橘純一『Snow halation』 (709)

アマガミ×ラブライブです

橘純一と高坂穂乃果のお話です

大将にならどんな女の子でも任せられるという方以外は
気分を害する場合がありますので、ご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436421962

~デアイ~
『アイドルが転校してくるらしい…どんな子なんだろう』

―――――教室

橘(朝、家を出てから学校に来るまで…)

橘(スクールアイドルが輝日東高校に転校してくるなんて話題で持ちきりだった!)

橘(しかも、入るのは僕のクラスじゃないか!)

橘(どんな子なんだろうなぁ!)ワクワク

梅原「よ!大将」

橘「おはよう、梅原」

梅原「朝からクラスが騒がしいな。やっぱりアレか?」

橘「うん。なんてったって高校生活史上最大のニュースだからな!」

梅原「なんだなんだ、大将まで興味津々かぁ」

橘「梅原はそうでもないのか?」

梅原「んー、まぁ人並みには、ってところだな」

橘「そうかぁ…」ソワソワ

梅原「…」

橘「…」ソワソワ

梅原「…もしかして、あわよくばとか思ってないだろうなぁ大将?」

橘「え?…まさかぁ」

梅原「マジかよ…相手はアイドルだぞ…」

橘「…そりゃそうだよ。わかってるよ!」

梅原「ならいいけどよ…手なんか出したら、ファンに殺されるかもしれないぜ?」

橘「だからそんなつもりは…」

梅原「ゼロでもないだろ?」

橘「う…」

梅原「ま、もしもその気なら、なんだかんだ俺は応援するぜ!頑張れよ大将!」

橘「だいたいまだ見たこともないのになんでそこまで…」

梅原「はっはっは!…おっと、麻耶ちゃんが来たか!どんな子連れてきてるかな~」スタスタ

橘(わりと楽しみにしてるなあいつ…)

高橋「みんなおはよう!HR始めるわよ」

高橋「と、その前に…もう知ってるとは思うけど、転校生が来ています。高坂さん!」

高坂穂乃果「はい!」スタッ

高坂穂乃果「こんにちは!転校してきました、高坂穂乃果です!よろしくお願いします!」

高橋「高坂さんは音ノ木坂学院でスクールアイドルとして活躍しています。今回は、期間限定の転校ということで輝日東高校に来てくれました。みんな、仲良くね?」

橘「期間限定?」ボソッ

棚町「なによ、知らないの?」ボソボソ

橘「薫。どういうことだ?」

棚町「スクールアイドルμ’sが、アイドル活動の一環として関東圏の高校のどこかに少しの間だけ転校して学生生活を活気付けよう!って企画らしいわよ」

橘「え?結構むちゃくちゃじゃないかそれっ」

棚町「そんなことアタシに言われてもね~。それよりも…いいじゃない純一、せっかくなんだから仲良くしたら~?」クスクス

橘「む…」チラッ

橘(たしかに…さすがはアイドル…)ゴクリ

棚町「あ、やらしい目」

橘「な、薫っ!」

ザワザワ…ヤッパカワイイナ…ザワザワ…カワイイ…

高橋「はいはい!静かに!」パンパン

穂乃果「えへへ」テレテレ

高橋「もう!ごめんなさいね高坂さん。それじゃ、席はあそこね」

穂乃果「はい!」テクテク

橘(…嘘だろ!?隣じゃないか!ありがとう神様!ひゃっほう!)

タチバナノトナリカヨ…イイナァタイショウ…ザワザワ…

穂乃果「よろしくね!」ニコッ

橘「は、はい!こちらこそ!」

ザワザワ…エガオガステキダ…ザワザワ…

高橋「HR始めるわよ!いいかげん静かにしなさい!」モー!

『休み時間に席にいられないなんて…すごい人気だなぁ』

~休み時間~

ワイワイガヤガヤ

穂乃果「…が…でね、…なんだよ!うん!」

ワーコウサカサンッテオモシロイネ!ワイワイガヤガヤ

橘「…」ボーッ

梅原「どうした大将。こんな端っこで」

橘「梅原…いや、席にいたんだけど、あまりの人だかりに押し出されて…」

梅原「あー、なるほどな。ま、そう上手くはいかない、ってこった!」ポム

橘「なにがだよ…僕は自分の席にいたかっただけだぞ!」

梅原「はいはい。そういうことにしといてやるよ」

棚町「純一~残念だったわね」

橘「だからそんなんじゃないって!」

棚町「あらそう?なんでもいいけど~」フフッ

田中「それにしても、すごい人気だね。高坂さん」

梅原「なんてったってスクールアイドル!だしなぁ」

橘「噂でしか聞いたことなかったよ。本当にいるんだな…」

棚町「有名どころだとA-RISEなんかはよく聞くわね」

橘「え!?薫、アイドルの曲なんて聞くのかっ!?」

棚町「違うわよ…名前はよく聞く、って言ってんの」

橘「でも僕はアライズ?も聞いたことないぞ…」

田中「それはちょっと遅れてるよ~」

橘「そんな!」

梅原「大将、テレビもっと見たほうがいいぜ…」

橘「梅原まで!?」

棚町「やーい流行遅れー」

橘「うぐ…」

梅原「ま、俺たちにはもっと他のアイドルがいることだし…な?」

橘「そ、そうだな!僕にはあのお宝本の…」

棚町「悲しい奴ら…」

田中「本当のこと言っちゃ可哀想だよ~」

橘「辛辣だね田中さん…」

梅原「でも、高坂さんの所属するところは聞いたことないな…」

棚町「それもそうでしょうね。地域的にA-RISEと被ってるし、話題的にも食われちゃってるみたい」

橘「…やけに詳しいな。やっぱりアイドル好きなんじゃないのか薫?」

棚町「たまたまよ。前買った雑誌で特集組んでたから覚えてただけ」

田中「あ、スクールアイドル特集号?」

棚町「そそそ。なんでも、大きな大会の地方予選でA-RISEがμ’sにライバル宣言したとかなんとか」

橘「ふーん…すごいことなんだろうなぁ…」

梅原「大将にはピンと来ねぇだろうなぁ」

橘「梅原だって、そんなに詳しいわけじゃないだろ!」

梅原「まぁな…」

梅原「っと、そろそろ次の授業だぜ。席に戻るとしよう」

棚町「戻れるといいわね~純一~」ヒラヒラ

田中「あはは…」

橘「ぐぬぬ…」

橘(…もう少しギリギリになるまで待たないと無理そうだ)

橘(でも、高坂さんか…あんな子とクリスマス、過ごせたら…!)

橘(というかそもそもアイドルなら恋愛禁止とかかもしれないぞ)

橘(無理、かなぁ…)

穂乃果「…」チラッ

橘「…」ボーッ

穂乃果「…それでね、…なの!」
ワーッコウサカサンソレホントー?キャッキャッ

キーンコーンカーンコーン…

チャイムナッチャッタ!セキツカナイト!

穂乃果「わわっ、次なんだっけ!数学?」ガサゴソ

橘(やっと席が見えたぞ!)スタスタ

橘(…くそぅ薫め、ニヤついてこっちを見るのをやめろ!)トサッ

穂乃果「…ねぇねぇ、橘くん?だっけ」

橘「うへぇい!?な、なに!?」

橘(しまった!変な声が出てしまった!)

穂乃果「ぷっ、ははは!そんなに緊張しなくてもいいよ~」

橘「は、ははは…」

穂乃果「さっきの時間はごめんね?私のせいで座れなくて…」

橘「え?いや、いいんだよ!うん!ぜんぜん問題ないよ!」

穂乃果「橘くんって優しいんだね!」

橘「ふ、普通だよこれくらい!」

穂乃果「そうかな…」

橘「うんうん」

穂乃果「じゃあ、普通の橘くん!改めて、よろしくね?」

橘「ははっ、うん!よろしく!」

橘(やった!高坂さんとおしゃべりできたぞ!)ニヤニヤ

橘(しかも、優しいって!悪くないんじゃないか!?)ニヤニヤ

梅原(大将…周りの視線に気付いていないのか…南無)

タチバナノヤロウ…セキガトナリダカラッテ…クソー…

薫「…」ジトォー…

『そろそろ家に帰るか…』

―――――橘家
橘(あれから、結局思ったように話しかけられなかった…)

橘(転校初日だからか、みんな食いつきがすごい)

橘(もう少し落ち着かないと、ゆっくり仲良くなんて無茶だ!)

橘(…午後はなぜか薫の機嫌も悪かったし)ハァ

橘(そういえば、期間限定、って言ってたけどどのくらい輝日東にいるんだろう)

橘(そうだよ!場合によってはあの人だかりが解消する前に音ノ木坂に戻っちゃうかもしれないじゃないか!)ムムウ

橘(まずはそれを調べよう!)オーッ

美也「…にぃに」

橘「うわ!?美也、いたのか!」

美也「そりゃいるよー!リビングで変なこと考えるのやめてよねにぃに!」

橘「ぼ、僕は別に変なことなんて…」

美也「落ち込んだり急にオーッ!って言ったり、変だよ!」

橘「う…外に出てたとは…」

美也「でもにぃに、今日は調子良さそうだね?なにかいいことあった?」ニシシ

美也「もしかして、かわいい女の子と知り合いになれたとか?」

橘「なんだ、美也は知らないのか」

美也「ふぇ?なにが?」

橘「転校生だよ!僕のクラスにアイドルが転校して…」

美也「あー!!!!!そうだ、忘れてたぁ!!!」

橘「うわ!急に大声出すなよ!」

美也「そんなのいいじゃん!みゃーサイン貰いにいきたかったのにぃ!」

橘「サインって…また明日でいいんじゃないか?」

美也「はっ!そうか!明日絶対貰いにいこ~♪」

橘「というか美也、高坂さんを知ってるのか?」

美也「知らないよ?今貰えば有名になったときに価値が出るかも!」

橘「なんてヤツ…」

美也「あ、でも、逢ちゃんとパソコンでμ’sの歌は見たよ!すごかった!」

橘「へ?パソコンに動画があるのか?」

美也「ゆーちゅーぶにあったよ!にぃにも見てみたら?」

橘「…うん、そうしようかな」

美也「じゃあ、みゃーはお風呂に入ってくるのだ!覗かないでよ?にぃにっ」スタスタ

橘「覗くかっ!」

橘(…パソコンか。見てみようかな)スクッ

―――――自室

橘「えーっと…」カチカチッ

〈ハロウィンイベント♪スクールアイドルライブ動画!〉

橘「これかな?」カチッ

イッツアマージカール!フシギガグウゼンヲマーネイーテールー

橘「…!」

橘(高坂さんだ。本当にアイドルなんだな…)

橘(高坂さん以外にも、こんなにかわいい子達が…)

モットモットーオードラセテー! ミンナミンナートーマラナイー!

橘(…すごい。こんな人が、うちの高校に…

橘「…」

橘(…ん?μ’sの紹介ページ?)カチッ

橘「リーダー…高坂穂乃果…リーダー!?」

橘(すごいじゃないかっ!高坂さん、リーダーなんて!)

橘「ダンス、歌はもちろん、衣装までグループ内で仕事を分けて手作りしてます…」

橘「ラブライブ出場、優勝に向けて頑張ります?ラブライブってなんだろ…」ハテ

橘「…」カタカタ

――――――――――――――――

―――――――――――

――――――

橘「…」

橘(なんてこった…)

橘(スクールアイドル…μ’s…)

橘(僕が思ったよりもアイドルって…すごいんだ)

橘(目標があって、努力して、有名になって…)

橘(…僕がどうこうしようなんて、ムシがよすぎるよ)

橘「…」

橘(でも、友達くらいなら…)

橘(音ノ木坂は女子校だし、見た感じ男の友達は少ないだろうから…)

橘(高坂さんの唯一の男友達!)

橘(うんうん、いい響きだぞ!これを目指そう!)

橘「やってやるぞー!」グッ!

パソコン<ファイトダヨッ!

『高坂さんはいつまでいるんだろう…転校期間を調べるぞ!』

―――――廊下
橘「先生!」

高橋「ん?橘君。どうかしたの?」

橘「高坂さんって、いつまでここにいるんですか?」

高橋「ああ、特別転校期間のことね。高坂さんは1ヶ月、輝日東高校にいるわよ」

橘「1ヶ月…」

高橋「ええ。よく知らないけれど、アイドルの大きな大会があるからその前には帰る、って言ってたかしら」

橘「あ…」

橘(そうか…ラブライブの最終予選があるから…)

高橋「先生が知ってることはそのくらいね。あとは本人に聞いてみて?」

橘「はい!ありがとうございました!」

橘(考えてみたら、すごく忙しい時期に来てしまったんじゃ…!?)ウーン

橘(大丈夫なんだろうか…)スタスタ

??「あっ!おにいちゃん!」

橘「…ん?」クルッ

??「みゃーっ!!」ガバッ

橘「ごふぅ!?」バキィ

??「はっはー!ボーっとしてるからだよっ!」

橘「み、美也!ひどいじゃないかっ!」

美也「へへーん!みゃー悪くなっいもーん!」

七咲「もう、美也ちゃん。はしゃぎすぎだよ」

橘「七咲も一緒だったのか。でもなんで二年生の階に…?」

美也「忘れたの?これだよこれっ!」バッ

橘「ああっ!そ、それは…!」

美也「じゃーん!高坂穂乃果さんのサインだよ!」

七咲「二年生の中に切り込んでくのは流石に勇気がいりましたけどね」スッ

橘「本当にもらったのか。七咲まで…」

美也「いいでしょー!おにいちゃんも頼めばー?」

橘「美也、なにか迷惑かけなかったか?」

美也「え?なんにもしてないよ!サイン貰っただけだもん!」

橘「無理やり書かせたりとか…」

美也「むっ!みゃーがそんなことするわけないじゃん!ばかにぃに!」

美也「逢ちゃん行こ!」プンプン

七咲「あっ、待ってよ美也ちゃん…それでは、失礼します先輩」タッ

橘「あ、うん。…サインかぁ」

橘(僕も貰おうかなぁ…)

『今日は梅原との取引の約束が…屋上へ行こう!』

~休み時間~
橘「さて…」スクッ

橘(高坂さんに浮かれてばかりはいられないぞ!なぜなら…)

橘(今日は梅原との大切な取引がある!)バーン!

橘(あの部屋にお宝本を取りにいかないと!)

橘「~♪」スタスタ

―――――屋上
橘「さて…誰もいない、かな…?」ガチャ

橘「…」キョロキョロ

橘「…いないよね?」スタスタ

橘(よし…)グッ

穂乃果「…」トビラノカゲカラソロー…

穂乃果「…」アレハ…タチバナクン?

穂乃果「…」ピコーン!

穂乃果「…」ソロリソロリ

橘「さて、ここを…」ガッ

穂乃果「…」スゥゥ

穂乃果「わっ!」

橘「うわあああああ!!!!」ドンガラガッシャーン

穂乃果「うわあ!そんなに驚かなくても!」

橘「…高坂、さん?」キョトン

橘(なんてこった!よりにもよって高坂さん!)

穂乃果「大丈夫!?ごめんね、そんなに驚くとは思ってなくて…」アワアワ

橘「ははは…びっくりしたよ…」スクッ

橘(よし、どうやらバレてない…)

穂乃果「あっ、これ、よかったら使って!」スッ

橘「ハンカチ…そんな、悪いよ」

穂乃果「ううん!私のせいでそんな汚れちゃったんだから!」ハイッ

橘「うーん…じゃあ、ありがたく。洗って返すよ」フキフキ

穂乃果「別にいいよ~」

橘「流石にそれくらいは…」

穂乃果「えー?そっか…いつでもいいからね!」

橘「うん。ありがとう」

橘「…」ハッ

橘(高坂さんのハンカチ…!?彼女はこれで毎日手を拭いているのか!なんてこった!)

橘「ジーザス…」ボソッ

穂乃果「え?」

橘「な、なんでもないよ!」ビクッ

橘(危ない危ない…)

穂乃果「橘くんは屋上でなにしようとしてたの?そこの奥に行こうとしてたみたいだけど…」

橘「な、ななななんでもないよ!ただ、風が気持ちいいからね!屋上最高!」

穂乃果「ふーん?怪しい…」ジトッ

橘「そんなこと…ナイヨ?」ダラダラ

穂乃果「…まぁいいや!私もね、屋上好きなんだ!」

橘「へぇ…なんで?」ホッ

穂乃果「あのね、スクールアイドル…μ’sって言うんだけど、その練習場所が学校の屋上なの」

橘「屋上で?珍しいね」

穂乃果「そうでしょ?…結成したとき、あんまりいい場所がなくてさ。消去法で屋上になったんだ」タッ

穂乃果「最初は日陰もないし雨が降ったら練習できないしでさ…」スッ

穂乃果「あんまり、好きじゃなかったんだ。特別感はあったけど、そんなの最初だけで…」

橘「…」

穂乃果「μ’sのみんなでずっと練習してきたから、愛着が湧いたのかな。気付いたら、屋上がとっても特別な場所に見えてきて…」サァァ…

穂乃果「今じゃ大好きなんだ!だから、この学校の屋上はどんなだろうって…」クルッ

橘「…」ポーッ

穂乃果「…聞いてるかな?橘くん?」オーイ

橘「綺麗だ」ボソッ

穂乃果「ぅへえっ!?そ、そんな、急に、なに!?」カァッ

橘「…へ?あっ、く、口に出てた!?ごめん!ごめんなさい!」

穂乃果「もうっ!からかうのも限度があるよ!」

橘「か、からかったわけじゃないんだけど…」

穂乃果「う…お話オシマイっ!ほら、そろそろ行かないと授業はじまるよっ!」ダッ

橘「あっ、高坂さん!…行っちゃった」

橘(でも、顔真っ赤だったな…褒められ慣れてないんだろうか…)

橘(柵の向こうを眺めている横顔…綺麗だったな…)

橘(あんな子と友達になれたら…)

橘(…友達)

キーンコーンカーンコーン…

橘「…やばい!授業がっ!」ダッ

橘(高坂さん、もっと仲良くなれたらいいなぁ…)タッタッタッ…

『昼休みだ!今日は購買で済ませようかな』

~昼休み~
橘「今日はどこに行こうかな」

橘(梅原を誘って学食…でも、今行っても混んでるだろうしなぁ)

橘(購買でパンでも買おう)スタスタ

橘「これとこれと…これで!」

購買のおばちゃん「はい、350円ね」

橘「350円、350円…」ガサゴソ

橘「…ん?」ガサゴソ

橘(さ、財布がないっ!)ダラダラ

おばちゃん「?どうしたの?後ろつっかえてるから早くね」

橘「あ、すみません、やっぱいいです…」スッ

橘(ツイてないなぁ…どこで落としたんだろう)

穂乃果「すいません!これとそれ一緒で!」バッ

橘「え?」

おばちゃん「はいはい…800円ね」

穂乃果「う…高い…」チャリン

おばちゃん「はい、次―」

橘「こ、高坂さん!?」

穂乃果「うん!財布、忘れたんでしょ?私もよくやるからさー」アハハ

橘「ありがとう…じゃなくて!悪いよ!」

穂乃果「…流石におごりはキツいから、返してもらえると助かるけど…」

橘「もちろんだよ!財布見つかったら返すから!」

穂乃果「ごめんね?今月厳しくてさ!」

橘「こっちこそごめん…すぐ返します!」

穂乃果「いつでもいいよ!それじゃ、私クラスの子と約束してるから行くね!」

橘「うん、助かったよ」

穂乃果「いいのいいの!またね!」スタスタ

橘「また…」フリフリ

橘(…高坂さんと縁があるのはいいことだけど)

橘(情けないところしか見せてないじゃないか!)

橘(ハンカチの次はお金まで借りるなんて…)

橘「…はっ!財布探さないと!」ダッ

―――――屋上
橘(…やっぱり。ここですっ転んだときに落としてたんだ)スッ

橘(あっさり見つかってよかったなぁ)

橘「天気もいいし、たまには静かにここで食べるとするか」ストッ

橘(…)ガサゴソ

橘(…もうすぐ、12月だ)

橘(この間、クリスマスには素敵な女の子と過ごす、なんて梅原に大見得切ったはいいけど、まだなにもできていない)

橘(こんな調子で大丈夫だろうか)モグモグ

橘「高坂さん、かぁ」

橘(出会ってまだ日は経ってないけど、いい子だよなぁ)ウンウン

橘(かわいいし、なんというか、アイドルなのに庶民的な感じもあって)

橘(それにさっきの横顔…綺麗だったな)

橘「…」モグ…

橘「…」ハッ

橘(ダメだダメだ!高坂さんはアイドル、高坂さんはアイドル…)ブンブン

橘(決めたばかりじゃないか!目指すは友達!)ウンウン

棚町「…アンタ、さっきから一人でなにしてんのよ」

橘「うわっ!…なんだ薫か」

棚町「なんだとはなによ。せっかく美少女薫ちゃんが話しかけてあげたって言うのにぃ」

橘「はぁ…」

棚町「…あれ?ツッコミは?」

橘「なんでやねん」

棚町「投げやりすぎよ!つれないわねー」

橘「いつも通りだろ」

棚町「どうかしらね。話しかけたのが高坂さんだったらよかった?」

橘「なッ…!」

棚町「図星?図星?」

橘「…そんなこと、ないよ」

棚町「あっはは~わかりやすぅ!いじり甲斐のあるやつめ」ウリウリ

橘「やめろよ~…それで薫、なんで屋上に?いつも昼は田中さんと教室にいるじゃないか」

棚町「あー…そうね。ちょっと、純一愛しの高坂さんがね…」

橘「やめろってば。高坂さんがどうかしたのか?」

棚町「教室でお昼食べてるんだけど、すごい人で…」

橘「な、なるほど」

棚町「昼休みは普通の休み時間より長いでしょ?それで、他のクラスや学年からもわざわざ見に来てる人が多くて…廊下まで混んじゃって」

橘「すごい人気だな…」

棚町「そんな中でご飯食べても、でしょ?だから出てきた、ってワケ」

橘「薫らしいよ」

棚町「どういう意味よそれ」

橘「はは…で、たまたまここに来たってことか」

棚町「そういうこと」

橘「田中さんは?」

棚町「あ、それ聞いちゃう?聞いちゃう?」

橘「なんだよ。別にいいだろ」

棚町「んっふっふ~恵子~!」

田中「…」ウツムキソロソロ…

橘「田中さん、後ろにいたんだ。…なんで頭からカーディガン被ってるんだ?」

棚町「あんたねー…ひと目でわからない?普通」

橘「え?」

橘(…)ジロジロ

田中?「…」

橘(…よく見ると、いい足をしてるな…ちょうどいい肉感、というか…柔らかそうで尚且つジャストな太さを保つ絶妙な太もも、運動の痕跡をかすかに残す引き締まった足首とふくらはぎ…)ジロジロ

橘(…田中さんってこんなに扇情的だっただろうか。いや、ありえない)

橘(田中さんには悪いけど、こんな足の持ち主なら僕の紳士レーダーに引っかからないわけがない!)

橘「薫」

棚町「…なによ。今アンタのエロい目つきにドン引きしてたところなんだけど」ジト

橘「そ、そんな目して…!たのかな…」

棚町「面倒ねぇ…落ち込まない落ち込まない!で、なんなのよ」

橘「彼女は…田中さんではない!」

棚町「ほう、その心は?」

橘「圧倒的なバランスを誇るその足だ!」バーン!

田中?「…!」カァッ

棚町「ププッ…純一…本当にアンタは…」プルプル

橘「はっ!しまった、つい!」

橘(僕は何を言ってるんだ!偽田中さんにもヒかれてしまう!)

田中?「うー…」ワナワナ

田中?「橘くん!」バッ

橘「へ?…ほあああああああ!こ、ここここここ高坂さん!!!???」

穂乃果「もー!恥ずかしいこと言わないでよ!」プンプン

橘「ご、ごめん!でも、なんでここに…?教室は!?」

穂乃果「それがね、棚町さんが…」

棚町「あっはっはっはっは!ひー!お、お腹痛い!」ゲラゲラ

橘「いつまで笑ってるんだよ!」

棚町「はー…恵子に身代わりになってもらって連れてきたのよ」

橘「…流石に無理が無いか?全然違うような…」

棚町「演劇部で似た髪形のカツラがあったからさ。それを被せてちょちょっとね?」

穂乃果「スパイみたいで楽しかったよ!…だけど、よかったのかな。田中さんにもクラスのみんなにも悪いような…」

棚町「大丈夫よー。それに、高坂さんもお昼食べる隙が無かったでしょ?」

穂乃果「それはそうだけど」

棚町「みんなちょっと騒ぎすぎなのよねー…確かにこの学校にはいないタイプだけど…」

穂乃果「興味を持ってくれるのは嬉しいよっ!…あんなに人が集まるとは思わなかったけど」

橘「そんなにすごかったんだ」

棚町「ええ。言ったでしょ?廊下までごった返してる、って」

橘「想像したくもないよ…」

棚町「相当鬱陶しかったのよね~。ね?高坂さん?」

穂乃果「…っ!」

穂乃果「うっとうしくなんて!ただ、こういうの初めてだったから、戸惑ってただけだよっ」バッ

棚町「!」ビクッ

穂乃果「せっかく私に興味を持ってくれた人を、うっとうしいなんて思わないもん!」

穂乃果「みんな、どんな気持ちであれ、穂乃果に会うためにあんなに集まってくれたんだよ?」

穂乃果「たしかにお昼は食べ辛い雰囲気だし、興味ない人にはすごく迷惑だったからそれはごめんなさいだけど…」

穂乃果「だからって煙たがるのは間違ってるよ!だって、だって穂乃果は…」

穂乃果「穂乃果は、アイドルだからっ!」

橘「高坂さん…」

棚町「…」

穂乃果「…」ハッ

穂乃果「ご、ごめん。急に大声出しちゃって…」

棚町「…こっちこそ、ごめんなさい」ペコ

穂乃果「そんな、棚町さん、頭上げてよぅ」オロオロ

棚町「高坂さんの思いを踏みにじったのは事実だわ。高坂さんはアイドルだもの。そりゃ怒るわよね」

穂乃果「棚町さん…」

棚町「恵子もそろそろばれるでしょうし、教室戻りましょう?今ならまだ時間はあるし」

穂乃果「…」

穂乃果「…ううん!穂乃果、ここでお昼食べる!決めたよ!」

棚町「高坂さん…」

穂乃果「考えてみたら、今戻ってもまた戻る道で騒ぎになっちゃうかもでしょ?ここには棚町さんもいるし、橘くんもいるし、三人でお昼にしよ!」

穂乃果「みんなには後で謝っておくよっ!」

棚町「…」

棚町「…そう、か…ふふ…ふふふふっ」

橘「か、薫?」

棚町「はははははははははははははははははははははははははっ!」

穂乃果「棚町さん!?」

棚町「はぁーあっ。お昼にしましょうか。雰囲気、悪くしてごめんねっ?」

橘「…まったくだよ。僕と高坂さんじゃなけりゃ絶交モノだな」

穂乃果「橘くん…うん!そうだね!」

棚町「そうだね、って…なかなか言うわね高坂さん…」

穂乃果「穂乃果でいいよ!」

棚町「え?」

穂乃果「高坂さん、なんて寂しいじゃん!穂乃果って呼んで!」

棚町「…わかった。穂乃果。私も、薫でいいわ」

穂乃果「うんっ!薫ちゃん!」ダキッ

棚町「うわ!?急に抱きついてこないでよ!危ない!」

穂乃果「えへへー!モフモフー♪」スリスリ

棚町「こらぁ!離れなさいって!」

橘「ははは…」

橘(こうして、薫と高坂さんの間に友情が生まれた…)

橘(あの薫が一発でここまで気に入るのも珍しいな)

橘(ちなみにこの後カツラを被った田中さんの変わり果てた姿が教室で発見されるのだが、)

橘(この話は薫がパフェをおごる事で手打ちになった。それでいいのか…)

事故です
htlm依頼を出しました。

すみません
友人にスレ立てと50前後まで書き溜めを投下するよう頼んだのですが、
頼んだものと別のものを投下してしまってこんな感じです

変に投下してしまったので
読みたい方いらっしゃるなら頑張って書きますが…

いかがでしょう…
まだ依頼も取り消せますよね…?

書いてくれ
無能運営だからhtml化するのはまだまだ先だからそれまでに書けば大丈夫

>>65
了承しました。
それでは書かせていただきますが、
書き溜めもクソもないので、投下スピードは遅めだと思われます。
依頼は取り消しておきます。

それでは続きです。
がんばるのでどうぞよろしくお願いします。

『もう夕方だし、帰ろうかな…』

橘「ふぁ…」

橘「…えっ!?」

橘(夕日が…誰も起こしてくれなかったのか!)

橘(ヒドイなぁ…そういや、梅原と取引があったはずなんだけど…)

橘(あいつが反故にして帰るとは思えないし…なにかあったんだろうか)

橘「…ん?あれは…」

橘(なんだろう。カバンの上に本…?なんで教壇の机の上に?)

橘「というか、カバンは僕のじゃないか!誰だまったく…」ガタッスタスタ

橘(あれ…本の上にも何か…)カサッ

橘「メモ?…〈大将へ。ぐっすり眠っているからこの本はカバンの中に入れておく。ブツは今度でイイが、早めにたのむぜ! 梅原〉」

橘「梅原…!お前ってヤツはなんて良いヤツなんだ…!」

橘「でも、なんでそれが机の上に…?あと、メモに続きが…」

〈天誅! 薫〉

〈橘くんも男の子だもんね…うん… 穂乃果〉

橘「は…」サァーッ

橘「か、か、か、か…」ブルブル

橘「薫ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」

橘(なんてことを…なんてことをしてくれたんだ…)ガクッ

橘(薫や田中さんならまだしも…高坂さんにお宝本が…)

橘(終わりだ…終わり…)

橘(はぁ…とりあえず、本はしまって…)ゴソゴソ

橘(帰ろう…)トボトボ

―――――校門
橘「…」トボトボ

?「おーいっ!」

橘「…」

?「こら!無視すな!」ペチ

橘「てっ!…薫!お前、この!」

薫「なによー面白かったでしょ?学校にあんなもの持ってくるからよ!」

橘「くっ…そもそもあれは梅原の…」

棚町「じゃあ、アンタは持ってきてないのね?」

橘「そ、それは…うん、まぁ…」

橘「というか薫、こんな時間まで何やってたんだ?」

棚町「あ、話題変えてごまかすつもりね?」

橘「い、いいだろ別にっ!」

棚町「ふふーん?アタシは補習。水泳のね」

橘「サボらなかったのか。偉い偉い」

棚町「なによその態度。せっかくこの子も連れてきたのに…」

橘「この子?」

穂乃果「穂乃果だよっ!」ヒョコ

橘「うひゃっ!高坂さん!?」

穂乃果「うー、隠れるのも疲れるなぁ…いいリアクション取れたからいいか…」トントン

棚町「なんでも、全体の練習がない日は一人で練習してるらしくて」

穂乃果「たまたまそこで会ったんだよねっ!」

橘「そっか…練習って、アイドルのだよね」

穂乃果「うん!振り付け覚えるのは一人でもできるから!」

橘「大変だなぁ」

棚町「そ・ん・な・こ・と・よ・り、純一!どうだった?穂乃果からのコメントは?」

橘「ぐっ…今それはいいだろ…」

穂乃果「あー!そうだよ橘くん!あんなの学校に持ってきちゃだめ!」ズビシ

橘「はぅっ!」ズキューン

穂乃果「破廉恥だよっ!」

橘「は、破廉恥…」グフッ

棚町「あっはは!効いてる効いてる!」

橘「薫ゥ…」

穂乃果「もう!反省しなさい!」

橘「は、ハイ…」

棚町「さ、変態は放っておいて帰りましょ?穂乃果」

穂乃果「え、いいのかな…」

棚町「いいのいいの。これで反省するでしょ!」

穂乃果「う、うん…橘くん、また明日ね!」

橘「はい…」

棚町「穂乃果やっさしー!純一、しゃきっとね!」ヒラヒラ

橘「ぐ、ぐぐぐぐ…」

橘(薫と高坂さんは夕闇に消えていった…)

橘(…ふぐぅぅぅぅぅ)

『梅原…すまん…』

橘「梅原…」

梅原「ん?どうした大将。昨日のブツはお気に召さなかったか?」

橘「そのことなんだがな…」

梅原「んあ?」

――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

――――――――――

橘「…と、いうわけで薫だけではなく高坂さんにも…」

梅原「おま!俺までヒかれてるじゃねーか!」

橘「だからすまん!僕の監督不行き届けで!」

梅原「く…しかし、なんで棚町はわざわざ大将のカバンの中身を改めたんだ…?」

橘「あ、そういえばそうだな…」

梅原「だろ?俺はしっかり中に押し込んだんだぜ?外からは見えないはず…」

橘「うーん…」

穂乃果「何の話?」ヒョコ

橘「わっ!?高坂さん!?」

梅原「な、なんでもないっすよぉ?」

穂乃果「む、梅原くん怪しい…内緒話~?」

橘「なんというか…男同士の秘密の花園というか…」

梅原「そ、そうそう!秘密の…花園?」

穂乃果「ふーん?お邪魔しちゃったかな」

棚町「ほ~のか!そいつらの話なんてどうせどうだっていいことなんだからあんまり真剣に聞いちゃだめよ~?」

橘「薫、失礼な!」

梅原「そうだぞ!重要案件だ!」

穂乃果「秘密の花園が?」

棚町「花園?気持ち悪…ほら、穂乃果行くわよ!バカがうつる~」スタスタ

穂乃果「ええ?ちょっと言いすぎだよ…待って!薫ちゃん!」タッタッ

橘「…散々だな」

梅原「今回の件については棚町にも何かしらあるはずなんだが…」

橘「まぁ、今度薫だけのときに聞いてみるよ」

梅原「そうだな。高坂さんがいると調子が狂う…」

本日ここまでです。
土曜日は忙しいので、次の投下は日曜の夜中だと思います。

読んでくださっている方、ありがとうございます。
一人称やキャラクターについて、意見がある場合言ってくれると助かります。

『高坂さんにお金を返すぞ!』

橘(と思ったけど、高坂さんはどこに…)

橘(昼休みだし、薫と一緒かな…)

橘(とりあえず僕も昼食にしよう。梅原はいないし、今日も購買かな…)

―――――
橘「さて。どのパンにしようかな…」

穂乃果「うぅ~…」ショボン

橘「…高坂さん?」

橘(すごい落ち込んでる…なにかあったのかな)

橘(それにしても…高坂さんって犬っぽいなぁ…耳と尻尾が垂れ下がってるのが見えるようだよ!)

穂乃果「…あ、橘くん」

橘「はっ!?こ、高坂さん!どうかしたの?」

穂乃果「うん…持ち合わせが足りなくて…」

橘「…その割にはパンたくさん持ってるみたいだけど」

穂乃果「あと一つ…!欲しかったんだよ!でも仕方ないね…」ショボン

橘(ううっ!なんてかわいさだ!こんなの耐えられないぞ!)

橘(…待てよ、僕ちょうどお金を返そうとしたところじゃないか)

橘「高坂さん、どのパンが欲しいの?」

穂乃果「え?…あの幻のカツサンドだけど…」

橘「なにっ!?まだ残って…!?」

穂乃果「そうなんだよー…すごい珍しいから買おうと思ったのにぃ…」

橘「…よし、高坂さん、ちょっと待っててね」スタスタ

穂乃果「?」

橘「すみません、カツサンドください」

おばちゃん「はいよ。運がいいねぇ」

橘「はは、ありがとうございます」

穂乃果「!? もしかして橘くん…」

橘「おまたせ!これ…」

穂乃果「見せびらかして食べる気!?ひどいよ橘くん!あんまりだよ!!」ウワーン!

橘「ち、違うよ!これ、あげるって!」サッ

穂乃果「…へ?くれるの?」

橘「うん。この前、お金貸してくれたでしょ?そのお返し」

穂乃果「…あー!そんなこともあったね!」

橘「忘れてたんだ…」

穂乃果「でも、悪いよ!カツサンド、滅多に食べれないんでしょ?」

橘「いいんだよ。高坂さんは1ヶ月でいなくなっちゃうけど、僕はあと1年もチャンスがあるし」

穂乃果「うーん…でも…」

橘「いらない?」スッ

穂乃果「あっ…」ショボン

橘「…」

橘「…」サッ

穂乃果「!」パァッ

橘「…」スッ

穂乃果「うぅ」ショボン

橘「…」サッ

穂乃果「!!」パァッ

橘(かわいい…喜んでるときにはぶんぶん尻尾を振ってるのが見えるようだよ!)

橘(恐るべしほのわん…)

橘「はい、あげる」ポン

穂乃果「うう!あ、ありがとう…橘くん…」

橘「お返しだから、気にしないでいいよ!」

穂乃果「…うん!わかった!ありがとね!」

橘「こちらこそ、いいもの見せてもらってありがとう」グッ

穂乃果「うん?」



橘(高坂さんにカツサンドをおごった)

橘(かわいかったなぁ…)

橘(あまりのかわいさに自分の分を買わなかったから、死にそうだけど…)

橘(その価値はあったね!)

橘(…飢える)

『薫だ…この間のお宝本事件について聞こう!』

橘「薫!」

棚町「んー?なによ純一」

橘「この間の話なんだけど…」

棚町「え?なに?」

橘「お宝本が高坂さんに見られた事件だよ!」

棚町「…あぁ~!懲りた?」

橘「…」

棚町「なによ。黙らなくてもいいじゃない」

橘「懲りたかどうかは別として…」

棚町「え~?」

橘「薫、僕のカバン漁ったのか?」

棚町「はぁ?なんで純一のカバンなんて漁らないといけないのよ」

橘「梅原曰く、お宝本は外からは決して見えないところに押し込められていたらしい。カバンを開けて中を改めない限りは見つからないだろ!」

棚町「あー…そういうことね。説明してもいいんだけど…」

橘「けど…?」

棚町「穂乃果~!」

穂乃果「ん~?薫ちゃん、何~?」スタスタ

橘「なっ!」

棚町「純一が聞きたいことがあるってさ」

穂乃果「橘くん?なに?」

橘「いや、その、僕は薫に聞きたいんであって…」

穂乃果「?」

棚町「実はね純一」

橘「ん?」

棚町「あの本がどうして外に出たのか…あたしもよくわからないのよ」

穂乃果「!!」

橘「へ?どういうことだ?」

棚町「そう、あれはあたしが水泳の補習を思い出して水着を教室に取りに行ったとき…」

―――――――――――――

棚町「補習だるいわね~…でも行かないと終わらないし…」

棚町「水着水着…」ガラッ

穂乃果「ふえっ!?」

棚町「わっ!…穂乃果?なにしてるの?」

穂乃果「あ、薫ちゃん!こ、これは…その…」

棚町「? 何、その本…」サッ

穂乃果「ああっ!」

棚町「…桃色スナイパー12月号」

穂乃果「あの、その…」

橘「すぅ…すぅ…」zzz

棚町「…なるほど。純一のか…」

穂乃果「あ、…そう!橘くんが持ってたの!ダメだよねぇ学校にこういうの持ってきちゃ!」

棚町「ふーん…じゃあ、少しオシオキしちゃう?」ニヤッ

穂乃果「オシオキ…?」

――――――――

棚町「と、まぁそんなわけよ」

橘「えぇ!?じゃあ、高坂さんが僕のカバンを…!?」

穂乃果「うぐ!」

穂乃果「ち、違うよ!あれはそう、練習しようと思ったとき…」

―――――――――

穂乃果「今日は全体練習無いけど…」

穂乃果「1人で出来ることはしよう!」

穂乃果「ということで、みんな帰っただろうし教室で着替えをー…」ガチャ

橘「すぅ…すぅ…」

穂乃果「…橘くん?」

橘「…」ムニャムニャ

穂乃果「寝てる…すごくやすらかに…」

穂乃果「…」

穂乃果(着替えても大丈夫かなぁ)

穂乃果「起きない…よね?」

橘「…」スー…スー…

穂乃果「大丈夫大丈夫、静かに着替えよう」

――――――――

橘「ストップ!」

穂乃果「なに?」

橘「あの時、僕の真横で着替えてたってこと!?」

穂乃果「う、うん…席隣だし、そうなるかな」

橘「…」ツゥーッ

棚町「なに泣いてんのよ」

橘「…なんでもないんだ」

穂乃果「えぇーっと…続けていい?」

橘「いいよ…」

―――――――――

穂乃果「よっと…」シュル

穂乃果「練習着練習着…」ガサガサ

穂乃果「あった!よい…しょ」ハキハキ

橘「むぐぐ…高坂…さん…」

穂乃果「ぅえっ!?お、起きたの橘くん!?」ビックゥ!

穂乃果「って…うわわ!」グラ


ガッ!ダッ!バタン!

穂乃果「ふぅ…倒れるところだったよ、危ない危ない」

橘「スゥ…スゥ…」

穂乃果(橘くんも寝言みたいだし…よかったぁ)

穂乃果「…ん?あれは…」

穂乃果「あ、カバンかぁ。さっきので落としちゃったみたいだね」

穂乃果「…?」

穂乃果「これは…本?」

穂乃果「橘くんのかな…」ヒョイ

穂乃果「…!!これは!」カァァ

棚町「~♪」ガラッ

―――――――

穂乃果「と、いうわけで…」

橘「そっかーなるほどね!…はぁ」

棚町「何考えてるのか丸わかりよ純一…」

穂乃果「もー!橘くん!」

橘「な、なんのことかな!?わかんないな!」

棚町「ふん!」バキィ

橘「へぶっ!」

穂乃果「あ、暴力はだめっ!」ビッ

棚町「あー…ごめんごめん!なんだか耐え切れなかったわ」

橘「薫ぅ…」サスサス

穂乃果「大丈夫?橘くん!」

橘「ありがとう高坂さん。平気だよ」

棚町「穂乃果優しすぎよ…もう少しこいつは痛い目見ないと!」

穂乃果「だからってやりすぎだよ!」

橘「これが薫と高坂さんの違いだよ…」

棚町「うるさいわねぇ…」

穂乃果「…」

橘「…?高坂さん?」

穂乃果「…」

棚町「穂乃果?」

穂乃果「…!」ハッ

穂乃果「な、なに!?」

棚町「いや、穂乃果、どうかしたの?」

橘「考え事?」

穂乃果「あ、いや、なんでもないよ!」

梅原「おーいお三方!次の時間教室移動だぞ!理科室!」

橘「そうだった!行こう、薫、高坂さん」スタスタ

棚町「面倒ねぇ…」スタスタ

穂乃果「…いいなぁ」ボソッ

橘「? なにか言った?高坂さん」

穂乃果「…ううん!なんでもない!行こ!」スタスタ

梅原「…なにかあったのか?」

橘「うーん?特には…」

梅原「はぁ…?」

『薫と高坂さんと屋上で昼食だ!』

橘(穂乃果さんがこの高校に来て少し経った)

橘(割と馴染んできてていい感じだなぁ…)

橘(…最近よく見つめられるんだけど、これはもしかして…!?)

橘(…なんてね)

―――――屋上

棚町「…それにしても」

穂乃果「ふも?」ムグムグ

棚町「穂乃果がこんな子だとは思わなかったわ…」

穂乃果「どういうことかなっ!?」

棚町「いやぁ…意外とフランクなのね?」

穂乃果「最初は転校したてで、緊張してたんだよ!一応!」

棚町「替え玉作戦で緊張が解けたなら、結果オーライよね♪」キャルン

橘「薫はすぐ調子乗る…」

穂乃果「そんな子は…」ワキワキ

棚町「ひっ!ごめん、ごめんってば!」

橘「あの薫をここまで手玉に取るとは…やるね高坂さん」

棚町「うぅ…こんなはずじゃ…」

穂乃果「…橘くん」

橘「?」

穂乃果「下の名前、純一でいいんだよね?」

橘「うん。橘純一だけど…」モグモグ

穂乃果「じゃあ、純一くんって呼ぶね!だから、穂乃果のことも穂乃果って呼んで!」

棚町「!」

橘「ぶーっ!」

穂乃果「わっ!?」

棚町「汚い!」

橘「ご、ごめん…でも、それは…その…」

穂乃果「ん?なにかな!純一くん!」

橘「あ、う、…ほ、穂乃果…さん」

穂乃果「『さん』はいらないよー!薫ちゃんみたいに!」

棚町「はいはいそこまで!穂乃果、純一にそれは無理よ」

穂乃果「えー!?なんで!」

棚町「そんなにすぐ女の子の名前を呼べるようなヤツじゃないの。アタシだって、中学からの付き合いだから名前で呼ばれてるけど、最初は違ったし」

穂乃果「そっかぁ…じゃあ、転校期間が終わるまでに名前で呼んでもらえるように頑張る!」フンス

棚町「…そ。頑張ってね穂乃果」ナデナデ

橘「うぅ…」

穂乃果「うん!男の子の友達なんて初めてだから、穂乃果嬉しくて…」

穂乃果「せっかくだから、名前で呼んでもらえるくらい仲良くなりたいよね!」

橘「高坂さん…」

穂乃果「ほ・の・か!」

橘「あ、うん、穂乃果さん」

穂乃果「えへへ!」

橘(まさか、名前で呼んでくれるなんて!)

橘(仲良くなってきた、ってことだよね)

橘(ここまで順調だとなんだか怖くなってくるなぁ!)

本日ここまでです
平日の昼間か夜中に投下率が高いです

感想や意見をいただけるとすごく励みになります
書き込んでくださっている方、ありがとうございます

『ハンカチを返すついでに、穂乃果さんとお話をしよう!』

橘(あれから少し経ち)

橘(結局、僕はすぐに穂乃果さんのことを名前で呼ぶようになってしまい)

橘(これは穂乃果さんがすごいのか、僕がチョロいのか…)

橘(それはともかく、穂乃果さんフィーバーもようやく落ち着きを見せてきて、その影には輝日東の核弾頭が関係してるとの噂)

橘(…あんな物騒なヤツが傍にいれば近づきにくいよな…わかるよ…)

橘(…お、あれは)

橘「穂乃果さん!」

穂乃果「おー!純一くん!どうしたの?」

橘「これ、遅くなったけどありがとう!」

穂乃果「…あ、ハンカチ!ううん、どういたしまして!」

橘「穂乃果さん、今ヒマ?」

穂乃果「うん!どうかしたの?」

橘「いや、ついでに少しお話でもと…」

穂乃果「いいよ!時間持て余してたんだぁ」

橘「よーしそれじゃあ…」

〈世間話〉
橘「いつも、授業が終わった後すぐ帰るよね?」

穂乃果「うん!急いで練習に合流しないといけないから!」

橘「音ノ木坂で練習してるの?」

穂乃果「そうだよ!ちょっと遠くて参っちゃうよ…」

橘「どこか音ノ木坂とここの中間くらいに練習できる場所があればいいのにね」

穂乃果「うーん…それはμ’sのみんなに悪いかな」

橘「優しいなぁ…」

穂乃果「えへへ、そうかな?」

〈勉強〉
橘「穂乃果さんは、得意教科とかあるの?」

穂乃果「勉強はニガテで…」

橘「よく居眠りしてるもんね」

穂乃果「わわっ、見てるの?恥ずかしいなぁ」

橘「隣の席だからそれはわかるよ…」

穂乃果「あ、それもそっか!」

〈運動〉
橘「運動は好き?」

穂乃果「身体を動かすのは好きだよ!ダンスもだけど、一番好きなのは水泳!」

橘「へぇ…この学校、温水プールだから今の季節でも入れるんだよ」

穂乃果「ホント!?そういえば、薫ちゃんも水泳の補習がどうとか言ってたね!」

橘(穂乃果さんの水着姿…)ゴクリ

穂乃果「…?どうかした?」

橘「い、いや、なんでもない、なんでもない…」

穂乃果「?」

〈娯楽〉
橘「穂乃果さんは、どこによく遊びに行ったりしてる?」

穂乃果「色んなところに行くかなー…ボウリングも好きだし、カラオケも好きだし…」

橘「お、意外と今風」

穂乃果「失礼だよっ!」モー!

橘「ごめんごめん…ゲームセンターとかには?」

穂乃果「UFOキャッチャーとプリクラと…あとダンスゲーム!だね!」

橘「すごい!イマドキの女子高生みたいだね!」

穂乃果「純一くんは穂乃果のことを何だと思ってたの!?」

〈食べ物〉
橘「好きな食べ物は…」

穂乃果「いちご!」

橘「く、食い気味で…苺、好きなんだ」

穂乃果「うん!いちご好きだよ!」

橘「…」

穂乃果「…何?」

橘「…いや、なんでもない…」

橘(嘘は吐いてないんだろうけど…なんだろうこの感じ)

穂乃果「あ、ケーキとかパンも好きだよ!」

橘「そういえば昼ごはんはパンが多いよね」

穂乃果「いやー、家が和菓子屋だから、自由なときは洋風なものが恋しくなるんだよねー」

橘「なるほど…」

〈おしゃれ〉
橘「アイドルってやっぱり私服にも気を使うの?」

穂乃果「うーん…穂乃果はあんまり…」

橘「あ、やっと予想通り」

穂乃果「もう!なにそれ!…でも、お気に入りの服はあるよ!」

橘「へぇ!どんな?」

穂乃果「こう…真ん中に『ほ』って書いてあって…」

橘「ごめん、もういいや…」

穂乃果「えー!?なんで!?」

〈恋愛〉
橘「音ノ木坂ってさ」

穂乃果「なになに?」

橘「女子校だよね」

穂乃果「うん。そうだよ?」

橘「やっぱり、女の子同士で恋愛とか…」

穂乃果「あー…そういう子もいたりいなかったり…」

橘「い、いるんだ!」

橘(奥深いな…女子校…)

穂乃果「μ’sでも、よく女の子に告白されるメンバーとかいるよ?」

橘「ふんふん」

穂乃果「穂乃果は無いんだけどね…」

橘「…ちなみに、穂乃果さんはどう思う?」

穂乃果「ぇえ!?…愛に性別なんて関係ない!かなぁ」

橘「かなぁ?」

穂乃果「初恋もまだだから、穂乃果にはわかんないや」エヘヘ

橘「そっか…」

〈エッチ〉
橘「お風呂で身体はどこから洗う?」

穂乃果「腕、かな!…純一くん、これ聞いてどうするの?」

橘「え!?どうもこうも…ナイデス、ハイ」

穂乃果「ふーん?目つきがいやらしかったよ!」ペシッ

橘「いてっ…そんなに分かりやすいかなぁ…」サスサス

穂乃果「薫ちゃんが気をつけろ、って言ってた!目つきに注意しろ、って」

橘「ひどいなぁ…」

橘(薫め!この!この!)

〈行動〉
橘(穂乃果さんを見つめていい雰囲気にするぞ!)

橘「穂乃果さん」

穂乃果「?」

橘「…」ジーッ

穂乃果「…!」ピーン

穂乃果「じーっ…」

橘「…」ジッ

穂乃果「…ぷっ」

橘「…?」

穂乃果「あははっ!にらめっこ強いね純一くん!」アハハハッ

橘「そ、そんな…真剣な顔なのに!」ガーン

穂乃果「はー…ごめんね?真面目な顔の純一くん、見慣れてなくて」

橘「うぅ…楽しんでもらえたならいい、かな…」

橘(まぁ、半分そんな予感はしてたけど…)

〈アタック〉
シュインシュシュシュシュシュ…

橘(…穂乃果さんのほっぺた、柔らかそうだな)

橘「…」ジーッ

穂乃果「…?どうしたの純一くん。穂乃果の顔に何かついてる?」

橘「あ、いや…そういうわけじゃないんだけど…」

穂乃果「けど、なに?」

橘「うーん…」

橘(言ってみるだけ…大丈夫かな)

橘「穂乃果さんの頬、柔らかそうだなって」

穂乃果「え!?それって太ったってこと!?」ムニムニ

橘「いや!そうじゃなくて!触り心地とか、良さそうだなって…」

穂乃果「ふーん?…普通だけどなぁ」ムニムニ

橘「…」

橘「…」

橘「…」








橘(触りたい…)

穂乃果「うーん…あ!純一くんも触ってみる?」

橘「!!!!?」

橘「いいの!?」

穂乃果「う、うん」ビクッ

橘「そ、それじゃあ少しだけ…」

穂乃果「優しく!優しくね!」ムーッ

橘(これは…夢でも見てるのか…!?穂乃果さんが目を閉じて、触りやすいようにちょっとだけ顔ごと前に出してる)

橘(紛れも無くキスを待ってる顔じゃないか!)

橘(耐えろ理性…!こんなところで信用を失うわけには…!)

穂乃果「何してるの?早くーっ!」

橘「あ、ご、ごめん、それじゃあ、失礼して…」











ムニッ









橘(こ、これは…)

穂乃果「ん…」

橘(す、すごいっ!軽くつまんだ指に吸い付くような肌触り!)フニフニ

橘(それでいて、柔らかいだけではなく、ハリまでしっかりとしていて)ポヨポヨ

穂乃果「はう…」

橘(こんなの、何時間でも触っていられるよ!反則だ!ほのほっぺは麻薬取締法違反だよ!)ムニムニ

穂乃果「…むむむ」

穂乃果「はい!おしまいっ!」バッ

橘「ああっ!」ソンナァ

穂乃果「どうだった?って聞くまでもなさそうだけど…」

橘「最高だったよ!触れた瞬間に吸い付いてくる肌触りと…」

穂乃果「ストップストップ!わかったから、恥ずかしいこというの禁止!」ズビシ

橘「えぇー…」

穂乃果「…そんなによかったの?」ムニムニ

橘「すごかったよ…」

穂乃果「ふーん…穂乃果にはわかんないや…」

橘(しばらく忘れられそうにないよ…)

穂乃果「あ、そろそろ授業だよ!」

橘「本当だ。教室戻らないと!」

穂乃果「よーし!競争だよ!ヨイドン!」ダッシュ

橘「せこ!?せこいよ穂乃果さん!」ダッ

橘(こうして高校生活史上最高の休み時間は終わった)

橘(また触りたいなぁ…)

『あの部屋に新たなコレクションを追加しよう!』

橘「さて、授業が全て終わり、教室には僕だけ」ガタッ

橘「穂乃果さんショックの傷はまだ癒えてはいないけど…」

橘「今日は持ってきたこの超お宝本をあの部屋に!」

橘「行くぞ!」ダッ

―――――屋上
橘「…あれ?」

橘(あれは…穂乃果さん?弱ったぞ…これじゃあ行けないじゃないか!)

穂乃果「…!…!」バッ!バッ!

橘(それにしても…ダンスの練習かな?邪魔すると悪いし、帰ったほうが…)

橘(…)

穂乃果「はっ!はっ!はっ!はっ!」バババッ

橘(…)タッ

―――――

穂乃果「…よし!ちょっときゅうけーい!」ハァッハァッ

穂乃果「タオルタオル…」ゴソゴソ

橘「穂乃果さん!」

穂乃果「!」ビクッ

穂乃果「純一くん!?なんでここに?」

橘「そ、それは…たまたまだよ。はいこれ、差し入れ!」スッ

穂乃果「スポーツドリンク…うん!ありがとね!」パシ

橘「練習?」

穂乃果「うん!最終予選も近いし、今日は全体練習はないから一人でも、って!」

橘「そっか。大変だね」

穂乃果「うーん…大変だけど、嫌じゃないからさ!こうやって穂乃果だけここに来てるのも、他のメンバーに迷惑かけてる訳だし」

穂乃果「せめてできることしないと、ね?」

橘「そんなに考えてるなんて…穂乃果さんらしくない!」

穂乃果「ひどい!」ガーン

橘「はははっ!冗談冗談!」

穂乃果「もー…穂乃果だって怒るよっ!」

橘「ごめんごめん。そういえば、今思い出したけど前にこんなことがね―――」

――――――――――――――

―――――――――――

――――――――

―――――

穂乃果「――――それはないよー!」アハハッ

橘「そうかなぁ…僕はアリだと思うんだけど…」

穂乃果「あーあー…笑いつかれたー…」グデーッ

橘「楽しんでもらえたなら本望だよ」

穂乃果「はー…」

橘「…」

橘「…ラブライブ」

穂乃果「え?」

橘「出れるといいね」

穂乃果「うん!純一くん、ラブライブ知ってるんだ!」スクッ

橘「穂乃果さんが転校してきたとき、気になって調べたんだ。それでちょっと。」

穂乃果「へぇ…ということは、ラブライブの知名度を上げるのに穂乃果は貢献したんだね!」グッ

橘「あはは、元々大きな大会だし、少しでも興味がある人なら知ってるレベルだ、って書いてあったけどね」

穂乃果「トップアイドル並みに注目される、ってにこちゃんも言ってたなぁ」

橘「あとμ’sの動画も見たよ!ハロウィンのやつとか、いろいろ」

穂乃果「おお!ありがとう!いやー照れるね!」

橘「ダンスも衣装も歌も…すごくレベルが高くて…」

橘「…」

穂乃果「…?どうしたの純一くん?」

橘(穂乃果さんはアイドル。それも、人気があるし、そのために努力だって…)

橘(僕とは住む世界が違う。こんな風に2人きりでおしゃべりなんて…)

穂乃果「おーい、純一くーん?」

穂乃果「おーい、純一くーん?」

橘(友達…)

橘(…友達、か)

橘(…僕は…どうしたいんだろう…)

穂乃果「おーい!!純一くんってば!!」ブンブン

橘「…」ハッ

橘「ご、ごめんごめん。そろそろ練習、再開する?邪魔しちゃ悪いから、帰ろうかな!」

穂乃果「へ?あー…でも今日はもう遅いし、穂乃果も帰ろうかなぁ」

橘「えぇ!?…本当だ、もうこんな時間…」

穂乃果「うん!純一くんとおしゃべりするとすぐ時間過ぎちゃうね!」タハハ

橘「ッ!」ドキッ

穂乃果「?…どうかした?」

橘「な、なんでもないよ…じゃあ、僕、これで…」ドキドキ

穂乃果「待って!純一くん!」ハッシ

橘「ふおっ!?何かな!?」ビクッ

穂乃果「良ければ一緒に帰らない?すぐ着替えちゃうから!」

橘「は…そ、そう…か…」

穂乃果「うん!校門で待ってて!」ダッ

橘「あ!穂乃果さん!」

橘「…行っちゃった。人の話聞かないなぁ穂乃果さんは」

橘(しかし、一緒に下校なんて、友達レベルも相当上がってきてるじゃないか)

橘(喜べ、橘純一。もっと…喜べよ…)

橘「…」グッ

―――――校門
穂乃果「おっまたせ~!」タッタッ

橘「穂乃果さん!そんなに待ってないよ。早かったね」

穂乃果「着替えるだけだから!それじゃ、帰ろう?」

橘「う、うん」

―――――

穂乃果「純一くん、どうかしたの?」

橘「へ?なんで?」

穂乃果「元気が無いような気がするんだけど…」

橘「そ、そんなこと!ないよ…」

穂乃果「うーん…穂乃果ってそんなに頼りないかな?」

橘「え…」

穂乃果「だって、絶対隠し事してるでしょ!気を使ってるのか、穂乃果なんかには言えないのかわからないけど…」

穂乃果「相談くらいしてくれないと!寂しいよ…」

穂乃果「友達、なんだから…」

橘「っ…穂乃果さん…」

穂乃果「…」ジッ

橘「………」

橘「…じ、実は」

穂乃果「…」ジッ

橘「…サ、サイン!サインが欲しいなぁって思ってさ!穂乃果さんの!」

穂乃果「…へ?穂乃果のサイン?」

橘「そうそう!この間、妹がもらってたの見て、それで…」

穂乃果「あ!あれ純一くんの妹だったの?いやーすごい喜んでくれたから、びっくりしたよー!」

橘「そうなんだ。それで、僕も穂乃果さんのサイン欲しいんだけど…」

穂乃果「…それが元気なかった理由?」

橘「ぅ…ほら、妹に迷惑かけるな、とか言ったから、言い出し辛くて、それで…」

穂乃果「純一くん」

橘「は、はい」

穂乃果「穂乃果はアイドルだよっ!サインお願いされて迷惑なんて思わないよっ!」

橘「おっしゃるとおりです…」

穂乃果「うんうん!それじゃあ、ちゃちゃっとサインしてあげようかな!」

橘「それなら、明日色紙とペン持ってくるよ」

穂乃果「わかった!明日ね!」

橘(…なんとか、なったのかな)

穂乃果「…」ムゥ

橘「あ、穂乃果さんは駅のほうだよね?」

穂乃果「そうだよー」

橘「遅いし、送ってくよ」

穂乃果「んー…別に大丈夫!純一くんが帰るの遅くなっちゃうし!」

橘「でも、穂乃果さんも一応女の子なんだから…」

穂乃果「一応ってなに!?穂乃果れっきとした女の子だよ!?」

橘「冗談冗談。それじゃ、駅の方に…」

穂乃果「そんな、悪いよー…」

穂乃果「…!」ピーン

穂乃果「あーっ!あれはなんだ!?」ビシッ

橘「え?なに?」クルッ

橘「…なんにもないじゃないか」

橘「何が見えたの?穂乃果さ…!」クルッ

穂乃果「はっはっはー!騙されたなー!」

橘「うわ!あんな遠くに!」

穂乃果「純一くーん!また明日ー!今日はありがとねー!」ブンブン

橘「…うん!こちらこそ、ありがとう!」

穂乃果「えー?穂乃果なんにもしてないよー!」

橘「とにかく!ありがとう!」

穂乃果「変な純一くん!じゃあねー!」フリフリ

橘「うん、じゃあ…」

橘(…)

橘(…僕は)

橘「…」

橘(…帰ろう)

『穂乃果さん…か…』

橘(僕は穂乃果さんの友達であり)

橘(ファンだ)

橘(それだけなんだ。それだけ…)

橘(…)ハァ

棚町「なーに暗い顔してるのよ!」

橘「薫…」

棚町「見てたわよー。穂乃果にサインなんて貰っちゃって!ファンにでもなったのかしら?」

橘「はは、そうだね。…ファンだよ」

棚町「…ちょっと、本当にどうしたの?暗すぎじゃない?」

橘「いや…なんでもないよ」

棚町「面倒ねー話してみなさいよー」ウリウリ

橘「なんでもないってば!」ガタン

棚町「!」ビクッ

橘「…」ハッ

橘「ごめん、でも本当になんでもないんだ。一人にしてくれると助かる」

棚町「…わかった。調子悪かったらさっさと保健室でも行きなさいね」ヒラヒラ

橘「ああ」

橘「…」

橘(薫に当たって…なにやってるんだ…僕は…)

――――――

梅原「よ、大将」

橘「梅原…」

梅原「なんだよ、顔色最悪だな」

橘「何の用だ?」

梅原「おいおい、親友に話しかけるのに用がいるのか?」

橘「…」

梅原「…本格的に参ってるみたいだな」

橘「梅原、悪いけど、一人にしてくれないか…」

梅原「そりゃないぜ大将!今日は帰りにゲーセンに新作見に行く約束だろ?」

橘「…」

梅原「ほら、行くぞ!」グイッ

橘「あ…」

―――――ゲームセンター
梅原「お、これかぁ!いや~並んでるな~!」

橘「…」

梅原「並ぶとするかぁ!せっかく来たのに触らずには帰れないしな!」

橘「…梅原」

梅原「お、どうした。大将ももちろん並ぶだろ?」

橘「…本当に、今日はそんな気分じゃ…」

梅原「…なぁ、大将」

橘「…?」

梅原「俺はな、大将がどんな理由でそんな顔になってるのかわからねぇ」

橘「…」

梅原「というか、そんなことは興味ねぇ。人間、誰しもそういう日はあるだろうしな」

梅原「今日だって、ただ前からの約束を守ってもらっただけさ。他意はねーよ」

梅原「けどな、大将。一つだけ言わせて貰うぞ」

橘「…なんだよ。他意はないんじゃないのか」

梅原「そう言うなって。俺にもいろいろあるんだからよ」

橘「いろいろって…」

梅原「いいか、大将」

梅原「何かしら失敗しても、俺や棚町、他にもたくさんの人がついてる」

橘「…」

梅原「だからよ、思いついたら即行動してみろよ。若者には時間があるようでないんだぜ?」

橘「…」

橘「ッ…」

橘「梅原」

梅原「んぁ?」

橘「悪いな」

梅原「…ああ。いいってことよ!さ、そろそろ順番だ!遊ぶぜぇ!」

橘(…思いついたら即行動、か)

橘(梅原にあんなこと言われるなんてな)

橘(…ありがとう、梅原)

『穂乃果さんから遠ざからないとな…』

―――――教室

穂乃果「あ、純一くん!」

橘「…穂乃果さん」

穂乃果「薫ちゃんとお昼食べるけど、一緒に食べない?」

橘「ご、ごめん。今日は梅原たちと食べるんだ」

穂乃果「そっか…なら、梅原くんたちも一緒でもいいよ!お友達増えるかな?」

橘「っ…ごめん、今日は男だけで食べるから」

穂乃果「え?…あ、またいやらしい話?だめだよ純一くん!」ビシッ

橘「う…じゃあ、僕もう行くからっ!」ダッ

穂乃果「あっ…純一くん…?」

棚町「…?」

棚町「純一?」

―――――――

――――教室、穂乃果の席

穂乃果「宿題忘れてたよーっ!」

棚町「アタシの見る?…って言っても、正直やっただけであってる気はしないけど…」

穂乃果「うぅ…でも空欄埋めればなんとか…」

穂乃果「純一くんはやった?」

橘「ああ…うん…」

穂乃果「えー!?やったの!?すごいね!」

棚町「宿題やってすごいも何も…って、穂乃果といるとまともな人間になってってる気がするわ…」

穂乃果「ひどい!」

橘「…」

穂乃果「…純一くん?」

橘「ごめん、ちょっとトイレに」ガタッ

穂乃果「あっ…うん…」

棚町「…」

――――――

―――放課後、教室

穂乃果「薫ちゃん、純一くん!練習するから、少し手伝ってくれない?」

棚町「いいけど、手伝うってなに?」

穂乃果「ダンスを携帯で撮って欲しいんだ!一人だと上手く出来なくて…」

棚町「そういうこと。じゃ、行きましょ!屋上ね?」

橘「…ごめん、今日は帰るよ」ガタッ

穂乃果「あ…用事、かな」

橘「…そんなところかな。これからも、ちょっと忙しいから…」

穂乃果「そっか…ごめんね、忙しいのに」

橘「…ううん、じゃあ」スタスタ

穂乃果「…」

棚町「…」

―――――

―――橘家

橘(穂乃果さんには悪いけど…)

橘(こうするのが一番だ)

橘(…)

橘「これで、いいんだよ」

橘「これで…」

☆『穂乃果さんに呼び出されるなんて…なんだろう…なんてね』

橘(梅原とゲームセンターに行って)

橘(僕は穂乃果さんにあまり近づかないようにしようと決めた)

橘(彼女はアイドル。男と一緒にいるだけで、どう思われるかなんて想像がつく)

橘(だったら、どうすれば良いかなんてわかりきってるじゃないか)

橘(…それから更に数日が経った。薫は僕の方をジトッと見ることが多くなった)

橘(…)

橘(そして、今)

橘(僕は穂乃果さんに呼ばれて屋上へ向かっている)

橘(行かなきゃいいのに、なんて思いながらも、あの穂乃果さんの真っ直ぐな目には敵わなかったんだ)

―――――屋上
橘「…話、ってなに?穂乃果さん」

穂乃果「…純一くんさ」

穂乃果「最近、穂乃果を避けてるよね」

橘「…」

穂乃果「気のせい、かな」

橘「いや」

穂乃果「!」

橘「気のせいなんかじゃ、ない。僕は高坂さんを避けてる」

穂乃果「っ…!高坂さん、って…」

橘「…」

穂乃果「どうして?穂乃果と純一くんは、友達じゃなかったの?」

橘「…ごめん」

穂乃果「…穂乃果ね。男の子の友達、初めてなんだ。高校生にもなって、変でしょ?」

穂乃果「それでね…穂乃果が何したのか、わからないけど、何かしちゃったんだと思う」

穂乃果「だって、そうじゃないと急にこんなに避けるのはおかしいから…」グスッ

穂乃果「人に嫌われるのも…初めてだから…」

穂乃果「穂乃果、バカだから。浮かれてて、よくわからなくて…それで、なにしたのか教えて欲しくて…」ポロポロ

穂乃果「ダメなところがあるなら直すから…また友達に…なってよ…純一くん…」スンスン

橘「…」

穂乃果「う、うぅ…グスッ…」

橘(…僕は…こんな、女の子を泣かせて…)

橘(バカなのは…僕の方じゃないか…)

橘(…)

橘(…でも…決めたんだ…決断、したんだよ…僕は…)

橘「…高坂さん」

穂乃果「ふぇ…」スンスン

橘「悪いけど、僕たちはもう、友達じゃいられないよ」

穂乃果「え…そんな、どうして…!」ポロポロ

橘「…ごめん」クルッ

穂乃果「そんな…」ズルズル

橘(これで…いいんだ…これで…)

穂乃果「グスッ…」

穂乃果「…!!純一くん!危な…!」

橘(…じゃあね、穂乃果さん)











??「おらぁぁああああああああ!!!!」ヒュッ









橘「…ん?」

??「チェストぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」バッキィ!!!!

橘「ぶっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ゴロンゴロンズサァァァァァ

穂乃果「じゅ、純一くん!大丈夫!?」

??「まったく…様子が変だから探してたのよ、穂乃果。ちょっと時間かかったけどね」パンパン

橘「う…うぐぐぐぐぐ…」

穂乃果「薫ちゃん!暴力はダメ!」ビッ

棚町「なによー…純一が穂乃果を泣かせてるみたいだったから…そんなの問答無用じゃないの!」

橘「か、薫…お前…」

棚町「純一!アンタちゃんと説明しなさいよね!穂乃果泣かせてただで済むと思うんじゃないわよ!」

橘「もう…ただで済んで…ない…」ガクッ

穂乃果「純一くん?…純一くーん!」

棚町「あら、強くやりすぎたかしら…ごめんあそばせ~♪」

橘(薫…後で…覚えてろ…)

―――――

棚町「それで?」

橘「…」

棚町「言わないとわからないでしょ。もう一発イッとく?」スッ

穂乃果「ダメだよ!薫ちゃん!」

棚町「…穂乃果。アタシはね。ぐずぐずしてる男がだいっっっっっ嫌いなの。それと同じくらい、女の子を泣かせる男も嫌い。わかる?」

穂乃果「それは…でも、純一くんもきっとなにか考えがあって…!」

棚町「だから、その考えとやらを教えろ、って言ってんの。純一。黙ってたってわからないでしょ?」

橘「…僕は…」

橘(…)

橘「考えなんて、ないよ。穂乃果さんとはもう、友達じゃない。それだけだよ」

棚町「…!このッ…!歯ぁ食いしばりなさい!!」フッ

橘「っ…」グッ

穂乃果「やめてッ!!!!」バッ

棚町「…どきなさいよ穂乃果。庇う価値なんてそいつにはないわ」

穂乃果「どかない。二人は仲良しじゃないの!?喧嘩はダメだよっ!」

棚町「穂乃果。これはあなたのためにやってることでもあるの!あんなこと言うこいつを、ただで済ましたらそれこそ…!」

穂乃果「え…」

棚町「…?」

穂乃果「穂乃果のせいで薫ちゃんは純一くんを殴るってこと…?」

棚町「ッ!それは…そういうことじゃなくて…!」

穂乃果「穂乃果のせいで、薫ちゃんと純一くんが仲悪くなるの…?」

棚町「穂乃果!違う…違うのよ!」

穂乃果「…わかった。穂乃果わかったよ」スッ

橘「穂乃果さん…?」

穂乃果「ごめんね2人とも。もう、関わらないから…」

棚町「穂乃果…!」

穂乃果「喧嘩はダメ。友達は、大切にしなきゃね!」

棚町「違うのよ!穂乃果ぁ…」

穂乃果「…ちょっと寂しいけど、棚町さんと橘くん。仲良くしてくれて、ありがとう!」

橘「あ…」

穂乃果「…ばいばい、仲直りしてね」フリフリ

穂乃果「さよならっ!」バッ

棚町「穂乃果!…純一立って!追いかけるわよ!」

橘「でも…」

棚町「ッ!」パァン!

橘「つっ!」ジンジン

棚町「アンタはいいのね。こんな風にお別れで。アタシは嫌。だから追いかけるの」

棚町「追いかけて、謝って、また友達になるの。薫って呼ばせるの」

棚町「アンタがどうしてそんなにキツく当たるのかは知らないけど」

棚町「今のが穂乃果のためだと思ってるなら、それはさいっっっっこうにかっこ悪いわよ」

橘「…」

棚町「人のことは言えないけどね。ジブンの考え押し付けて、アタシはこれで二度目だし」

棚町「でも、こんなくだらないことで縁が切れるなんて、嫌。まっぴらごめんよ」

棚町「もう一度だけ聞くわ。純一。アンタは、どうするの?」

橘「…僕は…」

橘「…っ」

――――――――――――――――

―――――――――

――――

穂乃果「はぁっ、はぁっ…」

穂乃果「ここまで来たら、大丈夫。この公園、誰もいないし」

穂乃果「…おかしいなぁ。上手くいってたのに…」

穂乃果「それとも、上手くいってたと思ってたのは、穂乃果だけだったのかな」グスッ

穂乃果「本当は、穂乃果のこと嫌いだったのかな…」

穂乃果「無理、させちゃったのかな…」ポロ…

穂乃果「…」ヒックヒック

穂乃果「薫ちゃん…純一くん…」グスグス

穂乃果「なにか…したのかな…わかんないよ…穂乃果、バカだもん」エグエグ

穂乃果「純一くん…友達じゃ、なかったんだ…」ポロポロ

穂乃果「うぅ…うぇぇ…」

??「…いた!見つけたわよ!」

?「公園か!見落とすところだった!」

穂乃果「…?」クルッ

棚町・橘「穂乃果(さん)!!すみませんでしたぁ!!!」ドゲザァ

穂乃果「え?ふぇ?2人とも、そんな、もう見つかるなんて…」

棚町「…穂乃果」ムク

穂乃果「う…」

棚町「ごめんなさい。また、自分の考えだけで突っ走ろうとしてた」ペコ

穂乃果「そ、そんな…」

橘「穂乃果さん」スクッ

穂乃果「…ぁう」

橘「ごめん。僕も、どうかしてた」ペコ

穂乃果「…友達じゃないって」

橘「…それは、ちゃんと今から話すよ」

穂乃果「…」

橘「穂乃果さんはアイドルで、すごい努力をしてラブライブ優勝を目指してる」

穂乃果「…」コク

橘「だから、僕みたいに男が周りにいると、それだけでマイナスになるんじゃないか…そう思ったんだ」

穂乃果「マイナスなんて…!」

橘「でも、穂乃果さんはそんなこと考えてもいなかった。対等な、友達として接してくれた」

穂乃果「そうだよっ!純一くんは、穂乃果の人生初めての男の子の友達だったもん!」

橘「…それで」

穂乃果「え…?」

橘「…」ゴクリ

穂乃果「…」

橘「…うぅ、言わなきゃダメかな」

穂乃果「…言いたくないなら、いいよ。無理して友達なんて、」

橘「違うんだ!そうじゃない!」

穂乃果「っ!だったら!どうして!」

橘「…」

橘「…」グッ

橘「すぅー…はぁー…」

橘「…スゥ」

橘「僕はっ!」

穂乃果「!」ビクッ

橘「…僕は、穂乃果さん。君が…」

穂乃果「…?」

橘「…」グッ











橘「僕は!穂乃果さんが好きなんだ!!!」









穂乃果「…へ?…ふぇ?」

棚町「…!」

穂乃果「えーっと…穂乃果も純一くんのこと、好きだよ?」

橘「…たぶん、違う。穂乃果さんの好きと、僕の好きは、違う…」

穂乃果「え…?それって…」

橘「僕は、穂乃果さんが女性として!好きになってしまったんだッ!」

穂乃果「え…ぁ…ぁぅ…」カァッ

橘「無邪気な笑顔が好きだ!誰とでも仲良くなれる性格が好きだ!勉強がニガテで居眠りしちゃうところも、おいしそうにパンを食べてるところも、困ってたらすぐに助けてくれるところも好きだ!」

穂乃果「じゅ、純一くん、そのへんで…」マッカッカ

橘「…屋上で思い出を語るときの顔が好きだ」

穂乃果「…!」

橘「真剣な表情で振り付け練習する姿が好きだ」

穂乃果「純一くん…」

橘「そしてなにより…」

橘「…アイドルの穂乃果さんが好きだ」

橘「夢を追いかけてる、穂乃果さんが…」

橘「…矛盾してるんだよ。だから、こっちから離れようって、そう決めたんだ」

穂乃果「…」

棚町「純一…」

橘「穂乃果さん。薫とは仲良くしてくれ。そんなに楽しそうな薫、見たことないんだ」

橘「でも、僕はダメだ。…これ以上は、ダメなんだ…」

穂乃果「…」

橘「じゃあ、…高坂さん。さよなら…」

穂乃果「…っ!純一くん!」ガシッ

橘「…腕、離してよ、高坂さん」

穂乃果「嫌!離さないよ!離したら二度と会えなくなる!」

橘「…毎日、学校で会うじゃないか。離してよ…!」

穂乃果「そういう意味じゃないっ!とにかく、離さないから!」ギュッ

橘「…!同情して欲しくてあんなこと言ったんじゃないんだ!僕の決意を無駄にするのは…!」

穂乃果「そんな!!!!」

橘「!」ビクッ

穂乃果「そんな、寂しいこと言わないでよ…」

橘「…」

穂乃果「同情じゃ、ないよ…」

穂乃果「まだ純一くんと仲良しでいたいよ」ポロポロ

橘「…」

穂乃果「…っ」グシグシ

穂乃果「穂乃果ね…初めて告白されたんだ」

橘「…」

穂乃果「…そういうの、わかんないから。ごめんなさい、付き合ったりはできない。アイドルだし…」

橘「ッ…」

穂乃果「でも!」

穂乃果「でもね…嫌じゃなかった…」

穂乃果「告白されたとき、好きだって言われたとき、本当に!心の底から嬉しかった!」

橘「…」

穂乃果「だから…えぇーっと…」

橘「…」フイ

穂乃果「あ、待って!言葉が…うーんと…」





穂乃果「…穂乃果を!」




橘「…」









穂乃果「穂乃果を惚れさせてみろぉ!!!」バーン








橘「…」

棚町「…」

橘「…は?」

棚町「…へ?」

穂乃果「穂乃果はまだ、恋とかそういうの、わからないし…」

穂乃果「アイドルだから…恋愛とかは、禁止だけど、」

穂乃果「だからといって、純一くんの想いは、嫌じゃないし…」

穂乃果「…好きになったら、立場とかどうでもよくなる、ってマンガとかにも描いてあったから…」

穂乃果「ぁぅ…ち、違ったかな…」

橘「…」

棚町「…」

棚町「…ぷっ」

橘「くっ」

橘「ふふふっ…」

棚町「くくくく…」

橘・棚町「ふふっ、あははははははははははははははは!」

穂乃果「ええっ!?なにそれ!?」ガーン

棚町「あー…やっぱり穂乃果って面白いわー」アーア

橘「ほんとにね。悩んでた僕がバカみたいだよ」ハー

穂乃果「なんでぇ!?そんなに変だったかなっ!?」

橘「…わかったよ穂乃果さん」

穂乃果「へ?」

橘「僕が本気を出したら…どうなるか覚悟してよっ!」

穂乃果「あ…う、うん!はいっ!」

棚町「…もう…ズルいわね穂乃果は…」

穂乃果「薫ちゃん…ずるいって…?」

棚町「…なんでもないわよっ!それじゃあ、仲直り、でいい?」

穂乃果「うん!さっきはごめんね、ひどいこと言っちゃった」

橘「そんな、僕の方こそ、いくら謝っても足りないくらいだよ…」

棚町「はいはい、その辺にして!さ、帰りにパフェでも食べていきましょう?もちろん純一のおごりでっ!」

橘「ええっ!?そ、そんな…」

棚町「そもそもアンタがややこしくしたんだから!それくらいねぇ?」

穂乃果「わーい!パフェパフェ♪」

橘「うぐ…わ、わかったよ…」

棚町「しゅっぱーつ!」タタッ

穂乃果「おーっ!」ダッ

橘「待ってよ二人とも!」ダッ

橘(…勢いで告白までしてしまった)

橘(これは…どうなんだろう)

橘(いいことなのかどうなのか、僕にはわからないけど…)

橘(二人とまだ一緒にいられて、今は素直に嬉しい)

橘(それに、穂乃果さん…)

橘(あんなチャンスくれるなんて)

橘(…)

橘(不思議な人、だな…)

『一方その頃…』

―――――高坂家穂乃果自室
穂乃果(今日は疲れたぁ~)ゴロン

穂乃果「パフェのせいで晩御飯残しちゃったし…」

穂乃果(でも、純一くんと薫ちゃんと、仲直りできてよかった!)ウンウン

穂乃果(…純一くん)

穂乃果(たまたま仲良くなって、たまたまよくおしゃべりして、)

穂乃果(それで、あんな告白されて…)カァーッ

穂乃果(ダメダメ!恥ずかしい!)ブンブン

穂乃果(惚れさせてみろ、なんて言っちゃったけど…)

穂乃果(どうなっちゃうんだろ…)

穂乃果(…)フム

穂乃果(…)

穂乃果(…)マンガヒョイ

穂乃果(…)ペラリ

穂乃果(…)フムフム

穂乃果(…)ペラリ

穂乃果(わ、わわ、こんな…)

穂乃果(このマンガ、こんなシーンあったっけ!?)アワアワ

穂乃果(…)ペラ

穂乃果(…)

穂乃果(…)ボフン

穂乃果「うわー!やっぱりダメ!恥ずかしすぎるよー!!!」

ユキホ<オネェチャンウルサイ!

穂乃果「う、うぅぅぅぅ…」

穂乃果(穂乃果って、こんなだったかなぁ…)

穂乃果(…寝よう)

穂乃果(寝ればなんとかなるよね!)

穂乃果(おやすみっ!)バサッ

本日ここまでです

いやー
クッソ難しいですねこういうの



お粗末さまでした。
次からはやっとアコガレに突入します。

見てくださってる方ありがとうございます

~アコガレ~
『薫と穂乃果さんと…田中さんで屋上ランチだ!』

橘(あれから)

橘(僕はほんの少しだけ積極的に穂乃果さんに接するようになった)

橘(それで、穂乃果さんと薫と3人でいることが更に増えたけど…)

橘「…あ、そういえば、今日は田中さんもいたね」モグモグ

田中「そういえばって!?ひどいよ橘くん…」

棚町「そうよー恵子はおまけじゃないんだからー」

田中「薫も投げやりじゃない…?」

穂乃果「恵子ちゃん、穂乃果は恵子ちゃん大好きだよっ!」ギューッ

田中「わぷっ!穂乃果ちゃん、苦しいよーっ」

橘(薫のおかげで、田中さんも穂乃果さんと仲良くなった)

橘(田中さん、結構人見知りなのにやるなぁ穂乃果さん)

田中「うぐぐ…ぷはっ!穂乃果ちゃん苦しいってば!」

穂乃果「えーっ!抱き心地いいのに残念!」パッ

田中「はぁ…はぁ…」

橘(それにしても…)

橘「いいなぁ」ボソッ

田中「…え?」

穂乃果「!」カァッ

棚町「純一…アンタってヤツは…」

橘「へ?しまった!口に出て…!」

穂乃果「も、もーっ!やめてよね純一くん!」

橘「ごめんごめん」

田中「…薫」ボソッ

棚町「なによ」ボソボソ

田中「橘くんって穂乃果ちゃんのこと好きなんじゃないかな!」ボソボソ

棚町「…あー」

田中「これは発見だよね!?でもスクールアイドルとの恋は辛く厳しいものに…!」

田中「そしてだからこそ燃え上がる愛…!」

棚町「…恵子」

田中「ああっ!どうして二人は一緒にいられないの!?引き裂かれる運命、残酷な結末…!」

棚町「恵子」

田中「…なに?薫、女の子ならこれくらい気付いてあげないとダメだよ!」

棚町「…」ジトッ

田中「そ、その目はなにかな…」

棚町「…」チラッ

橘「穂乃果さんってお腹も柔らかそうだよね」ワイワイ

穂乃果「それセクハラだよっ!体重も今は大丈夫だもん!怒るよ!?」キャッキャ

棚町「…」ポン

田中「え?何、薫、この手は」

棚町「後で教えてあげるわ…」

田中「え?う、うん…」

橘「…?薫、どうかしたのか?」

棚町「いえ…なんでもないわ…」

穂乃果「?…よくわからないけど、ファイトだよっ!薫ちゃん!」グッ

棚町「ええ…ありがとう穂乃果」

田中「???」

―――――――――――――――――

――――――――――

―――――

―――――教室
田中「…」キラキラ

橘(田中さんからの視線が痛い…)

田中「…」キラキラ

橘(いったい僕が何をしたって言うんだ!)

穂乃果「むっ」チラッ

穂乃果(…)ゴソゴソ

穂乃果(えい)ピン

橘「てっ!…消しゴム?穂乃果さんの…」

穂乃果「…」ツーン

橘「穂乃果さん?消しゴム飛んできたよ?」コソコソ

穂乃果「…」ツーン

橘「…?穂乃果さん?」

穂乃果「…」ツーン

橘「…いらないなら別にいいんだけどさ」スッ

穂乃果「あっ、それは困るよ!」バッ

高橋「…そこ!さっきから何やってるの!」

橘「は…」

穂乃果「ひゃい!?」

高橋「授業はちゃんと聞きなさい!」

橘「はい…すみません…」

穂乃果「気をつけますぅ…」

薫(なにやってんだか)

田中(授業中にも何か仕掛けるなんて、レベル高いなぁ…)キラキラ

穂乃果「…むぅ」

橘(なんなんだまったく…)

『田中さんと2人なんて、何を話せばいいんだ…?』

田中「橘くん!」

橘「うわっ!なに、田中さん、そのテンション」

田中「穂乃果ちゃんのこと、好きなんだって!?」

橘「ああ、うん…薫か」

田中「すごいね!告白までして、惚れさせろなんて言われて!」

橘「ちょ、そこまで知ってるの!?」

田中「うん?薫に全部聞いたよ!すごいなぁ…憧れちゃうなぁ…」

橘(薫め…信用できるんだけど、田中さんにだけはペラペラ喋るからなぁあいつ…)

田中「それでさ、なにか進展はあったの?そういえばこの間、授業中に何かしてたよね!?」

橘「お、落ち着いてよ田中さん…授業中のは、ただ穂乃果さんの消しゴムを取ってあげただけで…」

田中「へぇ~…あと、前に噂になった、『橘純一スクールアイドルのほっぺお触り事件』の真相を…」

橘「あ、あれってそんなに騒ぎになってたの!?」

田中「甘いよ橘くん!一時期校内の注目を掻かっさらって、デマだなんだと言われたけど…」

田中「最近、穂乃果ちゃんの近くに橘くんがよくいて、仲良さそうにしてるからあれは真実ではないかって…」

橘「なっ!そんなことまで…やっぱり近くにいると騒がれるのか…」

田中「気にしないで橘くん!小耳に挟んだところ、薫が暗躍して抑えてるらしいから!」

橘「薫が!?また暴力で何とかしてるんじゃないだろうな…」

田中「それが、あの絢辻さんの弱みを握って、協力してもらってるとかなんとか…」

橘「絢辻さんの!?すごいなぁ薫…」

田中「だからね!?ほっぺお触り事件の真相を…!」ガシッ

橘「うわ!近い!近いって田中さん!」

田中「お願い…!私も2人のために協力するからぁ!」ウルウル

―――――

穂乃果(ふはー!今日の練習おわりっ!)

穂乃果(純一くん来るかと思ったけど、来なかったなぁ…まぁそんな日もあるよね!)

ウワ!チカイ!チカイッテタナカサン!

穂乃果「…?」

穂乃果(教室から、純一くんの声?あと…田中さん、って恵子ちゃんのことだよね)

穂乃果「…」ムッ

穂乃果「教室で2人で何やってるのかなー…」ヒョコッ

田中「…!!」ガッシ

橘「…!!!」グイ

穂乃果「…!!」バッ!

穂乃果(近い!近いよ!でも純一君は引き離してる…?)

穂乃果(…)

穂乃果(もしかして!)ピーン

穂乃果(恵子ちゃん純一くんのこと好きだったとか!?)

穂乃果(だとしたら、穂乃果は恵子ちゃんの恋を終わらせた女…!?)

穂乃果(あー!!どうしよー!!!!)クネクネ

棚町「…」

穂乃果「~!」クネクネ

棚町「…なにやってんの、教室の外で」

穂乃果「…はっ!薫ちゃん!」

棚町「純一と恵子いない?ちょっと職員室行ってる間待っててもらってて…」ガラ…

穂乃果「だ、だめだよ!!!!今入っちゃ…!!!」ガシッ

棚町「へ?うわわ、穂乃果!危な…!」ヨロ

穂乃果「は…」ヨロ

ドンガラガッシャーン!!

橘「!?」

田中「なに!?」

棚町「っててて…」

穂乃果「ご、ごめんねー薫ちゃん…」

橘「薫!?それに、穂乃果さん…」ハッ

田中「あ…大胆…」

棚町「?…!!」オシタオサレー

穂乃果「ひゃぅ!顔近…!」オシタオシー

橘「そうか…穂乃果さん…」

穂乃果「な、なにかな…」

橘「何かおかしいと思ったら…」

棚町「…」ムクッスタスタ

橘「薫が好きだったのか!!!!」

田中「ええええええええええええ!!!!!」

穂乃果「?うん!薫ちゃん、だ~いすき!」

橘「やっぱり!!うわああああああ!!!」

棚町「なに面倒な誤解してんのよっ!」バキィ

橘「ごふぅ」バタン

穂乃果「暴力はダメだよ!薫ちゃん!そんな子は…」ワキワキ

田中「…!!」

棚町「ちょ、ちょっと穂乃果!今はダメ!更に面倒なことに…!」

穂乃果「問答無用!希ちゃん直伝、わしわしマーーーーックス!!!」ワシワシ

棚町「きゃああああああ!!!!」

田中「硝子の花園…!ハラショー…!」

橘「なん…だ…こ…れ…」ガクッ







――――――――――――――

―――――――――――

―――――――

――とある男子生徒の手記
~『反省中』書いてある札を首から下げた高坂さんと田中さん、大将が昇降口で突っ立ってるのを見つけるが、言及することを諦める。3人の隣にいる棚町の目がやけに怖い…~

『梅原にあのときのお礼を言おう!』

―――――教室
橘「梅原!」

梅原「なんだ大将。やけに元気がいいな!」

橘「このあいだはお前の助言のおかげで色々助かったからな!そのお礼を…」

梅原「ああ?そんなのいいって!俺たち親友、だろ?」

橘「梅原…!それじゃあこのローアングル探偵団常夏スペシャルは持って帰るか…」

梅原「おーっと!よくよく考えたら礼を受け取らないのは逆に無礼だよなぁ!ということで、受け取ってやるよ、大将」

橘「なんてわかりやすいヤツ…ほらこれ、袋に入れてあるし、マンガ雑誌に挟んであるから」コソッ

梅原「おぉっ!やっぱ持つべきは親友だなぁ!」

橘「それ僕が言うべき台詞だったんじゃないのか…?」

梅原「いいだろ、そんなのどっちでも!」

橘「梅原がいいならいいけど…」

梅原「うんうん…そういや大将、結局悩み事ってのはなんだったんだ?」

橘「え?梅原、興味ないって言ってたじゃないか」

梅原「そうなんだけどよー、棚町が訳知り顔でな?そうなると大将の親友としては悔しいじゃねぇか」

橘「…まぁ、そういうことなら。梅原なら言ってもいいかな…」

梅原「そうこなくっちゃ!」

橘「あれはな、…」

――――――――――――――――――――――――

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――――――――――――

―――――――

橘「と、いう訳で今は穂乃果さんを…」

梅原「…大将」

橘「ん?」

梅原「最近やたらと一緒にいると思ったら…」

橘「?」

梅原「…」

橘「…」

橘「な、なんだよっ!」

梅原「…くっ…」

橘「う、梅原…?」

梅原「大将の…」

橘「おい、梅原どうし」

梅原「裏切り者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ダッ

橘「梅原!!!梅原ぁあああああああ!!」

棚町「…アホくさ」

田中「あはは…」

穂乃果「…?梅原くん、どうかしたのかな」

棚町「放っといていいわよ、あんなの」

穂乃果「?」

『薫に呼び出されたけど、なんの用だろう』

橘「水泳の補習を?」

棚町「そそそ!ちょーっと代わって欲しくてさー」

橘「代わるもなにも、無理だろ。出席取るし、だいたい僕は男だ!」

棚町「それがさ!今日はいつもの先生が休んでるから、代理の人が来るらしいのよ~」

橘「はぁ…」

棚町「出席簿も性別までは書いてないし、薫なんて男か女かわかんないでしょ?」

橘「でも水着が」

棚町「水泳部の備品ちょろまかしてくるから!」

橘「でもなー…」

棚町「…わかったわよ」

橘「?」

棚町「穂乃果ー!」

穂乃果「んー?どうしたの薫ちゃん」

棚町「今日の放課後なんだけど、プール入らない?」

穂乃果「プール!?入る入る!」

橘「お、おい薫」

棚町「じゃあ、はい、これ水着。私のだからサイズは合うと思うんだけど…」

穂乃果「うん!…薫ちゃんは入らないの?」

棚町「私は、ちょっとバイトがね~」

穂乃果「え~!一人じゃつまんないな~」

棚町「だ・か・ら…純一が一緒に入ってくれるって!」ポン

橘「か、薫!何を…」

棚町「大丈夫よ、水泳部には話を通しておくわ」グッ

橘「そういう問題じゃあ…!」

穂乃果「ホント!?わーい!楽しみだね!純一くん!」

橘「あ、う、うん!そうだね…ははは…」

棚町「それじゃ、よろしくぅ~」

橘「くっ…」

穂乃果「温水プール♪楽しみ~♪」

橘「…普通の25メートルプールなんだけどなぁ」

穂乃果「♪」

『嗚呼…ここが楽園か…』

橘(結局断りきれずにプールまで来てしまった)

橘(しかし…)

橘(今の僕は薫に感謝しているっ!)

橘(なぜなら…)

穂乃果「あ、純一くん!」

七咲「先輩?なんでここに…」

橘「ちょっとね」

橘(…)チラッ

穂乃果「?」

橘(…bravo!)

橘「ここが天国…!」

七咲「先輩?」

橘「あ、なんでもない!なんでもないよ!」

七咲「…」ジトッ

橘「ところで、補習の先生はまだかな~」

七咲「知らないんですか、先輩」

橘「え?」

七咲「今日の補習はいつもの先生が休みなので…」

橘「違う先生がやるんだろ?」

七咲「水泳部の部長が代理を務める、って」

橘「…え?」

塚原「そういうこと。よろしくね?」

橘「うわぁあ!つ、塚原先輩!?」

塚原「…そんなに驚かなくてもいいじゃない」

橘「す、すみません…」ドキドキ

塚原「補習用のプリントは先生から預かってるから、名前を呼んだ人から取りにきてください」

七咲「高坂先輩、先輩は水泳部の仮入部扱いなので、こちらに」

穂乃果「うん!わかったよ七咲さん!」

穂乃果「おーい!補習終わらせてはやくこっち来なよーっ!」ブンブン

橘「…ははは」

塚原「棚町さん!…棚町薫さん?」

橘(う…これだよ…どうするかなぁ)

塚原「いないの?棚町薫さん!」

橘(ええい、やるしかない!)

橘「はい」

塚原「…」

橘「…」

塚原「えーっと…」

塚原「棚町、さん?」

橘「そうです」

塚原「…」

橘「棚町薫です」

塚原「…」

橘「…」

塚原「…はい、プリントです。頑張ってくださいね」カサッ

橘「あ、ありがとうございます!」

塚原「…どうなってるのかしら」

橘(さて、塚原先輩が優しい人でよかった…)

橘(プリントは…クロール50m、平泳ぎ50mに背泳ぎ25mか。結構あるけど、早く終わらせてあっちに)チラッ

七咲「高坂先輩!準備体操はしてくださいっ!」

穂乃果「えー?いいよそんなの!早く泳ぎたいー!」

七咲「ダメです!溺れたりしたらどうするんですか」

穂乃果「ちぇーっ」グッグッ

橘(よし!頑張ろう!)

塚原「各々課題がこなせたら私のところへプリントを持ってきてください」

塚原「それでは、はじめ!」ピィーッ

橘「うおおおおおおーっ!!!」バッシャーン!

塚原「棚町君飛び込まない!…まったく」

タチバナ<ウオオオオオ!

穂乃果「純一くん、気合入ってるなぁ!」

七咲「また変なこと考えてなきゃいいんですけど…」

穂乃果「七咲さんは純一くんのこと知ってるの?」

七咲「はい。妹さんと友達で…そういえば、一緒にサイン貰いましたよ」

穂乃果「え!?あのとき純一くんの妹さんの隣にいたの、七咲さんだったの!?」

七咲「はい。サイン、家に飾ってありますよ」クスッ

穂乃果「ごめんね!?忘れてた、というか、なんというか…」

七咲「いいんですよ。あのときはたくさん人がいましたし」

七咲「美也ちゃんは元気が良いので記憶に残りやすいですよね」

穂乃果「うー…でも…」

七咲「ふふ…優しいんですね、高坂先輩」

穂乃果「え?そうかな…えへへ」テレテレ

穂乃果「…そういえば、よく考えたら妹さんとお友達だからって知り合いになるわけじゃ…」

穂乃果「あ、お家に遊びに行ったり?」

七咲「…それはですね」

穂乃果「?」

七咲「…橘先輩は覗きの常習犯で」

穂乃果「覗き!?」

七咲「よく、窓とかドアの隙間から水泳部を覗いてるんです」

穂乃果「純一くん…」

七咲「塚原先輩と私で追い出しますけどね」

穂乃果「…」ムムム

七咲「でも、最近は来ませんね。忙しくなったんでしょうか」

穂乃果「…あ」

七咲「平和でいいんですけどね」

穂乃果「そっか」

穂乃果(…)

七咲「それでは高坂先輩。お手並み拝見、といきましょうか」

穂乃果「…うん!見てなよ~!」サッ

穂乃果「はっ!」バッ

橘「…!…!」バシャバシャ

橘(よし、平泳ぎあと25m!)

橘(すごく調子が良いぞ!)

橘(…穂乃果さんは…)チラッ

穂乃果「…!!」バッシャバッシャ

橘(すごい!速いぞ!本当に水泳得意だったんだな…)

橘「負けてられない!うおおおおおお!!!!」バッ!バッ!


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―――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

―――――――――

橘「お、終わった…」ゼェ…ゼェ…

塚原「はい、お疲れ様。棚町くん、帰っても良いわよ」

橘「あ、なら僕はあっちに…」

塚原「あら、あっちは水泳部が練習中よ。部員以外は立ち入り禁止」

橘「ええっ!そんな!」

塚原「あなたならよく知ってると思うけど?」クス

橘「うっ…はい…」

塚原「ふふっよろしい」

橘(塚原先輩は…やはり恐ろしい…)

穂乃果「どうどう?七咲ちゃん!」プハッ

七咲「筋がいいですね。本格的に水泳部に入部しませんか?」

穂乃果「あはは!アイドルやってなかったらねー!」

橘(…くそぅ…見納めて出よう…)トボトボ

穂乃果「…?純一くんはどうして出てっちゃうの?」

七咲「基本的に水泳部以外は冬季のプール使用が禁止だからですね。ただ…」

七咲「そうでなくても橘先輩は前科持ちですから…」

穂乃果「あー…」

七咲「さて、高坂先輩、次は競争しますか?」

穂乃果「いいね!負けないよ!」

『疲れた…けど、ちょっと寄り道していこうかな』

―――――帰り道
橘「はぁ…」グッタリ

橘(疲れた…薫に何か請求しないと割に合わない!)

橘(疲労がすごいけど…久しぶりにゲームセンターでも行こうかな)

橘(最近行ってないから、このままでは梅原に負けてしまう!)

橘「気分転換気分転換!」

―――――ゲームセンター
橘「…ぐぬぬ」

橘(か、勝てない!)

橘(疲れてて手が思うように動かない…)

橘(やめよう…まっすぐ帰ればよかった…)ガタッ

???「…あ!純一くん!」

橘「へ?」

穂乃果「こんなところで何してるの?」

橘「穂乃果さん!?穂乃果さんこそ、ここで何を…」

穂乃果「新作のダンスゲームが出るって聞いて、見に来たんだ!…泳ぎ疲れて、プレイできそうにないんだけどね」

橘「なるほど。僕もちょっと気分転換に来たんだけど、はりきって泳いだせいか手が震えて…」プルプル

穂乃果「あはは!純一くん、すごかったもんね!」

橘「見てたんだ…」

穂乃果「うん!残念だったね、一緒に泳ぎたかったのに」

橘「でも穂乃果さんの水着姿はばっちり見れたからよしとするよ」ハハハ

穂乃果「…!」カァッ

穂乃果「もー!なんでそういうこと言うかな!」ジトッ

橘「好きだからかな」

穂乃果「!!」カァァァッ

穂乃果「む、ぐむむむむ…平気で言うようになったね…」

橘「言わないと忘れられそうだし…」

穂乃果「忘れないよ!穂乃果を何だと思ってるの!?」

橘「冗談だよ」

穂乃果「む、むむむむ…」

橘「穂乃果さんは、もう帰り?」

穂乃果「そうだよー帰りだよー」

橘「駅まで送るよ」

穂乃果「ぅええ?いいよーそんな!疲れてるんでしょ?」

橘「前は逃げられたし、今日は絶対送るからね!」

穂乃果「あー…そんなこともあったような…」

穂乃果「じゃあまたどこかで逃げちゃおうかな?」ククク

橘「だったら…」ギュッ

穂乃果「ふぁ?」

橘「こう、手を繋げば逃げられないかな~なんて…」

穂乃果「ぁぅ…」カァァ

橘「ゆでだこみたい」アハハ

穂乃果「だ、だめだめ!こんなのスキャンダルだよ!破廉恥だよっ!」バッ!

橘「ああっ!でも逃げるって…」

穂乃果「逃げない!逃げないから!穂乃果の負け!」ブンブン

橘「よし!勝った!」グッ

穂乃果「なんだか今日の純一くん積極的だね…」

橘「大口叩いたし、なにか行動しないと、って思っただけだよ」

穂乃果「むむ…」

橘「さ、帰ろう?遅くなるよ」

穂乃果「…うん」

―――――

橘(穂乃果さんを駅まで送った)

橘(ちょっと強気で対応してみたら、穂乃果さんがしおらしくなっててかわいかった)

橘(…終始顔が真っ赤だったけど、効果はあったのかな)

『穂乃果さんが写真を撮ってる…どうしたんだろう』

―――――屋上
穂乃果「はい!チーズ!」パシャ

棚町「むふふ~どうどう?綺麗に撮れた?」

穂乃果「えーっと…うん!バッチリだよっ!」グッ

穂乃果「次、恵子ちゃんね!」

田中「私も?うー…なんか恥ずかしい…」

橘「…」

梅原「なぁ大将」

橘「なんだ梅原」

梅原「珍しく俺まで呼ばれると思ったら…なにやってんだ高坂さんは」

橘「さぁ…」

穂乃果「それはね!」ヒョコ

橘「わっ!?」

穂乃果「μ’sのメンバーが、穂乃果のこっちの友達が気になるって言ってるから見せてあげようかなって!」

梅原「なるほど…ってことは、俺も友達ってこと?」

穂乃果「純一くんの友達は私の友達だよ!」

梅原「光栄だなぁ!俺でよかったらいくらでも撮ってくれ!」グッ!

穂乃果「うん!いいね梅原くん!いいポーズだよ!」パシャパシャ

橘「そういうことか…」

七咲「失礼します」

美也「します!」

橘「七咲?美也も…」

美也「高坂先輩に呼ばれたんだよ!写真が撮りたいって!」

七咲「同じくです」

橘「へー…すごい行動力だな高坂さん」

七咲「わざわざクラスに来ましたからね。ちょっとびっくりしました」

穂乃果「あ!美也ちゃん!七咲ちゃん!」ブンブン

美也「高坂先輩!来ましたよーっ!」ブンブン

穂乃果「よーしピンで一枚…」

美也「ぶいっ!」

穂乃果「いいねー!」カシャ

七咲「…相性いいんですかね、あの2人」

橘「ああ…そうかもね」

穂乃果「七咲ちゃんも!チーズ!」

七咲「え、あ、ぶい…」

穂乃果「かわいいー!!!」カシャッ

棚町「さて、全員撮った?アタシ呼び出しがあるからもう行かないと…」

穂乃果「あ、待って!集合写真撮ろうよっ!」

田中「いいけど…どうやって撮るの?」

梅原「あ、俺がやろうか?」

穂乃果「ふっふっふ…抜かりはないよ!じゃーん!」バッ

美也「おおっ!三脚だ!」

七咲「このためにわざわざ持ってきたんですか…」

穂乃果「写真部に借りたんだよ!さ、並んだ並んだ!」カチャカチャ

穂乃果「…よし、いくよー!」タイマーオン!

美也「高坂先輩、早く早く!」

穂乃果「はっ!」ブイ!

ピピッカシャ

穂乃果「…うん!撮れてる!」

田中「穂乃果ちゃん、写真出来たらちょうだいね!」

穂乃果「うん!もちろんだよ!」

棚町「…じゃ、アタシは行くわねー」ヒラヒラ

穂乃果「ありがとねー!」

田中「私も薫について行こうかな…じゃあまたね!」

穂乃果「はーい!」

美也「みゃーもかーえろ!またね先輩!」

七咲「あ、私も…それでは、失礼しました」ペコ

穂乃果「わざわざありがとね!またね!」

梅原「あー…俺も今日は家の手伝いがあった!」

橘「え?今日はヒマなんじゃ…」

梅原「うりゃ!」ゲシ

橘「いたっ!」

梅原「じゃあな高坂さん!大将!」

穂乃果「じゃあねー!」

橘「いてて…なんだよ梅原のヤツ…」サスサス

穂乃果「…純一くん」

橘「え?なに?」

パシャ

橘「は」

穂乃果「ふふっ、変な顔!」

橘「そんな!ひどいよ穂乃果さん!」

穂乃果「もう一枚撮るよー!」

橘「え?ちょっとまっ」

穂乃果「はい!チーズ!」

橘「はっ!」キリッ

パシャ

穂乃果「おっ!決め顔?結構いい感じだよっ!」

橘「本当に?見せて見せて」グイッ

穂乃果「ふぁ…」カァ

橘「おお!いい感じ!これが僕の本気だよ!」

穂乃果「じゅ、純一くん、近いよ!」バッ

橘「あ…ご、ごめん」

穂乃果「もう…」

橘「…」

穂乃果「…」テレテレ

橘「…」

穂乃果「…」ソワソワ

橘(…これは)

穂乃果「…」イジイジ

橘(いい雰囲気ってヤツなのでは!?)

橘(おおおおおおお落ち着け橘純一!焦るといいことない!)

穂乃果「…純一くん」

橘「はひぃ!?なにかな!?」ビクゥ

穂乃果「…」モジモジ

穂乃果「2人で、…撮る?」

橘「は…」

穂乃果「あ、嫌なら!無理しなくても、いいんだけど…」

橘「嫌なんて!そんなわけないよ!!撮ろう撮ろう!」

橘「じゃあ、三脚を…」

穂乃果「しまっちゃったし、こうやって撮れないかな?」グイッ

橘「!?」

橘「こ、これは…!」

穂乃果「自撮りだよっ!」

橘「ふぉぉ!」

橘(近い!穂乃果さんの顔との距離、わずか3センチ!)

穂乃果「う…鼻息荒いよ純一くん!」

橘「あ、ごめん…」

橘(落ち着け…さっきの決め顔で…)スゥーッ…ハァーッ…

穂乃果「撮るよー」サッ

橘「は、はい!」

穂乃果「はい、チーズ!」カシャッ

穂乃果「えーっと…」スッ

橘(…離れた)

橘(幸せだけど、心臓がもたないよ…)ドキドキ

穂乃果「うん!仲良さそうに写ってるね!」

橘「どれどれ…」

穂乃果「ほら!」

橘「…」

橘(なんだこれは…仲がいいどころかまるで…)

穂乃果「どう?上手でしょ?イマドキの女子高生だからね!」フンス

橘「上手だよ…まるで…」

穂乃果「ん?」

橘「カップル、みたいな…」

穂乃果「っ」カァァ

橘「あ、いまのナシ!なんでもない!よく撮れてるよ!」

穂乃果「うううう…」マッカッカ

穂乃果「帰る!帰るよ純一くん!」

橘「は、はい」

穂乃果「もう…どうしてわざわざそういうこと言うかな…」ブツブツ



橘(…穂乃果さんとの距離が縮まった)

橘(物理的にも精神的にも…)

橘(でもあれってμ’sのメンバーに見せるとかなんとか言ってたような…)

橘(大丈夫かな…)

今日はここまでです

どうしたらいちゃつく感じが出るのか
それも無理なく

とても難しいですね

読んでくださってる方、書き込みしてくれる方、ありがとうございます。モチべ上がります

なんだか思ったよりも長くなりそうです。ガンバリマス

『今日は穂乃果さんの個人練習日だ!』

穂乃果「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」ババババッ

穂乃果「1!2!3!4!」ビビビッ

橘「…」ジーッ

穂乃果「はっ!」ビシッ!

橘「おぉーっ」パチパチ

穂乃果「ありがとーっ!」フリフリ

橘「はい、スポーツドリンク」

穂乃果「おー!」パシッ

穂乃果「んく…んく…ぷはぁー!」

橘「完璧だったね!」

穂乃果「うん!いい感じいい感じ!」

橘「最終予選の曲?」

穂乃果「うーん…たぶん、違う、んじゃないかな?」

橘「え?ならなんで…」

穂乃果「今までの曲の中で基本的なステップが多いから、って海未ちゃんにすすめられて」

橘「海未ちゃん、っていうのは、園田海未さん?」

穂乃果「うん!海未ちゃんがいつも練習メニュー考えてくれるんだ!」

橘「へぇ。すごいなぁ」

穂乃果「自慢の幼馴染だよっ!」ブイ

橘「それで、最終予選はどんな曲で出るの?」

穂乃果「あー…あのね…」

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―――――――――――――――――

―――――――――――

――――――

穂乃果「というわけで、ラブソングを作ろう!ってなったんだけど…」

橘「恋愛経験がないから詩が書けない、か…」

穂乃果「そうなんだよー!9人いてまさか0とはね…」

橘「うーん…やっぱり経験ないと書けないかな」

穂乃果「そういうわけじゃないんだろうけどさ。最終予選だし、特別な出来にしたいんだよね!」

橘「そうか…そうなると、本当に気持ちが入ってないとダメだね」

穂乃果「どうしよーかなー」グデー

橘(ここで…

橘「僕が恋心ってヤツを教えてやるよ」

穂乃果「純一くん」キュン

みたいな…流石にちょっとクサいかな…)

穂乃果「うじうじしてても仕方ないよね!今はニガテなステップを克服することに専念しよう!」

橘「…うん、ソウダネ…」

穂乃果「?どうしたの?」

橘「なんでもない…」

穂乃果「…?」

『帰ろうと思ったら校門のところに誰かいるぞ…関わらないように通り抜けよう…』

橘「さて、今日は穂乃果さんもいないし、帰ろうかな」

橘「…ん?」

??「…」ササッ

橘「…」

橘(校門の陰に誰かいる…)

橘(なにか、写真みたいなものを持って通る人の顔と見比べてるみたいだけど)

橘(あきらかに怪しい…)

橘「…」スタスタ

??「…」サッサッ

??「…!!」

??「ちょっとあんた!」バッ

橘「ええっ!?まさかの僕!?」

??「話があるの。面貸しなさい!」グイッ

橘「え?え?な、なにを…」

??「いいから!早く!」グイグイ

橘「わかりました!わかりましたから引っ張らないで!」

――――公園

橘(連れてこられたけど…一体僕に何の用が…)

橘(というか誰だろう…)

??「この辺なら変装しないでも大丈夫そうね…」キョロキョロ

橘「あの…僕に何の用で…」

??「とりあえず自己紹介するわ」バサッ

橘「…!!」

??「私は音ノ木坂の…」

橘「にこにー!矢澤にこさんじゃないですか!!!!」

にこ「えっ?」

橘「銀河系ナンバーワンアイドルの!すごい!本物だ!」

にこ「!!」

にこ「も、もー!あんまり大声で言わないの!お忍びなんだからぁ♪」キャルン

橘「うおおおおおおおおおおおおおお!にこにー!!!」

にこ「仕方ないなぁー!特別だよ?せーの!」

橘・にこ「「にっこにっこにー♪」」

にこ「あなたのハートににこにこにー♪笑顔届ける矢澤にこニコ!にこにーって呼んでらぶにこっ♪」バチン!

橘「すごいぞ!今日はどうなってるんだ!」

にこ「ありがとー!」フリフリ

橘「にこにー!!!!」

にこ「…」フリフリ

にこ「…」

にこ「…」ハッ

にこ「って、違ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!」

橘「わっ!?」

にこ「扱いが嬉しすぎて危うく脱線し続けるところだったわ…」

橘(嬉しかったんだ…)

にこ「アンタ、橘純一よね」

橘「あ、はい…」

にこ「単刀直入に言うわ。これ以上穂乃果に近づくのをやめなさい」

橘「!」

にこ「言いたいことは…わかるわよね?」

橘「…はい」

にこ「μ’sは今、あのA-RISEのライバルとして世間に認められつつある…そのリーダーから男の匂いがしたら…」

にこ「ラブライブの結果にも関わる。その男が例え本当に友達だとしても、ね」

橘「…」

にこ「悪いことは言わないわ。にこのことも知ってたみたいだし、アンタもファンならわかるでしょ?」

橘「…」

にこ「…それにね」

にこ「ラブライブのことだけじゃない」

橘「…」

にこ「スキャンダルを理由に引退するアイドルがファンにどう言われ続けるか…わかるはずよ」

にこ「穂乃果のためを思うなら…」

橘「矢澤先輩」

にこ「…なによ」

橘「僕は、穂乃果さんが好きです」

にこ「…!!」

橘「そして、それは穂乃果さんも知ってます」

にこ「なっ…!もう告白までしてたってこと!?」

橘「フられましたけどね…でも、まだ諦めてません。いつか振り返らせようと思ってます」

にこ「アンタ…!!」

橘「僕も一度、穂乃果さんを遠ざけようとしました」

にこ「!」

橘「結果は、失敗でした。友達だと思ってたのに、なんて泣かれて…」

にこ「…」

橘「そのとき告白したんですけど、穂乃果さんなんて言ったと思います?」

にこ「…」

橘「…惚れさせてみろ、って」

橘「僕は思ったんです。敵わないな、って」

にこ「…」

橘「だから、決意しました」

橘「僕は退きません」

にこ「…!」

橘「ラブライブのこと…アイドルのことは…僕の問題じゃない。穂乃果さんが悩むことです」

橘「わがままだとは思いますけど」

橘「穂乃果さんと一緒にいたい」

橘「もし穂乃果さんが僕よりもアイドルを選ぶなら、」

橘「そのときは僕の負けです」

にこ「…」

橘「もしも僕が勝って」

橘「そのせいで穂乃果さんになにか起きたとしたら」

橘「…全部、なんとかします」

橘「隣にいて、支え続けます」

橘「矢澤先輩」

にこ「…」

橘「すみません、生意気な口をきいて」

にこ「…まったくよ」

橘「僕の覚悟は、伝わりましたか?」

にこ「…」

にこ「…」ハァ

にこ「だったら、これは勝負ね」

橘「はい」

にこ「私は…アイドルを」

橘「僕は、恋人を」

にこ「…自分勝手なヤツね」

橘「同感です」

にこ「負けないわよ」

橘「こっちこそ。負けませんよ」

にこ「…じゃ、私は帰るわ」

橘「はい。すみませんお時間使わせちゃって」

にこ「…」

にこ「ふん!」スタスタ

橘「…」ペコリ





橘(…)

橘(まさかの展開だったけど)

橘(…いい先輩なんだな、矢澤先輩って)

『せっかくの休日だけど、何をしようかな…』

橘「ふぁ~~あ」ノビー

橘「日曜日…か。今日はなにも予定がないし、どうしようかな…」

橘「…久しぶりにパソコンで情報収集でもしようかな」

橘「…」カチッブゥーン…

橘「…」カチカチッ

橘(えっと…ラブライブ、っと)ケンサク

橘(…何度見てもすごいなぁ。関東地区だけでも何組のグループが出てるのか…)

橘(…)カチカチ

橘(μ’sのページ…)

橘(僕の知らない穂乃果さんだ…変な感じだな)

橘(矢澤先輩もいる…)

橘(…ん?)

橘(ラブライブ注目のグループμ’s特集?なんだろう)カチッ

橘(…すごい、個人のページがあるんだ)

橘(リーダー、高坂穂乃果プロフィール…)カチッ

橘(誕生日、8/3 血液型、O型…ははっ、穂乃果さんらしいや)

橘(好きな食べ物、いちご 嫌いな食べ物、ピーマン。へぇ…ピーマン苦手なんだ)

橘(身長157センチ うんうん、意外と高いんだよなぁ穂乃果さん)

橘(あとは、えーっと…スリーサイズ)

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「えぇぇぇぇぇぇっ!!!?????」ガタッ

橘(そ、そうか!アイドルだから、スリーサイズが公示されててもおかしくない…)

橘(グラビアとかあったら必要だし…)

橘「…」ゴクリ

橘「…」カチッ

橘(バスト…78。ふむ。大きすぎず、かといって小さすぎず。このくらい…いや、このくらいかな)ワキワキ

橘(ウエスト、58。…58?…うーん、僕の見立てだともう少しだけある感じだったんだけど…)

橘(ヒップが82。ほう。大体平均的かな…)

橘(…)

橘(ぼ、僕はなにをやってるんだ!)

橘(なんだか恥ずかしくなってきたぞ!)

橘(こういうときは…)ガタッ

橘(走るしかない!)

橘「うおおおおおおおおおおおおお!!」バッ

橘(…こうして日曜日が終わった)

橘(有意義だったようなそうでもないような…)

『穂乃果さんとお話でもしよう』
―――――屋上

橘「穂乃果さん」

穂乃果「お、来たね純一くん!」

橘「今暇かな」

穂乃果「うん!おしゃべりでもする?」

橘「いいね。えーっと…」

〈世間話〉

橘「穂乃果さん、最近個人練習多くない?」

穂乃果「え!?そ、そうかな~」

橘「うん。あんまり急いで学校出てくの見ない気が…」

穂乃果「そんなこと!ないよ…?」

橘「ふーん?気のせいかな」

穂乃果「気のせい気のせい!」

〈勉強〉

橘「あっ!そういえば明日提出の英語の宿題忘れてた!」

穂乃果「ぅえ!?英語に宿題なんてあったっけ!?」

橘「長文和訳だよっ!」

穂乃果「…あ!あったねぇそんなのも…」

穂乃果「でも明日ならなんとか、今日やればいいよね?」

橘「先週出されたやつだから、割と量あったような…」

穂乃果「大丈夫大丈夫!なんとかなる!」

橘「…ならない気がしてきた」

穂乃果「えー!?」

〈運動〉

橘「穂乃果さん、本当に水泳得意だったんだね」

穂乃果「むー?信じてなかったの?」

橘「そういうわけじゃないんだけど…思ったより泳ぐの速かったなぁって」

穂乃果「ふふーん!七咲ちゃんにも褒められたよ!」

橘「水泳部も勧誘してたでしょ」

穂乃果「うん!アイドルやってなかったら入ったのになぁ」

橘(本当に勧誘したんだ…水泳部は見境ないからなぁ…)

〈娯楽〉

橘「テレビとかよく見る?」

穂乃果「見るよ!アイドル特集とか特にね!」

橘「あ、研究とかするんだ」

穂乃果「やっぱりダンスとか衣装とか見ちゃうかな!」

穂乃果「気になったところは報告したり…」

橘「へー…僕も今度そういう視点で見てみようかなぁ」

穂乃果「うん!おもしろいよっ!」

〈食べ物〉

橘「寒くなってきて、鍋の季節だね」

穂乃果「いいね!鍋!みんなでわいわいできるしっ!」

橘「穂乃果さんは〆は雑炊?うどん?」

穂乃果「うどんで〆てから、次の日の朝ごはんに雑炊!」

橘「うわっ!欲張り!」

穂乃果「鍋は最後の最後まで楽しみつくすんだよ!!」

〈おしゃれ〉

橘「化粧とかしてる?」

穂乃果「あんまりしないかな…練習なんかで汗かくととれちゃうし」

橘「休みの日はしてるってこと?」

穂乃果「う…してません…」

橘「見栄張ったね」

穂乃果「もー!純一くんのいじわる!!」

橘「まぁ化粧なんてしなくても穂乃果さんはかわいいよ」

穂乃果「っ!」カァァ

穂乃果「って、恥ずかしいこと言うの禁止ー!!!」

橘「あははっ、ごめんごめん」

〈恋愛〉

橘「人目を気にしないカップルとか、どう思う?」

穂乃果「え?うーん…きっと、周りが見えなくなるくらい相手のことしか見てないんだろうねっ!」

橘「ふむ」

穂乃果「仲いいんだなぁって思うよ!」

橘「肯定的、と」

穂乃果「なにメモしてるの!?」

橘「冗談だよ」

穂乃果「もー…」

〈エッチ〉

橘「穂乃果さんはさ」

穂乃果「え?」

橘「勝負下着とか持ってる?」

穂乃果「え?」

橘「勝負下着…」

穂乃果「…」

穂乃果「」ボフン

橘「わあっ!?大丈夫!?」

穂乃果「変なこと聞かないでよっ!」カァァ

橘「ご、ごめん…気になって…」

穂乃果「気になっててもそんなこと聞いていいわけないでしょ!変態!」

橘「うっ…」

穂乃果「…反省した?」

橘「はい…」

穂乃果「ん。許そう!」

橘「ありがたき幸せ」

穂乃果「なにそれ」アハハ

〈行動〉

橘(穂乃果さんの手をさりげなく握ってみよう!)

橘「…穂乃果さん」

穂乃果「なにー?」

橘「…」ススッ

穂乃果「わわっ!?近いよ、純一くん!」

ギュッ

穂乃果「あ…」

橘「…どう、かな」

穂乃果「ど、どうって…あったかいけど…」

穂乃果「ってダメ!急になにしてるの!」バッ

橘「ああっ!さりげないつもりだったのに!」

穂乃果「全然さりげなくないよっ!」

〈アタック〉
シュインシュシュシュシュシュ…

橘(もうこんな時間か…)

穂乃果「あ、そろそろ帰る?」

橘「そうだね。時間も時間だし」

穂乃果「一緒に帰ろっか!せっかくだし!」

橘「うん。カバンが教室にあるから、取ってくるよ」

穂乃果「じゃあ穂乃果は校門にいるね!」

橘「すぐ行くよ!」

―――――

橘「そういえば…」

穂乃果「?」

橘「穂乃果さん、メロンパンって好き?」

穂乃果「好きだよっ!どうして?」

橘「駅前で焼きたてを路上販売してるらしくてさ。よかったら寄っていかない?」

穂乃果「焼きたて!?それは行かなきゃだね!!」

橘「お、すごくいい反応」

穂乃果「焼きたてのメロンパン…ふふふ」ジュルリ

橘「そんなになんだ…」

~駅前~

穂乃果「いや~まいったね!おじさんがこんなにおまけしてくれるなんて!」

橘「すごい量…500円でこんなにもらってよかったのかな」

穂乃果「笑顔に惚れたっ!ってどんどん袋に詰めてきちゃうから、断るに断れなかったよね」アハハ

穂乃果「ごめんね?持たせちゃって…」

橘「ううん、いいんだよ。穂乃果さん、あったかい内に食べたら?」

穂乃果「そうだね!じゃあ1個拝借して…」ヒョイ

穂乃果「いただきま~す!」パクッ

橘「どう?」

穂乃果「~~~~~~~~っ!」プルプル

穂乃果「おいしい!!甘くってさくふわ!!!」モグモグ

橘「よろこんでもらえてよかったよ」

穂乃果「うん!純一くんに教えてもらわなかったら知らないままだったなぁ…」

橘「ははっ、たくさんあるからどんどん食べてよ!」

穂乃果「ありがとう!…でも、このままじゃ純一くんが食べられないよね」モグモグ

橘「僕は余った分持って帰って家で食べるからいいよ」

穂乃果「ええーっ!せっかく焼きたてほかほかなのに…」

穂乃果「…」

穂乃果「!」ピーン

橘「? どうしたの穂乃果さん」

穂乃果「えーっとね…」ヒョイ

橘(なんだ…メロンパンをひとつ手にとって…)

穂乃果「よっと」

橘(一口大にちぎった…)

穂乃果「はい!口開けて!」サッ

橘「うぇっ!?ほ、穂乃果さん!?」

穂乃果「? どうしたの?ほら、おいしいよ?」

橘「う…あーん」

穂乃果「はい♪」ヒョイ

橘「はむ…」

穂乃果「ひゃっ!」バッ

橘「むぐ!?」

橘(メロンパンにがぶりついたら何か別の感触がしたぞ)

穂乃果「も、もう!純一くんわざと!?穂乃果の指まで食べたでしょ!」

橘「え…」

橘(なにィ!!!????しまった!あまりの速さに楽しむ間もなく離されてしまった!)

穂乃果「そういうことするなら食べさせてあげない!」

橘「そ、そんな…」

穂乃果「穂乃果がおいしそうにメロンパンを食べるのを見ているがいい!」パクッ

穂乃果「んむ…モグモグ…美味しい!」

橘「…」

橘「!?」

橘(今…穂乃果さん、僕の口に入った方の指でメロンパンをちぎって食べたぞ)

橘(それだけならまだしも!その指ごと穂乃果さんは自分の口の中に入れた…!)

橘「ほ、穂乃果さん…」

穂乃果「なにー?」モグモグ

橘「それ間接キスじゃ…」

穂乃果「ふぇ…?」

穂乃果「…」

穂乃果「…!」

穂乃果「~~~ッ」カァァァ

橘「あ、真っ赤…」

穂乃果「じゅ、純一くん!!!」

橘「はい!?」

穂乃果「言わなくても良かったんじゃないかな!今のは!!」

橘「え、あ、うん、そうだね」

穂乃果「むむむむむ…もーっ!」ダッ

橘「うわ!待ってよ穂乃果さーん!」



橘(こうして素晴らしい時間を過ごした)

橘(必死で思い出そうとしても、穂乃果さんの指の感触は戻ってこなかった…)

『穂乃果さんにもう一度想いを伝えよう!』

橘(矢澤先輩にあんな大口たたいた手前、もっと積極的に行動しないと!)

橘(それにはやっぱり、2人きりのときにもう一回気持ちを伝えて、僕の本気さを伝えないと!)

橘(前は薫がいたし…)

橘(よし!そうと決めたら計画を…)

橘(…)

橘(いや、こういうのは勢いだ!計画なんて立ててる場合じゃないぞ!)

橘(穂乃果さんを探そう!)

橘(なんとしても今日中に言って見せる!)

~休み時間~

―――――教室
橘「穂乃果さん!」バーン!

穂乃果「わっ!?なに?純一くん」

棚町「うるさいヤツねー…もう少し静かにできないわけ?」

橘「あ、ごめん。…じゃなくて、穂乃果さん」

橘「今日、放課後いいかな?」

穂乃果「今日?…ごめんね、今日は全体練習があるんだ」

橘「そ、そっか…仕方ないよね」

穂乃果「何の用だったの?急ぎなら、ちょっと練習遅れてもいいけど…」

橘「いや!それはいいよ!悪いし、最終予選近いんだから!」

穂乃果「うん…それじゃ、ちょっと穂乃果はお手洗いに」ヘヘヘッ

棚町「いってらっしゃ~い」フリフリ

穂乃果「いってきま~す」スタスタ

棚町「…で」

橘「ん?」

棚町「なんのつもり?」

橘「なにが」

棚町「穂乃果と放課後、なにをするつもりだったの?」

橘「え゛?べ、別に?ヒマかなぁってだけだよ!?」

棚町「…ふーん?…ま、いいけど」

橘「ははは…」

~昼休み~

―――――屋上
棚町「どうしたのよ純一。そんなに息きらして」

穂乃果「汗すごいよ?」

田中「大丈夫…?」

橘「…」ハァハァ

橘「ふ、ふふふ…」

橘「大丈夫…なんでもないよ…」ガクッ

穂乃果「ふぅん?変な純一くん!」

橘「…」

橘(そりゃ昼休みなんだから、友達と昼食食べてるよ…)

橘(僕はバカか…)

棚町「…」

~授業中~

橘(…授業中に抜け出すわけにはいかないし)

穂乃果「…」スヤスヤ

橘(なにより穂乃果さん寝てるし…)

穂乃果「…」スヤァ

橘(いつも通りだけどね…)

~放課後~

―――――教室
橘「な、何もしないうちに放課後に…」

橘「まずいなぁ…穂乃果さん帰っちゃうよ…」

梅原「大将!帰ろうぜ~!」

橘「…梅原ぁ」

梅原「? どうした大将」

橘「僕は…僕は腑抜けだ…」

梅原「ああ?なんだぁ急に」

橘「ううう…」

梅原「?」

棚町「純一~」

橘「薫…」

梅原「棚町、なんだか知らないが大将は今絶賛ヘコみ中だ。放っておいてやってはくれまいか…」

棚町「あら、そうなの?せっかくいい話があるのに」

橘「いい話?」

棚町「そそそ。水泳の補習、出てくれたでしょ?大変だったらしいじゃない」

橘「ああ…あれか。散々だったよまったく」

棚町「そ・れ・で…お礼と言っちゃなんだけど」

橘「?」

棚町「穂乃果、校庭の水飲み場に待たせてあるわよ。駅に行く用があるからそこまで一緒に帰ろうとか言って!」

橘「…!!」

棚町「で、どうする?いらないならアタシは穂乃果と一緒にホントに帰るし…」

棚町「必要なら、携帯で先生に呼び出されたーごめんねーって連絡してもいいわよ?」

橘「ありがとう薫!恩にきるよ!!」ダッ

棚町「あっ!ちょっと!…まったく、穂乃果のことになると周り見えなくなるんだから」

梅原「…なるほどな。そういうことか」

棚町「あら、いたの。…世話が焼けるでしょ?アイツも」

梅原「ま、世話を焼きたくなる。それも大将の魅力、ってやつだろ?」

棚町「気持ち悪い」

梅原「ひでぇな!?」

―――――校庭
橘「はぁ…はぁ…」ゼェゼェ

橘「ほ、穂乃果さんは…」キョロキョロ

橘「…いない?」

…クーン!オーイ!…イチクーン!

橘「…ん?どこからか声が…」キョロキョロ

穂乃果『純一くーーーーーーん!!!おーーーーーーーーい!!!!こっちこっちーーー!!!!』

橘「…」

橘「…ハッ!」バッ

穂乃果『おーーーーーーーーーい!!!!』

橘「穂乃果さん!?なんで屋上に!」

穂乃果『お昼のときにーーーーー!!!柵に掛けたタオル忘れちゃってーーーーーーー!!!!』

橘「なるほど…穂乃果さーーーーーーーん!!ちょっといいーーーーーーー!?」

穂乃果『えーー?ごめーーーーん!もう時間ないからーーーーーー!!!』

穂乃果『薫ちゃんとーーーーー!!!帰ろうと思ったんだけどーーーー!!!』

穂乃果『呼び出されちゃったみたいだしーーーーー!!!!』

穂乃果『タオル探してーーーー!!!時間なくなっちゃったからーーーーーー!!!走って行かないとーーーーー!!!』

橘「そ、そんな…どうしよう…」オロオロ

穂乃果『じゃあね純一くーーーーーん!!!!』ブンブン

橘「あっ…」

橘(仕方ないよ…それに、明日でもいいじゃないか。そんなに急がなくても…)

橘(まだ時間はある…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(いや…)

橘(それじゃダメなんだ!)

橘(そんな覚悟じゃ…)

橘(矢澤先輩には勝てない!)キッ

橘「穂乃果さぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあん!!!」

穂乃果『…? なにーーーーーーーーー?穂乃果急いで…』

橘「…!!」ババッ

橘「すぅぅぅぅぅぅぅぅ…」






橘「好きだぁあぁぁああぁあぁあぁぁぁぁ!愛してるっっっっっっっっっ!!!!」






穂乃果『…』

穂乃果『…!!??』ボフン

ガララッ!

オイ!イマノ!ダレダ!?ニネンノタチバナ!?ホノカサンッテ…アノコウサカホノカ!?

穂乃果『…あ、あぅ』カァァ

橘「…」ハァ…ハァ…

橘「…」ジッ

橘「…」

橘「…」ニッ

穂乃果『!!』

穂乃果『…もうっ!!純一くんの!!!!』

穂乃果『バカぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!』ダッ

橘「あっ…」

バカ?フラレタノカ?サァ…ドウナンダヨ…ザワザワ

橘「…」

橘「やりきった…よな」

橘「ははは…」

橘「…ふぅ」バタン

梅原「…大将」

橘「…梅原か」

梅原「かっこいいじゃねぇか。棚町から伝言だ」

橘「なんだ?」

梅原「『周りの始末はアタシと絢辻さんに任せときなさい』だとよ…末恐ろしいヤツだぜ」

橘「…ははっ、ありがたいな」


橘(すごいことをしてしまった…)

橘(穂乃果さんに、気持ちは届いただろうか)

橘(…)

橘(穂乃果さん…)

今日はこんなもんで…
アコガレ、もう少し続きますが、
アンケートです。

スキルートとナカヨシルートどちらがいいですかね

考えてる感じだとわざわざどちらも書くほど差異はないんですが
ちょっとだけ変えてみようかなと思ってます。

読んでいる方、
いらっしゃったら是非ともご意見を書き込んでいただけると幸いです。

あと、書き込んでくださっている方々、ありがとうございます。
毎度毎度めっちゃ嬉しいです。

『美也が騒がしいな…もしかしなくてもあのことだろう』

美也「にぃににぃににぃにーーー!!!」

橘「な、なんだよ美也!うるさいぞっ!」

美也「にぃに、今日校庭で叫んでたでしょ!?学校中に聞こえてたよ!」

橘「うぐ…そ、そうか…」

美也「みゃーはわかるよ!あれ、本当はお芝居じゃないんでしょ?」

橘「お芝居?」

美也「うん!隠したってムダムダ~!」

橘「…何の話だ?」

美也「にしし~!まぁそう落ち込まないで!高坂先輩以外にもかわいい女の子はたくさんいるよ~」

橘「???」

美也「ふられたんでしょ?『バカァーーーーーー!!』って言われたし!」

橘「あー…別に、たぶんフられたわけじゃないと思うんだけど…」

美也「かわいそうに…現実が受け止められないんだね…」

橘「いや、だから…」

美也「仕方ないなぁ~にぃには!はい、これ!」スッ

橘「なんだ、これ」

美也「みゃーのとっておき、ジャンボまんまにくまん!分けてあげるから、元気出してね?」

橘「美也、話を…」

美也「お礼なんていいよ!だって…たった一人の兄妹でしょ!たまにはこのくらいさせてよ!」

橘「けど…」

美也「もー!せっかくみゃーが気を使ってるのにぃ!なにが気に入らないのさ!」

橘「だから話を聞けって!」

橘「フられてないんだよ!あのあと穂乃果さんと合流して走って駅まで行って!『恥ずかしいからダメでしょ!』なんてかわいらしい注意を受けたんだ!」

美也「!?」

美也「ほ、本当にお芝居じゃなかったんだ…」

橘「…美也?」

美也「…ふぇ?じゃあ、むしろ成功したってこと?」

橘「そ、それは…返事はもらってないけど…」

美也「むむむ…」

橘「?」

美也「うがー!!!!!」バッ

橘「うわっ!?」

美也「まんまにくまん没収!にぃにのおバカ!」タッタッタッ…

橘「…」ポカーン

橘「なんだったんだ。相変わらず無茶苦茶な妹だなぁ…」

橘(にしても、お芝居?…どういうことなんだろう)

『あんなことをした割には大して話題になってないな…』

梅原「よー!大将!」

橘「ああ、おはよう梅原」

梅原「いやーそれにしてもすごいな!」

橘「なにがだ?」

梅原「棚町と絢辻さんだよ!大将はあの後、走って高坂さんを追いかけたから知らないだろうがよ」

橘「な、なんだ?なにをしたんだ…?」

梅原「校内放送でさ。今のは劇の練習ですーってな」

橘「…ああ!それで美也もそんなようなこと言ってたのか!」

梅原「大将のこと知ってるヤツなら疑いそうなもんだが、放送の声が絢辻さんだ、ってことで、全校生徒はおろか先生たちまで信じてるぜ」

橘「すごいな…」

梅原「俺は棚町があの絢辻さんの弱点をどうやって掴んだのかが気になってしかたがねぇよ」

橘「うーん…それは確かに…」



橘(僕がいなくなった後、そんなことがあったのか…)

橘(あとで薫にはお礼を言っておこう…)

『穂乃果さんだ!…怒られるかなぁ』

橘「穂乃果さん!」

穂乃果「!」ビクゥ!

橘「あの…」

穂乃果「あぁーっ!ちょっと用事がぁー!」

橘「え?」

穂乃果「ごめんね純一くん!また後で!」ダッ

橘「穂乃果さん!?穂乃果さーーーーーん!」

橘(さ、避けられてる…これは堪える…)

棚町「あーあ…」

橘「薫…」

棚町「アンタねぇ…あんなことすりゃこうもなるわよ!何するのかと思ったら大声で告白なんかして!」

橘「うぐ…」

棚町「絢辻さんがいたからよかったものの…」

橘「ああ…その件はありがとう。助かったよ…」

棚町「…ま、いいわ。そんなことより穂乃果をどうするのか考えなさい!」

橘「うーん…なんとかして2人で話さないと…」

―――――屋上
穂乃果「…」ボーッ

穂乃果「…」

穂乃果「…」チラッ

穂乃果「…う」カァッ

穂乃果「うあー!!!!」ブンブン!

穂乃果「…」ハァ…ハァ…

穂乃果「…」ハァ…

穂乃果「…」ボーッ

ソロー…

橘(穂乃果さん…)

橘(相当参ってるみたいだな…)

橘(話しかけようと思ったけど、何を話せばいいのか…)

橘(…)

橘(扉の影からこうしていると、なんだかストーカーみたいだ…)

橘(…)

橘(一体どうすれば…)

橘(…)

☆『夕立だ!傘を持っていないぞ…どうしよう…』

橘(穂乃果さんに愛を叫んでから数日…)

橘(まだ僕は上手く穂乃果さんに話しかけられないでいた)

橘(無視されることはないし、避けられるのもなくなったけど…)

橘(距離を感じるんだよなぁ…)

橘(…あれ?)

橘「帰ろうと思った矢先に雨…」

橘「通り雨だと思うし、教室で上がるのを待とう」

―――――教室
橘「ついてないなぁ…」ガララッ

穂乃果「…へ?」ヌギッ

橘「…!」カッ

橘(上半身下着姿!!???こ、これは…!!)

穂乃果「ひ」カァーッ

穂乃果「ひゃああああああああああああ!!!!」ガバッ

橘「うわあ!ご、ごごごごごごめんなさい!」ピシャッ!

橘「はぁ…はぁ…」

橘(なぜ穂乃果さんが教室で半裸に…!?)

橘(…オレンジのブラ、穂乃果さんに似合ってたな。ほどよく膨らんだ胸も…)

橘(そして引き締まりきっていないお腹!あの肉感はなんとも絶妙で…!)

穂乃果「…」ガララッ

穂乃果「…」ヒョコッ

穂乃果「…」ジトッ

橘「…」デレッ

穂乃果「…純一くん」

橘「…」デレー…

穂乃果「純一くんっ!」

橘「はっ!は!?穂乃果さん!?」ジュルリゴシゴシ

穂乃果「…エッチな目してた」

橘「え!?そ、そそそそんなことないんじゃないかな!?」

穂乃果「…純一くんは、穂乃果の裸見てもなんとも思わないってこと?」

橘「それは違うよ!!滑らかなボディラインに隠されたマニアックな肉付き、均整の取れたバストに健康的な肌!そこには僕の追い求めた全てが…」

穂乃果「…」カァーッ

橘「…」

橘「はっ!!?僕は何を…!」

穂乃果「…」プルプル

橘「違うんだ!要するに穂乃果さんはとても魅力的で…!」

穂乃果「純一くんの…」

橘「え?」

穂乃果「バカーーーーー!!!!!」パッコーン!

橘「へぶっ!!!!!」ドサッ

穂乃果「…」ハァ…ハァ…

穂乃果「…はっ」

穂乃果「純一くん!大丈夫!?純一くん!」ユサユサ

橘「ほ、のか…さん…」

穂乃果「純一くん!」

橘「いい…アッパー…だった…よ…」ガクッ

穂乃果「純一くーーーーーーーん!!!」

―――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

―――――――――――――

――――――――

橘「…」

橘「…」パチリ

橘(う…ここは…?)

穂乃果「すーっ…すーっ…」zzz

橘「っ…!!!!!!!!!!!!!!!!」

橘(この瞬間僕は人生で一番頭を働かせた)

橘(…なぜか僕の顔の真上に穂乃果さんの寝顔があり)

橘(そして、僕の後頭部に感じる柔らかさと暖かさ)

橘(この状況から推測できる答えは一つ!!)カッ!

橘(そう…膝枕!!)

橘(この感じ…足はスカートの下にジャージというちょっぴり残念スタイルではあるが、)

橘(穂乃果さんがうたた寝しているため顔が非常に近く)

橘(寝息まで降りかかるという非常にハイレベルな場面を作り出している…)

橘(ここで僕の取るべき行動は一つ!)







橘(寝 た ふ り だ !)

橘(目覚めてからここまで1.5秒。僕はまぶたを閉じ…)

橘(閉じ…)

穂乃果「すぅ…むぐむぐ…すぅ…」

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…もったいないっ!!)カッ

橘(穂乃果さんの寝顔を、こんなに至近距離で観察できるというのに)

橘(目を閉じるなんてことができるだろうか!いやできない!)

穂乃果「はふ…すぅ…」

橘(か、かわいい…)

橘(だらしなく開いた口、幸せそうに垂れた眉、安らかな顔…)

橘(これは僕が惚れているからなのか…!?うぐぐ…)

穂乃果「もごもご…」トロン

橘「…」









橘「…!?」

穂乃果「すぅ…すぅ…」タラーッ…

橘(こ、これは!)

橘(よだれが…穂乃果さんのよだれが!)

橘(まずいぞ…ゆっくりと垂れてきている)

穂乃果「ふぐぐ…すぅ…」タラーッ…

橘(…僕はどうするべきなんだ)

橘(なんだか、ここが紳士的分岐点な気がする)

橘(嗚呼…神様…)

橘(僕にどうか慈悲を…)

穂乃果「すぅ…すぅ…」トローッ…

橘(あと少し…く、ぐぬぬぬぬ…)

穂乃果「すぅ…すぅ…」トロリ

橘(僕は…僕はッ!!)

穂乃果「むぐぐ…」タラリ

橘「はぁああああッ!」サッ







ポトン…

穂乃果「…はっ!?」パチリ

穂乃果「ふえっ!?…あれ、寝ちゃって…」

橘「はぁ…はぁ…」ベト

穂乃果「純一くん!気がついたんだね!」

橘「ほ、穂乃果さん…僕は…勝ったよ…」

穂乃果「…?純一くん、よだれ垂れてるよ!ほっぺたべたべた!」アハハ

橘「…」ムクッ

穂乃果「もー、ティッシュあげるからふきなよ!」ガサガサ

橘「…」

橘「…うん…」

橘「でも、僕はなんで教室で膝枕を…?」フキフキ

穂乃果「覚えてないの!?」

橘「夕立が来て…教室で雨宿りしようとして…」ウーン

橘「…教室…」

橘「はっ!!!」ピコーン

穂乃果「!」

橘「オレンジのブラ!」

穂乃果「純一くん!もう一発いっとく!?」グッ

橘「うわぁ!ごめんなさいっ!」バッ

穂乃果「むー…でも教室で着替えてた穂乃果も悪いもんね…許します!」スッ

橘「穂乃果さんは、なんで着替えを?」

穂乃果「屋上で練習してたら、急に雨降ってきて。びしょびしょになっちゃったからさ!」

橘「だからって何も教室で着替えなくても…」

穂乃果「だって~!みんな帰った後だし、共学だって忘れてたんだよっ!」

橘「まぁ僕としては眼福なんだけどね!」

穂乃果「穂乃果、暴力は嫌いなんだけど、頑張っちゃおっかな!」

橘「ひぃ!ごめんなさい二度と言いません!」

穂乃果「もう…せっかく優しくしてあげたのに…」

橘「あ…ありがとう穂乃果さん」

穂乃果「いいよ、穂乃果が気絶させたんだもん」

橘「…」

穂乃果「…」

橘「穂乃果さん」

穂乃果「…なに?」

橘「この前は、ごめん」

穂乃果「…この前って?」

橘「え?…校庭から、大声であんなことを…」

穂乃果「…」

穂乃果「謝っちゃうんだ」ボソッ

橘「?」

穂乃果「いいよ。穂乃果は…ちょっとドキドキしたしね」プイッ

橘「穂乃果さん…」

穂乃果「…」

橘「伝わったかな、僕の気持ち」

穂乃果「…っ」

穂乃果「…」

橘「…」

穂乃果「…」

橘「…」

穂乃果「…」

橘「ぁ…」

穂乃果「?」

橘「ぁ、雨!やんだかなーなんて…」

穂乃果「まだ降ってるよ。傘なしじゃ、帰れないね」

橘「そ、そうだね、ははは…」

穂乃果「…」

橘「…」ドッドッ

穂乃果「…純一くんさ」

橘「はい!?」ドキィ

穂乃果「傘、持ってないの?」

橘「う、うん。だから雨宿りしようと思って…」

穂乃果「そ、そうだったね。さっき言ってたもんね…」

橘「穂乃果さんは、傘持ってないの?」

穂乃果「穂乃果は…」

穂乃果「…」

橘「…?」

穂乃果「…持ってない、よ」

橘「そ、そっか」

穂乃果「うん…」

橘「…」ドッドッドッ…

穂乃果「…」


ザァァァァァァ…


橘「…」ドッドッ…

橘(さっきから心臓がうるさい)ドッドッドッ…

橘(穂乃果さんに、聞こえるんじゃないか、ってくらい…)

穂乃果「…」

穂乃果「…」

穂乃果「純一、くん」

橘「ッ…なに?穂乃、果、さん」ドッドッドッ…

穂乃果「…純一くんはさ」

橘「…」ゴクリ

穂乃果「穂乃果のこと、好き、なんだよね」

橘「…は、はい」ドッドッドッ…

穂乃果「そっ、か…」

穂乃果「…」

橘「…」スッ

橘(手先が冷たい)グーパーグーパー

橘(冬なのに、変な汗が出てる)

橘「…」

橘「…」

橘「あの、さ」バクン…バクン…

橘(…?)

橘(なんだ…なにを言う気だ、僕は…)

穂乃果「…ん?」

橘「…穂乃果さんさえよかったら…」バクン…バクン…

橘「その…」

穂乃果「…」

橘「…」












橘「…キス、してもいいかな」ドキン…










橘(…)

橘(…)

穂乃果「…」

橘(…ああ)

橘(…)

橘(…)

橘(…僕は何を)

穂乃果「…ょ」

橘「…え?」

穂乃果「ッ」カァァッ
















穂乃果「…ぃぃょ」ポツリ

橘「あ…」ドキ…

穂乃果「ん…」スッ

橘「…」

橘「…ん」

橘「…」チュ…

穂乃果「ぁ…ん…」チュゥッ

橘「んむ…」チュ

穂乃果「は…ふ…」チュゥゥ

橘「…」ドクン…ドクン…

橘(ああ…心臓がうるさい…)

橘(けど、これ、なんだか…)

橘(僕だけじゃ…)

ドクン…ドクン…

橘(なら、どこから…)

トクン…トクン…

橘(…)

橘(…あ…)

穂乃果「…」トクン…トクン…

橘(穂乃果…さん…)ドクン…ドクン…

橘「…」

穂乃果「…」

橘「…ぷはっ」パッ

穂乃果「…ふぁ」パッ

橘「…」

穂乃果「…えへへ」

橘「…ふふっ」






橘(…)

橘(ああ…)

橘(僕は、今日という日を一生忘れないだろう)

橘(…)

橘(穂乃果さん…)

橘(…)













穂乃果「しちゃったね、キス…」

橘「うん…幸せ、だったよ」

穂乃果「…穂乃果も」

穂乃果「穂乃果も、幸せだったよっ」ニコッ

橘「っ」ドキ…

橘「…穂乃果さん」

穂乃果「…なに、純一くん」

橘「…穂乃果さん!」

穂乃果「…はい!」

橘「好きです!僕と、付き合ってくださいっ!」

穂乃果「はいっ!穂乃果も、純一くんが好き!」

橘「あ…」フワッ

穂乃果「ん…」ギュッ

穂乃果「好きだよ、純一くん」

橘「…」ギュゥ

橘「僕も。穂乃果さんが大好きだ」

穂乃果「えへへ…よろしく、ね?」

橘「こちらこそ」

穂乃果「…ん」スッ

橘「…ん」チュッ

穂乃果「…」プハッ

穂乃果「…大好き」ギュッ

――――――

橘(気付くと雨は上がっていて、空には虹が出ていた)

橘(外に出て、綺麗だねなんて言いながら帰路についた)

橘(顔を真っ赤にさせて手をつないでくる穂乃果さんを見ていると)

橘(今まで感じたことがない幸せが全身を襲ってきた)

橘(…僕は、穂乃果さんと付き合い始めたんだ)

橘(顔が熱くなるのを、感じた)

はい!
というわけで、スキルート行きます。

アンケート書き込んでくださった方、ありがとうございました。

今日はここまでです
もうなんか白目むきながら書いてます

ご感想やご意見はいつでもバッチコイなので、
どんどん書き込んでくださるとムチャクソ喜びます。

読んでくださっている方、ありがとうございます。
次回からスキになります。

『一方その頃…』

穂乃果「ふんふんふ~ん♪」

穂乃果(明日は練習もないしー♪純一くんとどこか寄り道して帰ろっかなー♪)

穂乃果(…)

穂乃果(…)スッ

穂乃果「…キス、味はしなかったなぁ」

穂乃果「…」

穂乃果「…」

穂乃果「…」

穂乃果「…!」ボフン

穂乃果「あわわわわわわ!今穂乃果は一体何を!!!???」

穂乃果「恥ずかしぃぃぃいいいいい!」ゴロンゴロン

雪穂「お姉ちゃんうるさすぎ…なにやってんの」ガチャ

穂乃果「ゆ、雪穂!な、なんでもないよ!なんでも!」

雪穂「ふーん…私勉強するから、静かにしててよね」バタン

穂乃果「あーはーいごめんねぇー…」フリフリ

穂乃果「…」

穂乃果「…あぁーあ」ゴロン

穂乃果(好きって…)

穂乃果(こんな気持ちなんだ)

穂乃果(ふわふわして、ドキドキして…)

穂乃果(気持ちが通じ合ってるかわかんないときは、切なくて…)

穂乃果(…)

穂乃果(…)

穂乃果「あっ!!!!」

穂乃果「今なにか…思いついたような…」

穂乃果「…」

穂乃果「ラブソング…」

穂乃果「…」

穂乃果「…うぅーーー!!!!!」

穂乃果「あとちょっとなのにぃ!!!!!」

ユキホ<ウルサイッテバ!

穂乃果「あうう…」

穂乃果「…お風呂はいろ」

一方その頃を忘れてたんです

次からこそスキに突入します

多分明日か明後日には再開します

書き込み、読んでる方、ありがとうございます。

~スキ~
『穂乃果さんと昼食だ!…けど、様子がおかしいぞ?』

穂乃果「…」ボーッ

橘「…?」モグモグ

穂乃果「…」パクッ

穂乃果「…」モグモグ

穂乃果「…」モグ…

穂乃果「…」ボーッ…

橘「…穂乃果さん?」

穂乃果「…んー?」

橘「大丈夫?」

穂乃果「…んー」

橘「…」

橘「…えい」

プニ

穂乃果「…」ボーッ

橘「穂乃果さーん?」プニプニ

穂乃果「…」ボーッ

橘「いい頬をお持ちですね」プニプニ

穂乃果「…」

橘(な、なんだ…反応がないぞ…)

橘「うーん」プニプニ

橘「…」ムニムニ

橘「…」

橘「はっ!?」

橘(これはもしかして、いわゆる『好きにしていいよ』ってヤツなのか!?)

橘(だとしたら僕はどうすれば…!!!)

穂乃果「…んん?」

橘「むむむ…」プニプニ

穂乃果「…純一くん?」

橘「うーん…」ムニムニ

穂乃果「なんで穂乃果のほっぺつついたまま考え事してるの…」

橘「ぐぬぬ…」プニプニ

穂乃果「純一くん!!!」

橘「はっ!?ほ、穂乃果さん!」プニプニ

穂乃果「どうしたの?考え事?」

橘「いや、くだらないことだよ!」プニプニ

穂乃果「ふーん?」

橘「…」プニプニ

穂乃果「というか触りすぎっ!」バッ

橘「あっ…」シュン

穂乃果「そんなに?…太ったのかなぁ」プニプニ

橘「そんなことないよ!穂乃果さんのほっぺには夢と希望と幸せが…」

穂乃果「ふーん」

橘「…なにその反応」

穂乃果「もうそういうこと言い出す純一くんには慣れたもーん!」

橘「む」

穂乃果「穂乃果も進化してるんだよ!」

橘「進化って…」

橘「そういえば」

穂乃果「?」モグモグ

橘「さっきまでボーっとしてたみたいだけど、どうかしたの?」

穂乃果「え?…あー」

橘「僕よりも穂乃果さんの方が悩んでるみたいだったよ」

穂乃果「うーん」

穂乃果「この前言ったよね、ラブソングで最終予選出る!って」

橘「うん」

穂乃果「でさ、今、こうやって、その、純一くんとさ、つ、付き合って、る訳だよ!」カァ

橘「…そうだね」カワイイナァ

穂乃果「それでね、穂乃果もその…スキって気持ちがね、わかるっていうか…」

橘「うんうん」

穂乃果「…っとにかく!あと少しでなにか出てきそうなんだけど!」

穂乃果「あとちょっと、よくわかんないけど足りないんだよね…」

橘「なるほど…それで考えてたんだね」

穂乃果「うん。何が足りないんだー!ってね…」

橘「うーん…」

橘(できることなら手助けしてあげたいなぁ)

橘(でもどうすれば…)

穂乃果「あー!どーしよー!」

橘「…」

橘「!」ピーン

橘「穂乃果さん」

穂乃果「ん?」

橘「デートしたことある?」

穂乃果「ないよ!純一くんが初めての…その…コイビト…だし…」カァァ

橘「かわいいなぁ」

穂乃果「もー!なに!もてあそんでるの!?」

橘「いや、そうじゃなくて!…穂乃果さんが空いてる休日とか、ないかな?」

穂乃果「え?そうだなぁ…今週の日曜日なら空いてるよ!」

橘「じゃ、デートしよう」

穂乃果「…ふぇ?」

橘「デート」

穂乃果「…は」

穂乃果「で、でーと…」

橘「遊園地がいい?それとも水族館とか…」

穂乃果「あわわわわ!」

橘「ど、どうしたの?」

穂乃果「デート!穂乃果デート初めてだよっ!」

橘「さっきも聞いたよ!?」

穂乃果「楽しみだなー!わくわくするね!」

橘「そっか!で、行く場所なんだけど…」

穂乃果「…純一くんはデート、初めて?」

橘「…」

橘「…え?」ドクン…

穂乃果「あ…」

穂乃果「な、なんでもない!行く場所だよね!純一くんに任せるよ!デートしたことないからわかんないし!」

橘「そ、そう?じゃあまた決めておくよ!」

穂乃果「うん!」

橘(こうして、穂乃果さんとデートの約束をした)

橘(デートは初めて、か…)

橘(僕は…)

橘(…)

橘(嫌なこと思い出しちゃったな…)

橘(…それはともかく、今度のデートは絶対成功させなきゃ!)

橘(気合いいれよう!)

『寒いなぁ…風が冷たいし、早く教室に戻ろう』

橘「ううっ、さむ!」

橘(梅原にじゃんけんで負けてジュースを買いに来たけど…)

橘(こんなに寒いならじゃんけんなんてしなけりゃよかった)

橘「買ったコーヒーで暖をとりつつ素早く帰ろう…!」

橘「…」

橘「ん?」

橘「あれは…」

穂乃果「寒い!薫ちゃんめ、今度こそ勝つ…!」

橘(穂乃果さんだ…言動からして、薫に何かで負けてパシられてるんだな…)

橘(そうだ!背中向けてて僕に気付いてないし、後ろから驚かせよう!)

橘(…)ソロリ

穂乃果「はぁ…」チャリンチャリン…

穂乃果「えーっと…オレンジジュース…」ピッ

橘「…」スッ

ヒュゥゥゥゥ…

穂乃果「わぁっ!か、風が!」

橘(えっ?)

ビュゥゥゥゥゥゥウウウ!!!!

穂乃果「あっ!」ペロン

橘(ぶっ!!!!!)

穂乃果「もー…今日スパッツ履いてないのに…」ナオシナオシ

穂乃果「ま、いいか!誰も見て…」クルッ

橘「あっ」

穂乃果「!!」

橘「や、やぁ、穂乃果さん」

穂乃果「…見た?」

橘「え!?な、なにを!?」

穂乃果「…見てないの?」

橘「だから、何をさ!??」

穂乃果「…」ジトッ

橘「うっ…」

穂乃果「…でも」

橘「…?」

穂乃果「…純一くんなら」

橘「え?」

穂乃果「純一くんになら、」

穂乃果「見られてもいい…よ?」カァッ

橘「う」

穂乃果「…」モジモジ

橘(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)

橘(神様…ちょっとかわいすぎやしませんか…)

穂乃果「…な」

穂乃果「なんとか言ってよ!恥ずかしいよっ!」

橘「ええっ!?」

橘(なんとか…なんとか…)

橘「…あ!」

穂乃果「?」

橘「穂乃果さん、オレンジ好きなんだね!上も下もオレンジ色で…」

穂乃果「!!」

橘「ということは、上下おそろい?上も…」

穂乃果「こらー!!!!!」バチン!

橘「ヘブッ!!!」

穂乃果「はぁ…はぁ…」

穂乃果「もう!知らない!」プンプン

橘「あ、ま、待って…穂乃果…さん…」




橘(…怒りを静めるために昼食は僕のおごり。当たり前か…)

橘(あと、今回ばかりはビンタを謝られることはなかった)

橘(調子に乗りすぎたかな…)

橘(反省しよう)

橘(…)

橘(ぐへへ…)

『屋上でランチだ!…薫と田中さんもいるけど…』

穂乃果「いやー!今日もパンが美味いっ!」パクッ

棚町「穂乃果、さっき休み時間も食べてなかった?」

穂乃果「お腹すくんだよー…」

田中「太るよー」

穂乃果「運動してるから大丈夫!」ブイ

橘「ははは…」ガサゴソ

橘「よいしょ」ベリ

棚町「…純一、アンタも今日はパンなのね」

橘「? そうだけど…購買なんてほとんどパンだろ?」

棚町「…ま、それもそっか」

橘「変なヤツだな…」モグモグ

田中「あ、それ、クリームパンだよね!人気なのによく買えたね」

橘「うん。運が良くてさ」ムグムグ

穂乃果「クリームパン!?穂乃果が行ったときにはなかったよ!?」

橘「僕が最後の1個だったからねー」

穂乃果「むむむ!いいなぁ…」

棚町「…」

橘「…」ムグムグ

穂乃果「…」ジーッ

橘「…」ムグ…

穂乃果「…」ジーッ

橘「…」

穂乃果「じーっ」ジュルリ

橘「えーっと…」

橘「食べる?穂乃果さん」

穂乃果「え!?」

棚町「ちょっと純一!穂乃果に自分の食べかけ勧めないの!」

穂乃果「いいの!?」キラキラ

棚町「」

橘「う、うん」

穂乃果「わーい!ありがとう純一くん!大好き!」モギュッ

橘「わわっ!急に抱きつかないでよ!危ない!」

田中「」

棚町「」

穂乃果「ふふふーん♪」

棚町「…は?」

田中「…わ、私たちは何を見せられてるの?」

棚町「…さぁ」

穂乃果「おいしーいなー♪」モグモグ

橘「それはよかったよ」

棚町「ちょっと純一!」グイッ

橘「うわ!なんだよ!」

棚町「一体どうなってんのよ!」ボソボソ

田中「そうだよっ!いつのまにそんな…」コソコソ

橘「えっ?あー…まぁ…ね…」

棚町「」

田中「」

橘「あ、あーっと、クリームパンあげちゃったし、僕はジャムパンでも食べようかなー!」バリ

橘「あー!おいしいなぁジャムパンも!」モグモグ

穂乃果「ジャムパンは穂乃果も買ったよ!おそろいだね!」

橘「そうだね!いやー偶然偶然!」

穂乃果「…あれ、純一くんちょっと」ズイッ

橘「え?ほ、穂乃果さん近…」



ペロッ



棚町「!!!???!??!!???」ギョッ

田中「あ、ああ…あああああ…」ガクガク

穂乃果「ジャム、ついてたよ?」ムグムグ

橘「あ、ありがとう…」

棚町「あ、アンタたち…」プルプル

橘「!」ハッ

穂乃果「どうしたの薫ちゃん?」

棚町「そこに並びなさい!!!!常識ってヤツを叩き込んであげるわ!!!!!!」

橘「ひぃぃ!」

穂乃果「ひゃい!?」

田中「こ、これが…カップル…!」キラキラ



橘(薫に説教された…)

橘(穂乃果さんはすごく落ち込んでいたけど、まぁあれはやりすぎだよな…)

橘(さすがに恥ずかしかったし…)

橘(あと田中さんはますます熱視線を僕と穂乃果さんに送るようになった)

橘(…なんなんだろう)

『穂乃果さんは練習日だし、梅原と帰ろうかな』

―――――教室
橘「梅原」

梅原「なんだ大将?今日は1人か」

橘「うん。穂乃果さんは全体練習だって」

梅原「…別に高坂さんといないのを言ったわけじゃないんだが」

橘「はっ!?つい…」

梅原「ははっ、最近ずっと一緒にいるもんな!…少し寂しいぜ」

橘「ごめんごめん。それでさ、取引なんだけど…」

梅原「おーっと大将!それはゆっくり、俺の部屋で…な?」

橘「…それもそうだな」

橘(梅原の家に行くのも久しぶりだ)

梅原「そうと決まったら、さっさと行こうぜ!早く女神様を拝みたいしよ!」

橘「ああ!行こう梅原!僕たちの花園へ!」

―――――帰り道
梅原「しっかし大将、高坂さんとは順調に仲良くなってんな!」

橘「え?ああ、まぁな…」

梅原「あんな告白、全校生徒に聞かれてたぜ?男らしくてかっこよかったけどよ」

橘「美也にもいじられたよ…今思うと無茶苦茶だったし…」

梅原「でもなんとかなっただろ?」

橘「…そうだな。やってよかったよ」

梅原「ははっ、そうかそうか!」

梅原「これで大将の恋が報われたら最高なんだがなー!」

橘「…梅原」

梅原「ん?」

橘「そのことなんだけど…」

梅原「なんだよ、まさか進展があったのか!?」

橘「実はそうなんだ…」

梅原「おお!やるなぁ大将!で、どんな感じだ?2人で寄り道したりか?」

梅原「やっぱこういうのはじわじわ行かねぇとな!時間がないとはいえ、焦りは禁物だぜ!」

橘「それがな…」

梅原「お?」

橘「今、穂乃果さんと付き合ってるんだ」

梅原「…」

梅原「は?」

橘「というか、寄り道なんかは付き合う前からしてて…」

梅原「は?」

橘「その、キスまでは付き合う前に…」

梅原「…」ポカン

橘「こんなこと言うのもどうかと思ったんだけど、梅原には世話になったからさ…」

梅原「…」ワナワナ

橘「報告はしとかないとって…」

梅原「…」ワナワナワナ

橘「…梅原?」

梅原「うがあああああああああああああああああああああ!!!」

橘「うわっ!?梅原!?」

梅原「大将の…」

梅原「大将の裏切り者ぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!」ダッ

橘「おいっ!梅原!梅原ぁあああああああ!!!」







橘(結局、梅原の家でお宝本の取引は行った)

橘(ただ、『大将は幸せなんだから…な?』とか言ってレートはすごく下げられた…)

橘(梅原には刺激が強かったか…ふっ…)

本日以上です。

読んでくださっている方、書き込んでくださっている方、
さらには画像まで作ってくださってる方!
ありがとうございます!嬉しすぎてやる気出まくります!

ちょっとみんなのキャラが危ういと思うんですが、
気になったところなんかはまたご指摘してくださると助かります。

では。

『よし!今日も1日、頑張るぞ!』

橘「朝は一段と寒いなぁ…」スタスタ

穂乃果「あ、純一くん!おっはよー!」ポン

橘「ああ、穂乃果さん。おはよう」

穂乃果「今日もいい天気だね!元気出してこー!」

橘「はは…そうだね」

穂乃果「むむ?元気ないね純一くん…寒いの苦手?」

橘「苦手かなぁ…布団から出たくなくなるし…」

穂乃果「あー、それはわかるよ!」

橘「こたつもあるから、起きてもそこで止まるんだよね」

穂乃果「こたつはねー…勝てないよねー…」

橘「そうなんだよ…こうやって手をすり合わせても…」サスサス

橘「あんまり暖かくないし…」ハァ

穂乃果「…」

穂乃果「!」ハッ!

穂乃果「純一くん!」

橘「ん?なに、穂乃果さん」

穂乃果「よいしょ」スル

穂乃果「えいっ!」ギュッ

橘「!!」

穂乃果「えへへ、どう?体温おすそ分けっ!」ギューッ

橘「ふおお!?」

橘(穂乃果さんが!手袋を外して手を握ってくれてる!)

穂乃果「ふふーん」ギュッ

橘「穂乃果さん…」プルプル

穂乃果「?」

橘「今日も1日頑張ろう!」グッ!

穂乃果「おお!やる気出たね!よかったよかった!」



橘(朝からすごいことやってしまった気がするぞ!)

橘(でも、体温おすそ分けか…)

橘(穂乃果さんはかわいいなぁ!!!)

『トイレもすませたし教室に戻ろう』

橘「ふぅ~」

橘「トイレもすんですっきりしたし、教室に戻ろうかな」

スッ…

橘「!?な、なんだ!?」

???「だーれだっ?」

橘(この声は…)

橘「>>469だっ!」

ほのか

橘「穂乃果さんだっ!」

???「おおっ!」パッ

穂乃果「正解だよっ!」

橘「やっぱりね」

穂乃果「よくわかったね!」

橘「うん…」

穂乃果「? どうしたの?」

橘「いや、僕が好きな人の声を間違えるわけないからさ」

穂乃果「…!」カァッ

橘「当たって当然というかなんというか…」

穂乃果「う…もー!こんなはずじゃなかったのにぃ!」タッタッタッ…

橘「穂乃果さん!どこに!?待ってよ!!」ダッ




橘(仲良くおっかけっこした結果、授業に少し遅刻した…)

橘(ちなみに穂乃果さんは、『純一くん以外の男の子にこんなことしないんだからね?』って言ってみたかったらしい)

橘(天使か!!!!!!)

『穂乃果さんとお話しよう!』

穂乃果「純一くん!」

橘「穂乃果さん。どうかした?」

穂乃果「特に用があるわけじゃないんだけど…暇ならお話しない?」

橘「ああ、いいよ。全然忙しくもないし」

穂乃果「やった!」

〈世間話〉
橘「にっこにっこにー♪」

穂乃果「!」

橘「あなたのハートににこにこにー♪」

穂乃果「笑顔届ける矢澤にこニコー♪」

橘「にこにーって呼んでらぶニコっ!」

穂乃果「…純一くん、にこちゃんのファンなの?」

橘「特に、ってわけでもないけど…μ’sみんなのファンだし!」

穂乃果「…ふーん」

橘(…あれ?穂乃果さん)

橘(不機嫌になってる!?なにかやっちゃったかな…)

〈勉強〉
橘「最近授業中すごい寝てない?」

穂乃果「…最近、練習が厳しくて…」

橘「なるほど…」

穂乃果「うわーん!なんで音ノ木に帰る前にテストがあるの!?」

橘「それはどうしようもないよ…」

穂乃果「ううう…」

〈運動〉
橘「そういえば穂乃果さん、体育の授業はこっちの体操服で出てるんだよね」

穂乃果「そうだよ?」

橘(…)

穂乃果「…またエッチなこと考えてるでしょ」

橘「え!?そ、そんなことないよ!」

穂乃果「いいかげんわかるよ!」

橘「ぐ…」

穂乃果「ん?」

橘「ごめんなさい…」

穂乃果「よろしい!」

〈娯楽〉
橘「そういえばこの間、薫とばったり会ったんだけど」

穂乃果「へぇ!どこで?」

橘「駅前で。ファミレスのウェイトレスやってるらしくて、外の掃き掃除やってたんだ」

穂乃果「ウェイトレス…ということは、そういう格好してたってこと!?」

橘「そうそう!傑作でさ!カメラ持って行けばよかったよ!」

穂乃果「…そうだねー」

橘(…ん?)

橘(なぜか穂乃果さんの機嫌が悪くなってしまった…)

橘(なぜなんだ…)

〈食べ物〉
橘「はい、穂乃果さん」

穂乃果「? なに?これ」カサッ

橘「クッキーだよ。購買で新発売!って書いてあったから、穂乃果さん喜ぶかなって」

穂乃果「わぁ!ありがとう純一くん!すごく嬉しい!」サクサク

橘「食べるの早いよ!?」

穂乃果「おいしー♪」モグモグ

橘(…食べてる姿も犬みたいだ)

穂乃果「…?」

橘「かわいいなぁ」ナデナデ

穂乃果「むぐ!?」ゲホゲホッ

〈おしゃれ〉
橘「髪、いつも結んでるよね?」

穂乃果「うん!おろすとうっとうしくて…」

橘「ちょっと見てみたいなぁ…」

穂乃果「…いいよ」

橘「え?」

ファサッ

穂乃果「…どう、かな」

橘「…なんていうか」

穂乃果「…」ドキドキ

橘「…無個性?」

穂乃果「がーん!ひどいよ純一くん!」

橘「ははっ、冗談だよ!穂乃果さんは髪おろしてもかわいいね」

穂乃果「う…」

穂乃果「そういうのもダメ!恥ずかしい!」

橘「えー」

〈恋愛〉
穂乃果「っ純一くん!!」

橘「は、はい!?」ビクッ

穂乃果「あの…」

橘「なんでしょう…」

穂乃果「その…」

橘「…?」

穂乃果「今まで…」

橘「今まで?」

穂乃果「…」

橘「?」

穂乃果「な、なんでもない!」

橘「そ、そう…?」

穂乃果「うん!」

橘「…???」

〈エッチ〉
橘「…」ジーッ

穂乃果「へ?」

橘「…」ジーッ

穂乃果「な、なに見てるの!?おなか!?」バッ

橘「…穂乃果さんさ」

穂乃果「なに?」

橘「…58か」ボソッ

穂乃果「58…?」

穂乃果「…」

穂乃果「…!!!」

穂乃果「な、なんでウエストサイズ知ってるの!!??」

橘「えっ!?そ、それは…」

穂乃果「もしかしてスリーサイズ知ってる!?」

橘「は、はい…」

穂乃果「なんで!!!!」

橘「ラブライブ公式サイトに紹介されてたからです…」

穂乃果「あっ…そうか…」

橘「でも僕の見立てではもう少しあるような…」

穂乃果「!!!」

穂乃果「ソンナコトナイヨー」

橘「…」ジーッ

穂乃果「…うぅ」

橘「…」ジーッ

穂乃果「じろじろ見ないでよっ!」

橘「むーん…」

穂乃果「ダメぇ!!!」

〈行動〉
橘(本当に穂乃果さんって犬っぽいよな…)

橘(よし、ちょっとおなかをなでてみよう!)

穂乃果「…純一くん?」

橘「…」ナデナデ

穂乃果「!?」

橘「よーしよしよし」ナデナデナデ

穂乃果「な、なに!?」バッ

橘「あっ…」

穂乃果「急におなか触っちゃダメ!」

橘「急じゃなきゃいいの?」

穂乃果「そっ、それは…」

穂乃果「…場合によるかな」カァ

橘(かわいいなぁ…)

〈アタック〉シュインシュシュシュシュシュ…
橘「今日は練習無いんだよね?」

穂乃果「うん!根詰めすぎもよくない、って」

橘「じゃあ、一緒に帰る?」

穂乃果「いいよ!」

橘「じゃあ、駅まで送るよ」

穂乃果「やったー!」

―――――――

――――駅前、ゲームセンター
穂乃果「…」ジーッ

橘「…穂乃果さん?」

穂乃果「…純一くん、ちょっと寄っていかない?」

橘「ゲームセンター?いいけど…」

穂乃果「わーい!こっちこっち!」タッ

橘「わわっ、待ってよ!」タッ

穂乃果「これこれ!」

橘「…プリクラ?」

穂乃果「うん!前、雑誌でね?」

橘「うん?」

穂乃果「カップルといえばプリクラ!って特集があって…」

橘「あー…それで」

穂乃果「そう!撮ってみたいなぁって!」

橘「じゃあ、早速撮ろうか!」

穂乃果「どの機種がいいかなー…」

橘(…なんだか穂乃果さんが女子高生みたいだ)

橘(って言ったら怒られるんだろうなぁ)

穂乃果「純一くーん!これにしよー!」

橘「はいはーい!」

―――――プリクラ機
穂乃果「えーっと…お金お金」

橘「それくらいは出すよ!」チャリン

穂乃果「あっ…うん!ありがとう!」

穂乃果「それじゃあ…明るさ…は明るすぎると気持ち悪い…背景は…女の子っぽく…」ブツブツ

橘「…穂乃果さん?」

穂乃果「ピンクでいいかな…いいよね…うん…フレームはハートで…」ブツブツ

橘「…」

穂乃果「よし!撮るよ純一くん!」

橘「はいぃ!」ビクッ

穂乃果「…」ゴクリ

橘「ポーズとかどうしようか?普通でいい?」

穂乃果「ぽ、ぽーずはね…その…」

橘「?」

穂乃果「…えいっ!」チュッ

橘「わっ!」

パシャ

穂乃果「えへー」

橘「ほ、ほっぺに…」

穂乃果「あ、純一くん変な顔ー」アハハ

橘「なっ!?」

穂乃果「落書きと…スタンプと…」

橘「ちょ、ちょっとまってよ!もう一枚撮ろうよ!」

穂乃果「えー?もう選んじゃったよー」

橘「ぐぬぬ…」

穂乃果「はい!これ、できたよ!」サッ

橘「…」ペラ

橘「な、なんてまぬけな顔…」

穂乃果「…改めてみると恥ずかしいかも…」

橘「ははは…大切にするよ」

穂乃果「…うん!」



橘(穂乃果さんとプリクラを撮った)

橘(後で聞いた話、カップルで撮るプリクラ特集!はかなり恥ずかしい内容だった…)

橘(あんなもんで済んで良かった…)

『穂乃果さんとデートの日だ!頑張るぞ!』

橘(さて…)

橘(今日は待ちに待ったデート…!)

橘(絶対に成功させるぞ!)

橘(集合時間30分前…)

橘(穂乃果さんはまだ…)

穂乃果「あ!純一くーん!」

橘「え!?穂乃果さん!?」

穂乃果「早かったねー!まだ時間余裕あるよ?」

橘「穂乃果さんこそ!もしかして待った?」

穂乃果「ううん!穂乃果も今来たところだよ!」

橘「そっか…ならいいけど…」

穂乃果「ほら、落ち込まない落ち込まない!ね?」ギュッ

橘「あ…」

橘(手を…)

穂乃果「穂乃果、すごく楽しみにしてたんだから!期待して…いいんだよね?」

橘「もちろんだよ!任せて!」

穂乃果「えへへ!頼もしいね!」

橘「じゃあ今日の予定だけど…」

――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

―――――――――――

―――――――


―――――遊園地
穂乃果「わぁっ!」キラキラ

橘「遊園地…穂乃果さんはよく来たりする?」

穂乃果「全然!久しぶりだよ!なに乗る?なに乗る?」ワクワク

橘「穂乃果さんはなにがいい?」

穂乃果「そうだなー…やっぱり、ジェットコースター!」

橘「ジェット…コースター…」

橘「…」チラッ

ワー!!!キャァァァァァ!!

橘「…」ゴクリ

穂乃果「さぁ行こう純一くん!時間がもったいないよっ!」グイッ

橘「わわっ!わかったから引っ張らないでっ!」

―――――
ガタン…ガタン…

橘(ううっ、まさかジェットコースターなんて…)

橘(…予想できたか)

橘(僕はもしかして相当マヌケなんじゃ…)

穂乃果「高ーい!もうすぐだよ純一くん!」

橘「もうすぐ?なにが?」

穂乃果「なにがって、落ち…」

ブワッ!ヒューッ…

穂乃果「きゃああああああああああああああああああ!!!!」

橘(あ、これ無理ッ!!!!)

―――――
穂乃果「いやー!楽しかったねジェットコースター!」

橘「ははは…は…」

穂乃果「…純一くん、まさか絶叫苦手?」

橘「え?まさかぁ」

穂乃果「…」ジトーッ

橘「う…」

穂乃果「…」ジトーッ

橘「ぅぅ…」

穂乃果「…」ジトーッ

橘「こ、高所恐怖症です…」

穂乃果「やっぱり!もー、無理しない!」ビッ

橘「ごめん…でも穂乃果さんに楽しんでほしいからさ」

穂乃果「だからって純一くんが我慢すること無いでしょ!」

橘「う…そう…かな」

穂乃果「デートだよ?お互い楽しくないと!」

橘「…ありがとう穂乃果さん」

穂乃果「ふっふーん!いいってことよ!」グッ

橘「でも1つ違うかな」

穂乃果「え?」

橘「僕は、穂乃果さんといれば楽しいからね」

穂乃果「!」

橘「なにがあったって、2人でいるなら楽しくないなんてことはないよ」ニッ

穂乃果「ぁ…ぁぅ…」

橘「んー?どうしたの穂乃果さん?」ニヤニヤ

穂乃果「…もー!そんな純一くんにはもう1回ジェットコースターの刑!」ガシッ

橘「ええっ!?それは!それだけは!」

穂乃果「…穂乃果といれば楽しいんでしょ?」

橘「うぐ…」

穂乃果「それとも…」

穂乃果「一緒にジェットコースター…嫌?」ウルウル

橘「!!!」キューン!

橘「男橘純一、行かせていただきます!」ビシィ

穂乃果「そうこなくっちゃ♪」

橘「ははは…」

橘(…僕は今日を生き残れるんだろうか)

―――――――――
穂乃果「あーっ!楽しかったぁ!」

橘「う、うぅ…」

穂乃果「や、やりすぎたかな…大丈夫?純一くん」

橘「うん…なんとか…」

穂乃果「休憩する?」

橘「いや、絶叫じゃなきゃ行けるよ。なにかないかな…」

〈ファラオ謎の入口〉

橘「…」

穂乃果「? どうしたの?」

橘「…これなら行けそうじゃない?」

穂乃果「え?…エジプトの謎?」

橘「ほら、ちょっと歩くだけみたいだし」

穂乃果「いいよ!なんだか楽しそう!」

橘「意外といい反応…」

穂乃果「行こう行こう!」グイッ

橘「わわっ、行くから引っ張らないで!」

―――――エジプトの謎(?)内部

橘「…結構雰囲気あるね」

穂乃果「うん…真っ暗」

橘「あ、そこでっぱりがあるから気をつけて?」

穂乃果「子どもじゃないんだから大丈夫だよっ!」

ウォォォン…

橘「ん?」

ウォオォォオォオオオオオン!!

橘「うわぁぁぁ!!」

穂乃果「ぎゃー!!!」

橘「…ああ、ハリボテか。びっくりしたぁ」

穂乃果「お、驚かせてくるね…!」

橘「…先に進もうか」

穂乃果「うん…純一くん」

橘「え?」

穂乃果「…手、繋いでもいい?」

橘「!」

穂乃果「というか繋ぐねっ!」ギュッ

橘「もちろんいいよ!僕なんかの手でよければいくらでも!」

穂乃果「えへへ…」

橘「ふふっ」

―――――――

橘「なんだか広いところに出たね」

穂乃果「うん…もう終わりなのかな…」キョロキョロ

ウオオオオオオオオオン…!

橘「わっ!?」

キング〈我の眠りを妨げる者よ、千年王国の呪いを受けるがいい!!!〉

穂乃果「呪い!?」

キング〈その罪、己が身にて思い知るがいい!!!〉

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

橘「わぷっ!?」

穂乃果「えっ!?」

シューーーーーー…

橘「…止まった?かな」

???「…」

橘「…? 穂乃果さん?」

???「じゅんいちくん?どうかしたの?」

橘「えーっと…穂乃果さん、だよね?」

???「え?うん!」

ほのか「ほのかだよっ!」

橘「…」

橘「え?」

ほのか「なに?ほのかのかおになにかついてる?」

橘「ぷっ」

橘「あはははははははは!!!」

ほのか「!?」

橘「はぁーあ…」

ほのか「なになに!?そんなにへんなかお…」ペタペタ

ほのか「…」

ほのか「か、かがみ…」サッ

ほのか「…」

ほのか「えぇーっ!?」

橘「かわいいよ穂乃果さん!」

ほのか「なんでこどもにっ!?わけわかんないよっ!?」

橘「ふふふっ…あははは!」

ほのか「わらってないでなんとかしてよぉ!」

橘「えー?かわいいのにぃ」ニヤニヤ

ほのか「もー…しらない!」タッタッ

橘「あ、穂乃果さん!そこでっぱりが…」

ほのか「あうっ!」ズベッ

橘「!」

ほのか「いてて…」

橘「大丈夫!?」

ほのか「うん!ちょっとすりむいただけだもん!」

橘「なら絆創膏を…」ガサガサ

ほのか「へいき!…そんなことよりもさ」

橘「?」

ほのか「ほのか、ずっとこのままなのかな…」

橘「!」

ほのか「さいしゅうよせんもあるし…」

ほのか「せっかくこいびともできたのに…」ウルッ

橘「そ、そんな、大丈夫だよ!これはアトラクションだから!」

ほのか「じゅんいちくん…」

橘「ほら、早くここから出よう。そしたらなんとかなるよ!」サッ

ほのか「…」

ほのか「うんっ!」ギュッ

橘「行こう!」

ほのか「おーっ!!」

――――外

穂乃果「…本当に戻った」ムニムニ

橘「ね?」

穂乃果「変なの!」

橘「子どものころの穂乃果さん、かわいかったよ」

穂乃果「…それって今はかわいくないってこと?」

橘「かわいいに決まってるじゃないか!」

穂乃果「っ」カァ

穂乃果「即答しないでよっ!恥ずかしいよっ!」

橘「ええっ!そんなぁ!」

穂乃果「…ふふっ」

橘「…ははっ」

穂乃果「…もうそろそろ夕方だね」

橘「うん…時間かな」

穂乃果「…純一くん」

橘「なに?」

穂乃果「穂乃果、最後にアレ、乗りたいんだけど」ビッ

橘「アレ…?」クルッ

穂乃果「ダメ…かな…」

橘「あ、アレかぁ…」

穂乃果「きつかったら、他のでもいいよ!無理しないで!」

橘「…」

橘「いや、大丈夫!乗ろう!」

橘「行くよ!穂乃果さん!」

穂乃果「本当に…?無理、してない?」

橘「無理はしてるけどさ」

穂乃果「え…なら!」

橘「彼女のお願いが聞けないほど情けない男じゃないよ」

穂乃果「!」

橘「かっこぐらいつけさせてよ!…ね?」

穂乃果「…もう」

穂乃果「しょうがないなー純一くんは!」

橘「ははっ、ありがたき幸せ」

穂乃果「なにそれ!変なの!」

―――――観覧車

橘(さて)

橘(大口たたいたのはいいけど…)

橘(観覧車って高くて揺れるのが長いから…)

橘(実は1番…)ブルッ

穂乃果「…純一くん」

橘「はひ!?な、なにかな!?」

穂乃果「…今日はありがとね。すっごく楽しかった!」

橘「…」

橘「それはよかったよ」

穂乃果「うん…」

穂乃果「それでね?」

橘「ん?」

穂乃果「ちょっとだけ、気になってることがあって…」

橘「気になってること?」

穂乃果「…言いたくないならいいんだけど」イジイジ

橘「う、うん?」

穂乃果「…純一くん、前にも他の女の子と」

穂乃果「デート、したことあるの?」

橘「…っ!」ドクン

穂乃果「穂乃果ね、おかしいんだ」

穂乃果「純一くんがデートに誘ってくれたとき」

穂乃果「…デートは初めて?って聞いたとき」

穂乃果「そんなことない、みたいな反応だったから」

橘「…」

穂乃果「そのこと考えると…」

穂乃果「胸のこのあたりが…苦しくて」キュッ

橘「…!」

穂乃果「どうしても気になって…」

橘「穂乃果さん…」

穂乃果「でもね!」

穂乃果「言いたくないなら言わなくてもいいんだよ!」

穂乃果「純一くんが本気で嫌がること、したくないし…」

橘「…」

穂乃果「…どう、かな」

橘「…」

橘「穂乃果さん」

穂乃果「はい…」

橘「僕は…正確にはちゃんとデートしたことはないんだ」

穂乃果「え…?」

橘「あれは、中学生のころの話で…」

橘「僕には好きな子がいたんだ」

穂乃果「…っ」キュッ

橘「色々計画を立てて、やっと3年生のクリスマス…」

橘「その子をデートに誘うことに成功したんだ」

穂乃果「…」

橘「いや…成功したと思ってたのは僕だけだったのかもしれない」

穂乃果「…それって」

橘「うん。その子はいくら待っても待ち合わせ場所に現れなかった」

穂乃果「…!」

橘「買ったプレゼントも捨てて、僕は完全に燃え尽きたよ」ハハッ

穂乃果「…」

橘「だからさ…デートはしたことないよ。ただ、あんまりいい思い出が無いってだけで」

穂乃果「…ごめんね、純一くん」

橘「え?な、なんで」

穂乃果「無神経に、こんなこと聞いちゃって…」

橘「…もう、昔の話だから。平気だよ」

穂乃果「でも」

橘「今はこうして穂乃果さんがいるじゃないか」

穂乃果「っ」

橘「僕は今、幸せだよ。間違いなく、幸せだ」

穂乃果「…うん。穂乃果も、幸せだよ」

橘「…よかった」

穂乃果「…」

穂乃果「ねぇ、純一くん」

橘「…なに?穂乃果さん」

穂乃果「…キス、してもいい?」

橘「…ぁ」ドキッ

橘「…うん」

穂乃果「…」トサッ

橘「…」

穂乃果「こっち、むいて?」

橘「…」スッ

穂乃果「ん…」チュッ

橘「ふ…」チュッ

穂乃果「…」トクン…トクン…

橘「…」ドクン…ドクン…

穂乃果「…ぷはっ」パッ

橘「はっ」パッ

穂乃果「…えへへ」ギュッ

橘「…ふふっ」ギュッ

穂乃果「純一くんは今!」

穂乃果「穂乃果のだからね!」

橘「!」

穂乃果「わかった?」

橘「…うん」

橘「当たり前、だよ」

穂乃果「うん!よろしい!」

―――――帰り道
橘「ずいぶん遅くなっちゃったね」

穂乃果「楽しい時間は過ぎるのが早いからねー…」

橘「…」

穂乃果「…」

橘(楽しい時間は、過ぎるのが早い…)

橘(そういえば、そろそろ穂乃果さんの転校期間が…)

穂乃果「…純一くん」

橘「…なに?穂乃果さん」

穂乃果「楽しかった、ね」

橘「…うん。自分で計画しておいてなんだけど、すごく楽しかったよ!」

穂乃果「…ふふ」

橘「…ははっ」

穂乃果「…じゃあ、また明日」

橘「…また、明日」

穂乃果「…」タッ…

橘「…」フリフリ

穂乃果「…」タッタッタッ…

橘「…」

穂乃果「っ!」クルッ

穂乃果「…」キュッ

橘「…」

穂乃果「純一くん!」

橘「――?」

穂乃果「今日は…本当に本当にありがとう!!!!」

橘「…!」

穂乃果「穂乃果、がんばるねっ!!」

橘「こ…」

橘「こっちこそ!ありがとう!!!」

穂乃果「…ふふっ、穂乃果なんにもしてないよ!」

橘「それでも!ありがとう!!!!!」

穂乃果「…変な純一くん!」

橘「またね!」

穂乃果「うん!また!」





橘(こうして、穂乃果さんとのデートは終わった)

橘(またぐっと距離が近づいた気がした)

橘(何か、穂乃果さんが掴めたならいいな…)

『サイド/μ’s ラブソングを作るよ!みんなで言葉を出し合おう!』

―――――高坂家




穂乃果「スキだ!愛してるっ!」






穂乃果「…」

穂乃果「どうかな?」

にこ「どうって…」

絵里「ま、まぁ、間違っては、いないわね…」

穂乃果「えーっ!?自信あったんだけどなぁ…」

海未「今のがですか…」

穂乃果「うーん…ダメ?」

絵里「それをどう歌に表現するのかがラブソングだから…あんまりストレートなのは…ね?」

穂乃果「そっかぁ…ラブソングって難しいんだね…」

にこ「それにしてもヤケに自信満々だったじゃない。穂乃果ちゃんはそういう告白が好みニコ~?」

穂乃果「な!」カァァ

海未「…穂乃果?」

ことり「まさか…」

穂乃果「うぇぇ!?なんでもない!なんでもないよ!」ブンブン

花陽「穂乃果ちゃん、顔真っ赤…」

凛「あっやしっいにゃー?」

にこ「…」

絵里「もしかしてあの写真の男の子とか?」

希「あー…名前なんやっけ」

花陽「橘純一さん、ですね!」

凛「かよちんよく覚えてるにゃー…」

絵里「特に仲良さそうに写ってたし、どうなのかしら?穂乃果」

穂乃果「ふぇ!?ど、どうって…純一くんとは…」

花陽「名前で呼んでるのも…」

凛「怪しいにゃ…」

海未「…穂乃果はすぐに馴れ馴れしくしますから、殿方相手に名前呼びもおかしくはありませんが…」

真姫「もう1人の方は名字で呼んでなかった?」

花陽「梅原さんですね…」

穂乃果「うぐ…」

希「まぁまぁ、穂乃果ちゃんもそういうことに興味が出てきた、ってことやろ?女の子なら普通やない?」

海未「それはそうですが…」

ことり「あ、そういえば…」ゴソゴソ

ことり「参考になるかもだし、恋愛映画でも見てみない?」

穂乃果「いいね!見よう見よう!」

にこ「…」

――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――

―――――――――――――

――――――――

絵里「うぐ…」ウルウル

花陽「はぅぅ」ウルウル

ことり「ちゅん…」ウルウル

凛「スゥーッ…スゥーッ…」zzz…

真姫「…」

にこ「うううっ!安゛っ゛ぽい゛ス゛ト゛ーリ゛ーね゛ぇ゛!」グズグズ

希「にこっち、涙ずるずるやん…」

穂乃果「…」ジーッ

海未「ううっ…」ビクビク

希「…どないしたん?海未ちゃん」

海未「だって…だって…」

真姫「怖い映画じゃないわよ?」

海未「わかってます!わかってますが…」

テレビ<キスシーンマデ5…4…

海未「ひぃぃ…恥ずかしい…」

ことり「ああっ!」

絵里「!!」

花陽「ほぁぁ!」

穂乃果「…」ゴクリ

真姫「…?穂乃果…?」

海未「ああ…」

テレビ<3…2…

海未「あ…あ…」

テレビ<1…

海未「ひぃぃあああああああああ!!!」ダッ

ブツン

絵里「あっ!」

ことり「海未ちゃん!?」

花陽「ええっ!?」

穂乃果「ああっ!?」

海未「ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…」

海未「恥ずかしすぎです!破廉恥です!こういうことは人前ですることではありません!」

凛「ん…おわったにゃー?」グシグシ

花陽「凛ちゃん、開始3分で寝てたよね…」

凛「なんだか退屈な映画だったにゃー」ファーァ

ことり「穂乃果ちゃんも寝るかと思ったけど…」

穂乃果「ちゃんと見てたよ!」

絵里「…それにしても、なかなか映画のようには行かないわよね…じゃあ、もう一度みんなで言葉を出し合って…」

真姫「待って!」

真姫「もう諦めた方がいいんじゃない?」

絵里「…!」

真姫「今から曲を作って、振り付けも歌の練習もこれからなんて…完成度が低くなるだけよ!」

絵里「でも…!」

海未「実は私もそう思ってました」

絵里「!」

海未「ラブソングに頼らなくても、私たちには私たちの歌がある…」

穂乃果「…」

にこ「…たしかに、相手はあのA-RISE。下手な小細工は通用しない」

絵里「でも!」

希「みんなの言う通りや」

絵里「!」

希「今までの曲に全力を注いでがんばろ?」

絵里「希…」

穂乃果「…」

真姫「…?」

希「それじゃあ、今日は解散でええな?」

海未「あ、はい…」

花陽「それじゃあ、また明日練習でね!」

ことり「うん!ばいばい!」フリフリ

凛「…?真姫ちゃん帰らないの?」

真姫「…ごめん、先帰っていいわよ。ちょっと用事があるから」

花陽「うん…?」

凛「わかったにゃ。またね真姫ちゃん!」ブンブン

真姫「ええ。また明日」

―――――

希「…」スタスタ

絵里「…」スタスタ

絵里「本当にいいの?」

希「いいって言ったやろ?」

絵里「意地っ張り…」

希「えりちに言われたくないなぁ」

真姫「…どういうこと?」コソッ

穂乃果「どういうことだろうね」コソッ

真姫「きゃぁっ!?ほ、穂乃果!?」バッ

希「え?」クルッ

絵里「?」クルッ

穂乃果「あ…見つかっちゃったじゃん真姫ちゃん!」

真姫「う…私のせいじゃないわよ!穂乃果が急に現れるから…」

希「…2人ともどうしたん?」

絵里「尾行なんて…らしくないわね」

真姫「それは…」

穂乃果「…」

―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

――――――――――

――――――

――――希の部屋

真姫「で」

絵里「…」

希「…」

穂乃果「…」

真姫「9人で1つの曲を作りたい、ね…」

希「でも、ね。友達がいて、日々がこんなに楽しくて…」

希「1番の夢はとっくに…」

希「だから、この話はここでおしまい!」

絵里「…って、希は言うんだけど?」

真姫「…!」

真姫「…ふふっ」サッ

希「…?携帯電話…?」

絵里「…考えることは同じ、ね?」

真姫「さ、早いところみんなを集めましょ」

希「ええっ!?そ、それは…」

真姫「…ちゃんと全部話しましょうよ」

真姫「だって、私たち…」

真姫「…友達、でしょ?」

希「真姫ちゃん…」

穂乃果「…」

絵里「…そういえば」

真姫「?」

絵里「真姫は私たちの様子がおかしいからついてきてたのよね?」

真姫「まぁ、そうね」

絵里「…穂乃果もそうなの?」

穂乃果「ぇ!?」ビクッ

絵里「?」

希「穂乃果ちゃん?」

真姫「穂乃果?」

穂乃果「うぅ…」

穂乃果「…穂乃果はね」

穂乃果「わがまま、言いたくて…」

希「…わがまま?」

真姫「どういうこと?」

穂乃果「…希ちゃんと絵里ちゃんが、ラブソングを作ろう!って1番意気込んでたでしょ?」

希「そうやね」

絵里「ええ」

穂乃果「でも、さっき真姫ちゃんと海未ちゃんが反対して、作らない、ってなった」

真姫「…」

穂乃果「…穂乃果、ラブソング、作りたかったんだ」

絵里「!」

穂乃果「だから、2人に頼んで、一緒にもう少し粘ってみないかなって」

穂乃果「うぅ…真姫ちゃんみたいにみんなのこと考えてたわけじゃないから、恥ずかしいよぅ」

真姫「…なに言ってるのよ」

絵里「穂乃果は肝心なところでこうなのよね」

穂乃果「ふぇ?」

真姫「いつもμ’sを引っ張ってきたのは誰?」

穂乃果「…」

絵里「穂乃果が本気でやりたい!って言うことを私たちが考慮しなかったことがあったかしら?」

穂乃果「絵里ちゃん…真姫ちゃん…」

希「…穂乃果ちゃんも仲間やね」

穂乃果「希ちゃん…?」

希「わがまま仲間っ!」ギュッ

穂乃果「わぷっ!」

希「ここは、えりちと真姫ちゃんに感謝しよ?」

穂乃果「…」

希「…いい友達、持ったやん?」

穂乃果「…」

穂乃果「…うん」

穂乃果「うんっ!」

絵里「さて、連絡するわよー!」

真姫「穂乃果も希も、面倒な人ね」

穂乃果「ひどいなー真姫ちゃん!」

穂乃果「…でも、ありがとう」

真姫「…いいのよ」クスッ

―――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

――――――――――

――――

凛「ええっ!?結局ラブソング作るの!?」

真姫「そ。みんなで作るのよ?」

ことり「…希ちゃんって、1人暮らしだったんだ」

海未「知りませんでした…」

花陽「…なにか、あったの?真姫ちゃん」

真姫「何もないわよ!」

絵里「…プレゼント、よ。μ’sを作った女神様2人に。ね?」

穂乃果「えへへ」

希「へへー」

にこ「…穂乃果」

穂乃果「?」

にこ「…いえ、なんでもないわ」

花陽「でも、みんなで言葉を出し合って、かぁ…」

凛「…!みんな、外!」

にこ「なに?」

ことり「! わぁ…!」

海未「雪が…」

凛「にゃー!」ダッ

花陽「凛ちゃん!」ダッ

真姫「え?ちょ、ちょっと凛!花陽!」ダッ

にこ「雪なんかにはしゃぎすぎよっ!」ダッ

穂乃果「続け続け~!」ダッ

海未「穂乃果!?」ダッ

ことり「雪だ~♪」タッ

絵里「ふふっ、行きましょう?希」

希「…うん!」タッ

――――――

穂乃果「わぁ…」

ことり「きれい…」

海未「ですね…」

にこ「光ってる…」

絵里「きれいね…」

希「うん…」

真姫「…」

凛「はーっ…」

花陽「…ぁ」









花陽「…メロディ」








海未「…」










海未「…予感」


















凛「…不思議」



















真姫「…未来」




















ことり「…ときめき」



















にこ「…空」



















絵里「…気持ち」



















希「…好き」











穂乃果「…」



『僕は…穂乃果さんが好きなんだ!』


『無邪気な笑顔が好きだ』


『誰とでも仲良くなれる性格が好きだ』


『勉強がニガテで居眠りしちゃうところも』


『おいしそうにパンを食べてるところも』


『困ってたらすぐに助けてくれるところも好きだ』





『好きだぁあぁぁああぁあぁあぁぁぁぁ!愛してるっっっっっっっっっ!!!!』




穂乃果「っ…」トクン

穂乃果(スキって…)

穂乃果(まるで、雪みたいに…)

穂乃果(ううん、もっと、もっと眩しくて)

穂乃果(切なくて)

穂乃果(…)











穂乃果「…想い」













穂乃果(…)

穂乃果(…これで、最終予選の曲が出来上がった)

穂乃果(ラブソング…)

穂乃果(この気持ちが、この曲を聞いた人に…)

穂乃果(少しでも伝わりますように…)

☆『ついに穂乃果さんの転校期間が終わる。…僕は…』

橘(デートが終わり、数日経った)

橘(穂乃果さんはμ’sでの新曲、ラブソングを作ることに成功したらしい)

橘(僕たちは、残された時間を精一杯、カップルとして過ごした)

橘(…クリスマスも誘ってみようかと思ったがやめた)

橘(理由は簡単。最終予選と丸被りだからだ)

橘(そして今日)

橘(穂乃果さんの転校期間が終わろうとしている)

橘(…あっという間だったなぁ)

―――――教室

高橋「はい、それでは、帰りのHRをはじめます」

高橋「朝言ったように、今日をもって高坂穂乃果さんの特別転校期間が終わります」

高橋「みんな、寂しいと思うけど、一緒に過ごしたことをかみ締めながら…」

高橋「最後に高坂さん、軽く一言でもいいからお願いできるかしら?」

穂乃果「…はい」

棚町「…」

田中「…」

梅原「…」

穂乃果「みなさん、1ヶ月という短い間ですが、ありがとうございました」ペコリ

穂乃果「穂乃果にとって、この1ヶ月は忘れられない思い出がいっぱいです!」

穂乃果「音ノ木坂に戻っても、みなさんのことは決して忘れません」

穂乃果「本当に、本当に…」

穂乃果「ありがとうございました!」バッ

パチ…パチ…

穂乃果「…」ウルウル

パチパチパチパチ!

マタネ!コウサカサン!アイドルノタイカイミニイクカラネ!

穂乃果「ありがとう…ありがとう…」ポロポロ

絢辻「高坂さん!」ガタッ

穂乃果「…絢辻さん」

絢辻「このクラスを代表して…」

絢辻「この色紙を贈呈します!」

絢辻「私たちのこと、たまにでいいから思い出してね?」

穂乃果「ぅ…」

穂乃果「絢辻さーん!!!」ガバッ

絢辻「きゃっ!?ちょ、ちょっと!」ガシッ

棚町「絢辻さん照れてるー♪」

カワイイー!アハハハハハハ!

穂乃果「…」

絢辻「…もう」

穂乃果「ありがとう、絢辻さん」

絢辻「…感謝しすぎよ」

穂乃果「うん!いっぱい感謝しなきゃ、ね?」

絢辻「…しっかりね。予選、見に行くから」

穂乃果「…ありがとう」

高橋「はい!それじゃあこれでHR終わります!日直さん!」

キリツ!レイ!サヨウナラ!

―――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――――

――――屋上

棚町「…やっぱりここよね」

田中「穂乃果ちゃんといえば、ね」

梅原「当人がいないみたいだが…」

橘「…」

穂乃果「ごっめーん!遅くなった!」ガチャ!

棚町「なにしてたのよー!」

穂乃果「七咲ちゃんと美也ちゃんと、あと塚原先輩に挨拶してたの!」

梅原「それは責められねぇな?」

棚町「そうねー」

穂乃果「…みんな、ありがムグ」

棚町「はいはい、ありがとうはいいの。もうさっき聞き飽きたわ」

穂乃果「でも…」

棚町「でももストもないわよ!いいって言ってるの!」

穂乃果「…うん!」

田中「穂乃果ち゛ゃ゛~ん゛」グスグス

穂乃果「恵子ちゃん!?」

田中「大会見に行くからねぇ!絶対!」グスグス

穂乃果「うぅ…」ホロリ

穂乃果「ま゛た会お゛う゛ね゛ぇー!」ズルズル

梅原「…すげぇな」

棚町「泣きすぎよ…今生の別れでもないのに」ウルッ

穂乃果「薫ちゃんも泣゛いて゛るじゃん!」グスグス

棚町「泣いてない!湿っぽいの、きらいだから…」ゴシゴシ

梅原「まぁ、なんだ、高坂さん」

穂乃果「梅原くん…」ヒグヒグ

梅原「元気でな。また大将との漫才見せてくれよ!」グッ

穂乃果「漫才って!した覚えないよ!」

梅原「ははっ!その調子その調子」

橘「…」

穂乃果「…純一くん」

橘「…」

梅原「…さ、俺らは行くとしようぜ」

棚町「そーねー。またオアツイの見せられたくないしー」

田中「う゛ん゛…」ズズズッ

棚町「恵子、いつまで泣いてるのよ…行くわよ!」

梅原「…じゃ、あとはごゆっくり」

橘「…悪いな」

梅原「いいってことよ」

…バタン

穂乃果「…」

橘「…」

橘「穂乃果さん」

穂乃果「…」

橘「大会、見に行くから」

穂乃果「…」

橘「最前列で…応援するよ…」

穂乃果「…」

橘「それから…」

穂乃果「純一くん」

橘「…」

穂乃果「お話があります」

橘「っ…」

穂乃果「…穂乃果と、純一くんの関係について、なんだけど」

橘「そんなの!」

穂乃果「聞いて!」

橘「…」

穂乃果「穂乃果はアイドルに戻る…というか元々アイドルなんだけどね」エヘヘ

穂乃果「音ノ木から離れて、共学校に来て、」

穂乃果「純一くんと出会って」

穂乃果「…恋を知って」

穂乃果「でも、それも今日で終わり」

橘「…」

穂乃果「これからは、ラブライブのためにやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ」

穂乃果「だから…だからね…」

橘「ほ、穂乃果さん…」

穂乃果「だから!」

橘「いやだ…いやだよ…」







穂乃果「ラブライブが終わるまで、待っててください!」







橘「…」

橘「え?」

穂乃果「アイドルは恋愛禁止!」

穂乃果「どの口が言うのかわからないけど…」

穂乃果「それはやっぱり守らないといけないと思うんだ…」

穂乃果「だから」

穂乃果「ラブライブっていう目標が終わるまで、距離を置いてください!」

橘「…」

穂乃果「穂乃果も嫌だよ?だけど…これはけじめ!だから!」

穂乃果「辛いけど、ラブライブが終わって、まだ純一くんが穂乃果を好きなら…」

橘「ストップストップ」

穂乃果「え?なに?」

橘「…別れる、って話ではないんだね?」

穂乃果「えぇ!?純一くん、別れたいの…?」ウルウル

橘「そんなわけないよ!ただ、別れ話かなと思ったから…」

穂乃果「違うよっ!だって穂乃果、純一くんのこと大好きだもん!」

橘「ふふ…そっか…ふふふ…」ワナワナ

穂乃果「…? じゅ、純一くん?」

橘「よかったぁああああああああ!!!!」

穂乃果「わっ!?」

橘「よかった…本当に…」

穂乃果「…純一くん」

橘「…僕もさ」

穂乃果「?」

橘「僕も、穂乃果さんを愛してる」

穂乃果「!」

橘「…ラブライブが終わったら、必ず迎えにいくよ」

穂乃果「…」

橘「それまで、がんばって。…絶対優勝してよね」

穂乃果「…ぅん…うん!」バッ

穂乃果「絶対!絶対絶対絶対!優勝するよ!」ギューッ

橘「…ずっと見てるから」ギューッ

穂乃果「うん…うん…」グスグス

橘「…」ギュッ

穂乃果「…」ギュッ







橘(…)

橘(こうして、穂乃果さんとのお別れは終わった)

橘(最後はお互い泣いて、抱きしめあって)

橘(再会を誓うキスをした)

橘(また、必ず…)

橘(…)

△『最終予選だ!会場はどこだったかな…』

橘「えーっと…ここから乗り換えで10分か」

梅原「にしても遠いなー!音ノ木坂からは近いが、輝日東からはけっこうあるぜ」

棚町「穂乃果の晴れ舞台なんだから、どれだけ遠くても問題じゃないわね!」

田中「そうそう!それにあんまり近くても大会感がないし!」

棚町「大会感ってなによ…」

絢辻「…」

棚町「絢辻さん、テンション低いわねー!」

絢辻「そ、そうかしら?これでもわくわくしてるのだけれど…」

橘「あはは、意外とポーカーフェイスなんだね絢辻さんって」

棚町「…」

絢辻「…なにかしら棚町さん?」

棚町「なんでも…」

梅原「おーいそろそろ着くぞー」

田中「はーい!」

棚町「荷物荷物…」

―――――最終予選会場

シンシンシンシン…

棚町「…すごい雪」

田中「綺麗だけど…このなかでやるのかな…」

橘「…」

梅原「うわー!すげーな!」

絢辻「…」

??「む」

橘「え?」

??「あら」

梅原「ん?」

?「おっ」

薫「…!!」

田中「ま、まさか!」

絢辻「…?」

にこのぞえり「橘純一(くん)っ!?」

棚町「μ’sの…えっ?」

田中「た、橘くん?」

梅原「おいおい、こっちが驚きそびれたぜ…大将も有名になったもんだな」

橘「や、矢澤先輩はわかりますけど、お二人はどうして…」

絵里「穂乃果から聞いてるわ!それより、にこがなにか…?」

にこ「うっ」ギクッ

希「…にこっちぃ?まーた隠し事~?」ワキワキ

にこ「ちょ、ちょっとたまたま会ったことあるだけよ!ね?ね!?」

橘「え、ええ…」

棚町「すごいわねぇ純一。μ’sと知り合いなんて」

橘「ぐ、偶然だよ、偶然」

絵里「ところで、今日は私たちを見に来てくれたのかしら?」

絢辻「ええ。高坂さんと共に学んだ者として、活躍をぜひ見ておこうかと思いまして」

希「しっかりしとる子やなぁ」

橘「それで、他の皆さんは…」

絵里「…それがね」

――――――――――――――――――――――

―――――――――――――

―――――――

橘「ええっ!?二年生が到着してない!?」

絵里「そうなの。どうもこの雪で電車が動かないらしくて…」

梅原「それって、間に合うんですか!?」

にこ「わからないわ。最悪、6人でやるしか…」

橘「そんな!」

絵里「穂乃果たちからは歩いて向かうって連絡があったわ。でもこの雪じゃ…」

橘「っ…!」ダッ

梅原「おお!?大将!どこ行くんだ!」

橘「出来ることをするんだ!じゃないと一生後悔する!」

梅原「…行っちまったか。どうするつもりなんだ、大将」

絢辻「…先輩方」

絵里「え?」

絢辻「身体を冷やしてはパフォーマンスに関わります。楽屋で待機を」

絵里「でも…」

絢辻「私たちがなんとかしてみます。信じてください」

棚町「…絢辻さん?」

田中「なにか考えがあるの…?」

絢辻「ええ。やってみる価値はありそうよ?」

梅原「…よっしゃ、乗った!」

棚町「…アタシも」

絵里「…」

希「ええんやない?」

絵里「希…」

希「助けてくれる、ゆーとるんやから。ね?」

にこ「…それもそうね。私たちには私たちのやることがあるでしょ?」

絵里「にこまで…」

絢辻「それでは、行動開始!」

3人「おーっ!」

絵里「…ごめんなさい、迷惑かけて」

絢辻「いいえ。友達のため…ですよ」

棚町「…絢辻さんも言うようになったわね~」

絢辻「うるさい!ほら、バカ言ってないで行くわよ!」

棚町「あ~怖い怖い!」タッタッタッ

絵里「…出会ったばかりなのに、不思議な子達ね」

にこ「…お人よしなのよ」

希「ふふっ、そうやね…」

―――――

橘「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

橘「ここだ…」

橘(穂乃果さんたちが歩いて来るなら…)

橘(間違いなくこの道を使う!)

橘(問題は、僕が今なにができるか…)

橘(…雪かき?)

橘(こんな広い道を?)

橘(…)

橘(やるしか、ない…!)

橘「どこかに雪かきの道具は…!」

ポイポイッ

橘「ん?…シャベル?」カチャ

棚町「アンタ、1人で何とかできるとでも?」

梅原「甘いなぁ大将!俺らがいて一人前、だろ?」

田中「すごい自信だね梅原くん…」

橘「梅原…薫…田中さん…」

絢辻「そういうこと。さ、早く取り掛かりましょう?」

橘「絢辻さんも!」

梅原「よっしゃぁあああ!!俺がイチバンだぁああああああ!!」ガッシャガッシャガッシャ

棚町「うるさい!静かにやりなさいよ!」ザクザクッ

田中「…はい、橘くん」カチャ

橘「…うん!」グッ

絢辻「さて…雪はそりを借りてきたからそれで運んで。私はまだ借りるものがあるから…」

棚町「あー…はいはい」

田中「ふふふっ」

梅原「へへっ」

橘「…?」

橘「とにかく、ありがとう絢辻さん!助かったよ!」ザクザクザクッ

絢辻「…どういたしまして」

―――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

――――――――――

―――――

橘(…)ザック…ザック…

橘「ずいぶんやってるのに、雪の量が減らない…!」ハァ…ハァ…

梅原「こりゃやべーな…雪が強くなってきてる」

田中「終わらないよぉ!」

棚町「ふぅ…ふぅ…」

絢辻「みんな!」バッ

橘「絢辻さん!なにしてたの!?」

棚町「絢辻さん…!」

田中「…!」

梅原「…」

絢辻「ちょっとね…それより、この天候じゃいくら雪かきしても…!」スチャ

橘「…でも、なにもやらないよりは!」

梅原「…」ポイッ

橘「! 梅原!?」

梅原「大将。諦めよう」

橘「な、なに言ってるんだ!僕たちにできることなんてこれくらいしか…!」

梅原「よくがんばったよ、俺たちは。それより、こんなところで無茶して、風邪でもひいてみろ。そのほうが高坂さんは悲しむんじゃねぇのか?」

橘「…」

棚町「…梅原」

田中「…」

絢辻「…」

梅原「なぁ。会場に戻ろう。誰も俺たちを責めないし…」

橘「…」

梅原「悪く言わないさ。天候が悪いんだ…仕方ないだろ」

橘「…なら」

梅原「…」

橘「…梅原は戻れよ」ザクッ

梅原「…」

橘「薫も田中さんも絢辻さんも…」

棚町「…」

橘「戻りたければ戻れよっ…!」ザクッ

田中「…」

絢辻「…」

橘「僕は、1人でもやる…!」ザクッ

橘「穂乃果さんたちはな…このライブに、全てをぶつけてたんだ」ザクッ

橘「…輝日東に来るまでろくに恋愛もせず」ザクッ

橘「アイドルのことだけを考えて…!」

橘「こんな…雪が奪っていい夢じゃないんだ」ザクッ

橘「たまたま降っただけの雪なんかが…!」ザッ…

橘「潰していい夢じゃないんだっ!!!」ググッ

梅原「…」

橘「諦めないぞ…諦めるもんか!」ザクッ

橘「穂乃果さんたちもきっとまだ諦めてない…!」ザクッ

橘「だって…」

橘「だって」

橘「あんなに目を輝かせてっ!」ポロポロ

橘「語った夢を諦められるわけが無いじゃないかっ!」グシグシ

梅原「…大将」

橘「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ザザッ!

棚町「…」スッ

橘「…?」

棚町「しょうがないわね」

橘「…!」

棚町「1人で出来るわけないじゃない!」ザクッ

橘「薫…」

田中「…そうだね!」ザクッ

橘「田中さん…」

絢辻「…」スッ

絢辻「…私も」ザクッ

橘「絢辻さん…」

梅原「…へへっ」

橘「…」

梅原「ここで引っ込んだら、流石にかっこ悪すぎるだろ?」ザクッ

橘「梅原…!」

梅原「死ぬまで付き合うぜ大将…!親友、だろ?」ザッ

橘「…おう!恩にきる!」

棚町「気合入れて動きなさいよ!どんどん降ってくるわよ!」ザクッ

田中「うぅっ、これ思ったより重労働だよぉ」ザザッ

絢辻「あら、田中さん限界?」ザクッ

橘「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ザクザクザク!

梅原「おりゃあああああああああああああ!!!」ザクザクザク!

棚町「恵子も見習いなさい!」

田中「えぇー!?…おりゃー!」ザクッ

絢辻「ふふっ、いい感じね」

棚町「やるじゃない恵子!」

田中「ふ、ふふふ…」

橘(みんな、穂乃果さんたちのために、頑張ってくれてる)

橘(負けてられない…!)



―――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

――――――――――

橘「ハァッ…ハァッ…」ザクッ…

梅原「ゼェ…ゼェ…」ザクッ

棚町「く…ッ」ザクッ

絢辻「う…」ザク…

田中「…」ザッ…

橘(…みんな、限界だ…)

橘(幸い雪も弱くなったし、ここら一帯はもう大丈夫…)

橘(だけど、まだ…)

橘(まだ…)

橘「ハッ…ハァッ…」ザクッ…

田中「ぅ…」ガクッ

棚町「ッ!恵子!」

梅原「っと!田中さん!」バッ

田中「ぅぅ…」

梅原「…こりゃダメだ。大将!」

橘「なんだ、梅原…」ザクッ

梅原「田中さんがもう無理だ!俺は本会場の救護室に連れてく!」

橘「…そうか」ザクッ

絢辻「…っ」

棚町「…絢辻さん?」

絢辻「…ごめんなさい、私も、もう…」フラッ

棚町「! 絢辻さん!」ガッ

橘「…梅原…薫」ザッ…

梅原「ん?」

棚町「なに!?」

橘「田中さんと絢辻さんを…救護室に運んでやってくれ…」

棚町「…ええ」

梅原「…大将は」

橘「…僕はもう少しだけやってくよ」

梅原「…」

梅原「そうか」

橘「ああ。2人にありがとうって言っといてくれ」

棚町「…すぐ戻るわ」

梅原「そうだな。行こう…!」

梅原「大将!死ぬなよっ!」

橘「…なるべくな!」

梅原「ははっ…よっと」ガッ

田中「ぅ…」

梅原「…」

梅原「がんばれ、大将」

――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――

――――――――――――――

―――――――――

橘「…」ザクッ

橘(どのくらい経っただろう)

橘(時間感覚はもうない)

橘(ただただ雪をかく…)

橘(無心ではなく…)

橘(穂乃果さんの、ために…!)

橘「…」ザクッ

橘「…」ザ…

橘「…」フラッ

橘(…あれ)

橘「…」バタッ

橘(…力が入らない)

橘(…無理しすぎたかな)

橘(…)

橘(でも)

橘(穂乃果さんのためなら…)

橘(…)

…イジョウブデスカ!?オキテクダサイ!

橘「…」

オキテクダサイ!オキテ!

橘(…なんだ?)

メヲアケタ!イキテル!

橘「…きみ、たち、は…?」

ヒデコ「音ノ木坂の生徒です!あの、この雪かきはあなたが…?」

橘「…!」

橘(音ノ木坂…)

橘(そうか…)

橘(ちゃんといるじゃないか)

橘(穂乃果さんたちにも…)

橘(ちゃんと…)

ヒデコ「あの!大丈夫ですか!?だいじょ…」

橘「…」ガシッ

ヒデコ「…!」

橘「ゆ…きを…」

ヒデコ「…」

橘「ほ、のか…さんが…」

ヒデコ「!!」

橘「とお…る…から…」

ヒデコ「はい!私たちに任せてください!」グッ

橘「…」

橘「あり、が…とう…」

ヒデコ「…」

ヒデコ「眠ったみたい。フミコ!この人を救護室に!」

フミコ「らじゃ!」

ヒデコ「さて!この人の思いを無駄にしないよ!!!」

ミカ「おう!」

ヒデコ「音ノ木坂、ファイトー!!!」

オオーーーーーーーー!

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―――――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――

橘「…」

??「ほら、起きなさいよ」ユサユサ

橘「う…」

??「もう…あんなに無理するから…」

??「…」スゥゥゥゥ

??「おきろぉおおおおおおおおおおおお!!!!」

橘「うわぁ!?なんだなんだ!?」ガバッ

??「やっと起きた。おはよう純一、気分はどう?」

橘「…薫?ここは…」

棚町「ここは救護室。大変だったのよ~?」

橘「…救護室」

橘「…」

橘「!」ハッ!

橘「雪は!」

棚町「大丈夫。穂乃果たちも無事到着したわ」

橘「そ、そっか。よかった」ホッ

橘「でもどうして救護室に?記憶が…」

棚町「でしょうね。担ぎ込まれたのよ?」

橘「へ?」

棚町「恵子と絢辻さんを運んで、まぁ私たちもちょっと時間かかっちゃったんだけど…」

棚町「戻ろうとしたら、音ノ木坂の人たちにアンタが担がれててね?」

橘「音ノ木坂…」

橘「…あっ」

棚町「なんでも、雪かきは引き継いだから安心しろ、って。倒れるまで頑張ったこの人を休ませてあげて、って」

橘「…そっか」

棚町「感謝しときなさい?」

橘「うん…」

橘「…」ハッ!

橘「それで、最終予選は!?」

棚町「これからよ。絢辻さんたちが先に回復して、席取っといてくれてるわ」

橘「これから、って…もう時間ないんじゃ…」

棚町「…それもそうね」

橘「はやく言えよ!急ごう!」バッ!

棚町「あっ!ちょっと待ってよ純一!」

橘「待ってられるかっ!」ダッ

棚町「もー!忙しないヤツね…!」ダッ

―――――――――

穂乃果「…」

ザワザワ…

穂乃果(…ラブライブ、最終予選)

穂乃果(これで、決まる)

穂乃果(A-RISEよりも高みへ行けるか…どうか)

穂乃果(…)

穂乃果(みんな、来てくれてるかな)

穂乃果(…)バッ

ザワザワザワ…

穂乃果(…あ)

絢辻「…」フリフリ

田中「! …!」バッ!バッ!

梅原「!!」ブンブンブン

穂乃果(絢辻さん…恵子ちゃん…梅原くん…)

穂乃果(…純一くんは、まだ寝てるかな)

穂乃果(…)

穂乃果(ありがとう、純一くん)

穂乃果(穂乃果は…)

穂乃果(全力で…!)

「…!」

穂乃果「…」

「…!…!」

穂乃果「…?」

「!!!!」

穂乃果「…」

「…!!!!」

穂乃果「…!!」

橘「――――――!」

穂乃果(あ…)ドクン

橘「穂乃果さん!――――――!!」

穂乃果「…」

穂乃果「…」スッ





不思議だね 今の気持ち




              空から 降ってきたみたい







橘「…!」






特別な 季節の色が





ときめきを 見せるよ…






初めて… 出会ったときから…


予感に騒ぐ 心のメロディ


とめられない! とまらない!


なぜ!



届けて!


切なさには





名前を つけようか











『Snow halation』!








想いが 重なるまで 待てずに


悔しいけど スキって純情




微熱の中 ためらってもダメだね


飛び込む 勇気に賛成! まもなくStart!!





ワァァァァァァァァ…



――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――

――――――――

○『エピローグでありプロローグ』


――――3月のある日、夕方

橘「…ふぅ」

橘「μ’s、ラブライブ優勝!」

橘「か…」

橘「…おめでとう、穂乃果さん」

橘(結局、あの後穂乃果さんに会うことも出来ず)

橘(とうとうラブライブが終わった)

橘(宣言通り、穂乃果さん率いるμ’sは見事優勝を果たし)

橘(一躍時の人となった)

橘(…)

橘(穂乃果さんには会えないよ)

橘(なんだか、すごく遠くにいる気がする…)

橘「…」

橘(また、穂乃果さんに嘘ついちゃったな)

橘(…)

美也「にぃに~!」

橘「…ん?どうしたー!」ガチャ

美也「お客さん~!」

橘「客?僕に?」

美也「うん!はーやーくー!」

橘「わかったわかった…」スタスタ

橘「はい、お待たせしました」ガチャ

棚町「はろー」フリフリ

橘「…薫か。なんだよ」

棚町「あら、随分な返事ね」

橘「うるさいな…用があるんじゃないのか?」

棚町「あるわよ~!とっておきが!」

橘「なんだ、もったいぶるなよ」

棚町「それはね…じゃん!」

穂乃果「穂乃果だよっ!」ヒョコッ

橘「うわぁっ!!!???穂乃果さん!?」ガタタン

棚町「それじゃ、アタシはこれで~」ヒラヒラ

穂乃果「うん!ありがとう薫ちゃん!」

橘「か、薫は帰るのか…」

橘「…というか、穂乃果さんはなんでここに?」

穂乃果「…ねぇ、外行かない?お話があるんだ」

橘「…え?」

穂乃果「お願い」

橘「…わかった。行こうか」

穂乃果「…」

―――――丘の上公園

穂乃果「…いいところだね!」

橘「お気に入りの場所なんだ。静かで、綺麗で」

穂乃果「うん…」

橘「…」

穂乃果「…あの、ね」

橘「…」

穂乃果「穂乃果、ラブライブ優勝できたんだ」

橘「ネットニュースで見たよ。おめでとう」

穂乃果「あ、ありがとう…」

穂乃果「あと、遅くなったけど…」

橘「?」

穂乃果「最終予選のとき、雪かきしててくれたんだよね」

橘「…あ」

穂乃果「ありがとう!おかげで、間に合ったよ…」

橘「…うん、どういたしまして」

穂乃果「…」

橘「…」

穂乃果「…で、ね」

橘「…」

穂乃果「ラブライブ、終わったよ」

橘「…」

穂乃果「っ…」

橘「…」

穂乃果「純一くんは!」

橘「…」

穂乃果「…迎えに来るって言ったのに」

橘「っ…」

穂乃果「…」

穂乃果「…純一くんの」

穂乃果「純一くんの心の中に、まだ穂乃果はいますか?」

橘「…」

穂乃果「穂乃果の中には…」

橘「…」

穂乃果「ずっとずっと…純一くんがいるよ」

橘「…」

穂乃果「それで…」

穂乃果「よかったら、また穂乃果と…」

橘「待って」

穂乃果「!」ビクッ

橘「…」

橘「穂乃果さん」

穂乃果「…はい」

橘「穂乃果さんは、ラブライブで優勝した」

穂乃果「…はい」

橘「もう、前とは違う…本格的に有名人だ」

穂乃果「…」

橘「アイドルで、ファンがいて。そんな状態だ」

穂乃果「…」

橘「いくら引退するにしても、すぐにコイビトなんてできたら…」

橘「周りからどんな目で見られるか…」

穂乃果「…」

橘「だから…」

穂乃果「純一くん」

橘「え…」

穂乃果「穂乃果のその殻を…破っていったのは誰?」

橘「…!」

穂乃果「数ヶ月前だよ…忘れちゃった?」

橘「それは…」

穂乃果「忘れたなら、思い出させてあげようか!」ダッ

橘「穂乃果さん…?」

穂乃果「―――」スゥゥ…

穂乃果「!」ピタッ



穂乃果「橘純一くん!」



橘「!」












穂乃果「好きだぁあああああああああ!!!愛してるっっっっっっ!!!」









橘「…あ」

穂乃果「…」

穂乃果「――」クルッ

穂乃果「穂乃果と、」

穂乃果「付き合ってくださいっ!」ニカッ

橘「っ…!」

橘「ずるいよ…」

穂乃果「…そのままそっくり、純一くんに返すよっ!」

橘「うぅ…」

穂乃果「穂乃果はね」

穂乃果「周りにどう思われたって」

穂乃果「もうどうでもいいんだよ!」

穂乃果「だって、穂乃果には…」

穂乃果「純一くんさえいればいいからっ!」

橘「ぁ…」

穂乃果「…純一くん」

橘「…なに、穂乃果さん」

穂乃果「…返事、もらえるかな」

橘「…」

橘「僕は…」

橘「僕はッ!」

穂乃果「…」

橘「穂乃果さんがだいっっっっっっっっっ好きだっ!!!!!」

穂乃果「!!」ポロッ

橘「…僕でよければ、お願いします」

穂乃果「…うん、うん」ポロポロ…

橘「ごめんね。また変な考え方になってた」モギュッ

穂乃果「…本当だよ。面倒なんだからっ」ギュッ

橘「もう、離さない」

穂乃果「…穂乃果だって」

橘「…ん」スッ

穂乃果「…んっ」スッ







…チュッ





―――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――

――――――――――――――

―――――――――

橘「…あ」

穂乃果「…え?」

フワ…

橘「…三月に、雪?」

穂乃果「…季節はずれだね」

橘「本当に…」

穂乃果「よっ」タッ

橘「…穂乃果さん?」




穂乃果「雪」



橘「…」



穂乃果「綺麗だねっ!」ニコッ



橘「…!」

橘(目線の先、3メートル…)

橘(雪の向こうに立っている穂乃果さんを)

橘(僕はとてもじゃないけど)

橘(…眩しくて、まっすぐ見ることができなかった)

橘(…)

橘「そうか、これが…」






橘「これが、『Snow halation』…」






穂乃果「…?どうかしたの、純一くん」

橘「…ううん」

橘「穂乃果さんがかわいすぎて見惚れてたよ」

穂乃果「…!」カァッ

穂乃果「もー!純一くん!恥ずかしいよっ!」

橘「ふふっ、ごめんごめん」









―――――僕は、









僕は、忘れないだろう。


あの、溢れんばかりの光に包まれた


まばゆい穂乃果さんの姿を。


二度と、忘れることはないだろう。


共に生きる覚悟をしながら、


まずは手を繋いで帰ろうかな


なんて考えていた。


なぜなら穂乃果さんの隣に並ぶことが、


僕が穂乃果さんに与える唯一の輝き。


…ハレーションだって、気付いたのだから。



橘純一『Snow halation』



おわり

あとちょっと、おまけを書きますが、本編はこれにて終了になります。


おまけの投下はまた適当にやっていきますが、そんなに長いものではないです。

あとちょっとだけ、お付き合いしていただけるととても嬉しく思います。

だらだらと延び延びとなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、
本当にありがとうございました。

おまけ1 『最後の後片付け、か。純一も手がかかるヤツよね…』

棚町「はろー」ガチャ

絢辻「…来たわね」

田中「薫、穂乃果ちゃんはどうなった!?」

棚町「…丘の上公園でキスしてるの見たらなんだかバカバカしくなっちゃった、かな」

田中「おぉ~!」キラキラ

梅原「と、いうことはこれでめでたしめでたしだな」

絢辻「残念会の用意がムダになってしまったわね」

棚町「その代わり、前々から用意してた方はばっちり使えるんだからいいじゃない?」

田中「なんだかドキドキするね!裏方っぽいけど、こういうのもかっこいいかも…!」

梅原「ははっ、田中さんは相変わらずだな」

絢辻「…それで、梅原くん。例のものは」

梅原「ああ、はいよ」スッ

絢辻「よいしょ…」ウィーン

梅原「パソコン部部長だからって香苗さんを説得して映像編集させるなんて、言いくるめるの苦労したぜ!」

棚町「どうだかねー」

梅原「なんだよ」

棚町「別にぃ?」

絢辻「はいはい、それじゃあ確認するわよ。動画スタート」カチッ

――――――――――――――

梅原「…いいんじゃねぇか?」

田中「うん!とっても素敵!」

棚町「…アタシは絢辻さんの偶然通りがかりの人が撮った風に見せる技術が恐ろしいわ」

絢辻「あら、褒め言葉?」

棚町「…まぁね」

梅原「そんじゃ、これを動画サイトにアップして…」

田中「どんどん拡散すればいいんだね!?」

絢辻「ええ。でも、もう少し待った方が良さそう」

田中「え?」

棚町「…もっと騒がれるまで、ね」

絢辻「そういうこと。またタイミングについては連絡するから、今日はここまで」

梅原「おうよ!」

田中「まかせて!」

棚町「…まったく」

棚町「最後まで面倒なヤツ…」

絢辻「本当よ…賃金が発生するレベルね」

棚町「…」

棚町「ま、そこが魅力、か」ンーッ!

棚町「…」…ハァ

絢辻「…らしくないわね。どうかしたの?」

棚町「なんでもない。ただね…」

絢辻「ただ?」

棚町「穂乃果と純一は似てるのかな、って」

絢辻「…そ」

棚町「ふふっ…ええ」

棚町(…)

棚町(お幸せに、2人とも…)

――――――――――――――


ラブライブ優勝グループ、μ’sのリーダー、高坂穂乃果が熱愛のゴシップを受けるのは、
3月も終わる頃だった。

恋人が出来たことを理由にした引退により、ファンの間には心無い誹謗中傷が溢れたのだが…

騒ぎが加熱し、過激なファンは躍起になって高坂穂乃果の恋人を特定し、粛清しようとまで言い出したそのとき。

ラブライブ関東地区最終予選会場付近にいた高坂穂乃果の恋人を
偶然撮影したという動画がアップロード。

その一途に頑張り続けようとする姿に、

愛した女のために1人でも雪かきを続ける最高にアツい男、と高坂穂乃果ファンの中で英話題に。

ついには『高坂穂乃果を任せるにはあの男しかいない』とまで言わしめた。


以上のことから、
ここに、ラブライブ優勝スクールアイドル恋愛引退事件の終結を記すものとする。


音ノ木坂学院 アイドル研究部部長   小泉花陽 著

(おまけがあと二つあるんですけどここで終わった方が無難ですか?)

ウィッス

おまけ2 『μ’sのみんなに報告しよう!』

穂乃果「…と、いうわけで」

海未「…」ボーゼン

ことり「…」ポカン

絵里「…はらっせぉ」

希「なるほどなぁ」

真姫「ま、まさか穂乃果に…アリエナイワ…イミワカンナイ…」

花陽「ほ、穂乃果ちゃんに…恋人なんて…ダレカタスケテー!」

凛「すごいにゃー!穂乃果ちゃんおめでとう!」パチパチパチ

にこ「…」

穂乃果「うん…ありがとう凛ちゃん」

海未「い、いいいいいいいけません!」バン!

穂乃果「!」ビクゥ

海未「ま、まだ17歳なのに交際など…破廉恥にもほどがあります!」

ことり「あ、あはは…」

希「まぁまぁ。聞いたやろ?相手はあの橘くん。ピンチを体張って助けてくれた、いい子やん?」

海未「それとこれとは話が…!」

真姫「そうよ。どうするつもり?」

花陽「真姫ちゃん?」

穂乃果「…」

真姫「アイドル…辞めるの?」

海未「ぁ…」

ことり「…」

穂乃果「…うん」

真姫「!!」

穂乃果「ラブライブも終わって…μ’sも解散。区切りもいいし、それに…」

穂乃果「アイドルに恋人はいちゃいけない。でも、穂乃果は…」

穂乃果「…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「っ」

穂乃果「穂乃果は純一くんが好きだから!」

穂乃果「どっちにしたって、こんな気持ちで…アイドルやれないよ」

絵里「穂乃果…」

にこ「…アンタ」

穂乃果「…?」

にこ「…今、幸せ?」

穂乃果「え…」

にこ「橘純一といて、幸せかって聞いてるの」

穂乃果「…っ」

穂乃果「幸せだよ!」

穂乃果「幸せに決まってるじゃん!!!!」

にこ「…」

穂乃果「…」

にこ「…そう」

希「…にこっち?」

にこ「…ほら」

にこ「あんたたち、なんて顔してるのよ!」

真姫「…!」

にこ「仲間に恋人が出来て…新しい門出なのよ」

にこ「心から祝福するのがスジってもんでしょっ!」

ことり「…にこちゃん」

絵里「にこ…」

にこ「おめでとう、穂乃果。末永くお幸せにね」パチパチパチ

凛「…凛は最初からそのつもりだったにゃー」パチパチパチ

希「ふふふっ…おめでとう穂乃果ちゃん!」パチパチパチ

ことり「…うん!おめでとう!」パチパチパチ

花陽「はい…!おめでとうございます!」パチパチパチ

絵里「ハッピーエンドね!」パチパチパチ

真姫「…」プイッ

真姫「…おめでとう、穂乃果」パチパチ…

穂乃果「みんな…!」

海未「…ずるいです、こんなの」

海未「…穂乃果」

穂乃果「…海未ちゃん」

海未「おめでとう、ございます。いつまでも幸せに…」パチパチ…

穂乃果「…うん!」

穂乃果「ありがとう!みんな!」

穂乃果「穂乃果、みんなのこと…」

穂乃果「大好きだよっ!」

にこ「…ふふっ」

にこ「あーあ、負けかぁ…」

にこ「…こういうのも、ありっちゃありなのかも、ね」

絵里「…? 何か言った?にこ?」

にこ「…」

にこ「なんでもないニコっ♪それより今日は、穂乃果のお祝いよっ!カラオケ行くニコー!!!」

ワーワー!マッテヨ!ハヤクイクニコー!ダカラッテハシャギスギヨォ!ハラショー!





穂乃果「…」

穂乃果「みんな…」

穂乃果(…ありがとう、本当に)

穂乃果(本当に本当に、ほんとーーーーーにっ!)

穂乃果「ありがとーーーーーーーっ!」

おまけ3 『卒業もしたし…春から大学生だ!』

―――――3年生、卒業。

橘「はやかったなぁ」

穂乃果「そーだねー…」

橘「もう高校も終わりだよ」

穂乃果「そーだねー…」

橘「…大学生かぁ」

穂乃果「んー…」

橘「でもこれでやっと穂乃果さんと同じところに通えるね!」

穂乃果「そう…だね」

橘「…どうしたの穂乃果さん。テンション低いよ」

穂乃果「だぁってー…」

穂乃果「どーして一緒に暮らしちゃダメなの!?」

橘「そ、それは…」

穂乃果「物件も見て大学の近くのいいところ見つけたのにぃ!」

橘「仕方ないよ!そもそもお互いの両親に許可取ってなかった僕たちも僕たちだし!」

穂乃果「まさかあんなに反対されるなんて…しかも両方の親から…」

橘「大学生で同棲なんて生意気だ、そういうことは自分で生活費を全部出せるようになってからにしろ、だったっけ」

穂乃果「純一くんのお父さんも穂乃果のお母さんもそう言ってたねぇ…」

橘「まぁ、もっともではあるよ。親のお金で一緒に住むってのもなんかね…」

穂乃果「…それはそうだけど…」

橘「結局借りたアパートも近いし、いいんじゃない?」

穂乃果「むー…」

穂乃果「純一くんは残念じゃないの?」

橘「え?」

穂乃果「穂乃果と2人で暮らせなくて!」

橘「残念に決まってるじゃないか」

穂乃果「そうは見えないよ…」ジトーッ

橘「うーん…」

橘「いや、ね」

穂乃果「?」

橘「前みたいにさ。転校期間が1ヶ月しかなかったり、その中でもラブライブがあったりで時間が無いわけじゃないから」

穂乃果「…うん」

橘「そういうのはゆっくりでも、いいんじゃないかなって」

穂乃果「…!」

橘「今は学生らしい付き合い方を楽しんでさ。それから、僕たちのスピードで進んで行けばいいんじゃないかなって」

穂乃果「純一くん…」

橘「そう思うと、悪くないように思えない?」

穂乃果「…そうだね」

穂乃果「まだまだ時間はたっぷりあるもんね!」

橘「そうそう」

穂乃果「よーし!」スクッ

橘「?」

穂乃果「立って立って!」

橘「うん?」スクッ

穂乃果「うんうん…じゃあ、穂乃果と純一くんの輝かしい未来に向かって!」ギュッ

橘「…あぁ!」ギュッ











              穂乃果・純一「「スタートっ!!!!!!」」










おわり

これにて全て終わりです。

読んでくださった方、書き込みをしてくださった方、ハテは画像まで作ってくださった方

本当にありがとうございました。

ちょっと次はまたくだらないけいおん律梓ssを書きます。

3日後か半年後かいつになるかわかりませんけど、

橘純一『soldier game』 橘純一と絢瀬絵里のお話

はやってみたいと思っています。よろしければ是非ともまた温かい目で見守ってください。

あと最後に、反省ですが
誕生日イベントを忘れてました…
不覚です。


長々とすみません。ではまた。

がっつり終わったって書き込んでおいて今更なんですけど、
描写できなかったことを書いておかないとなんだか気が済まないので少しだけ…

・設定上通うのが無理な距離ですが、それは勘弁してください…私もそう思います

・絢辻さんは棚町に手帳を拾われて利用されてるウチに、普段からなんだか白かったり黒かったりするくらいには軟化してます
 利害関係しか興味が無い状態から友達がどうこう言うくらいまでは焼きそばヘアーさんが裏でやってくれた感じです

・桜井、ラブリー、ふかふかが出ていないのは、アマガミをプレイしてみて、
 1人のヒロインを攻略するのにだいたいヒロインの親友ポジションの子が他にいるだけで、
 あとの子はほとんど関わらないなぁと思ったからです


最後の、キャラが出てくる出てこないの話は読んでいて楽しみにしていた方には申し訳ありませんでした。
絢瀬さんのお話も今考えてるんですが、そっちも出てくる人と出てこない人がありそうです。


すみません、これでとりあえずは気が済みました。
それではまた是非そのうちやる絢瀬さんのお話でもよろしくお願いします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月25日 (土) 07:00:01   ID: dg7RfRmM

おもろかったで

2 :  SS好きの774さん   2015年07月27日 (月) 18:46:23   ID: NwaHLSbK

初めてのコメントしたくなるほど、面白かった。エリチカ編も楽しみです。

3 :  SS好きの774さん   2015年08月04日 (火) 01:45:02   ID: r2eXN-sr

すごい良かった。次も期待してます。

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