エフラム「エイリークの夫を決めるだと?」 (40)

ゼト「はい、明日朝九時に『ナンバーワンハズバンドグランプリ』が開催されます」

エフラム「そんな大会を俺の許可なく開催しようとする輩は何処のどいつだ」

ゼト「私です」

エフラム「ゼト……お前まさか」

ゼト「エフラム様……そろそろ認めてくれないでしょうか、エイリーク様に相応しいのはこの私だと言うことを」

エフラム「勘違いするなゼト……お前ごときがエイリークに相応しい筈がない」

エフラム「エイリークと結婚するのは……この俺だ!」

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ゼト「エフラム様……自分の立場を分かった上での発言ですか?」

エフラム「兄妹だからなんだ、近親婚は合法だろう?」

ゼト「異界と比べてはいけません、それに……」

エフラム「……どうした、後ろを指差して」

ミルラ「……お兄ちゃん」

エフラム「!!」

ミルラ「お兄ちゃんは……私ではなくお姉ちゃんを選ぶんですか?」

エフラム「ち、違うんだミルラ! お前も大切な家族だ! だが……」

ミルラ「言い訳なんて……聞きたくありません!」ダッ

エフラム「ま、待てミルラ! ……くっ、これだからブラコンは困る」

ゼト「シスコンも大概です」

ゼト「因みにこの大会、ヒーニアス王子も参加する様です」

エフラム「何!?」









フレリア城・ヒーニアスの部屋

ヒーニアス(遂に明日、エイリークの夫を決める大会が開催される)

ヒーニアス(厄介なのはエフラムだ……あいつが黙ってる筈がない)

ヒーニアス(兄という立場上、参加という形はないだろうが、最後の試練として立ちはだかってくる可能性は充分にあり得る……心してかからなければ)

ヒーニアス(……だが、やつを負かした暁には私とエイリークは……)

ヒーニアス「……フフフフフフフ」

クーガー「……姫、ヒーニアス王子が不敵な笑みを浮かべているが、ほっといていいのか?」

ターナ「いつもの事だから気にしなくていいわよ」

クーガー(この二人は本当に兄弟なのか?)

開催日当日

ルネス城・エイリークの部屋

コンコン

エイリーク「はい」

ガチャ

エフラム「エイリーク、ちょっと外まで来てもらえないか?」

エイリーク「外? 兄上、何かあったのですか?」

エフラム「ああ、今から俺とお前の人生を大きく左右する大事な用事がある」

エイリーク「だ、大事な用事?」

エフラム「一緒に来てくれるか?」

エイリーク「は、はい……」

ルネス城前

ゼト「おはようございます、エイリーク様」

エイリーク「ゼトまで……一体何があるんですか?」

エフラム「まぁ待ってくれ、説明するのは役者が揃ってからだ」

エイリーク「まだ誰か来るのですか?」

ゼト「はい、ヒーニアス王子です」

エイリーク「ヒーニアス王子も……?」

エフラム「ああ……ゼト、時間は?」

ゼト「もうすぐ九時です、しかし来る気配がありませんね」

エフラム「さては俺やゼトに勝てまいと自ら退いたか……」
















フレリア城

ヒーニアス(……寝坊した)

ヒーニアス(くそ! エイリークを数えながら寝ようとしたら余計に眠れなかった!)

ヒーニアス(どうする……時間はもうない……)

ヒーニアス(……いや、まだ間に合う!)






ターナの部屋

チュン……チュン……

クーガー「……姫、昨日の夜は下手で済まなかった」

ターナ「謝る事なんてないわよ、最初から上手い人なんていないんだから。それに……」

クーガー「それに……?」

ターナ「あなたとしただけで私は嬉しいの……」

クーガー「姫……///」

ターナ「クーガー……///」

クーガー「……しかし俺たち、裸のままでいいのか? もしもヒーニアス王子が入ってきたら……」

ターナ「平気よ、お兄様はいつもこの時間は寝てるもの」

ガチャ

ヒーニアス「ターナ! お前のアキオスに乗せてくれ! 今すぐルネスに行かなければならな…… 」

ターナ「」

クーガー「」

ヒーニアス「……お邪魔した!」バタンッ!

