千早「本当は今日も仕事を入れてもらう筈だったのだけど」

春香「ふーん」

千早「プロデューサーがどうしてもダメだって」

春香「そうなんだ」

千早「困ったものね、まったく」



春香「でも、千早ちゃんの手帳に今日の日付がハートマークで囲んであるの見たって」

千早「…………」

春香「チラッと見えちゃったって」

千早「…………き」

春香「給料日だもんね」

千早「ええ」

春香「頑なだなぁ」

千早「久しぶりのオフだから、家でゆっくりしようと思ったのだけど」

春香「へ～」

千早「なんと昨日事務所に忘れ物をしてしまって」

春香「うっかりさんだね」

千早「気が緩んでる証拠ね……」

春香「昨日は現場から直帰だから事務所には寄ってないのにね」



千早「…………給料日」

春香「その言い訳は無理があると思うな」

千早「でも、サプライズなんてびっくりしたわ」

春香「すごく驚いてたもんね」

千早「ええ」

春香「私たちも頑張って準備した甲斐があったよ」

千早「ふふっ、ありがとう」



春香「でも、昨日の収録の合間にリアクションの練習してたね」

千早「…………」

千早「ドッキリ番組のオファーが来た時に」

春香「でも、千早ちゃんドッキリ番組は嫌だ～っていつも言ってるよね」

千早「急にやりたくなったのよ」

春香「じゃあ、プロデューサーさんに言っておくね」

千早「やめて！」

千早「こんなにたくさんプレゼントまで貰って」ほくほく

春香「ふふっ、嬉しそうだね」

千早「持って帰るだけでも大変そうね」


春香「あ、千早ちゃん」

千早「？」

春香「今日はいつものと違うカバンだね」

千早「ええ」

春香「いつものよりも大きいね」

千早「ええ」

春香「ちょうど皆からのプレゼント入りきるね」

千早「まあ、偶然ね」

春香「そうだねぇ」

<はるるーん！千早お姉ちゃーん！


春香「あ、真美が呼んでる」

千早「そうね」

春香「いつまでもパーティの主役を独り占めしてたらみんな困っちゃうからね」

千早「そんな、大袈裟ね……」ごそごそ

春香「そうだね」

千早「でも……ふふっ、仕方ないわね」すちゃ


春香「ねえ、千早ちゃん」

千早「なに？」

春香「王冠と本日の主役タスキ、似合ってるよ」

千早「…………」

春香「今日のために買ったんだ」

千早「福引きで当たったのよ」

春香「そっかぁ」

千早「もうちょっと、みんなに付き合ってあげないとね」

春香「賑やかなの、ちょっと苦手？」

千早「まだ慣れないわね」

春香「そっか」


千早「……そろそろ行こうかしら」

春香「あ、千早ちゃん」

千早「どうしたの？」

春香「千早ちゃんって、スキップあまり上手じゃないね」

千早「…………」





千早「来年までに上達しておくわ」

春香「うん、頑張ってね」


おわり