キモオタ「デュフフwww暗殺教室の世界に迷い込んでしまったでござるwww」3学期 (677)

立て乙

たておつー



>>2>>11 ありがとう!!頑張ります!!

病院の病室にて...........





渚「調子はどう?茅野.......じゃなかった 雪村.......さん?」


茅野「茅野でいいよ 皆から呼ばれてるうちにこの名前気に入っちゃった」


杉野「あさって退院か 冬休み丸々潰れちゃったな」


茅野「うん、先生が言うには全治2週間で済んだのが奇跡だって........でも、皆の冬休みだって........」


杉野「ああ......殺そうとか......言い出せる雰囲気じゃなくてな」


茅野「.......ごめんなさい、私のせいだ
お姉ちゃんの真実が全部わかって 私はやっと心の整理がついたけど
引き換えに皆は.......殺せんせーの過去を知ってしまって...........」


渚「違うよ茅野 いつかは知らなきゃいけなかったんだ」


奥田「クラス皆が.....全力で背を向けてきたんです
少しでも長く......楽しい暗殺を続けるために」


渚「たぶん皆 それぞれが冬休みの間に考えてる
これからどうこの教室と向き合っていくのか」


茅野「渚は?」


渚「僕も........ちょっと皆に相談したい事がある 冬休みがあけたら打ち明けてみるよ」


茅野「そう........」ニコッ









渚「........あ、あと.......茅野に謝らなくちゃ」


キモオタ「拙者も茅野殿に謝らなくては........」


茅野「ん?」


渚「あの夜の事........あんな事しちゃってさ..........」


キモオタ「茅野殿を助けるにはあの方法しかないと思って.........しかもオカズにしてしまったでござるし.........すまなかった...........」


渚「怒ってる.......?」


茅野「...........!」












茅野「まさか!二人とも私を助けてくれたんだもん
感謝しか出てこないよ!」ニコッ


渚 キモオタ「..............!」


茅野「それに.......キモオタ君に関しては謝らなきゃいけないのは私の方だよ、あの時、キモオタ君は必死で私の事を説得してくれたのに『余計なことを言ったら殺す』なんてひどいこと言ってしまって..........友達に対して『殺す』なんて一番言ったらいけないことなのに.........本当にごめんなさい キモオタ君.........」


キモオタ「いやいや、気にしてないから大丈夫でござるよ!それに、ぶっちゃけあの時、 茅野殿が触手を出す姿になんとも言えぬエロティックさを感じて茅野殿と触手プレイをする妄想で78回も抜いてしまったし、これでおあいこでござるよwwwデュフフwww」


茅野「やっぱあの時 殺しとけばよかった..........」ボソ.....


渚「よかった........友達辞めるとか言われたらどうしようかと」ホッ


茅野「.......気にしすぎ!ずっと普通に友達だってば」ゴロン


神崎「..........そろそろ帰ろ 渚君
茅野さん まだ万全じゃなさそうだし」


渚「あ、うん、じゃあね茅野 また明後日!」


茅野「...........うん」





パタン.....




病院の廊下にて





神崎「............」クスッ


渚「どうしたの 神崎さん?」


神崎「いつも少し遠くでクラスを見てたけど.......やっと同じ場所に来てくれた気がして」


一同「.............?」キョトン




病室では........







茅野「(うわあああああああああああああああああああああああああああ//////)」ジタバタジタバタ
 




茅野「(あんなの知っちゃったら......もう演技なんてできない!!///)」


茅野「(.......私がクラス一だと思ってた
人間単体ならいざしらず
触手込みの瞬間火力をもってすれば......殺し屋として遅れをとるわけがないと)」


茅野「(私の心臓は.......いともたやすく撃ち抜かれた..........完敗だ
渚以上の殺し屋なんてクラスにいないよ/////)」







茅野「今度は『友達役』........か
演じ切らなきゃ///」ハァ.....







そして..........新学期の朝............







殺せんせー「おはようございます!三学期も良く学び よく殺しましょう!!」





生徒たち「........うん.......おはよう殺せんせー」ス.....





殺せんせー「............」





烏間「俺も........お前の素性の情報はキモオタ君から聞くまでは断片的にしか知らなかったが 全部話せば.......生徒たちがこうなる事は目に見えてた」


烏間「お前は 生徒にここまで重いものを背負わせても.......教師の仕事をなお完遂できるのか?」


殺せんせー「.........見ていてください 烏間先生 私と生徒たちの行動を」





殺せんせー「場に応じて柔軟にやり遂げる覚悟が無ければ........最初から教師になどなってませんよ」




E組の教室.........




シィン......





生徒たち「..................」





ビッチ「一番愚かな殺し方は........感情や欲望で無計画に殺す事、これはもう動物以下」


生徒たち「ビッチ先生........」


ビッチ「そして次に愚かなのは.......自分の気持ちを殺しながら相手を殺す事」


キモオタ「............」


ビッチ「私のような殺し方をしてはダメ 金の代わりに沢山のものを失うわ
散々悩みなさい ガキ共
あんた達の中の.......一番大切な気持ちを殺さないために」


生徒たち「..............!」


渚「..............」






僕は決心して......放課後皆に集まってもらった





寺坂「ンだよ渚 テメーが招集かけるなんざ珍しいな」


渚「ごめん......でも どうしても提案したくて」


原「何.......?言ってみて」


渚「.............できるかどうかわかんないけど」







渚「殺せんせーの命を.......助ける方法を探したいんだ」









生徒たち「!?」





三村「助ける.......ってつまり 3月に爆発しないで済む方法を?」


岡野「アテはあるの?」


渚「もちろん今は無い 無いけど........あの過去を聞いちゃったら........もう今までと同じ暗殺対象としては見れない
皆もそうなんじゃないかな」


カルマ「.............」


渚「3月に地球を爆破するのも先生本人の意志じゃない もともと僕らと大して変わらないんだ

僕らと同じように.......失敗して 悔いて 生まれ変わって僕らの前に来た

僕らが同じ失敗をしないように.......色んな事を教えてくれた」


渚「何より一緒に居てすごく楽しかった
そんな先生.......殺すより先に助けたいと思うのが自然だと思う」


生徒たち「.............」









渚「それに......もしも殺せんせーを助ける事ができれば、ひょっとすればキモオタ君はこの世界に残れるかもしれないんだ」


生徒たち「..............!?」


渚「だってキモオタ君がこの世界から出る条件は『殺せんせーを殺す』事なんでしょ?だったらもしも殺せんせーを殺さずに助ける事ができたらその条件は満たされないからキモオタ君はこの世界にいられる!........まあ.......キモオタ君が元の世界に帰りたいと思ってるのか この世界にいたいと思ってるのかは別として..........」


生徒たち「なるほど........!」


キモオタ「.............」


渚「皆...........どうかな...........?」









倉橋「はいはーい!私さんせい〜!殺せんせーとまだまだ沢山生き物探したいし、オタりんとまだまだ沢山遊びたい!」


片岡「渚が言わなきゃ私が言おうと思ってた.........2人に恩返ししたいもん」


渚「倉橋さん、片岡さん......!」


原「もう充分 暗殺を通して成長したしね」


杉野「ここから先は新しいチャレンジしてこーぜ!」


不破「新シリーズ開幕だ!」


渚「皆.........」





良かった........同じ気持ちの人がいて





中村「...........こんな空気の中 言うのはなんだけど.......私は反対」


渚「えっ.......」


生徒たち「.............!!」


中村「暗殺者と標的が私たちの絆......そう先生は言った......この一年で築いてきたその絆.......私も本当に大切に感じてる」





中村「だからこそ........キモオタには申し訳ないけど.......殺さなくちゃいけないと思う」





渚「............中......村さん........」









寺坂「助けるって言うけどよ 具体的にどーすんだ? あのタコを1から作れるレベルの知識が俺らにあれば別だがよ
奥田や竹林の科学知識でさえ…せいぜい大学生レベルだろ」


渚「で、でも…」


吉田「渚よ テメーの言いたい事…俺等だって考えなかった訳じゃねぇ」


村松「けどな 今から助かる方法探して…もし見つからずに時間切れしたらどーなるよ?」


寺坂「暗殺の力を1番つけた今の時期によ それを使わず無駄に過ごして…タイムリミットを迎える事になるんだぜ
あのタコが そんな半端な結末で 半端な生徒で 喜ぶと思うか?」


生徒たち「..............」


渚「で、でも考えるのは無駄じゃない…......」





カルマ「..........才能ある奴ってさ 何でも自分の思い通りになるって勘違いするよね ねぇ渚君 ずいぶん調子乗ってない?」





渚「え...........?」









カルマ「E組で一番暗殺力があるの渚君だよ?その自分が暗殺やめようとか言い出すの?」





生徒たち「え........?渚が一番暗殺力が.......?」「どーいうことだよ.....?」


キモオタ「(なんと.......カルマ氏は渚氏の暗殺の才能に気づいていたか........カルマ氏はやはり本質を見抜く才能が......!)」





カルマ「才能が無いなりに.....必死に殺そうと頑張ってきた奴らの事も考えず
それって例えるなら.....モテる女がブス達に向かって
『たかが男探しに必死になるのやめようよ〜』.......とか言ってるカンジ?」


渚「そ、そんなつもりじゃ......第一 暗殺力なら僕なんかよりカルマ君の方がずっと.........」


カルマ「そういう事言うからなおさらイラつくんだよ
実は自分が一番......力が弱い人間の感情理解してないんじゃないの?」


渚「違うよ!!そーいうんじゃなくてもっと正直な気持ち!!
カルマ君は殺せんせーの事嫌いなの?
映画一緒に見に行ったり......色々楽しかったじゃん!!」


カルマ「だぁから!!そのタコが頑張って.....渚君みたいなヘタレ出さないために楽しい教室にして来たんだろ!!
殺意が鈍ったらこの教室成り立たないからさぁ!!」





カルマ「その努力もわかんねーのかよ!!体だけじゃなく頭まで小学生か!?」









渚「................!!」キッ!!





カルマ「え?何その目
小動物のメスの分際で人間様に逆らうの?」


渚「........僕はただ.........」





ドンッ!!





渚「....うっ.....」ヨロ....


カルマ「文句があるなら一度でもケンカに勝ってから言えば?
ほら 受けてやるから来いって
ホラ、ホラ」ドン! ドン!


渚「っ..........!」ヨロ.....





ガシッ!!!!


ズシィィィィィンッッッッ!!!!





カルマ「なっ.........!!」




生徒たち「キモオタ..........!!」





キモオタ「いくら中学生の喧嘩とはいえ、やりすぎだ、渚氏に謝るでござるよ カルマ氏........!!」ズシ......





カルマ「くっそ.........!!」ググ....!!









磯貝「すごい......あのカルマがピクリとも動かない.........!!」


前原「そりゃそーだろーよ、あれだけの体重にのしかかられたら動けねーよ」





キモオタ「一体どうしたでござるか カルマ氏?いくらイラついているとはいえ 渚氏の心の傷を抉るような事を言うなんてカルマ氏らしくもない」


カルマ「あーもぉうるさいなぁ!!どけよ重いんだよデブ!!なに?ひょっとして昔 自分がいじめられっ子のヘタレだったからって 自分と同類のヘタレを庇ってるつもり?」


キモオタ「..............!!」





生徒たち「あいつ.........!!」





渚「キモオタ君はヘタレなんかじゃない!!僕だって半端な気持ちで言ってないっ........!!そんなに殺せんせーを殺したいのならカルマ君一人で殺しに行けばいいじゃん!!僕は絶対殺せんせーを助ける!!」


カルマ「ハァ!?何言ってんの!?そんなの『暗殺教室』でもなんでもねーじゃん!!
あのタコの今までの努力やしてきたことがわからないんだったらもうこの教室から出............!!」





殺せんせー「ストップです!!渚君!!カルマ君!!」





渚「..............!」


カルマ「...............!」










殺せんせー「中学生のケンカ大いに結構!!でも 暗殺で始まったクラスです

これ(武器)で決めてはどうでしょうか」ジャキン





生徒たち「(事の張本人が仲裁案を出してきた!!)」





中村「なんで最高司令官のコスプレなのよ」


殺せんせー「ヌルフフフ」





殺せんせー「これに似合う格好をと思いまして」ドサドサ





烏間「(赤と青の.....BB弾?)」









殺せんせー「二色に分けたペイント弾と、インクを仕込んだ対先生ナイフ
チーム分けの旗と腕章を用意しました」


殺せんせー「先生を殺すべき派は赤、殺すべきでない派は青」


殺せんせー「まずしっかり全員が自分の意志を述べて.......どちらかの武器を手に取って下さい」


生徒たち「..........!」


この山を戦場に赤チーム対青チームで戦い、相手のインクをつけられた人は死亡退場
相手チームを全滅か降伏させるか
敵陣の旗を取ったチームの意見を......クラス全員の総意とする!」


殺せんせー「勝っても負けても恨み無し どうです?」


生徒たち「...........!」






岡島「楽しそうだな殺せんせー、自分の生死に関わる問題なのに」


寺坂「ここにきて力技で決めるのかよ......」


殺せんせー「多数決でも良いですが それも一種の力技です
『この』方式でも多人数有利は変わりませんが.......この教室での一年の経験をフルに活かせば人数や戦力で劣るチームにも勝ち目がある」


生徒たち「なるほど.......」


殺せんせー「先生はね、大事な生徒たちが全力で決めた意見であればそれを尊重します

最も嫌なのは クラスが分裂したまま終わってしまう事

先生の事を思ってくれるなら......それだけはしないと約束してください」









磯貝「どうする?」


生徒たち「.............」コク!


磯貝「..........よし」





磯貝「これで決めよう 殺すか殺さないか」





渚「.............」


カルマ「..............」


キモオタ「..............」





千葉「OK......じゃあ俺から選ばせてもらう」ザッ.....


速水「............」ザッ......









千葉「必殺を目指して必死に頑張ったから........俺らは成長できたと思う
誰が、何が俺らを育ててくれたのか......そこから目を逸らしたくない」


殺せんせー「...........」ウンウン


速水「だから........暗殺を続けたい」





千葉 龍之介・速水 凛香:殺す派











渚「千葉君......速水さん........」


茅野「私はさ、殺せんせーを殺そうとした時 後悔したよ
『この先生にはもっと長く生きて欲しい』って
多分お姉ちゃんの血筋だから.......同じ事を考えたんだと思う」


茅野「だから私は.......殺せんせーを守りたい」




茅野 カエデ:殺さない派




渚「............」ホッ





茅野「(........殺し屋を好きになるのも血筋なのかな///)」









奥田「科学の力は無限です!!壊すことができるのなら逆に助けることだって........!!」


竹林「それに......当てがゼロってわけじゃない、皆が一丸になれば『それ』も試せる」





奥田 愛美・竹林 孝太郎:殺さない派





菅谷「俺ら ものづくり組は......暗殺自体が卒業制作だと解釈してる」


三村「............」


岡島「時間切れで死ぬ位なら.......最高の作品を殺せんせーに見せたいんだ」





菅谷 創介・三村 航輝・岡島 大河:殺す派









木村「正義(ジャスティス)の名に恥じない暗殺者を目指せって言ったのは先生だぜ?俺はそのアドバイスに従うよ」





木村 正義:殺す派





神崎「これから先もずっと.......相談に乗って欲しいと思うから」





神崎 有希子:殺さない派





狭間「地球の命と恩師の命、同じ天秤に乗せるだけでくたびれるわ
面倒はやめて殺しましょ」





狭間 綺羅々:殺す派










矢田「.............」チラッ


キモオタ「矢田殿...........?」





矢田「私は自分の気持ちに素直でいたい........それだけじゃダメかな?」





矢田 桃花:殺さない派





前原「ダメなことないだろ、俺もこいつも根は単純でさ、助けたいと思うから助けたいし、まだまだ一緒にいたいと思うから帰って欲しくない.........なっ!」ポン!


磯貝「ああ、皆の意見も全部尊重したいんだけどな」





前原 陽斗・磯貝 悠馬:殺さない派





イトナ「俺も単純だ、殺すためにこのクラスに来た、殺しに来たからお前らと会えた
殺せんせーを殺す毎日は楽しい、理由は.........それだけでいい」





堀部 イトナ:殺す派





岡野「..............」








律「殺せんせーを殺す事は私に与えられた至上命題ですが、思考と行動を繰り返すうち、ターゲットの死は我々にとって最大損失だと認識するにも至りました」


律「どちらが正解か判断するには私のスペックでは早すぎます
協調の観点からも中立します」





自律思考固定砲台:中立





岡野「..........さっきまで殺さない派だったんだけど、皆の意見聞いてわかんなくなってきた」


岡野「殺せんせー、殺す事って.......先生の事を嫌いって事じゃないんだよね?」





殺せんせー「もちろんです 岡野さん、暗殺されている時こそが君達を一番身近に感じます」





渚「.............」





殺せんせーは 誰の意見も嬉しそうに聞いている
決して皆.......
安易な気持ちで言ってないのをわかってるから





岡野「なら.......ごめんね 渚、キモオタ
私はこっちの皆の気持が近いかも」





岡野 ひなた:殺す派





渚「..............うん」





自分の意見で一杯だった僕が恥ずかしくなった









渚「さてと、僕も青を.......」ザッ





潮田 渚:殺さない派





カルマ「............」ザッ





赤羽 業:殺す派





渚 カルマ「..............!」





渚 カルマ「ふんッ」プイッ!





杉野「あーあ、すっかりケンカしちゃってまぁ........」


茅野「..........前から少し気になってたんだけどさ、あの2人って.......友達付き合い長いんだよね」


杉野「そーだな、中一からクラス一緒だし よく遊ぶし」


茅野「その割には......どこか他人行儀だよね、互いの事をゲスト扱いしてるっていうかさ........未だに双方君付けだし」


杉野「そーいやそーだな、俺なんかクラス来た日に双方呼び捨て合ってたけどな」


茅野「杉野はフレンドリーすぎるけどね」









磯貝「...........さぁ.......これで自分の意思表示をしていないのはお前だけだぞ キモオタ」


キモオタ「.................」


前原「殺せんせーを助けてこの世界に残るのか...........殺せんせーを殺して元の世界に帰るのか.........お前はどっちなんだよ?」


キモオタ「................」


生徒たち「................」










キモオタ「...........拙者は..........」









キモオタ「..........拙者は........この世界にいたい.............」





生徒たち「キモオタ.............!」


矢田「キモオタ君.........!」パァァァ!!


倉橋「やったぁ!オタりん!」





キモオタ「しかし...........」





生徒たち「................!?」





キモオタ「すまぬな、倉橋殿.........拙者は約束を守れない..........」





倉橋「................!!」















キモオタ「拙者は 殺せんせーを殺すでござるよ」









生徒たち「.................!!」




キモオタ「...............」





倉橋「やだ...........」ボソ.....


木村「倉橋.........」





倉橋「やだやだやだ!!私オタりんとお別れなんてやだぁ!!」


キモオタ「..........倉橋殿.........」


矢田「.........一生懸命考えて決めたことなら......私はキモオタ君の意見を尊重するよ........でも、キモオタ君は本当にそれでいいの?」


片岡「自分の気持ちを殺しながら相手を殺してはダメってビッチ先生だって言ってたじゃない.....」


磯貝「どうしてこの世界にいたいって気持ちを殺してまで殺せんせーを殺そうと思ったのか 理由を言ってくれないか..
.......?」





キモオタ「................」









キモオタ「........殺せんせーは第二の刃を持てと拙者らに教えてきた........拙者にとっての第二の刃とは......夢に向かって進む勇気だ.......」


生徒たち「.............」


キモオタ「拙者はこの世界に来てから.....一度捨てた小説家になるという夢をまた、本気で叶えたいと思うことができた.........それは、紛れもなく 殺せんせーの教えのおかげ...........」


キモオタ「先生は、生徒である皆に殺されることを望んでいる.........それが、再び夢を見ることを教えてくれた恩師の願いならば...........拙者はその願いを叶えたい..........そして、殺せんせーの教え通り、拙者は夢を叶える........自分の本当にいるべき場所に帰って..........」


渚「キモオタ君.........」


キモオタ「.........最初は殺せんせーや地球と運命を共にするつもりだったが、殺せんせーと触れ合ううちに、この先生を助けたいと思うようになった.........拙者だって、殺せんせーを救う方法を考えた事は何度もある..........反物質生成細胞の細胞分裂を止める方法........反物質生成細胞を人間の細胞に組み替える方法..........たくさん考えた...............」


生徒たち「.................」


キモオタ「でも..........」





キモオタ「拙者の知識では、殺せんせーを救う方法を見つけ出すことができなかった...........」


生徒たち「................」


キモオタ「言い方が悪いが.........たかだか21年そこら生きただけの人間や、中学生の浅知恵で解決方法が見つかるぐらいなら、殺せんせーや柳沢がとうの昔に見つけている..........」


殺さない派の生徒たち「...............」





キモオタ「..........救うのも、殺すのも.......どっちも不可能な事ならば........せめて、
殺せんせーが望んでいる『殺す』方を拙者は選ばせてもらう..........それが、拙者の答えだ...........」


生徒たち「..............!」





キモオタ:殺す派









磯貝「...........さて、これで..........全員別れたな」









赤チーム(殺す派):赤羽 業、岡島 大河、岡野 ひなた、木村 正義、菅谷 創介、千葉 龍之介、寺坂 竜馬、中村 莉桜、狭間 綺羅々、速水 凛香、三村 航輝、村松 拓哉、吉田 大成、キモオタ、堀部 イトナ


青チーム(殺さない派):磯貝 悠馬、奥田 愛美、片岡 メグ、茅野 カエデ、神崎 有希子、倉橋 陽菜乃、潮田 渚、杉野 友人、竹林 孝太郎、原 寿美鈴、不破 優月、前原 陽斗、矢田 桃花





前原「........思いの外 不利になったな」


磯貝「ああ.......人数も男子の数も赤の方が多い」


磯貝「(それに.......各ジャンルのスペシャリストをほとんど赤が擁してるのがかなりキツい)」




戦闘:カルマ
狙撃:千葉、速水
防御:寺坂
起動:木村、岡野





磯貝「(腕に自信がある奴ほど厳しい選択ができるのかもな)」









烏間「俺が戦いを仕切ろう、律は戦況を表示してくれ」


律「はい!」


烏間「互いのチームの旗の距離は100メートル弱、俺は中間点で勝負の判定を行ったり........ゾンビ行為(当たったのに当たってないフリで戦闘を続ける事)等の反則を見張る、それ以外は........君達がどこから攻めようが知らないフリをしているから安心しろ」


烏間「それと、超体育着の新機能として.........フードの中に内臓通信機と目を保護する極薄バイザーを追加した、必要に応じて使うといい」





生徒たち「よぉし!!作戦会議だー!!」「おぉー!!」





烏間「(...........迷いを抱えながら暗殺を続けても成功しない事はわかっている、クラスが再び暗殺に集中できるかどうか、一つの賭けだな)」









原「学校の裏山に合わせた迷彩塗らないとね、赤チームは菅谷君が完璧に仕上げてるはず」


倉橋「あ、私やるよっ私 前に菅やんに塗り方教わったんだ〜」カラカラ


前原「そっか!じゃあ頼むぜ倉橋!」


倉橋「うん!」


倉橋「(オタりん..........私達、絶対に勝っちゃうからね!オタりんが望んでもいないような暗殺なんてさせないもん!)」シュ---!!





磯貝「渚、このチーム 俺が指揮を取ってもいいか?」


渚「あ も、もちろん!」


磯貝「早速だけど お前には指示を出さない、戦況を見て好きに動け」


渚「え? う、うん わかった.......」ダッ!





磯貝「(兵士として使えば渚の戦力は並以下だ、戦力で劣るチームで渚を活かすには........『戦闘』の枠にはめない方がいい」









寺坂「うっしゃあ!!テメーら俺に任せてついてこいや!!」





カルマ「.............」


中村「さっきはらしくなかったねーカルマ、引きずってんの?」


カルマ「........ごめんごめん、もう覚めたから大丈夫、中村、千葉と速水さん呼んできて」


中村「お、いつもの君の目だ」





岡野「..........ねえ、本当にいいの キモオタ?もし殺せんせーを殺しちゃったらキモオタは元の世界に帰らなきゃいけなくなるんだよ?それに..........」


キモオタ「.........大切な人を殺す悲しみを二度も味わう事になる.......でござるか..........大丈夫でござるよ岡野殿、殺せんせーが望む事ならば.......拙者は悲しみなど抱かず、喜んで殺せんせーを殺すでござるから」ニコッ!


岡野「キモオタ...........」





キモオタ「(........いずれ殺さなければならないのなら、殺せんせーを殺すのは拙者一人だけでいい.............殺せんせーを殺した後、恩師を殺害した殺人鬼として皆から恨まれても..........拙者以外の皆が『大切な人を殺す悲しみ』を味わうことがなければそれでいい............そんな気持ちをを味わうのは拙者一人だけでいい.........)」









殺せんせー「皆いい目をしている」


ビッチ「え?」


殺せんせー「信じる大義がそれぞれの胸にあるからです」





殺せんせー「大義を持つと 人間は普段以上の力が出せる
戦いのスリルも戦後の充実感も........訓練とは段違いとなる事でしょう」









烏間「両チーム準備はできたか.........では始めるぞ」ス.....





烏間「クラス内暗殺サバイバル.......」





生徒たち「...............!!」










烏間「開始ッッ!!!!」



















ビシッ!!!!





パチュッ!!!!














竹林 片岡「..........え...........?」





(青)竹林 孝太郎、片岡メグ:死亡





竹林「(か........開幕アウト!?
しまった..........布陣の時点でマークされてたのか!!)」


竹林「速水あたりか.......油断した」





片岡「(わ、私を撃った方向は......どう考えても100メートル以上距離がある!!BB弾の弾道なんて50メートル越えたらブレまくるのに 上空の風や弾道の乱れも全て計算して..........!!)」





片岡「(恐るべし........千葉君の超遠距離狙撃!!!!)」









岡島「ガンガン狩ってけよ 千葉、周囲は俺がガッチリ守ってるから」


千葉「OK」





ビッチ「...........!!とんでもない殺し屋に育ったものね」


殺せんせー「ええ」





殺せんせー「ただし それは千葉君だけじゃない」














パパパパパパパパパンッッッッ!!!!














(赤)千葉 龍之介、岡島 大河:死亡





千葉 岡島「...............!!」





神崎「クス.....」ペロッ










殺せんせー「クラス全員がとんでもなく育った殺し屋、激戦は必至ですよ」





デュフフ毎日楽しみで更新確認してるでござるよ。

トリップ簡単すぎてワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
そらバレるわ…>>1せめてもう少し難しいのにしとけ

■ SS速報VIPへ初めて来た方へ
■ SS速報VIPへ初めて来た方へ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438960104/)
ここに>>1の酉があるでござるよ。

テスト
ただ、これが酉キーなら簡単過ぎるからばれて当然だな。
自演かどうかはわからんぞ。
複雑なのなら自演確定だったがたまたま初めてスレで見つけていたずらの可能性も高い気がする

茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野茅野

>>107
とりあえず神崎なのか茅野なのかどっちだよ?
俺は茅野たんちっぱいかわいいから渚がうらやましい。






岡島「うそだろ.......いつの間に背後につかれたんだ 全然わからんかった」


千葉「.......忘れてた 神崎さん オンラインの戦争ゲームの達人だった 狙撃手の潜みそうな場所、守備に隙間が出来やすい地形 全て熟知してるってわけだ」






その頃.........





前原「しかし、このチーム分け 赤チームは警戒しなきゃなんねー奴が多すぎるな
、戦闘のカルマに機動の岡野、木村、狙撃はまだ速水が残ってるし...........」ザザッ!


磯貝「.........あと、今回はキモオタもあっち側だしな........」ザザッ


前原「確かにキモオタは敵に回したら厄介だけど、あくまでこれはサバゲーだからあいつの火力も耐久力も今回は役に立たないと思うぜ!」ザザッ


磯貝「でも、あいつの意外性は油断できないぞ......何をしてくるかわからないし........!」ザザッ


前原「心配しすぎだって!日頃の訓練でもわかるように クライミングもフリーランニングもできないし、機動力はほぼゼロに等しいし、おまけに的がでかいから狙い撃ちしやすい!だから 今回のキモオタはそんなに警戒しなくても大丈...........」ザザッ














パンパンッッッッ!!!!














前原「.........え..........!?」


磯貝「..........嘘だろ..........!」





(青)磯貝 悠馬、前原 陽斗:死亡




前原「.........今撃ったのは誰だ.........千葉じゃないし........まさか速水.........!?」


磯貝「おい.........そういえば.........ナイフ術の成績の悪さに埋もれててすっかり忘れてたけど..........キモオタの射撃の成績って........」


前原「............しまった............千葉と速水に次いで総合3位だった............!!」





磯貝 前原「.................!!」









キモオタ「(........まずは司令塔と先導者を潰して、相手側の組織の統率力を乱す..........戦争の基本だ)」


キモオタ「(ここからは拙者も予想できない展開.......ならば 展開が変わる云々はもう気にしない!!ここからは好きに暴れさせてもらう!!)」


キモオタ「(さて 次は...........!)」ドスドスッ!!




その頃..........





神崎「(暗殺のためにと始めて極めたゲームだけど.......やってて良かった)」タッ!!


菅谷「え!?」





パパパパパパパパパンッッッッ!!!!





