宮森「上の階からズンズンって聞こえてくる?」【SHIROBAKO SS】 (105)




ズンズンズン






宮森「夜になると、聞こえてくるなあ」

宮森「上の階ってりーちゃんの部屋だよね」

宮森「気になって寝れない」

宮森「もう7夜連日だなあ」

宮森「仕事も進行通りにいかないし、クレームは増えるし、家でも寝れないなんて」グスンッ

宮森「でも、明日も朝早いから、もう寝なきゃ」

宮森「明日、りーちゃんに言おう」

宮守「お酒飲んで、無理やり寝よう」


プシュッ
グビグビグビ
ゴクッ






宮森「ぐう・・・zzz」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426527831






ズンズンズン




平岡「ふぅ」

みどり「いやー、気持ちよかったっす」

平岡「・・・うるせぇよ」

みどり「よしよし、大輔は、素直じゃないっすね」

平岡「だから、やめろって」

みどり「かっこつけてても、おっぱい大好きすもんね」

平岡「言ってろ……おい」

みどり「はーい、どうぞっす」















チュパチュパチュパ











平岡「大体、お題はもう終わったろ」

みどり「お題『男と女』終わりました、です」

平岡「なんで俺なんだよ」

みどり「社内でセクハラ発言と、やらしー視線むけたの大輔だけでした、です」

平岡「褒めてんのかそれ」

みどり「貶してるっす」

みどり「仕事に男女をもちだすとかサイテーのクズっすけど、私を女としてみてくれる人がいないとお題にならなっかったっす」

平岡「そんな理由かよ」

みどり「あれ、もしかして期待してたっすか~」

平岡「もう7日連続だぞ。お前、ただヤリたいだけだろ」

みどり「知らないことを知るのに制限なんてないっすよ。女の良さを知りました、です」

平岡「いつまで続くんだよ」

みどり「わたしのおっぱいに激ハマりした口が言うっすか」

平岡「うるせーよ。おまえだって」

みどり「大輔だってまんざらじゃないすよねー」

平岡「・・・///」

平岡「だぁー、もう一回だ」


みどり「きゃー」







ズンズンパコパコ










平岡「ふぅー」

みどり「はぁぁ~~~~」




平岡「帰る」ガサコソ

みどり「えぇー、今日こそ泊まっていって下さいよ~朝まで」グイッ

平岡「ダメだ。ケメコが来るから」

みどり「ケメコ?別の女っすか!?」ガバッ

平岡「なんで嬉しそうなんだよ」

みどり「妬いて欲しかったっすか~」ニヤニヤ

平岡「ちげーよ」

みどり「じゃあ、一緒にいっていいっすか」

平岡「付いてくんなって。なんでだよ」

みどり「やー、実は次のお題『修羅場』が行き詰まってて」

平岡「制作の修羅場そのまんま書いてりゃいーだろ」

みどり「じゃあ大輔と円さんの喧嘩でも書くっす」

平岡「やめろって。やめてください」

みどり「です。きっと生々しいって師匠が言うっす」

みどり「そこで、大輔とケメコさんの間に、私が登場して、男女の修羅場ってみると」

平岡「勝手に猫と修羅場ってろよ」

平岡「ケメコは猫だよ」

みどり「猫っすか」



平岡「なんで嬉しそうなんだよ」

みどり「さあ~、なんでっすかね~」ニヤニヤ



みどり「明日はどーします?」



平岡「高翌梨のヤローと飲みだ。来ねぇよ」

みどり「むー、仲いいっすね。2人とも」モジモジ

平岡「そこは、妬くのかよ」

みどり「嬉しいっすよね~」ニヤニヤ

平岡「へいへい」

みどり「部屋なら提供するっすよ。終わったら寄ってください」

平岡「だから来ねぇよ」

みどり「さみしいくせに~」チュッ

平岡「うるせー。じゃあな」チュッ

みどり「それと、会社じゃ」

平岡「ああ、話しかけねーよ。職場に男と女を持ち出すな、だろ。」

みどり「大輔はいい子っすねー」

平岡「うるせーよ。ほんとに」

みどり「あっ、帰り、気をつけてください。おいちゃん先輩は寝てると思いますけど」

平岡「わーったよ。デスクには見つからねーようにするよ」




次の日


宮森「ねぇ、りーちゃん。毎晩、上からズンズンって音がするんだけど」

みどり「えぇ!?あっ、さ、さいきん、ダイエット始めたっすよ」

みどり「せ、設定制作で、運動不足気味っすから」アセアセ

宮森「そうなんだ。近所にご迷惑かかるといけないから、もう少し抑えてね」

みどり「りょーかいっす。いやー絵麻先輩のエンゼル体操、アクティブっすからねー。うさぎ跳びとか」


みどり(おいちゃん先輩、ストレスかな。ちょっと神経質になってきてるっす)




平岡「お先に」


宮森「平岡さん、お疲れ様です」


タロー「大ちゃーん、飲みの行こうぜ~」ガシッ


平岡「ああ」


宮森(平岡さん、高翌梨さんとは素直だなー。いつもこうなら…よし)


宮森「私も終わりっと。高翌梨さんと平岡さん、私も一緒していいですか?」



平岡「…」プイ



タロー「おいおい宮森~、これから先は男の時間なんだよ。女がしゃしゃり出てくるとこじゃないの」



佐藤「それセクハラです」



安藤「タロ平、円平も捨てがたい」



宮森「そーですか。いーですよもう。お二人でごゆっくり」



宮森(ドーナツ買ってカニ缶開けて、家で飲もう)





タロー「大ちゃ~ん、もう一軒、もう一軒行こう~」

平岡「うるせー、帰るよ。じゃあな」フラフラチドリアシー







平岡「飲み過ぎたか…気持ち悪い」

平岡「うぇー、終電逃しちまったか」

平岡「ケメコの餌は出してきたから、大丈夫か」

平岡「くそ、雨降ってきやがった」

平岡「……仕方ない」










ケータイ prrrrr






みどり「はーい、あなたの愛しのりーちゃんっすよ」




平岡「終電逃した。泊めてくれ」


みどり「やっぱり~、なんだかんだ言って大輔は寂しかったんすよね~」


平岡「うるせーよ。どうなんだよ」


みどり「いいーっすよ。あ、あとゴム買ってきてください」


平岡「まだやるのかよ」


みどり「女の部屋に泊まる男の言うセリフじゃないっすね」


平岡「ふらふらなんだよ。そんなことしてられるか」


みどり「あー、そういうことっすか。アラサー男は毎晩じゃ元気も保たないっすか」


みどり「残念っすねー。おっぱいが待ってるっすよ~」プルンプルン


平岡「じょーとーだよ。すぐ行くから待ってろよ。うぷっ、げ」


みどり「……胃薬も用意して待ってるっすよー」


ケータイ ピッ



平岡「やっと着いた」ゼェゼェ

平岡「ほんと飲み過ぎたな。もう限界だ」

平岡「あいつの部屋はたしか…ここだな」フラフラ





ピンポーン





インターホン「ハイ?」

平岡「悪ぃ、俺だ。泊めてくれ」

インターホン「へ?」

平岡「早く開けてくれ」




ガチャ





宮森「ひ、平岡さん!?えっ?どうして、ここに?なにしてるんですか?」










平岡(やべぇぇぇぇぇ、部屋まちがえた)



宮森「平岡さん?どうして私の家知ってるんですか」


平岡「帰ります。夜分遅くに大変失礼しました」ウプッ

宮森「ふらふらじゃないですか。今、お水持ってきます」タッ


平岡(今のうちに逃げる)


ペタン


平岡(って、ふらふらで動けねぇ。なに腰抜かしてんだー俺)


宮森「ほら、お水ですよー」


平岡「うぅ、いただきます」グビグビ


平岡「もう大丈夫です。デスクにはお世話になりました。また明日、仕事頑張りましょう。では」


宮森「ってダメですよ。動けてないじゃないですか。」


宮森「私の家、もしかして矢野さんから聞いたんですか」


宮森「泊めてくれって、平岡さん、終電逃しちゃったんですか?」


平岡「……」



ミムジー「ダメっ。男はオオカミ。こんなクズ、部屋に入れたらクズの匂いで部屋が腐っちゃう」

ロロ「まぁまぁ、部下の面倒を見るのも上司の務めだよ。ここで彼を放っておいたら、新たな職場の軋轢を生むよ~」


平岡「お前、なに言ってるんだ」


宮森「ん?なんのことですか???」


宮森「とにかく、こんな状態の平岡さんを放っておけません。」


宮森「泊めることもできませんが、気分が良くなるまで休んでください。あとでタクシー呼びますから」


宮森「ほら、肩かしますよ」ヨッ


平岡(どうすりゃいいだよ)ズルズル




リビング


宮森「ここで、休んでください。ちょっと待っててくださいね」

宮森(平岡さんを疑うわけじゃないけど……)ケータイケータイ



ケータイprrrrr


みどり「おいちゃん先輩?どーしたっすか。こんな夜中に」


宮森「ごめんね。りーちゃん。今、だいじょうぶ?」


みどり「大丈夫っす。」


宮森「これからウチに来れない?」


みどり「え?えっと~、ごめんなさいっす。あ、明日提出のレポートがあって、ちょ~ど今、筆がのってきてるところなんすよ」


宮森「そうだよね。突然だもんね。」


宮森「なら1時間後に、私から連絡がなかったら、私の部屋のインターホン鳴らしてもらえない?」


みどり「それくらいならお安いご用っす」


宮森「ごめんね。お願いするね」


宮森(ひとまずレスキュー確保)



ケータイ ピッ






みどり「大輔、遅いっすね~」



平岡(リビングか。テーブルには酒と唐翌揚げとポテチとカニ缶とドーナツ?)


平岡「一人で晩酌してたのか」


宮森「私だって、色々あるんです。お酒くらい飲みますよ」


平岡「けっ、さみしい女」パクッ


宮森「あぁー、私のカニ缶。勝手に食べないでくださいよー」


平岡「へいへい、デスク様の言う通りにしますよ」プシュッ


宮森「まだ飲むんですか。って人のうちの冷蔵庫、開けてる」


平岡「酒しか入ってねーのな」


宮森「平岡さん、女性に対してデリカシーなさすぎです」ムカムカ


平岡(うるせーよ。酒でも投入しなきゃ、こんな居心地が悪いとこやってられるか)


平岡(満足に歩けねーし、あいつは上で待たせてるし。どうするどうするどうするどうするどうする)





プシュッ





平岡「……なんでデスク様も飲んでるんです?」


宮森「宮森です。私の憩いの時間に入ってきたのは平岡さんですよ」



宮森「なんだか腹立ってきました。飲まなきゃやってられません。」グビグビ


宮森「誰かさんからのクレーム処理するわ、進行表は夢とか願望とか言われるし、原作者からは駄目だしされるし」


宮森「もうどうしたらいいだろぅ」グスッ


平岡「へいへい、宮森デスクにはご迷惑かけっぱなしですね」


宮森「……平岡さんは、どうして、この仕事を続けられるんですか?」


平岡「チッ、またそれかよ。しらねーよ」プシュッ


平岡「宮森デスクは、さぞ大層な理由をお持ちで?」グビグビ


宮森「…………わかりません。わかんないですよ」プシュッ


宮森「チャッキーを超えるようなアニメを作りたい」グビグビ


宮森「でも、毎日毎日、目の前の問題が山積みでどこに進んでいるのか。全然見えません」





平岡「……」


平岡「……潰れんなよ」




宮森「私、お酒には強いです」


平岡「そーじゃなくて、制作で、潰れんなよ」


平岡「俺みてーなクズを相手にしてるからなんだよ」グビグビ


宮森「そんなこと」





平岡「ほんと、クズみてーな奴らの集まりで、クズみてーな作品しか作れなかったよ。あの頃は」プシュッ





平岡の過去カクカクシカジカ





平岡「あの頃の俺は馬鹿だったんだよ。」グビグビ

宮森「うぅ~、平岡さん悪く無いですよ~」プシュッ

宮森「私は、平岡さんの味方ですから」ウルッ

平岡(ああ、こいつも高翌梨と同じか)フッ

宮森(平岡さん、笑った!)

宮森「これから、これからいい作品を作っていきましょう。私達で!」グビグビ

宮森「このドーナツにかけまして」

宮森「ムサニの私達で、チャッキーを、超える、アニメを」

平岡「ちいせぇよ!カンヌだ」

宮森・平岡「つくります(る)」

宮森・平岡「どんどんドーナツ!!どーんといこう!」





平岡(ってなにやってんだ俺)





ピンポーン






平岡「ん?おい、こんな時間に誰か来たぞ」

宮森「大丈夫です。私、出ます」

宮森(もう、一時間経ったんだ。りーちゃんに悪いことしちゃった)

