銀時「エヴァとグレンラガン…か」(98)

冬月「フィフスチルドレン…碇、お前はどう思う?」

ゲンドウ「おそらくゼーレの駒だろう。それより…気になることがある」

冬月「次元境界線の歪曲のことか」

ゲンドウ「ああ。もうすぐ予想外のことが起きるだろうな」

冬月「転移でもするというのか?」

前話 銀時「ナゾ解きだぁ?」
銀時「ナゾ解きだぁ?」 - SSまとめ速報
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ゲンドウ「わからん。だがしかし、警戒はしておくほうがいいだろう」

銀時「え~と…ここどこだ」

新八「知りませんよ」

冬月「…もう来たあああああああああ!?」

ゲンドウ「…ようこそ、並行世界の旅人。ここはネルフ本部…」

神楽「ネルフ!?」

銀時「それって、使途を殲滅するための…」

ゲンドウ「その通りだ。もしよければ、君達が別世界へ行くまでの間、ここで働いてほしいのだが」

新八「どうするんです?」

銀時「そうだな…ま、やってやるか」

ゲンドウ「感謝する…で、最初の仕事内容だが…」

~ネルフ~

シンジ「…」

銀時「てめぇがシンジか」

シンジ「…あなたは?」

銀時「俺の名は坂田銀時。見てのとおり、侍だ」

シンジ「は、はあ…」

銀時「話の内容は他の奴らから聞いた」

シンジ「!!」

銀時「親父が何だってんだ。てめーはてめーだ。もっと強くなったらどうだ?」

シンジ「あなたなんかに、僕の気持ちは分かりませんよ…!!」

そう言い残すと、シンジは走り去っていった。

銀時「お、おい!」

銀時「…つーわけだ。新八、神楽。行くぜ」

神楽「おうネ」

新八「はい!!」

銀時(碇ゲンドウ…自分の息子に監視をいれるとは、どういうつもりなんだ?)

~外~

シンジ「トウジもケンスケも、みんな家を失って他の所へ行ってしまった。
友達は…友達と呼べる人は居なくなってしまった…誰も…
坂田さんにはひどいことを言ってしまったし…綾波には逢えない。その勇気が無い。
どんな顔をすればいいのか分からない…アスカ…ミサトさん…母さん…僕はどうしたら、どうすればいい…」

カヲル「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフフーン…。歌はいいねぇ」

シンジ「え?」

カヲル「歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ…そうは思わないか?碇シンジ君」

シンジ「僕の名前を知っている?」

カヲル「知らない者はないさ。失礼だが君は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」

シンジ「そうかな…あの、君は?」

カヲル「僕はカヲル、渚カヲル。君と同じ仕組まれた子供、フィフスチルドレンさ」

シンジ「フィフスチルドレン…! 君があの、渚君…」

カヲル「カヲルでいいよ、碇君」

シンジ「僕も、あの、シンジでいいよ」

カヲル「ふふふ。よろしく、シンジ君」

シンジ「よろしくね、カヲル君」

シンジ「ん? 携帯が鳴ってる、誰からだろう…? もしもし」

ミサト(電話)「シンジ君、シンクロテストの時間よ。 忘れてた?」

シンジ「あっ、すいません! んじゃ僕、もう行くから…またね、カヲル君」

カヲル「ああ。また後でね…」

そう言うとシンジは走っていった。

カヲル「…シンジ君は行ったよ。僕に用があるんだろう?」

銀時(俺達じゃない…!?)

新八(僕たち以外にも、ここに潜んでいる人がいるのか?)

????????「…気が付いていたのか」

銀時(!? 馬鹿なっ、あいつは…!!)

カヲル「僕達が出会うのは何万年ぶりだろうね。自分で自分自身を否定した者」

アンチスパイラル「そうだな、本来生きる権利を持つはずだった種よ」

カヲル「そうだね。本来なら僕達と君は協力して全ての敵に決着を…
スパイラルネメシスを起こすべきだったんだ」

アンチスパイラル「だが、それをするまえに我々が滅ぶ。そう思っただけだ」

カヲル「そうかい…んじゃ、がんばってくれ」

アンチスパイラル「…ああ」

新八(今のはいったい何だったんだ…)

銀時(アンチスパイラル…シモンが倒したはずだと思っていたが…)

