プレイヤーがGE世界に入り込む話やりたい(55)


から>>2-4辺り主人公軽く晒してくれ。GE2かGE2RBの。
最低限性別と何使うかと髪の色があればいい。外見詳細や名前あると楽だけど嫌だったら晒さなくていいや

誰も晒してくれなかったらインフラで交換したアバカ参考にする。
晒した子が作中で死んでも怒らないでね

サキ

髪 白 スタイル31
性別 女
武器 ショート/アサルト

声は6番

参考キャラありがとう。どっちも理想枠だわ。装備と名前考えるの面倒だから助かる。
とりあえずその名前ごとキャラ借りる。何されても怒らないでね。


 戦闘記録 No.××


ヒバリ『これは……中型種!!30秒後、作戦エリアに浸入します』


神機使いA「中型か、……そっちはどうだ?スナイパーさん」

神機使いB『……照準定めてる間は流石に震えてらんないよ。怖いのは近接戦闘してるそっちが上だしね』

神機使いA「……照準定めてる間に襲われると……って考えたら、俺はそっちの方が怖い」

神機使いA「これから来る中型だって、ちゃんとあの“獣道”から浸入するとは限らないしな」

神機使いB『……怖いこと言うなよなぁ』

神機使いA「事実だろ?」

神機使いB『そうだけどさ、……ねぇ、そろそろ浸入の時間だけど。もう一人は無事?ミッションは初めてのはずだけど……通信、応答してくれなくて』


神機使いC「この……この……!!しねよ、きえろよ!雑魚アラガミ!!」


神機使いA「死体切りの真っ最中。まずは慣れだからな、戦闘にはほとんど参加していない。だから無事だ」

神機使いA(だが、戦闘の意思はあるはず……オラクルリザーブをする姿は確認した)

神機使いC「は、はは……俺だってやれる、これさえ、撃てば……」


神機使いA(回復弾支援だけでも、痛みを忘れさせてくれる分有り難いんだがな)


ヒバリ『アラガミ、作戦エリアに侵入しました』


神機使いB『そっちのすぐ目の前か、』
神機使いA「ああ、そのよう――」

      
神機使いC「はは!!くらえよ!」


 どん、と、打ち上げられた弾丸。
 目視その範囲にシユウが現れたというのに、視線は弾丸を追っていた。
 空高く不自然に留まるそれ、――存在は知っていた。試しに使った事もある。
 だが、この世界で、それを、実際に見上げることになったのは、初めてだった。
 

ヒバリ『作戦エリア空中に強いオラクル反応!これは……いったい何を……何を撃ったんですか!?』


神機使いC「何をって、アラガミを殺すバレットだよ。有名だろ」

神機使いA「…………、」
神機使いB「あの、空中の、あれ……まさか、」


ヒバリ『有名!?なんの話ですか!?――っ……反応、急激に増大しています!!』


神機使いC「俺だって、アラガミぐらい倒せるんだ、シユウなんて雑魚だ、せっかくゴッドイーターになれたんだから、」


ヒバリ『早く逃げてください!!自殺するつもりですか!!』


神機使いC「自殺って……大げさだな……確かに識別はつけてないけど、ちょっとふっ飛ぶぐらいいいだろ?」


ヒバリ『ちょっと!?この反応でですか!?――だめ、いや……落ちないで、早く逃げてください、隠れてください!!』


神機使いC「なんだよ、なんでそんなに……」


神機使いB『逃げろ、頼む、逃げてくれ!走れば、きっと間に合うから、だから!』


神機使いA「……悪いのはどっちなんだろうな」

神機使いA「撃った方か、教えなかった方か、」

神機使いA「でも、仕方ないだろ」

神機使いA「俺達だって、こんな世界で、そんなことに気が回らないぐらい、必死で」


神機使いC「なぁ、なんでヒバリはあんなに慌ててんだよ、どうして俺は怒鳴られて」

神機使いC「なんだよ、逃げろって、なぁ」


 威力を極限までに高めた光が、落ちる、


神機使いA「スナイパーさん、俺」


 落ちて、そして、


神機使いA「今、すげぇ怖いよ」


 弾けた。



神機使いB(誰しも、疑問に思うことだ、)

神機使いB(その疑問は、ゲームだから、そんなシステムだからと、すぐに片付けられる)

神機使いB(実際、ゲームではそうだった。味方の誤射でHPが減ることはない)

神機使いB(でも、今生きる現実が、この世界なら)


