シノア「今日からパティシエールです」 (56)



優一郎「次はなんだよ……」

シノア「ですから、パティシエールです」

優一郎「与一、知ってるか?」

与一「えっと、お菓子作りが専門の職人さんじゃなかったっけ」

優一郎「へぇ……」

シノア「平和になった後の職業訓練みたいなものです」

優一郎「お前、料理出来るのか?」

シノア「馬鹿にしないでください。そのくらいやれば出来るはずです!」

優一郎「つまりやったことねぇのかよ」

シノア「端的に言えばそうですね」

与一「だ、大丈夫なの?」

シノア「というわけでお二人にも手伝って貰おうと思います」

優一郎「そうか、断る」

シノア「……そうですか」

優一郎「おい、なんか今日は大人しいぞ?」ボソッ

与一「え?そうかな」

シノア「それじゃ他の人を誘ってきますね」チラッ

優一郎「お、おう」

与一「あ、あはは……僕もちょっと用事を思いだしちゃった」

優一郎「ん?そっか」

与一「また後でね!」

優一郎「おう」


………………………………………

シノア「与一さん、話が違いますよ」

与一「おかしいなぁ……」

シノア「やっぱりいきなり上級編はダメでしたか」

【女の子必見!!気になる男の子を落とすテクニック】

与一(むしろよく実践しようと思ったよ、これは……)

