魔王「なぁ、勇者よ。少し相談があるのだが…」勇者「……?」(115)

魔王「魔界と人間界が和平条約を結んでから10年あまり」

魔王「多少のいざこざはあるものの、まぁそれなりに友好な関係を結べている私たちだ」

勇者「条約を結ぶ前はぎすぎすしてたもんなぁ」

勇者「今じゃ魔族と人間のカップルも見かけるぐらいだし」

勇者「本当にいい世の中になったよ」

魔王「うむ。そこで一つ、催しを開催しようかと思ってな。それの相談に乗ってほしいのだ」

勇者「どんな催しだ?」

魔王「ずばり……メイドheaven」

勇者「…………!?」

魔王「人間界の最大級の都で開こうかと思ってな」

魔王「王からもあらかじめ許可はとってある」

魔王「町中の魔族や人間にメイドの恰好をしてもらう、という感じの簡単な催しなんだが……」

勇者「そ、それって誰でも参加可能だよな!!」

魔王「あ、ああ。別に制限はないぞ」

勇者「いぃぃよっしゃぁぁぁ!!」

魔王「そこまでうれしいか」

勇者「おろ? じゃあ店の人も着るのか?」

魔王「まぁ、そうなるな」

勇者「イィィエエェェッス!!」

魔王(メイドフェチだったのか、こいつ……)

魔王(そういえば以前私が使用人の恰好をしていた時もやけに息を荒げていたような……)

勇者「あ……。男はどうすんの?」

魔王「お前は男がメイド服着てるところを見たいか?」

勇者「男の娘ならありかな!」

魔王「頭腐ってるな、お前」

勇者「で、肝心の相談ってのは?」

魔王「それが……、私はその祭りで店を開かなければならんらしい」

勇者「は?」

魔王「いや、王がな『せっかくですから魔王さんも参加してメイドになっちゃってはどうですかな? ウハハハ!』なんて言うからつい」

勇者「今どこにも強制の要素がなかったことに気付いたぞ、俺」

魔王「まぁそういうわけでその店のことを考えてほしいのだ」

勇者「無難にいくならメイド喫茶とかそこらへんだよな」

魔王「うむ。利益も回収できるし、悪くない」

魔王「だが、私たちと同じ考えの輩は多くいるだろう」

魔王「もしやるならどうやって差をつけるかだが……」

勇者「でもほかにいい案もない気がするぞ」

勇者「普通の店にメイドが立っててもただの売り子としてしか機能しないぞ、それ」

魔王「むむぅ……。ならやはりその路線で行くしかないか……」

勇者(やった! これでウェイトレスのメイドさんゲットだぜ!)

魔王「今よこしまな気配を感じたような」ジトー

勇者「き、気のせいだって!」

勇者「ささ、次進めようぜ!」

魔王「いまいち納得いかん……」

魔王「それでどうやって他と差をつけるかだが……」

勇者「はいはいはいはーい!!!」

魔王「嫌な予感しかしないが…、なんだ勇者?」

勇者「俺さぁ、やっぱこれの成功はメイドの種類にかかってると思うんだよねぇ」

魔王「まぁ、確かに一理あるな」

勇者「そこでだ! 俺は>>9なメイドがいいと思うがいかがか?」

ネコニャン

勇者「俺はねこにゃんなメイドがいいと思うがいかがか?」

魔王「ねこにゃん? つまるところ猫耳猫尻尾ってことか?」

勇者「馬鹿もん! 肉球を忘れるな!」

魔王「…………!?」

魔王「ま、まあともかくその案を候補にしよう」

魔王「となれば猫人族に応援を頼まなければならんな」

勇者「猫耳カチューシャとかでも代用はできると思うぞ」

魔王「ほぅ」

勇者「ほら魔王、丁度いいタイミングで猫耳あるしつけてみなよ」

魔王「なっ! なんで私が……はーなーせー! まだ懸案事項はあるんだよー!」

勇者「まぁまぁそういわずに」

魔王「んにゃーっ!!」

魔王「な、なんで私がこんな目に」ニャーン

勇者「…………」ボタボタ

魔王「お、おい勇者? なにやら鼻血の量が尋常じゃないんだが」

勇者「フッ……、我が人生に一片の悔いなし」バタンキュー

魔王「わわ!? ゆ、勇者! 勇者」

魔王「え、えと、こういう時ってどうするんだっけ?」

魔王「そ、そうだひとまず>>13をしよう」

猫のように顔を舐める

魔王「そ、そうだ! ひとまず顔を舐めてみよう!」

魔王「って何を考えているんだ私はー!?」

魔王「そそそそんなことでこいつが起きるはずが…」

勇者「……猫耳、万歳……」

魔王「…………」

魔王「ちょ、ちょっとだけだぞ! ちょっとだけだからな!」

魔王「……ん…」ペロッ

魔王(なんだろう、これ…)

