魔梨威「う、うるせー！丸京だってアイデンティティを掛けっぱなしだろ！」

丸京「メガメはアイデンティティじゃなくて視力の矯正の為だ！アイデンティティがなんなのか分かってないだろ！」

手寅「なんだかアイデンティティがゲシュタルト崩壊してきたわね」

木胡桃「アイデンティティって言い辛いです…」

手寅「アイデンティティ、アイデンティティ、黄巻紙」

苦来「黄巻紙関係ないでしょそれ…」

丸京「で、手寅はなんでナース服なんだ？」

手寅「ここに来る途中にディスカウントストアで買ったの、在庫処分で安かったのよ」

魔梨威「ディスカウントストア？」

丸京「あー、あのペンギンの」

苦来「あのペンギンなんで年中サンタ帽被ってるのかしら？」

木胡桃「ナースのコスプレなら私もしてみたいなー」

手寅「そんなこともあろうかとキグちゃんサイズのも買ってきたのよ！」ﾊﾞｯ

木胡桃「わーい！テトちゃん大好きー！」

木胡桃「お注射しちゃうぞ☆」ﾊﾞｯ

手寅「やーん！キグちゃん可愛いー！」

丸京「楽屋にナースが二人も居るとかどういう状況だよ…」

苦来「コスプレの魅力は深いのね」

魔梨威「コスプレ…」


魔梨威「キグと手寅は今コスプレをしているのかい？」

手寅「まぁ、そうなるんじゃない？」

魔梨威「それは何をプレイしているんだ？」

木胡桃「へ？」

魔梨威「だからコスプレってコスチュームプレイの略だろ？」

魔梨威「コスチュームを来て何をプレイしているんだい！？」

丸京「いや、コスチュームを着ることをプレイしているっていう意味なんじゃないか？」

魔梨威「じゃあコスプレはコスチュームでプレイじゃなくてコスチュームをプレイっていう意味なのか？」

手寅「確かにコスチュームを着ることをコスプレって呼ぶことが多いよね」

魔梨威「じゃあ本職のナースはコスプレって言わないのかい？」

苦来「それは普通に仕事でしょう」

木胡桃「普段着ない服を着ることがコスプレなんだよ！」

魔梨威「じゃあ普段から着ていればコスプレじゃないのか…」

苦来「私の家の近くにいつもセーラー服を着ているおじさんが居るんだけど…」

丸京「それは変態だろ」

魔梨威「普段から着ていてもそのおじさんはコスプレじゃないのかい？」

手寅「普段から着ているとかはコスプレの定義とは関係ないのかも…」

丸京「その衣装をその衣装の持つ用途以外に使用すればコスプレなんじゃないか？」

魔梨威「病院関係者じゃないのにナース服を着るのは」

丸京「コスプレ」

魔梨威「警察官じゃないのに警察官の制服を着るのは」

苦来「コスプレね、ていうかそれ犯罪じゃないかしら？」

魔梨威「おじさんがセーラー服を着るのは」

木胡桃「コスプレです！」

魔梨威「いかがわしいお店の女性がセーラー服を着るのは」

手寅「コスプレ…かな？」

魔梨威「そこの店がコスチュームを売りにしていたら立派な制服じゃないか！」

丸京「それこそコスチュームでプレイだな」

魔梨威「ふわふわしている！コスプレという定義がふわふわしているよ！」

苦来「いいじゃない、別にふわふわでも」

魔梨威「よくないよ！このままコスプレの定義がふわふわしたままだと…」



魔梨威「外を歩いていると落語家のコスプレと間違えられるかもしれないんだよ！」

丸京「間違えられねーよ！！」

手寅「そもそも和服イコール落語家っていう発想には至らないでしょ」

木胡桃「歌舞伎や能も狂言も皆和服です！」

苦来「大体プライベートだったら普通に洋服着るでしょ」

手寅「海○蔵もジーパン履いてるしね」

魔梨威「コスプレなのかそうじゃないのかの見極めをしないといけない！」

ｶﾞﾗｯ

集金「すいません、N○Kですけど…」

魔梨威「コスプレ！」

集金「えぇ！？」

ﾋﾟｼｬｯ

魔梨威「ふぅ…やはりコスプレの魔の手はすぐそこまで迫っているんだ…」

苦来「集金のコスプレって何よ…」

手寅「だんだんコスプレの定義がわからなくなってきたね」

木胡桃「でもコスプレ楽しいです！」

魔梨威「楽しくても所詮は偽物だ！コスプレをする奴は危険な奴が多いんだよ！」

丸京「コミケを愚弄する気か！」ﾊﾞｷｬｯ

魔梨威「ｹﾞﾌｩ！」

手寅「ガンちゃんが吠えたわ！」

丸京「毎年何万という人間がコスプレを楽しみに東京に集結しているんだぞ！」

苦来「全員が全員コスプレを目当てに来てるわけじゃないと思うけど…」

手寅「薄い本とかね」

木胡桃「薄い本って？」

手寅「キグちゃんは知らなくていいのよー」

魔梨威「ぐっ…しかしコスプレをすると世間から白い目で見られるのも事実！」

丸京「でも魔梨威さんはそんな白い目で見られないだろ」

魔梨威「？どういうことだよ」

丸京「魔梨威さんだってコスプレしてるじゃないか」

魔梨威「私が？なんのコスプレだっていうんだい？」

丸京「女装男子のコスプレ」

魔梨威「ちげーよ！？というか百歩ゆずっても女装のコスプレって言えよ！！」

苦来「女装をしている男子のコスプレ、難しいわ…」

木胡桃「結局女子なの？男子なの？」

魔梨威「じょしだよ！！」

ｶﾞﾗｯ

マスクの人「……」

手寅「この人は？」

魔梨威「こいつは…」

マスクの人「……」

魔梨威「コスプ…」

マスクの人「……」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

魔梨威「レじゃない…」

丸京「圧力に屈してるな」

苦来「見損なったわ魔梨威さん」

魔梨威「大体見ただけで分かるわけないだろ！」

手寅「今までの流れを全否定するような発言ね」

丸京「確かにそれは正しい、この写真を見てくれ」


『スーツのおじさん』

手寅「おじさんがスーツを着ている写真ね」

木胡桃「サラリーマンのおじさんじゃないの？」

丸京「この人は先日リストラされたからサラリーマンではない」

木胡桃「ひぃ！」

苦来「歪んだ現代社会の被害者ね」

丸京「でも、妻子にはその事を話せずに毎日スーツを来て街を彷徨ってるんだ」

魔梨威「重いよ！！」

丸京「次はこの写真」

『笑顔のスーツ』

手寅「この人〇〇党の政治家じゃない？」

丸京「いいや、コイツは政治家じゃない」


丸京「コイツは詐欺師だ」

苦来「確かによく笑う人ほど裏がありそうな気はする」

魔梨威「コイツ詐欺師だったのかよ！？」

木胡桃「詐欺は良くないです！」

手寅「永○町とかにいっぱい居そうね」

魔梨威「コスプレ以前に詐欺は許せん！抗議してくる！」ﾀﾞｯ

手寅「あっ、魔梨威さん！」

ﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝ


警官「」

魔梨威「」


苦来「見慣れた光景ね」

手寅「手錠も制服の内に入るのかな？」

木胡桃「あれは容疑者のコスプレ？」

丸京「警官と手錠でのプレイかな？」


おわり