【番外編】南光太郎vs仮面ライダースカル (137)
南光太郎vs仮面ライダーW
南光太郎vs仮面ライダーW - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422956139/)
↑の続きになります。
よろしければ引き続きご覧下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425033916
<2009年>
~風都採掘場~
翔太郎「「うぉぉぉぉぉっ!?」」
光太郎「翔太郎、もっと速く走れ!このままじゃライドロンに追いつかれるぞ!」
翔太郎「そんな事言ってもよぉぉぉぉ!?」
((ゴンッ!))
フィリップ「あ、轢かれた。」
ここは風都採掘場。
そこには仮面ライダーWになるために、
南光太郎から特訓を受けている左翔太郎と付き添いのフィリップの姿があった。
(ナレーション:政宗一成)
翔太郎「ぜぇ…ぜぇ…」
光太郎「よし、それじゃあ休憩だ!
それにしても、このくらいで根を上げるなんてだらしないぞ翔太郎!」
フィリップ「光太郎さんの言う通りだ。
もっと頑丈になってもらわないとダブルに変身した時の影響が出るからね。」
翔太郎「喧しい!それならお前が代わりにやってみろ!?
時速1500キロの車に追い回されたら普通は死んじまうに決まってるだろ!!」
フィリップ「いや、遠慮するよ。
それに僕は頭脳労働担当でキミは肉体労働担当だ。人にはそれぞれ役割があるからね。」
光太郎「アハハ…」
仲睦まじく特訓の日々を過ごす光太郎たち。
そんな時、ふと翔太郎がある疑問を光太郎に投げかけた。
(ナレーション:政宗一成)
翔太郎「そういえば…前から気になってた事があるんだが…
光太郎さんっていつからおやっさんと知り合てったんだよ?」
フィリップ「そういえば…
昔馴染みと聞いていたけどハッキリとは聞いてなかったね。
鳴海荘吉との出会い、興味はあるな。」
光太郎「俺と荘吉さんとの出会いか。
そうだな、あれは…今から21年ほど前…まだ俺がお前たちくらいの歳の頃だった。」
そして光太郎は翔太郎とフィリップに鳴海荘吉との出会いを語り始める。
だがそれは21年前、この風都でかつて発生したある事件に関わる事でもあった!
(ナレーション:政宗一成)
とりあえずここまで
このssは、
南光太郎vs仮面ライダーW
南光太郎vs仮面ライダーW - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422956139/)
↑の番外編にあたります
いきなり何だこのssは?と思った方はまずこちらを読んでみてください。
<1988年>
~風都タワー~
「それでは風都タワーのマスコットキャラクターに選ばれたのは…
小学3年生の須藤霧彦くんが描いてくれた『ふうとくん』に決定しました!」
霧彦「ありがとうございます!」
ふうとくん「やぁ、僕はふうとくん!みんなよろしくね♪」
時は遡り21年前の1988年。
この年、建設されて10周年を迎えようとする風都タワー。
そんな風都タワーで今まさに、
風都のマスコットキャラを決めるためのコンテストが行なわれていた。
そしてそのマスコットキャラに選ばれたのが…
後に園咲家に婿入りする須藤霧彦少年が描いたふうとくんであった!
(ナレーション:政宗一成)
「ここで来賓の方々から祝賀の言葉が贈られます。
今回の風都マスコットコンテストの来賓者で、
政財界の著名人であられる坂田代議士と大宮コンツェルンの大宮会長でございます!」
坂田「おめでとう須藤くん!」
大宮「素晴らしい作品だったよ!」
霧彦「ありがとうございます。
これからも風都とこの街に住む子供たちのために僕も頑張っていきたいと思います!」
光太郎「マスコットキャラのコンテストか。
数日前、僕は坂田と大宮のゴルゴムメンバーがこの街に現れる情報を掴んだ。
けれどヤツらはこうして普通に風都市民と接しているだけだ。
今回は普通に政財界としての表の顔で行動しているだけなのだろうか?」
そんなコンテストを観客席から冷ややかな目で見つめる男が一人…
我らがヒーロー、南光太郎だ!
どうやらこの時の光太郎はこのマスコットのコンテストの来賓者である、
ゴルゴムメンバーの坂田と大宮を監視するために風都にやってきたようだ。
(ナレーション:政宗一成)
坂田「この風都はこれまで単なる弊村とした地方都市でした。
唯一の観光地といえば星降谷だけでしたが10年前より都市開発が進められてきました。
それは何故か?その理由はこの風都に流れる風です!
この風は風都の人々に恩恵を与えるモノであると我々はそう思っています!」
大宮「そのために10年前、この風都タワーが建設されたのです!
風都タワーは風車の力を利用した風力エネルギーが賄われます。
私たちは風都をエコの街として盛り上げて行きたいと思っているのです!
そのためにも風都のみなさん、どうか住民であるあなた方のお力をお貸しください!!」
ふうとくん「僕からもお願いだよ!みんな、よろしくね♪」
「「ワァァァァァァッ!」」
光太郎「坂田と大宮め、まったく調子のいい事を…
それにしてもこの街の人々も呑気なものだ。
あの壇上にいる坂田と大宮は世界征服を企む暗黒結社ゴルゴムの手先だというのに…」
壇上で演説を述べている坂田と大宮を聞いて盛り上がる風都の人々に失望する光太郎。
それには理由があった。
今回の風都の都市開発には多大な助成金がこの街の住民たちに与えられている。
ゴルゴムを憎む光太郎にとって、
そんな恩恵に与りたがる住民を卑しく思えてしまうのは当然の事であった。
(ナレーション:政宗一成)
??「フフ、何やら不満そうな顔をしているな。」
光太郎「あなたは…?」
??「お前さんと同じこの催し物を見物してるただの観客で…
昔からこの街に住んでる者だよ。それにしてもお前さん…
今にも壇上に殴り込もうとする殺気に満ちてるな。」
光太郎「そんな事は…」
??「気をつけな。
熱い男は嫌いじゃないが…俺みたいな見ず知らずの赤の他人にまで気取られると…
いつか足元をすくわれるぞ。じゃあな…」
幸太郎に忠告を促す謎の男…
それは全身白いスーツに身を包み、白いソフト帽を被った奇妙な男だった。
男は光太郎に忠告を残してその場を去っていく。
だが、それと同時に光太郎の耳にある声が聞こえてきた!
(ナレーション:政宗一成)
『お願い…助けて!』
光太郎「子供の声…一体どこから!?」
南光太郎は改造人間である。
その五感は通常の人間よりもはるかに優れているため、
彼の聴覚はどんなに離れた場所のか細い小声でも聞き取れる事ができるのだ!
そして光太郎はさっそく子供の助けを呼ぶ場所へと向かった!
(ナレーション:政宗一成)
とりあえずここまで
この番外編の話は光太郎がクライシス…ではなくゴルゴムと戦ってた頃の話になります。
~井坂内科医院(新生児室)~
井坂「な…何だ…お前たちは!?」
クモ怪人「うるさい!静かにしろ!」
??「お願いやめて!」
サイ怪人「黙れ小娘!用があるのはこっちの赤ん坊どもだけだ!!」
悲鳴のあった先は井坂内科医院の新生児室。
そこではゴルゴムの怪人たちを前に、
井坂というこの病院の医者と一人の少女が泣き叫んでいた。
するとそこへ…!
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「そうはさせんぞゴルゴム!」
クモ怪人「お前は…南光太郎!?」
光太郎「やはりゴルゴムの仕業だったか!
新生児室にいる赤ん坊を襲うだなんて…なんという事を!!」
サイ怪人「バカめ!こんな場所で戦う気か?ここをどこだと思っている!」
光太郎「なんだと!?」
「「おぎゃぁぁぁぁっ!」」
そう、ゴルゴムの怪人たちの言う通りであった。
この場所は生後間もない赤ん坊のための新生児室。
こんな場所で戦えば間違いなく赤ん坊たちに危害が加わるのは目に見えていた!
(ナレーション:政宗一成)
クモ怪人「わかったらさっさとそこをどけ!」
光太郎「くっ…卑怯だぞ!?」
「「おぎゃぁぁぁぁっ!」」
泣き叫ぶ赤ん坊たち。
だが、その時であった!
(ナレーション:政宗一成)
((シュッ!))
サイ怪人「ギャッ!何だ!何が投げられた!?」
光太郎「これは…ゴルゴムの怪人たちに白い帽子が当たったのか?」
??「今だ、ヤツらを外へ出せ!」
それは先ほど風都タワーで光太郎がすれ違った奇妙な男であった!
光太郎はその男の指示通り、新生児室から窓を突き破り怪人たちを追い出した!
(ナレーション:政宗一成)
((ガッシャァァァン!))
クモ怪人「お…おのれ…」
サイ怪人「いかん…これでは…」
光太郎「今だ!変…んん…身!」
BLACK「仮面ライダーBLACK!」
クモ怪人「しまった…仮面ライダーか!?」
サイ怪人「だが二対一で我らが有利!怯むな!」
新生児室の窓を突き破り怪人たちを病院の外に追い出した光太郎。
そしてすぐさま仮面ライダーBLACKへと変身!戦闘開始だ!!
(ナレーション:政宗一成)
クモ怪人「仮面ライダー覚悟!」
サイ怪人「以前倒された恨みをこの場で晴らしてやる!」
BLACK「黙れ!お前たちの行いは絶対に許さん!喰らえ!ライダーチョップ!!」
((ズバッ!))
クモ怪人「ウギャッ!?」
BLACK「一度戦った再生怪人など敵ではない!それともまだやる気か?」
クモ怪人「くっ…ここは一旦引かせてもらう…」
サイ怪人「だが…覚えておけ仮面ライダー!
我々の計画は既に始まっている!お前如きが今更何をしようと最早手遅れなのだ!」
そんな不吉な言葉を残して怪人たちは撤退した。
(ナレーション:政宗一成)
井坂「あの怪人たち…
恐らく人間をベースに生体的な改造手術を施されたのか?
どこの誰がやったのか知らんが実に興味深い…!」
井坂「あの力…私の研究に近いモノを感じてならない…
いずれ私もあのような人知を超えた力を手に入れたいモノだ!」
そんなゴルゴムの怪人が病院から去っていく姿を、
井坂という名のこの病院の医師が興味を示しながら目撃していた。
ちなみにだがこの男の名は井坂深紅郎。
後にウェザードーパントの力を手に入れて照井竜の一家をはじめ、
この風都で数多くの人々を殺めた風都連続凍結事件の凶悪な殺人鬼である!
だがこの事実を…今は誰も知らない…
そう…本人ですら…
(ナレーション:政宗一成)
??「よぅ、どうやらそっちはあの化物どもを追っ払えたようだな。」
光太郎「さっきは助かりました。ところであなたは?」
荘吉「あぁ、そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名は鳴海荘吉、しがない探偵さ。」
光太郎「探偵…?」
荘吉「そうだ、俺は探偵さ。
今まで大阪で探偵の修行をしてたが生まれ育ったこの街で事務所を開こうかと思ってな。
それで今回こうして里帰りしたわけだが…
まさかこんな事件に巻き込まれてしまうとは思ってもみなかった。」
光太郎「そうでしたか、僕は南光太郎といいます。どうぞよろしく!」
荘吉「あぁ、よろしくな光太郎。」
さて、変身を解いた光太郎は先ほど助けてくれた男に礼を述べていた。
だが、なんと光太郎を助けてくれたのは21年前の鳴海荘吉であった!
南光太郎と鳴海荘吉、奇しくも出会った二人の男たち…
だが、それとは別にもうひとつのある出会いが待ち受けていた。
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「あ、そうだった!
お嬢ちゃん、さっき助けを呼んでいたのはキミだったよね。
そういえば…キミはどうしてこの場所に居たんだい?」
??「あの…私の妹が…あいつらの仲間に連れて行かれちゃったの…」
井坂「それだけじゃない!
ここの病院以外にも赤ん坊が連れ去られた事件が続出しているんです!?」
荘吉「なんだと?
つまりあの怪人たちがここにいる赤ん坊を連れ出す前に他の場所でも同じ事が…
クソッ、やられたな…!」
今にも泣きそうな顔で光太郎たちに事情を説明する少女。
どうやらゴルゴムはこの病院以外からも赤ん坊を次々と誘拐して、
何らかの悪事を計画しているようだ。
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「なんという事だ…
けどわかったよ、キミの妹は僕がなんとしても連れ戻してみせる!
ところで…キミの名前はなんて言うんだい?」
冴子「冴子…私は園咲冴子…」
荘吉「園咲…お前さん…ひょっとして文音のとこの娘なのか!?」
光太郎「壮吉さん、この子のお母さんを知っているんですか?」
荘吉「あぁ、この子の母親は俺の幼馴染だ。
10年以上前に結婚したと聞いたが…まさかこんな偶然があるとは…」
なんという奇妙な運命であろうか!
光太郎に助けを求めたこの娘こそ…
後にこの風都に恐怖と混乱をもたらす悪の組織ミュージアムの幹部となる、
幼き日の園咲家の長女である園咲冴子本人であった!
一体この事件の背後に何が隠されているのであろうか!?
(ナレーション:政宗一成)
とりあえずここまで
今回登場した井坂先生はまだ殺人気になる前の綺麗な頃の先生です
それとおやっさんが大阪で探偵の修行をしてたというのはss独自の設定です
絶対本気になさらないでください
~???~
コウモリ怪人「ケケッ!ヤツの妻を捕らえました!ですが夫の方は既に逃げた後でした。」
文音「くっ…離しなさい!あなたたちはここで何をする気なの!?」
ダロム「黙れ、園咲文音よ。我らは暗黒結社ゴルゴムだ!」
バラオム「お前の夫である園咲琉兵衛が、
我らゴルゴムから援助を受けている事を女房であるお前が知らぬはずがあるまい!」
ビシュム「10年前、遺跡の発掘資金が足りないと泣きついたのはお前たちなのですよ!」
ここは洞窟、この風都のどこかに存在する薄暗い地中に古代の遺跡がある場所。
そこでは鳴海荘吉の幼馴染で園咲琉兵衛の妻でもある園咲文音が、
ゴルゴムの三大怪人ダロム、バラオム、ビシュムから尋問を受けていた。
この洞窟には多数の遺跡らしき遺物があり、
一体何の目的で建てられたのか皆目検討もつかなかった。
そんな時、傷らだけで帰還したクモ怪人とサイ怪人が…
(ナレーション:政宗一成)
クモ怪人「申し訳ありません。南光太郎に妨害されて…」
サイ怪人「赤ん坊たちを捕らえる事ができませんでした。」
ダロム「バカ者!南光太郎に嗅ぎつけられるとは…」
バラオム「役立たずめ!」
ビシュム「この失敗をどう償うつもりですか!」
ダロム「これは由々しき問題だ!」
バラオム「南光太郎が風都に来たとなれば…」
ビシュム「この場所を知られるのも時間の問題では…」
南光太郎にこの場所を知られるのは最早時間の問題。
そう不安がる三大怪人たち、するとそこへ!
(ナレーション:政宗一成)
シャドームーン「案ずるな、たとえ南光太郎がこの場所を嗅ぎつけようと策はある。」
ダロム「オォッ!我らが世紀王シャドームーンさま!」
バラオム「我々にはシャドームーンさまがおられるのだ!仮面ライダーなど恐れるに足らず!」
ビシュム「それでシャドームーンさま。策とは一体…?」
シャドームーン「それは…クモ怪人にサイ怪人。
お前たちにもう一度機会を与えてやる。まだ戦う自信はあるか?」
クモ怪人「ハッ、お任せください!」
サイ怪人「今度こそ必ずや仮面ライダーを倒してみせます!」
シャドームーンから再びライダーを倒すチャンスを与えられ意気込む怪人たち。
だが…
(ナレーション:政宗一成)
シャドームーン「サタンサーベル!」
((ズバッ!))
クモ怪人、サイ怪人「「ギャァァァァッ!?」」
ビシュム「なんという事…!」
バラオム「シャドームーンさまのサタンサーベルで怪人たちが真っ二つに…」
ダロム「シャドームーンさま!
こやつらに機会を与えるのではなかったのですか!?」
シャドームーン「そうだ、確かに機会は与える。
だが一度負けたこいつらをそのまま戦わせるとは言っていない。
これよりこの地に秘められた神秘の力を用いてこの者たちを再改造する!」
こうしてこの場でクモ怪人とサイ怪人の新たなる再改造が行われた。
だがこの二体が横たわる手術台の真下には小さいが地底奥深くに通じる穴が開いており、
その穴から妖しい緑の光が輝いていた。
(ナレーション:政宗一成)
~かもめビリヤード~
荘吉「狭いかもしれんがまあとりあえずここでくつろいでくれ。」
光太郎「荘吉さん、ここは?」
荘吉「俺が仮住まいしている場所さ。
いずれはここに事務所を開いて嫁さんを呼んで家族揃って暮らそうかなと思っている。」
光太郎「あなた…結婚していたんですか?」
荘吉「あぁ、これでも既婚者だ。文句あるか?」
長年、大阪で探偵業の修行をしていたという荘吉。
荘吉はいずれ大阪にいる妻をこの街に呼び、
風都で一緒に暮らしたいという夢を持っている事を光太郎に語った。
だが荘吉の家族揃って暮らすという夢は叶えられる事はなかった…
これより11年後の1999年、
ある事件が起こりその所為で荘吉の身体に仕掛けが施された。
その仕掛けとは荘吉が愛する者に触れると爆発してしまうという残酷なモノであった。
それを発動させないために、荘吉は家族と離れ離れで暮らさなければならなかった…
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「ところで冴子ちゃん、キミの両親はどこに行ったのかわかるかい?」
冴子「わかんない…お父さんもお母さんも急にいなくなっちゃったの。」
荘吉「手掛かりは無しか。これは少々きついな。」
冴子「けど…お母さんからこんなモノを預かっているの。」
光太郎「これは…箱…?」
冴子が光太郎たちの前に見せたのは箱であった。
しかしその箱は固く閉められており開けるのは困難だった。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「随分と固く閉められてるな。これは…開けるのに相当苦労するぞ。」
光太郎「冴子ちゃん、この箱には何が入っているんだい?」
冴子「私にもわかんない、けどお母さんがこう言ってたの。
『この箱にはスゴイ力が秘められたあるモノが入っている。
でもこの力はこの街を守る人に託さないといけないモノ。
それ以外の人が開けるのは絶対にダメだ!』…ってそう言っていたよ。」
荘吉「文音がそんな事を…」
光太郎「スゴイ力とは一体…?」
荘吉「だが話はわかった。冴子、お前さんがこの鳴海探偵事務所の最初の依頼者だ。
お前さんの妹は必ず助け出してやる。」
光太郎「僕も協力しますよ!ゴルゴムを倒すのは僕の使命ですからね!」
荘吉「あぁ、頼むぜ光太郎。
俺はこの街を泣かすヤツは絶対に許せないからな。」
冴子「お兄ちゃんたちありがとう!」
冴子から若菜救出の依頼を受ける荘吉とそれに協力する光太郎。
だが…その時であった!
(ナレーション:政宗一成)
((ガッシャァァァァァン!))
冴子「キャッ!」
光太郎「一体何が起きた!?」
荘吉「窓ガラスを突き破って誰かが侵入してきたんだ!何者だ!?」
「「ガァァァァァァッ!」」
かもめビリヤードの店内に突如侵入してきた来訪者!
それはゴルゴムが送り込んできた刺客であった!
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「俺たちはクモサイ合成怪人!
南光太郎、お前の所為で俺はこんな醜い肉体にされてしまったんだ!」」
光太郎「合成怪人だと…?」
荘吉「それにしてもこいつ…」
冴子「右がクモ…左がサイの半分この身体になってる…」
光太郎たちの目の前に現れたのは…
先ほどシャドームーンによって再改造を受けさせられ、
クモ怪人とサイ怪人が左右半分に合体させられた姿であった!
自分をこのような目に合わせた光太郎に怒りを露にする合成怪人!
そして…
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「グオオオオッ!」」
光太郎「おのれ…こうなれば…変身!」
BLACK「行くぞ!合成怪人!ライダーパンチ!」
光太郎はすぐさま仮面ライダーに変身!
そしてライダーパンチを喰らわせた!
だが…
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「ククク、これで本気のつもりか?」」
BLACK「何…効いてないだと…!?」
クモサイ合成怪人「「今度はこちらの番だ!喰らえ!」」
((シュルルルッ!))
荘吉「光太郎の身体にクモの糸が巻きつけられた!?」
BLACK「なんと粘りの強い糸だ…外せないぞ…」
クモサイ合成怪人「「そしてお次はこれだ!突撃ぃぃぃっ!!」」
((ドゴォォォォォッ!))
光太郎「うわぁぁぁぁ!?」
クモの特性である糸、そしてサイの特性である突進を使い仮面ライダーは追い詰められた。
そして変身が解けてしまい倒れ伏してしまう…
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「う…うぅ…」
荘吉「なんてヤツだ。
力が増しただけじゃなく思考が二つもあるから判断力も増しているのか…」
クモサイ合成怪人「「トドメを刺してやりたいが生憎俺の目当てはお前たちではない!」」
冴子「キャッ!離して!?」
荘吉「しまった!文音の娘がヤツに取られた…!?」
光太郎「やめろ!」
クモサイ合成怪人がかもめビリヤードを襲ったその目的は…
なんと冴子の奪取にあった!
必死に止めようとする光太郎たち!
だが…
(ナレーション:政宗一成)
光太郎、荘吉「「うわぁぁぁぁぁ!?」」
クモサイ合成怪人「「バカなヤツらだ。パワーアップしたこの俺に適うはずがなかろう。」」
光太郎「うぅ…この子を離せ!」
荘吉「お前さん…こんな場所でこれだけの騒ぎを起こしてどうする気だ?
そろそろこの騒ぎを聞きつけた住人が通報する頃合だぞ。
こんな目立つ真似をしたらまずいんじゃないのか?」
クモサイ合成怪人「「クク、通報だと?少し面白い事を教えてやろう!
今回ゴルゴムメンバーの坂田と大宮がこの街を訪れている事を既に知っているな。
あの二人に命じてこの辺り一帯の住人は風都タワーのイベントに参加している!
どの家もは全員助成金欲しさにもぬけの空になっているのさ!」」
光太郎「なんという事だ…」
荘吉「クソッ…俺の街でよくも勝手な真似を…」
クモサイ合成怪人「「それではさらばだ!園咲冴子は頂いていくぞ!」」
冴子「助けてぇぇぇぇぇ!?」
光太郎「冴子ちゃぁぁぁぁぁん!!」
光太郎の叫びも虚しくクモサイ合成怪人に連れて行かれる冴子…
冴子は一体どうなってしまうのか!?
(ナレーション:政宗一成)
~???~
クモサイ合成怪人「「シャドームーンさま。園咲の娘を連れてきました。」」
冴子「お母さん!」
文音「冴子!あなたたち…私の娘をどうする気なの!?」
シャドームーン「フフ、園咲文音。
お前は知っているはずだろう。お前の夫である園咲琉兵衛の研究についてな。」
文音「夫の研究…?」
捕らえられた冴子はシャドームーンたちの人質となっていた。
そしてそんなゴルゴムから尋問を受ける文音の姿が…
(ナレーション:政宗一成)
~かもめビリヤード~
荘吉「まったく…派手にやられたな。」
光太郎「クソッ!僕が付いていながら冴子ちゃんを守れなかったなんて…」
荘吉「さっきのヤツら、あれがお前さんの言っていたゴルゴムのヤツらか。」
光太郎「そうです、ゴルゴムは裏で人間社会を操ろうとする卑劣なヤツら…
僕はそんな悪魔のヤツらから人々を守らなければならないのです!」
荘吉「なるほど…ゴルゴムとは俺が思っている以上に闇が深い連中のようだ。」
一方、かもめビリヤードでは傷ついた光太郎を荘吉が手当をしていた。
しかし光太郎は自分の傷よりも冴子の身を案じていた。
それに…
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「それにしても…この街の人たちには失望しました。
坂田と大宮…あんなヤツらの口車に踊らされて街を売り渡そうとするなんて…!」
荘吉「まあ、そう言うな。
風都の人々はゴルゴムとやらの存在を知らないんだ。
今もこの街が平和だと信じている。そんな平和を守るのが俺や…お前の務めだろ?」
光太郎「壮吉さん…」
荘吉の言葉に諭される光太郎…
そんな時、事務所に来訪者が!
(ナレーション:政宗一成)
サム「鳴海の旦那!いるか!」
光太郎「あなたは…?」
荘吉「俺の昔馴染の尾藤勇、通称サムだ。それで一体どうしたんだ?」
サム「さっき妙な怪人が女の子を連れているのを見たんだが…
あの方角は間違いなく星降谷の方だぜ!」
光太郎「間違いない!さっきの合成怪人と冴子ちゃんだ!けど星降谷とは何です?」
『星降谷』とは…
現在この風都の観光名所といえば当然風都タワーに値する。
だが、それ以前からこの風都にはある観光名所が存在した。
それが星降谷の事である。
星降谷には古代の遺跡が埋もれており、以前はこの街の唯一の観光資源地でもあった。
(ナレーション:政宗一成)
サム「だがあの場所は、
確か10年前に園咲とかいう一家があの辺の土地を買い占めていたはずだ。」
光太郎「園咲…?冴子ちゃんの親が…一体どうして?」
荘吉「なるほど、この事件の全容が見えてきたな。」
光太郎「荘吉さん、一体どういう事なんですか?」
鳴海荘吉が語る事件の全容、それは…!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「文音、あいつは子供の頃から頭が良くてな。
それで大人になったら学者になるという夢があったんだ。
その夢を実現させてあいつは学者になり、そして結婚相手も学者だったそうだ。」
光太郎「…」
荘吉「文音は子供の頃から、
あの星降谷には未知の何かが隠されていると言っていた。
ひょっとしたらお前さんが言っていたゴルゴムの狙いは…」
光太郎「つまりゴルゴムの狙いは園咲一家が発見したという未知の何かという事ですか!」
サム「聞いた話によると遺跡を発掘していた時、
園咲一家は遺跡発掘の資金繰りにかなり苦労していたらしい。
けど10年前から急に金振りがよくなって、
きっと大手のスポンサーから援助されたんだろうって噂されていたが。」
荘吉「なるほど、文音はそのゴルゴムという連中から資金を受け取っていた。
だが、なんらかの事情でゴルゴムとの間にトラブルが起きた。
そこで連中は娘の冴子を人質にしたんだな!」
光太郎「そして風都タワーを建設したのは、
本来の目的である星降谷の未知の力から人々の注目を逸らすためか。
そんな事を企むとは…ゴルゴムめ!?」
ゴルゴムの恐るべき企みを知った光太郎たち。
だが、肝心の人質は取られたまま…
これでは手も足も出せない状況に変わりなかった。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「だがこのまま星降谷へ乗り込むのはまずい。ヤツらは人質を取っている。」
光太郎「一体どうしたら…」
サム「なんだかよくわからねえが、
こんな時はラーメンでも食べて気分転換してみたらどうだ?
最近、俺の知り合いがあの風都タワーにちなんだラーメンを開発中なんだとよ。
なんでも名前は…」
光太郎「すいませんが今はそんな時じゃ…」
荘吉「ラーメン…待てよ…それだ!」
何やら秘策を思い付いた荘吉。
その秘策とは…!?
(ナレーション:政宗一成)
~星降谷~
シャドームーン「園咲文音、いい加減我らに協力する気になったか?」
冴子「お母さん…」
文音「仕方ないわ、冴子を人質にされたら協力するしかないようね…」
一方、ここは先ほどから文音が捕らわれている星降谷。
そこで園咲文音はシャドームーンからある事を強要されていた。
(ナレーション:政宗一成)
シャドームーン「さて、園咲文音。改めてお前に今回の計画について明かしてやろう。
この星降谷は、元々我らゴルゴムがはるか古の時代に建てた遺跡であった。」
ダロム「それを人間どもがこの遺跡を埋め立て街を建ておった!」
バラオム「その街というのがお前たちの暮らす風都だ!」
ビシュム「ですが我らゴルゴムも久しい時の中でこの場所の事をすっかり忘れていました。
そう、10年前までは…」
文音「10年前…それじゃあ…?」
ダロム「そうだ、10年前にお前たち夫婦が我らゴルゴムに資金援助を申し出た時…
我らもこの遺跡に眠っている力の事を思い出した。
感謝するぞ、お前たちがいなければこの遺跡は今も尚土の下に埋もれていたのだからな!」
この星降谷に眠る遺跡は本来ゴルゴムの所有物だと言い張るシャドームーンたち!
だが、それだけではない。
今回ゴルゴムが風都を訪れた本当の理由が明かされた!
(ナレーション:政宗一成)
シャドームーン「我らが欲しているのはこの地に眠る神秘なる力。すなわち泉だ!」
ダロム「この場所はこの星…つまり地球の意思と接続できる場所である!」
バラオム「かつてゴルゴムはこの泉から湧き出る力を用いていた!」
ビシュム「それは『エクストリーム』と呼ばれる神秘なる力!
その力を扱えるのはこの世界でも我らがゴルゴムの創世王さまのみ!!」
シャドームーン「その力があれば我らゴルゴムによる世界征服も容易いだろう。
だが今の私はまだ世紀王…
創世王ではないこの状態ではエクストリームの力を操る事はできない。
実験としてクモサイ合成怪人を使ってエクストリームの力を与えたが、
あれでは本来の10分の1も力が発揮されていない…
そこでこの者たちを使う事にした!」
「「おぎゃぁぁぁぁっ!」」
そこにいたのはゴルゴムがこの街で拐ってきた大勢の赤ん坊たちであった。
シャドームーンはこの赤ん坊たちを使い恐ろしい計画を実行しようとしていた!
(ナレーション:政宗一成)
シャドームーン「お前の夫である園咲琉兵衛はこの泉の研究を行っていた。
その研究のデータを見て閃いたのだ!
今の私がこのエクストリームの力を扱うには人間を制御プログラムにすればよい!」
文音「まさか…あなたたちは…」
ダロム「その通り、我らが赤ん坊を捕らえたのは生体制御プログラムにするためだ。」
バラオム「園咲琉兵衛の研究で制御プログラムの人間を製造するには、
まだ完全に成熟していない幼い子供を使うのが一番だというデータがあった。」
ビシュム「ですから我らは怪人を使いこの街の赤ん坊を次々と集めたのです!」
シャドームーン「園咲文音、お前をこの場所に連れてきたのは…
その制御プログラムの製造を行ってもらうためだ!
もしも断ればお前の娘がどうなるか…わかっているな?」
冴子「お母さん…」
文音「冴子…わかったわ。あなたたちの言う通りにするから娘の命は助けて…」
娘の冴子を人質に取られ、大人しくゴルゴムの命令に従う文音。
そしてその作業が着々と進められていく。
そんな中、制御プログラムに選ばれる最初の赤ん坊が運ばれてきた。
その赤ん坊は…
(ナレーション:政宗一成)
若菜「おぎゃぁぁぁぁっ!」
文音「若菜!?」
シャドームーン「お前のもう一人の娘である、園咲若菜。
この娘を生体制御プログラムとして活用する。つまり…お前の娘が最初の生贄だ!」
冴子「そんな…若菜が…」
ダロム「フハハハ、これもお前の夫の所為だ!」
バラオム「我らゴルゴムから資金援助を受けておきながら、
この力を自らのモノにしようとしたのだからな!当然の報いだ!!」
ビシュム「恨むのなら園咲琉兵衛を恨むのですね!」
なんと卑劣であろうか!
ゴルゴムが選んだ赤ん坊はまだ生まれたばかりの園咲若菜であった!?
(ナレーション:政宗一成)
文音「やめて!若菜は!?」
ダロム「フンッ、自分の子供を助けるために他の赤ん坊を犠牲にしようとしたのにか。」
バラオム「まったく、女とは業の深い生き物よ。」
ビシュム「バラオム、今の言葉は同じ女として聞き捨てなりませんね。
ですが、風都の女というのはどうにも謙虚な心がない…自分勝手な面があるのは確か…
つまり浅ましいと言うべきでしょう。」
シャドームーン「また娘の命乞いか。ならばお前の夫に伝えておくがいい!
全てはヤツの所為だ、我らゴルゴムを頼っておきながら裏切るのだからな!
自らの力で遺跡を発掘もできぬ男が生意気な事をするからこうなるのだ。
園咲琉兵衛、半人前の男がくだらぬ野心を抱くべきではなかったな!!」
文音「あぁ…あなた…」
この場にいない園咲琉兵衛を蔑むシャドームーン。
そして泉から溢れ出る緑色の光『エクストリーム』が若菜に照射されていく。
そんな時…
(ナレーション:政宗一成)
岡持ち「すいませ~ん、ゴルゴムさんですよね?ラーメンお届けに来ました!」
ダロム「何だお前は!一体どこから入ってきた!?」
バラオム「お前なんぞに用はない、とっとと失せろ!」
岡持ち「あぁ…でもここにラーメンの出前頼まれたんですよ。」
ビシュム「ラーメン?一体誰が出前を?」
シャドームーン「まあよかろう、この作戦成功の前祝いだ。ラーメンで祝杯を挙げよう!」
ダロム「シャドームーンさまがそう仰るのなら仕方がない。」
バラオム「しかし異様にでかいナルトだな。」
ビシュム「それにしてもラーメンで祝杯など聞いた事がありません。」
ラーメンで祝杯を挙げようとする悪のゴルゴム!
だがその時…!
(ナレーション:政宗一成)
「「「「ブフォッ!?」」」」
ゴルゴムの幹部の口から怒涛のごとく吹き出すラーメンが!?
(ナレーション:政宗一成)
とりあえずここまで
続きは夜にでもできたらいいなと
シャドームーン「ゲホッ!ゴホッ!何だこのラーメンは!?」
ダロム「胡椒や薬味が…スープにぎっしり入っていたのだ!」
バラオム「ダメだ…むせる…」
ビシュム「一体誰がこんな事を…!?」
岡持ち「まんまと罠に掛かったな!ゴルゴム!
さっきのラーメンには胡椒と薬味をたっぷり入れておいたのさ!」
シャドームーン「お…お前は…ただの岡持ちではないな…一体何者だ!?」
((バッ!))
ラーメンを持ってきた岡持ちが正体を表した!
その正体は!?
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「ゴルゴム!悪に未来はないと思い知れ!」
ダロム「み…南光太郎!?」
バラオム「そ…そうか…このラーメンはお前の仕業か!」
ビシュム「おのれ…よくもこんな小細工を!」
なんとラーメンを持ってきた岡持ちの正体は光太郎であった!
ちなみに光太郎が持ってきたラーメン、これは後の風都の名物である風麺である。
だがそれだけではなかった。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「大丈夫か文音?」
文音「あなたは…荘吉!?」
荘吉「連中が吹き出している隙に人質の赤ん坊たちは助けた。もう安心だ!」
シャドームーン「お…おのれ…」
ダロム「いかん…我々はさっきのラーメンを食べた所為で…」
バラオム「むせて戦えん…」
ビシュム「このままでは…」
光太郎「覚悟しろゴルゴム!お前たちの野望もこれまでだ!」
一気に形勢逆転かと思われたのだが…
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「ガァァァッ!」」
光太郎「しまった…こいつがまだ残っていたか!?」
シャドームーン「オォッ、クモサイ合成怪人か!」
ダロム「戦えるのはお前しかいない!」
バラオム「南光太郎を倒すのだ!」
クモサイ合成怪人「「…」」
突如出現したクモサイ合成怪人。
だが…その矛先は…
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「俺たちをこんな姿にしたお前たちの命令など誰が聞くものか!」」
シャドームーン「おのれ!裏切る気か!?」
ダロム「しまった!ヤツは再改造した事により以前より力が増している!」
バラオム「再改造が仇になってしまうとは…」
ビシュム「おまけに私たちはさっきのラーメンの所為で力が満足に発揮できません!?」
シャドームーン「ここは引くしかないか…くっ…!」
((シュンッ!))
突然のクモサイ合成怪人の裏切り。
それによりゴルゴムの幹部たちは急遽風都を撤退せざるを得なくなった。
残った光太郎たちはこの怪人を相手に戦おうとするのだが…
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「ガァァァァァッ!」」
光太郎「うぅ…強い…!」
荘吉「赤ん坊たちは助けて後はこいつだけなんだが…」
クモサイ合成怪人「「ククク、お前たちごときが俺に適うものか!
今こそ俺はゴルゴム最強の怪人として君臨するのだ!この子供たちを使ってなぁっ!!」」
冴子「キャーッ!」
若菜「おぎゃぁぁぁっ!」
文音「そんな…冴子…!若菜…!?」
圧倒的な強さを見せるクモサイ合成怪人!
だがそれだけではない。
光太郎たちが苦戦している間に、なんと冴子と若菜が人質に取られてしまった!?
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「先程のシャドームーンの話が正しければ…
この赤ん坊を使いエクストリームの力を取り込む!そして俺はもっと強くなるぞ!!」」
光太郎「やめろ!」
荘吉「子供たちに手を出すな!」
クモサイ合成怪人「「もう遅い!ハァァァァッ!エクストリィィィィィム!!」」
クモサイ合成怪人の雄叫びと共に泉と呼ばれる穴から緑色の光が放たれた!
そして赤ん坊である若菜を制御プログラムにして、
クモサイ合成怪人の全身にエクストリームの力を取り込まれた!?
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「オォッ!これは素晴らしい…
俺たちの頭の中に過去…未来…地球の全ての記憶が入ってくるぞ!」」
光太郎「なんという事だ…ヤツはさらなる力を得てしまったのか!?」
荘吉「クソッ、だがなんとしても子供たちは助け出してみせる!」
クモサイ合成怪人「「まだ立ち向かうとは、いいだろう。
お前たちに丁度いい余興を楽しませてやる!ついてこい!!」」
((バッ!))
クモサイ合成怪人は素早い動きであっという間にこの星降谷を出てある場所へ向かった。
そして光太郎と荘吉も急いで怪人の後を追った!
だが行き着いたのはなんと…
(ナレーション:政宗一成)
~風都タワー~
((ビュゥゥゥゥッ!))
クモサイ合成怪人「「よく来たな、今からここで楽しいショーを始めよう!」」
荘吉「風都タワーの頂上か、まさかここで戦う事になるとはな…」
光太郎「貴様…それだけの力を持ちながら一体何をするつもりだ!
まさか創世王やシャドームーンになり代わりゴルゴムを支配するつもりでは!?」
クモサイ合成怪人「「ゴルゴム?下らない事を…
あと少しすればお前の手によって滅びる組織を支配してどうするというのだ?」」
光太郎「俺が…ゴルゴムを…?どういう事だ!」
風都タワーの頂上で決戦を行おうとするクモサイ合成怪人。
だがそこで光太郎にゴルゴムがあと少しすれば滅びる事を告げる。
確かにその通りである。
これより少し先の未来の話になるが光太郎は、
宿敵シャドームーンと因縁の対決に打ち勝ちゴルゴムを倒す事に成功する。
その事をエクストリームの力を得て地球の記憶に触れたクモサイ合成怪人は知っていた!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「お前さん、それだけの力を得たんだ。
もう人質を取る意味はないだろう。さっさと子供たちを離したらどうだ?」
光太郎「そうだ!子供たちを離せ!その子たちは無関係のはずだ!」
クモサイ合成怪人「「無関係…?そうでもないぞ!
俺たちはこれよりこの娘たちをここから突き落とす!
この娘たちを殺す、それがこの風都の人々のためになるのだ!!」」
光太郎「なんだって!?」
荘吉「その子供たちを殺す事が…だと?」
人質にしている子供たちを、
風都タワーの頂上から突き落とすつもりでいるクモサイ合成怪人!
だがそれが何故この街のためになるのか…
光太郎たちにはその事情がさっぱりわからなかった。
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「この子たちをここから突き落とす事が風都のためだと!」
荘吉「お前…何をバカな事を言っているんだ?」
クモサイ合成怪人「「バカげた話だと?
俺たちはエクストリームの力で地球の記憶に触れた。そこでわかったのだ!
園咲冴子と若菜。
この姉妹は将来、
風都を支配しようと企むミュージアムの幹部となり多くの犠牲が生まれてしまうだろう!
そうなる前にこうやって始末した方が人々のためになるのだぞ!!」」
クモサイ合成怪人の予言は全て本当であった。
これより21年後の未来、風都はミュージアムの脅威に晒される。
その中心的役割を担うのがクモサイ合成怪人の手の中にいるこの幼き園咲姉妹だからだ!
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「ミュージアム…この子たちが?」
荘吉「フンッ、だからと言って見捨てられるわけが…」
クモサイ合成怪人「「待て、話はここで終わりではない!ここからが重要なのだ!
鳴海荘吉!今お前がこの娘たちを救えば未来でどうなるか教えてやろう!!」」
荘吉「俺とこの子たちがどうなるというんだ?」
クモサイ合成怪人「「よく聞くがいい!今から20年後、お前は殺される!
それもただ殺されるのではない!
ミュージアムの幹部にして今回のお前の依頼人であるこの園咲冴子によってなぁっ!!」」
光太郎「なんだって!?」
冴子「え…?」
荘吉「俺が…死ぬ…?」
クモサイ合成怪人の口から出たその予言に驚きを隠せない光太郎、それに冴子。
これより20年後、後に左翔太郎がビギンズナイトと呼ぶ日…
鳴海荘吉は凶弾に撃たれ死亡する。
それも園咲冴子の手によって…
今回、自分に助けを求めてきた依頼者の手により死を迎える事を知り…
さすがの荘吉も驚きを隠せなかった。
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「嘘だ!お前が言った事は全部デタラメだ!?」
クモサイ合成怪人「「信じないのはお前らの勝手だ!
だが未来は俺たちが言った通りになる、だが今ならその未来を変える事が可能だ!」」
荘吉「何…?」
クモサイ合成怪人「「今この場で俺たちが園咲姉妹を殺せばいい。
そうすれば未来においてお前が死ぬ事はないはずだ!わかったら黙って見ていろ!!」」
冴子「あ…あぁ…」
若菜「おぎゃぁぁぁ!」
光太郎「やめろ!?」
再度この風都タワーから冴子たちを突き落とそうとするクモサイ合成怪人!
急いで止めに入ろうとする光太郎、その時…!
(ナレーション:政宗一成)
冴子「お願い…私は…私は…」
クモサイ合成怪人「「何だ…命乞いか、風都の女は子供でも醜いな!」」
冴子「ちがうの…妹の若菜だけでも助けてあげて!お願い!」
光太郎「冴子ちゃん…」
荘吉「…」
幼い冴子の切なる願い。
その言葉を聞いた荘吉が怪人の前に歩みだしたではないか!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「待て…その薄汚い手を離せ…」
光太郎「壮吉さん!」
クモサイ合成怪人「「お前…さっきの話を聞いていなかったのか?
この姉妹を助ければお前は死ぬんだぞ…!?」」
荘吉「それが…どうした…?」
クモサイ合成怪人「「貴様…死ぬのが怖くないのか!?」」
荘吉「俺だって死ぬのは恐い。
だが…俺は依頼人のために戦う…命懸けで…それが探偵だ!」
荘吉のその言葉に一切の迷いはなかった。
その胸にはただひとつ、命懸けで依頼人を救う。
ただそれだけしかなかった!
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「おのれ…ならばもうひとつ面白い事を教えてやる!
今から11年後、ある怪物が街の住人たちにある仕掛けを施す。
その仕掛けとは愛する者に触れたら身体が爆発するという恐ろしい仕掛けだ!」」
光太郎「なんと残酷な事を…」
クモサイ合成怪人「「お前はその仕掛けを施され、
二度と愛する者に触れなくなってしまうだろう!それでもいいのか?
今ならばこの娘たちを見殺しにするだけでお前は幸せになれるのだぞ!?」」
荘吉「…」
クモサイ合成怪人による再度の脅し…
だがそれでも鳴海荘吉が屈する事はなかった!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「それがどうした?
俺の身体にそんな仕掛けが施されても愛する者が生きているのならそれで十分。
この街の人々のために命を張れるなら…俺は本望だ…!」
光太郎「壮吉さん…そうだ!
たとえこの子たちが将来悪の手先になろうと今は何も知らない純真な少女たちだ!
その少女たちの命をお前の勝手で奪わせるわけにいくものか!!」
クモサイ合成怪人「「おのれ…貴様ら!?」」
改めて園咲姉妹救出の決意を固める光太郎と荘吉!
だがそれだけではない。
それは風都タワーの真下でも起こり始めていた!
(ナレーション:政宗一成)
「おい…何だあれは?」
「女の子たちが変な怪人に襲われてるぞ!」
「大変だ!?」
坂田「あれは…ゴルゴムの怪人さま!」
大宮「みなさん、あれは…なんでもないのです!だから気にしないで…」
「何言ってるんだ!子供が落ちようとしてるんだぞ!」
「お前ら…まさかあの怪人とグルなんじゃ!?」
「この悪党め!お前らから貰った金なんか突き返してやる!」
この光景を見ていた風都の住人たちが挙って反旗を翻した!
最早、ゴルゴムがこの街を支配する事は適わなくなってしまったのだ!
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「お…おのれ…坂田と大宮の役立たずめ…!」」
荘吉「どうやら宛が外れたようだな。
この街の人々もお前らの正体に気づいた、これでもう終わりだ。」
クモサイ合成怪人「「まだだ!まだこっちには人質が残っている!
こうなれば…この娘たちを突き落としてやるまでだ!!」」
冴子「キャァァァァッ!」
若菜「おぎゃぁぁぁっ!?」
荘吉「待て!」
((バッ!))
クモサイ合成怪人が冴子たちを突き落とした!
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「子供たちの命をなんだと思っている!ゴルゴム…許さん!!」
光太郎「変…んん…身!!」
((シュバッ!))
BLACK「トゥァッ!」
冴子「キャッ!助かったの…?」
若菜「おぎゃ?」
クモサイ合成怪人「「おのれ…仮面ライダー!」」
荘吉「どうやら間一髪間に合ったようだな。」
まさに間一髪!
光太郎は仮面ライダーBLACKに変身!
突き落とされた園咲姉妹を見事救出する事に成功する!
(ナレーション:政宗一成)
BLACK「行くぞ!」
クモサイ合成怪人「「黙れ!こうなれば力尽くでお前を倒すまでだ!」」
荘吉「仮面ライダーと怪人の戦いが始まった。だが…」
クモサイ合成怪人「「ヴァァァァァッ!」」
BLACK「ぐはっ!?」
仮面ライダーと怪人の戦いが始まった!
しかし、クモサイ合成怪人の力は依然として健在でライダーは不利の状況であった。
そんな時…
(ナレーション:政宗一成)
冴子「鳴海のおじちゃん…この箱を開けて…!」
荘吉「この箱…俺が開けていいのか?」
冴子「うん、おじちゃんは風都を守る正義のヒーローだもん!」
荘吉「正義のヒーローか、柄じゃないんだが…」
((カチッ!))
冴子から託された箱を開ける荘吉、中に入っていたのはなんと…!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「これは…ベルト?それにもうひとつは何だ?」
文音「それは人間を超越する力を持つガイアメモリよ。」
冴子「お母さん!」
荘吉「人を超越だと…?文音、どういう事だ?」
文音「私と夫は以前からあの泉の研究を行っていた。
そして泉から地球の記憶を読み取り、それを使ってガイアメモリを作ったの。
あなたが手にしたのはその試作品よ。」
荘吉たちの後を追ってきた文音がガイアメモリの説明を行った。
この力があれば人を守る事ができると…
(ナレーション:政宗一成)
文音「けど、私はその力をあなたに使ってほしくはないわ。」
荘吉「何故だ…?」
文音「その力を使えばあなたはこの街のために戦わなければならなくなる。
以前聞いたけど、あなた大阪に奥さんがいるんでしょう?
それにその奥さんはあなたの子を身篭っているって…
あなたが戦う事になったらこの街のために家族を犠牲にしなければならないのよ!
だからあなたはその力を使ってはダメ…」
荘吉「…」
文音が見せた幼馴染の荘吉へと想い。
だが荘吉は…!
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「ありがとう文音。
だが、俺の尊敬する男はこう言っていた。『男はタフでなければ生きていけない』とな…」
文音「それって…どういう…」
荘吉「俺はそんな軟な男じゃないって事だ。
冴子、そのベルトを俺に渡してくれ。俺も戦おう!」
冴子「ハイ!頑張っておじさん!」
冴子からベルトとそれに『S』の刻印が刻まれたガイアメモリを渡された鳴海荘吉。
そしてベルトにメモリを装填した!
(ナレーション:政宗一成)
((SKULL!))
荘吉「変…身…」
クモサイ合成怪人「「ナニィッ!変身しただと!?」」
BLACK「荘吉さん…その姿は…?」
文音「荘吉…ついに変身してしまったのね…」
冴子「恐い…まるで骸骨みたい…」
鳴海荘吉がガイアメモリで変身した異形の戦士。
それは仮面ライダーBLACKと同じく全身黒でありながら、
頭部がまるで骸骨を思わせる不気味さを漂わせる姿であった。
首に巻かれている白いマフラーが風都の風を靡かせながら、
荘吉はピンチに陥っている仮面ライダーと怪人の前に立ちはだかった!