シノア「お料理編の上級はまだ早かったですね」

【気になる男の子と一緒にお料理すれば、一気に距離も縮まるかも!?☆☆☆☆★】

与一「むしろなんで苦手な料理を選んだのさ」

シノア「星が4つで一番可能性が高いと思ったので」

与一「えぇ……」



シノア「次はどうしましょうか」

与一「ノープランなんだね」

シノア「与一さんが助けてくれると信じてますから!」

与一「えぇ……そんなこと言われても」

シノア「ワクワク♪」

与一「なんで口に出してるのかなぁ。えーっと……ならこの初級の奴はどう?」

【気になる男の子に手作り料理をプレゼント!失敗しても気にしない!料理はハート!!☆☆★★★】

シノア「凄くバカっぽいこと書いてありますね」

与一「シノアさんの本だけど!?」

シノア「料理ですか……無理そうですね」

与一「お菓子とかが良いんじゃないかな?簡単なものとかなら多分平気だよ」

シノア「お菓子ですか」

与一「ちょうどパティシエールの格好もしてるしね」

シノア「それもそうですね!ではそうしましょう!」

______________________

シノア「というわけでみっちゃんも一緒にやりましょう」

三葉「どういう訳だ!?私を巻き込むな!」

シノア「えー?良いじゃないですか。一緒にやりましょうよー」

三葉「離れろ!鬱陶しい!」

シノア「手伝ってくれるまで離れませーん」ギュー

三葉「分かった!分かったから離れろ!」

シノア「いぇーい、やりましたよ与一さん♪」

与一「あはは……ごめんね」


三葉「それで、何をやるんだ」

シノア「世の中にはバレンタインという素晴らしいイベントがあってですね、2月14日に意中の人にチョコレートを贈るみたいです」

三葉「ほう……」

シノア「ですから、チョコレートを作ってプレゼントしようかと」

三葉「成る程な」

シノア「では早速」

三葉「所で今日が何月か知ってるか?」

シノア「6月ですよ。へんなこと聞きますね」

三葉「そのイベントは4ヶ月前に終わってるだろ!?」

シノア「確かに4ヶ月前にはそんな浮わついた空気が軍内部にも蔓延っていましたね」

三葉「ならなんでその時に渡さなかった!」

シノア「私、まだ優さんと会ってません」

三葉「……確かにその通りだな」



シノア「なら問題はないですね」

与一「ねぇ、この暑さだとチョコレートは溶けるんじゃないかな」

シノア「……」

三葉「……」

シノア「そこは溢れる愛情で溶けたことに」

与一「ならないよね!?」

シノア「でも一番楽ですし」

三葉「冷蔵庫に閉まっておいて、ここに呼び出して食わせればいいだろ」

シノア「成る程!みっちゃん流石ですね!」

三葉「ふふん!それほどでもないぞ!」

与一「それでいいんだ……」


_________________________

シノア「というわけでカカオ豆を用意して貰いました」

与一「えぇ!?そこから作るの!?」

三葉「何を言っているんだ?チョコレートはカカオ豆から出来ているのは常識だろ」

与一「そういう次元の話じゃなくてさ」

シノア「では与一さん!次はどうすればいいですか?」

与一「なんで僕に投げるの!?」

シノア「与一さんは料理出来ますよね?」

与一「それは、出来るけどさ……」

シノア「ならチョコレートも出来ますよね ?」

与一「ぜんぜん違うよ!?」

三葉「お前が頼りなんだからな」

与一「……調べてくるから待っててよ」

シノア「なるべく早くしてくださいね!」


_____________________

与一「それじゃ始めるよ」

シノア「はーい♪」

三葉「準備万端だぞ」

与一「えーっと、まず始めにカカオ豆を焙煎します」

シノア「焙煎、ですか」

与一「オーブンを使って焼くみたい」

三葉「何℃だ?」

与一「120℃で大体20分くらいってあるよ」

シノア「120℃で20分ですね」

三葉「よし、ぶちこんだぞ」

シノア「スイッチオーン♪」

与一「え!?いや、あの余熱を……」

三葉「ん?どうした」

与一「なんでもない……」



チーン

シノア「いい感じに焼けましたよ」

三葉「それで次は?」

与一「次は皮と胚芽を取り除いて、胚乳部分を分ける……だって」

シノア「中々めんどくさいですね……」

三葉「仕方あるまい。これも至高の一品のためだ」

与一(既製品から作った方が絶対楽だよね。言わないけどさ)
_______________________

三葉「大体出来たぞ」

シノア「頑張りました!」

与一「まだ地味に残ってるし……」ヒョイヒョイ



三葉「細々としたのは苦手だ……」

与一「えっと、次は豆の粉砕です」

シノア「遂に来ましたねみっちゃん!」

三葉「そうだなシノア!」

与一「え?なになに!?」

三葉「天字竜!」

与一「ちょっと何するの!?」

三葉「なーに、豆を砕くだけだ」

与一「他のものも砕けちゃうよ!」

三葉「ならどうしろというんだ」

与一「フードプロセッサー使いなよ」

ポチ。ヴィーー!!、ポチ。ヴィーー!!
シノア「へぇー、便利なものもあるんですね」

与一「あるなら最初から使ってよ!」


与一「ある程度まで砕いたら一旦すり鉢に移すからね」

三葉「最後までやればいいだろう。めんどくさい」

シノア「確かにそうですけど」

与一「あ、ダメだっt」

ブゥン……プスプス

三葉「な!壊れたぞ!?」

与一「油分が多いからモーターに負荷が掛かったんだよ……」

三葉「それを先にいえ」

与一「話を聞いてよ!?」

シノア「では次からはちゃんと与一さんの指示の基で動きましょう」

与一「なんか疲れてきた……」



三葉「あとはすり鉢で砕けばいいんだな?」

与一「取り敢えずはね」

三葉「任せろー!!」ゴリゴリゴリゴリ!

シノア「私は何をしましょうか」

与一「えーっと、カカオバターってのを用意して欲しいな」

シノア「カカオバター?」

与一「え?ないの?」

シノア「マーガリンならありますよ」

与一「全くの別物だからね!?」

シノア「作れないんですか?」

与一「面倒だから既製品があるに越したことはないと思うよ」

シノア「なら内線を使いましょう」

与一「内線?」



シノア「あ、もしもし」

『どなたでしょうか』

シノア「柊シノア軍曹です。暮人兄さんに変わって貰えますか?」

『……少々お待ちください』

シノア「はい♪」

与一「ど、何処に連絡してるの?」

シノア「それは後で教えてあげますね」

『…なんの用だ』

シノア「ちょっとばかりお願いがありまして」

『必要ならグレンに言えよ』

シノア「まぁまぁ、たまには可愛い妹の頼みを聞いてくださいよー」

『……時間が勿体ない。用件を言え』

シノア「カカオバターが欲しいです」

『……何だと?』

シノア「お菓子作りをしているのですが、カカオバターが無くて困ってるんですよ」

『………』
ガチャン

シノア「あれ?切られちゃいましたね」


与一「結局どこに連絡したの?」

シノア「日本帝鬼軍の中将様です。私の兄にあたる人ですね」

与一「」ガタガタ
_________________________

三葉 「ないならマーガリンでも良いだろ」

与一「良くないからね!?」

シノア「ではどうしましょうか」

コンコン

シノア「はーい、なんですかー?」

兵士「失礼します」

シノア「どうしましたか?」

兵士「はっ!暮人様からお届け物です!」

シノア「おや、これはまさか!」

三葉「どうした?」


シノア「吸血鬼の首とかですかねー?」

与一「なにそれ怖い」ガタガタ

シノア「中身はー」

三葉「わざわざ届ける物だから何かとんでもない代物じゃないのか?」

シノア「これはなんでしょうか」ヒョイ

与一「あ、カカオバターだ」

シノア「おぉー、わざわざ作ってくれたんですかね?」

与一「え、それも怖い」ガタガタ

シノア「違いますね。値札が貼ってあります」

三葉「これなら続きが出来るのか?」

与一「え?あ、うん」


_______________________

与一「カカオバターを細かく砕いて」

三葉「こうか?」バキッバキッ

与一「も、もう少し丁寧にね……」

三葉「加減が難しいな」ゴリッゴリッ

シノア「私もやりますよ」

三葉「私の仕事だ!」

シノア「しょぼーん」チラッチラッ

三葉「あざといな」

与一「あ、あははは……」

_____________________

与一「さっき三葉さんが砕いたカカオマスに、カカオバターと粉砂糖、粉ミルクを入れてまた擦ってください」

シノア「今度は私がやります」

三葉「任せた」プルプル

与一「慣れないと疲れるよね」



シノア「だいぶいい感じになってきましたね」

与一「なら味見をして適度な滑らかさだったら目の細かいザルで更に細かくしていこっか」

シノア「了解です隊長」

与一「た、隊長は辞めてよ…///」

シノア「おやおや?照れてますね?隊長」ニヤニヤ

与一「もう!早くやろうよ!///」

三葉「ふむ、中々旨いな」ペロ

シノア「あ、みっちゃんずるーい!」ギュッ

三葉「ちょっと、やめ!?」

シノア「私にもくださいよー」

三葉「好きに味見すれば良いだろ!?」

シノア「私はみっちゃんにあーんして欲しいです!」

三葉「断る!」

シノア「なら断ることを断りまーす♪」

三葉「なっ!?」

与一「……これ、今日中に終わるかなぁ」



与一「次はコンチングっていう作業があるんだけど……」

三葉「どうした歯切れが悪いな」

与一「今細かくしたのを湯煎しながら更に練り続けるんだよ」

シノア「別に先程と変わりませんね」

与一「……3日なら5日ほど」

シノア・三葉「そんなにですか(か)!?」

与一「あ、でも今回はそんなに拘らないなら1時間くらいで良いかな」

シノア「折角なら拘りたいですけど……」

三葉「流石に3日も掛かるとなるとな……」

シノア「飽きますね」

与一「そっちなんだ!」

シノア「じゃあみっちゃん、10分交代でやりましょう」

三葉「そうだな。無駄に手が疲れるからな……」

シノア「与一さんも手伝ってくれればいいのに」

与一「僕が監督してないと二人とも絶対暴走するでしょ」

三葉「そんなことあるか!失礼だぞ!」

与一「……フードプロセッサー」ボソッ

三葉「監督役は大事だな!うん」


与一「あ、ちょっと席外すね」

三葉「……あいつお前と同じくらい腹黒いな」

シノア「え?私は全然腹黒くなんてないですよ?ほらっ」チラッ

三葉「物理的な話じゃない!」

シノア「えー、シノアちゃんちょっとよく分かんないです」

三葉「久々に殴りたい」

シノア「みっちゃんはツンデレさんですねー?本当は私の事、だーい好きなのに♪」

三葉「さて、与一が居なくても進めておくか」

シノア「スルーして来ますね」

三葉「とっとと終わらせてティータイムに移りたいんだ」

シノア「なるほど。美味しそうですもんね」

三葉「取り敢えず君月やグレン中佐の分も作るか」

シノア「中佐ってチョコレート食べるんですかね?」

三葉「どうだろうな」

シノア「作るだけ作っちゃいましょうか」

三葉「……所で湯煎ってなんだ?」

シノア「さぁ?お湯を入れるんじゃないですか?」

三葉「取り敢えず沸かすか」


_____________________

シノア「お湯が沸きました」

三葉「どのくらい入れるか」

シノア「取り敢えず様子見で10対1くらいの割合にしましょう」

三葉「分かった」

与一「ごめんね!続きをやろうってなにしてんの!?」

シノア「お湯を入れるところです」

与一「入れちゃダメだよ!」

三葉「なに!湯煎とはお湯を入れることじゃないのか!?」

与一「……ボウルに張ったお湯を使って温めながら溶かすことだよ」

三葉「成る程」

シノア「いやー、危うく大惨事でしたね♪」


__________________________

シノア「こんぐらいで良いですよね」

三葉「私は少し休むぞ……」ハァハァ

与一「半分以上三葉さんがやってたよね」

シノア「みっちゃんが意地張ってるからですね」

三葉「ふふふふ、シノアには負けないぞ」

シノア「ほら」

与一「料理の勝ち負けってなんだろ」

シノア「さぁ?どれだけ多くの人が喜ぶかですかね?」

与一「そんなに沢山作らないでしょ」

シノア「なら食べて貰いたい人が美味しいって言ってくれた時ですね!」

与一「それって……!」

シノア「なんか今それっぽいこと言えましたよね!?」

与一「うん、そうだね……」

シノア「次はどうしますか?」

与一「え?あ、うん。次はテンパリングって言って湯煎で大体40~50くらいの温度で練って、チョコレートの組織を安定化させるみたい」

シノア「さっきから混ぜてばっかりですね」

与一「そりゃ一から作ればそうなるよ」

シノア「このままじゃつまらないので何か女子会トークでもしましょうか」

与一「僕男だからね!?」

シノア「え?」

与一「え?」

シノア「……」

与一「……」

シノア「さーて、テンパリングしましょう!」

与一「シノアさん!?」

シノア「冗談ですよ。軽いシノアちゃんジョークです♪」



シノア「あとどれくらい掛かるんですか?」

与一「もう少しだからね!頑張ろう」

シノア「……飽きてきました」

与一「ダメでしょ」

シノア「あ、優さん呼びましょうか!きっと楽しいですよ♪」

与一「渡す人をあらかじめ呼び出すんだ」

シノア「……あ」

与一「忘れてたんだ」

シノア「……呼ぶのは後でも良いですね///」

与一「そうだね。あははは」

_______________________

与一「それじゃそれを温度調節のしやすいステンレスのボウルに移そうか」

シノア「分かりました!」

三葉「よし!復活だ!」

シノア「大丈夫ですか?」

三葉「ふふん!もう問題ないぞ!あの程度、造作もない」

与一「それじゃ冷水で大体27、8℃くらいまで冷やして」

シノア「んー、温度が分かりづらいですね」

三葉「……!少し待ってろ」ダッ

与一「どうしたんだろ」

シノア「お花摘みじゃないですか?」

与一「女の子なんだから辞めなよ」

シノア「はーい♪」

与一(絶対辞めないな……)