ルネス、フレリア間上空・アキオスの上

ヒーニアス「」

クーガー(顔が原型を留めてない……)

ターナ「これから私の部屋に入る時は必ずノックして私の許可を得ること! 復唱して!」

ヒーニアス「こ……これからあなたの部屋に入る時は……か、必ずノックして入ります……」

ターナ「『私の許可を得ること』が抜けてる! もう一回!」

ヒーニアス「こ、これからは……」

クーガー(恐ろしいな……)

※このssでのルネスとフレリアは隣町的な感覚でお願いします

ルネス城前

ゼト「あ、あれは……エフラム様! あの天馬は!」

エフラム「来たか……」

エイリーク「ヒーニアス王子……それにターナとクーガーも……」
















ヒーニアス「……何っ!? エフラムも参加するだと!?」

エフラム「血が繋がっていて何が悪い」

ヒーニアス「……これは益々負けられないな」

ターナ「ねぇエイリーク、これから何をするの?」

エイリーク「それが私にも分からないの……」

エフラム「しかしヒーニアス、その顔の大量の傷はどうした?」

ヒーニアス「……気にするな」

エフラム「気にするなという方が無理がある……まぁいい、始めるか」

ゼト「……そうですね」

ヒーニアス「ああ」

クーガー「一体何を……?」

ゼト「これよりエイリーク様に相応しい夫を決める『ナンバーワンハズバンドグランプリ』を開催します!」

エフラム・ヒーニアス「「おーー!」」

エイリーク・ターナ・クーガー「「「!!?」」」

エイリーク「あ、兄上……仰っていることが分からないのですが……」

エフラム「エイリーク、お前もそろそろ結婚について考えるべきだ」

エイリーク「け、結婚!?」

ゼト「あなたの様な美しい方には今後、沢山の求婚者が押し寄せて来るに違いない……」

ヒーニアス「そういった奴らを増やさない様にする為、そして子孫を残す為……この大会には大きな意味がある」

クーガー「そもそも付き合う段階を飛ばしてどうするんだ……」

ターナ「突っ込むのはそこじゃないでしょ!? 大体エイリークの意見も聞かないでそんな大会やろうなんて許されないわ! ねぇエイリーク!」

エイリーク「……確かに結婚なんて考えてもいなかったわ……だけど」

ターナ「だ、『だけど』?」

エイリーク「私の未婚が原因で争いが生まれるのなら……私は結婚する」

ターナ「ええっ!?」

エフラム「よくぞ言ったエイリーク!」

ゼト「それでこそ我が妻!」

ヒーニアス「ゼト! 寝言は寝て言え! 私の妻だ!」

クーガー(あんたのでもないだろ)

ターナ「エ、エイリーク、無理しなくてもいいのよ?」

エイリーク「無理なんてしてないわ……私の意志よ」

ターナ「エイリーク……」

エフラム「よし! ではこれより……」







「待てっ!」

エフラム「誰だ!?」

「ククク……エイリークがいるところに私あり、私がいるところにエイリークあり……」

「エイリークがいるところは……例え火の中水の中、何処でも駆けつける! そして喰らい尽くす!」








ヴァルター「人呼んで『下半身に二つの月長石を持つ男』! ヴァルター様参上!」

ヒーニアス「……これは厄介な奴が来たな」

クーガー(奴は何故あの異名を何の躊躇もなく言えるんだ……?)

