修「さて、今日はネット対戦をするか！」

修「まずは続きから……っと」

修「マルチプレイ……インターネット通信……」

修「今日は……部屋の検索でしてみるか」

画面
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中
プレイ中

修「……部屋立てるか」

迅（解説員）「ワートリＢＭのネット対戦は、ネット上の部屋にプレイヤーが八人まで入ってからルールを決めたり、フィールドを決めたりする」

迅「だから部屋に入れないと何もかもが始まらないが……」

迅「部屋の表示数は最大10個。しかもどういうわけかプレイ中の部屋まで表示する仕様だ」

迅「このプレイ中の部屋には途中入室も乱入もできるわけで無く、表示されたところで全く意味が無い」

迅「どうして表示されているのかはゲーム製作サイドしか真相を知らないぞ」



迅「メガネくんみたいに全部が埋まっていた場合、部屋立てるのがオススメだ」

迅「部屋を立てて他の人に入ってもらうのを待つ」

迅「だが、ここでもプレイ中の部屋が邪魔をする」

迅「ゲームをプレイした者の推測だが、他の者が検索をかけてもプレイ中の部屋が邪魔をして立てた部屋が検索に現れないみたいだ」

迅「だから最初数分は誰も入ってこなかったけど、プレイ中の部屋が解散して、検索に表示されだしたのか一気になだれ込んでくるという現象が発生する」

迅「ま、気長に待とうぜってことだな」

数分後

修「……よし、八人集まったな」

修「ルールは……10分、リスポーン8回、耐久力回復無し、トリオン回復標準」

修「フィールドは……シェルターにするか」

修「よし、開始――」

○○さんの通信が切れました

修「あー……この人回線悪いなあとは思ってたけどやっぱり」

修「４対３になるけど……しょうがないか」

迅「修が決めたルールについて説明するぞ」

迅「１０分は制限時間、リスポーン回数はチームごとに復活できる回数だ」

迅「大乱闘スマッシュブラザーズと違って、どっちかだけという設定は出来ないぞ」

迅「そして耐久力回復は自動で耐久力回復できるか否かを決められる」

迅「ま、つっても本来微量の回復しかしない。だからあったところで関係ないと思われるだろうが……」

迅「個人的には無しにした方がいいな。理由はまた後でな」

迅「そしてトリオン回復は標準と早いがある。これは個人的にはどっちでもいい」



迅「次に決めたのはステージ」

迅「ステージには放棄住宅街、シェルター、駅周辺、ボーダー本部前、訓練室……いろんな種類がある」

迅「どのステージにも特徴があるが、多人数でやるときは訓練室以外をオススメする」

迅「この訓練室は建物が一切ないのっぺりしたフィールドなので、あまり駆け引きが生じない」

迅「訓練室を使うオススメはタイマンでするとき。要するにスマブラで言う終点みたいなところだな」



迅「そして次に○○さんの通信が切れたということだったが」

迅「ネット対戦だし、回線が悪くなった、急にゲームを止めないといけない事情ができたなど、落ちる理由は様々考えられる」

迅「だからそれはしょうがない」

迅「しかしこのゲーム、さっきも言った通り乱入の制度がない」

迅「一人落ちたから一人補充するということは出来ず、七人でプレイするしかない」

迅「もし八人でしたいなら、部屋を解散してもう一回立て直さないといけないということだな」

修「僕はホストだから左のチームで……ああ落ちた人、左のチームだったか」

修「みんなキャラセレクトに入ったし動くつもりは無いということか」

修「……三人で頑張るか」

～キャラセレクト中～

修「よしやるぞ」　装備レイガスト＋アステロイド

嵐山「………………」　ＳＮＩＰＥＲ

修「見方は嵐山さんか……珍しいな」

修「まあ、それを言うなら、僕の方がもっと珍しいだろうけど」

修「もう一人の仲間は……」

空閑「………………」　ＡＴＴＡＣＫＥＲ

修「空閑か。頼りにしてるぞ」

修「えっと相手チームは……」

千佳　ＧＵＮＮＥＲ
千佳　ＳＮＩＰＥＲ
烏丸　ＧＵＮＮＥＲ
太刀川　ＡＴＴＡＣＫＥＲ

修「全員ガチか…………」

迅「さて、解説だ」

迅「さっきも言った通り３対４のチーム分けになったな」

迅「ちなみに空いた人員のところにはＣＯＭ操作のキャラを入れることが出来る」

迅「つまりＣＯＭ操作のキャラを入れれば４対４にも出来るが……やっぱりＣＯＭ操作なので落とされやすい」

迅「無駄にリスポーン回数が増えるだけの恰好の的なので入れるのはオススメしないぞ」

迅「ちなみにこれについてはもう一つ問題があるが……まあ次で解説しよう」


迅「そしてメガネくんが嵐山を珍しいといい、自分はもっと珍しいと言った」

迅「これについてなんだが……ワートリＢＭでは総勢２０人のキャラを使うことが出来る」

使用可能キャラ
玉狛第二　修、空閑（ノーマルトリガー）、空閑（ブラックトリガー）、チカ
玉狛第一　烏丸、小南、レイジ、迅（ノーマルも風刃も使える）
太刀川隊　太刀川、出水
風間隊　風間、歌川、菊地原
嵐山隊　嵐山、木虎、時枝
三輪隊　三輪、米屋、奈良坂
草壁隊　緑川