神機使いB「……アラガミを殺せるバレットが、ヒトを傷付けないなんて、あり得ないだろ……」






 戦闘記録No.××


 戦闘記録No.××


神機使い1「オペレーターとの通信、まだ回復しないな」

神機使い2「何かあったんだろなぁー、ま、予定ではハイヒールシユウが一体だ、なんとかなるだろ」

神機使い1「ハイヒールシユウ言うなよ、乱戦状況作り出すアラガミは危険だって言われてるのに」

神機使い2「ヴァリアントサイズさんがいれば大丈夫だろ。この世界じゃ最強の広範囲攻撃持ちだ」

神機使い1「はいはい、逆に硬い大型には大苦戦しますけどねー」

神機使い2「まぁまぁ、適材適所っていうじゃん」

神機使い2「……って、お、」

神機使い1「おう。いらしはったみたい」

神機使い2「中途半端にキャラ使うなよバカ」

神機使い1「うるせ、言ってみたくなるんだよ」

神機使い2「あーあ、お前が本当に外見や声通りの美人ならもう少しやる気出たのに」

神機使い1「その言葉そっくりそのまま返すっての。中身については諦めろ、プレイヤーの男女比率ぐらいわかってるだろ?」

神機使い2「悲しい現実だよなー」


神機使い2「――んじゃ、そろそろこっちに気付く距離だ。対応は何時も通り。速攻で頭ぶち抜くからさ」

神機使い1「はいよ」


 ――狙撃は任せていた。
 使用する神機は複数での戦闘に向かない。攻撃範囲が広い分、巻き込む可能性があるからだ。


神機使い1「……あ、間違っても展開範囲に入ってくるんじゃないぞ」

神機使い2『もちろん、ぶった斬られたくないもんな、はは!』


神機使い1「……ふぅ、」

神機使い1(……正面、向かい合わせだ、歩み寄ってくる)

神機使い1(イェン・ツィーがこちらを視認すれば……この場合、一番近い僕に狙いは定められる。勝負はここだ)

神機使い1(チョウワンの召喚は短時間にそう何度も出来ない。ここで一番厄介な乱戦要素を潰す、)


 イェン・ツィーが立ち止まった、こちらを視認したのだろう。
 画面越しになら、聞き慣れた鳴き声がした。一瞬、身体が硬直してしまう。


神機使い1(……落ち着け。サイズの展開、何度もやったんだ、出来るだろ)


 地中から飛び出すように構成された小型アラガミ。
 痺れるような感覚は、イェン・ツィーが攻撃対象を定めた証し。
 チョウワンが体を震わせ攻撃体制に入る、その前に、

 銃声。
 先に動かんとしたイェン・ツィーの頭が弾ける。びくりと怯み、イェン・ツィーと動きは止まった。


神機使い1(――流石、当てたか。あとは僕の出番)

神機使い1(スペックは同じだ、違うのは精神状態――この恐怖心には慣れない、けど)


 咬刃展開、


神機使い1「死ぬのは、嫌だからな」


神機使い2『あれ?』

神機使い2『攻撃対象、俺に来てるな』


神機使い1「え?」


 刀身を振り回す、チョウワンを斬る手応え。
 一歩前進、イェン・ツィーの足を削る、翼を削る、


神機使い1(有り得るのか?攻撃対象が二人になるのは)


 肩越しに振り返る。
 遠くに青、小型の影が見えた。
 近くに青、滑空するその影が、


神機使い1「後ろだ!!」

神機使い2『くそっ、もう一体いるのか!』


 強靭な足で掴まれたのか、引きずり上げられる仲間の姿。短い悲鳴と飛び散る血痕。
 それでも、抵抗していた。至近距離から撃たれたのだろう、次の悲鳴はイェン・ツィーのもの。
 宙で放り出された仲間が落ちる、その地点は、


神機使い1「待っ――」


 展開した咬刃、黒い軌跡が走るその中だった。





 戦闘記録No.××

戦闘記録おわり。次から本編やる。
GEは女主人公の方が多い認識だけどプレイヤーと=とは全く思ってないよ当たり前だよね……


【01】


 蒼氷の峡谷。


女神機使い「――こちらサキ。A地点付近でコンゴウの死体を発見した。……通常種だな」

女オペレーター『討伐対象のコンゴウは先に倒されていた……ならば、やはり所属不明の神機使い――プレイヤーがいる可能性が高いですね』

サキ「腕輪。未登録の反応があったんなら、プレイヤーしかいない」

サキ「……不味いな、地面に血痕がある」

女オペレーター『プレイヤーの、ですか?』

サキ「十中八九そうだろう……観測所に向かっているようだ。俺も向かう」

女オペレーター『付近にアラガミの反応はありません。が、気を付けて下さい』

サキ「ああ、わかってる」


 蒼氷の峡谷
 観測所内


サキ(……ここ、ゲームでは入れなかったな……放棄された建物は外より寒く感じる)