三葉「待たせたな!」

シノア「なんですかそれ」

三葉「温度を計るための水銀体温計だ」

与一「絶対食品には向かない代物だ!」


グサッ
三葉「これで温度は問題ないな」

与一「温度とは別の問題が出てきたけどね」

シノア「細かいことは気にしない方が良いですよ」

与一「……そ、そうだね」

三葉「中々下がらないから氷を入れてもいいか?」

与一「まだ熱を持ってるだけだから入れないで平気だよ。そんなに焦る必要はないから」

三葉「まったく、慣れない事はするべきじゃないな……」

シノア「でもでも、やっぱり男の子は料理が出来る女の子にトキメクものですよ?ねぇ、与一さん」

与一「え?……うーん、そうなのかなぁ」

三葉「なんだ、歯切れが悪い」

与一「僕はそこまで拘らないからさ。出来ないなら僕がやれば良いだけだしね」ニコ

シノア「……戦わずして負けた気がします」

三葉「……奇遇だなシノア。私もだ」

シノア「これが巷で噂の女子力ですか」

三葉「私たちには戦闘力しかないからな」

シノア「えー、みっちゃんと一緒にしないでくださいよー」

三葉「事実だろ」

与一「あ、あははは……」



________________________

シノア「一時間経ちましたね」

三葉「もう終わりで良いだろ……」

与一「次はまた湯煎で30℃くらいにして練るみたいだね」

三葉「さっきからずっと練ってばっかりだろ!」バンッ

与一「ひぇっ!?で、でも作り方通りだから……」

三葉「これなら吸血鬼狩りをしているほうが億倍楽じゃないか!」

シノア「はいみっちゃん。あーん」

三葉「んむ!?」

シノア「疲れている時には甘いものを食べてリフレッシュしましょう!」

三葉「うむ、甘いな」モグモグ

与一「なに食べてるの……」

シノア「かりん糖ですね」

与一「し、渋いね」

シノア「みっちゃんのですよ」

三葉「これがお茶とよく合うんだ」

与一「あ、そうですか……」

三葉「食べるか?」

与一「……貰おうかな」

三葉「ほれ」

与一「ありがとう」モグモグ


__________________________

三葉「これでいいかー?」

与一「だいぶ疲れてるね」

三葉「まぁな。腕しか使ってないと普段以上に疲れるな……」

シノア「そうですね……。私ももう腕が棒みたいです」

与一「もうこれで最後だね。型に入れて固める」

三葉「ふぅ……。やっとここまでたどり着いたのか」

シノア「ゴールは直前ですね!」

三葉「型はあるのか?」

シノア「無難に星や丸の型を用意してみました」

三葉「よし、なら流し込むだけだな」

シノア「ではみっちゃん。二人別れて作業しませんか?」

三葉「なんでだ?このままやった方が楽だろ」

シノア「思い思いのものを作って後でお披露目した方が楽しいじゃないですか♪」

与一「シノアさん、後ろに何を持って」
シノア「何も持ってませんよ!!?い、いやですねー与一さん。あははは」

与一(誤魔化すの下手だなぁ……)

シノア「与一さんはそこから動かないでくださいね」

与一「え!?なんで」

シノア「……いいですね?」ニッコリ

与一「……はい」

三葉「シノアー、適当に型を借りてくぞー?」

シノア「どうぞどうぞー♪」


_____________________

シノア「ここをこうしてー……。あはっ♪」

与一「大丈夫ー?」

シノア「大丈夫ですよ」



三葉「こんなものか……」

与一「平気ー?」

三葉「この程度、造作もない!」

与一(やること無いや…)


_____________________

シノア「それじゃ」

三葉「いっせーのーせだからな」

シノア「……いっせーのー」

シノア・三葉「せ!」

シノア・三葉「おー!!」

三葉「ふむ、いい感じに出来ているな!」

シノア「これなら完璧と言っていいでしょうね♪」

与一「二人ともお疲れ様!」ニッコリ

シノア「いやー、与一さん。ありがとうございました」

三葉「そうだな。礼を言うぞ与一」

与一「僕は何にもしてないって!二人が頑張ったからだよ!」





シノア「それではー♪」

与一「ラッピンg」
三葉「さっさと渡すか」

シノア「そうですね」

与一「包んだりしないの!?」

三葉「どうせすぐに剥ぐならいらないだろ」

シノア「勿体ないですし?」

与一「それをいったらそうだけどさ……」

三葉「なら優を呼ぶか」

シノア「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!?」

三葉「なんだ」

シノア「い、いきなりはまだちょっと……」

三葉「ふむ……なら君月にやるか」

シノア「いつも喧嘩してるのに用意してあるんですか?」

三葉「それは、その……仲間、だからな///」

シノア「聞きましたか与一さん!みっちゃんがデレましたよ!」

三葉「うるさいぞ!」

与一「あははは、やっぱり仲良くが一番だよね!」


_________________________

ピンポンピンポンピンポン!!

