ゆき「学園生活部へようこそ、みーくん!」 (51)

みーくん「ん……」ムクッ

ゆき「あ、気が付いた?」

みーくん「あの……ここは?」

ゆき「ここは学校だよ。私たちの通ってる学校」

みーくん「……学校」

ゆき「ん? あ、そうだよね、めぐねぇ。うん、まずは自己紹介からするね」

みーくん「……?」

ゆき「私の名前は何でしょう?」

みーくん「知りませんよ!」

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ゆき「冗談、冗談。わたしの名前は『たけやゆき』。この学校の三年生だよ」

みーくん「三年生……先輩なんですね。あ、私の名前は『なおきみき』です」

ゆき「うん。よろしくね。それで、こっちにいるのが、めぐねぇ。この学校の先生」

みーくん「……?」

ゆき「え? あ、ごみぃ。だって、めぐねぇのが言いやすいんだもん」

みーくん「…………」

ゆき「違うよ。違うって、めぐねぇ。そういう意味じゃないからさ。親しみやすいっていうか」

みーくん「?」

ゆき「あ、そうだ。ねぇ、みーくん、喉乾いてない? 良かったらお水飲む?」

みーくん「あ、はい。頂きます」

ゆき「」ゴクッ、ゴクッ

みーくん「」

ゆき「ふーん。みきだから、ミキティって呼んで欲しいんだ」

みーくん「一言も言った覚えないです」

ゆき「それじゃあ、みーくんだね。早速学校を案内してあげるよ」

みーくん「水は?」

ゆき「ほら、みーくん、おいで。こっちだよ、こっち」

みーくん「あ、ちょっと、ドア開けっぱなしなんですけど」

ゆき「大丈夫、大丈夫。あれ、自動ドアだから」

みーくん「何でそんなまるわかりの嘘つくんですか!?」

【音楽室】


ゆき「まずここが、音楽室。部活のみんな、いるかなー」

みーくん「……部活? 部活って、合唱部とか軽音部とかの、あの部活ですか?」

ゆき「そうだよ。もうすぐ文化祭があるから、多分、みんな今日も練習してると思う」

みーくん「……そんな、まさか」

みーくん(もしかして……あれは全部夢の中の出来事だったの……?)

みーくん(そうだよ……ゾンビなんているはずがない。あれは私の夢だったんだ)

みーくん(このドアの向こうには、軽音部の人がいて、ギターやドラムを使って練習してて……)

みーくん(そんな何でもない光景がきっとあるんだ……)