魔王「…んぅ……、むぅ……」ペロッペロッ

魔王(何か……変…)

魔王(むず痒いというか、もどかしいというか)

魔王「……あふぅ…、んっ……」ペロペロ

魔王(癖に…なりそう)

魔秘書「魔王様、各地の店のデータをもってき……」

魔王「……ゆぅしゃぁ…」

魔王「…………。……!? ま、魔秘書!?」

魔秘書「……すみません、お邪魔でしたか」

魔秘書「出直しますのでごゆるりと」

魔王「にゃーっ!! 違う、違うってばー!」

魔秘書「はぁ、勇者様がお倒れに……」

魔王「ああ、私の今の恰好を見てな」

魔秘書「そうですか。では輸血の準備をしてきますね」

魔王「ああ、頼む」ネコミミピョコピョコ

魔秘書「では失礼します。書類は机に置いておきましたので」

魔王「うむ」

~廊下~

魔秘書(まぁ、勇者様が倒れるのも無理はないわよね)

魔秘書(うちの魔王様はやけにロリっ娘だし、かわいいし、けもみみ最高だし、胸はつつましいし…)

魔秘書(…………)

魔秘書「…襲ったらクビかしら」ハァハァ

勇者「ふぅ、輸血がなければ即死だった」

魔王「しっかりしてくれよ。この件はなるべく早く終わらせたいんだからな」

勇者「ふっふっふ、その後俺とイチャコラですか?」

魔王「…………///!?」カァッ!

勇者(あ、あれ? 冗談のはずだったんだけどな)

魔王「ば、馬鹿///! とっとと終わらせるぞ! さぁ次の案を出せ、勇者!」

勇者「そうだな…、ここは>>22なメイドとかどうだ?」

注意)内容が被った場合には再安価

ドm

勇者「そうだな…、ここはドmなメイドとかどうだ?」

魔王「ド、ドm!? 一気にいかがわしくなったと思うのは私の気のせいか?」

魔王「とは言ってもそれはどんなメイドなんだ?」

魔王「役柄がよく分からないのだが」

勇者「んー、そうだな…。>>25の時に>>27をしちゃうようなメイドかな」



自ら下敷きになっちゃう

トリップつけたお


勇者「んー、そうだな…。俺とかが倒れそうになった時に自分から下敷きになっちゃうようなメイドかな」

魔王「……再現が恐ろしく難しいな」

勇者「実際にやったほうが分かりやすいな」

勇者「魔王、手伝ってくれ」

魔王「ちなみにどっちがどっちだ?」

勇者「どっちがやりたい?」

魔王「……私客やる」

勇者「性別が逆だが、俺がメイドだな」

魔王(メイド役がちょっといいかもとか思ってしまったことは絶対言えない…)

勇者「いらっしゃいませー。おひとり様ですかー?」

魔王「う、うむ」

勇者「では席にご案内しますねー」

魔王「うわー、こんなところにバナナの皮がー(棒)」

勇者「……!? ご主人様!」ダッ!

ドサッ!

魔王「わー、大丈夫かメイドさん(棒)」

勇者「平気です、ご主人様を守れたなら私はそれで満足です」ハァハァ

勇者「たとえ針山だろうと炎の中だろうと、ご主人様の下敷きになるのにためらいはありません!」ハァハァ

魔王「息整えろよ」

勇者「とまぁこんな感じかな」ハァハァ

魔王「客はそんなのでドン引きしないか?」

勇者「大丈夫、sな奴は必ず食いつくから」ハァハァ

魔王「……まぁ考えておこう」

勇者「…………」ハァハァ

魔王「…………」

魔王「えい」パァン!

勇者「あふん!」エクスタシー!

魔王「しかしあれだな、こんな人材がいるのかどうかが甚だしく謎だな」

魔王「どう考えても私の知り合いにはいないような気が…」

勇者「その辺はこっちで用意するから気にすんな」

勇者「それより俺しか意見だしてないじゃないか」

勇者「魔王もなんかないのか?」

魔王「ふむ……。>>34とか>>36とかはどうだ?」

ベジータ

フリーザ

なんというdb……。

魔王「ふむ……。ベジータとかフリーザとかはどうだ?」

勇者「べ、ベジタ? フリーザー? なんだそれ?」

魔王「自分で言っておいてなんだが、私もよく分からん」

魔王「頭にふと浮かんできてな」

勇者「あ、あれじゃないか? 野菜(vegetable)とか冷凍(freeze)とか」

魔王「ああ、なるほど。野菜や氷をテーマにしたメイドというわけか!」

魔王「それなら衣装の改造だけでことたりるし…」

魔王「勇者、お前頭いいな」

勇者「いやぁ、それほどでも」

魔王「よし、これである程度の案はそろったな」

魔王「ええと、とりあえず今までのを整理してみるか」

魔王「今出てる案はこれだな」


・猫人メイド
・ドmメイド
・野菜メイド
・氷結の女王

勇者「最後が違う気がするのはきっと俺の気のせいだよな」

魔秘書「失礼します。そろそろ決まりましたか魔王様?」

魔王「ああ。ひとまずメイドはこれにしようかと思うんだが……」

魔秘書「拝見します」

魔秘書「…………」

魔王「とりあえずこれで進めよう。問題はなさそうだし」

勇者「そうだな。俺も異論はない」

勇者「何かあれば随時追加していけばいいし」

魔王「よし、じゃあ次のステップだが…」

魔秘書「魔王様!!」

魔王「ど、どうした魔秘書。そんなに切羽詰まった顔して」

魔秘書「貴方という人は…見損ないました!」

魔王「えぇ!? な、何かダメなところがあったか?」

魔秘書「大ありです! このリスト……」

魔秘書「ドジっ娘メイドとかメガネっ娘メイドとか、ゴスロリメイドとか入ってないじゃないですか!!」

魔王/勇者((えぇぇっ!? そこぉ!?))

魔秘書「テンプレを蔑にする人はテンプレに泣くって言葉を知らないのですか!?」

勇者「少なくとも俺はそんな言葉を聞いた覚えは…」

魔秘書「シャラップ!!」

魔秘書「こうなったら仕方ありません」

魔秘書「私も話し合いに加わらせてください。あと魔王様ディープキスさせてください!」

魔王「さり気なく何頼んでるんだお前は!?」

魔王「と、いうわけで……」

魔王「まぁ、魔秘書の意見も追加するとして…、次は店の内装だな」

勇者「それ以前に店はあるのか?」

魔秘書「場所なら手配してありますからご安心を」

魔王「まぁそういうわけだ。それで内装のテーマをどうしようかと考えてな」

勇者「テーマ?」

魔王「ほら、天国とか魔法少女系とかいろいろあるからな」

魔王「私的には>>44がいいと思うんだが」


注意)文中に出た天国系、魔法少女系も可

地獄絵図(まんが日本昔話風)


魔王「私的には地獄絵図がいいと思うんだが。それもまんが日本昔話風」

勇者「…………」

魔秘書「魔王様、まんが日本昔話ってなんですか?」

魔王「…………!?」ハッ!

魔王(しまった。これは私の秘蔵の本の話だった!)

魔王(つい口から洩れてしまったが仕方ない。何とかして誤魔化さないと)

魔王「あ…あ、いや、その、つまり絵本みたいなものだ! うん!」

魔秘書「なるほど。つまり店内全体を小悪魔的ファッションをしたデフォルメ人形で埋め尽くせばいいのですね」キュピーン

魔王「え…あー、まぁそうなるのか?」

勇者「まさにファンシー地獄」

魔王(ばれなくてよかったー……)ホッ

魔秘書「じゃあそれっぽくなるように部下に頼んでおきますね」タノムヨ‐

魔王「う、うん」

勇者「後はなんだ? 服装は決まってるからメニューか」

魔王「ああ、それならある程度考えてきてるんだ」

魔王「確かこの辺に……、あったあった。これはどうかな二人とも」


>>48>>50
料理名とどんなものかを具体的に。
被った場合は再安価。

焼豚冷麺

>>49
朝定食じゃねーかwwwww


まじめに答えるならプリンアラモード

勇者「ふむどれどれ?」

魔秘書「…………」ヒョコ


焼豚冷麺
朝定食(納豆、卵、漬物、鮭の塩焼き、海苔、味噌汁)
プリンアラモード


勇者「…………」ウワァ…

魔秘書「…………」エェ…

魔王「どうだ」ドヤァ

勇者「ま、まぁ名前変えとけばたぶん大丈夫だよな」ハハハ…

魔秘書「そ、そうですね! かわいい名前を付ければ違和感もなくなるはずですし」

魔王「む、それも考えてきたぞ」

焼豚冷麺
>>51

朝定食
>>52

プリンアラモード
>>53

安価ミスった

焼豚冷麺
>>53

朝定食
>>54

プリンアラモード
>>55

くたばれ豚野郎

朝からおまえか…

あら奥さん、いつもどうも

焼豚定食→くたばれ豚野郎

朝定食→朝からお前か…

プリンアラモード→あら奥さん、いつもどうも


勇者「…………」アゼン

魔秘書「…………」パチクリ

魔王「それぞれの特徴をとらえた中々いいアイデアだと思うぞ!」

勇者/魔秘書「「却下」」

魔王「にゃにー!?」

勇者「お前さぁ、せっかく地味な料理を派手にしようっていうのに…」

勇者「そりゃ一番上の『くたばれ豚野郎』は一部に需要はあるかもしれないけど…」

魔秘書(くたばれ豚野郎、か……)

魔秘書(普通に考えればとんでもない名前ね)

魔秘書(いや、でも…)

魔秘書(ここに来る客どもを豚に見立ててドsなメイドが豚どもを罵るって意味合いを含んでいるとしたら!?)