与一「ちょっと!やりすぎだって!」

三葉「ほら、さっさと出てこい」

ガチャン

士方「やかましいぞ!誰だ!」

シノア「どうも君月さん」

士方「……」
バタン

三葉「おい!なんで閉めた!」

士方『関わると録な事がないからだ!』

シノア「今回は何もしませんよ」

士方『その言葉に何回騙されたと思ってやがる!』

与一「本当になんでも無いってば!」

士方『……』

……ガチャン
シノア「与一さんだと開けるんですね」

士方「日頃の行いのせいだろ」

三葉「納得いかんな」

士方「さっさと用件を言えよ」



三葉「ほら、受けとれ」グイッ

士方「……なんだよこれ」

三葉「見てわかんないのか?」

士方「わかんねーよ」

シノア「ハッピーバレンタインです!」

士方「……は?」

三葉「あ、お返しなんて考えなくてもいいぞ。そもそも期待してない」

士方「あ?んだと」

与一「もうなんで喧嘩を始めるかな……」

士方「こいつのせいだろ。意味がわかんねーよ」

シノア「ですからバレンタインのチョコレートです」

士方「言葉の意味はわかる。けど、今は何月だと思ってんだよ」

三葉「6月だな」

士方「とうに終わってんだろ」

シノア「時期なんて関係ありませんよ。我ら日本帝鬼軍は日頃からカップルの成立を奨励しているわけですからね。わかります?」

士方「お前らの頭がチョコみたいにとろけてるのはわかった」

シノア「そんなことばっかり言ってるとモテませんよ?」

士方「別に構わねーよ」

三葉「負け惜しみか」

士方「表に出ろ」

三葉「上等だ」

与一「つ、次に行こうか!」グイッ

三葉「おい!何をする!?離せ与一!」

シノア「あははー。失礼しました!」

士方「……なんだったんだ」

<ツギイクヨ
<ケッチャクヲツケサセロ!

士方「チョコレートか……」



_____________________

シノア「次は中佐で良いですか?」

三葉「……」ムスッ

与一「なんで拗ねてるのさ……」

三葉「拗ねてない!」

シノア「みっちゃんも飽きませんね」

三葉「次こそ決着をつけてやるからな!」

与一「えーっと、ここでいいんだよね?」

シノア「そうですよ」

与一「やっぱり入るの緊張するな……」

シノア「そうですか?」ガチャン

与一「え?」

シノア「失礼しますねグレン中佐」

与一「せめて返事は聞こうよ!」

シーーーン

三葉「……いないな」

与一「そ、そうだね」

シノア「ならチョコだけでも置いて置きましょう」

与一「大丈夫なの?」

シノア「大丈夫ですよ。……そうですね。サプライズに机の引き出しの中に入れて置きましょう」

与一「さ、流石にそれは……」

シノア「じゃじゃーん♪シノアちゃんみっちゃん特製中佐用チョコレートです」

与一「何が違うの?」

シノア「私たちの愛情が詰まってます」

与一「突き刺さってるのって……」

シノア「よく気がつきましたね!その通り、さっきの水銀体温計です」

与一「明らかに食べ物じゃないよね?」

シノア「知らないんですか?グレン中佐はなんでも食べるんですよ」

与一「なんでもって言っても食べられる物の話だよね!?」


シノア「あははー、何を言ってるんですか与一さん。何でもと言ったら何でもですよ」

与一「」

シノア「グレン中佐なは沢山お世話になってますからねー♪この前の水練の時とかー」

与一(すごい根に持ってる……)

シノア「普段開けないここの段に……っと」

三葉「終わったか?」

シノア「ええ。次に行きましょう」


______________________

シノア「次はですね…」

グレン「おい、何してやがる」

シノア「おや、中佐こそどうされたんですか?」

グレン「クソッタレな事に暮人に呼び出されて……なんだっけか?カカオバターって奴を取りに行かされたんだよ」

与一・三葉「」

シノア「いやー、それは災難でしたねー?」

グレン「全くだ……」

与一「ごごごごめんなさい!」

グレン「あ?なんで謝ってんだ。別にお前らに関係ないだろ」

与一「いえ、あの、その……」

グレン「わけわからん奴だな。んで?お前らなにしてんだ?」

三葉「チョ、チョコレートを配ってます!」

シノア「ちょっとみっちゃん!」

グレン「チョコレートだぁ?こんな暑くなりそうなときに、ご苦労なこった」

三葉「いえ、シノアがバレンタインがどーたら騒ぎ始めたので」

グレン「ほう……」ニヤリ



グレン「おいシノア」

シノア「な、なんですか?」

グレン「“本命”はもう渡したのか?」

シノア「ちゅ、中佐が何を言ってるのかよく理解できません」

グレン「三葉」

三葉「土壇場でビビってまだ渡していません!」

シノア「ちょっと、なんで言ってるんですか!!?」

グレン「へぇー、シノアがねー」ニヤニヤ

シノア「グレン中佐にからかわれるなんて屈辱です……」

グレン「うるせぇよ。お前も人のこと言えないだろ」

三葉「そうだそうだ!」

与一「あははは……」

グレン「……まぁ、何にせよ好きにすればいい。俺には関係ないね」

三葉「……へ?」

シノア「……」

グレン「平和なんてすぐにぶち壊されるんだから、せいぜい楽しんでおけよ。じゃあな」

シノア「子供の色恋沙汰に口出しなんて嫌な大人ですね」

グレン「ん?知らなかったのか?俺はいやーな大人だぞ」

三葉「……なんかグレン中佐が楽しそうに見えるな」ボソッ

与一「そ、そうかな……?」

グレン「あ、一ついい忘れていたんだが」

シノア「……なんですか」

グレン「子供が出来るから気を付けろよ」ニヤリ

与一・三葉「…え?」

シノア「な!!?///」カァ

グレン「んじゃまたな」スタスタ



三葉「何だったんだ、中佐は」

与一「なんか悪いことしちゃったな……」

三葉「そうだな」

シノア「二人とも」

三葉「さて、私はもう用事が無くなったからな。帰るとするか」

与一「僕も疲れたよ」

シノア「 二 人 と も 」

三葉「な、なんだシノア。そろそろ優に渡してやったらどうだ?」

与一「そ、そうだよね。あんまり待たせ過ぎるのもあれだしさ!」

シノア「覚悟はいいですか?」ニッコリ

与一・三葉「」

___________________________

三葉「仕方ないだろ!?中佐には逆らえないんだから!」

シノア「わざわざいう必要は無かったですよね?」

三葉「……はい」

与一「僕は何もしてないんだけど!?」

シノア「私のこと、助けませんでしたね?」

与一「あれは、その……」

シノア「仲間だと思ってたんですけどねぇ」チラッ

与一・三葉「うぐっ!」

シノア「……次はないですよ?」

三葉「肝に命じておく」

与一「!!」コクンコクン


与一「それで、もう優君に渡す?」

シノア「いや、えっと……」

三葉「結局のところ、それが目的だったはずだがな」

シノア「私、少し寄るところあるので!先に戻っていてください!」ダッ

三葉「……戦場において命令以外での敵前逃亡は重罪だぞ」

与一「……え?そうなの?」

三葉「中佐はいつも危なくなったら逃げろというがな」

与一「ならその法の意味って……」

三葉「さぁな。上の命令で命を捨てる時には大事なんじゃないか」

与一「そんな命令あるの!?」

三葉「当然あるだろ。拠点を死守しろだとかな」

与一「うぅ……」

三葉「まぁ、少なくともグレン中佐はそんな無茶な命令はしないさ。…………たぶん」

与一「ねぇ、今たぶんって」
三葉「さっさと戻るぞ!」

与一「ちょっと待ってよ!?」


____________________

シノア「ノックしてもしもーし」コンコン

『入れ』

ガチャ
シノア「どーもどーも♪」

暮人「なんの用だ。必要な物は行っただろう」

シノア「えぇ、届きましたよ。グレン中佐を使ったみたいですね」

暮人「暇そうにしていたらな。んで?用件を言え」

シノア「これを届けに来ました」コト

暮人「なんだこれは」

シノア「チョコレートです」

暮人「いらん」

シノア「もうあげました」

暮人「……」

シノア「いらないなら捨ててもらって構いませんから」

暮人「……」

シノア「それでは失礼しますね」

ガチャン

暮人「……」

葵「暮人様」

暮人「………葵か」

葵「……処分なさいますか?」

暮人「……いや」

葵「……」

暮人「……コーヒーを入れろ」

葵「かしこまりました」



__________________________

シノア「いやー、お待たせしました」

三葉「ん?用事は終わったのか?」

シノア「えぇ、滞りなく」

三葉「もしかしてもう優に渡したのか?」

与一「優君にあげるチョコレートは冷蔵庫にしまってあるよ」

三葉「そういえばそうだったな」

シノア「その件なんですが」

与一「どうしたの?」

シノア「今日は気分が乗らないので後日に……」

三葉「おい」

与一「えー」

シノア「まだ心の準備が……///」

与一「もう呼んじゃったのに……」

シノア「与一さん!?何をしているんですか!!?」

三葉「私たちからの気遣いだ」

シノア「大きなお世話です!」
ピンポーン

与一「あ、来たみたい!」

シノア「取り敢えず今日は帰ってもらっt」ガチャ
三葉「よく来たな。上がれ」

シノア「なんで上げてるんですか!?」

三葉「私の部屋だからな」

シノア「それはそうですけど!」

与一「それじゃ僕はお邪魔だから帰るね」

三葉「私もトレーニングしてくるからな。1時間くらいは戻らないと思うぞ」

シノア「……///」

三葉「あんまり汚すなよ?」

シノア「行くならさっさと行ってください!///」




与一「頑張ってね、優君!」

優一郎「ん?何をだよ」

与一「良いから!」

優一郎「お、おう」

三葉「じゃあな」ガチャ

優一郎「じゃあなって、お前の部屋だろ」

シノア「……」

優一郎「おい、シノア?」

シノア「は、はい!」

優一郎「どうしたんだ?」

シノア「い、いえ!何もないです!」

優一郎「そうか……。んで?大事な話ってなんだよ。次の作戦についてか?」

シノア「大事な話!?」

優一郎「違うのか?与一がそういってたんだけど」

シノア(与一さん……余計なことを)

優一郎「まぁ、いいや。特に緊急の事でも無さそうだし」

シノア「そうですね……」

優一郎「本当にどうしたんだよ。なんかいつもと違うぞ」

シノア「……ちょっと待っててくださいね」

優一郎「おう」

シノア「覚悟を決めましょう!」ボソッ

優一郎「?」

シノア「優さん、これをどうぞ」

優一郎「なんだこれ」

シノア「チョコレートです」

優一郎「え?マジで?サンキューなシノア!」

シノア「い、いえ……///」



優一郎「開けてもいいか?」

シノア「どうぞ」

優一郎「チョコレートかー。4ヶ月ぶりだな」

シノア「……え?」

優一郎「お!すげぇ!」

シノア「あのー、優さん?」

優一郎「これってあれか。桃か?」

シノア「ハートです!逆になってるだけです!……じゃなくて、4ヶ月前に貰ったんですか!?」

優一郎「え?」

シノア「 貰 っ た ん で す か ! ? 」

優一郎「あ、ああ」

シノア「誰からですか!」

優一郎「む、昔助けた女の子から……」

シノア「……へぇ」

優一郎「ってもあれだぞ!7歳くらいだからな?」

シノア「なるほど、優さんはロリコンだったんですね」

優一郎「違うわ!」

シノア「でも満更でも無かったんでしょう?」

優一郎「いや、確かに悪い気はしなかったけどよ」

シノア「ロリコンじゃないですか」

優一郎「どんだけロリコンにしてぇんだよ!」

シノア「別にそんなつもりはありませんけど?」

優一郎「嘘つけよ」

シノア「ロリじゃなくてすみませんね優さん」

優一郎「おい」

シノア「冗談です」


優一郎「……食べていいか?」

シノア「良いんじゃないですか?」

優一郎「拗ねてんのかよ」

シノア「拗ねてませーん」

優一郎「食うからな」

シノア「どうぞ」

優一郎「……ふむ」パク

シノア「……」ジー

優一郎「……」モグモグ

シノア「……」ジー

優一郎「……」ゴクン

シノア「……」ジー

優一郎「……」

シノア「……あの、優さん?」

優一郎「……」

シノア「なんか言って貰えませんかね」

優一郎「……旨いぞ」


シノア「そう、ですか……」ホッ

優一郎「いや、朝会った時に初めてだって言ってたから少し不安だった」

シノア「まぁシノアちゃんに掛かればこんなことお茶の子さいさいですよ♪」

優一郎「でもなんでチョコレートなんだ?溶けるだろ」

シノア「いや、あのそれは……」

優一郎「ん?」

シノア「遅めのバ、バレンタインです///」

優一郎「遅すぎるだろ」

シノア「だってまだ、その……出会って無かったわけで……」

優一郎「これって、つまりは……」

シノア「仲間だからですよ!?かかか勘違いしちゃダメですからね!!?///」

優一郎「……だよなぁ」

シノア「ど、どうしたんですか?」

優一郎「……いや、何でもねーよ」

シノア「おやおや~?もしかしてこの美少女シノアちゃんが告白すると思いましたか? 」

優一郎「……」

シノア「ゆ、優さん?反応して貰えないと恥ずかしいんですけど///」

優一郎「……シノアはやっぱりシノアだな」

シノア「なんですかそれ!」

優一郎「……ありがとうな」

シノア「えへへへ♪」


優一郎「ところでお前は食ったのか?」

シノア「味見したくらいですね」

優一郎「半分食えよ」

シノア「私があげたのにですか?」

優一郎「全部は流石に多すぎる」

シノア「冷蔵庫にでもしまっておけば良いじゃないですか」

優一郎「いいから!……一緒に食いたいんだよ」

シノア「ほほー♪なら、貰いますね♪」

優一郎「ほら」

シノア「あーんしてください♪」

優一郎「は?」

シノア「してくれないんですか?」

優一郎「しねーよ」

シノア「あ、そうでしたね。童貞の優さんには難しかったですよねー」チラッ

優一郎「うるせぇよ、ほら!」

シノア「……」ジー

優一郎「……分かったよ!ほ、ほら///」

シノア「あはは、照れてますねー?優さん可愛いですねー♪」

優一郎「さっさと食えよ!?」

シノア「しょうがないですねー♪」



_____________________

『優さーん♪』

『うわっ!なんだよ!?』

『なんでもないですよー♪』

三葉「ふははは!シノアの奴め、まさか隠しカメラで見られてるとは思うまい!」

士方「これの為に呼び出したのか?」

与一「そうだよ」

士方「……はぁ」

与一「君月くんも気になってたでしょ?」

士方「まぁ、面白いとは思うぞ」

三葉「これでシノアに復讐出来るな!」

与一「え!?」

三葉「なんだ、そのためにカメラを設置したんじゃないのか?」

与一「違うよ!?」

三葉「そうなのか」

士方「にしても、結局告白しなかったな」

与一「初初しいよねー♪なんか青春って感じ」

士方(なんだかんだで腹黒いな……)

三葉「さて、録画してることだし何か食べないか?」

士方「お前らが寄越したチョコならあるぞ」

三葉「なんで食ってない」

士方「そこまで甘いものが好きじゃない」

三葉「……」ウルウル

士方「なんで泣くんだよ!?」

与一「そりゃせっかく作ったのに食べないって目の前で言われたらね」

士方「食えばいいんだろ!?食えば!」

三葉「……食え」

士方「……チッ」パク

与一「どう?」

士方「………甘い」ハァ

与一「そりゃチョコレートだからね」



士方「……これでいいかよ」

三葉「ああ!」

与一「じゃあ何を食べようか?」

三葉「君月、お前が選べ」

士方「行かないで帰る」

三葉「却下」

士方「……なら食堂でいいだろ」

三葉「全く色気がないな」

士方「お前らに気を使う必要はねーだろ」

与一「あははは。それは僕たちのことを気の置けない仲間だと思ってくれてるんだよね?」

士方「……好きにしろ」

三葉「なら食堂に行くぞ!」

与一「おー!」

士方「……はぁ」

『へい!タクシー』

『誰がタクシーだ!』

『よいしょ』

『背中に乗るな!』

『良いじゃないですかー』


________________________

グレン「なんだこりゃ!」

小百合「どうなさったんですか!?」

ガチャ
深夜「もー、グレンうるさーい」

グレン「俺の執務机の中に溶けたチョコレートが入ってやがる」プルプル

深夜「どれどれ……うわっ、これは酷ーい」

グレン「下の書類までチョコまみれだ……」

深夜「ねぇ、中途半端に刺さってるのってさ」

グレン「体温計、だな。水銀式の」

深夜「ねぇ、グレンてば恨まれてるんじゃないの?」

グレン「さぁな」

深夜「心当たり多そうだねー」

グレン「犯人はお前か?深夜」

深夜「まっさかー」

小百合「グレン様、雑巾をお持ちしました」

グレン「悪い小百合。片付けを頼む」

小百合「は、はい!」

深夜「どこいくの?」

グレン「ガキどもに灸を据えてくる」


_____________________

グレン「……おい、優」

優一郎「ん?どうしt……なんで鬼みたいな顔してんだよ」

グレン「俺の執務机の中にチョコレートをぶちまけた奴を探してるんだが、知ってるか?」

優一郎「チョコレート?……あ」

グレン「心当たりがあるのか。そうか……つまりはあいつらだな」

優一郎「いや、でも犯人って決まったわけじゃ」
グレン「 何 か 言 っ た か ? 」

優一郎「な、なんでもねーよ」

グレン「ちなみにどこにいるか知ってるか?」

優一郎「し、知らねーな」

グレン「そうか。見つけたら教えてくれ」

優一郎「どうするつもりなんだ?」

グレン「聞きたいのか?」

優一郎「いや、いいです」

グレン「邪魔したな」

___________________________

士方「馬鹿優はまだかよ……」

シノア「おや?あれはグレン中佐ですかね」

与一「本当だ」

三葉「なんか様子がおかしいぞ」



グレン「…… 見 つ け た ぞ 」ダッ

シノア「皆様!逃げますよ!!」ダッ

三葉「ぴぃ!!?」ダッ

与一「いやぁぁぁぁ!!?」ダッ

士方「なんで俺までぇぇぇぇ!!」ダッ

グレン「待ちやがれぇぇぇぇ!!」

三葉「うわぁぁぁぁ!!」

シノア「チョコの奴がばれたんですかね!」

与一「シノアさんのせいじゃん!」

士方「さっさと捕まってこい!」

シノア「仲間を見捨てるのはよくないですよ!」

グレン「お前ら全員懲罰房で反省だ!!」

シノア「それに今更無理ですね」


優一郎「阿修羅丸!」

グレン「くっ!」

4人「優(さん)(くん)!!」

優一郎「お前ら逃げろ!ここは俺が足止めする!」



シノア「優さん!どうして」

優一郎「……シノア」

シノア「……!」

優一郎「チョコ、旨かったぜ」ニッコリ

シノア「優さーーーん!!」



そのあと全員捕まりました。




____________________

シノア「反省文で済んで良かったですね♪」

士方・三葉「よくない!」

与一「あ、あははは……」

優一郎「」チーン

士方「こいつは上官に刀を向けたせいでフルボッコにされてたけどな」

シノア「大丈夫ですか?」

三葉「どうみても大丈夫じゃないな」

与一「このままにしておくのもあれだし」

士方「はぁ……俺が背負う」

与一「僕も手伝うよ」

シノア「いやー、流石君月さんと与一さんはですね」

三葉「お前も少しは反省しろ!」

シノア「ちゃんとしてますよ!あ、なんならお詫びにチョコでもいかがですか?」

士方・与一・三葉「いらない!!」



終わりのセラフ




次は少しコスプレシリーズから離れて吸血鬼側のssを書きたいと思います。

HTML化依頼を出してきます。
それではまた

反映されてますかね?

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom