マツリ「あっ...し..シカマルさんや..めて下さ...」 (19)

vipに投下した物です
会話分少なめで短編になります

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マツリは必死に藻掻く、だが地面に組み伏せられればくノ一でも敵わない
自分を押し倒したのは自身が尊敬する師であり憧れの先輩でもあるテマリの男
第四部隊の副隊長であった。

我愛羅は連隊長との兼任である為実際にはこの男が隊長である。
シカマルにテマリに伝言がある為呼び出され
別任務のユカタとサリからはテマリ様の男に呼ばれたことを面白がって冷やかされていた。
何故こんな事に成ったのだろう
マツリの眼から涙が伝う
マツリ(我愛羅様...)
マツリはただ堪えるしかなかった

辺りはもう薄暗い、大体本部から離れた所まで連れて来られた時点でおかしいと思った。
つい先程の事であるマツリは呼び出されたシカマルの所に向かっていた
マツリ「お呼びでしょうか 奈良...副隊長」
シカマルの事はテマリ様から聞いていた
シカマルの事は余りテマリは話さなかったが、時々木ノ葉の里にいる歳下の男の話をする時、
何時も凛とした頼りがいのあるテマリが少し気恥ずかしそうに話すのをサリとユカタで噂話をしていた。
実際に近くで会ったその男の印象は想像していた物とは異なり。
気だるそうな眼をし何処か暗い印象を受ける、男は付いて来いとだけ言って歩き出しマツリもそれに続いた。

200m程歩いたであろうか、流石のマツリも違和感を覚え始める。
二人でこれだけの距離を本隊と離れる理由はなんだろう。
マツリ「奈良副隊長ってテマリ様の...」
無言で歩くシカマルにたわいも無い話を振り掛けたその時、突然振り返ったシカマルに押し倒された。
初めは何かから庇って貰ったと年頃の少女心に考え同時に敵に遭遇したと理解し戦慄した。
本隊からの距離が離れている、敵の数は分からないが二人だけで戦わなければならないかも知れない。
しかし覆い被さったまま動かないシカマルに違和感を感じる。
マツリ(胸...当たって...さっ触られてる!?)
突然の出来事と頭を打った事でそれを理解するのは遅すぎた
シカマルの手はゆっくりと下へ下がってゆく...

なでるように胸を触られ、マツリは冷静になろうと必死であった。
こういう状況で騒ぐのは相手を刺激して殺されかねない
なんとか片方の手を振り解き下がってゆく手を掴む
掴んだ瞬間にシカマルと目が合う。
涙の伝う、しかし怯えた表情のマツリを見
シカマルは我に返ったように目を見開いた。

シカマル「すまねぇ...」

マツリ「...イッ.」
拘束する手が緩みマツリは後ろに
弾かれたように後ずさりする。
しかし腰が抜けたのか立ち上がれない
シカマル「すまねぇ...どうかしてた...」
下を向いたまま四つん這いの姿勢のまま謝罪するシカマルを見て
マツリは冷静になって問いかけた。

マツリ「奈良副隊長どうしたん...ですか」

シカマル「・・・」

思えばテマリ様から聞いていた
この人は木ノ葉の人間だ
テマリ様との馴れ始めは分からない
第四部隊の副隊長をこの歳で任されるのだから
かなりの実力者なのだろう。
風影である我愛羅様と話している姿も目にしていた
テマリ様と話している所も...
年齢も自分とさほど変わらないだろう

戦場ではたとえ訓練をつんだ忍であっても
心が乱れるのだろうか...
テマリや我愛羅様のように多くの修羅場を
経験のまだ浅い自分以上に見てきたのだろう。
戦場でくの一が敵に捕まったときの悲惨な末路は
嫌なほど噂に聞いていた。
目の前のシカマルはどうだろう。
なにを思って自分を襲ったのだろうか
シカマルはテマリ様とおそらく相思相愛の仲だろう
だが二人は砂と木ノ葉という大きな里同士の壁がある
今では同盟関係を結んでいるが兵刃を交えた過去もある
さらにテマリ様は風影の姉である、そんな二人の間には
里同士の物理的距離以上の距離があるように感じた

自分が我愛羅様を慕うようになったのはいつだったろうか...
かつて両親を殺され忍具を持つのを恐れた自分を指導し
忍に育てたのは他でもない我愛羅だ。
だが風影と中忍の自分は天と地の差がある。
いつの間にかシカマルとテマリの関係を自分と我愛羅に重ねて
いたマツリは自分を襲ったままの姿勢で這っているシカマルに
そっと歩み寄っていた。

シカマル「・・・何故逃げないんだ」

マツリ「まだ...テマリ様への伝言を聞いてないからです」

シカマル「俺はお前を...最低なことをした」

マツリ「大切なことなんでしょう?」

シカマル「あの人には...合わせる顔もねぇ...」

マツリはシカマルの顔を覗き込んでいた

マツリ「私には...分かる気がします
奈良副隊長の考えてること」

シカマル「・・・どういう意味だ?」

マツリ「私なんかよりお二人は幸せです」
脳裏に上司であるテマリの顔が浮かぶ

だが自分はこの副隊長の男をテマリから奪いたくなった
理由は分からなかった、分かりたくなかった。
そのまま顔を近づけて唇を奪った。シカマルは固まったまま動かなかった

マツリ「私を...慰めてくださいよ...奈良副隊長」

そのまま逆に押し倒した、毎晩我愛羅様でイメージトレーニングしていたように。
そのまま首の後ろに手を回しキスを続ける、今まで経験は
無かったが自分でも気持ち悪いぐらいスムーズに

そのとき後ろから声がした
聞き覚えのある声だった。マツリとシカマルの体が同時にビクッとなる。
上に乗っかかっているマツリがおそるおそる振り返り声の主を見る
すっかり暗くなった闇の中で翡翠色の目が自分を睨んでいる。
両手で大きな扇子を構え、まるで敵の忍を見るように...

以上です

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