~ネルフ・廊下~

金時「てめェがあのファーストチルドレン、綾波レイか…てめェは俺と同じだな」

レイ「…あなた、誰」

~ネルフ~

青葉「次元測定値、マイナス!」

リツコ「何かが転移してくるのね…」

ゲンドウ「恐らくな」

マヤ「来ます!!」

突如モニターが真っ白になる。

???「うわ、こ、ここは?」

青葉「な、なんだあれ…?」

ミサト「パターンは!?」

マヤ「パターン…み、緑!? 何コレ…!?」

冬月「緑だと…どういうことだ!?」

ミサト「シンクロテスト中止!! 初号機と弐号機を出して!」

青葉「ですが、弐号機のパイロットは!?」

冬月「フィフスチルドレンだ!」

青葉「了解!!」

ゲンドウ(いつぞやかの文書で読んだ螺旋の男か…? もし、そうならば…)

~ネルフ・格納庫~

シンジ「カヲル君も出撃するの?」

カヲル「そうだよ、シンジ君。がんばろうね」

シンジ「う、うん」

カヲル「一時的接触を極端に避けるね、君は。怖いのかい?
ヒトと触れ合うのが。他人を知らなければ裏切られる事も、互いに傷つく事も無い。
でも、寂しさを忘れる事もないよ。人間は寂しさを永久になくす事はできない。ヒトは一人だからね。
ただ忘れる事が出来るから、ヒトは生きていけるのさ」

シンジ「え…?」

カヲル「そう、常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから生きるのも辛いと感じる。ガラスのように繊細だね? 特に君の心は」

シンジ「僕が…?」

カヲル「好意に値するよ」

シンジ「好意?」

カヲル「好きってことさ」

シンジ「えっ…」

ミサト(通信)「エヴァ初号機並びに同弐号機、発進!」

カヲル「行くよ、シンジ君」

シンジ「今回のターゲットはあれ…」

カヲル(僕と同じじゃないね。螺旋力が何よりの証拠だ)

シンジ「いくよ、カヲル君!」

シモン「くっ、仕掛けてくるのか!! ヴィラル、聞こえるか! …いない!?」

シンジ「パレットライフルで…!!」

グレンラガンに命中する。

シモン「そんな攻撃、きかねぇよ!」

カヲル「ならこれでどうだい?」

弐号機がバズーカを発射するが、グレンラガンは避ける。

シモン「どこ狙ってんだ!」

~ネルフ本部~

銀時「おい、ちょっと待て!!」

ミサト「え!?」

ゲンドウ「…どうした?」

銀時「あれには人が乗っている!! 攻撃を中止しろォッ!!!」

リツコ「でも…!」

新八「本当なんです! 信じてください!!」

神楽「私、一回あいつらと一緒に戦ったことあるネ! だから…!」

ゲンドウ「…葛城三佐、停戦指令を出せ」

ミサト「…わかりました。シンジ君、カヲル君、聞こえる! 攻撃を中止して!!」

シンジ(通信)「えっ…あ、はい」

銀時「んじゃ俺も行くとすっか」

カヲル「さて…と」

シンジ「ん? カヲル君、コクピットから出て何してるの…?」

カヲル「さて…行くよ。おいで、アダムの分身。そしてリリンのしもべ」

シンジ「カヲル君が浮いたッ…」

~ネルフ本部~

新八「浮いてる!? 何あの人!! つーか人じゃないよねアレ!!」

マヤ「パターン青! 使徒です!!」

ミサト「まさか…フィフスチルドレンが!?」

神楽「え…」

ゲンドウ「弐号機ごと迎撃せよ」

~ネルフ 地上~

ミサト(通信)「シンジ君、聞こえる?」

シンジ「ミサトさん…」

ミサト(通信)「彼は…渚カヲルはね、使徒だったの」

シンジ「!! 嘘だ、嘘だ、嘘だ!! カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だっ!!」

ミサト(通信)「事実よ。ただちに迎撃…いいわね?」

シンジ「裏切ったな!! 僕の気持ちを裏切ったな!! 父さんと同じに僕を裏切ったんだっ!!」

シモン「諦めるな!!」

シンジ「!?」

シモン「話は聞かせてもらった! 彼を殺さない方法だってあるはずだ!」

シンジ「でももしそれを彼が拒絶したら…てゆーかなんで通信が…」

シモン「『もし』とか、『たら』とか、『れば』とか…そんな思いに惑わされんじゃねぇ!!」

シンジ「!」

シモン「その時はその時だ!! 今は悪い方向に考えるな!!」

シンジ「はい…!!」

銀時「シモン! 俺だ! グレンに乗せてくれ!」

シモン「銀さん…わかった!」

銀時「ここがグレンのコクピットか…」

シモン「さて…」

シンジ「カヲル君…やめてよ、どうしてだよ!」

カヲル「evaシリーズ…アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。それを利用してまで生き延びようとするリリン、僕には分からないよ」