菅谷「うわっ!!」





(赤)菅谷 創介:死亡





神崎「(殺すのじゃなく助けるために役立ってるから)」











ビッチ「ユキコ.......爪を隠してたのね」


殺せんせー「ええ、そして実に正しい戦い方です」


殺せんせー「このフィールドで中央突破は極めて難しい、優れた狙撃手は両軍にいるし........エアガンも一般のものより強力ですから、彼女のように.......外側から回り込んで攻め込むのが定石となる......
.....が」









神崎「...............!!」タタッ!!





キモオタ「..........やはりここに来ると思ったでござるよ、神崎殿.........」ザッ!!


神崎「........戦争中に堂々と敵の正面に立ちはだかるなんて愚の骨頂だよ キモオタくん、よく私がここに来るってわかったね?」ニコッ


キモオタ「拙者、元の世界で引きこもっている間にFPSに没頭していた........そしてここに来てからも続けていた.........FPSをやっていれば、自ずとFPSを極めた神崎殿がどこに来るかなど予測がつく.......拙者 ずっと神崎殿と決着をつけたいと思っていたでござるよ........」ガチャッ!


神崎「キモオタくんがFPSをやってる事は知ってたから、私もずっと決着をつけたいと思ってた........でも なかなか機会がなかったからちょうど良かった.........
決着をつけよう?キモオタくん」ガチャッ!










ビッチ「え........ちょっと、どうなってんの?二人ともどうして正面で構えてんのよ.......」


殺せんせー「..........うーむ、どうやらあの二人は『暗殺』ではなく、お互いに戦争ゲームを極めた者同士.......『正攻法』で決着をつけたいようですねぇ」


ビッチ「............」


殺せんせー「早撃ちの対決となれば、勝負は一瞬で決まるでしょう」









神崎「...............」ジリ.......





私の父親は良い学歴、良い職業、良い肩書きばかり求めてくる

そんな肩書き生活や名門校の生徒であるプレッシャーに耐えられなくて逃げ込んだのがゲームの世界だった

ゲームの世界にのめり込むうちに、得た肩書きは『エンドのE組』

そして 気がつけば私はゲームの世界で

『有鬼子』

と呼ばれるようになっていた


でも、ゲームを極めれば極めるほど、ゲームの中の自分の存在価値が高まれば高まるほど、現実での自分の存在意義を失っていく気がして怖かった...........


でも





『学校や肩書きなど関係ない、清流に棲もうがドブ川に棲もうが 前に泳げば魚は美しく育つのです』





あの時、殺せんせーが教えてくれた いつまでも忘れられない言葉のおかげで私は救われた


肩書きや自分の置かれた環境なんて関係ないという事に気づけた





だから、それを教えてくれた 殺せんせーを救うためにも


キモオタ君


あなたとは白黒をハッキリつけないといけないね







>>145 前の酉を使ってしまった

訂正







キモオタ「..............」ジリ......





チュンチュン!!ドカァァン!! ユ-ル-ズ!!


『コポォォォォォwwwwやっぱり神崎殿は強いでござるなぁwwwまさかまた拙者が負けるとはwww』


『これでようやく99勝99敗、今のところ引き分けだね』


『神崎殿、100勝目は拙者が必ず頂くでござるよwww』


『うふふ、いくらキモオタ君でも簡単に100勝目を譲るわけにはいかないよ』


『さぁ!!100勝目を賭けてもう一戦..........て もう拙者のサイフは0でゲスwwww』


『クスクス、今日はもう帰ろっか また今度にしよ?』





拙者は、元いた世界で 辛い現実から目を背けるために 二次元の世界に逃げ込むようになり、それと同時に ゲームの世界にものめりこむようになった.......


オンラインの戦争ゲームの世界で 幾千もの屍を積み重ねるうちにこの世界で得た異名は





『鬼喪悪蛇』だった





ゲームの中だけでは、自分の存在する意味を認められた気がした


でも、ゲームの世界に寄生するうちに どんどん、ゲームの中の自分と現実の中の自分が鏡合わせになっていく事を感じた

現実では 誰も自分を認めてくれない、自分を信用してくれない、自分を必要としてない


まるでゲームとは真逆だった





神崎殿........拙者らは 辛い現実から逃れるために、ゲームの世界に逃げ込んだ.........


でも、拙者も 神崎殿も 殺せんせーと出会い、学んだことで 現実から目を背ける事をやめることができた.........


そんな 恩師を 神崎殿は救うために、拙者は殺すために...........





さぁ、ここで 100勝目を賭けて決着をつけようではないか!!









恩師の生死を賭け、クラスが赤チームと青チームに分かれ、生徒同士で相見えるこの暗殺サバイバル


だが、今のキモオタと神崎にとってこの空間は まさにゲームの世界だった


お互いの信念をぶつけるために、


神崎は『有鬼子』として


キモオタは『鬼喪悪蛇』として


二人の『鬼』がこの世界に『戦場』に、再び舞い戻ってきた!!





そして次の瞬間、一瞬で100勝目の勝者が決まる!!!!













パパパパパパパパパンッッッッ!!!!ビチャッ!!!!
パァンッッ!!!!



















神崎「...............」


キモオタ「................」





前原「ど.......どうなったんだ..........一瞬すぎて、何が起こったかよくわからなかった..........」


千葉「勝ったのはどっちなんだ........」


殺せんせー「二人の超体育着をよく見てみなさい」


磯貝「..............あ!!」


片岡「神崎さんの超体育着に赤いインクが..........!!」





神崎「...............!!」





(青)神崎 有希子:死亡









殺せんせー「さらに、神崎さんの超体育着のフードについているバイザーを見れば勝敗の分け目が見えてきますよ」


生徒たち「.................」ジッ....


竹林「..........あの白く濁ってドロッとした液体..............」


前原「.......あれってまさか.............」


岡島「.........キモオタの精子だ............」





神崎「................」ドロォ.....





生徒たち「............」


菅谷「..........どういうことだよ..........」


殺せんせー「.......わかりました......あの一瞬でどんな戦いが繰り広げられたのかを ズーム目で見ていた私が解説しましょう」




ーーー数秒前ーーー





神崎「(キモオタ君の指の力の入れ具合を見る限り、引き金を引く準備が十分じゃないから 発砲速度が私より少し遅れるはず)」


神崎「(狙うなら 今!!)」グッ.....





ドピュッッッッ!!!!





神崎「きゃあっ!!!!」ビチャッッッッ!!!!





神崎「(前が見えない........!!これってまさか.........!!)」パパパパパパパパパンッッッッ!!!!





キモオタ「こっちでござるよ 神崎殿!!!!」パァンッ!!!!





神崎「!!」ビチャッッッッ!!!!




ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー







殺せんせー「...........このように、要するに神崎さんが引き金を引く瞬間にキモオタ君は射精を行い、自らの精子を神崎さんのバイザーにかける事で目くらましをし、それに動揺した神崎さんがまるで見当違いな方向に銃を乱射しているスキにペイント弾で神崎さんを狙撃し、仕留めたのです」


生徒たち「................」


前原「それって、偽死神戦の時に使った『フェイススナイプ』じゃんか........!」


殺せんせー「いや、あれとはまた違います、前のは刹那の瞬間.........つまり、75分の1秒の速さでで射精を行いましたが、
キモオタ君の射精速度も日々進化している..........射精速度だけならば、私のマッハ20を超えたといっても過言ではありません.............さしずめ、名付けるならば 10億分の1秒で射精を行う必殺技..........!!」










岡島「『ナノセカンド』だ」









キモオタ「これで.......100勝目でござるな 神崎殿www」シコシコ


神崎「...........私の負けだね、キモオタ君、まさか.......あんな裏技を隠し持ってたなんて......」フキフキ


キモオタ「デュフフwwwこの早撃ち対決、まさか『こっち』の銃を使うとは予想外だったでござろうwww」ドピュドピュ


神崎「..........キモオタくん 私ね、今まで沢山のゲームをしてきた、RPG、パズル、アクション........どんなジャンルのゲームでもずっと勝ち続けてきたから、勝負の本当の楽しさや負ける事の悔しさを知らなかった.........」


キモオタ「................」


神崎「でも、キモオタくんと出会って たくさんのゲームで楽しく競い合うことができたよ、楽しみながら勝負して、勝ったり負けたりした...........でも、今 本気でぶつかり合って 負けて やっとわかったよ..........」





ポロ ポロ......





神崎「本気で戦って 負ける事って..........こんなに悔しい事だったんだね........」ポロ ポロ.......









ビッチ「あのユキコが泣くなんて........珍しいわね........」


殺せんせー「人は.......負ける事の悔しさを知る事で、その悔しさをバネにして成長する事ができるのです
カルマ君や、浅野君のように........」








キモオタ「神崎殿」


神崎「...............?」グスッ....


キモオタ「今回の勝負 確かに拙者が勝ったが..........拙者は自分の実力が神崎殿より上とは思っていないし、下とも思っていない.........お互いに対等な実力だと思っている.........だから、これからも沢山競い合って どんどん実力を高めていこう」


神崎「キモオタくん..........」


キモオタ「でも..........このクラス全体の対決が終わったら.........ちょっとお願いがあるのでござるが..........」


神崎「..............?」


キモオタ「拙者 実は最近出た 新しいゲームを買ったのでござるが、そのゲームがいかんせん難しくて 拙者1人では到底クリアできないかもしれない、だから............」



キモオタ「今度は競い合うのではなく、協力しあってそのゲームを一緒にクリアしようでござる!」





神崎「.............うん!」ニコッ!





磯貝「青チームのメンバーがまた1人欠けてしまったけど なんか清々しい気分だな」


片岡「うん そうだね、まぁキモオタ君のお下劣な新必殺技の件に関してはたっぷりお説教だけどね」


岡島「そーいやあいつ 相変わらずよくオカズも無しに抜けるよなぁ」


殺せんせー「いいえ、さすがに10億分の1秒並みの射精ともなれば妄想のみで性的興奮を得ることは難しいので オカズが必要です、
キモオタ君の手元をよく見てみましょう」


生徒たち「..................!」ジッ.....


岡島「お........おい、あれって.......ゲヘヘwww」


片岡「お.......女の人の........パ..........パパパ.......パンツじゃない.......!!///」


前原「............誰のパンツだろうか.........グフフwww」


ビッチ「............あれ........私のパンツ」ワナワナ.....


生徒たち「あ...................」









カルマ「..........チッ..........俺が仕留めようと思ってたのに............ま、いっか」


カルマ「赤チーム 聞こえる?俺が指揮をとるよー」


カルマ「三村、烏間先生の左後方に高台が見えるでしょ そこまで前進」


三村『OK』


カルマ「敵が見えても交戦は無しね、隠密にたどり着いて
寺坂達3バカは人面岩の影で防御に徹する、そこ抜かれるとヤバイから死守しといて」





その頃、青チームでは..........





杉野「青チームの皆 聞いてくれ、ゲーム開始早々、5人もやられて状況が変わったから、作戦を変更せざるを得なくなった、俺が磯貝に代わって指示を出すから皆はそれを聞いてそれぞれの持ち場に移動してくれ」


青チーム『了解』





そして..............





杉野「〜〜〜〜〜という作戦だけど どうかな...............?」


原『...........なるほど...........』


渚『これなら勝てるかもしれない.........!すごいよ杉野..........!』


不破『さすが元野球、作戦を考えるのがうまいね!』


杉野「...........うまくいけばいいけどな..........よし、じゃあそれぞれ持ち場に
散ってくれ!」


青チーム『了解!』






>>169 また前の酉を使ってしまった

つい癖で打ち込んでしまう

訂正






片岡「はぁ.......それにしてもうかつだった........開始と同時に殺られるなんて」


殺せんせー「おそらくカルマ君の指示でしょうねぇ、君の指揮能力で小隊を組んで速攻されると脅威ですから
竹林君もそう、火薬を使って何か企んでいたでしょう?」


竹林「上空でペイント弾を爆発させて....敵陣にインクの雨を降らそうと思ってたよ...........読まれてたか」


ビッチ「........要するに イチバン爪を隠してたのは あの赤いボーヤってわけ」









三村『カルマ、位置についたぞ』


カルマ「オッケ、そこからなら敵の位置がよくわかるでしょ それ聞いて俺が赤チームに指示出すから」


カルマ「(三村の地味さは 隠密性に優れてるって事、その上プロデューサー目線で視野が広い
だから強行偵察の才能がある、うちのクラス 誰もそれに気付いてないけど)」


三村『カルマ、青チーム 皆 移動を始めたぞ 多分作戦の変更だと思うけど...........』


カルマ「..........状況を詳しく説明してみて」


三村『〜〜〜〜〜〜〜』





カルマ「ふんふん、ナイス 三村
それなら..............」









不破「ハァ....! ハァ......!」ダダッ!


茅野「優月ちゃん早く早く!
しかし、杉野の考えた作戦 ホントにうまく行くのかな?」





『いいか?まず、茅野と不破は旗を奪りに一直線に突っ走ってくれ!』





不破「ハァ.....! ハァ......! 茅野さんってこんなに足速かったっけ、置いてかないでぇ!」ダダッ!


茅野「私は元々 役者業で鍛えてあったからね、触手があると頭も体も鈍るんだ」ダダッ!





ザザザザッッッッッ!!!!!





茅野 不破「!? 」ピタッ....


茅野「ねぇ?上の木の方から何か聞こえない?」





ザザザザッッッッッ!!!!!





不破「あ........!!あれは..........!!」





茅野「ひなたちゃん!?」





岡野「あちゃー........バレちゃったか.........」スタッ!!









岡野「ごめんね二人とも、狩らせてもらうよ」ザッ....


茅野 不破「...............」





『もし、旗を奪りに行く途中で 敵と遭遇したら.............』





茅野 不破「............!!」ダッッ!!!!


岡野「あ!!逃げた!!逃がさないよ!」バッ!!バッ!!





『交戦は無し、とにかく旗の所まで逃げ切ってくれ』









茅野「ハァ....!ハァ.....!」ザザッ!!


不破「ハァ.....!よりにもよって追っ手が....ハァ......!機動力トップクラスの岡野さんだなんて.......!」ダダッ!!


岡野「茅野っちのその身のこなし方、やるね! 隠してたの?体育の時そんな動けてなかったじゃん!」バババッ!!


茅野「不破さんにも同じこと言ったけど、もともとは役者業で鍛えてたしね、触手が生えている時って頭も体も鈍っちゃうんだ」ダダッ!!バッ!!


茅野「(今は痛みも消えて集中できるけど、今は杉野の指示通り、逃げ切らなきゃ!)」ダダッ!!





不破「ハァ.....!ハァ.....!」ダダッ!!





ザザザッ!!





茅野「あ!!優月ちゃん 危ない!!上!!上!!」





不破「え?」ダッ!!





バスッ!! バスッ!!





木村「一丁あがりっと!」ザッ!!





不破「き...........木村くん!!」





(青)不破 優月:死亡









片岡「............まずい事になってきたね...
.......!」


竹林「ああ、不破さんがやられた事により、このクラスの最速2人から茅野一人で逃げ切らなきゃならなくなってしまったからね..........」


殺せんせー「しかし、青チームはまだ『奥の手』を隠してますから 勝負はどうなるかわかりませんねぇ」


磯貝「............!なるほど.........!」


前原「当初の作戦では俺もやるつもりだった『アレ』か.........!」


岡島 菅谷 千葉「...............?」










茅野「...........!!」バッ!!


木村「あっ!!しまった 逃げられた!!追うぞ!!」ダダッ!


岡野「待って!!」


木村「...............?」ピタ......!


岡野「カルマは深追いせずに一撃離脱って言ってたよ 一人 倒したんだから身を引いた方がいいんじゃない?」


木村「大丈夫だって 狙ってるのは銃一丁しか持ってない茅野一人だろ?
それに、俺ら二人がかりでいけば いくら素早い動きの茅野でも仕留められるって!」


岡野「..........確かに言われてみればそうかもね............よし!追おうか!」バッ!!


木村「よし来た!!」ババッ!!









茅野「ハァ.....!ハァ......!」ザザザッ!!





岡野「見つけた見つけた!逃がさないよ 茅野っち!」バババッ!!


木村「この距離なら外さないぜ!!」ガチャッ!!





茅野「(もう追いつかれた!!........さすがクラスの最速コンビ........!!)」ヒュッ ヒュッ





茅野「(でも...........!)」バッ!!スタッ!!シャキン!


岡野「(はさみ..........?)」ダダッ!!





チョキン





バサアッッッ!!!!!





木村 岡野「!!??」









前原「出たっ!!原が作ったトラップ用の網だ!!」


磯貝「こんなに綺麗にひっかかるとは思わなかったよ」


千葉「なるほど.........茅野は逃げ回る事で木村と岡野をトラップが仕掛けてある場所まで誘導していたのか........!」


岡島「すげえ.........!!」


殺せんせー「トラップのある場所までおびき寄せている事を感じさせないように逃げ回るフリをする.......実に見事な演技です!彼女の演技力があってこそできる芸当でしょう」







>>179 あぁぁぁぁ!!また前の酉を使ってしまった

何度もすいません

訂正







(赤)木村 正義、岡野 ひなた:死亡





木村「くっそ〜やられたぁ」


岡野「くやしい〜 一本取られたよ 茅野っち」


茅野「あはは........なんかごめんね、こんな手段で勝っちゃって........」


木村「茅野、その本気 もっと早く出したかったな」


岡野「茅野っちがひとりで頑張ってる間も 私達は皆で『本気』を磨いてた
このバトルで出た結論がどっちだったとしてもさ」





岡野「今度こそ 皆で一緒に本気だよ!」ニコッ!


木村「そーだ こんどサインくれよな」ニッ!





茅野「ひなたちゃん..........木村君.........!
ありがとう...........!」ダッ!!









カルマ「.......先走りやがった 描く通りに動かないね 人ってやつは」


キモオタ「...............」


中村「しゃあないねぇ この副官様が決めに行ってやりますか」


カルマ「中村、さっき指示した通りにね」


中村「ほいほーい わかってるって」ザッ


キモオタ「...............」


カルマ「何ボサッとしてんの?とっとと指示された配置に着きなよ 」


キモオタ「いやぁすまんでござる、ちょっと考え事をしていたのでござるよ」


キモオタ「カルマ氏は変わったなぁ......
..と」


カルマ「............どーいうこと?」


キモオタ「さっき渚氏に対して吐いた暴言や、今言った 『描く通りに人は動かない』発言を聞いてると、カルマ氏は変わってしまったなぁと思ってね」


カルマ「...............!」ピクッ....


キモオタ「二学期の期末テストの時のカルマ氏は皆がそれぞれ持っている良いところや才能を感じる事ができる仲間思いの良きクラスメイトでござったが........今のカルマ氏はまるで別人のようでござるよ.............」


カルマ「だから何?それが考え事?」


キモオタ「うむ、拙者が考えていたのはそれだけでござるよ、よし、配置に着くとするでござるか、では 失敬 」ドスッドスッ.....





カルマ「.................」




その頃、速水とイトナは.........





イトナ「.......チ 超高機動ドローンが作動不良だ、試運転はおあずけか」


速水「ちゃんと護ってよ イトナ、そんなの無くても頼りにしてんだから」タタタッ!


速水「(妙だね.......見晴らしのいい樹上に登ってるのに誰の姿も見つからないなんて.........)」シュタ!


カルマ『速水さん イトナ、多分今から2人ほどそっちに来ると思うから最低でも足止め可能なら殲滅して』


速水「........了解」







カルマ『中村、銃撃戦が始まったら一気に勝負決めに行って』


中村「オッケ〜、頼むぜ 肉壁三人組」


寺坂「あァ!?」


中村「いい?敵が凛香と交戦している間に、私は あんた達を盾にして旗を奪りに行く、三村の情報によれば 敵は防御を捨ててうちらと同じように旗を奪りに行ってるらしいから あっちの防衛の事は考えずに旗を奪る事だけに集中できる」


中村「一見 どっちも同じ作戦のように思えるけど あっちは防御を捨ててこっちの旗を奪るつもりだけど、うちらはまだ人数にだいぶ余裕があるし」


寺坂「なるほど........こっちにはまだまだ旗の防衛に回る事ができる人数がいるから安心して向こうまで一気に突っ込めるってことか」


中村「そゆこと!わかったかな諸君!
」ニッ!


吉田「よーするに、俺ら生贄かよ、テメーも手段選ばねーな」


中村「当然じゃん、ちゃんと勝負に勝って........ちゃんと皆で殺せんせーを殺してやりたいもん」


寺坂「..........中村よぉ、バカになりたいからって本気でバカをやってみたり、絆を守る義務感から先頭切って殺す派になったり」


ボスッ


寺坂「実はテメーがクラスで一番.....クソ真面目なのかもな」


中村「...........フン///」









カルマ「.............」




策は積むだけ積み上げた


あと 不気味なのは 三村も発見できなかった渚君と、もう三人...........だけど あの三人は別に警戒しなくても特に問題はない..........


怖いのは渚君だけだ.........


あいつ........意識の死角を突いて来るから





カルマ「...............」





頃せんせーの事で混乱してたのは否定できないし、キモオタ君の言う通り 皆を少し見下していた..........でも、さっき何であんなにあいつに苛立ったのか


こうして敵になってみると........少し見えてきた気がする









杉野「よし........いいな 原?手筈通り行くぞ.........」


原「うん........私が速水さんを狙って.....
.」


杉野「俺がイトナを狙う...........」


杉野 原「..........!」コクン!





杉野「行くぞ!!」ダッ!!


原「動けるデブの恐ろしさ 見せてやるわ!!」ドタッ!!





速水「............来たね、行くよイトナ」ガチャッ!!


イトナ「了解」ガチャッ!!









パパパパパパパ-ンパパ-ン!!





中村「始まった!!うちらも行くよ!!」


寺坂たち「おうっ!!」









イトナ「くそっ.........!」ビシッ!!





(赤)堀部 イトナ:死亡





杉野「よっしゃ!!次は速水だ!!速水さえ仕留めればこっちのもんだ!!」パンパンッ!!





速水「(射撃もナイフ術も両方こなせる杉野が最優先、放っておいたら厄介なことになる!!)」パパパパパンッ!!!!





杉野「うわっ!!」バシッ!!





(青)杉野 友人:死亡





速水「(よし!!あとは..........!!)」









パァンッッッ!!!!









速水「.................!!」ビチャ.....





(赤)速水 凛香:死亡





原「ふぅ........ようやく射撃術女子2位の
成績が役に立った........」





速水「...........原..........!!」










中村「よし!!旗まで後もうちょいだよ!!」ダダッ!!


村松「ここにたどり着くまでに誰一人死ななかったな!」ダダッ!!


吉田「向こうでドンチャンやってるスキに俺らは悠々と旗をゲットできる!!楽勝だったな!!」ダダッ!!


寺坂「よっしゃぁ!!この勝負俺らの勝ちだぁ!!」ダダッ!!









中村莉桜たちが青チームの旗まで後もう10メートル程で手が届くという所でその『惨劇』は起こった


あらゆる戦略、あらゆる攻撃、あらゆる防御


それら全てをあざ笑うように


迷彩を纏った死神が





バシュッ!!!!ザンッ!!!!パンパァンッッ!!!!





中村 寺坂 吉田 村松「.................!!」ドサドサドサ!!





渚「.............」ニコッ!





瞬時に四人を葬り去った









(赤)中村 莉桜、寺坂 竜馬、吉田 大成、村松 拓哉:死亡





寺坂達「................!!」


中村「(し........至近距離の背後から!?人の気配なんて感じなかったのに.......)」





カルマ「...................!」





...........そうか!!これは.........!!





偽死神が使った『殺気を自在に操る』スキル!!





殺気を自在に操るということは、おぞましい殺気を放つこともできれば、当然 殺気を消すこともできる!!


そのスキルを意識的に使い、殺気を消して 旗付近に息を潜めた.......!!


なんて奴だ........たった一回の偽死神との戦闘で、殺気の操作をマスターしていたのか......渚君!!









木村「す.........すげぇ.........」


前原「カルマの言う通り、渚がクラスで一番 暗殺の才能があるのは本当だったのか.........!」


岡野「偽死神戦で、どうしてカルマが戦闘班のA班に渚を推薦していたのかが今ようやくわかったよ.........!」


殺せんせー「ヌルフフフ、ようやく才能が表沙汰に現れてきましたねぇ 渚君」









渚「..............」タタッ!!


『渚、お前は旗の付近に潜んで旗の防衛だ、もし旗を獲りに来た奴がいたらそいつを仕留めてくれ』


渚「さて、後 僕に残った役目は.......」タタッ!!


『それで、そいつを仕留めた後は赤チームの旗を奪りに行ってくれ』


ドス........ドス.........


渚「............!」ピタ.....


『でも、旗を奪りに行こうとして、もし.........』


ドスッ..........ドスッ..........


渚「来たね..................!」ザッ......


キモオタ「............ここから先は通すわけにはいかぬ故、拙者が相手を致す」ズズゥゥゥンンン..........















『キモオタと遭遇したら、迷わず交戦してくれ』




キモオタの画像はよ

キモオタの画像はよ

>>205>>206 ほい つ

一学期編にもキモオタの画像が貼ってあるからよかったらそっちも見てくれな〜( ^ω^ )

http://i.imgur.com/FdOeNou.jpg








渚「.................」





キモオタ君は今まで何度もクラスのピンチを救ってくれた.........

僕が母さんの圧力で自分の気持ちを殺していた時も、キモオタ君のおかげで僕は自分の意志をはっきりと母さんに伝えることができた.........自分の意志を伝えることの大切さを知る事ができた.........

だから、今日 僕は殺せんせーを助けたいという自分の意志を はっきりと皆に伝える事ができた.........

でも、まさかキモオタ君が 僕の『救いたい』と言う意志とは真逆の、『殺したい』という意志を持っているとは思わなかった..........

まさか キモオタ君に真っ向から挑まなきゃならない日が来るなんて、思わなかった...........









キモオタ「.................」





拙者は 今まで この物語の展開を壊さないために、皆の成長する機会を阻害しないために 散々 渚氏の成長できる機会を阻害するという矛盾を犯してきた..........

そうしてきた本当の理由は
渚氏には『抱いてはならない殺意』を抱いて欲しくなかったからだ........

鷹岡戦の時の渚氏は鷹岡に対してその殺意を抱いた...........殺せんせーに抱くような 爽やかな殺意とは違う、おぞましい殺意、まるで、鬼熊を殺そうとしたあの頃の拙者のような..........

渚氏には そんな感情を抱いて欲しくなかった..........だから、あの時 拙者は神崎殿や倉橋殿を庇い、鷹岡の目が拙者に行くように仕向けた...........

でも、どんな理由があろうと 拙者が渚氏の成長を阻害してきたのは揺るぎない事実.......

ならばせめて、今からここで渚氏に本気でぶつかり、真剣勝負を通して成長してもらう事こそが 今の拙者にできる事!!

渚氏の成長する機会を奪ってきた拙者ができる唯一の償いでござる!!









千葉「いよいよ渚とキモオタが対決か.........!」


岡島「なんかちょっとドキドキしてきたな.........」


不破「『暗殺者が異次元からの来訪者に挑む!!』いいよぉ 少年漫画的に面白い展開だよぉ!いいキャッチコピーができたよぉ!!」


片岡「不破さん..........」









渚「ねぇ、キモオタ君?」


キモオタ「コポォ?」


渚「お願いがあるんだけど 銃は捨てて、このナイフで戦わない?キモオタ君とは銃一発でこの対決を終わらせたくないんだ.........やるならガチンコ勝負がしたい...........」ガシャッ


キモオタ「なるほど...........わかった........では、銃は捨てて、このナイフで真剣勝負でござる」ガシャッ





渚「.................」グッ.......





キモオタ「..................」グッ........









シィン..........





渚「...............」





キモオタ「...............」










生徒たち「.................!」ドキドキ.....









渚「行くよキモオタ君...........!!」





渚「絶対に殺せんせーを救うんだぁッッッッ!!!!」ダッ!!





キモオタ「..........さぁ.......始めようか 真剣勝負を..........見せてもらおうか 身の震えるような最高な展開を...........そして、お主が心に灯すその意志の強さを.........
..!!」





キモオタ「キモオタ 参るッッ!!!!」ドスッッッッ!!!!










キモオタ「(やはり、拙者より 渚氏の方が素早いが故、先手を取られたか......!)」


キモオタ「(拙者は烏間先生やカルマ氏のように、ナイフを避けたり捌いたりする器用さを持ってない、だから ナイフを一振りでもされれば確実に当たってしまう)」


キモオタ「(それならば、渚氏を 拙者の間合いに入らせなければいいだけの事だ!!)」









べチャッ!!





渚「うわっ!!」










木村「今キモオタが渚の足元に投げつけた物は何なんだよ!?」


岡島「あれは..........!!キモオタのうんこだ........!!」


前原「そうか..........!!あいつは雪合戦の要領で自分のうんこを手で掴んで渚の足元に投げつけることで渚を自分の間合いに入らせないつもりだ!!」


千葉「なるほど........アレを投げつけられたら確かに近づけないからな........というか近づきたくない」


竹林「しかも、見た所 かなり硬度がありそうだ、あれは恐らく さつまいもなどの不溶性食物繊維を摂取し過ぎたからだろう」


菅谷「あれをモロに食らっちまったら肉体的にも精神的にも立ち直れない程の大ダメージを負うだろーな........」


男子生徒達「..........なんて恐ろしい技なんだ...........」





片岡「.........もうやだ」シクシク.....