魔秘書(いい! これイケるわ!)ハァハァ

魔王「お、おい魔秘書? 具合が悪いのか?」

魔秘書「魔王様! 私を罵ってください!」

魔王「誰か! 誰か担架を!!」

魔秘書さんを僕に下さい

>>59
魔秘書「残念ですけど、私かわいい女の子にしか興味がないですから」キリッ


魔王「いいんだ! これで進めるんだー!」ジタバタ

勇者(あ、魔王のだだっこかわいい)

魔秘書(魔王様のローブからのぞくパンツ…)ハァハァ

魔王「い、異論はみとめんからな!」

魔王「次!」

勇者「接客は…まぁそれぞれに割り振られた役を全うするということで」

勇者(楽しみだなぁ。いろんなメイドさん」グフフ

魔秘書「声漏れてますよ、勇者様」

魔王「勇者は厨房スタッフだぞ」

勇者「なにぃ!?」

魔秘書「ある意味当然の配置ですよね」

勇者「そ、それじゃあ…メイド天国をこの目にすることができないというのか、魔王!」

魔王「お、お前が見たいならいつでもメイド服なんか着てやるさ///!」

勇者「え…?」

魔秘書「(・∀・)ニヤニヤ」マオウサマハァハァ

魔王「と、とにかくこれで案件は片付いた。あとは当日のノリと勢いに任せるだけだな」

勇者「精々盛り上げて他に負けないようにしないとな」

魔秘書「がんばりましょう」ガッツポーズ!

王様「えいえいおー!」

勇者「えいえいおー!」

魔王「えいえ…ってちょっと待て!?」

魔秘書「あら、人間界の王様ではないですか」

王様「やっほー」


王様「いやぁ、どんな店を出すのか気になって偵察しに来た」

勇者「せめて見に来たといいましょうよ、物騒な」

王様「甘いぞ、勇者。祭りとは戦い……、つまり戦争だ」

勇者「…………!?」

王様「そんなことを忘れるとな。長らく戦場を離れて腕が鈍ったか、勇者?」

勇者「フッ、この俺の腕が錆びついているとでも?」

魔王「おい、あれ止めたほうがいいんじゃないのか、後々の展開的に」

魔秘書「面白そうなのでこのまま見ておきましょう」


王様「随分と自信があるな。まさかこの俺の出すメイド店に勝てるとでも?」

勇者「当たり前だ。うちには魔王という優秀な人物がいるからな」

魔王「……//////」カァ

魔秘書「あらあら」

王様「ならば、勝負をしないか、勇者よ?」

勇者「勝負?」

王様「そうだ。ルールは簡単で、売り上げの多い方の勝ち」

王様「勝負に負けたほうは……」

勇者「…………」ゴクリ

王様「1日勝者の言うことを何でもきかなければならない!」

魔王「にゃ、にゃんだとー!?」ガタッ!


魔王「そ、そんなの1店で、しかも急ごしらえの私たちに勝てる見込みなんてないじゃないか!」

勇者「面白い、その話乗った!」

魔王「お前も乗り気になるな!」

魔秘書「安心してください、そこは計算通りです」キリッ

魔王「魔秘書も馬鹿なことやってないで勇者を止めろ!」

王様「その言葉、忘れるなよ勇者」

魔王「おいこら! 私はまだ承諾してな…!」

王様「ではさらばだ!」フハハハハハ!

魔王「逃げるな! まだ話は終わってなーい!」

魔秘書「行っちゃいましたね…」


魔王「…………」ツン

勇者「ごめん! 俺が悪かった! この通りだ!」

魔王「もう勇者なんて知らない。勝手にどっか行けば?」

勇者「ほんとごめんって。謝るよ」

魔秘書「今から行って勝負を取り消してもらったらどうです?」

勇者「うん、それ無理」ニコ

魔王「エターナルフォースブリザード!」ゴッ!