銀時「チッ…だめか!」

シンジ「しかたがない…!」

シモン「銀さん、あれをやるぞ!」

銀時「あれだぁ? …いいぜ、やってやろうじゃん」

シモン「希望と気合の二つの道が、ねじって交わる螺旋道!!」

銀時「昨日の涙を怒りに変える! 明日の道をこの手で拓く!!」

シモン「宿命合体! グレンラガン!!」

シモン&銀時「俺達を誰だと思ってやがる!!」

カヲル「螺旋力…いずれかは滅びの力となる存在…」

シンジ「うおおおおっ!!」

弐号機にプログレッシブナイフを刺す初号機。

カヲル「! 君は…こんなことができるように…」

シンジ「僕を誰だと思ってるんだ! 僕だって、やるときはやる…!」

カヲル「!!」

シンジ「僕はエヴァ初号機のパイロット、碇シンジなんだ! 僕にだってやれる…!!」

カヲル「迷いを断ち切ったようだね。なら、僕のやるべきは…」

????????「裏切るか、本来この星に住まうことを許された者達」

シモン「この声は…」

カヲル「奴か…」

アンチスパイラル「君も奴に感化されたか…」

カヲル「僕は決めていたんだ。シンジ君が迷いを断ち切ったのなら彼とともに戦おうとね」

アンチスパイラル「そうか…」

シモン「アンチスパイラル、何故ここに!?」

アンチスパイラル「…螺旋の男か」

シンジ「え…どういうことなの?」

銀時「奴は一回、俺達が倒したのさ」

アンチスパイラル「…貴様にはわからぬか。私が並行世界の存在であることに」

シモン「なに!?」

アンチスパイラル「いわば、この世界のアンチスパイラル…」

カヲル「別の世界にもアンチスパイラルがいたのは、驚きだったよ」

アンチスパイラル「貴様も見ただろう、あの時の戦いで…」

シモン「あの時の戦い…!?」

アンチスパイラル「もう一人の私、呪われし放浪者、次元の将…我らは負けた。そして、我らはそれぞれ別の世界へ…」

シモン「ごたくはいい! 並行世界の存在だかなんだか知らないが、お前を倒す!」

アンチスパイラル「いちおう、説得のつもりだったのだがな…」

カヲル「君は下へ…そして彼は上へと突き進んでいく存在。理解できるはずが無いよ」

シンジ「僕もやるぞ…!」

アンチスパイラル「おろかな…」

そう言うと、空から何かが落ちてきた。

シンジ「あれは…」

シモン「黒いグレンラガン…」

銀時「どういうことだ…?」

カヲル「彼は僕達と同じ力をもって勝利することによって僕達に絶対的絶望を与えようとしている」

銀時「つまり、根本的な考えは変わらねえのか…!」

アンチスパイラル「そう…お前達の作法に乗っ取っていうなら、これはアンチグレンラガンといえるものだ」

シンジ「アンチグレンラガン…」

シモン「そいつがてめぇの切り札か!」

アンチスパイラル「そうだ」

シモン「なら、そいつをぶっ潰す!!」

アンチスパイラル「まあ、待て」

シモン「何!?」

アンチスパイラル「また会おう、螺旋の男よ。その時こそが、決着をつける時となろう」

シンジ「どういうこと…」

アンチスパイラル「その時までに戦力を大きくしておくんだな」

シンジ「アンチグレンラガンが消えた…」