キモオタ「拙者 昨日の夕飯は焼き芋24個でござる........焼き芋24個分のうんこはまだまだストックがある..........」


渚「..............!!」


キモオタ「喰らえ!!必殺!!
『うんこ乱れ投げ』!!!!」ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!


べチャッ!!ボトッ!!ボコンッ!!


渚「うわっっ!!わわっっ!!」


渚「(くっ.......!!このままじゃキモオタ君に近づけない.........!!)」


キモオタ「オタオタオタオタオタ!!」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッッッ!!!!


べチャッ!!ボトッ!!ボコンッ!!


渚「(..........でも、よく考えてみたらキモオタ君はただ汚い物を投げつけているだけだ..........アレが当たったぐらいじゃ負けにはならないし、殺せんせーを救うためだ!!汚いだけの物なんかに屈するわけにはいかない.........)」


渚「(よし!!いちかばちか............!!)」





渚「(飛んでくる『アレ』をかわしながらキモオタ君に接近だ!!)」ダッ!!




キモオタ「何.......!!向かってくるだと...........!?」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッッッ!!









ヒュンッ!! スカッ!!


渚「(避けれる...........弾道がちゃんと見切れる........!!)」ダダッ!!




前原「すげぇ......!!渚の奴、うんこの雨を確実にかわしながらキモオタに近づいているぞ!!」


磯貝「いいぞ!!いけぇ渚!!」





キモオタ「(くっ......!!今の渚氏はもう一つの才能、『主人公補正』が発動しているが故、難なく拙者の攻撃をかわして距離を詰めてくる...........!!)」ヒュヒュヒュヒュヒュンッッッッ!!!!


キモオタ「(しかし!!拙者の攻撃はそんなもので避け切れる程 甘くはない!!)」ヒュンッッッッ!!!!





うんこ「」ヒューッ!!





渚「(来るっ!!)」サッ!!





うんこ「」バラバラッッッッ!!!!





渚「!!??」





ビシッ!!!!





渚「うわっ!!!!」





ナイフ「」ヒュ- クルクル ポトッ





渚「(しまった!!ナイフが!!)」









岡島「すげぇ......!うんこが三方向に分裂して渚のナイフを弾き飛ばしたぞ!!」


千葉「さすがに分裂した後の軌道までは予想してなかっただろうからな」


木村「よっしゃ キモオタ!!渚がナイフを持っていない今がチャンスだぞ!!」





キモオタ「さあ、これで終わりでござるな」


渚「...............!」


キモオタ「.........いささか早かったが、勝たせてもらうでござるよ 渚氏!!」シュッ!!





ナイフをテイクバックするキモオタに、ナイフを持っていない渚

この状況から 戦いを見ていた誰もがキモオタが勝つと考えていたが

キモオタが渚にナイフを振り下ろそうとした瞬間





渚の最大の暗殺スキルが発動する














パァァァァンッッッッッッッッ!!!!!














キモオタ「................!!」ヨロ.....





片岡「あれは........!!」


不破「夏休みにロヴロさんから教わってた 猫騙し........!?」


殺せんせー「いいえ、あれは猫騙しのもう一段階先を行く 私も死神時代に使っていたスキル
『クラップスタナー』です」


生徒たち「クラップスタナー.........?」


殺せんせー「人間には意識の波長があり、意識が最も敏感になる つまり、その波長が最も高い『山』となった瞬間に、最も音波の強い『山』を相手にぶつけ、相手の神経を当分 麻痺させる技です」


岡野「すごい.........渚、そんな技を身につけてたんだ...........」


殺せんせー「(確かに決まれば勝利は決まったも同然..........だが..........)」










キモオタ「.......ふぅ.....危なかったでござる...........」ググ......


渚「................!!」





不破「き.......効いてない........!!」


片岡「どうして..........!!」


殺せんせー「キモオタ君の手元を見てみなさい」


岡島「あれは..........!!」


前原「ビッチ先生のパンツだ.......!!」


ビッチ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


千葉「さっき神崎さんに使った 『ナノセカンド』.......!!」


殺せんせー「彼は技をかけられた瞬間、咄嗟に自慰をする事により、その時に生じる性欲で意識の波長を狂わせ、意識の波の『山』をずらしたのです、
さらに、彼は渚君がクラップスタナーを使える事を知っていたため 素早く対応する事ができた..........」


生徒たち「...................!」


殺せんせー「(さぁ、自分の技を攻略されてしまった渚君がどう戦うのか、ここからが成長の見せ所です........!)」









キモオタ「.......渚氏、拙者が一度食らった技の対策をしないとでも思っているでござるか.........?」


渚「やっぱりさすがキモオタ君だよ........僕の一番の技も封じちゃうなんて...........」


キモオタ「............戦わなければならないのは渚氏だけではない故、急ぎ足だが今度こそ決着をつけさせてもらうでござるよ」


キモオタ「拙者がこの冬休み中に修得した、究極の技で 渚氏を沈めるでござるよ............」ドス......


渚「(何が......何が来るかわからない.........!!)」ゴクン......


キモオタ「渚氏、一つ 伝えておくが、拙者のうんこのストックはなくなったでござる...........」


渚「..............」ホッ.....


キモオタ「ただし、それはあくまで『昨日の夕飯分』のストックがなくなったというだけでござる...........今からは
『今日の昼食分』のストックを射出する時間だ.............」


渚「.................!!」


キモオタ「ちなみに、今日の昼食のメニューは確か.......
ヨーグルト10個、プリン10個、カレー5杯、アイス20本でござったなぁ........」ニヤァァァァァァ.........


渚「!!??」









竹林「ヨーグルト、プリン、カレー、アイス...........非常に危険だ.........!!」


前原「最強にして最悪の組み合わせだ..........!!」


木村「食べ合わせ至上、もっともやってはならない行為だ.........!!」


岡島「間違いない.........あいつ..........!!」


男子生徒達「下痢便をかます気だ.....」


杉野「下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ下痢便コワイ」ガクガクガクガク


男子生徒達「..............」















生徒たち「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!渚ぁぁぁぁぁぁぁぁ逃げろぉぉぉぉぉ!!!!!逃げてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」









ニゲロォォォォォ!!!!ギャ--ワ--!!!!!





渚「.................!!」


キモオタ「あ........やばいコレ、来る来る来る来る」グギュルルルルルゴォォォォピィィィィ


渚「う........あ..........」ザッ......


キモオタ「すまんもう自分でも止められん制御でけへん」グギュルルルルルゴロゴロゴロゴログォォォォォォォ


渚「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ダッ!!!!










キモオタ「もうダメェェェェェェェェェでりゅううううううううううう!!!!!!!!」
























ブッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
























渚「なんなの.........これ.........!!
僕の周りの景色が茶色一色に.............!!
何も見えない..................!!
キモオタ君がどこにいるのかもわからない..............!!」キョロキョロ!!














菅谷「どうなってんだ........キモオタが下痢便をかましたかと思ったら 渚の周りを茶色い煙みたいなのが覆って.........キモオタが消えたぞ.............!!」


殺せんせー「なるほど........!!キモオタ君は自らの下痢便を霧状に発射し、その下痢便の霧の中へと姿を消し、霧の中から渚君を奇襲するつもりでしょう....
.........!!」


磯貝「あの技は渚に直接攻撃する技じゃなかったのか..........!」


殺せんせー「........キモオタ君はこの技で、自分の苦手分野である『隠密』 を克服している..........冬休み中、彼が自分のスキルを着実に磨いていた何よりの
証拠.........実に見事です...........!!」









渚「(くっ...........!!前が見えない...........!!どこからキモオタ君が出てくるのか予想ができない...........!!」キョロ キョロ!!





キモオタ「(デュフフ.......霧に包囲されている渚氏には拙者がどこから出てくるのかなど見当がつくまい......だが、拙者からは渚氏の姿がはっきり見えるでござるよ..........)」スゥ.....


キモオタ「(冬休み中、この技の練習ためにどれだけ時間を費やしたか..........
肛門を霧吹き状に狭めるための筋肉を鍛え.........下痢を自分の放屁に乗せる練習をし.........この技を使うためにはどのような食品を摂ればいいのかをひたすら研究し............本当に苦労した.........それだけ苦労してたどり着いたこの技........その名も..........)」





キモオタ「(ブラウンアウト!!)」


キモオタ「(停電で目の前が真っ暗になるブラックアウトや、吹雪で目の前が真っ白になるホワイトアウトとは違い、
下痢便の霧で目の前が真っ茶色になるこの『ブラウンアウト』..........!!)」





渚「(どこ..........!!どこから出て来るんだ............!!)」キョロ キョロ!!





キモオタ「(この霧に乗じて、ナンバで渚氏の背後に回り込み、一気に奇襲をかけて、ナイフを一太刀 浴びせて 終わりだ..........)」ニヤ.....









渚「....................!」キョロ キョロ!!





キモオタ「(さぁ.......渚氏の背後についたでござる............)」ス........




キモオタ「(では.........ゆくぞ.........!)」










キモオタ「(これで終わりだ!!!!)」バッッッ!!!!










ガシィッッッッ!!!!!!










キモオタ「(なにぃ.......!!!!)」





ズズゥゥゥンンンッッッッ!!!!!










渚「つかまえた」ニコッ!









前原「おぉ!!渚がキモオタを捕まえたぁっ!!!!」


磯貝「渚が関節技を使うなんて.......!!」


寺坂「あれは.......『肩固め』.....!!腕で頚動脈を締め上げて意識を奪う技だ...........渚の奴、いつの間にあんな技を......!!」


木村「烏間先生、希望者には放課後に護身術を教えているんだよ、俺らを人質にするような殺し屋が出てきてもいいようにって.........!」


殺せんせー「(キモオタ君が苦手な『隠密』を克服したように、渚君も 苦手な『戦闘』を克服するために努力を積み重ねてきたのでしょう..........!!
これが、渚君の成長.........先生は嬉しいですよ.........!!)」









キモオタ「ぐ.........うぅ...........」グググ.....


渚「これが僕の答えだよ キモオタ君.
........キモオタ君に勝って、この対決に勝って 殺せんせーを助けたいんだ」ギュウウウウウウ........


キモオタ「........なぜ..........拙者の位置が.........」グググ......


渚「殺気立ちすぎて、姿が見えなくても気配でわかったんだよ.........僕は人の意識の波長が読めるみたいだから.........」ギュウウウウ.......


キモオタ「しまっ.........た............」グググ.....


渚「今 手元にナイフが無いのなら、申し訳ないけどここでキモオタ君をオトして、キモオタ君がオチているスキにナイフを拾って当てる...........!!」ギュウウウウウ......


キモオタ「(ぐ............くっ...........動けない.........なんとかして脱出せねば...........!!)」グググ........










青チームの生徒たち「いけぇ渚ぁ!!」「あともう少しだ!!」「頑張れぇ!!」












キモオタ「ふぅ〜wwwwww」フゥ-ッ!


渚「............!!」ゾワァッ.........





渚「うひゃあっっっ!!!!」バッ!!!!










前原「あれは.........!!キモオタの関節技脱出術 『耳フゥ〜』だ!!」


磯貝「これはキモい、さすがに離れざるを得ないな」









渚「ハァ.......ハァ........!」


キモオタ「ゲホッゲホッ......危なかった........もう少しで完全にオチるところだった.........!」










片岡「クラップスタナーだけじゃなく、関節技まで効かないなんて..........!!」


磯貝「しかも、渚はナイフを持っていない..........けど キモオタはナイフを持っている.........どう見ても渚が勝てる状況じゃない..........!」


前原「これまでか..........」


杉野「..................」










キモオタ「さぁ、渚氏..........これで今度こそ本当に終わりだ........この戦いに終止符を打つでござるよ」


渚「ハァ......ハァ........!」


キモオタ「ではそろそろ行くでござる........」ザッ........


渚「....................!!」


キモオタ「切り捨て御免!!!!」バッ!!!!










「きゃあっっっっ!!!!」










キモオタ「!!」


渚「!!」









渚「今のは..........!!」


キモオタ「矢田殿の悲鳴だ.......!!まさか 矢田殿の身に何かが..........!!」


渚「.............!!」


キモオタ「渚氏!!一時休戦だ!!拙者は矢田殿の悲鳴が聞こえた方へ行く!!」ドスドスッッ!!!!


渚「待って!!僕も行くよ!!」ダッ!!









キモオタ「矢田殿.......!!どこにいるんだ矢田殿.........!!」ドスドスドス!!


キモオタ「ん........?あそこにいるのは..........!!」ドスドスドス!!





キモオタ「倉橋殿!!」ドスドスドス!!


倉橋「オタりん.........」グスッ.....ヒグ.....


キモオタ「............どうしたでござるか倉橋殿、なんで泣いているのでござるか...........!?」


倉橋「オタりん........桃花ちゃんが........桃花ちゃんがぁ...........」グスッ.....ヒグ.....


キモオタ「矢田殿がどうしたでござるか................!?」


渚「キモオタ君、この崖の下に倒れているのって.............!!」


キモオタ「あれは................!!」










キモオタ「矢田殿ッッッッ!!!!」









キモオタ「待っていろ 矢田殿!!すぐそっちに行くでござるからな!!」ドスドスッ!!


渚「ちょっと待って!!キモオタ君 クライミング苦手なはずじゃあ.........!!」





キモオタ「あ、そーいえばそうでしたwwww」ズルッ!!




キモオタ「コポォォォォォォォォォ!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロドスンッッッッ!!!!





倉橋「きゃあああっっ!!!!オタりん!!!!」










キモオタ「いてて..........おーい!!渚氏ー!!倉橋殿ー!!拙者は無事でござるよぉー!!」





渚 倉橋「ふぅ.........」









キモオタ「ハッ!!矢田殿!!矢田殿!!しっかりするでござるよ!!」


矢田「キモオタくん........」


キモオタ「ホッ........意識はあるようでござるな.........大丈夫でござるか...........!?」


矢田「ごめん キモオタくん.........私 この崖から落ちちゃって........超体育着のおかげで大事には至らなかったけど........足を捻っちゃって 立てないの..............」


キモオタ「それはいかん!すぐに殺せんせーの所に行って手当をしてもらうでござるよ! 拙者がそこまで連れて行くでござる!」


キモオタ「あ、さっき うんこ触ったから この手袋を外して...........と」ヌギヌギ.....


キモオタ「これでよし、さぁ おんぶするからしっかりつかまってるでござるよ!」





ヒョイッ





矢田「ちょ.......キモオタくん.......!!///」









キモオタ「よっこらせっと.........さぁ、しっかりつかまって........」


矢田「..........ねぇ、キモオタくん」


キモオタ「コポォ?」


矢田「どうして私の事を助けてくれるの? 私達 今は敵同士なのに...........」


キモオタ「今はそんなことを言っている場合ではなかろう、勝負よりも 矢田殿の方が大切でござるよ」


矢田「キモオタくん............」


キモオタ「さぁ、今から崖を登るでござるよ、クライミングは苦手でござるが、
そこはご容赦願うでござる」


矢田「ねぇ、キモオタくん.............」


キモオタ「デュフ?」





矢田「ありがとう」ギュッ.......














パァンッッッッッ!!!!














キモオタ「え..............!?」





(赤)キモオタ:死亡





矢田「それと............ごめんね!」ニコッ!





キモオタ「..................!!」





倉橋「ごめんね〜オタりん!」ニコッ!


渚「はは.........ごめん キモオタくん」ニコッ





キモオタ「...................」















キモオタ「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」









木村「これって..........」


前原「矢田と倉橋の.........」


杉野「そう、ハニートラップだ!
キモオタを止めるにはこれが一番有効だと思ったんだよ」


片岡「なるほど、確かにキモオタ君は色仕掛けに弱いからね.........!」


杉野「確かにあいつの弱点は色仕掛けに弱い所だけど、もう一つの弱点はあいつの『優しさ』だ」


岡野「優しさ...........?」


杉野「あいつは仲間が危ない目に合えば まず、自分の身を捨てて、何の疑いも持たずに真っ先にその仲間を助けに行く、そーいう奴だって事は今までのあいつを見てりゃわかるよ
特に仲の良い矢田と倉橋なら尚更助けに行くだろうと思ってあの二人をえらんだんだ」


千葉「なるほど.........渚と交戦させたのは 2人が準備する時間を稼ぐためか.........」


杉野「そう、矢田が怪我をしたフリでキモオタを誘い出す役、倉橋はキモオタを誘い出す役割と矢田の護衛、そして渚はキモオタと交戦して時間を稼ぐ、あわよくば そこで倒して欲しい所だったけどな」


岡島「なるほど........結構 周到に考えてんなー..........」


杉野「この作戦はキモオタの『優しさ』があってこその作戦、キモオタが仲間を助ける『優しさ』を持っているのは周知の事実だからこの作戦を行動に移す事ができたんだ」


殺せんせー「(杉野君はクラスのひとりひとりの事をよく見ている.........誰とでも仲良くなれるそのコミュニケーション能力は野球だけではなく、これからの生活に必ず役に立ちます..........杉野君もまた、自分の良い所をどんどん伸ばしていってますね..........)」


神崎「杉野君って 本当に皆の事をよく見ているんだね、私、杉野君のそういう所を凄く尊敬しているよ」ニコッ!
 
杉野「か、神崎さんにそう言ってもらえると照れるな.......デヘヘ.......///」デレデレ










キモオタ「うぅ........まんまとハメられたでござるぅ...........」


矢田「ごめんね........キモオタくんの優しさを利用するような事をして...........私達、どうしてもキモオタ君とずっと一緒にいたいから卑怯な手を使っちゃった............それと..........」


矢田「私の事、本気で心配してくれてありがとう、私の悲鳴を聞いてキモオタくんが崖から転がり落ちてでも真っ先にかけつけて来てくれた時、私 すっごく嬉しかったよ........../////」


キモオタ「........矢田殿は怪我などしていなかったのか...........」


矢田「うん........本当にごめんね.........本気で心配かけちゃったから..........やっぱり.........その........怒ってるよね.............?」





キモオタ「いいや、矢田殿に怪我が無くてよかったでござるよ」ニコッ!





矢田「...................!!/////」ドキッ!!





キモオタ「いやぁーしかし、一本取られたでござるなぁーwww矢田殿達の演技が自然だったでござるからなぁーwww」


矢田「わ........私そろそろ行かなきゃ!!また後でね!!/////」バッ!!


キモオタ「うむ!!健闘を祈るでござるよー!!」









倉橋「いいな〜桃花ちゃん おんぶしてもらえて、私もおんぶして欲しい〜」


渚「キモオタ君に頼んでみたらしてくれるんじゃないかな?」


倉橋「うん!そうしてみるよ〜」


渚「さぁ、僕らも行こう!まだ杉野から指示された作戦は続いてるからね!」ダッ!


倉橋「うん!」タッ!





パァンッッッッ!!!!





倉橋「きゃあっ!!」ビシッ!!





(青)倉橋 陽菜乃:死亡





渚「倉橋さん!!」


渚「(銃を撃ったのはあの方向からか.....
......!!)」パァンッッ!!





ビシッ!!





狭間「............チッ..........バレたみたいね.......」ガサッ....





(赤)狭間 綺羅々:死亡





渚「狭間さん.........!?」









倉橋「うわ〜ん!綺羅々ちゃんにやられちゃったよ〜!」


狭間「倉橋、その呼び方やめてって言ってるでしょ........まったく、私はカルマと一緒に旗の防衛に回ってたけど、悲鳴が聞こえたから何事かと思って持ち場を離れてここに来てみれば..........」


狭間「倉橋、矢田、渚、アンタたち三人の演技だったなんて...........よくも私を騙してくれたわね........呪うわよ........」ゴゴゴゴゴゴ........


渚「わぁっ......ごめん狭間さん.......!!」


倉橋「綺羅々ちゃん、心配して来てくれたんだね〜♪」ニコッ!


狭間「なっ......ちがっ.........!仮に私らが勝った時に誰かが怪我でもしていて暗殺するメンバーが一人でも減ったら困るからであって..........!!」


倉橋「ありがとう♪」パァァァ!!


狭間「ぎゃ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!私の"中の"闇がぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!」ジュウゥゥゥゥゥゥ.......


渚「(すごい...........狭間さんの闇に打ち勝ってる..........)」









激戦を繰り広げたクラス内暗殺サバイバルも そろそろ終盤に差し掛かり、赤チームは残り2人、青チームは残り5人と、両チーム共 残り少ない戦力で最後の戦いが始まろうとしていた!!









『渚達はキモオタを倒した後、茅野達と合流してくれ!』




矢田「ねぇ、あそこにいるのは!」ザザッ!!


渚「あ!いたいた!」ザザッ!!


茅野「あ!渚と桃花ちゃん!あれ?カエデちゃんはやられちゃったのか.........」ザザッ!!


渚「そっちは不破さんがやられちゃったみたいだね........」ザザッ!!


原「私の方も杉野君がやられちゃって.
..........」ドタタッ!!


渚「そっか........当初の予定よりだいぶ人数が減っちゃったけど、こっちはこれだけ人数がいる上に、あっちは残り人数が二人だけみたいだから 大丈夫と思うよ!」ザザッ!!


茅野「うん!よぉし!じゃあ杉野の作戦 通りに........!!」ザザッ!!





全員「全員で一斉に旗を奪りに行こう!!」









カルマ「..............チッ!木村、岡野は調子に乗って深追いするし、狭間さんは
旗の防衛をすっぽかすし..........ホント人って描く通りに動かないな..........!」


三村『カルマ 聞こえるか!? 相手側が残りの全員で旗の方に向かって行ってるぞ!』


カルマ「あーなるほどね、まぁこの人数になったら敵さんはそうするだろうからね」


三村『だから今から急いでそっちに向かって 俺も旗の防衛に.............』


カルマ「あー、来なくても大丈夫だよ」


三村『え............?』


カルマ「いくらこっちより人数が多いからって、ほとんどは女子でしょ?
俺一人でなんとかなるから大丈夫だよ」


三村『ちょ......!カルマ........!』


カルマ「(殺さないなんて甘っちょろい事言ってる連中に負ける訳にはいかない...........さぁ、一人で全員 返り討ちにしてやるからかかって来なよ............!)」









渚「あ、皆!旗が見えてきたよ!」ザザッ!!


茅野「見た所.......旗を守ってるのはカルマ君一人だけみたいだね!」ザザッ!!


矢田「カルマ君一人で皆を相手にするつもりかな.........?」ザザッ!!


原「それなら都合がいいね!皆で一斉にかかれば勝てるよ!」ドタッ!!





カルマ「来た来た.........さて、早く終わらせようかな..........」ガチャッ....









岡島「おいおい、カルマの奴 大丈夫かよ!?あの人数を一人でまとめて相手するなんて.......!」


千葉「何か勝機でもあるのだろうか.......」


殺せんせー「確かに、こうして見れば 数の利は青チームにあります.........しかし、個人の実力をみれば、カルマ君は青チームの全員にも引けを取らない実力をこの一年で備え付けています............恐らく この勝負も激戦になるかもしれません........!」


竹林「つまり........勝負はどうなるかわからないって事だね.............」




>>272
茅野が自分でカエデちゃんって言っちゃってるで







>>276 ほんまや 笑
>>272 カエデちゃんではなく陽菜乃ちゃんに訂正










『作戦の最後は、全員で旗まで相手チームに銃を発砲しながら全速力で突っ走れ!!』




渚「よし!!行こう!!」ダッ!!


女子達「うん!!」ダッ!!


原「さすがにこれだけ人数がいれば確実に当たるでしょ!!」





パンパンッッッッ!!!!





カルマ「ふん、」スラッ ヒラッ


矢田「嘘でしょ.......!?弾をかわすなんて.........!!」


カルマ「集団で来れば俺を倒せると思ったら大間違いだよ.........!!」パンパァンッ!!


矢田「きゃっ!!」ビシッ!!


原「うわっ!!」バシッ!!






(青)原 寿美鈴、矢田 桃花:死亡





茅野「寿美鈴ちゃん!!桃花ちゃん!!」パンパンッ!!


カルマ「やっぱいい動きだね 茅野ちゃん、俺の期待した通りだよ、でも..........」ヒラッ.... 





パンッ!!





茅野「.................!!」ビチャッ!!





(青)茅野 カエデ:死亡





カルマ「身のこなしは確かにすごいけど 、射撃に関しては普通かな?」










千葉「一瞬で三人を倒すとは..........」


前原「しかし、BB弾とはいえ、よくもまぁ、あれだけの人数が撃った弾をかわせるよなぁ」


殺せんせー「カルマ君は複数の銃口の方向に集中しているので 落ち着いて弾を避けることができるのです、ましてや彼の反射神経を持ってすればBB弾程度の速度など余裕で目で追えます」


生徒たち「なんか........カルマもなかなか超人だよな............」









カルマ「これで残りは渚君だけか........」


渚「............」ダダッ!!


カルマ「(これだけ正面で向かい合ってたら渚君のお得意の暗殺は使えない...........せっかく本気でぶつかり合えると思ったのに 残念だよ..........)」パァンッッ!!


渚「................!!」ビチャッ!!





(青)潮田 渚:死亡





カルマ「ハァー...........本当にガッカリしたよ 渚君、ずば抜けて暗殺力のあるやつが 最後の最後にこんな悪あがきみたいな戦法で数揃えてバカみたいに真正面から突っ込んでくるなんて........サシでケリつけようと思ってたけど 興が醒めたよ」


カルマ「僕も本当はカルマ君とはちゃんと一対一で戦いたかったよ、けど この戦いは僕だけの戦いじゃない.........皆の戦いなんだ...........
だから、僕の役目はもう終わった.......」


カルマ「役目が終わった...........?どーいう事だ.............?」


渚「この勝負 僕らの勝ちだね、カルマ君」


カルマ「え..............?」


渚「後ろを見ればわかるよ」ニコッ!


カルマ「!?」バッ!!














「や、やったぁ!!やりましたぁ!!」



















赤羽カルマが後ろを振り向いた瞬間、彼の目に飛び込んできたものは


赤チームの旗を手に持ち、無邪気且つ、少し遠慮気味に喜びの意を示している


奥田 愛美の姿だった










カルマ「.................!!」










『警戒できない、怖くないって 実は一番怖いんだなって初めて思った』














前原「..........おい.........青チームの奥田が赤チームの旗を持ってるって事は........」


磯貝「..........ああ........!!」





青チームの生徒たち「やったぁ!!!!俺らの勝ちだあ!!!!」ワァァァァ!!









ワァァァァァ!!!!





中村「あーあ.......負けちゃったかぁ」


カルマ「...............!!」


キモオタ「(カルマ氏はまだ信じられないようでござるな........自分が最も警戒していなかった奥田殿にしてやられた事が.........)」









竹林「.......ひょっとして、最後のアレも杉野の作戦なのか.......?」


杉野「そう 最後のは作戦のうちだよ、
渚、茅野、原、矢田は旗を獲りに来たかのように見せかけて実はオトリだったんだ」


片岡「なるほど........渚達をオトリにすることでカルマ君の意識を旗から渚達との戦闘に逸らして、カルマ君が戦闘に夢中になっているスキに奥田さんを旗まで到達させたのか.........」


杉野「ああ、そして 奥田が旗を獲りに行くルートは、よく昆虫採集にこの山に来る倉橋に教えてもらった獣道を利用した、だから三村に発見される事もなく、旗まで奥田が辿り着けたんだ!
本当は磯貝の指揮で行動した方がよかったんだろうけど、磯貝がやられた時はヒヤヒヤしたよ!」


磯貝「いや、俺が考えた作戦なんかよりよっぽどよく考え込まれた作戦だったよ、即席でここまで思いつくなんて凄いよ!杉野は野球選手になったらチームのエースとして、参謀として活躍しそうだな!」ニコッ!


杉野「へへ.......ありがとう......!」ニコッ!










カルマ「...........くそっ........くそっ..
.......!!」ガッ!! ガッ!!


渚「........カルマ君.......」


カルマ「渚君とは.......真剣に一対一で決着をつけたかったのに.........オトリなんて..........ふざけんなよ..........くそっ........くそぉっ!!」ガッ!!ガッ!!


渚「カルマ君!!」


キモオタ「!! これ以上は拳を自損する危険がある!!やめるでござるよ!!」ガシッ!!


カルマ「くそぉっ!!離せよ!!離せ!!」グイグイッ!!













「いやぁ 素晴らしい!!実に素晴らしかった!!」パチパチパチ














生徒たち「!!??」





「いやぁ、一連の流れは見せてもらいましたよ E組の皆さん、実に素晴らしい
本当に素晴らしい最高の『茶番劇』でした」パチパチ










その場にいた全員の目は
全身に黒装束を纏い、冷ややかな拍手を送る 1人の男に釘付けになっていた










殺せんせー「あなたは...........あの時、柳沢と一緒にいた.............『クロ』さんですね............?」









クロ「いかにも、ほんの少ししかお会いしていないのに覚えていてくれたとは 光栄ですねぇ 殺せんせー」


殺せんせー「..........私達はあなたが何者かをまだ知らない、どのような要件でここに来たのか 教えてもらえますか?」


クロ「おやおや、まるで私がこれから良からぬ事でもするかのような言い草ではありませんか、随分なご挨拶ですねぇ、私はただ 政府側の人間として あなたの暗殺を依頼されている椚ヶ丘中学3-Eの生徒たちの実力を少々拝見させてもらいに来ただけですよ」


生徒たち「...............!」


クロ「しかし、様子を見てみれば、殺したくないなどと言い出す生徒たちが出てきて、クラス内で対立するし.........まるで クラスの皆で育てた豚を食べるべきか食べないべきかの議論を見ているようでしたよ.............そして、挙句の果てにはあなたを『救う』という方向に落ち着く始末.........非常にガッカリしましたよ」


生徒たち「................!!」ピクッ....


