。このまま王宮に泊まっていくといい」

傭兵「おう。悪いな。俺はいまんとこ行くアテがないんで宿代が浮いて助かるぜ」

王「行く宛か……近々お前の処遇を考えねばならんな」

大臣「でしたら、守備隊へ復帰させてはいかがですか」

大臣「無論2度と爵位を与えることはできませぬが…彼の戦力は部隊に必要不可欠」

貴族「行く宛がないなら私の番兵でもやらんかね? 報酬は軍の倍出す」

王「まぁ待て。この場で勧誘はするな。本人の意思も追々確認させてもらう」


王「今日はこれにて散会とする」

貴族「それでは我らは失礼いたします。ソル、話は考えておいてくれ」

大臣「隊に復帰すれば指揮もあがるだろう。頼んだぞ」

傭兵「…」

魔女「ふぁぁ…食べ過ぎて眠い」

王「風呂に入ったらすぐに眠るといい」

勇者「ねぇねぇ陛下。ボクが昔使ってた部屋まだある?」

王「ユッカの部屋かい? あぁ、そのまま残してある。ベッドのシーツは取り替えねばならんな」

勇者「じゃあボクそこがいい! マナも一緒に!」

王「わかった。そうしよう」

傭兵「お前よくグレイスに対してわがままな事言えるな。王様だぞ王様」

勇者「わがままだったかな……」

王「気にするな。かわいい姪の頼みごとくらいなんでも聞いてやる」

勇者「うんうん身内だし!」

傭兵「お前ほんとユッカには甘いよな」

魔女「あなたもだけど」


勇者「っていうかソルだっておかしいじゃん!」

傭兵「何が」

魔女「一国の王に対して友達口調はおかしい…と思う」

大臣「ごもっともですな」

大臣「そもそもこやつは礼儀を知らん。陛下の元騎士とはいえ、いまやただの傭兵。弁えるがよい」

傭兵「おっさん堅いこと言うなよ。俺とグレイスの仲知ってんだろ?」バシバシ

大臣「……」

王「……もう治りそうもないので私はとうに諦めているよ」

   
   ・   ・   ・


魔女「あなたは一緒に寝ないの?」

傭兵「さすがにベッドが小さすぎる」

傭兵「それに…ここじゃあんまそういうこと出来ないだろ。バレたらつまみ出されそうだ」

魔女「わかった。残念だけど…今度また抱いてほしい♥」

勇者「おやすみソル。村に戻ったら…いっぱいエッチしてね♥」

傭兵「……2人して誘うのやめろ」

勇者「あはは、押し倒されちゃう前に寝ちゃおーっと」

パタン

傭兵「…ったく。旅が終わってもあいつは何もかわんねぇな」

傭兵「…そうか、終わったんだよな」




【王の部屋】


兵士「これは隊長。こんな夜更けに陛下に御用ですか」

傭兵「…元、隊長だ。この部屋今はお前らが警護してるのか」

兵士「はい。誰も通すなと厳命されておりますが、ソル元隊長殿だけは通して良いとも承っております」

傭兵「そうか。じゃあ入るけど…ほんとにいいのか?」

兵士「そのおつもりでいらしたのでは…」

傭兵「なら遠慮なく」


ガチャ バタン


王「!」

傭兵「よ。まだ起きてたか」

王「あ、あぁ…お前からの報告書に目を通していた」

傭兵「こんな夜更けまで熱心だな。肌荒れるぞ」

王「お前の言っていた、新しく生まれた国とやらも気になってな」

傭兵「うまくまとめられているといいが…文章作成は苦手でな」


傭兵「忙しいなら帰るか」

王「…まて! せっかく来た客人をもてなさないわけにはいかない」

傭兵「客人か…なんだか妙な気分だな。そういや騎士時代にあまりここに入ることもなかった気がする」

王「これから一杯どうだ。そこの戸棚のを開けよう」

傭兵「これすっげぇ高いんじゃねぇのか。もっとふさわしい場があるだろうに」

王「お前が帰ってきたら開けようと思っていた年代物だ」

傭兵「なんだ気がきくな。じゃあお言葉に甘えて、いただかせてもらう」


王「親友との再会に乾杯」

傭兵「乾杯! ……んく、んく、っぷはぁー!」

王「エール酒じゃあるまいし…もう少し慎ましく飲めないのか」

傭兵「うまいなこれ! もう一杯もらえるか?」

王「あ、あぁ! 今夜は好きなだけ飲め…ふふ」


傭兵「こうしてふたりきりになるのも久しぶりだな」

王「あぁ、共に過ごした時代を思い出す」

王「ソル。今回お前にとって実りの多い旅だったか?」

傭兵「…まぁな。いまから俺の言うことに驚いて変な声だすなよ?」

王「いまさら何を驚くことがある。お前には昔から驚かされてばっかりだ」

傭兵(俺もお前には死ぬほど驚かされたことあるけどな…)

傭兵「実はな、この旅をとおして俺のルーツがわかった…」

王「ルーツ? つまり出自ということか?」

王「良かったではないか。自分が何者なのか知ることができたのだろう」

傭兵「それがよ…俺とお前…従兄妹かもしれない」

王「……何だと? 私と、お前が?」

王「ではソルは叔父上の子…ということか?」

傭兵「父親の名前はグレン。母親はニクスという」

王「グレン…!」

傭兵「魔族領に近い辺鄙な山奥でどうやら俺は生まれたようだ」

王「……」

傭兵「しかも母親は鳥だ」

王「…?! げほっ、げほっ…なんだと!? すまん…私とあろうことが」ゴシゴシ


傭兵「参ったぜ。俺もいまだに信じられねぇ」

傭兵「けどこの与えられた力は本物だ。これのおかげで俺は九死に一生を得た」

傭兵「俺は…俺の力は、生まれながらに血統に恵まれていただけだ」

王「……」

傭兵「それでも、真の勇者となったユッカの前では霞むほどのちっぽけな力だ」

王「ソル、お前は確かに自分のちからで戦ってきたよ。私はこの目で幾度と無くお前の姿を見てきた」

傭兵「すべてを失っても諦めず、わずかな希望を頼りに己を磨き続けた」

王「このたくさんの傷を誇ってよい」

隣にこしかけていたグレイスは俺にやんわりともたれかかり、腕の傷をなでた。
風呂あがりの石鹸のいい匂いが長い髪の毛からふわりと漂ってくる。


傭兵「お、おいグレイス…」

王「いまは…グレースだ…お前と2人きりの時だけだ」ピタ

傭兵(ち、近い…こんなことする奴だったか?)

王「ん…すまないな」

王「どうやら少し度数が強かったみたいだ…」


傭兵「ちょっと離れようか。水飲め」

王「…んく。ソル、次は私の話を聞いてくれないか」

傭兵「なんだ?」

王「私も20も半ばだ、近頃大臣達から早く后をとって跡取りを作れとつっつかれていてな」

傭兵「…無理じゃん」

グレースは言わずもがな女だ。
しかし王家の都合で男として育てられ、男装したまま生きてきた。
いまさら女性だったとカミングアウトすれば国が揺らぐことになるだろう。


王「昔はそんなことずっと先の話だとおもっていたが…時が経つのはあっという間だな」

傭兵「ど、どうするんだ?」

王「后に名乗りをあげる娘は数多いる。私はこれでも人気があるからな」

傭兵(そりゃこのルックスの王様がいたらな…女はキャーキャー言うだろうよ…)

王「跡取りはユッカに任せるとして、私は…ひとまず男として女と結婚すべきだろうか?」

傭兵「ゔ…」

王「頼むー、一緒に考えてくれ~~」ギュ

傭兵「あぁぁー、俺がしるかー! 酔っ払い過ぎだぞお前!」




後日譚最終話<丘の家>つづく

 

更新終わり
次回月曜日

後日譚最終話<丘の家>つづき



<翌日・昼>

【謁見の間】


王「またこうして集まってもらってすまないな」

傭兵「ふぅ…昨晩はひどい目にあった」

王「…それは私もだ」

傭兵「お前は勝手に酒に飲まれただけだろうが」

大臣「口を慎めぇ。陛下の御前であるぞ」

勇者「…」ツンツン

傭兵「なんだ」

勇者「グレイス陛下のお部屋行って飲んでたんだ?」

傭兵「まぁな。酒は誘われただけだぞ」

勇者「…」ジー

傭兵(なんだその目は。あらぬ疑いをかけるんじゃない)

傭兵(そもそもこいつはグレイスが女だってことをしってるのか?)

傭兵(ユッカなら気づいていてもおかしくないか…)

勇者「ま、いいけどね…」

傭兵「…」ブルッ


王「では、昨日の報告の続きといこうか」

傭兵「おう。何の話からだったかな」

僧侶「魔族領のお話からですよ。ほら、あの国ができたことです」

傭兵「ならまずレヴァンの話からしなきゃいけないか」

魔女「それは私がする」

傭兵「できるか?」

魔女「…」コク

大臣「申してみよ」

魔女「…」

勇者「マナがんばれ!」

傭兵「無理すんなよ? 簡潔に俺の方から話してもいい」

魔女「…グレイス陛下…私の兄は―――」


バタン

兵士「陛下。大切なお話の途中で誠に申し訳ありません!」

王「何事だ」


兵士「いましがた、ソラの国の親善大使と名乗る御方が王宮へといらっしゃいました」

王「親善大使?」

傭兵「ソ、ソラの国だと…?」

王「聞いたことがないな」

傭兵「俺たちがいまから話そうとしてた国の名前さ」

王「…!」

兵士「どうなさいますか。実に怪しい装いなのですが…」

兵士「なにぶん勇者様方、とりわけソル殿と深い仲であるとおっしゃっていまして…追い返す事もできず」

勇者「…知り合い? ボク達の?」

傭兵(誰だ…? まさかな…)

魔女「……」

兵士「…あぁっ! こんなところまで困ります。勝手に入ってこられては…っ」

王「そこに来ているのか。よい。通せ」


謁見の間の重々しい扉が大きく開かれ、中に1人の女が入ってきた。
ふくよかな体のラインをきらびやかなローブで頭まですっぽりと覆い隠している。
その女は優雅な気品あふれる足取りでグレイスの元へと歩み寄り、膝をついた。


??「グレイス王。万国にその名を轟かす、武略に長けた若き名君」

??「お初にお目にかかり、恐悦至極にございます」

??「此度、使者による申し合わせもなく参じた無礼をお許し下さいませ」

王「うむ。丁度横に立つ者どもより、貴女の国の話を伺うところであった」

大臣「して、名をなんと申す。陛下に名乗られよ」

??「私はソラ。ソラの国の者でございます」

??「この地より遥か彼方、旧魔族領より参りました」

傭兵「なんだと!」

王「どうした」

傭兵「い、いや…」

傭兵(なんでその名前を…ッ!)ゴゴゴ

僧侶「……」

王「其の国が貴女の名を冠しているということは、貴女は君主にあたるのでしょうか」

??「いいえ。私はただの親善大使。国の名は、この果てなく続く晴空より頂いたそうです」

??「そして国の元首の名はレヴァン。そちらに立つマナの兄です」

大臣「なんと…マナ殿はソラの国とやらの妹君でございましたか」


王「貴女がここにいるユッカやソル達の知り合いというのは本当ですか」

傭兵「そ、そうだ! 俺にはあんたみたいな知り合いいないぞ」

勇者「ボクもだよ!」

王「…? 知り合いではないのか」

??「…くす。皆様も意地の悪いこと。あれほど深い仲になったではありませんか」

傭兵(なんなんだ…どうなってやがる)

勇者「ねぇ…誰? ソルの知ってる人?」ヒソヒソ

傭兵「知るかよ…おおかたレヴァンの部下か誰かだろ。マナ知ってるか」

魔女「しらない」

傭兵「じゃあ誰だ」

僧侶「でもきっとソル様のお知り合いですよね?」

僧侶「だってソラって…あの時の仮名でしょう?」

傭兵「すくなくとも俺にとってはあんなの思いつきでしかなくてな」

傭兵「あんなうやうやしい態度の知り合いはいねぇよ…」


王「…なにか行き違いがあるようだが」

王「とにかく、遠路はるばるよくぞおいでいただいた」

王「早速ご用件をお聞きしましょう」

??「2つの国の友好を」

王「友好…」

??「そして、ソラの国を新たなる国家として連合会議により認めていただきたいのです」

王「国家の承認ですか」

??「はい。我が祖国は戦後まもなく、決して盤石ではありません」

??「戦乱の後始末、各地で新たに勃発した権力闘争…魔族と人間の種族間での諍い」

??「現状では非常に不安定な地域としか言いようもありません」

??「しかしそれらに我らが元首は迅速に対応にあたり、みなが一日でも早く安心して住める国家となれるよう日々邁進しております」

傭兵(予想はついたが、あっちがそんなことになっていたなんてな)

魔女(お兄様…がんばってる)


王「つまり我が太陽の国と同盟関係を結び、国の基盤を固めたいということですか」

??「左様にございます」

王「…」

グレイスがちらりと視線だけで俺に尋ねた。
それはつまり、その国が信用に足るのかどうかということだろう。
まだ何も話をしていないため、グレイスには即時判断出来るものではない。

傭兵(レヴァン…本当にお前の意思なんだろうな)

奴の理念はわかる。
あれでも長い付き合いもとい因縁だ。
何があっても信念の揺らぐようなやつではないことは俺が1番よく知っている。

だが目の前のこの女はなにかと得体が知れない。

傭兵「…」

隣に立つマナが不安そうに俺の手を握ってきた。

傭兵(そうか…ここでつっぱねたら、俺たちの世界は何も進展しない)

俺は触れあった手を握りかえし、グレイスの目をみつめたまま力強く頷いた。



王「…そのお話、了承いたしました」

王「我が国とて、世界でみれば片田舎にすぎず、連合会議で巨大な発言力をもっているわけではありません」

王「しかし、貴国の期待に応えられるよう尽力しましょう」

??「ありがとうございます」

大臣「陛下。そのような2つ返事でよろしいのですか?」

王「こうして遥々足を運んでくれたものを先送りにしては、私の沽券に関わる」

王「それに加え物資の支援が必要とあれば速やかにだ」

大臣「懐の深いことですな」

王「元を正せば、私の送りだした勇者たちとの間に起きた戦争だ」

王「話を聞いた以上いまさら見てみぬふりはできん。我らには明確な責任がある」

王「そうだろう。ソル」

傭兵「あぁ」

??「ありがたきお言葉。しかし破滅の魔王を生み出してしまった我々にこそ落ち度がございます」

??「どうか陛下と勇者様一同は気に病まぬよう…」


傭兵「ところであんたは誰だ?」

王「そうだな。ぜひお顔を拝見したく思います。それと、楽にしてくれて構いませんよ」

貴族「そこの魔族の娘に等しく、魔国出身の者はさぞや美しいのでしょうなぁ」


緊迫した空気が溶けてにわかに周囲がざわつきはじめる。
みなの視線は一様にローブを羽織った謎の女に集まっていた。

??「…くす」

??「…」ジー

傭兵「…なんだ?」

ぞわりと背筋が凍る感覚。フード越しにじっと女に見つめられたような気がした。
そしてゆったりと女はローブを脱ぎ始める。


王「…!」

大臣「なんと!」

そこから現れたのは、筋骨たくましく、目つきの鋭いまるで野盗のような赤髪の女だった。
周囲の貴族達からは驚きと落胆の入り混じった声が漏れている。


勇者「な…ソル…?」

僧侶「ソル様…?」

魔女「…」ジトー

王「これは…どういうことだ」

傭兵「は? なんでみんな俺のほうを…って!」

傭兵「俺!? なんで俺が…」

??「くす。もうお忘れになったのですか。お兄様」

傭兵「お兄様だと!」

??「そちらの赤髪の男性は私の双子の兄のソル。私は妹のソラ」

王「ソル、そうなのか? 聞いていないぞ」

傭兵(俺だってそんなのしらねぇよ)ブンブン

それはどうみてもかつて俺がグリモワで女装したときの姿であった。
自分では似合っているとおもっていたものの、こうして第三者の視線でみるとなんともおぞましい。
精神が汚染されそうな程のゲテモノといって差し支えがなかった。

それが目の前で華麗な動きを見せ、あまつさえ俺の妹だと名乗っている。

傭兵(双子だとぉ!? イヤイヤ知らねぇ…ニクスにそんな話聞いてねぇ)

傭兵(親父…ホントに仕込んでいたか!? まてまて落ち着けありえない)


??「お兄様♪」ニコ

傭兵(かるく吐き気が…)

勇者「おえー」

魔女「きもい」

僧侶(ほんとにソル様の妹なら…この人が私の義理の妹に…?)


大臣「なんとも…いやはや面妖な…」

貴族達「……」

王「うむ…貴女がソルの肉親とはな。少々驚きました…」

??「友好の件、どうかお願い致します」

王「ええ。ソラさん、この後はどうしますか」

??「しばらく大使としてこの地に留まってもよろしいでしょうか」

??「この地での人々の暮らしを国づくりの参考にさせていただきたいのです」

王「そういうことなら…こちらとしてもソラの国に伺いたいことがたくさんありますので」

王「どうか以降もよろしくおねがいします」

??「はい。陛下のためになんなりといたしましょう」

傭兵(とどまるだと…この俺みたいな奴が!? 冗談だろ)


??「…くす」

傭兵「ぐ、グレイス。今日はこの辺でいいだろう!」

傭兵「俺…ちょっと用事が…」

王「あぁ。せっかく会えた妹とゆっくり話をしてくるといい」

傭兵「だからちげーっての!」

傭兵「お前…ちょっとこい!」

??「はい。お兄様♪」ニコッ

傭兵「うっぷ…とりあえずここ出るぞ」

??「かしこまりました」

勇者「ちょっ、待ってよぉソル。ヒーラとマナも行くよ!」

魔女「……」

僧侶「まってくださーい」


王「……」

大臣「冷や汗がとまりませんな…あれほどあやつと瓜二つとは…」

王「素敵じゃないか…少なくとも私の目にはそう映ったがな」

大臣「へ、陛下…? お気を確かに!」



【空き部屋】



傭兵「お前…レヴァンの差金か?」

??「もちろん。私はレヴァン様の命により参りましたよ?」

傭兵「見ればみるほど俺そっくりだ…」

勇者「ねーほんとに誰なの?」ジロジロ

魔女「……」

僧侶「ソラさんとおっしゃいましたか。申し訳ありませんが、私たちはあなたのことを存じません」

僧侶「ソル様の妹というお話は本当でしょうか?」

??「…ぷっ」

僧侶「?」

勇者「なんで笑うの」

??「ぷくくく、あははは! ほーんとあまぬけさんばっかりでやんなっちゃうわ」

勇者「えっ、えっ…」

パチンッ

女と呼びたくないそいつは高らかに指を弾いて鳴らした。
途端に眩しい閃光が発生し、俺たちは一瞬目がくらむ。


目を見開くと、ユッカたちが腹部を抑えながらくぐもった声を出してうずくまっていた。
奴の姿はなくなっている


傭兵「! なにをしやがった! てめぇどこいった」

傭兵「……ッ、ユッカ、ヒーラちゃんマナ! 無事か! 刺客をおくりこんでくるなんて」

勇者「そ、ソル…っ違う…違うのぉ」

ユッカが起き上がり俺にもたれかかる。
ハァハァと熱い吐息をもらして、顔を赤らめていた。

傭兵「お、おい?」

立て続けにヒーラちゃんとマナも俺にしがみついた。
みんなトロンとした目をしていて、明らかに見覚えのあるあの症状が出ている。

傭兵「……ま、まさか」

頭の中ですべての合点がいき、俺は何者かの気配のする後方へと振り返った。


サキュバス「はぁい♪ お久しぶり元気そうでなによりね」

傭兵「淫魔! お前…っ、だったのか」

サキュバス「なんで気づかないかなー」

傭兵「ふざけたことしやがって」


サキュバス「いいアイデアだとおもったんだけどなー」

傭兵「何がだよ! くるならお前の姿のまま来りゃよかっただろ」

サキュバス「だってこの姿だとこっちの人はびっくりしちゃうでしょ?」

サキュバス「ま、気にしない気にしない」

勇者「気にするよばかぁ♥」

僧侶「これ…なんとかしてくださいよぉ♥」

魔女「…♥」ペロペロ

傭兵「なんとかしてやってくれるか」

サキュバス「あんたがしてあげたら♪ いつもみたいにね♪」

傭兵「お前…なんで俺に変化できたんだよ…」

サキュバス「だってダーリンが夜な夜な…あ、内緒内緒♪ 忘れて!」

サキュバス「ソル。あんたにソラの国の王レヴァンからの指令よ」

傭兵「指令だぁ!? 何を偉そうに俺に命令してやがる」


サキュバス「あんたの生まれはここじゃなくて、辺鄙な山ん中でしょ?」

傭兵「は?」

サキュバス「あの辺一体はいまはレヴァンの統治下なのよねー」

サキュバス「つ・ま・り。あんたはあたしら側の国の人間ってわけ」

傭兵「…?」

サキュバス「ってことで、あたしこのあともう一度王様と話したら帰るから」

サキュバス「親善大使のお務めよろしくね~。ソラちゃん♪」

傭兵「!?」

傭兵「なにぃ~~!? 俺が!?」

サキュバス「そうよ? 細かい資料はここ置いとくから。あ、それとおチビも話つけとくから」

サキュバス「同じ親善大使ってことで、ちゃーんとこいつを支えてあげるのよ」

魔女「…っ♥」コクコク

サキュバス「っていまは考えてるどころじゃないか。ぷくくく」

勇者「ハァハァ…ソルぅ♥ うずうずするよぉ」

傭兵(助けてグレイス…)

傭兵(レヴァンてめぇマジで覚えてやがれ…)




後日譚最終話<丘の家>つづく

 

