穏乃「絶対に笑ってはいけない松実館?」 (166)

だいぶ以前に書いた未完のSSの続き。
とりあえずはじめから投下していこうと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442717564

年の瀬――早朝。

寒風吹きすさぶ中、何の前触れもなく阿知賀女子麻雀部の5人は集められた。

穏乃「絶対に笑ってはいけない松実館?」

赤土「その通り。知ってるでしょ? 年末恒例のアノ番組」

穏乃「まぁ知ってますけど」

赤土「あれをこれからあんたたちにやってもらうわ」

憧「はぁ!? なんでよ」

宥「意図がつかめません……」

赤土「詳しいことは言えない。ただこれはプロ麻雀協会じきじきのお達しよ」

灼(なにやってんのプロ麻雀協会……)

赤土「つまり、これを断ればうちの麻雀部の沽券に関わるのよ。だから……な?」

玄「でも、笑ったら罰ゲームとかあるんですよね……?」

赤土「そりゃそうよ。笑ったら例のケツバットの刑が待ってるから」

宥「うぅ、あったかくない……」ブルブル

憧「バッカじゃないの? ……あたし帰る」スタスタ

赤土「ま、まて憧!」

憧「……なによ」ジトッ

赤土「……あとでジュッス奢ってやるから、な?」

憧「私は子供か!」

赤土「頼むよ、このとーりっ!」

憧「……なーんか晴絵ってば必死すぎじゃない?」

赤土「っ! そ、そんなことないぞ」

灼「もしかして、麻雀部の沽券っていうかハルちゃんの体面のためなんじゃ……」

赤土「っ!」ギクッ

憧「なるほど、あたしたちをダシに協会に媚売ろうと思ってたわけねー」

玄「それで自分だけは高みの見物を決め込もうと……」

赤土「っ!!」ギギクッ

一同呆れ。

穏乃「……まぁいいんじゃない? おもしろそうだし」

赤土「ほ、ほんとか穏乃!」

憧「あんたなにバカ言ってんの! 笑ったらケツ叩かれんのよ!?」

宥「憧ちゃん、せめてお尻って言って……」

穏乃「うーん……それはたしかにイヤだけど、赤土さんも困ってるみたいだしさ」

赤土「うんうん、さすが穏乃! 私の見込んだ教え子!」ダキッ

穏乃「それに、これが終わったらご褒美くれるみたいだし」

赤土「うんうん、何でも欲しいもの買ってやるぞ……て、えっ?」

穏乃「ね、赤土さん?」ニコッ

赤土「ぅ……お、おうよ! なんでもこい!!」(あぁ~あたしのバカ~っ)

憧「……仕方ないわねぇ」

宥「穏乃ちゃんがそこまで言うなら……」

玄「その提案、のりましょう!」フンスッ

灼「ちょっと待って。おばあちゃんに連絡入れるから」ピッ

憧「……晴絵、絶対約束忘れないでよ」

赤土「わ、わかってるって……たぶんな」ボソッ

憧「ん? 今“たぶんな”って……」

赤土「そ、それじゃさ! ほら、さっそくだけどこっちきて着替えて」

憧「はぁ?」

赤土が指さした先……そこには、人がちょうど1人入れそうなボックスが5つ。

穏乃「赤土さん、もしかしてこれ……」

赤土「ふふ、察しが早くて助かるわ」

赤土「今回の笑ってはいけない舞台は……ズバリ、松実館!」

玄「ええ、うち!?」

赤土「あんたたちにはそこで働く仲居として今日1日過ごしてもらいます」

憧「え、客じゃないの……」

宥「1日って……テレビみたく24時間ってことですか?」

赤土「いやね、さすがに花の女子高生にそれはキツイからってんで、業務終了の夜中0時までになったらしいよ」

灼「らしいよって……適当すぎ」

宥「ホッ……」

赤土「ボックスの中にそれぞれの仲居服が入ってるから、着替えて戻ってきてちょうだい」

灼「自分の名前のとこじゃないといけないの?」

赤土「もっちろん!」

灼(なんか胡散臭……)

宥「こ、こここのままじゃダメなんですか……?」ブルブル ※現在、外気温は0度

穏乃「赤土さん、宥さん死んじゃいそうですよ」

赤土「ダイジョブダイジョブ! 宥の衣装は他のより生地厚めに作ってもらったから!」

玄「へえ~」

宥「わかりました」

憧(わかっちゃうの!?)

しばしのお着替えタイム。

ガチャ

穏乃「さ、寒いなぁ……これ」ヒラヒラ

玄「あ、シズちゃん似合ってるよ~」

穏乃「いやぁ、玄さんこそ! やっぱりいつも着こなしてるだけありますね」

灼「……なんか私のやけに丈が短い気がするんだけど」

玄「ほんとだ……」

穏乃「つ、つんつるてんですね……」

赤土「プッ……げほげほっ! き、気のせい気のせい!」

灼「……」

玄「そういえば一緒に入ってたこのダッフルコートはなんですか?」

赤土「外の移動はさすがに寒いだろうからな。それ着ていいぞ」

玄「なるほど」

宥「モコモコしててあったか~い……」

穏乃「あれ、そういや憧は?」

宥「まだ出てきてないね……」

赤土「お~い、あ~こ~? 早く着替えて出てこ~い」

ゴソゴソ

「うぅ……あんたたち、恥ずかしげもなくよく出れたわね……」

穏乃「?」

ガチャ

灼「うわ……」宥「きゃっ///」赤土「プッww」玄「おもち!」



憧「へ?」

ボックスから出てきた憧が身に纏っていたもの―――。
それは仲居服ではなく、露出がムダに高いゴスロリメイド服であった。

参考画像:http://i.imgur.com/owiNMA6.jpg

憧「っ!!///」カアァ

憧「ち、ちょ……なんで私だけこんな恰好なのよーーーーー!!」

灼「さむそ……」

憧「寒そうじゃなくてマジ寒いから! ていうか晴絵、これどういうこと!?」

赤土「わ、私は……プッ、し、知らないよ……」プルプル

憧「っ、あたしもう帰る! 何と言われようと帰るからっ!!」

玄「え、」

宥「ほ、ほんとに帰っちゃってますけど……」

赤土「し、シズ! 頼んだ!」

スタスタ

穏乃「? かわいいじゃん、似合ってるよ憧」

憧「えっ……そ、そう? えへへ……///」(満更でもなさそうな照れ顔)

一同(ちょろ……)

気を取り直して、一行は松実館行きのバスが待つ停留所へ。

赤土「よし、色々あったけどこっからが本番だからな」

宥「バスに乗った時点から笑っちゃいけないってことですね……」

赤土「そうだ、気を引き締めていけよー」

穏乃「なんかちょっとドキドキしてきた……!」

憧「あたしはなんかもうすでに憂鬱よ……」ハァ

灼「右に同じく……」

玄「あ、バスがきたよ!」

到着したバスに乗り込む5人……彼女たちを待ち受けるものとは!?


プップー(発進の音)


笑ってはいけない松実館、スタート。

バス車内。

憧「テレビだと、バスのとこからいきなし笑わせにくるのよねぇ」

玄「停留所で仕掛け人の人が入ってきたりしてね」

プー(停車の音)

穏乃「お」

灼「さっそく……」

豊音「きたよー!」(観光客・姉帯豊音)

エイスリン「バスバス!」(同・エイスリン)

憧「誰だっけ、この人たち……」ヒソ

宥「たぶん岩手の県代表の人……」ヒソ

豊音「のるよー!」

エイスリン「ハヤクハヤク!」

灼「……」

ゴツンッ!(入口の上に頭をぶつける音)

豊音「いだっ!」

エイスリン「ト、トヨネー!!」

ザワザワ

憧「今すっごい声出したわね……」

灼「いたそ……」

豊音「ふぇ……ふぇええええええええ!!!」

痛みに耐えかねず泣き出す豊音。

エイスリン「キュウキュウシャ! キュウキュウシャ!」ワタワタ

憧「え、救急車?」

灼「さすがに大げさすぎでしょ……」

エイスリン「スミマセン、キュウキュウシャヨンデ!」

玄「えっ、私!?」

エイスリン「オネガイシマス!」

玄「いや、救急車を呼ぶほどのことでもないんじゃ……」

エイスリン「……ナンテ?」

玄「え、だから救急車呼ぶほどのことでもないんじゃ……」

エイスリン「ヒトデナシ!!」

玄「えっ……」

エイスリン「ヒトデナシ! アクマ! ゲスヤロウ!」

玄「え、え……?」



憧「そ、そこまでいう?」

灼「……ッ」プルプル

豊音「ふええええええええええええん!!」

エイスリン「トヨネ! トヨネナカナイ!」ヨシヨシ

宥「本当に泣いてるんじゃ……」

灼「いや、演技だと思……」

豊音「ふぇええええええええええええええええ!!」

エイスリン「ホラトヨネ! ミテ!」クイッ

豊音「ふぇえええええええええええええええええええええ!!」

エイスリン「トヨネ! ホラ!」クイクイッ

豊音「ふぇえええええええええええええええええええええええええ!!」



エイスリン「……ミロヨォ!!」グイッ(無理やり顔を向けさせる)

豊音「ふぇっ……」

穏乃「っ、プクッ……ww」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「え……わ、笑ってないですよぉ!」

灼「いや、笑ってた……」

穏乃「そ、そんな……見捨てないでください」

灼「現実は非情……」

そして現れるブラックアーミー軍団。

憧「ねぇ、ちょっと晴絵……この人たちまさか男の人じゃないでしょうね」

赤土「え? なんで?」

憧「なんか男にケツ叩かれるって気分的に嫌じゃん……それに痛そうだし」

赤土「ああ……そこは心配しなくていいよ。裏で控えてる仕掛け人の女の子たちが交互にやってんだって」

玄「なんかムダにリアルですね……」

赤土「人件費削減よ、人件費削減。あははは!」

スパーン!

穏乃「いだっ!」

宥「うぅ、痛そう……穏乃ちゃん大丈夫?」

穏乃「け、けっこう容赦ないですよこれ……」

憧(うっ……痛がるシズもアリかも///)

玄「憧ちゃん顔赤くしてどうしたの?」

憧「な、なんでもないっ!」

灼「明日は我が身……」

宥「うん、私たちも気を引き締めていかないとね」



エイスリン「……モウイイ?」

赤土「ん、いいよー」

憧(普通に会話すんなよ……)

エイスリン「トヨネ、ナカナイデ!」

豊音「うぅ……」

エイスリン「トヨネノスキナ、アレヤッテアゲルカラ!」

豊音「……ア、アレ?」

灼(嫌な予感しかしな……)

エイスリン「ンゴッホン……デハイキマス」

憧(なんでこっち向くのよ……)



エイスリン「……ナンダコノヤロゥ!」(アゴを突き出しつつ)

穏乃「んっ、……プッ……ww」 宥「ふふっ……」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実 アウトー」

穏乃「ぜ、全然似てないよ……」

宥「フフ……ッ……」

憧・灼(な、何とかこらえた……)フゥ

穏乃「あだっ!」スパーン

玄「ハァ……わ、私もあやうく笑いそうに、って……え?」

スパーン!

玄「え、えッ!? なんで私!?」(お尻を抑えつつ)

アーミー「あ、間違った……」ボソ

憧・灼「ぷっ、クッ……ww」

デデーン

アナウンス「新子 鷺森 アウトー」

アーミー「失敬……」ドヒューン

憧「い、今のは卑怯で、しょっ!」スパーン

灼「いだっ!」スパーン

宥「く、玄ちゃん、なんかごめんね……」

玄「いや、別にお姉ちゃんは悪くないけど……なんなの(困惑)」

赤土「プッ、わ、悪い……今度からフルネームでアナウンスさせるから……ップフ」

憧「ぜ、絶対わざとでしょ……」ヒクヒク

エイスリン「ナンダコノヤロゥ!」

憧(まだ続くのかこのネタ……)ハァ

エイスリン「……」チラッ

憧「な、なによ」

エイスリン「……ナンダコノヤロゥ!」ツン(憧の脇腹を小突く)

憧「ちょ、やめ……」

エイスリン「ナンダコノヤロゥ!」ツンツン

憧「く、くすぐった……この、フフッ……やめ……っ」

エイスリン「ナンダコノヤロゥ、ナンダアコヤロゥ!」ツンツンツン

憧「うがあああ! やめろっつってんでしょ!」



玄「あ、アコヤロウ……」ボソッ

穏乃「く、玄さん……やめ……ッ」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「は? なんで!?」

エイスリン「ワラッタジャン」

憧「あ、あんたが変なとこ小突くからでしょう……ぐぁっ!」スパーン

灼「直接攻撃とかひどいと思……」

穏乃「憧、どんまい……」

エイスリン「ゲンキデスカー!?」

憧「うるさい!」

宥「……ッ」プルプル

プー(停留所到着)

エイスリン「トヨネ、カエルヨ」

豊音「うん……」グスッ

憧「はぁ……やっと消えてくれたわね」グタァ

穏乃「最初っから飛ばしてくるね」

宥「うん……開始からまだ10分しか経ってないのにもう全員が罰ゲーム受けちゃってるし」

玄「あの……お姉ちゃん?」

灼「あ、また停まるみたい……」

プップー

文堂「……」(乗客・文堂星夏)

久「……」(同・竹井久)

乗り込んでくる2人の乗客。

憧「あれってたしか清澄の……」

玄「もう一人は……誰だっけ?」

穏乃たちの前にある吊革につかまる2人。

灼(なんで席空いてるのに座らないの……)

一同「……」

バスが発車してしばらくした後、文堂ににじり寄る竹井。

憧「え、ちょ待って……」

文堂「ん……っ」

久「……」サワサワ

突如として痴漢行為を始める竹井。

玄「うわぁ……///」

宥「く、玄ちゃんは見ちゃダメ……!」バッ

憧「ちょ、え……え!?///」

灼「ど、ドン引き……」

久「ハァ……ハァ……」サワサワ

文堂「あ、あの……やめて……ンッ」

灼「清澄の人の顔ヤバ……」

久「へ、へへ……」ニヘラ(恥も外聞もない変態顔)

穏乃・玄「プッ……ww」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 アウトー」

玄「ちょ……灼ちゃ、んっ!」スパーン

穏乃「わざわざ言わないでくださ、いっ!」スパーン

灼「だって……」

久「ハァ……ここがいいの?(小声)」サワサワ

文堂「んぁっ……そ、そこは……ッ」クネクネ

憧(うわ……うわあ///)

ヒラッ

文堂が体をよじった拍子に落ちるプロ麻雀カード。

『阿知賀のレジェンド 赤土晴絵』(鼻毛抜きの場面カット)

穏乃・玄・灼「ブフッ……ww」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 鷺森 アウトー」

穏乃「や、やめてくださいよ赤土さ、んっ!」スパーン

玄「ひぃひぃ……いだっ!」スパーン

灼「うぐっ!」スパーン

赤土「ん、なにそれ?」

玄「な、なんでもないですよ!」ヒョイサッ(とっさにポケットに隠す)

赤土「??」



穏乃「……なんか物欲しそうな目で見てませんか? 灼さん」

灼「ち、ちが……///」

玄「し、穏乃ちゃん……やめて……ッ」プルプル

久「ここね……ここがいいのね(小声)」サワサワ

文堂「や、やめ……」

憧・宥「……///」ボー

プップー

穏乃「あ、停まった」

ドタドタ!

慌ただしい足音と共に乗車してきた警官2人。

加治木「いたぞ! 痴漢魔だ!」(警官・加治木)

モモ「捕まえるっす!」(その部下・東横)

久「やっば!」ダダッ

逃亡する竹井。それを追う東横。

加治木「大丈夫か、君」

文堂「は、はい……」

憧(今度はこの人か)

穏乃(加治木さん、婦警さんの格好似合うなぁ……)

加治木「君たちも大丈夫だったかい?」(鼻毛飛び出してる)

穏乃・憧・玄・灼「ブッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実玄 鷺森 アウトー」

スパーン!×4

穏乃「こ、このネタやめて……」

灼「真顔なのが余計……」

憧「鼻毛も紫色じゃなかった……?」

玄「……ッ」プルプル

宥(め、目が悪くてよく見えなかった……)

加治木「君たちも痴漢を見つけたら気を付けるように。それでは」ビシッ

必死に視線を合わせないようにする5人。バスを降りていく加治木。

憧「はぁ……なんだかすごかったわね」

宥「色々とね……///」

赤土「あんたたち、もうすぐ旅館に着くよ」

穏乃「お、やっとか~」

プップー

松実館に到着した一行……そこでは新たな笑いの刺客が彼女たちを待ち受けている!

穏乃「さぶさぶっ!」ブルルッ

憧「あんたはまだマシでしょ~……あたしなんか膝がもう真っ赤」

赤土「はいはい! こっちきて」

ゾロゾロ

赤土「ここが、あんたたちが今日1日働いてもらう松実館だよ」

玄「私たちの家だけどね」

宥「そ、それよりもあの……そこにあるのは……」

赤土「お、よくぞ聞いてくれました!」

憧「ちょっと宥ねえ、せっかく触れないようにしといたのに……!」ヒソ

宥「ご、ごめんね……」

赤土「あれはかの有名な阿知賀のレジェンド、赤土晴絵……あ、私のことね、の銅像だよ」ドヤァ

シーン

赤土「あ、あれ……」(反応うっす)

憧「どうでもいいから早く案内してよ。めっちゃ寒いんだけど」イライラ

赤土「お、おう……」

赤土(ちぇ、つまんないの……)ショボン

スタスタ



穏乃「は、鼻毛もちゃんと再現されてるかな……」ボソッ

灼「し、穏乃……やめ」ヒクヒク

玄「……ッ」プルプル

松実館

灼「やっと到着……」

宥「はぁ……おうちの中あったか~い」

憧「なんかもうすでにだいぶ疲れてるんだけど」ゲッソリ

赤土「おいおい、本当に辛いのはこっからだぞ」

??「あらあら、ふふふ……遠路はるばるおやっとさあ」

玄(あ、あのおもちは……!)ビビッ

憧(あの人って、たしか永水女子の……)

赤土「この旅館の若女将・石戸霞さんだ。ほら、挨拶」

一同「こ、こんにちは……」

霞「いいのよ。そんな固くならないで?」ニッコリ(女将・岩戸霞)

霞「さっき赤土さんの方から紹介があった通り、私は石戸霞よ」

霞「この旅館の女将をやってます。よろしくね」ニコニコ

穏乃(優しそうな人だなぁ)

憧・灼(この人も絶対何かあるんだろうな……)

玄(衽から今にも零れ落ちそうなおもち……)ジュルリ

霞「あなたたちには今日1日、この旅館の仲居として働いてもらうわ」

宥「はい……」

霞「それじゃせっかくだし、一人ずつお名前聞かせてもらってもいいかしら?」

灼(この流れは、いやな予感……)

霞「じゃあまずあなたから」ニコッ

玄「はへ、私ですか?」

霞「そうよ。早くしてちょうだいな、このノロマさん」

一同(ん?)

玄「え、えっと……ま、松実玄ですっ!」

霞「あらあら、玄ちゃん。かわいらしいお名前ね」ニコニコ

玄「ど、どうも」テヘヘ



霞「……なんか犬の名前みたい、うふっ」ニッコリ

玄「い、犬……ですか」

霞「ほら、お手」

玄「え、えと……」

霞「あらぁ、お手もできないの? 出来損ないねぇ……」

玄「……」ムッ

灼(まさかの毒舌女将……)

憧(玄、ここは抑えるのよ……!)

