勇者「もう恋なんてしない」 (24)

どこかの奴隷市場...

商人「今回紹介する奴隷はだれだ!?」

手下「はい!世界の英雄とまで上り詰め、なに不自由ない生活を保障されるも何故だ国王からの反逆罪で罪人へ!
とどめはもっとも愛した男と仲間に裏切られ...今はくっさいくっさい飯にありつけるのも一苦労!では紹介しましょう!!
勇者だぁぁぁぁぁ!!!」
ジャーン

勇者「...ッ」

「おい本物だぜ...!!」

「っへっへ...美味そうな体してらぁ...」

「年頃の娘っ子だで...」ジュルリ

商人「は~い!では競りの時間だ!最初は5万からスタート!!」

「15!」

商人「足元みてんのか?!その額じゃ時代遅れってモンだ!なぁ?!」

「20!!」

「35」

「45!!!」

商人「おいおい勇者様を堕とすってのに二桁じゃぁ張り合いがねえやなぁ!」

「くっそ~!100!!」

商人「はい100出ました!!他にはいねえか?!!」

「180!!!」

「200」

手下(兄貴、そろそろ客が爆発しちゃいやすぜ?そろそろあの情報を)

商人(そうだな)

商人「おっと~申し訳ございやせん!!とっておきの情報を話忘れてましたぁ!!」

「あん?んだよ」

商人「実はこの勇者...まだ処女なんでさぁ!!」

手下「愛した男と寝てないとは...性交は二十歳になってからってか?!」

「うおおおおおおおおお!!!!!400!!」

勇者「ック...」

商人「おっ?変態趣味の常連さんじゃぁないですか?先日落としたドワーフの子ははいかがお過ごしで?」

「っへ、もうケツ穴ガバガバで使い物になりゃしねえぜ!」

商人「あちゃ~」

「800」

商人「おっ800出ました!!はいはい皆さんまだ有り金ありましょうが!!」



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「くっそ~1000!!」

「2000」

商人「...に、2000出ました!!」

「っお、おい、何もんだあいつは...」

商人「っさ、さぁ次は?!!」

「5000」

「5000!!?」

「おい、変態趣味さんどうするね?」

「ッチ、6000!!」

「9000万」

「...」

商人「え、9千万出ました!!」

「お、お前さん何者だね...」

傭兵「もう出しませんか?変態さん」

「っき、っ貴様!!」チャキッ!!

商人「っりゅ!流血は勘弁して下さいね!!」

「先ほどから黙っていれば何だ貴様はぁ!!!」

傭兵「しがない旅人です」

「小僧が舐めやがって!!」

「おい落ち着け!ここで暴れりゃぁ...!」

「やかましい!!」
ブシャッ!
「ウガッ!」

商人「おっおい!!いい加減にしろ!!」

傭兵「もういいですか?」

商人「あ...っクソ!もういい!!持ってけ!!」

傭兵「お金置いておきますね、では行きましょうか」

勇者「...ッ」

「まて貴様!!」

商人「ん?あっおい!!てめえ!!」

傭兵「勇者様!走ります!!」

勇者「えっ?」ダキカカエ

傭兵「どけ!!」ダダダダダッ

「うおっ!!」

ーーー
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ーーーー
ーーー

傭兵「ッハア...ッハア...もう大丈夫でしょう...」

勇者「そろそろ降ろして貰えると有難いのだが」

傭兵「ああ、すいません」

勇者「すまない。なぜいきなり走ったのだ?金は払っただろう?」

傭兵「9千万なんて額傭兵の僕が払える訳無いじゃないですか、代わりに金属片詰めた財布をあげちゃいました」

勇者「君はかなり無茶するな...」

傭兵「無茶する癖は僕が兵役に就いてた頃と変わりません...改めまして、お久しぶりです
勇者様」

勇者「久ぶり...?君とは初対面ではないのか?」

傭兵「兵を務めていた頃に少しばかり世話になりました、それと...っと話は後にしましょう、
追っ手が来ている」

勇者(まだ数百mも先なのにもう気づいていたのか...?)

傭兵「家が近いので案内します」

勇者「あぁ...」

勇者(私はこれからこいつと...)

傭兵「こちらです」

勇者「こちらと言われても巨木しかないぞ」

傭兵「裏側に入り口があります、僕は見張ってますので急いで」

勇者「あっあぁ...」テクテク

勇者「ホントにあった」

勇者(でも言われないと気づかないな)

勇者「よいしょっ...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー
勇者「木の下に家か...」

「よいしょっと」

傭兵「ふぅ、狭くてすいません、何か飲まれますか?」

勇者「水を頼む」

傭兵「はい」

勇者(中は案外綺麗なのだな...しかしあの奴隷商の言うことが正しければ私はここで...ナニを...?)ゴクッ

傭兵「...大丈夫ですか?」

勇者「っあ、あぁ大丈夫だ、すまない」

傭兵「ここ過ごし安いでしょ?雨季の季節を除いたら結構住みやすいですよ」

勇者「そっそうか...」

傭兵「いやぁ、タイミングが良かった後ちょっと遅れてたらあの変態に落札させられてました」

勇者「そうだな...」

傭兵「あ、風呂もありますよ、入りますか?」

勇者「...そろそろ話してくれても良いんじゃないか?なぜ私が奴隷市に居ると分かり私を落札した?
あの変態と同じ事をする為ではないのか」

傭兵「...そうですね、そろそろ僕も取り繕うのも苦しくなってきました」

勇者「君個人でやるには少々荷が重いだろう」

傭兵「半月前に僕の元に依頼が来ました。『勇者を探して欲しい』と」

勇者「依頼?君は傭兵で探偵ではないだろう」

傭兵「この国の大体の探偵は政府と繋がってます、勇者様もご存知でしょう?」

勇者「...」

傭兵「勇者様は追われ人ですがこの国に居ると分かっている人が依頼したのでしょう
それに僕も勇者様に恩があります、多少の恩返しにはなると思ったので僕自身も勇者様を捜索していました」

勇者「すまない、君の事に関してはあまり覚えが...」

傭兵「その事はまた話します、風呂の湯を沸かしますのでどうぞ身を清めて下さい。僕は夕食を作ってますので」

勇者「風呂か、お言葉に甘えよう」

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ーーーー

ーーーー
ーーー
チャポン...

勇者「ふう、風呂は何日振りか...」

勇者「...あいつもこの体中の傷を見れば怖気ずいて手も出さないか」

勇者「...」

__
___

?『な、何だその体中の傷は?!』

?『っば、化け物!!戦闘狂め!!』

?『この俺をそんな体で誘惑できると思ったか!!詐欺師めが!!』

___
__

勇者「...ッ」ブクブク...

勇者(男に現を抜かすとこうなるのだ...そんなだから仲間にも...)

勇者(...私は一人でも生きていけるんだ)ブクブク...

ーーー
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ーーー

勇者「ふぅ...いい湯加減だったぞ」

傭兵「あ、もう上がられました?もうすぐ出来るんで待ってて下さい」ジュウ~

勇者(肉か...ここ一年はまともな肉は食ってないな)

傭兵「出来ました~豚の醤油炒めで~すっと」コトッ

勇者「...」グウウウウウ

勇者「ッハ、すまない...///」

傭兵「ははっスープ温めてるんでもう少しまってて下さい」

勇者「あぁ」

勇者(食べたい)

勇者「...ちょっとだけなら」ヒトツマミ

傭兵「我慢できませんでしたか?」

勇者「ッ~///っは、腹が減ってて...!」

傭兵「はい、スープです...冷めないうちに食べちゃって下さい」

勇者「...」モグモグ

勇者「美味い...」

傭兵「本当ですか?良かったです」

勇者「一人で暮らすにはちょっと広いな、ここは君一人で暮らしているのか?」

傭兵「はい今はですが...前は仲間が居たんですが金目のもの物全部持ってどっか行っちゃいました」

勇者「同居人に恵まれなかったのだな」

傭兵「まぁ楽しい奴でしたよ、腕っ節も良くて」

勇者(腕っ節が強くてひょうきん...か、戦士の奴もそんな奴だったな、ケチで金目の物に
は目が無かったが)

傭兵「大丈夫ですか?」

勇者「あっ、あぁ大丈夫だすまない」

傭兵「こうして誰かと夕飯を食べるのは久々だなぁ」

勇者「...」モグモグ

傭兵「...依頼主は大層勇者様に会いたがってました、依頼の手紙でも勇者様の事を
気に掛けていた様子でした」

勇者「...」

傭兵「依頼主に会ってみませんか?」

勇者「その依頼主とやらは誰だ?宛名くらい書いてあっただろう?」

傭兵「...『聖教会』です」

勇者「!!」

傭兵「宛名は司祭様からでした」

勇者「司祭...様...?」

傭兵「...勇者様が話したくないのなら事情は聞きません」

勇者「...いや、君には私を助けてくれた恩がある、聞きたいのなら話そう」

傭兵「...」

勇者「司祭様にあったのはあれは勇者と言う職に就く前の話だ」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー
ドンドンドン!!!!

「お願いします!開けてください!!」

司祭「おぉ...怪我をしている、誰か!!担架を!手当てをしますので中へ...」

?「この子の手当てからお願いします...!この子から...」バタッ

司祭「二人とも酷い怪我をしている...」

「担架もって来ました!」

司祭「二人を部屋へ!」

「はい!」

?「......」

司祭「大丈夫です...子どもは死なせません、貴方も...!」

?「...」

司祭「すでに...亡くなっていたか...」

数年後...

勇者(幼)「司祭様、お花を摘んできました!」

司祭「ほぉ牡丹の花ですか...ではつんできた花は花瓶で生けましょう」

勇者(幼)「その前にあの石とイエス様の像に飾ります」

司祭「それは良い心がけです」

勇者(幼)「えへへっ」

司祭「...勇者、あの石を気に掛けている様子ですが何か特別な感情でも?」

勇者(幼)「分かりません...ですがあの石を見ていると何か安心します。悲しい時に
あの石を見ると...何か誰かが慰めてくれてる気がするんです」

司祭「...そうですか、では残りの花は花瓶へ生けましょうね?」

勇者(幼)「はい!」



『名も無き女性、ここに眠る』

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