更新終わり
次回明日か明後日

後日譚最終話<丘の家>つづき


<2時間後>



傭兵「くっそぉ…絶対許さん」

勇者「ソルったら。ボクたちとのエッチの時くらい、レヴァンのこと忘れようよぉ」ブツブツ

僧侶「そうですよソル様。なんだか浮気された気分です」

魔女「お兄様とも結婚する?」

傭兵「しねぇっての!」

傭兵「はぁ…しかし参った。俺に親善大使だと…? どうしろというんだ。務まるわけねぇ」

魔女「実務は私にまかせてくれたらいい」

傭兵「お前できるのか?」

魔女「楽勝。この資料よく出来てる。さすがお兄様」ペラッ ペラリ

傭兵「確かにマナがいてくれたら…問題はないか」

勇者「でもさぁ…ぷくくく」

傭兵「なにがおかしい」グリグリ

勇者「いだだだっ、だってぇ、ソルが大使のお仕事の度にあの格好するっておもったら」

勇者「あはははッ! おえー。笑いすぎて吐きそうだよ」

傭兵「失礼なやつだな」


僧侶「サキュさんにまんまとしてやられましたね」

傭兵「あれ絶対レヴァンの意思とずれてるぞ…」

魔女「ありうる」

僧侶「いまや王妃であるサキュさんが直接交渉したほうがよかったのでは…?」

傭兵「まぁ…あいつの懸念することもわからんではないけどな」

僧侶「とおっしゃいますと、やっぱり姿形の事でしょうか」

傭兵「この国は魔族との遺恨が残っている」

傭兵「時が解決してくれるまであまり目立った行動は避けたほうがいい」

勇者「ボクらはサキュのこと見慣れてるけど、普通はびっくりするよね」

傭兵「……にしても勝手に俺の姿を真似る必要はないだろうがあああ」ゴゴゴ

僧侶「結局目立っちゃってますね…」


サキュバス「このほうがおもしろいでしょ? 主にあたしが♪」

傭兵「うわっ、戻ってきたのか」

サキュバス「セックスおわった? こっちは大方話を済ませてきたわ」

サキュバス「くんくん。うわぁお、換気したほうがいいわよこの部屋…」

傭兵「う、うるせぇな。あっちいけ」

僧侶「匂いかがないでください!」

サキュバス「なによ。いまさらじゃない」

サキュバス「久しぶりに会ったのに相変わらず冷たいんだから」

傭兵「おい。お前のそういう自由奔放なところが気に入らねぇ」

勇者「それよりどうしてソルが親善大使なの? サキュがやればいいじゃん」

傭兵「そうだぜ。手持ち無沙汰な俺に職務を与えようなんて、余計なお世話だ」

サキュバス「あたしお妃様よ? 頻繁に行き来するなんて無理よ」

サキュバス「もうすぐ帰るもん」

傭兵「そうなのか」

サキュバス「それに言っとくけど、あんたの為にやったわけじゃないわよー」

勇者「じゃあ…?」


サキュバス「おチビのため」ツンツン

魔女「私?」

サキュバス「ダーリンって心配性なのよね」

サキュバス「マナはどうしてるだろうか…迫害されていないだろうかって暇あればつぶやいてて怖いくらいよ」

勇者「そんなことしないし、二度とさせないよ!」

サキュバス「だから、あたしのナイス独断でおチビを親善大使補佐につけてあげたのよ」

サキュバス「どう?」

魔女「……」

傭兵「どう…じゃねぇ! 今の話でなんで俺が女装して架空の双子の妹になりすます必要が出てくる!」

勇者「そーだそーだ!」

サキュバス「だって、ソルとしてあんたに依頼しても絶対つっぱねるでしょ」

傭兵「…当たり前だ。そもそも奴が俺に依頼や命令をするとも思えないがな。どうなってやがる」

傭兵「なんであいつは俺があっち生まれだって知ってんだよ。そこからおかしいだろうが」

サキュバス「…え? 内緒だった?」


傭兵「……。話をややこしくしてるのはお前か…」

サキュバス「ダーリンね、あんたを獲得してすっごい喜んでたわよ」

傭兵「…俺は景品か何かか」

勇者(喜ぶ姿思い浮かばないなー)

僧侶(サキュさんの前ではいろんな表情を見せるのでしょうか…)

傭兵「俺は…お前らの国の人間になる気はねぇ」

サキュバス「…ふぅん。じゃあこっちに籍をおくつもりなのね」

傭兵「ああ。またどこかの兵団に所属したら取得できるはずだ…」

傭兵「いまんとこはただの根無し草だけどな…」

サキュバス「ならそんな行き先不安のあんたに、ひとつだけいいことおしえてあげるー」

傭兵「いいこと?」

サキュバス「ソラの国は、多重婚でもなんでもOKよ」

傭兵「!」


僧侶「えっ、そうなんですか!?」

サキュバス「もともと魔界ってそうだったのよねー。むしろこの国が厳しいくらいよ?」

勇者「そうなんだー」

サキュバス「いろんな種族が入り乱れてるから、愛の形は人間界以上にさまざまって事」

サキュバス「どう? 目下あんたたちの悩みを解決できちゃうんじゃないかしら」チラ

僧侶「!」

傭兵「……」

サキュバス「何よその鈍い反応。つまりー。そこの3人をまとめて」

傭兵「あ゙ーあーあー! 言わなくても意味くらいわかるっ!!」

サキュバス「何照れてんの? くすくす」

サキュバス「ね。あんたたち全員にとっても悪い話じゃないでしょ?」

魔女「…私とソルはソラの国の住人」グイグイ

勇者「そっかー。えへへへ、ソルはあっちの生まれだもんね」

勇者「太陽の国の人になってくれらもちろん嬉しいけど…愛のためならしかたないよね!」

僧侶「親善大使なら2人ともこっちに住めますね!」ムギュ

サキュバス「うんうん。産めや増やせで貢献するのよ」


傭兵「ま、まて…勝手に決めるな」

サキュバス「決めるなもなにも。人の生まれはそれこそ神によるさだめよ」

サキュバス「本人の意思でどうこうなるものではないわ」

サキュバス「変な鳥から生まれたことはもう自分の中で消化できたんでしょ?」

傭兵「……お前も知ってるのか…」

勇者「ソルママさんのこと変な鳥っていわないでよ!」

傭兵「どこから漏れるんだ…ほんとお前不気味だ…」

サキュバス「王様よ」

傭兵「グレイスが!?」

サキュバス「さっき一対一で正体を明かしていろいろ話をさせてもらったのよ」

傭兵「何……いろいろってなんだ」

サキュバス「それはもういろいろよ♪ …物分りの良い子で助かったわ。くすくす」

傭兵「丸め込んだのか!? グレイスになにかしてたらただじゃおかねぇぞ」

サキュバス「あはは。もったいないけどなにもしてないわよ」

サキュバス「むしろ交渉してきたのはあっちのほうだったりして」

傭兵(なにがあったんだ…)


サキュバス「さ、あんたはあきらめて素直にあたしたちに従いなさい」

サキュバス「そのほうが懸命よ。ふふん。大丈夫、悪いようにはしないから」

サキュバス「それに外交官ってわけじゃないのよ。あくまで国の象徴としての大使だから」

サキュバス「国名の由来となったソラちゃんと、国王の妹君のマナなら資格も信用も十分でしょ?」

傭兵「そりゃ…俺自身の名前を使うよりはいいが…」

勇者「よかったね。ソルでも出来そうなお仕事だよ!」

傭兵「…でもってなんだ」グリグリ

勇者「いだだだだっ、なんでぐりぐりするの。今日機嫌わるすぎだよ~」

サキュバス「難しいことはないわ。戦う事しかしらないあんたでもきっと大丈夫…」

傭兵「……何もかもお見通しみたいな目しやがって…」

サキュバス「伊達にあんたたちの旅を見てきてないから」


勇者「サキュってなんでもわかるんだね。どうして?」

サキュバス「うふふーどうしてでしょう」

僧侶「サキュさんには未来を見通す力がありますから…。ですよね?」

サキュバス「乳は1回占ってあげたことあったわね」

僧侶「はい。その節はありがとうございました」

僧侶「きっとサキュさんの占いがなかったら、私あの時すぐさま決断することができませんでした」

サキュバス「そ。良かった。占った甲斐があった」

勇者「え、何の話?」

僧侶「内緒ですよー」ナデナデ

勇者「むぅ。ボクも占ってもらお! いいよね?」

サキュバス「いいわよ」

勇者「じゃあまずボクの最初の子どもは女の子か男の子か占って…えへへ」

サキュバス「うーんとね」

傭兵「あとにしろ!!」


傭兵「サキュ。少し考えさせてくれ…あまりに唐突すぎてな」

傭兵「国家の未来に関わることだから、安請け合いはしたくない」

サキュバス「はぁ。言うと思った」

サキュバス「そっちの王様はもうその気になってるから。あんまり失望させちゃだめよ」

傭兵「マジか…あのグレイスを懐柔する方法なんてあるのか」

サキュバス「それとダーリンのことも失望させないでね!」

サキュバス「ダーリンってばどうしてあんなに自信満々に指名したのかしら」

サキュバス「『フッ、奴なら断りはせんさ……必ず私の期待に応えてくれる。いままでもそうだったからな』」キッ

魔女「似てない」

傭兵(…俺ってあいつの中でどんな位置づけなんだ)