迅「遊真がトリガー違いでカウントされてる割りに、俺はされてないのは謎だが……こうなっている以上仕方ない」

迅「ん、佐鳥は？　古寺は？　と思いのあなた」

迅「どっちも登場はしてるが、操作キャラとしては出てこない」

迅「佐鳥はツインスナイプが出来ない仕様上外されたんだと推測出来るが……古寺は……」

迅「……第二作を期待しような」

迅「ん、那須とか村上とか使えないのかって？」

迅「……第二作を期待しような」

迅「と、話がズレたな」

迅「キャラごとの違いは大まかに言って身体能力、戦闘体耐久力、トリオン量、それと連携フレンド効果だ」

迅「身体能力が大きければ大きいほどジャンプの距離なんかも上がる。言うならばＡＧＩだ」

迅「戦闘体耐久力が高いほど撃たれ強い。ＨＰだな」

迅「トリオン量が多いほどトリオン切れが起きにくい。ＭＰだ」

迅「ちなみにＡＴＫは武器依存だぞ」

迅「そして最後の連携フレンド効果は……パスだな。そう気にする項目じゃない」

迅「これも全キャラで数値化されていて、例えば遊真は身体能力（ＡＧＩ）が他と比べて高めだが、耐久（ＨＰ）とトリオン（ＭＰ）はそこそこ」

迅「千佳ちゃんはトリオン量（ＭＰ）が全キャラの中で一番高い代わりに、身体能力（ＡＧＩ）と耐久力（ＨＰ）はかなり低い」

迅「とまあ原作の雰囲気に合わせて設定されている」

迅「…………つまりメガネくんは三つとも最低水準だ」

迅「原作ではそれをいろいろ頭を使ったりでカバーしているが、あいにくそこまでの設定は反映できなかったらしい」

迅「数値化されている以上、絶対的な差がある」

迅「そしてプレイヤーだってどうしても強いキャラの方が使いたい」

迅「つまりメガネくんを使う人は……悲しいかな、縛りプレイなんだなとしか思われないんだ」

迅「嵐山は修より全ての能力において高い数値を持っている」

迅「しかし嵐山もどういうわけか全能力が隊員の木虎に劣るキャラなので使われることはまずない」

迅「そしてその木虎もほとんどの能力で烏丸に負けているため使われることはあまりない」

迅「まとめると、使われることが多いキャラはこうだな」

身体能力高め（ＡＴＴＡＣＫＥＲ向き）
空閑（ノーマル）、小南、太刀川

耐久力高め
レイジ

トリオン高め（ＳＨＯＯＴＥＲ、ＳＮＩＰＥＲ、ＧＵＮＮＥＲ向き）
千佳、出水

バランス的
烏丸

迅「基本、上の７キャラの……いや、防御向けのレイジさんも使われることは少ないので、６キャラで大半は埋まるだろう」

迅「ん、遊真と俺のブラックトリガー？　ああ、それはただのカモだから使われることは少ない。理由は後で説明する」

迅「以上が修も嵐山も珍しいと思ったのと相手チームがガチだと思った理由だ」

修「さて対戦開始……」

空閑（ＣＯＭ）「ヨロシクナ、アイボウ」

修「……！？」

修「うちのチームにＣＯＭ操作のキャラが入った……！？」

修「そりゃ３対４だから入れるスペースはあったけど……ＣＯＭ操作はただの的だ。いったい誰が……って」

修「やっぱり、相手チームがいれている！！」

修「こすいマネをして……外すまで試合開始しないからな」

～一分後～

修「………………」

～二分後～

修「………………」

～三分後～

修「ふう、諦めてくれたな。これでようやく試合開始できる」


修　ＡＬＬＲＯＵＮＤＥＲ
嵐山　ＳＮＩＰＥＲ
空閑　ＡＴＴＡＣＫＥＲ

　　ＶＳ　　

千佳　ＧＵＮＮＥＲ
千佳　ＳＮＩＰＥＲ
烏丸　ＧＵＮＮＥＲ
太刀川　ＡＴＴＡＣＫＥＲ

試合開始！！

迅「ようやく対戦が開始したみたいだな」

迅「さて、メガネくんが対面したチーム分けに関しての問題」

迅「このゲームでは部屋に入った時点ではチームが固定されていない」

迅「だから戦闘開始するまでは自由にチームを移動できる」

迅「これが原因で発生する問題は様々だ。メガネくんみたいに相手チームにＣＯＭをぶち込まれるのも一つだな」

迅「他には強いやつの方のチームに移動しようとするコバンザメみたいなやつがいたり」

迅「６人で対戦する時に４対２になるように移動する奴がいたりだな」

迅「そいつらを注意しようにもこのゲームにはチャット機能が無い」

迅「だから相手が自分の意図を読み取ってくれるように願うしかないな」

迅「戦闘中もチャットが無いから、味方の意図を読み取るように意識しような」

修「さてレーダーには敵があっちにいると示しているけど……」

修「ん、三つしかないな。バッグワームか」

修「相手の構成だとスナイパーの千佳が使ったかな……？」

修「そういや僕のトリガーは……」

右手　レイガスト　左手　アステロイド

オプション
グラスホッパー　らいじんまる
トリオンセーブＬ　スラスター
テレポーター　？？？？？？

修「よし大丈夫だな」

迅「さて解説と行こうか」

迅「画面の右上にはレーダーが表示される。ここに相手の向きと位置を赤の矢印で教えてくれるぞ」

迅「ちなみに味方は緑の矢印だ」

迅「オプショントリガーにバッグワームをセットして、使用するとレーダーに映らなくなるのは原作通りだ」

迅「ただ、味方からも見えなくなるのは注意だぞ」



迅「次にトリガー構成。実際には試合中には見れないし変更も出来ないけど、解説の都合上だ」

迅「トリガーは武器が右手、左手に一つずつ」

迅「オプショントリガーが６つ付けられるぞ」

迅「一つずつ説明していこう」

迅「まずレイガスト。武器だな」

迅「△ボタンで切ることも出来るし、□ボタンで盾にもなる」

迅「そして左手にはアステロイド」

迅「Ｒボタンで一発ずつ射出。長押しで溜め撃ちができる」

迅「そしてＬボタンで弾を空中にばら撒いて、Ｒで一斉に相手に向かって撃たせることが出来る」

迅「単純に広げて撃つことで当てやすくしたり、ばら撒いておいたところに相手を誘って発射したり、使いこなすと強いぞ」

迅「あと、メガネくんは右手と左手に違う武器を持っているが同じ武器を持たせることも出来る」

迅「スコーピオン両手持ち、弧月両手持ちって感じだな」

迅「右左両方アステロイドでギムレットが使えたり、メテオラバイパーでトマホークも使える」

迅「ならアイビスとイーグレットを右と左に持ってツインスナイプは……と思うかもしれないがそれはできない」

迅「ワートリＢＭではスナイパーは両手持ち武器と設定されてるからだ」

迅「右手と左手のスロットを一つの武器で埋めてしまう」

迅「だからツインスナイプだけじゃなくて、荒船スタイル（スナイパー＋弧月）も出来ない」

迅「こればかりは仕様上というしかないな。どうしてそんな仕様にしたのか分からないが」

迅「他に両手持ち武器には槍弧月、双月、アサルトライフル、ショットガンなどがあるぞ」

迅「……ちなみに武器スロットに何もいれないと素手で戦うことも出来る。意味は無いが」

迅「次はオプショントリガーについて説明しよう」

迅「まずはグラスホッパー。メガネくんいつの間に使えるようになったんだ？」

迅「……それはさておきこれは超重要オプショントリガーだ」

迅「ネット対戦している１００人の内９９人は付けていると言っても過言じゃない」

迅「効果は空中で五回までジャンプできるようになる」

迅「単純だが、これがあると無いとでは空中での機動力が段違いだ」

迅「スナイパーでも高い建物に登るときとか逃げるときとかに便利だからほとんどつけてるだろう」

迅「次はらいじんまる。……トリガーだっけ？　と思っただろうが、ワートリＢＭではトリガーの一種だ」

迅「効果は耐久力（ＨＰ）とトリオン（ＭＰ）の自然回復速度ＵＰ」

迅「これも超重要オプショントリガーで１００人中９９人は付けてると思っていいだろう」

迅「地味そうな効果だが、恩恵は絶大で、例えばバッグワームを付けていても、トリオンの消費量を相殺するレベルで自然回復する」

迅「耐久力もガンガン回復する」

迅「今回メガネくんはルールで無しにしたからこの効果は発揮しないが」

迅「もしありにした場合、瀕死寸前まで削られても、しゃがんでいれば３０秒ほどで全快させるくらいの効果がある」

迅「まあ一応しゃがんでいる間は行動できないから隙だらけなんだが、それを消す方法もあってな……それはまた後でだ」

迅「耐久力回復が無くても、トリオン回復が優秀だからみんなつけてるぞ」

迅「次はトリオンセーブＬ。付けているだけでトリオン消費量を軽減するぞ」

迅「ＳＭＬの順で効果が大きくなる。トリオンの少ないメガネくんには特に必須アイテムだな」

迅「超重要ってほどじゃないが、重要なほうのトリガーだ」

迅「スラスターはレイガスト専用オプショントリガー」

迅「着けてるとシールドチャージが出来るようになる」

迅「一応レイガストを付けてなくても付けられるけど意味は無いぞ」

迅「旋空弧月や幻踊弧月もこれと同じような扱いだ」

迅「そして次はテレポート」

迅「これも重要なトリガーでかなりの人が付けている」

迅「重要な理由はまた後でな」

迅「そして最後に付けてるトリガー『？？？？？？』」

迅「これは……ちょっと今は秘密みたいだ」

迅「さて、長くなったがトリガー解説は終わり。メガネくんの試合に戻るとするか」

修「……レーダーでは敵があそこらへんに三つの反応だけど……一人しかいないか」

烏丸「いたぞ」

修「はあ……厄介な敵と当たったな」

修「千佳と太刀川さんがカメレオン中かな……スナイパーも一応意識はしておいて」

烏丸「食らえ！！」 ﾊﾞｼｭﾊﾞｼｭﾊﾞｼｭﾊﾞｼｭｯ!

修「っ……！　やっぱりアサルトライフルか！　テレポート！」

烏丸「どこだ……！」

修「よし今の内に……スラスターＯ――」

千佳「捉えた！！」 ﾊﾞﾝｯ!

修「ぐはっ……！！」

修（くそっ……ステルスショットガン千佳か！）

修（千佳の方が耐久力は低い……まずは千佳を狙って）

千佳「ステルスＯＮ！！」

修「っ！　見失った！」

修（一発撃つごとにカメレオン……やっぱり油断は無しか）

烏丸「敵に背後を見せるとはな」

修「っ！」

修（そうだ……まだ烏丸先輩がいて……！）

烏丸「食ら……ぐっ！」 ﾊﾞｼﾝｯ!

嵐山「大丈夫か三雲くん！」

修「嵐山さん！！　ナイススナイプです！」

迅「さて、いいところだけどゲーム分かんない人にも分かるようにがこのＳＳの趣旨だからね」

迅「一応解説しておこう」

迅「まず烏丸に対してメガネくんが『やっぱりアサルトライフルか！』と言った件について」

迅「……うん、どういうわけかは分からないけど、ネット対戦で烏丸を見たら十中八九アサルトライフルを持っていると見て間違いない」

迅「バランス型だから色々出来ると思うんだけどね……ついでにテレポートとカメレオンも装備していると見て間違いないだろう」

迅「対してメガネくんはテレポートを使った」

迅「このテレポートがこのゲームではかなり重宝する」

迅「ワートリＢＭでは視界内に敵を捕らえてＬボタンを押すとロックオンをすることが出来る」

迅「その状態で攻撃をすると、ロックオンした敵の方を向かっていく」

迅「そういう攻撃補助システムが搭載されている。まあそれが無いと、相手に攻撃を当てるのも一苦労するだろうからね」

迅「そして相手にロックオンされたときの外し方だけど、普通にするなら相手の視界外に行くしかない」

迅「けど、当然敵も攻撃してくるし、建物に上手い具合に隠れることが出来なければかなり難しい」

迅「だけど、テレポートはその相手のロックオンを一発で外すことが出来る」

迅「もちろんそれでも視界内に居ればもう一回Ｌを押すことでロックオンすることはできるけど、攻撃を狙っていたとしたら一瞬遅らせることが出来る」

迅「その隙にこちらの攻撃を差し込むことが出来る」

迅「もちろん直接相手の攻撃自体も避けられるし、距離を詰める、離す用途にも使える、使い勝手のいいトリガーだ」

迅「原作通り視線の方向にしか移動できないのが慣れるまで難しいけどね」

迅「次にカメレオン。こっちはもっと強力だ」

迅「隠れている間他のトリガーは使えないけど、相手から見えなくなる」

迅「相手からロックオンされることも無い」

迅「バッグワームとの併用が出来ない以上、レーダーには映るけど大まかな場所しかわからないし、このゲームロックオン無しで敵に攻撃を当てるのはかなり難しい」

迅「そしてカメレオンしている側は何の問題も無く敵をロックオンできる」

迅「攻撃する＝トリガーを使うだからカメレオンはその瞬間解除されるけど」

迅「使用と解除のインターバルがほとんどないから、攻撃後また即カメレオンを使用することで敵から攻撃を受けることはほとんどない」

迅「その特性を存分に生かしたのがステルスショットガン千佳ちゃんだ」

迅「千佳ちゃんの豊富なトリオン量とらいじんまるで常時カメレオンを発動」

迅「ショットガンは敵をダウンさせやすい。その分射程短いんだけど、カメレオンのおかげで敵に近づくリスクは小さい」

迅「カメレオンで接近、ショットガンでダウンを取る、相手が倒れている間にまたカメレオンを使用する」

迅「このサイクルで敵からの攻撃を受けずに勝つ」

迅「ステルスアサルト烏丸も同じ理論かな」

迅「アサルトライフルは一発当てるとダウンまで当て続けるのが容易な武器」

迅「そしてダウンを取ってからカメレオンは同じだ」

迅「そしてこれらの戦法の厄介なところがもし攻撃を食らったとしても、即死でなければまたカメレオンを発動」

迅「カメレオンで安全な状態で、らいじんまるの耐久力回復を行うことが出来る」

迅「……この戦法のリスクを少々でも上げるためにも、ルールの体力回復は無しにしておきたいね」

迅「ちなみにさっきブラックトリガーの俺と遊真が使われないって話だったが」

迅「ブラックトリガーはオプショントリガーを付けることが出来ない」

迅「だからこのテレポートとカメレオンが使えないことが、使われない理由の一つとされている」

迅「ロック切りが出来ないから恰好の的って認識なんだな」

迅「他にもらいじんまるも装備できないし、優秀なオプショントリガーを付けられないのは結構痛いってわけだ」



迅「そして最後にスナイパー嵐山について」

迅「このゲームは原作と違った装備を付けられるのも楽しみの一つだ」

迅「メガネくんは原作を意識したスタイルになっているけど、嵐山みたいに変化型も面白いよねってことだ」

迅「フリーミッションには二刀流を装備した千佳ちゃんと戦うミッションがあったりするぞ」

迅「それじゃ試合再開だ」

修「まずは状況把握だ……」

修（烏丸先輩と千佳はスナイパーの方が厄介だと思ったのか、嵐山さんの方に向かっていった。カメレオンのままだが、レーダーの動き的にそうだろう）

修（そしてもう一人ちょっと距離があって敵がいる。カメレオンをしているから見えないがおそらく太刀川さんだ）

修（太刀川さんは確かＡＴＴＡＣＫＥＲと表示されてたはず。ショットガンだったり、アサルトライフルじゃない。まだ相手しやすいだろう）

修（ここらへんはスナイパーの射線が通らないし、バッグワームで隠れている千佳は警戒しないでいいだろう）

修（まずは太刀川さんの方に向か――）

修「…………っ！！」

その時修は見た。

自分のチームのもう一人、空閑はカメレオンで隠れている敵を狙ってうろちょろしていた。

その空閑がカメレオンから姿を現した千佳に撃たれたのだ。

修（ステルススナイパー……厄介だけど、姿を現した今の内に……）

修「………………え？」

そこで疑問が頭をよぎった。

修の想定ではカメレオンで隠れているのは太刀川だったはず。

なのにどうしてそこに千佳がいるのか？

そして太刀川はどこに行ったのか？

――――旋空弧月！！



緊急脱出（ベイルアウト）する直前、上から聞こえた声がその答え合わせをしてくれた。

やられた修は開始地点から復活する。

修「くっ……バッグワームアタッカーだったか」

修（バッグワームを付けてた太刀川さんに奇襲された……そういう結果だろう）

修（射線が通らないと油断していたけど、アタッカーなら別だ）

修（建物と建物を渡り歩いて、上からチャンスを窺う）

修（そして隙を見せたぼくを落下しながら旋空弧月で撃った）

修（一度もこちらに姿を見せなかった手際。チャンスの掴み方）

修「カメレオン頼りの他三人に比べて……強者だ」

修（どうする。まだ嵐山さんは千佳と烏丸先輩の二人を相手取っている）

修（空閑はカメレオンスナイパーの千佳と争っている）

修（バッグワームを付けた太刀川さんはどっちに向かっているか分からないけど……）

修「それを止めるのがぼくの役目だってのは分かる」

修（太刀川さんの身体能力は全キャラで一位。もたもたしていたら遅れる）

修「使うなら――今だ！」

修「来てくれ、レプリカ！！」



ミニレプリカ「心得た！」



修「強印！！」

迅「……はいー、話の腰折って悪いけど解説の時間だぜ」

迅「まずはステルススナイパーについて」

迅「これもステルスショットガンと理屈は一緒だな」

迅「スナイパーは一発が重いから、当ててダウンさせてから安全にカメレオンを使用し直すことが出来るってことだ」

迅「そしてバッグワームの太刀川さんに奇襲された件だな」

迅「このゲーム前方は普通に見えるが、後方や上空に対しての警戒をレーダー頼りにするやつが多い」

迅「それにカメレオンは視界には映らないが、レーダーには映る。だからレーダーを見るやつが多い以上、奇襲には向いていない」

迅「しかし、レーダーに映らなくなるバッグワームは奇襲するのに便利だ」

迅「ただこれはカメレオンやテレポートと違って、視界内にいさえすればロックオンをすることはできる」

迅「相手の視界外から近づく必要があるって訳だな」

迅「さて、明らかになったメガネくんの最後のオプショントリガーはミニレプリカみたいだ」

迅「使用すると強印をかけて身体能力を上げる」

迅「その分トリオンも消費するけど……メガネくんのトリオン足りるかな？」

修（恐らく太刀川さんは遊真たちの方に向かったはず。そっちの方が近いからだ）

遊真とカメレオンスナイパーの千佳が戦っている方を目指す修。

修（レプリカのおかげでジャンプ力もすごい上がっている……けど、トリオン消費も激しい。すぐに決着を付けないと）

修「見つけた……！」

修（レーダーには映っていないけど、太刀川さんがいる）

修（目視できさえすればロックオンできる）

修（追う者は追われると弱い。このまま追撃だ……！）

追いながらアステロイドをチャージする修。ただでさえ少ないトリオンががつがつ減る。

修（着地を狙って……）

修「今だ！！」

太刀川「ぐっ……！」

攻撃をまともに食らう太刀川。レーダーに修は映っているから接近は感知できたはずだが、追うことに集中していたようだ。

太刀川「くそっ」

あわてて反転し、修を迎え撃つ格好を取る。

太刀川「旋空弧月！」

修「テレポート……ッ！」

間一髪で避ける修。

太刀川「ちょこまか逃げやがって……」

修「もう少しだ……」

太刀川「グラスホッ……トリオン切れか！！」

修「よしっ……！」

修（この事態は予想できていた）

修（敵は後ろから追撃されたことに慌てて応戦して来た）

修（そのせいでバッグワームを切り忘れている）

修（僕よりは多いとはいえ、太刀川さんのトリオン量は少ない）

修（もともとバッグワームで僕の隙を伺っていたり、トリオンの消費は多かっただろう）

修（その状態で僕と戦闘すればますますトリオン消費量は増える）

修（それでこのタイミングで底が尽きた）

修「これで終わりだ……スラスターＯＮ！！」



太刀川「――緊急脱出（ベイルアウト）！！」

修「ふう」

一息つく修。だが。

修「……っ！」 ﾊﾞｼｭｯ!!

修（狙撃された……！）

修「カメレオンスナイパーか……！」

追われるものは追われると弱い。それは修も同じ。

いつの間にか、敵の千佳が味方の遊真を振り切って近くまで来ていた。

修「とにかく逃げないと……って、トリオン切れ！？」

修（ミニレプリカは消費が激しすぎたか……この状態じゃ逃げるのもままならない）

千佳「これで……っ！」

修「くっ……」

撃たれるのを待つだけとなった修に救いが入った。

遊真「幻踊弧月！！」

千佳「――緊急脱出（ベイルアウト）！」

遊真「ふう。ようやく姿を現したな」

修「空閑……」

遊真「お、修。囮ありがとな」

修（今の空閑……すごい距離を詰めて千佳にトドメを指した）

修（身体能力重視の槍弧月アタッカーだったのか）

遊真「じゃあ俺は嵐山さんの方を助けてくるぞ」

一足飛びにビルに飛び乗る遊真。生身でミニレプリカを使った修以上の身体能力だ。

修（………………）

修「よしっ、僕も頑張るぞ」



その試合は結局、槍遊真の活躍によって辛勝を収めた。

余談だが、こちらのチームで落ちたのは修だけだった。

迅「さて、最後の解説だ」

迅「槍弧月装備の高機動アタッカー。これが最近流行り始めたスタイルだな」

迅「カメレオンは発動中は他のトリガーを使えないという特性上、どうしても機動力が足りなくなる」

迅「だからそのカメレオンガンナーを機動戦で置き去りにするために考えられたのが身体能力を重視したアタッカーだ」

迅「基本の立ち回りはカメレオンガンナーに攻撃されても無視。追いかけたところでカメレオンで逃げられるという判断だ」

迅「その分他の敵を狙えば、カメレオンガンナーが浮き駒になって相手が不利になる」

迅「強い敵と無理に戦う必要は無いっていうワートリらしい戦い方だな」

迅「……敵全員がカメレオンガンナー？　その時は諏訪みたいに『ふざけんな！　クソ部屋じゃねえか！』とでも叫んでおこう」

迅「武器の槍は幻踊弧月のオプショントリガーを付けられる」

迅「これがすごい突進力で、身体能力を強化すると銃の間合い以上の距離から敵に突撃できる」

迅「敵の近接の間合いの外から攻撃する」

迅「味方がカメレオンガンナーに襲われたその隙を狙って飛ばすなど便利だな。……今回の遊真の使い方はこっちだ」



迅「そしてその槍が流行りだしたのに対抗したのか分からないが」

迅「最近スコーピオンシューターという型もよく見る」

迅「幻踊弧月はその間合いから近接型でも対応するのが一苦労だ」

迅「しかし、一度発動すると止まれないという弱点もある」

迅「だからその発動に対して、シューターのチャージショットを置いておく。すると勝手に当たるって寸法なわけだ」

迅「そして片手スコーピオンが近接でも一番素早くて、遠近両用のＡＬＬＲＯＵＮＤＥＲって感じだな」

迅「というわけでここまで解説してきたが」

迅「ワールドトリガーボーダレスミッションは絶賛発売中だ」

迅「興味を持ってもらえたなら買ってくれよな」



完

補足　個人的意見まとめ
・原作は既読を推奨。開始がまず玉狛入ったところでそこでチュートリアルしてから一巻の内容に入るという順番がバラバラなので。他にも説明不足が多かったりでハッキリ言って読んでないとついて行けない。
・原作をなぞるだけじゃなくて、他の隊視点のミッションもあるのでファンほどニヤニヤできる。（風間隊オペ時代の宇佐美とか）
・ストーリーではキャラはしゃべらないが、戦闘中はガンガンしゃべるので結構楽しい。
・ネット対戦はマッチング周りは書いた通りクソだが、対戦事態は楽しい。ただ、カメレオンガンナーは○ね。


最期駆け足になりましたが終わりです。
二作目で那須さん使うために、普及しようとこのｓｓを書きました。
一人でも買おうと思った方がいれば幸いです。
ありがとうございました。


>>1の他ｓｓ
遊真「きのこ？　たけのこ？」『ワールドトリガーｓｓ』
遊真「きのこ？たけのこ？」『ワールドトリガーｓｓ』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441286667/)

おつー

ゲーム気になってたから、有難かったよ
あと、『ふざけんな！　クソ部屋じゃねえか！』でワロタｗｗ

乙
ゲーム気になってたからありがたい
ゲームは原作だとオペレーターが支援してくれるところがないから
面倒な感じなのかな？

乙ー！
結構勉強なった！

乙
これ見てたら買いたくなってくるな