【咲-saki-】明華「ヒットマン明華」【安価】 (327)

アレクサンドラ「ターゲットは>>3だ」

明華「依頼人は>>4ですか」

アレクサンドラ「じゃ頼んだから」

明華「はあ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428849192

美子

すばら

明華「えーっと…新道寺のヤスコウチヨシコがターゲットで依頼人はハナダキラメですか」

アレクサンドラ「依頼の詳細は現地で聞いてくれ、失敗するんじゃないぞ」

明華「はい」

ダヴァン「お仕事デスか」

明華「福岡に」

ダヴァン(博多ラーメン…これは行くしかないですね)

ダヴァン「私もいきマショウ、お手伝いしマス」

明華「はあ」

ダヴァン「そういえば明華のエモノはなんデスカ?」

明華「実はこの傘」シャキーン

ダヴァン「ワオ!仕込み刀!」

明華「さあ依頼人の元に辿りつきましたよ」

煌「ようこそいらっしゃいませ」

明華「依頼の詳細を教えてください」

煌「実は…安河内先輩に>>8されて」

ダヴァン「ヒドイ…」

明華「なるほど…依頼はこなします」

煌「しかし安河内先輩も何かを感じ取ったのか用心棒を雇ったようで…」

明華「ご心配なく、プロですから」

レズ

美子「はあ…今日は煌おらんとよ、つまらんばい」

明華「安河内美子、ですね?」

美子「ふーん…あなたは?」

明華「私雀明華と申します、麻雀部のお方と聞いてお尋ねしたいことが…」

美子(めちゃめちゃ美人ばい…新道寺のナイチチと違っておもちもでかい…たまらんばい)

美子「よか」

?「離れろ!」

美子「!?」

明華「あなたは…>>10?」

?「貴様…雀明華」

明華「メグ…一旦引きます、援護を」

ダヴァン「ガッテン!」

明華「またお会いしましょう…」

美子「追わんと?」

?「おそらくあの角に味方がいる…敵がわかったから更なる準備をしなければ…」

亦ネキ

ダヴァン「なんと…あのキラーフィッシャー亦野が敵に」

明華「仕事の難易度が随分と上がりましたね」

ダヴァン「殺しの手段は非常に冷酷で今まであらゆる殺し屋を釣り出し、始末したプロ…」

明華「しかし仕事は仕事です」

ダヴァン「作戦を練りまショウカ」

明華「明日、依頼人を護衛しましょう」

ダヴァン「私はいつも通り離れた所からあなたを尾行」

明華「もし敵に襲われたらこれを使ってください」

ダヴァン「これは?」

明華「とっておきです、そしてあなたは依頼人を安全な場所へ」

ダヴァン「了解」

美子「間違いなくあの刺客を送り込んだのは煌ばい」

誠子「迂闊だった…まさか雀明華が来るとは…」

美子「知っとおと?」

誠子「裏では超有名な殺し屋、ターゲットを仕留める時には歌を歌うという噂のプロ」

美子「け、けどアンタ助けてくれるんやろ?」

誠子「…どうやら命をかけなければならないようだ…」

美子「そんな…死ぬんだったら煌も道連れにしたるたい!」

誠子「依頼人が死んだところで彼女は仕事を止めませんよ」

美子「ひ…ひひ…構わんよ…」

煌「じゃあ…彼女はまだ生きて?」

明華「ええ、ですから護衛させてもらいます」

煌「は、はい」

明華「それでは少し散歩でもしましょうか、聞いていいですか?」

煌「え?」

明華「あなたは一度レズされた…普通は人を殺そうと思ってもできないものです、なぜあなたは私に依頼したんですか?」


煌「私…好きな人がいたんです。彼女には好きな人がいました、両想いでした。彼女の想い人もまた安河内先輩にレズされ自殺しました…」

明華(…なるほど)

煌「私の好きな人は後追いし、私の恋は終わりました…そこをあの女はついてきた!まるで女をレズの道具だとしか思っていない!悔しかったんです…あんな外道に私の好きな人が殺されたことが…」

明華「そうだったんですか…」

煌「ところでどこまで歩くんですか?」

明華「そろそろいいでしょう」

明華「出て来なさい」

誠子「……」

美子「煌ぇ…」

煌「ひっ」

明華「その女の外道振りはよくわかりました、あなたも聞いていたでしょう?それでもその女を庇うのですか?」

誠子「確かにこの人は外道だ…だが私もプロだ、仕事はする」

明華「でしょうね、メグ!今です!」

ダヴァン「そらッ!」スポン

誠子(グレネードランチャー!?こんな街中で!?くっ…依頼人を守らなければ…)



誠子(妙だ…なぜ爆発の音が…まさか!)

明華「爆発しませんよ、アレ」

誠子「しまっ…」

明華「はっ!」ズバッ

誠子「ぐああっ!」

明華の仕込み刀は対応に遅れた誠子の右腕を斬った。

血は勢いよく呆気にとられた美子の眼鏡に飛び散った。

誠子「やられるか!」

誠子は武器である釣竿を取り出した。

明華「片手だけで私に勝てるとでも?」

誠子「くっ…なんて殺気…」

誠子「らあッ!」

釣り糸にぶら下げた分銅が明華に襲いかかる。

明華はそれを避け誠子の足を切り裂く。

誠子「がっ…まだだ!」

誠子が手首を返すと分銅はもう一度明華に飛んできた。

明華「この状況でもそれだけ動けるあなたは強いのでしょう…しかし、私達の方が強い」

分銅は空中で破裂した。

煌を避難させたダヴァンの援護射撃だ。

誠子「ばかな…」

明華「終わりにしましょう」

明華は深呼吸をする、ダヴァンは銃をしまい目を伏せる。

明華「LAAAA~~~」

誠子「歌った…」

アレクサンドラ「おかえり、報酬は?」

明華「どうぞ」

アレクサンドラ「よし」

明華「疲れたので寝ます」

アレクサンドラ「そうか、お疲れ様」

明華(亦野誠子、安河内美子…彼女らに鎮魂歌を…)

明華「La~……」


智葉「おかえり」

ダヴァン「ただいまデス」

智葉「どうだった?」

ダヴァン「白糸台の亦野誠子に会いました」

智葉「やったのか?」

ダヴァン「はい」

智葉「そうか……」


第1話『ヒットマン明華』完

智葉「おはよう明華」

明華「おはようございます」

智葉「うまくいったらしいじゃないか」

明華「はい…」

智葉「あの虎姫の一角を無傷で殺したんだ、大手柄だぞ」

明華「私は殺した相手を絶対に忘れません…彼女は私の歌を聴いた時、笑ったんです」

智葉「笑った?」

明華「そうです、安らかな笑顔、まるで子守唄を聴いていたかのように」

智葉「虎姫の人間はおかしな奴らばかりだ、忘れろ」

明華(彼女はきっと…殺しの連鎖から外れることが嬉しかったんです…)

明華(なぜそれほどまで憎む殺しを彼女は続けて…)

ダヴァン「ハロー明華!」

明華「おはようございます」

ダヴァン「これ煌さんがくれたんデス!豚骨カップラーメン!」

明華「はあ」

ダヴァン「食べマス?」

明華「私は煌さんがくれた明太子をいただきます」

ダヴァン「あなたもちゃっかりお土産もらったんデスね」

明華「明太子おいしいです」

明華(あまり深く考えるのはよしましょうか…)


?「……」

アレクサンドラ「久しぶりの仕事だぞー」

明華「依頼者は>>21、ターゲットは>>22ですか」

アレクサンドラ「今回の依頼は特殊だ」

明華「特殊?」

アレクサンドラ「ターゲットは生け捕り、[ピーーー]のは依頼人がやるそうだ」

明華「へえ」

アレクサンドラ「失敗はするなよ」

明華「はい」

池田ァ!

多治比さん

明華「依頼者はイケダカナ、ターゲットはタジヒマユコですね」

アレクサンドラ「それじゃ頼んだぞ」

明華「はあ」

ネリー「明華仕事いくの?ネリーもいく!」

明華「珍しいですね」

ネリー「移動費っていって監督からたかろうよ」

明華「いつも通りでした」


とりあえずここまで
続きは今日の夜ごろに
お付き合いありがとうございました

明華「今回は近場でした」

ネリー「移動費貰えなかった…」

明華「それは残念」

ネリー「まあついてきちゃったし仕事は手伝うよ」

明華「お願いしますね」

華菜「来たかし」

ネリー「北菓子?」

華菜「違うし!私がお前らの依頼人だし!」

明華「ネリーは猫飼ったことありますか?」

ネリー「ないなあ、お金かかると思うし」

華菜「無視するな!」

明華「依頼は生け捕り…と聞きましたが?」

華菜「そうだし!あの女はどうしても私のこの手で仕留めるんだし!」

明華「…」

ネリー「どうしたの?」

明華「いえ、前回の仕事ではターゲットに護衛がいました。まずは偵察にいきましょう」

ネリー「えー、面倒ネリ」

華菜「ぷぷ、変な語尾だし」

明華「あ、食事いただいてもいいですか?お腹空いたので」

華菜「ね…ねこまんましかないし」

ネリー「やっぱ猫だこいつ」

明華「あれが今回のターゲットです」

ネリー「うーん…普通の女の子に見えるんだけどなあ」

明華「あなたもお金のことに口を閉じてれば可愛い女の子に見えますよ」

ネリー「な、何言ってんのさ!」

明華「しっ、大声を出さないで」

ネリー「ごめん…でも明華がいきなり変なこと言うから…」ゴニョゴニョ

明華「おや…ターゲットと接触した人物…>>27ですか?」

ネリー「なぜこんなところに?」

京太郎

明華「誰でしょうか…あの男は」

ネリー「恋人とかじゃないの?」

明華「そんなデータはありませんでしたが…もしかしたら邪魔になるかもしれません」

ネリー「やる?」

明華「いえ、今日は疲れました。帰ってご飯でも食べましょう」

ネリー「おごりだよね?」

明華「割り勘です」

ネリー「えー」

華菜「金髪の男?」

明華「心当たりは?」

華菜「……いや、知らないし」

ネリー「報酬のお金ちょっとちょうだい、ご飯食べてくるから」

明華「報酬には手をつけてはいけませんよ」

ネリー「ちょっとくらいいいじゃん、ケチ」

明華「足りなかった時は智葉に何をされるかわかりませんよ」

ネリー「やっぱやめた!」

明華「あなたも行きますか?」

華菜「え?私?」

明華「なぜ生け捕りを命じたんですか?難易度も契約金も高くなるのに」

華菜「えーっと…奴に初めてを奪われたから…」

ネリー「……」

華菜「私…そんだけ奴のこと憎んでるし!」

明華「どうですか?」

ネリー「嘘だね、適当なこと言ってるだけ」

華菜「なっ…」

明華「この子にはこういう力があるんです、本当のところはどうして?」

華菜「……あの女の子は金持ちの家の子だし」

ネリー「ふーん…人質にして金をとるって寸法ね」

華菜「これ言ったら引き受けてくれないんじゃないかと思って…」

明華「確かに私達は便利屋ではありませんからね」

ネリー「なんでそこまでしてお金が欲しいの?」

華菜「妹達がいるし…けど親の借金のせいでマトモな食べ物にもありつけてない…」

ネリー(だからと言ってなぜねこまんましか持ってないのか)

華菜「これでお金を手に入れたら死んで償うつもりだったし…」

ネリー「ふん…そんなことの為にヒットマンを雇うなんて、馬鹿らしい。帰ろう明華…明華?」

明華「私は帰りません、一度引き受けた仕事はこなす主義ですから」

華菜「明華さん…!」

ネリー「はあ…友達がそう言うなら私も残るよ」

明華「やっぱりあなた優しいですね」

ネリー「ふん」

京太郎「ヴァントゥールとフェイタライザーです」

『ふむ…順調だな』

京太郎「俺はどうすれば?」

『虎姫の一人を向かわせる』

京太郎「わかりました」

『貴様一人で時間稼ぎできるとは思えんがそれまでそこの小娘から目をはなすなよ?』

京太郎「はい」

多治比「あの…新しい執事さん?」

京太郎「須賀です、旦那様が家に戻るように言っておられます」

多治比「もー…また部活最後までできなかった…」

京太郎「家に帰ったら私が御相手させていただきますよ」

多治比「やったー!」

明華「あの男が気になりますが実行は明日です」

ネリー「うーん…」

明華「どうかしましたか?」

ネリー「なんか見たことあるんだよなあ…あの男」

明華「へえ」

ネリー「前世っていうか別次元っていうか…」

明華「相変わらず意味わかりませんね」

ネリー「まあ私は高次元的存在だからね」

明華「頼もしいですね」

華菜「私はなにかできることとか…」

明華「無いです、おとなしくしててください」

華菜「は…はいだし…」

明華「それでは行ってきます」

ネリー「いやあ…徹夜で見張ってるけどあの男全然寝ないね」

明華「アサシンか何かでしょうかね」

ネリー「お、やっぱり執事だよあの男。最近就職したんだって」

明華「邪魔だと思って倒した見張りの兵がそれほど情報を持ってるとは…私も尋問とかしたほうがいいですかね」

ネリー「私がいるから必要ないって…こいつから盗める情報はこれくらいだね」ゴキッ

明華「あら…殺しちゃうんですか」

ネリー「やりたかった?」

明華「……」

ネリー「それよりほら、そろそろ家でるよ」

明華「私達の誘拐方法は>>35でしたね」

ネリー「急ごう」

踏むとネットで捕まるやつ

ネリー「いやあすごいよねこれ」

明華「で、どこにしかけましょう」

ネリー「正直こんな都会じゃどこにしかけても不自然だと思う」

明華「仕方ないですね。ネリー、ラブレターを書いてください」

ネリー「え!?明華に!?」ドキッ

明華「違います、ターゲットにです」

ネリー「なーんだ、つまんないの」

明華「あ、そこに校舎裏に来てくださいと書いて」

ネリー「そんな簡単に引っかかるかな」

明華「ふふ、作戦があるんですよ」

ネリー「どうやって渡すの?」

明華「もちろん下駄箱に」

多治比「きゃー!見て執事さん!ラブレター!」

京太郎「ラブレターですか…」

多治比「どうしたの?喜んでよ」

京太郎「敵の罠かもしれませんよ」

多治比「ひどい…そもそも敵ってだれよ!」

京太郎「いや…とりあえず俺もいきますよ」

多治比「えー!?」

京太郎「執事ですから」

多治比「勝手にしてよ!」

多治比「あれー?誰もいない?」

京太郎「やはり罠…」

にゃーん

多治比「猫!?猫いるの!?ちょっと捕まえてきてよ!」ドン

京太郎「うわっ…え?」カクン

多治比「え…?なにあれ…ドッキリ?」

京太郎「くそっ!お嬢様逃げて!」

明華「まあよしとしましょうか」

多治比「え?」

ネリー「はい捕まえたー、さっさと逃げよ」

明華「そうですね、それでは謎の執事さんサヨナラ」

京太郎「待て!」

京太郎(このネット…かなり高い…落ちたら骨が折れるだろう…だが行かなければ…)

「あれー?なにしてんの?」

京太郎「淡…遅かったじゃないか」

淡「なにそれギャグ?」

京太郎「助けてくれないか?」

淡「いいけど…」

京太郎「誘拐された、ヴァントゥールとフェイタライザーだ」

淡「ヴァントゥールって…あの?」

京太郎「そうだ、亦野誠子を殺したやつだ」

淡「へえ…そいつが亦野先輩を」

華菜「あ、ありがとうだし」

明華「後はあなたの自由ですよ」

華菜「は、はいだし…」

多治比「んー!んー!」

華菜「ごめん…お金もらったら返すから…」

ネリー「……明華、二人こっちに向かってきてる」

明華「二人?」

ネリー「強い殺意だ…その女を取り戻すのが理由とは思えない…」

明華「まああれで終わりだったら拍子抜けでしたし相手してあげますか」

ネリー「……きた」

爆音が鳴り響き、ホテルが揺れる。

華菜「な、なんだし!?」

淡「みぃつけたあ…」ニヤ

淡「このスーパーノヴァ淡ちゃんがあんたら殺してあげるよ」

ネリー「明華!こいつらは足止めしておくから依頼人とターゲットを!」

明華「ネリー?」

ネリー「あとちょっとで思い出せそうなんだ…」

明華「わかりました」

淡「邪魔しないでよ…チビ」

ネリー「お前はバカっぽさが顔と言葉から滲み出ているぞ」

淡「このっ…」

明華「こっちです」

華菜「あ…あの女は何者だし」

明華「虎姫という傭兵組織の一人です」

華菜「傭兵?」

多治比「んー!」

明華(あの爆発…この娘まで巻き添えになってしまいそうな威力…)

京太郎「待て」

明華「おや、執事さんじゃないですか」

京太郎「俺と戦ってもらおうか」

明華「なぜ執事がそれほど身体をはるんですか?」

京太郎「アンタのためだよ」

明華「私の?」

京太郎「さあ、戦おうぜ」

明華「あんな大口叩いた割には強くないですね」

京太郎「結果なんて最初からわかってたさ…さっさと殺せ」

多治比「んー!むー!」

明華「私のため…とはどういうことですか?」

京太郎「言わないぜ…殺したほうが利口だ」

明華(どういうことでしょう…彼は何かを隠している、しかし言うつもりもなさそうだ…)

京太郎を

やるorやらない

>>44

やる

明華「それがお望みならば」

切っ先が喉を深く斬り抜けた。

やがて京太郎の身体は床に倒れ、血溜まりを作り出す。

歌う私を依頼人とターゲットは顔を青くし、はっきりとした恐怖の眼差しで見つめていた。

刀を振り刃に着いた血を落とし、依頼人とターゲットを連れ、ホテルを出る。

外には群衆が集まって各々騒いでいた。

逃げるように路地裏へ駆け込み、ネリーを待つ。

明華「ネリー…」

彼女の名前を呼ぶ声が震えているのに気付く。

大星淡が何故あれほどまで怒りを振りまいていた理由が初めてわかった。

友を失くすことは、辛い。

ネリー「お待たせ……明華……」

全身を焦がし、血で濡れた身体を引き摺るように彼女は私の前に現れた。

アレクサンドラ「お疲れ様」

明華「ネリーは…」

アレクサンドラ「けっこうまずいよ、よくあれで生きていられるもんだ」

明華「……」

アレクサンドラ「どこいくんだ?」

明華「ネリーが起きるまで、側にいます」


智葉「ネリーが…敵はどうなった?」

ダヴァン「大星淡は死にました」

智葉「そうか……」

ダヴァン「どこへ?」

智葉「縁側だ、空を見る」

ダヴァン「?」

智葉「酒を持ってきてくれ、今日は大きな星が流れるだろうからな……」

第2話完

アレクサンドラ「仕事だよ、受けるかい?」

智葉「はい」

アレクサンドラ「二人きりなんだ、その口調もやめていい」

智葉「明華が動かないから私というわけだな」

アレクサンドラ「そう、あなたには久しぶりの仕事だけど大丈夫だと思ってね」

智葉「依頼人は>>48、ターゲットは>>49か…」

アレクサンドラ「期待してるよ」

臨海と白糸台以外のキャラクターでお願いします
続きは明日の9時以降に
安価に付き合っていただきありがとうございました

透華

あ、ごめん白糸台以外か
じゃあワハハで

>>50
すいません

一応酉つけときます

透華「まさかあなたが来てくださるとは」

智葉「仕事の内容を教えてください」

透華「わかりましたわ、ハギヨシ」

ハギヨシ「はっ、こちらが資料になります」

智葉「そこの執事さんの動き、只者じゃないですね」

透華「ハギヨシはあくまで私の執事です、殺しはしませんの」

智葉「へえ」

透華「鶴賀学園の蒲原智美」

智葉「なるほど…実行まで世話をしていただいても?」

透華「ええ、喜んでもてなさせてもらいますわ」

透華が智美を狙う理由>>53

透華のシマでドラッグを売り捌いている

透華「最近になってウチのシマに他所からのブツが流れてくるようになりましたの」

智葉「この女がその原因だということですね」

透華「ええ、確かに私の代では甘くしすぎたのかもしれません…ここらで力を誇示しとこうと思いまして」

智葉「重々承知しまいした」

透華「やはり、あなたもそのような経験が?」

智葉「ふふ…私はそのような真似をする輩が出るようなヘマはしませんよ」

透華「……流石ですわね」

智葉「冗談ですよ」

智美「大丈夫だって佳織、怖くないぞ?」

佳織「で、でも智美ちゃん!こういうのテレビで見たことあるよ!」

智美「じゃあ一緒にやろう、そうすれば怖くない。だろ?」

佳織「え…」

智美「これを使うんだ、片方の鼻を指で押さえて一気に吸ってみろ」

佳織「ふわ……なに…これ…」

智美「ワハハ、気持ちいいだろ?」

佳織「な、なんだか…目が回るよう…」

智美「最初はみんなそうさ」

佳織「さ、智美ちゃん…?」

智美「ワハハ、これからもずっと一緒だからな、佳織」

智葉「ここは星が綺麗だな…今日は月がでかい」

衣「何者だ?」

一「衣、失礼だよ」

智葉「辻垣内智葉、あなた達は?」

衣「天江衣、こっちは友人の一だ」

一「透華のお客さんですよね」

智葉「はい」

衣「貴様…血の匂いが染み付いているな」

智葉「……」

衣「その立ち振る舞い、まるで…鬼…」

智葉「子供は寝る時間だ」

衣「衣は子供じゃない!」

智葉「車で移動しながらの販売だから捕まえるのが面倒らしい」

アレクサンドラ『へー、なにか支援がいるのかい?』

智葉「メグを呼んでくれ」

アレクサンドラ『わかった、車で向かわせるよ』

智葉「ネリーは起きたか?」

アレクサンドラ『いや、まだだ』

智葉「そうか」

アレクサンドラ『それと気になる情報が』

智葉「情報?」

透華「辻垣内さん、よろしいですか?」

智葉「帰ったら聞く」ピッ

智葉「なんですか?」

透華「朝食の用意ができました」

智葉「いま行きます」

透華「こら衣!また好き嫌いして!」

純「やっぱりまだ子供だなー」

衣「むぅ…しかし衣はこの人参という奇抜な色をした野菜が嫌いなのだ」

一「ダメだよ衣、せっかくハギヨシさんが作ってくれたんだから」

透華「一、智己はどうしたんですの?」

一「夜遅くまでゲームしてて起きてないよ」

透華「まったく、あの子ったら!」

智葉「……」

透華「申し訳ございません、慌ただしくて」

智葉「かまいませんが、不思議ですね。あなた達には上下関係というものがないのですか?」

透華「私がそういうのを嫌うんですの」

衣「衣はみんなよりお姉さんだがな!」

智葉(ネリーより小さいのに…)

智美「ワハハ、実に質の高いブツだぞこれは」

チンピラ「へへ…麻雀で勝ったなら安くしてくれんだな?」

智美「その代わり勝ったら値段は上がるからな?」

チンピラ「かまやしねえよ」

まこ(なんだかあそこの客…変な取引しとらんかのう)

佳織「わ、私が入るの?」

智美「ワハハ、負けやしないさ…勝ったらご褒美もあげるぞ」

佳織「ご褒美…」


佳織「ツモです、えーっと」

智美「16000オールだな」

チンピラ「くそ…最後にそんな手が入るなんて、ツキが太い女だ」

まこ(間違いないようじゃな…)

透華「情報感謝しますわ」

まこ『こっちも龍門渕さんには感謝しとるけえの』

透華「人を向かわせますわ」

智葉「見つかったんですか?」

透華「ええ、私の贔屓の雀荘で取引をしているようです」

智葉(メグは無駄足になるかもしれないな)

透華「表にタクシーを用意させました」

智葉「それでは」

智葉「ここか」

まこ「いらっしゃいませー」

智葉「龍門渕から来たんだが」

まこ「あ、今あそこに…あれ?」

智葉「……」ダッ

チンピラ「うおっ!なんだアンタ!」

智葉「売人はどこだ」

チンピラ「え?」

智葉「蒲原はどこだって聞いてんだ!!」

チンピラ「さ、さっきトイレ入ってから出てきてねえよ!」

智葉「チッ…逃したか」

ダヴァン『智葉、龍門渕邸に着いたんデスが今どこデスかー?』

智葉「こっちのセリフだ、今すぐ雀荘Roof-Topまで来い」

ダヴァン『え?』

智葉「さっさとしろ」

ダヴァン『は、はいぃ』

佳織「さ、智美ちゃん急にどうしたの!?」

智美「間違いなくヤクザだ…くそっ、長い間おとなしかったじゃないか!」

佳織「え?」

智美「なぜ私の時だけ…」

佳織「さ…智美ちゃん?」

智美「一旦ハイになろう…佳織、ご褒美だ」

佳織「え、う、うん…」

智美「フゥー…よし、長野から逃げよう」

佳織「え、ええ!?」

智美「二人で逃げて暮らそう」

佳織「一緒に…」

ダヴァン「来ていきなりコレデスカ…」

智葉「この車だ、ガソリンの残り香からあっちにいった」

ダヴァン「まあヤッテヤルデス」

智葉「さっさとしろ」

ダヴァン「うう…ひどい…それが物頼む態度デスカ…」

智葉(店員によるとあのチンピラ以外にもう一人連れの女がいたそうだが…)

ダヴァン「あ…危ない危ない、野良猫デス」

智葉「私は今から人を殺しにいくんだ、ボサッとするな!」

ダヴァン「は、はいぃ」

佳織「さ、智美ちゃん!後ろから車が凄いスピードで追ってくるよ!」

智美「うう…武器なんて持ってないぞ…」


智葉「メグ、銃を貸せ」

ダヴァン「そこに入ってマス」

智葉「よし」カチャ


智美「う、なんだ!?車体が!」

佳織「キャアアアア!」

智美「佳織いい!」


智葉「降りろ」

智葉「その女は?」

佳織「ひい!」

智美「わ、私の幼馴染みだ…」

智美「もうこのシマで悪さしないから見逃してくれ!」

智葉「それはお前が決めることじゃない」

佳織「や、やめて!智美ちゃんを殺さないで!」

智葉「メグ、依頼人に電話をかけろ」

ダヴァン「はい」

透華『どうかしましたか?』

智葉「お前にチャンスをやろう、依頼人を説得してみせろ」

佳織「私が…」

佳織「あ、あの…私、蒲原智美の幼馴染みです」

透華『……』

佳織「もう悪さはしません!罪も償います!」

透華『具体的にどうやって?』

佳織「え…」

透華『あなたの幼馴染みがしたことは売買だけではなく我が組の面子も潰したんですのよ?』

佳織「お願いします…私には智美ちゃんがいないと…」

透華『だったらあなたも一緒に死んだらどうですか?同じ所にいけるかもしれませんわよ』

佳織「え…」

透華『辻垣内さんに代わって』

智葉「代わった」

透華『依頼はこなしてください、その女を[ピーーー]のでしたら迷惑料としてその分の金も支払いますわ。仕事が終わったらもう一度電話を』

智葉「わかった」ピッ

智葉「ヤクに溺れ、友を巻き込んだ罪だ」

佳織「智美ちゃん!」

智美「ワハハ…ごめん、佳織」

銃弾は智美の心臓を貫いた。

佳織の悲鳴が響き渡る。

智葉は決して表情を変えない。

佳織「う…嘘だよ…こんなの…智美ちゃん…」

ダヴァン「かわいそうな女デスね」

佳織「悪い夢だよね……そうでしょ…智美ちゃん…」

智葉「生きていれば別の真っ当な人間と出会い、幸せになれるかもしれないがどうする?」

佳織「殺して……そうすれば夢からさめるはず……」

佳織を
始末するorしない

>>68

しまつする

智葉「そうか、だったら」

乾いた音が遠くの山へ消えていく。

やがて頭が地面に落ちる音が静かに鳴った。

銃をダヴァンに返した智葉は髪を結び、眼鏡をかける。

智葉「地獄へ落ちな」


智葉「仕事は片付きました、死体は二つあります」

透華『わかりました、報酬は今支払えば?』

智葉「あとで取りにいきますよ」

透華『お待ちしておりますわ』

ダヴァン「今回の私完全にタクシー役デスネ」

智葉「不服か?」

ダヴァン「明華は私にも見せ場くれマシタ…」

智葉「はあ…仕方ないな、飯奢ってやるよ」

ダヴァン「本当デスか!?」

智葉「このまま神奈川までいこう、美味い焼き肉屋があるんだ」

ダヴァン「やっぱりタクシーじゃないデスカ…」

第3話完

アレクサンドラ「明華、新しい情報だよ」

明華「情報?」

アレクサンドラ「お前達が前出会った金髪の男、長野にヤサを持ってたらしいよ」

明華「あの男…変なことを言っていました」

(京太郎「アンタのためだよ」)

アレクサンドラ「行くのかい?」

明華「仕事は休暇に入ります」

アレクサンドラ「仕事じゃないからね、なにも手伝えないよ」

明華「はい」

アレクサンドラ「はあ…仕方ないね」

ハオ「出かけるんですか?」

明華「ええ」

ハオ「ネリーはどうするんですか?」

明華「……」

ハオ「……わかりました、私がついています」

明華「ありがとう、ハオ」

ハオ「お土産お願いしますね」

明華「はい!」

長野

明華「さて…まずは情報収集からですね」

チンピラ「おうおう!財布だせや!」

明華「誰か絡まれてますね…」

>>74「あ、あの!助けてください!」

明華(おかしなことに)

チンピラ「なんだ、てめえも仲間か?」

明華(殺してやりましょうか…いや、さすがにマズイですよね)

明華「痛めつける程度にしときましょう」

チンピラ「あ?」

咲「す…すごい…」

明華「そうですか?」

咲「あ、あの…なにかお礼したいんですが…」

明華「お礼」

咲「何か困ってることとかありませんか?」

明華「そうですね…宿がありません」

咲「だったら当分私の家に泊まってくれてかまいません!」

明華「いいんですか?」

咲「はい!ちょうど部屋は余ってるし…」

明華「それならお願いしましょう」

明華「ここが咲さんのお家ですか」

咲「はい、どうぞ」

明華「お世話になります」

咲「ここでちょっと待っててください」

明華「はい」

明華(いたって普通の家ですね、彼女も親切です)

咲「どうぞ上がってください」カタン

明華「あ、棚に立ててあった写真が落ちましたよ?」

咲「す、すみません!」

明華「…!」

咲「ここの部屋自由に使っていいですから」

明華「…わかりました」

咲「あの、夕食の支度してきますね?」

明華「夕食もいただけるんですか」

咲「恩人ですから」ニコ

明華(あの写真、咲さんの隣に写っていた男…間違いない。私が殺した男ですね。当分は彼女と親しくなることに力を注ぎましょう)

今回はここまで
続きは明日の22時以降に
安価に付き合っていただきありがとうございました

明華「咲さん料理お上手ですね」

咲「そ、そうですか?」

明華「とくにこの肉じゃがなんてのは」

咲「ありがとうございます」

明華「ごちそうさまでした」

咲「明華さんはどこからいらしたんですか?」

明華「東京です」

咲「東京……」

明華「咲さんはこの後何もないんですか?」

咲「あ、私図書館に行くんです。よかったら一緒に来ますか?」

明華「そうですね…そうしましょうか」

咲「はい!」

明華(日本語を学ぶ時はいつも図書館でしてましたね)

明華(母と共に…)

明華「あれ、咲さん?」

明華「なぜか逸れてしまいましたね…」

明華「うーん…道もわからないし立ち止まっていましょうか」

>>83「あの人なんで道の真ん中で傘さして止まってるんだろう…」

明華「ららら~」

>>83(う、歌い出した…)

明華「おや、ごきげんよう」

ムロ

ムロ「あ、どうも」

明華「いい天気ですね」

ムロ「そ、そうですね…」

明華「……」

ムロ「……」

ムロ(なんだこの沈黙はー!)

咲「明華さん!」

明華「あ、咲さん」

ムロ「宮永先輩?」

咲「あなたは和ちゃんと優希ちゃんの」

ムロ「覚えててくれたんですね、室橋裕子です」

明華「知り合いでしたか」

ムロ「私はこれからマホと遊びにいくんです」

咲「そうなんだ、私達は図書館にいくの」

明華「咲さんがどんな本を読んでいるのか楽しみです」

ムロ「それじゃあここで」

咲「うん、じゃあね」

明華「さようなら」

咲「それじゃあ私達もいきましょうか」

明華「もう逸れないように何かしましょう」

咲「なにかって?」

明華「>>86なんてどうです?」

電話番号交換

明華「携帯は持ってるますか?」

咲「はい、一応…」

明華「電話番号交換しときましょうか」

咲「えっと…ここじゃなくて…」

明華「こうですね」

咲「あ、あの、すみません…」

明華「気にすることじゃないですよ」

咲「ありがとうございます」

明華「ふふ…ではいきましょうか」

咲「えっと…こうかな…」

明華『どうしました?』

咲「わっ、できた」

明華『もしかして電話するの初めてだったりします?』

咲「じ、実は自分からするのは…」

明華『それじゃあこれでもう大丈夫ですね」

咲「はい!」

明華『ところでなぜ電話を?』

咲「えっと、ご飯の準備ができたから呼ぼうと思って」

明華『わかりました、すぐいきます』

ムロ「な、なんですかあなたは!」

尭深「あなたは雀明華と接触していた…そしてもう一人の女とも」

ムロ「明華さん…?」

尭深「答えて、彼女は今どこ」

ムロ「し、知らないよ!助けて!」

尭深「答えれば楽にしてあげる」

ムロ(マホは逃げ切れたかな…なんで私がこんな目に…)

尭深「何か思い出せることはない?」

ムロ「み、宮永先輩と一緒にいました…」

尭深「宮永…?」

ムロ「宮永…咲先輩です…」

尭深(宮永…偶然…?)

尭深「ありがとう…ごめんね」

ザクッ

明華「今日も美味しかったです」

咲「それはよかったです」

明華「咲さん、一つ聞いていいですか?」

咲「?」

明華「この写真の咲さんのすぐ隣にいる男の人、咲さんの恋人ですか?」

咲「そ、そんな!京ちゃんはそんなんじゃないです…」

明華「京ちゃん?」

咲「あ、須賀京太郎って名前で、私の幼馴染みなんです…」

明華「そうだったんですか」

咲「けど…一週間前から行方不明で…」

明華(そんなことになってるんですね)

咲「京ちゃんは私の恩人で…ずっと心配してるのに…」

明華「……」

咲「帰ってきたら、いっぱい怒ってやるんです!」

明華「咲さん…」

咲「寂しいけど、私はそういうの慣れてるし」

明華「……」

咲「明日になったらコロッと出てくるかもしれませんから」

明華「その…」

咲「?」

明華「……何でもないです」

咲「あれ、優希ちゃんから電話だ…」

優希『咲ちゃん!ムロを見なかったか!』

咲「え?昼に会ったよ?」

優希『マホがムロが襲われたって!』

咲「…え?」


明華「室橋さんが襲われた?」

咲「はい、マホちゃんて子が見たって…」

明華「…見てきます」

咲「危ないですよ!」

明華「私のせいかもしれません」

咲「え?」

明華「場所を教えてください」

咲「今日室橋さんと別れたあの道をまっすぐ…」

明華「何もない…?」

明華「いや、ここの土…血の匂いがする」

明華「咲さんから電話…」

『雀明華…』

明華「誰ですか!」

尭深『はやく来て…宮永咲は人質にした』

明華「すれ違いでしたか…」


咲「あ…あなたは…一体…」

尭深「すぐ終わる、静かにしてて」

明華「咲さん…」

咲「あ…」

尭深「私のことは知ってる?」

明華「渋谷尭深。虎姫の一人」

尭深「正解、なぜ私がこんなことするかは?」

明華「亦野誠子と大星淡…」

尭深「分かってるなら……話がはやい」

尭深が鎖鎌を回した。

刃先は明華の頬をかすめ、血が流れる。

もはや咲の前であるからといって刀を抜かずにはいられなかった。

尭深が鎌を掴むと分銅が回り出し、明華のこめかみを叩きつける。

バランスを崩しながら尭深に接近し刀を振り上げる。

が、鎌の刃がそれを止める。

刃と刃が擦れあい、小さな火花が飛ぶ。

尭深「誠子ちゃんは……」

明華「?」

尭深「誠子ちゃんは死ぬとき、どんな顔をしていたの?」

刹那、鎖が明華の刀に巻きつく。

尭深「今の…あなたのような顔?」

尭深は刀を放り捨て、鎌を振り下ろす。

ザクッ


鎌は床に突き刺さった。

尭深「教えてよ…誠子ちゃんは……」

尭深の瞳からは涙が垂れ落ちる。

明華「彼女は、笑っていました」

その言葉を聞くと、彼女は膝をつき、嗚咽した。

明華は立ち上がり、刀を手に取る。

明華「あなたは、優しいんですね」

咲「明華…さん…?」

尭深「最後に…あなたが欲しがっていた情報をあげます…」

明華「言ってください」

尭深「あなたの敵はここにはいません…辻外内智葉なら……きっと…」

尭深は頭を垂れている。

明華は背後に咲の視線を感じながら

尭深を
殺すor殺さない

安価忘れてすいません!
>>98でお願いします

殺さない

明華は刀を収めた。

尭深が頭を軽く上げ、聞く。

尭深「……どうして?」

明華「……」

尭深「ひどい…あなたは……ひどい人間…」

鎌を手にした尭深は覚束ない足で家を出て、闇へと姿を消した。

私はあなたを助けたのに、ひどいと言われる意味を微かに理解しつつも、自分への呵責へと言い訳をする。

咲の拘束を解くと、咲はその場で力なく気絶した。

明華「私も…疲れました…」

咲を抱き、部屋へ運ぶとそのまま一緒に寝てしまった。

尭深「誠子ちゃん…淡ちゃん…ごめんね…ごめんね…」

尭深「私が…弱いから…」

ドスッ

マホ「あなたがっ…!あなたがっ…!」

尭深「ああ……あな…た…ごめ…んね…」

マホ「あ…ああああああああああああ!」

夜の街路、一人の優しい悪魔が死んだ。

そして、一人の優しい少女は、もう戻れない。

夜風が血を乾かし、月がその影を作る。

渋谷尭深はその時、笑っていなかった。

朝、気怠い身体を起こした咲。

ベッドの中に自分とは違う温もりを感じた。

しかし、自分以外の人間は誰もいない。

机の上には置き手紙と封筒が一つ。

突然ですが私は帰ります。
見ず知らずの私を泊めていただき本当に感謝しています。
このお金は床の修理に使ったり、好きな物を買ったりしてください。
雀明華

電源をつけたテレビには、女子中学生が殺人をしたというニュースで大騒ぎだった。


明華「……」

明華「あ、お土産買うの忘れてました」

第4話完

明華「ただいま帰りました」

ハオ「おかえりなさい、明華」

明華「ハオ、ネリーは…」

ハオ「……」

明華「そん……な……」

ネリー「みょーんふぁー!」ダキッ

明華「ネリー!?」

ハオ「ふふ、お土産買ってきてくれなかった仕返しです」

アレクサンドラ「感動の再会のところ悪いがな、仕事溜まってんだ」

明華「わかりました」

ネリー「どこ行ってたの?」

明華「ゆっくり話しましょう」

智葉「おかえり」

明華「ただいまです」

智葉「ネリーも起きたんだ、みんなで祝おうか」

ネリー「やった!」

明華(例のことは…また今度でいいですか)

ハオ「ネリーは薬膳料理ですけどね」

ネリー「がーん…」

ダヴァン「祝砲でもあげマショウカ?」

智葉「やめとけ」

次回の依頼人>>104
ターゲット>>105

今回はここまで
続きは今日の21時以降に
安価に付き合っていただきありがとうございました

乙乙
安価ならアコチャー

ネリー「明華仕事いくの?」

明華「はい、今から資料に目を通そうと思いまして」

ネリー「ネリーもいく!」

ハオ「ダメです、おとなしくしてなさい」

ネリー「えー」

ハオ「智葉に言いましょうかね」

ネリー「ごめんなさい!」

ハオ「私がついていきます」

ネリー「ずるい!」

明華「また勝手に決めて…」

ハオ「たとえばこの形ができると花竜になります」

明華「へえ」

ハオ「こんどもっとしっかり教えてあげますよ」

明華「智葉やメグやネリーも一緒にやりましょうか」

ハオ「そうですね」

明華「おやぁ?この資料、写真がないですね」

ハオ「ターゲットについては名前だけですか」

明華「まあ、依頼人に会えばわかるでしょう」

明華「大きな宿が見つかってよかったです」

ハオ「綺麗で居心地もよさそうだ」

宥「ふふ、ありがとうございます」

明華「今日はゆっくりして明日に備えましょう」

ハオ「そうですね」

宥「でしたら露天風呂なんてどうですか?」

明華「いいですね!」

ハオ「この旅館にして正解でしたね」

明華「私こんなに日本ぽいことを満喫したの初めてかもしれません」

ハオ「そういえば私もです」

明華「日本にきてから仕事ばかりでしたからね」

「夕食をお持ちいたしました!」

明華「どうぞ」

玄「お口に合いましたか?」

ハオ「とても美味しいです」

玄「他にも何か必要でしたら色々いたします!この旅館はマッサージや卓球や麻雀もできるのです!」

明華「それはすごいですね」

ハオ「卓球いいですね」

明華「でしたら…」

>>111
女給も誘うor誘わない

誘う

明華「あなたも一緒にやりませんか?」

玄「へ、私もですか!?」

明華「はい」

玄「えーっと…ちょっと聞いてきます!」

ハオ「ふむ…残念ですね」

明華「え?」

ハオ「明華を叩きのめしてやろうと思ったんですが」

玄「お姉ちゃんも連れてきました!」

宥「よ、よろしくお願いします」

明華「よろしくお願いしますね」

ハオ「まあ、カモが増えただけですね」

明華(ハオの顔が真剣です…)

ハオ「チェリァッ!」スパコーン

宥「ふぇぇぇ…」

明華(ヌンチャクでピンポンしてる…)

玄「お客様強いですねー」

宥「くろちゃぁ…怖いよぉ…」

ハオ「明華、入りなさい」

明華「は、はい…」

ハオ「ホワチャァ!」スパコーン

明華「勝てません」

ハオ「まだまだですね」

明華(中国の方はみんなこうなんでしょうか…)

明華(不思議ですね、ドラが見えません)

玄「ツモです!8000オール!」

明華「ドラ4ですか」

ハオ「お強いですね」

玄「そんな、お客様もとても強いです。今のだってツモれなかったら…」

明華「あなたは強いですよ?」

宥「ふふ、玄ちゃんが褒められると私も嬉しいなあ」

明華(クロ?どこかで聞いた気がしますね)

ハオ(む…全不靠…)

玄「痛くないですか?」モミモミ

明華「とても気持ちいいです」

宥「お客様、身体全体こってますね」

ハオ「うっ…ふぅ…」

玄「今日は気持ちよく寝られると思いますよ」モミモミ

明華「ここでずっと暮らしたいほどに心地いいです…」

ハオ「同意です」

玄「いつもお待ちしてます!」モミモミ

明華「気持ちいい…」

憧「あの…どうかしたんですか?」

明華「夢見心地よくて」ポワーン

ハオ「身体が軽いです」ポワーン

憧「仕事の話していいですか…?」

明華「お願いします」

憧「殺してほしいのは松実玄…旅館の娘です」

明華「あ……」

ハオ「……理由は?」

憧「あの……」

憧が依頼した理由>>117

私の物にならないのならいっそ……

憧「…玄とはずっと昔からの仲でした。いつの間にか私は玄が好きになって…でもあの子は…だったらいっそ!」

ハオ「おかしな話ですね」

憧「狂っているのはわかってる……でも…それでも私は…」

明華「あなたは罪もない、善良な少女の人生を奪おうとしているんですよ」

憧「なによ…お金なら払った!やってくれるんでしょ!」

ハオ(明華…どうするんですか…?)

明華「…わかりました」

憧「ありがとうございます……」

菫「宥、久しぶりだな」

宥「菫ちゃん!」

菫「たまたま仕事で近くまできたんだ」

宥「けど…喪服で…?」

菫「君が落ち込むことはないさ…」

玄「あ、菫さん」

菫「やあ玄ちゃん」

玄「私お部屋用意してきます!」

菫「相変わらず元気な子だな」

宥「うん」

ハオ「本当にやるんですか?」

明華「仕事ですから」

ハオ「なぜ…あなたはそれほどまで拘るんですか」

明華「なぜって……」

明華「仕事を果たさないことは罪です、そうでしょ?」

ハオ「……」

明華「さあ…いきましょう」

明華「宥さん、玄さんはどこですか?」

宥「えっと、今別のお客様のためにお部屋を準備してて…」

明華「ありがとうございます」


菫「宥!今のやつらは!?」

宥「え?お客様だよ?」

菫「……何を話してたんだ?」

宥「玄ちゃんの場所教えてほしいって…」

菫「くそっ!」ダッ

宥「す、菫ちゃん!?」

菫(間に合えっ…!)

菫が走りながら放った矢は、振り返ったハオの腕を貫いた。

ハオ「!?」

明華「ハオ!?」

不意な一撃に戸惑う二人を、鬼の形相で睨む菫。

菫「貴様らが…何故ここにいる!」

その声には憤怒と殺意が込められており、敵だと認識するには十分すぎた。

明華「弘世菫…」

菫「もし彼女に手を出してみろ…殺してやるぞ…!」

ハオ「ぐっ…」

菫「いや…手を出さなくとも今ここで殺してやる…!」

流れるような速さで矢を引き、放つ。

明華はハオの前にでてその矢を叩き落す。

しかし、その矢尻には小さな爆弾が取り付けられていた。

爆風が明華を吹き飛ばした。

ハオが銃を構えるがすぐに銃口に矢が突き刺さる。

玄「な、なに!?」

激しい音に襖を開けて出てきた玄。

彼女を爆風に巻き込まないため、菫はハオの銃に刺さる矢を爆発させられなかった。

菫「玄ちゃん…!」

一瞬の隙が生まれた。

即座にハオは間合いを詰め、菫の懐に潜り込む。

菫は腹に刃物が刺されたが、負けじと隠していた短刀をハオに刺し返す。

ハオ「明華!」

ハオの声と共に明華は菫の腹をさらに刺す。

菫は吐血し、息絶えた。

宥「なんの音!?」

音につられやってきた宥が目にしたものは、恋人の背中から突き出た、紅く光る刃だった。

その奥には、脅えて震えている妹がいる。

状況がまるで掴めなかった。

なにかの冗談なのか。

刃が背中から消えると菫の身体が倒れこんだ。

菫の身体の奥には、昨晩、我が家を褒めてくれ、楽しく遊んだ客が二人。

明華「ハオ、大丈夫ですか?」

ハオ「嫌な予感は…してたんです…」

明華「そんな…」

ハオ「明華…このまま逃げてもいい……仕事を成すことが全て正義とは…限らないんですよ…」

ハオが血に濡れた手を明華の顔に当て、最期の一言を放つ。

ハオ「対…不起」ニヤ

明華「ハオっ!!」

落ちた手が二度と上がることはなかった。

明華「……」

初めて友を失った。

その喪失感は初めて感じる物であり、明華は何をすればいいかわからなくなっていた。

辺りを見回すと、ターゲットが震えていた。

手には刀がある。

色々な感情が渦巻いていた。


玄を殺すor殺さない
>>126

殺さない

刀を剥き出しのまま、ゆっくりと出口へ向かった。

玄「あ…あぁ…」

宥「菫ちゃん…!」


明華は奈良の土地から、逃げるように帰った。

(ハオ「このまま逃げてもいい……仕事を成すことが全て正義とは…限らないんですよ…」)

涙を止めるために、彼女の言っていた言葉の意味を理解しようと、思考を意識の海に沈めていく。

しかし、彼女の顔ばかりが浮かんでくる。

明華「帰ったら…中国麻雀教えてくれるって言ったじゃないですかぁ……」

唇を噛み、必死に泣き声を抑えながら、変わる景色を眺めていた。

アレクサンドラ「失敗…か…」

明華「……」

アレクサンドラ「…今は責めないよ、辛かったろう」

明華「…うぅっ…うええええええええん…」

アレクサンドラ「……」ダキッ

ネリー「ハオぉ……」


智葉「………」

ダヴァン「……あの…」

智葉「今は何も言うな……」

ダヴァン「……スイマセン」

智葉「……」

第5話完

「あと一人か」

?「そうですね」

「もうすぐ私達の時代が」

「ククク…全ての仕事は私達に流れ込んでくる…そうなるとどれだけの利益が出るだろうか」

?「ざっと見積もっても…」

アレクサンドラ「……」

「まあ、急ぐ必要もない」

「ゆっくりと待とうじゃないか」

アレクサンドラ(下衆が…)

アレクサンドラ「仕事は、どうする?」

明華「…受けさせてください」

アレクサンドラ「いいのか?」

明華「はい、ハオの言ってた言葉を理解するためにも」

アレクサンドラ「わかった」

ネリー「頑張ってね、明華」

明華「はい、いってきます」

次の依頼人>>132
ターゲット>>133

今回はここまで
続きは今日の22時以降に
安価に付き合っていただきありがとうございました

シロ
おつ

姫様

明華「それで…えっと」

シロ「ども」

明華「詳細を教えてください」

シロ「……ダルい」

明華「……」

シロ「すんません、神代小蒔ってのをやってほしいんです」

明華「コマキですね」

豊音「シロー、塞が呼んでるよー」

シロ「あの、ちょっと待っててください」

明華「はあ」

豊音「風神さんですよね!サインください!」

明華「知ってたんですか」

豊音「私もまだまだヒヨッコだけどヒットマンやってます!」

明華「そうだったんですか」

豊音「もしよかったらですけど…近くでお仕事見学したいなー…なんて」

明華「仕事をですか」

豊音「あ!すいません!調子乗りました!」

明華「別にいいですよ」

豊音「え?」

明華「よろしくお願いしますね?えーっと…」

豊音「姉帯豊音です!豊音って呼んでください!」

明華「明華です、豊音」

豊音「は、はい!!」

シロ「豊音、何してるの?」

豊音「明華さんとお仕事ご一緒させてもらうんだー」

シロ「そうなんだ…」

明華「あ、仕事の詳細を」

シロ「ああ…ターゲットは鹿児島にいるはず…」

明華「鹿児島…」

豊音「そんな遠くの旅行初めてだよー」

シロ「こっちとしても全然情報ないんすよ」

明華「そんな人物をなぜ消そうと?」

シロが小蒔を狙う理由>>138

宮守全員が妖怪だとか因縁をつけられて困ってるから

シロ「あっちも私達の命狙ってるんで」

明華「理由とかは…聞かないほうがいいですか」

シロ「私達が妖怪だとか言ってきて、けど本気で命狙ってきてるんで困ってまして」

明華「和解はできないんですか?」

シロ「最初はそう考えてたんすけどね、友達が一人殺されたから…」

明華「…わかりました」

シロ「ありがとうございます」

明華「それでは豊音、行きましょうか」

豊音「はい!」

シロ「がんばって」

小蒔「被害は増えているようですね」

霞「ええ…妖怪連合との戦争、間違いなく泥沼になるでしょう」

巴「こちらの被害も少なくないんです…もう後戻りはできません」

春「……」

小蒔「春、顔を上げなさい。戦うんです。初美ちゃんのためにも」

春「姫様…」

小蒔「さあ、刀を持って」

巴「行きましょうか、妖の根城へ」

明華「ここが神代小蒔のヤサですか」

豊音「そのはずなんだけど…やけに静かだよー…」

明華「…探索してみましょうか」

豊音「はい」

明華(どこを探しましょうか)

豊音「人の匂いがしない…?いや、少しだけ……」

明華(?)

小さな小屋or大きな城
>>143

小さな小屋

豊音「あそこにかすかに気配を感じるよー」

明華「この小屋ですか…」

戸を開けると、小さく部屋の隅にうずくまる影が一つ。

明華「あなたは…?」

湧「う…うぅ…」

刀を突きつけ、問う。

明華「名前を教えてください」

湧「だ、誰が妖怪になんか!」

明華「声が震えていますよ」

豊音「他のみんなはどこに行ったのかな?」

明華「答えてくれれば命はとりません」

湧「あ…ああ…妖怪の…本拠地に…」

明華「入れ違いでしたか」

湧(助けて…姫様ぁ…!)

豊音「…」ニコ

湧「ひっ……」

シロ「ここまでは来れないはずだから」

塞「でも…相手は巫女だよ」

シロ「分かってるって」

塞「ねえ、白旗を上げたらいけないの?」

シロ「私は負けない、信じて」

塞「うん…」


小蒔「さすがに数が多いですね」

春「お疲れ様です…姫様」

巴「敵の大将が見当たりませんね」

霞「隠れているみたい…神境のようなものだと厄介ね」

小蒔「……」

明華「かなり出遅れてしまいましたね」

豊音「シロ達は無事だよー」

明華「わかるんですか?」

豊音「困ったら迷い家に隠れればいいからね」

明華「迷い家?」

豊音「探しても見つからないから」

明華(うーん…よくわかりませんね)


春「!」ピシッ

巴「見つけたの?」

春「別の妖気…強い…」

霞「山女…」

明華は歩いている内に空の色が変わっているのに気付いた。

夜ではないが空は暗く、しかし周りの物ははっきりと見える。

豊音「くる…」

その言葉を直感的に敵だと悟り、刀を抜く。

向こうから歩いてくる人間が二人。

霞「やっぱりね」

巴「…」

明華「彼女らは?」

豊音「六女仙の巫女、敵だよー…」

豊音が霞に襲いかかる。

土が抉れるほどの踏み込みをあっさりと刀で受ける霞。

霞「それじゃあ…遊びましょうか」

霞と豊音が離れた場所では明華と巴が睨み合っていた。

巴「あなたは?」

明華「雀明華といいます」

一枚の葉が枝から取れた。

巴「私は狩宿巴です、見たところあなたは妖怪ではないようですが」

明華「神代小蒔を殺すために雇われた殺し屋です」

ひらひらと、二人の間で舞っている。

巴「なぜ、妖怪の味方に?」

明華「仕事ですから」

その葉が地面に落ちた時、同時に二人は踏み込んだ。



歌が止まった。

明華「豊音は…帰ってきませんね」

明華は歩き出す。

しかし森の中、そう簡単に敵が見つかるわけがない。

はっきりいうと明華は迷ったままターゲットを探していた。

そして幸運にも辿り着く。

不思議な気配を漂わせる屋敷、そこの庭では既に事は終わりを迎えようとしていた。


小蒔「…これで、私達の勝ちです」

シロ「ぐふっ…」

塞「シロっ!」

シロ「どう…かな…あんたを殺すのは…私じゃない…」

小蒔が明華を視界に見つける。

小蒔「人間…?」

春「…!」ゾッ

小蒔「何を感じましたか?」

春「人殺し……」

小蒔「……なるほど」

小蒔は瞼を閉じた。

明華はその隙を見逃さずに斬りかかる。

だが斬撃は目を閉じたままの小蒔に止められた。

明華「なっ…」

静かに開いたその瞳はさっきまでとは全く違っていた。

明華は小蒔の振る刀を避けながら気付く。

小蒔の放つ一撃は重くなり、そして速くなっている。

明華の刀を弾き飛ばし、二の太刀を放つ瞬間、小蒔の動きが止まった。

即座に刀を奪い、首元に刀を当てる。

小蒔「何が……」

明華「おそらくですが…あの方だと」

塞「ハァ…ハァ…」

小蒔「塞の神…そうでしたか…」

春「ま、待って!」

小蒔「春?」

春「こいつらは妖怪…人間を食べたりしている…それでも肩を持つの…?」

明華「……」

春「姫様を……姫様を殺さないで!」

シロ「……」

明華「白望さん、あなたはどう思います?」

シロ「胡桃は…私の友達はこいつらに殺された…」

小蒔「……」

シロ「でも…私達も殺した…」

塞「シロ…」

シロ「もう…迷っても何も分からない…」

小蒔「……」

シロ「お願いがあります」

明華「言ってください」

シロ「あなたが決めてください…人間と…妖怪の未来を…」

明華「…わかりました」

殺すor殺さない
>>153

[ピーーー]

シロ「神代さん…すみませんでした」

小蒔「こちらこそ…生まれ変わったら、友達になれるといいですね」

春「姫様っ──────」

巫女が身に纏っていた白装束は、赤く染まった。

春「あ……」

春は膝から崩れた時、おかしな光景を見た。

シロ「明華さん…ありがとうございます…」ドサ

愛する人を殺した人間は、敵対していた存在の親玉を殺していたのだ。

塞「ありがとう…ございました…」

春「なん…で…」

明華「……」

その人間は、歌いながら去っていった。

その日から巫女と妖怪が争うことはなくなった。

両組織のトップを殺したのは一人の人間。

やがてその人間は歌う鬼として恐れられ、妖怪と巫女から命を狙われることになる。

その目的のため、妖怪と巫女は手を組み、お互いの非を詫びた。

その人間が死んだ後はどうなるかわからない。

しかし、この話はこれからも二つの大切な命を奪った悪者として語り継がれ、巫女と妖怪、二つの組織が共通の敵と戦った最初の一つとして思い出されるだろう。


明華(今度は仲良くなれるといいですね)

妖怪の村は、雲一つないほどに晴れ渡っていた。

アレクサンドラ「おかしな仕事だよ?本当に受けるのかい?」

明華「さすがに妖怪や巫女ほどじゃないでしょう?」

アレクサンドラ「それがね、ターゲットの名前が書いてないんだよ」

明華「ほう、興味をそそりますね」

ネリー「へー」

ダヴァン「ふーん」

明華「一人で行きますから」

ネリー「えー」

ダヴァン「ケチー」

次の依頼人>>157

今回はここまで
続きは日曜日の21時以降に
安価にお付き合いいただきありがとうございました

成香

北海道

明華「さすが北というだけあって寒いですね」

成香「これ、あったまりますよ?」

明華「どうも」

成香「あなたが殺し屋さんですよね?」

明華「はい、明華です」

成香「素敵です」

明華「?」

成香「よろしくお願いします」

明華「あの、ターゲットの名前を教えてもらってもいいですか?」

成香「?」

明華「あなたが私を依頼したんですよね?」

成香「はい!」

明華「ですから、殺してほしい人物を教えてください」

成香「殺してほしい人物?…私ですけど」

明華「ああ…え?」

成香「私を殺してほしいんです!」

明華「そういう依頼は初めてですね…」

成香「あ、でもまだみんなにお別れしてないんです」

明華「はあ」

成香「みんなに会うのに付いてきてください」

明華(見た目によらず結構生意気ですね…)

成香「まずは先輩に」

明華「先輩ですか」

成香「はい」

明華「あの、なぜ死にたいんですか?」

成香「なぜって…」

明華「……」

成香が死にたがっている理由>>162

誓子に恋人ができたから

ところでなんで>>1がsageてるの?

成香「チカちゃんに恋人ができたんです」

明華「それが…自殺する理由?」

成香「はい、何かいけませんか?」

明華「いや、死ぬのはいいことだとは…普通はその恋人を殺すとかですけど」

成香「そんなことしたらチカちゃん悲しんじゃうじゃないですか!」

明華「チカちゃんとは…」

爽「よう成香!」

成香「あ!爽さん!」

爽「その人は?」

成香「こちらは雀明華さん、明華さん、この人はさっき話した先輩です!チカちゃんの恋人!」

明華「ええー…そんな…」

爽「いやーこうして広まっていくんだなー」


>>163
外しときます

爽「で、成香の友達?」

成香「殺し屋さんです」

明華「ちょ」

爽「そうか、殺し屋さんかー」

揺杏「なになにー?何の話?」

成香「あ、揺杏ちゃん」

爽「成香が殺し屋を雇ったんだって」

揺杏「マジかよ、成香やっべー!」

成香「でへへ」

明華(この人達信じてませんね)

成香「それで私殺してもらうんです、だからみんなに別れの挨拶をと」

爽「成香が殺されるのか?」

揺杏「その発想はなかったなー」

明華「あの…私は…」

揺杏「私も昔はよく殺し屋ごっことかしたなー」

爽「私もテロリストに襲われるけど返り討ちとか考えてた、今思うと恥ずかしいな!」

明華「いや…ですから」

揺杏「うわー!爽の聞いてただけで胸が変な感じする!」

爽「褒めるな褒めるな」

揺杏「褒めてねーよ」

由暉子「先輩方何をしてるんですか?」

爽「おお!ユキ!」

揺杏「この人殺し屋なんだって!」

由暉子「殺し屋?」

爽「成香が殺してもらうんだって」

由暉子「成香先輩が…」

成香「ユキちゃんにも挨拶はしようと思ってましたよ」

由暉子「冗談でもそういうことは言わない方がいいですよ」

明華(ああ…まともな人だ)

由暉子「私はスナイパーとかがかっこいいと思います」

明華「……」イラッ

明華「みなさんこれを見てください」シャキーン

揺杏「うおっ!刀じゃん!かっけー!」

由暉子「仕込み刀…かっこいい…」

明華「ふんっ」

明華は軽く刀を振り、爽の頬を掠らせる。

その速さは常人が目に捉えることができないほど。

爽にとっては何が起こったのかまるでわからなかった。

気がついたら頬から血が垂れていたのだ。

爽「……へ?」

爽「ほほほほ本物!?」

揺杏「え…マジ?」

成香「信じてなかったんですか?」

由暉子「じゃあ成香先輩は…」

明華「依頼を正式に受けました」

爽「な…なんで…なんでだよ!」

成香「まあまあそこは聞かないことで」

揺杏「ふざけんなよ!」

由暉子「私は成香先輩がいなくなるのはいやです」

明華「……」

成香「もう決めたんです、だからみんなに挨拶させてください」

由暉子「どうにも…ならないんですか…?」

成香「はい」

揺杏「…なんでそんな笑ってるんだよ」

成香「だって、最後は笑ってお別れの方がいいじゃないですか」

爽「クソ…なあ明華さん!お願いだ!やめてくれ!」

爽は地面に膝をつき、頭を下げた。

明華「……」

成香「やめてください爽さん、そんなこと」

爽「そんなことってなんだよ…大切な仲間の命だろうが!」

明華「とりあえず挨拶したらどうですか?」

成香「…そうですね、じゃあ爽さんから。こっちに来てください」

明華(ああ…一人ずつ話したかったんですか)


爽「……」

由暉子「説得できなかったんですね」

爽「……チカを呼ぶ」

由暉子「……」

明華(お腹空きましたね)

成香「あ…チカちゃんも来ちゃったんですか」

誓子「…どういうことよ」

成香「次はユキちゃんです、来てください」

由暉子「はい」

揺杏「成香…本気だぞ…」

爽「チカ、頼む!成香を止めてくれ!」

誓子「当たり前よ」

明華「私もみなさんに聞いておきたいことがあるんですが」

誓子「成香…あなたは死にたいのね」

成香「…はい」

誓子「聖書にはこう書いてあるわ、死者には何も残らない。愛も、憎しみもねたみも消える」

成香「チカちゃんが聖書を読むなんて珍しいですね」

誓子「あ、バカにした」

成香「でも…何も残らないのはちょっと嫌だなぁ」

誓子「でしょ?」

成香「この心にある恋も…みんな消えちゃうのかなあ…」

誓子「え…まさか失恋?」

成香「バカにしないでください、本気だったんです」

誓子「……成香がしんだら、私も一緒に死ぬわよ」

成香「え?」

成香「い、意味がわかりません!」

誓子「私はあなたが死ぬ意味がわかりませんー」


誓子「ねえ殺し屋さん、成香を殺した後は私をお願いできる?」

明華「……構いませんよ」

成香「何言ってるんですか明華さん!」

明華「私はこれまで多くの命を消しました。その殆どは他人から死を望まれた人間、しかしあなたはむしろ生きることを望まれている」

成香「……」

明華「そんなあなたを殺すのが正直いやになってきましてね」

成香「それでも…殺し屋ですか」

明華「私は友を失った、その痛みはあなた達よりも知っているんです。あなたはそれでも死にたいんですか?」

成香「私は……」

明華「一応仕事です。あなたがどうしてもと言うのなら殺しましょう、そちらのチカちゃんも道連れですけどね」

成香「私は…」

>>176
死ぬor生きる

生きる

成香「私は……」

周りを一瞥する成香。

爽「…」

由暉子「…」

揺杏「…」

全員が、まっすぐに成香を見つめていた。

成香「わ…私は……」

目の端に涙が溜まる。

無言で誓子が抱きしめると、その涙は溢れるように流れだした。

誓子の胸の中で泣きわめく依頼人を背後に明華はその場を去った。


寿司屋のオヤジ「嬢ちゃん、もうイクラねえよお」

明華「まあ気分がいいのでよしとしましょうか」

第7話完

智葉「お前が何を聞きたいのかはある程度予想がつく」

明華「……」

智葉「私が知ったのも長野から帰ってからだった」

明華「教えてください、私の敵とは…」

智葉「お前の親だよ」

明華「親…?」

智葉「雀博士やその他の臨海スポンサー共、やつらはこの国の裏稼業を支配しようとしてるんだ」

明華「そんな…」

智葉「お前が信じられないのも無理はない、そしてこのままそうなったとしても、お前に害は何もない」

明華「ハオは…」

智葉「やつらにとっては小さな犠牲だ」

智葉「……」

明華「そうですか…」

智葉「で、どうする?」

明華「今は…何も思いつきません…」

智葉「そうだな」


明華「……」

ネリー「明華ー!」ダキッ

明華「どうしました?」

ネリー「うん、仕事だって」

明華「わかりました」

ネリー「連れてってくれる?」

明華「そんな可愛く言っても連れてきませんよ、ネリーちゃん」

ネリー「あ、なにそれ!」

ダヴァン「クレル?」

明華「メグちゃんも連れてきません」

次の依頼人>>180ターゲット>>181


今回はここまで
続きは今日の21時以降に
安価にお付き合いいただきありがとうございました

あらたそ


すこやん

公子「うぅ…」

明華「おばあちゃん、お荷物お持ちしましょうか?」

公子「ああ…いいのかい?」

明華「ええ」

公子「近くのボウリング場までだよ」

明華「それでは一緒にいきましょうか」

公子「ありがとね、お嬢さん」


灼「おばあちゃんおかえりなさ…あなたは…」

明華「雀明華です、こんにちは。鷺森灼さん」

公子「なんだ、知り合いだったのかい」

灼「うん…ちょっとね」

灼「確かに仕事を依頼しました…でもあまり私に関わらないでください」

明華「どういうことですか?」

灼「宥さんや玄は私の友達…憧も…」

明華「……」

灼「あなたのせいで…大変なことになったから」

明華「わかりました、仕事の話をしましょうか」

灼「ターゲットは小鍛治健夜」

灼が健夜を狙う理由>>185

ハルちゃんを潰した憎き小鍛治健夜の死顔が見たい

灼「復讐…やつの死に顔を見たいから…これでいい?」

明華「はい」

灼「2日後、あの女はもうすぐ仕事で奈良に来る」

明華「決行の時ですね」

灼「待っててハルちゃん…もうすぐであの女は死ぬから…」ブツブツ

明華「それまではここに泊まらせてもらってもいいですか?」

灼「え…」

明華「あなたの友人達から匿って欲しいんです」

灼「わかりました…」

明華「うーん…暇ですね…」

公子「明華ちゃん、ボウリングしないかい?」

明華「ボウリングですか?」

公子「うん、明華ちゃん華奢に見えて意外と力あるからね」

明華「私初めてやるんです」

公子「ふふ…私が教えてあげるよ」

晴絵「おばあちゃん、私も入れてよ」

公子「ハルちゃん、お仕事は?」

晴絵「今日は午後から。遊びに来ちゃった」

明華(ハルちゃん…?)

晴絵「いやー君すごいね、私より球威はあるんじゃない?」

公子「育てればプロも目指せるかもね」

明華「コントロールが難しいです」

晴絵「それができればレジェンドだね」

明華「レジェンド?」

公子「ハルちゃんのことさね、阿知賀のレジェンド」

明華「なんですかそれ」

公子「昔ね、ハルちゃんは強豪の晩成高校を破って全国までいったんだ。だけど全国でハルちゃんは今の小鍛治プロに負けて一時期ダメになっちゃってたんだ」

晴絵「あはは…昔の話だよ」

明華(この人が…)

晴絵「そらっ!」

公子「おおすごい、これでターキーだ」

明華「あなたは小鍛治プロのことをどう思ってるんですか?」

晴絵「うーん…化け物」

明華「恨んだりは?」

晴絵「昔はね、でも今は私の実力が足りなかっただけって思えるようになったんだ」

明華「潔いですね」

晴絵「でもね、だからこそ燃えるんだ。リベンジする。それが私の今の夢」

明華「叶うと…いいですね」

晴絵「はは、叶えるんだよ」

公子「かっこいいね」

晴絵「もう行くよ、おばあちゃん。灼に私が来たこと言わないでくれよ?バレたら怒られるんだ」

公子「オッケー」

灼「おとなしくしてた?」

明華「ええ、おばあちゃんとボウリングしてただけです」

灼「…まあいいや」

明華「明日は何しましょうか」

灼「ネット麻雀してていいから部屋から出ないで」

明華「ボウリングも?」

灼「ダメ」

明華「それは残念ですね」

明華「他人にパソコン使わせたらダメですよね、いろいろ探られますよ普通」

明華「お…このファイルは」カチッ

赤土選手の活躍により三連勝!

倍満和了!赤土晴絵!

明華「晴絵さんの様々な記事が保存されていますね」

明華「本当に好きなんですね…これくらいしか面白そうな物がなかったし、ネト麻しましょうか」

明華「うーん…このラーメン大王さんの打ち方どこかで見たことが…」

明華「こっちのサカルトヴェロさんも…メガネヤクザさんも…まあ気のせいでしょう」

智葉「ん?この打ち方とラーメン大王にサカルトヴェロ…」

智葉「ネリー!メグ!暇してるなら買い物にでも行ってこい!」

ネリー「やっぱりヤクザメガネは智葉だった!」

ダヴァン「智葉だって暇シテルじゃないデスか…」

智葉「ああ?」

ダヴァン「牛乳と卵切らしてたんデシタネ」

ネリー「お菓子も買ってこよう」

智葉「まったく…それにしてもこのハルちゃん@少女ボウラー、明華の打ち方に似てたが…気のせいか」

智葉「……やっぱりメガネヤクザより美少女極道とかの方がよかったかな」

ダヴァン「えっ」

ネリー「自分で美少女って…」

智葉「お、お前ら買い物に行ったんじゃ…!」

明華「うーん…なにかプチプチするものが食べたい…」

公子「あら明華ちゃん、だったらいいものがあるよ」

明華「本当ですか!」

公子「じゃーん、ツブツブドリアンジュース」

明華(全然美味しそうじゃない…)

公子「今日はボウリングはやらないのかい」

明華「はい、ちょっと筋肉痛で…」

明華(嘘ですけどね)

公子「だったら私のお手伝いしてくれないかい?」

明華「お手伝い?」

公子「お金も払うしご飯も好きなもの作ってあげるからさ、ちょっとレーンの掃除をね」

明華「掃除ですか」

公子「実はこれ誰にも行ってないんだけどね、明日小鍛治プロとこーこちゃんが仕事でここに来るんだ」

明華「ええっ!」

公子「テレビなんて初めてだからさ、綺麗にしときたいんだけど私あんまり動けないから…」

明華「…夜ご飯はいくらが食べたいです」

公子「うん、ありがとう」

明華(これは依頼人に言った方がいいんでしょうか…)

公子「灼にはサプライズとして言ってないんだよ、テレビにあの子が映ればモテるかもしれないだろう?」

明華「そうですね…」

恒子「さあ次の隠れた名店とは!こちらです!」

健夜「ここボウリング場だよね」

恒子「さっそく入店しましょう!撮影許可はすでにもらってます!」


灼「ちょ、聞いてな…!」

公子「言ってなかったからね」

灼(計画が……)

明華「どうしますか?」

灼「様子を見る…」

明華「そうしましょうか」

健夜「あなたはここのお店の?」

灼「…はい」

健夜「ここ、いいところだね」

灼「…どうも」

健夜「赤土さんって人がね、この土地にいるって聞いたからついでに挨拶したいなあ」

恒子「ほらすこやん!早く投げてよ!」

健夜「う、うん…えいっ」

恒子「あーあ…ガーター三つ目だよ、これですこやんの情けない姿がまた全国にお茶の間に」

健夜「やめてよっ!」

灼「ふん!」

恒子「おおすごい!さすがです!二連続ストライク!」

恒子「楽しかったです、ありがとうございました!」

公子「さようならー」

健夜「また来たいなあ、そしたらボウリング教えてくれる?」

灼「あ、う、うん……」

明華「今を逃すともうチャンスがないかもしれませんが…どうしますか?」

灼「……」

明華「心が揺らいでるんですか?あなたはあの女性の死に顔が見たかったのでしょう?」

灼「……お願い小鍛治健夜を…」

殺してor殺さないで
>>198

殺して

灼「殺して……」

ぐるぐるとうずまく思考から灼の口を飛び出た言葉を明華は確かに聞いた。

歌が夕焼けに響いた。

赤い空に、赤い血が飛び散る。

カメラマン、音声、その場にいた様々な人間が次々と倒れていく。

健夜「え…」

悲鳴を出すよりも前に、自分を慕い、からかい、友情を育んだ友は血を噴き出して倒れた。

健夜「あ…こ…こちゃん…?」

そして、健夜の意識もそこで完全に絶えた。

明華「おばあちゃんは気絶させておきました、サービスです」

明華の言葉がまるで悪魔の囁きのように聞こえる。

灼は、立ち尽くすことしかできなかった。

明華「あなたが望んだ、彼女の死に顔ですよ」

もしかしたら小鍛治健夜がこのボウリング場を訪れなければ、灼はもっと幸せだったかもしれない。

警察が来る頃には明華は痕跡を一切残さずに、奈良から消えていた。

晴絵「……」

灼「あの…ハルちゃん…」

晴絵「私の夢は…どうなるんだよ…」ボソ

灼「ハルちゃん?」

晴絵「そうか…私は…夢なんか叶えられない…ダメな人間なんだ」

赤土晴絵はその後、生涯牌を握ることをせず、華を咲かせることなく過ごした。

これが彼女の望んだものではないことは誰の目から見ても明らかだった。

だが仕方がない、これは彼女が望んだせいなのだから。

鷺森灼は死ぬまで小鍛治健夜の最期の顔を忘れることはできなかった。


明華「…やっぱり…このジュース美味しくないです」

第8話完

明華「ネット麻雀って面白いですね」

ダヴァン「私はラーメン大王というHNデス」

ネリー「私はサカルトヴェロ!」

明華「ああ、やっぱり…智葉は?」

ダヴァンネリー「美少女極道!」

明華(メガネヤクザじゃなかったんですか…)

ネリー「あれ自分で決めたんだよ?」

智葉「笑いたければ笑え…」

明華「可愛らしくていいと思いますよ」

智葉「そ、そうか!そうだな!」

ネリー(優しいなあ明華は)

次の依頼人>>202ターゲット>>203

はやりん

ユキ

アレクサンドラ「……」

明華「どうしたんですか?」

アレクサンドラ「いや、ちょっと言い難いんだがな…」

明華「?」

アレクサンドラ「次の依頼、二つ来てるんだ」

明華「なにか問題でも?」

アレクサンドラ「こっちのターゲットがこっちの依頼人でこっちの依頼人がこっちのターゲットなんだよ…」

明華「つまり…はやり⇆由暉子…こういうことですか?」

アレクサンドラ「うん…」

明華「…どうすれば?」

アレクサンドラ「とりあえず一人ずつ会ってくれ」

今回はここまで
続きは明日の21時以降に
安価にお付き合いいただきありがとうございました

明華「またここに来るとは」

由暉子「こんにちは」

明華「どうも」

揺杏「長旅に疲れていられることだろうしお風呂どうぞ!」

明華「はあ」

爽「先生、こちらお菓子になります」

明華「先生?」

爽「お仕事していただくんですから先生と呼ばせてもらってるんですよ!」

明華「……」

揺杏「おい爽、不満そうだぞ」

爽「んー…じゃあ…」

明華「なぜあなた達がここにいるのか知りませんが依頼した理由を教えてください」

由暉子(爽)が依頼した理由>>211

尊敬する牌のお姉さんが老いて醜くなる前に美しいままで死なせてあげたい

爽「その話なら私がするよ、先生」

明華「なぜ」

爽「この依頼は私達の意思だ、聞いてくれ」

明華「……」

爽「はやりんといえば牌のお姉さん、知らない人間なんて少ないほどの知名度と人気を持ってる。でもね、それだけじゃないんだよ」

明華「というと?」

爽「あの人は強さと美しさ、そして賢さを兼ね備えた素晴らしい人なんだ。ずっと昔から尊敬していた。そんなはやりんが老い、醜くなっていくなんて許せるか?」

揺杏「……」ブンブン

爽「だったらさ、綺麗なまま、美しいまま、永遠に歳をとらないよう殺せばいいんじゃないかって思って依頼した」

明華「……」

「「「大好きだーはーやりーん!!!」」」

様々な色の閃光が飛び交っていた。

だがどの光よりも美しく輝いていたのは彼女、瑞原はやり。

はやり「どうもありがとー☆!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」」

男も女も彼女の声に歓喜し、叫びを上げた。

その大歓声を一身に浴び、瑞原はやりは手を振る。

それがコンサート終了の合図だ。


明華「すごかったですね」

はやり「えへへ、嬉しいな」

明華「あなたが、どれだけの人から愛されているかがよくわかります」

はやり「はやりもとっても幸せ、でもね、だからこそあなたに依頼をしたの」

はやりが依頼した理由>>214

自分の地位を脅かす可能性がある芽を潰したい

はやり「この場所は…この仕事はとても大切なものだから。大切な人から受け継いだものだから」

明華「つまり?」

はやり「誰にも渡したくないの、おかしいかもしれないけどね。真深さんの思いを引き継げるのは私しかいない。ただの子供にそれを取らせない」

明華「……」

はやり「あなたは私が変だと思う?」

明華「はい」

はやり「あなたもその内にわかるよ。絶対に人に譲れないものが誰にだってあるってこと」

明華「そうでしょうかね」

はやり「それじゃあね☆」

明華(私はこの仕事…変わってもらえるなら……)

明華「で、どうすればいいと思います?」

アレクサンドラ「うーん…」

ネリー「私だったら報酬がいい方だね」

アレクサンドラ「まあね…明華はどう思う?」

明華「…まだなんとも」

ダヴァン「両方ヤるってのはどうでショウ」

アレクサンドラ「何も得しないじゃないか」

智葉「結果がどうなろうとお前の仕事だ、お前が決めろ」

明華「わかりました」

はやり「お仕事はまだしないの?」

明華「タイミングというものがあるんですよ」

はやり「ふーん、だったらどうしてはやりの近くにいるの?」

明華「そういうものなんです」

はやり「はや~」

やたらデカいファン「はやりん!サインください!」

はやり「うん、いいよ☆」

やたらデカいファン「やったー!ちょーうれしいよー!」

はやり「これからも応援よろしくね☆」

明華(大きな人でしたね…2mあったんじゃないですか?)

爽「うん、やっぱりユキはかわいいな」

揺杏「これなら牌のお姉さんにもなれるさ」

由暉子「そうでしょうか」

爽「うん、間違いない」

揺杏「ところで先生、決行はいつなんすか?」

明華「まだ決めてません」

爽「はやくしてくださいよ?じゃないとはやりんがどんどん醜くくなっていく」

明華「私は歳を重ねることを悪いことだとは思いません」

爽「はやりんは別さ、あの人は美しくなくちゃいけない。それが牌のお姉さんだから」

明華「……」

明華「由暉子さんも歳老いたら同じようにするつもりですか?」

揺杏「えっ…?」

明華「あなた方は由暉子さんを牌のお姉さんにしたいのでしょう?でしたらそういうことになるんですが」

爽「私がユキを…ありえないね」

由暉子「……」

爽「私達のことはいいからはやく仕事をしてくれ、私はもう帰る」

揺杏「あ、爽!」

由暉子「明華さん」

明華「はい」

由暉子「私は、先輩のためであるなら…それでもいいとも思っています」

明華「あなたが死ぬことをですか?」

由暉子「…それでは」


明華「あなたは、人の死についてどう思いますか?」

はやり「…悲しいこと」

明華「人を殺すということはその人物の未来や関係を持つ者との絆を消し去ることを背負って生きていくということです。どう思いますか?」

はやり「あなたは仕事をしたくないの?」

明華「いえ、ただの質問です」

はやり「私にとってはね、この地位を失うことは死んだ人との今も続いてる唯一の絆を失うということだと思ってるの。そうさせないためにあなたを雇ったの」

明華「不思議ですよね。死者には何も残らないのに私達生きている人間は死者との間に何かを感じるのですから」

はやり「そうだね」

明華「あなたは、彼女を殺した時にその重みを背負って生きていけますか?」

はやり「……」

はやり「真深さん…私、迷ってるよ…」

はやり「牌のお姉さんになった時に決意したはずなんだけどな…誰にも渡さないって…真深さんに誓った」

はやり「でもそれは私が勝手に思ってるだけ、真深さんは死んだんだから何も感じるわけないのにね…」

はやり「……わからないよ…」


爽「私がユキを殺す…?ありえない…だったらどうしてはやりんを…?」

爽「はやりんのためだしユキのため…」

爽「本当にそうか?これは私の自己満足じゃないのか?」

爽「私は一体何のために……」

爽「はやりんが私達をコンサートに!?」

明華「はい、理由はよくわかりませんが」

爽「なんであんたはやりんに会ってんだ…仕事は…」

明華「これも仕事です。どうしますか?」

爽「……」

由暉子「行きます」

爽「ユキ…」

由暉子「先輩は先輩です。私はあなたが喜ぶのが一番の幸せですから」

爽「…ありがとう」

明華「彼女達は来るそうですよ?」

はやり「うん、ありがとう」

明華「なぜ呼んだんですか?」

はやり「ふふ、秘密☆」

明華「そうですか」

はやり「コンサートが終わったら話すことがあるの、それまで仕事は保留しててほしいな」

明華「ええ、かまいませんよ」

はやり「殺し屋さんのせいだからね」

明華「?」

はやり「みんなー!来てくれてありがとー!」

「「「イェェェェェェ!!」」」

爽「うわっ、すごいな」

揺杏「昔と全然変わらないね」

由暉子「先輩達は来たことあるんですか?」

爽「昔北海道に来た時揺杏と二人で勝手に忍び込んでな」

揺杏「あの時警備員に見つかったけどはやりんが助けてくれたんだ」

由暉子「へえ」

はやり「それじゃあ一曲目はもちろん?」

「「「時にはHAYARIに流されて!」」」

はやり「オッケー☆!」

はやり「はあ…はあ…」

明華「タオルどうぞ」

はやり「あ、ありがとう」

明華「彼女達、来てますよ」

はやり「うん…」

明華「このコンサートを冥土の土産にしてあげるつもりですか?」

はやり「……」

明華「アンコール、されてますよ?」

はやり「うん、行ってくるね☆」

揺杏「どうだユキ、私はお前にああなって欲しいんだ」

由暉子「なんていうか…すごいです…」

爽「……」

揺杏「ほら爽、黙ってないでお前もアンコール手伝えよ」

爽「……ああ」

揺杏「なんだよ…泣いてんのか」

由暉子「先輩?」

揺杏「ほっとけ、ほらユキ、牌のお姉さんはアンコールに絶対応えるんだ」

爽「……」

揺杏「そんで最後はこの言葉で終わるんだ」

爽「大好きだ…はやりん…」

「「「大好きだーはーやりーん!」」」

はやり「どうもありがとー☆!」

爽「先生、どこに連れて行くつもりなんだ?」

明華「ここです」

揺杏「ここって…」

由暉子「はやりんの楽屋?」

爽「まさか…」

明華「証拠は何も残りません、さあ入りましょう」


はやり「あ…いらっしゃい☆」

爽「……」

明華「あなた達の今の答えを教えてください」

はやり「はやりはこの子達を…」

殺してほしいor殺さないで
>>229

爽「私ははやりんを…」

殺してほしいor殺さないで
>>230

明華「それがあなた達の答えですか…」

殺さない

殺さないで

はやり「やっぱり私を殺すよう依頼を受けてたんだね」

明華「その通りです」

爽「え?どういう?」

明華「はやりさんからは由暉子さんを殺すよう依頼を受けてました」

揺杏「え、ええ!?」

はやり「あはは…ごめんね?」

爽「な…なんだそりゃ…」

はやり「でもね、それだけ牌のお姉さんのことが大切だったんだ」

明華「はやりさんが狙われた理由は美しいまま死なせてあげたいって理由ですよ」

はやり「はやっ!?そうなの!?」

爽「わ、私も牌のお姉さんのはやりんが好きだったから…」

はやり「あはは…じゃあ殺し屋さんには無駄足だったね」

明華「コンサート楽しかったから来てよかったと思います」

由暉子「あの、はやりんさん」

はやり「はや?」

由暉子「私…はやりんさんのこととってもカッコいいと思いました!私も頑張って牌のお姉さん目指します!」

はやり「…ふふ、それじゃあこの髪飾りあげる」

由暉子「いいんですか?」

はやり「うん☆」

揺杏「ていうか生はやりんじゃん!サインください!」

はやり「いいよー、あ、あなた達やっぱりいつかの警備員さんに捕まった子達だね」

爽「憶えて…」

はやり「あんな子達他にはいないからね☆」

ネリー「あれ?明華これなにー?」

明華「牌のお姉さんのサインです」

ネリー「売ったらどれくらいだろ…」

明華「あげませんよ」

ネリー「えー」

ダヴァン「宛名が殺し屋さんへって…」

明華「部屋に飾っておきましょうか」

明華(はやりさんの言ってたこと、何となくわかりました。この仕事は誰かに譲ったりなんかしたくありません。私が今まで殺した人達のことを背負うために、それが私の償いですから)

第9話完

智葉「なあ明華」

明華「なんですか?」

智葉「私がお前に仕事を依頼すると言ったら、やってくれるか?」

明華「仕事を?」

智葉「どうだ?」

明華「誰を殺すんですか?」

智葉「…雀博士」

明華「え…?」

今回はここまで
ターゲット依頼人の安価は次回ありませんがその他の安価をいくつかやるつもりです
続きは金曜日の21時以降に
安価にお付き合いいただきありがとうございました

明華「私の…母を…」

智葉「やれるか?」

明華「できるわけ…ないです」

智葉「…」

明華「なぜ、急に?」

智葉「知らん、上からの命令だ」

明華「あなたがやろうとは思わなかったんですか?」

智葉「お前に何も言わずにやっていいのか?」

明華「……」

智葉「そう睨むな」

明華「ごめんなさい、あなたは悪くないんですね」

智葉「お前が嫌だと言えばまた別の奴が博士を殺しにいくだろう」

明華「どうすれば…」

智葉「誰かに相談してみろ、何かいい案が出るかもしれない」

A・ネリーに相談する
B・ダヴァンに相談する
C・智葉に相談する
D・アレクサンドラに相談する
>>241

C

明華「じゃあ智葉…」

智葉「私だったら殺すだろう、それが母親だとしてもな」

明華「……」

智葉「訳のわからない他人にやられるより自分の手でやる。そっちの方がまだ後悔が少ないだろうからな」

明華「助けるという選択肢は?」

智葉「自分の命も捨てる必要はない」

明華「なんとも思わないんですか?」

智葉「人を殺してなんとも思わない人間などいない。いるとしたらそいつは異常者だ」

明華「……」

智葉「これは私の考えだ。最後は自分で決めろ」

明華「…もう一人くらいに相談してみましょう」

A・ネリーに相談する
B・ダヴァンに相談する
D・アレクサンドラに相談する
>>244

A

明華「あなただったらどうしますか?」

ネリー「ごめん…ネリーは家族がいないから明華の気持ちがよくわからない」

明華「……」

ネリー「でも大切な人を死なせたくないってのはよくわかるよ」

明華「あなたは私が好きですか?」

ネリー「え、ええ!?急に何?」

明華「どうですか?」

ネリー「そ、そりゃあ…好きだよ」

明華「どれくらい?」

ネリー「…世界で一番」

明華「もし私を殺さなければ誰かが私を殺すとしたら、どうしますか?」

ネリー「二人で逃げるよ」

明華「……ありがとうございます」

雀博士「久しぶりだね、明華」

明華「お久しぶりです」

雀博士「今日はどうしたの?」

明華「声が聞きたくなって」

雀博士「嬉しいね、最近はどうだい?」

明華「自分の中の正義を見つけた気がします」

雀博士「正義…ふぅん」

明華「……」

雀博士「まあ元気そうでよかったよ、それじゃあ私は忙しいから」

明華「はい、それでは」

ネリー「どう?答えは出た?」

明華「難しいです」

ネリー「私は明華の力になるからね」

明華「ありがとう、ネリー」


智葉「答えは決まったか?」

明華「…はい」

智葉「じゃあ聞こう。どうするつもりだ?」

明華がとろうと思う行動とは
>>248

逃げる

明華「母を殺すことはできません」

智葉「だが別の誰かが殺すことになるぞ」

明華「殺させません」

智葉「どういうことだ?」

明華「逃げます」

智葉「…なるほど」

明華「私を逃がしてくれるんですか?」

智葉「私は依頼を持ちかけただけだ。それ以上は何も言われていない」

明華「…ありがとう、智葉」

智葉「いくならはやく行った方がいい」

明華「はい!」

ネリー「明華、これ荷物」

明華「ありがとうございます、ネリー」

ネリー「…私もいっていい?」

明華「ですがあなたまで…」

ネリー「明華とこれでお別れなんていやだよ!私も一緒に逃げたい!」

明華「ネリー…」

雀博士「へえ…」

明華「わかりました」

ネリー「ありがとう」

明華「こちらのセリフです」

ネリー「どこに逃げるつもりなの?」

明華「そうですね…」

雀博士「臨海の組織はしつこいよ」

ネリー「今までいった場所にコネとかない?」

明華「コネ…」

明華が逃げ込んだ場所
長野or北海道
>>253

北海道

爽「先生が助けてほしいって一体何があったんですか?」

明華「敵に見つかるまではここに住みたいんです」

揺杏「住むって?」

明華「隠れるといった方がいいですかね…外の情報をシャットアウトして生活したいんです」

爽「私達は何をすれば?」

明華「お金はだします、食料を買ってきてくれませんか?」

由暉子「簡単ですね」

成香「私でもできそうです」

誓子「命の恩人だしね」

「くそっ!奴らを逃がしただと!?」

智葉「私は依頼をしろと言われただけですから」

「……いい案を思いつきました」

「言ってみろ」

「最後の一人に依頼するんです」

智葉「!」

「ほう…なるほどな」

「それがいい」

「早速依頼しよう」

ネリー「なんだかんだもう一ヶ月だね」

明華「彼女達の協力のおかげですね」

雀博士「明華、いいかな」

明華「なんですか?」

雀博士「パソコンを使いたいんだよ」

明華「パソコンですか?」

雀博士「うん、フランスの研究所にレポートを届けたいんだ」

明華「私はパソコンに詳しくないんですが」

雀博士「近くのネカフェに行くだけでいいんだよ」

明華「うーん…」

「捉えたようだな」

「ふふふ…必ずここから足がつくと思いましたからね」

「馬鹿な女だ」

「もうやつの研究は全て頂いた、さっさと消せ」

「それでは、よろしくお願いしますね」

照「……」

明華「妙ですね…」

ネリー「うん…」

明華「まだ終わらないんですか?」

雀博士「あとちょっと」

明華「外の音が聞こえません…」

ネリー「まずい…見つかってるよ」

明華「くっ…」

雀博士(奴らにやられるだけで死ぬなんて御免だね)

明華(風…?)

建物の中、わずかな風を感じた。

扉が開いて一人の女が入ってきた。

その風は首筋を冷たくする。

照「動くな」

たった一言に乗る威圧感は身を圧し潰すかのようだった。

膝が震え出した。

照「初めまして、雀明華」

宮永照は笑っていた。

身体が逃げろとでも言っているかのように汗が湧き出る。

雀博士「宮永…照…」

照「あなたが私のターゲット…」

明華が刀を抜くより速く、照は間合いを詰めて明華の顔面を殴った。

重い鉄で殴られたかと思うほどの威力だった。

意識が飛びそうになる。

照「血、出てるよ」

明華「なぜ…ここが…」

照「さあ、依頼人が教えてくれただけだから」

ネリーが銃を取り出し震えた指で引き鉄をひいた。

飛んできた銃弾を照は素手で掴んだ。

ネリー「な…」

明華「ばかな…」

雀博士「それくらいはできるだろうね…宮永博士の最高傑作」

明華「なんですかそれ…?」

雀博士「遺伝子や身体の構造を色々といじってあるんだよ、妹は不出来だったらしいけどね」

照「……」

照は一歩も動かない。

明華(なぜ動かない…?)

照「ねえ明華さん」

突如自分の名前を呼ぶ敵に明華は戸惑う。

照「咲は元気だった?」

咲、おそらく宮永咲のことを言っているのだろう。

明華「…はい」

照「そっか…」

照は明華の足を踏みつけ骨を折った。

明華「あああッ…!!」

照「これは誠子の分」

更に折れた骨を何度も踏みつける。

照「これは淡の、尭深の、菫の」

全く表情を変えず照は苦痛に叫ぶ明華を見ている。

照「正直依頼なんてどうでもよかったの、あなたに会いたかった」

明華の目からは涙が零れていたがそれは照を止める理由には成らない。

照「これだけじゃ許してあげないよ」

明華「ここは……」

目が覚めた時、白いベッドの上に寝ていた。

すぐに激痛が全身を走り、声にならない叫びが密室に響く。

智葉「起きたか」

明華「さ…智葉…?」

智葉「お前は気絶していたんだ、今鎮痛剤を打たせる」


智葉「落ち着いたか?」

明華「何が…どうなったんですか…」

智葉「ゆっくり話してやろう」

智葉が現場に着いた時、泣きながら意識のない明華に語りかけるネリーと雀博士の遺体があった。

照「遅かったね」

智葉「……」

照「死んでないよ、明華さんは。彼女が全て悪いわけじゃないからね」

智葉「お前……」

照「私はそのうちあなたのとこの手を下さないクズ共を消しにいくから。一緒に来る?」

智葉「……いや」

照「そう…残念」

智葉に背を向けて歩き去る照。

照「またね」

それだけ言って照は消えた。

明華「母は…殺されたんですね…」

智葉「ああ」

明華「……」

智葉「命があっただけありがたく思え」

明華「……」

智葉「…また来るよ」

明華「……」


ダヴァン「明華は?」

智葉「照に植え付けられた恐怖は余程のものらしい」

ダヴァン「そうデスか。上の人間達は今、焦ってイマス」

智葉「だろうな。照が明華に殺されることでも期待していたようだが奴らは照の力を見誤っていた。潮時かもな…」

ネリー「ねえ明華」

明華「なんですか?」

ネリー「智葉がね、もしかしたらみんなヒットマン引退できるかもって言ってたよ」

明華「そうですか」

ネリー「…そしたらさ、もう人殺さなくていいんだよ」

明華「そうですか」

ネリー「……もう戦わなくていいんだよ?」

明華「……」

ネリー「……」

明華「……」

ネリー「そうだ、別の世界の話してあげるよ。オーバーワールドって場所でね…」

第10話完

明華「足もだいぶ動くようになりました」

ネリー「よかったね!」

あれから1年以上たった今でも宮永照は行動を起こしていない。

私達は今も仕事を続けている。

アレクサンドラ「明華、リハビリに依頼だよ」

明華「わかりました」

ネリー「ネリーもついていくよ!」

明華「…よろしくおねがいしますね」

依頼人>>269ターゲット>>270

今回はここまで
続きは今日の21時から
安価にお付き合いいただきありがとうございました

ちゃちゃのん

末原さん

大阪。

さすがに都市とあって喧騒が耳につく。

なだれていく人波の中にちゃちゃのんはアイツを見つけた。

制服の下にジャージを履いて歩いているアイツを。

そう、末原恭子じゃ。

いちご「以上」

明華「……」

ネリー「何が以上なんだろうね」ヒソヒソ

明華「依頼人はご満悦な顔してますからほっときましょう」ヒソヒソ

いちご「どないしたんじゃ」

明華「なんでもないです」

ちゃちゃのんが恭子を狙う理由
>>273

洋榎をめぐって恋敵

いちご「その…恋敵っていうか…」

明華「はあ…」

ネリー「どうしたの?」

明華「なんか私の依頼こんなのばっかりな気がします。監督がわざとやってるんじゃないでしょうか」

ネリー「んー…どうかなあ」

明華「まあいいです、好きな人というのは?」

いちご「洋榎じゃ」

明華「あなたはどれくらい親しいんですか?」

いちご「親しいって…一回会っただけじゃが」

ネリー「一目惚れだね」

明華「じゃあターゲットとそのヒロエさんはどういった?」

いちご「それじゃ!アイツ洋榎の隣でにこやかに笑っとったんじゃ!」

ネリー「向こうはいちごさんにどれくらいの好意を抱いてるの?」

いちご「……」

明華「いちごさん?」

いちご「…知らん」

明華「は?」

いちご「まともに話したこともないんじゃ」

明華「……頭が痛くなってきました」

いちご「で、でもでも!洋榎のことが好きなのは本当じゃ!それをあんな芋みたいな格好の女に取られたくないんじゃ!」

ネリー「人を見かけで判断するのはよくないよ…」

郁乃「すっえはっらちゃーん」

恭子「なんですか代行」

郁乃「お客さん来とるでー?」

恭子「客?うちにですか?」

郁乃「綺麗な子やったで、モテるんやな末原ちゃん」

恭子「な、何言うてはるんですか!」

恭子(遂に私にも春が来たんか!?)


明華「どうも」

ネリー(制服にスパッツ生で履いてる…なんていうか…)

恭子(か、かなりの美人さんやないか!私のファンだったり…)

恭子「な、なんですか?サインでも書けばええんですか?」

明華「いやいや、あなたのファンじゃありませんから」

恭子「そ、そやったんか…浮かれてしもたわ…」

明華「突然申し訳ありません、一つ聞きたいことがあって」

恭子「?」

明華「愛宕洋榎さんに恋心を抱いてたりしますか?」

恭子「主将に?」

ネリー「どうなの」

恭子「いやー…主将は私のタイプじゃあらへんからなあ…」

明華「つまり」

恭子「恋心なんて抱いとりません」

ネリー「取り越し苦労だったね」

明華「それでは」

恭子「なんやったんや」

明華「ということで殺す必要はないと」

いちご「嘘じゃ嘘じゃ!あの女は絶対に洋榎を狙っとるんじゃ!」

ネリー「めんどくさい人だなあ…」

明華「依頼人の悪口は言わない方がいいですよ」

ネリー「はいはい」

いちご「ちゃちゃのんの初恋は誰にも理解されないんじゃ…」

明華「あなたはとても可愛いのでアタックしたら勝てるかもしれませんよ?」

いちご「え?そう?」

ネリー「うんうん」

いちご「じゃ、じゃったらついてきて欲しいのう」

明華「……メンドクサ」

ネリー「本音漏れてるよ」

いちご「こ、ここがあの女のハウス!」

明華「どうみても学校ですが」

ネリー「ヒロエさん探そうか」

洋榎「うちがどないしたんや」

いちご「ひっ…!」

明華「あなたが愛宕洋榎さんですか?」

洋榎「せやで!神出鬼没、摩訶不思議。ワンダーランド愛宕洋榎とはうちのことや!」ドヤァ

ネリー「…どういう意味かな」

明華「日本の文化はまだまだ知らないことだらけですね」

洋榎(ツッコミ待っとるんやけどな…)

いちご「あ、あの…」

洋榎「ん?」

いちご「ちゃ、ちゃちゃのんのことおぼえとらんか?」

洋榎「誰や?」

明華「うっ…また頭が…」

ネリー「こっちまでがーんだよ」

恭子「主将、なにしとるんですか」

洋榎「おう恭子、今行こうとおもてたとこや」

恭子「あれ、あんたら昨日の…」

明華「…どちらさまですか?」

ネリー「昨日って…おぼえてないけど」

恭子「なに言うとるんや、末原恭子や!」

明華「え!?でも昨日はそんな格好は…」

洋榎「またあの代行にやられたんか」

恭子「ええまあ」

いちご「ば…ばりかわいいんじゃが…」

ネリー「リボンが似合ってる…」

洋榎「で?うちに用があるんやったか?」

いちご「え、えっと…」

明華(頑張って)

ネリー(ファイト)

いちご「そ、その…」チラッ

恭子「?」

いちご「そ、その姿の末原さんを可愛いと思いますか?」

洋榎「めっちゃ可愛いと思うで」

いちご「……」

ネリー「か、固まった…」

明華「撤退しましょう」

洋榎「なんやったんや」


恭子「何も奢りませんよ」

洋榎「なんや、せっかく褒めたったのに」

いちご「やっぱりあの女を殺すしかないんんじゃ…!」

明華「いやいや、まだあなた何もしてないですよ」

ネリー「せめて名前おぼえてもらうくらいにはなろうよ」

いちご「しょせんちゃちゃのんなんてその程度の女だったんじゃ、本当に殺されるべきなのはちゃちゃのんの方かもしれん…」

明華「かなり落ち込んでますね」

ネリー「どうにかしてくっつけるのが最良なんだけどなあ」

いちご「もういやじゃ…」

明華「>>284とかしてみたらどうですか?」

ネリー「あきらめないで!」

いちご「うん…」

ネキを監禁調教

明華「たとえば監禁して自分の思うようになるように調教するとか」

ネリー「そうそ…いやいや」

いちご「いいかもしれない…」

ネリー「ええ!?」

明華「そうと決まったら実行しましょうか」

ネリー「ほ、本気!?」

いちご「それで洋榎が手に入るんなら」

ネリー「そんなのおかしいよ…」

洋榎「なあ恭子、今日もうちがトップやったで」

恭子「さすがですね」

洋榎「せやろ?もっと褒めや」

恭子「はいはい」

うちは恭子に恋しとる。

だけどいつまで経ってもこの想いは届かない。

それでもうちはオカン譲りの諦めの悪い女やからな。

オカン程の度胸はないけどな。

この恋が実るまで、どんな回り道もするつもりや。

恭子「最近調子ええですね」

洋榎「夏の高校生やからな」

洋榎「あのー…この目隠し取ってくれへん?」

明華「ダメです」

洋榎「その声昨日聞いたで、今だったら怒らへんから。な?」

明華「それ以上五月蠅くしたら殺しますよ」

洋榎「……」

ネリー「……」

明華「いちごさん、連れてきましたよ」

いちご「さ、さすがじゃの」

明華「携帯は捨ててきました、痕跡を辿られることもありません」

洋榎「……」

なーんでこないことになったんやろか。

うちが何したっちゅーねん。

いちご「ちゃんとちゃちゃのんが世話するけえ安心するんじゃ」

何が安心やねん。

あーあ、うち死ぬんかな。

いややなあ…。

まだオカンに麻雀勝ってないし。

絹にもお姉ちゃんぽいこと全然してやれんかったし。

恭子に想いを告げられなかったし…。

洋榎「恭子……」

いちご「……」


いちご「お願いがあるんじゃ」

明華「なんですか?」

いちご「末原恭子を」

殺してほしいor殺さないでほしい
>>289

殺さない

いちご「殺さんでほしい」

明華「…あなたはそれでいいんですか?」

いちご「うん、やっぱり間違っとったわ」

明華「わかりました」

いちご「色々と迷惑かけてごめんなさい」

明華「いいんです、あなたが思いとどまったなら」

いちご「洋榎にも迷惑かけたけ、ちゃちゃのんはもう恋なんてしない方がいいんじゃ」

明華「さあ…それはどうでしょうか」

いちご「さようなら、ありがとうございました」

恭子「全く、一時はどうなることやら」

いちご「本当にごめんなさい、警察に連れてってください」

洋榎「……」

恭子「主将?」

洋榎「よく考えたらたった1日2日友達の家に泊まりにいっとっただけやし、携帯は失くしただけ。何も問題あらへんやん」

恭子「…せやな」

いちご「え?」

恭子「よかったら今度私も一緒に泊まらせてくれな」ニコッ

いちご「!」ドキッ

洋榎「よろしく頼むで?ちゃちゃのん!」

いちご「う、うん!」

なんじゃ…これ…。

ちゃちゃのん今、二人に恋しよる!

洋榎「そうや、今から三人で食べ歩きしよか」

恭子「大阪は食い倒れの街やからな、案内したるで」

いちご「うん!」

こんなことになるなんて、考慮しとらんかったよ。

ネリー「監禁させようっていたのも全部作戦だったんだね」

明華「どうでしょうかね」

ネリー「え…?もしかして本心?」

明華「さあ?」

ネリー「明華が急に怖く見えた気がしたよ…」

明華「ふふ」

第11話完

咲「……」

ガタン

咲「!?」ビク

咲「気のせいかな…」

咲「一人ぼっちは悲しいよ…お姉ちゃん」


今回はここまで
ターゲット依頼人の安価はまたありませんがその他の安価を多めにやりたいと思います
次回は月曜の21時以降に
安価にお付き合いいただきありがとうございました

彼女は逃げていた。

大切な人を残したまま、目的地もなく走っていた。

(クソ…どこまで逃げれば助かる…?)

音も姿もないが誰かが追ってきているのがなぜだかわかった。

ジープのライトが泥に汚れた素足を照らした。

「そこまでだ」

助手席から奴が降りてきた。

そしてその腕には銃を突きつけられた少女。

「その子を離せ!」

「いいだろう」

いやにあっさりと彼女は離された。

「チャンスをやろう。そいつを殺したら貴様の命を助けてやる」

「な……!」

「殺せられなかったら貴様の命はない、さあ選べ」

>>300
殺すor殺さない

殺さない

「で…できないよ…できるわけないじゃないか…!」

彼女は少女の頭を胸に抱き、男に叫びかかる。

「そうか、なら殺してやる」

少女は頭を上げ彼女の顔を見る。

彼女はゆっくりと少女を見下ろした。

「ごめん…生きろよ…アレク」

銃声が一つ闇夜に響いた。

少女は頭から彼女の血を浴びた。

その状況を全く理解できなかった少女は、睡魔に負けて意識が途切れてしまう。

ただの悪夢だと、目が覚めるまで思っていた。

アレクサンドラ「夢か…」

明華「監督?」

アレクサンドラ「ああ…すまんすまん、寝てしまってた」

明華「あなたが呼んだくせに」

アレクサンドラ「お前に聞きたいことがあってな」

明華「聞きたいこと?」

アレクサンドラ「お前は母親が好きだったか?」

明華「そりゃあ…」

アレクサンドラ「宮永照にあれだけやられても仇を討とうと思うか?」

明華「私は…」

>>303
仇を取りたいor取るつもりはない

取るつもり無し

明華「私は……」

アレクサンドラ「そうか…まあそれがいいさ」

明華「死者は何も語りません、それは今までの仕事から学びました。私はまだ死にたくない」

アレクサンドラ「そうだな」

明華「それが聞きたかったんですか?」

アレクサンドラ「うん、それだけ」

明華「それじゃあ私はこれで」

アレクサンドラ「ああ」

ネリー「何の話してたの?」

明華「とりとめのない話です」

ネリー「ふーん…それよりごはんいかない?私の奢りでいいからさ」

明華「おや?何か企んでますね?」

ネリー「違うよ!ネリーは明華とごはんが食べたいの!」

明華「別に奢りじゃなくても行きますよ」

ネリー「本当!やった!」

ダヴァン「……」

ネリー「メグもいく?」

ダヴァン「また誘ってくだサイ」

ダヴァン「明華達は敵になりませんデシタ」

智葉「そうか」

ダヴァン「……」

智葉「怖いか?」

ダヴァン「覚悟は決めマシタ、自由のために闘いマス」

智葉「よく言った」

ダヴァン「ハイ」

智葉「それじゃあ行こうか」

ネリー「美味しかったね!」

明華「また行きましょうね」

ネリー「うん!……あれ?なんか様子が変だよ?」

明華「え?」

ネリー「この強い力……宮永照だ……!」

明華「智葉やメグは!」

ネリー「わからない、けどアジトにいる」

明華「そんな…」

ネリー「とりあえず智葉とメグに知らせなきゃ!」

アレクサンドラ「そうか…あんたら組んでたの」

智葉「あなたも逃げようと思えば逃げられたはずだ」

アレクサンドラ「はは…やつらから逃げるなんて無理だ。殺されるだけ」

ダヴァン「監督、今なら間に合いマス」

アレクサンドラ「私は生き残る確率が高い方につくんだ。約束だからね」

ダヴァン「?」

アレクサンドラ「この臨海の闇は深い。あんたらだけじゃ勝てない程の軍事力がある」

ダヴァン「軍事って…」

アレクサンドラ「今頃兵隊が出てきてあんたらを殺しにくる。戦車や戦闘機だって持ってるんだ。知らなかったろ?」

智葉「もういい…立ちはだかる物は斬る」

アレクサンドラ「はは…」

明華「監督!」

身体から血を流すアレクサンドラを見つけた。

ネリー「宮永照が…!」

アレクサンドラ「違うよ…これは智葉がやったんだ」

明華「智葉が?」

アレクサンドラ「あいつらはこの組織を潰すつもりさ」

ネリー「血が…」

アレクサンドラ「明華、聞くんだ」

明華「私…?」

アレクサンドラ「お前の母親はとんでもない悪人だった」

この組織は昔から戦争孤児なんかを集めて自分達の兵士にしてきた。

あんたらもそうだ。

あんたの母親はそんな子供達に人体実験をして殺人能力を高める研究を何年も続けていた。

私もその一人だった。

でもあんたの母親はその研究を色々な組織に売っててね、そのせいでスポンサーのジジイ共の私達に対する人体実験はさらに激しくなる。

どこよりも強くなるため。

ある時私の大切な友人が…あんたでいうネリーみたいな存在が脱走を試みた。

彼女は死んだ。私の目の前で。

奴らは悪魔だ、敵対して生き残れるわけがない。

頼む、智葉とメグを止めてくれ。

今ならまだ間に合う。

そして、私の代わりに生きてくれ。

明華「……」

ネリー「監督…死んだよ」

明華「そうですね」

ネリー「ねえ…どうするの?」

明華「……」

ネリー「ネリーは明華についてくよ」

明華「私は…」

>>312
二人を止めるor黒幕を殺す

止める

明華「二人を止めに行きましょうか」

ネリー「そうだね」

明華「しかし追いつけるかどうか」

ネリー「ネリーの抜け道教えてあげる」

明華「いったいどれだけ隠し事をしてるんですか」

ネリー「ヘソクリと同じくらいだよ」


智葉「…明華?」

ネリー「ここからは行かせないよ」

明華「あなた達は私が止めます」

ダヴァン「このままでは皆不自由デス」

明華「死んだら全て終わりです」

智葉「……退け、さもなくば」チャキ

明華「……なんとしても、止めます」

照「……」

「よく来たな、宮永照」

照「貴様を殺しにきた」

「知ってるさ」

照「……なぜそんな余裕でいられる?」

「ふふふ…これを見ても同じようにしていられるかな?」

咲「お…お姉ちゃん…?」

照「!」

「わかったかな?」

照「……咲」

「貴様が少しでも抵抗したらこいつを殺す」

咲「や、やだよお姉ちゃん!私なんていいから!」

照「……今まで一人ぼっちにしてごめんね、咲」

咲「お姉ちゃん……」

「撃て!!」

ネリー「!」

明華「はあ……はあ…」

智葉「これで終わりだ…!」

明華「ぐっ」

ネリー「待って待って!宮永照が死んだよ!」

智葉「な、何…?」

ダヴァン「そんな…」

智葉「ありえない!あいつが負けるわけがない!」

ネリー「でも本当だよ…」

智葉「馬鹿な……」

明華「どうやってあの怪物を…」

咲「お、お姉…ちゃん…?」

照は全身に銃弾を受け、もはや人の姿をなさない程に破壊されていた。

咲「お姉ちゃん…お姉ちゃん!」

「貴様の姉には手こずらされた、貴様もすぐに…」

明華「待ってください!」

「…これはこれは、私の大切な駒じゃないか」

明華「その人は…私が買います…」

「…まあいいだろう、だがもし私の命を狙おうだなんて思ったら」

明華「わかっています…」

咲「…明華さん…これは夢だよね…?」

明華「残念ですが、現実です」

咲「…お姉ちゃんは」

明華「死にました」

咲「……お願い…します。私を殺してください…」

明華「死んだら何も残りません」

咲「明華さんだって死んだことないでしょ…?もう独りはいやなんです……」

>>318
咲を殺すor殺さない

[ピーーー]

明華「本当に…殺してほしいんですか?」

咲「お願いします…やっとお姉ちゃんと一緒になれる…」

明華「私は…あなたに生きてほしかった!」

咲「…ありがとうございます、私は一人だったけど…孤独ではなかったのかもしれません…」

明華「だったら」

咲「でも、お姉ちゃんを独りにしたくないんです」

智葉「……」

明華「わかりました……」

咲は目を閉じて、自らの死を待つ。

その時、瞼の裏に何を見たのか。

彼女は笑った。

明華の歌声は、涙と共に刀を伝い咲の首を斬り抜いた。

明華「さようなら…咲さん…」

ネリー「ねえ明華…あの女の子は、天国に行けたと思う…?」

明華「…私は行ったと思います」

ネリー「けど明華、死者には何も残らないっていつも言ってたよ」

明華「今でもそう思ってます。でもそうでなかったら…あまりにも…」

ネリー「うん……そうだね」

明華「さあ、依頼を終わらせてしまいましょうか」

ネリー「うん」

明華は傘を広げて歩き出す。

その傘は陽の光を遮るためでも雨を避けるためでもない。

いるかもわからない神から隠れるため。

これからも彼女はいくつもの命を奪うだろう。

だが彼女は誰よりも命の重さを知っている。

生きるために、彼女はまた人を斬る。

明華「あなたに鎮魂歌を」


『ヒットマン明華』完

これで終わりです
今まで安価にお付き合いいただきありがとうございました
質問や依頼人ターゲットの後日談がみたいなどのリクエストがあればなるべく応えます
明日の夜にhtml化依頼してきます


照をやった黒幕は誰や

>>323
>>130の中の一番偉い人です
虎姫消える→臨海仕事いっぱいになれ
ってことで虎姫を殺したがってました


はやりとユキのその後

はやり「ユキちゃん歌上手だね☆」

由暉子「はやりんさんの歌に比べれば私なんて」

爽「謙遜するなユキ!」

揺杏「はやりんが褒めてくれてんだぞ!」

はやり「そうそう、二人に聞きたいことがあったんだ」

爽「私達に?」

はやり「いつかの依頼の内容って私が老けて見えるって意味だよね」

爽「え」

はやり「ね?」ゴゴゴゴゴ

はやりの手助けもあって次期牌のお姉さんは順調に育っていきました。

どこがとは言わないけど。

ちゃちゃのんのその後

洋榎「日頃からチャンタの安さにはうんぬん」

いちご「そんなん考慮しとらんよ」

恭子「あかんあかん、考慮せな。サイコロ回して頭も回すで」

いちご「そうじゃな、うん!ちゃちゃのん頑張るんじゃ!」

由子「……」

郁乃「どしたん?」

由子「私の居場所が奪われた気がするのよー…」

郁乃「せやったらこういう所に依頼してみたらどう?」

由子「殺し屋?」

郁乃「せやでー」

これからも色々と苦労はしたそうだが最終的には幸せにその人生を終えることができたらしい。

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