サキュバス「あいつかっこつけちゃってもー! 話持って行って丸めこむのはあたしだっつうの!」

僧侶「だから無理やり外堀から固めてるんですね? ソル様が逃げられないように…」

サキュバス「……えへ。気付いた?」

勇者「サキュも苦労してるんだね」

サキュバス「そうよ。でもどんなことがあってもあいつについていくって決めたから…」

サキュバス「だって妻だもの」

サキュバス「だからお願い? ソル、あんたに頼らせて。これが務まるのはあんたしかいない」

傭兵「……」

傭兵「…とりあえずグレイスと話をしてくる」



【王の部屋】



王「…ごほん。先ほどサキュ妃殿下より聞いたぞ」

傭兵「……あの姿のサキュに会ったんだな」

王「そしてお前の今後について2人で話し合った」

傭兵「驚かなかったか。羽とか尻尾とか。軽すぎる態度とか……悪いな」

王「気にするな。むしろ話しやすかった」

王「これから魔族との親交が深まるにつれ、接する機会は増えるだろう」

王「彼らの姿に臆している場合ではない。それにサキュ妃殿下は不思議な力のある女性だ」

王「…ひと目で私の性別を悟られてしまってな」

傭兵「淫魔を騙すのは無理だな…」

王「だがゆえに、これからお互い良き友となることを誓えた」

傭兵「そうか…こうして国のトップ同士が結びついてるなら安心だな…」

王「これから少しずつ親交を深めてゆくさ。お互いの国の傷が癒えるその日までな」

傭兵「ま、人々にいきなり魔族と仲良くしろなんてのは土台無理な話だよな。そのための親善大使か…」

王「ソル、お前はこれからどうしたい」

王「ソラとなって大使を務めるか、それともソルとしてのみ生きるか」

王「お前の選ぶことだ。後者の場合、マナを任命するとのことだ」

傭兵「……」

傭兵「…」ゴソゴソ スルスル

傭兵「これでいい…のでしょう。まず言葉遣いからおぼえなきゃな…」

王「あぁ。素敵だよ。よく似合っている」


傭兵「あんまり表に出ないようにしよう…ボロが出そうだ」

王「それがいいかもしれないな」

傭兵「それよりグレイス。この話よく認める気になったな」

王「というのは?」

傭兵「だってよ、お前は親友である俺がこんな格好させられてなんともおもわないのか?」

王「…え、あぁ…それはな」

傭兵「なんだよ」

王「お前が女性として生きてくれれば…その…私にも…」

王「いいい、いやっ、なんでもない!!」

傭兵「あ?」


コンコン 

王「入れ」

大臣「失礼します陛下」

大臣「おやソラ殿もご一緒でしたか」

王「何用だ」

大臣「恐れながら陛下、次のご予定が入っておりますゆえ」

王「そうだったな…。すまないソル……ソラさん」

王「また後日。歓談の機会を設けさせて頂きます」


傭兵「ふーー…ハラハラしたぜ」

サキュバス「気楽に変装できるでしょ?」ヌッ

傭兵「あのなぁ」

サキュバス「他の人にバレないように言葉遣いは気をつけなさいよ」

傭兵「…そこが問題だよな! お前謁見の間でよくあんな話し方できたな」

サキュバス「あら、わたくしはこれでも高貴な生まれですわよ? くすくす」

傭兵「そうなのか」

サキュバス「うん…すごく昔のことだけどね」

傭兵(そういや…淫魔の国は滅びたって聞いたな…)

傭兵「…サキュ」

サキュバス「ん?」

傭兵「お前が未来と繁栄を望み続ける気持ち……たしかに受け取った」

サキュバス「………。うん」

サキュバス「でもさ、あはは。その格好で言うのはないわー」

傭兵「てめぇが用意したんだろうが!!」バサッ

サキュバス「元を正せばあんたが勝手にはじめたことでしょうが!」


大臣「陛下。ずいぶんとごきげんなご様子ですが」

王「そうか? ふっ、なんでもない」

大臣「…ま、まさかとは思われますが…」

王「?」

大臣「いやこれ以上は詮索しますまい…」

大臣(ようやく陛下に春が…? しかしあんなゲテモノ…お美しい陛下にはふさわしくありませんぞ)

大臣(あれぞまさに魔物!)

大臣「そ、そういえば陛下。来月隣国の姫が陛下をパーティに是非お呼びしたいと」

大臣「気立てがよく、品があって美しい女性です」

大臣「ご出席なされてはいかがですか。良き出会いもあることでしょう」

王「大臣……近頃お前はお節介がすぎるな♪」

大臣(あああああああああああああああっ)


 


   
   ・     ・     ・



勇者「よかったね。ひとまずお仕事みつかったじゃん」

傭兵「…ん、まぁ…そうなるのか」

傭兵「給料出るみたいだし、ひもじい思いはしなくて済みそうだな」

僧侶「一安心です」

傭兵「しかし表向きの俺はどうするかなぁ。公務がない内はしばらくのんびりするか」

勇者「うんうん。暇ならボクと牧場しようねー」

魔女「私も手伝う!」

傭兵「…はは、それもいいな」

勇者「さてと、この後どこへ行こっか」

僧侶「……」ドキ

勇者「おじいちゃんの村行く?」

僧侶「そ、その前にユッカ様っ、私に少しだけお時間くださいませんか」

僧侶「あとソル様を貸してください!」

勇者「え? いいよ~」

魔女「…がんばれ」

僧侶「はいっ! がんばります! ソル様参りましょう!」グイグイ

傭兵「ななっ、どこへ…どこへ!!」



【大神殿】


大神官「……」ジロジロ

傭兵「……」

僧侶「お、お父様…こちらソル様…は知ってますよね当然…」ニコニコ

大神官「……」ジロジロ

傭兵(俺、死んだな)