ミサト(通信)「よくやってくれたわ、シンジ君。帰還して」

シンジ「え、でも、カヲル君とあのロボットは…?」

ゲンドウ(通信)「彼が味方となってくれたのならもう心配はいらない。両方の受け入れを許可する」

シンジ「父さん…!」

ゲンドウ(通信)「すまないな、シンジ。父さんが今、できる償いはこれしかない…」

シンジ「…父さん…」

~ネルフ本部~

シンジ「ふぅ、今日はもう終わりかな」

カヲル「お疲れ、シンジ君」

シンジ「ありがとう、カヲル君」

銀時「俺達もいたんだが…」

シモン「忘れ去られてるよな…」

ゲンドウ「…タブリス…いや、渚カヲル」

カヲル「なんですか?」

ゲンドウ「君にはeva4号機を与えよう。それでがんばってくれ」

カヲル「わかりました」

ゲンドウ「あと…」

カヲル「?」

ゲンドウ「うちの息子を慰めてやってはくれんか」

カヲル「え、それってもしかして」

ゲンドウ「何を勘違いしている。不安なことを聞いてやってくれということだ」

カヲル「そっちのほう? 残念だなぁ」

ゲンドウ「…私は他に償いの方法を知らないのだよ」

シモン「何を甘ったれたことを言ってやがる!!」

ゲンドウ「…君は」

シモン「今はどうだっていい!! 例え償いの方法を知らなくても、話ぐらいはできるはずだ!」

ゲンドウ「俺が傍に寄ると、シンジを傷つけるだけだ。だから、何もしない方がいい」

銀時「…シンジが怖かったのか」

ゲンドウ「自分が人から愛されるとは信じられない。私はそんな資格はない」

カヲル「ただ逃げているだけなんだ。自分が傷つく前に、世界を拒絶している」

銀時「それはてめぇが思いこんでるだけなんだ…!!」

シモン「グラサンのおっさん…」

ゲンドウ「私の名は、碇ゲンドウだ」

シモン「なら、碇ゲンドウ…歯ぁくいしばれ!!」

シモンの拳がゲンドウの頬に当たる。

ゲンドウ「がっ…!!」

シモン「自分の思い込みだけで相手を拒絶すんじゃねえ!! 世界は、お前の思い通りにはできていない!!」

ゲンドウ「………そうか。お前の拳をくらって、少しはそれがわかったような気がする」

銀時「ほれ、これ…今落ちたグラサンだ」

ゲンドウ「恩に着る」カチャ

カヲル「…」(螺旋力…僕はそれに希望を見い出したような気がするよ)

シンジ「…!」

ゲンドウ「…シンジ」

シンジ「…なんですか」

ゲンドウ「私は今までお前に対してひどい扱いをしてきてしまった。すまなかった、シンジ」

シンジ「…僕は」

シンジ「僕は、確かに父さんに苦手意識を持っていた。父さんに認められたいと思ってエヴァに乗っていた」

ゲンドウ「…あの時に…参号機の時に私がその思いを踏みにじったのか」

シンジ「はい。そして…僕は何をするためにここにいるのかわからなくなった」

ゲンドウ「…」

シンジ「…だけど」

ゲンドウ「!」

シンジ「僕は…もう逃げない。過去には振り向かない。僕が何のためにここにいるのか…その答えを自分で見つけるために…!」

ゲンドウ「そうか。成長したな、シンジ…」

シンジ「ありがとう、父さん…」

銀時「これで一件落着だな」

シモン「ああ」

カヲル(…そう、これでいい)

その時、サイレンがなった。

それと同時に素早くゲンドウが携帯をとりだす。

ゲンドウ「…何事だ?」

リツコ(電話)「襲撃です。相手はかなりの数…」

ゲンドウ「何者だ?」

リツコ(電話)「わかりません。ただ、白い制服を着ています」

銀時「チッ、見廻組か!!」

シンジ「見廻組…?」

銀時「細かい説明は省くが、要するに悪い警察って奴だ」

ゲンドウ「…だそうだ」

リツコ(通信)「わかりました。こちらは新八君と神楽ちゃんを中心に敵の撃退をすすめます」

ゲンドウ「任せたぞ」

見廻組a「いたぞ! あそこだ!!」

ゲンドウ「…来たか」

シンジ「ひっ…!」

カヲル「…」

見廻組a「貴様らがサードチルドレン、フィフスチルドレン、そしてネルフの司令官か」

ゲンドウ「…そうだが、君達は何をしに来た? なぜ、ここを襲撃したのだ?」

見廻組a「問答無用! お前達は殺す!」

銀時「させるか!」

銀時が木刀で見廻組aを倒そうとしたが…

金時「やらせねェよ」

その木刀を金時が木刀で受け止める。

銀時「金時…てめぇ!!」

シモン「うおおおおおおっ!」

見廻組a「がふっ!!」

シモンの拳が見廻組aの頬に直撃。そのまま彼は倒れた。

金時「チッ…また今度会おうぜ!」

そう言うと金時は走り去って行った。

銀時「あ、待ちやがれ!!」

~ゼーレ~

異三郎「人は無から何も作れない。人は何かに縋らなければ何も出来ない。人は神ではありませんからね」

ゼーレ01「だが、神にも等しき力を手に入れようとしている男がいる」

ゼーレ02「我等の外に、再びパンドラの箱を開けようとしている男がいる」

キール「そこにある希望が現れる前に箱を閉じようとしている男がいる」

異三郎「希望? あれがこの世界の人類の希望ですか?」

ゼーレ01「希望の形は人の数だけ存在する」

ゼーレ02「希望は人の心の中にしか存在しない」

キール「だが、我等の希望は具象化されている」

ゼーレ01「それは偽りの継承者である黒き月よりの我らの人類、その始祖たるリリス」

ゼーレ02「そして正当な継承者たる失われた白き月よりの使徒、その始祖たるアダム」

キール「だが同時に、絶望も具象化されてしまっている」

ゼーレ01「それはイレギュラー、反螺旋族…」

ゼーレ02「奴がいたら我々が迎えるのは破滅だけだ」

キール「だからこそ彼らに託す、我らの未来を」

~ネルフ本部~

ゲンドウ「みんな、無事か」

カヲル「無事みたいだね」

シンジ「よかった…」

アンチスパイラル「安心するのはまだ早い…」

シモン「!」

銀時「アンチスパイラル!」

アンチスパイラル「…」

アンチスパイラルは黙ったまま、シンジに指を向ける。

ゲンドウ「なにをするつもりだ?」

シンジ「!? うわあああああああああっ!!」

銀時「!?」

ゲンドウ「どうした、シンジ!?」

シンジ「…」

ゲンドウの質問に答えず、ぼーっと突っ立っているシンジ。

カヲル「…多元宇宙迷宮に迷い込ませたんだね」

シモン「なんだと!?」

アンチスパイラル「…その通りだ」

ゲンドウ「貴様はっ…!!」

アンチスパイラル「お前もだ」

ゲンドウ「ぐっ…!」

銀時「チッ…司令もやられたか!」

カヲル「次は僕かい?」

アンチスパイラル「お前達にやっても無駄だ。また会おう」

そう言うと、アンチスパイラルは消えた。

銀時「あ、待て! …チッ、逃げやがった」

シモン「この二人はどうすれば多元宇宙迷宮から脱出できるんだ…?」

カヲル「僕が干渉してみるよ」

シモン「そんなことができるのか!?」

カヲル「やってみるさ」

その時、再びサイレンが鳴った。

銀時「んぁ!? なんだ、こんなときに!!」

シモン「敵襲か!?」

銀時「急げ、渚!! このままではやられちまう!」

カヲル「わかった」

~多元宇宙迷宮~

シンジ「もうやだ…もうやだ…」

カヲル「もう、いいのかい?」

シンジ「そこにいたの? カヲル君」

~多元宇宙迷宮~

ゲンドウ「この時をただひたすら待ち続けていた。ようやく逢えたな…ユイ。」

~多元宇宙迷宮~

シンジ「あそこでは、嫌な事しかなかった気がする。だからきっと、逃げ出しても良かったんだ。
でも逃げたところにもいい事はなかった。だって僕が居ないもの。誰も居ないのと同じだもの」

