ゾンビ「風評被害って酷くね?」鬼「わかる」サメ「それな」(19)

ゾンビ「ゾンビってさ」

サメ「おう」

ゾンビ「ホラーゲームとか映画とかでよく登場するようになったやん?」

鬼「せやな」

サメ「ゾンビーズ!?(大歓喜)」

ゾンビ「ゾンビが有名になったのはいいけどさ」

鬼「おう」

ゾンビ「ゾンビは皆して人を襲うみたいな風潮やめてほしい」

サメ「えっ、違うのか」

ゾンビ「殺すぞ」

サメ「すみませんでした」

ゾンビ「俺は廃校生まれはいこうぐらし!の生粋のゾンビなんだけどさ」

鬼「ゾンビってゾンビの両親から生まれるのか」

ゾンビ「ゾンビの体ってなんか1年くらい何も食べなくても大丈夫らしい」

サメ「本当はもっといけんじゃね?」

ゾンビ「だって地球って美味しいもんたくさんあるし我慢できないって」

サメ「わかる」

鬼「それな」

ゾンビ「んで生まれてこの方人なんか喰ったことないって」

鬼「そーなのかー」

ゾンビ「幼い頃は母親のおっぱいを幸せそうに飲んでたらしい」

サメ「おっぱい!?」ガタッ

鬼「栄養はいらないんじゃねえのかよ」

ゾンビ「母乳は別だ」

鬼「アッハイ」

ゾンビ「だが世の中ではゾンビは害悪だの敵に相応しいだの散々だ」

鬼「その見た目じゃそうだろ」

ゾンビ「お前には言われたくない」

サメ「(笑)」

鬼「この話終わったら殴るわ」

ゾンビ「これも俺のヤンチャな仲間が人間からグルメな食料とか奪うせいなんだよ」

サメ「へー」

ゾンビ「お陰で生き辛い世の中だよ……」

鬼「死んでるやん」

ゾンビ「死んでねえよ生まれつきゾンビだっつったろ」

サメ「前世……いやなんでもない」

鬼「じゃ、次は俺か」

サメ「どうぞどうぞ」

鬼「お前ら泣いた赤鬼って知ってるか?」

ゾンビ「ああ、青鬼に人襲わせて赤鬼が助けて赤鬼は信頼を勝ち得たけど」

サメ「青鬼は完全に悪になったから行方を眩ましたってやつだな」

鬼「ありゃ鬼には良いやつもいるよって内容に思えるが」

ゾンビ「うんうん」

鬼「実際は鬼を見世物にして結局は友情が大事だって言ってんだ」

サメ「まあ大事だし」

鬼「いちいち揚げ足取んなよお前は政治家か」

サメ「すみませんでした」

鬼「それにそもそも鬼は嫌われているって前提で話を進めてるのが気に食わん」

サメ「わかる」

鬼「あとお前ら節分ってあるだろ」

ゾンビ「なんぞそれ」

鬼「鬼は外ーって豆を投げる儀式なんだけどさ」

ゾンビ「うわ」

サメ「それは嫌だわ」

鬼「実はこの日だと俺は外に出回れるんだよね」

サメ「は?」

鬼「鬼は外っつっても鬼が実際いるわけじゃないから、全国のお父さん達が鬼になりきって豆をぶつけられる係になったりする」

ゾンビ「なにそれDV?」

サメ「なわけないだろ」

鬼「だから俺が外を出回っても鬼のコスプレしてる人間としか思われないわけ」

ゾンビ「うわーええなそれ」

鬼「話を戻そう、お前ら桃太郎って知ってるか?」

ゾンビ「おう」

サメ「あっ……(察し)」

鬼「随分昔の話なんだけど、鬼が人里で散歩してたら躓いて家に突っ込んじまったんだ」

サメ「アホの子かな?」

鬼「ガタイがでかいし角もあるからあっという間に家は半壊、その話に尾鰭がくっついて鬼は凶暴だって話になった」

ゾンビ「人間ってそんなもんやからな」

鬼「そんで噂を信じたガキが鬼の住処に攻め入って宝を強奪したんだと」

サメ「知ってた」

鬼「ほんと生き辛い世の中だな」

サメ「じゃ次俺」

ゾンビ「はよはよ」

サメ「俺が人襲うわけないだろバカタレが」

鬼「わかる!」

ゾンビ「超それな!」

サメ「人喰いザメってなんだよ完全に捕食するって思ってるだろ」

サメ「あとサメが海水浴場の近くに泳いでただけで遊泳禁止ってなんだよ、襲わねえから泳がせろよ」

鬼「可愛い幼女を?」

サメ「泳がせろ!ついでに水着ポロリしろ」

ゾンビ「うわロリコン……近寄らんどこ……」

鬼「もしもしお巡りさんこいつです」

サメ「やめろそれは」

サメ「あと何?人喰いザメとか名前付けてる癖にお前らサメ食うじゃん!」

鬼「全員が食うわけじゃないぞ」

サメ「そうだよ!サメも皆人喰うわけないだろうが!」

ゾンビ「ソウダソウダー」

鬼「なんか急に元気になったなお前」

サメ「生活に関わることだから仕方ないだろ」

ゾンビ「せやな」

サメ「あとジョーズって映画、あれは俺許せないね」

鬼「そうなのかー」

ゾンビ「どんな映画?」

サメ「詳しくは知らん」

サメ「そのせいで俺海の底から上がれねえよ……」

鬼「今は上がってるけどな」

ゾンビ「まあ集会場は夜中三時の田舎の海の岩場のはしっこやからな」

サメ「こうなったらイメージアップのために努力しますか」

鬼「おっ、そうだな」

ゾンビ「生活に関わることだから仕方ないな」

サメ「パクるな喰うぞ」

ゾンビ「サーセン」

鬼「じゃあ、今日のところは解散だ!人間に捕まったりすんなよ」

サメ「わかってるって」

ゾンビ「じゃーなー」

女「助けて!溺れガボボボ」バシャバシャ

サメ「溺れてる女を発見、ロリじゃねえが助けてイメージアップだ」

サメ「おいお前!暴れたら余計に危ないだろ!」ユラァ

女「……!?ギャアアアアアアア鮫ー!?」バシャバシャバシャバシャ

サメ「ファッ!?」

女「ギャアアアアアア!!!!」バシャバシャ

サメ「……普通に岸まで戻ってるじゃねえか」









TV『臨時ニュースです。●●海水浴場にて一匹の鮫の姿が確認されました。●●市長の梶谷氏は●●海水浴場を一時的に封鎖……』



サメ「……」

男「不味いな……アイツらとはぐれちゃった」

ゾンビ「迷える男を発見、案内してイメージアップやな」

男「せっかくキャンプに来たのに……」

ゾンビ「おいそこの男、道に迷ってるんか?」ユラァ

男「え?…………」サーッ

ゾンビ「おい!聞いてんのかい!キャンプならあっちでやっとるぞ!」ザッザッ

男「ひっ……嫌だ!来るな!来るな来るな来るなアアアアアアアア!!」ダダダダダダダ

ゾンビ「えっ」

男「ウワアアアアアアアアアア!!」ダダダダダダダ

ゾンビ「……まいっか、あいつが走ってったのキャンプ場の方やし」





TV『臨時ニュースです。○○キャンプ場周辺に腐敗した死体のようなものが……』



ゾンビ「……」

いじめっ子「オラ!そこの蜂の巣の下行ってこいや!」

幼男「やだよ!こわいよ!」

鬼「……いじめとはけしからん」

鬼「くぉら!いじめはやめんか!」ドン

いじめっ子「なんだよお前……ひいいい!?すみませんでしたあああ!!」ダダダダダダダ

鬼「大丈夫だったか?」ニタァ

幼男「う……うわあああああ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」ダダダダダダダ

鬼「あれだけ走れるなら怪我もなさそうだ」





TV『臨時ニュースです。◆◆公園にて不審者が……』



鬼「……」

サメ「……」ザプン

ゾンビ「……」ザッ

鬼「……」ドスン

ゾンビ「……お前ら」

サメ「ああ」

鬼「おう」







ゾンビ「風評被害って酷くね?」


くぅ~疲れましたw これにて完結です!
深夜テンションに身を委ねると変なものが生まれると学習した

ちなみに自分はゴキブリへの風評被害が一番嫌いです

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