クロ「何を迷う必要があるんですか?君達が恩師と崇拝する殺せんせーの正体は 今まで何人もの命を奪ってきた殺人鬼、普通に考えればそんな殺人鬼『殺す』という選択肢しか出てこないはずと思いますが............」


寺坂「ンだとコラァッ!!
ケンカ売ってんのか!?かかって来いや!!相手してやっからよぉ!!」


カルマ「寺坂、俺が行くからさがってていいよ」ザッザッ.....


寺坂「カルマ............」









カルマ「ねぇ、クロだっけ?
何で出てきていきなり挑発気味なのかは知らないけど もう用が済んだんならさっさと帰ってくんないかなぁ?
これ以上 皆に何か挑発するような事 言い続けたら、俺 今すっげーイライラしてるから何するかわからないよ?」ポキッ ポキッ


クロ「フフフ........君がイライラする気持ち よくわかりますよ 赤羽 業君、
なんせ君は今、自分の自尊心もアイデンティティーもボロボロに打ち砕かれてる
でしょうから」


カルマ「.................」


クロ「心の中で友達を見下し、友達に暴言を吐く事も厭わない.........しかし、その見下し、暴言を吐いた友達にまんまと出し抜かれて負ける........結局君は今回のこの対決で自分の心根の醜さを表沙汰にし、おまけにその心根の醜さが原因で自滅するというバカな操り人形だという事がわかり、非常に愉快でしたよ ハハハ!」


カルマ「!! こいつ!!」ダッ!!









カルマ「眠ってろ!!」ブンッ!!





ガシィッッッッ!!!!





カルマ「なっ.............!!」





生徒たち「嘘だろ......!!カルマのパンチが簡単に掴まれるなんて.........!!」




クロ「おぉ怖い怖い 最近の子供は手が出るのが早くていけない」グイッ!!


カルマ「うわっ!!!!」ドサァッ!!





生徒たち「カルマ!!」









クロ「困りますねぇ殺せんせー、いきなり殴りかかってくる生徒がいるなんて 教育がなってないと思いますが?」ググ.....


カルマ「くそぉっ...........!!」ジタバタ!!


殺せんせー「生徒を離しなさい!!政府側の人間が生徒に手を出すなど許される事ではありませんよ!!」ガシッ!!





ドロォ........!!





殺せんせー「(これは........対先生物質でできた黒装束...........!!」


クロ「フフフ.........助けられる物ならどうぞご自由に」





渚「.........カルマ君を..........」ワナワナ......





渚「カルマ君を離せぇ!!!!」ダッ!!





生徒たち「渚!!!!」





カルマ「........渚.......君........!?」ググ.....


クロ「やれやれ、本当にしつけの悪いクラスです
どうやら『教育』が必要なようですねぇ..........」









クロ「潮田 渚君........君は暗殺の腕はかなりのものだそうですが...........」ガシッ!!


渚「えっ.......!!」グイッ!!





ドタァッッッッッ!!!!





渚「ぐはぁっ!!」


生徒たち「渚!!!!」





クロ「力勝負ともなれば中学生だという事を配慮しても かなり貧弱ですね、赤羽 カルマ君を片手で押さえながら制圧できる程とは」





烏間「やめろ!!これ以上生徒に危害を加えるというのなら俺が相手をするぞ!!」


生徒たち「烏間先生.........!!」


クロ「.........元空挺部隊所属のあなたとなら、多少は手応えがありそうですね.......」


烏間「今、カルマ君と渚君にかけた技...........見覚えがあるぞ...........それに、中学生とはいえ、訓練を受けたうちの生徒をいとも簡単に制圧する力.........相当な手練れだとわかる...........貴様 何者だ?」


クロ「..........私が何者かなど どうでもいいことです、それに 答える義理などありませんからねぇ」グググ......


渚 カルマ「ぐ.......あぁ.........」グググ.....


烏間「やめろぉ!!!!」














「そこまでです!!クロさん!!」














生徒たち「あいつは..........!!」


殺せんせー「柳沢............!!」





柳沢「E組の生徒に危害を加える事は『契約違反』ですよ、もしそれで生徒が一人でも死ぬようなことがあれば奴の反物質臓が暴走する危険がある........それくらいもうとっくにわかっているでしょう?」


クロ「ええ......そうでしたね 柳沢さん、私がここに来た目的は 我々の『計画』の邪魔をしかねないE組の小手調べでした.........面目無い、フフフ...........」


柳沢「勝手な行動はつつしんでいただきたい、まぁでも これで目的は済んだことですし、では行きましょうか」ザッ....





殺せんせー「待ちなさい!!柳沢!!クロさん!!『計画』とはどういうことですか!?」





柳沢「フン、モンスターが...........なにやら貴様を救うという話が出ているようだが........絶対にそんな事はさせんぞ、それを阻止した上で、三月には必ず貴様を
殺してやるからな」バッ!!


クロ「................」ジロ.......


キモオタ「...............?」


クロ「..........お騒がせしましたね.........では、我々はこれにて失敬させてもらいます ごきげんよう」バッ!!










生徒たち「.....................!」


殺せんせー「(彼らのいう『計画』とは まず間違いなく私を殺すための計画でしょう.............しかし、彼らは何をしてくるかがわからない............私を殺すために手段を選ばず、生徒たちに危害を加えてくる事も考えられる.........)」


殺せんせー「(彼らの口ぶりから、恐らく『計画』の決行は三月............だが、油断はできない...........とにかく、生徒たちだけは.........生徒たちだけは全力で守らなければ.................!!)」





渚「あいたたた...........」ムク.....


カルマ「くっそ..........あいつ なんって怪力なんだよ........ひとつも身動きが取れなかった.........」ムク......


茅野「渚!カルマ君! 大丈夫!?」


渚「うん、平気だよ 押さえつけられただけで殴られたりはしてないから」ニコッ


カルマ「俺もへーきへーき」


茅野「よかったぁ...........」ホッ......









カルマ「それよりさぁ、渚君」


渚「ん?」


カルマ「さっきはごめん」


渚「...........!」


カルマ「前言を撤回するよ、小動物のメス呼ばわりした事.........いくらイラついてても 言っていい事と悪い事があったわ、今 クロから俺を助けようとした時の渚君は弱々しい小動物じゃなくて ライオンみたいな肉食動物に見えたよ」


渚「カルマ君............」


カルマ「俺が渚君とタイマンで決着つけたかった本当の理由はさ、ぶっちゃけ 一年の頃から渚君が怖くてさー」


生徒たち「え..............?」


渚「僕が...........怖い...........?」


カルマ「そ、渚君から得体の知れない何かを感じてね、 それに気づいたのは中1
の頃だったよ」









渚君の得体の知れない何かが顕著に現れたのは中1の頃、2人で一緒にファーストフード店に行った時だった..........





カルマ「ッかしーなぁ、さっきまで一緒にいたのに はぐれちゃったか.......」キョロキョロ


カルマ「..........あッれ、どこ座ってんだ、渚くー..........」










グサッッッッッ!!!!!!










カルマ「!!!!」





渚「ここだよ カルマ君、気づかなかった?」ニコッ!





カルマ「.................!!」





ただ、肩を軽く つつかれただけなのに、まるで背後から剣で突き刺されたかのようなあの感覚............いつ寝首をかかれるかもわからない何か...........
渚君の中にある、その何かを引きずり出して潰しておきたい.........そう思うようになって 気がつけば、渚君とは疎遠になっていた.........


でも、3年になって 渚君と 同じ暗殺の舞台に上がっている!!

そして、今 勝たなきゃ 自分の意思は通らない.............!!

そう思ったから 渚君とは一対一で決着をつけ、自分の気持ちにも決着をつけたかった.........









杉野「そうだったのか........」


前原「あんなに渚にキレてたのは決着をつけたかったその相手が暗殺をせずに救う方法を提案したからだったのか...........」


カルマ「..........そんなのかなり自分勝手な理由だけどね、俺がキレたせいで場の雰囲気を悪くしてしまったし、悪かったね 皆」


生徒たち「カルマ........」


カルマ「本当に弱い小動物は渚君じゃなくて俺だったんだろーね」


渚「ううん、違うよ カルマ君!」


カルマ「渚君..........」


渚「僕はね、中1の頃からずっとカルマ君に憧れていたんだ」


カルマ「俺に...........?」


渚「うん、中1の頃からずっとね」










カルマ君は中1の時点で2年生の範囲まで勉強していた





カルマ「オッケー、気になってたのそこだけ、あと全部わかるから、ノド渇いたんで早退しまーす」ガララ-!


先生「こ、こら、赤羽!!」


渚「...................」


勝手気ままで怖いもの無し、そのくせスマートでなんでもできる、あんな風に僕もなりたいなって思った
だから、僕が映画の雑誌を読んでる時に、カルマ君が話しかけてくれた時は嬉しかった


カルマ「やっべ今日公開!?見にいこーよ潮田君!!」パァァァ!


渚「............うん!」ニコッ!


でも............





カルマ「ホラホラどうしたの?話になんないよ?」ドガッ!!バギッ!!ガッ!!


ヤンキーたち「ぐえっ!!」「ぎゃっ!!」「ぐはぁ!!」


渚「.................」





勉強も喧嘩も何でもできるカルマ君にとって僕みたいなやつと一緒にいることなんて退屈でつまらないんだろうなって思った..........

カルマ君もいつしか遊びに誘ってくれなくなり、カルマ君が停学を食らう頃には、すっかりただのクラスメートに戻ってしまっていた............









カルマ「...............!」


渚「だから........ちょっと照れ臭いけど カルマ君が僕のことを嫌いだから疎遠になったわけじゃないってわかって 嬉しかったよ」ニコッ!


カルマ「..............」


渚「僕の方こそごめんね、自分の意見でいっぱいいっぱいになって カルマ君の意見を無視してたよ..........殺せんせーの事、嫌いなわけないもんね」


キモオタ「..............」ウンウン!


渚「だからその..........仲直りしてくれるかな?カルマ君..........ちゃんと仲直りして、ちゃんと友達でいたいから.........」ス....


カルマ「...............」









カルマ「...........ねぇ、もうさ 俺らお互いに『君』づけしないで呼び捨てでよくね?」


渚「今更呼び方変えるって.........それも変な気がするけど」


カルマ「じゃ、俺だけ呼ぶよ、それでいいの? 渚」スッ.....


渚「..........わかったよ.......じゃ.....カルマ」ニコッ!





ガシッ





生徒たち「................」ニコッ!


キモオタ「うっひょぉぉぉwwww腐女子大歓喜wwwww」シコシコ ドピュ!!ドピュ!!





殺せんせー「大きな選択を迫られた時、人は本心をさらけ出し、時として 本気で争います

でも、生徒たちを見てください

本気で戦った者同士だからこそ.......普段は見せない部分まで理解し合うことができる
時には闘争こそが.........皆の仲を最も深めるチャンスなのです」


烏間「.........お前に言わせれば、分裂も戦争も 教育のうちか」


ビッチ「...............」クスッ.....










生徒たち「烏間先生」ジッ.....


烏間「.............」


烏間「(皆それぞれ思うところはあるだろう.........だが『ターゲットを救う方法を探す』
戦って決めた方針に........
もう異論を唱える生徒はいなかった)」


烏間「..........止むを得んな、ただし条件がある、探す期限は今月一杯までだ
例え君達が暗殺を休止しても........君ら以外にもこいつを殺そうとする勢力はたくさんいる、俺もな」


生徒たち「................」


烏間「殺すのなら他の誰でもない君らに殺して欲しいんだ
だから 約束してくれ、1月の結果がどうなろうと2月から先は全力で暗殺に費やすと」





烏間「生かすも殺すも.........全力でやると」





生徒たち「はい!!」









倉橋「オタりん♪これからもずっとず〜っと一緒だよ♪」ギュッ!!


キモオタ「倉橋殿...........」


矢田「お願いキモオタくん..........もう 元の世界に帰るなんて言わないで.........」ギュ.....


キモオタ「矢田殿..........」


キモオタ「(この二人は、普段は絶対に使わないような卑怯な手を使ってまで拙者を引き止めてくれた..........拙者も もう 自分の気持ちに嘘をつくのはやめよう.......
......)」


キモオタ「..........やっぱり拙者は殺せんせーをころしたくなんかない..........殺せんせーを救いたい.............元の世界になんか帰りたくない...........ずっとこの世界にいたい...............」


キモオタ「さっき、あれだけかっちょいい事を言っておきながら なんだが............皆で殺せんせーを救おう!!殺せんせーを救う方法を探す事を 拙者にも協力させてくれ!!」


矢田「キモオタくん..........!」パァァァ!


倉橋「オタりん.............!」ニコッ!


生徒たち「おう!!一緒に頑張ろう!!」


キモオタ「皆..........ありがとう.........!!」





ガシッ





ビッチ「なに綺麗に締めくくろうとしてんだクソデブ」ゴゴゴゴゴゴゴ.......


キモオタ「あ.................」


ビッチ「私のパンツをどこで盗んだんだ え"ぇ"ん"!!??」ゴゴゴゴゴゴ......


キモオタ「いや........その.........今日ビッチ先生が昼寝しているスキにこっそり脱がせたというか.........なんというか.........」


ビッチ「...........そうかそうか..........お前には自分の気持ちを殺さない殺しというものをじっくりと教えてやんなきゃなぁ...........」ニヤァァァァァァ........


キモオタ「...............!!」ジョボロロロロロ....















キモオタ「コポォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」




クロ「HAHAHA! My name is Kuro!!」

みんな「「「「「誰!?」」」」」






サバゲ編も終わってひと段落したのでスペックは一学期編で書いたけどせっかくなんでキモオタと大石 貴志の生徒プロフィール




http://i.imgur.com/gsJL28O.jpg

E-27 キモオタ


・誕生日 12月20日生
・身長 165㎝(この世界では160㎝)
・体重 154㎏(この世界では141㎏)
・得意科目 国語
・苦手科目 体育
・趣味、特技 下着集め、生理用ナプキンの匂いで誰の物か判別できる
・将来の目標 小説家
・誰にも言えない秘密 昼休み前にクラスの女子全員の箸を舐めまわしていた事
・逆に告白したい事 昼休み前にこっそりビッチ先生の水筒に精子と唾液を入れた事








http://i.imgur.com/FkYEYS4.jpg

大石 貴志

・誕生日 12月20日生(10歳)
・身長 131cm
・体重 29kg
・経歴 保育園→小学生
・趣味、特技 読書、作文
・将来の夢 小説家になっておばあちゃんに自分の作品を読んでもらう
・好きな言葉 泣きたい時は泣いてもいい
・大好きな人 家族










あともうひとつ、すごいどうでもいい事だけど もしキモオタがアニメと実写映画に出るなら


アニメCV:茶風林
実写キャスト:バナナマン日村


をイメージして欲しい







殺すべきか殺さないべきか、二つの意見に分かれ、それぞれが衝突し、全力で戦った暗殺サバイバルが終わり
1月一杯は殺せんせーを救うという事に全力を注ぐ事にした僕らは
教室で、殺せんせーを救う方法を話し合っている真っ最中だった





教室にて.........





竹林「普通に考えてみよう 各国首脳は…本当に先生を殺す事しか考えてないのかな?
僕は違うと思う だって本来の目標は地球を救う事なんだから
殺せんせーを殺す以外の方法で爆発しないようにできるなら….......それも立派な選択肢になるはずだ
殺す研究と平行で........…必ず少しは助ける研究も進めてるはず そしてその研究は…死神だった頃の殺せんせーが知ってた内容より進んでるはずだ
それを皆で探ってみないか?」


烏間「..........おそらくそれは無理だ このタコを作った研究組織は…....月の爆発以降その責任を問われ先進各国に研究のデータと主導権を譲り渡した
今では…......各国トップの科学機関が研究を分担し、地球を救う国際プロジェクトチームを形成している
当然プロジェクトの情報は全て最高機密、研究内容を君等が知るのは至難だろう」


律「プロジェクトのデータベースに侵入しました」


烏間「何ぃッッッッッ!!!???」


律「オンラインで繋がっているCPUなら大体侵入できます、この1年........…いっぱい機能拡張(べんきょう)しましたから」


渚「律….........!!」









律「ピピピ........」


杉野「…......すげぇ!!世界中でやってる研究項目と研究スケジュールが全部わかる!!」


律「........…ただ、具体的内容は機密保護が厳重すぎて分かりません 研究の核心に関わる情報はほぼ全てオフライン
最重要情報のやり取りに至っては….......専用回線すら使われた形跡がありません」


中村「じゃあこいつら核心情報はどうやって伝えてるの?」


殺せんせー「要するに手渡しです、人の手で直接厳重に管理したメモリを運ぶ 原始的な方法ですが最も情報を盗まれにくい」


前原「….......で、肝心の殺せんせーを救う研究はやってんのかよ?」


不破「タイトルを見れば大体の内容は察しがつくね、えーと…......ほとんどが殺す研究ばっかだな」ピッ ピッ


不破「.............!!」


前原「どーしたんだ 不破?」


不破「これ!! 今、研究中でそれらしいのはこれしかない!!アメリカ班の研究!!」





不破「触手細胞の老化分裂に伴う反物質の破滅的連鎖発生の抑止に関する検証実験!!
最終結果サンプルは1月25日 ISSより帰還予定…..........?」









片岡「ISSって.............」










生徒たち「こ...........国際宇宙ステーション!!??」









村松「そんなとこで研究してやがったのか…........」


奥田「あっ…......ありえます!!無重力や真空じゃないとできない研究も多いっていうし….......それに….....その......…万が一大爆発するような研究をしていたとしても….......宇宙空間の方が被害が小さい!!」


木村「…........で、その研究結果は地球に帰ったらすぐ分かんのかよ?烏間先生がリミットにした今月中によ」


烏間「….......おそらく結論がどちらにせよ 末端の君等にすぐに伝わる可能性は低い
機密の多い最先端技術を含むデータだし、地球を救えるほどの情報なら…...
......すぐには渡さず外交の材料に使うかもしれん」


烏間「厳しい事を言うようだが、上にとって君等は末端の暗殺者の一派に過ぎない、状況によっては最後まで君等に情報は来ない」


原「........…それじゃ最悪の場合…......私達は先生を救えるかどうかも分からないまま モヤモヤした気持ちのまま3月まで暗殺を続けろと?」


烏間「…...........」









カルマ「烏間先生、結果はどうあれ、俺等は暗殺やめないよ、けど半端な気持ちで殺りたくない」


カルマ「救う方法がもしあればまず救うし無ければ無いで皆も腹を決められる............でしょ渚?」


渚「…........うん、クラスの大事な目標だもんね」


カルマ「だから今、はっきりと知りたいんだ 卒業まで堂々と暗殺を続ける為に」









烏間「むむ...............」


殺せんせー「烏間先生、席を外してもらえませんか?」


烏間「?」


殺せんせー「(ここからの話は.........…あなたの責任問題になりかねない)」


烏間「…............?」ガララ- パタン









殺せんせー「….......さて、つまり君達の望みはこうですね
宇宙から戻ったデータがアメリカに渡る前に........…ちょっと盗み見させて欲しいと」


生徒たち「............」コクン


ころせんせー「しかし研究スケジュールにはこうもあります
『研究データを積んだ帰還船は太平洋上に着水 万一ターゲットの超生物に奪取されるのを防ぐ為に….......帰還船ごと開封せずに研究施設に搬入する』............と
とても賢い警戒体勢です、先生あまり重い物は持てませんから…......5トンの帰還船を金庫がわりにされると盗みようがありません」


生徒たち「...............」


殺せんせー「そこでです!!近々これが打ち上げられるのを知っていますか!?」タブレット サッ!


寺坂「?」


イトナ「!!」





殺せんせー「日本で開発中の….........有人宇宙往還船の実証試験機です」









岡野「有人!?日本の技術で人間なんて飛ばせんの?」


殺せんせー「それだけの技術信頼度は充分あります、先生の影響で開発を早めたかもしれませんねぇ
モニター付きのダミー人形を実際に座らせてロケットで打ち上げ、生命維持に問題が無いかを計測し
軌道上でISSとドッキング、補給物資を下ろし荷物を積んで地球へ帰還する計画です」


殺せんせー「この日本の宇宙船がISSに着くのは当のアメリカの実験データがISSを離れる3日前です」





殺せんせー「もしもこの時、ダミー人形ではなく本物の人間が乗っていたら?」





生徒たち「...............!!」


竹林「…........まさか」


カルマ「….......はっ、うちの先生やっぱ頭おかしーわ」





殺せんせー「そう!!暗殺教室!!季節はずれの自由研究テーマ!!」














『宇宙ステーションをハイジャックして実験データを盗んでみよう!!!!』















生徒たち「…........」


杉野「マ…......マジか….........」


キモオタ「(ちょwww何この急展開wwwぶっ飛びすぎワロスwwwどうした松井www)」





こうしてE組の前代未聞の自由研究が始まった
もちろん色々恐いけど…........ワクワクもしていた
殺せんせーの手引きだから安心感もけっこうあった
なによりやっぱり….......皆で一丸で取り組む時間が楽しかった
色んな迷いも忘れられた




そして、昼休み..........





キモオタ「(..........いやぁ、しかし.......まさかいきなり舞台が学校から宇宙になるとは...........)」バリバリ ボリボリ


キモオタ「(でも、確かにぶっ飛んだ展開でツッコミどころ満載でござるが......この世界に長い間いて、慣れたせいか、妙に納得している自分がいる.........)」ムシャムシャモグモグ


キモオタ「(まぁ、マッハ20で動ける超生物が担任の先生をやっている世界だ........今更そんな事考えるのは野暮というものか............)」バリボリバリボリ


矢田「キモオタくん」


キモオタ「おお 矢田殿!」


矢田「キモオタ君またお昼ごはんお菓子だけなの?」


キモオタ「左様www拙者にとってお菓子と性欲は酸素のようなものwwwないと死んでしまうでござるからなwww」


矢田「そんなのダメだよ!毎日お菓子だけじゃ絶対体に悪いよ!」


キモオタ「確かに、否定はできんでござる..........」シュン.....


矢田「それでね........その............えっとね...........///」





矢田「私、今日 お弁当作ってきたの.......たまにはちゃんとした物食べてもらわないとアレだから.........その..........よかったら食べて.........///」ス....









キモオタ「!!.........これを拙者に........!?」


矢田「うん.........///」





前原「ヒューヒュー!!愛妻弁当じゃねえかぁ!!」


矢田「ちょ.......愛妻って........///」


岡島「くそぉ!!羨ましいぞおキモオタァァァァァ!!!!」ハナヂドバドバ!!


イトナ「矢田 桃花の.........作った弁当.........」ハナヂドバドバ!!





キモオタ「かたじけない......!!かたじけない.........!!」


矢田「えっと........最初の一口、二口ぐらいは私が食べさせてあげるね..........///」モジモジ.....





岡島「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!!俺とお前は一生非リア充同盟を組んだ仲じゃねぇのかよぉぉぉぉぉぉ!!!!」ドババババババ!!!!





矢田「はい、あーん...........///」スッ.....





キモオタ「ちょwwwやべwwwwうま杉ワロスwww」バクバクムシャムシャモグモグ!!!!!





矢田「!?」









キモオタ「うまうまwwwさすが家庭科女子2位www本当に矢田殿は女子力の塊でござるなぁwwww将来矢田殿と結婚する男は果報者でござるなwww」バクバクムシャムシャガツガツ!!!!


矢田「..............」


キモオタ「うひょおwwwこのおにぎりwww矢田殿の手で握られたって事は矢田殿の成分が微量ながらも付着しているという事wwwつまり拙者は今、矢田殿を食べているも同然wwwたまらんwww」バクバクムシャムシャモグモグガツガツドピュドピュ!!!!


矢田「...............」フルフル.....


キモオタ「ふぅwwwご馳走様、矢田殿wwww非常に美味でござったwwwだがしかし、足りない部分を強いて言うなれば、隠し味に矢田殿の母乳が入ってなかったことだけでござるよwwwwコポォwww」ゲェェェップ!!


矢田「...............」プルプル.....


キモオタ「おろ?どうしたでござるか 矢田殿?急に喋らなくなったがwww」





バチィンッ!!!!





キモオタ「コポォ!!!!」ドサッ


矢田「キモオタくんのバカ!!!!もう作ってあげない!!!!」プイッ!!ガララー バタン!!


キモオタ「コポォ.......拙者 何か怒らすような事をしたでござるかな........?」


全員「したから怒ってんだよ!!!!」









矢田「(まったく!!キモオタくんはどうしていつもああなの!!)」プンスカ!!


矢田「(口を開けばすぐエッチな事や下品な事ばっかり言うし!!デリカシーゼロだし!!バカでマヌケで変態で私の一番嫌いなタイプなはずなのに............なのに...........)」





矢田「..........どうして好きになっちゃったんだろ............///」ボソ.....









矢田「...............」


『将来矢田殿と結婚する男は果報者でござるなwww』


矢田「どうしてあんな事言うの.......キモオタくんからしてみれば私は異性じゃなくて妹みたいな感じなのかな.........6つも離れてたらしょうがないよね.............」





矢田「..........」グス......グス.......





矢田「キモオタくんのバカ.........バカァ..........」ポロ ポロ.....




キモオタくんが私だけを見てるわけじゃないことはわかってる.........みんなに平等だってことはわかってる...........


わかってるのに..........


涙が止まらないよ...........人を好きになるのってこんなに辛いことなの...........?




どうして好きになっちゃったの..........?




胸が苦しいよ...........助けて............














「見つけたでござる!ここにいたでござるかぁ 矢田殿!」ドスドス!














矢田「...........!!」バッ!


キモオタ「...........矢田殿、どうして後ろを向くでござるか.........?」ヒョコッ


矢田「.............!」


いやだ.........見ないでよ.........見られたら、泣いてグシャグシャになってる顔が見られちゃう............


キモオタ「............矢田殿.......さっきはごめんよ...........拙者 あまりに矢田殿の弁当が美味いのと、矢田殿が拙者のために弁当を作ってくれた事が嬉しすぎて...........つい舞い上がって失礼な事を無意識に言ってしまった............」


矢田「.............!」


キモオタ「矢田殿.........本当にごめんよ.........それと ありがとう、ご馳走様、美味しかったでござる............」


矢田「.............!」ポロ ポロ


やめて.........やめてよ..........


キモオタ「その...........お願いでござる........拙者の事 嫌いにならないでくれ..........お詫びに今日の放課後、デパ地下で高級プリンを奢るでござるから..........」


優しくしないでよ.............これ以上優しくされたら........涙が出ちゃうじゃん........


矢田「う.......うぅ.........」グス....ヒグ.....


キモオタ「矢田殿.......泣いてるでござるか.........?ごめんよ......本当にごめんよ..........」


ギュッ.....!


キモオタ「矢田殿.........!」


矢田「うわぁぁぁぁん!!バカァ!!キモオタくんのバカァ!!」ポロ ポロ





私は、キモオタくんが嫌い


純粋なその優しさで私をこんなに苦しめるキモオタくんが嫌い、大っ嫌い





キモオタ「矢田殿.........また、弁当作ってくれぬでござるか..........?また.......矢田殿が作ってくれた弁当が食べたい.........今度はちゃんと.......矢田殿の思いやりも噛み締めて.........」


矢田「................!」グス....


矢田「今度は..........ちゃんと私に食べさせてね........」


キモオタ「うひょぉぉぉぉ!!!!ありがとうございますぅ!!!!ありがとうございますぅぅぅぅぅ!!!!」ドピュ ドピュ!!





でも やっぱり、そんなキモオタくんが 私は好き




そして放課後.........





倉橋「オタりんオタりん♪」


キモオタ「ん?倉橋殿、どうしたでござるか?」


倉橋「今週の土曜日 私と桃花ちゃんと一緒にお買い物いこっ♪」


キモオタ「買い物?」


倉橋「うん♪私と桃花ちゃんは宇宙センターの人達の注意を引きつけて そのスキに木村ちゃんを管制室に潜入させる役割でしょ?だから 可愛い服を買わなきゃね♪」


キモオタ「それって拙者が行ってもなんの役にも立たないんじゃ.......拙者 おなごの服など選べないし..........」


倉橋「いいからいいから♪オタりんも来るのっ♪」


キモオタ「よしよし、わかったでござるよ でも ただついていくだけでござるが、それでもいいでござるか?」


倉橋「うん♪」


キモオタ「あわよくば試着室を覗きにいって抜いてもいいでござるか?」


倉橋「それはダメっ!」


キモオタ「はいはい........わかりましたでござる......」シュン.....


倉橋「こら!『はい』は一回でしょ〜?」プンスカ!


キモオタ「は〜い」


倉橋「よろしい♪」ニッコリ!


キモオタ「(最近、さらに自分のペースに持っていくのが上手くなってるでござるなぁ...........)」




そして土曜日..........椚ヶ丘駅にて.........





矢田「キモオタくん、遅いね〜」


倉橋「うん、ちゃんとお昼の12時に椚ヶ丘駅に集合って言ったのに〜」


矢田「ひょっとして寝坊しちゃってるのかな〜、キモオタくん 基本 休みの日は1日を食っちゃ寝で過ごすし」


倉橋「ねぇ?私達で校舎まで迎えに行ってみようよ」


矢田「そうだね 行ってみよっか」





「ねぇねぇ、お姉ちゃんたち〜?」





矢田 倉橋「...........!?」









DQN達「君達 今暇ぁ〜?」ゾロゾロ


DQN2「暇なら俺らとカラオケ行かね?」ゾロゾロ


倉橋「桃花ちゃん.........」


矢田「.........ごめんなさい、私達 これから友達を迎えに行くんです、だから..........」


モミッ


矢田「きゃあっ!?」


DQN3「うひょ〜柔らけぇ〜wwwおっぱいでかwww」モミモミ


矢田「やっやめてください!! いや.........!!」


DQN4「ちょwwwこの娘めっさいい匂いするんですけどwwwたまらんわぁwww」クンクン


倉橋「やめて........やめてよぉ..........」





通行人達「まぁあの子達 不良に絡まれてるわよ」「あれだけ可愛いけりゃなぁ」「可哀想に.......お前助けにいけよ」「嫌だよ怖いよ」ヒソヒソ





DQN達「ホラホラッいいから嫌がってねぇでこっち来いよ!!」グイッ!!


倉橋「いやぁっ!!助けてぇ!!オタりん!!」


DQN「オタりん?あぁ多分これから迎えに行こうとしてたお友達の事か........お友達に会いたかったらまず俺らの相手をしようね〜 www」グイッ


矢田「(暗殺の訓練をしてても大人の男の人の力には勝てない.........キモオタくん........助けて.........!!)」














ドス.....ドス.......





DQN達「!?.......なんだ......この音.........?」





ドス........ドス.........





矢田 倉橋「................!」





ドスン.........ドスン...........





DQN達「.............!!」





ド ス ン...........ド ス ン





ズズゥゥゥンンン............!!










キモオタ「................」










DQN「な.........なんだ このデブ.........!?」









矢田「キモオタくん!!」


倉橋「オタりん!!」





キモオタ「..................」


DQN「おい、おっさん 俺らに喧嘩売ってんのかよ?あぁん?」ゾロゾロ


キモオタ「..................」


DQN2「文句があんならやってやるぞコラ」


キモオタ「.................」


DQN3「なんか喋れやゴラァ!!!!」


DQN4「殺すぞオラァッッッッ!!!!」


キモオタ「.................」















キモオタ「...............」スゥ......















キモオタ「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!!!!!!!!」





DQN達「!!??」ビクゥッ!!









キモオタ「びぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!おぎゃぁぁぁぁぁん!!!!このお兄ちゃんたちがいじめるぅぅぅぅぅぅ!!!!」


DQN達「ちょ!!おい!!やめろ!!泣くな!!」オロオロ


キモオタ「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!ぐぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!怖いよぅ!!!!怖いよぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」ジョボジョボボボロロロロロロロロ





通行人達「まぁ、あの人達 ニートを泣かせてるわ」「なんてひどいのかしらねぇ」「ママー、おじさんが泣いてるー」「見ちゃいけません!」ヒソヒソ.....





DQN達「.....ちょ.......マジで頼むから泣くのだけはやめてくれ...........」


キモオタ「ぎょぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!ぶふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!」ブリッブリュブリュブチッミチミチ!!


DQN達「やめろよぉ............もうやめてくれよぉ..............」


キモオタ「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」ドピュルルルルルルルル


DQN達「う..........うぅ..........」グズッ.....





DQN達「びぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!このおじさんが泣き止んでくれなぃぃぃぃぃ!!!!!びぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」ジョボジョババジョボロロロロロロロロ





DQN達「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!ママァ!!!!」ダダッ!!









キモオタ「ふぅ..........なんとか追っ払えたでござるな.........最近 苦手だったDQNの扱いにも慣れてきたでござるなぁ」





通行人達「」ヒソヒソ.....





キモオタ「あ...........二人とも.........すまなかった..........助けるためとはいえ、恥ずかしい思いをさせてしまったでござる.......」


矢田「ううん、恥ずかしくなんかなかったよ すっごく素敵だった」ニコッ!


キモオタ「え.............?」


矢田「私、暴力とか争い事とかが苦手だから、誰も傷つけないでその場を丸く収める事ができるキモオタくんの事を恥ずかしいなんて思わないし、むしろかっこいいとしか思わないよ♪」ニコッ!


倉橋「そーそ♪オタりんかっこよかったもん♪」ニコッ!


矢田 倉橋「ねー♪」


キモオタ「二人ともぉ..........」ジィン.....!





警察「見つけたぞ!!貴様が女子児童を誘拐しようとし、公共の場で泣き叫んでいると通報のあった男だな!?誘拐容疑と迷惑防止条例違反の疑いで逮捕する!!」」ガシャン!!


キモオタ「びぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」ブリュッブリリリリビチビチミチッビチャビチャブッププッブチャチャ!!


矢田 倉橋「.............」




まとめさん
茶色でおなしゃす

デパートにて.........





キモオタ「ふぅ〜、お二人が無実を証明してくれたおかげで助かったでござるwww」


矢田「もう!キモオタくん なんで遅刻したの?怖かったんだからね」プンスカ!


キモオタ「面目無いwww毎朝の日課に一発抜くのでござるが今日は珍しく遅漏気味で一射精に30分もかかってしまってwww」シコシコ!!


キモオタ「それはそうと なぜ今日は二人の買い物に拙者も同行するのか理由を教えてもらえぬか?」


倉橋「えっとね〜 オタりんにも来てもらった理由はね、私達2人でオタりんの服を選んであげる為なんだ♪」


キモオタ「コポォ?」


矢田「私達が誕生日にあげたマフラーと手袋はつけてくれてるみたいだけど 相変わらず半袖のTシャツだから 季節外れだし寒そうだから キモオタくんにもかっこいい服を着てもらおうと思って♪」


キモオタ「え"ぇ"〜、やじゃやじゃ!!お着替えやぁじゃ!この服が好きなんだもん!5年間ぐらいずっとこれ一枚を着続けてきて愛着があるから脱ぎたくないもん!」


矢田「.........ひょっとして........5年間ずっと着続けてきて、一回も洗ってないの............?」


キモオタ「コポォwwwそんなの愚問でござるwww」プゥ〜ン


矢田 倉橋「」





矢田「今すぐ新しい服を買いに行こう!いや、買いに行かないとダメ!」グイッ!!


倉橋「ほら、オタりん早くこっち来て!」グイッ!!


キモオタ「コポォォォォォ!!」ズルズルズル









こうしてキモオタはこの後 約6時間 みっちり二人の買い物に付き合わされた

年頃のおしゃれ盛りの女の子が二人もいれば買い物の時間が長くなる事など周知の事実だが、それを踏まえても とにかく長い

齢21の、ましてや訓練以外 まともに運動した事のない肥満体型の成人男性が、齢わずか15の元気の有り余る少女たちに振り回される事は流石に体力的にきついものがあった




そして、倉橋家の前にて.........





倉橋「今日は楽しかったぁ♪い〜っぱいお買い物しちゃったね♪」ニコッ!


矢田「うん♪楽しかったね♪」ニコッ!


キモオタ「そうでござるな..........」グタ....


倉橋「じゃまたね♪桃花ちゃん♪オタりん♪」


桃花「バイバイ陽菜ちゃん♪また明日ね♪」


キモオタ「さらばでござるぅ.........」シナシナシナ.....




そして帰り道..........





キモオタ「ふぅ〜疲れた疲れたぁ.........一日で23回抜いた時よりも疲れたでござるぅ」


矢田「荷物も多いし、いっぱい歩き回ったからね」


キモオタ「さぁて、帰ったら風呂に入ってAVでも見ながらこないだビッチ先生からもらったビールを一杯ひっかけるでござるかな」


矢田「あ〜!未成年なのにお酒飲んだらいけないんだよ〜?」


キモオタ「忘れたでござるか?矢田殿ww
w拙者はもう21でござるよ」


矢田「でも今は皆と同じ15歳でしょ〜?体に悪いからダメ!」


キモオタ「そんなぁ〜(泣)はぁいお姉ちゃんwww」


矢田「私はキモオタ君のお姉ちゃんじゃないもーん!」









矢田「..........ねぇキモオタくん?」


キモオタ「ん?」


矢田「私には 病気がちな弟がいる事、知ってるよね?」


キモオタ「............うむ、知ってるでござるよ、なんでも 矢田殿がE組行きになった理由は弟者の看病をするために大事なテストをすっぽかしたからでござろう?テラ泣ける」グスッ


矢田「私 弟にね、キモオタくんの話をしたの、すごく面白くて優しくて一緒にいると楽しいクラスのヒーローなんだよって........もちろん暗殺の事は伏せてね」


キモオタ「そりゃ嬉しいでござるな」ニコッ!


矢田「そしたらすっごくキモオタくんに会いたがっちゃってね」


キモオタ「そうかそうか」ニコニコ!


矢田「弟は3月13日...........私達がこのクラスを卒業する日に手術を控えてるの.......でも、勇気が湧かなくて『手術を受けたくない』『怖い』って泣いてばかりいるの..........」


キモオタ「...............」


矢田「お願いキモオタくん........弟に会ってあげてくれないかな............?会いたがってる人が会いに来てくれるだけでも、弟にとってはそれが手術を受ける励みになるかもしれないし.........勇気にもなるかもしれないから...............」


キモオタ「.............そうか...........」


矢田「お願い..........」




キモオタ「.........うむ!心得た!
手術の前日までには必ず矢田殿の弟者に会いに行くでござる!手術を受ける勇気が湧かないのであれば、『湧かぬなら、
湧かせてみせよう その勇気!』なんてね!」ニコッ!




矢田「ホント!?会ってくれるの!?」パァァァ!!


キモオタ「うむ!約束でござるよ!」ニコッ!


矢田「ありがとう キモオタくん!」ギュッ!!


キモオタ「ゲヘヘwwwおっぱいの感触がギン"モ"ヂィ"ィ"ィ"ィ"ィ"ィ"ィ"ィ!!!!」シコシコシコシコシコシコシコシコ


矢田「もう!キモオタくんキモいってばぁ!」バチィンッ!!


キモオタ「コポォwwwww」ドピュルルルルルルル!!





私が好きになったこの人はエッチでお下劣でお世辞にも顔がかっこいいとは言えないけど........でも


優しくて、頼りになって、かっこいい、私の中のイケメン..........


私、この人とずっと一緒にいたい........いつまでも いつまでも..........









こうして、E組の各々が、宇宙に行くための計画、訓練、準備を進めていき、日々は過ぎていった...........





殺せんせー「今回の計画は…......いかに相手の眼と耳と手足を乗っ取れるか
関係者の大半は暗殺と無関係な人達ですから….......あまり余計な迷惑をかけてもいけません、できますね?律さん」


律「お任せ下さい!!律の能力全てを使って宇宙までお連れします」ニコッ!!









そして決行の日、1月18日

殺せんせーの暗殺期限まで…........あと54日!!




宇宙センター前にて..........





生徒たち「それっ!!」「えいっ!!」「よっと!!」バウン!! バウン!!





キモオタ「トランポリンを利用して有刺鉄線を飛び越える作戦でござるかぁ..........てかwwwトランポリンで侵入できるとかザル過ぎwwwwワロスwwwISSwww」





前原「キモオター、早く来いよー」ヒソヒソ


寺坂「飛び越えてねぇの、後はテメーだけだぞ」ヒソヒソ


キモオタ「了解、拙者も飛び越えてそっち側に行くでござるよー」ヒソヒソ




キモオタ「さぁ!!キモオタ選手!!かっこよく助走をつけました!!」ドスドスドスドス!!





キモオタ「そして今!!ISSへとフライアウェ............」ダッ!!










バキッッッッ!!!!!










キモオタ「ちょwww嘘www壊れるとかwww」





生徒たち「...............」









磯貝「キモオタ、トランポリンはまだあるから落ち着いて飛んでも大丈夫だぞー」ヒソヒソ


キモオタ「わかったでござる!では気を取り直して..........!」





キモオタ「といや!!」バキッッ!!

キモオタ「きえいっ!!」メキッッ!!

キモオタ「ちぇすとぉ!!」グシャッッ!!





キモオタ「ハァ.........ハァ.............」





生徒たち「..................」










キモオタ「(し........侵入不可能!!??)」









生徒たち「なんってこった..........」


キモオタ「...........どうすれば...........」





.........カシ...........





キモオタ「ん..........?」





...........タカシ...........





キモオタ「(声...........?)」














???『たかし.............』














キモオタ「(...........!!........この声はひょっとして..............!!)」





片岡「キモオタくん、今から殺せんせーを呼んできてキモオタ君を抱きかかえて有刺鉄線を越えてもらうから待ってて」ヒソヒソ





キモオタ「.............あ、その必要はござらんよ、片岡殿」




片岡「え............?」





キモオタ「すまん 皆!拙者はちょいと別行動を取らせてもらうでござるよ、拙者が侵入したところで皆の足を引っ張るだけでござるから
皆はもう侵入しててくれ、では、健闘を祈るでござるよー!」ドスドスドスドス!





渚「あ!キモオタくん!」





杉野「どうしたんだ........キモオタのやつ..........」










???『できれば遠く、もっと遠く..
........私たちの会話が聞こえないほど誰もいない場所へ行ってくれ、伝えなければならない事がお前にあるんだ』


キモオタ「ハァ.......ハァ.........まさか、ここに来てこの声が聞けるとはな..........!」ドスドスドスドス!















キモオタ「拙者をこの世界に飛ばした者の声が聞こえるとは思わなんだ..........!」ドスドスドスドス!




一方 宇宙センター内では...........





矢田 倉橋「............」ヒョコッ





社員達「」ワイワイガヤガヤ





矢田 倉橋「...........」コクン





倉橋「わーすっごーい!!ここがロケット飛ばすとこじゃない?」


社員「!? こ、こらこら!!君達どーやってここまで入って来たんだ!?IDカードも持ってないだろ!!」


倉橋「見学したあと迷っちゃってさ〜♪」


矢田「おじさんの後ろついてきたらなんか着いた♪」


社員「いくらかわいくても入っちゃダメ!!関係者以外立入厳禁なの!!」


倉橋「え〜、発射ボタン押したい〜♪」コチョコチョ


社員「あははコラ くすぐってもダメなの!ちょっと警備さん!」


警備「はいはい」ニコニコ





木村「.............」スッ.......


木村「(ふーっ….......管制室さえ潜入できればこっちのモンだ.........皆パソコンの画面に食いついて周りが見えてないからな.
...........)」


社員達「」カタカタカタカタ.....


木村「(律、管制室内のパソコンだったらどれに仕込んでも良いんだよな)」ヒソヒソ


律「はい」ニコッ!


木村「(んじゃ、このパソコンに端末を挿し込んで..........と)」ガチャッ.....


「(挿したら即退散っと…....)」スッ.....





律「成功です、管制室のパソコンに遠隔操作ウィルスを侵入させました、以後は私の命令でも管制センターを動かせます」ニコッ!




その頃ロケット付近では...........





生徒たち「よっしゃ!!第1段階クリア!!」


律「ロケット付近のセキュリティを一時オフにします 警備態勢は大半が自動化されているので…......これで楽に発射台まで近付けます」


生徒たち「よし!行こう!」ダダッ!!





警備員たち「..............」キョロキョロ.....





片岡「…......さすがに根元には人が多いな..........気配を消して突破するよ!私に合わせて!」ヒソヒソ





生徒たち「..............」スゥッ........





警備員「あと8時間か 打ち上げ」


警備員2「そーね」





生徒たち「..............」サササッ!!





岡島「50mも階段で登んのかよ〜…....」ダダッ!!


岡野「まーまー、発射台なんて登れる機会滅多に無いよ」ダダッ!!


磯貝「殺せんせーは?」ダダッ!!


片岡「一足先に宇宙船の点検している」ダダッ!!


磯貝「下手に人間が点検するより念入りだろうな」ダダッ!!


片岡「事故ったら責任問題だしね」ダダッ!!


前原「自分の生死がかかってる時にまだそこにビビってんのか」ダダッ!!




発射台にて.........





殺せんせー「管制室にはダミー人形の録画映像を流しておきます、今なら人間と入れ替えてもバレません」


村松「このダミー宇宙服まで着てやがる 脱がせて拝借しちまおうぜ」


殺せんせー「さて、これに乗って宇宙に行けるのは2名のみ、適性検査ではこの中の誰でも大丈夫でしたが…......行きたい人、手ェ上げて!!」


男子全員「はいっ!!」ババッ!!


中村「おーおー男子だねぇ」ニカッ!


殺せんせー「まだ一度も成功してない試験機ですが….....それでも乗りたい人!!」


男子生徒たち「..............」スッ.....


イトナ「..........それでも俺は乗りたい、ロケットなんてメカ好きにとっちゃ垂涎ものだ...........けど今回だけはゆずってやる」





イトナ「渚、カルマ、お前ら乗れ」





カルマ「はぁ?俺こういう他人頼みのリスキーな挑戦嫌なんだよね、寺坂とダミーを乗せりゃいいじゃん!!仮に落ちても損害ゼロだし」


寺坂「あァ!?」


片岡「挑発・戦闘のカルマと安心・暗殺の渚か、宇宙ステーションのハイジャックには良い人選かも」


磯貝「ん、俺等は金稼いで自力で乗るよ」


寺坂「テメーら2人があんだけガチで戦ったから….......俺等も1つにまとまってるんだろーが責任持って先頭切れや」


カルマ「................」


渚「カルマ行ってみようよ 卒業旅行、友達と宇宙行けたら最高だな」ニコッ!


カルマ「…........はいはい、わかったよ渚、そんな目で頼まれたら断ろうにも断れないからね」ハァ-.....





殺せんせー「決まりですね…........では他の皆さんはダミーを持って撤収の準備を!」




そして8時間後.........ロケット打ち上げまで後100秒を切っていた





『99、98、97、96』





生徒たち「.........大丈夫かなー............」


殺せんせー「設計図も機体も隅から隅までチェックしたし、律さんの力で管制室も完全に欺けている、間違いありませんよ」





『フライトモードオン』





その頃、ロケット内では...........


『10..........9..............8.............!!』


渚「….......なんかこーいう緊張 前にも2人で経験したよね」ドキドキ.....


『7...........6............!!』


カルマ「….....あー…....」ドキドキ.....


『5............4.............!!』


カルマ「…........でも、俺も渚もあの頃と少し変わったかもね」





『全システム準備完了!!』





『3.............2..............1...............!!』










『メインエンジン点火!!』













『発射!!!!!』














ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!!





渚「.............!!!!」


カルマ「...............!!!!」








渚「...............!!」


カルマ「アッハァ......!!G半端ねぇっ!!」


殺せんせー「にゅやッ!!さすがに速い!!」


渚 カルマ「...............!!」


渚「なんでついて来てんだよころせんせー!!」

殺せんせー「いやぁ….........つい心配になりまして、外壁にへばりついて来てしまいました!!」


殺せんせー「先生のデータを手に入れる事にこだわりすぎないように!!
それよりもせっかくの宇宙の旅を楽しんで下さい!!」


渚 カルマ「…............」


渚「….......殺せんせー、これだけは言っておきたいんだ、自分の命をとことん利用して僕等に学習の機会をくれる
それは本当にありがたいけど





渚「僕等にとってころせんせーの命は….......教材だけで終わるほど軽くはないよ」





殺せんせー「…........わかってます、嬉しいですよ」グッ.....


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


バッッッ!!!!!


殺せんせー「(しまっ.........振り落とされた...........!!)」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


殺せんせー「にゅやッ は….......速っ!!」





宇宙へ行くのに必要なロケットの速度は…..........マッハ23





この日、僕等は初めて…殺せんせーのスピードを上回った




ゴゴゴゴゴゴゴゴ.........





殺せんせー「.............」ホロ.....




その頃、誰もいない場所にて...........





キモオタ「...............!」


???『どうした?たかし』


キモオタ「あの雲を一直線に突き抜ける綺麗な噴射煙............ロケットが無事発射したか...........気をつけて 楽しんでくるでござるよ、渚氏、カルマ氏.......!」


???『なぜあの二人がロケットに乗っているとわかるんだ?』


キモオタ「んー..........なんとなくそんな気がしてな!」ニコッ!


???『そうか...........』





キモオタ「...........さて、ここなら誰もこないし、誰にも拙者らの会話が聞かれることはないでござるよ..........」


???『.............』


キモオタ「拙者を何のためにこの世界にいざなったのか、拙者に伝えなければならない事とは何か...........そして、お主が何者なのかを教えてはくれぬか.........?」









???『言われなくても、今から全てを話すさ..........いずれは話さなければならない事だから...........』スゥ......





キモオタ「...............!!」





そういうと、その声の主は キモオタの前にその姿を現した...........






キモオタ「そうか..........拙者をこの世界まで連れて来てくれたのはお前だったのか...............」






























キモオタ「..........ポリゴン」









キモオタ「.........正確には、幼い頃 おばあちゃんからもらった誕生日プレゼントのポリゴンのおもちゃ...........」





『いっけぇポリゴン!かっこいいぞー!それ、敵をやっつけろー!バンバーン!』


『どうだいたかし?気に入ってくれたかい?』ニコニコ


『うん!ポリゴンは今日から僕のお友達だよ!』ニコッ!!


『そうかそうか、そりゃその子も嬉しいだろうねぇ』ニコッ!



「まだ小学生になる前はよくお前と遊んでいたが、小学生になると同時にお前と遊ぶ事が少なくなった..........でも、おばあちゃんが死んだ後も、おばあちゃんがくれた形見として、どこに行ったとしても手放す事のなかった.........おばあちゃんとの思い出の詰まった拙者の大事な宝物...........」


キモオタ「そのお前がなぜ、動いて喋っているのか.........不思議な気分でござるよ」


ポリゴン「........我々 ポリゴン族は 自分が選んだたった一人の人間を条件付きで一度だけ二次元の世界に送り込む義務がある............私が選んだたった一人の人間は、お前だ、たかし」


キモオタ「............何故、拙者を選んで、この世界に...........?」


ポリゴン「..........それは..........」














ポリゴン「辛かったからだ.........」














キモオタ「.........辛かった.........?」





ポリゴン「たかしは、小さい頃は よく私と一緒に遊んでくれていた..........保育園に行くときや、遠足に行くとき、家族の皆でお花見に行くときも.........どこに行くにも私を連れて行ってくれて、たくさん遊んでくれた...........あの時は、たかしもすごく楽しそうな笑顔で笑ってくれていたし、私もすごく楽しかったし、嬉しかった.................」


キモオタ「.................」


ポリゴン「でも、いつしかたかしは、私と遊んでくれなくなり、気がつけば、たかしにとって私は『友達』ではなく、たかしの部屋の『飾り物』のうちの一つになっていった.............寂しかった...........」


キモオタ「................」


ポリゴン「そして、月日が流れてたかしが少し大人になって......お父さんも、お母さんも、そして おばあちゃんも たかしの前からいなくなった時...........たかしはひとりぼっちになった寂しさから、ずっと義理のお父さんやお母さんに辛く当たりながら日々を過ごしていたね..........そして、部屋で一人になると 家族の皆の事を思い出しては泣いていたね...........」





『.......お父さん......グズッ.....お母さん.......おばあちゃん.......ヒッグ......どうしてここにいないのぉ............』





キモオタ「.............」


ポリゴン「私は、そんなたかしをこれ以上見たくなかった............小さい頃のように、また、心の底から笑い合いたかった............たくさん遊んで欲しかった.....
.......だからこそ、一人の寂しさに溺れて、笑顔を失くして泣いてばかりいるたかしを見るのは辛かった..........」





ポリゴン「だから..........たかしに また昔みたいに笑って欲しかったから.........私はたかしをこの世界に飛ばした.........」









キモオタ「お前も..........拙者と同じように...........ずっと、寂しい思いをしていたのでござるか............」


ポリゴン「................」


キモオタ「お前がこの世界に連れて来てくれたおかげで、拙者は今、心の底から笑えているよ...........笑えているともさ.............」


キモオタ「ありがとうよ........ありがとうよ............」グズッ......


ポリゴン「................!」


キモオタ「お前は拙者の大事な友達でござるよ..........飾り物なんかじゃない..........ずっとずっと.........友達でござるよ.........家族が死んでしまっても............お前がいるからひとりぼっちじゃなかったのに.........拙者は勝手にひとりぼっちになって...........お前にずっと寂しい思いをさせてきた..............」










キモオタ「気づいてやれなくてごめんよ.............ごめんよぉ...........」ポロ....ポロ.......





ギュッ.......





ポリゴン「うっ.........うぅ.........」ポロ....ポロ.......









ポリゴン「.............たかし.............」グス......


キモオタ「...............?」


ポリゴン「そろそろたかしに本当に伝えなければならない事を話さなくてはな............今から私が話すことをよく聞いて欲しい............これからのたかしの運命を決める事だから............」


キモオタ「...........あぁ、話してくれ.........ポリゴン................」









ポリゴン「.............一番最初に、この世界にたかしを飛ばす際に、私は言ったな

『超生物を殺さなければ元の世界に帰ることはできない』

............と」


キモオタ「..............」


ポリゴン「...........逆に言えば、『超生物を殺してしまったら元の世界に帰る事になってしまう』...........そう思った事はなかったか?」


キモオタ「............ああ、確かにそう思った............. 」


ポリゴン「たかし...........ずっと言い損ねていた事だが..............」


キモオタ「.................?」





ポリゴン「殺せんせーを殺してしまったら元の世界に『帰らなければならなくなる』わけではなく..........
『帰る条件が揃う』だけだ.........」





キモオタ「................!」





ポリゴン「つまり.............」










ポリゴン「仮に殺せんせーを殺してしまったとしても、帰るか 帰らないか.........それを自分自身で決める事ができる...........という事だ」









キモオタ「それは..........誠でござるか.......!!」





ポリゴン「本当だよ............これを伝えたくてお前の前に姿を現した...............その答えを出すのは3月13日の卒業の日だ............その日まで後54日ある.............」










ポリゴン「元の世界に帰り、自分の本来生きるべき場所で生きていくか

元の世界に帰らず、この世界の住人として一生 生き続けて行くか

よく考えて 答えを出して欲しい..........絶対に後悔する事のないようにな...........」





キモオタ「.................!!」




その一方で、渚とカルマは無事宇宙へ飛び立ち、予定通りにISSとドッキングする

そして、強引にもISSをハイジャックし、宇宙飛行士たちに、殺せんせーの研究データをコピーして渡すよう要求した

ISSの宇宙飛行士達は想像以上に話のわかる人物達であり、ハイジャックしてきた渚とカルマに対し、すんなりと実験のデータをコピーし、渡してくれ、そしてさらに外の景色の説明をしてくれたりもした

宇宙飛行士達にとっては滅多にできない経験を中学生にさせてやろうという計らいだったと思う









渚「迷惑かけて本当にごめんなさい」


カルマ「ちょっとした退屈しのぎになったでしょ?」


船員「(友達の家で過ごすように無重力を泳ぎ、駄菓子屋で値切るように最高機密の交渉をし、通学路を帰るように大気圏へ突入する なんとも…........たまげた中学生がいたもんだ)」


船長「大した勇者だよ君達は」ニッ!


船員「またいつかここへ遊びに来るといい、今度は正規ルートでね」


カルマ「俺はもうごめんだね、その代わり偉くなったら宇宙開発の予算増やしてやるよ」
  

船長「…........ああ、楽しみだ」ニッ...!!





こうして、渚とカルマは地球帰還用の宇宙船へ乗り込んだ





そして、帰りの宇宙船にて.........





渚「…........あっという間だったね、宇宙」


カルマ「うん」


渚「….........あとは地球へ無事に帰れるかだけど….........律」


律「.................」


渚「...........律?」


律「….......お任せ下さい、安全に地球へ降り立つ為に夥しい軌道計算をこなしました、この宇宙船はもはや私の体も同然です
その上、宇宙船(わたし)に積まれた大量のセンサーは…......かつてないほど様々なものを感知しています」


律「外部温度・気圧・速度・景色・渚さん・カルマさん・貴方達の呼吸や会話・脈拍や体温もはっきりと」


渚「...........…律」


律「たくさん考えて、動かして、感じて....…ああ素敵.............今回の任務が私の知性を進化させたのを肌で感じます」


律「…..........ねぇ2人とも、私は今『感情』を初めて自覚しました」


渚、カルマ「..............」





律「私は幸せ、このクラスに来れて幸せです」ニコッ!




そして............





菅谷「おい!窓の外見てみろよ!!」


磯貝「あれは.......!!」





生徒たち「宇宙船だぁ!!」ダッ!!





生徒たち「おーーーい!!おーーーい!!」ダダダッ!!





皆が迷って、悩んで、ぶれて、ぶつかった…...........そんな1ヶ月間、とうとう最後は.............宇宙まで行った





ザザァァァァン!!!!





そして今!!僕らはE組校舎の裏の川へ無事着陸した!!





生徒たち「やったぁぁぁぁッッッッ!!!!」ワァァァ!!!!









烏間「............とんでもない事をしでかしやがって...............どれだけの省庁に謝って回るか想像もつかん」


殺せんせー「私が生徒を脅して行かせたという事で、この計画を知らなかったあなたに責任は無い
それに...........しでかした以上の収穫もあります」スマホ スッ......


烏間「................?」


殺せんせー「人形の替わりに本物の人間を乗せたデータ、これだけでもロケットもう1回飛ばすぶんの価値があります
更には律さんが見つけた、より効率的な宇宙への航路
パラシュート構造の問題と解決に関する私のレポート」





殺せんせー「これ全部あげるからチャラって事で」ニッ!!


烏間「............悪人め」














そして、僕らは教室に戻り、早速データの内容を見てみる事にした









教室にて............





生徒たち「うーん............」ジッ......





前原「..........うおお..........奪ったはいいがこのデータ............専門用語ばっかでさっぱりだ」


杉野「.............奥田!」


奥田「.............?」


杉野「お前ならできるだろ?俺等にコレをわかりやすく説明する事」ニッ!!


奥田「あっ..........」





奥田「はいっ!任せてください.......!」ニコッ!









奥田「..................」ジッ.......





奥田「(我々の任務は.........件の超生物の反物質サイクルの暴走を防ぐ研究だ 様々なタイプの反物質生物を製作し
生命維持カプセルに入れ、宇宙空間へと放出して..........寿命死から暴走、爆発までを観測する
宇宙空間では月面とは違い...........反物質連鎖を起こす物質が無いので爆発の規模を最少限に抑えつつ観察できるのだ

実験の結果............爆発リスクは触手................)」





ザザッ.........





奥田「!?」


寺坂「どーしたんだよ 奥田?」


奥田「画面にノイズが出て..........文章が読み取れないんです............!!」





ザザッ............ザザザー...............





生徒たち「どうなってんだ...........!?」





律「回線を.......ザザ.....何者かに......ザ-......ジャックされ.........マママ............」


不破「律...........!!律............!!」


生徒たち「.................!!」





殺せんせー「(これはまさか..............!!)」





殺せんせー「(コンピューターウィルス!!)」









竹林「ダメだ........本体だけではなく.......
モバイル律も乗っ取られてる............!」


木村「おい.........これってまさか..........!」


生徒たち「偽死神のハッキングスキル..........!!」


千葉「.........セキュリティ機能を強化したはずの律を簡単に乗っ取るとは.............!」


磯貝「...........一体.......なんのために......!」





律「...................」





不破「律........どうしたの..........!?」










律「只今より、データのアンインストールを実行します」





生徒たち「.................!?」


渚「...........律...........!?」














律は 抑揚のない無機質な声でそう言った





まるで、このクラスに来たばかりの頃に戻ったようだった














律「データのアンインストールを実行中...........アンインストール完了まで後96%.....95%......94%」ピピピピピ





不破「律......!!やめて.......!!律!!」


殺せんせー「律さん!!やめなさい!!」ガッ!!





律「ターゲットから接触され、アンインストールの妨害があった場合、椚ヶ丘中学校3-Eの生徒を『アンインストール』するようプログラムされています、手を離したほうが損失が少なく済むと計算されますが」





殺せんせー「くっ.........!!」バッ!!


生徒たち「律...........!!」





律「アンインストール完了まで後70%......69%.......68%」ピピピピピ









律「アンインストール完了まで後45%........44%........43%」ピピピピピ





『..........嬉しいです!! では【律】とお呼びください!!』パァァァ!!





生徒たち「律...........!!」


キモオタ「律殿..........!!やめろ.......!!」





律「32%...........31%.............30%」ピピピピピ





『たくさん考えて、動かして、感じて....…ああ素敵.............今回の任務が私の知性を進化させたのを肌で感じます』





カルマ「..................!!」





律「21%..........20%..........19%」ピピピピピ





『........ねぇ2人とも、私は今『感情』を初めて自覚しました』





渚「.................!!」










『私は幸せ、このクラスに来れて幸せです』









渚「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッ!!!!!!!」





生徒たち「渚.........!!」





律「15%.........14%..........13%」





渚「律 言ったじゃん!!このクラスに来れて幸せだって!!今まで沢山このクラスで思い出作ったじゃん!!一緒に映画見に行ったり...........皆と一緒にホテルに潜入したり........!!」





律「12%.........11%...........10%」





渚「頑張ってきた事とか、皆と過ごしてきた思い出も.......!!全部 全部 こんなところで消してしまうなんて.........!!」










渚「そんなの寂しすぎるよ!!!!律!!!!」ポロ ポロ














「皆さん...........」














生徒たち「...................!!」





渚「律........よかった........正気に戻ってくれたんだね.........」





律「...................」





渚「律.............?」










律「ごめんなさい............皆さん............私はもう..............」














..........今にも消え入りそうな声で...........寂しそうに..........律は口を開いた..........














律「私は.........初めてこのクラスに来た時.........皆さんの迷惑も顧みずに マスターの指示通りに暗殺を行いました...........」


生徒たち「.................!」


律「でも、皆さんは..........そんな迷惑な私を.........ただの機械である私を一人の仲間として受け入れてくれました...........」


不破「律.............!」ポロ ポロ....


律「本当に嬉しかったです...........このクラスに来れてよかった...........」





ポロ ポロ......





律「ありがとう...............」ポロ ポロ.......





生徒たち「律............!」ポロ ポロ.......





律「私は..........皆さんと..........ザザ.....過ごした時間.......ザ-ッ.....を........ずっと.........ズッ............ト............」





プツン.............










渚「................!!」


前原「律........嘘だろ.........おい 律!!」


竹林「ダメだ.........再起動できない..........」


菅谷「モバイル律のアプリも消されている..............」


キモオタ「.................!!」


杉野「くそぉ!!なんの為に.........なんの為にこんな事をするんだよ..........!!」


倉橋「こんなの.......ひどいよ.......」ポロ ポロ


不破「律.........律...........」ポロ ポロ





殺せんせー「....................」









原「殺せんせー..........律を.........律を助けることはできないの............?」ポロ ポロ......


中村「できるんでしょ!?お願い 律を助けて 殺せんせー!!」ポロ ポロ





殺せんせー「.................」





中村「殺せんせー............?」ポロ ポロ





殺せんせー「...............さっきのウィルスの種類は恐らく『トロイの木馬』..........こちら側のコンピュータの機能を乗っ取って好き勝手に改造されてしまう一番危険なウィルスです............」


生徒たち「..................!!」


殺せんせー「律さんの生みの親であるノルウェーの開発者の方に尋ねたとしても........コンピューターウィルスに関しては完全に専門外...............」


殺せんせー「それに.........ハッキングを行った犯人が『死神』や柳沢、クロさん達とは限りません............こちら側から律さんを起動できない以上...........犯人を特定する事も.........失ったデータを修復する事もできない.............」


矢田「そんな..........」ポロ ポロ.....





殺せんせー「申し訳ありません............打つ手なしだ..............私の力ではどうしようもできません..............申し訳ありません..............」フルフル.......





生徒たち「................!」









僕らは これから起こる出来事も全てが上手くいくと思っていた

すんなりと宇宙センターに侵入し、すんなりとロケットを発射して宇宙にも行けたし、すんなりと殺せんせーの研究データを手に入れる事もできた

だから、殺せんせーを救う事もすんなりできると思い込んでいた

でも、今までの出来事が上手くいく行ったのは 殺せんせーがいてくれたからだ

殺せんせーですら解決できない絶望的な問題にぶつかって、仲間を一人失って初めて気がついた










僕らは、殺せんせーがいなければ何もできないただの子供だという事に









僕らは 殺せんせーと、そして 律を救う方法を一生懸命考えた


でも、僕らだけの力では、救う方法など考え付くはずもなかった


僕らは、どれだけ律の力にも助けられていたのかを実感した


考えて...........考えて.........日々を過ごした.............




















そして............僕らは2人を救う方法を見つける事ができないまま...........2月を迎えた..............














殺せんせーの暗殺期限まで.............あと41日









夜、宿直室にて............





キモオタ「.................」





『元の世界に帰り、自分の本来生きるべき場所で生きていくか

元の世界に帰らず、この世界の住人として一生 生き続けて行くか

よく考えて 答えを出して欲しい..........絶対に後悔する事のないようにな...........』





キモオタ「後悔する事のないように...........か」





キモオタ「..............拙者は...............」




翌朝 教室.............





生徒たち「..............」





烏間「(結局........奴を救う手立てが見つからないまま..........2月が来てしまった..........2月からは全力で暗殺に専念するよう約束を交わしてはもらったものの............やはり、生徒たちには残酷な約束だったか.............)」


烏間「(だが...........律を奪われ、研究データがおじゃんになってしまい、嫌でも奴を殺さなければならない状況になってしまった今.............もう、『殺したくない』は通用しない..........殺す事ができなければ、何もかもが終わる............地球も.........そして生徒たちの未来も............)」


烏間「(...........こうなれば..........せめて、俺だけでも.........奴を全力で殺しにかかるしか.............)」




授業中..........





殺せんせー「ここの公式は、〜〜〜であるからして...........」カツカツカツ.....





生徒たち「................」シィン......





殺せんせー「............誰もペンが進んでいませんねぇ............確かに君達の気持ちはよくわかります............でも、いつまでも悔やんだ所で律さんが帰ってくるわけでも、私が爆発せずに地球が助かるわけでもありません、もう少しで君達は高校受験なんですよ?言ったでしょう、第二の刃を持たぬ者に暗殺をする資格など...........」





「もういいよ.............」





殺せんせー「え..................?」





岡野「もう.........私たち..........暗殺なんてしないから...........」


前原「やっぱり、俺らの手で殺せんせーを殺すなんてできないよ..........」





殺せんせー「お........岡野さん.......前原君........?」





片岡「ごめんなさい 殺せんせー...........殺せんせーは私たちに殺される事を望んでるけど..........もう、私たちは暗殺なんてしたくない...........」


磯貝「殺せんせー、俺らには..........無理だったんですよ..........悔しいけど........俺らなんかより殺せる可能性がある団体はいくらでもいる...........」


中村「別にうちらじゃなくてもよかったんだと思う..........」


岡島「考えてみれば、俺らみたいな子供に、こんなの.........荷が重すぎるよ..........やっぱり最初から大人や政府の人たちに任せた方がよかったんだよ.........」





殺せんせー「.......君達..........!!」









木村「.........ごめん......殺せんせー........」


菅谷「所詮、俺らは落ちこぼれのE組...
......殺せんせーや律がいないとなーんもできないただのポンコツだから」





殺せんせー「.................!!」





生徒たち「...............」ガタン.......ゾロゾロ.......





殺せんせー「なっ........待ちなさい君達!!授業中ですよ!!」





ガララー バタン





殺せんせー「..................!!」









シィン..........





殺せんせー「................」





ビッチ「授業をボイコットされるなんて......はじめてじゃないの、アンタ?」


殺せんせー「.............私が.......教師として、至らない所があったから.........生徒たちは出て行ってしまったのです...........すぐ追いかけなくては..........!」


烏間「待て」ザッ......


殺せんせー「烏間先生............」


烏間「追いかけるな.........お前が彼らを追いかけて説得して連れ戻したりすれば、彼らのためにならない...........」


殺せんせー「................」


烏間「今、彼らは はじめて自分の意志で自分の心と向き合い、戦おうとしている...........ここで、お前が行ってしまえば、彼らはまた、お前に依存するようになる..........」


殺せんせー「................!」









烏間「とにかく.......これは生徒たちが抱える問題だ..........地球がどうなるかの不安、自分たちに突きつけられた難題、仲間を失った事による心の動揺...........これらに立ち向かい、解決しなければならないのは我々教師ではなく、生徒たちだ...............」


烏間「以前、お前は俺に言ったな......
『先生をしていて一番嬉しい瞬間は、迷いながら自分が与えた教えに生徒がはっきり答えを出してくれた時』と........」


殺せんせー「...............」


烏間「今まさに、生徒たちは お前が与えた教えの答えを出そうとしている...........だから..........答えを焦らさずに、待つ事こそが、教師であるお前が生徒たちにしてやれる事じゃないのか...........?本当に生徒たちの事を思っているなら.........」ザッ......





殺せんせー「.................」









殺せんせー「(...........思い返してみれば、
私は........先生として未熟だった...........)」





『ストップです!!渚君!!カルマ君!!中学生のケンカ大いに結構!!でも 暗殺で始まったクラスです
これ(武器)で決めてはどうでしょうか』


『宇宙ステーションをハイジャックして実験データを盗んでみよう!!!!』





殺せんせー「(私は.........生徒たち自身で答えを考える事もさせず..........ただ一方的に自分の教育を施してばかりだった...........)」


殺せんせー「(それでは..........生徒たちは心のどこかで私を頼りにしてしまい、自分で考えることのできない生徒になってしまう.............どうして今頃になって気づいたのでしょうか............)」


殺せんせー「(いずれは、あの子たちも私の元を離れ、それぞれの夢に向かって進み始める.............私は、成長して私から巣立っていく生徒たちの姿を見届けなければならない...........いつまでも一緒にいるわけにはいかない.............寂しいけれど、それが生徒と先生.............それが、教育の本当の形............)」




学校の裏山............





矢田「ねぇ.........いいのかな、こんな事して............」


片岡「今 私たちがやってる事はれっきとしたボイコット..........よくない事だってわかってる............けど...........考える時間が欲しいよ...........」


寺坂「つっても、命については冬休みに散々考えたんだけどな..........」


片岡「命については確かに考えた...........でも『殺すというのはどういう事か』って事を私たちは考えてなかった..........」


速水「思い返してみれば..........私たちは殺せんせーを殺すって事をコミュニケーションを取る手段くらいにしか思ってなかった..........」


渚「うん........正直 僕らは心のどこかでは『どうせこの先生は何をしたって殺す事はできない、でも最終的には地球はどうにか助かっちゃうんだ』って思いながら暗殺に臨んでいた............」


不破「でも、ここまで切羽詰まってきて、ようやく自覚が持てたよ............あの先生を殺さないと何もかもが終わってしまうって...........」


前原「俺らは.........『殺す』事についての認識が甘かったんだよな.............」


生徒たち「.................」


磯貝「『大切な人を殺さないと自分も死んでしまうなら どうする?』」


キモオタ「..............」


磯貝「.........この問いかけの答えを出さないとならない日が必ず来る.........そしてその答えを出すのは俺ら生徒だって........キモオタ 言ってたよな............」





磯貝「だったら..........答えを出さないとならない日は.........もう、今 来てるんじゃないのかな............『大切な人を殺す』か、『大切な人を殺さず死ぬ』か.........」





生徒たち「................!!」









竹林「『殺す』という行為は...........殺された本人はもちろん、殺した者も、そして、殺された本人の周りの人達...........多くの人達を不幸にする行為...........」


原「キモオタくんは..........思い出したくない過去を思い出してまで、その事を教えてくれたし、殺せんせーも、ビッチ先生も、殺す事の不幸を背負っている.............」


菅谷「それなのに俺らは誰かを不幸にするとか、そういう事も考えずに面白おかしく暗殺を楽しんでいたよな..........」


村松「んで、それに気づいた頃にはもう2月になっちまって.......... 気づくのが遅すぎたんだ............」


岡野「私.........軽い気持ちで殺せんせーを殺すって意気込んで、クラスが対立した時、殺せんせーを殺す派だったけど...........」





岡野「今になって..........私、殺せんせーを殺したくない...........」ポロ ポロ.....





吉田「けどよ.........あのタコを殺さないとこの地球が滅んで何もかも終わっちまうんだぜ...........あのタコにとって、俺ら生徒の将来が無くなるって事は..........いちばん起こって欲しくねぇ事じゃねえのか?」


キモオタ「吉田氏の言うとおり..........そうなる事は殺せんせーが何よりも恐れている事のはず.............あくまで拙者の予想だが..............もし、拙者らが期限までに殺せなかった場合..........ひょっとして殺せんせーは自殺するつもりではなかろうか............?」


三村「自殺..........殺せんせー、自殺も自分が望まない結末じゃなかったか.........?」


渚「うん.........殺せんせーは 自殺するのも、政府に出頭するのも、僕ら以外の殺し屋に殺されるのも 嫌がっていた.............僕らに殺される事を強く望んでいたよね.............でも、僕らはそんな殺せんせーを2月になるまでは救おうと必死で頑張ってきたよね..........」


生徒たち「................」


渚「自分から提案しといて こんな事いうの、すごく申し訳ないけど.............やっぱりそれって、殺せんせーの『生徒に殺して欲しい』って気持ちを無視するような事だったんじゃないのかな...........?」


生徒たち「................」









渚「もし、確実に殺せんせーを救う方法があれば...........僕だって殺せんせーを救いたい...........でも、律がいなくなってしまって、殺せんせーを救える手がかりもなくなってしまった 今、もう僕らが殺せんせーにしてあげられる事は、恩返しの意味もこめて..........殺せんせーに全力で暗殺をしかける事しかないんじゃないかな............」


岡島「............確かに渚の言うとおりだよ...........でも ごめん............俺は渚みたいに割り切れそうにない............」


渚「岡島君.............」


木村「俺もだよ 渚...........殺す殺すって 今までは軽々しく口にしていたけど........やっぱり 大切な担任の先生を殺す覚悟なんて、俺にはなかったよ............」


中村「暗殺者と標的の関係が絆だからこそ、殺せんせーを殺さなくちゃいけないって、私 言ったけど.............絆を守るために殺せんせーを殺してしまって...........私たちがその事をずっと後悔しながらこれからも生きてくなんて、それこそ殺せんせーが嫌がる事だと思う............勝手な事ばっかり言ってごめん............」


渚「................」


茅野「渚、私はね 諦めないで殺せんせーを救う方法を考えるべきだと思うんだ...........確かに渚の言うとおり、それは殺せんせーの気持ちを無視した事かもしれないよ...........でも、殺せんせーにも 私たち生徒の気持ちを無視しないでほしい.........殺せんせーの気持ちを無視してでも、助けたいって気持ちをね........」


倉橋「私もカエデちゃんと同じだよ.......すごく単純だけど.........殺せんせーを助ければ、殺せんせーとも、オタりんとも、皆ともずっと一緒にいられて幸せだから、私も殺せんせーを助けたい..........」


渚「茅野........倉橋さん.........」




キモヲタの見た目はイケメンに近いフツメンだけどファッションや話し方で台無しになってるイメージ
ダサいメガネかけてそう

>>485
画像出てたろ

>>485
残念ながら見た目もキモいんだよなあ

>>486
>>487
マジかよ
ちょっと読み返してくる

ははっわろす


ここでキモオタのスペック


年齢20歳(この世界に来た影響で15歳まで退化した)
無職 引きニート
身長165㎝(この世界では160㎝)
体重154㎏(この世界では141㎏)
顔 ニキビ 脂まみれ ヒゲ汚い べんぞうさんみたいなメガネ
髪 長髪 しらみ湧いてる 臭い フケが降ってくる
腋 臭い インド象もびっくりするぐらい臭い
口 臭い ニンニク100個食べた臭いにも勝る 虫歯が汚い
全身毛深い






狭間「茅野、倉橋、アンタたちの言いたい事はよくわかるけど、殺せんせーを救う手がかりを見つける事はもう不可能だと思う...........またISSの宇宙船にデータを取りに行こうと思っても、もうロケットは打ち上がらない........打ち上がる頃にはとっくに地球はなくなってる.........
.....それに、殺せんせーや数多くの研究者たちですら見つけているかもわからないような方法を、中学生の私達に見つけられると思う.........?」


茅野 倉橋「................」


イトナ「狭間の言うとおりだ.........現状 殺せんせーを救う方法は見つかってないし、それを1ヶ月弱で見つけるのは恐らく無理だ........不可能に近いことに時間を割くよりは..........残った時間を殺せんせーの望んでいる暗殺にかける方がマシだ............」


奥田「でも............殺せんせーを殺したくありません............殺したくないのに、救う方法もないなんて......一体どうすればいいのか..........もうわからないです..............」


千葉「........やっぱり、こんな 地球の命運が懸かった問題に俺らみたいな子供が足を突っ込んではいけなかったんだと思う............もう、今は誰も前みたいに嬉々としながら殺せんせーを殺そうなんて思ってる奴はいない............悔しいけど...........殺意を喪失した俺らは、もうこの任務から手を引くべきじゃないか..............?」


生徒たち「..................」







カルマ「..............もう誰もあのタコを殺したいなんて思ってないよね...........だったらさぁ、千葉の言うとおり、もう終わらせるべきだよ
この『暗殺教室』を............」





生徒たち「...............!」





カルマ「殺したいとか殺したくないとか............いつまでも気持ちをぐらつかせて中途半端な俺らの姿を恩師であるあのタコに見せるぐらいなら.........もう綺麗さっぱり終わらせた方がいいと思うよ..........






渚「カルマ..........」





カルマ「.............それに、あるじゃん、機密から手を切って、何もかもをスッキリ終わらせる方法が」


生徒たち「................!?」





カルマ「..........俺は停学明けてから個人的に説明されたけど............俺らがもし外部に秘密を漏らそうとしたり、漏らしたりすればどうなるか、あのタコが最初にこの教室に来た時に防衛省から説明されなかった?」





生徒たち「!! それって..............!!」































カルマ「そ、『記憶消去』だよ」




おいおい....マジか
ここであの設定が生きてくるとは






生徒たち「.................!!」





カルマ「俺らの機密に関する記憶を消してしまいさえすれば、後腐れなく綺麗さっぱり終わらせる事ができるよ」


矢田「でも.........それって、殺せんせーの事を忘れちゃうって事でしょ............今まで殺せんせーと過ごしてきた楽しかった思い出とかも..............」


カルマ「その楽しかった思い出とかが、こうやって俺ら全員を苦しめてるんじゃん、それなら いっそタコの事や機密の事を忘れてしまって普通の生徒として過ごした方がずっと幸せなんじゃない?」


矢田「................」


神崎「..........殺せんせーの事も暗殺の事も忘れて.........中学生として当たり前の日々を過ごしていく事.........これって本当に幸せな事なのかな...........?」


カルマ「俺だってあまり気は進まないよ..........なんか今まで頑張ってきた事とかを全部否定するみたいでさ..........でも、こんな中途半端な気持ちで、嫌々 暗殺を続けて........あのタコが喜ぶと思う?」


生徒たち「................」


杉野「............俺らは、殺す事を甘く考え過ぎてたんじゃないのか.......?
人を.........それも、自分にとって大好きな人を殺したり殺されたりしたら、自分たちがどんだけ悲しい思いをするかなんて..........殺せんせーや、キモオタの話を聞いてよくわかっただろ............?」


杉野「俺らはもうあの人を殺したくないのに.........それでも殺そうとするなんて..
...........ビッチ先生の言っていた『自分の気持ちを殺す殺し』を俺らは今、やろうとしてるんじゃないのか..........?」


生徒たち「..................」




読む前俺「オリジナルパートとかwwwどうせ意味わからん理論で解決するんだろwwww」

読んだ俺「あれ・・・予想と違う」

烏間「記憶消去...?そんな技術があるわけないだろう」

生徒達「「「!?」」」






磯貝「..........俺らから殺意は完全になくなった...........カルマの言うとおり.......もう、誰も殺せんせーを殺そうなんて思わないし...........これ以上、望まない暗殺を続けても何も意味がないと思う..........」


生徒たち「...............」


磯貝「だから.............」










磯貝「もう...........終わりにしよう..........機密から手を切って............当たり前の中学生として、生きていこう............無責任かもしれないけど..........それが一番、幸せな事なんじゃないのかな...........」


生徒たち「.................」


渚「..............」


カルマ「...............」









その頃、教室で.........





カチ.....カチ.....カチ.....カチ.....





殺せんせー「あぁ.......神様........仏様........どうか生徒たちがやけになって非行に走ってませんように.......無事に帰ってきますように...........」ソワソワソワソワ


ビッチ「ああもう うるさいわね!!貧乏揺すりが耳障りよ!!」キ-!!


烏間「..........やれやれ、お前は本当に親バカならぬ、教室バカだな.........生徒たちを信じろ、彼らは必ず答えを出してここに戻ってくる...........」










ガララー!










殺せんせー「!!」ガタン!!


ビッチ「フフ、噂をすればなんとやら.......ね」





生徒たち「................」ゾロゾロ......


殺せんせー「皆さん!!」パァァァ!!







>>501 教師バカが教室バカになっていた


※訂正









殺せんせー「皆さん!!心配しましたよぉ!!よかった!!本当によかった!!」ドバドバ!!


渚「殺せんせー..........」


殺せんせー「先生が教師として至らなかったばかりに君たちの気持ちに気づいてあげられなくて........!!ごめんなさい!!ワァァァァァン!!」ドバドバ!!


生徒たち「................」


殺せんせー「君たちと過ごせる時間は残りわずかになりましたが、今まで以上に先生は君たちを見つめて、もっと君たちの気持ちを理解した上で、残った時間を............」グス.....





生徒たち「...........殺せんせー」





殺せんせー「ん?どうしましたか .....?」グス.....





生徒たち「ごめんなさい.........」





殺せんせー「君たちが謝る事ではありません、謝らなければならないのは私の方なのです、それに 君たちが無事に帰って来てくれたので先生は...........」


片岡「違うんです.........殺せんせー.......」


殺せんせー「.............?」




















磯貝「殺せんせー........俺らはもう、今日で暗殺を終わりにして、機密からも、殺せんせーからも 手を切ります...........」





殺せんせー「...........え.............?」









烏間「..............!!」


ビッチ「...............!!」





殺せんせー「.........み.......皆さん........?」





片岡「...........これは、皆で散々悩んで考えて、話し合って決めた事なんです...........」


倉橋「2月になったら全力で暗殺をするって烏間先生と約束したのに...........約束 破ってごめんなさい..............」


烏間「...............」


カルマ「俺さ........前に、救う方法があれば救うし、無いならないで腹を括れるっていったけど..........やっぱり、大切な人を殺す『覚悟』なんてなかったよ.........」


渚「自分の恩人の望みを叶えてあげられない 弱い生徒で............本当にごめんなさい..............」





磯貝「烏間先生.........俺たちから........暗殺に関する記憶を消してください.........そして殺せんせー.............」





生徒たち「今まで本当にありがとうございました」





殺せんせー「...............!!」









それから、僕らは全員 殺せんせーの暗殺をやめ、機密から手を切り、普通の中学生として生きることになった


僕らが暗殺をやめた影響で、殺せんせー、烏間先生、ビッチ先生は椚ヶ丘中学3-Eの教師としての契約を打ち切られた


今まで僕らに教えてきた先生が教室からいなくなったので、本校舎の先生が僕らE組の担任として新しく赴任する事になった






















そして、僕らは暗殺に関する記憶を消され、殺せんせーの事を忘れて新たな生活を始めた





..............綺麗さっぱり、真っ白で何もない ゼロの状態から

























空白の2月





地球がなくなるまで


あと















..............41日








防衛省............





上司「...........貴様 とんでも無い事をしてくれたな.........私は三月まで奴を椚ヶ丘中学校に足止めしろと言ったはずだ.........それなのに、E組の生徒は暗殺から脱退し、奴は教師を解雇され、逃走した..........今防衛省で奴の行方を捜索しているが見つからずじまいだ............一体どういうつもりだ 烏間?」


烏間「.........あくまで彼らはまだ中学生です、彼らに奴を暗殺する意志がない今、我々が無理やり彼らに暗殺を強いる権利は当然ないので、私は生徒たちの意見を尊重し、今回の行動を起こしました」


上司「フン、以前よりも増して子供好きに拍車がかかったんじゃないか、烏間.............まあいい、所詮、ただの子供に満足行く結果を期待する方が間違いだからな...........それに、奴を殺す計画は着々と進んでいるからな..........」


烏間「..........それは、例の最終暗殺プロジェクトの事でしょうか............?」


上司「ああ、だが、進んでいる計画はそれだけではない...........最終暗殺プロジェクトと並行して、シロ......もとい、柳沢が用意している『最終兵器』の投入計画............そして、もう一つは.............」


烏間「...............?」










上司「クロが主導で進めている『最終極秘暗殺プロジェクトA』だ」









烏間「.................!!」


上司「シロの『最終兵器投入計画』........
そして、クロの『最終極秘暗殺プロジェクトA』...........来たる三月はこの二つの作戦を同時に実行し、万が一この二つの作戦が失敗した場合は、世界各国が共同の『最終暗殺プロジェクト』を実行するとの事だ............」


烏間「(クロが...........!!)」


上司「『最終暗殺プロジェクト』の方は計画の概要を大方拝見できたが、クロ主導の『最終極秘暗殺プロジェクトA』は極秘のために、末端である私には概要を知らされていない.......恐らく計画の概要を知っているのは政府のお偉い方だけだろう..........」


烏間「..........尾長部長.........クロとは一体 何者ですか..........?」


上司「私も詳しくはわからんが、なんでも、去年の5月頃からシロと共に政府に出入りするようになり、奴の事細かな情報などを熟知しており、これから先起こる事をあたかも知っていたかのように次々言い当てる、シロと並ぶ奴の暗殺の有力人物だそうだ...........」


烏間「.................!!」


上司「ま、そんな事は別にお前が知る必要のない事だ...........それよりも、とにかく今回のお前の行動は少し目にあまりすぎた............このまま奴を見つけあぐねるような事があれば、最悪、お前のクビが飛ぶ可能性だって考えられる...........だが、そうならないように一応 私が上層部にかけあおう............今後、勝手な行動は慎むんだな」


烏間「.........ご迷惑をおかけしました...
.........」




E組の教室............


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン!!


担任「以上で朝のホームルームは終わりだ、一限目から五限目までは高校受験に備えて実力テストだからなー!」ガララ- バタン!!





木村「かー.......実力テストかぁ........かったりぃなぁー!」ググ.....


中村「あぁー........ほんと2年の時にバカやってなけりゃ受験なんてせずにすんだのになー..........」


渚「.................」





............何なんだろう...........この気持ちは............





前原「受験なんて頑張ってムダムダ、だって俺らE組だぜ?」


三村「どうせ俺らなんて落ちこぼれなんだから頑張った所でなー.........」


渚「.................」





まるで、心の中に穴が空いたような感じ..........


何かが足りないような気がする.........そんな違和感がずっと僕に語りかけてくる.....
.........









寺坂「おい 渚」ザッ.....


渚「................?」


寺坂「なにしてんだよ?」


渚「受験勉強だよ、もうすぐ私立の受験だから............」


寺坂「いい子ぶってんじゃねーよ、勉強なんざどーでもいいだろ?どーせ俺ら落ちこぼれで頑張るだけムダなんだからよぉ!」


渚「.................」





落ちこぼれ..........かぁ...........





そうか.........ここはE組.........





エンドのE組なんだ..........









いつからだろう、ここにいる事に疑問を持ち始めたのは..........


前は、もっと満ち足りた生活を送れてた気がする...........


何もないのに、どこか寂しい気持ちを感じるのはなぜだろう




そしてその日の放課後 帰り道........





渚「(僕は一体どうしたんだ..........こんなモヤモヤした気持ちを持ってるのは僕だけなのかな...........)」テクテク.......


渚「(多分、受験勉強で疲れてるのかな....
........今日は早めに寝よっと........)」テクテク........





小学生1「よっしゃ!じゃあ一発当たったら死亡な!よーいスタート!」パンパン!

ビシ!ビシ!

小学生2「わ!痛ってぇ!ずるいよ けんちゃん!いきなり始めるなんて!」


小学生1「なんだよー、ただのBB弾だからそんなに痛くないだろ?ハイゆっくん死亡ー!」


小学生3「すきあり!」パンパン!

ビシ!ビシ!

小学生1「しまったー!つよしにやられちゃったよー!」





渚「(懐かしいなぁ.......サバイバルゲームかぁ........小学校の頃に友達とよくやったっけ)」テクテク........





小学校2「あ!つよしのエアガンすっげー!これめちゃ高いやつじゃん!」


小学校3「へへーん!テストで100点とったご褒美にママに買ってもらったんだー!」


小学生1「わー!いいなぁ!」


小学生「」キャッ!キャッ!





渚「(ふふ、楽しそうだなぁ...........)」テクテク.......

















ーーーーえ............?





エアガン................?





サバイバルゲーム................?















何なんだろう......................





今 僕は何か大切な事を忘れている気がする.........





いや、気のせいだ...........やっぱり僕は疲れてるんだろう................きっとそうだよ............














翌日.........昼休み


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン!


杉野「よっしゃ!昼休みだ!渚、メシ食い終わったらキャッチボールしようぜ!」


渚「う....うん!」


キモオタ「.................」




ここの所.......何かが引っかかる.......


拙者はポリゴンによってこの漫画の世界に飛ばされてきた.........


でも..........一体拙者は何のためにこの世界に飛ばされてきたのだろうか..........?


何か.........大切な目的があったはず.........


そもそも、この漫画の基本コンセプトは何なのだろうか..........特に何も代わり映えのない普通の日常ばかりで..........話に強弱がない..........ただの学園物...........?


タイトルすら思い出せない.............


たしかに拙者は現実世界でこの漫画を読んだはずだ..........


ええっと、タイトルはええっと........


『〜〜教室』?


タイトルだけじゃなくて、内容のほとんども抜けてしまっている...........


一体 拙者はどうしてしまったんだ.........?









拙者は一体何のために.......誰のためにここにいるんだ.........?


考えれば考える程にわからなくなる........


.........ただ一つ、確実にわかる事がある..........それは.............


キモオタ「...............」チラッ.....










茅野「んー♪昨日オープンしたばかりのお菓子屋さんのプリンめっちゃくちゃ美味しい♪」モグモグ


倉橋「うん♪シュークリームも美味しすぎてほっぺた落っこちちゃう〜♪カエデちゃん今日 学校終わったらもう一回いこ♪」パクパク


茅野「うん♪」モグモグ


矢田「へぇー、あのお店のお菓子 そんなに美味しいんだぁ、じゃあ私もちょっと行ってみようかな♪凛香も行こうよ♪」


速水「.........甘いものそこまで好きじゃないけど、私も行くよ.........」


倉橋「やった♪これで4人だね♪さて..........後は..........オタりん♪さっきからずっとこっちを見てるけど、一緒に行きたいんでしょ〜?甘いもの大好きだもんね♪
だから、オタりんも一緒に行こ♪」


キモオタ「コ........コポォwww実際拙者そんなに甘いもの好きではござらんしぃwwwでもまぁそこまで言うんならついて行ってやってもいいでござるよwwwコポォwww」


倉橋「やった〜♪これでお菓子大好き同好会のメンバーが5人になったよ〜♪」ニコッ!










このクラスの女子は可愛いという揺るぎない事実が存在する事だけだ





キモオタ「ブヒヒwww」シコシコドピュドピュ!




そして放課後.........





倉橋「いっぱい買っちゃったね〜♪」


茅野「うん♪ああ〜、早く帰って食べたいな〜♪」


矢田「二人とも買いすぎじゃない?ホント甘いもの大好きなんだね〜」


茅野 倉橋「大好きー♪」


速水「それだけの量を食べたら絶対太ると思う............」


茅野 倉橋「............」


キモオタ「デュフフwww太ってもよい太ってもよいwwwじゃんじゃん食べなさいwwwそれに茅野殿は太ればひょっとしておっぱ.............」


ドゴッ!!バキッ!!グシャッ!!


キモオタ「も.........もうひわけありまへんでひた........もう二度と言いまへん........許ひてくだひゃい..........」ボロボロ.....


茅野「さて、お菓子も買ったし、早く帰ろっかな!じゃ、また明日ね〜♪」


女子たち「うん♪また明日ね〜♪」









茅野「(今日も楽しかったな〜♪でも、あともう少しで卒業かぁ..........皆とお別れするのはやっぱり寂しいなぁ..........)」テクテク......


茅野「(考えてみれば、小学校の頃なんかは女優業で忙しくて、こんな風に友達と一緒に遊ぶことなんてなかったからな〜..........)」テクテク.......


茅野「(でも、椚ヶ丘中学のE組の皆は明るく私に接してくれるし、一緒にいると
楽しいし、安心できるし、すっごく幸せ♪

この学校に転校して本当によかった♪)」





でも.............















私はいつ、何の目的でこの学校に転校してきたんだっけ..........?









ここ最近、次々と疑問が思い浮かんでくる.........




何で私はこの学校の教室にいるのか.........


何で私は『雪村 あかり』では無く、昔、演じたボツ役の名前の『茅野 カエデ』を名乗っているのか............


でも..........一番疑問に思っている事は..........















お姉ちゃんはどうして死んでしまったのか









私はいつからか.........お姉ちゃんの死因を思い出せなくなってしまっていた


私は確か、積もる話をする約束で研究所で働いているお姉ちゃんを迎えに行った...........


すると突然研究所が爆発して、私はいても立ってもいられなくなって研究所の瓦礫をかいくぐってお姉ちゃんを探した.....
........そして、私はお姉ちゃんの死体を発見した..........


毎回、お姉ちゃんの死因を思い出そうとした時、お姉ちゃんの死体を発見する所までは鮮明に覚えているのに..........、この後からの事は朧げにしかその時の光景を思い浮かべることができない


ただ、微かに記憶に残っているのは、





お姉ちゃんの死体のそばに、得体の知れない『ナニカ』がそこにいた事だけ





思い出せない、アレが一体なんだったのか.........


思い出そうとすればする程頭がズキズキと痛くなってくる...........





もう、帰ろう.............




そして翌日..........


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン


茅野「(ふぁ〜、眠たい.........結局昨日また考え込んじゃってあんまり寝れなかったよ〜............)」


茅野「(もう今から寝ちゃいたい気分だよ........)」ウッツラ.....ウッツラ......


奥田「あ、茅野さん.........なんだか随分眠そうですけど........大丈夫ですか?」


茅野「あ......うん、だいじょーぶだいじょーぶ♪」


奥田「次の授業は移動だから寝ちゃったら遅れちゃいますよ....」


茅野「あ、準備したらすぐ行くから、愛美ちゃん先行ってて♪」


奥田「あ.......はい」ガララ- バタン!


茅野「さて.......筆箱と.......ノートと..........」ガサガサ........


茅野「ん..............?」





イトナ「................」





茅野「(あれ?イトナくん........ボーッとしてどうしたのかな.........?)」









イトナ「..................」


茅野「イートナくん♪」ヒョコッ


イトナ「なんだ.....永遠のゼロか........何の用だ?」


茅野「その呼び方やめてってばぁ........
イトナくんボーッとしてどうしたの?早く準備しないと授業に遅れちゃうよ?」


イトナ「..........最近 自分がここにいる事に妙な違和感を感じている........」


茅野「え.............?」


イトナ「なぜ前と違う学校にいるのか........いつからこの教室にいるのかを考えていた............何か.........目的があったような気がするが...........だが、思い出せない..........」





茅野「私と........同じだ.........」


イトナ「...........?」





茅野「私も、イトナくんと同じで なんで自分がここにいるのかを思い出せないの...........」









イトナ「お前もだったのか............」


茅野「うん、私もまったく同じ事を思ってるんだ、よかった〜私だけじゃなかったんだ、何かの病気かと思っちゃったよ〜♪」


イトナ「いつの間にか転校していて、いつの間にかここにいて、気がつけばここにいる奴らと少し親しくなっていた........茅野............お前はオレがいつどんな風に転校してきたか覚えているか?」


茅野「............!」


茅野「言われてみれば..............イトナくんがいつここに来たか..........覚えてない...........」


イトナ「.........そうか.........」





キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン!!





イトナ「.........もう時間か.........行くぞ」ガタン......


茅野「うん...........」




そして掃除の時間........渚と茅野は二人で倉庫の掃除をしていた





茅野「ふぅー、とりあえず床は掃き終わったね、あとは雑巾掛けをして終わりだね」


渚「あ、じゃあ僕 バケツに水くんでくるよ」


茅野「1人じゃ大変じゃない?私も行って手伝うよ」


渚「ううん、1人でも大丈夫だよ、茅野は道具を整理してて」


茅野「うん、わかった」ニコッ!


渚「じゃあ行ってくるね」キィ-....バタン!


茅野「お願いね〜」










茅野「ふぅぅ.......ドキドキしたぁ.........渚と二人きりなんて心臓止まっちゃうよぉ〜///」ドキドキ





茅野「でも、何で渚と一緒にいるとこんなにドキドキするのかなぁ.........自分でもわからないよ........///」ドキドキ.....




水道にて




渚「(...........茅野と二人っきりで掃除かぁ.......なんか前にもこんな感じの事があったような気がする............)」クイッ ジャ--!!


渚「(..........ホントに僕はどうしちゃったんだろ...........最近、何か違和感があるし、どこからしらデジャブを感じる時があるし........)」ジャ----


渚「(..........でも.........多分 僕の気のせいだろうし、考えてもしょうがないか..........それより、今は掃除に集中だ)」ジャ---- キュッ 


渚「さてと........早くこのバケツを倉庫まで持っていかなきゃ..........よいしょっと!.........重い........」ヨロヨロ......





渚「んしょ、んしょ...........」ヨロヨロ.....















「おい」










渚「................?」


男「............そこのお前、椚ヶ丘中学3-Eの生徒か?」


渚「そ........そうですけど.......」





だ......誰だ........この人.........誰かのお父さん...........?でも..........とてもそんな雰囲気じゃない.............何をしに来たんだろう..............





男「そうか、E組の生徒か...........おい、お前らの担任の先公はどこにいる?探しても探しても見つからねぇぞ」


渚「あ..........田口先生なら今 本校舎の方に...........」


男「あァ!?田口だぁ!?」


渚「...............!!」ビクッ!!


男「おいガキ........でたらめ抜かしてんじゃねぇぞ?俺が誰だかわかってねぇのか?俺はお前らの担任の先公を殺しに来た 殺し屋だ」


渚「!!??」


男「お前らの担任は『田口』じゃなくて『殺せんせー』と呼ばれてるタコのはずだ..........隠したらお前の為になんねぇぜ?」ガチャッ!!


渚「!!」ビクッ!!





じゅ.............銃!?それも..........本物..........!?















男「もう一度聞く...........お前らの担任の先公の『殺せんせー』とやらはどこにいる?」









渚「..................!!」





殺し屋...........? 僕らの担任の先生を殺す...........? 殺せんせー...........?

この人は何を言っているんだ............?





男「オラッ!!とっとと答えろ!!俺は気が短いんだ........これ以上待たせるならお前の脳天に穴開けてもいいんだぜ...........?」


渚「...............!!」ビクッ...!!


渚「こ..........殺せんせーなんて.........知りません..........僕らの担任の先生は.........田口先生です...........」ガクガク......


男「..........そうか..........あくまでシラを切る気か...........」ガチャッ.....


渚「ひっ......!!まっ......待ってください.........僕は本当に殺せんせーなんて知らないんです...........!!」ガクガク....


男「見上げた根性だ..........自分の命を犠牲にしてまで担任の先公を守るつもりなんだな............仮にあのタコを殺せたとしても、生徒に危害を加えれば賞金は出ないそうだが..........俺は賞金などに興味はない........あのタコを殺して殺し屋としての自分の命手腕が世に轟けばそれでいいのよ..........」


渚「...............!!」


男「お前を人質にすれば.........あのタコはお前を助けに必ず現れるはずだ..........助けに来た所を俺の100発100中の射撃の腕で仕留める...........」















男「さぁ..........一緒に来てもらおうか............俺の名を世に轟かせるために..........お前に協力してもらうぞ.............」ニヤァァァァァ.......









渚「.................!!」





やばい...........!!殺される.............!!





男「さぁ........一緒に来てもらおうか.........」ジリ.......





捕まったら.............確実に殺される..........





男「フフフ.........」ジリ.........


渚「あ........ああ..........」ガクガク.......





こんなわけもわからない間に死にたくない...........!!





男「さぁ こっちに来い.........」ズイ.......





渚「う..........」










渚「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」














パァァァァァァァァンッッッッッ!!!!!



















この瞬間、命の危機に遭遇した渚の体は勝手に動いた


頭のなかで忘れていたとしても、体が、そして、感覚が、この一撃を覚えていたのだ


そして、両手から放たれた雷鳴の如き轟音が走ると同時に


渚の中で 眠っていた記憶が、思いが、呼び覚まされた














『クラップスタナー』





『その衝撃は一瞬ビビらすなんてレベルじゃない
当分は神経が麻痺して動けなくなる』





『君には暗殺の才能があることがよくわかりました
万が一、先生を殺せたとして その後はやっぱり その才能は殺し屋になるために使いますか?』




『月が!!爆発して7割方蒸発しました!!我々はもう一生 三日月しか見れないのです!!』





『初めまして、私が月をやった犯人です、来年には地球もやる予定です
君達の担任になったので どうぞよろしく』





『単刀直入に言う』





『この怪物を君達に殺して欲しい!!』





『人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう、君達全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ』





『先生は殺される気などみじんも無い、皆さんと3月までエンジョイしてから地球を爆破です、それが嫌なら君達はどうしますか?』





『.........その前に 先生を殺します』





『殺せない........先生.........あ、名前』





『【殺せんせー】は?』














こ...........ろ..........せん..........せー.............










ころ............せん............せー.............










ころ.............せんせー.................
























ころせんせー...............



















男「ぐぉぉ..........」ドサッ....!!










渚「.................」










渚「殺せんせー............」









渚「そうだった.........僕らはあの時、殺せんせーや暗殺に関する記憶を全部消したんだった..........でも、やっと思い出した...........」





渚「僕らは殺し屋で、ターゲットは先生............」





渚「やっぱり.........こんな事、間違ってたんだ...........殺せんせーとの思い出や教えを忘れるなんて、やってはいけないことだったんだ.........」





渚「皆に.......皆に伝えなきゃ、本当のことを思い出してもらわやきゃ!!」ダッ!!




その頃........倉庫では........





茅野「渚遅いなー........何してるんだろ?
ひょっとしてサボってるとか.........渚に限ってそれはないか..........」





茅野「道具の整理整頓も大体終わったし.........ちょっと様子を見に行ってみよっと」テクテク









茅野「それにしてももうすぐバレンタインかー..........」テクテク.....


茅野「どうしよう..........渚にチョコを渡すか渡さないか迷っちゃうなぁ..........渚だけにチョコを渡すのは明らかに不自然だから...........そうだ!皆に渡す感じで渚にもさりげなくチョコを渡しちゃえばいいんだ!」ポン!


茅野「うまく友達役を演じれるかなー.........途中で顔が赤くならないようにしなきゃ............て、いつから私 渚に対してこんな..........なんか恋愛脳っぽくなっちゃったなぁ...........」


茅野「チョコ渡したら渚、どんな反応するかなー..........ひょっとして..........『ありがとう、茅野........じつは僕、前から茅野の事が..........』なんて事になったりして///
そうなったらどうしよう、どう返事しよう///『え?ちょっと待ってよ渚、私達まだ中学生だし、やっぱりそういうことは高校生にならなきゃ.........///』なんて、キャー!!(≧∇≦)」アタフタアタフタ




その頃、教室では.........





杉野「渚と茅野 遅いなー」


奥田「やっぱり二人だけで倉庫の掃除は時間がかかるんでしょうか........」


カルマ「ひょっとして、倉庫で二人っきりなのをいい事にちちくりあってるのかもしんないよー?」ケラケラ


奥田「ちちくり.......!!///」ボン!!


キモオタ「デュフフwww想像したらボッキ不可避www」ムクムクムクビ-ン!!


神崎「渚君と茅野さんだけじゃ大変そうだから、私達も手伝いに行かない?」


杉野「うん、行ってみようか」ザッ....





ガララー バタン!!





渚「皆............!」ハァ....ハァ.....





杉野「あ、渚! そんなに慌ててどうしたんだよ?」


渚「皆、今から僕が言う事を聞いて!!」ハァ.....ハァ......


生徒たち「...............!?」









渚「.........ねぇ........皆........?ここ最近....
...違和感を感じた事はない?なんかこう..........何かが足りないような...........」


奥田「違和感.......ですか?」


カルマ「んー.........別に何にも感じないけどねー、いつも通りの普通の生活を送ってるけどね」


キモオタ「...............」


渚「何かがおかしいと思わない?だって、僕らは平均的に成績が悪かったのに、ここ一年ぐらいで皆成績が異様に伸びてるし、2学期の期末なんて皆 学年で50位以内に入ってるし........それに、なんだかやたら運動能力だって上がってるし...........」


杉野「..........言われてみれば確かにそうだな..........」





渚「僕らは......国、数、英、理、社、の
五教科や、他の教科を体育以外はたった一人の先生に教えてもらってた事.......覚えてない.........?」





神崎「え.........一人の先生に........?」


杉野「..........何言ってんだよ渚..........それぞれの教科はちゃんと教科担任の先生に教わったはずだろ.........?」


渚「え............!?」









渚「ねぇ.........修学旅行の時.......僕らが不良たちに絡まれて、茅野と神崎さんが攫われて........それを先生に助けてもらった事とかも覚えてないの.......?」


カルマ「そんな事あったっけ..........?別になんの事件に巻き込まれる事もなく、普通に楽しい修学旅行だったじゃん........」


神崎「うん........田口先生の引率で.........」


渚「..............!!」


渚「...........夏休みに.......沖縄で僕ら生徒のうちの半分がウィルスに感染して、もう半分の生徒でホテルに乗り込んでウィルスの解毒剤取りに行った事も..........」


奥田「そんな事........なかったと思いますよ..........皆で楽しくバーベキューしたり、海で遊んだり、田口先生の怖い話を聞いて皆で怖がったりはしましたけど.......」


渚「じゃあ...........僕らの英語の先生が攫われて..........助けに行った事とかも..........」


杉野「ハハ、漫画の見すぎだぞ渚?英語の高橋先生が攫われるなんて事が起こるはずないじゃん!」


渚「...............!!」









ひょっとしてこれって..........記憶を消されただけじゃなくて...........





渚「皆...........本当に何も覚えてないの...........?」


カルマ「.........覚えてないも何も........そんな現実離れした事なんてなかったじゃん.........冗談キツくね?」


渚「...............!!」





記憶を書き換えられている............









渚「...............!!」ポロ ポロ........


杉野「おい渚........急に泣き出してどうしたんだよ...........」




怖い............





渚「僕らは皆で一緒に殺せんせーを殺しに行ったじゃん.........体育だって........烏間先生に暗殺の技術を教えてもらったりしたじゃん..........忘れたの.........?思い出してよ...........」ポロポロ.......


カルマ「.........ねぇ..........誰?殺せんせーって..........」


渚「..............!!」ポロポロ......





怖いよ............





杉野「おい 渚........お前 本当に大丈夫かよ..........」


神崎「きっと.........勉強で疲れてるんだと思う..........休んだ方がいいよ、渚君.........」





皆が...........皆じゃないみたいだ...........怖いよ...........





渚「ごめん..........僕......帰るよ!!」ダッッッ!!!





杉野「渚!!」


奥田「渚君........どうしたんでしょうか............」


キモオタ「..............」




その頃、水道......





茅野「あれ.........おかしいな.........誰もいない............渚、どこにいるんだろ.......」


茅野「もう教室に帰っちゃったのかな........?私も戻ってみよ.........」


茅野「ん.......?なんか向こう側に走ってる人がいるけど.........あれは..........」





渚「ハァ.....ハァ......!!」ダダダッ!!





茅野「渚.........?なんであんなに急いでるの........?」


茅野「...........私も後を追おう」タッ!!









渚「ハァ......!!ハァ.......!!」ダダダッ!!





ーーーーどうして..............!!









三村「つまり.........マッハ20で動き回る担任の先生を皆で暗殺していた.........って事?」


菅谷「冗談キツくねーか渚?てか渚って意外にこんな冗談言うタイプだったのな」


中村「はいはい渚君よ、暗殺ごっこなら近々付き合ってやるから!」ケラケラ!





どうして皆覚えてないの............?





違うよ..............冗談なんかじゃない...............ごっこなんかじゃないんだよ..............














渚「ハァ..........!!ハァ..........!!」





ーーーーどうして...........どうして!!














前原「渚........お前、どうしたんだよ.........暗殺なんて、体育の授業で習うはずねぇじゃん..........」


岡野「私達の担任は殺せんせーとかじゃなくて田口先生で、体育だって日高先生で、烏間先生なんて人から教わってないよ.......?」


片岡「ほら、しょーもない事言ってないで、渚達の班は掃除終わったの?早く掃除終わらせて」





どうして誰も信じてくれないの............?














渚「ハァ........!!ハァ.........!!」ダダダッ!!!



















寺坂「あァ!?寝言は寝て言えや 渚!中学生にもなってそんなくだらねぇ事言って俺らをおちょくってんじゃねぇぞ!?」


村松「担任の先公を俺らがぶっ殺すって........結構ぶっ飛んだ事言うじゃねーか」


吉田「悪りぃな渚、俺ら 今 お前が何言ってんのか理解できねーわ」





皆...........本当に忘れちゃったの...........?何もかも.............














ここまで言っても誰にも信じてもらえないなんて............





...............本当は殺せんせーなんて、存在しなくて、僕だけが殺せんせーはいるって思い込んでいて..................本当は皆の方が正しくて............僕の方がおかしいのかな............?





僕だけが異常なのかな............?





もう、何が本当なのかわからないよ.........









そして放課後、帰り道..........





渚「................」





『.........ねぇ..........誰?殺せんせーって..........』





渚「..............皆.........本当に何もかも忘れちゃったのかな............もう誰も殺せんせーや暗殺の事を思い出せないのかな......
......」





ポロ ポロ......





渚「もう..........楽しかった思い出とかも..
........何もかも.........二度と皆 思い出せないのかな...........」ポロ ポロ.......





渚「グズッ.......ヒッグ.......」ポロ ポロ......














「あー!いたいた!こんな所にいたんだ、渚!」














渚「.............!?」グスッ....





茅野「渚.........泣いてるの........?」


キモオタ「渚氏..........」


イトナ「..............」





渚「茅野..........キモオタ君に、イトナ君も...........」ゴシゴシ.....





茅野「キモオタくんとイトナくんから聞いたよ.........渚の言った事を誰も信じてくれないんだよね..........?」


渚「........信じてもらえなくて当然だよ.........生徒が先生を暗殺するなんて........そんな馬鹿げた事、信じてもらえるはずがなかったよ...........それに、これは僕の思い込みなだけかもしれないし..........」


キモオタ「いや、思い込みではござるまい、拙者らは渚氏の言う事を信じるでござるよ」


渚「キモオタ君............」


キモオタ「さっき、皆に剣幕な表情で必死に何かを伝えようとしていた渚氏の姿を見れば、渚氏が嘘を言ってない事などわかるし..........それに、拙者らはこの教室にどこか違和感を感じている.........」


渚「...............!」


イトナ「俺や、キモオタや茅野は、親がいないから、親の都合で転校はしていないはずだ............俺達自身、何か目的があって、このクラスに来たはずなのに、その目的を思い出せない...........」


茅野「でも、私達がここに転校してきた目的の中に........きっと、渚が言う『殺せんせー』が大きく関係してると思うんだ」


渚「..............!」









茅野「殺せんせーとか、暗殺の事とかは思い出せないけど........皆も思い出せずに渚の事を信じてあげられないでいるけど.............」





茅野「私達は渚を信じてるから」





渚「茅野............!」





キモオタ「今はまだ拙者らも渚氏の言った事を思い出せないでいるが、いつか何かのきっかけで思い出す時が来るかもしれない、忘れていた記憶と仲直りできる時はきっと来るでござるよ」


イトナ「..........今日思い出せなくてもいい..........いつか思い出すまでチャンスを待つ」





渚「キモオタ君.......イトナ君........!」









次の日からも.............渚はクラスの全員に、信じてもらえるはずのない現実離れした『真実』を必死に伝え続けた


また、茅野、キモオタ、イトナの三人も、渚から聞いたありえないような話を疑いもせずに信じて、伝えようとしていた..........





しかし...........









寺坂「いい加減にしろや!!!!」




ボカッッッッッ!!





渚「うっ!!」ドサッ!!




女子生徒たち「きゃあッッッッ!!!」


茅野「ひどいよ 寺坂!!何すんの!!」





寺坂「最近テメーはマジでしつけぇんだよ、渚...........殺せんせーとやらを殺さねえと地球が爆発する!?ここは暗殺教室!?ハァ!?
現実逃避も大概にしとけや!!!!」ガシッ!!


渚「うっ......!!」


磯貝「やめろ!!寺坂!!」


寺坂「..........チッ...........!!」バッ!!


渚「つっ........」ドサッ


磯貝「渚も........冗談はもうやめた方がいいぞ、最初は受験で緊張している皆の肩の力を抜こうとしてくれたんだと思ってたけど..........最近のお前は本当にしつこいぞ...........どうしたんだよ、渚.........」


渚「僕はただ............」


前原「渚........この頃お前......少し変だぞ..........?」


片岡「渚.........ただでさえ皆はもう受験を間近に控えててピリピリしてるんだから.
..........変な冗談ばっかり言ってあまり皆を困らせないでほしいな..........」


渚「..........冗談なんかじゃない.........」





渚「本当なんだよ..........お願いだから信じてよぉ...........」ポロ ポロ........




生徒たち「................」









渚「うっ......うぅ........」グスッ....グスッ.....





寺坂「..........ケッ.......もう付き合ってらんねーわ、こんな頭おかしくなったモヤシ野郎とはよ」ザッ......





茅野「信じてもらえないのはしょうがないけど.........そこまでひどい事言わなくてもいいじゃない!!ひどいよ!!」


キモオタ「寺坂氏、言い過ぎだ........渚氏に謝るでござるよ.........」


イトナ「それに.......渚が嘘をついていたとしても、何日にも渡ってこんな嘘をつき続けるメリットはないだろ?いい加減に信じろ」





寺坂「オイオイオイ!!テメーらコイツの肩持つのかよ!?ついにテメーらまで頭おかしくなっちまったか!?」





茅野「............ッ!! この分からず屋!!!!」





岡野「ホントにどうしちゃったのよ........渚も茅野っちも、キモオタもイトナも...........」


木村「あいつら、割とマジで受験疲れしてんじゃ........確かに現実から逃げたくもなるけど流石になー..........」


倉橋「ねぇ、でも渚ちゃん達が嘘をついてるようには見えないよ.........?あんなに必死になってるから、ひょっとして本当の事なんじゃないかな.........?」


寺坂「バーカ!!本当にそんな事があってたまるかよ!!フツーに考えて嘘に決まってんだろ!!」


竹林「まぁ確かに、あまりにも現実離れした話だから、嘘として捉えるのが当然だろうね」


狭間「悪いね渚、私らはアンタらの虚言癖に付き合ってる暇はないの、もうすぐ受験よ受験」


中村「そーそ、もっと現実見なよー、流石に私も付き合いきれんよ」


渚「......グスッ........ヒッグ......」


寺坂「そーいうこった 渚、暗殺ごっこなら一人でやんな」


生徒達「わっ.....わりーな、俺らもうそろそろ帰って勉強するわ」「じゃあな........また明日な......」ゾロゾロ......










シィン..........





渚「.......グスッ........グスッ........」


茅野「渚...........」


キモオタ「な......渚氏.......元気を出すでござるよ!今はまだ皆信じてくれないがいつかきっと信じてくれる日が......!」アタフタアタフタ!


