ギルティギアSSで、二郎・温泉・バーベキューを書いた者です。
いつもとは嗜好がちょっと外れた番外編になります。
モテモテで恋人持ちが多いギルティギアのキャラクター達ですが、そんな中でも寂しい思いをしているキャラ達に愛を語ってもらいました。
時系列はいつもどおりXrdシリーズです。
番外編からやるのもなんですが、今回から名前欄にトリップをつけさせていただきますので、よろしくお願いします。
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エルフェルト(以下エル)「ふっふふ~のふ~っ!!じゃーんっ!!スーパーメガ盛り!ジャスティスガンマレイ昇天ネイルーッ!!これで女子力は4倍…いや100倍メークアーップッ!!!」
エル「……って…ハァ~…一人で女子力を磨いても…!出会いの場がなければ意味がないッ!!」\ズーンッ!/
エル「あ~あ、お見合いとかないのかなあ~?あったら絶対!私の女子力で殿方を虜にしちゃえるのになあ~……運命の出会い!二人っきりの密室ラブロマンス!…想像しただけでも鼻血が止まらない~!!」
シン「"オミアイ"?」
エル「ひゃあっ!!シン!!もう!女の子の部屋に入るときはノックしてよ~!」(プンプン)
シン「なあエル、その…"オミアイ"ってなんだ?ウマイのか?」
エル「ハア~ッ…これだからシンってばお子様なんだから…!いい?"お見合い"っていうのはね!男と女の恋の策略が交差する悪魔の駆け引き…!男と女、女と男の熱いデットヒートの合戦の場なのよ!!」
シン(…やっべ…全然意味わかんねえ…!)
ラム「"お見合い"…男女を引き合わせ…出会いを与える機会。たいていは、結婚を前提に伴侶探しを目的として行うことが多い。」
シン「へーっ!要するに、オトコとオンナでケッコンするために会うってことか?」
エル「…う、うん…まあ、間違ってはいないかな~?」
エル「でもシン、私とお見合いしてくれる男性に…心当たりはあるの?」
シン「へっ?まずカイにでも頼んでみっか?」
エル「そ、それは絶対ダメーェェェッ!!」\ブライダルエクスプレスッ☆/
シン「へぶし!!」
シン「いってーな!!何すんだエル!!」
エル「カ、カイさんには奥様がいるでしょ!?愛する奥様がいるのに不倫なんて…あっ…でもそれはそれでスリルと背徳感が~…って絶対ダメダメッ!!」(ブンブン)
シン「フリン?…ハイトクカン?」
ラム「…聞かなかったことにしておいた方が貴方の身のためだと思うよ…」
エル「シン!お見合いっていうのは!独身の人がするものなのっ!!」
シン「?ドクシン?」
エル(も~!シンって本当に世間知らずなんだからっ!!)「結婚してない人のこと!…これから結婚できるチャンスがまだ残ってる人ってこと!!」
ラム「…悪く言えば売れ残(ry」
エル「ラム?ちょ~っと黙っててくれないかなあ~?」(アセアセ)
シン「へーっ、そうなのか!…じゃあカイは無理だなっ!」
シン「あれ?でもそれじゃ誰誘えばいいんだ?オヤジは今丁度ヤボ用とかで出かけてていねえしな…」
エル「そ、そうなんだ~……ハア…こんなのでお見合いできるのかなあ~…ううっ…早くも大ピンチ…!」
シン「あっ!そーだっ!!」(ピーンッ)
シン「レオのオッサンなんてどうだ?」
エル「えっ?レオさん!?」
シン「なんかこの前、廊下歩いてたときに聞いたんだけどさ!カイにケッコンがなんとか、誰かを紹介しろだとかどーとか色々言ってたぜ?」
エル「ほ、本当に!?…レオさんといえば第二連王様じゃないですか~!お嫁さんになったら、私はまさかの玉の輿王妃様!?むほーっ!!」(鼻血ダラーッ!)
ラム「…エル、気が早すぎ。」
シン「じゃっ!早速カイに聞いてみてやっから、エルはそこで待っててくれよなっ!!」(ダダダッ!)