ゆき「じゃあ、開けるね」

ゆき「お邪魔しまーす」ガラッ


みーくん「……!」


ゆき「あ、やっぱりいた。みんな、練習してるね」

みーくん「…………」

ゆき「それにしても、音楽室ってすごいよね。楽器とかいっぱいあってさー」

みーくん「……本当に、すごいですね……」




くるみ「エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイ、ヨイヨイ!」ズンドコ

りーさん「踊る阿呆に見る阿呆! 同じアホなら踊らにゃ損、損!」ズンドコ

くるみ「ア、ヤットサー、ヤットサー!」ズンドコ

りーさん「ア、ヤットサー、ヤットサー!」ズンドコ


みーくん「…………」

くるみ「あれ、気が付いたのか?」

りーさん「あら、おはよう。もう起きても大丈夫なの?」

みーくん「……はい。それで……二人とも一体、何をしてたんですか?」

くるみ「ああ、それはわかる。気になるよな。でも、その前にまず自己紹介しとかないと」

みーくん「あ、はい……」

くるみ「私は一体誰でしょう?」

みーくん「だから、テンドンとかやめて下さい!」

りーさん「まったく、ゆきちゃんもくるみも冗談ばかり言ってちゃダメよ。きちんと自己紹介しなきゃ」

みーくん「そう言いつつ、あなたも絶対似たような事を言いますよね? もう騙されませんよ」

りーさん「そんな事言わないわよ。私の名前は『わかさゆうり』。この学校の三年生よ」

みーくん「え? あ、はい……」

りーさん「これから、よろしくね」

みーくん「はい……。よろしくお願いします」

りーさん「それで、あなたのお名前は?」

みーくん「あ、すみません。私の名前は『なおきみき』です」

りーさん「またの名をリュシータ・トゥエル・ウル・ラピュタと」

みーくん「いえ、なおきみき、です」

りーさん「君の一族はそんな事も忘れてしまったのかね」

みーくん「なおきみき、です」

りーさん「こいつの体が金属で出来ているのか粘土で出来ているのか、それすらも今の我々の科学力では」

みーくん「人間です(怒)」

みーくん「それよりもさっきから気になってたんですけど、ゆき先輩」

ゆき「……!!」

みーくん「どうしたんですか?」

ゆき「俺の名を言ってみろ」

みーくん「ゆき先輩……ですよね?」

ゆき「せ・ん・ぱ・い♪」

みーくん「……大丈夫ですか?」

ゆき「めぐねぇ。聞いた? わたし、先輩だよ。すごくない?」

みーくん「ですから……」

みーくん「ゆき先輩」

ゆき「ん? なになに、みーくん、何?」

みーくん「その、めぐねぇって、誰ですか?」

ゆき「え……」

くるみ「!」
りーさん「!」

みーくん「さっきから一体、何と話をしてるんですか?」

ゆき「……え、や、やだなあ、みーくん。そんな事言ったらめぐねぇが傷ついちゃうよ……」

くるみ「みーくん、ちょっとこっちに」

りーさん「ええ、早く」

みーくん「え……?」

【屋上】


みーくん「……何ですか、大事な話って」

くるみ「どうしても言っておかなきゃいけない事があるんだ……」

りーさん「ええ……。みきさんがここにいる以上は伝えておかなきゃいけない事なの」

みーくん「でも……何でこんな屋上まで……」

くるみ「それは、ここにお墓があるからだよ」

みーくん「お墓……?」

りーさん「ええ、これ……」

みーくん「本当だ……。でも、誰の何ですか?」

くるみ「ここがお前の墓場だ」

りーさん「あなたの死に場所よ」

みーくん「」

くるみ「本当は……さっき言ってた、めぐねぇのなんだ……」

みーくん「めぐねぇの、お墓……?」

りーさん「もう亡くなってしまったの……」

みーくん「そうだったんですか……」

くるみ「ああ。だから、私たちはめぐねぇを供養する為に阿波踊りを踊ってたんだ……。踊り念仏を知らないから」

みーくん「自分の言ってる事に何か疑問はないですか?」

くるみ「だけど、ゆきはめぐねぇが死んだっていう、その現実を受け止めきれなかった。だから……」

りーさん「ゆきちゃんの中では……めぐねぇも死んでいないし、ゾンビが発生もしてはいないわ。いつもと変わらない日常が続いてるの……」

みーくん「…………」

くるみ「めぐねぇはゆきの支えだったんだ。とてもいい先生だった……」

りーさん「本当に……。優しい人だったわ……。自分の事よりも私たちの事を心配するような、そんな先生だったの……。あの時もそうだったわ……」

みーくん「…………」

【回想】


ゆき「今日のご飯は、お雑煮、お雑煮♪」

めぐねぇ「お餅は日持ちするから、助かったわね」

りーさん「ええ、本当に。お腹もふくれますし」

くるみ「それじゃ、みんな、食べようぜ。美味しそう」


「いっただきまーす」


ゆき「」ガツガツ、モグモグ

くるみ「おい、ゆき。そんなに慌てて食べると、餅を喉に詰まらせるぞ」

りーさん「そうよ。お正月に毎年一人ぐらいは救急車で運ばれる人が出るんだから」

めぐねぇ「うっ!」ドサッ


「めぐねぇぇぇぇぇ!!」

【回想、終】


くるみ「その時、雑煮の餅を喉に詰まらせてめぐねぇは亡くなったんだ……」

りーさん「悲しい出来事だったわね……」

みーくん「その回想……必要でしたか?」


くるみ「ただ、ゆきの中では今でもめぐねぇが生きてる事になってる……」

りーさん「だから、みきさんもゆきちゃんの話に合わせてあげて欲しいの。今は、それが必要だと思うから」

みーくん「でも……そんなの納得出来ません。ゆき先輩にはきちんと教えて、治ってもらった方がいいと思います」

りーさん「知った風な口をきかないで!」

みーくん「……!?」

くるみ「私たちが毎日どんな気持ちで過ごしてると思ってるんだ! 来たばっかのお前に何がわかるって言うんだよ!」

みーくん「…………」

りーさん「……冷たい事を言うようだけど、今は私たちの言う通りにして。ゆきちゃんに話を合わせてあげて」

くるみ「ゆきが、めぐねぇがいるって言うなら、めぐねぇはそこにいるんだ。死んでなんかいない」

みーくん「だけど……」

りーさん「今は、あなたもここの事がよくわかってないわ。私たちの事も、ゆきちゃんの事も」

くるみ「だから、少なくともわかるまではこのままにしてくれ。ゆきは私たちにとっての大事な仲間だし、友達だ。それだけは確かだから」

みーくん「……わかりました。でも、ここの事を、ゆき先輩の事をちゃんと理解するまでです。それなら……」

りーさん「ええ、今はそれでいいわ」

くるみ「そうだな」

みーくん「…………」

くるみ「それじゃあ、戻るか……。ゆき一人にしとくのも心配だし」

りーさん「そうね。ゆきちゃん、危なっかしいから」

みーくん「…………」

くるみ「この前も、勝手に家に帰りそうになったしな」

りーさん「あの時はめぐねぇが止めてくれたから良かったけど……。でも、また止めてくれるとは限らないし……」

くるみ「ああ、早く戻ろう」

りーさん「そうね」

みーくん「…………」スッ (ドアに手をかける)


ドンッ! ドンドンッ!!


みーくん「」ビクッ

くるみ「どうした!? おい!?」

りーさん「なに!? 誰がドアを叩いてるの!?」

シーン……


くるみ「おい! ゆき!? ドアをさっき叩いてたのはゆきなのか!?」

りーさん「ゆきちゃんなの!? 返事をして!?」


ドンドンッ!! ドンドンドンドンッ!!


みーくん「ひっ!」ビクッ

くるみ「なんだよ、これ! ゆき! ゆき!! 返事をしてくれ!!」

りーさん「まさか……ゆきちゃん、ゾンビに……」

くるみ「やめろよ、りーさん! 違う! ゆきがゾンビなんかになるはずがっ……!」

みーくん「ゆき先輩! ゆき先輩なんですよね!? 返事をして下さい!!」

くるみ「ゆき! ゆきなんだろ!?」


ドンドンドンッ!! ドンドンドンドンドンッ!!


みーくん「!!」ビクッ

くるみ「ゆきじゃない……っ!? 」

りーさん「ゆきちゃんっ!!」

『あ゛あ゛あ゛……』


ドンドンドンドンドンッ!! ドンドンドンドンドンッ!!


みーくん「いやー!!」

くるみ「そんなっ……!」

りーさん「嘘でしょ……!!」


『フルコンボだドン!』ドンッ!


みーくん「え……」

くるみ「なんだ、和田ドンかよ、もう……」

りーさん「あー、びっくりした……」ホッ


みーくん「ええええ!?」

くるみ「」ガチャッ (ドアを開ける)

ゆき「もう一曲遊べるドン!」ドヤァ

りーさん「また太鼓の達人ごっこをしてたの、ゆきちゃん?」

ゆき「えへへ」

みーくん「」

くるみ「あれ、びっくりするからやめろよな。心臓に悪いぜ」

りーさん「そうよ。ゆきちゃん。まったくもう」コツン

ゆき「ごみぃ。つい」テヘヘ

みーくん「」

くるみ「さ、じゃあ戻ろうぜ」

りーさん「そうね、行きましょ」

ゆき「うん!」

みーくん「……何なの、この人たち」

今日はここまで

【部室】


ゆき「体育祭をしよう!」

みーくん「え」

くるみ「また、唐突だな、ゆき。どうした?」

ゆき「さっきね、このボッスン帽子にビビッと来たの。今日は体育祭をやりたいって」

みーくん「そんな……。こんな時に体育祭だなんて……」

くるみ「じゃあ、しょうがないな。今日は阿波踊りを中止して、体育祭にするか」

みーくん「え」

りーさん「そうねえ。ゆきちゃんがそう言うならねえ」

みーくん「え」

ゆき「言っとくけど、新入りのみーくんに拒否権はないからね」

みーくん「え」

くるみ「諦めな、みーくん」

みーくん「えええ……」

【50メートル走】


ゆき「位置について」


みーくん「」サッ (クラウチングスタート)

くるみ「」サッ (鳳凰の構え)


ゆき「よーい……」


みーくん「」ジリッ

くるみ「フォオオオオア……」


ゆき「へっくしょん!」


みーくん「え……!」ダダダダッ (ダッシュ)

くるみ「みーくん、フライングー!」

【二人三脚】


ゆき・みーくんチーム

くるみ・りーさんチーム


ゆき「みーくん、勝つよ。タイミング合わせてね。さっきみたいにフライングしちゃダメだよ」

みーくん「何で私のせいみたいになってるんですか……」


くるみ「飛べないみーくんはただの豚だ」

りーさん「見ろ、みーくんがゴミのようだ」


みーくん「ひどくないですか、先輩たち!?」

くるみ「それじゃ、位置について……」

りーさん「時間だ、答えを聞こう!」

ゆき「バルス!」


くるみ・りーさん「」ダダダダッ (ダッシュ)

ゆき・みーくん「」ベタッ (転倒)


ゆき「ちょっと、みーくん! タイミング合わせてよ!」

みーくん「先輩のスタートの号令、おかしいんです!」

【玉入れ】


くるみ「玉入れだー」ポイッ、ポイッ

ゆき「それー」ポイッ、ポイッ

りーさん「うふふ」ポイッ、ポイッ

みーくん「ようやく普通に……」


くるみ「あははっ。ゆきの玉はカーット!」ペシッ

ゆき「もう、くるみちゃん、何するのー。ひどいよー」

くるみ「悔しかったら、入れてみろってー」アハハッ

ゆき「負けないもん、それー」ポイッ、ポイッ

くるみ「甘い甘い、全部カーット!」ペシッ、ペシッ

ゆき「もう、くるみちゃんのイジワルー」キャッキャッ

くるみ「あ、コラ、叩くなよ、ゆきー」キャッキャッ


みーくん「…………」

【綱引き】


ゆき「うー! うー……!!」(渾身の力を込めて引く)

りーさん「ふふ」(片手持ち)


みーくん「なにあの人、すごい……」


くるみ「よっ、みーくん。どうだ、体を動かすって楽しいだろ? ……意味がないってわかってるけど、でも、それが必要な時もあるんだよ」

みーくん「それより、りーさんの怪力の方が気になります」


ゆき「んー!! んんーっ!!」(顔真っ赤)

りーさん「うぬの全力はこれしきか」(阿修羅顔)


くるみ「ゆきはさ……。こういう風に、それが必要な時に必要な事を言い出すんだ。私たちがショッピングモールに行ったのも、ゆきが最初に言い出した事だし」

みーくん「そんな事より、りーさんの顔面の方が気になります」

【部室】


りーさん「みんなー、ご飯ができたわよー」

ゆき「おお! 今日はシチューだー。美味しそー」

くるみ「たっぷり運動したから、余計にそう思えるよな」

りーさん「お代わりもあるから、みんな遠慮なく食べてね」

ゆき「はーい!」


みーくん「……いい匂い」

ゆき「」ガツガツ、モグモグ

くるみ「相変わらず、その食べ方直らないなあ、ゆきのやつ」

りーさん「ふふ。そうね」


みーくん「…………」ソッ (スプーンですくう)

みーくん「」パクッ

みーくん「……!」


みーくん「美味しい……」


くるみ「味音痴の西洋人が作ったこんなゲスな食べ物を私に食わせるのか!」

りーさん「女将を呼べ! この私に豚の餌を食わすとはいい度胸だな!」

ゆき「美味しいよねー」

みーくん「はい。とても」

ゆき「めぐねぇも、美味しい?」

みーくん「あ……」

ゆき「だよねー。やっぱりお肉美味しいよねー。今日の疲れが吹き飛んじゃうっていうかさー」

みーくん「…………」

ゆき「え? そんな事ないよー。めぐねぇ、スタイルいいもん。本当だよ」


みーくん(……いない人が見えてるゆき先輩。普通なら治さなきゃいけないけど……)

みーくん(でも、ゆき先輩はとても明るくて、こんな状況でも楽しそうで……)

みーくん(……必要な事を必要な時に言い出す、か)

みーくん(こんな状況だからこそ……ゆき先輩は本当に必要なものがわかっているのかも……)

みーくん(だとしたら……)

ゆき「ねぇ、みーくんもそう思うよね?」

みーくん「え……?」

ゆき「だから、めぐねぇの事。めぐねぇ、綺麗だし太ってなんかいないよね?」

みーくん「あ……はい。そうですね」

ゆき「ほら、みーくんもこう言ってるよ。だから、自信持ってよ、めぐねぇ」

みーくん(これで……いいのかも)ニコッ

ゆき「ほらほら、みーくんも、もっと言ってあげて。めぐねぇどんどん落ち込んじゃうから」

みーくん「そうですね。めぐねぇはとても綺麗ですよ。だから、安心して下さい」

ゆき「あ、めぐねぇ、今、向こうだから。なに壁と話してるの、みーくん?」

みーくん「」

【シャワー室】


みーくん「…………」トコトコ (全裸)

みーくん「」キュッ (シャワーのコックをひねる)


ジャバー……


みーくん「あっつ!! 熱湯! 熱湯!」ピョン、ピョン

【シャワー後】


みーくん「はぁ……」トコトコ (バスタオル一枚)

りーさん「あら……?」

みーくん「あ、シャワーありがとうございます」

りーさん「いいのよ、気にしないで」


りーさん「それで……」

みーくん「はい」

りーさん「今日一日、どうだった?」


みーくん「……なんて言うか……楽しかったです。こんな風な気持ちになれたの、本当に久しぶりで……」

りーさん「そう。良かった」ニコッ

みーくん「はい」

みーくん「それで……あの……ゆうり先輩」

りーさん「あら、なに? どうしたの?」

みーくん「私も学園生活部に入部させて下さい。仮入部とかでもいいですので!」ペコッ

りーさん「え……」

みーくん「今日一日、過ごしてわかりました。私もこの部に入りたいんです!」

りーさん「…………」

みーくん「ダメ……ですか?」

りーさん「」スッ (手を差し出す)

みーくん「あ……!」パアッ


りーさん「だが断る」

みーくん「」

りーさん「この『わかさゆうり』の好きな事は!」

りーさん「相手を期待させてから一気に奈落の底に蹴落とす事だ! 今のお前のようにな!」

みーくん「」


りーさん「ふふっ。歓迎するわ。『なおきみき』さん。学園生活部へようこそ」

みーくん「え、じゃあ……」

りーさん「ええ、さっきのは冗談よ。これからよろしくね」ニコッ

みーくん「あ、ありがとうございます!」

りーさん「と、言うとでも思ったのか?」

みーくん「どっちなんですか!!」

りーさん「嘘よ、嘘。本当の本当に、あなたを歓迎するわ」

みーくん「良かった……」

めぐねぇ「これからよろしくね、みきさん」

みーくん「はい、よろしくお願いしま……誰ですか」

めぐねぇ「私が餅を喉に詰まらせて死んだと言ったな。悪いな、それは嘘だ」

みーくん「」


ゆき「ドッキリ!」

くるみ「大成功!」

りーさん「やったわね」ニコッ

めぐねぇ「ええ」ニコッ


みーくん「何してるんですか、あなたたちはっ!!」

【現在】


くるみ「ああ、懐かしいなあ。そんな事もあったけ」

みーくん「私は絶対にあの時の事を忘れません」

ゆき「だって、普通の歓迎会じゃつまんなかったから、りーさんが何かしようって言い出してさあ」

りーさん「そうそう。それで、影が薄いっていつも言われてるめぐねぇを、本当にいない事にしたらどうかなって話になったのよね。懐かしいわ」

めぐねぇ「私、あの時はずっと見つからないように、教室の掃除道具入れの中に隠れてたのよねえ。もう蒸し暑くて蒸し暑くて、大変だったんだから」

ゆき「みーくん、まんまと騙されたよね。ぷぷぷー」

みーくん「誰だって騙されます、あんなの!」

太郎丸「わんわん!(帰ってきた! 黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!)」

くるみ「いやー、でも、面白かったよな、あれ。ビデオカメラで確か隠し撮りしてたよな、あの時」

みーくん「そんな事までしてたんですか!?」

りーさん「あのテープならちゃんと編集してあるわよ。今から見てみる?」

みーくん「や、やめて下さい! 恥ずかしい!」

ゆき「そうだね、見よう! 今からビデオ鑑賞会だよー! めぐねぇ、いいよね?」

めぐねぇ「ふふ。いいですよ。じゃあ早速準備してきましょうか」

みーくん「めぐねぇまでやめて下さい! 私、晒し者じゃないですか!///」

くるみ「よっしゃ! 手伝うぜ、めぐねぇ!」

めぐねぇ「あら、ありがとう。それじゃ一緒にこっちに来て」

みーくん「ま、待って下さいよ!///」

ゆき「ねぇねぇ、みーくん」

みーくん「な、何ですか?」

ゆき「これからもこうやって、いっぱい、いーっぱい、楽しい思い出作ってこうね」ニコッ

みーくん「……ゆき先輩」

ゆき「そしたら、救助が来るまで、みんなでずっと笑っていられるよ」

みーくん「……そうですね」ニコッ

ゆき「それに、みーくんの隠し撮りまだ他にもたくさんあるし」

みーくん「!?」

ゆき「よだれ垂らしてる寝顔とか、屋上でダンスを踊ってゾンビ相手にアイドルコンサートを一人でやってたところとか」

みーくん「や、やめて下さい!/// なにこっそり撮ってるんですか!」

『おーい、みんなー、上映会の準備出来たぞー』

ゆき「お。きたー、楽しみだね、みーくん♪」

みーくん「ちょ、え、中止して下さい! 恥ずか死にます! やめて下さいよ!///」

ゆき「ダーメだっよー♪ 部活に入りたいって言ったの、みーくんの方なんだから」

みーくん「それとこれとは別です!///」




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