金糸雀「たまご焼きが食べられなくなっちゃったかしら…」 (75)

2月22日に書いたSSのうちの一つを修正したものです。
キャラと設定が崩壊しまくりなのでご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1440231143

 
今日は2月22日。金糸雀ちゃんの日です。


この日は、全世界の金糸雀ちゃん達に大きなたまごがプレゼントされる日。
ほら、あそこにいるカナリアちゃんたちにも届いたみたいです。




『やったー!今年もたまごが届いたかしらー!』


『今年は育ててみようかしら?』


『はぁ…、お父様ったら。私はもうそんな歳じゃないのに』


『お父様はどうやってカナたちに卵を届けているのかしら?この謎は名探偵のカナがきっと解明しちゃうのかしら!』

 

 
ここは日本。
この国でも全国の金糸雀ちゃん達にたまごが届いたようです。


あら?あの金糸雀ちゃんは様子が変ですね。
どうしたのでしょうか?





――――みっちゃんのマンション


みっちゃん『カナー、今年も卵が来たよー』

金糸雀『本当かしら!?』

みっちゃん『うん。早速お料理しちゃうわね。リクエストはある?』

金糸雀『えっとねぇ、んっとねぇ、……たまご焼きかしらー!』

みっちゃん『ふふ、カナは卵焼きが本当に好きね。ちょっと待っててくれる?』

金糸雀『えへへ、カナも手伝うかしら』

みっちゃん『ホント?じゃあ一緒に作りましょうか』

金糸雀『うん!』

みっちゃん『さぁ出来た!さっそく食べよ』

金糸雀『とっても美味しそうかしらー!』

みっちゃん『ふふ、そうね』



みっちゃん『せーのっ』

金糸雀 みっちゃ『『いただきまーす!』』



みっちゃん『うん!美味しい』もぐもぐ

みっちゃん『カナ、美味しいね』

金糸雀『………』プルプル

みっちゃん『カナ…?』

金糸雀『かはっ…!』ビクン

みっちゃん『カナ!?』

金糸雀『』バタッ

みっちゃん『カナ!!き、救急車!救急車!』

金糸雀『』フワァ

みっちゃん『えっ?こ、これって…まさか…』


ローザミスティカ『』


みっちゃん『そ、そんな……カナ…』

みっちゃん『カナ!行かないでーー!!』




ローザミスティカ <みっちゃーん!








金糸雀「…――って事があったかしら」

真紅「………」

 
ここは桜田家。

人間よりも人形の人口の方が多い不思議なおうち。
金糸雀ちゃんの大ピンチに全ドールが駆けつけてくれたみたいです。




水銀燈「アリスゲーム以外でそんな事になるなんて……貴女バカじゃないのぉ?」

金糸雀「バカじゃないかしら!カナにとっては大問題なの!」

雪華綺晶「たしかに好物が食べられないのは大問題ですよね」

翠星石「お前らはなんで当たり前のようにここに居るですか…」

水銀燈「あら、翠星石。別にいいじゃないの」

雪華綺晶「そうですわ。もっとドールズトークしましょうよー」ヒッシ

翠星石「えーい!離れるです!暑苦しいですぅ」

蒼星石「それにしても…本当に大丈夫なのかい?」

真紅「けっこう深刻な話だものね。ローザミスティカが出てしまうなんて…」

金糸雀「うん…」

薔薇水晶「…大丈夫なの?」

金糸雀「たまごを食べなければ大丈夫かしら」

翠星石「卵ですかぁ」

雛苺「はい!」

蒼星石「ん、どうしたの?雛苺」

雛苺「金糸雀ばっかりたまごもらってずるいわ!ヒナも欲しい!」

真紅「落ち着きなさい。私達には私達にしかるべき日があるじゃないの」



そうです。
真紅ちゃんの日には全世界の真紅ちゃんに。
雛苺ちゃんの日には全世界の雛苺ちゃんに それぞれ紅茶と苺大福が届けられるのです。




雛苺「やーなの!ヒナ、今日がいいの」

真紅「私だってお父様からの贈り物は欲しいわよ。でも我慢するしかないのよ」

雛苺「むー!」



金糸雀「脱線してばっかりかしら…」

蒼星石「僕が聞くよ。話してくれる?」

金糸雀「うん…、それでね」

のり「ケーキ出来たわよー」ヒョッコリ

水銀燈「ふふ、待ってたわぁ」

雪華綺晶「すっごく美味しそうです!」

翠星石「やっぱり のりのケーキが目的でしたか…。蒼星石!切り分け手伝うですよ」

蒼星石「うん」ジャキッ






金糸雀「………」

金糸雀「誰も……誰もカナの話を聞いてくれないかしら…」ウルウル…

薔薇水晶「…泣かないで」つハンカチ

金糸雀「ば、薔薇水晶…」グスッ

雪華綺晶「お姉さま、ごめんなさい。ケーキで我を忘れてましたわ」

蒼星石「ご、ごめんよ。金糸雀。ほら、君の分は大きめに切り分けといたから」

翠星石「あっ!金糸雀ばっかりずるいですぅ」

雪華綺晶「今日は金糸雀お姉さまのために集まったのですから いいじゃないですか」

水銀燈「ねぇ、もう食べましょうよぉ」

真紅「そうね。では、いただきましょう」



ドールズ『いただきまーす!』


のり「うふふ、召し上がれ」



雛苺「おいしーの!」

水銀燈「ガツガツ!モグモグ…」

翠星石「水銀燈…。そんなにガッつかなくてもケーキは逃げませんよ」

水銀燈「別にいいでしょぉ」モグモグ

雪華綺晶「でも本当に美味しいですわ。ね、金糸雀お姉さま」クルッ



金糸雀「」ガクガクッ




雪華綺晶「お、お姉さま…?」

金糸雀「」ビクンビクンッ

雪華綺晶「お、お姉さま方!!金糸雀お姉さまの様子が変ですわ!」

蒼星石「えっ?」

真紅「金糸雀、どうしたの?」

金糸雀「ぁ……あがが…」ガクガクッ

翠星石「なっ!?」

雛苺「か、金糸雀がガクガクしてるの!」

水銀燈「ちょ、ちょっとぉ…、大丈夫なのぉ?ねぇ、金糸雀ぁ…」ユッサユッサ


金糸雀「」カクン…



ローザミスティカ「」フワァ






ドールズ『』


 

真紅「なっ、なんてこと…!」

翠星石「きゃぁあぁああああ!!!!」

蒼星石「か、金糸雀!!」

雛苺「金糸雀が死んじゃったのーーー!!」ビェェェェェン!

水銀燈「お、落ち着きなさいよ!ローザミスティカを戻せば、きっと…!」

薔薇水晶「…GET」つローザミスティカ

雪華綺晶「ばらしーちゃん!ナイスです!」

薔薇水晶「うん」ぱくっ モグモグ…

雪華綺晶「!!?」

水銀燈「ちょっ…!何やってるのよぉ!?」

のり「か、カナちゃぁぁぁん!!!!」




な、なんだか大変なことになってるみたい…。
早く金糸雀ちゃんを助けてあげて!


 

金糸雀「ふぅ…、死ぬかと思ったかしら」

雛苺「よ、よかったの…」ホッ…


水銀燈「あなた…、なんでローザミスティカを口に含んだのよ」

薔薇水晶「ちょっとしたジョークです」

真紅「ブラックユーモアなのだわ…」

雪華綺晶「わたくしのローザミスティカが止まるかと思いましたよ…」

蒼星石「でも、一体なぜローザミスティカが飛び出したんだろう…?」

翠星石「もしかしてケーキが原因じゃないですか?」

真紅「有り得るわね」

のり「でもでも、カナちゃんのためにケーキのスポンジは卵無しで作ったのよぅ」

翠星石「そういえばそうでしたね。あとは……生クリームは乳脂肪ですし…」

蒼星石「もしかして乳製品も食べられなくなったんじゃ…」

金糸雀「え゛!?」

薔薇水晶「えいっ」つ生クリーム

金糸雀「あむっ…………うぐっ!!」ビクン



ローザミスティカ「」フワァ



薔薇水晶「これで間違いない。金糸雀は卵と乳製品アレルギー」

水銀燈「貴女いい加減にしなさいよぉ!!」

金糸雀「気持ち悪いかしらぁ~…」ウップ

蒼星石「何回もローザミスティカを出したからね。少し休んでいた方がいいよ」

翠星石「それにしても…、ドールがアレルギーになるなんて聞いたことがないですよ」

真紅「私もよ。こんな事は初めてだわ」

蒼星石「アレルギー…。人間も急にアレルギーが発症して今まで食べてた物が食べられなくなる事があるみたいだ」

金糸雀「どうやって治したのかしら…?」

蒼星石「完全な治療法は無いって聞いたけど……非公式なら寄生虫で治したって話があるよ」

金糸雀「き、寄生虫!?」

水銀燈「キモイわよぉ…。それに、その例は人間の話でしょ?血が通っていないドールには元から無理よ」

蒼星石「まぁそうだね」

翠星石「翠星石はこんな話も聞いたです。好きな物を食べ過ぎると体が拒否反応を起こすですよ」

雪華綺晶「そんな事があるのですか?」

翠星石「おじじが豆乳飲みまくってたら、ある日突然飲めなくなってたです」

蒼星石「そんな事もあったね」

真紅「これで解決ね。金糸雀、あなたは当分の間たまご類の摂取禁止よ」

金糸雀「か、かしらぁ~…」

金糸雀「で、でも、それだとカナ……辛すぎるかしら…」

真紅「そんな事を言ってる場合ではなくってよ。食べたらジャンクになってしまうのよ」

金糸雀「で、でも…、もう卵が食べられないなんて……耐えられないかしら…」グスッ

真紅「仕方ないじゃないの…」

雪華綺晶「閃きました!」

雛苺「うゅ?なにが?」

雪華綺晶「金糸雀お姉さまが食べられない間、わたくし達も好物を控えましょう」

雛苺「や、やぁーなの!ヒナはうにゅー食べていたいのよ」

真紅「そうよ。なんでこの私まで好物を我慢しなければならないの?」

雪華綺晶「それはそうですけど、一人の苦しみはみんなの苦しみ」

雪華綺晶「今こそお父様が仰っていた事を実行する時です!」

雛苺「お父様が? なんて言ってたの?」

蒼星石「たしか…、『姉妹みんなで助け合って生きていきなさい』だよね」

雪華綺晶「イグザクトリー(そのとおりでございます)」

水銀燈「私もやぁよぉ。付き合ってられなぁい」

雛苺「ヒナも嫌なのよ」

雪華綺晶「本当にいいのですか?お父様が悲しみますよ」

水銀燈「……」

雛苺「…お父様が悲しむのは もっと嫌なの…」

金糸雀「カナは悲しんでもいいのかしら…?」

薔薇水晶「私はきらきーの意見に賛成です」

金糸雀「!」

薔薇水晶「私はお父様が違うけど、よくわかる」

薔薇水晶「家族は…姉妹は楽しい時も辛い時も…それを共有するべきだと思う」

薔薇水晶「私は本当の姉妹じゃないけど、みんなは私を受け入れてくれた」

薔薇水晶「そんな姉妹が苦しんでいるのなら…何かしてあげたい」

雪華綺晶「ばらしーちゃん…」

金糸雀「ば、薔薇水晶…」ウルウルッ…

真紅「……ここまで言われて断ったら、それはもう姉妹じゃないわね」

雛苺「うん!ヒナ…自分の事しか考えてなかったの」

翠星石「しゃーねーなぁですぅ!翠星石も付き合ってやるですよ」

蒼星石「僕も付き合うよ」

真紅「貴女はどうするの?」

水銀燈「フン――!暇つぶし程度には付き合ってあげるわぁ」

金糸雀「み、みんなぁ…」グスッ

薔薇水晶「はい、ハンカチ」ごっそり

金糸雀「うわっ…、多っ」




雪華綺晶「では、金糸雀お姉さまアレルギー克服大作戦 開始ですわ!」


ドールズ『えいっ えいっ おーー!!』

金糸雀「で、何をするのかしら?」

雪華綺晶「とりあえず禁欲しましょう。お姉さまが卵を食べられるようになるまで、それを禁じます」

蒼星石「食べ過ぎてアレルギーになったのだから少し経てば治るかもって事だね」

雪華綺晶「はい、そんな感じです」

真紅「えっと…、それって私達もするのよね?」

翠星石「当たり前ですぅ。真紅の場合だと紅茶かくんくんじゃないですか?」

真紅「!?」

薔薇水晶「いや、なんで驚いてるの…?」

雛苺「ヒナは…、ヒナはうにゅーなの…」

蒼星石「僕は緑茶かな?」

翠星石「翠星石は……翠星石は特にないですよ」

水銀燈「私もよぉ」

蒼星石「翠星石はジュンくんだね」

翠星石「はぁ!?」

翠星石「な、何を言ってるですか!蒼星石ぃ!!なんでジュンが出てくるですか!これは食べ物の話であって…」

蒼星石「何も食べ物だけの話じゃないさ。要は我慢って事だから好きな物ならなんでもいいだろ。翠星石だって真紅に紅茶かくんくんって言ってたじゃないか」

翠星石「うぅ…、それは……」

蒼星石「金糸雀と同等になるなら君の場合はジュンくんだ。1日1回はジュンくんに触れてないと生きてられないって言ってたもの」

翠星石「そ、それは秘密って……はっ! コホンッ…、ち、チビ人間に触れなくても余裕ですよ!」

水銀燈「はいはい、ツンデレも大変よねぇ」

翠星石「ツンデレじゃねぇですぅ!!」

水銀燈「わかったわよぉ。余裕なら楽でいいじゃないの」

水銀燈「でも、食べ物以外もOKなら 私はめぐかしら?」

薔薇水晶「あれ?ヤクルトは…?」

水銀燈「はぁ?ヤクルトなんて好きじゃないわよぉ」

薔薇水晶「え」

水銀燈「えっ」

薔薇水晶「水銀燈って言ったら、ヤクルトとかの乳酸菌飲料だと思ってたのに…」ガックシ…

水銀燈「な、なんで項垂れるのよぉ…。それに全ての水銀燈が乳酸菌飲料が好きだと思ったら大間違いよぉ」

金糸雀「あー…、たしかに水銀燈って言ったらヤクルトのイメージはあるわよね」

金糸雀「前に静岡県の浜松に行ったら現地の水銀燈に会っちゃって、やたらヤクルトについて語ってたかしら」

真紅「たしか…、ローゼンメイデンのアニメが始まった頃から乳酸菌好きの水銀燈が増え始めたのよね?」

雛苺「あっ!ヒナもマ○ーをがぶ飲みしてる水銀燈を見たことあるの!」

水銀燈「はぁ…、今や全世界の半分以上の私がヤクルト飲んでるのよ?信じらんなぁい」

雪華綺晶「えっ?じゃあ水銀燈の日に配られるヤクルトは飲んでいないのですか?」

水銀燈「一本だけ飲んで、あとは全部めぐが飲んでる」

雪華綺晶「そ、そうですか…」

水銀燈「お父様ももっと良いものをくれたらいいのに…。こうなったのも全部田中○恵のせいだわ」

金糸雀「そ、それは八つ当たりかしらー!」

雪華綺晶「では、話をまとめますね。これから1週間はこのリストに載ったものに触れてはダメです」





――――――――――――――――――――――――


水銀燈:めぐ
金糸雀:たまご類&乳製品
翠星石:ジュン様
蒼星石:緑茶
真紅:紅茶
雛苺:苺大福
雪華綺晶:雛苺
薔薇水晶:水晶


――――――――――――――――――――――――





真紅「異議あり!」ハイ!

雪華綺晶「えっ?何がですか?」

真紅「明らかにおかしいのがあるのだわ!」

雪華綺晶「うそ…?あっ!本当ですわ。ばらしーちゃんなんですか、これは!」

真紅「あなたよ!!」

雪華綺晶「えっ」

真紅「あなた…!あなた雛苺に触れてなくても大丈夫でしょ!」

雪華綺晶「で、でも…、雪華綺晶の好物=雛苺って昔から言われていますし…」

真紅「それはもう古いのだわ。あなたも自分のマスターにしなさい」

雪華綺晶「そ、そんなぁ…」ガックシ…

真紅「あと薔薇水晶も水晶ってなんなの?」

薔薇水晶「だって…、水晶のイヤリング付けてるからこれでいいと思って…」

真紅「あなたは自分のお父様にしなさい」

薔薇水晶「!!?」ガーン!

真紅「私は紅茶を我慢するのよ。貴女たちも一番大事なものを禁ずるべきよ」

薔薇水晶「わかった…。我慢する…」

真紅「ふぅ、これで公平になったのだわ」

翠星石「いいえ、真紅。もう一人だけおかしい奴がいるです。ねぇ、蒼星石?」ニヤリ

蒼星石「!!」ビクゥッ

真紅「えっ?でも、リストにはちゃんと『緑茶』って書いてあるわよ」

翠星石「ずっと一緒に居た翠星石ならわかるです。この蒼星石も旧アニメに影響されていないのです」

蒼星石「バレたか…」

真紅「……蒼星石…、貴女どういう事なの?嘘をついたの?あなた嘘が嫌いじゃなかったの?」

蒼星石「嘘じゃない。緑茶も好きだよ。でも、真紅みたいに毎日飲んでるわけじゃないんだ」

蒼星石「あとは帽子も考えたけど…、これも四六時中かぶってるわけじゃないからね」

真紅「たしかに帽子と言われていたら ふざけていると思ったかもしれないわね…」

蒼星石「そう。僕には特定の好物はないし、マスターに対する事もルール上ならどんな事だって耐えられる」

真紅「なるほど、困ったわね」

雪華綺晶「う~ん…、どうしましょう…」

翠星石「蒼星石だけ特別ルールならどうですか?」

雪華綺晶「特別ルール…ですか?」

翠星石「1日1回マスターに命令するとか」

蒼星石「命令?」

蒼星石「マスターに命令か。難しいな…」ウーン…

翠星石「蒼星石が困ってるです!効果抜群ってことでこれで決まりですね」

蒼星石「ちょ、ちょっと翠星石…!」

水銀燈「いいじゃないの。もうめんどくさいから それでいきましょうよぉ」

雪華綺晶「じゃあ、こんな感じですね」





――――――――――――――――――――――――


水銀燈:めぐ
金糸雀:たまご類&乳製品
翠星石:ジュン様
蒼星石:マスターに命令する
真紅:紅茶
雛苺:苺大福
雪華綺晶:マスター
薔薇水晶:槐


――――――――――――――――――――――――





雪華綺晶「ちなみに、一番最初に根を上げた方は罰ゲームです」

翠星石「なっ…!」

薔薇水晶「こ、これは負けられない…」ゴクリッ…

雛苺「ヒナもがんばるの!」

金糸雀「みんな!一緒にがんばるかしら」

雪華綺晶「審判は人口精霊のみなさんですわ」




雪華綺晶「それでは始めましょう。スタートです!」

>>23
×→雪華綺晶「審判は人口精霊のみなさんですわ」
○→雪華綺晶「審判は人工精霊のみなさんですわ」

見てくれてる人がいて嬉しいです。
今日はここまで。続きは明日投下します。

それでは投下していきます。

 
1日目―――…


水銀燈side



めぐ「からたちのそばで泣いたよ みんなみんな優しかったよ 」~♪

めぐ「……」

めぐ「…今日は水銀燈遅いなぁ」



――――――――――――――――――――――――


窓の外


水銀燈(我慢よ、水銀燈。たった1週間だけじゃないの)







真紅side



真紅「ジュン!紅茶を……紅茶以外のお茶を入れなさい」

ジュン「自分で入れろよなぁ……って紅茶以外を?」

真紅「えぇ、そうよ」

ジュン「…お前が紅茶以外を飲みたがるなんて…槍でも降ってきそうだな」

真紅「いいから早くしなさい!」ピシッ!

ジュン「いてっ!それが人にモノを頼む態度かよ…。相変わらずの呪い人形っぷりだよなぁ」

真紅「聞こえてるわよ!」ビシッ!!

ジュン「いってーー!!おいっ!やめろよ」イタタ…

真紅「あぁ、くんくん!この真紅に1週間だけ力を貸して…!」

ジュン「聞いてないし…」

 
雛苺side



雛苺「あっ!真紅がお茶してるなの。もうおやつの時間なのね」

雛苺「ジューン!ヒナもおやつが欲しいのよ。うにゅー頂戴なのー」

ジュン「へいへい。苺大福な」ガサゴソ

雛苺「わーい!楽しみなのー」

真紅「……」ギロッ!

雛苺「!!」ビクッ

雛苺「あっ…ぁぁ……、忘れてたの…。ジュン…、今日ヒナはうにゅーいらないわ…」

ジュン「え゛!?」ビックリ

雛苺「他のお菓子がいいの…」

ジュン「お、おいおい…。二人共どうしたんだよ…」

 
翠星石side



翠星石「さぁーて!おやつの時間ですぅ」

ジュン「なぁ、翠星石。あいつらどうしたんだ?」ヒソヒソ

翠星石「そういうルールですぅ。翠星石の場合はジュンに触れてはいけないのです」

ジュン「へっ?」

翠星石「いいから翠星石と蒼星石のお茶も用意するです!」

ジュン「あ、あぁ……??」

蒼星石「……」ガチャッ

ジュン「あっ、蒼星石。今日は珍しく真紅が玄米茶飲んでるんだよ。お前たちはどれにする?」

蒼星石「………」

 
蒼星石side



蒼星石「………」

ジュン「蒼星石?」

蒼星石「じゅ、じゅ、ジュンくん!」

ジュン「うん?」

蒼星石「ぼ、僕にはオレンジペコを入れてくれ!」

ジュン「あぁ、いいよ」

蒼星石「えっ」

ジュン「少し待っててよ」

蒼星石「う、うん…///」カァァ

ジュン「翠星石は?」

翠星石「…同じので」

ジュン「ん」

翠星石「……(もしかして、蒼星石は真紅みたいな受け答えを期待してたですかね?)」


蒼星石「本当に難しい…」

 
雪華綺晶side



――――――――――――――――――――――――


雪華綺晶『いいですか、マスター。この1週間わたくしには触れないでください』

大ジュン『えっ?なんで…?』

雪華綺晶『なんでもです!よろしくお願いしますね』ペコリ

大ジュン『お、おい…!せめて理由だけでも…――』


――――――――――――――――――――――――



大ジュン「――…聞かせろよ!」ガバッ!


チュンチュン… チチチッ…!



大ジュン「………夢?」






薔薇水晶side



槐「薔薇水晶~、ようかん買ってきたぞー」

薔薇水晶「……」プイッ

槐「あれ?薔薇水晶?」

薔薇水晶「…近づかないで」

槐「!!!!!??????」

 
金糸雀side



金糸雀「――…って事かしら」

みっちゃん「みんながカナのアレルギー克服を応援してくれてるのね」

金糸雀「うん、そうかしら」

みっちゃん「あ~ん!みんな姉妹想いで可愛いわぁ」ハァハァ

金糸雀「自慢の姉妹たちなの。カナはみんなが大好きかしら」エヘヘ

みっちゃん「………」プルプル

金糸雀「あれ?みっちゃん…?」

みっちゃん「やっぱりカナが一番かわいいーーーー!!!!!!!」がばっ

金糸雀「きゃーー!!久しぶりのまさちゅーせっちゅかしらー!」スリスリスリスリスリ…

 
3日目―――…


水銀燈side



めぐ「……」

めぐ「…今日は水銀燈来るかな…?」

めぐ「いいえ、もう来ないのかもしれない…」

めぐ「来ない…」

めぐ「そう…。もう水銀燈は来ないんだ…。私が生きる意味も もう無くなったんだ…」

めぐ「いくら呼びかけても水銀燈は帰ってこないんだ…」

めぐ「あの楽しかった時間は終わって、私はもう…死ぬしかないんだ…」



――――――――――――――――――――――――


窓の外



水銀燈(や、やばいわぁ…。めぐの心の闇が大きくなってる…)アワワワ…

 
真紅side



真紅「日本のお茶も美味しいわね」

真紅「ほうじ茶も玄米茶も香ばしくて美味しい。特にこの玄米茶は素朴な感じで好みよ」

真紅「これなら1週間なんてすぐなのだわ」

真紅「でも、そろそろ紅茶が恋しくなってきたわ」

真紅「こんなに紅茶を飲まなかった事なんてないもの」

真紅「早く紅茶が飲みたいわね…」






雛苺side



雛苺「ヒナはね。うにゅー食べられなくて辛いのよ。でもね…」

雛苺「ジュンのぼりできない事の方がもっと嫌なの」うんしょっと

ジュン「僕登りはいい加減卒業しろよなぁ」

雛苺「やーなの!うにゅーが無い今、ジュンのぼりだけがヒナの癒しなのよー」

ジュン「そんな事ないだろ。……まぁいいか。好きなだけ登ればいいよ、もう」

雛苺「やっぱりジュンは最高なのー!」ヤッター!

ジュン「本当に登るのが好きなんだな」


雛苺(ジュンだから登るのよ? ジュン)ウフフ
 

 
翠星石side



雛苺「ジュンのぼりなのー!」キャッキャッ!

ジュン「お、おい!はしゃぐなって…」




翠星石「……」イライラ

翠星石(我慢です!もう少し我慢すれば…)ムググッ…






蒼星石side



蒼星石(翠星石イライラしてるな)

蒼星石(僕がなんとかしなきゃ!)

蒼星石(え~と…、こういう時は……)ピコーン!

蒼星石「じゅ、ジュンくん!」

ジュン「どうした?蒼星石」

蒼星石「抱っこしてよ!」

ジュン「珍しいな。まぁいいけど」ひょいっ

蒼星石「ぁ…」ギュッ

雛苺「蒼星石とヒナでダブル抱っこなのー」わーい


翠星石「」



蒼星石(ち、違う!僕は雛苺を降ろして真紅みたいにジュンくんを意味なく叩こうと……どうしてこうなるんだ…)


翠星石「うぅぅぅ~~………」


蒼星石(ご、ごめんよ。翠星石)
 

 
雪華綺晶side



大ジュン「ヤバイ!ヤバイ!遅刻だー!また斉藤さんに怒られちゃうよ」

雪華綺晶「」




雪華綺晶(本当にまったく触ってくれない…)






薔薇水晶side



槐「ば、薔薇水晶…、機嫌直してくれよぉ」

薔薇水晶「違う。機嫌悪くないです。だから、あっち行って…」

槐「ば、薔薇水晶――!!」ウェェェェン

薔薇水晶(お父様…かわいそう…)

薔薇水晶(でも、泣いてるお父様をもっと見ていたい…)ゾクゾクッ
 

 
金糸雀side



みっちゃん「な、なんで!? カナ…!」

金糸雀「」


ローザミスティカ< みっちゃーん!!


みっちゃん「たまごと乳製品以外でもアレルギー反応を起こすなんて…!」


ローザミスティカ< や、ヤバイのかしらー!


みっちゃん「やっぱり、ジュンジュンに相談した方がいいんじゃないかな…?」


ローザミスティカ <で、でも、まだ勝負の最中だし…


みっちゃん「………」


ローザミスティカ <みっちゃん?


みっちゃん「なんか…ローザミスティカってローゼンメイデンの魂っていうより本体みたいな感じね」


ローザミスティカ <かしら!!?

 

 
5日目―――…


水銀燈side



めぐ「………」

めぐ「…水銀燈はいない…。もうこの世にいない…」

めぐ「…私ももうすぐ……」

めぐ「あっ、おばあちゃん…。そっちって楽しい?」

めぐ「本当?じゃあ私もすぐに行くね」ウフフ



――――――――――――――――――――――――――――――


窓の外



水銀燈「め、めぐのおばあさんって亡くなられたんじゃ…」

水銀燈「やばいわぁ。めぐがあっちに行っちゃう…」

水銀燈「めぐに触れなければ大丈夫よね…?それなら顔を見せるくらい平気なハズよ……たぶん」



めぐ「さぁ、羽を拡げて飛び立つの」ガラッ


水銀燈「!?」

めぐ「 I Can Fly 」ばっ!

水銀燈「きゃああああ!!!!め、めぐーーー!!!!早まっちゃダメよぉおおお!!!!!!」バサッ!





水銀燈リタイア
 

 
真紅side



真紅「くんくん…。私はもうダメなのだわ…」

くんくん人形『真紅ちゃんはよくやったよ。頑張ったさ』

真紅「あぁ、くんくん。あなたの言葉は紅茶に似た完美なものよ」

真紅「でも、私……こんなに紅茶を飲まないのは初めてで…もう……」

真紅「あら?紅茶の香りが…」クンクン

くんくん人形『えっ?真紅ちゃん?ち、近いよ…』

真紅「あぁ…、くんくんから紅茶の香りがする…」クンクン

くんくん『えっ?えっ?』

真紅「くんくん……あぁ、くんくん…」ペロペロ

くんくん『なっ!?真紅ちゃん!僕たちはまだそういう仲では…!』

真紅「いいえ、くんくんは私のパートナー。私は幸せなあなたのお人形」

真紅「くんくんのお口は紅茶の味なのだわ」ペロペロ





真紅「くんくん…くんくん…」

くんくん人形「」

真紅「だ、ダメだよ。真紅ちゃん。いけないよ…。でも僕は……」

真紅「いいのよ、くんくん。いいのよ」ペロペロ



ジュン「………(よくわからないけど真紅がヤバイ…)」






雛苺side



巴「雛苺ー、苺大福買ってきたよ」

雛苺「わーい!トモエ大好きなのー!」





雛苺リタイア
 

 
翠星石side



翠星石「ジュン………ジュン…ジュン…ジュン…ジュン…」ブツブツ

蒼星石「翠星石…、大丈夫?」

翠星石「そ、蒼星石ぃ…」うるうるっ…

翠星石「ジュンに……ジュンに抱っこしてもらいたいですぅ…」グスッ…

蒼星石「わかった!任せてよ、翠星石」






蒼星石side



蒼星石「ジュンくん!」

ジュン「ん?改まってどうしたんだよ」

蒼星石「僕の命令……いや、お願いを聞いてほしいんだ」

ジュン「最近そんなのばっかりだな。今度はなんだよ」

蒼星石「翠星石を抱っこしてあげて」

ジュン「えっ?だってあいつ嫌がるじゃんか」

蒼星石「お願いだよ、マスター…」

ジュン「………」

ジュン「翠星石」

翠星石「あ…、ジュン…」

ジュン「まったく、どうしたんだよ」ひょいっ

翠星石「ぁ…、じゅ、ジュンに触っちゃったですぅ…」

ジュン「嫌がらないのか?」

翠星石「い、嫌じゃないです…。むしろ…………勝負なんてもういいです」ボソッ…

ジュン「ん(勝負…?)」ギュッ

翠星石(幸せですぅ~)すりすり




蒼星石(翠星石。君の笑顔は……僕には無いもの)

蒼星石(鏡写しな僕らだったけど…君のその笑顔は大好きだよ)



翠星石「蒼星石!何やってるです?」

蒼星石「いや、君たちは絵になるなと思ってね」

翠星石「何言ってるですか。ほら!蒼星石も一緒に抱っこしてもらうですよ」

蒼星石「えっ?僕はいいよ」

ジュン「なんだよ。遠慮するなって」ひょいっ

蒼星石「ぁ…、ジュンくん」


蒼星石(もう…、ジュンくんったら)
 

翠星石「うふふ、ジュンは幸せ者です。こんな美女2人を抱っこして幸運も使い果たしたんじゃねぇですか?」

ジュン「へー、美女は1人しかいないけどな。なぁ、蒼星石」

蒼星石「!」ドキッ

翠星石「な、なんですってぇぇ!!」

ジュン「お、おい…!暴れるなよ」

蒼星石「ふふ」

蒼星石(この2人と一緒だと楽しいな)

翠星石「あっ!やっと笑ったですね。蒼星石」

蒼星石「えっ?僕笑ってた?」

翠星石「バッチリ笑ってましたよ。ねぇ」

ジュン「あぁ、笑ってたよ」

蒼星石「そ、そうなんだ」

翠星石「蒼星石は笑った顔が一番可愛いです!姉として誇りに思うですよ」エッヘン

蒼星石「そうだね」クスッ


蒼星石(やっぱり僕たちは双子なんだね)ニッコリ





翠星石リタイア

蒼星石 相手選手の妨害で反則リタイア






雪華綺晶side


大ジュン「忘れてた!レポート明日までだったんだ…」

大ジュン「でも次の衣装の製作もあるし…」ウーン…

大ジュン「久しぶりに徹夜かぁ…」ハァ…







雪華綺晶「」

 
薔薇水晶side



槐「薔薇水晶に嫌われた……もうダメだ…」

白崎「そんな事ないって。薔薇水晶もそう言ってるじゃん」

薔薇水晶「うん」

槐「じゃ、じゃあなんでお父様を避けるんだい…?」

薔薇水晶「ルールだから」

槐「ルール…?」

薔薇水晶「はい。だからまだ無理です…」タタタッ!

槐「ば、薔薇水晶―――っっ!!」






金糸雀side



みっちゃん「うそ…!?スイカも無理なの?」

金糸雀「」


ローザミスティカ「」フワァ


みっちゃん「こ、これは異常事態だわ!カナ、早くジュンジュンの所に…!」

金糸雀「いいえ、みっちゃん。カナの戦いはまだ始まったばかりかしら!」

みっちゃん「カナ…」グスッ…

金糸雀「いくかしら!カナの勇気がたまご焼きの未来を救うと信じて…!」ダッ!

みっちゃん「か、カナ!!そのセリフはダメなセリフよ!」

 
7日目(最終日)―――…


真紅side



真紅「……」

真紅「………」

真紅「……」

真紅「…」



真紅「」




ジュン「おーい、真紅ー。紅茶入れたけど飲むかー?」

真紅「飲むのだわ!!!!」ヒュバッ!





真紅リタイア
 

 
雪華綺晶side



大ジュン「今日はゆっくりするか」チラッ

雪華綺晶「」

大ジュン「もう一週間だよな。触ってもいいのかな?」

雪華綺晶「」

大ジュン「怒られたら嫌だからやめとこ」

雪華綺晶「」ショボーン

大ジュン「なんか心なしかションボリしてるな。いいや、触っちゃおう」なでなで

雪華綺晶「」にっこり





雪華綺晶リタイア






薔薇水晶side



槐「ばらすいしょう…ばらすいしょう……」ウーン…


――――――――――――――――――――――――



白崎「あ~ぁ…、槐寝込んじゃったよ」

薔薇水晶「お父様……心配…」

白崎「いや、君が原因なんだよ」

薔薇水晶「えっ」

白崎「君が冷たい態度を取るからさ」

薔薇水晶「で、でも……勝負が…」

白崎「なんの勝負をしてるか知らないけど、槐より大切な勝負なのかい?」

薔薇水晶「!」

薔薇水晶「ううん、お父様の方が……お父様が世界で一番大切だもん…」

白崎「勝負はもういいのかい?」

薔薇水晶「うん」

白崎「じゃあさ、僕がいい事教えてあげるよ」

薔薇水晶「…どんなこと?」

白崎「いいよ。教えてあげる。えっとねぇ…―――」


――――――
――――
――



槐「うぅ…、薔薇水晶…」シクシク…


もぞもぞ


槐「ん?布団がなんか…?」

薔薇水晶「ぷはっ」

槐「ば、薔薇水晶!?」

薔薇水晶「お父様…、素っ気なくしてごめんなさい…」

薔薇水晶「私も寂しかったです…。今日は一緒に寝てくれますか?」

槐「ば、薔薇水晶…」フルフル…


――――――――――――――――――――――――――――――



ラプラスの魔「最下位が決まったのならゲームを終了すればいいものを……と思いますか?」

ラプラスの魔「いえいえ、とんでもない。勝者が決まってこそのゲームです。アリスゲームもまた然り」

ラプラスの魔「それにしても面白い事をしますね。彼女たちは何百年見ていても飽きません」

ラプラスの魔「今度は何を見せてくれるのでしょう?」
 

 
金糸雀side



金糸雀「……みっちゃん…」

みっちゃん「う、うん…」

金糸雀「わ、私は……やりきった…かし…ら…」ガクッ

みっちゃん「か、カナーーーーっっ!!!!」


――――――
――――
――



次の日の桜田家―――…


雪華綺晶「皆さん、この1週間どうでしたか?」ニコニコ

ドールズ「……」ズーーン…

雪華綺晶「あ、あら…?」

真紅「もう二度とやりたくないわ」

水銀燈「危うくめぐが死ぬところだったわよ…」

蒼星石「慣れないことはしない方がいい」

雛苺「いつの間にかうにゅー食べちゃってたの…」

薔薇水晶「お父様悲しんでた…」

翠星石「もう懲り懲りですぅ…」

雪華綺晶「わたくしはけっこういつも通りでしたけど」

雪華綺晶「あっ!そうです。順位発表しましょう。優勝者は……金糸雀お姉さまです!!」バーン!



――――――――――――――――――


結果発表

優勝
金糸雀

2位
真紅
雪華綺晶
薔薇水晶

ビリ
水銀燈
翠星石
蒼星石
雛苺


――――――――――――――――――

 

金糸雀「カナがナンバー1かしらー!」

蒼星石「まぁ金糸雀のために行ったゲームだったからね」

翠星石「みんなを巻き込んだ訳ですから、1位以外だったら超厳しい罰ゲームだったに違いねーですぅ」

金糸雀「えっ?そうだったの?」

雪華綺晶「はい、そうですよ」ニッコリ

金糸雀「あ、危なかったかしら~…」ホッ…




水銀燈「ねぇ、これって2位とビリに入ってるドールって同じ時間にリタイアしたのぉ?」

雪華綺晶「人口精霊たちの話だとそうらしいです」

水銀燈「ふぅ~ん…、シンクロ二シティなのかしら?」

翠星石「ところで罰ゲームはなんです?」

雪華綺晶「罰ってほどではありませんが、マスターのほっぺにキスをしてもらいます」

翠星石「きっ!!!???」

水銀燈「えぇぇ~…、やぁよぉ…」

翠星石「す、翠星石も反対ですぅ!!」

蒼星石「僕は構わないけど」

翠星石「え゛!?」

雛苺「ヒナもジュンにキスするの!」

真紅「それはそうと、金糸雀。あなたのアレルギーはどうなったの?」

金糸雀「うぅ…、そ、それが…」




~説明中~



 

真紅「アレルギーがひどくなった?」

金糸雀「うん…、もうほとんどの食べ物を食べられないかしらぁ…」

翠星石「な、なんですか…それ。翠星石たちはなんのために1週間耐えたですか?」

蒼星石「そんなこと言ってる場合じゃないよ。それってすごくまずいんじゃ…」

雛苺「ジュンに診てもらった方が絶対いいのよ!」

金糸雀「みっちゃんにも言われたかしら…」

水銀燈「まったく…、勝負なんてすぐに捨てなさいよ」

薔薇水晶「私達は人のこと言えないけど」

雪華綺晶「と、とにかくジュン様を呼びましょう!」

翠星石「です!ジューン!!早くこっち来るですぅ!!」




<少し待ってろー!


 

という事で今日はここまで。
明日の投下でラストになります。

それでは投下していきます。

ジュン「………」

金糸雀「ど、どうかしら…?」

ジュン「アレルギーって…。そんなの僕のスキル外だよ」

翠星石「それでもマイスターローゼンですか!なんとかしろですぅ!」

ジュン「むちゃくちゃ言うなって!」

金糸雀「か、カナ……もうなんにも食べられないのかしら…?」うるうるっ…

ジュン「むりやり治してもまた発症するだろうし………そうだっ!」

真紅「ジュン?何か思い当たる節があるの?」

ジュン「あぁ、なんとかな。金糸雀。明日また来てくれよ」

金糸雀「う、うん…」






nのフィールド―――…


マイスタージュン「この手紙が世界中に届くように…っと」
 

 
また次の日の桜田家―――…


水銀燈「まったく…、めぐったらキスしただけで倒れちゃって…」

水銀燈「ま、まぁ…気持ちだけはわからなくもないけど…」テレテレ

金糸雀?「ふっふふーん♪」

水銀燈「あらぁ?金糸雀早いわねぇ」

金糸雀?「あっ!すごい!!生水銀燈かしらー!」ダキッ

水銀燈「な、生…?」オットット

金糸雀?「カナが住んでる所には水銀燈がいないの」

水銀燈「住んでる?……あっ!貴女!私の知ってる金糸雀じゃないわね」

スペイン金糸雀「うん!カナはスペインから来たかしらー」

イタリア金糸雀「あー!水銀燈かしらー!」

ブラジル金糸雀「ほ、ホントかしら!?」

水銀燈「うわぁ……いっぱいいるわぁ…」

京都金糸雀「ふふ、水銀燈はどこの水銀燈も変わらないどす」

水銀燈「どす!?」



ワー! キャーー! スイギントウカシラー!
ワイワイ! ガヤガヤ!




水銀燈「いっぱい居すぎよぉ!金糸雀一人でさえうるさいのに…」

金糸雀「うん…、それでたまご焼きも食べられないの…」

スイス金糸雀「それは辛かったね…。でも、私たちが集まったからにはもう大丈夫よ!」

アメリカ金糸雀「もう大丈夫かしらー!」

ベルギー金糸雀「任せるかしら!」




真紅「すごい光景ね」

翠星石「どこもかしこもちびカナばっかですぅ」

インド金糸雀「ちびは余計よ。翠星石」

翠星石「ひぃぃぃ!?い、いつの間に後ろに!?」

インド金糸雀「いや、ずっと居たかしら」



ヴェネツィア金糸雀「こっちの雪華綺晶と薔薇水晶は双子のように仲が良いのよ」

雪華綺晶「こ、こっちだって負けていませんわ!」ムギュッ

薔薇水晶「きらきー…、苦しい」

雛苺「金糸雀がいーっぱいなのー!」ワーイ

アイスランド金糸雀「カナも昔、いっぱいの雛苺と遊んだかしら」

雛苺「いっぱいのヒナ!?いいな!いいなー!」

アイスランド金糸雀「今度呼ぶから一緒に遊びましょ」

雛苺「うん!」




蒼星石「マスター。どうしてこんなに金糸雀を呼んだの?」

ジュン「まぁ見てろって」


ノルウェー金糸雀「まさかマイスターローゼン様からお声を掛けてくださるなんて思いもしませんでしたわ」ペコリ

ジュン「そんなかしこまらなくていいよ」

ノルウェー金糸雀「いいえ、貴方はドールの世界では有名人。礼儀を怠れば恥をかくのは私です」



水銀燈「へぇ、あんな金糸雀もいるのね。こっちとは雲泥の差だわぁ」

真紅「そうね。世界は広いのだわ」

金糸雀「二人共ひどいかしら…」

ノルウェー金糸雀「お話は伺っています。あちらの金糸雀ちゃんですね?」

ジュン「あぁ、よろしく頼むよ」

金糸雀「な、何をするのかしら?」

ジュン「まだ説明してなかったな。ここに居る金糸雀たちでアレルギーを治療するんだ」

金糸雀「どうやってかしら?」

ジュン「金糸雀同士でローザミスティカを共鳴させる。アレルギーを分散するんだ」

ニュージーランド金糸雀「分散して弱めようってことね」

ジュン「そういうことだ」

金糸雀「か、カナのためにみんな集まってくれたのね…」うるっ…

神奈川金糸雀「泣くのはまだ早いわ!成功してから喜びましょう」

金糸雀「う、うん…!」



チェコ金糸雀「それにしても…」

オーストラリア金糸雀「なにかしら?」

チョコ金糸雀「いえね、こんなにカナが揃ってる所をマスターに見られたら…」

オーストラリア金糸雀「あぁ…それは……」

イギリス金糸雀「うちのマスターだったら鼻血吹いちゃうかしら…」

金糸雀「うちのみっちゃんもかしら…」

マイスタージュン「金糸雀たち。準備はいいかな」

金糸雀s『かしらー!!』

マイスタージュン「さぁ、はじめよう」



それはとっても神秘的な光景でした。
いくつものローザミスティカが宙を舞い、折り重なるように流れていきます。




真紅「……」

水銀燈「……」




他のドールも見とれるのは無理もありません。
アリスゲームでもこんなにローザミスティカが揃う所は見られないのですから。

 

雛苺「すごい…」

雪華綺晶「綺麗ですわ…」

薔薇水晶「神秘的…」



金糸雀ちゃんたちのローザミスティカは、まるで踊っているように円を描きます。
その円の中心には 若き人形師の姿が。




翠星石「ジュン…、かっこいいですぅ」

蒼星石「まるでお父様みたいだ」



若くして『ローゼン』の称号を受けた少年。
傲りもなく、しかし自信に満ち溢れた表情で旋律を奏でます。




マイスタージュン「良い調子だよ。金糸雀」




その指は魔法の指。

彼の指と戯れるように 金糸雀ちゃんたちは踊ります。
その指が奏でる旋律は……まるで夢見るような心地良い調べとなって ドールたちを癒すのです。


 

ジュン「ふぅ、どうかな?」

金糸雀「まだわからないかしら…」



ジュンくんの治療を受けた金糸雀ちゃんですが、まだまだ不安そう。
治ったのでしょうか?




モンゴル金糸雀「たまご焼きを食べたらどうかしら?」

フランス金糸雀「それかしら!」

金糸雀「で、でもぉ…」

ジュン「そろそろみっちゃんが卵焼きを持ってきてくれるハズだけど…」


みっちゃん「ジュンジュンお待たせー!」ガチャッ!

金糸雀s『あっ』

みっちゃん「か!!!!!カナが……いっぱ…」フラ…

みっちゃん「」パタリ…

金糸雀「み、みっちゃん!しっかりー!!」

みっちゃん「なるほどぉ、さすがジュンジュンね。でも、みっちゃんも見たかったなぁ」

ノルウェー金糸雀「撮影しておきましたよ」ウフフ

みっちゃん「ホント!?やったー!!」

金糸雀「あのカナ…抜け目ないかしら…」

みっちゃん「それで、カナはアレルギー治ったの?」

金糸雀「みっちゃんが持ってきてくれた たまご焼きでわかるかしら」

ジュン「大丈夫。食べてみなよ」

金糸雀「じゃあ、食べるかしら。………えいっ!」ぱくっ

金糸雀s『………!』ゴクリッ…

金糸雀「……」モグモグ…

金糸雀「おっ…!」

金糸雀s『おっ…?』

金糸雀「美味しいかしらーー!!!!」パァ

 
金糸雀s『やったかしらーー!!』ワァァ!!



水銀燈「ふぅ…、世話が焼けるわね」

真紅「素直に心配したと言えばいいのに」

水銀燈「なんですってぇ!」

雪華綺晶「ケンカはそこまでです。場を盛り上げるために、そこの三人来てください」

翠星石「翠星石たちのことですかね?」

蒼星石「そうみたいだね」

雛苺「雪華綺晶なーに?」

雪華綺晶「はい!頑張ったジュン様にこの三人がキスしてくれるみたいです!」

ジュン「え」

翠星石「!!!!!?????」

カナダ金糸雀「き、き、キスするのかしら!?」

スウェーデン金糸雀「熱いヴェーゼのようなキスが見れるのかしら!?」ドキドキ



翠星石「なっ!?なっ!?」

雪華綺晶「えっ?だってキスするって言ったじゃないですか」

翠星石「だ、だって、こんな大人数の前でなんて…!」

蒼星石「そういえば、ジュンくんにキスしてなかったね」

雛苺「ジューン!しゃがんで、しゃがんで」

ジュン「いや、待って。どういうこと…?」

雪華綺晶「プレゼントですわ。ほら、今のうちに」


蒼星石「マスターお疲れ様です」ちゅっ

雛苺「ジュン、カッコよかったのよ」ちゅっ


金糸雀s『ひゅーひゅー!かしらー』キャー!!

みっちゃん「あぁん!可愛いわぁ」パシャ!パシャ!

真紅「みんなキスするのね。私も負けた方がよかったかしら?」

ジュン「なんか恥ずかしいな///」

スイス金糸雀「真っ赤になっちゃってかわいいのね」ウフフ

雪華綺晶「ほら、次はお姉さまの番ですよ」グィグィ

翠星石「い、嫌です!!恥ずかしいですぅ!!///」

薔薇水晶「K・I・S・S! K・I・S・S!」ヒューヒュー



翠星石「うぅぅ~~~……も、もうどうにでもなれですぅ!!」ちゅっ!



きゃーー!!ラブラブかしらー!
ばんざーいかしらー!

キャッキャッ! カシラー!!





水銀燈「はぁ…、うるさいったらないわぁ」

金糸雀「うふふ」

水銀燈「なに笑ってるのよぉ」

金糸雀「だって、たまご焼きは美味しいし、みんなで集まって楽しいし…」

金糸雀「カナ、幸せだなって思ったの」

水銀燈「………そうね」

金糸雀「カナ、今日の事を絶対忘れないわ」



金糸雀「すっごく幸せかしら~」モグモグ

http://i.imgur.com/Yoa6wwW.jpg


 


金糸雀「お礼をしたいかしら!この後みんなでたまご焼きパーティやらないかしら?」

スイス金糸雀「あら、いいわね」

ノルウェー金糸雀「たまにはいいですね」

金糸雀s『賛成かしらー!』わぁい!

ワシントンD.C.金糸雀「なら焼き方はアメリカ式でいくかしら?」

インド金糸雀「えー!たまご焼きカレーがいいのかしらー」

東京金糸雀「じゃあ公平に多数決で決めましょうかしら」

雛苺「はい!はい!うにゅー入りたまご焼きがいいのよー」

翠星石「却下!ですぅ。どうせならこの翠星石が腕によりをかけて作ってやるですよ」

巴「じゃあ私は、あんこや苺入り卵焼きを作ろうかな」

ジュン「わっ!?柏葉いつの間に!」

巴「桜田くんが旋律を奏でてる時から居たよ」

ジュン「そんな前から!?」



真紅「紅茶があればなんでもいいわ」

水銀燈「飽きないわねぇ。私は卵焼きをめぐに持っていってあげようかしら」

雪華綺晶「うふふ、楽しみですね。ばらしーちゃん」

薔薇水晶「きらきー、あんまり食べ過ぎちゃダメだよ」


みっちゃん「みっちゃんの腕の見せどころかも!」

蒼星石「僕も手伝います」

のり「よぅし!お姉ちゃんもいっぱい作っちゃうんだから!」


金糸雀「みんなで作ったらきっとすごく楽しいかしら。カナもいっぱい作っちゃうんだから!」




とっても幸せなたまご焼きパーティが始まって 金糸雀ちゃんたちは大はしゃぎ。

今夜はすっごく賑やかになりそうです。


~おわり~
 

>>70
セリフが被ってるのに気づかなかった…
些細な事ですが一応

×→のり「よぅし!お姉ちゃんもいっぱい作っちゃうんだから!」
○→のり「よぅし!お姉ちゃんもいっぱい作っちゃうわよぅ!」

これで終わりです。
ここまで読んでくれた方、絵を描いてくれた方
本当にありがとうございました。

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