サキ(地面の血痕は……この部屋か、……生きているといいが)


男神機使い「…………」


サキ(……男、震えているが、生きている)

サキ「……大丈夫か」

男神機使い「!!」

サキ「……コノエ、プレイヤーを発見した。負傷しているようだ」

コノエ『了解、医療班を手配しておきます。帰投ヘリの手続き完了しています』

サキ「助かる」

男神機使い「…………」

サキ(ボロボロだな、おまけに酷い顔をしている。……そりゃそうだ。気付いたらこんな世界で、神機持ってアラガミと対峙していたとあれば)

サキ(……使用神機はバスター、シールド……ブラストか)


サキ(メテオ使用者ならすでに使って死んでいるはず……それにコンゴウの傷は剣撃の方が多かった)

サキ「……よく頑張ったな。いきなりGEの世界に飛ばされて、いきなりアラガミと対峙させられて」

男神機使い「……え」

サキ「俺もプレイヤーだ。お前と同じ」

サキ「例え神機使いでも“エリック上田”で簡単に死ぬ世界だ。もう大丈夫だ、なんて簡単に言えないが」

サキ「うちのオペレーターが周囲にアラガミの反応は無いと言っている。だから……ひとまずは大丈夫だな」

男神機使い「……は、はい……」

サキ「名前は?」

男神機使い「っ、ふ、冬野です……」

サキ「俺はサキ。まぁこのキャラクターの名前だけどな」

男神機使い「じゃ、じゃあ……冬野はカタカナで表記でお願いします……」

サキ「……はは、それを言えるってことは少しは落ち着いたって事でいいか」

サキ「まずは手当。現状の簡単な説明は帰投ヘリで」

サキ「詳しい説明はアナグラに戻ってからだな。……これからどうするか、決めなきゃならない」

フユノ「よろしく、お願いしましす……!」



【02】


 帰投ヘリ内


フユノ「あの、サキさん」

サキ「なんだ」

フユノ「その座り方だと、パンツ見えちゃいそうです!」

サキ「…………、」

フユノ「その……気に触ったならすみません、女の子がそんなに足を開いて座るのは……いけないなって……思って……その……」

サキ「悪かった、出来るだけ下着は見せないよう気を付ける。……が、正直な話、仕草には目をつぶってくれ」

サキ「外見はこれだが中身は立派な男なんだ。それに外見通りに演じる余裕はなくてな、そんな趣味もない」

フユノ「え、あ……ああ、そっか……そうですよね、見た目が女の子でも、プレイヤーの性別と一致しているわけじゃないですよね」

サキ「まぁな、キャラメイク系のゲームはプレイヤーの趣味が大きく反映される」

サキ「……だってのに外見GEBの公式男主人公とそっくりなお前はもっと趣味を出すべきだった。二次元なんだから弾けるべきだった」

フユノ「え……その……すみません、これでも考えて、シエルちゃんといちゃいちゃするべく、考えて……!」



サキ「俺は全力で百合を楽しんだ」


フユノ「…………」

サキ「恥ずかしくなんてないぞ。俺は可愛い、ヒロインは可愛い。最高だった。……ただ、」


サキ「アリサの寝とられ感は辛かった」


フユノ「うう……真っ直ぐな目でこっち見ないで下さい。……その、私だって、ちょっと思う所ありましたし、確かにサキさんも可愛いと思いますから」

サキ「そうか、ありがとう」

フユノ「…………」
サキ「…………」

フユノ(…………さっきまで死ぬかと思ってたのに、私、変な会話してるなぁ)