エル「うふふふ~…いきなり王様とお見合いだなんて~前に見た少女漫画"熱愛ロイヤル少女☆プリンセスオブブライダル"みたいだよ~!えへへへ…」(妄想トリップ)
ラム「……上手くいく保証と自信がどこにあるのかが聞きたい……」(ハア)
~イリュリア城・執務室~
カイ「えっ?エルフェルトさんがレオとお見合いをしたいですって?」
シン「おうよ!エルってばやる気マンマンだったぜ!?レオのオッサンもその、ヨメってやつが欲しいんだろ?」
カイ「確かにそうですが…」(う~ん…これはアイツに言うべきだろうか…馬鹿にしているのかと明らかに怒る顔が目に浮かぶな…)
カイ(だがしかし、ゆくゆく他の女性と行う予行練習だと思えば…)
カイ「そうですね、話してみましょう。でも…例えどんな結果になっても…それは当人達の問題ですから、騒ぎ立てたりレオに当たったりするのはやめてあげてくださいね?」
シン「さっすがカイ!話がわかるぜ!!んじゃ、エルに早速言ってくる!!」
~後日・イリュリア城応接室~
レオ「で?…何故俺がヴァレンタインの娘などと見合いをせにゃならんのだ!?」(イラアッ)
カイ「…だから、話しただろう?これはお前の為を思っての…"見合い"の練習だと…!」(ハア…)
レオ「フン!俺にそのようなものは不要!!女の一人や二人…!この俺にかかれば攻略するなど容易いわ!!…何故なら、俺はスーパー凄い男だからな。」(フフンッ)
カイ「これだからお前というやつは…!そういう過ぎた態度が相手の女性を散々引かせてきてしまっていると何度言えば……あっ!こら!辞書に書くんじゃない!!」(アセアセ)
シン「エル~!いつまで準備に時間かかってんだよ!!」
エル「ご、ごめんなさい!つい張り切りすぎちゃって!」(鏡チェック!)
シン「わかんねーなー。何だってオンナってのは外に出るだけでそんなに時間がかかるんだ?」
エル「もう!これだからシンはデリカシーがないんだから!!」(プンプン)
ラム「二人とも、早く。時間に遅れる。」
\バタンッ!/
シン「ごめんなカイ!レオのおっさん!!ちょっと遅れちまった!!」
カイ「いいですよ、気にしないでください。エルフェルトさん、さあこちらへ」(スッ)
エル「うわあ~!すっごく緊張するなあ~!!」(ドキドキ)
ラム「……」
レオ「ちょっと待て!何故お前のところのバンビーノやラムレザル=ヴァレンタインまでいるのだ!!」(ヒソヒソ)
カイ「えっ?こちらも私がついていますし…」(ヒソヒソ)
レオ「いや、お前もいる必要はないのではないか?」
カイ「…いや…もし不測の事態が起きてしまっては収集がつかなくなるだろうし…」(ヒヤヒヤ)
エル「あ、あの~?」(コホンッ)
エル「え~っと、まず!自己紹介から始めませんか?」(チラッ)
レオ「…娘!!人に名前を聞くときはまず、自分から名乗るのが礼儀と教わらなかったのかァァァーッ!?しかもこの俺の前でだァァァーーーッ!!」(カァッ!!)
エル「ひゃあああ!ご、ごめんなさいい!!」(ビクウッ!)
シン「何すんだよレオのオッサン!!エルが怖がってるじゃねーかっ!!」\ビークドライバーッ!/
レオ「ふぬん!!」\ギャフンッ!/
カイ「シ、シン!何をするんですか!!」(アセアセ)
シン「だってよカイ!レオのオッサンのヤツがエルを苛めっから…!」
カイ「言ったでしょう、何が起こっても当人達の問題だと…!…レオ、お前も少しは言葉を控えめにするんだ!女性の前ですよ?……あと暴力はいけませんっ!」
シン「チェッ、仕方ねえな。今日のところはカイに免じて許してやるぜ!」(サッ)
レオ(…何で俺カイの息子に殴られて偉そうにされてんの?)(ヒリヒリ)
ラム「…お互い当然の報いだよ…」
エル(うわ~ん第一印象最悪ッ!!でもめげずに挽回しなきゃ!!)「…わ、私の名前はエルフェルト=ヴァレンタインと申します!趣味は恋話とヤブ犬のモノマネですっ!」(ニッコオ!)
レオ「…いや、お前の名前は知っているんだが…?」
エル「……」
シン(ガタッ!)
カイ「やめなさい、シン。暴力はいけません。」(サッ)
レオ「まあ、俺のことなど言わずともわかるだろう。何せ俺はスーパー偉い男なのだからな。」(フンッ)
エル「えっ…は、はい!」(まあレオさんだし知ってるといえば知ってるんだけど…この空気…思っていたお見合いとなんかこう、違う気が…)
エル(ダメダメ!ネガティブになっちゃ!!そうよ!!レオさんはいわゆる"俺に黙ってついて来い!"の俺様系男子ッ!!)
エル(きっとこのままグイグイ強引に引き込まれちゃって、私のことなんてお構いなしに結婚指輪も用意しちゃって…!最終的に壁ドンで"俺のオンナになれ"とか迫ってきて!後はめくるめく…たっは~!!)
エル「ブフウッ!」(鼻血ブシューッ!)
レオ「…どうした!?…ま、まさか俺から漂う王者の風格(オーラ)が凄すぎて興奮し鼻血が!?」
カイ(…この二人、もしかしたら似た者同士で上手くいくかもしれないな…)「ハア…」
ラム「…馬鹿が二人いる…」
エル「はっ!いけない私ったら!こんなところ見られたら女子力が落ちちゃう!!」(鼻血フキフキ)
レオ「ま、まあ楽にしろ……ウォッホン!俺の趣味は知れ渡っているだろうが、マイ辞書の編集だ。よく覚えておけ。」(キリッ)
エル「マイ辞書の編集…ですか?」
レオ「ああ、世界で俺だけの、俺によるたった一つの有難い辞書だ。既存の言葉に俺流で自分の身近なりの解釈を書き込んでいてな。フフン、凄いだろう?いずれは王立図書館全館に配備を……」
エル「なんてインテリジェンス…!オラオラ俺様系かと思いきや、趣味は意外と繊細で…って、これがギャップ萌えですかー!?」(鼻血ダラダラ)
シン「……俺、さっきからエルが何に鼻血出しまくってんのか全ッ然わかんねえ……」(ボケーッ)
カイ(…おや?まさかこれは上手くいっている…のか?)
ラム「エル、鼻血拭いた方がいいと思う。」(サッ)
エル「さすがレオさん!思った通り素敵な殿方ですね!!お嫁さんの項目には、是非私を書いて欲しいです!!」(そしてそのままハッピーエンドの項目に二人の名前が…!むっふー!)
レオ「…ああ、考えておこう…」(あれ?俺の趣味に引いていないだと?この娘結構いけるんじゃね?)
カイ(こ、このまま纏まってしまったら…私はどうすればいいのだろう…祝福すべきだとは思うが…連王がヴァレンタインを娶るとなると…いや、私もギアを娶った男という点では同じだが…)
シン「あれ?これってなんか、いい感じなんじゃねーのか?」
ラム「…場の勢いって…怖い…」
エル(よし!このままガッチリ固めてフィニッシュホールドで旦那様ゲット!)「じゃあ式はいつにしますか!?豪華じゃなくていいので私、素敵な式にしたいんです!」
レオ「えっ」
エル「王妃になるといっても私、贅沢は望みません!小さな教会とかで身内だけ集まっての質素な結婚式…神父さんはカイさんかな、あっシンでもいいいな!とにかく一生の思い出に…!!」
レオ「いや、あの…いくら何でもすぐに結婚し式を挙げるというのは…まずは逢瀬を重ねて互いを理解し(ry」
エル「新婚旅行はどこにします?特に希望がないなら、私は断然パリです!あっ、でもレオさんの故郷に挨拶を兼ねてというのも素敵なプランですよね?いやいや、ここは意外と近場で過ごすのも…!」
レオ「」(あっやっぱこの娘ダメだわ)
レオ「こ、この話はなかったことに……」(イソイソ)
エル「逃がしませんっ!…このままでは…女子力を温存しては勝てないっ!」\一撃必殺ジュンビッ!/
レオ「ちょっと待てぇい!俺が連王と知っての狼藉かァァァーッ!!」(アセアセ)
エル「恋に身分は関係ありませんっ!!」(ジャキンッ!)\マグナムウエデイング!!/
レオ「その技だけはやめろォォォーーーッ!!!」\イヤアアア/
シン「あれ?もしかして失敗なのか?これって…」
カイ「これが成功に見えますか?」(…ハア…こういう結果になってしまって良かったんだか良くなかったんだか…)
レオ「」\デストローイ!/
エル「ううっ…私、こんなつもりじゃなかったのにぃ~!!」(シクシク)
ラム「…当然の結果だ…」
エル「ううっ…ごめんなさい、カイさんがせっかくセッティングしてくださったのに…」(シュン)
カイ「い、いえ…気にしないでください…」(…レオの見合いの練習のつもりでエルフェルトさんをだしに使ってしまった私も悪いし…)
シン「そうだぜエル!失敗しても次があるって!!」
ラム「…次って…心あたりはあるの?」
カイ・シン「……」
カイ(…エルフェルトさんとお見合いをしてもらって…無事でいられる人を探すとなると、それは難しいですね…)
???「話は聞かせてもらったぞ。」
カイ「!?あ、あなたは…!!」
ガブリエル「その娘の見合い相手を探しているのだな?」(通信回線オン)
カイ「ええ、そうなんです。これはツェップの大統領、ガブリエル閣下。お久しぶりです。」
ガブリエル「堅苦しいのはよせ。…実は私の知る者で、そろそろ伴侶をと思っている男がいてな…」
カイ「そうなのですか…ですが本当にエルフェルトさんと?」
エルフェルト「カイさん!それってどういう意味ですか!?」(プンプン)
カイ「し、失礼しました…!」
ガブリエル「フッ、心配するな。…やつは決してヤワな男ではない…」
~後日・ツエップ来賓室~
シン「うっひょー!やっぱツェップってスッゲェ!!見ろよラム!この部屋空に浮いてんだぜ!?」(キラキラッ)
ラム「…カーゴでも空は飛べるし、私は空を飛ぶことができる…」
シン「なんだよラム!ちょっとは飛べない俺の気持ちにもなってくれよなっ!!」(ムスッ)
エル「……もう!二人とも!!今日ここに来たのは私のお見合いだってこと忘れてない!?」
シン「やっべ、忘れるとこだった…」(ハハハ)
エル「本当にシンはお子様なんだから!むう…今度こそ成功しなきゃ!緊張するなあ~…」
ラム「…子供以前の問題だと思う…」
ポチョムキン(以下ポチョ)「……」(スーツビシッ)
ガブリエル「どうしたポチョムキン、緊張しているのか?」
ポチョ「職業柄、尋問には慣れていますが…その、女性との会話というのは不得手でして…」(モジモジ)
ガブリエル「おかしなやつだな、そんなものぐらいS級犯罪者を尋問するよりも容易いことだ。自信を持て。」
ポチョ「ハ…ハツ!大統領!」
\ガチャッ/
シン「おっ、あいつがエルのオミアイの相手か……って、デッケエ!!」
ラム「シン、相手に失礼。」
ポチョ「いや、彼の言うことは事実だ、気にするな。はじめまして、エルフェルト=ヴァレンタイン嬢。ポチョムキンです。ツエップの軍人兼・特務外交官をしております。」(スッ)
エルフェルト「こ、こちらこそ始めまして!エルフェルト=ヴァレンタインです!!」(…見た目はちょっと怖い人だけど、物凄く紳士的!これは大丈夫かも!?)
ガブリエル「では後は二人に任せて、我々は退散するとしよう。」(クルッ)
シン「?」
ガブリエル「我々がいては二人の邪魔になる。」(ガッ!!)
シン(何だこのオッサン!マジスッゲエ力だ!!)「いってえ!は、放しやがれ!!「」(ズルズル…)
シン「何すんだよオッサン!二人のこと心配じゃねーのか!?」
ガブリエル「大人の男女二人の話に他人がとやかく出るものではあるまい?」
シン「…それは、そうかもしんねーけど…」
ラム「シン、おとなしく従うべき。彼の言っていることは正しい。」
シン「でもよ~…やっぱ、気になるじゃん?」
ガブリエル「フッ、まあ私も部下のことが全く気にならないわけでもない。」(サッ)
シン「何だそれ!?」
ガブリエル「超小型映像送信機だ。ツェップの科学力は世界一だからな。」(ニヤリ)
シン「オッサン!マジスゲエもん持ってんのなっ!!」(キラキラッ)
ラム「…人はそれを覗きや盗撮と言う…」
ポチョ(ソワソワ)(やはり女性と密室で二人きりとなると、緊張するな……)
エル(あれ?ポチョムキンさん、緊張してるのかな?見かけはワイルドそうなのに、意外とシャイな人なの?…これまたギャップがっ!ブフ…い、いけないっ!また妄想を爆発させるところだった…!!)
ポチョ「あ、あの…!」
エル「はいっ!?」(ビクッ)
ポチョ「その、エルフェルト殿は…どのような趣味をお持ちで…?」(モジモジ)
エル(やっだー!滅茶苦茶照れてるじゃないですかあーっ!!もっほーっ!!ハッ!いけないいけない!私、セーブセーブゥゥッ!!)
エル「こ、恋話と…ヤブ犬のモノマネです…」(チラッ)
ポチョ「ヤブ犬…?」
エル「はい!とっても可愛いんですよ?ずんぐりキュルキュルしてて…!ちょっと勇敢なところがまた素敵なんですっ!」
ポチョムキン「ほう…私は見たことがありませんが…エルフェルト殿がそう言うならとても可愛らしいのでしょうな。」(ホッコリ)
シン「あれ?エルが鼻血出してねえ!」
ラム「…エルが自分を抑えて暴走していない…これは珍しく頑張っている…」
ガブリエル「ふむ…ポチョムキンも今のところは大丈夫だな。」(見た目は可憐だというのに、暴走すると鼻血を吹くというのかあの娘は…)
エル「ポチョムキンさんはどんなご趣味を?」
ポチョ「…た、大変恥ずかしいことなのですが…」
エル「はいはい」(えっ…何だろう?)
ポチョ「その、絵を…描くことでして…」(カアア)
エル「…絵ですか!?」
ポチョ「…笑っていただいてもかまいません…大抵の人には似合わないと言われておりますから…」(ハハッ)
エル「そ、そんなことないですっ!!」(ガタッ!!)
ポチョ「!?」
エル「私っ!決めました!!ポチョムキンさんと幸せな家庭を築きます!!」\婚姻届出シーノ/
ポチョ「…あ…あの…」(な、何だこの娘は!急に様子が…!?)
エル「さあここに貴方のアーティスティックなサインをください!!」
ポチョ「何だと!?」(これは婚姻届ではないのか!?いつの間に!?)
ポチョ「す…少し落ち着いて考えられよ、エルフェルト嬢!我々はまだ知り合ったばかりで…!」
エル「わたしは至って冷静です!さあ二人で新しいキャンバスに恋の物語を描きましょう!う~ふ~ふ~!?」
ポチョ(何この娘怖い…!)\ガクブル/
ラム「…5分38秒…新記録だね、エル…」
シン「エルのやつ、どうしていっつも鼻血出すとああなっちまうんだ?」
ガブリエル「ポチョムキン!うろたえるな!まだ反撃の余地はあるはずだ!!」(グッ!)
エル「小さくてもいいから、郊外に庭付き一戸建てを買って!子供は最低4人欲しいです!ペットを飼うとしたら、犬派ですか?猫派ですか?私は断然ヤブ犬派なんですけど!?」
ポチョ「エルフェルト殿!す、少し話を…!」
エル「二人の愛に言葉は要りませんっ!!さあ今から教会まで新婚バラ色ブライダルエクスプレスです!!」(ゴゴゴゴゴ)
ポチョ「だ、駄目だこの娘…!私の力では抑えきれん!!」(後ズサリ)
エル「ふふふふ…乙女の宣戦布告です!覚悟してください!!」\ジャキーンッ!/
ポチョ「」(バックステップできなかったんだったorz)
ガブリエル「おおポチョムキン、小娘にしてやられるとは情けない!」
ポチョ「」\デストローイ!/
ラム「…前の王様よりは長かったね。8分23秒…進歩だよエル。」
エル「な、何で私いつもこうなの…?」(サメザメ)
シン「あのデカブツのロボオッサンでも無理だったなんて…!予想外にデンジャラスな結果になっちまった!」
ガブリエル「…ふむ…ポチョムキンですら適わん相手となると…これは人選が限られてこよう…」
エル「ううっ…やっぱり…私にお見合いなんて、無理だったのかな…」
ラム「…エル…」
シン「諦めんなってエル!言ってもまだ二回目だぜ!?」
ガブリエル(…この娘の相手をしても怯まず女性の扱いに長ける男…ヤツは妻帯者だしな…他を当たるとなると…ん?)
ガブリエル「ポチョムキンよりは頼りないかもしれぬし、女性の扱いに長けるかはわからぬが…もしかしたら、会ってくれる男がいるにはいるな。」
シン「えっ!?誰だそれ!?」
ガブリエル「フ…聞いて驚くな、一国の大統領だ。…いや、これからなる男と言うべきか…」(ニヤリ)
~ぷれしでんとハウス~
チップ「What?OMIAI(オミアイ)?」
ガブリエル「そうだ。聞くまでもないと思うが、意味はわかっているな?」
チップ「Shit!バカにしないでくれよ!ジャパン式のコンヤクデートだろうが!」
ガブリエル「お前も大統領と言うものを目指すのであれば、傍らにファーストレディなるものがいてもおかしくはないだろう?」
チップ「それって今必要なモンじゃねえだろ?そういうのは、大統領になるって目標を達成してからやるモンだ!」
ガブリエル「まあ、会うだけ会ってみろ。人生の教訓の足しにはなるだろう。」\ピッ!/
チップ「チッ!言うだけ言って切りやがった!!Whewwww! 」
~後日・ぷれしでんとハウス・応接間~
エル「…これが三度目の正直!エルフェルト=ヴァレンタイン!不適格の人形どもを虐殺します!!」(ペチペチ!ぬふーっ!)
シン「エル、気合入れがデンジャラスなことになってんぞ…」
ラム「…エルはいつも張り切りすぎて失敗する…もう何も考えない方がむしろ上手くいく…」
エル「だ、だって、連王様にツェップの外交官さんに、未来の大統領さんだよ!?もう外交問題レベルだよ~!!」
シン「でもカイもあのオッサンも、あんま深刻って感じじゃなかったぜ?」
ラム「…他人にトラブルを押し付けて反応を見て楽しむ…暇つぶしの余興の一種…」(ボソッ)
エル「…ラム?何か言った?」(ジロッ)
ラム「…何でもないよ…」
チップ「Oh、…本当に来ちまったのか…」
アンサー「これは腹をくくるしかないですね、おかしら。見た目は結構可愛らしい娘じゃありませんか。…連王レオ=ホワイトファング及びツェップのポチョムキン特務外交官でも敵わなかった相手だそうですが…」
チップ「それはいいとしてよ、俺…なんかこう、心にひっかかるモンがあるんだ。何だろうな?…まあどっちみち断るつもりだけどよ…」
アンサー「…相手の女性には失礼ですが、おかしらにその気がないなら仕方ないですね…」
チップ「Hy!なんだ、シンも来てたのか!久しぶりだな!!」
シン「あっ!オンセンでこの前会った、色々知ってるスッゲー速い人!」
チップ「オイオイ、名前は覚えておいてくれよ?未来の大統領、チップ大統領様だからな?選挙のときは清き一票、よろしく頼むぜ?」
エル(うわあ~ニンジャさんだあ~!本物初めて見た!!)
チップ「…で、その~何だ、OMIAI(オミアイ)のことなんだけどよ…」
エル(一かバチか!もう当たって砕けろ!!)「あのっ!チップさんっ!!」
チップ「What!?」
エル「チップさんって、大統領になるのが目標だとか!!」
チップ「Exactly!よく知ってるじゃねえか!」
エル「だって私の未来の旦那様になられる方ですよ?それぐらい知ってて当然ですっ!」(ウフフ)
チップ「そうさ、俺は大統領になるんだ。」
エル「はい!とっても凄いことですよね!夢を持つ人って私、素晴らしいと思います!!」(うふふ~…チップさんが大統領だったら、私はファーストレディ!各国外交外遊で世界を飛び回って~…)
チップ「それが、今まで俺と関わって来てくれたヤツらとの約束なんンだよ。」(キラリ)
エル「…?」
チップ「コイツはよ、アメリカ合衆国の大統領の白亜館に入るために必要なモンなんだ。」(金のペンダントスッ)
シン「へーっ。じゃあ、アンタってそのアメリカの偉いヤツに知り合いがいんのか?」
チップ「まあな。今はもう辞めちまったけど、スッゲエ大統領だったんだぜ?」
チップ「俺はソイツと約束したんだ、大統領になってコイツなしで大統領の白亜館に入れるようにってな。その証なんだ。…まあ勝手に俺が一方的に約束しただけなんだけどな?」
エル「まさか…その一人の人のために…?」
チップ「いいや、ソイツとだけじゃねえ。死んじまった師匠も、ここにいるヤツらも全員、俺に関わった人間全部に俺は約束したんだ。」
エル「!!」
チップ「自分の力で大統領になって世の中変えてやるってな!」(グッ!)
アンサー「お、おかしら…!!」(グスッ)
チップ「大統領になるまでは、もっともっと修行しなきゃいけねえ。俺はまだまだMIJUKU(ミジュク)…そんなヤツはまだ女を幸せになんてできねえ…!」
チップ「だから、アンタとのOMIAI(オミアイ)デートは俺が大統領になってからにしてくんねえか?」
シン「な、なんだかよくわかんねえけど…コイツがスゲーやつだってことはわかった!」(ウルウル)
ラム「…人形のくせにずるいよ、こんな断り方…」(ジワ…)
エル「ずびー!!」\鼻血涙ドバーッ!!/
シン「エ、エル!?」
エル「ごめんなさい!私…ずっと自分のことばっかりで…!相手の殿方のお気持ちなんて、考えていませんでしたっ!!」
ラム「…エル…」
エル「グスッ…チ、チップさんにはこんな私なんかより、ずっと素敵な人が見つかるはずです!!」(涙フキフキ)
チップ「お前!そうネガティブ…ヒクツになっちゃいけねえっ!!」(ビシィ!)
エル「ふえ!?」
チップ「お前だってイイ女…YAMATONADESHIKO(ヤマトナデシコ)だぜ!?だから自分の信じることをやっちまえ!そうすりゃ俺よりイイ男が必ずカモンだ!!」(ニカッ!)
エル「は、はい!!」(ズビビーッ)
シン「エル!よくわかんねーけど、よかったなっ!!」(ズビビーッ)
ラム「…フラれた相手に説教をされる…客観的に見ればおかしい状況なのに…何なの、これ…」(ジワワ~…)
エル(トボトボ…)「ハア…結局みんな失敗しちゃった…」
ラム「…私は最初から結果は見えていたけれど…」
シン「ラム!ちょっと酷くねえ?その言い方!」
エル「やっぱり…私達ヴァレンタインに…人の感情を理解するなんて…無理だったのかな?」
ラム「…そんなことはない…」
エル「…ラム!?」
ラム「…今回のことで、エルは沢山学んだはず…」
シン「そーだぜ!?エルは鼻血吹いて暴走さえしなけりゃ結構上手くいきそうだったしなっ!!」
エル「もう…シンったら!」(プンプン)
ラム「エルはエルらしくすればいい。失敗しても私達ヴァレンタインは学習ならしていくことができる。」
シン「最後のえ~っと、ダイトウリョウって人も言ってたろ!?自分の信じることをやれってさ!!」
エル「ラム…シン…!!」
エル「そうだね!くよくよしてても女子力がアップするわけでもないし!よーし!早速ネイルサロン予約しちゃお!!」
シン「おう!その意気だぜエル!!」
ラム「…もっと表面的なところから離れた方がいいと思うけど…仕方ないよね、エルだし。」(フウ)
エル「私っ!ファイト!!」
~後日~
ソル「…俺がいねえ間にそんなことがあったのか…」(…ハア…その場にいなくて本当に良かったぜ…エルフェルトの見合い相手なんざさせられた日には憤死しちまうところだ…)
シン(温泉饅頭ムシャムシャ)「おう!色々ベンキョウしたぜ?オミアイって難しいんだなオヤジ!!」
ソル「まあな。…もっともお前の場合、見合いなんざ100年早い話だがな…」
シン「何だよそれ!?子供扱いすんなよなっ!!」
\ガチャッ!/
エル「あっ!ソルさん!帰っていらっしゃったんですね!?むふふ、早速私の女子力がアップしたかどうか試すため、よろしければ私とお見合いをして下さ(ry」
ソル「断る。」
エル「」
~イリュリア城~
レオ「練習とはいえ…そもそも俺ではなく、お前のところのシンがエルフェルト=ヴァレンタインと見合いをすればよかったのではないのか?」
カイ「何を言っているんですか!…結婚などシンにはまだ早すぎます!!」(キッ!)
レオ「…【親バカ】の項目にお前の名前を書いても構わんな?」(ワナワナ)
~ぷれしでんとハウス~
チップ「…いきなり来たもんだから驚いたぜ!何だって急に俺に会いに来たんだ?」
エリカ「だって…チップが女の人とお見合いしたって聞いて私…こう、何だかじっとしていられなくなっちゃって…」
チップ「Why?だから何でそこでお前が来るんだよ?」
エリカ「もう!一人の女性の気持ちもわからないなんて…そんなんじゃ大統領になんかなれないなんだからねっ!」(プイッ)
チップ「Jesus!俺が一体何をしたっていうんだ?」
アンサー「…おかしら…流石に鈍すぎますぜ…」
~イリュリア市街地・書店~
『吸血鬼スレイヤー卿が教える三日で覚えるダンディズム・女性の100の口説き方』
レオ「チラッ」(スッ)
ポチョ(スッ)
レオ・ポチョ「…!!」
レオ「まさか、お前もいわゆる…?」
ポチョ「…そういう貴方こそ…?」
レオ「…今度、イリュリア騎士団の婚活パーティがあるんだが…どうだ、一緒に?」(ニヤ)
ポチョ「…奇遇ですな…ツェップでも軍のお見合いパーティが開かれるそうなんですよ…」(フッ)
レオ・ポチョ「ガシィ!!」
以上です。読んでくださった方、ありがとうございました。
次回作までちょっと空く予定なのでコメディ番外編を投下させて頂きました。
ギルティギアXrdで恋人(想い人)がいなかったり、お見合いしても問題ないキャラって意外と少ないですね。
ジョニーは子持ちだし、ファウスト先生はなんかこう…重いものを抱えていらっしゃるので今回はパスさせていただきました。(ヴェノムは論外)
チップのペンダントやエリカについては『胡蝶と疾風』を読むことをオススメします。軽く読めるし面白いです。
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