勇者「ぐえっ!?」

魔秘書「まぁ、あの王様が何もせず引き下がるとは思えませんし…、素直に勝負を受けたほうがいいかもしれませんね」

魔王「私は勝負なんか知らん。勇者が勝手に罰ゲームを受けてればいいんだ」


魔秘書(勇者様、勇者さま、聞こえてますか?)

勇者(うん、死にかけだけど聞こえてるよ)

魔秘書(魔王様が完全にいじけてるので何とかしてください)

魔秘書(このままだと店の方にも悪影響を及ぼしかねないので)

勇者(分かった。魔王をなだめてみるよ)

勇者(そうだな、魔王に>>70をやってみよう)

後ろからぎゅっとして頭なでなでして優しく「魔王のかわいくて頑張る姿を見たかっただけなんだよ」と言い魔王のお怒りをうやむやにしてしまい、ちょろい魔王ちゃんちょろかわいいハァハァって心の中で思う


勇者(そうだな、魔王に後ろからぎゅっとして頭なでなでして優しく「魔王のかわいくて頑張る姿を見たかっただけなんだよ」と言い魔王のお怒りをうやむやにしてしまおう)

魔秘書(……魔王様には最高のご褒美ですね)

勇者(ん? 魔秘書さん何か言った?)

魔秘書(いえ、何も)

魔王「勇者の馬鹿、アホ、おたんこなす、変態、ドm」ツーン


勇者(気付かれないように後ろに回り込んで、と)

勇者「魔王……」ギュッ

魔王「にゃっ///!?」ビクッ!

勇者「よーしよしよし」ナデナデ

魔王「にゃ!? にゃ!? にゃにが起こってりゅんだ///!?」ドキドキ

勇者「ごめんね、魔王。君のかわいくて頑張る姿を見たかっただけなんだ」ヨシヨシ

魔王「か、かわ///!?」ドキン!

勇者「でもまさかこんなに怒るなんて…、本当にごめんね魔王」

魔王「にゃー……///」バクバク!

魔王「……つ、次からは気を付けるんだぞ///!」カオマッカ

勇者(ふひひ。ちょろい魔王ちゃんマジちょろかわいい)ハァハァ


魔秘書「となると、王様にかつ秘策が必要になりますね」

勇者「ああ、それならこっちで用意しとくよ」ギュー

勇者「俺がこんな事態を招いちゃったからな。その責任は取らせてくれ」ナデナデ

魔王「じゃあその秘策に期待するぞ、勇者」

勇者「任せとけって」ハムッ

魔王「ひゃっ///!?」

魔王「耳を噛むやつがあるか馬鹿///!」

魔秘書「ああ……、耳を甘噛みされてうれしいけれど突然のことで対応できずについつい強気に出てしまって中々素直になれない魔王様かわいい」ハァハァ

魔王「そこ! 聞こえてるぞ!」

祭り当日


勇者「いぃやっほうぅぅ!! 祭りだ祭りだ!」

魔王「こら勇者! お前は仕事があるんだからとっとと厨房に行け!」

魔王「それから魔秘書! お前は何やってるんだ!」

魔秘書「何をやってるって…かわいい少女たちを視姦しているだけですが」

魔王「なにをさも当たり前のように話しているんだお前は!?」

カランカラン

魔王「ほら、お客が来るからさっさと配置に戻れ!」

魔王「いっらしゃいませ、メイドカフェ『クレイシー・ベル』へようこそ」

『ワー、カワイイネー』『コレカラマイニチメイドカフェニカヨオウゼ?』『ウレシクナルトツイヤッチャウンダ』『コレハ、モエデアッテモ、エロデハナイ』『メイドトタワムレルコトヲシイラレテイルンダ!』

魔王(よし、客の入りは上々。いい風が吹いてる)


魔王(この勢いなら勝負にも勝てるかもしれん…)

魔王(しかしそれにしても…)


『オノミモノハイカガデスカニャ?』『メスブタナメイドデゴメンナサイ、ゴシュジンサマ!』『ポッピポッピポポッピッポー』『ワガコオリノナカデエイエンニネムレ』


魔王(勇者の友人に、あんな奇異なメイドの役をこなせる人物がいるとは…)

魔王(それに…)


『アア、スミマセンゴシュジンサマ‐!』『コノメガネオキニイリナンデスヨネー』『ダカラワタシハロリジャナーイ!』


魔王(魔秘書にもそういう知人がいるとは……、こっちはある程度予測できたけど)

魔王(なんにせよ好都合。勝てる要素はあればあるほどいい)

魔王(これなら勇者の秘策にも期待できるかもしれんな)

カランカラン

魔王「いらっしゃいませ、ご主人様(はぁと」


誰が来た?>>78

大魔王(♂)


大魔王「ふむふむ、ここが魔王の店か。いやぁ素晴らしい」

魔王「ぱ、パパ!? どうしてここに!?」

大魔王「わはは、来ちゃった(テヘッ」

魔王「テヘッじゃない!」

大魔王「だって勇者君から魔王がメイド喫茶やるって聞いたのに魔王ったらちっとも教えてくれないんだもん」

魔王「こ、こんな恥ずかしい恰好を親に見せられるか!」

大魔王「大丈夫、魔王は今この店の誰よりも輝いているよ」

魔王「んにゃー!」ダダダッ!

大魔王「あ、逃げた」


魔秘書「あら、お久しぶりです大魔王様」

大魔王「おう、久しぶり魔秘書ちゃん。どう、調子は?」

魔秘書「それなりですね。そちらもお変わりないようで」

大魔王「まぁな。ところで勇者君はどこにいるかな? ちょっと話したいことがあってね」

魔秘書「勇者様なら厨房にいらっしゃいます」

大魔王「ありがとう、魔秘書」


大魔王「やっほー勇者君」

勇者「あ、大魔王さんじゃないですか。来てくれたんですね」

大魔王「ま、娘の様子を見にね。それに君との約束もあるからね」

勇者「例のモノは用意してくれましたか?」

大魔王「もちろんだ。はいこれ」

勇者「あざっす、大魔王さん」

大魔王「そんじゃ、ここの料理とメイドさんを堪能して帰るかね。勇者君、おすすめはなんだい?」

勇者「魔王が演じてる魔法少女メイドがおすすめですね」

大魔王「……分かってるじゃないか、勇者君」グッ!

勇者「いえいえ、大魔王様ほどでは」グッ!


大魔王「では頑張りたまえ、勇者君」

勇者「御意」

大魔王「あ、魔王の写真焼き増ししとくけど買うかい?」

勇者「1ダースください(大魔王さん、さすがにそれはモラルに反すると思います)」

魔秘書「私は4ダースお願いします(本音と建前が逆です、勇者様)」

猫人メイド『似た者同士ニャー』


魔王「おい、サボるな勇者! あと魔秘書も」

勇者「ごめんごめん、大魔王さんと話しこんじゃって」

魔王「注文が詰まってる。他のスタッフと一緒にこのリストにあるものを作ってくれ」

勇者「了解」


勇者料理中……


勇者「ほい、魔王」

魔王「よしきた」

勇者「昼時が近いせいか客の出入りが激しくなってきたな…」

勇者「ここからが踏ん張り時だ」


魔王「勇者! くたばれ豚野郎を3つ!」

勇者「あいよ!」

魔秘書「勇者様、あら奥さん、いつもどうもを2つお願いします」

勇者「おう!」

大魔王「勇者君! 魔王のナイスショットを100枚!」

勇者「よしきた!」

勇者「富竹フラッシュ!」パシャ!パシャ!パシャ!

魔王「んにゃー!!??」


『どうなってんだ、この店はヨ!!』

『す、すすすすみません! すみません!』

『すみませんすむかヨ! どうすんだよ、この服の汚れ! 落ちるかどうかわかんねぇじゃねえかヨ!!』

勇者「ん? なんだあれ?」

勇者「おい、魔王どうした?」

魔王「ドジっ娘メイドがやらかしたらしい。客の服にジュースをこぼしたそうだ」

魔王「まずいな…。騒ぎを起こせば店に悪影響が及ぶかもしれない……」

勇者「俺が出よう」

魔王「いや、私でいい。魔秘書、すまないがほかのメイドと客を頼む」

魔秘書「分かりました。お気をつけてください、魔王様」


dqn「責任者出せヨ! 文句を言ってやんヨ!」

ドジ娘「すみません! すみません!」

魔王「ドジっ娘、いったん下がってくれ」

ドジ娘「魔王様…」ウルウル

魔王「お客様、うちの者が大変失礼をいたしました」

魔王「つきましては今回の代金は不要とさせていただきます」

魔王「それと、洗浄用の代金もお払いいたします」

dqn「たりめぇだろうがヨ! それくらい当たり前の話だってんだヨ!」

dqn「てめぇんとこの部下はどうなってんだヨ! ちゃんと教育がなってないんじゃないのかヨ!!」

勇者「…………」ギリッ

魔秘書(勇者様! 落ち着いてください!)

勇者(だけど!)

魔秘書(あなたが出て行ったらわざわざ魔王様が出て行った意味がないでしょう)

魔秘書(魔王様が自ら出て行った意味をよくお考えになってください!)

勇者(くそっ!! ………魔王)


『ヒソヒソ』『ザワザワ』『クチュクチュ』

勇者(まずいな…、不安が店に充満し始めてる)

勇者(どうすんだ、魔王…)

勇者(下手な芝居を打てば、この店自体がもたないぞ)

魔王「申し訳ありません。完全に当方の責任です」

dqn「謝られてもさぁ、こっちはなんも徳しねぇんだヨ」

dqn「払うもん払うのは当たり前だしヨ。まだなんかいるんじゃねぇのかヨ?」

魔王「と、申しますと?」

dqn「お前、体つきは貧相だけど中々可愛いじゃんかヨ?」

dqn「俺の女になるってんなら今回の件は見逃してやってもいいんだゼ?」

魔王(クソが……)

勇者(ぶっ殺す……!!)

大魔王「もしもし? ああ、私だ…」


勇者(もういい! 俺が…!)

魔秘書(ゆ、勇者様!)

???「ちょ、ちょっと待ってほしいんだな!」

dqn「あん?」

魔王「あ、あなたは…」

キモオタ1「ボ、ボク、見てたんだな。あ、あんたが足を出してドジっ娘メイドちゃんを無理やりこかせたところを!」

勇者「なに…!?」

dqn「んだテメェ? 俺に言いがかり付けようってんのかヨ!」


キモオタ2「デュフフwwww拙者も見てたでござるwwwwドジっ娘メイドちゃんマジ天使wwww」

キモオタ3「ボwwwクwwwらwwwのwwwてwwwんwwwしwww。dqnマジワロスwwwww」

キモオタ1「これが問題のシーンなんだな」

勇者「あれは…カメラ?」

魔王「あ…!?」

勇者「あの糞野郎が足出してんのは本当だったのか!? しかもそこはドジっ娘メイドが通る場所…」

魔秘書「キモオタさん達は正しかったということですね」


キモオタ2「いいがかりはどっちでござるかwwww拙者らの目はごまかせないでござるwwww」

『そうだそうだ!』『キモオタなめんなよ!!』『魔王ちゃんペロペロ』『みwなwぎwっwてwきwたw』

dqn「うるせぇヨ! 黙れヨキモオタども!!」

魔王「さて、決定的証拠がある以上、私たちの罪は不問となりますねお客様?」

dqn「んだと?」カチン

dqn「調子にのんじゃねぇヨ!!」

ガッ!!

勇者「おっと。うちのかわいいメイドさんに手を上げるのはやめてもらおうか」

dqn「テメェ、だれだヨ!?」

勇者「俺か? 俺はな…」

勇者「メイドを…、いや、魔王をこよなく愛する勇者だよ!!」

魔王「…………///!?」ボンッ!

魔秘書「あらあらまぁまぁ」

大魔王「今夜はお赤飯だな」ウムウム


長らく空けてしまって申し訳ない。私用で泊まりに行ってました。

( ・д・)つ旦<詫びの茶だ、飲め!



dqn「調子に乗りやがってヨ! こうなったらテメェをブッ飛ばっしてやんヨ!!」ブンッ!

勇者「おいおい、言わなかったか?」ヒョイ

勇者「俺は勇者。この世で最強の人間だぜ?」

dqn「ハッ! 勇者なんて何十年も前の話じゃねェかヨ! そんな日和ったやつに負けるかってんだヨ!」ブンッ! ブンッ!

勇者「日和ったかどうかは…」ガッ!

勇者「自分の身体で試してみろよ!!」ブゥンッ!

解説役「おぉっとぉ! ここで勇者選手の軽やかな背負い投げ!」

魔王「お前どっから出てきた!?」


dqn「ギエピー!?」ドカッ!!

dqn「こ、この野郎!! 店員が客に対して暴力を振っていいのかヨ!? 俺はお客様だぞ!!」

勇者「営業妨害をしておきながら何を今さら…」フンッ

勇者「それに、走りかかってきたあんたが偶然にも俺の体を超えてこけただけじゃないか」

dqn「思いっきり投げてただろうがヨ、テメェヨォ!!」

勇者「いい加減あんたにもうんざりなんだ。早く出て行ってくれねぇかな?」

dqn「テメェに一発くらわすまでは出ていくわけねぇだろぅがヨ!!」

勇者「そか、それじゃぁ仕方ない。俺は店員だから荒事はできないんだよねぇ」

魔王「見事な背負い投げをしておいて…」

魔秘書「しっ! 魔王様、ここは黙って聞いておく場面です」


勇者「実は丁度都合よく血気盛んなこちらの方々が代理をしてくれるっていうんだよ」

漢1「俺の名前はハイパーゴッドジョン!!」ヌゥン!!

漢2「私の名前は汚ねぇカンフーウーマン!!」ビシッ!!

漢3「拙者の名前は楸影www忍者でござるwww」グフフ

漢4「ガァァァァァッ!! ウゴォォァァァァァァ!!」ボウソウチュウ

漢5「あーあ、出会っちまったか」ヤレヤレ

漢ども「我ら5人そろってムゲンジャー!!」

dqn「はっ? え、ちょ、はあっ!?」

勇者「じゃ、どうぞ外でごゆっくり~」

dqn「覚えてろヨ、テメェー……!!」

魔王「……随分と濃い奴らだったな…」

猫人メイド「というかオカマがいたニャー」

ずっと放置しててごめんなさい。とりあえず完結だけはさせます。



その後、魔王が店内の客に詫びを入れて、何とか騒動は収束した。

それからも客が途切れることはなく、忙しい時間を過ごし…、

最後の客がドアの鈴を鳴らした時、外はもう夕暮れの茜色に染まっていた。



『アリガトウゴザイマシター!』

魔王「やれやれ、ようやく終わりだな…」

勇者「」

魔秘書「お疲れ様です、勇者様」

勇者「み…、みずを……」

魔王「そら」ミミズチョロチョロ

勇者「そんなベタなギャグはいらない」


魔秘書「さて…私は売り上げを確認して報告してきますから…」

魔秘書「少しの間、お二人で片付けの方よろしくお願いしますね」

魔王「ああ、任せろ」

魔秘書(勇者様、お膳立てはしました。後は頑張ってください)

勇者(ああ、ありがとう)

『ニャーモイクニャー』『ナラツイテキテ』カランカラン

魔王「…………」

勇者「…………」

魔王「片付けするか…」

勇者「そうだな…」



魔王「なあ…勇者」

勇者「ん?」

魔王「結局、お前の言ってた秘策ってなんだったんだ?」

魔王「開店中も特にこれといったものもなかったし」

魔王「思いつかなかったのか?」

勇者「そんなことはない。俺の秘策はきちんと役目を果たしてくれたよ」

魔王「???」

勇者「君の着ているそれ…、俺が作ったやつなんだ」

魔王「!?」



勇者「街のメイド志向の統計とって設計すんのって意外と大変なんだなぁって痛感したけどね」

魔王「じゃ、じゃあ秘策っていうのは…!?」

勇者「そ。その服を着てる君のことだよ、魔王」

魔王「わ、私はてっきりパパから受け取ってたあれがそうだとばかり…」

勇者「あー…、うん。まぁ、これも一応重要なんだけど…」

勇者「なぁ魔王。ちょっと渡したいものがあるんだけどいいかな?」

魔王「別にかまわんが…」



勇者「これなんだけど…」ソッ

魔王「!?」

魔王「こ、これって…!?」

勇者「大したものは用意できなかったんだけどね…」

勇者「君に贈る指輪だよ、魔王」

勇者「魔王、俺と…結婚してくれ」

魔王「…………!!」



勇者「俺は君が好きだ」

勇者「この世界の誰よりも、そしてこの世界の何よりも俺は君を愛している」

魔王「それって……プロポーズ?」

勇者「ああ。そうだ」

勇者「君が俺を受け入れてくれるというのなら、これを受け取ってくれ」

魔王「私は……」


…………………
……………
………



………
……………
…………………


リンゴーンリンゴーン

魔秘書「なんていうか…天晴れなまでの晴れ空よねー」

『ほんとだニャー。清々しいまでに青いニャー』

魔秘書「まあ、あの人たちを思えばめでたいとは思うんだけどね」

大魔王「…………(号泣)」

魔秘書「あら、大魔王様」

大魔王「子はいつか…親の元を離れるんだねぇ(号泣)」

魔秘書「そうですねぇ…」


魔秘書「あーあ、なんか妬けちゃうな…」

『勇者にかニャ?』

魔秘書「ううん、あの二人によ」

魔秘書「幸せそうな顔しちゃってさ」

魔秘書「私にも来ないかなー、幸せ」

『いつかきっと来るニャー』

大魔王「母さん、今君の娘は立派に親元を巣立ちますよ…(涙目)」




勇者「魔王、俺は君に永遠の愛を誓うよ」

魔王「だったら私も君に永遠の愛を誓おう」

魔王「ずっとずっと…一緒にいような、勇者!!」



episode end

最後かなり駆け足になりましたが、このssはこれで終了です。

このssを見てくださった方々、保守してくださった方々、そしてレスをくださった方々、本当にありがとうございました。

途中、放置しちゃった部分もあり、かなりご迷惑をおかけしましたが、無事完結を迎えることができました。

これを読んでくださった方々に至上の感謝を、そしてこれからの人生に幸あらんことをお祈りし、挨拶とさせていただきます。

魔王と勇者のいちゃラブを想像しながら、ゆっくり余韻を楽しんで行ってね!!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom