【東京喰種】カネキ「手術を受けたら女になってしまった」 (437)

カネキ(胸にないはずのものがあって)ポヨン

カネキ(股間にあるはずのものがない)ペタペタ

カネキ(手術を受けたら女になってしまった)

田口「カネキさーん。調子はどうですか」

カネキ「調子も何も性別変わってるんですけど」

田口「……記憶が混乱してるの? こんないいスタイルしておいて男だったはないと思うわよ?」

カネキ(そうだといいな)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435933432

カネキ(退院したはいいけど、女性服なんて持ってない。今までの服じゃ胸がきつすぎてとても耐えられない)

カネキ(こんな時頼れるのはヒデだな)プルル・・・

ヒデ『カネキ!? 退院したのか! 心配したぞバカ野郎!』

カネキ「うん、ごめんね……」

ヒデ『……えっと、どちらさん? カネキの彼女?』

カネキ「そんなわけないだろ……僕だよ。金木研だよ」

ヒデ『……マジ?』

カネキ「うん……とりあえず詳しく話したいから家に来てくれるかな」

ヒデ『わ、わかった』

ヒデ「ふむふむ。それじゃリゼさんはグールでお前は彼女に襲われて……」

カネキ「手術を受けたら女になってたんだ」

ヒデ「なるほど……」チラッ

カネキ「?」ポヨーン

ヒデ「……」ゴクリ

カネキ「ヒデ、まさか……」

ヒデ「だ、大丈夫だ! それにここで襲ったらいろいろ面倒だろ! な?」

カネキ(目が笑ってない。しばらくヒデには注意しておこう)

ヒデ「それより下着と服買ってきてやったぞ!」

カネキ「え? ……よく買えたね」

ヒデ「ああ、だから次からは自分で買いに行けよ」グスッ

カネキ「う、うん。それはいいんだけど……」ガサゴソ

ヒデ「な、なんだ?」

カネキ「下着が全部紐なのはどうして?」

ヒデ「俺の好み」

カネキ「……」

カネキ(仕方ないから紐下着をつけた。上からYシャツ着てても恥ずかしい)

>アノコカワイクネ?
>ヤベエヨヤベエヨ
>キミヲタベタイ!ソウシタイ・・・

カネキ(し、視線がつらい……)タタタ


ニシキ「なんだお前?」

カネキ(リゼさんと同じ目……グールだ。女になってただでさえ遅い足に磨きがかかってるしどうしよう)

ニシキ「ちょうど腹すいてきてたし……運が悪かったなあ、お前」ニヤリ

カネキ「ひ……」ブル

ニシキ「何、びびってんの? 安心しろよ。痛くしないようにするからよ。……お前が抵抗しなけりゃな」

カネキ(お、終わった……)

貴未「ニシキ君、何してるの?」

ニシキ「き、貴未……? いや、この子が具合悪そうだったから……」

貴未「でも今、『痛くしないようにしてやる』って……どういう意味?」

ニシキ「あ、えーと。その……応急処置を、その……」オドオド

貴未「ニシキ君? ちょっと部屋戻って話そっか」ニコ

ニシキ「え、いやちょ待ってって! おいやめろバカ!」ズルズル

>ニシキクン・・・ニドトウワキデキナイヨウニシテアゲル
>オイバカヤメロ! シヌシヌシヌシヌッテバカヤロオオオオ・・・
>シニタクナーイ・・・・・・

カネキ(……グールでも勝てないものってあるんだ。それは女の怒り……)ヘナヘナ

トーカ「ん? アンタ大丈夫?」

カネキ(こ、この子は『あんていく』の……)

トーカ「……この匂い。アンタはリゼに食われたんじゃないの? てか女だったっけ」

カネキ「あ、えっと……いろいろあって、ははは」

トーカ「ふーん……」ジーッ

カネキ「?」

トーカ(私よりスタイルいい……)ガクッ

カネキ(どうしたんだろう……急にへこんだ)

トーカ「ま、せいぜい頑張りなよ」

カネキ「つ、冷たい」

トーカ「……言っとくけど、女の生理はマジで地獄だから」

カネキ「え?」

トーカ「地獄……だから」ズーン

カネキ(生理重たい体質だったんだ……)

トーカ「そ、それに男でも女でもないアンタに居場所は……」

カネキ「?」

トーカ「……割とあるのか。オカマキャラとか、オナベキャラとか」ウーン

カネキ(この子なんで一人でコントしてるんだろう)

トーカ「まあアンタ中身は人間なんだしピルでも飲めば生理はどうとでもなるよ。……私と違ってね」

カネキ「あ、ありがとう」

カネキ(なんだかんだ言って普通にいい子でした。家まで送ってくれたし)

カネキ(体には慣れてきたけど周りの視線が気になって本も読めない……)

ニシキ「げ、お前は……」

カネキ「あ、あなたは……」

ニシキ「座れよ。こんな場所で襲うようなバカじゃねえから」

カネキ「どっちの意味でですか?」

ニシキ「俺まだ命惜しいんだけど」

カネキ「す、すいません」

カネキ「実は――――ということがあって……」

ニシキ「なるほどなあ……テレビの手術騒ぎってのはそれが原因か」

カネキ「は、はい……。ニシキさんはリゼさんについて何か知っていますか?」

ニシキ「さあな。俺もここに根城置いたのは最近だし、リゼには食い場奪われただけで他はあまり知らねえよ」

カネキ「なるほど。グールも大変なんですね……」

ニシキ「まあな……」ハァ

カネキ(ニシキさんからは思ってより情報を得られなかった。……あんていくに行こうかな)

月山「待ちたまえそこのレディ!」

カネキ「え?」

月山「君のその美しい容姿に心を奪われてしまった……これからお茶でもどうだい?」キリッ

カネキ「……」

カネキ(ナ、ナンパだぁぁああああ!!)

カネキ(落ち着け、落ち着くんだ僕! 恋愛に縁もゆかりもないけど僕は男なんだ! 適当にあしらえば……)チラッ

月山「ふふ……」ニコッ

カネキ(ど、どうすれば……)ドキドキ


――――――――To be continued・・・

今日はここまで


女カネキは黒髪ストレートの清楚美人(確信)

おつ…

ん? このカネキは「人間の」女ってこと?


まぁreでも女装似合っていたし違和感殆どないよね……

>>15 そういうことです。スタイルはリゼさんを若干細くしたイメージかな、と

>>18 それよりトオルが男になったことが悔やまれてならない


それでは開始

カネキ(お、落ち着け金木研! 僕は、男だ。普通に断れば……)

月山(フフフ……街で一目見た時から狙っておいて正解だった)
>>5のセリフ参照

カネキ(うわーすっごいこっち見てるよ。どうしよう……)

月山「ダメ、かな?」

カネキ(こ、断りにくい……そ、そうだ!)

カネキ「ぼ――――私、これから喫茶店に行こうと思ってて……そこでよければ」

月山「もちろんいいよ」ニコ

カランカラン

トーカ「いらっしゃい……アンタ」

カネキ「?」

月山「久しぶりだね、霧島さん」

トーカ「なんでお前がそいつと一緒にいるんだよ」

月山「それは客に対してあまりにハードな対応じゃないかい? 僕はただ美しい彼女に声をかけ、同意の上でこうしてコーヒーブレイクをともにしようとしているだけさ」

トーカ「……あっそ」ギロ

カネキ(な、何だこの変な雰囲気)

カネキ「あ、あの。ここの店にはよく来るんですか?」

月山「ああ。常連とはいかないけど時々ね。……ここのコーヒーはおいしい。特に本を読むのには最適だ」

カネキ「月山さんも本を?」

月山「君もかい? どうやらカネキさんとはなかなか趣味も合いそうだ。好きな作家さんなんかはいるかい?」

カネキ「高槻泉、ですかね……。あの繊細だけど斬新な書き方って独特で惹かれます」

月山「高槻作品まで僕とかぶるとは……もはや運命としか言えないね」

カネキ「う、運命って……////」

カネキ(あれ? 僕何を照れてるんだ……?)

月山「それじゃあカネキさん。また都合が合えばデートしよう」

カネキ「は、はい」

カネキ(結局、連絡先まで交換してしまった……。でもいいか。いい人そうだし、話も合うし)

トーカ「……なあ」

カネキ「あ、えっと……霧島さん、だっけ?」

トーカ「トーカでいいよ。それよりさ……あいつのこと」

カネキ「月山さん? あの人がどうかしたの?」

トーカ「……言っとくけど、あいつ。グールだからな?」

カネキ「え!? じゃ、じゃあ……」

トーカ「お前に近づいたのは間違いなく喰うためだろうな」

カネキ「そ、そんな……どうしよう」

トーカ「まあ無視するしかないんじゃない? ……それになんかあったら私に言えよ」

カネキ「あ、ありがとう……トーカちゃんって優しいんだね」ニコッ

トーカ「う、うるさい////」

カネキ(かわいいなあ……ん?)

カネキ(この時、僕は気付いた)

カネキ(僕ってこの先恋愛できるの?)

カネキ(男と恋愛は見た目は普通だけど、僕の精神が持たないし女性との場合は周りの目線で結局精神がやられる……)

カネキ「一生独身かあ……」ボソ

ヒデ「どうしたんだよ急に」

カネキ「いや、僕って恋愛できないなあって。見た目は女の子だけど心は男なわけだし」

ヒデ「それなら俺が――――」

カネキ「ヒデ! 次、講義あるんじゃなかった? 早くしないと遅れちゃうよ!」

ヒデ「お、おう……」

カネキ(ふう……最近はヒデの視線が一番危なくなってるからな……かと言ってほかに頼れる人もいないし……)

月山「やあ、カネキさんじゃないか!」

カネキ「! 月山さん……どうしてここに?」

月山「君に会いに来た……じゃダメかな?」

カネキ「え////」

カネキ(だからなんで赤くなってんだ僕!)

月山「ふふ、本当はたまたま通りかかっただけさ。それにしても……」

カネキ「?」

月山「上井大学の生徒とは……いまどきここまで才色兼備な女性はいないよ?」

カネキ「あ、ありがとうございます……」

月山「そうだ……時間が空いているならこれから喫茶店にでもどうだい? 実は高槻泉も来ているという店を知っているんだ」

カネキ「本当ですか!? ぜひ行ってみたいです!」

月山「ふむ……残念ながら高槻氏はいないようだね」

カネキ「まあ、多忙な人でしょうから当然ですね」

月山「時にカネキさんは高槻作品をいつから?」

カネキ「それはもう全部読破しましたよ」

月山「君はなかなかの活字中毒だね」

カネキ「え、ええ……昔から本を読むことしかしてこなかったですから」

月山「僕も本には目がなくてね。本はいい……本の価値とは常に無二のものだ。周りが勝手に値を釣り上げる絵画なんかとは違ってね」

カネキ(な、何かお金持ちの悩みだな……)

月山「せっかくならカネキさん。今夜僕の家に来ないかい? 僕の家にはたくさんの蔵書があるんだ。それにディナーでもしながらゆっくりと語り合いたいしね」

カネキ(ディナー? でもこの人グールなんだよな……。よし! ここは勇気を出して……)

カネキ「で、でもいいんですか? 月山さん……グール、なんですよね?」

月山「! どうしてそれを……」

カネキ「そ、そのトーカちゃんから……」

月山「そうかい……知られてしまってるのなら仕方ない。君とはいい友達になれると思ったが……この話はなかったことにしよう。互いのためにね」ガタッ

カネキ「あ、待ってください!」

月山「なんだい……?」

カネキ「そ、その……私、グールの中にもいいグールもいるっていうのは何となくわかります。だから、今日行きます」

月山「カネキさん……ありがとう」グスッ

カネキ「ああ、泣かないでくださいよ」アタフタ

月山(……)ニヤッ



カネキ「こ、ここか……すごい大きな洋館だな」

月山「やあ、カネキさん! 待っていたよ。ささ、入ってくれたまえ」

カネキ「はい」トコトコ

月山「さあ、こっちだ。ディナーにはもう少し時間があるからね」

カネキ(すごい大きい……部屋に行くの大変そうだな)

月山「さあ、ここだ!」ガチャ

カネキ「うわ、すごい……天井まで本が敷き詰められてる」

月山「少し待っていてくれたまえ。今、本を取ってくる」タタタ

カネキ「わかりました」

カネキ(うわ、奥まで行った月山さん見えないぞ。……どこまで広がってるんだ、ここ)フラ

カネキ(あれ……急にめまいが……なんだこの甘い匂い……だめだ、意識が――――)バタリ

月山(ガスマスク)「ふふ……さあ僕が直々に運んであげよう」

カネキ「う、うう……」

月山「目が覚めたかい? カネキさん」

カネキ「つ、月山さん! どうしてこんな……う、」フラ

月山「ああ、まだ動かない方がいい。無理に動くと美しい身体に傷がついてしまう」

カネキ「く、どうして……」

月山「そんなの決まっているだろう?」

カネキ「まさか……」

月山「君を――――食べるためさ」ニヤァ


――――――――To be continued

今日はここまでです。

次回、月山編後編


思ったんだけどグールって嚇子フェチみたいなのあるのかな? 羽嚇派、尾嚇派……みたいな。
ちなみに>>1は鱗嚇派だけどね

乙 羽赫を出す姿は女性に映える。逆に甲赫は男性的なイメージ
…触手プレイはアリだと思う派

乙乙
カネキ無防備すぎるww

>>39 アキラさんが触手プレイされる展開ですね……ゴクリ

>>40 カネキちゃんは純粋で清楚だからね。仕方ないね


それでは月山編後編開始

カネキ「そ、そんな……騙してたんですか!?」

月山「何とでも言ってくれたまえ。それに君が不用心すぎるのもあるんじゃないかな?」

カネキ「……それはそうですけど」

月山「それに君は一つ勘違いをしている」

カネキ「?」

月山「今夜、君は僕の食事の食材になるわけじゃないよ」

カネキ「え?」

月山「……君は皿の上に並べるより、ベッドの上で味わった方が美味しそうだからね」フフフ

カネキ(そ、そうだった! 僕は今女だったんだ!)

月山「それに……そろそろじゃないかな?」

カネキ「何を言って――――!?」トクン

カネキ(体が……熱い。何だこの変な感じ……)ハァハァ

月山「ああ、悶える姿も美しい……」ボフ

カネキ「や、やめて……ベッドから離れてください!」フルフル

月山「そんなこと言っても、ほら……」サワ

カネキ「んん!」ビクン!

月山「軽く頬を撫でただけでそんな反応じゃ説得力がない。……我慢は体に毒だよ?」

カネキ(まずい……このままじゃ本当に童貞より先に処女奪われてしまう! それだけはいやだ!)ハァハァ

月山「フフフ……それじゃあ――――」

トーカ「それじゃあ、どうすんの?」

月山「霧島さん!? どうしてここに……」

トーカ「アンタの家はでかいからすぐわかる。それに……」チラ

カネキ「……?」ハァハァ

トーカ「……ま、いいか。前からアンタにはむかついてたし、いい機会だよ」ギョロ

月山「相変わらず口調がdirtyだね……カネキさんは渡さない!」ギョロ

カネキ(え、ちょ……ここで戦うの?)ハァハァ

月山「ははは! どうしたんだい霧島さん!? あの日より動きにキレがないんじゃないかい!?」ビュン!

トーカ「くそが……!」ザッ

月山「そうだ……いっそのこと霧島さんも一緒にいただいてしまおう。人間であるカネキさん一人では体が持たないだろうからね」ペロリ

カネキ「へ、変態だ……」

月山「そうさせているのは君なのだから責任を取るべきだ……君はもっと自分の美しさを自覚した方がいい」

トーカ(……ダメだ。私一人じゃ勝てない。それに燃料切れも近い! どうすれば――――)

カネキ「トーカちゃん……無理しないで。トーカちゃんが戦う理由なんてないじゃないか」

トーカ「……ホント、何でだろうね。こんな赤の他人を助けようなんて……」

カネキ「……、」

トーカ「でも気付いたらこうしてたんだから仕方ないじゃん。……今更退くに退けないし」

月山「しかし君では僕には勝てない。……三年前の君は強かった。だが、今は弱い! それは食の質が悪いからだ! 嚇子がエンジンなら食はまさにガソリン! ……粗悪なガソリンではエンジンもうまく回らない」

トーカ「は、はは……」

カネキ「トーカちゃん?」

トーカ「確かにこいつの言うとおりだ。……私じゃ、こいつには勝てない」

月山「それなら僕の願いを受け入れたまえ。……もっとも、女性を好んで傷つける気はない。二人とも優しくすることは約束しよう」

カネキ(いやだ……こんなのいやだ! どうすれば――――)

月山『――――君はもっと自分の美しさを自覚した方がいい』

カネキ(……)

カネキ(こ れ だ!)

カネキ(ただチャンスは一度きり……それにトーカちゃんがうまくのってくれるか)ウーン

トーカ「……」チラッ

カネキ(こっちを見てる……? そうか、僕だけでも逃がそうとしてるのか! だったら……)サッ、サッ

トーカ(何してんだあいつ……)

カネキ「(不 意 打 ち !)」パクパク

トーカ(不意打ち……?)

カネキ「つ、月山さぁん……」ハァハァ

月山「なんだいカネキさん!」

カネキ「体が熱くて……もう我慢できないんです……早く来てぇ♥」セクシーポーズ

月山「グハッ」ヨロ

トーカ(今だ!)

トーカ「死ねクソ山ぁぁぁぁああああああああ!!」ドゴォ!

月山「ぐぼぉあ!」ゴロゴロ

トーカ「よ、よし! 今のうちに逃げるよ!」

カネキ「う、うん!」ハァハァ

月山「待ちたまえ……」ユラァ

カネキ「そ、そんな……全然効いてない」

月山「本来の彼女なら今ので僕はしばらく動けなかっただろう。……これが質の差だよ」

トーカ「……ッ、」

カネキ「……まだだ」

月山「彼女が勝てるとでも?」

カネキ「エンジンなら……ここにある!」

月山「何!?」

カネキ「……トーカちゃん」

トーカ「いいのかよ。……相当痛いぞ」

カネキ「うん、我慢するから。……少しだけだよ?」

トーカ「ったく……バカが」ガブッ

カネキ「ぐっ……」

月山「ああ! なんてバカなことを……僕のだぞっ!!」

トーカ「――――」トクン

トーカ(カネキの血を少し啜っただけで理解した。月山がどうしてカネキを狙うのか。……私がなんで助けにきたのか)

トーカ(本能だった。グールとしての本能がそうさせたんだって。……生まれて初めて『食事』がおいしいと思った。喜びを覚えた)

トーカ「ぁぁああああああああ!!」ズズズズ!

月山「な、何だ……? この巨大な嚇子は!」

トーカ「今度こそ……死ね」ズドォン!

月山「ぐ……!」ガガガガ!

月山(あ、ありえない……甲赫の僕が羽赫に力負けするだって!?)

月山「うわぁぁああああ!!」ザクザクザクザク!

月山「ぐ……いけないなぁ! これは、治すのに……時間が…………、う」ドサ

カネキ「す、すごい……」

トーカ「ふう……さて、帰るよ。ほら、肩貸すから」ドッコイショ

カネキ「あ、ありがとう」フラ・・・

月山「――――待ちたまえ」

カネキ「!」

トーカ「……まだなんか用?」

月山「後生だ……一口、一口だけ……このままじゃ僕は――――」フラフラ、ドサ

トーカ「……自分でも喰ってろ」

カネキ「トーカちゃん……ありがとう」

トーカ「別に。アンタのこと少し食ったんだから、お互い様だと思うけど」

カネキ「でもトーカちゃんが来なかったら僕は……」

トーカ「……アンタさ。もう私たちに関わらない方がいい」

カネキ「え?」

トーカ「見ただろ? 私たちグールは人間を狙う。……赫子を使う化け物なんだよ。だから――」

カネキ「いやだよ」

トーカ「は……?」

カネキ「僕は……昔から友達が少なくて、だから、せっかくできたつながりを失いたくない。それに……」

トーカ「……それに、何?」

カネキ「――トーカちゃんの嚇子は、すごく綺麗だと思った、から」

トーカ「……ホント、バカだよアンタ」

カネキ「はは、かもね」

トーカ「ほら、ここだろ?」

カネキ「うん、ありがと。こんな長い距離をおぶってくれて」

トーカ「いいよ、部屋まで運ぶ」ヨイショ

トーカ「ほら、もう自分で歩けるだろ?」

カネキ「うん――――」ドサ

カネキ(あれ……まだ、薬が残ってる……?)ハァハァ

トーカ「うわ……ひどい熱じゃん。ほら、ここ寝転がって……薬どこ?」

カネキ「ち、違う……」フルフル

トーカ「え?」

カネキ「薬じゃ……治まらない」ウルウル

トーカ「……正気か、お前」

カネキ「で、でも……もうさすがに限界。体中むずむずして……」モジモジ

トーカ「……」ゴクリ

カネキ「トーカ、ちゃん」ポー

トーカ「……後悔すんなよ」ガバッ

カネキ(その夜、僕は夢を見た。僕はベッドの上で無防備に体を開いて、それで黒い悪魔が僕の上にのしかかり笑ったんだ)

カネキ(隠そうとしていたもの全部を吐き出すように、悪魔は僕を貪った。彼女の手が僕の体をなぞると僕の体は跳ね上がり、舌を這わせると僕は甘く啼いた。まるで、女の子みたいに)

カネキ(精神と肉体が乖離する。だけどその度に快感は増していく。気付けば僕は彼女を抱きしめていた。最後に何となく覚えているのは僕と彼女の立場が気付けば逆転していたことだけだ)

チュンチュン

トーカ「すぅ……すぅ……」

カネキ「……やってしまった」

カネキ(お、落ち着け。落ち着いて考えるんだ。何があった!?)

トーカ「あ、カネキ起きてたんだ……おはよう」ゴシゴシ

カネキ「トーカちゃん。どうして裸で寝てるの……?」

トーカ「それはそっちもでしょ。それに……悪いのはアンタだからね?」

カネキ「……そう、だったね」

トーカ「なんだよ。そんなに私が相手じゃいやだった?」

カネキ「そうじゃないんだけど……」

トーカ「じゃあいいじゃん」

カネキ「……でもトーカちゃんは、」

トーカ「私は……別に怒ってない。その、気持ち良かったし」

カネキ「え?」

トーカ「////」

カネキ(母さん……僕は、とんでもない過ちを犯してしまったのかもしれない)

トーカ「じゃあいいじゃん」

カネキ「……でもトーカちゃんは、」

トーカ「私は……別に怒ってない。その、気持ち良かったし」

カネキ「え?」

トーカ「////」

カネキ(母さん……僕は、とんでもない過ちを犯してしまったのかもしれない)

――――数週間後

カネキ(僕はあの後、『あんていく』でバイトすることになった。店員は人間の僕を快く迎えてくれた。いい人たちで本当によかった……)

カヤ「ねえケンちゃん」

カネキ「は、はい」

カヤ「実はトーカちゃんが最近急に大人っぽくなったの。……ちょうどあなたがここで働くちょっと前あたりから。何か知らない?」

カネキ「え、いや……それは……ええと、」

カヤ「あらあら。……青春してるのねえ」ニコニコ

カネキ「////」

カネキ(トーカちゃんとのよくわからない関係は今でも続いています。後、女の勘って怖ろしい……)

――――数週間後

カネキ(僕はあの後、『あんていく』でバイトすることになった。店員は人間の僕を快く迎えてくれた。いい人たちで本当によかった……)

カヤ「ねえケンちゃん」

カネキ「は、はい」

カヤ「実はトーカちゃんが最近急に大人っぽくなったの。……ちょうどあなたがここで働くちょっと前あたりから。何か知らない?」

カネキ「え、いや……それは……ええと、」

カヤ「あらあら。……青春してるのねえ」ニコニコ

カネキ「////」

カネキ(トーカちゃんとのよくわからない関係は今でも続いています。後、女の勘って怖ろしい……)

トーカ「カネキー、週末暇?」

カネキ「うん、暇だけど……?」

トーカ「じゃ、じゃあさ映画観に行かない?」

カネキ「いいけど、それって……」

トーカ「で、デート//// 後、泊まる準備しとけよ! じゃ!」タタタ

カネキ(――――ただ、今の生活は悪くないかなって思ってる自分がいます)

真戸「亜門君。そろそろ時間だ」

亜門「はい!」

真戸「……さあ、ここにはどんなゴミ屑がいるのか楽しみだ」ククク

亜門(二十区、か……)


――――――――To be continued…

今日はここまで。月山編完結!

カネキちゃんが処女失うと思った? 残念! 百合エンドでした!


後、女子の読唇術ってあれどこで訓練してるんだろうね。学校七不思議のひとつ。


このカネキは戦闘できないからグール捜査官との絡みが怖いなー
カネキの可愛さで何とかならないかなー

亜門や滝澤とか、今の金木みたいな清楚で大人しめな女の子とか好きそうだよね

>>71 このカネキは傾国の美女レベルだから…(震え声)

>>72 女性経験がないからね。仕方ないね。


それでは投下

カネキ(最近は平和で助かるなー……ずっと続けばいいんだけど)

トーカ「ケン、お皿洗い終わった?」

カネキ「うん、さっき終わらせたよ」

トーカ「……ケンってそういうの得意だよね。サンドイッチも作るの上手かったし」

カネキ「そ、そうかな……」

トーカ「グールに生まれたのが本当に残念……」ハァ

カネキ「はは……」

カランカラン

カネキ「いらっしゃいませー……?」

リョーコ「……トーカ、ちゃん」ポタポタ

トーカ「リョーコさん……ケン、タオルとってきて!」

カネキ「わ、わかった!」タタ

カネキ(あの二人もグール、なのかな……)

リョーコ「ごめんね、トーカちゃん。急に押しかけて……」

トーカ「そんな、とんでもないです。……ヒナミも久しぶり」

ヒナミ「……、」ギュッ

カネキ「トーカちゃん。タオルとってきたよ」

トーカ「ありがと。……これ、使ってください」

リョーコ「ありがとう。……芳村さんはいる?」

トーカ「奥にいます」

リョーコ「よかった……ヒナミ、行くわよ」

ヒナミ「……」コク

カネキ「あの人たちは……?」

トーカ「今日からここでお世話になる笛口さん。……一応、二人ともグールだよ」

カネキ「そっか……何かあったのかな」

トーカ「私たちの生活ってケンが思ってるよりもずっと脆いから……あまり踏み込まない方がいいよ。それに、ケンには危険な目に遭ってほしくないし」

カネキ「……」

カネキ(危険な目、か。……何だかんだ言って僕はここでは何の力にもなれないのか)

リョーコ「あ……」

カネキ「こ、こんにちは」ペコ

リョーコ「こんにちは」ニコ

カネキ(ど、どうしよう。気まずい……そ、そうだ!)

カネキ「リョーコさん……でしたよね?」

リョーコ「ええ、トーカちゃんから聞いたの?」

カネキ「はい。……その、よかったらコーヒー淹れましょうか?」

リョーコ「私は大丈夫よ。そのかわりヒナミに淹れてくださる? ……あの子、すごく疲れてるから」

カネキ「わかりました」

カネキ(僕にできることはこれくらいしかない。……どんなことでも力になれるよう努力しないと)

カネキ「ヒナミちゃん? 入るよー?」ガチャ

ヒナミ「……」

カネキ「はい、コーヒー淹れたからよかったら飲んで?」

ヒナミ「……」ウツムキ

カネキ(相当、しょげてるな。……やっぱり何か辛いことがあったんだろうな)

ヒナミ「……お姉ちゃんは」

カネキ「ん?」

ヒナミ「お姉ちゃんは、人間なのにどうして一緒にいるの?」

カネキ「え……?」

ヒナミ「匂いで……すぐ、わかるから。何で、グールのヒナミに優しくするの?」

カネキ「それは、トーカちゃんのお蔭かな」

ヒナミ「トーカお姉ちゃんの……?」

カネキ「うん。僕が危ない時にトーカちゃんが助けてくれて……それで、グールにだって優しいグールはいる。人間社会の中で頑張ってるんだって気付いて……私もそのお手伝いができたらなって思ったんだ」

カネキ(まあこれ以上はヒナミちゃんの教育に悪いから秘密にしておこう)

ヒナミ「……そんな人、初めて」

カネキ「確かにちょっと普通の人とは考え方が違うかもね。でも、これは私の本心だよ」

ヒナミ「……コーヒー、もらうね」

カネキ「召し上がれ」

ヒナミ「ズズ・・・おいしい」ニコッ

カネキ「よかった……ゆっくり飲んでいいからね」

ヒナミ「うん……本当に、温かくておいしい」

トーカ「ヒナミー、様子見に来たよ……って、ケン?」

カネキ「ああ、リョーコさんに頼まれてコーヒー淹れてたんだ。リョーコさんは?」

トーカ「まだ店長と話してる。……なんか込み入ってるみたい」

カネキ「そっか……」

ヒナミ「♪」ズズッ

トーカ「ヒナミ、コーヒー美味しい?」

ヒナミ「うん!」

トーカ(……よかった。元気になったみたいで)

ヒナミ「ふぅ……」パラパラ

カネキ「あれ……ヒナミちゃんが読んでるの、『虹のモノクロ』じゃないかい?」

ヒナミ「あ、うん……」

カネキ「へぇー、ヒナミちゃんも高槻作品読むんだ」

ヒナミ「う、うん……」

カネキ「好きな本とかある?」

ヒナミ「えと……こよ、ときあめ……?」

カネキ「こよときあめ……ああ、小夜時雨だね。黒山羊の卵のプロトタイプになった……」

ヒナミ「プロ……? さよしぐれ……?」

カネキ「小夜時雨は黒山羊の卵を書くときにそのストーリーのもとになった小説なんだ」

ヒナミ「へえ……」

カネキ「でも高槻作品って難しいのによく読めるね。私も時々、わからない言葉でてくるのに」

ヒナミ「うん……だから読めない字はこうやって書いてる。……でも、わからない」

カネキ「あじさい」

ヒナミ「え?」

カネキ「一番上はあじさいって読むんだ。お花のあじさいだね」

ヒナミ「……じゃあこれは?」

カネキ「しゅうう。急に降ってくる雨のことだよ」

ヒナミ「あじさい……しゅう、う……」カキカキ

カネキ「偉いね、ちゃんとメモとって」ナデナデ

ヒナミ「えへへ……」

カネキ「そうだ。よかったら漢字の読み方とか時々教えるよ?」

ヒナミ「本当!?」

カネキ「うん。やっぱり読めた方が内容も理解できて面白いしね」

ヒナミ「やった! ありがとう!」


トーカ「……」

トーカ「ケン、ちょっと部屋まで来てくれない?」

カネキ「う、うん……」

カネキ(……どうしたんだろう)

カネキ「トーカちゃん、どうしたの?」

トーカ「……バカ」ギュッ

カネキ「トーカちゃん?」

トーカ「……ヒナミとあんなに仲良くしてさ。しかも私の前で」

カネキ「え、えっと……ヤキモチ?」

トーカ「ホント、情けないよね。ヒナミは妹みたいなものなのに……」スリスリ

カネキ「大丈夫だって。僕はちゃんとトーカちゃんのことも大切に思ってるから」ナデナデ

トーカ「ん……」

ガタッ

カネキ(あれ? なんだ今の音……)

カネキ「あれ? ヒナミちゃんは?」

トーカ「ヒナミはリョーコさんと出かけたよ。本を買いに行くって」

カネキ「そっか」

トーカ「……それと、今だから話しておくけどこの二十区に『箱持ち』が来たって噂がある」


カネキ「箱持ち?」

トーカ「ああ。でっかいアタッシュケース持ってる捜査官をそう呼ぶんだ。……ケンは人間だから直接危害は加えられないだろうけど、ばれたら喰種対策法に引っかかるから気をつけなよ」

カネキ「大丈夫だよ。僕は絶対に見つからない。……それに、僕が見つかったらトーカちゃんやヒナミちゃん。あんていくにも迷惑がかかるじゃないか」

トーカ「でも、あいつらは捜査慣れしてるから気をつけなよ……。ケンがいなかったら私は……」

カネキ「トーカちゃんは心配性だなぁ、もう」ワシャワシャ

トーカ「だって……////」

ヒナミ「トーカお姉ちゃん! お邪魔します」ガチャ

トーカ「ヒナミ。もう帰ったんだ。本は見つかった?」

ヒナミ「うん!」

カネキ「どんな内容の本を買ったの?」

ヒナミ「……秘密」

カネキ「え?」

ヒナミ「お姉ちゃんたちには教えられないもん! これはヒナミ一人で読むから、じゃあね!」ガチャ、バタン!

カネキ(どうしてあんなに慌ててたんだろう……?)

真戸「くくく……こんなところで何をしているのかね」

ジェイソン「ん~……君たちには関係ないと思うけど?」

真戸「関係はあるさ。我々は喰種捜査官だ。……クズを追いかけて本物の外道が釣れるとは思わなかったがね、十三区のジェイソン」

亜門「ジェイソン……こいつが」ギュッ

真戸「十三区の大物がなぜこんなところにいるのかは知らんが、いい機会だ。この際、ここで後々の憂いを取り払ってしまおうか」ジャキン!

ジェイソン「ははは……残念だけど君たちと遊んでいる暇はないんだ。僕は今、出来損ないを捜すのに手いっぱいでね。グールが人探しをする大変さ、わかるだろう?」

真戸「ほう……ならばそれを聞き出すためにも生け捕りにしてしまおう」

ジェイソン「いずれ君たちとも遊べるさ。……そのかわりと言ってはなんだがこれをあげよう」ピッ

亜門「これは……リスト?」

ジェイソン「そのリストにはグールの所在が大まかに記されている。……長話が過ぎたね。遊べる日を楽しみにしているよ」シュバ

真戸「亜門君、見せてくれたまえ」

亜門「ええ」

真戸「これは……」

亜門「真戸さんはどう見ますか?」

真戸「……本物だろうな。ただしジェイソンの都合でいくらかは改ざんされている」

亜門「改ざん……? なぜそんなことを、」

真戸「奴には拷問癖がある。その『オモチャ』をキープするため。……もう一つはヤツが何らかの組織から命令されているからだろう」

亜門「なるほど……それなら、ジェイソンが二十区にいることの説明もつきますね」

真戸「もっとも、第三者の意思でそもそも記載されていない場合もあるがね」クク

亜門「それで、どこから当たりますか?」

真戸「そうだね……」

ズドォ!

真戸「おっと」サッ

アサキ「か、えせ……」フラ

真戸「おやおや、ずいぶんとボロボロだね。ジェイソンにやられたのか? なら都合がいい……」ジャキン! ビュン!

アサキ「ぐは……!」ドサ

真戸「ふむ……リストにチェックが入っている。こいつは笛口アサキというのか。クズが人間らしい名前とは滑稽だな。いや、待てよ。となると次の目標は決まってくるな」

亜門「何か当てがあるんですか?」

真戸「ああ……次の目標はリストの、ここだ」トントン

亜門「――――笛口、涼子」


――――To be continued…

今日はここまで。

次回から乙女ゲー開幕すると思われます


後地味に>>100に届かなかったのが悔しいという……

乙です



リゼさんどこや


更新の時間の関係でどうしてもリアルタイムでは見れないけど楽しんでます
カネキが喰種視点の傍観者というのも、他のキャラの掘り下げに繋がり面白いです

月山さんが元のとんでもない変態からまあ普通のすごい変態ぐらいになってるな

>>101 カネキが女ってこと以外は全部原作通りです

>>102 そう言ってくれると励みになってうれしいです!

>>103 何かがおかしいけど何がおかしいかは説明できない


それでは投下

ヒデ「カネキ!」タタタ

カネキ「ヒデ? どうしたの、急に」

ヒデ「いや、実はさ。リゼさんがグールだって聞いてからいろいろ調べてみたんだ」

カネキ「どうしてまた……」

ヒデ「まあ、お前だっていろいろ大変だろうしな」ポリポリ

カネキ「ヒデ……それで何かわかったの?」

ヒデ「いくつかな。まずはリゼさんはCCGじゃ『大食い』だかって呼ばれてかなり危険視されてたらしい。それと……」

カネキ「それと?」

ヒデ「お前を治療したっていう嘉納先生が行方不明だ」

カネキ「……」

ヒデ「なあ、カネキ。お前もしかしたらとんでもないことに巻き込まれてるんじゃないのか? リゼさんは偶然としても嘉納先生が手術直後に行方知れずってのは絶対おかしいだろ」

カネキ「でも手術から一度も会ってないし……」

ヒデ「……もしかしたら理由があるのかも」

カネキ「たとえば?」

ヒデ「嘉納先生はずっとグールと人間を使った実験をしたかった。その最初の実験体がカネキだとする」

カネキ「……そうなると僕に手出ししようにもデータを取りたいから遠巻きに経過を見るしかなかったってこと?」

ヒデ「ああ。……普通に考えて人間とグールを使ってする実験は――」

カネキ「……人工的なグールを産み出すこと」

ヒデ「……まあ、こっから先は推測すら不可能なんだけどな」

カネキ「でもすごいよ。一人でここまで調べたの?」

ヒデ「そうだぜ! それじゃ報酬にキスを……」

カネキ「さて、僕はバイトにでも行こうかな!」

ヒデ「……」

芳村「――――そうすると決めたのですか」

リョーコ「ええ……ヒナミのためにも。私が頑張らなければ」

芳村「……では四方君にもそう伝えておきましょう」

リョーコ「ありがとうございます。では……」ガチャ

ヒナミ「……お母さん」

リョーコ「ヒナミ、お母さんね。これから少し出かけることが多くなるけど、トーカちゃんやカネキさんと仲良くするのよ」ニコッ

ヒナミ「……いやだよ。お父さんもお母さんもいないなんていやだよ」

リョーコ「何言ってるの。お父さんはきっとすぐに帰ってくるわ。私だってお手伝いするだけで危ないことするわけじゃないわ」

ヒナミ「……な、いよ」ボソッ

リョーコ「え?」

ヒナミ「お父さんは、帰ってなんかこないよ! お母さんはいつもそう! ヒナミに何も教えてくれない! ヒナミはいっつもお母さんについていくだけ! 何もさせてくれない! 何も手伝わせてくれない! ……ヒナミ、お母さんとお父さんと一緒にいたい。いたいよ……」

リョーコ「……」

ヒナミ「もう、離れるのはいやだよ……」グスッ

リョーコ「お母さんもよ。離れるのはさびしいもんね」

ヒナミ「……」コクッ

リョーコ「でもね、ヒナミ。ここではみんなが協力しあわなきゃいけないの。わかってくれる?」

ヒナミ「うん……」

リョーコ「ありがとう。……じゃあお礼に欲しいって言ってたお洋服買いに行こっか」

ヒナミ「本当!?」

リョーコ「ええ、本当よ」

ヒナミ「やった! 行く行く! ……えへへ、ありがとうお母さん」

リョーコ「ふふ……」

カネキ(……嘉納先生が実験をしていたとして、どうして僕を? いや、偶然か……)ハハ

「「やっと見つけた」」

カネキ「……? どちら様、ですか?」

シロ「パパの言った通りだ。すごく綺麗」

クロ「本当に。『もとは男だった』なんて信じられない」

カネキ(……どうして僕が男だって事を――)

シロ「パパが話をしたいんだって」ギョロ

クロ「一緒に来てくれるよね?」ギョロ

カネキ(――片目だけ赫眼!?)

「「お姉ちゃん」」


――――To be continued…

今日はここまで


後一つ言っておくとカネキちゃんは白黒姉妹より普通に胸大きいです


トーカちゃんが悶々とする訳だ
次はグール化するのかな?

姉妹丼キター!!

>>114 しかも背は変わらないからちょっとモデルっぽいという

>>115 もう完全に百合展開


それでは投下

カネキ「……お姉ちゃん?」

シロ「そう。お姉ちゃんは私たちより一つ年上。それに先に実験を受けた。だから『お姉ちゃん』」

カネキ(やっぱりそうだったのか……でも片目だけ赫眼なのが気になるな。実験は本来、こういう形になるはずだったのかな)

クロ「でも驚いた。本当に女の子になってて、しかも写真で見るより美人なんて」

カネキ「ど、どうも……」

カネキ(グール相手だと僕じゃどうにもならない。……逃げることくらいはできたらいいんだけど)

カネキ「それで二人はぼ……私に何の用なのかな?」

シロ「パパは困ってた。お姉ちゃんは成功か失敗かわからないって」

クロ「だから私たちに連れてくるよう頼んだ」

カネキ「……拒否権は、」

「「ない」」

カネキ「だよねー……」ハァ

カネキ(ついていくしかないのか……)

嘉納「久しぶりだね、カネキ君……いや、今はカネキさんかな?」

カネキ「……どちらでも構いません」

カネキ(嘉納先生はどうやら僕を調べたいらしいな。今すぐどうにかされるってわけじゃないけどもし僕が『失敗作』だったら……いや、どっちにしろこの双子からは逃げられない、か)チラ

シロ「……」ニヤッ

カネキ(視線が怖い……)

クロ「パパ、コーヒー淹れてきた」カチャ

嘉納「うん、ありがとう」

クロ「はい、お姉ちゃんも」カチャ

カネキ「あ、ありがとう」

嘉納「……さて、本題に入ろうか」ズズッ

カネキ「……、」ゴクリ

嘉納「君の体についてだが、手術で細工をしたのは私だ」

カネキ「やはり、そうだったのですか」

嘉納「もっとも女体化することについては予想外だった。いや、ドナーの神代リゼが女性なのだから不可能ではないのだがね?」

カネキ「……、」

嘉納「……」ズズッ

カネキ「どうして……」

嘉納「うん?」

カネキ「どうして僕の体は女性になってしまったんですか? あなたは僕をグールにするつもりだったんですよね」

嘉納「ああ、その通りだ。これについては原因不明だが、一つ仮説を立てるなら女性グールの赫包からは女性ホルモンに似たはたらきがあるのかもしれない。グールに変貌する過程でそのはたらきが優先された結果……」

カネキ「僕は女性になる……ですか」

嘉納「もっとも確証はないがね。一つ言えるのは赫包そのものに私も知らない機能があるということだ」

カネキ「そうなると僕は分類上、グールなんですか? 人なんですか?」

嘉納「難しい質問だね。……術後の検査でRc細胞は人間の平均値は超えていたがそれもわずかなものだった。それに食事は人間のものを食しているのだろう?」

カネキ「はい」

嘉納「ならば君は人間だよ。……体内に赫包を有しているから生物学的にはグールかもしれんがね。この先何があるかは別問題として」ズズッ

カネキ「そう、ですね」ズズッ

嘉納「……」チラッ

嘉納「時にカネキさん」

カネキ「はい」

嘉納「私は君の体が今、どういう状況にあるのか興味があってね」

カネキ「う――――」ドサ

嘉納「少しばかり調べさせてもらうよ。シロ、彼女を奥へ」

シロ「わかった」

嘉納「ふむ……Rc細胞値に変化はなし。赫包は間違いなく体に適合しているはずなんだが……」

カネキ「ん……」

嘉納「目が覚めたかね」

カネキ「……コーヒーに何を混ぜたんですか」

嘉納「睡眠薬だよ。もっとも混ぜたのはクロの独断だ。私は君の体を調べられればよかったんだが、二人がどうしてもというのでね。少しばかり協力させてもらった」

カネキ「協力……?」

嘉納「こまめにコーヒーを飲むことで疑似的なサブリミナルを再現した。警戒されていたからなかなか飲まなかったが、最後の最後で飲んでしまったね」

カネキ(……完全に無意識だった)

嘉納「さて……シロとクロを呼ぶ前に君に一つ聞いておきたい」

カネキ「なんですか……?」

嘉納「私とともにグールと手を組まないかね?」

カネキ「!?」

シロ「よいしょ」ガチャガチャ

クロ「お姉ちゃん、腕痛くない?」

カネキ「だ、大丈夫だけど……」

クロ「そう、ならよかった」

シロ「……」

カネキ(な、何か変な雰囲気に……)

シロ「ねえお姉ちゃん」

カネキ「な、何かな」

シロ「お姉ちゃんの体って普通の人とちょっと違うんだ。……グールから見てね」

カネキ「どういうこと?」

クロ「お姉ちゃんの体はね、普通の人よりもずっとグールを引き寄せる匂いを持ってる」

シロ「つまりグールにとっていい匂いってこと」ペロ

カネキ「ひっ……」ブル

クロ「それにグールも人間と同じで強い匂いに依存する。……それがいい匂いならなおさらね」モミモミ

カネキ「胸……やめて……」フルフル

シロ「お姉ちゃんさっきからちょっと触っただけで敏感に反応するよね」

クロ「本当。まるで何度もこういうことされたみたい」

カネキ「う、うう……」

シロ「……ちょっとうらやましいかな」ツツー・・・

カネキ「ひゃん!」ビクゥ!

カネキ「ね、ねえこんなことやめようよ。間違ってるって」ハァハァ

シロ「そんなエッチな顔で言われても説得力ない」

クロ「大丈夫。痛いことはしないから」チュッ

「「三人で楽しもう?」」

カネキ(僕は二人にいいように弄ばれた。どれくらいの時間が過ぎたかはわからない)

カネキ(はじめは二人で体を執拗に触ったり舐めたりしてくるわけだけど、それがやけに手慣れているのが印象的だった。……どうやら二人で何度も体を重ねていたらしい。だからトーカちゃんのおかげですっかり快楽の味を覚えた僕の体はこの姉妹の虜になってしまった)

カネキ(途中からは自分から彼女らを受け入れ、二人の放つ甘い匂いに耽溺した)

カネキ「はあ……はあ……」ピクピク

シロ「すごくよかったよ、お姉ちゃん」

クロ「お姉ちゃんも気持ち良かった?」

カネキ「……」コク

シロ「よかった。……それにしても本当にいい匂い。食べるなんてもったいなさすぎるくらい」

クロ「ねえお姉ちゃん。このまま私たちと一緒に来ない? そうすればいつでもこんなに気持ちよくなれるよ?」

カネキ「……君たち、同性愛者なの?」

シロ「私たちは信じられる人が少ないだけ。……お姉ちゃんは、私たちみたいなの変だと思う?」

クロ「お姉ちゃん、心は男の子だからやっぱり気持ち悪い?」

カネキ(女の子同士って男にとっては興奮するんだけどな)

シロ「ねえお姉ちゃん、答えて」ギュッ

クロ「私たち、お姉ちゃんのことなら信じられそうなんだ」ギュッ

カネキ「……ごめん、できないよ。大事な人がいるから」

シロ「そ、残念」

クロ「仕方ないね」

カネキ「……意外にあっさり引き下がるんだね」

「「何言ってるの?」」

カネキ「え……」

シロ「お姉ちゃんがついてくるって言うまで」

クロ「ずっとずっと続けるんだよ?」

カネキ「そ、そんな……そんなこと――――」

シロ「逃がさないよ」ガバッ

クロ「お姉ちゃん、ずっと一緒にいてね」ニヤッ

カネキ「きゃああああ!」

トーカ「はあ……」

ヒナミ「トーカお姉ちゃん……」

トーカ「大丈夫だよ、ヒナミ。ケンはきっと帰ってくるって」

ヒナミ「う、うん」

ヒナミ(トーカお姉ちゃんはやっぱりお姉ちゃんのことが……そうだ!)

ヒナミ「うーん……」キョロキョロ

リョーコ「ヒナミ、どう?」

ヒナミ「ダメ。お姉ちゃんの匂いが全然しない」

リョーコ「そう……それじゃあこの辺りにはいないのかもね」

ヒナミ「うーん……」

真戸「いたぞ、亜門君」

亜門「ええ……どうやら子供を連れていますね」

真戸「大方、娘だろう。リストに載っていなかったのは父親の細工だろうな。……くだらん馴れ合いだ」

亜門「……、」

真戸「さて、行こうか」

亜門「はい」

リョーコ(……あれは、『箱持ち』!?)

リョーコ「ヒナミ、他の場所いこっか」

ヒナミ「うん!」


真戸「――――そう急がないでくださいよ、笛口さん」

リョーコ(! 回り込まれてた……?)

亜門「……」ザッ

ヒナミ「……」ビクッ

真戸「お時間……いただけますかな?」


――――To be continued…

今日はここまで


シロとクロならクロが受けになってそう。根拠はないけど

ピエロのオークションで500万円から販売です(適当)

なお、カネキちゃんとの3Pバージョンは1億円からです(適当)


それでは投下

リョーコ「……」

真戸「笛口さん……少しお話を伺いたいだけなんです」

リョーコ「ヒナミ」

ヒナミ「お母さん……?」

リョーコ「逃げなさい、ヒナミ」ギョロ

ヒナミ「で、でも……」

リョーコ「早く!」

ヒナミ「やだよ! もう離れたくない! ずっと一緒にいるって約束したじゃない!」

リョーコ「……ヒナミ。お母さんは大丈夫。だから行きなさい」ニコ

ヒナミ「……いやだ」ポロポロ

リョーコ「ヒナミ。トーカちゃんにこのことを伝えて? トーカちゃんならきっと助けに来てくれるわ。それまでお母さん、頑張るから」

ヒナミ「本当……?」

リョーコ「本当よ」ジッ

ヒナミ「……わかった」タタタ

リョーコ(ヒナミ……ごめんね)

真戸「……親子の友情ごっこか、くだらんな」

リョーコ「ここから先へは行かせません」キッ

亜門「真戸さん……逃げたグールは」

真戸「ここは贅沢せず目の前のクズを確実に狩っておこうじゃないか」ジャキン!

亜門「わかりました」ジャキン!

リョーコ「……!」

ヒナミ「はぁ……はぁ……!」タタタ

ヒナミ(早く……早くあんていくに!)

トーカ「ヒナミ? どうしたの?」

ヒナミ「と、トーカお姉ちゃん! お母さんが!」

トーカ「……! ヒナミ、すぐにそこまで案内して!」

カネキ「う、ん……」

シロ「あ、起きた」

クロ「ぐっすり寝れた?」

カネキ「……まだ、帰してくれないの?」

シロ「うーん……最初は遊び感覚なのもあったんだけどね」

クロ「お姉ちゃんが綺麗すぎるから離れたくないねってさっき話してたんだよ?」

カネキ「そ、そんな……」

シロ「それよりお腹すかない?」

カネキ「そういえば少し……」

シロ「私、オムライスを作った。よかったら食べて?」カチャ

カネキ「あ、ありがとう……」パク

カネキ「おいしい……」

シロ「よかった。昔はオムライス好きだったけど、しばらく作ってなかったから不安だったの」

カネキ(……)

カネキ「……ねえ」

シロ「何?」

カネキ「君たちは自分たちの意思で手術を受けたんだよね?」

シロ「そうだよ」

カネキ「……人間でいるのがつらかったの?」

シロ「……、」

シロ「私とクロは小さい時からずっと一緒だった。お父さんとお母さんがいて、私たちがいて、そんな幸せがずっと続くと思ってた。でも、お父さんとお母さんはグールに殺された」

カネキ「……」

シロ「私たちはCCGの施設に入った。……その時は将来を嘱望されるくらい優秀だったんだよ?」

カネキ「なら、どうして……」

シロ「パパから聞かされたの。お父さんとお母さんが死ぬ本当の原因を作ったのが誰なのか」

カネキ「……」

シロ「パパはCCGの元解剖医だった。だから知ることができた。……本当に悪いのは、本当にこの世界を歪めているのはグールじゃないって」

カネキ「それって、まさか……」

シロ「そう、お父さんとお母さんがグールに襲われたのは偶然なんかじゃない。……CCGに消された」

カネキ「そんな……」

シロ「CCG上層部は捜査官にすら何かを隠してる。……だからあいつらに復讐するために人間なんか捨ててやった。パパに協力すればきっと――――」

カネキ「違うよ」

シロ「……?」

カネキ「そんなことをしても君達は救われない……ただ、虚しいだけだよ。そんな、誰かを傷つけるために、グールになって……。そこまでしなきゃ行けなかったの? どうして戦うことしか、傷つけあうことしか選べないの?」

シロ「それは……向こうがそうしてくるから」

カネキ「……狂ってるよ、そんなの。人にだって悪い人はいるけど、グールだって優しいグールはいる。君は、そこから目をそらしてるんじゃないかな。悲しい目にあってるのは君たちだけじゃないよ」

シロ「……」

クロ「あ、お姉ちゃん。ご飯食べ終わったんだ」ガチャ

カネキ「うん、ありがとう」

シロ「……」

クロ「シロ? どうかした?」

シロ「何でもない……」

シロ「……お姉ちゃんの周りには、いい人がいっぱいいるんだね」

カネキ「うん。みんないい人ばかりだよ」

シロ「……ねえクロ」

クロ「何?」

シロ「お姉ちゃんさ、いったん帰さない?」

クロ「いきなりどうしたの?」

シロ「その……わかんないけど。無理やり連れて行っても、お姉ちゃんは私たちを愛してくれない気がして。そんなの、意味ないかなって」

クロ「ふーん……」チラッ

クロ「……シロがそういうなら仕方ないか。いいよ」

カネキ「二人は……先生についていくの?」

クロ「うん、パパは大事な人だから。……お姉ちゃん、よりも」

カネキ「そっか……」

シロ「ね、ねえお姉ちゃん」

カネキ「何かな?」

シロ「次会ったら……その……またこうして三人で一緒にいてくれる?////」

カネキ「……考えておくよ」

リョーコ「はあ……はあ……」ガク

真戸「戦闘慣れしていないな。嚇子がただの見かけ倒しに終わっているぞ?」

リョーコ(……これだけ時間を稼げば、ヒナミもきっと逃げたはずよね)

真戸「死ね、クズ」ビュン!

リョーコ(ヒナミ……ごめんね)

「らああああ!」

真戸「む……!?」ガキィン!

亜門「……ウサギの仮面?」

トーカ「逃げてください、リョーコさん」ボソッ

リョーコ「トーカちゃん……?」

真戸「これは都合がいい……。二匹まとめて駆除するとしよう!」ブン!

トーカ「なめるな!」ガガガ!

亜門「ふん!」バキィ!

真戸「羽赫か。くくく、ちょうど欲しいと思っていたところだ」

トーカ「……、」

リョーコ「……逃げて」ヨロ

トーカ「……何を言ってるんです」

リョーコ「捜査官がここまで来たってことは、夫はもう殺されているかもしれない。……それに私は顔を見られてしまった。これ以上、迷惑はかけられないわ」

トーカ「……させません」

リョーコ「わかって? 私の役目はここで終わったの」

トーカ「そんなこと……」

リョーコ「お願い!」

トーカ「!」

リョーコ「あの子のこと……よろしくね?」ポロポロ

トーカ「……できるわけ、ないじゃないですか」

リョーコ「……」

トーカ「私があいつらを倒します。そしてリョーコさんを連れて帰ります」

真戸「戯言を……手負いの仲間を抱えて勝つつもりかね?」

トーカ(……殺す)ギョロ

トーカ「だああああ!」ダッ

カネキ「……とりあえず、あんていくに戻らないと。みんな心配してるだろうし」

ヒナミ「……お、お姉ちゃん」

カネキ「ヒナミちゃん? どうしたの、こんなところで」

ヒナミ「お、お母さんとトーカお姉ちゃんが……」

カネキ「まさか……」タタタ

カネキ「リョーコさ――――」

カネキ(その時、僕は悟った。シロちゃんがどうして人を捨てたのか)

リョーコ「う……」ドサ

トーカ「くそ……」ガク

カネキ(グールだから。そんな都合で人は殺す。トーカちゃんやリョーコさんのような優しいグールさえも)

真戸「ん? また仲間か……」

亜門「しかし、様子が変です」

真戸「……御嬢さん。ここは危ない。離れた方がいい」

トーカ「ち、っくしょおおおお!」ズドド!

真戸「おっと」ガキィ!

トーカ「……っ!」ガシ、スタタ

真戸「逃げたか……」

亜門「……」

真戸「さて……とんだ災難だったね、御嬢さん」

カネキ「え、ええ……」

亜門「近くにまだグールがいるかもしれない。表通りまで送ろう」

カネキ「……、」

トーカ「はぁ、はぁ!」ガクッ

リョーコ「……ごめ、んね、トーカちゃん」

トーカ「しゃべらないでください。今、あんていくまで……」

リョーコ「ううん……間に合わないわ」

トーカ「そんなこと……」

ヒナミ「お母さん!」タタタ

リョーコ「ヒナミ……」

ヒナミ「お母さん! 死んじゃいやだよ!」

リョーコ「ヒナミ……よか、った」ナデナデ

ヒナミ「お母さん……? お母さん!」

トーカ「そんな……」

ヒナミ「ああぁぁああああああああ!!」

――――To be continued

今日はここまで


言っとくけどこれ百合スレじゃねーからな?

確かにTSだと百合じゃないな

>>172 確かにそうですね! カネキちゃんはもともと男ですもんね!


それでは投下

亜門「さあ、ここまでくれば大丈夫だろう。ただ人通りの少ない路地はグールのたまり場になっていることがあるから避けて通った方がいい」

カネキ「は、はい。ありがとうございました!」タタタ


亜門「……きれいな子でしたね」

真戸「ほう、亜門君はああいうタイプが好みなのか」

亜門「い、いえ。私はあくまで世間一般の感覚を……」

真戸「隠さなくてもいい。私もそのように感じたからな。亜門君の年頃ならなおさらだろう」ククク

亜門「……」

カネキ「トーカちゃん!」

トーカ「ケン!? 今までどこに行ってたんだよ?」

カネキ「ちょ、ちょっとね。……それよりリョーコさんは」

トーカ「……」フルフル

カネキ「……そっか」

トーカ「……なあ」

カネキ「ん?」

トーカ「私たちって、そんなにいちゃいけないかな。……誰も、殺してないのに。どうしてこんな目に遭わなきゃならないの?」

カネキ「……、」

トーカ「……ごめん。変なこと言っちゃった。私、仕事に戻るね」タタ

カネキ(トーカちゃん……)

カネキ(何かヒナミちゃんの部屋まできちゃったけど……僕に何ができるんだろ)

カネキ「ヒナミちゃん、入ってもいい?」コンコン

ヒナミ「……」ガチャ

カネキ「ヒナミちゃん……あの、」

ヒナミ「……」フイッ、スタスタ

カネキ「あ、待って!」

カネキ「ヒナミちゃん。その、お母さんのことは――――」

ヒナミ「……ヒナミのせいだ」

カネキ「え……?」

ヒナミ「ヒナミが、お姉ちゃんを捜しに行こうってお母さんを誘ったから……。そのせいで、お母さんは……」

カネキ「……そ、それはヒナミちゃんのせいじゃ――――」

ヒナミ「うるさい!」

ヒナミ「お姉ちゃんは人間でしょ? 何も知らない、何もできないくせにそんなこと言わないでよ!」タタ

カネキ「あ……」

カネキ「はぁ……」

カヤ「あら、どうしたの?」

カネキ「カヤさん……」

カヤ「よかったらコーヒー飲まない? ちょうど古間君がコーヒー淹れてると思うから」

カネキ「は、はい。いただきます」

古間「はい、どうぞ」

カネキ「ありがとうございます」ズズッ

カヤ「どう? おいしいでしょう?」

カネキ「はい。古間さんのコーヒー初めて飲みましたけど、こんなにおいしく淹れられるなんて……」

カヤ「彼はそれくらいしか取り柄がないのよ」ズズッ

古間「それはいくらなんでも失礼じゃないかい?」

カヤ「そんなことより」カチャ

カネキ(そ、そんなことなんだ……)

カヤ「ケンちゃんはトーカちゃんとヒナミちゃんを見てどう思う?」

カネキ「?」

カヤ「あなたがどんなに二人のことを大事に思ってても生きてきた世界が違う以上、その苦しみを理解することなんてできない。だから、本当に自分が無力だと思う?」

カネキ「それは……」

カネキ(確かに僕には戦う力なんてない。……こんな、細くて弱弱しい僕だけど――――)

カネキ「ある、と思います。私は、二人とつながっています。人間とグールだからなんて関係なくて、私にとっては二人とも大事な存在だから」

カヤ「ふふ……。本当、どう大事なのかは気になるところね」

カネキ「そ、それは……」

カヤ「大丈夫よ。言わなくてもとっくの昔に気付いてるわ。……でも夜はお姉さん、眠れなくなるからもう少し静かにね?」

カネキ「あ……////」

カネキ(確かに僕には戦う力なんてない。……こんな、細くて弱弱しい僕だけど――――)

カネキ「ある、と思います。私は、二人とつながっています。人間とグールだからなんて関係なくて、私にとっては二人とも大事な存在だから」

カヤ「ふふ……。本当、どう大事なのかは気になるところね」

カネキ「そ、それは……」

カヤ「大丈夫よ。言わなくてもとっくの昔に気付いてるわ。……でも夜はお姉さん、眠れなくなるからもう少し静かにね?」

カネキ「あ……////」

古間(お姉さんというよりは……)

カヤ「……」ギロッ

古間(おっと、僕としたことが……)

カヤ「……あなたがそう思ってるのと同じくらい、二人もあなたのことを大事に思ってるはずよ? だから、しっかりと話せばあなたの伝えたいことをわかってくれるわ」

カネキ「……はい! ありがとうございます!」

カヤ(……こんないい子にこれだけ愛されて。ちょっとだけトーカちゃんに嫉妬しちゃうかも)

カネキ「ヒナミちゃん!」

ヒナミ「あ……お姉ちゃん。その、さっきは――――」

カネキ「ごめん!」ギュウ!

ヒナミ「ふぇ……?////」

カネキ「私……勘違いしてた。ヒナミちゃんを自分勝手に納得させようとして、バカだよね……私がヒナミちゃんの気持ちを知ることなんてできるはずないのに」ギュッ

ヒナミ「お姉、ちゃん……?」

カネキ「私には戦う力はないけど……こうやって、ほんの少しでもヒナミちゃんの支えになれるようになるから」

ヒナミ「うん……ヒナミこそごめんね。お姉ちゃんにあんなひどいこと言って」ギュウ

カネキ「ううん、大丈夫だよ」

ヒナミ「ありがとう、お姉ちゃん……」グスッ

カネキ「……辛かったら泣いていいよ。我慢なんてしなくていいから」

ヒナミ「うん……ひっぐ、ぅう……うわぁぁああああん!」ポロポロ

カネキ「……」ナデナデ


トーカ「……」グッ

ヒナミ「すぅ……すぅ……」

カネキ(泣き疲れて寝ちゃったか……。これですこしはすっきりしてくれればいいけど)

トーカ「ケン……」

カネキ「トーカちゃん、どうかしたの?」

トーカ「……私さ、いろいろ考えたんだ。だけど……やっぱり自分を納得させられないんだ」

カネキ「……それって」

トーカ「私はあいつらを――――殺すべきだと思う」

カネキ「……、」


――――――――To be continued.…

今日はここまで


もう百合スレでいいや(諦観)

となると未登場キャラはアキラさん、イトリ、ロマあたりか……全員Sっ気強いなあ……

天然のエトはふたなり説

リゼさん救出→リゼさんとカネキ♀のいちゃいちゃオナシャス!

>>194 エトはふたなり……? それはそれで……ゴクリ

>>198 それはもうありうるCPだね


それでは投下

カネキ「トーカちゃん……それって」

トーカ「……この先、あいつらはもっとグールを殺しにくる。もしそれがヒナミやあんていくをターゲットにしたらって思うと……じっとしてられないんだ」

カネキ「でも人を殺すなんて……」

トーカ「ケン、アンタは私たちがグールってことを知ってる。だから……一つだけ覚悟してほしいんだ。私は聖人君子じゃない。それに決してやさしくもない。自分勝手なヤツだよ。いざとなったら躊躇なんかしない」

カネキ「……、」

カネキ「僕は……トーカちゃんにそんな危険な目に遭ってほしくない。だって、もしトーカちゃんに何かあったら……」

トーカ「……わかってる。でも、ヒナミはあいつらに顔を見られてるかもしれない。もしそうならヒナミはずっと日陰で生きていかなきゃいけなくなる。大好きな本だって買えない。私は、そっちの方が見ててつらい」

カネキ「……わかったよ。トーカちゃんがそこまで言うなら、僕はもう止めない。でも、ただ見てることだってできるわけがない。だから、協力させてほしい」

トーカ「協力……?」

カネキ「そうだよ。僕には僕にできることがある。……作戦があるんだ」

トーカ「――――、」

ヒデ「よう、カネキ! 真昼間からどうした? ……はっ! まさか愛の告白……」

カネキ「ヒデ、頼みがあるんだ」ジッ

ヒデ「……どうした?」

カネキ「実は店に来たグールの一人がグール捜査官に殺されたんだ。だから……ヒデにCCGに偽情報を流してほしいんだ」

ヒデ「……どうせ店のメンツで何かやる気だろ?」

カネキ「さすがヒデ、勘がいいね。それなら……」

ヒデ「ったく、仕方ねえな! ……、」

カネキ「ヒデ? どうしたの?」

ヒデ「なあ、カネキ。無茶だけはするなよ。お前はただの女の子なんだからな」

カネキ「わかってるよ、ヒデ。急にどうしたのさ」

ヒデ「……お前って、昔から変なところで自分を犠牲にするからさ。すげえ不安になるんだよ」

カネキ「大丈夫。僕はちゃんと自分の立場くらいわかってるさ」

ヒデ「そうか。ならいいんだ。とにかく! 俺はお前のためならなんだってするからな!」

カネキ「あ、うん……ありがとう」

カネキ(さて、もう一人は、と……)

ヒデ「なあ、カネキ。無茶だけはするなよ。お前はただの女の子なんだからな」

カネキ「わかってるよ、ヒデ。急にどうしたのさ」

ヒデ「……お前って、昔から変なところで自分を犠牲にするからさ。すげえ不安になるんだよ」

カネキ「大丈夫。僕はちゃんと自分の立場くらいわかってるさ」

ヒデ「そうか。ならいいんだ。とにかく! 俺はお前のためならなんだってするからな!」

カネキ「あ、うん……ありがとう」

カネキ(さて、もう一人は、と……)

ニシキ「はぁ? 俺に協力ぅ?」

カネキ「そうです。……ダメ、ですか?」

ニシキ「ダメに決まってんだろ。どんな形であれCCGになんか関われるか! それにあのクソガキのためなんて胸糞が悪くなるぜ。他を当たれ、バカが!」

カネキ「へぇ……そんなこと言っていいんですか?」

ニシキ「……?」

カネキ「もしこの頼みを断るならニシキさんの彼女さんに『ニシキさんが本当に愛してるのは私です。今すぐ別れてください』って」

ニシキ「はぁ!?」

カネキ「いいんですか?」ニコッ

ニシキ「……てめぇ」

カネキ「あーあ。そうなったら彼女さんは悲しむんだろうなー。それに変な噂が広まってニシキさんの居場所も……」

ニシキ「わかった! わかったから! ……ったく、とんでもねえ悪女がいたもんだぜ」

カネキ「ありがとうございます」

ニシキ「ほめてねえよ。それより、俺はやばくなったら勝手に逃げる! 後のことは知らねえからな!」

カネキ「はい、それで結構です」

カネキ(これでよし、と……頼むよヒデ)

真戸「情報提供?」

亜門「ええ、CCGのサイトのグール関連の掲示板を見て該当すると思わしき人物を見かけたとか……」

真戸「ほう……その目撃者は来ているのかね?」

亜門「ええ。受付のところで待たせています」

真戸「よし、では奥へ通して会ってみよう」

亜門「わかりました」

亜門「すまない待たせてしまって」

ヒデ「いえいえ」

真戸「我々が奥へ案内しよう」

ヒデ「はい」

ヒデ(さーて。いろいろと探りますか)

ヒデ「この空港のゲートみたいなのなんですか?」スタスタ

亜門「これは体内にあるRc細胞に反応して警報を鳴らすんだ。局内にグールが入り込む可能性も皆無ではないからね」

ヒデ「なるほど……」

亜門「さあ、ここにかけてくれ」ガタッ

ヒデ「失礼します」ガタッ

亜門「それで、サイトの情報と合致するグールを見たというのは?」

ヒデ「ええ。実は僕前からグールに興味があっていろいろ調べたりしてたんですけど……短い茶髪に秋物のコートをきた一四〇センチくらいの女の子っていうのを見て」

亜門(真戸さん……)チラッ

真戸(七四五番、だな)

ヒデ「まあ最初は似てるなーくらいに思ってたんですけど、あたりをきょろきょろしながら人気のない小学校の水路入っていくもんだからちょっとおかしいな、と思って」

真戸「ふむ……いい着眼点だな。そこがグールの食事の場である可能性は十二分にある

ヒデ「あ、そういえば……ずっと思ってたんですけど、グールも組織をつくったりするんですかね?」

真戸「ほう、それはなぜかね」

ヒデ「そうっすね……たとえばこの二〇区なんかじゃ明らかにグールの起こす事件が他の区より少ないじゃないですか。でもそのわりには行方不明者の数は他の区より毎年多いんですよ。一年単位じゃあまり変わらない時もありますけどここ十年くらいで平均したら他の区より多いんですよ。だからグールも穏便に活動してるのかなー、と」

亜門「すごいな……自分で調べたのか?」

ヒデ「ええ。まあ今回の件は完全に偶然ですけどね」

真戸「これは面白いところに目をつけたな。他に何かあるかね?」

ヒデ「えーと、あとは大食いとか美食家? だったかのグールが急に活動しなくなったのはそういう組織が絡んでるかもってことくらいですかね……ってこれくらいグール捜査官なら当然考えますよね、ははは」

亜門「いやしかしすごいな……君みたいな若者が捜査官になってくれれば事件解決もより迅速に達成できそうだ」

ヒデ「いやーお世辞が上手っすね! 自分なんか臆病なんでダメですよ。いっつもここぞって場面でびびっちゃうんで」

真戸「……」

亜門「今日は有益な情報をありがとう」

ヒデ「いえ、こんな自分でもお役にたてたなら光栄っす! それじゃ僕はこれで!」タタ

亜門「ふぅ……なかなか好青年でしたね。いまどきあんな学生そういないですよ」

真戸「ふむ……なかなかいないという点には同意だな」

亜門「……?」

真戸「あれはある意味で天才だよ。私も様々な人間を見てきたが、あれほどうまく真実と嘘を息はくように織り交ぜられる者は見たことがない」

亜門「彼が……嘘をついていると?」

真戸「ただの勘さ」

亜門「……、」

真戸「さて……ここだな」

亜門「……タイミングよくいてくれるでしょうか」

真戸「いるさ。……いつ行っても、な」

亜門「……?」


「きゃぁぁああああ!!」

亜門「! 真戸さん! これは……」

真戸「ビンゴだな。行くぞ亜門君」ダッ

ニシキ(こんな三文芝居で大丈夫かよ……)

トーカ(アンタもう少し襲うそぶり見せなさいよ!)

ニシキ(できたら苦労しねえよ!)

亜門「待て! そこまでだグール共!」ザッ

真戸「クズが二匹……ちょうどいい」ジャキン!

カネキ(……今だ!)

カネキ「きゃああ!」ダダッ

トーカ(さあついてこいクソ捜査官ども!)ダッ

ニシキ(クソ……家帰って貴未のこと抱きてえ)ダッ

亜門「待て!」ダッ

真戸(……、)

カネキ「はぁ……はぁ……もう無理」ガクッ

ニシキ「おいおい、もう少し頑張れよ」

亜門「そこまでだ! ……ここからは俺が相手をする」

ニシキ(もう来たのか……だったら、俺の役目は終わりだ!)シュバ

亜門「! 逃げたか……。君、大丈夫か?」

カネキ「はい……ありがとうございます」ウルウル

亜門「君は――――」

真戸「くくく……やはりこの水路を選んだか。ラビット、お前は確か羽赫だったな。この立体的に入り組んだ場所なら自分のスピードを活かせると考えたのだろう?」

トーカ「……」ザッ

真戸「仲間を殺された仇討ちか? くだらんな。貴様のようなゴミが……笑わせてくれる」

トーカ「アンタだけは許さない。アンタだけは私が殺す。私が……この手で!」ギョロ

真戸「面白い冗談だ。やれるものなら……やってもらおうかぁ!」ブォン!

トーカ「ぁぁああああ!!」ダッ!


――――To be continued…

今日はここまで


そして謎の頭脳回。いい加減乙女ゲーを始めたい…

カネキ(♀)がお姉さんキャラなイトリさんやリゼさんに可愛がられるところを見たいと思うのは俺だけか?

いるよー それより>>199 ありうるって!ありうるって!それはつまり期待してもいいってことなんだよなぁ!!
え?書いてくれるの?あざーっす!!

>>224 私も見たいです

>>227 今後のストーリー次第とだけ


それでは投下

真戸「どうした? 逃げるだけでは私には勝てんぞ!」ブォン!

トーカ「っ!」バッ!

真戸「くくく……この嚇子を見ろ。素晴らしいだろう? あの小娘の父親からこれを作ったんだ」

トーカ「……!」

真戸「母親もなかなかな嚇子を持っていたからな……死体を回収できなかったのが残念でならない。……なあ、知らないか? ラビット。やつらがどこにいるのか」ニヤァ

トーカ(まだだ……落ち着け、私)

亜門「君は、あの時の……」

カネキ「あなたは……グール捜査官の?」

亜門「ああ。もう大丈夫だ。さあ立てるか?」

カネキ「……」ギュッ

亜門「きゅ、急にどうした? どこかケガしたのか?」

カネキ「……違います。体の、体の震えが止まらないんです」ブルッ

カネキ「だから……少しの間だけこうしていてください。お願いします」ギュウ

亜門「あ、ああ……」ドキッ

亜門(落ち着け……仮にも俺は職務中のグール捜査官だぞ! これはあくまで被害者を保護しているだけだ!)アセアセ

カネキ(……少しでも、時間を稼がないと)

トーカ「はぁ……はぁ……!」ガクッ

真戸「どうした? もう燃料切れかぁ? ……愚かなものだ。自ら罠を張りながら、結局からめ捕られるのは自分自身なんだからなぁ!」

トーカ「くっ……」

真戸「だが安心しろ。お前のようなクズにも使い道はある。……クインケとしてなぁ!」ブン!

トーカ「――――、」

カネキ「う……」フラ

亜門「大丈夫か? 一応救急車は呼んでおいたが……」

カネキ「はい……昔から貧血気味なのを無理して走ったからですかね。火事場の馬鹿力ってすごいですね」フフ

亜門「ああ……しかし君はグールに目をつけられた可能性があるな。今後は気を付けた方がいい」

カネキ「はい、わかりました」

カネキ(トーカちゃん……私の血を少し欲しいって言ってたけどなんでだろう?)

真戸「む……?」

トーカ「痛いんだけど……」ググ

真戸(何だ……ラビットの嚇子が肥大化している!?)

トーカ「アンタさ、クズとかなんとか言ってるけどそれは多分あってる。私は今までに何人殺してきたかわからないし」ポイッ、カランカラン

真戸(小瓶……? あれに人間の血液を入れていたのか! だがここまで嚇子が大きくなるなどあり得ない! これはいったい……まさか――――)

トーカ「ホント、自分でもいやになるよ。……アイツの血を啜るこの瞬間だけは、グールでよかったって心の底から思うんだからさ」ギョロ

真戸「そうだ……お前らクズはそうやって人を喰らう。それでいい。ゴミ虫はゴミ虫らしく惨めに死ねぇ!」ブォン!

トーカ「悪いけど」シュバ

真戸「!? クインケが……間に合わ――」

トーカ「死ぬのはアンタだよ」ズドドドド!!

真戸「ぐはぁぁああああ!!」グサグサグサグサ!

トーカ(……っ、ケンの血マジでやばいかも。あんまり飲みすぎると自分じゃなくなりそうだな……)ブルッ

真戸「くっ……まだだ。まだ死ぬわけにはいかない……! 隻眼を倒すまで……わた、し……は……」フラフラ、ドサ

トーカ「……悪いけど、ヒナミみたいな何もしてないグールを殺すアンタは生かしておけないんだよね」クルッ、スタスタ

カネキ「あの、亜門さん……ありがとうございました」

亜門「ああ、ゆっくり休むといい」

「カネキさん、こちらに!」

カネキ「はい。では……」ペコ

亜門「ああ、じゃあ」

亜門(真戸さん……今行きます!)タタッ

トーカ(さて……もう一人は、と)

亜門「ラビット!? ……真戸さんは――――」

トーカ「ちょっと遅かったね。仲間のおっさんはもう死んでるよ」ポイッ

真戸「」ドサッ

亜門「貴様……よくも!!」ギリッ

トーカ「……うるせえよ。アンタに何がわかる。私はよかったんだ。私が死ぬならそれで、こうやって自分勝手に人殺すような私が死ぬならそれは我慢できたんだ」

亜門「無駄口を……!」ギュッ

トーカ「だけどなあ……アンタたちが笑って殺したリョーコさんは! 誰も殺さないで! 誰にも迷惑かけないようにひっそりと生きてきた! 他に殺すべきグールなんていくらでもいただろうが! 何で今だったんだ! リョーコさんがアンタらに何をしたってんだ!!」

亜門「……お前らこそ、罪のない人々を己の快楽目的で喰らう。それが正しいと言えるのか? 俺はそんなグールを何体も見てきた。笑顔で人に近づき、笑顔でその人を喰らう。そんなお前たちがいるから悲劇が終わらない!」

トーカ「……、」

亜門「世界を歪めているのはお前たちグールだ。お前たちさえ……お前たちさえいなければ!」ブン!

トーカ「!」サッ

亜門「だから俺は戦う。全てのグールを駆逐するまでだ!

トーカ「そうするしかねえんだから仕方ねえだろうが! こんな体でどう生きればいいんだよ!? 何でアンタらは一方的にこっちを悪役にするんだ! ……悪いのはアンタらだ。全てのグールを悪と決めつけたアンタらだ!」

亜門「……それが真戸さんの死ぬ理由にはならん」

トーカ「んなことどうでもいい。私はアンタを……殺す」

亜門「ラビット……俺はお前を許さない!」ダッ!

トーカ「お前も死ねぇぇええええ!!」ダッ

「それじゃあ念のため一晩休んでいってください」

カネキ「はい、ありがとうございます」

カネキ(トーカちゃん、大丈夫かな……)

ヒデ「カネキ! 大丈夫だったか?」タタッ

カネキ「うん、何とかね。それよりこんな時間に来るなんて危ないよ」

ヒデ「お前が心配でじっとしてられなかったんだよ」

カネキ「はぁ……そう」

ヒデ「あ、それとカネキ。俺今晩泊まるから」

カネキ「ええ!? そんなのダメだよ! それに病院の人が……」

ヒデ「それは俺の彼女って言ったら即オーケーだった」グッ

カネキ「」

ヒデ「安心しろ。変な気は起こさない……はずだから」

カネキ(不安だ……)

ヒデ「なあカネキ、この先もこんなことするのか?」

カネキ「……?」

ヒデ「お前って昔からそうだよな。困ってる人がいると自分の身を削って助けようとする。……下手すりゃお前は喰種対策法に引っかかって逮捕される。それだけじゃない。そうなればトーカちゃんたちだって……」

カネキ「……、」

ヒデ「別に関わるななんて言わないけどさ……こんな、CCGに喧嘩売るような危険なことは今後しない方がいいんじゃねーの?」

カネキ「……無理だよ」

ヒデ「え?」

カネキ「だって、僕には戦う力なんてなくて……今回だって僕がトーカちゃんを止めようとしたってトーカちゃんは僕の知らないところで実行するに決まってる。そんな、そんな別々みたいなのがいやで僕は……僕はただ全部を守りたいだけなんだ」

ヒデ「……ったく、仕方ねえか」ゴソゴソ

カネキ「……?」

ヒデ「この紙見てくれ。CCGのバイト募集だ」

カネキ「ば、バイト……CCGがなんで?」

ヒデ「まあ単純に人手不足なんだと。まあ確かに本物の捜査官がいちいち電話対応なんかできねえわな」

カネキ「でも、どうしてこれを……?」

ヒデ「ああ俺さ。CCGに入ろうと思うんだ」

カネキ「どうして急に……」

ヒデ「だってお前、トーカちゃんを守りたいんだろ? だから手伝ってやるよ。それに親友の俺がCCGならもしもの時の言い訳もちょっとはできるしな」

カネキ「でも……どうしてそこまで」

ヒデ「さあな。ま、大事な親友のためってことにしてくれ。ほら、夜更かしはお肌に悪いぞ? 襲ったりしないからさっさと寝ろ!」

カネキ「う、うん。あ、ヒデ……」

ヒデ「ん?」

カネキ「ありがとう」ニコッ

ヒデ「……ああ、貸し一つだからな」

トーカ「……っ!」ゼェゼェ

亜門(ようやく息切れしてきたか……だが、)ボタボタ

亜門(この腕の傷では満足にクインケを使えない!)

トーカ(あとちょっとなのに……! もう動けない! でも殺さなきゃ……こいつも、みんな! 殺さなきゃ)ググッ

亜門「来るか……ラビット」フラフラ

トーカ「だぁぁああああ!!」ヨロ・・・

トーカ(くっそ……無理、か)

亜門「舐めるなラビットォォオオオオ!!」ズガァ!!

トーカ「がはっ……!」ズシャァァアア、ゴロゴロ・・・

亜門「終わりだ、ラビット」ジャキン!

トーカ(やばい……本当に死ぬ……?)

亜門「……真戸さんの仇!」ブン!

「――――!」ガキィ!

亜門「何……!?」

トーカ「よ、もさ……」ガクッ

四方「……そこまでだ」

亜門(新手か……だが、俺は捜査官だ! グールを前にして背は見せん!)グッ

四方(……、)ザッ

亜門「ラビットの仲間か……そいつをよこせ」

四方「……」チラッ

「亜門一等! 大丈夫ですか!」

「いたぞ、ラビットだ!」

「一等を援護しろ!」

四方「……」シュバッ!

亜門「待て!」ダッ

「亜門一等! 大丈夫ですか! 真戸上等は……」

亜門「……殉職された。水路にご遺体がある」

「! ……わかりました。こちらでご遺体は一度引き取らせていただきます」

亜門「申し訳ありません」

亜門(クソ……俺はなんて無力なんだ!)ギリッ

トーカ「はぁ……はぁ……!」ガクッ

四方「トーカ。これを食え。少しは楽になる」スッ

トーカ「……いらない」

四方「だが食べなければ出血は止まらんぞ。放っておけば死ぬ可能性すらあり得る」

トーカ「……ケンの血があれば、こんなのすぐ治る」

四方「……グールの本能に溺れるのか?」

トーカ「!」

四方「俺は今までそんなグールを何人も見てきた。……お前もそうなりたいのか?」

トーカ「それは……」

四方「力に溺れれば一時の強さは得られるかもしれん。だが、そんな当たり前の強さは別の誰かに押しつぶされるだけだ。……それではお前はまた失うだけだぞ」

トーカ「……、」

四方「全てを守り抜くことなんて誰にもできない。……それでも失いたくないものがあるなら――――強くなれ、トーカ」

トーカ「……」コクッ

四方(金木研、か……。ここまでグールを惹きつける人間は初めてだ。……俺もそれが何なのか見てみたくなりました、店長……)


カネキ(僕の退院で事件は一つの区切りを見せた。……もっとも、すべてが元通りになったわけじゃないけど)

ヒナミ「これが……お母さんのお墓?」

トーカ「そうだよ。……きっと、リョーコさんもヒナミの事を見守ってくれてるよ」

ヒナミ「うん……」グスッ

カネキ「ヒナミちゃん……悲しかったら泣いていいんだよ?」

ヒナミ「ううん。ヒナミ決めたの。強くなるって。強くなってお姉ちゃんやみんなを守れるようになるって」

カネキ(強くなる、か……。僕は弱いまま守られ続けるのかな……)

タタラ「アヤト、仕事だ」ポイッ

アヤト「内容は?」パシッ

タタラ「実験体の回収。アヤトにはよく見知った場所だし問題ないだろう」

アヤト「! ……なるほどね。面白そうじゃん。で、メンツは?」

タタラ「ヤモリとニコだ。直属の部下については一任する」

アヤト「了解」

アヤト(金木研、ね……弱そうな面した野郎だなぁ、トーカさんよぉ?)ニヤァ


――――To be continued…

今日はここまで


こっから先はだんだん昼ドラっぽくなる……予定

>>224の妄想

イトリ「カネキチ~・・・お前はほんと可愛いなぁ~」

カネキ「イ、イトリさん・・・あ、当たって・・・」

イトリ「あ、中身は男なんだっけ。」(落とせちゃうかもな・・・)

カネキ「いや・・その・・・」

リゼ「あら、イトリ。それは私の獲物よ?」

カネキ「・・・」(・・『それ』って・・・)

イトリ「まあまあ、心配しなくてもカネキチはあんたの事大好きだから気にすんなって」

カネキ「」

リゼ「なっ・・・そ、そういう意味じゃなくて・・・」(やばい・・・イトリにばれてるの!?)

カネキ「」

ってな感じだったらいいなぁ~
うおお 早くいちゃいちゃが見たい

什造たそでないの

アヤトが「野郎」って言ったってことは、
写真は手術を受ける前の男の姿?


……あっ

>>262 良く気付いたな…

>>261 出る予定


それとここは女カネキを愛でる場所だから皆さんなかよくしましょう


それでは投下

トーカ「やっぱこの時間帯は客もいないなー」

カネキ「まあ平日の日中は仕事とかあるだろうしね」

トーカ「……そういやさ」

カネキ「どうしたの?」

トーカ「この前、久々にヒナミと遊んだんだけど……本棚にあったんだよ」

カネキ「何が……?」

トーカ「……百合小説」

カネキ「」

カネキ「え? それ本当?」

トーカ「……」コクッ

カネキ「ということは……」

トーカ「……多分、気付かれてる。ヒナミって周りの影響受けやすいところあるから」

カネキ「だよね……。まずいかなぁ……」

トーカ「本で収まってるうちは大丈夫だと信じたい……」

カネキ(でも僕の男の部分がヒナミちゃんをこっちに引き込めと囁いている……)

カランカラン

カネキ(おっといけない……今は仕事中だった)

カネキ「いらっしゃいませ」ペコ

アヤト「んー? なんだ、メンツ増えてるじゃねえか。……ったく、ここの店長は何考えてんだか」

トーカ「アヤト!? アンタ今までどこほっつき歩いてたの!?」

アヤト「うっせーな。お前は俺の母ちゃんかっての。……それに、世間知らずな姉貴に言われたくはねえよ」

トーカ「アンタ……!」

カネキ(トーカちゃんの……弟?)


ヤモリ「アヤト君。無駄話してないでさっさと終わらせようよ」ガチャ

ニコ「ふふっ♪ かわいい女の子が二人もいるわね……アタシ妬けちゃう」

アヤト「……外で待ってろって言ってただろうが」

ヤモリ「いやぁ、アヤト君が何かもたついてるから大丈夫かなって」ニヤッ

アヤト「けっ……まあいい。おいトーカ。ここに金木研って野郎がいるだろ? そいつをここに連れてこい」

カネキ「ぼ、僕!?」

トーカ「……、」

アヤト「おいトーカ。さっさとしろよ。痛い目見るのはいやだろ?」

トーカ「誰がアンタなんかにケンを渡すか!」ザッ

アヤト「おーおー下の名前で呼んじゃって。お前の男だった?」

トーカ(……待てよ。そうか! こいつらケンが男だと思い込んでるのか。道理で話がかみ合わないと思った。それにケン自身は女の見た目だから完全に眼中にない! なら……)チラッ

カネキ(……わかったよ、トーカちゃん)コソコソ

アヤト「おっと待てよ」ガシッ

カネキ「きゃっ!」グラッ

アヤト「ほら、さっさと言えよ。じゃねえとこの人間が死んじまうぞ?」

トーカ「アヤト! 卑怯なマネしやがって……」

アヤト「卑怯もクソもあるか。そんなに大事なお友達ならさっさと金木研の居場所を吐け」

トーカ(くっ……ケンを人質にとられちゃ本末転倒じゃねえか!)

カネキ「あ、あの……」

アヤト「あん? 少し黙ってろ。マジで殺すぞ」

カネキ「いや、その……金木研って僕のことなんだけど……」

アヤト「はぁ?」

アヤト「……冗談言ってるとぶち殺すぞ」

カネキ「本当、だよ。僕は確かにちょっと前まで確かに男だったけど、いろいろあって女になっちゃったんだ」

アヤト「……マジかよ」

ニコ「あらぁ? アタシの仲間かしら?」

ヤモリ「……それはないでしょ」

ニコ「残念……」

カネキ(な、何か思ったよりびっくりしてる?)

アヤト「……まあいいか。だったらさっさとバンジョーどもに――――」

トーカ「アヤトォ!」ビュン!

アヤト「……遅すぎ」ズドォ!

トーカ「がはっ……!」ドサリ

アヤト「ずいぶんと弱くなりやがって……こんな人間と仲良しごっこに興じてるからこうなるんだよ」スタスタ

ヤモリ「んー……」ジロジロ

アヤト「どうした、ヤモリ」

ヤモリ「こいつ、オモチャにできないかなって」

アヤト「……バッグは一人分しか持ってきてない。それに」

ヤモリ「それに?」

アヤト「そいつ、紙粘土並みに脆いぞ?」ニヤッ

ヤモリ「そっかー……じゃあいいや。これ、僕が来た意味ないよね」

ニコ「まあまあ……戻ってからもお楽しみはあるわよ?」


トーカ「行かない、で……ケン」ボソッ

アヤト「……」

アヤト「タタラ、連れてきた」ドサッ

カネキ「う……」

タタラ「女……?」

アヤト「知らない間にこうなったらしい。よく見ると写真の面影あったし、多分本人だろ」

タタラ「ふーん……」クンクン

アヤト「……?」

タタラ「ダメだ、こいつは」

アヤト「どういう意味だ?」

タタラ「こいつじゃない。……これは多分失敗作だ。使い物にならない」

アヤト「ふーん……じゃあどうする?」

タタラ「エト」チラッ

エト「んー……アヤト君の好きにすればいいんじゃない?」グデーン

タタラ「そういうわけだ」

アヤト「……あっそ」

カネキ「……」

アヤト「けっ、のんきに寝やがって。人間様ってのはとことん気楽だな」

アヤト(つっても、いらないんだったら殺せば……)

『――――行かない、で……ケン』

アヤト(……殺せば、いいじゃねえか)

ヤモリ「あ、ちょうどいいところにいた」

アヤト「あん? なんだよ」

ヤモリ「実は彼女は僕がぜひとも引き取りたいと思ってね」

アヤト「ふーん……好きにしろよ」

ヤモリ「感謝するよ」

カネキ「う、ううん……」

カネキ(そういえば、僕はさらわれて、それから……)

ガチャ

ヤモリ「やっと目を覚ましたみたいだね」

カネキ「! あなたは……」

ヤモリ「はじめまして。僕の名前はヤモリ、またの名を『十三区のジェイソン』。……そしてようこそ、アオギリの樹へ」

カネキ「アオギリの、樹……?」

ヤモリ「歓迎するよ――――金木研『さん』?」


――――To be continued…

今日はここまで


次回はヤモリ回だけど原作と同じような拷問にはならないから安心してください

ヒント→カネキは女

君たちの拷問だと一番ダメージ受けてるのヤモリさんなんですがそれは


もっと普通に考えられないんですかね…


それでは投下

カネキ(ヤモリさんは僕を部屋から連れ出して長い廊下を進んだ。進むにつれて無機質な壁に見える赤黒くこびりついたシミが僕を不安にさせる)

ヤモリ「さて、と……」

カネキ(ヤモリさんがぼそっとつぶやく。彼の大きな背中の先にわずかに見える扉が異様な雰囲気で僕を見つめた。まるで、地獄への入り口だった)

ヤモリ「君はこっちだ」

カネキ「は、はい」

カネキ(……正直、あの部屋じゃなくてよかった)

ヤモリ「さて、ここだ」ガチャ

カネキ「……、」

ヤモリ「まあそう緊張しないで。そこの椅子にでもかけて」

カネキ「は、はい」ガタッ

ヤモリ「さて、と……少し話でもしようか」

ヤモリ「カネキさんはここに来る途中で扉を一つ見たよね?」

カネキ「……はい」

ヤモリ「あの部屋は僕が特別にもらっている『プレイルーム』でね。敵対因子やヘマをした部下への拷問に使っているんだ」

カネキ(拷問……)ブルッ

ヤモリ「……そんなに怖がらなくても君に同じことはしないさ。人間じゃすぐに壊れてしまう」

カネキ「」ホッ

ヤモリ「ただ……」

カネキ「た、ただ……?」

ヤモリ「君をいつもの部屋と違う部屋に連れてきたのには理由があるんだ」

カネキ「理由……?」

ヤモリ「僕は拷問について自分なりに研究している。……だけどね、一つ悩みがあったんだ。それは女を拷問するとすぐに壊れてしまうことだ。それじゃあ意味がない。つまり打ち止めなのさ」

カネキ(ま、まさか……)

ヤモリ「そこで、だ。僕は発想の転換に至った」ジャラ

カネキ「て、手錠……?」

ヤモリ「グールは苦痛に歪むが再生には限界がある。適度に食事をとらせてもどこかで加減を間違えばそれまでだ。……個体差があるのだからこれは仕方ない。だけど!」

カネキ「や、やめて……来ないでください!」ガタッ

ヤモリ「絶え間ない快楽で狂わせるとどうなるか! これがわかれば俺の拷問の幅はもっと広がる! さぁ座れ! 座れよ金木研!!」ズイッ

カネキ「あ、あ……」ブルブル

カネキ(ヤモリさんは僕の手を椅子に縛りつけ、目隠しと自殺をさせないためのギャグボールを僕につけた。……他人から見た僕の姿はさぞ滑稽だっただろう)

ヤモリ「始める前に一つだけ言っておこうか。君は性に関心のない俺から見てもきれいだと思う。だからこそ初実験の被検体にふさわしいと思ったんだ。そこだけは覚えておいてほしい……といっても今の君には返答できないか」

カネキ「も、もが……」モジモジ

ヤモリ「裸で拘束されるのは恥ずかしいかい? しかし僕が見たいのはそんな姿じゃないんでね」

ヤモリ「じっくり、楽しませてもらうよ?」ニヤッ

カネキ「……」フルフル

ヤモリ「まあ、そうだろうね。音だけじゃわからない。教えてあげるよ。これは男性器を模した玩具でしかも振動機能があるんだ。……それも三段階もね。これを今から君の性器部分に挿入しようと思うんだ」

カネキ「!」

ヤモリ「さて……処女膜を破られる痛みは筆舌に尽くしがたいというが。君はそうなのかな?」

カネキ「んんーっ! んー!!」バタバタ

ヤモリ「はは、どうやらそうだったようだね。よかったよ。非処女だったら効果半減だからね」

カネキ(やだやだやだやだ!!)ガタガタ

ヤモリ「さて……それじゃあはじめようか」ニヤ

ヤモリ「あまり動かないでね~……」ズブリ

カネキ「~~っ!?」ググッ

カネキ(な、何だこれ!? めちゃくちゃ痛い!)

ヤモリ「さぁ奥まで一気にいくよ!」ズブゥ!

カネキ「んんーっ!!」ポロポロ

ヤモリ「なるほど……処女を奪われるのはそんなに辛いのか。これは今後の参考になりそうだ。何しろそっち方面の知識は少しばかり疎くてね」

ヤモリ「だけど、ここからが本番だよ?」

カネキ(ヤモリはそう言って笑うとバイブのスイッチを起動させた。僕はのたうつようなうめき声をあげ、体の中をはいずる異物に必死に抗った)

ヤモリ「痛いか? だけどすぐ快感に変わるんだろぉ? 早くしろよ!」

カネキ(ヤモリがなぜそれを望むのかはわからなかったが、トーカちゃんと幾度となく体を重ねた僕の体は、僕が思っているよりもずっと早く快楽を与え始めた)

カネキ「ん……んん!」ビクン

ヤモリ「やっと来たか……もう舌をかむ力もないだろうし口は自由にしてやるよ」カチャカチャ

カネキ「ぶはぁ! ……ぁあ、ああああ――――」プシャァ!

ヤモリ「あーあ。こんなもらして……羞恥プレイみたいになってきたなぁ」

カネキ「…・・・っ」ギリッ

ヤモリ「そう睨まなくてもいいじゃないか。そうだな――――」

カネキ(ヤモリは少しおどけたように言った。『1000から7引いた数を数えろ』と。最初は意味がわからなかったが、それはやがて身を持ってなんなのか理解させられた)

カネキ「958……951――――っ!?」ビクンビクン!

ヤモリ「ほーら早く数えてよー」

カネキ(僕の体は徐々にだけど絶頂に達するまでの間隔が短くなっていた。そんな状況でもヤモリは僕を壊さないようにしていた。……いつか来る地獄を見るために)

カネキ「――ぁぁああああ!!!!」

ヤモリ「お、そろそろかな……?」

カネキ(僕の感覚が麻痺してきたころ。『それ』はきた)

カネキ「や、止め、止めてぇぇぁぁああああああああ!!!!」ガタガタ!

ヤモリ「やっべぇぇええええ!! 超体痙攣してんじゃん!! ほら、もっと泣き叫べよ!!」

カネキ「止めて! これ止めてぇぇええええ!!」ビクビクン!

カネキ(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! だれ、か……だれか――――)

『くすくす……』

芳村「ふむ――――では決心は揺らがないんだね?」

トーカ「はい。私は、たとえ一人になってもケンを助けに行きます」

カヤ「あらあら……」

古間「青春だねえ」

芳村「アオギリという組織のグール達は戦うために生きているような者ばかりだ。カネキちゃんはもちろん私たちも助けにいく。ただそれでも絶対の保証はない。……もしもの覚悟はあるのかい?」

トーカ「……、」コクッ

芳村「そうか……トーカちゃんの覚悟はよくわかったよ。――入ってきてくれ」

なんか飛んでね?

ガチャ

ウタ「すいません、遅くなってしまって」

四方「……、」バタン

トーカ「ウタさん、四方さん……」

ウタ「芳村さんから話を聞いてね。『あんていく』は大事なお客さんだし、手伝うことにしたよ。それに……」ジッ

トーカ「?」

ウタ「トーカちゃんが惚れた女の子っていうのも気になるしね」

トーカ「……////」

四方「店長……『ヤツ』は」

芳村「ああ、もうそろそろだろう」

ガチャ

トーカ「な、お前……生きてやがったのか!」ギロッ

月山「おやおや……ずいぶんな挨拶だね。まあ、そんなことはどうでもいい。カネキさんがどこの骨ともしれぬ男に連れ去られるなんて……No kidding」


――To be continued…

今日はここまで

あと>>315、とんだんじゃなくとばしたんだ…


ちょい下手だったかもしれんがすまんな

今日はここまで

あと>>315、とんだんじゃなくとばしたんだ…


ちょい下手だったかもしれんがすまんな

皆、遅くなってすまんの

あとこのスレの下の広告が東京グールという偶然があった


それでは投下

丸手『――――という事で作戦日まであと一日だ。お前ら準備怠るんじゃねーぞ!』

「「「「はい!」」」」


亜門(明日か……)

篠原「亜門! 久しぶりだな」

亜門「篠原特等……」

篠原「お前ももう一等捜査官か……大したもんだ、その年で」

亜門「ありがとうございます」

篠原「真戸の件は残念だったな……」

亜門「……私が、未熟だったからです」

篠原「お前の気性ならそう言うと思ったよ。けどな亜門。個人の力には限界がある。あの時のお前は民間人を助けてたんだろ? だったら仕方ないさ」

亜門「篠原さん……」

篠原「仲間を失うのはいつだって辛いさ。でもそれを一人で抱え込む必要はないと思うよ」

亜門「……、」

ジューゾー「篠原さーん。お腹空きました。ご飯食べに行きましょう!」

篠原「お、そうだな。どうだ? 亜門も来るか?」

亜門「はい、ご一緒させてもらいます」

篠原「そうか。この前いい店見つけたんだよ」

ジューゾー「よろしくですぅー」

亜門「あ、ああ」

亜門(こいつが、鈴屋か……)

ジューゾー「あもんひゃん」モグモグ

亜門「食べながら話すな……なんだ?」

ジューゾー「亜門さんって彼女いるですか?」

亜門「……いや、いないが」

ジューゾー「そうですかー」

亜門(そういえばこいつはグールに育てられてた時に……)

亜門「彼女が欲しいのか?」

ジューゾー「うーん……僕にはそういうのよくわからないです。ただ、篠原さんがすごく楽しそうだったので」

篠原「はは……そうだった?」

ジューゾー「はい。すごく楽しそうでした。お嫁さんってそんなにいいものですか?」

篠原「うーん、どうだろうな。ただ俺はいい嫁さんもらったと思ってるよ。……よく考えたら亜門は二六だもんな……」

亜門「いえ、私にはまだ早いかと……」

篠原「そうかねえ……」パクッ

亜門(彼女、か……不思議と思い浮かぶな……)

トーカ「店長! どういうことですか! CCGが動くまで動けないって……」

芳村「我々が単独で行っても返り討ちにされるだけだ。これしか策がないんだ」

トーカ「そんな……」

月山「大丈夫だよ、霧島さん。彼女は生きているさ」

トーカ「何言ってんだ。もう手遅れだったら……」

月山「彼女は何者にも殺せはしないさ。……僕にもようやくわかったよ。『傾国の美女』という言葉の意味がね」フフ

トーカ(……ケン、無事でいて)

『無様ね。カネキ君……いえ、カネキちゃん?』

カネキ「あなたは……リゼ、さん?」

リゼ『久しぶり、カネキちゃん』

カネキ「どう、して……」

リゼ『私はあなたがイメージで創り上げた幻影よ? ここにはいない。……それにしても滑稽ね。まるで「女」みたい』クスクス

カネキ「っぁぁああああああああ!!」ビクビクゥ!

ヤモリ「さーて……そろそろ次のステップに行こうか」シュル

カネキ(あ……目隠しを外した?)

ヤモリ「さて、カネキ君。これが見えるかい?」ギチチ

カネキ「か……嚇子」

ヤモリ「そう。その気になれば俺はこれで君を殺すことができる。……次の実験は恐怖と快楽のはざまでどんな表情を見せてくれるかだよ」ウネウネ

カネキ「ひ、ひぃ……」ブルブル

ヤモリ「下手に動かない方がいいよぉ? いくら加減しているといってもうっかりってこともあるしね」グチュグチュ

カネキ(嚇子が柔らかくうねって……これ、やばい――)ビクビク

リゼ『あらあら。ずいぶんと蕩けた顔しちゃって。そんなに気持ちいいの?』

カネキ「そんな訳……んっ、ないでしょう」

リゼ『でもあなた。この状況を少しずつ楽しみ始めてるでしょ?』

カネキ「な、何を言って……」

リゼ『自分がトーカちゃんにそこまでの愛情があると思ってた? 違う。あなたは誰かから必要とされたかっただけ。別に、誰でもよかった。違うかしら?』

カネキ「違う! 僕はトーカちゃんのことをちゃんと……」

リゼ『そう……?』クスクス

カネキ(それからも、ヤモリは僕を弄び続けた。僕は自分の心を守るためにリゼさんの幻覚に縋り、快楽に浸った)

カネキ(どれくらいの時間犯され続けただろうか。ヤモリが、部屋にいない)

ガチャ

バンジョー「う……ひでえ匂い。何したらこうなるんだ」

ジロ「はいはい。とりあえずバンジョーさんは周り掃除しててください。私タオルで体拭くんで」

バンジョー「わ、わかった」

カネキ「あなたたちは……?」

バンジョー「俺はバンジョー。……まあアオギリの使い走りってとこだ。……アンタ人間だろ? 大変だな」

ジロ「はいはい。バンジョーさん、あんまりもたもたしてるとヤモリに何されるかわかりませんから。さっさと終わらせますよ」フキフキ

バンジョー「あ、ああ……」ゴシゴシ

カネキ(……、)

バンジョー「よし……こんなとこか」

カネキ「ありがとう、ございます」

バンジョー「礼はいいよ。ヤモリはまだやる気みてえだし。……助けられないなら、同じだ」

カネキ「そんな事……」

バンジョー「……なあ、ジロ」

ジロ「はぁ……いいですよ。こっちはヤモリのとこで時間稼いでおくんで」

バンジョー「ああ、すまねえ」

ジロ「それじゃ」ガチャ、バタン

バンジョー「よし……時間がねえから手短に話すぞ。俺たちは望んでアオギリに入ったわけじゃない。そういうやつが他にも何人かいる。そいつらと脱出しようと思ってるんだ。その時にはアンタも助ける」

カネキ「え……でも、私を助けるにはヤモリが……」

バンジョー「ああ、そうだ。だがもうすぐCCGが攻めてくるっていう話がある。俺らはそのどさくさに紛れて脱出する。これならヤモリは前線にいるだろうから安全だ」

カネキ「だけどいいんですか……?」

バンジョー「ああ。俺ははじめからそうするつもりだったし、仲間はCCG相手なら人質にできるって賛成してくれたからな。……俺はそういう考え方は嫌いだけどな」

カネキ「……ありがとうございます。えっと……」

バンジョー「バンジョーでいい。じゃあ……互いに生き抜こうぜ」

カネキ「ええ」ニコッ

バンジョー「じゃ、じゃあな」ガチャ、バタン

カネキ(いい人だな。本当に……いい人)ニヤッ

バンジョー「ヤモリさん。終わりました」

ヤモリ「ご苦労様。……、」

バンジョー「? 何か……?」

ヤモリ「何でもない」スタスタ

バンジョー「……、」

バンジョー(そういえばあの子……来たときは黒髪だったよな……?)

丸手『作戦に入る! 各自、持ち場につけ! 目標は……「アオギリの樹」アジトだ!!』

「「「「ぉぉおおおおおおおお!!」」」」

ジューゾー「おおー。何かわくわくしますねー」キョロキョロ

篠原「あんまりうろちょろして作戦乱すなよ……頼むから」

亜門「……、」ギュッ

ヤモリ「やあ、カネキさん。きれいになったね」

カネキ「……」

ヤモリ「あれれ。あんまり元気ないなぁ……。また始めればちゃんといい声聞かせてくれるかな?」

カネキ(僕は……きれい? 男なのに? いや、今は女の子か。そうだ、みんな僕を愛してくれる。綺麗だから、美しいから。僕は、見捨てられたりしない。『私』は、母さんとは違うんだ)

ヤモリ「さて……それじゃあ再開するよ?」ギョロッ

カネキ(私は――――『女』だ)フフッ


――――To be continued…

今日はここまで


白女カネキはヤンデレというよりメンヘラですね


髪は雪のようにきれいでしょうね…(遠い目


いろんなキャラとの絡みが見てみたいです

>>379原作にもない絡みは見せる……予定




それでは投下

ジューゾー「むー中々突撃しないですねー。何ででしょう」

亜門「こちらの銃器がアオギリに奪われていたらしい。それが原因で攻めあぐねてるようだな……」

篠原「有馬がいればねえ……。まあ、そううまくも行かないか」

ジューゾー「そーなんですか……」チラッ

月山「ふむ……どうやら戦況はこう着状態といったところか」

トーカ「おい、見えねえからどけよ月山!」

ウタ「落ち着けトーカ。……敵に耳のいいやつがいるかもしれん」

トーカ「あ、はい……すいません」

ウタ「ふふ……あ、見て。アジトの正面から煙が上がってる」

ジューゾー「きゃっほぉおー!」ダッ

亜門「鈴屋……なんてやつだ」

篠原「ったく無茶しちゃって……亜門、行くよ! さっさとあいつを捕まえないと!」

亜門「はい!」ダッ

アヤト「くっそ! おい! ヤモリはどうした!」

「それが……さっきまでいたんですが」

アヤト「ち……あの女のとこか。どいつもこいつも訳わかんねえ」

瓶兄「アヤト。俺たちは向こうを守る。こっちは任せたぞ」

アヤト「ああ……」

アヤト(そんなにあの女はいいのかっての……なあ、トーカ)

月山「さぁ一気に突っ切るよ!」ギョロ!

トーカ「アンタねぇ……」

月山「カネキさんの顔をまた見ることができる……」

トーカ「テメェには指一本触れさせねえよ!」

月山「何と……」

トーカ(それよりケンはいったいどこに……)

カヤ「……そこから西の通路を迂回して、直進。二つ目の十字路を右に曲がって」

ヒナミ「カヤさんすごい……」

カヤ「訓練すればヒナミちゃんにもできるわよ」

ヒナミ「そうかな……?」ウーン

カヤ「こうやって耳を澄まして集中するの。広げるような感覚でね」スッ

ヒナミ「こ、こうかな」ムムム・・・

ヒナミ(あ……この声、お姉ちゃん……?)

カネキ「……どうかしたんですか?」

ヤモリ「CCGが攻めてきたみたいでね。あいつらと戦うのが俺の仕事なんだ」

カネキ「それで……?」

ヤモリ「ああ、そうなってくると君は少し邪魔になるんだよ。万が一、あいつらに保護されると君に顔を見られたメンツは動きにくくなるんでね。……今、ここで喰ってあげようと思って」

カネキ「……、」

ヤモリ「正直、自分でも驚いているんだ。人間に対して何か感情が湧くのは初めてだった。……もっとも『僕』にはこの感情を言葉にすることはできないけれどね」

カネキ「……どうかしたんですか?」

ヤモリ「CCGが攻めてきたみたいでね。あいつらと戦うのが俺の仕事なんだ」

カネキ「それで……?」

ヤモリ「ああ、そうなってくると君は少し邪魔になるんだよ。万が一、あいつらに保護されると君に顔を見られたメンツは動きにくくなるんでね。……今、ここで喰ってあげようと思って」

カネキ「……、」

ヤモリ「正直、自分でも驚いているんだ。人間に対して何か感情が湧くのは初めてだった。……もっとも『僕』にはこの感情を言葉にすることはできないけれどね」

カネキ「……教えてあげましょうか?」

ヤモリ「君にわかる、とでも?」

カネキ「ええ。……それはきっと、『恋』ですよ」

ヤモリ「……、」

カネキ「私は知っています。人も、グールも美醜の感覚はほとんど同じなんだということを。人の中にも異常な性癖や愛情表現があるんですから、過激な環境で育ったであろうあなたが私を加虐し、支配する形になるのは無理もないと思いますよ?」

ヤモリ「……そんなに自分の容姿に自信があるのかい?」

カネキ「ええ。あなたが自身の強さを信じるように、私は自分の美しさを信じていますから。……手元におけるなら、殺すメリットはないでしょう? 私はあなたを殺すことなんてできないですし」

ヤモリ「……、」

カネキ「どうしました?」

ヤモリ「……誘惑的だね。少なくともニコなんかよりは何倍も」

カネキ「私は別にあなたのオモチャでもいいんですよ? あなたが、それにふさわしいなら」

ヤモリ「……オモチャの割には生意気だ」ニヤッ

カネキ「従順になるかはあなた次第ですけれど……?」フフッ

ヤモリ「裸体をさらし、椅子に縛り付けられてもそんなことが言えるなんてね。誘ってるのかい?」

カネキ「ええ」

ヤモリ「それじゃあ――――」ガシッ

カネキ「ん……」グイッ

ヤモリ「これが終わるまで大人しくしてろよ? 終わったら……」

カネキ「ええ、楽しみにしてます」フフ

ヤモリ「見た目だけじゃなくて心まで女になるなんて――」

「何をしている?」

ヤモリ「ん?」

月山「カネキさんに何をしているかと聞いている」スタスタ

ヤモリ「グルメがどうしてここに……? いやそんなことより僕は今忙しいから後にしてくれないかな?」

月山「そうもいかないよ。彼女の繊細な美は君のようながさつで野蛮な者が触れていい代物じゃない。……今すぐ離れろ」

ヤモリ「いやだね」

月山「ならば……I kill you!!」ダッ!

ヤモリ「やれやれ。少し遊ぶとするか」ザッ

トーカ「ケン! ひどい……裸にされて、髪までこんな……」

カネキ「トーカちゃん……どうしてここが」

トーカ「……ケンの匂いがすごいしたから」

カネキ「そうか、そのあとを辿って……ごめんね。こんな事になって」

トーカ「いいって。今はとりあえず逃げるよ」ザッ

バンジョー「くっそ! 思ったより早かったな!」タタタ

ジロ「もーそんなのいいからさっさと行きましょって! 本当、人がいいんだから……」タタタ

トーカ「! アオギリ!?」

バンジョー「ま、待ってくれ! 俺たちは戦うつもりはないんだ! ……その子をつれて脱出するつもりなら手助けしようと思ってたところだ」

トーカ「そんな話信じられるわけ……」

カネキ「トーカちゃん。大丈夫だよ。その人たちの言っていることは本当だ」

トーカ「……ケンがそう言うなら信じるけど」

バンジョー「とにかく時間がない。表じゃCCGがかなり押してるらしい。裏の森にここから抜ける近道がある。普段はまず通れる場所じゃないが……今はもぬけの殻のはずだ」

トーカ「……なるほどね。でも罠だったら……」

バンジョー「俺みたいな下っ端にそんな力はねえよ。全員がアオギリを支持しているわけじゃない」

トーカ「……案内しな」

バンジョー「ああ、こっちだ!」ダッ

ヤモリ「君も割に合わない事をするね」

月山「どういう意味かな?」

ヤモリ「あんな人間一匹のためにこんな無謀なことするなんてさ」

月山「ふふふ……男の君なら僕が彼女を助ける理由くらいわかると思うが?」

ヤモリ「……まあ、何となくは?」

月山「つまりそういうことさ。……そして僕は彼女を手に入れるためなら何だってする! 必要なら君だって……アオギリだって屠って見せよう!」ジャキン!

ヤモリ「面白いこと言うね……ここで死ぬのにさ!」ダッ

月山「ふん!」ブォン!

ヤモリ「おっと……」サッ、ググ・・・ビュン!

月山(嚇子で不意打ち!)バッ

ヤモリ「やるねぇ……」

月山「君こそなかなかの嚇子を使う……。なるほど、僕と同じSレートというのは納得せざるを得ないかな?」

ヤモリ「くく……それは違うよ。僕はまだ本気を出していない。ま、それは君もだろうけどね」

月山「何……?」

ヤモリ「グール同士の共喰いを繰り返すとグールの血が強まる。……君はこんな都市伝説を信じるかい?」

月山「……、」

ヤモリ「俺はこれは本当のことだと思う。現に共喰いをしてから俺は十三区において敵なしになった」

月山「汚らしい……食とはこの世の美そのものだというのに。それを侮辱するとは」

ヤモリ「……わかってくれない、か。なら来いよ。全力で潰してやるからさぁ!」ギチギチギチ!

月山(my princess……我に力を!)グッ!

トーカ「本当に誰にも会わない……」タタタ

バンジョー「ああ、俺もここまでうまくいくとは――――っ!?」グサグサ!

ジロ「バンジョーさん!」

トーカ(この攻撃は……)

アヤト「よう……こんなところで何してんだよ。あーねーき?」ニタァ

トーカ「アヤト……!」ギリッ

カネキ(……)


――――To be continued…

今日はここまで



白カネキちゃんにはビッチの気があるよ!(歓喜)



なんかリゼさんが混ざってるような

>>405

まあリゼさんビッチっぽいですしね……


それでは投下

トーカ「……アヤト、黙って通してくんない?」

アヤト「やだね。ちょこまかとうぜえし……ここでまとめてぶっ殺してやるよ」

トーカ「……アンタ、本気で言ってんの?」

アヤト「当たり前だろ。人間にしっぽ振る弱いヤツは必要ねえんだよ!」ギョロ

トーカ「……後悔すんなよ」ギョロ

カネキ「トーカちゃん。僕の血を吸って」

トーカ「……うん」

トーカ(正直に言えば、ケンの血を啜るのは少し怖い。自分が自分じゃなくなってしまうんじゃないかというほど心地いいから。……でも、そうしなきゃアヤトには勝てない。だから、仕方ないんだ)ガブッ

アヤト「んだよ……ちょっと人間の血を吸えば勝てるとでも――――」

トーカ「……ごちゃごちゃうるさいな、もう」ズズ・・・

アヤト(は、はあ!? なんだあれ……なんだよ、これ……)

トーカ「……ケンを傷つけて許されると思うなよ、アヤトォォオオオオ!!」ズドォォオオ!!

月山「はぁ……はぁ……! まさか、僕がここまで追い込まれるとはね」

ヤモリ「よこぜ……お前ノ力……よこぜええええ!!」ガバァ!

月山「くっ……!」

月山(赫者……本当に厄介だね。もっとも、彼の場合は聞き伝わるように全身を覆っているわけじゃなさそうだけど)

ヤモリ「ぐぐ……うおお……!」ビキビキ・・・

月山(全く……これじゃ彼が赫子に振り回されているみたいだね。しかし、今の僕ではいかんともしがたい。それにカネキさんはもう十分に距離を稼いだはずだ。ならば……)

ヤモリ「じねぇええええ!!」ズドォ!

月山「ふっ!」シュバ!

ヤモリ「そこかぁ!」ドォン!

「……」

ヤモリ「……逃げた? くく……大したことないね、美食家も」

アヤト「っ――――ぐはぁぁああああ!!」ゴロゴロ

トーカ「ほら、さっきまでの威勢はどこいった!?」シュタ

アヤト「げほっ……」

アヤト(マジでどうなってやがる……? あいつの血を吸った瞬間に何で……そんな体質の人間がいるなんて聞いたことねえぞ!?)

トーカ「あんだけ生意気言ったんだ。ただで済むとは思ってないよね?」ギロ

アヤト「舐めてんじゃ……ねえぞ!」バッ

トーカ「ったく……」ヒョイ

アヤト「……!」ズサァ!

トーカ「アンタさあ……社会勉強とか言ってたけど何を学んできたの?」

アヤト「くっそ……」

トーカ「……まあそれはいいか。それよりもケンをあんなになるまで痛めつけたんだ。どうなるかわかってるよね?」

アヤト(またあいつかよ……!)

カネキ「待って、トーカちゃん、アヤト君と二人で話したい事があるんだ」

トーカ「……危ないよ。こいつ何してくるかわからないし」

カネキ「大丈夫。……何かあれば守ってくれるでしょ?」

トーカ「まあ、ね。じゃあ私少しだけ離れるけどあんまり近づきすぎないようにしてね」

カネキ「わかったよ、ありがとう」

アヤト「何だよ白髪女……俺を茶化しにでもきたのか?」

カネキ「ううん……そんなんじゃないよ」

アヤト「じゃあ何しにきた! 俺はてめえを殺すくらい楽勝だぞ!?」

カネキ「……できないよ。アヤト君はトーカちゃんのことが大好きだから」

アヤト「はぁ……? 何訳わかんねえこと言ってんだ」

カネキ「アヤト君。店に来たとき、トーカちゃんをやたらと挑発したよね。……まるで矛先を自分に向けさせるように」

アヤト「……それは、あいつがムカつくから」

カネキ「それだけじゃない。トーカちゃんを痛めつけるでもなく早々にダウンさせて私をさらった。……おかげで一緒にいたヤモリさんは何もしないで帰る羽目になったね」

アヤト「……、」

カネキ「そしてタタラさんだったけ? 彼が私を君に任せた時も君は殺さずにヤモリへと横流しした。それはヤモリが私を痛めつけることを期待したんじゃない。私を殺さないという可能性にかけたんじゃないかな? あるいは自分で殺してトーカちゃんが傷つくことが耐えられないから……言い訳できる逃げ道を作りたかった」

アヤト「……だったら何だって言うんだよ。俺がトーカやお前にした事は変わらないだろ」

カネキ「変わるよ、私の気持ちは。……アヤト君の本質は姉思いの優しい弟だから。ちょっと素直じゃないところはあるけどね」クスッ

アヤト「……それ以上御託並べるならマジで殺すぞ」

カネキ「じゃあおしゃべりはここまで。最後に――――」チュッ

アヤト「――――!?」

カネキ「あんまり無茶しないでね。君が死んで悲しむトーカちゃんは見たくないから」ニコッ

トーカ「終わったの?」

カネキ「うん。後はトーカちゃんに任せるよ」

トーカ「……一瞬、キスしたように見えたんだけど」

カネキ「やだなあ。僕の心は男だよ? そんな事するわけないでしょ?」ニコニコ

トーカ「だよね……」

トーカ「さて、と……」

アヤト「おいおい。一回まぐれ起こしたくらいで調子に乗ってんじゃねえぞ」

トーカ「アンタなんか勘違いしてない?」

アヤト「あん?」

トーカ「……私は、多分自分だけじゃアンタには勝てない。全部、ケンが血をくれるから。力をくれるからアンタに勝てただけ。そしてそうする度に自我が本能に飲まれるような感覚になる」ズズズ

アヤト「――、」

トーカ「ケンさえいれば何もいらない。アンタなんか……ケンを傷つけるアンタなんかいらない!!」ズドドドド!!

アヤト「がぁああああ!!」グサグサ!!

トーカ「は、はは……死ね! 死ね死ね死ね!!」ズドズドズド!

アヤト(死ぬ……のか。俺は……)

アヤト「お、ねえ、ちゃん……」ガクッ

トーカ「はぁ……はぁ……しぶといなぁ、もう」

アヤト「あ……ぐ……」

トーカ「今度こそ殺してやるよ――――」

四方「……トーカ。やめておけ」

トーカ「……四方さん、ですか。止めないでください。こいつは許せません」

四方「今のお前はケンから吸った血に酔っているだけだ。後で必ず後悔する。そして弟を殺した事実に耐えられなくなる。……前にも言ったはずだ。本能に飲まれるな、と」

ウタ「トーカちゃん。後は僕たちに任せて?」

トーカ「……。わかり、ました。後はお願いします」

亜門「よし……ここもクリアです!」

篠原「ああ。それにしてもジューゾーはどこまでいったのかね?」

亜門「この分だと相当奥まで行ってしまっているかもしれませんね」

篠原「はぁ……参ったなぁ。あいつのクインケで幹部クラスはきついってのに」

亜門「そうなら急いだ方がいいですね……。ん?」

篠原「どうした?」

亜門「あれは……」

トーカ「ケン、もう少しだから頑張って!」タタ

カネキ「うん……」ギュウ

トーカ「って、マジかよ……」

亜門「その子は……。どうしてアオギリがその子といる」

トーカ(よりによって面倒なのと……)

亜門「答えろ! 何が目的だ!?」

カネキ(……これは好都合、かな?)ニヤッ


――――To be continued…

今日はここまで


一応トーカちゃんはアオギリ仮面つけてます


あと月山さんって絶対貞操観念厳しいから童貞だよね

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月24日 (月) 14:17:33   ID: PftTa4h9

面白いから続き待ってる

2 :  SS好きの774さん   2015年08月30日 (日) 11:15:21   ID: 5pBqd2fq

続きを

3 :  SS好きの774さん   2016年06月06日 (月) 01:21:43   ID: gCPFSoZ5

続きをお願いします

4 :  SS好きの774さん   2018年01月06日 (土) 22:12:14   ID: 4mJ8Cl3l

超期待

5 :  SS好きの774さん   2018年02月11日 (日) 16:28:43   ID: 6q2eh4j4

金木可愛いですね❤️

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