後日譚最終話<丘の家>つづく



 

更新終わり
次回明日予定
更新残り数回分は入りきらないのでそのうち次スレ行きます

後日譚最終話<丘の家>つづき




大神官「で、私に話というのは?」

大神官「なぜ君がひとりでうちにきて、ヒーラの隣に腰かけるのです」

大神官「勇者様達は?」

僧侶「あの…それは」

大神官「まぁいいでしょう。ソル、旅の疲れはとれましたか」

傭兵「まぁまぁな。旅してた頃より気疲れは多いが…体は休めてるよ」

大神官「今日君は旅の報告に来たのですか?」

傭兵「…それもある」

大神官「昨晩娘から旅の話は大方聞いています。ずいぶん過酷な旅となったようですね」

傭兵「あ、あぁ…それは追々話すとして」

傭兵「今日は…もっと個人的な話で来たんだ」

大神官「…個人的! 一体…何の…話でしょうか」

傭兵「…」ゴク

大神官「…」ゴクリ

僧侶(なんでしょうこの一触即発の雰囲気…)



大神官「……」

僧侶母「あら、ソルさんいらっしゃい」

傭兵「ご無沙汰しています」

僧侶母「お茶どうぞ。これさっき焼いたケーキ、食べてくださいね」

傭兵「ありがとうございます」

大神官「…ズズ」ゴクリ

僧侶母「……あ、もしかして大切なお話中? 私も一緒してよろしいですか」


ヒーラちゃんの母親が大神官の隣にゆったりと腰かける。
柔らかい笑みを浮かべこっちをじっと見つめている。

傭兵(やっぱ似てるな…)

そして娘を越える豊満な胸が呼吸に合わせて揺れていた。

傭兵(でかい…)

僧侶「ちょっとソル様…お話切り出してください」ツンツン

傭兵「あ、あぁ…」


僧侶母「あら。この構図、もしかして…」

僧侶母「うふふ。結婚のご挨拶かしら」

大神官「!」

僧侶「…ッ」コクコク

傭兵「…ああ。今日は…その件で挨拶にきた」

僧侶母「やっぱり♪」

大神官「……恐れていた日が来たか…」

僧侶「お父様、お話だけでもきいてくださいませんか」

大神官「あぁ…聞くだけなら聞いてあげよう」

僧侶「うう…」

傭兵「単刀直入に言う。ヒーラちゃんを俺にくれ!」

僧侶(ばっさりしすぎですよ。ソル様らしいですけど…)

大神官「……」ピクピク

僧侶母「先制で会心の一撃ね♪」


大神官「ごほ、ごほ…」

大神官「なんとも聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしたが」

僧侶母「ヒーラちゃんが欲しいんですって。どうしましょう、うふふ」

大神官「うぐぐぐぐ…」

大神官「ダメです」

僧侶「そんなー…どうしてですか」

僧侶「私…将来はソル様と結婚したいです」

傭兵「俺もヒーラちゃんと結婚したい」

大神官「…なりません」

大神官「ヒーラはいずれこの大神殿と共に私の後を継ぎます」

大神官「大神官とは祭事の中心であり、国家にとって必要不可欠な責任ある重役」

大神官「公私に渡ってこの子を支えてくれる者こそがふさわしい」

大神官「由緒正しく格式ある家柄のものとお付き合いすべきなのです」

大神官「ソル。君が陛下の騎士であり続ければ、あるいは私はやぶさかではなかったのかもしれません…」

僧侶母「あなた…」


傭兵「……そりゃ、そうだよな」

傭兵「親として娘の将来を案じる気持ちはわかる…俺みたいな不逞の輩…」

大神官「…」

僧侶「そんな…でもソル様は」

大神官「…と! 以前までは頑なにそう思っていたのですがね!」

傭兵「何」

僧侶「え…」

僧侶母「…うふふ」ニコニコ

大神官「ヒーラ。勇者様に付き従い、旅に出たあの日から、これはお前の人生だ」

大神官「好きにしなさい」

僧侶「お父様…?」

大神官「…私は、お前を失う覚悟で旅に出るのを見送った」

大神官「思えば16年間共に過ごしたお前のはじめてのわがままだったかもしれない」

大神官「勇者様を守りたいと懇願したお前の目には、見たこともないほど強い意思が灯っていた」

大神官「時には送り出したことを後悔もした。眠れない夜が続いた」

大神官「しかしある日そんな娘が仲間とともに無事笑顔で帰ってきた。私達にとってこれ以上喜ばしいことはない」

大神官「私はね、もう多くを望むことはないんだよ」

大神官「ただヒーラが幸せにくらしてくれるならそれでいい」

大神官「それでいいのです…」

僧侶「お父様…!」


大神官「ソル。君にこの子を幸せにする覚悟はありますか」

傭兵「もちろんだ」

傭兵「世界中探しても、ヒーラちゃんを幸せできるのは俺しかいない」

僧侶「♥」

傭兵「俺にこの子をください」

大神官「…そうですか」

大神官「君はヒーラや当家に擦り寄る貴人達とは違い、口先だけの男ではないことを私は十分知っています」

大神官「どうか、末永くよろしくおねがいします」

僧侶母「ソルさん、この子に幸せを与えてあげてください」

大神官「そしてありがとう……ヒーラを護ってくれてありがとうございました」

僧侶母「昨夜たくさんこの子から話を聞きました…」

大神官「半分は君の話でした」

僧侶「そ、そうでしたっけ…」

大神官「本当にありがとうございました」

傭兵「護っていくのはまだこれからさ。まかせろ」


ホーリィ大神官は突如崩れるように机に伏せた。
ヒーラちゃんは慌てて父親の側に座りこみ、母と共に震える肩に寄り添って優しく背中を撫でていた。


大神官「ありがとう…ありがとう…ソル…」

傭兵(役職柄、人前でずっと気丈に振舞っていたんだな…)

傭兵「俺こそありがとうホーリィ。俺のいない間に国も護ってくれて、感謝している」


俺と大神官との付き合いはヒーラちゃん以上に長い。
騎士に就任したころから王宮で何度も顔を合わせ、俺の締まらない立ち振る舞いに小言を浴びせてきた。
そんな少しおっかない男が、愛しい娘に抱かれてさめざめと泣いている。


傭兵(俺にも娘ができたらいつかこんな日がくるんだろうか)

傭兵(…さて、ここにいていいものかどうか)

ヒーラちゃんにやんわりと視線を飛ばすと、彼女は照れくさそうに笑いながら頷いた。


大神官「…そうだ」ムクリ

僧侶「お父様。ちーんしてください」

大神官「ずずっ。いやすまない。みっともない姿を見せてしまったな」

大神官「ヒーラにこれだけは言っておきたいことがある」

大神官「くれぐれも彼とは清いお付き合いをするんだよ」

僧侶「は、はい! もちろんです」


大神官「大神官の娘たるもの、浮ついた行為…特に婚前交渉は禁止だよ」

僧侶母「そうね。大人の年齢とは言え、ヒーラちゃんにはまだ早いかも…うふふ」

大神官「あぁ」

傭兵「…!」

僧侶「……はい」

傭兵(なんとも手遅れな話を…)

大神官「ん? まさか…」

僧侶「そ、そんなことしてないですっ!」

僧侶「ソル様とは…その…あの…」

僧侶「き、キスだけですっ!」

僧侶母「まぁ!」

傭兵(おいおいおい。いいのかそんな嘘ついて)

大神官「キスだけ…キス…ヒーラが…男とキス…」フラッ

大神官「うっ…いざ想像してみるといささか気分が…頭が痛い…心も!」シクシク

僧侶母「あらあら大丈夫ですか」ナデナデ

僧侶「う、うそですっ、キスもしてません。ひざまくらだけです!」

大神官「ふぅ…なんだよかった…そんな嘘ついたらびっくりするじゃないか…」

傭兵(あっさり信じるのかよ)


傭兵「おい、親バカの度が過ぎてるぞ。こんだけ付き合ってひざまくらだけなわけないだろ」

大神官「何ィ!!」

僧侶母「あらー」

僧侶「ちょっ、何をおっしゃってるんですか」

傭兵「みみかきもしてもらったぜ!」

大神官「ぐぅぅぅあああああ!!」

大神官「やはり許せません! 君のような男がヒーラの愛を一身にうけるなどおおお!!」ガタッ

傭兵「お! 久しぶりにやっか」ガタッ

大神官「うらやましいので大神官の名において天罰を下します!」

傭兵「うらやましけりゃあんたもしてもらったらいいだろ! 実の娘なんだからよ!」

大神官「それは恥ずかしいでしょうが!」

僧侶母「私でよろしければ今晩久しぶりにしてあげましょうか?」

僧侶「お、お父様…ソルさま…。お母様ぁ止めて下さい」

僧侶母「今やあなたのほうが力があるでしょう? うふふふ」


大神官は杖を振り回しながら広い神殿内を逃げまわる俺を追いかける。
こんなことばかりしていた王宮時代を思い出し、懐かしい気分になった。

 


大神官「ソル! ヒーラを頼みます!」

傭兵「あぁ! ってその相手を殺しにきてんじゃねぇ!」



   ・    ・    ・



勇者「あ、おかえりーヒーラー。お話おわった?」

僧侶「はい、無事許しがでました!」

魔女「おめでとう」

勇者「ほんと!? すごいや。あとはボクだけだね」

僧侶「えへへ…結婚…」ニコニコニコニコニコニコニコニコ

魔女「不気味」

勇者「いいなぁ~」

傭兵「…はぁ、死ぬかとおもった」

勇者「ソルー、髪の毛後ろのとこ焦げてるよ。何してたの」

傭兵「男の通過儀礼ってやつだ…」

傭兵「…これから司祭に会いにいくってのに」わしゃわしゃ

僧侶「とかしてあげます」

傭兵「サンキュ」



勇者「おじいちゃん元気にしてるかなぁ」

サキュバス「はぁいボーイズアンドガールズ」

傭兵「俺ってボーイか?」

サキュバス「さぁ~? あたしからしたらボーイかも?」

傭兵「お前なにしてんだ」

サキュバス「これから荷馬車で村にいくんでしょ? あたしもついでに乗せて行ってよ」

勇者「いいよ。何のよう?」

サキュバス「ん? 帰りの便を待たせてるから」

勇者「???」

傭兵「もう帰るのか」

サキュバス「そ。あっちも忙しくってね、だからあんたにあとはまかせた!」

傭兵「あぁ。やっとく」

サキュバス「聞き分けがよろしい。ささっ、行こ行こ♪」


馬「ヒヒン」

勇者「スレイプニル~こんなトコにいた」ギュ

勇者「ん……なんか太った? いっぱい食べさせてもらったの?」

馬「ヒヒン」


勇者「えーこんなに太ってたら飛べないじゃん」

傭兵「どうせなら景色でも見ながらゆっくり行こうぜ」

勇者「そうだね。そうしよっか」

僧侶「スレイプニルちゃん、すっかり名馬の風格漂ってますね」

傭兵「こいつほんとにただの馬なんだけどな。出世したもんだ」

勇者「さすがボクたちの仲間だよ」スリスリ

サキュバス「仲間か…」

僧侶「もちろんサキュさんもですよ」

魔女「うん。あなたも私たちの仲間」

サキュバス「ほんと?」

僧侶「ですので、解いてくれますよねぇ…?この呪い…。私達って仲間ですしねぇ…」ズズ

勇者「ほんとちょーーどいいとこに来たよねサキュ♪」ポキポキ

魔女「うかつな…フフ」

サキュバス「あら……もしかして皆様お冠って奴かしら?」

勇者「荷馬車におしこめー!」

僧侶「了解しました! 結界貼ります!」

サキュバス「いやっ、ちょっとあんたたち!」

魔女「パッチンはさせない。術式:マジックロープ」 シュルシュル

サキュバス「なによこれー!」

傭兵「……村つくまでせいぜいいじられてろ」


 
後日譚最終話<丘の家>つづく

 
   

更新終わり
次回明日予定
マナの絵もたぶん…

帰宅おくれたので明日更新スマソ
次スレ立てます

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