【一次創作】世界の均衡 (24)

主人公:名前 新久宏行
    性別 男
    容姿 至って普通

やばい・・・他の主な登場人物書いたらいきなり終わってしまう

それでは以下SSで

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442232078

???「ここは君の夢の中だ。君に力を与えやすいように夢に意識を表出させた。
 
    さて、本題に入る。この世界には他の異世界から渡り来る「渡り人」がいる。人間の世界は非常に繊細で脆く、危うい均衡の上にある。

    渡り人という異分子が入り込む事で、人間の世界の均衡は崩れてしまう。本来あるはずの無い力が世界に入り込むのだからその力に脆い人間世界は

    耐え切れず崩壊してしまう。最近、気温が上がっただろう?地震が多いだろう?台風が多いだろう?全ては多くなった渡り人の存在が影響している。

    渡り人は自分の棲む世界が嫌で人間世界に渡り来た者が殆どだ。人間世界は他の世界に比べ住み着きやすい。それが渡り来る理由でもある。

    だが、そのままでは人間世界の崩壊は免れないな?だから、この私がそれを狩る力を人間に授ける。強力な力は意思を持ち、魔力を持ち、姿を持つ。

    その力は人間が馴染めるように人間に似た容姿だが、人間ではない。力は人間世界に影響を及ぼさないように核を人間の内に宿す。

    人間に力が宿ると人間は魔法を使えるようになる。基本的に力関係は授ける力が上で人間が下になる。もし、魔力を人間が悪用しようものなら

    力が人間を消滅するようになっている。力は人間の半径500mを離れられないようになっている。説明はこの程度だ。力を授ける。

    他の事は力が説明するだろうしな。では」

主人公「まっ、待ってくれ!おい!」

ガバッ!主人公は起き上がった。

主人公「何だ・・・夢か・・・」

???「夢じゃないですよ」

主人公「うわっ!」

主人公が驚いて声のする方を向くと見慣れない少女が居た。誰なんだ?と主人公が思いつつここが自分の部屋である事を思い出しさらに混乱する。

主人公「あの・・・君は一体・・・?」

???「私の名前は一二と言います。夢で説明は受けていたのではないですか?」

主人公「ああ・・・」

夢の内容を徐々に思い出し理解が追いついてきた。夢ではなかったのか。落ち着いてその少女を観察する。確かに人間に見える。

肩までの長さの髪と気弱そうな顔の少女だ。服装はブラウス等と軽い感じだ。だが、人間ではないと感覚でわかるようになっている。

魔力が備わったとかいう理由だからだろうか。

一二「宏行、あなたに拒否権はありません。私という力があなたに宿った事であなたは人間とは異なった存在になりました。睡眠や食事等、人間に必要であっ

   た事の殆どが不必要となりました。これで渡り人討滅に協力してくれますね?」

主人公「いきなり言われても・・・。そんな事は困る」

一二「それではあなたを消滅させてまた適応出来る人間を守護神に選んでもらうしかありませんね」

気弱そうな顔つきのくせにズバリと怖い事を言う奴だ・・・。主人公は慄きつつ一応同意する意志を見せることにした。

主人公「拒否権はありそうにないな。じゃあ従うしかないんだろ?殺されても困るし」

一二「ありがとうございます」

主人公にとって間違いなく最悪な目覚めだった。

主人公「とはいえ、俺は何をやればいいんだ?いきなり渡り人を倒せなんて言われても・・・」

一二「それは大丈夫です。私に慣れ、渡り人に慣れ、魔力に慣れた時、話はそれからです」

主人公「じゃあここ暫くは普通に生活してていいんだな?」

一二「はい」コクリ

主人公「はぁ~」

大きな溜息をつき、時計を確認した。そろそろ学校の準備をしておいたほうがいいな。主人公は学校へ行く事にした。

数分後

主人公「・・・おい、何でついて来るんだ?」

一二「渡り人に殺されては折角見つけた適応者を無駄にしてしまいます。それと安心して下さい。人間には私は見えませんよ」

主人公「そういう問題じゃなくて、俺の心の問題だ四六時中俺に取り付くのか?」

一二「ですから、あなたが殺されないようにです」

このままでは会話の一方通行だな。諦めよう。

主人公は黙って学校へ向かった。

教室に入ってまず違和感を覚えた。なんだろう。そう思っていると一二が主人公に話しかけてきた。

一二「見てください、あの子は渡り人です」

一二の指差した方向を見ると学級委員長の女の子が居た。渡瀬七海と言う名前だ。

主人公「違和感は委員長から感じるけど・・・。何かの間違いじゃないか?俺がお前と出会う前からこのクラスにずっといたぞ?」

一二「渡り人は人の知覚を操る事が可能なので、あなたがまだ人間だった時に知覚を操作したのでしょう。それよりも、彼女はもう私たちに気付いています」

七海「・・・」

その通りだった。七海はこちらをちらちらと横目で窺っていた。

主人公「そ、それで、あの子を殺すのか?」

一二「はい、それが私の目的ですから。ですが、ここで討滅しては人目が気になりますね。結界を張って無駄な魔力を使いたくありませんし。

   向こうから仕掛けるか、機会を伺うかしましょう」

主人公「ああ」

それから放課後まではクラスメイトとは距離を置きながら七海を見張っていた。傍から見れば人に付け回る異常者に見えただろう。

放課後、七海から話しかけられ事態は変わった。

七海「ねえ宏行君、君はもう適応者になってるんだよね?」

主人公「ああ・・・」

一二「私が見えるのだから彼に聞かなくても分かるじゃないですか」

七海「そうね・・・。そうだけど。お願いがあるの。私は、死にたくない。見逃してくれないかしら?無茶な願いだとは分かっていてもそうするしかないの」

一二「強力な渡り人は力と適応者を殺す。それに、人間の生命力を魔力に変換し喰らう渡り人も大勢います。存在自体がこの世界の害悪となる渡り人には

   例外はありません」

七海「私の居た世界は不安定な世界で、空間の歪みが複数あった。いつもいつも歪みに引きずり込まれ無くなる方が絶えなかった。私もいつ消えるのか

   怖くて安全な人間世界に逃げてきたの。この世界で普通にくらせられるなら私はそれが良かった。でも、見つかってしまった。

   元の世界でもこの世界でも私はちっぽけな存在。でも、このクラスに無理やりだけど入り込んで、それでこのクラスの方と過ごせたのは楽しかっ
   
   た。・・・・・・せめて・・・。見逃してくれないよね?」

主人公「・・・」

話を聞けば相当な世界に棲んでいたようだ。ただの泣き落としかもしれないが。でも、殺すなんて俺には無理だ。主人公はそう思った。

主人公「なあ、見逃してやろうぜ。こいつくらいならいいだろ?」

一二「駄目です、例外はありません。丁度他の目もありませんし、ここで討滅します」ガシャリ

一二が手から魔力で形成したと思われる鋭い槍状のものを七海に向かって振り翳した。

主人公「やめろっ!」サッ

主人公「ぐあっ!」ザクッ

一二「!?何を・・・」

主人公は七海を庇い代わりに自らの身を奉げる事で守った。主人公の腹部に槍が刺さっていたが血は出ない。人間ではなくなっているため血はもう存在しないのだ。

主人公「は・・・早く・・・、逃げろ・・・」

事態を飲み込めない七海に伝えた。それに気付き、複雑な表情を浮かべながら七海は頷きながら立ち去った。

一二「・・・っ」

逃げる七海を追おうとする一二に限界で手を掴み行かせないようにする。主人公は必死の思いで魔力を駆使していた。でなければ、一二はすぐに主人公の

手を振り放し七海を追っていただろう。

一二「あなた、もう魔力が使えるようになったのですか・・・」

一二は驚愕した様子で言った。

魔力をすぐに使えるようになる、と言う事は適応者になりたての者には不可能な事だった。普通は力からの手解きを受け徐々に魔力を行使出来るようになる。

一二「・・・これは。「既往の意思」と通称される適応者に似た現象。注意が必要ですね」

主人公「え・・・。既往の・・・、何だ?」

一二「いえ、何でもありません」

一二は少なくとも今はその事実を言うべきでは無いと判断した。一方、主人公は先程の魔力を駆使した時の感覚を思い出していた。これが魔力の行使に必要な

ら、絶対に忘れるべきではないと思ったからだ。

続きは夕方に投下します。

主人公(俺、気付かないうちに傷を治してるな。魔力のお陰か)

一二「何で彼女を庇ったんですか?」

主人公「クラスメイトだし、殺されたくないんだよ。お前はあいつはただの渡り人って言いたいんだろ?でもさ、俺にとっちゃ違うんだ」

一二「・・・、これからはちゃんと戦ってくれますね?」

主人公「まあ、な。分かってるさ。次からな・・・」

一二「しっかりして下さいね」

主人公「・・・」

もう学校に用はなくなった。主人公は帰ることにした。

一二「そういえば、人間には親と言う者が居るはずですが、昨日も見えませんでしたし、今日も居ませんね」

主人公「ああ、殺されたよ。この家は俺の祖父の家だ」

一二「言って悲しくないんですか?そういう色が見えませんが」

主人公「うーん、微妙だな。殺されたのは数年前だけど気にする必要はないとか周りから言われてるうちに気にしなくなったな。警察も問題無いとか言ってたし。最初は最初は泣いてたようだが」

一二「警察とは人間の治安を維持する組織。殺人なのに問題無い筈はないですが」

主人公「ん?そうか?警察から殺人でも問題無いと言われたら気にする必要なんて無いも同然じゃないか?」

一二(これは、あれですね。適応者になる前に意識を操作されたとしか。それに主の周囲の人間も意識を操作されたと見えます。

   人間の頃に意識を操作されているなら適応者になってもそれはそのまま引き継がれてしまう。しかし、神が選んだなら特にそれで支障が起きる筈は

   ありませんね。気にする必要はなさそうです)

主人公「ただいまー」

留美「おかえりー、ひろちゃーん」

一二「誰ですか、そのお方は昨日はお見えになりませんでしたが」

主人公「さて、俺は早速部屋に篭るから晩御飯出来るまで呼ばないでくれよ?」

留美「えー、もう?はーい、分かったー」

主人公「悪いな」ハハハ

そのまま二回へ上がった。そして、一二の聞いてきた質問に答える。

主人公「従兄妹だよ。彼女も親を殺されてここに預けられていたんだ。俺がここに棲む時の数年を更に遡るけど」

一二「そうですか、何故だかあなたと彼女は凄く似た境遇に有るようですね」

主人公「んー、そういやそうかもな。全然気にしてなかった。あいつは俺がここで棲む事になって喜んでたけどな」

一二「いくら祖父がいようと、子供が一人で親の居ない所で過ごさなければならない心中察せられますね」

主人公「まあ、自分で言うのもあれだがあいつの面倒見てやってたしなー。祖父より懐かれてたし、友達とお泊り会みたいで嬉しかったんじゃねーの」

一二「そうですか」

主人公(あいつもう15歳だっけか。親が殺された時から捨てられる事を恐れて甘え上手な奴になってしまったよな。幼い容姿も手伝って学校ではそこそこ

    いいポジションにいるらしいが。一二に聞かれるまですっかり安定した生活でこれまでの境遇がすっぽ抜けてたよ。俺、薄情な奴かな)

???「ふふふ、遂に見つけた。ここが他からも荒らされていない安定地か。ここで人間を食い荒らして強さを手に入れよう」

ジャラッ

???「この魔具、最弱使用負担皆無を持っている俺ならもし適応者共がいようと歯が立たずすぐ死ぬだろうな。ふふふ・・・」

ザッ

それは遠くから町を見下ろし満足そうな笑みを浮かべた。それから魔力を使った跳びで一気に町へ降り立った。

今日はこの辺で終わります。

明日続き投下します。

~夜~

一二「まずは今日は基本的な戦闘方法を教えます。魔弾と呼ばれる魔力の塊を作って敵にぶつける攻撃と、魔力を使い攻撃を防御する壁を作る守りの二つで    す。

   いずれも魔式を使わない初歩中の初歩ですが、適応者に成り立ての者が自在に行使するには難しいものです。今日はこれをやってもらいます。

   簡単に出来る訳ではないのである程度の努力は必要です」

主人公「ああ、わかった」

一二「では魔弾ですが、これは自身の魔力から一部の魔力を切り離して自身の外に出すというものです。感覚でイメージを捉える必要がありますが頑張って

   下さい」

主人公「ああ」

意識を集中させ、まずはあの時のように意識し魔力を感じそれをいわれたとおり自身から切り離そうとする。

主人公「・・・こうか?」ボッ

一二「!?は、はい、そうです」

主人公の手には魔力の塊が現れていた。

一二「魔弾は申し分なさそうですね。次は防御壁です。これも魔力から一部を切り離し、守りたい所に出す感じです」

魔力を取り出し、それを自分を一二の視界から隠れる程度の大きさで長方形に発生させるようにイメージした。

主人公「これでいいか?」

一二「はい、そうです」

丁度主人公の大きさくらいの半透明の壁が表出している。

一二(二つともあっさりと作り出せていますね。これほど魔力の扱いに長けた者がいるなど・・・)

一二「・・・」

主人公「どうしたんだ?急に黙り込んで」

一二「危ない!」ヒュ

一二が主人公の前に立ち防御壁を発生させた。そこに魔弾がぶつかり爆ぜ爆風が生まれる。その勢いに驚いた主人公は少し仰け反った。

主人公「な!?一体・・・」

???「丁度いい獲物を見つけたぜ。丁度人間喰らうのに飽きてたんだ。戦おうぜ?」

主人公「こいつは渡り人か?」

一二「はいそうです、が、かなり弱いのでそこまで心配する必要はありません」

一二(魔力の扱いに長けていても気配察知はできないのですね。普通、気配察知と魔力の扱いは比例するはずですが)

主人公「・・・どうするんだ?」

???「おお、お前は一二って言う奴だったな。五零より前に作られている存在。戦い甲斐があるってものだ」

一二「戦うのは、彼です」

主人公「え、俺?でも、俺はまだ戦いに慣れてないぞ」

ノレル「俺はノレルと言う。お前でもいいな、一二の適応者なんだからな」

一二「あなたなら出来るはずです」

主人公「俺がやるのか・・・」

今日はこれで終わります

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