(ナレーション:政宗一成)
スカル「骸骨…そうだな…今の俺はスカルとでも名乗っておこうか。」
クモサイ合成怪人「「スカルだと…ふざけおって!」」
BLACK「壮吉さん…その姿…
まるで僕みたいだ!あなたも仮面ライダーになったんですね!」
スカル「仮面ライダーだと?
鏡がないから自分の姿が見えないからわからんが…まあいい、行くぞ光太郎!」
冴子「この街を守るヒーローが二人も現れたよ!二人とも頑張って!」
幼い少女からの声援、それに応えるかのように二人の戦士もまた名乗りを上げた!
(ナレーション:政宗一成)
BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」
スカル「仮面ライダー…スカル…」
BLACK&スカル「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」
クモサイ合成怪人「「何が罪だ!わけのわからん事を言うなぁぁぁぁ!?」」
仮面ライダーBLACKと仮面ライダースカル!
黒の戦士たちが力を合わせ、今こそこの風都の平和を乱す悪の怪人を倒すぞ!!
(ナレーション:政宗一成)
「誰かがあの怪人と戦ってるぞ?」
「一体誰が…?」
ふうとくん「それはきっとこの街を守るヒーローだよ!
風都のみんな、あのヒーローたちを助けるために応援してあげて!!」
霧彦「ふうとくんが言うんだから間違いない!」
「よし!頑張れー!」
「必ず勝ってくれよ!」
そして仮面ライダーの名乗りと同時に、
風都タワーの真下から見ている人々からもふうとくんをはじめ大勢の人々が声援を送った。
今この街の全ての人々が仮面ライダーたちの味方になってくれたのだ!!
(ナレーション:政宗一成)
クモサイ合成怪人「「ガァッ!」」
BLACK「くっ…やはり強い!」
スカル「確かに強い、だが俺たちにあってヤツにないのはひとつだけある!」
BLACK「僕たちにあってヤツにないモノ…?それはなんですか!?」
スカル「それは…連携だ!
ヤツは強力な力を持っているが体内に意思が二つもあるために動きがバラバラになる。
そこが狙いだ!」
BLACK「そうか…!」
スカル「光太郎、お前の持つ熱い魂とこの俺のクールな心をひとつに合わせるぞ!」
BLACK「オゥッ!」
光太郎の熱い魂と荘吉のクールな心をひとつにする!
その言葉通りに二人の仮面ライダーは息を合わせるかのごとく、連携攻撃だ!!
(ナレーション:政宗一成)
BLACK「トゥァッ!」
スカル「ハァッ!」
クモサイ合成怪人「「くっ…こいつら息がピッタリ合っている…
それに比べて俺たちは動きがてんでバラバラだ。これではどうしようも…!?」」
BLACK「ヤツが怯んだ!」
スカル「今がチャンスだ、一気に決めるぞ!」
クモサイ合成怪人が怯んだ一瞬の隙を二人は見逃さなかった!
この瞬間、二人の仮面ライダーは必殺技を放つために渾身の力を込めた!!
(ナレーション:政宗一成)
BLACK&スカル「「ライダ―――ッ!ダブル!パ―――ンチッ!!」」
クモサイ合成怪人「「グガッ!?」」
BLACK&スカル「「ライダ―――ッ!ダブル!キ―――ック!!」」
クモサイ合成怪人「「ウギャァァァァァッ!?
な…何故だ…何故俺たちが負ける…?
エクストリームの力を……地球の意思と…融合したのに…」」
スカル「どうやらお前さん、肝心な自分の未来を見てないようだな。」
BLACK「未来において僕たちが生きているという事はだ…
それはこの戦いに勝つのは僕たちだという何よりの証だったんだ!!」
クモサイ合成怪人「「そ…そんな…」」
((ドッガァァァァァァン!!))
仮面ライダーBLACKと仮面ライダースカルによる、
ライダーダブルパンチとライダーダブルキックの必殺技が炸裂!
クモサイ合成怪人は爆煙に包まれ、
風都タワーから吹く風がそれをかき消すかのように流れていた。
(ナレーション:政宗一成)
~かもめビリヤード~
光太郎「それじゃあ僕はもう行きます。」
荘吉「もう行くのか、早いな。」
冴子「もっとゆっくりしていけばいいのに?」
文音「そうね、まだお礼も満足にしていないのよ。」
若菜「だぁっ!」
光太郎「そういうわけにもいきません。
またゴルゴムが何かよからぬ事を企てているかもしれませんからね!」
事件が終わった。
かもめビリヤードの前では、
鳴海荘吉と園咲親子がこの街から去りゆく光太郎を見送るところであった。
(ナレーション:政宗一成)
冴子「お兄さん、助けてくれてありがとう!」
若菜「だぁっ!」
光太郎「なあに!このくらい、いつもの事さ!」
文音「あの合成怪人、左右半分で両方の力を発揮していた。
おまけにひとつの身体に二つの意思を共有していたなんて興味深いわ。
今回は失敗だったけどあの怪人を参考に新しいベルトを作る事が出来るかも…」
荘吉「さっきから何をブツブツ言ってるんだ文音?」
光太郎に礼を述べる冴子と若菜。
一方、クモサイ合成怪人の姿を見て何やらブツブツと呟く文音。
ちなみにだが今回出てきた合成怪人、
文音は後年、あの合成怪人を参考にダブルドライバーを作り出す事になる。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「今回は助かったぜ光太郎。
今度また風都に遊びに来い。その時はちゃんと案内してやるよ。」
光太郎「ハハ、ありがとうございます。
荘吉さんが仮面ライダーになってゴルゴムも風都から手を引いた。
これでまた街に平和が戻ったんですね。」
文音「いいえ、むしろこれからが始まりよ。」
光太郎「それはどういう事ですか?」
文音「私たち夫婦が星降谷で発見したエクストリームの泉…
あの場所を狙うのはゴルゴム以外にもいるはずよ。
これから第二、第三の脅威がこの街に押し寄せるのは間違いないわ!」
文音は危惧していた。
あの泉がある限り、風都がさらなる脅威に晒される事を…
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「それにベルトも…あの後すぐにぶっ壊れてな。もう使えないんだ。」
文音「まだ試作品の段階だったから…
完全な状態にするにはまだまだ時間が掛かりそうだわ。」
光太郎「それではこの街は…」
荘吉「安心しろ、あんな力がなくても俺はこの街を守ってみせる。
だが生憎と俺はお前さんみたくヒーローというような柄じゃない。
俺は探偵、鳴海荘吉だ。
探偵としてこの街の人々を守っていくさ!」
光太郎「壮吉さん…
わかりました、けど何かあったらいつでも僕を呼んでください。
その時は絶対に駆けつけてみせます!」
荘吉「あぁ、もしもその時…俺がいなくても…
俺の意思を受け継いでこの街を守るヤツが必ず現れる。」
光太郎「壮吉さん…?」
この時、鳴海荘吉はクモサイ合成怪人の予言を思い出していた。
20年後、自分は必ず死ぬ…
次に光太郎がこの街を訪れる時、自分は既に死んでいるのかもしれないと予期していた。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「なんでもない。
それよりもそろそろ行ったほうがいい。お前にはゴルゴムとの戦いが待っているんだろ?」
光太郎「ハイ、僕もゴルゴムとの戦いに必ず勝ってみせます!だから壮吉さんも…」
荘吉「あぁ、お互い生きてまた会おう!」
光太郎「それじゃみんな、さようなら!」
((ブォォォォッ!))
冴子「バイバ~イ!」
若菜「ばぁっ!」
バイクに乗って風都を去りゆく光太郎を見送る一同。
生きてまた再会を約束する光太郎と荘吉。
だが…
その約束が果たされる事はなかった…
(ナレーション:政宗一成)
<2008年>
~鳴海探偵事務所~
シュラウド「お願い荘吉…
あの子を…私の息子の来人をミュージアムから救い出してあげて…」
荘吉「文音…だがお前の息子は確か姉である冴子が管理しているはずじゃ…?」
シュラウド「あれから冴子は変わってしまったわ。
最早純粋だった幼い頃の面影なんて一切残っていない…
弟である来人を道具のように扱っているだけよ!
若菜に至っては来人の事すら忘れてしまっているわ!?」
2008年、12月某日。
その日、シュラウドこと園咲文音は鳴海探偵事務所を訪れていた。
その理由は自分の息子である園咲来人こと後のフィリップの救出にあった。
そんなシュラウドからの依頼に荘吉は少々強ばった顔をしながらこう呟いた。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「あれから20年、どうやらこれが俺の最後の事件になりそうだな。」
シュラウド「どういう事…?」
荘吉「なんでもない、それよりもその依頼を引き受けよう。」
シュラウドが去った後、荘吉は一通の手紙を書き始めた。
それは南光太郎へ送る手紙。
内容はこうだ。
『あるやばい仕事を引き受けた。
もしも1ヶ月経って返事がなければ…
その時は風都に来てくれ。この街をしばらく見守ってくれ…』
…と記されてあった。
(ナレーション:政宗一成)
荘吉「これでいい、さて後は…おい、翔太郎いるか?」
翔太郎「ウッス、どうしたんすかおやっさん?」
荘吉「この手紙をポストに入れてきてくれ。
それが済んだらすぐに出かける準備をしろ、仕事だ!」
翔太郎「仕事…?ひょっとしてハードボイルドな依頼か!わくわくするぜ!!」
荘吉「遠足に行くわけじゃないんだ、気を抜くんじゃないぞ…」
手紙をポストに入れに行く翔太郎を見届ける荘吉。
恐らくあの手紙が光太郎に読まれる頃、自分はもうこの世にはいないだろう。
だが自分の意思を受け継ぐ若者なら既にここにいる。
あとは少し鍛えてやればいい。
そして鍛えるためにもこの若者を南光太郎に預ける。
そんな想いが手紙には込められていた…
(ナレーション:政宗一成)
<2009年>
翔太郎「うぅ…ヒック…グスッ…やっぱおやっさんはカッコいい…ハードボイルドだぜ!」
フィリップ「翔太郎…さっきから鼻水垂らして号泣するの汚いからやめなよ…」
光太郎「アハハ…」
そして回想は終わり現在。
既にこの世に鳴海荘吉はいない。
だが、彼が遺した若者たちは確かにそこにいた!
(ナレーション:政宗一成)
光太郎(あれから21年、壮吉さんは自分が死ぬ事を予期していたんだ。
だからこそあの手紙を俺に送って翔太郎を鍛えるように仕向けたんだろう。)
光太郎(それにフィリップ。
彼もまた荘吉さんが最後に託した希望、それに文音さんの息子だ。
この街を守っていくのは俺じゃない。翔太郎とフィリップ、この二人なんだ!
俺は彼らの成長を見届ける、今は亡き荘吉さんに代わってな!)
翔太郎「あん?光太郎さん、何か言ったか?」
光太郎「いや、なんでもない。それよりも特訓で腹が減っただろう!
今日は俺の奢りだ、風麺でも食べに行くか!」
フィリップ「また風麺かい?
正直ラーメンばかり食べていると身体に悪いのでは…」
翔太郎「バカヤロウ!風麺は栄養満点なんだよ!文句言ってると昼飯抜きだぞ!」
鳴海荘吉の意思を継いだ左翔太郎とフィリップ。
光太郎は思った。
彼らはいつの日か仮面ライダーWとなり必ずやこの風都を立派に守ってみせるだろう!
あの日、自分と一緒に戦ったハードボイルドな男、仮面ライダースカルのように…
(ナレーション:政宗一成)
~終わり~
【エピローグ】
フィリップ「…」
フィリップ「おかしい、さっきの話…何か大事な事が抜けている気がする。」
フィリップ「もしもその大事な何かが抜けているのだとすればそれは…」
フィリップ「キーワード、『エピローグ』。」
星の本棚に入りキーワードを入力するフィリップ。
するとどうだろうか。
そこには『エピローグ』と書かれた一冊の本が現れた。
その本を開けてみようとするのだが…
(ナレーション:政宗一成)
光太郎「どうしたんだフィリップ?」
翔太郎「もたもたしていると置いていっちまうぞ!」
フィリップ「すまない、すぐに行くよ!」
光太郎たちに呼ばれすぐに本を閉じてしまった。
さて、このエピローグの本には一体何が書かれているのだろうか?
それをこれから紐解いていこう…
(ナレーション:政宗一成)
<1988年>
~星降谷~
ふうとくん「もう誰もいなくなったみたいだね。」
ふうとくん「まったく、よくもこれだけ散らかしてくれたよ。
ここは貴重な遺跡だというのにゴルゴムの連中はそれが全くわかっていないんだね。」
ふうとくん「さてと…」
物語の舞台は再び1988年に戻る。
星降谷に現れたこの街のマスコットキャラクターであるふうとくん。
何故ふうとくんがここに…?
(ナレーション:政宗一成)
((ガバッ!))
琉兵衛「ふぅ、まさか誰も予想していなかっただろう。
この私がふうとくんの着ぐるみを着てその正体を隠していたとはね…」
琉兵衛「まったくゴルゴムめ…
よくもこの遺跡…私の『ミュージアム』を荒らしてくれたが…
幸いにも泉は無事か。さて、始めるとするか。」
なんとふうとくんの着ぐるみに入っていたのは…
園咲家の当主であり文音の夫でもある園咲琉兵衛であった!?
そして琉兵衛は先ほどゴルゴムが合成怪人を作る際に使用した泉の前に立った。
(ナレーション:政宗一成)
琉兵衛「エクストリームの泉、やはり無限の力を感じるぞ。
ゴルゴムはこの泉の力を利用して世界征服を企んでいたらしい。」
琉兵衛「私の野望とはかけ離れていたが…
だがおかげで我が娘である若菜がエクストリームの光を浴びた。」
琉兵衛「恐らくあの光を浴びた若菜は…
将来はこの泉の…エクストリームの力に適合できたはずだ!
これこそが我ら園咲家が地球に選ばれた家族だという証!
これで我が野望であるガイアインパクトの準備は整えた。
さて、あとはだ…」
今回の事件を全て把握していた琉兵衛。
そして彼は完成したばかりのガイアドライバーを装着し、
何も刻まれていない金色のガイアメモリを持ち出した。
(ナレーション:政宗一成)
琉兵衛「それにしてもゴルゴムめ。
私はまだ一人前の力を持っていないとは、随分と生意気な事を言ってくれるな。」
琉兵衛「ならば今こそ、一人前になってみせようじゃないか!」
琉兵衛「どうやら男には、突然何の前触れもなく一人前になるきっかけが起こるようだ。
その時、立ち上がる事ができるかできないのか…
私は立ち上がってみせるぞ!!」
((バッ!))
泉に未完成のガイアメモリを投下する琉兵衛。
するとどうだろうか!
泉から緑色の光を浴びたガイアメモリが出てきた!
そのガイアメモリには『T』の文字が刻まれていた。
(ナレーション:政宗一成)
((TERROR!))
テラードーパント「オォッ!この姿、これこそ人間を超越した存在!
ゴルゴムのような人間を改造手術する古びた方法とは全く異なる進化!」
テラードーパント「我が名はテラードーパント!
いずれドーパントを束ねる組織、ミュージアムを結成しこの街を恐怖で支配する存在!」
テラードーパント「フハハハハハハハ!!」
テラードーパントの姿と化した園咲琉兵衛!
これより数年後、ミュージアムは本格的に活動を開始!
手始めに妻である園咲文音を用済みとして切り捨てた。
その後、娘である冴子と若菜とそれに飼い猫のミックにガイアメモリを託して、
ミュージアムの幹部とした。
これこそが後に風都に君臨する恐怖の帝王、誕生の瞬間であった。
(ナレーション:政宗一成)
【番外編】南光太郎vs仮面ライダースカル 【完】
これでこのssは完結です。
一応本編との矛盾をできる限りなくして構成した物語ですが…
まあ所詮はssですので色々と矛盾があると思いますがそれは勘弁してください。
こちらの話はあくまで番外編です、本編は既に前スレで完結していますので…
ちなみに今回の過去編の園咲姉妹の年齢ですが
冴子:9歳、若菜:0歳になっております。
これは公式サイトの年齢設定(本編開始時の2009年)を逆算して設定しました。
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