玄「……あ、あの……私、犬じゃありません」

霞「うん、知ってる」

玄「え……」

霞「冗談よ冗談。うふふふふ」

玄「な、なんだぁ……」ホッ

霞「犬はもっと賢いもの。あなたと同列視したんじゃ犬がかわいそうだわぁ」

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霞「うふふふふふ」ニコニコ

憧「……ひ、ひどすぎ……ッ」

穏乃「く、玄さん……真顔……ッ」プルプル

灼「や、やめなよその顔……」ヒク


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穏乃・憧・灼「……ブフッww」

デデーン!

アナウンス「高鴨 新子 鷺森 アウトー」

穏乃「あーもう、玄さ……んっ!」スパーン

憧「絶対笑かしにきてるでしょ……っ!」スパーン

灼「あぐうっ!」スパーン

霞「あらあら、なんだか楽しそうねぇ……」

宥(うぅ……次は並び順からいったら私……)ブルブル

霞「次、あなたは?」ニコッ

宥「ひっ……あ、あのえと……ま、松実宥……です」

霞「あら、苗字が玄ちゃんと一緒ね。彼女の妹さんかしら?」ニコニコ

宥「いえ、ちが……」

霞「あんなお姉さんがいて大変だろうけど、苦労してない?」

宥「いや、だからあの……」

霞「“妹”ってなにかと苦労が多いわよねぇ。服も全部おさがりで……」

宥「えっと……えっと……」オロオロ

玄(お姉ちゃんが困ってる! 助けなければ!)

玄「違うのですっ! お姉ちゃんはこっちで、私の方が妹で…霞「うん、知ってる」

玄「……」

霞「知ってる」

玄「ぁ……はぁ……そ、そう……ですか……」

憧「ンフ、ぶっ……ww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「ちょっともうなんなのこの人……っ!」スパーン

霞「うふふふふふ」ニコニコ

宥「く、玄ちゃんごめんね……?」

玄「だ、大丈夫だよお姉ちゃん……」

霞「それじゃ次、あなたは?」

憧(きたか……どんなことを言われても動じないわよ)

憧「えっと……新子憧です」

霞「あらあら、うふふ。よろしくね」

憧「はい」

霞「ねぇ、憧ちゃん」

憧「? なんですか?」

霞「……その服、ちょっとキツくない?」クスッ

憧「なっ……!///」

穏乃・灼「ぶっ……ww」

デデーン

アナウンス「穏乃 鷺森 アウトー」

憧「はぁ!? あんたらが半強制的に着せたんでしょうがっ! ……てかあんたたちもなんで笑ってんのよ!」

穏乃「ぷく……ご、ごめん憧……っ!」スパーン

灼「ど、どっちの意味で言ったんだろ……っ!」スパーン

霞「うふふ……どっちも」ニコッ

穏乃・灼「んふっ……ww」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 アウトー」

穏乃「あ、灼さん……っ!」スパーン

灼「わ、私のせいじゃないと思……っ!」スパーン

憧「っ! お、覚えてなさいよ!///」

霞「次は……」

穏乃「?」

霞「あら……」

穏乃「??」



霞「こんなところにチンパンジーが」

憧・玄・灼「ブフッ……ww」 宥「フッ……」

デデーン

アナウンス「新子 鷺森 松実玄 松実宥 アウトー」

憧「そ、それは卑怯でしょ、っ!」スパーン

灼「ふ、不意打ち……っ!」スパーン

穏乃「むぅ、みんな笑いすぎ……」ブスッ

玄「ご、ごめんねシズちゃ……、いだっ!」スパーン

宥「い、痛くしないで……、ひゃうっ!」スパーン

赤土「お、宥は今回が罰ゲーム初か」

宥「は、はい……」イテテ

霞「それじゃ、みんな自己紹介ありがとう」ニコッ



灼「……あれ、私スルー?」

憧・玄「ん、フッ……ww」

デデーン

アナウンス「新子 松実玄 アウトー」

灼「いや別にいいんだけど……」

憧「だったら言わないで、よっ!」スパーン

玄「うっ!」スパーン

赤土「霞さんもわざわざありがとうございました……あんたたちもほら」

一同ぺっこりん

霞「いえいえ」ニコニコ

霞「それじゃみなさん、松実旅館の仲居として自覚と責任を持って行動してちょうだい。それじゃあね」ニコッ

スタスタ

穏乃「……すっごい人だったね」

宥「こ、怖かったぁ……」

赤土「んじゃ、仲居の控室に行くよ」

憧「あ、やっぱあるんだ控室」

灼「不安しかない……」

玄「でもちょっと一息つきたいね」

控室に向かうため、廊下を歩く一行。

穏乃「ん?」

壁に張り紙を発見する穏乃。

憧「どうしたのシズ」

穏乃「いや……」チラッ

『痴漢魔・竹井久 指名手配書』ニタァ

穏乃「……ブッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「もう、なんなんですかこれぇ、っ!」スパーン

宥「な、なにかあったの?」

穏乃「いや、そこの張り紙が……」

玄「……ッ」

憧「……こ、これさっきの人」

灼「……っ、すぅ……はぁ」(深呼吸で心を落ち着かせようとする灼)

穏乃「ほ……ッ、報酬50円だって……」

憧「……ッ、し、シズやめな……」

宥「……」プルプル

控室

赤土「んじゃここで待機してて。すぐ戻ってくるから」

バタン

憧「あ~、もうくったくた」ドサッ

穏乃「控室っていっても普通の客室みたいだね」

灼「この分だと、テレビで見るような引き出しネタは……」

玄「桐ダンスとか押入れとかけっこうあるけど」

灼「……」

憧「別に開けなくてもいいじゃん。テレビじゃないんだしさ」

宥「そ、そうだよね……」

憧「宥姉、暖房つけよ暖房」

宥「うん……」ポチッ

憧「あ~、ほんっと寒かった……」

穏乃「……」チラッ

玄「……シズちゃん開けたそう」

憧「……やめなって」

穏乃「えぇ~、なんか気になるじゃん!」

灼「気持ちはわかるけど……」

穏乃「1個だけ! ね、憧?」

憧「……しょうがないな。変なのあってもこっち見せないでよ」

穏乃「よし、んじゃ開けます!」スッ

『赤色のスイッチ』

穏乃「……ボタン発見」

灼「うわ……」

憧「……」

玄「と、とりあえずそれは机の上においとこ」

コトッ

穏乃「はい……そいじゃ次!」

憧「ちょっと、1個って約束でしょ!」

穏乃「いいじゃんいいじゃん!」

憧「はぁ~、もう好きにすれば……」

穏乃「えいっ」スッ

『アヘ顔のこけし』  参考画像:http://i.imgur.com/85zzcQO.jpg

穏乃・玄・宥「っ、フフッ……」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 松実宥 アウトー」

スパーン!×3

宥「うぅ、お尻痛いよ~……」スリスリ

玄「灼ちゃん~……」

灼「なんで恨めしそうな目でこっち見るの……」

玄「だってここに“あらた”って書いてあるし」

灼「いや、知らないし……」

宥「……ッ」

穏乃「あ、憧も見る?」

憧「……いい」プイッ

穏乃「……」コトッ(黙ってこけしを机の上に置く)

憧「……」

穏乃「憧」

憧(無視無視……)

穏乃「憧ってば」



憧「……」チラッ

『アヘ顔のこけし』

憧「フフッ……」

デデーン

憧「ちょっとシズ……!! っ、いだっ!!」スパーン

穏乃「だって憧だけずるいもん」

憧「自分で勝手に開けたんでしょ!」

玄「ま、まぁまぁ……」

灼「最後の引き出しは……何もなし」スッ

穏乃「とりあえず出てきたのはこのスイッチとこけ……ッ、フッ……こ、こけしだね」

憧「はい今わらった! シズ笑った!」(穏乃を指さしながら)

穏乃「わ、笑ってないよ!」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「ええええ~っ!」

スパーン!

穏乃「いっつ~……もう憧~!」

憧「べー、自業自得よ」

宥「くすっ……」

デデーン

アナウンス「松実宥 アウトー」

憧「えっ……なんで宥姉わらったの? 今笑うとこあった?」

宥「う、ううん……憧ちゃんと穏乃ちゃんが微笑ましかったらつい……」

スパーン!

宥「ひゃっ!」

憧・穏乃「??」

玄「さすがお姉ちゃんといったところなのです」

灼「たしかに……」

穏乃「……ね、このボタンどうする?」

憧「もういっそ押せば?」

玄「憧ちゃんが吹っ切れたのです」

穏乃「じゃあ押してみよう! ……というわけで宥さんどうぞ」スッ

宥「ええっ、私!?」

憧「ちょっと宥ねえになにさせようとしてんのよ」

穏乃「いや、年長者ってことで」

灼「意味わかんないし……」

宥「うぅ、わかった。怖いけど押してみる……」

灼(押すんだ……)

宥「じ、じゃあいくよ……?」

一同「……」ドキドキ

宥「えいっ」ポチッ

ヴォン

突如電源がつくテレビ。そして鳴り出す音楽。

テッテッテッテッテレッテッテッ~♪ 曲:A・RA・TA/歌:StylipS   参考URL:https://www.youtube.com/watch?v=ugug3rTt2KY

灼「え……?」

穏乃「……ンフッww」

※すでに笑いましたが続けます

画面内のステージに1人ずつ集まっていくStylipSの面々。

セーラ『よ、弱音を口にしたら……そ、そないなってしま、ッ、いそうでぇ~♪』

憧「ブッ……ww」

憧(な、なんであいつが……てかガッチガチじゃん)

竜華『臆病な 自分を~♪』

怜『ゴホッ、ゴホッ……ゴホッゴホッゴホッ、ッ、っる~♪ ……ゲホッ』 ←言えてない

玄「ンフッ、お、園城寺さん……ッ」プルプル

宥「フフッ……」

泉『世界はまだ小っちゃくって~♪』(無駄にノリノリ)

深堀『でも今はここがリ・ア・ルゥーッ!』(汗だくで真剣な表情)

憧・灼・玄「ん……フッ……ww」

宥「プクッ……」

穏乃「だ、誰この人……、ブフッww」



歌もサビに差しかかり……。

全員『……気づいてあげなきゃ~♪』



泉『絹キック~♪ A・RA・TAに♪』

灼「は?」

竜華『ギュッと力を込めるで~♪』

穏乃・憧「んふ、ブッ……ww」

セーラ『……ッ、す、すぐに見つけにゆ~く~からぁ~♪』

竜華『A・RA・TAとばして、キック♪』

全員『あの空へ~~~~~♪』

灼「……」

玄「……ンフフフフフwwww」

テッテッテッテッテレッテッテッ~♪

パチパチパチパチ

竜華『みんな~、せんきゅ~!』(観客に手を振る)

セーラ『は、恥ずかしいわ……///』

怜『ゼェ……ハァ……』

深堀『ありがとう』フンス

泉『おおきn……

ブツッ

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

穏乃「こ、こんなの笑うに決まって……あだっ!」スパーン

憧「もーっ!」スパーン

灼「んぐっ!」スパーン

宥「お、お腹痛い……ッ、うっ!」スパーン

玄「あひっ!」スパーン

穏乃「いてて……」

灼「ていうか絹キックってなに……」

憧「そ、そうそう……ッ、あ、あれなんなの?」

宥「灼ちゃんだけ名指しされてたね……」

灼「……」

玄「そんで最後、あの空へ~♪って……」

穏乃・憧「プッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 アウトー」

憧「ちょっと玄っ! ……だっ!」スパーン

穏乃「思い出させないでください……っ!」スパーン

玄「ご、ごめん……ッ」

デデーン

灼「!?」

アナウンス「鷺森 絹キックー」

灼「は? え、えっ?」

ガチャ

絹「どうも~」(キッカー・愛宕絹恵)

灼「え、ちょ待……やめっ!」

アーミーに取り押さえられる灼。

穏乃「うわ……」

絹「堪忍な~、すぐ済みますんで……えいっ!」

バシッ!

灼「ぁアっ!! 、っ……んん……ッ、いだ……っ」ピクピク

憧「……ンブッww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「いぎっ!」スパーン

宥「あ、灼ちゃん大丈夫……?」

玄「すごい音したね……」

穏乃「うわー、痛そう……」

灼「……っ、もうやだ……帰りだい(半涙目)」

憧「……ッ、げ、元気だしなって……」プルプル

ガチャ

赤土「いぇーい、お待たせ~……って、灼どうした?」

灼「……」キッ

赤土(なんかすごい睨みつけられてるんだが……)

玄「そっとしておいてあげてください……」

赤土「???」

憧「んで、今度はなに?」

赤土「おう、そうだった。お前たち初仕事だぞ」

宥「?」

赤土「もうすぐお客様がいらっしゃるから、部屋に案内するようにとのことだ」

穏乃「おお、仲居さんっぽい!」

憧「……仕方ないわねぇ」

穏乃「こ、今度こそ笑わないぞ!」

玄「わ、私も……!」

灼(無理でしょ……)

途切れることなく襲い掛かる笑いの仕掛け。次に彼女たちを襲うものとは果たして!?

スタスタ

痴漢魔の手配書から目を逸らしつつ進む一行。

ガヤガヤ

赤土「……お、ちょうど来たところらしい」

穏乃(あれってたしか……)

透華「はじめまして。本日宿泊の予約をさせていただいた龍門渕ですわ」(宿泊客・龍門渕透華)

衣「おっんせん♪ おっんせん♪」(同・天江衣)

純「おいおい、あんまりはしゃぐなよ」(同・井上純)

赤土「いらっしゃいませ。松実館へようこそ」

透華「これはご丁寧にどうも」

赤土「……ほら、あんたたちも」ヒソ

一同「い、いらっしゃいませ……」

衣「うむ、苦しゅうない」

赤土「何名様でいらっしゃいますか?」

透華「4名ですわ」

玄(4人……?)

純「俺とこいつと衣、それに……」チラッ



智紀「……」(鼻眼鏡装備)



純「沢村・エイドリアン・智紀だ」

智紀「コニチワ」

穏乃「……ッ」ヒク

憧(落ち着け……深呼吸よ、あたし)スゥ

宥「……」プルプル

赤土「ではお部屋にご案内いたします」

衣「……おい!」

憧「は? どうし……」

赤土「憧」

憧「ど、どうされましたかぁ?」ニコォ

衣「ころもだけなぜ子供用のスリッパなんだ!」

玄「……ッ」

憧「いや、私たちが用意したわけじゃ……」

衣「ころもは子供じゃない! ここの仲居は客を愚弄するのか!!」

玄「も、申し訳ありません」

衣「謝れば済む問題ではない!!」ダンダンッ(地団太)

憧(め、めんどくさいわねぇ……)イライラ

赤土「ど、どうすれば許していただけるでしょうか?」

衣「うむ……そうだな」

穏乃「……」ゴクリ

衣「ころもを心から笑わせるような一芸を見せることができたなら許そう」

憧(うわ……)

灼「あほくさ……」ボソ

衣「おい、そこの! なにか言ったか!」

灼「い、いえ……別に……」

衣「よし、お前からやれ!」

灼「え、……」

灼「え……えっ……」

穏乃・玄「……」(我関せずの態度)

衣「どうした、早くしろ!」

灼「いや、……えぇ……」チラッ

憧「……」

灼「……」(助けを求める視線)

憧「……ンフッ」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「もう、やめてよ灼さん!」

灼「いや、だって……」

スパーン!

憧「いたた……早くやってよもー」

灼「う……」

衣「……」イライラ

灼「あー、……ん、えっと……じ、じゃあ物真似やります」

衣「ほう……」

灼「ごほん……ボーリングでストライクとったときのハルちゃんの真似」



灼「……ね、見てた!?(^ω^≡^ω^)」

穏乃・宥「フッ……」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実宥 アウトー」

スパーン!×2

穏乃「そ、それ物真似って言うんですか……?」プルプル

宥「か、顔の動き……ッ」

衣「つまらんぞ……こんな内輪ネタでは衣は満足しない!」

赤土「す……ッ、すみません……」(笑い堪えつつ)

衣「誰か、次の者!」

赤土「……じゃ、玄」

玄「わ、わたし!?」

赤土「早く」

玄「え、え……」

衣「……」イライラ

玄「あ、えっと……うーん……」チラッ

穏乃「……」サッ(目線を逸らす)

玄「う……っ、んーと……」オロオロ

玄(どうしよ……どうしよ……)

玄「お、……おも……」

憧「……」

玄「お、おもち……んー……」

衣「……」タンタン(足を踏み鳴らす)

玄「ひっ! す、すぐ考えますから……」

宥「フフッ……」

穏乃(いま宥さん笑ったよね……?)

なぜか見逃される宥。

玄「えっと……お、おもち……ん、おもも……?」←なぜか脇を上下に動かす

憧「ンブッ……ww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「もうっ! なんなのよ玄ー!」

スパーン!

憧「いったぁ……」

玄「お、おも……」

衣「もうお前はいい! 誰か、だれか他の者!」

透華「……衣、そろそろおよしなさい」

衣「だがしかし……!」

透華「およしなさいって言ってるでしょ!!」パシンッ(空ビンタ)

衣「うわああっ……!」

ドタンッ(豪快にふっとぶフリをする衣)

透華「……はぁ、はぁ……」

灼(わざとらし……)

穏乃(だ、大丈夫かなぁ……)

純「おい、やりすぎだ透華!」

透華「ですけど……!」

赤土「……憧、様子を見てこい」

憧「いや……明らかに演技でしょあれ」

赤土「いいから」

憧「ったく……」

衣「……」

憧「ち、ちょっと……大丈夫ですか?」ユサユサ



衣「……」クルッ(鼻眼鏡装備)

憧「……ッ、フフww」

穏乃・玄「……ンフフフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実玄 アウトー」

スパーン!×3

穏乃「い、いつの間に付けたんだろ……ッ」

憧「ゆ、油断してたわ……」

玄「う……もうお尻ダメかも……」ヒリヒリ

透華「こ、衣……!」

衣「透華……!」タタッ

ダキッ

透華「ごめんなさい……ごめんなさいですわ、衣……」ギュ

衣「うぅ……」

純「ったく……」

智紀「……メデタシ、メデタシネ」

灼(……え? どこに和解する要素あったの……?)

龍門渕一行を客室へとを案内した5人。
レジェンドの指示に従い、次は厨房へと向かう。

赤土「ここが厨房だ。入るときはこの衛生キャップつけてな」

各自に手渡される使い捨てのキャップ……だが。

灼「あの……ハルちゃん」

赤土「ん?」



灼「これ……私だけ通学帽なんだけど」

穏乃・憧・玄「……ンフフフフフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実玄 アウトー」

スパーン!×3

穏乃「いづづ……」

赤土「あー……ンフッ、それ、……それしかないからさ。とりあえず被っといて」

灼「……」

不満げな表情で通学帽をかぶる灼。

憧「……」チラッ

灼「……なに」

憧「ブフッ……ww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「に、似合いすぎ……あだっ!」スパーン

灼「バカにしてるでしょ……」

憧「してな……ッ、してません……」プルプル

灼「釈然としな……」

穏乃「……ッ」プルプル

赤土「板長、新入りの仲居を連れてきました」

ダヴァン「どもデース!!」(無駄にハイテンションな板長・ダヴァン)

玄「……ッ」

赤土「板長は本格派ラーメン職人として有名なんだ」

憧「へ、へえ……」

灼(日本食じゃないの?)

ダヴァン「今日はとんこつ作りマス!!」

赤土「板長、なにかあればこいつらも手伝いますんで」

ダヴァン「OH! じゃさっそくデスけど、そこの袋とってもらエル?」

宥「袋……?」

ダヴァン「それネ! その黄色い袋!」

穏乃「あ、これか……」



『元祖豚骨 すばラーメン』

穏乃「……ンフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「いや、だってこれインスタントですもん……あうっ!」スパーン

灼「この人、新道寺の花田さんじゃん……」

宥「すごい作り込みようだね……」マジマジ

玄「あの……ラーメン職人じゃなかったんですか?」

ダヴァン「……あン?」(眉間にしわを寄せつつ)

玄「いや、だからあの……ラーメンしょk」

ダヴァン「ホワッツ!??」

玄「……」

ダヴァン「……」



玄「……ンフフフフww」

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

玄「もういやだよお……だあっ!」スパーン

ダヴァン「これを沸かしたお湯に入れて煮込みマス……ネ?」グツグツ

穏乃「……あ、はい」

ダヴァン「次に粉末スープを入れマス」パララッ

宥「……」

ダヴァン「そして特製ソースも入れマス」ニュル

灼「え、特製ソースってなに?」

ダヴァン「……」

灼「……」



ダヴァン「……そして、かき混ぜマス」

灼(え、無視……?)

ダヴァン「……」グツグツ

宥「変な色……」

憧「え、なんかヤバくない……?」

ダヴァン「いい感じに麺がほぐれタラ……器に移して、完成デス!」トゥルン

赤土「さすがプロのなせる早業だな。な、みんな?」

一同「……」

ダヴァン「では、試食しマス!」

玄(た、食べるの……?)

ダヴァン「イタダキマス……」ズルルッ



ダヴァン「……おぅええ……っ」オロロ

穏乃・憧「……ンフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 アウトー」

憧「ちょ、汚いもの見せないで……よっ!」スパーン

穏乃「あうっ!」スパーン

ダヴァン「ダメねコレ……すばラーメン。マズい」

穏乃「いや、それが原因ですよね? その変なソース……」

ダヴァン「……フォオオオワッツ!?」

玄「……ンフ……ゲホゲホッ」

宥「もういいよ穏乃ちゃん……」

憧「やめなって……余計なこと言うの」

穏乃「いやだってさぁ……」

赤土「板長、どうもありがとうございました……ほら、行くぞ」

ダヴァン「……」ギロ

穏乃「なんか睨みつけてくるんだけど……」

憧「いいから、早く」ヒソ

ゾロゾロ

厨房を出た一行は、次の場所へと向かう。

玄「次は何するんですか?」

赤土「ついてくればわかるよ」

スタスタ

宥「ここお風呂……」

赤土「そ。今度は風呂場の掃除してもらうわよ」

憧「うわ、めんど……」

赤土「ほらほら、いいから入る」

灼「お客さんはいないんだよね……」

赤土「……」

灼「いや、なんでそこで黙るの……?」

憧「これどう考えてもいるってことじゃん……」

赤土「そこの用具入れにデッキブラシ入ってるからそれ使ってな」

穏乃「はーい」

宥「はい……たくしあげできたよ」

穏乃「ありがとうございます、宥さん!」

ガララッ

憧「玄や宥ねえは普段やってるから慣れてるはずよね」

宥「えっとね、私たちはあまりやらないの……」

憧「あら、そうなの?」

玄「掃除は専属の人がいるからね」

穏乃「へえ……」チラッ



大沼「……ふぅ」(入浴中・大沼秋一郎)

穏乃・玄「……ブッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 アウトー」

憧「み、身構えててよかった……」

灼「なんで女子風呂にいるの……」

スパーン!×2

穏乃「いった~……」

タタッ

アーミー「わわっと……」ツルッ

どてんっ

憧・宥「ん……フフフフww」

デデーン

アナウンス「新子 松実宥 アウトー」

憧「ちょっと、なんなのよもう!」

宥「だ、大丈夫かなあの子……」

スパーン!×2

憧「痛~っ……」

宥「……と、とりあえず掃除しようか?」

玄「そ、そうだね」

ゴシゴシ

大沼「……フンフンフンフ、フンフンフフフフン~♪(鼻歌)」 曲:熱烈歓迎わんだーらんど

憧「……」ピクッ

穏乃「……ッ」プルプル

大沼「とんなんしゃーぺー、わーいわーい♪」(裏声)

宥「……フフッ」

デデーン

アナウンス「松実宥 アウトー」

スパーン!

宥「うぅ……」

大沼「……はいっ、はい、つー、はい♪」

憧「……」

大沼「はいっ、はい……っ……はんはんはんっ♪」←歌詞忘れた

穏乃「……ッ」ピクピク

大沼「はいっ、はい、つー、はい♪」

灼「……ん、フッ」

大沼「はい、多面ちゃ~ん↓」(野太い低音)

穏乃・憧・玄・宥「……ンフフフフフww」

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

スパーン!×4

憧「笑ったけどさ~……笑ったけどなんか納得いかないわ……」ヒリヒリ

穏乃「なんで最後トーン下げるの……ッ」

大沼「……」ザバァッ

一同「!」ビクッ

大沼「……」(海パン装着)

憧(い、一瞬全裸かと思った……)

宥「……ッ」

そのまま風呂場を出ていく大沼。

ガララッ

赤土「お~い、そろそろ昼飯だ……ひゃああっ!」

大沼「……失礼」

一同「……ンフフフww」

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

大沼「……」スタスタ

スパーン!×5

憧「ちょっともう~、晴絵!」

玄「なんで素で驚いてるんですか……」

赤土「いや、なんか……ほんとビックリしちゃった、はは」

一同「……」

灼「……ンフッ」

デデーン

アナウンス「鷺森 アウトー」

スパーン!

灼「その変な間やめて……」

赤土「……と、とにかく昼飯だから。ほら」

宥「はぁ、やっと終わり……」

掃除を終え、昼食の用意されている宴会場へ向かう5人。
だが、笑いの刺客たちは休息の時を与えない!

控室

穏乃「おー、お昼だー!」

憧「あー……今ちょうどお腹空いてたこと思い出したわ」

玄「私も……」グゥ

宥「くすっ、玄ちゃん今お腹なったね」

憧・灼「あ」

玄「お姉ちゃん……」

宥「え……あっ!」

デデーン

アナウンス「松実宥 アウトー」

宥「あ、あっ、その……」

スパーン!

宥「うぅ……普通に笑っちゃった……///」

一同(かわいい……)

赤土「奥から、宥、玄、穏乃、憧、灼の順番な」

憧「はいはい」

灼(また順番指定……)

穏乃「早く食べよ~」

玄「そうだね」

宥「賛成」

一同「いただきまーっす」

穏乃「どんぶりだ……なんだろな~」パカッ

『バナナ1本』

穏乃「……」

憧「……? どうしたのシズ、食べなよ」

穏乃「いや……」

玄「……ンフフww」(横から覗きこんで笑ってる玄)

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

玄「いだっ!」スパーン

穏乃「はぁ……」ムキムキ

憧(あー……なるほど)チラ

宥「穏乃ちゃん、私のあげようか?」

穏乃「いや、悪いですよ宥さん。気持ちだけありがたくいただいておきます」

灼「……」モグモグ

穏乃「……」ムシャムシャ(不満げな顔でバナナを頬張る)

憧「……」モグモグ




憧「……」チラッ

穏乃「ふぉ~ん……」ムシャムシャ(憧のどんぶりを恨めしそうに眺める穏乃)

憧「……ん、ブフッww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「もうこっち顔向けないで……よっ!」スパーン

穏乃「だっておいしそうなんだもん……」

憧「……ほら、半分あげるから」スッ

穏乃「え、もらっていいの?」

憧「いいわよ……半分だけね」

穏乃「あ、ありがと憧~……じゃ、いただきます!」

玄「よかったね、シズちゃん」

穏乃「……んんっ!」ガツガツ

憧「まったく……」

穏乃「……」モグモグ

憧「……ちょ、食べすぎでしょ! ちゃんと私の分も残し……」

穏乃「?」(アホ面)

憧「……ンフッ……って、あああああああもう!!」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

憧「……っ!」スパーン

宥「憧ちゃん、お尻赤くなってる……」

憧「え、ウソ!?」

穏乃「ほんとだ……痛そ~」

憧「てか、私の衣装だけやけに露出高いから不利なのよー!」

玄「直に食らってるようなものだもんね」

憧「これ終わってしばらくは自分のお尻見れないわ……」

灼「え、いつも見てるの?」

憧「……」

玄「……フフッ」

憧「……ッ、フッ……も、もう灼さん!」

灼「ご、ごめ……フフッ」

デデーン

アナウンス「新子 鷺森 松実玄 アウトー」

スパーン!×3

憧「あー……もう変なこと言うのやめましょ」

玄「ほ、ほんとにね」

灼「……ッ、わかった……」プルプル

その後、5人はしばらく談笑。

ガラッ

赤土「そろそろ課外研修に出かけるぞ」

宥「課外研修……?」

赤土「この近辺の観光スポットを回っての実習だ」

穏乃「観光スポットっていうと……新子神社とかロープウェイですか?」

憧「うげ……マジ?」

赤土「そそ。仲居たる者、そういう施設の知識くらい持っておかないと困るからな」

一行は課外研修のためにいったん屋外へ。

憧「さっぶ~!」

玄「移動は徒歩ですか?」

赤土「そんな距離ないしな。まずはロープウェイに乗るぞ」

憧「……神社にお姉ちゃんとかいたりしないよね」

灼「いる可能性はある……」

憧「うわ、いやだ~……」

スタスタ

しばらく歩くと……。

??「ワハハー、おかしいなー」

??「智美ちゃん、ほんとに直るの……?」

穏乃「あれって……」

蒲原「うーん……JAFに電話するかぁ」

佳織「うん、早く助けてもらおうよ~……」

蒲原「電話番号どこいったっけなぁ……」ガサゴソ

玄(……鶴賀の人たちだ)

灼(ワーゲンバスがエンストしてる……)

スタスタ

通り過ぎようとする5人……だが。

ブシュウウウウウウウウウウウウ!!

一同「わああっ!」

突然のCO2ガス噴射。

宥「うぅ……」ブルブル

蒲原「あ、すまんすまん。驚かせちゃったかー」

灼「ば、爆発するかと思った……」

憧「……ったく、ビックリさせないでよもう!」

気を取り直して進む一行。

玄「ん?」(車内を盗み見る玄)

睦月「……」(後部座席で寝そべりながらマンガを読む睦月)

玄「ンフッ……ww」

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

スパーン!

玄「……す、すごくリラックスしてる……ッ、ったあ!」スパーン

宥「は、早くいこ……」

ブシュウウウウウウウウウウウウ!!

宥「ひゃああっ!」

蒲原「ワハハ、おもしろいなこれー」

佳織「智美ちゃん!」

宥「私ビックリする系は無理……」ブルブル

玄「お姉ちゃん怖がりだもんね」

赤土「……着いたぞ。ロープウェイだ」

穏乃「よし、乗ろう乗ろう」

憧「なんか嫌な予感するんだけど……」

搬器に乗り込む一同。

ガコン(発進の音)

一同「……」

淡々と登っていくロープウェイの搬器。

憧「……なんか意外と何にもなさそうな感じ?」

灼「そうだね……」

デデーン

一同「っ!?」ビクッ

アナウンス「……」

穏乃「……え?」

憧「ってなんもないの!?」

灼「騙された……」

玄「フフッ……」

※すでに笑いましたが、続けます

ガタン

向かいから下降してくる搬器。

宥「……」チラッ



一『……』(全裸の国広一)

宥・憧・穏乃「フフッ……」

穏乃「さ、さっき龍門渕のとこでいなかったと思ったら……ッ」

憧「っ、なんなのよあの人は!」

宥「寒そう……」ブルブル

ゴトン

赤土「よし、着いたな」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実玄 松実宥 アウトー」

憧「あ、忘れてた……」

スパーン!×4

穏乃「はぁ……」

赤土「お前たち、あれがここの名物のアイスクリーム屋だ」

憧「へ?」

船Q「いらっしゃいませ~」(店主・船久保浩子)

灼(鼻の下にクリームついてる……)

宥「……ッ」

船Q「……」レロレロ(舌でクリームを舐めとる船久保)

穏乃・灼「……フフッ」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 アウトー」

スパーン!×2

船Q「……」レロレロ

灼「も、もうついてないから……」

船Q「……」レロレロ

玄「……や、やめ……ッ」

宥「ま、まさか食べませんよね……?」

赤土「ん? 食いたければ食っていいけど……」

宥「いえ、食べませんけど……」

赤土「……」

宥「……」

赤土「……」レロレロ

宥「フフッ……ww」

デデーン

アナウンス「松実宥 アウトー」

宥「あ、赤土さんっ!」

赤土「すまんすまんww」

スパーン!

宥「うぅ……」

穏乃「い、行きましょう早く……」ヒクヒク

憧「そ、そうね」

赤土「! お前ら見てみろ」

憧「はぁ……今度はなによ」

赤土「あれがかの有名な……」

玄「え……」チラッ

美穂子・池田・未春・文堂・深堀「……」スタスタ

赤土「風越女子のジャミラ行列だ……」  参考画像:http://i.imgur.com/boBNHiW.jpg

穏乃・憧・灼・宥「……ンフフフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 鷺森 松実宥 アウトー」

スパーン!×4

宥「い、いたた……」

穏乃「さっき痴漢されてたよねあの人……ッ」

憧「て、テレビで踊ってた人もいるし……」

赤土「よし、いいもん見れたな。きっとご利益があるぞ~」

灼(ツッコまないでおこう……)

赤土「次は新子神社だな」

ロープウェイ乗り場を離れ、一行は新子神社へと向かう。

憧「あー、もういやだわ……もういやだわー」

穏乃「憧うるさいよ」

憧「だってー……」

赤土「そこの階段のぼったらすぐだからな」

憧「いや、知ってるけどさ……私んちだし」

スタスタ

??「……いらっしゃい」ポリポリ

赤土「あ、これはどうも」

憧「……?」

赤土「こちらがこの新子神社の神主をしてらっしゃる滝見春さんだ」

春「ようこそ、新子神社へ」(鼻に黒糖つめた神主・滝見春)

憧・玄「……ブッww」

デデーン

アナウンス「新子 松実玄 アウトー」

スパーン!×2

憧「もう、だれよこの人ー!」

玄「こ、黒糖が……は、鼻に……ッ」(絶賛ツボにはまり中)

春「あっ……」ポロッ

右の鼻腔からふっとび、地面に落ちる黒糖。

春「……」スッ

玄「……ッ」

春「……」フキフキ

憧「……?」

春「……三秒ルール」ドヤッ

憧・玄「……フッ」

デデーン

アナウンス「新子 松実玄 アウトー」

憧「は、鼻に突っ込んだ時点でアウトでしょう……がっ!」スパーン

玄「さ、さんびょ……プクッ……ぐっ!」スパーン

赤土「それで、滝さん」

胡桃「滝見です」

赤土「……」

春「……」

一同「……」

赤土「失礼……滝見さん」

憧「……いや、え? その人誰?」

穏乃・玄「プフッ……ww」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 アウトー」

憧「いや、ほんとだれなの?」

胡桃「座敷童です」

穏乃「……ンフフww」

灼「い、いつの間に……ッ」

スパーン!×2

穏乃「いったぁ……」

赤土「話を戻しまして、滝見さん」

春「……はい」ポリポリ

赤土「この神社では流鏑馬が有名だとか」

憧「え?」

春「はい、そうです」

憧(初めて聞いたわよそんなん……)

赤土「よろしければ見せていただいてもけっこうでしょうか?」

春「ええ、ちょっと待ってください」

スタスタ

春「……弘世さん、こちらの方々が流鏑馬が見たいそうです」

??「ほう」

宥「あ、あの人……」

菫「どうも、こんにちは。私が当神社の流鏑馬師であるスミレ・弘世です」

灼(なんで欧米風……?)

菫「今日は馬の調子が悪いんですが、それでもよろしかったらお見せしますよ」

赤土「どうも、ありがとうございます」

菫「いえ、これくらいお安い御用……」チラッ

宥「……」

菫「……」グギ(下手くそなウインク)

宥「……?」

玄「……ンフフww」

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

玄「も、もうダメ……お尻があっ!」スパーン

菫「……それでは馬を呼びます。カモォン、グリーンティンゴ!」

穏乃「ぐ、ぐり……?」

パカラッパカラッ

一同「……」

菫「こちらが、この神社自慢の馬……グリーンティンゴです」

グリーンティンゴ「……」(前方尭深、後方亦野の着ぐるみ)  参考画像:http://i.imgur.com/EvWEPJO.jpg

憧「あれ……明らかに着ぐるみだよね? しかも二人用の」

灼「後ろの人つらそ……」

亦野『はぁ……はぁ……』

尭深『誠子ちゃん……がんばって』ヒソ

玄(き、聞こえてるよ……ッ)プルプル

菫「よし、グリーンティンゴ。流鏑馬やるゾ!」

宥「ほ、ほんとに乗れるのかな……」

菫「んしょっと……」

グギィ

亦野『あいたたたたた……!!』

穏乃・憧・灼・玄「ブフッww」 宥「ふふっ……」

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

スパーン!×5

憧「そ、そりゃそうなるわよ……ッ」

穏乃「こ、腰悪くしますよ……ッ」ピクピク

菫「グリーンティンゴ! がんばれ!」グイッ

亦野『ああっ、痛! 痛いです! やめて先輩! ほんとダメです!』

穏乃・憧・灼・玄・宥「……ンフフフフフww」

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

スパーン!×5

憧「いだっ……もうそれやめてってば!」

穏乃「……ッ、も、もう終わりにしましょうそれ」

菫「だがしかし……馬に乗れないと流鏑馬が……」

灼「いいですもう、見たくないです……(切実)」

玄「……ンフッ」

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

スパーン!

玄「痛ッ……」

宥「あ、赤土さん! 次行きましょう次」

赤土「そうか? しょうがないな……」

赤土「では滝見さん、本殿にご案内していただいてもいいですか?」

春「……はい」ポリポリ

憧(え、まだここ続くの……?)

春「……こちらへどうぞ」

スタスタ

玄「もう寒いし帰りたいよぉ……」

穏乃「あー……あー……」(笑わないように表情筋体操をする穏乃)

宥「穏乃ちゃん……それやめて……ッ」

穏乃「あ?」

宥「……ン、フッ」

デデーン

アナウンス「松実宥 アウトー」

宥「ひゃぁ!」スパーン

灼「宥さんの笑いのツボがどんどん壊れていく……」

新子神社・本殿

穏乃「こんな寒いのにお参りしてる人がいる……」

憧「あれもどうせ仕掛け人でしょ……」

漫「……」(参拝客・上重漫)

カランコロン

賽銭を投げ、鈴を鳴らそうとする漫……しかし。

漫「……」グイッ

ブチッ……ゴーン!!

一同「っ!?」ビクッ

突如落下してきた鈴が漫の頭を直撃。漫だけに。



漫「……っ」ピクピク

穏乃・憧・玄「……ンフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実玄 アウトー」

スパーン!×3

憧「あ、あんなん笑うでしょ……!」

穏乃「だ、大丈夫なんですかあの人……」

春「たぶん平気です……さぁ、行きましょう」ポリポリ

本殿の中に入る一行。そこで彼女たちを待ち受ける笑いの刺客とは……!?



春「……ここで少々お待ちください」

そういって奥へ下がる滝見。

憧「今度はいったいなによ~……」

灼「どうせ変な占い師が出てくるとかじゃ……」

??「お待たせしました」

宥「この人宮守女子の……」

塞「降神術師の臼沢塞です」

穏乃「こうしん……?」

塞「簡単に言えば、器となる人間に神様を降ろしてお告げを聞くことです」

穏乃「わ、わかるようなわかんないような……」

塞「実際にやってみた方が早いでしょう……滝見さん」

春「……はい」ポリポリ

初美「よいしょ……」

巴「……ん」

ズルズル

滝見以下巫女服を着た者たちが、仰向けになった三人の女性を運んでくる。

塞「こちらの人たちに神様を降ろして、あなたたちの悩み事を聞いて差し上げましょう」

憧「この人たちは一応寝ている設定なのよね……?」

塞「設定というのがよくわかりませんが……そうです、はい」

憧「……」

灼(……どの顔も見たことある人ばかり……特にそっちの人は)チラッ

塞「ではまず初めにこちらの30代後半の女性に恋愛の神様を降ろしてみましょう」

健夜「……」

穏乃・灼「……ンフフフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 アウトー」

スパーン!×2

穏乃「さ、30代後半って情報いりますか……?」スパーン

灼「ていうかアラフォーだっけ……?」

健夜(アラサーだよ!)モゾ

憧「今動いたけど……」

塞「気のせいです……ではいきます」

(フー!)チャッチャ~ラチャ~ラチャチャチャ~♪ 曲:New SPARKS!

一同「っ!?」ビクッ

突如鳴り出す音楽。そしてそれに合わせてノリノリでダンスをする降神術師。

塞「……はっ!」

健夜「……」スクッ

塞「……成功しました。では新子さん」

憧「あ、はい……」(なんで名前知ってんだろ……)

塞「なにか恋愛について相談したいことはございますか?」

憧「いえ、ないです」

玄・灼「……ンフッww」

デデーン

アナウンス「鷺森 松実玄 アウトー」

スパーン!×2

玄「あ、憧ちゃん……真面目にやってよ……」

灼「うちらに被害及ぼさないで……」

憧「いやだって相談したところで絶対良いことないし……」

塞「なんでもいいんです。ただし恋愛関連で」

憧「んー……じゃ何歳くらいで結婚できますか?」

健夜「……」

憧「……?」



健夜「……無理。あなた結婚無理。一生独身」

憧「は、はぁ!?」

穏乃・灼・玄・宥「……ブッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 松実玄 松実宥 アウトー」

憧「アラフォーに言われたかないわよ!」

健夜「な、なんd……もがもがっ!」

塞「……」グググ

スパーン!×4

穏乃「いったぁぁぁ……」

灼「……ッ、寒さも相まって、もう感覚がなくなりつつある……」

宥「……」コクコク

憧「パチモン占いとはわかっててもなんか腹立つ……!」ムスッ

健夜「……」ギリギリ

塞「どうもありがとうございました……では、次の神様にお告げを聞きましょう」

玄「も、もういいよぉ……」

塞「次は学問の神様です……それでは松実玄さん、どうぞ」

玄「わ、私!? ……なんでですか?」

塞「一番深刻な悩みを抱えてそうだからです」

玄「えっ?」

憧・灼「……ンフフッ」

デデーン

アナウンス「新子 鷺森 アウトー」

スパーン!×2

憧「なんて直球な返答の仕方なのよ……」



(フー!)チャッチャ~ラチャ~ラチャチャチャ~♪ 曲:New SPARKS!

一同「っ!?」ビクッ

ノリノリで踊りだす降神術師。

灼「そ、それいちいちビビるんでやめてもらえませんか……」

塞「はっ!」

和「……」ムクッ

玄(あ、和ちゃんだ……)

塞「それでは質問お願いします」

玄「え、え~っと……もっと賢くなるにはどうしたらいいでしょうか?」

和「……」

玄「……」ゴクリ

和「……生まれる前からやり直しましょう」

穏乃・憧・灼・宥「……ンフフフフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 鷺森 松実宥 アウトー」

スパーン!×4

憧「ちょっと和ぁ!」

穏乃「ひ、ひどすぎ……ッ!」プルプル

玄「な、なんかすごくバカにされた気がするのです……!」

宥「だ、大丈夫だよ玄ちゃん……私はそのままの玄ちゃんが一番好きだから」

玄「お、おねえちゃぁん……」ダキッ

灼(それフォローになってるのかな……さっき宥さん笑ってたし)

塞「それじゃ最後の神様いってみましょう」

宥「えっと、なんの神様ですか?」

塞「金運の神様です。それでは鷺森灼さん、どうぞ」

灼「私か……」

穏乃「がんばれ、灼さん!」

憧(なんの応援よ……)

(フー!)チャッチャ~ラチャ~ラチャチャチャ~♪ 曲:New SPARKS!

ノリノリで歌いだす降神術師。

一同「……」(無反応)

塞「絶ッ対譲れない、この時を待~~~~ってたよ~~~~~っ♪」

灼(長……早く始めて)

塞「はっ!」

ネリー「……」ムクッ

塞「……ふぅ、それでは質問どうぞ」

灼「えっと……金運の神様なんだよね」

ネリー「そうだよ」

灼「じゃあ……お金をうまく貯めるコツを教えてください」

ネリー「なに言ってるの? お金は貯めるためにあるんじゃなくて使うためにあるんだよ?」

灼「……」

ネリー「とりあえずあなたはお金貯めることよりもまず服買った方がいいよ……高2でタヌキはダサいから」

灼「なっ……!///」

憧・玄「……ブッww」

デデーン

アナウンス「新子 松実玄 アウトー」

スパーン!×2

灼「よ、余計なお世話だと思……っ!///」

宥「お、落ち着いて灼ちゃん……!」

憧「と、とりあえず今度買い物付き合ってあげるから……ンフッ」

穏乃「灼さんもジャージにしたらいいのに」

宥「そ、それはどうかなぁ……」

塞「それでは、これにて降神の儀を終わりにしたいと思います」

赤土「ほらお前たち、ちゃんとお礼言えよ?」

一同「……ありがとうございました」

神社での研修を終えた一行は旅館に戻るために車に乗り込む。

灼「帰りは車なんだ……」

宥「その方があったかくていいけど……」

憧「それよりもうこんな暗くなってたのね。びっくり」

赤土「それでは、神主。今日は本当にありがとうございました」

春「……はい、またいつかお会いしましょう」

憧(絶対やだけどね……)

トントン

憧「ん?」

春「またきてね」(特大サイズの黒糖を鼻に詰めたはるる)

憧「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

スパーン!

憧「な、なんでそんなで……ッ、でかい黒糖が入んのよ……」プルプル

春「それが自慢」ニッコリ

憧「……ッ、やm……ゲホゲホッ……あ~、あ~~」

プップー(発進)

憧「さ、最後まで油断できないわ……ほんと」ハァ

穏乃「いや~……長かったね」ウゥーン

赤土「お前ら、まだ終わったわけじゃないんだから気抜くなよ?」

穏乃「わかってますって……」チラッ



ブロロロロッ!

蒲原「ワハハー、タイヤが溝から抜けないぞー」

佳織「智美ちゃん、早く電話しようよ~!」

穏乃「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「な、なんなんですかあの人たちは……っ!」スパーン

宥「……ッ」プルプル

灼「む、睦月さんあいかわらずマンガ読んでるし……ッ」

睦月「……」ペラッ

玄「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「松実玄 アウトー」

玄「い、言われなければ気づかなかったの……にっ!」スパーン

赤土「あの人たちも大変だな……ま、いいや。もうすぐ旅館だから降りる準備しとけよ」

やっとのことで旅館にたどり着く一行。
だが、本当の笑いの地獄はここからだということを5人はまだ知る由もなかった……!

赤土「じゃ、控室戻っててな。あとで迎え行くから」

スタスタ

憧「ねぇ、早いとこ控室戻って休めるときに休んじゃお」ファア

宥「うん……そうだね」

穏乃「あ、憧……あれ」

憧「ん……なによ?」チラッ



一「……くしゅんっ!」(全裸の国広一、再び)

憧・灼「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「新子 鷺森 アウトー」

憧「なんでここにいんのよ……っ!」スパーン

灼「ロープウェイ降ってったのはそういうことだったんだ……っ!」スパーン

一「あ、あの……」

玄「わわっ、話しかけてきたよ……」

一「すみません、ここに泊めて頂けませんか……」

憧「え、えーっと……」

宥「それはカウンターの方に確認してもらわないと……」

一「いえ、さっきも掛け合ったんですが……その……」

??「いたぞ! あいつだ!」

ダダダッ

一「わっ……」

ドタドタ

??「取り押さえたっす!」

??「でかした!」

穏乃「……ッ、あ、あれってさっきの警察官たちじゃ……」

一「は、離してください……っ!」ジタバタ

桃子「こいつが無許可で館内に侵入した露出狂っすね?」

加治木「ああ、追い出せ!」

警察に連れて行かれる一。

一「……ぼ、僕は……僕は何もしていません!」

加治木「じゃあなぜここにいる!? 不法侵入だぞ!」

一「それは……と、泊まりたかっただけです!」

加治木「一文無しなのにか!?」

一「……」

桃子「ほら答えられないじゃないっすか!」

一「そ、それはどうにかします!!」

桃子「バカ言ってんじゃないっす! 全裸のお前になにができるっすか!」ドンッ

無理やりパトカーに押し込められる一。

宥(か、かわいそう……)

後部座席の窓を開け、顔を出す一。

一「お願いします仲居さん! 僕をこの旅館に止めてください!」

桃子「こらっ! なにしてるっすか!」グイッ

車内で格闘を繰り広げる一とモモ。

玄「……ッ」プルプル

桃子「お、おとなしくするっす……!」

一「お、お願いします!! お金……お金は……」



一「お金は体で払います!!」

穏乃・憧・玄・灼・宥「ブフッwwww」

デデーン

アナウンス「全員 アウトー」

スパーン!×5

玄「はひぃ……お、お腹痛い……ッ」

憧「もう! 早くその人どっか連れてってよ~!」

加治木「また君たちか……迷惑をかけてすまなかった」

憧「いえ、別に……」サッ

灼「……」

加治木と視線を合わせようとしない5人。

加治木「どうした、私の顔に何かついているか?」

穏乃「いえ……」

加治木「んん?」(無理やり視線を合わせる鼻毛刑事)

穏乃「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「もうやめ……そのネタやめ、ぐっ!」スパーン

加治木「ん、どうしたんだ?」

玄「なんでも……ッ、なんでもありませんからっ」

憧「ほ、ほら……後輩さん待ってますよ」

加治木「お、それもそうだな……それじゃあ失礼する!」ビシッ

タタタッ

憧「はぁ……やっといった」

宥「あの付け毛……と、取れかかってたよね……ッ」

灼「ちょ、宥さん……」プルプル



一「なんでも! なんでもしますから!!」

桃子「こいつ! 静かにするっす!」

ウウウウウウウウウウウゥゥ……!

露出狂を乗せたパトカーは闇の中へと消えて行った。

憧「もう、なんかほんと疲れた……」

灼「早く行こ……」

スタスタ

げんなりした様子で控室に向かう5人。

宥「あの子、ちゃんと服着させてもらったかな……」

玄「……ッ、もういいよお姉ちゃん、その話題は」

宥「でも寒そうだったし……」

穏乃「風邪ひいてるっぽかったですよね……」チラッ

『露出魔・国広一 指名手配書』

穏乃「……ンフッ」

デデーン

アナウンス「高鴨 アウトー」

穏乃「あうっ!」スパーン

ガチャ

憧「あぁ~……」バタ

灼「……ちょっと憧、見えてるよ」

憧「いいじゃないですかぁ……女しかいないんだし」

穏乃「休まる~……」ゴロゴロ

宥「あ、あったか~い……」

しばらく思いのままに過ごす5人。
しかし、ある一人の言葉によってこの安らぎの空間も笑いの地獄と化すのだった。

玄「……もしかして、また仕掛け直されてたりするのかな」

灼「……」

憧「……もういいじゃんそれは」

穏乃「うーん……でも気になるね」

玄「だよねぇ……」

一同「……」

穏乃「そういえば押入れ見てなかったよね……」

憧「ちょ、開ける気?」

穏乃「いや、気になるし……」

ガタンッ

一同「!?」ビクッ

突如押入れからする物音……。

宥「え、なに今の……」

玄「わ、わかんない……」

灼「し、穏乃……開けてみて」

穏乃「い、いやですよ……ここはじゃんけんで」

憧「あんたさっき開ける気満々だったじゃない!」

穏乃「いや、そんなことないよ!」

ガタガタッ

憧・穏乃「ひっ!」ダキッ

憧「じ、じゃあ……いっせーの、せ……でね?」

穏乃「……うん」

灼・玄・宥「……」ゴクリ

憧「い、いくよ……いっせーの、」

穏乃「せっ!」

バッ(襖を開ける音)

恒子「うひゃああっ!」

穏乃「うわああっ!!」

憧「きゃああああっ!」

ドタドタッ

灼「え、なに……!?」

玄「……ど、どうしたの?」

??「いたたぁ……」

宥「あ、あれって……こーこちゃん?」

恒子「え……な、なにぃ~? まぶしぃ……」

憧「この人、アナウンサーの福与恒子じゃん……」

恒子「はぁ~い、そうで~す! ふくすこの健やかな方でぇ~す!」ヘロヘロ

穏乃「うわ、お酒くさっ……」

恒子「あれ、君たち阿知賀女子の子? こんなとこでどうしたの~?」

憧「いや、それはこっちが聞きたいんですけど……」

恒子「ん~? こーこよくわかんなぁい……それよりさぁ、どう~? お姉さんと一緒に飲も~よぅ」

灼「それなに……」

恒子「日本酒でぇ~す! さっきえりさんにもらったんだ~……えへへ」

穏乃「……」

玄「うわわ、完全に酔っちゃってるねこれ」

宥「うん……」

恒子「ちょっとオチビちゃぁ~ん……飲もうよ~」グイグイ

穏乃「は、離してください……」

宥「こーこちゃん、意外と酒癖悪かったんだね……」

玄「ど、どうしよっか?」

憧「うぅ~ん……いっそまた押入れにしまう?」

灼「いやそれダメでしょ」

玄「赤土さんもどこにいるかわかんないしなぁ……」

10分後

恒子「ねぇ、この日本酒ねぇ~? えりさんがおいしいって言うから~……」

穏乃「うっ……もうその話聞きましたよ……」

恒子「あ、そうだったっけ? ごめ~ん、こーこちゃんバカだからさぁ~」

玄「あは、は……」

恒子「んでぇ~、その押入れに入ってればイケメンくるとか言うからさぁ~、ずっと待ってたのよ~」

宥「は、はい……」

恒子「そしたら君たちがいきなりふすま開けてさぁ~、もうびっくらこいたわけよ~」

憧(あ~、もういやだこの大人……)

ここまで既レス
ここからはちょい時間かかります

恒子「ところでさぁ、君たちは何しにきたの~?」

玄「あ、それはですね……何と説明したらいいか」

恒子「う~ん?」

穏乃「赤土さん……わかります? 赤土晴絵さん。その人に頼まれて笑ってはいけない松実館っていう企画を……」

恒子「うわっ、これおいひ~」ポリポリ (机の上にあるお菓子を食べる恒子)

穏乃・灼「……ンフッ」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 アウトー」

スパーン!×2

穏乃「もう帰ってくださいよ~っ!」

恒子「ええ~、そんな寂しいこと言わないでよ~ん」ダキッ

灼「や、やめてくださ……」

憧「ほんとどうしたもんか……」チラッ

玄「……」スッ

憧「ちょっと玄、なにしてんの?」

玄「え!? あ、いや……引き出しネタあるかなぁと思って」

憧「はぁ? 今それどころじゃないでしょうが……」

玄「ご、ごめぇん……」

憧「……そんで、見つかったの?」

玄「……」

憧「なによ」

玄「……これ」

『青色のボタン』

憧「う、うわぁー……」

玄「ど、どうしよっか?」

憧「いや、そんなこと聞かれても……とりあえずあの人に見つからないように戻すしか」

恒子「お、なになにそれぇ~?」

憧・玄(うげっ……)

玄「いや、あのこれはですね……」アセアセ

恒子「これ押すとなんか出てくんの~? あ、もしかしてお菓子とか!?」

憧「で、出ませんからぁ!」

恒子「ええ~、いいじゃんいいじゃ~ん! もったいぶらないでお姉さんに貸してよぉ~」グイグイ

憧「いやダメですって……っ、あ!」

ポチッ

恒子から奪い取ろうとした拍子に自分で押してしまう憧。

デデーン

アナウンス「鷺森 絹キックー」

灼「は?」

ガチャ

絹恵「あ、またまたどうもー」

憧(あ、あちゃー……)

灼「ちょ、え……え、ウソでしょ!?」

アーミーに取り押さえられる灼。

恒子「へ、なに? 何が始まるのぉ~?」ワクワク

灼「や、やめて! ほんとあれ痛いから……!」

絹「すんません、堪忍ですぅ……えいっ!」

バシッ

灼「アがっ!……んん……ぁ……っ」ピクピク

憧「……ンフッww」

恒子「あはははっ! ちょーいたそぉ!」バンバン

デデーン

アナウンス「新子 アウトー」

スパーン!

憧「ぐぅ!」

恒子「あははははっ! なに今の~! お尻バシって!」

灼「もう、……ッ、もう無理……お尻われる……」

憧「あ、灼さん……ッ、やめ……ww」

恒子「お、お尻はもう割れてんでしょ~! あははははっ!」(床で笑い転げる恒子)

穏乃・宥「……フフッ」

デデーン

アナウンス「高鴨 新子 松実宥 アウトー」

憧「プクク……っ、あああああもうっ!」スパーン

穏乃「こ、こーこちゃんが……こーこちゃんが……っ!」スパーン

宥「だ、ダメ……ほんと……んっ!」スパーン

憧「玄、とりあえずそれ隠して……」

玄「う、うん……」

恒子「あ~! こっちに緑のボタンはっけぇ~ん!」

憧・玄「」

恒子「あははは、えいっ!」ポチッ

デデーン

アナウンス「新子 吹き矢ー」

憧「ッ、ゴホッ……は、はぁ!? 吹き矢ってなによ!?」

ガチャ

菫「どうも」(流鏑馬師・スミレ)

穏乃・玄「……フフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 松実玄 アウトー」

穏乃「な、なんでこの人いるんですかぁ!」スパーン

玄「不意打ちすぎるよ……っ!」スパーン

灼「……ッ、それよりも吹き矢って?」

ダダダッ

憧「え、なに……ちょ、こらっ! くすぐったいっつの!」

アーミー「じ、じっとしてるのよっ、もー」グイ

憧「……え、いやっ……な、なにすんのよこの変態!///」

宥「う、うわあ……///」

アーミーに取り押さえられ、尻を突き出させられる憧。

憧「い、いったいなにする気よ!」

菫「すぐ終わる……いくぞ!」ピュン

グサッ

憧「あだあああああっ!! 痛っ、い"だいっ!!」

穏乃・玄・灼・宥「……ブフッww」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 松実玄 松実宥 アウトー」

スパーン!×4

穏乃「あ、憧……変なリアクションとるのやめてよ」

憧「……ッ、バカ! ほんと痛いんだってこれぇ! ぐぅう……!」

恒子「あはははははっ!!」バンバン

宥「……ッ」プルプル

灼(もう色々とカオス……)

ガチャ

赤土「チチ、よせまっせ~」

一同「……」

恒子「あははっ! 胸ないじゃん!」

穏乃・灼「……フフww」

デデーン

アナウンス「高鴨 鷺森 アウトー」

スパーン!×2

穏乃「なんですかそれ……」

赤土「いや、おもしろいかなぁって……どうだった?」

憧「おもしろくないしどうでもいい! それより……」チラッ

恒子「あははははぁ……笑い疲れた~」グテ

憧「この変なアナウンサー早くどうにかしてよ!」

恒子「ちょっとぉ! 変なアナウンサーとかひっど~い!」

赤土「……お前らけっこう大変な思いしたみたいだな」

灼「もう地獄……」

赤土「ま、どうせまた移動するから」

玄「え、今度はなんですか……?」

赤土「宴会場への料理の配膳。しっかり頼むぞ」

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