宮森(平岡さんは大丈夫。でもりーちゃんと平岡さんはギクシャクしてたし、平岡さんのことは伏せておこう)



ガチャ






みどり「おいちゃん先輩、任務遂行しました、です」


宮森「ごめんね、りーちゃん。ありがとう」


宮森「ちょっと心配事があったんだけど、もう大丈夫」


宮森「あれ、りーちゃん。ひょっとしてどこかに出かけてた?」


みどり「やだな~、おいちゃん先輩。わたし、ちゃんと言ったっすよ~。明日提出のレポートやってますって」


宮森(りーちゃん、お化粧してる。それもすっごく気合入ってるような…)





プシュッ

グビグビ






宮森「!」



みどり「あれ?誰か居るっすか」


みどり「ひょっとしてわたし、お邪魔っすか」


宮森「ちがっ、ちがうの。りーちゃん」


みどり(おいちゃん先輩も隅に置けないっすね~)ドレドレ


みどり(ん?玄関の靴、あれって大輔の…)


宮森(やっぱり、ここは正直にいこう。りーちゃんだって平岡さんの本音を聞けばきっとうまくいくはず!)


宮森「実は、さっきから平岡さんと飲んでたんだ。悪い人じゃないよ。りーちゃんも一緒にどう?」


みどり「………………………」










みどり「へー、平岡さんっすかー。平岡さんがいるっすか。へー」








平岡(あ、これが、修羅場ってやつだ)




ごめん。続かない。



雨 ザァーサァ゙ー




宮森「どうぞ、りーちゃん、あがって」


みどり「お邪魔しまーす。傘は玄関に置いときまっす」


宮森「レポートは大丈夫?」


みどり「問題ないっす。終わってますですよ~」


宮森「平岡さん、りーちゃ…設定制作の今井さんも一緒していいですか?」


平岡「いいもなにも、俺がお邪魔してる方なんで」


みどり「今井です。平岡さん、こうしてお仕事以外で話すのは初めてっすね」ニコッ


平岡「え?ええ、そうですね」


平岡(おいおい、そんなわけねーだろ)



みどり「平岡さん、となり、お邪魔しまーす」スッ


平岡「あの、俺もう帰ります。邪魔しちゃ、悪いんで。配車タクシー呼びます」スッ フラフラ


宮森「ダメですよ、平岡さん。足元ふらついてるじゃないですか。そんなんじゃタクシーの中で寝ちゃいますよ」


宮森「これ以上、他人に迷惑かけるのはダメです。ほら、座ってください」トントン





みどり「他人に迷惑かけることしかできないんすね」ボソッ


平岡「」ビクッ




宮森「ん?りーちゃん、なにか言った?」


みどり「いえいえ。それより飲みましょう。おいちゃん先輩!」


みどり「今夜はガブガブ飲むっすよ」プシュッ



宮森・みどり「かんぱーーい」カンッ


平岡「かんぱい」





グビグビ、ゴクッ





宮森「さっきまでね。平岡さんと、私達で素晴らしいアニメをつくろうって言ってたんだ」グッ


みどり「私も今はバイトすけど、早く脚本家になって、アニメの仕事がしたいっす」


宮森「りーちゃんならなれるよ。そう思いますよね平岡さん」


平岡「へ?はい、なれるよ」


みどり「へー、そうっすかー」ニコッ


平岡「あ、ああ」ビクッ


平岡(はやく、かえりたい。ん?)




チロリーン♪



LINE ポチポチ

み『さいってーっす』






平岡「ぶふぉっ」ゴホゴホッ



宮森「平岡さん!?大丈夫ですか?ほら、拭きますよ」ティッシュ、フキフキ


平岡「いや、いいって、自分でやるって」アセアセ


平岡(顔、ちけーよ)


宮森「ほら、メガネにもついてますよ」フキフキ


みどり「」ジー




チロリーン♪

LINE ポチポチ

み『高梨さんと飲みじゃなかったんすか?』


ひ『まて、誤解だ』


み『そうっすね。高梨さんとじゃなく、おいちゃん先輩とって、すごい誤りっすね』


ひ『デスクとは、飲みに行ってねーよ』


み『飲んでるじゃないすか。二人きりで、今まで。』



平岡(いやいや、そうだけど。ちげーだろこれは)


平岡(あ、ちょっと前に着信ももらってたのか)




チロリーン♪



LINE ポチポチ


み『ずっと、おいちゃん先輩と一緒にいたんすか?』











み『私が、上の階にいるのに、ずーーっと、おいちゃん先輩と一緒にいたんですか?』













みどり・平岡「……」LINE ポチポチ

宮森「あれー?」



宮森(ああ~、急に2人共ケータイをポチポチしだしてるよ~)


宮森(やっぱりこの二人、ギクシャクしてるんだ)



ミムジー「お前となんて話したくもねぇんだよ。まだニュースサイトチェックしてるほうがマシよ」


ロロ「仕方ないよ~。上司と先輩に誘われた席を、無下にするわけにもいかないよ~」


ミムジー「いればいいってもんじゃないのよ。こんなやつら追い出しちゃえ。飲め飲め」


ロロ「社会人として、スマホいじりは集団社会における一つの逃走手段だよ。飲みニケーション対するエスケープだよ」






宮森「ふたりとも、今日は飲んで、明日からもがんばろー」グビグビ


みどり「はい、っす!」ニコッ


平岡「…」汗、ダラダラ



宮森(りーちゃん、なんか笑顔がぎこちないなぁ)


宮森(平岡さんも、態度がちょっと変…)


宮森(平岡さんが、りーちゃんにセクハラまがいなこと言ってるのを、社内で見たって人がいるし)


宮森(でもでも平岡さんは、私達と同じように、良いアニメを作りたいって夢を持ってる人)


宮森(きっと、ちょっとした誤解があっただけだよね)



宮森(ここは、2人のわだかまりをなくして、みんなの親睦を深めなきゃ)



宮森(デスクとして、先輩として、支えてあげなきゃ!)



宮森(りーちゃんにも、平岡さんは悪い人じゃないって、分かってもらおう)



終わりまで決まったけど、ちょっと書き直し。
続きは、夜。夜中。



宮森「最近、仕事が上手くいかなくて、ちょっと悩んでたんだぁ」


みどり「ちゃぶ台返しばかりだったすね」


宮森「そうそう。なんでアニメ作ってるのかも分からなくなっちゃってたんだ」


みどり「自分は、やっぱり物語が必要だからっすかね」


宮森「私もね。チャッキーみたいなアニメ作りたいなって思うよ」


宮森「私は、絵麻みたいに絵は描けないし、ずかちゃんみたいに声だせないし」


宮森「みーちゃんみたいにパソコンできないし、りーちゃんみたいにシナリオも浮かばない」


宮森「私、何も生み出せないよ。でもね、それでも、みんなに良いアニメを作って貰えるように頑張りたいなって」


みどり「おいちゃん先輩…マジすごいっす」ジーン


宮森「そしたらね、平岡さんもね。心の底では、私と一緒だったんだ」


宮森「絶対、素晴らしいアニメを作りたい。作ってやるって」


宮森「一緒だったんだよ。りーちゃん!」


みどり「へー」







平岡「…」汗ダラダラ



みどり「」ジー





チロリーン♪

LINE ポチポチ


み『おいちゃん先輩に何したっすか?』


ひ『なにもしてねーよ』


ひ『高梨のヤローと飲んで、酔っ払って、ゴム買って、部屋間違えた』


み『っていう3流芝居の設定っすよね』


ひ『設定を創作してんじゃねーよ。ほんとなんだよ』


み『なんですぐ来てくれないんすか』


ひ『足元ふらついて、腰抜けてたんだよ』


み『アラサー(笑)』


ひ『怒』





みどり「……」フム



ポチポチ

み『なんで足腰立たないんすか?』


ひ『だから酔っ払って』


み『足腰が立たなくなる"別のこと"を、してたんじゃないんすか?』






平岡(いやいや、この流れ、このまま進むと、ちょっとおかしいだろ)






平岡(流れを変えろ、平岡大輔。本気の制作進行だった頃を思い出せ)


平岡(ものは言いよう。ポジティブにポジディブに)




lLINE ポチポチ

ひ『お題』


み『?』


ひ『「修羅場」だったろ。俺なりに状況を演出してみた。もちフェイクな』ドヤッ


ひ『お題の参考にしてみろよ』


み『修羅場って大輔にとっての、っすよね』


み『私が書きたいのは、よく男が抱く?キャットファイト的な、です』


み『浮気を暴かれる男なんて、場違いにも程があるっす』


み『だいだい、おいちゃん先輩と私は、ファイトすらありえないっすよ』


み『おいちゃん先輩と私はにっこり、にこにこ良好な関係っす。』






宮森「はい、りーちゃんも。ドーナツ♪」ニコッ



みどり「ます。でもでも、ダイエット中なので、おいちゃん先輩どうぞ♪」オシモドシー



宮森「わ、わーい。ど、どーなつどーなつ」シュン…




平岡(どこが良好だよ。こえーよ)



チロリーン♪



LINE ポチポチ




み『どーして、キャットファイトすると思うんすか?』







み『おいちゃん先輩は、私に突っかかる理由が、あるんすか?』

み『おいちゃん先輩は、私に突っかかる理由が、できたんすか?』










平岡(ああ言えばこう言うっ!俺より制作進行向いてるよお前)


みどり「……」



みどり「……」ウン


みどり「おいちゃん先輩。せっかくゲストがいるんすから、スペシャルなやつ、いきましょう!っす」グッ


宮森「え?ああ、そうだね。スペシャルなウニ缶いっちゃおう」


みどり「ですです!いきたいっす」


平岡(逝きたいっす)


宮森「キッチンから取ってくるね」テクテク


宮森(りーちゃん、良かった。よく分からないけど、なんか元気出てきたみたい)


宮森(あとは、平岡さんだ)


みどり「あ、おいちゃん先輩。空になったおつまみ片付けちゃいますね~」


宮森「おねが~い」ドコニシマッタカナ-、ウニーウニー


みどり「りょうかいっす。ゴミはゴミ箱~」ガサゴソ









みどり「…」ガサゴソ












みどり「…」ガサゴソ







平岡(え?なんでゴミ箱、漁ってんの?)





平岡(その、さっきから、指で摘んでる、丸まったティッシュ、違うから)



平岡(さっき俺がビール吹き出して、拭ったやつだから)



平岡(匂いとか、嗅ごうとするなって)



平岡(はやくLINEにポチポチしないt…)





チロリーン♪





LINE ポチポチ



み『今、なにを弁解しようとしたっすか?』





み『これはビールを拭ったやつだって知ってるっす』






平岡「」イラッ






宮森「はーい、ウニ缶ですよ。スペシャルなときにしか開けないんですからね」


平岡「スペシャルな時?」


宮森「はい、今日はここいるみんなが夢に近づいた日ですよ」


平岡「はあ?」


宮森「りーちゃんは脚本の台詞出し振られること多くなりました」


みどり「です!」


宮森「私は、まだ何もないですけど、みんなの夢を支えてあげたいです」


みどり「です!」


宮森「平岡さんは」


平岡「別に、俺は」


宮森「カンヌ、ですよ」


平岡「は、いやだから、は?」


宮森「いいじゃないですか。また今日、ここから目指しましょう」


宮森「平岡さんが頑張ってきたって、私は知ってますから」


宮森「良いアニメを作りたいって私、知ってますから」


宮森「今日をスペシャルなウニ缶の日とします」


宮森「このスペシャルなウニ缶にかけまして、みんなが、夢に近づいたことを、讃えま、「す」


みどり「覚悟と記念と人間の記録っすね」


宮森「さあ、もういちど、」


宮森・みどり「かんぱーーい」


平岡「かんぱーい」


平岡「まあ、それでいいなら」フッ


宮森(やった!平岡さん、また笑ってくれた!)ニコッ







みどり「」ジー




宮森「そうです。今まで頑張ってきたのは平岡さんです。これから頑張っていくのも平岡さんです」




宮森(ここだ!りーちゃんと平岡さんの確執を取るのは、今ここしかない!)






宮森「りーちゃん。平岡さんもね、昔、辛いことがあったんだよ」


宮森「それでも続けてるのは、アニメが好きだからなんだあって思うの」


宮森「ちょっと誤解をまねいちゃう発言もあるかもだけど、私達も一緒に頑張ろう」



宮森「平岡さんも最初は、平岡の過去カクカクシカジカ~だったって」



宮森「でも今は、私も頑張って平岡さんの夢も支えますから!」



宮森「一緒に頑張っていけますから!」






平岡(ばかだよ。ほんとにこのデスクは)フフッ



宮森(平岡さん、優しいそうな顔もするんだな)ニコッ






みどり「」ジー





チロリーン♪




LINE ポチポチポチポチ


み『いっつも、ベッドの上で、あの頃の俺は~語りするっすね』


み『自分を卑下して、楽しいっすか?』


み『そうやって、同情誘うんすね。女の子の』


み『止めた方がいいっすよ。その手口』


み『私、もう十回以上はその語り聞いてるっす』









み『おいちゃん先輩は、一回目すか?』








平岡「」イラッ





平岡・みどり「…・・・」LINEポチポチ


宮森「あれれー?」



宮森(平岡さん、また機嫌悪くなってる?)



宮森「ん?平岡さんが持ってたコンビニ袋、あれ?なんだろう?」


宮森(よく見えな……っ!!!)


宮森(え?あれって、コンドーn…!?え?え?)


宮森(なんで?そんなもの?もって、家に……)


宮森(もしかして平岡さん、最初からその気で…///??え?えぇ?)


宮森(じゃあ、もしかして平岡さんが機嫌悪くなったのって、私がりーちゃんを呼んじゃった、から?)


宮森(二人きり、じゃなくなった、から?)


宮森「~~~~っ//////」










宮森(いやいやでもでも、いくら私がみんなの夢を支えてあげたいからって、さすがに平岡さん、その夢は支えてあげられませんよ///)







宮森(支えませんし、捧げません///)



宮森「ひ、平岡さん、明日も仕事ですし、たっ、た、タクシー呼びますね。いますぐに」ケータイ、ピッ



宮森「はい、すぐに、お願いします。5分で。あ、はい。それで、お願いします」




平岡(ナイスデスク!)




みどり(ん?おいちゃん先輩、なにか態度が変わった?)


みどり(大輔を、早くここから追い出したいような…)


みどり(いたらまずいんすかねー)


みどり(おいちゃん先輩?照れてる?恥ずかしがってるっすか?)



平岡「助かります。宮森デスク」グッ



宮森「~~~っ///べつに、何でも、ないですから~」プイッ





みどり「」ジー



チロリーン♪

LINE ポチポチ








み『おいちゃん先輩と、したんですか?』



ひ『やってねーよ』













み『し た ん で す よ ね ? 』 イラッ



ひ『だから、やってねー』 イラッ











み『ああ、これからやるっすか』 イラッ


ひ『や ん ね ー よ 』 イラッ




平岡「だあああああああ、やってねーっつってんだろ!!!」バーンッ

平岡「ちくちく探り入れてきやがって、いらっつくんだよ!!」




みどり「自分、せってーせーさく携わって、事実関係を確認するのが癖になったみたいっす」

みどり「事実っすよね?」




平岡「だったら設定制作が憶測でモノを語るんじゃねーよ」

平岡「この仕事なめてんじゃねーぞ」




みどり「舐める?私のおっぱい舐めまわしてたのは誰のことっすか?」

みどり「そっちこそ、制作で培ったコネとか言っちゃって、身体にコネクトすることだったすか」




平岡「はぁぁ?お題とか抜かして、自分から誘ってんじゃねーか。なにが愛しのりーちゃんだよ」




みどり「大輔にとっては、愛しのおっぱいってだけだったすね。社内でも視線がチラチラチラチラ気持ち悪いっす」




平岡「見てねーよ。見て欲しいって、自分の願望を相手に押し付けんな」




みどり「願望押し付けて、夢中でしゃぶってる間抜け面なら何回も見たっすよ」

みどり「だいたい、ふつー、彼女の部屋、間違えるっすか?」




平岡「仕方ねーだろ。間違えたんだから。そもそも、彼女づらすんなよ」




みどり「…・・・っ!」

みどり「そっちこそ、ちょっとやったからって、彼氏づらすんなっす」





平岡「」ゼェゼェ

みどり「」ハァハァ







みどり「……バカ」ウルッ

平岡(あ、やべ)





ケータイprrr





宮森「へ?あ、はい。え、ええ。はい。ありがとう、ございます」


ケータイ、ピッ


宮森「た、タクシー、下に到着した、みたい、ですけ、ど…」







みどり「私、帰るっす。こんな人の顔、見たくないっす」バッ スタスタ


平岡「俺も帰る。こんなとこいられるかよ」ケッ







宮森「」ポツーン







宮森「あ、りーちゃn…」


みどり「おいちゃん先輩、ほんとごめんなさいっす」グスッ





ガチャ





みどり「」 トビラバタンッ




平岡「俺も。じゃあな、デスク」フラフラ


宮森「あ、平岡さん、雨強くなってますので、風邪ひかないでください」


平岡「ああ」










宮森(あれ?玄関に傘、りーちゃんの。忘れちゃったんだ)


宮森(え、傘?)















宮森(……そっか、そういうことなんだ。馬鹿だなー、わたし)














宮森「平岡さん、これ、りーちゃんに返してあげてください。まだ外にいますから」ハイッ


平岡「はあ?そんなの自分で」パシッ


宮森「ダメです。休憩代です」


平岡(傘なんてどうでもいいだろ。もう終わったんだよ)




ガチャッ





平岡「」トビラバタンッ



廊下





みどり「……」トボトボ

平岡「……」フラフラ





平岡(そういや、傘)



平岡「おい、忘れもんだ」ホイッ



みどり「……!」テクテク パシッ



クルリ



スタスタ



平岡(振り向きもしないか…)


平岡(終わったな…)



平岡(最初の関係に戻るだけだ。無関係な間柄に)







みどり「わたし、上の階ですから。ここで」ボソッ



平岡「ああ」



みどり「タクシー、下で、待ってるっすよ」プイッ


平岡「ああ」






ザーザーザービュービュービュー





平岡(くそ、雨、強くなってきたな)


平岡(傘あったほうが…)






平岡「あれ?」


平岡「そういえば、なんで、お前、傘を持ってるんだ?」







みどり「!」



みどり「はあ?別に、ふ、ふつーっす。雨降ってるんですから」





平岡「下の階に降りてくるだけだろ」





平岡(その傘、濡れてるし)





















平岡(…………あ)





平岡「もしかして、俺を探してくれてたのか」







みどり「大輔、ぜんぜん来なかったす」


平岡「……悪かった」





みどり「携帯、何回もかけたすよ」


平岡「気づかなくて、悪い」






みどり「すごく寒かったっす」


平岡「ほんとに、悪かったよ」






みどり「見つからなくて。どうしようって思って」


平岡「悪い」




みどり「おいちゃん先輩の頼み、断れなくて」


平岡「ごめんな」




平岡「部屋は、本当に間違えただけだ。どうかしてた」


みどり「どうかしすぎっす」




平岡「本当に、にデスクとは、なにもなかったよ」


みどり「あたりまえっす!」





平岡「心配してくれて、ありがとな」


みどり「……」


平岡「じゃあな」






みどり「もう、私の部屋には、入らないでください」




平岡(そりゃそーだな)






みどり「下の階から苦情が来てるっす。ズンズンうるさいって」


みどり「だから、私の家には、上げることができません」


みどり「おいちゃん先輩も、私たちのことだって、きっと気づきましたし」



平岡「顔合わせづれー」



みどり「私のほうが、合わせ辛いっすよ」



みどり「だから、もう、私の部屋には、入れません」





平岡「なんだよそれ、他なら、いいのかよ?」




みどり「さあ、知らないっす」プイッ







平岡「…………うち、寄ってくか?」





みどり「今からっすか?」


平岡「今からでもいいよ」





みどり「でも、雨、強くなってきてますよ」


平岡「ちょうど、下にタクシー、待たせてあるんだ」





みどり「……2人きりって気分じゃないす」


平岡「ケメコもいる。二人と一匹だ」





みどり「……」



みどり「お題」


平岡「は?」


みどり「師匠にお願いしてみるっす」


みどり「次のお題『デート』にして下さいって」


平岡「?」


みどり「その次は『プレゼント』にします」


平岡「!」


平岡「『旅行』もいいな」


みどり「『海』!いきたいっす」


平岡「『ドライブ』だな」


みどり「『手料理』食べたいっす」


平岡「俺も。『写真』とりたいな」


みどり「『彼女』!」


平岡「『彼氏』」


みどり「『年の差』もいれますか?」


平岡「『将来』もな」


みどり「『告白』もまだっすよ?」


平岡「『好き』もお題にいれようぜ」


みどり「……」フフッ
平岡「……」フッ



平岡「いーのかよ。今のお題の『修羅場』も終わってないんだろ」













みどり「そんなの、すぐに終わるっすよ」


みどり「キャットファイトは、今からケメコとするっすよ」
おしまい

亀進行のSSが行き詰まって、ちょっと息抜きSSのつもりが、息の詰まるSSになってしまった。
ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月25日 (水) 05:02:52   ID: rTQT-vGy

みゃーもり有能

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom