天狗「神隠しに来ました」オタク「wwwwwwwwww」(166)

天狗「初めまして、天狗です」

オタク「wwwwwwwwwwww」

天狗「この度、妖怪評議会の決議により貴方が神隠しの対象となったことを報告すると同時に、実際に神隠しを行う為に参りました」

オタク「wwwwwwwwwwww」

天狗「下界に名残は多々あるかと思いますが、これも全て評議会の決定である故、ご了承を……」

オタク「wwwwwwwwwwww」

天狗「……ねえ、ちょっと聞いてるの」

オタク「えっwwwwwwwwwwww」

オタク「これはwwwwwwww失礼wwwwwwwwはて、なんの話だったかなwwwwwwww」

天狗「……ごほん。あのですね、貴方は――」

オタク「と言うかwwwwwwwその顔wwwwwwwその鼻wwwwwwwその翼wwwwwwwいわゆる天狗ではなかろうかwwwwwww」

天狗「……だから、そうだって言ってるじゃないですか」

オタク「ドフォwwwwwwwなんとwwwwwwwこれはwwwwwww夢ではwwwwwww」

天狗「……邪魔したわね、帰るわ」

オタク「ちょいちょいちょいwwwwwww待ってくだされwwwwww」

オタク「どうしてでござるwwwwwwww思う存分wwwwww話どうぞwwwwwwww」

天狗「……だって気味悪いし」

オタク「おうっふwwwwwwwwあんまりでござるwwwwwww気味悪さならwwwwwwwそちらこそ十分wwwwwww」

天狗「あんた……八つ裂きにされたいのかしら」

オタク「すみませんっした」

天狗「ったく……誤算だったわ。まさか神隠し候補があんたみたいな奴だったなんて」ハァ

オタク「すんませんwwwwwwwよく分かりませんがwwwwwwwwすんませんwwwwww」

天狗「黙って」

オタク「はい」

天狗「資料を読み間違えたのかしら……この私に限って、そんな失敗を……」ブツブツ

オタク「あ、あのっwwwww」

天狗「なによ」ギロッ

オタク「ひっ……wwwwwいえwwwwwwwこれwwwwwどこからどこまでが事実なのかとwwwww」

天狗「ドッキリとでも言いたい訳? 翼、触ってみる?」バサリ

オタク「おっwwwwwおっwwwwwこれはwwwwwww何と言う質感wwwwwww間違いなく本物wwwwwww」ベタベタ

天狗「ひゃっ!? ちょ、そんな強く触るな下衆がッ!! 離れろ!」バサッ!

オタク「おうふwwwww失礼しましたっwwwwwwww拙者wwwwwww伝承生物にはwwwww目がないものでしてwwwww」

天狗「……伝承生物?」

オタク「そうでござるwwwwwあなたのような天狗様やwwwwww天狐様と言ったwwwwいわゆる妖怪云々の総称ですなwwww」

天狗「ふうん……そう」

オタク「その為wwwwwww周りの人からはあまりいい目では見られないのですなwwwwww残念ながらwwwwwww」

天狗「あんたの自分語りは聞いてないわ」

オタク「あはいwwwwwwところでwwwwwwもう一つ質問がwwwwww」

天狗「何よ、面倒ね……」

オタク「神隠しの対象になる人間としてwwwwwww利発で頭の回る子が天狗に好まれやすいと聞いたのですがwwwwwwwwその点どうなのwwwwwwうぇ」

天狗「確かに、あんたは見るからに鈍臭そうで頭も悪そうだしね」

オタク「wwwwwww」

天狗「……でも、そんな事言ってる場合じゃないのよ」

オタク「……ww」

天狗「残念だけど、あんたが抱いている天狗像……いえ、妖怪全体のイメージと、実際の私たちの姿はかけ離れているわ。
   妖怪が天下を取ると言われた時代は終わったの」

オタク「……それは、現代人が妖怪を思うことを忘れたからでござるか」

天狗「オタクを名乗るだけあるわね。その通りよ、屈辱的だけど。
   文明が急速に発展しはじめてから、私達の力は弱くなる一方」

天狗「今では神隠しで攫ってきた人間を天狗として育てることでしか、種を存続できない状況なの」

オタク「……」

オタク「えっwwwwwwwwwwww」

オタク「待つでござるwwwwwwwwそれが確かならwwwwwww拙者は連れ去られた後天狗になるのでござるかwwwww」

天狗「良かったじゃない、憧れの天狗の仲間入りよ」

オタク「いやいやいやいやwwwwww確かに目がないとは言いましたがwwwwwwwwwそれはあくまで見る場合でしてwwwwwwww
    実際妖怪になりたい訳ではないでござるwwwwwww」

天狗「……」

オタク「……どうしたでござるかwww黙ってるとwwwww怖――」

ビッ!!

オタク「……w」

天狗「その喧嘩、買ったわ」ニッコリ

オタク「いえ……喧嘩を売ったつもりは……無いのでござるが……wwww」

天狗「調子にのるんじゃないわよ、下衆」

天狗「この天狗様になれるって言っているのよ……それを断るつもり?
   どういう神経しているのかしら?」

オタク「せ、拙者はwwwwwそのwwwww」

天狗「言い訳は“向こう”でたっぷり聞いてあげる。これからあんたを連れて行く訳だけど……その前に。少し説教が必要のようね」

オタク「えっwwwwwwwwwちょまっwwwwwwwww」ジリジリ

天狗「逃げようとしたって無駄よ? 天狗から逃れられると思ってんの?」スタスタ

天狗「その体にたっぷり分からせてあげるわ。実際の天狗が、どれほど恐ろしいか――!」

「――なにをしているのです、天狗様」

天狗「……仕事は終わったの? 河童見習い」ピタッ

河童「見習いではありません……とっくに終わっていますよ。上司がきちんと働いているか心配になったので、来てみましたら……」

オタク「おっ?wwwwwwwwおおっ?wwwwwwww」

天狗「……うるさい後輩ねぇ」

河童「天狗様の任務は目標との接触、そして速やかに取り隠すこと……このような場所で油を売っている暇はありませんよ」

天狗「あぶ……ちょっと待ちなさい。油を売っているですって? 私が?」

河童「ええ、そうです。神隠し候補はこの人間ではありません。もしかして……勘違いを?」

天狗「ち、ちが――」

オタク「なんだかwwwwwww知りませぬがwwwwwww助かったwwwwwwww」

天狗「あんたは黙っていなさい」

オタク「はいっす」

天狗「これは勘違いとか、読み間違いとか、そう云うのじゃなくて……戯れ、そう戯れよ! 久々の人間界なもんだから、つい――」

河童「はいはい。分かりましたから……」

河童「……」ジッ

オタク「……なんでござるかwwwww」

河童「……この人間はどうするつもりです」

天狗「あ? どうするって……ええっと……」

河童「こうしてはっきりと姿を見られてしまった以上……野放しにすることは出来ません。
   もし社会にあれこれ吹聴されたらどうするのです? 責任は天狗様にありますよ」

天狗「う、うるさいわねっ、今考えてるのよ……」

河童「今からでは遅いでしょう……」ハァ

天狗「ああ……もう! いっそこいつを候補に仕立て上げることは……」

河童「評議会の目を誤魔化せると思いますか」

天狗「ったく……面倒な時代になったもんだわ、ほんっと……」

河童「自らの失態を時代のせいにしてはいけません。ひとまず、評議会へ連絡を……」

天狗「待って! それは……困るわ。私の評価が落ちるじゃない!」アセアセ

河童「当たり前でしょう。と言うか、元々天狗様の扱いは……」

天狗「私が厄介者ですってェ?」

河童「私は思っていません。あくまで評議会の総意、ですよ」

天狗「……どいつもこいつも分かってないのよ……」ブツブツ

オタク(うはwwwwwwwww拙者テラ空気wwwwwwwww)

オタク「ほひっwwwwwwww拙者でござるかwwwwww」スタッ

天狗「他に誰がいるのよ」

河童「……天狗様、まさか評議会に連れて行く気では」

天狗「そんなの攫ってくる対象間違えましたって言っているような物でしょう! こうなったら、こいつには私の為に働いてもらうわ」

オタク「聞いてwwwwwwないwwwwwwwwマイッタwwwwwwホヒーwwwww」

河童「……働かせるとは、具体的に」

天狗「それは……色々あるでしょ。本当の神隠し候補を連れ去る手伝いとか」

河童「……必要なのですか?」

天狗「うるっさいわね! どうにかして利用価値を見出さないと私の評価につながるのよ!」

河童「素直に謝ればいいものを……」ハァ

>>14の一行目に
天狗「仕方ないわね。あんた! ちょっと付き合ってもらうわよ!」
追加

オタク「具体的にwwwwwww拙者はwwwwww何をすればwwwwwww」

天狗「今考えてるところよっ! 少し待ってなさい!」

オタク「あ、はいwwwwwwwww」

河童「……災難ですね、貴方も」ボソ

オタク「いえwwwwwwwそれほどでもwwwww貴重な体験ですしwwwwおすしwwwww」

河童「……申し遅れました。私、あの天狗様の部下に当たります、河童と言います。
   どのような付き合いになるかは分かりませんが、お見知りおきを」

オタク「おおっとwwwwwww拙者はwwwwwwオタクでござるwwwwwwよろしくでござるよwwwwww」

河童「下界の者と話すのは初めてではありませんが……中々変わった人ですね」

オタク「変わってる?wwwwwwwwそれ、褒め言葉ねwwwwwwwオタクと呼ばれwwwwww幾星霜wwwwww」

河童「……どうして天狗様は、こんな人を候補だと思ったのやら」

――

天狗「色々考えたんだけどね」

河童「はい」

天狗「やっぱり神隠しの手伝いをしてもらうしか活用法は無いわね」

河童「……そうですか」

天狗「ほら、無理やり連れてきた人間って、大抵天狗になることに拒否反応起こすじゃない。それで殺されちゃったりするし。
   だから、あらかじめ神隠し候補をこいつに説得してもらって、清々しい気持ちで天狗様になってもらおうかなとね」

河童「……無茶苦茶ですね」

天狗「百も承知二百も合点よ。もし失敗したら貴女も巻き込むからね」

河童「そんな酷い……」

天狗「とーにーかーく! 明日から作戦決行よ! オタク、分かったわね!?」

オタク「“うはwwwwwwwww天狗と河童に会ったwwwwwwwww”っとwwwwwwwwこれは伸びるwwwwwww」カタカタカタカタ

天狗「……」

オタク「それwwwwwwwでwwwwwwww」

天狗「何よジロジロ見て気持ち悪い」

河童「……」ズズズ

オタク「お話は了解しましたがwwwwwwwwあなた方は何故wwwwwww帰らないwwwwwww」

天狗「馬鹿ねぇ、手ぶらで帰れる訳無いじゃない。評議会に戻るのは、正式な神隠し候補を連れ去ってからだわ」

オタク「だからってwwwwwww拙者の部屋に泊まらんでもwwwwwww」

天狗「あら、嫌なの? こんな可憐な少女二人と一夜限りのお泊まり会よ」

オタク「いやwwwwwwwwww河童様を言っているなら分かりますがwwwwwwww貴女の顔はwwwwwww妖怪顔wwwwwww」

天狗「これ、お面だけど」カチャ

オタク「えっ」

河童「……」ズズズ

天狗てあの赤い顔して帽子つけてる鼻の長い人?

オタク「……wwwww」ドゲザァ

天狗「オタクの割に、いい部屋に住んでるのね」ガサガサ

河童「天狗様、部屋の物色をするのは失礼ではないかと」

天狗「なによぉ、上司に口ごたえするわけ? 別に人間の部屋なんだし、いいじゃない」

河童「助言です」

天狗「同じようなものよー。はあ、見事にマニアックな物ばっか」

河童「やれやれ……オタクさん、お茶いります?」

オタク「どっwwwwwどもwwwwwwありがたくいただきますwwwww」ズズズズ

オタク「うほっwwwwwwww美味でござるwwwwww驚きでござるwwwwww」

河童「気に入っていただけたようであれば、お土産に……」

オタク「ありがたいでござるwwwwww是非いただくでござるwwwwww」

>>19
そんな感じ
まあこれは最早妖怪の名を借りただけのオリジナルだけど

オタク「ところで、天狗様」

天狗「うわ気色悪ッ」

オタク「酷いでござるwwwwww草生やさなかっただけでwwwwww」

天狗「はぁ……で、なによ」

オタク「何故wwwwwww神隠しの決行を明日に先伸ばしたんでしょwwwwwwww隠すだけなら、今からでもwwwwwww」

天狗「……話を聞いていなかったように見える」

河童「……そのようですね」

オタク「えっwwwwwwwwああwwwwwwww拙者が説得するんでしたっけwwwwwwwうはwww無理ゲーwwwwww」

オタク「……って、それ明日だけで終わらなかったらどうするでござるか」

天狗「……」ズズズ

河童「……」ズズズ

オタク「wwwwwwwwww」ズズズズ

――暫くして。

天狗「お風呂あいたわよ」スタスタ

河童「それでは私が……」スタスタ

天狗「あら、テレビ見てたの? なんか面白いのやってる?」

河童「ただのニュースですよ」

天狗「なによしょうもない……」ピッピッ

オタク「……」

オタク「案外wwwwwwww普通に生活してるwwwwwwwどういうことなのwwwwww」

天狗「オタク、水取ってちょうだい。あるでしょ?」

オタク「はぁいただいまーwwwwwwww」

天狗「うん、ありがと。さっきも言ったけど、あんたのイメージと実際の妖怪は違うのよ」

オタク「まさかここまで進んでいたとはwwwwwwwwテラハイスペックwwwwwwww」

天狗「その言い方じゃ随分しょぼい存在と考えていたようねえ……この建物を吹き飛ばしてあげましょうか?」

オタク「それはwwwwwww勘弁wwwwwwwすんませんっしたwwwwww」

天狗「分かればいいのよ、分かれば。ま、きちんと働けば悪いようにはしないわ。仕事が終わった後、どう処理するかは分からないけどね」

オタク「処理ってwwwwwwwwまさかwwwwwwww」

天狗「……私たちのことを世間に公表されても困るのよ。なんとなく分かるわよね?
   それで世間が今一度妖怪に意識を向けるならともかく……下手に注目されてもろくな事にならないわ」

オタク「……オフゥ」

天狗「あんたが十分頑張れば、評議会の方にも言い訳が通る……で、あんたは妖怪眷属の真実を知って大満足。万事解決よ」

オタク「いやまあwwwwwwwそれで良いかも知れませぬがwwwwwwもし拙者が口を滑らせて、世間にこの事が広がったりしたらwwwwww」

天狗「……」ニッコリ

オタク「うはおkwwwwwwww把握したったwwwwwwwww」

天狗「よろしい。話が分かる人間は楽よ。天狗にする時もね」

オタク「そうそうwwwwwwそれ、興味深い話ですなwwwwwww天狗の育成ってwwwwwどうやってwwwww」

天狗「大したことじゃないわよ。私たちの力を少しずつ継承していくだけ。人間側にその気が無いと、とんでもない時間がかかるけどね」

天狗「だからあらかじめ説得しておけば……私たちがどうこうする手間も省けるって訳よ」

オタク「超論理wwwwwwwwwなんというファンタジーwwwwwwww」

天狗「あんたが思い描いていた私達も、大差変わりないじゃないの」

オタク「でwwww本当の神隠し候補とやらwwwwww一体誰か分かっているのでござるかwwwwww」

天狗「河童が控えてるはずだわ。あの子、そういうとこは用意いいから」

オタク「貴方様が単に……ごほごほ。ところでwwwwwお二人はどう言うご関係でwwwwwww」

天狗「質問が多いわねえ……どう言うもこう言うも、仕事の先輩後輩よ。
   別に専属にしてるつもりは無いのに、どうもちょっかいばかりかけてくるのよ」

オタク「心配性なのですなwwwwwwきっとwwwwww」

天狗「ただのお節介よ……ま、おかげで助かってることもあるけどね」

オタク「うはwwwwwwデwwwwレwwwwたwwwwwwもっと素直にwwwwwww」

ブンッ!!

オタク「口が過ぎましたね」

――

河童「あがりました……オタクさん、最後どうぞ」

オタク「おっおっwwwwwwww分かったでござるwwwwwwwww行ってくるでござるwwwwww」ドタドタドタ

天狗「おかえりねー。あまり面白いのやってないわ」ブツッ

河童「どの番組を見てもそう言うでしょうね、天狗様の場合。お茶、いれます」

天狗「気が利くわね。いつもそうだといいのだけど」

河童「私は誠心誠意働いているつもりですが……?」

天狗「眉唾ー。ま、わざわざ此処に残ってくれてるあたり、流石よね」

河童「放っておけませんからね、天狗様は」

天狗「はー。褒めて損した」

天狗「本当の神隠し候補について。持ってる?」

河童「こんな事もあろうかと」

天狗「うんうん。持っててくれると思ってたわ。ちょっと見せてちょうだい」

河童「はい、どうぞ」

天狗「ありがと。なになに……神隠し候補は、っと……○○大学所属……二年……ふうん」

河童「大学という教育機関の名は知っていましたが……どう言う施設なのでしょう?」

天狗「さぁ? 行ったこと無いから知らないわよ。オタクが知ってるんじゃない?」

河童「……いくら手伝いをしてもらえるからとは言え、依存しすぎるのも問題かと」

天狗「あーはいはいっ。絶対言われると思ってたわ、それ」

河童「……ところで、天狗様」

天狗「今日は何? 質問攻めの日? なによ」

河童「この仕事が終わった際……オタクさんをどうするつもりです? 殺しますか?」

天狗「あ、あっさりえげつないこと言うわよねぇあんた。全部結果次第よ。あいつが信用できそうなら……生かしたままにするかもね」

河童「……悪人には見えませんでした」

天狗「狐でも連れてこようかしら? あいつなら人の内面見れるでしょ」

河童「良い手かもしれませんが……評議会に告げ口されるかもしれませんよ」

天狗「あー。そうねぇ」ムスー

オタク「あがったwwwwwwwあがったでござるwwwwww」ドタドタ

天狗「やかましい。対局中なんだから静かにして」

オタク「もう驚かないwwwwwwww妖怪二人が将棋しててもwwwwww驚かないwwwwwww」

ブンッ!!

オタク「……wwww」ドゲザァ

河童「美しい土下座ですね……」パチッ

天狗「む、そこに……あ、そうだあんた」

オタク「はひっwwwwwwwなんでござるかwwwwww」

天狗「神隠し候補の件だけどね。○○大学に所属してるらしいけど、あんた○○大学って知ってる?」

オタク「えっwwwwwwww○○大学wwwwwwwwどっかで、聞いたことあるwwwwwwww」

天狗「あ、そう。良かったわ調べる手間が省けて」

オタク「あそうだwwwwwwその大学wwwwwww拙者も通ってるでござるwwwwwwwww」

天狗「……」

河童「……」

オタク「静止wwwwwwされてもwwwwww」

天狗「……はっはー。どうよ河童見習い。私の見識眼は」

河童「だから見習いではないと……まあ驚きました。天狗様が、本当に、勘違いではなくこの方を見つけていたのなら」

天狗「人間による神隠し支援……これは評議会も唸るはずよ!」

河童「……成功したら、あるかもですね……」

オタク「うはwwwwwwwwなんかハードルあがったwwwwww希ガスwwwwwワロスwwww」

――

オタク「お二人方wwwwwwwそろそろ就寝時間ですぞwwwwww」

天狗「えー? 先に寝てていいわよ。別にとって食ったりしないから」

河童「申し訳ないですが……私も……まだ」

オタク「えっwwwwwwwもう24時wwwwww都会の空は濁るのにwwwwww」

天狗「オタクってもっと夜型のイメージがあったんだけど。そうでもないのね」

オタク「就寝wwwwww24時wwwwwww起床、六時wwwwwwww健康的wwwwww」

河童「……意外ですね」

天狗「意外ねぇ」

オタク「響くチャーイムでーwwww今日が昨日wwwwww仕方ないでござるwwwwww一足お先に眠るでござるwwwww」

オタク「あ、ベッドで寝てもいいでござるか」

天狗「なにが嬉しくて野郎のベッドで寝なきゃならないのよ」

河童「私達にはお構いなく。オタクさんには明日頑張ってもらわねばなりませんので」

オタク「把握wwwwwwwじゃwwwwwおやすみなさいwwwwwww」

――翌日

オタク「……ぐう。朝でござるか」ゴシゴシ

天狗「くかー……んぅ……」ゴロン

河童「すぅ……すぅ……」ゴロン

オタク「ど、どう寝るのかと思案してたでござるが……ざ、雑魚寝とは……」

オタク「……!」ピーン

オタク「これってwwwwwwwwうはwwwwwwwアタックチャーンスwwwwwww」

バサッ

オタク「……これでよし、と」

オタク「お楽しみタイムだとwwwww思った?wwwwwwww残念wwwwwwww毛布かけてあげただけでしたwwwwwwwww」

オタク「紳士たるものwwwwwww同意なくして破廉恥であるべからずwwwwwwwwうは名言wwwww早速ネットに――」

ズルッ

オタク「あっ」

ドサッ!

オタク「いてて……wwwま、参ったでござ……」ムニュ

オタク「えっ……」

天狗「んぅ……な、なに、どうし……」

オタク「……」

天狗「……」

オタク「……お、おはようございますwwwwwwwwよいwwwwww朝ですぞwwwwwww」

オタク(これはwwwwwwww死んだwwwwwwwww)

天狗「……っ」フルフル

オタク「えっ」

――

河童「……事情は分かりました、が……」

河童「なにやってんですか、朝から……」

オタク「……www」ドゲザァ

天狗「……」グスグス

河童「オタクさん……ひとまず、謝罪を……」

オタク「ごめんなさいwwwごめんなさいwwwごめんなさいwww」ペコペコ

河童「誠意が……」

天狗「お、襲われるかと……お、おもっ、た……っ!」グスグス

河童「だからって泣くこと無いじゃないですか……」

河童「なんて面倒な人たち……」

天狗「――ほんっと、信じらんないわ」

オタク「返す言葉がないでござるwwwww」ペコペコ

河童「まあまあ……天狗様ももう許してあげたらどうでしょう。聞けば、私達に毛布をかけてくれたそうじゃないですか」

天狗「どーかしらね。嘘ついてんじゃないかしら」

オタク「嘘じゃないでござるwwwwwwww信じてwwwwwwビリーブwwwwww」

天狗「……ふん」

オタク「嫌われたwwwwwwwあかんwwwwwwwこれはあかんwwwwwww」

河童「……いい加減にしてください、天狗様。自身の仕事を忘れたのですか」

天狗「……分かってるわよ。オタク、大学は何時から始まるの」

オタク「ちょっと待つでござるよwwwwwwww調べるんでwwwwwwコポォ」

天狗「そのくらい覚えておきなさいよ……」

河童「通学中の学校名を忘れるくらいですから……ね」

オタク「分かったでござるwwwwww一限は八時半からwwwwww」

天狗「そう。候補の子は文学部よ。名前は――って言うんだけど、知らない?」

オタク「拙者wwwwwそもそもほとんど行ってないのでwwwwww知ってる訳ないでござるwwwww」

河童「……そりゃそうでしょうね」

オタク「でもwwwww奇しくも拙者も文学部wwwwww講義が同じかもしれませぬwwwwwwラッキーwwwww」

天狗「……ますます恐ろしくなるわね、私の見識眼が……」

河童「流石に偶然じゃないんですかそれは……」

オタク「久々の大学wwwwww緊張するでござるwwwwww」

オタク「……ところで、お二人はどうするので」

天狗「どうするもこうするも。付いて行くに決まってんじゃない」

オタク「……その格好で?」

天狗「……こうする」シュッ

オタク「うはwwwwwwwそういや翼いつの間に消えてたwwwwwww便利wwwwwww」

河童「あんまり下界は出歩きたくないんですが……」シュッ

天狗「此処にいてもいいのよ?」

河童「……いえ。お付き合いしましょう」

――外

オタク「通学には一時間ほど電車で揺られるでござる」テクテク

天狗「はぁ、電車ねぇ」

オタク「初めてではないのでござるか?」

天狗「まあね。何度か来てるし……見習い、あんたは?」

河童「私も、一度だけ……あと見習いじゃないです」

オタク「はぁ……本当進んでますなぁ、最近の妖怪は」

天狗「と言うかなんで草生やしてないのよ気色悪い」

オタク「外ですので」キリッ

河童「こうして見ると、至ってまともですね……語尾以外は」

――電車内

オタク「流石にこの時間は人が少ないでござるな」ガタンゴトン

天狗「早く出すぎたわね。たまにはいいんじゃないの、あんたにとって」

オタク「久しぶりの外でござる……溶けそうでござる……」

天狗「……正真正銘ね」

河童「フィールドワークはなさらない方でしたか……」

オタク「い、行くことは行くでござるよ? しかしそれも……半年に二回……いや一回……」

天狗「……はぁ」

――大学

オタク「ようやくwwwwwwwwついたwwwwwwwもうwwwwwwwヘトヘトwwwwwwww」

天狗「結局草生えてるじゃないの」

オタク「しのごの言ってられないでござるwwwwwwいざ参らんwwwwww」テクテク

天狗「大丈夫かしら……私達も行くわよ、見習い」

河童「だから見習いじゃ……」

警備員「ちょっといいかな君たち」

天狗「えっ」

オタク「さてwwwww一限の教室はwwww何処だったかwwwww」テクテク

学生a「うわ、あれって……ひょっとしてアレじゃない?」ヒソヒソ

学生b「あー……アレだな。なんで来たんだろ」ヒソヒソ

学生c「……あ、まだ辞めてなかったのか……」ヒソヒソ

学生d「……」ジロジロ

オタク「……wwwwww」ダラダラ

オタク「やっぱwwwwww無理ゲーwwwwww精神的無理ゲーwwwwwwお二人方、お助け――」クルッ

オタク「……あれ?」

オタク「あれ、何処行……あれ?」キョロキョロ

学生a「なんかキョロキョロしてる……気色悪」ヒソヒソ

学生b「うわー……駄目だわ。早く行こうぜ」ヒソヒソ

学生c「……何を探してんだ……」ヒソヒソ

学生d「……」ジー

オタク「……wwww」

オタク「ま……まずったで……ござる……www」

オタク「と、とにかくっwwwwww此処まで来てしまったからにはwwwwww教室に向かうでござるよwwwwww」テクテク

――教室

オタク「よっwwwwww余裕でwwwwww間に合ったでござるwwwwwwwオケーイwwwwww」

オタク「さて……この講義は必修wwwwww候補の子が出ない筈がないwwwwwwww」

オタク「その子の特徴はwwwwwwww掴んでますしおすしwwwwww後はその子がくれば――」

ガラララ

オタク「」ビクッ

女「……」テクテク

オタク「……」

オタク「……wwwwwwwwwww」

オタク(ターゲットwwwwwwww確wwwww認wwwwwwwww)

オタク「……」

女「……」ピラッ

オタク「……wwwwww」

女「……」ピラッ

オタク(どうすりゃwwwwwwwいいのwwwwwww)

オタク(うはおkwwwwwww落ち着こうwwwwwww声のかけかたwwwwww考えよwwwwwww)

オタク(まずはwwwwwwwそれっぽくwwwwwww初めまして、とかwwwwwwwそういうのwwwwwww)

オタク(ねーよwwwwwwww初めからwwww無理でござったwwwwwww)

女「……あの」

オタク「」ガタガタンッ!!

女「えっ……!?」ビクッ

オタク「あいててて……wwwwwwwはっ!?」

女「あ、あの……大丈夫、ですか……」

オタク「だっ!www大丈夫ですwwwww心配なしゃ、なさらず、どっ、どぞwwww」

女「そ、そうですか……」

オタク「……え、えっと」

女「は、はい……?」

オタク「女さん……でござるな?」

女「あ……はい……(ござる……?)」

オタク「どっ、どうしたで、ござるか。用があるで、ござるか?」

女「あっ……その、用、って言うか……こんな早く来るなんて珍しい……ね」

オタク「……拙者がッ!?」

女「そ、そうだけど……(拙者……?)」コクリ

オタク「た、確かに久しぶり……で、ござるが……失礼、以前話したことは……?」ダラダラ

女「あっ、いやっ、別に話したこととか無かったんだけど! その……オタク君の噂は……聞いてたんだ」

オタク「お、おう……oh……」

女「……妖怪とか、好きなんだってね」

オタク「……」コクコクコクコク

女「……私もなんだ」ニコニコ

オタク(その情報は……天狗様からリサーチ済みでござる……)

女「……お話出来たら、面白いと思って。私も……えっと、気を悪くしたらごめんね? あんまり、友人とか、いないから……」

オタク「そっ、そうでござったかっ。せ、拙者も友人はゼロでござるwww」

女「そうなんだ……」

オタク「う、うむ……」

オタク(これはwwwwwwwチャンスでござるよwwwwwww)

オタク(焦らずwwwwwww紳士的に話を進めるでござるwwwwwww)

オタク「お、女殿は……どのような妖怪がお好きで?wwww」

女「あ……私はね……!」

オタク(……お? これは……)

――

女「そうなんだ……オタク君、凄いね……」ニコニコ

オタク「そ、それほどでもwwwwwwないアルヨwwwwwwホヒーwwwww」

オタク(予想以上にwwwww好印象wwwwwwこれは勝ったwwwwwww)

オタク(よっしゃwwwwwwよっしゃよっしゃwwwwwwこの流れで、一気に核心に迫るでござるwwwww)

オタク「お、女殿。ちょ、ちょっとした質問がwwwwあるでござるwwwww」

女「質問……? なにかな……?」

オタク「はひっwwwwww女殿はwwwww天狗になりたいなどとwwwwww考えたことはありませんかなwwwwwww」

女「え……」

オタク(……あれ?)

女「……天狗に……私が?」

オタク「そっ……そうでござる……」

女「……」

オタク「……」

女「……ごめんなさい。それは、ちょっと……」

オタク「えっ」

女「そろそろ、席に戻るね。じゃあ……また」スタスタ


オタク「えっ、えっ。えっ」

ワイワイガヤガヤ

女「……」

オタク「……」

オタク(……)

オタク(…………)

オタク(…………wwwwwww)

オタク(詰wwwwwwんwwwwwwwだwwwwwwww)

つか☆れた

続きはまた明日。

ねえこれってコピペ?
ならこの板はさるさんねーから10秒間隔とかで貼れるぞ

>>57
途中までコピペですが見なおしたり書き加えたい所もあるので
貼るのは数分おきになるかと 再開します

――講義後

女(講義……全然、頭に入らなかった)

女(オタク君……ちょっと変だけど、良い人に見えたのに……)

女(どうしてあんな事を……?)

女(……私も、あんな反応することなかったのに……)

女(はぁ……嫌われちゃったかな……)ショボーン

オタク(参ったwwwwwwwこれは参ったwwwwwwwガンジーも裸で逃げ出すレベルwwwwww)

オタク(嫌われたwwwwww容赦無くwwwwwwwwもうねwwwwwアホかとwwwww馬鹿かとwwwww)

オタク(どうしよwwwwww天狗様たちにどう言おwwwwww欝だwwwwwww死のうwwwwww)

オタク(……それにしても、何故あんなにも急に態度を変えたんでござろうか)

オタク(いやそもそも拙者の聞き方が悪かったかwwwwwwwそりゃそーだwwwwwwww)

オタク(もうサボるしかないでござるwwwwwww)テクテクテク

先輩「おう? オタクくんじゃないか」

オタク「おうっふ」ギクリ

先輩「やぁ、久しぶりだな。大学、あんま来てなかったんじゃないか?」

オタク「は、はひ。オヒサシブリです」ギクシャク

オタク(一年上の男先輩でござる)

オタク(一年の頃、一時期民俗学サークルに居た時は懇意にしてもらっていたでござるが……少し苦手な先輩でござる)

オタク(なんでも姿が見えない座敷わらしと同居しているそうでござる。なんとも羨ま……眉唾物でござるが、今なら軽く信じられそうでござる)

先輩「うん。まぁ、たまたま君が見えたから声をかけただけで、用は無いんだけど……」

オタク「そ、ソウデスカ……あ、ソウイヘバ!」ピコーン

先輩「うん?」

オタク「先輩のサークルに、女ど……女さんと言う方はいらっしゃらないでしょうか」

先輩「へ? ああ……いるよ? 君と同じ二年の子。サークルに入ってくるタイミングが違ったから、面識は無いもんだと思ってたが」

オタク「そ、その子とちょっと話がしたいでござる! 何処に行けば会えるでござるか!」ズズッ!

先輩「うおおっ、ちょ、ちょっと落ち着け青年。何処に行けばってもなあ、あの子あんま部室に来ないんだよな。
   講義終わっても図書館にいること多いから、時間帯を見計らって行ってみたらどうだ?」

オタク「図書館でござるな! 分かったでござる! 先輩、感謝するでござるよ!」ダダダッ

先輩「おう、おう……ござるって……相変わらず変わった奴だな」

先輩友「君ほどじゃないと思うがね」

先輩「うおっ!? 友、いたのか」

先輩友「さっきからね。ま、君ほどじゃないよ。うん」

先輩「言いたいことは分かるが随分嫌味な言い方だなぁーおい」

――少し前

天狗「いやー。参ったわね、まさかこんな事で時間を食うなんて」

河童「大学にも警備員は配置されているのですね……驚きです」

天狗「ま、妖怪のお力で事無きを得ましたが……オタクは何処行ったのよ?」

河童「九時……ですか。もう講義始まってますよ」

天狗「あー。ちゃんと出てるんでしょうねぇ、あいつ。最終的に神隠し候補と接触できれば問題ないけど……」

河童「……あまり下界には長居したくないですね」

天狗「下界は暇つぶしにはいいんだけど。神隠しの件で長居はしたくないわね、確かに」

河童「だから素直に謝罪しに行けばいいものを……」

天狗「そんな事したらきっとオタクを殺さなきゃじゃないのよーぅ。嫌よ一晩泊めてもらった身としては」

河童「一応感謝はしてるんですね」

天狗「まあね……って、そんな事はどうでもいいの。行くわよ」

テクテク

河童「行くって……どちらへ? 神隠し候補も講義に出席中ですよ?」

天狗「知ってるわよ。なんでもいいから、何かすることあるでしょ」

河童「……なんでもってなんです」

天狗「……なんでもはなんでもよ」

河童「……」

天狗「……」

河童「オタクさんにはお伝えしていませんでしたが……女さんは図書館へ入り浸る事も多いようです。先回りしていましょうか」

天狗「そ……そうよ、それそれ。それがしたかったの。さぁ、図書館へ行くわよ!」ビシッ

河童「……図書館は何処ですか?」

天狗「……」

――図書館

オタク(ついたでござる)

オタク(図書館では静かにwwwwwwwうはwwwwwwww拙者テラ常識人wwwwwwww)

オタク(女殿がいつ頃現れるか分からんでござるが……)

オタク(まぁwwww妖怪絵物語でも読んでwwwwww暇をつぶすでござるよwwwwww)テクテクテク

天狗「――ぶわっはははは! な、なにこれー! なにこの天狗! 変なの! 何考えてんの日本人wwww」ゲラゲラ

河童「……天狗様、図書館では静かに……」

天狗「だ、だってwwwwこんなのwwwwwぷぷぷっwwww」ゲラゲラ

オタク「……」

オタク(会えて嬉しいような悲しいような、不思議な感覚でござるwwwwww旅行先で友人と鉢合わせた気分wwwwww)

オタク「ど、どうもでござるwww」

河童「あっ……オタクさん。よくご無事で」

オタク「大げさwwwwwで、ござるよww」

天狗「あ、あんた! 講義にはちゃんと出たんでしょうね!」パタンッ

オタク「出たでござる。女殿とも話をしたでござるよ」

天狗「殿かなんだかしらないけど……で、どうなの? 首尾は?」

オタク「いまいちでござる」

天狗「そうよねぇ、そりゃ天狗になりたくない人間なんて――っておい!」

河童「……ふむ……」

天狗「ど、どういうことよ! いまいちって! 失敗したら、あんたね――」

オタク「お、落ち着くでござるよ天狗様。まだ終わったわけではないでござるwwww多分wwwww」

天狗「なに呑気に草生やしてんのよあんた!」

河童「落ち着いてください天狗様。オタクさんの言うとおり、まだ終わった訳ではないかもしれません」

河童「それに、仮に失敗したとしても……いつも通り連れ去ればよいのですから」

天狗「そ……それはそうだけど……」

オタク「あれそれって失敗したら拙者は」ダラダラ

天狗「――なんか気にくわないのよねえ。もやもやすると言うか……この候補の情報読んでから、普通に連れ去っても駄目な気がして……」

河童「……」

オタク「せ、拙者のことも考えてくださってるのですな」

天狗「あんたは二の次よ」

オタク「あはいwwwwwwww」

天狗「……冗談よ。とにかく、強引に連れ去るのは最終手段。まだ終わってないってんなら、頑張りなさいよオタク」

オタク「お任せあれwwwwww自信はwwwwwwありませんがwwwwwww」

河童(違和感……天狗様が、違和感? 神隠し候補に?)

河童(そもそも、何故天狗様は勘違いをした? 気を抜いていたのか? 大天狗とも呼ばれる……この方が?)

河童(……なにかが、おかしい)

――数時間後

女「……」テクテク

オタク「おっ! き、きたでござるwwww」ヒソヒソ

天狗「しっかり現れたわね! さあ行ってきなさい!」ヒソヒソ

オタク「あ、拙者だけなんでござるか」ヒソ

天狗「当たり前じゃない。数で攻めても脅しになっちゃうわ」ヒソ

オタク「し、仕方ないでござる……行くでござる!」テクテク

天狗「頑張るのよ!」グッ

河童「……」

――

女「……」テクテク

オタク「……」コソコソ

オタク(な、なかなか席につかないでござるね……)

オタク(と言うかwwwwwww今の拙者wwwwwwwテラ不審者wwwwwwwヤバイwwwwww)

オタク(早く声かけないとwwwwwwww周りの目がwwwwwwwバヤイwwwwww)ダラダラ

女「……」ストン

オタク(せ、席についたでござるwwwwwwい、今がチャンスwwwwwww)

オタク(さあ、行くでがん――)

ズルッ

オタク「あっ」

ドテッ!

オタク「……いったたたたwwwwwこ、これで二回目――あ」ギクッ

女「……」ジッ

オタク「……」

オタク「……ど、どうもでござる」

女「……」ペコッ

オタク「きっ、奇遇でござるね。こんな所で会うとはwww折角だしwwwwwちょっとお話ししませんかwwwww」ガチガチ

女「……あの」

オタク「は、はひ!?」

女「……椅子、座ったら……?」

オタク「あはい」

――

オタク「……」

女「……」

オタク「……」

女「……あの」

オタク「な、なんでござる!?」ビクッ

女「お話し……って?」

オタク「あ……あ! いや! 特に用がある訳でもないような、いや実際はあるのだけどそのなんというか」ダラダラ

女「……うん」

オタク「……さ、さっきは……すまなかったでござる」

女「……こっちも、ごめんなさい」

オタク「出会ったばかりなのに……ちょっと変態すぎる質問でござったな。拙者の悪い癖でござる」

女「……」

オタク「ちなみに……拙者も天狗にはなりたくないでござる。天狗のことは、まあ好きでござるが、それはあくまで見る専門でござる。
    ……ひょっとしたら女殿も、一緒なのではなかろうか?」

女「……私は……」

女「……ごめんなさい。私は、あまり天狗が好きじゃなくて」

オタク「……!?」

女「さっきお話しした時は……オタクさん、あまり天狗について話さなかったから……良かったんだけど」

オタク「ま、まあ、拙者は、天狗に関してあまり詳しくないもので」

女「うん……だから安心してたんだけど……急にあんな質問されちゃったから……動揺しちゃって」

オタク「……そ……そうでござるか……」

オタク(わwwwwけwwwwがwww分wwwかwwwwらwwwwなwwwwいwwwwww)

女「変……だよね。妖怪が好きなのに、天狗だけ苦手なんて」

オタク「ま、まあ天狗様はあまり気持ちのよろしくない話も多いでござるからなあ……」

オタク(それにしたって、メジャーすぎる存在でござる。天狗のイメージなくして、妖怪の世界に足を突っ込むだろうか……?)