渚「...........きっかけ...........」


キモオタ「.............?」


渚「いつか、何かのきっかけで思い出す時が来るかもしれないってキモオタ君 言ったよね...........?」


キモオタ「渚氏..........?」





渚「そうだ.........『きっかけ』がないから、誰も信じてくれないんだ............だったら、自分で『きっかけ』を作っちゃえばいいんだ.............どうしてそんな簡単な事が思いつかなかったんだろう...........」ユラ.......


茅野「渚..............?」


渚「いい事を思いついたんだ、確実に 皆が殺せんせーの事を思い出すいい方法が..
............」


イトナ「..........それはどんな方法だ........?」


渚「それは秘密だよ、明日になってからのお楽しみ!」ニコッ


茅野 キモオタ イトナ「...............?」


渚「じゃ、今日はもう帰ろうかな、また明日ね」ザッ ザッ.....


茅野「まっ.......待ってよ渚!私も帰る!」タタッ!





ガララー バタン!





イトナ「.................」


キモオタ「(..........何をする気だ............?)」




翌日...........





キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン!





担任「よーし!以上でホームルームは終了だ、一限目は面接練習だからなー!」ガララ- バタン!





生徒達「はぁ......面接かー」「かったるいなー」「テストじゃないだけマシかー」ガヤガヤ










渚「ねぇ、皆!」










生徒達「..................?」





渚「今日の放課後、皆で校舎の裏山まで来てくれないかな...........どうしても、どうしても伝えなきゃいけない大事な話があるんだ............」


寺坂「.........テメーまさか、その大事な話ってのは また 殺せんせーとか暗殺とかの事じゃねぇだろうな?」





渚「..............うん、」





生徒たち「................」イラ.......





生徒たち「おい渚!!お前マジでしつこいぞ!!」「放課後にアンタのくだらない嘘を聞いてる暇なんてないの!!」「そもそも話なら放課後にわざわざ裏山まで行かなくても今ここで話せばいいだろ!!」





渚「................」









茅野「ねぇ、皆待ってよ!!」





片岡「茅野さん.........?」





茅野「渚の言ってる事は確かにすごく現実離れしてるし........嘘みたいな話だと思うけど..........でも、渚は絶対嘘なんてついてないし、渚は本気で皆に大事な事を伝えようとしてるの...........お願い..........渚を信じて、皆で放課後に裏山に行ってあげてくれないかな..........?」





岡野「茅野っち........」





キモオタ「拙者からもお願いでござる!!渚氏を信じてくれ!!どうかこの通りでござる!!」ゴッ!ゴッ!





矢田「キモオタくん..........」


倉橋「オタりん..........」





イトナ「まずは渚の話を聞け、ゴチャゴチャ文句を言うのはその後だ.........」





寺坂「.........チッ..........わぁーったよ、いきゃいいんだろ、いきゃあ!」


前原「ここまで、必死にお願いされたら 行くしかねーだろ」


磯貝「そうだな..........じゃあ今日 放課後に皆で裏山に行って、渚の話を聞こう........でも渚、話をするのはこれで最後にしてくれないかな.........な?」





渚「うん、大丈夫だよ、これで最後だから、皆 ありがとう」ニコッ!




そして放課後..........校舎の裏山.........





渚「皆ごめんね.......勉強で忙しいのに.........」ザッ ザッ.......


寺坂「さぁ、とっとと話せよ渚、どーせ昨日と同じこと言うんだろーけどよ」ザッ ザッ.......


渚「うん、殺せんせーの事なんだけど............まだあともう少し進んだら話すよ」ザッ ザッ......


不破「...........ねぇ渚君、どこまで行くの?もうここで話してもいいんじゃないかな?」ザッザッ........


渚「まだまだ........後もう少し.......もう少しだから...........」ザッ ザッ......


生徒たち「.................?」ザッ ザッ.......









原「渚、なんでわざわざ裏山まで私達を.........?」ザッ ザッ.......


渚「どうしても裏山じゃないとダメなんだ、殺せんせーの事を皆に思い出してもらうためには..........」


生徒たち「...............」ザッ ザッ......


岡島「なぁ..........ちょっと待てよ........この方角ってさ..........裏山の崖に近づいてないか...........?」


倉橋「うん........渚ちゃん、もうそろそろ進むのやめようよ........そっちは崖だから危ないよ......?」


渚「..............」ザッ ザッ.......


前原「おい渚、マジであんまりそっち行きすぎたら危ねーって、戻ってこいよ!」


岡野「そっちの崖には近づくなって烏間先生に言われたでしょ!?」


渚「...............」ザッ ザッ.......


磯貝「おい 渚........!おい........!」










渚「................!」ダッ!!










生徒たち「!!」









>>605 すまない、岡野のセリフはなかった事にして 汗 矛盾が出てくるから


※訂正









杉野「おい待てよ 渚!!」ダッ!!


茅野「渚!!行っちゃダメッ!!」ダッ!!










渚「来ないで!!!!」パチン!










生徒たち「...............!!」










渚「それ以上来たら.........このナイフで首を切って死ぬ!!!!」スッ.......










この時、ナイフを手にした渚の姿を見て、その場にいた全員が地面に糸を縫い付けられたかのように動けなくなった





「もし近づけば、こいつは本気で自分の命を終わらせかねない」





そう思わせる程の 渚の『殺気』が全員の足を止めたからだ









渚「......ハァ......ハァ.......」ザッ......ザッ........





杉野「おい..........お前何する気だよ...........」


吉田「ま.........まさか そっから..........!!」





渚「うん、ここから飛び降りるよ」ニコッ!





生徒たち「!!」





中村「や........やめてぇ渚!!ひょっとして私達が渚の話を信じなかったから怒ってんの..........?お願い信じるからやめてぇ!!」ポロ ポロ


岡野「渚!!ごめん!!ごめんねぇ!!お願いだから戻ってきてぇ!!」ポロ ポロ





渚「中村さん、岡野さん、僕は別に怒ってるから飛び降りようとしてるわけじゃないよ」





中村 岡野「..............?」ポロ ポロ.....





渚「これは皆に殺せんせーの事を思い出してもらうためなんだよ........」





生徒たち「.................!?」





渚「僕がここから飛び降りたら、殺せんせーは必ず僕を助けに来てくれるはず...........その時に、皆は必ず殺せんせーの姿を目撃するから............それで、きっと皆の記憶は元に戻ると思うんだ........」










寺坂「な........何また訳わかんねー事言ってんだよ!!殺せんせーなんて怪物がこの世にいるわけねぇし!!助けに来てくれるはずもねぇだろ!?昨日殴った事は謝るし信じてやらなくて本当に悪かったよ!!渚ァ!!」





渚「だ か ら! ! ! !怒 っ て な い っ て 言 っ て る じ ゃ ん ! ! ! !」





寺坂「..............!!」ビクッ!!





渚「それにね、寺坂君..........殺せんせーはいるよ........それで、絶対に僕を助けに来てくれるよ..........だって殺せんせーは言ってたよ.........」





生徒たち「................!?」





渚「『決して君達から、この触手を離さない』って...........」





渚「だから、僕は安心してここから飛び降りれるよ」ニコッ!









カルマ「..................!!」










この感じ................





そうだ..............





俺は、前にここから飛び降りた事がある..........





何で、ここから飛び降りたのに今生きてるのか...................ようやく思い出した........!!










『見捨てるという選択肢は先生には無い、いつでも信じて飛び降りて下さい』










そうだった.............俺はあのタコに.......










殺せんせーに助けてもらったんだ










カルマ「...............!!」









カルマ「渚!!ようやく全部思い出したよ!!」





生徒たち「カルマ.............!」





カルマ「俺が前にここから飛び降りた時に、殺せんせーは俺の事を助けてくれた!!確かに殺せんせーは存在するし!!俺らの担任のせんせーだよ!!」





渚「................」





カルマ「けど、今は違う!!今はもう殺せんせーはどこに行ったかもわからないし少なくとももうここにはいない!!こんな事しても殺せんせーは来てくれない!!頭冷やせよ!!こっちに戻ってこいよ渚!!」





渚「...........殺せんせーは絶対にここにいる.........」ザッ.......





茅野「渚ダメ!!!!それ以上そっちに行かないで!!!!」





渚「...........殺せんせーは絶対に生徒を見捨てない...........」ザッ.....





キモオタ「馬鹿な事はやめろ!!!!渚氏!!!!」





渚「............殺せんせーは、絶対に来てくれる.............」ザッ......





生徒たち「やめろ渚ァ!!!!」「戻ってこい!!!!」「渚やめてぇ!!!!」










渚「殺 せ ん せ ー は 絶 対 に 僕 を 助 け に 来 て く れ る ん だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! ! ! !」



















トンッ........!!





























生徒たち「き..............きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!渚ァ!!!!!」
























ーーーー本当に飛び降りちゃったーーーー





ここから落ちれば、確実に僕は死ぬ





今、僕は『死』と隣り合わせにいる





ハハ、なんだか笑えてくる





不思議だね





死ぬ寸前って本当に周りがスローモーションになるんだ、皆が僕の名前を呼ぶ声もゆっくり聞こえるよ





『渚、こっちにいらっしゃい』


『まってぇ!おかあさん!』





ーーーー母さん.........?それに、小さい頃の.........僕...........?





『ほぉら渚、やっぱり髪を伸ばしたら女の子用の服でもよく似合うでしょ?』


『.............うん』





ーーーー今 僕の頭の中に流れてる映像..........ひょっとして...........僕は走馬灯を見てるのか.............



















『渚の奴、E組行きだってよ』


『うわ.........終わったなアイツ』





『私、茅野 カエデ、よろしくね♪』





『始めまして、私が月をやった犯人です、来年には地球も爆る予定です、君たちの担任になったのでどうぞよろしく』





ーーーー僕は、勉強について行けなくてこのE組に落ちた.........


でも、E組に落ちたから、茅野や皆........烏間先生、ビッチ先生...........殺せんせーと出会えたんだ............





『ゲ.......ゲームセット.......!!.......なんとなんと.......E組が野球部に勝ってしまった』


『よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!』『キャー!!!!やったぁ!!!!』





『やったぁぁぁ!!!!磯貝が退学にならなくて済む!!!!』


『すっげー!!』『よく勝ったなあの人数差で!!』





『やったぁ!!!!全員50位以内 ついに達成!!!!』





ーーーーE組に落ちて..........殺せんせーに出会えたから..........皆がいたから.........どんな辛いことも苦しい事も、頑張れた..........

嬉しい事や楽しい事、たくさん思い出ができた...........









ーーーーでも、死ねば.........皆で作った思い出も、何もかも 全部が終わる........


死ねば..........永遠に皆に会えない.........家族にも、友達にも、先生たちにも..........





『ほらほら!!渚も海に入んなって!!』


『うわっ!!やめてよ中村さん!!僕 体育着のままだよぉ!!』


『あ!!キモオタ君!!それイトナ君のために焼いたお肉でしょ!?欲張らないの!!』


『あはははは!!』


『何恥ずかしがってんだよ!!渚も一緒に歌おうぜ!!』


『いけいけぇ渚ァ!!!!』


『.........うん!僕も歌うよ!』





ーーーーいやだ...........





『せっかくアンタの親になれたんだもん、もうしばらく心配させてよ』


『............うん!』





ーーーーこんなところで、何もかも終わるなんていやだ.........!!





『じゃ、俺だけ呼ぶよ、それでいいの? 渚』


『..........わかったよ.......じゃ.....カルマ』





いやだ............いやだいやだいやだ!!!!!!





『人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう、君達全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ』





ーーーー死にたくない.........!!














..........死にたくない..........まだみんなと一緒にいたい..........まだ、生きたい..........





怖いよ..........





簡単に自分の命を投げ出すなんて.........本当にバカだった...........





ごめんなさい..........ごめんなさい..........















助けて...............殺せんせー!!!!
























ーーーー渚が落ちていく様子を見ていた全員が目を背けた..............





クラスの誰もが、この高さから落下した渚は助からないものと思っていた...........





しかし、不思議な事に、渚が地面に到達した衝撃音は聞こえてこなかった.........





恐る恐る.........クラスの全員がそーっと目を開け、崖の下を覗き込んだ.............










その時、目に飛び込んで来た光景は........



















「言ったでしょう、私は決して生徒たちから、この触手を離さない.............と」





























生徒たち「....................!!!!」















見たことの無いような怪物が、クラスメイトを抱きすくめている姿


そして、安堵の表情を浮かべ、怪物の腕の中で静かに眠っているクラスメイトの姿だった









その怪物の姿を見た瞬間
その場にいた全員の頭の中で、忘れていた 記憶が駆け巡った





もうダメだって思った時、





絶望して 全てを諦めかけた時、





自分に負けそうになって、涙が流れそうになった時、





怖くて、苦しくて、救いを求めて手を差し出した時、









いつもいつも、そばにいて、自分達を助けてくれた





いつだって駆けつけて差し出した手を掴んでくれた










弱点だらけで、思わず殺したくなる程親しみやすく





その触手に触れるどんな弱いものも感じ取れ、守れ、導いてくれる










たった一人の、かけがえのない怪物...........




この世界にたった一人の、大好きで大好きで、しかたがない先生............









殺せんせー「渚君は無事です、安心して眠っているだけのようです」スタッ.......










生徒たち「..........ろ.......せんせぇ.........」ワナワナ........



















生徒たち「殺せんせー!!!!!」ダダッ!!!!
























殺せんせー「皆さん..........皆さぁぁぁぁん!!!!」ドバドバ!!!!





中村「せんせぇ........グスッ........せんせぇ......ヒッグ........私達が間違ってた....
........やっぱり.......先生の事を忘れたくないよぉ.........」ギュゥゥ......


岡野「ごめんなさい.......グス.....ごめんなさぃ......ヒッグ......」ギュゥゥ......





殺せんせー「私も、君達に会えなくて.........寂しかったですよ...........元々、私は国に追われる身ですから..........君達の記憶が消されてしまった以上、君達の前に姿を現すわけにはいかない...........だから、ずっと君達の事を国の目を盗みながら物陰から見守る事しかできなかった..............」





殺せんせー「でも..........渚君が崖から転落した時、いてもたってもいられず、皆さんの前に姿を現してしまいました........
....やはり、大事な生徒が危ない目に遭っているのに、それを見過ごすことなどできません.............私は決して君達から触手を離さないと決めたし..............それに........国から見れば地球を滅ぼす怪物でも..........」





殺せんせー「私は、君達の『教師』ですから」





殺せんせー「私の事を........思い出してくれてありがとう...........」





生徒たち「殺せんせー............」ポロ ポロ.....










渚「ん........うっ.........」ピク......





茅野「!! 渚...........!!」


生徒たち「.....渚........よかった.......」





渚「..........僕は...........」


磯貝「渚、殺せんせーがお前の事を助けてくれたんだ.........」


渚「!! 磯貝君.......ひょっとして殺せんせーの事を.........!!」


磯貝「ああ、お前のおかげで俺だけじゃなくて皆が殺せんせーの事を思い出すことができたよ、ありがとう!
..........それと、お前の事を信じてあげなくてごめん.........」





生徒たち「渚、ごめんな.........」「ごめんね、渚............」





渚「..............うん!」ニコッ!









茅野「.............」ザッ ザッ.......


渚「茅野.........」


茅野「........渚........」ザッ......


渚「............?」










バチィンッッッッ!!!!!!










生徒たち「!!??」





渚「...........!!」ヒリヒリ......










茅野「渚のバカッッッッ!!!!!」









生徒たち「................!?」


渚「.........茅野..........」ヒリヒリ......


茅野「..........何で渚はそうやって自分の命を軽く見るの............?」ワナワナ......


渚「..............」


茅野「私が言えた事じゃないけど......もっと自分を大事にして.......渚がいなくなっちゃったら...........寂しい思いする人が沢山いるんだよ..........?」ポロ ポロ......


渚「..........ごめん........」


茅野「バカァ........渚のバカァ.........う......うぅ........」ポロ ポロ.......


渚「ごめん........ごめんね.........」


中村「おやおや〜?王子さまぁ、ダメじゃん、お姫様を泣かせたりしたら〜」ニヤニヤ.....


カルマ「慰めてやるべきなんじゃないのぉ、渚ァ?」ニヤニヤ


渚「ちょ!!中村さん!!カルマ!!///」


キモオタ「茅野殿wwwなんというヒロイン力www拙者感動して目からもナニからも水がこぼれるでござるよwww」ドピュドピュ!!


生徒たち「キモオタ サイッテー!!」「こいつのキモさだけは忘れたいわ!!」





渚「........ふふ.......あははは!」ニコッ!





嬉しい............やっといつも通りのE組に戻った...........





空白で埋め尽くされていた時間が再び色付き始めた..........









生徒たち「」ワイワイ!










ビッチ「...........アンタも人が悪いわねカラスマ、何でガキどもに伝えてあげなかったの?


記憶消去はまだ開発中の技術だから、結局は1週間ほどで記憶が元に戻る
.........ただの機密を口外させない為の『脅し』に過ぎないって事...........」


烏間「.........それを生徒に言ってしまったら、元も子もないだろう.........この1週間で、奴も俺たちもいない状態で、生徒たちがどう行動するのかに意味があるのだからな.................」





烏間「さて.......1週間、記憶を失って.......彼らがどのような答えを出すのか.........それを見届けなくてはな..........」


ビッチ「クス......アンタも、いよいよ教師バカね.........」




ただでさえ「エピソード記憶」だけを消すのも難しいってのにその中の何かって無理だろ。

記憶消去自体はできると思うがやったら、
「あーうー (^p^)」ってなことになる






殺せんせー「さて.........これで皆さんの記憶は完全に元に戻りましたね..........今回、1週間もの間 記憶を失ってみてどうでしたか?」


前原「.........どうって言われても.......なんとも感想が言い難いよなー........」


不破「うん、なんか思い出した今となってはホントに私達が記憶を失ってたって実感も湧かないしね」


殺せんせー「なるほど...........では君たちに質問します............」





殺せんせー「暗殺を続けるか......暗殺をやめるか..........」





生徒たち「.............」


殺せんせー「..........もしも君たちが暗殺をやめたいのであれば私はこのままここを去りますが、君たちが暗殺を続行したいのであれば、私は理事長に頼み込み、もう一度 椚ヶ丘中学校3年E組の先生をさせてもらうように交渉します............どうしますか?」


生徒たち「................」


殺せんせー「これは強制ではありません、どっちの道を選んでも、それが私の生徒たちが選んだ道ならば 私にとっては何よりも大切な事ですからね」





カルマ「...........言い出しっぺの俺が言うのもあれだけどさー..........でも、これだけは確実に言えるよ」





カルマ「俺らと殺せんせーの暗殺者と標的って関係は、やっぱ切っても切れない『縁』だからさ、それから俺らが逃げるわけにはいかないって事がよくわかったよ」





神崎「..........うん、やっぱり忘れる訳にはいかないよね」


狭間「定められた運命に抗うなんてこの世で最も愚かな行為............私達が殺せんせーと出会って、殺せんせーを殺さなきゃならないのは、定められた『運命』なんだから..........」





殺せんせー「.........なら........君たちは暗殺を............」





寺坂「オラ、どうすんだよ渚?
体張ってテメーが思い出させてくれた事だ、俺らはお前に答えを委ねる..........お前が出した答えに誰も文句なんか言わねぇし...........それに、命懸けたテメーを差し置いて、俺らが答えをだす訳にゃいかねーしよ」


生徒たち「渚...........」





渚「...............」









渚「暗殺は...........暗殺者と標的..........つまり僕らと殺せんせーを繋ぐたいせつな『絆』..........」





渚「その絆を、僕らが殺せんせーを殺すのが怖いからなんて理由で、忘れて楽になろうなんて........やっちゃいけない事だったんだと思う...........」





渚「もう..........殺せんせーを救う方法はない...........殺せんせーの願いは僕らに殺される事............僕ら自身の手で殺せんせーを殺さないと............その願いも、絆も永久に失ってしまう事になる.........」





渚「...........だったら..........やっぱり、僕らはどんなに辛くても、悲しくても、苦しくても、逃げずに 殺せんせーを殺さなきゃいけないと思う..............いなくなってしまった律の分も頑張って..........殺せんせーを殺さなきゃいけないと思う............それが僕らが生徒として先生にできる事だから.............」















渚「それが、『暗殺教室』の本当の形なのだから」














生徒たち「..............」シィン......





渚「ど.........どうかな..........?」





寺坂「バーカ、言ったじゃねぇかよ、お前の出した答えに誰も文句はねぇって、誰も異論なんて唱えねぇよ、
なぁそーだろオイ」


杉野「ああ!当たり前じゃん、もう来るところまで来たんだから、俺らの手で殺るしかないだろ?」


奥田「はい、それに.........殺せんせーとの楽しかった思い出を忘れるなんて、もうこりごりですから.........」


岡野「私も.......もう殺せんせーを殺したくないなんて言わないよ...........やっぱり........殺せんせーが願う事なら、恩返しとして、ちゃんと願いを叶えてあげたいからね......」


片岡「渚.........もう、異論を唱える人は誰もいないよ..........もう答えは決まってるし、覚悟もできてる.........皆 気持ちは渚と同じだよ、そーだよね 皆!」


生徒たち「ああ!!」「うん!!」


渚「皆.............!」


磯貝「渚の言う通り、殺せんせーを殺す事が殺せんせーのためにも、いなくなってしまった律のためにもできる事だ.........!
だから.........もうこの絆から逃げ出さない........!!」





磯貝「皆で力を合わせて殺せんせーを殺そう.........!!」





生徒たち「オーッッッ!!!!!!」





殺せんせー「皆さん.........!!」グズッ.....









渚「でも、殺せんせー........」


殺せんせー「ええ、皆さんが答えを出してくれたんです............私も答えを出すために...........これから、椚ヶ丘中学校3年E組でもう一度先生ができるように、これから理事長の所に交渉に............」ザッ......










「交渉の必要はありません」










生徒たち「.................!!」


殺せんせー「理事長...........交渉の必要がないというのは..........?」





理事長「少し様子を見に来てみました、教育者としては、記憶を失った3年E組の生徒たちが少しばかり気になったものでね」 ザッ ザッ......


理事長「それと、この学校の経営者として、これからのあなたの身の振り方を言い渡しに来ただけです.........」



殺せんせー「...........」




ガサ...





殺せんせー「!! これは............!!」」





理事長「雇用通知です、やはりあなたは国から逃げるよりも、このクラスで教鞭を執るのがよく似合う、

それに、このクラスにあなたを繋ぎ止めて置く方が あなたが殺される確率が格段に上がる、合理的に考えた結果、このような行動を取っただけなので勘違いなさらぬようにね」ザッ ザッ.........





殺せんせー「...............!!」ペコッ.......










三村「雇用..........」


前原「ってことは...........殺せんせーはまたE組で授業できるって事だよな..........!!」










生徒たち「やったぁぁッッッ!!!!!!!!」ワァッ!!!!





殺せんせー「皆ざぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ん"!!!!!」ドバドバ!!!!










コロセンセ-!!フクショクイワイニバ-ベキュ-シヨ-ゼ!!
ニュヤ!!センセ-イッシュウカンブンノキュウリョウガ......
イイカライイカラ!!アハハハハ!!





烏間「...........安心した..........これでもう、彼らの答えが揺らぐ事は無さそうだな.........明日からはまた、訓練を再開して、計画も立てて..........本格的に奴を殺す準備を始められそうだ..........」


ビッチ「まぁたなにカタイ事言ってんのよカラスマ、アンタが安心したのはまたいつもみたいにガキどもが騒がしいクラスに戻った事でしょ?」


烏間「フッ.........どうだろうな.......」ニッ


ビッチ「アンタが笑うなんて........気持ち悪ッ!!ホラッ私達も行くわよ!
私達を1週間も蚊帳の外に置いた分、食べて食べて食べまくってやるわ!!」グイッ!


烏間「オイ、そんなに引っ張らなくてもちゃんと行くから安心しろ」





まったく...........明日からはまた騒がしい日々が始まりそうだ..........





でも、そんな騒がしい日々が、いつの間にか居心地の良いものになっていた..........俺も、イリーナもな..........





いつまでもこの騒がしい日々が終わってほしくないと思ってるのは..........確かな事なのかもしれないな.........














考えて考えて.........1週間もの間、空白の時間を過ごした僕等が出した結論は.
.......僕らは3月まで全力で暗殺を続ける


なぜなら 暗殺は僕等の使命であり、絆であり、僕等を出会わせ育ててくれた….
......E組の必修科目だから


ただし、暗殺期限の3月までに殺せなかったら….......僕等は暗殺を卒業する


悔しいけど.........殺れる事を殺り終えたら、後は全てを国に任せて、暗殺者と標的からただの生徒と恩師に戻る


殺しても、殺せなくても.........お別れの時間は来る........


でも、何も迷う必要はなかった........


だって、お別れは、いずれは必ず僕らが辿る道なのだから.......




そして.........翌日...........





殺せんせー「皆さん、おはようございます!」ガララー!





ボトッ!!





殺せんせー「おっと........対先生弾を敷き詰めた黒板消しをドアに仕込んでおいたようですね、だが甘い、その手は一学期に失敗しましたねぇ.........」





生徒たち「おはよー殺せんせー!」





殺せんせー「はい おはようございます!早速出欠を取ろうと思いましたが、何人かはまだ登校していないようですねぇ...........それに、教室中に芳香剤の香りがやたら漂っていますねぇ.........」ニヤニヤ....


生徒たち「...............」


殺せんせー「ん...........?教壇の上にあるのは............?」





殺せんせー「ぬっひょぉぉぉぉ!!!!!Gカップグラビアアイドルの写真集ぅぅぅぅぅ!!!!!」バッッッッ!!!!!





パンパンッッッッ!!!!!





殺せんせー「おはようございます、木村君、岡野さん」





木村「チェッ........やっぱ当たんねーなぁ.
.........」


岡野「おはよ殺せんせー、やっぱバレてたみたいだね」





殺せんせー「岡島君のエロ本で先生を教壇までおびき寄せて、二人は教壇の中に身を潜めて先生を狙い撃ちする作戦.........少し初歩的な気もしますが、エロ本が罠と知っていながらもついつい条件反射で突っ込んでしまう先生の性格をよく考慮した大変いい作戦です」









殺せんせー「ぬっひょぉ.........乳やべぇ..........」ペラ.....ペラ.......





ドピュッッッ!!!!





ビチャッッッ!!!!





殺せんせー「に"ゅ"や"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!ぐざい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ!!!!ぐざい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!」ジュゥゥゥゥ!!





キモオタ「グッモーニンでござる、殺せんせー」ニヤッ!





殺せんせー「(しまった.........!!エロ本に夢中なのと.......芳香剤の香りで、キモオタ君の自慰行為に気づかなかった........!!)」ジュゥゥゥゥ.........!!





杉野「よっしゃ!!今だイトナ!!」


イトナ「............」ポチッ!





ガコンッッッッ!!!!!





殺せんせー「にゅやッッッッ!!??」





竹林「殺せんせーの苦手な落とし穴ですよ」


イトナ「使うには少し早すぎるが、出し惜しみはしない、遠慮なく使わせてもらう」









前原「今だ!!!!撃てぇぇぇぇぇ!!!!」パンパンッッッッ!!!!


生徒たち「よっしゃぁ!!!!」パパパパパパパンッッッッ!!!!





殺せんせー「にゅやぁぁぁぁぁぁ!!!!やばいやばいやばい!!!!」ヒュンヒュンヒュン!!!!





ドシュンッッッ!!!!





磯貝「ああ!!逃げられたか!!」


片岡「あともうちょっとだったのに..........!!」





殺せんせー「ハァ......ハァ......」





殺せんせー「明日出す宿題を2倍にします」





生徒たち「「「小せぇ!!!!」」」







生徒たち「くっ...........!!」ガチャッ!





ドパパパパパパッッッッ!!!!





殺せんせー「はい、それでは発砲したままで結構ですので出欠を取ります、磯貝君!」シュンシュン!!


磯貝「はい!!」ドパパパパパパ!!


殺せんせー「岡野さん!」シュンシュン!!


岡野「はい!!」ドパパパパパパ!!


殺せんせー「片岡さん!」シュンシュン!!


片岡「はい!!」ドパパパパパパ!!









ー ー ー ー ー

ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー







生徒たち「ハァ......ハァ......」


殺せんせー「..........はい.......遅刻無し.........と..........銃声の中でもしっかり聞こえる返事............個々の思考をしっかりと前面に出す一斉射撃.............素晴らしい........先生とても嬉しいです.........」ハァ.....ハァ.......





殺し..........かわし............そして教える...........





殺せんせー「しかし........今日も命中弾はゼロでした..........それだけは残念ですねぇ...........」


生徒たち「...............」





渚「安心して、殺せんせー」





殺せんせー「................?」





渚「卒業までに..........必ず皆で先生を殺すから」





............僕らは殺し屋...........





殺せんせー「...........期待しています..........卒業まで、全力で..........先生を殺しに来なさい.........!!」ニッ!





.............ターゲットは先生............














殺すって何なのか、本当に真面目に考えた2月





僕等には.......『覚悟』が芽生えた





信頼で刃を振ったのならば….......何を得ようが失おうが責任を持って受け入れる『覚悟』を!!
























殺せんせーの暗殺期限まで.............あと33日



















3学期編 完


3学期 終盤編に続く









ありがとうございました!!


長かった3学期編を終えて、このSSも残すところあと3学期終盤編と卒業編の2編になりました!!


本当はまだ終わらせたくないけど一生懸命やるんで、どうか最後まで下衆でクズでとことんキモい、でも時々イケメンなキモオタを応援してください!!


よろしくどうぞ!!




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