男「人間側に属してない艦娘?」叢雲「そうよ」 (245)

艦これssです。

オリジナル設定てんこ盛りのちょっとシリアス多め

誤字脱字多しの亀書き込み

かなりガバガバ設定だけど許して

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439731724

日本 関東地方



-学校-


担任「~で、あるからして深海棲艦によって海洋封鎖された人類の情勢は一変した」

男「……」

担任「これによって何が起きた? 女答えてみろ」

女「はい、それからは世界各地で資源を求める暴動、内戦や国家間の戦争が発生し、海洋封鎖によって多くの国の経済が低迷しました。」

担任「よろしい、それでは何故日本は深海棲艦に対抗しうる力を持ちこの時代に経済力を回復することに成功したか」

担任「男、答えてみろ」

男「……zzz」

女「……おーい、男~」ボソッ

男「zzZ」

女「ちょっと……」ツンツン

担任「男」トントン

男「!? は、はい!」

教師「あとで職員室にこい」ニコッ

男「は、はい」

クラスメイト『クスクスクス』

友「ばーか」

女「もう……」

放課後

-校門前-




友「お勤めご苦労様です」スッ

男「嫌味かよ……」

友「おう、こってり怒られたか?」

男「ん」バサッ

友「なんだよそれ」

男「プリント」

友「うわ……、現代史のプリントじゃん」

男「最悪」

友「20枚ぐらいあるだろそれ」

男「おかげで今日は徹夜だよ」

友「お疲れ様」

男「半分やってくんね?」

友「ふざけんな」

友「女ちゃんがせっかく起こしてたのにな」

男「爆睡だよ、爆睡」

友「自業自得、んじゃ帰ろうぜ」

男「電車の時間は?」

友「あと5分でくるけど余裕で間に合うけど、ゲーセンいかね?」

男「昨日も行ったよな」

友「リベンジだよリベンジ」

男「何回やっても勝てないと思うけどな」

友「うるせぇ」

男「このプリントやりたいから帰らせてくれよ」

友「お前がかったらな」

男「んじゃすぐ終わるな」

―――
――

-電車-


友「今日も終わりだなぁ」

男「結局全敗かよおまえ」

友「うっせぇ」

男「思ったよりも早く帰れそうでよかったわ」

男「明日の宿題ってなんかあったっけ」

友「ないよ、でもお前はプリントな」

男「思い出させんなよ」

友「帰ったらゆっくりテレビでも観て寝ようかな」

男「羨ましいですね」

友「……」スッ

男「どうした?」

友「いや、随分と復興が進んだなって」

男「沿岸部か」

友「もう7割は修復が完了してるってよ」

男「ふーん」

友「ふーんって随分と興味なさげな」

男「また戻りたいって思うやつなんているのか?」

友「元々、住んでいた人間は戻りたいだろうな」

男「確かに」

友「それに今は深海棲艦からの本土攻撃はないから安心だろ」

男「なんのために莫大な費用をかけて防護壁を造ったと思ってんだ、安心じゃなきゃ困る」

友「だな、でも一番大きな存在は彼女たちだろ」

男「まあ」

-自宅-


男「ただいまぁ」

妹「おかえり」

男「ふぅ……」

妹「もうご飯は出来てるから、着替えたら席についてね」

男「さんきゅー」スッ

男(ご飯食べて風呂入ったらさっさとプリント片付けるか……)

男「おぉ、今日もうまそうだな」

妹「箸」

男「ん」

妹「いただきます」

男「いただきまーす」

男「……うんうん」モグモグ

妹「なに?」

男「相変わらずうまいなぁって思っただけ」

妹「べ、別に嬉しくないから」

男「そうかそうか」モグモグ

ニュース『ニュースをお伝えします。』

男「……」モグモグ

ニュース『旧中国領で発生している武力衝突は激しさを増しています。』

ニュース『すでに戦闘地域は旧山西省から旧河南省、そして旧山東省へと拡大しており』

ニュース『日本の貿易ルートへの戦闘地域拡大が懸念されており、これにより日本政府は平和維持――』ピッ

男「……」スッ

妹「……」モグモグ

男「いやぁ、このハンバーグはおいしいな」

妹「あっそ」

男「いつもありがとなー」

妹「ん……」

男「学校の方はもう慣れたか?」

妹「そこそこ」

男「なんだそれ」

妹「うっさい」ゲシッ

男「いたいたい」

ウゥゥゥゥゥゥ!!! ウゥゥゥゥゥ!!!

男「!?」

妹「!?」

妹「て、テレビ! 警報!!!」

男「お、おう」ピッ

ニュース『―ただいま、深海棲艦攻撃警報が発令されました。』

ニュース『房総半島より南に150kmの沖合にて深海棲艦を発見、日本海軍が迎撃作戦を展開中とのことです』

ニュース『今のところは被害の方は確認されておりませんが――』

男「よかったな、距離もあるし海軍が戦ってるなら安心だろ……」

妹「そ、そうだね」ガクガク

男「……ご飯食べるぞー」

妹「うん……」

男「ここ最近はなかったけど久しぶりだったな警報……」モグモグ

妹「……」



-自宅-


妹「行ってくるから」

男「おう、気をつけてな」

妹「はいはい」バタン

男「俺も行くか……、プリントも女に教えてもらいたいし……」

男「それじゃあ、父さん母さん行ってきます」スッ



―――
――

-学校-


友「ういーっす」

男「おはよ」

友「てか久しぶりに警報出たな」

男「3ヶ月ぶりじゃないか」

友「何事もなかったのがよかったな」

男「ほかの国だとそうも言ってられないよな」

友「警報出すの追いつかないくらい各地沿岸部が攻撃されてるらしいからな」

友「ほんと、日本海軍さまさまだな」

男「だな」

女「そうだね」

友「女ちゃんおはよ」

男「おはよう」

女「おはようー、昨日はびっくりだよね」

友「ほんとそれだよな」

男「ちょっとプリントで分からないとこあるんだけど」

女「どれどれ――」


―――
――

-昼休み-


友「購買いくかぁ?」

男「今日はパス、弁当があるから」

友「妹ちゃんの愛妻弁当かな?」

男「ちげぇよ」

友「でも妹ちゃんが作ったんだろ?」

男「そうだけど」

友「いいよなぁ、あんな可愛い子に作ってもらえるなんて」

男「可愛い?」

友「あぁ、結構噂になってんぞ」

男「ふ~ん」

友「おっ、お兄ちゃんとしても妹の噂話は気になりますかな?」

男「ち、ちげぇし」

友「いやキョドるなよ」

-六限目-




担任「んじゃ、授業の前にこの前行った適正検査の結果配るぞー」

友「えぇ……」

担任「そこ文句言うな」

担任「文句言った罰としてこの検査の意義を答えろ友」

友「うぇ!?」

友「え、えっと……、深海棲艦との唯一の切り札である"艦娘"との相性を図るための検査?」

担任「まあそうだな」

担任「それでは、昨日の罰として男」

男「は、はい」

担任「艦娘とはなんだ?」

男「あー……、深海棲艦の出現後に日本各地で突如出現したもので多くのことが謎に包まれてます」

担任「そうだ、艦娘は深海棲艦同様に謎に包まれており、人なのか兵器なのかすら分かっていないものだ」

担任「しかし1つだけはっきりしているのが艦娘は人間の味方ということだ」

男「……」

担任「彼女たちの活躍で日本周辺海域から深海棲艦を駆逐することができ、貿易ルートを確保することができた」

担任「この検査はその艦娘との相性がいいか検査するものだ」

モブ「相性?」

担任「要するに彼女たちが司令官として認め、言うことを聞いてくれるかだ、彼女たちは人の好き嫌いが激しいからな」

女「だからといって検査までやる必要があったんですか?」

担任「彼女たちが好む人間はかなり希少な存在だ、だからといってその検査結果で強制的に日本海軍に入れるわけじゃないから安心してくれ」

友「そうなんすか」

担任「将来の道の1つとして考えてくれればいいよ」

友「なんで血液検査で相性なんてわかるんだろうな」ボソッ

男「なんでだろうな」

担任「名前を呼んだら取りに来てくれ、見方はAからDでAは相性がいいってことだ」

担任「伊藤~」

モブ「はーい、うわぁD判定」



―――
――

担任「男~」

男「うっす」

男「……ッ」ペリッ

『A』

友「どうだったよおまえ」

男「えっ?」

友「判定だよ」

男「あぁ……、D判定だよ」

友「だよなー、女ちゃんは?」

女「私はC判定だよ」

友「おぉー」

担任「さっさと授業始めるぞ~」

―――
――

担任「これによって、制海権を制した日本は艦娘と協力して周辺国の海域からも平和維持の名目で派遣されることになります」

男(A判定って珍しいのか?……まあいいや)

担任「海上自衛隊から日本海軍として独立した艦娘部隊は日本海軍停泊協定によって締結国への在留が認められている」

友「……zz」コクリコクリ

担任「友」

友「……ッ! は、はい」

担任「この日本海軍停泊協定の他に締結国の船を守ることを約束した条約はなんだ」

友「え、えっとぉ……」ペラペラ

男「160ページ」ボソッ

友「さんきゅー」ボソッ

友「日本海軍安全保障条約です」

担任「正解だ、この2つの協定と条約は事実上は日本の貿易航路を守るためにあるものだ」

担任「前者の協定は締結すれば日本という他国の軍隊を長期間招き入れることになるため後者の条約に比べて締結国は少ない」

担任「しかし自国を防衛する力がない島国などでは深海棲艦による米軍の撤退から締結国が増加している――」



―――
――

放課後

-駅前-


友「ゲーセンでもいかね?」

男「またかよ」

友「あー…つっても今月厳しいんだよなぁ」

男「ならやめとくか?」

友「お金は使ってなんぼだろ」

男「そうかよ」

友「足りなくなったら貸してくれよ?」

男「やだ、買いたい本あるし」

友「ケチ」

友「今日はなにするよ頭文○か?湾○か?」

男「なんでもいいよ、どうせお前が負けるだけだし」

友「負けるかよ」


―――
――

-自宅-




男「ごっそーさん」

妹「ん」

男「今日もうまかった」ガチャガチャ

妹「片付けもやっとくから」

男「少しぐらいは手伝わせろよなぁ」

妹「あんたがやっても邪魔なだけ」

男「厳しいなぁ」

男「お言葉に甘えて部屋で休んでるよ、先に風呂に入りたかったら入っていいから」

妹「ん」

男(ふぅ……)ガラッ……テクテクテク

男「……」ガチャッ

男「……」ボフン

男「疲れた……、結局友のやつに金貸したし……」ウトウト


―――
――

妹「おいこら」ゲシッ

男「うお!?」バッ

妹「お風呂、空いたけど」

男「ん、あぁ……寝ちゃったのか俺」

妹「先にはいらせてもらったから」

男「分かった」

妹「すごい汗、大丈夫?」スッ

男「あ、あぁ」

妹「……なに?」

男「……」ワシャワシャ

妹「ちょっ! 何急に頭撫でてんのッ」

男「……」ワシャワシャ

妹「髪の毛ボサボサになるでしょ……」




―――
――


-自室-


男「んっ……、22時かぁ」

男(コンビニでなんか買ってこようかな)ガチャッ……テクテク

男「おーい、妹」トントン

妹「なに?」ガチャッ

男「コンビニ行くけどなんか欲しいやつある?」

妹「……プリン」

男「プリンな、んじゃ行ってくるわ」

妹「いってらっしゃい」

男「10分ぐらいで帰るよ」ガチャッ




―――
――

-コンビニ-



男「こっちのデザートも捨てがたいな……、いやでもこっちのアイスも……」

男「んー……、シュークリームでいいかなぁ」

男(あとは妹へのプリン買って帰るか)



店員「シャーシター」

男「どうも」ウィィィィン

男「夜もちょっとずつ暑くなってきたな……」

男「……歩きながら食べるか」ガサゴソ

男「あむっ」モグモグ

男「あっ、反対からクリームが――」



バゴォォォォォォン!!!!


男「!?」

男「な、なんだ!?」

少女「……ッ!?」

男「女の子……?」

黒服1「居たぞ!」

黒服2「大人しくしろ!」バンバンッ

男「銃!?」

少女「一般市民がいるところで!!!」ガシャン!!

男(!? いきなり砲塔みたいなやつが現れた!?)

少女「くたばりなさい!」ドゴンッ!!!

黒服3「くっ!?」

少女「次は体を狙うわよ!!」ガシャン

黒服1「ひ、ひるむな! 足を狙って動きをとめろ!」パンパンッ

少女「くっ」キンキン

黒服2「装甲が邪魔で……」パンパン

少女「いい加減にしなさい!」ドゴンッ!!

バシャアアアアン!!

男(なんだなんだ!? なんでこんな女の子に銃なんて撃ってるんだよ!)

黒服3「どうせ俺たちを殺すことはしない、怯むな」スッ

少女「くっ」

男「やめろ!」バッ

少女「―っ!?」

黒服1「ッ!! 発砲中止だ!!!」

バンバンッ

男「ッ!?」

男(あれ……?もしかして撃たれたのか……?)ガクン

黒服1「何をやってるんだ馬鹿者!!」

黒服3「す、すいません!」

黒服2「大丈夫か君!」

男(やばい……意識が……)

少女「っ!」バッ

黒服2「まて!!」パンパン

黒服1「緊急事態だ――」

男(あぁ……)




―――
――


本日はここまでになります。
ゆっくりと更新させていきます。疑問点や質問などあったらどうぞお願いします

乙です。
俺はこの淡々とした会話が好きだな周りの廃れて時代が伝わってくる

中国は完全に崩壊して内部で戦争中なのか、ヨーロッパとかはどうなってんだろ

>>29
ありがとうございます
中国は複数の独立運動、国民の暴動や政治の汚職によって完全に崩壊した設定で、一部の力をつけた軍部、政治家などによって
各地を統治していて、日本との貿易を望む各統治場所と資源を貿易してたりします。
ヨーロッパは戦争寸前の緊迫した状況っていう感じです

父「父さんは必ず戻ってくる、そのあいだは家を頼んだぞ兄」

母「早く逃げなさい! 母さんのことはいいから!」

両親は死んだ。

深海棲艦によって2人とも殺されたのだ

父は自衛官だった、父は深海棲艦との戦いに敗れ戦死

母は深海棲艦から落とされた爆弾から僕たち兄妹をかばって死んだ

2人とも同じ日に亡くなった。

今日からは僕は妹を守らなければいけない

今日からずっと僕――俺は妹を――



―――
――

ピッ…ピッ…ピッ……


男「ん……」パチッ

男(知らない天井だ)

男(いや、まじでどこだここ……、病院か……?)グイッ

男「痛ッ!?」


ガシャンッ

男「!?」

妹「お、おおおお……おにっ」

男「よ、よお……妹……」

妹「……ッ、医者呼んでくる……」



―――
――

医師「記憶障害も残ってないみたいだ、障害はないと見ていいだろう」

妹「そうですか」

男「俺は何日ぐらい意識がなかったんですか?」

医師「今日で5日目だよ」

男「そ、そうっすか」

男「あの、俺に発砲してきた黒服のやつらや女の子のことは……」

医師「そのことについては刑事さんを呼んである、もうすぐ来ると思うから事情を説明するといい」

男「はい(事情聴取か……)」

妹「あんたの着替え持ってこないといけないから一度帰る」

男「すまんな」


―――
――

刑事1「それでコンビニの帰りにその黒服の連中に襲われたと?」

男「襲われていたのはその女の子で俺はそれをかばって撃たれたと思います」

刑事2「勇気ある行動だったねぇ、でも災難だったね」

刑事1「そうですか……」チラッ

刑事2「……」チラッ

刑事2「それではその黒服の連中をこちらで責任をもって捜査します」

刑事1「それと、今回の件は混乱を招く可能性があるのでご内密に」

刑事1「意識が戻ったところをわざわざすみませんね」ペコン

刑事2「では失礼します」

男「は、はい」

刑事2「それではお大事に」ガラッ

男(なんかあさっりしてんな、発砲事件だからもっと詳しく聞くと思ったけど……)

男(テレビテレビ……)ピッ

男(……)

男(あれほどの発砲音や爆音が聞こえて、俺も撃たれたのにニュースすらやっていない……)

友「男ぉぉおおおおおお!!!!」ガラッ

男「お、おう」

女「男!」

友「心配したんだぞ!このやろう!!」

看護師「院内は走らないでください!」

女「す、すみません」

看護師「まったくもう……、よかったですね」

友「5日間も何してんだよおまえ!」

男「意識がないから仕方がないだろ……」

女「ほんとによかった……」グスッ

男「お、おい泣くなよ」

女「だって本当に心配したんだよ……」フキフキ

男「すまん」

友「どのぐらいで退院できるんだ?」

男「とりあえず1週間は絶対安静、そのあとは治癒の経過で決めるってさ」

友「そうかそうか」

女「これ、授業ノート、それにクラスメイトからのメッセージだよ」

男「さんきゅー」

男「担任のメッセージ長すぎだろ……」

友「それだけ心配されてたんだよ」

女「いい先生だよ、それとあとで担任も見舞いにくるって言ってたよ」

男「なんかいろいろ怒られそう」

友「大人しく怒られてろ」

男「はいはい」

友「それとおまえ」

男「?」

友「妹ちゃんに感謝しとけよ、この5日間ずっとおまえのこと見てくれてたからな」

男「ずっと?」

友「何回か妹ちゃんのクラスの担任が迎えに来るぐらいおまえの傍から離れなかったからな」

女「お兄ちゃん思いのいい妹だね……」

男「そ、そうなのか」



―――
――

男(……暇だな)

妹「……」ガラッ

男「着替え持ってきたか?」

妹「はい」ボフッ

男「うぶッ」

妹「それとスマホとゲームも持ってきた」

男「ちょうど暇だなって思ったんだよ」

妹「ふーん……」

男(よく見たら髪もボサボサ、目は赤いしクマもひどい……)

男「妹」

妹「なに?」

男「ありがとな」ニコッ

妹「ッ!な、なに急に」

男「友から聞いたよ、ずっと俺の傍に居てくれたんだってな」

妹「べ、別に、家族として当然のことでしょ……」

男「全然寝てないだろおまえ、それに飯もほとんど食べてない」

妹「うっさい」

男「……」ワシャワシャ

妹「あ、頭撫でるな!」

男「ありがとな」ワシャワシャ

男「ダメなお兄ちゃんでごめんな」ワシャワシャ

妹「―ッ! べ、別にそんなこと……ヒグッ……思って……グスッ」

男「ほらほら、お兄ちゃんの胸の中でいっぱい泣け」ダキッ

妹「き、きもちわるい」グスッ

妹「うぅぅ……、心配かけやがって……」

男「ごめんなごめんな」ポンポン


―――
――

-五日前-



妹(コンビニ行ったわりには遅いなぁ……)

妹(コンビニで立ち読みでもしてるのかなお兄ちゃ――あいつ)




妹(……遅すぎない? もう1時間経過しそうだけど)

prprpr……

妹(電話?)

妹「もしもし、はい……え? はい、男はうちの兄ですが……」

妹「ッ!? う、撃たれた!? 意識不明!? は、はい……はい…」

妹「いまから行きます」

妹「明日? いえ、今から向かいます、では」ガチャン

妹「嘘だよ嘘だよね……」

妹「は、はやく病院にむかわないと……」グスッ

妹「お母さんお父さん、お兄ちゃんを助けて」



―――
――

妹「ん……」グスッ

男「起きたか?」

妹「あぁ、寝ちゃった……」ゴシゴシ

男「いいんだよ」

妹「そろそろ家に帰る」

男「いつものお前に戻ったな」

妹「うっさい」

男「気をつけてかえれよ」

妹「あんたには言われたくない」

男「確かに」

妹「ま、また明日もくるから」チラッ

男「おう」

妹「お大事に」ガラッ バタン

男「言ったか……」

>>39
誤字です
男「言ったか……」
   ↓
男「行ったか……」

シーン……


男「おふぅ……、なんか一気に静かになったな」

男(この病室こんな広かったんだ……、テレビでもつけるか)ピッ

ニュース『続いてのニュースです』

ニュース『欧州では緊迫が高まり、国民も戦争色に染まりつつあります』

ニュース『EUが取り決めた資源分割法案に一部のEU加盟国や欧州諸国から反対の声があがっております』

ニュース『ドイツを始めとした国力の高い国が有利だと各国からは非難が出ており―――』

男(今は深海棲艦と戦わなければいけないのに……、どこもかしこも人間同士……)

ニュース『この法案の可決前にイギリスが秘密裏にロシアを始めアラブ諸国と大量の石油や鉱物資源を取引したとして』

ニュース『フランスなど各国が非難を強めており、北海油田を独占しているとしてイギリス、ノルウェーに対して――』

男(女からもらったノート見ておこうかな……)ガサガサ

ニュース『これ以上のイギリスの資源獲得は他の国の存在に関わるとしてフランスはイギリスとの戦争も辞さないと発表しております。』

ニュース『先日から行われているフランス軍によるイギリスの唯一の大陸との交通および安全貿易ルートである英仏海峡トンネルの封鎖行為をイギリスは――』ピッ

男(やっぱ明日でいいやゲームするか……)

また時間ができれば本日中に投下していきたいです

―――
――




-病室-


男「入院生活2週目か……」

男「暇だな」

ガタンガタン

男「ん? 誰すか?」

?「……」

男「入ってこねぇ……(見てみるか)」ガタッ

男「あのー」ガラッ

男「誰もいない……、ん?なんだこの袋」ガサッ

男「シュークリーム?、誰だろうな……」


―――
――

妹「シュークリーム?」

男「あぁ、今日の昼に見舞いにきたのか?」

妹「なわけないじゃん、こっちは学校だよ」リンゴムキムキ

男「だよな、だったら友や女もありえないよな」

妹「それで、そのシュークリーム食べたの?」

男「まあ」

妹「誰がくれたか分からないやつをよく食べれるね……」

男「おいしかったぞ」

妹「味なんて聞いてないけど……、リンゴできた」スッ

男「さんきゅー」シャリッ

男「うまいうまい」シャリッ

妹「あっそ」フイッ

男「ほい」スッ

妹「な、なに?」

男「リンゴ、お前も食えよ」ホレホレ

妹「じ、自分で食べれる」シャリッ

男「とか言って食ってんじゃん」

妹「うっさい」



―――
――

-自宅-



男(あれから毎日のようにシュークリームが届き続けて晴れて退院したわけだが……、結局誰か分からんままだな)

妹「退院おめでとう」

男「おうおう、久しぶりの我が家だな」

妹「無茶しないで」

男「わかってるよ」

男「おぉ、愛しき我がソファーよ」ダラン

妹「だらけすぎ」

男「今日だけはだらけるぞ」ピッ

ニュース『続いてのニュースです』

ニュース『先月より激しさを増していた旧中国領の武力衝突は日本の介入によって一時停戦が決定しました』

ニュース『旧山東省まで拡大していたこの武力衝突は日本の貿易ルートへと迫っておりこれを危惧した政府は――』

妹「はい、アイス」

男「さんきゅー」モグモグ

ニュース『しかし、欧州では戦争突入が避けられない事態となっております』

ニュース『先月から英仏海峡トンネルを封鎖していたフランスに対してイギリスは』

ニュース『次に物資を積載した貨物列車をフランスおよび他国が無断で止めた場合には断固なる措置を取ると発表しており』

ニュース『すでにイギリスのドーバー海峡にほど近いケント州にはイギリス軍が集結しつつあります』

ニュース『これに対してフランスは非常事態宣言を発令し、大変強い非難をイギリスへ向けてフランス軍を――』ピッ


男「ちょっと、本屋行ってくるよ」

妹「う、うん」

男「いやいや、もうあんなことには巻き込まれないって」

妹「分かってる」

男「行ってくるわ」ガチャッ

男「ふー……、久しぶりの外出だな」



―――
――

-本屋-



男「これください」

店員「シャース、アザース」

男「よし……」

男「新しい漫画も買ったしそろそろ帰るかー」ピロン

男「通知だ」スッ


 妹:ねぇ、何時ぐらいに帰ってくんの? 17:22

 妹:ちょっと 17:28

 妹: いつぐらいに帰る? 17:39


男「やっべ、通知溜まってんじゃん」スッ


 男: いまから帰る 17:40

 妹: 返信遅すぎ、分かった 17:40



男(心配性だなぁ)ウィィィン 

男「ちょっと暑いな」テクテク

??「……」コソコソ

男「友からもなんかきてるな……」スッ

男「ハハハ、なにやってんだよあいつ」

??「……」コソコソ

男(なんかあれだよな、うん……)

男(なんか後ろにいる)

??「……」テクテク

男(またあの黒服か?勘弁してくれよ……)

男(あの裏路地入ったらダッシュする)

男(いくぞ!)ダッシュ!

??「なッ……!」バタバタ

男(お、追ってきてる!? てか傷口いてぇ!!)バタバタ

??「ま、待ちなさいよ!!」

男(女の子?)ピタッ

??「ちょ!?」

ドシーン

男「こ、腰が……」ハァハァ

??「急に止まらないで……」ハァハァ

男「お、おまえ!」

少女「なによ」ギロッ

男「あの時の……」

少女「立てる?」スッ

男「さ、さんきゅー」スッ

少女「ッ!」バッ

男「なっ!」ガシッ

男(じ、地面に押さえつけられた……、動けねぇ)

少女「そのままの状態で動かないで」カッ

男(や、やり? そんな長い棒どこに隠し持っていたんだ!?)

男「う、動かねぇよ……(というか動けない)」

少女「いいわ、その調子でじっとしてなさい」

少女「確かこの辺よね」バッ

男「なっ!? なに服捲ってんだよ!」

少女「……よかった、致命傷は避けてるわね」

少女「この期間で退院できるってことは大丈夫ってことか……」

男「あの時のことか」

少女「えぇ、取り押さえて悪かったわね」スッ

男「あ、ああ」

男「あとさ」

少女「なによ」

男「ここのところ、ずっと病室の前にシュークリーム置いてたのっておまえ?」

少女「だ、だったらなによ!」

男「おまえだったのかよ……」

少女「だって普通に見舞いに行くのもおかしいし、見舞いの品を持ってこうにも……」ブツブツ

男「あと1つ」

少女「なによ」

男「お前って艦娘だよな?」

少女「ッ!」バッ シャキンッ

男「まてまて!! その槍みたいなやつおろしてくれよ!!」

少女「あんたの言っているとおり艦娘よ」

少女「だったらなに? 通報して私を差し出すのかしら?」スッ

男「んなこといってねぇだろ……」

男(本当に艦娘だったのか、実際に見るのは初めてだな……)

少女「そう」

男(見た目は普通の女の子だ)

少女「あんたの傷がそこまで深くないのを確認したかっただけよ」

男「男」

少女「は?」

男「俺の名前だよ、さっきからあんたって言うから」

少女「そう」

男「いや、おまえの名前は?」

少女「なんで名乗らないといけないのよ」

男「……なんて呼べばいいんだよ」

少女「はぁ……、叢雲よ」

男「叢雲?」

叢雲「二度と会うことはないでしょうけどね、覚えてなさい」

男「分かったむらく――」バッ

叢雲「ッ――!」スッ

男「こ、今度はなんだ――んんん!!」

叢雲「静かになさい、くっ……、あいつらこんなところまで追ってくるなんて」

黒服「……」キョロキョロ

黒服「……」

叢雲「まずいわね、あんたを逃がしてもいいけど確か面識があったわね……」

叢雲(素直にこいつのことをスルーしてくれればいいけど、一度目撃しているから見つかったらこいつも捕まりそうね)

男(あの時の黒服!?)

叢雲「はぁ……、仕方がないわね」

男「?」

叢雲「ついてきなさい」

男「な、なんで?」

叢雲「なんでって、あんたもあの黒服連中に捕まってもいいわけ?」

男「……分かった」

叢雲「こっちよ」クイッ



―――
――




また時間があれば投下していきます。

男「ここはどこなんだ?」

叢雲「地下水路よ」

男「そんなのがあったんだな」

叢雲「深海棲艦の沿岸部攻撃以降は人がいなくなって使われることもなくなったわ」

男「ということは沿岸部へ向かってるのか!?」

叢雲「そうよ」

男「沿岸部は工事のために全面立ち入り禁止だろ?」

叢雲「いいから黙ってついてきなさい」

男「お、おぅ……」

叢雲「真実ってのを見せてあげるわ」



―――
――

-沿岸部壁外区-


叢雲「それじゃあ開けるわよ」ガチャッ

ヒュゥゥゥゥ……

男「ッ……」

叢雲「深海棲艦が大攻勢を仕掛けたあの日から手付かずのままよ」

男「ひどいな、ここは復興工事は行われてないのか?」

叢雲「行われてないっていうよりも行う気がないのよ」

男「どういうことだ?」

叢雲「ここは切り捨てられた場所ってことよ」

男「?」

叢雲「後ろを見なさい」

男「防護壁」

叢雲「そう、ここは関東の防護壁で唯一陸の上に建てられた場所、それでは前には?」

男「海だろ? 何が言いたいんだ?」

叢雲「ついてきなさい」



―――
――

男「ひ、人!?」しかもこんな人数」

壁内住民「おかえり叢雲ちゃん!」

壁内住民2「おかえりー」

壁内住民3「そいつは誰だい?」

叢雲「後で説明するわ」

壁内住民4「兄ちゃん、見ない顔だな」


-廃ビル-


叢雲「ふぅ……、ここならゆっくり話せるわね」

男「あぁ、なんで立ち入り禁止の沿岸部に人が?」

叢雲「それがこの国の隠したいところよ」

男「どういうことだ?」

叢雲「あんた、この話をしても絶対に他に教えないって誓える?」

男「それは聞いてみないと分からない」

叢雲「嘘よ、どうせこの話を他の人に言えばあんたが捕まるだけね」

男「……?」

叢雲「6年前の深海棲艦の関東大攻勢を知ってるわよね」

男「ッ……」

叢雲「いいわ、その顔はあんたも何かしら起きたってことね」

叢雲「あれによって多くの建物が壊れ、多くの命がなくなったわ」

叢雲「その時に多くの行き場を失った人がいた」

男「……」

叢雲「その当時は艦娘も存在せず、防護壁を建造している最中だった」

叢雲「当然、経済は急激に低迷して日本の崩壊とまで言われた時代よ」

叢雲「そんな時代に大量の行き場を失った人がいたのよ」

叢雲「国は防護壁の建造に金を回し、大量の避難民全員の面倒を見る余裕なんてなかったわ」

叢雲「当然のことよ、はやく壁を作らなければ被害者は増えるばかりだったわ」

叢雲「そのため、国は一時的に手が回らない避難民をここに移住させた」

男「まさか……」

叢雲「えぇ、そのまさかってことね」

叢雲「国は壁を完成させ、まるで壁の外に取り残された避難民をなかったかのように扱ったのよ」

男「そんなばかな!」

叢雲「事実よ、あのときは情報すら錯綜していて避難民の存在、ここに移住させたことすら知っている者は少なかったわ」

叢雲「それから艦娘の出現によって、日本は周辺の貿易航路を確保することができるようになったのは知ってるわよね」

男「あ、あぁ」

叢雲「満足に工業製品を作れない他の島国にとっては日本は唯一の貿易国になったわ、それから日本の経済は潤い成長していった」

男「なら、ここにいる人たちの生活を保護することもできるんじゃ……」

叢雲「そこまで単純じゃないわ」

叢雲「この国のトップたちにとってこの事実はまさに隠したい物なのよ、こんなことが公の場に晒されれば確実にマイナス要素になるわ」

叢雲「この国は世界でも存在感を増しているわ、、まさに日本は台頭している」

叢雲「そんな時にこんな非人道的な事実が知られたらどうなるか分からない」

男「だからここの人たちは放置なのか」

叢雲「えぇ」

男「だったら、脱出するなりできるだろ?」

叢雲「さっきも言ったわよね、後ろは対深海棲艦の用の分厚い防護壁、前は海って」

男「っ!」

叢雲「海を渡ったとしても防護壁で陸が囲まれて上陸なんてできないのよ」

男「でもさっき俺らが来たような抜け道があるじゃないか」

叢雲「その抜け道からここいる大量の人々が脱出したらどうなると思うのよ?」

男「そ、それは」

叢雲「ただでは済まされない、存在すら揉み消されるかもしれないわ」

男「……」

叢雲「あんたも見たでしょ、黒服を」

男「あいつらに追われるってことか」

叢雲「そう、でもあいつらがあそこまで追ってくるのは私が艦娘ってこともあるわ」

男「なんで叢雲は軍に入って深海棲艦を倒さないんだ?」

叢雲「ここの人たちを無視して入隊しろと?」ギロッ

男「いやそういう意味で……」

叢雲「分かってるわ、でもこんな現状を無視している上の連中の言うことを聞きたくないだけよ」

叢雲「奴らも馬鹿じゃないわ、私が艦娘だから下手には手を出せない」

男「そうか……」

叢雲「フフ、なんであんた何かにこんなこと喋ったのかしらね、気分はどう?」

男「最悪」

叢雲「でしょうね」

男「ここに他の艦娘はいるのか?」

叢雲「いるわ」

叢雲「外に出ましょうか」

-ビル街-




男「お前はどれだけここにいるんだ?」

叢雲「1年半ぐらいよ」

男「……そうか」

叢雲「人間の生命力って凄いわね、こんなコンクリートジャングルだった街の道路に畑まで作るから」

男「あぁ」

叢雲「不知火、弥生ちょっと来て」

不知火「なんでしょうか」

弥生「なに……?」

叢雲「こいつがこの前私が言ってた一般人よ」

不知火「あぁ、叢雲をかばった王子様で合ってますか?」

弥生「王子様」

叢雲「馬鹿言ってんじゃないわよ」

不知火「冗談です」

弥生「えっと……、弥生です」

男「どうも、男っす……」

不知火「不知火です」

叢雲「この子たちのほかにも艦娘は居るわ、今は外に出てたり他のことをして近くには居ないわ」

男「なんのために外に?」

叢雲「情報集めや、ここでは手に入らない物資を補充するためよ」

男「そうか……」

叢雲「さて、そろそろ遅くなるからあんたを帰すわ」

男「お、おう」


―――
――

-地下水路-



叢雲「いい? この件は他言無用よ、これを言えばあんた自身どうなるか分からないわ」

叢雲「それが嫌ならいつもの日常に戻りなさい、壁の向こうには二度と来るんじゃないわよ」

男「あ、あぁ……」

叢雲「この道をまっすぐ言って梯子を登れば橋の下に出れるわ」

男「分かった」

叢雲「言えなかったけど、あの時のことは感謝しているわ」

叢雲「いらない世話だったけど」

男「……」

叢雲「あ、ありがと」

男「おう」

叢雲「気をつけて帰りなさいよ」




―――
――

また時間ができれば投下していきたいです。
設定がややこしくなってくるので分からないところや意見があればお気軽にどうぞ



なんか、アルペジオみたいな世界になってるな。
そら、霧も来るわ……。

>>71
霧の艦隊も深海棲艦も人からしたら同じようなものですからね、結局は同じような世界観になってしまいますが許してください><

-自宅-




妹「なんか言うことは?」

男「言い訳もございません」

妹「馬鹿!」ポカッ

男「痛い!」

妹「アホ!」ペシンッ

男「やめ」

妹「分からずや!」ゲシッ

男「ぐげっ!」

妹「本当に本当に心配したんだから」ジワッ

妹「また撃たれたんじゃないかって」ゴシゴシ

男「す、すまん」

妹「本当に……うぅぅ……」

男「元気出せって」ギュッ

妹「き、きしょい触るなぁ……」ペシッ

男「はいはい」ポンポン

妹「……ねぇ」

男「ん?」

妹「なんでこんなに遅くなったの?」

男「えっ、だから昔の友達にあって」

妹「あんたの体から女の人の匂いがするんだけど……」

男「えっ」クンクン

妹「ねぇ、こんな時間まで妹を心配させてその"女の子"の友達と何してた?」

男「な、なんもしてねぇし!」

妹「へぇ……、女の子は否定しないんだ」ゴゴゴゴゴ……

男「ちょ!?えっ!」

妹「歯食いしばってね、お兄ちゃん」ニコリ


パシーン……




―――
――

-学校-



友「どうよ、久しぶりの学校」

男「授業についていけるか不安」

友「だろうなぁ」

女「ていうか男はなんでほっぺた赤いの?」

男「いろいろありまして……」

友「いろいろ?」

男「詳しくは聞かないでくれ」

友「ふーん」

叢雲『それが嫌ならいつもの日常に戻りなさい』

男(いつもの日常……)

友「お、担任来たから席に戻るわ」

女「そうだね」

担任「はい、席につけー」

担任「はーい、今回は転校生を紹介するぞ」

モブ「え? 転校生?」

友「そんなの聞いてないっすよ」

担任「急な届けだったからな」

 メズラシー ドンナコダロー

担任「入ってこい」ガラッ

??「はい」

モブ「うぉ……」

女「髪綺麗……」

ウォォ ビジンダナァ

担任「それじゃあ、自己紹介お願い」

飛鷹「飛鷹(ひだか) 出雲です、よろしくおねがいします」ペコッ

友「うぉぉぉ!! なんかどっかのお嬢様に見えるぞ!」

男(綺麗な髪してんなー)

飛鷹「……」キョロキョロ チラッ

男「?」

担任「飛鷹はあの空いてる席な」

飛鷹「ありがとうございます」ニコッ

 アルクスガタモキヒンアル…… イイナァ……



モブ実「出雲ちゃんはどこからきたのー?」

モブ「趣味ってなんですか!?」


 ワイワイワイ ガヤガヤ



友「ふぇー、すげぇべっぴんさんが来たもんだなぁ」

女「びっくりしちゃうよね」

男「気になるなら話してこいよ」

女「んー、もうちょっと人が減ってからでいいかな」

友「ていうか珍しい制服だよな」

女「うん、黒色のセーラー服ってあんまり見たことないかも」

男「確かに」



―――
――

3時限目  



担任「――これにより日本海軍停泊協定の締結国の一部には泊地と呼ばれる日本海軍の拠点が設置され」

担任「泊地は管轄海域の平和維持に努め、周辺海域監視や船団護衛などを主な任務としている」

男「……」

男(なんかあれだな……、昨日の壁の外の出来事がまるで夢だったみたいに思えるんだよな……)

担任「すでに日本海軍の拠点は国内に5箇所、諸外国に6箇所となっており、これは更に増加中である」

担任「しかし、艦娘との適合者の数は大変に少なくそれによって拠点設置の速度が遅れている問題もある」

担任「現在の日本海軍は旧中国、ロシア、東南アジア諸国、豪州との貿易路の完全安定を目指しており」

担任「さらにはインド洋、ベーリング海での貿易航路を確立するのが狙いとなっている」

男「……?」

飛鷹「……」チラッ

男(ん?)



―――
――



本日はここまでです。
感想など言ってくれて感謝しています、ほかにも意見や感想があればお気軽にお願いします

昼休み


-教室-


友「やっと昼飯かぁ」

男「授業さっぱりなんだが」

友「いつもそうだろ」

男「うるせぇ」

友「今日はコンビニで弁当買ったから購買は行かなくていいわ」

男「ほーん」

友「お前は相変わらず愛妻弁当かー……、いいなぁ」

男「違うって」

友「さてさて、食べますか」

男「いただきまーす」

女「それじゃあ行こうか」

飛鷹「ええ」

友「あれ、女ちゃんどうしたの?」

女「飛鷹さん、お弁当ないみたいだから購買の場所を教えようかなって」

男「へぇ」

飛鷹「よろしくお願いしますね」ペコッ

男「うっす、俺は男」

友「よろしくー、友っていいますー」

女「行こっか」ガラッ

飛鷹「はい」

友「あぁ、飛鷹ちゃん綺麗だなー」

男「髪が綺麗だな」

友「だよな、俺もあんな彼女欲しいわ」

男「んー、どうだろ」

友「おいおい女ちゃんとはどうなんだよ」クイクイ

男「な、なんもねえよ」

友「ほんとかぁ~」ジロー

男「あいつとは中学からの同級生ってだけだ」

友「ほ~ん」

男(殴りてぇ)

友「もう6月も終わるしなぁ、暑くなってきたよな」

男「まだまだ梅雨は続くけどな」

友「嫌になるわ」




―――
――


-自宅-



妹「~♪」グツグツ

テレビ『なんでやねん!』

男(このお笑いつまんねー……)

妹「~♪」

男(妹も機嫌戻ったしよかった)

ピーンポーン

妹「誰だろ?」

男「いいよ、俺が出るから」ガチャッ

妹「うん」

男「はーい」ガチャッ

飛鷹「……」

男「うおっ」ビクッ

飛鷹「どうも」ニコッ

男「ひ、飛鷹さん」

飛鷹「話があるの、少しいいかしら?」

男「なんで俺の家知ってんだ……(昼間と喋り方が少し違う?)」

飛鷹「それも含めて話します」

-自室-



男「……」

飛鷹「……」

男(なにこの状況……)

飛鷹「それで話の方ですが」

男「は、はい」

飛鷹「率直に言うと、私はあなたの監視をするために軍から派遣されました」

男「!? どういうことだ……?」

飛鷹「身に覚えがないってのはないでしょ?」

男「……ッ(まさか俺が壁外に行ったことを?)」

飛鷹「あなたが撃たれて負傷した日にあなたは艦娘を目撃したでしょ?」

男「覚えてない」

飛鷹「とぼけなくてもいいわ」

飛鷹「それから、入院中にその艦娘はあなたに接触を何度もしているはずよ」

男「……」

飛鷹「シュークリーム」

男「なんで知ってるんだよ」

飛鷹「軍を舐めないで、あなたの監視ぐらいしているわ」

男「そうか……」

飛鷹「それからあなたはその艦娘と接触したことは確認されてないわ」

男(俺が壁外に行ったことは知られてない……?)

飛鷹「接触してない、それでいいわよね?」

男「あ、ああ」

飛鷹「そう」

飛鷹「忠告よ、もしその艦娘もしくはその仲間が接触してきたらすぐに通報しなさい」

男「なんで……?」

飛鷹「本来は深海棲艦を倒し人類を守るのが艦娘の仕事なのよ」

飛鷹「そんな彼女たちが国を守らず逃走を続ける、これほど危ないことはないのよ」

男「なんでそうだって決めつけられるんだ?」

飛鷹「……私も艦娘だからです」

男「!?」

飛鷹「戦力は不足しているの、なのに彼女たちは身勝手な行動ばかりをしている」

飛鷹「軍の情報によれば彼女たちは国家転覆を計画しているとも言われているわ」

男「そんな!」

飛鷹「なに?」ジロッ

男「……っ、なんでもない」

飛鷹「本来の任務内容に私はあなたへの忠告は入ってません」

飛鷹「これは私の甘さであなたに忠告するわ、私が監視している時に下手な行動は取らないで頂戴」

飛鷹「分かりましたか?」

男「あ、あぁ」

飛鷹「それでは夜遅くに失礼したわね」スッ

飛鷹「それと、あなたは私の事やその艦娘のことについて周りに喋らないように」

男「……分かってるよ」

-玄関-



妹「あれ、もう帰るんですか?」

飛鷹「はい」ニコリ

妹「そうですか」

飛鷹「お邪魔しました」

男「き、気をつけてな」

飛鷹「また明日」フリフリ

男「お、おう」

バタン……



妹「……」

男「……」

妹「……帰ったね」

男「そうだな」

妹「……綺麗な人だったね」

男「そうか?」

妹「あの人は誰?」

男「今日、転校してきた子」

妹「なんで来たばかりの子があんたのところに?」

男「なんでだろうな……」

妹「……まあいいけど」プイッ

男「お、おう?」

妹「ごはん食べよ」

―――
――



ニュース『依然としてイギリス軍とフランス軍は海峡を挟んで睨み合っております。』

ニュース『ロシアからの資材を積んだ貨物列車が英仏海峡トンネルを通過するまでのタイムリミットが迫っており』

ニュース『欧州一帯は緊迫した空気に包まれています』

ニュース『イギリスは今回の貨物列車を無断で停車させた場合には我が国への宣戦布告として断固なる処置を取るとしており』

ニュース『それに対してフランスを始めとした欧州の一部諸国もそれに対抗する構えとなっております』

ニュース『一方、資源を提供したロシアはイギリスとは正当な取引をしたとして我が国に非はないと―――』

妹「アイス」

男「さんきゅー」ペリッ

男「うまうま」モグモグ

ニュース『欧州以外の各国ではこの両国の処置に非難する声明が次々と挙がっており』

ニュース『もしも英仏間で戦争が勃発すれば欧州を始め他のアラブ諸国や旧中国領などへ飛び火する可能性があり』

ニュース『文字通り世界戦争へ突入する恐れがあるとして、日米加豪印が合同で即時両軍の撤退を求める声明を発表しました』

ニュース『この声明を受け、イギリスとフランスは―――』ピッ

妹「観たいドラマやるから」

男「げっ」

妹「~♪」

男「宿題やってくるかな……」

また時間ができれば投下していきます。

―――
――



次の日


-学校-

友「女ちゃん、飛鷹ちゃんおはよ」

女「おはよう」

飛鷹「おはようございます」

男「お、おはよ」

友「どうした男?」

男「なんでもない」

男(疲れるなぁ……)



―――
――

二時限目


担任「深海棲艦によって太平洋、インド洋の大部分、大西洋、北極海、南極海を使っての貿易は不可能となっている」 

担任「それらから現時点の日本は鉱物資源の多くを東南アジアやオーストラリア、ロシア、旧中国から輸入しており」

担任「特に東南アジア諸国やロシアとは両国ともにさらなる貿易航路確保のために泊地設置の許可や港への交通網の強化を行っている」

担任「しかし一方では米国との関係が停滞して――」

男「……」チラッ

飛鷹「……」ジー

男(勘弁してくれよ……)




―――
――




昼休み


男「あっ、飲み物ないから買ってくるわ」

友「まじ? ならついていこうか?」

男「いやいいよ、先に食っててくれ」

友「おう」

男「ちょっと行ってくる」ガラッ

飛鷹「……」スッ

男(財布にいくらあったっけ)

男(カフェオレにするか……)

男(いちごオレでもいいかもな)

飛鷹「……」


-自販機前-




男「あの、なんで付いてきてんすか……」

飛鷹「気のせいですよ」ニコッ

男「なら先に買っていいぞ」

飛鷹「いえ、買いたいものはないので」ニコッ

男(監視目的ですか……)

男「そっか……」ピッ ガコン

男「ほい」ポイッ

飛鷹「えっ」パシッ

男「奢りだよ、豆乳コーヒー」

飛鷹「別に頼んでませんが……」

男「けっこう美味しいんだぜ」チュー……

飛鷹「……」チュー

飛鷹「……まあまあね」

男「やっと素のお前がでたな」

飛鷹「っ!///」

飛鷹「何を言っているのですか?」ニコッ

男「もどるのはえーよ」

飛鷹「あまり歩かれると迷惑なので教室に戻ってください」ニコッ

男「お、おう」




―――
――


放課後


-教室-




男「授業に全然ついていけないんだが」

女「一ヶ月ぐらいいなかったからね……」

友「でも来年は俺らも大学受験とかしないといかんし、ちょっとまずいよな」

男「将来の話なんてするなよ」

女「んー、勉強会とかする?」

友「いいね」

男「えぇ~」

友「おまえのための勉強会だろ……」

女「そうだぞー」

男「はぁ……」

男「なら俺の家でいいか?」

飛鷹「あの、私も参加させていただいてよろしいですか?」

男「っ!?」

友「飛鷹ちゃんも!?」

飛鷹「この学校に転校してきたばかりで授業の進行具合とかが違うので」

女「確かに、いいよね?」

男「そ、そうだな」

飛鷹「ありがとうございます」ニコッ

友「そうと決まれば早くいくぞー」

男「はいはい」

友「あ……」

男「?」

女「どうしたの?」

友「今日バイトじゃん!!」

男「おっつー」

女「じゃあねー」

飛鷹「また明日」ペコッ

友「ちょ!?お前らひどくね!!」




―――
――



-自室-



女「ほぇー、男の家来たの久しぶりかも」

男「そうだっけ?」

飛鷹「お二人は昔からの知り合いなんですか?」

女「中学の時に知り合って友達になったって感じだよ」

飛鷹「そうなのですね」

男(この人怖い)

女「数学から始めようか」

飛鷹「そうですね」

男「最悪」

女「テレビ観ながらでいい?」

男「ああ」

女「よっと」ピッ

ニュース『事態は急展開を迎えました』

ニュース『日米加豪印共同声明を受けたフランスとイギリスの両国は緊急の電話会談を行い、両軍の即時撤退を決定しました』

ニュース『その際に両国は独断で鉱物資源と農作物を配給し合うことを決定し、英仏海峡トンネル閉鎖が解除された模様です』

ニュース『この両国の決定を欧州各国が反発しており』

ニュース『特にドイツはフランスに対して裏切り者という言葉を使うなどして強い対応とっております』

ニュース『さらにドイツ、イタリア、スペインの三国はフランスへ通じるすべての鉄道、道路の封鎖を決定したと声明を発表』

ニュース『これに対してイギリスとフランスの両国は強く反発しており欧州は新たな―――』

女「うひゃー……、なんかいろいろ状況が変わってるけど戦争かなこれ」

飛鷹「……」

男「かもなー」

女「今は深海棲艦を倒さないといけないのに何やってるんだろうね、飛鷹さんはどう思う?」

飛鷹「そうですね……、イギリスとフランスはかなり不利な気がしますね」

女「そうなんだ」

飛鷹「対立している国の数があるっていうのもありますが」

飛鷹「確かにイギリスとフランスは欧州を代表する技術先進国で軍事大国でもあります」

女「確かにこの2国は強そうだもんね」

飛鷹「それでも反発している国にもドイツのような同じく大国も存在しますし」

飛鷹「長期戦になった場合、海洋封鎖されている現時点では通常の巡洋艦、駆逐艦、空母、揚陸艦などは満足に使えませんし、補給路がありません」

飛鷹「北海油田が潰されればかなりの大打撃になるでしょう、まだロシアなどの他の国の動向によって変わりますが……」

女「ほぇ~、飛鷹さん詳しいー」

男(さすが軍属なのか?)

飛鷹「す、すいません、いきなり偉そうに語ってしまって」

女「大丈夫だよ、むしろためになったよ」

飛鷹「それならよかったです、勉強を始めますか」

女「そうだね」

男「……おう」




―――
――

-玄関-



妹「両手に花……」

男「ちげぇよ!」

女「妹ちゃん久しぶり」

妹「お久しぶりです」

飛鷹「昨日はどうも」ペコッ

女「昨日なんかあったの?」

男「あーっと、なんかあれだよあれ」

女「あれ?」

飛鷹「男くんがノートの忘れ物をしたので先生に住所を聞いて届けたんです」

男「そ、そうそう」

女「そうなんだ」

妹「自分も初めて知りました」

男「飛鷹さんには感謝してますわー」

飛鷹「もう忘れないでくださいね」クスッ

女「……」

妹「……」

女「えっと、そろそろ帰ろうか」

飛鷹「そうですね」

男「今日はありがとな」

女「飛鷹さん頭良くて驚いたよ」

男「教えてあげるはずなのに教えてもらっちゃったよな」

女「だね、それじゃあね」ガチャッ

妹「あんた駅まで送っていきなさいよ」

飛鷹「別に大丈夫ですよ」

男「んー、送ってくわ」

女「お言葉に甘えようかな」

男「んじゃ妹、駅まで2人を送ってくるわ」

妹「ご飯の準備しとく」




―――
――

-駅前-



女「もしもしお母さん? うん、今帰るところだよ――」

飛鷹「いい妹さんね」

男「だろ」

飛鷹「この調子であなたは生活すればいいの」

男「……分かってるよ」

飛鷹「忠告した通り、彼女たちが接触したらすぐに伝えなさい」

男「伝えるってどこにだよ」

飛鷹「あなたの端末に私の電話番号を入れておいたわ」

男「は!? いつの間にそんなことしたんだよ!」

飛鷹「勉強会の最中によ」

男「盗聴器とか仕掛けてないだろうなおまえ……」

飛鷹「どうでしょうね」クスッ

男「洒落になんねーよ」

女「はーい、うんじゃあねー」ピッ

女「二人共なに話してるの?」

飛鷹「明日の授業のことについてですよ」ニコッ

女「あー、明日って宿題の提出あったよね」

飛鷹「そうですね」

女「おっと、もう駅か」

男「ん、気をつけて帰れよ」

女「見送りありがとね」

飛鷹「ありがとうございます」

男「別にいいよ、じゃあな」



―――
――

男(すっかり暗いな、寄り道すると妹がまた不機嫌になるからな)

男「……」

叢雲「ねぇ」

男「うお!?」

叢雲「久しぶり」

男「ひ、久しぶりだな」

男「二度と会うことはなかったんじゃ?」

叢雲「状況が変わったのよ、来なさい」

男「お、おう……」




―――
――

-裏路地-



叢雲「あんた、軍からの監視がついているわよね」

男「知ってたのか」

叢雲「当然じゃない」

男「……だからってなんでまた接触してきたんだ」

叢雲「忠告しにきたのよ」

男「忠告?」

叢雲「あいつらの情報を鵜呑みにするんじゃないわよ」

男「分かってるよ」

叢雲「それとあと一つ」

男「なんだよ」

叢雲「あんたって高相性者よね」

男「高相性者?」

叢雲「艦娘との相性がいい人のことよ」

男「あぁ……」

叢雲「検査結果は?」

男「……A」

叢雲「やっぱりか」

叢雲「だから、妙に奴らがあんたに接触しているわけね」

男「どういうことだよ」

叢雲「習わなかったのかしら、あんたのような高相性者は少ないのよ」

叢雲「それが軍の艦娘配備が遅れている理由の1つよ」

男「だから俺みたいな高校生でも軍に入れようってことか?」

叢雲「そうかもしれないわね」

男「……俺も1ついいか」

叢雲「なに?」

男「叢雲が国家転覆を企てているって聞いたんだが」

叢雲「なにそれ」

男「やっぱ嘘だよな」

叢雲「……間違ってもないかもね」ボソッ

男「……は?」

叢雲「とにかく、私のせいであんたを巻き込んだってこともあるから面倒は見るわ」

男「お、おう?」

叢雲「明日中にこっちから監視役つけるから」

男「勝手に決めるなよ……」

叢雲「本当は私が監視役をしたいところだけど顔が軍に知られてるから無理、代役をつけておくわ」

叢雲「あんたが強制的に軍に連行されたいっていうならいいけど」

男「連行されたくはねぇよ」

叢雲「なら黙って言うことを聞きなさい」

男「あぁ」

叢雲「それじゃあ私は行くわ、あんたも気をつけなさいよね」

男「そっちもな」




―――
――



また時間ができれば投下していきます。

-自宅-


妹「……」ニコニコ

男「えーっと……」

妹「随分と遅かったね」

男「す、すんません」

妹「はぁ……、ちゃんと気をつけてよ」

男「分かった」

妹「本当にわかってるの? まったく」

妹「はやくご飯食べよ」

男「おう」





―――
――

次の日



-学校-


男「おはよ」

友「うーっす」

モブ「おはようさん」

男「なに話してんだ?」

友「聞いてくれよ、どうやら今日も転校生が来るみたいだぞ」

男「へぇ、どこのクラスに」

モブ「うちのクラス」

男「また?」

友「まぁ、他のクラスに比べて少しだけ人数も少ないしな」

男「あー、そういうことか」

モブ「また女の子だといいんだけどな」

友「飛鷹ちゃんぐらい綺麗な人なんてなかなかこねーよ」

モブ「だよなー」

女「おはよー」

飛鷹「おはようございます」

男「おはよ」

友「2人とも最近同じ時間にくるよな」

モブ「おはよー」

女「駅で待ち合わせしてるんだー」

飛鷹「そうなんです」

友「なるほど」

女「てか、転校生が来るみたいだね」

飛鷹「私が来たばかりなのにですか?」

友「らしいね、転校なんて今の時代珍しいのにね」

モブ「だよなー」

担任「はい、すわれよー」

担任「たぶんもう噂が―――」ガラッ

青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! よろしくお願いします!」

担任「ず、随分と気がは――」

青葉「苗字は三川です! 三川青葉です!」

担任「え、えっと彼女はだな……」

青葉「皆さんはどうぞ青葉と呼んでください!」

青葉「早速ですが皆さんの情報を知りたいので窓側の人から自己紹介聞かせてもらってよろしいですか!?」

モブ「えっ!?」

担任「お、おい三川あんまり―」

青葉「とりあえず、フルネームと住所と電話番号、趣味とか教えてくだされば!」

モブ「えっと伊藤――」

青葉「あっ、メモを準備するので待ってくださいね!」

担任「静かにしろ三川!!」

友「おいおい、なんか凄いのが入ってきたな……」

男「転校して秒速で怒られるやつもいねぇだろ」

友「顔は可愛いのになんか残念な人だな……」

女「でも面白そうな子だよね」

飛鷹「確かにそうですね」

友「友達になりたいよな」

女「あとで話してみようかな」

男「悪い子ではななさそうだしなぁ」





―――
――

-昼休み-


青葉「なになに、なんの話ですか!?」

女「青葉ちゃんと仲良くなりたいから一緒にお弁当食べれないかなーって」

青葉「ありがとうございます! でも青葉、お弁当がないんですよね」

女「今から買いに行くけどいく?」

青葉「是非とも!」

友「俺も飯ないから行っていいか」

女「うん」

男「俺は弁当あるよ」

飛鷹「私も今日は持ってきていますので」

女「分かったー」ガラッ

男「……」

飛鷹「……」

男「……」

飛鷹「……なにか喋ったらどうなのよ」

男「やだよ、ていうか俺の前では素になるんだな」

飛鷹「うるさいわね」

男「う、うるさいっすか」

飛鷹「はぁ……」

男「なんだよ」

飛鷹「疲れたの」

男「そのキャラやめればいいのに」

飛鷹「もう遅いわよ」パカッ

男「なにそれ自作?」

飛鷹「う、うるさいわね! だったら悪いの!?」

男「いや別に……、普通にうまそうだなって」

飛鷹「……」ジロー

男「なんだよ」

飛鷹「何か企んでるの?」

男「なわけないだろ!」

飛鷹「だったらいいけど……」

飛鷹「私も軍に定期連絡を入れてきますね」ガタッ

男「あ、あぁ……」

飛鷹「妙な真似をするんじゃないわよ」

男「分かってるよ」

飛鷹「……」ガラッ

男「……」

男「……暑くなってきたなぁ」

 ガラッ


男「……?」

青葉「男さーん」チョイチョイ

男「購買行ったんじゃなかったのか」ガタッ

青葉「そうかもです」

男「どうしたんだよ」

青葉「いやー、ちょっとお話がありまして!」

男「ここじゃダメなのか?」

青葉「ちょっとまずいですね~」

男「……まぁ、場所を移すか」

-校舎裏-


青葉「どうしたんですか男さん、こんなところに呼び出して///」

男「ふざけんな」チョップ

青葉「痛い!」

男「話ってなんだよ」

青葉「いやー、それがですねー」

男「おう」

青葉「叢雲ちゃんが言ってませんでした? 監視役を送ると」

男「……あっ」

青葉「男さん忘れていたでしょ……」

男「いやまぁ……、それでおまえが監視役なのか?」

青葉「はい」

男「ということはお前も艦娘なのか?」

青葉「そういうことになりますね」

男「……そうか」

青葉「叢雲ちゃんから散々言われていると思いますが忠告です!」

男「?」

青葉「あの飛鷹さんが軍からの監視役なんですよね」

男「らしいな」

青葉「彼女には気をつけてくださいよ、いつどんな手段を使ってくるのか分かりませんので」

男「……」

青葉「彼女も艦娘なんで手荒な真似はしないと思いますがね」

青葉「こんな学校で艦娘同士が争えばいろんな人とか巻き込んでしまいますし」

男「やめてくれよ」

青葉「わかってますよ、女さんや友さん、それに男さんやその妹さんにまで危害は加えたくないですからね」

男「……あぁ」

青葉「飛鷹さんは青葉が監視役で艦娘ということを知らないので、このことは他言無用でお願いしますね」

男「分かってるよ」

青葉「それでは教室に戻りましょうか!」


―――
――






-教室-



女「あれ、2人ともなにしてたの?」

青葉「校舎の中で迷ってたら男さんと会いまして」

男「あぁ」

友「そうか、先に食べちまってるぞ」

男「こっちこそ遅くなったな」

青葉「飛鷹さんはどこにいったんです?」

女「さっきからいないんだよね」

男「電話かけに行ったらしい」

女「そっか」ガラッ

飛鷹「待たせてしまいました」

女「おっ」

友「おかえり~」

男「先に食べてるぞ」

青葉「どうもっ」

飛鷹「遅くなってすみません」



―――
――

-五時限目-



男「……zzz」ウトウト

飛鷹「……」チラッ

飛鷹「……はぁ」

担任「現在の兵器が全く通用しない深海棲艦に唯一として対抗できる存在が艦娘だが」

担任「多くの謎が存在している、深海棲艦とは違い意思疎通をすることができ人類への敵対心はない」

担任「艤装といわれる軍艦の砲塔や機関部を小型したものを体の周りに纏うのが第一段階の姿である」

担当「第二段階ではその偽装を実際の軍艦クラスの大きさにしてその船を操作して戦う」

担任「後者は深海棲艦との戦いの際に行なう戦闘態勢だ」

友「zzz」

女(2人とも爆睡だよ……)

担任「艦娘の名前、第二段階の姿は旧日本海軍の艦船とまったく同じである」

担任「何もないところからこれだけの大質量の物質をだせること、旧海軍の艦船に酷似しているなど全てが謎につつまれている」

担任「そんな彼女たちだが、前も習ったとおりすべての人類の言うことを聞くのではなく」

担任「ある特定の人に従う傾向が見られるがその特定の人はかなり希少な存在である」

担当「詳しくはわからないがドイツ・イタリアでも艦娘の存在が確認されている情報があるが詳しくは分かっていないなど―――」

飛鷹「ちょっと……」ボソボソ

男「zzz」

飛鷹「起きなさいよ」ユサユサ

男「……んっ」

男「なんだ……、起こしてくれたのか?」ボソボソ

飛鷹「授業受けなさい」ボソボソ

青葉(青葉、見ちゃいました!)

青葉(あれが男さんの高相性者の力ですかね? 軍属の飛鷹さんとあそこまで仲良くなるなんて感激です)



―――
――


-沿岸部壁外区-



叢雲「青葉はちゃんとやってるのかしらね」

不知火「情報収集には長けているので問題はないでしょう」

弥生「弥生もそう思う」

叢雲「ならいいんだけど……」

不知火「気になるんですか? 彼のことが」

叢雲「別にそんなんじゃないわよ」

壁外住民1「叢雲ちゃん、野菜の収穫終わったけどどうすればいい?」

叢雲「第3食料庫の方に回して頂戴、倉庫係に話は通してあるわ」

壁外住民1「ありがとな」テクテク

叢雲「……ふぅ」

弥生「最近、生産力がちょっと落ちてるかも」

叢雲「そろそろ新しい畑を作らないと土がもたないわね」

不知火「通信です」ピッ

川内『こちら川内~』

不知火「どうしましたか?」

川内『軍の密偵と思われる人影を壁上に確認、いつもより人数多いかもしれないね』

不知火「分かりました、引き続き監視を続けてください」

川内『りょーかい』プツ

不知火「何かの前触れですかね」

叢雲「分からないわ」

弥生「この1週間で密偵の発見数が2倍になってる」

叢雲「これは一度、集まってもらったほうがいいかもしれないわね」

弥生「うん」

不知火「それでは不知火はビルの方へこの事も踏まえて報告してきます」

叢雲「お願いするわ」




―――
――

また時間ができれば投下していきます。

おつ
深海棲艦の大きさから考えるとわざわざ元の船になって戦うの不利になるんじゃ・・・

>>142
ご指摘ありがとうございます
深海棲艦も形状は艦船の大きさとなって戦います。そこにヲ級のような人間の形をした子が操作しているアルペジオみたいな方式だと思ってくだされば
いいと思います。
流石に人型の大きさでは陸地に大きさな被害を出させるのは難しいと思うのと自分の趣味でそうさせてもらいます

-自宅-





ニュース『先ほどのニュースを引き続きお伝え致します』

ニュース『ドイツがイギリス、フランスと戦闘状態に突入したという発表が出されました』

ニュース『情報が錯綜しており、詳しい事実確認は出来ておりませんがフランス東部で両軍の武力衝突が発生した模様です』

ニュース『日本政府は事実確認の途中ということで声明を出してはおりませんが』

ニュース『既にイタリア、スペイン、オランダからはドイツ側に参戦すると声明をだしており―――』ピッ

妹「……ご飯作ろ」

妹「……」サクサクサク

男「ただいま~」ガチャッ

妹「おかえり」

男「ふぅ」ドサッ

妹「だらしない」

男「今日だけは許して」

妹「まったく……」

男「……」ピッ

ニュース『現状では英仏による両国相互支援を続けると欧州諸国全体の物資配給が途絶える危険性があるとして』

ニュース『欧州の過半数の国々はドイツ側に参戦もしくは中立の立場と思われており』

ニュース『ロシアはこの件については声明は出ておらず、参戦の構えはないと予想され―――』ピッ

男「宿題でもやるか」

男「自分の部屋で宿題やってくる」

妹「ご飯できたら呼ぶ」

男「お願いな」





―――
――

-沿岸部壁外区-



-ビル-



雲龍「集まったかしら?」

天城「周辺警備をしている葛城と川内さん、阿武隈さん、卯月ちゃん以外は集まりました雲龍姉様」

雲龍「分かったわ、それでは報告会を始めましょうか」

雲龍「それで不穏な動きというのは?」

不知火「はい、この1週間で軍直属の壁外監視部隊の活動が活発化していると思われます」

天城「具体的には?」

弥生「数値だと先週よりも2.3倍監視人数が増えました」

天城「……なるほど」

叢雲「それとあと1つ」

天城「なんでしょうか」

叢雲「壁の中での黒服の尾行人数もかなり増えているわ」

天城「……なにかが動いているようですね」

雲龍「そうね、それと青葉」

青葉「なんでしょうか!」

雲龍「彼の動きはどう?」

青葉「んー、普通の学生生活って感じですね、ただ」

叢雲「ただ?」

青葉「さすが、高相性者!って感じのところは見えますね」

青葉「軍属の飛鷹さんとなかなかに仲良くなっていたりしてますからね」

雲龍「そう」

天城「やはり、彼は危険な存在でしょうか」

雲龍「艦娘を引き寄せる力がかなり強いと思うわね」

叢雲「軍の奴らはあいつを引き込むつもりなのかしら?」

雲龍「断定はできないわ」

??「ん~、でもいいなぁー」

青葉「鈴谷さんどうしたんです?」

鈴谷「えー、だって鈴谷も学校に行きたかったもん」

??「あなたは仕事があったでしょう」

鈴谷「でも熊野だって行きたいって思ってるっしょ?」

熊野「わたくしはそんなことは……」

鈴谷「夕張もそう思うでしょ?」

夕張「私は別にって感じですよ」

鈴谷「えぇー」

青葉「ばっちり最近流行りのことは調査済みですよ!」

鈴谷「後で教えてね」ニシシ

天城「話し合いの最中ですよ、静かにしてください」

鈴谷「はーい」

青葉「ごめんなさい」

天津風「重巡なんだからしっかりして欲しいわ」

初風「まったくね」

初風「それと意見いいかしら」

天城「はい」

初風「その高相性者の人間は私たちがそこまでして守らないといけないの?」

叢雲「あんた……」

初風「なに?」

雲龍「そうね、確かにそこまで深入りする必要もないわ」

天城「雲龍姉様?」

雲龍「でも私たちの目的は壁外区の人々を守ること、それとあと1つは」

雲龍「日本海軍の身勝手な行動を阻止するということよ」

初風「そうだったわね……」

雲龍「間接的としても彼を巻き込んでしまったのには変わりないもの」

叢雲「……」

天城「それでは監視強化を―――」




―――
――







また時間ができれば投下していきます。

欧州でこれならアフリカは凄まじい事になっていそう...いや、列強の介入が無いから逆に安定してるのか?

アフリカは一部の地域で深海凄艦を神様扱いして儀式とかイケニエとかして魚とか貰ってそう

>>157 >>158
アフリカは海洋封鎖によって漁もできず多くの鉱山資源も海から出すことはできないのでスエズ運河を経由して他国に輸出していますが
さらに貧困や食糧難が深刻な問題になっており、それを解消するために鉱山資源が多くとれる土地を国家間が取り合っている状況です。
それに加えてテロ組織や族なども参戦しておりアフリカ大陸内のほとんどの国は戦争状態になっております。
深海棲艦を神格化するカルト集団は世界中に出現しており、それも内乱要素の1つとなっています。
海洋封鎖されてほとんどの国が国力が低下しているので大国も介入できない状態です。

翌日



-自室-



男「今日は土曜日だからゆっくりできるなぁ」

妹「うん」

男「漫画読むなら自分の部屋に持って行って読めよ」

妹「うっさい」ペラッ

男「すいません」

妹「ジュース持ってきて」

男「自分で取ってこい」

妹「働け」ゲシッ

男「痛い」

妹「ジュース」

男「ハァ……、分かりましたよ」ガチャッ

妹「ん」


 ピーンポーン


男「俺が出るよ」

-玄関-



男「今あけますよ」ガチャッ

青葉「どもども、青葉です! デートのお誘いに―――」バタン

男「……ふぅ、妹にジュース渡さないとな」

青葉『男さーん! あけてくださーい!』バンバンバン

青葉『ひどいですー!』バンバン

ピーンポン……ピンポンピンポンピンポンピンポン!!!


男「うるせぇな!!」バンッ

青葉「どうも! お迎えに上がりました!」

男「嫌です、僕はひきこもります」スッ

青葉「だめですよ」ガシッ

男「諦めてくれッ」グググッ

青葉「いやです!」

男(ドアがびくともしないぞ……)

男「ハァ……、それで何の用だよ……」

青葉「デートです!」ニコッ

妹「……」バタッ

男「妹!?」

妹「また女の子を増やした……」

男「増やしてねぇよ」



―――
――

-街中-



男「どうしてこうなった」

青葉「青葉と2人きりのデートはどうですか」

男「最悪」

青葉「ひどいです!」

男「それで目的はなんだよ」

青葉「デートですよデート」

男「違うだろ」

青葉「流石にバレちゃいますか」

男「んで、なんで休日なのに俺を呼び出すんだ」

青葉「ここ最近、軍の動きが活発なんですよ」

男「?」

青葉「もしかしたら強行手段に出るかもしれないと思われましてね」

男「それで家にいると妹にも被害が及ぶからか?」

青葉「それもそうですが、街中なら人も多いですし下手な行動は取れませんしね」

青葉「安心してください、自宅の方も妹さんを守るために艦娘が見張ってます」

男「ならよかった」

青葉「それと青葉ともう1人、男さんを守る人がいますからね」

男「もう1人?」

青葉「後ろにいる髪の長い女の子がそうです」

男「後ろ?」プイッ

初風「……」

男「中学生みたいに見えるけどな」

青葉「彼女も艦娘ですよ」

男「叢雲もそうだが、不知火と弥生だっけ?随分と幼い見た目の子もいるんだな」

青葉「そうですね」

青葉「それではどこへ行きましょうか!」

男「家」

青葉「話聞いてました?む~」プクー

男「分かったわかった、本屋に行こうぜ」

青葉「了解」ビシッ

男「最近暑いなぁ」

青葉「夏ですからねぇ」

宗教勧誘者「人類は滅びようとしている!」

勧誘者「深海棲艦様たちは私たち驕りに満ちた人類に罰を与えに来たのだ!」

勧誘者「私たちは罰を受け入れなければならない!」

勧誘者2「抗うな受け入れろ! 艦娘という悪魔に力を借りてはならぬ!」

勧誘者2「深海棲艦様に懺悔し、許しを請うことができれば私たちは生き残れるのだ!」

勧誘者2「これは神が人類へ与えた罰なのだ」

男「……なんだあれ」

青葉「新手の宗教団体ですよ」

男「宗教? 深海棲艦様とか言ってたけど」

青葉「深海棲艦を神格化し、人類は罰を受け入れる時がきたっていう感じです」

男「へぇ…」

青葉「深海棲艦発生の時からあのようなカルト教団は世界中でできましたからね」

青葉「結構人を集めてたりするんですよ?」

男「わかんないな、なんでそういう組織に入ろうと思うかが」

青葉「人は何かに縋りながら生きているんですよ」  縋り(すがり)

青葉「だから宗教というものをつくり神に縋る、無信教の人々は科学という宗教に縋った」

青葉「まあ、その全てを深海棲艦がぶち壊してくれましたけどね」

男「次はその全てを壊した深海棲艦に縋るというのか」

青葉「そうでしょうね、人は弱い生き物です」

男「……」

青葉「でもあれですよ? 青葉たちのような艦娘を神格化している宗教団体もあるみたいですよ!」

男「へぇ」

青葉「艦娘だって、救世主、ワルキューレ、聖女、極東の魔女、巫女など様々な呼び名がありますからね」

男「極東の魔女ってなんかいいのか悪いのかわからんな」

青葉「言葉から見れば欧州の人たちが考えたんでしょうね、快い呼び名ではないですが」

青葉「言い方は悪いですが、宗教までいかなくても今の日本は艦娘に縋ってますからね」ニヤッ

男「意外とえぐいなおまえ」

青葉「侵害です!」




―――
――

>>167
誤字です
青葉「侵害です!」
    ↓
青葉「心外です!」

各国の情勢に対する質問などが多いのでざっと説明したものを書いておきました

・日本-深海棲艦発生による海洋封鎖、沿岸部に都市が集中するため甚大な被害を受ける。
    
    石油などの化石燃料が乏しい国でもあったので滅亡の危機にまで貧するが防護壁の早期完成や
    
ほぼ単一民族であり、信教および国民性から大きな混乱には発展しなかった。
    
ギリギリのところでとどまったところに艦娘が出現する。
    
艦娘を利用して日本周辺海域から深海棲艦の大部隊を排除し近隣諸国との貿易を開始
    
現在は近隣諸国に日本海軍の基地を設置するなど急速な発展を迎えており各国との関係も良好であるが

    米国に変わり世界中に基地を増設し始めているため米国とは関係が停滞している。

    更なる制海権の確立を目指している。


・中国-深海棲艦の発生により国内で混乱が発生。複数の独立運動、資源を求める暴動やクーデターによって国が早期に消失
    
現在は一部地域で軍部や有力者が統治しており、武力衝突が度々起こる。日本と貿易を行っている統治地域もある。


・米国-その強大な軍事力で深海棲艦との戦闘を一番最初に始めた国、いくつもの海戦をしてきたがその全てで敗北。

世界中の全基地から部隊を撤退させる強制行為に至ったが、その途中に深海棲艦との大規模な戦闘が発生し壊滅し

沿岸部への都市や軍事基地への攻撃により、アメリカ軍の艦船の数は3割にまで減少した。

    現在は内陸部を発展させ、カナダやメキシコ、パナマ運河を通して南米諸国と貿易を行っている。


・豪州-沿岸部の都市が壊滅的被害を受けるが早期に内陸部発展へと取り掛かる。

天然資源に恵まれた国であるため自給自足を行っていたが日本海軍の制海権が南下

    それに伴い日本との貿易を開始し、現在は日本や東南アジア諸国との関係を最優先にしている。


・東南アジア諸国-一時は多くの国が内乱へと発展していたが、日本の海洋進出によって沈静化する。

        現在は東南アジア諸国、豪州、日本との関係を大事にしており、特に日本とは密接な関係を見せる国が多い

東南亜連合という一国にまとめる動きも見られる。


・インド-豪州と同じく恵まれた天然資源があり、内陸部発展などをしていた国だが一時は内乱状態に陥っていた
     
 現在は陸路を通して近隣国、最近では東南アジア諸国や日本とも貿易を行っている。



・ロシア-深海棲艦発生時には早期に海洋からの撤退を宣言。既に内陸部が発展していることもあり深海棲艦の被害が少なかった国である。

撤退の際には海軍の多くの船を黒海やアゾフ海のような閉鎖的な海域に移動させたため喪失を免れている。
     
     現在はその恵まれた天然資源、広大な領土を活かして様々な国と貿易を行っているが欧州大戦の始まりから欧州とは距離を置き
  
     日本との関係を最重視している。日本に向けた陸路の整備、ロシアが実効支配している択捉島に日本海軍の基地設置を勧めるなどしている。



・欧州-深海棲艦による被害が甚大な国々が多く、海洋封鎖によって化石燃料、食料などが不足し各地で暴動が発生した

    そのため国力や資源保有の差で各国で軋轢を生む事態になる。
    
    深海棲艦の攻撃、侵入を防ぐためにノルウェー海、北海、ドーバー海峡、ビスケー湾、ジブラルタル海峡、地中海の

要所には防護壁が建てられており海のカーテンと呼ばれている。

    現在は欧州大戦が勃発し更なる事態の悪化が予想されている。



・中東諸国-深海棲艦によって沿岸部の石油生産拠点の多くを破壊され経済が悪化、テロ組織による攻撃や民衆の暴動が増加している。

・アフリカ諸国-貧困、食糧難が深刻な問題になり鉱山資源が取れる土地でも領土戦争が増加、テロ組織による内乱などで混乱が続いている。

・南米諸国-一時はマフィアや反政府組織によって各国が混乱に陥ったが米軍の介入により沈静化
    
      現在はアメリカ大陸内での活動を重視している。
 

-本屋-




青葉「ふーん、男さんってそういうのを読むんですね!」

男「漫画は別に普通じゃないか」

青葉「いえ、意外に萌えっぽいなと思いまして」パシャッ

男「悪いかよ、それと写真を撮るんじゃない」

青葉「そんなこと言わずにぃ」パシャッ

男「やめろ」チョップ

青葉「痛い!」

男「まったく」

青葉「んー、なにか面白い本ありませんかね」

男「出るか」

青葉「もういいんですか?」

男「欲しい本は見つけたからな」

青葉「そうですか」

初風「……いろんな本が出ているわね」パラパラッ







―――
――

-街中-


青葉「次はどこにいきます?」

男「そろそろ飯にするか」

青葉「そうですね!」

男「ここらにはいろいろあるからなぁ」

青葉「青葉はファミレスに行ってみたいです!」

男「ファミレスでいいのか」

青葉「はい」




―――
――

-ファミレス-



男「混んでなくてよかったな」

青葉「ですね」

男「何にしようかなぁ」

青葉「青葉、お手洗いに行ってきますね」スッ

男「ん」



-トイレ-


青葉「様子はどうです?」

初風「一般人に紛れて2人ほどついてきてる」

青葉「そうですか、ここを出たあとしばらくしたら壁外区に行くのでお願いしますね」

初風「分かってるわ」

青葉「軍には青葉が艦娘とはバレてないのでただのデートのように見えると思いますかね」

初風「知らないわよそんなの」

青葉「楽しいですよ! 初風ちゃんも混ざります?」

初風「私の意味がないでしょそれ」

-店内-



青葉「ただいま戻りましたー」

男「おう」

青葉「どれにしましょうか、迷っちゃいますねぇ」

男「俺はオムライスにするつもりだけど」

青葉「おぉ、それもいいですね」

青葉「ハンバーグやパスタもいいですねぇ……」

男「……」

女「あれ? 男と青葉ちゃん?」

飛鷹「あら」

青葉「女さんと飛鷹さん?」

男「奇遇だな」

女「2人はどうしたの?」

男「デートだよ」

女「えっ!?」

飛鷹「どういうことですか?」ニコッ

男(怖いよ飛鷹さん)

青葉「ち、違いますよ! 青葉がここに来たばかりだったから街の案内を頼んでいたんですよ!」

男「そうそう」

女「そういうことね」

飛鷹「でしたら私たちと似たようなものですね」

男「そうなのか?」

女「うん、飛鷹さんはこのへんのこと分からないかなって思って誘ったの」

飛鷹「はい」

青葉「そうだったんですか」

女「みんなも誘おうかなって思ったけど人数多くてもあれかなって思ったから」

青葉「なるほど」

女「相席いい?」

男「ああ」

飛鷹「失礼しますね」スッ

男(なんで俺のとなりに座るんだよ)

青葉「ちょうど何にしようか迷っていたところだったんですよね」

女「んー、何にしようかなぁ」

飛鷹「そうですね……」

男(飛鷹が言ってた『あの艦娘とその仲間』の仲間が目の前にいるんだよな)

青葉「青葉はハンバーグにしたいと思います!」

女「私はパスタかなぁ」

飛鷹「私もそうします」

男「んじゃ、店員呼ぶぞ」



-反対側の席-


初風「迷うじゃない……」ペラッツ

初風「ハンバーグ……、いやピザもいいわ」

初風「どうしよう」





―――
――


-街中-


女「このあと、私たちは雑貨屋行くんだけどどうする?」

男「あー、どうしよっか」

青葉「青葉たちは行くところがあるので遠慮させていただきますね!」

女「そうなんだ」

飛鷹「でしたらここでお別れですね」

青葉「今日はありがとうございました!」

男「また月曜日な」

女「うん」

飛鷹「はい、ではまた」スッ

青葉「……」

男「……それで」

青葉「どうしましたか男さん」

男「行くところってなんだよ」

青葉「えっとですね」スッ

男「?」

初風「……」コクリ

青葉「いろいろ撒いてから行かないといけないので歩きますね」

男「お、おう」

-路地裏-



青葉「人がいませんね」

男「そりゃこんなとこに人はこねぇだろ」

青葉「それでは少し走りますよ!」ギュッ

男「ちょ!」

追跡者1「……っ」

追跡者2「追うぞ」

初風「お兄さんたち」ギュッ

追跡者1「な、なんだ」

追跡者2「こっちは急いでいるんだ!」

追跡者1「遊んでる暇はないんだ」バッ

初風「ッ」ドスッ

追跡者1「グハッ!?」バタン

追跡者2「何だお前!」カチャッ

初風「昼間から銃なんて出して何してくれんのよ」ボコッ

追跡者2「ッ」バタン

初風「ふぅ……」




―――
――

-沿岸部壁外区-



男「なんでまた来てるの俺?」

青葉「こっちですよー」

初風「はぁ……」

男「お、おう」

青葉「紹介しますね、この子は仲間の初風ちゃんです」

初風「よろしく、あなたが男ね」

男「ああ」

青葉「今回は地下街から行ってもらいますね、監視の目がきつくなってきているので」

男「監視?」

青葉「いろいろあるのですよ」

男「なんで俺はまた連れられてきたんだ?」

青葉「話があるみたいです」

男「話?」

青葉「詳しくは後ほど」

初風「行くわよ」

男「あぁ……」



-ビル-



葛城「きたきた」

青葉「連れてきました」

天城「ありがとうございます」

初風「それじゃあ戻るわね」

天城「ええ」

雲龍「お疲れ様」

葛城「おつかれー」

男「えっと」

天城「叢雲ちゃんや青葉さんから話は聞いています、あなたが男さんですね」

男「は、はい」

雲龍「座っていいわ」

男「……じゃあ」スッ

雲龍「私は雲龍というわ」

天城「天城です」

葛城「葛城よ」

男「あの、なんで俺を」

雲龍「別に普通に喋ってもらって構わないわ」

男「そ、そうか」

天城「確認をしておきたくてお呼び致しました」

男「確認?」

天城「はい」

天城「あなたは私たちか軍かどちらの肩を持つのか」

男「……」

葛城「つまりどちらの味方なのかってこと」

男「この場でそれを言わすのは少し卑怯だと思うが」

雲龍「確かにそうね」フフ

天城「ですね、難い話は一旦やめてお茶にしましょうか」スッ

葛城「天城姉、手伝うよ」

天城「お菓子の方をお願いするわ」

葛城「はーい」

男「……」ポカーン

雲龍「びっくりした?」

男「あ、ああ」

雲龍「別にあなたを取って食うなんてことは考えてないわ」

雲龍「ただ、あなたの立場を知りたいだけ」

天城「お茶の準備ができました」

葛城「お菓子の準備もできたよ」

雲龍「いただきましょうか」




―――
――

葛城「面白いわね」

男「素直じゃないけど本当はいい子なんだよ妹は」

天城「大事に思われているのですね」

雲龍「会ってみたいわね」

葛城「私だって姉さん達のこと大切に思ってるんだから」

天城「嬉しいわ」

男「みんなはいつからここにいるんだ?」

葛城「んー? いつからだっけ」

雲龍「私は三年まえよ」

天城「私と葛城が二年半ぐらいですかね」

男「意外と長いな」

葛城「そう? 艦娘の初確認が今から4年くらい前だからそこまでじゃない?」

男「まあ、確かに」

雲龍「何故か集まってくるのよここには」

男「何がだ?」

雲龍「艦娘たちが」

天城「そうですね、ここは何故か艦娘が流れ着くのですよね」

葛城「この辺りでは壁の外の唯一の陸地だからじゃないの?」

雲龍「かもしれないわね」

叢雲「なかよくやってるわね……」ガチャッ

雲龍「来たわね叢雲」

天城「それでは答えを聞きましょうか」

男「……あぁ」

男「俺はここに来ていろんなことを知った、主には軍の黒い部分だったけど……」

男「ここの人たちは国に裏切られて辛い思いをしている」

男「そしてそのことから国は目を背けていることを」

叢雲「そうね」

男「それでもあんたらみたいな艦娘がいて、ここを守っているのも分かったよ」

男「あんたらの苦労も知った、気持ちも分かったつもりだ……」

叢雲「それで、それを知って決めた答えは?」

男「おれの答えか……」スッ

叢雲「ッ!」

男「こういうことだ」バリンッ

葛城「ちょっと! 雲龍姉のティーカップを!」

雲龍「そう……、あなたの答えはそういうことなのね」

男「俺は軍に入る、そちらの方が将来は安定しているしお金だってもらえる」

男「安心してくれお前らのことについては喋るつもりはない」

天城「そうですか」

叢雲「ちょっとあんた!」

男「それじゃあな、もう来ることはないけど世話になった」ガチャッ

雲龍「えぇ」

男「……」バタン

男「……」テクテク

青葉「あれ、男さんお帰りですか?」

男「……」

青葉「おーい、男さーん?」

叢雲「いいのよ青葉」ガシッ

青葉「どうしたんです?」





―――
――

また時間ができれば投下していきます。

-地下街-


男「もしもし、飛鷹か?」

飛鷹『珍しいわね、まさか奴らが?』

男「違う、俺はお前たちの目的を確認したい」

飛鷹『目的?』

男「あの艦娘やその仲間が接触するのを監視する以外にだよ」

飛鷹『それを言って何をする気なの?』

男「確認って言ったろ」

男「お前は俺が高相性者ってことを知っているんだろ?」

飛鷹『っ!』

男「やっぱそうなのか、もう1つは俺を軍に引き入れるってことか」

飛鷹『……ええ』

男「そうか」

飛鷹『で、でも勘違いしないで頂戴、私は無理にあなたを入れようとは考えてないわ』

男「分かってるよ」

男「電話して悪かったな」ピッ

男「……」







―――
――

-街中-



男「……」

黒服「あの、よろしいですか」

男「なんでしょうか」

男(俺が一人で行動してすぐにこれか……)

黒服「私は日本海軍のものです」スッ

男「そんな方が俺に何のようですか?」

黒服「お話があるので場所を変えてもよろしいですか?」

男「ここじゃダメですか?」

黒服「そうですね」

男「……高相性者に対する軍への勧誘ですか」

黒服「……っ」

黒服「話が既に分かるのならありがたいです、それでは来てもらえますね?」

男「嫌といったら?」

黒服「拒否権はありません」

男「どういうことだ?」

黒服「これは国の計画が関わっています、遅らせるわけにはいけません」

男「計画というのは高校生1人で遅れるものなのか?」

黒服「はい」

黒服「各国への泊地配備は着実に進んでいます、しかし艦娘を指揮する者が不足しているのです」

男「拒否はできないと?」

黒服「あなたのA評価は今年度上半期では1人だけです」

男「……嫌です」

黒服「嫌でも来てもらいます」

男「もし俺がここで逃げればどうする?」

黒服「どんな手を使ってでも軍に入ってもらいます」

男(……手段は選ばないと)

男「……1日だけ待ってくれ」

黒服「?」

男「1日だけ考えさせてくれってことです」

黒服「なるほど、……いいでしょう」

黒服「それでは明日のこの時間に家へ訪ねさせてもらいます」

男「ああ」

黒服「いい答えを待っています」





―――
――

-自宅-



妹「どういうこと!?」

男「いやだから……」

妹「だからどういうことって言ってんの!?」

男「だから俺は軍に入るって言ってんだよ」

妹「なんで!? なんでお兄ちゃんが軍に入らないといけないの?」

男「これだよ」スッ

妹「なにこれ……、これってこの前の検査結果」

男「ああ、その判定内容が俺が行く理由だよ」

妹「これはいくら評価が良くても強制ではないでしょ!?」

男「確かに担任もそう言ってた」

妹「だったらいいじゃん!!」

男「でもそうじゃないんだよ……」

妹「やめてよ! お兄ちゃんまでどっか行くの!?」

男「っ……」

妹「嫌だよ……、行かなくてもいいのになんで行っちゃうの?」

男「世の中そんなに甘くないんだよ……」

妹「軍なんかに入らないでよ……」グスッ

男「俺だって入りたくない」

男「でもな、俺のこの我が儘でお前にまで迷惑を掛けるかもしれないんだぞ」

妹「迷惑を掛けてもいいよ、だから行かないで」

男「俺はお前のことを思って決めたんだよ……」

妹「嫌だよ……」グスッ


―――
――

-自室-



男「これでいい」ボスッ

男(俺が軍に入れば丸く収まるんだよな)

男(俺を軍に入れるためならどんなことをするか分からない……)

男(だから今のうちに軍に入れば妹にだって危害を加えられることはないだろう)

男(叢雲たちだって軍とこれ以上の軋轢を生みことを避けることができる)

男(あれだけやっておけばもう関わってはこないだろう)

男(もともと俺の問題だしな……)

男「……ちくしょう」ボソッ






―――
――


次の日


-自室-



男「っ……」

男「いつの間にか寝てたな……」

男(11時半か……)


-リビング-


男(妹はいないか)

男(夜には帰ってきてくれたらいいんだけどな……)

 ピーンポーン

男(?)

-玄関-


男「はい」ガチャッ

飛鷹「こんにちわ」

男「……ちょうど良かった」

飛鷹「ちょうど良かった?」

男「何しに来たんだよ」

飛鷹「監視」

男(もうする必要もないけどな……)

男「そうか、話があるんだ場所を移そう」

飛鷹「いいわよ」






―――
――

-ファミレス-


飛鷹「話ってなに?」

男「……軍に入ろうと思う」

飛鷹「正気なの?」

男「ああ」

飛鷹「妹さんはどうするのよ、1人ぼっちになるわよ」

男「これは妹を守るためでもある」

飛鷹「……」

男「軍の中には俺を強制連行させて入らせようと意見する奴らもいるんだろ?」

飛鷹「……いないとは言えないわね、むしろ私とは別で動いていても過言ではないわ」

男「だろうな」

飛鷹「だからなの?」

男「……ああ」

男「軍に入れば生活も保障される、それにお金だってもらえるだろ」

飛鷹「そうね」

男「妹に不自由なく養うことだってできる」

飛鷹「……あなた、辛そうな顔してるわね」

男「別に……」

飛鷹「……そう、ごめんなさいね」

男「お前は関係ないだろ」

飛鷹「でも謝らせて頂戴」

男「……」

飛鷹「あなたが軍に入るってことは私はあなたの部隊の所属になるってことね」

男「そうなのか?」

飛鷹「えぇ」

男「知り合いがいるなら少しは楽に思えたな」

飛鷹「その前に厳しい訓練が待っているわよ」

男「やめてくれよ……」




―――
――

-街中-



飛鷹「ごめんなさいね、買い物にも付き合わせてしまって」

男「別にいいよ」

飛鷹「さて、そろそろ帰りましょうか」

男「ああ」


ガシャーン…… ドゴォォォォン!!!




男「!?」

飛鷹「なに?」

男「……遠くでなにか聞こえる」

住民1「おい、なんか壁の外から煙が出てるぞ!」

住民2「沿岸部壁外区じゃないかあれ?」

住民3「というか、軍のヘリが多くないか」

男「ッ!?」

ニュース『ただいま速報が入ってきました』

ニュース『沿岸部壁外区で軍とテロ組織による戦闘行為が発生した模様です』

ニュース『このテロ組織というのは国家転覆を狙った組織と軍は発表しており』

ニュース『壁外区を拠点にしていると情報を入手したため極秘裡に作戦を実効したとのことです』

ニュース『壁に阻まれているため一般住民への被害はないと―――』


男「……」バッ

飛鷹「ちょっと、どこ行くのよ!?」








―――
――

また時間ができれば投下していきます。

-路地裏-



飛鷹「待ちなさいよ!」ガシッ

男「っ!」

飛鷹「何処へ行くつもり」

男「関係ないだろ」

飛鷹「あの艦娘のところへ行くのね」

男「……」

飛鷹「あの艦娘たちと会っていたの」

男「だったらどうする」

飛鷹「はぁ……」

飛鷹「いい? 奴らはクーデターを起こす可能性があるのよ」

男「なわけないだろ!」

飛鷹「なんでそう言い切れるのよ」

男「実際にこの目で見てきたからだ」

飛鷹「……壁外区にも行ったのね」

男「あぁ、もう行くぞ」

飛鷹「行かせないわ」ガシッ

男「離せよ」

飛鷹「あなたが行って何になるのよ」

男「……」

男「……離してくれ」

飛鷹「どうしても行くというの?」

男「ああ」

飛鷹「……分かった」

男「……」

飛鷹「でも、私もついていくわ」

男「は?」

飛鷹「私だって艦娘よ、あなたを守ることぐらいするわ」

飛鷹「……それに、あなたのその見てきたものを見てみたい」

男「軍より俺を信じるのか?」

飛鷹「……軍も何かしら隠していることを感じるわ、それを確かめに行くのよ」

男「……ありがとう」

飛鷹「それでは行きましょうか」

飛鷹(……私が軍からの命令に背くなんてね)


-沿岸部壁外区地下街-



グラグラグラグラ…… パラパラパラ……




飛鷹「上はかなり激しい戦闘のようね」

男「あぁ……」

男「……ビルへの道が崩落しているな」

飛鷹「一度上に上がるしかないわね」

男「そうだな」

飛鷹「……これ、渡しておくわ」スッ

男「拳銃?」

飛鷹「使い方はわかる?」

男「モデルガンなら何回か触ったことはある」

飛鷹「なら大丈夫よ」

男「大丈夫じゃないだろ」

-沿岸部壁外区東部-




制圧員1「こちらβ1、東部エリアの制圧を完了」

制圧員2『β2了解、西部エリアの制圧も完了している』

制圧員3『こちらβ3、北部および、南部エリアにて複数の艦娘と交戦中』

制圧員1「了解した」ピッ

制圧員1「これより東部制圧部隊は海岸線にそって南部へ進行する」

隊員達『了解』

制圧員1「それでは出―――」

葛城「残念だけどそれは無理よ」

制圧員1「!?」

隊員「なんだ貴様!」

葛城「全機発艦始め」


ブォォォォォン!!!


制圧員1「か、艦娘!! 総員攻撃開始!!」

隊員達「くっ」カチャッ

葛城「遅いわ」

制圧員1「化物が!!」ダダダダッ

葛城「無駄よ」

葛城「爆撃開始」


ドゴゴオオオオオン ゴゴゴゴゴ……


隊員達『うわああああああ!!!!』

制圧員1「怯むな! あのラジコンを撃ち落とせ!」ダダダダッ

葛城「そんな弾でこの子たちが墜ちるわけないじゃない」

葛城「行きなさい」


ヒュゥゥゥゥ…… ドゴォォォォン バコォォォン


葛城「……」

制圧員1「ヒィ! く、来るなァ!」バンッ

葛城「……」キンッ

制圧員1「ひぃぃ!!」

葛城「いい? 誰かを殺すってことは殺される覚悟を持ってやるものよ」

葛城「だから文句は言わないでね」

隊員「や、やめてくれ……」

葛城「……嘘よ、殺されたくなかったらさっさと消えなさい」



―――
――




-沿岸部壁外区南部ビル街-



ドドドド…… ババババ……




飛鷹「周囲には人影は見えないわね」

男「分かった」

飛鷹「少し待ってなさい」シュルッ

男「巻物?」

飛鷹「見てなさい、発艦準備始め」フワッ フワッ

男(紙みたいなものが巻物の上に何枚も……)

飛鷹「全機発艦」シュッ

 ブゥゥゥゥゥン!!! ブゥゥゥゥゥン!!



男「飛行機に変わった!?」

飛鷹「この子たちに護衛と偵察をやらせるわ」

男「お、おう」

飛鷹「さっさと行くわよ」

男「ああ」




―――
――

また時間ができれば投下していきます。

-沿岸部壁外区南部ビル-




飛鷹「誰もいないわね」

男「どこ行ったんだ……」

飛鷹「……部屋の状態から見たら少し前に出て行った感じね」

男「そうみたいだな」

飛鷹「……作物収穫ファイル」ペラッペラッ

飛鷹「こっちは住民健康表」ペラッ

飛鷹「……確か聞いてなかったわね」

男「何がだ?」

飛鷹「あなたが見てきた壁外区のことを」

男「あぁ、でも大部分はここに居た艦娘から聞いたことだぞ」

飛鷹「いいわよ」

男「まずは俺が――――」




―――
――

飛鷹「……」

男「信じられるか?」

飛鷹「国が避難民を隔離していた……?」

男「そういうことだ」

飛鷹「それが事実ならこの状況は大変まずいことになっているってわけね……」

男「あぁ」

飛鷹「少し話過ぎたわ、行くわよ」

男「行くってみんながどっちに行ったのかわかるのか?」

飛鷹「制圧部隊は主に壁側から侵入して来ているのよ」

男「なら海側に行けばいいってことか」

飛鷹「そういうこと」




―――
――

-沿岸部壁外区南部-




飛鷹「周りに人は見ないわね……」

男「もう少し行ってみるか」

飛鷹「その前に艦載機を飛ばすわね」シュルッ

男「頼む」


ワー!! ウワアアア…

男「ちょっとまってくれ」

飛鷹「……人の声?」

男「正面の公園から聞こえるな」ザッ

飛鷹「もう少し慎重に行動しなさいよ」

男「十分慎重だろ」

飛鷹「待ちなさい、そっちの茂みから行くわよ」ガサッ

男「あ、ああ」ガサッ

飛鷹「……」

男「……」

飛鷹「なによあれ……」

壁外住民A「た、助けてくれええええ」

壁外住民B「しっかりしろお前!」

壁外住民C「……ぅぅ」

壁外住民D「みんな港へ走れ!!ぐはッ」バタン

制圧員A「大人しくしろ!」バンバンッ

制圧員B「テロリストどもが!!」バンバンバンッ!!!

壁外住民E「お、俺たちがなにをし―――」グシュッ

制圧員C「……」バンッ

飛鷹「ひどすぎるわ……」

男「ちきしょう!」バッ

飛鷹「まちなさい」ガシッ

飛鷹「あなたが行ってもすぐにやられるだけよ」

飛鷹「ここは私に任せて」シュルッ

飛鷹(いま軍を止めれば私も捕まるかもね……)

飛鷹「発艦準備始め!」ブルルルルル……

男「待てっ」


ヒュゥゥゥゥ…… ドゴゴゴゴゴン!!!


制圧員A「ぐあああああああ!!!」

制圧員C「なんだ!? 周囲警戒!」

飛鷹「攻撃? いったいどこから……」


パラパラパラ……

制圧員D「……どこからの攻ッぐはッ!?」ドスッ

制圧員D「……」バタン

不知火「……」ギロッ

制圧員C「ひぃぃ!!」

制圧員B「う、撃つんだ!!」ダダダッ!!!

不知火「やってくれましたね」カンカンカン

不知火「それでは肌に傷をつけることもできません」

制圧員C「体に当たってるのに傷一つつかねぇ!!!」バババババッ!!!

不知火「沈め」ドンッドンッ!!!


 バゴォォォォォン!!!


制圧員B「腕が腕がァァァァ!!!!」

不知火「……人を殺しといてよく言う」カチャッ

制圧員B「ひぃぃ!! た、助けてくれ!!」

弥生「だめ、不知火」ギュッ

不知火「っ」

弥生「人は殺してはいけないルールのはず」

不知火「……そうですね」

制圧員C「し、しねぇぇぇ!!!」ダダダダッ!!!!

弥生「……」ドンッ!!!

グシャッ!!

制圧員C「お、俺の足ガァァァァ!!! くそが!くそがぁぁ!!」

弥生「でもそれ以外はなにも言われてない」

不知火「ええ」

制圧員E「ひぃぃ……」

制圧員F「こ、こちら南部制圧部――」バタンッ

叢雲「……それでも必要以上に傷つけてはだめよ」スッ

不知火「遅かったですね」

制圧員E「く、くそがぁ!!!」カチャッ

叢雲「……」スパッ

制圧員「……ッ」バタン

弥生「血がドバドバでてる」

叢雲「運がよければ生きてるわ」

不知火「それよりも負傷者の救護を」バッ

壁外住民C「うぅ……」

叢雲「……」スッ

弥生「敵がいないのに槍を構えてどうしたの?」

叢雲「あんたも負傷者の手当をしなさい」

弥生「叢雲は?」

叢雲「私はそこにいるネズミを捕まえるわ」バッ

飛鷹「ッ! こっちにくるわ!!」シュルッ

飛鷹「発艦開始!!!」ブゥゥゥゥゥゥン!!!

叢雲「艦載機!? ということは艦娘かッ!」ドンドンッ!!

バシャアアアン!!

飛鷹「危ないわね」

男「ちょっとまて飛鷹!」

飛鷹「攻撃開始!!!」

ヒュゥゥゥゥ…… ドゴォォォォン!!! ドゴォォォォン!!


叢雲「くっ!!」

叢雲「この距離だと圧倒的に分が悪い」

男「お前らストップ!!!!」ガサッ

叢雲「あんた……」

男「一旦落ち着け」

叢雲「どうしてあんたがここにいるのよ」

男「それは……」

飛鷹「この状況を見て居ても立っても居られなくなって来たのよ」

叢雲「軍に入ったあんたなんかに心配される筋合いもないけれど」

男「正確にはまだ入ってないけどな」

叢雲「むしろこの状況だってあんたが仕組んだことじゃないでしょうね」

男「違う」

飛鷹「それは私からも違うと言っておくわ」

叢雲「軍の言葉を信じられると思う?」

飛鷹「軍はなにも1つの考えで動いているわけではないわ」

叢雲「どういうこと」

飛鷹「この現状を私のように知らない人もいるってことよ」

叢雲「全体が関わっていることではないってことかしら」

飛鷹「そうなるわね」

叢雲「……」

飛鷹「あなただって、こいつが本当に自分の意思で軍に入ろうと思ったと思っているの?」

男「おい」

叢雲「さあね」

飛鷹「……」

叢雲「……わかってるわよそんなこと」ボソッ

また時間ができれば投下していきます。

不知火「叢雲、負傷者を港の方へ送りました」

叢雲「ありがと」

弥生「久しぶりです」ペコッ

男「あ、ああ」

叢雲「……はぁ、あんたたちもここに居たら危ないわよ」

飛鷹「あら、案内してくれるの?」

叢雲「うっさいわね」



―――
――


沿岸部壁外区港湾



雲龍「あら、やっぱり来たのね」

男「……わかってたのか」

雲龍「あれがあなたの本心じゃないぐらいにわね」

天城「お疲れ様ですみなさん」

叢雲「住民たちは?」

天津風「奥の倉庫に集めているわ、数人の艦娘達で守らせてるからしばらくは大丈夫よ」

不知火「それでは私たちもそちらへ行ってきます」

弥生「うん」

天城「お願いします」

叢雲「死者の方はどれくらい……」

天城「今のところ行方不明者が185人、死亡者は54人になっています」

叢雲「好き勝手やってくれたわね」ギリッ

天城「倉庫内にいる人はざっと1700人前後です」

雲龍「前衛部隊のみんながそろそろ帰ってくると思うわ」

雲龍「それで、どうかしらこの現状を見た感想」

雲龍「日本海軍の艦娘さん」

飛鷹「……」

飛鷹「ここまでひどいものとは思わなかった、壁外住民の存在自体知らなかったわ……」

雲龍「そう、やはりそちらの艦娘にはこのことは知らされてないのね」

男「……死者が54人」ボソッ

葛城「雲龍姉のティーカップの仕返し!!!」ゲシッ


男「うぶっ!?」ガシャンッ!!!

川内「よく飛んでったね」

雲龍「お帰り」

天城「……どうでしたか様子の方は」

葛城「もう東部と西部はかなり深くまで入り込まれてみたい」ゲシゲシ

男「痛い痛い!!」

葛城「私と川内でさっきまで北部にいたらかそっちの方は少し進行が遅いけど時間の問題だと思う」ゲシゲシ

男「やめっ」

飛鷹「随分と仲良くなっていたのね」スッ

男「なわけないだろ!」

天津風「早く立ちなさい」スッ

男「お、おう」スッ

阿武隈「……ただいま戻りましたぁ」

熊野「あら、そちらの方は?」

雲龍「男よ」

鈴谷「おぉ~、これが男君なんだー」

男「うっす」

鈴谷「私は鈴谷だよ、よろしく」

天城「自己紹介は後でできますから各自持ち場についてください」

熊野「分かりましたわ」

天津風「……それで、このままどうする気」

叢雲「ここで籠城するとしても限界はくるわね」

葛城「いっそのこと部隊を全滅させるまでやってもいいと思うけど」

天城「馬鹿なことを言わないで葛城、向こうは次々と戦力を投入できるのよ」

雲龍「どっちにしろ時間が経てば不利になるわね……」

男「……一つだけいいか」

叢雲「なに」

男「海へ逃げるというのはどうなんだ」

天城「海ですか……」

男「住民達をお前らの船に乗せればここよりは安全なはずだ」

天津風「確かにそうね」

叢雲「そうね、第二形態になれば奴らも迂闊に手を出せない」

飛鷹「部外者で口出すのもなんだけどそれがいいと思うわ」

雲龍「……そうしましょうか」

天城「それでは早速艤装を展開させましょう」

葛城「なら私が出すわ」

天城「私もやります、空母2人ならば十分にスペースも確保できますし」

雲龍「それでは住民を船に乗せるまでの時間稼ぎをしなければいけないわ」

叢雲「任せなさい」

天津風「私もいいわよ」

雲龍「そうね、私も出るからあと1人欲しいところだけど」

飛鷹「……はぁ、分かったわよ」

また時間ができれば投下していきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月18日 (火) 22:57:21   ID: 2VccUpfK

久しぶりに殺伐とした雰囲気の艦これssがきたな
こういうの大好きだから読んでてわくわくする

2 :  SS好きの774さん   2015年08月19日 (水) 00:13:45   ID: BcgEC3fU

カテゴリが男女じゃなくて艦これじゃない?

面白いよ、続けて欲しい

3 :  SS好きの774さん   2015年08月20日 (木) 20:58:27   ID: PkBFHiE-

久しぶりに期待できる艦これssだな

4 :  SS好きの774さん   2015年09月02日 (水) 22:10:00   ID: SPyV4xeM

続き期待してます!

5 :  SS好きの774さん   2015年11月22日 (日) 00:44:15   ID: 5yIh_Nm0

続きまだ?

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