 登場人物


・サキ
 ショート/アサルト
 白髪美少女。プレイヤーは男。主人公。


・コノエ
 サイズ/ブラスト
 金髪女性。プレイヤーは男。オペレーター職なのは二つ目の戦闘記録参照。神機使い1。


・フユノ
 バスター/ブラスト
 外見もろGEB男主人公。プレイヤーは女。


・神機使いBの人
 ロング/スナイパー
 性別女。プレイヤーも女。誰か名前他貸してくれ。


・これから出る槍男
 性別男、プレイヤーも男。
 誰か名前他貸してくれ


 アバカ着ぐるみ祭してたわ、辛い。アバカ交換のためにインフラは行きたくないんだよな


【03】

 アナグラ
 エントランス


サキ「さて、手当はすんだ。軽傷みたいで良かったよ」

サキ「まずは……そうだな、」

サキ「ターミナルの使い方はわかるだろ?その腕輪が認証キーになってる」

サキ「ここに戻った時点で極東支部には認識される。が、ターミナルの接続がフェンリルが完全認識するきっかけになるみたいなんだ。野良イーターから正規のゴッドイーターにさ」

フユノ「……認証、済みました」

サキ「ちょっと前まで所属不明だった神機使いのお前も、これで完全に極東支部所属と認識される」

サキ「それも、極東支部に元々いた神機使いとして」

フユノ「…………!!これは、私のデータ……全部そのまま、同じ……」

サキ「下手に散財してないなら、そう危険なミッションをこなさなくてもしばらくはやっていけるだろうよ」

フユノ「………、メール、全部消えてますね。けど……知らないメールが一通、来てます」

サキ「だろうな。俺が知ってる限り、こんな世界に存在する羽目になったプレイヤー全員に来ている」

サキ「件名は『終末捕食開始』。内容は」


フユノ「……『ゲームオーバー』……差出人は、私、ですか」

サキ「それぞれ自分の名前になる。……なぁ、最後の記憶について聞いていいか?」

フユノ「はい」

サキ「……インフラ、やってたろ」

フユノ「……はい」

サキ「『ストーリーを手伝って下さい』部屋のコメントにはそうあった」

フユノ「!……っ、はい」

サキ「部屋に入ると画面が真っ暗になった。……これが最後のはずだ」

サキ「次に気付いた時には神機を握っていた。間違いはあるか?」

フユノ「その通りです、間違いはありません」

サキ「……そうやって、のこのこ部屋に入ったプレイヤーがこっちに飛ばされたわけだ」

フユノ「プレイヤーの方は沢山いるんですか?」

サキ「……沢山いた」

フユノ「…………いた、とは」

サキ「そのままの意味だよ」


サキ「現代を生きる俺達が生きていくには、この世界は厳しすぎるんだ」

フユノ「私、運が良かったんですね」

サキ「悪すぎはしないが良くもない。度胸がなきゃお前はここにはいないよ」

フユノ「…………そう、ですか」

フユノ「…………」

フユノ「…………あの、」

サキ「――あ、悪い、ちょっと通信入った」


コノエ『業務終了です、そちらに合流します』


サキ「じゃあアイツ等も、無事にミッションを終えたって事か」


コノエ『はい』


サキ「了解、自室のフロア、休憩所で待ってる」


コノエ『わかりました』


サキ「場所、移動するぞ。お前の自室にもターミナルは設置されてるはずだから、いじるのはその時な」

フユノ「え……私の部屋あるんですか?」

サキ「言ったろ、お前はもう極東支部所属だって」

サキ「おかしな話だが、お前はこの極東にいた事になってるんだよ。だから部屋はある。最低限の家具しか無いと思うけどな」

フユノ「まさか……ブラッドのフロアにある部屋じゃ……」

サキ「残念、俺達は一般神機使いだ」

サキ「例え腕輪がブラッドと同じでも、感応種と相対しようが神機が動作異常を起こす事がなくても」

サキ「ブラッドアーツやブラッドバレット……ブラッドレイジまで使えても、な」

フユノ「……やっぱり、身体のスペックはゲームと同じ……?」

サキ「……全部同じ、ではないさ」

サキ「……ま、とりあえず行こうか。うちのオペレーターと合流する」


【04】

 アナグラ
 一般神機使い専用フロア
 休憩所


フユノ「冷やしカレードリンク……本当に自販機で売ってたんだ……」

サキ「それ、本気で薦めないんだが」

サキ「とりあえず、好きなの押してくれ。おごるから」

フユノ「え……そんな、悪いです」

サキ「コンゴウを仕留めたのはお前。でも報酬はミッションを受けた俺達にいく。まぁそれはおいおい返すとして」

サキ「ジュースの一つや二つの代金払って生活に困るほど財政難じゃないんだよ。おとなしく選んでくれ。後がつっかえる」

フユノ「あ、じゃあ……その……お茶で」

サキ「コノエ、お前は?」


コノエ「僕もお茶で」


サキ「了解」


フユノ「!!」

コノエ「はじめまして。コノエと言います。……もちろんこのキャラクターの名前ですけどね」

フユノ「わ、わたし、フユノっていいます。よろしくお願いします!」

コノエ「はい、よろしくお願いします」

フユノ「その……プレイヤーさん、ですよね?」

コノエ「はい。サキさん達部隊……部隊と言えるかは微妙ですが、部隊専属に近いオペレーター業をやっています」

サキ「はい、お茶」

フユノ「――!ありがとうございます!」

サキ「はいよ、お茶」

コノエ「ありがとうございます」

フユノ「……えっと……その腕輪、神機使いじゃなく、何故オペレーターに?」

コノエ「…………、」

サキ「色々あってな、神機の適合率が使用不可になるまで落ちたんだ」

サキ「だから、適合率の高い他の神機が見つかるまでオペレーター業をやっている。ヒバリと同じだな、あっちはもう適合神機見つからない方が極東支部のためなんだろうけど」


コノエ「僕自身に問題がありまして、サキさん達に拾われた形です」

サキ「拾った俺達が生き延びてこられたのはこいつのおかげでもあるんだが」

コノエ「そうですか、ありがとうございます」

サキ「…………、」



コノエ「ところで、フユノさん。サキさんからどこまで聞きました?」

フユノ「ここはGEの世界で、私と同じくここに飛ばされたプレイヤーがいると」

フユノ「……沢山いたと、聞いています」

コノエ「インフラの、件のあの部屋に入るにはストーリー進行度が関わってきます。……フユノさんはクリア後と考えても?」

フユノ「はい」


コノエ「なら、この世界についての説明はいりませんね。僕から話せるのは……ゲームとの大きな違いでしょうか」

コノエ「プレイヤーは沢山いました。……沢山いたようです」

コノエ「察しがつくでしょう。プレイヤーの死因はアラガミによる捕食。……ですが、少し前までアラガミを上回るプレイヤーの死因が存在しました」


コノエ「それは、プレイヤーが、プレイヤーを……殺してしまう事」


コノエ「アラガミだけに当たる攻撃なんて、この世界には存在しません」

コノエ「振りかぶった神機の、その先に……アラガミと誰かがいたのなら。こちらが意図せずとも、誰かもろとも真っ二つです」

コノエ「誤射もそうです、吹っ飛んで終わりじゃないんです。呻く程度なわけない。この世界にHPなんて概念存在しないんですから」

コノエ「そうですね、ショットガンの散弾なんか……身体が穴だらけになってましたよ」


フユノ「…………」

サキ「ちなみに俺、吐いた。見れたもんじゃない」

コノエ「…………」

コノエ「フユノさんはブラストを使うようですが、『メテオ』と呼ばれるバレットについては、」

フユノ「……知ってます。みんな死ぬ、みたいなバレットですよね。……それに頼ればプレイスキルが落ちてしまいそうで、作ったことは無いんです」

コノエ「人のプレイスタイルについてとやかく言うつもりはありませんが、僕はいいと思いますよ。それで」

コノエ「メテオは……撃てば有効範囲内が吹き飛ぶ危険なバレットです。ここでは心中バレットなんて名前で呼ばれていますよ」

フユノ「……心中、」
 
コノエ「……さて、ここまでで何か質問はありますか?……生憎、明るい話題は提供出来そうにありませんが」

フユノ「…………すみません、ちょっと混乱してて……何を聞いていいか」

サキ「……じゃあ俺が、笑えそうで全然笑えない話をする」


サキ「あの誤射姫。カノンの件だ」


サキ「あの人、今はもう誤射しない。攻撃系のバレットはほとんど撃たなくなった。回復メインの完全なる衛生兵」

サキ「おまけに、裏カノン。あの狂暴な方の人格、消えて無くなっちまってる」

サキ「まぁ、この世界、カノンの誤射はもう洒落にならないからな。誤射しない今の方がいいんだろうけど」

フユノ「……いったい何があったんですか?」

サキ「やっぱり、いたんだよ。プレイヤーに、本気でカノンが好きな奴が」

サキ「あのカノンとミッションに行くなんて、正気の沙汰じゃない。誰もがそう思っただろうよ」

サキ「でも、そいつ、カノンに本気な分上手くてさ。多分、カノンの動きや癖を完全に把握出来る程連れ回していたんだろうな」

サキ「プレイヤーの中でも、トップレベルに上手い奴だった。一度だけミッションに同行したことがある……あんな奴を『変態』って言うんだと心から思ったよ」


サキ「……けど、死んだよ。そいつも」


サキ「ミッションから帰ってきたのはカノンだけだった」

サキ「カノンをかばって死んだんだとさ。……帰って来なかったカノンのもう1つの人格は、そいつと最期を共にした、なんて言われてる」

サキ「笑えそうで笑えないだろ。ここまでGEのキャラクターに深入りしたのは、あとにも先にも、きっとそいつだけだと思うよ」


【05】


 アナグラ
 サキの自室


「こんばんー、サキー、起きてるー?」

サキ(来客……ビー子か)

サキ「起きてる、どうぞ」

ビー子「聞いたよ、プレイヤーを保護したんだって?」

サキ「保護ってわけじゃない。所属不明の反応があったから、任務がてら探してみたんだ」

ビー子「それが保護でしょうに」

ビー子「で、どうするつもり?この世界については色々レクチャーしてあげたんでしょ?」

サキ「どうもこうも、なるようになるだろ。こっちは死なないためのアドバイスぐらいしか出来ないし」

ビー子「……なるようになる、ね」

ビー子「で、ミッション行くんだって?そのプレイヤーの子と」

サキ「死なないためのアドバイス、全部はしていない。……戦闘時の方が知らなきゃいけないことが多い」


ビー子「…………やめときゃいいのに。馬鹿だな」

サキ「……別にいいだろ。お前に同行を頼んだわけじゃない」

サキ「ミッションも、そう難易度の高い物を選ぶつもりはない」

ビー子「はっ、頼まれても行くわけないだろ。慣れてないプレイヤーとミッションなんて」

サキ「…………」

ビー子「組む奴がいなくなっても困るから、とりあえず死ぬのは勘弁してよ」

サキ「そこまでお人好しじゃない」

ビー子「ふん、どうだか」

サキ「…………」

ビー子「…………、」

サキ「なんだよ、人の顔ガン見して」

ビー子「……いや、」

ビー子「ほらこれ、お裾分け。かの有名なブラストクッキーだ」

サキ「おう、ありがとう」

ビー子「じゃ、行くわ。おやすみ」


サキ「ん、おやすみ」









 サキ自室前 廊下


ビー子「…………あー、もう、」

ビー子(ほんと、面倒な事をする)

ビー子(プレイヤー支援のために活動する一派もあるんだ。任せるのが一番手っ取り早いのに)

ビー子(何で一緒にミッションなんか……アラガミの他にプレイヤー、危険要素増やしてどうするんだよ)

ビー子(……でも、言い方、ミスったよな……)

ビー子「私は、もう」

ビー子(スコープの向こうで仲間が死ぬのを、見たくないだけなのに)


【06】


 黎明の亡都


サキ「ミッション受注の流れは理解したか?」

フユノ「……はい」

サキ「なら、あとはアラガミを叩くだけ」

サキ「……なんだが、大丈夫か?」

フユノ「…………」

サキ(ガタガタに震えてるな、)

サキ(そりゃそうだ……今回の討伐対象、オウガテイルさえ、自分より大きい)

サキ「火事場の馬鹿力って言葉もあるしな。……普通は、もうあんな死にそうになる体験、したくないだろ」

サキ「けど、これが俺達の仕事だ。逃げ出せば……ロミオの件もある。わかるだろ?」

フユノ「……わかって、ます」

サキ「……まぁ、気楽に、なんて甘い事は言えないが。最初は雰囲気に慣れることだ」

サキ「何もしないで、見てるだけでいい。俺達プレイヤーがどう動くか」


サキ「そして、どうすれば仲間を傷付けずに戦えるかを、考えてくれ」

サキ「それが出来るようになれば、この世界でやっていける」

サキ「……いけるか?」

フユノ「……いけます」


コノエ『サポートはお任せ下さい』

コノエ『計器の以上はありません。小型アラガミの反応、三つ。各地点に散らばっています』


サキ「了解。各個撃破といこうか」


サキ「――任務、開始する」








 ×××××


 予定された、最後のオウガテイル。その死体を一瞥し、口を開いた。


サキ「オウガテイル含め小型種の攻撃パターンはゲームと同じだ」

サキ「違うのは、ダメージ。噛まれたりなんかしてみろ、食い千切られるぞ」

サキ「そもそも、初任務の時の……ジュリウスのアレだって普通に食い千切られるはずなんだ。GEキャラの耐久力はおかしい、どうなってんだ」

サキ「……俺達一般ゴッドイーターは脆い。特に精神が」

サキ「まず恐怖心。そして痛み。……痛みは一番危惧するべきだな、」

フユノ「……平和な世界を戦わずに生きていた私達は、痛みに慣れていない。……から、ですか?」

サキ「そうだ。もちろん、個人差はあるだろう。……確かに、この身体は現代っ子の俺より強いが、痛いもんは痛い」

サキ「この世界は堪えられない痛みと死を問答無用で与えてくる」

サキ「恐怖心だけはなんとか抑えるしかない、が……痛みは全力で避けろ。ノーダメージプレイだ」

サキ「痛みで怯んだ一瞬が死に繋がる。怖いよな、本当に」

サキ「恐怖心の克服も対アラガミの動きも慣れとしか言いようが無いが……あ、そうだ」

サキ「有名なリンドウさんの格言、アレは生存率上げるぞ。ゲームだけじゃない」

サキ「……と、まぁ、最初はこれぐらいか。徐々に慣れて戦えるようになればいい」


サキ「そもそもソロでコンゴウを倒せたんだ、お前はちゃんと出来る奴だよ」

フユノ「……私、頑張ります」

サキ「んじゃ、帰るか」


コノエ『サキさん!緊急事態です!』


サキ「!」
フユノ「?」

サキ「アラガミの侵入か?中型なら受けるが大型なら逃げるぞ」

コノエ『いえ……そのエリアにアラガミの反応はありません。ですが、救援依頼が出されています』

コノエ『場所は贖罪の町、救援依頼を出したのは……トンボさんです』

サキ「了解。帰投ヘリを贖罪の町へ向かわせる手配を。俺だけ下ろしてフユノにはそのヘリでアナグラへ戻ってもらう」

コノエ『わかりました。すぐに手配します』

サキ「フユノ、悪いが直帰とはいなかない。お前には贖罪の町を経由して帰投してもらう」

フユノ「何かあったんですね?」

サキ「ああ。救援依頼を受ける事になった。……悪いがすぐに向かいたい」


【07】

 贖罪の街


「っ、は……はぁ、」


 体力がもたない。呼吸すら辛い。
 痛む左足を引きずり、壁を支えに走る――いや、この速度なら歩くが近いのか。


(ああ、くそっ、やっぱり怖いなぁ、逃げる立場は)


 足の負傷が一番痛かった。
 痛みが気力を削ぐ意味、痛みが単純に戦闘体勢に影響する意味。二つの意味で。


(人生一度も骨折なんてしたことないし、折れてんのかなコレ……血も駄目だから直視出来ないし)


コノエ『トンボさん駄目です!進行方向にもアラガミがいます!!』

トンボ「――マジかよ、」


 どたっ、と大きな何かが降ってきた。瓦礫の山の上にでもにいたのか、……完全に意識から外れていた。


トンボ「なんだよ赤グボさん……そのまま逃げといてくれよ……」


 現れたアラガミは、背ビレの欠けたグボロ・グボロ。火に特化した堕天種だ。
 巨大な顔が、小さな目が、捕食対象を確認し――吼えた。
 巨大な牙が並ぶ大口が最大限に開かれる。
 もともと顔が動いているような外見だ。自分が一口で喰われてしまうイメージがまた頭にこびりつき離れない。


トンボ(……ツケがここに回ってきたってことかな)


コノエ『トンボさん!来ますよ!』


 ――一つ後悔するとすれば、真っ先に砲塔を壊さなかったことだ。
 今、まさに向けられた砲塔。接近戦ならまだしも遠距離、広範囲に撃ち出されるであろう炎球をこの足で避けられる気はしない。
 おまけに背後は壁だ。隠れようもない。 


トンボ「……あれ食らったら一瞬で焼死コースかな……マジで、一瞬だと……いいけど」

コノエ『何言ってるんですか!』

 そして、炎球が撃ち出させる。迫る、


サキ「ほんと何言ってんだよ!!」
トンボ「うお!?」


 迫るのは何も炎球だけでない。サキ自身も駆けていた。通信で話す余裕すら捨て、全力で駆けたからこそ、間に合った。

 火球は壁にぶつかり弾ける。三つの火球、広範囲に渡り壁を崩し溶かしたそこに二人はいない。
 そして、壁の崩壊は上へと続いていた。
 ――グボロ・グボロの視線も上へと向けられる。
 捕食対象が増えた。一個体が一個体を掴み、壁を登り逃げた。そんな認識だろう。
 しかし、やってのけた二人の認識は違う。


トンボ「これ、麒麟駆けか……!」

 神機を突き刺し、生み出す小さな爆発の余波を使い壁を蹴り登る。
 ブラッドアーツ、麒麟駆けを利用し初めて出来た事だ。
 しかし、バースト中でもない、人一人を抱えての行動だ。


サキ「やっぱ、長時間は、無理……」

トンボ「でしょうね!二撃目、来るぞ!」

サキ「……いや、来ない」

トンボ「へ、……あ、」


 砲塔は二人に向いていた。
 グボロ・グボロの意識もまた、二人へ。
 気付いてないのだろう。砲塔を狙う三人目の存在に。


コノエ『フユノさん!お願いします!』

フユノ「はああ!」

 ブラッドアーツ
《CC・ブレイカー》

 エネルギーを纏った刀身が降り下ろされ、砲塔を打ち砕く。


トンボ「まさかあの子、保護したっていうプレイヤーかよ!連れてくるなよ危ないだろ!」


サキ「手伝うって言ってきかなかったんだ。それよりなんとかしろ、落ちるぞ!」

トンボ「わかった、ちゃんと掴んでろよ!」


 スピアが光る、ブラッドアーツが発動した。

 ブラッドアーツ
《スカイフィッシュ》


サキ「フユノ!助かった、退いてくれ!」

フユノ『退きません、このまま牙を砕きます』

サキ「ばっ……バースト時じゃないんだ、チャージが間に合うかよ!」


 グボロ・グボロはすぐ側の捕食対象を認識した。それも、砲塔を砕いた相手。


フユノ(チャージ完了まで、あと3秒、)


 攻撃対象は移行していた。
 ヒレをばたつかせ、方向を変える。対象を確認する。
 あとは口を開け食らい付くだけだった。


トンボ「危ない!!」
サキ「フユノ!」


 スカイフィッシュで飛距離を稼ぎ、グボロ・グボロまでの距離を詰めたにしても、まだ遠い。
 神機は届かない、届くまでの数歩が間に合わない。
 

ビー子『頼んだのは私』


 銃声が連続して二つ。
 グボロ・グボロが吼えた。これは悲鳴だ。銃弾が捕らえた両目から血が噴き出す。


フユノ(チャージ完了、)


 ブラッドアーツ
《CC・ホライゾン》


 横薙ぎに振るわれた刀身が次に打ち砕いたのは牙だ。
 グボロ・グボロが口を開け叫び苦しむ、


ビー子『弱い口内を守る盾はもう無い!あとはわかるだろ!!』


サキ「んと、無茶させる!」


 踏み込む、土埃が舞うその一瞬でサキの姿は消えた。

 ブラッドアーツ
《キラービースタッブ》

 グボロ・グボロ、開いたその口に赤い光を纏った刀身が刺さる――光は凝縮したオラクル、すぐに弾けた。

 それが決め手になったのだろう。
 グボロ・グボロは痙攣し、口を開けたまま動かなくなった。


コノエ『アラガミの撃破、確認しました』


サキ「コノエ、お前に知ってたのか」


コノエ『はい』

ビー子『私が黙っててって言った。怒らないでやってよ』

ビー子『あと、フユノ、さん?私の射撃信じてくれてありがとう』


フユノ「当てる、って言葉が自信に溢れていたので。流石です」

サキ「……お前らなぁ」
トンボ「フユノさん、だっけ。ありがとな、助かったよ。ビー子も、サキもさ」


ビー子『こっちはあんたのために二キロ全力疾走した。あとで何か奢れ』


トンボ「おう、みんなに何か奢る。――全部終わったらな、」


コノエ『アラガミ、接近しています。中型――これは、ハガンコンゴウです』


トンボ「来るぞ。……確実に赤グボ以上にキレてるハガンさんが」

サキ「乱戦だったわけか」

トンボ「じゃなきゃこんな目にあってない」

サキ「……フユノ、このキグルミ頭の槍男を頼む。足を負傷してる」

フユノ「はい」
トンボ「キグルミ頭のヤリオって言い方やめてくれよ、俺が変態みたいじゃん」

サキ「ビー子、援護頼めるか」


ビー子『当たり前。もう場所移動してる』

コノエ『アラガミ、接触まで残り五秒――来ます!』

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