カヲル「再びatフィールドが君や他人を傷つけてもいいのかい?」

シンジ「構わない」

~多元宇宙迷宮~

ゲンドウ「俺が傍に寄ると、シンジを傷つけるだけだ。だから、何もしない方がいい」

ユイ「シンジが怖かったのね?」

ゲンドウ「自分が人から愛されるとは信じられない。私はそんな資格はない」

カヲル「ただ逃げているだけなんだ。自分が傷つく前に、世界を拒絶している」

ユイ「人の間にある、形もなく、目にも見えないものが…」

レイ「怖くて、心を閉じるしかなかったのね…」

ゲンドウ「ああ。…だが、私は教えられた。勝手な思い込みだけで全てを拒絶するなと」

ユイ「そう…んじゃ、どうしてもいくというのね」

ゲンドウ「ああ。私にはシンジを支えるという使命が残っている」

カヲル「わかっているよ。さ、行こうか」

ゲンドウ「ああ。任せたぞ」

ユイ「…また、会えるよね?」

ゲンドウ「…当たり前だろう。しかし、少しばかり時間がかかりそうだがな」

~多元宇宙迷宮~

シンジ「でも、僕の心の中にいる君達は、何?」

レイ「希望なのよ」

シンジ「綾波…!」

カヲル「ヒトは互いに分かり合えるかもしれない、ということの…」

シンジ「…ありがとう」

カヲル「んじゃ、行こうか。向こうで君のお父さんや銀さん、シモン君が待ってるよ」

シンジ「うん、行こう…!」

~ネルフ~

アスカ「…ここは、どこ…」

その時、外に展開していたムガンの攻撃が弐号機に当たった。

アスカ「! きゃあああああああ!!」

さらに攻撃が当たる。

アスカ「死ぬのはいや、死ぬのはいや、死ぬのはいや…!!」

アスカ「死ぬのは…いやああああああああああああああああ!!」

突如謎の爆発が起きる。

ムガン「!?!?!?!?」

アスカ「どおりゃあああああああああああああ!!」

atフィールドがムガンを斬った。

アスカ「アンビリカルケーブルが無くたって! こちとらには1万2000枚の特殊装甲と…atフィールドがあるんだからぁぁぁっ!」

~ネルフ・格納庫~

シンジ「ハッ! こ、ここは…!?」

カヲル「おはよう、シンジ君」

ゲンドウ「…どうやら助かったみたいだな。だがしかし…」

銀時「状況がやべぇな…!」

シモン「今は状況が状況だ! 急いで救援に向かうぞ!!」

~外~

ムガンは全て破壊された。

アスカ「どうよッ! あたしの実力、思い知った!?」

アンチスパイラル「…あまいな」

弐号機の後ろにムガンが迫る。

アスカ「ッ!? やられ…!」

シモン「銀さん、頼む!」

銀時「任せときな!! 男の魂完全燃焼! キャノンボール! アタァァァァックッ!!」

グレンがラガンを投げる。

シモン「うおおおおおおおおおおおっ!!」

アスカ「!!」

ラガンのドリルがムガンに穴をあける。

シンジ「助けに来たよ、アスカ!!」

アスカ「遅いわよ、バカシンジ!」

アンチスパイラル「…なかなかのやり手だな。なら、私もあれを使おう」

アンチグレンラガンが現れた。

アスカ「な、何よアレ!?」

シンジ「細かい事情は省くけど、あれは僕達の敵だ…!」

アンチスパイラル「2つにわかれた螺旋力の源など恐れるに足らず!」

銀時「チクショウ、こっちが狙いか! シモン! このまま合体といくぞ!」

シモン「了解だ、銀さん!」

ラガンが頭に刺さり、グレンラガンになった。

アンチスパイラル「しまった…!」

アスカ「非常識だわ…!!」

シモン「因果も運命(さだめ)も突破して!」

銀時「命の鼓動が地球に響く!!」

シモン&銀時「怒涛合体! グレンラガンッ!!」

シモン「俺を!」

銀時「俺達を!!」

シモン&銀時「誰だと思ってやがるッ!!」

アンチスパイラル「螺旋生命体。その闇雲な進化は全銀河の脅威だ」

シンジ「脅威…?」

アンチスパイラル「特にその紫色と赤色のロボット…1つで2人分の螺旋力を感じる」

カヲル「君はevaの動力について知っているようだね」

アンチスパイラル「銀色からは何も感じないがな…」

カヲル「そうだろうね。所詮僕は終わりを告げるために来た使者…」

アンチスパイラル「お前達の存在を許すわけにはいかない。その消去は私の使命だ」

シモン「ふざけんじゃねぇ!!」

アンチスパイラル「螺旋の男よ。お前とお前の仲間たちはスパイラルネメシスを引き起こす。その存在を見逃すわけにはいかない」

銀時「スパイラルネメシスだかスパゲッティメシスだかしらねぇが、んなもん引き起こしゃしねえ!!」

アンチスパイラル「愚かな。自らの存在が全銀河を滅ぼすともしらずに…」

シモン「うおおおおおおっ!!」

グレンラガンがドリルを突き出し突進するも、アンチグレンラガンはそれを避ける。

アンチスパイラル「あらゆるものを犠牲にする覚悟がお前達にあるか!」

シンジ「それがなきゃ戦ってはいけないというんですか!?」

アンチスパイラル「黙れッ! 小僧がぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

アスカ「一番矛盾してるの、アンタよ…」

ドリルを突き出し、初号機に突進するアンチグレンラガン。

シンジ「!? 早い!!」

初号機の前に4号機が立ちふさがった。そう、4号機は初号機をかばったのである。

シンジ「! カヲル君!?」

カヲル「atフィールドじゃドリルは防げないか…でもね!」

4号機が銃を乱射する。

アンチスパイラル「邪魔をするなァァァァ!!」

カヲル「うわっ!」

ドリルで風穴を開けられる4号機。

シンジ「カヲル君!!」

銀時「このやろぉぉぉ!!」

アンチグレンラガンにタックルをするグレンラガン。

シンジ「カヲル君、どうして…」

カヲル「僕が生き続ける事が、僕の運命だからだよ。結果、ヒトが滅びてもね…
だが、このまま死ぬ事も出来る。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね…自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだ…」

シンジ「何を…カヲル君、君が何を言っているのか分かんないよ…カヲル君…」

カヲル「遺言だよ。さあ、奴を倒すんだ。そうしなければ、君らが消える事になる。
滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体はひとつしか選ばれないんだ…
そして、君は死すべき存在ではない。君達には未来が必要だ。ありがとう、君に逢えて嬉しかったよ」

最後にカヲルが微笑むと、4号機は爆発した。

シンジ「カヲル君!!」

アンチスパイラル「…逝ったか。…いや、まだのようだな」

シモン「テメェって奴は!」

アンチスパイラル「ぐっ…!」

ドリルで対抗しているすきに、プログレッシブナイフを刺されるアンチグレンラガン。

アンチスパイラル「!」

シモン「うおおおおおおっ!!」

銀時「!!」

シンジ「カヲル君の仇討ちだ…! みんな、やるぞ…!!」

シモン「おう!!」

アスカ「当然じゃない!!」

シモン「まずは、グラサンカッターで敵の動きを止める!」

グラサンカッターがアンチグレンラガンを捕える。

アンチスパイラル「!?」

アスカ「いくわよ!」

シンジ「ユニゾンキィィィィックッ!!」

初号機と弐号機の蹴りがアンチグレンラガンに直撃する。

銀時「後は任せろ! 必殺!」

グレンラガンのドリルが大きくなる。

シモン「ギガァッ!! ドリルゥ!!」

シモン&銀時「ブレェェェェェェイクゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

そのドリルがアンチグレンラガンに風穴をあける。

アンチスパイラル「…」

シンジ「動かなくなった…!!」

アンチスパイラル「…侍たちよ。このガンメンが爆発したらお前はまた別の世界にとばされるだろう」

銀時「何ッ!?」

アンチスパイラル「お前達はここで私を倒して、希望を手に入れたつもりなのだろう。だがそれは、さらなる絶望の扉を開けたにすぎないのだ」

アスカ「どういうこと!?」

シモン「それでも、俺は戦い続ける!」

アンチスパイラル「いいだろう。螺旋の男よ、いつの日かまた会おう」

シンジ「逃げるなッ!!」

アンチスパイラル「それまでかりそめの平穏を楽しむことだ。もっとも、既に絶望はお前達の背後まで忍び寄っているがな…」

アンチグレンラガンが爆発すると同時にグレンのコクピットにいた銀時の姿が無くなっていた。

それと同時に、ネルフ本部の新八と神楽の姿も消えていたという。

~ゼーレ~

ゼーレ01「反螺旋族は彼らが倒したようだ」

ゼーレ02「では、我々も計画を実行に移そう」

キール「補完を…」

金時「ふざけんじゃねえぜ。そんなことしたら、俺まで消えてバッドエンドになっちまうじゃねぇか」

キール「貴様は…!」

金時「俺の目的は最終回の演出…補完などされたら俺の存在も消えて終わりなんだよ」

キール「…」

金時「だから…10秒後にここを自爆させる」

キール「貴様はどうするのだ?」

金時「10秒以内に次の世界へ行く」

キール「貴様は…!」

金時「んじゃな」

10秒後、ゼーレ本部は爆発した。

次回予告(仮)

新八「なんだぁぁぁこのふざけた終わり方はぁぁぁぁぁ!!」

作者「正直言ってオチが思いつかなかったんだよ!!」

銀時「こんのダメ作者があああああああああああああ!!」

ルルーシュ「次回、『銀時「ギアスだぁ?」』。お楽しみに」



提供の時の文字「はい、オチが思いつかなかったのは本当です

今回とグレンラガン、どっちが文字数多かったんだろうね」

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