ジョニィ「人は死んだ後どこへ行くと思う?」
ジョニィ「僕は……そうだな。『無へ還る』と思っていた」
ジョニィ「何も残らないんだ。生前何をしても時間は、そして時代は全てを風化させていく」
ジョニィ「僕には昔、偉大な友人がいた。ああ、『彼』も死んだよ」
ジョニィ「僕は彼のことを忘れない。でも、他はどうだろう。例えば、例えばの話だが……僕が死んだ後、『彼』のことを覚えている人がどれだけいるのだろうか?」
ジョニィ「あの時の言葉……あの時の行動、あの時の表情。『あの時』の彼を知っているのは僕だけだというのに」
ジョニィ「寂しい考えだと言う人もいるが、それが僕の考え――」
ジョニィ「だった」
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ジョニィ「ボクが日本へ来てしばらく経った頃――」
――
ジョニィ「何作ってんの、リナ?」
理那「精霊馬です」
ジョニィ「ボクが日本へ来てしばらく経った頃――」
――
ジョニィ「何作ってんの、リナ?」
理那「精霊馬です」
ジョニィ「精霊馬? 精霊にしちゃあ不格好なヤツだね。これはキュウリに……こっちはナス。何? 何かあるの?」
理那「もうすぐお盆ですから……」
ジョニィ「あ~~~~お盆、お盆ね。お盆お盆。知ってるよ、お盆。ここに来てもう何年も経ってるんだから……」
ジョニィ「『お盆』ね……」
――
ジョニィ「ボクはノリスケに聞くことにした」
ノリスケ「『お盆』、ですかな?」
ジョニィ「うん、実はあんまり知らないんだ。仏教の……何かだってことぐらいは知っているけど」
――
ジョニィ「この国で仕事を見つけたボクはそれにかこつけて家庭のことは全てリナに任せきりにしていたんだ」
ジョニィ「ああ、リナっていうのはボクの妻だよ」
ジョニィ「ボクはここで初めて日本の風習に興味がわいたんだ」
――
ノリスケ「お盆、というのはですな……先祖や亡くなった人達の霊を祀る行事なのです」
ジョニィ「まつる? 祈りを捧げるということか……でもそれになぜ『精霊馬』が必要になるんだ?」
ノリスケ「お盆には先祖の霊が天国から帰ってくる。それには乗り物が必要じゃ、キュウリの馬は天国から帰ってくる霊達の乗り物になるんですよ……」
ノリスケ「ちなみにナスは牛。帰りにはこれに乗ってゆっくり帰って欲しいという意味で……」
ジョニィ「あれが牛? 日本人のセンスって独特じゃない? 生の魚をうまいうまいって食べるところとか」
ジョニィ「……ふうん、霊が天国から帰って来る為の馬、か」
ジョニィ「ボクをそれを聞いてむしょうに馬を作りたくなった。なぜかはよく分からないが……」
――
理那「あなた……どうかしましたの?」
ジョニィ「いや、手伝おうと思ってさ。キュウリとナス、余ってない?」
理那「あ、ああ! あります、ありますよ。ちょっとお待ちになって……」
…
ジョニィ「こんな感じかな?」
理那「ええ、そのような感じです……」
タスクact.1(以下タスク)「チュミ?」
ジョニィ「お前も手伝いたいのか?」
タスク「チュミミ」
ジョニィ「……お前を使うのも久しぶりだ。見てなよリナ。とびきりのを作ってやるから……」
――
ジョニィ「こうしてボクは精霊馬を作り上げたんだ。特別立派なのをね」
ジョニィ「モデルは……スローダンサー。昔、ボクと一緒に旅をした最高の馬だよ」
ジョニィ「それともう一体、ヴァルキリー……これはジャイロの……ボクの友人の馬さ」
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