ヴァルター「ククク……久しぶりだな、エイリーク?」

エイリーク「ヴァルター……」

ヴァルター「さて……この大会、私も参加させてもらうぞ?」

エフラム「悪いがヴァルター、お前は参加条件を満たしてない」

ヴァルター「参加条件? 何を言う、エイリークを愛していればいいのではないのか?」

エフラム「違うな……お前には俺達三人が持っているものを持っていない」

ヴァルター「なんだそれは? 言ってみろ」

エフラム「お前には……支援会話がない!」

ヴァルター「何だと!?」

ヴァルター「ば、馬鹿な……支援会話がないということは即ちエイリークを愛していない……私はエイリークと結婚する資格などないのか……?」

ゼト「そういうことだ、分かったら大人しく帰ってくれ」

エイリーク「ま……待ってください!」

ヒーニアス「どうしたエイリーク」

エイリーク「ヴァルターも……参加させてくれないでしょうか?」

ゼト「な……!?」

エフラム「正気かエイリーク!?」

エイリーク「私が望んでいるのは平和な世界なんです……ですからこの様な差別は……あってはいけないと思うんです」

エフラム・ゼト・ヒーニアス・ヴァルター「「「「!!!!」」」」

エフラム「ああ、エイリーク……なんて優しい心の持ち主なんだ……///」

ゼト「私達はあなたのそういう所に惹かれてしまうのです……///」

ヒーニアス「罪な女よ……///」

ヴァルター「今すぐにでも喰らい尽くしたい……///」

ターナ「変態集団ね」

クーガー(こいつらは何故、姫の魅力に気づかないんだ?)

エフラム「そういえばゼト、大会といってもどうやって決めるんだ?」

ゼト「そういえば言ってませんでしたね……大会は予選と決勝があります」

ヴァルター「ほう……?」

ゼト「予選はエイリーク様に関するクイズを出題します。一問でも間違えれば決勝に進出することはできません」

ヒーニアス「成る程な……決勝もクイズか?」

ゼト「いえ、決勝に残った人達でエイリーク様に対して愛の告白をします。 それを踏まえてエイリーク様は結婚したい相手を一人選ぶのです」

ヒーニアス「……待ってくれゼト、クイズは誰が作ったんだ?」

ゼト「私です」

エフラム「なんだと!? それじゃあお前が圧倒的に有利じゃないか! 」

ゼト「……エフラム様」

エフラム「……なんだ?」

ゼト「エイリーク様を愛するなら全てを知って当然でしょう?」

エフラム「!!! そうだ……うっかりしていた……さぁクイズを始めようじゃないか!」

ヒーニアス「そうだな」

ヴァルター「私はエイリークの全てを知っている……どんな問題でも来い!」

ターナ「……エイリーク、引き返すなら今の内よ」

エイリーク「大丈夫よターナ、もし何かあった時には秘策があるわ」

ターナ「秘策……?」

クーガー(……俺も姫に関するクイズなら全問正解できる自信がある)

ゼト「さて……私が台本を読む訳にもいかないからな、後は任せた」

ユアン「いいよー!」

ヒーニアス「お前はサレフの所の……」

ユアン「これが終わったら約束通りくれるよね!?」

ゼト「例の写真か? 勿論だ」

エフラム「写真!? まさかエイリークを盗撮したんじゃないだろうな!!?」

ユアン「早くお師匠様の裸見たーい!」

エフラム「そうだ……こいつはそっち系だった」

ユアン「じゃあ第1問ね!」

エフラム「ああ」

ゼト「なんでもこい」

ヒーニアス「クイズを考えた張本人が戯言を……」

ヴァルター「ククク……」

ユアン「エイリーク様の……」

エフラム「エイリークの……なんだ?」

ユアン「スリーサイズはなんでしょう!」

エイリーク「え……ええっ!?///」

エフラム「スリーサイズか……」スラスラ

ヴァルター「ククク……」スラスラ

ヒーニアス「こんなのは序の口だな」スラスラ

ゼト「やはりみんな知っていて当然か……」スラスラ

ターナ「知っていて当然じゃないわよ! なんで全員スラスラ書けてるの!?」

エイリーク「わ、私……誰にも教えたことないのに……」

ターナ「変態の域を超えてるわ!」

クーガー(俺も姫のスリーサイズは知ってるけどな)

ヒーニアス「……」

エイリーク「あ、あの……ヒーニアス王子……」

ヒーニアス「なんだエイリーク」

エイリーク「王子が手にしてるのはペンではなく矢だと思うんですけど……」

ヒーニアス「おっと! 私としたことが……うっかりうっかり」

ヒーニアス「……」チラッ

エイリーク「ど、どうしたんですか?」

ヒーニアス「……いや、なんでもない」

ヒーニアス(何故だ……? 普段は何でもできる男がこういうミスをすることで女性は萌えると聞いたが……エイリークの様子は何も変わってない)

ゼト「ヒーニアス王子、まだ書いてないのですか?」

ヒーニアス「う、うるさい! これから書く」

エフラム「後はお前待ちだ、なぁヴァルター」

ヴァルター「……」

エフラム「……言うまでもないということか」

ヴァルター(覚えてない……)

ヴァルター(思い出せ……確かエイリークはある二次元の女の子と同じスリーサイズの筈だ……)

ヴァルター(だがそのスリーサイズが思い出せん……キャラの名前は覚えているのに!!)

ヴァルター(……かくなる上は!!)










ユアン「みんな書けたね! じゃあ回答オープン!」

エフラム『B81 W56 H81』

ゼト『B81 W56 H81』

ヒーニアス『ばすと81 うえすと56 ひっぷ81』

ヴァルター『萩原雪歩と同じ』

ユアン「四人とも正解!」

エフラム・ゼト・ヒーニアス「「「いやいやいやいや」」」

エフラム「待てユアン! どうしてヴァルターも正解なんだ!!」

ユアン「だってその人と同じサイズだもん、答え言っているのに変わりないでしょ?」

ヴァルター「よく分かってるじゃないかガキ」

ゼト「ユアン! 写真がどうなってもいいのか!?」

ユアン「いいよー! お師匠様に直接頼めばいいしね!」

ゼト「強がりを……」

ヒーニアス(誰も私の可愛らしい丸文字には触れてくれないのか……)

ターナ「所でエイリーク、このスリーサイズは本当なの?」

エイリーク「うん……///」

ターナ「四人はどうやって知ったのかしら……」

クーガー(姫の方が巨乳だな)

ユアン「じゃあ張り切って第2問!」

エフラム「なんでも来い!」

ユアン「ずばり……エイリーク様は……」

ヴァルター「……好物か? だったら」

ユアン「今日はどんなパンツを穿いているでしょう!?」

ユアンとゼト以外「!!!!?」

エイリーク「わ、私のパンツ?///」

ターナ「ちょっと待ってゼト! この問題を出すってことはあなたはエイリークがどんなパンツを穿いているか知っているの!?」

ゼト「勿論です。 今朝エイリーク様がパジャマを脱いでいる時ドアの隙間からこっそりと……」

ヴァルター「この外道が……」

ヒーニアス「どの口が言うんだ」

エフラム「エイリーク、こんな最低の奴とは結婚する必要はないぞ」

エイリーク「……待ってください兄上、確かに勝手に覗いたのは許せません、ですが……」

エフラム「……なんだ?」

エイリーク「男である以上、覗きたい気持ちは分かるのです、男はそういう生き物ですから……」

ヒーニアス「エイリーク……ゼトを許すのか?」

エイリーク「はい……それに兄上に『男は覗く生き物だから多少の事は目を瞑れ』って教えられましたし」

ヴァルター「おいエフラム」

エフラム「そ、そんな事を言っていたのか俺は……」

クーガー(そういえば昨日の姫のパンツの柄は花柄だったな)

ユアン「もうすぐ時間だよ! 早く書いて!」

エフラム(くっ……! 確かエイリークが所持しているパンツは5種類だったな……五分の一だな)スラスラ

ヒーニアス(いや、これは引っ掛けかもしれん……ということは)スラスラ

ヴァルター(ヴァルタースコープ発動! ……ククク、エイリークのスカートが透けて見え……たらいいなぁ……)スラスラ









ユアン「はい、じゃあ一斉にオープン!」

エフラム『いちごパンツ』

ゼト『柄なしの白』

ヒーニアス『ノーパン』

ヴァルター『縞パン』

ユアン「正解は……そうだ!」ニヤッ

エフラム「どうしたユアン」

ユアン「ねぇ、エイリーク様、お兄さん達に直接パンツ見せたら?」

エイリーク「ええっ!?///」

エフラム「この変態クソホモガキ! エイリークになんてことをさせようとするんだ!」

ゼト「いや、ここは変態ホモクソガキの方がよろしいかと」

ヒーニアス「クソ変態ホモガキはどうだ?」

ヴァルター「土方でいいだろ」

ターナ「なんでもいいわよ! それよりユアン、そんなことはやめて!」

ユアン「えー……面白いと思ったのに……」

エフラム「面白い訳ないだろ」

ターナ「そうよ……いくら変態でもそれぐらいは分かるみたいね」

エフラム「俺がパンツを見てやろう」

ターナ「!?」

ゼト「いや、ここは私が」

ヒーニアス「私だろ」

ヴァルター「私以外にない」

ターナ「誰も見なくていいわよ! 私が見るから! それでいいでしょエイリーク!?」

エイリーク「ええ……ターナだったら」

ターナ「じゃあちょっと見るわね……」

ヒーニアス「どうだターナ、ノーパンならエイリークのレイピアが見えるだろ?」

ヴァルター「比喩下手くそだなお前」

エフラム「それじゃあ男になるだろ」

ゼト「……ターナ姫、パンツは?」

ターナ「……柄なしの真っ白よ」

ゼト「よし! 私の一人勝ちだ!」

エイリーク「うう……///」

エフラム「くそ……! 俺はエイリークの全てを理解していなかったのか……兄として失格だ……!」

ヒーニアス「私の人生もここまでか……」

ヴァルター「ぐ……がああ……っ!」

エフラム「死ぬなヴァルター!」

ゼト「さて……エイリーク様、これで残ったのは私だけです。 どうか私と……」

エイリーク「……待ってください、ゼト」

ゼト「?」

エイリーク「この問題はゼトにしか答えられません、それでは不公平ではありませんか?」

ゼト「エイリーク様……」

エイリーク「ですから全員を決勝に進出させてくれませんか?」

ゼト「……申し訳ありません、私としたことが……エイリーク様を悲しませてしまうとは……」

エイリーク「いいですよね?」

ゼト「はい……」

エフラム「……ありがとう、エイリーク」

エイリーク「いえ、みんな平等でないといけませんから」

ターナ(ゼトも失格にして大会終了にすれば良かったんじゃないかしら)

ユアン「じゃあもうクイズは終わり!?」

ゼト「ああ、約束通りこれをあげよう」

ユアン「わーい! ……凄い、お師匠様モジャモジャだぁ///」

ユアン「じゃあ僕は帰るね! バイバーイ!」

ゼト「ああ」

ゼト「さて、決勝の愛の告白ですが……順番をくじ引きで決めましょう」

ヒーニアス「ああ」










エフラム「4だ」

ゼト「私は1ですね」

ヒーニアス「2か」

ヴァルター「3か……いいだろう」

ゼト「さて……エイリーク様、告白される準備はできていますか?」

エイリーク「……はい」

ゼト「エイリーク様……私は今でもルネス陥落の時にエイリーク様を腕の中に抱き、馬を走らせている時を思い出します」

ゼト「その時私は叙勲を受けてから初めて、騎士であることを忘れました」

ゼト「ルネス王国ではなく、ただあなたを守りたいと……何もかも捨て、このままどこかへ二人で逃げてしまいたいと……そう思いました……」

ゼト「この思い……受け取って貰えないでしょうか?」

エイリーク「ゼト……」

エフラム(見損なったぞゼト、お前のことだから多少は捻ると思ったが……まさかそのまま引用とはな)

ヒーニアス「次は私か……エイリーク」

エイリーク「はい……」

ヒーニアス「私は君を愛している……この思いをこの矢に込めて……」

ヒーニアス「……受け取れ!」パシュン!

エイリーク「……すいません」ヒョイ

MISS!

ヒーニアス「何!?」

ターナ「結果言う前から断られたわね、お兄様」

エフラム(流石だなエイリーク、俺の知らない内にコーマに匹敵する回避率にまで成長しているとは……)

ヴァルター「私か……エイリーク、今まで迷惑をかけてすまなかった……」

エイリーク「いえ……そんなことは」

ヴァルター「お前に会う度に喰らい尽くす喰らい尽くすばかり言ってしまって……さぞかし嫌な思いをしただろう」

ヴァルター「これからはその……喰らい尽くすのではなく……」

ヴァルター「……しゃぶってもらえないだろうか?///」

エイリーク「……どういうことですか?」

ヴァルター「いや……なんでもない」

エフラム(最低の下ネタだな)

エフラム「いよいよ俺か……」

エイリーク「兄上……」

エフラム「エイリーク……俺とお前は小さい時からずっと一緒だったよな?」

エイリーク「はい……」

エフラム「俺はこれからもずっと一緒にいたい、しかしお前が俺以外の男と結婚すればそれは叶わない願いとなってしまう……」

エフラム「確かにゼトもヒーニアスもヴァルターも魅力的な男だ……俺以上に」

エフラム(まぁ、そんなことは微塵にも思ってないが)

ヒーニアス(ここでほかの男を褒めていい人アピールをしようという算段だろ、バレバレだ)

エフラム「だがこれだけは言える……俺は誰よりもお前を愛している!」

エフラム「兄妹だからなんだ! 結婚がだめならユグドラル大陸に行けばいいじゃないか!」

エフラム「エイリーク……俺はお前なしじゃ生きていけないんだ!」

エイリーク「兄上……」

ゼト「さて……全員の告白が終わりましたね」

ゼト「エイリーク様、今の告白を踏まえて結婚する相手をお選びください。 そしてその人に抱きついてください」

エイリーク「はい……」

エフラム(俺だ……)

ヴァルター(私だな)

ヒーニアス(いや、あの矢は痛いから躱しただけなんだ……私に違いない!)

ゼト(もう少し捻れば良かったか……?)

エイリーク「……」

エイリーク(どうしよう……やっぱり選べない……やっばりここは秘策を……)

エイリーク「わ……私が好きなのは!」

エフラム「好きなのは……」

ヒーニアス「誰だ?」

ヴァルター「わ、私だろ?」

ゼト「エイリーク様……」

ギュッ





















ターナ「……へっ?」

エイリーク「……ターナです」

エフラム・ゼト・ヒーニアス・ヴァルター・クーガー「「「「「!!!!?」」」」」

ターナ「ちょ、ちょっと待ってエイリーク!これってどういう……」

エイリーク「こ、これが私の言ってた秘策なの」ボソボソ

ターナ「あ、成る程……」ボソボソ

エイリーク「すいません皆さん……私はレズビアンなんです……ですから皆さんを愛せません」

エフラム・ゼト・ヒーニアス・ヴァルター「」

クーガー「あ……あぁ……姫……」

ターナ「ク、クーガー。 ちょっと来て」ボソボソ

クーガー「……?」

ターナ「これ嘘だから、心配しないで」ボソボソ

クーガー「……本当か?」ボソボソ

ターナ「ええ、その場しのぎよ」ボソボソ

クーガー「……そうか」ホッ

エイリーク「……皆さん、分かってくれましたか?」

エフラム「……ああ」

ゼト「よく分かりました」

ヒーニアス「こうなったら私達に残された選択肢は一つ……」

ヴァルター「それしかないな」

ターナ「やっと諦めてくれたみたいね……」

四人「性転換手術をすればいいんだな!!」

三人「!!!!?」

ゼト「そうと決まれば病院に直行だ」

ヴァルター「アーヴの知り合いに性転換専門病院をやってる医者がいた! 今すぐそいつの所に行くぞ!」

ヒーニアス「流石だなヴァルター! 貴様も役に立つ時が来るとはな!」

エフラム「さぁ行こう! 俺達の希望の為に!」

ヴァルター「行くぞワイバーン!」

ワイバーン「グオオオオオオ!」バッ

エフラム「なんだ、名前付けてないのか」

ゼト「私達の希望を乗せてるからホープという名はどうでしょうか?」

ヒーニアス「ホープ……いい名だ」

ヴァルター「ククク……さぁホープ! もっと速く!」

ホープ「グオオオオオオ!(うぜぇ)」

四人「ハッハッハッハッハッ!」













エイリーク「……行っていましましたね」

クーガー「……二人には悪いんだが……」

ターナ「遠慮しないで言っていいわよ」

クーガー「……馬鹿な兄貴を持つと苦労するな」

ターナ「本当よ……私もエイリークも」

エイリーク「……でも」

ターナ「でも?」

エイリーク「兄上のああいう一途で真っ直ぐな所が……私は好きです///」

ターナ・クーガー「「!?」」

〜終わり〜

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