オタク「なにか……理由でもあるんでござるか。その、天狗が苦手なことに」

女「……」

オタク「……あ、いや! 話したくないんなら、拙者は」

女「昔ね」

女「――姉さんが、天狗に攫われたの」

――舞台飛んで、オタク家

オタク「……ただいまでござる」ガチャ

天狗「おかえり。遅かったわね」

河童「おかえりなさい」

オタク「遅……ちょwwwwwwwもうこんな時間wwwwwww夕飯作らないとwwwwwwww」

天狗「あぁ、それなら大丈夫よ。だって――」

河童「――私が、作っておきました」

オタク「なんwwwwwだとwwwwww最近の妖怪wwwwwwwマジ凄いwwwwwwwこれは惚れてもおかしくないwwwwwww」

天狗「……で。何を話したの?」

オタク「……ww」

河童「神隠し候補との話に行ったあの後、貴方は候補と一緒に奥から出てきました……候補は私達に気付いていなかったようですが。
   貴方は候補と話をしてから帰ると言って、去って行きました。私達はそれを聞き、先に家まで戻っていた次第です」

天狗「分かりやすい経緯をありがとう。で、どうだったの。事態は改善したのかしら」

オタク「改善……確かに関係は改善したかもしれんでござるなwwwwww」

天狗「そう。まあ仲良くなるのは良い事よね。それで? 説得は上手く行きそうなの?」

河童「……結論だけ行き急ぐのも、どうかと思いますが」

天狗「一々口を出さないの」

オタク「……」

天狗「黙ってても伝わらないわ」

オタク「……天狗様」

オタク「もしかしたら……この仕事は、無理なのかもしれないでござる」

天狗「……」

オタク「……」

天狗「……ま、そんな類の言葉が帰ってくると思ってたわ」

オタク「……怒らないでござるか?」

天狗「天狗様には先見の明があるのよ。前の時点から大体何が起きるか分かってんの。
   あんたが候補と一緒に図書館を出ていったあたりから、こうなる気はしてたわ」

河童「……まあ、まずは食事にしませんか。お話はその時聞きましょう」

オタク「わ……分かったでござるwwwww手を洗ってくるでござるよwwwwww」ドタドタ

天狗「……ったく。中々上手く行かないわねぇ」ポリポリ

河童「……先見の明など。ほとんど使えないでしょう」

天狗「うーるさい。なんとなくあんただって分かってたでしょ」

河童「……」

――

オタク「いただきますwwwwwでwwwwござるwwwwww」

オタク「ハムッ ハフハフ、ハフッ!! まいうーwwwwww絶品wwwwwwww」

天狗「……うん、美味しい。また腕をあげたわね、あんた」

河童「……それほどでも」テレテレ

オタク「こんだけwwwww料理が美味いとwwwwww是非うちの家政婦になってほしいでござるなwwwwwwホヒフwwwww」

天狗「調子のんな下衆」

オタク「ハフハフッwwwwww」

河童「……家政婦ですか。確かに、それも……」

天狗「ちょっとちょっとちょっと。何あんたも乗っかってんのよ」

河童「冗談ですよ……」

天狗「話がずれる前に……しっかり全て話してもらうわよ」

オタク「ハフッ?wwww何をでござるかwwwwwww」

天狗「にっこり」

オタク「ジョークでござるwwwwwwwあまりに美味しいからwwwwwwwさぁ、回想始まるでござるよwwwwww」

河童「……テンション高いですね」

オタク「これくらい上げておかないと後が大変でござる」

河童「さいですか」

――回想

オタク「……攫われた……とは」

女「……小さい頃ね。内陸の方に住んでたの。小中高も1つずつしかない、小さな町でね。古くから伝承や物語が伝えられる町だったの」

女「二歳年上の姉がいてね。あんまり覚えてないけど、とにかく優しくて、綺麗で、しっかり者だった気がするな。
  私は……自分で言うのも変だけど、ペットみたいに懐いてた」

オタク「……」

女「……私が六歳の時。姉さんと遊んでたの。かくれんぼしてね。
  夕方にかくれんぼしてはいけないって、教えられてたんだけど……ちょっとくらいなら大丈夫だって、思ってた」

女「……それが駄目だったのかな」

オタク「……」

女「遊び慣れた、私たちの家の中でね。その時両親はいなかったの。お仕事で」

女「私が探す側で、姉さんが隠れる側。もう何度もしたことだから、隠れる場所なんて数箇所しか無いことは分かってた。なのに……」

女「何処を探しても、姉さんは見つからなかった」

女「もしかしたら外に行ったのかも? って思って、家の周りを探してもいなくて……そのうち暗くなって。
  両親が帰ってきて。話をしたら、案の定大騒ぎになった」

女「町総出の探索だったよ。私も母さんと一緒に、色んな所を探したっけな……訳も分からずにね。
  実際、どうして姉さんがいなくなったのか、私には分かってなかった」

オタク「それで……お姉様は」

女「……」フリフリ

オタク「……」

女「結局、見つかったのは……いつも私達が使う、隠れ場所の物置に落ちていた一枚の烏の羽だけ」

女「それは偶然紛れ込んだものかもしれない。でも、当時はまだ今のように文明が進んでいなかったから……みんな天狗の仕業だと信じた」

女「その次の日から、うちの子供は私だけになった」

オタク「……そのようなことが」

女「……少し大きくなってからね。少しずつ姉に何があったか、町民の間でどういう“処理”をされたか分かってきた。
  そこから私は、神隠しについて詳しく調べようと思ったの」

女「どうして姉さんが取り隠されたのか。天狗とは一体なんなのか。姉さんが戻ってくることは有り得るのか。色々調べてみたの」

女「それで……おかしなことに、民俗学に興味を持ち始めちゃって……姉さんが帰ってくるのを半ば諦めた今でも、妖怪について、研究してたりするの」

オタク「……」

オタク(……マジでござるか)

女「……ごめんね。変な昔話に付きあわせちゃって」

オタク「と、とんでもない! 大変興味深い……と言うのは、失礼でござるか」

女「ううん……大丈夫。もう帰ってこないことは、分かってるから……」

オタク「うう、む……」

女「……私のお話は、これで終わり。次は、オタク君の話をきかせて?」

オタク「ほひっ!? せ、拙者ですかwwwwwww」

女「うん……あ、折角だし……一緒に、帰ろっか。電車、同じ線だったよね」

オタク「えっwwwwwwえっえっwwwwww」

オタク(まさかのwwwwwwww女性と下校wwwwwwwwwwこんなの初めてwwwwwwwwどうしよwwwwww)

――

オタク「……まあ、そんなこんなで帰ってきたでござる。後は雑談だけで、有益な情報は無いでござるよ」ハレバレ

天狗「ふーん……案外積極的な子なのね」

オタク「そこですかwwwwwww確かにまあwwwwwww大人しそうな割に結構wwwwwwコポォ」

天狗「ま、これで説得出来る可能性は大分低くなったわね。残念ながら」

オタク「残念wwwwそうにwwwww見えないwwwwww」

河童「……姉が神隠しに……ですか」

天狗「……そうね。そんな前の話はあまり覚えてないけど……もしかして会ってるかも知れないわね」

オタク「ごちそうwwwwwさまでしたwwwwwww」

天狗「ごちそうさま。久々にお腹いっぱい」

河童「お粗末さまでした。……さておき、天狗様」

天狗「んぇ? なによ?」

河童「一度、評議会に戻りたいと考えています。よろしいでしょうか」

天狗「と、唐突ねえ。どうかしたの? ……候補の姉のことでも調べに?」

河童「それもありますが……流石にそろそろ戻っておかないと、評議会に怪しまれますので。
   天狗様のことも上手く報告しておきますので、ご心配なく」

天狗「あーぅ、よろしくね。変なことすべらすんじゃないわよ」

河童「お任せ下さい」

オタク「おおっwwwwwwww帰るでござるか?wwwwwwwwさよならでござるwwwwwwwまた来る春はなんとやらwwwwww」

河童「ええ、お達者で」ニコリ

――

天狗「大して面白く無いわねぇ、テレビ」

オタク「俗世の物なんて所詮その程度でござるwwwwwニュースはタメになるでござるがwwww」

天狗「あんた引きこもりじゃないの」

オタク「それとこれとは関係ないでござるwwwwww心外でござるなwwwwww」

天狗「ふぅん……ま、どうでもいいけど」ブツッ

オタク「……」

天狗「……」

オタク「天狗様、河童様はいつ頃お戻りになるでござるか」

天狗「そんなの分かる訳無いでしょ。何調べてくるかも知らないんだし」

オタク「ふぅむ……」

オタク「……あwwwwそうそうwwwwww」

オタク「普段神隠しを行う時wwwww天狗様は行き来にどれくらいかかってるでござるかwwwww」

天狗「私は一日もかからないわよ。でも、あいつは河童だから……だからどうしたってことは無いけど。ま、一日はかかるでしょうね」

オタク「おうふwwwwwwwそれまで拙者はwwwwwwどうすればwwwwwww」

天狗「どうするもなにも今日と同じように候補と接触しなさい。まさかあんた、河童が全て解決してくれると思ってんじゃないでしょうねえ」

オタク「おっwwwwおっwwww思ってないでござるwwwww分かってるでござるよwwwwwwこれでも最善は尽くすタイプですんでwwwwww」

天狗「信用ならないわねぇ」ハァ

オタク「と言うかwwwwwww天狗様はwwwwwwwなにかなさらないのですかwwwwwwww」

天狗「あァ?」

オタク「なんでもありませんwwwwwwwww」

天狗「言われなくても、その時が来たらきちんと仕事するわよ」

オタク「とwwwww言いますとwwwwwww」

天狗「候補を連れ去る時とか。後は……」

天狗「候補の姉。さっきも言ったけど、会ったことあるかもしれないから。もしかしたら見つけられるかもしれないからね」

オタク「……天狗様、案外人間のことも気にかけてくださってるのですな」

天狗「ハ! 偉大なる天狗様から見たらあんたら人間はアリンコに過ぎないわよ。候補は後々同族になるもの、特別よ」

オタク「なるほどwwwwwwそれもwwwwwそうでござるなwwwwww」

天狗「あんたも図に乗り過ぎないことね。私が怒ったら怖いこと、知ってるでしょ?」

オタク「合点大将wwwwwww」

――

オタク「そろそろ眠るでござるよwwwwww」

天狗「あ、そう。じゃあ私も寝ようかなぁ」

オタク「遠慮する必要はないでござるよwwwwww昨日も寝れましたしwwwwww」

天狗「なんで遠慮なんかするのよ。一人で起きてても暇だし、つまんない」

オタク「成程wwwwwwwwではwwwwwこれをwwwwww」ボフ

天狗「ん……毛布?」

オタク「イエースwwwwwwww昨日のようにwwwwww雑魚寝ではwwwww風邪をひきますぞwwwwww」

天狗「……ふぅん。変なとこで気が利くのね」

オタク「当たり前でござるwwwwwww拙者はこう見えてもwwwwwwwwテラ紳士wwwwwww」

天狗「とか言って、今朝みたいなことしようとしてるんじゃないでしょうね?」

オタク「少しはwwwwwww信頼して欲しいでござるwwwwwwww」

オタク「ではwwwww電気をwwwww消しますぞwwwwwww」

天狗「いいわよ」

オタク「消wwwwwww灯wwwwwww」パチッ

天狗「……」モゾモゾ

オタク「……おやすみでござる」

天狗「……うん、おやすみ」

天狗「……オタク」

オタク「すかー……ずぴー……wwww」

天狗「寝るの早っ」

天狗「……まあ、いいわ。どうせひとりごとだし」

天狗「……暫く、お世話になるわよ」

天狗「強引に候補を連れ去ればいいんだけど……それじゃ納得できない所もあるし」

天狗「……別にあんたに迷惑かけるとかそんなこと思ってないけど、その、大目に見てもらえると、嬉しいわ」

天狗「……」

オタク「んひひ……www」グカー

天狗「……何言ってんだか。寝よ寝よ」モゾモゾ

オタク「くかー……くかー……wwww」

――

それから暫くの間、オタクは女との交流に励んだ。
お互い友人のいない妖怪好き同士、二人は思い思いの妖怪談義に華を咲かせた。
天狗のことをのぞいて。

知りあって一週間が経っても、オタクは神隠しの件を言い出せずにいた。
天狗は大して何も言わない。説得が難しいことを、彼女もはっきりと理解しているからだろうか。
オタクはオタクで、どこか諦めたような、むしろ開き直った気持ちを抱いて日々を過ごしていた。
だが――どうにも不可解で、停滞してしまった非日常の終わりは、ひょんなことから幕を開く。

ようやく遅れを取り戻し……た…

続きは深夜から

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
    ドゴォォォォン!!
        ; '     ;
     \,,(' ⌒`;;)
   !!,' (;; (´・:;⌒)/
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚д゚)ノ   |/
  /  /

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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
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      /_/


良作ss支援
できればオタクのスペック書いてほしいでござる
痩せているのか太っているのか想像力の乏しい拙者にもわかりやすく

>>102
標準体型をちょっと太らせたくらい
顔は、まあヒソヒソ声が周囲で発生する程度には残念な感じで

おまたせしました、続きいきます

――評議会 記録保管室

河童「……天狗様の、資料……」パラパラ

河童「十数年前の記録であれば、まだ残っているはず……管理する者がいればの話だが……」パラパラ

河童「……妖怪にとって、生前の記憶ほど価値の無いものはない」

河童「妖怪としての教育を受ける上で、少しずつ、実際に妖怪として活躍する中でも、記憶は薄れていく」

河童「故に……候補の姉が天狗として活躍していたとしても。候補のことを、忘れてしまっている可能性は高い……」パラリ

河童「……! この、記録は……」

“19○○年 ○○町”

“○○山の大天狗、少女の取り隠しに成功”

“少女は――と名乗った。健康状態に異常無し”

“健康状態、良好。翌日より教育に移る”

河童「これか……?」

河童「他に少女が神隠しにあったような記録は残っていない……」パラパラ

河童「だが……この少女の名前……何処かで――」

トントン

河童「っ!?」ビクッ

妖狐「邪魔するよぉ」ガララ

河童「よ……妖狐様。いかがなさいましたか」

妖狐「見習いちゃんが下界から帰ってきたって言うから、顔を見に。あと伝令」

河童「伝令? なんですか? あと見習いじゃないです……」

妖狐「ごほ、ごほ……埃臭い部屋だねぇ。そのうち掃除させないと……ああ、うん? 伝令のことかい?」

河童「はい、そうです……」

妖狐「んん。本部が呼んでたよ。まだ帰還報告してないんじゃないかい」

河童「え……おかしいですね。それは帰ってきてから真っ先にしたはずなんですが……」

妖狐「ふふ。なにか不備があったのかもしれないねぇ」

妖狐「それにしても。なんだか面白いもの読んでるじゃない」ズイ

河童「あ、これは……その」

妖狐「……あぁー、懐かしいね。あったあった、こんなこと。まだ貴女はいなかった頃ね」

河童「こ、この方を知っているのですか?」

妖狐「勿論知っているとも。あたしは天下の妖狐様さぁ。まあ天上には天狐がいるけど」

河童「……どのような方ですか?」

妖狐「……彼女が連れてこられた時はねぇ。大変だったよ。ずっと泣いてて。ここはどこ、妹はどこ、なんて……しきりに言ってたな」

河童「……」

妖狐「天狗として教育するのは時間がかかったねぇ。気丈で、わがままな人間だった……それが今や立派な天狗様だ。
   古参であるはずのあたしにちっとも敬意を払おうとしない」

妖狐「ま、ある意味天狗らしいさ」

河童「……詳しいのですね」

妖狐「……」

妖狐「伝承によれば――狐と天狗は同一の存在として扱われることもある。
   天狗は化ける力を持つとされているから、あたしたちと混同したのだろう」

妖狐「……あの子を育てたのは、あたしさ。あの子はそんなこと覚えていないけれど」

河童「……その方に、会うことは出来ますか」

妖狐「……」

妖狐「さぁ、どうかね」ニヤリ

河童「……よ、妖狐様」

妖狐「……大体、会ってどうするんだい?
   下等妖怪である貴女が会ったところで、使い走りをさせられるだけじゃないかね。今のように」

河童「そ、それは……」

妖狐「……いずれ会えるさ。願っても、願わなくとも」

妖狐「あたしが言えるのは、それだけ」

河童「……何を」

妖狐「さぁ? そんなことより、いいのかい? 伝令」

河童「あっ――!」サァァ

河童「す、すみません! すぐ行かないと――あ、伝令、ありがとうございましたっ」スタスタ

妖狐「んー。焦って転ばないようにね」

河童「だ、大丈夫です……では、失礼します!」ガララ

タッタッタッタッタ...

妖狐「……やれやれ」

妖狐「……」パラパラ

妖狐「ふふ、ふ。もうすぐだ」パラパラ

――評議会 本殿

河童(訪れるのは数回目になるが……)

河童(やはり、大妖怪たちに囲まれるのは……いい気がしない)

「――河童よ」

河童「は……はい」ゾクリ

「まだ、天狗は帰還しないのか」

河童「……現在、神隠し候補の所在を確認中です。もう少し時間がかかるかと……」

「……発見できていないと?」

河童「はい」

「……それはおかしい」

河童「え?」



「――昨夜、天狗が神隠し候補と接触したとの報告がある」

河童「――さ……昨夜、ですって?」

「いかにも。河童よ、お前もその場に居合わせたのではないか?」

河童「い、いえ、私は……た、確かに、天狗様と合流しましたが!」

「では、お前も接触しているはずだ」

「神隠し候補と」

河童「……それ、って……」

「神隠し候補の名を、忘れたか。河童よ」

河童「……分かり……ません……確かめさせてください……」

「……よかろう」

――

天狗「神隠し候補とフィールドワーク?」

オタク「そうでござるwwwwwww雑談が転じwwwwwwwここまで来たでござるよwwwwwwww」

天狗「はー……まだ一週間だってのに、進展が早いのね」

オタク「進展wwwwwwwそういう関係じゃないでござるwwwwwwwwあくまでまだ、でござるがwwwwwフヒヒwwwwww」

天狗「まぁ、どうせそのうち候補は私が連れていっちゃうけどね」

オタク「そうでwwwwwwござったwwwwwwww」

オタク「……そろそろ諦めても」

天狗「評議会にどう説明すんのよ」

オタク「wwwwwwwwwww」

天狗「……別に行くのは構わないけど。あまり候補に入れこまないでよね。私だって仕事があるんだから」

オタク「任せるでござるwwwwwww拙者は紳士ですからなwwwwww」

天狗「心配ねぇ……河童もまだ帰ってこないし……そろそろ動かないとまずいことは分かってるんだけど」

オタク「河童様もwwwwお帰りが遅いでござるなwwwwww」

天狗「そうね。あの子まだまだ下っ端だから、雑務を任されちゃってるのかもしれないわね」

オタク「大変でござるなwwwwww」

天狗「大変……かなぁ。私も駆け出しの頃は……」ブツブツ

オタク「……www」

オタク(最近、天狗様はひとりごとが多いでござる)

天狗「ところであんた、何処行くの?」

オタク「何処wwwwwとは?wwwwww」

天狗「フィールドワークよ。ええっと……その土地特有の伝承とかを調べに行くんでしょ? 場所は何処なのよ」

オタク「おうふwwwwwそういう意味でござったかwwwwwwなるほどwww」

オタク「聞くでござるwwwwww我々初のフィールドワークwwwwwwその舞台はwwwwwww」

オタク「かの有名な遠野物語よりwwwwww岩手県が遠野市、遠野郷でござるwwwwwww」

天狗「……遠野?」ピクッ

オタク「そうでござるwwwwww一度行ってみたかったwwwwwwホヒーwwwwww」

天狗「……あーう。オタク、よく聞きなさい?」

オタク「んんwwwwwwwなんでござるかwwwwwwwwんん」

天狗「遠野って、私らの世界の入り口がある町よ」

オタク「……えっ」

天狗「これはチャンスだわ。遠野で取り隠してしまえば、面倒な移動時間がカットできるわ。オタク、ちょっと頑張りなさい」

オタク「えっ、えっ」

天狗「何驚いた顔してんのよ? まさか、本当に説得を諦めろとか言うんじゃないでしょうね」

オタク「……そ、それは違うでござるが……何分、急だったもので」

天狗「……急、ねぇ。あんた、本当に説得する気あんの? このままなあなあに出来ればいいと思ってない?」

オタク「……wwww」

天狗「草生やせばいいってものじゃないわよ。こっちは――種の存亡がかかってるんだから」

オタク(……自分勝手でござる……)

天狗「知ってるわよ」

オタク「」

天狗「今までなんの為に勉強してきたのかしら?
   妖怪なんて傲慢さの塊のような物よ。あの河童だって、心のどっかであんたを見下してるわ」

オタク「そ、そんなこと分かってるでござる!」

天狗「ふん。どっちでもいいわよ、あんたが知ってようがなかろうが。
   嫌ったって構わないわよ。あんた一人に嫌われようが別にどうってことないわ」

オタク「……もし拙者が、天狗様たちのことを公表したら」

天狗「前にも言ったわよね? 遠慮無く殺させてもらうわ」

オタク「……」

天狗「……あーやだやだ。こんな事話すために此処にいるんじゃないの。あんたは説得、私は神隠し。それだけよ」

オタク「……」

天狗「……分かったわよ」

天狗「私が直接話に行くわ」

オタク「な……」

天狗「遠野で、私が候補と話をする。私らの世界の入り口は山にあるんだけど、そこで待ってるわ」

オタク「……もし、行かないと言ったら」

天狗「無理ね」

オタク「……」

天狗「あんたは来るわ。候補と一緒に、絶対にね」

オタク「……そうでござるか」

天狗「……心配しなくても、無理に連れて行ったりはしないわ。保証はしないけど」

オタク「どこまでも身勝手でござる!」

天狗「百も承知だって言ってるでしょー。ふふん、お詫びに良いことしてあげましょうか?」

オタク「いらないでござるwwwwwwwwwフヒーwwwww」

天狗「分かりやすいわねー」ハァ

――有り得ないことでは無かった。天狗が女を取り隠してしまうのは。

天狗は気まぐれで、自らの欲望に忠実だ。彼らとの口約束は何の意味も果たさない。

オタクにとって、女は友人だ。彼の人脈において、女性の友達は――覚えている限りでは――ほぼ皆無である。ここまで親しくなれたのも初めてのことだろう。
大事にするべき仲だと思っている。たとえ神隠し候補だとしても。
たとえそれが、自身の我侭であったとしても。

女は……果たして何を考えているのだろう? オタクには分からなかった。遠野には、天狗の伝承も少なからず残っている。
それを見て、彼女は何を思うだろうか? 自分に何を言うだろうか。

旅の途中。電車の中で、二人はこんな話をした。

着いたら何処を巡るか。どの順番で廻るか。宿はどうするか、お土産は何にしようか――。

その場の雑談が転じ、急遽向かうことになった今回の旅。当然ノープランである。
両者様々な案を思い浮かべていたが、パンフレットを広げつつ考えても、旅の計画が決まることは中々無かった。

楽しそうに案を練る女と話しながら、オタクは考えていた。
天狗の待つ山へいつ行くか。そもそも、本当に行くべきなのかを。

電車は緩やかに進んでいた。天気は快晴。今日は過ごしやすい一日だと、朝の天気予報が言っていたっけ。
窓の外には、一面の田園が広がっている。かつての日本人が愛した、時代に淘汰され少しずつ失われていく光景。
ガラス越しに過ぎ去っていく景色を見つめ、オタクは葛藤していた。

延々と続く田園の先に、幻想ひしめく遠野郷が待っている。

さぁ引くに引けない展開になって来ました! なんだこれは!
短くてごめんなさい 今日の夜も投下できたらいいなあ

    r⌒\// ////:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ //// //
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ポッポー ||  \|:::     ( ( /    ヽ) )+     ;| _/ /ヽ        /ヽ
     人   ...\    +  ) )|~ ̄ ̄~.|( (       ;;;/ /   ヽ      / ヽ
    (__)     \    ( (||||! i: |||! !| |) )    /__/u  ヽ___/  ヽ
また (__)天狗か .\+  u | |||| !! !!||| :u  /__/   u    :::::::::::u:
    (・∀・#)       \   | |!!||l ll|| !! !!|/| | 天 // ___    \     ::::::::|
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/旦|――||// /|      <   天 >  | |  |u |    |        :::u::|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |      <   狗 >      l ├―‐┤   u   ...:::::::/
|_____|三|/      < の の >     ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<

────────────< 予 仕 >─────────────

      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \< 感 業  >天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!   
/⌒ヽ  / ''''''     ''''''  ヽ<.!    >こういう天狗のように鼻が立ってたのが
|  /   | (●),   、(●)   | ∨∨∨∨\天狗の天狗なんだよな今の天狗は
| |   |    ,,ノ(、_, )ヽ、,,     / ヤダヤダ \天狗の天狗を知らないから
| |   |    `-=ニ=- '    /〃〃∩  _, ,_  \天狗の仕業じゃ!  , ;,勹
| |   !     `ニニ´   `/  ⊂⌒( `д´) <\          ノノ   `'ミ
| /    \ _____ /      `ヽ_つ ⊂ノ    \        / y ,,,,,  ,,, ミ
| |    ////w   / )、._人_人__,.イ.、._人_人_人     / 彡 `゚   ゚' l
| |   ////ww /<´ 天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!>\  〃 彡  "二二つ

| |  ////ww /    ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒   \|  彡   ~~~~ミ


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月15日 (月) 21:05:31   ID: L_LQ03Gg

未完なのが残念

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