ルルーシュ「ポケモン図鑑だと?」 (70)

イレブン地方
アッシュフォードタウン

ルルーシュ「はぁ……、あいつが呼んでる?」

マリアンヌ「えぇ。なんでもすぐ来てくれって。あの人の研究所の場所は知ってるわよね?」

ルルーシュ「……しょっちゅう呼ばれてるからな」

マリアンヌ「じゃあすぐにいってらっしゃい。あの人を怒らせるとめんどくさいわよ」

ルルーシュ「くっ……。仕方ないか……」

ナナリー「お兄様、お出かけですか?」

タブンネ「タブンネ~」

ルルーシュ「あぁ、あいつに呼ばれているらしいんだ。ちょっと行ってくるよ」

ナナリー「そうですか……。お気を付けてくださいね。最近野生のポケモンに襲われる事件が多いそうですから……」

咲世子「お供いたしましょうか?」

ルルーシュ「大丈夫ですよ。俺にはBlackが付いてるしな」

アブソル「フォンフォン!」

ルルーシュ「それじゃあ、行ってくる。すぐ戻ってくるよ」

ナナリー「行ってらっしゃいませ、お兄様」

タブンネ「ネ~!」

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ルルーシュ「さて……。さっさとあいつの研究所へ……」

スザク「あれ、ルルーシュ?」

ルルーシュ「スザク、どうしたんだ?」

スザク「いや、ちょっと博士に呼ばれてさ。今から研究所へ向かうところなんだ」

ルルーシュ「なんだ、お前も呼ばれてるのか」

スザク「ルルーシュもかい? 一体何の用なんだろう」

ルルーシュ「どうせまたくだらないことだろうさ」

ガサガサッ

スザク「……! 危ない、ルルーシュ!」

コラッタ×2「コラッ!!」

やせいの コラッタが とびだしてきた!

ルルーシュ「野生のポケモンか! いくぞスザク!」

スザク「あぁ! 行け、リオ!」ボンッ

ルカリオ「ルォォ!」

ルルーシュ「出てこい、Black!」ボンッ

アブソル「フォルルル……!」

コラッタ「コラッ!」ダッ

やせいの コラッタの でんこうせっか!

スザク「リオ、“みきり”だ!」

ルカリオ「ルォッ」キリッ

ルカリオは こうげきからみをまもった!

スザク「そして“はっけい”!」

ルカリオ「オッ!」バシッ

こうかはばつぐんだ! やせいの コラッタはたおれた!

ルルーシュ「やるな、スザク。こちらも負けていられないぞ」

アブソル「フォンフォン!」

ルルーシュ「Black、“にらみつける”!」

アブソル「フォン!」ギンッ

コラッタ「コッ……!」ビクッ

ルルーシュ「今だ! “かみつく”!」

アブソル「フォル!」ガブチョ

コラッタ「きゅ~……」バタッ

やせいの コラッタはたおれた!

スザク「ふぅ。お疲れ、リオ」ポンッ

ルルーシュ「近頃人間を襲うポケモンが増えているというのは本当のようだな」

スザク「人間が彼らの縄張りに出入りしすぎるのがいけないんだよ。さぁ、僕らも急いで研究所へ向かおう」

ポケモン研究所

「よォく来たなルッルゥゥゥシュよォ!!」

ルルーシュ「ぐっ……! 相変わらずやかましいな、バカ親父!」

シャルル「パパと呼べといつも言っておォるだろうがァ!」

ルルーシュ「誰が呼ぶか!」

スザク「ご無沙汰しております、シャルル博士」

シャルル「ぬぅ、枢木もよく来た」

シャルル「貴様らを呼んだのは他ァでもぬァァい! これを渡すためだァ!」バンッ

ルルーシュ「ん……? これは……?」

スザク「赤い……機械のようだね」

シャルル「そのォ名も、ポケモン図鑑であァるゥ!」

ルルーシュ「ポケモン図鑑だと?」

シャルル「ポケモン図鑑とォはァ、遭遇したポケモンの分類や生態、全長、体重などあらァゆる情報を記録できるハイカラな機械なのだァ」

スザク「これを僕たちに……?」

シャルル「そうだァ。ンだァがァ、この図鑑はまだ未完成なのであァるゥ。いわば白紙の状態なのだァ。この図鑑に様々なポケモンを直接登録することで、完成とォなる」

シャルル「貴様たちにはァ、このォ図鑑の完成に協力してェもらァうゥ」

ルルーシュ「また勝手に……。誰がそんなめんどくさいことを……」

スザク「へぇ! 面白そうですね!」

ルルーシュ「」

スザク「いいじゃないか、ルルーシュ。僕たち二人でこれを完成させよう」

ルルーシュ「なぜ俺がこんなバカ親父の研究の手伝いをしなければならない! だいたい、ポケモンなんて何種類いると思ってるんだ……。下手をすれば一生かかったって全てのポケモンに出会うことなんてできないかもしれない!」

スザク「僕たち二人が組んで不可能だったことなんてないだろう? やってみるだけならいいじゃないか」

シャルル「その通りであァるゥ。何も完成させることだけが全てではァぬァァいィ。世界を旅し、様ァ々な人間やポケモンと出会い知ることがァ貴様たちの成長に繋がるのだァ」

ルルーシュ「……」

シャルル「ンだがァ、やはり図鑑は完成させてくれるとォ、パパ嬉しいィなァ」

ルルーシュ「……ちっ! 仕方ない、受け取るだけ受け取ってやる!」

スザク「ルルーシュ! 君ならそう言うと思っていたよ!」

シャルル「よォくぞ言ったァ! それェでこそ、我が息子よォ!」

シャルル「ではァ貴様たちにはァ、特ゥ別に儂のポケモンをやろう。そこにいくゥつかボールがあるだろう。1つ持っていくがァよい」

ルルーシュ「これか……? 中にはどんなポケモンが入ってるんだ?」

シャルル「それはァ選んでからのお楽しみであるゥ」

ルルーシュ「ふむ……。なら俺はこれだ」スッ

スザク「じゃあ僕はこの子にしようかな」スッ

ボンッボンッ

ポッチャマ「ポチャー!」

ヒノアラシ「ヒノォッ!」

シャルル「早速図鑑を向けてみるがよい」

ルルーシュ「こうか……?」スッ

ルルーシュ「……なるほど。図鑑を向けるとそのポケモンの情報が登録されるのか」

ルルーシュ「俺が選んだのは……ポッチャマか」

ポッチャマ「ポッチャ!」

スザク「君はヒノアラシだね?」

ヒノアラシ「ヒノォ」

シャルル「ではァ行くがよい! ポケモンと共に世界を旅するのだァ!」

研究所前

ルルーシュ「世界を旅しろと言われてもな……。まずは計画を立てなければ……」

スザク「なぁ、ルルーシュ。旅に出る前に、僕と一度戦ってくれないか?」

ルルーシュ「何?」

スザク「ポケモンバトルだよ。なんだかんだで最近はルルーシュとバトルする機会がなかったしさ」

ルルーシュ「そういえばそうだな。子どもの頃はよくしたものだが」

スザク「いつも僕の勝ちだったけどね」

ルルーシュ「それはアブソルとリオルでは相性が悪かったから……!」

ルルーシュ「……ふっ。だが今ではそうはいかんぞ」スッ

スザク「僕だって、あの頃とは違うよ」スッ

幼馴染みの スザクが 勝負をしかけてきた!

スザク「行くぞ、リオ!」ボンッ

ルカリオ「ルォォ!」

ルルーシュ「Black!」ボンッ

アブソル「フォン!」

ルルーシュ「Black、“かまいたち”だ!」

アブソル「フォゥ!」ブワッ

スザク「Blackの周りに風が集まって……! だけど、かまいたちは時間がかかる技。その隙をついて“インファイト”だ!」

ルカリオ「ルォッ!」ダッ

ルルーシュ「フハハ……! かかったな!」

バシッ

ルカリオ「ルォッ!?」ドサッ

スザク「リオ!? そんな、まだ“かまいたち”は……!」

ルルーシュ「今のは“フェイント”だよ」

スザク「っ!」

ルルーシュ「風を集める振りをして近付いてきたリオを攻撃したんだ。“インファイト”は防御を捨てて突撃する技。ふいを突かれたリオはひとたまりもなかっただろうな」

ルカリオ「ルォ~」グググ…

ルルーシュ「そしてBlack! “おいうち”をかけろ! “つじぎり”!!」

アブソル「フォン!」ダッ

ザンッ!

ルカリオ「ルォォッ!」ドサッ

スザク「リオ!!」

ルカリオ「ルォ~……」グタッ

スザク「くっ……。戻れ、リオ……」ボンッ

スザク「……参ったよ、降参だ」

ルルーシュ「何を言っている。お前にはまだポケモンがいるだろうが」

スザク「え……?」

ボンッ

ヒノアラシ「ヒノォッ!」

スザク「ヒノアラシ! でもまだ君とは会ったばかりだし……」

ヒノアラシ「ヒノッ! ヒノォッ!!」

ルルーシュ「ふっ。どうやらそいつはやる気満々のようだな」

スザク「そうか……。ヒノアラシ、いや、ヒノ! 後はまかせた!!」

ヒノアラシ「ヒノッ!」

ルルーシュ「……だがヒノアラシとBlackではレベルが違いすぎて不公平だな。こちらもポケモンを変えるとしよう」

ルルーシュ「ポッチャマ!」ボンッ

ポッチャマ「ポチャ?」

ルルーシュ「戦ってくれるか、ポッチャマ?」

ポッチャマ「ポチャ……。ポッチャ!」グッ

ルルーシュ「よし、ならばお前は今日からBlueだ!」

ポッチャマ「チャマッ!」

スザク(タイプ相性は不利……。だけどお互い出会ったばかりでまだ一緒に戦うことに慣れていない。どれだけ的確にわかりやすく指示できるかが勝負だ……!)

スザク「ヒノ、“ひっかく”!」

ヒノアラシ「ヒノッ!」ピッ

ルルーシュ「避けろ、Blue!」

ポッチャマ「ポチャ? ボチャッ!?」ズバッ

ルルーシュ「Blue!」

ルルーシュ(やはりまだ曖昧な指示には対応できんか……! 先に攻撃を受けてしまったのは痛いな)

ルルーシュ(このバトル、互角の殴り合いとなる………!)

……………………
………………
…………

ポッチャマ「ポチャ……」グタッ

ヒノアラシ「ヒノォ……」ハァハァ

スザク「勝てた……。お疲れ、ヒノ」ポンッ

ルルーシュ「よくやった、Blue……」ポンッ

スザク「一勝一敗で引き分け……ってところかな」

ルルーシュ「そうだな。久しぶりに熱くなった気がするよ」

スザク「旅に出ればきっと僕らの想像を遥かに超えるような強いトレーナーにもたくさん出会うだろう。これからはもっと刺激的な出来事があるに違いないよ」

ルルーシュ「だが、それもきちんと計画を立ててからだ。一度家へ戻るぞ」

スザク「あぁ。ポケモンたちも休ませてあげないと」

ランペルージ家

ルルーシュ「ただいま」

ナナリー「お兄様! お帰りなさい!」

タブンネ「タブンネ~」

ルルーシュ「ナナリー、たぶちゃん。ただいま。母さんはいるかい?」

ナナリー「お母様なら咲世子さんとお夕飯の用意をしてます。お兄様、お夕飯はご一緒できるんですよね?」

ルルーシュ「あぁ、もちろんだ。食事はナナリーたちと一緒にとるに限る」

ルルーシュ「いつ出発になるか分からんしな」ボソッ

ナナリー「……? またどこかお出かけになるんですか?」

ルルーシュ「あぁ……、ちょっとな。母さんたちの様子を見てくるよ」

ルルーシュ「Blue」ボンッ

ポッチャマ「チャマ?」

ナナリー「!」ビクッ

ナナリー「お兄様、今の鳴き声は……?」

ルルーシュ「俺の新しいポケモンだよ。ポッチャマのBlueだ。Blue、彼女は妹のナナリー。仲良くしてやってくれ」

ポッチャマ「ポチャ!」

ナナリー「Blueちゃんですね。初めまして。ぽちゃぽちゃ?」

ポッチャマ「ポッチャ!」

ナナリー「ぽちゃぽちゃ」

ルルーシュ(さすがナナリー可愛すぎる)

ルルーシュ「母さん」

マリアンヌ「あら、お帰りなさい」

ルルーシュ「あのバカ親父の用件なんだけど……」

マリアンヌ「で? いつ出発するの?」

ルルーシュ「なっ!? 知っていたのか!?」

マリアンヌ「たまに家に帰ってきては『図鑑の完成はルッルゥゥシュと枢木に任せることにするゥ』って嬉しそうに語ってたもの」

マリアンヌ「必要なものならもう用意してあげたから、さっさと旅立ちなさいな」

ルルーシュ「お、親なら少しは心配して引き止めたりするもんじゃないのか!?」

マリアンヌ「あらやだ、私がそんなに理想的な母親だと思ってたの?」

ルルーシュ「ぐっ……!」

マリアンヌ「ナナリーのことは私と咲世子さんに任せて、やりたいようにやんなさい」

ルルーシュ「俺がやりたいのはナナリーの側で……」

マリアンヌ「あーあー、ブラコンの言葉なんてきーこーえーなーいー」

マリアンヌ「咲世子さん、後ちょっとお願い。この子にいろいろ渡してくるから」

咲世子「かしこまりました」

マリアンヌ「はい、これがランニングシューズ。まぁ、あなたの場合すぐバテちゃうから走り回る機会なんてないでしょうけど」クスッ

ルルーシュ「余計なお世話だ!」

マリアンヌ「タウンマップアプリは入ってる? ポケートフォンに入れておけばいつでも確認できるわよ」

ルルーシュ「子どもじゃないんだから大丈夫だよ」

マリアンヌ「あら、親にとっては子どもはいつまでも子どもよ」

ルルーシュ「理想的な母親じゃないんじゃなかったのか」

マリアンヌ「理想的な母親じゃないけどお母さんはお母さんなんです」

ルルーシュ「はぁ……」

マリアンヌ「あとはきずぐすりとモンスターボールも。私からの餞別よ」

ルルーシュ「……ありがとう」

マリアンヌ「スザクくんも一緒なんでしょ? なら何も心配はないわね」

マリアンヌ「ただ……、スザクくんとの友情もいいけど、ちゃんと旅でいい子見つけて童貞卒業しちゃいなさいよ」

ルルーシュ「なっ、ななな何をバカな!!」

ナナリー「お兄様……、今のお話は……?」

ルルーシュ「ナナリー!? いや、違うぞ! 俺は断じて童貞などでは……」

ナナリー「その話ではなく……。旅を……なさるのですか?」

ルルーシュ「あぁ……、そっちか……。いや、あのバカ親父にポケモン図鑑とかいうものを渡されてさ……。それを完成させるためにポケモンを探せということらしい」

ナナリー「そんなものお父様がご自分でなさればいいじゃないですか」

マリアンヌ「おぉう、ナナリーってば毒舌ー」

ルルーシュ「もっともだが、すでにこうして図鑑を受け取ってしまったしな。いまさらやっぱり辞めますとは言えない」

ナナリー「なら……、なら私も行きます!」

ルルーシュ「ダメだ」

ナナリー「なぜですか!?」

ルルーシュ「ナナリー、お前……まだポケモンが怖いんじゃないのか?」

ナナリー「っ!!」

ルルーシュ「さっきBlueを紹介した時も一瞬体がこわばっていただろう? 俺のポケモンだとわかったら平気だったようだが」

マリアンヌ「ナナリー……。まだ、あの時のことが……?」

ナナリー「……」

ルルーシュ「母さん、仕方ないさ。あの時ナナリーは光と自由な足の両方を一辺に失ってしまったんだから……」

ナナリー「でも……たぶちゃんやBlack、咲世子さんのゲッコウガも怖くないですし、さっきBlueちゃんとも仲良くなれました」

ルルーシュ「人のポケモンと野生のポケモンは全く違うんだ。それはナナリーが一番良く知ってるんじゃないか?」

ナナリー「それ、は……」

ルルーシュ「もちろん俺だっていつまでもこんな状況でいるのがいいとは思わない。だが、急く必要もない」

ルルーシュ「だから、お前が無理して俺に付き合う必要はないんだよ」

ナナリー「私は無理なんて……! ただお兄様と一緒に……」

コンコンッ

咲世子「皆様、お食事のご用意ができました」

ルルーシュ「あぁ、ありがとうございます。さ、ナナリー。話は終わりだ。食事にしよう」

ナナリー「……はい」

マリアンヌ「全く、難儀な息子ねぇ……」

翌日

スザク「さて、ルルーシュ。旅に出るとしてまずどこへ向かうべきなんだろう?」

ルルーシュ「そうだな……。最終目標は全てのポケモンと出会うことだから少なくともこのイレブン地方を踏破する必要がある」

ルルーシュ「とはいえそれでは旅の目的としては大雑把すぎるからな。なにか旅路の目安となるような目的があるといいんだが……」

スザク「目的か……。あ、じゃあこういうのはどうだい? ポケモントレーナーとしての最高の栄誉、ポケモンリーグ優勝!」

ルルーシュ「なっ! 本気で言っているのか!? イレブン地方でもっとも強いトレーナーになるということだぞ!」

スザク「できるさ、僕たちなら」

ルルーシュ「その自信はどこから……。まぁいい。ならばまずはジムバッチを集めることから始めなければな」

スザク「ジムバッチ?」

ルルーシュ「あぁ。イレブン地方の8つの主要なシティそれぞれにポケモンジムがあり、そこのジムリーダーに勝つともらえるバッチのことだ」

ルルーシュ「このジムバッチ全てを集めた者だけがポケモンリーグ・イレブン大会に挑戦できる」

スザク「なるほど……。そのバッチを集めるとイレブン地方をぐるっと回ることになる訳だ」

ルルーシュ「その通り。このアッシュフォードタウンからならば……、一番近いのはトクハシティだな」

スザク「決まりだね。まずはそこへ向かおう!」

スザク「僕は今日にでも出発できるけど、どうする?」

ルルーシュ「今日にでもってお前……。学校はどうするつもりだ」

スザク「学校……? あっ」

ルルーシュ「忘れてたのか? 全く……。とりあえず会長に話をしにいこう」

アッシュフォード学園

シャーリー「えっ!? ルル学校辞めるの!?」

ルルーシュ「そこまでは言ってない! 父親の研究の手伝いで出かけなければならないから、長期の休学を取りにきたんだ」

ミレイ「えー、ルルーシュのいない生徒会なんて楽しくなーい」

ルルーシュ「仕事が進まないの間違いじゃないんですか」

リヴァル「ルルーシュだって普段はサボってばっかじゃんか」

チョロネコ「にゃー」

スザク「アーサー、こんにちは」

チョロネコ「にゃっ」ガブッ

スザク「……今日も元気だね」

ニーナ「ルルーシュのお父さんってすごく有名なポケモン博士だもんね」

ルルーシュ「イロモノとして有名なだけだよ……」

ミレイ「で? どれくらいの期間休学したいの?」

ルルーシュ「いかんせん壮大な目標ですからね。そんなすぐに片付く問題とは思えない」

シャーリー「じゃあ……」

ルルーシュ「しかし、一度に終わらせてしまう必要もないでしょう。いつでも帰ってくることはできますし」

ルルーシュ「1か月ほど旅をしては帰郷して英気を養い、また出発……。そんな感じにしようと思っています」

ミレイ「ふむ……。まぁ、男の子は旅に出たがるものよねぇ」

シャーリー「そうなんですか?」

ミレイ「しかぁし! このままただ見送るのも面白くない!」

ミレイ「という訳で、旅をしたいのならこの私を倒してからにしなさい! ルルーシュ!」

ルルーシュ「また始まった……」

スザク「僕のことは誰も止めてくれないのかな……」

チョロネコ「にゃあ?」

中庭

ミレイ「ポケモン一匹ずつの一対一! 泣いても笑ってもやり直し無しの一本勝負よ!」

ルルーシュ「本当にやるんですか、会長?」

ミレイ「あったりまえでしょ! 私、ルルーシュとポケモン勝負してみたかったの!」

ルルーシュ「……仕方ないか」

生徒会長の ミレイが 勝負をしかけてきた!

ミレイ「行きなさい! ガーディ!」

ガーディ「わふっ!」ボンッ

ルルーシュ(会長のポケモンは炎タイプのガーディか。ならばここは修行もかねて……)

ルルーシュ「Blue!」ボンッ

ポッチャマ「ポチャー!」

シャーリー「あ、ルルのポケモン、見たことない子だ」

リヴァル「ルルーシュのやついつの間に新しいポケモンを……」

ルルーシュ「行きますよ、会長! Blue、“バブルこうせん”!」

ポッチャマ「ポーチャー!!」ババババッ

ミレイ「“かえんほうしゃ”で迎撃よ!」

ガーディ「わん!」ボオッ

ニーナ「水タイプの技に炎タイプの技……。その判断は失敗じゃない、ミレイちゃん?」

ミレイ「そうかしら?」クスッ

ブシュゥゥゥ…

スザク「うわっ、湯気……? 水蒸気か」

リヴァル「晴れてきたな」

ルルーシュ「……! ガーディがいない……!?」

ポッチャマ「ポチャ?」

ルルーシュ(どこに隠れた……? どこから攻撃してくる? いや……、もう攻撃は始まっている?)

ルルーシュ(ガーディは“そらをとぶ”や“とびはねる”は覚えない。ならば……!)

ルルーシュ「Blue、下から来るぞ! “あなをほる”だ!」

ミレイ「ご明察」

シャーリー「Blueちゃんの足元が……!」

ゴッ

ガーディ「ばうっ!」バンッ

ポッチャマ「ポチャー!」

ルルーシュ「Blue!」

ポッチャマ「ぽ、ポチャ……」

ルルーシュ「Blue……! まだ、行けるか?」

ポッチャマ「ポッチャ……!!」ググッ

ルルーシュ「よし……! よくぞ立ち上がった!」

ルルーシュ「そういえばBlue、お前はまだ勝利したことがなかったな。俺の言葉を疑わずその通りに動け。そうすればお前に勝利を与えてやる!」

ポッチャマ「ポッチャー!」

ミレイ「本気モードって訳かしら? でも、生徒会長は学園最強だってこと、教えてあげましょう!」

ミレイ「ガーディ、“ほのおのうず”!」

ルルーシュ「右へ5歩、その場で待機! それだけでその技は当たらない!」

ポッチャマ「ポチャ!」テッテッ

スカッ

シャーリー「……! 本当に外れた!」

スザク「まぁ、元々“ほのおのうず”は命中率の高い技ではないしね」

ルルーシュ「続いて“ちょうおんぱ”! ガーディに狙いを定めさせるな!」

ポッチャマ「チャマー!」ミョンミョンミョン

ミレイ「くっ!」

ガーディ「くぅぅん…… 」

ミレイ「ガーディ! しっかりして!」

リヴァル「ダメだ、混乱してる……!」

ルルーシュ「一気に決めるぞ! “みだれづき”!」

ポッチャマ「ポチャポチャポチャポチャポチャ、ポチャァ!」ダダダダダ

ガーディ「きゃぃん!?」

ルルーシュ「とどめだ! “バブルこうせん”!」

パパパパパンッ

ガーディ「くぅぅぅん……」ドサッ

スザク「ガーディ戦闘不能! 勝者、ルルーシュとBlue!」

ポッチャマ「ポッチャァ!!」

シャーリー「な、なんかあのポッチャマ好戦的だね……」

ミレイ「むむむ……。お疲れ、ガーディ」ポンッ

ルルーシュ「会長、これでいいんですか?」

ミレイ「男に……二言はない……」

リヴァル「会長男じゃないでしょう」

ミレイ「えぇい、行ってこいルルーシュ! 兵は“しんそく”を尊ぶ、バーイ三国志! さっさと行っちゃいなさい!」

スザク「じゃあ……!」

シャーリー「えぇぇぇ! そんな、待ってよルル!」

ルルーシュ「シャーリー、何も一生帰ってこない訳じゃない。ちょっと出かけてくるだけだ」

シャーリー「でも……」

ルルーシュ「すぐ帰ってくるよ。それまで会長のこと、頼む」

シャーリー「……うん」

ミレイ「何その私が誰か付いていないとダメみたいな言い方……」ムスッ

三日後

ルルーシュ「全ての準備は整った。行くか、スザク」

スザク「あぁ。始めよう、僕らの旅を!」

ナナリー「……お二人とも行ってらっしゃいませ」

ルルーシュ「見送りありがとう、ナナリー。母さんと咲世子さんの言うことをよく聞くんだよ」

ナナリー「もう……。お兄様ったら子供扱いしないでください」

ルルーシュ「ははっ! 俺にとってナナリーはいつまでも可愛い妹だからな。愛しているよ、ナナリー……」

ナナリー「私もです、お兄様。お気を付けて……」

シャーリー「私たちもいること忘れてない? あの二人……」

ミレイ「まぁ、いつものことよねぇ」

こうしてイレブン地方の少年ルルーシュと枢木スザクの旅が始まった。
世界は、常に彼らの行動に結果を求める。
彼らの旅の果てにあるその結果を、今はまだ誰も知らない……。

ポケスペとかアニメみたいな感じでやっていこうと思います
ぼちぼちやってくんで、気長にお付き合いください

アニポケとかポケスペキャラの絡みはあり?

>>24
今のとこ出てくる予定はないです
出せたら出すかもしれませんが、重要な役どころになったりは多分しないです

スザク「トクハシティまでって、どれくらいあるんだい?」

ルルーシュ「そんなに離れてはいない。一時間も歩けば……」

ガサッ

ルルーシュ「ん?」

スザク「気をつけて、野生のポケモンかもしれない」

ガサガサッ

ルルーシュ「念のためポケモンを……」

「くっ……!」バッ

スザク「女の子……?」

「ちょうど良かった。お前、私の盾になれ」グイッ

ルルーシュ「は? おい、何を……」

ガサガサッ

シキジカ「きょーん!」
シキジカ「きょんきょん!」
シキジカ「きょん!」
シキジカ「きょんくんハサミかしてー」

スザク「し、シキジカの群れ……!?」

ルルーシュ「なっ……! お前が連れてきたのか!?」

「乗り心地が良さそうだから乗ろうとしただけだ」

ルルーシュ「野生のポケモンにいきなり乗ろうとする奴がどこにいる!!」

C.C.「目の前にいるだろう」

スザク「ひとまず彼らを鎮めよう、ルルーシュ!」

ルルーシュ「あぁ……!」

ボンッボンッ

アブソル「ふぉん!」
ポッチャマ「チャマー!」
ルカリオ「ルォォ!」
ヒノアラシ「ヒノー!」

ルルーシュ「Blackは“かげぶんしん”でやつらをかく乱! Blueは“あくび”でかたっぱしから眠気を誘え!」

アブソル「ふぉんふぉん!」ババババッ
ポッチャマ「ポチャ~ァ」フワァ~

スザク「リオ、“いやしのはどう”で彼らの心を落ち着かせるんだ! ヒノは“でんこうせっか”で敵の注意を引きつけてくれ!」

ルカリオ「ルォッ」ミョンミョン
ヒノアラシ「ヒノッ!」シュバッ

……………………
………………
…………

シキジカ「きょきょん!」
シキジカ「きょん! きょん!」
シキジカ「きょんくんでんわー」

ルルーシュ「くっ……! 数が多すぎるな……」

ルルーシュ「おい、お前!」

「お前じゃない。C.C.だ」

ルルーシュ「あぁ、そうかい! C.C.、何かポケモンは連れていないのか!?」

C.C.「あいにくだが一匹も持っていない」

スザク「そんな状態でよく野生のポケモンに近づけたね……」

ルルーシュ「ちっ……! このままではジリ貧だ。退くぞ、スザク!」

スザク「あぁ! ヒノ、“えんまく”だ!」

ルルーシュ「Blue、“しろいきり”!」

サァァァァ…

ルルーシュ「よし、今のうちに……! お前もついてこい!」グイッ

C.C.「おっと。強引だな、坊や」

ルルーシュ「黙って走れ!!」

スザク「ここまで来れば大丈夫だろう」

ルルーシュ「はぁ……はぁ……っ。ひどい目に、あった……」

C.C.「だらしないな。もうグロッキーか?」

ルルーシュ「誰の……せいだと……思っている……!」

C.C.「まぁ、助けられたのは事実だ。礼を言ってもいい」

ルルーシュ「それが礼を言う態度か!!」

スザク「まぁまぁ、みんな無事だったんだからそれでいいじゃないか」

ルルーシュ「ふん……」

スザク「そういえば自己紹介がまだだったね。僕はアッシュフォードタウンの枢木スザク。こっちはルルーシュ・ランペルージ。トクハシティに向かう途中だったんだ」

C.C.「私はC.C.だ」

ルルーシュ「……それは本名か?」

C.C.「さぁ? どうだろうな」

ルルーシュ「……もういい」

C.C.「しかしやはりポケモンは必要なようだな……」

ルルーシュ「当然だ。最近は急に襲ってくるポケモンも増えているからと散々ポケモン協会から注意喚起もされているだろう」

C.C.「そうなのか……。初耳だったよ。んー……、なら仕方ない。お前たち、私のポケモンを捕まえてくれ」

ルルーシュ「なぜ俺たちが!」

C.C.「私はポケモンを捕まえたことがない」

スザク「ルルーシュ。困ってるんだから、手伝ってあげようよ。これくらい寄り道したって、バチは当たらないさ」

ルルーシュ「しかしだな……」

C.C.「そっちの坊やの方がよっぽど気が利くらしい。これは経験の差かな?」

ルルーシュ「黙れ! ……捕まえ方を教えるだけだ。お前自身で捕まえろ」

C.C.「高圧的な態度は好みではないな」

ルルーシュ「どの口が……!」

スザク「当たり前だけど、ポケモンを捕まえるにはまずポケモンを探さなきゃいけない。野生のポケモンっていうのは、さっきみたいに茂みから飛び出してきたり、釣竿で釣り上げたりすると出会えるんだ」

ルルーシュ「ポケモンと言っても様々な種類がいるからな。どんなポケモンがいいんだ?」

C.C.「そうだな……。私と気の合うやつがいい」

ルルーシュ「曖昧だな……。とりあえずこの辺りのポケモンを色々探してみるか」

……………………
………………
…………

C.C.「違う。この子は私とは合わない」

ルルーシュ「またか! これでもう何匹目だ!」

C.C.「そう言うな。向こうだって気の合わないトレーナーと過ごしても楽しくないだろうよ」

スザク「確かに、ちゃんと愛してあげられないなら無闇に捕まえるのはよくないな」

ルルーシュ「だがもう一時間は繰り返しているぞ。いい加減決めてくれないか」

C.C.「いいじゃないか。私は嫌いじゃないよ。今のこの時間」クスッ

ルルーシュ「何を……」

ガサガサッ

スザク「……! ルルーシュ、C.C.、見てくれ」

ヒョコッ

ラルトス「ラル~?」

ルルーシュ「あれは……。そうだ、図鑑で……」ピッ

ルルーシュ「ラルトス、きもちポケモン。人の感情を察知する力を持ち、滅多に人の前には姿を現さないらしい」

スザク「そんなポケモンが、なぜ……」

C.C.「……!」

C.C.「あいつだ……。決めたぞ、あいつを私のパートナーにする。どうすればいい」

ルルーシュ「そうだな……。まずは近付いてみろ。それで逃げ出してしまうなら捕まえるのは難しいだろう」

C.C.「わかった。やってみよう……」スッ

ラルトス「ラル?」

C.C.「怖くない、怖くないぞ……。だから逃げないでくれ……」

ラルトス「ラル~」

ルルーシュ「よし、いいぞ……。近づけたら今度はモンスターボールを当てるんだ。ポケモンにはそれぞれ生命エネルギーの集まるツボのような場所がある」

ルルーシュ「だが、初めてでそこを探り当てるのは難しい。今はとにかく投げてみるんだ。もしポケモンがお前を主にしてもいいと思ったのなら、自ずとモンスターボールにおさまる」

C.C.「ラルトス……」スッ

ラルトス「ラルラル~」ピトッ

スザク「ラルトスが自分から抱き着いてきた! いけるよ、C.C.!」

C.C.「あぁ……。ラルトス、私のポケモンになってくれ……!」ヒュッ

ラルトス「ラルッ?」ポンッ

コロッ…コロッ…コロッ…

C.C.「……っ」ギュッ

カチッ

ルルーシュ「よし! 成功だ!」

スザク「やったよC.C.!」

C.C.「はっ……ハハッ! 当たり前だ。私はC.C.だからな」

スザク「ラルトスを一度ボールから出してあげてみなよ。もう君のポケモンになっているから、逃げ出したりはしないはずだ」

C.C.「あぁ……。ラルトス!」ボンッ

ラルトス「ラル~」

C.C.「私がお前のパートナーだ。わかるか?」

ラルトス「ラルラル~」スリスリ

C.C.「おぉ……! なかなかお利口さんじゃないか、お前」ナデナデ

スザク「そうだ、ニックネームを付けてあげたらどうだい?」

C.C.「ニックネーム……?」

スザク「うん。例えば僕はそのポケモンの名前の一部分をとって付けてるんだ。ヒノアラシならヒノ。ルカリオなら……まぁ、ニックネームをつけたのはリオルの頃だけど、リオ。こんな感じでね」

スザク「ルルーシュは確かそのポケモンの色にちなんでるんだよね」

ルルーシュ「まあな」

C.C.「ふぅん……。ニックネームか……」

C.C.「……なぁ、ラルトスのイニシャルはRだよな?」

ルルーシュ「図鑑で確認しよう。……あぁ、合ってるよ。綴りはR・a・l・t・sだ」

C.C.「ならお前はR.R.だ。ラルトスのイニシャルをとって、R.R.」

ラルトス「ラル~」

スザク「喜んでるようだね」

C.C.「よしよし、可愛いやつめ」ナデナデ

ルルーシュ(……ん? ラルトスの生態に続きがあったのか)

ルルーシュ(ただし、明るい感情を抱いている人の前には自分から出てくることもある……か)

ルルーシュ(明るい感情……。あの時俺はイライラしていたから……、スザクか?)


C.C.『私は嫌いじゃないよ。今のこの時間』


ルルーシュ(ふっ……。まさか、な)

スザク「さて。C.C.のポケモンも捕まえられたところだし、そろそろお別れかな」

C.C.「何を言っている。トクハシティに向かうんだろう? 私も行くぞ」

ルルーシュ「付いてくる気か?」

C.C.「なんだ、嫌なのか? 坊や」

ルルーシュ「そういう訳じゃ……」

スザク「いいじゃないか。旅は“みちづれ”って言うしね」

ルルーシュ「……好きにするといい」

C.C.「最初からそう言えばいいじゃないか。素直じゃないな、童貞坊やは」

ルルーシュ「黙れ!!」

スザク「C.C.はトクハシティの人なのかい?」

C.C.「……いいや。どこで生まれたのかなんて、もう忘れてしまったよ」

スザク「忘れたって、僕らとそんなに歳も離れていないだろう?」

C.C.「女性に年齢の話をするとは、無粋な奴だな」

スザク「ご、ごめん……!」

ルルーシュ「どうせまともに答えるつもりはないんだろ。もういいじゃないか、トクハシティへ向かうぞ」

スザク「そうだね。さっきのシキジカたちとのバトルでみんな疲れてるし、ポケモンセンターに連れていってあげないと」

トクハシティ

スザク「ここがトクハシティ……」

ルルーシュ「来たことないのか?」

スザク「他の街には行ったことはあるんだけどね。一番近くだけど、そういえば来たことがなかったな」

ルルーシュ「俺はよく来ていたよ。バカ親父の知り合いがいるからな」

スザク「知り合い……?」

C.C.「『研究が しゅみの ちょっぴり変わったまち』? 科学の街か?」

ルルーシュ「そんなところだな。ひとまずポケモンセンターへ行こう。始まったばかりだというのに無駄に疲れた」

C.C.「無駄とはなんだ無駄とは」

スザク「C.C.にポケモンセンターの使い方も教えないといけないしね」

ポケモンセンター

C.C.「へぇ。回復だけじゃなくて宿泊や食事もできるのか」

スザク「トレーナー限定だけどね。C.C.もこれからポケモンと共に生活するならお世話になるだろうから、覚えておくといいよ」

ルルーシュ「ポケモンたちの回復も終わったし、どうするスザク? さっそくジムに挑戦するか?」

スザク「そうだな……。ルルーシュはここのジムリーダーがどういうポケモンを使うか知っているかい?」

ルルーシュ「トクハジムのジムリーダーは鋼タイプのスペシャリストだ。俺たちはまだバッチを一つも持っていないから使ってくるポケモンは二匹と見ていいだろう」

C.C.「相手によって使うポケモンの数を変えるのか?」

ルルーシュ「あぁ。基本的にジムリーダーは挑戦者とほぼ同等のレベルのポケモンを使って勝負をするんだ。だから負けた時の言い訳にレベル差というのは通用しない」

スザク「純粋に僕らの戦術やポケモンとの絆を見るためだね」

C.C.「ずいぶん優しいんだな」

ルルーシュ「そうでもないさ。向こうはポケモン勝負のプロだ。それに打ち勝つ作戦を立てなければいけないんだからな」

スザク「鋼タイプか……。なら、格闘タイプと炎タイプがいる僕が挑戦してみようかな」

ルルーシュ「そうしてくれ。正直俺はあまりあいつと戦いたくない」

スザク「……?」

トクハジム

案内人「よう、未来のチャンピオン! ここはトクハジム! ここのジムリーダーは鋼タイプの使い手だ。その攻守に優れた……」

C.C.「くどい。さっさとジムリーダーのところへ案内しろ」

案内人「……(´・ω・`)」

案内人「ジムリーダーはあそこにいるよ」

「こぉんにちはぁ。君たちが挑戦者かい?」

スザク「……! はい。トクハジムに挑戦しにきました。あなたが、ここのジムリーダーですか?」

ロイド「あはぁ~、そのとぉり。ジムリーダーのロイド・アスプルンドでぇ~す」

ルルーシュ「お久しぶりですね、ロイド博士」

ロイド「おやぁ、ルルーシュくんかい? 久しぶりだねぇ。シャルルちゃんは元気ぃ?」

ルルーシュ「えぇ、まぁ。元気すぎて迷惑なくらいですよ」

スザク「あの人、シャルル博士の知り合いなのか?」

ルルーシュ「あぁ。ロイド博士もポケモンを研究するポケモン博士の一人なんだ。その関係で俺も何度か会っている。確か、ポケモンの進化を主に研究しているとか」

ロイド「進化、いい言葉だねぇ~。ポケモンの進化にはまだまだ謎が多いからさ、研究しがいがあるよ」

ロイド「で、今日はルルーシュくんが挑戦するのかい?」

スザク「いえ、自分が!」

ロイド「へぇ~。ま、どっちでもいいけどさ。セシルくーん、審判お願ーい」

セシル「分かりました。審判は私、セシル・クルーミーが務めさせていただきます」

ロイド「じゃ、はじめよっか」ボンッ

ギアル「ギギギ……」

スザク「行くぞ、ヒノ!」ボンッ

ヒノアラシ「ヒノー!」

ジムリーダーの ロイドが 勝負をしかけてきた!

……………………
………………
…………

スザク「そん、な……」

メタング「メータ!」

ヒノアラシ「ひ、ヒノ……」グタッ

ルカリオ「ルォー……」ドサッ

セシル「勝者、ジムリーダー、ロイド!」

ロイド「ざぁんねんでした~。修行してからまた来てねぇ~」

スザク「はい……。ありがとう、ございました……」

ルルーシュ(ロイド博士……。強いのは知っていたがやはり一筋縄では……。手強いな、ジムリーダーは)

今日はこれで

また見てギアス

オレンジ諸島ってのもあるんやで

ポケモンセンター

スザク「はぁー……。ジムリーダーって強いんだなぁ」

ルカリオ「ルォー……」ハァ

ルルーシュ「ポケモン協会に正式に実力を認められているトレーナーだからな」

C.C.「しかし一つ目から苦戦していては先が思いやられる」

ラルトス「ラルラル」コクコク

スザク「返す言葉もない……」

ルルーシュ「とりあえず、反省会だ。まず、ギアルはヒノで倒せたがダメージを受けすぎたのが痛かったな」

スザク「あぁ……。思ったように攻撃が当たらなかったんだ。でもそれより……」

C.C.「その次のメタングか」

スザク「うん……。すごく強かった。出てきた途端“こうそくいどう”からの“バレットパンチ”でヒノがやられて……」

C.C.「リオもあまりダメージを与えられないまま押し切られてしまった、と」

ルカリオ「ルォォ……」

ルルーシュ「そこだ。スザク、なぜリオに“はっけい”や“インファイト”で攻めさせたんだ?」

スザク「え……? それは、メタングがヒノを“バレットパンチ”で倒したから物理戦闘タイプだと判断して……。リオなら格闘戦で競り負けることはないと思ったんだ」

ルルーシュ「だが、負けてしまった。レベル差はない。ならば後考えられる理由は……」

スザク「そのポケモン自身の能力?」

ルルーシュ「そうだ。ポケモンは種族によって攻撃が高かったり防御が高かったりする」

ルルーシュ「見ろ。ポケモン図鑑でそのポケモンの能力を数値にしたものを表示できるんだが、これがリオの能力だ」

スザク「あれ、攻撃より特攻の方が高いんだ」

ルルーシュ「あぁ。それに防御、特防は共に正直心もとない」

ルルーシュ「そして、これがロイド博士のメタングの数値だ」

スザク「……! 防御がずば抜けて高いね……」

ルルーシュ「これこそが、リオが押し負けた理由だと俺は思う」

スザク「そうか……。防御が高い相手に“はっけい”のような物理攻撃で攻めても効果は薄い……」

ルルーシュ「一方リオは低い防御が災いしてダメージが蓄積してしまうんだ」

C.C.「ダメダメじゃないか。勝ち目はないのか?」

スザク「……いや。特防はそんなに高くないから、特殊攻撃で攻めれば効果はあるんじゃないか?」

ルルーシュ「そうだな。リオは特攻が高いからダメージを与えられるはずだ」

スザク「じゃあ次は“はどうだん”や“あくのはどう”を軸に戦ってみようか、リオ」

ルカリオ「ルォッ!」

ルルーシュ「後はヒノとの連携ももっと成熟できれば言うことはないな」

スザク「ヒノと……。そうだね、まずはもっと懐いてもらわないと!」

スザク「ルルーシュ、特訓に付き合ってもらってもいいかい?」

ルルーシュ「あぁ。街の中にちょっとした広場がある。そこに行こう」

C.C.「なぁ、私にもなにかアドバイスはないのか」テクテク

ルルーシュ「はぁ? お前は戦っていないだろう。というかまた付いてくるののか」テクテク

C.C.「私ももっとR.R.と仲良くなりたい」ギュッ

ラルトス「ラル~」スリスリ

ルルーシュ「十分仲が良さそうだが……。そうやってボールから出して抱っこしてあげていれば直に懐いてくれるさ」

C.C.「本当か!?」

ルルーシュ「あぁ。ただ、一朝一夕でどうにかなるものでもないがな。人間関係と一緒で気長にやることだ」

C.C.「そうか……」

ラルトス「ラル~?」

スザク「あ、広場ってあれかい?」

ルルーシュ「そうだ。……ん? 何かもめているようだな」

セシル「だから、それはいきなりすぎるのではないですかって言ってるんです!」

お巡りさん「んー、そうは言いますが……」

スザク「あれ、あの人ジムにいた人だよね。行ってみよう」

ルルーシュ「お、おいスザク!」

スザク「あの! どうかしたんですか?」

セシル「あら……、あなたは確かさっきジムに挑戦しにきた……」

スザク「はい。枢木スザクといいます。何かあったんですか?」

ルルーシュ「スザク、厄介事に首を突っ込むな!」

お巡りさん「そうですよ。これはこの街の問題なので……」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」

スザク「え……っ!?」

お巡りさん「またか! 全く……」ダッ

セシル「あ、ちょっと待ってください!」タッ

ルルーシュ「今のは、悲鳴……?」

スザク「やっぱり何かあったんだ。行こう、ルルーシュ!」ダッ

ルルーシュ「スザァク!」

C.C.「あいつは人の話を聞かないのか?」

ラルトス「ラル~」

広場

ミニスカート「マジ有り得ないんですけど!」

お巡りさん「やっぱりかー。最近多いんだよね。大丈夫かい?」

セシル「はぁ……はぁ……。また、落とし穴……」

スザク「落とし穴?」

セシル「えぇ……。最近この広場に住み着いたポケモンの仕業みたいなんだけど、あちこちに穴ができてて落ちちゃう人がいるのよ」

スザク「それは……ちょっとどん臭いですね」

ルルーシュ「ほわぁっ!?」ズボッ

C.C.「ぷっ……! くくく……、なんだルルーシュその格好!」

スザク「……そういえば身内にもいたなぁ、どん臭い人」

ルルーシュ「いいから、助けてくれ……!」

C.C.「仕方ないな……。R.R.、“ねんりき”!」

ラルトス「ラルラル!」ミワワワワ

ルルーシュ「おぉ……!」フワッ

C.C.「よし、もういいぞR.R.」

ラルトス「ラル」シュン

ルルーシュ「ぶっ!?」ドサッ

ルルーシュ「ちゃんと着地まで面倒を見ろ!!」

C.C.「おい、急に大きな声を出すな。R.R.がびっくりするだろ」

ルルーシュ「親バカか!!」

スザク「大丈夫かいルルーシュ?」

ルルーシュ「あぁ……。なんとかな」

セシル「気をつけてね。この広場は今かなり危険だから……」

セシル「あ、申し遅れました。私はセシル・クルーミー。ジムや研究所でロイドさんの助手をやっています」

ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです」

C.C.「C.C.だ」

スザク「その住み着いたっていうポケモンはどういうポケモンなんですか?」

セシル「それがよく分からないのよ。地中で活動してるみたいだから地面タイプだと思うんだけど……」

ルルーシュ「おいスザク。また『いいじゃないか』とかいって手を出そうとしてるんじゃないだろうな」

スザク「でも困ってるみたいだし……」

ルルーシュ「さっき警官がいただろ。俺たちが何かしなくとも解決するだろうさ」

C.C.「あんな無様な目に合わされておいてやり返さなくていいのか?」

ルルーシュ「イタズラでされたならともかく、ポケモンに悪気はないだろう。それよりスザク、訓練するんだろ。他の場所で……」クルッ

ズボッ

ルルーシュ「」

C.C.「ぷっ……! くはははは! また、また落ちてる……!」

スザク「ルルーシュ……」

ルルーシュ「やめろ……。俺を哀れな目で見るな……!」

プークックックッ

ルルーシュ「C.C.!! いつまで笑っている!!」

C.C.「いや、今のは私じゃないぞ」

ルルーシュ「なら誰が……」

セシル「あ、あれ! あそこにポケモンが!」

モグリュー「プークックックッ」

スザク「もしかしてあのポケモンがここに住み着いてるっていう……?」

C.C.「ポケモンにまで笑われるとは……。ぷっ……フフフ……!」

ルルーシュ「……許さん」ワナワナ…

ルルーシュ「そこから引きずり出してやる!! Black!!」ボンッ

アブソル「ふぉん」

ルルーシュ「“つじぎり”だ!!」

アブソル「ふぉん!」ダッ

モグリュー「モギュッ!」スポッ

スザク「あっ、穴の中に逃げた!」

ヒョコッ

モグリュー「ププーッ!」

ルルーシュ「Black、そっちだ!」

アブソル「ふぉる!?」

モグリュー「モギュ」スポッ

ヒョコッ

モグリュー「ププーッ!」

ルルーシュ「今度はこっちに出たぞ!」

アブソル「ふぉん!」ダッ

スポッ…ヒョコッ…スポッ…ヒョコッ…

ルルーシュ「だあああっ!! ちょこまかと!!」

アブソル「ふぉる~……」クタッ

スザク「落ち着くんだルルーシュ!」

ルルーシュ「ここまでコケにされて落ち着いてられるか!」

C.C.「はぁ……。R.R.、“ねんりき”」

フワッ…

ルルーシュ「おぉ!?」

ドサッ

ルルーシュ「ぶっ!? 何をする!」

C.C.「頭を冷やさないとますますバカにされるだけだぞ」

ルルーシュ「う……。悪かった……」

ルルーシュ「……スザク、C.C.。少しポケモンを貸してくれないか」

スザク「それはいいけど……。また無闇に攻撃させるつもりなら……」

ルルーシュ「いや。今までの奴の出現パターンからこの辺り一体の穴の構造は概ね把握した。後は手数が揃えば条件はクリアされる」

セシル「もうわかったって言うの!?」

ルルーシュ「えぇ。さほど大きくはないようです。おそらく住み着いているのはあの一匹だけかと」

スザク「でも、どうやっておびき出すんだ?」

ルルーシュ「簡単なことさ。穴があるなら、塞げばいい」

………………………
………………
…………

モグリュー「モギュ」ヒョコッ

ルルーシュ「そこか!! Black、“でんこうせっか”!!」

アブソル「ふぉん!」シュバッ

モグリュー「ギュー!」スポッ

ルルーシュ「よし、逃げ込んだな。Black、その穴をしっかり見張ってるんだ」

アブソル「ふぉん」

ルルーシュ「全員所定の位置に付いているな? では作戦開始!!」

ポッチャマ「チャマー!」ミョンミョン

ルカリオ「ルォッ!」ギギギギギ…

ヒノアラシ「ヒノーッ!」モクモクモク

モグリュー「ギュッ!?」

ルルーシュ「奴が顔を見せる穴は五つあった……。最初の一つをBlackに見張らせておけば残りは四つ。そのうち三つを“ちょうおんぱ”、“きんぞくおん”、“えんまく”で近寄れないようにしてしまえば……」

モグリュー「モギュー!!」バッ

ルルーシュ「そうだ。最後の一つから逃げ出すしかない! 今だC.C.!」

C.C.「R.R.、“かなしばり”!」

ラルトス「ラルッ!」カッ

モグリュー「ギュッ!!」ピシッ

ドサッ

モグリュー「モギュ~」

スザク「やったな、ルルーシュ!」

ルルーシュ「あぁ。さて、俺をコケにしてくれた借り……どう返してやろうか」

モグリュー「も、モギュ……」ビクビク

セシル「あの、あまり乱暴なことは……」

お巡りさん「あっ! 君たちそのポケモンを捕まえてくれたのかい!?」

スザク「さっきのお巡りさんだ」

お巡りさん「いやぁ、よかった。近頃こいつのせいで怪我をする子どもやポケモンが増えて困っていたんだよ。後はこちらで対処しておくから、その子を渡してもらえないかな」

スザク「対処って何をするんですか? まさか……!」

お巡りさん「いやいや。そんな物騒な事はしないよ。遠くの山か森か……適当なところで逃がしてあげるのさ」

スザク「そうですか。なら……」

セシル「だから、それは良くないと言ってるではないですか!」

スザク「え……?」

C.C.「他に野生のポケモンが少ないこんな街中ならともかく、群れでもないポケモンを全く知らない土地に一匹で放すなんて、死なせるようなものだろうな」

セシル「そうです! それにモグリューはこの辺りには生息していません。だからきっと、この子は誰かのポケモンだったんでしょう」

セシル「だけどその持ち主にこんな場所に捨てられて、傷ついているはず……。なのにまた人間が自分たちの都合で別の場所に捨てるなんて可哀想じゃないですか!」

モグリュー「モギュ……」

お巡りさん「でもねぇ……。里親を探すにしても、その間面倒を見る人間が必要ですし、正直私たちにそんな余裕は……」

ルルーシュ「……なら、俺が引き取ろう」

スザク「ルルーシュ……!」

お巡りさん「君が? いや、引き取ってもらえるんならありがたいんだけど……」

ルルーシュ「たった一匹でこのような地下城塞を作り上げ敵を翻弄するその戦略、気に入ったよ」

ルルーシュ「モグリュー、君が選べ。このままどこか別の場所でまた一人で暮らすか、俺たちと一緒に来るか。好きな方を、選ぶといい」

モグリュー「モギュ……」

ポッチャマ「ポッチャ。ポチャポチャ」グッ

アブソル「ふぉん」

モグリュー「モギュー……。モギュ」コクッ

モグリュー「モギュギュー!」

ルルーシュ「俺と、来るのか?」

モグリュー「モギュー!」コクコク

セシル「はぁ……。よかった……」

スザク「一件落着、かな」

ルルーシュ「……よし、お前は今日からBrownだ。よろしくな」

モグリュー「モギュ!」

短いですが今日はこれで
あんまりゲームのガチな感じは出したくないんだけどポケモンバトルって難しい…

また見てギアス

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